●その温泉怠惰につき
「しゃちーっす。帝竜戦役お疲れさま。どうだい?お宝集めや、帝竜戦は順調かい?」
と、シャチぐるみを着た女神のグリモア猟兵、パリジャード・シャチー(因達羅神のハナヨメイド・f17808)が尋ねた。
「ふむふむ。いい感じかい?それは良かった。まだまだだなぁーって人も全然大丈夫。まだまだ折り返しって感じだからね。これから巻き返せばいいと思うよ」
うんうん、と、頷きながらシャチぐるみは、話を続ける。
「ほいでね、新しいエリアの情報を予知したから、君たちに行って欲しいなーと思うんだー。って訳で地図をドーン!今回君たちに行ってもらうのはここ!ででーん!冷静と情熱の珊瑚礁だよ!」
無駄に高いテンションで女神が告げると、背後で雲がもくもくとスクリーンを形作り、そこに地図を映し出す。そして、女神は閉じた扇子を使って地図の中央~北部辺り、帝竜ベルセルクドラゴンが居たエリアの北あたりにある珊瑚の絵が掛かれた辺りを、べしべしと叩きながら、指し示した。
「ここはね、高熱を放つ『サウナ珊瑚』の生える温泉地帯なんだ。それでね、ここの温泉に浸かるとね、ある特定の感情が爆発的に増加するんだ。んでね、その感情なんだけどね。なんと!この温泉に浸かると、【仕事がしたくなくなりまーす!】」
デデーン!という気の抜けるような効果音をつけながらシャチぐるみが言う。
えっ、今なんて言った?と言いたげな猟兵の顔が多数。
「だーかーらー。【仕事がしたくなくなる】って言ったんだよ。OK?」
と、パリジャード。非常に残念なことに聞き間違いではないらしい。
「これはねぇ……思ったよりもキツイんだよ。ちゃんと心して聞いてね。いいかい?敵は、仕事したくねぇ……。いっそもう……ナマコにでもなりてぇ……って思いながら温泉に浸かっているんだ。でもね……そこに猟兵(オシゴト)が送られてくる。働きたくない完全なオフモードの時に、強制的に命懸けの仕事だ。嫌だよね。当然ブチキレて襲ってくる。こういう時の敵って本当に厄介なんだ」
例えるならば、休みの時に上司から電話が掛かってきて、休み中悪いんだけど、今から現場に行って来て。業務命令だから。じゃあ任せた。と、言われてプツンと電話切られるような感じだ。その怒りのエネルギーは、計り知れないものがある。
「んで…君たちには、そんな怒れるオブリビオンを、働きたくない…という最低なモチベで迎え撃ってもらうことになるわけだ。モチベーションの低下はパフォーマンスの低下にも繋がりかねない由々しき問題だ。ね、キツイでしょ?」
と、良い笑顔でシャチぐるみは言う。知っている人は既に知っていると思うが、この女神は普通に性格が悪い。
「ただね、この温泉によって【爆発的に増加する感情を抑え込んで耐えれば耐えるほど、君たちの戦闘力は増加する】んだ。身も蓋もない言い方すると、逆切れパワーで大逆転みたいな感じ」
言い方ぁ!というツッコミを無視して女神は続ける。
「今回のオブリビオンは、レッサーデーモンだよ。あと、拾えるお宝は、『サウナ珊瑚』だよ。水を温泉化できるアイテムだね。欠片でも1個金貨100枚の価値があるんだって。拾えるんだったら、拾っていけばいいんじゃい?」
そう言うと、パリジャードはグリモアを操作して雲のゲートを創り出す。
「ほいじゃ、いってらっしゃーい。一応、ゆっくり目に回収はするつもりだけど、あんまり遅いと、強制的に連れ戻すからね」
微妙に釘を刺しつつ、女神は、シャチぐるみのヒレを笑顔で振りながら、猟兵たちを見送るのであった。
しろべびさん
しゃちーーーっすーーしろへびさんだよー🐍。
というわけでー、戦争です。今回で30シナリオ目ですって。
今回のプレイングボーナスはこちらです。
=============================。
プレイングボーナス……「爆発的な感情」を発露させた上で、抑え込む。
=============================。
お宝はこちら…宝物「サウナ珊瑚」……水を温泉化する、成分が摩耗することもない不思議な珊瑚です。おそらくクリーンな火力発電としても利用でき、親指大のひとかけらでも、金貨100枚(100万円)程度で取引されます。
何個取れるかは、プレイングとダイス目次第です。
参考までに。
★…ネタを盛ってもOK。好きにして。
☆…アドリブましまし。でもシリアスな感じ。
〇…アドリブは多少ならばOK。
×…アドリブ少な目、プレイングに忠実に。
他の方と一緒に書かないで欲しい場合は、『ソロ』と書いて下さいませ。
それではみなさんのプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『レッサーデーモン』
|
POW : 悪魔の三叉槍
【手にした三叉槍】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 金縛りの呪言
【手で複雑な印を結んで】から【呪いの言葉】を放ち、【相手を金縛り状態にさせる事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 呪いの鎖
【投げつけた三叉槍】が命中した対象を爆破し、更に互いを【呪われた漆黒の鎖】で繋ぐ。
イラスト:純志
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
羽々・一姫
★
【仕事がしたくなくなる】?
仕事なんて、いついかなるときもしたくないわ。奴隷だもの。
どっちかっていうと、オブリビオンの気持ちのほうが解るわね。
仕事するモチベーションなんて『早く終わればサボれる』以外にないわ。
【爆発的に増加する感情を抑え込んで耐えれば耐えるほど、君たちの戦闘力は増加する】なんて、ありがたいことね。
ふだんわたしがどれだけ仕事したくないか、見せられるってものだわ。
「めんどくさいことは嫌いなの」
【血統覚醒】でさらに戦闘力をあげて、さっさと片付けるわ。
終わったら温泉、入れるんでしょ?
珊瑚は見つけたらもらっておくわ。
別に困ってるわけではないけれど、あって困るものでもなさそうだしね。
パルピ・ペルポル
★
昔、仕事の先輩がよく言ってた言葉があるのよ。
「俺は働きたくないから全力で頭使ってる」って。
つまりあまり動かずに目的を達成するために、全力で頭を働かせることにするわ。
とはいえリラックスタイムを邪魔された敵がブチ切れるのもよくわかるわ、うん。
複雑な印とか結べるのかしら。
まずは念動力で雨紡ぎの風糸を自らの周囲に張り巡らせておいて、敵の行動を阻害兼盾として使用するわ。
で、敵が近づいてきたら糸で絡めて穢れを知らぬ薔薇の蕾も投げて動きを封じたところで火事場のなんとやらを使って切り裂くわ。
働きたくないならやっぱり効率よくさっくり終わらせないとねー。
サウナ珊瑚は拾えるだけ拾って帰るわよー。
●働きたくない温泉の激闘 ~サボりたいから頑張る!~
「仕事がしたくなくなる? 仕事なんて、いついかなるときもしたくないわ。奴隷だもの」
と、ダンピールの少女が言った。彼女の名前は、羽々・一姫(gatekeeper of Tartarus・f27342)。過去に何があったかは知らないが、『メラン』という方の奴隷になっているらしい。
「どっちかっていうと、オブリビオンの気持ちのほうが解るわね。仕事するモチベーションなんて『早く終わればサボれる』以外にないわ」
そう言った彼女の目の前にあるのは、白い湯気を湛えたとても暖かそうな温泉。そこに体を入れられたならば、暖かいだろうな、気持ちがいいだろうなと彼女は思う。
今は季節が春から夏に替わる時期で日中はかなり暖かい所も多い。だが、群竜大陸は浮遊大陸だ。高高度にあるため、その分気温が低い。つまりは寒いのだ。例えここが、『サウナ珊瑚』のある温泉地帯だろうと、寒いものは寒い。
