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貴様をシャンプーしてやろうか! ロードトゥリーダー!(作者 頭ちきん
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●白いマットのサバンナに。
 四角マットを若い雄が駆け抜ける。まだあどけない顔つきに反して侮れぬ筋肉質な体は、体に刻まれた無数の傷痕と共に威圧感を醸し出す。
 だが、それでも若さは残る。
 彼を圧倒する一撃に汗を飛沫、血が流れ、遂にはマットへ倒れ込む。
 立ち上がろうと足掻くも力及ばず、その体に限界を迎えた男を見下ろすのは、何を隠そう猟兵である君自信だったのだ。

●警戒せよ雷神群像。
 自分専用にこさえた握り飯。具もなく塩だけで味付けされているのは物足りないが、大門・有人(ヒーロー・ガンバレイにして怪人・トゲトゲドクロ男・f27748)は大口を開けてかぶりつく。
 視線の先にやって来た猟兵の姿を認めて、慌ててペットボトルに手を伸ばすと液体を啜る。
 もう少し落ち着いてもええんよ?
 胸をどんどか叩いて一呼吸。リーゼントが乱れていないかチェックまで済ませやがって咳払い。
 誰がそこまで許可したのか。
「大門・有人だ。急な話で悪いが、アポカリプスヘルの若き指導者を誕生させるため、力になってもらいたいんだ」
 アポカリプスヘル。オブリビオンにより文明の崩壊した世界。
 今現在、猟兵らの活躍によって各地で文明復興の芽があるものの、その道程はまだ先だ。
「そんな世界で、地下に閉じ込められてしまった拠点があるんだ。
 長い間を閉鎖空間で過ごし、文明崩壊により助けもなければそいつらも、文明的に退化した生活を送っている」
 原始的な生活だ。しかし地下は広く、地上に通じる排気孔が幾つもあることから生き残る備えはあったようだ。
 しかし。
「所詮は閉鎖空間、そこに未来はない。将来を考えて脱出口を探す人間がいてな、そいつを助けて欲しいんだ」
 その者こそ指導者の素質を持つ新たなリーダー。
 だが所詮は若く経験も未熟。故に新たな指導者としての信頼を得ていないのが現状だ。
「この拠点では新たな指導者を選出するとき、なんとプロレスで決めるそうだぜ?」
 つまり、権力は力で勝ち取るものだと、そう言うのだ。
「指導者に導いて欲しいのは開拓派、若獅子と呼ばれるネッコ・ゴロニャンコ。
 対立候補は今ある資材を平等に分配して終わりにすべきとする平等派、人望篤きおネエ、テーナガ・カマキリャーだ」
 難しい事はない。どちらかを対戦候補として選び勝つか負けるかし、ネッコが強いと周りに思わせれば良いのだ。
「といっても演技下手な奴もいるだろうし、うっかり殺っ──ヤっちゃう奴もいるだろう。
 ま、そんな時は勝者の特権、指導者となることを辞退してネッコを指名すればいい」
 とは言え何度もネッコを倒してしまえば立ち上がれず、テーナガと闘う事になってしまうだろう。
 実力さえ示せばいいので、猟兵同士で闘い、勝者が指名するのもありだ。
 内容は分かったとする一方で、疑問を呈する猟兵たち。
 平等派は、なぜ死ぬと分かって先へ進む事を拒むのか。
 当然の問いに有人は腕を組む。
 彼らも二大派閥に別れる前に、地道な探索や部屋、崩れた場所の確認を行い、おそらく外へ繋がっているのではという部屋を見つけている。
 その矢先の事だ。
「新たな食物庫、豊富な保存食、先への扉。しかしそこに居たのはオブリビオンってこった」
 その威光を目の当たりにした人々は自らの命を救うため、神とも目されたオブリビオンを殺してでも進むことを、そして神を殺すことはあり得ないとその神域を侵さず、命尽きるまで平等に生きようとする平等派に別れてしまったのだ。
 これもまた、文明の後退による犠牲であろうか。
「このアポカリプスヘルには、生きる意志を持った人間が多く必要だ。平等派の意見なんて論外だ、開拓派の若獅子ネッコ・ゴロニャンコの手助けをしてくれ」
 有人の言葉に当然と頷く猟兵たち。地上では農業も盛んに行われるようになり、人手も重要なのだ。月並みな台詞だが、希望の灯火を消させる訳にはいかない。
 問題は神とされるオブリビオンだ。どれほどの力を持った存在なのだろうか。
 情報を求める彼らに有人も神妙な顔で、足下から取り出した包みを開く。
 『ノミをノックアウト! あなたのニャンコに薬用シャンプー!』と記されたボトルがそこに、は? ノミ?
「そう、敵はノミ型オブリビオンだ」
 有人の言葉にどっちらけた猟兵たち。しゃーないね。
 その様子に机をバンバカ叩く有人。落ち着け改造人間。
「おまーら油断してんじゃねえ! こいつはとこぞの科学者に改造されて生体ヴォルテックエンジンとかいうのが内蔵されてんだ。
 一分の虫にも百億ボルト、単体で落雷を発生させるそこらのオブリビオンより危険な奴なんだぜ!」
 わーお絶望的ー。
 大量に跳ね回るノミが落雷を発生させればどうなるか。ユーベルコードを持たない人間がどうにかできる事態ではない。
 下手に刺激すれば拠点の二桁でも一日で壊滅させられるだろう。
 が、運はこちらの味方だ有人はにやりと笑ってシャンプーを示す。
「多少知恵はあるがそれ以外はただのノミだ。寄生先の猫を捕まえてシャンプー漬けにしちまえば、後は勝手にの垂れ死ぬさ」
 さすがにオブリビオンも寄生先は攻撃しないようだ。
 この猫は現地出身でオブリビオンではない。おそらく地上から迷い混んだのではないかと有人は見当つける。
「ま、簡単、と油断しちゃマズい相手だが弱点はあるってこった。
 気をつけてやってくれ」
 集められた資料には足で痒そうに耳の後ろを掻く三毛猫の姿。
 その首輪にされたプレートには『第803略式部隊所属』の文字。
 あれれ? もしかしてこいつ普通の猫じゃなくね?
 猟兵たちは一抹の不安を胸に、希望の芽吹きが始まった大地へと向かう。





