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迷宮災厄戦⑭〜エビバディ・パーティー!

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #トランプ兵

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●夢の国
 満月の照明が貼り付いている天井は、光を浴びて煌めく星空模様。
 足元はふかふかしっとりのファーが気持ちいいパステルカラー。
 ベッドは触れた瞬間あなた好みに大変身。枕の硬さ、布団の種類、色や柄だって合わせてくれるし、並べ方もイメージした瞬間ジャジャンと終わっている。
 まん丸、四角、三角、お星さま。様々な形・色をしたクッションは、足りなくなるなんて事がないくらい。もしも足りなくなってきたら、床に転がるクッションの下から、ふっくらぽんっ! と新しいクッションが現れる。
 そこはとってもふわふわな夢の国の一角。
 その国では、誰も彼もが眠くて眠くてしょうがなくなるのだが――。

『ねえねえ貴公。今まで女王陛下に内密で食べたアリスの中で、特に美味だったアリスはいるか?』
『む? うーむ……秘密である』
『むっ、我らの間に隠し事は無しだぞ! 吾輩はフラミンゴ色の服を着たアリスの味が忘れられぬ。実に甘くまろやかで……』
 頭部には、先端に丸いポンポンが付いたサンタ帽のようなナイトキャップ。長袖のシンプルな、けれど生地はさらさら輝くようなシルクのパジャマを着たトランプ兵が、ベッドの上に寝転がったり胡座をかいたりと、それはもうのんびり過ごしていた。
『我輩はこのような見目のアリスが美味だったと記憶している。絵にしてやろう』
『ほう? ほうほう……これはこれは。匂い立つような色香を放つアリスではないか』
『しかし、パジャマパーティーとは実に趣深いものであるな』
『うむ、これは実に心が躍るものよ。睡魔に打ち勝ち、更に猟兵を倒せるとは』
『……やだ、我輩たち準備万端過ぎるな?』
『『『うむ』』』
『では、やって来た猟兵は全て倒して、いい夢を見させてやろう』
『『『うむうむ』』』

●迷宮災厄戦
「という事が既に判っていますので、皆さんも準備万端で挑めます」
 ダグラス・ブライトウェル(Cannibalize・f19680)は穏やかに言い、『トランプ兵』の皆さんには大変申し訳ないですけどね、と、全くそう思ってなさそうな微笑を浮かべた。
 新たな戦場はとてもふわふわとした夢の国だ。
 そこでは誰もが強烈な睡魔に襲われ、通常であれば戦う事は困難だが、パジャマパーティーをしている間だけは普通に行動出来る。
 ベッドやクッションは既に存在しており、ベッドの方は魔法の力で好みにアレンジ出来るようだ。シンプルが好きならシンプルに。マスコットが好きなら、マスコットがわちゃわちゃ散りばめられた柄ものに。
 ベッドの並びも変えられるようで、とある『トランプ兵』グループは、お互いの声がちゃんと聞こえるよう、頭側を突き合わす形で並べている。修学旅行でよくある、あの並びだ。
「パジャマパーティーですから、ご自分がパジャマだと思う格好をしてください。その上でお菓子やジュース、お酒を持ち込んで楽しんだり、ご友人やお知り合いとの歓談に興じていれば大丈夫ですよ」
 つまり、かなり好き放題出来る。
 色々な意味で『夢の国』だ。
 そうやってパジャマパーティーを満喫していれば、睡魔にも、準備万端だとパジャマパーティを満喫している『トランプ兵』にも負けはしない。存分にパジャマパーティーを楽しんでから攻撃するといいだろう。
「それでは繋ぎます。どうぞ、良いひとときを」
 そして、オウガたちには良い夢を。


東間
 迷宮災厄戦のご案内に来ました、東間(あずま)です。
 パジャマパーティーの時間ですわよ、皆様準備はよろしくって?

●プレイング受付期間
 導入場面の公開は無し。
 受付期間は個人ページトップ及びツイッター(https://twitter.com/azu_ma_tw)でお知らせしておりますので、プレイング送信前に一度ご確認くださいませ。
 書ける範囲で書く予定でいる為、全員採用のお約束は出来ません。ご了承ください。

●プレイングボーナス:パジャマパーティーをしながら戦う
 メイン描写はパーティータイム。
 お好きなパジャマ姿でどうぞ。
 温泉旅館のような浴衣も良し。Tシャツにスウェットもパジャマのカウントに入ります。いつもこれで寝てる!という場合はスーツもパジャマです。お仕事お疲れさまです。ただし年齢制限に引っかかりそうなものは採用出来ません。

 パーティー内容はご自由に! ガールズ・ボーイズ・イェーガー・お仕事・ちょっと血なまぐさいトーク等に花を咲かせたり、お菓子を食べたり動画を見たりゲームをしたり、枕やクッションを投げ合ったり等々。
 ※パーティー内容はひとつに絞るのをおすすめします。

 パジャマパーティーとかよくわからない…という方は、枕投げしたり、寝転がって「ねえねえ好きな人いる?」って言えば大丈夫です。謎の睡魔が「これはパジャマパーティー!」と某バニーちゃん並のガバ判定します。
 同行者がいない場合は、『トランプ兵』とのパジャマパーティーになります。

●お願い
 複数人参加は【四人】まで。
 同行者がいる方は迷子防止の為、プレイングに【お相手の名前とID、もしくはグループ名】の明記をお願い致します。三~四人参加ならグループ名の方が文字数節約になってお得。

 プレイング送信のタイミング=失効日がバラバラだと、納品に間に合わず一度流さざるをえない可能性がある為、プレイング送信日の統一をお願い致します。
 日付を跨ぎそうな場合は、翌8:31以降の送信だと〆切が少し延びていい感じです。

 以上です。
 皆様のご参加、お待ちしております。
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第1章 集団戦 『トランプ兵』

POW   :    『女王直々の召集令状である!』
【ハートの女王】から【の令状を読み上げ怒号】を放ち、【令状に従い組み付くトランプ兵】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    『赤く赤く、染めねばなるまい!』
【ハートのスピア】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    『――このままでは首を刎ねられてしまうッ!』
自身が【ハートの女王に対する恐怖】を感じると、レベル×1体の【ハートのトランプ兵たち】が召喚される。ハートのトランプ兵たちはハートの女王に対する恐怖を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

オズ・ケストナー
【もこ】

もこもこパジャマは3人お揃いで
わたしはクマさんだよ
フードをかぶる

パーティ開けしたスナック菓子
トランプもって
パーティのはじまりだっ

ポーカーでおたからをかけるよっ(ルールはよくしらないけど)
チップはクッキー
まず――レモンクッキーから
神妙な顔でスッと出し

手札を見てきらんと笑み
レイズっ
バタークッキー追加

アニー、ぜんぶこうかんするのっ?
すごい、しょうぶしだ(ごくり)(言ってみたいだけ)

わたしの手札はハートがいっぱいだよっ
ロイヤル、ストレートー……フラーッシュっ
※ただのフラッシュ
腕を振り上げてから格好良く
ばしーっ

わあ、ジョーカーがいるっ
クレナイの勝ちだねっ

まだまだやろうっ
最後はオウガもえいっと退治


アニー・ピュニシオン
【もこ】

パジャマパーティで、
お友達とトランプで遊ぶのだわっ!

しかし、ただのゲームではない
――お菓子を賭けての恐怖のポーカー!(ルールは知らない)

アンゴラウサギのもこもこパジャマに身を包み
トランプ握りしめ、いざ勝負!

あ、ツギハギ団はディーラーよろしく

私のチップはハートのジャムクッキーを
手札は……
なんか弱そうな同じ数字のカードが4つ?
確か一番強いのは
同じ数字が順番にならなくちゃいけな……

れ、レイズ?
あの笑顔。よほど手札に自信があるのね
ここは手札を全てを交換して、勝負を賭けるわ
きて、私のロイヤル!
……って、よくわかんない手札にっ!?

う、うぅ……ま、参りました
(2枚のクッキーを勝者に差し出そうとして)


朧・紅
【もこ】
紅人格で

パジャマパーティ
僕っはじめてっ

動物クッション一杯
寝そべったふかファー気持ち良き

もっこもこ猫パジャマはパステル色のメルヘン縞模様

お菓子齧って夜更かしな賭け事
ちょこっと悪い事してる気分ですっ(そわ

オズさんレイズです!?(ってなんでしょ?アニー様は全部変えてるです!?僕も続かなきゃ

ぼ、僕もレイズっ!
猫さんクッキーにウサギさんとクマさんも足すの

えと
一番カッコ良き技は確か数字が並んでないとだめな奴
あ、でもこの絵柄猫さんだ
これだけ残して交換…

ろいやるー!

チグハグ数字と猫ジョーカー

わ、これ居ると勝ちなのです?
やたぁ!

万歳拍子に飛んだジョーカーがトランプ兵へ刺さって倒しちゃう?(攻撃

もう一回!



 足元覆うパステルカラーのファーの上に、もこっとやわらかなシルエットが三つ、仲良く並んだ。早速動いたもこもこクマ――オズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)が沢山のスナック菓子を大きな皿や小さな皿へざばばーっとパーティ開けすれば、夢の国にわくわくの空気がぱあっと広がる。
「さあ、パーティのはじまりだっ」
 クマさんフードの下でキトンブルーの瞳はきらきらと輝いて。
 そこに映ったパステル色でメルヘン縞模様なもっこもこ猫が、小さな歓声を上げてふかふかの床にダイブする。飛び込んだ先がとびきりのふっかふかで受け止めてくれたから、全然痛くないし気持ちいい。
「パジャマパーティ、僕っはじめてっ」
 パジャマを着て、みんなと一緒にこんなにいっぱいのお菓子を食べられるなんて。早速一つ摘んだ朧・紅(朧と紅・f01176)の口の中で、トランプの形をしたクッキーがさくっと鳴った。
「パジャマパーティーといえばこれも大事よ。さあ! トランプで遊ぶのだわっ!」
 ふふん! 胸を張ったもこもアンゴラウサギは、もこもこお手々にトランプケースをむきゅっと握るアニー・ピュニシオン(小さな継ぎ接ぎの国・f20021)。ぱかっと蓋を開けてカードを配っていくその瞳が、きらり不敵に輝いた。
 パジャマパーティーでトランプ遊び。
 ――がっ! ただのゲームではない! お菓子を賭けての恐怖のポーカーだ!
 三人の前では、アニーからディーラー役を任されたツギハギ団がトランプをしゅっしゅと切っていく。
 ふわふわな夢の国。三人お揃いのパジャマ。お菓子を齧って夜更しな賭け事。
 何もかもが、いつもと違う。
(「ちょこっと悪い事してる気分ですっ」)
 そわ、とした紅。きりり顔のオズ。余裕満々のアニー。三人は配られたカードを扇のように持って、お互い視線をちらっと交える。最初に動いたのはオズだった。
「わたしはおたからをかけるよっ」
 チップはクッキー。まずは――爽やかな香りが素敵なレモンクッキーから。神妙な顔でスッ、と出されたそれをじぃっと見たアニーは、ハートのジャムクッキーをススッと出して改めて手札を確認する。
(「なんか弱そうな同じ数字のカードが四つ……」)
 確か、ポーカーで強いのは同種で数字が順番になっているもの。
 中でも特に強いのが――。
「レイズっ」
 思考を遮った明るい声。追加される香ばしいバタークッキー。ふふ、と笑うオズにきょとんとしかけたアニーは、すかさず堂々としてみせる。あの笑顔。よほど手札に自信があると見た。
「オズさんレイズです!?」
 対象的に紅は目を丸くしてオズとバタークッキーを見比べる。レイズ。レイズ! ――レイズってなんでしょ?
 紅はポーカーのルールをよくわかっていなかった。自信満々なアニーとオズもあまりわかっていなかった。きっとツギハギ団もわかっていない。けれど問題はなかった。
 なぜならここは、じんぎなきぽーかーしょうぶのテーブル。
 それぞれのプライドとお菓子が行き交う、せんじょう!
「私は手札を全てを交換よ」
「アニー、ぜんぶこうかんするのっ? すごい、しょうぶしだ」
 ごくり。ライバルが仕掛けてきた攻勢にオズはつばを呑み、言ってみたかった台詞が言えてちょっぴりご機嫌だ。ところで手札はハードがいっぱいだけど、どうしようっ。
(「きて、私のロイヤル! ……って、よくわかんない手札にっ!?」)
 にこにこしながらも手札を見てウウーンとなっているオズに続き、アニーも笑顔をキュッとさせた裏で心の背景にベタフラを飛ばしていた。しょうぶし二人の攻防に、紅はひよこクッキーを頬張って考える。
(「アニー様は全部変えてるです!? 僕も続かなきゃ」)
 まずはチップに猫クッキーを。
「ぼ、僕もレイズっ!」
 ウサギとクマも。さくっと美味しいチップを足して、手元を見て。一番“カッコ良き”技は、とルールをふわっと思い出す。その中にいた絵柄が猫のものだけ残して他は交換して――。
「二人とも、かくごはいい?」
 オズの問いに紅とアニーはこくり。見守るツギハギ団も、こくりっ。
「ロイヤル、ストレートー……フラーッシュっ」
「ろいやるー!」

 ばしーっ
 ぺちーっ

 それぞれ出したものを仲良く覗き込めば、ロイヤルだったものは実はただのフラッシュで、大胆な賭けに出たアニーの結果はお察しで、そして――チグハグ数字と一緒の猫ジョーカーに、オズがわあっと笑顔を輝かせた。
「ジョーカーがいるっ。クレナイの勝ちだねっ」
「う、うぅ……ま、参りました」
「わ、これ居ると勝ちなのです? やたぁ!」
 潔く負けを認めたアニーが勝者へクッキーを二枚差し出して、大喜びの紅は万歳拍子に飛ばしたジョーカーがトランプ兵へサクッ! と刺さったのに気付かないまま、もう一回! と声を弾ませた。
「まだまだやろうっ」
「次は私が勝つわ!」
 そして最後にオウガもえいっと退治すれば、パジャマパーティーはパーフェクト!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

清川・シャル
f02317すずとパジャパ!
りんごの柄の可愛い夏用ルームウェアだよ!
すすも可愛いね、よしレッツガールズトーク!
持ってきた流しそうめんキットを用意します(???)
夏は流しそうめん食べたいねって言ってたし丁度いいかなって
スライダーとかついてるやつ
すず、逃さず食べてね〜
学校は今夏休みなんだよ、学校の宿題がね…(言いながらそうめん流すし食べる)
あ、手伝ってくれるの?嬉しい〜!自由研究って悩むよね…(エアろくろ)
目いっぱい遊びたいのに戦争だよね、猟兵も大変だなぁ
でもこうしてガールズトークする戦争だから今回はアリ
あ、攻撃が必要なら傍らにそーちゃん置いておきますし、見切りで華麗に避けます


コイスル・スズリズム
f01440シャルちゃんとパジャマパーティ!

すずは白と赤のギンガムチェックのパジャマ
りんごの柄だぁ~シャルちゃんりんご好きだもんね!かわいすぎるぅ

パジャマパーティでそうめんって
めっちょ夏で乙女な気がする~!とはしゃいで
すずはUCと「アート」でカラフルなハート型にした紙片を展開して
そのうえに座って攻撃力を上げつつ、ガールズ空間の演出

シャルちゃん中学生になったんだよね!
学校はどう?
うわなんか中学の頃とかすず覚えてないわアハハ
宿題かぁ!
何気に落ち着いてるとこもあるシャルちゃん
ここはお姉さんらしく
宿題をちょびっとお手伝い!たまには甘えさせてあげたいな

邪魔する敵さんには袖から取り出したランスで攻撃だよ!



「りんごの柄だぁ~シャルちゃんりんご好きだもんね! かわいすぎるぅ」
「夏用ルームウェアだよ! すずも可愛いね。白と赤のギンガムチェック似合う!」
 コイスル・スズリズム(人間のシンフォニア・f02317)と清川・シャル(無銘・f01440)は、きゃあきゃあはしゃいで瞳をきらりっ。パーティーの為のおめかし含めた準備はバッチリですとも。――という事で。
「それじゃあ流しそうめんしよ!」
 ででんっ。シャルは流しそうめんキットを取り出した。
 ぱぱぱっ。素麺、そばつゆ入りの魔法瓶、割り箸に花火が描かれた可愛いプラスチックカップも取り出した。薬味もバッチリだ。だってパジャパだもの、乙女だもの。
「夏は流しそうめん食べたいねって言ってたし丁度いいかなって。スライダーとかついてるやつにしたんだよ」
「パジャマパーティでそうめんって、めっちゃ夏で乙女な気がする~!」
 ガールズ空間の演出はお任せあれと、コイスルは弾む心のままにギンガムチェック彩る袖からふわっとカラフルハートを溢れさせた。ユメカワに舞うハートたちにシャルも「わあ」と目を輝かせて、二人揃ってその上に着席すればパジャパ乙女たちは完全無敵にパワーアップ。
「流すよー。すず、逃さず食べてね~」
「もちろん!」
 しゅぱっと掬っておつゆにイン。ちゅるりと啜れば素敵な喉越しと味わいが広がって、コイスルは頬を押さえて喜んで――あ、そうだ。
「シャルちゃん中学生になったんだよね! 学校はどう? うわなんか中学の頃とかすず覚えてないわアハハ」
「すず、3年前! すず中学生だったの3年前だよ!?」
 シャルは驚きながらも自ら流した素麺をしゅぱっとキャッチ。さっとつゆに付けて食べた素麺は美味しくて、けれど夏真っ只中の中学生だからこその悩みに、笑顔はすぐ困り顔になる。
「学校は今夏休みなんだよ、学校の宿題がね……」
「あー、宿題かぁ!」
 夏休みの風物詩。学生を困らせるにくいやつは、何気に落ち着いている所もあるシャルまでも悩ませる。各教科ごとに用意された宿題は得意・不得意にあわせて難易度が違うだろう。
「それじゃあ、すずお姉さんが宿題をちょびっとお手伝いしちゃう!」
 たまには甘えさせてあげたいな。そんな想いをウインクの後ろに隠して言えば、シャルの顔がぱっと明るくなった。
「あ、手伝ってくれるの? 嬉しい~! 自由研究って悩むよね……」
 何を研究してもいいという“自由さ”が逆に悩ましく、シャルの手はインタビューを受ける人のほとんどがかかる『手が勝手にろくろを回す』アレになっていた。ウンウンわかる、わかるよ。コイスルも手を動かして、二人して虚空に両手を添えて動かしたり動かさなかったり。
 ああ、夏休みなのに、目いっぱい遊びたいのに。学生には宿題があって、猟兵ならと思えば猟兵は戦争真っ最中。二足のわらじも大変だ。けれどこうしてガールズトークする戦争なら、とシャルはキャッチした素麺をちゅるり。
(「うん、今回はアリ」)
『むむっ、パジャマパーティーをしているというのに何やら憂鬱な雰囲気を感じ取って来てみれば……!』
『奇妙な仕草をしていたと思えばそれは……えっ、それ何? 貴公らはパスタを流しているのか?』
 ただしガールズトークへの乱入はナシよりのナシだ。
 二人はこっくり頷きあってそれぞれの武器を迷いなく手に取った。
「あ、ちょっと! 男子は勝手に入ってきちゃダメ!」
「そーだそーだ! あと夏休みの宿題は滅んじゃえー!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

宵鍔・千鶴
菫(f14101)と

紺生地に白ラインの
薄手のゆるっとした寝間着
カーディガンを羽織り

傍らの彼女の装いも思った通り
よく似合うとご満悦
するり肌蹴け露わな肌に
眉顰めこほんと咳払い
…だめ。ちゃんと着て。って羽織は
よいしょと着させ
けれど肩紐で咲く菫は指先で触れて
噫、やっぱり、よくきみに映える

…たい焼き。(ぱ、と好物を前に表情は和らぎ)
色々な中身の餡に舌鼓、涼しげばにらあいすを乗せ菫へ差出し
ねえ、今日は俺のすきなものだったから
次は菫がすきなものにしよう
沢山教えて、きみの話
そうだなあ、恋の話も良いかも
菫の返事は少しの安堵
弛い格好は心も少し解けてゆく気がして

トランプ兵へはぽいと枕でも投げて
黙らせておこうか


君影・菫
千鶴(ちぃ/f00683)と

淡い蒼に白と桃色の花咲く涼しいネグリジェは
ちぃが選んでくれたお気に入り
ねえねえって羽織ったものを片肩だけするりと捲って見せれば
すみれの花が咲いてるんよって楽しげに

はら?
うちまたなんか…せやった
おとーさん心配性やった
肩紐の菫に触れるゆびさきは
擽ったいよてご機嫌なおと

せや、うちたい焼き用意してきたんよ
ちぃの好きなのでぱーてぃしたくて
次はうちの…?
ふふ、ヒトで感じる美味しいはぎょうさんあるから迷うねえ

紡ぐ話題はぜんぶぜんぶ
キミに伝えたいことばかり
キミから聞きたいことばかり
こい…ってお魚?
すみれ色の瞳はいつだって興味津々

トランプ兵にはちぃに倣って枕投げ
邪魔は無粋、いうんよ?



