元ぴっちりスーツ島のバカンス
「グリードオーシャンの世界にかつてコンキスタドールに支配されていた島がありまして」
スペースシップワールドから落ちてきたことで誕生したその島は、かつてピーチリース島と呼ばれていた。ドーナツ型の宇宙ステーションの外装がピーチ色に塗られていたことがその由来である。
「それで、コンキスタドールも一掃されたその島でバカンスしたらどうかなって思ったんですよ」
とは、君達に声をかけたフェリクス・フォルクエイン(人間の天馬聖騎士・f00171)の手案だった。
「コンキスタドールの居なくなった今、まさに島は皆さんの貸し切り状態ですし」
フェリクスは笑顔だった。ただ、この島は支配していたコンキスタドールのボス、目の前のグリモア猟兵にそっくりな髪形のオブリビオンがメガリスを用いて自爆したことで大爆発を起こしたはずなのだが。
「貸し切り状態ですし」
爆破された廃墟でバカンスするのという視線だろうか、誰かに見られてもフェリクスは笑顔のままもう一度言った。
「それに見るべきところとかもちゃんとあるんですよ? 爆発に耐えて残ったぴっちりスーツ保管庫とか、一部のコンキスタドールが崇めてた人物の像のある祈りの間……とかはどうでもいいですけれども」
自爆前と後で崩れて海中に没したステーションの一部が漁礁となって色とりどり、沢山の魚が泳いでいるらしい。
「コンキスタドールの残していったスーツも手を加えればダイビングスーツに流用出来そうですし」
更に、ただ廃墟でバカンスはフェリクスも無茶ぶりが過ぎると思ったのか、君達を転送後は物資を転送して簡易的な海の家をするつもりなのだとか。
「世界を救うためあちこちに出向いてる皆さんですけど、たまに英気を養うくらいはいいと思うんですよ」
ですので、良かったら行ってみませんかと真の姿までとって色々誤魔化したグリモア猟兵の髪色はいつもと違っていた。
聖山 葵
暑い日が続きますね。
という訳で、今回は以前コンキスタドールとの戦いが繰り広げられた島を舞台にバカンスするだけのお話です。
フェリクスは簡易海の家をすることで転送以外のサポートもしてますが、皆さんからお声がかからなければ登場はせず、黙々もちこんだ浮き輪を膨らませたり、鉄板で焼きそば焼いたりしてると思われます。(売れなければまかないとして昼食にする模様)
また、このシナリオは既に猟兵達によってオブリビオンから解放された島で、【日常】の章のみを行うものとなります。故にオブリビオンとの戦闘が発生せず、獲得EXP・WPが少なめとなります。ご理解ください。
では、ご参加お待ちしておりますね。
第1章 日常
『猟兵達の夏休み』
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POW : 海で思いっきり遊ぶ
SPD : 釣りや素潜りを楽しむ
WIZ : 砂浜でセンスを発揮する
👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
櫻井・クロ
今年も海に遊びに来れたにゃね、楽しむのにゃ♪
皆もにゃけどフェリクスちゃんも当然一緒に遊ぶのにゃ!(抱きついてでも確保する心構え)
「今回はビーチバレーをするにゃよ♪フェリクスちゃんはクロと一緒なのにゃ♪」
運動するから今回は猫型に谷間が開いた黒いビキニ姿なのにゃ(お揃い水着も持ってきてはいるのにゃ)
「ルールは普通のビーチバレーにゃね!頑張るにゃよ♪」
フェリクスちゃんと息を合わせてビーチバレーを楽しむのにゃ
「フェリクスちゃんの格好いいところも期待してるにゃよ♪」
「いい感じにゃね♪やったのにゃ♪」
テンション上げて抱きついて喜ぶのにゃ♪
今回も思いっきり楽しんで英気を養うのにゃ!
アドリブとかも歓迎にゃ!
