双頭の悪魔を従える首跳ね兎
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ダークセイヴァーは長らく……今もヴァンパイアの支配や魔獣の活動に人々が苦しめられている世界。
しかし、このところ「闇の救済者」を名乗る者達がヴァンパイアの強固な支配体制に抵抗を続け、圧政の及ばない場所を人類の活動圏として……通称「人類砦」が現れ始めている。
最初は秘密組織だった『リリース』なる組織。
ミックという青年を旗頭として活動を続けていた彼らはやがて、元鉱山の街を中心に砦を築く。
そこに各地で助け出した人々が集まり、リリースの人数は30人ほど、住民は60~70人程度、合計で100人ほどにまで増えていた。
彼らが協力し合い、街の一部に防壁を築き、建設したやぐらに見張りを立てるなどして小さな砦を防衛している。
この地の人々にユーベルコードなどの特別な力はない。
だが、確実に武器を集めたり、体を鍛えたりして、彼らはいずれ来る反攻のタイミングに備えている。
しかし、この地を狙うオブリビオンの一隊が……。
爛々と目を赤く輝かせる白き獣の視線を受け、双頭の悪魔達が動き出す。
人々の希望である『人類砦』を完膚なきまでに破壊する為に。
グリモアベース。
ここでは各世界で起きている事件をグリモア猟兵が予知、調査し、話を聞いた猟兵達がその世界へと赴き、事件の解決に当たっている。
そのほとんどがオブリビオン討伐だが、中には各世界の住民との交流をはかる者達も見受けられた。
「依頼をお願いしても大丈夫かしら?」
金髪エルフのセレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)が猟兵達へと声をかける。
依頼に前向きな返答が来れば、彼女も嬉しそうに説明を始める。
事件が起こるのは、ダークセイヴァー。
この世界では最近、「闇の救済者」による活動が活発となっており、彼らは小さいながらも拠点となる「人類砦」を築いてきている。
「以前、闇の救済者の一組織が救った元鉱山の街の一部を中心として防壁を築いて、安全に人々が暮らせる場所を作っているの」
そこには、ミックという青年をはじめとした『リリース』という名を掲げて活動する若者達がいる。
この場所そのものがヴァンパイアや魔獣の脅威から身を守ることができる安息の地。人々の希望となる場所だ。
だが、そんな人々の集まる場所を、オブリビオン達が見逃すはずもない。
なんでも、ヴァンパイアの息のかかった白い魔物が双頭の悪魔の集団を率いて、その人類砦を狙っているようなのだ。
「首跳ね兎……非常に危険な相手よ」
ただの兎と思うなかれ。並々ならぬ膂力で飛び回るそいつはあっという間に口にくわえたナイフで相手の首を跳ね飛ばしてしまう。
そいつだけでも脅威だが、連れているのが頭……というより上半身を2つ持つ悪魔『ディオ・デモン』の群れだ。
この二つ頭の悪魔達は知能こそ低いが群れる性質を持ち、ボスとなる者の命令を聞き、見境なく生物の首を狩るのだという。
「ディオ・デモン2,3体くらいなら、リリースのメンバー総出で何とかできると思うけれど……状況は非常に厳しいわね」
その為、急いでその人類砦へと向かい、砦を狙うオブリビオンの群れを取り出入り口付近にて迎撃したい。
「この砦の……若者達の未来は皆にかかっているわ」
ダークセイヴァーを救う為の力を育む為にも、彼らの救出を。
セレインは改めて猟兵達へと願うのだった。
●
ダークセイヴァー某所にある元鉱山の街。
そこは今、闇の救済者を名乗る組織『リリース』の若者達を中心として人類砦が築かれていた。
組織の名前から『解放砦』と名付けられたこの地を中心に、リリースのメンバー達は各地へと赴き、少しずつ人員を集めて力をつけ、勢力を大きくしている。
「ふう……。ああ、防護壁もっと厚くしてくれ」
リリースのリーダーであるミックは休みなく働いている。
気づけば、この活動もあって初期メンバーなどは逞しい体つきを見せていた。
また、この地はオブリビオンの襲撃に遭うまでは鉱山の街だったこともあり、中年男性なども精悍な者が多い場所だ。
子供達もそんな大人に憧れて手伝いをしながらトレーニング。明日は自分達がヴァンパイアを倒すんだと目を輝かせている。
しかし……。
そんな砦へと近づいてくる不気味な一団が。
「ううぅ、うああぁぁ……」
「えもの、えもの、どこ……?」
2つの上半身を持つ悪魔が3本ある手に凶器を持ち、あちらこちらを見回して獲物を求めている。
「お前たちに、狩るべき獲物を与えよう」
感情の無い言葉で告げたのは、なんと小さく白い兎である。
だが、ただの兎ではない。
口にくわえたナイフからは血が滴り落ち、白い毛並みが赤く染まっている。
「さあ、首狩りの時間だ」
「「うおおおおおおおおぉぉ……!!」」
兎の声に応じて、悪魔達が吠える。
思う存分首を狩ることができる。そんな嬉しさが混じった叫びを上げながら。
なちゅい
猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。
こちらは、ダークセイヴァー、「人類砦」防衛のシナリオです。
いずれも新規のフラグメントにてお届けいたします。
第1章:集団戦シナリオ、『ディオ・デモン』の集団の討伐を願います。
第2章:ボス戦シナリオ、『首跳ね兎』の討伐を願います。
第3章:日常シナリオ、集落で筋肉を見せ合うことが流行り始めております。
観戦もいいですが、皆様もこの世界の希望となるべく筋肉を見せつけてみてください!
第1章は9日の執筆を予定しています。9日朝9時半までにプレイングを頂けますと幸いです。その後はできる範囲で採用させていただきます。
章間はプレイングの幅を広げる為の情報を加筆します。
その最後に、次の締め切りに関しまして記述させていただきますので、ご確認の上でプレイングを頂けますと幸いです。
なお、第1章に断章執筆の予定はありません。
シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
それでは、行ってらっしゃいませ。
第1章 集団戦
『ディオ・デモン』
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POW : 燃やし穢す火の粉
【松明から飛ばす火】を降らせる事で、戦場全体が【焦熱地獄】と同じ環境に変化する。[焦熱地獄]に適応した者の行動成功率が上昇する。
SPD : 分かたれる頭
【身を引き裂くことで、もう一方の自分】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : 二つ頭の悪魔
【溢れ出す暴力への欲】に覚醒して【巨大な二つ頭の悪魔】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
(9日朝までの受付予定でしたが、クリアーに達しない状況の為、受付続行中です。現状、9日夜を目途に執筆開始を想定しております)
駒城・杏平
人類砦か、すごいな…。
僕も頑張る、だからこそ
人々の希望である人類砦を守らないと!
僕にはその力があるはずだから!
が、がんばるぞー!
颯爽登場、銀河美少年!
僕が相手だ!悪いことしちゃ、ダメなんだぞー、めっ!
皆と協力して敵を倒すよ。
技能の2回攻撃、一斉発射で攻撃するよ
相手からの反撃が来たらオーラ防御、残像を使って防御したり残像だって言ってかわすよ。
ユーベルコードのめっ!も使って倒すよ!
