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オリオンの聖頌歌~カウダ・ドラコニス

#UDCアース #【Q】 #竜神

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●まぼろしの記憶
 カクリヨファンタズムには、竜神という種族がいる。
 彼らは他の妖怪達と同様にUDCアースを起源とする存在で、かつて地球の邪神と戦い、滅ぼし、あるいは封印したのだという。
 猟兵達がカクリヨファンタズムに到達し、竜の神々が再び地球と出会ったことによって、明らかになった事実があった。
 ――竜神達が残したはずの「邪神の封印」が消えている。
 偶発的な事故によって破壊されたのか、何者かが解き放ったのか。あるいは、時が流れ風景が変わったことによって見落としたのか……原因は定かでないものの、竜神達が語る場所に邪神の封印が存在しないことは事実であった。

●点と点をつないで
 というわけで、とミレイユ・ダーエ(永遠の森の歌乙女・f01590)は言った。
「皆さんにはUDCアースに向かっていただいて、竜神の方達が残した封印についての調査をお願いしたいんですの」
 大半が消失してしまった邪神の封印だが、未だ現存する可能性が残されているものもあった。
 竜脈、あるいはレイラインと呼ばれる大地のエネルギーを利用した封印術――「竜脈封印」である。
「しかし、竜脈封印が施されたのはUDCアースの時間にして何万年も前。その痕跡のほとんどは散逸してしまっていて、封印が『まだあるかもしれない』というところまでしかわかっていませんの」
 そこで、竜脈封印の現存を確認するための調査が必要とされている。UDC(アンダーグラウンド・ディフェンス・コープ)はすでにいくつかの候補地を見つけ出しているものの、捜索の進捗は芳しくない。
「皆さんは封印があると思われる候補地のひとつに赴いて、当時の人々が太古の竜神を信仰していた痕跡がないか探してくださいまし」
 数万年前でも地球人類はすでに文化を獲得していたことが考古学の見地から明らかになっている。であれば、竜神と邪神の戦いを目撃した人々が何らかの記録を遺していても不思議ではない。数万年前の記録を探し、つなぎ合わせ、竜脈封印の謎に迫るのだ。

●竜と龍のものがたり
 北太平洋に『古龍島』という名の島がある。
 そこは島全体が遺跡と言っても過言ではないほど多くの遺物が眠っており、この島の調査が完了すれば石器時代の人類文化の実像が明らかになるのでは、と期待されている。
「ですが、その遺物の多さが今は障害になっているんですの。重要そうな」
 百名足らずの原住民が暮らすだけの島だ。近代的な港などなく、当然重機なども投入することができずにいる。地道に足と手と目で探すしかないのだが――。
「ユーベルコードや皆さんがお持ちの様々な技能を活用すれば、機械を使う以上の効率で遺物を回収することもできると思いますの」
 徒歩で回るのはそれなりに骨が折れるが、それでも島だ。複数人が力を合わせて分担すれば、島の全域に調査の手を伸ばすことも可能だろう。
「他の封印のように、竜脈封印もいつ消えてしまうかわかりません。UDCアースの危機をひとつでも多く取り除くために、皆さんの力をお貸しください」
 そう言って、ミレイユは頭を下げる。顔を上げた彼女は、微笑んでいた。
「それはそうと、何万年も前の人たちがどんな暮らしをしていたのか、とっても気になりますわね。――こほん。それでは、準備のできた方からお送りします。皆さんの旅路に、凪と波音の祝福がありますように」


中村一梟
 猟兵の皆様、ごきげんよう。中村一梟でございます。
 今回はUDCアースより【Q】によって出現したシナリオをお届けします。
 また、本シナリオは全章通じて「SPD」による判定が有利となります。SPDの高い皆様は得意分野をぜひ発揮していただきたいと思います。もちろん、それ以外の能力による行動も不利になることはありませんので奮ってご参加ください。

●第1章
『冒険』のフラグメントです。
 このシーンでは「回収した古代の遺物を解析する」ような行動を取ったプレイングに対してボーナスが入ります。
 入手してきたものがどのような形で封印の手がかりとなるのかの予想が付記されていれば、さらに大きなボーナスとなりますので想像の翼を広げてご参加ください。

●第2章
『集団戦』フラグメントです。詳細は1章終了後に。

●第3章
『ボス戦』フラグメントです。詳細は2章終了後に。

●お知らせ
 このシナリオは私の「オリオンの聖頌歌」とタイトルに付く他シナリオと同じ島が舞台となっております。そちらのほうもぜひ一度ご覧ください。
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第1章 冒険 『竜脈封印の伝承』

