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焼肉三昧

#キマイラフューチャー #戦後

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#キマイラフューチャー
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#戦後


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●前略
 コンコンコンしてたら肉が出た。
 やべぇくらい出た。
 めっちゃ出た。
 あと炭火焼きセットとタレ類も出た。

「これは焼肉するしかないね」

 寧ろ焼肉以外が出来ないレベルで、焼肉向きの具材と調味料と調理器具しか無い。
 米などない。
 野菜は、たまたま居合わせた者の持ち込みのみで、もはや希少。

 肉、肉、肉祭り。
 主食は肉。
 肉をおかずに肉を食う。
 それが俺達、肉食の生き方。

●肉食系猟兵達へ
「そんなわけで、焼肉カーニバルの開幕じゃんよ」
 ジンガ・ジンガ(尋歌・f06126)はキマイラフューチャーの情景を指し示しながら、周囲へとそう告げた。
 その適当な説明で、集った歴戦の猟兵達は悟る。
 あ、これシリアスとか無縁なやつだ、と。
「やるコトはめっちゃ簡単。キマフュ行って焼肉食うだけ」
 調子に乗ってコンコンしすぎて、キマイラちゃん達だけじゃ処理しきれねーみてぇだから超歓迎されると思うわヨ、などと付け加えつつ。
 先日の戦争の疲れを癒やしに行くには、ちょうど良いだろうとジンガは笑う。
「途中で焼肉の匂いに惹かれた怪人ちゃん達も来ると思うけど、基本食いながらの対応でヘーキだと思う」
 たぶん差し入れとかくれるよ、予知で見えた外見とか的に。
 焼き鳥とか魚とかウィンナーとか米とか。
「俺様ちゃんは転送のオシゴトあって、現地いけねーからさァ。まァ、代わりに楽しんで来てよ」
 ついでにお土産とか持ってきてくれると嬉しいわァ、なんて笑いながら。ジンガは転送を開始するのであった。


鱈梅
 こんにちは、鱈梅です。
 ネタ依頼です。
 IQ2くらいのゆるさで書くつもりですので、どうぞお気軽に。
 精一杯努めさせていただきますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 基本的に、全章食事しながらのシナリオになります。
 第一章:ひたすら焼肉食べ放題。野菜も一応あります。米はない。
 第二章:集団戦/焼鳥とか魚とかウィンナーを差し入れてくれます。味変です。
 第三章:ボス戦/釜炊きの米を差し入れてくれます。肉と白米の組み合わせは正義。

 断章追加などのアナウンスは雑記にて。
 キャパ等に限りがありますので、書けそうな範囲での採用になるかと思います。
 全採用の確約は出来ませんが、再送はいつでも歓迎しております。
 それでは皆様のプレイング、お待ちしております。
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第1章 日常 『焼き肉食べ放題』

POW   :    カルビ、ハラミ、豚トロ、食えるだけ食う

SPD   :    タン塩、ロース、野菜、焼けるだけ焼く

WIZ   :    ホルモン、ミノ、白コロ、いろいろ食う

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

スキアファール・イリャルギ
(アドリブ連携ご自由に)

oh…
本当に肉だらけですね……
タダで食べちゃっていいんですかこれ
いいなら食べますよもう無心で
えぇと、肉の種類は……
あぁいいや面倒ですし一通り貰います
(※この影人間、痩せの大食いである)

焦げないように気をつけながらじっくり焼いて……
周りが騒がしかろうが奪い合いが起きようが
自分の分は死守です
見てないと思ってました?
……見てますよ?
(ニコリ)
(怪奇の目からの威圧)

では、いただきます。
挨拶は大事です。

たれは醤油やら味噌やら塩やら満遍なく使って
希少な野菜も少し貰って焼いて食べて
……お酒飲みたくなってきますね
そういえば飲み物って何かありましたっけ

あ、肉のおかわり下さい。もう一通り。


馬飼家・ヤング
※アドリブ歓迎

わいは焼肉が好きや
わいは焼肉がめっちゃ好きや
いや、愛してると言ってええ
何やこれは、食いだおれの天国か!

カルビが好きや
ロースが好きや
ハラミが、ハツが、豚トロが好きや
黒胡椒をきかせたタン塩をシンプルにレモン汁でいただくんがまた格別や
センマイにテッチャン、やげん軟骨のコリコリした食感もたまらんのう

付け合せのキャベツは生で食べて良し、一緒に焼いて良し
更にキムチがあれば最高なんやけどな、ホンマなんぼでも入るわ

脂っこい肉ばかりで胃もたれせんのかやて?
んなもんビールで流し込んだらええねん
メタボが怖くてフードファイターやっとれるかい!

こいつはまさに食のワンダーランド
わいの胃袋は無限大やでーーー!


零落・一六八
お?焼き肉ですって?呼びました?
いや呼ばれなくても肉と聞いたら勝手に来ますけどね!
ボクは食べる専なのでお気になさらずお構い無く、どうぞ!
肉を消化する置物かなにかだと思ってください!
焼くのは人に任せて食べます。誰かが育てた肉だろうと構わず食べます。
食べ専ばっかりで事故ったら
へえ?ボクに肉を焼けって?いいんですか?ボクに任せたら全て消し炭になりますよ?
それでも構わない者だけ前にでな、焼いてやりますよ(肉の話)

まぁ、きっと、心優しい誰かが焼いてくれるでしょう!
何か言われたら野菜乗せてあげましょう。元々野菜食べる気ないですけど。
いやー、やっぱり肉食う仕事はいいですねー!

アドリブ他との絡み大歓迎



●焼肉天国
 じゅわじゅわと炭火が肉を炙る音。
 とろける脂に、滴る肉汁。
 炭火の匂いに混じる、甘辛いタレの濃厚な香り。
 かと思えば、別の一角からはレモンと塩ダレが爽やかなハーモニーを奏でている。
 見渡す限り、肉、肉、肉。
 何処に視線をやっても肉と目が合うときめきの園。
 そう、ここは肉好きの為の楽園(ヘヴン)――

「――わいは焼肉が好きや」

 そんな楽園に見せられた男が、此処にもひとり。
 馬飼家・ヤング(テレビウムのちっさいおっちゃん・f12992)だ。
「わいは焼肉がめっちゃ好きや。……いや、愛してると言ってええ」
 愛らしいテレビウムフェイスに、なんか神妙な感じの顔文字っぽいやつが浮かび上がる。
 神妙な感じだけど、あんまりシリアスではない。だって顔文字だもの。
 ヤングは、カッと目を見開いて叫ぶ。
「何やこれはッ!! 食いだおれの天国かッッッッッ!!!!」
 ぷるぷる震えるゆるキャラボディから繰り出される、熱い魂のシャウト。
 かわいい。中身オッサンでもかわいいぞテレビウム。さすがテレビウム、存在自体が卑怯。
「本当に肉だらけですね……」
 スキアファール・イリャルギ(抹月批風・f23882)もまた、焼肉に支配された肉ランドをぐるりと見回すと、Oh……と感嘆の吐息を洩らした。
 最早キマフュっていうより肉フュだ。
「タダで食べちゃっていいんですか、これ」
 いいなら食べますよ、もう、無心で。そうスキアファールの目が無言で語る。
 周囲のキマイラ達からは爆速でOKの返答が来た。ついでに、肉が大盛りの皿も来た。
「えぇと、肉の種類は……あぁ、いいや面倒ですし一通り貰います」
 選り取り見取りすぎて、逆に選ぶのが億劫になったスキアファールは、とりあえず目に付いた肉から適当に焼き始めた。
 カルビ、ロース、ハラミ、その他諸々。知ってる部位も、よく分からない部位も平等に、ひとつひとつ並べていく。
「わいも焼くで! 今日は焼いて焼いて焼きまくるんや……!」
 タレを用意し終えたヤングもトング片手に肉焼きに加わり、瞬く間に網の上は肉一色となった。

 最初に焼き始めた肉が、ちょうどいい感じになってきた頃。
「お? 焼き肉ですって? 呼びました? ……いや、呼ばれなくても肉と聞いたら勝手に来ますけどね!」
 図ったようなタイミングで零落・一六八(水槽の中の夢・f00429)が、2人の卓にひょっこりと顔を出した。
 自分用の皿とタレの準備もばっちり。この男、完全に図っていた。
「ボクは食べる専なのでお気になさらずお構い無く、どうぞ! 肉を消化する置物かなにかだと思ってください!」
 その身に抱くのは、焼くのは他人に任せ、例え誰かが大事に育てた肉だろうと構わず食べるスピリット。
 しゅぱしゅぱと、手始めに隣のキマイラ卓の食べ頃カルビを口内へ放り込みながら、一六八はスキアファールの死角となっている肉に箸を伸ばす。
 刹那、ぱぁんと弾かれる箸。
 威圧感のある視線が一六八へと複数突き刺さる。
「見てないと思ってました? ……見てますよ?」
 カチカチと威嚇するようにトングを鳴らしながら、スキアファールwith怪奇がにこりと笑う。
「ここのエリアにあるのは私の肉です。そこにまだ隙間が残っていますから、自分の分は自分でどうぞ」
「……へえ? ボクに肉を焼けって? いいんですか? ボクに任せたら全て消し炭になりますよ?」
 すぅ、と一六八の瞳が細められる。
 纏うは、数多の肉を哀しき黒塊に変えてきた者だけが持つ、独特の空気。
 芳ばしいを通り越してほぼ燃料と同化した臭いが、じゃりじゃりとした砂のような食感と焦げの苦味が、周囲の者の鼻腔と口内に再生される。
「――それでも構わない者だけ前に出な、焼いてやりますよ」
 惚れ惚れする程のキメ顔だが、肉の話である。
「……その辺にしといてやろうや、お肉好キアファール。折角アツアツに焼けた肉達が、このままほっとかれたら冷めてまうーって泣いとるで」
「なんですか、そのアダ名。いえ、後半には概ね同意しますけど」
「わいは焼肉が好きや。カルビが好きや。ロースが好きや。ハラミが、ハツが、豚トロが好きや」
 ハードボイルドな雰囲気を醸し出しながら、ヤングはスキアファールの反応をスルーして唐突に語り出す。
「黒胡椒をきかせたタン塩を、シンプルにレモン汁でいただくんが、また格別や。センマイにテッチャン、やげん軟骨のコリコリした食感もたまらんのう!」
「何が始まったんです、これ」
「私に聞かれても」
「付け合せのキャベツは生で食べて良し、一緒に焼いて良し。更にキムチがあれば最高なんやけどな、ホンマなんぼでも入るわ……」
「あ、こっち焦げそうですね」
「避難させましょうか、勿体ないし」
「聞けやッッッッ!!!!」
 その後、なんやかんやあって、一六八の分はヤングが焼いてくれることになった。
 一六八大勝利である。

「「「いただきます!」」」
 三者三様のいただきますが響く。
 フードファイターらしく、豪快に肉に齧り付くヤング。
 ノリで焼いた野菜をヤングの皿に放り込みながら、さっと炙った肉に舌鼓を打つ一六八。
 その向かいでは、長躯痩身のスキアファールの胃袋に、某掃除機もびっくりの吸引力で肉が吸い込まれていく。
 醤油に味噌、塩にオリジナルブレンド。どのタレが合うか食べ比べ。
 時折、思い出したように野菜にも手を伸ばしつつ。
「……お酒飲みたくなってきますね」
 そういえば飲み物って何かありましたっけ、とスキアファールが辺りへと視線を走らせれば。
「カーッ!! やっぱ肉にはビールやな!!」
 目に入ってきたのは、オッサン丸出しでビールをかっ喰らうテレビウムの姿。ギャルもこれには苦笑いである。
「メタボが怖くてフードファイターやっとれるかい! ほれ、2人も飲まんかい! 今日はわいのオゴリや!」
 アルコールで気の大きくなったヤングに、遠慮なく便乗して。
 黄金色で満たしたグラスを、3人でかちん。さぁ乾杯!
「わいの胃袋は無限大やでーーー!」
「あ、肉のおかわり下さい。もう一通り」
「いやー、やっぱり肉食う仕事はいいですねー!」
 楽しい仕事は、まだ始まったばかりだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

天道・あや
【芋煮艇】

いっっえーーーい!!焼肉!YAKINKU…!焼肉!!


いやーー!戦争も無事に終わったし、何か祝勝会とかしたかったんだよね!!……いや、勿論、依頼だし、オブリビオンはちゃんと倒すけど!……でも!それまでは、……皆さん!がっつり!楽しませて、貰いまショータイム!!

うおおおー!カルビ!ごはん!!そしてー!タレ!レモン、塩、焼肉のたれ……うーん、どれも最高!!うーん、このじゅうじゅうと網の上で肉が踊る音……素晴らしい!そして、肉の油がおちて、ボワッ!と燃え上がる火……芸術!

いやー、やっぱり、大きな事を終えた後の、皆で食べる焼肉は格別に美味しい!

(モグモグ)……あ、依頼の事は忘れてないでスヨ?


紗咲・亜闇
【芋煮艇】

さて、一応は料理のできる私がキマフュ焼肉奉行スケバンになろうかと思ってたんだが、火加減担当と焼き担当がいるし今回は普通に食べる側に回るか。
うん、美味いな…お客様待遇で気を遣うことがないと焼肉ってこんなに極楽空間だったんだな。
惜しむらくはまだ米が出て来ないこと…焼肉と言ったら米だろ。まだ酒も飲めない未成年にとっては。
とりあえず、米が出るまでは抑え目に食べてくか。

タン塩、カルビ…あっ、そっちのホルモン美味しそう…あっ、ありがと。(皿に盛られたものを片端から食べ続ける)
え、まだこの肉は焼き終わってない? 私は多少生の部分が残った肉も好きだよ。

(米のことを忘れてバクバク食べる。)


バルドヴィーノ・バティスタ
【芋煮艇】

ヒャッハー!!肉だァーッ!!
焼き放題食べ放題の言葉にテンション上がらねェ奴がいンのか?
いないね!早速片っ端から焼いて焼いて焼きまくるぜー!
焼き役は貧乏クジなんて抜かす奴もいるがとんでもねえ。
焼き加減も自由、食いてえ部位ばっか偏りまくって焼くのも自由!
焼く!焼いたそばから食う!焼く側すなわち支配者、イニシアチブを取ったも同然よォ!

タン塩レモン!牛カルビ!牛カルビ!米…あ?米無い?じゃ野菜。
…ん?思ったよりどんどん出てくる?
仕方ねェ…出すか、本気(上着を脱いで身軽になる)
さぁ来い肉の山ァ!今なら肉の焼ける音匂いを機敏に感じ取って、絶妙な加減に仕上げることだって出来る気がするぜ…!


暁・アカネ
【芋煮艇】で参加!

見渡す限り沢山の肉!肉!肉!
お肉だけお腹一杯食べられるだなんて相変わらずコンコンコンは凄いわね!

お料理道具も出るなんて準備が良いわね、遠慮なくガンガン焼くわよ!
お料理は…普段はしないけど焼くだけなら簡単!な気がする!
炭に小さめの狐火をそぉい!これで火加減も自由自在よ!
お肉を豪快に網へ!カルビ!ロース!ハラミ!豚トロ!全部だ!全部持ってこい!
なんでもカリカリに焼いて食べるのが"てえ"好みらしいわよ!…とお?(聞きかじりをキリッとした顔で話すアホの狐)
内なる野生を我慢…我慢…我慢できない!

焼けたらすぐ食べよう!タレとお塩交互で!
沢山焼いたから皆もガンガン食べるといいわ!



●おつかれ祝勝焼肉会
「ヒャッハー!!肉だァーッ!!」
「いっっえーーーい!! 焼肉! YAKINKU……! 焼肉!!」
 ウッキウキのシャウトが肉祭り会場に響く。
 此方の卓に集まったのは、天道・あや(未来照らす一番星!・f12190)達、芋煮艇の4人だ。
「いやーー!戦争も無事に終わったし、何か祝勝会とかしたかったんだよね!!」
 ジュース片手にほくほく顔で、あやは語る。
 先日まで続いていたアックス&ウィザーズを揺るがす大戦争は、無事に猟兵達の勝利で幕を閉じた。
 だから今日は、お疲れ様会で、祝勝会だ。
 そろそろ一息吐いても罰は当たるまい。
「焼き放題食べ放題の言葉にテンション上がらねェ奴がいンのか? ――いないね!」
「お肉だけお腹一杯食べられるだなんて、相変わらずコンコンコンは凄いわね!」
 バルドヴィーノ・バティスタ(脱獄狼・f05898)と暁・アカネ(アホの狐・f06756)のテンションも鰻登り。
 何せ、見渡す限り沢山の肉! 肉! 肉!
 肉好きであれば心沸き立つ光景である。
「米がまだ無いのは、少し気になるが。まぁ、こればっかりは待つしかないな」
 紗咲・亜闇(相克のスケバン・f21822)もまた、米のことを気にしつつも、これから始まる焼肉への期待に胸を踊らせている。
「勿論、依頼だし、オブリビオンはちゃんと倒すけど! ……でも! それまでは!」
 4つのグラスが天高く掲げられる。
「皆さん! がっつり! 楽しませて、貰いまショータイム!! ――かんぱーい!」
「「「乾杯!!」」」
 あやの乾杯の音頭と共に、祝宴が始まった。

「早速、片っ端から焼いて焼いて焼きまくるぜーッ!」
「お料理道具も出るなんて準備が良いわね、遠慮なくガンガン焼くわよ!」
 焼きを担当するのはバルドヴィーノとアカネだ。
(焼き役は貧乏クジだなんて抜かす奴もいるが、とんでもねえ!)
 焼き加減も自由だし、食べたい部位ばかり偏りまくって焼くのも自由。
 好きなものを優先的に焼いて、それを焼いた傍から食べる。
 自分で並べた肉ならば、タイミングも完璧に把握出来る。
(焼く側すなわち支配者、イニシアチブを取ったも同然よォ!)
 バルドヴィーノは己好みに盤面を染めるべく、この後の流れをシュミレートしながら肉を選んでいく。
(お料理は……普段はしないけど焼くだけなら簡単!)
 そんな気がする!
 根拠の無い自信を抱いて、アカネは小さめの狐火を炭に放つ。
「焼き尽くせ! 燎原火が如く! ……あ、待って、やっぱり焼き尽くすんじゃなくて、ちょうど良い感じに焼いて!」
 これで火加減も自由自在、最高の焼き加減となるよう調整できる。
 そうしたら後はもう、肉を豪快に網へドーン! 野菜もそぉい!
 カルビ! ロース! ハラミ! 豚トロ!
 ええい、全部だ! 全部持ってこい!
「なんでもカリカリに焼いて食べるのが"てえ"好みらしいわよ!」
 勢いのままに、アカネはキリッと自信満々に聞きかじり知識を披露するも。
「……とお?」
 ちょっと違った気がして、そっと訂正した。
 尚、正解はたぶん『つう』である。
 そうこうしている間に、肉はどんどんと焼けていく。
(……我慢……我慢、)
 そう、我慢だ。
 アカネの内なる野生は「別にレアでも良いんじゃね? 美味いじゃん?」と囁いているが、てえ好みで、とお好みだと言うのはカリカリなのだ。
 そして、カリカリになるのには、まだ時間が掛かる。
 ものっすごい美味しそうな匂いが鼻を刺激しても、どれだけ腹の虫が暴れても、カリカリにはまだ我慢が必要なのだ。 
 だから我慢だ。
 横でバルドヴィーノが肉をひっくり返しながら、食べ頃になった肉を掻っ攫い始めたが、我慢だ。 
 大丈夫、アカネ強い子我慢の子。
「タン塩レモン! 牛カルビ!」
「……、」
 我慢だ。
「牛カルビ!」
「……、……」
 我慢。
「米……あ? 米無い?」
 がまん。
「じゃ、野菜」
「――我慢できない!」
 無理だった。
「焼けたらすぐ食べよう! タレとお塩交互で! 沢山焼いたから皆もガンガン食べるといいわ!」
 おいしい。焼けてすぐ食べてもおいしい。内なる野生正しかった。
 前言撤回しながら、アカネは幸せそうな顔でふわふわじゅんわりミディアムレアに焼けた肉を頬張った。