ああ、仕事したくない。早く終わらせてサボりたいと切に願う彼女の隣に、女妖精が声をかけた。
「昔、仕事の先輩がよく言ってた言葉があるのよ。『俺は働きたくないから全力で頭使ってる』って」
そう声を掛けたのは、パルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)だ。一姫の言葉から、仕事の先輩を思い出したのだろうか。その口調はどこか懐かし気だ。
「つまりあまり動かずに目的を達成するために、全力で頭を働かせることにするわ」
「それは素晴らしい考えですね。私もその先輩と仲良くできそうです」
と、楽をしたい猟兵達が意気投合しかけた時だった。
「「「ああああああ!!!働きたくねええええ!!!死ねえええええ!!!!」」」
と、絶叫を上げて下級悪魔の群れが、漆黒の翼を広げてやって来た。先程まで温泉に浸かっていたのだろう。全身から湯気を立ち昇らせながら、血走った目で猟兵達に迫る。
働きたくないと言いながらも武器を構えてやってくる下級悪魔たち。それにはある悲しい理由があった。
「ああああ!!もっと休みたいのにいいいい!!」
「体が勝手にいいいい!!畜生!!契約に縛られた自分が憎いいいいい!!」
「俺達の休みを!癒しを返せええええ!!!」
そう、契約に縛られているのだ。故に下級悪魔たちは、冷静と情熱の珊瑚礁に侵入した存在を皆殺しにしなければならない。例えどんなに休みたくても……サボりたくても……。契約社会の歯車は、回り続けるしかないのだ。
そんな悲哀にあふれた下級悪魔たちを猟兵達は迎え撃つ。
●戦闘
「とはいえリラックスタイムを邪魔された敵がブチ切れるのもよくわかるわ、うん。複雑な印とか結べるのかしら」
血涙を流しながら襲い掛かって来る下級悪魔の姿を見たパルピは、素直な感想を述べる。下級悪魔は、どこからどう見てもブチギレている。冷静さなんて欠片もないだろう。
しかし、そんな悪魔を見ても一姫はブレない。
「爆発的に増加する感情を抑え込んで耐えれば耐えるほど、君たちの戦闘力は増加するなんて、ありがたいことね。ふだんわたしがどれだけ仕事したくないか、見せられるってものだわ」
と、それは張り合う所なの?とツッコミを入れたくなるようなことを平然と言ってのける。間違っても胸を張って言う事ではないと思うが、それも彼女らしさかもしれない。
「「「うっせえええ!!死ねえええええええ!!!」」」
2人の猟兵に向けて、絶叫を上げて悪魔が迫る。黒い翼を羽搏かせ、空中から三叉槍を繰り出そうと、一度助走をつけてからよーく狙いをつけてから急降下を仕掛ける。早く終わらせて温泉に入りたいという願いからの、攻撃力を重視した一撃だった。
「「「なん・・・だとぉ!?」」」
だが、その攻撃は、パルピの念動力で張り巡らされた雨紡ぎの風糸によって絡めとられることとなった。
「働きたくないならやっぱり効率よくさっくり終わらせないとねー」
穢れを知らぬ薔薇の蕾を念動力で敵に放り投げながら、パルピは言った。放り投げられた白い薔薇の蕾は茨を伸ばし相手を拘束すると、その血を吸い取って真っ赤な花を咲かせた。
「ええ、同感ね。めんどくさいことは嫌いなの」
「じゃあ、やるわよー」
ユーべルコード【血統覚醒】により赤い瞳のヴァンパイアと化した一姫の鎌が悪魔の首を次々と刈り取り、ユーべルコード【火事場のなんとやら】で怪力乱神と化したパルピの振るうリュンクスが、悪魔たちを一刀両断に切り裂いた。
「「あああああああ!!せっかくの楽園が…!!畜生おおおお!!!」」
彼女たちに切り裂かれたオブリビオンは、温泉への未練を断末魔として叫ぶと、そのまま骸の海へと消えていった。きっと次に呼び出されても酷使されるのだろう。
●温泉
戦闘を終えた一姫とパルピは温泉に入ることにした。もう仕事をしたくないという衝動に抗わなくていい。ゆっくりと湯船につかりながら、時間いっぱいまでサボればいいだろう。
ここの宝である『温泉珊瑚』は簡単に見つかった。先程の戦闘の中で折れたものが湯船の中に浮いている。これならば勝手に持って帰っても誰にも文句は言われないだろう。
2人の猟兵は、女神による強制送還が行われるまで、ゆっくりと温泉を味わうことにした。
●リザルト
・下級悪魔の群れを倒した!
・『温泉珊瑚』を13個ずつ拾った!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ベール・ヌイ
「怠惰の悪魔の名を借りてる身として、ここは死守しなければ」
怠惰的感情が呼ぶ起こせるときいて喜ぶヌイです
つかれば自分も怠惰になる…が
まってほしい、怠惰に誘うということは、自分が怠惰になってはいけない
相手に怠惰にさせる空間を整えて、だらけさせる。それが怠惰に誘うということ
つまりこの状況だとそれはできない。許されない
「そもそも、デーモンがいる所で怠惰できるわけがない」
【ベルフェゴールの矢】を起動、デーモンたちに連続で刺していきます
怠惰のまま、怠惰の悪魔の名の元に永遠の怠惰に落ちるが良い
アドリブ協力など歓迎です
宮落・ライア
★
働きたくない……つまり呪縛だな?(ぇ
まぁ動きたくないのを無理やり動かしてるのだし、
ちゃんと働きたくない感情は抑えてる。うん。
【止まる事なかれ】
というかさぁ!
猟兵さん毒沼いったり茸群生地いったりデッカイ蟹の住処行ったりしてる
間、お前ら温泉浸かってたわけぇ!?
ギルティ!
と言うか戦争中は避けろよ!サボりだぞ!
怒ってる?うるせぇ!
濡れた手のまま槍もって手を滑らせちまえ!
その間にこっちはボディブロー叩き込むから!
クシナ・イリオム
★
…あー…働きたくない…
というか私働きすぎじゃない?
怪しい団体に拉致されて、暗殺者として働かされて、
開放されたと思ったら結局食い扶持がないから今度は猟兵暗殺者
UDCアースなら人権団体が動くよ?うん
あー…レッサーデーモンが来た…
そっちも大変だなぁ…なんか親近感湧く…
でもね、今の私はあんたらや昔所属してた暗殺教団と違って…『給料が出る』…!
命令のない自由裁量制で現物支給もあり…!
魔力霊身変化で姿を消して、敵が帰り始めたところで【暗殺】
私が定時と決めたから、敵には躯の海へお帰り願おう
…温泉関係なく、私は常に働きたくないけど、働かないと食い扶持がないんだよ…
カグラ・ルーラー
★
「いやーかったりィな。正直ここまで効くとは思ってなかったわ。帰るかいっそ」
そんなテンションで、レッサーデーモンの温泉に出くわすわけだろ?
「おうおうこれはこれは大勢で。湯加減どんなモンなんだ?」
ってな感じで温泉入ろうとするよな当然。
そしたら三叉槍が飛んで来るよな当然。
流石に反射的に手とかで急所を庇うよな当然。
痛ェし血ィ出るよな当然。
「クソかったりィけどよ、やっぱこの痛みと血ィ流すってのは滾るよなァ!」
ユーベルコード「ブラッド・アリス・アクセント・オウガ・ゴースト」で消し炭になるまでボコるしかねェよな当然!
なお、俺はその間に温泉に浸かる。かったりィし当然。殺っといてー。
蛇塚・レモン
★
不労所得っていい響きだよね……
(※すっかり毒されている)
しかも周りはお宝の珊瑚の山
これ持ち帰れば向こう数ヶ月は安泰だよね~っ?
あー、でもめっちゃおこのオブリビオンがくるじゃーん
いやオフモードに攻め込んできたのは悪かったけど~
こっちもこっちで事情があるんだから、
そこまでキレることないよねっ!?
(逆ギレで感情を抑え込み、強制労働モードへ)
あーもーっ! あたいも怒ったよっ!
蛇神様、あたいと一緒に踊って、あいつらぶっ飛ばすよっ!
神楽舞で振るわれる蛇腹剣と鋒先神楽鈴の刃から衝撃波を乱れ打ち!
空中浮遊からの空中戦
上空から念動力属性の不可視の爆撃の範囲攻撃を敵の群れに叩き込むよっ!