奇亜求・清和
セプテントリオンの皆と参加であります
「いいバカンス日和でありますな」
自分も水着は新調したでありますし仕上げてあるであります(筋肉的な意味で)
今回はビーチバレーでクロ殿の希望で男女ペアであります
「自分はフェイラとペアでありますな、頑張るであります」
コートとネットを準備したら早速やるであります
「行くであります・・・そぉい!」
基本全力でたたき込んで行くであります
身軽な二人が相手である以上パワーで打ち返しにくいのを撃っていくであります
「大人げないといわれてもやはりカッコをつけたいのは男の性でありますからな」
そんなことを言いつつ楽しくバカンスを過ごすであります
アドリブなどはお任せするであります
フェイラ・ノースウィンド
セプテントリオンの皆と参加します
「海でバカンスというのはやはり贅沢ですね」
水着もちゃんと新調しましたし楽しまないのは損ですよね
「ではビーチバレーですね。クロさんはフェリクスさんを確保しましたしこれで初められますね」
グレアさんは得点をしてくれるらしいのでお任せしましょう
クロさんやフェリクスさんを微笑ましく見守りますがそれはそれで試合はちゃんとしますよ
「清兄さんはパワーでガンガン押して行くみたいですし私はこぼれ球に気をつけますか」
それでもフェリクスさん達に華を持たせたいところですね。
きっと大丈夫だとは思いますが・・・
試合が終わったら皆で冷たい者を食べて休みましょう
アドリブや絡みなどはお任せします
グレア・レイスター
セプテントリオンの皆で参加じゃな
「フェリクス殿も良いところを紹介してくれたのう」
水着は新しくサバゲー風にしたが今回は得点係じゃな
「誰のスマッシュを受けても腰をやりそうじゃし・・・」
そんなわけで審判&得点じゃな(いるならばエミリア殿の面倒も見るのじゃ)
「どっちも頑張るんじゃよー」
ちなみにわしは新調した水着にキャップをかぶってラッシュガードを着て日光からの防御態勢じゃな
クロ殿のフェリクス殿へのスキンシップや清和殿の全力プレイとかツッコミには事かかなそうじゃな
バカンスを楽しんでるって事で羽目を外すのは悪くないしのう(なお審判中でも水分は取るし皆の分も用意済み)
アドリブとかは聖山 葵様に任せるのじゃ
高柳・零
WIZ
おお!今日はフェリクスさんは通常モードですね。部下も居ないようですし。
あ、今日は海の家のお手伝いに来ました!
部下Aとして、適当に使ってください。
「ああ!すいません。今日はフェリクスさんの部下の制服、紫のぴっちりスーツを着てません!自分を罵ってください!」
とりあえずは軽くボケてから、お仕事開始です。
調理、注文取り、給仕何でもやります。なにせ酒場で慣れてますので。
お客様がフェリクスさんを弄った場合は自分もボケに乗ります。
お色気ハプニングは放置。
RB活動は止めますよ。
アドリブ歓迎です。
山梨・玄信
ああ、そう言えば闇堕ちフェリクス殿が証拠隠滅のために全部吹っ飛ばしたんじゃなあ。
海の家はその罪滅ぼしか…。
【POWを使用】
フェリクス殿の部下Bとして働くぞい。わしも酒場の従業員じゃから手慣れたものじゃ。
あ、ヌギカルラブリーチャリオットとヌギカルプリティロッドは店の横に飾っておくぞ。目立つから客引きになる…かもしれんしな。…元々、フェリクス殿から贈られたものじゃじ。
イチャつくカップルは基本スルーするぞい。迂闊にRBをやると「何か」が出て来るかもしれんからな。
基本、ボケにはツッコミを入れるが、フェリクス殿弄りには参加するぞ。
アドリブ大歓迎じゃ。
「いいバカンス日和でありますな」
入道雲の浮かぶ青い空を仰いで、奇亜求・清和(七星軍曹・f01844)はポツリと呟いた。元宇宙ステーションの外装の上に立っているからこそ足元こそ桃色だが、前方に目をやれば空に負けぬほど青い海があり、振り返ればセプテントリオンの仲間達が居る。
「今年も海に遊びに来れたにゃね」
「海でバカンスというのはやはり贅沢ですね」
