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狩って踊って大団円!

#アックス&ウィザーズ #戦後

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#アックス&ウィザーズ
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#戦後


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●グリモアベースにて
「皆、集まってくれてサンキュ。今回、皆にこなして欲しいのは、アックス&ウィザーズの酒場にあったモンスター退治依頼だ」
 宙夢・拓未(未知の運び手・f03032)は、告げる。
「内容としては、ゴブリン退治とスライム退治だ。スライムがいるのは洞窟で、そこに向かう途中の街道にゴブリンがいる。まずはゴブリンから、ちゃちゃっとやっつけちまってくれ。交易品が強奪されてたりして、被害はそれなりにあるらしい。けど、ゴブリンの方はオブリビオンじゃないみたいだし、退治はそう難しくないと思うぜ」
 『ゴブリンの方は』と拓未は言った。ならば、スライムはどうなのか、と問う猟兵に、彼は答える。
「どうやらスライムはオブリビオンらしい。けど、こっちもそんなに強くない。皆なら、大丈夫だ」
 ユーベルコードが使えない一般の冒険者が、知らずに退治を引き受けて犠牲になるような事態が起きる前に、猟兵が退治してしまえばいいというわけである。
「オブリビオンのスライムは、『ドロゥプス』って名前だ。敵対者の行動速度を下げたり、動きを封じたり、眠らせたりするユーベルコードを使うぜ。その後で、ポコポコ体当たりしてくるみたいだな」
 無事にゴブリンとスライムを退治した暁には、酒場から報酬を受け取って依頼完了となる。
「で、その酒場なんだが、飛び入り歓迎のダンスステージを開催しててな。せっかくだから、何か踊りを披露してから帰れば、皆、すごく盛り上がると思うぜ。アックス&ウィザーズらしいダンスにこだわらなくても、それぞれの得意な踊りでいい。踊りが得意でないなら、リズムに乗ってそれっぽく体を動かすだけでもいい。肝心なのは、楽しむことだ」
 にっこりとスマイルした拓未は、最後にこう締めくくった。
「モンスター狩りにダンスに、しっかりとやりきってきてくれよ」


地斬理々亜
 地斬です。初心者歓迎のシンプルな依頼をお届けします。
 よろしくお願いします。

●第1章
 冒険フラグメント。
 街道で、ゴブリンを退治します。

●第2章
 集団戦フラグメント。
 洞窟で、オブリビオンのスライム『ドロゥプス』を退治します。

●第3章
 日常フラグメント。
 酒場で、ダンスステージに飛び入りします。
 グリモア猟兵の拓未も、プレイングで呼ばれればこの章のみ登場可能です。

●プレイング受付
 各章ごとに、断章投下と同時に受付開始します。
 締め切り日時については、決まり次第、ツイッターと自己紹介ページでお知らせ致します。

 それでは、大団円目指してファイトです!
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第1章 冒険 『小鬼強奪街道』

POW   :    通行者たちの護衛として同行する

SPD   :    ゴブリンの襲撃地点を予想し、逆に待ち伏せる

WIZ   :    囮として行動し、ゴブリンを誘き寄せる

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●街道
 ドロゥプスたちが巣くう洞窟。そこに向かう途中に、その街道はあった。
 ゴブリンが通行人を襲う場所であるこの街道で、まずはゴブリン退治である。
 見れば、行き交う商人の姿もちらほらある。ゴブリンが出てくるのは時間の問題だろう。
 オブリビオンでないとはいえ、人を襲うモンスターを放置はしておけないのだ。
高砂・オリフィス
POW判定*アドリブ歓迎

はいはいはーい! 道を塞ぐゴブリン、やっつけるよーっ
人のものを取ったらダメなんだからねっ、ちょーっとお仕置き、いってみよっ!
こういう時こそ笑顔笑顔! 声出してこ!

触れられるギリギリまで引き付けて、ユーベルコード《今なお来たる瞬間》!
殴られる前に殴り返す! ついでに零距離射撃! あははっ!
飛び道具、ないとは思うけどあったらそれには警戒しようかな?

どーだ参ったか! 今までぶんどった交易品も返してもらうよ! えっない?!
もーっどーしよーもないなあなたたちは! その分殴って殴って殴ってやるー! おらー!