あとは珊瑚を回収だねっ♪
●仕事したくない温泉の下級悪魔たち
「ああ~。マジだりぃ…。っつかヤバくねぇ…この温泉」
「「「パネエ!!マジパネェ!!」」」
「ああ、凄く気持ちのいい温泉だな。というかだな、何なのだ、その言葉遣いは…」
「別にいいだろ。口調なんて」
「お前真面目過ぎんべ」
「だがなぁ…我ら悪魔としての矜持がなぁ…」
温泉に下級悪魔が浸かっていた。全部で数は10数体。ほとんどの悪魔は完全にだるだるモードであったが、1体だけ非常に堅苦しい口調で生真面目そうなやつがいた。恐らくは、現場のリーダーらしき存在だろう。
彼らは、帝竜によって召喚され、この温泉地帯を守るようにと指示を受けた悪魔たちだ。日々、召喚者たちによって召喚され、酷使される弱い立場の下級悪魔たち。そんな彼らにとって、この仕事したくない温泉の魔力は抗いがたいものであった。
何せ、生真面目そうな口調の悪魔でさえも肩まで浸かっているのだ。なんて恐ろしいのだろうか、仕事したくない温泉。
「ああ~溶ける~。まじで溶ける~。もうプリンにでもなっちゃいたいわ~」
「あああああ。働きたくないいいいい!!」
と、だらりと体を横にして温泉に体を預ける悪魔たち。だが、そんな悪魔たちを現実に引き戻すようにビー!ビー!という警告音が流れた。
「おい、何だよ。この音!」
「ああ、我が設置しておいた侵入者探知用の魔法陣だ」
「魔法陣だ!じゃねえよボケぇ!どうすんだよ!仕事かよ!!働きたくねえよ、糞が!」
「働きたくないでござる。働きたくないでござる。働きたくないでござる……」
「「「「「Booooo!!!Boooooo!!!!」」」」
温泉に浸かっていた悪魔たちは降ってわいてきた仕事に大ブーイングだ。このままでは、ストライキにも繋がりかねない由々しき事態だ。
下級悪魔たちのブーイングに耐える現場リーダー。彼らの辛い気持ちは分かる。だから耐えろ…耐えろ…耐え…。
「五月蠅い馬鹿ども!我だって働きたくないわ!でも仕方ないであろう。我ら悪魔は契約によって縛られていて逆らうことができんのだから!!」
耐えられなかった。彼もストレスが溜まっていたのだ。本音を言うならもう猟兵なんて素通りさせて、温泉に浸かってバックレたかった。
でも…契約がそうはさせてくれないのだ。体が勝手に動くのだ。悪魔というのは契約に縛られる。それに例外はない。そして下級悪魔には労組も集団行動権もない。まさに超絶ブラックなのだ。地獄だけにね。
「「「アアアアアア!!!!仕事したくねえええ!!誰だ来た奴!!ぶっ殺す!!!」」」
怨嗟の声を上げながら悪魔たちは翼を羽搏かせ、三叉槍を手に飛んで行った。その姿には、休日に上司に呼び出された黒い企業戦士のような悲哀さが感じられた…ほろり。
●グリモア猟兵@仕事したくない 女湯編
「…あー…働きたくない…というか私働きすぎじゃない?」
クシナ・イリオム(元・イリオム教団9班第4暗殺妖精・f00920)は、仕事に疲れてスーパー銭湯で黄昏るOLのような声を上げた。14歳のフェアリーとは思えないような草臥れっぷりだ。一体彼女に何があったんだろうか。
「怪しい団体に拉致されて、暗殺者として働かされて、開放されたと思ったら結局食い扶持がないから今度は猟兵暗殺者。UDCアースなら人権団体が動くよ?うん」
と、湯船に足を漬けながらクシナが言った。足元から伝わる温泉の暖かさが心地よく、就労意欲がみるみるうちに削がれていく。…あーなんだか眠くなってきたー…。
「そっか、大変だったんだね。ところでさ、不労所得っていい響きだよね……」
と、蛇塚・レモン(白き蛇神オロチヒメの黄金に輝く愛娘・f05152)19歳が言った。未来ある19歳の少女に何が起これば、老後を見据えてマンションを買う引退間際の会社員のような事を言わせるのだろうか。何?疲れているの?報告書とか報告書で…。
「しかも周りはお宝の珊瑚の山。これ持ち帰れば向こう数ヶ月は安泰だよね~っ?」
「…あー」
周囲にあるカラフルなサウナ珊瑚を見ながら言うレモンに対して、温泉でぐったりモードのクシナは、生返事を返す。こやつ、このまま寝るんじゃなかろうな。
「いやーかったりィな。正直ここまで効くとは思ってなかったわ。帰るかいっそ」
と、3人目のグリモア猟兵のカグラ・ルーラー(バーバリス・f21754)。いや、まだ何もしてないから帰っちゃダメだからね。因みに彼女は足をお湯につけ、手を後ろにつきながらだるそうに空を見上げている。ああ、ダメだ。このままじゃこの子も寝そうだ。
因みにさっきから侵入者を感知した魔法陣が警報を発しているぞ。悪魔が来るぞー!起きて―!現実に帰ってきてー!ぼーっとしていないでー!起きて―!
ブチキレた悪魔が襲ってくるまであと5分くらい。果たして彼女たちは起きていられるのだろうか。
●ベールヌイは堕落させたい&人一倍元気な娘
グリモア猟兵3人娘が盛大にぐだっている横では2人の少女が話をしていた。
「怠惰の悪魔の名を借りてる身として、ここは死守しなければ」
と、ベール・ヌイ(桃から産まれぬ狐姫・f07989)が何故か嬉しそうな口調で言った。どうやら怠惰的な感情が呼び起こせると聞いて喜んでいるらしい。何だろう…人を甘やかして堕落させたいとかそういう欲求があるのだろうか。最近の12歳の子って進んでるね。
「おー…やる気一杯だな!」
宮落・ライア(ノゾム者・f05053)が元気な声で言う。キマイラのバーバリアンである彼女は、人一倍体力が有り余っているのだろう。仕事しない温泉の魔力に晒されていても、それなりにしっかりと意識を保てている。
「うん。やる気一杯。この温泉はつかれば自分も怠惰になる…が、まってほしい」
「うん??」
謎のスイッチが入ってしまったらしいヌイを見て、ライアが首を傾げる。ライアの頭上には青い疑問符が複数浮かんでいるように見える。
「怠惰に誘うということは、自分が怠惰になってはいけない。相手に怠惰にさせる空間を整えて、だらけさせる。それが怠惰に誘うということ。つまりこの状況だとそれはできない。許されない」
「なるほど!」
ブツブツと早口で説明するヌイに対してライアはなるほどと元気に返事。うん。間違いなく分かってないよね、キミ。まあこの手の悪魔の価値観、或いは美学については、それと深く関係するものでないと共感は得られない所があるので仕方ない所ではあるのだが。
「そもそも、デーモンがいる所で怠惰できるわけがない」
「うむ!そうだな!」
今度はバッチリ伝わった。ベストコミュニケーション!ヌイの吐いたド正論については、誰が聞いてもその通りとしか言いようがない。うん。寝そうな人たちは聞いていたのだろうか…。……聞いていませんね。
●猟兵達と悪魔
そんなこんなで時間がたち、空の向こうから三叉槍を持った悪魔の群れが現れる。
「「「「「うおおおおおおお!!!働きたくねええええええ!!!!!!」」」」
と、怨嗟の声を上げ、猟兵たちを囲うように降り立つ。働きたくねえと叫んでも、仕事はなくならない。諦めて働けばいいのに。
「あー…レッサーデーモンが来た…そっちも大変だなぁ…なんか親近感湧く…」
「あー、でもめっちゃおこのオブリビオンがくるじゃーん。いやオフモードに攻め込んできたのは悪かったけど~」
足湯をぱちゃぱちゃとさせながらとても眠たそうな口調でクシナとレモンが言う。オブリビオンが来るまでに寝なかったんだね。偉い!
