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踊れよ踊れ、くるくる踊れ

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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 ――ドンッドドドン! ドンッドンッ!
 ――ピーヒャララッピーピーヒャラ!

 鬱蒼とする深い山の奥に、切り拓かれて作られた村があった。どこか懐かしさを感じさせる古びたかやぶきの家が並ぶ村。そこから祭囃子が鳴り響く。
 覗いてみれば村の中央の広場では無数の揺れる提灯の明かりが灯り、かき氷や鉄板焼きといった食べ物の屋台が並ぶ。
 中央にはやぐらが建てられ、その周囲を大勢の生き物が回るように踊っている。着物を纏った二足歩行のキツネにタヌキ。尻尾の分かれたネコに、人のように見えるが生気のない者まで。それは幽世(カクリヨ)に住まう妖怪達だった。
 どこからともなく太鼓と笛の音が響き、リズムを合わせて音頭をとっている。それに合わせて妖怪達が踊っているが、その顔は楽しんでいるようには見えない。

「ひぃひぃ……どうなってる!? もう一刻は踊ってるってのに体が止まらねぇ!」
「はぁはぁっ、く、くたくただってのに、踊っちまう!?」
 妖怪達は楽しいどころか、汗だくとなって苦悶に顔を歪めていた。

 ――ドンッカカッドンドンッカッカッ!

 そこで太鼓のリズムが変わり、激しく打ち鳴らすものとなった。

「来たぞ音が変わるぞ!!」
「嘘だろ! もう耐えられねえ!」
 妖怪達の顔が絶望的なものに変わる。そして音に合わせて踊りの動きも激しくなった。
「やめろ! やめてく――」

 ――ドドンッドドドドドドンッカカッ! ドドドンッ!!
 ――ピャーーーッ! ピーヒャラピロピロピロピロピャーンッ!

 押し寄せるような太鼓の連打。それに合わせて笛は切り裂くように甲高い音を立てる。すると妖怪達はその激しいビートに乗り、キレキレな動きで踊り出す。

「だ、誰か、これを、とめてくれえええええ!!」
 叫びも虚しく、妖怪達の盆踊りは止まらずくるくるとやぐらを回って永遠と続き、やがて骸魂に呑み込まれた。


「妖怪たちの新しい世界、カクリヨファンタズムでの事件だよ!」
 かやぶき屋根の家が並ぶ村を映すグリモアベースで、ラフィロワ・ベルシルト(幸せ運ぶ星のうた・f04751)が猟兵達を出迎えた。
「山にある村で盆踊り大会が開かれてるみたい。だけど、それはオブリビオンが開いた大会なんだよ!」
 オブリビオン主催では、まともな祭りなど期待できない。
「村に住む妖怪たちは、お祭りの放つ妖気に操られてずっと盆踊りを踊らされちゃうんだよ。ずっと続けると骸魂に飲み込まれてオブリビオン化しちゃうみたい!」
 その異変は妖怪達を骸魂に飲み込ませてオブリビオン化させる為の企みのようだった。
「みんなにはそのお祭りに参加してもらって、妖怪たちを助けてあげてほしいんだ!」
 このままでは妖怪達がオブリビオンと化してしまう。それを阻止できるのは猟兵だけだ。
「盆踊りをやめさせたら、オブリビオン化は止まるみたい。どうにかして盆踊りをやめさせる方法を考えて、みんなを止めてあげてね!」
 盆踊りをすることによってオブリビオン化が進む。ならば盆踊りを止めさせればオブリビオン化も止まる事になる。
「盆踊り会場は踊らないとダメッって空気になってるみたい。だからみんなも踊りながら行動すると動きやすくなるみたいだよ!」
 会場では踊ることでプレイングボーナスを得られ、作戦の成功率も上がるようだ。
「悪さをするオブリビオンは、骸魂に飲み込まれちゃってるだけだから、やっつけると元に戻って助けてあげられるよ!」
 オブリビオン化してしまった者も、倒せば元に戻せる。

「踊るのは楽しいことだけど、無理やりやらされるのはダメだよね! そんなんじゃ踊ることが嫌いになっちゃうよ!」
 強引に踊らされることにラフィロワは怒ったように頬を膨らませる。
「お祭りだって楽しいことだもの。みんなで悪いことをするオブリビオンを倒して、お祭りも踊りも楽しいことだって思い出させてあげて!」


天木一
 こんにちは天木一です。新しい世界カクリヨファンタズムの事件となります。妖気満ちる盆踊りによって踊り続ける呪いにかかった妖怪達を助けてあげてください!

 盆踊り会場は、強制的に妖怪達を踊らせています。踊りながら行動する事によって全ての章でプレイングボーナスを得られます。

 第一章は妖気によって強制的に盆踊りさせれている妖怪達を、それぞれの考えた方法で止めてあげてください。

 第二章はオブリビオン化した妖怪の群れとの戦闘になります。

 第三章は、オブリビオン化して盆踊りを企んだボス妖怪との戦いとなります。

 複数人で参加する方は最初にグループ名などをご記入ください。
 プレイングの締め切り日などは決まり次第マスターページにて。
 それでは新しい世界カクリヨファンタズムでの物語をお楽しみください!
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第1章 冒険 『死を呼ぶ呪いのデス盆踊り』

POW   :    踊らせなければ無問題。力づくで踊りをやめさせる。

SPD   :    違うものを流行らせれば良いのでは? 別の踊りを勧めてみる。

WIZ   :    そんな事よりも私の歌を聞くんだ。派手なパフォーマンスで耳目を惹く。

👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レフティ・リトルキャット
※詠唱省略やアドリブOK
にゃはは。コレは楽しそうなヤツにゃん。でも踊りを止めるかぁ……うにゃあ(悩)
コレでいけるかにゃ?【猫風の陣】。
僕は子猫に変身し風を纏いつつ、盆踊り会場に紛れ込むにゃん。呪いのオーラ防御と、にゃんくるにゃいさーの精神で鼓舞し踊りの妖気に抵抗するのにゃ。
抵抗に成功したらミュージックエナジーで今流れているものとは別の曲を流し、会場の踊りとは違った自分だけの踊りを披露するにゃあ。

この行動は、皆を踊らせる妖気を攻撃と捉え、それに抵抗することで防御や回避の成功判定に。そしてUCの力が乗った、ミュージックエナジーで踊りの妖気と同じ力を放ち、踊り効果(攻撃力)の減衰、相殺が狙いにゃん。


高砂・オリフィス
こーいう依頼をぼくは待ってた! さあさあテンションあげて! 歌って踊って楽しんじゃお! あははっ!

どうしてみんなそんなに元気ないの? こういう時こそ笑顔笑顔、声出してこ!
ダメ? 疲れた? 立てない? そっかーそっかそっか
ではぼくの踊りに注目! ついでにリズムに合わせてステップ!
ほらほら、動けば動くほどなぜか疲れ知らずの不思議な踊りだよ!

視線を上げて、顔上げて! 笑って、一緒に踊れば、巻き込んじゃえばヘロヘロなんて吹き飛んじゃうから!
このまま踊りながら事件解決、がんばりまーす! 応援よろしくねーっ!



●楽しいダンス
 ――ドドドン! ドンッドドンッ!
 ――ピーヒャララー!

 どこからともなく太鼓と笛の音が鳴り響き、多種多様な妖怪達がやぐらの周りをくるくると盆踊りしながら回っている。
「ひぃひぃ……」
「いつになったらこの盆踊りは終わるんだ」
 だが誰も楽しそうに笑っているものはおらず、会場は重苦しい妖気に包まれていた。

「にゃはは。コレは楽しそうなヤツにゃん。でも踊りを止めるかぁ……うにゃあ」
 その愉快そうな祭りの光景に、レフティ・リトルキャット(フェアリーのリトルキャット・f15935)は自分も踊り出したくなって笑顔になる。だが踊りに参加するならともかく、止めれるだろうかと首を傾げて頭を悩ませた。
「コレでいけるかにゃ?」
 一つ思いついたことを試してみようと、愛らしい子猫の姿に変身してユーベルコードを発動しその身に風を纏った。
「これで盆踊り会場に紛れ込むにゃん。にゃんくるにゃいさーの精神にゃ!」
 足取り軽く盆踊り会場に入ると、リズムに乗って踊り出したくなる妖気に抵抗した。
「この曲がよくないにゃあ。別の曲で盛り上げるにゃ!」
 レフティはミュージックエナジーを流し、まるで見えない妖精達が演奏するように賑やかで妖気な音楽が鳴り出した。
「盆踊りよりも楽しい踊りを教えてあげるにゃあ」
 楽しげにレフティが肉球をふりふりしてにゃんにゃんと踊り始める。
「なんか、身体が軽くなってきた!」
「にゃんかへん? 踊りたくなってきた!」
 盆踊りが変化し、口調までレフティを真似るように周囲のタヌキやキツネといった動物の姿をした妖怪達がにゃあにゃあと踊り出した。
「盆踊りの効果が弱まってるにゃ、この調子で相殺するにゃあ」
 レフティがにゃにゃっと踊ると、妖怪達もにゃにゃっとポーズをとる。
「なかなか筋がいいにゃ! じゃあ次はこれにゃよ、付いてこれるかにゃ?」
「こうか?」
「違うにゃ! こうにゃ!」
 妖怪達もまるで自分達が猫になったように、レフティの厳しい指導の下にネコダンスを踊り出した。
「おおー! もっと踊りたい!」
「なんにゃか楽しくなってきたー!」
 妖怪達は先ほどまでの強制労働させられていたような顔とは打って変わり、笑顔になって踊っていた。その身体からはもう呪いじみた妖気を感じられない。
「いい顔になったにゃ! やっぱり踊りは楽しくないとダメにゃあ」
 レフティは盆踊りから解き放たれた妖怪達を見て、さらににゃにゃんと元気に踊って、共に笑顔でダンスを続けた。


「こーいう依頼をぼくは待ってた!」
 楽しそうに満面の笑顔で高砂・オリフィス(南の園のなんのその・f24667)が会場に飛び出す。
「さあさあテンションあげて! 歌って踊って楽しんじゃお! あははっ!」
 楽しそうにハイテンションでオリフィスが妖怪達に呼びかける。
「はぁはぁ……テンション上げろって――」
「もう無理! しんどいんですけどー!」
 そんなオリフィスの気軽な呼びかけに、無理矢理踊らされている骸骨や鬼のような妖怪達はふらふらで無理だと言い返した。
「どうしてみんなそんなに元気ないの? こういう時こそ笑顔笑顔、声出してこ!」
 不思議そうにオリフィスが首を傾げ、そんな妖怪達を元気づけるように笑顔を見せて、ビシッと腕を伸ばして大きく元気な声を出す。
「む、無理だって!」
「俺たちが、もう、どれだけ踊ってると、思ってんだよ!」
 満面の笑顔を浮かべるオリフィスが今にも倒れそうな様子の妖怪達に呼びかけるが、妖怪達はもう限界だと生まれたての小鹿のように足を震わせていた。
「ダメ? 疲れた? 立てない? そっかーそっかそっか」
 そんな様子を見てオリフィスが腕を組んでうんうんと頷いた。
「ではぼくの踊りに注目! ついでにリズムに合わせてステップ!」
 バッと両手両足を伸ばし、見本を示すようにリズムよくステップを踏んでダンスを始める。楽しく軽快に踊る動きは、周囲の妖怪達の視線を引いた。
「ほらほら、動けば動くほどなぜか疲れ知らずの不思議な踊りだよ!」
「な、なんだ、身体が動く……?」
 ユーベルコードを発動したオリフィスのダンスに釣られるように、妖怪達の盆踊りが変化をみせる。それに合わせてふらふらだった身体の動きが良くなっていた。
「視線を上げて、顔上げて! 笑って、一緒に踊れば、巻き込んじゃえばヘロヘロなんて吹き飛んじゃうから!」
「あれ? もう疲れて動けないと思ってたのに、踊りたくなってきたぞ!」
「俺もだ、まだまだ動けるぞ!」
 元気よく踊るオリフィスの影響を受け、妖怪達が元気を取り戻してオリフィスと同じように踊り出した。
「このまま踊りながら事件解決、がんばりまーす! 応援よろしくねーっ!」
「「おおー!!」」
 そのままオリフィスは踊り続け、妖怪達と共に笑顔を浮かべて息を合わせたようにステップを踏んだ。


「おなじ踊るなら楽しく踊らにゃ損にゃあ」
「その通りにゃああ」
 レフティにつられて、タヌキやキツネの妖怪達もにゃあにゃあと鳴いてネコのように踊っている。
「動物のダンスも可愛いねー! いっしょに踊ろーっ!」
「まだまだ踊ってやるぜー!」
 そこへ元気に踊るオリフィスが骸骨や鬼の妖怪達と共に合流し、くるくるやぐらを回る盆踊りの周回から外れて、賑やかに自分達の踊りを楽しんだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リリ・アヌーン
アドリブ連携歓迎よ~♪
WIZ
うんうん、盆踊りにお祭り……良いわよね!
私もサラシにハチマキ、ふんどしとハッピ姿の粋な姿になって
自然に合流しながら祭囃子の音頭をエンジョイして盆踊り
その特徴やリズムを聞き耳をたてて覚えておく