(一応は料理のできる私が、キマフュ焼肉奉行スケバンになろうかと思ってたんだが)
 亜闇は焼けた肉を口に運びながら、ふと当初の予定を思い出していた。
 しかし、今回は既に火加減担当と焼き担当が居る。ノリノリで焼いている。
(なら、普通に食べる側に回るか)
 頷いて、ぐっと肉に歯を立てる。
 想像していたよりも柔らかな食感。
 芳ばしさの中に感じる、脂の甘さ。
 ジュワッと口の中に広がるジューシーな肉汁。
「うん、美味いな……」
 気を遣うことがない焼肉。その極楽空間さを亜闇は改めて知る。
 ああ、お客様待遇万歳。
 惜しむらくはまだ米が出て来ないことだ。
「……焼肉と言ったら米だろ」
 まだ酒も飲めない未成年にとって、米はベストパートナーと言っても過言ではない存在である。
(とりあえず、米が出るまでは抑え目に食べて行こう)
 いつか来る米に思いを馳せながら、亜闇は新たな肉に手を伸ばす。
「タン塩、カルビ……あっ、そっちのホルモン美味しそう、……あっ、ありがと」
 肉の名前を呟く度に、亜闇の皿に次々と焼き立てお肉が盛られていく。
 亜闇はそれらを片っ端から胃袋に叩き込む。
「――え、まだこの肉は焼き終わってない? 私は多少生の部分が残った肉も好きだよ」
 牛ならレアでも平気だと、そのまま受け取って、一口にぱくり。
 先程の決意は何処へ行ったのやら、亜闇はもう完全に米の存在を忘れていた。
「……ん? 思ったよりどんどん出てくる?」
 焼いても焼いても際限なく追加される肉に、バルドヴィーノはちらりと肉置き場に視線をやった。
 其処に在ったのは、せっせと追加を運んできてくれるキマイラ達と、彼らの背後に聳え立つ元気な肉マウンテンの姿。
「仕方ねェ……出すか、本気」
 このままでは肉追加のスピードに負ける。
 それを悟ったバルドヴィーノは、ばさりと上着を脱ぎ捨てる。
 同時に、加速する肉焼きスピード。より精密さを増すトング捌き。
 無駄なく、最も効率よく焼けるように再配置された肉達。
「さぁ来い肉の山ァ! 今なら肉の焼ける音匂いを機敏に感じ取って、絶妙な加減に仕上げることだって出来る気がするぜ……!」
 ゾーンに入ったバルドヴィーノが吼える。
「うおおおー! カルビ! ごはん――は無いからロース! そしてー! タレ!」
 それに応えるように、あやも焼けた肉をリズミカルに口の中へと放り込んでいく。
 レモン、塩、焼肉のタレ。
 肉の種類によってはわさび醤油なんかもベリー合う。
「……うーん、どれも最高!!」
 甲乙付ける必要が何処にあろうか。みんな違ってみんな良い。
「うーん、このじゅうじゅうと網の上で肉が踊る音……素晴らしい!」
 舌だけでなく耳も楽しめる。ナイスハーモニー。
「そして、肉の脂がおちて、ボワッ! と燃え上がる火……芸術!」
 肉を舐める炎の揺らめきがまた食欲をそそる。パーフェクト。
 控えめに言っても100億点満点です、ありがとうございました!!!!
「いやー、やっぱり、大きな事を終えた後の、皆で食べる焼肉は格別に美味しい!」
 美味しい食事に、楽しい仲間。一仕事終えた後の心地好さ。
 最早、あやのテンションは最高潮だ。
「あ、依頼の事は忘れてないでスヨ?」
 そう、ちょっとだけ気を引き締め直しつつ。
 4人はもう少しだけこの時間に浸るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鳴北・誉人
【はらぺこんび】
相棒とのひとときを

肉食う
めっちゃ食う
え?そーゆーオシゴトなんだろ?

饗の焼いた肉もぱく
俺が焼いた肉もぱく

饗、食ってる?食えてる?
饗にも食わす
ほれ、口あけろ
焼くンに忙しい饗の口へ肉放り込む

カルビの骨にひっつく筋も全部ガリガリこそげとって食う
積み上がってく骨に貢献
崩れても積み直さない
積んでねえで食おォぜ、饗?
そんなんして遊ぶのも楽しいけどなァ

肉の塊みつけたよ饗!コレでステーキしようぜ!
半焼き?生焼け?レアのこと?まあいいや
些末なことは気にせず一緒に食う
美味しくガツガツ
ほっぺぱんぱん
もりもり食う
野菜は後回し
今は肉がいい

差し出された肉を躊躇いなくぱくつく
うんまァ…とける…!
ん、うめえな饗


香神乃・饗
【はらぺこんび】
相棒と胃袋で語らいに

そうっす肉を食べまくる仕事だから仕方ないっす!
めっちゃんこ食べるっす!

誉人!焼けたっす!
肉を育て焼けたら誉人の口にぽいぽい放込む
重ねてどーん!
良い食べっぷりっす!笑顔
誉人の笑顔も美味しいっす!
俺も食べてるっす、あーん
もりもり食べる

骨つきカルビはがりがり
齧り終わった骨は積上げるっす!崩すゲーム風に組むっす!
はっ!夢中になってたっす!あっこの肉焼けてるっす!
焦げる手前のを誉人の口にぽい

はああ!ステーキあるっすか!凄いの見つけたっす!
半焼きにするっす!生じゃないっす半焼きっす!(キラ
一番美味しい所を誉人にぽい

美味しいっす!(キラキラ
頷く

へ?野菜が入る隙間はないっす



●きみとひととき
 さて、此方の卓にもがつがつと豪快に焼肉を喰らう男が2人。
 鳴北・誉人(荒寥の刃・f02030)と香神乃・饗(東風・f00169)である。
「え? そーゆーオシゴトなんだろ?」
「そうっす、肉を食べまくる仕事だから仕方ないっす!」
 遠慮なくめちゃんこ食べるよ、仕事だもの。
 はらぺこ2人は常に食べ頃の肉が尽きぬよう、コントロールしながら肉を育て、収穫し、また種を蒔く。
 傍らに、もりもり空の皿が積み上がっていく。
「誉人! 焼けたっす!」
 新たに育ち上がった旬の肉を、饗は迷いなく誉人の口にぽいぽいと放り込んでいく。
 大きいのもドーン、小さいのもドーン。
 おっと数枚出来上がってるぞ、重ねてそーれ、ドーン!
 それを誉人は喉に詰まらせる事なく、もぐもぐと胃袋の中に収めていく。
 最高の焼き加減に、誉人の顔がゆるゆるになる。
「良い食べっぷりっす!」
 肉も勿論だが、饗には何より誉人の笑顔が一番美味しくて。
 だから、もっと見たいと、ついつい彼の分ばかり焼いてしまうのだが。
「饗、食ってる? 食えてる? ……ほれ、口あけろ」
 そこは流石に饗の相棒。
 焼くのに忙しくなり始めている饗の口へと、誉人もまた肉放り込み返す。
「俺も食べてるっす」
 主に、今。
 相棒の心遣いに、口の中で蕩ける肉に、饗の顔もほわほわと緩む。

 骨付きカルビをがりがり齧り。綺麗に肉を刮げ落とし終えたら、残った骨は積み上げて。
 何処かで見たゲーム風に組み上げる。
 あれは、崩して遊ぶんだったか、それとも崩さないよう遊ぶんだったか。
 最初はなんとなく始めた行為だったが、途中から積むことそのものに夢中になっていく。
「積んでねえで食おォぜ、饗?」
 そんなんして遊ぶのも楽しいけどなァ、と笑う声に、饗ははっと我に返る。
「つい夢中になってたっす! ……あっ、この肉焼けてるっす、誉人!」
 ばらばらと崩れていく骨タワーの処理は二の次に、焦げる手前の肉を慌てて救出。相棒の口にシュート。
 ついでに、ちょっと焦げた肉も自分の口にぽい。
 あ、わりと悪くない。

「肉の塊みつけたよ饗! コレでステーキしようぜ!」
「はああ! ステーキあるっすか! 凄いの見つけたっすね、誉人!」
 オーソドックスな肉の中に混じっていた思わぬ大物に、饗と誉人のテンションが更に上がる。
「半焼きにするっす! 生じゃないっす、半焼きっす!」
「半焼き? 生焼け? ……レアのこと?」
 きらきらと目を輝かせる饗に、誉人は意を汲み取ろうと首を捻るも。
「まあいいや」
 些末なことは気にしない。
 結局のところ、どう焼けたって一緒なら何でも美味いし、饗だってたぶんそこまで拘ってない。
 美味しく焼けたら、ほっぺがぱんぱんになるまで詰め込んで。
 差し出された一番美味しい所にも、躊躇いなくがっついて。
 野菜は後回しだ、今は肉が良い。
 そもそも、野菜が入る隙間はない。
「うんまァ……とける……!」
「美味しいっす……!」
「ん、うめえな饗」
 互いの笑顔をスパイスに、2人の宴は続いていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セツリ・ミナカタ
【SPD】
タン塩を所望する
SPDのユーベルコードを私は一切持っていないが、
強い意志で宣言すればなんとでもなると聞いた
ならばタン塩だ、できれば厚切りを炭火で焼くのがいい
奴が一枚焼けるのを待つ間にロースもじゃんじゃん焼くぞ
POWにはみ出していいならカルビも食べたい
(戦闘ルールに真面目な新兵です)
わりと先の戦争で盛大に血や肉を失いすぎた気がするので
身体が肉分を求めている
野菜は今はいらない、肉をひたすら頂きたい
どなたかと同席させていただくのなら
肉を焼く陣地の境界線を侵さないようにだけは注意しよう

ところでコンコンコンで生まれたタン塩は何のタンなのだろうか
美味いなら些末なことは気にしないが、ふと



●美味礼讃
「タン塩を所望する」
 セツリ・ミナカタ(シャトヤンシー・f27093)は、お肉補充係のキマイラ達へと力強くそう告げる。
 彼女の鋭利な面立ちを彩る虎眼石の瞳の中で、静かに燃えるはタン塩への情熱。
 タン塩食べたい。タン塩めっちゃ食べたい。ロースも食べたい。でも許されるならカルビも食べたい。
「強い意志で宣言すればなんとでもなると聞いた」
 そう、例えば定められた枠組みを越えたりとか。
「――ならば、タン塩だ。できれば厚切りを炭火で焼くのがいい」
 スピード的な何かを一切持って無くても、タン塩への熱い思いがあれば選択出来るって信じてる。
 パワー的な何かのやつに属してるカルビにだって、きっと手が届くって信じてる。
 尚、今回その辺は適当フリーダム仕様となっているので、戦闘ルールに真面目な新兵さんのタン塩愛とカルビへの欲望両方に応えられる。やったね!
 キマイラ達は任せろよ顔で頷いて、セツリのためにいい感じの厚切りタン塩を見繕うと、網の上へじゅわっと置いた。
 じわじわとタン塩が焼けていく音。厚切りだから他よりもちょっと時間が掛かる。
 その間に、セツリはせっせと周囲へとロースやカルビを並べていく。
 着々と出来上がっていくセツリのお肉畑。立派に育っていくお肉達。胃袋への出荷の時は近い。
 先日のアックス&ウィザーズの戦争の影響もあってか、セツリの身体はとにかく肉分を求めて鳴いている。主に腹が。

 そうして、ついに待ちに待った収穫の時が訪れる。
 育ち上がったタン塩に歯を立ててみれば、驚くほどすんなりと噛み切れ、口の中で蕩けていった。
 肉厚なのに柔らかい。そしてジューシー。
 まさに極上のタン塩。やばいぞこれは特上クラスの逸品だ。
 レモン塩でさっぱりとタン塩をいただいたあとは、オーソドックスにカルビ、ロースの順で、まずは塩で味わっていく。
 肉の違いが美味い。いくらでもいけてしまう。空の皿が増えていく。
 先人の残した教えに従い、濃厚なタレ系は後のお楽しみだ。
(そういえば、)
 ふと、セツリの箸が止まる。
「……コンコンコンで生まれたタン塩は、何のタンなのだろうか」
 他の部位にも言えることではあるが。
 味は牛っぽい。しかも結構良いやつっぽい。
 でも、コンコンコン製である。
 それだと、牛タンではなくコンコンコンタンとかなのだろうか。
 なんかこう、ひたすら叩いてるみたいな字面だが。コン、コン、コン、ターンッ! みたいな。
「……、……美味いなら、良いか」
 セツリは、じっと見つめていた謎タンを冷めきらぬ前に口へと放り込んだ。
 疑問は残るが、そんな些細なことより肉だ肉。

 ああ、やっぱり今日はタン塩が一番美味い気がする。

大成功 🔵​🔵​🔵​

有栖川・夏介
食べられる時にたくさん食べておくべきです。【大食い】
(手をあわせて)……いただきます。

焼肉なのですから、食べるべきはもちろん肉ですよね。
希少部位はあるでしょうか。カイボ、ザブトン、サンカク……。
定番のカルビやロースも、もちろんいただきます。
焼いて、食べて、焼いて、食べて
無心でもぐもぐ
ふむ、お米がないのは残念だなもぐもぐ

ずっとお肉だと飽きてくるので、野菜も焼きましょう
玉ねぎ、肉、ピーマン、肉、肉、ニンジン、肉、シイタケ、肉、肉、肉、肉…
…しまった。無心で焼いてたら思っていた以上に量が…!
(じーっ)
まあ、でもこの程度なら余裕か(【大食い】
お残しするのはマナーが悪いですからね
もぐもぐ、もぐもぐ



●いっぱいたべるきみがすき
 食べられる時にたくさん食べておくべきだと、有栖川・夏介(白兎の夢はみない・f06470)は思う。
 つまり、今はフルスロットルで食べるべき場面。
 特にセーブとか考えなくて良いやつだ。食べ放題だからね。
 焼肉なのだから、食べるべきはもちろん肉であろう。
 まずは肉だ、肉から行こう。
「あの、希少部位はあるでしょうか」
 ちょう近くを通り掛かったお肉補充係のキマイラへと、夏介は声を掛ける。
 ここで真っ先にそれを尋ねる辺り、やり手である。
 あるよ、という返答と共に渡されたのは、カイノミ、ミスジにトウガラシ、カイボやザブトン、サンカクなどなど、希少部位だらけの一皿。
 どこぞの世界の専門店で食べたらおいくら万円レベルだが、此処はキマフュの肉フェス会場。無料である。
 それらを豪華に網に並べたら、楽しい食べ放題の時間の始まりだ。

「……いただきます」
 これから食べる全ての肉達へ、まずは手を合わせてしっかりとご挨拶。
 赤身に霜降り、選り取り見取り。
 定番のカルビやロースも外さずに。
 肉に合わせて焼き加減を変え、食べたい部位を食べたいだけ焼いて、食べて、焼いて、食べて。
 まさに肉との真剣勝負。夏介は無心で焼き上がった肉を口に運んでいく。
 でも、やっぱり思うのは。
「お米がないのは残念だな」
 今この場にお米があったなら、きっともっと食が加速するであろうに。
 米――それは焼肉のマブダチ。
 タレにさっと潜らせた肉を、ちょんちょんと米の上でバウンドさせて、タレの味が染み込んだら一緒にぱくっといただく。
 想像しただけで至福の時間。
 無いものは仕方がないが、あの感覚が味わえないのは少し残念だ。
 肉の脂がしつこく感じてきたら、代わりに焼くのは瑞々しい野菜達。
 ひょっとしたら此処では希少部位より貴重かもしれないそれを、夏介はこれまた盛大に焼いていく。
 さっぱりとしていく口内。これでまた肉を楽しめる。
 玉ねぎ、肉、ピーマン、肉、肉、ニンジン、肉、シイタケ、肉、肉、肉、肉――野菜を挟んで肉、肉、肉。
 気付けば、こんもりと取り皿に積もっていく肉、野菜、肉、肉、肉。
「……しまった。無心で焼いてたら思っていた以上に量が……!」
 食べ切れないかと、皿の上の山と見つめ合うも。
「まあ、でもこの程度なら余裕か」
 お残しするのはマナーが悪いと、夏介は再び無心に箸を進めていく。

 その言葉通り。
 数分後には、空になった皿へとまた新たな肉を盛る夏介の姿が其処に在った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

薬師神・悟郎
【カルビ】

焼き肉食い放題と聞いて、腹を空かせてきたんだ
クロウ、真魔と一緒にいっぱい食べるぞ

片っ端から色んな部位の肉を用意すれば、どんどん焼いてもらおう
丁度良く、一番美味いタイミングで焼けていく肉の匂いに我慢の限界も近い
「では、いただきます」

口の中でとろける肉の数々は想像していた以上だ
クロウの見事な肉奉行、真魔からの酌と豪華で贅沢な食事じゃないか
だが、途中でとんでもないことに気づく
「俺は、元々そんなに食えないんだ…」
どっさりと焼けた肉の山を見て確信する
これ以上は無理だと

美味いのは知っているし、食べれるなら食べたい
申し訳ないが、これらは二人に譲る
酒を飲みながら、少し腹を休ませることにしよう


杜鬼・クロウ
【カルビ】
アドリブ歓迎

A&W戦争も無事終わったコトだし精をつけてェ!
といえば、やっぱ肉!焼肉だァ!
悟郎、凄ェ食う気満々じゃねェか
真魔も遠慮なくな?
焼くのはオニーサンに任せてくれや

