迷宮災厄戦㉑~レディの野望を阻め!
●レディ・ハンプティの野望
わたくしの狙いは、「アルダワ魔法学園」の西方、諸王国連合。魔導列車が横断し、蒸気魔法文明最も華やかなる、あの世界の要となる地。わたくしはその地で、父様の災魔を「蒸気獣」に変え、放ちます。
きっと、大事故が起こりましょう!
その被害を利用すれば、わたくしでも新たな災魔を産めるようになります。
ああ、父様。あなたの無念を思うだけで、乳房の下の口がわななきます。
どうか、見守っていてくださいね、アウルム・アンティーカ父様……!
●刹那の絶叫(ダブルミーニング)
「そんな邪魔な乳房、もぎ取って差し上げますわぁぁぁぁああああ!!!!!!!」
予兆の内容を改めて確認していた深護・刹那(花誘う蝶・f03199)は絶叫した。ぜーはーぜーはー、目がギラリ。
しかしハッと思い出す。ここはグリモアベース、そして自分はグリモア猟兵のお仕事中だったことを。
すーはー息を整えて、髪の乱れを直して。集まってくれた猟兵たちに天使の微笑で話しかける。
「失礼。個人的な話ですので忘れてくださいませ」
にしたって私怨がだだ漏れ過ぎじゃなかろうか。いくら胸元がぺたんだからって。
そんな生暖かい視線を感じて、刹那はこほんと咳払い。
「と、とにかく。予知の内容をお伝えしますわね」
誤魔化す方向に入ったようだ。
●カラミティ・レディ
レディ・ハンプティはアルダワ魔法学園を狙う猟書家だ。その狙いのためか、彼女がいる国は、魔導列車が走り回り、蒸気建築に埋め尽くされた、大都会のような国である。
「その手に持つのは『侵略蔵書「蒸気獣の悦び」』。それを使って攻撃してきますわ」
そして、攻撃手段がもうひとつ。
「それが、がばっと開く牙だらけの『乳房の下の口』ですわ」
ギリィと歯ぎしりが聞こえたかもしれないが気のせいである。
「しかしこの下の口。大魔王の娘というのは伊達ではないようですわね」
そんな彼女がアルダワ魔法学園に侵略したら。その影響は現時点では測ることはできない。
「しかし逆に言えば、今なら干渉できます」
そう言って刹那は猟兵たちに力強く頷く。
「皆さんのお力で、レディ・ハンプティの野望を阻止してくださいませ!」
レディ・ハンプティは戦闘の際、必ず先制攻撃を仕掛けてくる。
「それを如何に防御、または回避して、攻撃に移るかがポイントですわ」
レディ・ハンプティの先制攻撃は猟兵たちが使用するユーベルコードに影響される。持ち込むユーベルコードを選ぶことによって対策も打ちやすくなるだろう。
また、見た目にとらわれず、きっちり対策を練っていって欲しい。
「猟書家の中でも強さのランキングがあるようですが」
例えば、書架の王が一番強いというように。
「いずれにしても、レディ・ハンプティも強敵ということは変わりませんわ」
ゆめゆめ油断されませんように、と刹那は猟兵の身を案じながら、グリモアを取り出す。
「わたくしの代わりにレディ・ハンプティの胸をもぎ取……こほん、レディ・ハンプティを倒してきてくださいませ!」
零れかけた私怨を飲み込んで、刹那は猟兵たちをレディ・ハンプティの元へ送り込むのであった。
るちる
こんにちはとかこんばんはとか、るちるです。お世話になってます。
やっとハンプティだー! 迷宮災厄戦、猟書家の戦い第二段お届けします。
こちらも承認後なるはやで書き上げる予定です。
シナリオの補足です。
このシナリオフレームには、下記の特別な『プレイングボーナス』があります。
(=============================)
プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。
(=============================)
ボス戦では毎度お馴染みですね。
相手からの先制攻撃をどう防御、回避するかがポイントになります。その後は得意な戦法に持ち込んでやってください。
ちなみに胸をもぎ取ろうとすると、もれなくリプレイがギャグっぽくなりますが、プレイングボーナスがつきます。刹那のシエン(私怨と支援)です。
オープニングに書かれていない事項は勝手に設定頂いて構いません。
それではご参加お待ちしています。
第1章 ボス戦
『猟書家『レディ・ハンプティ』』
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POW : 乳房の下の口で喰らう
【乳房の下の口での噛みつきと丸呑み】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : アンティーカ・フォーマル
【肩の蒸気機関から吹き出す蒸気を纏う】事で【武装楽団形態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 侵略蔵書「蒸気獣の悦び」
【黄金色の蒸気機関】で武装した【災魔】の幽霊をレベル×5体乗せた【魔導列車】を召喚する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
神坂・露
レーちゃん(f14377)と。
あたしだってする時はするんだから!
