迷宮災厄戦②〜暴虐の獣は書架に佇む(作者 鏡面反射
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●砕かれた書架牢獄
「あぁもう、早く来いっての!」
 セーラー服のような衣装を着た少女が、本棚を蹴り飛ばす。バラバラを崩れる本を見て、周りに控えていた狼たちがワタワタと宥める声を発する。
「ネラ様だめですよぅ。儀式を止めたら余計にアリスが来るのが遅くなるんですから」
「そうですよぅ。早くしないと猟兵ってのまで来ちゃいますよぅ」
「わーってるっての、だからこうやって儀式してんじゃん!」
 苛立つネラは手近に控えていた狼を踏みつける。キャン、と小さく悲鳴が響いた。
「ん、ふふ。でも猟兵か。きっと自分が強いって思ってるんだろうね。どうやって潰してやろうかな。そろそろ肉壁たちに役立ってもらおうかなぁ」
 ネラの頭に生えた狼の耳がピクピクと動き、黒い尻尾がふぁさりと揺れる。ネラが視線を向けた先には、首輪につながれた数人の少女。首輪の紐は、近くの狼の胴に繋がっている。
「あぁ、アリスでも猟兵でもイイからさっさと来ないかなぁ」
 本棚の上へと移動して、残虐な笑みを浮かべながらアリーチェ・ネラは儀式を続けるのであった。

●グリモアベース
「アリスラビリンスの戦争に関する予知を行いました。参加希望者はご参集願います」
 グリモアベースの一角でイリス・ノースウィンド(とある部隊の元副隊長・f21619)が声を張り上げる。アリスラビリンスで始まった迷宮災厄戦(ラビリンス・オウガ・ウォー)。猟書家がオブリビオン・フォーミュラ「オウガ・オリジン」の力を奪い閉じ込めていたが、オウガ・オリジンが脱獄したことで戦いに発展したという戦争は、予兆によって猟兵達の知るところとなり、オウガ、猟書家、猟兵の三つ巴の戦いとなっている。
「場所は『迷宮のような図書館の国』。オウガ・オリジンを閉じ込める牢獄であったそこで、今はアリス召喚の儀式が行われているようです。私が予知した敵は『アリーチェ・ネラ』。配下に多数の狼がおり、さらに何人かのアリスを無理やり従わせているようです。儀式は間もなく完了してしまうため、時間の余裕はありません。配下の狼に構わず、速やかにアリーチェ・ネラへ接近、撃破してください」
 配下の狼はオウガだが、その特徴は普通の狼に近しいものだ。発見されないよう上手く立ち回れば、その分素早くアリーチェ・ネラへ接近することが可能だろう。
「今回の戦争も厳しい戦いが予想されます。長丁場となりますので大きな怪我などなさいませんよう。お気をつけて」
 イリスが頭を下げ、グリモアが淡く輝く。


鏡面反射
 はじめまして。こんにちは。こんばんは。鏡面反射(きょうめんはんしゃ)と申します。当シナリオへ興味を持っていただき、ありがとうございます。
 このシナリオは『戦争シナリオ』です。1章で完結し、『迷宮災厄戦』の戦況に影響を及ぼすことのできるシナリオとなっております。難易度は通常のシナリオと変わりありませんが、オープニングでイリスからも説明している通り、『オウガの群れを潜り抜け、司令官に素早く接近する。』ことでプレイングボーナスが発生し有利となりますので、積極的に狙ってみてください。
 では、みなさまのプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『アリーチェ・ネラ』

POW ●暴虐の魔狼
【魔狼形態】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【立場であると自覚させるような威圧感】を放ち続ける。
SPD ●暴君の狩猟場
自身の【敵対する相手の戦闘力】を代償に、【配下のオウガや無理やり従えているアリス】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【アリーチェ・ネラを愉しませるやり方】で戦う。
WIZ ●暴虐王の呪い
自身からレベルm半径内の無機物を【呪い、触れた相手を無力な姿(幼子や動物)】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠リカルド・マスケラスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


