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人類砦防衛線~水上の戦い辺境伯サンクルス侯ファルネーゼ

#ダークセイヴァー #辺境伯の紋章

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#ダークセイヴァー
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#辺境伯の紋章


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●三角州の隠れ村。
 ダークセイヴァー。
 其の中でも人類の居住範囲の外側に位置し完全に闇に覆われて人が住む事等出来ないともいわれ、闇を映し黒く染まった海。
 そこに触れるか触れないかの場所、巨大な川が海に流れ込む丁度境目の辺りに其の三角州はあった。
 其処は丁度、支配者たる吸血鬼の領地と領地の間にある事もあって、どちらの領土かというのもはっきりせず、又、川の流れが激しい事もあって何れは川の流れに削られ消失するだろうと目されていた為に放置されていた場所だった。
 そんな土地に彼等、吸血鬼の支配から逃げ出した人々が住みだしたのは、ある意味必然であったのかもしれない。
「ふぅ、どうにか食っていけるだけの作物が安定してとれるようになってきたなあ」
「魚も大漁だし、此れなら飢えて死なずに済みそうだよな」
 そう言って二人の男がボロボロの袋に入った芋を保管場所へと運んでいく。
 そして、そんな彼等の目の前に闇に覆われた海が目に入る。
「しかしま、怖気が振るう光景だよなあ。
 まあ、アレのお陰で連中の目も誤魔化せてるんだしありがたいっちゃありがたいんだが」
「あの闇の先には何にもない、人間は生きてはいけないだの言われてっからか、俺等だけでなく血吸い野郎の手下になった奴等も余り近付かねえからなあ。
 勿論、警戒しねえと拙いっちゃ拙いのは変わらねえが」
 吸血鬼の支配から逃げ出した彼等にとっては其の支配に従う人間も又、警戒すべき敵である。
 だからこそ、その目が届きにくい此の地は彼等にとっては格好の隠れ場所となりえたのだ。
 今日、この時迄は―――。

●船上、吸血鬼一人。
「ふむ、我が領と隣の領の間、其れも闇に覆われた領域ギリギリの島に集落を造る、か。
 忌避される闇が近いあの場に人が住むとは中々思い至らない、中々に考えたものだ」
『デスガ、ヨリニヨッテ御身、提督サンクルス侯ガ収メル地ヲ選ブハ愚カニ過ギマショウ。
 ソレト出来レバ民ノ迷惑ヲ考エテ、他所ニ造ッテホシカッタモノデス。
 或イハ我ガ君ノ領民ニナルカ』
 大河に浮かぶ船の上、使い込まれた望遠鏡で集落を視ていた軍服の女に対し、傍に控えていた鎧がため息をついてそう応える。
「まあ、そういうな。彼等からすれば我が統治の元であっても犠牲は出ざるをえん以上、唾棄すべき環境だろうし我ら吸血鬼等、欠片も信用等出来ないだろうよ。
 実際、お前達も最初はそうだっただろう?」
『ソ、ソレヲ言ワレルト……アノ時、開放シテ頂イタ御身ニ斬リカカッタ我ガ不明ハ未ダ赦セヌコト故……』
 嘗て己を今の姿に造り替えたモノから解放し配下に加えた時の事を揶揄いながら言う女に鎧は恐縮しきりの状態で言葉を返す。
 そのやり取りに緊迫した空気が弛緩したが其れも一瞬の事、女は改めて集落の状態を望遠鏡で確認する。
「本来なら任務を果たすのは絶対故、あの三角州を潰すのは確定として可能な限り命は長らえさせてやりたいのだが……此れが我が身に施されてる以上、上からは見張られてるも同然だからな」
 自身の右手に埋め込まれた紋章を騎士に見せて女は幽かに苦笑する。
『辺境伯ノ紋章、デシタカ。力ヲ齎ストハ聞イテオリマスガ……』
「力は折り紙付きだが其の代償は不明。
 此れが施された時の事さえ私は覚えていないが……だからこそ、此れを我が身に施した御方の強大さは理解できる。
 その命に逆らえば我が民がどれ程傷つけられようか」
 憂鬱そうな表情で女はそうこぼす。
 今回の件は強き者との闘いを好む女からすれば極力やりたくない。
 だが、女は軍人であり民を治める統治者だ。
『其ノ御方ノ配下以外ニモ、此ノ事ヲ理由ニ周囲ノ奴等モ我ガ領内ニ攻メ入ッテ来マショウナ。
 少ナクトモ見セシメトシテ男ハ皆殺シニセネバナリマスマイ』
「我が民を思えば、そうするしかない、か。
 其れにあの規模では何れは他の者の手にかかり果てる事になろう。
 ならば、我が手で潰す方が他の者の手により果てるよりはマシというものか」
 騎士の諫言に女はため息をつき、そう言う。
 其れに此れ以上彼等の規模が大きくなれば見せしめの為に彼等以外の者迄も蹂躙され幾多の血が流れる事になるだろう。
 闇に覆われた世界において比較的珍しい民を慮る者である女にとって、其れは避けたい事だった。
「やれやれ、どうせなら弱者を踏みにじる戦いではなく強者との誉ある戦、そう噂の猟兵とやらが来てくれたらいいのだが。
 彼等が我ら日昇らぬ国の守り人を打ち破れるか否か見極める為にも、な」
『我等ヲ倒セヌ者ニ民ノ未来ヲ任セル訳ニハ行キマセンシナ』
 少なくとも自分達を倒せない程度の中途半端な力では、より多くの被害を徒に生み出すだけでしかない。
 女と騎士はそう思いながら、此れからの作戦行動について話を詰めていくのであった。

●グリモアベースにて
「まあ、そういう訳でダークセイヴァーの人類砦、吸血鬼に支配されてない人達の住んでいる所が襲撃を受ける事になるんで、皆には其れを防いでほしいんだ」
 依頼を受ける猟兵達に海賊姿の少女アルビルダはそう告げる。
「場所は巨大な船が何隻も通る様な川の下流にある三角州。
 森に覆われた其処の中央部に村はある。
 で、敵は川から船で攻めてくるんでそいつを対処してほしい」
 戦いは島に敵が上陸する前に始まるので基本的には水上戦になるだろうとの事で、先ず最初は其れも踏まえ敵への対策等を準備してほしい、との事である。
「で、戦いが始まったら辺境伯の配下の『朱殷の隷属戦士』って連中を先ず倒してくれ。
 こいつらは元は吸血鬼に歯向かった連中が吸血鬼によって死後、守ろうとした村を滅ぼす先兵にされた、って連中なんだが……今回のはちいとばかし毛色が違う」
 境遇そのものはそうだったのだが、此れから言う辺境伯によって解放された過去があり、彼女への忠誠心はかなりの物なのだという。
「騎士を全部倒したら最後の相手は辺境伯、海軍提督サンクルス侯ファルネーゼと闘う事になる。
 この人はまあ、配下の大船団と共に戦うのが得意なタイプだが個人での戦いも出来ない訳じゃねえ。
 まあ典型的な武人だな」
 割りと珍しい民を大事にするタイプの吸血鬼みたいだが、だからこそ自分の民に危害が及びかねない現状では説得等は難しいだろう、との事。
 又、彼女を倒したとしても彼女の領内への悪影響は其処迄気にしないでも大丈夫と言う事らしい。
「ダークセイヴァーじゃ珍しい船上での戦いになるが、皆ならどうにかやっていけるさ。
 がんばって勝利を掴んできてくれよ?」


久渓洞
 初めまして、或いはお久しぶりです久渓洞です。
 今回の依頼は辺境伯の紋章によって強化された敵との水上戦となります。
 住民たちは基本、其処迄戦力にはなりませんが船を操って猟兵達の移動手段となる等、戦いの援護は出来なくもない、という状態です。

 又、海に関してはほぼ闇に覆われている状態ですので中に入る事も難しい状態ですが、敵側も其の辺りは通らないので気にしなくても大丈夫です。

 それでは皆様の依頼、楽しみにお待ちしております。
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第1章 冒険 『辺境伯迎撃準備』

POW   :    襲撃を行うポイントに移動し、攻撃の為の準備を整える

SPD   :    進軍する辺境伯の偵察を行い、事前に可能な限り情報を得る

WIZ   :    進路上の村の村びとなど、戦場に巻き込まれそうな一般人の避難を行う

👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

マルグレーテ・エストリゼン
この世界の人間を吸血鬼から解放する為に……
いかなる思想・信条の持ち主であっても倒させてもらう

UCで蝙蝠に化けて辺境伯が展開している部隊を偵察するぞ
【闇に紛れ】たり狭い所に入り込んだりして敵の注意から逃れつつ、鋭敏化した聴覚で重要そうな話を盗み聞きしたり、重要な書類を探したりする
書類は見つけたら盗み出す
戦力の構成や配置、進行ルートなどが解れば良いだろう
船に破壊工作など出来ればなお良いが、見つかるリスクがあるならあまり派手な事は控えよう

見つかったら追手の追撃を【オーラ防御】で防ぎつつ蝙蝠に化けて飛び去るぞ


ルパート・ブラックスミス
青く燃える鉛の翼で【空中浮遊】。
上空から【視力】をこらして敵船を偵察。

今の内に【情報収集】すべきは船数と船そのものの規模。
欲を言えば対空兵装や兵が潜水が想定できるだけの装備なのかも測りたい。
船は直接破壊が出来る程度の船かあるいは足止めで済ませるべきか。
敵兵は川に沈めれば無力化できる程度か。
その辺り把握したいところだ。

まぁ何より本命は村から離れた位置に敵を【おびき寄せ】ること。
情報収集が終わるか、敵に発見された場合は
燃える鉛を翼に通常以上に供給し巨大化【武器改造】。
炎の大翼を広げ【存在感】を見せて【挑発】。

見えるか吸血鬼。黒騎士が来たぞ。
敵に背を向け逃げ出す腰抜けではあるまい。
【アドリブ歓迎】


クロス・シュバルツ
連携、アドリブ可

三角州の隠れ村ですか。確かに上手いことを思いついたものですが、どこであっても吸血鬼達は嗅ぎつけてくる。その辺りには少々感心しますね

ただ水上戦というのは生憎、心得がないのですが……。まあ、経験がないからといって戦わない理由にもなりません
何とか備えて、戦ってみるとしましょう

しかし、戦場が水上。周囲の環境的には使えそうな資源も殆どなさそうですし……
他の所でやってきたように、罠や防衛用の設備を仕掛けて待ち構える訳にはいかないようですね

であれば最低限の備えということで、操船技術を教えてもらえるように村人に依頼しましょう
幾らかの操船技術と、船上で立ち回る感覚を掴んで戦いに備えることにしよう


トリテレイア・ゼロナイン
己の民を慮り、人望持つ吸血鬼…この世界では稀な存在ですね
騎士としては相対する相手として好ましくもあり、敵対する現状と敵の実力に頭を悩ませるところもあり…儘ならぬものですね

もっとも、この世界の人々にしてみれば意見を異にするでしょうが
私も『今』を生きる人々の為に戦うのみです

水上戦ということで●防具改造で脚部にフロート(浮き)とスクリューモーターを装着
水上を●スライディングするかのように滑走可能とし●環境耐性整え移動

水上を滑走し●情報収集
敵の船が通過する可能性高い地点割り出し

そこへUCで持ち込んだ爆雷を敷設(●破壊工作)
敵の進路を限定しあわよくば船を撃沈可能でしょう

戦後除去の為場所は記録しておきます


ジーク・エヴァン
辺境伯、か
竜以外にも危険なオブリビオンはかなりいるけど、まさか伝説の吸血鬼までいるなんてな
相手がどんな武人であっても、俺達は猟兵だ
ガンドル(f27129)と協力して、全力で奴らを倒そう

何をするにもまずは地の利を得なくちゃ始まらない、だよねガンドル?
今回俺達が奴らと交戦するポイントの地形を把握しよう
川の水位、広さ、風の向き、川岸で隠れられるポイントはないか、利用できるものはないかを実際に歩いてみて確認しよう
敵が迫ってる状況だからすぐに地形に細工は出来なくても、せめて先制攻撃を仕掛けられるように入念に調査しよう


ガンドル・ドルバ
ほう、こいつは面白い
竜どもとの潰し合いを終えたと思えば、今度は吸血鬼かの?
まったくもって猟兵とは飽きないもんじゃ
次から次へと血沸き肉踊る敵が現れよる
応よジーク(f27128)
鬼退治と行こうぞ

さてと、ジークには岸辺の調査を任せるとして、それがしは川を実際に船で渡りながら確認するとするかの
出来れば住民の誰かに船頭を頼んで船を出してもらおうかの
怖がるようなら無理せんで良い
船さえ貸してくれればそれがし自身で漕ぐわい
光を点けると敵にバレるから暗視で周囲の状況を見る
川の流れの速さ、風の向き、こちらから岸辺の様子を見たり、地形について調べてみるとするかの
船頭になってくれた住民にも色々質問してみるぞ



