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【Q】竜脈は海底の山頂に眠る

#UDCアース #【Q】 #竜神

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 いずことも知れぬ、深い渦の中。
 『それ』はただ、眠り続けている。
 外の様子を知る術は、ない。
 今はもう、自らのこともわからぬ。
 意識の底にあるのは、古き『竜の姿』と。
 ときを待て、との『何者かの意志』。

 星辰揃いし『とき』は、まだ――。


「この夏、山に行くか海に行くか悩む皆さんに! UDCアースでちょうどいいお仕事のお知らせよ!」
 季節があるのかないのかもわからぬグリモアベースにて。フェアリーのグリモア傭兵、ネミ・ミミーニーズ(f00595)は儀式【Q】の成功の一報を片手に騒がしくしていた。

 グリモアベースがカクリヨファンタズムと繋がったことで。かつて地球、すなわちUDCアースの邪神を滅ぼしたとされる竜神の者たちとコンタクトを取ることが出来た。そのことでUDCアースでの調査に進展があった。
「具体的には、竜神さんたちの言う場所のほとんどに『封印が存在しない』ってことらしいのよ。なんだかよくわからないけど……、『封印が存在しない』とわかったならば、探しようがあるって寸法ね!」
 竜神たちの協力やUDC組織の調査、それに儀式【Q】の力もあって。『竜脈封印』、竜脈あるいはレイラインと呼ばれる『大地に流れるエネルギー』を利用した封印の発見に至ったのだ。
 邪神が封印されているというその竜脈封印の1つは、かつては海底にあったらしい。ただ、どこをどう探しても海底にそれらしき痕跡は発見出来なかった。それもそのはず。海底だったのは数万年前の話。地殻変動やら竜脈の変化の結果、現在での邪神の封印場所は――。
「海底の封印は、今は山の中のどっかにあるらしいわ!」
 ネミは、『この辺が海』とざっくり手書きされている山の地図を広げる。地図はUDCアースの日本の山。大雑把な地域までは判別出来たので、現地にて封印場所を特定し、封印されていた邪神を討伐してほしい。

「具体的な封印場所が予知で見えなかったので、まず最初に山の中を探索してもらうことになるわね」
 山の麓の集落では聞き込みを行うことが出来る。山の中で怪しい場所を掘り返してみたり、ひたすら歩き回って探すのでもいいだろう。かつて海だったという痕跡を探したり、竜脈から溢れているであろうエネルギーを感じ取るなどすれば、『竜脈封印』へと辿りつけるだろう。

「『竜脈封印』の場所を見つけられたら、オブリビオンとの戦闘になるわ!」
 まずは『不純原器』と言われる集団との戦闘。龍脈から溢れるエネルギーに集まり、トレーニングに明け暮れている。敵の目的は不明。何にしても、猟兵を見れば襲ってくることは間違いない。

 敵集団を排除次第、猟兵たちの手で邪神の封印を解き、復活した邪神を討伐することになる。情報が不確定故に、敵の詳細や戦闘時の状況はわからない。ただ――。
「数万年の眠りから覚めたばかりの邪神は弱ってるはず! 『大いなる戦い』とやらが始まる前に叩き伏せるのよ!」

 ネミはとある魚介類のぬいぐるみを力強く振り回しつつ。猟兵たちを送り出した。


背腹かえる
●ご挨拶
 背腹かえるです、よろしくお願いします。
 こちらのシナリオは「【Q】UDCアースで竜神の痕跡を探したい」のシナリオとなります。
 フラグメントは冒険、集団戦、ボス戦。

 第1章、冒険『竜脈封印の伝承』。
 麓の集落、または山の中での竜脈と封印の調査になります。

 第2章、集団戦『不純原器』。
 山の中での通常戦闘となります。

 第3章、ボス戦です。
 封印されていた邪神との正面勝負です。詳細不明。
 謎の封印空間に飲み込まれたりするかもしれません。
 相手は詳細不明の数万年前の古代生物です。
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第1章 冒険 『竜脈封印の伝承』

POW   :    巨石を動かしたり、沼の底に潜るなどして、竜神信仰の痕跡を探索する

SPD   :    探索範囲内全域をくまなく歩いてまわるなど、足を使って竜神信仰の痕跡を探し出す

WIZ   :    村に伝わる昔話や童歌の調査、村の古老との会話などから、竜神信仰の痕跡を探ります

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
WIZ

海底から山ん中って、万年単位の地殻変動って本当すごいな。

フィールドワークの学生装い、まずは麓の集落で聞き込みかな。
確か海底の地層のでき方に特徴があったはず(泥とか砂の層が割とはっきりしやすいとかそんなん)、だから事前にそれを調べておいて、詳しい人に山の中でそういう地層を見たことないか聞き込み。
ついでに貝の化石とか見たことないかもだな。
まぁ、山になるぐらいだから地層が山全体がそうだといえばそうだろうけど。
そのうえで竜などの伝承も聞いてみる。

エンパイア出身としていうのも変だが、古代生物の骨の化石を見て竜とかの生き物がいるって昔の人が思ってもおかしくないと思うんだよな。



「古代生物の骨の化石を見て竜とかの生き物がいるって昔の人が思ってもおかしくないと思うんだよな」
 黒鵺・瑞樹(境界渡・f17491)は、目の前に広がる山景色を見渡す。
「海底から山ん中って、万年単位の地殻変動って本当すごいな」
 事前の情報通りならこの周囲一帯が海だったというのだから驚くばかりだ。この広さの場所を闇雲に探しても時間を浪費するばかり。まずは、麓で聞き込みから行うとしよう。

 ありきたりな学生に扮した衣装を纏い、瑞樹は麓の集落と溶け込む。ご機嫌な様子で話し込む婦人たちを捕まえ、地層と化石について問いかける。
「お時間よろしいですか? この辺りの地層について調べているのですが」
 事前に調べた地層の知識を元に、偽りのフィールドワークを演じる。
「地層、地層ね。えーとほら、あれあれ。なんてったけあの先生」
「あーあの先生、たしか……。ってあんたまだ生まれる前のことでしょ?」
「あの先生?」
「あの先生よ、あの! 名前が出てこない」
 年配のご婦人の記憶力と格闘すること数分。以前この辺りの地質について調べていた研究者がいたという話を聞くことが出来た。そのデータは本として発売され、現在ならばオンライン上でもデータを閲覧できるとのこと。

 専門家が調べたデータか。そのデータがあれば山の調査は大幅に短縮可能だな。

「ありがとうございます。あと、この地域って竜の伝承とかあります?」
 1つの情報を得たところで。瑞樹はもう1つの質問をする。
「竜? そういうのは聞かないねぇ」
「山に関する言い伝えでもよいので、何かありませんか?」
「うちの旦那は山が光ってたなんて言ってたけど、どうせまた酔って――」
「山が光って?」
 不意に語られた現象に、瑞樹は興味を示す。
「なんかの見間違いでしょ? ちょうどあの向こうよ」
 旦那が光を見たとのことだが、奥さんは信じていないのだろう。方角だけ教えてくれたが、それ以上詳しいことを聞くことは出来なかった。

 一旦こんなところか。瑞樹は婦人たちに礼を言って別れる。
「竜脈の影響で光って見えたのかな?」
 竜の伝承は聞きそびれたが、興味深い情報を手に入れた。
「すぐにでも山に行きたいところだけど、まずはデータの確認かな」