POW   :    巨石を動かしたり、沼の底に潜るなどして、竜神信仰の痕跡を探索する

SPD   :    探索範囲内全域をくまなく歩いてまわるなど、足を使って竜神信仰の痕跡を探し出す

WIZ   :    村に伝わる昔話や童歌の調査、村の古老との会話などから、竜神信仰の痕跡を探ります

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

楊・藍月
ああ
とても…とても懐かしい気がするね(遥か昔の邪神との戦いを思い出すが昔過ぎて詳しくは思い出せない竜神

此処の封印…俺との知己が残した物かな

事前
此処の島についての歴史と情報を確認
可能なら関わった龍について思い出そうとしてみる

竜神飛翔発動中

空から俺と同じ龍の気の痕跡を見据えよう

とは言えそれだけでは難しいか…ふむ

確か人間には面白い技術があったな
試してみるか

今常時発動している雷の威力を極限まで弱め
島全体へと行き渡らせ
反応を見る
電気探査法といったかな

埋まった遺跡や気になる反応をこれで更に解析

回収できるものや掘り出せるものがあるなら巨体を生かして掘り出すとしよう
出てきたものは電気も併用して解析するよ



 古龍島に降り立った楊・藍月(四海竜王に連なるもの・f29478)が感じたのは、旧友の後ろ姿を不意に見つけたような感慨だった。
(とても……とても懐かしい気がするね)
 藍月がこの島を訪れるのは初めてだ。にも関わらず、彼は古龍島の風景に対して既視感を覚える。それはかつてここで確かに竜神達と邪神共の戦いが繰り広げられたという証拠であった。
(此処の封印……何れの友が残した物かな)
 人間達の記録には、この島の記述はほぼない。それどころか、意図的に抹消されたような痕跡さえあった。星霜を経た記憶を辿ってこの島に封印を残した竜神を特定するのは、何らの物証も手元にない現状では困難を極めた。
 しばしの思案の後、藍月はユーベルコードによって己が身を完全竜体へと変じさせた。高く飛翔し、島の全景を見下ろしながら時の流れにも朽ちない龍の気の痕跡を探る。
「……ふむ。確か人間には面白い技術があったな。試してみるか」
 藍月はその身にまとった紫電を迸らせる。数百の稲妻が古龍島に降り注いだ。
 雷は雨のように平等ではない。導電しやすい地点に偏る。その落雷地点の偏在から、藍月は古龍島に眠るものの在処を見て取った。
 明らかな異常を見せたのは二ヶ所。
 ひとつは島の北東部、岩と低木だけが住人の無人地帯。何もない原野のはずのそこに、雷光は吸い寄せられるようにいくつもいくつも落ちていった。
 もうひとつは島の南東部、断崖絶壁の陸と海の狭間。こちらは逆に、まったく雷が落ちなかった。まるで、何者かが落雷を防いだかのように。
 どちらを先に調査すべきか。思案の結果、藍月は北東の原野に降り立った。完全竜体の巨体を活かして地面を掘削調査するためである。
 そうして彼が発見したものは、天然ガラスを加工して作られた祭具だったと思わしき破片だった。

成功 🔵​🔵​🔴​


●天然ガラス製の祭具
 古龍島の北東部で発掘された十数個のガラス片から復元されたもの。古代日本の銅鐸に似た形状をしている。推定される全長は40~50センチメートル。
 天然ガラスを加工して作成されたものと思われるが、この量の天然ガラスを生成するような自然現象(隕石落下や火山噴火等)の痕跡は発見されていない。
●古龍島北東部で発掘されたその他の遺物
 銅鐸のような祭具の他にも、古龍島北東部からは天然ガラス製の物品が複数発見された。それらの色彩には共通の特徴があり、同じ場所の砂または岩が融解して生成されたガラスと思われるが、古龍島の土壌の成分とは一致しない。
二本木・アロ
んー、あたしに考古学だのなんだのって知識はねーからな。
体力だけは自信あるから足使ってどーにかするわ。
探索なら非戦闘行為だからカチナの加護が得られるはずだし、不眠不休で作業が……そうならないよーにとっとと見つけよう。うん。

で、先行した猟兵は北東行ったんだっけ?
じゃ、あたしは南東で。崖だっけ?
【野生の勘】で目星を付けたら【クライミング】で登るわ。
岩とか除ける必要あるなら【怪力】任せでどーにかする。
繊細な作業は苦手だから、壊さねーように気を付けないとな……

遺物は回収しても解析するような能力ねーし、
原住民トコ行って【コミュ力】活かしてみるわ。
これ何に使うヤツか知ってるー? ってな。


ナミル・タグイール(サポート)
【呪詛】たっぷりの金ぴか装備の呪われ猫
金ぴかお宝大好き
メイン武器は呪いの金ぴか斧と金爪デスにゃ!呪詛で強化したり暴走したりにゃー!

「お宝はナミルが頂くにゃー!」
「金ぴか持ってるにゃ!寄越せにゃ!!」

周りのことは考えないにゃ【捨て身】でごーにゃ!
困ったら斧でどっかーん!周りに怒られない限りは全部どっかーんでゴリ押し
基本は脳筋思考猫のアホ猫
敵が金ぴか持ってたりレアお宝期待できそうな場所だとモチベup
何もなくても「何かありそうにゃ!」とかで勝手にモチベup

一人称は「ナミル」にゃんにゃんデスにゃ口調
基本的に脳筋ゴリ押し猫
何でも歓迎デスにゃ!

日常
お宝探しにゃ!ご飯にゃー!
冒険
お宝探しにゃ!パワー解決にゃ


サーシャ・ペンローズ(サポート)
 バーチャルキャラクターの電脳魔術士×バトルゲーマー、18歳の女です。
 普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、敵には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
エッチな描写もNGです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


氷咲・雪菜(サポート)
 人間のサイキッカー×文豪、13歳の女です。
 普段の口調は「何となく丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、
 独り言は「何となく元気ない(私、あなた、~さん、ね、よ、なの、かしら?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