用意された様々な美味な肉を焼く
部位毎に焼き加減調整
網を適度に変える
A型几帳面っぽい

まァな
どっかの誰かと違って全く料理出来ねェ訳じゃないしよ
冷めねェ内に食ってくれ
美味ェ肉は元気にしてくれる

二人の皿に取り分け

そういや乾杯がまだだった
遅くなっちまったが乾杯!(グラス合わせてビールぐいっ

エッ!いっぱい食べると言っておきながら小食かよ!
焼くのに夢中で食べてなかったわ俺

押し付けられた山盛りの肉を食べ
肉と米もぐっ
真魔の気遣いに礼言う


邪聖・真魔
【カルビ】

焼き肉食い放題なンて随分久方振りだ

普段は焼いたり作る側だが、今日はクロウが肉奉行してくれるとの事
とはいえ、彼が食べれぬ様では本末転倒…誘って貰うた手前、二人には満喫して欲しい

「いただきます」
沢山の肉に不思議とテンション上がる
「肉ってなンで、こンなに幸せな気持ちになるンだろうな……」

一休みしてる悟郎を団扇で扇いだり、飲み物用意したり白米装ったり
二人が酒を飲むならば酌をする
俺は超下戸故、烏龍茶で十分…お茶大好き!
「戦役お疲れ様…乾杯!」

自分でも驚く程、食が進む
…一人じゃない食事もたまには良いものだ
人知れず笑顔になる
誘ってくれた悟郎と御一緒してくれたクロウに感謝を
「ごちそうさまでした…!」



●饗宴
「アックス&ウィザーズの戦争も無事終わったコトだし、精をつけてェ!――といえば、やっぱ肉! 焼肉だァ!」
 盛り上がりも最高潮な肉フェス会場。其処に颯爽と現れた3人の美丈夫。
 揃いも揃ってイケメン揃いだが、エントリー団体名が『カルビ』な辺り、この男達、肉に対して本気である。
「焼肉食い放題と聞いて、腹を空かせてきたんだ。今日は2人といっぱい食べるぞ」
「悟郎、凄ェ食う気満々じゃねェか」
 薬師神・悟郎(夜に囁く蝙蝠・f19225)の意気込みに、杜鬼・クロウ(風雲児・f04599)は笑みを零す。
「真魔も遠慮なくな? 焼くのはオニーサンに任せてくれや」
「ああ。焼き肉食い放題なンて、随分久方振りだ」
 クロウの言葉に、邪聖・真魔(キマイラの咎人殺し・f01399)もまた笑みを返す。
 普段は焼いたり作る側となることが多い真魔だが、今日はクロウが肉奉行してくれるとの事。なんだか新鮮である。
(とはいえ、彼が食べれぬ様では本末転倒……誘って貰うた手前、二人には満喫して欲しい)
 なるべく己もサポートしようと、真魔も慣れた様子で肉焼き以外の部分を担う。
 悟郎によって卓にずらりと並べられたのは、定番の部位から、滅多にお目にかかれない希少な部位まで、様々な種類の肉達。
 それを、クロウは部位毎に焼き加減を調整しながら、最高の状態へと仕上げていく。
 網の様子を見て、適度に新しいものに変えていくのも忘れない。几帳面である。
 その傍らで、飲み物を用意していくのは真魔だ。本当なら白米も用意しようと思ったのだが、生憎この会場に米はないらしい。残念なことだ。
 代わりに、2人が飲むであろうと酒を近くのキマイラに分けてもらった。これで準備は万端だ。

 見事な連携プレーによって、徐々に整っていく豪華な食卓。
 丁度良く、一番美味いタイミングで焼けていく肉の匂いに、3人の我慢の限界も近い。
 2人の皿に取り分けられていく、焼きたての肉。盛られた沢山の肉に、テンションが上がっていく悟郎と真魔。
「おーッし、冷めねェ内に食ってくれ!」
「では、いただきます」
「いただきます」
 舌の上で蕩ける肉の数々は想像していた以上のもので、もう悟郎の箸は止まらなくなる。
 大口で頬張り、レモン塩とタレの違いを堪能し、口の端から溢れかけた肉汁を舌で舐め取る。
 空になったグラスは、気付いた真魔が酒で満たしてくれる。
 クロウの見事な肉奉行、真魔からの酌という豪華で贅沢な至福のひととき。
「肉ってなンで、こンなに幸せな気持ちになるンだろうな……」
 普段と比べて驚く程食が進んでいることに、真魔もまたしみじみと呟く。
「美味ェ肉は、心も身体も元気にしてくれるからな……っと、そういや乾杯がまだだった」
 遅くなっちまったが乾杯! とクロウがビールのグラスを突き出せば、2人も倣ってグラスを合わせて。
「真魔は飲まないのか?」
「俺は超下戸故、烏龍茶で十分。戦役お疲れ様……乾杯!」
 涼やかな音。楽しげな笑い声。芳ばしい肉の匂い。さぁさ、宴の始まりだ。

 だが。
 この時、悟郎は完全に忘れていた。

 己が少食であることを。

 それから、僅か数分の後。
 悟郎の箸は完全に停止していた。
 どっさりと焼けた肉の山を見て、悟郎は確信する。
 これ以上は無理だ、と。
「どうした、悟郎? もう酔ったのか?」
「俺は、元々そんなに食えないんだ……」
「エッ! いっぱい食べると言っておきながら小食かよ!」
 美味いのは知っているし、食べれるなら食べたい。
 だが、心はともかく胃がそれを許さない。物理的に無理。
 ついでに、最初から飛ばし過ぎた。
「申し訳ないが、これらは2人に譲る……」
 酒をちびちび飲みながら、団扇で扇いでくれる真魔の気遣いに礼言い。悟郎は戦線を離脱して一旦食休みの体勢に入る。
「……そういや、焼くのに夢中で食べてなかったわ、俺」
 押し付けられた山盛りの肉から適当に肉を掬うと、クロウは自分の自信作を、一足遅れて漸く口にする。
 ……美味い。
 めっちゃ美味い。
 肉の良さは勿論だが、焼き加減が絶妙。超最高。
 エッ、これ食べてなかったの俺。
 この肉にまた、ビールがよく合う!
 ビール片手に、最上の状態に仕上がった肉を頬張り、その出来にうんうん頷きながら、肉奉行は己の仕事の成果を堪能する。
 そんなクロウの傍らで、真魔も肉を口に運ぶ。
 肉とは、こんなにも鮮やかな味をしていただろうか。
 質などの問題ではない。
 こう感じるのはたぶん、もっと別のことが理由だろう。
(ああ、)
 そして、その理由はすぐに分かった。
 きっと、2人と一緒だからであろう。
(……1人じゃない食事も、たまには良いものだ)
 クロウのグラスに酒を注ぎ足して。
 そっと笑み、誘ってくれた悟郎とクロウに感謝を抱いて。
 真魔は、誰かと共にする食事の味を、改めて噛み締めるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

三岐・未夜
灯人(ともにぃ)と

お肉。……ジンガ、こんなおいしい依頼なのに自分が予知しちゃって残念だっただろな……
最後にお土産持って帰ろうね、ともにぃ

じゅうじゅうしてる……おなかすいた
基本が少食だから、ちょっとずつ好きなのを食べてくつもり
焦げた(こげた)
……何で焼くだけなのに焦げるの僕……
あ、でもこれ食べれそう
……焦げてるのも、ちょっとおいしいかも?

ん、食べてる
ともにぃとお出掛け久しぶりだからちょっとテンション上がってるし、お肉おいしいし、ご機嫌にしっぽが揺れる
サンチュ僕も食べるー、ほんとはご飯に乗せて食べるのが一番好きだけどご飯ないからサンチュ
サンチュに包むならタレはちょっと辛口のがおいしいかな……?


浅沼・灯人
未夜(f00134)と
おーし肉食いにいこうぜぇ、肉!!

だなぁ。ジンガん分はタッパーに突っ込んどこうぜ
あとで二次会やんぞ二次会

つか米ねぇのか。ねぇのか……
しゃーねえ、まずはとにかく肉食うぞ。焼け焼け!
やっぱ炭火で焼いた肉ってのは家のフライパンで焼くのとは違うねぇ……焦げまでうめぇ……

未夜食ってるか?
そーかそーか、ならいい
でもそいつは焦げすぎてっからこっち食え、な?
(未夜のもどんどん焼く)


でも米ねぇのはさみし……おっ、サンチュあんじゃん
この甘口タレでひったひたにした肉をこう(包む)してこう(口に放る)
(しばし無言で味わう姿をお楽しみください)

……んめぇ……

お、辛口もうまそうだな。交換しよーぜ!



●肉、時々サンチュ、所によりタッパー
 調子に乗って追加コンコンコンをし始めるキマイラまで現れた肉池肉林に、新たな肉の戦士達がエントリーする。
「……こんなおいしい依頼なのに自分が予知しちゃって残念だっただろな……、」
「だなぁ」
 三岐・未夜(迷い仔・f00134)と浅沼・灯人(ささくれ・f00902)は案内された卓に着きながら、今もベースで転送に勤しむ躑躅色の羅刹の胸中に思いを馳せる。
 事件を予知したグリモア猟兵は、それが解決し安全が確認されないと現場に来れない。だってみんなの命綱だからね。
 お肉だからまだ致命傷で済んだが、お寿司だったら泣いてた。
「最後にお土産持って帰ろうね、ともにぃ」
「ああ、あいつん分はタッパーに突っ込んどこうぜ。あとで二次会やんぞ、二次会」
 半ば冗談で言った『ついでにお土産とか持ってきてくれると嬉しいわァ』を本気で実行しようとしてくれる心優しさ。
 その気持ちだけで白米3杯は食えるから、どうか気にせず楽しんでいってほしいと遠き地で躑躅色も思っていることであろう。
「じゅうじゅうしてる……おなかすいた」
 周囲の卓をきょろきょろと見渡し、未夜は自分の胃の辺りを擦る。
 おなかすいた。ぐうぐう鳴ってる。さっきから鳴り止まない。
「おーし。んじゃ、どんどん焼いてこうぜ」
 肉補充係から皿を受け取ると、灯人は手際良く網に肉を並べていく。
 何気なく並べているように見えるが、実は灯人の材料を見極める観察力と、素材を活かすための技術がフル発揮されているその盤面。
 今の灯人は焼肉の匠。相手を想い調理する心をスパイスに、極上のひとときを提供致します。
「つか、米ねぇのか」
 肉補充係のキマイラに、ダメ元で尋ねる。
 ないよ、と無情にも横に振られる首。
「ねぇのか……しゃーねえ、まずはとにかく肉食うぞ。焼け焼け!」
 未夜も頷いて、好きな部位をちょこっとずつ自分の前に並べ、わくわくと仕上がるのを待つ――が。
「あ、」
 焦げた。
 ちゃんと見てたはずなのに焦げた。
 誰がどう見ても焦げた。悲しいけど焦げた。
「……何で、焼くだけなのに焦げるの、僕……」
 しょんもり未夜の耳と尻尾が垂れ下がる。なんでだろう、お肉って儚いね。
「あ、でもこれ食べれそう」
 わりと焦げが少ないものを見つけた未夜は、それ以上焼けてしまう前に、急いで自分の口の中へと避難させる。
 芳ばしく焼けたカルビの旨味が、肉汁と共に口いっぱいに広がっていく。
 次いで、仄かに感じる脂の甘味。
「……焦げてるのも、ちょっとおいしいかも?」
 奇跡のような絶妙なハーモニーに、ぴょこっと再び耳が立ちあがる。
「でも、そいつは焦げすぎてっからこっち食え、な?」
 自分作の肉を未夜の皿に入れ、灯人は未夜作の中でも最も黒いそれを自分の口へと放り込む。
 肉が良いからか、わりとギリギリラインだったのか、予想していたよりもマイルドな苦味が舌を楽しませる。
「焦げまでうめぇ……」
 やっぱり、炭火で焼いた肉というのは、家のフライパンで焼くのとはまた違う。
 同じ焦げでも、余程でなければ食べれてしまう。
「でも米ねぇのはさみし……おっ、サンチュあんじゃん」
「サンチュ僕も食べるー」
 本当は米があればベストなのだが、たまのサンチュもまた美味い。
 甘口のタレで肉をひったひたにして。
 それをこうして、こうしてドーン!!!!
 ハイッ、美味い!! 美味いぞサンチュで包んだ肉!!!!
 心の中はカーニバル。現実世界はしみじみ無言。
「……んめぇ……」
 余計な言葉なんていらねぇんだ、美味い肉の前では。
「サンチュに包むなら、タレはちょっと辛口のがおいしいかな……?」
 対する未夜は辛口にドーン。
 サンチュの瑞々しさと、ほんのりピリっと感のある甘辛さがリーンゴーン……ゴーーーールインッッッッ!!!!
 肉とサンチュの挙式に、未夜の顔がとろっとろに蕩ける。
「お、辛口もうまそうだな。交換しよーぜ!」
「うん、いーよ。僕も甘口食べたい」

 じゃんじゃん焼いて、食べて、食べて。たまに包んで、また食べて。
 烏龍茶や水で口内をリセットしたら、心機一転。また食べて。
「未夜、食ってるか?」
「ん、食べてる」
「そーかそーか、ならいい」
 久しぶりのお出かけに、いつもより心も胃袋もぽかぽかだ。
 美味しいお肉に、大好きなひと。
 ご機嫌にしっぽを揺らしながら、2人は新たなサンチュを手に取るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『タンパク質三人衆』

POW   :    ニワトリ怪人・ウェポン
【ニワトリ兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    サカナ怪人・ジェノサイド
【サカナ攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    タコさんウィンナー怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【タコさんウィンナー】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●追加食材
 猟兵達の食べっぷりに、周囲のキマイラ達のボルテージも上がっていく。
 食欲を刺激され、再び箸を取る者。
 キンキンに冷えたレモン入りの水を振る舞ってくれる者。
 ちゃんと許可を得てから動画にその光景を収める者。
 調子に乗って更にコンコンコンし始める者。
 平和と肉に満ち満ちた光景。まさにこの世はパラダイス。

 やんややんや、飲めや肉汁、歌えや讃歌、肉食え肉食えそーれそれそれ。

 いい感じの合唱まで響き始めた中。
 ついに予知されていた差し入れ怪人達が現れた。

「「「ちょっと栄養バランス偏りすぎじゃない????」」」

 そう見事なハモりを響かせたのは、おまいう感の溢れるタンパク質の塊達。
 ニワトリ怪人、サカナ怪人、タコさんウィンナー怪人の群れだ。

「見てれば、さっきから肉、肉、肉、肉……なのに鶏肉はどうした、鶏肉は!!」
「回転寿司の炙り系って美味いじゃん? ここで気分を変えて魚ってのもアリだと思うわけですよ」
「自宅でやると選択肢に入るよね、ウィンナーって」

 怪人達は、口々に好き勝手なことを述べながら、背負っていた食材を各卓へとどんどこ置いていく。
 鶏肉、魚類、ウィンナー。
 栄養バランスもクソもないラインナップである。

「まずは、それを焼いて鶏肉の美味さと炭火の万能さを思い知るが良いわ!」
「存分に焼き魚や炙り刺身を堪能していただこう! 戦うのはそれからだ!」
「悲しいけど、そういう宿命だからしょうがないね。俺達も天下取りたいし」

 鶏焼肉というのも、さっぱりジューシーで美味そうだ。
 塩胡椒でいただくのもいいし、味噌ダレとか絶対合う。
 脂の乗った新鮮な刺身を炭火で炙るのも最高だろう。
 とろりと舌の上で蕩ける、肉とはまた違った味わい。実に良い。
 焼けるにつれて足が愛らしく丸まっていくタコさんウィンナー。
 童心に返ってわくわく眺めるのも楽しいかもしれない。

 怪人達がああ言っているなら、普通にこの差し入れ達も布教的なやつであろう。
 引き続き焼肉を楽しみつつ、追加食材もありがたくいただきつつ、ついでにゆるーく怪人達を殴る程度の心構えで大丈夫そうだ。
 さぁ、食の第2ラウンドと洒落込もう。
馬飼家・ヤング
※アドリブ連携超展開大歓迎!

