群竜大陸産グリモア!? ベルセルククリスタル争奪戦
●不毛の大地に眠る物
群竜大陸の一角に見渡す限り荒涼とした大地が広がっている領域がある。帝竜戦役で倒された帝竜『ベルセルクドラゴン』がその狂的な好奇心によって全てを破壊し尽くし、そこは今や終焉の地ベルセルクと呼ばれている。
そんな荒れ果てた土地ではあるが、破壊を振りまく帝竜がいなくなったこともあり、新たな来訪者がたくましく生きていた。
「ベルセルクドラゴンの奴、あっけなく猟兵に討ち取られてやんの。ついでに相変わらず小難しいことを色々と並べてなんか結晶がどうのとか言ってたなあ」
手に持つ不気味に光る結晶体を眺めながら白いうさ耳を揺らし、倒された帝竜を嘲笑するのは兎獣人種族の女魔導士。名をフロワールという。
「あいつが死んでからこの変な結晶が出始めたけど、実はかなりの値打ち物なのかしらね。見た目は綺麗だから物好きが買ってくれそうだけど」
誰にともなく言い放つと結晶体を袋にしまった。袋の中には他にもいくつか同じような結晶体が収まっている。
「いつまでもここにいるわけにもいかないし、そろそろ潮時かしら。次のがかかったら……そうね、地上に降りてまた旅もいいわね」
今後の方針をそう定めたところで遠くから聞き慣れた大きな叫び声が聞こえてきた。
「言ってるそばから良い知らせね。ここでの最後のお仕事、ちょっと軽くひとっ走り行ってこよ」
●財宝を奪い取れ
「皆さん、急な話なのですが群竜大陸への出撃をお願いします」
グリモア猟兵のサラ・ルーチェ(光剣士・f00190)が焦った様子で猟兵たちに呼びかける。
「先日、群竜大陸でオブリビオンが財宝を利用していることを予知しましたが、今回はさらに厄介なことになりそうなのです」
群竜大陸とはアックス&ウィザーズ世界で行われた帝竜戦役という戦争の舞台で、戦争が猟兵の勝利で終わった後は領主(ドラゴン・ロード)が統治しているが、まだまだオブリビオンは残っており、今も多くの残党が蠢いている。
ちなみにグリモア猟兵には予知能力と転移能力があり、予知した事件を解決するべく猟兵を現場に送ることができるのだ。ただ、転移については連絡の維持に集中する必要があるので事件には他の猟兵に対処してもらうことになる。
「場所は群竜大陸の終焉の地ベルセルクになります」
かつて帝竜『ベルセルクドラゴン』が君臨していたこの地にはごく稀に不気味に光る結晶体が出現するようになっているが、戦争中にこの帝竜がグリモア猟兵のことや所持するグリモアや予知能力について核心を突いた推測をしており、この結晶体が何らかの成果物である可能性がある。
そしてその結晶体――『ベルセルククリスタル』をオブリビオンが収集、群竜大陸の外へ持ち出そうとしているのだ。
だが、幸いにも収集しているオブリビオン『氷風の兎魔導士』フロワールは結晶体の価値には気づいていない。
「万が一、この『ベルセルククリスタル』がしかるべきオブリビオンの手に渡ったら、最悪の場合、グリモア猟兵の秘密を知られてしまう恐れさえあります」
それだけは防がねばなりませんと、サラは強調する。
「皆さんは現地へ赴いてフロワールを撃破し、彼女が収集した『ベルセルククリスタル』を回収してください」
フロワールはいつどこに出現するかわからない『ベルセルククリスタル』を探すため、あちこちに植物系モンスターの『アルラウネ』を配置し、発見すると叫び声を上げるように指示している。
「これを逆手に取り『アルラウネ』を発見し、叫び声を上げさせればフロワールが姿を現すはずです」
普段『アルラウネ』は地面に埋まっているため頭部の葉っぱを目印に荒野の中を探す必要があるだろう。
「それで、またちょっと面倒なのですがフロワールが配置したのと野生のが入り交じっていて、フロワールは自分が配置した『アルラウネ』の叫び声でないと現れないのです」
とはいえ見分け方があるわけでもないので片っ端から叫び声を上げさせて撃破し、フロワールが現れればそのまま戦闘に、現れなければ次の『アルラウネ』を探すしかなさそうだ。
「フロワールは氷風の二つ名を持っているほどなので氷の魔法を得意としています。激しい吹雪のような攻撃を繰り出してくることでしょう。どうか十分に注意してください。皆さんに光の導きがありますように」
彼女なりの祈りの言葉で説明を締めくくり、無事への願いと共に猟兵達を送りだすのだった。
如月麗文
OPをご覧いただきありがとうございます。
如月麗文でございます。
群竜大陸の旧帝竜エリアにさらにオブリビオンの存在が予知されました。
舞台はマップの番号で言うと「⑬終焉の地ベルセルク」です。(マップはこちら https://tw6.jp/html/world/event/012war/012_dragonlord.htm )
第一章は終焉の地ベルセルクで『アルラウネ』を探して撃破します。状況についてはOPの通りですが、探すのはそれほど難しくないので戦闘重視のプレイングでも大丈夫です。
戦闘についても本来はアルラウネは群体のところ単体になるのでおおよそ圧勝できるでしょう。
参考までにアルラウネのUCは下記の通りです。
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【POW】●ルナティック・クライ
【聞く者を狂わせるおぞましい叫び声 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
【SPD】●スクリーミング・レギオン
レベル×5体の、小型の戦闘用【マンドレイク(アルラウネの幼生) 】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
【WIZ】●リパルシブ・シャウト
対象のユーベルコードに対し【それを吹き飛ばす程の大音声 】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
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第一章が戦闘メインになるか探索メインになるかは皆様のプレイング次第となります。
それに続く第二章では集団戦『アルラウネ』、第三章はボス戦『『氷風の兎魔導士』フロワール』となります。
フロワールを倒し、グリモア猟兵が持つグリモア相当品かもしれない結晶体をこの機会におひとついかがでしょうか。(フロワールが貯め込んでますので参加者様全員に行き渡るだけあります)
『ベルセルククリスタル』の金銭的価値はその美しさから一個金貨1250枚(1250万円)の値が付きます。でもOPの通りの品物ですので、売り払うかは皆様次第でございます。
なお、リプレイ内で入手されてもアイテムとしてお渡しは出来ませんのでご了承ください。
それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『群竜大陸の探索』
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POW : 地道に歩き回って情報を集めたり、あえて危険な場所に踏み込んで捜索する
SPD : 潜伏するオブリビオンの痕跡を見つけ出し、隠れ場所を突き止める
WIZ : オブリビオンの行動を予測して網をはったり、偽情報で誘き出したりする
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
七瀬・麗治
ジャージ姿でバイクに乗って登場。
よう、待ってたぜ。オレは七瀬麗治。
終焉の地・ベルセルクの領主として、みんなを案内するぜ。
領主といっても、バイクでぶらついてるだけなんだがな…。
