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【鋼神共撃】ジ・エンド・オブ・ウルカヌス

#ヒーローズアース #【Q】 #鋼神ウルカヌス

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「はーい! 皆さん今回もあつまってくれてありがとうございます! ウルカヌス戦ですよーっ!」

 左右に広げた両手をぶんぶんと上下に振り、シーカー・ワンダーは勢い込んで言った。

 ヒーローズアースにて起こった一大戦争。その戦線に立ちはだかった八体のオブリビオン『ジェネシス・エイト』。彼らの一角であるウルカヌスに対し、大規模な同時攻撃作戦が提案された。

「思えばアースクライシスは去年の11月に始まって、12月に終結……。ウルカヌスは戦争のあと半年間も滅ぼされずに、ヒーローズアースのあちこちに復活しては工房を作って軍備を整えようとしています。これ以上残しておくとどうなるか……」

 両手の肉球をすり合わせるシーカー。
 今回の作戦は、残党として長らく存在し続けたウルカヌスに引導を渡そうと、複数人のグリモア猟兵が共同で立案したものである。
 ウルカヌスの目的は、自らの鋼と炎の神力で『神鋼兵団』を製造し、大規模な反撃作戦を行うこと。ジェネシス・エイトの一人である彼が十全に力を振るおうものなら、アースクライシスの再発にもつながりかねない。ここで必ず仕留める必要がある。

「で、俺の方はですねー……ラグランジュポイントにグリモアを繋げます」

 ラグランジュポイントとは、ヒーローズアースの大気圏外に存在する生存圏だ。衝突した宇宙船群の上に築かれた文明に、侵略宇宙人の奴隷だった人々が、超テクノロジーを駆使して暮らす知られざる鋼鉄の星。ウルカヌスはここを拠点に兵団製造に注力している。

「ラグランジュポイントに来た理由はわかりませんけど、多分神鋼に宇宙船のテクノロジーを混ぜたいとかそんなところじゃないかなと。ともあれ、ラグランジュポイントにはオブリビオンの兵団が守りを固めて待ち構えています」

 兵団の内訳は、下級戦闘員集団『ブルマニオン・ソルジャー』とそれを統率するリーダー格『十字皇の使い』からなる。十字皇の使いはウルカヌスから下賜された神鋼の鎧をまとっており、かなり頑健であるようだ。

「この軍団を全部バーッと倒したら、あとはラグランジュポイントの工房に隠れてるウルカヌスをやっつける! 俺のところはこんな感じです!」

 相手は半年間生き延び続けた強力なオブリビオンであり、油断は禁物。必ず勝って、アースクライシスを完全に終了させてほしい。


鹿崎シーカー
●概要
 アースクライシス2019の残党、ジェネシス・エイトの一人、鋼神ウルカヌス。長い月日を生き延びた彼の神に対し、グリモア猟兵たちから総攻撃の依頼が飛び出した!
 シーカー・ワンダーがアナウンスしたのは、大気圏外ラグランジュポイントに存在するウルカヌス。各地に存在する鋼神に同時攻撃を仕掛けて滅する一大作戦『鋼神共撃』がここに幕を開くのだ!

●舞台設定
 ラグランジュポイント。大気圏外に存在する、衝突した宇宙船群の上に築かれた文明です。元々ここは、侵略宇宙人を撃退した「重力の罠」であり、今は、侵略者の奴隷だった善良な人々が、超テクノロジーを活用して住んでいます。ウルカヌスはここに工房を作成し、配下のオブリビオンを展開して兵団の作成を行っています。

●第一章・集団戦『ブルマニオン・ソルジャー』
 ブルマ型パワードスーツを装着した戦闘員。統率の取れた動きで集団戦を仕掛けてくる。

 アドリブ・連携を私の裁量に任せるという方は、『一人称・二人称・三人称・名前の呼び方(例:苗字にさん付けする)』等を明記しておいてもらえると助かります。ただし、これは強制ではなく、これの有る無しで判定に補正かけるとかそういうことはありません。

(ユーベルコードの高まりを感じる……!)
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第1章 集団戦 『ブルマニオン・ソルジャー』

POW   :    ソルジャー一斉格闘
【周囲の味方との連携による格闘戦】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    目標確保
【周囲の味方との連携によって】【素早く目標を取り囲み】【ソルジャー達による抑え込みによる拘束】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    エマージェンシーコール
自身が戦闘で瀕死になると【新たなるブルマニオン・ソルジャーの増援】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。

イラスト:mozuku.

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

キャサリン・エンスレイヴ
1.アドリブ&連携歓迎。
2.口調はハスキーボイス(俺、~さん)
  心を許したらノリノリで女言葉(わたし、あなた)

・作戦
 POWを主軸に戦う。
 各個撃破を狙う。
範囲攻撃と2回攻撃を活用し、背中を守り合う敵の、正しく背中を攻撃。
一手目で敵の連携にねじ込み、二手目で攻撃という説明が間違いないか。
敵一体に対し、足払い⇒鳩尾に膝蹴り⇒背中に肘打ち⇒体勢を崩した後に、いや崩さなくてもリミッター解除と限界突破したUCでとどめを刺す。
パンチにはパンチ。キックにはキックで攻撃的防御を行ない、敵の部位を破壊する。これには継続ダメージ適用が妥当か。
万一敵が俺に殺到したら範囲攻撃と焼却で散らす。
当然、乳は揺れるとも!


木常野・都月
一人称:俺
二人称:貴方
三人称:先輩や尊敬してるヒトはさん付け、それ以外は呼び捨て
名前:苗字さん

前にウルカヌスと戦った時も思ったんだけど、やっぱりあのおじさんの部下は、こういう感じなんだな。

工房作るよりも、嫁探しの方が切実だと俺は思うんだ。

とはいえ、工房作ってるのも無視できない。
とりあえず、倒していくか。

ブルマの人達は格闘戦がメインっぽいから、適度に距離を保って遠距離で狙撃したい。

UC【黒の狐火】を精気半分くらい乗せてブルマの人を吹っ飛ばしたい。

敵が反撃してくるなら[高速詠唱、属性攻撃、カウンター]で対処したい。

必要があるなら、[属性攻撃(2回攻撃)]の追撃を行いたい。


高砂・オリフィス
アドリブ歓迎!

あははっ! こーいう一大決戦の幕引き、派手派手にやらないともったないよね!
こういう時こそ笑顔笑顔、張り切っていっくぞー!

わわわっ! なんかイッセーに来たーっ?!
先に謝っとくけど、一人一人対応はゼッタイ無理!
んん? でもなんかあのゴッテゴテの鎧はないぽいし、とりあえず片っ端から蹴り倒す!

こういうフワフワキラキラしたステージ、踊って歌って楽しまなきゃ損でしょっ
時にお姉さんたちだってそんなに動きやすい格好なんだから、っと、あぶなっ! もんどーむよーってわけね! つれないなぁもう!


木霊・ウタ
一人称;俺
二人称;あんた
三人称;名前呼び捨て

心情
俺はアースクライシにはいけなかったんだけど
ヴィランを野放しには出来ないぜ
鋼神を此処でぶっ倒そうぜ
…にしてもブルマか
これも鋼神の趣味ってカンジ?

手段
人々がいるようなら救出・解放を第一に
敵を此方へ引きつけている間に逃げてもらう
必要なら庇う
また攻撃&防御時
出来るだけ街を破壊しないように立ち回る

爆炎を放ち
その反動で高速移動し回避
敵を敵の盾にするような位置どりで
連携を防ぐ
避けられない時は火壁を展開しつつ武器受け
ついでに返り血の獄炎をプレゼントだ
ブルマを過熱に追い込む

獄炎纏う焔摩天で砕く
纏めて薙ぎ払って連携できなくしてやるぜ

事後
鎮魂曲を
骸の海で安らかにな


白石・明日香
さて、さっさと片付けるとしようか・・・・
残像で攪乱しながらダッシュで接近、一斉攻撃は相手方の挙動を見切って回避。或いは武器受けでいなしオーラ防御、激痛耐性で耐え間合いに入ったら怪力、2回攻撃、属性攻撃(炎)、鎧無視攻撃で纏めて薙ぎ払う!
さて、さっさと進むとするか・・・・


夕闇霧・空音
コソコソとしているなんて神様も落ちたもんね…

連携で勝負しようっていうのかしら?
ならば、勝負!

【アドリブOK】
【戦闘】
私のユーベルコードは妹のアバターを召喚する。
そして共に攻撃を仕掛ける!
背中合わせで攻撃を仕掛ければどこから仕掛けられても問題なしね!
ついでに可愛い妹だから、私との息もぴったりと見て間違いないわ。
なーに、こっちが天音に合わせて仕掛けるのよ!
これで完璧ね!