え?急に大声だすな?えへへ…気合いをね。
先制は綺麗なおねーさんから…だったわね。
見切りとか野生の勘とかで回避をしてみるわ。
オーラ防御で自分の身も護っておくわ。
『クレスケンスルーナ』使った【反光の月】を。
(早業、破魔、2回攻撃、継戦能力、ダッシュ)
技の力とあたしの速度を限界突破して挑むわ。
倒すのは難しくても…怯ませるくらいなら…!
身体にぶつかる位に接近して一撃喰らわせるわ。
おねーさんが驚くくらい。恐怖はないのって思うくらい。
怖くないの…って?そんなの決まってる。怖くないわ♪
だってだって。あたしにはレーちゃんがいるんだもん♥
シビラ・レーヴェンス
露(f19223)と。
そうか。気合いか。そうだな。強敵だからな。
言葉の意味はさっぱりわからんが…まあ頑張れ。
先制の対応は野生の勘と第六感による回避。
直ぐに次の行動に移れるように工夫して避ける。
レディには私の最も火力が高い術での相殺を試す。
現時点では【滅術呪】だな。破魔と多重詠唱も付与。
(早業、高速詠唱、全力魔法、範囲攻撃、限界突破)
放つタイミングは露の攻めで露に気がそれている時。
または露が回避する挙動をした時に行使しようと思う。
ん?回避の挙動だけの判断では露も巻き込む?
問題ない。あの子も中堅の猟兵だ。巻き込まれんだろう。
だが巻き込まれる恐れがある場合は行使を中断する。
…巻き込むのは違うからな。
●
猟書家『レディ・ハンプティ』に真っ先に遭遇したのは、神坂・露(親友まっしぐら仔犬娘・f19223)とシビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)であった。
「あたしだってする時はするんだから!」
いきなり叫び出す露に。
「急に大声だすな」
シビラがツッコむ。
「えへへ……気合いをね」
「そうか。気合いか。そうだな。強敵だからな」
『言葉の意味はさっぱりわからんが』という単語は飲みこみつつ。
「……まあ頑張れ」
一応、激励して終わるシビラ。
「お話は終わりまして?」
シビラと露がレディ・ハンプティの方を向いた瞬間。レディ・ハンプティの攻撃が始まった。
レディ・ハンプティの侵略蔵書「蒸気獣の悦び」から召喚される、災魔の幽霊を乗せた魔導列車。それがシビラ向けて突撃してくる。
「ちっ」
突撃の瞬間を野生の勘と第六感で捉え、横っ飛びで回避するシビラ。しかし、その上から災魔幽霊の射撃が断続的にシビラを襲う。
(直ぐに次の行動、とはいかないか!)
続けざまに回避しながら、機を狙うシビラ。
「レーちゃん!」
「貴女のお相手はわたくしが直接」
攻撃を受けているシビラに駆けつけようとした露に、いつの間にかアンティーカ・フォーマルで自身を強化したレディ・ハンプティが肉薄している。
「わぁっ!?」
レディ・ハンプティがハンマーのように振り抜いた侵略蔵書をスウェーバックで回避する露。しかしレディ・ハンプティの攻撃は一撃で終わらず、二撃、三撃と続いていく。
「きゃっ」
かすめそうになったレディ・ハンプティの手刀をオーラ防御で弾く露。
「もう!」
頬を膨らませながら応戦を決めた露は腰から『クレスケンスルーナ』を引き抜く。ダッシュで懐に踏み込んだ露の【反光の月】が鋭く2回、レディ・ハンプティの肌を斬り裂く。
「……いいでしょう」
レディ・ハンプティの呼び出した魔導列車からの攻撃、その目標が露に変わるのであった。
「振り切ったか」
追撃を何とかかわし切ったシビラは、レディ・ハンプティと魔導列車相手に善戦している露を見据えて。
『Stai în fața mea Tuturor prostilor…』
【滅術呪】の詠唱を始める。
(レディには私の最も火力が高い術での相殺を試す)
現時点では【滅術呪】が最適だ。詠唱の時間が長いほどに威力を増す【滅術呪】に高速詠唱と多重詠唱を重ねに重ねていくシビラ。
露の動きが徐々に鋭くなっていく。それは【反光の月】の効果。攻撃が命中すればした分だけ、敵の動きを覚えていく。そして、その動きを見切る!