●蝙蝠に変じて
(此の世界の人間を吸血鬼から解放する為に……如何なる思想、信条の持ち主であっても倒させて貰う)
 そう心に決め、蝙蝠に変じてファルネーゼの軍勢を偵察を行っているのは在る少年が幸福に生きられる世界を造る為に戦い続ける少女、マルグレーテ・エストリゼン(ダークプリンセス・f23705)。
 彼女は闇に紛れ狭い場所に入り込む等し蝙蝠の姿ながらも極力敵に見られぬ様に動きながら船内を探索していく。
『シカシ、聊カ憂鬱ダナ。
 マア、民ガ周囲ノ領主共ニ襲ワレヌ為ニハ仕方ナイノダガ』
『本来ナラバ元凶タルハ領民ヲ虐ゲアノヨウナ場ニ逃ゲコム様ナ統治ヲ行イシ奴等デアロウガ今ノ世ハ其レガ肯定サレル世……我ガ君ガ尻ヌグイヲシ、更ニ隙在ラバ奴等ハ我ガ領ヲ己ガ者ニシヨウト動クダロウナ』
 そんな中でどうにか作戦室と思しき部屋に潜入した彼女は鋭敏化した聴覚で敵の話を盗み聞きし、重要な話を聞き出そうとしていたが敵の会話も其の内に止まり、後はどう敵の目を盗み机に並ぶ資料を盗むかと機会を伺っていた。
 そして、其の内に其の機会は仲間の手でやってくる事となる
『敵ノ偵察ダ!情報ヲヌカレル前に対処スルゾ。
 オ前等も配置ニツケ!』
『ヤハリ来タカ猟兵!ダガ、此レデ弱者ノ蹂躙デハナク誉レ高キ戦イニナルトイウモノダナ!』
 他の猟兵が見つかったとの事で騎士達は船の甲板に向かって去っていく。
「中々良いタイミングで動いてくれたものだ。
 さて、此の船の侵攻ルートが記載された此の周辺の海図と糧食や武器等をどう其々の船に配布するか纏めた資料、か。
 可能なら細かい戦力の構成や船団全体の侵攻ルート等も解ればよかったが……まあ、今ある物だけで十分推測を立てる事は可能だな」
 そうして、マルグレーテは机に並ぶ重要そうな書類を盗み出す。
(破壊工作などが出来ればなお良かったが、見つかる危険性は高いな。
 ならば、余り派手な事は控えよう)
 あくまで慎重に、とマルグレーテは蝙蝠の姿の侭、更に偵察を続けていく。
 だが、流石に猟兵が見つかり警戒態勢に入っているのだろうか警戒も厳しい。
 これ以上の情報を敵から抜き取るのは難しいと判断しマルグレーテは船を去るのだった。

●黒騎士の鎧と
「成程、随分と数を揃えてきたものだ」
 蒼く燃える鉛の翼を背に上空から視力を凝らし敵船団を偵察しながら黒き鎧のヤドリガミ、ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)はそう嘯く。
「船は15隻程。其の全てが小さい物であれ大砲を完備。
 中央に位置どる船は大砲の量に加えバリスタ等も完備と特に厄介そうだな……。
 潜水機能は流石に有してはなさそうだが……」
 船の大きさ、大砲の状態等、どう考えても此の三角州を攻め落とすのに用いる規模の物ではない。
 本来ならば船団同士で戦う様な規模の物だ。
「女子供を巻き込むつもりがないから良かったが……厄介だな」
 其れこそ壊滅させるのならば船団の砲撃で三角州の隠れ里は簡単に壊滅してしまうだろう。
「可能なら直接破壊が出来れば良かったが、此の規模の物だと動きを止める事は出来ても完全に破壊しきる事は難しい、か?
 敵兵は鎧で此の川の深さを考えると川に沈めれば在る程度は無力化可能とは思うが……」
 そうやって冷静に敵の情報を見据え分析していたルパートだが敵の船団に動きがある事を確認。
 何事かと警戒している彼に向かい巨大な矢が迫りくる。
「成程、気付かれたか!」
 三角州に流れ弾が行かぬ様に、と気を付けつつ其の矢を避けるとルパートは情報収集を切り上げ、次の作戦に移る事を判断。
 村から離れた位置まで距離を取ると其の背の鉛の翼を更に巨大に変じさせ、炎の大翼を背に船団に向けて宣言する。
「見えるか吸血鬼。黒騎士が来たぞ!
 敵に背を向け逃げ出す腰抜けではあるまい!」
 その挑発に応えるように大砲やバリスタが放たれるがルパートは其れを難なく凌いでいく。
 更に攻撃を凌ぎながら徐々に移動していく事で村から離れた場所に誘導していこうとするが、其れに応えたのは15隻の内の数隻のみ。
「流石に全てを動かしはしない、か。 
 だが、数隻でも誘導出来れば其れだけでも十分という物」
 可能な限り攻撃を凌ぎ続け敵をおびき寄せ時間を稼ぎながらルパートはそう一人ごちるのであった。

●機械の騎士
「敵方に動きがある様ですね。
 恐らくは、猟兵の誰かが動いた結果。
 ならば、其れに報いる為にも其の稼いだ時間を活かし動かねばなりませんね」
 敵を誘導する為に囮となっているルパートの姿を遠目に見て決意を新たにしながら機械の騎士、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は脚部にフロートとスクリューモータを装着し水上に適応した形態に己を換装。
 水上を滑る様に滑走し河上の情報を集めていく。
「恐らく、此の河の三角州等の分布から考えると敵が通るルートは二、三のルートに限られるか?
 いや、直ぐに判断するのは拙い。
 もう少し情報を集めて確実にしていかないと駄目ですね……」
 河の深さを全環境適応型マルチセンサーによるソナーで確認し三角州等の分布の情報を直接確認し集めていきながらトリテレイアは策を行う為の位置を決めていく。
「此の侭、島への上陸を狙うには此処を通らねば難しいでしょうね。
 我ながら節操がないとは思いますが……」
 トリテレイアは持ち込んでいた爆雷を調査の結果見つけた敵の侵攻ルートへ仕掛けていく。
 当然、民が困る事を好まない彼の事、戦闘後の除去の為に場所は記録した上で、だ。
「しかし、己の民を慮り、人望を持つ吸血鬼……此の世界では稀な存在ですね。
 騎士としては早退する相手として好ましくもあり、敵対する現状と敵の実力に頭を悩ませるところもあり…儘ならぬものですね」
 そう独り言ちながら作業を続けるトリテレイア。
 僅かながらに違う出会いであれば或いは等と思いもするが、其れも一瞬。
「尤も、此の世界の人々にしてみれば意見を異にするでしょうが。
 私も『今』を生きる人々の為に戦うのみです」
 此の世界は過去を生きる吸血鬼達の物ではなく、そんな吸血鬼達に弾圧され傷付き苦しむ人々だ。
 機械の騎士は必死に闇の世界に抗い生きるそんな人達を守り抜く為、其の布石を打ち続けるのだった。

●護る為に
「三角州の隠れ村ですか。
 確かに上手い事を思いついたものですが……何処であっても吸血鬼達は嗅ぎつけてくる。
 其の辺りは少々感心しますね」
「本当にもう少し鈍ければ良いのに、って思うよなあ。」
 ダンピールの青年、クロス・シュバルツ(血と昏闇・f04034)は苦笑いをしつつ言い、其れに対し彼に操船技術を教えていた青年はため息をつきながらそう返す。。
 故郷では忌み子として迫害され、人との距離感が判らない事もあってかクロスは世俗に疎く経験不足な面もあるクロスは水上戦の心得もなく、最低限の備えとして操船技術と船上で立ち回る感覚を村人に教えて貰っていたのだった。
「ふう、こんな感じ、ですか?」
「ああ。そうやって姿勢を正していきゃあ、そんなにバランスを崩す事もない筈だぜ。
 しかし、俺達守って貰う側が言う事じゃあないけどよ。
 兄ちゃん水の上の戦いとか経験ないのに戦うとか無茶してないかい?」
「いえ、大丈夫ですよ。経験がないからといって戦わない理由にもなりませんからね。 何とか備えて戦う、それだけですよ」
 クロスに対し申し訳なさそうに、そして彼の身を案じつつ質問した村人に対し、クロスは笑ってそう応える。
「戦場が水上で周囲の環境からして資源も殆ど無さそうですし、他所でやったように罠や防衛用の設備を仕掛けて待ち構える訳にもいかないですしね」
「そうなんだよなあ……其処の所は皆と話し合っていかねえと。
 毎回兄ちゃん達猟兵に世話をかける訳にはいかねえしよ」
 戦場で立ち回る為の鍛錬を続けながらいうクロスの言葉に村人は困ったように言う。
 目立たないからこそ此の場に村を造ったが、此の戦いを経れば場所も他の吸血鬼にも知られる事になるだろう。
 ならば、防衛の為に如何するかも更に考えていかないといけない。
「まあ、其れも此の場を乗り越えないといけねえんだけどな。
 頑張ってくれよ兄ちゃん。俺は応援しか出来ねえが」
「ええ、任せてください。
 この村は必ず守って見せますよ」
 村人を安心させる為か、クロスはそう返すのであった。

●老兵と若き騎士
「ほう、こいつは面白い。
 竜共との潰しあいを終えたと思えば、今度は吸血鬼かの?
 まったくもって猟兵とは飽きないもんじゃ。
 次から次へと血沸き肉躍る敵が現れよる」
 歴戦のドワーフの老兵、ガンドル・ドルバ(死に場所を求める老兵・f27129)は愉快そうに嗤ってそう言った。
 歳を重ね死に場所を求めて前線へと突き進む彼にとって今回の敵は其れなりに面白い相手なのだろう。
 それに対し、彼の被保護者というべきか相棒と言うべきかな少年、ジーク・エヴァン(竜に故郷を滅ぼされた少年・f27128)はオブリビオンへの怒りを胸に決意を口にする。
「辺境伯か。竜以外にも危険なオブリビオンはかなりいるけど、まさか伝説の吸血鬼もいるなんてな。
 相手がどんな武人であっても俺達は猟兵だ。
 全力で奴らを倒そう」
「応よジーク。鬼退治と行こうぞ」
 其の為にも今は事前の準備を行わなくてはいけない。
 そして、彼等は二人。
 ならば、為すべき事を分担し備えるのみ。
「何をするにも先ずは地の利を得なくちゃ始まらない、だよねガンドル?
 俺達が奴等と交戦するポイントの地形の把握、岸辺の方は任せてよ」
「応、ならばそれがしは川を実際に船で渡りながら確認するとするかの」
 そうと決まれば動くのみ。
 先ずはジークは川辺を歩き川の水位等を調べる為に確認していく。
「水位は……うん、此れは金属鎧で落ちたら普通の人は助からない、かな。
 かなり深いし広さも、此れ大きな船が複数並んでも余裕が出る位に広いぞ」
 川向いがどうにか見える位の広さに最早驚くを通り越して呆れつつジークは更に風向き等を確認する。
「んー……風向きは敵が攻めてくる方向からして敵にとっては追い風になりそうかな。
 勢いも強いし厄介かも」
 そうしたジークの入念な調査の結果は敵側にとって有利な情報ばかりが目につく。
 だが勿論、そんな物ばかりという訳でもない。
「うん、此の葦はかなり背が高いし人が隠れられそうだな。
 他にも水辺に漂う水草や流木は上手く使えば敵の目を誤魔化して奇襲するのに役立ちそうだし」
 その他にも臭い匂いのする黒い水、重油らしき物や立ち枯れた森等、見つけた物をジークは順次記していく。
 敵が迫っている状況なので細工は出来ないが、先制攻撃を仕掛けられる様にしないと、そう思いながらジークは更に入念に調査をし続けるのであった。
 そして、場面は河を実際に船で渡りながら確認しているガンドルに移る。

「しかし、船さえ貸してくれればそれがし自身で漕ぐし無理はせんで良かったんじゃぞ?」
「はは、それであんた達が勝つのを祈って怯えて待てってか?
 そんな情けねえ有様じゃガキ共に託す為の未来を切り開けやしねえじゃねえか。
 俺はそんなの御免だぜ」
 ガンドルの案じる様な言葉に船頭をする男性は笑ってそう返す。
 今回の戦いで狙われているのは彼等が築いた彼等の故郷。
 命の危険があったとしても守り抜く為に何か力になりたかったのだろう。
「ふむ、どうやら余計な気を使ってしもうた様じゃな。
 ならばお任せすると致そう」
「おう、任せときな。何せ俺等は此の河で毎日漁をしてるんだ。
 見つからねえようにやってるから灯りをつけないでの漁なんて慣れたもんさ」
 実際、此の河の地形や流れについて熟知しているのだろう。
 彼はガンドルの指示通りに船を見事に動かしていく。
「ふむ、この辺で流れが急に激しくなる場所や難所等はあったりするかの?」
「ああ、それなら此の先にあるぜ。
 後は難所なら、そうだな……割りと気付きにくい場所に急に浅瀬が出て来たりする場所ならあるな。
 案内するかい?」
 ガンドルの質問にも的確に答えながら男性は船を漕いでいく。
(ふむ、流石に過酷な環境で隠れ棲みながら生きておるだけの事はあるのう。
 戦う力はないかもしれんが強いもんじゃて)
 其の姿に関心しつつ彼等に報いる為にも勝利を掴まねばならない、そうガンドルは思うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

久遠寺・遥翔
【メレディノポリス】から参加
アドリブ歓迎
UCの飛行能力に頼るためPOWで偵察を行う

「よし、それじゃあちょっと行ってくるぜ」
UCで飛行形態「フレアライザー・ヘヴン」に変身し
【空中戦】【地形の利用】技能を駆使して上空にあがって雲間に身を隠しながら敵軍を【偵察】する
変身中はヘルメット部分に内蔵される通信端末でエルザさんの指示に従いながら
強化された【視力】で敵の数とか船の種類などの【情報収集】を行って報告する
「流石にこのまま攻め込んでっていうわけには行かなさそうだなァ。素直に領主サマの指揮に従いますかね」

【第六感】をフルに働かせて気付かれそうになったらさっさと逃げ帰る
「そろそろヤバそうか。帰還する」


エルザ・メレディウス
【メレディノポリス】で参加致します
*アドリブ◎

領主として...猟兵として...この戦い負けるわけにはいきませんね


まずは、住民の代表の方に相談して、現在の脅威を伝えます
その上で、一緒に戦ってくれるように【取引】して船乗りとしての協力を仰ぎます

★久遠寺君とは連絡を密に取りながら...

