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寸寸最凶序列一位

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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●常に紙一重
「ん? 何か用かい?」
 椅子に脚を組みながら座っていたグリモア猟兵スフィーエ・シエルフィートは、訪れた猟兵達に穏やかに微笑みながら首を傾げた。
 とある世界と掛けた言葉への冷ややかな視線を制するように、スフィーエは気まずそうに掌を突き出した。
「オーケーオーケー、分かってる。だからその眼は止めてくれたまえ」
 ――グリモアが映し出した世界は、最近新たに発見されたあの世界だった。

「さぁ語ろうか! 舞台はカクリヨファンタズム、現世と過去の境目にある失われた世界だ。君達には世界の崩壊を食い止めて貰いたい」

 新世界カクリヨファンタズム――UDCアースと骸の海の境目に位置し、忘れられた化生の住まう世界。
 しかしかの世界は常にカタストロフの危機に晒され、今回赴く場所も黒幕の手に依って数多の刀剣が吹き荒ぶ【殺戮の世界】へと変えられてしまっている。
 そのせいで骸魂と呼ばれるモノが大量に発生し、現地の妖怪が次々と飲み込まれオブリビオンと化してしまっているのだという。
「これがいわゆる【毎日戦争】って奴だね。さて、今回の黒幕はこの屋敷の秘密の地下室にいるのだが……」
 そう言ってスフィーエが映し出す屋敷は、中世ヨーロッパ風の、薄暗い中に薄靄が僅かに掛かった年季の入った平屋のような館。
 俗っぽく言うなれば【西洋的なお化け屋敷】のような外観の建物であり、黒幕はそこにある秘密の地下室にいるのだが――その屋敷の内部は迷宮化しており、内部には動く甲冑や壁から出る槍による串刺し罠などが仕掛けられている。
「しかしいずれにしても、常に刀剣が飛び、屋敷のトラップは殺意が非常に高くなっている。十分に気を付けて欲しい」
 動く甲冑は多くの剣を従えるし、串刺しトラップは追加で無数の刀剣が降り注ぐ――隠し通路の中にも次々と刀剣が仕込まれ襲い掛かってくる。
 存分に注意した上で、迷宮を突破して秘密の地下に続く階段まで辿り着いて欲しいとスフィーエは説明した。

「然る後、秘密の地下室に待ち受けるオブリビオンを倒して貰いたい……のだが、ここからが本番だ。その秘密の地下室にこそ、多くのトラップが仕掛けられている」
 階段を下りても黒幕となるオブリビオンが座す場所は、地下室の奥深く。
 其処に至るまでの大通路にも当然、侵入を阻む為の罠――上から落とされる刀剣や、不意に発動する落とし穴など――が仕込まれている。
 道自体は一本道の為、迷う心配はないが只でさえ刀剣の吹き荒ぶ殺戮の世界、罠の殺意は迷宮以上となるだろう。
「罠を無効化するか、逆に相手を罠に嵌めるか……その辺を上手い所やると、有利に戦えるかもしれないね」
 その上で妨害として立ちはだかる集団を倒し、最奥にいる黒幕を打ち倒して欲しいとスフィーエは語った。

「そうそう、カクリヨファンタズムのオブリビオンはね。骸魂……とやらが、妖怪を飲み込んで変異したものなんだ」
 つまり相対するモノは骸魂――幽世に辿り着けず亡くなった妖怪の魂――の所為でオブリビオンと化してしまった現地の住民。
 普通に倒すことでその骸魂が払われ、オブリビオン化を解除できる。即ち……。
「だから、倒すことが変異してしまった妖怪を救うことに繋がる。だから……」
 世界を崩壊から救い、取り込まれてしまった妖怪達を救って欲しい――頼んだよと言ってから、グリモアの輝きはお化け屋敷への道を開いていくのだった。


裏山薬草
 どうも、裏山薬草です。
 何でもかんでも妖怪のせいだって言いますけど、昔はそうだったわけなのですね。
 しかし現代の私達は何でも妖怪のせいにしてしまっては、逆に妖怪となってしまうかもなので注意が必要ですね。

 さて今回は私からの新世界のシナリオを用意させて頂きます。
 世界の崩壊を招くオブリビオンを撃破しに行くシナリオとなっております。

 第一章は冒険。
 中世ヨーロッパの廃屋敷めいた屋敷にある迷宮を突破し、秘密の地下室への階段まで辿り着くパートです。
 常に周囲には刀剣が飛び交っており、トラップの殺意がマシマシになっておりますのでご注意を。

 第二章は集団戦。
 秘密の地下室にある通路をオブリビオンの群れを突破しながら行くパートです。
 道中には落とし穴やギロチンなどのトラップが大量に仕掛けてありますが、無効化したり逆用したりするプレイングがあればボーナスになります。

 第三章はボス戦。
 地下室の奥で待ち受ける黒幕との最終決戦となります。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
 裏山薬草でした。
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第1章 冒険 『ホーンテッド・キャッスルへようこそ』

POW   :    動く甲冑の襲撃を力で突破する

SPD   :    串刺しのトラップを技で回避する

WIZ   :    秘密の隠し通路を知恵で看破する

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ティファーナ・テイル
SPD>POW>WIZで判定を
*アドリブ歓迎

「どんな危険もボクは敗けない!勇気と正義は勝つんだから!」と意気込みながら自分に檄を入れます。
周囲を注意しながら串刺し罠や甲冑攻撃は『スカイステッパー』で素早く判断しながら危険なら『神代世界の天空神』で空間飛翔して避けます。
避け切れ無い攻撃には『天空神ノ威光・黄昏』で敵のUCを封印/弱体化させて対応します。
危険な罠には『セクシィアップ・ガディスプリンセス』で♥ビーム攻撃で壊し対処します。
『ゴッド・クリエイション』で秘密の守護神を創造して隠し通路や秘密の抜け道を見付けて貰い進んだり捜索して行きます。
「どんな罠でも怖くは無いからね!」と再度鼓舞して進む。



●神懸かり的な脱出ゲーム
 鬱蒼とした森の奥深く、西洋妖怪の住処と思わしき洋館――その中に住まうオブリビオンを求め、猟兵達は行く。
 オブリビオンの招いた崩壊の危機、それが齎す数多の刀剣が飛び交う迷宮の中を、金色の蛇体が勢いよく滑るようにして突き進んでいた。
「わわわっ、危ない危ない……けど!」
 入り組んだ迷路の中、曲がり角に気を取られたその隙に床から突き上げられるように出でた槍を、蛇体のブレーキ音響かせ止まり。
 ティファーナ・テイル(ケトゥアルコワトゥル神のスカイダンサー・f24123)は常に気を払っていたが故に、寸前での回避に成功した槍の罠を前に、その眩い金色の眼に決意を色濃く宿した。
「どんな危険もボクは敗けない! 勇気と正義は勝つんだから!」
 蛇体を強かにうねらせ、背にはばたく金色を以て大気を歪ませながら。
 蛇体がうねるたびに虚空を捉え、飛び交う刀剣や串刺し罠の乱れ舞う中を、虚空を蹴り空を舞いながらティファーナは駆け抜けていく。
「いっくよーっ!!」
 それは正しく無敵の進撃。
 伝承の龍神も真っ青な金色の威光に平伏すかのように、虚空を蹴り駆け抜けていくティファーナの前に、飛び交う刀剣や串刺し罠も次第に勢いを緩めていくか――否。
 それは最後の悪あがきのように。
「これは避け切れないかな? だったら!」
 避け切れない。
 床と、壁と、天井から、行く手を阻みそのまま処刑とするかのように、密なる刃が突き出される。
 迷宮の罠と刀剣の嵐を翔け抜け泳ぐケツァルコァトルも、物理的に塞がれては抜けられまいか――否。
 彼女の勇気に、彼女の正義に不可能はない――熱き心に高鳴る胸の鼓動は、そのまま目の前に立ちはだかる困難を破る波動となりて。
 金銀財宝を派手に撒き散らすかのように、突破していきながら。
「どんな罠でも怖くは無いからね!」
 己を鼓舞し、時に秘密の抜け道すらも自ら作り駆け抜けていく姿は、正に“神”と呼ぶべきモノだったという。

成功 🔵​🔵​🔴​

リヴィアン・フォンテーヌ
毎日戦争など困ります
聖剣の担い手を探すのにはいいかもしれんが。いえ、こんな中で私が託せると思える者が出るとは思えませんね
ならば、早く元凶を打倒してこのカタストロフを食い止めましょう

刀剣が飛び交うのを見るのは湖の乙女、聖剣を抱く精霊として複雑ですね
水を操り甲冑を、飛び交う刀剣を破壊しますがキリがないですね
こんな些事にこの子を使うのは気が引けますが仕方ないですね
真名解放、【泉に眠る無辜の双剣(イリジスタード・イリティルド)】ぉぉぉぉ!
解放した双聖剣の大量の水で障害を薙ぎ払い、洪水の如き水で通路を破壊して水浸しにすることで隠し階段を探します
地下への水の流れがあるところに階段があるはずですからね