 はやる気持ちを抑え。瑞樹は落ち着ける場所を探しに行く。

大成功 🔵​🔵​🔵​

波狼・拓哉
地殻変動で元が海だったところが陸地化してるってのは良くある話ですからね…

さて軽く掘って貝の化石でも出てきてくれれば海って分かりやすいんですけど…そんな簡単にいくもんじゃないですからね…おとなしく麓で聞き込みしよう

コミュ力、礼儀作法で印象高めて話しかけてみましょう
竜についてとかではあんまり情報が得られそうにないし…
山の中で貝の化石が見つかってないか、地層がむき出しになってる箇所はないか辺りですかね
そういうのが好きでこの辺りで見れるって聞いてきたといえば怪しまれもしにくいでしょうし…危ない、入ってはいけないと言い伝えられるところとかも聞けるかもしれません

(アドリブ絡み歓迎)



「地殻変動で元が海だったところが陸地化してるってのは良くある話ですからね……」
 山に囲まれた小さな集落の入り口で、波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)が囁く。
「さて軽く掘って貝の化石でも出てきてくれれば海って分かりやすいんですけど……」
 そう簡単にもいかないだろう。貝の化石を見つけることが目的ならば掘って回ってもいいかもしれない。だが今回の目的は、あくまで竜脈封印と邪神だ。拓哉は手っ取り早く手掛かりを得るべく、麓の集落で聞き込みを行う。

「この煎餅買ってくなら今だよ。じいさんが1人でやってるからね。次はもう買えるかわかんないからさ」
「ここは、笑っていい所なんですか?」
「笑われてるうちは死なないからいいんだってさ」
 最初に見つけた土産物屋で談笑しつつ、化石が出るのか聞いてみる。
「ところで……、この辺りで化石が見つかることってありますか? そういうお土産を喜ぶ友人がいて」
「どこだったっけ? 最近大きい貝が出てきたって言ったの。あの時は大騒ぎしたけど、結局新種じゃなかったって大してニュースにもなんなくて」
 お勧めの銘菓を物色しつつ、恰幅のいい女店主から話を聞く。
 聞くところによると。その筋の人々の間では、この周辺で海の化石が出るということで有名らしい。化石を探すなら地層がむき出しになったいい場所があるのだが。その周辺は整備されておらず、地面も崩れやすいため近づくことは禁止されているという。
「いい? 絶対山に入っちゃだめだからね」
 入るな、という割に詳しく場所を教えてくれる店主に頭を下げ、拓哉は店を出る。
「大丈夫ですよ。そんな危ないところに普通の人は行きませんよ」
 そう、普通の人ならば。

 しばらく集落を歩き回り、拓哉は一息つく。
「化石は、すぐ見つかりそうですが――」
 竜や封印については何も伝わっていないようだ。言い伝えらしい言い伝えも、竜を冠した地名なども残っていない。長い時の流れで忘れ去られたのか、元々そんな言い伝えなどなかったのか。今ではもうわからない。
 ただ確かなのは、今では山への立ち入りが禁止されていること。立ち入りを禁止されるほどに、遭難事故も起きているということ。

 麓の聞き込みはこれで十分だろう。次はいよいよ化石探しだ。
 旅山に入れる装備に切り替え、拓哉は山を睨む。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
SPDで判定

やっほー!山の中を探索だー!竜脈っていうのを探せばいいんだよね♪

背中の翅で飛んで山の中をぐるぐるぐるーと見て回るよ!捜査の基本は翅だよね♪
とりあえず目星がないから「第六感」で適当に飛び回ってみるぞ☆
一応、歩いてる人だと探しにくい斜面とかを中心に見て回るね♪

ぐるぐる飛び回ってる間に現地の動物さんを見かけたら「コミュ力」を発揮して「動物と話す」で話しかけてみるよ!
「ねぇねぇ、みんなここらへんで海で不思議なぱわーがあふれてる場所って知らない!? 海っていうのはね、すっごく大きな水たまりのことだよ!」

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



「やっほー! 山の中を探索だー!」
 山の中にティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)の元気な声がこだまする。
「竜脈っていうのを探せばいいんだよね♪ 捜査の基本は翅だよね♪」
 ティエルは勢いのままに、小さな身体で大きな山へと飛び込んでいく。

 他の猟兵たちが目星になる情報を手に入れてはいたのだが。ティエルはとりあえず自分の勘を信じて適当に飛び回る。
 小さな川の近くを通りかかったところで。近くの茂みが、がさっと音を立てる。
「わ。猪さんだ」
 ティエルは出会った現地住民に近づき、会話を試みる。
「ねぇねぇ、みんなここらへんで海で不思議なぱわーがあふれてる場所って知らない!? 海っていうのはね、すっごく大きな水たまりのことだよ!」

 海? いえ、あっしは生まれも育ちもここでして。

 猪はそれだけ言うと、走り去ってしまう。その後も出会った蛇や鳥などに話を聞いてみるも、役に立ちそうな話を聞くことは出来なかった。ぐるーりと一周して、猪の出会った川に戻ってくる。
「むむー。誰も海のことを知らないんだよ?」
 これは海なんてなかったんじゃ? いやいやそんなことはないはず。もっと海に詳しそうな人を探そう。あっ! 海のことならお魚さんに聞くべきだった!
「こんなこともあろうかと、ちゃんと水着も用意してたんだよ!」
 なぜか持っていた水着に着替えつつ、ティエルは川へと飛び込む。突然の侵入者に逃げ惑う魚たちを追い回しながら聞き込み調査を行う。

 ぱわー あっち

 やま たかいとこ まじむり とうとい

 うみうみうみうみうみ

 魚たちの話を纏めると。あっちのたかいところから流れてくる水には、不思議な力が含まれているらしい。
「今でも、水の中に海の力が宿ってるのかな? うん、そうだね! みんなありがとう!」
 聞き込みを終え、川から飛び出す。あっ! そー言えば、川を遡るとお魚は竜になるって聞いたことがある! これはきっとそうだ。そういうことに違いない!
「そうと決まったら上まで泳ぐしかないね♪ 頑張るぞー☆」
 今飛び出したばかりの河に、ティエルは再び飛び込む。

 山の中の小さな川で。ティエルの調査は続く――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月山・カムイ
SPD
竜神信仰の痕跡を探すとなると、河や河が氾濫した痕跡等を探すのが良いでしょうか
この手の信仰はそういった出来事が元で発生すると聞いた事もありますし

無空跳躍を駆使して上空から地形を把握
河の周辺や昔河があった痕跡を探していく

社等の痕等を見つけることができれば手がかりが得られるのかもしれませんが
そうそう上手くはいかないでしょうね、暫く地道に探してみるとしますか

とにかく諦めず根気よく探し続ける
ただ夜目が効く理由でもないので、日が落ちる前に引き上げるようにはするが、なにか手がかりが見つかる感触があった場合はその限りではなく
日が落ちた後も探し続ける



「竜神信仰の痕跡を探すとなると、河や河が氾濫した痕跡等を探すのが良いでしょうか」
 月山・カムイ(絶影・f01363)は必要なデータを頭に詰め込み。道なき道を進む。
 記録によれば、この周辺での河川の氾濫や土砂災害は決して少なくはないらしい。今年になってからも土砂災害が何度か起きている。その中から特に気になったもの。そう、カクリヨファンタズムが発見されて以降に起きた1件の土砂災害の現場に向かう。