●笑顔の猟兵
「はいはいはーい! 道を塞ぐゴブリン、やっつけるよーっ」
 高砂・オリフィス(南の園のなんのその・f24667)は、明るい笑顔を浮かべ、行き交う商人に呼びかける。
「冒険者か、頼もしいな! 頼むよ!」
「はーい!」
 応じた商人へと元気よく返事し、その商人を護衛する形でオリフィスは街道を進む。
 それからそう時間が経たないうちに、そいつらは姿を現した。
「ゴブ!」
「ゴブー!!」
 ゴブリンたちである。すかさずオリフィスは身構えた。
「人のものをとったらダメなんだからねっ、ちょーっとお仕置き、いってみよっ!」
 緊迫した場面だが、それでもオリフィスは笑顔を崩さない。
「こういう時こそ笑顔笑顔! 声出してこ!」
「ゴブーッ!!」
 構わず殴りかかってくるゴブリン。ストレートの軌道で迫るその拳を、オリフィスはギリギリの距離まで引きつけた。
 避ける気がないかのように、ゴブリンには見えただろう。事実、オリフィスは一歩もその場から動かなかった。
 下半身は動かさず、上半身だけを横にずらす動きで、ゴブリンの拳を避けたのだ。
 ダンスの基礎、アイソレーション。それを鍛え抜いたオリフィスだからこそできた動きである。彼女のユーベルコード、『今なお来たる瞬間』だ。
「ゴブ!?」
 驚くゴブリンの頬を、オリフィスの反撃の拳が捉えた。 吹き飛ばされたゴブリンは、土煙を上げながら地面を滑っていく。
 別のゴブリンが、すかさずオリフィスに飛びかかった。彼女は、粗悪な散弾銃の銃口をそのゴブリンの胸元に押しつける。
「ゴブ……!」
「あははっ!」
 零距離射撃。ゴブリンは命を散らした。
「どーだ参ったか! 今までぶんどった交易品も返してもらうよ!」
「ゴ、ゴブ……」
 生き残りのゴブリンは、怯えた様子で首を横に振る。
「えっない?! もーっどうしよーもないなあなたたちは! おらー!」
 これでもかとばかりに、オリフィスはゴブリンたちを殴りまくっていった。
 ゴブリンの第一陣は、お仕置き完了である。

成功 🔵​🔵​🔴​

箒星・仄々
オブリビオンではないと言え
場合によっては人の命を奪う存在です
未来は一つ一つの命が紡いでいくもの
小鬼さんを退治しましょう

万が一
怪我したり命を落とす方がいるのは避けたいです
ここは護衛として商人さんに同行し
現れた小鬼さんを退治することとしましょう

事前に襲撃されやすい場所や時間を情報収集
道すがら動物さん達をお見かけしたら
竪琴を奏で親交を結び
小鬼さんの情報をお尋ねします

五感を研ぎ澄ませて
小鬼さんの痕跡や気配がないか
小鬼さんを追跡する風に気配を探り護衛
夜は仲間がいれば交代で見張ります
お茶もいれますね♪

戦闘時は疾風で加速
炎熱の刃を振るい
激流の盾で防御

事後に竪琴を爪弾き
鎮魂曲を奏で歌います
骸の海で安らかに



●優しく勇敢なる者
(「オブリビオンでないといえ、場合によっては人の命を奪う存在です」)
 箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は、自分の胸元に手をやる。
(「未来は一つ一つの命が紡いでいくもの。小鬼さんを退治しましょう」)
 気を引き締め、彼はまず、情報収集に向かった。
 最初に、護衛として同行したい旨を商人に話し、その提案が受け入れられた後で、仄々は尋ねる。
「ゴブリンに襲撃されやすい場所や時間について、教えていただけますか?」
「そうだな。あいつら、街道のど真ん中で白昼堂々襲ってくることが多いな」
「なるほど」
 夜に見張ることも考えていたが、その前にゴブリンと遭遇することになるかもしれない、と、仄々は考えを巡らせた。
 やがて、彼は商人と共に街道を進む運びとなった。
 五感を研ぎ澄ませていた仄々は、近くの草むらが音を立てたのを察知し、身構える。
 草むらから飛び出してきたのは、一匹の野ウサギであった。
「ウサギさんでしたか。ちょうど良かったです、お尋ねしたいことがあります」
 仄々が、竪琴で美しい音色を奏でる。野ウサギが顔を上げた。
「この辺りに現れる小鬼さんについて、何かご存じでしょうか?」
 動物と話す能力を発揮しつつ問えば、野ウサギは答える。
『ソロソロ来ルヨ!』
 野ウサギが示した方向を見れば、微かにモンスターの気配が感じられた。
「ありがとうございます」
 野ウサギに礼を言った仄々は、剣を抜きながら、『トリニティ・エンハンス』を発動。疾風の魔力で加速し、気配がある方向に突撃する。
 商人を襲うことに集中していたゴブリンはうろたえ、そのまま炎熱の刃で切り裂かれた。
 態勢を立て直した別のゴブリンたちの拳による殴打を、仄々は激流の盾で防ぐ。再度振るった、炎を纏う魔法剣が、ゴブリンたちを葬り去った。
(「どうか、安らかに」)
 剣を納めた仄々は、竪琴を爪弾きながら歌う。それは、ゴブリンたちに向けた鎮魂曲であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

春霞・遙
猟兵にとっては危険な相手ではないそうなので、周囲の一般の人を守ることを優先しようと思います。
「かばう」「救助活動」、けが人がいれば「医術」で手当しますね。
ゴブリンが近いようなら杖で「なぎ払い」「吹き飛ばし」、折り紙で作った手裏剣や紙飛行機を【紙片鋭刃】で武器にして戦いますよ。