●剣の矜持
 足を踏み入れた乙女へ飛び交う刀剣と、自ら動き出す甲冑よりの剣が殺意を向けた。
 見た目に年若き少女にも見える乙女へと向かう、殺戮の象徴を乙女は周囲に侍らす水の質量と勢いを備えた重く、激しい一撃を以て金属の破片と変えることで防ぐ。
「何とも聖剣を抱く精霊として複雑で、実にキリがないというものですね」
 リヴィアン・フォンテーヌ(湖の乙女・f28102)が迷宮に足を踏み入れてから、幾度となく繰り返された殺意とそれを流れ水の如く受け流し、水の質量で欠片と変えてきたループ。
 溜息を漏らしながらも、まだまだ続くであろう“殺意”を前に聊か勿体無いと思いながらも、リヴィアンは新たに水を紡ぐ。
「この剣は人の罪過を知らず水底で眠る双子、我が手を離れず故に人に穢れぬ無垢の刃」
 紡がれた水が束ねられ、これまでに紡いだ質量はそのまま、否、それ以上に重く烈しく。
 されど象られたその形は鋭き刃、西洋の物の怪として守るべき双子の聖剣の形へと――。
「真・名・解・放! 【泉に眠る無辜の双剣(イリジスタード・イリティルド)】ぉぉぉぉ!」
 解き放たれた水の双剣が勢いよく、殺意を振り上げた甲冑に突き刺さり、飛び交う刀剣と交差すれば。
 圧縮された大量の真水がその莫大な質量を解き放ち、迷宮の分厚い壁を砕き、甲冑と飛び交う刀剣を金属の欠片と変える。
 荒れ狂う水の怒りはそのまま、壁を、床を打ち壊しながらリヴィアンの狙い通りに流れていく――そう。
 地下ならば、下へと水が流れていくと踏み、そしてその狙い正しく、荒れ狂う水の中で吸い込まれるような動きを見せたその場所へ急ぎながら彼女は思う。
(これでは私を託せる者がいるとは思えませんね……)
 毎日が戦争。戦の為に生み出された剣とそれを求める者を探すに都合は良いのかもしれないが。
 否。
 だからこそ、かような戦場の嵐の中に聖剣<矜持>が託せる者がいる筈も無し。
 水の大いなる導き(自然な流れ)に従いながら、泉の乙女は崩壊を招いた黒幕の座す地下への階段を下るのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

四季乃・瑠璃
緋瑪「なんだか脱出ゲームとかアトラクションみたいだね~」
瑠璃「殺意マシマシだけどね…」

【破壊の姫君】で分身

飛翔翼で常に浮きながら移動する事で床のスイッチや落とし穴に対策しつつ、瑠璃が【高速詠唱、情報収集、ハッキング、罠使い】による探知術式で進路上の罠等を探知。
術式で罠にハッキングして逆に向かってくる鎧等を落とし穴に落としたりと逆用しながら前進。
(ついでに地下室に本命の罠があるとの事なので、そちらをハッキングして逆用できるかのテストも兼ねて使用)
緋瑪は術式使用中の瑠璃の護衛しつつ、飛び交う刀剣や鎧をなぎ払ったり爆破したりで邪魔者の排除や力づく(爆破)で不要な罠を潰したりしながら進んでいくよ。



●殺意マシマシ、実行マシマシ
 殺しを生業とする者――四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)と半身の緋瑪は魂の中で言葉を交わした。
「行くよ、緋瑪」
「行こう、瑠璃!」
 その背に生やした金属の翼は、込められた魔力を持って重力を紡ぎ、彼女達の身を浮かせ。
「「さぁ、わたし達の破壊を始めよう」」
 地にて作用する罠を摺り抜けるように、迷宮の中を飛翔しながら、飛び交う刀剣が突如として断続的に爆ぜていく。
 差し向けられる殺意<刃>を、それ以上の純粋にして強力な殺意<爆薬と大鎌の刃>を以て薙ぎ払いながら。
 緋瑪が主人格の瑠璃を守りつつ、その主人格は周囲に巡らせた魔導の力を以て探る――この迷宮に仕掛けられた悪辣な殺意の罠を。
 張り巡らせた魔力は向かってくる仕込まれた罠を侵すことで、その発動を彼女達の掌に置き。
 向かってきた甲冑を落とし穴を発動させ、奈落の底へと突き落とす。
「なんだか脱出ゲームとかアトラクションみたいだね~」
「殺意マシマシだけどね……」
 脅かすように突如として現れる甲冑や、不意に空く落とし穴や飛び出る刃。
 ただしどれも――殺傷力、という観点に於いては紛れもなく本物であり、足を踏み入れた者を容赦なく殺しにかかっている。
 緋瑪の言葉に溜息交じりで瑠璃が答えれば、緋瑪が向かってくる甲冑を爆弾で吹き飛ばしながら問う。
「ハッキングの調子は?」
「んー……良く分かんない。効果が無いって訳でも無さそうだけど……」
 この迷宮だけでなく、本命である秘密の地下室へのハッキングも試みてはいるが、効果があるのかどうかいまいち分からない。
 少なくとも迷宮の罠には効いているのは確かで、向かってきた刀剣を飛び出し罠を逆用し壁のようにして防ぐ。
「それじゃあ、先に進む?」
「そうだね。また地下で改めて出来るならってことで」
 瑠璃が前方の落とし穴を一斉に発動させ、甲冑を突き落としながら緋瑪の投げる爆弾が不要な罠を吹き飛ばし。
 二人で一人の殺人姫達は、殺意の中を悠々と抜けていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

セシリア・サヴェージ
殺戮の世界を望んだ黒幕とはいかなる人物でしょうか。かなりの危険人物であることは予想できますが。

飛び交う刀剣は【オーラ防御】を周囲に展開することで防ぎます。
オーラの維持に集中している間は問題ありませんが、敵に襲われればそれも難しいでしょう。
ですがいかなる状況でも【落ち着き】、取り乱さず、冷静に判断を下していけば活路を見いだせるはず。

まずUC【暗黒剣技】で動く甲冑を破壊。次に迫りくる刀剣を【見切り】で回避、あるいは【武器受け】で防御します。
かなり忙しい状況になりそうですが、この程度の修羅場を切り抜けられないようでは黒幕を倒すことなどできません。
あくまで冷静に。そして全力でこの危機を脱しましょう。



●悍ましき殺戮の刃
 乱れた世が生み出す殺意を顕現した刃が、風を斬り裂く音強かに侵入者へと襲い掛かった。
 侵入者――其れは深く恐ろしく強き気配を纏った闇の騎士――の周囲を、飛び交う刀剣は自ずと道を開けるように流れていく。 
「このような世界を望んだということは、かなりの危険人物なようですね」
 侵入者ことセシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)が纏う気迫(オーラ)が刀剣を逸らす光景は、彼女の暗き闇の気配に慄くようにも見えた。
 ゆっくりと、鎧の金属音が静かに響く中に、静かにオーラを張り巡らせ、襲い来る刃を逸らしながらセシリアは進んでいく。
 集中し闇色の気迫を纏っていれば飛び交う刃など問題ではない――が、それは集中を乱されなければ、の話である。
「問題ありません。落ち着いて……」
 それを乱すは目の前に立ちはだかる甲冑の群れ――剣や斧槍を備えた、防衛の人形。
 相対しながらオーラを纏い身を守るには難い、されど冷静に――。
「現世に縋る者よ……我が暗黒剣でお前を在るべき場所へ還そう」
 刃よりも尚冷たく鋭い銀の瞳が放つ、鋭利な空気を更に研ぎ澄まし。
 セシリアの握る剣へと、相対するモノを畏怖せしめ砕く闇の闘気が束ねられ、その刃が凄まじい気配を放つ。
「ハアアアアアッ!!」
 そして真正面に、迫りくる刀剣と甲冑達の振り上げる刃ごと――真一文字の、横の薙ぎ払いを以て。
 迷宮の壁を揺らし響かせ、分厚い甲冑の金属板を硝子のように砕き散らしながら、正面から飛んできた刀剣諸共吹き飛ばす。
 されど迷宮に巡らされた敵意は留まることを知らず。
 力を解放したセシリアの背後を、意地悪く貫かんと切っ先を向ける――が、それをすぐ様に横へ跳び躱すと。
「ふぅ……本当に忙しいものです、が」
 追撃に飛来してきた刀剣を、再び真横一文字の薙ぎ払いを以て叩き落し一息つき。
 耳に聞こえる甲冑の進軍する音が、行く先に立ちはだかることを暗示しながらも。
「この程度の修羅場を超えられないようでは、黒幕を倒すことなど」
 改めて決意一つ、暗黒騎士は歩を進めていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

セツナ・クラルス

用があるから呼ばれたのだよね
フィエさんも不思議なことをいうなあ…
首を傾げながら灯火を発生
目で見えるトラップは灯火で弾いて軌道を逸らし、
灯火で捌ききれなかったものは手に持った大鎌で叩き落とす
トラップの発生元には土の属性で創り上げた粘土を詰めておく
こうすれば後続の人の進行がスムーズになるだろうからね

やや時間はかかるが確実に進めるようにしたいから
それに私はこういった地道な作業は嫌いではないんだ

(何故か不意に天啓が閃く)
…漸く分かってしまったよ
『妖怪』だから『妖怪』ということか
…ふ、ふふふ…
ツボにはまってしまい、
笑い転げてしまわないよう必死になってるところに刀が飛んでくる

!!!
あ、危なかった…!



