迷宮災厄戦④~友情のきぐるみぱわーが勝利の鍵!(作者 るちる
7


●迷宮災厄戦(ラビリンス・オウガ・ウォー)開戦!
 オウガ、猟書家、猟兵の意図が複雑に絡まる三つ巴の大戦争。その気配を感じてグリモアベースに集まってきた猟兵たちに香祭・悠花(もふもふマスター・f05527)がぱたぱた飛びながら接近してくる。
「大変なのです! きぐるみが襲ってくるのですよ!?」
 何か戦争のを予知ったらしいです。

●大きな愉快な仲間のいるところ
 悠花が予知(み)たのは、その不思議な国の中のこと。
「この国の中に入った『愉快な仲間』は例外なく、身長が2倍になって、『きぐるみ』になっちゃうのです!」
 しかも『背中にチャックのついたきぐるみ』に。猟兵であっても強制的になってしまうらしい。
「何が極悪かというと……背中のチャックを開けることができるのです!!」
 ダメだ、それはやっちゃいけないやつだ。中の人などいない。いいね?
「あ、間違えました。背中のチャックを開けて、そこに乗り込むことができるのです!」
 もっとひどい言葉が悠花の口から出てきた。しかも乗り込む(きぐるみを着る)と、乗り込んだ(着た)人の戦闘力が数倍にパワーアップするという。
「この国へ侵略に来たオウガの1体が無理矢理きぐるみに乗り込んで、暴れまわっているのですよ!!!」
 きぐるみぱわーで戦闘力が数倍になったオウガはその力を気ままに、思う存分振るって、不思議な国を壊そうとしている。
「オウガの名前は『ドロシー・ヘイヤ』。見た目は時計ウサギなのですが、ばっちりオウガなのです」
 ただでさえ厄介なオウガがよりパワーアップしているというのだから、無策でぶつかるのは得策とはいえない。
「そこで! 皆さんもきぐるみぱわーを、きぐるみ愉快な仲間たちの協力を得てほしいのです!」
 きぐるみ愉快な仲間の合意を得た上で、きぐるみを着る(乗り込む)。そして猟兵たちもきぐるみぱわーあっぷをしてほしい! そうすることでオウガinきぐるみと条件が互角になる。後は地力の勝負に持ち込めるというわけだ。
 気になるのは戦闘におけるきぐるみ(愉快な仲間)の損傷(ダメージ)だが。
「安心して欲しいのです。戦闘におけるダメージは、全て着ている人にいくのです」
 つまり、オウガや猟兵のみがダメージを受ける。きぐるみ愉快な仲間はノーダメージで、戦闘で怪我したり破れたりということはない。

 きぐるみ愉快な仲間の協力を得ることは必須ではないが、協力を得ることで戦闘をより有利に運ぶことができる。なお、必ず合意の上で。無理矢理ダメ、絶対。

●ウサギに乗り込まれたトカゲさん
「はーっはっはー!! 楽しいね!」
 その声はドロシー・ヘイヤのもの。人が乗れるほどの大きなトカゲ(ただし、全長は人間並み)の愉快な仲間、そのきぐるみを着て数倍になった力を存分に振るっているのだ。
 トカゲ並みの速度にスピードアップした移動力で、ジャムを塗りつけまくる。
 自分だけじゃなくてトカゲさんの影も使って広くなった分、大量のウサギたちを召喚して周りの人たちを襲わせる。
「よし、ここで仕切り直そう!」
 トカゲパワーを乗せたハンマーの一撃は、足元だけでなく、半径5mほどの地面を物理的に破壊した。
「やめてよぅやめてよぅ……」
 無理矢理乗り込まれたトカゲさんは泣きながら懇願する。その背中は困ったアリスを乗せるために、疲れて足を止めてしまいそうなアリスを運ぶためにあるのに。
「キミはドロシーの乗り物になったんだ! 喜べばいいじゃない!」
 トカゲの嘆願など一笑に付して。ドロシーは高笑いする。
「ドロシーのお茶会へようこそ!」
 むしろトカゲの言葉を聞いているようで何も聞いていない。一方的なハイテンションで周囲に語りかけるも、答えを求めておらず。人の話を聞かないタイプのオウガらしい。意思疎通は困難だろう。

 そんなドロシー・ヘイヤを倒すためには、猟兵たちが頑張るしかないのだ!