ノエル・フィッシャー
【SPD】
番犬に人質、なかなか重厚な布陣だね。
でも知ってるかい? 陣形ってのは、付き合ってくれる相手がいてこそなんだよ。

という訳でUC【煌々光る夜空の王子】を発動。光と化して狼の群れをスピードと反応速度でぶっちぎって強引に突破。敵司令官たるアリーチェ・ネラの許まで一気に接近。
そしてそのままネラがUCでオウガを嗾けたり、人質を盾にする間も与えずに距離を詰め、そのまま取っ組み合いの格闘戦に移行して【無銘の剣】の柄で殴りつけたり、刀身を強引に押し当てる的な格闘術で攻撃するよ。
取っ組み合いなら配下も迂闊に援護出来ないし、強引に攻撃するなら逆にネラを盾にすることも出来るからね。

アドリブ・共闘歓迎だよ。


アレグリア・ノーチェス
オウガを潜り抜け、司令官に接近か。ふむ、油断は禁物だけどシンプルでいいね。
私は空中浮遊で空中から司令官に接近してみようかな。司令官に接近で来たらユーベルコードの万物貫通の銃(パーフェクト・ペレトネーションガン」を使用。空中から、司令官を攻撃するよ。


トリテレイア・ゼロナイン
大量のアリスが召喚され、あまつさえオウガ・オリジンに饗される等、騎士として到底許容出来ません
さらにこの地では既に召喚されているとは…
召喚者を撃破しなければなりません

無理をすべきでしょう
センサーでの●情報収集で敵の配置を把握
護りが薄い箇所をUCによる高速移動で狼の群れを強行突破
最短ルートを往く為●怪力で●踏みつけ蹴散らすことも視野に

貴女が司令官ですね
アリスを解放して頂きます

加速した思考で飛翔の前兆●見切り飛行進路塞ぐよう●怪力で大盾を●投擲、飛翔妨害
すかさずワイヤーアンカーを射出し●ロープワークで拘束
ワイヤ巻き取り大盾殴打からの斬り捨て

アリスに手を出されぬよう瞬きの内に終わらせましょう


ラヴ・フェイタリティ
【アドリヴ歓迎】
余裕面がむかつくぜ…行くぜメガラヴ、乾坤一擲捨て身の一撃見せてやろうぜ!

遥か上空で45mの巨人が構える。必要なのは反応も許さぬ圧倒的速度。撃ち抜く先は魔狼のオウガ。
天を地に、地を天に。魔狼を目指し降下を始める。第一に重力。第二に推進力。弾丸の如き速度。必要な速度に程遠い。
第三に投擲力。巨人が全身を駆動、力を余さずラヴへと伝え地に向けて投擲する。音を超える速度。未だ、遠い。
最後に爆発力。ラヴの背中の爆弾が爆発、身を抉り速度を上げる。音をいくつも越えた極超音速の世界。破壊を伴う音共にオウガへと迫る。
着弾まであとわずか。身を欠いてお笑い、ラヴは口に咥えた最後の起爆スイッチを入れた。


