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迷宮災厄戦⑩〜Trick in Crock

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦

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 かちかち響く、ゼンマイの音。
 かたかた響く、歯車の音。
 ぼーんぼーんと、ベルの音が時を告げる。

 そこは、ハートの女王の時計塔。
 女王がいなくなった今も尚、孤独に時を刻み続ける。

 …否、女王は今もここにいる。
 理不尽なる死への怨念、未だ晴らされぬが故に。



「みんな、迷宮災厄戦の新しいエリアの予知が見えたよ!」
 グリモアベースに響く、グリモア猟兵、メニス・ソルタ(リトルヴィジランテ・f19811)の声。集った猟兵達に、早速とばかりメニスは説明を開始する。
「今度みんなに行ってもらうのは、『砕かれた書架牢獄』の更に先、『ハートの女王が住んでいた城』だよ」
 その名の通り、そこはオウガ・オリジンの忠臣『ハートの女王』の居城…であったのだが。
「ハートの女王は、もういないんだ。オウガ・オリジンに殺されちゃったんだ…それも、ほんの戯れで」
 忠臣すらをも戯れに殺すオウガ・オリジンの凶暴性と危険性がよく分かる話ではある。憤る者、女王への同情を示す者、猟兵達の反応は様々であるが。
「そんな理不尽な死に方をしたせいか、このお城にはハートの女王の怨念がたっぷり残ってるんだ。皆には、このお城を攻略することで、怨念を晴らして欲しいんだよ」
 それがこの城を制圧し、先への道を切り開く手段であると。メニスは言う。

「お城は凄く広くって、それにとっても入り組んでるんだ。予知でも一部しか見えていないから、その一部ごとに攻略をしていくことになるよ」
 別の区域の攻略は別のグリモア猟兵が予知を見ているはずなので、今回は見えた範囲の攻略に専念してくれれば良い、との事である。
「今回皆に行ってもらうエリアは、大きな時計のついた塔…時計塔、って言うのかな、そこになるよ」
 歯車やゼンマイが稼働しシャフトが回り、張り巡らされた鎖が動力を伝達する機械仕掛けの迷宮。そこを突破して欲しいということだ。
「でも気を付けてね、塔の中にはハートの女王の石像がいっぱいいて、触った相手を塔の外にテレポートさせてきちゃうから」
 無論、そうなれば攻略は一からやり直しだ。
「この石像もオウガではあるし、凄く弱いからやっつけるのは難しくないんだけど…物凄く数が多いし、直接攻撃すればどのみちテレポートさせられちゃうんだよね」
 なので、倒していくよりは避けたり逃げる方が楽ではある、とのことである。
「単純に走るだけだと振り切るのはちょっと難しいかもしれないけど…時計塔の仕掛けをうまく利用できれば、楽にいけると思うんだ」
 歯車の回転や鎖の稼働を利用して、石像が容易に追いつけないような形で移動できれば良いかもしれない。
「何人かの人が塔の頂上まで行ければ、怨念は消えるはずだから、そうなれば成功だよ」
 それは或いは、オウガ・オリジンに対抗できる者を求めるハートの女王が遺した試練、なのかもしれない。

「ここを抜けられれば、オウガ・オリジンと…あとサー・ジャバウォックのところへの道も見つかるはずだよ!みんな、頑張ってね!」
 メニスの応援とグリモアの輝きに見送られ、猟兵達はハートの女王の時計塔へと向かってゆく。


五条新一郎
 蒸気仕掛けの次は発条仕掛け。
 五条です。

 迷宮災厄戦、次なる舞台は時計塔を登るアクションです。
 石像の妨害をかわしつつ、時計塔の最上部を目指していきましょう。

●目的
 時計塔最上部への到達。

●戦場
 アリスラビリンス、ハートの女王の住んでいた城の時計塔。
 内部はゼンマイ仕掛けの機械群が稼働し、とても入り組んでいます。
 ハートの女王の石像が所々に存在しており、侵入者を発見すると追いかけてきます。触れられると塔の外へ強制排出されます。

●プレイングについて
「地形を利用して女王の石像と追いかけっこする」ことでプレイングボーナスがつきます。
 時計塔の仕掛けを利用して石像を振り切ることを試みて頂ければ良いかと思います。
 石像は破壊可能ですが、直接攻撃も接触と見なされ強制排出となる上、すぐに補充が来るので破壊を主眼とするプレイングは非推奨です。

●リプレイについて
 9日(日)夜の完結を予定しております。

 それでは、皆様のロジカルダッシュなプレイングお待ちしております。
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第1章 冒険 『女王の石像から逃げろ』

POW   :    女王の石像の集団に追いかけられながら、迷宮内をマラソンしつつ迷宮を探索する

SPD   :    女王の石像に見つかる度に、全速力で振り切って安全を確保しつつ迷宮を探索する

WIZ   :    女王の石像に見つからないように隠れ潜みながら迷宮を探索する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

灘杜・ころな
この状況なら……このUCで上手くいくんちゃう?

