8
山も積もればカタストロフ(作者 御巫咲絢
9


●驚愕、それは――
「忙しい中集まってくれてすまねえな。
 今回の事件についてなんだが――現在、カクリヨファンタズムで山が大量発生中だ」

 呼びかけに応じ集まった猟兵たちを前に、地籠・凌牙(黒き竜の報讐者・f26317)が簡潔に説明すると視線が一斉に集中する。
 ――あの、今何て言いましたかね……と言わんばかりの視線たちが。
 みなまで言うな。わかってる、わかってるんだと言いたげに首を振り、凌牙は再び口を開く。

「カタストロフが関わってなきゃこんな胡乱なこと言わねえよ……!
 とりあえず話戻すぞ。発生源になってるのは一人の妖怪なんだがな――」

 カクリヨファンタズム内のとある山奥で、一人の妖怪が静かに暮らしていた。
 昔は神様と崇められていたりもしたらしい、一妖怪として日常をのんびりまったり謳歌する遮光器土偶の妖怪である。
 そんな彼(彼女?)に一匹の骸魂が取り付いたことにより今回の騒動は起こったという。

「その遮光器土偶、土地を開拓したりだ何だといった力があるんだが……骸魂が取り憑いたことで力が暴走を始めて世界中にテラフォーミングレーザーを照射しまくった。
 結果、山が大量発生することになったってワケだ。
 開拓と真逆のことになってんのは骸魂のせいで力がバグっちまったんだろうよ、おかげで気候もめちゃくちゃだ」

 世界中に隆起し姿を現した山という山。その異常な光景に気候変動もまた異常な速度で始まっていた。
 ある山の斜面では真夏のような燦々照りが続いているかと思いきや、その反対側の斜面では猛吹雪……まるで原始時代の氷河期と温暖期が同時にやってきているかのような状況がそこにはあった。

 おかげで妖怪たちの暮らしもめちゃくちゃである。
 市街地に山が隆起したおかげで家やら施設やらは遥か山の上。
 異常な環境についていけず力尽きた妖怪は次々と骸魂に取り込まれ、何とか家に帰ろうとした妖怪たちも異常成長した妖怪竹や妖怪木等に襲いかかられたりした結果骸魂に取り込まれ……ある意味でカタストロフの名に相応しい破滅的大惨事が繰り広げられているというワケである。

「解決する方法はシンプルだ、遮光器土偶から骸魂をひっぺがしてテラフォーミングを正しく行ってもらえばいい。
 そいつ自体は元からいた場所から動いてねえんだが、山が発生したおかげで道のりが大分長くなってやがる。具体的に言うと山を合計3つ超えるハメになる」

 一つ目は温帯域に聳え立つ妖怪竹林の山。
 温帯域により異常成長したのか日の光すら差さぬおかげで暑くはないが、妖怪竹が非常に元気で大暴れしている。
 そこを超えれば次は二つ目、寒帯域の山。何故か雪だるまが大量に発生しているらしい。
 それらを越えて3つ目の山を登れば、やっと今回の騒動の原因とお目見えとなるようだ。

「山を3つ登るから相当しんどいと思うし気候がめちゃくちゃだし、体温や水分の確保はしっかりできるよう備えは念入りにな。準備が出来た奴から適宜転送していくぜ」

 こうして、山登りの備えをした猟兵たちはカクリヨファンタズムへと旅立ったのだった。





第3章 ボス戦 『『遮光器土偶妖怪』アラハバキ』

POW ●》敵性存在ヲ確認、力場反転装置ヲ起動。
全身を【物理&射撃攻撃のダメージを反射するバリア】で覆い、自身の【稼働年数】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD ●》管理者権限ニヨリ、惑星初期化ヲ実行。
【【混沌】属性のテラフォーミングビーム】を降らせる事で、戦場全体が【原初の惑星】と同じ環境に変化する。[原初の惑星]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ ●》エラー発生。直チニ上位管理者二連……ピ……ガ…
骸魂【狂えるアラミタマ】と合体し、一時的にオブリビオン化する。強力だが毎秒自身の【内部メモリストレージの容量】を消費し、無くなると眠る。
👑11

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は黒玻璃・ミコです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【MSより】
第二章もご参加頂きありがとうございます!
第三章のプレイング受付は【8/10(月)】に断章を追加致しますので、追加し次第受付を開始させて頂きます。
戦争期間の為無理のない範囲でご参加くださいませ。途中からの参加も大歓迎です!
●そこは最早別世界
 熱帯域の妖怪竹林山、寒帯行きの雪だるま塗れの山と無事登りきった猟兵一同。
 やっとお目当ての3つ目の山にきたのだが――最早そこはカクリヨファンタズムですらあるのかわからない程に別世界と化していた。
 山に生える見たこともない植物の群れ、植物史に詳しい者はその一つを見て「封印木だ!?」と驚いて声を上げる。
 封印木とは石炭紀に栄えたシダ植物類である。そして石炭紀とは古生代の後半、デボン紀とペルム紀の間に位置する今からおおよそ3億5920万年前から2億9900万年前までの時期に……

 ――ホントに原始に戻ってきてんじゃねーかッ!?!?
 ときっとツッコミを入れたものもいるだろう。テラフォーミングって開拓だったよね?何で逆戻りしてんの?と言うとそれはグリモア猟兵が言った通りバグを起こして逆テラフォーミングになってしまっているのだろう。
 さらに山の麓付近を流れる川をよく見てみると水底を三葉虫が歩いてる、三葉虫はペルム紀に絶滅したこれまた古代生物だ。
 とまあそんな感じで、3つ目の山はかつて絶滅した動植物で溢れかえった文字通り原初の山。
 とはいえ先程の山々とは違って普通の気候なおかげで登りやすく、頂上までたどり着けばお目当ての土偶はすぐに見つかった。

『ピピ……未開拓土地ヲ発見、管理者権限行使ニテ初期化の実行ヲ要請……ガガ……承認完了……レーザー、発射』

 何かめちゃくちゃバグってるんですが、というか最早土偶の姿をした巨大ロボットじゃありませんか。
 というツッコミなんてものともせず、土偶は再びテラフォーミングレーザーを発射。山の頂上から見えるカクリヨファンタズムの一帯へと放たれたそれが消えた後にぼこん、と山が生えた。
 いや本当はそんな簡単な擬音で片付けて良いものではないが遠目から見るとそんな軽い感覚で行われたかのように一瞬にしてせり上がったのである。
 そしてレーザーが放たれる度、頂上から見える景色に次々生える山という山……山の大量発生という"力強き言霊(パワーワード)"に違わぬ光景がしっかりと繰り広げられていたのである。
 猟兵たちは思わず呆然とせざるを得なかった、ぽかんと口を開けるのも無理はない光景が繰り広げられていたのだから……こんなのを予知してしまったグリモア猟兵の心中は如何許であったろうか。

 しかし一つだけはっきりしていることはある。

「さっさと止めないとマジでカクリヨファンタズムがヤバい」

 日刊世界の危機とまで揶揄されるカタストロフ大量発生のカクリヨファンタズムであるが、今回の件は色々な意味で尚更ヤバい、と直感的に悟った猟兵たち。
 各々の武器とユーベルコードを携え、いざ最後の戦い(?)が始まる――!!!