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迷宮災厄戦③〜叡智の結晶を打ち砕け!

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦

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●模造人形は眼鏡の夢を見るか?
「ありがとう、よく来てくれたね」
 グリモアベースにて招集に応じた猟兵たちを出迎えたのはカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)。
 アリスラビリンスで発生している迷宮災厄戦、ゆうとろどきの森で新たに起きる戦いが今回の予知内容なのだと彼女は告げる。
「地形は森、時間は黄昏時。敵は少女を模した無数の人形のオウガだ。一体あたりの脅威は大きくない部類だけど、そのぶん数で攻めてくるみたいだね」
 そして何よりこの戦場で気を付ける事が一つ、とグリモア猟兵は指を立てる。

「この戦場で戦うオウガはどれも――眼鏡を移植されている」

 ぱちん、と指を弾く仕草に合わせて今回の戦場のヴィジョンが展開される。そこでは実際、無数にひしめく少女人形たちが顔に黒縁の眼鏡を光らせていた。
「勿論これはただのファッションじゃあない。オウガたちはこの眼鏡で猟兵側のユーベルコードの効果を見抜き、弱点を突くように攻撃してくるらしい」
 とはいえ敵の行動を予期できる事はチャンスでもあるとカタリナは続ける。敵に見抜けるのはあくまでユーベルコードの効果のみだという事、そもそもユーベルコードの解析には眼鏡を通じて“視る”過程が不可欠だという事など付け入る隙は少なくない。そもそも対策の立てようがないユーベルコードを扱う猟兵も中には居るだろう。
「ともかく、敵から眼鏡の優位性を奪う事が出来れば楽に戦いを運べるだろうってのがアタシの見立てさ。キミたちならどうとでも料理できるだろう?」
 無事の帰還を祈ってるよ、と常通りのフレーズを結びにしてカタリナは猟兵たちを戦場へと見送るのだった。


ふーみー
 当シナリオをご覧くださりありがとうございます、ふーみーです。
 此度の戦争イベントはアリスラビリンス!
 今シナリオはオブリビオンとの集団戦となります。
 敵に移植された身体部位(今回はユーベルコードを見抜く眼鏡)への対策がプレイングに含まれているとボーナス。
 敵が猟兵のユーベルコードにどのような対策をしてくるかもプレイングで指定可能。(※必須ではありません)
 それでは皆様の健闘をお祈りしています。
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第1章 集団戦 『青い瞳の人形』

POW   :    フレンドシップ・ドール
自身が戦闘で瀕死になると【青い瞳の人形】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    フレンドシップ・ドールズ
レベル×1体の、【服に隠れて見えないが背中に】に1と刻印された戦闘用【青い瞳の人形】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    フレンドシップ・ドールズ
召喚したレベル×1体の【青い瞳の人形】に【堕天使の翼】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。

イラスト:pico

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●Battle Field ― ここは夕闇と眼鏡の森 ―
 猟兵たちが転移した戦場は薄暗い森の中。木々の合間から見える無数の少女人形はその全てがオウガであり、彼女たちが光らせる眼鏡は理外の異能たるユーベルコードすら見抜く叡智の結晶である。
 立ち塞がる眼鏡オウガたちを制圧し、アリスラビリンスを襲う戦禍を払う一歩と為せ。
 戦いの火蓋は此処に切られた……!
ノエル・フィッシャー
【SPD】
キミ達に見抜かれるまでもない。ボクのユーベルコードは【燦々輝く太陽の王子様】、即ちイケメンフラッシュだ。
さあ、ボクという名の太陽に挑むイカロスがいるのなら――かかってくるといい!!

という訳でUCで体中から溢れ出る光を増幅させて照射。ローリングバスターイケメンフラッシュで近づく敵やドールズを来た側から焼き払っていくよ。
輝ける光の前に、その眼鏡は命取りさ。そんな目のいい眼鏡のレンズは光を集約させ、キミの美しき青い瞳を焼き焦がすからね!

アドリブ・共闘歓迎だよ。



●Area 1 ― イケメン☆フラッシュ(物理) ―
「――キミ達に見抜かれるまでもない」
 薄暗い森の中にノエル・フィッシャー(呪いの名は『王子様』・f19578)の凛とした声が響く。無謀にも単身この戦場に飛び込んできた猟兵を討ち果たさんと青い瞳の人形たちはノエルを取り囲み、発動しようとするユーベルコードを見切ろうとするが――。
「王の血族は太陽の子――陽の輝きが万物を照らす!」
 
    カ ッ ! ! !
 