「めっ!」
技能
【鎧砕き、2回攻撃、一斉発射、オーラ防御、世界知識、残像、情報収集】
【アドリブ歓迎】
クロス・シュバルツ
連携、アドリブ可
この人類砦は最近話を聞く辺境伯に狙われている訳ではないようですね
とはいえ、此処に住む彼らにとって脅威であることは間違いなし。放っておく訳にはいきません
大至急で駆けつけ、『殺気』をぶつけて此方に注意を引きつける
地獄の悪魔と焦熱地獄ですか。確かに大した熱だと思いますが……なら、あなた達には故郷の炎を贈りましょう
突破しようとする敵を優先して狙い、中距離から鎖で動きを牽制
敵の動きを抑えた所で【地を穿つ冥闇の火】を発動
大地より不意打ち気味に吹き出た冥界の黒炎に敵を焼かせる
炎で倒しきれなければ接近して黒剣で止め
環境変化した焦熱地獄の熱は『オーラ防御』と『環境耐性』『気合い』で耐える
華上・ユーディ
【冥土隊】
葉川さんf23289//りたさんf27665とで参加致します。
ダークセイヴァーで動きあり‼️
休む暇がありませんね(苦笑)
◼️SPD重視
戦闘中、敵の注意を引きつけるオトリ役になります。
「光の如く」
ディオ・デモンをUC「彗星総射(スイセイソウシャ)」を使い【範囲攻撃】【衝撃波】
を絡ませていち早く敵の群れを殲滅することです。
各個撃破はりたさんに任せ、そのサポートに葉川について貰います。
新人猟兵さんに経験を積んで頂く良い機会。砦の人々を助ける為にも頑張るのです。
鏡神・りた
はじめてましてですぅ。
あ~しは鏡神といいマス。
ダークセイヴァーに来るのははじめてですぅ。
恐いけど・・・一生懸命頑張りまーす。
【冥土隊】で参加。
ユーディちゃん【f02310】聖愛ちゃん【23289】とあーしです。
戦闘は※POW※
戦闘中、敵に必殺の一撃を浴びせるべく突撃します。
確実に1体ずつ葬り去る事に集中ですぅ。
経験が浅いあーしができる事は今がこれです。
ディオ・デモンの「燃やし穢す火の粉(POW)」に対し、ユーベルコード「美獣喰らい(ケモノクライ)」を使い【捨て身の一撃】で相手の弱点属性を狙いいち早く敵を倒します。
その為なら、ある程度のダメージはやむを得ないものとします。
葉川・聖愛
ダークセイヴァーでも敵勢力の動きが活発化しています。
これ以上犠牲を出す訳には行きません。
出動致します。
【冥土隊】所属
ユーディ様【f02310】鏡神様【f27665】と参加。
戦闘【WIZ】
戦闘中、戦場全体や仲間の状態に常に気を配ります。
鏡神様は依頼が初めてのみたいなので。
鏡神様のサポートと護衛を努めます。
【かばう】【武器受け】【盾受け】でガードを固めながら。
隙きを見て、ユーベルコード「ティアマト」を使い子竜に
敵悪魔の命を交渉に使い。敵を吹雪の結界に閉じ込め行動成功率を
上げる焦熱地獄を封印します。
その為なら、ある程度のダメージはやむを得ないものとします。
連携&アドリブ マスター様にお任せ致ます
愛久山・清綱
此の世界に再びやってきた。世界を覆っていた闇が、
少しずつではあるが晴れてきていることを感じる。
その光を絶やすことなく、人々を護るのが我々の務め……
■闘
先ずは後ろに下がり、距離を取るとしよう。
近づいてくる敵の動きを【見切り】つつ、武器による攻撃を
【怪力】を込めて【武器受け】しながら押し返し態勢を崩す。
敵の隙ができたら、後方へ【ダッシュ】する。
ある程度距離を取ったら刀を構え、敵の集団目がけて【薙鎌】を
放ち、吹き荒れる風による【範囲攻撃】で分かたれた分身もろとも
切り裂いてやろう。
分裂されたなら、両方とも倒してしまえばいいのだ。
むむ、脳筋とな?真実を述べただけでござる。
※アドリブ・連携歓迎
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
敵は最大2倍になるのかしらね。
でも残念、私は複数の敵と戦うのも余り苦じゃないのよ?
いつもの様に右手に拳銃、左手に短剣。
50メートルぐらいまで近づいて分裂した敵を半径レベルメートル内に収める。
そこまでの攻撃は短剣で見切り、武器受けで凌ぐわ。
あとは味方が近くにいないようにしてなるべく敵を多く範囲に入れた状態でユーベルコード【蒼き刃の円舞】。
味方がいなければ3連続で範囲内の敵を切り裂くわよ。
「蒼のチャクラム、その身に刻みなさい!」
残った敵は拳銃で着実に射撃していくわね。
●
ダークセイヴァーの元鉱山の街。
そこはかつてヴァンパイアに襲われて壊滅まで陥ったこの地は、猟兵と共に闇の救済者となる秘密組織『リリース』を名乗る若者に助けられた過去がある。
その後、ミックという青年をリーダーとするリリースは少しずつ規模を大きくしながら活動を続け、やがてこの元鉱山の街に拠点を置く。
一度、オブリビオンに襲撃された際、鉱山に隠れることができた実績があるのは大きいと判断し、この地を『人類砦』とすることに決めたようだ。
現在、リリースメンバーと元々の住民、避難民を合わせて100名ほどの人が集まり、組織の名前から『解放砦』と名付けられている。
ヴァンパイアの支配から解放されたこの場所は、人々にとっての希望だ。
「人類砦か、すごいな……」
緑色の髪に朝顔の花を咲かせた駒城・杏平(銀河魔法美少年テイルグリーン・f05938)は、その場所の存在に圧倒される。
解放活動を行う青年達が主導とはいえ、一般市民が立てたとは思えぬ重厚感溢れる砦。
周囲は石垣で包まれ、多少の魔獣の攻撃では攻め落とされぬよう強固な造りとなっていた。
中に入れば、高い櫓を使って若者が外を警戒しているし、内部でも魔獣やヴァンパイアがやって来た時の為にと人々は武器制作に勤しんでいる。
ヴァンパイアの支配に立ち向かう若者達の姿。
この世界に再びやってきたキマイラ少年、愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)はその光景を目にし、少しずつだが世界を覆っていた闇が晴れてきているように感じて。
「その光を絶やすことなく、人々を護るのが我々の務め……」
彼らを守るべく、清綱も力を尽くす心づもりだ。
実際、事前情報によれば、この砦を力でねじ伏せようとするヴァンパイアの手先がやってくるようだ。
「この人類砦は、最近話を聞く辺境伯に狙われている訳ではないようですね」
人との触れ合いを求めるクロス・シュバルツ(血と昏闇・f04034)は距離感を取りながらも、若者達の歓迎を受け入れる。
彼らにとって、これから攻めてくるオブリビオンの一団はかなりの脅威となるのは間違いない。
「放っておく訳にはいきません」
「僕も頑張る。人々の希望である人類砦を守らないと!」
クロスの主張に同意する杏平も、自分にはその力があるはずだと気合いを入れて。
「が、がんばるぞー!」
各自気合いを入れ、猟兵達は街の外へと向かう。
戦闘準備を整えていた猟兵達の元に遅れて到着したのは、【冥土隊】の3人。