 ラグランジュポイントの一角に浮遊する、巨大建造物! 八つの巨大戦艦が花弁めいて先端を突き合わせるようにして合体し、その中心部の下を瓦礫の複合体じみた塔が突き下ろす。最下層には球根状に結合した地球外の鉄鋼たち。
 宇宙に咲く鋼の巨大花。その花弁のうちひとつの甲板を六人の人影が猛ダッシュで突き進む! その先には花弁中央にそびえるブリッジ! そして突如としてBEEP音が鳴り響いた!
『BEEP、BEEEP、BEEEEEP! 侵入者発見、侵入者発見。排除せよ』
 ダッシュする六人の遥か前方、ブリッジに据え付けられた両開きのゲートが開き、中から無数の女が放たれた水の如く飛び出した! 髪色、髪型、背格好や顔立ちに違いこそあれ格好はみな体操服にゴーグル、ブルマ型パワードスーツ!
 防衛軍ブルマニオン・ソルジャーの先陣、もみあげを長く伸ばした青髪の娘がゴーグルのふちに手を添え、向かってくる六人をスキャンした。
「猟兵確認。ブルマニオン・ソルジャーズ、戦闘開始!」
『了解した。一人として生かすな。殲滅せよ!』
「イエス、マム!」
 通信音声へ一斉に返事したブルマニオン・ソルジャーズは低姿勢ダッシュで急加速! 大挙して押し寄せてくるブルマニオン・ソルジャーズを遠目に、高砂・オリフィス(南の園のなんのその・f24667)は焦った顔で仲間たちを振り返る。
「わわわっ! なんかイッセーに来たーっ!? みんな! 来てる! なんかすごいたくさん来てるーっ!」
「お出でなすったな! 開戦といこうぜ!」
 木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)が打ちつけた両拳から火花を散らす! 斜めに背負った大剣の柄をつかんだ彼は、唐突に神妙な面持ちになった。
「……にしてもブルマか。これも鋼神の趣味ってカンジ?」
「たぶん、そうだと思う」
 ウタからやや離れた左側、木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)が謎に直面した探偵めいた面持ちで顎に人差し指を添えた。仲間たちの視線を受けつつ、都月は呟く。
「前にウルカヌスと戦った時も思ったんだけど、やっぱりあのおじさんの部下は、こういう感じなんだな。あの時はうっかりぽんこつ女王様だったけど」
 都月の後方、マットブラックのモーターサイクルを駆る白石・明日香(十字卿の末裔・f00254)が怪訝そうに眉根を寄せた。
「……ぽんこつ? なんだそれは。オブリビオンか?」
「うん。うっかりやの女王様っぽい格好した女の子のオブリビオンだった。見た目は俺たちよりだいぶ年下だったかな」
 半眼になる猟兵たち。都月だけが難しい顔を崩さない中、夕闇霧・空音(凶風・f00424)は呆れたように溜め息を吐く。
「幼女の女王様の次は、ブルマの女の人たちねえ……ずいぶんと節操のない趣味してない?」
「うん。工房作るよりも、嫁探しの方が切実だと俺は思うんだ」
 妙な雰囲気の沈黙が降り、鉄の甲板を蹴る靴音とバイクのフィンフィンという駆動音が重なって響く。仲間たちの表情を伺ったキャサリン・エンスレイヴ(ウィザード・f01442)は、咳払いをした。
「こほん。微妙な空気になってるところ悪いけどさ、そろそろ接敵するぞ。気合い入れろ!」
「っと、そうだったそうだった!」
 我に返ったウタが背負った大剣を引き抜いた。ブルマニオン・ソルジャーズと六人の距離が10メートルを切った直後、後方にいた明日香がバイクごと跳躍して先頭に躍り出る! 最前のソルジャーが着地した明日香に飛び蹴り!
「どりゃああああああッ!」
 ソルジャーの蹴り足が真っ直ぐ走る明日香の鼻面へと吸い込まれていく! 鈍化する時間の中、靴裏は明日香の顔面をすり抜けた! ソルジャーが目を見開くと共に明日香はハンドルをひねって急加速! DOOOOOOOOM!
「何っ!?」
 自分をすり抜け突破した明日香を振り返るソルジャー! 明日香はバイクに上体を押し付け、急激に加速しながら身構えるソルジャーズへと突っ込んでいく! エンジンがいなないた! 
「押し通るッ!」
 明日香は残像を引きソルジャーズの隙間を通り抜け始める! 赤黒二色の風となった彼女に残像を見切ったソルジャーズが全方位から飛びかかり押し潰しにいく! その一角に黒い炎が爆発! 包囲の三割を蹴散らした! 都月!
「援護する。前衛は任せた」
「オーケー。じゃ、遠慮なく暴れるとしようか!」
 キャサリンが不敵な微笑みと共に足場を蹴り、飛び蹴りから着地した先頭のソルジャーへ向かう! 都月は木製の杖を掲げ、頭上に黒い狐火を三つ生成! 杖を振って放たれた黒炎弾三発は敵の前列を爆破! BOOOOOOOOOM!
『きゃああああああああああッ!』
 悲鳴を上げて吹き飛ぶソルジャーズめがけ、オリフィスがジャンプ! 宙を舞うソルジャーズの身体を蹴り水切石めいて跳躍を繰り返して高空へ昇ると、最後の一人の頭を蹴って前方回転跳躍! 右足を大きく振り上げる!
「ちょーっと乗り遅れちゃったけど、ぼくも行くぞ! せえええええええいッ!」
 車輪じみて高速回転しながらオリフィスはソルジャーズの中腹めがけて斜めに墜落! CRAAAAAASH! 破砕音と共に十数人をまとめて吹き飛ばしたオリフィスはブレイクダンスじみた動きで隙を潰しつつ立ち上がった!
「よぅし、つかみは完璧っ! こういうフワフワキラキラしたステージ、踊って歌って楽しまなきゃ損でしょっ! 時にお姉さんたちだってそんなに動きやすい格好なんだから、っとお!」
 素早く身を反らしたオリフィスの鼻先を蹴り足が通過! キックを繰り出した赤い短髪のソルジャーは蹴り足を引っ込めながら逆回し蹴り! オリフィスは華麗なバック宙でこれをかわすと鋭いステップを踏んだ。
「あぶなっ! もんどーむよーってわけね! つれないなぁもうっ! あ、みんなーっ! 先に謝っとくけど、一人一人対応はゼッタイ無理だからーっ!」
 叫びながら地を這うが如きジグザグダッシュで距離を攻めかかるオリフィス! だがその左右から別のソルジャーズが振り子じみた蹴りの挟撃を仕掛けてくる! オリフィスは両足を跳ね上げて空中逆立ちから開脚キックで顔面を打つ!
「がッ!」
「ぐあッ!」
 ゴーグルを砕かれながらのけ反る挟撃ソルジャーズ! オリフィスは上下反転上体で身をひねり、赤髪のソルジャーが繰り出すサイドキックを両手でガード。閉じて真上に向けた両足を赤髪の脳天めがけて振り下ろした!
「せいっ!」
 斧じみた一撃を赤髪は片腕を掲げて防ぎ、オリフィスにつかまれたままの足をしならせ後方へと振り抜いた! 投げ飛ばされたオリフィスの背中に紫ツインテールのソルジャーが飛び膝蹴りを叩き込む!
「ぐえっ!?」
「捕らえた! 仕留める!」
 紫ツインテはのけ反ったオリフィスの腰を抱き込み、両足で腹をホールド! 緑ポニーテールのソルジャーが紫ツインテの両脇をつかみオリフィスごと振り上げた! 二人がかりでのパイルドライバー! オリフィスの顔が引きつった!
「ちょっ……!」
「侵入者を、排除するッ! はああああああッ!」
 緑ポニテが振り上げた仲間をオリフィスごと振り下ろした! CRAAAAAAASH! 破砕音が響く一方、空音は蒼い稲妻で出来た少女のアバターと背を預け合い、前後から猛ラッシュを仕掛けるソルジャーの攻撃を素早くいなす!
「天音、入れ替わるわよ!」
 ソルジャーの右ストレートをいなした空音は身をひるがえし、蒼雷の少女と素早くチェンジ! ノックバックして隙を晒していたソルジャーの喉笛を右腕から伸びた氷の爪で一閃! 背後では雷の掌底がつんのめった兵士の鼻面を砕く!
「ぶぐッ!」
 顎を跳ね上げてうめくソルジャーに、蒼雷の少女は右膝を打ち上げて鳩尾を攻撃! 体をくの字に折って浮き上がるソルジャーの頭をハンマーパンチで叩き伏せた! 地面に顔面を叩き込まれたソルジャーはゴーグルの縁に指を当てる!
「ぐぶっ……! 増援を……求む……!」
 次の瞬間、蒼雷の少女に七人のブルマニオン・ソルジャーが突進を仕掛けた! さらに上空から三人が息を合わせた飛び蹴りで急襲! サマーソルトキックじみたムーブを決める蒼雷の少女真下を突破した空音は両腕を交叉した!
「天音には……触れさせない!」
 ZGRAAAAAAAAK! 空音は青い電光をまとって砲弾めいたタックル! 七人のソルジャーを吹き飛ばした彼女の頭上で、蒼雷少女が跳躍回し蹴りで飛び蹴りしてきた三人を蹴散らす! 直後、空音が前につんのめって停止!
「っ!?」
 素早く背後を振り向くと、地に伏せたソルジャーが両脚を空音の右足に絡ませて捕縛していた! 鼻血をぬぐいながら不敵に笑ったソルジャーは空音の左足を引っ張る! 体勢を崩した空音の顎下に別のソルジャーが踏み込んだ!
「くっ、天音っ……!」
『もう遅いッ!』
 ソルジャー二人が声をそろえて言い放ち、踏み込んだソルジャーがアッパーを繰り出す! SMAAAAASH! クリーンヒットをもらいたたらを踏む空音の腹にワンツー、大腿にローキック、首筋に肘打ち! 膝を突く空音!
「ぐぅ……っ!」
 辛うじて顔を上げる空音の目に、ソルジャーのサッカーボールキックが飛び込む! 直後、横合いからジェット噴射しながら飛来した大剣がソルジャーの頭を爆砕! ソルジャーの群れを跳ね飛ばしたウタが突入してくる!
「無事か空音ぇッ!」
「木霊さん……!?」
 両腕を広げ、背面から炎を噴射したウタは頭を失ったソルジャーの身体を蹴り飛ばし空音の目の前でターンを決める! そのまま両足裏から爆炎を噴き出してハイジャンプ! 伸ばした彼の右手に燃える大剣が回転しながら飛び込んだ!
「まとめてバーベキューにしてやる!」
 ウタはキャッチした剣を振り上げ、逆側から炎を噴射させると隕石じみて急降下斬撃! 彼の落下点にいたソルジャーたちは素早く場所を開け回避! 剣を引いて着地したウタに、ソルジャー二人が左右から飛び蹴り!
「へっ!」
 髪を逆立たせ全身に炎をまとったウタは、爆炎を残し片方のソルジャー背後へ移動! その背中を蹴り飛ばし、もう片方のソルジャーの飛び蹴りにぶつける! 腹部にフレンドリーファイア! ウタは獄炎まとう剣で二人まとめて斬り殺す!
「ほらよ、次ぃっ!」
 背中から炎を噴いて加速したウタは地面に赤橙色のラインを引っ張りながら次なるソルジャーズへ突撃していく! 飛び出した金髪のソルジャーは両拳を握ったボクシングスタイルで迎撃に入った! ウタは大剣を振り下ろす!
「うらアッ!」
 BOOOOOOOOM! 炎剣が宇宙船の甲板を砕くがそこにソルジャーの死体なし! ウタの左側へ素早く回り込んだ金髪のソルジャーは彼の横面めがけてラッシュを繰り出した!
「シッ!」
「はん、効くかよ!」
 ウタはとっさに掲げた腕に獄炎のバリアを展開! BOMBOMBOMBOMBOMB! ソルジャーの拳が命中するたび炎の盾は小爆発を引き起こし、ソルジャーの拳を焼き焦がす! ウタは空ぶった剣の刃を横向け、斜めに斬り上げ!
「ッらアッ!」
 BOOOOOOOOM! 胴体を切断する軌道! 金髪のソルジャーはこれを屈み回避してさらに踏み込む! ウタは膂力を振り絞って大剣を引き寄せ、燃える刃を盾にした! ソルジャーのマシンガンじみた連撃が叩き込まれる!
「はあああああああああああああッ!」
 BBBBBBBBBBBBBBBBBBOMB! 爆発が連鎖し、火の粉が飛び散る! 両腕を焼かれてもソルジャーは怯まぬ! 彼女がひたすらにラッシュを打ち込む間、別のソルジャーがウタの背後に滑り込む! 後頭部狙いの鉄拳!
「バレバレだぜ!」
「なに……」
 不意打ちソルジャーが眉をひそめると同時、ウタは大剣を跳ね上げスライディングで金髪ソルジャーの脇を滑ってすれ違う! ウタの後頭部を狙っていた拳は、急にターゲットを失いラッシュを空ぶらせた仲間の胸元へ! SMASH!
「ぐああっ!」
「しまった! カバーッ!」
 不意打ちソルジャーが叫んだ刹那、振り向きざまの斬撃を繰り出すウタの大剣を割り込んだオレンジ髪のソルジャーが蹴り上げた! 金髪と背中合わせに立ったオレンジ髪は立ち上がったウタに功夫めいたムーブで拳を撃ち出す!
「ぬおらッ!」
 ウタはとっさの頭突きで拳に反撃! SMASH! 火花を散らしソルジャーとウタが互いに後方へ滑った。その時、四体目のソルジャーがウタに肩車じみてのしかかり、両足で彼の首を締め上げる! 思わずのけ反るウタ!
「ぐおおおおおおおおおッ! 離……しやがれッ!」
「離すわけない! やっちゃえ!」
 頭を振りながらよろめくウタをソルジャーがホールドし続ける! 震脚を決めるオレンジ髪! ウタの心臓めがけた発頸が空を切って迫った、次の瞬間に響くキャサリンの声!
「こっちだ都月さん! そう、こっちに五発くらい頼む!」
 ウタを遠巻きにしていたソルジャーズが突如黒い爆発によって吹き飛ばされた! BOOOMBOOOMBOOOMBOOOOOM! 周囲で爆裂する黒炎に一瞬気を取られたオレンジ髪を、真横から赤黒の襲う! 直撃!
「ぐあああああああッ!」
 CABOOOOOOOOM! 炎に呑まれたオレンジ髪に、炎の道を駆け抜けたキャサリンが足払いキック! 一回転の勢いを乗せて前のめりに倒れたオレンジ髪の鳩尾に膝を入れ、背中に肘打ち! 振り上げた手刀を赤橙に光らせる!
「ザーザード・ザーザード・スクローノー・ローノスーク! 漆黒の闇の底に燃える地獄の業火よ、我が剣となりて敵を滅ぼせッ!」
 キャサリンの断頭チョップがオレンジ髪の首を断つ! 爆発四散するオレンジ髪に目もくれず、キャサリンは鋭いジャンプハイキックでウタの首を決めるソルジャーを蹴り飛ばした! ウタの頭上を飛び越え彼の背後に片膝着地!
「キャサリン! 悪い、助かった!」
「礼には及ばんさ。それより……」
 立ち上がったキャサリンは両手を燃やす! 彼女とウタの周囲から都月の黒炎を振りきったソルジャーズが大挙として押し寄せて来たのだ! ウタは喉元をさする手を大剣に添える! キャサリンは好戦的に言い放った!
「面倒だ。これ、まとめて焼き払うぞ!」
「ああ! けど、ここ人が住んでるとこだからな! あんまり壊すなよッ!」
「善処するさ!」
「頼むぜ本当に!」
 ウタは大剣を振りかぶり、キャサリンは両手を頭上で合わせる! ソルジャーズが一気に二人を押し潰さんとした直後、紅蓮の大爆轟が吹き上がった! KRA-TOOOOOOOOOOOOM! ドーム状の爆炎を一瞥する明日香!
「向こうも派手にやっているじゃないか……。ま、一人一人斬っていてもキリが無いのも事実!」
 明日香はバイクを走らせ、真っ向から両腕を広げて突っ込んで来る二人のソルジャーズをにらむ! 左手でハンドルを握ったまま、右手で真紅の刀をスイング! 刃が脈動するように光り、炎を放った!
「オレたちの狙いはウルカヌスだけ! さっさと退いてもらおうか!」
「行かせるもんかっ!」
「ここで死ね!」
 二人のソルジャーズが言い返して一気に加速! 明日香がバイクをジャンプさせてダブルラリアットを飛び越えると同時、二人の少女は急ブレーキをかけて前後反転! 手の平を上にして手を繋いだそこに三人目のソルジャーが着地!
『いっけええええええええええええええっ!』
 二人のソルジャーは三人目を明日香めがけて投げ飛ばす! 赤いボディスーツの背中めがけて飛翔したソルジャーは足を上下に開脚して高速回転! 明日香は振り返りながらの斬撃でこれを斬り飛ばして地面に落下して滑る!
「そこだ! 取り押さえろーッ!」
「む……」
 明日香の前方に低姿勢スクラムを組み、何重にも積み上がったソルジャーズ! 人の壁を見上げた明日香は鼻を鳴らして刃を振った。
「ふん。肉壁で俺を止められるとでも? 随分と舐められたものだ!」
「突撃ぃぃぃぃぃっ!」
 スクラムを組んだソルジャーズが津波じみて明日香に襲いかかった! 明日香はバイクをドリフトさせながら逆手に持ち替えた刀を真横に一閃! 爆炎の斬撃を飛ばすと、刀を順手に持ち替えてもう一閃! 二条の炎波が飛翔し直撃!
『うわああああああああッ!』
 BOOOOOOOM! 爆発により前後に揺れるソルジャーズスクラム! 車体を渦巻くように一回転させた明日香が不敵な笑みを浮かべた直後、彼女を別のソルジャーが羽交い絞めにした! タンデム状態での拘束により車体がぶれる!
「な、貴様っ……!」
「これ以上は進ませないよ! うりゃっ!」
 ソルジャーが明日香ごと左に体を倒す! バランスを崩したバイクは横転! 投げ出された明日香の背にはソルジャーがへばりついたままだ! 明日香はソルジャーの側頭部に肘打ちを連続で打ち込むが、離れぬ!
「くっ、このっ! 離せ!」
「い―――や―――だっ! このえっち衣装ビリビリにひん剥いて私たちと同じようにしてあげるよ! ブルマニオン・ソルジャーズの下僕としてこき使ってやる!」
 鋼の地面に落下し、ゴロゴロと転がる二人。ソルジャーを下に仰向けになった明日香へ、スクラムを組んでいなかったソルジャーズが一斉に飛びかかった! 明日香は激しく身をよじって抵抗するが、刃も振るえない状態!
「くおおおおおおおおおおっ!」
 明日香に向かって無数の手が伸ばされる! 直後、彼女に迫っていたソルジャーズはまとめて真横へ吹き飛ばされた! 明日香の真上でプロペラめいて回転する巨大な足! 巨人と化したオリフィスのブレイクダンスだ!
「みんなー! 巻き込んじゃうから頭下げてて! うえっ……ちょっと気持ち悪い……」
 地面につけたうなじを軸に高速回転するオリフィスは、頭から流れた血で染まった顔を青くしながら速度を速める! 風に吹かれた砂じみて次々とソルジャーズを蹴り飛ばし、ソラへと追放! そのまま首に力を込めてバク宙!
「そおいっ!」
 両足を振り下ろし、THOOOOOOOOM! 放射状のインパクトが宇宙船の塊を激しく揺さぶり、ソルジャーズに膝を突かせる! オリフィスは素早く両足をそろえて真横に伸ばすと、地に押し付けた右腕を支えに回転! 薙ぎ払う!
「おりゃああああああああああっ!」
 SPRAAAAAAT! 木っ端の如くふっ飛ばされていくソルジャーズ! 辛うじて暴風に煽られる程度で済んだ者たちはバク転でオリフィスから距離を取るも、降り注ぐ黒炎の爆発で消し飛ぶ! 遠くから都月は目を凝らす!
「よし……そろそろいいか。道はだいぶ開いた! ブリッジに突入するぞ!」
 声を張り上げるなり、都月は獲物を見つけたチーターめいて走り出した! 無事だったソルジャーの一人が都月に追いすがり、彼の首筋めがけて跳躍回し蹴りを繰り出した!
「いかせるかあああああああッ!」
「精霊様っ!」
 都月は後ろを見ずに後方へ向けた杖先か爆炎の竜巻を放った! CABOOOOOOOOM! 追いすがるソルジャーを吹き飛ばし自身は加速! 直線で走りながら立ちはだかる新たなソルジャーズに向かって炎を出したままの杖を振る!
「はあっ!」
 BOOOOOOOM! 巨大な蛇じみてのたうつ炎の竜巻でソルジャーを片っ端から吹きとばし、さらに甲板に叩きつけて跳ね上げさせる! 竜巻は激しくうねりながらソルジャーズを食い荒らした! ソルジャーの一人が救援要請!
「追加の増援を求む! このままでは突破を……!」
「許してしまう、かしら?」
「え?」
 背後からの声に聞き返しかけたソルジャーの首が真上に吹き飛ぶ! 空音は斬り飛ばした首を背後に宇宙鉄華の中央へとひたはしる! 蒼雷の少女と共に二重螺旋軌道を描き、ソルジャーの群れを裂き殺しながら!
「天音!」
 視線を余所にやった空音が急ブレーキをかけて90度ターン! 方向を変えずそのまま走る蒼雷の少女と別れて疾駆した先には、立ち上がった明日香と彼女を羽交い絞めにし首筋にかじりつくソルジャー!
「むぐううううううううっ! ほろはらはひひひっへはる!」
「ええい、このッ……!」
 明日香のうなじ、スーツ越しにソルジャーの歯が食い込む! 空音は氷の爪が生えた両腕を交叉し、両足に青い雷を注ぎこんで光線めいて加速! ソルジャーの真後ろを抜け、ソルジャーの全身をバラバラに解体した! 明日香を解放!
「無事かしら?」
「空音か! すまない!」
「私もさっき助けられた身だし、お礼を言われる立場じゃないけど。天音!」
 空音の呼ぶと、明日香の後方から抑え込まれたエンジン音! 振り返ると、そこには蒼雷の少女にハンドルを握られた明日香のバイクが! 蒼雷の少女はバイクから跳躍し、意図を察した明日香が入れ替わりにバイクへ飛び乗った。
「ふ。オレのベトゥラーまで世話になってしまったか」
 ニヒルな笑みを浮かべた明日香はバイクハンドルをひねって加速! 彼女に遅れてブリッジへ向かう都月の頭上を巨大化したオリフィスの足が斜めに振り下ろされ後を追うソルジャーズをブルドーザーめいて薙ぎ払う!
「パースッ!」
 声を張るオリフィス! 跳ね飛ばされたソルジャーズに向かってかけるのはキャサリンとウタ! ウタは燃える大剣を下段に引き絞りながら叫ぶ!
「オリフィス! そいつらで全部か!?」
「たぶんー! 宇宙から戻ってこなかったりしたらそうかなっ!」
「やれやれ、ふんわりしてるな」
 キャサリンが苦笑気味に肩をすくめる。ウタとキャサリンは同時に跳躍! 燃える大剣と赤橙色に輝く両手を振るってソルジャーズとすれ違い、前転着地してブリッジへ走り出す! シュルシュルと小さくなったオリフィスは体勢復帰!
「よっと! とりあえずいっちょあーがり、かなっ?」
 腰に手を当て、上体をねじって振り返った先では、ウタとキャサリンに斬り捨てられたソルジャーズが連鎖的に爆発四散を繰り返す。オリフィスは満足げに頷くと、仲間たちを追ってブリッジへ疾駆した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『十字皇の使い』