音頭が激しくなってきたら
装備のフック付きワイヤーで器用にやぐらに早業で登って
目立つよう提灯も拝借
装備の愛用マイクでUC「シンフォニック・キュア」発動

大声で良く通る美声と懐かしいメロディーの歌謡曲風な
幅広い年齢に受けやすい曲調の歌を聞かせて踊って提灯をサイリウムみたいに
振って妖怪さんや猟兵達に治療&魅了
私と一緒に歌や踊りをしてもらいます
こうして盆踊りの音頭を打ち消して止めるわね


霧島・絶奈
◆心情
舞踏の動きや作法に術式を組み込む事で神への供物とする…
そんな考えもあるそうですね
しかし其は心から捧げてこそ…
強要されるものではありません

◆行動
さて、御託もここ迄にしておきましょう
【ダンス】【パフォーマンス】と言うと語弊はありますが…
忘却されしこの世界に生きる者達の為に、舞踊を捧げましょう

…とは言え、我が舞踏は静謐でこそ映えるもの
少し太鼓と笛が邪魔ですね

…高度に進歩した科学は魔法と同義という言葉もあるそうです
此処は一つ、魔法の様な化学にて超常に対抗してみましょう
『暗キ獣』にて呼出した軍勢の手で各所に消音スピーカーを配備し音を相殺

太鼓や笛の音さえ聞こえなければ、彼らが踊らされる事も無い筈です


愛久山・清綱
何と惨い、踊りは人を楽しませるためにあるというのに。
素人とはいえ俺もダンサーだ……この事件の首謀者は
きっちり裁いて進ぜよう。
■行
【WIZ】
古郷仕込みのメルボルンシャッフルを踊りつつ行動するぞ。
ランニングマン等の足技をメインに、軽快に【ダンス】だ。
歩きながら故動きやすいでござる。

ダンス中は妖怪達の耳目を猟兵側に向けるため、
ラップ調のリリックボイスに挑戦しよう。
『St,St,St,St,St,sssssssssssss Stop it!』等同じ言葉を
繰り返しつつ呟くなど、EDMっぽく歌い上げてみせようか。

……むむ、なんか「壊れてる?」と聞こえたのでござるが。

※アドリブ歓迎・不採用可



●笑顔のダンス
「うんうん、盆踊りにお祭り……良いわよね!」
 お祭りの空気に馴染むように、リリ・アヌーン(ナイトメア・リリー・f27568)もサラシにハチマキ、ふんどしとハッピと、粋な姿になって会場に入り込む。
「今は普通のリズムみたいね、なら踊って待とうかしらね」
 自然体で盆踊りの流れに合流し、周りの妖怪達と一緒に踊り始める。音頭に乗って盆踊りをエンジョイしながら、リリは特徴やリズムを耳だけでなく体感で覚える。

 ――ドンッ! ドドドドドドンッカッ!
 ――ピャーッ! ピーヒャラピロピロピロピーィッ!

 太鼓のビートが上がり切り裂くような笛の音が響く。
「ひぃっきたっ!」
「また身体が勝手にぃ!」
 そのリズムに乗せられて妖怪達の踊るスピードが上がり、くるくるくるくるとやぐらの回りを踊り狂う。
「音頭が激しくなってきたわね」
 すぐにリリは用意しておいたフック付きワイヤーを放ってやぐらの天辺に固定し、それを伝って器用にするするとやぐらの上に登った。
「提灯をちょっと拝借するわね」
 リリはやぐらに付いた提灯を一つ手に取り、反対の手で愛用のマイクを持つ。
「私の歌を楽しんでいってね!」
 ユーベルコードを発動したリリが、大きな声で懐かしいメロディーを感じさせる歌謡曲を歌い出す。その声は太鼓にも負けずよく通り、人々に伝わった。
「あれ? 身体が楽になってきたぞ!」
「おおっ、なんだか踊りたくなってきた!」
 先ほどまで暗い顔をして踊っていた妖怪達が、一転して明るい表情で踊り出す。
(みんな笑顔になってきたわね。この調子で音頭なんか打ち消してあげるわ)
 リリは提灯をサイリウムみたいに振りながら踊り、皆の身体を治療し魅了することで気分を高揚させていく。その動きに合わせて、妖怪達も提灯を持って手を振り上げた。
「ノッて来たわね。もっともっと盛り上げていくわよー!」
「「うおーーーー!!」」
 まるでライブ会場のように、周辺の妖怪達はジャンプして気勢を上げた。


「舞踏の動きや作法に術式を組み込む事で神への供物とする……そんな考えもあるそうですね」
 踊りを眺める霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は呪われた盆踊りの様子に、そんな神事についての考察を思い出した。
「しかし其は心から捧げてこそ……強要されるものではありません」
 自らの祈りが神へと届くのだ。無理矢理にやらされた踊りは天へと届く事はない。それを聞き届けるのは邪神の類だろうと絶奈は会場に足を踏み入れた。
「さて、御託もここ迄にしておきましょう」
 思考を切り替え、絶奈は目の前の呪われた盆踊りの対処に移る。
「ダンス、パフォーマンスと言うと語弊はありますが……忘却されしこの世界に生きる者達の為に、舞踊を捧げましょう」
 絶奈が神に捧げる踊りを舞おうとして辺りを見渡す。だが激しく鳴らされる太鼓と笛の音に神聖な空気を壊される。
「……とは言え、我が舞踏は静謐でこそ映えるもの。少し太鼓と笛が邪魔ですね」
 この場で踊っても思うような効果は得られないと歩みを止めた。
「……高度に進歩した科学は魔法と同義という言葉もあるそうです。此処は一つ、魔法の様な化学にて超常に対抗してみましょう」
 絶奈は屍の軍勢を呼び出し、その手に武器ではなく消音スピーカーを持たせて各所に配備させた。
「太鼓や笛の音さえ聞こえなければ、彼らが踊らされる事も無い筈です」
 スピーカーから音が放たれると、太鼓や笛の騒音が打ち消されて音が小さくなる。「あれ? 音が聞こえなくなった?」
「身体が自由に動くぞ!」
 すると妖怪達の激しい盆踊りが大人しくなっていく。
「効果があったようですね。では舞台が整いましたので、舞踊を捧げるとしましょう」
 絶奈が舞い始めると、その美しくも厳粛な姿に妖怪達の視線が集まり、盆踊りの事など忘れて見入っていた。


「ま、まだ続くのか……」
「誰か止めてくれっ」
 まだまだ妖気の影響で踊り続けている多くの妖怪達が、疲弊しながらくるくるとやぐらを回っている。
「何と惨い、踊りは人を楽しませるためにあるというのに」
 その様子に愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)は眉間にしわを寄せた。
「素人とはいえ俺もダンサーだ……この事件の首謀者はきっちり裁いて進ぜよう」
 清綱が古郷仕込みのメルボルンシャッフルを踊りつつ祭りの中へと入っていく。ランニングマンで激しい太鼓の音に合わせて素早く足を入れ替え、軽快に踊りながら進み、踊り狂う妖怪達の前に出る。
「おお、なんだ? その場で走ってる?」
「本物のダンスをお見せするでござる」
 清綱はTステップに移行し、その場で軽快な足技を見せ、妖怪達の耳目を集めた。
「どうやってるんだ? なんかカッコイイ!」
 そのダンスに意識を奪われた妖怪達は、少しずつ盆踊りを意識の隅へと追いやりはじめた。それを見て清綱はここからが本番だと歌い出す。
『St,St,St,St,St,sssssssssssss Stop it!』
 清綱はラップ調のリリックボイスに挑戦し、独特なリズムで歌って妖怪達の意識を完全に引き付け、ノリノリでEDMっぽく歌い上げると踊りを止めさせていった。
「あはははっ、おもしろーいっ、壊れてるみたい!」
「こらっ、指差しちゃダメでしょ!」
 少し離れたところで踊りを止めた小さなイヌの妖怪が無邪気に清綱を指さすと、その母親らしき妖怪がその頭をぽこんと叩いて注意した。
「……むむ、なんか『壊れてる?』と聞こえたのでござるが」
 太鼓や笛の音にそんなやり取りはかき消されるが、一言だけ清綱の耳に届き辺りを見渡すが、視界に映るのは踊りを止めて安堵している妖怪達ばかりだった。
「気のせいか……まだまだ無理矢理踊らされてるものがいるな、本当のダンスの良さを広めねばならぬ」
 ダンスは苦しいものではなく楽しいものであると、皆の苦痛の記憶を楽しい記憶で上書きするように清綱はまた軽やかにダンスを再開した。


「そうそう! 楽しく歌い踊ればこんな盆踊りの音頭になんて負けないわよ!」
 リリはもっと盛り上げようと手拍子するように頭上で手を振るい、新しい曲を歌い出す。
「次の曲だ! もっと踊るぞー!!」
 それに合わせて妖怪達も手拍子を合わせて、リズムを合わせて声を出して踊り出す。
「これが古郷のダンスでござる。この踊りならば強制はされまい、遠慮せずに皆も踊ってみるといい」
「やってみるー!」
「じゃあオレも……!」
 清綱の足技に興味津々だった子イヌの妖怪が真似し始めると、他の妖怪もどんなものかと練習し始めた。
「盛り上がっていますね。盆踊りに巻き込まれている方も減ってきました。もう一息ですね」
 辺りを見回した絶奈は、猟兵の介入によって太鼓や笛の効果から逃れている妖怪が増えているのを確認する。盆踊りを外れた妖怪は苦しい顔から笑顔に変わり一目瞭然だった。
「では全員が盆踊りの支配から逃れるまで舞い続けるとしましょう」
 絶奈は視線を釘付けにするようにひらりひらりと舞い踊り、猟兵達の影響を受けた妖怪達はどんどん増えて、ごっそりと盆踊りの輪を減らした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アハト・アリスズナンバー
【薔薇園の古城】メンバーで参加 WIZ判定の行動 アドリブ歓迎

さてと、この終わらない盆踊り。こんなのでも止めないとオブリビオンと化すなんて、カクリヨファンタズムの敵は結構えぐい能力ですね。どう止めたほうがいいでしょうか。
……あ?歌う?んー。私は歌うの苦手なので、コーラスとダンス担当しますね。
踊りながら会場に参加し、要所要所で彼女たちの歌を引き立てましょう。
もしレベルが高い歌を披露されるなら、【プロジェクト・ディーヴァ】を発動。
あの歌に匹敵するくらいのダンス力を私に。
いざ一指し舞いましょう。さあさ皆さんお手を拝借。そんな盆踊りよりこちらの舞いで楽しみましょう。


薙沢・歌織
【薔薇園の古城】メンバー
【WIZ】

オブリビオン化する強制盆踊り…カクリヨファンタズムなら、瞬く間に全世界へ波及しかねませんね。私達猟兵の手で止めましょう。
最初にUC【手助けする徘徊犬達】を召喚し、盆踊りへの参加を要請します。慣れなくてもノリに合わせれば大丈夫ですから!

私自身はミラージュオーブを輝かせて【存在感】を発揮し、薔薇園の他の方の盆踊りに合わせ、シルフフルートの音色を和笛へ変え妖気【浄化】の【楽器演奏】をしながら盆踊り【ダンス】。水神剣もミラージュオーブを使って自動演奏させます。 妖怪の方々、薔薇園の音と踊りに乗り、自由な盆踊りを取り戻して下さいね!


比良坂・逢瀬
【薔薇園の古城】で参加。

盆踊りを強制されるとは面妖な事件もあったものですね。
罪のない妖怪たちが苦しんでいるとあっては見過ごす事は出来ません。
呪いの盆踊り、何としても止めさせて頂きます。

まずは私も仲間たちと共に盆踊りに参加して、妖怪たちに盆踊りを強制させている呪いの効用を我が身で見極めてみましょうか。

恐らくは鳴り響く太鼓や笛の音色が鍵であると推察します。
その妖しの音色を私の《祓ノ詞》で破りましょう。
<破魔>の霊力を言霊に宿した祝詞を唱えて盆踊りを強制している呪いそのものを祓い清めます。


ローズ・ベルシュタイン
【薔薇園の古城】メンバーで参加(計4名)
WIZ判定の行動
アドリブ歓迎

■心情
盆踊りですか、楽しく踊るのでしたら何も問題ないのですけど
強制的に踊らされるのは放っておくわけにはいきませんわね。

■行動
【ダンス】で盆踊りを踊りながら会場に入りますわね。

その後は、派手な【パフォーマンス】で妖怪達の気を惹きますわ。
私も、太鼓や笛の音に負けない様に【歌唱】で歌を歌いますわね。
「妖怪の皆様、踊りで疲れていらっしゃるなら、私の歌声をお聴き下さいませ」
「そんな踊りよりも、こちらの方が楽しいですわよ」

薔薇園の古城メンバーで、一緒にアピールして
盆踊りよりも楽しい雰囲気を作ってみますわね。



●笑顔は輪となる
 ――ドドンッ! ドドドドドドッカカッドンッ!
 ――ピャーーッ! ピーヒャラヒャラピロピロピーーーッ!