清和の左右に後ろから現れた櫻井・クロ(トラベルキャット・f12090)とフェイラ・ノースウィンド(白にして十字架・f02134)が姿を見せ、フェイラが降り注ぐ陽光で微かに目を細める。
「フェリクス殿も良いところを紹介してくれたのう」
元宇宙ステーションが引っ掛かっていた元の陸地か、それとも海流が運んできた砂がドーナツ状の外延部にぶつかり、堆積したのか。作り出された砂浜へ降りてゆく仲間達を眺めつつグレア・レイスター(オールドゲーマー・f12088)は口元を綻ばせる。
「楽しむのにゃ♪」
というが早いか海の家に直行するクロの目的はセプテントリオンの面々には明らかであり。
「おお! 今日はフェリクスさんは通常モードですね。部下も居ないようですし」
「通常モードって何?! 部下って何ーっ!?」
その海の家で営業準備を始めようとしていたグリモア猟兵の少年は、顔を見せ声を上げた高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)へととりあえずツッコんでいた。
「ああ、そう言えば闇堕ちフェリクス殿が証拠隠滅のために全部吹っ飛ばしたんじゃなあ」
だが、フェリクスに息つく暇も与えず今度は山梨・玄信(3-Eの迷宮主・f06912)が過去の自爆によって消し飛んだ要塞の残骸と元宇宙ステーションの損壊した場所を眺めて。ポンと手を打ち。
「僕のせいにされてる?!」
「海の家はその罪滅ぼしか……」
発生した冤罪に仰け反り凝視するグリモア猟兵の少年の視線をさらりと流しつつ玄信は簡易な海の家を見て結論を出せば。
「なんでだーっ!」
闇墜ちしたことにされたフェリクスが絶叫したのは、きっと無理もないことだったと思う。
「はぁ、はぁ、はぁ」
「あ、今日は海の家のお手伝いに来ました! 部下Aとして、適当に使ってください」
「うむ、わしもフェリクス殿の部下Bとして働くぞい」
青い空、白い雲。空を眺めて少し落ち着いた頃、思い出したように零が用件を伝えれば玄信もこれに便乗し。
「えーと、それはありがたいんですけど」
客は自身が転送した猟兵しかいないとは言え、海の家ですべきことは殆ど自分一人でこなさなければいけないフェリクスとしては、零と玄信の申し出はありがたく。有り難くはあるけれど部下Aと部下Bというのが微妙に引っ掛かり。
「皆もにゃけどフェリクスちゃんも当然一緒に遊ぶのにゃ!」
「え」
何か言おうとしたところで、やって来たクロに抱き着かれたフェリクスが硬直する。
「っ」
それを見て、何も思わない零ではなかったが、RB活動は今日はやめると決めていた。
「ああ! すいません。今日はフェリクスさんの部下の制服、紫のぴっちりスーツを着てません! 自分を罵ってください!」
だからかわりにボケをかまし。
「僕の制服って何だーっ! それただのコンキスタドール!」
再起動したグリモア猟兵の少年が喚くも、スルーすると画面の顔でクロへとアイコンタクトを送る。所謂、ここは自分に任せて先に行ってくださいという奴だ。
「ありがとにゃ♪ 今回はビーチバレーをするにゃよ♪ フェリクスちゃんはクロと一緒なのにゃ♪」
「え、あ、ちょ」
水着越しに伝わる胸の柔らかな感触にあたふたするグリモア猟兵の少年がなすすべなく連れ去られるのを、クロに礼を言われた零は見送り。
「あ、ヌギカルラブリーチャリオットとヌギカルプリティロッドは店の横に飾っておくぞ」
店の主が反応で着そうにないタイミングで断りを入れた玄信はメルヘンで可愛らしい外観の戦車を海の家の前に停車させると、戸口にプリティでファンシーな装飾の奇抜な棍棒を立てかける。共通しているのはどちらにも「脱」の字が書かれそれがやたら目立っていることだ。
「目立つから客引きになる……かもしれんしな。……元々、フェリクス殿から贈られたものじゃし」
もしグリモア猟兵の少年に理由を尋ねられたならそう答えるつもりだった玄信の視界に、クロへ引っ張られ砂浜へ向かうフェリクス殿の姿はどんどん小さくなり。
「偶にはRB活動の夏休みもいいですよね」
「うむ」
クーラーボックスを開けて食材の在庫を確認しつつ零の呟きに、さっそくやりたい放題した玄信は短く答えると酒場の従業員の経験を生かして海の家の開店準備を手伝い始める。