正直いうと、オレも自力でベルセルククリスタルを
見つけ出せる自信はない。希少な鉱物だし、オレ自身この
広大な領地を管理しきれてるわけじゃないしな。領民もいないし。
そのことでオレの『別人格』が愚痴をたれて喧嘩をするんだが…
ま、余計な話だな。
猟犬型UDC【カルマハウンド】を放ち、群生しているアルラウネを
<追跡>する。こいつは普通の犬とは違うからな、叫び声にも
動じないぜ。
オレは黒剣で<薙ぎ払い>、ハウンドは<グラップル>で攻撃だ。
見渡す限りの荒れた大地で土煙をあげながら疾走する一台のバイク。流線型のシャープなボディに巨大なタイヤを履いた、戦闘用オートバイであり、それを駆るのはジャージ姿の七瀬・麗治(ロード・ベルセルク・f12192)だ。
だいぶラフな出で立ちだがこう見えてここ終焉の地ベルセルクの領主(ドラゴン・ロード)である。
グリモア猟兵の予知を受けて討伐が実施されることになり、こうして転移で送られてくる猟兵を出迎えに来たのだ。
「よう、待ってたぜ。オレは七瀬麗治。終焉の地・ベルセルクの領主として、みんなを案内するぜ」
そう言うとユーベルコード【カルマハウンド】で猟犬型UDCを召喚し、ターゲットへ向けて放つ。
「さあ、行ってこい!」
麗治の指示を受け猟犬が臭いを嗅ぎながらこの荒野のどこかにいるアルラウネを求め走り出す。
それを見送ってから、猟犬が走って行った方向にみんなで速度を合わせて進み始める。
「領主といっても、バイクでぶらついてるだけなんだがな……」
地面に埋まっているアルラウネを探して叫ばせフロワールをおびき出すのが基本的な方針だが、そうなるまでもう少しかかりそうなので探索ついでに猟兵同士で軽い雑談をかわす。
「正直いうと、オレも自力でベルセルククリスタルを見つけ出せる自信はない。希少な鉱物だし、オレ自身この広大な領地を管理しきれてるわけじゃないしな。領民もいないし」
帝竜『ベルセルクドラゴン』が全てを破壊し尽くした不毛の大地がこの終焉の地ベルセルクである。そんな土地を領土として渡されても管理しきれないというのは彼の正直な気持ちだろう。まして領民もいないとあっては、領主自らの手で開墾から始めなければなるまい。
「そのことでオレの『別人格』が愚痴をたれて喧嘩をするんだが……ま、余計な話だな」
多重人格者の麗治には主人格の麗治の他に「ロード」という狂暴な闇の別人格がいる。
ロードはこの広大な領土に城を建てたいらしいが高校時代にサッカー名門校のチームで活躍していた麗治はサッカー場が欲しいので喧嘩になってしまうそうな。
そうこうしているうちにカルマハウンドで放った猟犬が吠え始める。どうやらアルラウネを見つけたらしい。
麗治たちが近づくとアルラウネは地面から飛び出しものすごい叫び声を上げると周囲のもの全てを吹き飛ばそうとするが、すかさず猟犬がその喉笛に噛みつき動きを封じると麗治が黒剣のひと薙ぎで切り伏せる。
だが、アルラウネを倒してからしばらく周囲を警戒してみたがフロワールが来る様子はない。どうやらこれは野生のアルラウネだったようだ。
仕方なく猟兵たちは次の獲物を求めて探索を続けるのだった。
成功
🔵🔵🔴
祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を
*アドリブ歓迎
『フェアリーランド』の壺の中から風/土/生命の精霊と聖霊と月霊を呼んで“七色こんぺいとう”を配って「アルラウネが居るから探して欲しいんだ♪」と言って探してもらい、見付ると近付いて『クリスタライズ』で姿を隠して『エレメンタル・ピクシィーズ』で精霊の属性攻撃を『神罰の聖矢』で聖属性攻撃を仕掛けます!
敵の攻撃は『月世界の英霊』で空間飛翔して避けさながら敵のUCを『月霊覚醒』で封印/弱体化させます♪
状況を見ながら『叡智富める精霊』+『神聖天罰刺突』で苛烈な猛攻を仕掛けます!
猟兵に『祝聖嬢なる光輝精』で傷を治し『シンフォニック・メディカルヒール』で状態異常を癒します☆彡
最初のアルラウネを倒したもののフロワールが現れることはなく、続けてフェアリーの祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)が自らが持つフェアリーランドの壺から風や土や生命の精霊と聖霊と月霊を呼び出して“七色こんぺいとう”を配ると。
「アルラウネが居るから探して欲しいんだ♪」
とお願いして精霊たちに荒野の探索をお任せする。
その間ひらひらと宙を舞って吉報を待つティファーナであるが、彼女はビキニの水着姿を思わせるような大胆な服装をしている。
これは夏だからというわけではなく、肢体を縛る窮屈な衣類をとても嫌うティファーナが普段から着ているものだ。
見る者によっては『普通』のフェアリーに見えるかもしれない。
しばらくして精霊たちがアルラウネを見つけたと知らせに戻ると、ティファーナは姿を透明にして近づき精霊たちを配置につけると歌うようにして攻撃を命じ、戦闘が開始される。
「歌唱う、我らが精霊・聖霊・月霊よ♪ 歌い、踊り、唄い、舞踏れ♪ 素ノ源ヨリ来タレリ……」
何者かの接近を察知したアルラウネは地面から飛び出し近づいてきた獲物にその叫び声を浴びせようとするが、それよりも早く歌に応じた精霊たちがアルラウネに雨あられと魔法の矢を浴びせかけると。
「光りを怯える闇と悪よ、悔い改めなさい……」
それに合わせてティファーナもまた指先をアルラウネに向けユーベルコード【神罰の聖矢】を放つと、詠唱とともに天からの光がアルラウネを貫きその身を焼き焦がしていく。
これにはたまらずアルラウネは大音量で叫び声を上げ、周囲で飛び回るフェアリーや精霊もろとも自分に降り注ぐ猛攻を吹き飛ばしにかかった。
「世界を巡りし英霊よ…… 蘇ノ能力を現わせ……!☆」
ティファーナのもとに光り輝く英霊が現れその空間飛翔を駆使してアルラウネのユーベルコードを巧みにかわしていく。
初撃をかわされたアルラウネは続けて叫び声を上げようとするがその顔面に黄色い球体が直撃した。
「月は眼醒めた…… 其の総ては庇護と加護と祝福を絶たれる……☆」
続けて黄色い半球、黄色いブーメラン、最後に黒い球体が直撃し、アルラウネの叫び声の効果を封じる。
これはそれぞれティファーナが【月霊覚醒】で放った満月・半月・三日月・新月で、全て命中すると相手のユーベルコードを封じるのだ。
こうして反撃を抑えるとティファーナは精霊たちとともに総攻撃をしかける。
「精霊、聖霊、英霊、月霊よ、叡智と膂力を示せ!☆ 神罰なる天罰の刺突を!☆彡」
ティファーナに従う精霊たちはそれぞれが持つ属性をアルラウネに投げつけ、それらがアルラウネにあたると神々しく光輝き、無数の神聖なる神罰に変形してさらに深く突き刺さった。
神罰をその一身に受けてアルラウネは地に倒れ伏すが、残念ながらしばらく待ってみてもフロワールが姿を現す様子はない。
もう少しアルラウネを倒して回る必要がありそうだ。
成功
🔵🔵🔴
神奈木・璃玖
ベルセルククリスタル、その金銭的価値は美しさからひとつ金貨1250枚だとか
それを大量に保有して、なおかつ持ち出そうとしているなんてうらやま…ごほん、けしからんのですか
一商人として、このような事態は見過ごせません
それにグリモア猟兵の秘密も彼らには知られるわけにはいきませんからね
とはいえ、この広い大陸をどう探したものでしょう
選択UCでもって眷属を呼び出して、人手を増やしましょう
この広さではあまり意味は無いかもしれませんが、いないよりはマシでしょう
というわけで、あなた(眷属)はあちらを頼みます
アウラウネは引っこ抜いたら適当に処理してください
あまり遊びすぎないように、気をつけてくださいね?