(《降神・月読》発動、人格も変化)

……要するにさー、ハートの女王の石像全部にボクの超重力を掛けちゃえばいいんでしょ……?
それで石像の動きが鈍れば躱すことも簡単だし……根本的にボクの重力に耐えられない程度の相手なら、即死→再出現→即死……の繰り返しで事実上無力化出来るだろうしね……。

……ああ、ボクの重力は『敵にしか作用しない』から、他の猟兵たちや時計塔の機構には影響無いはずだよ……。

……石像が邪魔にならないなら、マイペースに時計塔を上っていけるでしょ……?
ボクは最悪飛行すればいいし……。
急ぐのもしんどいし、のんびり天辺まで行こー……。



 ハートの女王の城、その一角に聳え立つ時計塔の探索を開始した猟兵達。
 最初に踏み入ったのは、発育良好な肢体をUDCアースの学生服に包んだ、活発な印象の少女。颯爽たる歩みに伴いミニスカートが翻るが、その下にあるものは如何にしても窺い得ない。それが彼女、灘杜・ころな(鉄壁スカートのひもろぎJK・f04167)である。
「おーおー…これはまぁ、なんともごっつい大仕掛けやなぁ」
 噛み合い回転する無数の歯車、規則正しく上下動するシャフト、張り巡らされた鎖。それら機械群の稼働音とゼンマイの音とが空間を満たす。時計塔内部で稼働する機械群を眺め、感嘆の声を漏らすころな。
「ほんで、こん中に女王さまの石像ちゅうんがぎょーさんおるんやったな」
 人差し指を艶めく唇に当て、グリモア猟兵からの説明を思い返す。入り口から見る限り姿は見えないが、この塔の至る処にかのハートの女王の石像が在り、侵入者を放逐せんと追跡してくるらしい。
「んー…」
 改めて状況を確かめ、思案すること暫し。
「ほな、あの神さんの出番とちゃうかな?」
 結論づけると共に頷けば、瞳を伏せて両手を合わせ、念ずるが如き姿勢を取ること数瞬。ゆっくりと開いた瞳は、先程までとは異なる光を帯びていた。
「…ボクも、働かなきゃ駄目?ああ、駄目なんだ…」
 漏れた声音もまた、先程までの訛り混じりの闊達なものではなく。気怠さを隠すこともない少年の如き声音。
 今の彼女は『月読』――ころなのユーベルコードによって彼女の肉体に降りた神の一柱、その意識が表出している状態。この月読、言動から察せられる通り非常に怠惰な性格ではあるが。
「まあ…出来る範囲で…だけど、頑張ってみる…」
 それでも、ころなの意思に応えてやるだけの意気は持ち合わせる。故に。ゆっくりと歩みだす。時計塔の最上部を目指して。
「…しんどー」
 その気怠さだけはどうしようもない様子だが。

 歯車群の間に渡された橋を渡り、煉瓦造りの通路へ足を踏み入れる。すると前方に、妙齢の女性を模した石像が一体佇んでいる。これが『女王の石像』、触れたものを塔の外へ強制的に排出する力具えた、迷宮の守護者だ。
 だが、月読の姿を見ても尚、石像は動かない。いや、よく見ると小刻みに震えている。動こうとして、だが動くことができないのだ。
「ふーん…弱いといっても、ボクの重力に耐えられる程度ではあるんだ」
 感心したように呟く月読。傍目には認識できないが、彼女の周囲には通常の数十倍…下手をすれば数百倍にも達する超重力が発生している。その力、弱いオブリビオンならばただちに圧死しかねない程の代物だが、かの石像は辛うじて破壊は免れている様子。なれど身動きは取れない。指一本すらまともに動かぬ程に。
 尚、この重力は月読が敵と認識した者にしか作用しない。塔そのものや塔内の機構に全く影響がなく、傍目に作用を認識できないのはそのためだ。
「…ま、でも動けないなら同じこと…。…通らせてもらうよ…」
 そんな石像の横を、月読は悠々とすり抜けて先へと進む。念の為急に動いた場合への警戒はしていたが、杞憂に終わった。