あとは、近くの洞窟に危険なスライムが発生しているようなので、退治が済むまで近づかないようにと言い含めて、他の人にも伝えてもらえるようにお願いします。



●救うために
(「必ず、守ります」)
 春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)は、商人の傍を歩きながら、意志を固める。猟兵として、また医師として、一般人に犠牲を出したくなどないのだ。
 そのまましばらく歩いていると、前方から必死の形相で走ってくる別の商人が、遙の視界に入った。彼は痛そうに片手を押さえている。
「助けてくれ! ゴブリンだ!」
 その言葉を聞いた遙の表情に、緊張が走る。
「私の後ろに隠れてください」
 逃げてきた商人と、自身が護衛してきた商人へ、呼びかけて。木の杖を手に、遙は前方を見据えた。
「ゴブー!」
「ゴブゴブー!!」
 正面からゴブリンが走ってくる。商人を追いかけてきたのだ。
 まだ彼我の距離はある。そこで遙は、折り紙で作った手裏剣を取り出した。
 本業が医師である遙が、泣く子らの気を逸らすために持ち歩いている折り紙。その作品の一つである。
 紙の手裏剣など普通は武器にならないが、彼女のユーベルコード『紙片鋭刃』はそれを可能にする。
「ひらひらと風に飛ぶ薄く弱い刃、鋭く軽く真っ直ぐに裂け」
 ささやきと共に折り紙の手裏剣を投げれば、一体のゴブリンの体がすっぱりと切断された。
「……ゴブッ!?」
「ゴ、ゴブー!」
 ゴブリンたちの足が止まるが、それは一瞬。彼らは、そのまま直進してきた。
 すい、と、いくつかの紙飛行機が宙を泳いだ。それもまた、遙が放った刃だ。体が裂け、ゴブリンたちは倒れ伏してゆく。
 それでも、かろうじて遙に接近することに成功したゴブリンもいた。
 だが、遙への攻撃は叶わない。遙が手にした杖が横薙ぎに振るわれ、ゴブリンは吹き飛ばされていた。
「ひとまずは、もういないようですね」
 自分たちを襲ってきた分のゴブリンは全滅させたことを確認し、遙は一息つく。
 逃げてくる途中で転んで手首をひねったという商人を遙は手当し、それから、洞窟のスライムの危険について伝えた。
 商人は感謝し、情報を広めておくことを約束したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

小宮・あき
街道には行商人の姿も見えるのね。
では、早めに退治をしないと。
そのためにも人の手が必要ですね。文字通り、人の手。

UC【戦場のハレム】
80人の私、さあ、お仕事です!

80人+私で話しながら探索です。
「行商人に被害が出る前に、潰してしまわないと」
「ゴブリンは集団で動くのかしら?」
「襲撃地点を予測しましょう。見晴らしの良い場所には居ないかも」
「廃屋や、岩陰や、崖下、洞窟、背の高い草陰…とか?」
「じゃあ、私達はこっちに行くわ」
「わかったわ、私達は向こうに行くわね」
序列なく、指揮する者も無し。どれが本物か判らない。各々の判断で探索します。

発見後は、クイックドロウと乱れ撃ち、あと目潰しで潰してしまいましょう♪



●同じ顔が81人
「彼らのためにも、早めに退治をしないと」
 小宮・あき(人間の聖者・f03848)は、商人たちの姿を遠目に眺めながら呟く。淡いピンク色の髪が、さらりと風に揺れた。
(「そのためにも、必要なのは……」)
 ――人の手だ。
 文字通りの『人の手』を得るため、あきはユーベルコードを発動した。
 名は、『戦場のハレム』。これによって召喚されたのは、80人の人物だ。彼女らは皆、あきそっくりの姿をしていた。
「80人の私、さあ、お仕事です!」
 本物のあきが号令を掛ける。それから彼女はダミーたちの中に紛れた。
 あっという間に、どれが本物なのか判別ができない状態になった。
 ダミーと本物、合わせて81人のあきが、わいわい話しながら探索を開始する。
「行商人に被害が出る前に、潰してしまわないと」
「ゴブリンは集団で動くのかしら?」
「襲撃地点を予測しましょう。見晴らしの良い場所にはいないかも」
「廃屋や、岩陰や、崖下、洞窟、背の高い草陰……とか?」
「じゃあ、私たちはこっちに行くわ」
「わかったわ、私たちは向こうに行くわね」
 序列も、指揮する者もなく。あきと、召喚された80人のダミーが、各々の判断でゴブリンを探し始める。
 この多数の人手があったことで、ゴブリンは容易に見つかった。
「あっちに二体いたわ!」
「こっちにも一体いるわね」
 他の猟兵に狩られ、残り少なくなっていたこの地のゴブリンは、一体残らず発見されたのである。
「それじゃ、あとは……」
「潰してしまいましょう♪」
 あき、それに彼女のダミーが、マスケット銃を素早く抜いた。
 直後に、弾丸が乱れ飛ぶ。蜂の巣にされたゴブリンや、目を射抜かれたゴブリンが、次々と倒れていった。
「これで、どうやら全部みたいね」
「行商人への被害は防げたかしら」
「次は、洞窟でスライム退治だったわね」
 笑顔で、賑やかに会話しながら、あきは洞窟を目指した。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ドロゥプス』

POW   :    ダンス
【ダンス】を給仕している間、戦場にいるダンスを楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
SPD   :    留まらせる
【瞳】から【ウインク】を放ち、【「可愛い」と感じさせる事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    眠らせる
【スマイル】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。

イラスト:透人

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●洞窟
「~♪ ~♪」
 洞窟に踏み込んだ猟兵たちを歓迎するかのように、ぽよんぽよんと跳ねながら、スライムたちが近寄ってくる。
 可愛い見た目だが、このスライムたち……ドロゥプスは、オブリビオン。そのままにしておけば、いずれ間違いなく犠牲を生む。
 一匹残らず、退治しよう。
春霞・遙
ドロゥプス可愛いですけど、過去の残像ですし一般の人に被害が出たら困りますからね。
ところで、オレンジゼリーみたいですよね……。