「どうしました?」
「いや、なんでもないぞ?」
思うところがない訳ではない。だが、迂闊にRBをやると「何か」が出て来るかもしれないというそれが怖かったのだ。零の問いが一瞬おさげ髪の少女のものと重なったように感じて、玄信は頭を振りながら秘かに後ろ手で調理用のまな板を隠した。そこに何の意図も存在はしなかった、きっと。
「運動するから今回はこっちの黒いビキニなのにゃ」
「あ、あぁ、あの時の。って近」
もっとも、クロに連れ出された海の家の主は海の家の状況など知る由もなく、それどころでもなかった。猫の形に切り取られた水着の胸部がやたら近く、すぐ視界に入ってきそうな谷間から目を背けようと相変わらずあたふたしており。
「ではビーチバレーですね。クロさんはフェリクスさんを確保しましたしこれで初められますね」
ビーチボールを抱えたフェイラが視線をクロ達から清和へと向ければ、清和もそうでありますなと頷き砂浜に建てられた支柱とその間へ張られたネットに目をやった。クロがグリモア猟兵の少年を誘う間に準備したのであろう。
「準備は万端であります」
仕上げられた筋肉的な意味でか、それともコート的な意味でか。いずれにしてもやる気は充分のようで。
「誰のスマッシュを受けても腰をやりそうじゃし……」
サバゲー風の水着に身を包み、その上からラッシュガードを着たグレアが審判と得点係を引き受ける旨を伝えれば、残るのは二人。
「お任せしましょう。よろしくお願いしますね」
クロ達の様子を微笑ましく見守っていたフェイラはグレアに軽く頭を下げ。
「自分はフェイラとペアでありますな、頑張るであります」
そんなフェイラをちらりと見た清和は拳を握って歩き出す。
「ルールは普通のビーチバレーにゃね! 頑張るにゃよ♪」
清和達がコートへ移動し終えれば、ネットを挟んで反対側にクロ達が立ち。
「フェリクスちゃんの格好いいところも期待してるにゃよ♪」
「あ、はい」
振り返ってウィンクするクロへフェリクスが応じたすぐ後。
「どちらも準備は良さそうじゃな。それでは――」
グレアの合図で試合は始まった。
「行くであります……そぉい!」
清和の放ったビーチボールがクロ達のコートへ向かい。
「清兄さんはパワーでガンガン押して行くみたいですし私はこぼれ球に気をつけますか」
清和の背を眺めながら、フェイラはポツリと零す。
「フェリクスちゃん、行ったのにゃ」
「はいっ」
クロの声に即座に応じたグリモア猟兵の少年がボールを拾えば。
「にゃっ!」
浮いたボールの軌道をクロが変え。
「させませんよ」
ネットを超えたボールを今度はフェイラが拾う。
「どっちも頑張るんじゃよー」
始まった攻防に声援を送りつつグレアは砂に座り込んだ角と蝙蝠の翼が生えた少女にニンジンを差し出す。
「しかし、エミリア殿も連れてきておったのじゃな」
サキュバス姿のまま両手で美味しそうに人参を食べ始めたグリモア猟兵の愛馬を一瞥したグレアの視線はその主人へと向き。
「まだまだであります!」
「ちょ」
清和の全力攻勢に遭う姿を捉えたのだった。
「しかし――」
「大人げないといわれてもやはりカッコをつけたいのは男の性でありますからな」
視線に気づいて何か言われそうと察したのか、清和はボールを叩きつけて着地するなり肩をすくめ。
「大丈夫にゃ♪」
フォローに回ったクロが拾ったボールは再び清和達のコートへと渡って。
「水着もちゃんと新調しましたし楽しまないのは損ですよね」
クロ達に華を持たせたいという気持ちがフェイラにはあったが、勝負はまだ始まったばかり。空に舞うボールめがけてフェイラは跳んで。
「エミリア殿」
グレアの指示でサキュバス姿の少女が砂にかかれた数字を消す。書く方は無理のようなので数字の消された砂の上に新たにグレアが数字を書き。
「今度はクロ達の番にゃ! フェリクスちゃん!」
「ええ」
声に振り返れば、クロの上げたボールでグリモア猟兵の少年が反撃に転じた瞬間だった。
「あ」
ボールは声を漏らしたフェイラと清和の中間に落ち。
