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温泉をGから取り戻せ!

#アポカリプスヘル

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#アポカリプスヘル


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●アポカリプスヘルのとある拠点にて
「みんな!大変だ!」
「どうした!?」
 とある拠点に、血相を変えた奪還者が飛び込んできた。
 彼はその拠点で暮らす奪還者の1人で、近くの廃墟を探索していたのだが……何か情報を持ち帰ってきたようだ。
「いいニュースと悪いニュースとすごく悪いニュースがあるんだが、どれから聞きたい?」
「じゃあ、いいニュースから」
「調べてきた廃墟だが……どうやら温泉施設は生きているるっぽいぞ」
「マジか!?」
 彼が調べてきた廃墟は、どうやら廃墟となった温泉旅館らしい。
 建物の施設などはほとんどが使い物にならないが、温泉だけは天然だったのか、いまだに沸いていて、掃除をすれば使えるようだ。
「じゃあ、悪いニュースは?」
「温泉を整備したところで、俺たちのベースには混浴してくれる女の子はいない」
「知ってるよ!! ニュースでもなんでもねぇよ!!!」
 この拠点、男ばかりのようです。
「じゃあ、すごく悪いニュースってなんだよ?」
「その施設に、出るんだよ、奴が。奴らが……」
「お、おい、まさか……奴、なのか……!?」

●グリモアベースにて
「寮の管理人として寮の厨房を預かってる身からすると、アレの出現とかとても洒落にならない事態なんですよねぇ……」
 予知で見た内容を思い返したのか、グリモア猟兵の彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)は、とてもげんなりとした表情で、猟兵達を出迎えていた。
 温泉と言えば喜びそうな彼がこんな表情をする事態とはいったい……?
 いや、先走り過ぎた。
 まずは予知の話を聞こう。
「えっとですね、今回の予知で見えたのはアポカリプスヘル世界です。
 そこで小規模な拠点で過ごす男性奪還者たちが、オブリビオンの住みついた廃墟に向かって命を落とすという光景が見えました」
 その廃墟というのが、いまだに天然の温泉が沸いている温泉旅館の廃墟らしい。
 旅館としての施設はほぼ使えないし、物資も大して残っていないが、掃除をすれば温泉だけは使えると、先行して偵察に出ていた男からの報告を受けて、拠点の面々が総出で掃除に出かけたところ、実は奥に隠れていたオブリビオンの集団と出くわし、殺されてしまうという……。
「まだまだ先の未来の話で、今から転送すれば、最初の偵察の男すら入る前の廃墟に向かう事が出来ます。
 そこで皆さんには、そちらに向かって、掃除とオブリビオン退治をやってもらいたいというわけです」
 オブリビオン退治はわかるけれども、掃除とは?
 そんな質問に、いちごはこれ以上ないという程の真剣な顔で答える。
「掃除は、今回の最重要任務です。オブリビオン退治よりもむしろ重要です!」
 そんなに温泉に入りたいのか……と呆れた者もいるかもしれない。
 だが、いちごはどこまでも真剣だった。
「なぜなら、この施設には……Gが棲みついているんです!
 ええ、Gです。黒くてかさかさと動く、台所とかに現れたりする、アレです」
 ……いちごは固有名詞を言いたくないようだが、要するに。
 ゴキブリの群れがいるのだ。
 当然のように、話を聞いた猟兵達の中からも悲鳴が上がる。
「オブリビオンストームが発生してしまうので、こちらから大量の殺虫剤を持っていくことはできません。そのために、G退治の方法は各自の創意工夫とユーベルコードにお任せとなりますが、必ずGを殲滅してこの廃墟から存在を消滅させてください!」
 真剣な顔で力説するいちごの圧に、猟兵達は頷くしかできなかったという……。
「建物の中のG退治を済ませたら、次は温泉大浴場に住み着いているオブリビオン……こちらはネズミです。それを退治してください」
 ゴキブリの次はネズミ。
 病原体の固まりすぎて、例え全滅させてもそのあと温泉は使えるのか心配になってくるが……温泉そのものは天然で湧いているモノなので、掃除したあと一度お湯を入れ替えれば大丈夫だろう。そもそもネズミはオブリビオンなので、倒せば病原体ごと消滅するから安心だ。
「Gとネズミを退治し終えたら、私も温泉の整備のお手伝いに向かえますので、皆さんよろしくお願いしますね」
 そういっていちごは転送の準備にかかるのだった。


雅瑠璃
 こんにちは。またはこんばんは。
 雅です。

 というわけで久々の通常シナリオは、温泉依頼となりました。

 舞台となる温泉旅館の廃墟は、建物部分と浴場部分に大きく分かれています。
 そこで1章では建物部分に住み着いているG……ゴキブリ退治を。
 2章では浴場部分に住み着いているオブリビオンのネズミ退治を。
 それぞれ行ってもらって、3章でようやく平穏な温泉を楽しめることとなります。

 1章は冒険です。廃墟の旅館の隅々に潜むゴキブリ退治になります。
 オープニングでいちごも言っていましたが、大量の殺虫剤とか持ち込むとオブリビオンストームを引き起こしかねないので、各自の創意工夫とユーベルコードで頑張って退治してください。
 1匹見つけると30匹はいると言われる奴らです。
 猟兵1人につきそれくらいがノルマになるでしょうか……?

 2章は集団戦です。病原菌をまき散らすネズミのオブリビオン、『インフェクション・マウス』と戦っていただきます。
 こちらは温泉の浴場での戦いになりますので、あまり派手なことをすると3章で温泉に入れなくなってしまうかもしれないので、気を配ってみてください。
 ネズミについている病原体もオブリビオンなので、ネズミ退治が終われば一緒に消えます。倒した後の衛生面は大丈夫です。

 3章は日常です。
 無事に解放された温泉でお楽しみください。
 それまでの戦闘で温泉に被害が無ければ、ただのんびりと温泉に浸かるだけです。
 使える浴場が一つだけなので必然的に混浴になります。なので基本的には水着の用意を忘れずにです。
 お声がかかればいちごもお邪魔します。

 なお、オープニングの予知で出てきた奪還者集団は、本編は登場しません。
 彼らがここに偵察に来る前に全部片づけて、皆さんが去った後彼らが来て、ここを新たな拠点にすることになるでしょうが、それは今回の描写範囲外になりますので、気にされなくても結構です。

 それではプレイングお待ちしています。
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第1章 冒険 『暗黒の竜巻orカサカサ音の恐ろしい奴ら』

POW   :    肉体や気合を駆使して駆除する

SPD   :    素早さや技量を駆使して駆除する

WIZ   :    魔力や知識を駆使して駆除する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●建物の中に奴はいる
 アポカリプスヘルの荒野にポツンと大きな建物の廃墟があった。
 大きく分けて建物は2つ。
 ひとつは四階建ての広く大きな建物。もとは食事や宿泊の出来る施設。
 もうひとつは平屋の広く大きな建物。こちらは天然温泉の大浴場施設。

 だが、郊外の温泉旅館として人々に癒しを与えていたであろうビルは、今や廃墟となり、そしてGの巣窟となっていた。

 猟兵達はまず、施設側、大きく広い4階建ての建物の中に入る。
 そこは、Gに占拠された建物。

 そこかしこから、カサカサカサカサ……とGの気配がする。

 G……ゴキブリを退治して、建物を浄化しなければ……。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
G退治、ですかぁ。
正直なところ、下手なオブリビオンより厄介な気がしますねぇ(遠い目)。

【遍界招】を使用、『汚染環境用の防護服』の『祭器』を召喚、全身に纏って参りますねぇ。
『FRS』『FSS』にも同様のカバーをかけて、万が一にも直接触れないようにしておきますぅ。

そして【遍界招】で『汚染環境対策』の一種である『対害虫用の煙幕弾』を召喚、『FCS』を使用して『FRS』『FSS』の砲に装填し[範囲攻撃]、周囲一帯を『殺虫剤』で包みましょうかぁ。
建物の隙間や影等、普通の方法では除去出来ない場所の個体も居そうですが『可能性の高い場所』を捜索して撃ち込み対処しますぅ。


フレミア・レイブラッド
…(笑顔のまま回れ右して帰ろうとして止められる)

いえいえいえ…なんで人間が滅びかけてるような世界で生きてるのよコイツ等…。
どうせだし、ネズミも纏めてここ一帯焼却してしまった方が良いんじゃないかしら…?

雪花「おねぇさま、それは大惨事になる予感しかしないのー」
妖精「そ、それで私が呼ばれたんですね…」

【虜の軍勢】で過去に眷属にした「花々しき大空の城にて」の「病をばらまく妖精」を召喚。
自身と眷属達及び床等を【念動力】でコーティングした上で妖精の【あなたをこわす香】や【あなたをむしばむ毒】を散布し、G達を一網打尽にするわ!(雪花は出て来たGを凍結)
…一応、コーティングはしたけど、掃除は念入りにね


オヴェリア・ゲランド
◎❤️❤️❤️
フン、この程度の虫など我が敵ではない!
破壊し、蹂躙し、殲滅するのみよ!

●蹂躙
「醜悪なゴミどもめ、我が眼前に姿を晒す不敬を許した覚えはないぞ!」
全身から物理攻撃の軌道すら逸らす剣帝の覇気(覇気・オーラ防御・念動力)を迸らせ、必殺の【皇技・百華剣嵐】を放ち敵たる黒きG共をまとめて【薙ぎ払い】【吹き飛ばし】跡形も無く【蹂躙】する。
「フン!醜いゴミどもめ、貴様らには存在する価値もないわ」


陸郷・める
(☆める:デッドマンの少女。戦車操縦者。大抵戦車に乗ってます
★7号:戦車と兵器の制御用生体部品として組み込まれた元ヒャッハーです)
【POW】
★(温泉かぁ……昔も噂でしか聞いたこと無かったなァ……俺様にはもう関係ねぇが、めるには良い経験かもなァ……)
☆7号、ついたよ……7号?

☆今回はじーっていう……虫?退治。
でもめるは戦車をおりると役に立てないから、戦車で行けるとこを担当するよ。
しんへいき、よーい……
★ヒャッハー!UCで放った焼却薬剤で汚物も害虫も盛大に消毒だァー!!あ、ここで言う汚物に裏の意味とかねぇぞ?
☆だいたいしょーどくしたら火をけして、次へ行くよ

※アドリブ連携歓迎です。



●汚物は消毒だ!
「さぁ、帰りましょうか?」
 荒野の廃墟にやってくるなり、開口一番フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)はそう言った。そして笑顔のままで回れ右をする。
「なに帰ろうとしているのー!?」
 そんなフレミアにツッコミを入れているのは、お馴染みフレミアの眷属の雪女、雪花だ。帰ろうとしたフレミアにしがみついてずるずる引きずられながらも何とかこの場にとどめようとしている。
「いやいやいや……だってさ、なんで人間が滅びかけてるような世界で生きてるのよコイツ等……!」
 あたふたと身振り手振りで拒絶を表現するフレミア。普段は余裕たっぷりな吸血姫も、さすがにGは勘弁願いたいらしい。
「正直なところ、下手なオブリビオンより厄介な気がしますねぇ……」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)もやはり遠い目をしてぷるぷる震えていた。そのあたりはやはりフレミアと一緒で、Gの厄介さが身に染みている様子。ちなみにるこるは、【豊乳女神の加護・遍界招】にて生み出した汚染環境用の防護服の形をした『祭器』を見に纏っている。完全防護で、万が一にも直接触りたくはないという決意が見えていた。
 なお、フレミアも一応、自身と雪花に念動力のフィールドを全身にコーティングして、直接は触れないようにしている。Gに触れたくない気持ちは誰しも一緒だ。
「まったく、だらしないぞお前たち。所詮はただの虫ではないか」
 そんな中、唯一Gに対する恐怖を微塵も見せずに堂々と振舞っているのが軍服姿も眩しい覇王、オヴェリア・ゲランド(銀の剣帝・f25174)だった。なるほど、Gごときに恐れていては女帝など名乗れまい。
「いやいやいや、だって……ねぇ?」
「はい……だってですぅ……」
 もっとも、ただの虫という部分には、フレミアもるこるもまったく共感はできない様子。いや、それもまた至極当然だろうが……。
「フン、たかが虫など我が敵ではない! 破壊し、蹂躙し、殲滅するのみよ!」
『ヒャッハー! いい事言うぜ、女帝様ァ!』
 そして女帝の言葉に大いに同調するのは、がっちょんがっちょんと六足歩行してやってくる小型の多脚戦車から聞こえてきたモヒカンヒャッハーな声であった。
「7号? さっきまで大人しかったのに、急にどうしたの?」
 その戦車の中からは、大人しそうな幼女の声が聞こえてくる。多脚戦車の乗り手である陸郷・める(死念動力実験成功体6号・f26600)の声だ。
 7号と呼ばれたモヒカンヒャッハーな声の主は、戦車の制御用生体兵器だ。今では戦車の操縦にかかりきりのめるのサポート役である。
(『温泉かぁ……昔も噂でしか聞いたこと無かったなァ……俺様にはもう関係ねぇが、めるには良い経験かもなァ……』)
「7号?」
「いや、なんでもねぇぜ! それより女帝様の言うとおり、汚物は消毒だぜぇ!」
 7号は先程まで、この世界にも温泉が沸いているという事で物思いにふけっていたようだが、今はそれよりもG退治が第一。
「ふむ。とはいえ其方の戦車が入れるところとなると限られておるな……」
「でもめるは戦車をおりると役に立てないから、戦車で行けるとこを担当するよ……?」
 めるの多脚戦車は決して大きくはないので、天井につかえることはないだろう。
 とはいえ行動にはやはりそれなりに広いスペースを要するので、上階には向かえまい。それどころか、普通の入り口でも持て余しそうではある。
「まぁ……ここは廃墟ですし、回りこめば、戦車が入れるくらい大きく崩れている場所もあるのではぁ……?」
「そうだな。では建物の崩れている部分から中に入るぞ!
 虫けらを恐れるのならば、我が後ろについてくるがよい!」
 方針を決めてずんずんと進んでいくオヴェリアに、がっちょんがっちょんとめるの多脚戦車もついていき、そしてその後をさらにるこるも後をついていくのだった。
 なお、この間静かだったフレミアはと言うと……。
「じゃあ、任せて私たちは帰りましょうか?」
「だーめーなーのー。おねぇさまも行くのー!」
 回れ右して帰ろうとして、やはり雪花に引きずられて、建物の中へと連れ込まれるのだった。
「なんで雪花はGの巣窟に行こうとするのよー!?」
「きれいに掃除しないと、温泉が使えないのーっ」

 カサカサカサカサ……。
 大きく壁の崩れていた部分から廃墟の建物内に入った一行は、戦車の行動にも支障のなさそうな広いロビーにて、さっそく足元にカサカサと高速で蠢く黒い影と遭遇した。それもその影は一つではない。
「ひぃっ!?」
「でましたぁ!?」
 さっそく驚き振るえるフレミアとるこるだが、宣言通り恐れることはなかったオヴェリアは、最初から全力でGに攻撃をしていく。
「醜悪なゴミどもめ、我が眼前に姿を晒す不敬を許した覚えはないぞ!」
 全身から湧き上がる覇気。
 抜いた件は女帝の覇気を受けて白銀に輝き、必殺の【皇技・百華剣嵐】にて放たれる衝撃波は、瞬く間に近くでカサカサとしていたGを複数纏めてその場に叩き潰し……潰れた死骸が床にべっちょりとなる事すらなく、跡形もなく消し飛ばしていた。
「フン! 醜いゴミどもめ、貴様らには存在する価値もないわ」
 圧倒的な存在感を見せつける女帝に、7号は大絶賛だった。
『いよっ! さすがだぜ、女帝様! める、俺たちも負けてられねぇな!』
「うん、しんへいき、よーい……」
 7号に促されるまま、めるは戦車に装備されている特殊兵装を起動させた。
 それは、汚物焼却システムこと【特殊兵装:焼却薬剤散布】……すなわち、火炎放射だった。
『ヒャッハー! 汚物も害虫も盛大に消毒だァー!!』
 戦車より放たれた炎が、あたりでカサカサ動いていたGを次々と燃やしていく。
 その炎から逃れようとすれば、オヴェリアの剣が叩き潰し、オヴェリアから逃れようとすれば戦車からの火炎が焼き尽くす。なお、汚物焼却システムの火は汚物以外には無害なので、建物自体に火は燃え映らない。
「はぁ……すごいですねぇ……」
「……ねぇ、これ私たちいなくてもいいんじゃない?」
 オヴェリアやめるの活躍を見て、感心しているるこると、帰りたいフレミアだった。フレミアは相変わらず雪花にしがみつかれて回れ右を阻止されている。
「というかさ、どうせだし、ネズミも纏めてここ一帯焼却してしまった方が良いんじゃないかしら……?」
 戦車が景気よくGを見やしてるのを見て、遠くを見つめるようにフレミアはそんなことをも言い出すのだった。
「おねぇさま、それは大惨事になる予感しかしないのー! というかもう一つの建物を燃やしちゃったら、温泉もダメになるのー!」
「じゃあ、こっちだけなら……」
 雪花に止められても、せめてGの巣窟のこちらだけは戦車の火炎放射器で燃やしてもらえば……と思ったフレミアだが、それにはオヴェリアから待ったが入った。
「これ以上すれば建物自体がもたん。ここの上階で作業している者もいるのだ。それはできまい。
 それよりも、目に見える虫は退治したのだ、あとはお前たちの出番だぞ」
『そうだぜー。殺虫剤できるんだろ?』
 7号もそういって、フレミアとるこるに期待をかける。
 こうなると、フレミアもいい加減回れ右して帰るわけにはいかない。できる能力はあるのだから。
「そうですねぇ。やっと出番も来ましたし、頑張りましょうですぅ」
「……そうね、仕方ないわね」
 るこるはフレミアにも微笑んで声をかけると、フロートシステムを起動させた。その砲身には特殊弾頭……すなわち『汚染環境対策』の一種である『対害虫用の煙幕弾』を装填してある。
 建物の瓦礫の隙間、ものかげなど、オヴェリアや戦車では手の出せない部分を狙って、煙幕弾を放っていく。
「仕方ないから、頼むわね?」
「そ、それで私が呼ばれたんですね……」
 そしてフレミアは……やっぱり自分ではやりたくないのか、新たな眷属である妖精を召喚していた。【虜の軍勢】によって召喚された妖精の正体は『病をばらまく妖精』だ。召喚された妖精は、るこるの煙幕弾同様に、あたりの物陰へと飛んでいって狭い部分に【あなたをむしばむ毒】を流し込むことで、潜んでいるであろうGを殲滅していく。
 るこるとフレミア(というか妖精)の煙幕弾や毒の散布から逃れてきたGは、オヴェリアの剣でつぶしたり、めるの戦車の火炎で燃したり、時には雪花が氷結させたりして潰していく。
 やがてカサカサという音も聞こえなくなっていくのだった。
「……これでちゃんとこのあたりのGは殲滅できたのよね……?」
『バルサン炊いたようなものだし、大丈夫だろ!』
「現れたなら現れたで、再び殲滅するのみだ」
「現れなくていいですぅ……」
 かくして1階の広い部分のGはこうして順調に片付いていったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

言葉・栞
【アドリブ・連携歓迎です】

うぅ、嫌な生き物が勢ぞろいですね…
どちらも苦手ですが…頑張りますね!
地道にお掃除を…うぅ、足音が…
こ、ここはお手伝いして貰いましょう!
【勿忘草の記憶:勇気持つ獣】によりかわいい動物っぽい助っ人を召喚です!
ふふ、これで怖くないですね…猫さんに犬さん、馬さんに…皆さんよろしくお願いしますね

あ、さっそくあっちに!
あっちにも!やっぱり物陰に多いですね…
じりじり近づいて…えい!
や、やりました!
…ふぇ?こっちに飛んできました!?

きゃぁ!?
ひゃう、あいたた…転んじゃって…うぅ、恥ずかしいです…
ってまた一杯こっちに!?
ひゃん!!
うぅ…慌てるとダメですね…またころんで…目の前に、いる…


菫宮・理緒
敵はG……?

えーっと……い、いや、うん、いくよ!
いちごさんの頼みだもん、もちろんいくよ!

うん、だいじょぶ。会わなければだいじょうぶ!(自己暗示)

【偽装錬金】でゴッキーハウスを作って、
【罠使い】と【地形の利用】【物を隠す】【属性攻撃】をプラス。
全力でGを捕まえたいと思うよ。

罠なら仕掛けておけばいいから、
わたしは安全、だよね!

(罠を仕掛けてひと晩ほど)
あ、コワイ音がする……捕まえてるっぽい。


……
…………(ちらっ)

qpw目dp@j「mv¥-wqエイ0んvh!!??

【全力魔法】の【Nimrud lens】で、
ゴッキーハウスを最大火力全力完全燃焼。塵も残さないよ。

わたし……なぜ見たし……(げっそり)


ニーナ・ライト

温泉…この世界にも出てくる所が…!

…余計な物も出てきちゃってるから、何とかしないとだよね…!

あっちもこの世界で必死に生きてるとは思うけど
そこは私達も同じだから…!

(それにすごい数に襲わて、いろんな意味でいただかれちゃう可能もあるから、そうならないためにも…)

場所が場所だから遠距離狙撃は厳しそうだし
アサルトライフルやサイコキネシスでの中距離戦で
出来るだけ近寄られる前に排除!

近寄られたらサイライト・ブレードでの攻撃メインに切り替えるよ

それでも排除しきれず、身体まで到達されちゃったら
服の下に潜り込まれて悶える事になっちゃうかも!?

その時は悶えつつもサイコキネシスも使って退散させるけど
服も犠牲に…?


彩波・流江
(アドリブ歓迎です!)

あの悪魔達の駆除ですか…何だか寒気が

元々旅館ということですし、食材の残り等あれば良いのですけど
それを素材にお団子を作って、水場を始めとする部屋の各隅に置いておきます
Gの皆さんに早く効果を実感してもらいたいので、【範囲攻撃】の【呪詛】(あいじょう)をたっぷり込めておきますね

素材がなかった場合は、仕方がないので最近手に入れた魔導武器、福音の獣砲さんの出番
口から攻撃を吐く彼ですが、今回は口内に風の渦を起こして吸い上げる掃除機の役割
吸った先には当然口があるという事で、一切合切噛み砕いてもらいます

後は旅館内にある家具等を【空中浮遊】させて、Gの皆さんが隠れる場所を暴いて行きましょう


霧沢・仁美
こんなところにまでGが出るなんて…いや、こんなところだから、かな。
人類が絶滅しようが生き残るって言われてるくらいだし。
ともあれ、あたしもGは全くダメって程でもないけど嫌なのは確かだし、しっかり退治しないとね…!