 川に沿って山の中に歩を進め。時折【無空跳躍】を交えて地形の把握に努める。朝早く出発したカムイは、昼過ぎになってようやくその場所に辿り着く。
「ここ、ですね」
 小さな川の脇に残された真新しい崩落の痕跡。剥き出しの地面と転がり落ちた岩に、なぎ倒された木々。いつまた崩れるとも限らない不安定な地盤の上をカムイは慎重に捜索する。
 人工物らしき物は見当たらない。かといって超常の存在の気配も感じない。あるのはただ、自然の痕跡ばかり。
「暫く地道に探してみるとしますか」
 自分に言い聞かせるよう小さく囁き、物言わぬ山の斜面と向き合う。

 どれほどの時間が過ぎただろう。泥だらけになった手を止め、空を見上げる。
「そろそろ日が暮れますね」
 日はだいぶ傾いている。山を下る時間を考えれば、今日はそろそろ切り上げねばならない。これだけ広い範囲で地形が変化していれば何か手掛かりがあると考えたが。空と地上からの操作も虚しく、これといったものは発見できない。今日はこれで最後、とカムイはもう一度【無空跳躍】で跳び上がる。
「……!?」
 何度も見た山の斜面の、暗くなりかけたことで見た初めての表情。その一角に小さな違和感を覚え、空から駆け降りる。その場所にあったのは、1つの大きな丸い岩。
「光っている……?」
 光っている、とは呼べないだろう。暗闇の中で目を凝らせば僅かに感じられる程度の弱々しい光の痕跡。いいや、もう光ってもいない。カムイが触れた時、最後に残っていた僅かな光さえ消え失せてしまったのだ。
 だが、それでも。調査の成果としては十分だ。カムイは、それが竜脈の痕跡であると確信する。

「既に、ここに竜脈はないようですが――」
 今、手に感じた感触。消えゆくその力が指し示された1つの方角。
 掴んだ手掛かりを離さなければ、必ず目的地に辿り着くことが出来るだろう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

家綿・衣更着
数万年前の痕跡探し?文字どころか言葉も怪しいっす!本当に竜神信仰なんてあったんすか?
つか滅ぼしたと封印したって全然違うっす!

封印が存在しない…年月で封印が破れた?
そのまま竜脈を…いや、竜脈吸収できるやつを竜脈封印しないはず。
…不純原器を竜脈吸収して邪神に喰われるエサと仮定し目印にするっす。

一般人が巻き込まれぬようUDC組織に依頼。
トリプルどろんチェンジの一反木綿で上空から偵察&スマホ撮影、
下に降りて画像解析、ネットの古今の地図や伝承とあわせ怪しい場所をピックアップ。
供物を捧げた海辺の祠跡とかないかな。
歩きで調査しUDC怪物とエネルギーを【第六感】で探すっす。

水分補給して熱中症注意っす!



「数万年前の痕跡探し? 文字どころか言葉も怪しいっす! 本当に竜神信仰なんてあったんすか?」
 家綿・衣更着(綿狸忍者・f28451)が空を飛びながらぼやく。
 数万年前と言えば、最古の人類が誕生していたとかいないとかの時代だ。一応、洞窟に壁画くらいは書いたらしいので、竜神信仰も残してくれたかもしれないが――。
「つか滅ぼしたと封印したって全然違うっす!」
 そう、全然意味が違う。言葉を使えない超古代の竜神の言葉を無理やり翻訳しすぎて全然違う話として伝わったに違いない。

 さて、古代人に文句を言っていても仕方ないので。頼れる現代妖怪の衣更着はテキパキと調査の手筈を整える。現在山は許可を得なければ入れないらしい。なのでまずUDC組織を通じて猟兵たちの入山手続きと、一般人への入山許可が下りないよう手配する。
 然る後に、山の地図を手に入れる。古今の様々な地図を照らし合わる。その中で、古い地図の1つに、かつて存在したであろう祠の記述を見つける。かつては氾濫する川を鎮めるために祠がいくつかあったらしい。あったらしいのだが、川の氾濫に飲み込まれるなどしているうちに、いつしか建て直されることもなく消えていってしまったようだ。

 ――、というわけでその祠の跡地を目指して。この【トリプルどろんチェンジ】衣更着一反木綿は飛んでいるわけです。
「祠があったって言うのはこの辺りっすね」
 空の上で、現在の地図と古地図を見比べる。……、特に何もないようだ。
「んんー……?」
 もう一度地図をよく見る。場所が間違っていないことを確認し、地上へと降りる。古地図の時代からおおよそ500年前後。祠が管理されていなかったのなら何も残っていないのも無理はないか。
「ちょっと休憩っす。水分補給して熱中症注意っす!」
 丁度休憩によさそうな四角い石を見つける。触るとひんやり冷えていて気持ちがいい。海の底の石もこんな感じっすかねぇ。
「――ってこれっすよ! 探し物これっすよ!」
 地面から顔出した角ばった石を指さし、衣更着はノリツッコミを入れる。ようやく見つけた手掛かり、衣更着は丁寧にそれを掘り起こす。姿を現したのは、両手で抱え込むほどの大きさの石。触れれば、確かに感じる未知のエネルギー。竜神に縁のある物に間違いないだろう。

 衣更着はもっとよく調べようとその石を動かす。その時、地面の中から。
 確かな力の流れを感じた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クネウス・ウィギンシティ
アドリブ&絡み歓迎
「山の中と特定出来ているだけ未だ良いですか」

【POW】

●地質調査
 グリモア猟兵・山の麓の集落の住人に『竜脈封印』があったおよその年代(十年単位)を聞きこみ調査を開始します。

「地質調査は専門では無いですが……」
『パイルバンカー』の杭を加工(【メカニック】【武器改造】)、中が空洞の筒にして地面に突き刺し土を採取。採取した土層毎に含まれる成分を解析します(ボーリング調査(【地形の利用】【情報収集】)。

「最低限、其処が『海になった年代』と『地層の海』が一致しているかで調べるエリアは絞れるでしょう」
 後は怪しいエリアを魔力なりを可視化出来る『自分の眼鏡』で確認し、封印の場所を絞ります。



 機械化された身体に数々の調査機器を携え。クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄の機構士・f02209)は湿った山の斜面を登る。
「山の中と特定出来ているだけ未だ良いですか」
 麓での聞き込みや他の猟兵たちの調査の結果、おおよその場所の絞り込みは終わった。
 だが、封印の痕跡は発見できておらず。猟兵たちによる地道な捜索が続いている。目印らしい目印は見つかっていない。手掛かりは、地の底より僅かに感じる竜脈のエネルギーだ。
「地質調査は専門では無いですが……。最後はやはり、足で稼ぐしかありませんか」

 クネウスは、今回のために改造したパイルパンカーを地中深くへと撃ち込む。土が詰まった杭を取り外し、電脳ゴーグルを通して成分を分析する。泥と砂だったものが作り出す独特の縞模様から、おおよその年代が割り出される。
「ここも海の地層に間違いないようです」
 土壌の採取と分析。既にこの日何度も同じ作業を繰り返している。竜脈の痕跡と思われる魔力の籠った土。最初は外すこともあった。今は、確実に当てられるようになっている。土から魔力が消えていくのを静かに見つめ、魔力の流れる方角を確かめ、進む。
 途中までは川に沿って迅速に。今は崩れやすい切り立った斜面を慎重に。
「この先に竜脈封印があるとみて間違いないでしょう」
 歩みを進める度、土の中に含まれる魔力が高まっていくのをその眼鏡で感じる。竜脈の流れは確実に掴んでいる。