①住民の方々を訓練して...更に操船技術↑できるようにします。【鼓舞】しながら訓練の質↑できるようにします

②訓練が終わったら、彼らと一緒に出陣です。相手が攻めてくる進行ルートの途中を調べて。入り江など船を隠せる場所があったら、そこに船を隠して戦いを待ちます。実際の戦いが始まったら相手へ奇襲できるように備えます



●メレディノポリスの二人
「天焔解放――フレアライザー・ヘヴンッ!」
 焔黒剣と融合し異形の騎士の姿へと変身した久遠寺・遥翔(焔黒転身フレアライザー・f01190)は其の掛け声と共に己が全身を漆黒と黄金の焔で覆い尽くし飛行形態へと変身。
「よし、それじゃあちょっと行ってくるぜ」
 そう共に現地に来ていた仲間の猟兵、自身が住まう群竜大陸にある村落、メレディノポリスの領主、エルザに声をかけると空へ向かって飛び立っていった。
「予知の情報の通りなら流石に航空戦力はないみたいだし、な」
 彼は其の空戦能力の高さを駆使し一気に上空に駆けあがると雲間に身を隠し強化された視力を用い河を進む敵軍への偵察を開始する。
「で、敵はどんな軍勢を……あー……流石にこいつはちょっと住人達を直接戦わせるのはきついかもしれねえな」
 彼の眼前に広がるのは彼より前に偵察を行っていた他の猟兵が囮になって誘導した数隻を除く、十数隻の軍船。
 勿論、UDCアース出身の彼からすれば最早旧式も旧式。
 精々、フランシス・ドレイクが活躍したアルマダの海戦にギリギリ届くレベルの物だが、ダークセイヴァーの村人達の駆る船にとっては十分すぎる位の脅威。
 余程敵の目を誤魔化す工夫をしない限り近付く事すら出来ずに大砲で蹂躙される事となるだろう。
「という訳だエルザさん。
 さっき見た感じじゃこっちの舟だと大砲が掠っただけで木っ端みじんになっちまう。
 ギリギリ迄、敵の目を誤魔化す必要があると思うぜ」
『それ程の軍勢ですか……何か策が必要ですね。
 船の甲板等の状況はどうですか?』
 遥翔はヘルメット部分に内蔵された通信端末で住民の説得と訓練にあたっていたエルザに連絡しつつ偵察を続行。
 彼女の指示に従い敵の陣容を更に偵察していく。
「甲板に出てるのは一番大きい船を除いたら鎧騎士が十数名ずつって所か。
 一番大きい船に軍服を羽織った女が一人いるから、あいつが……やべえっ!」
『どうしました久遠寺君?!』
「奴さん気付きやがった!すぐに帰還する!」
 偵察を行っていた遥翔と女の目が合い、にやりと楽しそうに女が笑う。
 気付かれた。そう、彼の第六感が警鐘を鳴らした瞬間、彼は己に向かってくる砲撃を背にし即座に其の場を離れるのだった。

 そして、少し時は戻って三角州の隠れ里。
 遥翔と共にやってきていた群竜大陸はメレディノポリスの領主を務める女性、エルザ・メレディウス(太陽を目指して・f19492)は住民の代表と会っていた。
「成程。先程、背の低い御仁や青年が言っていた件について、ですか。
 勿論、我々にとっても死活問題。協力は惜しみませんよ」
「そうですか。ありがとうございます」
 既に他の猟兵達が話を通していたのだろう。
 余りにあっさり話が通り過ぎて拍子抜けするレベルで住民の代表は協力を快諾する。
 そして、彼の指示で集まった漁師達の操船技術を更に高める訓練を行っている最中に偵察を開始した遥翔から連絡が入ってくる。
『~という訳だエルザさん。
 ギリギリ迄、敵の目を誤魔化す必要があると思うぜ』
「それ程の軍勢ですか……何か策が必要ですね。
 船の甲板等の状況はどうですか?」
 遥翔の齎した情報にエルザは指示を行いながらどう敵の目を誤魔化すかの策について思いを巡らせる。
 勿論、戦いである以上、犠牲はつきものではあるが、だからと言って無駄死にをさせて良い訳がない。
「成程な。其れで何か利用できるものがないか、って訳か。
 俺等の故郷を守る為なんだし其処迄犠牲を気にすることはねえとおもうが、流石に無駄死には嫌だしなあ」
「え、ええ。其れで何か利用できそうな物はあるでしょうか?」
 自分の生死に関わる事なのにあっけらかんと対応する村人達に戸惑いつつエルザは何か役立ちそうな物に覚えがないかと確認する。
「其れだったらそうだなあ。
 念の為に貯め込んでいた火薬があるんだが樽につめて流して注意を引くとかはどうだ?」
「後は上流に殆ど枯れてる木ばっかりの森があるんでそいつを伐採して一気に流してみるとかはどうよ」
 エルザの問いに村人達は幾つかの案を出していく。
 細かい部分を確認した限りでは問題なく実行可能で其れなりに有効に感じられる。
 実際に実行できるかは状況次第だが準備自体はしておいて損はないだろう。
 そう思索していると遥翔から敵に発見された為に撤退するという連絡が入ってくる。
「そろそろ戦いの準備をしておいた方が良さそうね」
 幸いにして遥翔の連絡で敵が通るだろうルートは予測可能。
 更に村人達に作戦の案を確認していた際に其の周辺で船を隠せる場所の確認も済ませてある。
 訓練も既に完了し此れ以上の操船技術の上昇は難しいだろう。
「それでは皆さん、参りましょう」
「応、俺等の故郷を守る為に頑張らねえとな!」
「へへ、腕が鳴るぜ!」
(領主として……猟兵として…此の戦い負ける訳にはいきませんね)
 そう改めて決意し、エルザは村人達と共に出陣するのであった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴォルクルス・ブラックエッジ
・心情
-下種な奴等ばかりと思っていたが…今回は少し違うようだな。
だが、それでも村を襲うのならば、俺のやるべき事は決まっている! 

・行動
まず、村を一通り周り、上陸しそうな点を探す。
(その間、ファングはコミュ力と救助活動で村人たちの避難誘導)

その後、ボトルシップを展開。
ファングが戻った後で、他の猟兵達に迎撃地点を(ファングが)知らせる。
ファ『海の世界の特注品だぁ。そう簡単に沈まねぇぜ!』

敵が来る時を、第六感を駆使して予想して待ち受ける。
(敵が現れ向かってきたら)
「-行くぞ、相棒」
ファ『わかってる!派手にまとめてブッ飛ばそうぜ!』

アドリブ・連携等は一任します。



●竜を連れた騎士
(下種な奴等ばかりと思っていたが…今回は少し違う様だな。
 だが、それでも村を襲うのならば、俺の遣るべき事は決まっている)
 そう決意しながら黒い鎧の騎士、ヴォルクルス・ブラックエッジ(黒鴉の黒竜騎士・f22576)は上陸できそうな箇所を村を一通り廻って探していく。
 其の間に何時も傍にいる小竜のファングには村人達とコンタクトを取り避難誘導を任せている。
 既に他の猟兵達が接触を取っていた事もあってか接触は上手くいき、他の猟兵達に協力している者を除いて全ての住民達を順調に避難させていく。
(しかし、この感じだと戦場は三角州から其れなりに離れた場所になりそうだな)
 とはいえ、戦場が此処迄ずれ込む可能性が無い訳ではない以上、上陸されそうな場所を確認する事は必要。
 ヴォルクルスは最後迄丁寧に確認すると避難誘導をやり終えたファングと合流。
 ファングが其の持ち前のコミュ力で聞き出した他の猟兵達の行動を確認し、更に其れを若くして歴戦の猛者であるヴォルクルスが其の経験から敵の迎撃地点となり得る箇所を幾つも割り出し、更に第六感も駆使して其の中で何処が決戦の場となるか絞っていく。
『其れじゃあ他の猟兵達に伝えてくるぜ!』
 ヴォルクルスは割り出した迎撃地点に向かったヴォルクルスは連携を密にする為にファングに他の猟兵達への連絡を任せると敵に察知されぬ様に注意しつつボトルシップを展開。
 ガラス瓶から取り出された小さな海賊船は直ぐにヴォルクルスを乗せ巨大化していく。
(さて、こいつは海の世界の特注品。そう簡単には沈む事はないが……)
 ボトルシップに搭載された車輪付きの大砲の状態を確認しつつ敵を待ち受けながらヴォルクルスは敵について思索する。
 海が闇に包まれたダークセイヴァーにおいて海戦は滅多に起きる事がない代物だ。
 だが、敵は『海軍提督』と名乗る相手。
 ならば船上での戦いについても熟知していると考えた方が順当だ。
(流石に油断は禁物だな)
 そう思索を巡らせていると他の猟兵達との連絡を終えたファングが彼の元に帰ってくる。
『という訳で先行して仕掛ける奴がいる様なんで俺達も仕掛けるならそのタイミングに合わせた方が良いんじゃねえか?
 まあ、此の先は爆雷が仕掛けてある様だから其の辺は気を付けねえとだけどよ』
 何でも敵の出鼻をくじく為に一手仕掛けるつもりらしい。
 ならば、其れに乗らない手もないだろう。
「―――行くぞ、相棒」
『わかってる!派手にまとめてブッ飛ばそうぜ!』
 近付いてくる決戦に備え騎士と竜は共に戦意を高めあうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メフィス・フェイスレス
「POW判定・アドリブ連携OK」
家畜として死ぬ運命の安寧より 人として生きる自由な苦境
嫌いじゃないわよ?
恵まれた環境とは言えないし 生き延びる為にどれ程苦労があったのか
相手は比較的お優しい吸血鬼みたいだけど 此処を台無しにしようってんなら結局他の奴らと同じね

【忍び足】【闇に紛れる】で姿を隠して襲撃地点の近くに先行する
「飢渇に喘ぐ」を複数身体から分離させて【集団戦術】を用いた【情報収集】を行うわ
奴らの船の進行ルートを【暗視】で探り味方に伝達しつつ、発見した船には
「飢渇に喘ぐ」を「微塵に砕く」に変化させ船体にくっつけておく
出鼻を挫くタイミングで【破壊工作】込みで爆破するとしましょうか



●嘗て踏みにじられた者として
(家畜として死ぬ運命の安寧より、人として生きる自由な苦境、嫌いじゃないわよ?)
 あの三角州の隠れ里は決して恵まれた環境とは言えないし、生き延びる為にどれ程の苦労があったのか。
「相手は比較的お優しい吸血鬼みたいだけど、此処を台無しにしようってんなら結局他の奴等と同じね」
 ある吸血鬼が食い散らかした肉片を継ぎ合わせ生まれ、手慰みに弄ばれる肉人形に過ぎない筈が己の意思を取り戻し創造主に反旗を翻した―――。
 そんな過去を持つメフィス・フェイスレス(継ぎ接ぎされた者達・f27547)にとって、隠れ里に棲む人々の苦境は見逃すこと等出来はしないのだろう。
 メフィスは闇に紛れ姿を隠し戦闘が行われる地点へと先行。
 己が身体から湧き出る飢餓の衝動を複数の黒いタール状の液体【飢渇に喘ぐ】へと変換し情報収集と其処で得た情報の他の猟兵達へのリアルタイムでの伝達の為に周辺に散らしていく。
「成程ね。そのルートを通る訳。
 なら、仕掛けるタイミングは爆雷が仕掛けてある所を通ったタイミングで、ね」
 メフィスは他の猟兵達に敵の現在位置を伝達。
 逆に他の猟兵が船内に潜入して得た侵攻ルートの情報を得る事で敵のルートを割り出し、どのタイミングで仕掛けるかを決定。
 仕掛けの準備の為に敵の船団の船底に【飢渇に喘ぐ】を張り付かせると毒血や骨棘が入り混じった黒タール状の爆弾【微塵に砕く】へと変化させていく。
「さて、タイミングはそろそろね」
 ドゴォォォォォォォォッッ!!!
 轟音と共に先頭を行く船二隻が爆発を起こして動きを止める。
 そして、それと同時にメフィスも又動く。
「今よ!」
 ドガァァァァァァァァッァァッッ!!!
 爆音を立て後ろに控えていた三隻の船底から爆発が起き、彼女の破壊工作によって三隻の船は動きを止める。
「流石に沈める迄はいかないか。
 でも、動く事は出来ない。違う?」
 メフィスの其の言葉の通り、先頭を行く船二隻と後方に控えていた三隻の船は船底の破損が激しい為に沈みはせずとも動く事は出来はしない。
 そして、前後共に動けない状態にある船が航路を塞いでいる為に旗艦も含めた他の船は其処から動き難い状態にある。
 此れで敵のアドバンテージである船の動きは封じた。
 戦いの下準備は終わり、三角州の隠れ里を護る為の戦いは今から始まる。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『朱殷の隷属戦士』

POW   :    慟哭のフレイル
【闇の力と血が染付いたフレイル】が命中した対象に対し、高威力高命中の【血から滲み出る、心に直接響く犠牲者の慟哭】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    血濡れの盾刃
【表面に棘を備えた盾を前面に構えての突進】による素早い一撃を放つ。また、【盾以外の武器を捨てる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    裏切りの弾丸
【マスケット銃より放った魔を封じる銀の弾丸】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「はっはっは!やってくれるなあ此れは!
 我が愛、ドレイクの時以来だよ、こんなに楽しい事になりそうなアプローチは」
 揺れる船上で女は愉快そうに笑ってそう言う。
 其の姿は本当に楽しそうであり此れからの戦いを心の底から楽しみにしているのが見て取れる。
『笑ッテイル場合デスカ我ガ君!
 御身ハ御下ガリヲ……オ前達!我ガ君ノ露払イ、ソシテ、見極メル為ノ戦イダ!
 具足、籠手、指先一片ガ残ル迄戦イ抜ケ!!』
『『『『了解!』』』』
 嘗て踏み躙られ其れでもなお抗い、抗った罰として命を奪われ忌まわしい鎧に其の魂を縛り付けられ……己が故郷を自身の手で滅ぼさせられそうになった所を今の主によって解放された。
 そんな鎧騎士達の士気と忠誠は高く、動けない前後の船五隻に乗る者達も含め猟兵達に立ち塞がってくる様で敵の首魁の元へたどり着くのは中々に骨が折れそうだ。
 だが、此れは隠れ里を守る為には避けられない戦い。
 そして、其の為の準備は万端。
 人々を守る為、戦え猟兵達―――。
マルグレーテ・エストリゼン
「来るがいい、吸血鬼の兵よ!
マルグレーテ・エストリゼンがお相手しよう!」

こちらの射程距離まで近づき
敵に近づかれる前に攻撃を仕掛ける
まずは――
「花符『ガーベラツイスター』!」
まずは【弾幕】を張る
そしてUCを発動、強化した死霊銃兵に【呪殺弾】を撃たせる
それでも突破されたら【オーラ防御】で受け、反撃で死霊銃兵に【零距離射撃】を撃たせる

「お前達にも主義信条はあろう
だが、吸血鬼の力は削ぐ!
お前達は長い間、支配者でありすぎた!