レプリカクラフトで、G捕獲用の粘着トラップを作って旅館の色んなところに設置。
仕掛け罠になると思うから、精巧に作れるはず!
温泉や台所跡とかの水回りに重点的に設置しておくよ。
もし途中で単独のGを見つけたら【念動力】で潰そうかと。…直接触ってないのに嫌な感触がした気がする。

後は旅館の外に火を用意しておいて、暫くしたらトラップを回収。
Gごと火に放り込んで退治しようかと。



●ゴキブリホイホイとホウ酸団子
「温泉……この世界にも出てくる所が……!」
 この依頼の話を聞いた時、ニーナ・ライト(Automatic-Buddy「Ψ-7174」・f24474)はとても嬉しかった。この世界に生まれ、猟兵になった今では別の世界にある温泉付きの寮で暮らしているニーナなのだ。既にその身体は温泉の良さを知ってしまっている。なので故郷の世界にも温泉があるのは嬉しい事なのだ。
 が。
「……余計な物も出てきちゃってるけど」
「こんなところにまでGが出るなんて……いや、こんなところだから、かな。人類が絶滅しようが生き残るって言われてるくらいだし……」
 がくりとしたニーナの呟きを受け継いだのは、そのニーナの住む寮……恋華荘によく通ってきている温泉仲間の霧沢・仁美(普通でありたい女子高生・f02862)だ。仁美の場合は、Gへの苦手意識はそれほどでもないのか、苦笑い気味である。まぁ、全くダメというわけではないだけで、嫌なものは嫌なのだろうけれど。
「敵はG……? えーっと……」
 一方、全くダメなのが、ニーナと同じく恋華荘で暮らす菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)だ。理緒の場合は、Gだけに限らず虫全般がダメなのである。……ならなぜこんな所に来た、と思うのだが……。
「い、いや、うん、いくよ! いちごさんの頼みだもん、もちろんいくよ!」
 ……理由はこれ。今回の案内をしたグリモア猟兵……恋華荘の管理人からの依頼だからに他ならない。正直、ダメな所に無理に来なくてもいいと、件の管理人は言うだろうが……。
「あの悪魔達の駆除ですか……何だか寒気が……」
 その管理人と同じ苗字(読み方は違うが)を持つ彩波・流江(不縛神フルエリュト・f25223)も、やはりGを相手にして身震いしている。Gのことを悪魔と称しているのは、流江が神だからか。神の力を持つ者が悪魔と呼ぶあたり、Gの恐ろしさもよくわかる。……いや、何か違う気もするが。
「うぅ、嫌な生き物が勢ぞろいですね……」
 Gを前に震えているのは、言葉・栞(開巻有益・f14552)も一緒だ。いや、栞が見ているのはGだけではない、この次のこともか。Gの退治ができたらできたで、次は病原体をまき散らすネズミが相手だとグリモア猟兵に予告されている。
 だけれども、仕事として受けた以上、そしてこれをこなさなければご褒美の温泉にあずかれない以上、やるしかないのだ。
「どちらも苦手ですが……頑張りましょう!」
「あっちもこの世界で必死に生きてるとは思うけど、そこは私達も同じだから……!」
「しっかり退治しないとね……!」
「ええ、黒い悪魔は殲滅します……!」
 栞の言葉に、ニーナと仁美と流江がうなずいた。言葉を発するのも忘れるほど震えている理緒も、周りの仲間たちに遅れて真っ赤な顔でコクコクコクコクと必死に首を縦に振っている。
 というわけで、今回はこんな臨時編成の5人の少女たちが、G退治のために、廃墟の建物の正面玄関から入り込んでいくのだった。

 5人は、廃墟の地下へと降りていく。
 元が旅館だった頃は、恐らく大宴会場とそれに伴う厨房があったであろう地下だ。Gが棲みついているとしたら、まさにこういう所ではなかろうか……それを考えると、これは実に勇気のある選択と言わざるを得ない。
「元々旅館ということですし、食材の残り等あれば良いのですけど……」
「あったとしても、発酵してたりで、とても食べ物ではなくなっているかも……?」
 先頭を行くのは流江とニーナの2人だ。
 薄暗い地下を、懐中電灯の頼りない灯りで進んでいく。その照らされた範囲の外は、不気味に静まり返っていて、そこに黒い影がいたところで見えはしないだろう。
 だが、確かに聞こえている。
 カサカサという何かが這いまわる音が。
「ひぃ……いるよ、何かいるよぅ……!」
「……うぅ、足音が……」
 地道に掃除をと思っても、暗がりからいつGが現れるかという恐怖は耐えがたい。
 理緒は傍らにいる栞に抱きついてカタカタと震えていた。
 抱きつかれた栞だって怖いのだが、それでも自分以上に怖がる相手がいると、少しは冷静になれる。だから、栞は怖さの対策として、味方を呼ぶことにする。
「こ、ここはお手伝いして貰いましょう!」
 栞は【勿忘草の記憶:勇気持つ獣】により動物を助っ人に召喚した。動物といっても、ゆるキャラ系の可愛い動物さんたちではある。
「……ふ、ふふ、これで怖くないですね……」
 呼び出した動物さんたちの前で、栞は自分に言い聞かせるように呟いた。いくら味方が増えたところで怖いものは怖いのだが……それでも、自分たちを守る存在があれば少しは耐えられる。
「猫さんに犬さん、馬さんに……皆さんよろしくお願いしますね」
 呼び出されたゆるキャラたちは、それぞれ独自にGを退治して回るだろう。見た目がゆるキャラでも、動物は動物なので感覚は自分たちよりは鋭いはずだ。
「あ、さっそくあっちに!」
 さっそく栞が見かけたGを、ゆるキャラな犬さんがじりじり近付いて叩き潰していた。そのままゆるキャラたちは暗がりの中へとG退治に向かっていく。
「じゃあ、あたしたちは今のうちに、厨房に向かおう。どう考えても、そこが一番の中心だろうし……」
「そうですね、Gの皆さんにもたっぷりと私の『あいじょう』を味わってもらいたいですしね」
 というわけで、仁美と流江の案内で、5人は厨房へと入っていった。
 ちなみに流江の言う『あいじょう』だが、呪詛と書いて『あいじょう』と読む。先ほど残された食料を気にしていたのもこのためで……要するにG退治のホウ酸団子ならぬ呪詛団子を作ろうというのである。

 厨房にて、流江が残った食材(もちろん腐っている)を使って呪詛団子を作っている最中、仁美と理緒も設置する罠……ゴキブリホイホイを作っていた。仁美の【レプリカクラフト】と理緒の【偽装錬金】を使っての精巧なゴキブリホイホイである。
「罠なら仕掛けておけばいいから、わたしは安全、だよね! だよね?」
「うん、そうだよね。大丈夫、きっと大丈夫」
 安全であってほしいという祈りを込めて、理緒は出来上がった罠を設置していく。仁美もそんな理緒を安心させるように大丈夫と呟いているのだった。仁美もまた、大丈夫だと思いたい様子。
 カサカサカサカサ……。
「ひっ!? 今、何か音した!」
「近寄られる前に排除!」
 罠を仕掛けている間も、いたるところから当然Gの音はする。
 そのたびに、ニーナがアサルトライフルで撃ち抜いていった。
「……さすがに暗いし狭いから狙撃は無理だけど……これくらいならなんとか」
「ありがとー……ニーナさん……」
 一番怖がっている理緒は、涙目でニーナに感謝の視線を向けている。
 カサカサカサカサ……。
「やっぱり厨房の物陰だと多いですね……えい! や、やりました!」
「栞さん、すごーい」
 栞も自分でも丸めた新聞紙でGを叩き潰していた。やはり感心する理緒。
 カサカサカサカサ……シュッ。
「……あ、またコワイ音がする……捕まえてるっぽい……?」
 更に音に反応する理緒。今度はどうやら、栞の呼び出した某物たちが動き回っていたGを捕まえた音のようだが……?
「ひゃああああ!? み、見せに来なくていいですーっ!?」
 どうやら捕まえたと自慢するためにゆるキャラな猫さんが、Gを持って栞の前に戻ってきたようだ。潰されたGの死骸を……。
 栞も先程は自分でもGを叩いていたのだが、さすがに死骸をいきなり目の前に出されては悲鳴も上がる。
「早く捨てて、早く―っ!」
「つぶれてます、つぶれてますーっ!?」
 栞だけでない、それを見かけてしまった理緒や流江も悲鳴を上げて右往左往。
「わ、罠は設置したから、別の場所に移ろうか……?」
 という仁美の提案に、全員コクコクと首を縦に振るのだった。

 というわけで、厨房跡に罠を仕掛け終えた5人は、今度は大宴会場だった広い部屋へとやってきた。
 カサカサカサカサ……。
「うぅ……やっぱりここにもいるみたい……」
「また罠をしかける……?」
「というかなんか音多くない??」
 広い部屋に、厨房跡よりも数が多いとは思いたくなかった一行だったが、どうやら本当に数多くこの部屋にGがいるらしい。……実は彼女たちは知らないことだが、ちょうどこのころ上の階ではバルサンならぬG退治の毒を散布していたので、そこから地下へと逃れてきたGによって、一時的に数が増えていたのだった。
 そのうち、ブーーーンという羽音まで聞こえ始めた。
「……ふぇ? こっちに飛んできました!?」
「えっ!?」
 栞の悲鳴に、ニーナが不意をつかれたように声を上げる。いや悲鳴を上げたのは2人だけではないだろう。
 なにせ5人の目の前に、Gが群れを成して飛んできたのだから……。
「qpw目dp@j「mv¥-wqエイ0んvh!!??」
 その光景を見た理緒は、人の言葉とは思えない悲鳴を上げたのちにばたりと倒れた。そして、倒れることもできなかったニーナと栞には、飛んできたGが群がっていく……。
「きゃぁ!? ひゃう、あいたた……」
 驚いた栞は、そのまま尻餅をついてしまった。転んだ弾みに捲れたスカートを赤面しながら直していくが……。
「……うぅ、恥ずかしいです……って、目の前に、いる……!?」
 そんな栞の前にGが飛び込んできて……そして服の中にGが入り込んでしまった。
「ひゃん!!??」
 混乱して頭がぐるぐるするな、あ服の中のGを追い出そうと真っ赤になって上着を脱ぎ捨てる栞である。
 それ以上に悲惨なのはニーナだった。栞の服に飛び込んだGは1匹だったが……ニーナはそれどころではなかったからだ。
「く、くすぐったい……!?」
 服の下をもぞもぞ動くGの感触に顔を真っ赤にしたり真っ青になったり……。
 普段クールな彼女らしからず慌てまくって、悶えながら【サイコキネシス】を使ってGを引き剥がすのだが、慌てすぎて服まで一緒に引き裂いてしまったのだった……。
「ひえっ、こっちにもきたっ!? うぅ……直接触ってないのに嫌な感触がした気がする……」
 仁美は辛うじて、自分に群がられる前に念動力でかろうじて叩き潰していた。
 自分の足もとにべちゃっとつぶれたGが叩き付けられ、それを見た仁美はただただ背筋が寒くなる。
「い、いやっ!? こ、来ないでくださいっ!?」
 流江は悲鳴を上げつつ、魔導武器『福音の獣砲』の口を、飛んでくるGに向けていた。本来は狼の口から攻撃を吐く獣砲さんだが、今回はそれを逆回転させ、掃除機のようにGを狼の口中へと吸い込んでいく。
 狼の口の中でぐちゃっとGがつぶれた音がして、流江はうえぇ……と顔をしかめるのだった。

 そんなことがありながらも、5人は何とか大広間のGを片付けることに成功し、最後に罠を回収に厨房跡へと戻る。
 流江の念動力で厨房の罠を仕掛けたあたりの家具を浮かせてどけていくと、呪詛団子の周りに大量のGの死骸があった
「うえぇ……見ちゃった……」
「で、でも効果はあったわけですし……」
 そして、理緒と仁美の仕掛けたゴキブリホイホイにも、Gがびっしりと入っていた。それを、回収の際につい中身を覗き込んでしまった理緒は、再び人類が発するものではないような悲鳴をあげてしまった。
「大丈夫ですか、理緒さん……?」
「わたし……なぜ見たし……」
 げっそりとした顔で力なく呟く理緒を宥めつつ、5人は階段をあがって建物の外に出る。
 最後は理緒の電脳魔術が起こした火で、ホイホイを中のGごと完膚なきまでに焼却して、G退治を終えたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

桂・真白
おまかせプレイング。お好きなように、
最終的には召喚した小悪魔がなんとかしてくれますが、それまでは酷い目に合い続けます。小悪魔が満足するまで弄ばれつづけるでしょう。
流石の小悪魔もGはあれなのか、妄想を具現化する世界改変能力の術で速攻で萌擬人化させるようです。萌擬人化したGに襲われる真白を愉しそうに弄ぶでしょう。
キャラについてはシチュに合わせて小悪魔含めた使役UDCに洗脳されて改変されますのでお好きなように。基本的には中2病がベースになります。
小悪魔が満足したら妄想の具現化で萌擬人化したアシダカ軍曹を喚んでGを色々な意味で捕食させることでしょう。


アリス・セカンドカラー
お任せプレイング。フリー素材としてお好きなように。
一応真白ちゃんとこの貴腐神とは別人設定ですが、召喚される形でも構いません。不死鳥座とかタキシードな仮面の紳士とかピンチに駆けつける強キャラムーブいいわよね☆え?むしろ私が真白ちゃんの最大のピンチ?はは、なんのことやら。
うん、流石に私もGは嫌よ。なのでサクッと目立たない迷彩を施した赤い糸で気付かれることなく楽園にご案内して、私好みに呪詛による男の娘属性攻撃で萌擬人化させるわ。よーし、折角だから萌擬人化アシダカ軍曹な分身(多重詠唱/集団戦術/念動力)を作って萌擬人化Gを捕食(意味深)させましょ♪情熱ダンスでじっくりことこと料理して生命力吸収よ♡


ジェイク・リー
※アリスと行動

「……んで、アレを始末しろと」
難しいか簡単かと聞かれれば簡単。被害を度外視すればだが。
UC使えばあっという間に片付くが建物も吹っ飛ばすだろうと言う。
「隙間に逃げ込まれたら物理的に片付けられんだろ」
最終的に魔術による極低温による徹底駆除。
リミッター解除から属性攻撃による極低温の冷気の魔力を放つ。
巣ごと凍結させて完全駆除。




アリス・スラクシナ
※ジェイクと行動

「面倒だが放っておけば……か」
聞いてみれば都合のいいUCはないようだ。まあ当然か。
武器を使うのも過剰で限界がある。
そうなれば属性攻撃による駆除になるか。
まあ、方法が他にない以上は……。
凍結させれば被害は出ないかもしれないしな。


絡みOK(性別問わず)



●たとえ彼女でもGは嫌?
 廃墟の建物の3階。
 G退治のために上階にあがってきた少女は、ここで今、いろいろ人目に見られない状況になっていた。
 何が起きているかというと、大量のGに群がられているのである。
「いやあああああ!?」
 当然のように悲鳴を上げて泣き叫んでいる彼女、名前を桂・真白(情熱の堕天使“UDCの玩具”・f27369)という。
 真白に群がったGは、真白のゴスロリ服の中へと潜り込み、ロリBBAなその身体の上を蹂躙するようにもぞもぞと動き回っている。……別にこのGはごく普通のゴキブリなので、エロモンスターではないはずなのだが、なぜだろう。何か食料になりそうな匂いでも発しているのだろうか……?
 理由はともかく、彼女は今服の中で蠢くGに群がられて、気持ち悪さと恥ずかしさで頭の中がぐちゃぐちゃになっているのだった……。
「助けて……誰か助けて……っっ!」
 悲鳴を上げ、涙を流し、だけれども助けは訪れない。
 果たして彼女に救いの手は現れるのだろうか……?

 と、悲惨な彼女のことはさておき。
 同じく廃墟の建物の上階を2人組の猟兵がGを探しながら歩いていた。
 カサカサカサカサ……。
 ある程度進むと、Gの足音が聞こえてくる。
「……んで、アレを始末しろと」
「面倒だが、放っておけば……犠牲者が、か」
 ジェイク・リー(影の護り手・f24231)とアリス・スラクシナ(邪神の仔・f21329)のコンビだ。
「で、何かこういう時に都合のいいユーベルコードでもあるか?」
「建物ごとぶっ壊していいならな。被害を度外視すれば簡単なんだが」
 アリスの問いに、ジェイクは肩をすくめてそう答える。
 そもそも真っ当な答えは期待していなかったのか、アリスもため息をついて、まぁ当然かと呟くばかり。
「仕方ない、地道にやるか」
「だな……」
 というわけで2人は、Gを見かけたら、地道に極低温の冷気の属性攻撃で凍らせていくのだった。
「……ちっ。隙間に逃げ込むか」
「隙間に逃げ込まれたら物理的に片付けられんだろ……なら、隙間ごと凍らせてやるさ」
 置かれている家具や瓦礫の隙間などに逃げ込めば、ジェイクはそれごと……おそらくは巣ごと凍り付かせて、駆除をしていく。
「まぁ、凍結なら建物にも被害は出ないだろうな……他に方法も思いつかないし、仕方ないか……」
 やれやれと呟きながら、アリスも同様のことをはじめ、そうして2人は2階を探索していく。

 やがて、2階を探索し終えたジェイクとアリスのコンビは、3階へと上がる。
 そこでGに群がられている真白を発見するのだった。
「……で、あれはどうする?」
「この階であまり見かけないと思えば、そういう事か」
 2殷が見かけたとき、真白は、服の中を動き回るGに身体中弄られて、いろいろ敏感な部分も刺激されてすっかり息が上がっていた。
「まぁ、あれでは助けるしかあるまい」
「仕方ないな……」
 アリスとジェイクは真白を助けようと近付いていくが、肝心の真白の方は、もう、助けを呼ぶ気力もないようだ。真白の涙でぐしゃぐしゃになった目には、せっかく助けに来た猟兵の姿も映っていない。
「も、ぅ……だめ……」
 だから、真白は、最後の手段を使った。
 虚空に向けて、悪魔召喚の呪文を唱える。すなわち【小悪魔召喚「腐海の貴腐神」】を。
「なんだ!?」
「……何かくる」
 突然の召喚術に、アリスとジェイクの足も止まった。
 何が起こるのかと身構えた2人の前に、小悪魔「腐海の貴腐神」が召喚される。
「呼ばれて呼び出てー……ってな感じで、ピンチに駆けつける強キャラムーブいいわよね☆」
 場にそぐわないような明るい声でそんなことを言い放つ貴腐神……というかまぁ、正体はアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)なんですけどね。アリスが2人いて紛らわしいので、こっちの召喚された方はこの後も貴腐神で通すことにしよう。
 ともあれやってきたのは最悪の選択。
 むしろこれこそが真白にとっての最大のピンチではないのだろうかという貴腐神であった。
 アリスとジェイクもさすがにこの状況にはついていけずにポカーンである。
「え? むしろ私が真白ちゃんの最大のピンチ? はは、なんのことやら」
 地の文の感想にも当たり前に答える貴腐神は、早速、いつもの妄想具現化を始めるのだった。
「うん、流石に私もGは嫌よ。なのでサクッと楽園にご案内~♪」
 Gに群がられている真白も、そしてたまたまここにいたのが不幸だったアリスとジェイクも巻き込んで、目くるめく貴腐神の男の娘ワールド開園である。
「お、おい、何が始まるんだ……?」
「知るか。俺に聞くな」
 戸惑う巻き込まれ2人。無理もない。
 だが、それ以上に悲惨なことになっているのはもちろん真白で。
 服の中を群がっていたGが突然貴腐神の妄想によって男の娘へと変わっておく。
 当然、服の中でそんな巨大化じみたことになれば、服が引き裂かれ真白はあっという間にすっぽんぽんになり、そして男の子たちが身体を蹂躙するような光景になってしまうのだった。
「ひゃあああああああああ!?!?!」
 当然のように悲鳴を上げて、男の娘と化したGに身体を弄ばれる真白。
 もちろん、大量に群がっていたGが男の娘と化してしまったからには、真白の身体だけでは狭すぎる。溢れた男の子たちは、たまたま近くにいたアリスとジェイクにも殺到していくのだった。
「なんなんだこれはっ!?」
「おい、離れろ、おい……!」
 2人に群がり抱きついて身体をこすり合わせてくる男の娘(元G)を、アリスとジェイクは戸惑いながらも氷の魔法で凍結させて引き剥がしていく。
 とりあえず貴腐神は巻き込まれたそんな2人には興味がないのか、男の娘(元G)に群がられて身体を弄られている真白の方へと向かっていった。鼻歌交じりで。
「さーて萌え擬人化もしたし、これで遊べるかなー? ……あ、でも、擬人化しても元はGだしなー。うん。よーし、折角だから萌擬人化アシダカ軍曹作って、男の娘Gを捕食させましょ♪」
 またこいつは変なことを言いだした……捕食って男の娘状態になったらカニバリズムっぽいのだけど……。
「もちろん、捕食カッコ意味深よ」
 やっぱりか……。
 筆者の溜め息も聞かず、貴腐神はGの天敵であるアシダカグモを具現化すると同時に男の娘化させ、Gの男の娘と絡ませ始めた。
 かくして男の娘同士が互いに貪りあい捕食する地獄絵図がここに誕生する……。

 というわけで……これ以上描写はしたくないので結末だけ記そう。
 貴腐神は、アシダカ男の娘とG男の娘の捕食シーンを存分に堪能した後、アシダカ男の娘相手に情熱的に生命力吸収を行って、1人ご満悦だった。
 アリスとジェイクは、G男の娘に群がられていろいろ性的被害も受けそうになったが、そうなる前にかろうじてそれらをすべて凍らせ、貴腐神の注意が自分たちに向いていなかったこともあって何とかこの空間を離れて難を逃れていた。
 そして真白は、散々G男の娘に性的に嬲られて息も絶え絶えのまま、裸のまま粘液まみれでぐったりと横たわっていたのだった。
 その後、貴腐神にも何かされたらしいが、そんなことは筆者の知ったこっちゃないのである……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

電話・ボックス
温泉旅館、何とレトロな響きだろうか。
この地を再び風情溢れる隠れ家的な旅館とする為に、公衆電話はきっと一役買えるに違いない。
当社の通信端末は自動清掃機能も搭載されている。
お役立て頂きたい。―――グリモア・テレコムセンターCEO
(↑と言う紙が貼られた電話ボックスが鎮座している)

害虫駆除、を、開始します。

UCでボックス内部の床にゴキブリホイホイ、天井部分に殺虫剤噴射装置をセット。

そのまま扉を開け放して歩き回る。

ゴキブリがある程度ボックス内部に集まったら扉を締めて殺虫剤噴射装置をON

バルサン効果だ!


叢雲・黄泉
「アポカリプスヘルでのスイーパーとしての依頼ですか……
賞金稼ぎとしては依頼であれば相手は問いませんが……
コードネームGとネズミ……
一体どんな賞金首なのでしょうか……」

グリモア猟兵は対象をGやネズミというコードネームでしか呼んでいなかったので敵の正体は不明ですが、手早く片付けて、彩波いちごの命を狙うとしましょう。
温泉であれば、彩波いちごも油断するはず……

「まずはコードネームGが出るという四階建ての施設ですね……」

敵がどこから現れてもいいようにいつでも技を放てるように身構えて進みますが……
現れたのはG――ゴキブリの群れ。

「きゃ、きゃああっ」

虫が苦手なのでパニックになって【天下五剣】を撃ち込みます!


保戸島・まぐろ
「私もあまりGは見たくないんだけど」
愚痴りつつ、温泉施設を開放するために今回全力を尽くすことを決めたまぐろ。
「温泉には入りたいものね!!」

慎重に中に入ると、耳に入れたくないほどのGの蠢く音。
全身が震え上がるわね。

「負けないわよ!!」

マグロ型の刀を構えて、口に『マグロの燻製肉』を入れる
ユーベルコード『フードファイト・ワイルドマグロモード』の発動だ。
炎をまとった状態で、刀を振り、Gを斬り刻む!!

逆襲されたりして体にGがまとわりついたら
「きゃあああああああ!!?? ちょ、ちょっと、離れなさい!!!」
ついたGを手で払い落としつつ、攻撃を続けるわ!

「こ、こんなに大量にいると……!!」
でも負けない!!