(倒すのは難しくても……怯ませるくらいなら……!)
技の力と速度を以て限界突破して挑む露。放たれた【反光の月】の一撃が、レディ・ハンプティの胸元を大きく斬り裂いた。
「ぐっ……」
そのダメージに思わずよろめくレディ・ハンプティ。
そこへ。
『 Dă distrugere în mod egal!』
シビラの、限界突破した全力の範囲魔法攻撃。破魔の力を乗せた【滅術呪】が放たれる。その範囲には露もいるわけだが。
(問題ない。あの子も中堅の猟兵だ。巻き込まれんだろう。)
その思惑通り、露はしっかり回避して。
「あぁぁーっ!!!」
消滅の閃光がレディ・ハンプティと災魔の幽霊を乗せた魔導列車を飲みこんでいくのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と
ん、強敵(こくり頷き、ぐっとレディを見据え)
ご立派……(眺めて)
負けない!
蒸気が発生するのが合図
今迄の戦闘知識と第六感でレディの攻撃位置を予測し直撃を回避
でも初撃の回避は至難の業
幅広の大剣の灯る陽光を盾に武器&オーラ防御
更に跳返の符を装備しておき、跳ね返す事で威力の軽減を狙う
そのままうさみん☆ダンス!
まつりんや猟兵達に手を繋ぎ勇気を分かち合う絆の踊り
貴女「達」の絆には負けない
増大した分の速さを相殺すれば、ただ蒸気で周囲が見えにくいだけ
それを逆手に取り、まつりんに合わせて一気に近接
灯る陽光を一番防具が薄いご立派な胸に向け振り切る
ほら、骸の海でお父様がお待ちしてる
木元・祭莉
アンちゃん(f16565)と。
強敵だよ、落ち着いて行こう!
黒づくめの姉ちゃん。
顔が見えないのが残念だなあ。
近接攻撃の弱点は、よーく知ってる。
それに……噛み付きにくくない?
口の上の盛り上がりが立派過ぎて!
攻撃が来たら、ジャンプして空中へ!
常に姉ちゃんより高い位置に付き、噛み付き攻撃の精度を落とすよ。
丸呑みしようと高速で近付いてきたら、如意な棒を伸ばしてつっかえ棒にする!
仲間と連携し、空中でダッシュとジャンプを繰り返し、幻惑。
次はこちらの番だ!
花狼咆哮、スイッチオン!
歌で楽団の演奏を打ち消しつつ。
幻影の扇を呼び出し、次々とぶつけ。
絆で縛り上げ、高所から投げ落とす!
落っこちたら元には戻らない。
よね?
●
「ふぅ。わたくしとしたことが……」
消滅の危機をどうにか凌いで、猟書家『レディ・ハンプティ』は呼吸を整えていた。
振り切った猟兵どもも後で潰さねば。そんなことを考えながら、近付いてくる気配に気付く。
「強敵だよ、落ち着いて行こう!」
それは木元・祭莉(おいらおいら詐欺・f16554)と。
「ん、強敵」
こくりと頷きを返し、レディ・ハンプティを見据える木元・杏(だんごむしサイコー・f16565)。
「……ご立派……」
あの、どこ見ましたか杏さん? そして見比べました?
