●寂れた団地
「キャハハハハハ!」
活気が失われて久しい団地にて、少しふさわしくない笑い声が響く。
「な、なんだ、あいつ……」
引っ越しのため部屋を片付けていた大学生、黒田・松平は玄関前の通路で声の主を見てつぶやいた。
声の主の女性はパンクファッションというのだろうか、随分派手な格好だ。所々に包帯を巻いて、さらにマントを羽織っている。
そして手にはチェーンソーのような刃のついた剣のようなものを持っていた。
「コスプレ? 作り物だとしても危ないだろあれ……」
と、松平は思うが、どうも彼女のことを見た覚えがあるような気がする。
「何あれウケる~」
松平の後ろから出てきた妹の玲奈は、通路を歩いている彼女を見かけるや否やスマホで写真を撮った。
「あれお兄ちゃんの彼女? 『殺戮姫』のコスプレしてるし……」
「『殺戮姫』!? お前まだ覚えてたのかよ!」
松平はようやく記憶を思い出した。中学の頃考えていたキャラクターで、ノートに絵や設定を書いて妹に自慢してたっけ……。
そして彼女をよく見ると、たしかに自分が描いた絵の面影があった。絵は実物よりずっと拙いものだったが、間違いない。
「殺戮を撒き散らす姫……とかそんなだったか。全くなんでそんなキャラを作ったのか……」
しかし、それよりも問題は、なぜ彼女が自分と妹しか知らない『殺戮姫』の格好をしているのかということだ。
松平が彼女を見ながら考えていると、不意に彼女がチェーンソー剣を構える。
すると、チェーンソーの刃がウィーン……と回転を始め、それを振り回しながら二人に突っ込んできた。
「死ね死ね死ねえええハハハハァー!!」
「きゃあっ! な、なにこいつ!!」
玲奈が驚いて、ぼんやりしていた兄の腕を掴んで慌てて駆け出す。
「はぁ、はぁ……どうやら追ってこないみたいだな」
団地の一階の外に出て、松平は上を見上げるが、先程の殺戮姫は追ってこなかった。
「でもあんな不審者いたらしばらく戻れないよ、どうしよう」
妹がスマホを操作しながらつぶやいた。今日は両親が新居の下見に行っており、帰ってくるまでに部屋を片付ける約束だったのだ。
「うーん、とりあえず警察に……っておい、何してるんだ」
「え、さっきの彼女をトークアプリに上げてるんだけど」
「やめろってば」
自分の黒歴史が世界に広まってしまうみたいで恥ずかしいじゃないか。いやトークだから知り合いしか見ないよ、と、兄妹が言い合いをしていると、周囲の空気がおかしくなっていることに気がつく。
「な、なんだこいつら……」
兄妹はいつの間にか奇妙な集団に囲まれていた。
●グリモアベースにて
「小さい頃の空想が実体化したら、恥ずかしいものでしょうか?」
集まった猟兵たちに対してクロノ・ライム(ブラックタールのクレリック・f15759)が口を開いた。
「いや、変な空気にしてすみません。きっと僕がまだ若いので実感がわかないんでしょうね」
こほん、と咳のポーズをしてひと息ついた後、説明を始める。
「場所はUDCアース。とある団地で兄妹の前に『感染型UDC』が現れました」
その感染型UDCは第一目撃者の「過去によく空想した存在」の形を取り、その姿を広めることで他の人の空想存在まで実体化し、次々に増殖してしまうのだという。
「増殖したオブリビオンは兄妹の周辺に集まりますが、危険ですのでまずこれらを退治し、兄妹を助ける必要があります」
場所は団地の中だが、オブリビオンの力の影響か、今の所兄妹以外の目撃者などはいないようだ。
なので、多少派手に暴れても問題はないだろう。
「空想の存在というわけで、色々突飛な行動をとってくるかもしれませんが、気をつけてください」
たとえば、自分が昔考えた最強キャラクターの最強極大呪文……みたいなのを使ってくるわけだ。
そんなものが実体化したとして、本当に勝てるのだろうか。
「猟兵の皆様ならおそらく大丈夫でしょう!」
と、自信満々のクロノ。
「その後は……第一発見者の黒田・松平さんから感染型UDCの潜んでいそうな場所を聞く必要がありますね」
彼の話によると、感染型UDCが姿を元にした空想の記録の近くに潜んでいる可能性が高いという。
きっとそれは松平のノートなどであると思うが、果たして教えてもらえるだろうか。
「とにかく、それを見つけて感染型UDC『殺戮姫』を倒すことが今回の最終目的です。どうかよろしくお願いします」
クロノは説明を終えると、猟兵たちの転送を始めるのだった……。
青猫格子
はじめまして、青猫格子です。
今回のシナリオは実体化した黒歴史の感染型UDCと戦うというものです。
第一章は【集団戦】です。実体化した黒歴史であるオブリビオンたちと戦うという内容です。
どんな黒歴史が実体化したか考えてみるのも良いでしょう。
第二章は【日常】です。第一発見者の黒田・松平から彼の空想を描いたノートの在り処を聞き出します。
教えてもらうのは大変そうですが、引っ越しのお手伝いをするなどすれば、もしかしたら教えてもらえるかもしれませんね。
第三章は【ボス戦】です。『殺戮姫』と戦うことになります。
第一章はOP公開後に導入部を追記します。その後プレイング受付を開始いたします。
以降のシナリオ進行についてはマスターページをご覧いただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
第1章 集団戦
『黒史病の使徒』
|
POW : ぼくのかんがえたさいきょうのわざ
無敵の【今の状況に適した肉弾戦の奥義】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD : こんなこともあろうかと
無敵の【今の状況に適したアイテム】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
WIZ : ぼくのかんがえたきゅうきょくのまほう
無敵の【今の状況に適した魔術の秘奥】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
舞台は人気のない団地。
昔はもう少し活気のある団地だったが、今は住んでいる者も少なく、周りの商店もシャッターの降りている店が多い。
市内の少し離れたところに大型ショッピングセンターができて、そちらが賑わっているようだ。
その団地のうちの1棟の前の広場で、増殖したオブリビオンに取り囲まれている兄妹がいた。
兄が黒田・松平、妹が黒田・玲奈。
危害を与えられる前に二人を助けなくてはならない。
=======================================
「様々な人の黒歴史」が実体化したオブリビオンと戦い、兄妹を助けましょう。
どんな黒歴史が実体化したか考えるのも楽しそうですね。
プレイングに書いてあればそれをなるべく描写しますが、必須という訳ではありませんので任意でどうぞ。
=======================================
片桐・公明
黒歴史、ねぇ。
私の両親が体験したものを越えられるかしら?
大体想像できるものは体験しているわよ?
