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思念兵器、起動

#スペースシップワールド #【Q】 #クエーサービースト #惑星ロボ

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「お集まりいただき、ありがとうございます。スペースシップワールドの思念兵器『マインド』に関する依頼についてご説明いたします」
 丁寧に一礼し、イリス・ノースウィンド(とある部隊の元副隊長・f21619)は依頼についての説明をはじめた。
「以前より、スペースシップワールドの未踏宙域を探索し、クェーサービーストとの戦いを繰り広げていましたので、参加されている方もおられるかと思います。このクェーサービーストの一種、マインドミナBVAの外殻を素材として、銀河皇帝も所有していた思念兵器『マインド』を製造することに成功いたしました。危険を冒して戦いに赴いてくださったみなさんのおかげですね」
 スペースシップワールドでおきた戦争『銀河帝国攻略戦』が猟兵の勝利で終結してから1年半が過ぎようとしている。今もなお銀河帝国がのこした文献の研究が行われており、今回作られた『マインド』もその研究の成果だ。
「このマインドですが、『使用者の動きやユーベルコードをダイレクトに伝達・再現する装置』であるようです。この『マインド』を使用して、クェーサービーストに対抗するロボットを建造しよう、というのが今回の依頼です。小惑星サイズのクェーサービーストに対抗するため、今回制作するロボットも小惑星程の大きさです。まず皆さんにはこのロボットの開発に携わっていただきます」
 ロボットの建造。経験のないものには全く未知の領域だろう。
「自分自身の力で建造を行っていただいても構いませんし、現地のスタッフへイメージを伝えて頂くだけでも大丈夫です。また『マインド』は思念を受け取ることでより頑丈になる性質があるようです」
 その効果を期待して、マインドの中核となる装置は猟兵がロボット制作を行う場所の近くに置かれている。性能についてでも武装についてでも、拘りや熱意を見せることでより強いロボットが作れるかもしれない。
「ロボットが完成したら、付近のクェーサービーストと戦闘していただきます。一種の性能テストですね。全員で1機のロボットに乗り込んで頂くことになります。操縦は1人ずつとなりますが、特定の方との複座も可能ですので、その点はご安心ください。操作系統も『マインド』で作成されますので、細かい機械操作が苦手な方でも問題無く操縦頂けます。それと、ユーベルコードの使用も可能です。マインドの効果により小惑星サイズへ威力・範囲共に拡大されるのですが……使うと、すごく疲れるらしいです。気絶するほどに」
 ダウンした後は別のパイロットへ即座に切り替わるため、戦闘において不利になることは無い。だが、1度限りしか放てないという点は注意が必要だろう。
「敵は付近に2体存在し、連戦になると思われます。ユーベルコード使用の疲労から回復する程度の時間はありそうですが、ロボットの修復をする余裕はありません。なるべく損傷を受けないように戦ってください。どちらも強大な敵ですので十分にお気をつけて。では、よろしくお願いいたします」
 イリスが一礼し、グリモアが淡く輝いた。


鏡面反射
 はじめまして。こんにちは。こんばんは。鏡面反射(きょうめんはんしゃ)と申します。当シナリオへ興味を持っていただき、ありがとうございます。スペースシップワールドでロボットを作り戦闘を行いましょう。以下の構成にて進行致します。
 1章(冒険) :ロボを作ります。どんなロボにするか教えて下さい。
 2章(ボス戦):クエーサービーストの1体と戦闘です。
 3章(ボス戦):クエーサービーストの1体と戦闘です。2章からの連戦です。
 途中からの参加も歓迎いたします。その場合はよろしければどのようなロボットを操縦するかもプレイングに記載下さい。記載されていない場合は戦闘スタイル等に合わせておまかせで描写致します。
 では、みなさまのプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『試作型惑星ロボ開発計画』

POW   :    完成したパーツを組み立てて、小惑星サイズの巨大ロボを完成させる

SPD   :    試作型惑星ロボの完成に必要な装置を作成したり、分割したパーツごとに完成させていく

WIZ   :    試作型惑星ロボの設計を行なったり、必要な資材をもつスペースシップに出向いて交渉する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「マリア主任、そろそろ猟兵の方々が到着します」
 横合いからかけられた声に、マリアと呼ばれた女性はチラリと時計に目を向けてから頷いた。
「そうね。じゃあ私は対応にあたります。サポートはお願いね」
 声をかけてきた部下に微笑み、マリアは格納庫へと足を運ぶ。ここで猟兵達の要望を聞き、ときには直接ロボットを組み上げてもらうことになる。期待と不安がな半々といった表情のマリアの横で、ロボットの中核となる装置『マインド』は静かに黄金の光を湛えるのであった。
空桐・清導
「ロケットパンチとビームだ。
 それと変形、合体は必須機能だ。」
開口一番、清導から飛び出したのは浪漫だった。
清導は熱く語る、彼が幼少から見てきたロボット達を。
熱く、ロマンに溢れ、必殺技を叫ぶ。
合体し、土壇場で逆転する雄姿。サイコーである。
「今回の『マインド』ってやつはよくわかんねーけど、
 要は熱くてカッケー奴が勝つってことだろ?
 だったら俺に任せておけって!」
清道は自信たっぷりの笑顔でそう言った。

自分の要望通りに完成したパーツに目を輝かせる。
1つ1つ、魂を込めてを組み立て、
小惑星サイズの巨大ロボを完成させる。
彼は最後に、真紅の巨人に名を刻む。
「お前は今日から、ブレイザイン・ギガースだ!」



「ロケットパンチとビームだ。それと変形、合体は必須機能だ!」
 転送の光も消えぬ格納庫で、開口一番、空桐・清導(人間のアームドヒーローにしてスーパーヒーロー・f28542)から飛び出したのは浪漫だった。
「迫りくる敵!立ち向かうロボット!強大な攻撃の前に窮地に陥る!でもヒーローはくじけない!なぜなら護るべきものがあるから!」
 脳裏に過ぎるのは子供の頃に見てきたヒーロー達。そして、彼らが搭乗するロボット達。
「熱い想いを力に変えて!今だ!必殺!!サンライズ・パンチ!!!……くぅーっ、カッコイイ!」
 身振りを交えて語るロボットの活躍は次第に熱を帯び、拳を突き出して必殺技を叫ぶと最高潮に達した。しばし余韻を噛み締めたあと、満面の笑みでガッツポーズを作る。
「ってわけで、そんなロボットを作るぜ!流石にパーツは作れないから任せたぜ。組み立ては任せてくれ!」
「承りました。……ですが、その、大丈夫ですか?」
 笑顔で引き受けつつも、マリアは若干の不安をのぞかせる。
「今回の『マインド』ってやつはよくわかんねーけど、要は熱くてカッケー奴が勝つってことだろ?だったら俺に任せておけって!」
「……わかりました。お任せします」
笑顔でそう言い切る清導の言葉にマリアは少し考えるものの、その自信を信じようと迷いの晴れた笑顔で頷いたのだった。