るちる
 こんにちはとかこんばんは、るちるです。
 迷宮災厄戦、開戦でございます。というわけで私からは着ぐるみの森、じゃなかった、きぐるみ愉快な仲間たちをお届けします。

 シナリオの補足です。
 このシナリオフレームには、下記の特別な『プレイングボーナス』があります。
(=============================)
 プレイングボーナス……「きぐるみ愉快な仲間」の許可を得て、乗り込んで戦う。
(=============================)
 というわけで、現地できぐるみ愉快な仲間の力を借りるとプレイングボーナスゲットです。
 きぐるみ愉快な仲間の形状や能力は皆さんで決めて頂いて大丈夫です。特に希望が無ければ、へびさんとかくまさんとかとりさんとかねこさんとかかかしさんとかをこちらでご紹介します。
 『愉快な仲間』の猟兵さんもきぐるみ化します。そのため、そのまま戦うか、誰かに乗ってもらうかの2パターンの選択肢があり、プレにどちらかを記載ください。
 なお、乗ってもらうという選択肢かつ指定による同行者がいない場合、適当にアドリブ連携させる可能性があります。ご注意ください。

 オープニングにも書きましたが、無理やりチャックを開くのはダメです、マナー違反です。中の人はいません。

 戦闘場所は大きな広場。オープニングでハンマーを叩き付けた場所になります。地面がひび割れていますが、崩落するほどではありません。破壊の余波で周辺には瓦礫が散っています。武器を振り回す時に邪魔になる障害物はありませんが、椅子になるような岩や切り株が何故か無造作に置いてあります。
 その他、書いてない部分の地形設定はご自由に設定ください。

 それでは皆さんの参加をお待ちしております。
79




第1章 ボス戦 『ドロシー・ヘイヤ』

POW ●「閃いた!話題を変えよう」
単純で重い【ハンマー】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD ●「招待もされないで座るのは失礼さ!」
【ティーセット】から【ジャム】を放ち、【相手の鼻に塗ること】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ ●「うふふ、生まれない日を知らないの?」
対象への質問と共に、【足元の影】から【慌ただしいウサギたち】を召喚する。満足な答えを得るまで、慌ただしいウサギたちは対象を【蹴り】で攻撃する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はスミンテウス・マウスドールです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


ラパ・フラギリス
乗ってもらう
どんなことでも歓迎
ひいい…!体が本当にでっかく…!
戦車に入り切らなくなるサイズは考えてませんでした…どうしましょう…。

誰かに着てもらえれば強くなってダメージも受けてもらえる…だったような。
だ、誰か私を着てくれませんか…っ!(きぐるみな体に苦戦しながら周りに助けを求め)

いつも戦車に乗り込んで操る側なのに…変な気持ちです…。
でもこれで痛いことはなくて安心…
できません!怖いです!ひゃあ!!(体は完全に委ねて悲鳴だけあげて)
す、すごい動きしてます…すごいことしてますー…!
こ、この動きにはなにか意味が…?
ひいい…!(脱がれてダメージ受けるのが怖いのでどんな使われ方しても文句は言わない兎)


雨咲・ケイ
きぐるみを悪用するなど言語道断ですッ!
不埒なオウガに鉄槌を下しましょうッ!(怒り心頭)
というわけで、ボストンテリアの愉快な仲間の方に
協力をお願いします。
この世界の為に御力をお貸しください。
よろしくお願いします。(礼)