氷や雪が好きな女の子で、好きな季節は冬。
性格は明るく、フレンドリーで良く人に話しかける。
困っている人は放ってはおけない。
戦闘は主にサイコキャノンを使って戦う。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 遮るもののない海の上、北の果てからの風は温まることなく古龍島へと吹きつける。
「先行した猟兵は北東行ったんだっけ?」
 それなら自分達は南東に行くか、と言った二本木・アロ(ガードカツィナの娘・f02301)について、連れ立った猟兵達は島の南端、陸と海の際へとやって来た。
「うーん……岩と波しか映らないですね」
 周囲を飛び回るドローンのカメラを確認しつつ、サーシャ・ペンローズ(バーチャルキャラクターの電脳魔術士・f26054)が呟いた。彼女が言うように、辺りには切り立った岩に荒波がぶつかる音が響くばかり。
「見えるところに何もないってことは、見えないところにあるってことじゃねえか?」
「確かに、地下に埋まってるってのは定番だにゃあ」
 アロと共にナミル・タグイール(呪飾獣・f00003)は崖下を覗きこむ。柱状岩石が無数に連なった絶壁は、確かに何かを隠していそうに見える。
「よっし、とにかく降りてみるか。考古学だのなんだのって知識はねーから、とにかく足でどーにかしないとな」
 言って、アロは岸壁へと足をかけた。そこに駆け寄ってロープを差し出したのは氷咲・雪菜(晴天の吹雪・f23461)である。
「気をつけてね」
「おう! ありがとな」
 ロープを掴み、アロは岩を蹴った。数メートルも下れば飛沫に濡れた岩は滑りやすくなり、滑落の危険も増す。ロープにかかる重さも増すが、雪菜が念動力で握った命綱はしっかりと仲間を支えている。
 さらに降下を続けていくアロ。その姿が、ふいに崖上からは見えなくなった。が、滑り落ちたわけではないらしい。ロープはまだ張っている。
「洞窟があったぜ!」
 声がした。見守っていた三人は安堵した表情でひとつ頷くと、上下を固定したロープを伝ってアロの後を追った。
「かなり大きな洞窟ですね……しかも、自然にできたものではなさそうです」
 自分の背丈の三倍はありそうな天井を見上げつつ、サーシャは傍らに控えさせたドローンに言葉を吹きこんで記録をつけていく。
「いかにもお宝ありそうだにゃ!」
 金銭的価値があるかはさておいて、この洞窟に竜神信仰の痕跡が残されている確率は高そうだ。浮足立った様子のナミルが先に進んでいくのを、最後に降りてきた雪菜が追う。
「入口から二十九――三十メートル。今のところ、壁や床が明らかに削り均されていることくらいしか特徴はありません」
 四人の足音と探索を記録するサーシャの声だけが響く。それらが途切れたのは、洞窟の開口部からの距離が八十メートルを超えた地点だった。
「……塞がってんな」
「行き止まり?」
 アロと雪菜が顔を見合わせ、ナミルは不満げに唸る。
「いえ、分岐はありませんでしたし……それにこの壁には削られた痕がありませ。きっと洞窟ができた後に塞がってしまったんです」
「そういうことか! じゃあ、除ければいいな!」
「そうだにゃ、パワー解決だにゃ!」
 なら話は早い、とアロとナミルは壁に飛びついた。積み重なった岩を砕き、取り除いていく。
「交代しましょうか?」
「大丈夫だ。クロウ・マザーが見守ってるからな」
 雪菜の問いに首を振るアロはユーベルコードを発動させていた。カチナ、すなわち精霊の加護を受けた彼女は疲労を覚えることなく働き続けることができる。
「負けないにゃ! お宝目指して掘りまくるにゃ!」
 ナミルが対抗心を燃やしてさらなる怪力を発揮したこともあり、岩はものの数分で取り去られた。が、その奥からは壁としか言いようのない巨大な岩塊が現れたのである。
「これはちょっとぶっ壊せそうにないな」
「持ち上げるにはナミルが後十人くらいいりそうだにゃあ」
 揃って立ち尽くすアロとナミル。サーシャも探査情報を再精査するが、解決策は中々見つけられない。
「あの……私、なんとかできるかもしれません」
 おずおずと右手を挙げて言った雪菜に、三人は同時に目を向けた。
「本当か!? それならやってみてくれよ!」
 勢いこむアロに頷きを返して、雪菜はひとり壁の前に立つ。
「――」
 しばらく目を瞑って集中力を高めていた雪菜は、かっと目を開いて掌を壁に押し当てた。
「よし、いきます!」
 雪菜の声と共に、念動力が岩壁に浸透していく。それは物理的な手段では不可能な破壊力を発揮し、分厚い岩石を内部から破裂させるように粉砕したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『腐屍海の百人姉妹』

POW   :    神歌:永劫の夢に微睡む貴方へ
【深海に眠る大海魔】の霊を召喚する。これは【無数の触手】や【神経系を破壊する怪光線】で攻撃する能力を持つ。
SPD   :    召歌:黒骨のサーペント
自身の身長の2倍の【骸骨海竜】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    戦歌:インフェルノウォークライ
【召喚した怪物の群れによる一斉攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●地の底に残されたもの
 古龍島の地下、岩に閉ざされた向こうで猟兵達が見つけたものは、丁寧に均された壁と床を持つ広間と、中央に設えられた祭壇であった。
 その祭壇は三角錐の頂を切り取ったような形で、精巧な直線と平面で構成されていた。天然ガラスが表面をくまなく覆っており、広間の床や壁とは明確に異なる碧色を帯びている。
 祭壇の上には、岩石でもなく金属でもなく、そしてガラスでもない白色の材質で作られた彫像が大小合わせて八体安置されていた。それらは全て共通の――細部は異なるものの、おそらく同種の生物を模っているようだ。
「壊さねーように気を付けないとな……」
 像のひとつを持ち上げた猟兵が呟いた。幼稚園児くらいの大きさはあろうかというその像は、見た目に反してそれほどの重量はない。だが、うっかり力の入れどころを間違えれば砕けてしまいそうな脆さを持っていた。
「回収したはいいが……どーすっかな、これ。あたしに考古学だのなんだのって知識も、解析できるような能力もねーし」
 いっそ「これ何に使うヤツか知ってるー?」などと島民に尋ねて回るか、と考え始めたところで、彼女は遠くから聞こえてくる「声」に気がついた。
火土金水・明
「地上に出るためにも、まずは目の前の敵を倒さないといけませんね。」「生命力を共有ですか。ならば、まとめて切り捨てましょう。」
【SPD】で攻撃です。
攻撃は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡め【限界突破】した【銀色の旋風】を【範囲攻撃】にして、『腐屍海の百人姉妹』と召喚された骸骨海竜を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【見切り】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。