おっ、差し入れなん?ありがたく頂くわ
ちゅーか、鶏肉や魚やウィンナーが嫌いって誰がゆーた?わいは何でもウェルカムやで
むしろナイスマッチョなボデービルには欠かせへんで
ささ、あんたらもここ座って一緒に食いや

せや、ここらで一杯(コンコンコン)
「大吟醸・オウガころし」!(テテテテッテレー)
何やてワレ、わいの酒が飲まれへんちゅーんかい
遠慮なくぐいっとイッキに!(強引に怪人に飲ませ)
ボナペティートゥ!!
(もはやたちの悪い酔っ払いである)

ごくごくごく……かーーーーっ!たまらんのう!!
肉も酒も、まだまだナンボでもいけるでぇ!
……あ、うまそうな鶏と魚とウィンナーが(かぷ)



●それゆけ食い倒れロード
「おっ、差し入れなん? ありがたく頂くわ」
 馬飼家・ヤング(テレビウムのちっさいおっちゃん・f12992)は怪人達から差し入れを受け取ると、早速網へと並べ始める。
「わいは何でもウェルカムやで!」
 鶏肉、魚、ウィンナー。どれもナイスマッチョなボデービルには欠かせない食材だ、嫌いなわけがない。
 寧ろばっち来いだ。
「ささ、あんたらもここ座って一緒に食いや」
「え、あ、それじゃ遠慮なく……」
 ヤングは上機嫌に怪人達へも席を勧める。テンションに流され、おずおずと席に着いていく怪人達。
 あっという間に賑やかになる卓。これが平和ってやつなのかな、なんて怪人達は思った。
「せや、ここらで一杯――」
 コンコンコンと、さり気なく見つけておいたスポットを叩いてみれば、出てくるのは肉ではなく
「ハイ、大吟醸・オウガころし~!」
 国民的人気アニメのような効果音と共に飛び出したのは、物騒すぎる名前の酒瓶。
 ありなのか。それはオブリビオン的にありなのか、と怪人達の間に動揺が走る。
 何か別世界では怪人と同義語な気がするんですよ。例えば、デスゲーム盛り沢山のダークメルヘンな世界とか。
「そ、それはちょっと……自分らはいただけないかなーって……」
「何やてワレ、わいの酒が飲まれへんちゅーんかい!!!!」
 カッと泣く子も黙る勢いで怪人達に迫るヤング。テレビウムなのにこの迫力。テレビウムなのに。
「遠慮なくぐいっとイッキに!! ボナペティートゥ!!!!」
 たちの悪い酔っ払いと化したヤングは、次々と怪人達の口へと酒瓶を捩じ込んでいく。これには堪らず目を白黒させる怪人達。
 泣き出す怪人も居る中、構わず暴れる酒乱ヤング。地獄絵図である。
「……かーーーーっ!たまらんのう!! 肉も酒も、まだまだナンボでもいけるでぇ!」
 ごっごっごっ、と美味そうに喉を鳴らして、己も喇叭飲みで瞬く間にアルコール度数の高い酒を1本空にした後は、ヤングの暴走はもう止まらない。
「…………あ、うまそうな鶏と魚とウィンナーが……もうこれ食べ頃やん?」
「ッアーーーーーーー!!!!????」
 がぶりと隣の怪人の頭へと齧り付くヤング。最早食材と怪人の区別がついていない。
 惨状に、阿鼻叫喚となる怪人達。なにこれフードファイターこわい。
 そのまま、同卓の怪人達が全て骸の海へバイバイするまで、ヤングは酔っ払い食い倒れロードを走り続けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

有栖川・夏介
……よもや、あのような怪人に栄養バランスについて指摘されるとは。
とはいえ、彼ら(?)の言うことも一理ありますね。
鶏、魚、ウィンナー……ん、栄養……?
まぁ、いいか。
ちょうど味変したいと思っていたいところです。いただきましょう。

鶏焼肉はおろしポン酢でさっぱりと、
焼肉で魚は食べたことないです。これは…炙っていただけばいいのかな、と。
ふむ、やはりお米がないのが悔やまれますね。炙り寿司にしたかった。
ウィンナーは、タコさんとカニさんにするか。

ああそういえば、食材の提供はありがたいですが、怪人はご退場いただきましょうか(殴り)
さて、まだまだ食べますよ。お肉もどんどん焼きましょう【大食い】



●食は続くよどこまでも
「……よもや、あのような怪人に栄養バランスについて指摘されるとは」
 有栖川・夏介(白兎の夢はみない・f06470)は焼き南瓜を齧りながら呟いた。
 なんか、ちょっと悔しいのは気の所為だろうか。たぶん気の所為じゃないな。
(とはいえ、彼らの言うことも一理ありますね)
 いや、自分は少ないとはいえ、ちゃんと野菜を間に挟んでいたのだし、まだ比較的バランス良い方だと思うのだが。
 そもそも野菜が希少すぎるのだ。
 此処のコンコンコンは見事に肉しか出ないのだから、偏るのも当然だ。こればかりはどうしようもない。
「鶏、魚、ウィンナー……ん、栄養……?」
 差し出された追加食材へと目を通した夏介は、そのラインナップに首を捻る。
 指摘してくるからには、野菜とか米とか、偏りまくったバランスが整うようなものを持ってくるものではないのか、普通。
 偏るぞ。これは更に偏るぞ。どうしたどうした怪人達、見事にタンパク質しかないぞ。
 そうは思ったものの。
「……まぁ、いいか」
 タンパク質だらけと言えど、味変には変わりない。
 ちょうど野菜だけではリセットしきれなくなっていたところだ。有り難くいただくとしよう。タダだし。
 夏介は、さっくりと思考を切り替えると、差し入れを焼く作業へと入っていった。

 数分後。
 待ちに待った味変食材達が焼き上がる。
 鶏焼肉には、爽やかなおろしポン酢が良いだろうか。
 こってり系が続いていたので、さっぱりと行きたい。
「うん、良い感じに焼けている」
 美味しい。鶏肉特有の弾力が、また良いアクセントになっている。
 魚の方はすぐに焼き上がってしまうから、急いで網から上げて皿に出す。
 軽く炙るくらいがちょうど良いか。焼肉で魚は初めての体験だ。
「ふむ……やはりお米がないのが悔やまれますね」
 これだけでも充分に美味いが、酢飯に合わせて炙り寿司にしたら、もっと最高だったろう。
 ウィンナーは、器用にタコさんとカニさんに仕上げて、気分はちょっとした水族館。魚も横にあるし。
 悪くない出来だ。かわいい。とてもかわいい。
「ああ、そういえば」
 夏介は、思い出したように差し入れ怪人達へと目を向ける。
「食材の提供はありがたいですが、怪人はご退場いただきましょうか」
「「「やっぱりそうなりますよね!!!!」」」
 言うが早いか繰り出されるのは予備のトング。最早武器ですら無い。
 けれど、そこは猟兵。それでも問題なく怪人達をばたばたと地に沈めていく。
「さて――まだまだ食べますよ」
 味変で加速した夏介の食は止まらない。
 何せ、まだまだ胃には余裕があるのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

三岐・未夜
【団地】
あ、たろちゃんだ
たろもこっちで一緒に食べよー

あれ、ともにぃ、たろちゃん、差し入れだって
ていうか、何で焼肉の差し入れに鶏肉と魚介とたこさんウィンナー……?
オールたんぱく質はちょっと笑う
エビ焼こうエビ、イカも食べたい
ともにぃ焼いてー
たろは何食べる?

……ウィンナーなら僕でも焼ける、かなぁ……(試してみる)
(チーン)(合掌)(焦げた)
…………焦げた……たこさん……(たこさんウィンナー怪人に向けられる、とても悲しそうな視線と垂れた耳としっぽ)

何で焼いてから持って来てくれないの、ばか(八つ当たりユーベルコード)
……火加減見てるはずなのに焦げるんだもん……良いもん、ともにぃの直火焼き食べる……


浅沼・灯人
【団地】
ん、なんだなんだ?太郎も食うか?乱入か?
OK上等だ、みんなで仲良く肉食おうぜ

焼いてー何て言われたら……まあ焼くわな
いいぜ、未夜も太郎も好きなもん出せ。焼く
追加の材料どんどんこっちに寄越してくれ

鳥はお前か。ちょうどいいわその肉くれ
あとてめぇの命もな(燃やす)
んで、鳥焼いて味噌だれつけて、がっと食う
……うめぇけど、米食いてぇ……

炭火焼きに飽きてきたら俺の炎で直火焼きすっぞ
意外と美味いんだぜ、竜の炎で直火焼き
敵は跡形なく消え去るまで焼くけど温度調節くらいできらぁ
ほれ、海老もウインナーもこっち寄越せ

……で、未夜は何してんだ?
え、焦げた?……ああ、これはご臨終だな
うん、次は火加減見ながらやろうな


夢飼・太郎
☆団地
どこ見ても肉にくニクniku……
ひっ あぁ三岐と浅沼か
うん一緒に食べる食べなきゃ俺も焼肉になっちまう焼かれたくない漬けられたくない……

差し入れってオイこいつら頭が頭がたこさんウィンナーと魚と鶏肉なんだけど正気かそういう怪人なのか
ならオレはエビを焼く(ここでユベコ)

なんだこのクソエビ野郎
脚は超絶取りやすいし尻尾まで身がたっぷりだし殻までバチクソ食えるじゃねぇか
ほら三岐食ってみろ
浅沼も食えよ焼くくらいならオレだってできる
肉はいいからエビもっとくれレモン水も
結局浅沼が焼くのかよ手が空いちまったからテメェら端から焼いてやる食えそうだけど怪人だからなぁ!!

つか米は?

アレンジ大歓迎



●団地肉会with魚介
「どこ見ても肉にくニクniku……あれも肉これも肉それも肉俺も肉……」
 どこか不穏な台詞をノンブレスでぶつぶつと呟きながら、夢飼・太郎(扉やかく言うな・f00906)は空いている卓を探して彷徨い歩いていた。
 何かに怯えているかのように、ギョロギョロと忙しなく視線が動く。
「やべぇなこの場所どこ見ても肉しかねぇ何の肉だよその辺叩いたら出てくる肉って何だよでも美味そうに見えるしいやもしかしたらそれが狙いで実は実は実は――」
 太郎の苛立ちと疑問と妄想が勝手に加速する。大丈夫だよ、キマフュだもの。
「あ、たろちゃんだ」
 そんな不審で不穏な彼の存在に、三岐・未夜(迷い仔・f00134)が逸早く気付いた。
 次いで、浅沼・灯人(ささくれ・f00902)も太郎の姿をその目に捉える。
「たろちゃーん!」
「ん、なんだなんだ? 太郎も食うか? 乱入か?」
「ひっ」
 急に声を掛けられ、太郎の肩がびくりと跳ねる。
 ぐるりとそちらへと顔を向けてみれば、見知った顔がふたつ。
「……あぁ、三岐と浅沼か」
 ちょっとほっとした。知り合いが居るって大事。
「たろもこっちで一緒に食べよー」
「うん一緒に食べる食べなきゃ俺も焼肉になっちまう焼かれたくない漬けられたくない……」
「OK、上等だ。みんなで仲良く肉食おうぜ」
 未夜の誘いに、何処ぞの郷土玩具のようにがくがくと何度も頷きながら、太郎は勧められた椅子へと腰掛ける。
 良かった、焼肉になる危機は回避した。壺漬けカルビになるルートは打ち砕かれたのだ。そもそも、そんなもの存在しないのだが。
「ちわーっ、差し入れでーす。此処にサインか判子お願いしゃーっす」
「……あれ、ともにぃ、たろちゃん、差し入れだって」
「おー、そういやさっき、何か騒いでたな……これかぁ」
「差し入れってオイ、こいつら頭が……頭がたこさんウィンナーと魚と鶏肉なんだけど正気かそういう怪人なのか????」
「そういう怪人でーす」
 平然と卓を回ってきた怪人達に焦るでもなく、のんびりと応対する未夜と灯人の姿に、状況が飲み込めない太郎は目玉をぐるぐるさせながら真っ当な疑問を口にする。
 頑張れ太郎、その感性はわりとまともだぞ太郎。
「ていうか、何で焼肉の差し入れに鶏肉と魚介とたこさんウィンナー……?」
 オールたんぱく質な差し入れにちょっと笑いながらも、未夜はいそいそと食材を受け取り、卓へと並べていく。
「エビ焼こうエビ、イカも食べたい。ともにぃ焼いてー。……たろは何食べる?」
「俺もエビ」
「いいぜ、未夜も太郎も好きなもん出せ。焼くわ。……俺は鶏食いてぇな」
 和気藹々と魚介をリクエストする未夜と太郎に頷きつつ、灯人はニワトリ怪人へと視線を移す。
「鶏はお前か。ちょうどいいわ、その肉くれ。――あとてめぇの命もな」
「おっといきなりそう来たオギャーーーーーーーーッ!!!! おいしく食べてねッッッッッッ!!!!」
 無慈悲に吐き出された竜の炎がニワトリ怪人を骸の海へと強制送還していく。早い。
「ならオレはエビを焼く」
「いや魚介は持ってきましたけど、自分サカナ怪人でしてアバーーーーーーーッ!!!!」
 今度は太郎が放ったドア破りミサイルが、ばかすかとサカナ怪人を吹き飛ばしていく。儚い。
「さぁて、焼くかー。未夜、追加の材料どんどんこっちに寄越してくれ」
「うん」
 何事も無かったかのように再開される焼肉。怪人に構っている暇は無いのである。

「なんだこのクソエビ野郎、脚は超絶取りやすいし尻尾まで身がたっぷりだし殻までバチクソ食えるじゃねぇか!!」
 一足早くエビを焼き終えた太郎は、もっしゃもっしゃとハムスターのようにエビを頬張りながら、レモン水をかっ喰らう。
「肉はいいからエビもっとくれ。レモン水のおかわりも。……ほら、三岐食ってみろ。浅沼も食えよ、焼くくらいならオレだってできる」
「あ、おいしい。たろちゃんエビ焼くの上手」
 未夜も太郎作の焼エビの美味さに破顔する。
「次貰うわ。先にこっち出来そう――っと、」 
 灯人はと言うと、先程ニワトリ怪人からゲットした鶏肉を炭火でじっくり育てていた。
 中までしっかり火が通った事を確認すると、味噌だれを絡めて齧り付く。
 濃厚な味噌だれが、さっぱりとした鶏肉によく合う。
「うめぇ……、……うめぇけど、米食いてぇ……」
 だが悲しいことに米はない。お米が恋しい。
「……ウィンナーなら僕でも焼ける、かなぁ……」
 其々自分好みにエビや肉を育て上げていく大人達。それが何だかちょっぴり羨ましくなった未夜は、これなら自分にも行けるのではないかとタコさんウィンナーへ手を伸ばす。
 ほら、これなら焼けたら足が丸まるし、皮も破けるし。いけるいける。
 最初はそう思っていたのだが。
「……、……」
 結果は無残なものだった。
 目の前には、体内の炭を吐き散らかしたかの如く黒く染まったタコさんの焼死体。
「たこさん……」
 出だしはわりと順調だった。何処で歯車が狂ったんだ。
 未夜の遣り切れない気持ちが、たまたま近くに居たタコさんウィンナー怪人に向けられる。
「何で焼いてから持って来てくれないの、ばか!」
「ンヒーーーーーッ!!!! ちょっとそれは管轄外ですねーーーーーーーーッ!!!!」
 八つ当たりで放たれた、未夜の悲しみを色濃く映した炎が、タコさんウィンナー怪人の身を焦がしていく。
「……未夜は何してんだ?」
 炭火焼きに飽き、自分の炎で直火焼きを楽しんでいた灯人が、漸く未夜の惨状に気付いた。
「ウィンナー焼いてたんだけど……ともにぃ、焦げた……」
「え? ああ、これはご臨終だな」
 それは怪人のことなのか、それとも食材のことなのか。たぶん両方だろうが。
「うん、次は火加減見ながらやろうな。……ほれ、エビもウィンナーもこっち寄越せ」
「……火加減見てるはずなのに焦げるんだもん……良いもん、ともにぃの直火焼き食べる……」
「結局浅沼が焼くのかよ」
 数匹目のエビをごくりと飲み込んで、太郎は黒焦げタコさんウィンナー怪人の様子を見に集まってきた怪人達へと視線を走らせた。
 直火焼きタイムなら、己に出来ることはない。口から火とか出ないし。
「手が空いちまったからテメェら端から焼いてやる。食えそうだけど怪人だからなぁ!!」
 再度喚び出されたドアから、怪人達目掛けて大量のミサイルが射出されていく。
 新たなエビが焼き上がるまで、太郎のミサイル乱舞は止まらないのであった。

「つか米は?」
 無いのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ランツェレト・ドゥトロワ
【GBBE-A】
傑(f22761)と。

アドリブ、マスタリング歓迎

_

差し入れをありがたく受け取り、丁寧に焼いていく
焦げたものは私が食べよう。気にしないしね。
綺麗に焼けたものを傑(と彼女のご友人)の皿の中へよそっていき、今日も恵みに感謝をして祈りを捧げる


「…ん」
旨い。
肉も魚も柔らかくジューシーで、噛むほど旨味が口いっぱいに広がる。「タコサンウインナー」とやらも見て楽しいうえ、美味しい

「…旨いな、傑、ご友人」
彼女たちとゆっくり話をしながらするご飯はとても楽しく。
そして何より花のような可憐な笑顔に、此方も思わず笑みが零れた。

_
(怪人たちが傑らに危害を加えるようであれば
【其は全て夢の彼方】にて相殺を)


二十九・傑
【GBBE-A】
ランス(f22358)とご一緒に
アドリブ、大好物ですよ

knock、knock!

「ともだち」が幾度も繰り返すものですから
肉が山となっております

挑む甲斐があるというものです

ともだち
悪魔は笑うばかり
もう一度、knock



肉は焼いていただくものと習いました
「ともだち」とランスに任せて
わたくしはお皿を差し出すに限ります

ああ、美味しい
肉なんて何時ぶりでしょうか

たらふく頂きましょうね

次いつ肉で腹を満たせるか
なんて分かりませんから
売れない作家とはそういうものです

おや、ランス
あなたが食べなくてどうします

わたくしはあなたを真似て
網から肉を、あなたのお皿に乗せました

「‥‥ふふ」
ええ、おいしいです



●Hello Yakiniku time! -Side:A
 突如出現した怪人達の群れであったが、キマフュの住人達も慣れたもので阿鼻叫喚とはならず。
 寧ろ、彼らが差し入れを配るのを手伝う者までいるレベルの落ち着きっぷりで。
 そんな住人達の姿に、猟兵達は安心して焼肉を再開する。
 今は怪人達よりも肉だ、肉。あと差し入れの諸々。

 ――knock、knock! knock、knock!

