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迷宮災厄戦⑨〜0時の鐘はまだ遠い

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦

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●氷結の城
 全てが凍てつく氷の城。アリスラビリンスにて存在する不思議の国、それはまさに、美しき氷結の国でもあった。

 こつり、と足音が響く。

 城内の螺旋階段をゆっくりと、ガラスの靴を履いて少女が降りてくる。

 こつり、こつり、こつり。

 そして、エントランスに立った少女は、優雅にお辞儀をしてみせた。
 その口は緩慢に動き、意味を聞き取るのさえ困難だ。だが、その少女が言ったであろう言葉は、ある程度予想できた。

「ようこそ、私のお城へ」と。

●時さえ凍てつく神秘の魔城
「これは……書架の王、ブックドミネーターの力の一端なのか……?」
 眉間にシワを寄せて、アイン・セラフィナイト(全智の蒐集者・f15171)はふむ、と顎に手を当てた。
「『時間』が『凍結』された氷の城。そこに、『シンデレラ』を名乗るオウガが存在する。皆にはそのオウガを倒してほしいんだが……」
 障害は存在する。なにしろ、『時間』さえも凍りつく領域だ。
「『肉体の動き、放たれたユーベルコード、敵味方の全ての行動速度が10分の1になる』ようだ。会話はほぼ不可能、ただし、『思考は凍結されない』から、基本的には心の中で考えながら行動することになるな」
 敵を煽ったり、何かしら会話することよりも、相手の技に対して的確に対処、対応、反撃することが優先される。
「相手の行動を読み、戦略的に攻略する。この戦場では、それが第一だ」
 敵のユーベルコードは、馬車の召喚や蹴りによる近接攻撃と様々だ。しかし、この領域は時間が緩慢に動く。超速度の攻撃さえも、ここでは何の戦闘知識もない子供でさえ避けられるものになるだろう。
 アインが杖を掲げる。猟兵たちに纏わり付いた転送のリングが煌めいた。
「かなり特殊な戦場だが、皆ならやれるって信じてるからな!」
 転送先は、氷に閉ざされた城内、エントランスホール。優雅な立ち振舞いで佇むかのオウガを撃破せよ。


夕陽
 アリスラビリンスの戦争、面白い戦場ばかりですね。
 初めましての方は初めまして、すでにお会いしている方はこんにちはこんばんは、夕陽です。
 戦場は氷の城、そのエントランスホールとなります。
 このシナリオには、以下のプレイングボーナスが存在します。

 プレイングボーナス……思考時間を活かし、戦略的に戦う。

 基本的にシンデレラとの会話はほぼ不可能です。プレイング内の台詞はほぼ心の声だと判断致します。
 それでは、皆様のプレイングお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『シンデレラ』

POW   :    カボチャキャバリア
自身が操縦する【カボチャの馬車に乗り、そ】の【UC耐性を持つ馬車の重装甲】と【轢き逃げ攻撃の威力・速度】を増強する。
SPD   :    魔性の硝子細工
【ガラスの靴】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、ガラスの靴から何度でも発動できる。
WIZ   :    ビードロキック
【防御貫通効果を持つ、蹴り】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。

イラスト:月乃

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアララギ・イチイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ルヴァイド・レヴォルジニアス
【アドリブ・共闘歓迎します】




