【旅団】サクラ・オン・ザ・ビヰチ!(作者 るーで
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 これは旅団シナリオです。旅団「帝都桜學府直轄外界交流部」の団員だけが採用される、EXPとWPが貰えない超ショートシナリオです。

●いざゆかん、サクラ無き夏へ
「夏ですねっ! 他の世界で夏といえば、青い海と白い砂浜、そして燦々照る太陽の下で青春を過ごすと聞きます!」

 グリモアベースで部員たちを前に立ち、拳を握って熱弁を振るうのは、帝都桜學府直轄外界交流部の部長、千足・桜花(浪漫櫻の咲く頃に・f22716)だ。
 サクラミラージュの中でも一等他世界に興味のある猟兵たちが集まるこの部、長である桜花が他世界の海に興味を持たないなんてことは、ありえないのだ。

「サクラミラージュでは夏でも海でもとにかく桜ですし……これも嫌いではありませんが、憧れるものがありますよねっ! ご用意しました、夏の海への慰安旅行!」

 そう言って桜花が取り出したのは、"旅のしおり"だ。
 手書きの表紙、少し擦れたインク、不揃いな装丁。
 どう見ても手作りだ。
 この日のために作ったのだろう。

「開いていただきますと予定が書かれていますが、午前中に到着し、各自でお昼。それから日が暮れる頃には帰る予定ですので、それまでの間となります! 水着は持ってきましたか? ふふふ、私は下に着て来ました!」

 どやっと両手を腰に当てて胸を張る桜花。
 その表情はいつもより2割増しで輝いていた。

「それでは帝都桜學府直轄外界交流部御一行、ご案内です!」

 1、2、の3と指を折って数えた桜花がぱちんと指を鳴らすと、辺りに桜の花びらが舞う。
 視界を遮るほどのそれが消える頃には、猟兵たちは真夏の砂浜へと移動していたのだった。


るーで
●ご挨拶
 水着コン楽しみましたか?
 るーではばっちり楽しみました。
 コンテストに熱中しすぎて団員と夏っぽいことやってないなと思ったので旅団シナリオを出させていただきました。

●概要
 1章のみの旅団シナリオです。
 帝都桜學府直轄外界交流部の面々で海に行きます。
 海で遊べるなら概ね何をしていても構いません。
 全力で泳ぐも良し、海の家をはしごするも良し、水着美女をナンパするも良しです。
 今回は時間内に書ける分だけ書くスタイルで行くつもりなので、あまり人数が多いと後ろの方は間に合わないかもしれません。(そんなに来ないとは思いますが……!)
 なお、千足・桜花(浪漫櫻の咲く頃に・f22716)は呼ばれない限りは描写外で見守っています。
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第1章 冒険 『ライブ!ライブ!ライブ!』

POW肉体美、パワフルさを駆使したパフォーマンス!
SPD器用さ、テクニカルさを駆使したパフォーマンス!
WIZ知的さ、インテリジェンスを駆使したパフォーマンス!
👑1 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


国栖ヶ谷・鈴鹿
【涼を届けに】

今回はせっかく、桜花の案内で海に行くんだもんね、ぼくも飛び入りする形になるけど、みんなの思い出作りの裏方で色々頑張ろうかな!
(紅路夢をキッチンカー仕様に変えてきてる)

『今日のお品書き』
特製かき氷 さくらコンポート仕立て

今日の特製かき氷は初夏の旬の桜桃をコンポートにして、果実はトッピングに、シロップはかき氷に、色合いと味のアクセントにピスタチオと練乳のソースをかけて仕上げている、ちょっと特別な一品。

みんな楽しそうに遊んでるところの写真とか、旅の思い出に残りそうなものはぼくも記録していこうかな。


カビパン・カピパン
「え~、皆さん。悩み聞くカレー屋出張屋台でございます」
『おいでませ悩み聞くカレー屋』と書かれた襷を身につけ片方の手では聖杖を持ち、カビパンは演説を行っていた。
「悩み聞くカレー屋に来店して、悩みを話し、カレーうどんを食べるものには、輝かしい夏が約束される事でしょう。今からでも遅くはありません、目覚めるのですっ!この夏の大流行はカレーうどんが絶対。ナウなヤングにはカレーうどんこそが真理なのです!」
勿論客は来ない。
マリアといった一部の面々が気を遣ってくれる程度である。
勿論交流部も食べない。

