帝竜戦役④〜尾鰭と脚と
●尾鰭と脚と
美しい湖が広がる――そのほとり。
キノコがぽふんぽふんと胞子を吐き出している。それは毒だ。
その毒は、湖へと溶け落ちていく。
いくつかの小さな島がある湖。そこは足場でもあるのだ。
けれど、その上を丁寧に歩む、なんてことをこの場所に潜むレッサーデーモンはせず。
浅瀬をばしゃばしゃと歩いていく。
しかし、毒の染みたその湖はレッサーデーモンにも例外なく牙をむく。
突然その脚はくっついて、そして――魚のものへとかわっていくのだ。
何が起こっているのか、理解できないレッサーデーモンはそのまま水に溺れかけて絶え絶えとなる。
そんなレッサーデーモンを倒すことは、簡単なことで。
けれど、この湖のもたらすものに対応できるかどうか――それは、ひとそれぞれなのだ。
●予知
「どうやらお魚になってしまうのです、半分ですが」
と、華切・ウカ(空鋏・f07517)は紡ぐ。
それはこれから向かってもらわねばならぬ場所の話だ。
万毒の群生地、その一角に美しい湖広がる場所があるという。けれど、その湖は毒を孕んでいるのだ。
その脚を尾鰭として。逆に尾鰭を、脚として。
「ちなみにここにいる敵のレッサーデーモンは、この毒に対応しきれなくてほとんどへばっているのでぺちん! としてしまえばそれでこと足りると思います」
ウカの予知の中で、湖に沈んでいくものもいたのでそもそも、そんなに戦う相手はいないかもしれませんと継いで。
むしろ、本当の敵はこの湖なのだと続ける。
「おそらくですが、毒がその姿を変えることは変わりないのですが……どのように変わるか、というのはそれぞれのようで」
激痛をもたらしながら変わっていくもの。変わっても動けば激痛を伴うもの。
さらっと変わり、特に何の影響もないものだっているようだ。ただ、そうであっても水の中で自由に動けるかは別問題。
その姿変われば違和感も必ずあるはずで、そういった常の自身とは違う体の在り方、というものに対応できるかどうかが肝なのだ。
「皆さんなら大丈夫だとは思うのですが……でも、無理はせず、ですよ!」
ちなみにウカの予知の中ではほとんどが痛みに蠢いて体力も何もかも持っていかれている状態です、と付け足して。
上手に湖の小さな足場を跳躍などで飛び超えていくことももちろんできるのだが、最終的にキノコがぽふぽふ胞子を飛ばす時間もある様子。
それなら、最初からそっと見ずに入って慣らしていった方が良いということなのだ。
「あと、これは大事なことなのですが!」
いつも着ているお洋服だと不具合がでる可能性があるので、下半身は事前に――布を巻いたり上手にして行かれるのがよろしいかと、とウカは紡ぐ。
毒を受けたときはともかく、毒に耐性を得て聞かなくなってきたならば――そういうことである。
敵もよわよわに弱体化していますし、すぐに出会って戦いとなるということはないとウカは言う。
なので、しばしはその身の変化に慣れる事というのを一番にと言いながら手の内でグリモアを輝かせるのだった。
志羽
御目通しありがとうございます、志羽です。
詳細な受付期間については【マスターページ】で案内しますのでお手数ですが確認お願いいたします。
プレイングが送れる限りは送って頂いて大丈夫ですが、すべて採用するかどうかはわかりません。
●シナリオについて
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「帝竜戦役」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●プレイングボーナスについて
『シナリオ毎に提示された毒への対抗法を考える』
下半身がお魚さんな感じの方は二本脚を得ます。逆に、二本脚の方はお魚さんの下半身を得ます。
そのほかの方は、臨機応変お好きな感じでどうぞです。
毒を受けた時の症状なども、ひとそれぞれさまざま。
めちゃくちゃ激痛脂汗ものの方もいれば、何もないんですけど、という方もいらっしゃいます。
すぐに上手に歩ける方、泳げる方。ナニコレ動かないんだけど、という方、その辺もすべてプレイングでお好きにどうぞ!
●他
敵はよわよわになりまくっています。一撃ぺちんとするだけで倒せますのでユーベルコードの指定だけでOKです。
心情や、この毒とこうやって付き合っていく。そして湖で遊ぶ、など。
どうぞ心情や遊びや色々をおつめください。
戦闘はユーベルコードの指定だけでOKです。(大事な事なので二回目)
●お願い
グループ参加などの場合は、ご一緒する方がわかるように【グループ名】や【ID】を記入していただけると助かります。また、失効日が同じになるように調整していただけると非常に助かります。
以上です。
ご参加お待ちしております。
第1章 集団戦
『レッサーデーモン』
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POW : 悪魔の三叉槍
【手にした三叉槍】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 金縛りの呪言
【手で複雑な印を結んで】から【呪いの言葉】を放ち、【相手を金縛り状態にさせる事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 呪いの鎖
【投げつけた三叉槍】が命中した対象を爆破し、更に互いを【呪われた漆黒の鎖】で繋ぐ。
イラスト:純志
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
浮世・綾華
【秋】
――おう、ヘーキ
人の姿を得た時の感覚にちょっと似てる
あの時も見様見真似で歩けたし、多分これも
尾鰭が綺麗な友人がいる
その姿を思い返して、どんなふうに泳いでいたかって
あ、泳げた
きよは…
え。きも
ぴちぴちしてる…
なんかお前、魚に食われてるみたいだな
お前みたいな人魚ぜってーやだよ
ま、行くぞ
うん、泳げた。すげーでしょ(ひらひら
いや、こう(すいすい
だからこうだって(すいすい
おーすごいすごい、すごいたかくはねたー(棒読み
なあお前人魚の才能ないよ、諦めて(真顔
あ!(ぴこん
タコの脚とかのがバランスいーんじゃない?(適当
ほんとだ
息もフツーにできんのネ
どこまで行くのお前
なんでこうなる
ため息零ししょうがなく救出
砂羽風・きよ
【秋】
…毒はそこまで痛くねーな
綾華も平気か?
ぴち、ぴち
なぁ、綾華
これどう泳ぐんだ…?
いやいや!キモくねーだろ!
魚に食われてる人間とか言うなよ!俺は人魚だ!
正真正銘の人魚だ!ほらっ(ぴちぴち)
おい、先に行くなよ!
つーか、泳げんのかよ!コツ教えてくれよ!
く、くそ!こうか?!(ぴちっ)
ちきしょー!こうか?!(ぴちぴちっ)
おお!さっきより高く跳ね――
ってちげーちげー!!俺は泳ぎてーんだ!
タコの足ちょっといいかもしれねぇ…!
こうなりゃ、そのまま湖ん中入ってやる!
がぼぼご!苦しくない…
スゲースゲー!綾華スゲーな!
よっしゃ、今だ!
デッキブラシで敵を貫く
泳げないのでそのまま湖の底へぴちぴち
綾華ー!助けてくれ!
ぱしゃんと湖の水を撥ねさせて。
「……毒はそこまで痛くねーな。綾華も平気か?」
砂羽風・きよ(末のきよし・f21482)はおお、と変わる身をみつつ傍らへと声向ける。
「――おう、ヘーキ」
浮世・綾華(千日紅・f01194)も不思議な感覚を感じつつもこの感覚にちょっと似ているものを知っている。
それは人の姿を得た時の感覚。
(「あの時も見様見真似で歩けたし、多分これも」)
綾華が思い浮かべたのは尾鰭が綺麗な友人の姿。
その姿を思い出し、どんなふうに泳いでいたかを描いて。
ぴちぴち。
「あ、泳げた。きよは……」
ぴちぴち。
「なぁ、綾華。これどう泳ぐんだ……?」
ぴちぴちという陸上で跳ねる音が聞こえていたのは気のせいではなかった。
ぴちぴちときよは尾を撥ねさせて、跳ねている。
「え。きも」
「いやいや! キモくねーだろ!」
「ぴちぴちしてる……」
うわ、なんだろこれ。なんかこう、言葉にできないなんだろう。
綾華は口許抑え、うわぁという表情で。
「魚に食われてる人間とか言うなよ! 俺は人魚だ!」
「なんかお前、魚に食われてるみたいだな」
そしてきよは綾華が次に何を言うか察して、同時にその言葉を被せる。
お前ほんとにいじられたいんだな、という顔を綾華は向け。
「お前みたいな人魚ぜってーやだよ」
「正真正銘の人魚だ! ほらっ」
ぴちぴち。
ぜってー違う、と綾華は瞳眇める。けれどいつまでも相手にしていたら終わらない。放置も必要だ。
「ま、行くぞ」
「おい、先に行くなよ! つーか、泳げんのかよ! コツ教えてくれよ!」
「うん、泳げた。すげーでしょ」
ひらひら、尾鰭は優雅に動く。そして手もひらひらふって早く来いよと綾華は言うのだが。
ぴちぴち。ぴちっ。
「く、くそ! こうか?!」
「いや、こう」
「ちきしょー! こうか?!」
「だからこうだって」
ぴちぴちっ。ぴちぴちっ。
ぴょんぴょんと地面を叩き跳ねる。その高さは少しずつあがり。
ぴちぴちぴちっ!