●解説は其れを殺す
 仄暗い迷宮の中に灯された、温かな灯火は行く先を柔らかく照らしながら、飛び交う殺戮の象徴が持つ刃を、灯火の主から逸らす。
 灯火の主、セツナ・クラルス(つみとるもの・f07060)は灯火の光の中、首を傾げてみせた。
「??? 用があったから、フィエさんは呼んだんだよね……?」
 思い出すのは出発前に彼女からグリモアベースに着いた瞬間に聞かされた、何か用かいという言葉。
 左右から襲い来る刀剣の、右を灯火が逸らしながら、左を正に幽世と現世を断つ刃を以てしなやかに、数多の刃を巻き込むように逸らして叩き落しながら。
「不思議なことを言うなぁ、どうしてだろう?」
 誰に聞かせる訳でもなく、独り言として出る辺りに本気で疑問を呈しているのだろう。
 疑問は疑問のまま、背後を灯火に守らせ、正面から来た刀剣を叩き落しながら、灯火の照らす場が露わにした、悪辣な罠の飛び出し口を目に収めると。
「さて、これは埋めておこう。こういった作業は別に嫌いではないしね……ふふ」
 両掌の間に生み出した粘土を以て、慎重に――罠の発動にだけ気を付けながら、セツナは目についた飛び出し罠の噴出口へとそれを詰めていく。
 固まれば幾許かは防げるであろうし、それでなくとも目立ち後続の助けとなるだろう――多少の時間はかかれど、急がば回れの名言を体現するように、セツナは細工を施していく。
「……! そうか、そういうことか」
 不意に降り立つ失われた鎖の輪。
 ここの全ては繋がった、と言わんばかりにセツナは身体を震わせる。
 矢の噴出口に、己の笑いを堪えるように粘土を押し込めながら、辿り着いた答えは――。
「ふ、ふふふ、ふふ……“妖怪”だから、用か……」
 ――最後までその言葉が告げられることはなく。
 不意打ちのように一振りの刀が、セツナの眼前を横切り、彼の言葉を中断させた。
「……あ、危なかった……!」
 ――それから、彼は地道に目につく罠を塞ぎながら迷宮を抜けていく。
 時折、笑いを噴き出しそうになることを幾度となく堪えながら。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベスティア・クローヴェル
ダンジョンを抜けるだけであれば、そう難しい事じゃない
よほど変な形をしていなければ、壁沿いに歩いていけば必ず出口に辿り着く
問題なのは、ダンジョン内に施された仕掛けの方だ

向かってくる刀剣を全部叩き落し、罠を丁寧に解除して進むのは現実的じゃない
そもそも、カラクリの類は詳しくないし、ね

であれば、私に出来る事はただひとつ
刀剣と一緒に仕掛けを破壊して強行突破
どうせどっちも金属で出来ているのだから、熱で溶かしてしまえばまともに動かなくなるでしょう?

そうだな…。20分くらい待てば十分な温度になるだろう
そして溶けた金属には要注意
溶けた金属をうっかり浴びたりしたら、流石に火傷じゃ済まないし、ね



●熱く立ち上がる
「……」
 鬱蒼とした森の中にぽつりと佇む古き中世の屋敷。
 外には嘲笑うかのような蝙蝠の鳴き声が耳に喧しく、無意識の内に獣の耳を動かさせていく。
 屋敷の門の前で人狼は、ベスティア・クローヴェル(没した太陽・f05323)は、内部に待ち受ける迷宮と、只でさえ周囲に飛び交う刀剣の嵐を前に静かに、されど毅然と立つ。
「彼の地を宿し、我が身を燃やせ」
 立ち上る気流に目立つ真白き髪と尾を靡かせ、放たれる熱気が屋敷の外に飛び交う刀剣が向かうのを阻みながら。
 ベスティアの纏う熱気は、そのまま大気中の塵を燃料としながら燃えて盛り、熱の位相を赤より青、青より白と徐々に変えていく。
 時という鞴を以て盛らせていく火炎は、外で飛び交う刀剣を液体と変えながらも、ベスティアは纏う熱気を高めていく。
 ――迷宮を突破することは簡単だ。壁伝いに行けば、時間はかかってもいつかは抜けられる。
 されどかかる時間は、飛び交う刀剣と巡らされた罠や襲う甲冑により多くの隙を与える――ならば、どうするか。
 その答えは、至極簡単。
「――よし」
 纏う火炎を盛らす時の送り風は二十分を経て。
 ベスティアが立つ周囲の地面すらも溶かし、湧き上がらせる――摂氏にして二万を超えた業火は、既に迷宮の壁も、仕掛けられた罠も、襲い来る甲冑の兵士も、飛び交う刃も。
「行こう」
 その全てを焼き尽くし、液体と変える前に揮発し蒸散する程に高められ――頷き一つ、迷宮に一歩を踏み入れれば。
 纏う火炎の熱気の前に、侵入者を阻む筈の複雑な構造も、数多の罠も兵士も。
 まるで恐怖の前に屈し、新たな主を迎え入れるかのように溶け落ち、蒸気の中に帰っていく。
 即ち、強行突破という単純明快な美しき答え。
(溶けた金属をうっかり、なんて考えたけど)
 それだけは気を付けていても、二万度に達する火炎の前に、所詮は唯の金属の領域を超えぬ刀剣や甲冑達は一瞬で消え去っていく。
 些末な心配すらも焼き尽くすほどに盛った、真白き陽より熱き業火は、彼女を阻む全てを灼き払い。
 やがて彼女が辿り着く頃には、物の見事に迷宮の意味はなくなっていたという。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『狐魅命婦』

POW   :    神隠しの天気雨
【にわか雨】を降らせる事で、戦場全体が【視覚を惑わせるあかやしの森】と同じ環境に変化する。[視覚を惑わせるあかやしの森]に適応した者の行動成功率が上昇する。
SPD   :    フォックスファイアフィーバー
対象の攻撃を軽減する【九本の尾を持つ黒狐】に変身しつつ、【無数の青い炎の弾幕】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    天狐覚醒
【神のごとき神通力】に覚醒して【九本の尾を持つ白狐】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●どんな風<刃>が吹き付けて来ようとも
 刀剣吹き荒び、殺意溢れる迷宮を無事に突破し、異変を起こした黒幕が待つ秘密の地下室へと辿り着いた猟兵達。
 しかし、辿り着いた地下室はゴールではなかった。
 まだまだ黒幕が待ち受ける最奥には遠い――この果てしない一本道を通り抜けなければならない。
 幸いにして道は広く、一本道で迷う必要もなく。
 そこかしこに誂えられたランプが過不足なく場を照らすが――しかし、そうは問屋が卸さない、ということだろうか。
 猟兵達の目の前に立ちはだかる、妖狐めいた姿の物の怪達――この屋敷や近隣の住民が骸魂に食われオブリビオンとなってしまった姿だろう。
 それに加えて、通路にそこかしこに仕掛けられた罠は質・量ともに先の迷宮を上回る殺意を以て猟兵を待ち受ける。
 この通路を突破するのは易々とはいかないだろうが……それでも、待ち受ける黒幕を倒さなければ異変は解決できない。
 囚われた元々の妖怪達の為にも、この立ちはだかる軍勢を突破する為に、猟兵達は立ち向かっていくのだった。
ティファーナ・テイル
f23910リィフと共闘
※アドリブ歓迎

「正義と勇気で勝ち抜くぞ!」とガッツポーズ。
『スカイステッパー』で縦横無尽に動いて『セクシィアップ・ガディスプリンセス』で♥ビーム攻撃をしつつ、敵の攻撃を『神代世界の天空神』で空間飛翔して避けて敵のUCを『天空神ノ威光・黄昏』で封印/弱体化させてリィフと合わせて『ガディスプリンセス・グラップルストライカー』で攻撃して、🔴が付いたら『超必殺究極奥義』+『ヴァイストン・ヴァビロン』で苛烈な猛攻を仕掛けます!
「猟兵もボクもリィフもキミたちを鎮魂して、来世に送るよ!」

必要なら『ゴッド・クリエイション』で聖母を創造して慰め鎮めます。痛みや苦しみの少ない♥ビームを。


麻海・リィフ
アドリブ、即興連携歓迎
テイル(f24123)と同行

手のかかる姫君ね…(笑顔)

先制UC発動
念動衝撃波オーラ防御を纏わせ布陣

残像空中浮遊ダッシュジャンプスライディングで一気に接敵

剣を回転させ念動衝撃波串刺しチャージで範囲を吹き飛ばす

敵の攻撃は基本三種の盾を駆使して受け
カウンター念動衝撃波シールドバッシュで薙ぎ払い
地形を利用し罠の方向へ吹き飛ばす

窮地の仲間(特にテイル)は積極的にかばう

姫に騎士あるは当然
我が盾ある限り猟兵に傷は負わせぬ!
存在感と挑発で敵の注意を誘き寄せる


罠があるなら踏み砕き
敵が居るなら噛み砕く
過去を駆逐し
未来に進撃する
我々を!猟兵を止められると思うな!