UCを使用して戦闘します
『炎獄姫ルーチェシスタ』というオブリビオンから力を借りる技

※UCを使用する時は、UC台詞はええ感じに使って下さい
+α
『炎獄の名の下に顕現せよ、マグナロートクヴァール――!!』

『時間』が『凍結』された氷の城?
外から炎の鎖を降らせて、燃やせばいい――。
『氷の城』も『カボチャキャバリア』も、何もかも炎獄の中に沈めて
反撃だ――

空中から【地獄の炎】を叩き込んでやるぜ
接近したら勿論【拳】(怪力、地形破壊)で吹っ飛ばす


あぁ~……もったいねぇ
大きなたわわを揉みしだく機会が失われるなんてね

もったいねぇ、もったいねぇ
あっ、あちっ
じょ、冗談だよ……ルーチェ……



●炎獄と氷結
 氷の城、そのエントランスホールに真っ先に転移したのは、容姿が女の子に見える、少年の猟兵だった。すでに機械鎧兵からその姿になっているのには、しっかりと理由がある。
(『時間』が『凍結』された氷の城?)
 目の前で、攻撃態勢に移るシンデレラを見つめるのは、ルヴァイド・レヴォルジニアス(《黒龍鎧兵》蘇りし黒き焔・f08084)である。
 シンデレラの真横に召喚の煌めきが降り注ぐ。現れいでるのはカボチャの馬車。しかし、あらゆる時間が減退したこの領域では、それだけで相当の時間を浪費する。
(外から炎の鎖を降らせて、燃やせばいい――)
 『氷の城』も『カボチャキャバリア』も、何もかもを炎の海に沈める、その覚悟。召喚の速度はシンデレラと同様。
(炎獄の名の下に顕現せよ、マグナロートクヴァール――!!)
 言の葉では、およそ30秒ほどの時間がかかる詠唱を、心の中で秘めて。炎熱が、氷の城を奔る。かぼちゃの馬車が完全に現れたのも同時。だが、かぼちゃの馬車に乗るまでの時間も、相応に遅くなっている。ルヴァイドのユーベルコードの方が幾分か早い。
 全身から迸る炎の束、それに加えて、炎の鎖が空間を蹂躙していく!かぼちゃの馬車、その進路全てを炎の鎖で覆い尽くされたシンデレラが歯噛みをしていた。加えて、炎の波が氷の城を侵していく―――!その炎をかき分けて、かぼちゃの馬車ごとルヴァイドの拳がシンデレラを貫いた。
(あぁ~……もったいねぇ。大きなたわわを揉みしだく機会が失われるなんてね)
 心の中で軽口を叩きながら、炎に包まれた馬車を見つめる。圧倒的な膂力で振り抜かれた一撃によって、中にいるシンデレラ諸共にひどい有様だった。
 もったいない、と何度も心の中で繰り返していると、どうやらそれが召喚した炎獄姫の琴線に触れたのか……。
「あっ、あちっ!冗談だよ……ルーチェ……」
 炎が眼前で弾けた。減退した時間の中で、必死に弁明する猟兵がそこにいた。ちなみに、弁明の言葉がスローモーションすぎて全く聞き取れなかったのだが。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オニバス・ビロウ
思考が研ぎ澄まされ、相手の動きが遅く見える感覚に覚えがある
死線を潜ればままある…が、今回はその思考の速さに身体が付いてこないのが問題か

故に段菊、毛皮付き外套を着込み木苺を食してから行動する
氷結耐性、環境耐性と継戦能力を得て、平常時の動きに近付けさせる
…懐炉代わりとして懐に花桃が居るのであまり変わらんやもしれぬが

後は敵の元へ一直線へ駆けるのみ
攻撃範囲へ近づいたら敵の視界を遮る様に段菊を脱ぎ、花桃も懐から追い出す
そしてそのまま拳で敵を殴り抜けよう
身軽であればあるほど素早さが増すならば、攻撃直前にやることで意表付くことは可能!

敵攻撃時は花桃の念動力で攻撃の軌道を逸らさせカウンターだ



●一撃のために
 シンデレラの前に降り立ったオニバス・ビロウ(花冠・f19687)は、段菊を着込み、全ての環境に適応することが可能となる木苺を食し、氷結の城で深く息を吐いた。
(思考が研ぎ澄まされ、相手の動きが遅く見える感覚に覚えがあるな)
 死線を潜り抜ける、強者のそれだ。唯一の問題点は、その思考の速さに身体が付いてこないことであるが。
 木苺の力と、羽織った段菊によってある程度自分の平常時の動きに近づけさせることはできているようだが……時間減退のそれを中和することは難しい。
 懐にいる花桃がじっ、とシンデレラを見つめている。時間が減退している故に、その目の動きも緩慢だった。
 両者、駆ける。向かうは敵対者。刀の柄を握る。シンデレラが、ガラスの靴の音を高く響かせてこちらの懐に入ろうとしてくる。
 刀を掴む。抜き放ち―――
 