●温泉旅館には公衆電話があります
 様々な猟兵達がすでにドタバタとG退治をしている頃、また1人の少女が荒野の廃墟へとやってきた。
「アポカリプスヘルでのスイーパーとしての依頼ですか……」
 叢雲・黄泉(賞金稼ぎのヴァンパイアハンター・f27086)は、そういって1人静かに考え込んでいる。
 依頼人のグリモア猟兵が、命を狙っている相手だというのはいまいち釈然としないのだが、賞金稼ぎとしては始末屋の仕事を受けて賞金を稼がなければやっていけないのもまた事実。
「賞金稼ぎとしては依頼であれば相手は問いませんが……コードネームG……一体どんな賞金首なのでしょうか……」
 グリモア猟兵は、一貫してGとしか言っていなかった。
 ならば、イニシャルだけで、正体の知られていない相手だと……黄泉は考えた。
「そうなると、ネズミというのもコードネームでしょうね……こちらもどんな相手なのか……」
 勘違いが勘違いを呼ぶが、そもそも1人でやってきた黄泉に、その間違いをただすものはいない。狙う相手の懐に飛び込むという名目で寮には潜入した(ちゃんと書類出して合法的に引越しした)ものの、腐れ縁の情報屋な闇商人やその関連者以外とはほとんど関わっていない、つまりはぼっちだから、誰も彼女に教えてくれるものはいなかったのだ。
「まぁ、何者であってもかまいません。……依頼者は彩波いちごとはいえ、仕事はこなします」
 それに仕事を終えた後の温泉にはターゲットもやってくる。そこでなら命を狙う機会もあるはずだ。
 ならばなおのこと、仕事に手は抜けない真面目な黄泉である。
 ……真面目なのだけど、腕もたつのだけど、どこかぽんこつ臭がするのは気のせいでしょうかね?

 そんな黄泉は、廃墟の正面玄関から中へと入っていく。
「まずはコードネームGが出るという四階建ての施設からですね……」
 広いロビーでは戦車が暴れまくっていた気もするが、そこから外れた奥、旅館として使われていたころには恐らく売店などのスペースだった辺りを、Gを探して黄泉は歩いていた。
 ……といっても黄泉はいまだにGが何なのかわかっていない。
「……これは、電話機ですか。この世界でこれだけ綺麗なものは珍しい……」
 代わりに見つけたのは、公衆電話ボックスだった。
 もう一度言おう。電話・ボックス(旧式・f17084)だった。
 部屋の片隅に、透明な円筒状の電話ボックスが存在し、その中には黒い公衆電話が設置されている。電話線が付いているのかはわからない。この世界だから電話線が通っているわけはないだろうと、黄泉は考えた。
 ええ、これがウォーマシンの猟兵だなんて、黄泉は全く気づいちゃいないのだ。
 ましてやそのウォーマシンが、温泉旅館というレトロな響きに対して感慨深げにしているなどとは、夢にも思っていない。
「……張り紙がしてありますね。どれどれ……」
 電話・ボックスの身体には、1枚の張り紙があった。
 黄泉はその張り紙を覗き込む。
 中にはこう書かれていた。

『この地を再び風情溢れる隠れ家的な旅館とする為に、
 公衆電話はきっと一役買えるに違いない。
 当社の通信端末は自動清掃機能も搭載されており、Gへの対処も可能だ。
 お役立て頂きたい。―――グリモア・テレコムセンターCEO』

「……ふむ、これが旅館だった頃のサービスセンターの張り紙でしょうか?
 それにしては紙も新しいようですが……いえ、Gへの対処!?
 まさか、サービスセンターに電話をかけるだけで倒せる賞金首なのですか……いえ、そもそも旧時代の頃に存在していた賞金首……?」
 Gの正体がわかっていない黄泉は、絶賛混乱中だった。
「そりゃまぁ、この世界でも昔は電話かければ駆除してくれたんだろうけどね。でも今は私たちでやらなきゃ」
「!? 誰ですか!?」
 そして混乱していたからか、背後から近付いてきた人物の接近に、声をかけられるまで気が付かなかった。
 キィン。
 慌てて咄嗟に刀を抜いて切りかかる。
 その刀は、巨大なマグロ型の剣によって防がれていた。
「あっ、危ないじゃない! せっかく寮で見かけた顔だから声かけてみたのに!」
 巨大なマグロブレイドで黄泉の咄嗟の攻撃を防いだのは、黄泉と同じく恋華荘に住む保戸島・まぐろ(無敵艦隊・f03298)だった。
「……そういえば、寮で見かけた顔ですね。失礼しました……名前は……なんでしたか?」
「私もあなたの顔は覚えあるけど、名前は知らないわね」
 もっとも、御覧の通り、普段寮の外で活動することが多いまぐろと、最近寮に来たばかりの黄泉では、たまたま顔に見覚えがある程度で、ぶっちゃけ初対面に近い。
 とはいえ敵ではないことは認識したので、互いに自己紹介をして、ひとまず協力はすることにする。
「それで、保戸島まぐろ。貴女はGの招待は知っているのですか?」
「え、むしろ黄泉は知らずにここまで来たわけ?」
 驚いてぽかんと口を開けるまぐろを見て、黄泉は、そんなに有名な賞金首だったのか……と、情報収集担当の腐れ縁に恨み節を向けた。何故教えなかったのか、と。もちろんこの依頼に関係ない人物なので、そんな恨み向けられても知らんと言われるだけだが。
「まぁ、私もあまりGは見たくないんだけど……ちゃんと退治しないと温泉入れないしね!」
「え、ええ……そうですね」
 温泉にグリモア猟兵を呼ぶのが目的なのは両者一致しているので、呼んでどうするかは真逆であってもそこは意気投合する。
「負けないわよ!!」
 そしてまぐろは気合を入れて、そしてフードファイターらしくマグロの燻製肉を口に入れて【フードファイト・ワイルドマグロモード】を発動させた。まぐろ本人だけでなく、巨大なマグロ型の剣マグロブレイドまでもが炎のオーラに包まれ、準備万端。
「それじゃ、行きましょう!」
「ええ……それにしてもGとはいったい……?」
 というわけで、2人は電話ボックスの近くを離れて、さらに奥へと向かっていく。

 なおその時、電話・ボックスがずっと【ガジェットショータイム】を使って、ボックスの内部や天井部分に対G装備を作り出していたことに、結局最後まで黄泉もまぐろも気づいていなかった。
『害虫退治機構……ゴキブリホイホイおよび殺虫剤噴射装置をセット完了。
 害虫駆除、を、開始します』
 そして電話・ボックスは、その底部に虫のような足を延ばし、かたかたかたと黄泉とまぐろの後を追うように移動していくのだった。

「ところで、結局Gとは何なんです……?」
「Gはね……あ、いたっ!」
 未だにGがなんなのか理解していない黄泉に説明しようとしたまぐろだが、それよりも先に視界の端にそのGが見えた。
 説明していて逃げられるわけにはいかないと、まぐろはそのまま一気に飛び掛かって、炎のオーラでGを叩き潰す。
「いた……って、どこに……? 賞金首の気配など……」
 そしてまぐろの動きにますます戸惑う黄泉。話をしていた所為か、カサカサというGの足音も聞こえていなかったので、まるで何が起きたのか理解できていない。
 そしてそんな状態の黄泉だから、これは完全に不意打ちになってしまった。
「って、いっぱい出た―!?」
「出たって……む、虫!? Gって、ゴキブリ……」
 そしてここにきてようやくGの正体を知る黄泉。
 実は虫は苦手なのである。なので……。
「きゃ、きゃああああああああああああああああああああああああっ!?」
 絹を裂くような悲鳴を上げて、パニックに陥ってしまった。
 どれくらいパニックになってるかというと、【召喚・天下五剣】で呼び出した5本の刀を、目を閉じたまま無闇矢鱈にしっちゃかめっちゃかに飛ばしまくっているくらいだ。
「わ、ちょ、あぶなっ、前見てっ!? ていうかこっちにも来たあああああ!?」
 そして黄泉の5本の刀は全く攻撃の体をなしていないために、Gを妨げることもできず、Gの群れはまぐろに向かって一斉に羽根を広げて飛んでくる。
「きゃあああああああ!!?? ちょ、ちょっと、離れなさい!!!」
 さすがにまぐろも悲鳴を上げる。
 なんとかマグロブレイドを振りまわして追い払ったり、身体にくっついたのを手で振り払ったりもしたが……。
「こ、こんなに大量にいると……!?」
 さすがにまぐろも追いつかず、完全にGに群がられてしまい、意識が遠くなる。
 既に黄泉は目を回してぶっ倒れていた。
 まぐろはまだ、負けない……と心は屈していないが、このままでは……。

『害虫駆除、を、開始します』
「えっ!?」
 そんなところに天の助け。電話・ボックスが追い付いてきた。
 先程黄泉と会話していた時の背景だったはずの電話ボックスが、自ら近付いてきて、音声を発したことにまぐろは目を丸くしている。
『害虫、を、取り込みます』
 そんなまぐろの驚きも素通りして、電話・ボックスはボックスの扉を開ける。中に仕込まれているのはゴキブリホイホイ。
 黄泉に群がっていたGも、まぐろに群がっていたGも、近くをてくてく通りながら吸引剤の香りを放つホイホイに吸い込まれるようにして群がっていき、ボックスの中に入り込んでホイホイの床に貼り付けになっていく。
『殺虫剤、を、噴射します』
 そしてある程度中にGが溜まると、ボックスの扉を閉じて、その内部に殺虫剤を噴射してGを退治していった。
「すご……」
 Gから解放されたまぐろは、その手際の良さに驚きながら、数が少なくなったGをマグロブレイドで叩き潰していく。
『害虫退治機構、を、再装填します』
 まぐろが見ている間にも、電話・ボックスは、内部の死骸だらけのホイホイを排出すると、新たなホイホイをガジェットで作り出し、そして駆除を続けていくのだった。

 かくして、電話・ボックスがGを呼び込み殺虫剤で始末し、ボックスに入らないはぐれのGはまぐろが退治しつつ、電話・ボックスとまぐろはGの処理を続けていく。
 ……ちなみに黄泉は、まだ目を回したままだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『インフェクション・マウス』

POW   :    接触感染
【噛みつきや引っ掻き】が命中した対象に対し、高威力高命中の【強い毒性をもつ病原体】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    空気感染
自身に【病原体のコロニー】をまとい、高速移動と【空気中への病原体】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    飛沫感染
【自身に傷を負わせる事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【病原体に汚染された血液】で攻撃する。

イラスト:白狼印けい

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●温泉施設に奴はいる
 かくして、紆余曲折いろんなことはあったが、最終的には猟兵達の活躍もあり、旅館部分の廃墟に巣食っていたGは駆逐された。

 次の目標は、そこから渡り廊下でつながったもう一つの建物。
 1階建ての平屋でありながら、床面積だけは旅館部分にも匹敵するそこは、室内型の大浴場施設だった。
 かつて旅館として営業していたころは、様々な種類のお風呂を楽しめる空間だったのだろう。
 だが今は、ただ湧き出ている天然の温泉が注がれているだけの場所。
 内部には、大小さまざまな浴槽や、既に動いていない洗い場の設備、もちろん脱衣所もこの建物の中にあるし、サウナ施設であったろう隔離部屋などもある。
 かつて存在した男湯女湯を分ける仕切りも、既に崩れていたりもする。

 そんな中を根城にしているネズミがいた。

 病原体をまき散らすオブリビオンのネズミ。
 インフェクション・マウス。

 大きさはせいぜい10センチくらいか。
 だが、その大きさには似合わない戦闘能力も秘めている。
 そう、Gは普通のいき者だったが、このネズミはオブリビオンなのだ。

 決して油断してはいけない。

 しかし、この施設内のネズミを駆除しなければ、温泉は使えないのだ。
 猟兵達による大掃除が再び始まろうとしていた。
フレミア・レイブラッド
あのG達に比べれば大分マシね…。寧ろ、この鼠と共存してて生きてるGって…。

引き続き自身と雪花、妖精に【念動力】でコーティング。
妖精に【あなたをむしばむ毒】を散布させつつ、自身も【ブラッディ・フォール】で「蘇る黒き焔の魔竜」の「黒焔魔竜・ヴェログルス」の力を使用(ヴェログルスの角や翼、尻尾等が付いた姿に変化)。
【生ヲ貪リ喰ラウ黒キ焔蛇】で焔蛇達を鼠が潜む隙間に放ち、追い立てて病原体ごと焼き尽くすわ。
直接攻撃に出て来たら【禍ツ黒焔ノ息吹】で一気に焼滅(建物が燃えない様に雪花の吹雪や凍気でカバーさせつつ)してあげる

これで温泉が使えるわね。イイ事起こらないかしら♪
「おねぇさまの欲望が見えるのー」


陸郷・める
※一章同様☆める★7号でお送りします◎

☆ねずみ、いっぱいいるね
★あの耳、どっかの実験施設出身ってところか?
今からここは猟兵様の貸し切りだァ!出て行ってもらうぜェー!!

☆ヴォルテックエンジン、6号戦車へコネクト、〈リミッター解除・限界突破〉……いくよ
★こっちは〈毒耐性・環境耐性〉の保護外郭機能付き!小さなお子様も安心な戦車だぜェー!
というわけで前に出て盾、あるいは敵への障害物として動く
あと図体がデケエからな、周囲への気配りは忘れないようにするぜェー!!

足元の強度は気にしつつ、近場は脚で蹴り踏み蹂躙
遠くの奴らはUCで消毒だァー!
病原体もオブリビオンだァ?じゃあ散布されたら偽神兵器で喰えないか試すぜ


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
Gの次はネズミ、ですかぁ。
まあ、オブリビオンとはいえ幾らかマシですが、建物ごとどうにかして、建て直す方が早い気も?(ぷるぷる)

【燦華】を使用、全身を実体の曖昧な『光』に変換しますねぇ。
『光』であれば爪や牙で触れられることも無いでしょうが、【UC】の付加効果等で可能になる可能性も警戒し、出来るだけ『光速回避』しつつ『FRS』の[砲撃]で落として参りましょう。
この際「弾頭」を『FCS』で「ビーム」に変えておきますねぇ。

また、この状態であれば『隙間』等にも入り込めますから、その際は全身を「レーザー」として収束した状態にし、一気に駆け抜けて内部の個体を貫いて仕留めましょうかぁ。


電話・ボックス
駆除対象が、追加されました。
清掃を、開始します。

ネズミを求めて移動開始。
流石にサウナや隔離部屋は扉が通れるか怪しいので広そうなところを選定。

ウィルス反応を、検知しました。
対象を、焼却します。

見つけ次第足の一本をロケットブースターに変え、火炎放射器として使用する。
汚物は消毒だー!

沢山出てきたら足を全てロケットに変え、その場で高速回転。
遠心力で弾き飛ばす作戦に出る。


オヴェリア・ゲランド
◎❤❤❤
フン、今度は汚らわしいネズミか…地を這うゴミめ!
我が剣で一掃し温泉の平和を取り戻してやる!

●駆逐
こやつらは小さきと言えどその身に病を宿す汚らわしい存在、万が一にも触れられぬよう物理的接触を阻む剣帝の覇気(オーラ防御・覇気・念動力)を纏う。
「一度に全て吹き飛ばしたいところだが、周囲への被害を抑える為には1匹ずつ斬らねばなるまいか」
ゆえに【剣刃一閃】にて1匹ずつ斬り捨て【蹂躙】してゆこう。
常に【野生の勘】は研ぎ澄ませておき、万が一にも覇気を突破して攻撃を繰り出すネズミがいるならば剣で【薙ぎ払い】【武器受け】して接触を防ぐ。
「貴様ら如きが私に触れられると思うなよ!」



●先にGを経験していれば……ねぇ?
「Gの次はネズミ、ですかぁ……」
「あのG達に比べれば大分マシね……」
 既に疲れ切ったような表情の夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)とフレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)である。
 まぁ、無理もない。なにせさっきまでGの大群に占拠されていた建物の中にいたのだから。
 紆余曲折あってそこからGは一掃できたが……温泉にありつくためにはもう一山必要なのである。
「まあ、Gに比べたら幾らかマシですが……オブリビオンとはいえ、病気まき散らすネズミですかぁ……」
「寧ろ、このネズミと共存してて生きてるGって……」
「……建物ごとどうにかして、建て直す方が早い気も?」
「そうね。やっぱり全部焼き尽くすべきだったのよ……」
 Gに比べればマシとはいえ、ネズミの大群にだってできれば近寄りたくはない。
 2人はげんなりして天を仰ぐのだった。
「だから、おねぇさま、それは大惨事になるし、温泉入れないの!」
「そうですよ。G相手に働かせておいて、温泉なしとかあんまりです!」
 だがそんなフレミアたちの提案(?)を、フレミアの眷属の雪女・雪花と、今回のために呼び出された妖精は、許さない。なにせ、ここで温泉がダメになったのなら、何のために呼び出されたのかわからなくなるからだ。眷属だってご褒美は欲しい。
「お前たち、まだ言っているのか?」
 そして、やはりこの女帝様、オヴェリア・ゲランド(銀の剣帝・f25174)も2人を引き留める。オヴェリアは、G同様ネズミであっても、それで躊躇うようなことはない様子。
「所詮は汚らわしいだけの獣。何を恐れることがあろうか」
「いや、だから、その汚らわしいが嫌なんだってば……」
「病気をまき散らすらしいですし、触りたくないですねぇ……」
 力強い女帝の言葉にも、やはりまだまだ及び腰であるフレミアとるこるだった。
 ちなみにフレミアは相変わらず接触防止のために念動力のフィールドで自身と眷属をコーティングして守っているし、るこるは……今回はGの時とはパターンを変えて、触れられないような別の対策を講じている様子。その姿が若干曖昧にぶれて見えている気がするのは、バーチャルキャラクターゆえだろうか。答え合わせは後程。
 一方の女帝は特に気にする風でもなく、先へと進んでいく。
 その後に、小型の多脚戦車を従えて。
「まぁ、病を宿す汚らわしい存在に、万が一にも触れられ手合い舞うと厄介ではあるし、そういう意味では一度に全て吹き飛ばしたいという気持ちはわからないでもないが……この建物に被害を及ぼすわけにはいかんからな」
 やはり女帝様も温泉は守りたい、とそういう事でしょうか。
「ゆえに……其方らもわかっていような?」
『そりゃもちろんだぜぇ! 戦車砲の出番がないのはつまんねぇけどなァ!』
 オヴェリアの呼びかけに応えるように戦車から聞こえるモヒカンヒャッハーな声は、戦車の操縦にかかり切りな陸郷・める(死念動力実験成功体6号・f26600)に代わって受け答えを担当する制御用生体兵器の7号だ。
「うむ。彼女らの言うように全て破壊して終わらせられるのなら、活躍できただろうに、すまないな?」
『気にすんねい、女帝サマ! 汚物を消毒するのも俺らの得意技だぜェーっ!』
「……うん、おんせん、壊さないようにがんばる」
 7号だけではない、めるも温泉のために気合は十分らしい。ちなみにめるの戦車は防護も完全なので、病原菌対策もばっちり。中のめるの健康にも支障はない。
 その答えに満足そうにオヴェリアは頷き、まだ躊躇いのある2人の方に視線を動かす。幼子もやる気だが、お前たちはどうだ、と。
「わかった。わかりました。雪花たちも温泉入りたいでしょうし、Gよりはマシなんだもん、私たちも行くわよ」
「ですねぇ。いきましょうかぁ……」
 というわけで、やっぱり気は重いながらも、フレミアとるこるもオヴェリアと戦車の後に続いて浴場の建物へと入っていく。

 さて、件の浴場の建物だ。
 旅館として運営されていたころはもちろん、大小さまざまな種類の湯船にお湯が貼ってあったのだろうが……整備する者のいない今となっては、一番大きな浴槽にのみ、地下から湧き上がる温泉が直接注ぎ込まれているだけだ。
 建物の壁も戦車が入れる程度に崩れた箇所があったりするので、湯気の類はそう多くもなく、湿気も思ったほどではない。ちなみに彼女たちが入った場所は、大浴場の男湯に当たる部分のようだ。もっとも仕切りの部分もかなり崩れてるので、今となっては男湯女湯の区別などあってないものだが。
 がっちょんがっちょんと六脚の戦車を先頭にした一行がそんな場所を進んでいくと、……そこにこの場にそぐわないものがあるのを見つけた。
 そこにあったのは、公衆電話ボックスだった。
 もう一度言おう。電話・ボックス(旧式・f17084)だった。
 広い浴場の一角に、透明な円筒状の電話ボックスが存在し、その中には黒い公衆電話が設置されている。
「……なんでこんなところにこんなものがあるのかしら?」
「ここ、脱衣所じゃないですよねぇ……?」
 ありえないものを見て首を傾げるフレミアとるこる。雪花や妖精も、フレミアと一緒に小首をかしげていた。
 脱衣所であれば公衆電話があってもおかしくはないだろう。だが、この場所は、そこを出た洗い場に相当する部分だ。今はここから少し離れた大きな湯船にしかお湯はないが、以前ならこの近くの小さな浴槽にもお湯が注がれていただろうし、湯気と湿気で機械など置けるはずもない場所のはずだ。
 もちろん、2人はただ気付いていないだけである。
 彼、電話・ボックスが、既に先回りして侵入していたウォーマシンの猟兵であるという事に。
「それよりも、汚らわしい獣が現れたぞ!」
 電話・ボックスに注目していた面々にオヴェリアからの注意が飛ぶ。
 とはいえ、現れたのが少数なら、オヴェリアだけで片が付く。
「汚らわしいネズミ……地を這うゴミめ! 我が剣で一掃し温泉の平和を取り戻してやる!」
 言葉通りに振るわれる『覇剣シグルドリーヴァー』での【剣刃一閃】!
 オヴェリアも、まき散らされる病を警戒して、女帝の覇気、剣帝のオーラにて己の身体を包み、物理的な接触を避けるよう対策はしていたが、その対策が必要となることもなくただの一撃で、不用意に姿を見せたインフェクションマウスを切り伏せてしまった。
「周囲への被害を抑える為に、1匹ずつ斬らねばならないのが、少々面倒だな」
 目の前にこうして出て切れくれれば、簡単に倒せるのだが、と、オヴェリアは肩をすくめる。
『大量に出てきてくれれば、汚物焼却システムで一網打尽にできるんだがなァ!』
『そう、ですね。動き回って、探すには不向き、です』
「……あまり動くと、お風呂、壊れる」
 そんなオヴェリアに、7号とめるが同意する。
 ……ん? 今1人分声が多くなかったか? 気のせいだろうか……。そうオヴェリアは思った。もちろん、ひとつ多い声は電話・ボックスのものだが、オヴェリアもまだ気づいていない。
 が、とりあえずそのことはさておき、オヴェリアはフレミアとるこるの方を見る。
「なので、Gの時と同じだ。其方たちにネズミを狭い所から追い出してきてもらいたい」
 Gの時と違うのは、相手がオブリビオンであるために確実に倒すことも考えて、隅の隙間などから追い出してから攻撃すると、順番が逆になっている事か。
 当然、フレミアもるこるもそのことは理解している。
「わかりましたぁ」
 要請を受けたるこるは、先程少しだけ触れた姿がぶれている状態から、己の身体を光の粒子へと変えていく。ユーベルコード【豊乳女神の加護・燦華】の効果だ。その効果で光と化したるこるは、あたりの浴槽や瓦礫の隙間などの狭い所に己を潜らせていく。
「そうね。それじゃ……お願いできる?」
「よろしくお願いするのー!」
「まったく、妖精使いが荒いんだから」
 そしてフレミアは、先程と同じく妖精……『病をばらまく妖精』に【あなたをむしばむ毒】を散布させつつ、自身も【ブラッディ・フォール】で以前に出会ったオブリビオンの姿と力を借りる。今回は黒い焔の竜の力で、角や翼、尻尾等が付いた姿に変化し、焔の蛇をネズミが潜んでいそうな隙間に放っていった。
 るこるの光が通り過ぎた後には、逃げ切れずその光に焼かれたネズミの死骸が転がり、光に追い立てられたネズミは隙間から飛び出してくる。
 フレミアや妖精の放った毒や炎の蛇に追い立てられたネズミも同様に。