 紺の生地に白いライン。薄手のゆるっとした寝間着にカーディガンを羽織った宵鍔・千鶴(nyx・f00683)は、足元を覆うふわふわの床を暫し見つめた後、ともするとそのままゆっくり閉じて眠ってしまいそうな、そんな雰囲気たたえた紫色を隣に向けた。
 淡い蒼の生地に白と桃色の花を咲かせたネグリジェは、君影・菫(ゆびさき・f14101)の動きに合わせ、ふんわりと涼しげに揺れる。その色合い、花の様は、千鶴の思った通りよく似合っていた。
「ねえねえ。すみれの花が咲いてるんよ」
 菫は千鶴の視線に気付いて嬉しそうに笑うと、羽織っているものをするりと片肩だけ捲って。ほら、ここ。言葉通り、そこで咲く可憐な花を見せると――千鶴を見て、鮮やかなすみれの双眸をぱちくりさせた。どうして眉を顰めてるのだろう。こほん、と咳払いも。
(「はら? うちまたなんか……」)
「……だめ」
 だめ? きょとりとしていると、千鶴の手が羽織を掴んだ。
「ちゃんと着て」
(「ああ、せやった。おとーさん心配性やった」)
 肌蹴け露わになっていた肌が淡い蒼に包まれていく一瞬、肩紐で咲く菫に白い指先が触れる。触れた花から、菫へ。紫の視線がそうっと移っていって――淡く、静かに笑った。
「噫、やっぱり、よくきみに映える」
 花が羽織で隠される直前、擽ったいよと唇からご機嫌な音をこぼした菫は、せや、とクッションの山を背にして座り、持ってきたものを千鶴に見せる。薄茶色の、ごくごく普通の紙袋だ。ほんのり甘い香りもする。今度は千鶴が目をぱちくりさせる番だった。
「うちたい焼き用意してきたんよ。ちぃの好きなのでぱーてぃしたくて」
「……たい焼き」
 二人のパジャマパーティーに好物がゲスト出演。当然千鶴の表情は、ぱ、と和らいだ。封を開けばふわんと生地の良い香りが立ち上り、覗き込んだ顔を優しく撫でていく。
「中身選べんくて、色々買うてきたん」
 餡は定番の小豆に、甘さたっぷりのサツマイモやまろやかな栗。チョコレートやカスタードといったクリーム系も、さくカリふわふわな狐色の生地をぎゅっと満たしている。
 味わい豊かな好物に舌鼓を打った千鶴は、ひんやり涼し気なバニラアイスを乗せて菫へと差し出した。
「ねえ、今日は俺のすきなものだったから、次は菫がすきなものにしよう」
「次はうちの……? ふふ、ヒトで感じる美味しいはぎょうさんあるから迷うねえ」
「じゃあ、沢山教えて、きみの話」
「せやねえ」
 まずは、と紡ぐ言葉は微笑みと共に。眼差しは隣の千鶴へと。そんな菫が話すのは、全て全て、菫が千鶴に伝えたい事ばかりで、千鶴から聞きたい事ばかり。
 ――悪くないけれど。
 俺は、きみの話が知りたい。
「そうだなあ、恋の話も良いかも」
「こい……ってお魚?」
 鯉。
 尽きない好奇心がすみれ色の瞳に現れる。いつだって興味津々の菫からの返事に千鶴は少しの安堵を浮かべ――心も少しほどけてゆく気がしたのは、ゆるりとした寝間着のせいかもしれない。
 そんな心地のまま手近な枕をぽいっと投げた。
『ゔっ!』
『き、貴公ーッ!』
 覗いていたトランプ兵Aがどたーんと倒れる。隣りにいたトランプ兵Bがハートスピアーにぶすりと枕を刺し、おのれ! と口にしてのポーズは槍投げのそれ。しかし顔面に次の枕がヒットして、トランプ兵のAとBは仲良く大の字で倒れた。それを確認した女――千鶴に倣って枕を投げた菫は立てた人差し指を唇に添え、静かに微笑む。
「邪魔は無粋、いうんよ?」
 おやすみ。おやすみ。
 ぐっすり眠って、さようなら。
「それで、鯉の話やったっけ」
「……ちょっと違うけど。まぁ、いいよ」
 きみとの心地良い時間を、もう少し。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

黒柳・朔良
我が主、碧唯様(f29142)と

碧唯様が猟兵となられたからには、私が必ずお守りせねば
とはいえ、パジャマパーティーか
戦争中だというのに呑気なものだとも思うが、ここはそういう国なのだから私達もそれに倣おう

着ているパジャマは主と同じネグリジェ
お揃いがいい、という碧唯様のお言葉を受けての選択だが、なんだか落ち着かない
まあ、碧唯様が楽しそうであるならばそれでいいか

選択UCのもう一人の私には、オウガを主たちに近づけさせないようにさせよう
さすがにUCで作られた存在だから、睡魔に襲われることはないだろう
楽しんでおられる主たちに気取られぬように、こっそりと頼む
私は碧唯様と華織様と3人でのお茶会に勤しむとしよう


神在月・碧唯
朔良さん(f27206)と
表出している人格:主人格

わたくしも猟兵となりましたので、ようやく朔良さんと一緒の戦場に立てます
その初めての戦場がアリスラビリンスの戦争の依頼なのですわね
しかもパジャマパーティーだなんて、とっても楽しみですわ
朔良さんも一緒に楽しみましょうね

わたくしの着るパジャマはとても着心地の良いネグリジェ
朔良さんも今日は同じものを着てくださって、お揃いです

選択UCで作り出したもうひとりの自分の中には別人格の“華織”がおります
どうせなら“華織”も一緒に楽しみましょう
もちろんパジャマもお揃いですわ
さあさあ、お菓子にジュースはたくさんありましてよ
朔良さんも“華織”も楽しまないと損ですわ♪



「ようやく、朔良さんと一緒の戦場に立てます」
 待ち望んだ時が訪れた喜びで神在月・碧唯(その優しさは時に残酷で・f29142)の胸はいっぱいだった。嬉しくてたまらないと隣を見れば、いつものように“無”一色の表情でこちらを見つめる黒柳・朔良(「影の一族」の末裔・f27206)がいる。
 猟兵に目覚めた朔良と同じく自分もそうなるのだと言い――こうして、朔良と同じ猟兵となれた。初めての戦場はアリスラビリンスの存続を賭けた戦い。しかもパジャマパーティーとは!
「とっても楽しみですわ。朔良さんも一緒に楽しみましょうね」
「はい、碧唯様」
 笑顔の碧唯に朔良は間を置かず頷いた。その胸には、猟兵となった碧唯を必ず守るという確固たる決意が宿っている。
 戦争中にパジャマパーティーをする。ここはそういう国。
 その事実に始めは呑気なと思ったが、今はそれに倣って――そして主である碧唯が「お揃いがいいですわ」と言った事もあり、非常に着心地の良いネグリジェ姿だ。
(「なんだか落ち着かない」)
 けれど碧唯が楽しそうであるならばそれでいい。
 持ってきた物を一緒に広げていく朔良を見て、碧唯の胸には再び嬉しさが灯る。普段はモノトーンの装いである朔良が、今日は同じものを着てくれている。それが、嬉しい。
「“華織”。あなたもわたくしたちと一緒に楽しみましょう」
 もちろん、パジャマもお揃いで!
 ユーベルコード『オルタナティブ・ダブル』。別人格である華織を、自分の中からパジャマパーティーへと招いたなら、朔良はすかさず華織の為にスペースを用意してこちらへどうぞと礼をする。
 その、朔良の後ろにもうひとり。二人が気付かない静けさで、招かれる。
 それは顔無き朔良。黒一色の顔をしたもうひとりの自分。
 このパジャマパーティーは碧唯の初めての戦いであり、碧唯が楽しみにしていたものだ。楽しげな二人に気付かれぬよう呼んだもうひとりに与える指示は、ただ一つ。
(「オウガを主たちに近づけさせるな」)
 行け、と目で告げた瞬間に無貌の自分がトランプ兵への警戒に向かい――。
「さあさあ、お菓子にジュースはたくさんありましてよ。朔良さんも“華織”も楽しまないと損ですわ♪」
『そうね、こんなパジャマパーティーはそうそう無いもの』
「では、お言葉に甘えて」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

榛・琴莉
ネクロさん(f29050)と
…ああ、はい、死体さん。…死体ちゃん。はいはい
フカフカのベットで暖かい毛布にこもってパジャマパーティーします
魔法瓶でホットココアも持ち込みましたし、準備万端です
…にしても、まさかTシャツに短パン、パーカーで戦場に出ることになるとは

仕事終わり…そうですね、温かいものが良いです
今日はラーメンでも食べに行こうかと
死体ちゃんは?…オブリビオン?あー、はい、でしょうね

トランプ兵は予め魔力を込めておいたHaroldで【武器受け】
【カウンター】でUCを発動、魔力を爆発させます
良い感じに凍ったんじゃないですか?
どうぞ死体ちゃん。ああ、砕いておきますね
一発撃ち込めば良いでしょう


ネクロ・リビングデッド
琴莉(f01205)と。とりちゃん!
パジャマパーティー!
いいね、生きてる時も今もした事なかったから楽しみだ!
パジャマはボロボロのTシャツとハーフパンツ!

ベッドは横に並べてパーティーだ!
お菓子持ってきたよ。ドーナツいっぱい!
食べて食べて。味もいっぱいだよ!
仕事終わりって、とりちゃんなに食べる?
聞きながら硬めのクッション抱きしめてベッドでバタバタ!
そっかー。死体ちゃんはね、オブリビオン!

トランプ兵は食らわば幸福で食べよう!
いっぱいいるから嬉しいな、美味しいかな?
ナイフとフォークで大食いしよう!
逃げる子は愛用の縄で捕縛して食べる!
とりちゃんが吹っ飛ばしてきた分も……氷菓子だね!
有難くいただきまーす!



「パジャマパーティー! いいね、生きてる時も今もした事なかったから楽しみだ!」
 享年17歳、死んでから55年で合計72歳。生まれて死んでから初めてのパジャマパーティーにネクロ・リビングデッド(死体ちゃん・f29050)はベッドをぐいぐい。横に並べていくネクロの装いはボロボロTシャツにハーフパンツと実にラフだ。
「とりちゃん! 起きて! パジャマパーティー!!」
「……ああ、はい、死体さん。……死体ちゃん。はいはい」
 フカフカベッド。暖かい毛布。セッティングされたそこにあった極上のぬくもりに籠もっていった榛・琴莉(ブライニクル・f01205)は、もふっと顔を出すと全身全霊ではしゃぐネクロを見て――毛布の下、自分の本日の装いを淡々と見つめた。
 パジャマパーティーをするのはいい。魔法瓶でホットココアを持ち込んだので準備万端だ。けれどまさか、Tシャツ短パン、パーカーで戦場に出るなんて想像はしていなかった。
「ねーねーとりちゃん、死体ちゃんはねお菓子持ってきたよ。ドーナツいっぱい! 食べて食べて。味もいっぱいだよ!」
 ドーナツ店のメニュー全てあるのでは。そう思うほどの甘く華やかな一群に、琴莉は「それじゃあ、頂きます」と言ってまず一つ貰う事にした。ネクロはニコニコしながらベッドにぴょんっと飛び乗って。
「仕事終わりって、とりちゃんなに食べる?」
 硬めのクッションを抱き締めて、ベッドでバタバタ。白い足が元気に動く。
「……そうですね、温かいものが良いです。今日はラーメンでも食べに行こうかと」
「そっかー。シメのラーメンってやつだね!」
「ええ。死体ちゃんは?」
「死体ちゃんはね、オブリビオン!」
 ぱあっと明るい声にエコーが掛かった気がした。
 無い筈の1カメ2カメ3カメの存在を感じた気がした。
「あー、はい、でしょうね」
 が、琴莉はそのままにした。毛布の中で少しだけ体勢を変え、残り半分になっていたプレーンドーナツを食べていく。ネクロの手には“そのつもり”で握られたナイフとフォークが満月照明をきらりと反射して。
「今日はいっぱいいるから嬉しいな。美味しいかな?」
 振り返った視線の先には、ネクロの発言を聞いて慌ただしく立ち上がったトランプ兵が数体。一体がさっと懐へ手に入れるが、召集令状を出す前にフォークでどすっと胸を突かれ倒れ込む。
 召集令状を出せたトランプ兵もいたが、丸めたままの令状で琴莉を殴ろうとしたのがまずかった。令状の中身を読み上げられたとしても、繰り出した一撃は既に魔力を宿していた『Harold』がぎゅるっと現れ、受け止めて――っぱぁん! 爆ぜた氷の魔力でパジャマ姿の氷像が見事に出来上がる。
「どうぞ死体ちゃん。ああ、砕いておきますね」
「やったー氷菓子だね! 有難くいただきまーす!」
 銃声一発で砕けた氷の塊に、ナイフとフォークが鮮やかに閃いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

楊・宵雪
同行
神崎・柊一(f27721)

シルク製のパジャマらしいパジャマ
薄いレースの天蓋つきの円形ベッドにコットンサテンの寝具、枕は抱けるほど大きいもの

シーツに屑が落ちないようランチョンマットを敷いた上に
安眠効果のあるハーブミルクティーとクッキーを置いて

ベッドに座ってミルクティー飲みつつ恋バナ参加
「わたくし恋愛経験ないのよ。故郷では女性ばかりのところにいたの。これから素敵な恋を見つけたいわ

同行者のUCに合わせこちらもUCで援護し挟撃
空中浮遊と残像でで近接攻撃をかわし
複数の敵発生で弾幕で護符を増やす

「柊一は悲しい過去があるのね…。でもなんだか妬けちゃうわね


神崎・柊一
同行:楊・宵雪(f05725)
パジャマは芋ジャー

コイバナをすることで動きの制約を抑え、UCで一気に敵を一掃したい

…昔…
可愛いなって思った子がいたんだ
黒髪が綺麗で、清楚で、胸大きくて
あれは…バレンタインだったかな、下駄箱に手紙が入ってて
その子が放課後、校舎裏でまってるっていうから
ドキドキしながら行ったんだ
そしたら向こうがびっくりした顔してて
話を聞いてみたら隣のイケメンの下駄箱と間違えたってさ
だから…恋はしないと決めたんだ

そういえばさっき、アリス(女の子)を食べたって言ったやついた…?
赦せない、お前たちの存在は、決して!!
UCぶっぱですべてを一掃しよう
コイバナとは触れてはいけない地雷の時もあるのだ



 薄いレースが、円く大きなベッドの上を外界からやわらかく隔てる。
 天蓋付きのそこにはコットンサテンの寝具があり、その触り心地に所謂『芋ジャー』で参加していた神崎・柊一(自分探し中・f27721)は感心し――ちら。同じベッドの上、楊・宵雪(狐狸精(フーリーチン)・f05725)の持て成しを受けるトランプ兵たちを見た。
 屑が落ちないよう敷かれたランチョンマットの上には、安眠効果のあるハーブミルクティーとクッキーが人数分。トランプ兵たちにはストロー付きをと、気配りも完璧な宵雪は、抱けるほど大きな枕をちょっとした机のように使いながらミルクティーに口をつける。
「わたくし恋愛経験ないのよ」
『なにっ、貴公のようなものを放っておく輩がいるとは!』
『俄には信じられぬ……!』
 ざわっ。顔を見合わせ「やだ、周りは何を見てたの!?」な空気を醸し出すトランプ兵に、宵雪はふんわり微笑んだ。
「それが、故郷では女性ばかりのところにいたの。これから素敵な恋を見つけたいわ」
『ふうむ、それで……やはり環境は恋愛面に多大な影響を及ぼすのだな』
『そちらの。人間の猟兵はどうなのだ』
「僕は……可愛いなって思った子がいたんだ」
『ほう!』
 ざわわっ。トランプ兵たちが身を乗り出す。どうどう。柊一は両手でジェスチャーをし、クッキーを一つ頬張った。甘い。まるで今から語る思い出話のようだ。
「黒髪が綺麗で、清楚で、胸大きくて。あれは……バレンタインだったかな、下駄箱に手紙が入ってて」
 ざわっ! 期待に湧くトランプ兵の予想通り、内容は『放課後、校舎裏でまってる』という手紙だった。当然柊一はドキドキしながら校舎裏へ行った。手紙の主は随分と驚いていた。――変わり始めた空気に、トランプ兵が息を呑む。
「話を聞いてみたら隣のイケメンの下駄箱と間違えたってさ」
『うぐうッ……!』
「だから……恋はしないと決めたんだ」
『おい誰か! 未成年用のビールっぽいジュースを出せ!』
『貴公、これを食えっ!』
 トランプ兵からどんどん寄越される慰めに柊一は礼を言いながら頷き――。
「そういえばさっき、」
『ん?』

 アリス(女の子)を食べたって言ったやついた……?