 やぐらの周りを踊る妖怪が減り始めると、盆踊りの輪が途切れだす。すると他の踊りや踊るのを止めた者をもう一度躍らせようと、太鼓と笛の音が激しく大気を揺らした。
「ひぃっ、まだ速くなるのか!!」
「もう無理、死ぬぅッ!」
 限界だと崩れ落ちそうになりながらも、妖怪の身体は勝手に踊り続けてしまう。

「盆踊りを強制されるとは面妖な事件もあったものですね」
 辺りを見回した比良坂・逢瀬(影斬の剣豪・f18129)は、盆踊りから抜けられぬ妖怪達の苦しそうな表情を見る。
「罪のない妖怪たちが苦しんでいるとあっては見過ごす事は出来ません。呪いの盆踊り、何としても止めさせて頂きます」
「盆踊りですか、楽しく踊るのでしたら何も問題ないのですけど、強制的に踊らされるのは放っておくわけにはいきませんわね」
 逢瀬の言葉にローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)が同意し、この呪われた盆踊りから妖怪達を解放しようと【薔薇園の古城】の仲間達と共に祭り会場へ足を踏み入れた。
「オブリビオン化する強制盆踊り……カクリヨファンタズムなら、瞬く間に全世界へ波及しかねませんね。私達猟兵の手で止めましょう」
 綱渡りのようなバランスで成り立っている不安定な世界を救おうと、薙沢・歌織(聖痕宿す魔法学園生・f26562)は頼りになる仲間達の背中を追った。
「さてと、この終わらない盆踊り。こんなのでも止めないとオブリビオンと化すなんて、カクリヨファンタズムの敵は結構えぐい能力ですね。どう止めたほうがいいでしょうか」
 アハト・アリスズナンバー(アリスズナンバー8号・f28285)は苦しそうに踊る妖怪達を見て、どうやってこの踊りを止めようかと考える。
「まずは私たちも盆踊りに参加して、妖怪たちに盆踊りを強制させている呪いの効用を我が身で見極めてみましょうか」
「そうですわね。実際に体感して対処法を考えましょう」
 逢瀬の提案にローズが頷き、アハトと歌織も一緒に盆踊りの輪に入ってみる。

 ――ドンッ! ドドンッカッドドドンッ!
 ――ピーヒャララーピャラリラリラ!

 太鼓と笛の音が身体の芯まで響く。すると身体が勝手に音に合わせて踊るように動こうとする。
「身体が勝手に動こうとしますね」
「普通の人だと耐えられそうにありません」
 アハトと歌織はその強制力に耐える。猟兵のように力があれば抵抗できそうだが、そうでないものには厳しいだろう。
「恐らくは鳴り響く太鼓や笛の音色が鍵であると推察します。この妖気に満ちた音色を破れば踊りも止まるはず……」
 音と共に動き出そうとする身体に、逢瀬が音が原因だと推測した。
「では派手に妖怪達の気を惹き、太鼓や笛の音に負けない様に私は歌を歌いますわね」
 音には音と、ローズは歌によって妖怪達を解放しようとする。
「そうですね、私も祝詞で呪いを祓い清めることにします」
 ならば逢瀬も祝詞による破魔の力で呪いを解こうと決めた。

「……あ? 歌う? んー。私は歌うの苦手なので、コーラスとダンス担当しますね」
 少し悩んでアハトは苦手な歌は辞退して、みんなの歌に合わせるコーラスとダンスを受け持つことにした。
「ドッグ・レンジャーズ、召喚! ……すみません、盆踊りに参加してもらえますか?」
 歌織は小さな犬のレンジャー部隊を召喚し、盆踊りへの参加を要請した。するとドッグ・レンジャーズは困惑したように顔を見合わせる。
「慣れなくてもノリに合わせれば大丈夫ですから! 少しでも気を引ければいいんです!」
 お願いしますと拝み倒すと、ならやってみるかとドッグ・レンジャーズがワンッと吠えて勢いよく盆踊りへと飛び込んでいった。
「これで目立つはずです。私は演奏で参加しましょう」
 それを見送った歌織は自らの周囲を回るミラージュオーブを輝かせて目立つ演出をし、シルフフルートに息を吹き込む。フルートから和笛の音色が響き、清涼な音が会場を吹き抜け辺りを覆う妖気を浄化していく。そして器用に足でステップを踏んで踊りながら楽しげに笛を吹き、短剣型獣奏器である『水神剣アーパス』もミラージュオーブを用いて自動演奏を始めさせた。賑やかな音色が祭りに響き渡る。
「な、なんだこの音……身体が落ち着くような……」
「綺麗な音だねぇ」
 妖怪達はその音色に反応し、盆踊りの呪いの効果が弱まり踊る速度が落ちた。

「いい音色ですわね。私も負けてられませんわ」
 ローズが音に乗るように踊りながら妖怪達の耳目を惹くように声を張る。
「妖怪の皆様、踊りで疲れていらっしゃるなら、私の歌声をお聴き下さいませ」
 音色に乗った美しいローズの歌声が会場に響く。その声は太鼓の激しい音にも負けず、人々の心に沁み渡るように届いた。
「さあ、皆様もご一緒に」
 ローズは自分を見る妖怪達に呼びかけ歌い続ける。
「楽しそうだなぁ」
「じゃあおれも歌うよ!」
 すると生来祭り好きな妖怪達がそのメロディに合わせるように声を出し始めた。
「歌は耳に、ダンスは目に影響を与えるはずです」
 軽やかにアハトが前に出て踊り出す。仲間達の音楽にリズムを合わせステップを踏み、歌を引き立てる。すると妖怪達の踊りも盆踊りではなく、軽快なものへと変化し始めた。
「やはり音は効果があるようです。私も《祓ノ詞》で妖しの音色を破りましょう」
 逢瀬が祝詞を口にすると、周囲の妖気が祓われ澄んだ空気に包まれる。破魔の霊力を言霊に宿した祝詞は邪悪な力を清め、妖怪達の中から踊りを止めるものも出て来た。
 騒がしい音が鎮まり、美しい音色が会場を満たす。すると盆踊りの妖怪の輪が完全に崩ればらばらになった。しかしそれを阻止しようとするように地を揺らす音が響く。

 ――ドーンッ! ドドドドドドッカッカッドドドドンッカッ!!
 ――ピィャーーーッ! ピロピロピロピロピィーーーッ!!

 猟兵の演奏を打ち消そうと、太鼓と笛の音が最大限にまで加速した。
「うわっ、また身体が!?」
「勝手に動いちまう!」
 それによってまた妖怪が盆踊りを踊り出そうとする。
「随分と騒がしくなりましたわね。ですが、それだけ効果があるということですわ」
 ローズは歌の間奏に、ヴァイオリンを手にして演奏を始める。
「そんな踊りよりも、こちらの方が楽しいですわよ」
 伸びやかに美しいヴァイオリンの音色が妖怪達に届き、太鼓の音など聞こえていないようにローズへと視線を釘付けにした。
「恐らくこれが最後の足掻きでしょう。ここを凌げば呪いの盆踊りから解放されるはずです」
 逢瀬が辺りに視線を向けて確認し、自分達の近く以外は妖気が薄いままなのを見て、こちらを妨害する最後の抵抗だと推測した。
「踊りとは楽しむものでしょう。それを強制するなど許せません。必ず止めてみせます」
 逢瀬の祝詞がまた妖気を散らし、激しい太鼓の音がどんどんと小さくなっていった。
「皆さん本気ですね。なら私も負けてはいられません。あの歌や演奏に匹敵するくらいのダンス力を私に」
 アハトも本気になってユーベルコードを発動する。願いを込めて自分のSNSを利用する人々に呼びかけた。すると各地のSNSから流れる歌声に反応し、一気に閲覧数が増えて力を増す。
「いざ一指し舞いましょう。さあさ皆さんお手を拝借。そんな盆踊りよりこちらの舞いで楽しみましょう」
 先ほどよりもアハトのダンスにキレが増し、その踊りに釣られるように妖怪達も足踏みし、手を鳴らして元気よく跳ねるように踊り出した。
「自由な盆踊りを取り戻して下さいね!」
 呼び掛けた歌織は笑顔でまたフルートを吹き鳴らす。音に合わせてドッグ・レンジャーズも元気に駆け回る。その楽しそうな姿の妖怪達もまた笑顔となっていった。


「あれだけしんどかったのがウソみたいに身体が軽い!」
「もっと踊ろう!」
 妖怪達は薔薇園の古城楽団の音色によって解放され、楽しく踊り歌い始めた。
(笑顔……皆さんの顔に笑顔が戻ってきました)
 その様子に歌織も嬉しくなり、さらにフルートの演奏に熱を入れて場を盛り上げ笑みを深くした。
「呪いの盆踊りから解放されたようですわね。もうあのような音色に囚われないように、音楽を楽しんで下さいませ」
 ローズが歌織の演奏に合わせて歌い、声を天まで響かせる。
「皆さん元気になったようですね、ならこの耳障りな音に負けないように楽しく踊り続けましょう」
 アハトはもっと妖怪達を夢中にさせるように共にダンスを楽しむ。もはや太鼓の音など聞こえない程夢中となって妖怪達は踊っていた。
「妖怪たちを覆っていた妖気が祓われました。これでもう強制的に踊らされることはないはずです」
 逢瀬が妖怪達が好き勝手に笑顔で歌い踊り、自然と輪になって楽しむ姿を見て、これで盆踊りの強制は解けたと一先ず作戦が上手くいったことを安堵する。
「呪いの盆踊りを企んだものがどこかにいるはずです……」
 だがまだ事件の解決には至っていないと気を引き締め、この騒動を起こしたオブリビオンを探すように視線を巡らせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『輪入道』

POW   :    燎原火炎陣
【激しく回転しながらの】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【他の輪入道】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    紅蓮疾走
自身に【燃え盛る炎】をまとい、高速移動と【回転する炎の輪】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    ファイアホイールスピニング
【回転速度】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●舞う炎
 ――ドーーンッドーーーンッドーーーンッ!!
 ――ヒュォ~ッヒョォ~~~!

「ひぃっまた!?」
「太鼓の音が聞こえるぞ、しかもさっきより大きい!」
 盆踊りから解放されたはずの妖怪達がビクッと震える。
 先程よりも大きく重い太鼓と、尺八のような低い笛の音が響く。それと同時に弱まっていた妖気が強くなって祭り会場を覆った。すると大量に吊られていた提灯に突如現れた骸魂の群れが次々と覆いかぶさり飲み込んだ。
「わあああっ! 苦しいっ」
「なんだ、身体が強く燃えて……ああっ助けてくれ!」
 ボッと提灯が一斉に燃え上がる。すると中で火の役をやっていた鬼火が、一回りも二回りも大きな炎に包まれ、その姿を変えていった。炎の中に現れたのは、回転する炎車とその中央に位置する生首のオブリビオン『輪入道』。鬼火が骸魂に飲み込まれオブリビオン化してしまったのだ。
 その群れがゆらゆらと太鼓や笛の音に合わせ舞うように宙を揺らめき、祭りの邪魔をする猟兵へと殺気を放って襲い掛かってきた。
「お、鬼火のやつらがあんな姿に……」
「うわっ、また身体が踊りそうになってるぞ!」
「に、逃げよう! この場所は危険だ!」
 足の速いものや猟兵に誘導されていたものは、祭り会場から離れて妖気の影響を減らす。だがまだまだ残されていた妖怪は、逃げ遅れてまた妖気の影響を受け、今度は大きく跳ねるような動きで踊り出してしまった。

 先よりも強い太鼓や笛の音が猟兵達の身体にも影響し無理矢理に躍らせようとする。それに抵抗するより、リズムを掴んで踊りながら動けば身体能力が逆に高まるかもしれないと、太鼓と笛のリズムに耳を澄ませる。
 骸魂に飲み込まれてしまった妖怪を助けるにはオブリビオンを倒すしかない。猟兵は迫る炎の生首に向かって武器を構えた。
レフティ・リトルキャット
※詠唱省略やアドリブOK
今度は炎に跳ねる…(うずうず)代償が何にゃ。やりたいからやるんにゃ!。
【霜の巨人の国】
レフティは霜の子猫に変身し、炎を凍てつかせる程に「凍て声」を限界突破!。凍て声で辺りを凍てつかせるだけでなく、炎や水分凍らせてボードを作り出したらアイスサーフィン。髭感知で見切り氷上をダンスする様に滑り、時にはボードを盾に攻撃を受け流し。加速をつけてシールドバッシュと共に空へと大きく跳ね上がり、宙で踊るジャンプアクションを魅せてくにゃん。
凍て咲け、爆ぜ咲け、お互いに限られた刻の限界まで。氷華と炎輪の共演といくにゃあ。
ぁ、逃げ遅れが居たら、くるくると氷上を滑らせるね。


ユキ・スノーマン
こんにちはー、輪入道さん!
今日はあなた達がユキと遊んでくれるの?

ぺこっとお辞儀でご挨拶、いつでも礼儀を忘れないユキなのよ!
でもユキ、あついのってちょっと苦手…ううん、きらーい!
やだーそうやってメラメラ燃えたままユキのとこ来ないでよー!

炎から逃げ回りつつ頬膨らませてぷんすかお怒り
ヤって言ってる事、しつこくするのは悪い子がする事なのよ?
もーお仕置きしちゃうんだから!

霜精のカード掲げて【霜符解放『スノーマンズロンド』】!
沢山沢山、雪だるまさん達を呼び出して相手を囲んで
冷凍光線びびびびび!
炎も冷やして消して、輪入道さんも氷漬けにしちゃおうね
そこで頭、冷やしてなさーい!