「おお! さっきより高く跳ね――」
「おーすごいすごい、すごいたかくはねたー」
棒読みの声と半眼で向けられた視線。きよははっとする。
そうじゃない。跳ねるのが、狙いではないことを思い出した。
跳ねるのもそれはそれで楽しかったのだが。
「ってちげーちげー!! 俺は泳ぎてーんだ!」
「なあお前人魚の才能ないよ、諦めて」
「人魚の才能!? クソッ、才能が必要なのか……!」
ある意味それも才能じゃ、と思いつつ。いやいや、無理無理と綾華は真顔で告げて。
しかし、あ! とひとつ思いついたと僅かに瞳開ききよへとなぁなぁと笑いかけた。
「タコの脚とかのがバランスいーんじゃない?」
「タコの足ちょっといいかもしれねぇ……!」
たこ焼きも作れる……! なんて思うもののいやいや自分の足だぞ!? でも八本ある……と僅かに考えつつ。今はそうじゃないときよは気付いて。
「こうなりゃ、そのまま湖ん中入ってやる!」
え、まじで? 大丈夫? と視線を向けつつ湖に飛び込むきよは止められない。
いや止める気もないのだが。
「がぼぼご! 苦しくない……」
どう見ても溺れているように見えるのだが――
「スゲースゲー! 綾華スゲーな!」
沈んでいる気もする。
「ほんとだ。息もフツーにできんのネ」
というか沈んでいるのだが。
ぶくぶくぶく。泡を吐きつつ、きよは気合を入れる。
沈んでいるのだが。
しかし、そのぶくぶく泡に気づいたかレッサーデーモンもやってくる。レッサーデーモンもうまく泳げず沈んでいるのだが。
「よっしゃ、今だ!」
デッキブラシで敵を貫けばあっという間にその姿は消えて。
「どこまで行くのお前」
「……あれっ、この湖の底、どこまであるんだ?」
ぴちぴち。いくらそこではねても泳げない。きよはこのままでは、と焦りはじめた。ここで助けを求められる相手は一人しかいない。
「綾華ー! 助けてくれ!」
じたばた、ぴちぴちぴちっ。
そんな姿にはぁ、と深くため息ついて。
「なんでこうなる」
しょうがない、と綾華はすすいときよの方へ。
救出するために伸ばした手を――一瞬ひっこめた後にちゃんと救出し水の上へ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
水鏡・怜悧
詠唱:改変、省略可
人格:ロキ
肉体の急速な変質……何とも興味深いです
上半身は服のまま、下半身はバスタオルを巻いて湖へ
肉と骨が変質する痛みを激痛耐性で耐えます。こんなに面白い状況で気絶してなんていられません
痛みが落ち着いたら慎重に尾鰭を動かします
「骨に筋組織…鱗まで。今すぐ解剖したいです」
その前に周辺の安全を確保しましょう
UDC液体金属は変化しなかったので伸ばして周囲の敵を倒しておきます
安全が確保できたら思う存分自分の尾鰭を解体します
気絶しかかったらUCを使用して全身を液体金属化し戻します
「あぁ、足も戻ってしまいました」
ズボンも履いた状態で戻った足に疑問を覚えつつ、湖水を少し採取してから帰ります
緑色の、その瞳で周囲をなぞる。
水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)は実に興味深いと、好奇心を持ってこの場へと来ていた。
「肉体の急速な変質……何とも興味深いです」
怜悧は――いや、ロキは。
上半身は服のまま、下半身にはバスタオルを巻いて、湖へ。
そっとその湖へと足を浸せばそれはすぐに始まった。
肉と骨が変質していく――それは痛みを伴うもの。激痛は耐性でもって凌いでその瞳は変化を興味深く見つめていた。
(「こんなに面白い状況で気絶してなんていられません」)
別れていた脚はくっついて、魚の鱗を纏っていく。そしてしばしすれば――それはもう脚ではなく魚の尾鰭。
痛みが落ち着いた所でロキは慎重に尾鰭を動かした。
「骨に筋組織……鱗まで。今すぐ解剖したいです」
どうなっているのか、と己の身への興味は尽きない。
周囲の安全を確保して、ロキはいざと調べていく。
肉体の一部をUDC――黒く玉虫色に光る液体金属へ。それは人の身でも、今の状態でも変わらぬようだ。
そしてそれを伸ばし、周囲に残っていた敵を倒す。
レッサーデーモンも息も絶え絶えというところ。倒すことはとても簡単だった。
それが終われば、あとはロキの興味を満たすための時間。
解体し、戻しを繰り返して――毒が切れたかやがて尾鰭は人の脚へと戻る。
「あぁ、足も戻ってしまいました」
ズボンも履いた状態で戻った、というのは疑問を覚えつつ。湖水を少し採取してロキはこの場を後にする。
なかなかに稀有な経験ができたと僅かに口端に笑み乗せて。
大成功
🔵🔵🔵
枸橘・水織
竜化の風が吹くような場所があるぐらいだから…
こういう場所は三ヶ所目(他にも知るところでは一ヶ所)
UCで人魚化の経験あり
最初から水へ
変化
毒に身体が汚染されると、足の機能の喪失から始まり水中で不要な機能喪失…激痛と共に骨格や身体機能が『造り変えられ』人魚の姿が形成されてく(下半身どころか全身造り変えられ、耳も鰭と化し、首にはエラが形成)
変化後…しばらくぐったり(尾鰭・腰鰭を水面で揺らめかせてる)
戦闘
それじゃあ、まとめて一気に片付けちゃおうかな
指定UC発動、変換した魔力をウィザードロッドに込めて旋回させ、魔力を伴った渦巻きで敵を蹴散らす
戦闘後
すっかり人魚になり、毒抜きの為にプールへと運ばれたとか?
「竜化の風が吹くような場所があるぐらいだから……」
こういう場所は三ヶ所目、と枸橘・水織(オラトリオのウィザード・f11304)は零す。
他にも知るところでは一ヶ所と、思いながら。
人魚になる、というのは水織にとって初めてのことではなく、その湖の中へと入っていく。
湖に溶け込んだ毒――それが水織の身を汚染していく。
足の機能が失われていく感覚から始まり、水中で不要な機能が喪失していく。
それは――簡単に行われることではない。
(「痛っ……!」)
激痛と共に骨格も、身体機能が、造り変えられていく。
その痛みに身が跳ねて、ばしゃりばしゃりと水が跳ね上がっていくのが遠くに見えているような感覚だ。
人の脚は失われゆるり、水の中を泳ぐための姿になっていく。
そっと、耳、そして首のあたりを触れば。
(「下半身どころか……」)
耳も鰭と化し、首にはエラが形成されていた。
痛いししんどいし、動く気もしない。
水織はぐったり。尾鰭、腰鰭を水面で揺らめかせしばしの体力回復の時間。
けれど時間がたてば、動くこともできる。
「それじゃあ、まとめて一気に片付けちゃおうかな」
相手のレッサーデーモンは、と探せばすぐに見つかる。あちらは姿の変化にうまく対応ができなくて、這いずるように動き精彩差はない。
水織の手にあるウィザードロッド。
「理解できたのなら……すべてはみおの力になるんだから!!!」
あらゆるものを理解・解析して。水織はエナジーに変え、組み替え発現させ、ウィザードロッドに込めて旋回させたのは魔力を伴った渦巻き。
敵を蹴散らすように渦描いてレッサーデーモンは流されていく。
敵の姿が見えなくなれば、あとは遊んでもいいわよねと水織は自由に水の中を揺蕩うて。
すっかり身も心も人魚。ずうっとこのまま――とはいかず。毒を抜くために、やがてプールへと運ばれていく、のかもしれない。
大成功
🔵🔵🔵
マールシア・マーフィー
ん、足が痺れて…!?
わっ、本当に脚が尾鰭になった!?
凄いよこれ!
子供の頃から憧れてた人魚のような尾鰭だ!
これで僕の友達の鮫やイルカ達と一緒に泳いで遊ぶのが夢だったんだけど…痛みはあるけどこんな形で叶うなんて!
鰓は…つかないのか、残念
しばらく高速泳法で泳いでこの尾鰭での泳ぎ方を練習しよう
泳ぎになれたら元に戻った時のために腰布をしっかりと巻いてっと、よし!
さあ、まずはあそこのカナヅチな悪魔達を蹴散らそうか
高速泳法で泳ぎ、攻撃は見切りで避けて雷の属性攻撃を乗せたシャボン玉で攻撃だ!
水中戦の覚えもあるし、負けられないよ!
トドメは【シャーク・トルネード】で鮫達と一緒にフィニッシュ!
(アドリブ・連携歓迎)
ぱしゃり。水が跳ねると同時にマールシア・マーフィー(海と自由を愛する海のエルフの少女・f27297)は己の異変に気付いた。
「ん、足が痺れて……!?」
己の脚が変わっていく。
地面を踏みしめていた脚は水の中を悠々と泳ぐためのものになる。
「わっ、本当に脚が尾鰭になった!?」
ぱしゃんと水を撥ねさせて、マールシアは瞳をきらきらと輝かせて己の変化を改めて見つめていた。
「凄いよこれ!」
子供の頃から憧れてた人魚のような尾鰭だ! と嬉しさが込み上げるばかり。
森ではなく海辺に住むエルフの一族の少女にとって、尾鰭というのは今までよくよく目にしていたけれど、自分が持てるものではなく。
「これで僕の友達の鮫やイルカ達と一緒に泳いで遊ぶのが夢だったんだけど……」
動かせば、ずきりずきり。わずかに痛みが走る。
それは生まれて初めて動かすものだからか、それとも毒のせいかはわからない。
けれど、我慢できない、というものではなかった。
「こんな形で叶うなんて! 鰓は……つかないのか、残念」
まずは、慣れる事が必要。
マールシアは湖の中で泳ぐ。尾鰭の使い方、どう泳げばいいのか練習だ。
それは一緒に泳いでいた友人達の姿を思い浮かべれば想像できて。こんな感じかな、と高速泳法で泳げば慣れてくる。
泳ぎになれたら元に戻った時のために腰布をしっかりと巻いて。
「よし! さあ、まずは」
あそこのカナヅチな悪魔達を蹴散らそうかとマールシアの視線が射貫くのはぐったりしているレッサーデーモンだった。
マールシアのようにその身に慣れることがなく溺れかけたのか。
今なら、とマールシアは高速で泳ぎ近づく。あちらもそれに気づいたが、其れよりも早く雷のせたシャボン玉で攻撃を。
「負けられないよ!」
水中での戦いの覚えもある。痺れてあたふたとするレッサーデーモンへと向かうなら――鮫達と一緒に。
マールシアは召喚した鮫達に回転ノコギリを生やし、そして一緒にレッサーデーモンへと突撃する。
故郷の海でもこうして尾鰭を得れたら、なんて思ってしまうけれど。
これはここだけの、魔法。
大成功
🔵🔵🔵
黒玻璃・ミコ
※スライム形態
◆行動
ふーむ、万毒の群生地はいつ来ても不思議な場所ですね
しかも身体の半分がお魚になるとは……フィッシュスライム?
まぁ、私ぐらい【毒耐性】があれば
毒による痛みもなく簡単に変化に適応出来るのです
毒の効果を受けても【空中戦】の要領で
【念動力】で浮遊し宙を泳ぐ様に進めば
無理に地を這いずらなくとも良いのです
何となくヘリウムガスで浮かぶ風船になった気もしますねー
まぁ、レッサーデーモンは放置出来ませんので
【黒竜の遊戯】による圧倒的な【範囲攻撃】
つまりは飽和攻撃で封殺してしまえば後腐れないですかねー
終わったら何か落ちてないか探してみましょう
◆補足
他猟兵との連携、アドリブOK
ほよんとその、スライムの身を揺らして。
「ふーむ、万毒の群生地はいつ来ても不思議な場所ですね」
黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)はぱしゃんと、件の湖へとその身を触れさせた。
すると、そのスライムの体は姿を変えていく。まぁるいその体の――半分が。
「しかも身体の半分がお魚になるとは……フィッシュスライム?」
ちょっとばかり不思議な姿。シルエット的にはまんまるの、あざらしのような雰囲気が近いかもしれない。
けれど、別段痛みも何もない。
ミコは毒に対する耐性がもともとあるのだ。痛みもなく簡単に、その変化にその体は適応していたのだ。
ぱしゃんと水の中を進む――それは慣れなくとも、空中戦の要領で念動力で浮遊して宙を泳ぐ様に進めば――水の中でも簡単なこと。
無理に地を這いずらなくとも良いのですとミコは紡ぐ。
ふよふよぷかぷか。動きはゆっくりと、そして曲線的で。
「何となくヘリウムガスで浮かぶ風船になった気もしますねー」
ふわふわとした動き。その心地は思いのほか楽しい。
けれど、その視界に――レッサーデーモンの姿が入れば。
「まぁ、放置出来ませんので」
屠竜の魔女に宿る魔力を生み出して、ミコはレッサーデーモンへと向ける。
そのレッサーデーモンは少しばかり水中に対応できているみたいで、ひとつふたつといったところは上手に避けた。
けれど。
「つまりは飽和攻撃で封殺してしまえば後腐れないですかねー」
一気に畳みかければ、そのレッサーデーモンの姿はあっと言う間に掻き消えて。
そのあとに何か落ちてないかな、とミコはふよふよ泳ぎながら探してみるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
夜羽々矢・琉漣
あぁ、うん…。物理的な変化なら、確かにズボン履いたままだと不味いよね…。
……これでよし。(色々と脱いで、ストールに擬態している「Nachzehrer」を巻きスカートのように巻いて準備OK)
UCで毒の効きようがない機械の海竜を召喚して、その背に乗る。オブリビオンたちは適当に撥ね飛ばすなり、尻尾ではたき飛ばすなり。
最悪、自分を【ハッキング】すれば水中での呼吸は問題ないし…毒に耐性がついて元に戻るまで、ロクに動けないオブリビオンをメカ海竜でお手玉にして遊んでようかな。
おー…飛ぶ飛ぶ。(ポンポン撥ね上げられるオブリビオンたちを呑気に眺めながら)
目の前に広がる湖――それに触れる前に、夜羽々矢・琉漣(コードキャスター・f21260)は立ち止まった。
「あぁ、うん……。物理的な変化なら、確かにズボン履いたままだと不味いよね……」
この場に送ったグリモア猟兵の言葉を思い出しつつ、琉漣は色々と纏っているものを脱いで。
そして、ストールに擬態している暗色のNachzehrerを巻きスカートのように巻いて準備はOK。ひらりとその裾が踊った。
「……これでよし」
水に触れれば、途端にその脚は魚の尾鰭へと変わっていく。
ふたつに分かたれたものからひとつへ。けれど動きは、鈍くうまく動けるとは思えない。
なら、と琉漣が召喚したのは――毒の効きようがない機会の海竜だ。
その背中に乗ってゆっくり湖を進む。そのあたりでじたばたしていたレッサーデーモンは海竜に撥ね飛ばされ、そして尻尾ではたき飛ばされその姿はいつの間にか見えなくなっていた。
このまま水に落ちたら、と琉漣は水面を覗き込む。そうなれば自分をハッキングすれば水中での呼吸は問題なさそうだろうか。
「ロクに動けないオブリビオンをお手玉にして遊んでようかな」
お手玉にするのは海竜だけれども。
毒に耐性がついて元に戻るまでロクに動けないしと琉漣は零す。
あ、いたとばしゃばしゃと溺れていたレッサーデーモンを捕まえて。
ぽいぽいと海竜が加えては上へと撥ね上げる。
「おー……飛ぶ飛ぶ」
呑気に眺めながら、わずかばかり動く尾鰭。
オブリビオンお手玉を見るのは少し楽しく、その気持ちの表れだった。
大成功
🔵🔵🔵
薄荷・千夜子
【FH】
毒で身体が変化するとは驚きです
濡れても大丈夫なように水着で下半身には布巻き対策
毒には多少の慣れもあるからか(【毒耐性】)痛みはないですね
とはいえ、足を動かす感じとはまた違うので不思議な感覚です(尾鰭をぺちぺち動かしながら)
つかささんとまずは尾鰭の動かし方を慣れるように
水中の子たちと触れ合う機会はあまりないのでこの機に!でお魚さんたちと遊ぶことを提案
…ははは、そんなまさか!とつかささんの気付きに笑いつつ
気になってきましたね…(真顔)と水中へ
いつもの様子なら湖の子たちと一緒に泳ぎ、生脚状態ならつかささんと同時に吹き出します
(お魚さんの状況お任せ)
敵は弱っている隙を狙ってUCで攻撃します
荒谷・つかさ
【FH】
(服装:巫女装束)
(すんなり変異した脚を見ながら)
なるほど、尾鰭。
御伽噺に聞いた「人魚」の姿に自分がなるだなんて、中々得難い経験だわ。
千夜子はどう、痛くない?