【SPD】
二挺拳銃で応戦
「タップダンスはお好きかしら?」
相手の足元を狙って乱射
アイテムを出してきたらUCで解析して弱点を探す
見つけたらそれを突くように相手に話し、疑念を抱かせる
「銃火器相手にそれって、本当にいいの?」
たまに接近戦で戦う。
「中距離に慣れたら、この距離は辛いでしょう?」
(絡み、アドリブ歓迎です。)
「動くな! じゃーん、これがぼくの発明した地球破壊爆弾!」
オブリビオンの1人、白衣の少年が大きな爆弾を取り出した。
「はぁ!?」
黒田・玲奈が気の抜けた反応をする。
「この超天才発明家のぼく言うことを聞くのだ。君たちはぼくの実験体になってもらおう」
「状況が読めないんだが……」
黒田・松平があたりを見回す。この少年もそれ以外の存在も、殆どが現実感のない格好をしており、二人を取り囲んで迫ってきている。
そのとき、集団に近づいてくる足音が聞こえた。
「なるほど、彼らが黒歴史、ねぇ」
片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)はオブリビオンの集団を前にしてつぶやいた。
「空想の存在とはいえ、私の両親が体験したものを越えられるかしら?」
人の想像力には限界がないと言われる。
しかし、それは現実の様々な経験を元に広がっていくものだ。
「何だお前、邪魔するならこの超絶殺戮ロボで吹っ飛ぶことになるぞ!」
自称・超天才発明家のオブリビオンがコントローラーを取り出すと、地面が割れて人の2倍ほどの大きさがある落書きみたいなロボットが登場する。
右手がドリルで、左手は大砲のようだが『レールガン』とカタカナで書いてある。
「殺戮ロボ! アイツを倒せ!」
少年はロボットの肩に乗ると、先ほどの地球破壊爆弾をレールガンにセットした。
ブォン……とロボットの目が光り、ガタガタ動きながら公明に近づいてくる。
公明は冷静だった。
彼女の近接戦闘能力、天賦の知識が敵の軌道を完璧に分析し、攻撃を回避する。
「あなたの発明の能力は完全に解析したわ」
【殺人鬼の最適解】の能力によって、彼女にとって少年の発明はもはや敵ではなかった。
そして素早く2丁拳銃を構えると、ロボットの足元に向かって乱射する。
元々バランスの悪かったロボットは体勢を崩してズシン……と広場に倒れた。
「な、なぜなのだ! 殺戮ロボがあっさり倒れるし、地球破壊爆弾も爆発しないのだ!?」
ロボット一緒に地面に放り出された少年が叫んだ。
「このロボットは攻撃ばかりで防御性能はそこそこね。ちょっと強い火力で押し切ればすぐに倒れてしまう。薄々感づいていたんじゃないかしら?」
「う……」
自分の発明の信じきれないことで、大幅に弱体化してしまったのだ。
カチ、カチ、カチ……ドカン!!
遅れて地球破壊爆弾が爆発するが、弱体化した爆弾は当然、地球を破壊するような威力はない。
ロボットと少年が多少焦げただけだった。
成功
🔵🔵🔴
楠葉・狐徹
【POW】
狐徹はやたらと難しい漢字や外国語を並べた必殺技を使ってくる黒歴史と戦う
「所謂、中二病って奴か?自分が選ばれし者だと妄想してる暇があったらもっと自分の心身を鍛えたらどうだ?何なら俺が剣術を教えてやりてえくらいだ!」
そう言いながら迎え撃つ。敵が攻撃してきたら【カウンター】からの【グラップル】で敵を掴み、そのまま【怪力】で投げ飛ばしたり、地面に叩きつける。さらに鬼神力を利用し、その辺にあるベンチやマンホールを振り回したりして応戦
「お前達ならまだ刀を抜く必要はないな。組織の某とか異世界からの刺客とかと戦う前に俺みたいなチンピラ妖狐に負けるのはどんな気分だ?」と挑発も混える
※アドリブ&連携OK
「貴様ら、さては『組織』からの刺客だな? 違いない……」
オブリビオンの一人が言う。黒くて長いコートを纏った男性剣士であった。
髪は長髪で、傷だらけの顔の左目に黒の眼帯をしている。
「我が魔王軍の最後の一人であることを知って、魔王から受け継いだ禁術・黒龍邪眼刃の秘密を狙っているのであろう」
「すまん、初めて聞いた」
オブリビオンたちと対峙していた楠葉・狐徹(表裏一体の刃・f17109)が申し訳無さそうに言う。
ところが、剣士は自分の世界に入り込んでいるのか、お構いなしに話を続ける。
「禁術・黒龍邪眼刃は危険な技……我の手で闇に葬るべきものだ」
「そして魔王の痕跡をこの世界から全て消すのが我の使命なのだ……」
なぜ魔王軍にいたのに魔王の痕跡を消すのが使命なのかとか、きっと込み入った設定があるのだろう。
しかし、それをすべて語られてはいつまでたっても話が終わらない。
「所謂、中二病って奴か? 自分が選ばれし者だと妄想してる暇があったらもっと自分の心身を鍛えたらどうだ?」
何なら俺が剣術を教えてやりたいくらいだ、と狐徹は思いながら敵に向かって構える。
まだ刀は抜いていない。だが剣士も彼がただ者ではないと感じたのだろう。
他の相手には目もくれず、狐徹に向かって斬りつけてきた。
狐徹は鮮やかに敵の攻撃を受け流し、剣士の体に組み付くと地面に投げ飛ばした。
「ぐはっ……刀を抜かずにここまでやるとは。こうなったら……!」
起き上がった剣士は素早く飛び上がって団地の給水塔の上へ駆け上る。
「くらえ、禁術・黒龍邪眼刃!!」
黒いオーラを放った剣を振り上げながら、剣士が狐徹に向かって飛び降りてくる。
このまま剣が命中したら狐徹は真っ二つになってしまうだろう。
だが、そうはならなかった。
「……なに!?」
剣はベンチの端に食い込んでいた。狐徹が広場に設置されていたベンチを片手で持ち上げて、剣士が振り下ろした刃に当てたのだ。
「おりゃああーっ!!」
剣が食い込んだまま狐徹はベンチを振り回して、広場の端まで投げ飛ばす。
剣士もそのまま地面に強く叩きつけられた。
「俺みたいなチンピラ妖狐に負けるのはどんな気分だ?」
剣士に、というより周りに挑発するように狐徹は言い放った。
成功
🔵🔵🔴
タリアルド・キャバルステッド
黒歴史……本人にとっては恥ずかしいかもしれませんが、想像力を自由に発揮するのは素晴らしいことだと思いますよ。
特に色々な方が想像した様々な衣装の実体化を見られるのは私にとって嬉しいですね。
常識を学んだ大人では発想できない、ドレスコードに縛られない自由な服も素敵です。
さて、UC「SILVER GHOST」でコピーしたスーツ達で敵を取り囲み、動きを封じます。