「あああああああ!!こいつらまったりしてやがるうう!!!許せねえええ!!」
「「「「ふざけんなああああ!!!休みを返せえええええ!!!!」」」
下級悪魔のうちの1体が汚い高音を上げると、追従して他の悪魔が大ブーイングだ。まあ気持ちは分からないでもないが、やることが何ていうかみみっちい。
そんな悪魔たちに対して猟兵たちも反撃?する。
「こっちもこっちで事情があるんだから、そこまでキレることないよねっ!?」
まずはレモンが逆ギレ気味に食って掛かり……。
「というかさぁ!猟兵さん毒沼いったり茸群生地いったりデッカイ蟹の住処行ったりしてる間、お前ら温泉浸かってたわけぇ!?ギルティ!と言うか戦争中は避けろよ!サボりだぞ!」
ライアが悪魔側のサボりの事実を指摘する。悪魔たちの体は濡れ、湯気が立ち昇っている。言い逃れはできないだろう。だが、知ったことかと悪魔たちも反論する。
「そっちもサボっていただろ!糞デカいブーメラン投げてるんじゃねーぞ!ボケェ!」
「「「「そーだ!そーだ!ぶっ殺すぞー!!バーカバーカ!」」」」
「「俺達は怒っているんだからなあああ!!!」」
小学生の悪口レベルの罵詈雑言が猟兵達を襲う。対する猟兵達はというと…。
なんと、このタイミングで眼が覚めたのか、今まで静かだったカグラが動き出す。
「おうおうこれはこれは大勢で。湯加減どんなモンなんだ?」
と、カグラは集まった悪魔たちに言うと、他の猟兵達より前に出て、肩まで温泉に浸かる。
これは悪魔にとってはこの上ない屈辱であり、挑発行為であった。
「貴様ぁ!よくも…よくも我等の前でええええええ!!!」
挑発に乗った生真面目そうな口調の悪魔が三叉槍を振るう。ざくり…とカグラの右腕の一部を槍の先端が引っ掻き、鮮血が舞う。
「チッ!体を捩じって急所を外しおったか」
「クソかったりィけどよ、やっぱこの痛みと血ィ流すってのは滾るよなァ!」
血が流れ出る右腕を左手で押さえながら、オウガブラッドの少女は楽しそうに嗤う。流れる血が、痛みが、彼女に生の実感と充足感を齎す。
「血ィ流すってのは最高だ!今を生きている証拠だ!血が燃え滾るぜ!これだから潰しはやめらんねェ!燃え尽きるまで殺って来いコラァ!」
どくどくと、カグラの腕から流れ出る血液が集い、オウガの形を成す。“ソレ”は彼女の血に宿るモノ。少女の命である血液を燃やし、紅蓮の炎を操るオウガだ。
「そ、それがどうしたああああ!!!!悪魔を舐めるなあああ!!!」
「消し炭になるまでボコるしかねェよなぁ当然!」
三叉槍を操る下級悪魔と紅蓮の炎を操る血のオウガがぶつかり合い、戦闘の火ぶたが切って落とされた。
●珊瑚温泉の決闘
「あーもーっ!あたいも怒ったよっ!蛇神様、あたいと一緒に踊って、あいつらぶっ飛ばすよっ!」
と、蛇腹剣クサナギと白蛇神の鋒先神楽鈴を抜いたレモンが叫ぶ。一緒に来た自分よりも小さな子どもが血を流しているのだ。それで怒らない人ではない。そしてその怒りが、仕事をしたくないという怠惰な気持ちを吹き飛ばす。
リィィン…という神楽鈴の凛とした音が響く。その音に合わせてレモンが舞う。すると、白蛇の神が降臨したのだろう。黄金の霊波動が彼女の身に宿り、背後に鎌首をもたげた、白い大きな蛇の霊体が浮かぶ。
「「何が蛇神様だ!こちとら悪魔様じゃい!!!」」
「「うおりゃあああああ!!!」」
舞を続けるレモンに向けて、下級悪魔たちが三叉槍を投げつける。風を斬って飛翔するは呪いの槍。命中した相手を爆破して漆黒の呪いの鎖で繋ぐという。
だが、それも当たらなければ意味がない。
「その程度っ!」
「「なんだとぉ!」」
蛇腹剣クサナギと鋒先神楽鈴の刃先から生じた衝撃波が、四方八方から放り投げられる呪いの槍を悉く叩き落とす。
「さあ、これでトドメだよっ!」
「「「「ぎゃあああああああああ!!!」」」」
そして念動力で空を飛ぶと、上空からの不可視の念動力の爆撃を下級悪魔たちにお見舞いした。
「はあ…はあ…はあ…糞っ。冗談じゃねえぞ」
「糞っ。なんだあの範囲爆撃、ふざけんな」
「もう嫌だ。帰ろう……帰ってもう一度温泉に…」
レモンの念動力爆撃から何とか逃れた悪魔たちは、肩で息をしながら悪態をつく。体中が猟兵達の攻撃でボロボロだった。もう嫌だ、帰ろう、義理は果たしたと仕事をしたくない理由が頭の中にグルグルと浮かぶ。心が弱くなったことで再び仕事をしたくない温泉の魔力に囚われ始めたのだ。
「今の私はあんたらや昔所属してた暗殺教団と違って…『給料が出る』…!命令のない自由裁量制で現物支給もあり…!」
そんな彼らに死神の手が迫る。ユーべルコード【暗殺技能・魔力霊身変化】で姿を消していたクシナだ。彼女は、銀色の籠手、竜の鱗から竜の牙を伸ばすと音も姿もなく、下級悪魔たちに迫る。
「ん。今、何か言ったの‥‥がはっ!?」
「おい…どうし‥‥ぐっ!?」
「…な、なんだこれ…」
竜の牙によってつけられた傷から、魔力が流し込まれ、下級悪魔たちが絶命する。
「私が定時と決めたから、敵には躯の海へお帰り願おう」
と、光の粒子になって骸の海へと消えていく山羊頭の下級悪魔を見ながらクシナが言う。そして、再び【暗殺技能・魔力霊身変化】で姿を消す。
「…温泉関係なく、私は常に働きたくないけど、働かないと食い扶持がないんだよ…」
と、嘆きながら次なる獲物の元へとひっそりと息を潜めながら向かうのであった。
カメラを切り替えてヌイとライアの描写へと移る。
(働きたくない……つまり呪縛だな?まぁ動きたくないのを無理やり動かしてるのだし、ちゃんと働きたくない感情は抑えてる。うん)
ライアは頭の中でユーべルコードの発動条件を確認していた。UC【止まる事無かれ】は、呪縛を強毒・強出血にすることで自分を【縛られることなどできぬ者】へと変身させるものだ。今回の依頼における温泉の効果も勿論、呪縛だ。誰もが心の中にもつ嫌なこと、辛いことから逃げたいと思う気持ちを無理矢理増幅させて、前と進むのを阻み、居心地のいい所に縛りつける呪い。例えるならば、北風と太陽という寓話の太陽のような呪縛。
「動け。動け! 動けっ!!」
楽な方に流されたいと思う気持ちが毒になる。毒なってライアを蝕み激痛を与える。体にかかる負担は大きく、寿命も縮まるだろう。だが、これによって彼女は【縛られることなどできぬ者】へと変身を果たす。
「大丈夫?」
「大丈夫!」
ヌイの心配するような声掛けに対してライアは大丈夫と応える。ライアの視線の先には、グルグルと三叉槍を頭の上で回す下級悪魔たち。どいつもこいつも、目を血走しらせながら、激昂している。だが、そんなこと彼女の知ったことではない。
「「「久々の休みと癒しを台無しにされた俺達の恨みと怒りを思い知れええ!!!」」」
「怒ってる?うるせぇ!」
ライアが地を駆け、高速で敵へと肉迫し、迎え撃つ悪魔は頭上で回転させていた三叉槍を振り下ろし、串刺しにすることで撃退を狙う。遠心力の力で加速させたことで強化された槍の穂先の威力は凄まじい。だが、それも当たれば……の話だ。
「勇気も怒気も復讐心も全てを亡くす。これはベルフェゴールより承りし怠惰に至りる矢」
ライアを援護するようにヌイが魔法の矢を放つ。この矢は七つの大罪「怠惰」の悪魔、ベルフェゴールによって、彼女に与えられた矢だ。この矢に当たると原動力となる全ての感情が0となる。
「あ…俺…何を…?」
「濡れた手のまま槍もって手を滑らせちまえ!」
ベルフェゴールの矢によって怒りの感情が0になった下級悪魔の手から、三叉槍がすっぽ抜ける。急激に怒りが失われたことによって、変に力が抜けてしまったのだ。するっとすっぽ抜けた三叉槍は、ぼーっとしていた別の下級悪魔へと突き刺さる。大惨事だ。
その隙を狙って、ライアは容赦なくラッシュを仕掛ける。ボディブローで体が曲がった相手に容赦なく膝が叩きこまれた。ベルフェゴールの矢によって怒りを消され、温泉の齎す怠惰の力に飲まれた下級悪魔は、最早サンドバッグと変わらない。
「怠惰のまま、怠惰の悪魔の名の元に永遠の怠惰に落ちるが良い」
「このまま全部片づけるぞ!」
高い前衛の適正を持ち、優れた身体能力を駆使して戦うライアを、強力なデバフ効果を齎す魔法の矢を放つ後衛のヌイが支援する。2人のコンビネーションにより、下級悪魔たちは、次々と数を減らしていった。
「ば…馬鹿な。我等が全滅する…だと」
味方のほとんどを紅蓮の炎を操るオウガによって灰にされたリーダー下級悪魔が呟く。何故、どうして…こんな…こんな奴に…と、怒りの感情が燃え盛る。
視線の先に居るのは、赤い髪のオウガブラッドの少女。
「俺はその間に温泉に浸かる。かったりィし当然。殺っといてー」
と、言った後、戦闘は全て召喚したオウガに任せて、彼女自身は、先ほどからずっと、気持ちよさそうに温泉に入ってサボっている。
「羨ましいし恨めしい。糞、糞が!!」
せめて、せめてこいつだけは殺さないと気が済まないと三叉槍を手にした悪魔が駆ける。だが、それを遮るように血のオウガが立ちふさがると、紅蓮の炎を宿した拳のラッシュを繰り出した。
「…無念!ああ…ああ…我等の休日…!温泉…バカンス‥‥!」
恨めしそうに温泉に入ったままのカグラを睨みつけながら、最後の下級悪魔は灰となり、骸の海へと消えていったのであった。
●女子会!