二本木・アロ
声の主……は、どう見てもこの島の住人じゃねーなぁ。
あたしらに用か、それとも祭壇? どっちにしろ戦うしかねーか。
人魚っつーと歌が厄介なのがお約束だけど、【呪詛耐性】で耐えられっかな?

解析が済まねーうちに壊されたら困るからな、祭壇を背にして彫像を【かばう】ように立つ。
構えずに無防備にしてりゃ敵も油断してあたし狙うだろ。
攻撃されたらオペラツィオン・マカブルで無効化。
失敗しても【激痛耐性】で耐えて、【捨て身の一撃】で【頭突き】を喰らわせるぜ。

……にしても、骨の海竜かー。
古龍島なんて名前だし、やっぱり封印されてた邪神は竜か?

連携・アドリブ歓迎。


クネウス・ウィギンシティ(サポート)
※アドリブ&絡み歓迎

●特徴
サイボーグ(四肢機械化済み)の技術者&狙撃手。SSW出身の鎧装騎兵。
民間人互助や義侠心に厚い。
年齢 27歳 男
口調 通常(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)
メイン武器 アームドフォート、マシンガン、パイルバンカー

●台詞例
『敵影捕捉、これより戦闘行動に入ります』
『索敵完了、狙撃開始』
『掃討戦ならばこの武器の出番ですね』
『これで一掃します』

●行動
狙撃手としての『狙撃・援護射撃』や技術者として『(技術)支援』がメイン。
遠距離狙撃や砲撃メインで援護に徹します。

主な技能:スナイパー・メカニック・武器改造・ハッキング


氷咲・雪菜(サポート)
 人間のサイキッカー×文豪、13歳の女です。
 普段の口調は「何となく丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、
 独り言は「何となく元気ない(私、あなた、~さん、ね、よ、なの、かしら?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

氷や雪が好きな女の子で、好きな季節は冬。
性格は明るく、フレンドリーで良く人に話しかける。
困っている人は放ってはおけない。
戦闘は主にサイコキャノンを使って戦う。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


睦沢・文音(サポート)
『聴こえますか?私の歌が!』
年齢 14歳 女
外見 147.1cm 黒い瞳 黒髪 色白の肌
特徴 いつも笑顔 柔和な表情 胸が大きい お尻が大きい ネットが好き
口調 清楚(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)