その間にお2人を安全な場所に避難誘導しましょう。
「何が起きているんだ……?」
黒田・松平と妹の玲奈は突如現れたオブリビオン、そして彼らと戦う猟兵たちの登場に戸惑っていた。
「話すと長くなりますが、まずはあなた達の安全を確保することが大事です」
二人の前にいたタリアルド・キャバルステッド(紳士服のヤドリガミ・f25640)が話しかける。
よく手入れの行き届いた右腕のないスーツを身に着けている女性だ。
礼儀正しい彼女の様子に兄妹たちは少し緊張が解けたようだった。
「えっと、あの人達は私達を助けに来たってこと?」
玲奈が疑問符を浮かべながらつぶやく。そもそもなぜ自分たちが襲われているかよくわかっていない。
「ここに現れたのは様々な人の黒歴史です……私にとっては自由な発想で想像された、色々な衣装を見られるという意味では嬉しいんですけどね」
タリアルドが微笑みながら頷くが、次の瞬間彼女の表情が変わる。
兄弟たちの背面の向こうにある、団地の上の階の通路からオブリビオンが銃で狙っていたのだ。
「この陸軍最強の狙撃手——『死神』と呼ばれた私の手にかかれば、このような乱戦でも狙いを決して外しはしないさ」
と、言いながら狙撃手のオブリビオンが引き金を引く。
「そうはさせません!」
タリアルドが集中すると、彼女の着ているスーツ、靴、装飾品と同じものがいくつも空中に浮かび、重なった状態で狙撃手に向かって勢いよく飛んでいく。
銃から発射された弾は服に当たって軌道を大きく外していった。
「!?」
驚いた狙撃手はしかし、次の瞬間にはスーツ達に周りを取り囲まれ、動くことができなくなってしまった。
大量のスーツに強い力で押されるように巻き込まれた狙撃手はやがて気絶してしまう。
「また狙われないとも限りません。建物内に入ったほうが安全でしょう」
狙撃手が動かなくなったのを確認して、タリアルドが言った。
「わ、わかった!」
松平たちは彼女の言葉に頷き、反対側の団地の中へ一旦避難することにする。
それを見届けながら彼女は残りのオブリビオン達との戦いへ戻っていった。
成功
🔵🔵🔴
暗黒虚無神・パラミトログル
殺戮の姫とは……
恐ろしくも美しき名よ
されど我が力の前にはただ虚無へと還るのみ……。
我が名はダークニヒル・パラミトログル。至高の邪悪にして究極の暗黒。神である我に恥じる所など一抹も無し。
故に闇に葬る歴史など在らじ。
(現れる黒歴史は自分そっくり。超絶美形銀髪碧眼究極無敵暗黒虚無神と言った感じの誰かの黒歴史)
……不愉快な……
(自分を客観的に見るようで不快)
我は神である。世の理である。我を愚弄する者は何人たりとも許さぬ。
我に属さず生者を害する者もこれを許さず(訳:オブリビオンが悪神の自分を差し置いて勝手に悪さをするな)。
何人たりとも殺させはせぬ!(UC発動)
祟り縄や髪の毛を振り回して荒ぶる
「殺戮の姫とは……。
恐ろしくも美しき名よ。
されど我が力の前にはただ虚無へと還るのみ……」
団地の広場で黒歴史のオブリビオンとの戦いが続く中、暗黒虚無神・パラミトログル(ニヒルダーク・パラミトログル・f28033)は彼らを呼んだ殺戮姫に思いを馳せていた。
その厳かな話しぶりと非常に整った銀髪碧眼色白の容姿、見た人は彼もまるで誰かの想像した黒歴史ではないか、と思うかもしれないがそうではない。
パラミトログルは実際に神話に語られる神であり猟兵でもある。
ところが、その神の前に一人の黒歴史が立ちはだかる。
「……不愉快な……」
パラミトログルはその姿を目にして不快感をあらわにする。
そこにいたのは、銀髪、碧眼、色白の容姿……と、彼とそっくりな姿をした黒歴史である。
数多くの人々の想像が集まるのだから、こういう事はあってもおかしくない。
「我は神である。世の理である。我を愚弄する者は何人たりとも許さぬ。我に属さず生者を害する者もこれを許さず」
パラミトログルは悪神と恐れられる一方、悪しき行いを正す裁きの神でもある。
自分とよく似た姿のオブリビオンが悪さを行うことは許せなかった。
「何人たりとも殺させはせぬ!」
正義の怒りでパラミトログルは真の姿を現し、身に纏う祟り縄や長い髪が青白い炎のようなオーラに包まれて彼の周りを舞う。
「……!」
彼そっくりの黒歴史は同じように縄や髪を操り抵抗するが、勢いに負けてしまう。
縄と髪に掴まれた黒歴史は、彼の霊力で吹き飛ばされて跡形もなく姿を消した。
「我が名はダークニヒル・パラミトログル。至高の邪悪にして究極の暗黒。神である我に恥じる所など一抹も無し」
彼は黒歴史ではない。本当の神なのだから。
そして悪神とされるがその正義の心も本物であった。
成功
🔵🔵🔴
フォルク・リア
黒歴史ね。
まあ、誰にでも思い出したくない事の
一つや二つあるものだけど。
わざわざ昔の傷を抉る様な真似は感心しないね。
黒田兄妹の無事を確認しながら敵を対峙し
その使う魔術を良く観察。
術の属性、特性や詠唱から
【属性攻撃】の知識等を用いて
実際の魔術との矛盾を【見切り】指摘。
「その属性を持たせるならその詠唱は使わない筈だがな。」
敵の様子を見て、此処と思えば
例え嘘であっても動揺を誘う為に言葉をたたみかけて
【だまし討ち】。
術が弱まったのを見計らい古代都市ルベルを発動。
都市の霊を出現させ、そこから放たれる魔法。
使役する幻獣で攻撃する。
「これが本物の魔術と言うやつだ。
じっくりと味わってくれ。」
連携、アドリブ歓迎。
「黒田兄妹も無事に避難できたようだし、そろそろ残った敵を片付けようか」
フォルク・リア(黄泉への導・f05375)が、団地の建物内に隠れた兄妹を確認しながらつぶやいた。
彼は広場の中心に立ち、詠唱を始める。
『歴史の狭間に埋もれし魔導の都。幽谷の門を潜りて今、此処に姿を現し。その深遠なる魔術の神髄を示せ』
そして、彼の背後の上空に魔法都市の幻影、いや霊が召喚される。
「何だあれは!?」
残っていたオブリビオンたちの一人、魔法使いらしき男が声を上げる。
それに気づいて他のオブリビオン達も空を見上げて騒ぎ始めた。
「待て、ここは我の合図で一斉に攻撃するのだ」
最初に声を上げた魔法使いのオブリビオンが呼びかける。ノースリーブの長いローブに、背中に天使と悪魔の羽が一つずつ生えているという姿だ。
「何だかわからぬが、動く前に我の究極魔法で無効化してくれるわ」
魔法使いが杖を掲げると、小さなブラックホールのようなエネルギーが杖の周りに集まり、勢いよく空に浮かぶ魔法都市に向かって飛んでいく。
