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迷宮災厄戦⑮〜Making Candy House!

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦

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 甘くて、美味しい、お菓子の家。
 アリスや愉快な仲間達に、元気をくれる。とーっても素敵なおうち。

 きらきら、飴細工の動物さん。
 くるくる、色鮮やかなホイップクリーム。
 さくさく、メレンゲクッキーのお味はいかが?

 束の間の穏やかな時間、心を癒やしてくれたおうち。
 恐ろしいオウガから、守ってくれたおうち。
 沢山の思い出が詰まった、でも――バラバラになる時は一瞬。
 見るも無惨な跡地では、悪い子供達が獲物を待っている。

 くすくす。くすくす。
 お菓子はどこだ?早く、見つけよう。そうしよう。
 ――きらきらしたものなんて、ぜーんぶ!壊しちゃおう!


「という訳で!みんな、お菓子の家を作りましょう!」
 ミラ・パーチェ(夢追い人・f09057)は普段通り、快活な声を上げながら……ぐっと握り拳を一つ。
 無論、意味もなくお菓子の家を作るのではない。
 次の戦場へ向かう為に、必要な事なのだと彼女は続ける。

「お菓子の家は、オウガ達から身を守る為に必要な物なの」
 以前は、森の中にお菓子の家が溢れんばかりに建てられていたのだが。
 ……今は全ての家が破壊し尽くされ、荒れ果てた状態。
 森の中を通る為には、お菓子の家を再建する必要がある、とミラは告げた。

 しかし、敵もそう簡単にお菓子を作らせてはくれない。
 邪悪な子供達――オウガに洗脳された愉快な仲間達が、お菓子を台無しにしようと狙っている。
 材料に毒薬を混ぜる、調理器具を台無しにする。
 お菓子を作っている人物を持ち上げて、オーブンや池の中にドボン!

 だが、隠密能力に特化している訳ではない。
 警戒を怠らなければ、普通にお菓子作りを進める事は出来る筈だ。
 本来はアリスの力になりたいと願っていた、心優しい愉快な仲間達。
 洗脳されているだけの彼らを傷付ける訳にはいかない、が。
 ……猟兵達が作ったお菓子が、彼らの心を動かす可能性もあるだろう。

「これぞ!美味しいお菓子による、飯テ……いいえ、改心よ!」
 ――ん?今、飯テロって言い掛けなかったか!?
 集った猟兵達の中には、そんなツッコミを入れた者が居たかもしれない。
 しかし!ミラはなんのその、と言いたげに転移準備に取り掛かる。

 ……こほん。ツッコミ所はあったけれど。
 どうやら、お菓子作りが必須である事は間違いない様だ。
 お菓子作りが苦手な者がいれば、お菓子の家の飾り付けを担当するのもいいだろう。
 美味しいお家、楽しいお家。
 妨害行為はあるけれど、少しのつまみ食いは御愛嬌?
 お家を作り終えた後、余ったお菓子を皆で食べるのも楽しい筈だ。

「で、出来れば、私にもお裾分けを……!」
 お腹の虫と共に、鳴く様に。
 ミラは甘味への欲求を呟きながら、猟兵達を見送ったのだった。


ろここ。
●御挨拶
 皆様、お世話になっております。
 もしくは初めまして、駆け出しマスターの『ろここ。』です。

 三十九本目のシナリオは、戦争シナリオとなります。
 戦争シナリオの為、一章のみでシナリオは完結となりますので御注意下さい。

 好きなものを沢山、ぎゅっと詰め込んで。
 皆さんだけのお菓子の家を、是非作ってみませんか?

●本依頼について
 このシナリオフレームには、下記の特別な「プレイングボーナス」があります。

 プレイングボーナス:『美味しいお菓子のレシピを用意する』

 敵の妨害に関しては最低限、誰か一人でも警戒を怠らなければ問題ありません。
 お菓子作り、味見のシーン描写が中心になるかと思われます。
 皆様の作るお菓子が、邪悪な子供達を改心させる!?……かもしれません。

●補足
 受付期間はOPが承認され次第、お知らせ致します。
 期間外に頂戴したプレイングにつきましては、流させて頂きますので御注意下さい。

 お相手がいる際にはお名前とID、或いはグループ名を先頭に記載お願い致します。
 迷子防止の為、恐れ入りますが御協力をお願い申し上げます。

 長々と失礼致しました。
 それでは皆様のプレイングをミラ共々、お待ちしております。
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第1章 冒険 『お菓子の家つくり』

POW   :    生地をこねたり伸ばしたり、オーブンの火加減を調節するなど下拵えや準備を担当する

SPD   :    正確に材料を計ったり、綺麗に角がたつくらいにホイップするなど、技術面で活躍する

WIZ   :    可愛い飾りつけや、トッピングで、お菓子を美味しそうにデコレーションする

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【プレイング受付期間】
 8月14日(金)8時31分 〜 8月15日(土)23時59分まで

・人数次第では、再送をお願いする可能性があります。
 誠に恐れ入りますが、それを踏まえた上で参加を検討頂ければ幸いです。
**********

【プレイング 再送受付期間】
 8月22日(土)8:31 ~ 8月23日(日)23:59

 お時間を頂戴しておりまして、誠に申し訳御座いません。
 上記の期間にて、再送プレイングを受付させて頂きたく思います。
 御一考願えれば幸いです。何卒、宜しくお願い致します。
乱獅子・梓
【不死蝶】
ま、まさか戦場でエプロン付けて
お菓子を作ることになるとは…
自炊は何度もした事があるが
菓子作りは未知の世界だな…綾は?
うわぁ文明の利器ってすごい(棒

ふむ、悪くないんじゃないかパンケーキ
焼き加減にさえ気を付ければ
そうそう派手に失敗しない気がする
待て待て待て!!
ド初心者が勝手に分量を変えるんじゃない!

焼く時は俺が担当
手首のスナップを効かせ…よっと!
綺麗にパンケーキをひっくり返せてドヤ顔

出来たパンケーキを重ねて家の形にしたら
仕上げに生クリームで何か良い感じに
縁取り飾り付けをして…よし完成!

作っている間に警備を任せていた
焔と零にもパンケーキをやる
まぁ、無事完成したことだし
子供達にも分けてやるか


灰神楽・綾
【不死蝶】
俺もお菓子は作ったことないねぇ
まぁスマホでちょちょいと
「お菓子 レシピ 簡単」とかで調べれば
俺達でも作れそうなレシピが沢山出てくるよ

オーブン不要のパンケーキとかどうかな
えーと、ボウルに指定の材料を入れて混ぜ
次に小麦粉を加え……
なんか中途半端に小麦粉余っちゃうなぁ
勿体無いし全部入れちゃおっか

梓の華麗な手さばきによって
綺麗に宙を舞ってフライパンに戻るパンケーキ
思わずおぉ~って拍手

同じ要領でココアパンケーキも作り
程良い大きさに切り分けて重ねて家にしていく
プレーンとココアを交互に並べれば
それだけでも見た目の楽しさが増す

完成後は余ったパンケーキを皆で試食
うん、初めてだけど結構いけてるね




「ま、まさか……」
 乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)は顎に手を添えながら、ぽつり。
 相棒の仔ドラゴン――焔がくるりと丸まった様な、愛らしいデザインのワッペン付きエプロンは着用済。灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)もワッペンのデザインが違えど、同様にエプロンを身に着けていた。
 点在する崩れたお菓子の家から、辛うじてキッチンが使えそうな場所も見付けた。
 ある程度、材料の用意も終えたものの。
 ……乱獅子の内側に困惑が残るのも無理はない。

 ――そう、此処は戦場。

 戦場で戦場でエプロン付けて、お菓子を作る事になるとは。
 自炊は何度もした事があるものの、乱獅子にとってはお菓子作りは未知の世界。
 焔と零に警備を任せたのはいいが、何を作るか。

「綾、菓子作りの経験は?」
「俺もお菓子は作ったことないねぇ」
「……って、さっきから何をやっているんだ」
 赤色基調のスマートフォンを手に、何らかの操作をしている様だが。
 何をしているのか。問い掛ける様な乱獅子の視線に、灰神楽は笑みで返す。
「まぁ、スマホでちょちょいとね」
「……?」
「『お菓子 レシピ 簡単』とかで調べれば、俺達でも作れそうなレシピが沢山出てくるよ」
「うわぁ文明の利器ってすごいなおい」
 見事な、ノンブレス棒読みである。
 スマートフォン上に表示されるレシピの数々から、灰神楽が目を付けたのは――『とっても簡単!薄力粉パンケーキ!』と称された内容。
 御丁寧に、ココアパウダーを使ったアレンジレシピも記載されている。
「梓、これ。オーブン不要のパンケーキとかどうかな」
「ふむ、悪くないんじゃないか。パンケーキ」
 焼き加減には気を付けなければならないが、自分が担当すれば問題無いだろう。
 差し出された画面に目を通した上で、乱獅子は同意を示す。
 材料に不足が無い事を確認後、彼は粉系をふるいにかけようと――ん?
 いつの間にか、材料は灰神楽の手元に。
 
「えっと、卵とか混ぜたら粉に……」
「待て、綾」
「なんか、中途半端に小麦粉余っちゃうなぁ……勿体無いし全部入れ――」
「待て待て待て――ッ!!!」
 ド初心者が、勝手に分量を変えるんじゃない!
 あと、レシピに『薄力粉などはふるいにかける事』と、書いてあっただろう!?
 ……嗚呼。危うく、卵液へ薄力粉の過剰投下を防ぐ事は出来た様だ。
「綾、お前……粉、ふるいにはかけたのか?」
「ふるい?やったよ、こんな風に」
 小麦粉入りの袋の口をしっかり閉じて、上下にシャカシャカ。
 そんな灰神楽の仕草を見て、乱獅子は告げるのだ。
 ――よし。デコレーション用の生クリーム、任せた。


「キュー!」
「ガウ、ガウゥ」
『うわぁ!なんだよ、追い掛けて来るなー!?』
 純粋に追い掛けっこを楽しみ始めた、焔。
 そんな焔の目を盗んで、お菓子の家へ向かおうとする子供達を牽制する、零。
 しかし、もう其の必要はないだろう。
 優しさを感じる様な甘い香りが、主達が居る場所から漂い始めているのだから。
『ねぇ、あれ……?』
『すごい!くるって、回ったー!』
 手首のスナップを利かせて、ふっくらパンケーキが宙を舞う。
 ぽすん、とフライパンに戻ると同時……再び、優しい甘さが周囲に広がる。
 ……どうだ?と言いたげな乱獅子の表情を見て、灰神楽は何度目かの拍手を送る。

 プレーンとココア。
 二色のパンケーキが交互に重なり、家を成す。
 外側は純白のクリームに包まれており、其の香りもまた優しい。
 男性二人でも食べられる様に、乱獅子の判断で砂糖を控えめにしたのだろう。
 家の中を優しく包み込みながらも、外敵から守ってくれる――温かな家。
 ――ぐぅ。
 焼き立てパンケーキを目にして、子供達は悩んでいた。

「焔、零。食べるか?」
「君達もどう?さっき味見したけれど、結構いけてるよ」
「お前、いつの間に……」
 ――内緒。
 そんな些細な事よりも、今は。
 腹ぺこな子供達と一緒にほっと一息、パンケーキの試食会を。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夏目・晴夜
リュカさんf02586と
ええ、勝てますね
オウガ10人分の力を誇るリュカさんを食い止められれば

では作りましょう
本の通りに適当にやれば大丈夫です
まず砂糖、いや適当ってそっちの意味じゃなくて!
そんな卵いらな…うわ卵割るの上手いですね!
この大量の卵液をどうすれば…
ちょっと卵液の大量消費レシピを調べるので待ってて下さい
待ってて下さいって!何故焼いて、しかも焦げてます!
じゃあ味見を…え、本当に?
奇跡って起こるんですね…!(味見し)泣いていいですか

…よし、他のを作りましょう
あ、邪悪な子供達が来ないか見張ってて下さい
お菓子くらい作れますとも!見てて下さいね、切実に!