POW   :    我らは嘗て在りし者の残滓、故に
【十字の光】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を知的生命体の心の闇を消す光の世界に変え】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    全き光
技能名「【絶対先制攻撃】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ   :    我らが望むは闇なき世界也
全身を【光や外気に触れさせぬ強固な鎧】で覆い、自身が敵から受けた【精神的、肉体的ダメージ、苦痛】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。

イラスト:えんご

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠白石・明日香です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●お知らせ
・第二章に移行します。
・ブリッジの中は最下層へと続くエレベーターの吹き抜けでした。ウルカヌスが無理矢理通ったせいかあちこちが赤熱してボロボロになっており、エレベーターは見えません。
・ブリッジ内を自由落下する猟兵たちを狩りに現れた『十字皇の使い』を撃破して先へ進んでください。
・プレイングは随時受付中。ここからの参加も歓迎です。
木霊・ウタ
一人称;俺
二人称;あんた
三人称;名前呼び捨て

心情
ブルマ同様俺達にも矜持がある
鋼神を此処でぶっ倒すぜ

戦闘
爆炎で姿勢&位置制御し位置取りや回避

剣風に獄炎乗せて炎の嵐を巻き起こし
敵を火達磨に
隙間なく押し包めば
自ずと鎧の隙間に獄炎が届く
鎧の内から蒸し焼きにしてやるぜ

防御は火壁も重ねて武器受けしつつ
浮き飛ばされる方向へ爆炎で跳んで負傷軽減
仲間も庇う

光の世界
炎で空気を歪ませ光を捻じ曲げ武器受け

空間一杯に獄炎を広げ
光の世界を喰らい打ち消す

影がなけりゃ光も存在できないってこと
海から蘇っても気づかないのかよ
心の闇も全部ひっくるめて俺自身だ
今の俺のまま未来へ進むぜ!