 こうして。
 クネウスは、山頂付近の開けた場所まで辿りついた。
「ここに間違いなさそうですね」
 露出した地層から、顔を見せるのは古の貝であろうか。ここに立っているだけで未知の力、竜脈のエネルギーを感じる。だが肝心の、竜脈封印はどこだ……?
「この空き地の中心は――」
 開けた地の中央に、小さな水溜りを発見する。湧き水だ。
 クネウスは魔力を映す『自分の眼鏡』で小さな源泉を見据える。それは、ただの真水が湧き出しているのではない。夏の山に吹くのは、潮の香が混じる古の海の風。

 今一度パイルバンカーを構える。装填されている杭は、中が空洞の採取用ではない、攻撃用の杭だ。
 周囲に邪神の気配は、ない。だが――。
「これより、戦闘行動に入ります」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『不純原器』

POW   :    力で解決
対象のユーベルコードに対し【ドロップキック】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
SPD   :    質量返し
いま戦っている対象に有効な【攻撃対象とまったく同じ質量の金属塊】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    多重複製
【熱い想い】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【自身の複製】から、高命中力の【筋肉による一撃】を飛ばす。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 封印の地に猟兵が触れ、眠っていた力の流れが目を覚ます。
 先程まで何事もなかった山の景色が嘘のように、膨大な力の流れが巻き起こる。
 その流れを抑え込むように、奇怪な頭部の人物たちが現れる。

「イェーガー! 良くぞこの地に辿り着いた!」
「だが封印石を均一に揃えぬことには封印空間に立ち入ることは叶わぬ!」
「そうする前に! 貴様らを竜脈の奔流に突き落としてくれようぞ!」

 『不純原器』たちは竜脈のエネルギーを宿し、ポージングを決める。
 これだけの数のオブリビオンがどこから出てきたのか。膨大なエネルギーを放つ封印が如何にして隠されていたのか。
 それはもうわからない。既に、調査の時は終わった。

 戦闘開始だ!
家綿・衣更着
暑苦しいんすよ!速攻ぶっ飛ばすっす!

セリフと裏腹に敵の竜脈強化を警戒し一反木綿で回避優先っす。
生成物持ち上げ時に提灯お化けで【おどろかす】で【体勢を崩す】事で武器落とし兼腰など関節へのダメージを狙ったり、
【化術】で敵の仲間や生成物に化け【だまし討ち】でかく乱し同士討ちを狙うっす。
【破魔】【結界術】で竜脈強化解除・遮断も試すっす。
やれるときは巨大狸になり忍者手裏剣を【投擲】【貫通攻撃】っす。逃げられぬよう足(鍛えられぬ弁慶の泣き所や靭帯)狙いっす!

こいつらどこから…つか重要なこと言ってたっす!
戦闘後は封印石を探し【情報収集】【第六感】【結界術】で竜脈の奔流と封印空間について調べるっす。



「こいつらどこから……つか重要なこと言ってたっす!」
 どこからともなく現れた不純原器たちに、家綿・衣更着(綿狸忍者・f28451)が叫ぶ。
 こいつらがどこから飛び出してきたのか気になる。が、それ以上に重要な情報も飛び出してきた。

「重要なのは!」
「言葉ではない!」
「そう!」
「「「力だッ!」」」
 不純原器たちは竜脈から溢れる力をその筋肉に乗せ、一斉にポーズを決める。竜脈の力も重要だが、あいつらの言っている『力』は何というかとにかく違う。
「暑苦しいんすよ! 速攻ぶっ飛ばすっす!」

 開戦と同時に、衣更着は【トリプルどろんチェンジ】を仕掛ける。まずは第一番、『一反木綿』にて空へと逃れる。
「ええい! 面妖な術を使いおる!」
 不純原器たちも空飛ぶ軽い木綿に負けじと、薄く軽い金属板を飛ばしてくる。攻撃により、衣更着の化けた一反木綿が斬り裂かれ、血の色に染まる。その赤い布切れは見る見るうちに膨れ上がり。
 赤い布片はどろんチェンジ第二番、巨大な『提灯お化け』と成り代わる。おどけた表情の提灯が不純原器たちの中に墜ちて、破裂する。
「おお!?」
「その程度の攻撃――ッ!? いない!?」
「イェーガーめ! どこへ消えた!?」
 提灯の爆発が過ぎ去り、不純原器たちが体勢を整える頃には。衣更着の姿はない。あるのは混乱する不純原器たちと、不純原器によく似た姿の――。

 ……、……。

 敵は、不純原器の姿に変化した衣更着を見て。沈黙している。
 マズい、怪しまれてるっす。何とか誤魔化さないと。一先ず、ポーズを決めてみるっす。
「……、……」
「このおかしな重量の者はなんだ!?」
 重量!? 重量でバレたっすか!?
 紛れ込んだ異分子に気付いた不純原器は、目の前のソイツに攻撃を仕掛ける。衣更着が攻撃を避けると、流れバーベルが後ろの不純原器を直撃する。
「突然何をする!?」
「いや今そこにいた重量の!」
「原器に向かって何だこの重量の手裏剣は!?」
「さては貴様! ポンドだな!」
 そこからは、不純原器同士による不毛な同士討ちが始まる。どこからとなく飛んできた手裏剣の正体も掴めぬまま、同じレベルの争いに明け暮れる。

 うまくいったみたいっすね。それじゃおいらは一足お先にお暇してっと。
 今回大事なのは竜脈の奔流と封印空間の方っす。まずはこっそりと結界術で――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺(本体)の二刀流

わざわざ空間に入る方法教えてくれるなんて親切な奴らだな。
あと原器って確か重さとか長さのだよな?現物が廃止されて概念になったからオブリビオンになったのか?

基本存在感を消し目立たない様に死角に回り、可能な限りマヒ攻撃を乗せた暗殺のUC剣刃一閃で攻撃。
例え相殺されても本体のナイフもある。そちらでの攻撃も念頭に置いておく。
敵の攻撃は第六感で感知、見切りで回避。
回避しきれないものは本体で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。
それでも喰らってしまうものはオーラ防御、激痛耐性で耐える。



「わざわざ空間に入る方法教えてくれるなんて親切な奴らだな」
 黒鵺・瑞樹(境界渡・f17491)は獲物の二刀、胡と黒鵺を構えて敵を見据える。
 封印の地に辿り着き、こうして敵と対峙しているが。封印空間に入る術はさっぱりわからない。それをわざわざ教えてくれるのは親切によるものか、あるいはただの慢心か。