エルヴィン・シュミット
終焉の地・ベルセルクか…
生憎竜帝戦争には参加してなかったが、今は関係ないな。
それよりも、仕事の話だな。
ベルセルククリスタルとやらを集めている奴を見つければいいらしいが…
ソイツへの足掛かりにするためにアルラウネを狩って回るのか。
まあ、大事なお仕事だし気合入れていくか。
荒野の中からアルラウネの葉を探し回るのはちょいと骨が折れそうだな。
俺は【BLADE RUNNER】の【ダッシュ】と【ジャンプ】を併用して可能な限り高速で移動して探すか。
【フレースヴェルグ】にも【偵察】を頼んでそれらしいものを探して貰おう。
獲物を見つけたら、後は【ALUETTE】で斬り捨てるなり勢いのまま蹴り飛ばすなりすればいいか。
破壊の傷跡が生々しい不毛の大地でアルラウネを探す猟兵の中に眼鏡をかけた眉目秀麗の商人がひとり。
照りつける太陽光を受けて輝く銀髪を風に靡かせながらに琥珀色の瞳で荒野を眺めているのは神奈木・璃玖(九尾の商人・f27840)だ。
買い付け先も物を売る市場もないこの地にどうして彼がいるのかというと、この地に眠る財宝に目をつけたからである。
ベルセルククリスタル、その金銭的価値は美しさからひとつ金貨1250枚だと言われている。
「それを大量に保有して、なおかつ持ち出そうとしているなんてうらやま……ごほん、けしからんのですか。一商人として、このような事態は見過ごせません」
うっかり本音が漏れてしまったが商人としてはやはり気になるところだろう。
「それにグリモア猟兵の秘密も彼らには知られるわけにはいきませんからね」
そう、ただの金銭ならともかくグリモア猟兵の持つ予知能力をオブリビオンに知られるのはよろしくない。
大義のため、そして財宝のため、璃玖は終焉の地ベルセルクでアルラウネ探しに加わっていた。
「とはいえ、この広い大陸をどう探したものでしょう」
領主でさえ管理しきれないほどの広大な土地で手がかりになるのはアルラウネのみ。
とりあえず人手を増やそうということで眷属の狐をユーベルコードで呼び出す。
「というわけで、あなたはあちらを頼みます。アウラウネは引っこ抜いたら適当に処理してください。あまり遊びすぎないように、気をつけてくださいね?」
主人の言いつけに「コーン」と鳴いて応えると早速アルラウネを求めて荒野に駆けだしていく。
「お手伝い、よろしくお願いしますね。私の眷属たるもの、これくらい造作もないでしょう? 良い働きを期待していますよ」
そうして狐を見送った後、璃玖もまた別の方向でアルラウネを探すが見渡す限りの荒れ地と地平線にいささか辟易してくる。
「この広さではあまり意味は無いかもしれませんが、いないよりはマシでしょう」
先ほど送り出した眷属の健闘を期待しつつ地面の葉っぱを探す。
「面倒だが……やる他になさそうだ」
そう璃玖に答えたのは今いる群竜大陸があるアックス&ウィザーズ世界出身のドラゴニアンの聖騎士エルヴィン・シュミット(竜の聖騎士・f25530)。
面倒だなんだと不満を口にしているがそれでもグリモアの秘密の危機と聞きつけてこうしてその面倒なアルラウネ探しを手伝っているように、根は熱血漢なのだ。
そのアルラウネに当たりと外れがあるというギャンブル性に魅力を感じたのもあるかもしれないが。
「終焉の地・ベルセルクか……」
エルヴィンは帝竜戦役には参加していないが、それに参加していたかは今回の危機には関係ない。
むしろ今は目の前にある危機にどう対処するかが問われている。
「それよりも、仕事の話だな」
転移前に受けた説明を思い返すとベルセルククリスタルとやらを集めている奴を見つければいいらしいことは理解している。
「ソイツへの足掛かりにするためにアルラウネを狩って回るのか」
そのやり方もシンプルだが、荒野の中からアルラウネの葉を探し回るのはちょいと骨が折れそうだった。
「まあ、大事なお仕事だし気合入れていくか」
そう自分を奮い立たせるとエルヴィンは銀の刃の意匠が光るインラインスケート【BLADE RUNNER】で荒野を滑走しながらアルラウネを探し回り、小型のドラゴン【フレースヴェルグ】を上空から見張らせて広い範囲に目を光らせる。
程なくして地面の葉っぱを見つけるとその勢いのまま突撃し、飛び出してきたアルラウネを手に持つ片手半剣【ALUETTE】で斬り捨てる。
そのまま周囲を警戒するがフロワールが姿を現さないとみるやフレースヴェルグの誘導で次のアルラウネに突進、そのまま蹴り飛ばして撃破した。
そうして何体かのアルラウネを倒してから次なる獲物を求めて地面の葉っぱに近づくと、その一体が飛び出すのに合わせて周囲から次々とぼこっ、ぼこっとアルラウネが飛び出してくる。さらには飛び出したアルラウネの叫び声を聞いて助けに来ようというのかたくさんのアルラウネが猟兵めがけて殺到してきた。
一方、しばらく前に送り出した璃玖の眷属の狐もまた全速力で主人のもとに駆け戻ってくる。少し遊びが過ぎたのか、大量のアルラウネに追われている様子が見て取れた。
どうやらこのままここで迎え撃つほかなさそうだが、もしかしたらあの中にフロワールの配置したアルラウネがいるかもしれない。
猟兵たちはそれぞれで武器を構えるとこれから始まる戦闘に備えるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 集団戦
『アルラウネ』
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POW : ルナティック・クライ
【聞く者を狂わせるおぞましい叫び声 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD : スクリーミング・レギオン
レベル×5体の、小型の戦闘用【マンドレイク(アルラウネの幼生) 】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ : リパルシブ・シャウト
対象のユーベルコードに対し【それを吹き飛ばす程の大音声 】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ベルセルククリスタルを収集しているオブリビオン『氷風の兎魔導士』フロワールをおびき出すべく彼女が配置したアルラウネを荒野で探し回っていた猟兵たちであったが、その道中でおびただしい数のアルラウネに遭遇。
この中にフロワール配下のアルラウネがいてくれれば広大な荒野を探し回ることからは解放されそうだが、まずはこの大群を倒さないことには次へ進めない。
猟兵たちは視界を埋め尽くす植物モンスターの群れを終焉の地ベルセルクで迎え撃つ。
神奈木・璃玖
(大量のアウラウネを引連れて戻ってきた眷属にため息)
遊びすぎないようにと言ったのに、全く何をやってるんでしょうか
大量のアウラウネを引き付けてこいだなんて、誰も言ってないでしょうに
しかしこちらから探す手間が省けたので良しとしましょう
数には数で対抗です
選択UCの狐火のいくつかを逃げ道を封鎖するように放ちます
残りはアウラウネへ直接向かわせましょう
彼らも元は植物、よく燃えてくれますよね
この中に敵の放ったアウラウネも含まれているでしょうから、燃やせばきっと黒幕が姿を現しますよね
そうそう、眷属の狐ももちろん戦闘支援をしてくれますよね?