「「「目が、目がぁぁぁ!?」」」
 森を包む暗闇を追いやったのは眩い光輝。ノエルのユーベルコード【燦々輝く太陽の王子様(サン・オブ・サン)】――即ちイケメンは光り輝くもの。ただでさえ強烈な攻撃手段であるその輝きを眼鏡越しに直視してしまった人形たちは最早その弱点を突くどころか、一網打尽の有様で転げ回る。
「さあ、ボクという名の太陽に挑むイカロスがいるのなら――かかってくるといい!!」
人形ばかりか、盛大にローリングしているのはノエルもではあったが。
「なに、猟兵の襲撃!?」
「イケメンよ! イケメンの王子様よ!」
「そう、このボクがキミたちの相手だ!」
「「「きゃあああああああああ!?」」」
 ユーベルコードで召喚したフレンドシップ・ドールズと共に駆け付けようとした人形たちに襲い掛かるのは飛び出してきたノエルのローリングバスター・イケメンフラッシュ。召喚された人形たちもばっちり眼鏡着用であるが故にこの美顔閃光は効果覿面。
 戦術的に見ても対策を立てる前に鎧袖一触という状況である。その戦場から夕闇は駆逐され、断続的に少女人形たちの黄色い(?)悲鳴が響き続けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

宇宙空間対応型・普通乗用車
ユーベルコードを見抜くだぁ…?
つまり弱点が少ないシンプルなユーベルコードで、
問答無用で轢殺すれば問題ないってことだなぁ!
そう!このオレの【瞬速展開カタパルト】のようにだ!

今のオレが敵目掛けて射出されるまでにかかる時間は、およそ13ミリ秒!
これが銃弾みたいな小粒なら弾くなり避けるなりできるだろうがなぁ…
銃弾と同じ速度で車が飛んできたとしたらどうだ!
トン単位の圧倒的質量と圧倒的速度による純粋な暴力!
弾くには重いし躱すにも範囲が広すぎてどうしようもねぇって寸法よ!
その動き辛そうな人形の体で何とかできるもんならしてみやがれオラァ!



●Area 2 ― 人形曰く、お前のような普通乗用車が居るか ―
「滑走路展開車体固定射角調整風力測定磁力充填重力演算その他諸々影響確認射角補正車体解放射出開始ここまで100ミリ秒未満だオラァ!」
「「「きゃーーーーーーー!?」」」
 少女人形の悲鳴、そして眼鏡の割れる澄んだ音が響く。
 薄暗い森の小道に轍の痕を刻み激しいドリフトを決めたのは宇宙空間対応型・普通乗用車(スペースセダン・f27614)。見ての通りのイカしたスペースセダンである。
「なに!? 何事!?」
「暴走車両よ! 道交法違反だわ!!」
 集まってきた新たな少女人形たちが眼鏡を光らせると同時、セダンのヘッドライトもまたギラリと輝く。
「はん! ユーベルコードを見抜くだぁ……?」
「え、ええ! そうよ、私たちはこの眼鏡で賢くなっ」
「つまり弱点が少ないシンプルなユーベルコードで問答無用で轢殺すれば問題ないってことだなぁそうこのオレの【瞬速展開カタパルト】のようにだッ!」
「「「きゃーーーーーーー!?」」」
 どーん! という衝突音、そして悲鳴と眼鏡の割れる音が再び響く。
「これが銃弾みたいな小粒なら弾くなり避けるなりできるだろうがなぁ銃弾と同じ速度で車が飛んできたとしたらどうだットン単位の圧倒的質量と圧倒的速度による純粋な暴力 弾くには重いし躱すにも範囲が広すぎてどうしようもねぇって寸法よその動き辛そうな人形の体で何とかできるもんならしてみやがれあと0.1秒でこんな長台詞言えるわけねーだろオラァ!」
 そして更なる衝突音以下略。少女人形たちも咄嗟に手近な樹木を盾にしようとするのだが……この普通乗用車、種族的にはウォーマシンである。その超重装甲は宇宙船の外壁にも等しく、木々は薙ぎ倒され眼鏡たちもひとたまりも無く割れ砕けていく。
「さァて覚悟はいいなてめぇら全員この普通乗用車が骸の海まで纏めてご案内してやるぜヒャッハー!」
「「「こんな普通乗用車が居てたまるものですかーーーーーーー!?」」」
 その戦場に響く悲鳴と轟音は森の外にまで響いていたという……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夕月・那由多
…視られると知られるということは、夕闇に溶け込みにくいか…
ならば、別の手段で行くか