連携アドリブなんでもおっけーっ



●凍える炎
『燃やせ燃やせ……』
『燃え踊らせてしまえ……』
 輪入道がくるくると空中で踊るように回転する。
「今度は炎に跳ねる……」
 炎がゆらゆら揺れ動くのを見上げたレフティは、興味津々ですぐにでも飛び出したい気持ちを表すように尻尾を揺らしてうずうずしていた。
「代償が何にゃ。やりたいからやるんにゃ!」
 好奇心を止めることなど出来ないと、ユーベルコードを発動して冷気纏う霜の子猫の姿に変身すると声を上げる。
「ふにゃーーー!」
 レフティが限界突破して凍て声を発すると、辺りが一瞬にして冷気に包まれて凍てつき、炎や水分があっという間に凍っていって連なった。
「アイスサーフィンにゃあ」
 その凍った斜面の上を、髭で周囲を感知しながらレフティはボードを作り出して波に乗るように滑っていく。その姿はまるで踊っているように軽やかだった。
『祭りだ祭りだ!』
『全部燃やしてしまえ!』
 輪入道達は燃える車輪を高速回転させながらレフティに突進してくる。
「凍て咲け、爆ぜ咲け、お互いに限られた刻の限界まで。氷華と炎輪の共演といくにゃあ」
 レフティが加速して地面にボードでシールドバッシュを叩きつけて大きく跳ね飛び、ドーンと響く太鼓に合わせて宙で踊るようにくるりと回転して敵にボードをぶつけて吹き飛ばした。
「どうだにゃあ」
 華麗にレフティは着地するとそのまま滑り続ける。
『追え追え! 燃やしてしまえ!』
 輪入道が懸命に追いかけるが距離は縮まらない。
「凍て咲け、爆ぜ咲け、お互いに限られた刻の限界まで。氷華と炎輪の共演といくにゃあ」
 楽しそうに縦横無尽にアイスサーフィンするレフティは、敵を吹き飛ばしながら辺りを凍らせていった。
『おのれぇ!』
 燃え上がった輪入道が加速して追い縋る。するとレフティは跳んでボードを盾にするように受け止めた。
「凍ってしまえにゃあ」
 触れた輪入道が凍りつき、レフティはその上を滑ってさらに加速し、やぐらの周りを回るように作った氷のコースをくるくる回る。
「ふにゃぁ……眠くなってきたにゃあ……」
『待てぇ!』
 レフティはユーベルコードの副作用で眠くなり、とろんと目を閉じるとボードの上で丸まり、慣性でコースの上を滑り続けていった。


「こんにちはー、輪入道さん!」
 まるでお祭りに参加するように元気にユキ・スノーマン(白の霜精・f28192)は盆踊り会場に足を踏み入れ、礼儀正しくぺこっとお辞儀してご挨拶した。
「今日はあなた達がユキと遊んでくれるの?」
 そして上げた顔で燃え上がる生首達を興味津々に見渡す。
『遊んでやろう……』
『燃え上がって踊り狂うまで遊んでやろう……』
 ゆらゆらと輪入道達が空を踊るように揺れる。
「でもユキ、あついのってちょっと苦手……ううん、きらーい!」
 焼けつくような熱気を感じたユキは、顔をしかめて敵を見上げた。
『踊れ踊れ!』
「やだーそうやってメラメラ燃えたままユキのとこ来ないでよー!」
 迫る炎から逃げ出し、ユキはあっちこっちと祭り会場を逃げ回る。だがしつこく輪入道達は追いかけ回した。
「ヤって言ってる事、しつこくするのは悪い子がする事なのよ?」
 いつまでもついてくるしつこい敵に、ユキは頬を膨らませてぷんすかと怒りながら霜精のカードを手にする。
「もーお仕置きしちゃうんだから! 霜符解放『スノーマンズロンド』!」
 そしてカードを掲げ霜の妖精の力を解放すると、辺りに冷気が漂い雪だるまの群れが召喚された。
「みんなー、悪い子にお仕置きしちゃって!」
 無数の雪だるまが敵を包囲し、冷凍光線をびびびびび!っと放った。
『冷える、これでは踊れなくなる……』
『火が消える、熱い炎が――』
 冷凍光線を受けた輪入道達は、炎を弱め勢いが落ちて落下してくる。
「炎も冷やして消して、輪入道さんも氷漬けにしちゃおうね」
 びびびびっと冷凍光線の斉射を受け、落ちた輪入道は氷漬けとなって雪だるまと一緒に並んでオブジェとなった。
「そこで頭、冷やしてなさーい!」
 叱るようにユキが声かけ、次の反省が必要な敵を見上げた。


『冷えるっ、これでは熱い熱いと踊らせられぬ』
『燃やせ燃やせ、炎を燃やせ! 燃えるように踊らせろ!』
 輪入道達は炎の輪を高速回転して、燃え盛る炎を辺りに撒き散らす。
「ひぃっ熱い!」
「せっかく自由になれたと思ったのに、今度は音だけじゃなく炎まで!」
「さっきよりも酷くなってる!」
 逃げ損なっていた妖怪達は、炎から逃げる為に右往左往させられ、さらにドーーーンッと大きく太鼓が鳴ると、跳ね上がるように妖怪達は踊り続けてしまう。
『踊れ踊れ!』
『燃え上がって踊り続けろ!』
 輪入道達が空を燃やすように舞い踊り妖怪達を煽る。
「んにぁ……眠ってたにゃ。まだ逃げ遅れが居たにゃあ」
 眠そうな顔を手で擦り、眠りから目覚めたレフティは残った妖怪が居たのを思い出し、ボードの進路を変えて滑り込みながら跳ぶようなダンスを強制させられている妖怪達の足場を凍らせた。
「うわっ、なんだこれは、滑る?」
「わーくるくる滑って回るぅーーー!」
 すると妖怪達を氷上でくるくる滑らせて踊れないようにして保護した。
『また凍った!』
『溶かせ溶かせ! 我等の炎で蒸発させてやれ!』
 苛立つように揺れる輪入道達が一斉に火弾を放つ。だがそれは雪だるま達の冷凍光線によって迎撃され、空中で雪玉のようになって落ちていった。
「あついのでみんなに迷惑をかけるなんてダメなのよ!」
 ユキがひんやりする雪だるまに囲まれながら、妖怪を守るように割って入る。
「それに燃えちゃったら踊るどころじゃないでしょー!」
 ぷんぷんと怒ったユキに同調するように、雪だるまの顔も怒ったような表情となり、敵に向かって一斉に冷凍光線が発射された。
『ぐわーーー!!』
『凍るっ!?』
 輪入道達が凍り付き、落下して雪だるまのように凍結した。
「今のうちにゃ、滑ってこの場を離れるにゃー」
 レフティが地面を凍らせてゆき、近くの妖怪達をつるつると滑らせて脱出させた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

薙沢・歌織
【薔薇園の古城】メンバー【WIZ】
鬼火を取り込んだ輪入道は、緋炎剣では相性が…。
氷魔剣、水神剣、時と自由な踊りを奪う邪炎を消せ!

髪飾りの【戦闘知識】を読み出し、笛や太鼓のリズムや敵UCを【学習】し皆へ伝え【ダンス】のリズムを【集団戦術】に取り入れるサポート。
遠距離はオーブの氷【属性攻撃・範囲攻撃】で氷柱弾を【乱れ撃ち】、接近戦では【空中浮遊して空中戦】。氷魔剣と水神剣の回転斬りで【範囲攻撃・切り込み・2回攻撃】。

更に【多重詠唱】を仕込み、敵のUC発動に合わせ【先制攻撃・全力魔法・範囲攻撃】の【氷結の棺】で凍結させ、昏睡状態に持ち込み上記の攻撃で撃破。【浄化】で鬼火と輪入道を切り離します。


ローズ・ベルシュタイン
【薔薇園の古城】メンバーで参加(計4名)
WIZ判定の行動
アドリブ歓迎

■心情
輪入道ですか、この群れを倒さないと
盆踊りを企てた者と会えないのですわね。
ともあれ、妖怪達を助ける様に、頑張りましょう。

■行動
残された妖怪が敵から狙われそうになったら【かばう】で守る様にしますわね。
後は敵に対しては、夕暮れ時に薔薇は踊り咲く(UC)を使用して戦いますわ。

戦闘は、ファイアホイールスピニングに対抗し【継戦能力】で長期戦に持ち込み
敵が昏睡状態になったところを
【範囲攻撃】で纏めてUCで攻撃しますわね。

仲間と連携し、互いの死角をカバーし合う様に戦い、
狙う敵を集中するなどして、効率よく敵を倒していきますわね。


比良坂・逢瀬
【薔薇園の古城】で参加。

浮世絵師、鳥山石燕の描いた輪入道の実物と遭遇出来るとは思っていませんでしたね。燃える車輪に私の剣が通用するか否か試してみましょうか。

私は<破魔>の由来を持つ愛刀、三池典太の刀身に気を纏わせての<オーラ防御>で敵の攻撃を<武器受け>して、それを受け流します。
しかる後に、敵の攻撃後の隙を狙い、確実に<カウンター>の一撃を当てにいきますね。

風を踏み、空中を自在に走る《空ヲ走ル》で天女が舞うが如くに戦場を縦横無尽に駆け抜けて、共に闘う仲間の身を護りながら、確実に一体ずつ敵を仕留めていきたいと考えます。


アハト・アリスズナンバー
【薔薇園の古城】POW判定の行動 アドリブ歓迎
回転する生首……何というか、奇妙な妖怪ですね。まあ、走るというのならそもそも走れないようにしてやればいいのです。
会場でまだまだ踊りながらレーザーライフルを【誘導弾】にして、【マヒ攻撃】で動きを緩めましょう。届く距離になったらレーザーライフルから【グラップル】弾を射出。引っ張る勢いで【ランスチャージ】し、車輪を狙い【部位破壊】して【体勢を崩す】事を意識します。
事前の予知と皆さんの戦いぶりから、データが溜まり次第UCを起動。有効装備を持たせた個体に攻撃させつつ、私も援護と逃げ遅れた方々を【救助活動】で助けましょう。
残りは誰ですか?お開きの時間ですよ。



●リズムに乗って
 ――ドーーーン! ドンドンドドーーーン!
 ――ヒュゥオオ~~! ヒュッヒュオオオ~!

 身体の芯まで響くような大きな太鼓と、太い笛の音が鳴り響く。それに合わせて逃げ遅れている妖怪達がビョンッと飛び跳ねて踊った。
「うあああっ!」
「こんなの、もう盆踊りじゃねえ!」
 強制的に身体を動かされ、疲労しながらもやぐらの周りをくるくると回る。
『踊れ踊れ!』
『燃え尽きるまで踊り狂え!』
 その上をくるくると車輪を回した輪入道が踊るように揺れていた。

「輪入道ですか、この群れを倒さないと盆踊りを企てた者と会えないのですわね」
 まだこのお祭り騒動の発端であるオブリビオンは姿を現してはいないと、ローズは剣を抜いてどこかで見ているだろう敵のボスを引き摺り出す為にも、目の前の敵を倒すことに集中する。
「ともあれ、妖怪達を助ける様に、頑張りましょう」
 そして薔薇園の古城の仲間達と軽く視線を交わし、敵の領域へと踏み込んだ。

「回転する生首……何というか、奇妙な妖怪ですね。まあ、走るというのならそもそも走れないようにしてやればいいのです」
 アハトは太鼓の音に合わせるように踊りながら、レーザーライフルを構え適当に狙いをつけて光線を放つ。すると放たれた光線は空中で曲がって針路を変え、敵の顔を貫いた。
『ぎゃあっ!』
『光が飛んで来たぞ!』
『あそこだ! あそこで踊っている奴だ! 轢き殺せ!』
 輪入道がアハトに視線を向け、車輪を高速回転させて急加速し突進を始める。
「加速しましたか、ですが速く動けるといっても、弾よりは遅いでしょう?」
 アハトがレーザーライフルから誘導弾を放って迎撃し、敵の車輪に当てると機能を麻痺させて動きを鈍らせた。

「浮世絵師、鳥山石燕の描いた輪入道の実物と遭遇出来るとは思っていませんでしたね」
 故郷で浮世絵を見たことがある妖怪を前に、逢瀬は興味を以って視線を向けた。
「燃える車輪に私の剣が通用するか否か試してみましょうか」
 すらりと二尺三寸の太刀を抜き放つと、動きの鈍った敵を車輪ごと顔を一刀両断した。
『斬られたぞ!』
『邪魔者は燃やしてくれよう!』
 輪入道は猛らせた炎を撒き散らして逢瀬を燃やそうとする。
「動きの鈍っているものであれば、さして脅威ではありませんね」
 逢瀬は迫る炎を太刀に気を纏わせて受け流し、炎は地面を燃やした。
『もっとだ! もっと炎を猛らせろ!』
『黒焦げにしてやる!』
 輪入道達は一層激しく炎を燃やし、先程よりも巨大な炎の輪を放つ。
「多少大きさが変わろうとも、こちらのすることは変わりません」
 逢瀬は先と同じように太刀で受け止め、その勢いをいなし何もない空間に炎を流してしまった。

「鬼火を取り込んだ輪入道は、緋炎剣では相性が……」
 炎を纏う生首を見上げた歌織は、敵の出現に反射的に構えた緋色の刀身を持つ愛剣を見下ろす。
「対炎ならばこちらの方が良さそうですね」
 緋炎剣を納めた歌織は、代わりに冷気纏う大剣『氷魔剣クロセル』と、濡れたような刀身の短剣『水神剣アーパス』の二刀を構えた。
「氷魔剣、水神剣、時と自由な踊りを奪う邪炎を消せ!」
 歌織が二刀を振るうと、降り注ぐ炎がジュッと蒸気を上げて消滅した。
『火が消された!』
『氷だ! 水だ! 我等の天敵だ! 奴を先に仕留めろ!』
 輪入道達が歌織へと炎を撒き散らしながら突進してくる。

 ――ドーーーン! ドドーーーンドン!!