自分で蒔いた種なんですから、ちゃんと後処理はしないといけませんよ
周辺の地面から次々と飛び出し向かってくるアルラウネに加え、狐を追いかけながら殺到してくる大量のアルラウネを眺めながら神奈木・璃玖(九尾の商人・f27840)は優雅な仕草で眼鏡の位置を直すと深いため息をつく。
「遊びすぎないようにと言ったのに、全く何をやってるんでしょうか」
あの追われている狐は彼の眷属であり、主人の言いつけにもかかわらず遊びすぎたことでご覧の有様になってしまったようだ。
「大量のアウラウネを引き付けてこいだなんて、誰も言ってないでしょうに」
アルラウネを引っこ抜いて適当に処理しろとは言ったが、まさか今の惨状を指して『適当に処理』したとでも言い張るつもりなのだろうか。
「しかしこちらから探す手間が省けたので良しとしましょう」
商人をやっていれば想定外のひとつやふたつは当たり前、人間万事塞翁が馬という言葉もある。
さしあたり今回に限ってはむしろ怪我の功名と言えそうでもある。商人らしく状況を最大限利用することとし、璃玖は押し寄せるアルラウネに相対する。
数には数で対抗とばかりにユーベルコードで無数の狐火を生み出すと巧みな操作でアルラウネ軍団の一角を包囲しその逃げ道を遮断すると、別で控えさせておいた狐火を向かわせて元々植物であるアルラウネを燃やしにかかる。
不毛の大地に生える植物らしく乾燥には強いようだがそれだけに炎を浴びるとそこだけ山火事が起きているかのように見事な勢いで延焼していきアルラウネを炭に変えていく。
しかし敵も然る者、炎上を免れたいくつかの個体が大音声で叫び声を上げ炎を退けると璃玖へ向かって根のような足を伸ばしてくる。
「そうそう、もちろん戦闘支援をしてくれますよね?」
敵の反撃が迫る中、既に主人のもとにたどり着いていた眷属の狐に璃玖がやんわりと対処を求めると、そんなことを言われるのは予想してなかったとばかりに驚いた様子で狐が主人を見上げた。
要するに山火事のように燃えさかるアルラウネの群れに飛び込んで残りを倒してこいということだ。
「自分で蒔いた種なんですから、ちゃんと後処理はしないといけませんよ」
狐としては行きたくはなかっただろうが、主人の穏やかな口調ながらもそこに込められた強い意思を感じ取り、汚名返上とばかりに炎の中に飛び込んでいく。
「この中に敵の放ったアウラウネも含まれているでしょうから、燃やせばきっと黒幕が姿を現しますよね」
璃玖は今後の展開をそう予想し、眷属の奮闘を眺めながらフロワールの出現を静かに待ちわびるのだった。
成功
🔵🔵🔴
エルヴィン・シュミット
おっと、大勢でのお出ましと来たか。
これだけ居れば「当たり」も混ざってるかも知れねえし、さっさと片付けるぜ。
まずは【ROYAL HEART】の【誘導弾】【弾幕】【一斉発射】で手近な奴から吹っ飛ばす!
そのままユーベルコードを発動!
召喚した幻影ドラゴンの後に続いて突撃して【ALUETTE】の【なぎ払い】を活用しながら片っ端から斬り捨てる!
こっちも遊びで来てる訳じゃないからな、悪く思うなよ!
商人とその眷属がアルラウネの群れの一角を盛大に燃やしている頃、この群生地を探し当てたエルヴィン・シュミット(竜の聖騎士・f25530)にもアルラウネが殺到してきていた。
「おっと、大勢でのお出ましと来たか」
もとより豪快なタイプのエルヴィンにしてみれば荒野の中で探し回るなどという面倒な作業よりも目の前に敵が大挙して押し寄せてくるほうがやることが単純明快でやりやすかった。
「これだけ居れば『当たり』も混ざってるかも知れねえし、さっさと片付けるぜ」
彼の言う『当たり』とはフロワールが配置しその叫び声でフロワール本人を呼んでくれるアルラウネのことを指す。ちなみに『外れ』は帝竜『ベルセルクドラゴン』の死後に物好きにもこの不毛の大地に生息し始めた野生のアルラウネだ。
こう見えてギャンブル好きなエルヴィンとしては是非とも『当たり』を引き当てたいところだが、倒してみないことには始まらないのでフロワールの出現を期待しつつ最初から景気よくトランプ(切り札)を切る。
ハートのエースが描かれたカードを取り出して宙に放り投げると。
「吹っ飛べ!」
エルヴィンの声に応えるようにカードは迫るアルラウネの群れに向き直り無数の魔法の弾幕を一斉発射。たちどころに群れの先頭集団を粉砕すると、そうして敵の出鼻を挫いたところで即座にユーベルコードでカウンターを叩き込む。
「スクランブル発動! 片っ端から粉砕しろ!」
詠唱とともに召喚された幻影ドラゴンが緊急発進してアルラウネの上空を飛翔し、その身に生やした機関銃で弾丸の雨を降らすと、その飛行ルート上の敵を蜂の巣に変えていく。
機関銃の討ち漏らしや叫び声による相殺でどうにか生き延びたアルラウネもいたが、その混乱が収まる前に幻影ドラゴンに続けて突撃するエルヴィンが片っ端から斬り捨てていく。
「こっちも遊びで来てる訳じゃないからな、悪く思うなよ!」
ただただ片手半剣【ALUETTE】の餌食になっていく敵に叫びながらエルヴィンは何体目かのアルラウネを薙ぎ払っていった。
成功
🔵🔵🔴
祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を
*アドリブ歓迎
『グレムリン・ブラウニー・ルーナ』が飛び出してアルラウネを指差すので『フェアリーランド』の壺の中から風/火の精霊と聖霊と月霊を炉び出します☆彡
敵のUCは『月霊覚醒』で封印/弱体化させながら『月世界の英霊』で空間飛翔して避けます♪
『エレメンタル・ピクシィーズ』で属性攻撃を『神罰の聖矢』で聖攻撃を仕掛けます!