【SPD】で行動。

初手で【退魔集氣法】を使用。
高速移動で敵を攪乱しながら間合いを詰め、
【グラップル】による接近戦を仕掛けていきます。
ティーセットは衝撃波を放って破壊しましょう。
回避困難な攻撃はもふもふな【オーラ防御】で凌ぎ、
【シールドバッシュ】で反撃。
そのまま鬼狂魅(きぐるみ)闘法なる謎の体術で
一気に攻めます。

アドリブ歓迎です。


高柳・源三郎
この世界の「愉快な仲間」を危険に晒す訳にはいかんのう、と考えてUC【命を持った人形】を使います。
旅芸人として長年連れ添ったたぬきの操り人形を【愉快な仲間】に覚醒してたぬき人形を起点として発動するうUCを使って戦わせるようにする力です。今回は暗殺武器を内蔵している【たろう】に向けてUCを発動します。
UC発動後に【たろう】は着ぐるみ化して源三郎が中に入りますが、源三郎はたぬきの着ぐるみを着て公演をする事が有るのでいつも通りに動く事が出来ます。
【たろう】ばかりに辛い思いをさせないと、UC【狂乱・狸舞】を使ってこの後の24時間の飲酒を代償に【たろう】の内蔵武器を全て使い敵に攻撃をします。


ミア・ミュラー
トカゲさん、かわいそう……。早く助けてあげられるように、頑張る。

まずは愉快な仲間とお話しして、乗せてもらわないと、ね。ん、みんなを助けに来たけど、わたしも誰かに乗らないとあのオウガに勝てない、みたい。お願い……この国とみんなを守るために、力を貸して?
戦いでは「ダッシュ」で攻撃を避けながらユーベルコードを使ってくるまで、待つ。使ってきたら【火剣】を全部飛ばしてウサギたちを焼き尽くす、よ。どうせ何を答えてもだめそうだし、使う前に質問があって、影から出るのはわかるから攻撃しやすい、はず。ウサギを倒したら剣を纏めてオウガを、斬る。
トカゲさんの気持ちを無視して戦いの道具にして……絶対許さない、から……!


エミリィ・ジゼル
着ぐるみと聞いては黙っていられません
普段からサメぐるみで活動してるわたくしの出番です

更に折角なんで今回はこのUCを使いましょう
じゃん!「サメぐるみを布教するメイドの術」!

さぁ、皆さん!
愉快な仲間に乗り込む前に、このサメぐるみを着るのです!
そうすれば仲間ぐるみパワーに更にサメぐるみパワーが合わさって最強ですから!

着ぐるみバフで強くなったら、シャークチェーンソーで相手を牽制しつつ、隙を見て鯨の骨を投擲
これは刺さった内側から破裂するので着ぐるみ内部にも効率的にダメージを与えられるはずです


※他の人との共闘でない場合は、「増えるメイドの術」でかじできないさんズを呼び出してセルフバフに方針変更


文月・統哉
【文月探偵倶楽部】

戦争が始まったと思ったら
まさかの着ぐるみの国が!?

いつものクロネコ着ぐるみ姿で
クロネコ着ぐるみさんに挨拶を

着ぐるみの素晴らしさについて語…じゃなくて
友達がオウガに連れていかれたのか?
く…こんな夢みたいな国を襲撃するとは許すまじ!

クロネコ君、君の力を貸して欲しい
そして友達を救出しよう、俺達と一緒に!

着ぐるみの空!
統哉inクロネコ着ぐるみinクロネコ着ぐるみを包むクロネコ着ぐるみ
着ぐるみの力に着ぐるみの力を合わせ
今こそ示そう、友情のきぐるみぱわー!

飛翔し敵の狙いを空へ向けさせる
振り上げるハンマーの動き見切り
下ろす前に雷の属性攻撃!
仲間と連携し倒すぞ

最後にお礼を
ありがとうな、相棒!