「ねずみ、いっぱいでてきたね」
『あの耳のタグ……どっかの研究所出身ってとこかね?』
 追い立てられて出てきたネズミを見て、めると7号はそんな会話をしていたが、いつまでものんびりとはしていられない。
 ネズミが追い立てられて出てきたのなら、その時こそ戦車の出番。
「いったわよ。あとは纏めてよろしく!」
 ネズミを追い立てていったフレミアは、待っていためると7号の戦車に声をかける。当然、今か今かと出番を待っていた7号は、大喜びでヒャッハーと声を上げるのだった。そして、もう一つ別の声も同時にあがった。
『ヒャッハー! 任せとけー!』
『ウィルス反応を、検知しました。対象を、焼却します』
『『汚物は消毒だー!』』
「……この声、だれの?」
 戦車を操縦しながら、7号と声を揃えて汚物は消毒と叫んだ声の主が誰なのか、めるも気になっているが……とりあえずめるは全員を庇うような位置に戦車をゆっくり前進させた。
 すると、その戦車に並ぶように、電話・ボックスも移動してくる。
『……お前、もしかして、そのなりで猟兵か?』
『そう、です。追加駆除対象の、清掃に、きました』
 最初に気付いたのは7号だった。自身も人の姿ではないから受け入れやすかったのだろうか。
 そして7号の問いかけに応えたことで、ようやくオヴェリア達も電話・ボックスがウォーマシンであることを理解する。
「なんと……驚いたな。だが、共に戦う同志ならば、姿かたちは問わん。汚らわしいネズミどもを焼却するのだ!」
『了解、しました』
 あらためてオヴェリアは、めるだけではなく電話・ボックスにも号令をかける。
 女帝の号令を受けて、めるは出現したネズミに向けて【特殊兵装:焼却薬剤散布】別名汚物焼却システムを起動させた。
「ヴォルテックエンジン、6号戦車へコネクト、リミッター解除……いくよ」
『今からここは猟兵様の貸し切りだァ! 出て行ってもらうぜェー!!』
 汚物焼却システムの、汚物の実を燃やす焔がネズミたちを焼いていく。
 電話・ボックスも、己の移動用の脚の1本をロケットブースターに変え、火炎放射器として使用するべくネズミの集団へと向け、炎を放っていった。
『対象を、焼却します』
 周りの施設を燃やさぬよう最大限に注意された炎が、集まってきた鼠たちを、それが放つ病原菌ごとどんどんと焼いていく。
『焼却対象、逃がしません』
 さらに炎から逃れようとするネズミに対して、電話・ボックスは、己の脚を全てロケットブースターに変えて、噴射しながら回転して追いかける。まるでネズミ花火のように回転する炎にネズミは焼かれてくが、中には遠心力で弾き飛ばされるものもいた。
 だが、そこで弾き飛ばされたものも逃げられるわけではない。
 焼却から逃れたりはじき出されたものは、オヴェリアの剣によって薙ぎ払われるか、るこるの展開していたフローティングレイシステムのレーザーに焼かれるか、変化したフレミアの放つ炎に焼かれていくかして個別に倒されていくのだった。
 中には猟兵を病に落として倒そうと向かってくるネズミもいたのだが……。
「貴様ら如きが私に触れられると思うなよ!」
 勘を研ぎ澄ませたオヴェリアには触れることもかなわず斬り捨てられる。
「この状態なら、触られることはないでしょうけど、一応避けておきますねぇ」
 高速で回避するるこるには当然のように避けられ、ついでに通り過ぎざまの光の奇跡によって貫かれる。
「雪花、燃え広がらないようにカバーよろしく!」
「だったら炎の能力つかわないでほしいのー!」
 黒竜変化しているフレミアは、向かって来たネズミに対し炎の息吹をカウンターで叩きつけて燃やしていく。その炎が燃え広がらないように雪花の凍気でカバーさせながら。
「……まわり壊さないようにしないと」
『図体がデケエからな、周囲への気配りは忘れないようにするぜェー!!』
 無謀にも戦車に近付いてきたネズミは、周りを壊さぬよう動かした多脚戦車の脚に蹴り飛ばされ、そして汚物焼却システムによって燃やされていく。
『清掃を、続けます』
 もちろん、ネズミ花火のように回転する電話・ボックスには、ネズミは近づくこともできず吹き飛ばされていくのみだ。

 かくして順調に、そして危なげなく、インフェクション・マウスの駆除は進む。
 このあたりからネズミが駆逐されるのは時間の問題なのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジェイク・リー
※アリス、エルーゼ、華澄と行動

「……覚えてない」
知らぬが仏、知ってはならない事も世の中にはある。
ネズミ退治の策を考える。
(凍結か焼却……)
病原体諸共封殺する方法としてどちらか。
結論として焼却による封殺。
魔力溜めで元素の魔力をピンポン玉サイズの結晶に凝縮、範囲攻撃による焼却を行う。
華澄には除菌用の薬品製作をやらせる。
さすがに湯を抜いて掃除しても不安や嫌悪感など色々とあると踏んだため。
(まあ除菌までやれば大丈夫だろ)


♂♂
♂♀


アリス・スラクシナ
※エルーゼ、華澄、ジェイクと行動

「……思い出したくない」
当然だがあんな光景を好き好んで思い出す者などいるのだろうかと思いつつネズミ退治に。
火炎による病原菌諸共封殺する作戦で行動。
原色の剣舞を繰り出し、突きたてた火炎の剣から炎を放射させて範囲攻撃を行う。
結界の役割も持たせ、接近させない様にする。
「掃除もあるからな」


♀♀
♂♀


エルーゼ・フーシェン
※アリス、華澄、ジェイクと行動

抜け駆けした事を問い詰めようとしたが様子が変なので聞いてみる。
「なにがあったの?」
聞いても知らない、覚えてないと返ってくる。
「あのネズミね、駆除するのは」
聞いている限り、接近しないほうがいいのは分かる。
オーラ防御で防ぐ壁役を担当。
「で、終わったら掃除役?」
まあ人手は多いに越した事はないので。


♀♀
♂♀


藤宮・華澄
※アリス、エルーゼ、ジェイクと行動

「えーと、何が」
聞いても答えてもらえず困惑する。本当に知らないほうがいいのだが。
「除菌剤です?」
言われたのが除菌剤、掃除に使うためらしい。
(このままじゃ入りたくないですしね)
二人は知らないが、先の件もあるので。
戦闘ではアシスト担当。万が一に備えて薬を準備。
「ほんとに何があったんです?」


♀♀
♂♀


アリス・セカンドカラー
お任せプレイング。お好きなように。
イマジネイション・ロウでの妄想具現化でネズミ達を自分好みの男の娘に形態変化させて、自分を性的な意味で捕食するように宣告☆
プレイ中の私の発言は全てルールの宣告として作用するので失敗した場合ネズミちゃんには妄想罰ゲームでダメージが与えられます。成功しても結局は盗み攻撃な生命力吸収で精を略奪するので運命はかわりません♪
おっと、温泉でいちごちゃんに   する余力は残しおかないと。ふふ、ラッキースケベ体質を利用させてもらうわよ☆


桂・真白
お任せプレイング。お好きなように。
先程はGを直視出来なかったばかりに苦戦した真白。今度は同じテツは踏まないと最初からUDCを召喚し、魔眼(視力/属性攻撃)の封印を解く。
だが、真白は気付いていなかったのだ、召喚したUDCが負けシチュからの逆転を好むということを。UDCは催眠術で真白を注意散漫にさせ、更に運命を操縦して真白が薄い本みたいな酷い目に遭う方向へと誘導していく。呪詛&淫属性攻撃でネズミ達をエロモンスターに形態変化させながら。
かくして、真白が散々酷い目にあってからUDCは本気を出すのであった。



●いったいなにがあったんです?
「2人で抜け駆けして何をやっていたの?」
「温泉のお仕事なら、声かけてくださいよ」
 猟兵達がGを駆逐し終えた頃、あとから合流した2名、エルーゼ・フーシェン(踊り子・f13445)と藤宮・華澄(戦医師・f17614)は、先行していた知り合い2人に詰め寄っていた。
 抜け駆けして温泉を楽しむつもりかと、そんな思いもあって詰め寄っていたわけだが……そこでようやく2人の様子がおかしいことに気付く。
「……なにがあったの?」
 エルーゼの問いに、ジェイク・リー(影の護り手・f24231)は天を仰いで一言だけ呟いた。
「……覚えてない」
 本当に覚えていないのか、忘れたいのか、ただ静かに呟き天を仰ぐ様子からは判別できない。唯一言えることは、ジェイクはそれを語りたくないという事だろう。
「えーと、何が……?」
 代わりに華澄がアリス・スラクシナ(邪神の仔・f21329)に尋ねたのだが、アリスもまた力なく首を横に振るだけだった。
「……思い出したくない」
 その言葉からは、アリスはしっかりと何があったのかは覚えているが、ジェイク同様それについては全く語りたくないという事だ。
 それっきり黙り込んでしまった2人を前に、エルーゼと華澄は困惑して顔を見合わせるばかり。
 アリスやジェイクに言わせれば、あんなことを好き好んで思い出したくないとか、世の中には知らない方がいい事もあるとか、そんな感じの感想が出てくるのかもしれないが……それすらも口にはしたくないらしい。
 それっきりしばらく何事もない時間が過ぎていく……。
「……えーと、じゃあ、仕事の話にしましょうか?」
 これ以上は埒が明かないと、華澄は話を変えることにした。
 ともあれ今回は4人で大浴場の建物へと向かう事にする。

「で、何をするんです?」
「ネズミ退治だ」
 華澄の問いに端的に答えたジェイクを先頭に、4人はかつて脱衣所であった場所へと入っていく。広い場所は大勢の猟兵が向かっているのが見えたから、自分たちは自分たちだけで別の場所を担当しようという事だ。
 ……まるで他の猟兵と遭遇しないようにしたいとか、そんな風にも見えるが、そのあたりはエルーゼと華澄にはわからない。
「病原体ごと倒す策……やはり燃やすか」
「そうだな」
 対処法はジェイクとアリスが決めた。
 手際がいいので、これ以前に何があったのか知らない華澄たちにとっては、もういつも通りの2人に見えたかもしれない。
 そしてそんな4人お前に、このあたりに巣食っていたネズミ……インフェクション・マウスが姿を現した。
「あのネズミね、駆除するのは」
「ああ。エルーゼ、近付かれると面倒だ。防御を担当してくれ」
 てきぱきと指示を出すと同時に、アリスは【原色の剣舞】を繰り出し、ダガーに炎の魔力を込める。
「それと華澄は除菌剤の準備だ」
「除菌剤です? まぁ、ネズミがいた場所を使いたくないですものね」
 ジェイクもまた【アトリビュート・アームズ】にて炎の魔力を濃縮し、ネズミに向かって撃ちだしながら、華澄に指示を飛ばした。
 さすがにネズミが巣食った場所を使うには、徹底した相似と除菌が無ければ嫌悪感がぬぐいきれないだろうという考えでだ。
 言われた華澄は、ネズミとの戦闘は手伝わなくていいのかと思いつつも、己の闇医者としての知識で薬を合成して準備していく。

 かくして4人はてきぱきと脱衣所跡のネズミ退治に勤しんでいく。
 エルーゼのオーラ防御で防ぎつつ、ジェイクの炎の魔力の結晶がネズミを広範囲で焼きはらい、それから逃れようと逃げるネズミはアリスの炎の剣舞が逃げ道を塞ぐ結界となって次々と討たれていく。
 そして退治し終えたら華澄が除菌剤を撒いて消毒していった。
「よし、こっちはこれくらいだな?」
「終わったら掃除?」
「それもあるけど、まだ別の部屋もやらないといけないんですよね?」
「ああ、では次は隣の部屋だな」
 当然もともとが温泉旅館だった以上、脱衣所は男用と女用の2つがある。
 内部の風呂場では、その仕切りの壁もほとんど朽ちていたが、脱衣所はまだ2部屋に別れたような状態だった。
 なので、4人はもう片方へと足を延ばしていく……。

 さて、そのもう片方の脱衣所跡では、というと。
 約2名が絶賛酷いことになっていた。

 あまり語りたくもないが、一応解説しよう。
 まずは1人目、何故か脱衣所跡で、触手モンスターと化したネズミに全身を弄られている桂・真白(情熱の堕天使“UDCの玩具”・f27369)である。
 ……そもそもなんでこんなことになっているんだか。
 根本的なきっかけは、G退治の時ほとんど何もできなかった真白が、今度こそはと気合を入れたことにある。
 Gを直視できずに敗北した先程と同じ轍は踏むまいと、最初から使役するUDCを召喚してネズミとの戦闘に移ろうとしたわけなのだが……そもそもの問題としてこのUDCを全く制御できていないことにあった。
 UDC……もう正体を書いてもいいだろう、要するに触手モンスターなのだが、それによる催眠で注意散漫になった真白は、やはりUDCの影響で身体から触手を生やすという形態変化を起こしていったネズミに群がられることとなったのだ。
 そしてネズミに寄ってきていたゴスロリ服を喰われていって裸に剥かれ、召喚したものとネズミに形態変化で生えたものと合わせた大量の触手に絡まれて……酷いことになっているというわけである。
 一応は【ジャスティス・ペイン】といって、UDCにひどい目にあわされてから逆転勝利するためのフラグであるはずなのだが……触手に絡まれたり貫かれていたりしている姿からは、とてもそうは見えない。

 ではもう1人はどうかというと。
 こちらはアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)……なのだが、やはりアリスは2人出てくるので今回も貴腐神と呼ぼうか。
 で、その貴腐神はというと、今回は最初から真白と共にこの部屋に入ってきて、最初から【イマジネイション・ロウ】での妄想具現化でネズミ達を自分好みの男の娘に形態変化させていた。
 またかよ、と言いたい。
 そして今回は、自分自身の楽しみのために、その男の娘化したネズミたちに好き勝手に自分の身体を弄ばせていたりする。
 しかも、その時自分に対する性的な要求が全て妄想具現化によるルールとなるため、男の娘ネズミたちはそれに従わなければダメージ、従ったとしても貴腐神に房中術的な意味で捕食されて生命力を吸収されるというひどい状況である。
 ……もうこれ完全に、ネズミの方が被害者です。
 酷いこと、というのは貴腐神が酷いことになっているのではなく、貴腐神が酷いことをしている、というわけですね。

 というわけで男の娘ネズミとしては、こんな状況から脱したい、貴腐神以外に他に犠牲者が現れれば、そちらを襲いに行きたいのだ。
 それは、実は触手ネズミの方も同じこと。今は一方的に真白を嬲っているように見えるが、その身体が触手モンスター化しているのは真白のUDCに浸食されているからなので、できればネズミだって逃げたい。やはり他に犠牲者がいれば、そちらに行きたいのだ。

 そんな中、4人の犠牲者が新たにこの部屋に入り込んできた。
 ジェイクたち4人なのは言うまでもない。
「ところで、ほんとに何があったんです?」
「……だから聞くな、と」
 華澄辺りがまだジェイクやアリスに何があったのか尋ねつつ入ってきたわけだが、そこでぴたっと、アリスとジェイクの足が止まった。
 言うまでもなくこの状況を見たから……というか見覚えはあるが語りたくない姿を見かけたからだ。
 だが、そんなことは知らない華澄とエルーゼは、どうしたんですかと中を覗き込み、女性2人が得体の知れないものに襲われている(ように見える)光景を目撃した。
「大変!」
「助けないと……」
 そして、早合点した華澄とエルーゼは中へと入っていく。アリスとジェイクが止める間もなく……そして2人も先行した2人を止める、もしくは守るために、あとをついていくしかなかった。

 あとのことは語るまい。
 新たな犠牲者を確認した触手ネズミと男の娘ネズミは、喜んでそちらに群がっていき、華澄・エルーゼ・アリス・ジェイクの4人をも巻き込んで襲い始めた。
 そうして6人の大乱闘(意味深)はしばらく続き……一部貴腐神が襲う側に見えたような気もしたのだけれど、たぶんきっと気のせいだと思う……華澄とエルーゼも、アリスとジェイクが語らなかった理由を理解してしまったのだという……。

 ちなみに一応騒ぎが終わったころには、ネズミ退治だけは終わっていたそうな。
 
「おっと、温泉でいちごちゃんに■■■する余力は残しおかないと」
 そして唯一貴腐神だけは、最後まで余力を残していたとかいないとか……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧沢・仁美
今度はネズミか…見た目はGよりはマシだけど、病気バラ撒かれると酷いコトになるし、何よりオブリビオンだからね。
きっちりやっつけないと。

攻撃は基本的に念動電光球で。敵の数に応じて適宜合体させながらぶつけていくよ。敵以外のもに延焼したらその分はすぐに消化。
途中で逃げる敵もいそうだから、それもきっちり片付けていくよ。
後はユーベルコードにも注意。傷ついてる敵がいたら、プラズマを集中して一気に仕留めたいところ。

何にしても、温泉施設を壊さないようには全力で注意。
でないといちごさんが悲しむよね…!


言葉・栞
【恋華荘】

うぅ…Gは強敵でした…
ま、まだ感触が…ってダメダメ!思い出しちゃダメです!
とにかく私に出来る事をしましょう!
相手は小さいネズミですから、私の力で追い立てて一纏めにしちゃいましょう。
頑張って支援しますね!

【エレメンタル・ファンタジア】で高高熱の霧を生み出します。
これならウイルスを殺菌しながら攻撃できるはずです!
飛ばしてくる血液も乾燥させるし完璧では!
ま、まぁ集中し続けないとダメですが…今の私は一人ではありませんから。
頼れる仲間がいます!
え、流れ弾…?
ひゃぁぁ!?
や、やだ、見ないでください~~~!!


マイエ・ヴァナディース
【恋華荘】【連携・絡み歓迎】
◎♥♥♥♀♀

これでも長く荒野を旅してきましたのよ
だから多少害獣等に慣れてますが、Gだけは…
というわけで、G殲滅の報を受けて参上ですわ!

今回は浴室内のネズミ退治ですので
【リフレクト・ロータス】を『命中率』重視で展開
壁・木・ガラスなど、建材への命中時は傷つけず『跳弾』
ネズミの生体組織など柔らかめのモノは焼いて【蹂躙】
コレなら入浴可能なまま効率的に退治できる筈ですわ

一応従者の【アム・サーヴァントモード(演出のみ)】と共に
脱走ネズミがいないか見張りつつ焼きましょう♪

『お嬢様、建物とネズミ以外は大丈夫ですか?例えば、お召し物は…』

あっ…!?み、皆様流れ弾にご注意下さいませー!


彩波・流江
(アドリブ歓迎です!)

最早恐れるものはありません
あの悪魔に比べれば、目前で群れる彼等なんて可愛いもの
…というかあの悪魔を食べさせたせいか、獣砲さんが不機嫌すぎて此方の方が少し怖いくらいです

獣砲さんが、噛み付いてこようとするネズミさん達の動きを【見切り】、【呪詛】の漂う牙で逆に噛み付いてどんどん平らげて行ってます
まだまだ満足してない、とでも言いたげな唸り声や咆哮を上げる様はまさに猛獣ですね、装備してる腕を引っ張られる私の身にもなってほしいです

…仕方がありませんね
【破魔】の霊術で病原体から身を守りつつ、UCの陰牙をネズミさん達の動きを制限するように操作して、獣砲さんの口直しにお付き合いしましょう!


叢雲・黄泉
「うう、私としたことがGに遅れを取るとは……」

と、とりあえず、Gに群がられた服は後で洗濯するとして、何か他のものを着ておきましょう……

「こちらの施設内には、脱衣所があるようですね。ちょうどいいです……」

脱衣所で服と下着を脱ぎ去り、後で洗濯できるように脱衣かごに入れておきます。(燃える

そして施設に残っていたバスローブを身にまといましょう。

「ちょっとボロボロですが、コードネーム・ネズミの首を取るまでの我慢です……」

そして踏み込んだ浴場には……

「なっ、ネズミ……!?
きゃ、きゃああっ!」

ネズミも苦手なため【血統覚醒】で手当たりしだいに攻撃しますが……
経年劣化していたバスローブを引き裂かれるのでした。


菫宮・理緒
【恋華荘】

今度はネズミ、ね。
こっちは哺乳類。外骨格じゃないからだいじょぶ!
うふ、うふふふふ、逃がさない、よー!

え? 八つ当たり? 違うよ、依頼だもん!

【E.C.O.M.S】を使って【Octagonal Pyramid】に10機を一組にして、
ネズミ1匹に対して、10機の編隊で挑んでいくよ。

ネズミに対していないユニット群は、
不意打ちを警戒しつつ盾代わりに遊撃させておこう

それと同時に【特製辛味セット】のわさびパウダーを使って、
ネズミたちにバステを付与してあげちゃうね。
「こんなところでわさびの出番があるとは!」

って、マイエさん!? 火力強い、強い!
お洋服が焦げ焦げのぼろぼろになっちゃったよー!?


ニーナ・ライト
【恋華荘】

虫退治は、色々あったよね…
羽織ってるコートが無かったら裸で戦う事になってたし…

いよいよオブリビオン相手だけど
またマイエさんとも共闘できるし、気合を入れないとだよねっ。

ちょっと距離が近いかもだけど、AASストレガが使えそうならそれを使い
まだまだ厳しそうならアサルトライフルで狙い撃ちにするよ!

旅館を出来るだけ壊さないように
Ψ-Assist Snipeを使ってできるだけ攻撃を外さないように!

距離を詰められちゃった時は
サイライト・ブレードでの攻撃メインに切り替えていくよ

そうやって近接戦闘してたらマイエさんからの援護射撃が!

って、敵に付いた火が私にも!?
しかも勢いが!?

そしてとうとう服が…


鬼道・椿

※服装は、白いビキニトップス+前垂れボトムス+マント+魔女帽

荒れ果てた世界に温泉が…
でもで遅れちゃって、害虫退治に協力できなかったのは
先に大変な目にあった人達に申し訳ないです…

その分、今度の戦いは頑張りますっ!

「魔具力再現:力の紋章」での攻撃なら
もし外れても建物への被害は防げそうですし
これで敵を攻撃しつつ、外してしまったインクも
紋章に変わるので、すかさずそこに移動して戦闘力アップを狙います!

敵の動向を見て、移動したらピンチになりそうな場所だったら
無理な移動はしなように!
また、1か所に居座らず、こまめな移動もして囲まれないように!

毒や病気になると危険なので
牽制も多めに行い、近寄らせないように!


保戸島・まぐろ
(アドリブや参加者との絡みOK)
ここではネズミが出てくるのね。ネズミは病原菌を媒介するからさらに厄介よね。
って、なに!? このネズミ、オブリビオンなの!?
かなり凶悪じゃない!!

マグロブレイドで通常攻撃してみるけど、これはきっと効かないわね。
あまりこの場面で使いたくないけど!
ユベコ「ガチマグロキマイラ」を使うわ!!

猛スピードでネズミを追い、食い殺す!!
これでなんとかなればいいけど!!
オブリビオンのネズミとか本当は食べたくないわよ、でもやらざるを得ないじゃない!!

ここは全力で食い殺していくわよ!!