 いや、フェイクだ。
 
 羽織った段菊を、ばさりと脱ぎ捨てる所作。時間の減退によってその行動は遅いが、すでにガラスの靴を掲げてオニバスのユーベルコードを待ち構えていたシンデレラは驚愕に目を見開いていた。
 眼前を覆い尽くす段菊。その一部が突出した。
 
 ガラスの靴をそこへ動かす余裕も、その不意を認知する余裕など存在しなかった。
 【鉄硯磨穿】。刀を鞘におさめている状態で振り抜かれる一撃は、時間減退の領域でさえも、人の歩行と同等の速さでシンデレラの顔へと突き刺さった。
 衝撃波が場にみち、美しいドレスを翻しながらシンデレラは後方で飛んでいく。砕かれる氷と共に、シンデレラはへたり、とその場に倒れ込んだ。
 にっ、とオニバスが笑う。再び懐に入り込んできた花桃を抱えると、踵を返す。

(後は、次の猟兵に任せる)

 転移の光りに包まれて消えていくオニバス、そして、地面に落ちた段菊が転移と共にその場から消え失せたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セレシェイラ・フロレセール
此処がシンデレラの武闘会場か
武闘派なシンデレラは嫌いじゃないよ
でもキミはオウガだから倒さないとね
それじゃあ、観察と思考の開始だ

カボチャの馬車はシンデレラの物語には欠かせない
でも乗り物は厄介な代物でしかないね
対処出来なくもないだろうけど、此方は面倒だな

随分高性能なガラスの靴
互いに互いのユーベルコードをコピーして打ち合ったらどうなるのか純粋に興味はあるけど、結果が未知数だから試したくはないな

手っ取り早く対処出来るのが蹴り技
要はシンデレラの周囲30cm以内に近付かなければいいのだから
近付けさせないために風の魔法を自身の周囲に展開、荒れ狂う風の壁を作ろう
同時に攻撃魔法も詠唱
攻撃は必中の魔法を綴ろうかな


シャルロット・クリスティア
なるほど。
中々不思議な状況ですが……思考時間は十分にある。であるならば普段よりもやりやすいくらいですよ。
跳弾の反射角、弾道計算の精度もより高まります。

基本的には敵の攻撃は突撃、接近戦。であるならば距離を取れば安全性は高まりますし、この状況下ではそれも難しくはない。
敵の動きをよく見ていれば退避は十分可能でしょう。

後は……『わかっていても物理的に避けられない』弾幕形成をすればいい。
馬車自体は防御力が高かろうとも、それを引く馬や窓越しに内部に叩き込めばその限りではないでしょう。
全方位からの跳弾射撃。回避経路を完全に潰した包囲攻撃をお見せしましょう。