んー、これ普通に殴りに行ったほうが良い気もする
とりあえず、UCで『連携攻撃の相棒という意味で無敵な』わらわを創造しよう
大鎌でも持たせて、と
わらわは八千之矛を使う

夕闇が支配するということは森の中は暗いはず…【暗視】と『ナユタの瞳』による【情報収集】で敵の位置を把握しようぞ
ほんでまあ、【地形の利用】をして【闇に紛れる】

向こうも多いからなるべく孤立したものや、数の少ない方から狙いたいところ
あとは【怪力】を込めた攻撃でがつんとやりつつ、もう一人のわらわの大鎌でざくりじゃ
移動は【空中浮遊】なら足音を消せるかのう



●Area 3 ― その神は境界を歩む ―
「……視られると知られるということは、夕闇に溶け込みにくいか……」
 少女人形の見え隠れする戦場を前に難しい顔で呟いたのは夕月・那由多(誰ソ彼の夕闇・f21742)。
「ならば、別の手段で行くか。……んー、これ普通に殴りに行ったほうが良い気もするの?」
 捻った首を元に戻し、発動するユーベルコードは【双ビシ独神(ナラビシヒトリガミ)】。那由多と瓜二つの……否、元々居た彼女より格好良く可愛いような……もう一人の那由多自身に白銀の大鎌を持たせ、那由多(本体)は八千之矛をその手に握る。

 ――夕月那由多。一見して妖狐に見える彼女だが、その正体は神であり黄昏時を包む薄闇の概念存在である。即ち夕闇に抱かれたこの戦場は異郷なれど彼女の領分に他ならず、その瞳は常以上に克明に敵の存在を暴き出す。
「わらわが二人居れば、これはもう無敵じゃな!」
「じゃな!!」
 アイコンタクトを交わした二人の那由多はふわりと浮かび上がり、その姿を薄闇に溶かしていく。

「隙ありなのじゃ!」
「きゃっ……!?」
「そぉい!!!」
「いやーー!?」
 自在に形を変えた矛の一撃で一人、銀光煌めかせる大鎌の一閃で一人、眼鏡を粉砕された少女人形たちが骸の海に還っていく。数の少ない箇所から集団を崩していく那由多たちの堅実な動きは着実な成果を挙げていた。
「むっ、おぬし見ておるな!」
「見えたわそのユーベルコードの弱点! ねぇ本物のあなた、そこの分身の方があなたより――」
「それ以上いけないっ、なのじゃ!!」
「きゃぁああ!?」
 【双ビシ独神】の――というよりはそれを扱う那由多の――弱点。分身の方が本物より強い、という指摘をすると本体に生じる疑念がそのまま分身の絶対性を脅かすというそれは幸いにして分身の大鎌によって事前に阻まれた。
 いち早くその危険を察知し対処した分身はやはり本物より強いのでは? と突っ込んでいく他の少女人形はこの場には残されていない。
「この敵は何を言おうとしたんじゃろうな?」
「何であろうとわらわたちを前にしては無意味な事よ! ほれ、次の敵を倒しにゆくぞ!」
「うむ、そうじゃな!」
 無敵の相棒として創造された分身はフォローもリードも完璧である。危ういところで危機を乗り越え、二人の那由多は再びその姿を夕の薄闇に溶かすのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

クロス・シュバルツ
アドリブ、連携可

ユーベルコードの効果を見抜く眼鏡、ですか。厄介なのは確かですが、見えていても対抗できなければ意味がない、という所ですね
……ところで、眼鏡はあくまで外付けの道具で「身体部位」ではないと思うのですが?

