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ルナティック・バラージ

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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 カクリヨファンタズム。
 現代地球……UDCアースに隣接するその世界は、妖怪達が住まう世界として知られる。
 この世界は現代地球で失われた過去の遺物で組み上げられた不思議な世界。
 そこへ、人々に忘れられた妖怪達が誘い込まれており、「過去の思い出や追憶」を喰らって生き延びている。
 一方で、幽世に到達すらできずに命を落とした妖怪は骸魂となり果ててしまい、縁ゆかりのある妖怪を飲み込んでオブリビオン化してしまう。
 強力なオブリビオンはカタストロフに近しい状況まで発生させてしまうという。
 例えば、この世界を弾幕が覆い、美しくも全ての命を奪う「狂気の世界」へと姿を変える。
「この世界に誕生する世界を滅ぼすものを止めてほしいの」
 セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)が話を聞いていた猟兵達に託したのは、とあるオブリビオンの討伐。
 それを倒すことで、飲み込まれた妖怪の少年も救出できるし、狂気の世界となったカクリヨを元に戻すことができる。
 セレインは、どうかよろしくと猟兵達に頭を下げるのだった。


 そこは、忘れられた小高い丘の上にある神社の境内。
 まさに閑古鳥が泣いているようなその場所はとても静かで、子供の妖怪達が住んでいたのだが……。
「う、うっ……」
 その少年は、「ムカデ王」の骸魂に飲み込まれた、西洋妖怪「吸血鬼」の少年『ムカデヴァンパイア』。
 悲しいかなオブリビオン化してしまったこの少年は、吸血鬼の残虐性を強制的に解放されてしまい、力を止めることができないでいる。
「ダメだ、もう抑えきれない……!!」
 彼が力を解き放つと、幽世に弾幕が発生してしまう。
「もうあいつはダメだ、逃げるぞ!!」
「ああ、大切な仲間が……」
 妖怪の少年少女は、なんとか空中へと逃れてその場から離れていく。
 その直後、神社へと通じる長い階段に、色とりどり、鮮やかな弾幕が展開し始めた。
 赤、青、黄色。空中を飛ぶ弾丸は見とれてしまうほど美しい。
 ただ、その弾一つ一つに妖力が帯びており、一撃受けるだけでも相当なダメージを受けてしまう。並の人間であれば、それだけで命を落としてしまいかねない威力だ。
 また、その弾幕はオブリビオン『迦陵頻伽』(かりょうびんが)の群れを呼び寄せる。
「ふふ、ふふふ……」
 弾幕と同じように彩り鮮やかな存在で、人鳥一体の肉体を持つ。
 滅びの美声をさえずることができ、弾幕に耐えたモノへと攻撃を仕掛け、確実な滅びを齎そうとするのだ。
 それらを全て退けると、社で『ムカデヴァンパイア』が待つ。
 吸血鬼の少年は破壊、殺戮など望んではいないのだが、彼を飲み込んだ「ムカデ王」の骸魂は強制的に少年の残虐性を高めて。
「嫌だ、いやだ…………ぁぁ、ああっ、ああああああっ!!」
 さらに、少年は強い力を放出する。
 周囲に舞うとても、とても綺麗な弾幕(バラージ)。
 だが、それらは世界を狂気(ルナティック)に彩ってしまう。

 この狂った世界を元に戻すべく、この地にやってきた猟兵達は美しい弾幕の舞う長い階段を登り、丘の上の境内を目指す。


なちゅい
 猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
 当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。
 新世界、カクリヨファンタズムのシナリオOPをお送りいたします!

 こちらのシナリオは、見渡す限り「弾幕」に覆われた美しい弾幕の嵐が吹き荒れる「狂気の世界」となったカクリヨファンタズムの世界を救い出すシナリオです。
 戦場にいるボスを討伐することで解決しますので、ボスの討伐を願います。

 第1章:冒険シナリオ、『侵入者を一歩も進ませない程度の弾幕』の中を突き進んでください。
 第2章:集団戦シナリオ、『迦陵頻伽』の集団の群れの討伐を願います。
 第3章:ボス戦シナリオ、『ムカデヴァンパイア』の討伐を願います。

 まずは、夥しくも見とれてしまいそうになる美しい弾幕の中、何らかの手段を使って丘の上の神社を目指して長い階段を登っていただきますよう願います。

 第1章は21日朝からの執筆を予定しています。21日朝8時半までにプレイングを頂けますと幸いです。その後はできる範囲で採用させていただきます。
 章間はプレイングの幅を広げる為の情報を加筆します。
 その最後に、次の締め切りに関しまして記述させていただきますので、ご確認の上でプレイングを頂けますと幸いです。
 なお、第1章に断章執筆の予定はありません。

 シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
 それでは、行ってらっしゃいませ。
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第1章 冒険 『侵入者を一歩も進ませない程度の弾幕』

POW   :    体力で弾幕を耐え凌ぎ、まっすぐ進む

SPD   :    身軽な動きで弾幕の間隙を縫って進む

WIZ   :    弾幕のパターンを覚え、弾道を外れるルートを取って進む。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

雨音・玲
マジ!マジですか?マジかよ!!
弾幕ごっこたぁ、燃えるシュチュエーションじゃねーか!!
思いっきり楽しまなきゃ損だよな!!

わざと作られた隙間?を見極め
紙一重で避ける避ける避ける!!
うぉー!!
このギリギリ感最高!!

弾幕ごっことは!!
古の遊び!!
本来の"命を掛けた妖怪退治"を擬似的に再現した決闘なのだ!!

他の猟兵にドヤッ顔しつつ
仁王立ちで説明
いやあんた
めちゃ当たってるけど…

ふふふっ、、、問題無!!
選択UCの効果で無傷!!無敵!!俺最強!!

実質ルナティックでも
今のオレにはイージーモードだぜ!!
アドレナリン出過ぎの⑨モード
ガンガン進むぜ!!
待ってろBOSS!!


アルトリウス・セレスタイト
回避を考える程度の物量でもなさそうだが
まあどうとでもなろう

『絶理』『刻真』で自身を弾丸が存在しない時間へ置いて進行
当たる物がなければ、単に弾丸が通過するだけだろう
真っすぐ進んで抜ける

周囲に手こずっている猟兵があれば支援
その際は絢爛を起動
秩序の原理を以て空間を支配
害ある飛来物を消滅させる領域を生成し、内部に招き入れて進む

全行程必要魔力は『超克』で世界の“外”から汲み上げる

※アドリブ歓迎


ジャスティス・ボトムズ
アドリブ歓迎
共闘歓迎

弾幕?関係ねぇ。避けたくねぇ。
俺が避けた弾が関係ない誰かを傷つけるかもしれないだろ。
それなら強力な攻撃だろうが全部受けて立つぜ。
目的地まで他の猟兵がたどり着きやすいように手伝う方向で動く。
ルートが同じヤツらの盾になろうじゃないか。
1発でも多く俺が弾を受け止めれば他のヤツらの移動が楽になるって寸法だぜ。
体力とパワーに任せて弾幕を処理してやる。
盾になるからには先頭付近を歩かないと意味ないよな。
他のヤツらのスピードに負けないように前進するぜ。
状況によるが盾として動くのを主目的として、盾の出番がなければ弾を受けつつ突き進む。
避けるのは性に合わねぇぜ。
弾幕だろうが全部受け止めてやる!


愛善・命
「見た目には綺麗、だけど……当たるを幸いバラまくのは『やったか!?』ってセリフと同じくらいの突破されるフラグなのよ! 覚えておきなさい!」
 弾幕がなんぼのもんじゃい! と正面切ってずんずん進む! 当然普通に考えれば不利なのでジャスティス・ペインをキッチリ発動! で、突き抜けることができたらお約束を守ってフラグ回収よ!
「あ~あ~、特注品のスーツがボロボロじゃない。この借りはしっかり返すわよ!」
 本当は身体的にも金銭的にも軽くないダメージだから泣きたいとかそんなのは気のせいってことにして絶対に見せないわ! ここで涙見せたら色々と示しがつかないでしょうが! ……でもこれ、経費で落ちるかしら?


シル・ウィンディア
え、ええと?この中を進めと?

…えっと、隙間ないんですけど??

とはいっても仕方ない
さて、どうするかなぁ…

弾幕の動きを【見切り】弾速・弾の隙間などを観察
いくら、密度が高くても、どこかに隙はあるはずだよね

充分に観察したら
覚悟を決めていきますかっ!

【高速詠唱】でエレメンタルドライブ・エアリアルを使うよ

エアリアル、よろしくねっ!
強化した風の【属性攻撃】を【オーラ防御】に付与してから

先ほど観察した、弾幕の薄いルートを通っていくよ
観察した、ルートも見つけた、後は

一気に行くよっ!