 そして通路を抜ければ、再び無数の歯車と鎖の噛み合った機構が現れる。見上げれば、歯車同士の間をすり抜け更に上へと昇れそうだ。
「…面倒臭いけど、飛んでいくか」
 マイペースに上っていけば良い、と思っていたが。改めて前を見れば、そこの道を塞ぐかのように石像が立っているのを認め考えを変更。
 その身がふわり、浮かび上がったかと思えば。一気に上昇を開始。歯車の間をすり抜け、更なる上へと昇ってゆく。尚、この間もスカートの中身は全く見えない。
「…ここまででいっか。急ぐのもしんどいし、のんびり天辺までいこー…」
 登った先の通路へ着地して一息ついた月読。再び、マイペースに歩き出してゆく。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミア・ウィスタリア
なるほど、スニーキングミッションってわけね。
塔の仕掛けはともかくとして、見つからないだけなら簡単だわ。

まずは石像に気づかれないギリギリの距離から外観を確認。
そして物陰でUC発動。石像と同じ姿に変身する。
ふふーん、完璧♥ 
何か特殊な索敵方法でも使ってない限り絶対バレないわ。

あ、でも一応動いてる所は見ておきたいかも。
挙動でバレるかもしれないしね。

動作も確認したら出発よ! 悠々と頂上を目指しましょうか。



「わきゃーっ!!」
 悲鳴を上げながら歯車と歯車の間を走り回るピンク髪の幼女。だがその胸元では、外見年齢に見合わぬ巨きく豊かな果実が一歩ごとに大きく揺れ弾む。
 ミア・ウィスタリア(天上天下唯画独尊・f05179)、彼女は今、女王の石像に追われていた。
 無言で、そして執拗にミアを追跡する石像。その疾走は石像とは思えぬ程に滑らかだ。
「とと…っ、こ、この中なら…!」
 歯車同士の間に渡された鎖の間を抜けて、壁の影へ。小柄なミアだからこそ抜けられた鎖の間は、石像が同様に抜けられる道ではなく。追跡を諦めたのか、或いは迂回して追跡を再開しようというのか。その場を離れてゆく。
「ふひー…。いやあ、思った以上にヤバかったわ。色んな意味で」
 想像以上の速度と執拗さ、何より石像でありながら驚く程に滑らかな挙動。どうやったらあんな石像が作れるというのか。創作活動を趣味とする者として、驚愕と戦慄を同時に感じるミアである。
「…けど、これで外見も挙動も、ばっちり観察できたわ」
 だがその表情は笑み。勝利を確信したかのような会心の笑みである。
「後はこれをこうして…へーんしーん!」
 左右のこめかみをそれぞれ指でぐりぐりと押すこと数秒、徐に両手を掲げて叫べば、ミアの周囲に浮かび上がる、実体伴うホログラム映像。それらは瞬く間に彼女の身を包み、その外見を大きく変化させていく。どうなったのかといえば。
「――ふふーん、完璧♪」
 変身を終えたその姿は、つい先程まで彼女を追跡していた石像、まさにそのものの姿。彼女は石像の造形をつぶさに観察し、それを忠実に己の身へと反映させたのだ。
「うん、どこからどう見てもさっきの石像ね!」
 これならバレずに堂々と石像の前を通り抜けられる。確信を以て頷くミアであった。

 先程の通路へと戻り、本来向かおうと思っていたその先へと進んでゆく。然程経たずして、前方に先程と別の女王の石像が佇んでいるのが見えた。
(大丈夫…絶対、大丈夫…!)
 自信はあれど、実践にはやはり緊張が伴う。己に言い聞かせながら、慎重に一歩一歩歩むミア。その挙動は、まるで人間かのように滑らかな――先程己を追跡していた石像のものを参考にしたもの。外見を完璧に模倣できても、挙動でバレる可能性がある。それが故、ミアは先程敢えて追われながら石像の挙動を確認していたのだ。
(よし…見た目だけは大丈夫みたいね)
 石像まで残り5m、石像は未だ動かない。見た目は問題ないらしい。更に歩む。
 石像の傍らを歩いてすり抜ける。先程の石像の挙動を思い出す。手を伸ばせば触れられる距離。最悪に備え、隣の石像の動きにも意識を向ける。
 一歩一歩が、極めて遠い。緊張の面持ちで歩みを進めること、実測数秒。石像の背中側へ抜けた。振り返る。石像に動きは無し。
「…よっし、完璧!やっぱアタシ天才だわ!」
 騙しきれた。ホログラム映像の下、会心の笑みを浮かべるミア。外から見ると、石像が無表情でガッツポーズしているという、なかなかにシュールな絵面ではあるが。気にする者はここにはいない。
 大丈夫となれば後は先へ進むだけだ。悠々と歩みだすミアであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