 各卓に食材が配られていく中。
 キマイラ達の暢気なコンコンコンの音に混じり、スタイリッシュなノック音が響く。
「挑む甲斐がありますねえ」
 二十九・傑(あと八つ・f22761)は、飽きもせず楽しげに肉の追加コンコンを繰り返す「ともだち」と、山盛りになった肉を交互に眺めて呟いた。
 此処まで来ると壮観である。
 ともだち――悪魔は笑うばかりで、ノックする手を止める様子は欠片もない。
 最早、枚数を数えることすら難しい程になった肉の山であるが、いくら積み上げたところで己の懐が痛むわけではない。
 ならば止める必要も無いだろう。だって、たらふく食べるつもりで来ているのだし。
 タダ飯、それも肉の食べ放題。乗っからずして、何に乗る。遠慮は無用だ。
 次は何時、肉で腹を満たせるか等、問うても誰も答えることは出来ないのだ。
(売れない作家とはそういうものです)
 己を見ながらノックを続けるともだちへと、傑は「いいぞもっとやれ」と言わんばかりの頷きを返す。
 その向かいで、ランツェレト・ドゥトロワ(湖の・f22358)は肉と差し入れられた食材をせっせと焼いていた。
 炎の揺らめきに合わせて肉の位置を調整し、裏も表もムラ無きように万遍なく、丁寧に火を通し仕上げていく。
 折角の食材、折角の食事の席。なるべく相手には最高のものを渡したい。
「……ああ、ご友人。手伝ってくれるのか、ありがとう」
 途中からノックに満足した傑のともだちも焼く作業に参戦し、賑やかさを増していく網の上。
 行儀良く並んだ肉達の横、気紛れに遊ぶ鶏と魚の群れ。 
 ともだちのフリーダムさを微笑ましく眺めながら、ランツェレトは其々の焼き加減を確かめる。
「そろそろ頃合いだろうか」
 綺麗に焼けたものは、傑とともだちの皿へ。
 少し焦げのあるものは己の皿へと振り分けたら、準備は万端。
「さあ、さあ、いただきましょう。冷めると肉が硬くなってしまう」
 今日もこうして恵みがあることに、感謝の祈りを。
 ぱふりと手合わせ、いただきます。
 芳ばしく焼けた肉を一口食めば、炭火の香りが鼻を抜ける。
 ぶわりと溢れ出す肉汁に頬が蕩ける。
 鶏肉も鶏肉で、カリッとした皮と、引き締まりつつも柔らかい身のコントラストが堪らない。
「ああ、美味しい……肉なんて何時ぶりでしょうか」
 1枚1枚噛み締めて。されど、口に運ぶペースは早く。
 傑は次々と盛られた肉を平らげていく。
「……ん」
 ランツェレトも、口の中でほろほろと崩れていく魚に、やんわりと目を細める。
 肉とは違ったジューシーさ。炙り加減で変わる食感。癖になりそうだ。
(タコサンウインナーとやらも、楽しいうえに美味いな……)
 ぱちぱちと焼けていく様は、まさに踊っているようだ。
 歯を立てれば、パキッと小気味いい音と共に弾ける脂。噛めば噛むほど広がる旨味。美味い。
「おや、ランス。肉があまり無いではありませんか。あなたが食べなくてどうします」
「ありがとう、いただくよ」
 魚やタコさんウィンナーばかりになっているランツェレトの皿へ、傑は先程の彼を真似て食べ頃の肉を入れていく。
 分かち合った方がより美味い。なぁに、肉はまだまだ沢山、それこそ食べ切れない程にあるのだ。
「……ふふ」
 至福の味に、傑が咲う。
 胃と心を満たす美味い食事。
 語らいながら、ゆっくりと過ごす楽しい時間。
「……旨いな、傑、ご友人」
「ええ、おいしいです」
 傑の浮かべた花のような可憐な笑顔に、ランツェレトもまた笑みを零した。

 尚、此処まで出て来ていない怪人達であるが。
 食事の合間に攻撃を飛ばしてきてはいたものの、ランツェレトに悉く攻撃を相殺された挙句、ともだちの自慢の爪によって何時の間にかさっくりと骸の海へリリースされていたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ベル・マグニフィカト
【GBBE-B】
カルディア、リュカと。
アドリブ歓迎
-
SPD

炎の精霊から生まれる火のあたたかさが気持ち良くて、皿に装う肉の偏りなんか気にしていられない。
肉はいっぱいあるし……まあ、いっか。

(うとうと、うとうと)

夢路も半ば、顔目掛けて何かが飛んできた。
いてて、痛い。痛い。
突然のことで訳もわからないまま、寝ぼけ眼で食らいついたそれはサカナの怪人だった。

「これも、食べで良い頃合い、か?」

「いただき、ます。」

手も合わせずに怪人の頭を数度食み、

「……美味い。ふたりも、食うか?」

なんて。

齧られて慌てる歯形付きの怪人を他所に、カルディアとリュカに勧めて。

何事もなかったかのように装った肉を呑気に食べ始めた。


リュカ・テレンシウス
【GBBE-B】WIZ
皆でご飯食べるのって初めてだから、わくわくだなぁ
お肉って色んな種類があるんだね

もっと焼いた方がいいの?
まだかなぁ、まだかなぁ

怪人さん?
食材分けてくれるんだ
鶏肉、お魚、タコさんウインナー!
どれもとっても美味しそう
あぁ、でも悪戯は駄目だよ
攻撃されたらUCを使って攻撃
ご飯は美味しくお行儀良くだからね

焼けた?
食べていい?

それなら、両手を合わせて
「いただきます!」
この前、教えて貰ったんだ
命をいただきます、美味しい、嬉しい、それをくれる食材にありがとう
人形の僕に命はよくわからなかったけど
今、皆で食べてるこの時間でわかったよ
とっても素敵な言葉だ

うん!ベル、カルディア
とっても美味しいね!


カルディア・アミュレット
【GBBE-B】
アドリブ可
POW

それじゃあ…食べましょう、か?

怪人達が力強く話してくれるから…きっと美味しいのね
もらう物、焦がさないように【料理】
火加減は自分の炎の精霊に頼み、調整しながら焼く
取り分けはベルにお任せ…

「ええ、お待たせした、わ…
もう取って大丈夫
これも…食べごろ」

「三種類もあるから食べるのが楽しみ、ね」

いただきます、というのを見ると
初めて見る仕草…
「いただきます…?」と真似したり

鶏肉パクリ…
「!…おいしい
これをじゅーしー…というのね…」
美味しくて、ほわり表情を綻ばせる

「リュカ、ベル…、そっちは…どう?おいしい?」

・怪人が悪戯しようとしたらUC
炎で怪人包む
…お行儀悪いの…ダメ、よ?



●Hello Yakiniku time! -Side:B
 騎士と作家先生方が穏やかに食事を楽しむ、その隣の卓。
「お肉って色んな種類があるんだね」
 聞こえてくるのは、リュカ・テレンシウス(mon petit prince・f23746)の楽しげな声。
 皆で食事を共にするのは初めてだ。
 それも、こんな形式で。見たこともない肉もあって。
 焼けていくのを眺めているだけで、わくわくと心が躍る。
「もっと焼いた方がいいの?」
「あと、もう少し……」
 焼き加減を確認しているのは、カルディア・アミュレット(命の灯神・f09196)だ。
 炎の精霊へと頼み、時に火の勢いを調整しながら、カルディアはじっくりと焦がさぬように肉を育てていく。
 その傍らで、うとうとと微睡んでいるのは、ベル・マグニフィカト(No.4・f22386)。
 炎の精霊から生まれる火のあたたかさが気持ち良くて。つい、気付くと瞼が落ちてしまう。
「……まだかなぁ、まだかなぁ」
 芳ばしい匂いが鼻を擽る。
 今焼いているのは、何という肉だろう。あまり馴染みが無い部位だった。
 どんな味がするのだろう。やっぱり、初めて食べる味がするのだろうか。
 ああ、焼けるのが待ち遠しい。
「その楽しみに、此等を加えるのはどうかな?」
「怪人さん?」
 何時の間にか卓の傍へと現れたのは、異形頭の怪人達。
 その背中には沢山の食材。どうやら、それを分けてくれるらしい。
 並べられたのは鶏肉、お魚、タコさんのウィンナー。どれもとても美味しそうだ。
「鶏肉は良いぞ、牛や豚とはまた違う良さがある。脂がしつこくなく、身も引き締まっていて、こんがり焼けた皮には仄かな甘み……最高だぞ!」
「魚も良いぞ、刺身で食べればさっぱりと。炙って食べれば蕩ける食感。肉よりも爽やかな脂がまたやみつきになる!」
「タコさんのウィンナーはまず見た目が可愛い。アレンジして他の動物や花にも出来る、無限大の可能性。そして味も美味しい。言うこと無し!!」
 力強く其々の良さをアピールしていく怪人達。
 ここまで熱く語ってくれるのだ。相当の自信があるのだろう。
「なら……それも一緒に、焼きましょう、か……」
 カルディアは怪人達から受け取った食材を、空いているスペースに置いていく。
 新たな頼みを受けた炎の精霊が、食材に合わせて細かく火加減を調整し始める。
 ゆらゆら、ゆらゆら、炎が揺れる。
 そうしているうちに、最初に焼いていた分が食べ頃となってきた。
「焼けた? 食べていい?」
「ええ、お待たせした、わ……もう取って大丈夫」
 取り分けるのは、ベルの役目。
「……肉はいっぱいあるし……まあ、いっか」
 ベルは2人の皿を受け取ると、肉の偏り等全く気にせず、心のままに焼けたものを盛っていく。
 あらかた取り分け終えると、ベルは再びうとうとと半ば夢の世界へ旅立ち始めた。
「それじゃあ……食べましょう、か?」
 冷めないうちに、と笑むカルディアに、リュカは大きく頷いて。
 両手を合わせて、元気な声で。
「いただきます!」
「いただきます……?」
 初めて見る仕草だ。
 リュカを真似し、カルディアもまた手を合わせる。
 それを見て、この間教えて貰ったことばなんだ、とリュカは笑った。

 ぱちぱち、じゅうじゅう、じわじわ。
 美味しそうな音を立てて、怪人達に貰った食材も焼けていく。
「これも……食べごろ」
 その言葉を合図に、ベルが夢の世界から帰ってくる。皿に適当に盛られていく、鶏肉や魚、ウィンナー達。
「三種類もあるから食べるのが楽しみ、ね」
 カルディアは、山の頂に乗っていた鶏肉を取ると、ぱくりと一口囓ってみる。
「! ……おいしい」
 牛肉よりも肉厚な身から、じゅわりと溢れ出す肉汁。美味しくて美味しくて、ほわりと表情が綻んでいく。
「これをじゅーしー……というのね……」
 知識にあった言葉と照らし合わせて、うんうん頷く。これがじゅーしー。成程、まさしくそんな感じだ。
「リュカ、ベル……、そっちは……どう? おいしい?」
「うん! ベル、カルディア、とっても美味しいね!」
 リュカもウィンナーをゆっくり味わい、飲み込んで。カルディアへと笑顔を返す。
 ベルはというと。
「……、……」
 器用にも、炙った魚を片手に、こくりこくりと舟を漕いでいた。

 夢路も半ば、一番気持ちの良い頃。
 良い匂いとぬくもりの中で、最高の眠りを楽しんでいたベルの顔目掛けて、突如何かの影が飛んでくる。
「――!、いてて、痛い。痛い」
 訳もわからぬまま、寝惚け眼をぱちぱちさせて。ベルは、とりあえず目の前の影へと大口を開けて喰らいつく。
 ぎゃんっ! と声を上げたのは、先程差し入れを持ってきた怪人達のひとり。魚頭の怪人だ。
「これも、食べて良い頃合い、か?」
 もむもむ怪人の頭を咥えたまま、ベルは2人に問う。
 2人からは苦笑が返ってくるが、まぁ、止められないということは大丈夫なのだろう。
「いただき、ます」
 齧られて慌てる怪人を他所に。ベルは数度、しっかり歯型が残るくらい、怪人の頭をがじがじ食んだ。
「……美味い。ふたりも、食うか?」
 なんて、そんな冗談ともつかぬ言葉を口にして。
 味に飽きたか、ベルは何事もなかったかのように、装っておいた肉を呑気に食べ始めた。
 ひんひん蹲って歯型の付いた頭を撫で擦る魚頭の怪人の元へ、仲間がわらわら集まりだす。
 その目に燃えるは復讐の炎。ベルにひと泡ふかせてやるぞ、と息巻く怪人達であったが。
「大丈夫? ……あぁ、でも悪戯は駄目だよ」
 行く手を阻むは、針の生えたぬいぐるみ達と、リュカとカルディアの声。
「ご飯は美味しくお行儀良くだからね」
「……お行儀悪いの……ダメ、よ?」
 冷たく燃える青き焔が、粗相をする前に怪人達を燃していく。
 さぁ、悪い子達には骸の海へ御退場願おうか。

 多少のトラブルはあったものの、まぁこの程度ならば、ちょっとしたスパイスだ。
 よく焼けた肉を眺めながら、リュカは食事の始まりを思い出す。
 ――いただきます。
 命をいただくことへの、感謝の気持ちが沢山込められた言葉。
 人形のリュカには、命というものはよくわからなかったけれど。
(今、皆で食べてるこの時間でわかったよ)
 皆で過ごす、この柔らかなひととき。
 美味しい、嬉しい――それをくれる食材に、ありがとう。

 命を、いただきます。

 そう、一言小さく呟いて。
 リュカはかぷりと肉を食んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

天道・あや
引き続き【芋煮艇】で!

おお!追加メニューと一緒にオブビリオンが!?……あ、どもども、ありがとうございます。うーん、お魚も美味しそう…!では、頂きまーす!

うーーん!美味しい!このお魚の油!お肉とはまた違った美しさ!そして味!喉に滑るように入っていく、そして感触もグッド!このスッと舌の上で溶けるような感覚…!いやー、お肉もいいけど…お魚もいいね!焼肉!いや、焼魚!皆もよかったら、食べてよ!あ、変わりにそのウィンナーとか鶏肉と交換って事で……


……っと!?て、敵の策略に見事に嵌まってしまってた!し、しかし、今気がついたら、セーフ!というわけで反撃!というか、お礼の一曲を!【歌唱、楽器演奏】


紗咲・亜闇
【芋煮艇】

おっ、追加が来たか!
これはご丁寧にどうもありがとう。(怪人たちをキマイラフューチャーの住民たちだと思っている)

焼肉の場で食べるものとしてはランクが低いと思われるかもしれないけど、タコさんウインナーって好きなんだよな。
ウインナーの楽しみ方としては邪道かもだが、このタコさんの足みたいな細い身のウインナーの食感が子供の頃から好き。

おっ、魚と鳥もあるのか?
うんうん、分かった。皆で交換し合えば全部食べれてお得だな。

なぬっ!?この親切な人たちはオブリビオンだったの!?
なら仕方ないか…(すぐに切り替えて【クイックドロウ】からの【なぎ払い】)

……バラバラになったらこいつらも食材っぽく見えてきたな。


暁・アカネ
【芋煮艇】で参加!

なんと!差し入れだなんて…気配りの達人ね!
それにしてもよりどりみどりで困っちゃうわ!

この鳥怪人の言うことにも一理あるわね…牛、豚と来たなら鳥に行くか!
鳥も色々な部位があるけどよくわからん!とりあえず焼けばいいか!と網にポイポイお肉を並べていくわ!
むっ閃いた!滴る肉汁を見れば判別できそう!油の多そうな部位はお塩でさっぱり目に!あっさりな部位は…とっておきの柚子胡椒!

お魚やウィンナーも美味しそうよね!交換会をしましょ!
鳥もいっぱい焼いたからどんどん持ってって!

そういえば怪人を倒さなきゃなんだっけ?
焼き肉らしく【火行】を纏った剣で思いっきりアチョーッ!と叩く!お肉だから焼かないと!


バルドヴィーノ・バティスタ
【芋煮艇】
…なーんか…なァ?別に肉いらねェって訳じゃねーけど?むしろもっと持ってこいやって感じだけど?
ここらであっさりしたもの欲しいっつーか…
うおっ怪人!?…差し入れ?お、おう…どうも?

や…でも…魚ぁ?焼肉なのに?
どれ…お?こりゃ意外と…いやかなり…イケる!うめぇ!!
外は炙って中は赤いマグロにガーリックソース!
塩胡椒で焼いたタイにレモン!
いいじゃん…いいじゃん魚!
いやーありがとな怪人!魚の旨さ教えてくれて!
ところで…良いものなら根こそぎ奪いたくなるのが盗賊でなァ?

…さーて!UCの仕掛け網で魚大漁!怪人は落とし穴にボッシュート!
まだまだ食うぜ!他にも食材あんの?オレも欲しい!魚分けるからさ!



●続・おつかれ祝勝焼肉会~味変編~
「……なーんか……なァ? 別に肉いらねェって訳じゃねーけど? むしろもっと持ってこいやって感じだけど?」
 バルドヴィーノ・バティスタ(脱獄狼・f05898)はむぐむぐと肉を咀嚼しながら、代わり映えしなくなってきた網の上を見つめていた。
 絞り終えてカラカラになったレモンが、またひとつ空いている皿に放り込まれる。
「でも、ここらであっさりしたもの欲しいっつーか……、」
 どんなに美味い飯でも、高級食材でも、ひたすらそればかり食べていれば飽きが来るというものだ。
 米があればまた別だったかもしれないが、場にあるのは申し訳程度の野菜のみ。肉の数に比べて、圧倒的に足りない。
 そろそろタレ変更と、たまの野菜だけでは誤魔化せなくなってきた。
 せめて、こう、何か変わり種とまでは行かなくとも、タイプの違う何かがあれば――そう思っていた時だった。
「ハァーーーイ! お待たせしました、追加メニューの差し入れでーーーす!」
 元気なタンパク質達の声。差し入れ怪人の群れだ。
「うおっ、怪人!? ……差し入れ?」
「差し入れっす!!」
「お、おう……どうも?」
 展開がいまいち飲み込めていないが、まぁ、差し入れなんだろう。そう言ってるし。
「おお! 追加メニューと一緒にオブビリオンが!?……あ、どもども、ありがとうございます」
「なんと! 差し入れだなんて……気配りの達人ね!」
 天道・あや(未来照らす一番星!・f12190)と暁・アカネ(アホの狐・f06756)の表情も、ぱあっと明るいものになる。
 この状況で味変は有り難い。オブリビオンとかこの際気にしない。
「おっ、追加が来たか!」
 ワンテンポ遅れて、紗咲・亜闇(相克のスケバン・f21822)も肉との真剣勝負を中断し、顔を上げた。
「これはご丁寧に、どうもありがとう」
 肉に集中していた所為で、先程のあやのオブリビオン発言を聞いていなかった亜闇は、ナチュラルに怪人達のことをキマイラフューチャーの住民達だと思い込んでいた。天然さんなのかもしれない。

 そんなこんなで、祝勝焼肉会の第2ラウンド開幕である。

「それにしても、よりどりみどりで困っちゃうわ!」
 アカネはいそいそと卓に食材を広げながら、嬉しい悲鳴を上げる。
 鶏、魚類、ウィンナー。どれから食べるか迷ってしまう。
「うーん……牛、豚と来たなら鶏に行くか!」
 そういえば鶏肉はまだ食べていない。ここは鶏肉を選ぶべきであろう。まだまだ肉食べたい。
「鶏も色々な部位があるけど……よくわからん! とりあえず焼けばいいか!」
 考えるのを2秒で放棄したアカネは、とりあえず網にポイポイ適当に鶏肉を並べていく。
 食えりゃ良いんだよ、食えりゃ精神である。
 小気味良い音と共に、鶏肉がじゅわじゅわ焼けていく。
 暫くの後、辺りに食欲をそそる匂いが漂い始める。
「んー……」
 先程は、どの部位でも美味いしとりあえず焼けばいいかと思ったものの。
 やっぱり、どうせ食べるならば、部位に合わせてベストマッチな調味料でいただきたい。
 しかし、どう判別したものか。
「――むっ、閃いた!」
 滴る肉汁を見れば、ある程度部位を判別できるのではないか。
 アカネの視線が、網を伝い滴り落ちる肉汁へと向けられる。よっしゃこれなら行ける。勝てる。
 脂の多そうな部位は、塩でさっぱりと。あっさりな部位は、とっておきの柚子胡椒で味付けすれば、さぁ完成。
 一口食べればもう止まらない。おいしい。お肉おいしい。箸が止まらないおいしい。
 牛や豚も勿論良いが、これはこれでハマってしまいそうだった。