良かったわ、私も平気よ。
まずは浅瀬や足場に掴まりながら動作を確認
どう念じればどう動くか、イメージと動きの齟齬を埋めていく
ある程度理解したら次は考えずとも動けるよう、千夜子の提案でお魚を見に水中へ
そこでふと思う
「元々下半身お魚だったらどうなるのか」
……まさか、ね?
(真実を確かめるため、二人は水中深くへと赴くのであった)
普通のお魚状態ならほっとしつつ戯れる
生足魅惑の状態なら思わず吹き出してしまい息継ぎしに慌てて水面へ
敵はUCで殴る
濡れても大丈夫なように水着と、腰には布を巻いて。
ぱしゃんとその湖に一歩足を踏み入れればすぐに変化は始まった。
「毒で身体が変化するとは驚きです」
薄荷・千夜子(羽花灯翠・f17474)は毒には多少の慣れもある。
二本の脚が、ひとつになって変わっていく様は不思議なものだった。
すんなりと変異した脚を見ながら荒谷・つかさ(『風剣』と『炎拳』の羅刹巫女・f02032)はこくりと頷いていた。
「なるほど、尾鰭」
御伽噺に聞いた『人魚』の姿に自分がなるだなんて、中々得難い経験だわと思いながらつかさはそうっとその脚を動かしてみる。
「千夜子はどう、痛くない?」
「大丈夫です、痛みはないですね」
「良かったわ、私も平気よ」
動かしてみれば脚とは勝手が違うのだ。動きが鈍い。
「足を動かす感じとはまた違うので不思議な感覚です」
ぺちぺちと千夜子は尾鰭を動かして、まずは慣れなくてはと笑いかける。
つかさはええと頷いてまずは浅瀬や足場に掴まりながら。
どう念じればどう動くか。イメージと動きの齟齬を埋めていく。
つかさはそうして動き方を詰めて――そして千夜子も動けるように。
ある程度理解すれば考えずとも動けるようになればあとは進のみ。
「つかささん、水中の子たちと触れ合う機会はあまりないので……この機に!」
お魚さんたちと遊びませんかと千夜子は提案する。
この湖にもいるだろう魚たち。
そういえば尾鰭を持つものは人の脚を得るといっていたか――そこでふと、つかさは考えてしまったのだ。
元々下半身お魚だったらどうなるのか。
「……まさか、ね?」
「……ははは、そんなまさか!」
そして千夜子もその気付きに笑いつつ。
ごくり。
二人は同時に息を呑んだ。
気になる、気になってしまった――真顔で頷きあいながらどきどきしながら二人で水中へ。
すべては真実を知るために。
水中に、深く潜ればすすいと遊んでいるのは魚たちだ。
脚もなく、ゆるゆると楽しそうに。
きっとこの湖に落ちる毒に耐性を持っているのだろう。
きらきら、輝く鱗や緩やかに広がる尾鰭の魚たち。
それはきっとこの湖のみにいる魚たちなのだろう。
ここを訪れた客人をお迎え、というようにつかさと千夜子の周囲をくるくると回って遊んでいく。
ほっとしつつ、戯れていると。
視界の端を何か、素早く動く魚――のようなものが見えてが、さらに湖の奥へと潜っていってしまった。
ふたりの視線はそれを捕らえる。けれど素早く、はっきりと見えたわけではなかった。
あれは、とつかさと千夜子は視線を合わせたが――きっと気のせい。
脚のはえた魚が湖の奥底へとしゅたたたっと走っていったなんてきっと気のせい、見間違いに違いない。
そんな魚もこの湖に居ることを知ったのは、つかさと千夜子だけ。
もし、目の前を走っていたならばぷっと笑って噴き出していただろう。
けれど湖の深淵に消えていったそれは、なぜだか追いかけてはいけない。そんな気がした。
きっとこれ以上はだめ、と二人とも頷きあって周囲にいる魚たちと遊んでいると、さぁっと魚たちが離れていってしまった。
それは、ぐったりはしているけれど魚たちにとっても脅威が近づいてきたからだろう。
動きはよぼよぼ、不安定で今にも溺れかけそうなレッサーデーモン。
そのぐったりしているレッサーデーモンを倒しつつ、二人でこの湖を進んでいく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ライナス・ブレイスフォード
リカルドf15138と
下半身が魚になあ
戻らなかったらあんた一生童貞なんじゃねえの?
そう軽口を投げつつ長い上衣を羽織り湖に足をつけんぜ
痛みに眉を寄せながらも実際の足より長く長く伸びたウツボの様なそれを眺めれば湖の中に飛び込みリカルドの元に
あんたは鮫ってか
まあ似合ってんじゃねえのと声を投げながらリカルドの身にウツボに変わった尾を巻き付けんと試みるも、尾を噛まれれば痛みに微かに肩を揺らした後尾を噛む頭を引き寄せんと手を伸ばす
満足したかよ?
そう顔を覗き込みながら揶揄う様な笑みと共にお返しと首筋に牙を
…ちっ、水が口に流れ込んで血の味が薄まるな
リカルド、さっさとこいつら倒して陸に戻んぞ
【偉大なる糧】
リカルド・アヴリール
ライナス(f10398)と
アドリブ歓迎
永続的な毒ではないと思うが?
適当な大判の布地を手にして
ライナスに倣う様に、湖に両足を浸ける
……変化したのを確認した後、湖の中へと飛び込む
痛みは無い分、上手く泳げないか
鮫の尾に合わせる様に
歯もギザギザの物に変化しているかもしれない
もう泳げる様になっているライナスを見て
本当に器用だな、と……って、巻き付くな!
大人しく巻き付かれまいと尾に噛み付こうと
うっかり力強く噛んでしまって
謝ろうとしたが……首筋に噛み付かれて、言葉に詰まる
俺も早く陸に上がりたいからな、賛成だ
別に食うくらいなら
ちゃんと味わえと思っている訳ではない、断じてない
……断じてないからな
UC:虐を使用
下半身が魚になあ、とライナス・ブレイスフォード(ダンピールのグールドライバー・f10398)はのんびり紡いで。けれど言葉の淵には揶揄うような色が混じる。
「戻らなかったらあんた一生○○なんじゃねえの?」
そんな軽口をリカルド・アヴリール(遂行機構・f15138)はさらりとかわしてしまう。
「永続的な毒ではないと思うが?」
言いながら、適当な大判の布地を手にするリカルド。
ライナスは長い上衣を羽織り湖に足を付ける。ずきり、と走る痛み。
リカルドもまたライナスに倣う様にその両足を湖へと浸けた。
痛みに眉を寄せながらライナスは己の身が変わっていくのを目にする。実際の脚よりも長く伸びていく――ウツボの様なそれ。本当に変化したな、と見つめ湖の中へと飛び込む。
リカルドの脚も、今はもう魚の――鮫のものだ。ゆったりと動かしても力強く、それ故か扱いは難しそうでもあった。
痛みはなく、だからかうまく泳げないかのような。ライナスはもうすでにすすいと水の中の動きをマスターしてすっと近づいてくる。
「あんたは鮫ってか」
歯もギザギザのものになってる、とリカルドはその口の中を見せる。
まあ似合ってんじゃねえのと投げながらライナスはするり、とその身を寄せて。
「本当に器用だな、と……って、巻き付くな!」
しゅるりと、ウツボとなったその半身を巻き付けんと試みる。しかしリカルドも大人しく巻き付かれまいとその尾を掴んでがぶり、と噛みついた。
「っ!」
僅かに肩を揺らしたライナス。リカルドもうっかり強く噛んでしまい謝ろうと――顔を上げたところ。
手が伸びる。視線が合えば、わずかにリカルドは気まずげな。けれどライナスは笑って。
「満足したかよ?」
引き寄せられ、その首筋へと吐息かけられたリカルドが、今度は言葉に詰まる番だ。
首筋の痛み。視線が合えば楽しそうに笑っている。
お返し、と揶揄うような笑みをリカルドへと向けて、けれどライナスはぺろりと口端を舐め僅かに不機嫌。
「……ちっ、水が口に流れ込んで血の味が薄まるな」
リカルド、さっさとこいつら倒して陸に戻んぞと、ライナスは言う。
視線を巡らせればおぼつかない動きながらもレッサーデーモンたちがいて。
「俺も早く陸に上がりたいからな、賛成だ」
そうか、と楽し気な笑みを向けられる。
その視線の含む意味に、違うとライナスは言うのだ。
「別に食うくらいならちゃんと味わえと思っている訳ではない、断じてない」
「はいはい」
「……断じてないからな」
その言葉にライナスはくくと喉奥鳴らして笑い、さてと敵の姿を捉える。
リカルドの血を得て、ライナスの全身、その細胞が活性化する。
リカルドもその手に武器を持って飛び掛かってくる敵を確実に仕留めるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ノイシュ・ユコスティア
一応布を巻いてある。
湖にて、突然激痛に襲われる。
「あああ…これは今までに感じたことがない痛みだ!
うぐぐ…(言葉にならない)」
うずくまる。
しばらくして体を確認してみると、魚になっていることに気づく。
呆然…
元の姿に戻るためにこのエリアを突破しようと考える。
歩けないのなら湖を泳いでいったほうが早いんじゃないか?
湖の浅瀬をうろうろして泳ぐ練習をする。
なんとなくコツが掴めてきたかな?