●恋華荘+αの冒険
「うう、私としたことがGなんかに遅れを取るとは……」
 Gすなわちゴキブリ相手に失神してしまった叢雲・黄泉(賞金稼ぎのヴァンパイアハンター・f27086)は、屈辱に震えていた。しかもその姿を、普段あまり付き合いはないとはいえ、同じ寮で暮らす人物に見られてしまったのだから、なおさら失態である。
 この屈辱を晴らすためには、次なる賞金首、コードネーム・ネズミを己の手で撃ち倒す他はあるまい。
 そう思って黄泉は再び単独行動に出ていた。
 まずやることは……服を脱ぐこと。
「と、とりあえず、Gに群がられた服は後で洗濯するとして、何か他のものを着ておきましょう……」
 虫が苦手な黄泉ちゃん、虫……ゴキブリに群がられた服などいつまでも着てはいられない。
 幸い今いるこの場は脱衣所跡らしく、まだ手付かずのバスローブらしき服も残されていた。なので黄泉は、服も下着も全て脱ぎ捨て脱衣かごの中に放り込み、バスローブ1枚の姿になった。
「ちょっとボロボロですが、コードネーム・ネズミの首を取るまでの我慢です……」
 敵がいるであろう場所、浴場への入り口を抜けて、黄泉は戦いへと赴く。
 ……なお、ネズミのことはいまだにコードネームだと思い込んでいる黄泉。虫と同様にネズミのことも苦手な彼女が本当のことを知るまで、もう少しお待ちください。
 あとついでに、彼女が出ていったあとの脱衣所では、とある貴腐神を中心に色々大騒ぎになったようで、最終的に脱衣かごの中身は燃えて失われてしまうのだが……それはまだ黄泉の知らない事である。

 さて、一方。
 先程のGとの戦いの際には黄泉と行動を共にしていた保戸島・まぐろ(無敵艦隊・f03298)であるが、いま彼女は1人で浴場の外壁の崩れたあたりから侵入しようとしていた。
「まったく……黄泉ってばどこに行ったのかしら。せっかく合流できたっていうのに……」
 グループでやってきていた他の恋華荘の面々と違って、あとから1人できていたまぐろにとっては、せっかく合流できた仲間が黄泉だったわけなのだが、気が付いたらまた姿を消されて、また1人かと少々落胆気味である。
 が、そこにG退治にこそ間に合わなかったが、遅ればせながらやってきた猟兵が姿を現して、まぐろに声をかけた。
「あら、まぐろさんですか?」
 新たな猟兵の1人、従者を連れている緑の髪のエルフのアクティブ系お嬢様、マイエ・ヴァナディース(メテオールフロイライン・f24821)は、まぐろと同じ恋華荘の住人なので当然面識はある。
 マイエに付き従う従者は、【AM:Servant Mode】によって呼び出されたアムというメイドゴーレムだ。こちらはまぐろとは初対面なので、ぺこりと頭を下げていた。
「あ、マイエじゃない。寮のみんなと一緒?」
「いえ、わたくしは今しがた転移してきたばかりなので……まぐろさんこそ、皆さんと一緒ではないんですか?」
「そっかー。私は前の戦いには間に合ったけど、それでも出遅れ組だったからね。他のみんなとはこれから合流しようかってところよ」
 まぐろもマイエも、どちらも恋華荘の仲間たちと合流したいところなのだが……残念ながらどちらも出遅れ組の為にお互い当てが外れた様子。
 が、そこで、マイエと一緒にやってきたもう1人、白いビキニにマントと魔女帽子という姿の三つ編み眼鏡少女、鬼道・椿(魔記具封印者(レコーダーズ・レコーダー)・f27595)が、少々離れた場所に入ろうとしている少女たちの集団を見つけた。
「あの……もしかしてあの人たちじゃないんですか?」
「「えっ?」」
 それはまさしく、まぐろとマイエが探していた恋華荘の面々を含む一行だった。

 さて、その恋華荘+αな面々はというと。
 G退治を何とか済ませた後、とある戦車を要する面々が向かったのとは逆側の壁の亀裂から大浴場へと入ろうとしているところあった。
 中の仕切りも多くがひび割れていて、既に男湯と女湯の区別などないようなものだが、こちらはどうやらかつての女湯だった場所らしい。もっとも、現状で男湯女湯の区別はないわけだが……。
 そんな中を、恋華荘メンバーを中心にした混成チームが足どり重く歩いていた。
「虫退治は、色々あったよね……」
 恋華荘の住人の1人のニーナ・ライト(Automatic-Buddy「Ψ-7174」・f24474)は、羽織ったコートを抱きかかえるようにして震えながら遠い目をしている。ちなみにそのコートの下はほぼ裸だ。服の中に入り込んだGを排除しようとして、結局服まで引き裂いてしまったのだ。コートがあったので一応裸で戦う羽目にはならずにすんでホッとしている。
「うぅ……Gは強敵でした……ま、まだ感触が……ってダメダメ! 思い出しちゃダメです!」
 その傍らで言葉・栞(開巻有益・f14552)は、真っ赤な顔で俯きつつ、いまだにリアルに感じられるGに群がられた感触を思い出してしまっていた。決して思い出したいものではないのだが、忘れることも出来そうにない。
 なお、時系列的にはこの時点ではまだ栞は恋華荘への入居前だ。この後バイト先のオーナーを通じた縁で入居することにはなるのだが、今はまだ恋華荘メンバーといっていいのかは微妙な所。もっとも既に意気投合しているので、違和感は全くない。
「……もうGはおわったんだよ。次はGじゃないよ。もう忘れよう。うふ、うふふふふふ……」
 恋華荘のメンバー中でもトップクラスに虫嫌いな菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は、半ば壊れたような病んだ笑みを浮かべていた。Gが嫌いなのは全員同じだが、理緒の場合はG以外にも虫全般が苦手なのだ。それが大量に群がって倒れてしまったこともあったのだから……壊れても無理はないだろう。恋焦がれる恋華荘の管理人からの依頼ではなかったら、とっくに逃げていたに違いない……というかそもそも受けていないか。
「り、理緒さん、ちょっと怖いですよ……?」
 そんな理緒の病んだ笑いに若干引き気味なのは“あやなみ”ではなく“さいは”と読む彩波・流江(不縛神フルエリュト・f25223)だ。件の管理人と同形異音の名字を持つ流江だが、特に彼と関わりがあるわけではなく、今回はたまたま一緒になっただけである、もっとも、同じくGに群がれれる恐怖体験を共有したからか、栞同様に他の恋華荘メンバーともすっかり意気統合していた。
「でも、理緒さんの言う通りですね。あの悪魔に比べれば、これから戦う彼等なんて可愛いものです! 最早恐れるものはありません!」
 流江はGのことを悪魔と呼ぶ。それは彼女が神だからか、それとも相手がアレだからか……。そのあたりは追及してはいけない。
「……むしろあの悪魔を食べさせたせいか、獣砲さんが不機嫌すぎて此方の方が少し怖いくらいです!」
 流江が手にしている狼の頭を模した『福音の獣砲』は、ぐるるるる……といまだに唸り声をあげている気がして。流江の声も少しだけ震えていたりする。
「獣砲さんの機嫌はともかく……今度はネズミだね。見た目はGよりはマシだけど、病気バラ撒かれると酷いコトになるし、何よりオブリビオンだからね。きっちりやっつけないと」
 流江の言葉を霧沢・仁美(普通でありたい女子高生・f02862)が引き継いだ。というかいまだにGへの怯えを残す面々に向かって、比較的Gに耐性のあった仁美が、気持ちを切り替えるように促したというべきか。仁美だって、いくら多少は耐性があるからと言って、平気なわけではないのだし、自分を鼓舞する意味もあったかもしれない。
 ちなみに仁美は、恋華荘メンバーといっても住人ではなく通いなのだが、仲の良さも馴染みっぷりもほぼ住人同等なので、そのあたりの違いは些細な事だろう。
 というわけで、仁美の言葉に他の4人も気持ちを切り替えて、ネズミ退治のために壁の亀裂から大浴場の建物の中へと入ろうとしていた。
「うんうん。今度はネズミ、だね。こっちは哺乳類。外骨格じゃないからだいじょぶ! うふ、うふふふふ、逃がさない、よー!」
「や、やっぱり怖いですよ、理緒さん……!?」
 ……理緒だけは相変わらず半分壊れたような笑みを浮かべたままだったが……。

「おーい、みんな! 一緒していいかしら!?」
 というわけで、今にも入ろうとしていた5人に、駆け寄った3人のリーダー格となっていたまぐろが声をかける。
「あれっ? まぐろさん?」
「それに、マイエさんも……」
 意外にもその声に真っ先に反応したのは、先程まで半分壊れかかっていた理緒だった。まぐろの声に精神安定効果でもあったのだろうか、病みも落ち着いたように、普通に返している。
 そしてそのまぐろの傍にいるマイエに対しては、マイエとは同時期に同じ世界から恋華荘に来た縁もあって仲のいいニーナが反応していた。
「遅くなりましたが、G殲滅の報を受けて参上ですわ!」
 お淑やかな見た目に反して荒野暮らしも長かったマイエだ、害獣退治なら耐性はあるが……Gだけはダメだったらしい。
「えー、ずるい。わたし頑張ったのに……!」
「ごめんなさい、でも、Gだけは、Gだけはダメなんですっ」
 気が狂いそうなくらい頑張った理緒は文句を言うが、手を合わせて謝るマイエにそれ以上は言わない。もともと理緒の性格からしても、文句自体が冗談なのは、同じ恋華荘の仲間だけでなく、一緒に戦っていた栞や流江にももわかっている。
 ただ、ここで初めて合流した新顔の椿に、それを分かれというのはさすがに無理だろう。
「ご、ごめんなさいっ、出遅れちゃって」
「えっ!?」
 急に知らない女の子に頭を下げられて、むしろ理緒の方が困惑していた。
 しかも椿は眼鏡に三つ編みという大人しそうな外見だから、なんだかこちらがいじめている様な気にもなってしまう。
「害虫退治に協力できなかったのが、先に大変な目にあった皆さんに申し訳ないです……」
「や、や、そんな怒ってないから、ね?ね? 謝らなくって大丈夫だよ?よ?」
 理緒は慌てて宥めようと手をブンブン振りながら目をぐるぐるさせていた。
「その分、今度の戦いは頑張りますっ!」
 けど、頭を下げて一心に謝っている椿はそれには気づかず、決意を秘めた顔を上げて、精いっぱい宣言するのだった。
「う、うん。よろしくね……」
「……えっと、今更だけど紹介しておきますね。わたくしと一緒にあとから転移してきた椿さんですわ。それからこちらが……」
 見かねたマイエが……マイエ自身も椿とはさっき会ったばかりだったが……間に入って椿を紹介。ついでに従者のメイドゴーレムのアムも紹介しておく。
 代わりに理緒が、まぐろやマイエも初めてになる栞と流江を含む混成チームの面々を紹介することで、ようやくお互いが落ち着いた。
「じゃ、互いの紹介も終わったことだし、ネズミ退治にしゅっぱーつ!」
「「「おー!」」」
 というわけで、恋華荘+αの混成チームは、8人に膨れ上がって、ネズミ退治に向かうことになった。
「きゃ、きゃああああああああああああああああああああああああああっ!」
 ……が、そんな彼女たちが建物の中に入った矢先、絹を裂くような少女の悲鳴が聞こえてきたのだった。

 さて、既にオチは見えているのだが、何があったのか一応説明しておこう。
 もちろん黄泉である。

 ボロボロのバスローブを着た状態で脱衣所を抜けて大浴場にやってきた黄泉は、いまだにコードネームだと思っているネズミという名の賞金首を探していた。
 もちろんそんなものはいない。というかGと同じパターンを天丼しているぽんこつ黄泉ちゃんである。
「ここのどこに賞金首が……?」
 いや、さすがに黄泉ちゃんでも、頭の片隅にはGの時のように本当にネズミなのではないかという恐れはあったのだろう。だが、それはないと思考停止してしまっていた。何故ならネズミも苦手だから。
 なので当然、物陰からその脚元にネズミ……それも1匹どころじゃない数……が飛び出してきた時、黄泉にできることは悲鳴を上げる事だけだったのだ。
「なっ、ネズミ……!? こっちも本当にネズミだったのですかっ!?」
 足元に群がってきたネズミ、インフェクション・マウスの大群を見て、顔が真っ青になった黄泉は、無我夢中のまま【血統覚醒】して無茶苦茶に剣を振りまわすのだが……もちろんすばしっこいネズミには全く当たらず、そのまま身体に群がられてしまう。
 そして、ボロボロのバスローブがネズミに食い荒らされてしまい……。
「きゃ、きゃああああああああああああああああああああああああああっ!」

 というわけで現在。
 大浴場の中に入った8人の少女たちが見たのは、ボロボロのバスローブだった布切れが張り付いている程度のほとんど素っ裸のような状態で倒れている少女の肢体だった。
「……誰か倒れてるよ!」
「あれは……黄泉!? いつの間にかいなくなってたと思ったら……」
 その肢体に真っ先に気が付いた仁美が声を上げると、ついさっき一緒にGと戦っていた(黄泉が戦っていたかは大いに疑問が残るが)まぐろが、無残に倒れている黄泉の姿に息を飲む。
「ま、まさか死んでる……?」
「そんな、まだ黄泉さんとはあまりお話しできてないのに……」
 ピクリとも動かない(気絶してるから)黄泉の姿を見て、ニーナが最悪の事態を想定すると、理緒はもうそうなってしまったと思い込んだか涙を流す。
「恋華荘の皆さんのお友達だったんですか……そんなことって……」
「ああ、まさかこんなことになってしまうなんて……温泉旅館での殺人事件なんて、本の中だけの出来事かと思っていましたが……」
 面識のない流江や栞も、恋華荘組の心境を想ってか、悲しそうに目を逸らす。
「わたくしたちがもっと早く来ていれば……」
「私が出遅れたりなんかしなければ……」
 遅れて合流したマイエと椿は、自分たちが早く来ていればこの惨劇は防げたのではないかと後悔を募らせた。
 ……そして、息を飲んで悲しむ少女たちをよそに、つかつかと倒れている黄泉に近づいていったメイド姿のゴーレム、マイエの従者であるアムが、黄泉の頬に往復ビンタをかますのだった。
「ぶぶっ!? いたっ!?」
 それで目が覚めた黄泉に一礼し、アムは淡々というのだった。ゴーレムだからなのかメンバー中唯一冷静だったアムは、裸で倒れてる少女を見ても動揺とは無縁で、黄泉が生きていることもちゃんとわかっていたらしい。
『御覧の通り、ただ意識を失っていただけですね』
「い、いったい何が……な、なんで私裸に……!?」
 目を覚ました途端、黄泉本人の知らぬ間に裸になってしまっている身体を隠しながら、一行から離れるように身構える黄泉である。もちろん裸になっているのは、前述のとおりの自業自得なので、ちょっと格好はつかない。
「……よく見たら、保戸島まぐろに、董宮理緒に、それからえーっと……とにかく彩波いちごの所の……くっ、まさかあなたたちの仕業ですか、おのれ彩波いちご!」
 そして、恋華荘の管理人に殺意を持っているという黄泉は、恋華荘の住人が彼の指令で自分を襲ったのかと思考を飛躍させていた。
 もちろんそんなことはないので、アムがチョップを落として黙らせた。
 なお、名前を呼ばれたのがまぐろと理緒だけだったのは、単に黄泉が、ニーナやマイエのような寮の住人を含む他の人の名前を知らないからである。人づきあいが悪く、管理人を殺す事ばかり考えている黄泉は、寮生であってもたまたま依頼で一緒になった者以外の名前は覚えていないらしい。

 とりあえず黄泉の誤解は解いておきたい理緒たちだが……特に流江や椿のように恋華荘の住人ではない者はいい迷惑だったのだが……残念ながら、その前に、黄泉を気絶させたインフェクション・マウスの群れが、一行を取り囲んでしまうのだった。
 インフェクション・マウスもオブリビオンだ。この建物の別の場所で駆逐されて行っている現状もあって、積極的に猟兵排除のために姿を現したという所だろうか。
「いつの間にこんなに現れたのっ!?」
「えっと……私たちが殺人事件ごっこしている間にでしょうか……?」
 驚愕する仁美に栞がそう答えれば。
「ま、まぁ、どっちにしても倒す相手だし、出てきてくれてむしろ楽になったよねっ!?」
「そ、そうね。それにしてもさすがオブリビオンね。いきなり囲んでくるとは、思ったより狂暴じゃない!? しかも病原菌とかあるわけだし!」
 理緒とまぐろは、むしろ戦いやすくなったと虚勢を張りつつ、理緒は【E.C.O.M.S】にてユニットを展開させ、まぐろはマグロブレイドを構えることで、戦いの準備に入る。
「オブリビオン相手だけど、またマイエさんとも共闘できるし、気合を入れないとだよねっ」
「そうですわね。わたくしもニーナさんとの共闘、胸が躍りますわ」
 仲のいいニーナとマイエの2人は、そう頷き合うと、ニーナはライフルを、マイエは砲戦用のドローンを用意する。
「う、うぅ……これも彩波いちごの陰謀ですかっ……!?」
「それは違うと思います……というか同じ漢字なので、文字で書かれているとなんだか自分の名前が出てきているみたいで混乱しますっ」
「まさか彩波流江……彩波いちごの仲間……!?」
「だから違いますって。私は“あやなみ”ではなくて“さいは”ですからっ。それより、今はネズミ退治ですっ!」
 いまだ妄言を口にする黄泉に対して若干メタなツッコミを入れつつも、流江も獣砲を構えて戦いの準備をする。
「何にしても、温泉施設を壊さないようには全力で注意。でないといちごさんが悲しむよね……!」
「はいっ。建物の被害は最小限にっ。それと、毒や病気にも気を付けましょう!」
 そして仁美の言葉に椿が大きく頷いたのを最後に、9人は自分たちを取り囲むように集合したインフェクション・マウスとの戦闘を開始する。
 ……なお、仁美がいちごの名前を出したときに、何か言いたそうになっていた黄泉だったが、それより前に何か着ろとアムに取り押さえられていたという……。

「近づかれる前にできるだけ数を減らさなきゃ……!」
 まずは飛び掛かってきたネズミたちに対して各人の飛び道具が放たれ、次々と撃ち抜いていった。
「毒や病気になると危険なので、近寄らせないように!」
 椿は【魔具力再現:力の紋章】にてインクを飛ばし、本に描かれた破壊の力を再現していく。ネズミに命中したインクはそのまま破壊の紋章絵を描いてネズミにダメージを与えていくが、ネズミに当たらなかったインクは、地面に描かれる紋章となり、それはその上に立つ椿を支援する力となる。
「この攻撃なら、外れても建物への被害は防げますしっ!」
 椿はネズミの攻撃を避けながら、地面に描かれた紋章の上を転々と移動しつつ、ネズミに向けてインクを飛ばしていった。決して近付かれないよう、周りの面々にも近付かせないよう、牽制に徹していく。
「そうだね。お風呂をこれ以上壊さないように……狙いを外さないように……!」
 椿の言葉に応え、ニーナもまた建物に被害を与えないよう集中する。アサルトライフルを構え【Ψ-Assist Snipe】での狙撃で、狙いを外さないように1匹1匹的確に撃ち抜いていった。
 とはいえ、彼女の攻撃は単体への狙撃だ。狙いこそ決して外さないが、数に群がられると弱い。ネズミに懐まで接近されてしまった場合は、咄嗟に手持ちのサイライト・ブレードで斬り捨てていっているが、大量のネズミを前にしてはニーナの手数も足りなくなってくる。
 だがそこに、彼女の友人からの援護が入った。壁に跳ね返って伸びてきた光線がニーナに飛び掛かっていったネズミを空中で燃やしていく。
「大丈夫ですか、ニーナさん?」
「マイエさん、助かりましたっ!」
 咄嗟に援護射撃を放ったマイエだが、もちろん自身の攻撃も忘れてはいない。マイエの【Reflect Lotus】は砲戦ドローン群から放たれる光の雨による、跳弾だ。光でありながら跳ね返るその光線は、建物の傷つけてはならないものに対しては命中と同時に跳ね返り、ネズミのような生体に対しては、命中と同時にその身を焼いていく。光の奇跡も雨のように多く放たれるため、先程のような援護も可能というわけだ。
「コレなら入浴可能な状態を保ったまま効率的に退治できる筈ですわ!」
「そうそう。施設を燃やすわけにはいかないものね!」
 仁美の放つ【念動電光球】によるプラズマ球も、的確にネズミを焼いていく。ネズミが単独で来るならば、小さな球のまま、固まった群れが動いているところにはいくつかの球を纏めて大きくしたものをぶつけるなど、適宜臨機応変に操っている。
 プラズマの炎なので、時折施設の可燃性のものに燃え移るが……その都度仁美は力を解いて消火も怠らない。
「血を飛ばしてきたら厄介だものねっ」
 仁美はそう言いながら、椿やニーナやマイエの攻撃で傷ついたネズミを優先的に狙ってとどめを刺していった。
「病気は怖いですものねっ。それなら、こうすれば、ウイルスを殺菌しながら攻撃できるはずです!」
 仁美の言葉に頷きながら、栞は【エレメンタル・ファンタジア】で生み出した高高熱の霧を、ネズミの群れを囲うように広げていく。
「これなら、飛ばしてくる血液も乾燥させるし完璧では!?」
 自画自賛しながら霧を広げ、栞は集中して霧を操り、ネズミの動ける範囲を制限して自分たちの周りから逃げられないように追い立てていった。
 もっとも、高熱の霧など、自分たちをまきこむわけにはいかないから、展開も制御も全身全霊を込めて集中し操らなければいけない。
「頑張って支援しますね!」
「でも栞さん、それだと、栞さんは何も動けないんじゃ……?」
 逃がさないように取り囲むという事は、追い詰められた窮鼠が術者に噛みつきに来るという事だ、制御に集中している栞では避けられないだろうと、心配そうに仁美は声をかけたが、栞は笑顔で返すのだった。
「大丈夫です。今の私は一人ではありませんから。頼れる皆さんがいますから!」
「そうそう! 任せて、栞さん! わたしが守る、よー!」
 栞の声に元気よく答えたのは理緒だ。理緒の放つ【E.C.O.M.S】による八角形のユニット『Octagonal Pyramid』は、10機1組の編隊を組んで、栞を襲おうとしていたネズミを追い払い、そのまま追い立てていく。1匹のネズミに対して10機とはずいぶんな過剰戦力のように思えるが……。
「え? 八つ当たり? 違うよ、依頼だし、栞さんを守るためだもん!」
 Gの恐怖に対する八つ当たりではないかと指摘した誰かは、そんな理緒の笑顔に黙らされていた。え?誰が言ったのかって?それは本人の名誉のために伏せておこう。
 ところで栞を襲いに来たはずのネズミ群が、理緒に対してはむしろ一目散に逃げているようだが、これは一体どういうことか。
 実は、理緒は真っ先に飛び掛かってきた1匹のネズミに対し、咄嗟に手元にあった『特製辛味セット』のわさびパウダーをネズミの鼻先にぶちまけていたのだ。それが周りのネズミたちにも伝わったために、理緒には近づかないようにしているらしい。
「こんなところでわさびの出番があるとは!」
「でもそれはなるべく遠慮してほしいですっ。……獣砲さんがますます機嫌悪くなっちゃって……」
 どうやら流江の獣砲が、わさびパウダーを少々吸い込んでしまったらしい。Gを食べさせられて不機嫌な所に刺激物。おかげでグルグル唸って怖かった獣砲の機嫌はさらに悪くなってしまっていた。
 その八つ当たりとばかりに獣砲は、手にしている流江を引っ張りまわしながら、飛び掛かってくるネズミに積極的に噛みついていく。ネズミの動きを見切っては、呪詛を込めた狼に牙で噛みつき、平らげて……そしてまだまだ満足はしないと吠えながら流江を引きずり回していた。
「腕を引っ張られる私の身にもなってほしいですが……仕方がありませんね!」
 引きずりまわされながらも流江は、【神霊刀・陰牙】にて装備している『神霊刀・陽牙』の複製を作り出し、念動でネズミたちに向けて飛ばしていく。それは駆けていくネズミの行き先に突き刺さって動きを止めさせ、ネズミを逃がさないように追い込んでいった。
「もうしばらく、獣砲さんの口直しにお付き合いしましょう!」
「その獣砲さんじゃないけどね……確かにその方が手っ取り早いかしら!」
 先程からまぐろは、巨大なマグロブレイドを振りまわしてはネズミに斬りかかっていっているのだが……すばしっこいネズミに巨大な獲物ではなかなか当たらない。
 そんな状況にあったまぐろは、獣砲がネズミを食べるさまを見てて……そして覚悟を決めた。
「あまりこの場面で使いたくないけど! っていうか、病原体まき散らすオブリビオンのネズミとか本当は食べたくないけど!」
 本心から嫌そうな声を上げるも、今の自分がネズミ退治の役に立つためならば、これしかないと、まぐろはマグロブレイドを放り投げて、己の右手を【ガチマグロキマイラ】を使ってマグロの頭へと変化させたのだった。
「でもやらざるを得ないじゃない!!」
 そういってマグロだけでなく猫科も交じっているキマイラの身体能力を全開でネズミに向かって飛び掛かっていく。右腕のマグロの頭は大きく口を開けて、ネズミに喰らいつき、そしてかみ砕いていった。
「ここは全力で食い殺していくわよ!!」