「すげー!カッケー!でけー!」
 用意されたパーツを前に、清導は目を輝かせる。ロケットパンチや組み込みのビーム兵器。変形機構に分離・合体するためのパーツの数々。1つ1つ、丁寧に確認する。もちろん、細かな構造が分かるわけでは無いのだが……
「なんとなく、わかる。これは、ここ。んでこっちがあそこで……」
 それもまたマインドの機能の一環か。まるでロボット自身が組み立ててもらいたがっているかのように、清導は1つ1つ迷うことなくパーツを取り付けていった。
「よっし、あとは赤く塗装して……あれ?でも俺以外の猟兵も乗るんだよな?色とか勝手に決めて大丈夫かな」
「ご心配には及びません。マインドで作ったロボットは搭乗者によってその姿を変える性質があります」
 見た目も性能も各々の自由ということだ。もちろん、ロボットとしての限界はあるかもしれないが。
「そういうことなら遠慮は要らねぇな!」
 小惑星サイズの機体を真紅に塗装する。清導自身が纏う機械鎧にもにた赤いロボットを見上げ、清導は満足そうに頷いた。
「お前は今日から、ブレイザイン・ギガースだ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

杓原・潤
うるう、まだ学校でロボットの作り方とか習ってないんだけどな……。
でもイメージだけでいいんなら大丈夫、何とかなる!
とりあえず戦うロボットってアレだよね?
人型でー、角が付いててー、ビームとか撃つの!
剣と盾も欲しいな!うるうはどっちも使い方分かんないけど!

二回戦うけど修理が出来ない、らしいから……ここはお供って言うか、代わりに戦わせられるやつ積んどこーよ。
びっと?とか言うんだっけ……そんな感じのやつ!
うるうもね、殴られたりするの嫌だからノコギリが生えたサメを呼んで代わりに戦ってもらうんだよ。
……あ、別にロボットに積むお供はサメ型じゃなくてもいいから!もっとかわいいのでいいから!



 格納庫にて、杓原・潤(人間の鮫魔術士・f28476)はロボットの素体を見上げていた。
(うるう、まだ学校でロボットの作り方とか習ってないんだけどな……)
 小学生である潤は、機械の構造に関する知識などほとんどない。だが、その勝ち気な瞳に不安の色はない。
(イメージだけでいいんなら大丈夫、何とかなる!)
 そうして潤は近くに控えていたマリアへ話しかけるのだった。

「うるうの知ってるロボットはね、人型でー、角が付いててー、ビームとか撃つの!」
 UDCアース出身の潤にとって、ロボットの知識はアニメや玩具で見たもの、それと最近知り合ったウォーマシンがせいぜいだ。それでも知っている限りの情報から、強そうなロボットをイメージして懸命に伝える。
「剣と盾も欲しいな!うるうはどっちも使い方分かんないけど!」
「なるほど、遠距離はビームで攻撃、近距離は剣で攻撃。バランスの良い機体ができそうですね」
 頷きながらメモを取るマリア。潤は傍らの技術者から簡単なラフスケッチを受け取り、さらに武装を考えていく。
「二回戦うけど修理が出来ない、らしいから……ここはお供って言うか、代わりに戦わせられるやつ積んどこーよ」
「お供、ですか?」
 首を傾げたマリアを見て、潤は言葉を探す。
「えっと、たしか……びっと?とか言うんだっけ……そんな感じのやつ!」
「なるほど、遠隔操作型の兵器ですね」
「うるうもね、殴られたりするの嫌だからノコギリが生えたサメを呼んで代わりに戦ってもらうんだよ」
「それは……すごいですね」
 感心した様子のマリアを見て、潤は胸を張る。
「うるうは本物の魔法使いなんだから。サメだけなじゃくて魔法の剣も飛ばせるんだよ!くえーさーびーすと?っていうのもうるうがやっつけちゃうんだから!」
 自信満々の潤の様子に、マリアは真剣な顔で頭を下げた。
「……お願いします」
「まっかせなさーい♪あ、別にロボットに積むお供はサメ型じゃなくてもいいから!もっとかわいいのでいいから!」

 暫くして、潤のためのロボットが組み上がった。少々武骨な黒い機体に白銀と紫の装飾が施され、頭部には黄金の角が光る。機体と同じカラーリングの盾と、薄く紫に輝くビームソード。傍らには様々な魚を模した遠隔操作兵器が置かれていた。サメ以外にも何種類かの魚や熱帯魚、深海魚のようなものもある。パイロットの意志の通りに動き、口からビームを撃つほか噛みついて攻撃もできるらしい。
「出撃までは、ある程度のデザインや武装の変更は可能です。それと、良ければ名前を付けてあげて下さいね」
「名前、かぁ……うーん、カッコイイのがいいかな、カワイイのがいいかな」
 小惑星サイズの機体を見上げ、潤は真剣に悩み始めるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

御魂・神治
ロボなぁ...学生の時はロボが出るゲームばっかやっとったわ。
なんや、その、そういうヤツを作れってか?

せやなぁ...ワイ、ブーストでシャーって移動するスマートなヤツが好きやさかい。
ミサイルとかビャーって沢山撃つやつとか、ロックオンレーザーもええな!
逃げる敵をロックしてドーンって撃ってドカンや。
ワイは殴るより撃って爆発させる派や、砲門は多ければ多い程ええもんや。
それと必殺のボンバーやな!範囲攻撃や。
手数と追尾攻撃で徹底的にねじ伏せてトドメは爆発オチや、火力は正義や。
攻撃は最大の防御ってやつや!
よっしゃこれで敵をブンドドしたるで。

『貴方がブンドドされる側にならなければいいのですが』

天将黙っといてや。



(ロボなぁ……学生の時はロボが出るゲームばっかやっとったわ)
 御魂・神治(除霊(物理)・f28925)が思い出すのは学生時代。手にしたコントローラーでロボットを操り、カスタマイズをしながら敵を倒していく。そんなゲームをいくつもやっていた。
(……なんや、その、そういうヤツを作れってか?)
 戸惑い半分、といった面持ちではあるが、マリアと相談しながらロボットの開発を始めるのだった。

 今、神治の目の前にはモニターがあり、ロボットの外見と簡単なパラメータ、武装が表示されている。神治の話を聞いたマリアにより、開発用シミュレータが用意されたのだ。マインドの性質上完全なシミュレーションは出来ないがイメージ程度は掴めるため、神治はマリアと共にモニターをのぞき込んでいる。
「せやなぁ……ワイ、ブーストでシャーって移動するスマートなヤツが好きやさかい」
 神治の言葉に従い、機体へ大型のブースターといくつかのスラスターが追加される。高速機動も急旋回も可能なサイズだ。
「ミサイルとかビャーって沢山撃つやつとか、ロックオンレーザーもええな!逃げる敵をロックしてドーンって撃ってドカンや」
「なるほど、遠距離砲撃できる武装ですね」
 マリアが頷き、機体に武装が追加される。機体背面から発射される誘導ミサイルが計6門。両腕外部にレーザー砲を1門ずつ。頭部に遠距離の高性能センサー。ロックオン性能とミサイル誘導の機能を重視したものである。
「せや、ワイは殴るより撃って爆発させる派や。砲門は多ければ多い程ええもんや。っちゅーわけでガッツリ追加したってな」
 腰部パーツから展開する高速掃射マシンガンが追加される。
「それと必殺のボンバーやな!範囲攻撃や。手数と追尾攻撃で徹底的にねじ伏せてトドメは爆発オチや、火力は正義や。攻撃は最大の防御ってやつや!」
「オチに使えるかはわかりませんが……高火力の爆撃兵器というのは良い案だと思います」
 マリアの言葉に神治も頷く。肩口に大威力のカノン砲とミサイルランチャーが搭載された。爆発力は申し分ないだろう。