【空中戦】で一気に飛んで【残像】も生み出して移動開始
少しの弾なら、周りの【オーラ防御】で防いで一気に突破するよ


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
あら、弾幕なんてゲームみたいね?
でもこういうものには安地というのがあるものよ。

じっくり見て隙間を見つける。
そして「見切り」で滑り込み、「第六感」で道を見つける。どうしても直撃しそうな弾丸は「オーラ防御」で食い止め「武器受け」で短剣で弾き飛ばす。

あとはユーベルコード【マルチプルバレット】。
「弾幕なら引けは取らないわよ?」
72レベル×5=360発の雷の弾幕でお相手するわ。


ケイ・エルビス
アレンジ連携歓迎
SPD

UC「ハンズ・アップ」を胸をドン!と叩いて発動
技能のうちダッシュ、ジャンプ、追跡をパワーアップ
気合十分な素早い動きで弾幕の隙間を
視力と野生の勘で次々に見切って
その都度安全地帯を発見、追跡しながらガンガン進むぜ

多少喰らうのは覚悟の内
服の下に着込んでるフィルムスーツとオーラ防御でダメージ軽減しながら
踏破していくぜ
苦しんでる少年を見過ごせねえよ

普段から運び屋の仕事で足腰も鍛えてるけど
弾幕くぐり抜けながらは流石にキツい!
それでも諦めず大声を出して自分を鼓舞
丘の上の神社を目指し長い階段を登っていくぜ

「待ってろよ、少年。すぐに助けてやるからな!」

ピンチな仲間がいればかばう


愛久山・清綱
此の世界は常に“破滅”へ向かっているのか……
されど恐れる事はない。如何なる非情な現実も、
抗い続ければ力づくで覆すことができるのだ。

……むむ?誰だ、脳筋と言ったのは。

■行
【WIZ】
弾幕は確かに激しい。されど何処かに“穴”はある筈……
先ずは放たれる弾幕の動きを【見切り】つつ避けながら、
パターンを記憶、弾幕の薄い場所を見つけ出そう。

弾幕の薄い場所を把握出来たらその場所へ向かい、
そこを【ダッシュ】で一気に通り抜ける。
行くべき時に行かねば進めまい。

万一当たりかけたらすぐさま【オーラ防御】を展開し、
少しでもダメージを軽減しよう。
反応が遅れないように、常に集中を保たねばならぬな……

※アドリブ・連携歓迎


織座・このみ
●心情
ここが新しい世界……妖の世界ですかぁ



●行動
ユーベルコード:霊具顕現・偽身符
を使いますよぅ

姉様と二人で鉾先鈴を手に
偽身符――写し身を生み出す護符を呼ぶための
【祈り】を込めた神楽舞を奉げながら、
【第六感】や【野生の勘】で弾幕を避けれる場所を察して避け、
あるいは【オーラ防御】で防ぎながら前に進んでいきますよぅ

そして避けも防げもできそうにないときは、偽身符を用いて写し身を呼びましてぇ、変わり身にいたしますねぇ


※内心・思考の口調は、プレイング記述の話し言葉と違い、訛り気味
人前では狐面外さない
協力、アドリブ歓迎




 新世界カクリヨファンタズム。
 どこかUDCアースの雰囲気は感じさせつつも、古風なものが入り混じったその世界を狐面を装着した巫服姿の少女、織座・このみ(半身は焔となりて傍らに・f04890)が見回して。
「ここが新しい世界……妖の世界ですかぁ」
「此の世界は常に『破滅』へ向かっているのか……」
 複数種の鳥獣の特徴を持つ少年、愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)が刹那表情を険しくしていたが、小さく首を振って。
「されど、恐れる事はない」
 如何なる非常な現実であっても、抗い続ければ力づくで覆すことができると彼は豪語する。
「いいねえ、その脳筋志向」
 それを聞いていた、ジャスティス・ボトムズ(正義の執行者・f22965)が笑う。
「……むむ? 誰だ、脳筋と言ったのは」
「脳筋、いいじゃねえか。敵は叩き潰せば正義が示せるってもんだぜ」
 ジャスティスの考えには微塵も迷いがない。自身の正義道を貫く彼の考えは脳筋ながらもいっそすがすがしさを感じさせた。

 そんなカクリヨファンタズムのとある丘の麓へとやってきた猟兵達が頭上を見上げると、丘の上の神社に続く階段に弾幕が展開していた。
 触るだけでもケガですまぬ威力の弾丸が無数に散らばるその光景は、宝石をばら撒いたかのような美しさを感じさせる。
 もし、状況が許すのであれば、ずっと見ていたいと感じる者だっていても不思議ではない。
「マジ! マジですか? マジかよ!!」
 そんな弾幕が支配する狂気の世界に、黒髪をポニーテールにした青年、雨音・玲(路地裏のカラス・f16697)が興奮していた。
「弾幕ごっこたぁ、燃えるシュチュエーションじゃねーか!! 思いっきり楽しまなきゃ損だよな!!」
 とはいえ、この弾幕は攻略対象。前向きな反応を見せていたのは玲くらいのものだろう。
「え、ええと? この中を進めと? ……えっと、隙間ないんですけど??」
 青髪のエルフ少女、シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)が流れる色とりどりの弾幕に、大きな青い瞳をぱちくりとさせてしまって。
「とはいっても仕方ない。さて、どうするかなぁ……」
 頭を悩ませるシルの後ろで、猟兵達は様々な対策を練っていたようで。
「あら、弾幕なんてゲームみたいね? でも、こういうものには安地というのがあるものよ」
 金髪オッドアイのヤドリガミ、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)はこの美しい弾幕の嵐にも、皮肉めいた物言いで必ずある安全地帯、いわゆる安地の存在を示す。
「うまく見つかるといいんだけどな」
 額の上にサングラスをかけたケイ・エルビス(ミッドナイト・ラン・f06706)も安地を伝って進む考え。
 そうした場所を作っておかないと、ゲームはクリアーできないからだ。
 もっとも、リアルで広がりを見せる弾幕地帯に、安地が本当に存在するのかは不明だが……。
「見た目には綺麗、だけど……」
 ヒーローを志す、ヒーローマスクとデザイナー女性が一体化した愛善・命(愛と善意に命を懸ける・f08411)は一呼吸置いてから声を荒げて。
「当たるを幸い弾をバラまくのは、『やったか!?』ってセリフと同じくらいの突破されるフラグなのよ! 覚えておきなさい!」
 命の声が丘の上のオブリビオンに聞こえていたかどうかは分からないが、弾幕の流れが少し速くなったようだ。
 しかしながら、黒い衣装もあって色白の肌が際立つアルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)が藍色の瞳でその弾幕をじっと眺め回して一言。
「回避を考える程度の物量でもなさそうだが、まあどうとでもなろう」
 と、別段障害とも思わぬ物言いで淡く青い光を纏う。
「弾幕? 関係ねぇ。避けたくねぇ」
 一方で、ジャスティスは障害だと分かった上で、敢えて突き進む。
 他の猟兵達は、ジャスティスを止めようとするが、彼は口元を釣り上げてこう返す。
「俺が避けた弾が関係ない誰かを傷つけるかもしれないだろ」
 ならば、強力な攻撃だろうが全部受けて立つ。それが彼の正義道とのことだ。
 ずかずかと突き進むジャスティスは止めようがないが、猟兵達はそれぞれの手段で、この美しくも狂気に彩られた弾幕地帯へと挑み、丘の上にある神社を目指すのである。


 小高い丘の神社に向け、長い階段が麓から続いている。
 それを登る為には、空中を漂う弾幕地帯をどうにか対処しながら突破する必要がある。
 避ける必要がないと告げたジャスティスは、後に続くメンバー達の盾になろうと考えながらも、弾幕の嵐の中へと踏み込む。
(「1発でも多く俺が弾を受け止めれば、他のヤツらの移動が楽になるからな」)
 ただ、ずんずん突き進むのは彼だけではなかったようだ。
「弾幕がなんぼのもんじゃい!」
 命もまた不利なことを顧みず、正面切って進む。
 丘の上には「ムカデ王」の骸魂に囚われた吸血鬼の少年がおり、望まずしてこの弾幕を展開しているという。
 困っている人を見捨てられないと、命はユーベルコードを使っており、不利な行動を敢えて行うことで身体能力を高めていたのだ。
 そのユーベルコードの名前が【ジャスティス・ペイン】である事を知ったジャスティスが豪快に笑う。
「他の連中のスピードに負けないよう進まないとな」
 自らの体力とパワーに任せ、その身で弾幕を受け止めていくジャスティス。
「避けるのは性に合わねぇぜ。弾幕だろうが、全部受け止めてやる!」
 彼は今回のチームメンバーの盾となり、階段を1段飛ばしで駆け上がる。
 命もまた少し遅れはしていたが、来ていたスーツを弾幕に破かれながらも、1段1段階段を上っていた。