●不思議な国にて
「戦争が始まったと思ったら、まさかの着ぐるみの国が!?」
 そんなわけで、予知聞く前に自分のグリモアでとうっと訪れた文月・統哉(着ぐるみ探偵・f08510)である。
 いつものクロネコ着ぐるみで歩いていると、前方から走ってくるクロネコきぐるみ(身長2倍)が見えてきた。
「おっ」
 クロネコきぐるみさんに挨拶した後、着ぐるみの素晴らしさについて語ろうか、そんなことを考えていた統哉だが……どうやら様子がおかしい?
「どうしたんだ?」
 クロネコ着ぐるみから溢れ出る猟兵オーラに、クロネコさんははっと顔を上げ、統哉に気付く。
「友達が……オウガに……大変なんだ……!」
 その切迫した訴えに、統哉は着ぐるみの手をぐっと握る。
「く……こんな夢みたいな国を襲撃するとは……オウガ許すまじ!」
 そうしてクロネコ着ぐるみとクロネコきぐるみは、ともに広場に向かって走り出したのである。着ぐるみの素晴らしさを語りながら。

●広場にて
 広場で暴れまわる『ドロシー・ヘイヤ』onトカゲさん。
「ううう……」
「泣き虫だな。そんな子はいじめられるぞ?!」
 自分が元凶とは微塵も思っていないドロシー。
「さあ、ドロシーと一緒に」
「そこまでです!」
 その声は空の上から。空から降ってくるのはグリモア猟兵に転送された猟兵たち。
「ハイ、ドーモ! 普段からサメぐるみで活動してるわたくしの出番です」
 すたっと降り立ったのは神出鬼没のメイドさん、エミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)。
「着ぐるみと聞いては黙っていられません!」
 立ち上がり、びしっとドロシーを指差す。
「きぐるみを悪用するなど言語道断ですッ!」
 その後ろからすっと現れ、並び立つのは雨咲・ケイ(人間の學徒兵・f00882)。
「不埒なオウガに鉄槌を下しましょうッ!」
 普段はおとなしいケイさんにしては怒り心頭、珍しくブチギレしている。
「うーん? お茶が足りてないんじゃない?」
 そんな猟兵たちの言葉はどこ吹く風で、ドロシーはトカゲさんの上に影でテーブルを出して小休憩中。完全に物扱いである。
「トカゲさん、かわいそう……」
 その様子を見て、ミア・ミュラー(アリスの恩返し・f20357)が呟く。
『早く助けてあげられるように、頑張る』
 ミアのその決意は静かに強く。

 と、数名がドロシーと相対している後ろで。
「ひいい……! 体が本当にでっかく……!?」
 ラパ・フラギリス(Wrapped in strong things・f25323)は自身の体の変化にめっちゃ動揺していた。愉快な仲間であるラパにも等しくこの国の影響は降りかかってきたのである。具体的に言うと身長2倍ときぐるみ化。
「戦車に入り切らなくなるサイズは考えてませんでした……どうしましょう……?」
 いつもは戦車の中に引き籠って、コミュニケーションすらモニター越しに顔文字と声でしているのに。極度の臆病という兎は安全と思う場所以外では戦車に籠もっていたいのだ。
(何か、何か手を……!)
 がくぶるしながら、ラパはラパで必死なのでした。

●きるぐみの国に愛をこめて
 前線。ドロシーonトカゲさんと相対する猟兵たち。その様子にドロシーがぴんと耳を立てた。
「閃いた! 話題を変えよう」
 唐突なハンマーの一撃。それは周辺で遠巻きに見ていた愉快な仲間たちへ放たれる。トカゲさんの機動力で一気に距離を詰めたドロシーの一撃を。
「そうはさせなにゃふー!?」
 そこへ割り込んできた統哉がかばい……きれず、華麗に吹っ飛ばされた。クロネコさんにキャッチされる統哉。
「た、助かったぜ……」
「なんなのさ、キミも」
 ハンマーを肩に担いで嘆息するドロシー。その仕草は余裕すら見える。