私は人間の側に立つ
我が理想、止めてみせろ!」


エルザ・メレディウス
【メレディノポリス】で参加を
アドリブ◎連携〇

最初にUCを使用。20人づつに分けてそれぞれの船にローマ兵を乗船させます

まずは久遠寺君に相手の注意をひいて頂きます...どうか合流するまでご無事で

敵は上手く身動きがどれない様ですね。この状況と小型船の利点を活かして、大砲の死角から上手く接近していきます

【地形の利用】を活かして、島影や障害物に身を隠せるなら積極的に利用して相手に発見されないように奇襲を

敵船に近づいたら、鷲の軍団旗を掲げながら全員を【鼓舞】。一斉に【槍投げ】をしてから、敵の船へと乗り込みます

大昔のローマは海洋国カルタゴを海の戦いで破りました
『海軍提督』相手に再現させて頂きます


久遠寺・遥翔
【メレディノポリス】から参加
アドリブ・連携歓迎

再びUCで「フレアライザー・ヘヴン」に変身
今回はおまけつきだ
全ての敵兵、敵船に黒焔をばら撒いて【先制攻撃】を行う
火力はそこまでだが牽制にはなるだろう

【空中戦】【ダッシュ】【残像】で飛び回り翻弄し
空に届く攻撃は【第六感】で察知し高機動で回避
避けきれないものはオーラの盾による【盾受け】【オーラ防御】で受け流すが銀の弾丸だけはなんとしても避ける
常にエルザさんと通信でやり取りして互いに戦況を把握
近場に落とせそうな敵がいたら【2回攻撃】【属性攻撃】【焼却】による焔で追撃するぜ
俺の焔は【生命力吸収】する
傷は癒しながら少しでも長く飛び回りこの戦場を支配し続ける


ルパート・ブラックスミス
先程の【情報収集】から察するに
敵船は堅牢、なれど敵兵潜水はし難し。
で、あれば…火攻めか。

引き続き翼で飛翔、【空中戦】。
UC【燃ゆる貴き血鉛】を載せた短剣【投擲】による【弾幕】攻撃。
命中した端から青炎を延焼、火の海にして船上を【焼却】にかかる。
沈まずとも結構、そのまま火刑の処刑場にしてくれよう。
大砲があるのだ、火薬にも引火するだろうさ。

船上が粗方済んだら川に落ち延びた輩の頭上に急降下、
大剣で【鎧砕き】【串刺し】にして順々に始末して回る。
まともに動けん状態での攻撃程度は【武器受け】【狂気耐性】で弾こう。

情けも容赦も侮りも無い。
猛勇なる戦士たちよ、民の安寧の為、一人残らず水底に消えてもらうぞ。


トリテレイア・ゼロナイン
どうやら私が飛び乗っても船が転覆する心配は無さそうですね
これだけの戦力と相対するにそれだけは不幸中の幸いでしょうか

水上を●スライディングするかのように滑走
ワイヤーアンカーを船べりに射出し巻き取り
●ロープワークで飛び乗り侵入

この先の隠れ里にまで進むを能わず
皆様の忠義、騎士として相対し阻ませていただきます

相手は船上に慣れている以上、此方も対応しなければ
船の揺れをセンサーでの●情報収集で検知
自己●ハッキングでバランサーに補正を掛け影響軽減(●環境耐性)

そのフレイルの慟哭は他の戦場で嫌ほど!
●見切って躱し剣盾のUC殴打で反撃しつつマストに近づき
●怪力で破壊、へし折ったそれをUCで抱え船上を●なぎ払い


クロス・シュバルツ
連携、アドリブ可

知性があり、統率された集団との戦いとなると中々厄介ですが……彼らを残して辺境伯と戦うのは無謀
なんとか倒して、先に進ませてもらいましょう

教わった操船技術を活かしてある程度の距離まで接近後【紫の慟哭】を発動して機動力を上昇。
『オーラ防御』のオーラを足元に集中。速度とオーラで少しの間水上歩行を可能にして、『ダッシュ』と『ジャンプ』で一気に敵船へ飛び移る

敵が状況を把握しきれていない内に先手を取って
鎧の隙間を狙った『鎧無視攻撃』で敵を『串刺し』にする
足元を狙って攻撃して敵『体勢を崩す』上で船から突き落とす
等々で攻撃、敵の戦力を削る

一箇所(船)には拘らず、随時船を移動して、敵を撹乱していく


メフィス・フェイスレス
【アドリブ・連携歓迎】
同じ人だった者同士 親近感はあるけど
経緯はどうあれ血吸い共に頭を垂れるなら私の敵ね
上に恵まれたという点に限れば 羨ましいわ

宙に浮かせるよう展開した飢渇を足場にして乗り込むわ
その際に先制攻撃で微塵を投げてこちらを狙う大砲を潰す
船上技能は無いけど…足裏に骨刃を生やして体勢を崩さないよう対策する

捨て身の一撃で攻撃を腕で受け 骨刃を武器ごと相手の腕に絡めて動きを止めるわ
慟哭は呪詛・狂気耐性で耐え UCを使ったもう片方の腕の骨刃で捕食する
人を殺めた ならもうアンタらと私は食らい合うしかないの

胸糞悪い記憶 それでも光を見いだしたのね
何か一つ違えば 同じか 或いは逆だったかもね 私たち



●花言葉『希望』『常に前進』
「来るが良い、吸血鬼の兵よ!
 マルグレーテ・エストリゼンがお相手しよう!」
 そう宣言し最初に戦場に立ちしは黒衣の姫君、マルグレーテ・エストリゼン(ダークプリンセス・f23705)。
 そんな彼女の姿を観止めた女は薄く微笑み、旗下の騎士達に声をかける。
「あの名乗り、そして此の力、彼の女王の娘御か。
 薔薇を枯らした庭師を処刑しようとし娘御と駆け落ちされた噂を聞いた時は実に痛快だったものだが……。
 お前達」
『エエ。我等モ彼ノ姫君ノ噂ハ聴キ及ンデ居リマス故、其ノ力ヲ見極メテ参リマス。
 我等程度ヲ討チ倒セズシテ、力持タヌ優シキ人ガ生キテイケル世界等創レル筈モアリマスマイ』
 寧ろ、自分達を倒せぬ程度の力しか持たぬ者が足掻いた所で徒に民を苦しめるのみ―――。
 嘗て力を持たぬ身で抗い、故に此の忌まわしき鎧の身に変えられ故郷を自ら滅ぼしかけた騎士達はマルグレーテ達猟兵を見極めんと戦いを挑む。
「お前達にも主義信条は在ろう!
 だが、吸血鬼の力は削ぐ!
 お前達は長い間、支配者でありすぎた!」
 盾を掲げ自身に向かい迫ってくる。
 そんな騎士達にそう宣言すると共にマルグレーテは冷静に一枚のカードを投擲。
「私は人間の側に立つ。
 我が理想、止めてみせろ……花符『ガーベラツイスター』!」
『グッ!此レハ……マルデ花ノ様ナ……!』
 騎士達の眼前で静止したカードは彼女の其の詠唱と共にまるでガーベラの花、其れもツイスターと呼ばれる八重咲の其れの様に渦巻状に赤色の弾幕を放っていく。
 其れは盾を構える騎士達と言えど足を止めざるを得ない程に苛烈であり、マルグレーテは其の隙に次の一手を発動させる。
「冥府の王妃ペルセポネーにかけて、我が命に応えよ!『冥府の柘榴』っっ!!
 そして、私に付き従う兵達よ、眼前の騎士達を屠るが良い!」
『グッ!此レハ銃弾カ……!マルデ雨ノ様ニ我等ノ体ヲ打チ据エテクレルモノダ……!』
 死や冥府への順応を深め死霊魔術の効果を高める其れによってマルグレーテに付き従う銃兵達は力を極限まで高め、其の呪詛を込めた殺意の弾丸を豪雨の様に騎士達へ叩きつけていく。
 その威力は凄まじく、一体、また一体と銃弾の嵐によって崩れ去っていく。
 此の侭いけば彼女の眼前に立つ騎士は全て倒れきるだろう、そう思われた。
 だが……。
『未ダダ!此ノ程度デ倒レハシナイッッ!此ノ程度デハ未ダ認メラレヌ!!』
「味方を行かせる為に鎧の破片一かけら迄盾になったか……!」
『世界ヲ支配スル吸血鬼ハ我等等及ビモツカヌ力ヲ持ツ!
 我等全テヲ屠レズシテ理想ヲ掴メルト思ウナ!!』
 その言葉と共に最後の騎士ハ、マルグレーテへと盾を掲げ突進していく。
「ならば、勝利を以って理想を掴む事を証明しよう!」
『グッ!受ケキッタ、ダト……!』
「勿論、此れで終わりではないぞ。死霊銃兵……!」
 騎士の突進をオーラの盾でマルグレーテは防ぎきった彼女に合わせる様に、彼女に従う死せる銃兵は其の銃口を騎士の鎧に突きつけ至近距離で解き放つ。
『グゥ、見事……!ダガ、貴殿ノ理想、険シイ道ト……』
「判っているとも。だが、此の理想諦めるつもりは毛頭ない!」
『ナラバ、我ガ君ト…ノ戦サデ示ス…事、ダ…ナ……』
 その言葉を最後に騎士は塵となり完全に消え果ていく。
「言われずとも、そうしよう。
 この程度で敗れては理想等掴めはしないからな」
 自分達猟兵を静かに見据える軍服の女を見て、マルグレーテはそう決意を新たにするのだった。

●鉛の翼の黒騎士
(先程の情報収集から察するに敵船は堅牢、なれど敵兵潜水はし難し。
 で、あれば……)
 鉛の翼で空を駆ける鎧騎士、ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)。
 彼の眼下に広がるは敵本体から誘導し引き離した三隻の船。
 此の侭、此の船を引き離し敵旗艦の所に戻るという手もあるのだが、そうすると敵の首魁との決戦の際に此の三隻が横槍を入れてくる事態も起こりかねない。
「火攻めによって打ち倒す、か。
 我が血はもはや栄光なく、されど未だ闇に消えず…!」
 自身に向かって幾度も放たれるバリスタから放たれた巨大な矢をひらりと避けながら、ルパートは返す刃にと、詠唱と共に鎧から伝う燃える鉛を短剣に乗せ、弾幕と呼ばれるレベルの数、一斉に投擲する。
 そして、放たれた短剣は船に突き刺さり、其処から漏れ出る燃え盛る鉛は青い炎を吹き出して船を火の海へと変えていく。
 そして、船は燃え盛り、大砲に用いる火薬が引火したのか爆発も起きている。
「沈みはしないか。
 だが沈まずとも結構、そのまま火刑の処刑場にしてくれよう」
 火の海になりながらも未だ放たれる巨大な矢を避けながらルパートは幾度も短剣の弾幕を降り注がせていく。
 其の侭、油断なく眼下の船を見据えルパートは敵の状態を確認。
「船上に残った敵は僅か。
 未だ燃えるに任せても問題はない。
 寧ろ、打ち倒すは……」
 燃え尽き様としながらもバリスタを放ち続けた騎士に向かいナイフを投擲しつつルパートは川へ向かい急降下。
『グッ!ダガ、只デハヤラレヌゾ!!』
「悪いがまともに動けん状況であっても油断は全くないのでな。
 確実に始末させて貰おう」
『グ、ファルネーゼ様……ッ!』
 炎から逃れる為に止む無く川へと自ら落ちるも動きを鈍らせている騎士達。
 そんな彼等にトドメを指す為に急降下したルパートに対しての騎士の最後の足掻きの反撃もルパートは短剣で受け流して弾き、其の侭流れる様に彼等の頭上に大剣を振り下ろし其の強固な鎧を砕き、串刺しにして一体ずつ始末していく。
「情けも容赦も侮りも無い。
 勇猛なる戦士達よ。
 民の安寧の為、一人残らず水底に消えて貰うぞ……!」
 全ては人々を守る為に、記憶も栄光も既になく、されど遺った炎と騎士として貫く精神に突き動かされながらルパートは戦い続けるのであった。

●自由を掴み取る為に
「其れじゃあ行ってくるぜ。幸い、先行した奴のお陰で隙も突きやすいしな」
『ええ、お願いします。……どうか合流するまでご無事で』
「ああ、任せてくれ。
 天焔解放(オーバーフロウ)――フレアライザー・ヘヴンッ!」
 久遠寺・遥翔(焔黒転身フレアライザー・f01190)はヘルメットに内蔵した連絡機器で連絡を取り合っていたエルザに対し、そう言うと遥翔は漆黒と黄金の焔を身に纏い大空へと駆け上がる。
「さて、それじゃあ行かせて貰うぜ!
 天より降り注げ、浄化の焔ッ! 天焔弾ッ!!」
 詠唱と共に戦場に黒と黄金の焔の雨が降り注ぎ、敵を船の帆を甲板を焼いていく。
 火力は其処迄なくとも焔は焔。
 其れは敵の動きを阻害し、遥翔の狙い通りに牽制として十分な効果を発揮していった。
『分隊ガ追跡シタ者トハ別ノ者……恐ラク、我ガ君ガ見カケタト言ウ輩カ……!
 撃テエエエエエエエエエエ!!!』
「おっと、大砲は無事だったか!」
 遥翔は己に向けて放たれる砲弾と矢の嵐を其の優れた第六感によって動きを見切り、時に素早く飛翔し時に残像を囮にする事で敵の目を引きつけを翻弄していく。
 又、稀に遥翔に届く一撃も存在するがオーラの盾で防ぎ、受け流す。
「とはいえ、銀の矢は流石に避けないと拙いけどな!」
 恐らくは同胞殺し対策なのだろう。
 バリスタによって時折放たれる銀の矢は相性の問題もあってか必死に避けながら、戦場全体を見据えていく。
『此方の準備も完了しましたので戦闘に入りますね。
 其れでは海軍提督との闘いで……』
「ああ、了解だ。
 其れ迄は……」
 エルザの連絡にそう返し、遥翔は目についた傷付いている敵を焔によって焼き尽くしていく。
 そして、敵の命を吸い尽くす其の焔は遥翔により長く空を駆け、より長く戦い続ける活力を与えていった。
「少しでも長く飛び回り、此の戦場を支配し続けるさ!」
 騎士達を其の焔で打ち据えながら遥翔はそう宣言し戦場を飛び回り続けるのであった―――。