 かくして8人の連携で、インフェクション・マウスの群れは次々と数を減らしていった。
 ……ん? 8人?
 1人足りないと思ったら、黄泉はいったい何をしているのか。
 実はアムに手伝ってもらい、ネズミに齧られてボロボロの布切れになったバスローブを、何とか大事なところくらいは隠せる程度に修復していたのだ。バスローブビキニとでも呼べばいいだろうか。
 さすがに黄泉も裸のまま大立ち回りはしたくないから、仕方ない。
 決してネズミが怖いから、服を用意するという口実で避けていたわけではない、はずだ。
「……これでなんとか。私も、ネズミ退治に加わらないと……えっ!?」
 だが、黄泉がネズミと戦う機会は訪れなかった。
 なぜなら、跳弾してきた流れ弾の光線が、せっかく修復した黄泉のバスローブビキニに命中して燃やしてしまったからだ。
 あっという間に燃え尽き、再び裸になってしまった黄泉。
 そこにネズミが飛び掛かってきたので、またまた黄泉は悲鳴を上げて裸のままぶっ倒れることになってしまったのだった……。

『お嬢様、建物とネズミ以外はどうなるか、ご理解されてますか? 例えば、お召し物は……』
 黄泉の惨状を見たアムが主であるマイエに問いかける。
 そう言われて振り返ったマイエは、黄泉の惨状を確認し、初めてその危険性に気が付いたのだった。
「あっ…!? み、皆様流れ弾にご注意下さいませー!!」
 慌てて皆に注意を促すマイエだが、既に遅すぎたと言わざるを得ない。
 マイエの放った数多の光の雨はネズミに当たらない限りは跳弾して反射されてこのあたりを縦横無尽に飛び回っている。なので……流れ弾は容易に仲間たちに当たってしまうのだ……。
「光が私にも!? しかも火の勢いが!?」
 流れ弾は、マイエの相方ともいうべきニーナにだって容赦なく着弾する。元々中の服を失っていて、コートだけしか羽織っていなかったニーナは、そのコートを燃やされて上半身裸にされてしまった。
「って、マイエさん!? 火力強い、強い!」
 光の流れ弾が着弾した理緒は、黒焦げになって崩れていく服を、慌てて抱きかかえるように肌を隠してしゃがみ込んでしまった。
「え、流れ弾……?」
 高熱の霧の制御に集中していた栞は、当然避けることなどできず、その豊かな胸を覆う部分に光の流れ弾がかすめて、ポロリとこぼれてしまっていた。
「ひゃぁぁ!? や、やだ、見ないでください~~~!!??」
 もちろん被害は3人だけにとどまらない。
「ちょ、ちょっと、マイエさんっ!?」
「その光を止めてくださいっ!?」
「こっちにもきたーっ!?」
「敵じゃなくて味方の動向で、移動したらピンチにっ!?」
 仁美や流江やまぐろや椿にも流れ弾の猛威は襲い掛かっていったのだった……。

 そんな騒動がありつつも、恋華荘+αのメンバーによって最終的にインフェクション・マウスを全滅させることはできた。
 だが、最終的に彼女たちの服がどこまで無事だったかは……語るべきではないかもしれない……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『恵みの湯煙』

POW   :    日々の疲れをお湯でいやす

SPD   :    さらに良い水質にならないかパイプを調べる

WIZ   :    難しいことは抜きで、いつ枯れるかわからない温泉を楽しむ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ようやくの温泉!
 かくして猟兵達の活躍により、Gの脅威も去り、ネズミも駆逐された。

 もともと廃墟である温泉旅館ゆえ、今も天然で湧いているお湯が注ぎ込まれている大浴場部分しか現在使える状態ではないのだが、それでも天然温泉を、これでようやく自由にできるのだ。

 中の仕切りも半ば崩れ、男湯と女湯の区別もなくなっているので、基本的には水着を着ての混浴となるだろうが、場所はかなり広く大浴場の湯船もかなりの広さのため、それぞれ距離を取ればそれなりにプライベートな休息も楽しめるだろう。

 既に脅威が去ったという事で、グリモア猟兵の彩波・いちごも掃除の手伝いにやってはきているが……特に声もかけられなければ邪魔はしない。

 今は(主に精神の)疲れをゆっくり温泉で癒してほしい。
鯉澄・ふじ江(サポート)
怪奇ゾンビメイド、16歳女子
誰かのために働くのが生きがいの働き者な少女
コイバナ好き

自身が怪物寄りの存在なので
例えどんな相手でも対話を重んじ問答無用で退治はしない主義

のんびりした喋り方をするが
これはワンテンポ間をおいて冷静な判断をする為で
そうやって自身の怪物としての凶暴な衝動を抑えている
機嫌が悪くなると短文でボソボソ喋るようになる

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
自身の怪我は厭わず他者に積極的に協力します
また、例え依頼の成功のためでも
自身の矜持に反する行動はしません
 
何でもやります、サポート採用よろしくおねがいします!

(流血、損壊系のグロ描写やお色気系描写もOKです)


オヴェリア・ゲランド
◎❤️❤️❤️
ふむ、ようやく片付いたか…ならばゆっくりと温泉を堪能させてもらおうか。

●水着
紐ビキニ、黒。
露出多すぎ、大事なところしか隠してない。

●温泉の楽しみ方
「ふぅむ、剣を振るう相手としては些か物足りない敵ばかりであったな…昂りが収まらんぞ」
解消出来る良い相手でもいれば良いが、そう上手くは運ばぬなら温泉にゆっくり浸かる他ないか。

●補足
絡み歓迎、むしろ知り合いが少ないので大歓迎
NG無し、覇王は超然と色事も余裕で愉しむタイプ


夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・服装:牛柄ビキニ
・アド/絡◎

■行動
ようやく、温泉でゆっくり出来ますねぇ。
お疲れ様でしたぁ。

【豊艶界】を使用し、倉庫から水着を出して入りましょうかぁ。
まあ、少し前に調整した筈の水着が、既に胸もお尻も少々きつくなってきているのですが(遠い目)。
一応、来客用の「予備」も、複数サイズが御用意してありますので、お持ちでない方がいらっしゃいましたら、お出し出来ますよぉ?

そして疲れを取る為にも、まったり浸かりましょうかぁ。
とろけそうですぅ。

上がる際には【豊艶界】から『瓶牛乳』を取り出して飲みましょう。
此方も在庫は有りますし、『珈琲牛乳』や『フルーツ牛乳』等も有りますので、宜しければ?


フレミア・レイブラッド
♥♥♥
♀♀
♂♀

漸く温泉ね…貴女達もご苦労様。
ゆっくりと温泉を楽しみなさい♪

という事で、雪花と妖精を連れて温泉を堪能するわ♪
水着なんて無くても構わないのにねぇ…

雪花「わたし達は構うのー!っていうか、なんでこのチョイスなのー!?」(白スク水)
妖精「普通で良かったです…」(黒ビキニ妖精サイズ)

他の子(眷属)達も呼びたいトコロだけど、流石に手狭になるし、今回は自重しておきましょうか…。

そうそう、温泉以外にも、ちゃんとご褒美をあげないとね♪しっかりと体をほぐしてあげる♪ふふっ、二人共、たっぷり可愛がってあげるわ♪(【魔眼】まで使いながら湯船で二人を可愛がり始める)

他にもほぐして貰いたい子とかいるかしら?


陸郷・める
【POW】
☆おふろ。
★いやめるさん話聞いてましたァー!?
待て早まるな話せばわかるだから脱ぐのをやめろォ!

★:混浴なので必死に脱ぐのを止める。
でも水着はないので仕方なく更衣室とかに何かないか探す。
何もなかったら諦めめるの普段服(患者衣みたいな白い服)のまま入るように指示。衛生を気にしてめるに「汚物しか燃えない」UCを使い服を消毒(正しい意味)し、その後いたって普通にめるの傍に鎮座。不届き者がいたら消毒(世紀末的意味)する気満々。
めるが移動した場合追おうとするが女性が多い所へは耐性無いゆえに近づけず遠くからめるだけガン見
☆:消毒は気にせず受ける。7号の心労は気づかず初めての温泉を満喫中

※アドリブ◎



●教育に悪い温泉?
 Gとネズミの掃討が終了し、廃墟の温泉旅館にようやく安寧が戻ってきた。
 というわけで、安全になった場所を掃除し、温泉を使えるようにするために、グリモア猟兵の彩波・いちごはサポートに来たメイドさん、鯉澄・ふじ江(縁の下の力任せ・f22461)を伴って、掃除その他の手伝いに来たのだった。
 ひとまず脱衣所の清掃をしていたいちごとふじ江だったが、そこに水着に着替えようと数名の猟兵達がやってくる。
「あ、皆さん、おつかれさまですぅ」
 ふじ江はいつもののんびりした口調でぺこりとお辞儀をして猟兵達を出迎える。
 内訳は、女性4名とプラスアルファで数名だ。
「ようやく片付いたな……ならば、ゆっくりと温泉を堪能させてもらおうか」
 先頭に立ってやってくるのは、女帝オヴェリア・ゲランド(銀の剣帝・f25174)だ。オヴェリアは、今回共に戦った仲間たちをそのまま引き連れる格好で、着替えのためにここへやってきたのだ。実は、独りではつまらないが、他に一緒に入る知り合いも特にいないので、流れのままにこのメンバーで一緒になったのは、オヴェリアにとってもありがたかったりする。
「そうですねぇ。ようやく、温泉でゆっくり出来ますねぇ……」
 その後ろに続いて、のんびりとした口調で安堵の溜め息をついているのは、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)だ。その豊かな身体をぷるぷると振るわせながら、オヴェリアの後をついてきた。
「漸くね……貴女達もご苦労様。ゆっくりと温泉を楽しみなさい♪」
「はいなのー!」
「ほんとこれだけが楽しみでしたよー」
 その傍ら、フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)は、自身の眷属である雪女の雪花と、妖精を引き連れている。プラスアルファというのは、フレミアの眷属のことだ。
 そしてもう1人、その後をとことこついてきている幼女とモヒカンのペアがいる。
『いやいや、なんで俺までこっち来てるの!?』
「……ん、一緒、いや?」
『いやっつーか、不味いでしょ!?』
 というわけで幼女の陸郷・める(死念動力実験成功体6号・f26600)と、その戦車の制御用生体兵器であるモヒカンの7号だ。戦車を降りためるの保護者よろしくここまで来たが、さすがにヒャッハーな彼も女性陣と一緒に脱衣所に来るというのはいろんな意味で勘弁願いたい。
「さて、水着に着替えるとするか」
「水着なんて無くても構わないのにねぇ……」
 堂々としている女帝様と、享楽的な吸血姫は、そう言って平然とその場で服を脱ぎ水着に着替え始めた。
『いやだからアンタたち―!?』
 7号がいるにもかかわらず着替えを始めるあたり、7号のことをまるっきり男扱いしていないらしい。まぁ、戦車の生体部品扱いなのだから、仕方ないのか。
「一応私もいるんですが……」
「見た目で違和感ないからじゃないでしょうかぁ~?」
 ふじ江にそう言われ、苦笑しながら退出する男の娘なグリモア猟兵である。
「私は別のところ掃除してきますね。ふじ江さんはせっかくなので温泉楽しんできてください」
「はぁ~い。ありがとうございますぅ」
 というわけでゾンビメイドのふじ江も一緒することになった。
「そちらの方は、お久しぶりですねぇ」
「確か前に1回一緒したことあるわよね。よろしく」
 ふじ江とフレミアは、以前に依頼で一緒したこともあるので、お互い面識はあった。そのフレミアに紹介されて、他の面々とも挨拶を交わしていく。
「あっちも一緒でも別にかまわなかったのにね」
「せっかく来たのだから、逃げなくても良かろうにな」
 などと、ふじ江をこの場に残して退散したグリモア猟兵について、フレミアとオヴェリアは平然と話していたりするが、フレミアの眷属たちはさすがにそうもいかないらしい。特に雪花は。
「わたし達は構うのー!」
「いいじゃない、水着だって着るんだし?」
「まぁ、水着などあってないようなものだがな」
 水着なんてなくてもかまわないというフレミアだが、オヴェリアもどちらかというとそちらの方向だろうか。それでも一応、フレミアは赤い大胆なビキニの水着に、オヴェリアは黒い布地の少ない紐のようなビキニに、それぞれ着替えている。
 そしてフレミアは眷属の2人にも水着を渡すのだが……。
「……って、なんでこのチョイスなのー!?」
「こっちは普通で良かったです……」
 白スク水を渡された雪花の悲鳴と、フェアリーサイズの黒ビキニを渡された妖精の安堵の声がするのだった。
 そしてさらなる問題はこちら。
「ん……おふろ。だから、脱ぐ」
『いやめるさん話聞いてましたァー!?』
 水着を持っていないめるは、そのまま平然と、病院の患者が着ているような普段着を脱ごうとしていく。
「……でも、もう男の人いないよ?」
『温泉いったら、他にもいるかもしれないでしょォー!? だから待て早まるな話せばわかるだから脱ぐのをやめろォ!』
 保護者7号は慌てて止めようとするも、めるは構わず脱いでいく。もちろん水着はない。
 仕方ないので7号は、脱衣所に残されている服でもないかと調べてみる。
『なんかないかなんか。水着代わりにできそうなものないか。いざとなったら汚物焼却システムで殺菌してでも……』
 めるの衛生面を気にして消毒しようとまでするものの、残念ながらここではネズミ退治の際に、某人が脱いでいた服さえも燃えて失われる騒ぎが起こったこともあって、特に使えそうなものはなかった。
「わたしも~、水着はありませんし~、仕方ありませんかねぇ~?」
 同じく水着のないふじ江もそう言って脱ごうとするが、そこにここまで着替えのために無口だったるこるが、恐る恐るという感じで話しかけてきた。ちなみにるこる自身は既に牛柄の水着に着替えている。
「あの~。一応、来客用の予備も、複数サイズが御用意してありますので、お持ちでない方には、お出し出来ますよぉ?」
 るこるの【豊乳女神の加護・豊艶界】の無限倉庫には、色々入っているのだ。ただし、今のるこるのサイズにフィットする水着はなかったらしく、本人はぱっつんぱっつんになってしまっているが。
『あ、ああ、ほら、貸してもらえ』
「……はーい」
「わたしもぉ~、お借りしますねぇ~」
 というわけで、めるとふじ江も無事水着に着替えて、温泉に向かうのだった。
 なお、7号は着替えの際は見ないようにすみっこに隠れて目を逸らしていたという……。

 一行は大浴場の大きな湯船の一角に、ある程度固まって使っていた。
「ぬくぬく……おんせん、気持ちいい」
 めるは初めての温泉の心地良さにすっかり気が緩んでしまっている。傍らに控えている7号が、めるがおかしなことに巻き込まれないよう気を貼っているが、める自身は、7号のそんな心労もどこ吹く風だ。
「あ~~~、いいお湯ですねぇ」
 るこるなどはよほど疲れもたまっていたのか、特大の胸をぷかぷかと浮かせながら、のんびりまったりと身体を伸ばしている。
「ほんと、極楽ですねぇ~」
 その傍らにはのほほんとふじ江も湯に浸かって伸びをしていた。
「はい~。とろけてしまいそうですぅ」
「ふやけてしまいそうですねぇ~」
 すぽんっ。
「……あらぁ~? ふやけて抜けちゃいましたぁ?」
 ゾンビメイドであるふじ江。最近の悩みは身体の縫い目がほつれてパーツが抜けやすいこと。今回はお湯でふやけた腕の縫い目のところが、伸びをした際にすっぽ抜けたようだ。
「大変ですねぇ~。縫うのお手伝いしましょうかぁ?」
「お願いしますねぇ~。さすがに片手で縫うのは面倒でぇ~」
 腕が抜けたことをのんびりのほほんと話している2人の姿は教育に悪いと、7号はそちらをじーっと見ていためるに、あっちを見るようにと促した。
『ほらほら、メルさん、あっちの方見てのんびりしようねェ』
「……? はーい」
 そのあっちの方では、フレミアとオヴェリアが、フレミアの眷属を交えて話し込んでいた。話というか……。
「そうそう、温泉以外にも、ちゃんとご褒美をあげないとね♪」
「おねぇさま、温泉くらいのんびり浸かりたいのー……あうんっ」
 さっそく湯船の中で、フレミアは雪花を抱き寄せてその身体にいろいろしていた。
 具体的には、めるの位置からではお湯の中でのことなのでよく見えないのだが、フレミアの手が動くたびに、雪花が「あんっ」とか「くぅん」とか声を上げているのはわかる。
「しっかりと体をほぐしてあげる♪」
「が、がんばってねー……?」
「あうんっ、おねぇさま、わたしばかり、そんなことしないのっ……!?」
 雪花が真っ赤な顔になってビクンっと跳ねる様子を、妖精はじりじりと後退しながら見ていたが、もちろんそうは問屋が卸さない。
「ふふっ。順番順番。ちゃーんと2人共、たっぷり可愛がってあげるからね♪」
「お、お手柔らかに……」
「はふんっっ」
 逃げられないと悟った妖精は、雪花の様子を見て、その後自分がされることを想像しては真っ赤になるのだった。
「くくっ。ずいぶんと楽しそうじゃないか」
 真っ赤になって見ている妖精とは違い、オヴェリアの方はフレミアが雪花にしていることを興味深そうに眺めている。
「あら、女帝様もやります?」
「ああ、なにせ剣を振るう相手としては些か物足りない敵ばかりであったからな……身体の昂りが収まらんのだ」
 なのでフレミアは意味深な笑みを浮かべて声をかけてみたのだが、魚心あれば水心というか、割れ鍋に綴じ蓋というか、どうやら需要と供給が噛み合うらしい。
「あら、それじゃ女帝様もほぐしてあげましょうか?」
 いつの間にか雪花だけでなく妖精まで捕まえてその小さな身体を解し始めているフレミアがニヤッと楽しそうな笑みを浮かべてオヴェリアに尋ねる。
 もちろん、オヴェリアに否はなかった。
 そして、こんな方向を見ろと言ってしまった7号は慌ててめるの頭をぐいっと別の方向に向けるのだった、
『こっちはダメだ! 教育に悪りィ!!』
「……くびがいたい。なんなの、7号?」
 あっち向かせたりこっち向かせたりでいろいろせわしない7号に、不満そうにするめるだったが、例え過保護と言われようともめるの教育に悪いものを見せるわけにはいかないのだ。……なお、7号自身は遠目でガン見していたのは内緒。
『いいから、のんびり温泉浸かってろ、な?』
「うん……おんせんのんびり」
 結局それ以上は7号も何も言わないので、めるはのんびりと温泉を満喫するのだった。

「皆さん、お風呂上がりに牛乳はいかがですかぁ?」
 めるが温泉を満喫して湯船から出ると、るこるから声をかけられた。
 そのるこるは、【豊艶界】の倉庫から瓶の牛乳を取り出して飲んでいる。
 他にも珈琲牛乳やフルーツ牛乳もあるようで、1戦交えて(?)満足したらしいオヴェリアとフレミアも1本ずつ持っていった。
「いただくわね?」
「やはり風呂上がりといえばこれだな」
 オヴェリアは満足そうな顔で腰に手を当て、グイっと瓶からコーヒー牛乳を飲む。
『お前はどれにする?』
「じゃあ……フルーツ」
 めるも両手で瓶を抱えて、ごくごくと美味しそうにフルーツ牛乳を飲むのだった。
 そして、るこるはもう1人、一緒に湯に浸かっていたゾンビメイドのふじ江(腕は何とか接続できた)にも牛乳瓶を渡す。
「ありがとうございますぅ~~」
 それを嬉しそうに受け取って、オヴェリアの真似をするようにグイっと瓶を傾けたふじ江だったが……。
「あらっ?」
 背と首を反らした弾みで、ぽろっと首が取れてしまったのだった。
「あらぁ~……やっぱりお湯でふやけて取れやすくなってるみたいですねぇ」
『だから教育に悪いんだよォ!?』
 首が取れたふじ江にも動じない女性陣(本人含む)の中で、ただひとり7号の嘆きの声だけが響いたのだとか、なんとか……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

アリス・セカンドカラー
お任せプレイング。お好きなように。汝が為したいように為すがよい。
さて、いよいよメインディッシュのお時間です☆
ふっふっふ、いちごちゃんのエロトラブル体質はリサーチ済み、そこに私の妄想を混ぜ運命属性攻撃で操縦すれば、いちごちゃんが私を避けようとすればするほどに裏目に出て吸い込まれるように私とのめくるめくT◯LOVEな状況に導かれることでしょう♪
大丈夫、恋華荘の人たちにバレないよう目立たない存在感の迷彩で物を隠すオーラ防御で倫理結界張っておくから、さ、アリスと遊びましょ♡ちなみに私は半脱ぎ派。
ま、バレて制裁されても『我々の業界では御褒美』よ☆
いちごちゃんにレジストされて酷い目カウンターされても同上☆


アリス・スラクシナ
※エルーゼ、華澄、ジェイクと行動
水着:胸元や腹部を開けた黒のレオタード。事情で腰にタオル

気まずい、ただそれだけとしか。
意味が分かった時には既に手遅れだったと。
「はあ、過ぎた事をあれこれ言っても仕方ない」
せっかくの温泉だ、楽しんでおこう……うん。
「それでジェイクはどこに」
どこに行ったのかと思えば色々と用意していたようだ。
まあ、塗り替えるにはいいのかもしれない。


♀♀
♂♀


藤宮・華澄
※アリス、エルーゼ、ジェイクと行動
水着:イラストのもので

「……ダイジョウブデスヨ?」
ちょっと衝撃的な光景()があっただけですし。
まあ温泉入れたし……ワスレマショウ。
「え、そういえば姿が」
ジェイクさんはどこにと思えば、色々持ってきて。
「そ、そうですね!忘れましょう!」


♀♀
♂♀


エルーゼ・フーシェン
※アリス、華澄、ジェイクと行動
水着:イラストのもので

「……」
目が死んでる?ハハハ、そりゃねえ。
なんで二人が思い出したくないと言ったのか分かったわ。
「はあ、あんな目に遭えばねえ」
思い出したくはないでしょ、あんな光景。
「ここは飲んで忘れてしまいたいわ」
なんて言ってたら本当に来るなんて。
まあ少ないけど、何もないよりマシかな。