はい、味見どうぞ
いや甘味はこれ位がいい(真顔


リュカ・エンキアンサス
晴夜お兄さんf00145と
レシピはある。UDCで買ったあらゆるお菓子を網羅したレシピ本。これで勝てる
(…オウガ10人分?何かの聞き間違いかな?

兎に角。急を要することは間違いないんだし
お兄さんも、料理は適当で大丈夫って言ってたから、
砂糖をだばーっと入れて……
卵……卵。卵はいっぱいあったほうがおいしいよね(ドバっと
焼き加減は強火で強火で強く……
味見ね、うん、美味しい(舌がだめ
…え、何
見張り?
…いいけど。お兄さん、お菓子作れるの?
心配だな

で、見張りだね
殺しちゃいけないのか…
じゃ、捕獲用のネットとか使って、軽く罠を作って足止めしておこう
あ、お兄さんお菓子味見させて
…もっと甘味が強いほうがよくない?




 レシピは、ある。
 UDCで買った、あらゆるお菓子を網羅したレシピ本だ。
 本の中にはきっと、頑丈な家造りに適しているお菓子も載っている事だろう。

「これさえあれば、きっと勝てる」
「ええ、勝てますね。……オウガ十人分の力を誇る、リュカさんを食い止められれば」
 夏目・晴夜(不夜狼・f00145)の後半の呟きを、リュカ・エンキアンサス(蒼炎の・f02586)は聞き逃したらしい。
 否、微かに『オウガ十人分』と聞こえた様な気がしないでもないけれど。
 何かの聞き間違いかな、と判断した様で。
 ……兎に角、急を要することは間違いない。
 まずは頑強な壁を作るべく、リュカはクッキーのレシピが書かれたページを開き始めた。成程、と。彼の意図を汲んだ様に、夏目もまた頷く。

「では、作りましょう。本の通りに適当に――」
「うん。砂糖をだばーっと入れて……」
「――って!いや、適当ってそっちの意味じゃなくて!」
 というか、バターの量が多くありません……!?
 目の錯覚だった、かもしれないが。
 ボウルの中に鎮座していたのはバターの塊だった気がする。かなり大きめの。
 確認しようにも、残念ながら……既に真っ白な砂糖の海の中。
 しかし、リュカは動揺する素振りもなく、黙々と混ぜ合わせていた。

「卵……卵。卵は栄養価が高いし、いっぱいあったほうがおいしいよね」
「そんな卵いらな……うわ、卵割るの上手いですね!」
 早業技能を駆使して、リュカはボウルに卵を投入。
 いっぱい。其の言葉通り、殻を割っては入れて、割っては入れて。
 上手い上に速過ぎるのだろう、夏目が止める間など無く。
 ――ところで、この大量の卵液をどうすれば……。
 彼はレシピ本を手に、急いでページを捲り続けていた。
 卵液を大量に消費出来る上、ここからでも美味しく出来る料理がきっとある筈。
 先程のボウルに、大量の小麦粉が入った様な……見なかった事にしよう。夏目はそう決めた様だ。

「焼き加減は、強火。強火で強く……」
「(オーブンで焼く、と書いてあった様な……?)」
「火力、足りないかな」
「待ってて下さいって!焦げてます、焦げてますから!」
 い、一応……フライパンで作る事が出来なくはない、らしい?
 尤も、今の夏目は其れ所の話ではないだろうが。
 最大火力で焼かれていく其れらは、次第に良い匂いを……否、甘い。甘過ぎる。
 実はこっそり近付こうとした邪悪な子供達が、あまりの甘さに危険を察知する程に。匂いがそれはもう、強烈に甘かった様だ。
 両面にしっかり火が通った事を確認した後、リュカは一個手に取り……味見。
「うん、美味しい」
「え、本当に?奇跡って起こるんですね……!」
 美味しいと聞けば、迷う必要はない。
 夏目もまた、焼き立てを一つ手に取っては半分程もぐっ。
 ……もぐもぐ。もぐもぐ。
 外はカリカリ、中は……いやいや、其れ以前に、猛烈に甘……ッ!?
 其れでも、ごくんと飲み込んで。彼は一言呟いた。
 ――泣いていいですか?


『うわーん!おろしてー!』
「(殺しちゃいけないのか……)」
 捕獲用のネットやロープを使った、仕掛け罠。
 一度は離れた子供達を待ち受けていたのは、リュカによる罠の数々だった。
 このまま、散梅の刃で心の臓を突き刺す事は簡単だが……。
 宙吊り状態の子供達から、彼は視線を夏目へと向ける。
 ――お菓子くらい作れますとも!見てて下さいね、切実に!
 そう言われてから、時間が経ち……ああ。どうやら、完成した様だ。

「あ、お兄さんお菓子味見させて」
「はい、味見どうぞ」
 夏目が差し出したのは、カステラだった。
 受け取った其れをじっと見つめてから、リュカは早速一口。
 ――もぐっ。
 とてもふんわりとした食感。
 其れに段々、口の中で溶ける様な滑らかさを感じる。
 優しい香りは、卵を沢山使っているからか。彼はもう一つ、手に取った。
 夏目も上機嫌な笑みを浮かべては、自分もをぱくり。
 ただ、一つ。リュカが気になるのは……?

「もっと甘味が強いほうがよくない?」
「いや甘味はこれ位がいい」
 甘党にも、限度はあるのだ。
 リュカの言葉に対し、即答した時の夏目の表情は真顔だったそうな。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ニナ・グラジオラス
リナ(f04394)と

お菓子の家の素材はリナに任せて、私は組み立て担当だ
しかしただクッキーを積み上げるだけでは強度に欠ける…
リナはチョコが好きだし内装もチョコなら、クッキーの繋ぎをチョコにしよう
それなら頑丈にもなるし、チョコクッキーみたいで美味しいだろうしな
あと、溶けたチョコを着けるくらいなら私にもできるぞ

あ、こらカガリ。食べていいのはこっちだ
わざわざ用意してくれたリナに感謝しないと
その分シッカリ周囲の警戒頼んだぞ

本当にリナは手先が器用でうらやましい
(分けてあるパーツを見つけて)これは何に使うんだ?
バラの花ってチョコで作れるのか?
本当にリナは器用だな

味見いいのか?ぜひ、食べてみたいな


木槻・莉奈
ニナ(f04392)と

レンガに見立てたクッキーを基本としたお菓子の家を作る

周囲の警戒と誘惑は【Venez m'aider】で動物達にお任せ
近付く子に悪戯されないように
食べたい子にはお菓子をあげるようにお願いしておくわ
動物達が食べる分も別で渡しておく

基礎の材料は大体できたし、組み立てはニナに任せるわね
カガリもお手伝いお願いね
お腹空いちゃったらこっちのは食べていい分だから

チョコで家の中に置く家具や小物を作っていく
家の中にミニチュアサイズのお菓子の家作って置いても可愛いかも

褒めてもお菓子しか出ないわよ
これ?薔薇の花束でも作ろっかなって
飾ってもいいし、ミラにあげても喜びそうじゃない?
味見してみる?




 焼き立て、さくさくのクッキー。
 シンプルなプレーン、ココアパウダーや抹茶。
 チョコレートチップやスライスアーモンドを練り込んだものも。
 絞り出した生地の上に、ジャムを添えても美味しいかな?
 たーくさんのクッキーで作るのは。
 チョコレートの彩りを添えた、素敵なお菓子の家だ!

「基本はクッキーをレンガに見立てるとして……」
「内装をチョコにするなら、クッキーの繋ぎもチョコにするか?」
「賛成!チョコクッキーみたいで美味しそうね」
「ぎゃう!」
 仲良き事は、美しき哉。
 木槻・莉奈(シュバルツ カッツェ・f04394)とニナ・グラジオラス(花篝・f04392)は互いに相談をしつつ、お菓子作りを進めている様だ。
 周囲の警戒は、護りの魔法が付与された動物達に任せている。
 時折聞こえて来る鳴き声が、彼らの頑張りを教えてくれていた。
 この様子なら……食べたい子にはお菓子をあげるように、そんなお願いも聞いてくれている事だろう。

 お陰で、カガリもくるくると二人の頭上で旋回中。
 美味しいお菓子!お菓子のお家!
 子供の様にはしゃいでいると分かる様は、なんとも愛らしいもので。
 そーっと、焼き立てのクッキーに近付くけれど……?