「このリズムに乗って動けば――」
 太鼓が震わせる体の動きに従って歌織が飛び退き、敵の突進を回避した。
『避けたぞ!』
『ならもう一度だ!』
 旋回した輪入道達がまた突進を繰り返す。
「リズムが分かってきました……今です!」
 歌織が動くのと同時に太鼓が鳴り、いつもよりも俊敏な動きで隙間を縫うように敵を避け、舞うように回転しながら剣を振り抜き、左右の輪入道の顔を同時に斬り裂いた。

『おのれ! よくも顔に傷を!』
『そのめんこい顔を黒く焼いてやろう!』
 顔を傷つけられた輪入道がスピードを緩めて反転しようとする。
「戦場で止まるのは、狙い撃ってくれといっているようなものです」
 アハトはレーザーライフルの弾を変え、グラップル弾を射出する。それが敵の車輪に突き刺さった。すかさずアハトは引っ張るように逆側に突進し、車輪がメキメキと音と立てて引き千切られるように割れて敵の姿勢が崩れた。

「隙を見せましたね」
 そこへ駆け寄る逢瀬がすれ違いながら太刀を一閃し、輪入道の身体が上下に別れずり落ちた。
「確実に一体ずつ仕留めていきましょう」
 逢瀬は止まることなく次の敵へと駆け出す。
『来るか!』
 輪入道が空に飛び上がり炎を放つ。
「逃しはしません」
 風を踏んで空中へ駆け上がった逢瀬は、天女が舞う如く炎の渦を抜けて追いつき、頭上から太刀を振り下ろした。
『馬鹿な……!』
 頭から割られた輪入道が地上に落下していく。


「もう……踊れない……」
「はぁはぁ、限界だあっ」
 疲れ果てた妖怪達が膝をつきへたり込んでしまう。
『踊れ踊れ! 命を燃やすように踊り続けろ!』
 だが輪入道が動き回り、そんな妖怪達を追いかけ回して踊らせようとする。
「踊りを強制するなんて悪趣味ですわ。踊りは楽しむものですわよ」
 そこへ割り込んだローズが剣で敵を払い軌道を逸らした。
「それほど踊りが好きなら、死ぬまで踊らせてあげますわ」
 ローズの手にした剣がオレンジ色の薔薇へと姿を変え、その花びらがひらひらと舞い飛び、数を増やして辺りをオレンジに染めるように包み込んだ。
『貴様も踊らせて――』
 輪入道が反転して今度はローズを狙おうとしたところで、オレンジの花びらに触れた。するとその顔がズダズダに裂け血が噴き出した。
「この薔薇に触れれば無事では済みませんわよ」
 ローズは花びらで妖怪達を守るように結界を張った。それにぶつかって輪入道達は痛みに踊るように悶えた。
『燃やしてくれるぅうう!』
 輪入道が全身の炎を激しく燃やし、花びらを焼き尽くして接近を図る。
「皆さん気をつけて! そろそろリズムのテンポが上がるはずです!」
 ずっと太鼓と笛の音に意識を向けていた歌織が仲間に向けて警告する。それと同時に音が激しくなった。それに合わせるように輪入道達も身体への負担を無視して速度を脅威的に上げ、一斉に攻撃を開始した。

 ――ドーーーン! ドンドドドーーーーーン!!
 ――ヒュ~~! ヒュヒュォ~~~!!

「来ました! リズムに乗ってしまえば恐れることはありません!」
 敵の速度に付いていくように、歌織は音に乗って舞うように加速し、二刀の剣を振るって冷気を放ち、一瞬にして敵の炎を消し氷の棺へと閉じ込めた。
「このリズムですわね。覚えましたわ」
 ローズは美しい意匠の赤い銃を構え、音に合わせてリズミカルに引き金を引く。放たれる魔弾が次々と敵の顔を撃ち抜いた。
「猛攻は長続きしません、もう少しすれば相手は息切れしますわ。それまで時間を稼ぎますわよ」
 続けて太鼓のリズムに乗るように、ローズはくるりと回転しながら魔弾をばら撒いて牽制した。
「十分にデータは収集できました。あとは倒すだけです」
 アハトは集めたデータを代償に、敵に有効な装備を所持した己の分身を呼び出した。その分身は手にしたライフルを構えて発射する。放たれる冷凍光線が燃える敵の炎を消し、凍り付かせて動きを止めた。
「任せても大丈夫そうですね。私は援護と逃げ遅れた方々の救助を行いましょう」
 逃げようとする妖怪達の方へリズムに合わせて飛び跳ねながら、アハトは誘導弾を放って敵を牽制して避難する時間を稼ぐ。
「この辺りに集まった輪入道は残り少ないようですね。一気に決めてしまいましょう」
 空を舞うように駆ける逢瀬は、注意が仲間に向いている敵の不意を突き、すれ違いざまに一閃して輪入道を斬り捨てる。
『待て!』
 輪入道が追いかけるが、ローズの張った花びらの結界に飛び込んでしまい、顔からズダズダに切り刻まれた。炎でそれを突破しようとしたところで、歌織が氷の棺に閉じ込める。
「このまま浄化して鬼火と輪入道を切り離します」
 静謐な氷の棺に入っていた輪入道は苦しみの顔を見せながらその存在を薄れさせ、その姿を鬼火へと変えていった。
「残りは誰ですか? お開きの時間ですよ」
 アハトが分身が凍らせた敵を光線で撃ち砕いて次の敵に目を向ける。
「そろそろタイムリミットのようですわ」
 敵の様子を見ていたローズがそう言うと、加速していた輪入道の動きが止まり、意識を失ったように眠り始める。
「そろそろ終わりにしますわね。そして逃げ遅れている妖怪達を避難させてしまいますわ」
 ローズが薔薇の花びらで敵を包み、全身を切り刻んだ。
 オレンジの花びらが透明になって消えていくと、炎は鎮火しオブリビオンの姿が消え、小さな鬼火の妖怪達が元の姿を見せていた。

 辺りのオブリビオンを排除した薔薇園の古城の面々は、鬼火や踊っている妖怪達をこの祭り会場から少しでも遠ざけようと誘導を開始した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧島・絶奈
◆心情
今度は流れに逆らうのではなく敢えて乗る…
其れもまた一興ですね

◆行動
音に乗って行動

では愉しい【ダンス】にしましょう
波に乗る様に、暴れ馬を御する様に…
其れもまた見るものを【誘惑】する【パフォーマンス】となります

【罠使い】の技能を活かし「魔法で敵を識別する指向性散弾」を複数設置

設置後は『涅槃寂静』にて【範囲攻撃】する「死」属性の「濃霧」を行使

加えて私自身も【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は各種耐性と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復

さあ、踊りましょう
足を止めたら蒼白き死と黄泉の獣に追いつかれますよ
最後まで立っているのは私か貴方方か…
共に死の舞踏を愉しみましょう


愛久山・清綱
骸魂が妖怪を……一刻も早く助けねばならぬな。
して、この音楽もなかなか奇妙なものだな。
……されど、俺には全く意味を為さぬよ。
■闘
再び足技中心の【ダンス】と文字を読み上げるようにリリックを
唄い、先程よりも変わったパフォーマンスで骸魂を惑すか。
先ずは突撃してくる輪入道たちを【残像】が残るランニングマンで
アクロバティックに躱し、周囲の者にも魅せつけるのだ。

相手が密集したら刀に【破魔】の力を込めて居合の構えを取り、
その場で【早業】の抜刀から【空薙・舞】で骸魂のみを断つ刃を
放って【範囲攻撃】だ。

『お引き取り下さいませ(EDM風)』
むむ、今度は「棒読み」という声が。一応歌なのにな……

※アドリブ・連携歓迎


高砂・オリフィス
踊りながら戦うよっ、何も特別なことじゃない! むしろそれこそがぼくの真骨頂さ! 盛り上がっていくよーっ!

取り出しますのは、じゃーん! 一見ただの模造剣、ちょっとおっきーけど!
ここにオーラを通わせて、踊りながら切り裂いてく! 殴る蹴るだけじゃないんだよぼくは!

無理やり踊らせる、かんがえよーによってはおもしろいというか、うらやましいというかっ
あははっ! いまは考えないようにする! 称賛でもブーイングでもなんでもござれ!

自然と踊り出したくなるようなダンスこそがぼくの目指す境地! んー! テンション上がってきたあ!



●踊り踊って
 ――ドドーーン! ドンドンッドーーーン!!
 ――ヒュ~ヒュォオオオ~~~!!

「骸魂が妖怪を……一刻も早く助けねばならぬな」
 オブリビオン化してしまった妖怪を助けようと、清綱は地を震わせるような大きな太鼓と笛の音の中を歩く。
「して、この音楽もなかなか奇妙なものだな。……されど、俺には全く意味を為さぬよ」
 清綱は再び華麗な足技を披露し、強い音にも対応してダンスを魅せる。
『fi,fi,fi,fi,ffffffffff fire fighting!』
 そしてリズムに乗ってラップ調でリリックを唄い、先よりもダンスに特徴を出すように派手に動き回り、パフォーマンスを魅せつける。
『なんだ、何を言っている?』
『よくわからんが、踊りたいなら燃やしてやろう』
 理解出来ないながらも、その目立つ姿に気を引かれ輪入道がゆらゆらと炎を猛らせ突進を始める。
「このパフォーマンスが理解できないとは、そんな感性で他人を踊らせようなど笑止でござる」
 清綱はランニングマンで前に走るような足捌きで後ろに下がり、残像を残して動くと、もはやどこに居るのか目が錯覚を起こして分からなくなる。
『ど、どれが本物だ!?』
 前に後ろに右に左にと、清綱の残像が生み出され、輪入道は混乱して動きを止める。
『囲め囲め! 残像ごと包み込んでしまえばいい!』
 分からぬなら纏めて焼けばいいと、輪入道達は清綱の周囲を包囲して逃げ場を塞いで突進してくる。
『お引き取り下さいませ』
 EDM風に歌いながら清綱は居合の構えから刀を一閃する。踊り舞う斬撃波が飛び、オブリビオンの骸魂のみを断ち切った。
『そ、そんな棒読みの攻撃で……』
 ずるりと輪入道の身体が消滅するように薄れて鬼火が姿を現した。
「むむ、今度は『棒読み』という声が。一応歌なのにな……」
 何故理解されないのかと、首を傾げながらも清綱は油断なく次の敵へと向かった。


「今度は流れに逆らうのではなく敢えて乗る……其れもまた一興ですね」
 絶奈は太鼓と笛のリズムを聴き、タイミングを覚えて音と共に跳ねるような身体の動きに逆らわず、敢えて乗って舞うように軽やかに足を踏み出した。
「では愉しいダンスにしましょう」
 口元に微笑みを浮かべ、絶奈は波に乗るようにも、暴れ馬を御するようにも見える荒々しい音に乗って舞い踊る。
『踊ってるぞ!』
『もっともっと燃えるほど踊らせろ!』
 輪入道はそんな絶奈の足元を燃やそうと近づいてきた。
「此処がダンス会場ならば、其方も踊るべきでしょう」
 輪入道が近づくと、絶奈が舞いながら仕掛けておいた罠が発動する。指向性散弾が撃ち出され、その顔に幾つもの穴を穿った。
『ギャアアアッ』
『痛いっ、痛いぞっ』
『許さんぞぉ!』
 顔から血を流して輪入道が苦し揺れ動く。それは踊っているようにも見えた。傷を負い怒りに鬼面となった輪入道が絶奈に突進する。
「さあ、踊りましょう。足を止めたら蒼白き死と黄泉の獣に追いつかれますよ。最後まで立っているのは私か貴方方か……共に死の舞踏を愉しみましょう」
 愉しそうに絶奈は天に向けて踊りながら森羅万象へと干渉し、辺りを濃霧に包み込んだ。それは死の気配を宿す灰色の霧。それに輪入道が触れた瞬間、炎が揺らぎ生気を吸い取られるように勢いを失っていった。
『なんだこれは……?』
「最初の脱落者は貴方ですね」
 何が起きたか分からず敵が止まったところで、くるりと回転して舞う絶奈が左右の手に持った剣と槍を振るう。放たれる衝撃波が輪入道を薙ぎ払った。