 遅れる形で、弾幕をじっと見極めていた玲が動く。
 元々、この状況に心躍らせていた玲だ。彼は紙一重で空中にばら撒かれる弾を避けてみせ、スリルを味わっていた。
「うぉー!! このギリギリ感最高!!」
 弾を避ける玲が叫ぶには、『弾幕ごっことは!! 古の遊び!!』なのだとか。
「本来の『命を掛けた妖怪退治』を擬似的に再現した決闘なのだ!!」
 主に、後続の猟兵達へとドヤ顔をしながら、仁王立ちしてそう説明する。
「それはそうと、今この瞬間も弾が命中しているぜ?」
 玲がピンチなのではと、ケイが確認する。
 なお、そのケイは胸をドンと叩いてユーベルコードを発動させていて。
 【ハンズ・アップ】によって、【ダッシュ】、【ジャンプ】、【追跡】の技能を向上させて【気合い】十分な彼は、素早い動きで弾幕の隙間を移動していく。
 持ち前の【視力】と【野生の勘】で弾幕の流れを見切ったケイは、安全地帯を視認し、それを追跡しながらガンガン進んでいた。
 なお、それでも全弾回避とはいかない。
 ケイも多少のダメージは覚悟していたようで、服の下に着こんだ『薄型フィルムスーツ』と【オーラ防御】で命中する弾を堪えつつ石階段の踏破を試みていた。
 改めて、ドヤ顔していた玲だが、小さく笑って。
「ふふふっ……、問題無!!」
 玲もユーベルコードを使っており、【静かな心炎(フレアタイム)】によって、身体を炎へと変化させており、弾によるダメージを無効化していたのだ。
「無傷!! 無敵!! 俺最強!! 実質ルナティックでも、今のオレにはイージーモードだぜ!!」
 今の玲は、アドレナリン出すぎの⑨モード。⑨が何なのかは某マニュアルを見ればわかるらしいが、それはさておき。
「ガンガン進むぜ!! 待ってろBOSS!!」
 あたいったら最強ねとか言いそうな勢いで突き進む玲の後ろから、ケイが少し表情を歪めながら階段を上っていて。
「弾幕潜り抜けながらはさすがにキツい……!」
 だが、彼は諦めることなく大声を出し、自らを鼓舞する。
 それも、神社で苦しむ吸血鬼の少年の為だ。
「待ってろよ、少年。すぐに助けてやるからな!」
 その救出の為にとケイは重くなりかけた足を動かし、丘の上の目指すのである。

 他のメンバー達は弾幕の流れが薄い場所を見極めることを優先して進むことにしていたようだが、1人、独特な手段を使っていたのはアルトリウスだ。
 顕理輝光『絶理』、『刻真』を使うアルトリウスは、自らを弾丸が存在しない時間へと置く。
 なお、必要とする魔力は『超克』を使い、世界の外から汲み上げていたようだ。
「当たる物がなければ、単に弾丸が通過するだけだろう」
 事もなげに、アルトリウスは弾に当たることもなく、まっすぐ階段を上っていく。
 続くこのみは共に行動する炎の体を持つ姉このかと弾幕の突破を目指す。
 2人は『鉾先鈴』を手にし、【祈り】を込めた神楽舞を奉げる。
「演舞、奉納……霊具、顕現!」
 ユーベルコード【霊具顕現・偽身符】を使うことで、2人は偽身符――写し身を生み出す護符を呼び、階段を上っていく。
 基本的には【第六感】、【野生の勘】といった直感頼りではあるが、このみ、このかの姉妹はできる限り回避し、【オーラ防御】を使って耐え凌ぐ。
 とはいえ、順調に進むとはいかず、弾幕を避けるのが難しい袋小路に陥ったこのみは、偽身符を用いて写し身を呼び、変わり身として飛んでくる弾を浴びてもらっていた。
 その間に先へと進むこのみ達の次に、ヴィオレッタの姿があった。
 彼女もじっと弾幕の隙間を探しており、【見切った】瞬間に【第六感】で道を見つけ、石階段を上がる。
 多少、邪魔な弾に関しては【オーラ防御】で弾を食い止め、ヴィオレッタは自らの短剣『揺らぎ逸らす刃』で弾をはじいて体へと命中させないようにする。
「思ったよりも弾の数が多かったわね」
 それでも、ヴィオレッタの声は淡々としたもの。
 展開される弾幕が相手なら、彼女もユーベルコードで迎撃してみせる。
「弾幕なら引けは取らないわよ?」
 回転式拳銃『平和を作るモノ』に武器を持ち換え、ヴィオレッタは周囲へと雷の銃弾を発射し、360発もの弾幕を展開して弾幕を相殺していく。
 某弾幕ゲームだって、ボムを使えば一時的だが弾幕は消える。あの要領だ。
 その間に、ヴィオレッタは颯爽と神社まで駆け抜けていくのだった。

 弾幕は次から次へと場を支配していく。
 どこから現れるとも分からぬこの弾は、オブリビオンが呼び寄せているのは間違いない。
 清綱は止むことの無い弾幕をずっと見据えて。
「弾幕は確かに激しい。されど何処かに『穴』はある筈……」
 流れる弾幕には、パターンが存在する。
 問題はそのパターンが多く、安地と思った場所でもすぐに弾幕に満たされてしまうことなのだが……。
 それでも、薄い場所というのは必ず存在している。
 清綱はそこを【見切り】、【ダッシュ】で一気に駆け抜けていく。
「行くべき時に行かねば進めまい」
 さすがに、全ての弾を避けるのは難しい。当たると判断したら清綱はすかさず【オーラ】を展開してダメージを防ぐ。
 回避、オーラ展開と対処が遅れぬよう、清綱は常に集中を保って弾幕の嵐の中を進む。
 最後まで、麓に残っていたシルはじっと弾幕の動きを【見切り】続け、弾速、珠の隙間などの観察を続けていた。
「いくら、密度が高くても、どこかに隙はあるはずだよね」
 実際、直前までいた清綱もそれを見切って先に進んでいたのだ。
 充分に観察したと判断したシルもまた覚悟を決め、飛び込むことにする。
「風の精霊、エアリアル……。わたしに力を……」
 【高速詠唱】し、シルは風精の翼を纏って風精杖『エアリアル』を手にして。
「エアリアル、よろしくねっ!」
 一言、杖に呼びかけてから、シルは自らの身体に纏う【オーラ】に【風属性】を付与し、見定めた弾幕の薄いルートを通ることにする。
「観察した、ルートも見つけた、後は……一気に行くよっ!」
 翼を広げたシルは【空中】へと飛び上がる。
 皆、階段を登っていくのは空中が危険と判断したからだが、じっと目指すべき丘を見つめたシルは【残像】を生み出して一気に突破を目指す。
 ある程度【空中戦】が得意なら、地上よりも弾幕は避けやすい。
 少しくらいの弾なら展開する【オーラ防御】で防ぎ、シルは遅れていた状況から一気に仲間達を追っていく。
 シルが飛んでいったのを見計らい、アルトリウスもまた丘の上を目指す。
(「手こずる猟兵はいなかったようだな」)
 もし、弾幕に苦戦する者がいれば、アルトリウスは【絢爛】を起動させようと考えていた。
 彼は魔力を使い、秩序の原理を持って空間を支配できる。
 害ある弾幕を消滅させる領域を生成し、そこに危機に瀕した猟兵を招き入れて進むこともアルトリウスは想定していたのだ。
 その必要はないと判断した彼が神社の境内へとたどり着くと、傍には弾幕によって見るも無残な状態にまでスーツに穴を開けていた命の姿があって。
「あ~あ~、特注品のスーツがボロボロじゃない。この借りはしっかり返すわよ!」
 身体的にも金銭的にも軽くないダメージを受けていた命だが、涙を堪えて気のせいだと気丈に振舞う。
「ここで涙見せたら、色々と示しがつかないでしょうが!」
 このスーツが経費で落ちることを期待しつつも、命は待ち受けるオブリビオンの元へと向かっていくのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『迦陵頻伽』

POW   :    極楽飛翔
【美しい翼を広げた姿】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【誘眠音波】を放ち続ける。
SPD   :    クレイジーマスカレイド
【美しく舞いながらの格闘攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    迦陵頻伽の調べ
【破滅をもたらす美声】を披露した指定の全対象に【迦陵頻伽に従いたいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。

イラスト:yuga

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 見とれるほどに美しく、狂気の弾幕の中、小高い丘の階段を駆け上がった猟兵達はようやく神社の境内へと至る。
 境内は活動の為か弾幕は控え目で、幾分か余裕をもって立ち回ることができそうだ。
 改めて、周囲を見渡せば、古風なUDCアースの日本を感じさせる雰囲気を感じさせる。
 ただ、それらを覆いつくす弾幕がこの世界を覆いつくさんとしている。
 全てを包み込んでいく色鮮やかな弾は、やがてこの世界に住む妖怪全ての命を狂わせ、オブリビオン化させてしまうのだろう。