途方に暮れたカビパンは屋台を早紗の隣まで持ってきて、清々しい表情で
「今日も世界は平和ね…」
と呟くのであった。


七五三桜・琴
【スイカ割り】
日傘を持って、水着では無くスカートとカーデガンを
余り肌を焼きたくないのよ

先生は見ているわね、皆頑張って
あらあら、アリエルさんったらあんな出鱈目を…
八重ちゃん、左では無くて右斜め前よ

え、いいわよ、皆が割って頂戴
先生はこう言うの苦手だから、見てるだけでいいわ。ね?

皆が水遊びを始める中、それを見守りながら西瓜をご賞味
うん、甘くて美味しい♪

八重ちゃん、その手に持っている物は何?
日焼け止め?
……ふふふ、先生が水着を着ているってよく気付いたわね
(着ている服を脱ぐと白いワンピースの水着が、そしてたわわな胸が)
カレーはいらないわ、さっき焼きそば食べたもの


御桜・八重
【スイカ割り】

(ふんすと気合を入れて目隠し)
アリエルさんの誘導で西瓜へ…
む、この声なんか企んでる?
琴先生とマリアさんの助けを信じて叩く!
次はロシュちゃんも行ってみよー!

やっぱり海で食べる西瓜は美味しいよねー
次々切って皆に回す。食べ専の人もいっぱい食べてね♪

西瓜を食べたら、海へGO!
新しい水着で十分に堪能しなくちゃ♪
「わぷっ!」
桜花さんの光線銃、もとい水鉄砲が炸裂。
やったなー!と大はしゃぎで水をかけまくる!
他の人にもかけちゃえ♪

「やー、泳いだ騒いだ♪」
海の家に戻れば日差しを避けている早紗さんと琴先生。
琴先生、日焼け止め塗ってあげよっか♪
…おっきい(衝撃)

桜花さん。カビパンさんのカレー、食べない?


蛭間・マリア
【スイカ割り】

服装はおとなしめの水着にラッシュガード。

夏と言えば海…よく聞くフレーズだったけど、こうして友達と遊びに来たのは初めてね。
帝都桜學府に来てからは本当に初めてのことばかり。

…そんなことを考えながら、皆がスイカ割に興じているさまを眺めているわ。
惑わすのは他の人がやるだろうから、私は本当のスイカの方向を声掛けしてあげましょう。

スイカが割れたらお祝いの言葉をかけながらスイカをいただくわ。
そういえばカビパンさんがカレーの屋台を出していたし、差し入れを持っていってあげましょう。

カレーもいただくけれど、完食できるかしら…
相談は「みんなともっと仲良くなりたい」かしらね、悩みとは違うけど。


ロシュ・ネグル
【スイカ割り】

(潮風と砂とジュースの染みでくしゃくしゃになった"旅のしおり"を広げながら)
スイカって割るゲームをしないといつもの切り身にならないんだね。
自分でゲームすると目隠しで何も見えないから、しめざくらせんせーとてきとーに言いながら日陰で見てる方がおもしろそう!

出来立ての不揃いなスイカだけど、いつも食べてるスイカより美味しい気がするな。
夏のお陰かな?みんなのお陰かな?
余ったスイカは持ってきたトニックウォーターと割ってスイカジュースにしちゃおっと!多分これSNSにうpしたらバズるよ。
ついでに日焼け止め塗ってる人もSNSにうpしちゃえ!多分これもバズるよ!

あれカレー余ってるじゃん、たーべよっと


華都・早紗
夏は暑い
カレーうどんはいりません。

当然の事やけども、皆よう外ではしゃげるわ。
私は無理無理、折角水着こーてテンションも
モチベーションも上げてきたけど・・・
この日差しの中、外に出るのは無理やぁぁ。
日焼けもいやー。
夏嫌い

でも皆相変わらず可愛い・・
夏にはしゃぐ子達見てるんは好きやから
かき氷でも食べつつ、皆の事見て
創作意欲を掻き立てていきましょう。
さぁやるでーー。
今日の作品はーーあっカレーうどんは結構でございます。

なぁ、カビパンはん帰ったらもらったるから。
変な事ばっかしとらんと、こういう時くらいあんたも遊びや…。


アリエル・ポラリス
【スイカ割り】よ!