「踊りながら戦うよっ、何も特別なことじゃない! むしろそれこそがぼくの真骨頂さ! 盛り上がっていくよーっ!」
 太鼓の大きな音に合わせて、元気にオリフィスは踊り出す。大きな跳躍も苦も無く行い、それどころか楽しそうにはしゃしでいた。
「取り出しますのは、じゃーん! 一見ただの模造剣、ちょっとおっきーけど!」
 踊りながらオリフィスが大きな模造剣を手にした。
「ここにオーラを通わせて、踊りながら切り裂いてく! 殴る蹴るだけじゃないんだよぼくは!」
 その言葉通りにオリフィスが跳ね踊ると、模造剣を振るい輪入道を切り裂く。
『小娘が!』
『燃やして踊り死なせてしまえ!』
 反撃に輪入道が燃え上がりながら突撃してくる。
「無理やり踊らせる、かんがえよーによってはおもしろいというか、うらやましいというかっ」
 お喋りしながらも身体は動かし続け、オリフィスは跳躍して突進を回避した。
「あははっ! いまは考えないようにする! 称賛でもブーイングでもなんでもござれ!」
 そして楽しそうに模造剣を振るい、真空の刃で自らを覆って身体能力を高めてダンスのキレを向上させた。
『こやつ笑ろうておるぞ』
『これだけ暴れれば疲れ果てるのも早かろう』
 輪入道は疲れて動けぬところを燃やそうと、オリフィスを追いかけてさらに運動量を増やす。だがその動きは鈍るどころか熱が入ってさらに鋭くなっていた。
『馬鹿な、どんな体力をしているのだ』
『こちらの方が疲れてきたぞ……』
「楽しいことをしてるんだから! 疲れなんて感じないよ!」
 逆に速度を落とした輪入道の背後を取ったオリフィスが、模造剣を振り回して叩き込み両断した。


『こりゃいかん』
『もうこれだけしか残っておらんのか』
 辺りを見渡せば輪入道は数を減らし、ここに集まっている僅かしか残っていなかった。
「もっと愉しみましょう。最後の最後まで踊り狂い、死の手招きを受けて其の足を引きずり込まれるまでお付き合いします」
 絶奈は剣と槍を手に舞い、腕が閃く度に輪入道が斬り裂かれていった。
『踊り死ぬのは貴様の方だぁ!』
 輪入道が加速して突っ込んで来る。霧の中をもがき苦しみながら、それでも絶奈へと体当たりを仕掛けた。
『ご遠慮します』
 そこへ割り込んだ清綱がまた唄いながら刃を一閃し、輪入道を横に断ち切った。
『がはっ、そんな変な歌を、うたってるやつにやられるとは……』
「むぅ、今度は『変』という声が。この世界にリリックは早すぎたか?」
 眉間にしわを寄せる清綱の背後から違う輪入道が襲い来るが、上の空に見えながらも清綱は振り向きながら刀を振るい斬り捨てた。
『こうなれば相討ち覚悟でいくぞ!』
『命を燃やして狂い踊れ!』
 残った輪入道が最大まで炎を燃やし、一斉に空から襲い掛かる。
「あははっ! すごい燃えてるっ! こっちも燃えてきたよーっ!」
 その炎に負けぬテンションでオリフィスが跳躍し、空へと迎撃に跳んで模造剣を叩き込んだ。炎が撒き散らされ輪入道が墜落していく。
「まずは貴様だ!」
 空中ならば避けられまいと、輪入道が炎球のように突っ込む。
「残念ーっ!」
 オリフィスはその敵を蹴ってさらに跳躍する。そこでドーーーンッと太鼓の音が響いた。
「自然と踊り出したくなるようなダンスこそがぼくの目指す境地! んー! テンション上がってきたあ!」
 身体を動かす音に乗って力漲らせ、オリフィスは落下しながら模造剣を振り下ろして輪入道を真っ二つに裂いた。


 3人の激しいダンスが終わると、残っていた全ての輪入道は消え鬼火へと姿を戻していた。
「あ、ありがとう!」
「たすかったー。どうなるかと思ったよ」
 鬼火達が猟兵達に感謝の言葉を告げる。だが戦いはまだ終わっていない。そう告げるようにドドドドンッ!と太鼓の音が響いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『雪女』碧麗』

POW   :    さ、動けぬうちにとどめでも刺すかの。
予め【対象を氷で動けなくする】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    ほれ、踊ってみせい。
【絶対零度の爆発を起こす氷柱の弾幕】を降らせる事で、戦場全体が【絶対零度の氷弾が舞う氷の花畑】と同じ環境に変化する。[絶対零度の氷弾が舞う氷の花畑]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ   :    少し本気を出すとしようかの。
【器となった妖怪が未来に得る筈の力】に覚醒して【大人の妖艶な雪女】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ポーラリア・ベルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●凍え踊る
 ――トンッットトトトットトンッ!
 ――ベンッべべベべンッベンベベベンッ!

 会場を包む音色がまた変わる。今度は軽快な小太鼓の音と三味線のような音が響く。すると先程まで汗を掻くほど暑かった会場に冷気が立ち込めた。あっという間に地面が凍り始めつるつるの氷に覆われる。その冷気の元を探すと、そこにはかき氷の屋台があった。

「なかなかよい余興じゃった。じゃが客が減ってしまっては興醒めよな?」
 まるで年寄りのような台詞と共に屋台から姿を現したのは一人の可愛らしい少女。その雪のような白い肌と凍てつくような目は人のものではない。何よりも発する邪悪な冷気が一目でオブリビオンであると教えてくれる。
 ――その名は雪女『碧麗』(へきれい)。幼い雪女が、年経た雪女の骸魂に飲み込まれオブリビオン化した存在だった。
「せっかく妾の配下を増やそうと思うておったのに、邪魔されてしもうたわ。だがお主らが代わりに踊ってくれるのじゃろう? 妾を楽しませておくれ」
 妖艶に嗤う雪女が手を叩くと、小太鼓と三味線の音が響き、凍った祭り会場の上を滑り踊りたいと身体が訴えかける。

「さあさあ、凍え死にたくなければ踊り続けるのじゃ」
「わわっ、寒い」
「お、踊らないと凍えちゃう!」
 場に僅かに残っていた鬼火達が踊り出そうとしてしまう。だがそれを守るように猟兵達が前に出た。
「ほれほれ、早う踊らねば凍え死んでしまうぞ」
 踊ってオブリビオンと化しても、そのまま凍え死んでも構わないと、妖怪や猟兵で遊ぶように雪女は冷気を放った。

 小太鼓と三味線の音はスケートリンクと化した祭り会場を滑り踊れと身体を動かそうとする。リズムに乗って凍った大地の上を滑り踊りながら戦うことができれば有利に戦えるだろう。
 元凶であるオブリビオンを倒しこの騒ぎを終わらせ、身体を利用されている幼き妖怪を助けてあげようと、猟兵は冷たい氷の上を滑り出した。
レフティ・リトルキャット
※詠唱省略やアドリブOK
Σかき氷屋のおばちゃん!?……ぁ。
そ、それにしても随分と躍らせたがるんにゃね?王子様とダンス等憧れでもあるのかにゃ?。
にゃはは、子猫に転じ髭感知で弾幕の中を回避。凍てつくことを許さない呪いのオーラ防御で冷気に抵抗し、呪われた子猫の肉体を武器にしなやかに武器受け、肉球を盾に盾受けやシールドバッシュステップ。リズミカルなダンスで身体を温めつつ【キャットダンス♪】で雪女を躍らせるにゃん。
ほら見てるだけじゃなくて一緒に踊ろう?折角綺麗な花畑があるんだから。君の情熱を、想いを踊りに込めて熱くなろう。もっともっとと鼓舞し限界を超えて。(危機・スリルと隣り合わせってのも楽しいにゃ。)


霧島・絶奈
◆心情
北風と太陽の寓話に様ですね
では私が太陽を演じるとしましょう
…まあ、太陽は太陽でも、闇黒の太陽ソラトですが

◆行動
音に乗って行動
愉しい愉しい【ダンス】を踊りましょう

スケート自体は未経験ですが、【空中浮遊】の力で軌道を補佐し、優雅に華麗に舞って魅せましょう

さて、オーディエンスがお望みでしたか?
『暗キ獣』を使用し軍勢を召喚
屍者と屍獣による集団【パフォーマンス】を交えた【範囲攻撃】の【二回攻撃】で蹂躙

私も踊りつつ【罠使い】の技能を活かし「魔法で敵を識別するサーメート」を複数設置

設置しつつ【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は各種耐性と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


高砂・オリフィス
はいはいはーい! ぼく、踊りまーすっ! そういう熱いお誘い、とっても燃えるねっ!
よっほっはっ! えっなんか思ってたのと違う? じゃあテンポを上げるよ!

《やがて来たる過去》でアクロバティックに蹴り技をお見舞いしてやるっ! 
飛び蹴り、回し蹴り、どれも音楽やリズムに合わせて繰り出せばきっと目を回すよね!
蹴りが届かなければ音の衝撃波だ! 会場を包むこの音色、かき消すくらいのどデカい大声だよ!

ふぃーっ! いい汗かいた! ん? 氷、クールダウンにはちょうどいいかも!
涼んだらまた踊りたくなってきたぞ♪ みんなで楽しく、思い思いに、好きな時に踊れるのが一番だよねっ、あははっ!


愛久山・清綱
随分と余裕そうだが、運が悪かったな。
この氷は、俺のダンスと相性抜群なのだよ。
滑るような動きが、メルボルンシャッフルの醍醐味だ。
■闘
足技オンリーの【ダンス】で、氷の上を滑るように踊るぞ。
滑ると言う事でムーンウォークも混ぜてみるか。
因みにリリックはもう封印だ(評判悪いから)

舞い散る氷弾は軌道を【見切り】つつ、先程のように
【残像】を見せながら軽やかに躱し、碧麗を惑わそう。

氷弾が勢いが弱まったら刀に手をかけつつ、スケートのような
ランニングマンで敵の懐まで急接近する。
そこから【早業】の抜刀から【奇刀】を逆袈裟斬り気味に放ち、
一頭両断だ。

踊りは、人を楽しませるためにあるものでござるよ。

※アドリブ・連携歓迎



●氷上のダンス
「Σかき氷屋のおばちゃん!? ……ぁ」
「そこの坊や、何か言ったかの?」
 驚いて不用意にレフティが失言すると、ギロリと雪女の鋭い視線が向けられ、それと同時に冷気に包まれ辺りの気温が一気に下がった。
「そ、それにしても随分と躍らせたがるんにゃね? 王子様とダンス等憧れでもあるのかにゃ?」
 ぶるっと震えたレフティは笑みを作って話しを逸らした。
「ふふ、坊やが素敵なダンスを踊れたら、妾が一緒に踊ってやろうかの。満足させる踊りを舞ってみせい」
 嗜虐的な笑みを浮かべた雪女が手を叩く。すると無数の氷柱が周囲に浮かび、太鼓や三味線のリズムに乗って次々とレフティに襲い掛かった。
「にゃはは」
 子猫に変身したレフティは、その氷柱の弾幕を踊るように躱す。しかし外れた氷柱は地面にぶつかって爆発を起こし、絶対零度の冷気を撒き散らして辺りを氷弾の舞う氷の花畑へと変えた。
「そうれ、動き続けねば凍ってしまうぞ」
 戯れるように雪女は氷柱を飛ばし続ける。
「にゃっにゃ、にゃーんっ」
 その弾幕を髭を震わせて感知し、会場に流れるリズムに乗ってリズミカルに踊りながらレフティは避け続けた。それはまるでスケートをしているように軽やかだった。
「よく避けるものじゃ。じゃがその場に立っているだけでどんどん熱は奪われていくのう」
 雪女はその楽しげなダンスがいつまで続くかと高みの見物に入る。無数の氷弾をいつまでも避け続けるものではない。その嵐が広範囲に広がりレフティを包み込んだ。
「呪いの力で対抗するにゃ」
 凍てつくことを許さない呪いのオーラを纏い、氷の礫を受け止め衝撃をしなやかなネコの身体で受け流す。そして肉球を盾に氷弾を弾き、無数の攻撃を凌ぎながらステップを踏んで身体を温めていった。


「はいはいはーい! ぼく、踊りまーすっ! そういう熱いお誘い、とっても燃えるねっ!」
 そのネコのダンスに触発されたように、元気に手を上げたオリフィスが氷上に飛び出した。
「飛び込みかの、好きに踊ってみせい」
 雪女が歓迎するように手を打つ。すると太鼓と三味線の音が強くなる。

 ――ドンットトンットトットトトトッ!
 ――ベべべンッベンベンッベンベベン!