「負けない!」
改めて、ぐっと拳を握る杏でした。
そんな二人のやりとりに、口元に笑みを浮かべるレディ・ハンプティ。
「まあ。とても愛らしい……食べてしまいましょう」
そう言って、レディ・ハンプティは攻撃を仕掛ける。
(黒づくめの姉ちゃん。顔が見えないのが残念だなあ)
とか思いながら攻撃に備える祭莉。
急接近してくるレディ・ハンプティ。その乳房の下にある口ががぱっと開く。
(近接攻撃の弱点は、よーく知ってる)
と足に力を籠める祭莉。噛みつきの口が肉薄する中。
「……噛み付きにくくない? 口の上の盛り上がりが立派過ぎて!」
「っ!?」
そう言って祭莉は空中へジャンプ! 噛みつきを回避する。
「ここまでおいでー」
そのまま空中戦へ移行して、祭莉は空中でダッシュとジャンプを繰り返し、レディ・ハンプティを幻惑する。
至近距離でしか使えない噛みつき。空に退避した祭莉に対して、レディ・ハンプティは標的を切り替える。
「小さなレディを置いていくなんて」
「……!」
レディ・ハンプティが杏の方を向き直る。アンティーカ・フォーマル。レディ・ハンプティの肩にある蒸気機関から蒸気が吹き出す。
(合図、きた!)
しかし、それは杏が待っていた瞬間でもあった。
高速で突撃してくるレディ・ハンプティの攻撃を、杏は今迄の戦闘知識と第六感で予測して回避……。
「動きがぎこちなくてよ?」
「うっ!」
初撃のためか、予測が外れて回避しきれず。咄嗟に幅広の大剣に変形させた『灯る陽光』にオーラを纏わせて、レディ・ハンプティの攻撃を受け止める。
「さぁ、このままわたくしに食べ……っ?!」
そのまま吹き飛ばそうとしたレディ・ハンプティ。しかし、その威力は『そのまま自分に返ってきた』。
「やった」
ぐっ、とガッツポする杏。実は展開した灯る陽光に『跳返の符』を貼ってあったのだ。衝撃によるダメージはともかく、直接の威力は全部はね返して、杏の怪我は軽微。
「うさみん☆、よろしく」
そしてその隙に。杏の【Shall we Dance?】発動。Let'sうさみん☆ダンス!
披露されるうさみん☆ダンスを楽しめないレディ・ハンプティの行動速度が激減する。
(これはまつりんと手を繋ぎ勇気を分かち合う絆の踊り)
うさみん☆の動きを見て、さくっと空中から降りてきた祭莉もダンスの中に混じっている。
「貴女『達』の絆には負けない」
杏の言葉がレディ・ハンプティに叩き付けられた。
「スイッチオン!」
踊りながら、祭莉が持っていたスピーカー『花狼咆哮』のスイッチを入れる。再生される祭莉の歌。
「なっ……?!」
不意の大音量に一瞬くらっときたレディ・ハンプティの隙に。
祭莉が【遮那王の刻印】で呼び出した舞扇の幻影を次々と投げつける。
「そりゃー!!」
行動速度が激減し、逆に蒸気で視界を遮られたレディ・ハンプティに祭莉の攻撃を回避することはできず。
舞扇の幻影が命中ごとに爆発するレディ・ハンプティ。そして祭莉とレディ・ハンプティを『オトナには見えない夢色の絆』で繋ぐ。
「そして、こう!」
見えないことを利用して、その絆でレディ・ハンプティを縛り上げる祭莉。
「アンちゃん!」
レディ・ハンプティを完全に拘束して身動きを封じた祭莉が叫ぶ。
「ん」
灯る陽光を攻撃態勢にシフト。鋭く長く伸ばした白銀の光の切先をレディ・ハンプティに向ける杏。
一気に接近して、レディ・ハンプティの『一番防具が薄い』ご立派な胸に向けて振り切る!
「ほら、骸の海でお父様がお待ちしてる」
杏の一閃がレディ・ハンプティの胸元を大きく斬り裂くのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シルヴィエート・ラーヴル
わかります、わかりますとも…!!
あのような下品な力…もぎ取って叩き潰して差し上げますわ…!!!!!(すとんとなっている胸を張りながら)
近接でしか発動できないのであれば対処もしやすいもの…!!