水心子・静柄
ゼンマイ仕掛けの時計塔とか面倒ね。とりあえず階段で行けるところまで進んで、前方に石像を見かけたら近くの歯車に飛び乗るわ。石像も飛んで追っかけてきたら、錬成カミヤドリで複製した脇差を念力操作して飛んでる最中の石像にぶつけて下に落とすわ。それで歯車を飛び乗っていって上を目指すけど、石像に待ち伏せされてたら、複製した脇差を念力操作して足場にし遠くの歯車まで飛んで石像を避けていくわ。どうしようもない時は一旦落ちて、別方向から登るのもありよね。



「ゼンマイ仕掛けの時計塔とか面倒ね…」
 規則正しき稼働音を伴い回る歯車。見渡すその女性は端麗なる貌に渋面を浮かべ、柳眉を寄せる。水心子・静柄(剣の舞姫・f05492)、理系の猟兵、略してリケリョを称する猟兵である。
 ただし理系といっても物理専門である。
「ま、行けるところまで行って考えましょう」
 何にしても、進まねば始まらない。静柄は歩き出す。

 通路と階段、特段の技術なくして進める限りの道を歩むこと暫し。
「…やっぱり居たわね」
 呟き、前方を睨めばその先には女王の石像。静柄に気付き、これを捕まえんと駆け出してくる。その速度、石像とは思えぬ俊足だ。
「捕まるワケにはいかないのよ!」
 傍らの歯車へと飛びつきその歯を掴む。足をかけ立ち上がればすぐにそれと噛み合う別の歯車。そちらの歯へと掴まり更に上へ。
 ふと、何かの軋む音に気付いて下を振り返る。すると、追いかけてきていた石像もまた同様に歯車へと掴まり、尚も静柄を追跡してきているではないか。
「しつこいわね…!これでも持っていきなさい!」
 忌々しげな声と共に放り投げるは、鞘に収まったままの脇差。ヤドリガミたる彼女の本体――を、ユーベルコードによって複製したものだ。本物は確りと彼女の腰にある。
 念力によって速度を制御されたそれは、次なる歯車に掴まろうと手を伸ばしていた石像の顔面へと命中。そのままバランスを崩した石像は、床まで真っ逆さまに落下していった。
 振り返れば、歯車は回転軸の頂点を越えていた。手近な鎖に掴まり、その稼働を利して上昇。登った先の歯車へ飛び移る。
 そのまま歯車を跳び渡りながら、先の足場へと向かおうとして――気付いた。
「ちっ、待ち伏せってわけ…」
 今まさに跳び移ろうとしていた足場上に、石像が待ち構えていた。歯車の回転方向の都合上、自分から捕まえには来れないようだが、今あそこへ跳び移ったら確実に捕まってしまう。
「それなら、こうよ!」
 足場とは別方向へ跳躍する静柄。その足元に、複製した脇差が現れる。それを足場に、己の念力を支えとして更に跳躍。跳んだ先の歯車を掴み、更に上昇する。
 立ち上がり、再び歯車を跳び渡っていくが、見えてきた足場にもまた石像の姿。今度は跳び移れる歯車もない。万事窮したか。
「登っていくだけじゃ、先には進めないってことね…」
 しかし静柄は冷静に下を見る。別の足場が見える。石像もいないようだ。 
 歯車の回転が下降へ転ずると共に飛び降りる。捕まえようとした石像の手をすり抜け落下。重力の加速が乗る前に足元へ再び脇差を複製召喚。念力で落下を抑え、そのまま足場への跳躍力と変える。跳んだ身はそのまま、危なげなく足場へと着地した。
 周囲を見回す。やはり石像の姿はないようだ。
「急がば回れ、というところね」
 確実に、着実に前進を。頷き、先への道を歩む。