「ダークセイヴァーで動きあり!!」
意気込んでやってきた元猟兵冥土長、華上・ユーディ(は一般人・f02310)は休む暇がないと苦笑する。
ユーディはこの状況を見過ごせないと思ったこともあるが、後進の育成も兼ねて戦地へと身を乗り出してきていた。
オブリビオンの集団がやってくるまでの間、ユーディは連れてきた2人をこの場の猟兵達へと紹介する。
「はじめましてですぅ。あ~しは鏡神といいマス」
1人は、UDCアース出身という褐色肌のエルフ、鏡神・りた(えるふのバトルゲーマー・f27665)だ。
「ダークセイヴァーに来るのははじめてですぅ。恐いけど……一生懸命頑張りまーす」
お気楽のんびりでちょっぴりお馬鹿娘といった印象だが、敵を捕食対象として見据える緑の瞳は非常に鋭い。
「ダークセイヴァーでも敵勢力の動きが活発化しています」
もう1人は、白い仮面を装着したメイド……いや、その白い仮面が本体のヒーローマスク、葉川・聖愛(メイドマスク・f23289)だ。
「これ以上、犠牲を出す訳には行きません」
戦意を高める聖愛と新人猟兵のりたが経験を積むことのできる良い機会。
「砦の人々を助ける為にも、頑張るのです」
「分かったですぅ」
「出動致します」
ユーディの指示で、【冥土隊】メンバーもまた果敢に向かい来る双頭の悪魔の群れに対して攻撃を仕掛けていくのである。
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解放砦へと多数近づいてくる小柄で黒い影。
それらは、「母」たる女神に首を捧げる子供たちの中の1匹。『二つ頭の悪魔』……ディオ・デモンと呼ばれる存在だ。
現状、主の認識は別のモノに挿げ替えられているようで、他人を殺す愉悦と首を跳ねよという主の命を遂行すべく、二つ頭の悪魔達はにやけながら鈍器や幅広の刃を抜いて近づいてくる。
「颯爽登場、銀河美少年!」
そこで、手前まで躍り出た杏平がディオ・デモン達へと存在感を示す。
「僕が相手だ! 悪いことしちゃ、ダメなんだぞー、めっ!」
「「くび、くびぃ……」」
その杏平の名乗りに釣られ、ディオ・デモンの群れが大きく分かれていく。
杏平の傍にいたのは至急と駆けつけてきたクロスと【冥土隊】。他に2人の猟兵がいるが、彼らは何か策があるらしく距離を取っていた。
この為、ディオ・デモンの群れは大きく2グループに分かれていく。
自分達の方へと向かってくる敵の相手をと考えるクロスは、ディオ・デモン達が手にする松明から火を飛ばすのを見て。
「地獄の悪魔と焦熱地獄ですか。確かに大した熱だと思いますが……」
その火が解放砦に及ばぬよう、クロスは【殺気】を放ってこちらへと敵の注意を引き付けようとする。
投げつける炎は地面に落ちれば、焦熱地獄へと変化していく。
それに適応する体を持つディオ・デモン達は自分達に有利な地形を作りつつ、猟兵達を攻め立てようとするのだ。
「くっ……」
クロスはその熱を【オーラ防御】と【環境耐性】で堪え、後は【気合い】でどうにかしようとしていた。
傍ではこの【世界の知識をできる限り深めていた】杏平が、ディオ・デモンへと率先して攻撃を仕掛ける。
『アームドフォート』を展開した彼は【鎧砕き】の技能を乗せて、砲弾を【一斉発射】していく。
「もう一つおまけに……!」
さらに【残像】を使って【2回攻撃】することで、杏平は確実に敵を叩いていた。
しかし、地形適応もあって力を高めるディオ・デモン達の中には素早く回避し、猟兵達へと距離を詰めてくる者もいる。
「うおおおおおおぉぉぉ……」
「えもの、えもののくびぃ……!」
彼らは街を燃やし、多数の人々の命を奪うべく呼び出されたのだろう。
そうはさせじと、【冥土隊】のユーディも敵の注意を引きつけようとして。
「光の如く」
超集中によって敵の接近を察したユーディは【彗星総射】を行い、【広範囲】の敵を殲滅すべく炎・水・土・風・氷・雷・光・闇・毒・重力と全属性の光の矢を射放つ。
それらの矢はディオ・デモンの体を穿つと同時に【衝撃波】を発生させ、次々と内部から敵の体を爆ぜ飛ばしてしまう。
だが、周囲を焦熱地獄と化して適応力を高める個体も多く、ユーディの矢を避けて迫ってくる。
【冥土隊】において、斬り込む役を担うのは新人であるりただ。
松明の炎を投げつけ、自分達の有利な地形を築いてから首を切り裂かんと刃を振るってくるディオ・デモン達。
りたはできるだけ敵の先手を取れるようにと、ユーベルコード【美獣喰らい(ケモノクライ)】で自らの『刻印』を解き放つ。
「必殺の一撃を喰らえですぅ」
【捨て身の一撃】で敵へと襲い掛かるりたは、炎・水・土・風・氷・雷・光・闇・毒・重力と全ての属性を含む捕食形態となり、敵へと襲い掛かる。
多少のダメージはやむを得ないと割り切り、りたは確実に1体ずつ葬り去ることに集中してその命を喰らいつくす。
新人猟兵であるりたは、立ち回りにまだ危うい部分もある。
「鏡神様、サポート致します」
聖愛はユーディの指示もあってりたをサポートすべく、傍まで近づいて護衛の任に当たる。
戦場全体に気を配りながらも、聖愛はりたを【かばって】殴り掛かってくる敵の鈍器を【『スタンアンバーメイス』や『メタルシールド』で受け止める】。
ガードを固め、聖愛はりたの全面サポートに当たっていた。
ディオ・デモンの群れの一部は、オッドアイの金髪ヤドリガミの少女、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(f03706)の方へと近づいて行って。
「敵は最大2倍になるのかしらね」
ヴィオレッタの方へと向かっていくディオ・デモン達は身を引き裂き、2体となって襲い掛かる。
「でも残念、私は複数の敵と戦うのも余り苦じゃないのよ?」
距離を詰めてこようとするディオ・デモン達に対し、ヴィオレッタはいつものように右手に拳銃『平和を作るモノ』、左手に短剣『揺らぎ逸らす刃』を構える。
近づいてくる敵が投げつけてくる火をヴィオレッタは【見切り】、【短剣で受けつつ】凌いでいく。
それまで、後ろへと下がり、距離を取っていた清綱。
彼は近づいてくる敵の動きを【見切り】、前方へと翼を羽ばたかせて攻め入る。
合金の刀『空薙』を抜いた清綱は【怪力】を込め、敵の凶器を自身の【刃で受けながら】敵集団を押し返して態勢を崩していく。
「「あぁぁ……」」
「「お、おもいいぃぃ」」
折り重なった敵が動けなくなったのを見て、清綱は後方へと【ダッシュ】する。
「いいタイミングね」
丁度、清綱が敵から離れ、味方が付近にいなくなった状況もあり、ヴィオレッタは態勢を崩した敵目がけて、こう言い放つ。
「蒼のチャクラム、その身に刻みなさい!」
『青金剛石のチャクラム』を巨大化させたヴィオレッタは、3連続で敵の体を切り裂いていく。
「ぐ、ぐああぁぁ……」
無残にバラバラになっていくディオ・デモン達。