「よっしゃ!これで敵をブンドドしたるで」
『貴方がブンドドされる側にならなければいいのですが』
「天将、黙っといてや」
 神治の言葉に、どこからともなく冷静な女性の声でツッコミが入る。
「あの、ブンドドというのは……それと今の声は」
 戸惑うマリアに、まずは女性の声が応える。
『失礼いたしました。天将と申します。よろしくお願いいたします』
「コイツはワイの式神や。言うてもAIやけどな。あー、ブンドドちゅーんはな、こう、ロボットをギューンと」
 何かを掴んでいるように手を曲げそのまま動かす。
「手に持って戦わせるんや。フィギュアとかプラモとかやけどな」
「なるほど、楽しそうですね」
 裏の無いマリアの言葉に、神治は少しだけ照れたように頬をかくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シン・ドレッドノート
惑星ロボ建造に関わるのも4体目ですし、そろそろコツもつかめてきました。

操縦席から指先、搭載兵装に至るまで、タイムラグなく意志伝達が可能なフレーム。
格闘系のUCに対しては、動作を阻害しないよう外装がスライドするようにして干渉防止。
射撃系のUCを発動させるための可変型砲台を装甲内部に配置。
敵を素早く捕捉するため、高性能レーダーもつけておきましょう。

さて、2体目と連戦になるのが分かってるなら、1体目のマインドをその場で外装として装着できるよう、各所にハードポイントを装備しましょう。

「ハードポイントを介してマインドフレームに接続することで、いつでも装備を追加できる…まさに進化するマシンと言えましょう」


終夜・日明
【アドリブ連携歓迎】
(紙とペンを取り出して設計案を書き出し始める!)
まずはどのようなユーベルコードの再現でも機体が持つぐらいの骨組みにはしておかないといけませんよね。
能力強化系のユーベルコードを絡めた戦闘形式を考慮して組み立てるなら関節部分には人工筋肉、あるいはそれ相当の代用品が必要だと思いますがそういったものは用意可能でしょうか?

スーパー系よりリアル系……じゃなくて、装甲での耐久よりは運動性での回避にも重きを置きたいですね。
それと個人的な希望としては……(自分の武器の槍と銃が一体化したのを見せながら)
こういう武器が欲しいですね。接近戦にも対応できますし……
何より僕、こういうの好きなので。



 格納庫の一角、机の上に紙を広げ、終夜・日明(終わりの夜明けの先導者・f28722)とシン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)は機体の基礎設計に関する議論を交わしていた。
「まずはどのようなユーベルコードの再現でも、機体が持つぐらいの骨組みにはしておかないといけませんよね」
日明が言えば、シンも頷く。
「えぇ、ですから今回も『マインドフレーム』を搭載しようと思っているんです」
「マインドフレーム?……今回も?」
「『マインドフレーム』は『マインド』の素材にもなっているマインドミナの外殻を使用したフレーム構造で、操縦席から指先、搭載兵装に至るまで、タイムラグなく意志伝達が可能なフレームです。私が開発し命名しました。ちなみに惑星ロボ建造に関わるのはこの機体で4体目です」
「……なるほど、経験があるなら心強いですね。ですがフレーム構造だけでは機体は成り立たないでしょう?僕としては能力強化系のユーベルコードを絡めた戦闘形式を考慮して、関節部分には人工筋肉、あるいはそれ相当の代用品が必要だと考えているんです」
 日明は1枚の紙にさらさらとペンを走らせる。マインドフレームと関節部の人工筋肉の接続機構を考えているようだ。
「人工筋肉……それは採用したことが無かったですね。面白いと思います。でしたらここに……」
 シンも紙の上に図案を追加する。関節部の一部を人工筋肉に置き換え、フレームの強度を下げることなく接合を実現する。
「近接戦闘では装甲での耐久よりも運動性での回避にも重きを置きたいですね」
「連戦になるようですからね。攻撃は受けないようにするのが望ましいと思います。格闘系のUCを使う可能性もありますから、動作を阻害しないよう外装がスライドする構造にしましょう」
「いいですね。各部の可動範囲が増えればロボットでも自由な動きができそうです」
「射撃系のUCを発動させるための可変型砲台を装甲内部に配置。敵を素早く捕捉するため、高性能レーダーもつけておきましょう」
 シンも日明も図案にいくつかの機構を追加する。精密に描かれた図案はもはや設計図といっても差し支えの無いものになっていた。

「武装について、可能であれば僕の獲物に近いものを搭載したいのです。あくまで個人的な希望ですが」
「見せて頂いても?」
 シンの言葉に頷き、日明は自らの武器を机の上に乗せた。
「これは……銃剣、ではないですね。槍に銃が付いているのでしょうか?」
 フォルムは概ね直線であり、銃より槍に近い。だが持ち手の部分は柄の半分ほどしかなく、中央から先は銃弾の発射機構が取り付けられて太くなっている。
「ライフルスピアです。遠距離も近距離も対応できますし……何より僕が好きなので」
 はにかんだように笑いつつ、日明は新しい紙にライフルスピアの設計図を書き起こしていく。
「さて、あとはこの機体にハードポイントを装備しましょう。1体目のマインドをその場で外装にできれば、いつでも装備追加ができる……まさに進化するマシンと言えましょう」
「え?」
 満足気に頷くシンの前で、日明が疑問の声を上げる。視線を上げ、シンも思い至った。そういえばここへ案内したグリモア猟兵は1体目のクェーサービーストがマインドミナBVAとは言わなかった。今までの3回全て初戦はマインドミナBVAが相手であったため、今回もそうであろうと予想していたのだが。予知できなかったのか言い忘れたのか、あるいはマインドミナBVAではないのだろうか。
「まぁ、使わないなら使わないで次回に持ち越しすれば良いですね」
 気を取り直し、シンは設計図へとペンを走らせるのだった。

 さらにいくつかの情報を書き加え、完成した設計図をマリアへと手渡す。
「素晴らしい設計図ですね。はい、全て問題ないと思います」
 笑顔で受け取ったマリアは、少し申し訳なさげに言葉を加える。
「もしよろしければ……完成を待つ間、当方の技術スタッフと話をして頂けませんか?お二人の技術に興味があるようで」
 チラリと視線を向ければ、何人かの若いスタッフがちらちらとこちらの様子をうかがっているのが見えた。
「経験が浅いため今回の開発からは外されているのですが、邪魔にならない範囲で見学は許可していたんです。お二人とも年もそんなに変わらないようですし、もしよろしければ」
「ええ、是非に」
「こちらこそお願いします」
 シンに続いて日明も快諾し、しばし技術談義に花を咲かせるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『クエーサービースト・マインドミナBVA』