成功 🔵​🔵​🔴​

彩波・いちご
マイエさんと

今回もシルフェリオンに同乗させてもらいましょう
タンデムでマイエさんの後ろに腰掛け、振り落とされないようにしっかりと腰に手を回してしがみつきます

移動はマイエさんとシルフェリオンに任せるので、私は【異界の守り】で防御を担当
私達3人を守る結界を張って、迫りくる脅威から守り抜きましょう

追ってくる石像の進路を結界の壁で制御して、城の罠に追い込んでいくのもいいですね

…ただ、この結界は私の理性を代償にして張られているものなので
結界を維持し続けるうちに、マイエさんの匂いで理性が飛びそうに…
いけない、彼女に迷惑をかけるわけには…

※といいつつ理性のタガが外れ、手は無意識にマイエの胸を揉み続けている


マイエ・ヴァナディース
シルフェリオン二世で潜入
でも流石に今回は精鎧形態で…
まあ、いちごさん(f00301)ですか?

はい、以前の様に同乗して下さいな♪
あ、恐縮ですが物音に気をつけて下さいませ
【ステルス・コフィン】動作中は耳鳴が…
※集中力維持の為ルート選定等の停止時のみ使用

【暗視】で警戒しつつ四足の【ジャンプ】や【空中浮遊】で
歯車等に飛び移ったり、左腕のワイヤークロー機能で
アクロバティックに【ロープワーク】を行います

石像は大歯車に巻き込む等【地形の利用】で防ぎつつ
接近時はアサルト・フェアリーの【誘導弾】や
いちごさんの結界で距離を…

んぅ、っていちごさん!揉んではダメですわ!?
あくっ、はぁ…ダメ、声を…殺さないと、あぁっ…



 聳え立つ時計塔の入り口にて、塔を見上げる猟兵が一人。青い髪に同じ色の狐耳尻尾を生やした少女――の如き少年。彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)、如何にしてこの塔を攻略すべきかと思案していた模様。と、そこに。
「あら、そこにいらっしゃるのはいちごさんですか?」
 近づいてくるバイクのエンジン音、振り向けば見知った姿。魔導バイク『シルフェリオン二世』に搭乗する緑の髪のエルフの少女、マイエ・ヴァナディース(メテオールフロイライン・f24821)だ。
「ああ、マイエさん。いえ、どうやってこの塔を攻略したものか…と考えてて」
 己が管理している寮の住人であるマイエの姿を目にして微笑むいちご。同時に、少し困ったように眉根を寄せて。
「成程。では、折角こうしてご一緒するのです、以前のように同乗して下さいな♪」
 そんないちごに、己の魔導バイクの座席を示してみせるマイエ。
「それが良さそうですね…では、今回もよろしくお願いします」
 いちごは頷き、マイエの後ろにタンデムする形で乗車。直後、シルフェリオン二世の車体が揺れる。思わず、マイエの腰にしがみつく。
「わ、っとと」
「しっかり掴まっててくださいませ、いちごさん。今回はこの形態のままというわけにはいきませんので…」
 シルフェリオン二世の機体が変形を開始。二輪は四本の脚へと変化し、フード状の装甲が二人を覆う。それまでの『双輪形態』に対する四足歩行戦車形態『精鎧形態』だ。
「さあ、参りましょう」
 四つの脚を蠢かせ、シルフェリオン二世が時計塔へと踏み入ってゆく。探索の始まりである。

「…あ、いちごさん。少々お願いが」
「なんでしょうか?」
 探索を開始してすぐ、機体を操るマイエが言う。小首を傾げていちごが問えば。
「恐縮なのですが、物音への警戒をお願いします。此度は用いる機能の関係上、音への注意が疎かになるので…」
「ああ、それでしたら喜んで。乗せてもらっている身の上ですし」
 その申し出をいちごが請け負ったところで、歩みを続けていたシルフェリオン二世が足を止める。どう進むか。思案を始めたところで、その機体が外部から見えない状態へと変化する。ユーベルコードによって起動する次元迷彩機能『ステルス・コフィン』である。
「…うぅ、やっぱり、この鋭い共鳴音には慣れませんわね…」
 頭上で稼働する歯車類を、正面へ延びる道の先を確かめる間にも、マイエの耳を劈く鋭く甲高い音。この次元迷彩機能、マイエとの共鳴によって発現するため、彼女の耳にはその音が耳鳴りとして響くのだ。必然、周囲の物音も拾いにくくなる。
「…大丈夫ですか、マイエさん?」
 いちごが声をかければ、マイエは振り向き頷いて応え。
「…ええ、一先ずは。ともあれ進む道は決まりました、参りましょう」
 それと同時に次元迷彩が解け、マイエの耳鳴りも消える。集中力を少なからず削ぐものであるのは間違いないので、常時起動はできない。今のように、足を止めるべき状況でのみ使うと、マイエはそう決めていた。