(ん、みんなを助けに来たけど……)
 グリモア猟兵の言葉を思い出すミア。
 ドロシーは強力なオウガと化している。ならば、することはひとつ。
「わたしも誰かに乗らないとあのオウガに勝てない、みたい」
 そのためにはまずは愉快な仲間とお話しして乗せてもらわないと。

 その時、ミアが気付く。自分を見ている視線に。その先に居たのはビーグルわんこのきぐるみ愉快な仲間であった。その視線を信じて、ミアが声をかける。
「お願い……この国とみんなを守るために、力を貸して?」
「うん。トカゲさんを助けてあげて」
 ビーグルさんの許可を得て、ミアが背中のチャックを開ける。

「協力をお願いします。この世界の為に御力をお貸しください」
 よろしくお願いします、と礼をするケイ。その相手はボストンテリアのきぐるみ愉快な仲間。
「まかせて!」
 ボストンテリアさんが快諾する。ケイは早速背中側に回ってチャックを開ける。

(この世界の『愉快な仲間』を危険に晒す訳にはいかんのう)
 人々の笑顔を守るために猟兵となった高柳・源三郎(零細旅芸人一座の酔いどれ座長・f15710)は笑顔を浮かべながら、オスたぬきのからくり人形『たろう』を見つめる。人々、の中には愉快な仲間も含まれている。トカゲさんの現状を見捨てるわけにはいかない。
 繰り出すのはユーベルコード【命を持った人形】。その効果を受けて『たろう』に変化が現れる。源三郎が旅芸人として長年連れ添ったたろうが『愉快な仲間』へと。
「よしよし」
 不思議な国の例に漏れず、たろうはすぐさま巨大化きぐるみ化。
「たろう、今日はここでやるんじゃ」
 そう言って、たろうの背中に回り込んだ源三郎はチャックを開ける。

「クロネコ君、君の力を貸して欲しい。そして友達を救出しよう、俺達と一緒に!」
 自分をキャッチしてくれたクロネコくんに統哉が熱く語りかける。
「ボクでいいの? うん、わかった! トカゲくんを助けて!」
 快諾するクロネコのきぐるみ愉快な仲間。統哉がクロネコきぐるみの背中のチャックを開ける。

 皆がきぐるみ愉快な仲間に乗り込もうとした瞬間であった。
「さぁ、皆さん! 愉快な仲間の前に、このサメぐるみを着るのです!」
「「「「「はい?」」」」」
 叫んだエミリィの方を全員が向いて、首を傾げた。
「そうすれば仲間ぐるみパワーに更にサメぐるみパワーが合わさって最強ですから!」
「「「「「なるほど!」」」」」

 きぐるみはバフ。ここテストに出ます。

 同意を得て、エミリィの【サメぐるみを布教するメイドの術】炸裂☆
 全員にサメぐるみを配布するエミリィ。これにより、不思議なことが起こった!
 不思議っていうか、きぐるみに乗り込む着ぐるみという構図が全員に起こった。
「にゃふふ、負けていられないぜ! 【着ぐるみの空】!」
 約1名、さらに着ぐるみを召喚する輩がいた。統哉である。
 その結果。
 クロネコ着ぐるみを着た統哉inサメぐるみinクロネコきぐるみinクロネコきぐるみを包むクロネコ着ぐるみ
「着ぐるみの力に着ぐるみの力を合わせ、今こそ示そう、友情のきぐるみぱわー!」
 しゃきーん、とポーズを取るクロネコ着ぐるみ(中にいっぱい着ている)。

 とりあえずサメぐるみは万能らしく、着た人の意思で透明化する(とこのリプレイではします)ので見た目はそんなに変わらない。有能バフである。

 クロネコ着ぐるみの側にいるのは、
 ミアinビーグルきぐるみ。かわいい。
 ケイinボストンテリアきぐるみ。……あの、普段とほぼ変わらない気がするのですが?
 源三郎inたろう。長年連れ添った相棒感がすごい。