・持ち物
地面に敷くビニール(大きいやつ。予備含めて数枚)
棒(色んなサイズ数本)
目隠し(やっぱり複数)
スイカ(持てるだけ一杯!!)

・観戦時
「右じゃないわ、右にはスイカは無いわよー!」
全力で騙しにいくわ!
ふふふ、『嘘しか言わない』私の巧みなわじゅちゅ……皆騙されるでしょうね!

・割り役時
「鼻が効かない……磯の香りしかしないわ!」
皆の声を頼りにスイカを探すわ!
割れたら喜ぶし、騙されたら悔しがるけど怒ったりしないわ!

・実食
もぐもぐ……スイカ、もぐもぐ……!
皆どんどん食べなさい、この日のためにありったけのスイカを用意したのよ!
参加してない人にもスイカを分けて、皆でもぐもぐするのよ!


和島・尊
・心情
さて、夏の海か……桜に見慣れた身としては、少々新鮮だね
一応、夏用という服を着てみたが……似合っているのだろうか?
※トランクスのような海パンにサンダル、カラフルなアロハシャツ、グラサンといった、ザ・夏!といった格好です

・行動
海で遊ぶ仲間達に声をかけたりしながら、のんびり遊ぶとしよう
ついでに移動屋台を借りつつ、能力を活かして氷を作り、かき氷でも配るとするかな?
この暑い砂浜では美味しく感じる……と思いたいね

おっと、よければ桜花君にもかき氷を差し上げよう
こうして我々を連れて……いや、縁を繋いでくれた部長への感謝も込めて、ね
味はイチゴ味でいいかい?

・その他
アドリブ等は歓迎だよ


日向・士道

この度は桜花殿の計らいにより斯様な企画が行われること、嬉しく思う。

ならば小生はこの一時を無事に終えられるよう、全力を尽くそう。

軍刀片手に見回りを行い、何かあれば即座に動ける様にしておく。

何、これも學徒兵の務め。皆が楽しんで遊べるのならばそれ以上の事はあるまい。

……しかし。
………桜花殿はやはりお美しいな……。
水着姿が………。
……………。

……ん?
あ、いや、小生は怪しいものではない。
いや、婦女子を凝視していただろうと? それは……
待たれよ、官憲殿。
待たれよ!!!

※無事に釈放されました。多分。

備考
◆トランクスタイプの海パン、兵帽はとマントはそのまま着用
◆筋肉すごい


南雲・邑見
いざ鎌倉ー!(拳を突き上げ)

【SPD】

せっかくの慰安旅行だし、學徒兵としての振る舞いは最低限!
あっそぶぞーっ!
と、その前に準備体操は忘れないように!特に海で泳ぐ人は念入りにやるでありますよー!ほら部長も一緒に!

改めて、海へあっつい!!す、砂浜って水練場よりずっと熱くなるのね!?
でもここまで来て止まれない!それいけーっ!!

きもちいーっ!今年の防水体もいい出来だし、何時間でも泳げそう!
…でも、皆が煌びやかな水着なのを見ると、わたしの野暮ったい水練水着は凄く場違いな感じ…
普通の水着が着れるような体を、来年までに作ってもらえるよう上申しようかなぁ?

遊びの誘い?やるやる!浜遊びはたまに冷却が必要だけど!


●サマァ・バケヰション!