それに合わせて、周りにいたオブリビオンたちも銃やビーム、気功波など様々な攻撃を一斉に放った。
だが、魔法都市はどのような攻撃でもびくともしなかった。
「なぜだ、我の究極魔法があれば幻など……」
「これは幻ではない。意思のある古代都市ルベルの霊だ。だから幻影を破るための魔術・攻撃は効かないはずだがな」
「そんな……」
フォルクの言葉にオブリビオンは続ける言葉を失う。
実際に幻影と霊で使う魔法が違う、などの理論がオブリビオンの魔術にあるのかはわからない。フォルクの言動は相手の動揺を誘うのが目的だった。
そしてその瞬間、古代都市ルベルの霊から幾重もの攻撃魔法の光と、幻獣たちが放たれて標的たちに襲いかかる。
一瞬の出来事だった。
団地の広場に様々な色の光が溢れたあと、再び元の景色に戻る。
違うのは、猟兵たちと黒田兄妹だけの静かな空間になっていたということ。
「これで敵はいなくなったようだね」
フォルクが辺りを確認しながら言う。
兄妹の周りに現れた黒歴史のオブリビオンたちは全員倒したようだ。今のところは。
だが殺戮姫を倒さない限り、本当の平穏は訪れないであろう。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 冒険
『硬い口を割らせる手段』
|
POW : 死なない程度に力技で情報を吐かせる。
SPD : ハッタリやカマ掛けで情報を引き摺り出す。
WIZ : 泣き落とし、良心に訴えかける等。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
黒田兄妹たちを襲った黒歴史は消えた。
しかし、『殺戮姫』を倒さなくてはまた再び現れるだろう。
殺戮姫を描いた記録……黒田・松平のノートを探す必要がある。
「黒歴史って言ってもなあ。なにが何だか……」
「というかお兄ちゃん、そろそろ片付けを終わらせないとまずくない?」
兄の松平も妹の玲奈も、今のところ猟兵たちが助けてくれたことには感謝しているが、気安く協力してくれるという感じではない。
松平の立場からしたら、自分の黒歴史であるノートを見せなければいけないのだ。抵抗があるだろう。
それでも、やらなければならない。兄妹を助けるために。
=======================================
POW/SPD/WIZの内容は参考程度に、基本的には兄妹から平和裏に情報を引き出すという章です。
あくまでも『兄妹を助ける』が目的です。
兄に聞く、妹に聞く、引っ越しの手伝いなどして情報を得る、自分で部屋を片付けて探すなど……色々考えられますね。他にもなにか思いついたらどうぞ。
黒田家の部屋と団地の共用部はわりと自由に出入りできるので探索などしても良いですが、この章の間は他の住人に会うことはないようです。
まだオブリビオンの影響下にあるのでしょう。
=======================================
シン・クレスケンス(サポート)
■アドリブ歓迎
■「大体のことはこなせますので、何でもお申し付けください」
落ち着いた雰囲気を持つ物腰柔らかな青年。
一人称は僕。使役は呼び捨て。
窮地でも動じず冷静に戦況を判断し切り抜ける。
詠唱銃による銃撃と、魔術による属性攻撃を得意としている。
猟兵になる以前の経歴から調査、情報操作、諜報も得意。
■「俺はシンの狗じゃない!というか犬でも狼でもない!」
闇色の狼の姿のUDC「ツキ」は息ピッタリの相棒。
■梟の姿の精霊「ノクス」
賢い精霊で人語を理解するが、言葉は話さない。
■UCはどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
迷惑行為や公序良俗に反する行動はしません。
宜しくお願いします!
暗黒虚無神・パラミトログル
ここは素直に事情を話して必要な物を借り受けよう……
だが、相手が普通の人間である故
合わせて口調を変えた方が良い反応を得られるだろう
「すみませんが、汝、殺戮姫を創造せし者よ。此度の現象は全て汝が有する創造の書(バイブル)より始まりし事……。
其れが故に、再び世に平穏を齎さんが為には書が必要となる。何とぞ我らに書を貸し与え給え。さすれば我ら猟兵(イェーガー)、世を乱す殺戮姫を奈落の底(タルタロス)へと送り返さん。よろしくお願いします」
皆、すまぬ
我にはこれが限界のようだ
人間に接するのは慣れておらぬ
我、忌避される存在であるが故に
部屋を片付けるのであれば喜んで手伝おう
或いは書を見い出せるやもしれぬ
団地の中に隠れていた松平、玲奈は周りが静かになったことに気づいて外に出てきた。
「よくわからないけど、助けてくれたんだよね? ありがとう」
玲奈が広場にいた猟兵たちににっこり笑いかけた。
「あんた達、なんで俺たちが襲われたのか、何か知ってるのか? 教えてくれないか?」
松平は深刻な顔で猟兵たちに問いかける。
「そうだな、ここは素直に話しておくべきであろう」
と、頷いたのは暗黒虚無神・パラミトログルだ。
兄妹二人が注目する中、彼は松平に近づいて歩いていく。
(相手は普通の人間である故、口調にも気を使うべきであろう……)
「すみませんが、汝、殺戮姫を創造せし者よ。此度の現象は全て汝が有する創造の書(バイブル)より始まりし事……」
「え、ええと『殺戮姫を創造せし者』って誰? まさか俺……?」
松平は近づいてくるパラミトログルの言葉に呆気にとられている。
(皆、すまぬ……我にはこれが限界のようだ。こ、これでは話が……)
パラミトログルは人から恐れられる神である故に、人間と接するのは慣れていなかった。
このまま説明を続けるには相当な時間がかかるだろう。と彼が頭を抱えていると、背後から声をかける者がいた。
「彼の言いたいことはこうです。あなたの空想から『殺戮姫』が発生しました。そして今起きている現象を止めるには『殺戮姫を描いた記録』を探し出す必要があるのです」
兄妹とパラミトログルが顔を上げて声の方を見る。
「申し遅れました。僕たちは、とある組織から派遣されてきたものです。詳しくは言えませんが、こうした怪奇現象の専門家と言えるでしょう」
と、シン・クレスケンス(真実を探求する眼・f09866)が自己紹介をした。
彼は今は猟兵としてここに来ているが、UDCアース出身のUDCエージェントである。