事後
鎮魂曲
海で安らかに

さていよいよだな
行こうぜ


木常野・都月
一人称:俺
二人称:貴方
三人称:先輩や尊敬してるヒトはさん付け、それ以外は呼び捨て
名前:苗字さん


まさか落ちている最中に攻撃をしかけてくるなんて。

でもブルマより落ち着いて戦える!

UC【黒の狐火】で攻撃したい。
精気は半分くらい乗せたい。

でも、UCは本命じゃないんだ。

敵の攻撃に対してカウンターを。
高速詠唱、属性攻撃を多重詠唱で、光と闇の精霊様で反撃したい。

まずは、敵の光と俺の光。
相当強い光になるはず。
強い光に照らされた、敵自身の後ろにできた濃い影。
その影から闇の精霊様を使って後ろからガブーッとやって貰いたい。


高砂・オリフィス
POW判定*アドリブ歓迎

こういう時は、モードチェンジ! とうっ!
《因果は回る現在》で推進力を得れば、足場なんてなくたって空中がぼくのステージさ

うおーっ! まぶしー! なんの光!?
まあでもスポットライトだと思えば悪くないかも? あははっ
音楽がほしいところだねっ、怒声でも歓声でもなんでもちょーだい!

んーでもその物騒な武器はノーサンキューかな
ダッシュで近寄ってなるべく取り回ししにくい距離で、スピード重視で頑張りまーす


夕闇霧・空音
【アドリブOK】
落下しながら戦うってのはちょっとやりづらい気がするのだけど…!

【戦闘】
自由落下で相手が自由に動けるなら
壁に足をつけながらで戦闘したいわね。

私のユーベルコードの勢いで壁を凍らせて足場を作ることができれば
どうにか落下しつつを避けながら戦闘できるかしら。
足場を飛び移りつつもう一発ユーベルコードを発動させて
相手の光を飲み込んでみせるわ。


白石・明日香
・・・ああ。お前は倒さねばな!
自由落下中だから空中戦の要領で相手に近づく。
一緒に落下している物、人を踏み台にしながら奴に近づく。
相手の攻撃は挙動を見切って回避。地形が変わっても気にしない、そこはもう通り過ぎているからな!
奴の間合いに入ったら、怪力、2回攻撃、属性攻撃(炎)、鎧無視攻撃で叩き切る!
あばよ・・・・・


キャサリン・エンスレイヴ
1.アドリブ&連携歓迎。
2.口調はハスキーボイス(俺、~さん)
  心を許したらノリノリで女言葉(わたし、あなた)

・作戦
 自由落下時に全力魔法で【空中浮遊】を再現し、これを常時発動させる事で移動能力を確保。
情報収集で敵の動きを先読みし、敵より上空に位置どり、制空権を掌握を試みる。
 慎重に戦況を見極め、仲間による攻撃に畳み掛ける形で2回攻撃+破魔+継続ダメージ+リミッター解除+限界突破+高速詠唱+無酸素詠唱を付与したUCを使用。
敵の移動能力が厄介なら範囲攻撃も付与する。ただし、仲間を巻き込まないよう厳に注意。
敵POWのUCが発動次第、リミッター解除+限界突破+全力魔法で【捕縛】を再現。援護に専念。