 一方、あやとバルドヴィーノは迷いつつも魚の方に惹かれていた。
「お魚も美味しそう…!」
「や……でも……魚ぁ? 焼肉なのに?」
 そうは思うものの、やはり好奇心には勝てない。
 2人は、新鮮な刺身達を、焼きすぎないよう注意しながら網の上で炙っていく。
 火を通しすぎれば、ただの焼き魚となってしまう。外が軽く色付く位が頃合いだろうか。
「では、頂きまーす!」
 先陣を切ったのはあやだ。
 食べ頃になった炙りサーモンを醤油にちょんちょんと程好く付けて、ぱくりと口内へ。
 その瞬間、弾ける旨味。開かれる扉。広がっていく新たな世界。
「うーーん! 美味しい! このお魚の脂! お肉とはまた違った美しさ! そして味!」
 思わず足をぱたぱたとさせながら、あやは予想以上の美味さに悶える。
「喉に滑るように入っていく、そして感触もグッド! このスッと舌の上で溶けるような感覚……!」
 うっとりと表情を蕩けさせたあやの食レポに、バルドヴィーノの喉が鳴る。
「どれ……、……お?」
 倣って、まずは同じくサーモンをひとつ。
 成程、これは、
「こりゃ意外と……いやかなり……イケる! うめぇ!!」
 最初はどうなることかと思ったが、踏み出してみて大正解。
 魚なので種類も豊富。調味料との組み合わせも無限大。
 マグロにガーリックソース。塩胡椒で焼いたタイにレモン。これ以外にも沢山、沢山。
「いいじゃん……いいじゃん魚!」
 まだまだ未知であるが故、これは開拓し甲斐がある。あやとバルドヴィーノは、オススメを共有しながら、様々な組み合わせを試し始めるのであった。

「焼肉の場で食べるものとしては、ランクが低いと思われるかもしれないけど。……タコさんウィンナーって好きなんだよな」
 自宅での焼肉ではよくある食材であるウィンナーだが、外の場で食べることは少ないかもしれない。
 そんな中、亜闇が選んだのは愛らしく切られたタコさんウィンナー。
 居るとちょっと嬉しい、お弁当のおかずでもお馴染みの存在だ。
 派生形としてカニさんやウサギさん、四葉のクローバーなんかもあるが、今日はタコさんの気分だ。
 亜闇は、ぱちぱちと炭火に炙られ、細く丸まっていく足をのんびりと見つめながら、幼少期のことを思い出す。
 ウィンナーの楽しみ方としては、もしかしたら邪道かもしれないが。
 このタコさんの足のような、細い身のウィンナーの食感が幼い頃から好きなのだ。
 少し色が濃くなり、くるくると足が広がったら食べ頃だ。
 暢気な印象の顔がなんとも可愛らしい。
 皿の上にわちゃわちゃ数匹遊んでいる姿も、また愛らしく。食べるのがちょっぴりもったいなく思える。
 意を決して囓ってみれば、じゅんわり舌に広がる肉汁。細くてカリカリした足の食感。
 おいしい。そして、なんだか少しほっとした気持ちになる。
「ふふ、」
 笑みが溢れる。ほわほわと心が躍る。胸の奥があたたかい。
 ああ、箸休めにはちょうど良い。本当に。

「いやー、お肉もいいけど……お魚もいいね! 焼肉! いや、焼魚!」
 あれから、あやはすっかり炙り魚の虜になっていた。
 お肉も好きだが、魚も良い。どっちも良い。両方あれば超嬉しい。
「おっ、魚と鶏もあるのか?」
「うん! 皆もよかったら食べてよ! ……あ、変わりにそのウィンナーとか鶏肉と交換って事で……」
「それは良いわね、交換会をしましょ! 鶏もいっぱい焼いたからどんどん持ってって!」
「オレも欲しい! 魚分けるからさ!」
「うんうん、分かった。皆で交換し合えば全部食べれてお得だな」
 楽しげに各々の選んだ食材を交換し、舌鼓を打つ芋煮艇の面々。
 彼らが和気藹々と盛り上がっている傍らで、差し入れ怪人達はうんうんと満足げに頷いていた。
 布教は成功したのだ。我々は実に良い仕事をした。
 後はこの隙に攻撃を叩き込んで天下を取るだけである。
 だが、まぁ。
「……っと!? て、敵の策略に見事に嵌まってしまってた!」
 そう簡単には行かないのが人生である。
「し、しかし、今気がついたら、セーフ! ――というわけで反撃! というか、お礼の一曲を!」

 やんややんや、飲めや肉汁、歌えや讃歌、肉食え肉食えそーれそれそれ。
 でも魚も良いよね、新世界だね。
 炙れや炙れ、ウィンナーも炙れ、炭火で鶏肉そーれそれそれ。

 キマフュの住人達が歌っていた謎の合唱にアレンジを加えた、ゆるーい曲が響く。
 聞いているだけで、なんだか色々炙りたくなっていくそれが、怪人達の脳をシェイクする。
「そういえば怪人を倒さなきゃなんだっけ?」
 アカネも火行を纏った剣で、思いっきりニワトリ怪人をぶっ叩く。お肉だから焼かないと理論である。
「いやー、ありがとな怪人! 魚の旨さを教えてくれて!」
「あ、ハイ、わかっていただけて嬉しいっす」
 次々と焼鳥にされていくニワトリ怪人の惨状に震えていたサカナ怪人は、バルドヴィーノのその笑顔に一瞬ほっとしかけるも。
「ところで……良いものなら根こそぎ奪いたくなるのが盗賊でなァ?」
「デスヨネーーーー!!!!!!!!!」
 そのまま抵抗する間もなくフィッシュされて、ぽっかり開いたダストシュートにシューーーーッされていく。
 卑怯? 引っかかる方が馬鹿なのである。
「なぬっ!? この親切な人たちはオブリビオンだったの!?」
 周りの仲間達の立ち回りに、亜闇は漸く相手が敵だと気が付いた。
「――なら、仕方ないか」
 敵だと認識するやいなや、切り替え早く怪人達を光の斬撃で薙ぎ払っていく亜闇。容赦ゼロである。
 差し入れは嬉しいが、それとこれとは話が別なのだ。
 あっという間に怪人達の野望が潰えていく。
「……バラバラになったら、こいつらも食材っぽく見えてきたな」
 しおしおと地に伏した怪人達を見て、亜闇はぽつりと呟いた。
「肉も魚もまだたくさんあるし、続きやりましょ」
「おっしゃ、まだまだ食うぜ!」
「よーしっ、焼肉! 焼魚ー!」
 怪人達を食べずとも、卓には未だ大量の食材がある。
 斯くして、祝勝会はもう少し続いていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

スキアファール・イリャルギ
なんだこの人たち怪人だけど良い人たちだ……
(頂いたお酒飲みつつ)
(少し酔いが回ってきた)
鶏肉も魚もウインナーも全部一通り貰って
肉の合間に美味しく味わいます

あ、腹はまだ余裕なんでご心配なく
これは自分の限界を知るチャンスかもな……(※お腹の話)

しかし相当食べた筈なんですが尽きないですね肉……
折角だから怪人さんたちも肉を食べたらどうです?
有無を言わさず皿を用意して盛り付けます
さぁ遠慮なくどうぞ?
ん? 私が焼いた肉が食えないっていうんですか?
(ニコリと威圧)
(お肉好キアファールさん酔ってる)

……食べ続けたんで流石に顎が疲れてきました
休みがてら怪人さんを密かに静かに
あまり苦しませずに倒しておきましょう



●お肉好キアファールさんは酔っている
(なんだこの人たち、怪人だけど良い人たちだ……)
 スキアファール・イリャルギ(抹月批風・f23882)は、卓を共にしていたヤングの暴走をぼんやり眺めながら、ほろ酔いの頭でふんわりそう思っていた。
 とぽとぽと酒のおかわりをグラスに注ぎ、またグイッと呷る。
 スキアファールの酔いがまた加速する。
「これは自分の限界を知るチャンスかもな……」
 食べ頃になったカルビを味わいながら、ぽわぽわ頭で考える。
 いただいた鶏肉も、魚類も、ウインナーも、全部一通り行きたいところだ。
 お腹はまだまだ空キアファールなので問題ない。余裕で美味しく味わえる。
 味も違うから、肉の合間にちょうど良い。
「しかし……相当食べた筈なんですが、尽きないですね……肉……」
 空いているスペースに味変食材を敷き詰めつつ、スキアファールは傍らに聳え立つ肉マウンテンへと視線を向けた。
 山頂では、美味しそうな霜降り肉が光を反射してきらきらと輝いている。あ、次はこれ焼こう。
「ん?」
 そんな霜降り肉を、涎を垂らさんばかりの顔で見つめる者が数名。
 同卓者の暴走から逃れた怪人達の残党だ。
 他食材プッシュの怪人達と言えど、さすがに高級霜降り肉は気になるらしい。
「折角だから、怪人さんたちも肉を食べたらどうです?」
「「「え、」」」
 食材を消費するものは多い方が良い。駄目にしてしまう方が勿体無い。
 スキアファールは怪人達の返答を待たずに、食べ頃の肉を新たに用意した皿へとどこどこ盛っていく。
「さぁ、遠慮なくどうぞ?」
「いや、俺達は……その……」
「ん?」
「ほら、俺達、別の食材の怪人だから……」
「……私が焼いた肉が食えないっていうんですか?」
 ぴしり、空気が凍る。笑顔なのに、威圧感がすごい。
 スキアファールの手に握られた酒瓶に、怪人達のひとりが気付く。やばいこいつ酔っ払いだ。
「た、食べまぁす!!」
「いやー美味しいなぁ! 魚もいいけど肉もいいなぁー!」
「霜降りうっま、神かよ」
 先程、似たような台詞を発した酔っ払いに地獄を見せられたばかりの怪人達は、我先にと席に着くと盛られた肉をガンガン口へと運び始めた。恐怖で震えた賛辞が飛び交う。普通に食ってる者も居る。図太い。
 その光景を肴に、酒をちびちび啜りつつ。スキアファールは一旦箸を置く。
 胃は全然大丈夫なのだが、流石に顎が疲れてきた。
「ああ、そうだ」
 そういえば、怪人達を倒すのも仕事だったか。
 ちょうど集まっていることだし、食休みがてら働いておくか。
 その思考を反映してか、肌を覆う黒包帯の向こう、ざわり動く、それ。
 一心不乱に肉を貪る怪人へと、無数の怪奇の視線が一斉に突き刺さる。
 不穏なものを感じ取った敏いひとりが、バッと皿から顔を上げた――が、もう遅い。
 まるで、蛇に睨まれた蛙のように動けない。
「逃げられるとでも?」
 呪詛が、病が、怪人達に臨終の苦しみを齎す。
 擬態も、包帯も、服も。あらゆる術も、無意味なもの。
 そんなもの、全部突き抜けて。
 怪奇は見ている。ずっと、ずぅっと。
「あまり苦しませずに――とは思ったんですが、実際はどうなんでしょうかね」
 怪人達の亡骸を脇に避けると、スキアファールは食事を再開するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セツリ・ミナカタ
む。誰だ?
我がお肉畑を育ててくれた者達(キマイラとかいて心の友とよむ)と楽しいひとときを分かち合っていたところなのだが

追加食材、だと…(キラキラ感動している顔)
なるほど鳥と魚とウインナーを食べればバランスがとれる
ふむふむふむ良いことを聞いた
存分に我が畑の傍へおいてくれ、有難くいただこう友よ
(軽率に増える友達)
(心なしか丸まるタコの足へ熱い視線を向け)

ところで先程戦うなど物騒な話が聞こえた気がするのだが
なんだ、これからどこかで戦闘でも予定していた、か…
なん、だと…(裏切られたような顔)(依頼を忘れていた顔)
幾度となく悲しい別れは経験してきた
さらばだ、友よ、安らかに眠れ



●お肉畑の真ん中で
「――む、」
 心の友となったキマイラ達と楽しくお肉畑を育てていたセツリ・ミナカタ(シャトヤンシー・f27093)は、突如周囲に現れた複数の気配に顔を上げた。
 キマイラとは似ても似つかぬ異形頭の怪人達の姿に、セツリの表情が険しいものとなる。
「誰だ?」
「我々はタンパク質三人衆! またの名を――追加食材差し入れ部隊ッ!!」
「さっきから見ていれば、やたらタン塩ばかり楽しみおって! バランスブレイクしすぎだぞ貴様!」
「身体のためには他のものもお食べなさいよ、いや俺達もタンパク質しか持ってきてないんだけどさ」
「追加食材、だと……」
 その甘美な響きに、あっという間にセツリの警戒が解ける。
 きらきらと感動で輝く瞳。なんだこいつらも良いやつか。心の友か。
「なるほど、鶏と魚とウインナーを食べればバランスがとれる」
 彼らが抱えている食材にざっと目を通し、セツリは納得したように頷く。
 どう考えてもとれない。偏る一方である。
「ふむふむふむ……良いことを聞いた。存分に我が畑の傍へおいてくれ、有難くいただこう、友よ」
 セツリは何の疑問も持たずに、軽率に友を増やしながら、ぽすぽすと卓の空きスペースを手で叩いた。
 友と言われた怪人達は、ちょっと照れながら示された場所へと食材を置いていく。
 中には、彼女の為に食材を焼き始める者まで居た。
 だってセツリさん美人だもんね。かわいいもんね。そりゃ焼いちゃうよね。
「おお……」
 くるん、くるん、と丸まっていくウィンナーのタコさんに熱い視線を向けながら、セツリは新たな友達が焼いてくれた鶏肉や魚を口へと運ぶ。
 おいしい。とてもおいしい。
 先程までの肉と比較すると、さっぱりとした爽やかな肉汁溢れる鶏肉。いくらでもいけてしまいそうだ。
 それに、とろとろ舌の上で消えていく魚のなんと美味いことか。
 可愛らしいダンスを見せてくれたタコさんのウィンナーも、プリッとした食感が堪らない。
 その後に、気持ち新たにいただくタン塩達も、さっきまで散々味わっていたにも関わらず、不思議と新鮮な味わいに感じる。
 これが味変。なんという文化。最高か。
「……ところで、先程戦うなど物騒な話が聞こえた気がするのだが、」
 そういえば、と。もむもむ肉を頬張りながら、セツリは世話焼き怪人達に問う。
「あ、戦いますよ。俺ら怪人なんで」
「宿命っすから」
「そろそろ良いかなーと思ったら声かけてくださいね、準備しますんで」
「なんだ、これからどこかで戦闘でも予定していた、か……?」
 セツリの頭に浮かんだハテナマークに、怪人達は「あっ、気付いてなかったんだ」と顔を見合わせる。
「ほら、オブリビオンなんで、猟兵さん達とは戦う運命なんっすよ」
「なん、だと……」
 突然の友のカミングアウト。
 依頼を完全に忘れていたセツリに衝撃が走る。
「――幾度となく悲しい別れは経験してきた。だが、こんなに早いとは」
 ごくん、と鶏肉を飲み込むと、哀しみを瞳に宿したセツリは真白き炎を生みだしていく。
「おっ、やります? 負けませんよ?」
「あばよ姐さん……短い間だったけど、良い焼肉だったぜ!」
「我らの屍を越えていくが良い――友よ!」
「ああ。……さらばだ、友よ――安らかに眠れ」
 少年漫画のテンションで炎を放つセツリと、席から立ち上がり構える怪人達。
 ノリノリで始まった戦いは、炭火よりも熱く燃え上がるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『カマンドゥーラ・コゲット』

POW   :    汝、釜炊きを愛すべし
【杓文字扇】が命中した対象に対し、高威力高命中の【天から降ってくる羽釜による一撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    我、釜炊きの化身なれば
全身を【本格釜炊きならではのオーラ】で覆い、自身の【本格釜炊きごはんの美味しさ】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ   :    汝も釜炊きにしてやろうか
【本格釜炊きを可能とする竈から召喚した炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【本格釜炊きの】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠滝舘・穂刈です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●嗚呼、麗しき白米よ
 肉も、追加食材も粗方堪能し終えて。
 楽しい宴も、いよいよ終盤に差し掛かっていた。
 たらふく食べたと笑い合い、ラストスパートへと入り始める猟兵達。
 あれだけ食べたにも関わらず、何故だか少し物足りない気持ちもあるが、まぁ気の所為だろう。
 多くの者がそう思っていた。

 ――彼女が現れるまでは。

「これは……これは――なんたる冒涜!」

 いい感じに終わりそうになっていた空気を引き裂く、金切り声。
 一斉に、会場中の視線が声の主へと向けられる。

「炊飯器どころか、そもそも米自体が無いとは! 釜炊き云々以前の問題ではありませんの!」

 大量の釜を乗せた銀のワゴン。
 気品溢れる漆黒のドレス。
 杓文字で作られた扇。
 細い首の上で鈍い輝きを放つのは――炊飯釜。

「あれは……あの釜はまさか……炊飯貴族――カマンドゥーラ・コゲット……!」
 訳知り顔のキマイラが呟く。
 もしかしたら、その筋では有名な方なのかもしれない。
「知らないんですか!? あの、薪を用いた本格釜炊きこそ至高と、巷の炊飯器を駆逐して回っているという炊飯界の鬼を!」
 信じられない、と驚きながらもキマイラが丁寧に説明してくれるが、たぶん知らない者の方が多いと思う。
「噂では聞いていましたが、本物は僕も初めて見ました……釜炊きの復権と覇権を狙う麗しき貴婦人。そして、全ての炊飯器達の天敵……!」
 そう、彼女こそが予知されていた差し入れ怪人、その最後の一人。
 はじめちょろちょろ中ぱっぱの体現者、カマンドゥーラ・コゲットだった。
「米抜きで焼肉を食べるだなんて……貴方達、正気ですの?」
 釜炊きの貴婦人は口元だと思われる辺りを杓文字扇で隠しながら「嗚呼、悍ましい」とわざとらしく身震いしてみせる。
 肉だけで良いよ米はいらねぇ派に失礼な物言いである。
「古来より、米は焼肉の良き友でありました……サイドメニューとしてビビンバだのチャーハンだの、味付きの米も登場しましたが、やはり最後に選ばれるのは白米……そう、白米こそ至高でありましょう」
 ビビンバやチャーハン派に喧嘩を売るかのような長台詞と共に、カマンドゥーラは釜のひとつの蓋を開く。

「さぁ、遠慮などいりません……お食べなさい。そして、知りなさい――米の美味さと偉大さを」

 釜の中で光り輝いていたのは、ほかほかに炊けた美しい白米。
 猟兵達の間に動揺が走る。

「焼肉に合うのは釜炊きの米、炊飯器など以ての外……そう言いに来たというのに、米すら無いこの状態で戦えますか」

 戦うのは食してからです、と待ってくれる気満々の炊飯貴族。
 ワゴンに積まれていた釜が、キマイラ達の手で各卓に配膳されていく。
 肉、追加食材、そして――米。欠けていたピースは揃った。
 カマンドゥーラについては、先の怪人達と同じく食べながら適当に殴っておけば大丈夫そうだ。
 さぁ、最後まで目一杯楽しもう。
スキアファール・イリャルギ
あ、良い人だこの人(※デジャビュ)
良いですよね米……
どんなおかずにも合うまさに万能な主食……
そういえば知ってますか米を讃える歌はジャンルを問わず色々ありまして――

~早口で長々と音楽マニアな男の熱弁が続く~

(遮られても止まらない)
(箸も止まらない)
(空キアファールだもの)

――まぁ詳しくはネットとかで調べてください(投げた)
とにかく至高ってことですね、おーこーめー、米(マイ)ッ!
(※もう完全な酔っ払い)

あぁ……肉も魚も米も気兼ねなく食べられて満足です、大満足です

――ところで、私どのくらい食べました?
(自分が食べた量がもうわからない)

(怪人さんは【シング・カーマ】の黒霧がどうにかする。きっと。)


馬飼家・ヤング
※アドリブ連携超展開大歓迎!