UDCに遭遇した一般人に対応するスキルも当然持ち合わせていた。
「そ、そういうことだ……」
パラミトログルが冷静さを取り戻し、頷いた。
「殺戮姫がこれ以上の悪事を働かないようにするには、汝の協力が必要だ。何とぞ我らに書を貸し与え給え」
と、比較的自然に話を続けることができた。
「うーん、そりゃもうこんな変な事には巻き込まれたくないけど。記録……? 書……?」
そんな物を持っていたっけ? と松平は首を傾げている。
「簡単な落書きや設定を書いたノートとか、そういうのでいいんですよ。何かありませんか?」
「ああ! それなら……」
シンの言葉に松平は思い当たるものがあったようだ。
しかし、松平の顔はすぐに暗くなってしまう。
「たしかに昔描いたよ。でもどこにあるか……もしかしたら母さんが捨ててしまったかも」
「そんなことないよ。だってお兄ちゃんの部屋、古いノートいっぱいあったもん。わざわざそれだけ捨てるなんてことないでしょ……え、どうしたの?」
玲奈がシンたちと松平の間に割り込んで話をしようとした所、松平は妹をぐっと睨み、家の方へ黙って歩きだしてしまう。
「……まあ、色々複雑なんでしょう」
シンは家の方へ行く兄弟たちを見ながらつぶやいた。
「どうしたのだ? 部屋を片付けるのなら手伝うが」
パラミトログルや他の猟兵たちの何人かは、ノートを見つけるため、兄妹たちを追って団地の中へと向かっていった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
楠葉・狐徹
【SPD】
「あんた達、引越しするのかい?だったら俺が手伝ってやるよ。」
重い荷物や家具を【怪力】を駆使して手伝う。最初に松平に接触する前に妹を遠ざけておく
「可愛いお嬢ちゃん。少し君のお兄さんを借りるよ。大人しく待っててくれるかな?」と【誘惑】も駆使して妹を足止め
「俺も実はガキの頃に創作したモンスターとかの設定を考えるのが好きだったんだ。あんたもそういう時なかったか?」と松平の興味を惹きそうな話を【コミュ力】も使って聞く
「女キャラとかも考えるの楽しかったんだ。あんたは作ったことあるかい?」と殺戮姫の情報を引き出す事も試みる。可能なら弱点を設定していたかも聞き出し、今後の戦闘のために覚えておく
「何しに来たんだよ。ノート探すのか?」
松平が玄関までついてきた猟兵たちにやる気がなさそうに声をかける。
「それもあるけど、時間がないんだろ? まずは俺たちで家の掃除を手伝ってやるよ」
楠葉・狐徹の言葉に玲奈が目を輝かせる。
「え、本当!? よろしくお願いします!」
松平は心配そうだったが、結局妹に押し切られて猟兵たちに手伝いを任せることになった。
しばらくして。
「あんたたちのおかげで随分片付いたよ。テレビ台をほぼ素手で解体したのは驚いたけどね……」
松平と狐徹は団地の裏の小さな公園で休んでいた。
粗大ごみで出す予定だったテレビ台を解体して、ゴミとして出した後のことだった。
今この公園には二人しかいない。最近では子供の姿をほとんど見かけないという。
「そういうもんか?」
さっきの戦いでも怪力を発揮しているのにな、と狐徹は平然としている。
「殺戮姫について聞いてもいいか? 俺も実はガキの頃に創作したモンスターとかの設定を考えるのが好きだったんだ」
「そうなのか?」
狐徹の言葉に松平は意外そうな顔をする。
「俺、小学生の時は友達とヒーローごっことかするのが好きでさ、こういう公園で遊んでたんだよね」
松平は昔の思い出を語る。彼らの楽しそうに遊ぶ姿を見て玲奈も加わりたかったが、小さいので入れてあげられなかったこと。
数年後、松平が中学生になった頃、妹が自作の変身ヒロインを落書きしているのを偶然目撃したこと。
「玲奈はまだヒーローごっこがしたかったんだって、当時の俺は考えたんだ。それなら俺はそのヒロインのライバルを作ってあげようって。設定を考えるのは一緒にできるんじゃないかって思ったんだ」
そこで松平がヒロインのライバルとして新しく考えたのが殺戮姫だった。
「なるほど、妹のために考えたんだな」
「あの、玲奈には言わないでくれよ。多分忘れてるし……」
松平が若干恥ずかしそうに狐徹に言った。
「もちろんだぜ。ところで、ライバルの設定って、どんな能力とか覚えてるか?」
「うーんと、まず鋸の剣は邪悪な祝福を受けていて……それから……」
松平との会話で、殺戮姫が生まれたきっかけや大まかな能力の話を狐徹はいくつか聞くことができた。
大成功
🔵🔵🔵
ミロ・バンドール(サポート)
口調はステシの基本通り
強がって一匹狼を気取った態度ですが、連携にはきちんと応え
最善の結果のために努力します
いわゆるツンデレ
技能の各種耐性や改造を活かし、状況に合わせたスタイルを模索します
対人の基本行動は恐怖を与える等で脳筋的なゴリ押し
深く考えずに行動しがちですが
明らかな弱者に対しては「胸糞悪いから」という理由で虐めません
*備考
・精神攻撃にはとても弱い(ヘタレると寝言時の口調)
・ギャグ展開にはよく巻き込まれる(弄られOKです)
といった弱点がいっぱいあります
※キャラぶれても気にしないので、お気軽に弄って下さい
タリアルド・キャバルステッド
私に出来ることと言えば【掃除】と……
それと服の梱包がお済みでないならお任せください。
皺にならないように畳むのは経験が少ないと意外と難しいでしょう。
私が【早業】でお手伝いしますよ。
小さい頃の服が残っているならそれを畳むときをきっかけに、軽く雑談として昔の話を聞いてみましょう。
「はい。服の梱包は全部済ませましたよ」
「ありがとうございます!」
松平が外に出ていた頃、黒田家では玲奈や猟兵たちが残りの片付けを続けていた。
タリアルド・キャバルステッドは早業で服の梱包をあっという間に終わらせた。
「……ところで、玲奈さんは殺戮姫について何か知っていることはありませんか?」
荷物を運び来た玲奈にタリアルドは問いかける。
「うーん、そう言っても、お兄ちゃんが見せてくれたのはだいぶ昔だから……」
玲奈は腕を組んでしばし考える。お兄ちゃんが作っていた変身ヒロインの作品の敵キャラだったような。
しかし、それにしては変身ヒロインのデザインと敵キャラのデザインはかけ離れていたような……。
「なるほど……」
タリアルドは今までに得た情報から、ノートの場所はどこだろうかと探っていた。