泳いでいる時に敵が襲い掛かってきたら、ユーベルコードで強化したダガーで対応する。ぺちん。
それ以外は戦闘の余裕はなさそう…
変身している間はずっと激痛。
これがなければ楽しいのになぁ。
はぁ…あと少しの我慢!
湖の浅瀬。そこへ一歩、足を踏み入れると――突然激痛に襲われノイシュ・ユコスティア(風の旅人・f12684)は崩れ落ちた。
痛みを感じた場所は湖の水に濡れた場所だ。
「あああ……これは今までに感じたことがない痛みだ!」
うぐぐ……と呻いて。ノイシュはその場にうずくまる。
痛みが走っているのは足だ。蹲り、湖の水がかかってさらにその痛みが広がっていた。
しばらくその痛みと戦っていたのだが、それも収まり痛みの酷かった足へとノイシュは目を向けた。
その半身は魚のもの。鱗もあり、ノイシュは呆然とする。
僅かに動かそうと意思を籠めれば、それは動く。
早く元の姿に戻るためにこのエリアを突破しようとノイシュは思い動く。
しかし、浅瀬では魚の半身では歩むことはままならない。
歩けないのなら、湖を泳いで行った方が早いんじゃないか? とノイシュは思いたつ。
まずは、そんなに深くない場所をうろうろして、泳ぐ練習を。
「なんとなくコツが掴めてきたかな?」
右、左。動きは大丈夫そうだ。ノイシュは反対側へ向かおうと湖の中を進み始める。
すぅ、と水面を震わせて進んでいると――ばしゃばしゃ。
大きな水音だった。ノイシュの方へとどうにか泳いでいる、といったレッサーデーモンが向かってくる。
ノイシュはダガー『ShadowKnife』を強化して向かってきたレッサーデーモンへと対応する。
ぺちん、と軽く刃があたる。それだけでレッサーデーモンはのされてぶくぶくと湖へと沈んでいった。
戦うのもそれが精一杯。ずきずきとずっと激痛が走っている。
「これがなければ楽しいのになぁ。はぁ……あと少しの我慢!」
ため息零して、ノイシュはやっと反対へとたどり着く。
大成功
🔵🔵🔵
ルーシー・ブルーベル
ルーシーは泳げないから
人魚さんはうらやましいなって思っていたの
湖の縁に座り足をひたす
これで人魚さんになれるの?
あ、痛
すごく、足がいたい
目の前がチカチカ
ヌイグルミをぎゅっと抱きしめて過ぎ去るのを待つわ
……わ、尾びれになってる、すごい!
水面をパシャパシャしようとして……
う?上手にできないわ
足なら左右動かせばいいけれど、これは??
慣れてきたら、スカートをリボンでグルグル巻きつけて
よし、いくわ
最近は水に顔を付けられる様になったし
……息つぎは、まだだけど
顔を出しながら足場伝いに湖をゆっくりと
尾びれがなびく毎にふわっと進む感覚は少し楽しい!
曲がりながらも到着すれば見慣れた足
うん
泳げるようにがんばろうっと
ルーシー・ブルーベル(ミオソティス・f11656)はこの湖、とその端でまず立ち止まった。
ルーシーは泳げない。
だから、人魚さんはうらやましいな、と思っていたのだ。
その人魚に――痛みはあるらしいがなれるというのは少女の心をそわそわさせていた。
そうっと、湖の縁に座り足をひらす。
「これで人魚さんになれるの?」
ほんとうかしら、とルーシーはぱしゃんと水を遊ばせる。
すると、ずきりずきりと足に痛みが走った。
「あ、痛」
すごく、足がいたい――伸ばした手で触れた足が変わっていく。その痛みに目の前がチカチカと明滅して。
青いうさぎさんをぎゅっと抱きしめて痛みが過ぎ去るのをルーシーは待つ。
そして痛みがおさまってそうっと瞳を開けるて、ぱちくり。
ルーシーは瞬いて。
「……わ、尾びれになってる、すごい!」
水面をパシャパシャ、としようとするが。
「う? 上手にできないわ。足なら左右動かせばいいけれど、これは??」
こう? それとも、こっち? なんて動かす練習。
二本の足とはちょっとばかり勝手が違う。けれど動かしていれば、すぐに慣れてきて。
もう大丈夫そう、うまく動かせるとルーシーはふふりと笑い零す。
スカートをリボンでグルグル巻きつけて、準備は完了。
「よし、いくわ」
最近は水に顔を付けられる様になったし、大丈夫。大丈夫なはずだ。
「……息つぎは、まだだけど」
それもきっとすぐに慣れるはず。
顔を出したまま、足場伝いに湖をゆっくりと進んでいく。
水の中を尾鰭がなびく。そのたびにふわっと、自分の身が進む感覚は少し楽しい。
まるで空を飛んでいるかのように体が軽くて。けれど僅かに起こる波に流されそうになったりと驚くこともある。
「わ、わ……あ」
ふわりふわりと泳いでいた感覚。
それが曲がりながらも反対側に到着すれば――見慣れた足に。
もとに戻っちゃった、とルーシーは零して心に思うのだ。
「うん」
泳げるようにがんばろうっと、と一つ頷いて。
大成功
🔵🔵🔵
リル・ルリ
🐟櫻沫
わぁ!尾鰭が足になった!
尾鰭の代わりに伸びる白い足をぱたつかせる
足は、ずっとほしかったもの
好きな靴が履ける
僕は靴が好きなんだ
…それに、君と同じ地を歩める
ふたつがバラバラに動くなんて不思議だ
こんな小さな足で、身体を支えるなんて
本当にできるの?
僕にはわからない
どうやって立てばいいのかな
水と穹游ぐ人魚は
「立つ」という行為すらした事がない
櫻!大丈夫?
尾鰭はただ上下に動かせばいい
そういえば泳げないんだった
刺すような痛み堪えてほふく前進で櫻宵の側へ
手を握りあやす様に歌う
僕も足でどう泳ぐのかわからないや
歩くのも夢だけど
僕は…櫻の隣を泳いでいければいい
泳げるから
櫻宵が溺れたらすぐたすけてあげられるもん
誘名・櫻宵
🌸櫻沫
ひい!足が魚になったわぁ!
薄紅色から淡い藤色に染まる尾鰭は美しくて見とれはしたけど水の中
私、泳げないのよ
特に痛みはないけれど、水の中に吸い込まれそうになって必死に岸にしがみつく
着物がこんなに重いなんて!
…リルはいつもこんな思いをしながら泳いでるのかしら?
水中でも大丈夫な特別な布で服を仕立て直してあげないと
水中のほうが落ち着くといっていたけれどなんとなくわかるわ
あの子はやっぱり水に生きるいのち
はやく館にもあの子用の水槽を用意しなきゃ
なんて思う間にも沈んでいく
り、リル!こう?!
あやす様な歌に安堵する
リルの足は白くて綺麗
歩き方を横で教えたかった
リルの手をひいて
うふふ
私達、元の形が一番みたいね
「わぁ! 尾鰭が足になった!」
湖の水にちょっと触れただけで、リル・ルリ(『櫻沫の匣舟』・f10762)の尾鰭は変わっていく。
尾鰭の代わりに得たのは白い足。伸びるそれをぱたぱたと動かしながらリルは僅かに瞳細める。
(「足は、ずっとほしかったもの」)
尾鰭では纏う事、飾る事はできても――靴を履くことができない。
好きな靴が履ける。
リルは靴が好きなのだ。この2本の脚であればそれができる。
(「……それに、君と同じ地を歩める」)
ふたつがバラバラに動くなんて不思議だ。
こんな小さな足で、身体を支えるなんて、本当にできるの? と疑ってしまう。
ぴこり、と少し意識向ければ動く脚。
けれどわからないのだ。
「……どうやって立てばいいのかな」
リルは水と穹游ぐ人魚だ。
まず知らない。『立つ』という好意うらした事がないのだ。
水と穹に身を任せるようにゆるやかに動く。それが常であるのだから地に全て預けてしまう事など理解できないのだ。
そして共に歩みたいその君――誘名・櫻宵(貪婪屠櫻・f02768)は。
「ひい! 足が魚になったわぁ!」
薄紅色から淡い藤色に染まる尾鰭は美しく。それに見とれていたのだけれど――そこは水の中。
櫻宵は泳げない。それは脚から尾鰭となっても不安がある。
「櫻! 大丈夫?」
尾鰭はただ上下に動かせばいい、とリルは言うけれど。
「そういえば泳げないんだった」
立つことはまだわからない。のろのろとリルは動き始める。
動かなければなんてことも無いのだが、動かせば刺すような痛みがその脚を襲う。
ずくずくと疼くような痛みだ。その痛み堪えてほふく前進でリルは櫻宵の傍へ。
泳げない、どうしようと櫻宵は慌てる。纏う着物が水を含んでいく。
痛みはないのだけれど水の中に吸い込まれてしまいそうになり、必死に岸にしがみついていた。
(「着物がこんなに重いなんて!」)
リルは、いつもこんな思いをしながら泳いでるのかしら? と櫻宵は側へと来てくれる姿を見つめる。
(「水中でも大丈夫な特別な布で服を仕立て直してあげないと」)
水中のほうが落ち着くといっていたけれどなんとなくわかる。
この尾鰭ではこの水の中が一番だ。
そして櫻宵は思うのだ。
(「あの子はやっぱり水に生きるいのち」)
だから水を傍らに。
はやく館にもあの子用の水槽を用意しなきゃ、と思いながらも沈んでいく。
どうしよう、どうしたらいいのかしらと櫻宵が思っているとそっと、触れる手がある。
リルは櫻宵の手を握りあやすように歌い始めた。
それだけで櫻宵は安堵して落ち着いてリルに言われたことを思い出す。
「り、リル! こう?!」
そして落ち着いて水の中で少し上手に動けるようになった櫻宵の姿にリルは笑いかける。
そして櫻宵はリルのその脚に目をやった。
白くて綺麗な――その脚。
歩き方を横で教えたかったと、思う。
そう、この手を引いてと握られた手を櫻宵は握り返して微笑んだ。
「歩くのも夢だけど」
僕は……櫻の隣を泳いでいければいいとリルは紡ぐ。
「泳げるから」
「泳げるから?」
問い返せばリルは悪戯するように、楽しそうな表情で。
「櫻宵が溺れたらすぐたすけてあげられるもん」
その言葉に櫻宵は、私もその方が安心、とやっぱり泳げないわと言って。
「うふふ。私達、元の形が一番みたいね」
うん、とリルは頷く。
共にその脚で歩むことはなくても――共にあれるのなら。
それでいいのだと。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
華折・黒羽
【咲日花】
黒色の腰布巻いて
変化時、多少は痛かった
けどそれよりも
オズさん
俺ちゃんと泳げるんでしょうか…
あ、こら紬、急に押すなっ
水の精霊だからか
紬は早く入りたいみたいで
そわそわと
握られた手をぎゅっと掴みながら
意を決して、湖へ
紬が作ってくれた二人分の泡膜で
どこも濡れずにいられるけれど
こ、ここからどう動けば…?
鰭なんて初めてだから慣れない
自由に泳ぎ回る紬横目に四苦八苦
鰭をひと掻き
想定外のぐるり一回転
…?
もうひと掻き
あらぬ方向へ
…
…これもこれで
楽しくなってきました
笑ってるオズさんにつられる様に笑んで
本当だ
きらきらしてます
輝く空に二人分の泡が飛んでいく
慣れてきたら
競争とかしてみます?
俺だって負けませんよ
オズ・ケストナー
【咲日花】
いたい、……のかな
あつくてじんじんする
ふしぎなかんじ
クロバもにんぎょだっ
きっとね、だいじょうぶだよ
ツムギもいるし、いっしょに泳げばたのしいよ
ねーツムギ
そわそわツムギに笑って
クロバの手を取る
クロバの決心を待っていっしょに湖へ
ヒレを前後にばたばた
わっとっと
クロバと逆方向へ
わあわあと手で水をかいて戻ってくる
すごい、クロバがかいてんしたっ
目を輝かせ拍手
わたしもやりたい、こうかな?