 そして、時は少し戻り、エルザ率いる村人達の船団。
「神の祝福を受けたローマ兵達よ...さぁ、私と共に!」
「おお、随分と屈強な体の兄ちゃん達だな。
 この兄ちゃん達を船に乗せればいいのかい?」
「ええ。船を動かすのに邪魔にならない人数、そうですね、此の舟の大きさなら10人程でしょうか。
 其々の船に乗せて下さい」
 エルザの言葉に従い、村人達は其々の船にローマ兵達を乗せ、戦に備えた。
 そして、遥翔が敵の注意を引きつける為に大空を駆けだして暫くしたタイミングでエルザ達は動き始める。
「敵は前後の船が動けず上手く身動きが取れない状態です。
 この状況と小型船の利点を活かし、大砲の死角から近付いていきましょう」
「了解だぜ。
 周辺にある流木や背の高ぇ葦を利用して身を隠したりして極力相手に見つからねえ様にすりゃあ良いんだろ?」
 エルザの指示に心得た、と返事を返し村人達は船を操って敵の船団に近寄っていく。
 そして、ギリギリ迄近付いたタイミングでエルザは鷲、ローマの主神ユピテルの化身が描かれた軍団旗を翻し村人達に宣言する。
「さあ行きますよ!
 嘗て彼等ローマの民は海洋国カルタゴを海の戦いで破りました。
 『海軍提督』相手に其の再現と参りましょう!」
「おう、俺等の故郷を守る為に勝利を掴んでやらあ!」
「船の上での喧嘩なら俺等漁師だって捨てたもんじゃねえって見せつけてやらねえとな!」
 エルザの鼓舞に村人達は応え、そしてローマ兵達は槍を船に向け投擲。
 まるで雨の様に降り注ぐ槍に合わせるようにローマ兵、そして村人達は敵の船へと乗り込んでいく。
『グッ!乗リ込マレタカ!ダガ、未ダ負ケルツモリハナイゾ!』
「敵は騎士、ローマ兵達が矢面に立ちますので皆さんは其の援護に専念してください!
 あなた方の故郷へ帰ってこそ勝利と言えるのですから!」
「了解!とはいえ、ま、現状じゃ可能な限り頑張るとしか言えねえけどよ!」
 ローマ兵に盾を構え突進する騎士に対し網を投擲し動きを阻害させたり銛を投げて気を逸らしローマ兵の攻撃の援護を行いながら村人達は戦闘。
 恐らく隠れ里に辿り着く迄に其れなりの荒事を経験してきたのだろう。
 其の動きは決して戦いに不慣れな物ではなく、其の援護を得たローマ兵達は一体一体確実に騎士達を打ち倒していくのであった。

●機械の騎士の戦い
(どうやら私が飛び乗っても船が転覆する心配は無さそうですね。
 これだけの戦力と相対するに其れだけは不幸中の幸いでしょうか)
 水上を滑走しながら機械の白騎士、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は眼前の船を見据えそう呟く。
 船上は他の猟兵達との闘いにより騒がしく、トリテレイアを見つけ攻撃を仕掛ける余裕はないように思えるが、気付かれれば乗り込むのを邪魔されるのは明白。
「ならば、気付かれぬ内に乗り込むのみ」
 トリテレイアはワイヤーアンカーを船べりに射出。
 其の侭、ワイヤーを巻き取らせる事で船上に飛び乗って船上へと乗り移り騎士達の戦う甲板へと向かう。
『ムッ!又、新手カ!』
「此の先の隠れ里にまで進むを能わず!
 皆様の忠義、騎士として相対し阻ませて頂きます!」
 トリテレイアは己の姿を確認した騎士に対しそう宣言。
『ナラバ、我等ハ我ガ主ト我ガ民ノ為ニ貴様ヲ打チ砕クノミ!』
 そんな彼に対し騎士は其の宣言と共にフレイルをトリテレイアに振り下ろすも、騎士と同じ、けれど抱く主の一点において余りにも違う鎧達と幾度も戦ってきたトリテレイアにとって嫌という程に見慣れた動き。
 船上という相手にとっては慣れ親しんだ、けれど自分にとっては不慣れな場での戦いも船の揺れをセンサーで感知し、其のデータを元に自己の体のバランサーを調整する事で影響を軽減させて対応する事でハンデもなくなり、騎士の攻撃を躱していく。
「それではお返しです!」
『グゥッッ!!』
 勿論、躱すだけで済ませる筈もなく、身に纏いし剣で斬り裂き、盾で殴打する事で【戦場の騎士】としての心得を活かして敵の騎士達を打ち倒していく。
「とはいえ、数が多すぎますね。
 なので……」
『ナッ!マストヲドウスル……ヘシオッタ、ダト……っ?!!』
「さあ。此の質量、当たると痛いでは済みませぬよ?」
 船のマストに近寄ったトリテレイアはマストをへし折り、其れをユーベルコードの力も借りて、まるで軽い剣の様に重さを感じさせぬ様に抱えると……まるで剣を振るうかの様に薙ぎ払う。
『ぐ、ガアアアアアア!!』
『何トイウ怪力ダ!ダガ、諦メル訳ニハ……ッ!』
 その光景はまさしく見た者が目を疑う様な光景。
 振り回されるマストは甲板に立つ騎士達を薙ぎ払い、一掃。
 容赦なく打ち据えていくのであった。

●水上を駆け敵を散らす
「始まりましたか。
 ならば、俺も仕掛け時、ですね」
 青年、クロス・シュバルツ(血と昏闇・f04034)は猟兵達により騒がしくなった船上を見据えつつ、村人から教わった操船技術を活かして船を操りギリギリ迄接近。
「知性が在り統率された集団となると中々厄介ですが……彼等を残して辺境伯と闘うのは余りに無謀。
 何とか倒して先に進ませて貰いましょう。
 怨念、慟哭、全てを連れて……前に、進む!」
 詠唱と共にクロスは戦場を漂う怨念や慟哭等の負の感情を其の身に纏うと同時にオーラを足元に纏わせる。
「足が沈む前に次の足を上げ先に進む機動力、そして足を保護するオーラがあれば、少しの間ならば……!」
 その言葉通りにクロスは水の上を駆け出し始める。
 そして、敵船迄近付くと勢いに任せて跳躍。
 敵船へと一気に飛び移っていく。
『何っ?!一体、何処カラ……っ?!』
「状況を把握しきれてない内に行かせて貰いますよ?」
 突然目の前に現れたクロスに戸惑う騎士達にクロスは即座に先制攻撃。
 鎧の隙間、防御が薄い場所を狙って敵を串刺しにしていく。
『クッ!敵ハ鎧ノ隙間ヲ狙ウ!警戒ヲ怠ルナ!』
「いえいえ、其れだけじゃあないですよ?」
『グァ!足元ヲ狙ッテキテ、バランスガ?!』
 鎧の隙間を警戒していると見て取ったクロスは即座に敵の足元を狙って鎧すら貫く一撃を叩き込み、敵の態勢を崩させると、其の侭、流れる様に闇の衝撃波を放って船上から突き落としていく。
『グゥ!ファルネーゼ様…申シ訳……』
「此の舟の敵は十分ですね。
ならば……ッ!」
 十二分に削り切れたと見たクロスは即座に水面を駆けて次の船に飛び移る。
 そうやってクロスは一か所にはこだわらず、随時船を移動して敵を攪乱し続けていく。
「此の侭、辺境伯が邪魔できなくなる迄……削り切っていきますよ!」
 其の戦いぶりは凄まじく、まさに一騎当千。
 敵は捕えきる事も出来ずに只、蹂躙され続けるのであった。

●喰らい屠る
「同じ人だった者同士、親近感はあるけど……経緯はどうあれ血吸い共に頭を垂れるなら私の敵ね。
 上に恵まれたという点に限れば、羨ましいわ」
『グッ!大砲ヲ潰シテ来タカ……ッ!』
 宙に浮かせる様に展開した黒いタール状の液体、飢渇を足場に利用し甲板に乗り込んだメフィス・フェイスレス(継ぎ接ぎされた者達・f27547)はそう宣言すると飢渇に己の毒血や骨棘を混ぜ込み黒タールの爆弾へ変換。
 此方を狙うだろう大砲を先に潰す先制攻撃を実行。
 轟音を立てて大砲は破壊されていく。
『ダガ、我等ハ未ダ無傷、大砲ガナイナラバ、我等自身ノ手デ打チ砕ク!!』
 それに対し、騎士は嘗て主に開放される前の惨劇によりこびりついた血と闇の力を纏うフレイルをメフィスに向かい振り下ろす。
「そう来ると思ってたわよ」
『ナッ!己ノ腕ヲ犠牲ニッ!
 其レニ我ガ腕ゴト絡メトルダト?!』
 其れに対しメフィスは攻撃を己の腕を犠牲にする捨て身の姿勢で受けきると、砕けた体から生じた骨刃により武器ごと騎士の鎧を絡めとって其の動きを止めさせる。
 フレイルから放たれる呪詛は其の身に備わった呪いと狂気への耐性によって耐え、フレイルから放たれる衝撃は足裏に生やした骨の刃によって己が体を固定。
 体勢を崩さぬ様に凌ぎきる。
「此れはお返し、よ。
 人を殺めた。ならもうアンタらと私は喰らい合うしかないの。
 うん、お前、意外と美味しそうかも、ね……」
『グッ!我ガ鎧ヲ喰ラッテイクダト……グゥ、未ダ我ガ君、ノ…為……』
 そして、メフィスは己が血と生命力を代償に自身の体の封印を解除。
 其の身を喰らう事に最も適した捕食態へと変貌させると空いたもう片方の腕から放たれた骨の刃が騎士を斬り裂き、其の身を喰らっていく。
 其れは金属をまるで柔らかな肉の様に喰らっていき、抵抗し続けた騎士もメフィスの内に消えていく。
「……胸糞悪い記憶、其れでも光を見出したのね。
 何か一つ違えば同じか、或いは逆だったのかもね、私達」
 決して敵わぬと知りながら、其れでも大切なものを守る為に抗い、殺され、そうして守ろうとした大切なものを自らの手で穢す様に仕向けられる。
 そんな絶望の中で救われた、共に同じ主を抱く友を得た、此の暗闇の世界では余りにも得難い平穏を大切なものに与える事が出来た―――。
 そんな騎士の記憶が騎士を取り込んでいくメフィスにも僅かに流れ込んでいく。
『クっ!   ヨ!オ前ノ仇ハ必ズ……ソシテ、此ノ者ハファルネーゼ様ニハ絶対近付ケサセヌ!!
 我等ヲ開放シテ下サッタアノ方ハ絶対守リヌクノダ!』
「でも、現状は私は猟兵であんた達は血吸い共の手下のオブリビオン。
 なら、戦うしかないわよ、ね」
 流れ込んだ騎士の記憶の中にある自分に向かってくる騎士と共に笑い共に戦場を駆けた記憶に少し憂鬱になりながら、メフィスは其れでも抗う為に戦い続けるのであった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴォルクルス・ブラックエッジ
・心情
-辺境伯とやらに仕える騎士共か…相手にとって不足はない。

・行動
第一章で展開したボトルシップ上で迎撃(船上戦)
まず先制攻撃から砲撃&範囲攻撃
ファング『コイツ(大砲)は飾りじゃねぇんだぞ!』

敵側のWIZ UCを警戒しつつ接近戦
UC使用後、武器を鞭剣に変化。ルールは『刃を踏み越えるな』
そしてなぎ払い・二回攻撃・呪詛・生命力吸収・衝撃波で応戦

(防御はそれぞれの【~耐性】とオーラ防御で対応。
“慟哭”には、己の過去-そんな体験はとっくに味わってる!-とWIZで抵抗)
討ち漏らしを防ぐため、ファングは挑発とおびき寄せ。
自身も第六感・戦闘知識・継戦能力を駆使。

-それでも通ろうする奴は…任せたぞ!


ジーク・エヴァン
遂に奴らが来たな

今回はガンドルを案内してくれた船頭さんに協力してもらおう
船を水草で覆い(地形の利用)背の高い葦が生えている場所で隠れながら、奴らが他の猟兵達に気を取られてる隙をつく
さっき見つけた臭い水、油っぽいし瓶詰めにして持ってきた
これを簡易火炎瓶にしてガンドルの矢に取り付ける(地形の利用、武器改造)
そしてこの火炎瓶付き矢で奴らの船を燃やして、奴らの船を船頭さんが教えてくれた隠れた浅瀬に追い詰めよう

見つかったら【巨竜退ける砦盾】で十枚の盾を重ねて船と船頭さんをかばいつつ奴らの船に接近
盾を重ねて橋にして船に乗り込み、奴らを怪力を活かして角砕きでなぎ払う!
お前達の命、その鎧ごと砕く!(鎧砕き)


ガンドル・ドルバ
来たか
さあ、戦の始まりじゃ
船頭よ、もう少し付き合ってくれ

ジークめ、火遊びを覚えたか
ならばそれがしも、火酒を火炎瓶にして矢につけよう(武器改造)
葦に隠れ(地形の利用)、奴らがそれがしらを素通りしたところで、火炎瓶矢を乱れ撃つ!
それがしの怪力で放たれた矢は鉄すら穿つぞ(串刺し、衝撃波、地形破壊)
大砲を積んどるということは火薬がある
それに火炎瓶が当たればさぞ豪勢な松明があがるじゃろう(焼却)

戦場の誉れは獲るか獲られるか
不意打ちを卑怯とは言うまいな

このまま奴らを隠れた浅瀬に追い詰めるぞ
奴らが座礁したらジークの盾の橋を渡って船に乗り込む

ジーク!伏せておれ!
船ごと奴らをなぎ払う!
唸れ!【巨人の一撃】!