 柊一の雰囲気が凍りつき、そして、爆発した。
「赦せない、お前たちの存在は、決して!!」
『貴公、突然何を!?』
 アリスを食べるのは普通では? オウガ故にトランプ兵はそれを疑問に思わず、そして柊一がなぜ怒ったのかがわからない。自分たち目掛け一斉に放たれた武装の嵐に戸惑い、ベッドの上を転がり天蓋の外へ飛び出していく。
『怖い! 恋の痛みを抱えた貴公怖い!』
『ええい恐れるな、我らが束になってかかれば――なっ、何だこの紙切れは!?』
 ビームに刃。その後を追うように飛んできた護符がトランプ兵の表面を塗り潰すように覆い、技を封じ、屠る一助となっていく。
 コイバナ。時としてそこには、触れてはいけない地雷が眠っている。
 それを目の当たりにした宵雪は艷やかな漆黒の瞳を細め、柊一を優しく見つめた。
「悲しい過去があるのね……。でもなんだか妬けちゃうわね」
 いつか痛みが癒えたその時は。今のように、妬いてしまうのか否か。
 それは誰にもわからない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ブラッド・ブラック
【森】
テディベアを小脇に抱え鎧の上にスリーパー&帽子(詳細お任せ

事前に調べた通り着込んではみたが果たして此れで良いものか…サン?サン、寝てはいかんぞ?

嗚呼―、

何と可愛らしい寝顔だろう
怪物同然の俺が此の様な安らぎを得る等夢にも思わなかった
幸せな心地に思わず微睡みかけ
いかんいかん サン、起きろ

UC:目覚めぬサンを抱き抱え跳び敵の攻撃を見切り回避
ベッドの上を跳ね回り移動
これもパジャマパーティーに違いない

寝惚けた声に瞳瞬かせ
…起きているのか?

よし、では枕投げを始めよう
此の様に、と敵へ枕当て
サンが危なければ再び抱え跳び、チーム戦だ


楽しそうな愛し子に手を引かれ

―サン、俺もお前が大好きだ

この幸せは夢じゃない


サン・ダイヤモンド
【森】
ゆったりとした白いヴィンテージネグリジェを身に纏い
ふわふわとした己の尾(北極狐・抱き枕サイズ)を抱き
ふかふかの雲と化したベッドの中で幸せそうにすやすやり

ふわり浮遊感、力強い彼の腕の中
寝惚けたふりで彼の首に腕回し甘えるように頬寄せて
「ううーん……ぶらっど、だいすきよ」

「ふふふ、今起きた」
眠かったのは本当だけど
あなたの傍は安心するの

「枕を当てればいいんだね、了解!」
きゃっきゃと跳ねて隠れて枕を投げて

敵が油断したところで破魔の祈り籠め
『お願い、聞いて?』
枕の中の空気を【弾ける光】へと変える(枕爆弾)

反撃がくれば彼の手を引いて
「きゃー!ブラッドこっちこっち!」

彼の言葉に幸せの、煌く満開の笑顔咲く



 パジャマパーティー。それはブラッド・ブラック(LUKE・f01805)にとって未知のものだった。だが、挑む以上は無知ではいられない。
 小脇に抱えた、オレンジのリボンを付けた白いテディベア。寝間着は、黒地にビビットカラーの飛沫がワンポイントで入ったスリーパーを鎧の上から。帽子はドアノブに似た形の――ただし鬣めいたものは一切そこに収まっていない。
(「格好は果たして此れで良いものか……」)
 ふと気付いた。こういう場所で己へ真っ先に話しかけてくるだろう声がしない。
「サン? サン、寝てはいかんぞ?」
 真っ白な体を包む、ゆったりとした白いヴィンテージネグリジェ。きゅ、と両手で抱き締めるのは自分の北極狐の尾。サン・ダイヤモンド(apostata・f01974)はふわふわ尻尾を抱いて、ふかふか雲と化したベッドですやすやりと寝息を立てている。
 気付けばブラッドはサンの傍らにしゃがみ込んでいた。幸せそうな寝顔は言葉に出来ない可愛らしさに溢れ、幸せと安らぎが体中に広がっていく。
 怪物同然の己がこのような感情を、存在を得る日が来るなど、過去のブラッドは夢にも思わないだろう。あまりの幸せな心地にブラッドも微睡みかけ――。
「いかんいかん。サン、起きろ」
 すやすや眠るサンを狙いやって来たトランプ兵らを睨みつけ、敵が一瞬怯んだ隙に、はサンを抱きかかえて高く跳ぶ。槍撃が届くより先にベッドからベッドへと跳ね回れば、ええい待て待てとトランプ兵もベッドの上で数回びょいんびょいんと飛び、勢いをつけて追いかけてきた。
 その賑やかな空気の中、ブラッドの腕でサンが身じろぐ。何か探すように動いた腕が首に回され、甘えるように頬を寄せてきて。
「ううーん……ぶらっど、だいすきよ」
「……起きているのか?」
「ふふふ、今起きた」
 今のは寝惚けたふり。けれど眠かったのも本当。
 だってブラッドの傍は、何よりも、どこよりも安心するのだから。
 ふにゃ、と笑ったサンにピンクの瞳がほのかに和らぐ。
「よし、では枕投げを始めよう。やり方は知っているか?」
「ううん、知らない」
 ならば事前に得た情報を。手本を。
 此の様に、とブラッドは跳んだ先にあった一般的な枕を掴み――ばすんッ! POW341の枕投げが宙にいたトランプ兵を撃ち落とす。その威力は、トランプ兵の体を跳躍地としたベッドの一つ向こうへと運んだほど。
「枕を当てればいいんだね、了解!」
 ブラッドの腕から降りて自らの脚で。ふかっと自分を受け止めたベッドにサンは笑い、きゃっきゃと跳ねて隠れて――次にトランプ兵たちがサンを見た時、その両腕には沢山の枕が抱えられていた。
『ま、まずい! 来るぞ!』
「えい!」
 WIZ435の枕投げは不可思議な軌跡を描き、ベッドの上にいたトランプ兵へ見事にヒット。一体が弾き飛ばされ――猟兵が来る前からパジャパに励んでいたトランプ兵たちが、反撃を見せ始める。枕。クッション。むんずと掴んだそれを手にびしっと決めポーズまで。
「サン、チーム戦だ」
「うん! ブラッドが一番すごいって教えないと!」
 始まった枕投げはユーベルコードそっちのけ。故にトランプ兵たちは少しずつキャッキャうふふと楽しみ始め――その油断をサンの祈りと願いを受けた枕が取り囲む。中を満たす光が弾ければ、カッ! とトランプ兵たちの視界が衝撃と共に白に包まれて。
『ぐわーっ! 何なのだこの枕は!?』
『は、反撃! 反撃だー!!』
「きゃー! ブラッドこっちこっち!」
 手を引いて、引かれて、別のベッド目指して高く跳ぶ。
 全身を撫でる空気があたたかいのは、きっと。
「――サン、俺もお前が大好きだ」
 愛し子の笑顔。大好きな彼の言葉。
 夢の国に咲いたふたりの幸せは、夢という器には決して収まらない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エンジ・カラカ
【エレル】

パーティーダー!
枕投げダー!

コレのパジャマは賢い君に編んでもらったもこもこオオカミシャツ
オオカミの絵が縫ってある
ちょっと暑い

ロカジンもヨシュカもジャズバーもイイね
ロカジンがパジャマの感想を言っている途中で枕を投げる投げる

卑怯?ココは戦場ダ
賢いヤツしか生き延びれないのサ
枕を持ったら戦闘開始の合図ダヨー
なァ、賢い君?うんうん。そうだそうだ。

喰らえー!
説明をするジャスパーにも枕を投げる投げる
ヨシュカには猫がいるからなァ……。
出されたら困るなァ……。
トリャー。

トランプ兵にも枕を投げるヨー。
トランプ兵を盾にしてもイイ?イイ?
うんうん。枕を投げたら戦闘開始だもんなァ。
うんうん。ユダンタイテキー


ロカジ・ミナイ
【エレル】

おう野郎共!
今日の得物はパジャマパーティーだってよ!
可愛くいくぞ!

…というわけでこちらが用意した戦闘服のパジャマ
オシャレでキュートで優しい素材の愛され系パジャマ
このブランドのレディース着てる女子ってば可愛いの権化だから
メンズを着てる今夜の僕もそれはそれは魅力的だと思う

わー、ヨシュカもジャスパーもかわいー
エンジくんってばおっしゃれー
キャッキャ



そして作戦はAだっけBだっけ枕投げだっけ?
枕投げね、得意

えっ、枕投げにルールが!?
聞いてるのか聞いてないのか曖昧な感じで枕を投げる
きゃー!猫!(涙目で近くの誰かを盾にする)

おーっと手が滑ったー!
トランプ兵の方に石の入った枕が当たってしまったー!


ヨシュカ・グナイゼナウ
【エレル】

Jawohl!ロカジさま!
パジャマパーティ狩りです!

わたしはオレンジ恐竜の着ぐるみパジャマ
背中にトゲトゲも!
恐竜は強いですからね…つまりわたしは枕投げにおいても最強

ロカジさまもジャスパーさまもおかわいらしい!ふわふわで女子力が高い感じの…男子力?
エンジさまは賢い君が!もこもこですねえ
まあ、一番最強なのはわたしですが

枕投げにも公式大会が?それはとっても大きい寝室が要りそうですね!
寝室では、しない…!?
やや、エンジさまが怪しい動き

甘いです!わたしには大体75匹の猫達の応援に恐竜パワーがついていますので!
(枕キャッチ)
くらえ!枕光線!
(残像が見える勢いでトランプ兵にシュート)


ジャスパー・ドゥルジー
【エレル】
ハイ枕投げ!パジャマのテーマはkawaiiだと聞いた!
俺のはふわ盛りかき氷にしろくまが乗ってるキュートでウィットに富んだ柄のTシャツ
シロクマピケっすよ

おー、ロカジったら愛されオーラ出てる
エンジのもこもこオオカミもヨシュカの恐竜も
アリラビにめっちゃマッチしてんじゃん

枕投げって実は公式大会のルールがあるんだぜ
まあそこまできっちりやらんでもいいと思う
当てられまくって倒れたら負けのゆるふわデスマッチくらいのノリdハブッ
倒れてないからセーフ!反撃ィ!!にゃんにゃん!(猫につられた)

あ?トランプ兵だって?
これでも喰らえー
UCで生成した大量の枕をナイアガラの如く落としまくる



「おう野郎共! 今日の得物はパジャマパーティーだってよ! 可愛くいくぞ!」
「ハイ枕投げ!」
「パーティーダー! 枕投げダー!」
「Jawohl! ロカジさま! パジャマパーティ狩りです!」
 勇ましい声に次々答える頼もしき同志の声――えっ、狩るの? 一瞬「んっ?」となりながら、ロカジ・ミナイ(薬処路橈・f04128)は「というわけで」と用意した戦闘服もとい着ているパジャマを指す。
 オシャレでキュートで優しい素材はまさに『愛され系』パジャマ。このブランドのレディースを着た女子は、その瞬間から可愛いの権化となってハートをトゥンクと撃ち抜いてくると大評判。なので。
「メンズを着てる今夜の僕もそれはそれは魅力的だと思う。どう?」
 流し目をそよっと送れば、ロカジの周りにイケメンにだけ許されるキラキラが舞う勢い。ふわふわとした高い女子力――いや男子力と愛されオーラが、ロカジ本人の魅力とあわさっている。
 可愛いの次は『kawaii』の出番。俺のは、とジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)はTシャツの裾を摘むと、ニヤリ笑ってぱっと離す。ほんの少しだけあった見えそうで見えない演出はkawaiiの一端だ。
「ふわ盛りかき氷にしろくまが乗ってるキュートでウィットに富んだ柄のTシャツ。――シロクマピケっすよ」
 シロクマ。それはkawaii界に確かなポジションを築く存在。冬の世界に生きるkawaiiと夏のkawaii冷スイーツの組み合わせは、毎夏大人気のカテゴリーだ。
「コレのパジャマは賢い君に編んでもらったもこもこオオカミシャツ」
 エンジ・カラカ(六月・f06959)はもこもこかつお洒落。賢い君のセンスもきらりと光るもこもこシャツには、なんと狼の絵が縫われていてと、賢い君とエンジの深い繋がりが見て取れた。
 もこもこなのでちょっと暑いらしいが、よく似合っている。狼という要素もこの世界ととてもマッチしており――同じく非常にマッチしたパジャマ姿のヨシュカは、うんうん頷いた後にくるりと回ってみせた。
 それは、三人の前でオレンジ恐竜がとたとた回るという愛らしい光景だった。背中にはトゲトゲがずらり。如何ですか、とヨシュカは胸元に前脚を当てて、ふふ、と微笑んだ。
「恐竜は強いですからね……つまりわたしは枕投げにおいても最強」
 キュートな愛され系。kawaiiの共演。手編み(?)のもこもこ狼。どれも強いけれど一番最強なのはわたし――と、胸を張るヨシュカを始めに、ロカジはキャッキャと感想を言って――ひゅひゅんっと飛んできたものをサッと躱した。
「エンジくん、スタートの合図なしとか卑怯じゃない? しかも一発じゃないし」
「卑怯? ココは戦場ダ。賢いヤツしか生き延びれないのサ」
 パジャパ会場にパジャマ姿で着たら参加の証。
 枕を持ったら戦闘開始の合図。
「なァ、賢い君? うんうん。そうだそうだ」
「賢い君さまが言うなら間違いありませんね」
「ええー。でも賢い君が言うなら仕方ないかな。それに今夜の僕はとびきり魅力的だから、エンジくんが枕投げちゃうのも仕方ないよね。ところで作戦はAだっけBだっけ枕投げだっけ?」
 でも大丈夫。枕投げね、僕は得意だからね。
 愛され系パジャマを着たロカジが枕を掴んで微笑めば、既にいくつか脇に抱えていたジャスパーが知ってるか? と言いながらさり気なくベッドの陰という良ポジを取る。
「枕投げっていえば、実は公式大会のルールがあるんだぜ」
 しゃっ。
「それはとっても大きい寝室が要りそうですね!」
 ぽーん!
「えっ、枕投げにルールが!?」
 びゅんっ。
 説明しながら。ワクワクして。聞いているのか聞いていないのか、曖昧な空気で。会話の中で枕が勢いよく飛び交い続ける。その精度たるや、猟兵でなければ途中で切れていただろう――。
「まあそこまできっちりやらんでもいいと思う。当てられまくって倒れたら負けのゆるふわデスマッチくらいのノリで――」
「喰らえー!」
 ばばば!
「ハブッ」
 説明途中でエンジからの連続枕投げを受けたジャスパーだが、痛みという痛みを心地よく捉えるジャスパーの足は、体は、倒れる事なくそこにあった。つまり、セーフである!
「反撃ィ!!」
 ばばッ、ばばば! 容赦なく飛んでくるそれをエンジはサッと一つ躱してベッドの後ろへ。狙いたいのはもう一人。使われると困る切り札持ちの、怪獣さん。気付かれないよう、トリャーと投げてみれば。
「甘いです!」
 最年少ヨシュカはお見通し。なぜなら!
「わたしには大体75匹の猫達の応援に恐竜パワーがついていますので!」
 ぼすっ。キャッチした枕を手にヨシュカが笑う。どこからともなく駆けつけた猫たちの応援と怪獣ヨシュカの組み合わせは、夢の国を更に愛らしく見せて――振りかぶった枕に凄まじいパワーが宿った。枕というレベルを超えるほどのパワーだった。
「くらえ! 枕光線!」
「にゃんにゃん!」
 床を蹴って跳んだオレンジ怪獣・ヨシュカの一投は残像が見えるほどの勢いを誇っていた。ずばあと放たれた枕は力強く宙を駆け、つられたジャスパーの枕も引き連れて――。
『うおおっ!?』
 背中のど真ん中をシュートされたトランプ兵が崩れ落ち、大の苦手とする動物の気配に「きゃー! 猫!」と悲鳴を上げた愛され系・ロカジの両手がむんずとトランプ兵のパジャマを掴んで盾にする。
『なっ、何事――ブハッ?!』
 飛び入り参加ならぬ、トランプ兵飛び入らせ参加は、ベッドという防壁を利用していたkawaiiシロクマともこもこ狼の顔をひょこっと覗かせた。
「ン? トランプ兵を盾にしてもイイ? イイ?」
「あ? トランプ兵だって? ンだよそんなとこいたのかよ」
 ここはパジャパ会場。自分たちのエリアは枕投げ乱闘イェーガーズ状態。そこは戦場であり、枕を投げたら戦闘開始――つまり、ぼさっとしていたらやられるそこで、ぼさっとしているトランプ兵はかっこうの標的なわけで。
「ユダンタイテキー」
「これでも喰らえー」
 緩い笑みでありながら的確にみぞおちを狙ってくるエンジの枕投げと、一気に“増やした”枕”をナイアガラの如く降らせて落とすジャスパー。もこもこ狼と冬×夏=kawaiiジャスパー二人の猛攻で枕の下にトランプ兵が埋まるまで、そう時間はかからなくて。
『な、なんという事だ、我輩のパジャパフレンズが……ふがっ!?』
 衝撃と共に飛び散るお星さま。真っ黒になる視界。
 一体何が。
「おーっと手が滑ったー! トランプ兵の方に石の入った枕が当たってしまったー!」
 最後の力を振り絞ったトランプ兵が見たものは、「ねえねえみんな、ここにも石があるよ危ないよねぇ」と、せっせせっせと枕に石を詰めているオシャレでキュートな愛され系パジャマの後ろ姿だったという――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

薄荷・千夜子
【藤花】
ハートスートモチーフの柄が散りばめられた白地のパジャマ

しれっと澪君とトランプ兵のパジャパに乱入
新しいお菓子もってきましたよー!と言いながらトランプ兵たちに混りベッド調整してダイブ!
夏の想い出かぁ…海に咲く花も綺麗でしたし、お魚流星群に水鉄砲、ビーチバレー…あ!カジノも行きました!
色々お友達と出かけて楽しかった…あ、澪君は彼とはお出かけしたんですか?と唐突な恋バナキラーパス
好みかぁ…同じ目線で進める人ですかねぇ?
ほらー!次はトランプ兵さんたちですよとしれっとガールズトークに巻き込みます
話し込みつつこそっとUC放ちトランプ兵にもふをぶつけてパジャパ妨害、ゆっくりおやすみくださいな


栗花落・澪
【藤花】

トランプのダイヤスートモチーフの柄が散りばめられた黒地のパジャマ

すっごくファンタジーで素敵な世界!
星空見ながら眠るのも楽しそうだね
でもすぐに寝るのは勿体無いし、時間切れまでいっぱい遊ばなきゃ
お星様のふかふかクッションを持って準備完了

美味しいアリスのお話はよくわかんないけど
ベッドの並びはトランプさん達の真似してみよう
ねぇねぇ薄荷さん、何話す?
思い出話とか、夏の間にやりたい事とか…
えっ、か、かか彼!?
いやあの、その、今年は別に…い、行った、けど…(恥
むぅ、僕ばっかり話すのズルいー!
薄荷さんも好みくらい教えてよねー?