「あとは珊瑚を回収だねっ♪」
と、言って水着となったレモンが温泉の中に入っていく。温泉の中には色とりどりのサウナ珊瑚が生えている。中には悪魔との戦いで折れて水に浮かんでいるものもある。温泉に潜っている間に休みたいなぁ…ってなったら危険なので、折れて浮かんでいるのを回収した方が無難かもしれない。
「おにぎり作ってきた」
「「「おおー!」」」
また、温泉ではなぜかヌイによるおもてなしが始まっていた。どうやら先程まではデーモンがいることで出来なかった怠惰へと誘うことを実行するつもりらしい。
猟兵たちは、温泉で暖まりつつ、ヌイのおもてなしを受けながら、日々の疲れを癒していく。そしてこの温泉地帯での女子会は、女神によって強制回収されるまで続いたそうな。
●リザルト
・猟兵たちは、下級悪魔を倒して道を拓きました。
・女子会をしました。
・猟兵たちは、サウナ珊瑚を計60個拾いました。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
メラン・ネメシス
★
仕事がしたくなくなるやなんて……勤勉なウチ的にはアカン話やなァ…
あ~、でもほんま。何もやる気でぇへんわぁ……
のんびり温泉に浸かって休んでてもいいんちゃう…?
けどま、ウチは働きたくない
せやけど仕事はせなアカン
ほんならやる事は決まってるやろ?
人に働かせるんや(きっぱり
【うちの奴隷君】出ませい!
うん、せっかくの温泉なんやしな、出てくる面々も、褌一丁のテルマエスタイルで鈍器持った奴隷君たちでどやろか?
暑っ苦しいほどの筋肉ムキムキな連中がボコスカデーモン殴ってるの見ながら、うちはのんびり温泉でサボるで
あ、お宝の珊瑚はできるだけ回収していこな
働きたくないけど、お宝集めは趣味やさかい
趣味は別腹やろ?
●仕事したくない温泉の戦い 勤勉な商人(闇)
「仕事がしたくなくなるやなんて……勤勉なウチ的にはアカン話やなァ…」
と、メラン・ネメシス(ダークネス・トレーダー・f27087)が関西弁で呟いた。うん?メラン?最近どこかで聞いた気が…。そう言えば「仕事のモチベが早くサボれること」と言っていたダンピールを先ほど案内したような気がする。彼女は…有言実行で、先に仕事を終わらせて、サボっているね。
「あ~、でもほんま。何もやる気でぇへんわぁ……のんびり温泉に浸かって休んでてもいいんちゃう…?」
軽く欠伸をしながら、つま先で温泉のお湯を弄ぶ。温度は丁度いいくらいだ。このままゆっくりと温泉に浸かって休んでいたいと、思う気持ちが沸々と沸きあがる。
だが、そうは問屋が卸さないと、ばさり、ばさりと黒翼を広げて下級悪魔の群れがやってくる。
「ぁああああ!!こんな所にまで入り込んでいやがったか!!」
「漸く見つけたぞおおおお!!!」
「何人入り込んでいるんだ…ここに…。ああもう仕事したくねえ‥‥」
三叉槍の先端を突き付けながら、下級悪魔たちが口々を開く。誰も彼もが仕事したくない温泉の魔力に当てられて、仕事したくなくてキレているか、ウンザリしながら働らいているといった様子だ。
「けどま、ウチは働きたくない。せやけど仕事はせなアカン。ほんならやる事は決まってるやろ?人に働かせるんや」
きっぱりと言い切ったメランはユーべルコードを発動する。
「ウチの奴隷君、出ませい!さぁさ、払ったお金の分くらいは、ちゃ~んとご主人サマの役に立つんやで~?」
『『『イエス!!マム!!』』』
その言葉と共に彼女が呼び出したのは、牢馬車に乗った褌一丁で鈍器を持った屈強な男たちだった。
「おげえええええ!!!何か出たああああ!!!」
「絵面…絵面が暑苦しい!!!」
「ああああ!!!ただでさえ少ない労働意欲があああああ!!」
「帰りたい…」
召喚された奴隷たちを見た下級悪魔たちは阿鼻叫喚の様相を呈していた。働きたくない温泉の効果で元々低かった勤労意欲が、ゴリゴリと筋骨隆々なマッチョマンの大群によって削がれていく。
「うん、せっかくの温泉なんやしな、出てくる面々も、褌一丁のテルマエスタイルで鈍器持った奴隷君や。ええやろ?」
「よくねええええ!!!」
「嫌だああああ!!!」
「チェンジ!!チェンジを要求する!」
「嫌や」
メランの言葉に断固抗議する下級悪魔の群れ。だが、無情にも却下。一度召喚したものを送還して再召喚するなんて面倒なことは、誰だってしないだろう。
「それじゃあ、ウチは温泉入って休むから、悪魔たちは倒しとってな~」
『『『お任せあれ』』』
メランは手をひらひらとさせながら、奴隷たちに指示を出すと温泉に入るための準備を始めた。
『『『では、やりましょうか!!』』』
「くっそおお!!絶対に負けねえぞ!あのマッチョども倒してあの女に一泡吹かせてやる」
「死因マッチョは嫌だあああ!!!くっそおお!!働きたくねえええ!!」
「ああ…もう…帰りたい。帰って温泉に…」
「くそ、契約に、契約にさえ縛られてなければああああ!!」
三叉槍の契約に縛られた奴隷vs筋骨隆々のマッチョマンな奴隷の奴隷対決が始まった。サウナ珊瑚によって暖められた温泉によって湯気が立ち昇る中で、キラキラと汗が飛び散る中での近接戦は中々の見応えがあった。
メランは、異種格闘技戦の試合を観戦するようなノリで、暑っ苦しいほどの筋肉ムキムキな連中がボコスカデーモン殴ってるの見ながら、のんびり温泉とサボっていた。
●エピローグ
下級悪魔の群れvs褌一丁のテルマエ奴隷軍団の戦いは、テルマエ軍団の勝利に終わった。下級悪魔の群れの敗因は恐らくモチベーションの低下だろう。テルマエ奴隷軍団のビジュアルの暴力にかなり精神的なダメージを受けていたようだ。
そして温泉にゆっくりと浸かりながら、悪魔vs奴隷の戦いを観戦していたメランは、奴隷たちに次なる指令を下した。
「あ、お宝の珊瑚はできるだけ回収していこな。働きたくないけど、お宝集めは趣味やさかい。趣味は別腹やろ?」
『『了解しました』』
メランの指示に従った褌一丁のテルマエ奴隷たちが、温泉の中に入り、サウナ珊瑚を回収していった。
奴隷たちの懸命な探索によって、サウナ珊瑚はそれなりの数が集まったそうな。
●リザルト
・メランはサウナ珊瑚を19個手に入れた。
・メランは、下級悪魔たちを全滅させて次の戦場への道を拓きました。
大成功
🔵🔵🔵
護堂・結城
☆
あぁ極楽…仕事したくないが、敵がいたらゆっくりできん…
まぁ感情が爆発的に増幅する戦場は相性がいいし、少しだけ、すこぉしだけ頑張ろう…
温泉を楽しむ邪魔をする奴…殺すべし
【POW】
戦闘開始と同時に【水上歩行】
氷牙を刀に変化させ【怪力・なぎ払い】で牽制
【歌唱・大声】に【生命力吸収】をのせて戦場に溢れた感情を喰らう【大食い・範囲攻撃】
自身の働きたくない衝動をメインに、敵からは加減して吸収だ
「――頭を垂れよ、死はお前の名を呼んでいる」
指定UCを発動、【焼却・属性攻撃】をのせた白き劫火の剣群を召喚
剣群を投げ込んでは炸裂させて【爆撃・衝撃波】で攻撃だ
「温泉の効果でも、邪魔されて気分いいわけねぇわなぁ!?」
ナイ・デス
★(注:男の子)
アポカリプスヘルに、持っていきたくなるお宝、ですね
ひろうか、にゃーあー……働きたく、ない、です
お仕事、やーですーにゃー。ふにゃん
……ん?働きたくない、ですが。働くって……私のお仕事、なんでしょう?