「いい感じにゃね♪やったのにゃ♪」
「わぷっ、く、クロ、さ」
テンションがあがって抱き着いてきたクロにフェリクスがあたふたするところまで見届けたフェイラは口元を綻ばせる。
「きっと大丈夫だとは思いましたが……」
見せ場を作るまでもなく、二人はうまくやっていた。そしてビーチバレーはグレアの手元にニンジンがなくなったころ決着を迎え。
「お疲れ様です。汗もかいたでしょうし、何か冷たいものでも――」
「あ、でしたら海の家ですね」
おそらくは海の家を任せてきた零と玄信のことも気になっていたのだろう。フェイラの提案で海の家に向かって歩き出したフェリクスだったが。
「なにこれーっ?!」
チャリオットやら棍棒を見て叫んだのは言うまでもない。
「ああ、お帰りなさいフェリクスさん」
「ちょっ」
更に紫のぴっちりスーツを着込んで出迎えた零に店の主は顔を引きつらせ。
「着替えてるにゃ? そういえばクロもお揃い水着も持ってきてはいるのにゃ」
せっかくにゃし、着替えてくるにゃねと更衣室の方にクロが去ってゆく。
「あ、はい。ええと、それはそれとし――」
反射的に応じたフェリクスが、海の家に戻ってきた理由を思い出し振り返ると。
「何か冷たいものはありませんか?」
「それでしたらこちらにありますよ」
ぴっちりスーツを着込みつつもフェイラにきっちり接客する零の姿。
「あるぇ、僕の役割って」
若干カオスな光景ながらもツッコミを入れるわけにもいかず愕然とするグリモア猟兵の少年の肩をポンと誰かが叩く。
「大丈夫じゃフェリクス殿。お主を必要とする者はきっと居るのじゃ」
そこにはしきりに頷く玄信が居て。
「じゃから、もう闇墜ちしてはいか」
「もうも何もはなからした覚えはありませんか――」
ツッコむしかない聡文句にフェリクスが叫ぶ途中。
「お待たせにゃ♪」
「んぷ」
着替え終えて出てきたクロがグリモア猟兵の少年に抱き着き。
「お代はここに置きますね」
「毎度ありがとうございます。では自分達はこれで――」
飲み物やアイスを人数分確保したフェイラから代金を受け取った零は海の家のバックヤードへ引っ込んだ。
「お疲れ様じゃ。わしも下がるとするかの」
イチャつくカップルの気配がのうと漏らして玄信も引っ込み。
「ふぅ、ご馳走様であります」
「砂浜が暑かった分、生き返るようじゃのう」
やがて冷たい食べ物と飲み物で涼をとったセプテントリオンの一行も口々にごちそうさまを告げ、海の家を後にするのだった。
大成功
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黒滝・龍也
ミャオ・ニャンニャン(f13204)といちゃこらデート
・ここがグリードオーシャンか。なんか、この島はまだ復興というか復旧途中っぽいけど遊べることは遊べるんだな。
それじゃ、ミャオと目一杯遊びますか!
・ダイビングスーツを借りて素潜り。泳ぎは一般人レベルだけど、特に何かするわけでもないし、ミャオとのんびりと魚を見たりしようかな。
……で、夏の海で恋人同士と言えば、やはり岩陰。カップルを襲うサメもいないし、安心して岩陰に誘って休憩しようっと。
そういえば、マスクミャオと下の人、独立して動けるんだよな……両手に花、かな。
・休憩が終ったら浜辺に戻ってフェリクスに焼きそばをご馳走してもらおう。もちろん大盛りで。
ミャオ・ニャンニャン
【POW】
黒滝・龍也(f17315)といちゃこらデートヨ。龍也のお誘いには断らないヨ~。
ここがピーチリース島ネ?
なんかリゾート地の夢の跡的アトモスフィアがビンビンアルケドそれはさておき、夏ヨ、海ヨ、バカンスアルヨ~。
折角だからぴっちりスーツを着用するネ。出来ればビビッドでブライトネスな色がイイヨ!
暑くてキツくて苦しいし、強引に閉めるとファスナーが壊れて脱げなくなりそうダケド、まあそこはケセラセラヨ!
浜辺で水掛けたり海に素潜りしたりで遊ぶネ。
疲れたら岩陰で一休みアルヨ~。なんかスゴイダルいんだけど、熱中症と脱水症状と酸欠のトリプルコンボアル~?
龍也に全年齢級で思いっきり甘えるネ!