「あ、こら。カガリ、こっちは家の素材だから駄目だ」
「ふふっ、お腹空いちゃった?」
「ぎゅう……」
 万が一にでも、子供達が二人の所まで来たら。
 そんな事が無いように、しっかり周囲を警戒しないと!
 分かっているのだけれど……。
 木槻が作るお菓子の美味しさを知っているからこそ。ちょっとだけ、なんて。
 そんな鳴き声を聞いて、木槻が差し出したのは小さな竜の形をしたクッキーだ。
 恐らく、彼女が余った生地を使って作ったのだろう。

「こっちのは食べていい分だから。カガリもお手伝い、お願いね」
 首から掛ける形でおやつの袋を受け取ったカガリの様子は、とても嬉しそうで。
 早速、ニナの元へ湯煎済みのチョコレートが入った容器を運び始める。
 彼女はそっとカガリの頭を撫でてから、容器を受け取り……壁の組み立てを再開しようと。
 それにしても、これ程の数のお菓子を手際良く作れるとは――。
「本当に、リナは手先が器用でうらやましい」
「ニナったら……褒めても、お菓子しか出ないわよ」
「それは私もだが、カガリが喜びそうだな」
 ――こくこく!こくこく!
 ニナの言葉を聞いて、肯定を示す様にカガリは何度も頷いていて。
 ああ。どうやら、手伝っている間に、貰った分を食べ終えてしまった様だ。
 美味しい、嬉しい、すごい!
 そんな気持ちが伝わって、木槻は嬉しそうに微笑んでいた。


 色取り取りのクッキーで作られた、お菓子の家。
 扉を開いた先には、チョコレートで作られた家具や小物の数々。
 普通の其れだけではなく、ホワイトやストロベリーチョコレートも使われているのだろう。見目華やかな空間となっていた。
 クッキーで作られたテーブルの中心には、ミニチュアサイズのお家。
 傍らに置かれた円形の籠は、何故か空洞だった。

「これは何に使うんだ?」
 ふと、ニナが目にしたのは楕円形に伸ばされた赤と白の何か。
 仄かに飴の香りがする其れも、チョコレートの様だが……?
 これ?と呟いた後、木槻は一番小さな円をくるり。
 巻き付ける様に、一回り大きな楕円をくるり。
 くるり、くるりと続ければ……あっという間に薔薇の花が出来上がった。
「薔薇の花束でも作ろっかな、って」
「バラの花ってチョコで作れるのか……?」
「ちょっと一手間加える必要はあるけど……飾ってもいいし、ミラにあげても喜びそうじゃない?」
 同様に小さな薔薇を幾つか作った後、木槻は籠の中に入れていく。
 白と赤の薔薇が咲き誇る、小さな花壇の完成だ。

 お腹を空かせたグリモア猟兵の事。
 食べたい。でも、素敵だから食べるのが勿体ない!
 ……そんなジレンマに陥る、かもしれない?
 何となく光景を想像して、ニナと木槻は同時に噴き出す様に笑った。

「味見してみる?」
「いいのか?ぜひ、食べてみたいな」
 一口サイズの、赤色の薔薇。
 舌の上でとろけながら、口の中いっぱいに広がる甘さに。
 ニナはまた、柔らかい笑みを浮かべた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

春霞・遙
正直、家の材料になるのかはすっごく疑問ですけど、アップル・バトル・フィールドに行ってからずっとアップルパイ焼きたかったんです。
【悪霊祓いのまじない】で周囲に結界を敷いて、と。

まずはりんごを切って、砂糖とレモン汁入れて煮ます。
紅玉で皮と一緒に煮るとピンク色になって可愛らしいんですけど、季節が違うから普通のりんごでもいいです。

パイ生地はあれば楽したいけど、なければ材料集めて手作りします。

パイ生地の上にジャムをたっぷり載せて周囲に卵黄を塗って、さらにその上に切り込みを入れたパイ生地を重ねてフォークでくっつけます。
表面に卵黄を塗って、焼いたら完成!

バターと林檎の香りが食欲をそそりますよね。




 アップル・バトル・フィールドに赴いた後。
 春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)の内側では、ある思いが膨らみ続けていた。
 これだけ美味しい林檎なら、持って帰って……。
 持ち帰る事は叶わなかったけれど、お菓子を作りたい。
 具体的に明言するならば、アップルパイを焼きたかった。
 ……正直、家の材料になるのかは疑問だけれど。
 幸い、キッチンが無事だったお菓子の家が見付かったのだ。
 では、早速――。

「えっと、その前に……」
 聖なる炎を消す、水の流れを探し出せ。
 破壊を目論む悪しきもの、力の在り処を示し給え。
 火をつけた、セイヨウハシバミの枝。
 其の先端を地面に突き刺して、春霞は結界を敷く。
 ……もし邪悪な子供達が近付こうとすれば、直ぐに対処出来るだろう。

 花柄のエプロンを身に着けて。
 彼女が取り出したのは、真っ赤な林檎。
 本当は紅玉という品種が良かったけれど……残念ながら、販売時期は少し先。
 手際良く林檎をいちょう切りにしたら、鍋へ。
 其処に砂糖、レモン汁を少量入れて、火にかける。

「うん。良い香りがしてきましたね」
 ことこと、ことこと……。
 小匙一杯程度味見をして、春霞は甘さを確かめる。
 程良い甘酸っぱさに頷いた後、彼女は粗熱をとる為に一度火を止めた。
 其の間、パイ生地の準備に取り掛かる。
 保冷バッグから取り出した、冷凍のパイシートで時短も完璧だ。
 半解凍の状態に戻したシートを四分割にして、内二枚には切り込みを。

『お菓子作っちゃ、ダメー!ヤーダー!』
「こら。だからって、人を傷付けようとしたら駄目なんだよ?」
 ……粗熱をとる間に、子供達の襲撃があったらしい。
 事前に展開した結界のお陰で、春霞は事前に察知。対応した様だが。
 お菓子を台無しに出来ず、ロープで一纏めにされてしまって……子供達はむくれているばかり。其れでも、焼き上がりを告げる音は鳴る。

 オーブンから出てきたのは、艶やかなアップルパイだ。
 零れそうな程にたっぷりと詰めた林檎ジャム。
 そして、パイに練り込まれたバターの香り。
 こんがりとした焼き目、見た目だけでも食欲をそそられる一品となった。
 ……ぐぅー。
 おや、彼女とは違う方向から腹の虫が鳴く音が……?

「一緒に食べる?」
『……うん』
 アップルパイに舌鼓を打った後。
 みんなで協力して、林檎の香り豊かなお家を作った様だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ディルク・ドライツェーン
アル(f26179)と
戦争中だけどお菓子に囲まれるのが一番楽しいなっ!
アル~っ、今回はどんなお菓子作るんだ?
オレも頑張ってお手伝いするからなっ
ドライフルーツいっぱいの
ふわふわケーキの家か、楽しみだな~♪

妨害は【野生の勘】でアインに警戒してもらうぞ
キルケと2人で頼むな~っ!

よーし、たくさん作らないとだし
いっぱい材料混ぜるぞっ!
(たくさん生地を混ぜ合わせて)
これだけあれば足りるよなっ

お~っ、美味しそう…!!
味見するっ!(幸せそうに食べて)
やっぱりアルのお菓子は美味しいな~♪

あいしんぐ…?
おおっ、いいな!オレも塗ってみたい!


アルデルク・イドルド
ディルク(f27280)と
ん、お菓子の家作りだな。
ハハッ、ディルクの目がキラキラしてるな。
さて、今回は何を作るか…そうだなオーソドックスにドライフルーツを使ったパウンドケーキにするか。

妨害対策はキルケに【偵察】してもらうか。
あっちの奴らにも後で食べさせてやればいいだろ?

今回は混ぜる作業が多いからな頼んだぜディル。
俺が量を測って横からいれるぜ。
ドライフルーツを混ぜて焼けば完成だ。

あぁ、いい感じに焼けたな。
ん、ほらディル味見してくれ。
やっぱりお前に一番に食べてもらいたいからな。

家にするなら接続用にアイシングを作っておくか。




「アルー、お菓子食いたいっ!」
「ハハッ。ディル、目がキラキラしてるな」
「当ったり前だろ!戦争中だけど、お菓子に囲まれるのが一番楽しいなっ!」
 ザッ、ザッ、ザッ。
 森の中を駆け抜ける、ディルク・ドライツェーン(琥珀の鬼神・f27280)の表情は好奇心に満ち溢れた子供の様。
 壊れて、崩れてはいるけれども……森の中にはお菓子が沢山!
 ――これって食える?食えねぇ?
 興味は尽きないけれど、彼が食べたいお菓子は……くるりと半回転した後、アルデルク・イドルド(海賊商人・f26179)へ向かい、ぴょーん!ぎゅうっ。

「アルーっ!でさでさ、今回はどんなお菓子作るんだ?」
「さて、今回は何を作るか……」
「オレも頑張って、お手伝いするからなっ!」
 慣れているのか、満更でも無いのか。
 抱き締められながらも、アルデルクは冷静に思案に耽っている。
 ディルクも手伝える様な、ある程度簡単な工程も挟んだお菓子が良いだろう。
 ……オーソドックスに、ドライフルーツを使ったパウンドケーキにするか。
 彼はそう決めた後、コートの裏から蒼い羽のオウムを呼び出した。
「キルケ、偵察を頼む。怪しい動きをしている子供が居たら、知らせてくれ」
『お宝ヨコセ!お菓子モヨコセ!』
「一番に食べんのは、オレだからな!アインも、キルケと二人で頼むなー!」
 普段は共に戦う仲間へ。
 目線を合わせる様にしゃがんで、わしゃわしゃ。
 銀色の毛並みの狼――アインを撫でながら、ディルクが警戒を頼めば。
 彼の狼は一度頷き、『お宝ドコダー!』と高らかに鳴くキルケの後を追う。
 ……ふわふわのケーキ。ふわふわだけど、とっても強いお家。
 今から完成が待ち遠しいと、ディルクは緩んだ笑みを浮かべていた。

「今回は混ぜる作業が多いからな」
「よーし、たくさん作らないとだし!いっぱい、材料混ぜるぞっ!」
 任せろー!と、ディルクが選んだのは一番大きなボウル。
 通常のお菓子作りで使われる物よりも、倍近く大きい気がする。
 そわそわ、そわそわ。
 これまた大きなヘラを手に、ディルクは材料が投入されるのを待っていた。
「(ディル、楽しそうだな)」
 ルビー、ガーネット、ルベライト。
 美しい宝石を並べても、この煌めきには劣るだろう。
 それ程にディルクの双眸は眩く、無邪気な輝きを魅せてくれる。
 ……おっと、待たせてはいけない。
 アルデルクは計量を済ませた材料から、次々にボウルへと。
「よし。頼んだぜ、ディル」
「おう!」
 材料が溢れない様に、ディルクは勢い良く混ぜていく!
 多くの材料を混ぜるのは相当の力がいるが、彼にとっては余裕の様で。
 ぐるぐる。ぐーるぐる。
 ある程度混ぜ終えた所で、アルデルクはドライフルーツを加えていく。
 ぐーるぐる、ぐるん!ぐるん!
 無事に混ぜ終えたら、沢山の型に流し込んでオーブンへ。

 まだか、まだかな?
 もう少し、掛かるだろうな。
 オーブンの前で共に語らい、待つ時間もまた楽しくて――。


「ん、ほらディル味見してくれ。やっぱり、お前に――」
「味見するっ!」
 一番に食べてもらいたいからな。
 アルデルクが言い切る前に、待ち切れない!と言った様子でディルクが一口ぱくっ!もぐもぐ、もぐもぐ。
 ふんわりとした食感、好みを知っている様な丁度良い甘さ。
 混ぜ込んだドライフルーツが、良いアクセントになっている。
 何よりも、こんなに美味しく感じるのは――アルデルクと一緒に作ったお菓子だから、かもしれない。
 美味しいだけじゃなくて、何だか……ぽかぽかするのだ。