『молитва』から冷気を集めて氷結の盾を多数展開
属性攻撃・全力魔法・吹き飛ばしを組み合わせて攻撃に合わせてその余分な脂肪に喰らわせて差し上げますわ!!
氷でも喰らってお腹でも壊してしまえばよくってよ!!
そして、私の…いえ、私だけでなくその無駄にでかいアレに敵意を持つ皆の気持ちをおかわりで持っていってくださいまし!
UC発動
ハンプティを捕らえたなら氷結の鎖で縛りつけ、力任せに地面に叩きつけてやりますわ!!
●
縛り上げられた状態で投げ捨てられた。
そんな屈辱的な状態から、なんとか復帰した猟書家『レディ・ハンプティ』。
「はぁっ、はぁっ……何なのですか、一体」
その身は健在なれど、ダメージが蓄積しているのも事実。一度態勢を立て直さねば。
そう考えていたところへ、猟兵がひとり、立ち塞がる。
「わかります、わかりますとも……!!」
何か知らないけど追い込まれているっていうか、今にも噛みつきそうな表情のシルヴィエート・ラーヴル(お姫様Lv1・f25627)であった。
じっと見据えるのは、胸囲の格差である。すなわち、たゆんとすとん。
「あのような下品な力……もぎ取って叩き潰して差し上げますわ……!!!!!」
「……あ、あの?」
すとんとなっている胸を張りながら絶叫するシルヴィエートに、レディ・ハンプティも若干引き気味だったりする。
「さぁ! その女子力(乳房)をよこしなさい!!」
「怖いのですが!!」
もぎ取ろうと急接近したシルヴィエートに対して、びびりながら乳房の下の口を開くレディ・ハンプティ。
だがしかし、ここに至ってシルヴィエートは冷静だ!(訳:もぎ取らないといけないので!)
(近接でしか発動できないのであれば対処もしやすいもの……!!)
『молитва』。自身の冷気を吸収する祈りの手袋を通じて、氷結の盾を多数展開するシルヴィエート。噛みつきをそれらの盾で受け止める!
そして。
(イメージは、属性攻撃・全力魔法・吹き飛ばしを組み合わせ……)
これを盾からカウンターのようにして放つ。そのイメージ……構築して、実際にぶっ放すシルヴィエート!
「その余分な脂肪に喰らわせて差し上げますわ!!」
「きゃぁぁぁぁぁぁっ!!」
執拗に狙われる胸に直撃を喰らうレディ・ハンプティ。
「その! 余分な脂肪に!」
「余分ではありません!」
大事なことなので2回言ったシルヴィエートに、さすがのレディ・ハンプティもオコである。余分じゃないと言い切られたので、舌打ちしてシルヴィエートが叫ぶ。
「あなたなんか氷でも喰らってお腹でも壊してしまえばよくってよ!!」
「くっ……何と戦っているのかわからない上に、どうやっても逃げられそうにないのですが!」
もう目の前の猟兵は手が付けられない。そんな予感をひしひしを感じるレディ・ハンプティ。
「私の怒り思い知りなさいませ!」
そんなレディ・ハンプティの心配はよそに、ユーベルコード【гнев змея】発動である。シルヴィエートが敵意を抱く相手、すなわちレディ・ハンプティを追い回す氷の蛇が召喚される。
「私の……いえ、私だけでなくその無駄にでかいアレに敵意を持つ皆の気持ちをおかわりで持っていってくださいまし!」
完全な敵意とは珍しいものである。とにかく発動条件バッチリで氷の蛇がレディ・ハンプティに直撃する。直後、爆破してレディ・ハンプティとシルヴィエートの間に氷結の鎖がもたらされた。
「くっ、こんな乳房にしたのはお父様なのに!」
鎖に動きを封じられながらも愚痴を言うレディ・ハンプティ。
「問答無用!」
「せめて聞いてくださいませ!?」
そんな理由もまったく受け付けてもらえず。汝は巨乳、罪ありき。
「叩き付けて差し上げますわ!!」
繋がった氷結の鎖で縛り上げた後、全力を振り回して力任せに地面に叩き付けるシルヴィエート。その後ハンマー投げのように投擲するのでした、まる。
大成功
🔵🔵🔵
鈍・小太刀
猟書家なんて、また厄介な敵が出て来たものね
オーラで防御固め
注意深く相手を見切り…なんて胸!?