「と、石像が。このまま進むのは危険ですわね」
「ですが他に進む道は…」
 進むこと暫し、行く手に女王の石像の姿を見出した二人。しかし道は石像の先にしかない。どうするか。
「何、問題はございません。撒きますわよ」
 敢えて前進し、石像に己の姿を認識させる。気付いた石像が迫ってきたところで、機体の左腕を掲げれば、ワイヤーで繋がれたそれが射出、歯車の歯を掴む。同時に跳躍、そのまま機体は歯車の上へ。
 石像が此方を見失っている隙に、その背後へと着地。先へと進んでゆく。
「わわっ!!」
 一方マイエの後ろのいちごは、激しい上下移動に振られ必死にマイエの腰にしがみついていた。

「きゃっ!?」
 曲がり角を曲がった瞬間、目の前に石像がいた。満を持してとばかりにその手を伸ばす石像。このままでは捕まって入り口まで逆戻りだ…が。
「いあ…いあ…、無限無窮の最奥にて見る夢の力を、我らが守りに…」
 いちごの冒涜的な呪文と共に、彼らと石像との間を防御結界が隔てる。結界の前で石像がまごついている間に距離を取るシルフェリオン二世。歯車を跳び渡っていくが、結界を解除すれば石像が再び追ってくる。
「させません…っ!」
 歯車に着地直後、いちごが再度結界を展開。追いかけて歯車に跳び移ろうとした石像は結界に阻まれ、そのまま下へと落ちていった。
「ふう、凌げましたね…っ?」
 一息ついたいちごだったが、不意にその手に伝わる柔らかい感触。
「んぅ…っ、い、いちごさん、そ、そこはぁ…」
「…っ!?す、すみませんーっ!?」
 いつの間にかずれていたいちごの手が、マイエの豊かな胸を鷲掴みとしていたのである。それはもう、がっちりと。

 その後も。
「今です…っ!」
「はうんっ、い、いちごさん…っ」
 結界を張って足止めした石像を振り子に巻き込んで叩き落とす間、マイエの胸を揉み続けてしまったり。
「んぁ、っは、ふぅぅ…っ、こ、これで全部、ですかしら…」
「だ、大丈夫だと思います…」
 歯車を連続で跳び渡り、迫る石像をシルフェリオン二世から放ったミサイルで吹き飛ばす、その挙動の合間にも両手はマイエの胸を揉んでいたり。
 結界の展開によって理性が削れるのに加え、マイエの身から漏れる甘い匂いが欲望を煽る。最早いちごは、意識して避けなければ自然とマイエの胸を揉みだしてしまう状態になっていた。
「ううっ、ごめんなさい、また…」
「あくっ、はぁ、ダメ、ダメですからぁ…」
 マイエの方も、彼に父親の面影を見てしまっているというのもあってか、制止の声は上げながらも強く拒否はできないようで。
 そんな状態の二人ではあるが、どうにか先には進めていたらしい。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フェルト・ユメノアール
機械仕掛けの摩天楼、住人がいなくなっても動き続けるなんてなんだか悲しいね
でも、この城を攻略する事で女王くんが少しでも笑顔になれるならボク頑張っちゃうよ!

いつもの『パフォーマンス』を思い出し、不安定な歯車の上を飛ぶように移動していく
ついでに移動中は周りを見てどの歯車や鎖がどっちに動いているかを確認
石像は出来れば無視したいけど、無視できない時は『トリックスターを投擲』してひるませた隙に鎖に飛びついて移動&回避

どうしようもない場合は……切り札を使うしかないね!
ボクは手札から【光の拘束鎖】を発動!
光の鎖を上層にある歯車や鎖に絡ませ、それを巻き取る事で石像たちを振り切るよ!