「やっぱり、アルのお菓子は美味しいなー!」
「本当に美味そうに食べるよな、ディルは」
「だって、美味いからな!」
 にーっと笑って、もう一切れを食べようと。
 そんなディルクの様子を見れば、流石に照れもするというもので。
 頬の赤みを隠しながら、アルデルクはどの様に家を作るか考えていた。

「家にするなら、アイシングも作るか」
「あい、しん……ぐ……?」
「パウンドケーキに塗って、くっ付けるんだ。ある程度なら着色も出来るな」
「おおっ、いいな!オレも塗ってみたい!」
 ――アルの色と、オレの色!
 自分達が作る家なのだ、好きな色で塗ってみたい!
 ディルクにつられる様に、アルデルクも笑って頷いたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

伊能・龍己
【エイリアンツアーズ】
先輩方と一緒にお菓子作り。楽しみ……っす

自分はアイシングクッキー、つくってみたいなと
クッキーもアイシングの液自体も、壁の補修や飾りなんかに使えそうです
クッキー生地にはハチミツを入れます。焼き上がりは硬めだけれど、いい香りって聞いたので

生地焼いている間にアイシング作るっす
わぁ、先輩方のお菓子もおいしそうっす……
カワイイはよくわかんねんすけど、俺なりにがんばります。パステルカラーのいろんな種類、用意したいっすね
生地が余ればいくつかハチミツクッキーも作りたいっす
台無しにしちゃう子の、怪しい行動もきちんと監視します
しっかり待つ良い子は、ごほうびがあるんすよ


ジャスパー・ドゥルジー
【エイリアンツアーズ】
俺が作るのはなんとアイスケーキ!
どうするかって?板チョコ製の冷蔵庫の中に仕込んでおくの
チョコやクッキーだけじゃ可愛いけど飽きちまうだろ?
ボウルにナッツやドライフルーツ仕込んだチーズクリーム入れて、カステラ敷き詰めて
冷えたらひっくり返して完成!簡単!
…ってナッツをつまみ食いする悪い子は誰だァ!(スパァン)
つまみたくなるのもわかるけど!
完成品の方が美味しいに決まってるんだから!待ってなさい!(長身活かして皿を目一杯持ち上げ愉快な仲間から死守)

無事完成したらいたずらっ子どもにもふるまうぜ
それにしても皆で作ったお菓子の家、キュートかつ頑丈そうだ
これでオウガが来たってへっちゃらだな


笹塚・彦星
【エイリアンツアーズ】
クリーピングコイン撒いて妨害阻止。攻撃してもいいけど手加減しろよ、コイン達。
多分、俺が一番作り慣れてると思うから、組立と生成を。手が足りなくなる、なんて事はないと思う。
クッキーは二重にして土台の方に袋に入れて砕いた飴を撒いてみる。焼いて溶けて、焼き上がれば飴が固まってるから。キラキラしていいンじゃね。

シンプルな屋根は板チョコ二枚使って合掌みたいに合わせてみる。土台はクッキーにしよう。溶けたチョコ塗って組立て、飾りは皆にお任せ。
余ったメレンゲある?おっけ、好きな色の食紅入れて絞り口金に詰めて、焼く。
赤やら青やらの薔薇っぽいメレンゲクッキーにアザランでデコるとよりいいかもな。


花澤・まゆ
【エイリアンツアーズ】

お菓子作りはやったことないけど
ホットケーキミックス使ってふわふわ壁を作ってみるね!

(めっちゃ真剣に作り方とにらめっこ)
大丈夫、簡単にできるって書いてあるし…あ、焦げた
いいや、焦げてもいい香りするし
飾り付けは他の方々にお任せを

監視は黒猫さんにお任せ(UC)
愉快な仲間たちさんが来たら盛大にもてなす?よ
あたしの初めて作ったホットケーキ、味見してくれる?
(きらきらした目)
焦げてるから嫌だとか言わないよね?

他の皆さんの作ったものも、愉快な仲間たちさんと一緒に
こっそり味見に行くよ
皆さんのお菓子、美味しい…(ほわん)

呼称は全員、名前+さん
アドリブ歓迎


オスカー・ローレスト
【エイリアンツアーズ】

めしてろ……っていうのは、良く分からない、けど……でも、悪戯する子達を、傷つけずに……お菓子で改心させられたらいいとは、思う、よ。

お、俺は、どうしようかな……お菓子作りとか、した事ないし……教えて貰いつつ、ドアや窓の飾り付けとか手伝えたらいいなと思う、よ……溶かしたチョコに混ぜたナッツで縁を飾るとか、できない、かな。

あ、あんまり高いところは難しそう、だけど……

み、見張りもきちんとしなきゃ、だね……【視力】がいいから手伝いつつ目視で見張ったり、【暗殺】技能の応用で……気配に気をつけて、不意をつかれて持ち上げられたりしないように警戒したり、しよう。


榛名・深冬
【エイリアンツアーズ】

食べる専門なのでお菓子作りは苦手ですけど…
皆さんと一緒ならきっと大丈夫
ネットで漁りまくったレシピを
電脳眼鏡型ゴーグルに映し睨めっこしながらクッキー作り

機械鳥を飛ばし愉快な仲間達を見つけ次第皆さんにお知らせ
まだ焼けないのでチョコペンのチョコとか飾りで
いいなら少し味見します?
ぎこちない手つきで作るものだから燈に心配される
火加減は炎の小竜の燈の方が得意なのでお任せ

焼いている間に皆さんのお手伝い(飾り付けや味見)や
可能なら作ってる姿や完成した家も電脳眼鏡型ゴーグルで写真に撮り思い出に残したい
残りのお菓子も皆さんとおいしく食べたいです

呼び方:感情欄先輩=苗字+先輩、同僚=苗字+さん


出雲・八雲
【エイリアンツアーズ】で 参加

お菓子の家なァ…菓子なんぞ作ったこと無ェから手伝いくらいしか出来無ェぞ…。
まァ、何か手伝えるモンあったら言ってくれ。飾り付けくらいは出来る……筈。
長い袖を腕まくりし、つまみ食いしたい気持ちを抑えつつ、心を無にしてメレンゲクッキーやチョコレート等を飾り付ける
悪戯だの妨害だの邪魔しようとする奴には(卒塔婆で殴りたい気持ちを抑えて)完成するまで待つように色とりどりのマカロンでなだめてみる

飾り付けが下手だの可愛くないだの文句は受け付けて無ェからなァ!!


パウル・ブラフマン
【エイリアンツアーズ】
どもー!
出張版エイリアンツアーズ・建設部でっす☆

オレは皆の作った超イケてるお菓子をより輝かせるべく
エイツアハウスを組み立てていくね♪
接着用にキャンディやアイシングを使ったり
時にはバーナーで溶かしてくっつけたり。
日頃、プラモやジオラマ作りで鍛えた腕を活かしたいな。
触手もフル動員で頑張っちゃうゾ☆

クルーさん達が改心させてくれた
愉快な仲間さん達には、【コミュ力】を活かして協力を頼もう。
大丈夫、怒ってないよ♪
一緒に完成させて、おやつも心置きなく食べよ?

完成したら飾りパン製のドア飾りを吊るしたいな。
特製レシピで作ったタコ型エイリアンは
エイツアのマスコットで、エイリやんって言うんだ♪




「どもー!出張版エイリアンツアーズ・建設部でっす☆」
 今回は……ななな、なんと!
 アリスラビリンスへ、お菓子の家の再建にやって来ましたー!
 そんなテロップが流れそうなテンションで、猟兵向け旅行会社の社長……否、団長のパウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)はにっこり笑う。
 様々な世界へのパッケージツアーを扱っているが……。
 今回のツアーは、クルーさん限定!触手も楽しそうにうねうね、と。

「先輩方と一緒にお菓子作り、楽しみ……っす」
「お菓子作りはやったことないけど、頑張るね!」
「食べる専門なので、お菓子作りは苦手ですけど……」
 皆さんと一緒ならきっと、大丈夫。
 榛名・深冬(冬眠る隠者・f14238)の小さな声に、抱き抱えていた燈が同意を示す様に鳴き、頷く。其の優しさが温かくて、彼女もこくりと頷いて。
 ――うん、一緒に頑張ろー!
 初めてのお菓子作りはとっても賑やかで、楽しい思い出になりそう!
 花澤・まゆ(千紫万紅・f27638)は、今から胸を躍らせている。
 俺も手伝うっす、と……伊能・龍己(鳳雛・f21577)もまた、意欲的な姿勢を見せていた。

「お菓子の家なァ……菓子は作るより、食う派なンだけどなァ」
 愛用の卒塔婆を肩に担ぎ、じろり。
 出雲・八雲(白狐・f21561)は周囲を警戒しながら、呟いていた。
 口元を覆う黒布で見え辛いが、眉尻が下がった様子から……やや困り気味?
 悪戯だの妨害だの邪魔しようとする奴には、卒塔婆で殴りたい気持ちはあれど抑えねばならない。加えて、彼はあくまで食べる専門だ。
「菓子なんぞ作ったこと無ェから、手伝いくらいしか出来無ェぞ……」
「お、俺も、お菓子作りとか、した事ないし……」
 榛名から説明してもらったものの。
 未だに『めしてろ』というのは、良く分からない。
 ただ、悪戯する子達を傷付けずに……お菓子で改心させる事が出来るなら。
 オスカー・ローレスト(小さくとも奮う者・f19434)は少しでも、手伝えたらと思うのだ。自分に出来るのか、どうか。不安だけれども。
 でも……ど、どうしよう、かな。やっぱり、邪魔になってしまうだろうか。
 不安げに目を伏せる彼の背を、ドーン!と押したのはジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)だった。

「大丈夫だって、オスカー!スイーツ番長もいるし?」
「俺かよ。まあ……多分、俺が一番作り慣れてるだろうしな」
「さっすが、スイーツ番長!」
「スイーツ番長、やはり頼もしい…!」
 そう!エイリアンツアーズにはスイーツ番長こと、笹塚・彦星(人間の剣豪・f00884)がついているではないか!
 榛名曰く、お菓子作りのプロ。そして、彼自身もかなりの甘党故か。
 事前に案を考えていたであろう様子を見て、期待の眼差しが幾つも彼へと向けられていたそうな。

 ――ぱしゃり。
 まずは一枚、皆さんで。


 ――帰ってきたら、またたびあげるからね。
 ――邪悪な子供達を見付け次第、情報連携をお願いします。
 召喚した黒猫のクロを。小鳥型ドローン、機械鳥を周辺調査へ向けた後の事。

