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焼肉三昧(作者 鱈梅
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●前略
 コンコンコンしてたら肉が出た。
 やべぇくらい出た。
 めっちゃ出た。
 あと炭火焼きセットとタレ類も出た。

「これは焼肉するしかないね」

 寧ろ焼肉以外が出来ないレベルで、焼肉向きの具材と調味料と調理器具しか無い。
 米などない。
 野菜は、たまたま居合わせた者の持ち込みのみで、もはや希少。

 肉、肉、肉祭り。
 主食は肉。
 肉をおかずに肉を食う。
 それが俺達、肉食の生き方。

●肉食系猟兵達へ
「そんなわけで、焼肉カーニバルの開幕じゃんよ」
 ジンガ・ジンガ(尋歌・f06126)はキマイラフューチャーの情景を指し示しながら、周囲へとそう告げた。
 その適当な説明で、集った歴戦の猟兵達は悟る。
 あ、これシリアスとか無縁なやつだ、と。
「やるコトはめっちゃ簡単。キマフュ行って焼肉食うだけ」
 調子に乗ってコンコンしすぎて、キマイラちゃん達だけじゃ処理しきれねーみてぇだから超歓迎されると思うわヨ、などと付け加えつつ。
 先日の戦争の疲れを癒やしに行くには、ちょうど良いだろうとジンガは笑う。
「途中で焼肉の匂いに惹かれた怪人ちゃん達も来ると思うけど、基本食いながらの対応でヘーキだと思う」
 たぶん差し入れとかくれるよ、予知で見えた外見とか的に。
 焼き鳥とか魚とかウィンナーとか米とか。
「俺様ちゃんは転送のオシゴトあって、現地いけねーからさァ。まァ、代わりに楽しんで来てよ」
 ついでにお土産とか持ってきてくれると嬉しいわァ、なんて笑いながら。ジンガは転送を開始するのであった。





第3章 ボス戦 『カマンドゥーラ・コゲット』

POW ●汝、釜炊きを愛すべし
【杓文字扇】が命中した対象に対し、高威力高命中の【天から降ってくる羽釜による一撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD ●我、釜炊きの化身なれば
全身を【本格釜炊きならではのオーラ】で覆い、自身の【本格釜炊きごはんの美味しさ】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ ●汝も釜炊きにしてやろうか
【本格釜炊きを可能とする竈から召喚した炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【本格釜炊きの】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠滝舘・穂刈です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●嗚呼、麗しき白米よ
 肉も、追加食材も粗方堪能し終えて。
 楽しい宴も、いよいよ終盤に差し掛かっていた。
 たらふく食べたと笑い合い、ラストスパートへと入り始める猟兵達。
 あれだけ食べたにも関わらず、何故だか少し物足りない気持ちもあるが、まぁ気の所為だろう。
 多くの者がそう思っていた。

 ――彼女が現れるまでは。

「これは……これは――なんたる冒涜!」

 いい感じに終わりそうになっていた空気を引き裂く、金切り声。
 一斉に、会場中の視線が声の主へと向けられる。

「炊飯器どころか、そもそも米自体が無いとは! 釜炊き云々以前の問題ではありませんの!」

 大量の釜を乗せた銀のワゴン。
 気品溢れる漆黒のドレス。
 杓文字で作られた扇。
 細い首の上で鈍い輝きを放つのは――炊飯釜。

「あれは……あの釜はまさか……炊飯貴族――カマンドゥーラ・コゲット……!」
 訳知り顔のキマイラが呟く。
 もしかしたら、その筋では有名な方なのかもしれない。
「知らないんですか!? あの、薪を用いた本格釜炊きこそ至高と、巷の炊飯器を駆逐して回っているという炊飯界の鬼を!」
 信じられない、と驚きながらもキマイラが丁寧に説明してくれるが、たぶん知らない者の方が多いと思う。
「噂では聞いていましたが、本物は僕も初めて見ました……釜炊きの復権と覇権を狙う麗しき貴婦人。そして、全ての炊飯器達の天敵……!」
 そう、彼女こそが予知されていた差し入れ怪人、その最後の一人。
 はじめちょろちょろ中ぱっぱの体現者、カマンドゥーラ・コゲットだった。
「米抜きで焼肉を食べるだなんて……貴方達、正気ですの?」
 釜炊きの貴婦人は口元だと思われる辺りを杓文字扇で隠しながら「嗚呼、悍ましい」とわざとらしく身震いしてみせる。
 肉だけで良いよ米はいらねぇ派に失礼な物言いである。
「古来より、米は焼肉の良き友でありました……サイドメニューとしてビビンバだのチャーハンだの、味付きの米も登場しましたが、やはり最後に選ばれるのは白米……そう、白米こそ至高でありましょう」
 ビビンバやチャーハン派に喧嘩を売るかのような長台詞と共に、カマンドゥーラは釜のひとつの蓋を開く。

「さぁ、遠慮などいりません……お食べなさい。そして、知りなさい――米の美味さと偉大さを」

 釜の中で光り輝いていたのは、ほかほかに炊けた美しい白米。
 猟兵達の間に動揺が走る。

「焼肉に合うのは釜炊きの米、炊飯器など以ての外……そう言いに来たというのに、米すら無いこの状態で戦えますか」

 戦うのは食してからです、と待ってくれる気満々の炊飯貴族。
 ワゴンに積まれていた釜が、キマイラ達の手で各卓に配膳されていく。
 肉、追加食材、そして――米。欠けていたピースは揃った。
 カマンドゥーラについては、先の怪人達と同じく食べながら適当に殴っておけば大丈夫そうだ。
 さぁ、最後まで目一杯楽しもう。