「あと原器って確か重さとか長さのだよな? 現物が廃止されて概念になったからオブリビオンになったのか?」
 瑞樹はふと浮かんだ疑問を口にする。重さの基準となる原器が変更されたというのニュースを聞いたのは、しばらく前の話だ。そんな奴らが、なぜ数万年前の封印を?
「我等は一度過去の遺物と成り果てた!」
「だが! 我等を求める声に応じ!」
「この地に馳せ参じた!」
 暑苦しいポーズと共に宣言する不純原器たち。
 誰かがこいつらを呼んだ? ここに封じられている邪神が呼んだのか。あるいはもっと別の――。
「――っと」
 瑞樹の前を重いバーベルが通り過ぎる。気になることはあるが、まずは敵を排除するのが先だ。瑞樹は両手の獲物を握り直す。と同時に、全身の力を抜く。
「この呼吸! こやつ!」
 存在感の揺らいだ瑞樹の影に不純原器たちが1歩退く。その隙に、瑞樹のユーベルコード【剣刃一閃】が駆け抜ける。
「怯むな! 一気に畳み込め!」
 瑞樹の姿を捉えた不純原器が跳び上がる。その軌道を冷静に見切った瑞樹の『胡』と、ドロップキックがぶつかり合う。接触は互角、ならば。瑞樹は左手に握る自身の本体『黒鵺』で、動きを止めた不純原器を斬り捨て。そのまま次の犠牲者へと迫る。
「その二刀は今見た! 同じ技は通じん!」
「おっと、それは失礼」
 瑞樹は黒鵺を宙に投げ、空いた左手と合わせた両手で構えた胡の一閃でドロップキックの姿勢で飛び込んできた不純原器を2つに斬り裂く。そこから流れるように、再び黒鵺を手にし、新たな敵を血に染める。
「ええい敵は1人だ! 休まず攻め続けろ!」

 正面から数と勢いに任せて迫りくる不純原器は、揺らめく影に正面から暗殺されていった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

波狼・拓哉
…一番どうすんだろと思ってた封印空間行きのことはお前らが言ってくるんですね
まあ、ありがとうとだけは言っておきます
じゃあ、骸の海におかえり

ミミック、化け喰らいな
鉄だろうが筋肉だろうが、鉄の様な筋肉だろうが全て『かみ』殺してくださいな
足とか狙いが動きも制限できてよさげですかねー

自分は衝撃波込めた弾でミミックが動き止めた奴を優先して早業、二回攻撃、戦闘知識で集中攻撃で撃ちますか
演技、化術、時間稼ぎ、第六感で熱い想いを理解したのように振る舞ってみて隙を誘ったりもしてみますかね
…まあ、こんな所で熱く語られたとて邪魔だなこいつらくらいしか思いませんが

(アドリブ絡み歓迎)



 ……一番どうすんだろと思ってた封印空間行きのことはお前らが言ってくるんですね。
「まあ、ありがとう」
 波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)が小さく囁く。
 不純原器たちはその礼の意味を理解してはいなかったが、鍛え上げられた筋肉と力強いポージングで答える。
 通じた、反応なのだろうか? じゃあ、骸の海におかえり。

「ミミック、化け喰らいな。鉄だろうが筋肉だろうが、鉄の様な筋肉だろうが全て『かみ』殺してくださいな」
 拓哉は【偽正・神滅迫撃】の力を解放する。砂と石ばかりだった山の斜面に、不思議な箱型の生命体が現れる。ミミックを見た不純原器たちが、驚愕の声を上げる。拓哉は両者の只ならぬ様子に、息をのむ。
「ぬう!? この生物!?」
「こやつ……、出来る!」
 不純原器たちは拓哉のミミックを取り囲み、しきりに筋肉をアピールしている。ユーベルコードによる攻撃の対象にミミックの方を選んだらしい。そのアピールを受け取ったミミックの方はというと、その場で足踏みをしながら箱の蓋を鳴らしている。箱と原器。何やら思うところがあるのだろうか?
 器物たちが繰り広げる謎の会話を拓哉は遠巻きに見守る。数分後、不可思議なミミックの脚と筋肉質な脚が同時に地面を踏みしめる。すると、地面から竜脈のエネルギーが溢れ出した。
「これぞ! 古の竜神の力!」
 エネルギーを吸収し、不純原器の複製が大量に現れる。その大軍を、ミミックの口から現れた竜のオーラを纏う狼がカミ砕いてゆく。
「初めての解放でこれほどの力を!?」
「やはり、出来る!」
 敵から熱い想いを受け取ったミミックの背中は、いつも以上に輝いて見えた。

 拓哉そっちのけで繰り広げられる熱い攻防。器物同士が熱く語り合うその横で、攻防から脱落した者に止めの弾を見舞う。
「……まあ、こんな所で熱く語られたとて邪魔だなこいつらくらいしか思いませんが」
 ミミックが竜脈の力に順応してくれたなら、このあとカミさまの封印解除で役立つことだろう。親切な連中だ。
「まあ、ありがとう」
 それじゃあ改めて、骸の海におかえり。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
SPDで判定

むむむー、きんにくむきむきだー!こっちも対抗してポーズを決めちゃうね♪
それで、どこに隠れてたか知らないけどやっつけちゃうぞ☆

なんだか思ってたより軽そうな金属塊を投げつけてくるけど「見切り」でささっと避けちゃうよ♪
地面に落っこちた金属塊を「怪力」で拾い上げて逆に投げ返しちゃえ!
へへーん、ボクでも持ち上げれるくらいの金属塊しか持ちあげられないのかな?
見掛け倒しの筋肉だーと煽って冷静さを失ったところに【妖精の一刺し】で頭の文鎮みたいなのを吹っ飛ばしちゃうぞ☆

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



「むむむー、きんにくむきむきだー! こっちも対抗してポーズを決めちゃうね♪」
 ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は、筋肉の集団に対抗して『ぐぐぐっ☆』とポーズを決める。
 力こぶ、は出来ているのか……? ポーズを決めるティエルの周囲には、かわいらしい音符や星のエフェクトが飛んでいるような気がする。これで筋肉ムキムキに対抗出来ているかについては、専門家の意見を伺う必要があるだろう。

「例え相手がどれほど軽くとも!」
「我等が手を抜くことはない!」
 まずは脈打つ筋肉で応え。不純原器たちは、ティエルの身長の半分程度の長さの金属の棒を投げてくる。何だか軽くて小さくて、とても投げづらそうだ。中途半端な攻撃はあっさり躱されてしまう。
「へへーん、ボクでも持ち上げれるくらいの金属塊しか持ちあげられないのかな? 見掛け倒しの筋肉だー」
 ティエルはぴょんきょん飛び回って、敵を煽る。敵が投げてくるティエルと同じ質量らしいそれは、ティエルの持つレイピアよりいくらか重い程度にしか見えない。実際持ってみたら思っていたよりは重かったけど、挑発のために拾って投げ返してやる。投げ返してみたけれど、やっぱり中途半端なのであっさり受け止められてしまう。
「見掛け倒しではない!」
「ならば見せよう!」
「真の筋肉の力を!」
 不純原器たちは釘の如き小さな金属を地面に突き刺す。すると地面から竜脈のエネルギーが勢いよく溢れ出す。
「おお、すごい! ……こうやるのかな?」
 ティエルも真似して地面にレイピアを突き刺してみる。すると今度は、ティエルの元にも竜脈の不思議なエネルギーが溢れてくる。レイピアを通じて全身で竜神の力を感じる。
「すごい! 今なら何でも吹っ飛ばせちゃうぞ☆」
「おいやめろ! 龍脈の力は正しい手順守り正当な資格を持ったものが扱わなければ!」
「大丈夫! ボク、実はお姫様なんだよ☆」
「何も大丈夫ではな――」
 何かを言いかけた不純原器を、【妖精の一刺し】で骸の海の彼方まで吹き飛ばす。
「いっくぞー! 文鎮みたいなのー!」