手とヒレをじたばたさせて不格好に一回転
できたっ
誇らしげに笑ってピース
ふふ、たのしいねっ
ツムギともいっしょに泳げてうれしい
みて、クロバ
上を指して
空がゆらゆらきらきらしてる
きれいだね
うんうんっ
きょうそう、しよっ
まけないよ
岸辺に腰掛け、脚を浸す。すると変化が始まりもう、二本の脚ではなく水の中を揺蕩うもの。
変わる間、多少は痛かったと華折・黒羽(掬折・f10471)は己の尾鰭を見る。
ゆうらりと水をそよぐ用にひらりひらり。
そしてオズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)も自分のその身を見つめていた。
「いたい、……のかな」
でもそれより、あつくてじんじんする。そんな感覚。
ふしぎなかんじ、とオズは思う。
「クロバもにんぎょだっ」
「オズさん、俺ちゃんと泳げるんでしょうか……」
不安気な声にオズはにこにこ、黒羽へと笑み向ける。
「きっとね、だいじょうぶだよ」
「だいじょうぶ……あ、こら紬、急に押すなっ」
紬は、小さな勿忘草色の水の精霊。鰭耳携え揺蕩う水羽衣の子は早く入りたいようだ。
「ツムギもいるし、いっしょに泳げばたのしいよ。ねーツムギ」
そわそわしている紬に笑って、オズは黒羽の手を取る。
その握られた手を、黒羽はぎゅっと掴む。オズは黒羽の気持ちが整うまでその傍らで。
そして黒羽は意を決して、湖へ。オズも一緒に飛び込んでいく。
それに楽しそうに嬉しそうに紬はついてくる。そして二人分、泡膜作って濡れないように。
「わっとっと」
ばたばた、まだなかなかうまく泳げなくてオズはバランス崩し黒羽と逆方向へ。
はなれちゃう、とわあわあと手で水をかいて側に戻ってくる。
「こ、ここからどう動けば……?」
鰭なんて初めてだから慣れているわけもなく。
こんな感じ、とすいすいと二人の周りをくるくると自由に泳ぐ紬。
教えてくれているのだろうが、動きが早くて真似はできない。
黒羽は動き方を四苦八苦しながら探す。
鰭をひと掻きすると――ぐるり一回転。前へ進みたかったはずが回った。
「……?」
もうひと掻きすれば、今度はあらぬ方向へ向かいまた一回転。
「……」
「すごい、クロバがかいてんしたっ」
わああと目を輝かせオズは拍手する。
すごい、くるりとかいてん。たのしそう。そう思えば、オズの心もうずうず。
「わたしもやりたい、こうかな?」
手と鰭をじたばたさせてゆっくりと水中の中で一回転。不格好だけれども、一回転は一回転だ。
「できたっ」
クロバ、みてたっ? とオズは誇らしげに笑ってピース。
「ええ、ちゃんとできてました」
鰭を動かすけれどまだ思うままには動けない。
けれどこれもこれで、楽しくなってきた。
黒羽はオズにつられるように微笑んで、紬も見てたよとくるりくるり。
「ふふ、たのしいねっ。ツムギともいっしょに泳げてうれしい」
オズは水の中は、とこの世界をくるりと見回す。
そして視線を、上へ向けて瞬き一つ。
「みて、クロバ」
上を指したのはその素敵な光景を、黒羽にも見せたかったからだ。
「空がゆらゆらきらきらしてる。きれいだね」
「本当だ、きらきらしてます」
ゆらゆら、揺らめく水の天井。
光を反射してきらきらするそこへ二人分の泡が飛んで、溶けていく。
ゆっくりゆっくり、この水の世界に慣れていく。
そして遊び心もうずうず。
「競争とかしてみます?」
黒羽へとオズはうんうんっ、と大きく頷いて。
「きょうそう、しよっ」
そしてまけないよ、とくるりと一回転。もう一回転はお手の物だ。
「俺だって負けませんよ」
そう言うと、紬も負けないとふたりの間をすすいと進んでくる。
その様子に二人は視線合わせ笑いあった。
さぁ、競争のはじまり。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ジャスパー・ドゥルジー
【邪蛸】
激痛に苛まれる事が殆どって聞いて痛いの大好きな俺はウキウキして来ました!
なんだけど…あれ……?
(黒に近い青色の鱗を見下ろしては残念そうに)
何も痛くねぇぞ…?(あからさまに落胆した顔)
まあ、痛ェとパウルに心配掛けちまうもんな、仕方ねえ
パウルは大丈夫か?
辛かったら言えよ、俺の光(UCオキシ・モロンの光)で癒してやる
そっとパウルの鱗に手を添えて
…あはは!人魚になっても触手はそのままなんだな
こいつは可愛い!
思わず指でつんつんしちまう
繋いだ手に誘われるようにして水面を踊りながら
…水に浸かっても?それはどういう…
ハッと思い出したのは彼の出自
…そっか、もう怖くねえか、よかった
敵はナイフでザクリ
パウル・ブラフマン
【邪蛸】
もうっ…ジャスパーったら☆
痛みを期待してウキウキの恋人に寄り添いつつ
エイツア謹製バスタオルを腰に巻いて着水~♪
ピリっと痛みが奔ったのは一瞬のみ。
すぐにオレの人魚姫の絶世の美にハートを奪われちゃいそうだ。
ん…ちょっと痺れたくらいかな。大丈夫だよ♪
ジャスパーに促されて
下半身を見れば…あっ!オレも青のお魚(触手つき)になってる!
触手をつんつんされてぽっと頬が熱を持つ。
嬉しいな、ジャスパーとお揃いの脚だね♪
優しく君の両手を引いて
水面付近を、ふたりでくるんくるんって
廻るみたいにして踊ろうか。
もうお水に浸かっても怖くない。
水泳に慣れたから?きっとそれだけじゃないよね。
牛さんは触手でチョップするよ☆
ジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)はとてもウキウキして――いた。
そう、ウキウキしていたのだ。
変化は激痛に苛まれる事が殆どと聞いて、痛いのが大好き。どんな痛みなんだろうかとウキウキしてきたというのに。
「……あれ……?」
黒に近い、青色の鱗がそこにある。まったく痛みもないままに足は尾鰭へと変じていた。
「何も痛くねぇぞ……?」
残念だとあからさまに落胆した顔。そして深いため息をジャスパーは零す。
そんな、恋人の様子にパウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)は寄り添いつつ笑って。
「もうっ……ジャスパーったら☆」
パウルはエイツア謹製バスタオルを腰に巻いて、ジャスパーの傍らで水の中へ。
と、ピリっと痛みが奔ったのは一瞬のこと。けれど、傍らに視線向ければ――そこにはパウルの人魚姫がいる。
絶世の美にハートを奪われちゃいそう――もう奪われているけれど、一層深く。
ジャスパーは小さく笑って。
「まあ、痛ェとパウルに心配掛けちまうもんな、仕方ねえ。パウルは大丈夫か?」
辛かったら言えよ、俺の光で癒してやると続け笑み向ければパウルも頷いて。
「ん……ちょっと痺れたくらいかな。大丈夫だよ♪」
その笑みを受け取りつつ、ジャスパーはパウルの鱗へ手を添えた。
すると、変わらぬものがそこにあり、瞬いて。
「……あはは! 人魚になっても触手はそのままなんだな」
「あっ! オレも青のお魚になってる!」
しかも触手付き。自分の意思のままに相変わらず動く。どうやらこれは変わりない様子。
「こいつは可愛い!」
思わずとジャスパーは指でつんつん。つんつんされてぽっと、パウルの頬が熱を持つ。
そして何より嬉しいのは。
「ジャスパーとお揃いの脚だね♪」
優しくジャスパーの手を取って、繋ぐ。
先に水の中へと身を躍らせたのはパウル。パウルの手に導かれるままにジャスパーも水の中へ。
二本の脚とは違って、尾鰭の下半身は水の中での自由を許してくれる。
くるんくるんと、廻るように踊る。そのたびにしぶきが僅かに跳ねて。
パウルはふふ、と笑い零す。
「もうお水に浸かっても怖くない」
「……水に浸かっても? それはどういう……」
パウルの零した言葉に――ジャスパーは僅かに訝しみ、そしてハッとする。
思い出したのはパウルの出自だ。
「……そっか、もう怖くねえか、よかった」
ジャスパーは緩やかに微笑む。するとうんと嬉しそうに楽しそうにパウルは頷いた。
水に浸かっても怖くないのは――水泳に慣れたからだろうか。
それもある。けれどきっとそれだけじゃないとパウルは思うのだ。
ぱしゃりぱしゃり、二人の時間は楽しく。
けれど、邪魔するようにレッサーデーモンが現れたら。
「えいっ!」
パウルが触手でチョップ一撃。ジャスパーがナイフでザクリと行く必要なく簡単に沈んでいく。
あまりにも弱い、その様を二人で眺めつつ邪魔者いなくなればまたくるりと回って遊ぶ。
もうしばらく踊る? それとももっと深い場所にいってみる?
なんて、この世界だからこその楽しみを得るために。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
水標・悠里
千織さん/f02428
水槽の中の魚を眺めたことはございますが
よもや自分が魚になる日が来るとは
服はどうしましょう
着物…成る程、その手がありました
手頃な一着を引っ張り出して湖へ
魚の足は動くたびに刺すような痛みがある
御伽噺の人魚姫が耐えた痛みはこの様な…
思い出すのは友人の空を泳ぐ姿
あんな風に自在にとはいかないけれど
水に入れば花鳥の透かしが色濃く浮き上がって
あ、そういえば泳いだことがございません
浮かんだことはあるのです、同じくらい沈んだことも
千織さん、ご心配なく
ぷかぷか浮かぶ事は得意ですよ
泳ぐ、動かす…
悩みながら手探りで手足を動かし
少しずつ泳いでいく
あんなに息苦しかった水の中は
こんな世界だったのですね
橙樹・千織
悠里さん(f18274)と
ふふふ、ちょっと楽しみですねぇ
服は…着物ならなんとかなるでしょう
ふと思い起こすのは人魚の友人
彼みたいに游げたら楽しそうですねぇ
うぅ…流石にちょっと痛いのですねぇ
尾鰭をそっと擦りながら感覚を確認しつつ
悠里さんは大丈夫ですか?
振袖金魚のひらりとした鰭を水に浸して揺らす
人魚になるだなんて不思議な体験ですねぇ
湖に入ったらしばらくはふわりゆうらり浮き
慣れてきたら水中に潜ったりと自由気ままに游ぎましょうか
悠里さんは泳ぐの大丈夫かしら?