 そして、ラパ。
 周囲の様子を見ていてラパはグリモア猟兵の言葉を思い出す。
(誰かに着てもらえれば強くなってダメージも受けてもらえる……だったような)
 ということは着てもらえたら、痛い思いをしなくて済む。
「だ、誰か私を着てくれませんか……っ!」
 きぐるみな体が既に思うように動かず、苦戦気味だが必死に助けを求め。
 その声に反応したのはサメぐるみを着込んだエミリィでした。
「わかりました。わたくしが乗りましょうっ!」
 というわけでエミリィがラパに乗り込む。
 エミリィinサメぐるみinラパ(きぐるみ化)inサメぐるみ(ラパもサメを着ました)
 もう何が何だかわからんのじゃが、とにかくすごいことだけはわかる!!

「おわったー? 暇なんだけど」
 変身バンクを律儀に待っていた(様式美は守るタイプらしい)ドロシーが欠伸とともに、ハンマーを構え直す。
 ここにすーぱーきぐるみ大戦が開戦したのである!

●戦闘開始!
 ドロシーがトカゲさんの機動力を使って突撃してくる。
「閃いた! 話題を変えよう」
「させるかー!」
「やらせませんよ!」
 振り抜かれたハンマーの一撃をダブルもふもふオーラ防御で押し留める統哉とケイ。仲間きぐるみぱわー(とその他のバフ)があればこの程度!
「はっ!」
 すかさずケイがボストンテリアのもふもふの手でシールドバッシュ! 押し戻されるドロシー。
「ひゃっはー!」
 たたらを踏んで動きの止まったドロシーへ、エミリィがシャークチェーンソーで牽制っていうか、振り回しながら突撃する。
「……!?」
 ぶんぶん振り回している狂気(?)に思わずドン引くドロシー。
 そんな様子を見ながら乗られているラパ。
(いつも戦車に乗り込んで操る側なのに……変な気持ちです……)
 エミリィに制御や動きを完全に預けているモードであった。
(でもこれで痛いことはなくて安心……)
 そう、それこそが一番大切。これで怖いこととは縁無く。

 ぶぅぅぅんっ!

「できません! 怖いです! ひゃあ!!」
 目の前、顔の先3cmを通り過ぎていくハンマーに思わず悲鳴を上げるラパ。でも制御はエミリィに預けたままでした。

 エミリィとやりあっているドロシーの、背後へ回り込むのは簡単だろう。
 すっ、と。背後の死角へ踏み込むたろう。その中にはもちろん源三郎が入っている。
(いつも通り、動けばいいんじゃ)
 旅芸人一座では、源三郎自身もたぬきの着ぐるみを着て公演することもある。ゆえにその動きに不利などなく。ただ、いつも通りに源三郎は動く。
 ドロシーが気付く前に。源三郎がたろうの内蔵武器を発射。
「くぅぅぅぅ!?」
 死角から放たれた矢がドロシーを貫く。

 たろうの矢を受け、エミリィから放れる、いや、距離を十二分に取るドロシー。
「ああもう! キミたちはお茶会を楽しむ気がないのかい!?」
 その質問はその場にいる猟兵たちに向けて。直後、ドロシーとトカゲさんの足元の影から大量に生み出される慌ただしいウサギたち。ウサギたちが猟兵目掛けて駆け出す。その脚が繰り出すのは凶悪な蹴り。だが。
「それは、ダメ」
 完全にタイミングを合わせて、ミアの【火剣】が放たれる。ウサギたちは猟兵に近づくことすら許されず、魔法で作った剣状の炎に焼き尽くされていく!
(待ってて、よかった)
 ひとり、後方で戦況を測っていたミア。いつでもダッシュできるように構えていたが、仲間たちが押し留めてくれていたおかげで、落ち着いてドロシーを観察できたのだ。
「……! キミはお茶が嫌いなのかい!?」
 再び生み出されるウサギたち。
「どうせ何を答えてもだめそうだし」
 ミアもまた冷静に【火剣】を放つ。質問という契機があって、影から生まれる。その流れが決まっているなら対処もしやすいというもの。質問ごとにウサギたちを焼き尽くしていくミア。ウサギ狩りといえばやっぱりビーグルさんですよね。