●不可能という文字はどこへやらか
 相も変わらずに西へ東へ走り巡るは、刀剣が舞い乱れる、殺意と敵意の嵐。
 異変招きし怪物への道を守るように立ちはだかる、妖狐めいた物の怪達が、鬼灯のように紅き瞳を輝かると同時。
「雲か霞か、攻めるも受けるも……!」
 物の怪達の身体に薄墨滲むように、暗き揺らめきが見えたと同時、麻海・リィフ(晴嵐騎士・f23910)の周囲に巡る丸盾の陣。
 足を踏み入れたリィフを襲う、妙に刃の増やされた釣り天井の仕掛け罠を巡る丸盾で防げば、物の怪達がその身を黒き火炎と変えて。
 黒き火炎の九尾狐と変わった物の怪達は、飛び交う刀剣、そして侵入者を阻む矢の罠に交えて青き火炎の弾幕を張り巡らせた。
「愛と正義で……勝ち抜くぞ!」
 されど無敵の進撃は留まることを知らず。
 薄暗き地下通路の中、鮮やかに輝く金色の蛇体と風切り音を強かに奏でる金色の翼が其処に在った。
 舞い散る羽根と鱗は、神々が財宝を零すように鮮やかに煌めき、勝利を疑わぬティファーナは虚空を足場とするように蛇体を打ち付け、巡らされた殺意の弾幕を潜り抜けていく。
 鈍色の刀剣の煌めきと青き弾幕の中、煌びやかな金色を輝かせ、ティファーナはその掌から放つ光が、黒き九尾狐の火炎を吹き飛ばす。
「ああもう、本当に」
 同様にして、忙しなく打ち付けられる青き火炎の弾幕を浮かべた盾で受けながら、果敢に攻め入るティファーナのその姿を見、リィフは苦笑いを浮かべた。
「手のかかる姫君ね……!」
 一本道の地下通路を、目まぐるしく駆け抜けながらリィフもまた敵群へと迫っていく。
 時に身を低く屈め、床を滑るようにして殺意の熱と鋭きを躱しながら、目まぐるしく変わっていく戦場を駆け抜けて――そして。
「大丈夫?」
「もっちろん!」
 掌から放つ眩き光にて、飛び交う刃や黒き火炎の妖狐たちを吹き飛ばし続けたティファーナだったが、弾幕の発生地に最も近きが故に数の暴力に押し返されんとしていた。
 しかし、それを間に割って入り庇ったは、正に女神を守る聖騎士の如く――浮かべた盾の他に二種類の盾を以て果敢に、差し向けられた罠と弾幕の悉くを受け止め弾いていた姿が其処に在った。
 されど庇ったそのままで終わるは盾の神髄に非ず。
 受け止めたその勢いで、阻んだ攻撃そのものを逆に押し返し――近くの物の怪達を吹き飛ばせば。
 殺意に塗れたギロチンの罠や、刀剣の向けられた落とし穴が物の怪達を巻き込み、葬り去っていく。
「騎士に姫あるは当然! 我が盾ある限り、姫君に傷の一つも負わせはせぬ!」
 その光景に一瞬、慄く物の怪達を威圧するように前へ出でるリィフ。
 その背後で眩き金色の輝きを放ちながら、放たれる威圧感は女神の加護を受け戦う聖騎士――となれば、物の怪達は正に神に歯向かう逆賊か。
「これはボクたちの究極奥義! 今こそ好機に!」
 神の威光に次第に黒き火炎と化していた九尾狐も、その焔の勢いを徐々に、徐々にと緩められながら。
 勢いがついたように始まるは無敵の進撃――幾ら危険な罠が立ちはだかろうと、騎士の手繰る盾が全てを弾き返し、旋回する剣の刃が物の怪を抉り貫き。
 女神の蛇体が強かにうねり、雄大に鮮やかに、金色の翼が一つはためき放たれる、真っ直ぐな拳の一撃が。
 魔を守る黒き火炎の加護すらも容易く貫き、巡らされた青き弾幕や飛び交う刀剣の幕すらも派手に砕き散らしながら、骸魂を散らし片付けていく。
「我々を! 猟兵を止められると思うな!」
「猟兵もボクもリィフもキミたちを鎮魂して、来世に送るよ!」
 過去を駆逐し、現在を救い、未来へと進む――聖騎士と女神の進撃は不可能をも容易く可能としながら。
 彼女達の身を、待ち受ける黒幕の下へと突き進めさせていくのであった――!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

四季乃・瑠璃
【破壊の姫君】で分身

緋瑪は瑠璃の作業完了まで瑠璃を守る為、接触式ボムによる広範囲爆破とK100による銃撃で敵を寄せ付けない様に戦闘。
瑠璃は上階での試みを元に、同様に地下でも罠の位置特定とフロアの罠をハッキングして逆用。
敵にのみ反応して罠が作動する様に条件を書き換え、完了後に緋瑪に加勢。
敵の設置した罠を逆に利用して敵が動揺した瞬間の隙を突いて大鎌の機巧で一気に接近。
集団まとめて斬撃で切り払い、ボムを放りつつ高速離脱。
緋瑪が追撃の銃弾とボムを叩き込むといった連携で一気に仕留めていくよ。

緋瑪「殺しても取り込まれた妖怪は大丈夫なんだよね?それなら…」
瑠璃「遠慮は不要。思いっきり殺そう、緋瑪」



●殺意を向けるは
 引き続き二つの魂を二つの身体に分け続けた殺人姫達、その主人格である瑠璃は床に手を宛てると、地下通路の罠を魔力を以て探っていた。
 幸いにも上階の探りは無意味では無かったらしく、各段に干渉しやすくなった今となっては――
「今度はどう?」
「うん、ここなら出来そう。護衛頼める?」
 緋瑪が瑠璃に問いかければ、瑠璃が頷き彼女達に迫っていく狐めいた物の怪を示し。
 緋瑪の返事は、強かに火薬の爆ぜる二種類の音色と、大熱と衝撃に吹き飛ばされていく物の怪達と、その身体を撃ち抜く拳銃の鉛玉を以て。
 面の範囲を爆薬で薙ぎ払い吹き飛ばしながら、爆風を潜りやってきた者の額を銃弾が撃ち抜き制しつつ。
 余裕綽綽といった風に敵は愚か、飛び交う刀剣すらも寄せ付けぬままに戦場が続けば――不意に、物の怪の一体を皮切りに、次々に落とされるギロチンの刃が物の怪を処していく。
「!?」
「あなた達以外には反応しないようにしたからね」
「もうわたし達には通じないよ。いいね~、遠慮が要らなくて!」
 全ての区画には不明だが、少なくとも瑠璃と緋瑪が往く区画は全ての罠は殺人姫達にのみ味方する。
 思いの外に、早くハッキングを終えられた――上機嫌な瑠璃に、何か気付いたように緋瑪が言葉を発した。
「あ、そうだ、殺しても取り込まれた妖怪は大丈夫なんだよね? それなら……」
「遠慮は不要。思いっきり殺そう、緋瑪」
 緋瑪が疑問を呈すれば、仕掛けられた殺意高き罠に掛かり元の姿――洋館に相応しき、西洋妖怪めいた元の姿に戻っていく姿が其処に在った。ならば。
「「さぁ、私達の破壊を始めよう!」」
 同胞のみが罠に掛けられ捕えられていく光景に慄くは、死神の鎌を許すのみ。
 仕込まれた炸薬を爆ぜさせ、背に魔導の翼を背負った死神<瑠璃>が閃かせた大鎌の刃が物の怪の身体を瞬断していた。
 断たれた胴が崩れるよりも早く、瑠璃は更に爆弾をばら撒き、爆ぜる熱風と共に去りながら。
 緋瑪から放たれた鉛弾と追撃の爆弾が、更に物の怪達を貫き、滅していくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベスティア・クローヴェル
迷宮を抜けたと思ったら、今度は罠が大量の一本道
そして足止めをするための妖、か

どんな障害があるにせよ、私に出来ることは変わらない
さっきの迷宮と同じように「熱」の暴力で強行突破するだけ
溶かして再起不能にしてしまえば妖の方に集中できる

せっかく雨を降らせてくれるのだから、利用させて貰おう
水は熱によって蒸発し、水蒸気となり視界を覆う
これでお互いに視覚は意味をなさない

あとは物音に注意を払って、僅かでも聞こえたら真っ直ぐ飛んで行って殴り飛ばす
妖は多少乱暴にしても平気だと聞いているけれど、戦闘不能にする程度に留めておこう
骸魂だけを倒すなんて器用な真似、私に出来るとは思えないし、ね



●ニガサナイ
 目の前に広がる大規模な一本道……といっても、上階の複雑怪奇な道も【一本道に】してきたのならば同じ事かもしれないけれど。
 相も変わらずに飛び交う刀剣と、仕掛けられた罠の気配は濃密な【殺し】の匂いを伺わせる。
「やっと抜けたと思ったら……」
 罠だけではない、立ちはだかる妖の数々――何処か彼女にも、ベスティアにも似た獣の耳を忙しなく動かす物の怪の姿。
 されど。
「問題ない」
 尽き果てぬ炎の盛り、それは留まることを知らず。
 一歩を踏み出せば襲い掛かる振り子罠――数多の棘が備わった鉄球が幾つも風を斬り、その身体を無残な挽肉へ変えんとする、が。
 ベスティアの纏う激しい熱気の前に、鉄球は液体を通り越した蒸気に立ち代わり、過ぎゆけば落とし穴であった其処も溶け、焼き払われることで意味を為さなくなっていく。
 無双の如く罠の中を往くベスティアに恐れを為したか、物の怪達は妖術を解き放つ。
「ん」
 物の怪達が高らかに泣き、降り注がせるは俄雨――降り注ぐ豪雨の水、打ち付ける音が聴覚を阻み、立ち込める湿気と水の流れが嗅覚と視覚を惑わせる。
 されど注ぐ雨も又意味をなさず、ただ歩くベスティアが纏う白にも達する灼熱が、妖の豪雨を一瞬で蒸気に変えて戦場を包み込む。
 するとどうだろうか。
 高温の水蒸気が逆に逃げ惑う物の怪達の肌を焼き、遁走を阻みながらあちらこちらへと声を挙げさせていく。
 そうなれば最早、この立ち込める蒸気は唯ベスティアだけを物の怪達の視界から隠し――そして。
「!!」
 立ち込める蒸気を割り、突き出された拳が物の怪の鳩尾を抉り、その身体を壁へ叩きつけた。
「死んで……は、ないか。まぁ、戦闘不能には留めておくか」
 目を回して気絶しているようだが、西洋妖怪じみた姿形の妖怪は骸魂より解き放たれ、何とか命を繋いでいるようにも見える。
(骸魂だけを倒すなんて器用な真似、私に出来るとは思えないし、ね)
 されど仕留めることは確実に――立ち込める高温の蒸気の中、白く盛る狼の拳がまた一つ、骸魂を葬り去っていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セシリア・サヴェージ
やれやれ、またしても罠ですか。手厚いもてなしに感謝しておきましょう。

UC【漆黒の呪剣】を発動。軽減される以上のダメージをこれで与えます。
炎の弾幕を【武器受け】や【なぎ払い】で防ぎつつ、接近して攻撃を叩き込んでいきましょう。

敵の動きを注意深く観察すれば罠の位置も特定できるかもしれません。
例えば、接近戦の最中に不自然に距離を取ろうとしたり、視線を私から外した場合などは罠への誘導を狙っている可能性があります。
であるならばそれを逆利用して、【念動力】で敵を【捕縛】して引き寄せや【吹き飛ばし】で罠の位置へ放ってしまいましょう。