●相棒と共に
(辺境伯とやらに仕える騎士共か…相手にとって不足はない)
 河上に展開させた船の上で敵の船団を見据えつつ竜を連れた騎士、ヴォルクルス・ブラックエッジ(黒鴉の黒竜騎士・f22576)は敵について思いを馳せる。
「行くぞ」
『応!コイツは飾りじゃねえって教えてやろうぜ!』
 その言葉と共に放たれる弾丸は他の猟兵達との闘いで傷ついた船を容赦なく打ち据えていく。
 そして、其の侭、ヴォルクルスは突撃を慣行。
 ボトルシップのラムは敵船を貫き、バーストキャノンによる砲弾の嵐が敵船を襲っていく。
「……」
『応、乗り込むぜ相棒!』
 其の侭、ヴォルクルスはバーストキャノンによる攻撃を継続しながら銀の弾丸を警戒しつつ敵旗艦に乗り込んでいく。
 当然、其れを敵兵は留めようと戦闘を仕掛けてくる、が―――。
「……『刃を踏み越えるな』」
『手袋ヲ投擲シタト思エバ何ヲ……ッ!此ノ痛ミハ……ッ!』
『デュエリストロウのルールを破ればダメージを喰らっちまうからな。
 まして、相棒の宣言したルールみたいな簡単なの程ダメージはでっかくなるのさ』
 ヴォルクルスは己が剣を射程に優れた鞭剣へと変えると敵騎士に対し手袋を投擲。
 そして、そのルールを破らねば彼に攻撃出来ぬ状況に持ち込み、敵の隙をより強めると鞭剣に命を喰らう呪詛を込めて敵を薙ぎ払っていく。
『グッ!ダガ、未ダ倒レヌ!』
「……!」
(犠牲者の慟哭か。そんな物、とっくに味わっているんでな!)
『グゥゥゥッッ!』
 勿論、鞭剣の薙ぎ払いもルールを破った痛みも乗り越えてヴォルクルスに迫る騎士もいるにはいるが、ヴォルクルスは呪詛の耐性を高めたオーラの盾でフレイルを防ぎ、受け流しつつ返す刀で鞭剣を叩き込んで打ち倒していく。
『ほらほら、そんな事じゃ主を守れやしねえぜー?騎士の癖に鈍らじゃねえか』
『グゥ!言ッテクレル!!』
「……!」
『グガァァッッ!』
 辺境伯との闘いで横槍を入れられては面倒と討ち漏らしを防ぐ為にファングの挑発でおびき寄せ、気を取られた隙を突いて敵を攻撃し打ち倒す。
 又、己が鋭い第六感を存分に生かし、其の長い戦場での経験から敵の動き、攻撃も見切って対応。
 より長く己の腕が動く限界ギリギリ迄戦い続けていく。
 彼がいる限り、旗艦の敵は他に手を回す事も難しい事になるだろう。
(とはいえ、ファングにつられる奴ばかりでもない、か。
 それでもこぼした奴は…任せたぞ)
 此の戦場で戦っているのは自分達だけではない。
 ならば自分だけで全てを倒す必要などないのだから―――。

●共に戦場を駆ける
「遂に奴等が来たな」
「うむ、戦の始まりじゃ。
 船頭よ、もう少し付き合ってくれ」
「はは、気にするこっちゃねえさ。
 何せ此れは俺等の故郷を守る戦いなんだしよ」
 鎧姿の少年、ジーク・エヴァン(竜に故郷を滅ぼされた少年・f27128)とドワーフの老兵、ガンドル・ドルバ(死に場所を求める老兵・f27129)は事前準備の際に協力していた船頭の船に乗り、機会を伺っていた。
 水草で覆い、背の高い葦が生えている場所で隠れる事で敵は此方に気付いてはいない。
 そして何より敵は他の猟兵達との闘いで周囲を警戒する要員も僅かな状態。
「其れじゃあガンドル、此れを」
「ほうほう、ジークよ火遊びを覚えたか。
 ならばそれがしも乗るとしよう」
 ジークは準備の際に見つけた石油を瓶詰にし簡易火炎瓶にすると其れをガンドルの矢に取り付ける。
 そして、ガンドルは其れに火酒の瓶を改造した火炎瓶を取り付けて威力を倍増。
 其の侭、船がギリギリ迄近付くタイミングを見計らい……ガンドルは矢を雨の様に乱れ打つ。
「戦場の誉れは獲るか獲られるか。
 不意打ちを卑怯とは言うまいな」
 ガンドルの怪力は凄まじく、其の鉄すら穿つ矢は船の甲板を貫き、凄まじい爆発を幾多の船に起こしていく。
 更に言えば敵の船には大砲が積まれており、其れは火薬があると言う事、其処から更に巻き起こる爆発で船団は煌々と燃え盛っていく。
「いやはや、予想はしておったが実に豪勢な松明じゃのう」
「はは、本当に凄いなあアンタ等は」
「浅瀬に追い詰めようと思ってたけど、此れは敵はそもそも船を動かす余裕もなさそうかな?」
 其の余りにも凄まじい戦果に船頭は呆然と見つめ、ジークも其の想定以上の結果に流石にあきれ顔。
 だが、座礁せずとも動けない状況なら問題はない。
 其の侭、船を敵船に近付けていくが、突如降り注いだ焔の矢に気付いた騎士がバリスタを此方に向けてくる。
「っと、船頭さん。ここは俺に任せて…来たれ!竜の一撃を受け止めし鉄壁の軍勢よ!我と共に、集いて竜の進撃を弾き返せ!」
「おう、ギリギリ迄近付いてやるさ!」
 ジークの呼び出した複数の盾が重ねられた物によってバリスタは弾かれ、船は敵船のギリギリ、バリスタ等も放てない所に迄接近。
「其れじゃあ船頭さん、後は……」
「うむ、此処迄ありがとうのう」
「はは、気にすんじゃねえよ。ま、頑張ってこいよ二人とも」
 其の侭、盾を重ねて橋にして二人は甲板迄駆け上がる
『グッ!来タカ!ダガ、未ダ倒レハセヌ!』
「お前達は此処迄だ!お前達の命、其の鎧ごと砕く!」
 其の姿を観止めた騎士達はジーク達に盾を掲げて突進してくる。
 だが、ジークは其れに冷静に対応。
 竜の炎に耐え、尊厳たる角を折り砕く為に造られた分厚く重量のある剣、角砕きを其の怪力を以って薙ぎ払い、砕いていく。
『怖レルナ!我等ノ後ロニハ我ガ君ト民ガイル!
 我等ノ畏レハ彼ノ方ニ害為ス物ゾ!!』
 其れでも敵もさるもの、腕が砕かれ兜をなくし、半身をボロボロに砕かれても彼等は恐れずにジークとガンドルに迫ってくる。
 彼等を止めるには完全に塵になる迄打ち砕くしかないだろう。
 そう判断しガンドルは最大の一手を放つ為に動いた。
「ジーク!伏せておれ!
 船ごと奴等を薙ぎ払う!唸れ!【巨人の一撃】―――!」
 ガンドルの詠唱と共に只でさえ巨大であった彼の持つ無骨な巨大斧、兜割りの大斧は巨大化。
 そして、船の甲板を切り砕く程の刃がガンドルの超常的な怪力を以って敵を船を薙ぎ払い砕いていく。
「……流石ガンドル。凄まじい一撃だね」
「カッカッカ、ま、お主には未だ負けられぬしのう」
 其の余りの重量と鋭さに完全に塵となった鎧騎士やボロボロの船の姿に思わずこぼしたジークの言葉にガンドルは大笑。
 そして、彼等は戦場を改め更に敵を打ち倒していくのだった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『サンクルス侯ファルネーゼ』

POW   :    弱き者を虐げる任でなく強者との戦だ!行くぞ諸君!
レベル×5体の、小型の戦闘用【の銃とサーベルで武装した忠実なる海兵達 】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
SPD   :    ふふ、頼むぞ我が愛よ!
【最愛の恋人の形見のサーベルによる一撃 】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    我等日の昇らぬ国の防人。我等の一撃受けるか猟兵!
【自身の鍛え上げた大船団の砲撃の一斉発射 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アルビルダ・パイレートです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●船上にて
「庭師と駆け落ちした姫君に異国の兵を率いる者、機械の騎士に空を駆ける騎士達、おそらくは同胞と人の間の子や同胞の戯れの犠牲になった者、竜を連れた騎士に鎧を纏いし二人の戦士。
 此れにやもすれば又別の猟兵がやってくる、か―――此れは良い。
 我が愛、ドレイクとの闘いの時ですら此れ程に心が踊る事はなかったぞ?」
 炎に包まれた船の上で軍服を羽織った女は実に愉しそうに笑いながら愛した男、我が子の様に思う娘を託した男の形見のサーベルを鞘から抜き掲げる。
「我が名は辺境伯にして海軍提督、サンクルス侯ファルネーゼ!
 猟兵達よ、此の日の昇らぬ国を開放せんとする我等と闘う者達よ!
 我等日の昇らぬ国の防人が身を以って汝等の覚悟を試させて貰おう!」
 その宣言に応える様に倒れた筈の鎧騎士達は再び立ち上がる。
 一撃でも喰らえば消え去るだろう傷だ。
 其れでも尚、主と共に戦う為に騎士達は立つ。
「弱き者を虐げる任でなく強者との戦だ!行くぞ諸君!」
『『『ウオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!』』』
 そして、三角州の隠れ里を守る為の最後の戦いが、今始まる―――。
※念の為ですが騎士達の描写はあくまでPOWの演出の為、判定などへの影響はありません
クロス・シュバルツ
連携、アドリブ可

吸血鬼にしては珍しいタイプだとは思いますが、敵対せざるを得ないなら仕方ない
あなたの期待に応える……なんて考えている訳じゃないけれど、試したいのなら精々見極めてもらいましょう

前進の邪魔になる海兵は黒剣(大鎌状態)による『範囲攻撃』で倒しながら先に進む
道が開けたら、攻撃は『オーラ防御』『激痛耐性』『継戦能力』に任せて受け止めながら辺境伯に接近

辺境伯には鎖の『フェイント』から『体勢を崩す』ことで隙をつくる
正面から攻撃すると見せかけて【死を告げる暗影】で『だまし討ち』、背後に飛んで『捨て身の一撃』を与える

この世界は……きっと開放してみせる
その為にも、あなたの持つ紋章は貰っていこう


ルパート・ブラックスミス
忠義は見事、だが悪手だ。
黒騎士を前に死に損ないを並べようとただの贄だぞ。

UC【黒騎士呑み込む青き業火】!
敵兵を大剣で【なぎ払い】、その端から燃える鉛に変換・【生命力吸収】で更に【限界突破】した戦闘能力で【蹂躙】し正面突破!

ファルネーゼに接敵次第、ここまでで変換した鉛を操作、
縄状に【武器改造】し【ロープワーク】の要領で操り【捕縛】【焼却】【属性攻撃】。
狙うは辺境伯の紋章を刻んだ右手の【部位破壊】、齎される力とやらを剥ぐ!

…本音を言えば、貴殿のような手合いは『後回しに』としておきたかった。
だが黒騎士が吸血鬼と対峙した以上、為すべきは一つ!

先も言った、一人残らずだ!
誇り高き海軍提督よ、貴殿を討つ!


メフィス・フェイスレス
評価を改めさせて貰うわ
その慈愛が見せかけじゃないのは分かった アンタの飼い犬を喰ってね
でもそれとこれとは話が違う

奴に反旗を翻そうと私は鎖で繋がれたまま 結局私は未だに奴隷なのよ
そして手綱を握って私を引き摺り回してるのがアンタ達
アンタ達を残らず喰い尽くさなきゃ 「私達」は永遠に自由になれないのよ!

激情に任せ 骨刃を振るい 牙で騎士を喰い捨てながら敵陣中心に強引に進撃するわ
剣の7 8本突き刺さろうが気にしない
飢渇を宙に展開し 棘状にして騎士共の体に突き刺し縫い止めて微塵に砕く
爆風に乗ってアイツに肉薄し 片目を庇いながら眼前でコードを叩き込むわ
私の中の一人からアンタに贈り物よ――歯を食いしばれ!!



●先陣
(吸血鬼にしては珍しいタイプだとは思いますが、敵対せざるを得ないなら仕方ないですね。
 ……少し、父を思い出しましたが)
『グゥ…!…我ガ君、申シ訳……アリマセ……』
 人である母と愛し合い自分の事も愛してくれた、物心つく前に死んだ父の事を思い出しつつ己の前に立ち塞がる騎士達を大鎌で薙いで打ち倒しながらクロス・シュバルツ(血と昏闇・f04034)は敵の首魁の元へと向かう。
 彼に向けられる攻撃は気の障壁によって防ぎ、其れを貫く攻撃は其の精神力で耐えた上でファルネーゼへ向かい突き進んでいく。
「ほう、先陣を切るのは貴公か。
 同胞と人の間に生まれた子よ」
「どうやらその様ですね。
 あなたの期待に応える……なんて考えている訳じゃないけれど、試したいのなら精々見極めてもらいましょう」
 その宣言と共にクロスは【罪茨】、彼の身に着けた腕輪によって制御される伸縮自在、様々な形態に変化する鎖をファルネーゼへ襲い掛からせ、その縦横無尽の動きによって彼女の態勢を崩させる。
「……ほう、こうも縦横無尽に迫ってくるとは、な。
 やるではないか同胞の子よ……!」
「まだ此れで終わりではない、ですよ……!
 逃げられない、逃れられない、逃さない。これが、俺が……死です」
「ぐっ……!此の魔弾はあくまで呼び水、か……!」
 態勢を崩したファルネーゼに向かい影の弾丸を放ち正面から斬り掛かる素振りを見せ……彼女が其れを己が剣で受け止めようとした瞬間、クロスは彼女の背後に転移。
 無防備な彼女の背中に黒剣の一撃を叩き込む!
「此の世界は……きっと開放してみせる。
 其の為にも、あなたの持つ紋章は貰っていこう」
「……ふふふ、見事な一撃だ。
 だが、未だ未だ他の猟兵達を観ずに託すわけには……いかない、な…!」
 クロスの攻撃にファルネーゼは満足そうに笑い彼をほめたたえながら、立ち上がる。
 此れから続く猟兵達も彼と同じように力を有するか見極める為に―――。