「まだ、まだだぁ」
「くびを、かってやるうぅ」
それでも、仲間を盾にし、半身になりながらも、耐えきった者達がしぶとく凶器を振り上げてくる。
だが、清綱がそれすらも許さず。
「秘伝……薙鎌」
前方【広範囲】へと清綱は神速のカマイタチを放ち、分裂体含め
全ての敵を切り裂いていく。
「分裂されたなら、両方とも倒してしまえばいいのだ」
「異論ないわね」
事も無げに清綱の主張に同意するヴィオレッタが拳銃を発砲して確実に仕留めていく。
些か脳筋志向な正論ではあるが、この場の2人へとツッコミを入れる者はいなかったようである。
●
再び、別方向で繰り広げられている戦場では。
「「くび、くび……」」
「くび、くびをよこせ……」
この場の猟兵の数は10人にも満たないこともあり、人の気配が多数ある後方の『解放砦』を狙おうとするディオ・デモン達。
そいつらに対して、やや距離を取っていたクロスが『【冥装】罪茨』の鎖を伸ばし、動きを牽制して。
「あなた達には故郷の炎を贈りましょう」
動きを抑えた敵の足元から、クロスは【地を穿つ冥闇の火】を発動させる。
「「ああああぁぁ……!!」」
不意打ち気味に大地より噴き出した冥界の黒炎は、ディオ・デモンどもを呪いながら燃やしていく。
そこへ、射撃戦から近接戦へと移行していた杏平達が迫る。
「くび、くびぃ……」
その身を焦がしながらも、ディオ・デモンどもは煌めく刃を振り下ろしてくる。
そんな敵の攻撃を杏平は【残像】を使って避け、立ち回りの難で回避できないと判断すれば【オーラ防御】でダメージを軽減する。
ただ、敵は低能な上、愉悦の為に暴れる子供達といった印象だ。
それもあって、杏平は敵に言い聞かせるように叫ぶ。
「悪いことしちゃ、ダメなんだぞー、めっ!」
銀河魔法力を籠めた可愛らしい彼の叱咤は、ディオ・デモン達の肉体を傷つけることなく、荒んだ精神を打ち砕いてしまう。
「「あぁ、あああああぁぁ……!!」」
精神を砕かれた悪魔はその場へと倒れ込み、黒炎によってその身を崩していく。
それでも、抵抗して苦しみ悶えるディオ・デモンを発見したクロスが、逆に黒剣『【葬装】黒羽』でそれらの首を跳ね飛ばしていた。
【冥土隊】もまた、残る敵の討伐に動いていて。
ユーディがもう一度【彗星総射】を行い、敵の殲滅を進める。
ある程度敵の数が減れば、りたの守りに当たっていた聖愛も攻撃に乗り出す。
「ほ、ほうこくぅ……」
仲間達の攻撃から逃れたディオ・デモンが報告しようと背を向けたところで、聖愛は子竜【ティアマト】を呼び出して。
「さあ、あの悪魔達の命を差し上げます」
まだ息のあるディオ・デモンの命を交渉材料とすると、ティアマトも聖愛の命令を了承したのか、敵を次々に吹雪の結界へと閉じ込めていく。
地面の炎が消えて焦熱地獄がなくなっていけば、弱体化した敵をりたが仕留めにかかって。
「経験が浅い今のあーしができる事は、これくらいですぅ」
丁度、杏平の叱咤で棒立ちになっていた敵も多く、りたはそいつの弱点目がけて食らいつく。
ディオ・デモンの負担となっているのは、2つの上半身が生えている腰だ。
そこに食らいつくことで、攻撃の手が2つ減る。
ただ、りたは完全に動きを止めるまでは、捕食を続けていく。
ここまでくれば大丈夫だろうと判断したユーディは腕を降ろし、2人に殲滅を任せることにしたのだった。
大成功
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第2章 ボス戦
『首跳ね兎』
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POW : クリティカル
【咥えた刃物】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD : 下ごしらえ
【残像を伴う速度の連続攻撃】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【一瞬の隙】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ : 窮兎首を跳ねる
全身を【血液と殺気】で覆い、自身が敵から受けた【攻撃】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「フィーナ・ステラガーデン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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ディオ・デモン達を粗方殲滅した猟兵達。
『解放砦』の外側の炎が鎮火していくのを見ながらも、まだオブリビオンの集団を率いていたボスが確認できていないこともあり、戦闘態勢を維持してその襲来を待つ。
「……実にふがいない」
そんな渋さを感じる声を発したのは、ぴょんぴょんと前方から小さく跳躍してくる小さな体躯の白い兎だった。
「これだけの数がいながら、たった1匹の首すら狩れないとは」
燃えカスとなったディオ・デモンの頭を思いっきり踏みつけ、そいつは赤い瞳でギロリと猟兵達を睨みつけてくる。
それは一見すると、普通のサイズの兎だった。
しかし、口にくわえた血のこびりついたナイフ。赤く染まった口周りと真下に向かって一部分のみ赤く染まった腹……どう見ても、ただの兎であろうはずもない。
「首を狩る力くらいあると思ったのだが、所詮は子供か」
兎は声帯を持たぬはずだが、そいつは生物としての理を外れたことで中年男性を思わせる声を手に入れたのだろうか。
かつて、辺境の森に住んでおり、森に踏み入った騎士団の首を次々と跳ねて全滅させたという伝承が残る殺人兎。
それがこのオブリビオン、別名ヴォーパルバニーとも呼ばれる『首跳ね兎』である。
硬い骨ごとやすやすと生物の首を切り裂く並外れた膂力。
残像を伴い、視認すら困難な動きで攻めてくる機動性。
そして、血と殺気を纏って襲撃してくる残忍さ。
とてもではないが、普通の人間に太刀打ちできる相手ではない。いくら場慣れしたリリースメンバーであったとしても、瞬く間に全滅してしまうことだろう。
「さて……」
ギラリと、首跳ね兎は瞳を輝かせる。
考えてみれば、こいつは堂々と姿を現してやってきた。
奇襲すれば、簡単に数人は首を飛ばすこともできたはずなのに、である。
オブリビオンとなり、桁外れた力を手に入れたこの兎にとって、人間など単なる狩り相手でしかないのだろう。
こいつもまた、ダークセイヴァーに生きる魔獣なのである。
「さあ、首狩りの時間だ」
一言、猟兵達へと告げた首跳ね兎は残像を纏い、周囲を跳躍し始めたのだった。
(※今回は、6月13日朝8時30分までの予定で受付しております。その後の受付分は間に合う分のみ対応致します)
シホ・エーデルワイス(サポート)
助太刀します!