最有力候補は当然松平の部屋だが、パッと見た感じではそれらしきものが無かったのだ。
「とりあえず他の部屋も掃除しましょう。台所はどうなってるでしょう?」
「なぜ俺がこんな事を……」
台所ではミロ・バンドール(ダンピールの咎人殺し・f10015)が調理器具の梱包などをしていた。
「だいぶ片付きましたね。後は私達も一緒に片付けましょう」
タリアルドと玲奈も一緒に台所の片付けを始める。ところが……。
「きゃああ!!」
突然玲奈が叫んだ。
タリアルドとミロは敵が現れたのかと、瞬時に部屋の中見回すがそれらしき姿はない。
玲奈の前にいたのは10センチほどの灰色っぽい蜘蛛だった。
「玲奈さん、落ち着いてください。これは無害な蜘蛛です」
「で、でも……」
タリアルドに言われても震えが止まらない玲奈。その後ろからミロが蜘蛛の方へゆっくり歩いていく。
「蜘蛛ごときが人間を怯えさせるとは……」
手には丸めた新聞紙を持っていた。
「こういう時は、恐怖を与えてどちらが上がはっきりさせてやるんだ」
バシッ! とミロは地面を叩く。しかし蜘蛛には当たらず、素早い動きで避けられてしまう。
そのまま蜘蛛はススス……と松平の部屋の方へ走り出した。
「待て!」
ミロはそれを追って松平の部屋へ駆け込んだ。しかしその直後ゴツンと鈍い音がする。
「いてて……」
「大丈夫ですか?」
心配したタリアルドが部屋に入って声をかける。ミロは松平の部屋にあるロッカーの角に頭をぶつけてうずくまっていた。
蜘蛛はどこかへ行ってしまったようだ。
「ただいま〜」
その時、外に出ていた松平が戻ってきた。
それとほぼ同時だった。天井近くからミロの足元にノートが落ちてきた。
「やれやれ……うん、これはどこから来たんだ?」
「ロッカーの上から落ちてきたようですね」
手にしたノートを二人で見る。ノートはセロハンテープで雑にとじられており、表紙にはこう書いてあった。
『愛のプリンセス☆レイナ と殺戮姫ジル 設定ノート』
「そのノートは……!」
部屋に入ってきた松平は二人が見ていたノートを見て顔色を変えた。
「やはり、これが例のノートのようですね」
タリアルドは松平の反応を見て言った。
「プリンセス☆レイナ? それって……」
「あー、お前は覗かなくていいから! ほら、ノートは見つかったから殺戮姫を消すことができるんだろう? 早く頼みます!」
ノートを見て何かを思い出しそうだった玲奈を松平は遮って、猟兵たちに懇願する。
「確かに、元凶のノートは入手できました。あとは、このノートから殺戮姫を呼び出して倒す必要があります」
タリアルドの返答に、松平はえっ? とやや意外そうな顔をする。
本を燃やすなりすればいいと思っていたようだ。ミロは首を振って松平に語る。
「残念だが、そう簡単にはいかない。だがあと少しだな……」
殺戮姫の潜むノートは手に入れた。
あとは、殺戮姫を倒せば黒歴史が増殖することも収まるだろう。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『『狂乱の殺戮姫』ジル』
|
POW : キャハハハハハハはハ刃ハハハァアアアアアァー!
【両手の、邪悪な祝福を受けた鋸刃剣】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
SPD : 赤い紅い朱い赫い緋いのぉ!
【死ぬまで止まらない狂乱状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ : 殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃハハハハハァーッ!
自身の【脳裏で破滅的なビジョン】が輝く間、【自身のあらゆる攻撃】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
とうとう殺戮姫の描かれたノートを見つけることができた。
あとは、ここから殺戮姫を呼び出して倒すだけだ。
黒田兄妹と猟兵たちは、団地の裏にある小さな公園にやってきた。
ここならオブリビオンを呼び出して戦っても邪魔にはならないだろう。
「じゃあ、開くよ……」
猟兵たちが見守る中、松平がゆっくりノートのテープを剥がす。劣化していたセロハンテープは簡単に外れた。
パラパラページを開くと、真ん中あたりに「殺戮姫・ジル」という見出しと彼女の全身図が描かれたページがあった。
「キャハハハハ……」
ページが開かれた瞬間、どこからか女性が笑う声が聞こえる。松平と玲奈は聞き覚えのある声だった。
そしてノートから青白い光が溢れ、殺戮姫の姿がだんだん実体になっていく。
「お兄ちゃん、離れて!」
玲奈の声で、松平はノートを地面に置いてその場から離れた。
あとは猟兵たちの仕事だ。
=======================================
マスターより
お待たせしました。本日より3章のプレイング受付を開始します。
すでに送っていただいたプレイングは、申し訳ありませんが一旦流しますので、
失効後もう一度お送りください。
どうぞよろしくお願いいたします。
=======================================
片桐・公明
【POW】
暴れまわる敵に対してあえて接近格闘戦を挑む
UCでギリギリで回避しながら隙をついて拳を叩きこむ
タイミングを合わせて大きく離れ、回避に徹して小休止
「人の空想から生まれただけあって、でたらめな強さね。」
手を振りながら敵を表する
「ただまぁ。倒せない敵ではなさそうね。」
一休みしたら、また相手の懐に飛び込み接近戦を挑む
「人の空想から生まれる観戦型UDC。案外馬鹿にできない存在なのかしら。」
(絡み、アドリブ歓迎です。)
「キャハハハはハァアアアァー!」
青白い光に包まれて現れた殺戮姫。彼女はくるくると回りながら笑い声を上げ続け、意思疎通などはとても無理そうに見える。
「殺戮姫ジル……元々はレイナ姫の幼馴染だったけど、誕生日にもらった鋸剣の呪われた祝福で破滅の未来しか見えなくなり、破壊の限りを尽くすようになってしまったんだよね……」
物陰に隠れて様子を見ていた玲奈がつぶやいた。
「そんな事まで覚えてたのかよ」
「うん、さっき思い出した」
玲奈の話し方で、松平は、
(もしや、玲奈のために殺戮姫を作った時のことも思い出したか……?)