●騎士として
『鎧ノ騎士、貴様ノ力示シテミロ……!』
「忠義は見事、だが悪手だ。
 黒騎士を前に死にぞこないを並べようと只の贄だぞ」
 其の力を試さんと己の前に立ち塞がる騎士達に黒き鎧の騎士、ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)はそう宣言し剣を抜き放つ。
「我が血はもはや栄光なく…されど未だ我が業と炎は消えず…!」
『グッ、此レハ我ガ体ガ我ガ物デハ…ナク……!』
『グゥ……抵抗モ使ワレヌ様ニ消エ去ル事スラ出来ヌ、トハ……』
 詠唱と共に振るわれた大剣は騎士を薙ぎ払い、消滅する隙すら与えずに燃え滾る鉛へと変換され、ルパートの体に纏われていく。
 騎士達の命を吸収し、纏った鉛によって限界を軽々と突破した其の戦闘力は凄まじく、戦う事で更にその強さが増していく。
 その強さは圧倒的でまさしく蹂躙としか言いようがない攻撃が繰り広げられ、ルパートはファルネーゼの元迄正面突破。
「ほう、此れは凄まじい力だな。
 空を駆ける騎士よ。貴公の名を聞いても構わぬかな?」
「ルパート、ルパート・ブラックスミスだ!
 誇り高き海軍提督よ、貴殿を討つ!」
 その宣言と共にルパートは纏う鉛を変換した鉛の縄を投擲。
 其の攻撃は正確でルパートの狙い通りに辺境伯の紋章を刻んだファルネーゼの右手を過たずに捕縛、其の燃え盛る鉛は彼女の手を紋章ごと焼いていく。
 其の痛みからファルネーゼの表情にも流石に苦悶の色が見て取れる。
 そして、彼女に力を齎す紋章が焼かれたからか、ファルネーゼの動きも僅かに鈍っている様に見て取れる。
「ぐっ……!此れは又、見事な精度だな……!」
「……本音を言えば、貴殿の様な手合いは『後回しに』としておきたかった。
 だが黒騎士が吸血鬼と対峙した以上、為すべきは一つ!
 既に貴殿の配下にも言ったが……民の安寧の為、一人残らず水底に消えて貰う……!」
「ふふふ、良い啖呵だ!
 ならば来るが良い、黒騎士、ルパートよ!!」
 その宣言と共にルパートは剣をファルネーゼに向かい振り下ろす。
 騎士として守りぬく、其の為に―――。

●自由を求めて
「ほう、今度は貴公が私の相手か、同胞の戯れの犠牲になりし者よ」
「……評価を改めさせて貰うわ。
 その慈愛が見せかけじゃないのは分かった。アンタの飼い犬を喰って、ね」
「ふむ。一つ訂正をしておこう。
 我が騎士達はあくまで己が意思で私に仕える事を選んでくれた。
 飼い犬とは又違う間柄さ」
 自分の前に立つツギハギの女性メフィス・フェイスレス(継ぎ接ぎされた者達・f27547)に対しファルネーゼは右手と背中に傷を負いながら、其れを感じさせない笑みを浮かべそう返す。
「本当にいい関係だったみたいね……でもそれとこれとは話が違う」
 ファルネーゼの言葉にメフィスは僅かに苦笑するが直ぐに豹変。
「奴に反旗を翻そうと私は鎖で繋がれたまま!結局私は未だに奴隷なのよ!
 そして手綱を握って私を引きずり回してるのがアンタ達!
 アンタ達を残らず食い尽くさなきゃ「私達」は永遠に自由になれないのよ!!」
「ふむ、ならば来るが良い。
 同胞を止める事の出来ぬ我が身も又憎かろう」
『『『ダガ、ソウ簡単二我ガ君二其ノ刃、突キ立テラレルト思ウナ!!』」』
 激情に任せメフィスは己が肉から突き出た骨の刃を振るい、主の為に己が前に立ち塞がる騎士を其の牙を以って喰い捨てながら敵陣の中心、ファルネーゼの元へただ只管に突き進む。
「身体中に突き立てられた剣の痛み、それすら気にしない程の憎しみか……」
「こんなもの、何本突き刺さろうが、あんた達への怒りで煮え滾るのに比べたら軽い物よ……っ!」
 メフィスはその言葉と共にツギハギの体に、一つにされた時に齎された飢餓の衝動を棘に変えて騎士達の体に突き刺して縫い留めると其れを爆発させて騎士を粉砕。
 其の侭、生じた爆風に乗ってファルネーゼへ向かい跳躍。
「私の中の一人からアンタに贈り物よ―――歯を食いしばれ!!」
「……ぐっ!こ、此れは中々に激しい怒りだな…嘗て彼等を開放した時に私に向けられた騎士達の攻撃を遥かに凌ぐ程に……!」
 メフィスから放たれた一撃、彼女『達』の怒りはファルネーゼの左肩を粉々に打ち砕くのであった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マルグレーテ・エストリゼン
我々は強者ではない
この世界における強者とは吸血鬼の事を言うのだ
そして私は吸血鬼と人間の強弱関係を覆すために戦っている……

しかし。民を慮る吸血鬼か
傲慢にも女王を名乗り、他の吸血鬼さえ支配下に置かんとして軍備を拡張し、民を使い捨てるように働かせる吸血鬼など、どう見えているのだろうな……
(※母親のことです)

UCを使い、空中から攻めるぞ!
狙うはサンクルス侯ファルネーゼの心臓ただ一つ!
不規則に飛行して狙いを付け辛くしながら近づき、【オーラ防御】で防御しつつ接近
船上の敵は花符を使い【弾幕】で牽制し、敵首領はハートを伸ばして【串刺し】にする

私はこの日が昇らぬ世界に……護るべき価値ある物を見い出したのだ!


ジーク・エヴァン
凄いプレッシャーだ
これが吸血鬼…辺境伯
だけど貴女達にも守るものがあるように俺達にも守るものがあるんだ!
ジーク・エヴァン、推して参る!

ガンドルや猟兵の皆を守るため前に立ち、結界術とオーラ防御を合わせたオーラのバリアを多重詠唱
広く、そして三重構造のバリアで鎧騎士達の攻撃を防ぎ、辺境伯へ接近する
立ち塞がる騎士は角砕きのなぎ払いでトドメを刺そう

ガンドルのユーベルコードが決まったらグラムの封印を解く!
【滅竜剣グラム】!
解放されたグラムを辺境伯に喰らいつかせる!(生命力吸収、二回攻撃)

竜じゃなくて悪いな
だが俺はあの人に勝ちたい
力を貸してくれグラム!
(応えるように吠える怪物に変わった魔剣)

連携・アドリブ ○


ガンドル・ドルバ
良いぞ、この殺気
正しく武人、それも千の戦場を駆けし歴戦のな
それがし、いや、俺も負けられんな!
ガンドル・ドルバ、御首頂戴いたす!

雑魚どもはジークに任せる
狙うは伯爵よ!

そのサーベル、さぞ名のある名剣じゃろう
ドワーフとしての血が騒ぐが残念じゃ
主と共に葬らねばならん

致命傷はオーラ防御で避け、怪力と斧の重量攻撃で打ち合うぞ
雑魚が寄るなら諸ともなぎ払う

必殺剣を出すならば俺も使おうぞ
闇の国の女主人がお前らを待っておるぞ
【闇女神の旋風】!

吸血鬼の力の源は血液じゃろ?
ではその血を凍った心の臓に送る血管をズタズタに切り裂けばどうなる?
再生までの間隙こそ命取りよ
ダメ押しにその耳を潰す!(大声、衝撃波)

連携・アド ○


トリテレイア・ゼロナイン
名乗られたからには返すが礼儀
隠れ里に息づく命護る為、トリテレイア・ゼロナイン
騎士として相対し、討たせていただく!

●操縦する妖精ロボ達を従え突撃
●盾受けで銃弾を●武器受けで剣防ぎ
格納銃器や妖精のレーザーの●なぎ払い掃射や怪力の近接武装で海兵を突破

充電切れや被撃墜で妖精の残機や残弾も残り僅か
ですが…届きましたよ

この期に及んで手を引け…とは無礼な以上申しません
それでも、騎士達の様子から貴女の統治する地を見たかったとは言っておきましょう

参ります!

サーベルを見切って防御し最後の妖精ロボのレーザーで攻撃
…出力不足で●目潰しにしかなりませんが

回避行動を取らせた隙を付き、右手の紋章を抉る狙いの剣での精密攻撃


久遠寺・遥翔
メレディノポリスから参加
アドリブ歓迎

この戦いは人々が生きるための戦いであり
彼らが住む世界を救うための戦いだ
どちらにも正義があってどちらにも正義なんかない
だから俺はエルザさんが切り開いた道の先で
せめて畏敬の念を以てあんたに相対する

やっと会えたなファルネーゼ侯
あの時のプレッシャー、見事だった
我が名は遥翔、メレディウスの騎士!
いざ尋常に勝負だ!
せめてあんたが望む強者との戦いを届けてやる!

UCによってネオ・フレアライザーの姿を取る
【戦闘知識】【第六感】に頼った攻撃予測でサーベルを【見切り】
身に纏った焔の【オーラ防御】により直接受ける事による切断を避け
二本の光剣による【カウンター】【2回攻撃】を叩き込む


エルザ・メレディウス
アド◎連携〇
■メレディノポリスで参加致します


騎士があなたに付き従う理由。よくわかりました
同じ領主として...だからこそあなたを倒して見せます


私の役目は...相手が数を頼って攻めてきた瞬間...その出鼻をくじくことです
相手のUC:POWが発動する瞬間を見極めてこちらも、メレディノケントゥリアで対抗です...!
集団戦術を心がけてローマ兵を指揮します。海兵へ、一斉に槍投げ、そして盾を構えながら突撃を
私は鷲の軍団旗を掲げて、【鼓舞】して味方の士気↑しながら敵を押し切ります

サンクルス候への道が開けたら...久遠寺君、あなたの出番です
...サンクルス候、私の自慢の騎士が、あなたのお相手仕ります



●喪った者と未だ喪っていない、喪わない為に戦う者
「民を慮る吸血鬼、か。
 傲慢にも女王を名乗り、他の吸血鬼さえ支配下に置かんとして軍需を拡張し、民を使い捨てる様に働かせる吸血鬼など、どう見えているのだろうな……」
 己が母親との余りの違いに思わずこぼしながらマルグレーテ・エストリゼン(ダークプリンセス・f23705)は空を駆ける。
 其の姿は闇の姫君というに相応しい漆黒のドレス姿で舞い散る薔薇の花びらと共に空を飛ぶ其の姿は美しいとしか表現しようがない代物。
 狙うはサンクルス侯ファルネーゼの心臓、ただ一つ!と不規則に飛行して狙いを付け辛くしながらマルグレーテはファルネーゼの元へと向かっていく。
 其れに対しファルネーゼに付き従う騎士達は未だ動く大砲により対空砲火を仕掛けるがマルグレーテは冷静に己に迫る砲弾のみを気の障壁で防ぎ敵旗艦へと接近。
「お前達に邪魔はさせん。花符【ガーベラツイスター】―――!」
 甲板に集う騎士達をガーベラの華の如き弾幕で牽制すると其の侭、マルグレーテはファルネーゼへと迫る!
「ほう、次は貴公か姫君よ!」
「一つ訂正しておこう……!」
「ほう、何をかな?」
 己に迫ってくるマルグレーテの言葉に微笑みながらファルネーゼは返す。
「我々は強者ではない。
 此の世界における強者とは吸血鬼の事を言うのだ。
 そして、私は吸血鬼と人間の強弱関係を覆す為に戦っている……!」
「ならば、其の為の力を我が身に示すが良い。
 力なくば其れは貴公の母の様に支配の欲求に突き動かされる者、我が娘を踏みにじり我が愛を殺めた者達の様な者達に踏み躙られ、貴公が守ろうとする者を苦しめる結果を齎す結果にしかならぬのだから……!」
「ああ、示して見せるとも!私はこの日が昇らぬ世界に……護るべき価値のある物を見い出せたのだ!」
 マルグレーテとファルネーゼは其の言葉と共に交差一閃。
「……ふふ、見事だな姫君。
 此れならば君の母親の様に全ての他者を意志持つ者として見ない者、支配の欲求に突き動かされる者も打ち倒せるだろう。
 其れと……私の様に愛する者を喪う事がない様に、な」
 己の胸を貫かれながらファルネーゼはそう微笑みながら言うのだった―――。