 ウルカヌスの工房へ向かう縦穴の上方に、巨大な十字の光がが出現! その真上で頭上に掲げた大鎌を回転させるのは身体の各所に十字の星模様を描いた白銀の鎧を着こむ女性騎士! 騎士は大鎌を十字光の中央へと振り下ろす!
「光、あれ!」
 SMACK! 十字の光が光り輝き、中央から極太のビームを放った! 軌道上には自由落下する猟兵六人! 頭上を振り仰いだオリフィスは片手で目を庇いながら声を上げた。
「うおーっ! まぶしー! なんの光!?」
「なんのって、決まってるだろう?」
 キャサリンが手にした聖書のページを数枚引き千切りながら言う。一方で前方回転したウタは両足から獄炎をジェット噴射しながらビームを見上げた! 肩に担ぐようにして構えた大剣が燃え上がる!
「敵の光だよな! わかるぜ、ああわかる! 都月、手ェ貸してくれ!」
「わかった!」
 呼びかけに応えた都月は樹木の杖を持ち上げ、大型の黒炎球を生み出した! 身をひねって光線の方に向き直り、両手でつかんだ杖を振り下ろす!
「行けっ!」
 黒炎球が垂直上昇し、光線と正面衝突して大爆発! CABOOOOOOOOOOM! 猟兵たちに吹きつけてくる閃光混じりの黒い爆風に、ウタは大剣を振りかぶった!
「うおおおおおおああああああああああああッ!」
 BOOOOOOOOOOM! フルスイングと共に撃ち出された紅蓮の熱風が押し寄せる爆風を吹き飛ばし、上方へと押しやっていく。だが数秒後、熱風を縦一直線に割った女性騎士が真っ逆さまに墜落してきた! 空音がぼやく!
「まさか上から来るなんてね。落下しながら戦うってのはちょっとやりづらい気がするのだけど……!」
「そうかなっ? こういう時は、モードチェンジ! とうっ!」
 オリフィスが竜巻めいて高速回転! 己を包むピンクと白銀の風を吹き飛ばした彼女の身体は、黒いボディースーツの上から白い機械のサイハイブーツやバングルを装備し、ウェストに翼状の機械を装備していた。真の姿だ!
「さあ行くよっ! 足場なんてなくたって空中がぼくのステージさ!」
 両足を引っ込めたオリフィスは真下の虚空に蹴って翔ぶ! 一拍遅れて吹き荒ぶ暴風に顔を叩かれた空音は小さく嘆息すると、左右に伸ばした両腕を展開! 前腕部が回転しながら砲身に変形! 白い冷気をチャージする!
「誰も彼もが飛べるわけじゃないのよね……。みんな、当たらないように気を付けて。フリーズゼロ、発射!」
 空音の両腕から凍結光線が吹き出した! 縦穴の両壁に青白いレーザーを命中させた空音はそのままコマのように回転! 巨大なエレベーター用縦穴の壁が二重螺旋を描いて凍てつき、巨大な氷のトゲを次々生やす!
「これなら、だいぶマシかしら? 落下しながら戦うってのはちょっとやりづらい気がするのだけど……!」
「ああ、ありがとうよ!」
 壁から突き出した巨大な氷のトゲのひとつに、バイクシートを蹴って跳んだ明日香が着地! 平らになった上面を軽く滑走して再ジャンプし、螺旋階段めいた氷の足場を高速で飛び移りながら上昇していく! その先にオリフィスと騎士!
「でりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!」
「斬る!」
 オリフィスが繰り出すキックのラッシュを騎士は神速の鎌さばきで次々と受け流していく! 槍じみたサイドキックを弾いた騎士は十字に光る人差し指をオリフィスの顔面に突き出した!
「おわっと!?」
 素早く身を反らしたオリフィスの鼻先をビームが射抜いた! オリフィスは両足を思い切り振り上げて反撃! 白い機械の爪先は僅かに引いた騎士の顎先を掠めて真上に! 上下反転し背中を晒したオリフィスに騎士の大鎌が迫る!
「おっとそこまでだ」
「!」
 騎士は一瞬の判断でハイジャンプ! 彼女の居た場所を明日香の紅刀が斬り裂き、炎の軌跡を虚空に刻む。直後、明日香とオリフィスの間をロケットじみてジェット噴射したウタが突き抜け騎士へと追いすがっていく!
「待ちやがれ! 蒸し焼きにしてやるぁぁぁぁぁっ!」
 ウタは腰だめに引き絞った大剣を全身のバネを使って振り回す! BOOOOOOOOOOOOM! 炎の竜巻が天を突き騎士を強襲! 騎士は大鎌を十字に振るい、光の盾を作ってこれをガード!
「その程度の炎! 神の火には遠く及ばん。温いッ!」
 騎士は拳を振りかぶり、十字光の盾を殴りつけた! SMACK、CABOOOOOOOOOM! 炎の竜巻は光の盾ごと爆発して消滅! 次の瞬間、爆風に混じって騎士の周囲を無数の紙切れが激しく渦巻きながら舞い上がった!
「我は神の代理人。神罰の地上代行者。我が使命は、我が神に逆らう愚者を、その肉の最後の一片までも絶滅すること……!」
 女性騎士が頭上から振って来る声に面を上げた。光り輝く無数のページが平たい渦を形成するその中央にキャサリン! 彼女は紙片を十指に挟んだ両手を左右に伸ばし、瞳をギラリと光らせる!
「AMEN!」
 刹那、光るページの全てが細長く伸びて銃剣に変形! キャサリンが両腕を振りかぶって握った銃剣を投げると同時、空中浮遊する銃剣の全てが女性騎士めがけて雨の如く降り注いだ! 騎士は回転させた鎌を盾代わりにしてこれを弾く!
「温いと言った! いくら数を稼ごうとも、私に傷ひとつつけることすら敵わないと知れ!」
 高らかに言い放った騎士は大鎌を一閃して銃剣を弾き飛ばし、突き出した手の平から手裏剣じみて回転する十字光をマシンガンの如く連射する! 銃剣を粉々にしながら飛来するそれらに、キャサリンは両手に二本の銃剣を握って構えた!
「そっちこそ甘く見るなよ……お前一人で止まるほど、俺たちは弱くないんでな!」
 順手に握った一本を突き上げ、逆手に握った一本を交叉して十字を形成するキャサリン! 彼女はカッと両目を見開き、飛来する無数の十字光を銃剣二刀流のラッシュで次々叩き落としていく! しかし弾き損ねた光が両手足を裂いた!
「ち……!」
 舌打ちするキャサリンの左頬を十字の光がバッサリと斬る! 切り傷から流れる血を無視したキャサリンは右の一刀で最後の一撃を斬り捨て、左の銃剣を女性騎士に投げつけた! 真上を見ながら落下する騎士は軽く身をひねって回避!
「ふん……」
 鼻を鳴らした騎士はキャサリンから視線を落とした。高速上昇してくる二発の黒炎弾を鎌のひと振りで薙ぎ払った騎士を見上げ、氷のトゲのひとつに仁王立ちした空音が両手を突き上げた! 砲と化した両腕が冷気を溜める!
「封印解放! フリーズ・ゼロ、発射!」
 ZKYAAAAAAAAAAM! 蒼白のブリザードじみたビームが騎士をめがける! だが騎士は鎌を持たぬ方の腕を振り上げ、無数の十字光を煌めかせた。彼女が拳を振り下ろした瞬間、冷凍光線は十字光を放って爆散!
「他愛も! ない!」
 フルフェイスヘルムの奥で目を見開いた十字皇の使いは空中で上下反転して虚空を蹴りつける! 流星の如く空音へ急降下する彼女の前に割り込んだウタが燃える大剣を掲げ、炎の壁を生み出した! 十字皇の使いは構わず加速する!
「やらせるかよッ!」
「無駄な足掻きを!」
 ウタの黒髪が燃え上がり、背面から劫火を噴き出す! 炎の壁が放射状に拡大し、騎士の大鎌を真正面から受け止めた! BOOOOOOOOOOM! 凄まじい閃光が炎壁に衝突し、金紅二色の光芒が氷のトゲに乱反射!
「ぬあああああああああああッ! 負ぁぁぁけぇぇぇるぅぅぅかああああああああああああああああッ!」
 ウタが吠え、圧力に折れ曲がりかける両腕に力を込めて押し返した! 両脚部と二の腕の裏側からも全力で爆炎を吹き出し、拮抗! 十字皇の使いは鎌を握る両腕をラメじみた十字の煌めきで包む! その時である!
「隙ありぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」
 騎士の真横からオリフィスが飛び蹴りを敢行! 光を切り裂き、爪先から虹色の五線譜をドリル状に展開しながら騎士の横合いから攻めに行く! そちらを一瞥した騎士は鎌を引き、ウタの大剣を素手でつかんだ!
「ぜあッ!」
「うおおおっ!?」
 片手で投げ飛ばされたウタがオリフィスの目の前に! 慌てて蹴り足を引っ込めたオリフィスは体を丸めて防御態勢! 彼女に炎の塊と化したウタがぶつかった! BOMB! 爆発する紅蓮の光を横目に、空音は腕の砲で狙いを定める!
「凍てつきなさい! フリーズ・ゼロ……!」
 SMACK! 砲口から冷たい光が吹き出しかけた直後、空音の両腕が肘から斬り飛ばされた! 彼女のワン・インチ距離に着地していた十字皇の使いは、手中でくるくると回した鎌を振りかぶる! 必殺の距離!
「っ……!」
「神の裁きを! 受けるがいいッ!」
「やめろ……!」
 刹那、騎士の真横から三発の黒炎球が飛来する! 氷のトゲを素早く跳び渡りながら、杖を振るって黒い狐火を連射する都月! しかし十字皇の使いは構わず首狩り斬撃を敢行! とっさに飛び下がった空音の首を刃が浅く斬り裂いた!
「ぐっ……!」
 喉笛から血を噴き出す空音の前で十字皇の使いは複数の黒い狐火に呑まれて爆発炎上! CABOOOOOOOM! 客船のフロントデッキめいて巨大な氷のトゲを打ち砕くほどの衝撃と共に後方へ吹き飛ばされる空音を都月がキャッチ!
「夕闇霧さん、首を……!」
「まだ泣き別れてないわ、平気よ。それより腕を取られた方が痛いかしら!」
 都月は片腕で空音を抱えたまま後方へ飛び、氷のトゲに着地して滑る。直後、黒い爆炎を内側から突き破るグランドクロス! その中央から飛び出した十字皇の使いが大鎌を振り上げて都月と空音へ襲いかかった!
「まずは貴様らからだ、死にぞこないともう一人! 光の中へと消え失せろ!」
「光なら……俺だって負けない!」
 都月は空音を背後に置くと、木製の杖を剣のように構えた! 杖先に埋め込まれた宝珠が琥珀色に変色し、まばゆい光をほとばしらせる! 十字皇の使いが繰り出す縦の斬撃へ、杖をフルスイングして対抗! FLAAAAAAASH!
「光の精霊様!」
「はああああああああああッ!」
 世界を純白に染め上げる閃光! 両足を踏みしめ、杖一本で十字皇の使いと競り合う都月が体の輪郭を残して白色に変わる! 十字皇の使いは逆に輪郭を強め、杖をへし折らんばかりの力で鎌を押し込んでいく!
「猟兵ども! 悲哀と憎悪の闇を内に秘めた汚らわしき者どもよ! 神の鎧と光を以って、この世界より消し去ってくれる! この場は既に我が世界! 一切の邪悪を許さぬ正義の大地だ!」
「正義の大地か……俺にはよくわからないけど……」
 都月は垂れ目がちな眦を逆立て、十字皇の使いを真正面から見据える! 彼の杖先、宝珠の金に黒い色合いが混ざり込んで二色の渦を巻き始めた! 十字皇の使いと都月の真後ろに伸びた漆黒の影が蠢き始める!
「光があるところには、必ず影がある。俺と貴方の後ろにも、だ!」
「何?」
 兜の奥で十字皇の使いが眉根を寄せた次の瞬間、彼女の影が一気に膨れ上がり、巨大な妖狐の如き影が吹き出した! 黒い霧をまとった獣は牙を剥き、肩越しに振り返った十字皇の使いに噛みかかる!
「闇の精霊様!」
『ARRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRGH!』
 超自然の咆哮とともに襲来する闇の獣! 十字皇の使いは鎌を無理矢理振り切って都月を弾き、上体を全力でひねった前後反転斬撃を繰り出す! SLAAAAAAASH! 一閃が獣の口を引き裂き、光の中に消滅せしめた!
「精霊様!」
 後ろに弾かれ叫ぶ都月の胴が袈裟掛けに引き裂かれて鮮血を噴いた! 目にもとまらぬ速さで彼を斬った十字皇の使いは都月を睨み、唸り声を上げるようにして呟く!
「醜怪な物の怪をその身に宿す悪しき者。お前はこの光の世界に居てはならない! この場で滅する!」
「おおっとそいつぁどうかなァ!」
 十字皇の使い後方上空からさらなる声! 同時に光で出来た空間全体がぐにゃりと歪み、真紅のジャベリンじみた一閃が十字皇の使いとすれ違う! 彼女の前方、刀を振り下ろした片膝立ちの姿勢で着地した明日香は低空ジャンプ!
「よう! バッサリいかれてるが死んじゃいねえよな都月ッ!」
「白石さん!」
 明日香は都月と空音をかっさらって加速! その背後、がくりと膝をついた十字皇の使いは背中を斜めに横断する灼けるような激痛を感じながら目を見開いた。鎧の背中に傷は無い。明日香の刃は神鋼の鎧をすり抜けたのだ!
「馬鹿な……ウルカヌス殿から賜った鎧を……! くッ!」
 素早く顔を上げた十字皇の使いがワープじみて姿を掻き消し、明日香の真後ろに出現! 気配を察知した明日香は右足を軸に前後反転しながらバックジャンプ! 彼女の居た場所を斬撃が斬り裂く!
「あっぶねえな! こっちは見ての通り今両手に花のデート中だ! 悪いが、お前のスペースは空いてなくってな!」
「黙れ」
 十字皇の使いは縦に大鎌を振り下ろし、目前に光の十字架を生成! 光の交差点から発射されたビームが明日香の脇腹を射抜いた! 歪む明日香の口の端から血が垂れる!
「ぐっ……!」
『白石さん!』
 明日香は叫ぶ空音と都月をしっかりと保持する。斜めに跳躍した十字皇の使いが大鎌を振りかぶって追いすがった!
「我が世界からは逃れられん。一切の悪はここで塵すら残さず消えるが定め!」
「そうかよ……」
 明日香は血に濡れた唇を歪め、好戦的な笑みを見せる!
「ならそのご自慢の世界とやらが吹き飛んだらどうなるかなァ!」
「笑止。死ね!」
 十字皇の使いが大鎌を振るったその時、光の世界が陽炎じみて激しく揺らめき、真っ二つに引き裂かれた! 明日香の後方に、炎の大剣を振り切ったウタ!
「影がなけりゃ光も存在できないってこと、海から蘇っても気づかないのかよ。心の闇も全部ひっくるめて俺自身だ。今の俺のまま未来へ進むぜ! 燃え尽きやがれええええええええええッ!」
 背を反らし、両腕を引き絞ったウタの背中が獄炎の翼を大きく広げ、残った光を焼き滅ぼしつつ一気に膨張! 縦穴を埋め尽くすフェニックスの翼が顕現するのを見た十字皇の使いは即座に明日香を斬り殺しに行く!
「へッ!」
 だが明日香はサマーソルトキックで首狩り斬撃を蹴り上げ、抱えた二人を後ろにぶん投げる! 大鎌の刃を弾き上げ、鞘に納めた刀で居合いを一閃! 紅いの斬撃が鎧をすり抜け、十字皇の使いの使いが兜の隙間から喀血した!
「ごはッ……!」
「どんな気分だよ! 御大層な神の鎧とやらをおじゃんにされんのは!」
 明日香は振り切った刀をひるがえして斬り下ろす! 十字皇の使いは刀を握る明日香の手首をつかんでガード! 彼女の鼻面に頭突きを入れ、回転かかと落としで脳天を打つ! 強制お辞儀めいた姿勢を取らされる明日香!
「ってえッ!」
「甘く見るな、下郎!」
 下向いた明日香の顔面を膝で蹴り上げた十字皇の使いは明日香の腹にドロップキック! 砲弾じみてふっ飛ばされた明日香は空中で一回転し、背後のウタに両脚を向ける! ウタは全身に力を込めて炎の翼を広げる最中!
「ウタぁ! ちょっと歯ァ食いしばれッ!」
「今ッ……忙しいんだけど、なッ……!」
 こめかみに青筋を浮かべ、ウタは腹に力を込める! さらに勢いを増した炎の翼がウタごと周囲の空間をくるみ、輝きを増す光の世界の残滓に対抗! 明日香は彼の腹を蹴って水平跳躍! 赤刀を振りかぶって十字皇の使いに斬りかかる!
「お前を斬って、押し通るッ!」
「斬られるべきは貴様らの首だ! 神の光はここに在り、神の裁きは貴様らを討つ! 滅びよ! 輝かしき世界の果てで!」
 十字皇の使いが大鎌を振り上げ十字の光を解き放つ! 二人の距離が一気に縮み、交錯する寸前で神鋼の鎧の関節部に次々と銃剣が突き刺さった! 十字皇の使い背後を落下するキャサリン!
「笑わせる。神は一人、我が神のみが在ればいい!」
 キャサリンは両手に大量の銃剣を扇状に広げ、それを連投! 肘と膝の裏側やうなじ、背中などに命中する刃が鎧によって次々と跳ね返されていく! 十字皇の使いは構わず明日香と刃を交える! 斬撃の応酬!
「せあッ、はッ!」
「おおおおおおおおおおおおおおおッ!」
 ZGAGAGAGAGAGAGAGAGAM! 炎と金属衝突音、そして光が激しい明滅を繰り返す! 剣戟の中、十字皇の使いの身体を包む光が力を増し、より強く、煌びやかになっていく! 白き光が再び世界を塗り始めた!
「またぞろ光の世界とやらか! やらせるか!」
 明日香が薙ぎ払うような回転斬撃を放つ! 十字皇の使いは刃を指でつまみ止め、光の速さで斬り上げる! SLASH! 腹から左肩までを斬られる明日香!
「白石さん!」
 キャサリンが腕を閃かせ、さらに銃剣を連投! だが十字皇の使いは大鎌のひと薙ぎでこれを打ち払った!
「光を絶やすことなど出来ない。畏れ、ひれ伏せ。貴様らは神の鉄床に進ません! 消え果てよ!」
 十字皇の使いが無数の十字光に包まれる! 全方位に放たれるビームが空音の生み出した氷トゲを次々破壊し、至近距離の明日香をズタズタにしながら弾き飛ばした! さらに防御態勢を取るキャサリンの全身をも次々と刺し貫く!
「ぐあっ!」
 キャサリンは血みどろになりながらも銃剣を投擲! 光線と光線の合間を縫って飛んだ一撃は眩い輝きに包まれた十字皇の使いの鎧に弾かれ、甲高い音を奏でる! 放射される光が再び戦場を塗り潰し始めた、その時である!
「聞こえた! そこだあああああああああああっ!」
 十字皇の使い直上から垂直落下したオリフィスが、鎧の右肩に両脚で蹴りを叩き込んだ! スーツの各所を射抜かれ、血を流しながらも笑顔は絶やさぬ! 十字皇の使いもろとも急速落下!
「あははっ! きらきら光るのは綺麗でいいけど、痛いのは駄目だよねっ!」
「ち……!」
 鎧越しに肩骨の軋む音を聞いた十字皇の使いは、鎌でオリフィスを斬りに行く! しかしオリフィスは十字皇の使い背後にワープじみて移動! 光線に全身を焼かれながら連続キックを叩き込み、鎧の両肩をつかんで足を振りかぶる!
「うううううりゃああああああああああああっ!」
 振り子めいて両爪先を鎧に打ち込み、さらに上空へ蹴り上げる! 十字皇の使いはくるくると錐揉み回転しながら姿勢を制御! 両腕を開き、自身を中心に巨大な十字の光を生み出す!
「遊びは終わりだ。我らは嘗て在りし者の残滓、故にこの世に再度の光をもたらす。消え去れ闇よ!」
 SMAAAAAAACK! 宙に刻まれたグランドクロスが膨れ上がった直後、それを巨大な炎の翼が包み込む! 獄炎は拡大せんとする光を抑え、端から陽炎に変えて喰らわんとする! 翼の主、ウタは大剣を掲げて告げた。
「その執念! あんたもあのブルマみたいに強い信念があるものと見たぜ! でもな!」
 轟とうなりをあげ、大剣に炎の渦がまとわりついた!
「俺たちにも矜持があるんだ! 鋼神はぶっ倒す! あんたがそこに立ちふさがるっていうなら……焼き払うのみだぁぁぁぁぁぁッ!」
 裂帛の気勢と共に大剣を振り下ろし、炎の暴風を引き起こす! 十字皇の使いは迫りくる爆炎めがけて極太のレーザーを放出して迎撃! CABOOOOOOOOOM! 激しい爆音が響く中、炎が圧力を増して光線を押し返し始めた!
「鎧ごと、蒸し焼きになりやがれええええええええええッ!」
 ウタの炎の翼が大きく広がり、グランドクロスを圧縮していく! 徐々に押し込まれていた光線が、陽炎となって霧散! 光の十字を破砕した炎は十字皇の使いを取り込み、爆炎で焼き上げる! 炎が脇腹の隙間から流れ込んだ!
「ぐああああああああああああああッ!」
 鎧の中を炎で満たされ絶叫する十字皇の使い! その断末魔を聞きながら、ウタは小さく呟いた。
「楽には死ねないかもしれねえけどよ……せめて骸の海で安らかに眠りな」
 ウタは括目し、炎翼を閉ざす! KRA-TOOOOOOOOM! 最下層へと繋がる縦穴が内側から爆発四散し、宇宙にデブリを撒き散らした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『鋼神ウルカヌス』