「ここがグリードオーシャンか」
世界に来ること自体も初めてなのか黒滝・龍也(ストームドラゴン・f17315)が首を巡らせれば、倣うように周囲を見回し、ミャオ・ニャンニャン(どこの誰だか知らないけれどカラダはみんな知っている・f13204)も首を傾げた。
「ここがピーチリース島ネ?」
辺りを見れば目に飛び込んでくるのは、元宇宙ステーションの外装の桃色と、海や空の青。よく見ると、過去の戦いで島自体が受けた自爆の被害がところどころ散見され。
「なんか、この島はまだ復興というか復旧途中っぽいけど」
「そうアルな。なんかリゾート地の夢の跡的アトモスフィアがビンビンアルケド」
顔を見合わせた二人だったが、では帰ろうなんてことにはならなかった。
「それはさておき、夏ヨ、海ヨ、バカンスアルヨ~」
さらっと流してミャオは歩き出していたし、ドーナツ状の島の端には砂浜があるのが辺りを確認した時に龍也には見えており、先客のモノらしき複数の足跡が砂には残っていた。
「遊べることは遊べるんだな」
加えて少々規模が小さくはあったが、一軒の海の家まで建っているのだから、引き返す理由なんて欠片もない。
「それじゃ、ミャオと目一杯遊びますか!」
「ふふ、期待してるアルヨ」
むしろ今日のバカンスは龍也の方から誘ったのだ。手を伸ばせばミャオはすぐさまその手を取って、二人が向かう先はまず海の家。謎の存在感を醸し出すチャリオットとステッキの飾られた海の家の前には「ダイビングスーツ有ります」と書かれたのぼりが風に揺れていた。
「お待たせヨ~」
そう言ってミャオが更衣室から出てきたのは、海の家に入って少し後のこと。
「ミャオ、と言うか……下の人、大丈夫か?」
思わず龍也から最初に気遣いの声が漏れたのは、ぴっちりスーツの胸部が今にもはちきれんばかりに突っ張っていたからに他ならない。
「だ、大丈夫ヨ。ビビッドでブライトネスな色合いは気に入ったシ、暑くてキツくて苦しいし、強引に閉めるとファスナーが壊れて脱げなくなりそうダケド、まあそこはケセラセラヨ!」
「いや、色々大丈夫じゃないような」
割と大丈夫じゃない理由が列挙された気もするので、龍也がツッコミを入れかけたとしてもきっと無理はなく。
「そもそもこのスーツ自体コンキスタドールの残したモノで元手はほとんどかかってない上に――」
無人島に借りに来るような客がこの後訪れるかと言えば、微妙だろう。故に店側も壊れても弁償とかはないらしい。
「ならいいんだ……いいのか?」
「ほらほら、早速遊ぶアルヨ~」
納得しかけた龍也の背中を手とスーツによって窮屈な思いをしている柔らかな膨らみでミャオは海の家の外へ押し出すと、足は止めずに浜辺に歩いてゆき。
「浜辺と言えば、これが定番、ネ」
波打ち際を乗り越えて、海面がへその高さに来るところまで進むと、海水を掬って龍也へ放ち。
「うわっ、やったな」
龍也が反撃に出れば、ミャオが歓声を上げる。キラキラと海水の飛沫が陽光に輝き、波部で二人だけの時間が過ぎゆけば、次は素潜りヨとミャオが泳ぎ始め、これを龍也が追い。
(「へぇ……」)
海面に潜って目を開けば、陽光が差し込む海の中を色とりどりの魚が泳いでゆく姿が見え。海中だからこそ声ではなくジェスチャーと指さすことでミャオは龍也へ意思を伝え。
「大丈夫か?」
やがて泳ぎ疲れた二人が身を寄せたのは、島の岩場。岩の陰にもたれかかるミャオへ龍也は気遣いの視線を向け。
「なんかスゴイダルいんだけど、熱中症と脱水症状と酸欠のトリプルコンボアル~?」
「なら、もう少しここで休むか。カップルを襲うサメもいないし。岩で固いなら身体も貸すが?」
「申し訳な……ありがとうアル」
気遣いに礼を言うとスーツのファスナーを下げてミャオは龍也へ身をゆだねた。
「っ」
幸いにもファスナーが不具合を起こすことはなく、かわりに現れた白い肌に一瞬龍也の動きは止まり。
「そういえば、マスクミャオと下の人、独立して動けるんだよな」
視線をそらし龍也の見上げた空は青く。
「……両手に花、かな」
微かな呟きはミャオと下の人に聞こえたかどうか。そっと龍也の伸ばした手がミャオの、下の人の肌に触れて。
「あ、お帰りなさい。どうでした?」
「そうだな――」
暫し二人だけの時間を過ごして戻ってきた龍也は大盛の焼きそばをフェリクスに注文すると、ちらりミャオのマスクを見てから視線を店の外、海の方に投げたのだった。
大成功
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