少々残酷に思えますが戦いとは非情なもの。利用できるものは最大限活用しましょう。



●残酷ナル闇
 長く広い地下通路に足を踏み入れた瞬間、セシリアの頭上より、分厚い鋼鉄の刃が首を落としかねない勢いで降り注ぐ。
 一つ、二つ……と落される刃を、バックステップを以て躱しながら、皮肉を交えた口を彼女は誰ともなく呟いた。
 オマケに何匹もの、黒く熱く燃え盛る火炎で身を構成する九尾狐が、その尾の先端に青き火炎を灯らせ、殺意を向けている。
「やれやれ、本当に手厚いもてなしで……これは、主に感謝をしなければならないでしょう」
 手厚いもてなしと書いて、容赦ない攻撃。
 感謝と書いて、然るべき報復を。
 殺戮の世と化した象徴たる、刀剣乱れ飛び交う中、セシリアは剣を構えると。
「暗黒剣よ、今こそ真の力を見せる時だ」
 ――今は昔、嘗ては聖剣と呼ばれた闇に染まりし刃。
 放たれる地下の暗きより尚深く、暗き覇気に満ちた刃を、飛び交う刀剣と九尾狐たちから解き放たれた青い火炎の弾幕を目掛けて一振りさせる。
「ハアアアアッ!!!」
 剛剣の一閃は、飛び交う激しい殺意を一瞬で吹き飛ばすと、何処までも力強き暗黒の刃は黒き火炎の妖狐を、一瞬で飲み込み無へと還す。
 命を削ることも厭わぬ、解き放たれていく暗き力に物の怪が慄くも、冷徹にセシリアの奮う刃は物の怪を吹き飛ばしていく。
 そんな中、彼女はとある妖狐の存在に目が行った。
(……おや?)
 見ればその狐は、その場から中々動こうとしない――火炎と化した身体は、多少の攻撃を和らげる力があっても、セシリアの暗黒剣を前に正に風前の灯火も同じ。
 それは分かっている筈、であるならば――敢て踏み込む。
 すれば物の怪が馬鹿め、引っ掛かった――と愉悦の笑みを浮かべた、その瞬間。
「!?」
「少々残酷に思えますが、戦いとは非情なもの。存分に活用させて頂きましょう……」
 慄く物の怪の身体を掴むは、セシリアが放つ不可視の念力だった。
 仕掛けられた罠の寸前で踏みとどまったセシリアの下へ引き寄せられる、当然にその末路は――
「応報というものです」
 ――頭上に落とされた、数多の棘を備えた大鉄球に潰された骸魂の残滓を、鉄球諸共暗黒に還す刃がまた閃いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セツナ・クラルス
さっきは酷い目にあったねえ…
(『だいたい自分のせいじゃねぇか』)
そろそろゴールかなと思ったけど…なかなかどうして、そう思う通りにはいかないね
(罠塗れの通路に少々げんなりしつつ)
(『そりゃ、そー単純にはいかねぇだろ』)
でも、苦難が多ければ多いほど達成感を得られるのは事実
ふふ…折角だから、楽しんでしまおう
(『へへへ、うん、それには同意する』)

ギリギリまで敵を引きつけ不意にゼロを呼び出す
広がった視野を活かして敵の攻撃や罠を見切ろう
かわしきれたら此方の番だよ
水の属性攻撃で自分の周囲に薄い氷の壁を作る
ほんの少しでも目眩しになれば問題ない
その隙に敵の背後に回り
破魔+毒を含ませた武器で敵を刈り取ろう



●よく“かま”ってくれる
「いやはや、さっきは酷い目にあったねぇ」
『だいたい自分のせいじゃねぇか』
 辿り着いた真理と、何処か笑いの神が降りたような刃の閃きにも、どこか飄々としながら呟くセツナに、内に眠る人格のゼロは容赦のない突っ込みを入れた。
「それはさておき、罠塗れだ。一筋縄ではいかないものだね」
『そりゃ、そー単純にはいかねぇだろ』
 一歩を踏み入れただけでも、戦場の動乱に見えるは殺意限りなき仕掛け罠の数々――ゼロの言葉を華麗に流し、流された者は内心呆れながらも一応の同意を示した。
 そんな何処か似つかわしくない穏やかな様相の彼らに、黒き炎に身を包んだ九尾狐達が一斉に迫って往けば――
「さぁ、おいで私の愛し仔<ゼロ>。共に歩もう」
『よーやっと』
「出番だな……!」
 現れ出でた、もう一つの魂を受肉させて出でたゼロの姿。
 二つで一つ、刹那と零の限りなく近き者達――広まった視界はそのまま飛び交う殺意――刀剣や仕掛け罠――を潜り抜ける為の足掛かりとなり。
 時に軽々と黒衣を翻しながら、巡らされた殺意を躱す彼らに、炎の弾幕が迫る。隙間なきほどに巡らされた幾何学模様を前に、黒衣達は思う。
 全くもって困難だ。
 只でさえしょっちゅうに飛び交う刀剣の乱れ、油断すれば罠の殺意、その上で情け容赦なく向けられる青い弾幕。
 しかし――嗚呼、だからこそ、困難であるからこそ。
「――楽しもう。ふふ……」
「へへへ、うん、それには同意する」
 セツナが指を一つ弾けば、巡らされた薄い氷の壁が青き炎の幾何学模様の中に掠り<グレイズ>し。
 高熱と氷結が相殺し合う中、個体から気体へと変わった蒸気が、そのまま目晦ましとなり妖狐達の目を封ずると。
 緩やかな笑みを浮かべた黒衣は、また無邪気に笑う映し身の黒衣と共に大鎌の刃を一つ振るわせる。
 刃に宿りし破魔と毒、ともすれば相対する力が纏う黒炎を消し去り、毒がそのまま骸魂を蝕み滅していき。
 心躍らせながら彼らは骸魂の怪物達を次々と刈り取って行くのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リヴィアン・フォンテーヌ
彼女達は、元凶ではないですね
この異変によって骸魂に呑まれた被害者辺りですか
それならば打倒することで骸魂から解放して助けましょう

地下室で、にわか雨とはいえ雨ですか
それに地下室が森になりましたね
迷いの森、それは私達精霊も縁深いものです
概ね、私達は人の立ち入れぬ森の奥深くの湖に住むものですから
ですので、残念ですが私にはあまり意味がありませんよ

そして二度目の真名解放になってしまいますが罠諸共、敵に対処するためには仕方ありませんね
双聖剣を抜いて構え、そしてその名と共に解き放ちます!
【泉に眠る無辜の双剣(イリジスタード・イリティルド)】ぉぉぉぉぉ!
大量の水の刃で通路の罠を壊し、押し流します!



●濁流の刃
 立ち入った地下通路の中と、行く手を阻む物の怪の姿、彼女達が張り巡らせた【結界】の中、リヴィアンは一つ呟いた。
「……彼女達は元凶ではないようですね」
 元々の屋敷の数ある住民で、単に異変に巻き込まれただけの存在か。
 屋敷の様相からして、元は己と同じく西洋妖怪の何かなのかもしれない――いずれにしろ、倒す事が解放に繋がるのならば、そうするべきであろうが。
「それにしても、地下室がこのような光景になるとは。いやはや、何とも感慨深い……」
 ぐるりと見回してみれば、俄雨が立ち込める霧深き森の中――深き森奥の湖の乙女として何処か近きを覚える。
 地下通路の道を阻む妖狐が張り巡らせた結界か、視界は確かに悪く、迂闊に動けば確かに奇襲か、或いは仕掛け罠の餌食となり得るだろう……が。
「まぁ、私にはあまり意味のないことですが。いえ、寧ろ……」
 ――降り注ぐ俄雨が齎す過剰な湿度は、その肌に感じさせてくれる。
 否応なしに濃厚な、水の気配を。そしてその技の糧としかならないと。
 故に彼女は、湖の乙女は双子の聖剣を抜き放つ――この視界封じの雨降る森の中、殺意が己に牙を突き立てる、その前に。
「この剣は人の罪過を知らず水底で眠る双子……我が手を離れず故に人に穢れぬ無垢の刃――真名解放・其の弐!」
 抜いて放つは双子の聖剣、掲げ束ねるは全てを押し流す清流の力。
 俄雨は視界封じの結界とは成らず、寧ろそれを破る破城の糧となるばかり――そして二度目の真名を、リヴィアンは解き放つ。
「【泉に眠る無辜の双剣(イリジスタード・イリティルド)】ォォォ!!」
 振り下ろされる聖なる刃。
 物の怪が張り巡らせた俄雨と、視界惑わす森すらも巻き込むように、大量に圧縮された水の質量は走る。
 走る水の刃は森の木々も、飛び交う刀剣も、張り巡らされた殺意の罠達を一切の情けも容赦もなく押し流すように。
 そして――聖剣が解き放つ清き流れは、住民であった妖怪を侵す骸魂すらも正しき流れの中に呑み込み祓い。
 文字通り、全てを【水に流し】た湖の乙女は先を急ぐのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『流浪の刀剣士』