遊ぶ、こと……!?(温泉泳いでた足をとめる子供)
私は……何もしたくないぶくぶくぶくぶく
息できない苦しさとか敵攻撃の痛みで正気に
【激痛耐性継戦能力】どれだけ致命傷でも本体無事なら再生種族。平気
沈んではいられない、です……!
全て片付けて、何かしなきゃーと頭の片隅に置いて意識し続けてたりもしなくていい状態で、ゆっくりするのが、至福!
今は、殲滅です!
ぴかー!(加減無し生命力吸収で消滅までさせる
ヴィクトル・サリヴァン
★
働きたくないでござる、楽したいでござる。
…そーいう気分になる事も生きてりゃあるよねー。
でも頑張るしかないか、うん。
あ、お土産に珊瑚採って帰りたいね!
そんな訳でモチベ最低だけれどそれを抑え込む。
具体的には魔術の研鑽、UCの制御を頑張って練習する事に集中。
魔術というのは本来できないことをしたり楽をする為のもの。
より上手く制御できればもっと多く楽に、働かないでいられる場面も増える。
ほらあそこの三叉槍とかいい感じに雷落とす練習に丁度良さそうじゃない?
雲と雷合成して狙った所(敵)に落とす練習、それを後で楽するというモチベでやる気ないの抑え込みつつ練習続ける。
どかーんどかーんと。
※アドリブ絡み等お任せ
●俗・働きたくない温泉の悪魔たち
「あああああ~。疲れた体に温泉が染みるわぁ…」
「おお…地獄の神よ。まさか仕事場に温泉があるとは‥‥」
「来るなよ…来るな…。マジで来るな…。働きたくないでござる。働きたくない…」
色とりどりの珊瑚が生えている温泉で山羊頭の怪物たちがサボタージュをしていた。暖かい湯船に肩まで浸して、日々の疲れを癒している。
彼らは、帝竜によってこの冷静と情熱の珊瑚礁に召喚された下級悪魔である。魔術によって呼び出され、契約によって行動が制御でき、数が揃う。緊急時の数合わせや防衛と言った時に、便利な駒として呼び出されることが多い。そのため、休みが不定期で激務という非常にブラック仕様な状態で働かされていた。
そんな彼らにとって、この働きたくない温泉は効果抜群であった。楽園だった。だが…それもすぐに終わりを告げた。
ビー!ビー!ビー!
侵入者を告げる警報がなる。仕事の時間だ!おら、契約分は働けぇ!この下っ端ぁ!と追い立てるように警報音が悪魔たちの頭の中に鳴り響く。
「ぁああああ!来やがったアア!!嫌あああああ!!!どこのどいつだあああ!!」
「やだあああ!!!仕事嫌だあああああああ!!!」
「働きたくないでござる!働きたくないでござる!!うわあああああ!!!」
どんなに拒んでも悪魔たちは契約からは逃れられない。
山羊頭の悪魔たちは三叉槍を手に、目を怒りで血走らせながら、空を駆ける。一刻も早く仕事を終わらせて、温泉タイムを楽しむために。
●働きたくない温泉 ―男子チーム―
「あぁ極楽…仕事したくないが、敵がいたらゆっくりできん…。まぁ感情が爆発的に増幅する戦場は相性がいいし、少しだけ、すこぉしだけ頑張ろう…」
と、護堂・結城(雪見九尾・f00944)が、今にも寝ちゃいそうな口調で言った。余程温泉が気持ちいいのか、それともこから一体の温泉が齎す働きたくない気持ちを増幅させる効果の所為なのか、或いは両方か。どっぷりと肩まで浸かりってのリラックスモードだ。可変型ドラゴンアームズの氷牙も湯船に浸かってぐでーっとしている。
「働きたくないでござる、楽したいでござる。…そーいう気分になる事も生きてりゃあるよねー。でも頑張るしかないか、うん」
と、働きたくない温泉に浸かりながらも、しゃっきりとしているのは、シャチのキマイラのヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)。精霊術師でもある彼は、魔術のことを考えることで、働きたくないという気持ちに耐えているようだった。
因みに彼が、戦闘前にも拘わらず温泉に入っているのは、3人目の猟兵が原因である。
「アポカリプスヘルに、持っていきたくなるお宝、ですね。ひろうか、にゃーあー……働きたく、ない、です。お仕事、やーですーにゃー。ふにゃん」
11歳の小さな子どもの姿のヤドリガミ、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)が温泉の中をバタ足で泳いでいた。小さな子どもが泳ぐ時は、安全確保のためにも大人が見ている必要がある。しかも、ここはサウナ珊瑚の力で出来た天然の温泉だ。深いところもあるし、浅い所もある。そして何よりも…働きたくない効果だ。その効果によって、時折、足を動かすのも面倒になり、結果的に…。
「…ぶくぶくぶく」
「こらこら、泳いているときに足を止めたら危ないよー」
溺れそうになる。それを助けに行かないといけないため、ヴィクトルは温泉内で待機をしていた。結城の方は単純に温泉が好きなのだろう。
と、言った感じに温泉の中で戯れていた猟兵達。そんな彼らの耳に遠くから響いてくる怒声が聞こえた。
「っぞおらー!」「休ませろ、おらー!」
「働きたくねええ!!」「悪魔酷使反対!」
猟兵達は、声の方を見上げた。そこには、血走らせた目でこちらに迫る山羊頭の下級悪魔の群れが、漆黒の翼を羽搏かせながら迫って来ていた。
●大乱闘温泉ブラザーズ 妖狐&シャチ①
「温泉を楽しむ邪魔をする奴…殺すべし」
と、物騒な言葉を口走った結城は、むくりと立ち上がると、水面を駆けて下級悪魔の群れの元へと飛び込んでいく。手にした武器はお供竜「氷牙」が変形した刀。
「それはこっちの台詞じゃボケェ!!!」
「せっかくの…せっかくの温泉タイムをおおお!!!」
「早よ死ねやああああああ!!」
水面を走り物凄い速度で迫りくる妖狐を下級悪魔の群れは迎え撃つ。地上にいる悪魔たちは、三叉槍を半身で構え迎撃態勢を構築し、空中の悪魔たちは足が止まった瞬間に、槍を投げて仕留めてしまおうと狙いを定める。
結城がいかに怪力に優れた猟兵であろうと、囲んで槍で殴れば苦戦は必須だ。だが、彼は一人ではない。一緒に戦う仲間がいる。
急に空が暗くなり、空に暗雲が立ち込める。雨か?と思い悪魔たちが空を見上げてみるも、不思議なことに雨が降りそうな気配がない。代わりに感じるのは濃密な雷の魔力。魔術による現象だと悪魔たちは直感する。
その時、おおらかなそうな男の声が響いた。
「魔術というのは本来できないことをしたり楽をする為のもの。より上手く制御できればもっと多く楽に、働かないでいられる場面も増える。ほら、あそこの三叉槍とかいい感じに雷落とす練習に丁度良さそうじゃない?」
次の瞬間、雲から雷が降って来た。否、雷雲の一部が、悪魔たちの持つ三叉槍を目掛けて、雷のように落ちてきた。
「「ぎゃあああああああああ!!!!」」
雷の雲によって体中を焼かれた下級悪魔たちは、三叉槍を取り落とすとそのまま絶命して、骸の海へと消えていく。
「ちっ、魔術師か。ああああ面倒臭えええええ!!」
「雷が雲になっているだとぉ?滅茶苦茶しやがって!ああもう仕事したくねえ!!」
遠方で【エレメンタル・ファンタジア】の術式を発動しているシャチのキマイラの姿を見つけた悪魔たちが忌々し気に呟いた。