「よっほっはっ!」
 オリフィスがはしゃいで飛び跳ねるのを、雪女は詰まらなそうな視線で眺めていた。
「ふうむ、妾が見たいのは踊り苦しむ姿なのじゃがのう……」
 その天真爛漫なダンスに、雪女は期待外れだと宙に氷柱を浮かべた。
「えっなんか思ってたのと違う? じゃあテンポを上げるよ!」
 雪女が仕掛ける前に、オリフィスは速度を上げて大きく宙返りし敵の頭上を取る。
「お主の踊りはもうよい、凍れ」
 雪女が氷柱を飛ばす。それをアクロバティックにオリフィスが空中で両足を広げて回転し、蹴り飛ばした。
「なんとっ」
 その動きに驚き目を見開きながら雪女は後退しようとする。
『まだだよ! ぼくのダンスを最後まで見ていって!!』
 ユーベルコードを発動したオリフィスの声が拡大され、とんでもなくデカイ声が音色を打ち消し衝撃波となって雪女の動きを止めた。
「なっ!? 身体が動かん――?」
「よーく、見ていってね!」
 そこへオリフィスが飛び蹴りを叩き込み、顔面を蹴られて雪女は吹き飛んだ。
「ふべっ」
 潰れたような声を漏らしながら、雪女がつるつるの氷上を滑っていった。


「いたたっ、年寄りを敬わんとは、これだから子供は嫌いじゃ」
 雪女が尻をさすりながら起き上がる。
「随分と余裕そうだが、運が悪かったな」
 顔を上げれば目の前に清綱が立っていた。その身体は音楽に合わせるように揺れている。
「お主も踊りにきたのか、じゃが妾の審美眼は厳しいぞ」
 雪女が氷柱を浮かべて一斉に発射する。
「この氷は、俺のダンスと相性抜群なのだよ。滑るような動きが、メルボルンシャッフルの醍醐味だ」
 清綱がその場で歩くように動き出す。前進するように脚は動いているのに、その身体は後ろへと下がっていた。
「な、なんじゃその動きは!」
 その不可思議な動きに驚いて雪女の眼が釘付けとなる。
「これがムーンウォークだ」
 次々と華麗な足技を披露し、雪女を惑わし狙いを外させて氷柱を躱した。
「本当はリリックも披露したかったが、今回は封印だ」
 他の世界で流行していても、古い時代の感性の妖怪には通じないと、評判の悪さに内心傷ついていた清綱は、これ以上悪評を受けたくないと封印を決めていた。
「面白いのう。もっと妾に見せるがよい」
 雪女は氷柱を地面に突き立てて氷の花畑を生み出す。そして絶対零度の爆発と共に氷弾が飛び交った。
「いいだろう、冥土の土産に存分に楽しんでゆけ」
 清綱は残像を残して縦横に動き回り、軽やかなステップでその弾幕を躱した。


「北風と太陽の寓話に様ですね。では私が太陽を演じるとしましょう……まあ、太陽は太陽でも、闇黒の太陽ソラトですが」
 絶奈はそんな物語を思い出しながら、北風に負けぬ太陽となるべく、音に乗って氷上を滑り出した。
「愉しい愉しいダンスを踊りましょう」
 初めてのスケートだが、絶奈はバランスを浮遊する力で保ち、優雅に滑り華麗に舞って魅せる。
「なかなかのものだねえ、ならこれでどうだい?」
 雪女が手を振るうと、氷柱が放たれて絶奈を貫こうとする。
「この程度では私のダンスに花を添えることもできませんよ」
 だが絶奈はその隙間をペースを崩さずにすり抜けた。
「ふふ、ならもっと愉しませておくれ」
 氷柱が地面に突き刺さり、辺りに氷の花を咲かせて地面に凹凸を作って滑り難くしていく。
「構いません。最高のダンスをお見せしましょう」
 絶奈は構わず滑り、氷の花を踏み台に滑り上がって跳んでみせ、敵の注目を引き付けた。


「身体が温まってきたにゃ」
 レフティのダンスがにゃにゃっとキレを増し、慣れてきたように流れ弾の氷弾を肉球で受け流した。
「まだ踊り続けていたのかい、元気な坊だねえ。だけどそろそろ仕舞いにしようかのう」
 雪女はそろそろ猟兵の相手に飽きてきたと、レフティに向けて宙に浮かぶ氷柱を向ける。
「ほら見てるだけじゃなくて一緒に踊ろう? 折角綺麗な花畑があるんだから」
 その氷柱が飛んでくる前に、レフティはくるくる氷の上を回りながらユーベルコードを発動し相手を同じように躍らせた。
「なっ!? 身体が勝手に動くじゃと!!」
 雪女がまるで猫のように手招きをして踊り出した。
「君の情熱を、想いを踊りに込めて熱くなろう。もっともっとと鼓舞し限界を超えて」
 レフティがにゃんにゃんと愛らしく踊ると、真似るように雪女もにゃんと踊る。
「妾にこのような真似を! 許さぬぞ!」
 踊りながらも雪女が氷弾を撒き散らす。それを滑り踊りながらレフティは躱した。
(危機・スリルと隣り合わせってのも楽しいにゃ)
 ぴょんぴょん飛び跳ね、レフティは雪女と共にダンスを楽しみながら翻弄した。


「こっちのダンスにも付き合ってね!」
 オリフィスが逆さになりながら回転し、カポエイラの技で踊るように蹴りを次々と叩き込む。
「やめい!」
 雪女は氷柱を放って迎撃し、自らの踊り続ける身体を固定するように氷柱で囲んだ。
「ぜぇぜぇ……妾を踊らせるとはの……ふぅふぅ……意表をつかれたのじゃ……」
 肩で息をしながら雪女はオリフィスへと視線を向ける。
「まだまだ踊れるよね! ほらほら、目を回すまで踊ろうよ!」
 体力の塊のように疲れる事も忘れて、音楽に乗ったオリフィスは笑顔で踊りながら氷柱を蹴り飛ばしていた。
「これが若さ……いやいや、妾も今は若いのじゃ、体力で負けぬはず……」
 自分で言っておきながら、ついていける気が微塵もせずに雪女は距離を取ろうとする。
「氷が溶けちゃうまで踊ろうっ!」
「ひぃっ」
 笑顔で迫るオリフィスに、小さな悲鳴を上げた雪女は氷の壁を作って逃げ出した。


「ええい! もう近寄るでない!」
 雪女は猟兵達を遠ざけようと足りに何枚も氷の壁を用意して閉じ籠った。
「ダンスを望んだのは其方だろう。ならば最後まで見ていくでござるよ」
 そこへ清綱が腰の刀に手を掛け、ランニングマンで右に左にと踊りながら壁を避けて一気に間合いの中へ滑り込む。
「来るでない!」
 雪女が氷柱を放つ。だがそれを軽くステップで躱し、低い姿勢から鯉口を切り、目にも留まらぬ速度で抜刀斬りを放った。
「なにが――ぎゃああああっ!」
 変則の逆袈裟斬りのように、下から上へと刀が抜けた。刃は肉を裂いたが、骨を断つ感触を得られない。纏う冷たい妖気によって雪女は身を護っていた。
「一刀両断……とはいかなかったか」
「おのれおのれおのれ! 許さんぞ!」
 怒りだけでなく、垂れ流される血で白い肌を紅く染めた雪女が怒声を放つ。それと同時に周囲が凍えるほど気温が下がり、清綱の皮膚に霜がつく。
「お主らは妾を愉しませる為に、もがき苦しみながら踊っておればよいのじゃ!」
 雪女を中心に無数の氷弾が放射状に放たれる。
「踊りは、人を楽しませるためにあるものでござるよ」
 清綱は氷上を滑るように降り注ぐ礫を躱していった。


「さて、オーディエンスがお望みでしたか?」
 ならば観客を用意しようと絶奈は蒼白き燐光の霧を纏う。するとその姿が神の似姿となり、深き霧の中から息絶えた屍の獣と兵の軍勢が姿を現した。
「これだけ居れば十分でしょう? ではお祭りの本番を始めましょう」
 軍勢が一斉に動き出し、演舞のような動きでもって敵に殺到する。
「これは派手じゃのう。ならもっと派手に盛り上げてやろうかの」
 笑みを深めた雪女は、その姿を妖艶な大人のものへと変える。それと同時に凄まじい妖気が放たれ、冷気によって近づいた屍の獣や兵が凍り付いた。だがその遺体を押し出すように、軍勢は死を恐れずに止まることを拒絶する。
「ほう、これは熱烈よな。愉快愉快」
 微笑む雪女が今度は氷柱を飛ばして、冷気で動きを鈍らせた軍勢を蹴散らしていく。
「気に入っていただけたようですね、では祭りといえば花火も定番でしょう」
 絶奈が敵の意識が軍勢に向けられている間に設置したテルミット焼夷弾を起爆させた。爆炎が辺りを包み込み、氷を溶かし敵の身体を炎で包む。
「これはっ!?」
 慌てて氷で膜を張り雪女は炎から身を守る。
「さあ、共に踊りましょう」
 そこへ滑り込んだ絶奈が左手にもった剣を振り抜き、氷の守りを斬り裂いた。そしてその隙間に右手の槍を突き入れ、雪女の脇腹を貫いた。
「おのれ! 妾の身体に傷を! 許さぬのじゃ!」
 怒声と共に冷たい殺気が放たれ、絶奈の身体を冷気が包む。
「ダンスは愉しむものですよ」
 絶奈はくるりと回転しながら剣と槍を振るい、身体のあちこちを凍らせながらも冷気を切り抜け、跳躍してスピンしながら雪女に斬撃を浴びせた。
「踊るのはお主らだけで良いのじゃ!」
 咄嗟に雪女は氷の壁を築くが、槍がそれを砕き、剣の切っ先が胸を抉った。
「ぎゃあっ!!」
 悲鳴を上げながら、身体を血に染めた雪女は情けなく後ろに尻餅をついて氷の上を滑っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

薙沢・歌織
【薔薇園の古城】【WIZ】
…過去の遺物が、未来ある命を食い荒らしてはなりません。碧麗、その踊りへの妄執に終焉を与えます!

吹雪に対抗する為【我が身に宿れ、炎の女神】発動。緋炎の翼に、緋炎剣とエレメンタルオーブの炎で吹雪を溶かし【足場習熟】【第六感】で小太鼓と三味線リズムを掴み【学習力】でものにし、スケートの要領で【ダンス】、【集団戦術】で仲間と共有します。溶かしきれない攻撃は地霊盾の【氷結耐性】で防御。

攻撃は踊りながら【炎属性の爆炎を放つ】オーブを遠隔操作で直接ぶつけ、敵がよろけたら見逃さず【集団戦術】で連携攻撃合図。【ダッシュ】で接近し、緋炎剣の【炎属性攻撃で切り込み、焼却、浄化】します!


ローズ・ベルシュタイン
【薔薇園の古城】メンバーで参加(計4名)
WIZ判定の行動
アドリブ歓迎

■心情
ついに現れましたわね、妖怪達を踊らせていた元凶。
可愛い見た目ですけど、油断は出来ませんわね。

■行動
白銀勇霊装(UC)を使用して戦いますわね。
凍った足場は【足場習熟】や【地形耐性】対処して、
大地の上を滑り踊りながら戦いますわ。

UCの甲冑に身を包み、敵へ『夕の憩い』を用いた
【2回攻撃】で攻めていきますわね。
敵の攻撃は【氷結耐性】で耐えるようにし
避けきれる攻撃は【見切り】で回避。

自身が負傷したら、UC能力の戦闘力増強と【生命力吸収】を
駆使して戦いますわね。

「踊りは自分が踊りたい時に踊るのが一番ですわ」


比良坂・逢瀬
【薔薇園の古城】で参加。

黒幕は雪女でしたか。小泉八雲の話では雪女は情に厚い妖怪でしたが。どうやら、ただ冷酷なだけの悪鬼の様子ですね。速やかに骸の海に還しましょう。

私は積極的に前衛にでます。
愛刀、三池典太の<破魔>の力を帯びた太刀に剣気を纏わせての<オーラ防御>で<武器受け>をして、雪女の冷気や氷雪を切り払い、共に戦う仲間たちを護ります。

そして得意とする《影ヲ斬ル》で、油断している相手の影を断ち切りましょう。
私の技は、初見では、まず回避することの敵わない奇襲性の高い技です。加えて厚みも硬さもない影を斬るがゆえに通常の防御も無効。私の剣を破るのは容易くはありませんよ。


アハト・アリスズナンバー
【薔薇園の古城】SPD判定の行動 アドリブ歓迎 盆踊りの次はアイススケート……ですがこの状況は既に経験があります。【足場習熟】で氷を滑り舞いつつ、相手の弾幕に対してUCを使用。予測をして弾幕をよけつつドローンを相手の意識外まで飛ばします。滑る力を利用してそのまま【ランスチャージ】。避けられるのは前提。 本命はソード・ソーシャル・ドローンの【騙し討ち】ですから。 後は氷の花畑を生かしつつ、レーザーライフルを【焼却】出力に切り替え、【誘導弾】で奴を燃やしましょう。 そろそろ宴もおしまいにしてあげましょう。 私一人では手こずる相手でも、強力な仲間が何人もいれば勝てます。



●フィナーレ
「ひぃひぃ……なぜ妾がこのような目に、もっと激しく音を鳴らすのじゃ! 妾に近づかせぬように踊らせよ!」

 ――ドンットトトトットントットトトトトトッ!
 ――ベン! べべべンッべベンベンッベンベベン!