●桜と鋼の包囲
(此処がシンデレラの武闘会場か)
 氷に閉ざされたエントランスホールに現れた猟兵は2名。桜色の長髪が、減退する時間のなかでふわりと舞い上がる。セレシェイラ・フロレセール(桜綴・f25838)は、対象のシンデレラを綴ろうとして手を動かすのを止めた。緩慢な時の中でもまた、僅かな油断が命取りとなる。ファイティングポーズで佇むシンデレラを確認し、ふむ、と心の中で唸った。
(武闘派なシンデレラは嫌いじゃないよ。でもキミはオウガだから倒さないとね)
 と、横に佇む仲間へ視線を向けた。本来は敵の遠方で待機するスナイパーが、銃を提げて悠然と佇んでいる。シャルロット・クリスティア(彷徨える弾の行方・f00330)はもまた、ドレス姿で戦闘態勢に移行するシンデレラを見つめて思考を開始していた。
(なるほど。中々不思議な状況ですが……思考時間は十分にある。であるならば普段よりもやりやすいくらいですよ)
 銃を構える。その動作と同時に、シンデレラが動き出した。目標はセレシェイラ、銃撃には多くの時間を弄すると考えたのだろう。ガラスの靴による一撃を叩き込もうと、その間合いへと接近してくる。
 絢爛に輝くガラスの靴を見つめて、セレシェイラの思考はその疑問を連想していた。
(互いに互いのユーベルコードをコピーして打ち合ったらどうなるのか純粋に興味はあるけど、結果が未知数だから試したくはないな)
 それよりは、確実な方法で対処する。シンデレラが間合いに入ろうとしたその刹那、風の魔法がセレシェイラの周囲に拡散した。緩やかな時の流れによって、その音は暴発したかのような音だった。風の壁によって、シンデレラがそのまま吹き飛ばされた。ドレスを器用に翻して着地したシンデレラが、はっ、と瞠目するのが確認できた。
 ならば、とカボチャの馬車が煌めきと共に現れようとしている。その刹那を見逃すシャルロットではない。
 片手に構えた銃が唸る。その数は、減退した時間の中で50発を越えている。連続で射出される銃弾の軌跡がエントランスホールを飛び交った。
(減速する時、回避はある程度しやすい。それなら、『わかっていても物理的に避けられない』弾幕形成をすればいい)
(あら、考えていることは同じかな)
 セレシェイラもまた、にこりと微笑む。その周囲に湧くのは、桜色の魔法弾。飛び交った飽和する魔法弾の軌跡と、室内を飛び交う跳弾弾幕。カボチャの馬車に乗り込もうとしたシンデレラの周囲を埋め尽くす絶対包囲。
 魔法弾の爆発音と、氷とシンデレラを蹂躙する銃弾の炸裂音。【桜彩(メロディア)】と【災厄の檻(パンドラ・ジェイル)】は、シンデレラを『桜色の災厄の牢獄』で覆い隠したのだ。
 膝をついて、ドレス服をずたずたにしたシンデレラが爆煙から姿を現した。血を流しながらも、未だ生命力は健在である。
 転移の光に包まれた猟兵が退避する。次なる猟兵に場を譲るために。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

雪・兼光
はーい、プリンセス一戦、如何かな?
てっいってもまともにしゃべれねーんだっけ…。

さて、必ずどれかの攻撃には予備動作があるはずだから先ずは
情報収集と見切りだ。

どんな行動でも必ず癖がある筈だ。
後は第六感と見切りを合わせて攻撃を全力で回避。

カボチャキャバリアは乗り込む動作じに乱れ撃ちと誘導弾付きでユーベルコードを撃ちこんでみる

ビードロキックも隙をさえわかれば、すぐに零距離射撃で反応してやる

後は間合いをとってスナイパーを利用して
2回攻撃、乱れ撃ち、暗殺、誘導弾でユーベルコードを叩きこんでやる


アシュエル・ファラン
【SPD】
つい油断しそうだが――慢心こそが敵だ

動きが遅ければ、どのみち一秒は千金の価値
遠目にでもシンデレラと捕捉し次第【ガジェットショータイム】を発動
今回は、ガジェットの形成途中の姿からその使い方の予測まで『判断出来る時間が10倍になる』ということだ。つまり俺ボーナスタイム!

変形の遅いガジェットを凝視
どのような形になるのか、どのような使い方が出来そうか
知識フル稼働で模索思案する
有効なのだけは分かっている。このUCの欠点は使用法の思考時間のみ
使用法を解き出し攻撃

敵のUCも同様に凝視判断
この場に有効な武器ならば、それに集中すれば、剣なら離れるなど何をされたら嫌かも分かる
さあ、生き延びましょうかね!


メンカル・プルモーサ
時間が凍る……か。
まあ時間は質量あるらしいからそう言うこともあるか…
……おお、動きが本当に遅い……思考はそのままだからギャップが凄いな…

…まずは…敵の動きをよく見て…距離が離れているうちに事前に詠唱しておいた【撃ち貫く魔弾の射手】を発動……
これで射程の長さ・弾速の速さを印象付ける…靴での防御など間に合わせない…
…あとは近寄ってくるシンデレラへ無詠唱の【撃ち貫く魔弾の射手】で攻撃…
…相手の動きをよく見れるから……その時々の動きを潰すように狙っていこう…
…思考はそのまま、動きが1/10になったことで連射に近いことが出来るようになっているのは便利だね…
…このまま削り倒していくよ…