一匹ずつ殴打して倒していきましょう。
初めのうちは可愛さでためらって反撃を受けるかもしれないけれど、オブリビオンだからと思い直して真面目に戦います。
数が多いようなので触手の群れも召喚して戦闘に加わらせます。
眠らされそうになったときのために数体はドロゥプスから認識されないように白衣の下に忍ばせておいて、起こしてもらったり「だまし討ち」させたりしましょう。

噛んでもいいけど食べるならあっち(オブリビオン)ですよ。食い尽くしてしまえ。



●謎を喰らうもの
「可愛いですけど、過去の残像ですし。一般の人に被害が出たら困りますからね。……ところで」
 ぽよんぽよん跳ねるドロゥプスたちを前に、遙は呟く。
「オレンジゼリーみたいですよね……」
「!? !!?」
 『たべるの!?』と言わんばかりに、一部のドロゥプスがびっくり顔に変わる。
 ドロゥプスたちに生まれたのは、疑問の感情。その感情の持ち主である彼らに向けて、紫の触手が素早く伸びた。刺され、絞められ、喰らわれ、ドロゥプスたちが力尽きてゆく。
 仲間がやられたのを見たドロゥプスが、ぽよんと跳ねて遙に体当たりを仕掛ける。
 けなげで愛らしいその攻撃に、遙はためらいそうになったが、オブリビオンだからと思い直し、気持ちを切り替えて杖で迎え撃った。
 杖での殴打と、『謎を喰らう触手の群れ』による攻撃で、徐々にドロゥプスの個体数は減ってゆく。
 そんな時、ドロゥプスたちがぽよよんとその場で跳ねて、スマイルを浮かべた。
 それを見た遙の意識が遠ざかり、彼女は洞窟の床に倒れ伏す。ドロゥプスの、眠らせるユーベルコードである。
 倒れた遙に、ドロゥプスたちは跳ねて近づいてゆく。このまま複数体のドロゥプスによる体当たりを受けたなら、ただではすまないかもしれない……万事休すかと思われた、その時。
 遙の白衣の中で、何かがうごめいた。
「?」
 『なんだろう?』と首を傾げたような動作をしたドロゥプスが、次の瞬間、遙の白衣の下から伸びた触手に貫かれた。
 眠らせるユーベルコードに対抗するため、遙は白衣の下に、謎を喰らう触手を数体忍ばせておいたのである。
 触手は遙を軽く噛み、眠りから起こす。
「眠らされていましたか」
 起き上がった遙は、触手たちに向けて言い放つ。
「食べるならあっちですよ。食い尽くしてしまえ」
 その言葉に嬉しそうにしなった触手が、再び、『餌』を求めて、ドロゥプスたちへと向かっていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

小宮・あき
ふふ、会いたかったわ、私の可愛いドロゥプス!
グリモアベースで名前を聞いて、飛んできちゃった。

あなたと出会ったあの日。
草原をポヨポヨ跳ねる姿に胸を撃ち抜かれてから、あなたを宿敵と認定しました。
今日も変わらず可愛いですね。お変わりないようで何より!