人柄
普段は物静かで儚げな雰囲気ですが
戦闘時は仲間が活躍しやすい様
積極的に支援します
心情
仲間と力を合わせる事で
どんな困難にも乗り越えられると信じています
基本行動
味方や救助対象が危険に晒されたら身の危険を顧みず庇い
疲労を気にせず治療します
一見自殺行為に見える事もあるかもしれませんが
誰も悲しませたくないと思っており
UCや技能を駆使して生き残ろうとします
またUC【贖罪】により楽には死ねません
ですが
心配させない様
苦しくても明るく振る舞います
戦闘
味方がいれば回復と支援に専念します
攻撃は主に聖銃二丁を使用
戦後
オブリビオンに憎悪等は感じず
悪逆非道な敵でも倒したら
命を頂いた事に弔いの祈りを捧げます
ナギ・ヌドゥー(サポート)
普段はなるべく穏やかで優し気な感じで話してます。
……そう意識しておかないと自分を抑えきれなくなりそうなので。
それでも戦闘が激しくなると凶悪な自分が出てしまいますね。
オブリビオン相手なら最初から素で対峙し、手段を選ばず殺しにいきますよ。
探索行動の時は第六感や野生の勘などの知覚に頼る事が多いです。
日常的な行動は、寛ぐ事に慣れてないから浮いた存在になるかもしれません……
武器は遠距離ではサイコパーム、近距離では歪な怨刃、
痛みや恐怖を与える時はソウルトーチャーを使います。
ぼくは所詮、殺戮の為の兵器……
でも人間的な理性を保つ為に良き猟兵を演じなければ、とも思っています。
どうぞ自由に使ってください。
●
「……実にふがいない」
見た目にそぐわぬ渋い声を発してきた白い兎。
赤い瞳、そして、赤く染まった凶器、赤い者が滴り落ちた跡のある腹……。
その『首跳ね兎』に近づけば、獣の臭いに交じって鉄臭さも感じることだろう。
「これだけの数がいながら、たった1匹の首すら狩れないとは」
もっとも、それに気づく前に首を跳ねられてしまうかもしれないが……。
そいつが引き連れていたオブリビオン『ディオ・デモン』の集団を先に殲滅していた猟兵達を助けるべく、2人の猟兵が駆けつける。
「助太刀します!」
普段は物静かな銀髪のオラトリオ、シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)が血の臭いを漂わせる危険な相手と聞き、戦線に加わる。
そしてもう1人、こちらも普段は穏やかで優しげな印象のナギ・ヌドゥー(殺戮遊戯・f21507)だ。
「……これは自分を抑える必要のない相手ですね」
ただ、相手が血の臭いを漂わせる相手であれば、ナギもまた自らの殺戮衝動を満たせそうだと悦ぶ。
そんな猟兵達へと、首跳ね兎は赤い瞳をぎらつかせて。
「さあ、首狩りの時間だ」
口にくわえた凶器もまた太陽の光で煌めかせ、魔獣は猟兵達へと襲い掛かってくるのである。
●
サポーターとして駆けつけた2人を獲物と見定めた首跳ね兎は殺意を高め、全身に血を纏う。
獣とは思えぬ力を秘めたそいつは、シホの首を狙って素早い動きで近づいてきた。
素早く振り下ろされる刃は、シホの首筋に赤いラインを入れる。
すぐにそのラインから赤い液体がにじみ出す。
(「素早いですね。さすがは首跳ね兎といったところでしょうか」)
下手な立ち回りでは、本当に首を飛ばされかねない相手だが、シホはユーベルコード【贖罪】の効果もあり、楽に死ぬことはできない。
とはいえ、シホもやすやすと傷つけられはしない。少し後方へと下がり、この場は【援護射撃】に徹することにする。
後に戦う仲間の為に手傷を負わせようと、彼女は聖銃『ピア』と『トリップ』の二丁を両手に持って首を狙う魔獣の体を狙い撃つ。
素早く跳躍していた首跳ね兎だが、その弾丸がいくつも体をかすり、怪訝そうにこちらを睨みつけて。
「お前達、ただの人間ではないな……?」
すぐに、首跳ね兎はギアを上げるかのようにスピードアップし、残像を伴う動きで猟兵達へと襲い掛かろうとする。
すると、ナギが自らの身体に埋め込まれた光線兵器『サイコパーム』を使い、掌からビームを撃ち出す。
それを、すかさず避けた首跳ね兎。
シホの射撃も合わさって動きは制限されてはいたが、それでも敵は素早く肉薄したナギの首を狙って刃を振り下ろす。
甘んじて受けたその一撃。
ナギもまた首から血を流すが、さほど深いものではない。
近づいてきたその一瞬の隙を突き、ナギは『歪な怨刃』の刃を素早く引いて首跳ね兎の脇腹へと傷を入れていた。
「首を跳ねることしか能のないアンタに、殺戮兵器のオレが倒せるとでも?」
その瞬間、獣の本能とでも言うべきものが働き、全身に寒気を感じた首跳ね兎。
「どうやら、本気になる必要があるようだな……」
ディオ・デモンを倒したメンバー達もこちらへと駆けつけてくる。
首跳ね兎は獲物だと思っていた相手から逆に狩られるかもしれない可能性を、肌で感じ取っていたのである。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
あら、牙の長い迷宮ウサギじゃないのね?
冗談はさておいて。
これまでと同じく拳銃と短剣で立ち向かうわ。
なるべく攻撃を見切り、武器受け。
多分、急所を狙ってくるでしょうし、そこを重点的に守るわ。
そして連続攻撃は拳銃で受け止めつつユーベルコード【因果応報の鏡】
「これは貴方の罪。伝統に則した聖なる手りゅう弾じゃないけど、受けてごらんなさいな」
と相手の攻撃をコピー、71秒間連続で打ち込んであげるわ。
クロス・シュバルツ
連携、アドリブ可
染み付いたような血の臭い……ああ、本当に嫌な臭いだ
此処を自分の狩場だと思っていたのかもしれませんが……残念ですが、狩られるのはそちらの方です
【闇夜の翼】を発動、機動力を生かして『残像』による『フェイント』を混ぜた一撃離脱を主軸に立ち回り
敵の刃物による攻撃は、回避できなければ黒剣か鎖のどちらかで受け止めて防御。直撃しそうな場合は『オーラ防御』で
体勢を崩された場合は飛翔の推進力を活かして体勢を整える
止めを狙えるなら、黒剣を大鎌状態に変化させて敵の首を狙う
これまで狩ってきた者と同じように、最後は自身が首を狩られる……であれば、こういう事を因果応報、とでもいうのでしょうか
駒城・杏平
次は首跳ね兎か…
残像を伴い、視認すら困難な動きで攻めてくる機動性か
情報収集や世界知識を使って見極めるよ。
皆と協力して敵を倒すよ。
一撃で決めないと厄介そうだし。
ユーベルコードのめっ!も使って倒すよ!