●勝利を掴み取る為の一撃
「凄いプレッシャーだ。
 これが吸血鬼……辺境伯……」
「うむ、実に良い殺気じゃな。
 此れは正しく武人、其れも千の戦場を駆けし歴戦の勇士の者よ!」
 左肩を砕かれ右手を焼かれ、其れでも尚楽し気に笑い立つファルネーゼの姿に武者震いをする騎士の少年、ジーク・エヴァン(竜に故郷を滅ぼされた少年・f27128)と彼と共に立つドワーフの老兵、ガンドル・ドルバ(死に場所を求める老兵・f27129)は其々の反応を示す。
「ふふ、千客万来、という奴だな。
 さて、貴公等はどう覚悟を示してくれる?」
『半端ナ覚悟デ我ガ君ノ首ハ取ラセハセヌゾ!』
 二人の姿を観止めたファルネーゼと彼女に付き従う騎士達は傷を負いながらも二人に臨戦態勢をとって戦に備える。
「……貴方達にも守るものがあるように俺達にも守るものがあるんだ!
 ジーク・エヴァン、推して参る!」
「うむ、よう言うたジーク!
 それがし、いや俺も負けられんな!
 ガンドル・ドルバ、御首頂戴いたす!」
 その言葉と共に先ずはジークが敵の攻撃を防ぎ、そして道を切り開く為に一歩前に出て結界術と気の障壁を組み合わせた盾を以って前へと突き進む。
『グッ!何トイウ硬サダ!我等ノフレイルヲ物トモシナイトハ!』
「立ち塞がるなら……打ち砕くだけだ!」
『グアアアアアアアアアア!!!』
 三重構造の気の障壁で騎士達の攻撃を防ぎ、返す刀で大剣【角砕き】で一薙ぎし騎士を打ち砕きながらジークは只只管に辺境伯、ファルネーゼへと向かっていく。
 そして、ジークが道を切り開いた瞬間、ガンドルがファルネーゼへと駆け、其の怪力により振るわれる巨大斧を叩き込む。
 だが、その一撃をファルネーゼは手にした刃を斧の峰の部分に斬りつけて動きを逸らして受け流す。
「ほう、俺の一撃を受け流すか。
 技量もあるが其の剣の頑丈さ……其のサーベル、さぞ名のある名剣じゃろう。
 ドワーフとしての血が騒ぐが……主と共に葬らねばならぬのは残念じゃな」
「ふふ、一人の海賊が生涯共にした、其れだけの刃さ。
 だからこそ、私に何よりの力をくれる代物だが、な!」
 剣の元の持ち主の事に一瞬思いを巡らせたのだろう。
 その男への愛しさと信頼に満ちた表情で笑いながらファルネーゼはガンドルにそう返す。
 勿論、其の間も二人の間には刃が繰り広げられており、周囲に血の華が咲く程の傷を二人共に負っている。
 致命傷は避けてはいるがジークが騎士達の相手をしていなければ、或いはファルネーゼが一人で相手取る事を選ばなければガンドルは果てていたかもしれない程の傷だ。
「ほう、其の顔を見るに余程良い男じゃった様じゃの」
「ああ、我が身が焦がれ唯一の愛を捧げた相手さ。
 ……猟兵よ、此の一撃、耐えられるか?」
 その言葉と共にファルネーゼが剣を一閃しようとし……ガンドルが其れに応える様に動く!
「ならば俺も使おうぞ。
 闇の国の女主人がお前等を待っておる。【闇女神の旋風】―――!」
「ぐぅっ!此れは―――!」
 ガンドルの振り下ろされた斧から生じた衝撃波は其れを喰らったファルネーゼの肌は傷つけず、全身の神経や血管という体の内部を傷付けていく。
「吸血鬼の力の源は血液じゃろ?
 では其の血を凍った心の臓に送る血管をズタズタに斬り裂けばどうなる?」
「は…は…成程、やってくれる…ものだ……」
 其れでもなお剣は離さず膝はつかぬと立つファルネーゼだが其の体は傷つき動きは鈍っている事は明白。
 そして、其れを見逃す程に『二人』は甘くない。
「竜じゃなくて悪い、だが俺はあの人に勝ちたいんだ。
 力を貸してくれグラム!」
『―――――――――――――――――――!!!!!』
 己が剣の封印を解き、吠える怪物に変じた刃、【滅竜剣グラム】を手にジークがファルネーゼに向かい駆ける。
「ぐ、だが……!」
「再生する隙は与えぬよ!――――――――――!!」
「ぐ……っ!」
 ジークの一撃に距離を取ろうとするファルネーゼに対しガンドルが咆哮。
 ファルネーゼが避ける隙を奪っていく。
「此れで……どうだぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
「ぐっ、何という一撃……見事…だ、猟兵よ……!」

●騎士として民を守る為に
「ほう、次は貴公か機械の騎士よ」
 左肩を砕かれ、胸を穿たれ、幾多の傷を負いながら其れでも戦意を喪う事なく、ファルネーゼは機械の騎士、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)に対し微笑みながらそう言った。
「ええ。其処迄の傷を負った女性に剣を振るうは騎士として躊躇う物はありますが戦士たる貴女に対して其れは侮辱。
 名乗られたからには返すのが礼儀故、名乗らせて頂きましょう。
 隠れ里に息づく命護る為、トリテレイア・ゼロナイン!
 騎士として相対し、討たせていただく!」
「ほう、良き名だ。ならば、私も剣を以って其れに返すとしよう!」
 其の言葉と共にトリテレイアは己の意志に従い操縦する妖精の姿のロボを従え突撃。
 降り注ぐ弾丸は盾で受け、己の道を塞ごうとする騎士の剣は剣で防ぎ……。
 己が体に格納された銃器による掃射や妖精ロボのレーザーによって騎士達を薙ぎ払い、其れでも尚立ち塞がる騎士を其の怪力による剣の一撃で打ち砕いていく。
 敵の数は多く、士気も未だ高い。
 だが、其れでも尚、トリテレイアはあきらめる事はない。
 妖精ロボ達もエネルギーの消失や撃墜によって殆どが動けなくなり、己の内臓武器の斬弾も残りわずかになった。
 だが……。
「ですが…届きましたよ?」
「ああ、見事、というしかないなトリテレイア、機械の騎士よ」
 己に迫りくるトリテレイアに薄く微笑みながらファルネーゼはそう返す。
「この期に及んで手を引け…とは無礼な事は申しません。
 其れでも、騎士達の様子から貴方の統治する地を見たかったとは言っておきましょう」
「ふふ、それはありがとう、と礼を言うべきかな?」
「いえ、心からの言葉ですので……参ります!」
 其の言葉と共に最後に残った妖精ロボがレーザーで攻撃。
 ファルネーゼは其れを回避しようとするが、その瞬間、周囲を閃光が覆い尽くす。
「ぐっ!これは……!」
「……出力不足で攻撃に用いる事も出来ませんが……こうして目潰しに流用し隙を生み出す事は出来ます!」
 誤った回避行動と妖精ロボのレーザーを暴走させた即興の目潰しにより生じた隙をトリテレイアは見逃さず、ファルネーゼに向かい駆ける。
「其の紋章、もらい受ける―――!」
「ぐぅ……み、見事だ…トリテレイアよ……!」
 白銀の騎士剣は一閃。
 其の剣に刻まれた『汝、心の儘に振る舞え』という言葉の通りに人々を守りたいという思いに付き従って振るわれた其の刃はファルネーゼの右手の紋章を斬り裂いたのだった―――。

●未来を切り開く為に
「……それ程の傷を負っても未だ立ち続けるのですね」
「当然…だろう……?此の身は民を治める者としての義務があるのだから。
 其れに…此の程度で倒れて…は貴公等猟兵達を試す場に……付き従ってくれた騎士達に申し訳……ない…さ……!」
 今まで戦ってきた猟兵達により負った傷は余りに多く、人の身ならば死に至りオブリビオンであっても立っているのがやっとと思われる状態でありながら、ファルネーゼは其れでも笑って問いかけたエルザ・メレディウス(太陽を目指して・f19492)にそう応える。
(此の戦いは人々が生きる為の戦いで彼等が住む世界を救う為の戦い。
 どちらにも正義があってどちらにも正義なんかない。
 だから俺は……)
 そして、そんな姿を見て久遠寺・遥翔(焔黒転身フレアライザー・f01190)も又、決意を新たにする。
 彼が共に行く領主、エルザが斬り開いた道の先で、せめて畏敬の念を以って相対しよう、と。
「騎士が貴方に付き従う理由。よくわかりました。
 同じ領主として…だからこそ、貴方を倒して見せます」
「…ふふ、ならば……其の力……示してみる…ことだ……!」
『……!』
 ファルネーゼの言葉と共に彼女に付き従う騎士達が再度立ち上がりエルザと遥翔の前に立ち塞がる。
 幾度となく打ち倒され、其れでもなお立ち上がり、最早、声さえ出せぬ程に消耗したのだろう。
 其れでも尚、魂の一片すら燃やし尽くし、主を守らんと、猟兵達を試さんと騎士は立ち上がる。
 だが、エルザは其れを赦しはしない。
「私の役目は…貴方達が数を頼り立ち塞がる瞬間…その出鼻をくじく事です!
 神の祝福を受けたローマ兵達よ...さぁ、私と共に!」
『『『――――――――――――――――――!!!』』』
 エルザの声に応え、そして、彼女の振るうローマの主神の化身の姿が施されたローマの軍団旗を掲げたエルザに鼓舞されて、彼女に付き従うローマ兵達はエルザ達の前を塞ぐ騎士達に向かい槍を投擲。
 其の侭、盾を構えて突撃を慣行する。
「サンクルス侯への道は開きました……後は久遠寺君、あなたの出番です」
「応!任されたぜ―――!」
「……サンクルス侯、私の自慢の騎士が貴方のお相手仕ります」
 ローマ兵が切り開いた道を駆ける遥翔の姿を見守りながらエルザはそうこぼす。
 その目には彼女の自慢の騎士への強い信頼が見て取れた。
「やっと会えたなファルネーゼ侯、あの時のプレッシャー、見事だった。
我が名は遥翔、メレディウスの騎士!いざ尋常に勝負だ!
せめてあんたが望む強者との戦いを届けてやる!」
「…ならば来い、遥翔!……未来を切り開く力を私達に見せてみろ!」
 ファルネーゼの言葉に応える様に黒い焔を内包せし黒剣を遥翔は天に掲げる。
「焔黒転身!」
 此れは世界を救う戦いであると、この世界を必ず救ってみせるという誓いと共に放たれた詠唱と同時に黒剣から黒い焔が溢れだし、遥翔の体を包み込み焔の騎士、ネオフレアライザーが降臨する!
「ほう……その姿、どれ程のものか……確かめさせて貰おう!」
「ああ、俺の!俺達、猟兵の力、見極めてみろ!」
 その言葉と共に遥翔はファルネーゼに向かい駆け出していく。
 遥翔はその優れた直感と戦闘経験を活かし、ファルネーゼのサーベルの動きを見切ると焔の障壁で直接受ける事を避ける事で防いでいく。
 そして、その勢いの侭にファルネーゼの懐迄潜り込むと手にした二本の光剣でファルネーゼを十字に切り裂いた!
「見事……だ……」
「此れが俺達、猟兵の力だぁっっ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴォルクルス・ブラックエッジ
突撃前に、仲間達に警告。
ファング『オラァ!大砲ブッ放すぞ!巻き込まれたくなきゃ下がってな!』
その後、砲撃&範囲攻撃で取り巻きを減らす。

砲撃が終わった後で突撃。
-誉れ高き武人だろうと、所詮は吸血鬼。
決して相いれない存在だが…せめて最期の戦い、華々しく戦ってやる!-
ファ『相棒には夢があるんだ!その為にもここで消えてもらうぜ!』
  
まず2回攻撃で牽制。
生命力吸収、呪詛、鎧無視攻撃でダメージを重ねる。
敵の反撃にはそれぞれの【~耐性】とオーラ防御で耐える。

頃合いを見計らってから、
心臓を串刺して、UC【ドラゴニック・エンド】発動。
『喰らえ!オイラの全開パワー!!』<発動時のファングの台詞

アドリブ・連携可



●トドメの一撃
『オラぁ!大砲ブッ放すぞ!巻き込まれたくなきゃ下がってな!』
 ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!
 ヴォルクルス・ブラックエッジ(黒鴉の黒竜騎士・f22576)の連れた子竜、ファングの猟兵達に向けてかけた声と共に放たれた砲撃は旗艦を含めた船を含めた全ての敵船へと雨の様に降り注ぎ、激しい轟音を立てていく。
 周囲にエルザ達の連れてきた村人達もいるが其処は歴戦の戦士であるヴォルクルス。
 エルザの村人達への的確な指示があったのもあるが激しい砲弾の嵐を起こしながらも決して巻き込ませはしない。
『其れじゃあ行くぜ相棒!』
「――――」
 ファングの言葉に頷いてヴォルクルスは船を旗艦に突撃。
 ヴォルクルスの船のラムは甲板を貫き、ファルネーゼへと向かう道が完成。
 其の侭、ヴォルクルスは甲板に駆けあがると籠手だけ、具足だけになりながらも彼を留めんとする騎士達を薙ぎ払いファルネーゼの元へと走る。
「ふふ……どう…やら…貴公が私の…最後の相手の…ようだ…な……!」
『『『…最後…迄、御供致シマ…ス我ガ君……!』』』
 ヴォルクルスの眼前には今までの猟兵との戦いで傷付いた物であろう。
 左肩は砕かれ右手は斬り裂かれ胸は貫かれ十字に斬り裂かれ……そんな傷を守る様に補う様に肩の部分しか維持できなくなった騎士が肩を、籠手の部分しか維持できなくなった騎士が右腕を覆った状態で立っている。
(此れだけボロボロになりながら、其れでも立つか…武人の矜持か其れとも……。
 だが、誉れ高き武人だろうと所詮は吸血鬼。
 決して相容れない存在だが…せめて最期の戦い、華々しく戦ってやる!)
『相棒には夢があるんだ!その為にもここで消えて貰うぜ!』
「ふふ……ならば、示してみるが…良い……!
 其の夢への…想いの…強さを……!」
『我RAヲ倒セヌ程度豸、此ノ世界で夢等ハ叶獲ラレヌゾ!』
 最早、まともに声さえ出せぬのだろう。
 意味も判らぬ言葉を言うボロボロの騎士達がヴォルクルスの前に立ち塞がるが、ヴォルクルスは騎士達の呪詛の籠った攻撃は呪詛に対する高めた気の障壁により防ぎ、鎧を貫き命を直接喰らう呪詛を込めた黒き刃、ブラッドサッカーを振るい敵を蹴散らしていく。
 そして、ヴォルクルスは辺境伯、ファルネーゼの元へたどり着いた。
「来るか……猟兵よ……!」
「――――――」
『喰らえ!オイラの全開パワー!』
 最後迄諦めぬと自分に斬り掛かるファルネーゼに対しヴォルクルスは其の刃を避け、其の勢いの侭に返す刀でファルネーゼの心臓へ向けて聖銀の槍へと変じたファングを突き立てる。
 そして、槍はファング本来の姿へと変化。
 突き立てられた心臓を喰らい、其の勢いの侭、ファルネーゼの体を突き破る―――!
「ふふ……見事だ猟兵達よ……其の夢…掴み取りたまえ……」
 己に打ち勝った猟兵達の、ヴォルクルスの姿に満足したのか……辺境伯ファルネーゼは満足そうに笑って消えていく。
 ヴォルクルスの掌の上に彼女の物であった辺境伯の紋章を残して。
「言われる迄もない。……掴み取るさ」
 紋章を握りしめながらヴォルクルスは静かにそう呟く……。

 三角州の隠れ里への辺境伯による襲撃は此れで終わった。
 ……だが、未だ此の世界の闇が晴れる日は遠く、猟兵達の戦いは未だ未だ続いていく―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年07月04日


挿絵イラスト