 陽射しが白い砂浜に照り返されて目が眩む夏の海。
 帝都桜學府直轄外界交流部の面々は、桜咲く故郷の夏を飛び出して常夏の国へやってきた。

「ふふふ、来たわ! 来たわね真夏のビーチ!」

 いつものツインテールをツーサイドアップに変え、水色のセパレート水着に身を包むアリエル・ポラリス(焼きついた想いの名は・f20265)が右手を天へと突き上げる。
 ひとりで持つにはやけに多い荷物を砂浜の上に置き、次々に中身を取り出していった。
 ビニールシート、木の棒、目隠し用の布、そして大量のスイカ。

「そして真夏のビーチといえば……スイカ割りよ!」

 準備段階から全力だ。
 アリエルの誇らしげな笑顔もいつもの2割増しで輝いている。

「へー、スイカって割るゲームをしないといつもの切り身にならないんだね」

 潮風と砂、そしてジュースの染みで早くもくしゃくしゃになった旅のしおりを見ながら、ロシュ・ネグル(ヴァンパイアの始祖・f25295)は丸いスイカを軽く突付いた。
 それから黒い日傘を差してスイカの横に座ると、ワンショルダーの水着のフリルが海風でひらりと揺れる。
 日光を避けて過ごすのはもちろんヴァンパイア(仮)の嗜みだ。
 その様子を見て、蛭間・マリア(「蛭間」からやってきた医学生・f23199)はくすりと笑った。

(夏と言えば海……よく聞くフレーズだったけど、こうして友達と遊びに来たのは初めてね)

 帝都桜學府に来るまで、つまり研究機関に居た頃にはなかった体験。
 その一つ一つがマリアにとって興味深く、新鮮なものだった。
 こうして水着で談笑するのも、貴重な体験だ。
 ましてやスイカ割りなど、言うまでもない。

「それじゃあ荷物は先生が見ておくから」

 日傘を差した七五三桜・琴(琴ちゃんと呼ばないで・f22902)は、一歩引いて皆に声をかける。
 せっかくのビーチだというのに、スカートとカーディガンで露出を抑えたその姿は、色白の肌を焼かないようにしているのだろう。
 最年長の琴は先生という立場もあり、落ち着いた様子で外界交流部の面々を見守っていた。

「誰からいく?」
「あ、わたしやりたいな!」

 目隠しと棒を持ったアリエルが声を声をかけると、御桜・八重(桜巫女・f23090)が元気よく手を上げる。
 桜色のオフショルダー水着のフリルがふわっと揺れた。

(一回で割っちゃうもんね♪)

 八重は気合を入れて目隠しをすると、棒を構えて周囲の声に集中する。

「右じゃないわ、右にスイカは無いわよー!」

 やけに威勢の良いアリエルの声が聞こえた。
 早速反応して、身体を少し左に向ける。

「もっと右よ。3歩右に歩いて」

 落ち着いた声。
 今度はマリアのものだろう。

(反対のこと言ってるけど!? どっち……)

 八重の構えた棒の先が、左右に揺れる。

「後ろなんじゃないかなー」

 少し離れたところから聞こえるのはロシュの声だ。
 のんびりと脱力したような様子が、見なくてもわかる。

「ふふ、八重ちゃん、右斜め前、2時の方向よ。騙されないでね」
「右には絶対に無いわ! 右以外に行くのよ!」

 笑いを堪えたような琴の声が聞こえる。
 対抗するように、アリエルは更に大きな声で指示を出した。

(む、この声は……なんか企んでる?)

 やけに強く主張するアリエルと、あまりに適当なロシュはきっと不正解の指示だろう。
 そう結論付けた八重は、マリアと琴の声に従い――。

(右に3歩、右斜め前ってことは……)

 ――おおよそこの辺りだろうという予測をつけて、棒を振り下ろした。

「えいっ!」

 八重の掛け声とともに、ぱかっという小気味よい音。
 手応えを感じて目隠しを取ると、割れたスイカが八重の足元にあった。

「やった♪ 大成功!」

 八重が皆へピースサインを出すと、各々嬉しそうに笑った。
 割れたスイカを拾い上げて、八重はみんなに配っていく。

「おめでとう。ちゃんと割れるものなのね」

 八重からスイカを受け取ったマリアが一口、甘い果汁が口の中へ広がる。
 それから、おいしい、と呟いた。

「やるじゃないの! 皆どんどん食べなさい、この日のためにありったけのスイカを用意したのよ!」

 しゃくしゃくとスイカを食べながら、アリエルもロシュにスイカを手渡す。
 包丁でカットしたスイカとは違い不揃いで断面もデコボコしたスイカを、ロシュは興味深そうにいろいろな角度から見た。
 それからスイカを食べると、トマトジュースを食べたときのように目を輝かせる。