POW   :    無双の構え
【天の構え】【陰の構え】【金の構え】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    一刀
【刀】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    一閃
【刀から衝撃波】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠天帝峰・クーラカンリです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●寸寸最凶
 地下通路の戦いを乗り越え、黒幕の待ち受ける最奥に辿り着いた猟兵達。
 そこに待ち受けていたのは、一本の刀を背負った何処か緩い雰囲気を纏った妖であった。
「よーぉ……なんか、用かい?」
 繰り出された言葉に、猟兵達が冷ややかな視線を送れば、黒幕は肩を竦めた。
「クククク、まぁ、そーギラギラすンなって……」
 一見すれば緩くも見えるこの相手、しかし感じる――その背に背負った刀と、内に秘められた凄まじい殺意を。
 触れれば全てを斬り裂く、刀剣の化身が如き、邪悪な敵意を。
「さぁーて、折角ここまで来たんだ。ちょっと遊ぼうか……殺し合いって奴だけどなぁ!!」
 抜き放たれた刀が一つ閃き、猟兵達に黒幕は激しい殺意と敵意をより色濃く露わにすれば。
 猟兵達もまた、一斉に得物を構えて立ち向かって行く。
「ヒャハハハハッ! この世界を! 楽しい楽しい殺戮の世界にしてやるぜ! まずはてめえらから血祭りにあげてやらぁ!」
 ――骸魂に取り込まれた館の主を解放する為に、そして幽世の異変を沈める為に。
 最後の戦いが今、始まった!!
セツナ・クラルス
用かい…妖、怪…
…くっ、な、なんということを…
(膝から崩れ落ちる)

あー!もー、何やってんだよ!?
もういい、オマエはちょっと引っ込んでろ!
(笑いのツボにハマったセツナを裡に押し込めゼロが表に出る)

…!
(眼前に迫る刃をかわせないと判断し、覚悟を決めて睨みつけ)
…あっぶねぇ…
(ギリギリのところでUCが発動し相殺できた)

あのなぁ、言っとくけど
アイツは笑いの沸点がおかしいからアレだけど
アンタのギャグなんて全っ然面白くなんかないんだからな!

なぜか少しだけ不機嫌そうに言い放ち、武器を構える
アンタみたいな刀は使えねぇけど、ナイフ捌きはちょっとしたモンだろ?
小回りをきかせ敵を翻弄
隙が見えたら躊躇いなく突き立てる



●釘を刺す、文字通り
 ――既視感を感じたのか、黒衣の男は思わず膝を着き腹を抱えて蹲った。
「妖怪……用、か、いっ……ぐっ。なんという」
(おい! 敵、敵ィ来てるって、オイ!!)
 前髪が見せる陰りに詳しきを窺い知ることは出来ずとも、震える体と目の辺りに滲む輝きにどういった感情を抱くかは自明の理。
 されど戦場にかような留まりを見せてしまっては。
「ヒャハハハハハ!」
「あーもー、何やってんだ! 下がれお前はッ!!」
 耳に響くは異変を招いた黒幕の高笑いと、肌に感じる張り詰めた何か。
 それが振り上げられた刀の輝きと、それに籠った烈しい殺意であることは明白で――セツナの内に眠る第二人格<ゼロ>は強引に主人格を押しのけると。
 身体の主導権を握ったは良いが、既に避けるには近すぎる。このまま振るわれる刃が、ゼロの身体を易々と上下に分けるか――刹那の戸惑いの隙に導き出した答えは。
 ――諦めたように、力を抜くことだった。
 観念か、否――風に舞う木の葉を断ち斬ることが叶わぬように、鋭い線の衝撃を身体に流し斬撃を止めると。
 黒幕が退くその前に、止めた斬撃の衝撃を、鏡映しのようにそっくりそのまま打ち返す。
(っぶねぇ……!)
「ヒャハ、騙し討ちってぇ訳かよぉ! 随分とウケた振りしてまでぇ!」
 返された衝撃に脇腹に血飛沫舞わせながら、それでも黒幕は刀をゼロへ目掛けて振り下ろす。
 それをゼロはナイフを片手に、小回りを活かし翻弄するように刀を摺り抜け、時に受け流しながら答える。
「いや、ガチだ。俺の主人格サマは」
「そ、そうか」
 打ち合う中にげんなりとした様子で返されたゼロの答えに、黒幕は微妙な顔を以て返し。
 されどナイフと刀の打ち合う金属音は、殺意と敵意を濃密に交わし耳奥に残る残響は色濃くそれを心に刻む。
「ただ言っとくけど! アイツの沸点がおかしいだけで、お前のギャグなんざちっとも面白くもなんともなかったからな!?」
 その辺りはキッチリと――正に“釘を刺す”ように、微妙な顔をしたことで僅かに緩んだ黒幕の懐に潜り込み。
 その脇腹へと、ナイフを深々と突き立てていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベスティア・クローヴェル
(炎が猛る度、パキリ…パキリ…と左腕が砕ける音がする)
(暑い…。少し温度を上げすぎたか…)
(だけど、あとちょっとの辛抱。お願いだから、この戦いが終わるまでもってね…)

好きなだけ構えて、準備すればいい
時間をかければかける程、私の熱は上がり続ける
その刀が何製か知らないけれど、何℃まで耐えられるのだろうね

相手が準備をしている間に身体を僅かに浮かせて突撃準備
僅かでも動いたら最高速度で真っ直ぐ突っ込んで、動きを封じるように力いっぱい抱きしめる

熱の暴力で焼け死ぬのが先か、拘束を振りほどかれて切られるのが先か
我慢比べといこうじゃないか
まぁ、刺されようが殴られようが、この腕は絶対に放すつもりはないけど、ね



●焦れる熱
 パキリ、パキリと乾いた音が左腕から絶え間なく響いていく。
 乾いた地面がヒビ入り、崩壊の序曲を奏でていくように――盛る火炎の代価に、微かに耳を動かして。
(暑い……少し温度を上げすぎたか……)
 ベスティアが炎を纏えば、黒幕が刀を変幻自在に構え相対しあう。
 盛る炎と何も纏わぬ刀、動と静、炎と氷――対照的な、されど色濃さは劣らぬ戦意と戦意のぶつかり合う緊張感。
(だけど、あとちょっとの辛抱。お願いだから、この戦いが終わるまでもってね……)
 交わされる瞳の色は共に赤く、戦意は何処までも熱く――互いが互いに、動いたその時が勝負と分かっているが故の、堪らない緊張感。
 その中で黒幕が構えを自在に変えながら、煽るようにベスティアに向けて舌を出す。
「ハッ、ビビってるぅ?」
「別に。仕掛けたかったら、いつでもいい」
 纏う大熱と裏腹に淡々と語るベスティアに、黒幕は苦虫を嚙み潰したような顔で吐き捨てる。
「ハッ、簡単に誘いに乗るかよ。なぁ?」
 それでもベスティアは動じることはなく、ただ彼女の纏う熱は高まりを見せるばかり。
 空気を介して尚、暑く烈しく伝わるそれが、黒幕の思考を徐々に乱していき――。
「……」
「……」
 ――ついには痺れを切らしたか。
 黒幕が構えから、全ての筋肉のバネを解き放ちベスティアに踏み込もうとした、その時だった。
「!?」
 構えが攻撃という実行に移されようとした、その一瞬。
 流星が走るように、白すらも超え炎という概念を超えプラズマの領域に至る熱の閃きが、黒幕の身体に文字通りの熱い抱擁を齎していた。
「てめ、離せっ……!」
 その灼熱は焦熱地獄というにも生温く。
 その抱擁の力は万力というにも緩すぎる。
 骨が砕け、灼熱が血肉を灼いていく嫌な侵食と苦痛に苛まれながらも、抗うように黒幕は矢鱈滅多に刀を振り回す。
「離しはしない」
 何度その刃が斬り裂こうと襲い掛かっても、突き刺さらんとした切っ先が迫ろうとも――纏う業火の勢いはそれを留めて。
 尤も、仮にその刃が炎の薄皮を破り肌と肉を傷つけられようと、ベスティアの心は変わらない――故に、彼女は、厳かに語る。
「我慢比べといこうじゃないか」

大成功 🔵​🔵​🔵​

セシリア・サヴェージ
凄まじい剣気……殺戮の世界を望むだけの事はあります。
ですがその様な世界を容認することはできません。全力で阻止します!

UC【闇の解放】を発動。暗黒の力を最大まで高めると同時に真の姿へと覚醒します。
――お前の野望もここまでだ。館の主を解放し疾く消え失せるがいい。

面白い構えだ。だが来ないならこちらから行くぞ。
【先制攻撃】を仕掛けて相手の出方を伺う。ただし刀で受け止めようものならば、その構えごと【怪力】で突破してやろう。
避けられ反撃されたならば【念動力】で刀を、そして奴の動きを静止させ……【重量攻撃】で叩き潰す。

殺戮を望んだのだ。当然死ぬ覚悟はできていたんだろう?では、さらばだ。



●Gothic Dark
 緩そうな表情とは裏腹の、相対する者をその気迫のみで斬り捨てかねない、圧倒的な殺気。
 白髪に電流が走り毛羽立つような緊張を覚えながら、セシリアは息を呑んだ。
「何たる凄まじい剣気……流石、殺戮の世界を望むだけの事はあります。ですがその様な世界を容認することはできません。全力で阻止します!」
「ならその阻止を全力で斬り捨ててやるよ! テメエの許しなんざ、必要ねぇからなぁっ!!」
 黒幕が嗤いながら刀を千変万化に構え、煽るように誘ったその時。
 ――この命を捧げよう。私に全てを護る力を!
 セシリアの中で何かが切れたように、彼女の体中から触れる者を底冷えさせる、冷たくも重い闇色の気配が放たれた。
 吹き荒ぶ刀剣の嵐も、黒幕の放つ殺気も平伏させるように放たれる威圧感。
 身の丈ほどもある巨大な剣を手に持ち、悪魔の角の如き兜を備えた姿は神話の魔神の如く――真の姿を解き放ったセシリアの姿が其処に在った。
「――御託はいい。お前の野望もここまでだ。館の主を解放し疾く消え失せるがいい」
 来いよと誘われるのならば、望み通りに。
 荒々しくも重く相対する者を底冷えさせる声色と共に、刀を構える黒幕に真っ向から彼女は大剣を打ち下ろす。
 強かな金属音が響き、正に“重”を体現した一撃は大気を震撼させながら――黒幕を吹き飛ばし壁に叩きつける。
 咄嗟に防御に特化した構えを取って尚、それを容易く貫き内臓を侵す凄まじい衝撃。
「ぐがっ……!」
「フンッ!!」
 それでも反撃に刀を見舞おうと、構えを直す黒幕であったが、それは強制的に止められてしまう。
 何故ならば、セシリアが突き出した掌より放たれた不可視の力場が、黒幕の身体を捉え締め上げていたからだった。
「望み通りにしてやろう。覚悟がないとは言わせん……さらばだ」
 そして一切の望み<動き>を断たれた黒幕が、僅かな恐怖と共に見上げた者は。
 今にも打ち下ろされんとする、先と比べ物にならぬ覇気と重みを携えた大剣を振り上げた暗黒騎士の姿だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