 時計塔の中腹、桃色の髪を跳ねさせながら歯車の上を跳び渡る少女、フェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)。跳躍の合間、眼下の通路に目を遣れば、侵入者の存在にも気付いていない様子の女王の石像が見える。
 着地、凹凸激しい上に動き続けている歯車の上という不安定な足場でありながら、フェルトの姿勢には些かのブレも見えず。歯の上で華麗にバランスを取ってみせ、再び跳躍。その先の足場へと着地する。
 日頃からパフォーマンスとして、バランス感覚の要求される軽業の数々をこなすフェルトである。此度の探索もその延長と考えれば、動く歯車を跳び渡るなど造作もない。
 跳躍、着地、即座に再度跳躍、そして着地。歯車の上を『飛ぶ』かのような連続跳躍。この場に観客がいたならば、拍手喝采間違い無しの華麗なるアクロバットだ。
 しかしこの時計塔に在るものといえば――動かぬ足場の上に着地したフェルトは前方を見る。彼女に気付いて駆け迫る、女王の石像の姿。
「機械仕掛けの摩天楼。住人がいなくなっても動き続けるなんて、なんだか悲しいね」
 今此処に在るのは、あの石像と。そのモデルたる亡きハートの女王、その怨念だけだ。思えば、塔全体に充満する重苦しい雰囲気。それもまた、女王の怨念の為すものであろうか。
「でも、この塔を攻略することで、女王くんが少しでも笑顔になるなら」
 それは人々に笑顔齎す道化師としての、己の務めでもあるのだろう。笑顔忘れた人に、笑顔を届けるべく。その意思を新たに、フェルトは再度跳躍。彼女を捕まえんとした石像の手をかわし、上昇していく鎖へと掴まる。
 周囲を見渡す。上下左右へそれぞれに動く歯車、鎖。その動きを瞬時に把握。どれをどう跳び移れば先へ進めるか。
 身体のバネで鎖から手近な歯車へ跳び乗り、跳躍して上方の鎖を掴む。途中で回る歯車に足をかけ、その回転を利して大跳躍、更に上を目指してゆく。

 最上階まではあと一息。だがフェルトを待ち構えるのは、それまでにない数の石像の群れ。更には背後からも石像が迫る。一体にでも捕まれば、また一からやり直しだ。
 周囲を見渡すが、手頃な歯車も鎖もない。上にならあるが、ただ跳躍するだけでは届きそうもない。
「となれば…切り札を使うしかないね!」
 包囲し捕獲せんと迫る石像群を前に、フェルトは決断する。そして腰のデッキケースから抜き出した一枚のカードを、左腕のソリッドディスクへセットすれば。
「カウンタースペル、光の拘束鎖発動!これでこの場は退避するよ!」
 それは己の生命力の半分と引き換えて発動する、まさに切り札。本来は名前通り敵を拘束するためのものだが、此度の用法は異なる。
 宣言と同時に左腕から伸びた鎖が、頭上の歯車に引っ掛けられる。回転の勢いに跳躍も乗せ、一気に上昇。すんでのところで石像の手を逃れ、更なる上へと昇ってゆく。

 そして辿り着いた先には鉄扉。フェルトが到着したのにやや遅れて、別行動でこの時計塔に挑んでいた猟兵達も続々と到着してきた。
 鉄扉を開けば、眼下に広がるのは大きな大きな城の全景。振り返れば在るのは尖塔の先端。どうやらここが最上部のようだ。
 改めて見下ろせば、幾つもの尖塔に囲まれた城郭、その手前に広がる広大かつ複雑な庭園。その中を駆け回る小さな人影が幾つか見える。あの迷宮に挑んでいる猟兵達だろうか。
「!」
 ふと気配を感じ一行が振り返ると、いつの間にか一体の女王の石像がそこにいた。だがそれ以上近づいてくる気配は無い。
 見つめあうこと数秒。不意に、石像の身体に、ぴしり、とヒビが入る。ヒビは一瞬にして全身へと伝播し、直後、粉々に砕け散っていった。
 それと同時に、時計塔に満ちていた重苦しい雰囲気が消えていくのをフェルトは感じる。即ち、これで以てこの時計塔に宿る女王の怨念は晴れた、ということなのだろう。任務は完了だ。
 最早この時計塔に留まる必要はない。猟兵達が帰還するべく塔を降り始めた中、フェルトは最後に、砕けた石像の残骸を振り返った。
「――少しでも、楽しんでもらえたかな」
 床に散らばる石像の残骸、形を残していた口元が、僅かに綻んでいたようにも見えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月10日


挿絵イラスト