適当なドロゥプスに話しかけ、満足したら戦います。
どうせなら、楽しく。

UC【ブレス】
歌を歌って、能力アップ。

【歌唱】で【優しさ】溢れる冒険譚を。
【ダンス】で【パフォーマンス】しながら【おびき寄せ】。

お気に入りのマスケット銃をくるくる回して。
【早業】の【スナイパー】で【先制攻撃】の【暗殺】をします。
【クイックドロウ】で、気付かれないうちに。

また、ね。


箒星・仄々
愛らしいお姿で人懐っこいですね♪
けれど
世界を過去で塗り潰そうとするオブリビオンさんならば
容赦しません
骸の海へお還りいただきましょう

Kリートを展開
ダンスに合わせて
竪琴をかき鳴らし
軽快なステップを披露しますよ

中々素敵なダンスです
私も楽しませてもらいますね♪
お礼にBGMをつけて差し上げましょう

弦を爪弾き魔力を練り上げ
音色に属性魔力を宿し
リズムに合わせた音色で攻撃します

翠の音:風
緋の音:炎
蒼の音:水

三魔力の旋律でダンスをカラフルに彩り
海へ還る花道を飾って差し上げましょう

戦闘後にも竪琴を奏で
スライムさんたちへ鎮魂曲を奏でます
どうぞ安らかに



●ミュージック・スタート
「ふふ、会いたかったわ、私の可愛いドロゥプス! グリモアベースで名前を聞いて、飛んできちゃった」
 ドロゥプスたちの姿を見やったあきは、嬉しげに微笑む。
「あなたと出会ったあの日。草原をポヨポヨ跳ねる姿に胸を撃ち抜かれてから、あなたを宿敵と認定しました」
 うっとりとした表情で、あきは出会いの日を思い起こす。彼女の瞳と同じ色の空の下で、愛らしく跳ねていたドロゥプスと出会った日を。
「今日も変わらず可愛いですね。お変わりないようで何より!」
「♪ ♪」
 あきの言葉を聞いたドロゥプスが、ぽよんと跳ねる。あきに会えて嬉しく感じているようにも、見えた。
「愛らしいお姿で人懐っこいですね♪」
 つられるように笑顔を浮かべた仄々。だが彼は、表情を引き締める。
「けれど。世界を過去で塗り潰そうとするオブリビオンさんならば 、容赦しません 。骸の海へお還りいただきましょう」
「ええ」
 あきは満足した様子で、戦闘態勢に入った。どうせなら楽しく戦おう、そう考えながら。
「倒して、進むの」
 そのあきの言葉は、歌声だった。同時に、ユーベルコード『ブレス』の詠唱でもある。あき自身と、その声に共感した仄々の戦闘力が、高まる。
 懐中時計の形をした物を、仄々は取り出した。カチリとボタンを押し込めば、蒸気機関式竪琴『カッツェンリート』が展開する。
 ぽよよんぽよよんと左右に揺れ、ダンスを披露するドロゥプス。そのダンスに合わせて、仄々は竪琴をかき鳴らし、軽やかなステップを踏み始めた。
「なかなか素敵なダンスです、私も楽しませてもらいますね♪ お礼にBGMをつけて差し上げましょう」
 仄々はダンスを楽しむ。それゆえに、行動速度は下がらない。
 あきは、仄々による演奏を伴奏とし、再び歌った。
 それは、優しさに満ちあふれた冒険譚の歌。これまであきがしてきた数々の冒険が、歌となって紡がれてゆく。
 歌い、それと共に踊るあき。淡いピンク色の髪が、体の動きに合わせて揺れる。
 彼女の行動速度にも、悪影響はない。あきは、ダンスを楽しんでいるのだから。
 踊るあきの方におびき寄せられるように、次第にドロゥプスが集まりだす。
 あきはお気に入りのマスケット銃をくるくると回転させてから、一瞬で複数回引き金を引いた。
 ドロゥプスたちは、スマイルであきや仄々を眠らせる間もなく、急所を撃ち抜かれ、力尽きる。痛みを感じることもなかったかもしれない。
 まだ残っているドロゥプスを見据え、仄々は竪琴の弦を爪弾いた。
 三つの属性を持つ魔力が練り上げられてゆく。『トリニティ・エンハンス』である。あきの祝福により、それらの魔力はいつも以上に高まっていた。
 リズミカルに、竪琴は奏でられ続ける。その音色に、魔力が宿った。
 薫る翠の音色には、風の魔力。
 燃え盛る緋の音色には、炎の魔力。
 涼やかなる蒼の音色には、水の魔力。
 色づく三魔力の旋律は、ドロゥプスたちのダンスを、鮮やかに彩る。
 その音色は、攻撃でもあった。魔力の宿る音色で、ドロゥプスたちは骸の海に還ってゆく。その花道を、色彩豊かに飾られながら。
「これで全部でしょうか?」
「他の場所にまだいるかもしれないけれど、この場のドロゥプスは全部倒したみたいですね」
 尋ねた仄々へと、あきが答えた。
 移動する前に、仄々は再び竪琴を奏でる。さきほどまでの楽しく明るい曲調ではない、静かで穏やかなその音楽は、鎮魂曲だ。
「安らかに」
「また、ね」
 仄々、それにあきは、そっと、ドロゥプスたちに向けてささやいたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

愛久山・清綱
少々遅れたが、何とか本隊に追いつけたぞ。
って、あっ!あれはかの橙スライムではあるまいか。
しかし……其の悟り顏、本当に何とかならんのか?
■闘
うむ、聞く耳全くなし。こうなれば倒すだけだ。
古郷仕込みのシャッフル【ダンス】をお見せ致す。

戦闘中はランニングマンやスライドといった足技を主軸とした
ダンスを踊りつつ、速度の減衰を防止するぞ。
要所ではスピンやアクロバットな【ジャンプ】を見せつけ、
実力差を教えてやれ。

相手のペースが崩れてきたら、一気に仕掛けるぞ。
大なぎなたを螺旋を描くように振り回しつつ【ダッシュ】で接近、
大ぶりな【剣刃一閃】による【範囲攻撃】で一斉撃破だ。

カッコいいでござろう?