なんならトランプ兵さん達も巻き込んでガールズトーク
僕ガールじゃないけどね!



 ふわふわあたたかなここで、満月の光浴びて明るく浮かび上がる星空を見ながら眠りの世界へ旅立つのは楽しいだろう。きっと素敵な夢だって見られる筈。
 けれどここはファンタジーで素敵な世界。
 すぐに「おやすみ」とサヨナラしちゃうのは勿体無い!
 ――という事で、世界を救う為のパジャマパーティーに舞い降りた、黒と白の可憐なトランプ猟兵二人は笑顔を交わして駆け出した。

「皆さーん! 新しいお菓子もってきましたよー!」
「僕たちも仲間に入ーれてっ!」
 その『皆さん』はオウガのトランプ兵なのだけれど、薄荷・千夜子(陽花・f17474)と栗花落・澪(泡沫の花・f03165)はそれはもう見事にしれっと彼らのパジャパに乱入してみせた。
 千夜子は向日葵のように明るい笑顔で「あ、ここお邪魔しますね」と断って。澪はお星様クッションをぎゅっと抱きしめ、その愛くるしさを存分に発揮して。二人はささっとベッドも並べて輪に加わり、にっこり笑いかけた。
 始めは『えっ貴公ら何?』とびっくりしていたトランプ兵は、並べられていく新しいお菓子――何よりも二人のパジャマに好感を覚えた様子。
 千夜子の白いパジャマを彩るのはハートのスート。澪の黒いパジャマを彩るのはダイヤスート。それぞれトランプのスートをモチーフとしたパジャマはよく似合っていて、実に良い寝間着ではないか、どこのブランドだと空気が明るく弾み出す。
『ところで今はトークの真っ最中なのだが、貴公らも何かこう、いい感じのトークをだな』
 物凄い丸投げが来た。
「ねぇねぇ薄荷さん、何話す?」
 思い出話。夏の間にやりたい事。浮かんだものを呟いてポテトチップスをさくっと食べた澪の隣で、千夜子はそうですねとチョコチップクッキーをさくっ。
「海に咲く花も綺麗でしたし、お魚流星群に水鉄砲、ビーチバレー……あ! カジノも行きました!」
『カ、カジノ!』
 コインとスリルと駆け引き溢れる世界で華麗に立つ千夜子を想像したらしい。トランプ兵たちがざわっとして尊敬の眼差しを向けてくる。目らしきものは見えないけれど。
「色々お友達と出かけて楽しかった……澪君は彼とはお出かけしたんですか?」
「えっ、か、かか彼!?」
『彼! 今、彼と申したか!』
『なんと、貴公には親しい者がいるのか……!』
『ちょっと貴公~、止さぬか~』
 さっきとは違う雰囲気でざわっとし始めたトランプ兵からの注目と弄り、TVであれば間違いなくテロップが表示されただろう唐突な恋バナキラーパスに澪はかあっと赤くなる。食べようと思って取った個包装キャンディの開け口を両手いじいじ。もじもじ。
「いやあの、その、今年は別に……い、行った、けど……」
『『『おおぉ……!』』』
「むぅ、僕ばっかり話すのズルいー! 薄荷さんも好みくらい教えてよねー?」
「好みかぁ……同じ目線で進める人ですかねぇ?」
 世界。戦い。同じものを見て共に進めたら、その先には何があるだろう。千夜子はふんわり浮かんだ想像を一度隅にしまって、次の菓子を手に取って笑う。
「ほらー! 次はトランプ兵さんたちですよ!」
『な、何だとっ!?』
『いやしかしだな……』
「大丈夫だよ、僕たちしか聞いてないんだから。ほらほら、ガールズトークしよ!」
『む、むむ……き、貴公らが? そこまで言うのであれば?』
『そ、そうだな? 仕方ないな?』
 トランプ兵は明らかにガールズではないけれど。
 実は澪もガールではないけれど。
 それはパジャマパーティーという場では些細な事。
 楽しくお喋りして、お菓子を食べて、笑って、考えて――そして、天使の笑顔と天使のような白い小鳥たちが、トランプ兵たちを夢の世界へと連れて行く。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

佐那・千之助
クロト(f00472)は、
自分のことアラフォー言うわりに全く身体を労らんのじゃから。
心配しとるんじゃよ…聞いとる?

パジャマパーティ?
複数人と寝室で戯れたことならあるが、あれとは別かの
浴衣を脱いで長襦袢をパジャマ代わりに
常在戦場…ああ、そう思うからいつも座り寝なのかと納得しつつ
いや納得してはいけない

こやつらの会話…。
吸血する私はまだしも、これ人間にはキツいのでは?
あ、ノリノリ。別の意味で溶け込んでおる。デキる男。
私は…
みずみずしい血の持ち主がよい
中でも、血を戴かれることをよろこぶ相手は
滴るほどに美味。極上の御馳走。

なんて話をしているとノドが乾く。
トランプを啜れはせぬから
生命力だけでも頂くとするか


クロト・ラトキエ
千之助(f00454)に、
普段、7時間睡眠!とか、座ってでなく寝床で寝ようとか言われてる身としては。
寝ずに好き放題しろ、とは…。
き、聞いてますよっ?

夜遊び火遊び、ほぼほぼ通ったアラフォー…とはいえ、
ぱじゃぱ?なるは謎だらけ!
え、パジャマ?
持ってませんが?
常在戦場、寝る時は精々軽装。
即ち此れ寝巻き。よし!

ちょっと汝等〜。何の話ぃ?
楽しそうじゃないですか、混ぜなさいよぉー。
ノリノリでオウガの輪に乱入!
食べた(意味深)思い出深い相手の話…?
…追い詰めて、泣き顔を見ながら頂く時とか、
蕩ける程に美味でしたねぇ…。

一見話を合わせつつ。
え、そういうの知らない?
ヤダー、勿体無い〜。

では馳走しましょ♪
破滅のお味



 ふわふわとした夢の国。パジャマパーティーをしなければ眠たくなってしまう、不思議な国。そこでクロト・ラトキエ(TTX・f00472)は――困っていた。
「自分のことアラフォー言うわりに全く身体を労らんのじゃから。心配しとるんじゃよ……聞いとる?」
「き、聞いてますよっ? ええ、聞いていますとも、千之助」
「ならいいんじゃがの」
 長襦袢をパジャマ代わりに着た佐那・千之助(火輪・f00454)の視線が他へ向いたのを良い事に、クロトはこっそり安堵の息を吐いた。
 睡眠時間は7時間だの、座ってではなく寝床で寝ようと千之助から言われている身。なのに寝ずに好き放題しろと言われ、夜遊び火遊びをほぼほぼ通ったアラフォー in 夢の国が思った以上に謎だらけで困る。
(「ぱじゃぱ? なんてした事ありませんし」)
「ところでクロト」
「はいっ?」
 うっかり声が上ずったが、千之助の意識はそちらへ向かなかったらしい。良かった。
「それはパジャマか?」
「え、パジャマ? 持ってませんが?」
「ん?」
「常在戦場、寝る時は精々軽装。即ち此れ寝巻き」
 よし! びしっと自分の格好――普段の服装を自信満々に指した37歳は、今回の仕事を終わらせようと早速標的の元へ向かっていく。常在戦場、故にいつも座り寝なのかと納得しかけていた千之助は慌てて後を追った。聞いているようで聞いていない。後でしっかり言い聞かせなくては。
(「しかし、こやつらの会話……」)
 あのアリスはどうだった。このアリスはこうだった。
 アリスに関する思い出話に花を咲かせるそこは、吸血をする千之助ならまだしも人間には厳しいものがあるだろう。他人の血肉を味わう機会は、無いというのが当たり前だからだ。
 しかし。
「ちょっと汝等~。何の話ぃ? 楽しそうじゃないですか、混ぜなさいよぉー」
『むむっ? 貴公、随分とノリが良いな! 気に入った!』
(「あ、別の意味で溶け込んでおる」)
 クロト・ラトキエと書いてデキる男、が生まれた瞬間だった。千之助も少し遅れてオウガたちの輪に加わってから、改めて“美味しかったもの”トークがスタートする。
 それは喜びの記憶であり、消えゆく命と隣り合った記憶。
 食べるという行為に確かな感情を植え付けた、思い出深い誰かの話。
「僕は、そうですね……追い詰めて、泣き顔を見ながら頂く時とか、蕩ける程に美味でしたねぇ……」
 トランプ兵たちがごくりと喉を鳴らし、クロトが笑む。オウガたちは、血肉に乗った溢れる感情という甘美なスパイスを、よく知っているのだろう。私は、と紡ぎ始めた千之助へ興味と好奇の気配を向ける。
「みずみずしい血の持ち主がよい」
 そっと紡がれた囁きには、血を味わう瞬間を思わす熱が宿っているようで。
 血、と呟いたトランプ兵へ千之助はそうだ、と頷いた。
「中でも、血を戴かれることをよろこぶ相手は滴るほどに美味でな。極上の御馳走よ」
『む? 拒絶ではなくか?』
『凡そのアリスは固まるか、活きの良さを見せるのだが……』
 トランプ兵たちの言葉が意味するものは。
 しかしクロトはきゃらきゃらと明るく、千之助は悠然と微笑んでみせた。
「え、そういうの知らない? ヤダー、勿体無い~。では馳走しましょ♪」
「そうじゃのう。丁度、ノドも乾いてきたところじゃ」
 ご馳走と聞いて浮きだつトランプ兵たちは、ひとつのものを浮かべただろう。異世界からの客人であり自分たちの食事であるアリスを。けれど二人が贈るものはもっと凄くて、もっととびきりの――生命啜る、破滅の一撃。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エドガー・ブライトマン
準備はいいかい、ナルエリ君(f27474)
世界の平和を守るパーティーの始まりさ

私のパジャマは白とグレーのシンプルなスウェット
着慣れなくて、すこし落ち着かないな
ナルエリ君も似合ってるよ。いつも黒いけど、白もいいね

事前に雑誌で学んできた
パジャマパーティーといえば「枕投げ」らしいぜ
大量のクッションのうちのひとつを掴み
明後日の方向へ投げる――!

いやあ、よく飛んだ。この飛距離なら負ける気はしない
ハイ、次ナルエリ君の番ね

フッ、勝ったな…
枕投げをしつつ、ドサクサに紛れてトランプ兵君に枕をぶつけ

ねえ、ナルエリ君!……えい(軽くクッションを投げた)
いや~こっちの方が楽しいかもな

フフ、油断したでしょグハッ(直撃)


ナルエリ・プローペ
準備万端です、エドガーさん(f21503)

エドガーさん、いつになくラフなお姿ですね……
でも、それもよくお似合いです
私はいつものというか……
白いネグリジェに薄手の上着を羽織ってきました

結構飛びましたね
ですが、私は枕も持参しました
いつもの枕ですから、私の方が飛ぶはずです

……。
いえ、いいです、トランプ兵に向けて投げる方が本番です
今度は手加減しません、と枕をトランプ兵に投げ

何ですか、エドガーさん、手加減ならできませ――えっ?
クッションが当たって少し放心した後
……今、私に当てましたか?
クッションをエドガーさんに遠慮なく強めに投げます
こちらの方が楽しいですね



「準備はいいかい、ナルエリ君。世界の平和を守るパーティーの始まりさ」
「準備万端です、エドガーさん」
 どんな戦いでも準備は怠らない。たとえそれがパジャマパーティーでも――! という事でナルエリ・プローペ(Waker・f27474)もエドガー・ブライトマン(“運命”・f21503)もパジャマ姿なのだけれど。
「エドガーさん、いつになくラフなお姿ですね……」
 王子としての正装ではなく、パジャマパーティーの正装――白とグレーのシンプルなスウェットを着たエドガーは改めて自分の格好を見て、少しだけ肩を動かしたりスウェットに触れたりと、“そわそわ”が似合う様子を見せた。
「着慣れなくて、すこし落ち着かないな」
「でも、それもよくお似合いです。私はいつものというか……」
「ナルエリ君も似合ってるよ。白もいいね」
 白いネグリジェに、羽織っているのは薄手の上着。普段の黒い装いとは違うナルエリにエドガーは笑って頷いて、実はね、事前に雑誌で学んできたんだとこそこそ話。パジャマパーティーといえば――そう! 枕投げ!
 沢山のクッションから笑顔で選んだひとつを掴んで、元気に健康的にそれっと明後日の方向へ。
 あっという間だったけれど、ぴゅんっ! と飛んでいったクッションはフリスビーのように丸かった気がする。
「結構飛びましたね」
「いやあ、よく飛んだ。この飛距離なら負ける気はしない。ハイ、次ナルエリ君の番ね」
「そうでしょうか。私は枕も持参しました。いつもの枕ですから、私の方が飛ぶはずです」
「へえ。それじゃあ、お手並み拝見といこうかな」
 結果。
「……」
「フッ、勝ったな……」
「いえ、いいです、トランプ兵に向けて投げる方が本番です。今度は手加減しません」
 今のは肩慣らし。練習。カウントされるのはここからですとナルエリの手が枕を掴んだ時、会話を拾ってしまったのだろう。えっ、と振り返ったトランプ兵の顔面に枕が見事ヒットして、輪っかとお星様がキラチカくるくる巡りだす。
『諸君、敵襲だ! 総員枕を取れ!』
「おっと負けないよ! ナルエリ君にもねっ」
「こちらの台詞です」
 バチバチと散る火花。ひゅひゅんびゅんばすんっと飛び交う枕と歓声。突発枕投げ大会はわあわあと盛り上がっていって――。
「ねえ、ナルエリ君!」
「何ですか、エドガーさん、手加減ならできませ――」
 丸くなった淡い菫色にとびきり楽しそうな笑顔が映ったのは一瞬。それはエドガーが投げた枕で覆われて――ぽふっ! やわらかな感覚がナルエリの顔面へ優しくヒットした。
「いや~こっちの方が楽しいかも」
「……今、私に当てましたか?」
「フフ、油断したでしょグハッ」
 油断を笑う者は油断に泣く。遠慮なく強めに投げたクッションがエドガーの頭をぼすんっ! エドガーが目をぱちぱちさせ、ぽろり落ちたクッションを受け止めると、成る程とかすかな満足感を浮かべて笑う人狼少女がいて。
「エドガーさんの言う通りですね。“こちらの方”が楽しいです」
 そしてお互いの手が、次の一投をむんずと掴む。
 終了のゴングは、まだ鳴りそうにない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

榎木・葵桜
【BP】
私はパフスリーブのフリルシャツに
ショートパンツの白のパジャマで
わりと寝相悪いから、スカートっぽいの向かないんだよね

お菓子はココアシフォンケーキだよ!
カフェオレもクッキーもいただきます♪

アカネちゃん、お兄さんだったんだー?
もしかしたら初恋だったのかも、だね?

私は、ベタだけど、かっこよく守ってくれる王子様みたいな人!
霊の田中さんぽくもなるけどそれは置いといて

でも、好みはあっても
実際恋しちゃったらそういうの関係ないって言うよね

エリシャさんは、最初から陽里さんて好みのタイプだった?
それとも好きになったら…って感じ?

私、パラスさんの話聞きたい!
当時は悲恋でも今は素敵な思い出で、話してもいいなら!


アカネ・リアーブル
【BP】
パジャマパーティーです!
パラス様もほら早く!
パラス様も女子なんですから

ピンクのネグリジェにナイトキャップ
アカネのお気に入りなんですよ

夜更しにはスイーツを
アカネはクッキーをお持ちしました
皆様は何を?
皆でシェアしましょう

ガールズトーク花盛り
こ、好みのタイプですか?
以前はお兄様のことをお慕いしていた気も致しますが
今は…違うと思います

初恋…だったのでしょうか?(困惑)
葵桜様はどんな方がお好みですか?

(葵桜様に)
好きになったら好みなんて関係ない
そんなものでしょうか
ですが田中様は頼りになります

エリシャ様は陽里様のどこがお好きなんですか?
(お友達発言に)
そうですか
ではきっと一番大事なお友達なのですね


パラス・アテナ
【BP】
だから
どうしてアタシまで誘うんだい?
女子の定義を辞書で引いてみな
こういうのは柄じゃないんだよ(嘆息)

シルク地のシンプルなパジャマを
色はベージュ

盛り上がる皆にカフェオレのマグカップを
皆の話を聞いて相槌を打ちながら
こういうのは凄く久しぶりなことを思い出す
楽しいもんだね

そっと輪を抜け出して
サイレンサー付のUCでオウガを仕留める
こういうのは良い思い出になるんだ
邪魔させやしないよ

恋の話をせがまれれば渋い顔
アタシの話なんざ聞いたって何の得にもなりゃしない
生憎ろくに覚えちゃいないしね
それに碌でもない結末の話ばかりだ

(エリシャに苦笑い)
そうかい
アンタがそれでいいならいいがね
後悔だけはしないようにしなよ


エリシャ・パルティエル
【BP】
白の丈の長いネグリジェと薄手のナイトガウン
お菓子はマカロン
いくつになっても女子は女子よ

こういうのの定番はあれでしょ?
恋バナとか好きな異性のタイプとか

お兄さんは一番身近な異性だものね
わかるわかる

葵桜ちゃんあたしも田中さんは大好き!

え、陽里?
陽里は大好きだけど仲良しのお友達よ
だって陽里の恋人はバイクでしょ?

最初から素敵な人だとは思ったけど
少年みたいなのに包容力があって
一緒にいたら楽しいし安心するの
前に好きになった人とは全然タイプが違うけどね…

だって友達ならずっとそばにいられるから…

パラスさんのお話は今度ゆっくり聞きたいな
旦那さんとの馴れ初めとか!