第3章 日常 『探せ食の神秘、イン・アポカリプスヘル!』

POW道具など不要也!食材など我が身ひとつで揃えてくれる!
SPD虫取網に釣竿、弓矢に撒き餌。ふふっ、狩猟準備はパーペキねっ!
WIZ周辺の動植物全ての行動パターン把握。各個に見合う罠の設置完了。ふっ、戦わずして全ては決しているのさ!
👑5

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●いざ行かん既開の大地!
 ライジンノミを退治し終えて、拠点住民たちが食物庫へ雪崩れ込んでからはてんやわんやであった。何しろ決死の覚悟を固めていざ向かえば戦いは終わっているし、予想を超える食物の山に外へ出る道があるとなれば、指導者の髪型も変わっていると各人の混乱も頷ける。
 その混乱を抑えつけたのは我らが指導者ネッコ・ゴロニャンコ──ではなく、テーナガ・カマキリャーによるものだ。
 流石に経験で勝るテーナガはこのような事態の回避も上手く、声の通る高所から一喝、更にナナシを抱き込んだネッコの姿を強調することで、問題を解決し新たな希望へ繋いだ新指導者という立場を明らかにした。
 ネッコとしてはほぼほぼ自分の手柄ではなかったが、そこに口を挟むほど子供ではない。自らの地位を確固たるものにすべくその状況を利用する。
 そうして、食物庫から外に運び出された食料の分け前を他の補佐官に案を練らせる間、ネッコとテーナガは動かぬ扉を見上げていた。
 電気によって開閉する仕組み。しかし故障しており動く気配はない。二人は破壊を考えたが地上からの外敵を守る壁ともなる場所、なんとか残しておきたいと考えていた。
「みゃっ!」
「ん、なんだ猫神様」
「そういえば猫神様、アナタどこから入ってきたの?」
 ナナシは割りと居心地の良かったネッコの腕から飛び降りると、排気孔のひとつへ二人を案内する。
 警戒しつつも近より匂いを嗅げば、流れているのは新鮮な空気だ。
「おおい、人手を寄越してくれ!」
 ネッコの言葉にツルハシを持った男が数人集まり壁を崩せば、人が通れる通路が姿を表した。
 緊急避難用に造られたものだろうか、壁も薄く咄嗟の出来事に対処しやすくなっている。
 更に数人、武器を持たせた人員を募り通路を進んだネッコたち。ナナシが出入りしたであろう光の漏れる瓦礫の山を打ち崩し、彼らがその目にしたのは広大な、そして荒れ果てた大地だった。
「……これが……地上……」
 白い砂のように乾いた土塊は夕暮れに赤く染まる。拾い、握れば粉と崩れ行くそれに生命の雄々しさは感じられない。
 そこは、彼らの目指した生きる為の地ではなく、死地と呼ぶべき場所だった。
 生き物の気配すらない絶望の大地に言葉を失う面々。
 ただ一人を除いて。
「戻るぞ。体を休めて、明日に備えるんだ」
「……明日って……」
 不安を見せた彼らがそれを爆発させる前に、ネッコは朗らかな笑みを浮かべた。
「見ろよ、地平線まで見えるぜ。こんなに広い地上なんだ、幾らでも探さなきゃならない場所、作り替えなきゃならない場所がある。
 泣き言なんて暇もない、これから忙しくなるからな!」
 ポジティブぅ!
 ネッコの言葉を受けて、住民にも笑顔が戻る。
 そう、悲嘆することなど何もないのだ。生きている以上、人々は歩かなければならない。そして、その足跡こそ新たな文明となり、生活となり、命となるのだから。
「よーし、命懸けの戦いも終わったし、明日に備えて寝るべ!」
「今日は全く腹が減らねえや!」
「ま、戦ってないもんね」
 拠点へと戻る彼らの後ろ姿を見送り、そして希望の大地へ振り返るネッコの背を伝う汗。
(狩りとかやり方知らないんだけどどーしよう)
 ですよねー。

・狩りや農耕、野生の食物への基礎知識の抜け落ちた地下拠点住民の、明日の生活の為の手助けを行って下さい。
・基本的には狩りの仕方、道具の使い方、野草や野生生物の習性を学習するなど、このアポカリプスヘルへ適応するための手伝いとなります。
・希望を紡ぐため、知恵を合わせて生きる術を編み出すことを彼らに学習させましょう。
・狩猟方法などは詳細を省いても構いません。