ふふふ、浮かぶのが得意なら大丈夫そうですねぇ
悠里さんをそっと見守り微笑んで
水の中は静かですねぇ、とても
ゆっくり沈み、差し込む光を見上げて
「ふふふ、ちょっと楽しみです」
擽るように笑い零し、橙樹・千織(藍櫻を舞唄う面影草・f02428)はその湖へと視線向ける。
そして傍らで水標・悠里(魂喰らいの鬼・f18274)もええと頷いて。
「水槽の中の魚を眺めたことはございますが、よもや自分が魚になる日が来るとは」
それは不思議な体験。
そして準備もばっちりなのだ。
ここへ来る前の事――悠里は、そこで、はたと思い自分の服をちょっと摘まんで。
「服はどうしましょう」
「服は……着物ならなんとかなるでしょう」
ふと思い起こすのは人魚の友人。
「彼みたいに游げたら楽しそうですねぇ」
「着物……成る程、その手がありました」
と、手頃な一着を引っ張り出してきたのだ。
そしていよいよ、湖の中へ入ればゆっくりと脚が魚の尾鰭へと変わっていく。
ぱしゃりと水が跳ねる。
魚の脚は動くたびに刺すような痛みがあり悠里は僅かに眉を寄せた。
「御伽噺の人魚姫が耐えた痛みはこの様な……」
「うぅ……流石にちょっと痛いのですねぇ」
千織は尾鰭をそっと擦りながら感覚を確認して。
「悠里さんは大丈夫ですか?」
その言葉に悠里は頷いて、千織はではお先にと振袖金魚のひらりとした鰭を水に浸す。
人魚になるだなんて不思議な体験ですねぇとふわりゆうらり、浮く。
慣れてきたら、水中に潜ったりと自由気ままに。
悠里も友人の空を泳ぐ姿を思い描いた。
(「あんな風に自在にとはいかないけれど」)
それでも水の力を借りて。水の中に入れば花鳥の透かしが色濃く浮き上がって綺麗、と心に広がっていく。
「悠里さんは泳ぐの大丈夫かしら?」
「あ、そういえば泳いだことがございません」
浮かんだことはあるのです、同じくらい沈んだこともと悠里は言う。
まだ岸から手は離さずに。
それを聞いて、大丈夫? と千織はそっと悠里の側へ。
「千織さん、ご心配なく。ぷかぷか浮かぶ事は得意ですよ」
「ふふふ、浮かぶのが得意なら大丈夫そうですねぇ」
悠里の言葉にぱちくり瞬いて、千織は笑い零す。
けれど何かあった時は助けられるように、そばに。
「泳ぐ、動かす……」
こう? と悠里は手探りで手足を動かして、少しずつ泳いでいく。
その様をそっと見守り微笑んで、こっちですよと千織は導くように水の中へ誘う。
「水の中は静かですねぇ、とても」
ゆっくり沈み――そしてくるりと身を反転して、見上げる。
差し込む光。きらきらと水面が反射して輝き続けている。
あんなに息苦しかった水の中は――こんな世界だったのですね、と。
悠里は世界が変わったような心地。
このまま何処までも、なんて思ってしまう一瞬はあるのだけれど、水の世界にいられるのはやはりしばしの間。
この人魚のひとときが終わるまではと二人でゆるりと過ごしていく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
月舘・夜彦
【華禱】
半分ではありますが肉体を変化させる特殊な湖のようですね
下は袴だけ抜いて腰に羽織を巻きます
湖の毒には個人差があるようですが、まずは私が先に入ります
湖に半身が浸かれば羽織を取って足を確かめる
毒や痛みには耐性がありますので、肌にピリピリとした痛みくらいです
倫太郎殿もこれならば……っ!
話している間に足が変わり、バランスを崩す
やはり立つのとは話が違いますね
話しながら足を観察してみれば濃紺の鱗と鰭は薄紫
倫太郎殿は如何でしょう?
貴方は髪の色と同じで綺麗ですね
普段泳ぐのとは異なりますね
ですが両足を揃えて泳ぐようにすると早く泳げます
簪……そうでした
落ちないよう懐に仕舞っておきましょう
敵は抜刀術にて
篝・倫太郎
【華禱】
浴衣着てく
先にこうしとくのが良いかなーって
布巻くより確実だし?
浅過ぎず、深過ぎない辺りまで足場を使って移動してから
だってほら、気を付けないと
陸に打ち上げられた魚みたいになるかもしれないし?
うん、人魚だな……
先に湖に入った夜彦の変化を観ながら後の続く
毒耐性や激痛耐性のお陰か、俺も余り痛みとかはないや
寧ろ、バランスのがこれ、大変かもしんねぇ……
そんな事を話ながら、ゆっくり慣れてく
要は潜水の要領で行けばいい、んだな
コツさえ覚えたらどうにかなるもんだなぁ
にしても、髪色に近い鱗だ……夜彦のは宵闇色で俺のが萌黄色
水に反射して綺麗なもんだ
あぁ、簪落とさないようにな?(心配性)
敵には拘束術で一撃
湖の傍らに膝をついて、まず様子見。
すでに多くの猟兵たちが楽しそうにしている姿も見受けられた。
「半分ではありますが肉体を変化させる特殊な湖のようですね」
月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)は袴だけ抜き、腰に羽織を巻く。そして篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は。
「倫太郎殿は浴衣ですか」
「先にこうしとくのが良いかなーって。布巻くより確実だし?」
そう言って準備はばっちり。
「浅過ぎず、深過ぎない辺りはこのへんだな」
だってほら、気を付けないとと倫太郎は言う。
「陸に打ち上げられた魚みたいになるかもしれないし?」
なんて笑いながら、私が先に、と夜彦が湖へ。湖の毒には個人差があるというがどうだろうか。
羽織をとってもまだ二本の脚がある。夜彦が感じるのは、肌にピリピリとした痛みくらいだ。
「倫太郎殿もこれならば……っ!」
と、バランスが崩れる。脚は――尾鰭に。
「うん、人魚だな……」
「やはり立つのとは話が違いますね」
夜彦は濃紺の鱗に鰭は薄紫の半身を得ていた。
動かし方は、と意識を集中すればぎこちないながらに水を掻く。
そんな夜彦の変化をみつつ倫太郎も湖へ。
「倫太郎殿は如何でしょう?」
「俺も余り痛みとかはないや」
寧ろ、と倫太郎は言葉続け。
「バランスのがこれ、大変かもしんねぇ……」
ゆっくり慣れるしかないなと笑って。
「要は潜水の要領で行けばいい、んだな。コツさえ覚えたらどうにかなるもんだなぁ」
しばらくすれば二人とも水の中で自由に動け始める。
「貴方は髪の色と同じで綺麗ですね」
「髪色に近い鱗だ……夜彦のは宵闇色で俺のが萌黄色」
水に反射して綺麗なもんだと倫太郎は笑う。
そして夜彦もふわり、泳いで。
「普段泳ぐのとは異なりますね」
ですが両足を揃えて泳ぐようにすると早く泳げます、なんていうものだから。
「あぁ、簪落とさないようにな?」
心配そうに告げられ夜彦ははたと瞬く。
「簪……そうでした」
落ちないよう懐に仕舞っておきましょう、と懐へ。
ふたりでしばし、水中遊泳。敵のレッサーデーモンが現れても倫太郎が高速して、夜彦が一閃する。
時折現れる邪魔者も、二人で倒せばすぐのこと。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
尾守・夜野
準備運動しつつ呟こう
「ほーん?
まるで人魚姫やら山羊のお方を想像するな
まぁ痛みがあろうとどちら道耐えられるからどうでもいいか
どの道こいつが毒というなら
体にゃ負担がかかるだろうひ
ならこいつの発動条件満たせるだろうし…
な!」
飛び込み変わると同時にUC発動
毒でのということならダメージ何かしらおってるだろうしな
浮き袋か何かできるか、鳥みたいに油分なのか知らんがなにかして溺死は防ごう
…だがまぁ…俺は泳げないんだが
まぁ死なずに沖の方で浮いていたら敵の方から狙いに来てくれるだろう
多分
またはすさまじくゆっくりか
流れにのって近くに敵がいたら剣でツンツンして邪魔して沈むの待とうかね
アドリブ・連携歓迎
いち、にと準備運動しているのは尾守・夜野(墓守・f05352)だ。
「ほーん? まるで人魚姫やら山羊のお方を想像するな」
まぁ痛みがあろうとどちら道耐えられるからどうでもいいか、と夜野は準備運動を追える。
どの道こいつが毒というならと湖を見つめ体に負担がかかるだろうと思う。
「ならこいつの発動条件満たせるだろうし……な!」
湖へと飛び込むと同時に夜野はユーベルコードを発動する。
毒での、ということならダメージは何かしらおってるということ。
しばらくすれば、この毒からうけるダメージに対してきっと抗体がどうにかしてくれるはず。
半身は魚の姿を得て、ゆっくり動かすがあまり上手に動けない。
しかし、その体はぷかぷか。沈まずに浮いている。
どうやら溺死は免れたようだ。
「……だがまぁ……俺は泳げないんだが」
ぷかぷかと浮いていると、ばしゃばしゃと大きな水音。
なんだ、と夜野が視線向ければレッサーデーモンだ。あちらは半身の変化についていけないようだが。
「……近くにきたらツンツンしてみるか」
此方は沈むことはなさそうだが、あっちはいつ沈んでもおかしくない。
此方に来ようとしているが果たしてこれるのか、とも思うくらいだ。
「あ」
しかし、たどり着く前にぶくぶくと沈んでいくのを夜野は目にし、このまま進めそうだなと思うのだった。
大成功
🔵🔵🔵
叶・景雪
アドリブ歓迎。難しい漢字は平仮名使用。カタカナはNG。
みずうみにつからなかったら、足は変化しないのかなぁ?なら、『眠兎』の出番だねっ!
【空中浮遊】を使って……て、わわっ……(ばしゃーん!)
うぅ、やっぱり、【空中浮遊】もお水も苦手だよ。
て、ほんとに足が変わってきてる!?ぼくは元より刀の身、人のからだをえても、いたみに強い【激痛耐性】から、いわかんだけあるけど……あ!ひらめいたよ!この足のまま水れんをしたら、おぼれなくなるかな!?
せっかくのきかいだから、たくさん水れんしてから、【舞風】使用しするね!お水からあがったら、しっかりふくよ!刀にお水はげんきん!だからね!(ふんす!)
「みずうみにつからなかったら、足は変化しないのかなぁ?」
叶・景雪(氷刃の・f03754)はすでに湖に入ったもの達の姿を目にしていた。
なら、と景雪は思う。
「『眠兎』の出番だねっ!」
それは兎の耳のような飾りがついた靴。履いているとどこまでも駆け上がれる気がするそれをもって、景雪は一歩を踏み出した。
空中浮遊を使って、そのまま反対側へ。
そう思うのだが――ぽふん、と胞子が舞い踊った。それを避けようとした所バランスを崩して。
「……て、わわっ……」
ばしゃーん! と大きな音を立てて景雪は湖へと落ちる。
「うぅ、やっぱり、空中浮遊もお水も苦手だよ」
そう零すと、違和感。
脚をみれば変化はすでに始まっていた。
「て、ほんとに足が変わってきてる!?」
景雪はもともと、刀の身。
人のからだを得て痛みにも強い。耐性があるからだ。
「いわかんだけあるけど……あ!」
この半身で、とひとつひらめく。
「この足のまま水れんをしたら、おぼれなくなるかな!?」
こうして体が変わるのも、また折角の機会。
「たくさん水れんしよう!!」
ばしゃばしゃ、水の中を景雪は進む。最初はばたついていたが少しずつうまくなって。
そしてその間に、レッサーデーモンの襲撃があった。しかしあちらはなかなかうまく泳げていない様子。
己の本体をいくつか複製し、躍らせる。
いちげきでたおせるかな、と景雪は思っていたのだが相手は息も絶え絶え。ひとつ刺さればぶくぶくと沈んでいく。
時折現れるレッサーデーモンを倒しながら、景雪は進んでいく。
もうすぐ陸だ。
「お水からあがったら、しっかりふかなきゃ!」
だって――刀にお水はげんきん! だからね! とふんす。
あとすこし、がんばろう! と最初のころより上手に泳いでいく。
大成功
🔵🔵🔵
城島・冬青
【橙翠】
綺麗な湖ですね
ピクニックしたい気分です
見て下さい
あそこでデーモンが毒で死にかけてますよ
えーいっ(UCでぶっ飛ばす)
あはは、ホームラン!
はーい
城島、入水するであります
(毒で酔っ払いの様になってるが本人は無自覚)
水に入って足を確認
うわぁ
魚になってます…これが毒
面白ーい!