「めっ!」
で心に荒んだ部分を打ち砕くよ。
フルバースト・マキシマムを使って狙い撃つよ
2回攻撃、一斉発射で攻撃するよ
相手からの反撃が来たら残像を使って避け、回避できないときはオーラ防御する
技能
【鎧砕き、2回攻撃、一斉発射、オーラ防御、世界知識、残像、情報収集】
【連携・アドリブ歓迎】
愛久山・清綱
あの兎が奴等の親玉か。見た目は愛らしいにも関わらず、
並々ならぬ風格を感じるな。
恐らく、幾多の騎士を討ったという伝説は……
■闘
されど、奴も俺と同じ“獣”。俺の力でその習性を【見切る】
ことができれば、完封することも可能やもしれん。
先ずは敵に【ダッシュ】で接近ながら【野生の勘】を
働かせ、敵が仕掛けてくる瞬間を予測する。
鱗のない『首』だけは斬られないようにせねばな……
相手が仕掛けてきたら此方も【残像】を伴う素早い動きで
敵の死角に潜り込む。
そこから若干腰を落とし、首刎ね兎の身体目掛けて高速の
【真爪】を放って大ダメージを狙うぞ。
俺の方が上位の獣であることを知らしめてやるのだ。
※アドリブ・連携歓迎
鏡神・りた
いよいよ敵の首領と対峙だよ。
頑張る。
アドリブ&連携
マスター様にお任せ。
◇POW選択◇
戦闘中、敵に必殺の一撃を浴びせるべく突撃します。
敵の攻撃は鞭を使い【ロープワーク】で巧みに捌きながら
【見切り】でギリギリの回避を行ないます。
「狩るなら逆にあーしが狩らせて頂きマシュる…噛んじゃった(涙」
首跳ね兎にユーベルコード【美獣喰らい】発動
【リミッター解除】【怪力】で相手を抑え込み
『まだ、あーしは猟兵未完成、不完全、ミジュク…
ダケドイエルノハ人々は護ル。これがあーしのメイド道だ!』
【捨て身の一撃】で喰らいつきます。
●
ディオ・デモンの群れを倒し、駆けつけてくるメンバー達。
交戦していたサポーター達がすでに押さえつけていたボス、首跳ね兎は手傷を負った状態で猟兵達に囲まれることとなる。
「獲物かと思いきや、我等を狙う猟師とはな」
一文字違うが、首跳ね兎もオブリビオン。猟兵のことをある程度は存在として何となくは理解している部分はあるのだろう。
「あら、牙の長い迷宮ウサギじゃないのね?」
金髪のヤドリガミ女性、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)はヴォーパルバニーというフレーズを聞いて別のモノを思い浮かべたらしい。
ただ、この首跳ね兎が凶器として使うのは牙でなく、口にくわえた凶器のようである。
「次は首跳ね兎か……」
背に白い翼を生やした緑髪をツインテールにした男の娘オラトリオ、駒城・杏平(銀河魔法美少年テイルグリーン・f05938)は【世界知識】と【情報収集】を活かし、その生態について思い出す。
相手は残像を伴って獲物に襲い掛かり、視認すら困難な機動性を武器に襲い掛かってくる魔獣。
杏平はそいつの危険性をある程度理解し、この場の仲間達と協力して討伐に当たることにする。
「皆、よろしくね!」
「うむ、よろしく頼む」
こちらは年齢に似合わぬ厳つさを感じさせる長身のキマイラの少年、愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)。
挨拶をした彼は、二つ頭の悪魔達を率いていた愛らしい姿の親玉を見据えて。
「並々ならぬ風格を感じるな」
恐らく、幾多の騎士を討ったという伝説は真実なのだろうと、清綱は推し量っていた。
「染み付いたような血の臭い……ああ、本当に嫌な臭いだ」
鉄が混じった独特の臭気に、銀髪の青年、クロス・シュバルツ(血と昏闇・f04034)は誰にも聞こえないくらいの小声で呟く。
「此処を自分の狩場だと思っていたのかもしれませんが……」
そして、今度は倒すべき相手……首跳ね兎に聞こえるくらいの声量で呼びかけて。
「残念ですが、狩られるのはそちらの方です」
クロスは全身に闇のオーラを纏う。
首跳ね兎はこの場の全員を一通り見回して。
「獲物はどちらか、すぐに分かること……」
すぐにそいつは残像を纏い、猟兵達へと襲い来る。
メンバー達が個々に立ち回りを始める中、遅れて褐色肌のエルフ少女、鏡神・りた(美獣・f27665)が今度は1人だけで駆けつけて。
「いよいよ敵の首領と対峙だよ。……頑張る」
りたは取り出した『幻獣の鞭』をしならせ、素早い首跳ね兎の討伐へと当たっていくのである。
●
目の前の魔獣『首跳ね兎』は残像を纏って襲撃してくる。
ユーベルコードを使っているのは間違いないが、敵は野性的な身体能力を活かし、刃を振るってくる。
最初は首だけを狙ってきていた敵だが、猟兵の力が未知数だと感じた相手は首に執着することなく切りかかり始めていた。
最初に狙われていたヴィオレッタは、拳銃『平和を作るモノ』、短剣『揺らぎ逸らす刃』を両手に持って討伐に当たる。
自身に奮われる首跳ね兎の刃をできる限り【見切り】、ヴィオレッタは両手の【武器で受け止める】。
首跳ね兎は確かに部位を特定せずに攻撃する回数が増えたが、隙あれば首を狙おうとすることに変わりはない。
ヴィオレッタは重点的に首を守り、牽制攻撃を仕掛けながら、大技を繰り出すタイミングをはかる。
「奴も俺と同じ『獣』」
キマイラである清綱は多数の生物の種族特徴を併せ持っており、その獣の力を活かして敵の習性を見切ろうと考えていた。
まず清綱は【ダッシュ】で接近しながら【野生の勘】を働かせる。
後は首跳ね兎が仕掛けてくるタイミングを清綱は予測して。
「鱗のない『首』だけは斬られないようにせねばな……」
残像を纏った首跳ね兎は口にくわえた刃物を振り下ろし、さらに切り上げた。
そうして、首跳ね兎はこちらに傷を負わせようとする。
敵はこちらを弱らせてから、必殺の一撃を狙っているのは間違いない。
だが、りたもまた必殺の一撃を浴びせるべく、首跳ね兎目がけて突撃する。
手にする鞭を【ロープワーク】で巧みに捌き、刃を煌めかせて傷つけようとしてくる兎の攻撃をギリギリのラインで回避を試みる。
「ふん、逃げてばかりか?」
刃を煌めかせて攻め立ててくる首跳ね兎。
転ぼうものなら、追撃を仕掛けて首を狙うはず。油断はできない。
そこで、【闇夜の翼】を発動させたクロスが闇のオーラを纏って飛翔する。
相手に対抗して、こちらもとクロスは機動力を使う。
「機動力を武器とするのが自分だけと思わぬことです」
クロスは相手の刃を防御することも備え、【オーラ防御】を使いながらも態勢を崩さぬよう飛翔の推進力で継戦力を維持する。
【残像】による【フェイント】を折り混ぜ、クロスは首跳ね兎へと一撃を『【葬装】黒羽』で刻み込み、すぐさま離脱。
しばらくはこれを繰り返し、クロスは敵を弱らせようとする。
ただ、敵が弱るのを待つだけでなく、杏平はそうした仲間達の攻撃を最大限に利用して追撃を行って。
「めっ!」
銀河魔法力を纏わせた可愛らしい叱咤で、杏平は相手の荒んだ精神を打ち砕かんとしていく。
「それだけで、私は倒せはしない……!」
しかし、普段から戦い慣れしている首跳ね兎。
一撃を受けた杏平の叱咤を受けてなお、首跳ね兎は反撃にと刃を振り下ろさんとこちらの隙を突いて攻め立てようとする。
まともに喰らえば、態勢を崩して首を跳ねられかねない。
杏平は【残像】を展開しながら、敵の追撃を避けてみせて。
「さあ、次行くよ!」
一応全身に纏っていた【オーラ防御】を解き、次なる一手で魔獣を攻め立てていくのである。
●
首跳ね兎は手強くはあるが、猟兵達が多角的に攻撃を続けることで、その動きは少しずつ鈍りだす。
連続攻撃で攻め立てる首跳ね兎。
だが、ヴィオレッタがその刃を拳銃で受け止めて。
「これは貴方の罪。伝統に則した聖なる手榴弾じゃないけど、受けてごらんなさいな」
アーサー王一行が殺人ウサギを撃退した話を語りながらも、ヴィオレッタは【因果応報の鏡】を発動させる。
その銃から発動する連続攻撃。
敵の使うユーベルコードは斬撃によるが、ヴィオレッタはそれを銃撃として71秒もの間連続してウサギの身体へと弾丸を撃ち込んでいく。