『聖精月天飛翔』でWIZを強化して必要なら『叡智富める精霊』+『神聖天罰刺突』で苛烈な猛攻を仕掛けます☆彡
猟兵の怪我人には『祝聖嬢なる光輝精』で治して『シンフォニック』で状態異常を癒します♪
精霊・聖霊・月霊・小妖精に“七色こんぺいとう”を配って「迷惑だから倒すね♪」
思いもかけずたくさんのアルラウネの登場にフェアリーの祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)は色めき立つとフェアリーランドの壺から風と火を司る精霊と聖霊と月霊を呼び出してユーベルコード【グレムリン・ブラウニー・ルーナ】で彼らのための遊具を作り出す。
風の仲間にはその力をより強める大きな団扇を、火の仲間にはその輝きを鮮やかに飾るいくつもの花火を。
そうして準備を整えた仲間に“七色こんぺいとう”を配っていざお祭り開始。
「迷惑だから倒すね♪」
点火された花火は風に乗りアルラウネの群れに向かうとその真ん中で大輪の華を開く。
色とりどりの焔のショーが戦場に彩りを添えるなか、本来は夜に催す花火大会にせめてものフレーバーとでもいうのかティファーナはユーベルコードで月を生み出すと楽しげにそれを会場に投げ入れる。
「たーまやー!」
火花でアルラウネの植物の身体に火が移り、それが風にあおられ盛大な炎が辺りを明るく照らしていく。
だが見ている分には綺麗だが燃やされるほうはたまったものではない。
アルラウネは宙を舞う忌々しい放火魔をはたき落とそうと天にも轟くほどの叫び声を上げるが、ティファーナは歌うように詠唱をしながらひらりひらりと地上からの猛攻をかわしていく。
その様子は戦っているというよりは悪戯を楽しむそれで、時には歓声も上げながらアルラウネの周りを飛び回る。
ティファーナはしばらくそうしてアクロバットを楽しんでいたが、さすがに飽きたのかアルラウネの一団に狙いを定めると反撃のユーベルコードを紡ぐと。
「歌唱う、我らが精霊・聖霊・月霊よ♪ 歌い、踊り、唄い、舞踏れ♪ 素ノ源ヨリ来タレリ……。光りを怯える闇と悪よ、悔い改めなさい……」
無数の魔法の矢が攻めかかり天から光が突き刺さる。
狙った一団を粉砕するとその勢いのまま上空を飛翔し、さらに魔法の余波を振りまいていった。
成功
🔵🔵🔴
赤嶺・愛(サポート)
『世界が平和になりますように』
人間のパラディン×シーフの女の子です。
普段の口調は「平和を愛する(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、怒った時は「憤怒(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格は明るく、人と話す事が好きで
平和的な解決を望む優しい性格の女の子ですが
戦う事でしか依頼を成功出来ない時は戦う事も厭わないです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
あちらこちらで戦いが続く戦場で、倒されていくアルラウネをその青い瞳で哀しげに見つめる少女がいる。常日頃から世界が平和になりますようにと願う、平和と平穏な日常を愛する少女、赤嶺・愛(愛を広める騎士・f08508)だ。
「ただここで暮らしていただけなのに、ごめんね」
フロワールをおびき出すためとはいえ本来であればただこの不毛の大地に生息しているだけの野生のアルラウネまでをも攻撃するのは本意ではなかった。
だがここでフロワール取り逃がしてグリモアの秘密がオブリビオンに知られることは全ての世界の危機となるため、彼女は輝く金髪をツインテールに結び、ピンクとハートで彩られたビキニアーマーを纏って、アルラウネに果敢に斬りかかっていく。
「でも世界の平和のため、フロワールを見過ごすわけにはいかないの!」
ハート型の盾で攻撃を受け止めながらアルラウネに迫ると愛用の剣の柄に施されたハートの装飾が輝きだし、翼を思わせる鍔からは蒸気が噴き出す。
ユーベルコード【スチームエンジン】で破壊力を増加させたハートフルソードを自己流ながらも鍛えた剣技で振るってアルラウネを一刀のもとに切り裂くと、なおもひしめく植物の群れへ向かい、浴びせかけるように放たれる叫び声を纏ったオーラで凌ぎきる。
「皆の平和の為に、私は戦うよ!」
剣から光の矢を放って何体かを葬るとさらに速度を増した走りで縦横無尽に戦場を駆けまわり、一体また一体と着実にアルラウネの数を減らしてく。
フロワールをおびき出すまで今しばらくは少女の平和への戦いは続きそうだ。
成功
🔵🔵🔴
亞東・霧亥
【UC】
装備中の第一種臨界不測兵器の禁圧を解除。
直径6mのレーザーが数キロに渡り地形を破壊・貫通後、射線に沿って大爆発を引き起こす。
アルラウネの射程外から、一番巻き込める射線を吟味する。
チャージ完了、発射。
光の奔流、轟音、焦熱。
悲鳴も掻き消されるか、上げる前に焼失させる。
「あ、やり過ぎたかな?」
※絡み歓迎
炎に焼かれ、魔法や銃に撃たれ、剣で切り裂かれ続けてもなお押し寄せるアルラウネの勢いは衰えず、依然として迎え撃つ猟兵との激戦が繰り広げられている。
その戦場をやや遠巻きに俯瞰するのはこの荒野に吹く風に黒いコートの裾を靡かせて立つ亞東・霧亥(峻刻・f05789)である。
色白の肌に黒髪と黒い瞳を持つ男性だが、その実体は100年以上を経た懐中時計のヤドリガミだ。
このままあの乱戦に飛び込んでも良かったが、それよりはいっそ大技で勝負を決めてしまおうと勝負師の血が騒ぎ、所持する武器の射線がもっとも有効に使える位置で絶好の機会を待っていたのだが、とうとうその機会が巡ってきた。
霧亥は手に持つ拳銃型のブラスターを構えると、普段はかけてあるリミッターを解除し。
――Release the pressure device. Using the released power.
システムがリミッターの解除と限界を超えた出力が使用されることをアナウンスする。
見た目こそ小型の拳銃であるがこのブラスターはグラビトンを利用した超弩級の破壊力と貫通力を持つ兵器とも言うべき代物で、アックス&ウィザーズ世界においては想像も出来ないほどの技術が用いられている。
そんな物がこの場にあるのはいくつもの世界を渡れる猟兵ならではであり、その鍵を握るグリモアの秘密を守るためにもフロワールからベルセルククリスタルを回収しなくてはならない。
システムがチャージの完了を告げ、霧亥が引き金を引き絞るのに合わせて、この兵器の本当の姿が解放される。
発射と同時に眩い光が辺りを覆い尽くし、その光の奔流がアルラウネを飲み込んでいく。遅れて届くのは轟音、そして膨大なエネルギーによって作り出される焦熱だった。
ブラスターから放たれる直径6mのレーザーが数キロに渡り地形を破壊・貫通後、射線に沿って大爆発を引き起こす。
さながら帝竜『ベルセルクドラゴン』によってもたらされた破壊がもう一度引き起こされたかのような被害をもたらし、アルラウネに加え戦列に並ぶその幼生であるマンドレイクさえも薙ぎ払う。
そして光が通り過ぎた後には巨大な爪痕が刻まれ、おおよそ群れのほとんどが焼き払われていた。
「あ、やり過ぎたかな?」
霧亥はそう心配するが、猟兵たちは残りのアルラウネの掃討に取りかかっていた。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『『氷風の兎魔導士』フロワール』
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POW : グラセ・トゥールビヨン
命中した【つむじ風 】の【拘束】が【氷の枷】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
SPD : ラファール・グラソン
【戦場に散りばめた氷柱の先端 】を向けた対象に、【無数の氷の刃が含まれた突風】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : タンペット・ドゥ・ネージュ