トランプ兵には眠ってもらうわね
おやすみなさい



「パジャマパーティーです! パラス様もほら早く! パラス様も女子なんですから、さあ、ほらほら!」
 愛らしい色合いのピンクのネグリジェにナイトキャップ。お気に入りを着て来たアカネ・リアーブル(とびはねうさぎ・f05355)の足取りは軽く、笑顔と一緒に青い瞳も輝くよう。
「だから、どうしてアタシまで誘うんだい? 女子の定義を辞書で引いてみな。こういうのは柄じゃないんだよ」
「何を言ってるのよ。いくつになっても女子は女子よ」
 そんなアカネの手を払う事はせず、腕を引かれながら嘆息するパラス・アテナ(都市防衛の死神・f10709)はベージュ色をしたシンプルなシルクのパジャマ姿だ。パラスにウインクひとつ向けたエリシャ・パルティエル(暁の星・f03249)は、長い丈がふわりと躍る白のネグリジェに薄手のナイトガウンを羽織っている。
 三人のやり取りに榎木・葵桜(桜舞・f06218)はついつい笑い声をこぼした。いくつになっても女子は女子。有無を言わさぬ最強のワードである。
 そんな葵桜は、ふわっとしたパフスリーブのフリルシャツにショートパンツ。色合いは白。シンプルな中に可愛らしさのある装いのワケは、“わりと寝相が悪くスカートタイプが向かないから”という合理的なものからだったりする。
 ベストな場所を見つけたら、枕やクッションを夜更しのお供と一緒にセッティング。アカネはクッキーを、葵桜はココアシフォンケーキ、エリシャはマカロン。パラスは人数分のマグカップにカフェオレを注いで――パジャマパーティ、いざ、スタート!
「……で、こういうのの定番はあれでしょ? 恋バナとか好きな異性のタイプとか」
 どうなの? エリシャはくすっと笑って、ハート形のクッキーを食む。定番と聞いたアカネは、『恋』『好き』にどきっとした表情を浮かべた。
「こ、好みのタイプですか? 以前はお兄様のことをお慕いしていた気も致しますが、今は……違うと思います」
「お兄さんは一番身近な異性だものね。わかるわかる」
「アカネちゃん、お兄さんだったんだー? もしかしたら初恋だったのかも、だね?」
「初恋……だったのでしょうか?」
 確認するように呟いたアカネの瞳は少しだけ困惑で揺れて。葵桜様は、と、カフェオレで心身を潤す葵桜を見る。どんな方がお好みですかと問われた青い目がぱちっと瞬いた後、私はねと明るく笑った。
「ベタだけど、かっこよく守ってくれる王子様みたいな人!」
「ベタでもいいじゃないか。理想くらい好きに抱きな」
「へへ、ありがとうパラスさん。あ、でも霊の田中さんぽくもなる……けど、それは置いといて。でも、好みはあっても、実際恋しちゃったらそういうの関係ないって言うよね」
「そんなものでしょうか。ですが田中様は頼りになります」
「葵桜ちゃんあたしも田中さんは大好き!」
 ユーベルコード『サモニング・ガイスト・ジャイアント』で喚ぶ古代戦士の霊は、本人もとい本霊の知らない所で大人気。『田中さん』の話が盛り上がれば、皆が持ち寄ったスイーツもお喋りと一緒に順調に減っていく。
 ああ、こういうのはひどく久しぶりだ。
 随分前に在ったのは、確か。
(「……楽しいもんだね」)
 皆の話へ時に言葉をかけ、時に相槌を打っていたパラスは脳裏に浮かんだ過去に笑みを浮かべ、マグカップを置く。歴戦の傭兵であるパラスにとって、少女たちが作る談笑の輪から抜け出すのは造作もない。
(「一番近いのは……あいつらかい」)
 両手に構えた銃火器は、今日の心地良い時間を守るサイレンサー付き。トランプ兵たちに“すぐそこに終わりが来ている”と悟らせないまま、ドミノ倒しのようにバタバタと床へ、ベッドの上へ転がしていく。
(「ああいうのは良い思い出になるんだ。邪魔させやしないよ」)

 ちょっとした“掃除”がされていた頃、恋バナの標的はシフォンケーキを味わっていたエリシャに向いていた。
「エリシャ様はあの方のどこがお好きなんですか?」
「最初から好みのタイプだった? それとも好きになったら……って感じ?」
 アカネと葵桜からの質問に、ぱっちりとした金の瞳がまあるくなる。
「大好きだけど仲良しのお友達よ」
 だって噂の人物の恋人はバイクだ。あらゆる物事が愛車で走る為にある人で――その人を、エリシャは最初から「素敵な人」だと思っていたけれど。
「少年みたいなのに包容力があって、一緒にいたら楽しいし安心するの。前に好きになった人とは全然タイプが違うけどね……」
「そうですか。ではきっと一番大事なお友達なのですね」
「そうだね」
 だって友達ならずっとそばにいられるから。
 ぽそりとこぼれ落ちた声を受け止めるように、マグカップに注がれたカフェオレが差し出される。あ、と顔を上げればパラスが「ほら、飲みな」と薄く笑っていた。
「アンタがそれでいいならいいがね。後悔だけはしないようにしなよ」
 傍にあったものを自ら手放す事になるなんて事は、意外とあるものだから。
 頂きます、とエリシャがカフェオレに口をつけた瞬間、そうだ! と葵桜の声が弾む。そうだ、って一体何を思いついたんだいと目で問うパラスに、葵桜はパラスの恋バナが聞きたいと笑顔をキラキラさせた。途端にパラスは渋い顔をする。
「何かと思えば……ったく、アタシの話なんざ聞いたって何の得にもなりゃしないよ。生憎ろくに覚えちゃいないしね。それに碌でもない結末の話ばかりだ」
「じゃ、パラスさんの恋バナの機会はまた今度ゆっくりと、かな。たとえば、旦那さんとの馴れ初めとか!」
「エリシャ、アンタまで聞きたがるのかい……」
「あの、パラス様。アカネも……」
 挙げられていく手はおずおずと、向けられる眼差しは遠慮がちに、けれどキラキラと。パラスの重い重い嘆息が、はあぁ~、と落ちて――どうなったか知るのは、そこにいた四人だけ。
 眠りに落ちたトランプ兵は、当然、知る由もない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

日下部・舞
咲夜ちゃん(f00865)と参加

黒いキャミソールにダークグレーのショートパンツ姿

「ねえ、咲夜ちゃんは好きなひとっている?」

タンブラーグラスを片手に問いかける
カクテルを飲んで私はいい気分
片膝を抱えながら熱っぽく見つめる

「私、咲夜ちゃんのこと、好きよ」

もちろん友達として
訊いてる好きはそうじゃない

「……弟君。円月君は違うの?」

咲夜ちゃんの彼を見る目は特別だと思う
私、酔ってるかも、詮索したいわけじゃないの

「いいなぁって、思って」

それは無責任な言葉だった
けど、羨ましいと感じたのは本当だった
特別なひとがいる、それだけで

「咲夜ちゃん」

グラスを置いて手招き
近づいた彼女をそっと抱きしめる
柔らかくていい匂いがする


東雲・咲夜
【舞咲】

淡い水縹の漢服風ネグリジェ
髪はゆるふわ三つ編み
桜のリボンで結わう

桜型の氷を浮かべたフルートグラス
薄紅色にしゅわしゅわ微細な沫が昇る様を見つめ
嗚呼、耳が熱い…

突然の問い掛けに吃驚して答えられへんでいると
火照った表情の舞ちゃんが
なんやかいらしく見えて仕方あらへん

…そうよ
うちが好きなんは…戀してるのは、

噤む
これ以上は口にせんでもわかりますやろ
秘密の『とくべつ』…

うちにしてみれば舞ちゃんが羨ましいんよ
恋と愛は違ても根本はおんなじ
困ったことに、愛するひとはぎょうさんおる
…みぃんな愛してまう
せやからたったひとりを…と思とるあんさんが羨ましい

抱きしめる温もり
微睡みに解ける熱
ほら…あんさんのことも、



 東雲・咲夜(桜妃*水守姫・f00865)はその身を淡い水縹の漢服風ネグリジェに包み、ふわりやわらかな印象を受ける三つ編みにした髪を桜色のリボンで結わえていた。輝石のような瞳は――桜形の氷浮かべたフルートグラスの内へ。
 薄紅にしゅわりしゅわりと沫が昇っていく。微細な粒が昇る様は舞踊のようで。それをただ見つめていると、耳に集まる熱を余計に知覚してしまいそうだった。
「ねえ、咲夜ちゃんは好きなひとっている?」
 ふいにかけられた問い。思わず目を向けたそこには、黒のキャミソールにダークグレーのショートパンツと、シンプルな装いが美貌を際立たせる日下部・舞(BansheeII・f25907)がいた。
 片手に持つタンブラーグラスを少し傾けると、からん、と中の氷が心地良い音を響かせる。それがカクテルの味に加わって舞の気分を更に良くする。
 そ、と片膝を抱えながら咲夜に向ける眼差しには、とろりとした熱。
 答えられないままの咲夜には、火照った表情の舞が艶めいて見えて仕方ない。
「私、咲夜ちゃんのこと、好きよ」
 もちろん、友達として。囁いてカクテルに口をつけ、訊いている“好き”はそうじゃないのと、黒色の眼差しを向けた。
「……弟君。円月君は違うの?」
 咲夜が彼を見る目は“特別”だと思って――ああ、酔っているかもしれない。
 詮索したいわけではなくて。ただ。
「いいなぁって、思って」
 言ってから無責任な言葉だったと気付く。二人は双子の姉と弟だ。けれどそう感じだのは本当だった。特別なひとがいる。それだけで、舞は――。
「……そうよ。うちが好きなんは……戀してるのは、」
 咲夜は噤む。氷の音が、どちらかのグラスの内で鳴った。
「これ以上は口にせんでもわかりますやろ。秘密の、『とくべつ』……。うちにしてみれば舞ちゃんが羨ましいんよ」
「私が?」
 咲夜は僅かに瞳を伏せ、頷く。恋と愛は違えど根本は同じ。誰かを想う事。困った事に自分には“愛する人”が大勢いる。だから。
「うちは……みぃんな愛してまう。せやからたったひとりを……と思とるあんさんが羨ましい」
 誰か一人を。ただ一人である存在を。弟を。
 そう出来たら――こころの熱は、自分を楽にしてくれるのだろうか。
「咲夜ちゃん」
 舞がグラスを置いて手招く。咲夜の身体がそうっと、舞うように向かう。
 抱き締めればやわらかくて、いい匂いがする。
 抱き締める温もりが、微睡みに熱を解かしていく。
(「嗚呼。ほら……あんさんのことも、」)

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ライラック・エアルオウルズ
クラウ(f03642)と

白猫柄な黒のパジャマを着て
懐中時計に思わず綻び

わっ、と手引かれ飛び込む布団
唖然としてから、直ぐに笑い零し
ああ、本当に心地良いねえ

眠りたくなってくるけれど
秘密もパーティも存分に楽しもうか

添えるのは、アップルパイ
それと、林檎の果汁瓶で林檎尽くしだ
乾杯してから、クッキーをひとくち
僕も“秘密の味”を味わえて嬉しいよ

えっ?あっ、クッキーのこと?
僕は苺ジャムを添えたアリス
鮮やかで綺麗だから、ね?
トランプ兵には、険しい顔で念飛ばし
『アリス=クッキーで誤魔化したから
 余計な事は言わないように!』

ええと、好きな動物の話とか?
気を取り直し、笑顔で首傾いで
兎角、アリスから話を変えなくては――


クラウン・メリー
ライラ(f01246)と

うさぎさんパジャマを着て
ライラから貰った懐中時計を首に下げる

ライラ、ライラ!と手を繋いでお布団へダイブ!
えへへ、ふっかふか!

ぽんと出たお星様枕をもふもふしてから
秘密のパジャマパーティしよう!

持ってきたのはトランプとアリスの形をしたクッキー
乾杯!と共にコップをコツン

わあ!アップルパイに果汁瓶だ!
ライラの大好きなお菓子一緒に食べれて嬉しいな

……ライラはどんなアリス(クッキー)が好き?
俺はね、チョコたっぷりなアリス!甘くて蕩ける美味しさ!
そこのトランプ兵さんはどんなアリスが好き?

ふふ、楽しいね!

――ね、ライラ次はどんなお話する?
動物さんのお話?
トランプ兵さん達も一緒に話そっ!



 ぴょん、と飛び出した兎が一羽。首から下げている懐中時計は、白猫躍る黒を着た紳士からの贈り物。満月の光を輝き躍らせたそれに紳士の表情は思わず綻んで、
「ライラ、ライラ!」
「え、わっ」
 ぱしっと手を繋がれて、仲良く布団へぼふっとダイブ!
 すぐ傍で、飴玉のような金色をした瞳に楽しげな光が散る。
「えへへ、ふっかふか!」
「ああ、本当に心地良いねえ」
 布団もすべすべだよと笑うクラウン・メリー(愉快なピエロ・f03642)に、唖然としていたライラック・エアルオウルズ(机上の友人・f01246)はすぐに笑いをこぼし、少しだけずれた眼鏡を直す。
 周りには沢山のクッションが散らばっていた。小さなクッション山がぽこんっと揺れて。夢の国に現れたばかりの新人お星様クッションを、クラウンの両手がもふもふ捕まえる。
「ライラ、秘密のパジャマパーティしよう!」
「そうだね。眠りたくなってくるけれど、秘密もパーティも存分に楽しもうか」
 秘密のパーティーにはこれが必要。クラウンがジャジャーンとお披露目したのは、トランプとアリスの形をした素敵がいっぱいの美味しそうなクッキーたち。
 じゃあ僕からはこれを。ライラックはクッキーの隣に艶々狐色のアップルパイを添え、とん、と林檎の果汁瓶も追加すればクラウンの笑顔がもっと明るくなる。
「わあ! アップルパイに果汁瓶だ! ふふ、乾杯!」
「ああ、乾杯」
 コップをコツンと合わせたら、兎と紳士の秘密のパーティーが幕を開ける。クッキーから? ううん、ここはアップルパイ! クラウンはわくわくとフォークを刺して、初めの一口に布団の上で座ったまま小さく飛び跳ねた。
「ライラの大好きなお菓子一緒に食べれて嬉しいな」
「僕も“秘密の味”を味わえて嬉しいよ」
 トランプはどのスートからにしよう。少し迷ってからハートのQをさくっと一口。
 秘密のパジャマパーティーは林檎の香りと共に恙無く進んでいって――。
「……ライラはどんなアリスが好き?」
「えっ?」
 聞き間違いだろうか。アップルパイを齧ろうとしていたライラックは一瞬動きを止めるも、一秒後には何でもなかったような微笑を浮かべて、さく、と噛んだ。
「俺はね、チョコたっぷりなアリス! 甘くて蕩ける美味しさ!」
 こんな感じの。クラウンの手にあるものを見て納得し、心の底からホッとする。あっ、クッキーの事。良かった。本当に良かった。
「そこのトランプ兵さんはどんなアリスが好き?」
『え、我輩?』
「そう!」
「僕は苺ジャムを添えたアリス。鮮やかで綺麗だから、ね?」

 ね ?

 話を振られたトランプ兵に険しい顔をしたライラックから圧力が掛かる。時が経過するほど増えていくGには、『アリス=クッキーで誤魔化したから、余計な事は言わないように!』という文字が浮かんで見えるほど。
 因みにライラックの顔面は、クラウンからは丁度見えない角度になっていた。良かった。本当に良かった。
『や、やはり我輩はバニラとショコラ香るアリスだな!』
 ボックスクッキーを手にチラチラ伺うトランプ兵へライラックはニーーーッコリ笑顔で頷いた。そう。それでいい。グッボーイ。
「ふふ、楽しいね!」
「そうだね。クラウ、林檎果汁のおかわりは?」
「あっ、欲しい! ――ね、ライラ次はどんなお話する?」
「次? ええと、好きな動物の話とか?」
 気を取り直したライラックは、笑顔で首を傾ぎながら思考をフル回転させる。兎角、アリスから話を変えなくては――。なせなら。
「動物さんのお話? 楽しそう! ねえ、トランプ兵さん達も一緒に話そっ!」
 変えない限り、いつ、うっかりアリス(余計な事)が飛び出すかわからない――!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

都槻・綾
f11024/花世

――いざ!

ホームラン宣言よろしく蕎麦殻の枕を掲げ
宣戦布告
きらりと光る瞳
寝間着は浴衣に茶羽織の温泉宿風

開始と同時
手にしていた枕を投げ
屈んで躱す序でに
また一つ掴み

近場のトランプ兵も巻き込んで枕投げ大会
トランプ兵を盾に
さっと避けたり、陰から放ったり

然れど
薄い壁なのはトランプの性か
脆くも膝をつく様子へ

諦めたら試合は終了ですよ
お立ちなさい!

と容赦なく叱咤激励
いいえ此れも愛なんです

さぁ
そろそろ仕舞い!

正々堂々全力で投げるのは
別名――ひとをだめにするクッション
穏やかで心地良い眠りに誘う馨遙つき

花世と共に爽やかに汗を拭って

知りませんでした
パジャマパーティーって
こんなにも熱いものだったんですね


境・花世
綾(f01786)と

揃いの温泉宿風浴衣は、
まるで試合のユニフォーム
正々堂々、勝たせてもらうよ

早業を駆使して先制の一投
見事に躱されればにやりと笑う
さすが綾、そうこなくっちゃ

使えるものは何でも武器にと
トランプ兵をぐいぐいと巻き込んでいこう
我がチームの作戦はヒット&アウェイ

フィールド中を駆けて、駆けて、
いずれ必ず勝機は掴める!

気付けば深まるチームの絆
挫折、喧嘩、からの友情
ライバルチームは先生の厳しい指導――
何このスポ根???

我に返りかけた意識を引き戻して、
大技で逆転プレイだよ、秘儀・枕乱れ咲き!

全てを出しきった清々しさと共に
がっちり固い握手を交わす
ウン、違うと思うけど、楽しかったからオールオッケー



 ふわふわとした夢の国の一角で心地良い緊迫感が漂う。
 向かい合うのは、揃いの温泉宿風浴衣を纏った境・花世(はなひとや・f11024)と都槻・綾(糸遊・f01786)だ。浴衣に茶羽織のそれが試合のユニフォームに見えるのは、不敵な笑みを浮かべる二人が蕎麦殻の枕を手にしているからか。
「正々堂々、勝たせてもらうよ。綾」
「それは此方の台詞ですよ、花世。――いざ!」

 勝負ッ!