まーってましたあ!!
アツアツのごはんまで持ってきてくれるなんて、カマド姐さん、めっちゃ気が利くわあ!
やっぱメシのお供にごはんは欠かせへんな!
鍋料理のシメも雑炊でキメるもんな!
お好み焼きをおかずにご飯を食べるお好み定食とか
焼きそばをおかずにご飯を食べる焼きそば定食とか
ナニワの風物詩やもんな!

ほな遠慮なくいただきまーす!

まずは白米だけで素材の味わいを…(もぐもぐ)
次にご飯の上に焼きたてカルビをギガ盛りに乗せたカルビ丼や!
見さらせ、このカロリーの暴力、わいは制してみせるでぇ!

(馬飼家の食い倒れロードはこの後カマンドゥーラが頭の白飯を食いつくされてしおしおになるまで続いた)



●酔っ払い達は止まらない
(あ、良い人だこの人)
 スキアファール・イリャルギ(抹月批風・f23882)は、運ばれてくる炊飯釜と、今し方現れたばかりの炊飯貴族を交互に眺めながら、輪をかけてふわっふわになった頭で考えていた。
 さっきもこんな展開経験したような気がする。めっちゃめちゃ既視感がある。
 この感覚はたぶんあれだ、あれ。デジャビュ。たぶん。
「まーってましたあ!!」
 馬飼家・ヤング(テレビウムのちっさいおっちゃん・f12992)は釜が卓に置かれるや否や、これ以上は待ちきれないと手早く蓋を取っ払った。
 2人の目の前が白く染まる。仄かに甘い香りを纏った蒸気のヴェールが晴れれば、そこには白く輝く米の園が広がっていた。
「アツアツのごはんまで持ってきてくれるなんて、カマド姐さん、めっちゃ気が利くわあ!」
「良いですよね米……どんなおかずにも合う、まさに万能な主食……」
「鍋料理のシメも雑炊でキメるもんな!」
 やはり、食事のお供にご飯は欠かせない。
 朝食、昼食、夕食、夜食。おやつに晩酌、小腹の空きに。
 主食として。
 おかずを引き立てるパートナーとして。
 時には、パンや酒、お菓子等に形を変えて。
 まさに万能。すごいぞお米、なんでも出来るぞ。
「お好み焼きをおかずにご飯を食べるお好み定食とか、焼きそばをおかずにご飯を食べる焼きそば定食とか、ナニワの風物詩やもんな!」
 地域特有、粉物with米という炭水化物の暴力。
 好みや地域差はあれど、それでも合うと多くの人々から長年愛されているその食べ合わせ。
 満腹感もありますしね。いやぁ、お米って素晴らしいですね。
 2人で釜の中身を仲良く分けて、丼に盛りに盛れば準備完了。
「ほな、遠慮なくいただきまーす!」
「ええ、いただきましょう。……いただきます」
 まずは、白米だけで素材の味わいを楽しもう。
 張りを残しつつも、大きくふっくらと炊き上げられた米粒。
 噛みしめれば、閉じ込められていた旨味が一気に溢れ出し、炊飯器炊きのものよりも強い甘みともちもち感が歯と舌を楽しませる。
 そして鼻孔を擽る、釜炊きだからこそのお焦げの香り。
 美味い。
 シンプルに美味い。
「さーて……ここに、焼きたてカルビをギガ盛りにしたるでぇ!」
 気前よくカルビをガンガン載せて載せて載せまくり、出来上がったのはヤング特製カルビ丼。
 肉の脂とタレと米が、てらてらと蠱惑的に光る。
「見さらせ、このカロリーの暴力、わいは制してみせるでぇ!」
 一気に掻っ込み頬張れば、もう堪らない。世界のすべてが美しい。
 至福のひとときに、ヤングの表情がトロットロな感じになる。酒も更に進む。
「そういえば知ってますか米を讃える歌はジャンルを問わず色々ありまして――」
「え、あ、はい……そうですの……?」
 その向かいでは、句読点を放り捨てたスキアファールがカマンドゥーラにものすごい勢いで熱弁を振るっていた。
 早口過ぎて、その界隈については素人のカマンドゥーラは半分くらい聞き取れていない。
 だが、それでもスキアファールは止まらない。何故なら酔っているからだ。
「おうおう、お肉だけじゃなく音楽も大好キアファールやな! 大丈夫か、ちゃーんと食っとるんか!?」
「食べてますよ美味しいですね美味しいと言えば食を讃える歌は当然ですが米よりも多く世界中どこでも――」
 箸も話もノンストップ。新たなアダ名が増えても気にしない。
 1章毎にどんどん増えてる気もするが、そこは許してほしい。語呂が良すぎた。
「――まぁ詳しくはネットとかで調べてください。とにかく至高ってことですね、おーこーめー、米(マイ)ッ!」
 最終的に話の着地点まで投げ捨てて、スキアファールは水代わりにまた酒を呷った。
 もう完全に、どこからどう見ても酔っ払いである。帰り道にはどうか気を付けてほしい。
「あぁ……肉も魚も米も気兼ねなく食べられて満足です、大満足です――ところで、私どのくらい食べました?」
「いっぱい!」
「そうですか、いっぱいですか、そうですね。ところでご飯のおかわりあります?」
「あるよー、まだまだあるよー!」
 お皿の片付けついでに酌をしてくれたキマイラの返答に頷きながら、スキアファールは三度食事へと没頭し始める。
 大満足ではあるが、まだ食材は残っているのだ。
 その横では、黒霧で形成された幻が、お食事中のスキアファールの代わりにカマンドゥーラをボッコボコにボコっていた。
「ちゃんと最後まで! 聞きましたのに! これだから酔っ払いは!!!!」
「おっと、こっちにも米があるやないかい! おかわりいただきまーす!」
「ちょッ、そっちはダメ、それはわたくしの――アーーーーッ!!!!????」
 悪夢というのは繰り返されるものだ。
 ヤングはカマンドゥーラの頭の蓋をカパッと開けると、すかさず中に詰まっていた白米を己の丼へと移し始めた。
 食への飽くなき探求やばい。酔っ払いやばい。やっぱりフードファイターこわい。
 ヤングの食い倒れロードは、この後カマンドゥーラが頭の白飯を一度食い尽くされ、心も身体もしおしおになってしまうまで続いたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

飛鳥井・藤彦
【🍚🍚】
兄さんが一人焼肉してはる言うから、ご相伴に預かろ思うて来ましたー。

僕は兄さんのええ食べっぷり見てるだけでもええんやけど、折角やし……。
米と一緒なら肉はカルビやなぁって……ちょ、ちょお待ってや、兄さん。
僕そないに食えへんって。
無自覚な兄さんの煽りに唇を尖らせ。
兄さんと比べたらそりゃ少ないでしょうけど、これでも食べてる方やで、僕。
少しムキになって兄さんが寄越してくれたものを食べ続けてたら流石に苦しくなってきたわ。
腹ごなしに釜に米が引っ付かんよううるかしてあげますわ。
炊飯貴族を水で流し、手を合わせてご馳走様でした。

隣でご馳走様やのうておかわりしとる兄さんに思わず「ええ加減にせえよ」


有栖川・夏介
【🍚🍚】
一人で食べるのも、そろそろ飽きてきたところです。
藤彦君が来てくれて嬉しい。
しかも、今ならお米ありますよ。ラッキーですね(真顔)
さあ、たくさん食べましょう(お肉焼きながら)

お肉を焼いて、ご飯をよそって、食べて、焼いて、食べて
……ん、藤彦君あまり食べてないのでは?
勿体ないですよ、俺より若いんだからもっと食べないと(皿にお肉もりもり)
え、それだけですか、少なくないですか(´・×・`)?
自分が大食いであるという自覚なしに、どんどんすすめる。
食べれる時にたくさん食べないとダメですよ。

あ、お米の差し入れは有難いですが、敵にはやはり退場していただきましょう。

……え、おかわりまだいけますよね……?



●ご馳走様はまだ遠く
 カマンドゥーラが別卓で地獄を味わっている頃。
 有栖川・夏介(白兎の夢はみない・f06470)の卓には、新たな猟兵がエントリーしていた。
「兄さんが1人焼肉してはる言うから、ご相伴に預かろ思うて」
「1人で食べるのも、そろそろ飽きてきたところです。藤彦君が来てくれて嬉しいですよ」
 空いていた椅子に腰掛けて、飛鳥井・藤彦(春を描く・f14531)は卓の上へと視線を向ける。
 既に散々食べた後なのであろう。其処此処に爆食の痕跡が見える。
「肉の種類もぎょうさんあるみたいやなぁ。……あ、肉だけやのうて、魚まであるん?」
「ええ。しかも、今ならお米もありますよ。ラッキーですね」
「え、今まで米無しやったの?」
 夏介は真顔で頷いた。
 そう、米無しだったのである。
 参加者の多数が求めて止まなかった米だが、様々な事情により今まで影も形も無かったのである。
「さあ、たくさん食べましょう」
 1人で食べるのには飽いたが、食べること自体に飽いたわけではない。
 米があるならば、更に食が進むことだろう。
 夏介は慣れた手付きで肉を焼きながら、2人分の椀に米を山盛りにしていく。
「僕は、兄さんのええ食べっぷり見てるだけでもええんやけど……」
 折角やし、と椀を受け取り、いただきますと手を合わせ。藤彦はどんどん焼けていく肉を眺め、吟味する。
 さぁ、最初はどの肉からにしよか。
「米と一緒なら、肉はカルビやなぁ」
 やはりここは手堅く行くべきだ。
 味が濃く脂も多いカルビであるが、米が共にあるならばひょいひょいと行けてしまう。
 軽くレモンを搾ればさっぱり感も増して、口当たりの良さと引き出された旨味に箸が止まらなくなる。
 ああ、これは美味い。ご飯が進む。
 夏介もまた、米の登場により湧きに湧いた食欲を満たすべく、もりもりと食事を再開する。
 肉を焼いて、米をよそって、食べて、焼いて、食べて、焼いて、食べて、またよそって……。
 マイペースに、だがハイペースに夏介は己だけでなく藤彦の更にまで肉を盛っていく。
「って、……ちょ、ちょお待ってや、兄さん」
 さながら肉のわんこ蕎麦のような状況に、藤彦は堪らず夏介へとストップを掛けた。
 盛られるスピードが、食べるスピードよりも早い。これでは、食べても食べても一向に減らない。
「……ん、藤彦君あまり食べてないのでは?」
「僕そないに食えへんって」
「勿体ないですよ、俺より若いんだからもっと食べないと」
 藤彦の抗議もなんのその、夏介は会話の間にも皿に肉をぼんぼん置いていく。
 お肉焼けちゃうからね。焦げる前に引き揚げないとね。
「兄さんと比べたらそりゃ少ないでしょうけど、これでも食べてる方やで、僕」
「え、……それだけですか、少なくないですか? 食べれる時にたくさん食べないとダメですよ」
 あ、これ純粋に心配してるやつだ。自分の食べてる量がどれだけすごいか、絶対分かってないぞ。
 でも、ここまで言われて食べないのも悔しいやつだ。
「……まぁ、まだ……まだ入るかもしれんけど……」
 己が大食いであるという自覚の無い夏介の、無意識の煽りに唇を尖らせ、藤彦はちょっとムキになった。
 夏介のペースに付いていこうと、黙々と肉と米を口に運ぶ。
 それに、うんうん頷いて。夏介もガンガン肉を追加していく。
 食べて、減って、盛られて、食べて、減って、盛られて、盛られて、食べて。
 終わらないループ。遅れれば更に増える肉。そろそろ胃が悲鳴を上げそうだ。
(……あかん、流石に苦しくなってきたわ)
 見れば、目の前の夏介は涼しい顔で山盛りのカルビを頬張っている。あの身体の何処に消えてるんだ、あの量。
(ほんまに兄さん底なしすぎやろ……)
 藤彦がギブアップを考え始めた頃。
「あ、」
 漸く、夏介が箸を止めた。
 満腹になったのではない。仕事のことを思い出したのである。
「お米の差し入れは有難いですが、敵にはやはり退場していただきましょう」
「……あ、そやった、これ仕事やった」
 藤彦もこれ幸いと箸を置くと、代わりに絵筆を手に取った。
 描き出すのは麗しき海洋の公女。やはり、使った器具は洗わねば。
「腹ごなしに、釜に米が引っ付かんよううるかしてあげますわ。――お姫さん、出番やで」
「このタイミングで思い出アーーーーッ!!!!」
 この卓に辿り着いて早々に、大量の水で流されていく炊飯貴族。駄目押しで飛んでくる夏介のトング攻撃。
 一瞬での退場ではあるが、大丈夫。他の卓ではもっと出番あるよ。きっと。たぶん。

 怪人もこの卓からは去って。
 一息吐いた藤彦は、清々しい気分でぱんっ、と手を合わせた。
 いやぁ、自分にしてはよく食べた。仕事も終えたし、もう思い残すことは無いだろう。
「ご馳走様でし「あ、すみません、おかわりください」
 藤彦の食事終了宣言に被さるように発された、夏介のおかわりの一声。
 きょとんと小首を傾げた夏介は、藤彦の方を見て問うた。
「……え、おかわりまだいけますよね……?」
 どうやら、まだまだ帰してくれる気はないらしい。
 本当に、この人は。
「いや、ええ加減にせえよ」
 藤彦は呆れたように笑った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

三岐・未夜
【団地】

ひぇっ!?
兄貴分たちのハイテンションにビビる
……び、びっくり、した……でも、ともにぃもたろちゃんも嬉しそうだから良かった
(言えない、もうそこそこお腹いっぱいだなんて)(少食の弊害、ちょっとは食べたい)

……釜炊き、初めてかも
わ、お焦げ!(憧れ)
いそいそとお焦げに醤油を数滴垂らして金網の上へ
焦げて欲しくないからめっちゃともにぃヘルプの視線
焼きおにぎりちっくに食べられると期待

あ、戦うの待って焼きおにぎりとお肉と海鮮、ジンガたちのお土産にする

炊飯器と張り合うなら、常に火加減見て美味しく炊いて保温もしてくれる人付けて(真顔)
あと煙も出ないで火元も常に安全で火起こし作業もないようにして(無茶振り)


浅沼・灯人
※団地

ひゃっはああああ!!!
待ってたぜェ、この瞬間(トキ)をよォ!!!
やっぱ肉には米だよな米!心の中の日本人が飢えてたとこだマジ感謝!!
しかも釜炊きの米だって……最高じゃねぇかあんた……
手間隙かけて炊きあげたあんたの米……こんなにも艶の良い炊き加減見たことねぇよ……
ありがとう……おかわりありますか……

ほれ、未夜も太郎も食おうぜ……肉は焼いとくからどんどん食え……
あ、食えなかったら持って帰ろうな
ジンガにも食わせねぇと
お、焼きおにぎりか
任せとけいい焦げ目つけてやるよ
あんがとよ太郎、俺も食う
うめぇな肉……うめぇな米……

まあ忙しい現代社会で炊飯器なしはマジ死ぬから炊飯器撲滅は許さねぇけどなチョップ!!


夢飼・太郎
☆団地

待ってたぜェ!この新章≪トキ≫をよォ!!
オレぁ濃い味が続くと超絶飽きちまうから焼肉ン時ゃもう1000%の確率で白米を食うタイプの夢飼太郎なんだがよく来た釜怪人!敬意を込めて「お釜夫人」って呼称してやるよコメだけになぁ!

まずはそのまま
釜炊きの米は粒が立って丁度いい硬さだが噛むとほのかな甘みが口いっぱい香水のように広がりやがるイイ仕事してるぜお釜夫人

おう浅沼また焼いてばっかじゃん良いから食えよ米と肉の前には何人も平等なんだぜ
三岐も米食った?コレうまくね?焼くならオレ見とくから浅沼の焼いた肉取って来いよ
止めはしたがダイニング奉行の気が済まなそうだ

あとお釜
いやお米夫人
怪人はお焚き上げだオルァ!!