♀♀
♂♀


ジェイク・リー
※アリス、エルーゼ、華澄と行動

いちごに持ってきてもらうのは食材と酒とジュースか。あとゴミ袋や炭も。
「外でやるしかないだろ」
施設が使えないのならキャンプとサバイバルの技術で野外調理するしかないな。
露天状態ならその場で焼いたり出来るが、色々ありすぎて覚えていない……。
ま、どのみち忘れたいだろうから楽しませれば多少は。
他の猟兵にも言える事なのかもしれんがな。今回はきつかっただろうし。


♀♀
♂♀



●温泉で疲れを癒せるかな?
 掃除を終えたグリモア猟兵の彩波・いちごは、ジェイク・リー(影の護り手・f24231)に頼まれていた物資を運んできていた。この世界あまり多くのものを持ち込めばオブリビオンストームも怒ってしまうが、個人的に少量食べる程度の食糧なら問題ない。
「えと、頼まれた食材と飲み物、ここに置きますね?」
「ああ、すまん」
 さすがに大浴場でするわけにもいかない、旅館の設備も廃墟で使えない、となると、大浴場の建物の傍の屋外でキャンプやサバイバルの要領で料理を作ることになるだろう。
「手伝いましょうか?」
「いや、いい。あとで運ぶときだけ手伝ってくれ」
 寮の管理人として寮生の食事を担っているいちごはそう声をかけるが、ジェイクはジェイクで、生活能力のない女3人を支えているだけあって、料理も特に問題はない。
「露天風呂なら、その場で焼いたりもできるんだが……まぁ、外でやるしかないな」
 色々あってぐったりしているだろうが……うまいもんでも食わせれば気もまぎれるだろ……と、ジェイクは自分自身も忘れたい出来事があったにもかかわらず、そんなことを考えながら簡単なバーベキューを作っていくのだった。

 さて、一方温泉の湯船の一角では。
 3人の女性がぐったりした様子で湯に浸かっていた。
 身体から程よく力が抜けているのか、3人共通の大きな胸が、ぷかぷかと湯船に浮かんでいる。
「気まずい……」
 のっけから遠い目をしているのは、胸元や腹部の空いた黒のレオタードのような水着を着ているアリス・スラクシナ(邪神の仔・f21329)だった。
 気まずそうに、近くで死んだ目をしている2人のことを眺めている。
「お前たち……大丈夫か?」
「……ダイジョウブデスヨ?」
 目から光が失われた状態で、棒読みでそう答えるのは、赤いスリングショット水着を着た藤宮・華澄(戦医師・f17614)だ。
 完全に目の焦点が合っていない状態で、乾いた笑いだけがこぼれている。
「……」
 華澄同様どこも映していないような目で虚空を見つめているのは、髪色同様の銀のハイネックワンピース(ただし胸元から下腹部に至るまで大きく切れ込みが入っているシロモノ)を着たエルーゼ・フーシェン(踊り子・f13445)だ。
「完全に目が死んでいるな……」
「ハハハ、そりゃねえ……なんで2人が思い出したくないと言ったのか分かったわ」
 アリスの呟きに、乾いた笑いを上げて何とかそう答えるエルーゼの目は、やはりまだ虚ろなままだった。
「意味が分かった時には既に手遅れだったと……」
 2人よりはまだましだが、こちらはこちらで思い出したくない事を思い出してしまっているのか、アリスもまた遠くを見始める。
 それでも時間がたてば、多少はマシになってきたのか、少しずつ華澄もエルーゼも声に力が戻ってきた。
「ま、まぁ……ちょっと衝撃的な光景があっただけですし……温泉入れたし……ワスレマショウ」
「そうね……はあ、あんな目に遭えばねえ……」
 2人はそうして少しずつ会話をしながら、少しずつ目に光を取り戻していくのだった。
「まあ、過ぎた事をあれこれ言っても仕方ない。せっかくの温泉だ、楽しんでおこう……うん」
「ですね……忘れましょう、ええ」
「思い出したくはないでしょ、あんな光景……ここは飲んで忘れてしまいたいわ」
 そうして3人揃ってため息をつく。
 ……と、こうしてようやく落ち着いたところで、今更ながらに1人足りないことに気付くのだった。
「それでジェイクはどこに」
「……え、そういえば姿が」
 アリスと華澄はあたりをきょろきょろとし始める。
 が、その2人よりも先に気付いたのはエルーゼだった。
「ああ、来たみたいよ。何か持ってきたわね」
 エルーゼが指さす方向を見れば、先ほどまで外でバーベキューを焼いていたジェイクが、それを乗せた皿と、酒とジュースの瓶を持ってやってきたのだった。
 ちなみに1人では全部持てないので、瓶はいちごが運んできている。
「食い物と飲み物を持ってきた。飲み食いして忘れちまえ」
 そういってジェイクはぶっきらぼうに皿に乗せたバーベキューを差し出す。
「そう、だな。まあ、記憶を塗り替えるにはいいのかもしれないな」
「そ、そうですね! 忘れましょう!」
 アリスと華澄は、ジェイクの気遣いに、先程の光景を記憶から消そうとしてバーベキューの串に手を伸ばした。
「……まあ少ないけど、何もないよりマシかな?」
 エルーゼも、量に不満はあるらしいが、とりあえず同じように手をのばす。
「飲み物の瓶とコップは、ここに置いておきますね」
 そして荷物運びしてきたいちごが、飲み物を置いて、ごゆっくり……と離れていこうとする。 

 ……ここで終わっておけば、平穏だったのだが。

 そんないちごを見かけた貴腐神が、この場にやってきてしまうのだった。
「ふっふっふ。見つけたわよ、いちごちゃん。いよいよメインディッシュのお時間です☆」
 その声……アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)の声に、呼ばれたいちごだけでなく、ジェイクたち4人もびくっと背筋を振るわせてしまうのだった。
 ……無理もない。忘れたい記憶は彼女によるものなのだから。
「さぁさぁ、いらっしゃい、いちごちゃん。めくるめく不可思議ワールドへ☆」
「い、いえ、それは……」
 じりじりと後ずさりするいちご。
 その背後には温泉の湯船があり、そこには貴腐神ではない方のアリスと華澄とエルーゼがいるわけなのだが……こんな状況でとらぶる体質のいちごが何も起こらないはずもなく。
「あっ」
 どぼーん。
 いちごは3人のいる湯船に落ちてしまうのだった……。
 なおその際、お約束的に3人の豊かな身体とあれこれがあったかもしれないが、そのあたりは割愛する。
「おお、さすがいちごちゃん。流れるようなとらぶる体質ねー☆」
 よしよし、それはこの後はわたしの妄想を混ぜ混ぜして運命操作して、とらぶるの対象をわたしにすれば……などと不穏なことをぶつぶつ呟いている貴腐神アリスだが、その呟きは今のところ誰にも聞かれていないようだ。
「す、すみませんー!?」
「いや、それより逃げた方がいいんじゃないのか……?」
 色々な感触に赤面して謝るいちごを湯船から引き揚げたジェイクが、瞳を輝かせていちごをロックオンしている貴腐神アリスの方を見て、いちごに同情的に言う。
 ……まぁ、半分以上は、そのままあいつをどこか別のところに連れて行ってくれ、という所だろうが。
「え、ええ、では失礼します……」
 そしていちごは、赤面しながら一目散にこの場を離れようとする。
 のだが。
「あれっ!?」
 何もない所で足を滑らせてしまう。
 当然、倒れる先は、貴腐神アリスの元だ。
「いたっ……って、あれ……この、感触は……」
「ふふふ。いらっしゃい。いちごちゃん☆」
 転んだ弾みに綺麗にお約束通り思いっきり貴腐神アリスの胸元に手がのっかってしまっているいちごは、その腕をしっかりとホールドされて逃げられなくなってしまった。
「大丈夫、恋華荘の人たちにバレないよう倫理結界張っておくから、さ、アリスと遊びましょ♡」
「倫理結界って何ですかー!? ちょっとぉー!?」
 そのまま、ジェイクたちの見ている前で、いちごと貴腐神アリスの姿は、風景に溶け込むように消えていった。
「ちなみに私は半脱ぎ派よ」
「今その情報必要ですかねー!?」
 最後にそんな声を残して……。

「あー……まぁ、忘れよう」
「そうだな……」
「そうですね……」
「お酒美味しいわ……」
 いちごが消えたのを呆然と見送ったジェイクたちは、自分たちがこれ以上巻き込まれないようにターゲットを引き受けてくれた犠牲者のことも忘れて、しばらく温泉で飲み食いしながらのんびりするのでした。

 それからしばらくして。
 息も絶え絶えで顔も真っ赤で服装も乱れているいちごと、何故か触手に絡めとられて責められて悶えて……それはそれで楽しそうなツヤツヤした笑顔を浮かべている貴腐神アリスの姿が確認されたそうだが……倫理結界の中でいったい何が起きたのかは謎に包まれたままなのである……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

彩波・流江
(アドリブ歓迎です!)

な、なんとか落ち着きましたね…(服の破損率8割)
掃除の前に、ひとまず服は創っておきましょう…神様パワー、というやつです

掃除が終われば、ついでに創っておいた水着を着て、いざ温泉です!
今回は特に疲れた方も多いでしょうし、心身共にゆっくりしましょうか…獣砲さんもお疲れ様でした
(口直し後の満足した様子の魔導武器を横に置きつつ)

苗字が一緒とのことですし、折角なので何かと話題のグリモア猟兵さんにも何かしらお話を伺いたいところですね
皆さんお強いですねー、とか
今回の敵は思い出すのも寒気がする、とか
この温泉の効能は何でしょうね、とか
その他にも色々雑談に花を咲かせられれば、と思います


保戸島・まぐろ
【恋華荘】(アドリブや絡みOK)

青いビキニを着て温泉に入って、んーっと背伸び。
「やっぱり戦闘のあとのお風呂はいいわね!」

今回の件で意気投合した黄泉とマイエたちと一緒に話をするわ。
そしておっぱいの大小の話に。
「私なんて全く無いのよ! でもなんにも困ってないわ!」

ふと、通りすがりのいちごを見つける。最早恥ずかしい気持ちなんてなくて。
「ちょっといちご! 大きいのとないのと、どっちがいいと思う?」
などと巻き込みはじめ。
「ほら、確認してよ!」とか、手を引っ張って揉ませようとするわ。
直に触ったほうがわかるじゃない!

きっと、話が盛り上がりすぎてテンションがおかしかったのね。
あとから急に顔を真っ赤にするかも。


霧沢・仁美
【恋華荘】の皆と参加だよ。
◎♥♥♥
いちごくん同行希望。

水着は学校で使ってる競泳水着。去年の水着はこないだの依頼でダメにしちゃって…。

ふう、なんか今回は気分的に大変なお仕事だったね…皆、大丈夫?主にGとかダメな子達。
ともあれ皆も、いちごくんもお疲れ様だよ。

ところで栞さん、その水着大丈夫…?なんか、胸周り凄くキツそうだけど…。
あたしも人の事言えないけれどもねぇ。去年よりまたおっきくなってるし。
お互い大変だね…と、なんだか共感を覚えちゃったりしつつ。

って、なんか揉み比べする流れになってる?
危機感感じて離れようとしたところでバランス崩しちゃって、いちごくんに胸から突っ込んじゃう…や、ちょ、待って…!


ロザリー・ドゥメルグ
【恋華荘】
◎♥︎♥︎♥︎

温泉に入れば心も休まると聞いて入りに来たわ。
私はいつも着ている水着(JC参照)で入るわ。
混浴でも、水着があれば大丈夫よ。

そしてお胸の話ね。
いつかは大きくなるんだからと思っているけど、
私は、お胸は大きくても小さくても気にしないわ。
あ、もみもみはじめるんなら私ももみもみしちゃおうかな?

あ、いちごさんもいっしょにいかが?
私がもみもみ、しちゃおうかしら?
ふにふにー。ふにふにー。
私ももみもみしてくれてもよいのにー。
こうなったら私も……!!(謎のテンションアップ)

いろいろと温泉のテンションでドキドキはっちゃけつつ
後で我に返って真っ赤になっちゃうかも……。


言葉・栞
【恋華荘】
◎♥♥♥

Gと爆発は強敵でした…でも全部解決!
疲れた体と心を休めましょう

混浴なのが気になりますけど皆さんと存分に楽しみます♪

去年の水着、ちょっとキツくなってる
太ってないから…うぅ、もしかしてまた大きく…
ぅん!入りました、少し苦しいですけど大丈夫!
でも水着買い換えないと…次はアイ…っと、今は温泉!
折角ですしいちごさんもお誘いを、同性だから誘いやすいですね

皆さん大胆…女性同士だと普通なのでしょうか?
私にはまだ早いかも…って揉み比べ?
ちょっと恥ずかし…ってクラっと
ひゃん! わわ、ご、ごめんなさい転んで…!

うぅ、いちごさんで良かった…
男性相手だったら恥ずかしくて…え、嘘…
えええ~~!?


菫宮・理緒
【恋華荘】

自分たちで勝ち取った温泉……これは癒されるね!

温泉には琥珀色のビキニで入るよ。
あ、もちろんいちごさんもいっしょ、だよね?

ん? いちごさんの好みの話してる?

聞き耳をたてるために、
温泉に潜りつつ、みんなの背後にこそーっと接近しよう。
って、え!? まぐろさんだいたん!?

さ、さすがにみんなの前で揉んでもらうのは、
ちょっと羨ま、じゃなくて恥ずかしいし、揉ませたくないし、
「いーちごさーん!」
と、お湯の中からざばーっと飛び出して、
後ろからいちごさんの胸揉みを阻止にでよう。

え? なに? 当たってる?
や、当たるほどないし……って、そいえば抱きついてた!?
真っ赤になって、そのままフリーズしちゃいます。


マイエ・ヴァナディース
【恋華荘】◎♥♥♥
※ユベコでアム召喚継続
※いちごさん登場希望

◆マイエ
※F前後の美乳
※緑基調トロピカルビキニ着用
まさかの大失態…え、豊乳の秘訣?やはり基礎が大事ですわ
栄養・運動・マッサージ等、例えば♪(ニーナさんふにっ)

ただ程よい大きさが一番かと
母が大きく魅せた時は、着付けに苦労したと言いますし…
※H並のジェスチャー

まぐろさん?いちごさんに何を…
きゃあっ!?(むにゅん)

◆アム
※緑短髪ぺたん娘
※メカ感薄めだが羞恥心等も未学習
※『あむ』記載の旧スク水着用(故郷の半壊データベース参照)
胸部装甲談義に困惑気味です
魔導巨人の姿では胴さえ喪って久しいので
あ、この『ミズギ』は変ですか?

なお暴れる方は鎮圧します


ニーナ・ライト
【恋華荘】
◎♥♥♥
いちごさん登場希望

こうしてみんなと温泉に入るのは、お花見新人歓迎会の時以来…
その機会が私達が生まれた世界なのは結構びっくりだけどっ

でも周りのみんなを見ていたら
つい自分のおむねの薄さが気になっちゃう…
そこにマイエさんが声をかけてきて…

おむねアップの秘訣…?
気にしてるのを感づかれちゃった!?

でもついついじっくり聞いてたら
マイエさんからの不意打ちおむねマッサージが!?

突然のアプローチに驚いて声を上げちゃうけど
マッサージは続いて…
そしたらだんだんいけない気持ちが…
最後にはいけない声を上げながらマイエさんによりかかっちゃう!?

そうしたら、それを見ていたいちごさんの前に差し出されて…!?


叢雲・黄泉
ソロ希望
彩波いちごを呼び出します

「くっ、コードネームGとネズミ……強敵でした……」

ですが、ようやく彩波いちごを暗殺する機会の到来です。
服……は全部燃えてしまったので【血統覚醒】で胸と下半身をビキニの水着のように異形化。
これなら大丈夫……ですよね?

彩波いちごが一人でお湯に浸かっているところに忍び寄り、【召喚・天下五剣】でひと思いに命を奪いましょう!

「彩波いちご、覚悟っ……って、ひゃあっ」

転がっていた石鹸に足を滑らせて……
そのまま彩波いちごの顔に跨る格好で押し倒してしまい……
ぼんっと顔が赤くなると同時に異形化が解けて……

「きゃっ、きゃあああっ」

そのまま彩波いちごが召喚した触手に絶頂させられます……


鬼道・椿
◎♥♥♥
♀♀(いちごさんはお呼びするので、むしろ絡み歓迎)

「顕現・封印の書の化身」で姉・百合と一緒に行動
姉妹お揃いの白ビキニ姿
※姉は外見年齢15歳くらいで
椿より若干背が高く
銀髪ロング&赤い瞳
椿と同じ位のプロポーション

最後のとらぶるを含めた戦いの苦労を姉に労われながら
背中を流してもらっていたら

『このままだと抜かされそうで、ちょっと妬けちゃうわぁ』
とおどけた感じで言いながらお胸を揉まれてしまい
いけない悲鳴を上げちゃう事に!?

その後2人でお風呂に入っていたら
いちごさんがやって来たので
2人で挨拶を…

していたら、いちごさんが慌てて近寄って来て…

水着がお湯で透けてました!?

そしていちごさんが足を滑らせて…



●温泉の恋華荘+α
 色々な意味で激しかった戦いが終わって、恋華荘を中心とした面々は、だいぶん疲れた顔で脱衣所に戻ってきていた。
 特に何名かは、味方の攻撃の流れ弾で服がいろいろボロボロになっていたりする。
「最後の最後で、とらぶるに巻き込まれちゃいましたね……」
『ほんとご苦労様だったわね』
 ところどころ燃えてボロボロになった服から除く肌を隠すようにしている鬼道・椿(魔記具封印者(レコーダーズ・レコーダー)・f27595)は、それとよく似た姿をしているもう1人……封印の本から実体化した『姉』の百合に慰められていた。
 ちなみに百合の方は、茶髪で三つ編みの妹の椿と違い、銀髪でロングヘアだ。赤い瞳だけは姉妹らしくよく似ている。
「ええ、Gも光線も、強敵でした……」
 光線がかすめて燃えて破れた服からこぼれている大きな胸を隠しながら、言葉・栞(開巻有益・f14552)は、そうしみじみと呟いていた。
「本当に強敵でしたねー……でも、なんとか落ち着きましたね……」
 こちらは服の破損率8割といったところか。ほぼ下着同然の姿になってしまっている彩波・流江(不縛神フルエリュト・f25223)である。流江は落ち着いたところで、神の力で服を少しずつ再生させている。
 椿と栞と流江の3人(栞に関しては、この時点ではまだということだが)は恋華荘のメンバーではないのだが、ここまできたらもう一蓮托生である。この後の温泉もごく自然に一緒することになっていた。
「本当に申し訳ありません」
『全くですね』
 最後のとらぶるの元凶になったマイエ・ヴァナディース(メテオールフロイライン・f24821)は、しゅんとして頭を下げていた。ちなみにメイドゴーレムのアムはまるでフォローするつもりもない様子。
「い、いやほら、服だけで済んだんだから、気にしない、気にしない。ね?」
「そ、そうですよ。流れ弾ですから、マイエさんの責任というわけでもないのですし……」
 メイドゴーレムに代わってマイエをフォローしているのは、服が黒焦げで崩れかかっている菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)と、なんやかんやあって上半身裸になってしまっていたニーナ・ライト(Automatic-Buddy「Ψ-7174」・f24474)の2人だ。
「そうそう、終わったことだし、それにどうせこれからお風呂なんだから脱ぐんだしね?」
「うん、水着が燃えたわけじゃなくて、良かったよね……」
 そして、同じく巻き込まれて損壊した服を脱ぎ、荷物から水着を取り出しながら、保戸島・まぐろ(無敵艦隊・f03298)と霧沢・仁美(普通でありたい女子高生・f02862)の2人も、笑ってフォローしていた。
 なんだかんだでとらぶるには慣れてしまっている恋華荘の面々、今更服が1枚燃えたくらいではたいしたことはない、という事なのだろうか。
「みんな大変だったみたいだね。温泉に入りにきただけのあたしがなんだか申し訳ないかも?」
 それともう1人、ここから合流したロザリー・ドゥメルグ(無鉄砲なおてんば姫・f26431)もいた。ロザリーは、グリモア猟兵の彩波・いちご共に、戦い終わった後の掃除の手伝いへとやってきていたのだ。もちろんその掃除もひと段落したので、恋華荘のグループに合流して、一緒に温泉に入ろうというところだ。ちなみにロザリーの場合、普段着がそもそも水着なので、今更着替える必要もなく、ニコニコしながら皆の着替えを見守っている。
 なお、合流していた恋華荘組には、先程まではもう1人、叢雲・黄泉(賞金稼ぎのヴァンパイアハンター・f27086)もいたのだが……今は彼女の姿はない。
「そういえば黄泉はどこ行ったの?」
「黄泉さん……? あれ、またどっか行っちゃった? 一緒に温泉入りたかったのに、ねー?」
 まぐろや理緒が着替えながら辺りをきょろきょろするが、黄泉の姿はない。
 彼女がどうしているのかは……また後程語ることにしよう。

 というわけで、現在総勢9名……いやユーベルコードで実体化している『姉』の百合やメイドゴーレムのアムも含めると11名……は、水着に着替えて湯船に向かっていった。
 ……一部の着替えに手間取っている者に、先に行くよと言い残して。
「う……去年の水着、ちょっとキツくなってる」
 その取り残された1人の栞は、ホルターネックのビキニに苦労して豊かな胸を納めていた。胸全体を包み込むような水着のデザインなので、サイズが合わなくなったとしたらその理由は……。
「太ってないから……うぅ、もしかしてまた大きく……」
 ただでさえ大きいなので、なかなか合うサイズの可愛い水着もない栞なのだが、これよりさらにワンサイズ上となると、なかなかに難しいものがある。
「栞さん、もうみんな行っちゃったよ?」
 そんな栞を心配そうに見つめているのは、自分も決して他人ごとではない仁美だ。
 栞も大きいが、仁美はさらに一回り大きい。なので栞の苦労は手に取るようにわかるのだ。
 ちなみにその仁美は、昨年着ていた三角ビキニが、先日グリードオーシャンのとある島の依頼で行われた水着剥ぎデスマッチによって千切れて失われているため、学校で使っている競泳水着を着ていた。……おっぱいを競泳水着に納めるのにとても苦労して、そこで布が伸ばされてしまってよりハイレグもきつくなってしまっているが、仁美もそれには諦め気味だ。
「……ぅん! 入りました、少し苦しいですけど大丈夫!」
 そして栞もようやくおっぱいを納め終えたらしい。こちらもかなり苦しそうだ。
「……栞さん、その水着大丈夫……? なんか、胸周り凄くキツそうだけど……。って、あたしも人の事言えないけれどもねぇ」
「だ、だいじょうぶです、たぶんっ」
 共にただでさえ大きいのに、去年よりおっきくなってしまっている2人。
 お互い大変だね……と、なんだか共感が芽生えていた。
「……でも水着買い換えないと……次はアイ……」
「あたしも新しいの買わないとね……あたしは次は……」
 栞も仁美も、2人揃って苦しそうな胸を見つめて溜息をつくのだった。
 が、すぐに気を取り直して、笑いあう。
「それじゃ、みんなの所にいこっか」
「はいっ」
 というわけで2人は先に温泉に向かった面々を追いかけていくのだった。 