 宣戦布告の直後、先手を奪った蕎麦殻枕がぎゅんッと空を切った。立っていた筈の体は一瞬で屈んでいて、その反応速度に花世はにやりと笑う。
「さすが綾、そうこなくっちゃ」
 戦う相手として不足なし。だからこそ使えるものは全て武器にする。
 駆けながらぽんっと顔を出した新人クッションをすかさず掴んで駆け、投げたら即離れてを繰り返し――フィールドの中にいたトランプ兵も、期待の新人や大型助っ人としてぐいぐい巻き込んでいく。
「我がチームの作戦はヒット&アウェイ! 行くよ!」
『応!』
 綾も負けてはいない。
『むっ、なに、えっ貴公ら――ガハーッ!?』
 トランプ兵を盾にさっと避け、陰から放ってと巻き込みながら、宜しければ共に戦いませんかと枕を手に微笑みスカウトを連発。花世チームの勢いとテクニックに刺激を受けたトランプ兵たちが綾の元へ集えば、何の運命か、同数のトランプ兵が揃っていて。
「さあ皆さん、行きますよ」
『応!』
 だがしかし盾にする時は遠慮なく盾にする綾だった。
 その為、花世たちはなかなか相手チームの主将である綾を捉えられない。
「やっぱり手強いね。けれど、いずれ勝機は掴める!」
『皆、主将に続け!』
 放ち、打たれまいと激しく繰り返されるヒット&アウェイ。それに対抗し、互いに身を守りながら、または味方の守りを最大の攻撃として陰から放ってと戦う綾チーム。だが、トランプであるが故にその壁は――そう。少しばかり、薄かった。
『す、すまぬ、貴公……我輩は、もう……!』
 がくり。膝をついたトランプ兵の腕を誰かがぐいっと引っ張り上げた。はっと肩を震わせたトランプ兵を見下ろすやわらかな眼差しが、きっと凛々しくなる。
「諦めたら試合は終了ですよ。お立ちなさい!」
 ほんの一瞬、動きを止めた綾チーム。それを当然、花世チームは気付いていて。
『んっ? あれは好機では――』
『貴公、そのような卑怯な真似はチームメイトとして看過出来んぞ!』
『何!? 卑怯だと!? 隙を見せる方が悪かろう!』
 なかなか倒せない相手チームは挫折の前触れ。意見の衝突は喧嘩の火種。しかし熱い思いをぶつけ合えば、それは固い友情を編みだす繋がりとなって――。
(「あっちは先生の厳しい指導……」)
 何このスポ根???
 我に返りかけた花世だがそこは主将らしく、即、意識を引き戻した。
 こちらを射抜く視線が、不敵に笑う。
「さぁ、そろそろ仕舞い!」
「だったら、この大技で逆転決めさせてもらうよ!」

 ――秘儀・枕乱れ咲き!
 ――ひとをだめにするクッション!(穏やかで心地良い眠りに誘う馨遙つき)

 主将同士の激突は、チームメイトからの歓声を厚く、熱く轟かせた。お互いに全てを出し切った技は周りを巻き込んで――…………つまり、一緒に枕投げに熱中していたトランプ兵たちを根こそぎ骸の海へと還したのである。
 視界も、気分も、非常にスッキリした二人はがっちりと固い握手を交わした。流れ落ちる汗を爽やかに拭うと、何だかレモンの香りがした気がするがそれは気のせいだったかもしれない。
 とにもかくにも。
「知りませんでした。パジャマパーティーって、こんなにも熱いものだったんですね」
 ウン、違うと思うけど。
 そう思った花世だけれど。
(「楽しかったからオールオッケー、だよね」)
 ああ、気持ち良かった!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夏目・晴夜
リュカさんf02586、パジャマをお持ちですか
ないと思って、このハレルヤが似合うのを買っておきました
(カモノハシ着ぐるみパジャマを渡す)このTシャツとハーフパンツは私のです
言うこと?そうですねえ…もっと優しく褒めてくれません?

しかし銃を持ったままで疲れませんか?
ああ、そういうのありますよね!私も灯りがないと眠れません
勿論、毎晩倒してます
トランプ兵たちもそういうのあります?それか好きな人います?

あ、お菓子と飲み物も大量に買ってますよ
これはポテチです。揚げた芋。のり塩が推しです
リュカさんのそれ何、うっわ何ですかコレ!まっず!邪悪の根源!?
口の中ずっと苦っ…
ああ…子供は旨いでしょうね、あの漆黒よりは


リュカ・エンキアンサス
晴夜お兄さんf00145と
俺、パジャマ持ってないんだけど、お兄さんが見繕ってくれるらし…(着ぐるみ)

お兄さん、俺に何か言うこと、あるよね?(銃口でお兄さんぐりぐりしながらも着る
そして銃は手放さない
…これがないと眠れないんだよ
お兄さんたちにも、そういうの、あるよね?(さりげなくトランプ兵たちも話に混ぜながら
灯りって、寝てる間に倒さない?

後はお兄さんが持ってきた揚げ菓子とやらを食べる
何これ。これが芋って嘘じゃない
芋ってのは……こういうんだろ(自作の、非常用の丸焦げになったサツマイモをお兄さんに口にいれながら
後はだらだら、世間話して過ごす
シュールな話にも普通に乗る。やっぱり人間も子供が旨いのかな



 リュカ・エンキアンサス(蒼炎の・f02586)は、いつもの格好で夢の国にいた。だが別に、これが俺のパジャマだけどというワケではない。パジャマは持っていないが、とあるお兄さんが見繕ってくれるという。
「リュカさん、お待たせしました」
「あ、お兄さん」
 どんなパジャマにしたの、と言いかけたリュカの目の前に、ずいっとそのブツが差し出された。とあるお兄さんもとい、夏目・晴夜(不夜狼・f00145)が笑う。いつものように、どこにあるのかわからない根拠を元にした自信をたっぷりと浮かべて。
「さあこちらをどうぞ。そしてこのハレルヤを遠慮なく褒め称えて下さい」
 カモノハシ着ぐるみパジャマだった。
 リュカはカモノハシ着ぐるみパジャマを見つめた後、晴夜を見た。
「……」
「このTシャツとハーフパンツは私のです」
 見た時の姿勢のままリュカは銃口で晴夜をぐりぐりした。言いたい事は色々あるが、パジャマは必要な為、晴夜をぐりぐりしながら器用にカモノハシ着ぐるみパジャマを着ていく。
「お兄さん、俺に何か言うこと、あるよね?」
「言うこと? そうですねえ……もっと優しく褒めてくれません? しかし銃を持ったままで疲れませんか?」
「……これがないと眠れないんだよ。お兄さんたちにも、そういうの、あるよね?」
『エッ?』
『オァッ?』
 自分たちのすぐ横を合流場所にしたと思ったら、違うよねそうじゃないよねいいえ違いませんこうですと何やら意見の食い違いを見せた二人。どうすればいいのだと扱いに困っていたらしいトランプ兵たちが、ふわふわファーに寝転がったりした状態のまま固まった。
『…………ま、まあ、殺伐貴公らが言う通り確かにあるが……』
「変なチーム名付けないでくれる」
 ようやく動き出した時間にリュカの容赦ないツッコミが突き刺さる。ちなみにカモノハシ着ぐるみパジャマのサイズはピッタリだった。腹が立つ。
「ああ、そういうのありますよね! 私も灯りがないと眠れません」
 逆に晴夜は上機嫌でトランプ兵たちの輪に入り込む。暗闇は苦手で仕方がない。そんな晴夜に同調するトランプ兵がいれば、そうでないトランプ兵もいた。
 灯りがあると眠れない派と、ないと眠れない派。二つの派閥は激突する事もなく、ああしたらどうだ、いやこれでも駄目だったと相談会の様を見せていた。並んでいた菓子と飲み物が程よいスピードで無くなっていく。
「でも灯りって、寝てる間に倒さない?」
「勿論、毎晩倒してます。トランプ兵たちもそういうのあります? それか好きな人います?」
『我輩の寝室は壁掛けランプ故に倒す心配は無いなフフン』
『おい聞いたか皆、好きな人という質問をあからさまに答えなかったぞ』
『貴公、答えろ、答えるのだ!』
『ええーい、もー! やーめーぬーかー!』
 そういうタイプばかり集まったのか何なのか、まるで学生だ。そこへ晴夜が持ってきた菓子と飲み物が大量に登場すれば、うおおっと野太い歓声が上がる。
「これはポテチです。揚げた芋。のり塩が推しです」
『これはこれはご丁寧に』
『ん? どうしたカモノハシな貴公』
 ぐりぐりぐりぐり。
『ぐうっ、無言で銃口を押し付けるでない!』
「これが芋って嘘じゃない」
「何を言うんですリュカさん、紛れもなく芋ですよ」
「芋ってのは……こういうんだろ」
『!?』
「リュカさんのそれ何、うっわ何ですかコレ!」
 リュカが取り出したブツが猟兵もオウガも関係なく驚かせる。リュカはざわざわする周りへ怪訝そうな目を向けながら、晴夜の肩をガシッと掴んだ。え、何ですかちょっと。制止の声は無視して晴夜の口へぐりぐりとプレゼントすれば、狼耳がびんっ! と立った。
「まっず! 邪悪の根源!?」
「自作の、非常用のサツマイモですけど」
「冗談ですよね!?」
『お、おい、我輩の知るサツマイモと違うのだが……』
『芋らしい色が欠片も見当たらぬぞアレ……』
 ダークマターという言葉にサツマイモの文字が追加された後、そういえば何の話をしていたんですっけ、から“好きな人がいるかどうか”へと、話の流れは尊い犠牲をひとつ払った事で無事に修正されていく。
 世間話をしながら菓子を摘んで飲み物を飲んで――それだけの時間がどこか心地良さを孕んで過ぎていくのは、ここが夢の国だからか。その不思議な感覚は、トランプ兵たちが語り始めた“アリスの味”もふんわりと受け止めるよう。
「……ふうん。やっぱり人間も子供が旨いのかな」
 リュカの呟きを拾ったのは口内の苦さと格闘を続けていた晴夜だけ。ジュースを流し込む事数回、やっと苦味が薄れてきた気がする。しかし。人間の子供の、肉の味とは。そうですね、と細められた目はまるで、闇の向こうを見るように。
「ああ……子供は旨いでしょうね、あの漆黒よりは。だからって食べたいとは思いませんけど」
「どっちを?」
「どっちもですよ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

火狸・さつま
【空】

コノとお揃の着ぐるみパジャマ!
俺の、狸さん!コノが選んでくれたから文句なぁい!

コノ、狐さん、似合ってる(にぱーーっ)
常盤…ごーじゃす!かっくいい、ね!(ぱぁあ)
なびきちゃんの、これぞぱじゃまって感じする…!可愛い!(わぁわぁ)
俺、普段は、着ない、の
狐姿で寝てる、から

持ち込んだお酒とジュースと置き
おつまみはサラミ!一押しのやつ!
コノも常盤も、お嬢さんもありがと!
まずは桃ゼリーいただきますしつつ
なびきちゃんの桜も綺麗!
濃い花…?
花弁付いたおみみぴこぴこ
皆の、すき?
ききたいききたい!としっぽふさふさ
俺?俺、は……皆、すき!(ふにゃり)

楽しみつつも忘れずお掃除!
炎の仔狐ぴょこぴょこ
敵へ向かわせる


コノハ・ライゼ
【空】

缶の酒にノンアル飲料
肴はお手製ポテトとチーズのピンチョス、野菜の生ハム巻き、果肉たっぷり桃ゼリーを持ちこんで

たぬちゃんと揃いの着ぐるみパジャマ(狐)
パジャマ初めてなんダケド……いつもは脱いじゃうからナンか斬新(自分でもふー
あは、ジンノってば超ソレっぽい~
なびちゃんもしっかり可愛い路線でナンか納得ぅ
クッションをベッド代わりに桜舞う空間でごろ寝満喫

待ってましたコイバナ!
給仕する彼女見て、猫のぬいぐるみを見てにまにま
はぁん、なかなか具体的でイイコト
ンでたぬちゃんは?やっぱキレーなあのヒト?

オレ?オレってば博愛主義だからぁ
魂が求めるならソレこそバケモノだってOKヨ

攻撃は【虹渡】で、オヤスミ


揺歌語・なびき
【空】

着慣れたスウェットで参戦(ゆるふわ犬のワンポイント付
ガ、ガウンだー!!えっ本物?すごい、似合ってる
流石常盤さん、びっくりした…本物だ…
店長とさつまくんはお揃いなんだねぇ
すっごくかわいいよぉ、ふわふわだし(触る

おれは男子会を邪魔されないよう巣篭りの用意
桜が必要以上に舞ってるのは気にしないで

普段の地味なベッドに寝っ転がり
猫のぬいぐるみを一体傍にちょこんと
これ、うちの子が誕生日にくれたんだよね

女給さんと店長にお礼を言って
マカロンや桃ゼリーを堪能

さつまくん、お花の話じゃないよぉ
すきなタイプかぁ
常盤さんと似てるかなぁ、清楚で真面目な子
それにかわいい服が似合う感じの
守ってあげたくなる子がすきだなぁ


神埜・常盤
【空】4人

クラレットのガウンが寝巻き
コノ君とさつま君のパジャマはお揃いか
なびき君のはワンポイントがお茶目だ
ふふ、みんな可愛いねェ

女給に菓子と茶を給仕させるよ
クッキーに、チョコレェトに、マカロンに……
あァ、コノ君が作ってくれた摘みも美味しそうだ
肉が好きだからサラミも嬉しい

アンティークな赤色ベッドに腰掛け
酒や摘みや菓子を愉しみつつ歓談
櫻舞う中で男子会なんて雅で良いねェ

パジャマパーティーといえば
恋バナを披露するものらしい
それで、君達はどんな女性が好みなのかね?

僕は清楚で淑やかで健康的なひとが良い
あァ、うちの女給みたいな貌が好きだよ
――そんなこと言うと、本人は嫌がるけれど

邪魔する敵には破魔の護符を投擲



「ガ、ガウンだー!! えっ本物?」
「本物だとも」
 艷やかなクラレットのガウン姿で来た神埜・常盤(宵色ガイヤルド・f04783)は、狼耳をぴんっと立てて尻尾をぱたぱた揺らす揺歌語・なびき(春怨・f02050)へと頷き、くるり。静かに回ってみせれば、ワインのような紅色が美しく揺れた。
「すごい、似合ってる……流石常盤さん、びっくりした……本物だ……」
 なびきは桜の瞳をきらきらさせて常盤の顔とガウンを何度も見比べる。そんななびきの後ろからひょっこりと現れた着ぐるみコンビは、常盤を見てそれぞれ違う笑顔を見せた。
「あは、ジンノってば超ソレっぽい~」
「ごーじゃす! かっくいい、ね!」
 コノハ・ライゼ(空々・f03130)は楽しむように笑い、ぱぁあと笑顔輝かせた火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)は自前の尻尾をぱったんぱったん。
 着ぐるみパジャマはなんとお揃いで、しかも選んだのはコノハだ。当然さつまに文句はなく、そこに嬉しさが加わってエンドレス尻尾ぱたぱたである。ちなみにさつまは狸で、コノハは狐だ。
「パジャマ初めてなんダケド……いつもは脱いじゃうからナンか斬新」
「そうなんだ? さつまくんは?」
「俺、普段は、着ない、の。狐姿で寝てる、から」
「そっかぁー。うん、二人ともすっごくかわいいよぉ、ふわふわだし」
「そーそー、これスゴイのよ。もふーってなるわ、もふーって」
「えっ。さ、触っていい?」
「ドーゾドーゾ♪」
「だいじょ、ぶ! なびきちゃんの、これぞぱじゃまって感じする……! 可愛い!」
「ネ。しっかり可愛い路線でナンか納得ぅ」
「うん、なびき君のはワンポイントがお茶目だ。ふふ、みんな可愛いねェ」
 えぇー、そう? ゆるゆると照れ顔になるなびきは着慣れたスウェットで参戦していた。“可愛い”“お茶目”と好評なワンポイントは、見たら疲れがふにゃっとどこかへ行きそうなゆるふわ犬。
 ワイワイキャッキャと集合を終えたら、楽しい楽しい男子会の始まり。四人パジャマで集まって色々持ち寄っている時点で気分はかなり楽しいけれど、邪魔が入らないようにとなびきの手によって巣篭もり体勢は完璧で。
 はらひらと桜舞う中、なびき個人の最後の仕上げは、寝転がった簡素なベッドに猫のぬいぐるみをひとつ。傍に、ちょこんと置けばパーフェクト。
「アラなびきちゃん、可愛いお友だちじゃない」
「これ、うちの子が誕生日にくれたんだよね」
 ああ、あの子? そうそう。でれっ。
 新しい桜がふわっと舞い出た男子会会場という名のベッドの上に並ぶのは、酒なら缶にノンアルコールに瓶にと盛り沢山。酒と話の肴にと、コノハ手製のポテトとチーズのピンチョス、野菜の生ハム巻き、果肉たっぷり桃ゼリーは見目も大変美味しそうで――そこへさつまも一押しのサラミを置いて誇らしげだ。
 そこへスッ……と優雅に現れた娘が種類と色とりどりの菓子と茶を給仕していく。クッキー、チョコレート、マカロン――美しく並べられたそれらに、アンティークな赤色ベッドに腰掛けてブルジョワ感が更に増している常盤が目を細め、ご苦労様と一言。
 給仕される事に慣れている様子。
 なんだか――カッコ、イイ!
 さつまから熱く真っ直ぐ注がれるキラキラ視線に、好物の肉――まずはサラミからと手を伸ばした常盤はにっこり。
「僕の式神だよ」
「わ! コノも常盤も、お嬢さんもありがと! いただき、ます!」
「頂きます。櫻舞う中で男子会なんて雅で良いねェ。そうだ、パジャマパーティーといえば恋バナを披露するものらしい」
「待ってましたコイバナ! たっぷり聞かせてよネ」
 ふふと目を細めたコノハの手がチョコレートをひとつ摘んで、あーん、と口の中へ。甘い味わいが溶けていき、コイバナかーと表情をふにゃりとさせたなびきも淡い黄色のマカロンをさくっ。中身はまろやかなレモンクリームで――。
 コイバナ。
 こいばな。
「濃い花……?」
 花弁付いた耳をぴこぴこさせるさつまの反応に、他の三人は瞬時に悟った。
 絶対に違う“こいばな”を想像している。
「さつまくん、お花の話じゃないよぉ。“好き”の方の、“こい”の話」
「!! 皆の、“すき”、ききたいききたい!」
「では言い出しっぺの法則で僕から」
 す、と手を上げた常盤はそうだねェ、と呟き、口に含んだ酒を舌の上で転がすようにして味わう。自分は、清楚で淑やかで健康的なひとが良い。語った唇が笑み、視線は給仕に勤しむ式神の娘へと注がれた。
「あァ、うちの女給みたいな貌が好きだよ」
 そう言った途端、言われた式神が眉間にきゅっと皺を止せて常盤から離れていった。
「おれも常盤さんと似てるかなぁ。清楚で真面目な子。それにかわいい服が似合う感じの、守ってあげたくなる子がすきだなぁ」
 愛おしそうに、やわらかに細められる目。
 動いた拍子にこてんと倒れた猫ぐるみを、優しく起こす手。
 式神から差し出された茶を受け取ったコノハは、娘を見て、猫のぬいぐるみを見てにまにま顔。実に具体的でヨロシイ。成る程、成る程ねェ――ふふふと笑っていた瞳が、ンで、と次に向いた。
「たぬちゃんは? やっぱキレーなあのヒト?」
「俺? 俺、は……皆、すき!」
 カッコよくて、やさしくて、すごくて、強くて――ふにゃり笑って尻尾をぱたぱたさせるさつまから溢れる癒やしオーラで、空気がほわぁんと穏やかになる。そんな空気が場を満たす中、コイバナトーク包囲網は最後の一人に向けられた。
「そういうコノ君はどうなんだい?」
「うんうん、店長の好みのタイプ気になるなぁ」
「オレ? オレってば博愛主義だからぁ。魂が求めるならソレこそバケモノだってOKヨ」
「コ、コノ、大人……!」
 楽しく美味しい男子会は、その後も恙無く。
 『えーバケモノであるかー?』『バケモノは流石に少々……』『やはりここはアリスこそ至高』と水を差すトランプ兵がいたりしたのだけれど――猟兵四人による電光石火のお仕置きが、彼らを瞬時に黙らせたそうな。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ブーツ・ライル
【DRC】
アドリブ、マスタリング歓迎

_

アリスを食った…?
グリモア猟兵の予知したトランプ兵共にぴくりと指先が動き青筋が立ちかけるが、あくまで面には出さない。

内心深呼吸して、メトロの選んだ寝間着を見るが
「…」
…自分で用意しようと思う。

_

適当に見繕い、パジャマパーティーとやらに参加をするが。
「………好きな人………?」
しかも燕はそれを日報にしたためると言う。
日報は日記じゃねえぞ、というか上へ報告するな。秘密にしろ。
眉間を揉みつつ、かく言う俺は二人が望むような艶やかな応えもなく。
…まあ、燕とメトロが仲良くしているところを見るのは、微笑ましい。
アップルパイを切り分け、紅茶を淹れてやりつつ
穏やかに会話を。


メトロ・トリー
【DRC】
アドリブだいすきだよ〜!