一体何を食べたらそんなに大きくなるのよ!
いいえ、どれだけふくよかでも
口がある以上あれは上唇
あの膨らみはハムスターの頬袋の様なものだわ
冷静に冷静に
噛みつきへの対処法は…
全力疾走で逃げるよ脱兎の如く
【残像】の【フェイント】で撹乱
狭い隙間をすり抜け【地形利用】
撒菱やバナナの皮で滑らせたり【罠使い】
何としても30cm以上の距離で逃げ切ってやるんだから!
敵のペースが乱れてきたら
メタルにゃんこを頭に乗せて攻勢に転換
刹那、貴女の『しえん』は確かにここに
私達の想いと願いと破魔の力を込めて
渾身の剣刃一閃を!
※アドリブ歓迎
●
「まったく……ひどい扱いを受けましたわ!」
なんというか、ある意味理不尽な。その乳房の大きさゆえに、最後はまるで物のように投擲された猟書家『レディ・ハンプティ』。めっちゃ全力で投げられたせいで猟兵を引き離すことが出来たが、見た目によらず意外とダメージが蓄積している。このままでは。
「猟書家なんて、また厄介な敵が出て来たものね」
そんなレディ・ハンプティの前に立つのは鈍・小太刀(ある雨の日の猟兵・f12224)。既に臨戦態勢、全身を淡くオーラの光が防御を展開している。
そんな小太刀は注意深く相手を見切ろうとして……とある一点で視線が止まった。
「……なんて胸!?」
「はい?」
小太刀の叫びに、首を傾げるレディ・ハンプティ。その拍子に大きな乳房がたゆんと揺れる。
「一体何を食べたらそんなに大きくなるのよ!」
「いえ、造られた時からこのように……」
おっと、小太刀の握り締めた手から血が出そうな勢いだ。すていすてい。
いや、違うそうじゃない。小太刀は改めて冷静に見定める。
「いいえ、どれだけふくよかでも、口がある以上あれは上唇」
まぁ構造上は確かにそう言えなくはない。なのでレディ・ハンプティも小太刀の言葉を黙って聞いていたのだが。
「あの膨らみはハムスターの頬袋の様なものだわ!」
「口に出して言うことではないと思うのですが!」
さすがのレディ・ハンプティもオコでした。
そんなに噛みつかれたいか、と言わんばかりにレディ・ハンプティの乳房の下にある口ががぱっと開く。それは威嚇のように。
(冷静に冷静に……)
まだ距離がある。すぐに噛みつかれるということはない。ならば、小太刀が打つ手はたったひとつ。
(全力疾走で逃げるよ脱兎の如く!)
くるっと踵を返して。レディ・ハンプティが動くよりも早く、小太刀は速攻で逃げの一手をうつ。
残像を残してフェイントを入れながら攪乱。大都会ならではの狭い隙間をすり抜け、時には撒菱撒いたり、バナナの皮で滑らせたりで徹底的にレディ・ハンプティから距離を取る小太刀。
「ああもう! 何なんですの!!」
なかなか距離を詰められないレディ・ハンプティが激オコである。というか、最早ただのおいかけっこになっているんですが、これ。
しかし、相手のペースを乱すことも小太刀の作戦だったのだ!
(今なら、いけるはず!)
ここが攻め時と。くるりと反転して、頭の上に乗せるのはメタルにゃんこ(群竜大陸産動く金属塊)。
「刹那、貴女の『しえん』は確かにここに」
ナイバスト同盟の盟友(?)を思い出しながら、小太刀は日本刀を抜き放つ。
「私達の想いと願いと破魔の力を込めて、いざ……って、うえぇぇぇ溶けたぁぁぁぁぁぁ!?」
「?!?!」
動揺する小太刀。何故かって言うと頭の上に乗せていたメタルにゃんこが溶けたのである。てろーんって感じで。
立ち止まった小太刀を頭からかじってやろうと、口を開いていたレディさんも思わずびびって退くほどに。溶けてにゃんこの形を保てず、小太刀の上でベレー帽みたいになってるメタルにゃんこ。
「ちょっ、なんで!? 今決めるところ、ってシリアスだからかー!?」
メタルにゃんこの性質:『シリアスな雰囲気を感じると溶けちゃうらしい』。つまり! 小太刀の決めセリフに反応したのだ!