POW   :    超鋼神装
無敵の【金色に輝く『神の鎧』】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD   :    鋼と炎の神
自身の身体部位ひとつを【自在に液体化も可能な超高熱の金属】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    原初の神炎
自身からレベルm半径内の無機物を【使用者以外の全てを焼き尽くす原初の炎】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:あなQ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●お知らせ
・第三章へ移行します。
・十字皇の使いを倒し、ウルカヌスの下に辿り着きました。ウルカヌスを撃破してください。
・ウルカヌスは必ず『原初の神炎』で先制攻撃を仕掛けてきます。
・プレイングボーナスは『先制攻撃に対処する』ことです。
白石・明日香
よう、久しぶり。
そしてお別れだ!
周囲にある無機物が炎になるのは厄介だが軌道を見切ることはできる。
残像で攪乱しながらダッシュで接近、炎の軌道を見切って躱し、躱しきれないのはオーラ防御、激痛耐性で耐える。
間合いに入ったら怪力、2回攻撃、属性攻撃(雷)、鎧無視攻撃で叩き切る!
鎧である以上金属だろ?電撃は防げんよな。
さっさと消えな。努力賞はくれてやる・・・・


夕闇霧・空音
ようやく出会えたわね、ウルカヌス…
コソコソするのが神様のやることかしらね…!
【アドリブOK】
【戦闘】
敵の攻撃は避けられなそうね。
少なくとも敵の攻撃で炎の中に放り込まれる羽目になるか…
とりあえず火炎耐性を持っているとはいえ、一旦やられたふりをして敵から離れるかしら…

そして体を天井に固定してヒューロニアンモード発動の体制に入る…
真の姿で出力を高めたいところだけど…
発動までの時間、他のみんなに頑張ってもらうことになりそうね。
この攻撃…いくら何でも鎧で防いでも無駄かもしれないわね。


木常野・都月
一人称:俺
二人称:貴方
三人称:先輩や尊敬してるヒトはさん付け、それ以外は呼び捨て
名前:苗字さん


早めに例の鎧を剥ぎ取りたい。
その前に、先制攻撃か。

原初の神炎は、氷の精霊様の[属性攻撃]と[オーラ防御]の[多重詠唱]の[カウンター、高速詠唱]で対処したい。

対処しきれないなら、地の精霊様に磁場を調整、電磁浮遊で避けたい。

ダガーとエレメンタルダガーに持ち替えて、ウルカヌスの死角から接敵、衝撃を与えない様に、鎧に刺突したい。

刺さったら、エレメンタルダガーに雷の精霊様を付与、鎧の中に電磁場を発生させて、金属の鎧を剥ぎ取りたい。

後は杖に持ち替えて、UC【精霊の矢】を氷の精霊様の助力で[全力魔法]を撃ちたい。


高砂・オリフィス
そーいう暑っ苦しいくらいの方が! ぼくは大歓迎さ!
ひゅーひゅーっ、盛り上がって参りましょー!

とりあえず手に入れた推進力で振り切ろうとするけど、炎に巻かれたら潔く装甲をパージ!
スーツ姿でアクロバティックに飛び込んで、逆撃のパンチをお見舞いしてやる!
こそこそ悪事を企むのはいただけないなっ、ぶっ飛ばす!

かッッッッッたーあぁっ?! なんなのこれ、うそお?!
でもでもこういう時でも笑顔ー! 溢れる熱気を拳に込めて、もっと高温にもっともっと昂ぶらせて、殴り合ってやる! 最後に勝つのは、ぼくたちだぁ!


木霊・ウタ
心情
必ず勝つ

神炎
焔壁展開
仲間を庇う
特に怪我してる奴
抗するのみならず
獄炎が神炎を浸食・同化し己が力に


御大層な鎧だけど
これまで猟兵に何回負けた?
無敵じゃないし隙だらけってコト
自覚してんだろ?

戦闘
獄炎纏う焔摩天で鎧ごと薙ぎ払う

防御は炎壁&武器受け
仲間を庇う
受傷時は返り血の獄炎

繰り返し剣撃や熱を加え
鎧を歪め、溶かし、砕く
氷との連携あればよさげかも
鎧を明確に砕くことで更に疑念にダメ押し
その動揺を好機とし一気に畳みかける
梵字が赤熱
爆炎加速の焔刃一閃

過去の居場所なんてないぜ
この世界は、未来は
今を生きる命のモンだ
海へ還りやがれ!