他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません

他の猟兵のサポートに回り、事件の解決にあたります
日常パートならば飲食や歌をうたうことをメインに行動します

他の参加者様との連携リプレイ歓迎です
最大の目的は、事件を解決に導くことです
その為なら、ある程度の怪我や些細な失敗はやむを得ないものとします



 古龍島の地下、千年の時を経て開かれた祭祀場に幾重にも重なって響くその「声」は、いにしえの儀式であるようにも、海鳴りのようにも聞こえた。
「嫌な感じがしますね。みなさん、気をつけてください」
 雪菜が仲間達に注意を促す。彼女の超感覚には自分達を巻きこんで起こりつつある異常が捉えられていたが、その発生源である声の正体は掴めない。
「これは――歌? けど、まともな歌じゃない――」
 微笑む唇はそのままに目だけを細めて、睦沢・文音(フォーチュンシュネルギア・f16631)が呟いた。うねるような響きで地下祭祀場を満たす「声」の正体を言い当てたのは、彼女がそれらと同系統のユーベルコードを操るからだろうか。
「重力場と時空間の変動を検知」
 異変を具体的な事象として明らかにしたのはクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)が持つ宇宙世界の技術によるセンサーであった。彼は探査の範囲と精度を広げ、自分達の周囲で何が起こりつつあるのかを究明していく。
「何かが――いや『どこか』が転移してきます」
 ざあ、と水の音が猟兵達を取り囲んだ。次いで異臭が辺りを包む。泥と腐肉とを糖蜜で煮こんだような、喉と胃が拒絶したがる臭いだ。
「なんだこれ……?」
 反射的に鼻と口を片手で覆いつつ、アロが一変した景色を見回す。
 暗い鉛色に――雲、あるいはそれ自体が空の色であるのかもしれない――蓋をされた空と、手当たり次第ぐちゃぐちゃに絵の具を溶かしたような濁った海。地下祭祀場がある広間をただ一つの陸地として、猟兵達は尋常ならざる海の只中に放り出されていた。
 ねっとりとのたうつ波と波の間からは変わらず「声」が聞こえてくる。腐屍海の底から誘う百人姉妹。地球で言う人魚の姿をしたUDCが波と波の間に姿を見せていた。
「どう見てもこの島の住人じゃねーなぁ。あたしらに用か、それとも祭壇? どっちにしろ戦うしかねーか」
「そのようです。元の場所に戻るためにも、まずは目の前の敵を倒さないといけませんね」
 人魚共の出方を睨みつつ、アロは彫像を収めた樹脂箱を背に庇う。それをさらに守るように進み出て、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は愛剣の鞘を払った。
「銀の剣は敵を討つ剣なり」
 しろがねの刃が宙を裂いた。魔力を帯びた剣風が濁海の海面を割り、人魚達を跳ね飛ばす。
 耳の奥を引っ掻かかれるような不快感。可聴域ぎりぎりの甲高い悲鳴を人魚が上げる。
 断たれた水面の下から、長大な影が伸び上がった。炭色の体をした骸骨海竜。その頭の上には一体の人魚が座して召歌を歌う。
「ならば、まとめて切り捨てましょう」
 明の二の太刀が振るわれ、鎌首をもたげた海竜の頭部ごと人魚を両断した。しかし忌まわしい歌声は途切れず、第二第三の骸骨海竜がその姿を現す。
「さぁ、誰でも相手してあげますよ!」
「掃討戦ならばこの武器の出番ですね。照準修正、反動制御準備。全武装一斉発射!」
 雪菜の念動力が腐屍海の波と怪異共を凍らせ、クネウスの放つ砲火が粉砕する。
「聴こえますか? 私の歌が!」
 それでもなお止まない呪いの歌声を掻き消さんと文音が祈りの歌を響かせれば、腐屍海と現世とのつながりが弱まっていく。
 それに反発するように、数体の人魚が同時に声を張り上げた。それによって召喚されるのは、無数の触手を蠢かせる大海魔だ。
 小山のような巨体の上部、大海魔の暗い朱色の瞳が光る。祭壇と彫像目がけてまっすぐ放たれた怪光線の前に立ちはだかったアロは、ふっと口の端に笑みを浮かばせた。
「解析が済まねーうちに壊されたら困るからな」
 あえて全身の力を抜き、アロは神経系を破壊する閃光に身を晒す。が、彼女がダメージを受けることはない。ユーベルコード『オペラツィオン・マカブル』により、浴びた光線の影響力はアロの従えるからくり人形から排出されていた。
 攻撃を食い止められた大海魔に明の剣とクネウスの銃弾、雪菜のサイコキャノンが襲いかかった。連続攻撃を受けた巨体がゆっくりと倒れ、水の下に沈んでいく。
「あなたが居たことを、その存在を、私がきっと覚えておきますから。……だから、もう、お休みなさい」
 文音の『子守歌(ララバイ)』がぶくぶくと泡立つ海面を撫でていく。百人姉妹の歌が相殺されると共にさらに異界とのつながりが薄れ、徐々に周囲の景色が古龍島の地下へと戻っていく。だが、完全にではない。
 沖合から微かに歌声が聞こえてくる。瘴気に煙る水平線の方角から、骸骨海竜を初めとする怪異の群れが迫りつつある。
 どうやら、この狭間の世界から脱出し元の場所に戻るには、百人姉妹とその従者たる怪物を駆逐しなければならないようだ。
「……にしても、骨の海竜かー。古龍島なんて名前だし、やっぱり封印されてた邪神は竜か?」
 背後の祭壇と彫像とを振り返り、アロは地下祭祀場と腐屍海とがうっすらと重なり合った風景を眺めながら呟くのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

川村・育代
バーチャルキャラクターの悪霊×ゴーストキャプテン、11歳の女です。
普段の口調は「 年相応の少女口調(あたし、~くん、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、偉い人には 慣れない敬語(あたし、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)」です。
普段は明るく元気な性格で年相応の考え方、行動をします。
戦闘では自分から積極的に攻撃するよりは呪詛で自爆させたり、同士討ちさせるなど、相手をおちょくるような戦い方を好みます。(Sっ気があるようです)
ユーベルコードは状況に応じて使用します。
エキストラ感覚であらゆる状況で使い倒して頂いて大丈夫です。
描写に関するタブーは一切ありません。


相良・陽翔
敵の領域に引き込まれたみたいですね
敵の数は…他に戦っている人達のおかげで減っているようですが油断はできません

「フック付きワイヤー」を人魚に投げつけ接近し、至近距離でユーベルコード咎力封じを発動させます(先制攻撃)
至近距離ならば手枷・猿轡・拘束ロープ全てを命中させやすいはず
拘束ロープで縛りつけ、手枷をつけて外されないようにし、猿轡で歌を封じられると思います
どこまで上手く行くかはわかりませんが、ユーベルコード発動後にナイフ型の「拷問具」で一体ずつ始末します
当然敵もやられるままではないでしょう
骸骨海竜が出現しても狙うは人魚
人魚を倒せばおそらく海竜は消えるからです