 それを阻止する為、社でこの事態を引き起こす元凶を止めたいところなのだが、境内には多数のオブリビオンの姿が……。
「「ふふ、ふふふ……」」
 彩り鮮やかな人鳥一体の肉体を持つそのオブリビオン達は小さく笑い、歌声を響かせ始める。
 それらは『迦陵頻伽』(かりょうびんが)と呼ばれ、体内に弱い妖怪を飲み込んだオブリビオンだ。
 元々、この近辺に住んでいた子供の妖怪など、力の弱い妖怪を取り込んだと思われる。
 残念ながら、それらの妖怪は表にはほとんど出ず、気を失ってしまっている状態。だが、上手く骸魂である迦陵頻伽だけを倒すことができれば、妖怪を助け出すことができるはずだ。
 ただ、そのオブリビオン達は抵抗し、誘眠音波に滅びの美声を発してくる。自分達に従わせたいという感情を植え付け、自我を奪ってしまう。
 従わぬ者には、美しく舞いながら格闘攻撃を叩き込み、超高速連打で相手を殴り倒すのだ。
「ここは通さぬ……」
「大人しく、我らに従うがいい……」
 妖艶で、弾幕とは違った美しさを感じさせる踊りに見とれていると、自我を奪われて下僕とさせられてしまう事だろう。
 社にいるオブリビオンの元に向かうべく、猟兵達はまずこの迦陵頻伽の群れの排除へと当たるのである。

(※今回は、6月24日朝8時30分までの予定で受付しております。その後の受付分は間に合う分のみ対応致します)
アルトリウス・セレスタイト
所詮通過点
時間を掛けてもおれんな

自身への攻撃は『絶理』『無現』で否定し影響を阻止
必要魔力は『超克』で“外”から汲み上げる

破界で掃討
目標は迦陵頻伽
それ以外は「障害」故に無視され影響皆無

高速詠唱を『刻真』で無限加速
多重詠唱を『再帰』で無限循環
天を覆う数の魔弾に『天冥』で因果改変、「着弾した状態で」斉射し全目標同時殲滅を図る

一度で足りねば『再帰』で斉射の瞬間を無限循環
殲滅まで繰り返す

まだ予定が詰まっているのでな
速やかに退場してくれ


シル・ウィンディア
相手のこのUCは厄介…
でも、そんなものに揺らいだりしないっ!
力の弱い…
子供達を狙って取り込むなんて、そんな相手に負けたりするもんかっ!

気をしっかり持つけど…
いざとなったら、腰部の精霊電磁砲で足元を連射して
爆音で相手の声を遮るよ

さ、今度はこっちから
光刃剣と精霊剣の二刀流で攻撃
【空中戦】で飛び回って【フェイント】で撹乱しつつ
【二回攻撃】で連撃だね

ヒット&アウェイを心掛けて、一撃離脱っ!
そして、違う対象にも切り込むね

さて、これだけ多いと、ねぇ…
新魔法、いくかっ!!

【多重詠唱】で術式強化して…
エレメンタル・シューター・アラウンドシフトで周りの敵を
一気に【なぎ払い】ますっ!
…さて、悪い子は頭ひやそっか?


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
まずは相手の高速攻撃を凌がないとね。
いつも通り手には拳銃と短剣で挑むわ。

第六感で相手の動きを感じ取り、制圧射撃で動きを阻害。後は見切り+武器受けで防ぐ。
攻撃を受けてしまったらオーラ防御で頑張るわね。

そして敵中でユーベルコード【蒼き刃の円舞】
「羽散らしの巨大チャクラムの出番よ」
なるべく味方のいない所で発動させて、レベル72m半径内に3連続攻撃を仕掛けるわね。


雨音・玲
おぃおぃ
折角の弾幕ごっこなんだ
楽しい時間に水を刺すんじゃねぇよ

美しい舞から繰り出される攻撃に、ヒューっと口笛を吹きつつ
独特な舞の特徴と周囲の状況を
武器受けで攻撃を捌きながら、情報収集で逐一事細かに集めます

なるほどな…
もう十分だ、ここからは俺の時間だ!!

バックステップで距離を開け、クレイジーマスカレイドを誘い
自身と少し離れた他の『迦陵頻伽』を瞬時に入れ替え
同士討ち狙い
作った隙を突いて
右手に出現させたリミッターを解除した属性攻撃の業火を弾幕にして
2体に向けて打ち出します

まぁすべて当たるとは思わねぇけどな

次手で、避けられた弾幕と自分の位置を入れ替え
背後から炎拳でぶん殴り止めを刺します


愛善・命
「いや〜……ユーベルコードって凄いわよね。文字通り何でもありだもの」
 感動、驚愕、呆れ……複雑な感情を抱きつつ、その身を憧れの巨人へと変える。デザインやら名称やら大分闇寄りなのは本家光の戦士に対する引け目と闇と光が合わさり最強に見える的なサムシングの賜物、らしい。
「かつて、ある大魔王は言った。『力ほど純粋で単純で美しい法は無い』と。私が光に見えるか闇に見えるかなんて力の前には些細な問題よ、ただ私の正義のために蹂躙させてもらうわ!」
 変身から戦闘開始まではしっかり語り、始まったらベラベラ喋らない! あとは気合の叫びのみで正義のヒーロー(多分)として暴れるわ!
『セヤッ!』
『シャオラァ!』


ジャスティス・ボトムズ
アドリブ歓迎
共闘歓迎

飛んでる敵は叩き落とすぜ!
怪力で掴んで地面に叩きつけてやる。
敵の放つ怪しい音波なんて無視だぜ。
敵である以上は理屈はいらねえ。
シンプルに叩き潰す。
それ以外の選択肢なんて初めから持ち合わせてねえからよ。
目の前に敵がいるんだ。
ヒーローのすることは決まりきってるよな。
ありったけのパワーで敵を叩き潰す!
俺の正義はいつだって揺らがねえぜ。
敵を倒せば救われるヤツがいるんだろ?
俺にはそれだけで敵を叩き潰すには十分すぎる理由になるぜ。
救出がかかってる戦いなら速攻で終わらせる。
助けを待っているヤツはこの瞬間も苦しんでるかもしれないからよ。
UCを使ってさっさと終わらせてやる。
すぐに終わらせるぜ!


織座・このみ
●心情
では、まずは取り込まれてる子らを助けないとですねぇ


●行動
ユーベルコード:霊具顕現・破魔矢
を使いますよぅ

姉様と二人で鉾先鈴を手に
【祈り】を込めた神楽舞を奉げましてぇ
そうして顕しました大量の破魔矢を一度に撃ち出しますねぇ

目には目を、ではありませんがぁ、こちらも弾幕ということでぇ


舞いながらも姉様と二人で周囲を警戒しまして
なるべく近づかれる前に仕留めたいですがぁ
見落としたのは【野生の感】【第六感】で舞いながらも避けますよぅ
避けきれないようでしたら【オーラ防御】で防ぎますねぇ


※内心・思考の口調は、プレイング記述の話し言葉と違い、訛り気味
人前では狐面外さない
協力、アドリブ歓迎


愛久山・清綱
あれが、骸魂に呑まれた妖怪でござるか……
だが、彼等を蝕む骸魂のみを討てば取り込まれた
妖怪を救うことができる……

承知した。我々が必ずお助けしよう!

■闘
先ずは、奴等の声から逃れねばならぬな……
響き渡る声を【狂気耐性】で聞き逃しつつ、敵が密集している
場所に【ダッシュ】で目指すぞ。
多少耳が痛くなるだろうが、そこは我慢しよう。

敵の集団に潜り込んだら、俺の新技をお見せしよう。
居合の構えを取り【早業】の抜刀から【空薙・舞】を放ち、
【破魔】の力を宿した踊り舞う斬撃波で【範囲攻撃】を
仕掛け、骸魂を引き剥がしを試みるのだ。