エビバデパーティー!?
ぼくがトランプ兵よりパーティーを楽しめないはずがないじゃないか!
だって、みんなお揃いのパジャマだって揃えたし
何よりぼくたちとっても可愛いからね!
ぼくは赤と白のフリルたっぷりネグリジェ姿で仁王立ちするのさ!クラッカーパーン!
ついでにパーーーンチ!

エーーーなんだい着ておくれよ2人ともお仕事だよ!

ぷんすかなぼくだけれど、ブーツ先輩のアップルパイには勝てなかったんだおいしー!
パジャマにパイなんてサイコ〜

エ!日誌に好きな人へのポエムを書き連ねるのかい!
ギャハハ、首切り鞭打ちよりよっぽど酷じゃねえか

じゃあぼくがふたりの可愛い秘密いっぱい書いちゃお〜


金白・燕
【DRC】
アドリブ、マスタリングは大歓迎です

パジャマを着て談笑すれば良いですね
メトロ?メトロが選んだお洋服はとても可愛らしいですが、私とブーツには…ちょっと…
でもお仕事なら仕方ありませんね
邪魔する者には【GIFT】を差し上げます
ちょっと静かにしてください、大事な話をするんですから

ええと、好きな人います?
あ、パワハラではありません
上司として、上司として聞いておきたいんです
メトロ、一緒に書きますか
私たちの秘密ですか?何でしょうねえ

日報にしたためておきましょう
はい、メトロの好きな人はレディと。



 “今まで女王陛下に内密で食べたアリスの中で――”

「――……、」
 ブーツ・ライル(時間エゴイスト・f19511)の指先がぴくりと動いた。額に青筋が現れかけ――消える。
 薄いボディや腕の篭手。それらのラインが見えるパジャマ姿のトランプ兵たちを見た瞬間、思い出したトランプ兵たちの“会話”。この世界に喚ばれ、そして兎と出逢えないまま闇に消えたアリスがいる。その事実がブーツの中で嫌な音を立てる。が。
「ねえねえ聞いたかい? パーティーだよエビバディがパーティー! ぼくがトランプ兵よりパーティーを楽しめないはずがないじゃないか! だって、みんなお揃いのパジャマだって揃えたし、何よりぼくたちとっても可愛いからね! ほら見てご覧よ!」
 真っ赤な夕焼け色の双眸をきらきらさせて、メトロ・トリー(時間ノイローゼ・f19399)はくるっとピルエットしてみせた。
 赤と白の豪勢なフリルがふわんっと躍るネグリジェは、仁王立ちを決めたメトロも、ネグリジェそのものの愛らしさも全く損なわない。更にクラッカーをパーン! と発射して唖然としていたトランプ兵たちをびくっとさせる。
「ついでにパーーーンチ!」
『ぬわー!?』
『貴公ーーッ!?』
 元気に吹っ飛ぶトランプ兵A、吹っ飛んでいく仲間をああーっと見送るトランプ兵B。
 可愛さと強さを示したメトロは「どうだい?」と満面の笑みで腰に手を当てて――まだネグリジェを着ていないブーツと金白・燕(時間ユーフォリア・f19377)をじいぃーーっと見つめる。
「そうですね。とても可愛らしいですが、私とブーツには……ちょっと……」
「……」
「お揃い!」
「……自分で用意したものを着る」
「エーーーなんだい着ておくれよ2人ともお仕事だよ!」
「お仕事なら仕方ありませんね」
『待て待て、黙って聞いていたが貴公はそれで良いのか。パジャパに参加するのであれば矢張りそこは己の心に従い、着たいと思うパジャマを』
「こちらを差し上げますのでちょっと静かにしてください、大事な話をするんですから」
『ヴッ……!』
 薔薇の花冠を頭に乗せられたトランプ兵Bがその場にコテン、と寝転がった。何やら指先がぴくぴくしているが、あれはそういうものだと知っているブーツは、同じ“もの”を受けても幸せそうに笑う燕を見た後、トランプ兵とぷんすか状態のメトロを無視し、燕と共にクッション山の裏へ向かう。
 そして。
「やったー! ブーツ先輩のアップルパイだ!」
 眩しい狐色をした網目状の表面。漂い始めた甘い香り。取り皿と一緒に渡されたナイフとフォークをしっかり握ったメトロは、パジャマとパイのサイコーな組み合わせに満面の笑み。
 さくさく食べていくその隣で、お揃いネグリジェ姿の燕もアップルパイを食べながら「パジャマパーティーなんですよね」と考え――ええと、と二人を見た。
「好きな人います?」
「………好きな人………?」
 突然どうした、と向けられた訝しげな視線に燕は慌ててアップルパイを飲み込んだ。ナイフとフォークを更に置いて、持ってきた物を二人の前に出す。それは普段からよく見る物――日誌だった。
「あ、パワハラではありません。上司として、上司として聞いておきたいんです」
「エ! 日誌に好きな人へのポエムを書き連ねるのかい! ギャハハ、首切り鞭打ちよりよっぽど酷じゃねえか」
「日報は日記じゃねえぞ、というか上へ報告するな。秘密にしろ」
「じゃあぼくがふたりの可愛い秘密いっぱい書いちゃお~」
「私たちの秘密ですか? 何でしょうねえ」
「そうだねー、まずはアレだよアレ。アレは外せないよね、なんてったって可愛い秘密なんだからね! それからコレとソレとアレと~」
(「どれだ……」)
 二人が望むような艷やかな応えを持たないブーツは、眉間を揉みんだ後にティーポットからカバーを外し、二人のカップに甘く香る紅茶を注いでいく。お揃いのネグリジェだの日報に好きな人を書くだのと色々起きているものの、燕とメトロが仲良くしている様は微笑ましい。
「日報なんだ、あまり巫山戯過ぎるなよ」
「はい。では、メトロの好きな人はレディと」
「うわっ、何書いてるんだいやめておくれよ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フリル・インレアン
ふええ、また私の負けです。
アヒルさん、強すぎですよ。

それにしてもよくハートの女王様のお城でそんな本を見つけてきましたよね。
『ババ♥抜きのルール』なんて、ハートの女王様に見つかったら首をはねられてしまいますよね。
ジョーカーが入っている代わりにハートのQが抜かれているなんてね。

あ、トランプ兵さんもババ♥抜きやりませんか?
私達だけだといつも私の一人負けになるから、打倒アヒルさんです。
ふええ、トランプ兵さんが入っても結局はアヒルさんの一人勝ちなんですね。



 真剣に見つめ合うフリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)とアヒルさん。手にはトランプ。相手の視線を探り、カードを探り――すっ! アヒルさんがフリルの手札から一枚抜いた瞬間、アヒルさんが翼を広げて喜びのジャンプする。
『クワ! クワッ!』
「ふええ、また私の負けです。アヒルさん、強すぎですよ」
『クワワワァ~~♪』
「それにしてもよくハートの女王様のお城でそんな本を見つけてきましたよね」
 しょんぼりしながら、関心も。フリルの視線の先、ジャンプするアヒルさんの傍には一冊の本が置かれていた。表紙には――『ババ♥抜きのルール』。ハートマークから何やら不気味な気配を感じなくもない。
「ジョーカーが入っている代わりにハートのQが抜かれているなんて、ハートの女王様に見つかったら首をはねられてしまいますよね」

 ジョーカーならまだしも、女王たる自分を抜くとは何事か!

 ――もし生きていたら、そんな風に怒声を響かせて、発案者と実行者、同意した者の首を次々に刎ねていたかもしれない。フリルは恐ろしさにぶるっと震え――こちらをチラチラ見ているトランプ兵たちに気付く。
「トランプ兵さんも『ババ♥抜き』やりませんか?」
『む、むむっ、いやしかし女王陛下を除外したカードで遊ぶなど……』
「私達だけだといつも私の一人負けになるんです」
『貴公……苦労しているのだな……』
「はい。なので、打倒アヒルさんです」
 漂い始めた同情の空気。打倒、と聞いてクワクワ鳴きながら踊るアヒルさん。ふりふり向けられるお尻。それを見つめるフリルとトランプ兵は一時休戦からの一時同盟を結んだ。交わした握手はガッチリと固かった――が!
「ふええ、トランプ兵さんが入っても結局はアヒルさんの一人勝ちなんですね」
『クワワァ~~♪』

大成功 🔵​🔵​🔵​

陽向・理玖
【月風】
Tシャツにジャージの下

シャツワンピ…
いや何でもない
つーか隙あり過ぎだろ…
笑顔見て真っ赤
照れ隠すように持ってきたスナック菓子にチョコ菓子並べる
カモミールティーって何だ?
飲んだ事ねぇ

えー?
人のを聞くと
その
いいなとは思う
思うが…
(考えると少し胸がざわつく)
よく分かんねぇ
4歳児にはまだ早ぇんじゃね?
4年しか覚えていない事を揶揄し
(今は…考えたくない)
桃のタルト手にしぱくつく

さすが瑠碧姉さん美味ぇよ

好きな物って菓子で?
タルトは好きだぜ
腹一杯になるからな
桃のタルトとか腹持ち最高だろ
瑠碧姉さんは?プリン?

ああ修学旅行でみんながやってた
受け止め軽く投げ返し
ついでに敵にも投げつける
後は適当にUC


泉宮・瑠碧
【月風】
大きめの丈長シャツワンピース

ひよこクッションを抱えて
ベッドで左右にころころ
ふわふわ…
身体を起こし
軽い眠気で、ふにゃと笑い

理玖のお菓子を不思議に見て
私は作って来た桃のミニタルトとカモミールティーを勧め
ハーブの一つで安眠効果のお茶、です

恋バナ、は…
理玖はまだ、好きな人を訊いても、困ります?
恋とか、よく分からない?

…君には、まだ早いみたい、ですね
(まだ、傍に居られる…?)
少しだけ、ほっと

口にあった様で、良かった…
あ、では、好きな物は?
…君は、腹持ちばかりでは…
…私はプリンと、氷菓です

と、枕投げは、知ってます?
クッションを投げ渡して
受け取っては投げ
…何か楽しい

UCの雨で召喚兵達を消したりします



 ひよこクッションを抱えて、ベッドで左右にころり、ころり。ベッドの質感、腕の中のひよこクッションの存在感と温もり。そのふたつが、泉宮・瑠碧(月白・f04280)の心を優しくほぐしていく。
「ふわふわ……」
「シャツワンピ……いや何でもない」
 きょとんとこちらを見た瑠碧へ即伝え、陽向・理玖(夏疾風・f22773)は目をそらす。
(「つーか隙あり過ぎだろ……」)
 大きめで、丈が長いとはいえ、シャツワンピース姿で。
 ひよこクッションを抱えて。
 ベッドの上でころころと。
(「隙を見せるくらい信じてもらえてるっつー事か……?」)
 視線を戻せば、体を起こした瑠碧が軽い眠気のせいか理玖を見てふにゃ、と笑った。
 鏡はないが、今自分は、あの笑顔で真っ赤になったとわかる。理玖は持ってきたスナック菓子とチョコ菓子をがしり掴んで、瑠碧の前へどんどん並べていった。
「パジャマパーティー! やるんだろ?」
「……あ。そう、ですね……あの、私も、いくつか持ってきたんです」
 桃のミニタルト。カモミールティー。どちらも美味しくてお勧めですよと勧められたうちの、タルトはわかる。わかるが、カモミールティー、とは。飲んだ事がないと言うと、ハーブの一つで安眠効果のあるお茶で、と瑠碧が静かに教えてくれる。
「ふーん、色々あるんだな」
 パジャマパーティーといい、本当に、世の中には色々ある。
 初めてのカモミールティーの味わいが喉と鼻を通っていくのを感じながら、二人だけのパジャマパーティーは穏やかに始まって。何か話すんだっけ? 確か、そういう風に。なんて言葉を交わしての最初の話題は――。
(「恋バナ、は……」)
 瑠碧はそっと視線を彷徨わせてから、そろりと理玖を見る。
「理玖はまだ、好きな人を訊いても、困ります? 恋とか、よく分からない?」
「えー? 人のを聞くと、その、いいなとは思う。思うが……」
 恋バナ。好きな人。恋。
 特定の誰かに対する、特別な――。
 それを考えると少し胸がざわついて。それをかき消すように、カモミールティーをぐいっと飲んだ。
「よく分かんねぇ。4歳児にはまだ早ぇんじゃね?」
 強化人間に改造された影響で、覚えている記憶は今から遡ること四年分。
 それを自ら揶揄した理玖に、瑠碧は優しく微笑みかけた。
「……君には、まだ早いみたい、ですね」
 ――なら。まだ、傍に居られる? 傍にいても、許される?
 少しだけほっとした心は胸の奥に。微笑みの先に出す事はしない。
 お互い胸のうちに生まれたものは相手に見せないまま。その中でまず見せたのは――大きな一口で桃のミニタルトを頬張った時の感動だ。
「旨。さすが瑠碧姉さん美味ぇよ」
「口にあった様で、良かった……」
「何言ってんだよ、瑠碧姉さんの作るもんはどれも美味いだろ」
「ありがとう……あ、では、好きな物は?」
 菓子で? お菓子で。問いと頷きの後、理玖はミニタルトをもう一口食べ、これ、と言った。なにせ腹一杯になれる。桃のタルトなんて腹持ちが最高だ。
「……君は、腹持ちばかりでは……」
「そういう瑠碧姉さんは? プリン?」
「……私はプリンと、氷菓です」
「そっか。わかった」
「と、枕投げは、知ってます?」
「ああ修学旅行でみんながやってた」
 記憶がゼロになった後に体験したそれ。瑠碧が投げ渡した枕を受け止め、軽く投げ返して。また投げられたものを投げ返す。それだけなのだけれど。
「……何か、楽しい」
「じゃ、もっと遊ぼうぜ瑠碧姉さん」
 投げ合う枕はやがてトランプ兵にも向かい、静かで穏やかだった二人のパジャマパーティーは少しだけ賑やかになる。パーティーの終わりは――二人で展開した、ユーベルコードで。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

プロメテ・アールステット
【明け空】

黒いコットンのロングスリーブドレス姿
黒い手袋

戦場でパーティーとは落ち着かないが…
レイラ殿と一緒ならきっと楽しめるだろう
手を引かれるままにベッドに座り

ああ、パジャマパーティーは初めてだ
レイラ殿が教えてくれるようなので真剣に耳を傾け
もふっと顔に柔らかいものが…
…クッション?(無意識に抱き締める動物好き)

存分にはしゃぐのか、それなら…
レイラ殿の眼鏡に手を伸ばし、優しく外す
クッションを投げ合うなら眼鏡を外した方がいいかもしれないぞ
それに…ああ、やっぱり
眼鏡がない方が、レイラ殿の綺麗な瞳が良く見えるな

微笑んで、彼女とのパーティーの続きを楽しもう
ずっと一緒か、それは嬉しいな

※攻撃は【断罪の炎火】


レイラ・アストン
【明け空】

白いコットンのロングスリーブドレス姿
友達とは色違い

戦いの場でパーティーって、ちょっと不思議ね
でも折角の機会、存分に楽しみましょう

プロメテさんの手を引いて
ふかふかのベッドの上へ誘うわ

こういうのはきっと初めてよね?
パジャマパーティーっていうのは…
真面目な顔した友を目掛けて
軽く投げつけるは黒猫型のクッション

そう、仲良しの友達とパジャマ姿で
存分にはしゃいで楽しむのよ
説明しつつ、ずれてしまった眼鏡を直していると

伸ばされる友の手
失われる境界
でも、どうしてか嫌じゃない

…もう、すぐにそういうこと言う
彼女の方が一枚上手ね
本人は気付いていないみたいだけど

ええ、今夜はずっと一緒よ

※攻撃は【精霊と見る夢】で



 ふわふわの足元。沢山のクッション。ベッド。
 ここが戦いの場で、そしてパーティーの場だなんて。
 少しばかり不思議なものを感じながら、レイラ・アストン(魔眼・f11422)はプロメテ・アールステット(彷徨う天火・f12927)に微笑みかけ、黒手袋に包まれている手を取り、ふかふかベッドの上へいざなっていく。
 レイラは白いコットンの、プロメアは黒いコットンの。色違いのロングスリーブドレスを着た二人は、夜や夢を舞台としたお伽噺に登場する少女たちのよう。けれどこれは、夢でもフィクションでもない。現実の、本当の事。
 だから、戦場でパーティーというそれがプロテアは落ち着かないのだけれど。
(「レイラ殿と一緒ならきっと楽しめるだろう」)
 重ねた手に少し力を入れ、ちゃんと手を繋いでいざなわれたそこ。ベッドの上はふかふかとして温かかった。
「こういうのはきっと初めてよね?」
「ああ、パジャマパーティーは初めてだ」
「パジャマパーティーっていうのは……」
 耳を傾けるプロテアの様子は真剣そのもの。感情を表に出す事を苦手とする人形だけれど、レイラ殿が教えてくれる、という思いは黄金の瞳に現れていた。そんな友へ、真剣な顔へ、レイラは――もふっ。
「……クッション?」
 軽く投げつけられたそれが黒猫型ともなれば、動物好きの心は刺激され、無意識にクッションを抱き締めてしまうというもの。そう、とレイラはずれた眼鏡に指を添える。
「仲良しの友達とパジャマ姿で存分にはしゃいで楽しむのよ」
「存分にはしゃぐのか、それなら……」
 プロテアの手が伸ばされて、境界が失われる。見えるモノだけでなく、見たくもないモノを映す自身の瞳と異界を隔てる眼鏡を外されたのに――どうしてか、嫌じゃない。
 度は入っていないから、プロテアの顔はよく見えていた。
 プロテアの表情は無のまま。けれどレイラの手を取ったその手も、そこへ外した眼鏡を置いてきた手も、ひどく優しい。
「クッションを投げ合うなら眼鏡を外した方がいいかもしれないぞ。それに……ああ、やっぱり」
「?」
「眼鏡がない方が、レイラ殿の綺麗な瞳が良く見えるな」
「……もう、すぐにそういうこと言う」
 プロテアの方が一枚上手だ。しかも本人は気付いていないらしい。レイラは眼鏡をかけ直し、それがパジャマパーティーよと続けた。パジャマ姿で、遅くまで過ごすのだ。
「だから、ええ、今夜はずっと一緒よ」
「ずっと一緒か、それは嬉しいな」
 トランプ兵が割り込んできたら?
 その時は、精霊の力宿る現象と金色炎の群れで以って、お引取り願うだけ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリッサ・ノーティア
【OX】
遅れてすみません。話は聞かせて頂きました。
このパジャマパーティーは焼却……え、違う?