それだけでない。サポーターの2人も機を見て銃弾を撃ち込み、呪獣をけしかける。
少しでも相手が怯めば、杏平が全武装を展開して。
「一気に行くよ!」
【フルバースト・マキシマム】。
杏平は【連続】して全ての武装を【一斉発射】し、首跳ね兎を追い込む。
【鎧砕き】も使い、杏平は兎の身体に銃弾を叩き込んでいく。
回避に特化した首跳ね兎の身体の強度はさほど高くはない。
「ぐっ……」
攻撃を立て続けに浴び、苦しむ兎が足をもつれさせたところで、りたが仕掛ける。
「狩るなら逆にあーしが狩らせて頂きマシュる……噛んじゃった」
ほろりと涙を流すりたは【美獣喰らい】を発動させ、【リミッター解除】、【怪力】で相手を抑え込もうとする。
「まだ、あーしは猟兵未完成、不完全、ミジュク……ダケドイエルノハ人々は護ル」
「やらせはせん……!」
反転し、首跳ね兎はりたから逃れて彼女の首を狙う。
しかし、りたも負けじと【捨て身】で敵の身体へと喰らいつく。
「これがあーしのメイド道だ!」
相手の身体へとりたが噛みつくと、清綱が【残像】を伴って背後へと潜り込む。
「……もらったり」
そして、若干腰を落とした清綱は敵の身体目がけ、『心切』の刃で超高速かつ大威力の一撃を浴びせかける。
自らが上位の獣だと知らしめる為に。
すでに自らの血にまみれていた首跳ね兎だが、しぶとく逃れようと飛び退く。
「まさか、こんなことになるとは……」
これでは、ふがいないのは自分の方ではないか。
そんな兎の思考は、次なるクロスの一撃で完全に止まることになる。
クロスが『黒剣』を大鎌形態へと変化させ、その首を狩りとったからだ。
「な、に……」
「こういう事を因果応報、とでもいうのでしょうか」
これまで狩ってきた者と同じように、最後は自身が首を狩られる。
それが数えきれない生物の首を跳ねた兎の最後だった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 日常
『筋肉祭』
|
POW : 大きなものを持ち上げたり、筋肉を膨張させたり、力強い筋肉をアピール
SPD : しなやかに動いたり、ポーズを決めたり、美しい筋肉をアピール
WIZ : 魔法や技能を使って、筋肉の新しい見せ方を追求
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
『闇の救済者』として活動する青年組織『リリース』。
彼らは活動の最中でオブリビオンから守った人々の住んでいた鉱山の街を拠点とし、『解放砦』なる人類砦を築いている。
オブリビオンは……このダークセイヴァーにおいてはほとんどがヴァンパイアの手先か魔獣であるが、それらは人が集まるところを狙い、自分達の欲望のままに人々を力で屈服し、あるいは蹂躙してその命を散らす。
そうした集団の1つが今回襲ってきた首跳ね兎を筆頭としたディオ・デモンの群れであったのだが、猟兵達の力もあってその殲滅に成功し、『解放砦』を守ることができた。
「また助けられたな。あんた達にはどれだけ感謝しても、し足りない」
『リリース』のリーダーであるミックが手を差し出し、猟兵の1人が固い握手を交わし、改めて友好を誓う。
こうした組織はダークセイヴァーにおける小さな希望の灯。
彼らがいるからこそ、今この世界の人々は頑張って生きようという意思が芽生え始めている。
ミックが言うには、ディオ・デモンだけなら追い返すことくらいはできたかもしれないが、さすがに首跳ね兎相手では全滅は免れなかっただろうと語る。
猟兵達はオブリビオンの集団を殲滅したことで、彼らの活動を存続させ、この世界の希望の灯を守ったのだ。
その後、猟兵達が『解放砦』の人々と交流していた中で、ミックからこんな話が。
「俺達にもっと力があればいいんだけどな」
彼がそんな願望を口にすると、近場にいた元鉱山夫のおじさん達が筋肉を見せつけて。
「この街を守るのに、まずは手っ取り早く筋肉をつけよう」
「さらに筋肉をつけて、ついでに筋肉をつけよう」
上腕二頭筋に大胸筋。彼らは見事な肉体美を示しながら、アピールしてくる。
さらに、年齢に見合わぬ肉体美を強調するおばさん達も。
「そして、筋肉をつけよう」
「あと、言い忘れたけど筋肉をつけよう」
おそらくは3、40代と思われるが、そう感じさせぬ美貌を維持する女性達。
リリースに守られてばかりではダメだと、元鉱山の街の住人達の中で、最近筋肉を鍛えるのが流行っているらしい。
逞しい体つきのおじさん達は実にパワフル。
素早さを売りにする『リリース』のメンバーもいるが、それはそれ。瞬発力、俊敏さを出す為には対応する筋肉が必要となる。そうした女性メンバーなどの筋肉は実にしなやかだ。
「折角だ。『筋肉祭』を開催しようぜ」
『リリース』メンバーも活動の中で体を鍛え上げており、自らの鍛え上げた体を示すいい機会だと考えているらしい。
この企画、猟兵達も飛び込み参加は自由だ。
世界を股にかけて強者と戦う猟兵達は、ユーベルコードなどに頼った戦い方をする者も多数いるが、パワータイプの猟兵などは鍛えた体を活かした戦法を取る者も少なくないだろう。
また、猟兵であれば、魔法、技能を使うことで新たな筋肉の見せ方を示すことができるかもしれない。
これぞ、猟兵と思わせる筋肉の見せ方があれば、『解放砦』で行われる『筋肉祭』が盛り上がることだろう。
「ささやかな催しだが、あんた達にも加わってもらえると嬉しい」
ミックはそう声をかけ、猟兵達にも参加を促すのである。
(※今回は、6月16日朝8時30分までの予定で受付しております。その後の受付分は間に合う分のみ対応致します)
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
ちょ、ちょっと、筋肉って…私にはどう考えて縁遠いじゃない!
とは言ってもウサギ退治しちゃったし、招待断りにくいわね…。
せいぜいしなやかに動くことぐらいはできるけど、筋肉見せるってお肌を見せる事よね?
それも余りやりたくない。
ということで私は参加者じゃなくて祭りを見る方に徹するわ。
下手に話を振られても反応に困るから壁の花になって存在感消せるように頑張るわよ。
危なくなったらユーベルコード【インヴィジブル・イグジスト】で透明になって隠れていましょう。
それにしても。
「筋肉でオブリビオン何とかできるのかしら…????」
駒城・杏平
筋肉?…筋肉か…僕そんなに筋肉ついてないしな…。
んーどうアピールするかな…。
あ、そうだ!
僕の持っている巨大剣を回すよ。
この剣は僕もよりも大きいから、きっと力強い筋肉をアピールできる…はず。
小さい体でも大きな剣を回せるんだぞ
情報収集や世界知識を活かしどうアピールするか考えてやるぞい。
技能もフルに使ってもうアピール。
【鎧砕き、2回攻撃、一斉発射、オーラ防御、世界知識、残像、情報収集】
【アドリブ歓迎】
シホ・エーデルワイス
筋肉祭りですか…
体は日々鍛錬と依頼で
無駄の無い引き締まったしなやかな筋肉
けど
元々
引込思案で人見知りする性格
祭り等の不特定多数との交流は苦手
砦の人や家屋等を医術や『聖紗』と回復UCで治療・修復し終えたら
こっそり帰ろうと思うも
行く先々の人から誘われ続け
つい
アシスタントなら…
と口を滑らせた事で場は大盛り上がり
がっかりさせたくないのと
皆さんを元気づけたい想いで
勇気を奮い起こし覚悟を決める
以前カジノで貰った
ステータス画面のバニーガール姿で
参加者の筋肉アピールを手伝う
仰向けになった私を片手で持ち上げてもらう
私を乗せて腕立て伏せ
等はどうでしょう?
私も手袋は外して筋肉を見えやすくする
内心
恥ずかしさ耐性フル稼働
クロス・シュバルツ
連携、アドリブ可
此処の脅威は去りましたか。
幸い、人にも砦に大きな被害はないようですし復興の手伝いは必要なさそうですね
それでは、俺は早めに帰ると……え、筋肉祭? なんですか、それは?