うまく助けられたらすぐ駆け寄り、怪我がないか確認するぞ。

※アドリブ・連携歓迎




 美しい弾幕飛び交うカクリヨファンタズムのとある丘。
 長い階段を登り切った猟兵達は頂上にある神社の境内へと至る。
 弾幕を展開する元凶を叩くべく、メンバー達は社を目指すのだが……。
「「ふふ、ふふふ……」」
 境内で待っていたのは、多数のオブリビオン。
 非常に鮮やかな翼を持つ『迦陵頻伽』達は、ここは通すまいと言わんばかりに立ちはだかる。
「おぃおぃ、折角の弾幕ごっこなんだ。楽しい時間に水を刺すんじゃねぇよ」
 裏の世界でカラスというとおり名を持つ雨音・玲(路地裏のカラス・f16697)は、まるでゲームを思わせる弾幕地帯を楽しそうに潜り抜けてきた。
 それだけに、目の前のオブリビオンの方が弾幕以上に障害と映ったようである。
 実際、猟兵達の出方を窺う迦陵頻伽は幾つかのパターンに分かれ、排除する構えだ。
 華麗なる舞いを踊る敵は素早さを活かし、高速連続攻撃……【クレイジーマスカレイド】を仕掛けてくるという。
 それらには、少女の仮初の姿を持つヤドリガミ、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)が対する。
「まずは相手の高速攻撃を凌がないとね」
 彼女はいつも通り、拳銃と短剣を使い分けて敵に挑む。
「「あ、ああーー♪」」
 別の迦陵頻伽らは瞳を閉じ、発声練習などしていて。
 【迦陵頻伽の調べ】は、自分達に従いたいという気持ちを植え付けるとの情報が猟兵達には事前に知らされている。
「相手のこのユーベルコードは厄介……」
 それに、青髪のエルフ少女、シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)は小さく言葉を漏らしてから、拳を握って。
「でも、そんなものに揺らいだりしないっ!」
「所詮、通過点。時間を掛けてもおれんな」
 世界が構成される前の法則『原理』を使う異能者であるアルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)は歌など気にも留めず、手早く敵を倒す心づもりのようだ。
「敵である以上は理屈はいらねえ」
 正義のヒーローたらんと今回の1件に当たるジャスティス・ボトムズ(正義の執行者・f22965)の考えは実に単純明快だ。
「シンプルに叩き潰す。それ以外の選択肢なんて初めから持ち合わせてねえからよ」
 【極楽飛翔】を使う敵は翼を広げて飛翔し、催眠音波を放つ構えを見せている。
 ただ、ジャスティスは全く意にも介さずに力の限り拳を叩き落とす構えだ。
 また、迦陵頻伽に対して思うことのある猟兵もいて。
「あれが、骸魂に呑まれた妖怪でござるか……」
 複数種の鳥獣の特徴を持ち、妖怪とも感じさせる容姿をした愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)が戦うべき相手を見据えて小さく唸る。
 迦陵頻伽達は、体内に子供や力の弱い妖怪を取り込んでいるという。
「だが、彼等を蝕む骸魂のみを討てば、取り込まれた妖怪を救うことができる……」
「では、まずは取り込まれてる子らを助けないとですねぇ」
 清綱の言葉を受け、狐面を被った和装の少女、織座・このみ(半身は焔となりて傍らに・f04890)も妖怪の救出の為、全身を炎と化した姉のこのかと共に迦陵頻伽の群れに立ち向かう。
「力の弱い……」
 そこで、シルが言葉を詰まらせつつ、怒りを露わにして。
「子供達を狙って取り込むなんて、そんな相手に負けたりするもんかっ!」
「うむ、我々が必ずお助けしよう!」
 シルに同意した清綱が敵陣へと飛び込んでいく。
「いや~……、ユーベルコードって凄いわよね。文字通り何でもありだもの」
 次々にオブリビオンに向かっていく仲間達を見ながら、ヒーローを志すマスクを被ったデザイナー女性、愛善・命(愛と善意に命を懸ける・f08411)が暢気な声を上げる。
 しかし、命は自身の内に感動、驚愕、呆れといった様々な感情を抱きつつ、変身の為のポーズをとるのである。


 戦いの邪魔にこそあまりならないが、丘の周囲で煌めく弾幕はこの世界に広がり続けている。
 それに合わせるかのように、迦陵頻伽達の声も響き続けて。
「先ずは、奴等の声から逃れねばならぬな……」
 清綱は響き渡る声を【狂気耐性】をもって聞き逃すようにするが、耳が多少痛くなるのは我慢して敵が密集する場所を【ダッシュ】で目指す。
「気をしっかり持つけど……」
 シルは気を強く持ってその歌に耐えようとする。
 だが、思った以上に相手の美声の力が強く、引き付けられそうになってしまう。
「こうなったら……」
 シルは自らの心が迦陵頻伽に屈してしまう前に、腰部の精霊電磁砲『エレメンタル・レールキャノン』を足元へと連射し、爆音で相手の歌声を遮り、自我を保っていた。
 アルトリウスはというと、『超克』によって必要魔力を外の世界から汲み上げ、淡く青い光を纏う。
 そして、『絶理』、『無現』によって自らに及ばんとする歌声を否定し、悪影響を阻止していた。
「さ、今度はこっちから」
 シルは両手に光刃剣『エレメンティア』と『精霊剣・六源和導』を握り、二刀流で仕掛ける。
 【空中】へと飛び上がったシルは翼を羽ばたかせて舞う敵を【フェイント】で撹乱しつつ、両手の刃で【2回攻撃】して切りつけていく。
「ヒット&アウェイ!」
 歌声を聴いてしまわぬよう一撃離脱し、シルは次なる対象へと切りこんでいく。
「飛んでる敵は叩き落とすぜ!」
 翼を広げて飛ぶ敵には黄金のオーラを覆うジャスティスも迎撃に当たっており、桁違いの【怪力】で地面へと迦陵頻伽を叩きつけていく。
 それで果てていく敵を気にかけることなく、ジャスティスは次なる敵を掴みにかかる。
「目の前に敵がいるんだ。ヒーローのすることは決まりきってるよな」
 ジャスティスの強固な信念は、身に纏う黄金のオーラの効果をより強いものとする。
 誘眠音波など完全に無視する彼は、ありったけのパワーを敵にぶつける。
「俺の正義はいつだって揺らがねえぜ」
 すぐに終わらせようと、ジャスティスは握った迦陵頻伽の体をまたも地面へと叩き潰していた。
 その間、命の独り語りは続く。
「……かつて、ある大魔王は言った。『力ほど純粋で単純で美しい法は無い』と」
 語る彼女の身体は徐々に、自身の憧れている巨人へと変貌していく。
「私が光に見えるか闇に見えるかなんて、力の前には些細な問題よ」
 ややその身体が黒ずんだように見えるのは、本家である光の戦士に対する引け目と闇と光が合わさって最強に見えるサムシングの賜物……らしい。
「ただ私の正義のために蹂躙させてもらうわ!」
 変身完了はもうすぐ。
 命はそれまで語りながら、倒すべき敵を見据えていた。
「「ふふふ、ふふふふふ……」」
 迦陵頻伽の群れは翼を舞わせて楽しそうに踊り、ずっと見ていたいという気分にすらさせてしまう。
「ヒュー」
 玲はその動きに、口笛を吹いてみせる。
 どこか狂気を感じさせる舞いから、迦陵頻伽は超高速で格闘戦を仕掛けてくるのだ。
「なるべく近づかれる前に仕留めたいですがぁ」
 鉾先鈴を手にしたこのみ、このかもまた【祈り】を込めて舞を踊る。
「演舞、奉納……霊具、顕現!」
 神楽舞を捧げながらも、このみは姉このかと2人で周囲の警戒を怠らない。
 【野生の感】、【第六感】を使い、彼女達は舞いながら敵の攻撃の回避にも当たっていた。
 ヴィオレッタは【第六感】で相手の動きを感じ取り、拳銃『平和を作るモノ』を連射して【制圧射撃】を行う。
 迦陵頻伽の動きを止めようとするものの、その全ての動きが止められるわけではない。
 一度攻撃を開始すれば、迦陵頻伽は超高速連打を見舞おうとしてくる。
 ある程度はヴィオレッタも【見切り】、【短剣『揺らぎ逸らす刃』で受け止める】が、数が多いうちは挟まれて回避できぬこともあり、【オーラ防御】を展開して凌ぐこともあったようだ。
 玲もまた自らの【武器受け】技能を駆使して『チープウェポン』や『レガリアスシューズ』で敵の激しい攻撃を捌く。
「なるほどな……」
 敵の舞の特徴と周囲の状況について、彼は逐一、事細かに【情報を集めていた】。
「もう十分だ、ここからは俺の時間だ!!」
 頃合いを見た玲はバックステップで迦陵頻伽達との距離を開け、改めて敵の【クレイジーマスカレイド】を誘う。
 相手は当然ながら玲を狙ってユーベルコードを使い、超高速殴打を仕掛けてくるのだが、彼はそこで自分と少し離れた他の『迦陵頻伽』を瞬時に入れ替えてしまう。
「「…………!?」」
 その2体は同士討ちする形となり、片方が殴打されてボロボロになっていく。
 玲はその2体目がけ、【火属性】を【リミッター解除】させた業火を弾幕として撃ち出していく。
 仲間に殴打された1体は全身を炎上させていたのだが、もう1体は身体を焦がしながらもその場から飛び退いてしまう。
「まぁ、すべて当たるとは思わねぇけどな」
 だが、それは玲の予想通り。避けられた弾幕と自らの位置を入れ替えた彼は敵の背後から炎の拳を叩き込み、そいつを仕留めてみせた。