事後
鎮魂曲

随分派手に壊しちまったけど
修理大丈夫かな

腹減ったよな
皆で拉麺喰おうぜ



 ラグランジュポイント、ウルカヌスの工房。
 スクラップ置き場めいて無数の鉄屑に敷き詰められた広大なホールの一角に、火山じみた威容の炉が置かれ白い煙を絶えず吐き出す。そのふもとに腕組み仁王立ち姿勢で佇むのはウルカヌス。
 平坦な壁に両開きの門がついた形の炉の口を前にする彼は、遠雷の如く響く爆発音と天井が揺れる音を聞いて口を開いた。
「……来たか」
 ウルカヌスが呟いた瞬間、彼の後方上空に空いた巨大な穴から猟兵たちがサテライトレーザーめいた速度で落下し鉄屑の地面を激震させながら着地! 片膝状態から立ち上がったオリフィスは背中を伸ばし、首を鳴らした。
「う―――んっ! ようやく着いたぁっ! ウルカヌス、みーっけ!」
 オリフィスに勢いよく指を差されたウルカヌスは、ゆっくりと猟兵たちを振り返った。彼我の距離は30メートル程。身構えた猟兵たちのうち、溶接痕の残る腕を一瞥した空音が銀色の瞳を光らせながら言い放つ。
「ようやく出会えたわね、ウルカヌス……! コソコソするのが神様のやることかしらね……!」
「神が神殿に居る。それがおかしなことと言うか」
 炉の口から漏れる炎の光が、ウルカヌスの表情を逆光で隠す。大剣を撫でたウタは、刃に刻まれた文字を赤熱させながら挑戦的に鼻を鳴らした。
「ハッ! 余所様の家を勝手に要塞化して神殿かよ! そりゃ傲慢って奴じゃねえのか、ウルカヌス!」
「ついでに言うと、神殿っていうか工房だろ、ここ。神殿というには散らかり過ぎだ」
 キャサリンが掲げた右手人差し指に黒い蝶を乗せながら言う。直後、明日香が赤い刀を振って風を斬り、ハンドルをひねってエンジンを吹かせた。バイクが先端をウルカヌスに向け、車体を小刻みに震わせる。
「ここがどこだろうとどうでもいい! いずれにしろ、ここがお前の墓場になるんだからよ!」
「吠えるわ」
 ウルカヌスが低く呟いた瞬間、空間全体に真っ白な光が爆発! 工房全体に純白の炎が燃え上がり、轟とうなる! ウルカヌスは両足を踏みにじるようにして動かしながら肩幅に開き、両拳を腰だめに構えて背中を反らした!
「ぬうううおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! うううううおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
 咆哮するウルカヌスに空間中の白い炎が引き寄せられる! 鋼神の両足が地面の炎を吸い上げ、両肩に据えられた獅子の大型装飾がアギトを開いて炎をむさぼる。ウルカヌスは背中を丸めて力をチャージ!
「おおおおおおおおおおおおおおおおおッ! おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
 CABOOOOOOOOOOOOM! ウルカヌスに集中していた炎が爆発し放射状の熱風となって猟兵たちに吹きつけた! 肌を焼く熱に目を細めながらも構え続ける猟兵たちの前で、原初の炎をまとったウルカヌスは拳を握る!
「ここで滅ぶのは貴様らの方だ。その身を鋳溶かした炎で刃を作り、貴様らの同胞どもの躯に突き立てる。行くぞッ!」
「来る! ウタ!」
「おうッ!」
 都月とウタが手にした大剣と杖を交叉させる! 杖先に埋め込まれた宝珠が蒼く変色すると同時、ウルカヌスは右拳を己の足元めがけて振り上げた! 肘から先に炎が集中! 一気に振り下ろす!
「ぬあああああああッ!」
 SMASH、CABOOOOOOOOOOM! 火山噴火じみて噴き上がった白い炎が、地を引き裂いて猟兵たちへと襲いかかる! 都月とウタは得物を握る手を強め、両目を見開いた!
「止めるぜ!」
「ああ!」
 X字に交叉した杖と大剣が蒼炎に包まれ、巨大なオーロラの如き炎壁を形成! さらに複数層を為す冷たい炎の障壁に神の炎が正面からぶつかった! CABOOOOOOM! 蒼炎の壁が数層突き破られ、都月とウタの足が後ろに滑る!
「ぐっ……! ウタ、平気か……!?」
「ったりめえだ! 負けるかよッ!」
 前のめりの姿勢になったウタは一歩踏み込み、嵐の中を進むようにしながら咆哮! BOOOOOOOOOM! さらに数層がまとめて消し飛ぶ!
「うおおおおおおおおらああああああああああああああああああああああッ!」
 都月も歯を食いしばりながら杖を握りしめ、ウルカヌスの炎に抵抗! 彼の周囲にブリザードが激しく渦巻いたその時、二人の眼前で蒼炎の壁を突き破ったウルカヌスが出現! 都月へ左拳を振りかぶった!
「砕けよ!」
「都月ッ!」
「っ!?」
 ウタが都月をショルダータックルで真横へ弾き、ウルカヌスの白炎をまとった鉄拳を食らって吹き飛ぶ! 直後、オリフィスが低空ドロップキックで迎撃に入る! が、全身に白炎を燃やしたウルカヌスは全身から爆風を発射!
「ぬうんッ!」
「うわッ!?」
「ぐあああああっ!」
 BOOOOOOOOOM! 炎に巻かれたオリフィスと都月が錐揉み回転しながら吹き飛ぶ一方、ウルカヌスは腕を薙ぎ払うように一閃! クロスガード体勢を取った空音が熱波に呑まれ吹き飛ばされた!
「舐めるなッ!」
「フン?」
 不意に視線を上げるウルカヌス! 彼の顔面めがけてウィリー状態で落下するバイク上で明日香は真紅の刀を振り上げた! 炎をジャンプ回避したままの落下攻撃をウルカヌスは右のアッパーで弾き飛ばす! 回転して宙を舞うバイク!
「チッ……!」
 舌打ちした明日香はバイクシートを蹴って跳び、再度ウルカヌスを下方に捉えた。ウルカヌスは両腕を腰だめに構え、仁王立ちの迎撃態勢! しかしその瞬間、彼の両手に炎の翅を備えた蝶の群れが集り連鎖爆発を引き起こした!
「ぬおッ……!?」
 BOMBOMBOMBOMBOMBOMBOMBOMB! 剛腕が蝶の爆発に押され、ウルカヌスがわずかに体勢を崩す! 追加で飛来した蝶たちが彼の周囲に螺旋を描く!
「これはッ……!」
「俺だよ」
 ウルカヌスの前方、残った白い炎を紅蓮の炎が吹き散らす! そこに立っていたのは黒色火薬の身体を持つ炎蝶を多数従えたキャサリン! 彼女が両腕を広げると共に蝶たちは無数のミサイルめいてウルカヌスへと殺到していく!
「炎の蝶だと? 味な真似を……」
「綺麗なもんだろ? 花火になれよ!」
 キャサリンが不敵に笑い、蝶たちが大爆発! CABOOOOOOOOOM! 紅蓮の炎に呑まれたウルカヌスへ明日香が落下の勢いを乗せた斬り下ろしを繰り出した! だが真紅の刃は爆炎から飛び出した裏拳に弾かれ軌道を逸らす!
「ちっ、デカブツ風情がっ……!」
 毒づいた明日香の胴体にウルカヌスの対空パンチが撃ち抜いた! SMAAAAASH! インパクトと共に広がる炎の波紋! ギリギリで片腕を差し込みガードしていた明日香は軋む腕骨に顔をしかめる!
「ってぇッ……!」
「ぬるい炎よ」
 晴れた爆炎の下から、ウルカヌスは逆の拳で明日香を殴り飛ばす! キャサリンは即座に両手を指揮者めいて動かし、さらなる炎蝶を全方位から襲いかからせた! ウルカヌスは身を沈め、右肩をキャサリンへ向けて地を蹴る!
「おっと、お触りはよしてもらおうか!」
 キャサリンが両手指を強く弾くと同時に蝶が大爆発! BOOOOOOOM! しかしウルカヌスは爆炎を突き破りキャサリンに突撃していく! 全身にまとった神の炎を肘や背中から噴射しながらの突撃だ! キャサリンは防御態勢!
「ったく、暑苦しいなお前は!」
 キャサリンの前方に炎蝶たちが飛び交い壁を作り出す! ウルカヌスは構わず肩から突っ込みこれを爆破! キャサリンのワン・インチ距離に踏み込み彼女の腹を蹴り上げた! SMAAAAAASH!
「があっ……!」
「ッはあッ!」
 バク宙の勢いでキャサリンが斜めに吹き飛んだ! 一回転して着地したウルカヌスの視界一杯に紺色のボディスーツに包まれた拳が飛び込む! 炎に巻かれた機械パーツを全パージしたオリフィスがジェットパンチを放った!
「でえりゃああああああああああッ!」
「ウヌッ!」
 CRAAAAASH! 鼻面を殴り飛ばされのけ反るウルカヌス! 反動で飛び下がったオリフィスはウルカヌスを殴った腕の手首をつかみ、涙目で悲鳴を上げる!
「いっ……かッッッッッたーあぁっ!? なんなのこれ、うそお!?」
 オリフィスはウルカヌスの方へと視線を向ける。ゆらりと立ち上がった鋼の神は表情ひとつ変えぬまま告げた。
「どうした。こそばゆいぞ」
「言ってくれるなあっ……!」
 にっと口角を吊り上げたオリフィスは四肢にピンクの五線譜状のオーラをまとわす! ウルカヌスは両腕に原初の炎をまとわせ、踏み込みダブルパンチを打った! サマーソルトジャンプで華麗に回避したオリフィスは中空からのキック!
「せいやっ!」
 ウルカヌスの側頭部を命中する一撃! しかしウルカヌスはものともせず回転裏拳を繰り出してオリフィスを吹き飛ばす! オリフィスは白く燃える鉄屑の地面を転がり、片膝立ちに体勢復帰! 追撃に踏み入る拳を振りかぶる鋼神!
「潰れるがいい」
「お断りだよっ!」
 オリフィスは地面スレスレを這うジャンプから前転し炎の鉄拳を掻い潜る! さらにブレイクダンスの動きでウルカヌスの大腿部を攻撃! 反動で蹴り足を引き連続バク転から距離を取る! オリフィスは軽やかなステップを踏んだ。
「いててて……ほんとにかったいなぁ!」
 オリフィスは笑顔を浮かべながらも冷や汗を流す。ウルカヌスの顔面を殴った拳、そして彼を蹴った足の骨にピシリと亀裂が入るような痛みが走った。対するウルカヌスは涼しい表情! 再び握った拳に白炎を灯す!
「かの戦争から幾月時が流れたか……。幾度となく蘇生を繰り返したこの身にとっては曖昧だ。それが貴様らに打ち倒され続けたからか否かはわからぬ。しかし、だ。ただひとつ、確かなことがある」
 拳を燃やしたままオリフィスへ大股で近づくウルカヌス。彼女から五メートルほどの位置で立ち止まった彼は、鎧の胸板を勢いよく叩いた!
「貴様ら猟兵は! このウルカヌスの神炎を絶やすこと能わず! 無限に続く我が生の中で、限り合る命たる貴様らはおしなべて灰となる運命。定命たる貴様らに、神の炎は屈しはせぬ!」
 ウルカヌスが胸を殴りつけた拳を振り上げた直後、工房中に白い炎の嵐が縦横無尽に吹き荒れ始めた! BOOOOOOOOOOOOOM! 飛び交う炎の風の中央に立ち、ウルカヌスはその身を発火させた!
「神は滅びぬ。原初の炎は永劫消えぬ。弱き者どもよ、審判の時だ!」
 刹那、ウルカヌスから白い火柱が吹き上がる! 飛び交う炎が天突くそれに引き寄せられて吸い込まれていき、焚火に薪をくべるようにその勢いを増していく。やがて火柱を左右に引き裂いて現れたウルカヌスの身体には、黄金の鎧!
「もはや神鋼の兵団は必要ない。この身ひとつで、直々に貴様らを葬ってやる」
「ヘッ、ぐだぐだと偉そうなこと言いやがって!」
 戦線復帰したウタが下段に構えた大剣を引きずるようにしながら進み出る。ちりちりと火の粉を舞い上げる刃に腕から炎を流し込み、ウルカヌスを真っ直ぐ見据えた。
「金ピカで御大層な鎧だけど、これまで猟兵に何回負けた? 無敵じゃないし隙だらけってコト、自覚してんだろ? 今回も引っぺがされて負けるっていうふうには考えないのか?」
 ウルカヌスは応えず、ただ侮蔑的に鼻を鳴らした。ウタとオリフィス、ウルカヌスの周囲を、どこからか飛来した炎蝶たちが円を描くようにして取り囲む。キャサリンの援護! ウタは両膝を曲げると、足裏を赤熱させた。
「ここに過去の居場所なんてないぜ。この世界は、未来は、今を生きる命のモンだ。海へ還りやがれ! 腐れ疫病神ッ!」
 ウタの全身が獄炎を噴き上げる! BOOOOOOOOOM! 逆立つ彼の黒髪と大剣が炎に包まれ、刃の梵字が赤く輝く! その姿を横目にしたオリフィスは身構え、カポエイラのステップを刻み始めた!