四季乃・瑠璃
緋瑪「そうだね!楽しい殺し合いを始めよう♪」
瑠璃「んー…あの態度、殺し合いを殺戮と勘違いしてないかな?」
緋瑪「どっちでも良いよ、瑠璃。本当の殺し合いも殺戮も教えてあげる」
瑠璃「やり過ぎても恨まないでね」

UCで分身&能力・武装強化

瑠璃が二丁拳銃連射、緋瑪が少し遅れて煙幕式ボムで視界を撹乱。
瑠璃の連射に対して見せた反応から敵の行動(回避や防御)を読んで、弾幕と煙幕に紛れて敵の行動を潰す様に接触式や時限式ボムで爆破。
予想外の爆破で怯んだ敵に緋瑪が大鎌で斬りかかり、大鎌の防御で刀を塞がれた隙を突いて至近距離でボムを放ち、自身は大鎌の機巧で緊急離脱。
そこに瑠璃が更に追撃のボムを大量投下して爆破粉砕するよ



●さぁ、真の“殺”を始めよう
「そうだね! 楽しい殺し合いを始めよう♪」
「んー……あの態度、殺し合いを殺戮と勘違いしてないかな?」
 二つの魂を二つの身体に受肉させ、嬉々として笑う緋瑪に、瑠璃はやや微妙な表情で黒幕の高笑いに疑問を呈した。
 だが緋瑪は変わらずに笑顔を顔に張りつけ、その掌に爆弾を生成し軽く握り。
「どっちでも良いよ、瑠璃。本当の殺し合いも殺戮も教えてあげる」
「やり過ぎても恨まないでね」
 ――さぁ私達の殺戮を始めよう。
 緋瑪と共に命を削ることも厭わぬ、爆発的な闘気を解き放ちながら瑠璃は両手に拳銃を構えると、黒幕がどこか狂ったように笑って返した。
「ヒャハッ、どっちでも良い、か。そうだなぁ! てめえらこそ! 恨むんじゃねえぞ!!」
 開戦を告げたのは瑠璃が両手に持った拳銃から、機関銃もかくや、と思うほどの鉛弾の嵐だった。
 砂漠の荒鷲すらも優に凌ぐ弾丸の嵐を、黒幕は刀一本、鉛弾の間を縫うように駆け抜け時に斬り伏せる。
 刀を振るったその僅かな硬直を目掛け、緋瑪が爆弾を投げつけるも、その中身は爆薬ではなく煙幕――立ち込める煙に黒幕が一瞬足を止める。
 そして更に、僅かな硬直を目掛け次々と転がされていく接触式の爆弾を、不動の構えから刀で斬り掃い続けるも、時間差で爆ぜる爆風が黒幕を煽り、動きを硬直させた。
 そこへ大鎌を手に持った緋瑪が、爆煙を割りながら黒幕目掛けて振り下ろす。
「ヒャハハッ! 甘い甘いィ!」
 だが黒幕は咄嗟の動きにて刀で受け止める――そのまま、黒幕が反撃に移らんと大鎌の刃に刀を滑らし始めたその時だった。
「言ったよね、本当の殺し合いも殺戮も教えてあげるって」
 それよりも速く、緋瑪が生成した爆弾は既に黒幕の腹部に張り付き、反撃の一手諸共に吹き飛ばし。
 当の緋瑪は既に大鎌の炸薬を又爆ぜさせ、離脱していた――悪態をつく黒幕の頭上に響いた声は。
「私達は二人で一人の殺人姫、狂ってるだけのあなたには負けないってこと」
 跳躍しながら大量の爆弾を抱え――それをばら撒く瑠璃の姿。
 立て続けに生み出される大量の爆発は、容易く黒幕を呑み込み焼き払っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティファーナ・テイル
f23910リィフと共闘
*アドリブ歓迎

「刀剣には神拳で打ち勝つぞ!」と意気込みます!
『スカイステッパー』で縦横無尽に飛翔しながら好機を伺いながら隙を見て『セクシィアップ・ガディスプリンセス』で♥ビーム攻撃を仕掛けて肉薄したら『ガディスプリンセス・グラップルストライカー』で髪の毛・蛇尾脚で攻撃をします!
敵の攻撃を『神代世界の天空神』で空間飛翔して避けながら『天空神ノ威光・黄昏』で敵のUCを封印/弱体化させつつ、🔴が付いたら『超必殺究極奥義』+『ヴァイストン・ヴァビロン』で苛烈な猛攻を仕掛けます!

『ゴッド・クリエイション』で阿修羅を創造して六手腕で攻防を繰り広げて貰います。
「ボク達は泣けない!」


麻海・リィフ
f24123テイルと同行
アドリブ、即興連携歓迎

どっちがギラギラしてるんだか…
どうであれ、好き勝手はさせない!

残像空中浮遊ダッシュジャンプで正面から一気に接敵
剣を回転させ念動衝撃波串刺しチャージUCで突撃

敵の攻撃は機動を見切り基本三種の盾を駆使し
念動衝撃波オーラ防御を以て受ける
カウンター念動衝撃波シールドバッシュで吹き飛ばし浮かせ
二回攻撃念動衝撃波串刺しチャージUCで貫く

窮地の仲間(特にテイル)は積極的にかばう
どうした?徹っていないぞ!

貴様の酔狂に付き合う暇はない!
況して祭りの飾りになるつもりもな!

己も殺せぬ輩が刀剣士とは笑わせる
我は貴様以上の「刀の化身」を知って…ゲ(紅葉を見て)



●嵐過ぎ去らぬか
 爆炎の中から、全身より白き煙を噴き上げながらも現れ、顔中に血を零した黒幕は刀を掲げながら嗤う。 
 傷つき激戦を経ても尚、衰えぬ闘志と全てを害する殺気は、決して生かしておいて良い部類ではない嫌悪感を伺わせる。
「ククゥーッククク、やるじゃねぇか……ギラギラしたこの殺意、いいねぇ……!」
 粘着質な水音が響くような笑い<攻撃性>を露わに、傷つきながらも精度と覇気は一切も衰えぬ構えを以て猟兵達に殺意を向けて。
「どっちがギラギラしてるんだか……どうであれ、好き勝手はさせない!」
「殺し合って、殺し合って終りなんて、そんな世界嫌だよ!」
 その激しい殺意に溜息を吐きながら、リィフはその傍らに盾を浮かべ決意を示し。
 その横に立つティファーナもまた、蛇体を強かにうねらせ、翼をはためかせて虚空を蹴り出しながら黒幕目掛けて肉薄していく。
「ヒャハハッ! 知ったことかよォ!」
 赤い瞳に獰猛な輝きを宿し、黒幕はそれを迎え撃つように駆け出していった。
 先陣を斬ったティファーナが、その掌より眼を潰すほどに眩き黄金の閃光を解き放ち、黒幕の身体を焼こうとも、黒幕は怯まず突き進み。
 やがてはその刃がティファーナを一思いに薙ぎ払うのだろうか――否。
 ワンテンポの遅れを補ってあまりあるほどに、影を幾重にも残す速度を以て迫ったリィフの姿があった。
 その手に持つ剣は硬玉をも容易く抉り削る程に旋(まわ)り、音をも超えた速度の旋回は風と相対する者の耳を侵す不快音を巻き起こす。
「ストヲムルゥラァ……! 応えろぉ!!」
 回転する刃が巻き起こす嵐の壁が、刀を振るわんとした黒幕を圧し潰すように動きを制し。
 その壁すらも割入る程に、力強くかつ素早くリィフが斬り込み――天地に全てを賭けるが如き刺突を解き放つ。
「ぬあぁぁっ!」
 一瞬の内に防御を固め、刀の腹で受けても黒幕は盛大に吹き飛ばされ。
 虚空を蹴りながら向かうティファーナは、その眩い神の威光を持ちながら黒幕の立ち上がる力を乱しつつ迫る。
「刀剣には神拳で打ち勝つぞ!」
「ハッ、拳が剣に敵うかよォォォ!!」
 虚空を蹴るたびに散る黄金の鱗と羽根の財貨を代価としながらも、不可能を可能とする勢いでティファーナは力を高め。
 突き出された必殺の拳が、掲げられた刀の腹と一瞬、打ち合い拮抗を齎すも――容易くにそれは破られ、黒幕は刀を貫いた拳の衝撃で蹲り。
 筋肉の凝縮された、鉄板すらも容易くひしゃげ砕けるであろう蛇体のうねりが黒幕の刀諸共圧し折らんと迫る――が。
「鬱陶しいッ!」
 閃く黒幕の刃。
 横薙ぎに迎え撃つように放たれた刃が、ティファーナの尾を断ち斬りに――行く筈だったが、咄嗟にそこに割って入ったリィフと、彼女が浮かべた盾がそれを防ぐ。
「どうした? 徹っていないぞ!」
「まだまだこれから、だよ!」
 咄嗟に庇ったリィフの叱咤にティファーナが立ち上がり、再びケツァルコァトルの翼強かに揺らめかせ、虚空を蹴り。
 その手から矢継ぎ早に放たれる光線が、黒幕を容赦なく追い詰めていきながらも、黒幕はそれでも笑う。
「クカカカカカッ! いいねぇいいねぇ! 滅びるまでこんな光景だらけになるんだよなぁ!」
「貴様の酔狂に付き合う暇はない! 況して祭りの飾りになるつもりもな!」
 そして駆けて迫る黒幕を、盾を盛大に打ち付けて吹き飛ばし――更に追い撃つようにリィフが剣を旋し、新たに暴風を呼び。
 放たれた暴風の壁がそのまま動きと視界を封じながら、二撃に全てを賭けた刺突が黒幕の腹部を抉り。
「カタストロフは起こさせない! 絶対……ブッ飛ばす!!」
 更に其処へ追い撃つように、ティファーナの放つ金糸の髪が、鋭い刃線となったが如く崩れた体勢の黒幕を抉り切り裂いた。
 数多の損傷受けて尚、クカカ、と壊れたように笑いながら、刀を杖代わりに立つ黒幕を前に、吐き捨てるようにリィフは言う。
「己も殺せぬ輩が刀剣士とは笑わせる。我は貴様以上の【刀の化身】を知って……ゲ」
「あっ」
 ――その声が示したものは……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