 依然として残る迦陵頻伽は多く、猟兵達も一気に突破をはかる。
「さて、これだけ多いと、ねぇ……新魔法、いくかっ!!」
 先に【多重詠唱】で術式強化したシルは、用意してきたユーベルコードを展開し始める。
「……さて、悪い子は頭ひやそっか?」
 幾何学模様を描いて複雑に飛翔する複数属性を持つ無数の魔力弾となって。
「精霊達よ、我が声に集いて、全てを撃ち抜きし光となれっ!」
 シルは一気に敵陣を【なぎ払い】、敵の数を減らしていく。
「俺も新技をお見せしよう」
 居合の構えを取った清綱は【早業】の抜刀から、斬撃波を発していく。
 それは【破魔】の力を宿して踊り舞い、【広範囲】に散開する迦陵頻伽から骸魂の引き剥がしを試みていた。
 ほぼ同タイミング、敵陣で囲まれる形となっていたヴィオレッタ。
 近場には仲間もおらず絶体絶命かと思いきや、ヴィオレッタは青金剛石のチャクラムを取り出す。
「羽散らしの巨大チャクラムの出番よ」
 チャクラムはヴィオレッタの呼びかけを受けて巨大化し、自らの周囲にいる敵を纏めて3連続でなぎ払う。
 飛び退いて躱した敵はいたようだが、それでもかなりの数が減ったことを確認し、ヴィオレッタは小さく頷いていた。
 飛び退いた迦陵頻伽の背後には、このみ、このかの姿。
 すかさず、格闘攻撃を行ってきたことで、このみは【オーラ防御】を展開しつつもさらに姉と共に祈りを捧げる。
 それに応えて現れた大量の破魔矢を、このみは一度に敵陣へと撃ち出していく。
「目には目を、ではありませんがぁ、こちらも弾幕ということでぇ」
 それらに体を射抜かれ、迦陵頻伽は次々に地へと落ちていく。
 アルトリウスもまた多数いる敵の掃討にと、『原理』を使う。
「目標は迦陵頻伽のみ。それ以外の一切は障害とみなす」
 『刻真』によって【高速詠唱】を無限加速し、『再帰』によって【多重詠唱】を無限循環。
 そうして、アルトリウスは天を覆う程の魔弾を生み出す。
 彼の原理によって、魔弾は仲間も丘にある物品も周囲に広がる弾幕すら透過する。
 また、魔弾は『天冥』によって因果改変され、「着弾した状態で」斉射し、全ての迦陵頻伽の同時殲滅をはかる。
 しかし、しぶとくその魔弾から逃れる敵もいて。
『セヤッ!』
 気合いの叫びを上げるのは、巨人へと姿を変えた命。
 暴れ始めた命は正義のヒーローとして敵を1体たりとも逃さず、叩きのめしていく。
『シャオラァ!』
 勢い任せに繰り出された命の拳が、蹴りが命中した迦陵頻伽はぺしゃんこに潰れてしまう。
「敵を倒せば、救われるヤツがいるんだろ?」
 そこで、ジャスティスが独り言のように確認する。
 社にいるオブリビオンを倒せば、弾幕が無くなるはずなので、この世界の人々が救われるし、取り込まれた妖怪もまた救い出せるはずだ。
 ジャスティスにとってはそれだけでこの場のオブリビオンを叩き潰すには十分な理由となる。
「助けを待っているヤツはこの瞬間も苦しんでるかもしれないからよ」
 誰かの救出がかかっているのであれば速攻で終わらせようと、彼はオーラを纏わせた拳で迦陵頻伽を殴りつけて倒していく。
 残りが少なくなっても、アルトリウスの魔弾が『再帰』によって斉射の瞬間を無限循環し、敵の殲滅まで繰り返す。
「まだ予定が詰まっているのでな。速やかに退場してくれ」
 アルトリウスの言葉の直後、周囲に響いていた歌が完全に止む。
 完全に迦陵頻伽を殲滅させた中から、清綱は助け出すことができた子供の妖怪や力の弱い妖怪を見つけ、駆け寄っていく。
 まだ、意識は戻っていないが、妖怪達は皆、外傷はなく呼吸もある。
 その様子に清綱は安堵しながらも、この事態を引き起こした元凶を倒すべく、仲間と共に社へと向かっていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ムカデヴァンパイア』

POW   :    ネバーエンドヴァンパイア
無敵の【大人になった自分】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD   :    ミカミヤマセンチピード
自身の身長の2倍の【堅固な外皮を持つ大ムカデ】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    毒百足旋風
【嫌悪感】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【絡み合うムカデの群れ】から、高命中力の【猛毒大ムカデ】を飛ばす。

イラスト:綾智

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 カクリヨファンタズムのとある丘。
 その神社の社には1人の妖怪……吸血鬼の少年がいた。
「ああっ、ああああああっ!!」
 自分の中へと入ってくる力を少年は抑えきれずにおり、内なる衝動のままに力を放出してしまっている。
 それがこの丘の周囲から弾幕の嵐を生み出し、この世界を狂気に包み込もうとしているのだ。
「いやだ、いやだっ……!」
 少年の体の中には「ムカデ王」の骸魂が入り込み、少年を飲み込もうとしていた。
 その身体から多数の百足が姿を現しており、強制的に残虐性を高められた少年は自我をなくしかけている。
「ダメだ、おさえ、られない……!」
 彼の身体に入り込んだ魂魄は少年の体を造り変え、ムカデヴァンパイアと化してしまう。
 広域に弾幕を張り巡らせていたオブリビオンとしての力とは別に、ムカデヴァンパイアとなり果てた少年は自らの内に入り込んできた大ムカデの力を使い、この世界を破壊する為に社から外……境内へと歩き出す。

 ようやく、この異常事態を引き起こす元凶と対面した猟兵達。
 ここに至るまでに障害となっていた弾幕と迦陵頻伽の美しさに対して、ムカデヴァンパイアの姿はあまりにも醜く、嫌悪感すら抱かせる。
「ダ、ダメだ、ぼくを、見たら……!」
 猟兵の姿を認めた少年は本人が望まないにもかかわらず、ユーベルコードを使おうとする。嫌悪感を抱いた相手に猛毒大ムカデを飛ばすことができる【毒百足旋風】。少年はこれを使い、人を傷つけることを恐れているのだろう。
 もはや、少年に体の主導権はない。
「ああっ、ああああっ……!!」
 一方で、身体は内なる吸血鬼の残虐性が暴走しているような状態となり、無意識に力を開放してしまう。
 ムカデヴァンパイアは【毒百足旋風】の他にも、自身の2倍の体長を持つ大百足を呼び出して騎乗し、生命力を共有して力を高める【ミカミヤマセンチピード】、無敵の大人になった自分を創造して戦わせることができる【ネバーエンドヴァンパイア】を使用できる。
 オブリビオンとなり果てた少年にそれらの制御はできず、もうどうすることもできない。
 そんな少年を前にした猟兵達は、様々な想いを抱いて彼を止めるべく戦闘態勢に入る。
 オブリビオンとしての少年……ムカデヴァンパイアを倒すことで大ムカデの魂魄のみ撃破し、吸血鬼の少年を救い出すことができる。
 同時に、丘から世界へと広がる弾幕も消え、狂気の世界となったカクリヨファンタズムも元の穏やかさな光景を取り戻すはずだ。
「ダメだよ、ぼくに近づかないで……!!」
 猟兵達に自分から離れるように促す少年。
 しかし、その身体は猟兵達に破壊をもたらすべく、ユーベルコードを使ってくるのである。

(※今回は、6月27日朝8時30分までの予定で受付しております。その後の受付分は間に合う分のみ対応致します)
アルトリウス・セレスタイト
踏み止まる余地ありということだったな
ならばそう進めようか

受ける攻撃は『絶理』『刻真』で自身を異なる時間へ置き影響を回避
此方の行動は目標が存在する時間へ向け実行
必要魔力は『超克』で“外”から汲み上げる

絢爛を起動
起点は目の前の空気
拒絶の原理を以て戦域の空間を支配
骸魂の力と存在を根底から拒絶し消去する

お前の在る場ではない
早々に退場するが良い
無理矢理振るわせた力も寄る辺を失えば静まる
「戻れる」ものがこれで害されることはない
消えるべきが消えれば元の鞘に収まるだろう

※アドリブ歓迎


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「ちょっと虫は得意じゃないのよね…」

ということで少し距離を取るわ。
大ムカデは他の皆にお任せしつつ、境内の建造物を盾にしてまずは「目立たない」ようにして「迷彩」も駆使して隠れる。

そして集中の時間を稼いだらユーベルコード【千里眼射ち】
弓【射貫き打ち抜く鋒矢】でスナイパー+誘導弾も併せて攻撃よ。
「その邪魔なムカデを撃ちぬいてあげる!」

終わった後は医術で少年を治療しましょう。
「もう大丈夫よ」


エウトティア・ナトゥア
アドリブ・連携歓迎

おっと、またオブリビオンが悪さをしているようじゃな。
まったく彼奴等はどこの世界に行っても湧いて出て来おるのう。
この骸魂は百足の化生の類か、蟲に集られるのはぞっとせぬな。
これ小僧気をしっかり持たぬか、今助けてやるでなもう少し待つがよい。