「いまこそサメの力を!」
 そこに飛び込んだのはエミリィwithラパである。飛びまくる【火剣】の間を縫うように跳んでサメ、じゃなかったエミリィが接近していく。
「す、すごい動きしてます……すごいことしてますー……! こ、この動きにはなにか意味が……?」
 たぶんサメ的なムーブ。思わず感嘆の声をあげるラパであったが。
 冷静に考えると、ウサギたちを焼き尽くす炎の雨の中にいるわけでして。目の前で攻撃的なウサギが【火剣】で焼かれていくのを目撃する兎。
「ひいい……!」
 怖いけど、脱がれるとダメージが全部自分に来るので、悲鳴だけで文句は言わないラパでした。

 戦況は猟兵有利。特に仲間きぐるみの上にかかっているバフの力がすごい。
「もう、なんなんだよ!」
 思わず悲鳴のような苦情のような声をあげるドロシー。近付いてくるサメ(エミリィwithラパ)を見て身構えるも、さらにそこへ混じって高速移動で撹乱してくるボストンテリア(ケイ)がいる! 実はケイ、【退魔集氣法】を使ってあって、高速移動もお手のもの状態なのだ!
「せいっ!」
 まずは一撃。ドロシーの顔を殴りつけるケイ。
「くっぅぅぅぅ!」
 その勢いで尻もちをつくドロシー。思わず座ってしまったことで激昂と共にユーベルコードを放つ。
「招待もされないで座るのは失礼さ!」
 その態勢からティーセットを取り出し、そこからジャムを放つドロシー。ジャムが当たれば動きを封じることが出来る。
「はぁっ!」
 しかしその攻撃は予想済。ケイがくるりと回転蹴りの要領で衝撃波を放つと、ジャムが吹き飛ばされ、ついでにティーセットが破壊される。
「ドロシーのティーセットが!?」
 手の中で砕けるティーセットに愕然とするドロシー。
「もう、怒ったぞ!」
 ケイ目掛けてハンマーを振りかぶるドロシー。
「こっちだ!」
 その時、頭上を飛翔するクロネコの影。思わずドロシーがそちらに気を取られる。
「そこだー!」
 その一瞬の隙へ、雷属性を伴ったクロネコ急降下キックをハンマーへ放つ統哉。
「ぐあぁぁぁぁっ?!」
 びりびりびりびりーっと電撃がハンマーを伝っていく。

●その勝利はきぐるみのために!
 統哉のキックの衝撃によろめくドロシー。その背に当たったのはラパが乗ってきた戦車であった。
 怒りのためか、イラッとしたドロシーがハンマーを振り上げる。
「なんだこの邪魔な車!!」
「私の戦車に触らないでー!?」
 ハンマーを叩き付けようとしたドロシーにラパが叫ぶ。直後、戦車の巨大アームが射出され、重い一撃が零距離でドロシーに叩き込まれる! きっと遠隔操作スイッチとかあったに違いない、たぶん。
「え、もしかしてフラギリス様一緒に戦っ」
「後はよろしくお願いします!」
 エミリィの言葉を遮って、もっかい制御を完全にエミリィに渡すラパでした。