「えーと……」
あれ食べても大丈夫だろうか? そんな想いがよぎったレディ・ハンプティ。下手するとお腹壊しそうである。アレ、きっと他世界のフォーミュラの残滓だし。
そうやって悩んでいるレディ・ハンプティとあわあわしている小太刀のぐだった雰囲気に、徐々に猫に戻るメタルにゃんこ。
「ふぅ。それじゃ改めて、渾身の【剣刃一閃】!!!」
「決めが雑い!?」
「だって、また天気雨が溶ける前に決めないと!!」
切実な想いでレディ・ハンプティの懐まで飛び込んだ小太刀の一閃が、胸の辺りを真横に斬り裂いたのである。
なお、その後。
「ね、ねこがねころんだ!」
「ふとんがふっとんだ!」
オヤジギャグでなんとかメタルにゃんこを元に戻した小太刀でした。
大成功
🔵🔵🔵
真月・真白
アドリブ連携歓迎
●心情
初陣、緊張しない筈は無い
けれど皆と現在を進むと決めたから
●対策
事前に列車のコースやタイミングを把握しておいて
追い詰められたように見せかけ噛みつかれる直前に傍を走った列車へフック付きロープをかけて一気に距離を取って回避
●攻撃
本を開いてUC詠唱
再演するのは竜神山脈より発った賢竜オアニーヴが、魔王に大打撃を与えた、人類反撃の日の記述!
オアニーヴを模した蒼炎に乗り強襲、魔王を克した光の爪の引き裂きを与える
「貴女個人の憎しみは、わかります。ですが未来へ歩もうとする人々の邪魔はさせません!」
その想いは僕が、猟兵(ぼく)達が引き受けましょう、と斃れる最後まで真正面から向き合います
フリル・インレアン
ふええ、ア、アヒルさん、あれをやるんですか?
あれは恥ずかしいですよ。
アヒルさんは一度言い出したら聞かないですから、我慢してやりますよ。
いましたよ、いましたよ、帽子の上のアヒルさん。
猟書家さんがいました。
これでいいですか。
そうこうしている内に魔導列車を呼び出されてしまいました。
ガラスのラビリンスの壁で挟んでしまえば、魔導列車も動けませんよね。
災魔さんの幽霊は壁をすり抜けられるかもしれませんが、武装した蒸気機関が通れないはずです。
●
「何なんですの。あの方たち……」
執拗に胸を狙ってくる猟兵たちには付き合っていられないと、全力で撒いた猟書家『レディ・ハンプティ』。とはいえ、雰囲気がふざけていても、その攻撃の悉くが常に全力だった。レディ・ハンプティに蓄積されたダメージはかなり大きい。
(一度、立て直す必要がありますわ)
まずは拠点に戻る。その一歩を踏み出そうとした時、眼前に割り込む影……はもちろん。
「いましたよ、いましたよ、帽子の上のアヒルさん。
猟書家さんがいました」
そう言って、頭の上に乗せているアヒルさん(不思議なガジェットらしい?)に呼びかけているフリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)。
「こ、これでいいですか」
と問いかけているところをみると、またいつも(?)みたいにアヒルさんから無茶振りがあったのだろうか?
あったらしい。
~回想シーン~ここに訪れる前のフリルとアヒルさん
ふええ、ア、アヒルさん、あれをやるんですか?