という考えが脳裏に浮かんだが、口には出さないことにした。
妹にだって秘めておきたい思い出の一つや二つあるはずだから。
殺戮姫はひとしきり回転を終えると、ようやく周りの猟兵たちに気づいたらしい。両手を高く掲げると、手に持ったチェーンソーのような刃のついた鋸剣が動き出し、そのままでたらめに振り回しながら突っ込んでくる。
このような相手の場合、刃の届かない距離を保ち、遠距離攻撃をするのが普通だろう。
だが片桐・公明は違った。
鋸剣を振り回す殺戮姫にあえて接近し格闘戦を挑もうとしていた。
「アハハハァ! 死ね死ねええハハァー!!」
殺戮姫が力を込めると鋸剣が巨大化し、公園そのものを破壊する勢いで公明に降り掛かってくる。
彼女はその暴力そのものの攻撃をすべて間一髪のタイミングで回避していた。
「人の空想から生まれただけあって、でたらめな強さね」
公明は回避に徹しつつ殺戮姫の戦いぶりを観察していた。戦闘の達人とは違う、空想から生まれた荒唐無稽な強さだ。
「ただまぁ。倒せない敵ではなさそうね」
彼女には殺戮姫にはない戦闘の経験と知識がある。
回避に徹して反撃のチャンスをずっと待っていたのだ。
「……今よ!」
ほんの一瞬、殺戮姫が見せた隙をついて、公明は鋸剣を避けながら殺戮姫の元へ飛び込んだ。
そして力を込めた右の拳を殺戮姫にぶつける。
「っハァ
……!?」
殺戮姫は何が起こったのかわからない顔をしながら数メートル空中を飛びあがった。
鋸剣で近づくものをすべて破壊してきた彼女は、まさか近づいてきて直接拳で攻撃されるなど考えてもみなかったのだろう。
成功
🔵🔵🔴
暗黒虚無神・パラミトログル
我が名はニヒルダーク・パラミトログル
悪を司り悪を戒むる神なり
殺戮の姫よ……
汝は創造主の強き想いを受けて産まれし者
それは神の絵姿を描く行為と何ら変わりの無き事
神聖なる創造の御業なり
それ故に
産まれし汝はここにその生き様を示せ
言の葉によって!
力と技によって!
創造主の想いに応えよ!
我汝を討ち倒し
その想いを我が内に抱かん
(PL訳:決め台詞は?背景設定は?必殺技は?等のキャラ語りを聞いてから倒したい)
(聞き終わったら)
……世界は悪に満ちている
我が呪いを受けるがいい!
連鎖する呪い(エターナル・カース・インフェルノ)!
UCを一撃入れて、連鎖的に発生する不幸が相手に打撃を与えるのを狙い、自身は攻撃を避け続ける
暗黒虚無神・パラミトログルは公園に呼び出された殺戮姫を見つめている。
ここに来るまで黒田兄妹たちなどから情報は得られていたが、ようやく本人を見ることができたのだ。
「おお、殺戮の姫よ……」
パラミトログルは殺戮姫のことを知りたかった。人の想像から生まれたオブリビオンがいかなる力を持ち、いかなる生き様を見せるのか。
しかし、殺戮姫と意思疎通を行うことはできそうになかった。
「殺す! 殺す殺す殺すのぉ!!!」
殺戮姫は相手が神であろうと怯む様子を見せず、鋸剣を振り回してくる。
彼女は相手を見ていない。鋸剣の邪悪な祝福により殺戮姫は破滅のみの未来を見続け狂乱している。
パラミトログルは攻撃を避けながら言った。
「……なるほど、汝は人を傷つけることによってのみ語るということか」
それは創造主の願った通りの彼女であったのだろうか。
パラミトログルにはわからない。だが、鋸剣の刃から伝わってくる殺意なら受け止めることが出来る。
「我汝を討ち倒し、その想いを我が内に抱かん!!」
パラミトログルは殺戮姫が鋸剣を彼の首元に当てる寸前に、自身の髪の毛で絡めとって止めた。
そして鋸剣に髪の毛から発された呪いが流れ、殺戮姫にまで及ぶ。
「ハ
……??」
殺戮姫は何が起こったのかわからなかったが、公園の木で休んでいたカラスたちが騒ぎ出す。
そして次の瞬間、無人で暴走するトラックが公園に突っ込んできて殺戮姫を跳ねた。
「!??」
「……世界は悪に満ちている。
我が呪いを受けるがいい!」
パラミトログルの呪いにより、交通事故、工事現場の足場が崩れて落ちてくる、飛行機からの落下物などが次々に発生し殺戮姫に襲いかかる。
「????」
元から破滅的な未来を見ているとはいえ、一気に不幸が襲いかかってくるため殺戮姫は困惑しているようだった。
「ふむ、殺意以外の感情もあるようだな」
語り合うことで得られるほどの情報ではないが、彼女の別の一面を知ることができてよかったのかもしれない、とパラミトログルは考えた。
成功
🔵🔵🔴
フォルク・リア
公園にやってきて
「どうやらみんな上手くやったみたいだ。
なら俺も確りやらないとな。」
【高速詠唱】でグラビティテンペスト発動。
自分の周りに斥力を発生させると共に
敵の攻撃を【見切り】、
月光のローブで【オーラ防御】を行いダメージ軽減。
敵を観察し反撃の機会を待つ。
【味方を攻撃】したタイミングか寿命が減ったタイミングを見極め
敵の武器を重力でその場に固定。身動きを取れなくし
残ったグラビティテンペストの力を掌に集中
【鎧無視攻撃】【貫通攻撃】力で
撃ち抜く様な力に変換。
掌底の要領で直接敵にぶつける。
「確かに人の想像力は強い。
だが、それは暴走して人を傷つける為じゃない。
そんなものは歴史になる前に消し去ってやる。」
「どうやらみんな上手くやったみたいだ。
なら俺も確りやらないとな」
フォルク・リアはノートから呼び出された殺戮姫と猟兵たちの戦いを見ていた。
ようやく今回の事件の元凶を呼び出せたのだ。あとは戦うのみ。
「殺さなきゃ……殺さなきゃキャキャハハハー!」
殺戮姫が向かってきたので、フォルクは詠唱せずに即座に能力を発動。
自分の周りに重力・斥力を操作する空間を発生させる。
これにより、殺戮姫の素早い動きが抑えられ、フォルクは攻撃をかわし続けることができた。
(彼女は『破滅のみの未来』を見続け狂乱により力を増しているが、その状態が長く続くはずがない……彼女自身が消耗するはず)
フォルクはそう考え、反撃の機会を窺っていた。
一見、殺戮姫の様子は変わらないように見えた。しかし、深く観察してようやくわかる程度だが、次第に焦燥の顔色になっているのがフォルクには分かった。
「……ここだ!」
フォルクは狙った通りのタイミングで、重力を殺戮姫の鋸剣の一つに集中させた。