 零距離不意打ちに吹っ飛ばされるドロシー。その着地点に回り込んだのは源三郎withたろう。
「たろうばかりに辛い思いをさせるわけにはいかないんじゃ」
 それは道具としてではなく、相棒として。源三郎が【狂乱・狸舞】を解き放つ!
「ぐあっ?!」
 この後24時間の断酒と引き換えに放たれる、たろうの内蔵武器全展開状態&全斉射! それが次々とドロシーの体に叩き込まれていく。
 小さな爆発とともに地面に落下するドロシー。
 そこへ一瞬で間を詰めたのはケイ。
「あなたはこれを知っているでしょうか」
 静かに懐に踏み込んだケイのもふ掌底がドロシーに食い込む。その後ももふを利用した
『鬼狂魅(きぐるみ)闘法』なる謎の体術で一気に攻め込むケイ。
「こいつはおまけだー!」
 再び上空から、統哉の放ったクロネコきぐるみ稲妻キックがドロシーに突き刺さる。
「ここです!」
 シリアスエミリィの寸分違わぬ一射。ドロシーに直撃したのはエミリィの『鯨の骨』。
「これは刺さった内側から破裂するので着ぐるみ内部にも効率的にダメージを与えられるはずです」
 解説ありがとう。海獣の骨から作られた乳白色の手投げ槍がエミリィの言葉通り、ドロシーの内部から破裂してダメージを叩き込む。
「く、こんな、ところ、で……」
 よろよろとふらつきながら、ドロシーが逃げ出そうとする。
 その眼前に立ち塞がるのはミア。【火剣】で出現させた剣状の炎たちを纏めて、ひと振りの炎剣と化す。
「……っ! 食らうわけには」
 咄嗟にトカゲさんの機動力で振りきろうとダッシュ……しようとしたドロシーだが、トカゲさんはその場から動かない。
「もう、君のいうことはきかない」
 多大なダメージに、トカゲさんの制御がトカゲさんに戻ってきたのだ。必死の抵抗と言わんばかりにその場にうずくまるトカゲさん。
「っ、トカゲぇぇぇ!!」
「いまだよ、はやく……!」
 絶叫するドロシーをよそに、トカゲがミアに嘆願する。
 こくり、頷きを返してミアが意識を炎剣の操作に集中する。
「トカゲさんの気持ちを無視して戦いの道具にして……絶対許さない、から……!」
 その怒りも込めたミアの一撃。
「其は炎……断ち切り、焼き尽くせ……!」
 詠唱と共に放たれた【火剣】のひと薙ぎが、ドロシー・ヘイヤを完全に燃やし尽くすのであった。

●愉快な仲間たち
 ドロシーが消滅して、トカゲさんが解放される。それを見て猟兵たちもきぐるみ愉快な仲間から降りた。きぐるみ愉快な仲間たちがトカゲさんに駆け寄っていく。
「あ、ありがとう、みんな」
 猟兵と一緒に戦ってくれたきぐるみ愉快な仲間にトカゲさんがうるうる目でお礼を言い。

「よかった……」
 トカゲさんの無事を確認してミアがほっとひと息をつく。『今度はわたしが、みんなを助ける』と皆に告げた、その想いはまずひとつ実を結び。
「無事、解決です。サメは偉大でした」
 エミリィも微笑を浮かべる。確かにサメバフはすごかった。
「きぐるみの平和が戻ってきましたね」
 普段のスタイリッシュな姿に戻ってそう告げるケイ。きぐるみを利用した悪事はここに潰えたのだ。
「この後は休肝日じゃ」
 そう言ってたろうを抱きかかえる源三郎。すでにユーベルコードの効果はきれ、いつものからくり人形に戻ったたろうだが、これからも旅の仲間なことには変わりなく。
「ううう……はやく、戦車の中に……」
 サメぐるみが外を守ってくれているとはいえ、エミリィが降りたので痛いものは痛い状態になったラパは改めてがくぶる。グリモア猟兵回収いそいでー。

 そんな中、統哉はクロネコさんに近付いて、ぽんと肩を叩く。振り向いたクロネコさんに統哉はサムズアップ。
「ありがとうな、相棒!」
 最後にお礼を言って。
「ううん、ボクたちの方こそありがとう!」
「ありがとう!!」
「ありがとうね!」
 口々にお礼をいうきぐるみ愉快な仲間たち。

 その声を心地よく受け止めながら。猟兵たちは不思議な国を後にするのであった。

 迷宮災厄戦はまだ始まったばかり。戦え、猟兵!
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年08月02日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