あれは恥ずかしいですよ。
アヒルさんは一度言い出したら聞かないですから、我慢してやりますよ。
アヒルさん何者なの。
それはさておき、そのフリルの側にいるのは真月・真白(真っ白な頁・f10636)であった。
(初陣、緊張しない筈は無い)
けれど、皆と現在を進むと決めたのだ。ならば、この場に立たない理由(わけ)が無い。
(そのための下準備は整えてきた。大丈夫、問題ないはずだ)
油断なく、そしてこの場に飲みこまれないように。真白はレディ・ハンプティと相対する。
そんな真白とフリルを見て、レディ・ハンプティは口元に笑みを浮かべる。
「ああ、あなたたちをぐちゃぐちゃにして、食べて」
その笑みは淑女とは言い難い、とてもいやらしいもので。
「そうしたらまた戦えそうですわ」
二人の猟兵を文字通り『喰らう』べく、レディ・ハンプティが動いた。
レディ・ハンプティが侵略蔵書「蒸気獣の悦び」から、災魔の幽霊を乗せた魔導列車を繰り出す。間髪入れずにレディ・ハンプティ自身もほぼ同時に駆け出して。魔導列車はフリルの方へ、レディ・ハンプティは真白の方へ。
「くっ」
「ふえぇ……」
迫る脅威に一瞬怯む二人。しかし、真白もフリルも動揺はしていない。
「まず、あなたから喰らってあげましょう」
急接近ののち、乳房の下の口をがぱっと開けるレディ・ハンプティ。目的はもちろん真白を頭から丸呑みすること。しかし、真白にしてそれは想定内。対策は
(ここです!)
用意しておいたフック付きロープを『真横に』投擲する真白。
「っ!?」
先端が魔導列車にひっかかる。その勢いを利用して、後方へ一気に飛び退る真白。距離感を狂わされたレディ・ハンプティの噛みつきはあえなく空を切る。
その魔導列車は一直線にフリルに向かっていた。
「わかりました。アヒルさん。こうですね」
言うが早いか、【ガラスのラビリンス】を発動するフリル。戦場全体が透明なガラスでできた、複雑な迷路に変化する。その通路の間に挟まれる魔導列車。
「これで動けませんよね」
ガラスの壁越しに魔導列車を見つめるフリルとアヒルさん。魔導列車の上から攻撃を仕掛ける災魔の幽霊たちたちだが、その攻撃も壁を越えることは出来ず。
完全に魔導列車の動きを封じたフリルであった。
ガラスの迷路が戦場を支配する。
その中で、相対する真白とレディ・ハンプティ。
直線の通路。しかし、今度は不意打ちを食らうタイミングではない。
「世界は『過去(じかん)』を棄てる。されど人は、『未来』への道標として……」
自分の本体である歴史書を開き、真白が唱えるのは【蒼炎が再演せし戦いの『年代記』】の詠唱。歴史(じんせい)に刻まれた記録(見てきたモノ)を以て再演するのは。
「これこそ、竜神山脈より発った賢竜オアニーヴが、魔王に大打撃を与えた、人類反撃の日の記述!」
真白の声に応えて、蒼き炎が賢竜オアニーヴの姿を模す。その上に飛び乗り、一直線にレディ・ハンプティへと飛ぶ真白。
「くっ、このようなマガイモノ……!」
咄嗟に魔導列車を呼び戻そうとするも、捕われた魔導列車が反応することは無く。
「ならば!」
乳房の下の口が噛みつこうにも、捉えることができない。
そしてその至近距離は。
「うかつですよ」
蒼炎オアニーヴの光の爪がレディ・ハンプティを引き裂く。
「ぐ、おのれ……わたくしは、アルダワに……」
よろめきながらも怨嗟の声をあげるレディ・ハンプティ。
「貴女個人の憎しみは、わかります。ですが未来へ歩もうとする人々の邪魔はさせません!」
真白の声に応じて、再度蒼炎オアニーヴが爪を振るう。今度はレディ・ハンプティの生存すら許さないほどに。
「あ。あ、あ……」
引き裂かれ、細い声を残して、レディ・ハンプティが消えていく。
「その想いは僕が、猟兵(ぼく)達が引き受けましょう」
そう告げた真白の前で。
猟書家『レディ・ハンプティ』は塵となって崩れ去ったのである。
【ガラスのラビリンス】が解除される。
「お、おわりましたか?」
若干びくびくしながら真白に話しかけるフリル。結果的にフリルの【ガラスのラビリンス】が、レディ・ハンプティと相対する真白の大きな助力になった。
「はい。……まだ、迷宮災厄戦は終わっていませんが」
それでもこの場において、ひとりの猟書家を倒したことは大きい。
フリルと真白は踵を返してこの国を後にするのであった。
大成功
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