「あ、栞さんに仁美さん。こっちですよー!」
 湯船には水着の面々が勢ぞろいで、お湯に浸かりながら和やかに話し込んでいた。
 その中で、遅れてきた2人に真っ先に気が付いたのは、同じくらいのサイズ感の流江だった。仁美と栞は、流江や他の面々に挨拶すると、ゆっくりと湯船に漬かった。
「おまたせっ」
「なんだかおふたりとも大変そうでしたね。私の分以外も作れれば良かったんですけど……」
 神である流江は、破損した服の修繕のついでにビキニの水着を神様パワーで作り出していたが、それが可能なのは自分の分だけで、少しだけ申し訳ない気持ちになる。
 ちなみに流江の造りだしたビキニは、さすがに神様パワーで自分用にオーダーメイドしただけあって、ぴったりだった。
「いやいや、気にしないで」
「そ、そうですよ。水着はどちらにしても今年新しいの買わないとですし」
 流江が申し訳なさそうにするものだから、逆に仁美と栞が恐縮してしまう。
「水着ですかー。私も自分でこうやって用意するよりは、やっぱり新しいの買いたいですねえ……今度買いに行きましょうか」
「いいですね。機会があればぜひっ」
 なんだかんだで、胸的な意味でも似た者同士な3人、今回最初からずっと一緒に行動していることもあって、すっかり仲良しであった。
「確かに、これ以上大きくなると大変でしょうねぇ……」
 そんな3人を横目で見ながら、マイエはため息をついた。
 皆に流れ弾で迷惑をかけた失態のことは、もう吹っ切れたようだが、胸の話となると少々苦笑いが出てしまう。
「マイエさん、今でも十分スタイルいいじゃないですか」
 そんなマイエに声をかけるのは、椿だった。同時に転送してきた縁もあって話しかけやすいのか、あるいは、同じようなプロポーションだからなのか。
「ありがとうございますわ。椿さんも素敵なスタイルですよね」
「そ、そうでしょうか?」
 大きな3人ほどではないにしても、マイエも立派な美巨乳だ。母譲りのプロポーションを、緑色のトロピカル柄のビキニに包んでいる。
「まぁ、胸は程よい大きさが一番かと。母が大きく魅せた時は、着付けに苦労したと言いますし……」
 と、ジェスチャーで示すマイエの手つきを見る限り、マイエの母は栞や流江にも匹敵するくらいの大きさなのかもしれない。
「あはは……そう、ですね」
 そんなマイエのジェスチャー所場に、椿は苦笑気味だった。
 椿の胸はマイエよりは一回り小さいくらいだろうか、それでも立派な美乳である。なお、椿は同じようなプロポーションの百合とお揃いで白いビキニを身に着けていた。
『このままだと抜かされそうで、ちょっと妬けちゃうわぁ』
「ひゃんっ!?」
 そんな妹の椿の胸を、背後から『姉』の百合が鷲掴みにして弄り始める。
「な、なにするの、やめて百合姉さん……」
『いいじゃないのぅ。スキンシップよ、姉妹のスキンシップ』
 真っ赤になって振りほどこうとする椿だったが、百合の手はピタッとくっついたように椿の胸から離れない。
「あらあら……でも、ああやってマッサージすると大きくなるとも言いますしねぇ……」
『……胸部装甲の厚みの話は不毛だと思います』
 姉妹スキンシップをくすくすと笑って見ていたマイエに対し、メイドゴーレムのアムは困惑気味だ。
 というのもアムは、『あむ』と書かれたゼッケンをつけたスクール水着が良く似合っていることからもわかるように、胸がつるんすとんな体型だからだ。ゴーレムゆえに気にしていない……とは思うのだが、胸中は計り知れない。
「……この『ミズギ』は変ですか?」
 ふとそんな疑問を口にしてしまうアム。ゴーレムというにはだいぶん感情豊かなのではなかろうか。
「似合ってるから大丈夫よ!」
「そうだよー! すっごくかわいいもん!」
 そしてそんなアムの言葉に応えるものが約2名。
 青いビキニを着たつるぺったんのまぐろと、琥珀色のビキニを着たつるぺったんの理緒の2人だった。
 アムを含めたこの3人誰が一番平坦か勝負できそうなつるぺったんトリオである。
「やっぱりこの体型ならスク水はよく似合うよわねぇ」
「うんうん。この可愛さ、額に入れて飾っておきたいレベルだよー」
 ツルペタ少女とゼッケン付きスク水の組み合わせに何故かエキサイトして大絶賛な2人。特に理緒は鼻血にそろそろ注意した方がいいのではというくらい盛り上がっていた。
 だが、アムは絶賛されても複雑なのである。
『可愛いと言われても、2人ともこんなミズギは着てませんし』
「やー、さすがに自分で着るのは勇気がいると言いますかー」
 目を反らす理緒。
「私は去年着たから今年はいいのよ」
 ちなみに昨年はさらにその上からセーラー服まで着ていたまぐろである。
「まぁ、アムの大きさなら、それもよく似あうからいいでしょう?」
『……なるほど?』
 主のマイエがそう言っても、いまいち納得していない様子のアムであった。
「そうねぇ。胸なんていつかは大きくなるんだからと思っているけど」
 話に加わってきたのは、普段着でもある黒ビキニのままのロザリーだ。まぐろや理緒ほどではないが、ロザリーもかなり小さい方である。
「まぁ、私は、お胸は大きくても小さくても気にしないけどね」
「私なんて全く無いのよ! でもなんにも困ってないわ!」
 ロザリーの言葉に、堂々とそう宣言するまぐろであった。
 だが、小さい組でもまぐろやロザリーのように気にしないものもいれば、気にするものもいるわけで。
 気にする側の1人が理緒だった。
「あはは、わたしは、ちょーっとくらいは、気にする、かな……」
 誰にも聞かれないように赤面して小声でつぶやく理緒である。なにせ彼女の想い人、というかいちごは、大きい方が好みだそうだし。
「私も、少しは気に……」
 そしてこの話題になってから静かだったニーナも、やはり胸の薄さは気にしている模様。赤面して自分の水着……普段着ているキャミワンピに似たシンプルなワンピース水着の胸を見下ろしていた。
「あら、ニーナさんも気になるなら、あちらの椿さんのようにマッサージでもします?」
「えっ!? ひゃぁっ!?」
 そんなニーナに、マイエが声をかける。というか毒牙にかける。
 気にしているの気付かれちゃったと慌てるニーナの背後に忍び寄ったマイエにお胸のマッサージをされて悲鳴を上げるのだった。
「あはは……皆さん賑やかですよねぇ」
 自分たちの水着の話題から、端から端まで伝染した胸の話題で盛り上がる恋華荘の面々を見て、流江は楽しそうに笑う。
「皆さん大胆……女性同士だと普通なのでしょうか?」
 栞はその光景を見て真っ赤になってしまっている。
「あはは……恋華荘だと割とよくあること、かな……? 揉み比べにならないうちに離れた方がいいかも……?」
「私にはまだ早いかも……って揉み比べ?」
 苦笑する仁美の言葉に、更に真っ赤になってしまう栞だった。
 そんな2人お様子を、流江は楽しそうに笑っていた。
「ここの温泉の効能がバストアップだったらいいかもですけどねー」
 なんていう流江の何気ない言葉に、栞だけでなく仁美も赤面して首を横に振るのだった。
「そ、それはあたしたちはありがたくないんじゃ……!?」
「こ、これ以上は……その……」
 そんな2人の様子に、一同は笑いあうのだった。

「そういえば、彩波いちごさんは呼んだんですか?」
 話が途切れたところで、ふと流江はそう恋華荘の面々に尋ねてみた。
 なにせ彼女の名字も彩波。読みが“さいは”と“あやなみ”で異なる同形異音の名字の持ち主なのだ。そして先程同じ漢字だったというだけで仲間と思われて黄泉に狙われそうになったこともある。そんな縁もあるので、気になるのはある意味仕方ない事だろう。
「あ、うん。もちろんいちごさんもいっしょ、だよね?」
 流江の言葉を受けて、理緒が恋華荘の仲間たちに確認する。どうせ誰かが呼んでいるだろうと。というか理緒自身も声はかけてあるのだし。
「いちごさんなら、別のところで掃除とかしていたから、終わったら来るんじゃないかな?」
 そして、もともといちごと共に掃除の手伝いに来ていたロザリーが、そう答える。
「そうですか。それではいちごさんが来るまで、マッサージの続きといきましょうか?」
『そうしましょうかねぇ?』
 それならとマイエと百合は、悪ふざけというか胸のマッサージをそれぞれニーナと椿に続けるのだった。結局話は変わってない。
「やれやれ。いちごは大きいのと小さいのどっちが好きなんだっけ?」
「そ、それは……」
 そしてまぐろの問いに、紅くなってあわあわしはじめる理緒であったとさ。

●対決!邪神vs邪神ハンター!(なお内容はお察し)
 さて、そのいちごはどうしているのかというと……。
「すっかり、余計な時間を喰ってしまいました……」
 いったい何があったのか詳細はさっぱりなのだが、妙に疲労した憔悴した様子でふらふらと1人、恋華荘の面々がいる場所に向かって歩みを進めていた。
 ちなみにいちごも水着姿である。スカートとフリルに彩られた女性用のセパレート水着があまりにもよく似合っていて、性別が迷子のいちごであった。
 そして、そんないちごが1人になるのを待っていた刺客が1人。
 言うまでもない。黄泉である。
「彩波いちご、覚悟っ!」
 普段【血統覚醒】で腕を異形化させる要領で、胸と下半身をビキニの水着のように異形化している(着るものはすべて失われているための苦肉の策だ)黄泉が、【召喚・天下五剣】で呼び出した5本の刀を使って、いちごに襲い掛かってきたのだった。

 黄泉がいちごの命を狙うのは、黄泉を半吸血鬼化させた元凶がいちごの中に眠る邪神だからだ。いちご本人に恨みがあるわけではない……はずではあったが、邪神と同一視してこれまでにも何度もいちごに襲い掛かっていて、そのたびに返り討ちにあってしまっているので、今ではいちご本人に対する殺意も間違いなくあるのだろう。たぶん。
 今回の依頼に参加したのも、温泉が使えるようになれば、ターゲットのいちごがのこのことやってくるからだ。とはいえ……。
(「コードネームGとネズミ……強敵でした……」)
 ……ゴキブリもネズミも苦手な黄泉にとっては、大変な試練だった。
 苦手なものに群がられて何度も醜態を晒し、更には服までいつの間にか失ってしまって……そんな艱難辛苦の末にようやく得た機会。これを逃すわけにはいかない。
 だからこそ、万感の思いを込めて、天下五剣を振るう黄泉である。

「彩波いちご、覚悟っ! ……って、ひゃあっ!?」
 だが、黄泉のぽんこつ具合は、こういう時にこそ発揮される。
 誰かが身体を洗うために用意していたのか、そしてそれをたまたまここに落としていたのか、理由は不明ながら何故かそこにピンポイントで存在した石鹸を、この絶妙なタイミングで踏んでしまう黄泉。当然足を大きく滑らせてしまう。
「えっ!?」
 もちろん黄泉の接近にはまるで気付いていなかったいちごは、その悲鳴でようやくそちらを見る。
 いちごの視界に入ってきたのは、脚をおっぴろげていちごの顔に向かって飛んでくる黄泉の股間だった。
 一応黄泉的にはビキニのように赤い異形で覆われているので見えているわけではない(はずだ)が、現実的にはいろいろと衝撃的な光景に、いちごも呆然として避けること叶わず、そのまま黄泉のおっぴろげジャンプからのヒップアタックを喰らってしまうのだった。
「けっこうっ!?」
 びたーん。
 そのままいちごの顔が黄泉のお尻の下敷きになる形で地面に激突。
 黄泉は完全にいちごの顔の上に跨った格好で座り込んでしまったのだった。
「ど、どうしてこんなところに石鹸が……ひうんっっ!?」
「もがもがもがっっ」
 そしてお股の下でもがくいちごの口の動きをダイレクトに感じてしまい、黄泉は恐る恐る自分の身体を見下ろした。
 当然、全裸だった。
「いいいいいい、いつからっっっ!?」
 異形化の術が解けてしまったのは、地面に座り込んでからだと思いたい。もし空中で脚をおっぴろげているときに解けていたとしたら……などと考えると、さすがの黄泉も恥ずかしさで瞬時に顔が真っ赤になってしまう。
 それでも、舌で……もとい下でもがくいちごの様子を思えば、このままお股を密着させたまま抑え込んでいれば、いちご暗殺の念願は叶っただろう。
 だが、この体制のまま耐えきるには、黄泉ちゃんはあまりにも初心だった。
「きゃっ、きゃあああっ」
 顔を真っ赤にして慌てて飛びのいた黄泉。
 いちごに裸を見られないように、術を再びする余裕はないので手で身体を隠しながらじりじりと下がる黄泉に、さらなる悪夢が襲い掛かる。
 先程妙に疲労していたいちごと書いたが、その疲労した原因から逃れるために放っていたいちごの触手が、まだ影から呼び出されやすい状況だったのだ。いちご本人も無意識なうちに。
「げほっ、げほっ……い、いったい何が……黄泉さん?」
 結果、いちごが何とか意識を取り戻し、黄泉の方を見ると、全裸のまま触手に絡まれて魂が抜けたような顔をしている黄泉の姿があったという……。
「にゅるにゅる……いや……彩波いちご……殺します……」

●そして恋華荘のとらぶるタイム(いつもの)
 さて、それから少し経って。
 上記のような戦いがあったことは露知らぬ恋華荘+αの面々の前に、何事もなかったかのように、いちごと黄泉がやってきた。
「あ、いちごさん。それに黄泉さんも一緒だったんだー」
「お待たせしましたっ」
「……むぅ」
 というわけで、黄泉を連れてきたいちご。
 先程触手に絡まれて悶絶していた黄泉に、いちごは解放の条件として恋華荘の面々との合流を提示したのである。今身に着けている赤いビキニの水着もいちごのユーベルコードで作ってもらったので、今回ばかりは大人しくせざるを得ない黄泉だった。
「それで皆さん何の話をしてたんですか?」
 いちごが来るまですごく盛り上がっていたようなので、いちごはふと軽い気持ちでそう尋ねてしまったのだが……。
 それがある意味間違いのもとだっただろう。
「そうそうその話。ねぇねぇ、聞いてよいちごも黄泉も」
「……保戸島まぐろ、なんですかいったい」
 今回黄泉と一番長く接していたこともあって、まぐろの方は黄泉とすっかり打ち解けたと思っている。なのでいちごだけでなく黄泉も巻き込んで、こんなことを言ってしまうのだ。
「大きいのとないのと、どっちがいいと思う?」
「「は?」」
 奇しくも暗殺者と暗殺対象が揃って同じ表情をして呆然と聞き返した。
「お胸の話だよー。いちごさんの好みはどっちかなって?」
 まぐろの言葉で足りなかった部分はロザリーがあっけらかんと補足した。
 もっとも補足されなくても、周りではマイエがニーナの胸を弄っていたり、百合が椿の胸を弄っていたりするので、なんとなく想像はついていたのかもしれないが。
「そ、それは……」
「ほら、確認してよ! 直に触ったほうがわかるじゃない!」
 不味い所に来たとじりじり後退しようとするいちごの腕を、まぐろはがっしと掴むと、自分の平坦な胸の所に引き寄せてくる。周りのマッサージを見て我を忘れているのか、自分の胸を揉ませようとしてくるのだった。
「ちょ、ちょっと、まぐろさん何をっ!?」
 だが、いちごの手があわやまぐろの胸に触れる……その寸前で、いちごを羽交い絞めにして止める者がいた。
「いーちーごーさん? いちごさんは、おっきい方がいいんだよ、ねー?」
 止めたのは理緒だ。ちょっとだけ病んだような拗ねたような表情でそういっていちごに羽交い絞めをしている。
「り、理緒さん……!?」

(「いちごさんの好みの話?」)
 実は理緒、先程まぐろやロザリーの声を聞きつけて、こっそりリサーチとばかりに身体を湯に沈めながらコッソリ近付いて聞き耳を立てていのだ。
 そうしたら、まぐろが自分の胸を揉ませようとしてくるではないか。
(「まぐろさんだいたん!? さ、さすがにみんなの前で揉んでもらうのは、ちょっと羨ま、じゃなくて恥ずかしいし、揉ませたくないし……」)
 ジェラジェラと頭がぐるぐるしてきた理緒は、咄嗟にいちごに背後から抱きついて阻止したというわけだ。
 もちろんその代わり、理緒の平坦……でもほんのちょっとだけある胸がいちごの背中に密着することになるわけで。
「り、理緒さん……背中、当たって……」
「え? なに? 当たってる? や、当たるほどないし……って、そいえば抱きついてた!?」
 そしていちごからのツッコミで、ようやく自分がいちごに抱きついていたことに気が付いて、真っ赤になってフリーズしてしまうのだった。

「まったく、保戸島まぐろも董宮理緒も、何をやってるんですか……」
 連れてこられるなり茶番を見せつけられた黄泉は、そう言ってため息をついて、我関せずとばかりに一人静かに湯船に身体を鎮める。温泉は別に嫌いじゃない。
 が、そんな静かな展開は、他の面々が許さないのだった。
「いちごさんもみもみしないんですか? なら、私がもみもみ、しちゃおうかしら?」
「や、ちょっと、何を……!?」
 まぐろと理緒に挟まれて固まっているいちごに見せつけるように、ロザリーが黄泉に手を出そうとする。
「ふにふにー。ふにふにー」
「や、やめなさい……えと……んんっ!」
 まだロザリーの名前を憶えていない黄泉なので、やめろと言おうとしても言葉に詰まってしまう。なので、言葉ではなく力で無理矢理振りほどいた。
「あんっ。ざんねーん。……私ももみもみしてくれてもよいのにー」
「しませんっ!?」
 振りほどかれたロザリーは全く気にすることもなく、あっけらかんと笑ってそんなことを言う。
 しまいにはいちごに向かって。
「いちごさん、私のもみもみするぅ~?」
「しませんからぁ!?」
 なんていうものだから、いちごも真っ赤になって硬直が解けて、理緒とまぐろを振りほどいてパッとその場を離れようとするのだった。
 いちごに振りほどかれたことで我に返ったのか、まぐろも急に恥ずかしくなって真っ赤になって、理緒と同じようにフリーズしてしまう。
 そしてもちろん、いちごがそんなに慌てて何事も起こらないはずもなく。
 むにゅ。
「えっ……?」
 まぐろの胸からもロザリーの胸からも逃げていたはずのいちごの手は、吸い込まれるようにマイエの胸へと収まっていた。
 マイエは、ニーナいじりをいったんやめて、「まぐろさん、いちごさんに何を?」とちょうど近付いてきていたところで、さっそくいちごのとらぶる被害に遭ってしまったというわけだ。
「あ、あら……いちごさん……大胆ですわね……?」
 ポッと頬を染めるものの満更ではないマイエの様子に、むしろ解放されてそのシーンを一番近くで目撃したニーナの方が赤面していた。
「い、いちごさん……」
「い、いえ、これはたまたまですねっ!?」
 慌てるいちごだが、逆に触られたマイエの方は慌てず騒がず、逆に傍にいた顔真っ赤なニーナを、いちごに差し出すようにしたりする。
「まぁまぁ。わたくしなら気にしてませんわ。それよりもいちごさんもニーナさんのマッサージしてみます?」
「えっ!?」
 真っ赤になって、何を言われているのかわからないというような表情のニーナだが、いちごと目がアウト、胸のドキドキに導かれるまま、どうぞとばかりに胸を張ってしまう。
 もちろん慌てたのはいちごばかりなり。
「なっ、何言ってるんですかっ!?」
 慌てて踵を返すいちごは、今度はお湯に足を取られて、滑ってしまった。
「いちごさん、危ないっ」
『大丈夫?』
 そんないちごを支えたのは、椿と百合の姉妹。2人に支えられるような恰好で何とか転ばないですんだいちごだったが、そうなると今度いちごの視界に入ってくるのは、姉妹の豊かな胸だった。
 しかも、椿の白いビキニは、百合が散々濡れ手でマッサージしていた所為か、うっすらと透けてその下の桜色が浮かんでいたのだった。
「あ、あの、透けて……」
「えっ、……きゃああああ!?」
 それだけ呟いて慌てて視線を逸らすいちごに、言われてようやく気が付いた椿は、悲鳴を上げていちごを放り出した。
「あわわわっっ!?」
「あ、ちょっと、いちごくんっ!?」
 そうなると、転びかけていてバランスの崩れていたいちごは、またふらふらと転びそうになり、そして今度はいちごも巻き込んでの胸揉みの話になってきたので少し離れようかと立ち上がっていた仁美の前に押し出されることになってしまった。
「あっ、いちごさんっ!?」
「危ないですっ!?」
 ばっしゃーん。
 それは、仁美の近くにいた栞と流江をも巻き込んでの盛大な水飛沫だった。
 いちごと正面からぶつかった仁美は、その豊かな胸にいちごの顔が埋まるような格好で、押し倒されており、仁美を押し倒すついでに栞と流江を巻き込んでしまったいちごの両手には、それぞれ何やら柔らかい感触があった。
「いちごさんも仁美さんも栞さんも、大丈夫ですか……?」
 そのうち片方は流江だったのか、すぐに離れて、3人を気遣うような声を上げているが、3人は、というかいちごは仁美の胸の中に押し込まれてて呼吸困難になっている様子。
「んんっ!?」
「いちごくんあまり喋らないでっ」
「いちごさん、手が、手がぁ……」
 そして、流江はすぐに離れられたが、栞の場合はいちごの手が、どんなミラクルを起こしたのか水着の下に入ってしまっているようで、なかなか抜けずにいたのだった。
 ここまで、実に見事な玉突き事故での連鎖とらぶるであった。
 いちごなのか恋華荘なのか、どちらが主体かはわからないが、ある意味さすがと言えよう。

 少し経って、何とか仁美の胸から助け起こされたいちごは、栞の水着からも手を放し、真っ赤になって全員に謝っていた。
「すみませんっ」
 恋華荘の面々も、今日が初めてだった流江や栞や椿も、いちごがわざとやったわけじゃないというのはわかっているので、苦笑や赤面しながらも流してはいた。黄泉だけは呆れたようなジト目を向けていたが。
「それにしても、これがいちごさんのとらぶるですかー。巻き込まれて初めて分かる、ある意味神業ですね」
 なんて、神である流江にまで感心される始末だった。
「うぅ、いちごさんで良かった……男性相手だったら恥ずかしくて……」
 そして、栞はそんなことを呟いてホッと一息。
 ……なのだが、その言葉に、いちごは気まずそうに目を反らし、恋華荘の面々は乾いた笑いを上げる。
「え、皆さんどうしたんですか……?」
「いちごさんは女の人……ではない?」
 不思議に思ったのは、今日が初対面の流江と椿もだ。
 まぁ、いちごの容姿からすると無理もないが……ご丁寧に水着も女物だし。
 なので、いちごは申し訳なさそうに自分が男だと告げた。
「え、嘘……えええ~~!?」
 そして栞の驚きの悲鳴が響く。
 ……ついでに、驚きのあまり立ち上がってしまった栞の胸元からビリッという音がする。
「「えっ?」」
 栞本人だけでなく、見ていたいちご達の驚きの声が重なる中、先程いちごの手がすっぽり入ったことで限界突破してしまっていたのか、もともとサイズ的にきつかった栞の水着のブラがとうとう限界を迎えてしまうのだった。
「きゃあああああああああ!?」
 そして栞は、今日一番の悲鳴を上げた。

●のんびり温泉……ですよ?
 などといつもの恋華荘らしいとらぶるも引き起こしはしたものの、そのあと落ち着いたら、あとはみんなのんびりと湯に浸かって一時を楽しんでいた。
 胸の話は危険だから封印されたが、温泉の効能のこと、この日の戦いのことなど、雑談のネタは尽きず、賑やかに、そして和やかに温泉の一時は過ぎていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年06月10日


挿絵イラスト