 その日地元の人々は、山から流れ星が打ち上がるのを見たという――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クネウス・ウィギンシティ
アドリブ&絡み歓迎
「ーーーこれより、戦闘行動に入ります」

【POW】

●戦闘
「守護者ですか、致し方ありません」
 先程(第一章)装填した攻撃用の杭を使用します。

「GEAR:SCORPION TAIL。起爆式雷官構築、杭展開方式:有刺」
 事前に作成しておいた杭(【メカニック】【武器改造】)にUCを施し準備します。敵のドロップキックにパイルバンカーの【零距離射撃】で正面から対抗する狙いです。

「起爆、内部展開」
 UCは杭を当てた後ドロップキックの後に発動。爆薬で更に突き刺し、トゲを有刺鉄線の如く体内で開放します。

「追加です」
 杭を射出、敵をシールドで殴り付け(【武器受け】)、他の敵へ弾き飛ばします。



「これより、戦闘行動に入ります」

 クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄の機構士・f02209)が、そう宣言してから数分。
 戦闘は猟兵有利で進んでいる。パイルバンカーの杭が突き刺さって動かなくなった敵は数知れず。だが、敵は減ってきているが未だその勢いは衰えていない。

 一気に殲滅するためには、敵の急所を突く必要がある。敵の数が減ってきた今ならそこを狙うことが可能となった。敵陣の中央に立つその不純原器。ただ立っているだけにも見えるが、その周囲に渦巻く竜脈のエネルギーから、それが特別な存在であることがわかる。
「守護者ですか、致し方ありません」
 縁なし眼鏡で捉えた魔力の流れを断ち切るため、パイルバンカーにユーベルコードの力を込める。
「GEAR:SCORPION TAIL。起爆式雷官構築、杭展開方式:有刺」
 クネウスがパイルバンカーに込めた力を見据え、不純原器も己の筋肉にPOWの全力を宿す。
「貴様のその攻撃はこの戦いの中で何度も見た! だが、これから仕掛けるのは一味違うようだな」
 クネウスは無言でそれを認める。
「ならば我も、全力で答えよう!」

 両者は同時に飛び出した。クネウスの【SCORPION TAIL】と、敵のドロップキックが戦場の中央でぶつかり合う。機械の腕が軋む。筋肉が悲鳴を上げる。
「どうした! これが貴様の全力の攻撃か!」
 竜脈の力で押し込もうとする不純原器の叫び。クネウスは眼鏡の下でその流れを冷静に見切る。
「いえ、パイルバンカーはあくまで――」
 攻撃はしているが、そうではない。パイルバンカーは封印の場所を探すために使ってきた。杭を切り替え、戦闘に耐え得るようにしたが、まだ調査は継続中。目指すべき竜脈封印の中心は、ここだ!
「起爆、内部展開」
 不純原器の中の竜脈の力にパイルバンカーが接触した時、ユーベルコードの真の力を解放する。杭から無数のトゲが飛び出し、弾けた。
「追加でです」
 直撃を受けた不純原器は溢れ出る竜脈の奔流の中に消え。竜脈の力の乗せた有刺鉄線が戦場全体へと広がる。
「なんと!? イェーガー!?」

 強烈な光と衝撃が戦場を去ると、オブリビオンの姿はなく。
 そこは、静かな山の風景へと戻っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『サメ』

POW   :    サメは潜航する
【地形に姿を隠した状態からの不意打ち】が命中した対象に対し、高威力高命中の【噛み付き】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    サメは飛行する
全身を【任意の属性】で覆い、自身の【サメ力(ちから)】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ   :    サメは仲間を呼ぶ
レベル×5体の、小型の戦闘用【の任意の属性のサメ】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アルミィ・キングフィッシャーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 障害は排除した。
 静けさを取り戻した山。
 猟兵たちは竜脈封印を解除すべく動き出す。

 埋まってた封印石はこれで全部。
 力の流れからして、封印石の配置はこう。
 石の重さを揃える?
 この金属も使えるかな?
 来ます、離れて。

 そして、空気が震えた。
 いや、山全体が揺れている。
 眩い光が周囲を満たし、世界が反転する。
 山の頂上は深い海の底に。
 深海の水に似た重い空気が渦巻くここが、竜脈封印の地。

 誰だ

 私は 誰だ

 底に漂うのは、数万年の時の流れの中で姿を失ったナニカ。

 ソレは猟兵たちを認識すると、猟兵たちに認識出来る姿へと形を変えてゆく。

 そうして、現れたのは――。
ティエル・ティエリエル
SPDで判定

さ、さ、サメだー☆
これは、びー級ホラー映画ってやつだね!

ようし、敵のサメ力に対抗して、ボクだってお姫様力(ちから)で「存在感」を高めていくぞ!
存在感に惹かれて空飛ぶサメがこっちに気付いたら「空中戦」を繰り広げるよ☆
すごい速度で噛みついてくるけど、「見切り」でひらりと躱して「カウンター」でざくっといくよ!
それでそれで、最後はサメの特徴的なヒレを【ハイパーお姫様斬り】で切り取っちゃうね♪

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



「さ、さ、サメだー☆」
 ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は叫んだ。それはもう元気に、叫んだ。
 サメだ。数万年前の竜脈封印から出てきたのはどこからどう見ても、サメだ。古来より伝わる海の脅威であり。海の恵みでもあり。そして海の神の使いでもある。
 でも、サメだ。

「これは、びー級ホラー映画ってやつだね!」
 邪神の姿形こそ巨大なサメそのものである。が、どうみても空中に浮いている。サメの元にびー級ホラー映画力(ちから)が集う。風景は古代の海、ではなくティエルの記憶から呼び出された現代の海へと変化する。
「ボクだってお姫様力(ちから)を高めていくぞ!」
 ティエルもサメに対抗してお姫様力を増幅させる。ティエルの存在感が高まり、縦横無尽なカメラワークがその可憐な姿を映し出す。存在感とお姫様力っていうのはえーと……。さり気ない動作の中にも優雅さと気品を兼ね備え、誰もが振り返って突然のストーリーが始まる力だ。
 だがここはびー級映画。振り返る者はサメしかおらず、始まるのは小さな妖精姫と巨大なサメによるシュールなアクションシーンだ。本人たちにはどんな風に見えているかわかりませんが。
 サメは優雅なBGMと共に白い波に乗り、小さな姫の前へとやってくる。そして首を垂れ、ヒレを付く。大きな貝に乗せて、真珠や珊瑚が献上される。
「わっ! こっちきた!」
 サメの奇妙な行動を攻撃だと思い込み、ティエルは慌てて逃げる。お姫様BGMは軽快なおてんばソングに切り替わる。逃げるティエルを追い、サメも飛ぶ。水しぶきを上げて迫りくるサメを、煌めく夏の日差しのお姫様エフェクトを散らしながらティエルが躱す。
 真夏の空で始まるフェアリーとサメの舞踏会。びー級映画、なのかなあ? 2人が真夏の空に昇りきったその時、ティエルはその小さなレイピアを太陽にかざす。
「いっくぞー!ハイパーお姫様斬りだー☆」
 大したことのない映画予算を乗せた、何だかいつもより頼りない【ハイパーお姫様斬り】が炸裂! 軽快な破裂音が響き、紙吹雪がばら撒かれ。ド派手な一撃を受けたサメは、ひゅるひゅると乾いた音を鳴らしながらどこかへ飛んで行く。

 空気の抜けた浮き輪みたいなサメが、真夏の海に沈んでいった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

波狼・拓哉
何か予想外のパワーアップしてますね、ミミックさん
…竜神由来で本当に良かった

さてと、サメか
いやこれは…海の脅威とかそっちかな、現代化してるだけですかね
まあ、やることは変わりません
そのまま永遠の二度寝して貰いますか…!