「出来立ての不揃いなスイカだけど、いつも食べてるスイカより美味しい気がするな」

 アリエルは、当然ね、なんて言いながら胸を張った。

「次はどうする? ロシュちゃんやってみる?」

 八重が目隠しと棒を持って、ロシュに声をかける。
 ロシュは少し考えるように口元に指を当てると、首を横に振った。

「目隠ししたら何も見えないから、こっちで見てるほうがおもしろそう!」
「何も見えないから面白いんだけどね」

 八重は苦笑した。

「はいはい! じゃあ次は私が割り役をやるわ!」

 隣で聞いていたアリエルが元気良く手を挙げる。
 スイカ割りの立案者だけあって割り役にも乗り気だ。
 八重から目隠しと棒を受け取ると、意気揚々とそれを着ける。
 ぶん、ぶん、と棒を振って感触を確かめた。

「さあ、スイカを置いて! 本当のスイカ割りというものを見せてあげるわ!」

 目隠しをしていても、口元から自信の程が見て取れる。
 それから、すんすんと鼻を鳴らした。

(そう、何も見えなくても匂いを辿れば……!)

 それは、アリエルにとって大きな誤算だった。
 ここは海、浜辺である。
 スイカの微かに甘い香りなど、辺りを包み込む潮風の前には無いも同然だ。

「鼻が効かない……磯の香りしかしないわ!」

 効きすぎる人狼の嗅覚が仇となったのだ。

「くすっ、アリエルさん後ろよ。スイカは後ろ」

 文字通り出鼻を挫かれて慌てたアリエルを見て、マリアが笑う。

「すぐ下にあるよ」

 ロシュがスマホを弄りながら声をかけた。

「後ろ? 下? ならここね!」

 ふたりの指示を聞いたアリエルが、狙いをつけて棒を振り下ろす。
 だが、柔らかい砂を叩いた手応えが返ってくるのみだ。

「外しちゃった、じゃあこっちね!」

 さらにもう一度、さっきとは違う場所を叩く。
 今度もスイカの割れる音は聞こえない。

「えー! どこにあるのよー!」

 二度外したアリエルが、悔しそうに目隠しを取る。
 アリエルの視線の先、2メートルばかり向こうに、スイカは置いてあった。
 マリアの言う方角こそ正しかったものの、ロシュの伝えた距離の情報は全く正しくなかったのだ。

「だ、騙されたわ……!」

 がっくりと肩を落とすアリエル。
 まあまあ、と八重が声をかけると、すぐに復活したアリエルは再び目隠しを着けてチャレンジするのだった。

「何を作っているのかしら」

 マリアがビニールシートの方を見ると、ロシュがグラスにスイカの果汁と果肉を集めているところだった。

「これ? スイカジュース」

 短く答えながら、ロシュはトニックウォーターで集めた果汁を割る。
 グラスを軽くかき回すと、小さなスイカのかけらをグラスの縁に飾った。
 薄っすらと桃色のついた液体と、漂う赤い果肉。
 ロシュは出来栄えに満足げに頷くと、スマホで早速写真を撮る。

「夏っぽいでしょ」

 ニッと笑ったロシュがSNSへ投稿した画面をマリアに見せると、増えていくいいね👍の数に、マリアは感嘆の声をあげた。

「皆よう外ではしゃげるわ」

 パラソルの下でビーチベッドに寝そべり、ぐったりとしているのは華都・早紗(幻朧桜を見送る者・f22938)だ。
 髪を結い、モノクロカラーな水着で気分を盛り上げて来たものの、実際の日差しの前では気力も吹けば飛ぶ塵のよう。
 日陰から一歩も出るつもりはないと言わんばかりにサンダルを砂の上に脱ぎ捨てた。