POW   :    BVAジェノビック
【無限に変化する外殻が超殺戮形態 】に変形し、自身の【防御力】を代償に、自身の【攻撃力と攻撃速度】を強化する。
SPD   :    BVAエクスタリ
いま戦っている対象に有効な【無限に変化する外殻が変形した殺戮兵器 】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    BVAリモーフ
対象のユーベルコードを防御すると、それを【無限に変化する外殻によって再現し 】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 機体が完成し、各自が武装や性能を確認している最中、館内放送が響き渡る。
『……CAUTION、CAUTION……敵性存在を探知。反応からマインドミナBVAと特定。各員戦闘に備えよ……試験機のパイロットは出撃をお願いします』
 周囲があわただしくなる中、マリアは猟兵達に向かい頭を下げる。
「性能試験として予定していた戦闘ではありますが、敵が強大であることに変わりはありません。どうかお気をつけて、行ってらっしゃいませ」
 製造されたロボットへと乗り込み、マリアやクルー達に見送られながら猟兵は宇宙へと出撃するのだった。
空桐・清導
「あいつ、無茶苦茶に変化してるから脆いのか!」
清導はBVAジェノビックの弱点に気づく。
なら、やりようはあるな、ニヤリと笑う。
念のため、ダメ―ジを受けないように遠距離攻撃を狙うぜ。
「往くぜ、オープンだ!」
掛け声とともに巨大ロボが分離し、飛行機に変形する。
それぞれが[力溜め]しながら、距離を離す。
マインドミナBVAの追撃は[気合い]で避ける。
「うおおお!合体だああ!!」
分離した機体が再び合体。
ブレイザイン・ギガースは両肩のビーム砲
"ギガ・サンライザー"を展開。
「喰らいやがれ!サンライズ・ギガブラスター!!」
[力溜め]したことにより威力の増した[誘導弾]を
一発残らず[一斉発射]する。

協力大歓迎です!


終夜・日明
【アドリブ連携歓迎】
まずは過去の戦闘履歴を参照して【情報収集】、自身の【戦闘知識】に当てはめてから戦法を決めましょうか。

ユーベルコードを防御と同時にコピーして反撃する特性……とすると射撃系や白兵系は避けた方が良さそうか……
なら、【指定UC】を反映させ限界まで駆動を加速させます。僕らの考えた設計案ならこれでも支障なく挙動するハズ。
反映された場合恐らく雷を纏うのは機体自身になるでしょうからシールド代わりにもなるかもしれませんね。

まずは【砲撃】で牽制、それから急速接近して【零距離射撃】をお見舞いしてやりましょう。
敵の攻撃は現在の状態なら【見切り】で問題なく回避可能でしょうからね。


御魂・神治
お前もゴリ押しパワータイプか、ワイもそうや。

そのぎょうさん付いとるドリル、ミサイルみたいに飛ばしそうやな...念の為【オーラ防御】でバリア張るわ。
『天将』の【ハッキング】で外殻の変形をジャムらせたり、攻撃手順等を狂わせる。
攻撃は高速移動で避けつつ追尾ミサイルの【乱れ撃ち】と【爆撃】で攻撃しつつ、むき出しの弱そうな部分を【スナイパー】で狙い、【誘導弾】のホーミングレーザーを叩き込む。

UCは最後まで取っておくで



「あれがマインドミナBVAか。巨大な敵、燃えるぜ!」
「なるほど今回はこのように……おや」
「なんや、共闘ってやつかいな」
 各々の操縦席にて。半透明の通信ウィンドウが表示され、お互いの声と姿を確認する。
「猟兵仲間言うたかて初対面や、緻密な連携なんかでけへんで?」
 御魂・神治(除霊(物理)・f28925)が懸念を告げる。
「確かに即席のチームで1機のロボットを操ることは難しいでしょう。しかし問題はありませんよ。空桐さんの設計をお忘れですか?」
 終夜・日明(終わりの夜明けの先導者・f28722)が答えれば、空桐・清導(人間のアームドヒーローにしてスーパーヒーロー・f28542)も受けて叫ぶ。
「そういうことだ。往くぜ『ブレイザイン・ギガース』!オープン!」
 清導の掛け声と共に。機体は3機に分離し、各々飛行機の形態へと変形した。

「お前もゴリ押しパワータイプか、ワイもそうや。ま、今はちいっとちゃうけどな」
 神治は飛行機の操縦席で独りごちる。飛行機形態となった現在は火力よりも速度が重視されているようであった。
「ま、ソイツは後のお楽しみ、っちゅーこって。今は妨害させてもらうさかい」
 神治の言葉と共に、機体はオーラのバリアに包まれる。近づく神治の機体へ向けて、マインドミナBVAの外殻が次々と変形し、大量のドリルミサイルが放たれた。
「なんの!」
 機体を高速でスラロームさせながらドリルの嵐を躱し、相手の懐へと潜り込む。マインドミナBVAは近づいた敵を撃ち落とすため、再び外殻を変形させて大量の金属鞭を生み出した。神治は牽制の射撃を行いつつ、マインドミナBVAの近くを飛び回った。やがてギシリ、とマインドミナBVAの動きが固くなる。所々で火花が散り、鞭やミサイルがでたらめな方向へと飛んでいく。
「どや、これが俺のハッキングや!」
『私の、です。手柄を横取りしないでください』
 抑揚のない天将のツッコミを聞き流し、目的は果たしたとばかりに急旋回して2人との合流へ向かう。
「……って、危ねぇ!!」
 清導の叫び声と同時、機体が大きく揺れる。マインドミナBVAの放ったミサイルが神治の機体をかすめ、いずこかへと飛んで行った。幸い機体への損傷も無く、神治はマインドミナBVAから距離を取ることに成功する。
「は、はは、余裕や余裕」
 少しだけ震える声で答え、2人との合流に急ぐのであった。

 一方、清導は機体が分離した直後、直ぐには敵に近づかず様子をうかがっていた。
(ミサイルでの遠距離攻撃……それに鞭での近距離攻撃)
 神治の機体が攻撃を避けながら飛び回っているのが見える。距離に応じて自在に外殻を変えるその攻撃は、確かに強力に見えた。
(けど絶対どこかに……そうか!)
「見えたぜ!お前の弱点が!」
 清導はニヤリと笑う。マインドミナBVAの射程内へと移動するが、まだ攻撃には移らない。飛び交うミサイルを気合で躱し、ひたすらに時を待つ。
(ん……神治が何かやったのか?)
 マインドミナBVAの動きが鈍り、所々から火花が散る。なんにせよ好機と見て良いだろう。準備の方も上々だ。同時に神治の機体も反転し、マインドミナBVAから距離を取るように動き始める。
「……って、危ねぇ!!」
 ミサイルが神治の機体を襲う。あわや直撃かと思った瞬間、何かに阻まれたかのようにミサイルの方向が変わり、機体をかすめて飛んでいく。
(バリア?もしかして先読みしてたのか?すげー!)
「は、はは、余裕や余裕」
 通信機から聞こえる神治の声に安堵し、そこに含まれた焦りには気づかぬまま清導もまた2人と合流するために移動するのであった。