ミミック!どうせなら順応しましょうか!化け咆えな!
偽るは鮫竜、轟くは狂怖…さあ、我々の狂気で染め上げましょうか!
地形に姿を隠す…ええ、物理的なら良かったでしょうが残念ながらこっちは音ですので…聞こえたら終わりなのですよ
…まあ、狂気による行動不能は期待出来そうにもないですけど

自分は衝撃波込めた弾で撃ちつつ、地形の利用、戦闘知識、第六感で不意打ちに注意しておきましょう
(アドリブ絡み歓迎)



「何か予想外のパワーアップしてますね、ミミックさん」
 波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)は、いつもよりツヤツヤしているミミックを撫でてみる。
 不思議なオーラを纏うミミックは、いつもより温かで、それになんだかしっとりとしている気がする。竜脈の力はよく馴染んでいるようで、危険性はなさそうだ。
「……竜神由来で本当に良かった」

 調子のよさそうなミミックから、拓哉は邪神の方に視線を移す。
「さてと、サメか。いやこれは……」
 古代にもサメがいなかったわけではない。だがこの姿の意味は、海の脅威。それが現代人にも認識出来る姿としてサメの形で具現化している。本来ならばもっと恐ろしい力であったはずだ。復活したばかりの状態ではせいぜい空飛ぶ巨大サメ程度、ということなのだろう。
「まあ、やることは変わりません」
 敵がオブリビオンであるならば、猟兵が為すべき仕事は変わらない。だが、どうせなら順応するとしよう。

「偽るは鮫竜、轟くは狂怖……さあ、我々の狂気で染め上げましょうか!」
 ユーベルコード【偽正・龍滅咆哮】。そこに竜脈の力を加え、巨大な黄金の竜となったミミックが吠える。サメはミミックから逃れるように海底に身を隠す。が、こちらの攻撃は音。聞こえる範囲にいるならば、終わりだ。
 咆哮が届く。サメの肌が、竜の力に晒されたサメの存在感が揺らぐ。だがサメも甘くはない。攻撃の正体に気付き、再び泳ぎ出す。竜脈の力を纏う咆哮であれば、竜脈の流れに沿って泳ぐことで被害を抑えることが可能だ。
「なるほど、竜神が滅ぼせなかった相手は竜神由来の力では倒せない、と」
 やはり、最後はきちんと猟兵の手で決めなければならない。敵が竜脈の力から逃れるならば、こちらにも手がある。
「そのまま永遠の二度寝して貰いますか……! さあ、化け咆えな!」
 改めて攻撃の指示を出し。拓哉自身は竜脈の流れの終点へと、銃口を置く。ミミックの、轟く竜の咆哮に合わせ、引き金を引く。サメはミミックの攻撃から逃れようと、自らその死地へと吸い込まれてゆく。

 衝撃波を伴う弾丸が、海の脅威を引き裂いた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

家綿・衣更着
「サメ…え、邪神っす?なんでサメが飛んで…いや、飛ぶのも竜巻をまとうのもサメだから仕方ないっすな!(精神汚染)」

【綿ストール・本気モード】発動!
サメ力のため本物に近づいてるなら…ブレーキをかける能力ないはず!
あえて正面から飛んでくる敵を待ち受け、綿ストールを拳に変形させ鼻先のロレンチーニ器官を狙った【カウンター】を限界まで突き上げる!
「サメは殴るもの!シャークなあいつをセンターに入れてパンチングっす!」
殴った反動を利用し、摩擦が減ったストールの反対側をサーフィンのように使って敵の攻撃から逃げる!(必死)
これを敵が倒れるまで続ける!

「はっ、おいらは正気にもどった!」
これで謎に近づくといいっすね



「サメ……え、邪神っす?」
 家綿・衣更着(綿狸忍者・f28451)は、邪神の姿を改めて視認する。
 サメだ。竜巻を纏い空を舞う、サメだ。

「なんでサメが飛んで……いや、飛ぶのも竜巻をまとうのもサメだから仕方ないっすな!」
 超古代にもサメはいるし海で竜巻が起こるのだから当然サメだって竜巻に乗って飛ぶ。理論と思い込みは捨て置け。目の前で起こっていることが現実だ。
 いやいや、そんなはずはない。存在するだけで現実を書き換え、世界を汚染してゆく。それが邪神の力なのだ。世界にサメの嵐が吹き荒れる前に何としても滅ぼさねばならない。

「【綿ストール・本気モード】発動!」
 邪神の気に晒されテンションの上がった衣更着。高らかに叫び、自慢の綿ストールを翻す。そして、ユーベルコードの力で強化された綿ストールに飛び乗る。サメが竜巻で飛ぶなら、妖怪は布に乗って飛ぶもの。妖怪大辞典にもそう書かれている。
「相手が竜巻なら! 狸には葉っぱがあるっす!」
 葉っぱも竜巻で飛ぶからサメと葉っぱは互角。打綿狸も飛ぶしあやかしメダルも飛ぶように売れるしそれが全部ユーベルコードの力で3倍でつまり衣更着のサメへの勝因はこれだけ揃っている。正面から殴り込むのが正義!
「サメは殴るもの!」
 殴るもの、と言われてしまえば仕方ない。サメは殴られるしかない。例え殴られる気がなくとも、サメにブレーキなどない。サメは、止まれない!
「シャークなあいつをセンターに入れてパンチングっす!」
 サメも正面から衣更着に突撃する。その鼻先に向け、衣更着は綿ストールで造り上げたゲンコツを叩き込む。

 感覚器官を揺さぶられたサメが、明後日の方向に飛んでいく。
「サメの鼻先にはロレンチーニ器官という電流を感知する感覚器官があって……はっ、おいらは正気にもどった!」
 邪神の存在が揺らいだことで、衣更着は現実に帰る。
 何か言いかけていた気がするっすが、そんなことより邪神の謎を解明して早く滅ぼさなきゃっすよ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺(本体)の二刀流

…まぁ元海底なら海の生き物の姿してたっておかしくないんだが。
鮫で、しかもいきなり環境まで変えるとかマジか。
実際水中ではなさげだから何とかなるだろうか。

環境耐性で通常と遜色なく動けるようにする。
先程同様、存在感を消し目立たない様に立ち回る。そのうえで可能な限りマヒ攻撃を乗せた暗殺のUC剣刃一閃で攻撃。
例え相殺されても本体のナイフもある。そちらでの攻撃も念頭に置いておく。
敵の攻撃は第六感で感知、見切りで回避。
回避しきれないものは本体で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。
それでも喰らってしまうものはオーラ防御、激痛耐性で耐える。