という事でパーティーです。
服装はいつものではだめという事で、雨模様が描かれたパジャマに草花が刺繍された靴下、サメのぬいぐるみとメイジノートを持ってゴーです。
お話はスイーツ。そう、スイーツです。
私の故郷なんて甘い物といえば液体しか知りませんでしたので、こうして固い物や柔らかいのがたくさんは凄いですよ。
前に作っていた饅頭も良いですよね。餡も沢山でしたがそれを包む皮のもちっとした感じ……!オックスマンコーラもいつか!

あ、オウガさん邪魔です。
メイジノートをなぞり炎の矢を発生、よく燃えそうな胴体をファイヤーです。


オックスマン・ポジクラーシャ
【OX】
遅れてすまない。状況は理解した。今宵の催しはパジャマパーティだ。
……むう、そんなにこの牛柄のパジャマが気になるか?
俺の美しさを……なんだと! 気になるのは兜のほうだというのか!

ほう、スウィーツ。わかっている。
君たちが知りたいのはこれだろう。オックス饅頭とオックスコーラだ。
タピオカドリンクは苦い思い出があるので除外させてもらう。
霊験あらたかなる滝の水を用いた……
鬼を打った豆を……
もらい物の芋……

なんだと!
……すまない、やはり俺には破壊することしかできないのか。

この、いたたまれない気分はオウガを相手に晴らさせてもらおう。
うなれ、クラッシャースパーク!
俺がお前達のパジャマパーティを破壊する!


ミルラ・フラン
【OX】
遅れてすまないね。オックスサーチャー推参だ
今日はちゃんとパジャパだから服を着てるよ。5番の香水じゃないよ
(シフォンたっぷり、ワインレッドのベビードールにお揃いのカボチャパンツ)

(オックスマンの話をうんうんと聞いている)
(ワンカップ・セキトリを開封する)
(持ってきたスルメを食べる)
(紅茶をチェイサーにする)
(ストロンガーゼロを開封する)
(飲んでいるものにオックスコーラを入れて味変する)
あ、芋って食物繊維あって美容食なんだよねー、一個もーらい

(アリッサを見る。ライカを見る。自分を見る)
……なんか、違うな
このいたたまれなさもオブリビオンの仕業だね!おのれ!
喰らえ!ジャッジメント・クルセイド!


ライカ・ネーベルラーベ
【OX】
遅れてごめん、オックスリターナーだよ
わたしの寝間着って言っても……
地味なグレーの上下タイプのしかないね
ゆったりしてて着るのは楽なんだけど

甘いものの話?
生のフルーツとか好きなんだけど
りんごとか、スイカとか
コーラは知ってるけどオックスコーラは、そう言えばまだ飲んだことないや
コーラが飲みたくて、5キロ先の街まで夜中歩いていった事があったような……
いつの話だっけ?そもそも何処の街だっけ?覚えてないや

そう言えば皆で作った饅頭はまだ味見しかしてない気がする
食べ放題……食べ放題……

あ、オウガは五月蝿いんで絡んで来ないでくれる?
(機械の腕でアイアンクローを決めながら)



 夢の国の各所でパジャマパーティーが始まってから、かなりの時間が経った頃。
 彼らは、とある言葉と共に現れた。

「遅れてすまない」
 ――ザッ。
 パジャマを纏って現れた漆黒の甲冑、オックスマン・ポジクラーシャ(遅れてきた破壊者・f12872)が放つただならぬ気配に、偶然にもそして不幸にも近くにいたトランプ兵たちが反応する。
『あの者たちは――!』
「状況は理解した。今宵の催しはパジャマパーティだ」
 クーラーボックスをどん、と置いたオックスマンの隣には鮮やかな紅の髪をなびかせるミルラ・フラン(Bombshell Rose・f01082)の姿がある。そう、今宵の戦場はパジャマパーティー。出来る女は準備もバッチリだ。
「遅れてすまないね。オックスサーチャー推参だ。今日はちゃんとパジャパだから服を着てるよ。例の香水じゃないからね」
 豊かな体を包むのはシフォンたっぷりのベビードール。色はワインレッドと大人な雰囲気漂うそれに、揃いのカボチャパンツを履いているミルラの後ろから、すっ、と少女が姿を見せる。
「遅れてすみません。こちらも話は聞かせて頂きました。このパジャマパーティーは焼却……」
「それはそれで面白そうだけど焼却は待ちな、アリッサ」
「え、違うんですかミルラさん? ああ、楽しんでいいんですね」
 では、パーティーを。
 状況を把握したアリッサ・ノーティア(旅する雲に憧れて・f26737)は、雨模様が描かれたパジャマ姿。草花が刺繍された靴下を履いて、サメのぬいぐるみとメイジノートも持ってと色々な意味で状況に合わせてきた格好をしている。
「遅れてごめん、オックスリターナーだよ」
 ライカ・ネーベルラーベ(りゅうせいのねがい・f27508)も、パジャマパーティーに相応しい格好をしているのだけれど。
「わたしの寝間着、地味なグレーの上下タイプしかなかったんだけど」
「問題ないと思いますよ?」
「そう? ならこのままでいいや」
 ゆったりしてて着るのは楽だから、と選んだものの若干これで良かったのかという疑問が、少しだけあった。それが解決されれば、ライカはクッションをいくつか選んで仲間に渡していき――。
『『『…………』』』
 どうする? トランプ兵たちがそんな雰囲気で自分たちを見ていると、当然四人とも気付いていた。オックスマンはむう、と唸りトランプ兵たちの方を向く。注目を受けるのも致し方あるまい――。
「そんなにこの牛柄のパジャマが気になるか? 俺の美しさを……」
『いや貴公そこではない』
「なんだと! 気になるのは兜のほうだというのか!」
 パーティーの前にすわ乱闘かとなるも、そこは夢の国。パジャマパーティーしねえ子はいねがーと忍び寄ってきた睡魔を、パジャマパーティーのお約束である“お喋り”で打ち破っていく。
「そう、スイーツです」
「ほう、スウィーツ」
 つまり、甘いものの話。そろりとライカも食いついた。
「私は生のフルーツとか好きなんだけど。りんごとか、スイカとか」
「生のフルーツ……私の故郷なんて甘い物といえば液体しか知りませんでしたので、固い物や柔らかいのがたくさんは凄いですよ。ほんとに」
「液体しかってのも驚きだけどねえ」
 世界によって甘い物は様々。ミルラも感心していると、オックスマンがクーラーボックスの蓋をカチャッと開けていた。
「わかっている。君たちが知りたいのはこれだろう。オックス饅頭と……」
 ババン。旅団の名を冠した炭酸飲料に、それもいつか! とアリッサは声を上げた。因みにタピオカドリンクはオックス個人に苦い思い出がある為、除外されている。
「そう言えばそれはまだ飲んだことないや。そういうのが飲みたくて、5キロ先の街まで夜中歩いていった事があったような……いつの話だっけ?」
 そもそも何処の街だっけ? 記憶を遡ってもライカの中に答えは見つからずわからないまま。するとオックス“饅頭”が記憶のひとつを刺激した。――そういえば、皆で作った饅頭はまだ味見しかしてない気がする。
「食べ放題……食べ放題……」
『お、おいあの娘大丈夫か?』
『止せ、見てはならん!』
 しーっ! トランプ兵たちが距離を保ちながら様子見をしている間も、お喋りは止まらない。オックスマンはオックス饅頭等を手に開発に至った経緯などを熱く語っていく。
「霊験あらたかなる滝の水を用いた……鬼を打った豆を……」
 語る声へミルラはうんうんと頷きながら持ってきたコンパクトな硝子瓶の酒を掴み、パキュッと蓋を開けたら持ってきたスルメをむしゃっ。紅茶をチェイサーにして、次は何やら名前からしてインパクトの強そうな酒を開封する。炭酸飲料を入れてぐびっとすれば素晴らしい味変タイムに突入して。
「かぁーッ! 美味い!」
「そしてもらい物の芋を……」
「あ、芋って食物繊維あって美容食なんだよねー、一個もーらい」
 貰った芋は酒との相性も良く文句はなかった。なかったのだが。ミルラはふと何かを感じ、アリッサを見て。ライカを見て。そして、芋を見て酒を見て――自分の格好を見て。改めて感じた。感じてしまった。
「……なんか、違うな。このいたたまれなさもオブリビオンの仕業だね! おのれ!」
「なんだと!」
 勢いよく立ち上がったオックスマンにトランプ兵たちがざわつく。今度は何だ、また何かと構える姿に、兜の下でオックスマンの目が不気味に輝いた。ああ、やはり。
「……すまない、やはり俺には破壊することしかできないのか」
『いや、あのな貴公らちょっと落ち着け』
「あ、オウガは五月蝿いんで絡んで来ないでくれる?」
「オウガさん邪魔です」
『いだだだだだアイアンクロいだだだ痛い痛い!』
『うおお!? その炎の矢をとめろ! オニューのシルクのパジャマを燃やすな!』
『ひ、ひどい! 我輩たちが先に来てたのに!』
「んな事言ったところで命乞いにはもう遅いんだよ! 喰らえ! ジャッジメント・クルセイド!」
「うなれ、クラッシャースパーク!」
 顔面を握り潰しにかかる機械の腕。なぞられた瞬間メイジノートから放たれる炎の矢。光。一瞬で見を貫く、天からの眩い光。漆黒の月より来る破壊の光と、招かれる仲間たち――それが、彼らこそが。
「俺がお前達のパジャマパーティを破壊する!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

呉羽・伊織
【虚夢】
(一度目はだっさいジャージで挑む羽目になった分、今度はシックな浴衣をさらりと着こなし――て来たは良いが!)
――ねぇ、折角のゆるふわ空間で、何でこんなむさい地獄合宿みたいになっちゃったの俺達?
嗚呼…可愛い女子と恋ばなとかしたいだけの戦場だった…
ウン、君等は色々斜め上だケド、有意義そーで何よりヨ(雑魚寝絵面に遠い目しつつ)
くっ、色々と余計なお世話だー!
あっ…魔法で望む枕が出るならさ、優しいオネーサンの膝枕とか出たりしない…?(いじけ気味&手遊びに雛枕つつき)
あっウン、ゴメンネ亀、甲羅はちょっと固すぎるカナ?
てかぴよこ~!

くそう何が良い夢だー!(兵に枕ぶん投げ)(決して八つ当たりではない)


千家・菊里
【虚夢】
(落ち着いた浴衣と、対照的な華々しいお菓子の山を持ち込み悠々と)
ええ、まぁ何にせよ、此処は楽しんだ者勝ちの空間ですからねぇ
伊織、そんな顔してると睡魔に負けますよ
あと夢を見るのは自由ですが、伊織そもそも全敗で相手がいないじゃないですか
――因みに俺は趣味と実益を両立(ゆるっとお菓子つつきながら平和にも貢献)出来るなら御の字です、ふふ
(幸せそうにお菓子を頬張り)
あ、そういえばお相手は(助けた)亀さんがいましたね?膝枕代わりに抱枕として添い寝してくれるみたいですよ、良かったですねぇ
ぴよこさんなら俺の尻尾で遊んでるので気にせず亀さんとごゆっくり

あ、悪い子は寝る時間ですよ(兵を布団へ物理的に沈め)


吉城・道明
【虚夢】
(右に同じく前は妙な戦装束だったが、此度は飾り気無い浴衣で合わせ、とりあえず適当に並んだ布団に正座し)
鯉……?何を言っている、伊織
此処は奇妙なれど戦場と心得ているならば、この顔触れは何ら可笑しくあるまい
然し世界にはこういった戦の作法もあるとは――つくづく己の未熟を思い知るな
まだまだ見聞も鍛練も必要か
……ところで伊織はそんなに寂しいならば、せめて布団ぐらいは賑やかにしては如何か(何となく目に留まった雛と亀の姿を念じれば、柄も枕も忽ちその二匹仕様に)
――まぁ何だかんだ楽しそうで幸いだ

さて、決戦は正々堂々花札で、と思っていたのだが――枕合戦か(何事も真剣に当たる性分故、容赦無く沈めに)



 この迷宮災厄戦で呉羽・伊織(翳・f03578)がパジャマパーティーをするのはこれが二度目だった。一度目は成り行きとはいえ“ださ~い”ジャージで挑む羽目になった。
 故に、今度はとシックな浴衣で夢の国を訪れた結果は、『ほほう、なかなか粋なパジャマ……』『貴公アレ浴衣って言うんだぞ』とトランプ兵たちがソワソワひそひそと内緒話をするほどの着こなしっぷり。
 なのに。
 何で――。
 ドウシテ――……。

「――ねぇ、折角のゆるふわ空間で、何でこんなむさい地獄合宿みたいになっちゃったの俺達?」
「む?」
「はい?」
 鬱々とした空気を纏い遠くを見つめる伊織に対し、布団の上で姿勢正しく正座している吉城・道明(堅狼・f02883)は飾り気のない浴衣姿だ。華々しい菓子の山を前に悠々と微笑んでいた千家・菊里(隠逸花・f02716)も、落ち着いた印象を受ける浴衣を身に纏っている。
 そんな二人が伊織の呟きに対し首を傾げると、伊織の表情が更にどんよりとする。
「嗚呼……可愛い女子と恋ばなとかしたいだけの戦場だった……」
「鯉……? 何を言っている、伊織。此処は奇妙なれど戦場と心得ているならば、この顔触れは何ら可笑しくあるまい」
「ソーデスネ、オ馴染ミノ面子デスネ」
 お馴染み過ぎて目尻からおひやが流れ落ちそうだった。
 可愛い女子とのパジャマパーティーが叶わず、更にこの二人、清廉潔白と生真面目が服を着て歩いているような道明と、今日も今日とて見目麗しく食道楽の菊里相手では鯉バナ――じゃなかった。恋バナをする可能性も無いワケで。
 悲しみに暮れる伊織を他所に、道明はアリスラビリンスという世界での戦争とどこまでも真面目に向き合っていた。これまで様々な世界で戦ってきたが、寝間着姿でこのように過ごす事が重要とされる戦場があるとは――それが夢の国限定とはいえ、ここでの作法にうむ、と頷く。
「つくづく己の未熟を思い知る。まだまだ見聞も鍛練も必要か」
 どこまでも真面目な道明に、菊里はくすくす笑いながら宝石めいた琥珀糖を摘んで――しゃりっ。歯応えの後にとろりと溢れた甘みに、満足げに笑う。
「ええ、まぁ何にせよ、此処は楽しんだ者勝ちの空間ですからねぇ。伊織、そんな顔してると睡魔に負けますよ」
「ウン、君等は色々斜め上だケド、有意義そーで何よりヨ」
「あと夢を見るのは自由ですが、伊織そもそも全敗で相手がいないじゃないですか」
 この夢の国の仕様によって菊里は“好きに菓子を味わいながら平和にも貢献出来る”――つまり、趣味と実益を両立出来る為に大いに満足していた。琥珀糖の次は朝顔の練りきりにと、用意した菓子の予定表が楽しく積み上がっている。
「くっ、色々と余計なお世話だー!」
 ここで初めて会う女子とか! 普通の女子とか! 恋バナ出来る女子とかいたら!
 俺だって、俺だってなあ!!
 雑魚寝絵面に遠い目をしていた伊織が枕に顔をうずめて放った思いの丈に、じー、とその一部始終を見ていた道明(ぴしっとした正座は全く崩れていない)は、そこまでの思いを抱えていたのかと真剣に捉えていた。
「そんなに寂しいならば、せめて布団ぐらいは賑やかにしては如何か」
 そう言って何となく目に留まったのは伊織が可愛がっている雛と、不可思議な亀。その姿を念じれば布団の柄と枕は鮮やかな変化を遂げた。ごく普通の布団と枕が、一瞬でぴよこ&亀の限定寝具となったのである。
 伊織の目に少しだけ輝きが戻った。いじけ気味に、手遊びに、雛枕をつつき始める。
 菊里はというと最中を食みながら笑顔で見守っている――と書いて、面白がって見ていた。
「魔法で望む枕が出るならさ、優しいオネーサンの膝枕とか出たりしない……?」
「心根の優しい娘の膝枕……? 何を言っている……?」
「ヤメテ真顔でつっこまないで!!」
「膝枕代わりに抱枕として添い寝してくれるみたいですよ、良かったですねぇ。ぴよこさんなら俺の尻尾で遊んでるので気にせず亀さんとごゆっくり」
「あっウン、ゴメンネ亀、甲羅はちょっと固すぎるカナ? てかぴよこ~! 俺は!? ねえ、俺とは遊んでくれないの!?」
 涙目で寄ってきた伊織にぴよこはピッと鳴いて一度見ただけで、すぐに菊里の大変立派な狐尾にもふっと潜ったり、するするっと滑り台のように転げたりと、菊里の尻尾一直線。
 ぴよこ~と悲しげな声に、道明はうむ、と頷いた。
「まぁ何だかんだ楽しそうで幸いだ。さて、決戦は正々堂々花札で、と思っていたのだが――枕合戦か」
 静かに立ち上がったその手には、真っ白なカバーを付けただけのシンプルな枕が一つ。
 何事にも真剣に当たる男が放つ空気は、いじけていた伊織と菓子を楽しんでいた菊里の肌を撫でていって――ざっ、と三人ほぼ同時に構えた枕が空気を裂いて飛ぶ。ただし、その行き先は。
「あ、悪い子は寝る時間ですよ」
「くそう何が良い夢だー!」
『ぐわーーーっ!?』
『おのれ我らの奇襲に気付いガハァッ!!』
『流石は猟へブフッ!!』
 三人が容赦なく放った枕が、忍び寄っていたトランプ兵たちを容赦なく物理的に布団へと沈めていく。そして空中を凄まじい速度で翔ける枕がなくなった頃、夢の国に、トランプ兵というオウガは一体も存在していなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月16日


挿絵イラスト