紬雁・紅葉
まあまあ愛い童♪
お望み通り遊んで差し上げましょう

羅刹紋を顕わに戦笑み
先制UC発動

天羽々斬を鞘祓い十握刃を顕現

残像忍び足で正面からゆるゆると接敵
射程に入り次第破魔雷属性衝撃波UCを以て回数に任せ範囲を薙ぎ払う

敵の攻撃は躱せるかを見切り
躱せるなら残像などで躱し
そうでなければ破魔衝撃波オーラ防御武器受け等で受ける
いずれもカウンター破魔雷属性衝撃波UCを以て範囲ごと薙ぎ払う

窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃


千刃の荒野を望むか、童
だがうぬの心技体、剣ヶ原に遠く能わず
刃用いて戯れなば汝屍と成るべし
うぬでは役者に不足
骸の海で溺れておれ
去り罷りませい!

※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※



●笑う刃と刃の果てに
 ――現れたのは、羅刹門の輝きの覇気凄まじき、風にそよぐ柳の如く笑う女だった。
 紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)は鈴が軽やかになるが如く、戦に笑みながら黒幕の剣鬼を笑う。
「まあまあ愛い童♪ お望み通り遊んで差し上げましょう」
「ヒャハハハッ……良いぜぇ、斬り裂き遊びと逝くかぁ」
 ねちゃり、と見開かれた血の色の瞳から向けられた殺気に、独特な形状の羅刹の紋様が輝く。
 涼やかに、ゆらり、ゆらりと歩む紅葉はただ一つの剣を鞘払い――
「掛けまくも畏き布都主の遍く剣とす御力お越し畏み畏み申し賜う……!」
 その身を剣神に近づけ、剣の神そのものの力となりて。
 彼方を斬り裂く刃を顕現するや否や、振り払われた刃より走る遠当の衝撃が、黒幕を目掛けて駆け抜けていく。
 それを黒幕はクカカと嘲笑いながら、振るう刀より放つ衝撃をぶつけ相殺し――それでも。
 紅葉は、剣神は舞い踊るかのように、幾重にも隔てた距離を物ともせぬ刃を解き放ち、黒幕の放つ衝撃を圧する。
 飛び交う刀剣の嵐すらも容易く薙ぎ払い、数多の刃を塵と変えながら走る衝撃は稲光激しく黒幕の身体を灼き。
 されど黒幕も又、身を焦がすほどの激しい衝撃に嗤いながら、地下室の崩壊も厭わずに刀を振るい万物を斬り裂く衝撃を解き放つ。
「千刃の荒野を望むか童。だがうぬの心技体、剣ヶ原に遠く能わず」
「それこそが望だ小娘ッ! 貴様の心技体こそ我が領域に至らず、ってなぁ!」
 その解き放たれた刃を、風に舞う木の葉の如く、しなやかに躱して往きながら剣神は厳かに語る。
 されど厳かな宣言すらも嘲笑う黒幕は、剣神より放たれた衝撃波を受け止めながらも、反撃に――自ら傷つくことも厭わない、守りを捨てた刃で立ち向かう。
 されど。
 剣神はただ真っ直ぐに、凛と振るう刃より走る衝撃は、狂ったように笑い走らせる衝撃を容易く飲み込み、逆に黒幕を押し返し――
「刃用いて戯れなば汝屍と成るべし。うぬでは役者に不足。骸の海で溺れておれ……去り罷りませい!」
 黒幕の横を過ぎ去ると同時、閃いた彼方裂きの刃は黒幕の胴を過ぎて往く……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リヴィアン・フォンテーヌ
あなたが元凶ですか……
……はて?なんの妖怪になんの骸魂が憑りついたのでしょうか?
まぁその疑問はさておいて、殺戮の世界になどさせません
そもそんな世界で何が残るのというのですか……あぁこの世界を骸の海に沈めたいわけですね
そうはさせません。仮初とはいえ聖剣の担い手としてその欲望(ねがい)を断ち切らせてもらいます

双聖剣で振るい斬りあいますが、流石に剣の腕では敵いませんか
結局、今回は最初から最後までこの子達に頼り切りになりましたね
あなたは大河が如き水の流れを断ち切れますか?
真名解放っ【泉に眠る無辜の双剣(イリジスタード・イリティルド)】ぉぉぉぉぉ!
大量の水を圧縮した刃を双剣で左右から放ちます!



●聖剣と妖刀の果てに
「あなたが元凶ですか……はて?」
 戦も佳境、場に現れた湖の乙女リヴィアンは両手に双剣を携えながら、首を傾げてみた。
「何か用かい? ま、決まってら、な……」
 不敵に笑うこの黒幕は東洋の妖怪に見えるが、館の様相からするに元は西洋妖怪に思える。それが一体何なのか……それはそれとして。
「殺戮の世界にはさせません。そんな世界で何が残るというのですか」
「ヒャーハッハッハ! 残る? 残す?」
 疑問をさておきながら、リヴィアンは己の決意と共に双剣を突き出してみれば。
 黒幕は彼女の諫めるような言葉を嘲笑うように声をあげ、それでも油断なく、その刀を大上段に構えると。
「知ったこっちゃねえ!」
 強かに打ち下ろされる刀の一撃を、聖剣を交差させながら受け止めて。
 攻撃に全てを割り振った斬撃を、僅かに掌に走る痺れと共に若干後退しながら受け切ると、何かを察したようにリヴィアンは頷いた。
「ああ、成程」
 ――結局のところ、骸の海に全てを沈めたいだけか。
 駒のように回転しながら勢いを付けた、黒幕の薙ぎ払いを右から左へ受け流すように剣を流し。
 それでも文字通りに返される刀を、もう片方の剣で打ち上げて寸での所で躱す――それでも、黒幕は余裕を顔に浮かべている。
 剣戟で対抗し続けるは愚策であろう、ならば。
「そうはさせません。仮初とはいえ聖剣の担い手としてその欲望(ねがい)を断ち切らせてもらいます」
 思えばこの事変には悉くこの真名を解放してきた。
 そして今回も――この子達に頼り切りであってもと、黒幕が再度に刀の刃をリヴィアンに滑り込ませるその前に。
 掲げられた双聖剣は、大気中の水を束ね圧縮され――
「真名解放っ【泉に眠る無辜の双剣(イリジスタード・イリティルド)】ぉぉぉぉぉ!」
 大河の如く押し寄せる水の清浄な質量。
 鋏で断ち斬るが如く、双剣が紡ぐ水の刃は左右から黒幕を襲う――例え黒幕が防御を固め刀を構えても。
 斬って尚斬り切れぬ莫大な質量は、すぐ様に流れ斬られた空白を補いながら黒幕とその刀を圧していき、そして――。
 やがては、根元から断ち斬られた刀身が床に突き刺さり。
 圧縮された水と水が打ち合う中に、物の怪であった骸魂が挟まれ潰れて消えて流されて往くのであった。

●取り戻された平穏
 全ての戦いは終わり、あちらこちらに飛び交っていた刀剣の嵐も、最初からなかったかのように収まっていた。
 それに伴い、幽世を満たしていた殺伐とした嫌な空気も綺麗に消え去っていく。
 骸魂に取り込まれた妖怪達も、次第に意識を取り戻していく――見れば妙に可愛らしい幽霊やお化けコウモリ、洋館の誂えに相応しい西洋妖怪の集まりなのだろうか。
 そして黒幕に呑まれていた館の主は――首のない鎧騎士、所謂「デュラハン」と呼ばれる種類の西洋妖怪だった。
 猟兵達が事情を説明すれば、彼は深々と身体と首を床に擦り付け猟兵達に丁寧に礼を言っていく。
 ここでふと、ある猟兵がいつもこのような殺意に満ちたトラップを仕掛けているのかと聞けば、館の主は普段は笑って済ませられる程度だと陽気に答える。
 その笑って済ませられるの基準が如何ほどにもよるだろうが、兎にも角にも、あの殺意に満ち溢れた罠の数々は主の本意ではなく、オブリビオンの所為だったということだろう。
 何はともあれ、終局(カタストロフ)を乗り越えた猟兵達は、屋敷の住人たちに見送られていきながら去っていく。
 その際に、主から言われた一言を、斬り捨てるかどうかの微妙な顔で受け止めながら。
 それは即ち――

「いつかまた来てください。その時は普通のビックリドッキリ迷路でお出迎えしますよ」

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年07月05日


挿絵イラスト