そう、この雷の雲という不可解な現象を引き落としたのはヴィクトルだ。今回組み合わせた属性と現象は、雷と雲。本来ならば起こりえない属性と現象を組み合わせて放つこのユーべルコードは、非常に強力ではあるが、じゃじゃ馬で暴走しやすい。そのため、このユーべルコードを使う時は、高い集中力が求められる。
「おい、上の奴ら。遠くばっかり見てるんじゃねえ。下の奴の抑えが利かねえ」
「なんつー馬鹿力だよ!糞が!!3体がかりなんだぞ、何で押し負けるんだ…」
「あっちには別働隊が行っている筈だから、そっちはアイツらに任せろ!」
「お…おう。分かっ…ぎゃあああああああああ!!!」
「だああ!!さっきから好き勝手ズドンズドンと雷雲落としやがってえええ!!」
上からの抑えが無くなった結城が万全の状態で氷牙を振るい、三叉槍を構える下級悪魔たちを力づくで薙ぎ払い、ヴィクトルの落とす雷雲に追い回されている空中の悪魔たちは、地上にいる仲間の援護に入る余裕がない。
果たしてこの状況を逆転できる別動隊はどうなったのか。そちらの描写へと移る。
●別動隊vsナイ
結城が氷牙を持って殴り込みをかけ、ヴィクトルがエレメンタル・ファンタジアの制御に集中したことで、猟兵側では、1つ困ったことが発生していた。
「……ん?働きたくない、ですが。働くって……私のお仕事、なんでしょう?遊ぶ、こと……!?私は……何もしたくないぶくぶくぶくぶく」
ナイが溺れていた。恐らくは、泳いでいるうちに何もしたくなくなってバタ足を止めてしまったのだろう。ぶくぶくぶく…と温泉の深いところまで真っ逆さま。
「ぶくぶくぶく…ぶくぶくぶく…熱っ……!」
水底に沈みこんだナイの体が高熱を放つサウナ珊瑚に触れる。クリーンな火力発電所を作れるかもしれないというほどの出力を持つ珊瑚だ。その熱量は凄まじい。それこそ眠りかけていた子どもを起こすくらい訳がないほどに。
「沈んではいられない、です……!」
サウナ珊瑚の熱量と窒息の息苦しさから、ナイが再起動する。ナイはヤドリガミだ。本体さえ無事ならば、多少のダメージならば問題なく再生する。
バタバタと足を動かして、浅い所まで泳いで、バシャーンという音を立てて立ち上がる。
「な、なんだぁ?温泉のからガキが飛び出して来やがったぞ!」
「構わねえ!あのシャチごとやっちまえ!!」
「これが終わったら、俺は温泉でゆっくりするんだ…」
突然現れたナイの姿に、別動隊の悪魔たちが驚く。だが、すぐに気を取り直すと、まずは手近な奴から始末しようとナイに襲い掛かった。
「「「「死ねええ!!!!!」」」」
頭上でクルクルと回し勢いをつけた後に、三叉槍を投擲する悪魔たち。放たれる呪いの槍は、対象を爆破して呪いの鎖で繋ぐ。四方八方からの同時攻撃だ。これは躱せまいとほくそ笑んだ。
それが彼らの最後だった。
「全て片付けて、何かしなきゃーと頭の片隅に置いて意識し続けてたりもしなくていい状態で、ゆっくりするのが、至福!今は、殲滅です!」
ぴかー!と、ナイの体から光が放たれた。その光は、それがそこに生る、在る為の力を吸収する光。一切の加減がなく放たれた【生命力吸収光】は、投擲された呪いの槍をかき消し、それを放った悪魔たちの姿も飲み込んだ。
「加減は、難しい」
と、全ての悪魔を消滅させたナイが呟いた。
●大乱闘温泉ブラザーズ 妖狐&シャチ(終)
「そーれ、どかーん。どかーん」
「ぎゃあああああああああ!!!」
「だあああ!!くっそ、別動隊の連中は何してやがる…!」
ヴィクトルが落とし続ける雷雲によって、空中の下級悪魔たちは大混乱に陥っていた。彼らは、頼みの綱であった別動隊が既にナイによって全滅していたことを知らない。分からない彼らは、別動隊がヴィクトルの邪魔をしてこの鬱陶しい雷雲攻撃が終わるのを待つしかない。
一方、地上では結城による大立ち回りが行われていた。
次々と三叉槍を繰り出しながら襲い掛かって来る下級悪魔を、氷牙で薙ぎ払いつつ、歌声に生命力奪取の効果をのせて、戦場に溢れた感情を喰らう。
働きたくない…どうしてこんなことに…面倒くさい…温泉入りたい…。ああ…仕事したくない…。自分の働きたくないという衝動をメインに、悪魔たちの感情を喰らう、喰らう。
そして、感情で腹が一杯になったのだろうか。攻勢一方でひたすらに斬り込んでいた、結城が大きく後ろに跳んで距離を取る。
「な…何だぁ?漸くバテたかぁ?」
「い…嫌な予感がする。奴に技を撃たせるなあああ!!」
「お、おう!!」
大技を撃たせまいと、フォークのような形状の槍を腰だめに構えた悪魔が、結城の元へ駆ける……が、それよりも妖狐のユーべルコード発動の方が早い。
「――頭を垂れよ、死はお前の名を呼んでいる」
結城が今まで食してきた感情(働きたくない)を燃料にして白く燃え盛る復讐の劫火の剣群が召喚される。轟々と燃え盛る剣の形の炎の数は、最早数えきれない程だ。結城と下級悪魔たちがどれほど働きたくないのか…という事が、目で見て取れる。
「温泉の効果でも、邪魔されて気分いいわけねぇわなぁ!?」
結城の怒声と共に、復讐の劫火の剣群が投射される。曇天の空から次々と雨のように降り注ぐ白炎の剣は、下級悪魔たちに命中すると、爆発し強烈な衝撃波を発生させ、下級悪魔たちを焼き払う。
「「「「ぎゃあああああああああ」」」」
劫火の剣による絨毯爆撃を受けた悪魔たちは、体を光の粒子へと変えると、断末魔の悲鳴を上げながら、骸の海へと消えていく。
これにて大勢は決した。結城が白炎の剣で地上の敵を爆撃し、空中の悪魔たちにはヴィクトルが雷雲を落とし、雷雲を掻い潜って近づいてくる敵は、ナイの光で消滅させられた。
●温泉でまったり 男性チーム
猟兵たちの活躍によって下級悪魔たちは全滅した。グリモア猟兵による強制回収があるまでは、ゆっくりできるだろう。
「あ、お土産に珊瑚採って帰りたいね!」
と、ヴィクトルがサウナ珊瑚の回収に向かう。サウナ珊瑚は、温泉の中でも少し深い所にあるが、シャチのキマイラであるヴィクトルならば、問題なく回収できるだろう。
「ああ…極楽。もう仕事したくない…」
「…働きたくない、です。お仕事、やーですーにゃー。ふにゃん」
結城と氷牙とナイは、温泉に肩まで浸かりながらゆっくりとしていた。仕事終わりの温泉は格別だろう。戦闘で疲れた体に温泉が心地いい。
男性チームは、連絡が来ねえとキレた女神によって強制回収がかかるまで、ゆっくりと温泉を楽しんだ。お疲れ様でした。
●リザルト
・猟兵たちは、下級悪魔たちを全滅させて次の戦場への道を拓きました。
・サウナ珊瑚を21個拾いました。
・温泉をゆっくりと楽しみました。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
クトゥルティア・ドラグノフ
★の共闘歓迎
なんという…人をダメにする珊瑚区間なんだ…
気を付けてかからないと!
ぁぁ…なにもしたくない
痛いのもしんどいのも嫌だし、ぼーとしていたい
彼と一緒に遊んで愛し合っていたい
そう、彼と一緒に…彼が今の私みたら何て言うだろう
彼にだらしない姿見せたくない!
この一心で、強烈な怠惰感に抗うよ!
呪いの言葉?
大きな予備動作を見逃すわけないじゃない!
深蒼月光!
【切り込み】【先制攻撃】!
逃げる隙も与えない!
【戦闘知識】で逃げ道を潰して【野生の勘】で急所を探る
そして【怪力】のせた剣の刺突で【串刺し】、そのまま切り上げて腹から形までをパックリ裂いてあげるよ!