「琴はんはやらんでええの? スイカ割り」

 同じく日陰に留まっている琴へ、早紗は目を向ける。

「先生はこういうの苦手だから、見ているだけでいいわ。ね?」

 年長者らしく姿勢を正したまま微笑み、スイカ割りを続ける皆の方へ視線を向けた。
 アリエルの持ってきたスイカも、そろそろなくなる頃だ。

「いざ鎌倉ー!」
「鎌倉ー!」

 丘側から走り寄る人影がふたつ。
 南雲・邑見(素行優秀學徒・第貳貳陸捌柒號 所属:研究廠預り・f22687)と桜花だ。
 今この時ばかりは、帝都を守る學徒兵の使命は……ほどほどに!
 元気に両手を振りながら、年相応というよりは、少し幼い子供のようにはしゃぐ。

「と、その前に準備体操は忘れないように! ほら部長も一緒に!」

 ぴたりと脚を止めて、邑見が身体をぐっぐと伸ばし始める。
 なるほど! と後に続いて、桜花も準備体操を始めた。

「あっ、海に入るならわたしも!」

 先程までスイカ割りに混じっていた八重が、邑見と桜花の元へとやってくる。
 少し前屈み気味に、年相応な仕草でふたりを見上げた。

「来ましたね八重殿!」

 迎える桜花の笑顔がぺかっと輝く。

「こちらは準備万端! では改めて、海へ――――あっつい!!」

 勇んで砂浜へ駆け出した邑見が、想定外の熱さにまるで針を刺されたかのように飛び上がった。
 邑見が普段使う水練場よりもずっと熱い。
 だが、ここまで来て海に入らないわけにもいかないのだ。

「それいけーっ!!」

 足の裏がじわじわと痛むのを我慢しながら、邑見は海へと走った。
 桜花と八重が、その後ろに続く。

「あっつ、あっつい! ふふ♪」

 足の裏が熱いだけでは、海へのわくわくは止められないのだ。 
 海の中へ入れば、先程までの熱さはどこへやら。
 ひんやりとした海水が心地よい。
 少し進めば、膝ほどまでの深さになった。

「きもちいーっ!」

 ばしゃばしゃと大きな音を立てて、邑見が海を泳ぐ。
 波に押し戻されたり、逆に流されたり。
 サイボーグの身体も防水は完璧だ。
 ゆったりと泳いで楽しんでいたところで、邑見は気付いた。

(ふたりとも……華やかで煌びやかな水着なんだなぁ)

 八重の桜色のセパレートと桜花の學徒兵風ビキニを見て、それから邑見は自分の水着を見る。
 野暮ったい水練水着だ。
 ごつい金属パーツは可愛い服とはなかなか合わない。
 サイボーグゆえの悩みである。
 来年までには普通の水着が着られるような身体を、と決意をしていると、顔に向けて水が飛んできた。

「んあっ!?」

 水の飛んできた方向へ視線を向けると、八重が両手で水を掬っているところだった。

「スキありだね♪」

 楽しげに笑う八重。
 今度はその八重の顔に海水が飛んできた。
 その方向を辿ると、大きな水鉄砲を手にした桜花の姿。

「ふふっ、八重殿こそ……スキありです!」

 ガンマンよろしく、桜花は水鉄砲の先端でバイザーのつばを上げてみせる。
 邑見がドヤ顔でポーズを決める桜花へ水をかけると、驚いた桜花はひっくり返って大きな水飛沫を上げた。

 三人が水をかけあって遊んでいるところを、遠くから眺める人影がひとつ。
 日向・士道(パープルシェイド・f23322)だ。
 海パンで涼しげではあるものの、兵帽とマントはいつものまま。
 眩い陽射しの下でも弛れることなく立つ姿は、まさに質実剛健そのもの。

(……桜花殿……)

 士道の熱い視線が、桜花の水着姿に容赦なく注がれている。
 華奢な肩や腰、胸元の小さな膨らみ、健康的な大腿部。

(…………可憐だ……)

 一度大きく息を吸うと、浜辺や海を見渡す。
 スイカ割りをする者、日陰で過ごす者、水辺で遊ぶ者。
 皆、外界交流部の企画でやってきた者たちだ。

(桜花殿の計らいで行われたこの企画、小生が無事に終えられるよう、全力を尽くそう……)