 傷つき疲労した雪女が元の姿に戻り、パンパンと手を叩くと太鼓と三味線の音が激しくなり、どれと共に踊らねばならないという強制力も強くなった。

「ついに現れましたわね、妖怪達を踊らせていた元凶。可愛い見た目ですけど、油断は出来ませんわね」
 見た目は可愛らしい少女のような敵に、ローズは見た目に騙されぬように気を引き締めて、その身にアルヌワブランの美しい花弁の重なる薔薇で彩られた甲冑を纏った。
「そんな鎧で妾の力を防ぐつもりかの」
 雪女は冷たい冷気を放ち、ローズを鎧ごと凍らせようとする。
「黒幕は雪女でしたか。小泉八雲の話では雪女は情に厚い妖怪でしたが。どうやら、ただ冷酷なだけの悪鬼の様子ですね。速やかに骸の海に還しましょう」
 オブリビオンと化した悪鬼であれば容赦は無用と、前に出た逢瀬が愛刀『三池典太』に剣気を纏わせて一閃し、辺りを覆う冷気を切り裂いた。

「盆踊りの次はアイススケート……ですがこの状況は既に経験があります」
 アハトはその時の経験を活かし、氷上を滑りながらひらりと踊って敵に接近する。
「踊れ踊れ、凍えるまで踊り続けて妾を愉しませい」
 雪女は迎え撃つように氷柱を連続して放った。
「アリスコード送信。総員、計測の時間です」
 その目で見た映像をアハトは他の個体達と同期して、その攻撃の特性や射線を予測することで舞いながら回避していく。その間にドローンを遠くへ飛ばした。
「このまま接近します」
 氷柱を避けながらアハトが接近を試みると、地面に刺さった氷柱が爆発し、絶対零度の無数の氷弾が舞う氷の花畑を生み出した。
「妾に近づくほど激しく踊らねばならんのじゃ」
 これで近づけまいと雪女が邪悪に嗤い、アハトが氷弾の嵐を避ける為に踊る姿を愉しむ。

「氷弾の嵐ですか、越えねば刃が届かぬのでしたら、押し通るとしましょう」
 その嵐の中へと逢瀬が飛び込み、十字に連続して太刀を振るって氷花を切り払い、剣圧に押され氷弾も弾いて敵への道を作り出す。
「妾の攻撃を斬るとはの、油断できぬ相手のようじゃが、これはどうかの?」
 雪女が柏手を打つ。すると一瞬にして逢瀬の身体が氷に閉じ込められた。
「本当ならばじわじわ仕留めるのじゃが、今は忙しいゆえの、すぐに楽にしてやるのじゃ」
 そう言って動けぬ逢瀬に氷柱を向け、嗜虐的な笑みを浮かべて発射した。
「見た目に反して心は邪悪ですわね」
 氷上を滑って逢瀬を追い抜いて前に出たローズが剣を振るい、氷柱を斬り落とす。そのまま足を止めずに雪女に迫った。
「一瞬で相手を凍らせる。一対一では恐るべき術ですが、こうして連携すれば隙だらけですわ」
 そのまますれ違いながら剣を横薙ぎにし、雪女の胴を薙いだ。
「――妖気が乱れましたね」
 敵の力が乱れたところで、逢瀬は脆くなった氷を割って脱出した。
「ぐえぇっまた妾に傷が……おのれ小娘ども、許さんぞ!」
 手で血の溢れる脇腹を押さえながら雪女が睨みつけ、その身から放つ冷気を強くした。近づくだけで凍ってしまいそうなほど気温が低下する。

「……過去の遺物が、未来ある命を食い荒らしてはなりません。碧麗、その踊りへの妄執に終焉を与えます!」
 歌織が緋色の刀身を持つ緋炎剣『アメノホアカリ』の切っ先を敵に向けた。
「終焉を迎えるのはそなたらの方じゃ!」
 雪女が手を振るうと、吹雪が吹き荒れ全てを凍らせてようとする。
「この身に宿るは炎の女神。この程度の冷気で吹き消されるような炎ではありません!」
 猛る炎が歌織の背中から噴き出し、緋炎の翼となって身を包むように護る。髪は赤く染まり凛々しい女神の姿へと変身した。
「吹雪を斬り裂きます!」
 上段に構えた緋炎剣にエレメンタルオーブで増幅した炎を纏わせ振り下ろす。熱風が吹雪を押し戻し、消し飛ばした。蒸発した雪が大量の蒸気を撒き散らす。
「妾の冷気を防いだか、ならばこれでどうかの」
 次に雪女が氷柱を放つ。その質量ならば溶かされる前に届く。
「踊りを御所望でしたね。では披露しましょう」
 スケートの要領で歌織はすいっと氷上を滑り、氷柱の射線から逃れる。
「ならば凍えて踊り狂わせてやろうかい」
 次々と氷柱が放たれ地面に突き刺さっていった。
「私の炎を消せるというのなら、試してみるといいでしょう」
 舞うように氷柱を躱しながら歌織は炎属性を宿す燃えるオーブを遠隔操作で操り、敵の近くで爆炎を放った。
「熱いっ、このっ小娘の分際で!」
 慌てて冷気の膜で熱を遮断し雪女は炎を防いだ。


「こうなれば仕方ない……妾の本気を見せてやるかの、そして踊りながら凍り漬けになるのじゃ」
 雪女の妖気が膨れ上がると、その身長が伸びて妖艶な大人の姿となり、放つ冷気が増してやぐらが氷の塔と成り果てる。

 ――ドンットトトトットトッドンドンドドドンッ!
 ――ベべン! べべべべべンッべベンベンベンベンベンベベン!

 太鼓と三味線の音もクライマックスが近づいているように激しく鳴らされる。

「大人に変身しました。戦闘力も上がっているようです。それを含めて予測しましょう」
 アハトはどれほど敵がパワーアップしたのかを判断する為、アリスランスを手に突進して攻撃を仕掛ける。
「まずはお主かの、穴だらけにしてやるのじゃ」
 雪女が大きく数を増した氷柱を浮かべ、一斉に放った。
「これは想定以上です」
 突破は困難とアハトはすぐさま回避行動に移り、ランスで防ぎながら氷柱を躱す。だが追い詰められて氷柱の切っ先が目の前に迫る。
「この猛攻は避けられそうにありません。私が防ぎます」
 シャッと氷を削るように勢いよく前に滑り出た歌織が地霊盾を構える。蒸気を発する盾が防御力を高めて氷柱を受け止めた。だが氷柱の数は多く、側面からも襲い掛かる。
「あれが本来の姿ですわね。私も手伝いますわ」
「ではこちらは私が対処します」
 ローズと逢瀬が左右を護り、ローズは剣とその身に纏う鎧で優雅に舞いながら防ぎ、逢瀬は太刀一本で烈火の如く切り払った。
「ありがとうございます」
 礼を言い残しアハトは攻撃の合間をついて突撃した。
「あぶっ!?」
 しかし紙一重で雪女がターンして踊るように回避した。
「あ、危ないところじゃったわい。惜しかったの、そして隙だらけじゃぞ」
 冷や汗を流しながら雪女は通り過ぎたアハトの背後を狙って氷柱を飛ばそうと手を振り上げた。しかしその背後へ、アハトが先ほど飛ばしておいたドローンが戻り、先端に付いた鋭利な刃を向けて突進し、雪女の背中に衝突した。
「ぐはっ――あ? な、んじゃ? 飛ぶカラクリじゃと……?」
 血を吐き出した雪女は振り返って驚愕した顔をみせ、腕を振るってドローンを薙ぎ払った。だが不意打ちを受けた雪女は肉体と精神への衝撃が大きく、ふらりと身体をよろめかせた。

「ここで仕留めてしまいましょう」
 その隙を見逃さずに歌織が緋炎の翼を広げて飛ぶように突っ込み、一気に滑り込むと緋炎剣で斬り込んだ。振り下ろされる燃える刃が敵の左肩から入り、肉を裂き骨を断って傷口を燃やす。
「あぎゃああああっ!」
 雪女は絶叫し、冷気を放って歌織を押し飛ばす。
「このまま何もさせずに終わらせますわ」
「一気呵成に参りましょう」
 ローズと逢瀬も間を置かずに続き、ローズの鋭い斬撃が右腕を裂き、逢瀬の太刀は左太腿を斬りつけ骨を削った。
「あああああっ、おのれ! 小娘どもが! 妾の肌にこれほどの傷をっ!! 許せぬ、凍らせて粉々に砕き、一片も残さず消してくれよう!」
 薔薇園の古城の面々の息の合った連続攻撃を受け、血で全身を濡らした雪女は、呪詛を吐くように叫び冷気を撒き散らす。
「最後の足掻きですわね、私の背後に隠れれば安全ですわ」
 それを正面からローズが受け止める。そして白銀勇霊装で冷気を防ぐ。全てを凍らせる冷気は甲冑をも凍結させるが、ローズは構わずに前に踏み出し、剣を真っ直ぐ突き入れた。切っ先は雪女の腹を貫いた。
「生命力を吸収できる分、こちらの方が持久力は上ですわ」
「お、のれぇえええええ!!」
 美しい顔を崩し、鬼気迫る顔となった雪女が魂を削るように妖気を増し、ローズを凍りつかせようとする。
「手伝います」
 歌織が炎の翼を羽ばたかせて炎によって冷気に対抗して、凍り付くのを防いだ。
「そろそろ宴もおしまいにしてあげましょう。 私一人では手こずる相手でも、強力な仲間が何人もいれば勝てます」
 アハトがそこへレーザーライフルの銃口を向け、引鉄を引いた。放たれる光線が雪女の顔を焼く。
「ぎゃあっ」
 悲鳴を上げて雪女が顔を背け、凍てつくような冷気が途絶えた。
「これで止めです」
 ローズの背から飛び出た逢瀬が太刀を振り下ろす。
「いやじゃ、まだ蘇ったばかりじゃというのに!」
 雪女は左腕を盾にして、斬り落とされている間に身体を倒れ込ませるように剛剣を避けた。
「しぶといですね」
 逢瀬が返す太刀で仕留めようとすると、目の前に氷の壁ができた。
「い、いまのうちに逃げねば――」
 背を向けて雪女が逃げようとするが、気づけば凍った地面に顔から突っ込んでいた。
「ぶっ、な、なにが起きたのじゃ?」
 訳が分からず雪女が右手をついて上体を上げて振り返る。するとそこには腰から分断された己の下半身があった。
「あ? 妾の身体が? な、なぜじゃ!!」
「影を斬るのは実体を断つのと同じ事です」
 驚愕する雪女に、跳躍し氷の壁の上に乗った逢瀬が姿を見せた。影を斬ることで実体を斬る剣技により胴を両断したのだ。
「か、影?」
 意味が分からずオウム返しにする雪女に、飛び降りながら逢瀬が太刀を振り下ろした。
「ま、待つの――」
 命乞いする間もなく、雪女の上半身も真っ二つに断たれた。

 ――トントンッベン……トンべべンッべン……。

 勢いを失った太鼓と三味線の音が途絶え、祭り会場に満ちていた妖気も消え去った。


●踊りは楽しく
「あの、みなさんありがとう!」
 可愛らしい小さな雪女が猟兵達にお礼を言って頭を下げる。オブリビオン化が解け、元の姿に戻ったのだ。
「無事でよかったですわ」
 ローズは優しくその少女の頭を撫でてあげた。
「怪我もないようですね」
 歌織も元気そうな雪女の幼女に優しい目を向け微笑んだ。
「あ、あの、お礼にかき氷をつくるから、たべていってください」
 雪女の少女が屋台に戻り、未熟ながらも氷を作り出してガリガリと一生懸命にかき氷を削り始めた。
「せっかくです、ご馳走になりましょう」
 逢瀬の言葉に仲間達も賛同し、冷たいかき氷に舌鼓を打つ。
「しかしお開きかと思いましたが、今から本物のお祭りが始まるようですね」
 アハトが辺りを見回すと、妖怪達がお祭りを再開しようと準備をしていた。

 ――ドンドンッドドドンッ!

 やぐらの上から太鼓の音が鳴り響き、鬼火達が提灯代わりに地上を照らす。すると妖怪達の盆踊りが始まった。
「ふぃーっ! いい汗かいた! ん? 氷、クールダウンにはちょうどいいかも!」
 オリフィスもかき氷を食べているところに加わってぺろりと食べて、キーンときてうんうんと頭を揉んでいた。
「涼んだらまた踊りたくなってきたぞ♪ みんなで楽しく、思い思いに、好きな時に踊れるのが一番だよねっ、あははっ!」
 すぐに復活したオリフィスは忙しなく今度は盆踊りの輪に飛び込んだ。
「にゃはは、みんなで踊るにゃん」
「よーし! さっきとは違う、本物の盆踊りを見せてやるぜ!」
「おうよ!!」
 レフティは動物型の妖怪を引き連れ、にゃにゃっと跳ねるように踊り出し、動物のダンス集団ができあがる。
「オドオドオドオド、オオオオ踊れや踊れー!!」
 その近くでは子供達が清綱の歌を真似てリリック風に歌っていた。子供は面白そうなことはすぐに真似して遊びに取り入れてしまう。
「おお、子供の感性ならばこの世界にリリックを受け入れてもらえるかもしれぬでござる」
 そこへ混ざるように清綱も歌い出し、輪となって踊りながら子供達と共に歌った。
「皆さん笑顔ですね。此れこそが本当の祭りの姿なのでしょう。では私も舞踊を捧げるとしましょうか」
 眺めていた絶奈もゆるりと舞い始め、好き好きに踊る祭りに混ざった。リリやユキも祭りの輪に入っていく。

「踊りは自分が踊りたい時に踊るのが一番ですわ」
 楽しげにローズが踊り出すと、その通りと薔薇園の古城の仲間達も一緒に踊り出し、賑やかな祭りに美しい花が咲く。

 人々の満面の笑顔に包まれ、楽しい踊りの輪がくるりくるりと回っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年07月14日


挿絵イラスト