「むむむ……っ!」
「…………」
 どうやら……花澤はメレンゲ入りのふわっふわなホットケーキ。
 榛名は、アイスボックスクッキーを作ろうと考えている様だ。
 本に記載された、或いは電脳眼鏡型ゴーグルに映し出されたもの。
 乙女二人が真剣な様子で、レシピとにらめっこをして早数分。
 其れには『簡単に出来る』『初心者向け』などと記載されているものの……焼き加減一つとっても、中々難しそうな気がする。苦手意識があれば、尚更だろう。
「二人共、真剣っすね」
「龍巳は何作るんだ」
「自分はアイシングクッキー、つくってみたいなと。ジャスパー先輩は――」
「俺が作るのは、なんと!アイスケーキ!」
 アイスクリーム屋で売られている、さながら子供達の夢。
 色々なアイスを詰め込んだ、ひんやり冷たくて美味しいケーキ。
 其れを、ジャスパーは作ろうと思っているらしい。しかも、ただ作るのではない。
 彼が指し示した先には……まだ使えそうな、大きなチョコレートの冷蔵庫が!
「これに仕込めば、特大サイズのアイスケーキが作れそうじゃね?」
「飯テロにも使えそうだし、いいんじゃね」
「特大アイスケーキ、っすか……!」
「キュイ……!」
 特大アイスケーキ。
 魅力的な響きに、伊能と炎の小竜――燈は目を輝かせていた。
 粗く刻んだナッツ、何種類もミックスされたドライフルーツを混ぜて。
 ――チョコやクッキーだけじゃ、可愛いけど飽きちまうだろ?
 其れに冷蔵庫の中に仕込んで、冷えたらひっくり返すだけ。俺でも、できそう!
 そうと決まれば、早速……みんなで、お菓子作りを始めよう!

「まゆ、メレンゲは此処に置いとく」
「彦星さん、ありがとう御座います!」
「もし余ったら、声掛けてくれ。薔薇っぽいメレンゲクッキーにすっから」
「はーい!クッキーでバラって作れるんだね……!?」
 念には念を、と。
 笹塚もクリーピングコインを撒いて、邪悪な子供達の奇襲対策を行っていた。
 そして……メレンゲを手早く作り終えた後、其れが入ったボウルを花澤の近くへ差し出す。ホットケーキの生地に混ぜて、焼くのは彼女に任せて問題無いだろう。
 ……あ、焦げた。いいや、焦げてもいい香りするし。
 そんな声が聞こえた気がするが、恐らく大丈夫だろう。……た、多分。

「伊能さん、蜂蜜を入れるんですね」
「はい。焼き上がりは硬めだけれど、いい香りって聞いたので……」
「そうなんですか……クッキー、奥深いですね」
「……大丈夫っすか?」
 ぷるぷる。ぷるぷる。
 材料の計量を行っている、榛名の手が明らかに震えている。
 0.1グラムの誤差もない様に慎重に、慎重に。
 伊能だけではなく、燈も心配そうな目で彼女を見つめているが……ああ、どうにか量り終えた様だ。安堵を示す様な息が、少女と小竜から零れた。

「土台に使うなら、二重にして砕いた飴でも撒いてみるか……」
 伊能が一緒ならば、榛名の方も問題は無いと判断したのか。
 笹塚は自分の作業に戻り、飴を個包装の上からペンチで砕いていく。
 焼き上がれば飴が固まって、キラキラとした見た目になる筈だ。
 ついでに……飾りに使える様に、ステンドグラスクッキーを作るのも良いだろう。
 メレンゲクッキーを作るなら、星型の絞り口も用意しておくべきか。食紅も。
「先輩」
「どうした?」
「アイシングの液自体も、壁の補修や飾りなんかに使えそう……っすかね?」
「いいンじゃね。丁度、食紅用意しようと思ってたしな」
 クッキーを焼いている間に作るか、と伊能は考えていた。
 正直、カワイイは良く解らないのだが……自分なりに努力をする事は出来る。
 一色だけではなく、パステルカラーで何色か用意したい。
 それなら、みんな思い思いに使えるだろうと彼は考えていた様だ。
 彼の考えに同意する様に頷き、笹塚は改めて食紅を用意しようとする。

 幸か不幸か、沢山の子供達から二人だけ調理場に近付く事が出来たが。
 ――其の情報は既に、機械鳥から榛名へ連携済。

「ドゥルジーさん……!」
「ナッツをつまみ食いする、悪い子は誰だァ!」
『うそ、みつかっ……み゛ゃっ!?』
 ――スパァン!
 ジャスパーの容赦ない手加減攻撃が、クリティカルヒット!?
 此の一文だけを見ると混乱するだろうが、彼は手加減を怠ってはいない筈だ。
 邪悪な子供達が、一撃で昏倒していない事が其の証左。
 ……但し、とても痛かったのだろう。涙目で、頬を膨らませていたが。
『鬼ー!悪魔ー!』
「言われ飽きたよ、んな事はァ!」
 ジタバタ、ジタバタ、だが残念。
 長身を活かして、ジャスパーがナッツの乗った皿を持ち上げれば届かない。
 よーこーせー!お菓子を台無しにしたいのに、出来ない!
「完成品の方が美味しいに決まってるんだから!待ってなさい!」
 ――つまみたくなるのもわかるけど!
 ジャスパーに妨害は無理だ、と判断したのだろう。
 子供達が仕方なく、標的を変えようとした所……ふわり。
 焼き立ての甘い香りが、彼らの鼻を擽った。

「あたしの初めて作ったホットケーキ、味見してくれる?」
「まだ焼けないので……チョコとか飾りで良いなら、少し味見します?」
 ――焦げてるから嫌だとか言わないよね?
 差し出されたのは一口サイズのホットケーキと、音符の形をしたチョコレート。
 子供達はどうしよう、どうする、と戸惑っていたものの。
 二人はそっと受け取り、食べ始めた。
『……ぉ、おいしい』
『うん、おいしいー!』
「他の皆さんが作ったものも、いっぱいあるよ!」
 お菓子の家を作り終えてから、にはなるけれど。
 此れから作られるものも含めて、様々なお菓子が出来上がる筈だから。
 花澤は一緒に味見をしよう、なんて子供達に柔らかく問い掛ける。

 ――お菓子作りを台無しにしてやろう。そうだ、壊してやろう。
 そんな思いは不思議と、子供達の中から薄れつつあった為か。
 子供達は相談の上で、小さくこくりと頷いたのだった。

 ――ぱしゃり。
 其のシャッター音が聞こえるのは、此の場にただ一人。


「皆の作った超イケてるお菓子をより輝かせるべく、エイツアハウスを組み立てていこうね!」
「まァ、何か手伝えるモンあったら言ってくれ」
 触手の動きから、パウルのやる気が満ち溢れている事が察せられるだろう。
 出雲も長い袖をたすき掛けする形で捲り上げ、まずは何処から作るべきかと思案に耽っていた。
 少しだけ、つまみ食いをしたい気持ちが無いとは言い切れないが……実際にどうなるか。其処は彼の忍耐力次第、かもしれない。
「(み、見張りもきちんとしなきゃ、だね……?)」
 空を見上げれば、機械で作られた鳥やコインが。
 耳を澄ませば、微かに猫の鳴き声が聞こえて来る。
 あんまり高い所や、離れ過ぎた場所は難しそうだとオスカーは考えていたが……大丈夫そうだ。ああ、そうだった。今、己は孤独な雀ではない。
 ……ならば、少しでも自分に出来る事を。
 彼は自身の視力を活かし、手伝いながらも目視による警戒を試みようとしていた。
 今はまだ、子供達は近くに居ないけれど。
 だからこそ、不意を突かれない様に。

「ところで、スイーツ番長!」
「どうした?」
「オレ達は、何から始めればいいかな?」
 お菓子作りと並行して、ある程度進めていたのだろう。
 板チョコレートを合掌する様に合わせて屋根作りを進めながら、笹塚はパウルの問い掛けを聞いて……調理場へ視線を向けた。
 土台となる大判のクッキーは、大半焼き上がっている。
 花澤が作っているふわふわな壁、伊能と榛名作のクッキーも一部は完成済の様だ。
「それじゃ……土台と壁の接着、頼むわ」
「え、えっと、柱とか……いる、かな……?」
「バランス取るのが難しけりゃ、土台用のクッキーを多少支えに使ってくれ」
 その後に屋根を取り付けて、飾り付けタイム!
 色鮮やかなチョコレートの数々で彩られた、沢山のクッキー。
 板チョコレート製の冷蔵庫の中では、大きなアイスケーキも待っている。
 何を使うか、どんな風に飾るか。
 ……パウルの触手がそわり、そわりと揺れ動いていた。
「よーし!触手もフル動員で頑張っちゃうゾ☆」
「力仕事なら、まァ……。あと、飾り付けくらいは出来る……筈」
「お、俺も……教えて、貰えると……う、嬉しいな」
 日頃、プラモデルやジオラマ作りで鍛えた腕を活かす時!
 団長であるパウルを中心に、組立チームもまた動き始めようと。
 接着にはキャンディやアイシング、時にはバーナーで溶かしたり。
 出雲が飾り付けたお菓子の縁を、オスカーがチョコレートに混ぜたナッツで彩っていく。
 其れに……お菓子作りをしている皆が、改心させてくれた愉快な仲間達。
 彼らにもパウルが協力を頼めば、お家を組み立てるペースはより一層早くなった。

『…………』
 じーっ。
 ある一点を見上げた後、子供は何故か出雲を見つめている。
 見つめられている事に気付き、彼は鋭い眼差しをその子に向けようとした。
「あァ?んだよ」
『なんか……そこだけ、変なのー』
 心を無にして、つまみ食いをしたい気持ちを抑えて。
 誘惑に耐えながら、出雲は懸命に飾り付けをしていたものの……欲に耐えながらの作業というのは、中々大変なもの。
 赤一色にするつもりが、うっかり青薔薇のメレンゲクッキーを混ぜてしまったり。
 アイシングの液が一部混ざってしまい、色が混ざったりと。
 ああ、彼も解っている。やってしまったと思っている。
 しかし、あからさまに小馬鹿にする様な笑みを浮かべる生意気な子供には……。

「飾り付けが下手だの、可愛くないだの文句は受け付けて無ェからなァ!」
『わーっ!おこったー!』
「八雲、お、お、落ち着いて……!?」
「八雲さんらしさが出ていて、オレはバッチリだと思うな!」
 ――ソトバ=アタックは、流石にガチオウガの時で!?
 卒塔婆を片手に、本当に改心しているのかも分からない悪餓鬼共へ天誅を。
 そんな出雲から子供達を離す様に、オスカーは慌てて距離を取ろうと。
 パウルも彼に対して、本心故のフォローをするも……少しの間、出雲の尾が憤慨を示す様に揺れていたそうな。