 再び時は遡り、機体が分離した直後。日明はマインドミナBVAから距離を取り戦場が俯瞰できる場所へと移動する。
(これは……エネルギーが吸われている?いえ、溜めている……のでしょうか)
 違和感ですらない些細な感覚。気づいたのは日明自身の電気への親和性ゆえか。
(ならば動き回らない方が良さそうですね。幸い僕の作戦にも支障はありません)
 考えつつ、センサーの感度だけを最大にすると、機体を待機状態へ移行させる。続いて宇宙船へと通信を開いた。
「マインドミナBVAに関するデータをすべて回してください。過去の戦闘履歴もお願いします」
「い、今からですか!?戦闘中ですよ!?」
 通信機から悲鳴のようなマリアの声が聞こえる。
「わかっています!5分で読み込みますよ!早く!」
 機体のチェック中に敵が来たため、情報を手に入れる時間がなかったのだ。ほどなくして送られてきたデータを即座に読み解きつつ、目の前の状況や自身の知識と組み合わせて戦法を練る。
(ユーベルコードを防御と同時にコピーして反撃する特性……とすると射撃系や白兵系は避けた方が良さそうか……)
 攻撃ではなく強化や支援であれば、防御されることはない。すなわちコピーされることも無いと判断する。更に外殻の動きや変化を観察し、戦法へと組み込んでいく。
(動きが鈍った……?)
 センサー類の情報からマインドミナBVAの異常を検知する。おそらく近づいた方……神治の妨害であろうと予想を立てる。
(しかし、長時間妨害し続けることは出来ないでしょう。急ぎ僕も合流するとしましょうか……合流後は、合体をリードしエネルギーを溜めた空桐さんがおそらく最初に攻撃をすることになるでしょうから、御魂さんの反応次第で攻撃順序を決めましょう)
 神治の機体が回頭したことを確認し、日明もまた2人との合流へと向かうのであった。

「いくぜ2人共!うおおお!合体だああ!!」
 清導の掛け声により、3機の飛行機が合体し再びロボットの形態へと変化する。そのまま清導は、マインドミナBVAへビシリと人差し指を突き付ける。
「お前の弱点はその外殻の脆さだ!無茶苦茶な変化が仇になったな!喰らいやがれ!サンライズ・ギガブラスター!!」
 掛け声と共に溜めたエネルギーをすべて解放する。両肩のビーム砲がマインドミナBVAを捕らえ、赤い機体は溢れ出る力で太陽のごとく光輝いた。放たれたビームはマインドミナBVAの外殻、脆くなった場所へと吸い込まれ、大爆発を起こしたのだった。

「お次は俺や」
 清導から操作の権限を受け取り、神治は機体を駆る。マインドミナBVAから放たれたミサイルを、スラスターを用いた複雑な軌道で回避する。標的を失ったミサイルは、お互いにぶつかって爆発を起こした。
「今や!」
 機体背面から放たれた誘導ミサイルが爆発の煙を貫いてマインドミナBVAへと殺到する。衝撃でさらに外殻をゆがませつつも、マインドミナBVAも反撃とばかりに更にミサイルを撃ち出した。しかし既に、煙の向こうに神治の機体はいない。マインドミナBVAの上。ブーストの加速により高速で移動した神治は、ロックオンマーカーの向こうに破損した外殻を捕らえた。
「シュート!……ってなもんや」
 機体の両腕から放たれたホーミングレーザーは狙いあやまたずマインドミナBVAへ吸い込まれ、その巨体を内部から灼くのであった。

「最後は僕ですね」
『加速開始、機体制限のアンロックを申請、パスコード入力……全制限完全解除』
 日明は己のユーベルコードを発動する。操縦席内のコンソールに文字が表示され、機体全体が蒼い雷を纏う。本来生体電流を操ることでスピードと反応速度を増大させるそれを、今回は機体の人工筋肉の電流を操ることにも応用している。設計時の思惑通り機体の速度と反応……さらには電子センサーの感度までが爆発的に増大した。そのまま機体を動かせば、まるで自らの身体であるかのようにスムーズに動く。マインドミナBVAから飛来したミサイルを最小限の動きで躱す。日明自身の身体能力も加速されている今、そのミサイルが当たる道理は無かった。
「遅い……ですよ」
 一瞬にしてマインドミナBVAの間近へ移動する。蒼い雷は光の帯となり機体の軌跡を彩った。手にしたライフルスピアを外殻の壊れた個所へと突き刺し、そのままトリガーを引き絞る。
「――――!!」
 マインドミナBVAは悲鳴を上げるかのようにその巨体を捩り、鞭やミサイルをでたらめに放ち始める。
「おっと」
 周囲のミサイルをライフルスピアで切り払い、一瞬にして射程圏外へと離脱する。ミサイルの破片は機体に纏った雷に弾かれ、無傷のまま離脱することができた。
「……仕留めきれません、か」
 少しだけ悔しそうにつぶやいて、日明はそのまま意識を失った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

杓原・潤
うーん、さすがうるうのロボ!かっこいい!
くえーさーびーすと?もおっきいけど何とかなるなる!
宇宙は初めてだけど、どこにも落ちない分、箒で飛ぶのより簡単かも?
まずは空中戦、びゃーって飛んで敵の目を回して……目、どこ?とにかく惑わせる!
そんでお魚ビットで攻撃!
サメを操る時と同じ集団戦術で色んな所を突き回しておびき寄せて、ビットの方を防御させちゃおう。
敵の気が逸れて隙が出来たら、とっておきのユーベルコードで攻撃!
みぜりこるであ・すぱーだの魔法剣を防御されて真似っこされない様に注意しなきゃ。
このロボの剣と同じ、薄紫のビームソードっぽいのを飛ばせるかな?やってみよう!
あ、この子の名前……スパーダにする!



 機体の外装が揺らぎ、異なる形へと変化する。黒い機体に白銀と紫の装飾。駆るのは杓原・潤(人間の鮫魔術士・f28476)だ。
(うーん、さすがうるうのロボ!かっこいい!)
 少々武骨なシルエットの機体の頭部には黄金の角が輝いている。操縦桿を握れば計器類に光が走り、メインモニターが敵を示す。
(あれがくえーさーびーすと?……おっきい!けど何とかなるなる!)
 射程外だというのに目視でも確認できるスケールに一瞬圧倒されるが、持ち前の勝ち気さですぐに思い直す。戦うと決めたのなら、敵へ向かって一直線だ。操縦桿を経由して潤の意思を受け取った機体は、潤の意のままに動く。
(宇宙は初めてだけど、どこにも落ちない分、箒で飛ぶのより簡単かも?)
 宇宙に重力は無い。人によっては不安定に感じるであろう環境だが、箒に乗って空を飛ぶことのできる潤にとって、重力の影響を考えなくて良いというのはそれだけ楽になるということを意味している。不慣れさを感じさせない動きで、潤は機体を進めていった。
(えっと、ユーベルコードの攻撃をコピーする、んだっけ。いきなり攻撃はあぶないよね。妨害、目くらまし……そうだ!)
 閃きと共に機体を加速。暴れまわるように振るわれる鞭の間を空中戦の要領で駆け抜け、マインドミナBVAの直前で急旋回。周囲をグルグルと回り始める。
(こうすればきっと目が回って……目、どこ!?)
 上も下も、もちろん横にも目のような器官は見当たらない。とにかく惑わせよう、とさらにグルグル回れば、なんとなく敵の動きが鈍くなったような気がした。
「今だ!いっけーお魚さん!」
 潤の意志に応じて、機体のいたるところから魚型のビットが飛び出す。鮫魔術を操る潤にとって、魚の群れを操ることはたやすい。クマノミの群れがマインドミナBVAの外殻をつつきまわし、エンゼルフィッシュの群れが外殻の隙間から中を切り裂こうと背びれを振るう。ビットの攻撃をマインドミナBVAの外殻が防ぎ、再現しようと変化を始める。しかしその動きは途中でギシリと止まった。魚はただのビットでありユーベルコードではない。マインドミナBVAの外殻で再現することは出来なかった。
「かかった!いけ!みぜりこるであ・すぱーだ!」
 潤は手にしたビームソードを掲げる。機体の周囲にビームソードと同じ、薄紫の剣が多数出現した。剣は複雑な軌道を描いて鞭の隙間を潜り抜け、外殻を避けて奥の本体へと突き刺さる。潤の狙い通り、外殻で防がれなかった剣は再現されないようであった。しかし。
(あ……まだ、だめ、もう少し)
 視界が揺らめき、疲労感で意識が遠ざかる。堪えられず操縦席に突っ伏す潤の脳裏に、剣による紫の残光が煌めいていた。
(この子の名前……スパーダに……しよう)
 その思考を最後に、潤の意識は途切れたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シン・ドレッドノート
さて、試運転と行きますか。
操縦席に座り、単眼鏡をキラーンと光らせて操縦桿を握ります。