仕事を引き受けた以上、僕は引きませんよ



瘴気が渦巻く忌まわしき異界のわだつみの中に、辿ってきた地下洞窟の通路を見出した川村・育代(模範的児童・f28016)と相良・陽翔(微笑む盾・f33123)は、意を決して腐屍海へと飛びこみ、突破を図った。
 泥のように重くまとわりつく腐屍海の水を肌に感じつつ、足はしっかりと地下道の石を踏みしめるという奇妙な感覚。己が領域に敢えて踏み入ってきた若き猟兵二人に、百人姉妹達が邪悪な本性を露わに襲いかかった。
「敵の数は……他に戦っている人達のおかげで減っているようですが油断はできません」
 幻の海水の感触に歩みは鈍くならざるを得なくとも、陽翔は沈着に状況を見ている。その左手が腰の後ろに回ったかと思った次の瞬間、翻った陽翔の手が鋼鉄の鈎を投げ放った。
 鋭い軌跡を描いて飛んだ鉄鈎が人魚の一体を捕まえる。フックに繋がれたワイヤーの終端は陽翔の手元にある。びぃん、と鋼線が張り詰めた瞬間、彼は地面を蹴った。
 濃灰色の空が洞窟の天井へと変じる際ぎりぎりを掠めて跳躍した陽翔は、眼下のUDCに向けて『咎力封じ』の三つ道具を投擲する。
 すなわち手枷、猿轡、そして拘束ロープである。咎人殺しの力を秘めたそれらは自らの意思を持つかの如くひとりでに動き、人魚を拘束しその唇から漏れていた忌歌を強制終了させた。
 陽翔はさらにワイヤーを手繰って人魚の傍らに降り立つや、逆手に握った短刀――本来は責め苦を与えるための道具だがそうしている暇はあるまい――で喉笛を掻き切る。
 悲鳴さえも血飛沫と変わる中、陽翔は絶息した獲物を手放して向き直った。
 敵もやられるままではないだろう、との予想通り、既にユーベルコードで骸骨海竜を召喚した人魚が三体、行く手を阻んでいる。
 だが、陽翔の目は骸骨海竜の巨体にではなく、その頭部――角に腕を絡めるように座した人魚に向いている。召喚主を倒せばしもべも消えるが道理。勝機はそこにある。
「仕事を引き受けた以上、僕は引きませんよ」
 声色とは裏腹に猛獣のように微笑んで、陽翔が身構える。そこに三方から骸骨海竜が襲いかかろうとした時――。
「あたしにまかせて! マジカル・チェンジ!!」
 高らかに宣う声がして、薄紅色の流星が腐屍海の波を裂いた。
「怪物の思いどおりになんてさせないんだから!」
 咲き誇る花弁を思わせるピンクの衣装に身を包んだ育代の放った一撃が骸骨海竜の下顎を強かに打ち据える。竿立ちになった黒骨竜の頭から人魚が振り落とされ、幻海の波間へと沈んでいった。
「もう一発! いくよ!!」
 育代が両手で掲げたステッキを振り下ろす。一見玩具のようなそれは、しかし彼女がその身に秘めた霊力をエネルギーとして放出し、二体目の骸骨海竜を打ち倒した。
「やったね!」
 くるりとターンして、ポーズを決める育代。憤怒に荒れた歌声で、最後の人魚が海竜をけしかける。
「いいのかなぁ、こっちに来ちゃって」
 からかうような声音で育代が言う。自らの三倍もの巨体を視線だけで見上げる彼女の唇の端には笑みが浮かんでいた。
「頭上注意! なの!」
 その言葉の意味を人魚が理解することはない。なぜなら、再びワイヤーを使って跳んだ陽翔の刃が次の瞬間にはその急所を貫いているからだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『雷穹龍グローレール』

POW   :    雷霆光輪
【超高熱のプラズマリング】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    撃ち砕く紫電
レベル×5本の【雷】属性の【破壊光線】を放つ。
WIZ   :    ドラゴニック・サンダーボルト
【口から吐き出す電撃のブレス】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠神楽火・皇士朗です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●雷光は星霜を経てなお眩く
 腐屍海の百人姉妹を退けた猟兵達は無事古龍島の地下へと帰還し、眠っていた古代の遺物を回収することに成功した。
 だが、彼らの任務はこれで終わりではない。
 龍脈封印の要である地下祭祀場に満ちた魔力は邪神以外のUDCをも呼びこんでしまう。人魚達が祭祀場を腐屍海とつなげたように。
 皮肉にも、かつて地球を災厄から守るために作られた龍脈封印は新たな火種へと変貌してしまっていたのだ。
 数万年前、この封印を築いた竜神達もこの結果は本意ではあるまい。猟兵達は敢えて封印された邪神を解放し、これを斃すことで後顧の憂いを断つことを決める。
 猟兵達の手で意図的に落盤が起こされ、地下祭祀場は崩壊した。
 そして、封印されていた邪神――雷穹龍グローレールが大地の戒めから解き放たれ、再び天空へと舞い上がった。
 復活したグローレールは、自らにとって最も快適な居場所である南洋上空を目指して飛び去ろうとする。猟兵達はそれを阻止すべく、追撃戦を開始した。
相良・陽翔
邪神を止めなくては
冷静に戦わなくてはいけないと頭では分かっているのに邪神を見ていると体が震えます
竜神が封じていた存在です、それだけ力を持っているということですね
でも逃がしちゃいけない、戦わなくては
動け、と分かっている頭で指示を出しますが体がいうことを聞いてくれません
それならば…あまり気は進まないのですが「咎人の枷」を緩めてユーベルコード:リアライズ・バロックを発動します
枷を緩めると恐怖心が強まって、完全に足が止まってしまいます
立っているのがやっとです
僕の恐怖心に反応したバロックレギオンが攻撃を仕掛けますが敵からの攻撃もされるがまま
痛くて更に恐怖心が増します
僕が倒れるまでそうして攻撃を続けます


火土金水・明
「さて、敢えて解放したのですから逃がさないように。」「竜神さん達の代わりに邪神を確実に倒しましょう。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【対空戦闘】で【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【コキュートス・ブリザード】で、『雷穹龍グローレール』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【第六感】【残像】【オーラ防御】【雷撃耐性】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。