さて、まずはあの大きなムカデを押さえるとするか。
【巨狼マニトゥ】に【騎乗】、互いの戦闘力を強化し精霊の力で双方を癒しながら攻撃じゃ。
マニトゥ離すでないぞ、そのまま大ムカデの頭部を押さえつけよ。
マニトゥが大ムカデを押さえている隙に、【厄除けの護符】の力を借りて【属性攻撃】【浄化】の力を宿した矢で近接射撃を行い骸魂を祓うのじゃ。


愛善・命
まずは少年に諭すように語り掛ける。「少年、今私達に向ける言葉は『近づかないで』ではないよ。私達は弾幕を突き抜け、迦陵頻伽の群れを薙ぎ払った……それが現実なんだから、素直に助けを求めればいい。それだけで『無敵』なんて言葉がいかに陳腐な幻想か理解できるよ」
そう言って助けを求める【勇気】を促しつつ変身。
「かつて、ではなく今も使われ続ける魔法の言葉を聞かせてあげよう。『もう大丈夫だ。私が……いや『私達が』来た』!」
 そんな絶対的な自信で【ネバーエンドヴァンパイア】を崩すべく揺さぶりをかけつつ、変身後の巨躯を生かして【ミカミヤマセンチピード】の大百足を【2回攻撃】で迎撃。あとは勇気と気合と根性の問題よ!


雨音・玲
【SPD・共闘・アドリブ大歓迎】
楽しい弾幕ごっこもクライマックス

なるほど大ムカデか
助けを求めてる相手を無視出来ねぇ性分なんでな
助けるぞ!!

凄まじい勢いで堅固な外皮を持つ大ムカデに騎乗して
迫る姿を、特に嫌悪感も抱かずに冷静に観察しつつ

選択UCを「限界突破」「高速詠唱」「先制攻撃」で展開
「範囲攻撃」で効果範囲を拡大し解放

「貫通攻撃」「鎧砕き」「鎧無視攻撃」を載せた
下方向へ強制的に圧し潰す
身動きが取れなくなるほどの強力な魔力操作による攻撃は
地面を割り、強固な外殻を砕きながらその場に縫い付けます

動けなくすればデカい的だからな
俺はこの状況を維持する
後は頼むぜみんな


織座・このみ
●心情
あとはあの子だけですねぇ
それでは、ムカデ退治とまいりましょぉ


●行動
ユーベルコード:霊具顕現・八幡弓
を使いますねぇ

姉様と二人で鉾先鈴を手に
【祈り】を込めた神楽舞を奉げてまして
八幡神への【祈り】の籠った霊弓を呼び出しますよぅ

三上の御山を七巻きする大百足すら射ち倒した霊弓を手にして、
毒百足程度を恐れるわけにはいかないですねぇ

それでも何かしらの攻撃が来るようでしたら【オーラ防御】で防ぎつつ、
【第六感】【野生の勘】も働かせて狙いをつけて
【破魔】の力を込めたムカデ殺しの矢を放ちますよぅ



※内心・思考の口調は、プレイング記述の話し言葉と違い、訛り気味
人前では狐面外さない
協力、アドリブ歓迎


愛久山・清綱
案ずるな、我々は貴方を助けに来た猟兵だ。
少々痛いやもしれぬが、今は少々我慢しておくれよ。
拙者、愛久山清綱……荒ぶる骸魂、断ち斬らん。
■闘
巨大な百足に跨るのなら、此方は【空中戦】を挑む。
縦横無尽に動くことで、相手に狙いを定めさせないようにしよう。
百足の動きを注視しつつ、仕掛けてくる瞬間を【野生の勘】で
予測しつつ攻撃を【見切り】つつ安全な場所へ逃れる。
常に隙ができる瞬間を伺い続けるのだ。

隙が見えたら、敵の懐まで空中【ダッシュ】で接近。
『心切』に【破魔】の力を込め、【早業】の抜刀から【奇刀】を
放ち、彼の身体を蝕む骸魂を【浄化】しよう。

仲間達が、貴方の帰りを待っているぞ。

※アドリブ歓迎・不採用可




 神社の境内を進む前に、社から出てきた少年。
 ムカデバンパイアは背中から多数生やすムカデをけしかけ、こちらを威嚇させてきていた。
 彼こそが周囲に美しくも狂気の弾幕で世界を覆わんとしている元凶のオブリビオンである。
「あとはあの子だけですねぇ」
 狐面を被った狐の尻尾を生やす少女、織座・このみ(半身は焔となりて傍らに・f04890)が倒すべき敵を見据える。
「楽しい弾幕ごっこもクライマックス。なるほど、大ムカデか」
 ここまで、依頼と合わせて弾幕攻略に興じていたポニーテールにした黒髪、黒いジャージの少年、雨音・玲(路地裏のカラス・f16697)が意気揚々と身構える。
「ちょっと虫は得意じゃないのよね……」
 その一方で、希望の宝珠のヤドリガミ、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は少し討伐対象から距離を置いていたようだ。
「おっと、またオブリビオンが悪さをしているようじゃな」
 さらに、この場から参戦、金髪猫耳巫女姫、エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)が参戦する。
「この骸魂は百足の化生の類か、蟲に集られるのはぞっとせぬな」
 どの世界に行っても湧いてくるオブリビオンに呆れを見せてから、改めて今回の相手を注視する。
「ダメだよ、ぼくを、見たら……。ぼくに近づかないで……!!」
 なんとか、内から湧き上がる力に抗おうとする吸血鬼の少年が醜くなった自分を見ないように。そして、離れるように猟兵達へと促す。
 強すぎる「ムカデ王」の骸魂の力がこの世界の全てを破壊しようとしており、力を制御できない少年は苦しんでいる。
「少年、今私達に向ける言葉は『近づかないで』ではないよ」
 先程の戦闘の後、元の姿へと戻った愛善・命(愛と善意に命を懸ける・f08411)が諭すように呼び掛ける。
 ヒーローマスクを被った女性の姿をした命は、自分達が弾幕の嵐を突き抜け、迦陵頻伽の群れを薙ぎ払ってきたことを指摘して。
「……それが現実なんだから、素直に助けを求めればいい」
 命は先んじて、ムカデヴァンパイアが使う【ネバーエンドヴァンパイア】の対策もあって説得を行う。
 そのユーベルコードは、無意識に大人になった自身を創造し、戦闘に利用するというもの。強力ではあるものの、能力に疑念を感じると弱体化してしまう為、命は相手の弱体化を図って呼びかける。
「それだけで、『無敵』なんて言葉がいかに陳腐な幻想か理解できるよ」
 少年へと自分達に助けを求める【勇気】を促しつつ、命は彼を止めるべく再び巨人へと変身していく。
「ああっ、ああああああっ!!」
 そこで、少年はムカデヴァンパイアが猟兵に敵意を抱いたことで一際大きく叫ぶ。
「これ小僧、気をしっかり持たぬか。今助けてやるでな、もう少し待つがよい」
 エウトティアの呼びかけに続いて長身のキマイラ少年、愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)もまた少年に声をかけて。
「案ずるな、我々は貴方を助けに来た猟兵だ。少々痛いやもしれぬが、今は少々我慢しておくれよ」
 吸血鬼の少年に反応はないが、彼が本心から世界の破壊を望んでいないのは明らかだ。
「助けを求めてる相手を無視出来ねぇ性分なんでな。助けるぞ!!」
「踏み止まる余地ありということだったな。ならばそう進めようか」
 玲がこの場の猟兵達に呼びかけると、冷静沈着な銀髪、色白な肌の青年、アルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)が同意して動き始める。
「それでは、ムカデ退治とまいりましょぉ」
 このみの言葉に応じ、傍の炎の体を持つ姉このかも共にユーベルコードの構えを取る。
「拙者、愛久山清綱……荒ぶる骸魂、断ち斬らん」
 ムカデヴァンパイアとなった少年を苦しめる「ムカデ王」の骸魂を切り裂く為、刀に手をかけるのである。