 戦場を光が一閃する。それはまさに天を駆ける一条の流星。ノエル・フィッシャー(呪いの名は『王子様』・f19578)はユーベルコードで自身の肉体を光と化し、一瞬でアリーチェ・ネラの元へと降り立った。元の姿へ戻ると同時に、手にした剣の柄頭でアリーチェ・ネラを殴りつける。
「ぐっ、アンタが猟兵か。ふふ、ようやく楽しめそうじゃん」
 一度距離を取ろうと後ろへ飛ぶネラに追いすがり、鞘に入れたままの剣で殴打する。
「知ってるかい?陣形ってのは、付き合ってくれる相手がいてこそなんだよ。こうやって接近すれば、番犬たちはキミの手助けには入れない。だろ?」
「ふぅん、ちょっとは考えてるんだ?でも浅はかだね。狼たち!アリスを食え!」
「なっ」
 アリーチェ・ネラの号令により、アリスの周囲にいる狼たちが一斉に牙をむく。ネラには弱い彼らだがそれでもオウガである。噛みつかれればアリスはひとたまりもないだろう。慌ててノエルが助けに戻ろうとする刹那。
「ギャイン」
 狼の悲鳴が響き渡った。
「間に合いましたか。まさかアリスが既に召喚されているとは……」
「まったく酷いものだね。本当に間にあって良かった」
 トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は戦場に飛び込むと、そのまま狼たちの中央、アリスたちの前へと飛び出した。アリスたちをつなぎとめる首輪を怪力で引きちぎる。飛び掛かる狼たちを蹴散らし踏みつぶし、時には投げ飛ばしてアリスたちを護らんとする。ユーベルコード『戦機の時間』を発動したトリテレイアは、その加速した思考と反応速度で、ほぼ同時に飛び掛かったかに見えた狼たちを全て打ち払ったのだった。
 一方、アレグリア・ノーチェス(活発な黒女神・f16474)は上空から狼たちを狙撃していた。手にした銃はユーベルコード『万物貫通の銃』で生み出した狙撃銃だ。その精度はすさまじく確実に狼たちを屠っていく。
「はぁ?ソイツらは別んトコで見つけたアタシの奴隷だっての。アリスが呼べてるならこんなところでうだうだ儀式してねーで猟兵とか殺しにいくし?」
 ノエルと格闘戦を繰り広げつつ紡がれたアリーチェ・ネラの言葉は、トリテレイアへ向けられたものだ。
「だからさぁ、そいつら返してくんね?」
 アリーチェ・ネラの言葉と同時、隠れていた狼たちがトリテレイアへ襲い掛かる。完全な死角から襲い掛かった狼を、しかしトリテレイアは瞬く間にたたき伏せた。まだ息のある狼たちも、アレグリアの狙撃により1匹また1匹とその動きを止めていった。
「彼女たちはモノじゃないよ」
「オウガ・オリジンに饗されることも、貴女の奴隷として使役されることも、騎士として到底許容出来ません」
「ちっ、役に立たない……」
 アレグリアとトリテレイアの言葉には答えず、舌打ちしたアリーチェ・ネラの身体がザワザワと変化を始める。咄嗟にノエルが全力で剣の柄を叩き込み、アレグリアの銃弾がアリーチェ・ネラを穿つ。しかし、瞬きにも満たない時間でアリーチェ・ネラの変化は完了していた。目の前のノエルへ向けて踏み込もうと、その足に力がこもった刹那。大盾が2人の間を通過し、アリーチェ・ネラは一瞬怯む。すかさずトリテレイアがワイヤーアンカーを射出し、その四肢を拘束する。3人の猟兵が追撃を加えようとした瞬間、大地を影が覆った。
 はるか上空。ラヴ・フェイタリティ(怪奇!地下世界の落ちものメインヒロイン!・f17338)の姿をした巨人が空を飛んでいた。全長45メートル。ラヴをその手に乗せたラヴの複製体『メガラヴ』は、トリテレイアへ拘束されたままの魔狼へと落下を開始する。加速。その肩と両足に装着されたラヴジェットが何かを噴射し、メガラヴは弾丸の如き速度で落ちていく。加速。メガラヴはその手を振りかぶり、大地へ向けてラヴを投擲する。音の壁を超えてなお速く。空気を切り裂き、一直線に。加速。ラヴの背負う爆弾が破裂する。衝撃でラヴの身体があらぬ方向へ曲がる。両腕は既に無く、露出した背は焼けただれている。地上の魔狼を見据え、ラヴは笑う。その口には最後の爆弾。接触の直前、起爆のスイッチを入れた。
 爆発と落下の衝撃で図書室の床は大きく壊れ、巨大なクレータができている。周囲にはアリスを抱えて退避したノエル、アレグリア、トリテレイアの姿だけがあった。狼は、いない。魔狼は、いない。巨人も、そして爆弾を咥えた少女も……誰も姿を見つけることは、できなかった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年08月03日
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