 口を真一文字に締めて、心のなかで誓う。
 軍刀を片手に握りしめ、浜辺の見回りを始めた士道。
 仲間たちは楽しく遊ぶためならば、それを守るのもまた學徒兵の務めではないか。
 そう自分に問いかけたのは、間違いなく本心からであった。
 ただ、時折邪念が入るのだ。
 膝まで水に浸かって遊ぶ桜花の姿が視界に入るたび、桜花に視線が吸い寄せられてしまう。

(…………桜花殿はやはりお美しいな……)

 足を止めて、じっくりと桜花の水着姿を見る。
 あの華奢な身体で活発に動くのがまた、美しいのだ。
 そう自分で納得して頷く。
 口元は引き締めたまま、眉間に力が入った。
 そのとき、士道の肩を誰かが叩く。

「……ん?」

 なんだろう、と振り向くと、そこには暑そうに自分を手で扇ぐ警察が立っていた。

「あ、いや、小生は怪しいものではない」
「いやね、この辺りで水着の女性をじっと見ている人がいるって通報があってね。ちょっと署まで来てもらえるかい?」

 これも仕事だから、と肩を竦める警官に、士道はなんと言い訳すべきか思いつかなかった。

「待たれよ、官憲殿。待たれよ!」

 強引に逃げるわけにも行かず、士道は警官に着いていくしかなかった。

「あれ、士道はんは?」

 ふと、士道がいなくなっていることに気付いた早紗がロシュに尋ねる。

「警官に連れて行かれたみたい。動画撮っておけばよかった」
「さすがにそれは……あとでお迎えにいきましょう」

 こともなげにつぶやくロシュに、琴は嗜めるような溜め息を吐いた。

「おや、もう皆揃っているのかな」
「遅くなっちゃった! まだ時間はあるよね!」

 日傘組の後ろからやってきたのは、和島・尊(氷結男爵・f22798)と国栖ヶ谷・鈴鹿(未来派芸術家&天才パテシエイル・f23254)だ。
 鈴鹿のフロートバイ、紅路夢をキッチンカーのようにして、移動屋台のかき氷屋さんを作っていたのだ。

「いや、助かったよ鈴鹿君。どこかで屋台を借りようと思っていたんだ」
「ううん、氷を提供してもらえるならこちらこそありがたいから!」

 尊が能力で作った氷を削り、鈴鹿がトッピングとシロップを乗せてかき氷を作っていく。

「美味しそうでしょ? 特別な一品なんだ!」

 桜桃のコンポートに、果肉のトッピング。それからピスタチオと練乳のソースで上品に甘く仕上げられていた。

「あら、スイカだけじゃなくてかき氷も」
「へー、ええやないの」

 かき氷を受け取った琴と早紗が、早速ひとくち食べて満足気に頷く。

「あっ、ちょっと待ってね」

 美味しそうにかき氷を食べるふたりに、鈴鹿はカメラを向けた。
 楽しい思い出は残しておかないと、なんて言いながらシャッターを切る。
 隣では、ロシュが"映え"るかき氷の写真を模索するのだった。

「おや、かき氷ですか!」

 続いてやってきたのは、先程海から上がってきた桜花、邑見、八重の3人だ。
 身体を軽く拭いて、シートに腰掛ける。

「少しお腹も空いてきたもんねっ!」

 邑見も防水体についた水分を払って腰を下ろした。
 尊は三人分のかき氷を用意すると、差し出す。

「これは三人に。特に桜花君には日頃の感謝も込めて……イチゴ味でよかったかな」
「おお、ありがとうございます!」

 普段は軍服で落ち着いた雰囲気の尊だが、アロハシャツとサングラスですっかり夏の海に溶け込んでいるのが、やけに似合っていた。
 それから、かき氷を食べている三人のそばへ、鈴鹿がカメラを持ってやってくる。
 三人も、鈴鹿のカメラにピースサインで応えた。
 こうして思い出は形になって残っていくのだった。