※アドリブ・連携歓迎



●古郷仕込みのシャッフルダンス
「少々遅れたが、なんとか本隊に追いつけたぞ」
 愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)が、洞窟の中に姿を現した。猛禽の翼を始めとした、複数の動物特徴を持つキマイラであり、和服の偉丈夫である。
「って、あっ!」
 清綱が見たのは、ドロゥプスの姿だ。帝竜戦役で交戦した記憶のある、橙スライムである。
「……其の悟り顏、本当に何とかならんのか?」
「? ??」
 ドロゥプスは表情を変えず、ぽよんぽよんとダンスを始めるばかりだ。
「うむ、聞く耳全くなし」
 こうなれば倒すだけだ、と、清綱も戦闘態勢に入る。
 まずは、自身の行動速度が減衰せぬよう、ダンスを楽しむことにした。
 清綱は膝を大きく上げ、その足を下ろすと同時に、軸足を後ろに下げる。
 それを、左右交互に素早く行う――これは、シャッフルダンスのステップ、ランニングマンだ。
 シャッフルダンスとは。SNSで大人気の、パリピが踊るダンスである。
 ドロゥプスたちは、食い入るようにそのダンスを見つめる。
 清綱のステップはスライドの動きに切り替えられ、さらに、スピンやジャンプも取り入れられる。
(「これが実力差というものだ」)
 清綱はドロゥプスに視線を向ける。
 悟り顏だ。
 果たして、ドロゥプスたちは、清綱のダンススキルに感動しているのか。それとも、無表情でシャッフルダンスを踊る和服の偉丈夫という絵面を楽しんでいるのか……その表情からは読み取れない。
 いずれにせよ、ドロゥプスたちは、攻撃することも忘れて、清綱のダンスを凝視している。
(「好機だ。仕掛けるぞ」)
 螺旋を描くように大なぎなたを振り回し、清綱は駆ける。ドロゥプスに接近した彼は、大ぶりの、薙ぐ一撃を放った。ユーベルコード、『剣刃一閃』である。ドロゥプスたちが、すぱぱーっと切れてゆく。
「カッコいいでござろう?」
 清綱は呟く。
 見ている者がいれば、きっと、とてもカッコいいと答えたことだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

高砂・オリフィス
ダンスバトルだねっ、盛り上がってこーっ! ヤッホー!

のわぁ?! こえが、おくれて、うごきも……およよよよー
ならならいっしょに楽しんじゃおう! ただしぼくのダンスはこうだ! 見ててね!

これはカポエイラ! 舞踊と武闘を掛け合わせたものさ
さあぼくの蹴り技を受け取って! 知らないって? あははっ、たしかに珍しいかもねっ

ふぃーっ! いい汗かいた! ぶい!



●カポエイラ!
「ダンスバトルだねっ、盛り上がってこーっ! ヤッホー!」
 ダンスするドロゥプスたちを前に、オリフィスは叫ぶ。
「のわぁ?!」
 それから、自分の身に起きている異変に気づいた。
 言葉を発しようと考えてから、実際に声が出るまで、かなりタイムラグがあるのだ。
「こえが、おくれて、うごきも……およよよよー」
 行動速度が、5分の1に引き下げられている。この事態を打開するには、ダンスを楽しむしかない。
「ならならいっしょに楽しんじゃおう!」
 オリフィスは、腰を落とし、構えた。
「ただしぼくのダンスはこうだ! 見ててね!」
 オリフィスの行動速度が、元に戻っていく。
 彼女が始めたのは、演舞であると同時に、演武でもあった。
 オリフィスの、健康的に引き締まった両脚が、数々の足技を、流れるように繰り出してゆく。
「これはカポエイラ! 舞踊と武闘を掛け合わせたものさ」
 一度両足を地に着けたオリフィスは、ドロゥプスたちに向き直った。
「さあぼくの蹴り技を受け取って!」
「! ……!!」
「知らないって? あははっ、たしかに珍しいかもねっ」
 揺れるドロゥプスを見やってそう言うと、オリフィスはまず、押し出し蹴りをドロゥプスへと放った。
 相手との間合いをとるこの蹴りは、ベンサォンと呼ばれる。ぽよんと後ろに吹き飛ぶドロゥプス。
 そこからオリフィスが続けて繰り出したのは、アルマーダ・コン・マルテーロ。空中で放つ二段回し蹴りである。鮮やかなヒットを受けたドロゥプスが、骸の海に還った。
 この蹴り技コンボは、オリフィスのユーベルコード『かつて過ぎたる現在』である。オリフィスはこのコンボを繰り返し、次々にドロゥプスを倒していく。
 華麗に舞う両脚が静止した時には、もはや、動くドロゥプスもいなくなっていた。
「ふぃーっ! いい汗かいた!」
 爽やかに明るく笑って汗を拭うと、彼女は指を二本立てたのだった。
「ぶい!」
 猟兵たちのVictory、である。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『ダンス!ダンス!ダンス!』

POW   :    力強くパフォーマンスする

SPD   :    自身のテクニックを生かす

WIZ   :    伝統的な踊りを舞う

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●酒場
 洞窟から帰還し、酒場から報酬を受け取った猟兵たちは、店内のダンスステージに視線をやる。
 誰でも、いつでも飛び入り歓迎。そんなステージである。
 流れる音楽は、楽士が奏でる生演奏だ。頼めば曲調を変えてもらうこともできるだろう。
 さあ、どんなダンスを踊ろうか。
箒星・仄々
お酒を飲んだり
食事を楽しんだり
お喋りしたり
其々が思い思いに
寛いで楽しんでおられる姿を見るのは、
そして、楽しげな笑い声を聞いたり
賑やかな喧騒に包まれるのは
とても幸せなひと時です
思い切り楽しみたいです

最初は生演奏のお手伝いを

その後
竪琴を奏でながらステップを踏んで
歌って踊ります

今回の冒険談を
吟遊詩人風&ミュージカル風に
語り謡い踊りましょう
クライマックスのドロゥプスさんとの対決シーンでは
酒場の皆さん全員とご一緒に
スライムダンスをしたいですね
ぽよよん ぽよよん~♪