アヤネさんも人魚ですね
とっても綺麗で
御伽噺の人魚姫みたいです
でもアヤネ姫は王子様には渡しませんよ
アヤネさんは私のだー!
きゃはは!
私が王子様…
そういうことに…なりますかね(にへら)
王子な私も人魚になってるしアヤネさんに抱き抱えられてますけど…
それじゃ一緒に水中デートしてみます?
ちゃんとエスコートしますよー
頑張って独りで泳ぎます
アヤネ・ラグランジェ
【橙翠】
綺麗な湖だけど
アレが件のキノコネ
いつもと違ってスカートを履く
UDCエージェントとしてこの手合いは慣れている
下半身全部は気持ち悪いけど
呪いの一種だと思えば問題ない
いざとなったら触手を使おう
変化が起きる前に水に入る
ソヨゴ?
大丈夫?なんかおかしいよ?
そんなの構っていないで早く水に入って!
以前もこんなだったネ
毒に耐性があるのかないのか…
痛みとかない?平気?
水中なら何とか動けるかな
ソヨゴが危なっかしいので抱き抱えて移動開始
ありがとう
ソヨゴも金魚みたいで華やかネ
仕方ないなあ
ソヨゴが王子様ってことでいいかしら?
体勢が逆のような気がするけどネ
と苦笑
ソヨゴが動けそうならエスコートしてもらおう
綺麗な湖ですね、と城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)は笑う。ピクニックしたい気分です、とくるりと回って。
その様にアヤネ・ラグランジェ(十二の結び目を解き放つ者・f00432)は、確かに綺麗な湖だけどと視線を一点に止める。
「アレが件のキノコネ」
ぽふんと胞子を吐き出すキノコ。それも気になるのだが、アヤネはそわりとしていた。
これから水に入れば下半身が変わるという。
UDCエージェントとしてこの手合いは慣れている。下半身全部は気持ち悪いけど、呪いの一種だと思えば問題ないとアヤネは思う。
「いざとなったら触手を使おう」
けれどいつもと違うスカート、慣れないなぁと思っていると冬青は見てくださいとあるものを指さした。
それはうまく動けず岸辺で息も絶え絶えのレッサーデーモンだ。
「あそこでデーモンが毒で死にかけてますよ」
冬青はそちらへ見えないコルヴォを放った。
「えーいっ」
それは体当たりをかまし、レッサーデーモンを水の中へと叩き落とす。
「あはは、ホームラン!」
と、笑いつつご機嫌の冬青にアヤネは首傾げ。
「ソヨゴ? 大丈夫? なんかおかしいよ?」
そんなの構っていないで早く水に入って! とアヤネが手招きする。
するとふにゃりへえらりと冬青は笑って。
「はーい。城島、入水するであります」
ぴしっと敬礼して、アヤネのもとへ。
そういえば、とアヤネは思い出す。
「以前もこんなだったネ。毒に耐性があるのかないのか……」
ふ、と息吐いて。
「痛みとかない? 平気?」
「うわぁ。魚になってます……これが毒」
と、互いに尾鰭を得て。
冬青は自分のを見て、面白ーい! と大きく水を撥ねさせた。
ばしゃんと水がかかり、アヤネは大丈夫そうと頷く。
そして水中なら何とか動けるかなと動いてみれば問題なさそうだ。それより、冬青が危なっかしい。
「アヤネさんも人魚ですね」
とっても綺麗で、御伽噺の人魚姫みたいですと冬青は笑う。
「ありがとう。ソヨゴも金魚みたいで華やかネ」
アヤネがいうと、冬青はそうでしょと笑ってバッと手を広げて飛びついてくる。
それを受け止めて、アヤネは抱きかかえた。
「でもアヤネ姫は王子様には渡しませんよ。アヤネさんは私のだー! きゃはは!」
そんな様子に仕方ないなあとアヤネは苦笑して。
「ソヨゴが王子様ってことでいいかしら?」
体勢が逆のような気がするけどネ、と続ける。
するとはた、と冬青は瞬いて。
「私が王子様……そういうことに……なりますかね」
にへら、と相好崩す。
王子な私も人魚になっているし、アヤネさんに抱きかかえられてますけど、と零し冬青はふふりと笑む。
「それじゃ一緒に水中デートしてみます? ちゃんとエスコートしますよー」
ソヨゴが動けそうならエスコートしてもらおう、とアヤネは様子見つつその手の力を抜く――のだが。
おぼつかなく危なっかしい。
まだもう少しこのままかな、と笑う。冬青王子のエスコートはこのしばし後に。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
江穏・メル
ふわり、地を浮くたびに
おめかしドレスを揺らし
お上りさんの眸は巡らし
人魚姫のようになれるって、
お話はほんとなのかしら?
ひとのようになることよりも、
人魚姫のきもちを知りたいわ
尾ひれを捨ててしまうほど
足って、すてきなものなのか
と思ったけれど、――これは!
ぜったい、すてきじゃない!
へんな尾ひれでおよげない!
こんなものをほしがるなんて
やっぱり、きみはだまされたのよ!
頬膨らませ、拗ねに拗ね
ちらと眺める游ぐひとは、
反して心地よさそうで
ひとは足を捨てても大丈夫そうね?
! ふふ、良い事を知れたかも
知れたかわりと思えば、
へんな尾ひれもゆるせるわ
(そういえば、あのへんな魚はなに?)
(おいしそう?もう、ものずきね!)
江穏・メル(海底探し・f26225)の心は好奇に満ちて。
ふわり、地を浮くたびに、おめかしドレスの裾揺らし。
そして、お上りさんの眸はくるくる周囲を楽し気に映していた。
「人魚姫のようになれるって、お話はほんとなのかしら?」
ひとのようになることよりも、人魚姫のきもちを知りたいわとメルは零す。
それっていったい、どんなきもち?
尾ひれを捨ててしまうほど――足って、すてきなものなのか。
ゆうるり、メルが動かすその尾鰭。
ぱしゃんと水を弾いたそれは――二つに分かたれていく。
これはすてきなもの?
そう――思ったのだけれども。これは!
「ぜったい、すてきじゃない!」
へんな尾ひれでおよげない! それは脚の甲。まったく水を操れないそれはよわよわしく、まるで意味のないもの。
こんなもの、とメルはぷぅと頬を膨らませる。
「こんなものをほしがるなん。やっぱり、きみはだまされたのよ!」
人魚姫、かわいそううな人魚姫!
メルはこんなのいらない、と一層頬膨らませ、拗ねに拗ねてその頼りない足をゆらゆらとさせる。
反して――尾鰭を得たひとたちは、心地よさそうで楽しそうだ。
最初はもたついてもすぐに慣れていくものがほとんど。
「ひとは足を捨てても大丈夫そうね?」
ぱちくり、メルは瞬いて。
「! ふふ、良い事を知れたかも」
知れたかわりと思えば、と足に目をやる。
そうであれば、へんな尾ひれもゆるせるわと笑って。
けれど――ばしゃばしゃ、ばしゃん。
不格好な水の音。そちらに目を向ければレッサーデーモンだ。
半身は魚で扱いにくそう。
うぅん、とメルは瞳細めてそれをよくよく見つめ。
よくわかんない、と傍らにサメたちを呼ぶ。
あのへんな魚はなに? と問うけれどサメたちはしらなーいと首を振る。
けれど――
(「おいしそう? もう、ものずきね!」)
いいわ、好きにしたらと紡げばサメたちがとびかかる。
レッサーデーモンは成すすべもなく、消えていく。
ふじゆうな、このへんな尾ひれ。
メルは笑って、もうしばらくこの一時を過ごす。
大成功
🔵🔵🔵
火狸・さつま
きゅ?
柔らかな毛並み
自慢のふっかふか尻尾!
狸の色合いの狐姿で水上歩行ぽってぽて
人語は話せません
きゅヤ…?
ぽてぽて…ぴちぴちぴち……びたんびたーん!
こヤぁああーん!!!
自慢のにくきゅうが!しっぽが!!!
そんな悲痛な鳴き声
きゅー…!!
痛みは毒耐性と激痛耐性でなんのその
けれど動きにくさは想像以上!
野生の勘駆使して鰭の運動~!おいっちにーおいっちにー!
地形耐性や環境耐性があれば水に慣れるのもはやく
水中機動ばっちし!
びゅんっと見事な泳ぎで早業水中戦【しっぽあたっく】でぺちんぺちん!
…今回は鰭だけど!
そういえば、空中浮遊も出来ました
泳ぎ疲れたら空中ぷわぷわ
もぐら叩きならぬレッサーデーモン叩き
ぺちんぺちんっ
柔らかな毛並みに、自慢のふっかふか尻尾。
狸の色合いの狐姿で火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)はぽってぽってとお散歩気分で歩いていた。
けれど――あれ、と首傾げる。何かがおかしい。
「きゅ? きゅヤ……?」
ぽてぽて……ぴちぴち。
ぴちぴち? とさつまはその音の方を見た。
びたんびたーん! と、尾鰭が動いている。
「こヤぁああーん!!!」
ない。ないのだ!
自慢のにくきゅうが! しっぽが!!!
まぁるいぷにぷににくきゅうも、ふっさふっさのもふもふしっぽも、ない。
さつまはそんな! と悲痛な鳴き声をあげる。
「きゅー……!!」
尾鰭に代わってしまった。
人魚ならぬ、狐魚。いや狸魚か。
毒、それに痛みもあるが耐性でなんのその。しかし動きにくさはさつまの想像以上だ。
どうすればこれは動くのか。気持ち的にはしっぽふりふりなのだが、尾鰭がびたびた動くだけ。
けれど、それでなんとなくどうするのか理解できた。野生の勘だ。
おいっちにーおいっちにー! とびたんびたん。
転がりつつびたんびたんしつつ、水の中へとさつまは飛び込んだ。
水中だと、地上よりも動きやすい。体が軽い! とさつまは尾鰭をするする動かしあ。
あっという間にびゅんっと見事な泳ぎで水中をくるくると回ってみせるさつま。
これはこれで――ちょっと楽しい。
そしてばしゃばしゃ、不格好に溺れるそれはレッサーデーモンだ。
すすいと泳いで行ってくるんとその体を回転させるさつま。
しっぽあたっく――だが、今日は尾鰭あたっくだ。
ぺちんぺちんとすればレッサーデーモンはそのまま沈んでいく。
さつまはぷかっと、水中に顔抱いてそういえば、と思い出した。
空中浮遊も出来ることを。
泳ぎ疲れたら空中でぷわぷわと。
すると、時折レッサーデーモンが槍を持って現れる。水中でじたばたしているレッサーデーモンをぺちん。
これは、もぐらたたきならぬレッサーデーモン叩き。
ぺちんぺちんっ、と小気味よい音立てて。
さつまはぷわぷわ、尾鰭のままに空のお散歩。
大成功
🔵🔵🔵
フレズローゼ・クォレクロニカ
💎🐰
ダーリン、だなんて兎乃くんの事を呼んでしまって、ハニーだなんて呼ばれてしまって
正直顔を見るのも恥ずかしいんだけど
これじゃダメさ!
ボクらの友情パワーは揺るがないんだ!
わー!ほんとだ!
泳いだら気持ちよさそうなんだ!
ボク、泳ぐのは得意だよ
和装だから、別に腰に巻くのなくていいかなって考え
ひゃん!脚がいちごミルク色の尾びれになったんだ
これでボクも人魚姫!
ぱしゃんと飛び込みスイスイ泳いでみせる
ああ、心地いい
人魚ってこんな気持ちだったんだね
…まぁ、わたしは泡になるしかない人魚姫だけどさ
兎乃くん?!いたいの?大丈夫?
ほらゆっくりね
ボクが手を握ってあげる
そう上手
ピカピカ光って綺麗なんだ!
ふふん
楽しいね!