「やー、泳いだ騒いだ♪」

 皆でかき氷も食べて満足といったところ。
 八重が取り出したのは日焼け止めだ。
 海を楽しむだけでなく、乙女のシミ対策も抜かり無い。

「八重ちゃん、その手に持っている物は何?」
「あ、琴先生。これ日焼け止め。琴先生にも塗ってあげよっか♪」

 手に出したクリームを伸ばしながら、八重は答える。

「ふふふ、そうね。お願いするわ。実は水着も着てきているし」

 そう言って、琴は羽織っていたカーディガンを脱いだ。
 途端に現れる、琴のたわわ。
 普段は和服ゆえ目立たないが、水着ともなればボディラインは丸わかりになる。
 身長に大してかなり大きな琴の胸が、ゆさっと揺れた。

「……おっきい」

 八重と同じくらいの身長しない琴が、まさかここまで立派なものを持っていると思っていなかった八重は、想定外のショックを受けたのだった。

「え~、皆さん。悩み聞くカレー屋出張屋台でございます」

 隣から聞こえてくるのは、カビパン・カピパン(女教皇 ただし貧乏性・f24111)の声だ。
 皆がそちらへ目を向けると、襷を身に着けたカビパンが演説を行っていた。

「悩み聞くカレー屋に来店して、悩みを話し、カレーうどんを食べるものには、輝かしい夏が約束されることでしょう。今からでも遅くはありません、目覚めるのですっ!」

 真夏の海だというのに、カレー、しかもカレーうどんである。
 聖杖を握り熱弁を振るうカビパンの前に、聴衆はいない。
 だが、それでもカビパンは続けた。

「この夏の大流行はカレーうどんが絶対。ナウなヤングにはカレーうどんこそが真理なのです!」
「ようやるわ……」

 誰も聞いていなくとも止まらないカビパンを見て、早紗が大きな溜め息を吐いた。

「桜花さん、カビパンさんのカレー、食べない?」
「いえ、熱いので遠慮しておきます!」

 八重も桜花にカレーを進めてはみたものの、真夏の海で食べようという者も少ない。
 外界交流部の面々も、概ね同じ気持ちだった。

「あの、カビパンさんもスイカ食べるかしら」

 そんなカビパンに声をかけたのはマリアだ。
 スイカの差し入れという名目こそあるものの、多少の同情と、小さな願いが混じっていた。

「カレーうどんこそが真理なので……それよりいかがですか、カレーうどん」
「一応、いただくわね」

 カビパンの差し出したカレーうどんを受け取り、マリアは一口。
 わかりきってはいたことだが、夏に、しかも浜辺で食べるには少々熱い。

「それでは悩みの方も聞きましょう」

 ここは悩み聞くカレー屋。
 もちろんカレーを出すだけではない。

「え、そうね……みんなともっと仲良くなりたい、かしらね。悩みとは少し違うけれど」

 気候の暑さとカレーの熱さが相まって苦戦しながら、マリアは言った。

「なるほど……その悩みは私の力を越えています」
「そう……」

 微妙な表情になったマリアから離れ、カビパンはふらっと早紗の隣へ。

「今日も世界は平和ね……」

 悩みがそれしかないのであれば、それは世界が平和な証拠だ。
 清々しい表情で呟くカビパン。

「なぁ、カビパンはん帰ったらもらったるから、変な事ばっかしとらんと、こういう時くらいあんたも遊びや……」

 ビーチベッドに転がったまま頬杖をつき、早紗がカビパンに語りかける。
 気を落としているわけでもなさそうなので慰めは要らないのだろうかと

「悩み聞くカレー屋出張屋台を捨てるわけには……じゃあ早紗さんあとお願いします」
「おいおいおーい自由かこいつ」

 早紗のツッコミ虚しく、カビパンは歩き去った。
 残された屋台と早紗。
 どうしたものかと、カレーを見て何度目かの溜め息を吐く。

「あれ、カレー余ってるじゃん、たーべよっと」
「ほんとだ! 貰ってこーっ!」

 ロシュと邑見がひょこっと顔を出した。

「ええよ、もらったってや」

 早紗が許可を出すと、ふたりはカレーをもりもり食べていく。

(居なくなったあとの方が食べてもらえとる……)

 その様子を見ながら、早紗は苦笑するのだった。

 ※このあとみんなで士道の迎えに行きました。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年08月06日
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