「……まぁ元海底なら海の生き物の姿してたっておかしくないんだが」
 黒鵺・瑞樹(境界渡・f17491)は、海の香りの中に竜の気を含む空気を吸い込む。
 呼吸は出来る。ここは海底であるが、水中ではない。もちろん地上であるはずはない。この異様は宇宙空間にも見えるが、風があるので空気はあるようだ。
「鮫で、しかもいきなり環境まで変えるとかマジか」
 環境を変えられるなら、水中にした方が相手にとっても有利なはずだろうに。わざわざこちらが活動しやすいようにしたことに、理由はあるのだろうか。
「実際水中ではなさげだから何とかなるだろうか」
 邪神の力や目的が何であれ。斬って倒せる相手なら、躊躇う必要はない。

 瑞樹は胡と黒鵺の二刀を構える。感覚器官に手痛いダメージを受けたサメは、こちらを警戒するように闇の中を回遊する。
「飛び込んできてくれた方が楽だったけど、予定通りいこうか」
 瑞樹は存在感を消し、海の景色の中に消える。サメもそれを追うように姿を消す。激戦の続いていた不気味な封印空間で、しばしの静かな時が過ぎる。
 僅かに揺れる存在感を先に捉えたのは、サメだった。サメは巨大な口を開き、瑞樹のいる地形ごと飲み込む。
「おっと」
 衝撃と共に、自分のいた空間がサメの口の中に消えた。瑞樹はそれを紙一重で躱し、サメの口元を黒鵺で斬りつける。サメが叫ぶ。斬り裂かれた口を更に大きく開け、瑞樹に喰らいついた。
「斬られれば流石に気付く、か」
 瑞樹は飲み込まれた左腕の痛みを感じながら、ユーベルコードを解放する。喰いついたままなら、敵は逃げることは出来ない。胡に【剣刃一閃】の力を乗せ、動きを止めたサメの瞳を貫く。
 視界を失ったサメが暴れる。噛まれた左腕は痛むが、ユーベルコードの力はまだ終わっていない。瑞樹は血の滴る手で、黒鵺を握り直す。怯んで緩んだ口を、内側から黒い刃が切断する。

 引き裂かれた傷口から虚ろな狂気を吐き出し、サメは海の闇に消えていった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

火土金水・明
「まだ完全体でないのでしたら、今のうちに全力で攻撃をしましょう。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【高速詠唱】で【破魔】と【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【新・ウィザード・ミサイル】を【範囲攻撃】にして、『サメ』と召喚された者たちを纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「邪神よ、骸の海に帰りなさい。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。



「まだ完全体でないのでしたら、今のうちに全力で攻撃をしましょう」
 火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)が、海の底へと歩を進める。
 邪神は猟兵たちの攻撃で、確実にその力を落としている。とはいえ、邪神を留める封印は解除してしまっている。ここで確実に邪神を滅ぼさなければならない。

 明の接近に対し、サメがサメを呼ぶ。どこからとなく、色とりどりのオーラを纏う小さなサメが現れる。
「眷属の召喚ですか。サメや海に関する属性が入り混じっていますね」
 水や雲などの海や自然にまつわるもの、恐怖や死などの負の力、竜巻やメカ、ゾンビなど、一見サメとは関係ないものも混じっている。サメの数も属性の種類も、明のウィザード・ミサイルより上だ。だが相手は本調子ではない。仕掛けるなら、今。
「全ての属性を収束して、今、放つ!」
 明のユーベルコード、【新・ウィザード・ミサイル】によって『炎水土氷雷光闇毒』の無数の矢が現れる。それらが海の底の空でサメと激突する。炎の矢と水のサメがぶつかり合い、巨大な水蒸気爆発が巻き起こる。その横で氷の矢がメカシャークを氷漬けにし、光の矢がゾンビシャークを浄化する。

 召喚したサメたちの劣勢に、本体が動く。巨大なサメが一直線に明へと迫り、齧りつく。鋭利な上下の牙が噛み合い、歪な音を響かせる。と同時に噛み砕かれた明の残像が闇の中へ消える。
「邪神よ、骸の海に帰りなさい」
 サメの背後から、明は残りの魔法を矢を叩き込む。全ての属性が融合し、複雑な魔導爆発が巻き起こる。

 邪神が骸の海に消えるときは近い――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クネウス・ウィギンシティ
アドリブ&絡み歓迎
「殲滅対象確認、照準補正」

【POW】地形破壊

●戦闘
先程(第二章)の戦闘を終えてから自前の『ホバー戦車』を遠隔【操縦】で呼び出し、乗り込みます。
「名も姿も失いましたか」

ホバー戦車は本来は陸上兼水上用ですが水では無く空気が渦巻いている以上、問題ないでしょう。
「見る限りはサメですが、後で残骸を調査するとしますか」

「CODE:GROUND ZERO。地形ごと一掃します!」
地形に姿を隠すなら、その地形ごと破壊するまで(【地形の利用】)。戦車の砲身を敵が潜航した方向に向け荷電粒子砲を発射します(【スナイパー】【砲撃】)。



「殲滅対象確認、照準補正」
 奇妙な空間だが、戦車での活動に問題はない。ホバー戦車に乗り込んだクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄の機構士・f02209)が、サメに主砲を向ける。
 サメと戦車という不思議な構図。これが『びー級ホラー映画』属性というものだろうか? いや、そういうわけではないはずだ。

「名も姿も失いましたか」
 クネウスの問いかけに、邪神は何も答えない。
 サメ、とは呼んでいるが。この邪神に関する情報は何もない。名前を尋ねても、一時的に姿が変わるだけでその本質を掴むことが出来るわけではない。
「見る限りはサメですが、後で残骸を調査するとしますか」
 調査するならトドメを刺してその性質を確定させてから。邪神の残骸からでも、竜脈封印のデータや邪神たちが待っているという『大いなる戦い』についての情報が得られるはず。

 主砲の死角からサメが迫る。空飛ぶサメから逃げ切れるほど、戦車は小回りが利かない。装甲に牙が食い込む。計器に視線を落とし、状況を把握する。主砲の発射に問題がないことを確認し、クネウスは冷静に機関銃で反撃を仕掛ける。弾丸から逃れるよう、サメは離脱する。
「攻撃は得意なようですが、その後は不慣れなようですね」
 機関銃によって主砲の射線上に導かれたことに、サメは気付いてない。荷電粒子砲が暗い海の底を照らす。サメの姿が一瞬見える。それはすぐに光に飲み込まれ、サメの輪郭を失う。粒子の光と竜脈の力の中に、暗い闇の軟体が浮かび上がる。

 あれが邪神の本来の姿、でしょうか?

 追撃すれば、邪神を滅ぼせる。残骸の調査のことが少しだけ頭をよぎったが、クネウスは攻撃を選択する。数万年待たせてしまいましたが、ここで確実に、跡形もなく消し飛ばすとしましょう。
「CODE:GROUND ZERO。地形ごと一掃します!」
 ユーベルコード【GROUND ZERO】。ホバー戦車『ヴォルフ』の主砲が再び唸る。邪神が、それの眠っていた地形が、それを留めていた竜脈が。光の道に通ってゼロへと帰ってゆく――。

 最後の攻撃から少し遅れて。
 爆発音が空間中に響き渡り、封印空間が歪む。
「邪神が消えて、空間が消えかかっている……!?」
「皆、外へ!」

 猟兵たちは元の世界へと引き返す。
 最後に、海へと振り返る。
 あとに残ったのは、封印があったことを示す乾いた石だけ。

 こうして、夏の山は長きにわたる使命から解放されたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月06日


挿絵イラスト