全砲台、まともに動くかどうか、試させていただきますよ!
「ハンドレット・ガンズ、オールウェポンズ・フリー!」
【乱舞する弾丸の嵐】を発動、ロボに装備された全射撃兵装を稼働。
BVAの動きに合わせてこちらも移動しつつ、照準を合わせていきます。

「実体弾、先行して発射。続けてエネルギー弾、タイミングをずらして一斉発射!」
外装の隙間を狙い、全ての射撃が同時に着弾するように発射。
一つ一つの弾では撃ちぬけない相手でも、全てを一つにすれば貫くことも可能!
「必殺、メガクラッシュ!」

撃った後は着弾の誤差などチェックしておきましょうか。



「さて、試運転と行きますか」
 操縦桿を握るシン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)は不敵な笑みを浮かべ、単眼鏡がキラーンと光った。シンにとってマインドミナBVAは前座、本番前の性能テストの相手である。ましてやこのマインドミナBVAは他の猟兵の攻撃によって大きく傷ついている。何度も相対した相手であり、負ける要素は見当たらない、といったところである。
「しかし窮鼠猫を噛むともいいます。追い詰められた獣……かどうかは怪しい生物ですが、油断せずに参りましょう。では、全砲台、まともに動くかどうか、試させていただきますよ!」
 表情をキリリと引き締めるものの、そこには隠し切れない歓喜が宿っている。作り上げた機体の性能を試すこの瞬間。新しい玩具を手にした少年のように、好奇心で胸が躍るのもやむを得ないだろう。シンが操縦桿を操ると、機体の装甲が一部スライド・変形し、いくつもの砲門が現れる。狙いをつけるシンの目に、マインドミナBVAの残された外殻が変形していくのが見えた。
「なるほど、そう来ましたか」
 感心し、しかし余裕は消えぬままシンは砲撃を開始する。同時、マインドミナBVAの変化した外殻からも、砲撃が開始された。ミサイルとミサイル。ビームとビーム。鏡写しのようにぶつかり、打ち消し合う。手数も威力も互角。2体の中央で、爆風の花が咲いた。
「確かに有効な手段です。無傷であれば、ですが」
 マインドミナBVAの外殻は無限に変化する。無傷の状態で同じ戦法を取られれば、エネルギーが尽きて負けていたか、物量で押し負けていただろう。だが、今のマインドミナBVAは外殻の大半を損傷し、修復も阻害されている。
「そろそろ、良いでしょう。ハンドレット・ガンズ、オールウェポンズ・フリー!」
 シンはユーベルコードを機体と同調させる。攻撃を続ける砲門の周りに、まるで複製されるかの如く新たな砲門が展開される。
「実体弾、先行して発射。続けてエネルギー弾、タイミングをずらして一斉発射!」
 増加した砲門からミサイルが発射される。爆風を貫き、マインドミナBVAへ向かうミサイルを何条もの光が追いかける。
「必殺、メガクラッシュ!」
 寸分のずれも無く着弾したミサイルとエネルギー弾がマインドミナBVAを穿ち、ついには貫通した。
(生体反応無し、攻撃も止んでいる……どうやら仕留められたようですね)
 センサーの反応によりマインドミナBVAを倒したこと確認し、シンは急速に訪れる疲労感に抗いながらプログラムを起動する。着弾精度の分析が始まったことを確認し、シンは瞳を閉じて操縦席にもたれかかるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『クエーサービースト・ヴァキアスEAT』

POW   :    EATグラトニウム
【周囲に蠢く存在を喰らいたいという暴食】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
SPD   :    EATマテリライズ
【外殻を物質を破壊する超振動モード】に変形し、自身の【喰らった栄養分の消化】を代償に、自身の【外殻の防御力・スピード・反射速度】を強化する。
WIZ   :    EATベルゼバブル
【あらゆる生物・物質を消化する分解液の霧】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠メイスン・ドットハックです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 マインドミナBVAを倒した猟兵達は、機体のチェックを開始する。各々の努力により無傷で勝利でき、マインドの能力とマインドミナBVAの残骸で弾倉とエネルギーの回復も行われた。ユーベルコード使用の反動があった猟兵も意識を取り戻し、次の戦闘へ向けた準備が進む中、宇宙船から通信が入る。
「2体目の敵性反応を確認いたしました。まもなく、そちらからも確認できると思います。お気をつけて」
 マリアの言葉通り、巨大な生物が近づいてくる様子をセンサーが捕らえた。交戦までは若干の余裕があるだろう。準備を整え、『クエーサービースト・ヴァキアスEAT』を迎え撃て!
シン・ドレッドノート
「来ましたか…」
あの相手、下手に接近するのも危険ですし、距離が離れているうちに先制した方がいいですね。

ちょうど操縦席に座ってることですし、このまま皆さんより先に攻撃して、敵の能力を阻害しておきましょう。
先ほどの砲撃戦で着弾誤差は修正済みです。
怪盗の単眼鏡で敵の急所を解析、最も効果的なポイントを割り出します。
実弾では超振動で弾かれてしまいますから、エネルギー弾を撃ち込みますよ!

「ターゲット・ロック…貫け、真紅の衝撃!」
本命に気づかれないよう、フェイントで目くらましの弾幕を張りつつ、狙いすました真紅の光弾を3発、EATに撃ち込みます。

さて、さすがに連戦は疲れましたし、後はお任せしますね。



 ヴァキアスEAT到来の少し前。シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)はモニターを前に真剣な顔で考え込んでいた。
(エネルギー弾の着弾誤差が大きい……爆風の中を進んだからというだけではないですね。さてどう改修したものか)
 弾頭にセンサーが積めある程度の誘導が可能な実弾と違い、エネルギー弾は発射から着弾までに干渉の余地が無い。したがって砲門の微細な角度修正が必要となるのだ。いくら相手が巨大とはいえ長距離で撃てば誤差は大きくなっていく。それに当たれば良いというものでもない。シンが求めるのは、針の穴を突くがごとく微細なコントロール。だがそれには膨大な時間と複雑な改修が必要となる。
(いや……そうか!)
 思いついた方法をもとに計算し、確証を得た。その方法を実現すべく、シンは機体を駆って準備を始めるのであった。