●黒船来航
「ひゃっはああああ!!!! 待ってたぜェ、この瞬間≪トキ≫をよォ!!!!」
「ああ!! 待ってたぜェ!! この新章≪トキ≫をよォ!!!!」
「ひぇっ!?」
 浅沼・灯人(ささくれ・f00902)と夢飼・太郎(扉やかく言うな・f00906)のソウルフルなシャウトが轟く。
 突然の兄貴分達のボルテージアップに、三岐・未夜(迷い仔・f00134)の尻尾が反射的にぶわりと膨らんだ。
「やっぱ肉には米だよな米! 心の中の日本人が飢えてたとこだ、マジ感謝!! しかも釜炊きの米だって……最高じゃねぇかあんた……」
「オレぁ濃い味が続くと超絶飽きちまうから、焼肉ン時ゃもう1000%の確率で白米を食うタイプの夢飼太郎なんだが……よく来た釜怪人! 敬意を込めて『お釜夫人』って呼称してやるよ、コメだけになぁ!」
「そのネーミングセンスはともかく、悪い気はしませんわね……美味しく沢山食べるが宜しいわ」
 凄まじい饒舌さでカマンドゥーラへ感謝のマシンガンを乱射する2人。
 これには炊飯貴族もニッコリである。
(……び、びっくり、した……でも、ともにぃもたろちゃんも嬉しそうだから良かった)
 ハイテンションさにはビビるが、楽しそうな2人にはほのぼのする。気持ちは分かるし。
(でも、この空気だと言えないな)
 もう、そこそこお腹がいっぱいであるという一言を飲み込みながら、未夜はかぱっと釜の蓋を開けた。
 少食な胃でも、あと少し米を堪能するくらいの隙間があると信じるしかない。
 何より、釜炊きのお米は初体験だ。自分もちょっとはお米食べたい。
「わ、お焦げ!」
 杓文字でも底からかき混ぜてみれば、そこには憧れのお焦げの姿。未夜のテンションも鰻登りである。
 兄貴分達にぴかぴかの白米をよそいつつ、未夜はお焦げを己の茶碗の中に確保していく。
「お、三岐ありがとな。どーれ、まずはそのまま……」
 太郎は茶碗を受け取ると、程好く盛られた白米にさくりと箸を突き刺し、一口分を掬い取る。
 向かう先は舌の上。はふはふと空気を一緒に吸い込みながら、ひと噛みずつゆっくりと噛み締める。
 釜炊きの米は、粒が立った丁度良い硬さに仕上がっている。
 噛めば噛むほど仄かな甘みが口いっぱいに、まるで香水のように広がっていく。
 どこまでも上品で、洗練された――だが、郷愁をも感じさせる、それ。
 ああ、これは、
「……イイ仕事してるぜ、お釜夫人」 
 ふ、と口元に浮かぶ笑み。
 思わず太郎も静かになる、確かな美味さ。マーベラスである。
「手間隙かけて炊きあげたあんたの米……こんなにも艶の良い炊き加減見たことねぇよ、……ありがとう」
 灯人もまた、カマンドゥーラへの賛辞を口にする。
 その手には、綺麗に空になった炊飯釜。
 美味すぎて止まれなかったのだろう。うっかり米単品で食べきってしまったらしい。
 3人だと無くなるのも早いもんね、そうだよね。
 すっ、と釜を差し出しながら、灯人は問うた。
「おかわりありますか……」
「勿論ありましてよ……沢山お食べなさい」
「ほれ、未夜も太郎も食おうぜ……肉は焼いとくからどんどん食え……」
 有り難く新しい釜を受け取って、灯人は今度こそ一緒にと肉を焼き始めた。
 その片隅で、未夜はいそいそと先程確保しておいたお焦げに醤油を数滴垂らし、金網の上へと並べていく。
 こうすれば、良い感じに焼きおにぎりちっくに食べられるのではないか。
 数分後の未来を想像して、未夜の目が期待で輝く――が、己の力だけだと確実に焦げる。
 絶対に炭おにぎりと化す自信がある。賭けても良い。
 ここは確実に美味しく仕上げてくれる者の力を借りるのが最適解だ。
「お、焼きおにぎりか。任せとけ、いい焦げ目つけてやるよ」
 つまり、ダイニング奉行・灯人の出番である。
 灯人は弟分に最高の焼きおにぎりを届けるべく、絶妙な采配で焼きおにぎりへの火力をコントロールしていく。
「おう、浅沼また焼いてばっかじゃん。良いから食えよ、米と肉の前には何人も平等なんだぜ」
 第1陣が焼き上がると同時に、第2陣の調理へと取り掛かり始めた灯人に、太郎は思わず声を掛けた。
「三岐も米食った? コレうまくね? 焼くならオレ見とくから、浅沼の焼いた肉取って来いよ」
 言うが早いか、太郎は灯人の作業を継ぐと、これまた見事な焼きっぷりで食べ頃の肉と焼きおにぎりを生みだしていく。
「あんがとよ、太郎……俺も食う……」
「ありがと、たろちゃん。……たろちゃんのもおいしい……」
 新たなダイニング奉行の誕生に、初代ダイニング奉行も安心して肉と米の組み合わせを堪能し始める。
 口の中で巻き起こるビックバン。肉と米の運命の出会い。
「うめぇな肉……うめぇな米……」
 米だけでも良いやと思っていた数分前の自分に伝えたい。
 やっぱ肉あると全然違う。めっちゃ美味い。
 その横では、未夜も焼きおにぎりをはぐはぐと夢中で楽しんでいる。
「あとお釜――いやお米夫人」
 それを満足気に見届けると、太郎はカマンドゥーラへと視線を向けた。
 呼び掛けと共に、太郎の背後に召喚されるドア。
「怪人はお焚き上げだオルァ!!!!」
「わたくしの名前はカマンドゥーラなのですけれどーーーーーー!!!!????」
 ミサイルの直撃を受け、ふっ飛ばされていくカマンドゥーラ。
 まぁ、差し入れあっても怪人ですからね。しょうがないね。
「あ、戦うの待って、焼きおにぎりとお肉と海鮮、ジンガたちへのお土産にする」
「そうだな、ジンガにも食わせねぇと」
 ベースでのんびりしているであろうグリモア猟兵へと、未夜と灯人はお土産を包んでいく。
 本当に、有り難すぎて頭が上がらないのである。たぶん本人もそう思っている。
「まあ忙しい現代社会で炊飯器なしはマジ死ぬから炊飯器撲滅は許さねぇけどなチョップ!!」
「炊飯器と張り合うなら、常に火加減見て美味しく炊いて保温もしてくれる人付けて!!」
「前者は正論ですけど後者は自分でなんとかしなさいなーーーーーッ!!!!????」
 よろよろと戻ってきたカマンドゥーラへと繰り出される、2人の容赦ない攻撃。
 再びふっ飛ばされていくカマンドゥーラ。
「あと、煙も出ないで火元も常に安全で火起こし作業もないようにして」
「それは最早釜炊きではないですわねーーーーーッ!!!!????」
 おまけとばかりに、未夜の無茶振りがカマンドゥーラを襲う。
 炊飯貴族が他の卓へとぶっ飛ばされて行くのを見届け終えると、3人はのんびりお土産包みを再開するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

天道・あや
【芋煮艇】で!

ご飯!ライス!まさかの最後にご飯とは…うん!たまにはそういうのもいいよね!今日のあたしのお腹はまだまだ余裕!というわけで!頂きます!!

うーん!美味しい!この焼くとはまた違うほかほかの熱さ!そしてふわっともちっとした食感!そしてそして!これに焼肉を乗せるとグレート!ゴッド!!これぞの最強の一品!焼肉の油とそしてタレがご飯に混ざって…最高!!お腹一杯!ご馳走さまでした!

というわけで、これがあたしからのお礼です!UC!(歌唱、楽器演奏)

…あっ、そういえばグリモアさん、お土産欲しいとか言ってたっけ?…よし、タッパーにご飯つめて、その上に焼肉乗せて、完成!

お、アイス?いいね!いきましょ!!


暁・アカネ
【芋煮艇】で参加!

わぁいお米だ!そうよねご飯は忘れちゃダメよね!
ありがとうカマ…カマンド…竈門焦太郎!

お茶碗いっぱいのご飯!上にお肉をたっぷり載せて!お行儀悪いかしら…でも食べちゃう!
お肉とお米を一緒に食す!お肉のうま味をお米が逃さず掴み取って離さない!いくらでもいけちゃうわね!
うむ!底にあったおこげもいい感じに香ばしい!お米最高!

ご飯が余ったら勿体ないし焼きおにぎりを作って持って帰りましょう!焼きおにぎりなら冷めても美味しいと思うのよ!
お醤油を塗ったおにぎりを作って竈門さんごと【狐火】で燃やす!こんがりとした焼きおにぎりが出来た!

ふぃー…沢山食べたわね、満足…デザート!甘いもの!行く!


バルドヴィーノ・バティスタ
【芋煮艇】
肉に魚にその他諸々…はぁー食った食った満足まんぞ…
いややっぱ…なーんか物足りねー気がすんだよなー…
何か…肉とか食材全部まとめて調和してくれるような何かが、
あったーー!!待ってたぜ白米ーー!!

やっぱ米には濃い味だよな!焼き上がった肉に辛いタレ絡めて口に運んで…続けてライスをガーッとかっこむ!
うまっ…うめぇ…!肉と米!無限ループの合間に思わず天を仰ぐほどの旨味だぜ…!

あ、怪人コレお礼(UCで作った炊飯器を差し出す)
中開けて確かめてみろよすげーぜ?
爆弾だから。

怪人もアレで最後だったみてーだしそろそろ祝勝会も締めか?
…デザート?ははッ、いいなソレ!んじゃもうちょい続きといこーぜ!


紗咲・亜闇
【芋煮艇】

カマンドゥーラ・コゲット…なんていい女なんだ…!(米を茶碗によそいながら)

これまでただ食べるだけだったし、皆がお米タイムになってる時は焼き役をするよ。
自分も米を食べるけど、これまでにかなり食ったし焼いてる合間合間に少しずつ食べるようにする。
最初から米ありだったら勢い良く掻っ込んでたんだけど。
やっぱり肉には米だよなあ…なんでと言われたら上手く説明できないんだけど、肉だけよりも米があれば満足度が段違いというか…。

落ち着いてきたら光のヨーヨーのクイックドロウによる2回攻撃で杓文字扇とコゲットの頭を【部位破壊】して吹っ飛ばす。

ふぅー…美味しかった。皆、シメにどっかでアイスとか食べてかない?



●おつかれ祝勝焼肉会・最終章~光り輝くライスを添えて~
「はぁー、食った食った……満足、まんぞ……、……いややっぱ……なーんか物足りねー気がすんだよなー……」
 バルドヴィーノ・バティスタ(脱獄狼・f05898)はレモン水のおかわりを注ぎながら、不思議な感覚に首を捻る。
 肉に魚にその他諸々。それこそ、胃がはち切れんばかりに食べたはずだ。
 なのに、何故か感じるこの気持ち。何なんだ、これは。
 足りない。何か――肉とか食材全部まとめて調和してくれるような何かが、
「はーーい、お待たせしました! ご飯でーす!」
「あったーー!!」
 キマイラが持ってきた炊飯釜に、バルドヴィーノは思わず歓声を上げた。
 これだ。絶対これだ。待ってたぜ白米!!!!
「ご飯! ライス!」
「わぁいお米だ!」
 彗星のように現れた白米に、天道・あや(未来照らす一番星!・f12190)と暁・アカネ(アホの狐・f06756)のバイブスもアゲアゲ。
 ほぼ終わりかけのこのタイミングで、まさかの最後にご飯とは。
「うん! たまにはそういうのもいいよね!」
「そうよね、ご飯は忘れちゃダメよね!」
 逆に、今だからこその味わいがあるかもしれない。ナイスポジティブシンキングだ。
「ありがとうカマ……カマンド……、……竈門焦太郎!」
「誰ですか、それは」
 明らかに性別が変わっているが、アカネは気付いていない。
 わりと掠っている辺りがなんとも言えない。
「カマンドゥーラ・コゲット……なんていい女なんだ……!」
 敵に塩を送るばかりか、食べるのもしっかり待ってくれる気だとは。
 まさに炊飯貴族の名に恥じぬ振る舞い。
 うんうん頷きながら、紗咲・亜闇(相克のスケバン・f21822)はキマイラから釜を受け取ると、米を皆の茶碗によそい始める。
 蓋を開ければ、柔らかく上がる蒸気。ふわりと香る、炊きたての米の甘い匂い。
 その香しさに、胃も米のために場所を空け始める。
「今日のあたしのお腹はまだまだ余裕! というわけで! 頂きます!!」
 期待に胸を踊らせて、まずは米のみで一口、ぱくん。
 焼くのとはまた違う、ほかほかとした熱さ。
 ふわっとした舌触りに、もちっとした噛み心地。程好いバランスの粘りと硬さ。
 噛む程に広がるでんぷんの甘みに、あやの笑顔が更に輝く。
「うーん! 美味しい!」
 箸がガンガン進む。米だけでも充分食べれてしまう。
 だが、そろそろ手を止めねば。メインディッシュはこれからだ。
「そしてそして! これに、これをこうして――ハイッ、オッケーーーー!!!!」
 タレに潜らせた焼肉を豪快に盛れば、即席焼肉丼の完成だ。
 炭火で蕩けた肉の脂と、肉にベストマッチな甘辛いタレ。
 その2つが白米を彩り生み出す、至上のハーモニー。まさに神の祝福。
「グレート! ゴッド!! これぞの最強の一品!!! ……んーッ、最高!!!!」
 アカネもまた、茶碗いっぱいの白米の上にたっぷりと肉を盛っていく。
 それは最早、マウンテンを超えてエベレスト。米と肉のチョモランマ。『世界の母なる女神』の名に相応しい佇まいである。
「お行儀悪いかしら……でも食べちゃう!」
 思い切って米と肉を一緒に掻っ込めば、口の中はもう極楽。
 肉だけの時には辿り着けなかった世界が今、目の前にある。
 肉の旨味を、米が逃さず掴み取って離さない。
 これは、いくらでもいける。何処までだって行ける。
「うむ、お米最高!!」
 釜の底にあったお焦げも良い感じに香ばしい。上の方とは違った味わいがまた良い。
 お焦げの味まで知ってしまったアカネの食は、もう止まらない。
「やっぱ米には濃い味だよな!」
 バルドヴィーノは、辛口タレに絡めた肉をそのまま口内へと放り込む。
 次いで米を掻っ込むと、口内調味で最高の状態へと仕上げていく。
 丼とはまた違う、好みや気分に合わせて絶妙な調整が可能なこの食べ方。今は米多めな気分だ。
「うまっ……うめぇ……!」
 肉、米、肉、米、天を仰いでまた肉と米。
 眩しい光に目を細め、無限ループへとまた身を投じる。旨味がやばい。肉と米やばい。
 物足りないと叫んでいた気持ちが脱げ落ちて、箸を繰るスピードが加速していく。
 これが俗に言うミートズ・ギャンビットである。
 そんな3人を温かい眼差しで見守りながら、亜闇は皆のために肉を焼いていた。
(これまで、ただ食べるだけだったし)
 火加減担当と焼き担当は、今やお米タイムの真っ最中だ。
 ならば己も当初の予定通り、キマフュ焼肉奉行スケバンへとジョブチェンジする頃合いだ。
「最初から米ありだったら、勢い良く掻っ込んでたんだけど」
 肉を焼く合間。己も一口分の米を肉で巻き、口に運ぶ。
 タレというドレスを纏った肉を、優しく包み込む白米。
 2人の絆が深まれば深まる程、肉汁が涙のように溢れ出す。
 美味い。なんと素晴らしい、肉と米のマリアージュ。
「やっぱり肉には米だよなあ……」
 米があると満足度が段違いだ。
 なんでと言われたら、上手く説明は出来ないのだが。とにかく違う。違うったら違う。
 少しずつ米のある焼肉を楽しみながら、亜闇は次々と肉を仕上げていくのであった。

「ご馳走さまでした!」
 おかわりの声が止み始めた頃。
 茶碗の中身を綺麗に胃袋へと片付け終え、あやはついに箸を置いた。
 さすがに、今まで食べ続けていたのもあって満腹感が半端ない。
 幸せの代償か、お腹の重さがすごい。
「……あっ、そういえばグリモアさん、お土産欲しいとか言ってたっけ?」
 ふと思い出したのは、転送開始直前にグリモア猟兵が口にしていた何気ない一言。
 ならば幸せのお裾分けといこう。残っていた米と肉を保存容器にちょちょっと詰めれば、お土産用の焼肉丼弁当の完成だ。
 天使かな。天使だな。
「――というわけで、これがあたしからのお礼です!」
「ッ、これは!!」
 びしっ、とカマンドゥーラに指先を向け、笑んで。あやは高らかに歌い始める。
 奏でるのは、独断と辺縁と直感で選んだ彼女の好きそうな曲達――米に纏わる民謡・童謡・ポップス・演歌などなどなど。
 郷愁を感じさせるものからノリの良いものまで古今東西、様々なお米ソングメドレーが、カマンドゥーラの釜炊き愛に溢れた心を鷲掴みにする。
「ふ、……ふふ……今のは沁みましたわよ……!」
 心に響くラインナップに、カマンドゥーラも思わずサムズアップである。お米ってやっぱり素晴らしいですね。
「まだ少し余ってるわね……勿体無いし、焼きおにぎりを作りましょう!」
 アカネは釜の底に残っていた米をかき集めると、食べやすい大きさに成形していく。
 焼きおにぎりなら冷めても美味しいし、何よりテイクアウトしやすい。天才的発想である。
 満遍なく醤油を塗ったら、あとは仕上げだ。
「おにぎりと、ついでに竈門さんを我が狐火にて染め上げん! 美味しくこんがり良い感じになーれ!!」
「竈門ではなくカマンドゥーラなのですがァアアアアッ!!」
 狐火がおにぎりとカマンドゥーラを包み込む。
 程なくして、焦がし醤油の良い匂いが辺りに漂い始めた。これは味にも期待できそうだ。
「なかなかやるではありませんの……これは、此方も本気を出した方が良さそうですわね……」
「あ、怪人コレお礼」
 狐火で煤けた顔をハンカチで拭きながら、次は己のターンだと構えを取ったカマンドゥーラへ、バルドヴィーノはとあるものを差し出した。
 炊飯器である。
「なんですのこれは!? わたくしに喧嘩を売っていらっしゃるのかしら!?」
「まぁまぁ、騙されたと思って、中開けて確かめてみろよ。……すげーぜ?」
 バルドヴィーノの言葉に、訝しげにしつつも素直に従う炊飯貴族。
 好奇心には勝てなかった。
 ――だが、まあ。好奇心は猫をも殺すという言葉もあるわけで。
「? これは?」
「爆弾」
 刹那、炊飯器から溢れる怪光。
 ワンテンポ遅れて衝撃と轟音。吹き荒れる爆風。
「アーーーーッ!!!!????」
 直撃を受け、ふっ飛ばされる炊飯貴族。
 何度でも言おう。卑怯なのではなく、引っかかる方が馬鹿なのである。
「ふぅー……美味しかった」
 亜闇は皿を簡単に片す傍ら、光のヨーヨーをその手に顕現する。
 ロックオンするのは勿論、カマンドゥーラ・コゲット。
 放たれたヨーヨーは、ピンポイントでカマンドゥーラの杓文字扇を弾き飛ばし、鈍い音と共に頭部へとめり込んだ。スケバンつよい。容赦ない。
「まっ、そんなあっさり――アァーーーーーッ!!!! 釜炊きに栄光あらんことをーーーーッ!!!!」
 そんな言葉を残して。カマンドゥーラは特撮よろしく爆散しながら、骸の海へと沈んでいくのであった。

「ふぃー……沢山食べたわね、満足……大満足……」
「怪人もアレで最後だったみてーだし、そろそろ祝勝会も締めか?」
 うーん、と軽く伸びをしながら、バルドヴィーノは積み上がった皿達に視線をやった。
 あれだけあった肉の山は、もう何処にも無い。皆、この地に集った猟兵達の腹の中へと消えた。
 いや、ほんとどんだけ食べたんだ、これ。
「皆、シメにどっかでアイスとか食べてかない?」
「お、アイス? いいね! いきましょ!!」
「……デザート?……デザート! 甘いもの! 行く!」
 亜闇の提案に、ガタッと身を乗り出して賛成する仲間達。
 甘いものはいつだって別腹なのだ。
「ははッ、いいなソレ! んじゃもうちょい続きといこーぜ!」
 宴に二次会は付き物だ。
 4人は、キマイラ達にオススメのアイススポットを教えてもらうと、次なる会場へ向けて歩き出すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年07月09日


挿絵イラスト