●幸せな猫
 ステージの上に上がった仄々は、まず酒場全体を見渡した。
 お酒を飲む者。食事を楽しむ者。おしゃべりに興じる者。
 それぞれが思い思いにくつろぎ、楽しんでいる姿が、仄々の大きな目に映る。
 耳に入るのは楽しげな笑い声。身を包むのは、賑やかな空気。
(「とても、幸せなひとときです」)
 誰かの幸せな様子は、仄々にとって、何にも代えがたいものなのだ。
(「私も思いきり楽しみたいですね」)
 初めに、仄々は、酒場に流れる演奏のメロディを覚え、それに合わせる形で演奏を始めた。
 楽士は少し驚いた顔をしたが、すぐに仄々の意図を察し、演奏を続けた。
 仄々の竪琴と、楽士のリュート。それぞれが奏でる音色が、ハーモニーを生む。
 そのまま竪琴の演奏を続けながら、仄々は軽やかなステップを踏み始めた。
「♪冒険者が目指すは街道 悪事働く小鬼倒すため」
 仄々は歌を紡ぐ。まるで吟遊詩人のように、かつミュージカル風に。語り、謡い、踊る。
「♪風・炎・水を味方に 魔法の剣を振るって 小鬼は安らかなる眠りへ」
 これは、今回の冒険譚だ。朗々たる歌声に想いを込め、時に大胆な、時に繊細な体の動きで、仄々は自身の冒険を表現してゆく。
「♪やがてたどり着いた洞窟 そこには――」
 冒険譚はクライマックスへ。ドロゥプスと対峙するシーンだ。
 ここで仄々は一度竪琴を置くと、両手を上に掲げた。
「♪ぽよよん ぽよよん~♪」
 仄々は全身を揺らす。楽しそうなこの踊りは、ドロゥプスの動きを表す、スライムダンスである。
「皆さんもご一緒に!」
 彼のその言葉に、酒場にいる他の面々が、次々と立ち上がった。
「♪ぽよよん ぽよよん~♪」
「「「「♪ぽよよん ぽよよん~♪」」」」
 ぽよよんぽよよんの大合唱である。
 屈強な戦士も、線の細い楽士も、酒場の親父も、一様に、楽しそうに体を揺らす。
(「本当に、幸せです」)
 ステージの上で、仄々は心からそう感じたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

春霞・遙
ダンスは高校の頃以来ですし、人前で素面でひとりで踊るのはちょっと恥ずかしいな、と思います。
大勢の中になんとなく混ざるとか、練習して披露するのならいいんですけれど。
そうですね、ユーベルコードの力を借りれば舞うくらいなら出来るでしょうか。

白いローブの姿で炎を灯したハシバミの枝を御幣のように用いて言祝の演舞のようなものを。
言霊を謡いあげて、世界に没入して、舞って、燃え移らない浄化の炎で周囲を照らして、くるくるとステップを踏みます。

終わって醒めてきたら恥ずかしいので舞台袖に引っ込みます。



●ことほぎの舞
(「ダンスは、高校の頃以来ですし。人前で、素面で、一人で踊るのは……ちょっと恥ずかしいな」)
 遙は思う。
 大勢の中になんとなく混ざるのや、練習して披露するのならいいけれど、今回の状況はそうではない。
 遙は、目立つことを自ら進んでするタイプではないのだろう。どちらかというと、自分よりも他者を重要視する方だと思われる。
(「……そうですね、ユーベルコードの力を借りれば、舞うくらいならできるでしょうか」)
 意を決して、遙はステージに上がった。
 今、遙は白衣ではなく、ローブを身に纏っている。色は同じく、清らかな白い色だ。
 用いるユーベルコードは、『悪霊祓いのまじない』。
 燃え移ることのない浄化の炎を灯したハシバミの枝を、遙は両手で掲げて、左右に、しゃん、しゃんと振るう。神社の神主が持つ御幣のような用い方である。
「夏至の夜を汚す悪しきものを追い払え」
 謡い上げる言葉に宿るのは、言霊。
「聖なる炎を消す水の流れを探し出せ」
 これは、悪しき存在を祓うまじない。遙は次第に、世界に没入してゆく。
 地形を流れる力の流れが、今の遙には手に取るように分かった。
 たん、たん、と、遙はステップを踏み、くるくると回る。
 他者をことほぐために、謡い、舞を舞う。
 彼女の動きに合わせて、浄化の炎が辺りを照らす。
 赤く照らされた人々の顔は、神聖さを感じさせる遙の舞に、見とれた表情であった。誰もが、はしゃいだり騒いだりすることはおろか、声を発することも忘れて、遙の舞を見つめていた。
「……ふうっ」
 舞を終えて、遙は呼吸を整える。次第に、人前で踊ったという現実へと、意識が引き戻されてゆく。
「……!」
 恥ずかしさに頬を染めた遙は、ぺこりと一礼し、そそくさとステージを下りた。
 我に返った酒場の人々が、一斉に彼女へと盛大な拍手を送る。
 遙はますます、恥ずかしそうに縮こまったのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

愛久山・清綱
此の地を荒らす橙スライムは討たれ、平和が戻った。
いや違う、彼奴らは洞窟で待っていただけか。
なれば……うむ、考えるだけ時間の無駄だ。
■行
【SPD】
折角の機会だ、俺もステージに参加しよう。
題名は『ヤツらは確かに其処にいた』……笑う所でござるよ?
(注:ウケませんでした)