「来ましたか……」
 シンの単眼鏡に、ヴァキアスEATの姿が映る。
(あの相手、やはり下手に接近するのは危険ですね)
 4度目の邂逅。個体としては別物であるが、相手の危険性は熟知している。噛みつき、超振動、分解液の霧。いずれも恐ろしい攻撃ではあるが、遠距離の攻撃手段を持たないため距離を取ればある程度のアドバンテージを奪える。
(距離が離れているうちに先制し、敵の能力を阻害しておきましょう)
 シンは単眼鏡と機体を接続する。怪盗の単眼鏡と名付けたそれは高度な電子機器の機能も備えていた。各種センサーからの情報を取り込み瞬時に解析、シミュレーション。敵の急所の位置を特定し、狙撃に効果的なポイントへと移動する。
(実弾では超振動で弾かれてしまいますから、エネルギー弾を撃ち込みますよ!)
 シンがトリガーに指をかけると、機体からアンテナのような金属が何本も展開される。
「ターゲット・ロック……貫け、真紅の衝撃!」
 バラまかれた弾幕は目くらまし。本命はたったの3発。限界までエネルギーを凝縮した真紅の光弾はターゲットからほんの少し逸れ……しかしその軌道が、正しいものへと修正される。機体から伸びたアンテナが周囲に存在するマインドミナBVAの残骸へと信号を送り、マインドの力によって光弾の軌道を修正したのだ。
「――!」
 ヴァキアスEATが声にならない悲鳴を上げる。1発は分解液の霧を射出する器官。2発は超振動を発生する器官を捕らえた。どちらも完全に停止させることは出来なかったが、威力を弱めることに成功する。今後は実弾の兵器であっても、ある程度の威力を残したまま本体へ到達させることができるだろう。
「さて……さすがに連戦は疲れましたし、後はお任せしますね」
 自身の戦果に満足気な笑みを浮かべ、シンは操縦席で気を失うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

空桐・清導
POWで挑みます
「最後だ!ブレイザイン・ギガース!
思いっきりぶちかますぜ!!」
清導はコックピット内でポーズを決める。
「超!変ッ身!!」
UC「ヘビーアームズ・ウェポナイズ」を使用。
ブレイザイン・ギガースは
よりヒーロー然とした姿に変わる。
口部装甲が展開され、共に叫びをあげる。
「相手がデカけりゃ、こっちも燃えるってもんだ!」
巨大な拳を力強く構える。
拳の後部から眩い炎と光が漏れる。
「往くぜえええ!超!必殺!!」
夢見たヒーロー達のように[気合い]を入れ、
彼らは[限界突破]する。
「ブレイジング!バスタァアア!!ナックル!!!」
極限まで[力溜め]されたロケットパンチが
ヴァキアスEATを貫く!

協力大歓迎です!



「最後だ!ブレイザイン・ギガース!思いっきりぶちかますぜ!!」
 空桐・清導(人間のアームドヒーローにしてスーパーヒーロー・f28542)がコックピットで叫び、自らの変身ポーズを決める。
「超!変ッ身!!」
 機体の外装が揺らぎ、赤い鎧を纏ったような姿へと変化する。機体内を巡るエネルギーが赤い光となって肩口からあふれ出し、マントを羽織っているかのように機体の背後で輝く。機体の口部装甲がスライドし、叫びを発する。
「『相手がデカけりゃ、こっちも燃えるってもんだ!』」
 それは清導の声であり、今この瞬間はブレイザイン・ギガースの声でもあった。コックピットで拳を握り、正面へ向ける。シンクロしたブレイザイン・ギガースも拳を構えれば、その手首の辺りから眩い光が漏れ始めた。機体の全てのエネルギーを収束するかの如く、輝きは徐々に強く大きくなっていく。
「――!」
 清導に気づいたヴァキアスEATが大きく口を開ける。その体躯が膨れ上がる。遥か遠くに存在するはずのそれが、まるで目の前に居るかのように巨大になっていくのが見えた。
「往くぜえええ!超!必殺!!」
 限界を超えたエネルギーは拳そのものを覆い、赤く、強く染め上げていく。
「ブレイジング!バスタァアア!!ナックル!!!」
 叫びと共に、ロケットパンチが放たれる。赤い光が流星のごとく宇宙を切り裂き、大口を開けたヴァキアスEATの口内を貫いた。だがヴァキアスEATの体躯が一回り小さくなると同時、傷口がゆっくりとふさがっていく。
「回復された……!くそ、もう1回……」
 手元に戻った拳を装着し、再度ロケットパンチを放とうとする清導を、抗えない疲労感が襲う。薄れゆく意識の中、脳裏に過ぎるのはここまで共に戦った猟兵達の顔。
「そうだな……みんな、後は任せた、ぜ」
 思いを託し、その勝利を確信して清導は目を閉じるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

終夜・日明
【アドリブ・連携歓迎】
さて、せっかくこちらが有利にできるようにしてくださったのですから有効に使わないといけませんね。
【継戦能力】を鍛えてはいますが、それでも中々体力消費がキツいですし手短に終わらせましょうか。

またマリアさんにさくっとデータをお願いしたいですね。(【情報収集】)現在の状況と【戦闘知識】で照らし合わせますので2分あれば十分です。
先程の攻撃の痕跡を見るに遠距離攻撃が望ましいのは確か……うん、データを見るにも理に適っている。
【指定UC】で遠距離からオールレンジで牽制しつつ【砲撃】しましょう。ビットの3割は弾幕展開の為距離を維持、残り7割は敵のUCの範囲ギリギリまで接近して攻撃です。



 ダメージの治療が終わり切っていないのか、動かぬヴァキアスEATを遠目に確認しながら終夜・日明(終わりの夜明けの先導者・f28722)は宇宙船へと通信を開く。
「マリアさん、ヴァキアスEATの情報をお願いします」
 半ば予想していたのか、日明が言い終わるのとほぼ同時にデータ転送が開始され、次いでマリアの申し訳なさそうな声がした。
「ヴァキアスEATについては確認された個体数が少なく、マインドミナBVAほどの情報はありません。一応あるだけのデータはかき集めてみましたが、不足している情報も多いと思います」
 ヴァキアスEATの動きを警戒しつつ、日明は送られてきた情報に目を通す。確かに数は少ないが身体性能や攻撃手段、戦闘の情勢や結果がまとめられていた。
「十分です。ありがとうございます」
「お気をつけて」
 通信が切れ静寂の中、日明は思考する。
(先程の攻撃の痕跡を見るに遠距離攻撃が望ましいのは確か……)
 先の2回の攻撃、いずれもヴァキアスEATはさしたる反撃も回避も行えていない。手に入れたデータからも同様のことが読み取れ、理に適っていると頷く。
(もちろん攻撃手段によっては、到達前に破壊されることになりますが……)
 データの情報から、相手の能力をほんの少しだけ下方修正する。ここに至るまでの戦闘のダメージ。相手の回復力。未だ動かぬヴァキアスEATの様子と、各種センサーの情報から目の前の個体の能力値と現状を客観的に割り出す。
(さて、せっかくこちらが有利にできるようにしてくださったのですから、有効に使わないといけませんね)
 わずか2分。だがその間にもヴァキアスEATは回復を続けている。ヴァキアスEATの周りに分解液の霧が漂い始める。だが日明は慌てない。
(一見回復しているように見えますが、その分エネルギーを消耗している。ダメージは無駄ではない。ならば……)
「ターゲット補足、ビットパージ。オールレンジ攻撃開始」
 機体の各所から自走式の砲台が現れる。『アストラル・ビット』と名付けられたそれは、日明の意志の通りヴァキアスEATの周囲へと展開される。霧にギリギリまで近づいた150機ほどが一斉にビームを放ち、ヴァキアスEATの鉱物のような外皮へ損傷を与えていく。ヴァキアスEATが身をくねらせ、ビットへと突撃しながら分解液の霧を振りまいた。十数機のビットが落とされるが、その攻撃を日明は読んでいた。
「掃射!」
 ヴァキアスEATの周囲を、少し距離を離れて飛んでいた100機ほどのビットが一斉に攻撃する。弾幕に気を取られたヴァキアスEATが攻撃目標をビットに変え、新たに分解液の霧を振りまく。
「退避しつつオールレンジ攻撃を継続……掃射」
 弾幕でヴァキアスEATの意識を誘導しつつ、攻撃を加え続ける。分解液の濃度が弱まっていたためか、半ば溶けかけたビットも何とか攻撃を続けている。
(……3回目は厳しいですね)
 意識が揺らぎ始める。2回目の掃射ですら、持ち前の継戦能力で耐えていたのだ。急ぎビットの行動を自動攻撃に切り替える。少しの間、敵の回復を止め、外皮の装甲を削ることができるだろう。
(この手で倒せないのは口惜しいですが……十分な戦果は上げられたでしょう)
 もし次に戦うとしたら、より有効な武装はどのような物か。そんなことを考えながら、日明は操縦席にその身を預けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御魂・神治
はー、でっかい口してんなぁ...弱点モロ出しやないかい
最後は爆発オチで派手にいてこましたろや