出来るだけ多くの相手を視界に収めて【緋き獄への誘い】を発動。視た相手のUCを封じて召喚を防ぐ
仮に此方のUCの効果を見抜かれても、相手を視るだけで効果を発動する。視線から逃れるのは、そう簡単ではないでしょう

敵には鎖による『フェイント』で牽制しながら『ダッシュ』で接近
黒剣の射程近くまで近付いたら、やはり鎖を動かし『体勢を崩す』事で隙を作り、黒剣を薙ぎ払い『範囲攻撃』で纏めて撃破していく



●Area 4 ― 身体部位が眼鏡とは……? ―
「ユーベルコードの効果を見抜く眼鏡、ですか」
 事前に聞いた情報を反芻しながらクロス・シュバルツ(血と昏闇・f04034)は木々の先に見える少女人形たちを見据える。その能力も厄介には違いないが、見えたところで対抗できなければ無意味というのも戦場ではよくある事だ。

「さて……行きましょうか」
 クロスがその姿をオウガたちの前に晒せば、少女人形はその奇襲に狼狽しながらもお揃いの眼鏡を光らせる。
「猟兵よ! 猟兵だわ!」
「でも相手はたった一人よ、この眼鏡でユーベルコードを見抜いてやれば……!」
「させませんよ。――この瞳は深淵の呪い。緋に沈め」
 冷厳な宣告と共にクロスの黒瞳が緋に染まり、敵の動きに先んじて発動するチカラは【緋き獄への誘い(カーネリアン・ジェイル)】――その視界に捉えた者のユーベルコードを封じる魔性の呪縛。
「仮に此方の能力を見抜いたとしても、視線から逃れるのは簡単ではないでしょう?」
「そ、そっちこそ! 私たち全員を視界に収め続けるなんて事、そう簡単に出来ないはずよ!」
「試してみますか?」
 戦術の核、ユーベルコードによる大量召喚を封じられた少女人形たちは一人でもクロスの視界から逃れようとするが、そんな彼女たちを薙ぎ払うのは罪茨の銘を持つ鎖の一閃。担い手の血を啜る呪鎖は自在に形を変えて少女人形を打ち据え、更に逃げ場を奪う。
「まだよ! まだ私たちは――!」
「いいえ。これでチェックメイトです」
 空いた手に何時の間にか握られていたのは薄刃の黒剣、銘を黒羽。瞬く間に間合いを詰めたクロスが長剣を振るうたびに少女人形たちは骸の海へと還っていく。
「……ところで、眼鏡はあくまで外付けの道具で「身体部位」ではないと思うのですが?」
「だって、私たち人形だもの……手足も眼鏡もパーツの一部よ……」
「成程……? そういうものなのでしょうか」
 小さく首を傾げながら黒斬一閃。最後の少女人形にトドメを刺した黒羽を軽く振り払い、銀髪のダンピールは次の戦場へと歩みを進めるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

空葉・千種
アドリブ歓迎

私達に対抗するために色々と装備を準備してるみたいだけど…
あなた達がしていることは私達にもできるんだよ?

【叔母さんに(無理矢理)取り付けられた巨大化装置】を発動
迷宮災厄戦のために仕立てた決戦装備(装備11・12)を構えて敵の群れの中に突貫!

この状態の私をすべて視界に収めるのは難しいと思うし…
それに、20mの身体から放たれる純粋な力押しにあなた達は対応できるのかな?
砲撃、シールドバッシュ、純粋質量による【踏みつけ】…
様々な強行攻撃で敵の対応も関係なく押しつぶす!

私はアリスラビリンスでの戦争のために色々準備してきたの
小手先の対処じゃ相手にならないんだからね!



●Area 5 ― 純然たるスケールの暴力―
「眼鏡よ! 猟兵も眼鏡よ!」
「眼鏡の猟兵よ! でも私たちの眼鏡の方が知的だわ!」
「私達に対抗するために色々と装備を準備してるみたいだけど……あなた達がしていることは私達にもできるんだよ? 溢れる知性で返り討ちにしてあげる!」
 取り囲む少女人形たちを前にクイっとアンダーリムの眼鏡を押し上げたのは空葉・千種(新聞購読10社達成の改造人間・f16500)。一斉に襲い掛かろうとする人形たちを前に、千種は自らのうなじに付けられたスイッチをONにする。
「もう怒ったよ!電柱ぶつけちゃうんだからねー!!」
 掛け声と共に発動するのは【叔母さんに(無理矢理)取り付けられた巨大化装置】。地響きと共に千種の身体が巨大化し、マンション程もある銃槍が森ごと少女人形たちを薙ぎ払う。
「この状態の私をすべて視界に収めるのは難しいと思うし……それに、20mの身体から放たれる純粋な力押しにあなた達は対応できるのかな?」
 千種が振るうのはこの迷宮災厄戦のために仕立てられた決戦装備。35mmガトリング砲が火を吹けば小柄な少女人形は瀕死を通り越して一瞬で消し飛び、大盾の一撃は小山を叩き付けるにも似て地形諸共にオウガを殲滅する。