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【氷・風 】属性の【氷漬けにし後方へ吹き飛ばす魔術砲】を、レベル×5mの直線上に放つ。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠幻武・極」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「結晶はそろそろかな」
配置したアルラウネからの叫び声を聞きつけ足早に現地へ急ぐフロワールだったが今日はあちらこちらで不幸にも野生のラルラウネに引っかかる冒険者が多い日だった。
最近になってここの探索が流行りだしたのだろうか。
あるいはこの結晶を諦めてすぐにでも群竜大陸から出て行ったほうが良いのではないかという思いも脳裏をよぎったが、まあ大丈夫だろうという慣れとこれが最後の一個という欲もあった。
そうして逃げ出す最後のチャンスを棒に振り、フロワールは結晶があるはずの近くまでやってくる。
途端、いくつものアルラウネの叫び声に剣戟と銃撃音、そして眩い閃光と轟音が辺りに広がる。
これは何事かと様子をうかがうとちょうどアルラウネの群れが光の放流で消し飛んだ直後。
「うげっ、猟兵!」
すぐさま逃げにかかるがこれを待ち構えていた猟兵もフロワール見つけその背中を追いかけると、しばし荒野を舞台に追走劇が繰り広げられるが、振り切れないと観念したのかフロワールは猟兵に向き直るとユーベルコードの構えをとる。
「こんなところでやられてたまるもんですか! お前らなんてこの『氷風の兎魔導士』フロワール様が氷漬けにしてやるわ!」
ベルセルククリスタルを巡る戦いはいよいよ大詰めを迎えていた。
亞東・霧亥
こいつは遠くから当てるより、至近で殴った方が当てやすそうだな。
・殺気、リミッター解除、限界突破
急所は避けて攻撃をくらい、さも苦戦している様に見せ掛け、殺意の箍を外す。
箍などあるか疑問だが、痛みと出血、その他諸々、あの勝ち誇った嘲笑もスパイスにして、殺意を募らせる。
【UC】
そろそろ頃合いか。
過去の激闘からベルセルクドラゴンに変身する。
渦巻く程の殺意は巨躯を更に増大させ、フロワールなどゴミの如し。
厳かな声音で
『自慢の氷も最早、糸屑と変わらんな。次はこちらの番だ。』
四腕を展開し兎叩きに没頭する。
※絡み歓迎
ようやく『氷風の兎魔導士』フロワールを追い詰めた猟兵たち。
相手の決戦意思に応じて対峙すると、まず動いたのは亞東・霧亥(峻刻・f05789)。
「こいつは遠くから当てるより、至近で殴った方が当てやすそうだな」
先ほどは大技を放った霧亥であるが、追走時のフロワールの素早い立ち回りを見て下手に距離をとるよりこのまま接近戦に持ち込むべきだと判断し、雷迅を抜き放つとフロワールに正面から斬りかかる。
が、さすがにこれは読まれていたか難なくかわしたフロワールが霧亥を指して勝ち誇る。
「そこからまっすぐ切り込んでくるなんて見え見えなんだよ。お返しだよ!」
そうして杖を振るうと巻き起こったつむじ風が霧亥に襲いかかり、咄嗟に庇った左腕にまとわりついて拘束すると急速に凍結して氷の枷に変わるとそのまま肉に食い込むように突き刺さった。
「……っ!」
途端、霧亥の顔が苦痛にゆがむ。
「猟兵と言ってもこの程度かい。大したことないね」
フロワールが嘲笑するが霧亥の瞳に宿る闘志はなお一層激しく燃え上がり、憎きオブリビオンめがけ斬撃を振り下ろす。
しかしそれもフロワールはひらりとかわすと再びつむじ風を生み出し今度は霧亥の脇腹にその氷の刃を突き立てた。
その後、幾度も雷迅を振るうもそのたびに霧亥の傷だけが増えていき、ついには片膝をつく。
「これで終わりだよ。さあ死ね!」
そう言ってフロワールはとどめとばかりに杖を振るうが。
「そろそろ頃合いか」
ここまでの劣勢は全て霧亥の演技。巧みに急所は避けつつ攻撃を受け続けその痛みと出血、そしてフロワールの勝ち誇った嘲笑さえもスパイスにして殺意を募らせ、その箍を外す。
そうして準備を終えた霧亥の本当の攻撃が始まる。
先ほどまでとは雲が逆に流れ、土煙は地面に落ちるとそれを舞い上げていた風は吹いてきた方向へ帰って行き、ようやく僅かばかりの土壌を得た大地は再び痩せこけ破壊された大地へと回帰していった。
ユーベルコード【屍山血河】によって時を遡る力に覚醒した霧亥はその威力をもって過去に対峙した強敵、すなわちベルセルクドラゴンに変貌するとここまで募らせたフロワールへの『殺意』を爆発させる。
殺意の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大させるという、かの帝竜のユーベルコード【ベルセルク・プレデター】さながらに自身を強化した霧亥は眼前のフロワールを悠然と見下ろす。
「ベルセルクドラゴン!? あ、あんた死んだはずじゃ!?」
「自慢の氷も最早、糸屑と変わらんな。次はこちらの番だ」
先ほど負わされた手傷はその巨体からすればもはや些末事。この地のかつての主の出現に驚愕するフロワールをその四腕で圧倒していった。
成功
🔵🔵🔴
エルヴィン・シュミット
やっと現れたな…逃しはしねえよ!
悪いがソイツはアンタが持ってていいモンじゃないんでな、こっちで回収させて貰うぜ。
それじゃ、行くぜ!
【LET IT RIDE】の【属性攻撃】のチューンは炎に合わせて、【衝撃波】で吹っ飛ばす!
チンタラしてると丸焼きにしちゃうぜ、ウサギさん!
とはいえ、俺もあんまり時間を掛けるつもりも無いからな…ユーベルコードで一気にキメるぜ!
『行くぜ…混沌の轟きを聞け!SOUND FROM CHAOS!』
さあさあ、俺の炎とアンタの氷、どっちが上に行くかが観物だな!
あ、報酬が貰えたら?
えーっと…首飾りにでもするかな…。
「やっと現れたな……逃しはしねえよ!」
竜の猛攻に這々の体で逃れてきたフロワールだが、そこへ待ち構えていたエルヴィン・シュミット(竜の聖騎士・f25530)が啖呵をきって得物を構える。
「悪いがソイツはアンタが持ってていいモンじゃないんでな、こっちで回収させて貰うぜ」
「はっ! ベルセルクドラゴンを討ち取ったのは猟兵なんだからお宝も猟兵の物だとでも言うのかい? 生憎とこちとらこういう商売なんだよ」
エルヴィンはグリモアの秘密を守るためにフロワールの持つ結晶体――ベルセルククリスタル――を回収しに来たのだが、彼女はネコババを咎められたと思ったのか拾った物は自分の物だと言い張る。
いずれにしてもフロワールから回収するためには彼女を倒すほかない。そのまま攻撃の態勢に入る。
「それじゃ、行くぜ!」
「問答無用ってわけかい。それじゃあ相手をしてあげるよ!」
エルヴィンはファイアーパターンペイントのギター【LET IT RIDE】のチューンに炎を合わせて衝撃波を放つとフロワールの放つ氷風を相殺する。
「チンタラしてると丸焼きにしちゃうぜ、ウサギさん!」
そう言って得意のギターテクニックで激しいビートを刻むとそれに合わせて炎のうねりが津波のように放たれていく。
「そんなにわか仕立ての炎じゃ小枝だって燃やせやしないよ。本場仕込みの凍えるような寒さをとくと味わうといいさね」
それに対して『氷風の兎魔導士』を二つ名に持つフロワールも炎すら凍りつくような氷の竜巻を杖の一振りごとに繰り出し、エルヴィンの猛攻を退ける。
一進一退の攻防。見ようによっては実力伯仲の者同士が繰り広げる白熱の試合と映るかもしれない。
「とはいえ、俺もあんまり時間を掛けるつもりも無いからな……ユーベルコードで一気にキメるぜ!」
このままでは押し切れないと判断したエルヴィンはギターを弾く速さをさらに上げると勝負をかける。
「行くぜ……混沌の轟きを聞け! SOUND FROM CHAOS!」
放たれる炎のうねりは奔流と化し熱量を増すとその勢いで氷を飲み込んでいくと、押され始めたフロワールもより多くの魔力を投じて猛吹雪のごとき激しさで迫り来る熱に対抗する。
「さあさあ、俺の炎とアンタの氷、どっちが上に行くかが観物だな!」