 ――ぱしゃり。
 再び、シャッター音が静かに鳴っていた。


『ねえねえ。このタコさん、なぁに?』
「エイツアのマスコットで、エイリやんって言うんだ!」
『エイリ、やん、ちゃん……くん……?』
 どっちだろー?でも、すっごくかわいい!
 こんがり焼き目のついた、パンのドア飾りは子供達に大人気!
 特製レシピで作られた、タコ型エイリアン――エイリやんは首元のリボン、足の水玉模様迄、完全再現なのだから驚きだ。尚、此れも笹塚謹製の模様。

 ――Welcome!
 ドアを開けば、キラキラの床が歓迎する様に明滅を繰り返していて。
 ふわふわなホットケーキの壁は、優しく包み込む様な雰囲気を感じさせる。
 沢山のクッキー、マカロン、チョコレート!
 こんなにある飾りの内、一つくらい食べても……いや、止めておこう。
 だって……このお家はまた、みんなを守ってくれるかもしれないから。

 ねぇねぇ、あれって?
 子供の一人が指差したのは、大きなクッキーのテーブルに置かれた……茶色の箱?
 にやり。ジャスパーが悪戯めいた笑みと共に、箱を持ち上げると――。

「じゃーん!」
『わあ……っ!』
 現れたのは、ナッツやドライフルーツたーっぷりのアイスケーキ!
 下に敷かれているふわふわとした何かは、恐らくカステラか。
 一口食べれば舌の上で溶けて、濃厚なクリームチーズの味や香りが広がるだろう。
 ……様々なフルーツの甘酸っぱさや、ナッツのザクザク感がまた楽しい。
 他のみんなが作ったお菓子に添えて、一緒に食べるのもきっと美味しい筈だ。

 お菓子の家は完成している。
 残ったお菓子はどうしようか?決まっているじゃないか!
 さあ、待ちに待ったおやつタイム!心置きなく、お菓子を食べよう!

『たべていい?たべても、いいの?』
「しっかり待つ良い子は、ごほうびがあるんすよ」
「うん、うん!皆さんのお菓子、美味しいし……」
「一働きした後の菓子は格別だなァ、美味ェ」
 子供達の嬉しそうな声と共に……伊能や花澤、出雲もお菓子を手に取り始める。
 クッキーと一言に纏めても、其の種類は数々で。
 サクサク食感を楽しみながら、エイリアンツアーズの面々と子供達は談笑を楽しんでいる。美味しい、美味しいね!
 ……そんな声を聞いて、笹塚はふと笑みを浮かべた。

「まだ菓子は余ってるしな。足りなきゃ追加で作るから、遠慮なく食えよ」
「そ、それなら、俺も……手伝う、よ……?」
「笹塚先輩。宜しければ、わたしも……」
 流石、スイーツ番長。
 作っても良いなら、まだまだ作れるぞと言わんばかりの提案である。
 だが、笹塚一人だけに作らせるのは心苦しいと思ったのか。
 オスカーと榛名が、控えめながらも挙手をしていて。
 其れに対して笹塚は頷き、助かると呟いた。

「それにしても皆で作ったお菓子の家、キュートかつ頑丈そうだ」
「これでオウガが来たってへっちゃらだな……だよね?」
「パウル、それ俺のセリフー!」
「(パウルさん、ジャスパーさん、今日も仲良しだなあ)」
 アイスケーキを口にしながら、花澤は微笑ましそうに笑う。
 其々が手にしているお菓子を一口交換する、など……以前からパウルとジャスパーの間に、互いを思いやる気持ちが感じられるから。
 ……もしも、の話だけれど。
 その時は二人の様に、仲睦まじくなれたらいいなと彼女は思うのだった。


「燈。……温かい、ですね」
「キュイ!」
 こっそりと、ゴーグルで撮影してきた写真。
 どれもデータに欠損は無く、しっかりと撮れている。
 沢山作って、色々な飾り付けをして……最後に美味しい、とみんなで笑っている。
 榛名にとって、とても温かな時間だと感じられたのだろう。
 ……誘って良かった。また、皆さんとこんな風に過ごせたら。
 そんな思いと共に、呟かれた彼女の声を聞いて。
 燈もまた、嬉しそうに鳴いたのだった。

 其れは美しく、大きな船。
 エイリアンツアーズのみんなで作り上げた、甘くて素敵なお家。
 そして……アリスラビリンスの自由の象徴になり得るもの、かもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

木常野・都月
【狐兎】

お菓子の家!絵本にあるやつだ!

俺はお菓子作った事ないけど、栗花落先輩がいるなら、何とかなる!

先輩のお菓子作りの手伝いと、見張りは俺がやりますね。

UC【俺分身】で、分身の俺とチィを見張りにつけたい。

相手の数が多いなら、月の精霊様チィの[催眠術、範囲攻撃、気絶攻撃]で、邪悪な子供達は眠っていて貰いたい。
きっと寝て起きたら、先輩が凄いお菓子を作ってるはずだ。

先輩を手伝う俺は、先輩に頼まれた事を手伝いたい。

必要に応じて、風や火や氷の精霊様を出して、温風、冷風で、温めたり冷ましたりしたい。

必要があれば、時精霊の宝珠で時の精霊様に頼んで生地を……寝かせ?ますね。

先輩、凄いお菓子の家が出来ましたね


栗花落・澪
【狐兎】

お菓子なら任せて!【料理】
木常野さんも教えてあげるから一緒にやろ
魔法で時短もね♪

初心者でもできるよう定番もの主体
壁はクッキーでしょ?
窓は★candy popを型に溶かして固めよう
魔法は組み合わせれば時短出来るから
時間がかかる工程はそれで分担!

木常野さんの様子を見ながら
僕は苺タルトを湯煎した苺チョコで繋げた屋根を
仕上げにフルーツアートで作った動物乗せたら可愛いかな?

悪戯っ子の報告があったら手を取って【指定UC】
衝撃は強いほど目覚めそうだし

ダメだよそういう事しちゃ
ちゃんと皆の分もあるから、ね?

効果が見えたらぱっとUC解除
多めに作ったお菓子を手に無邪気な笑顔で

終わったら皆で試食会だよー!




「お菓子の家!絵本にあるやつだ!」
 耳がぴこぴこ。尻尾もゆらゆら。
 木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)の瞳が、とても輝きに満ちていた。
 肩に乗っている月の精霊――チィも、主人の感情に釣られてか。
 チィ!と楽しげな鳴き声を上げて、尻尾をぱたぱたと。
 そんな一人と一匹の様子を見つめながら、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)もまた微笑みを浮かべていた。

「お菓子なら任せて!木常野さんも教えてあげるから、一緒にやろ?」
「俺は、お菓子作った事ないけど……いいんですか?」
「勿論!魔法で時短もね?」
 ――栗花落先輩がいるなら、何とかなる……!
 時短に役立つ精霊様の組み合わせも、彼に聞く事が出来るなら。
 初心者にも作る事が出来るお菓子を考えてくれる彼を見て、木常野は頑張ろうと改めて決意を固めていた。……と、その前に。
 木常野はユーベルコードを発動し、自分の分身を召喚する。

「分身の俺、チィ。もし邪悪な子供達を見付けたら、知らせてくれ」
『ああ、わかった。チィ、行こう』
 森の中は、木常野にとって慣れた土地。
 チィを抱き抱えながら、分身の彼は素早い足取りで索敵へと赴いた。
 その間に材料はある程度、栗花落が用意してくれている。
「それじゃあ、早速はじめよー!」
「えっと、俺は何から……」
「まずはクッキーを作ろう!最初に……」
 栗花落がボウルに材料を入れていき、木常野が泡立て器で混ぜ混ぜ。
 纏めた生地は精霊様達の力を借りる事で、冷やした状態で寝かせる事が出来る。
 窓には可愛らしい飴玉を溶かして、固めたものを。
 ――折角なら、屋根も可愛らしくしたいな。何で作ろう。
 栗花落がふと考えていると……子供が一人だけ、飛び出してきたのだが。
 ずってーん!嗚呼、運悪く小石に躓いてしまったらしい。

「ダメだよ?そういう事しちゃ」
『う、うるさいなぁ!』
「ちゃんと皆の分もあるから、ね?」
 栗花落がそっと、一人の子供の手を取る。
 予想外の行動に思わず、栗花落と目を合わせた瞬間――にぱっ、と無邪気な笑顔が炸裂した!何故か、彼の周囲に淡い色のハートマークが見える。
 そんな幻に戸惑っている間、耳にしたのは小さな狐の鳴き声。
 其の正体が何なのか、確かめるよりも早く……静かに眠りに落ちた。

「チィさん、ありがとう」
「チィー!」
 少し離れた所から、ぱたぱたと近付く影一つ。
 栗花落に優しく撫でてもらえたからか、チィはとても嬉しそうだったそうな。


「先輩、凄いお菓子の家が出来ましたね」
「木常野さんも、一緒に頑張ってくれたからだよ。ありがとう!」
 完成したお菓子のお家。
 まるで、絵本の世界から出てきた様な……夢の様な家を目にして、木常野はぽつり。
 ……其の表情はきっと、感動に満ちていたのだろう。
 彼の素直な反応が嬉しくて。
 栗花落は笑顔を浮かべながら、感謝の言葉を告げた。

 ナパージュが塗られた苺は艶めき、キラキラと輝いている。
 チョコレートで繋がっている苺タルトの屋根の上では、狐や兎を初め……沢山の動物達が楽しそうに駆け回っている様。
 其の動物達は全て、フルーツで作られているのだから驚きだ。
 クッキーの壁に取り付けられているのは、透き通る飴の窓。

 素敵なお家にチィだけではなく、精霊様達も興味津々?
 甘い香りを楽しむ様に家の周辺を駆けて、浮かんで、眺めている。

「栗花落先輩」
「うん。折角、多めに作ったし……」
 栗花落の言葉を聞いて、木常野はチィの名前を呼ぶ。
 チィー!精霊の一鳴きは邪悪な子供達を、穏やかな眠りから目覚めさせた。
『むにゃ……あれ……?』
『あっ、お菓子だー!』
 邪悪さ、は何処へやら。
 突出した【誘惑】技能は、後から奇襲を試みた者達も含めて……子供達の洗脳を解く切っ掛けの一つになったのだろう。
 彼らもまた、先の木常野の様に目を輝かせていた。
 さて、お昼寝タイムが終わったならば。

「皆で試食会だよー!」
「先輩が作ってくれた、凄いお菓子が待っているぞ」
 無邪気な笑顔、楽しげな笑顔。
 二つの笑顔を見て、子供達も
 candy popから新たに取り出した飴も含めて、皿の上には沢山のお菓子。
 苺チョコレートを使った、フルーツフォンデュもある。

 みんなをまた、守ってくれるお家で。
 思い出に残る様な、素敵なおやつの時間を過ごそう!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エスターテ・アレグレット
【味:???】
お菓子作って家にすればいいんすよね?
早速作って……あ。
……やばい。材料にラベルがない。これ…砂糖?それとも塩か?
舐めても僕の舌じゃよくわからないし……。こうなりゃ一か八かで作ってみるか。

作るのはクロスタータ
僕のリチェッタにもちゃんと載ってるから、材料さえ間違ってなきゃ完璧に作れるけど。

完成。見た目は悪くない気がするが…。
あ、セシリアくん、これちょっと味見してくれません?
(味の出来はおまかせ)

失敗→…あー、これは失敗っすかねぇ? 僕が味見?いいすけど、僕の味覚あてになんないすよ?