●全てを予測する
「はーい、プリンセス一戦、如何かな?」
 氷結の城の内部で、ゆっくりと言の葉を紡いだのは、雪・兼光(ブラスターガンナー・f14765)である。紡いだ言葉はしかし、減退した時間の中ではその意味を読み取るのさえ難しい。
 あ、と気付いた兼光が、首に手を当てた。
(っていってもまともにしゃべれねーんだっけ…)
 やりにくいにも程がある。ふう、と息を吐いて、傷ついたシンデレラの様子を観察する。
 ―――転移によって現れたのは彼だけではない。
(つい油断しそうだが――慢心こそが敵だ)
 茶髪の髪と漆黒の瞳。被った帽子を引き下げようとしたが、その動作さえも慢心になることに気付き、ぐっと抑える。アシュエル・ファラン(巻き込まれた傍観者・f28877)は、ガジェットを構えてシンデレラと対峙した。
 そして、その2人の後ろに佇むのは。
(時間が凍る……か。まあ時間は質量あるらしいからそう言うこともあるか…)
 時間の概念について心の中で問答しながら、メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)もまたシンデレラの様子をじっと見守っていた。ゆっくりと肩で息をするシンデレラの姿を見て、おお、と心のなかで小さく呟く。
(動きが本当に遅い……思考はそのままだからギャップが凄いな…)
 まるで超人になったかような感覚。思考に対して肉体が追いつかない、そんな感覚だった。
 最後の力を振り絞るかのように、シンデレラが駆け出した。猟兵たちのユーベルコードをコピーしようと、ガラスの靴を鳴らして、こちらへと近づいてくる。
 まず視界に入っていた兼光にその攻撃がいく。その動作を、彼はじっと見つめていた。
 シンデレラの足が掲げられる。唸るような一撃はしかし、減退した時間ではひどく遅い。
 ガラスの靴の一撃を体を捻って回避すると、再び片足の応酬だ。それでも、その動作の癖を見破るのは容易い。凍りついた大理石の床を蹴り、その場から後方へ跳躍する。
(なるほどな、プリンセス。アンタの攻撃動作、ある程度読めたぜ)
 襲いかかる蹴撃を、ひらりひらりと躱していく。その最中、アシュエルのユーベルコードはすでに起動していた。変形していくガジェットを見ながら、その使い方を探ろうと思考する。
 時間が停滞している中では、ガジェットの形成途中の姿からその使い方の予測まで『判断出来る時間が10倍になる』。それはつまり。
(つまり俺ボーナスタイム!)
 変形していくガジェット、その変形が停止したことを確認して、シンデレラへと振り向く。出来上がったのは―――
(ハッ!本当に簡単な使い方になっちまうが……シンデレラ、あんたには十分に効きまくるガジェットだろう!)
 ぶん、と変形したガジェットを放り投げた。気づくのが送れたシンデレラが、そのガジェットの直撃を受けた。両足に絡みついたそれは、シンデレラの蹴撃を封印する『足かせ錠』だ。
 倒れ伏したシンデレラ、繋がれた錠の鎖を引き千切ろうとガラスの靴で蹴ろうとするが、繋がれた鎖が短すぎて不可能である。
 そして、もはや何も出来ないシンデレラに向かうのは。
(……ん、わざわざ対抗策を練る必要もなかったかな)
(んじゃま、これで終わりってやつだな……!)
 メンカルの詠唱はすでに終わっている。【撃ち貫く魔弾の射手(フライクーゲル)】、一秒間の連撃によって、空間を埋め尽くす魔弾の束。同様に、兼光のユーベルコード【クイックドロウ】によって、ブラスターの熱線がシンデレラを挟み込むように発現した。
 熱線と魔弾。全包囲攻撃による回避不可能の攻撃。
 光の束に呑まれたシンデレラの断末魔と共に、拡散した熱と魔弾の束が凍てつく城の氷を砕き、融かしていく。

 再び時間の流れが正常に戻った城内。その静寂を聞きながら、3人の猟兵はグリモアベースへと帰還したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月04日


挿絵イラスト