「見抜いたわ! あの猟兵のユーベルコードっ!」
 怪獣映画の撮影めいた惨状の中、まだ無事だった樹に上っていた人形が千種のユーベルコードを眼鏡に映して声を上げる。
「対応できるならやってみればいいわ! 私はアリスラビリンスでの戦争のために色々準備してきたの。小手先の対処じゃ相手にならないんだからね!」
「あなたの叔母さんっていったい何なのよーーーーーー!?」
「それは私の方が知りたいわ!!!」
 或いは数を頼みに連携すれば突破口になり得たのかもしれないが、千種とてそんな隙を与えはしない。数々の攻撃手段を使い分ける千種の猛攻は、ほぼ一方的に少女人形たちを蹂躙していくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オルヒディ・アーデルハイド
青い瞳の人形「眼鏡☆キラーン」
カイセキカンリョウ
イツデモフワリン
セントウリョクノナイフワリンショウカン
ファランクス・ランツィーラー
セントウノウリャクノナイフワリンニ
イッカクヲハヤスコトデセントウノウリョクヲエル
タイサク
コチラモオナジク
フレンドシップ・ドールズ ヲ ショウカン
ヒショウノウリョクデタイコウシツノヲオル
サスレバセントウノウリョクハショウシツ

どこかで見たことがあるようなお人形さんなのです
懐かしいような悲しいような涙が出てきます
眼鏡は似合ってると思います

相手はUSを見抜いて対策してるようだけど数で押し切る



●Final Area ― 追憶の人形たち ―
「眼鏡☆キラーン」 「キラーン」 「らーん☆」
「わっ……!?」
 夕闇に包まれた森の戦場へと足を踏み入れたオルヒディ・アーデルハイド(アリス適合者のプリンセスナイト・f19667)を取り囲むのは青い瞳の人形たち。オルヒディとて歴戦の猟兵であり、本来なら知的に眼鏡を光らせる集団に取り囲まれようと動じる事も無い筈なのだが――。

 ――カイセキカンリョウ。イツデモフワリン:セントウリョクノナイフワリンショウカン。ファランクス・ランツィーラー:セントウノウリャクノナイフワリンニイッカクヲハヤスコトデセントウノウリョクヲエル。タイサク:コチラモオナジクフレンドシップ・ドールズ ヲ ショウカン。ヒショウノウリョクデタイコウシツノヲオル。サスレバセントウノウリョクハショウシツ――

「これは……キミたちの……?」
 頭痛にも似た感覚と共に脳裏を流れていく思考の羅列、湧き上がる思いは悲嘆か懐旧か。理由も分からぬままに涙が込み上げ、滲む視界の向こうに人形たちは優しく微笑む。
「「「オルヒディ。私の可愛いオルヒディ」」」
「「「ずっとあなたに逢いたかった。ねぇ、一緒に還りましょう?」」」
 ユーベルコード【フレンドシップ・ドールズ】――呼び出された黒翼の少女人形たちがオルヒディへと語り掛ける姿は堕天使の誘惑か。顔を俯かせたオルヒディはおもむろに片手を掲げ――
「無限の幻想より現実と夢を繋ぐ力をもって覚醒せよ。ファランクス・ランツィーラーっ!」
 詠唱と共に現れるは額に一角を生やした幻想の獣たち。72の獣は勇ましい鳴き声を上げると一角を振りかざし、少女人形たちへと挑みかかっていく。

「「「どうしたの、オルヒディ? 何をそんなに怯えているの?」」」
(……どこかで見たことがあるようなお人形さんなのです)
 幻獣の一角が少女人形を貫く。人形の身体から血は流れず、胴体に大穴を開けたそれはクスクスと笑いながら塵になって消える。
「「「大丈夫よ。私たちと来れば、ずっと幸せに暮らせるわ」」」
(……懐かしいような悲しいような涙が出てきます)
 少女人形は抵抗しない。幻獣たちに薙ぎ払われ次々に数を減らしながら、諭すようにオルヒディへと声を掛け続ける。
「でも、逢いに行くならボクの方からじゃないと。そんな気がするんです」
「……ふふ。それじゃあ、待っているわ」
 最後に残った少女人形の胸に白銀の槍を。
 因果は解け、彷徨う人形の夢は此処に覚まされる。
「眼鏡は似合ってたと思うのです」
 次の戦場へ向かうべく帰還するオルヒディの呟きを、黄昏時の風が運んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月12日


挿絵イラスト