エルヴィンのギターソロはいよいよ最高潮を迎えるとその炎も高熱の極彩色に煌めいて、ついに氷風の兎魔導士を飲み込んだ。
お気に入りの服に火が移りフロワールは地面を転がり回って必死に消火を試みる。
そんなフロワールを前に、エルヴィンは少し気が早いが報酬を貰ったら首飾りにでもしようかなどと考えるのだった。
成功
🔵🔵🔴
高宮・朝燈(サポート)
『私とおかーさんが居れば、どんなオブリも大丈夫!』
妖狐のガジェッティア×電脳魔術士、7歳の女です。
普段の口調は「ちょっとだけメスガキ(私、あなた、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」、機嫌が悪いと「朝燈スーパードライ(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは、レギオンガジェット>お料理の時間>その他と言った感じです。レギオンガジェットで出てくるガジェットはお任せします。大抵補助的な役割を好みますが、多少の怪我は厭いません。口調はませたメスガキですが、性格的には良い子で、基本的に犯罪的な行為はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「お気に入りの服が! なんてことをしてくれたのよ」
消火を済ませて少しすす焦げたお気に入り服にフロワールはいささかご立腹の様子。
そこへ軽やかな足取りで足の付いたグラスの様な形をした蝶ネクタイのバーテンダースタイルが特徴的な騎乗型ガジェット『バール先生』を駆って、金髪妖狐の高宮・朝燈(蒸気塗れの子狐・f03207)がオブリビオンを倒すのは猟兵の務めとばかりに颯爽と登場。
「オブリビオン! あなたの悪事は私とバール先生が打ち砕いちゃうよ!」
ビシッと指を突きつけポーズを決める姿はさながら正義のヒロイン。言われたフロワールもこの直球な物言いは嫌いじゃないようで。
「やれるもんならやってみな。お前なんか返り討ちにしてやるよ」
いかにもなセリフを返して少女の挑戦を受けて立つ。
「よーし、今回もレギオンガジェット、行ってみよう!」
朝燈がユーベルコードの詠唱を始めるとそれに合わせてドラムロールが始まり続けてファンファーレが高らかに鳴り響くと最後は盛大にシンバルが締める。
「……えいっ!」
そしてかけ声とともに彼女が目の前にあるボタンをポチッと押すと搭乗するガジェット『バール先生』から次々と小さなドラゴンの姿をした戦闘用ガジェットロボが出撃していく。
「今回のレギオンガジェットは口から炎を吐くドラゴン型ガジェット『ファイアーストライカー』だよ! さあフロワールをぶっ飛ばしちゃって!」
朝燈は得意げに出現したガジェットロボを紹介すると攻撃を命じる。
その間、フロワールは律儀にその様子をただ眺めていた。何か攻撃してはいけない雰囲気のようなものを感じ取ったのかもしれない。
そうこうしているうちにファイアーストライカーはフロワールに群がり次々と口から炎を吐くとまたしても彼女のお気に入りの服を燃やしていく。
「熱っ! ちょ、また炎かい!」
これ以上燃やされてはたまらないとあちらこちらから炎を吐くガジェットロボに氷風の魔術砲で必死に応戦するのだった。
成功
🔵🔵🔴
ハルピュイア・フォスター(サポート)
絶望を与えるのがわたしの仕事…。
無表情で口調は事実を淡々と告げます
【暗殺】が得意
また【迷彩】【目立たない】【闇に紛れる】【地形の利用】など使用して隠密にまた撹乱しながらサポート行動
Lost memory…ユーベルコードの弱点を指摘し封じ込む
回避は【残像】で、怪我は厭わず積極的に行動
武器;首にマフラーの様に巻いてある武器『零刀(未完)』は基本は両手ナイフだが鞭や大鎌など状況に合わせて形を変貌させ使用
他猟兵に迷惑をかける行為はしないが、デザートは別問題…奪います
後はおまかせでよろしくおねがいします
「あなたは知りすぎた。グリモアの秘密を守るため、ここで消えて貰います」
赤と青のオッドアイで標的を見据えたまま少女は無表情で淡々とそう告げると、羽根型投げナイフ7本を滑らかな動作でフロワールへ投擲する。
フロワールは先ほどまで真正面から堂々と挑んでくる相手と戦っていたこともありその隙を突いて放たれたナイフはしっかりと標的へ飛翔し、咄嗟の迎撃で2本が阻まれたものの残りは次々と標的の身体を貫いていく。
「知りすぎたっていったい何なのさ。このお宝はそんなにヤバい代物なのかい!?」
「不吉な羽根は2度翼を広げる……」
フロワールの問いかけを無視しオッドアイの少女――ハルピュイア・フォスター(天獄の凶鳥・f01741)がユーベルコード【Lest memory】の追加効果を発動させると、荒野のあちこちに隠れるのに手頃な岩陰が出来上がりハルピュイアそっくりの分身が2体出現し、彼女は分身とともに岩陰を走り回る。
前にいたかと思えば後ろから足音が近づき咄嗟に振り返ったら影も形もなく、見回すとあちらにもこちらにも人影のようなものが見えた気がする。
自分を確実に狙っている敵がすぐそこにいるのに姿を捉えることが出来ない。
恐怖にかられたフロワールは岩陰もろともハルピュイアを吹き飛ばそうと魔術砲の乱射を始めた。
これだけ撃ちまくればあの小賢しい猟兵などひとたまりもないだろう――そうフロワールが希望を持った瞬間、彼女の背後で声がした。
「希望はない……あるのは絶望だけ……」
ハルピュイアは標的にそう告げ、その手に持つナイフを突き刺した。
「――っ!」
突然の激痛に声も出せずに悶えるフロワール。ふらつきながらも間合いをとると恨みがましくハルピュイアを睨み。
「あんた……!」
「絶望を与えるのがわたしの仕事……」
敵の非難や怨嗟など意にも介さず少女はやはり無表情で淡々と告げるのだった。
成功
🔵🔵🔴
マルコ・ガブリエル(サポート)
『初めまして、わたくしはマルコと申します』
『皆様を苦しめるのであれば、わたくしも情けは捨てましょう!』
『まあ、なんて美味しそう……! 宜しければ、一緒にいかがですか?』
笑顔が魅力的で朗らかな女の子です。実は故郷を滅ぼされて天涯孤独の身ですが、そうした悲壮感を仲間に感じさせることはなく、いつも明るく振る舞っています。
誰に対しても優しく、敵にさえ「できれば戦わず、穏便に事件を解決したい」と考えるような優しい性格ですが、無辜の人々を苦しめる悪い奴には心を鬼にして全力で攻撃をお見舞いします。
美味しいもの、特に焼肉をみんなで食べるのが大好きで、無事に事件解決した後はよく他の猟兵をご飯に誘おうとします。
「でえぇぇ!?」
フロワールを強烈な衝撃が襲い兎魔導士が宙を舞う。
オラトリオの聖者にしてクレリックのマルコ・ガブリエル(焼肉天使・f09505)がその手に持つメイスでオブリビオンを全力で殴り飛ばしたからである。
オブリビオンであっても戦わずに和解できればと考える情に篤い彼女はフロワールの持つベルセルククリスタルの放棄と引き換えにこの場での戦いを収めようと熱心に訴えたのだが――
「初めまして、わたくしはマルコと申します。出来ればわたくしはあなたと戦いたくありません」
突然そう話しかけてくる猟兵にフロワールはうさんくさいものを見るような目で応じたが、やや旗色の悪さもあってか話くらいは聞く姿勢を見せた。
「それでですね、猟兵があなたを狙うのはあなたが集めて回っていた結晶体が理由なんです」
「それで、どうしろと?」
もしかしたらこれで戦いは終わるかもしれない。そんな期待を膨らませてマルコはフロワールに提案する。
「その結晶体を全て置いていってくれればもう争わないで済みます!」
「言うに事欠いて全部置いてけとか、応じられるわけないでしょうが!」
フロワールにしてみれば有り金全部渡せば許してやる的なものにしか聞こえなかっただろう。
かくして交渉は決裂し、マルコも覚悟を決める。
「わかりました。皆様を苦しめるのであれば、わたくしも情けは捨てましょう!」
「今の話のどこに情けがあったよ!?」
フロワールの鋭いツッコミも和解への期待も今は忘れ、ただ心を鬼にして全力で攻撃をお見舞いするべくメイスを振りかぶり――
ドサッ!