兎乃・零時
💎🐰
アドリブ歓迎
別の戦場でフレズロー…いや、フレズと恋の毒を浴びてから
何故か目が合わせられないが…
だとしても気にしすぎちゃダメだよな、うん!
湖綺麗だなぁー
…確か布まいてたほうが良いんだよな?
魚の毒…
まぁこんなのならだい…い、痛い痛い待ってあれ想像以上にギャー!?
(痛いけど耐えれた
藍玉の鱗のついた尾鰭に変化
ひ、酷い目に合った…
…あれ、これどう動かすんだ…?
フレズは…めっちゃ泳げてる…!
ふ、フレズ、あのな、泳ぐの上手く出来ねぇから
ちょっと手伝って貰っても良いか…?
手を繋ぐ感じで引いて貰えば
照れつつも徐々に泳げ方のコツを覚えてきた
…こーゆうのも、楽しくて良いな…!!(目や髪や尾が輝き始める
兎乃・零時(そして少年は断崖を駆けあがる・f00283)はそっと、目を逸らした。
別の戦場で恋の毒を浴びたのだ。
フレズローゼ・クォレクロニカ(夜明けの国のクォレジーナ・f01174)と一緒に。
それから、何故か目が合わせられない、と零時はちらりと触れずローゼに視線を向けぱっと戻す。
そしてフレズローゼも両手で頬を挟んで。
(「ダーリン、だなんて兎乃くんの事を呼んでしまって、ハニーだなんて呼ばれてしまって」)
正直顔を見るのも恥ずかしいんだけど、と思う。
けれどふるり、と顔を振って。
(「これじゃダメさ! ボクらの友情パワーは揺るがないんだ!」)
フレズローゼがそう思うと同時に、零時もだとしても、と頷いていた。
気にしすぎちゃダメだよな、うん! と。
そう、心に区切りがついたなら笑いあって、いざ湖へ。
「湖綺麗だなぁー」
「わー! ほんとだ! 泳いだら気持ちよさそうなんだ!」
ボク、泳ぐのは得意だよとフレズローゼは胸を張る。
零時は泳ぎか、と零して。
「……確か布まいてたほうが良いんだよな?」
その言葉にフレズローゼはボク、和装だから、と。
「別に腰に巻くのなくていいかな」
だからそのまま、湖へ足を浸す。すると変化が現れるのはすぐだ。
「魚の毒……まぁこんなのならだい……い、痛い痛い待ってあれ想像以上にギャー!?」
と、零時が声あげ、痛いけれど耐えたる傍らで。
「ひゃん!」
フレズローゼは一声。その脚は――いちごミルク色の尾鰭になっていた。
「これでボクも人魚姫!」
ぱしゃんと水音させてすいすいとフレズローゼは泳ぐ。
ああ、心地いい――とぷかぷかしつつ。
「人魚ってこんな気持ちだったんだね……まぁ、」
わたしは泡になるしかない人魚姫だけどさ、とフレズローゼはぽつりと零す。
そのころ、零時は藍玉の鱗のついた尾鰭を見詰めて。
「ひ、酷い目に合った……あれ、これどう動かすんだ……?」
こうか? とばたばた。そしてフレズは……と視線向けて。
「めっちゃ泳げてる……!」
零時がばしゃばしゃと水音立てていると、フレズローゼはくるりと回って戻ってくる。
「兎乃くん?! いたいの? 大丈夫?」
「ふ、フレズ、あのな、泳ぐの上手く出来ねぇから。ちょっと手伝って貰っても良いか……?」
その言葉にフレズローゼは瞬いて、いいよと手を差し出す。
「ほらゆっくりね、ボクが手を握ってあげる」
ゆっくり手を繋いで引いてもらう。
それにちょっと照れるものの、零時も徐々に泳ぎ方のコツを覚えてきた。
右へ、左へと自由に動くことが出い始める。
「そう上手」
「……こーゆうのも、楽しくて良いな……!!」
ぴかぴか、零時の目や髪が輝き始める。それを目にしてフレズローゼは。
「ピカピカ光って綺麗なんだ!」
そう言うと、零時の身は一層輝いて。
「ふふん、楽しいね!」
楽しい、と笑いあう。さてそろそろ一人で泳げるかなと手を離して。
すいすい、二人で楽しい水中散歩。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ティア・メル
千鶴(f00683)と
ふんわりしたスカート
これなら大丈夫だよね
夜空を蕩したみたいな尾鰭はいっとう綺麗
んふふ、人魚姫みたい
わたしは水色の尾鰭へ痛みは特にないよん
千鶴は?無理はしないでね
はしゃぐ姿がかぁいくて一緒に尾鰭で戯れる
満面の笑みで飛び付いた
毒よりもあなたの熱に馴染む方がうんと嬉しい
慣れた世界も千鶴が居てくれるからきらきらしてるよ
んに?迷子が不安なのかな?
絡めたゆびさき
ぼくは此処に居るよ
ちーくん
初めてのあだ名は甘やかに
人魚姫の恋は叶ったら泡にならないんだよ
だからね、ちーくんが王子様になってくれたら平気なの
陸に上がれば溶ける蜜毒を注ぐ
振りはずるいよ
意地悪な王子様に誓いを
ちーくん、大好きだよ
宵鍔・千鶴
ティア(f26360)と
腰布を巻いて湖に触れれば
脚は鱗を伴い夜空色の尾鰭が姿を見せる
……、うわ、あ、
凄い、尾鰭がくっついてる
痛みは我慢が出来るほど
そうと動かし跳ねて
水に慣れれば楽しく
ティア、平気?
彼女の変化を様子窺い
薄花色の様な尾鰭は彼女に似合う
珍しく得た魚姿で水面をくるり泳ぎ手を差し伸べ
ね、水の世界を見てこよう
水と縁深いきみとなら
新しい世界も不安は無いね
人魚として碧に包まれ
溶け込む姿
いつかの御伽噺を思い出し
逸れぬよう繋ぐ手を少し強めに引いて
ティア、泡にならないでね、なんて冗談めかし
指先の熱と優しく耳に届く自分の名は少し照れくさいけど
人魚姫の手の甲に口付けの振り
……姫、俺と共に永遠の誓いを
ふんわりしたスカートを翻して、ティア・メル(きゃんでぃぞるぶ・f26360)はこれなら大丈夫だよねと微笑む。
腰布巻いて、宵鍔・千鶴(nyx・f00683)も湖に触れれば――その脚は鱗を伴い、夜空色の尾鰭が姿を見せる。
夜空を蕩したみたいな尾鰭はいっとう綺麗と、ティアはくすりと零して。
「んふふ、人魚姫みたい」
「……、うわ、あ、」
と、千鶴はまず変じた姿を己の中に落とし込む。
「凄い、尾鰭がくっついてる」
痛みは我慢ができるほどだ。そうと動かし跳ねて、水に慣れれば楽しくなってくる。
「ティア、平気?」
千鶴が問いかける、ティアのその脚は水色の尾鰭へとなっていた。
それは良く似合う、と千鶴は瞳細め微笑む。
「痛みは特にないよん。千鶴は? 無理はしないでね」
大丈夫、と千鶴は返す。はしゃぐ姿がかぁいくて、ティアは尾鰭で水撥ねさせて戯れる。
そしてくるり、千鶴は水面で円を描いて回って、手を差し伸べた。
「ね、水の世界を見てこよう」
その言葉に、満面の笑みで飛びついた。
毒よりもあなたの熱に馴染む方がうんと嬉しい――そう、思いながら。
水と縁深いティア。ティアと一緒なら、と千鶴は微笑みと共に言葉続ける。
「新しい世界も不安は無いね」
ティアは慣れた世界も千鶴が居てくれるからきらきらしてるよと笑い返し水の中をすいと進む。
その笑みは側にある。人魚として碧に包まれ溶け込む姿がふと、千鶴にあることを思い出させた。
いつかの御伽噺――それを思い出し、逸れぬよう繋ぐ手を少し強めに引いた。
「んに?」
迷子が不安なのかな? どうしたのとティアはゆびさき絡めて。
ぼくは此処に居るよ、と伝えるのだ。
「ティア、泡にならないでね」
なんて冗談めかして紡ぐ千鶴。けれどその瞳の揺らめきに、ティアは――紡ぐ。
「ちーくん」
それは初めてのあだ名だ。甘やかな響きにふふと零す。
御伽噺では、泡になる人魚姫。けれど、泡にならぬ方法もあるのだ。
「人魚姫の恋は叶ったら泡にならないんだよ」
だからね、ちーくんが王子様になってくれたら平気なのとティアは囁いて――陸に上がれば溶ける蜜毒を注ぐのだ。
絡んだそのゆびさきの熱、そして優しく耳に届く声、己の名は少し照れくさいけれど、千鶴は人魚姫の手の甲に口づけの振り。
「……姫、俺と共に永遠の誓いを」
振りはずるいよ、とティアは紡いで、けれど――この目の前の、意地悪な王子様に誓うのだ。
ちーくん、大好きだよ、と。
大成功
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メルクチュア・ヴィタ
波間を踊る尾鰭ではなく、陸歩むための足を――
困ったわ、これは魔女の叶える領分よ
それでもやはり代償は付き物なのね
湖に浸した爪先は、一歩踏み締めるだけで
ナイフで足裏を抉られるよう
とても、とても歩いていられない
強く想う何かへ、誰かの元へ向かうためでもなければ、
きっとこの痛みは耐えられないのでしょう
痛む足は、泣いているのかしら?
帰りたいと恋しがっているのかしら?
そうだったなら――そうでなくとも――
泣く赤子をあやすように、海想う【歌唱】で慰めを
UC放ち、ほら泣かないで
もう貴方もおやすみなさい
でも…もしこの痛む足をも進められたら…
記憶の彼方に翳み失せた、わたしの「会いたい人」にも、いつか辿り着くかしら――
波間を踊る尾鰭ではなく、陸歩むための足を――それはメルクチュア・ヴィタ(ミュコスの魔女・f26421)にとってどのような事か。
人魚が恋をする御伽噺。それは海の物語でもあり、ひとの脚を得るために魔女が関わるもの。
「困ったわ、これは魔女の叶える領分よ」
毒でなんて、と零す。けれど、魔女が叶えていなくても――ああと零れていく。
「それでもやはり代償は付き物なのね」
湖に浸した爪先は、一歩踏み締めるだけで――ざくり、と深い傷を与えられていくような。
そう、まるでナイフで足裏を抉られているようだ。
一歩、二歩――とても、とても歩いていられないとメルクチュアの歩みは止まってしまう。
こんな痛みと共に歩み続けるなんて、こんなことができるなんて――それはきっと。
「強く想う何かへ、誰かの元へ向かうためでもなければ、」
きっとこの痛みは耐えられないのでしょうとため息まじりに魔女は零す。
恐る恐る、そうっと一歩。ずきりずきりと痛みは広がるばかりだ。
「痛む足は、泣いているのかしら?」
それとも、帰りたいと恋しがっているのかしら?
そうだったなら――そうでなくとも――と、メルクチュアは唇を震わせて音を紡ぎ始める。
泣く赤子をあやすように、海想う歌で慰めを与えて。
その先には、尾鰭を得たレッサーデーモンたちがいる。
けれど水に受け入れられずにもがくばかりだ。
「ほら泣かないで、もう貴方もおやすみなさい」
炎の矢を番えて放てば、レッサーデーモンたちは果てていく。
メルクチュアの歩みを邪魔するものは、目の前にはいない。
けれど、一歩は踏み出せぬままだ。メルクチュアは、見つめる。その脚を。
進まぬ――でも、もし。
(「もしこの痛む足をも進められたら……」)
ゆらりと揺らめくなにかがあった。
記憶の彼方に翳み失せた、わたしの『会いたい人』にも、いつか辿り着くかしら――呟き落ちる。
メルクチュアはその姿を、探していた。
この一歩が何になるのか――思いながら痛みを享受して。
大成功
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