タイトル通り、洞窟内での出来事をシャッフルダンスで再現。
先ずは先程のようにランニングマンとスライドを用いた踊りで
自分自身の再現を行う。

お次は両足を開きつつ左右に飛び跳ねるステップと【ジャンプ】を
混ぜた踊りに切り替え、洞窟にいたスライム達を演じる。
最後に【残像】が残る程の素早い回転キックで剣刃一閃を再現し、終了。

※アドリブ歓迎・不採用可



●ヤツらは確かに其処にいた
(「此の地を荒らす橙スライムは討たれ、平和が戻った。……いや違う」)
 目を閉じて、酒場の隅で腕組みし、清綱は考える。
(「彼奴らは洞窟で待っていただけか」)
 討伐依頼が出されていたのだから、人々に害を与える存在とみなされていたことは間違いない。
 けれど、それが人々の主観に過ぎないとしたらどうだろう。
 自身を歓迎するように近寄ってきたドロゥプスたちの姿が、清綱の脳裏に浮かぶ。
 本当に、獲物が来たことを喜んでいただけなのだろうか。
(「なれば……」)
 そこで清綱は、目を開いた。
「うむ、考えるだけ時間の無駄だ」
 清綱は気持ちを切り替える。
「折角の機会だ、俺もステージに参加しよう」
 ステージへと歩み、上に上がった清綱は、言い放つ。
「題名は『ヤツらは確かに其処にいた』」
 シリアスなタイトルに、酒場はしんと静まりかえる。
「……笑う所でござるよ?」
 笑うところだったらしい。
 酒場の空気が緩まったところで、清綱はシャッフルダンスを始める。
 ランニングマンとスライドを用いたそのダンスは、洞窟での清綱自身の再現である。
(「お次は」)
 足の動きを一度止めた清綱は、両脚を大きく開く。
 そのまま、左右に飛び跳ねるステップ。さらに、上下するジャンプ。
 このダンスが表しているのは、橙スライム――ドロゥプスたちだ。
 とん、と清綱は両脚を閉じ、『橙スライム』から『愛久山・清綱』に戻る。
 そこから彼は、素早い回転キックを繰り出した。大なぎなたの一撃の再現である。
 残像を伴った清綱の脚が、とん、と地に着く。
「此れにて終了。御覧いただき、誠に感謝でござる」
 武人らしい礼と共に、清綱の踊りは幕を閉じた。
 拍手が起こる。けれど、人々はただ楽しく盛り上がっていたわけではないようだ。
 意図してか知らずか、清綱がダンスに込めていた想い。それを感じ取っていたのかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

高砂・オリフィス
いよいよきました、待ってました!
ダンスステージ! 今日イチ張り切っていっちゃうよー! 

歓声をもらうたびに熱気でステージをヒートアップ!
ぼくの得意な盛り上げアゲアゲ系のアップテンポな曲で、跳んで跳ねての大騒ぎさ!
逆立ちバク宙なんでもござれ、アクロバティックに楽しませちゃうよ!

あー! 楽しかった! 今度は友達も連れて来るよ!
やっぱり冒険&宴会! これこそが醍醐味だもんね! いぇい!



●アゲアゲで行こう
「いよいよきました、待ってました! ダンスステージ!」
 オリフィスの瞳が、きらきら輝く。
「今日イチ張り切っていっちゃうよー!」
 言い、ステージに上がったオリフィスは、メカニカルな白銀のパーツを身に着けた、真の姿へと変わっていた。
 真の姿を強化するユーベルコード、『因果は回る現在』をオリフィスは発動する。ステージは、熱気に包まれた。
 酒場の人々から歓声が上がる。熱気と歓声は、互いに呼応するようにヒートアップしていった。
「盛り上げアゲアゲ系のアップテンポな曲、お願いするね!」
 オリフィスのその言葉に応じた楽士が、激しくリュートをかき鳴らし始める。
 そこからは、跳んで跳ねての大騒ぎであった。
「よっ」
 逆立ちをしたかと思えば、次の瞬間には。
「はっ!」
 アクロバティックなバク宙も行われる。
 奏でられるアップテンポな音楽に合わせて、オリフィスは次々に軽業を繰り出した。
 オリフィスの身体能力に加えて、ユーベルコードによって推進力を得ていることで、このような、大胆かつ軽やかな動作が可能になっているのだ。
「みんな楽しんでるーっ?」
 笑顔絶やさず、ステージを跳ね回りながらオリフィスが問えば。
「「「イェーイ!!」」」
 酒場全体から声が上がった。皆、オリフィスのステージをエンジョイしているのだ。
 オリフィスはステージ端に陣取り、バク転を繰り返しながらステージを横切った。そこから大きなバク宙によって、ステージ中央へと戻る。
 ステージの熱気は最高潮。拍手喝采を浴びながら、オリフィスは元気よく笑顔でお辞儀して、ステージを降りた。
 適当な椅子に座り、一息つく。
「あー! 楽しかった!」
 今度は友達も連れて来ようと、オリフィスはそう心に決めた。
「やっぱり冒険&宴会! これこそが醍醐味だもんね!」
 オリフィスは明るく、からりと笑ったのだった。
「いぇい!」

 かくして、猟兵たちはモンスターを見事退治し、個性的なダンスも披露して。
 大団円となったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年06月23日


挿絵イラスト