こうしてフロワールは太陽が高く輝く大空へと旅立ち、たった今めでたく帰還を果たした。
戦いが無事に終われば美味しい焼肉が待っている。
マルコは事件解決後のお楽しみを思い浮かべながらさらにメイスを振るうのだった。
成功
🔵🔵🔴
神奈木・璃玖
この辺のアウラウネは粗方倒し尽くしましたね
お疲れ様です…と言いたいところですが、ちょうど黒幕も現れてくれましたし、もう少し頑張れますよね?(まだやるのかと驚く眷属)
まさか、私があれだけの働きで満足すると本気でお思いで?
(選択UC、九尾の狐に覚醒)
あまり自分の主人を甘く見るでないぞ
なに、これが終わればその働きに見合うだけの『対価』(「稲荷揚げ」)を渡そう
キリキリと励むが良いぞ
眷属をけしかけておいて我だけ何もせぬ訳には行くまい
敵は氷を使うということは熱には弱かろう
狐火を操り、その熱で氷を溶かしてくれる
ベルセルククリスタルを独り占めしようなど言語道断ぞ!
「この辺のアウラウネは粗方倒し尽くしましたね」
うっかり大量にアルラウネを引き付けてきた眷属の狐に自分で蒔いた種の後処理をさせていた神奈木・璃玖(九尾の商人・f27840)は、眷属の働きに満足げに頷くと周囲にアルラウネの姿がなくなったことを確認する。
狐のほうはというと、猟兵たちの炎攻撃でほとんど火事場と化したアルラウネの群れに飛び込んで戦わされたものだから自慢の毛並みがところどころ焼けて縮れてしまっているものの、言いつけられた役目を果たして主人のもとへ意気揚々と戻って来ていた。
「お疲れ様です……と言いたいところですが、ちょうど黒幕も現れてくれましたし、もう少し頑張れますよね?」
労いで終わるかと思いきや今度はついに出現した本命の敵への攻撃を指示され、目を見開いて主人を見上げ、倒したアルラウネの山を一瞥してまた見上げ、そこからフロワールを眺めると最後に主人を見上げて、こんなにボロボロになったのにまだ働かせるんですかと訴えるかのように瞳を潤ませている。
「まさか、私があれだけの働きで満足すると本気でお思いで?」
容赦のない主人に、眷属の狐は教科書に載せたいくらいの見事な涙目に。
そんな狐を見つめる璃玖の瞳が琥珀色から黄金色に変わるとみるみるうちに顔は狐のそれになり身体は銀の毛並みで覆われ尾は九つに分かれていく。
「あまり自分の主人を甘く見るでないぞ」
九尾の狐に姿を変えた璃玖にそう言われ眷属の狐は渋々戦闘に向かおうとするが。
「なに、これが終わればその働きに見合うだけの『対価』を渡そう。キリキリと励むが良いぞ」
狐のほうも現金なもので主人の言葉から『対価』が用意されているとわかるやいなや意気揚々とフロワールに飛びかかっていく。
「眷属をけしかけておいて我だけ何もせぬ訳には行くまい」
フロワールに飛びかかっていく狐を見送りながら璃玖も攻撃に加わるべく狐火を操り相手の氷風を溶かすと、氷の盾を失ったフロワールに狐がその鋭い牙を突き立てる。
「これが私の本性でしてね。少々本気を出させていただきますよ」
動きの鈍った兎に九尾の狐はさらに狐火を放つと、着実に追い詰めていく。
ベルセルククリスタルを独り占めしようなど言語道断。ここできっちりと放出させなくてはと、璃玖は商人として強い決意で臨むのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィゼア・パズル
連携アドリブ大歓迎
「どうもこんにちは、氷の術師殿?」
折角集めた結晶を奪うようで申し訳ありませんが…
…ちなみに購入すれば海に帰る気はありません?…ありませんか。なら仕方ありません。炎に呑まれて下さい?
「冷気には下限がありますが…熱には上限が無いのですよ。『大気に舞う焔の種よ。』」
【属性攻撃、範囲攻撃】の【全力魔法・2回攻撃】数秒で決着を付けましょう
「残念でしたね、術師殿。…その結晶、全て【略奪】させて頂きます。」
…報酬として頂けるとの事…仲間と分けましょう。
…しかしこの辺り…まだあるのですね。…多少、拾う事としますか。
「どうもこんにちは、氷の術師殿?」
もはや満身創痍のフロワールにそう気さくに話しかけるのはヴィゼア・パズル(風詠う猟犬・f00024)。ケットシーの風貌も相まって、この光景だけなら親切なヴィゼアがフロワールを気遣っているようにも見えるが。
「折角集めた結晶を奪うようで申し訳ありませんが……ちなみに購入すれば海に帰る気はありません?」
殺してでも奪い取ろうという姿勢を恐縮して詫びつつ妥協点を提示している……ように見えて実のところヴィゼアは慇懃無礼に「死ね」と言っている。
オブリビオンに対して海に帰る――つまり骸の海に還れというのだから。
もちろんこの提案が受け入れられるなど全く思っていない。
「あるわけないでしょうが。バカにしてるのかい!」
当然のように断られるが、彼の様子はあるいは本気で残念がっているようにさえ見えたかもしれない。
「……ありませんか。なら仕方ありません。炎に呑まれて下さい?」
先ほどまでの朗らかな様子は一変、笑むように細められていた目は鋭く開かれ獲物をまっすぐに見据えている。
「炎? そんなものは氷風の冷気で氷漬けにしてあげるよ!」
「冷気には下限がありますが……熱には上限が無いのですよ。『大気に舞う焔の種よ。』」
フロワールの啖呵にヴィゼアはそんな冷気など何するものぞとばかりに黒炎を全身に纏う魔獣に変化させると、その鋭く強大な爪で周囲の冷気を切り裂くように熱の刃を振りまき、フロワールの魔術砲から放たれる強烈な冷気を熱風に変えていく。
「残念でしたね、術師殿。……その結晶、全て略奪させて頂きます」
そう通告すると虚空から放たれた黒焔がフロワールをその圧倒的な高熱で焼き尽くし、先ほどのヴィゼアの言葉通りにオブリビオンを骸の海に還したのだった。
フロワールが消滅した後に残った袋にはいくつかの不気味に光る結晶体が収まっていた。事前の情報通りフロワールはベルセルククリスタルを収集していたようだ。
「……報酬として頂けるとの事……仲間と分けましょう」
依頼はベルセルククリスタルをオブリビオンから回収することであり、ベルセルククリスタルは報酬としてそのまま山分けということになっている。
どうやらフロワールは意外と貯め込んでいたようでこの回収作戦に参加した全員に行き渡るだけあり、それぞれが自分の手にあるグリモア相当品という噂の品を興味深そうに眺めていた。
「……しかしこの辺り……まだあるのですね。……多少、拾う事としますか」
ヴィゼアを始めそう考えた有志は周囲を探すことにしたようだ。
しかしフロワールでさえアルラウネの物量作戦で2ヶ月かけてようやく集めた品。大変かもしれないが見つけられるかは彼らの根気次第だろう。
かくしてベルセルククリスタルがオブリビオンに持ち出される最悪の事態は猟兵たちの活躍によって防がれた。
結局、ベルセルククリスタルの正体はわからないままだったが、ひとまずはこの勝利を喜び、それぞれが家路につくのだった。
大成功
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