成功→ああ、よかった。安心したっす。まだあるんで、それも毒m…味見してくれます?


セシリア・フェッチ
【味:???】
この国に来るのは二回目ですね
悪戯対策にからくり人形で子供たちを何処かに誘導します
さて!私は大きなババロア(味は普通)で家を作りますが…エスターテさん、いったい何を作っているのでしょうか?
なんというか…なんでしょう…見た目は美味しそうですが、若干不安が…味見?構いませんよ
すごく不味い→(なんだこれは!?ま、マズッ…何をどうしたらこうなるんだ?)…こ、個性的な味がしますね!…え?もう一口?いえ、私はもうお腹いっぱいで…よかったら私のババロアも味見して貰えませんか?
美味しい→とても美味しいです!エスターテさん、お料理上手なんですね。(今毒味って聞こえたような…)素敵な家になりそうです




 ――この国に来るのは二回目ですね。
 セシリア・フェッチ(美しき死神・f12625)は呟きながら、まるでピアノを弾く様に指を動かしていく。
 彼女……否、彼の指に繋がる糸は、先行しているからくり人形に繋がっていた。
 見目麗しい姿を見て、子供達は思わず見惚れるものの……。
 明らかに仲間ではない『何か』に対して、警戒心を露わにしていた。
「(さあ、此方へいらっしゃい)」
 鬼に操られた子供達を手招く様に。
 ゆらり、ゆらり。人形は空を滑る様に移動してゆく。
 子供達が其れを追い掛け始めた事を確認して……セシリアとエスターテ・アレグレット(巻き込まれる男・f26406)は、壊れかけのお菓子の家へ向かった。
 ……それにしても、ドルチェ作りか。
 エスターテは正直な所、来て早々だが……帰りたい気持ちが募り始めていた。

「まあ、要はお菓子作って家にすればいいんすよね?」
「そうですね。私は私は大きなババロアで家を作ろうと思いますが……」
 エスターテさんは、何を作るのでしょう?
 表紙に何らかの模様が描かれた本を手にしている彼へ、セシリアが視線を向ければ。
 直ぐに気付いた様に彼と目を合わせて、エスターテはとあるページを見せようと。
「僕は、このクロスタータを作るっす」
「クロスタータ、ですか……?」
「故郷の……昔ながらのおやつ、みたいなもんっすかね」
 このレシピに則れば、完璧に故郷の味を再現出来る筈。
 まあ、材料さえ間違わなければの話だが……恐らく、大丈夫だろう。多分。
 初めて耳にするお菓子の名前に、セシリアは目を輝かせていた。

 お互いに作るお菓子が決まったのだ。
 さて、早速作ろう!まずは材料の準備……し、しまった。
 エスターテは片手を顎に添えて、まじまじと瓶を見つめていた。

「(……やばい)」
 何という事だ。
 白色の調味料が入った瓶が二種類。
 そして、エスターテにとっては厄介な事に――どちらもラベルが無かったのだ。
 どちらかが砂糖で、もう一方が塩であるのだろうとは思うけれど。
 強化の後遺症で、味覚も殆どが失われている。
 そんな彼に、実際に舐めて確かめるという方法は難しく。

 さて、どうするか。
 こうなりゃ、一か八か――。


「出来ましたね!」
「見た目は悪くない気がするが……」
 真白だけではなく、薄紅や抹茶。
 其れに内装の飾りとしても使える様に、セシリアは中にエディブルフラワーを閉じ込めた透明なゼリーも作ったらしい。
 足りなければ、また追加で作る必要はあるだろうが……。
 エスターテが作ったお菓子もある、恐らく、大丈夫だと彼は考えているものの。

「なんというか……なんでしょう……?」
 そう、見た目は普通だ。普通なのだ。
 しかし、セシリアの中で若干の不安が渦巻いている。
 そういえば先程、調味料が入った瓶を見つめては首を傾げていた様な?
 気のせいだろうか?いや、気のせいだと思いたいが。
 彼の思考は、エスターテの申し出によって中断される事となる。
「あ、セシリアくん。これちょっと味見してくれません?」
「味見?構いませんよ」
 小皿に乗った、一ピースのクロスタータ。
 香りから察するに、恐らくブルーベリーのジャムが使われているのだろう。
 果実の甘み、仄かな酸味を感じ取った後……セシリアはぱくっ、と一口。
 ――ッ!こっ、これは……!

「とても美味しいです!エスターテさん、お料理上手なんですね」
「ああ、よかった。安心したっす」
 甘さの中に、何処か懐かしさも感じられる。
 セシリアがつい、もう一口と食べ進める様子を見て、エスターテは安堵していた。
 ――素敵な家になりそうです。
 エスターテは彼の言葉に頷こうとしたが、ふと思い出した。
 他のジャムを使ったクロスタータも作ったけれど、同じ調味料を使っただろうか。
 途中から考えるのが面倒で、全部一か八かで選んでいた様な……?

「まだあるんで、それも毒……味見してくれます?」
「今、毒見って聞こえたような……」
「気のせいっすよ」
 尚、杏子ジャムのクロスタータには塩が入っていたらしく。
 一口食べた直後……セシリアの表情が思わず、凍ってしまったそうな。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヨシュカ・グナイゼナウ
【渡り星】
等身大のお菓子の家を作れるなんて…!何だか興奮してきました。しませんか?
はい!頑張りますよう!

先輩の鳥さんと猫達に周辺警戒をお願いしたら
いざメイキング!

バターたっぷりクッキーをパステルカラーのアイシングでコーティング
外壁ですからね、かわいく強度も上昇です
先輩は何を描きますか?わたしはですね…月とか星を上の方に!
むむ、美味しい…(こそこそ)や、これはですね…味見です
成る程マカロンを屋根飾りに。…かわいい!あ!アラザン付けたいです!銀色の!
はあい、了解です!(アイシングぺたぺた)


完成したらそっと周りに手招きを
美味しいものはですね
みんなで食べるともっと美味しいって識っていますから


穂結・神楽耶
【渡り星】
※味覚欠損のため味見NG

お料理やってれば等身大お菓子の家作りはひとつの憧れですもの。
頑張りましょうね、グナイゼナウ様。

周辺警戒は瓦緋羽に任せます。
危ないことをする子達は別の所に導いてください。

さあ、たっぷりのバターと小麦粉で固めのクッキーを焼きましょう!
飾り付けには自信ないんですが…
リボンやお花を描いてかわいくしましょうか。
窓はキャンディを使ってステンドグラス風にして。
屋根飾りにマカロンを使えばぐっとカラフルになります!
アザランは落ちないようにアイシングで固めましょうね。

さ、お待たせしました。
瓦緋羽、案内をお願いできますか?
一緒にやればもっと楽しくなりますから。
さあ、どうぞ!




 等身大のお菓子の家!
 其れは甘味好きにとっては、夢そのもの。
 また……料理携わる者にとって、ひとつの憧れでもあるのだろう。

 まさか、其れを実現出来るとは!
 ヨシュカ・グナイゼナウ(明星・f10678)は今も尚、興奮冷めやらぬ様子だった。
 おおきな、おおきな、お菓子の家。
 甘味の類に弱い彼としては、興奮しない筈も無く。
 蜂蜜の様な金の瞳が煌めく様を見て、穂結・神楽耶(あやつなぎ・f15297)は彼へ微笑ましげな目を向けていた。

「頑張りましょうね、グナイゼナウ様」
「はい!頑張りますよう!」
 おっと、まずは一仕事。
 穂結の呼び声に応える様に……折り紙が少しずつ、ひとりでに動き始める。
 山に、谷にと、折り重ねて。
 彼女の掌の上に生まれるは一羽の鳥――式紙、瓦緋羽。

 ヨシュカも己のユーベルコードを使い、茂みに隠れていた猫達を呼び寄せる。
 不思議な廻り合わせに首を傾げながらも……。
 猫達は頷き、先行して飛んでいた瓦緋羽を追い掛けていった。
 周辺の警戒は彼らに任せれば、問題無いだろう。
 ――ではでは!いざ、メイキング!

「さあ、たっぷりのバターと小麦粉で固めのクッキーを焼きましょう!」
「外壁ですからね、かわいく強度も上昇です」
 こんがりきつね色に焼けた、固めのクッキーの壁。
 二人は其処に、一緒に作ったアイシングをぺたぺたと塗り始める。
 さて。下地を塗り終えたら、何を描こう?