天城・千歳(サポート)
本体で行動出来る場所なら本体で、本体の入れない場所の場合は戦闘用リモート義体で行動し本体は義体からの情報を元に【情報収取】【戦闘知識】【世界知識】【瞬間思考力】を使い状況分析及び支援行動を行う。
戦闘状態になったら【誘導弾】の【一斉発射】による【範囲攻撃】で【先制攻撃】を行い、その後は【スナイパー】【砲撃】【レーザー射撃】で攻撃する。
敵の攻撃は状況に応じて【盾受け】で防御するか【見切り】【ダッシュ】【推力移動】を使った回避で対応。
味方とのコミュニケーションはリモート義体が【コミュ力】【礼儀作法】場合により【言いくるめ】を使って対応する。
協力体制を構築した味方に対しては、通信による情報支援を行う。


白神・チグサ(サポート)
 キマイラのUDCエージェント×マジックナイト、18歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、負傷したら「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



アンリ・ボードリエ(サポート)
『はじめまして、ボクの名前はアンリ・ボードリエと申します。』

▽性格
仲間とは楽しい時には共に笑い、悲しみや苦しみは分かち合いたいです。
誰かが犠牲にならなければならないならボクが犠牲となりましょう。

▽特徴
数年分の記憶しか持っていません。
ボクは能力を使用すると代償としてそれに見合う分だけ記憶が削除されますが、能力を使用することを躊躇うことはありません。

▽戦闘
敵に対しては...同情してしまう方も少なくないです。
基本的にはUDCを使用しますが、レイピアも使えます。
UCはその場に適したものを使用します。
誰かを守れるならどれだけ傷ついても構いません。

あとはお任せいたします。よろしくお願い致します。


ロラン・ヒュッテンブレナー(サポート)
※絡みアドリブOK
※感情が尻尾や耳によく表れる
※人見知りだが【優しい】性格で育ちのいいお坊ちゃま
※戦闘時は魔術器官と電脳空間の演算力を用いて知略で戦う
※「ぼく」「~なの」「~さん

体のあちこちにつけた魔道具の回路を起動し(【高速詠唱】)、
狼の嗅覚聴覚視覚(【聞き耳】【暗視】)を駆使した【情報収集】と、電脳空間からの【ハッキング】で敵戦力を分析(【学習力】)

適切な魔術(UC)を組み合わせたり【乱れ撃ち】する
防御は【結界術】で作る【オーラ防御】壁や、
小柄な体系と狼の機動力(【ダッシュ】【残像】)を使う

仲間を守り、敵には【勇気】をもって容赦ない作戦・攻撃を行う(【全力魔法】)



 潮風がごうごうと渦を巻き、波を逆立てている。分厚い雷雲に覆われた空は、先刻見上げた腐屍海のそれを思い出させた。
「邪神を止めなくては」
「ええ。竜神さん達の代わりに邪神を確実に倒しましょう」
 陽翔の呟きに明が応える。彼らが口にした言葉は、この場に集った猟兵達全員が共有する決意であった。
「敵に対して最も有効な武装を選択するための情報が必要です。協力を要請します」
 青色の装甲に包まれたウォーマシン、天城・千歳(自立型コアユニット・f06941)が女性型義体の声で言った。ならば、と声を上げたのはアンリ・ボードリエ(幸福な王子・f29255)と白神・チグサ(淡雪に舞う・f32016)の二人だ。
「ボクにお任せください。敵の攻撃をしばらく凌げばよろしいのですね?」
「ちょうどそういうのに向いたユーベルコードがあるのよねぇ」
 仲間達の首肯を受けて、二人が駆け出す。アンリの手には優美なる刺突剣、チグサの手には魔力を帯びた短剣がそれぞれ握られている。
 黒雲の狭間からグローレールが顔を覗かせた。自らに刃を向ける不遜なりし狩人達の姿に、龍の赤眼に怒りの色が煌めく。
「誰かが犠牲にならなければならないならボクが犠牲となりましょう。……頼みますよ、『La décadence』」
 アンリが剣を持たぬ方の手に提げた銀の鳥籠。その中に封じられたUDCが、彼の記憶を贄として目を覚ました。
 大気と雲を揺るがす咆哮。強大なUDCの存在を感じ取った雷穹龍が牙を剝き雷光をまとうや、稲妻の束が降り注いでくる。
 が、その銀光がアンリの体を焼くことはない。まるで予め決められた台本の通りであるかのように、彼は雷穹龍の攻撃が届かぬ場所を駆け抜けていく。
「ボクは、ここで倒れるわけにはいけない……どうか力を貸してください……」
 籠の中のUDCに祈りと記憶を躊躇なく捧げながら、アンリはグローレールが第二撃を放つタイミングを見計らう。
 再び聞こえる咆哮。雷穹龍の口腔が稲光の奔流を宿している。
「今です!」
 声を上げ、アンリは一点を指し示した。そこはグローレールが放った電撃の威力が及びつつも重傷とは至らない、奇跡の一点だ。
「りょーかい! あなたの切り札、もらったわぁ」
 指示された場所に、防御態勢を取ったチグサが滑りこむ。白色のコート越しに雷撃が彼女の体を打つ。
「もらったらお返し、しないとねぇ」
 予定された通りに、邪神の攻撃はチグサに僅かなダメージを与えるだけに留まった。すぐさま彼女はユーベルコード『Ruba il codice(スチール)』によって模倣した雷撃を撃ち返す。
 自分が放ったものと同じ一撃を受け、グローレールの鱗が弾け飛んだ。不快と憤怒を示すように、碧色の龍は低く吼えて身をよじる。
「――解析完了。次元兵装庫展開、最適な装備を選択し転送します」
 その隙に、千歳がユーベルコードを発動。ウォーマシンの両肩に長方形の金属製コンテナが接続される。UDCでいうところの地対空ミサイルにあたる兵装だ。
「全弾一斉発射」
 が、千歳が撃ったミサイルは地球のそれとは異なり、推進力として燃料を用いない。周囲の物質――この場合は空気――を取りこみ圧縮噴射して飛翔という機構を持つそれらは、地球のミサイルよりも遥かに多くの炸薬を搭載でき、相応に高い破壊力を発揮できるのだ。
 その威力は、爆炎が雷雲を穿つほどだった。雲に空いた穴はすぐさま灼熱の炎で埋められ、炸裂と同時に散布された絶縁体粒子がグローレールの反撃を封じていく。
 力を十全に発揮できないその空域から逃れるため、グローレールは急降下する。それによって、雷穹龍は残る猟兵達の間合いへと誘いこまれたのだ。