何でも溶かす霧の範囲攻撃持ちかお前
あかんなぁ、それやと折角のミサイルの奔流が台無しや
なら霧をそうとしたらホーミングレーザーの【追尾弾】攻撃して行動キャンセルさせる
決まったらすかさず【マヒ攻撃】のミサイルで口が上手い事閉まらん様にする
最後はUC【破魔爆散『涅槃』】の【多重詠唱】
ミサイルの奔流によるボンバー攻撃で、開いたまんまの口ん中にしこたまぶち込んでトドメや

図体のデカいボスは大爆発して沈むのはお約束やさかい、派手に散れや


杓原・潤
こんなに疲れるのかぁ……ヤバかったぁ!
でももう元気、いけるいける……え、これほんとに生き物?
宇宙ってスケールおっきいなぁ。
とりあえず行けっ、お魚ビット!……溶けちゃった!?
これじゃスパーダも溶けちゃう……どうしよ、逃げても仕方ないし……

そうだ!全力魔法のユーベルコードで宇宙のその辺の物を集めちゃうぞ!
隕石でも、星の欠片でも、ロボットや宇宙船の残骸でも何でもいい!
ありったけ集めてサメのロボットにして、その中にうるうとスパーダが入って突撃だー!
結界術とオーラ防御も使えば、分解液でスパーダまでやられる事はない……はず!
敵本体に溶けずに残ったサメロボットを念動力でぶつけて、全力で逃げるぞ!



「こんなに疲れるのかぁ……ヤバかったぁ!」
 杓原・潤(人間の鮫魔術士・f28476)はスパーダと名付けた機体の操縦席で、マインドミナBVAとの戦闘を思い出す。ユーベルコードを使ったとたんに訪れた倦怠感と疲労感。眠気とは違う感覚はまるで物理的な重さのようで、身体も意識も底へと一瞬で誘われた。感覚を思い出して不安になり、立ち上がると操縦席で身体を動かして、疲労の具合を確かめる。
「うん、もう元気、いけるいける!」
 回復したと分かり、ガッツポーズで気合を入れてシートに座りなおす。次いで、ヴァキアスEATを確認する。その周囲にはまだ自動操縦のビットが数機飛び回り、ヴァキアスEATの行動を阻害していた。
「……え、これほんとに生き物?宇宙ってスケールおっきいなぁ」
 潤の口から感嘆がもれるが、そこに恐怖の色はない。見た目は少々醜悪だが、それよりも小惑星サイズの生き物が動いているという状況に興味を惹かれていた。
「ホンマ、でっかい口してんなぁ……弱点モロ出しやないかい」
 御魂・神治(除霊(物理)・f28925)も同意する。もっとも、こちらはその身体構造に対する呆れの感情も大きかった。
「とりあえず、行けっ、お魚ビット!」
 潤の掛け声で、スパーダの各所からプラティやグッピー、グラミーなどの魚型ビットが泳ぎ出しヴァキアスEATへと向かう。だがビットたちが到達する間際、ヴァキアスEATは一際大きく口を開けふるふるとその体躯を震わせた。ヴァキアスEATを取り巻く紫の霧が少しだけ濃くなる。自動操縦で攻撃を続けていたビット達は全て壊れ、潤の放ったビットも外装を溶かされじわじわと数を減らしていく。
「……溶けちゃった!?」
「あの霧、何でも溶かすんかい……範囲攻撃持ちとか、かなわんなぁ」
「うるうのお魚さんたちが……これじゃスパーダも溶けちゃう……どうしよ、逃げても仕方ないし……」
 逃げる、と言葉にしたものの弱気になっているわけではない。だが、潤がスパーダに付けた兵装はビームと剣と盾。慣れないビームをぶっつけ本番で当てることは難しいと判断する。分解液がある以上、剣で切りかかればスパーダごと溶かされてしまうだろう。浮かんでは消える選択肢の中に、有効なものが思いつかない。
「せやなぁ。わいのミサイルも溶かされてもうたら台無しや。とりあえずあの攻撃を止めてまわんとな」
「止められるの?」
「まぁ、腹案はあるで」
「じゃあ……手伝って!」
 神治の様子を見て、潤も1つの手段を思いつく。分解液を突破できるかは若干不安があったが、それが止められるのであればきっと有効な攻撃になるはずだ。
「……いっこ聞いとく。その攻撃、派手なんか?」
「うん!」
「ならやったるわ。任しとき!」
 潤の頷きに、神治はニヤリと笑みを浮かべるのであった。

「さー・むぇふぁー・どぅ・あー!」
 潤の詠唱が操縦席へと響き渡る。近くに浮かんだ隕石や金属片、そしてマインドミナBVAの残骸が操られ、渦巻き始めた。それらは集まり、重なり繋がり組み合わさって、やがてスパーダを覆うように巨大なサメを象る。
「いっくよー!サメあたーっく!」
 スパーダが加速する。サメは弾丸のように宇宙を進みヴァキアスEATへと向かっていく。
「まずはコイツをお見舞いや」
 スパーダを覆うサメの一部がスライドし、ホーミングレーザーを放つ。分解液の霧を放とうと口を開けたヴァキアスEATへレーザーが突き刺さり、一瞬その動きを止める。
「んで次はコイツや」
 再びスパーダから、今度はミサイルが放たれた。開けたままの口へそのまま直撃し、電撃をばらまいてヴァキアスEATへ突き刺さる。口を開いたまま固まったヴァキアスEATへと、サメの外装をしたスパーダが飛び込んだ。くちばしのように鋭くとがった吻はヴァキアスEATを内側から突き破り、そのまま背後へと現れる。サメの外装を脱ぎ捨て、振り返った機体の手には護符のような兵装が握られていた。
「これでしまいや!」
 神治は手にした護符を放つ。ユーベルコード、破魔爆散『涅槃』により操られるお札型の爆弾だ。それらはヴァキアスEATの外装と、たった今開けた風穴へと張り付き、一斉に爆発する。目のくらむような閃光、次いで爆炎。煙が消え去った後には、ヴァキアスEATは欠片も残さず消滅していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月04日


挿絵イラスト