 ――先輩は何を描きますか?
 ――飾り付けには自信ないんですが、そうですね……。

 ヨシュカと穂結は相談しながら、様々な絵を描いていく。
 ……ああ、でも。動いていると少しだけ、お腹が空いて来るもので。

「むむ、美味しい……」
「グナイゼナウ様、どうされました?」
「や、これはですね……そう!味見です!」
 焼き菓子の良い香りに、思わず一口。
 幸せな甘さ、美味しさのあまり、ヨシュカはもう一口!
 ……食べる事に夢中だった為か、穂結の視線に気付かなかった様で。
 慌てて味見だと告げる様子に、彼女はふふっと微笑んだ。

 味覚が欠損している自分に、味見は出来ないけれど。
 ヨシュカの『美味しい』という言葉が、笑顔が。
 何よりも、嬉しいと感じるから。

「屋根飾りに、マカロンを使いましょうか。ぐっとカラフルになります!」
「成る程、マカロンを屋根飾りに」
 試しに一つ、と。
 穂結が屋根の上にマカロンを乗せれば、其れだけで華やかさが増してゆく。
 ――かわいい!
 早速、自分もやってみよう!
 ヨシュカはマカロンに手を伸ばそうとして、ふと思い付いた。
「あ!アラザン付けたいです!銀色の!」
「いいですね。アザランは落ちないように、アイシングで固めましょうね」
「はあい、了解です!」
 紺色のアイシングをぺたぺた、上にアザランを散らして。
 其れはまるで、夜空に煌めく渡り星の様だった。


 ――瓦緋羽、案内をお願いできますか?
 主の声無き声に呼応して、式紙の動きが変化する。
 遠ざけるものではなく。本来の役目、導くものへと。
 合わせる様に猫達も駆けると、子供達は追い掛けろ!と叫び、再び走り始める。
 意図に気付かぬまま、彼らが辿り着いた先は……。

『わっ……!』
『すごーい!……じゃ、じゃなく、て』
 愛らしい花月、煌めく様なお星様。
 其れらに輝きを齎すのは、銀色のアザラン。
 ステンドグラス風の窓枠には、チョコレートペンで描かれたレースやリボン。
 どれも美味しそうだけれど、一番は屋根に飾られたカラフルなマカロンかな?
 ……もぐもぐ。もぐもぐ。
 余ったマカロンを食べながら、ヨシュカはそっと手招きを。

「美味しいものはですね。みんなで食べると、もっと美味しいって識っていますから」
「良かったら、一緒にアイシングクッキー作りも如何でしょう?」
『ぼくらも、いいの?』
「勿論ですよ」
 多めに用意していた為か、材料はまだ残っている。
 ……美味しい、は解らないけれど。
 ヨシュカとお菓子の家を作っている間、穂結は楽しさを感じていたのだろう。
 折角の機会。みんなで一緒にやれば、もっと楽しくなりますから。

「先輩!わたしも是非、また作りたいです!」
「ええ、グナイゼナウ様」
 ――さあ、どうぞ!
 穂結の声を聞き、子供達は二人へ駆け寄っていく。
 其の表情に邪悪さは無く。無邪気で、嬉しそうな笑顔を浮かべていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

蘭・七結
【彩菓】

お菓子たちで造りあげるお家だなんて
心が踊るような心地に満ちるよう
三人のすきを重ねましょう

みたらし団子に琥珀糖、クッキー
ふふ、和洋が絡まったステキなお家ね
チョコレエトを蕩かして
生地と混ぜ合わせ、さっくりと仕上げるわ
型抜きは羽根とサクラ、……あら
ペンギンの型を見つけたわ
ヨルさんにもお願いしようかしら

焼き上がりまでがとても待ち遠しい
焦がさぬように、周りの子が悪戯しないように
じいっと見ていないとね

焼き上げたクッキーを壁にして
型抜いたものを添えてゆく
とろりとみたらし団子の屋根
琥珀糖のステンドグラス
持ち込んだいちご味の金平糖を飾る

ひとつきりのお家の出来上がりね
ショコラのクッキー、おひとつ如何かしら


宵雛花・十雉
【彩菓】

いやぁ、まさかお菓子の家を作るなんて
人生何があるか分かんねぇな

みたらし団子に琥珀糖に…はは、くきーか
そうだな、くきーもたくさん焼こうぜ
オレたちの好きなもんを詰め込んでやろ

オレは拘りのみたらし団子を作る
屋根にしねぇとだからでっかいの作ろ
だんご粉と水を混ぜて捏ね、丸めて団子に
タレは味見を重ねて納得のいく味を目指すよ
そうだ、皆にも味見して貰うかな

お、クッキーのいい匂いがしてきた
ヨルも手伝ってんのか、偉いなぁ

リルのはスゲェな
芸術品みてぇ

出来た菓子を組み立てるうちに腹が減ってきた
けど我慢我慢…

よっし、完成!
オレたちの家、立派な家になったなぁ
お、クッキーいいのか?
有難ぇ、腹の虫が限界だったんだ


リル・ルリ
【彩菓】

甘い香りに、溢れるにこにこ笑顔
うん!皆のすきをつめこんだ、宝箱みたいなお菓子の家をつくろう

よーしやるぞと気合いをいれる
ヨルはぴょんぴょん僕らを応援してくれてる
悪戯っ子達もしかりと見張っておくんだよ

十雉の好きなみたらし団子に僕の作れる琥珀糖、七結のくきー!
僕は琥珀糖の窓を作る
檸檬に、そーだ、スイカ味―夏の味覚のとりどりの琥珀糖をすてんどぐらすのように組み合わせるんだ
七結のくきー、いい香り
ヨル
お手伝い
しっかり型抜きするんだ

もちもちのお団子はできたかな?
餡を絡めた屋根にさくさくのくきーの壁
琥珀糖の窓に飾られた金平糖

わぁできた!僕達のお菓子の家だ!
美味しいに決まってる
だって僕らが作ったんだから




「お菓子たちで造りあげるお家、だなんて」
 言葉の響きだけでも、心が弾む様な。
 そんな心地に浸りながら、蘭・七結(まなくれなゐ・f00421)は優雅に歩を進める。
 どんなお菓子を作ろうか、どんなお家にしようか。
 滅多に無い機会だからこそ……。
 三人のすきを重ねたお家を作りたい、と彼女は考えている様だ。

「いやぁ、まさかお菓子の家を作るなんて」
 ――人生、何があるか分かんねぇな。
 退屈とは縁遠い様に聞こえる言の葉に、宵雛花・十雉(奇々傀々・f23050)も愉快そうな笑みを浮かべていた。
 嗚呼。もしかすると、弟妹に良い土産話が出来るかもしれない。
 彼が思案する隣で、リル・ルリ(『櫻沫の匣舟』・f10762)もまた、にこにこ笑顔を浮かべていた。

「ヨル、楽しみだね。うん、楽しみだ!」
「きゅっ!」
 ゆらり、ゆらり。揺らめく、人魚の傍ら。
 ぴょんぴょん、ぴょーん!
 飛び跳ねる様に寄り添うのは、リルの式神――ヨルだった。
 元気な鳴き声は同意する様でもあり、三人を応援する様な力強い声。
 ――悪戯っ子達も、しかりと見張っておくんだよ。
 リルが言葉を重ねれば、鳴き声と共にとてとて、と三人から離れていく。
 子供達が襲撃を試みたとしても、ヨルは立派な式神。
 きちんと、役目を果たしてくれる筈。

「わたしは……そうね、クッキーを作ろうかしら」
「七結のくきー!僕は琥珀糖を作る!」
「はは、くきーか。オレは拘りのみたらし団子を作るか」
「ふふ、和洋が絡まったステキなお家ね」
 どんな家になるのだろう。
 そうだな。くきーもたくさん焼こうぜ、と。
 宵雛花がリルへと声掛ると、彼は目をきらきらと輝かせながら微笑んでいた。

 甘い、甘い、チョコレエトを蕩かして。
 湯煎をしている蘭の近くで、宵雛花は団子粉と水を力強く混ぜていく。
 屋根にするのだから、出来る限り大きなお団子を作った方がいいだろう。
 何かを混ぜる動きは、リルも同じく。
 粉寒天を溶かした水の中へ、たっぷりの上白糖を入れては再び混ぜ合わせていく。

 作っている間、どんな味にするか。
 どんな形を作ろうか、考えるのもまた楽しくて。

 周辺の警戒、或いは子供達を遠ざけ終えたのだろうか。
 甘い香りを辿る様に、ヨルが三人の元へと戻って来た様だ。
 ……そうだ。先程、ペンギンの型を見つけたから。
 ヨルさんにもお願いしようかしら。蘭がリルに相談すると、彼はこくりと頷いて。

「ヨル」
「きゅー?」
「お手伝い。しっかり、型抜きするんだ」
「きゅきゅっ!」
 びしっ!と、了解ポーズ!
 ヨルは蘭から手渡されたペンギンの型を受け取り、ぴょんっと台の上に乗った後。
 淡い黄色の生地に、型をぺったんと押し付ける。
 ――外す時はそっと、ね。
 彼女の助言に頷き、型を静かに持ち上げると……生地がペンギンさんの形に!?
 感動を露わにするリルへと、三人は揃って静かな拍手を送った。

「ヨルも手伝ってんのか、偉いなぁ」
「ヨルさん、ありがとう」
「きゅーっ!」
 お手伝いの大成功に、ヨルはとっても嬉しそう。
 彼の背に桜の花が、ふわり、ほわりと浮かび上がっている気がする。
 宵雛花がこっちもやってみるか?と、お団子を丸めて見せながら声掛けると。
 きゅっ!やる気に満ちた鳴き声が、返って来た。

「そろそろ、クッキーを焼き始めようかしら」
「僕も、琥珀糖を冷やして……」
 冷やしている間、リルは蘭と共にクッキーが焼き上がるのを待つ。
 まだかな、まだかな。焼き上がりまでが、とても待ち遠しい。
 焦がさぬように、周りの子が悪戯しないように。
 二人は談笑を交えながら、オーブンの前でじいっと待ち続けていたそうな。


 和洋折衷、彩り鮮やかなお家。
 さっくり食感のクッキーで作られた、チョコレエト香る壁。
 そして……黄色や水色、薄紅色。
 夏の味覚取り取りの琥珀糖の窓は、本物のステンドグラスの様にきらきらと。
 もちもちな屋根を纏うのは、みんなで味見をしたこだわりのみたらし餡。
 ――おっと、忘れてはいけない。
 扉に添えられたペンギンさん以外にも、羽根や桜花が来客を温かく迎え入れてくれる事だろう。

 嗚呼。嗚呼。
 芸術品さながらの窓。餡を絡めた屋根に、さくさくのくきーの壁。
 とても満足のいく出来栄えだが、宵雛花の腹の虫は限界だ。
 出来上がったお菓子を組み立てている内は、我慢我慢と言い聞かせていたけれど。
 彼の心境を察した様に、お皿を差し出したのは……蘭だった。

「二人共。ショコラのクッキー、おひとつ如何かしら」
「七結のくきー!」
「お、クッキーいいのか?有難ぇ」
 勿論、と。
 蘭が華の様な笑みと共に呟くと。
 宵雛花とリルの足元で、ぴょんぴょん跳ねる影一つ。
 其れはまるで、ぼくも!ぼくも!とはしゃぐ童の様にも見える。

 お手伝いを頑張ってくれた、愛らしいペンギンさんにも一枚。
 皆で分け合った後、揃って一口。
 仄かなカカオの香り、優しい甘さに心身共に癒されつつ。

「にしても……オレたちの家、立派な家になったなぁ」
「ひとつきりのお家の出来上がりね」
「うん!僕達のお菓子の家だ!」
 三人の好きを重ねて、詰め込んだ宝箱。
 美味しいに決まってる。だって、僕らが作ったんだから。
 其れはリルだけではなく、他の二人も思いは同じ。

 だからこそ、か。
 【彩菓】の三人は顔を見合わせて、穏やかに笑い合ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月25日


挿絵イラスト