「さて、敢えて解放したのですから逃がさないように」
 明は黒マントの端をなびかせて、七色の光を宿す杖を掲げる。
「我、求めるは、冷たき力」
 魔力が凝集していく先端を、降下してくるグローレールへと向ける。ぴたりと狙いを定め、明は力を解放する言葉を口にした。
「コキュートス・ブリザード」
 ぱっ、と宙に白銀の花が咲いた。明が放った氷の魔術が汀の風に含まれた水分を一瞬で凍結させたのだ。
 氷の花弁が散る中、氷矢がグローレールに襲いかかる。鱗を貫き、肉を裂き、血潮さえも凍らせて、雷穹龍をさらに下方へと追いこむ。
「月光魔素、生成式展開」
 それを待ち受けていたロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)は、己の体の各所に備わった魔道具の回路を起動し、その身の内に眠っている人狼の病魔を目覚めさせていった。
「月夜の獣、我が命によりて、この身に現れよ。我が銘によりて、汝縛されるべし。汝の名は、音狼!」
 高く、遠吠えが響いた。ユーベルコード『魔狼開放(モーフィングヴェアヴォルフ)』によって、満月を待たずして狼へと変身を遂げたロランは、疾風のように地を駆け、跳躍した。
 魔術回路の首輪と鎖で縛められていても、ロランの運動能力は低空へと追いこまれたグローレールに届くには十分。鋭く振るわれた爪が雷穹龍の顔面を切り裂いて片目を潰し、突き立てられた牙が角をへし折る。
 食らいつくロランを振り落とそうと、グローレールは自ら発生させたプラズマ光輪へと頭をぶつけた。超高熱が弾ける。が、ロランは火傷を負いつつも離れない。龍の頭から背へと移り、攻撃を続けて加えていく。

(竜神が封じていた存在です、それだけ力を持っているということですね)
 自分の理性がどこか他人事のようにそう判断するのを、陽翔は焦る頭の片隅で感じていた。
(逃がしちゃいけない、戦わなくては。動け……!)
 使命感がそう叫ぶが、手も足も震えるだけで動こうとはしない。
 まるで心と体が切り離されたよう――否、それはある意味で真実だった。猟兵として邪神と対峙する意志は、彼のものであって陽翔のものではない。
 不出来で弱虫な「本当の陽翔」が、強大な邪神に立ち向かうことを拒絶しているのだ。
(それならば……)
 彼は無理に体を動かそうとすることをやめた。代わりに、陽翔に架せられた枷を少しだけ緩める。
 それだけで、陽翔の心は恐怖心を溢れさせた。がくがくと笑い始めた膝は、体を支えているのがやっとだ。
 だが、それでよかった。溢れ出した恐怖心がユーベルコードによって形を得る。
 負の感情が具現化したもの。恐れ、忌み、逃げ出したいという意志が現実に顕れ出でた悍ましき怪物――バロックレギオン。
 陽翔自身を戯画化して黒く塗りつぶしたような姿のバロックレギオン達は、群れをなしてグローレールに襲いかかった。
 その戦い方は決して洗練されたものではなく、力任せに殴り蹴り続けるだけの醜いとさえ言えるものだ。
 だが、それらは確かに仲間達の助けとなった。バロックレギオンを迎撃するためにも電撃を振り分けたために、雷に追われていたロランは態勢を整える暇を得てグローレールの背から飛び降りることができた。
 その瞬間、ロランが奮戦している隙に再攻撃の準備を整えた他の猟兵達が、砲弾を、魔術を次々に撃ちこんでいく。
 ――そして。
「我、求めるは、冷たき力」
 二度目の極大凍結魔法が雷穹龍を永遠の眠りへと封じるのを見届けて、とっくに限界を超えていた陽翔の意識は途切れた。

 眠っていた竜神信仰の痕跡を持ち帰り、封印を解いて目覚めた邪神を斃したことで、古龍島の真実は再び悠久の時の彼方へと去った。
 伝説という楔を失ったこの島が、今後どのような道を歩んでいくかはわからない。もしかするとこの海域に点在する他の島と同じように、住人が去って忘れ去られるのかもしれない。
 けれども、この島の伝説が歴史と呼ばれるようになる日――邪神が完全に消え失せた時代が来たならば、人々は古龍島の名を再び思い出すのだろう。
 かつて、この島で戦い世界を護り抜いた者達のことも。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年04月23日


挿絵イラスト