 狂気の弾幕は留まるところを知らず。
 周囲の山村までも弾幕は広がり、それらに見とれる人々の周囲にも新たな骸魂が現れる兆候が出始めていた。
 丘の上の神社、境内では、新たな戦いが勃発していて。
「ああ、うあああああっ!!」
 一際大声を上げた少年の身体から、巨大なムカデ【ミカミヤマセンチピード】が姿を現す。
 ムカデヴァンパイアは堅固な外皮を持つその大ムカデに跨り、猟兵達へと食らいついてくる。
 それならと清綱は猛禽の翼を広げ、飛び上がっていく。
 ただ、空中に飛び上がれば、ムカデヴァンパイアが虚空より発生させた弾幕が少なからず邪魔をして来る一方で、発した本人に傷を与えることは一切ない。
 状況的にはかなり厳しいが、清綱は持ち前の【空中戦】技能を活かして縦横無尽に飛び回り、ムカデヴァンパイアに狙いを定めさせぬようにする。
「あああっ、ああああああ!!」
 体が力を使うごとに、少年は精神をすり減らす。
 空中を飛び、大きく口を開いて食らいついてくる無数のムカデ。
 清綱は【野生の勘】でそれらの動きを予測して攻撃を【見切り】、安全な場所へと逃れながら相手に隙ができる瞬間を窺う。
「まずはあの大ムカデを抑えるとするか」
 その間に、エウトティアは『巨狼マニトゥ』へと【騎乗】し、【人狼一体】となって互いの戦闘力を強化する。
 精霊を操るエウトティアはムカデの食らいつきによるダメージを癒しつつ、マニトゥで逆にその巨体を抑えにかかる。
「マニトゥ離すでないぞ、そのまま大ムカデの頭部を押さえつけよ」
 その間に、ヴィオレッタは大ムカデの対処を仲間達へと任せ、向かった社を盾にし、【目立たない】ように【迷彩】を使って隠れ、集中の為の時間を稼ぐ。
 玲もまたこの場はあまり動かず、ムカデが蠢く様に嫌悪感を抱かぬよう冷静に敵の様子を観察し、ユーベルコードで押さえつける絶好のチャンスをじっと待っていた。
 なお、大ムカデを抑えることはできていたが、ムカデヴァンパイアは背のムカデの群れから、猛毒大ムカデを呼び出して。
「ダメだ、ボクを見るから……!」
 多数のムカデと一体化してしまった妖怪の少年。
 自らの姿があまりに醜くなってしまったからこそ、嫌悪感を抱いてしまわぬようにと彼はやってきた猟兵達へと呼びかけていたのだ。
 ムカデのその姿に、猟兵達も全く嫌悪感を抱かぬというわけにもいかない。
 メンバー達へと放たれてくる猛毒大ムカデに、世界が構成される前の法則『原理』を行使できるアルトリウスが対する。
 彼は世の理から術者を切り離す『絶理』と世界の底に揺蕩い万象を包む『刻真』を使い、自らを異なる時間軸においてその影響を回避してしまう。
 かなりの魔力を必要とするが、それは尽きぬ力を生み出す『超克』で世界の「外」から汲み上げて補填するアルトリウスは、目標……ムカデヴァンパイアが存在する時間に向け、別の原理を起動させようと準備する。
 このみも、姉このかと共に、周囲を飛び回る毒大ムカデの対処に当たっていた。
「演舞、奉納……霊具、顕現!」
 2人は『鉾先鈴』を手にして【祈り】を込めた神楽舞を奉げると、八幡神への【祈り】の籠った霊弓を呼び出す。
 それは、三上の御山を七巻きする大百足すら射ち倒した霊弓。
「毒百足程度を恐れるわけにはいかないですねぇ」
 このみ、このかは【オーラ防御】を展開して毒大ムカデの接近を食い止めつつ、矢を射放つタイミングを見計らう。
「ああっ……まだ、力が……!」
 少年の意思に反し、ムカデヴァンパイアが少年の大人になった姿を【ネバーエンドヴァンパイア】で創造し、向かわせてくる。
 大人の吸血鬼となったその姿はムカデヴァンパイアの意思に従っており、格闘戦だけでなく血を吸うべく牙を突き立てようとしてきた。
 ただ、命は序盤から少年に声をかけ続けていて。
「かつて、ではなく今も使われ続ける魔法の言葉を聞かせてあげよう。『もう大丈夫だ。私が……いや『私達が』来た』!」
 絶対的な自信を見せる命は、少年に揺さぶりをかける。
「ううっ、うううっ……」
 そこで、少年のうめき声が明らかに変わった。
 堅い外皮の大ムカデ、毒大ムカデ、そして大人となった少年。
 猟兵達はそれらを皆抑えた状態で、ムカデヴァンパイアへと攻勢へと打って出るのである。


 ムカデヴァンパイアへと変貌してしまった少年は抑えられぬ力に対抗できず、このままオブリビオンになるのだろうなと心のどこかで考えていたらしい。
 ただ、こうして自分に……正確には、「ムカデ王」の骸魂だろうが、立ち向かってくる猟兵達に、少年は少しずつ救いを求める気持ちをさらけ出して。
「ううぅ、た、たす、けて……」
 自分の強さが完全でないとわかり、大人の姿の自分が弱体化するのが吸血鬼の少年にもわかる。
 だからこそ、強さに勝るかもしれない猟兵達に助けを請うたのだろう。
 依然として、ムカデの攻勢は激しいが、玲はそのタイミング、【限界突破】、【高速詠唱】、【先制攻撃】で内なる魔力を限界まで高めて。
「取り合えず、お前ら動くなー」
 【広範囲】へと展開する魔力は強制的に下方向へと圧しつけ、大人の姿をした吸血鬼をぺしゃんこに潰してしまう。
 さらに、魔力は地面を割り、大ムカデの堅固な外皮を砕きながらその場へと縫い付けていく。
「動けなくすれば、デカい的だからな」
 この場は自身が維持する。後は頼んだぜと彼は視線で仲間達へと促す。
 すると、変身を完了して光の巨人となった命が大ムカデの体を左腕の赤い光の剣で【連続】して切りかかる。
「あとは勇気と気合と根性の問題よ!」
 そこで、社に隠れていたヴィオレッタが姿をさらし、合成弓『【射貫き打ち抜く鋒矢】』を手に取って。
「その邪魔なムカデを撃ちぬいてあげる!」
 【千里眼射ち】も併用し、ヴィオレッタはムカデヴァンパイアが跨る大ムカデを【スナイパー】技能でしっかりと狙い、【誘導弾】性能を持つ矢で射抜いてみせた。
 続き、このみも【第六感】【野生の勘】も働かせ、【八幡弓】で狙いをつける。
「ムカデ殺しの矢……行きますよぅ」
 姉このかが頷いたことを受け、このみはその矢を放ち、猛毒大ムカデを射抜いてみせた。
 さらに、エウトティアは玲が敵抑えつけたことを受け、マニトゥを下げさせ、【厄除けの護符】の力を借りる。
 【属性攻撃】【浄化】の力を宿した矢で彼女は近場から直接矢を撃ち込み、骸魂を祓おうとする。
「う……」
 少年の叫びが止まる。暴走する力がかなり収まってきているのだろう。
 だが、「ムカデ王」の骸魂の力が完全に消えたわけではない。
 清綱とアルトリウスがその浄化、根絶を狙い、同時に仕掛ける。
 空中【ダッシュ】で相手の懐まで接近した清綱は『心切』に【破魔】の力を込めて。
「動けぬ体で此の太刀、避けられまい」
 目にも止まらぬ【早業】の抜刀斬りによって、清綱は少年の体を救う骸魂の【浄化】をはかる。
「仲間達が、貴方の帰りを待っているぞ」
 すでに、『迦陵頻伽』が倒れたことで多くの妖怪が我を取り戻していたし、弾幕から逃れた仲間もきっと心配していることだろう。
 弱った骸魂を倒すべく、アルトリウスもユーベルコード【絢爛】を起動させて。
「煌めけ」
 目の前の空気を起点とし、アルトリウスは『拒絶』の原理を持って戦域の空間を支配する。
 そこから骸魂の力と存在を根底より拒絶し、消去しようとする。
「お前の在る場ではない。早々に退場するが良い」
 もはや、少年は苦痛を感じてはいない。無理矢理振るわせた力も寄る辺を失い、静まってきていたのだ。
 その分、少年の背から生えていたムカデどもがのたうち回っていたが、やがてそれも収まり、徐々に消えていく。
「『戻れる』ものがこれで害されることはない。消えるべきが消えれば元の鞘に収まるだろう」
 ついに骸魂は力尽き、オブリビオン、ムカデヴァンパイアはその力を完全に失う。
 周囲に展開していた弾幕がその姿を消していくのを、玲が少し残念そうに眺めていた中、吸血鬼の少年はようやく穏やかな表情を取り戻す。
 かなり体力気力を消耗してしまったようで、気を失ってしまっていた少年を心配し、神社の境内へと戻ってきた妖怪達が顔を覗き込む。
 そんな彼を、ヴィオレッタが【医術】で治療して。
「もう大丈夫よ」
 目覚めたらきっと、元通りの生活が待っている。
 猟兵達は日常を取り戻したのどかなカクリヨファンタズムの世界を丘の上から眺めながら、少年の目覚めをしばし待つのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年06月28日


挿絵イラスト