ズンッ、と鈍い音がして鋸剣が地面にめり込み、その周りの地面が半円にへこむ。
「ハァ
!????」
殺戮姫は事態を理解できず、地面にめり込んだ剣を抜こうとするが全く動かない。
そのわずかな間にフォルクは彼女のすぐ近くまで距離を詰めていた。
その掌に重力を集中させ、素手で身体ごと貫くような衝撃を直接ぶつける。
「……ッ!?」
殺戮姫は身体に穴こそ開かなかったが、大きく吹き飛んで公園の地面に倒れた。
鋸剣の一本はまだ地面に埋まったままだ。
「確かに人の想像力は強い。
だが、それは暴走して人を傷つける為じゃない。
そんなものは歴史になる前に消し去ってやる」
フォルクが自分に言い聞かせるように言った。彼の力なら確かにそれが可能かもしれない。
彼がそれだけ人の想像力の可能性を信じているからだ。
「人の想像の力……この力をオブリビオンに悪用されてはならない」
フォルクの後ろに地面に埋まっていた鋸剣に大きくヒビが入り、真っ二つに割れた。
大成功
🔵🔵🔵
楠葉・狐徹
【SPD】
「久々の剣使いの敵…とはちょっと違うか。しかし、本能的な殺戮と理性的な殺戮は似て非なるものだぜ。さあ、前者のお前と後者の俺…どっちが強いか勝負だ!」
まずは妖剣解放で素早く動き、敵を引きつける。そして近づいてきたらすかさず【カウンター】で対抗
「理性を失っているなら回避や防御って選択肢はないはずだ。これで少しでも隙ができれば…」
カウンターを直撃させたら再び距離を取り、刀から衝撃波を放ち、その直後に高速で接近し、【2回攻撃】+【なぎ払い】の2段構えの連続攻撃を仕掛ける
「力押しの殺しなんて誰でもできるが、殺すビジョンを想像してから殺す事はお前にできるか?できないならそれがお前の弱点だ。」
カミンスキー・テレサ(サポート)
多重人格者の學徒兵×力持ち、14歳の女です
口調は設定を参照して下さい
普段(テレサ)は軍人口調で、生真面目な性格の優等生
規律を重んじ従順に従い行動しますが、世間知らずで割と天然です
馬鹿なので力と勢いで解決します
自己犠牲心が強く、他人を優先して行動します
別人格のゾフィアは余裕のあるクールな成人男性の人格
テレサよりは融通が利き、大人っぽいです。
ドジな所はあまり変わりません
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「赤い……紅い朱い赫い緋い……赤い血が見えるぅ!!」
殺戮姫の様子が変化する。元々正気を失って戦っていたが、敵を見てというより、早く動くものをすべてを破壊するような戦い方になってきた。
「死ね死ねええ!!」
風でくるくる回る回転遊具を殺戮姫がずたずたに破壊してしまう。
その破片のいくつかが飛び散って物陰に隠れていた黒田兄妹の方にまで飛んできた。
「危ないであります!」
カミンスキー・テレサ(貫き通す意思・f23215)はもう一人の自分、ゾフィアを出現させる。
ゾフィアは黒田兄妹のもとへ急いで駆けつけ、飛んできた破片を弾いた。
「危ないからもっと遠くへ離れてな!」
「あ、ああ、わかった!!」
松平たちはあわてて公園から離れる。
テレサはその間、殺戮姫が黒田兄妹たちの方へ向かわないよう、刀で抑えていた。
「キャハハハハハァアアアァー!」
殺戮姫のもつ鋸剣はあと一つだったが、攻撃の勢いはまだ落ちていない。
ただテレサと一騎打ちをしているというより、周りをすべて破壊している様子だった。
「こ、このままでは公園が全部破壊されてしまうのであります!!」
テレサは自分に向かってきた攻撃は抑え込めていたが、真面目な性格ゆえ周りへの被害を心配していた。
「久々の剣使いの敵……とはちょっと違うか」
楠葉・狐徹は鋸剣を振り回し戦う殺戮姫を見て言った。
「しかし、本能的な殺戮と理性的な殺戮は似て非なるものだぜ。さあ、前者のお前と後者の俺……どっちが強いか勝負だ!」
狐徹は黒田兄妹が公園からいなくなったタイミングで、妖刀の力を開放する。
殺意が異常なほどに増幅し、怨念となって彼の身体から溢れ出る。
その怨念に惹きつけられるように殺戮姫が襲いかかってきた。
狐徹は素早く攻撃を交わしつつ、刀で反撃を入れる。
「あかっ
……!??」
彼女が見ていたのは自分の斬られたことによる血だった。
相手の行動を見て回避などはできず、まともに攻撃を食らったのだ。ただ狂乱状態によりあまり痛みを感じていないように見える。
狐徹は冷静に殺戮姫と距離を置きつつ、刀を振るう。刀から衝撃波が発生し、殺戮姫へ飛んでいく。
「!?」
殺戮姫は横に飛ぶように衝撃波を躱した。単純に動くものは避けられるらしい。
だがその隙に狐徹は彼女の元へ再び接近し、刀で連続攻撃を仕掛ける。
「!!!」
殺戮姫は鋸剣で受けることが間に合わず、幾重もの刀の攻撃をくらい、地面に倒れた。
「力押しの殺しなんて誰でもできるが、殺すビジョンを想像してから殺す事はお前にできるか? できないならそれがお前の弱点だ」
力を失った殺戮姫は、再び青い光に包まれ、消えていった。
「これで殺戮姫は倒されたのでありますね」
テレサが安心したように言った。その間にゾフィアが黒田兄妹たちを呼び戻しに行っていた。
狐徹は地面に落ちているノートに気づいた。風でパラパラページがめくれている。
拾うと丁度「殺戮姫・ジル」のページが開いていた。絵はそのまま残っている。
だがもう笑い声は聞こえなかった。
「ほら、このノートはあんたに返すよ」
戻ってきた松平に狐徹はノートを渡した。
「ありがとう。でも、持ってて大丈夫なのか?」
松平は受け取りながら心配そうな顔をする。
「殺戮姫は俺たちで倒したからな。まあ大丈夫だと思うぜ」
実際は後でUDC組織が証拠隠滅や調査に来るかもしれないが、危険は去ったので持っているのは大丈夫だろう。
猟兵たちが帰り、団地はいつもの空気に戻ったようだった。
あれは夢だったのだろうか。しかし松平は手元に残るノートを見ながら、確かにあった出来事なのだと思うしかなかった。
「ほら、お兄ちゃん、そろそろお父さんとお母さん帰ってくるよ」
玲奈が松平を置いて家に戻っていくところだった。そろそろ日が暮れる。
「おい、待ってくれよ!」
急いで松平は後を追いかける。日常が帰ってきた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