なるほど、世の中には変わった祭りが……はい、参加しろ?
いえ、俺は体質的にも筋肉がつかない方なのでその辺りの要望には添えないと思いますが
ええと、それじゃあ、観戦するくらいならって、駄目ですか。どうしても?
まあ、それで皆さんが明日からも頑張れるというのなら、少しくらいは……。重量挙げとかで良いでしょうか?
見た目は細くとも力はある方なので、然程表情を変える事なく普通に持ち上げる事にします
●
ダークセイヴァー某所にある『解放砦』。
そこでは、駆けつけた猟兵達が首跳ね兎をメインとしたオブリビオン集団を討伐したことで、闇の救済者となる青年組織『リリース』のメンバーや住民達が盛り上がる。
「此処の脅威は去りましたか」
足まで届くほどの長い銀の髪を靡かせるクロス・シュバルツ(血と昏闇・f04034)は安堵する。
幸い、人にも砦にも大きな被害はないことを確認したクロスは、復興の手助けまでは必要なさそうだと判断する。
猟兵と人々との交流の最中、なぜか話は妙な方向へと向かって。
「俺達にもっと力があればいいんだけどな」
リリースのリーダーであるミックのその一言から、最近解放砦内で鍛錬が流行しているのか人々が己の筋肉を誇示して。
「この街を守るのに、まずは手っ取り早く筋肉をつけよう」
「さらに筋肉をつけて、ついでに筋肉をつけよう」
実に見事な肉体美。普段からあちらこちらで活動するリリースメンバーも鍛え上げた体を示すいい機会だと考えて。
「折角だ。『筋肉祭』を開催しようぜ」
そんなミックの提案に、人々と交流していた猟兵達は皆戸惑ってしまって。
「それでは、俺は早めに帰ると……え、筋肉祭? なんですか、それは?」
この場を辞しようとしていたクロスは変わった祭りだと感想を口にするも、参加要望に目を丸くして。
「いえ、俺は体質的にも筋肉がつかない方なので、その辺りの要望には添えないと思いますが」
「ハハハ、大丈夫。我々がしっかりとサポートするぞ」
観戦するくらいならと言うものの、できるならばと肉圧で迫ってくる元炭鉱夫達。
「ちょ、ちょっと、筋肉って……私にはどう考えても縁遠いじゃない!」
声高に反論するヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は女性らしさを感じさせる体つきをしており、筋肉祭とは縁遠い感が強い。
それでも、ウサギ退治した後とあって、ヴィオレッタもその招待を断りづらそうにしていた。
「筋肉? ……筋肉か……僕そんなに筋肉ついてないしな……」
緑髪のツインテール、駒城・杏平(銀河魔法美少年テイルグリーン・f05938)は自らの中性的な容姿を見回し、やはり他メンバー同様に戸惑いを見せる。
「筋肉祭ですか……」
先の首跳ね兎戦でサポーターとして参戦していたシホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)。
日々鍛錬を重ねるシホは、無駄のない引き締まったしなやかな筋肉を持つ。
ただ、シホは元々引っ込み思案で人見知りな性格をしており、祭りなど不特定多数と交流するのが苦手で、困ってしまっていた。
「ええと、それじゃあ、観戦するくらいならって、駄目ですか。どうしても?」
一つ溜息をついたクロス。
この解放砦の人々がそれで明日から頑張れるというなら少しくらいはと、彼はやむを得ずに参加を決めたのだった。
●
筋肉祭という名前を冠したイベントが開催される解放砦。
街の中央に即席で設置された舞台上の様子を、リリースメンバーが中心になって実況していた。
「……さん、元鉱山夫として、見事に鍛え上げられた上半身が素敵ですね!」
なお、その傍らには、アシスタントとして手伝いを行うバニーガール姿のシホの姿があった。
彼女は砦や人々に何か被害があったなら、ユーベルコードを使って修復、治療を行おうと見て回っており、それも大丈夫と判断してこっそり帰ろうとしていたのだが……。
「ねえ、嬢ちゃんも参加していきなよ!」
「貴方もなかなか素敵な筋肉を持っているじゃないか」
そう誘われ続けていたシホは、つい口を滑らせて。
「アシスタントなら……」
「「おおーーーーー!!」」
すると、場が大盛り上がりしてしまう。
人々をがっかりさせたくないシホには、皆を元気づけたいという想いもあった。
彼女は【勇気】を奮い起こし、覚悟を決めて参加者の筋肉アピールを手伝うことにしたのだ。
仰向けになった彼女を、肉体派なリリース女性メンバーが片手で持ち上げ、腕立て伏せ。
シホも手袋は外し、自身の筋肉を見せやすいようにするのと同時に、【恥ずかしさ耐性】をフル稼働させ、衆目に耐えていたようである。
次に登場したのはクロスだ。
彼は町の住民が使っているお手製のバーベルを使い、重量挙げを披露することに。
仕方なくといった形で参加表明したクロスは見た目かなり細身の印象を抱かせるが、猟兵として戦う程度の力はある。
然程表情を変えることもなく、バーベルをゆっくりと持ち上げたクロスに、周囲からは拍手が巻き起こる。
事も無げにパフォーマンスを終えたクロスは、舞台を降りてから誰にも見えぬように大儀そうに息をついていた。
その後、リリースメンバーや元炭鉱夫やその妻らが一人ずつ上がっていく中、ヴィオレッタは【目立たない】よう存在感を消して祭りの観戦に徹していた。
(「せいぜいしなやかに動くことぐらいはできるけど、筋肉見せるってお肌を見せる事よね?」)
それも気乗りがしないヴィオレッタは、下手に話を振られても反応に困ると考え、壁の花となっていたのだ。
とはいえ、感覚に優れるリリースメンバーが近づいてくれば、ヴィオレッタも警戒して【インヴィジブル・イグジスト】を使う。
自身と装備を透明にし、しばらくその場をしのぐヴィオレッタ。
幾度か壇上に上がるアナウンスもあっていたが、彼女は何とか難を逃れたようだった。
脱力感を覚えながらも、透明化を解くヴィオレッタは、それにしてもと一言。
「筋肉でオブリビオン、何とかできるのかしら……????」
ヴィオレッタはそんな素朴な疑問を覚えてしまうのだった。
程なくして、杏平にも舞台上へとお呼びがかかる。
彼はぎりぎりまで何をするのか悩んでいたようだったが。
「あ、そうだ! 僕の持っている巨大剣を回すよ」
杏平が取り出したのは、鉄塊の如き巨大な鉄塊剣。
自身よりも大きなその獲物を振り回せば、きっと力強い筋肉をアピールできると杏平は考えたのだ。
「小さい体でも大きな剣を回せるんだぞ」
特設のステージで杏平が見せるのは、ある程度【情報収集】や【世界知識】で調べ、この世界ではお目にかかれないよう剣技だ。
【残像】を使って、素早く【連続】して繰り出す巨大な刀身の乱舞。
「「おお……」」
筋肉の見せ場というよりは、杏平は卓越した自らの技を見せつけ、人々を圧倒したのだった。
戸惑いながらの参加だった猟兵達ではあったが、筋肉祭は大盛況の後に終了した。
機会があればまた企画したいと興奮冷めやらぬ解放砦の人々に対し、今回参加した猟兵達は場の盛り上がりを維持できたとホッとする反面、かなりトーンダウンした様子で砦から去っていったのだった。
大成功
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