「いいね! そーいう暑っ苦しいくらいの方が! ぼくは大歓迎さ! ひゅーひゅーっ、盛り上がって参りましょー!」
「ああ……行くぜッ!」
 ウタの瞳が真紅に変色した直後、三人は同時に地を蹴った! ウルカヌスは白い炎渦に包まれた両腕を広げてのダブルパンチ! 前に出たウタは大剣の斬り上げで双拳をまとめて弾き飛ばす! 衝撃の余波で炎が拡散! BOOOOM!
「行けオリフィス!」
「おっけーっ!」
 ジャンプでウタ飛び越えたオリフィスが回転かかと落としを繰り出す! ウルカヌスはこれを片手の甲で防ぐとウタを蹴飛ばし、オリフィスの蹴り足をつかんで足元に振り下ろした! CRAAAAAASH! バウンドするオリフィス!
「っだっ!」
「燃えよ!」
 逆の拳を振り上げるウルカヌス! 次の瞬間、オリフィスを叩き潰さんとする腕に炎蝶が集って爆発! 拳を無理矢理跳ね上げたところへキャサリンが地を舐めるような低姿勢ダッシュで横合いから斬り込んでいく!
「高砂さん! 後ろに跳べッ!」
 叫ぶが早いか、キャサリンは背中を覆う炎蝶たちを一斉に爆破して加速! ウルカヌスの横面に低空ジャンプキックを打ち込み、さらに腕を振り下ろして彼の顔面に炎蝶を殺到させる! 指を鳴らして起爆! CABOOOOOOOM!
「ぬるいといった。虫けらをかたどろうとこの程度!」
 ウルカヌスは頭を跳ね上げ、緩んだ自身の手から逃れたオリフィスを回し蹴りで引っ掛け回転! そのままキャサリンへ投げつけた! キャサリンはオリフィスを受け止めバク宙から着地。そこへ肉迫したウルカヌスが拳を掲げる!
「受けるが良い。神鋼を打つ我が拳!」
「勘弁してくれ。肩たたきにも出来ないからな!」
 キャサリンはオリフィスを抱えたまま連続バク宙してアームハンマーを回避した! CRAAAAAAAASH! 鉄拳を受けた鉄屑が全てまとめて炎と化し、地を滑りながら大蛇めいてキャサリンを追う! キャサリンは叫んだ!
「悪い、ここが限界だ! やってくれ!」
「任せろッ!」
 DRRRRRNG! 派手なエンジン音を上げ、バイクに乗った明日香がウルカヌスの側面めがけて突進していく! そちらを見たウルカヌスは不満げに鼻を鳴らすと、地面に打ち下ろしたままの腕を明日香の方へ薙ぐ!
「散れ!」
「はッ!」
 太い炎のムチが明日香を薙ぎ払う! だがそれは幻影! 明日香はバイクをスライディングさせ突破する! さらに後輪を支点に車体を回転させ、ウルカヌスへと投げつけた! ウルカヌスは身を起こし、足でこれを止めて踏み潰す!
「そういや言い忘れてたよな……」
 刀を引き絞った明日香がウルカヌスの懐に飛び込み、切っ先を腹部の鎧の隙間に照準! 刃が真紅の稲妻をまとった!
「よう、久しぶり。そしてお別れだ!」
 鋭い刺突が黄金の鎧の隙間を穿つ! ZGRAAAAAAAAAAAK! 刃が緋色の稲妻をむやみやたらに解き放ち、鮮血めいた光芒を散らす! 一瞬表情を歪めたウルカヌスは全身に原初の炎をまとい両手で明日香の胴をつかむ!
「っぐうっ!」
 胴に圧をかけられ、明日香の肺が空気を絞った。赤いボディースーツの下で骨肉がミシミシと悲鳴を上げ、口から血を吐く! 内臓が抱きしめられた風船じみて膨らみ、破裂寸前! しかし明日香は刀を離さず、渾身の力で突き入れた!
「舐め……るなああああああッ!」
 ZZZZZZZZZZT! さらに迸る極大の稲妻! 明日香の胃袋が破裂し、黒ずんだ血が口から吹き出す! ウルカヌスもまた退かず、顔をしかめながらも握力を強める! 刹那、彼の真後ろに都月が回り込んだ!
「白石さん! 今助ける!」
「早く……しろッ!」
 両手にダガーナイフを握った都月はなおも明日香を締め付けるウルカヌスの背、鎧の隙間に刃を差し込む! 彼の身体を包む青白い燐光が両腕を伝ってダガーへ、そしてウルカヌスの鎧へ流れ込んでいく! 装甲の継ぎ目から蒼の光!
「精霊様……! 白石さんの雷もある! この無敵の鎧を、打ち破る力を!」
 見開いた都月の黒い瞳に、青い電磁光が火花を散らした。ウルカヌスは自身の皮膚が弾け飛びそうになる感覚を味わいながらも構わず明日香を潰しにかかる! 捕らえた相手を離さぬ構え! 明日香はゴボゴボと血を零しながら呟く!
「性懲りもなく蘇った挙句、嫌がる女も離さねえってか! しつこい奴はな、嫌われるんだぜ……!」
「そうであろうな。現に私は貴様らを目障りに思っている! 故に一人一人滅ぼすと決めたのだ!」
 ウルカヌスの両目が炎を燃やし、両腕を伝って明日香の体内へ白炎を流し込む! 内臓を焼かれ、明日香は大きく身を反らして絶叫した!
「ぐあああああああああああああああっ!」
「白石さん! このっ……!」
 都月はダガーをより深く食い込ませた。だがウルカヌスの鎧は弾け飛ぶ寸前で鋼神の意志によって繋ぎ止められ、離れぬ! 都月が歯噛みしたその時、ウルカヌスの頭上から大剣を振りかぶり頭から墜落するウタ!
「手ぇ離せええええええええええええええええッ!」
 大気圏を突破する隕石じみて炎をまとい、ウルカヌスの脳天に一回転から大剣の刃を叩きつける! CRAAAAAAASH! 衝撃で弾かれた刃をやたらめたらに振り下ろして鎧を打ち据え、軋ませていく!
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
 CRASHCRASHCRASHCRAAAAAASH! 大剣と装甲が幾度となく激突して火の粉を散らす! だが! ウルカヌスは手を離さぬ! ウタは表情を歪め、渾身の一刀をウルカヌスの肩に振り下ろした! CRAAASH!
「くそっ、このおおおおおおおおおおおッ!」
 咆哮と共に刃を押し込む! 刹那、大剣に刻まれた梵字が赤熱! ウルカヌスの両腕にまとわりついていた白炎が、鎧と肉体を繋ぎ止めていた原初の炎がウタの大剣に吸収されていく! ウルカヌスは肩の刃を見て眉をひそめる!
「命知らずめが! 原初の炎を取り込むつもりか!」
「そのつもりだよッ! 俺の力だけで足りないなら、お前の力も使わせてもらうぜッ!」
 ウタは大剣を逆手に握って大剣を引き上げ、切っ先を鎧にねじ入れる! 吸い上げられていく炎を見た鋼神が勝負を急ぐべく握力を強めたその時、ウルカヌスの顎下に滑り込んだオリフィスがピンクのオーラを右拳に一点集中!
「白石さんを……放せえええええええっ!」
 両足を限界まで折り曲げてのジャンプアッパー! SMAAAAAAAASH! ウルカヌスの顎が跳ね上がる!
「ぐおおおおおおっ……!」
「ん―――っ! やっといいの、入ったっ!」
 砕け、血を流す拳をなおも握りしめたオリフィスはウルカヌスの喉笛にボディブローをぶちかます! SMAAASH! ウルカヌスの手が緩み、明日香を離した。オリフィスは腹に刺さったままの赤刀を足場に飛び膝蹴り!
「木常野さん! 後ろいると危ないよっ!」
「わかった……!」
 都月はダガーを手放してバックジャンプ! オリフィスがウルカヌスの顔面に空中回し蹴りを打ち、ウタが紅白の炎をまとった大剣で側頭部を撃ち抜く! ウルカヌスはよろめくが、倒れぬ! 都月はその背に背負っていた杖を掲げた!
「氷の精霊様! 神の炎を鎮める力を!」
 都月を中心として蒼白のブリザードが巻き起こり、氷雪で出来た無数の矢がマシンガンじみて放たれる! 同時に解放された明日香が潰れかけた体にムチを打って立ち上がった!
「げほっ! このッ……野郎がぁぁぁッ!」
 明日香が喀血しながら刺さったままの刀の柄にダッシュ前蹴り! ウルカヌスが半歩後ろによろめいたところへ、飛び上がったオリフィスが神の顔面に猛烈なラッシュを叩き込み始めた!
「うりゃあああああああああああああああああっ!」
 ZGAGAGAGAGAGAGAGAGAGA! グラインド音じみた金属音が連続して響き、ウルカヌスの顔面を打ち据えて行く! だがウルカヌスは額に炎を集中した頭突きで反撃! オリフィスの腕がおかしな方向へ圧し折れた!
「オリフィス!」
 即座に割り込みをかけたウタが二度目の頭突きを獄炎をまとわせた腕でガード! 両側から襲い来る鉄拳を回転斬撃で弾き飛ばすと、脳天に一撃! 都月の氷矢を受け続けるウルカヌスの背中から水蒸気が噴き上がる!
「ぬうんッ!」
 ウルカヌスは両足を踏みしめ、両腕を広げて高速回転! 白い竜巻と化してウタとオリフィスを吹き飛ばし、都月の氷矢を真っ向から跳ね返す。ウルカヌスを中心に弧を描くような軌道で走っていたキャサリンが指を鳴らした!
「吹き飛ばせ!」
 彼女の周囲から飛翔した火薬の蝶が翅を燃やし、ウルカヌスの下へ大挙して押し寄せる! 白い竜巻に飛び込み、次々と爆発! BOMBOMBOMBOMBOMB! 炎の竜巻が解けるようにして消えた直後、光線めいた炎がキャサリンの腹を貫いた!
「ぐあっ……!」
 キャサリンが膝を突く中、爆炎の残り火を振り払ってウルカヌスが出現! 厳めしい面立ちを火の粉が照らし、内側から弾け飛ぶ寸前の鎧が継ぎ目から赤青の稲妻と白い炎を撒き散らす。空音は蠢く鎧をまとったウルカヌスを天井から見下ろす!
「いい加減、しぶといわね……!」
 四肢についた狼じみた機械爪と黒い鎖で天井に貼りついた空音は両手を組み合わせてウルカヌスを照準! 頭部の獣耳を模したデバイスと両目が蒼氷の如き光を放ち、両手は回転しながら変形・拡大! 巨大な砲塔に姿を変える!
「チャージ完了……! みんな、離れて!」
 空音が声を張り上げた瞬間、ウタとオリフィス、明日香が素早く距離を取る! 反応しかけたウルカヌスに都月が飛ばした氷の矢が放物線を描いて雨の如く降り注いだ! ウルカヌスは全身に炎を燃やしてこれをガード!
「小癪な……!」
「逃がさない! 夕闇霧さん、今だ!」
「氷獄に堕ちなさい! フリーズゼロ、ヒューロニアンモード! 発射っ!」
 ZGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAM! 蒼白い極太の凍結光線が降り注ぎ、ウルカヌスの飲み込んだ! SKIIIIIIIIIIIM! ビームの着弾地点から放射状に大地が凍結! 一瞬にして氷河を生み出す!
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
 凍結光線の中、ウルカヌスは中腰姿勢で両腕を折り曲げ、全身を白炎で覆って全力防御! 全身に力を籠め、ウルカヌスは両目を見開いた! 炎を凝集させ、一気に爆発させる!
「ウオオオオオオオオオオオオオッ!」
 CABOOOOOOOOM! 吹き飛ぶ空音の凍結光線! 熱冷入り混じった風が吹き荒ぶ中、ウルカヌスの黄金の鎧が破裂した! 青い磁気の燐光を放ちながら吹き飛ぶ鎧! そこへ高速低空ジャンプで飛び込むオリフィスに抱えられた明日香が、腹に突き刺さったままの刀をつかむ!
「やっちゃえええええっ!」
「くた、ばれええええええええっ!」
 刃を捩じって裏返し、明日香は一気に斬り上げる! 腹から肩へと抜ける刃! 鮮血の如くウルカヌスの傷が溶鉄を吹き上げた!
「ぐああああああああああああああああッ!」
 よろめくウルカヌスが別れかけた半身をつかんでくっつけ、白い炎を燃やして溶接! そのままオリフィスと明日香をまとめて叩き潰さんとする鋼神の腕を、ロケットじみて飛びこんだウタの大剣が破壊した! CRAAAAASH!
「馬鹿な!」
「馬鹿なじゃねえよ。覚えてんだろ? 俺たちに、何度だってぶちのめされたってことをさあッ!」
 ウタは大剣から炎を噴射しながらその場で回転し、ウルカヌスの首を斬り飛ばした! ウルカヌスは数歩後ろによろめくと仰向けに倒れ―――大爆轟を引き起こして爆発四散した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年06月20日
宿敵 『十字皇の使い』 を撃破!


挿絵イラスト