●仕事をしたく温泉vs恋する乙女
「なんという…人をダメにする珊瑚区間なんだ…。気を付けてかからないと!」
と、クトゥルティア・ドラグノフ(無垢なる月光・f14438)は、確かに言っていた。ほんの5分前までは、凛とした口調で確かに言っていたのだ。
言っていた、つまりは過去形である。では現在は?と当然思うだろう。
「ぁぁ…なにもしたくない痛いのもしんどいのも嫌だし、ぼーとしていたい。彼と一緒に遊んで愛し合っていたい」
クトゥルティア・ドラグノフは、温泉に肩までどっぷりと浸かっていた。気を付けてかからないと、と言っていたのに、5分で働きたくない温泉に完オチしていた。
しかし、それは無理のないことでもあった。グリモア猟兵でもある彼女は、通常の猟兵との業務に加えて、グリモア猟兵として予知や報告書の仕事等の激務を日々、こなしている。ちょっとくらい休んでも罰が当たらないと緩んでも仕方ないのである。
「そう、彼と一緒に……彼が今の私みたら何て言うだろう」
びくりと彼女の体がはねた。愛しの彼の顔が思い浮かんだのだ。果たして年下の可愛い彼氏は、この緩み切った自分を見たらどう思うかと彼女は、自問自答する。
さぁーっと、色白の肌が青ざめる、
「彼にだらしない姿見せたくない!」
バシャリと水音を立ててクトゥルティアは立ち上がる。彼氏に格好いい自分を見ていてもらいたいという乙女心が、温泉の齎す働きたくないという怠惰な気持ちを跳ね返したのだ。まさに恋する乙女は無敵である。
と、言った具合にラブパワーで復活を果たしたクトゥルティアは、遠方から怒声を上げながら迫って来る異形の影に気づいた。
グリモア猟兵の予知にあった下級悪魔の群れだ。
「働きたくねええええ!!!!」
「ぁぁあああ!!俺たちの休みのために死ねええ!!すぐ死ねええ!!」
「リア充の気配がする…爆発しろオオオ!!!」
仕事をしたくないという気持ちを、仕事を強要される怒りに変換した下級悪魔たちが、クトゥルティアに襲い掛かる。
●温泉地帯での戦い
「おい、オマエラ!俺は早く温泉に戻って休みたいんだ!アレを使うぞ!」
「アレか。分かったぜ!!」
「はぁ~仕事したくねえ…。けど了解」
下級悪魔たちが、陣形を築く。金縛りの呪言を放つ悪魔を後ろ、術者を守るべく三叉槍を構えたのが前といった具合だ。前衛で時間を稼ぎ、後衛の術を発動させ、動けなくなった相手を前衛で仕留める。基本に忠実なシンプルかつ有効的な作戦だろう。
だが、それ故に読みやすい。
「呪いの言葉?大きな予備動作を見逃すわけないじゃない!深蒼月光!」
両足に魔力を溜めたクトゥルティアが、空間を越えて踏み込む。
「な…いつの間に!」
複雑な印を結んで呪いの言葉を放とうとしていた下級悪魔の顔が驚愕に染まる。今、目の前に居るはずの小娘は、どう考えても自分を斬れる場所には居なかったはず…と。
「離れているなら………寄って、斬る!」
「ぐあああああああああ!!!」
月明かりに咲く華の剣が袈裟に振るわれ、印を結んでいた下級悪魔は胸から血を噴出しながら、ばたりと倒れる。出血量的に致命傷だ。
「何っ!?」
「おい…糞っ!呪言を使うアイツがやられたら作戦が……!」
後衛を担っていた悪魔が斬り倒されたことで、前衛だった悪魔たちに動揺が走る。
「次っ!」
2回目の踏み込みで、クトゥルティアから見て奥側の敵へと踏み込む。彼女の野生の勘が告げていた。手前側よりも戦意が低い奥側は逃げる可能性が高いと。
「だああああ!!糞がああああ!!」
目の前に現れたクトゥルティアに対して、奥側に居た下級悪魔がやけくそ気味に三叉槍を繰り出す。
「そこだ!」
繰り出された槍の穂先をクトゥルティアは大剣で逸らす、そこはもう槍ではなく、大剣の間合いだ。キラリと大剣が陽光を反射して煌めき、青き一閃が下級悪魔の山羊頭を斬り飛ばした。
「糞がっ!糞がっ!ああああああ!!!!」
立て続けに2体の仲間を斬り飛ばされた下級悪魔が、三叉槍を手にしたまま後ずさる。彼の頭の中では葛藤が続いている。仕事をしたくない、旗色が悪い、撤退すべきという思いと、契約だ、死ぬまで戦えという契約に従う悪魔としての本能がせめぎ合っている。
相反する思考がぶつかり合うことで、頭の中が一瞬真っ白になり、致命的な隙が生まれる。
「逃げる隙も与えない!」
と、三度目の踏み込みで懐まで潜り込んだクトゥルティアが、月明かりに咲く華の剣による刺突を繰り出す。
「ガアアアアアア!!!」
青い大剣が茶色い毛で覆われた山羊頭の悪魔の毛皮を裂いて深々と突き刺さる。
「これで終わりだよ!」
「やめろぉ!やめろおおおおおお!!!」
クトゥルティアが怪力を以て、深々と刺した大剣を切り上ると、お腹からバッサリと裂かれた山羊頭の悪魔は、断末魔の悲鳴を上げて絶命した。
これにて、クトゥルティアに襲い掛かった下級悪魔たちは全て滅び、仕事をしたくない温泉があるエリアに、一時的な安全が保障された。
●エピローグ
クトゥルティアは鋼の精神力と乙女心で働きたくない温泉を抜けて、群竜大陸のさらに奥へと辿り着く。
道中では下級悪魔たちとの戦闘で破壊されたのであろう、サウナ珊瑚の枝が何個か見つかった。これを使えばどこでも温泉が楽しめる。
戦争が終わり、ゆっくりと楽しめる時に、これで温泉を楽しむのもアリだろう。
未知なる戦場へのルートを開拓したクトゥルティアは、拾ったお土産を手に意気揚々とグリモアベースへと帰還するのであった。
●リザルト
・冷静と情熱の珊瑚礁を抜けて新たな戦場へのルートを拓きました。
・クトゥルティアは温泉珊瑚を14個拾いまし
大成功
🔵🔵🔵
フィオリナ・ソルレスティア
★【ペア/f05803】【WIZ】(連携・アドリブ可)
「そうね、確かに温泉ね。水着を持ってきて良かったわ」
弟のフォルセティと一緒に冷静と情熱の珊瑚礁へ
■作戦
姉としての威厳を拠り所に感情を抑え込む
■行動
恐る恐る温泉に浸かってみる。
「ふう、確かに。仕事なんかどうでもよくなるわね」
一気に沸き起こる働きたくなくなる感情。
いや、でも待った。フォルセティの目があるから。姉としての威厳は保たないと。
ああ、でも動きたくない。
緩慢な動作で【アイギスの盾】を発動し三叉槍を防ぎながら葛藤
温泉でのんびりしたい。でも弟の手前…
「もう、さっきから何なのよ」
[限界突破]まで感情を抑えてから【バベルの光】を撃ち落とす。
フォルセティ・ソルレスティア
★【ペア/f00964】【SPD】 (連携・アドリブ可)
「ここってどうみても温泉だよね。」
フィオ姉ちゃんと一緒に戦うよ
【行動】()内は技能
お気に入りの水兵スタイル水着で温泉に浸かるね
「うわー、なんだかやる気がなくなったよ」
でも、ここは我慢しないといけないんだ。
フィオ姉ちゃんが隣で見ているんだ。恥ずかしい姿を見せる訳にはいかないよ。
「とは言え仕事したくないよね」
(環境耐性)でなんとか感情を抑えつつ、フィオ姉ちゃんを強く意識するよ
きっとフィオ姉ちゃんだって耐えているんだから。ボクだって負けないよ!
最後に勇気を出して、レッサーデーモンにクラロ・デ・ルーナだよ。
これならなんとか発動できそうだから。
●仕事したくない温泉の悪魔たち(完)
「…っああ~極楽。いや…悪魔が極楽ってどうなん?」
「知るかよ馬鹿。ああ~でも、ずっとこのまま浸かっいてぇ~なぁおい…」
「そうは言ってもなぁ…。所詮、俺達下っ端では契約に逆らえねえし…」
仕事したくない温泉は、この地を守護する下級悪魔たちで、ごった返していた。安い契約料で色々なこき使われる彼らは、疲労やストレスがかなり溜まっている。そのため、潜在的に働きたくねえという気持ちが強く、温泉の影響を受けやすい。
そのため、どいつもこいつも三叉槍を投げ捨てて、温泉タイムを満喫しているのだが…残念なことに、その時間は長くは続かない。
「ぁああああ!!仕事だぁ~~~」
「すいませーん!お腹痛いんで…今日はお休みで…」
「契約だから行くしかねえんだよ!!アホ共!!」
「やああああだああああああ!!!!」
猟兵たちの存在を感知した下級悪魔たちは、渋々ながら三叉槍を取ると、背中の黒翼を広げて空を舞う。
「とりあえずさっさと、侵入者を殺して温泉タイムに戻るぞ!」
「「「異議なし!!」」」
早く仕事を済ませてサボりたい、その一心で下級悪魔たちは猟兵たちを探すのであった。
●働きたきたくない温泉 ソルレスティア姉弟編
「ここってどうみても温泉だよね。」
と、フォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)が、珊瑚だらけの温泉地を見渡しながら言った。
少し海のような匂いがする透き通った湯気を立ち昇らせた温泉が見渡す限り一杯にある。温泉の中には、色とりどりの珊瑚が枝を伸ばしていて、ちょっとだけ南国の海に入ったような気持ちにさせる。景色を見るも良し、温泉に入るも良しのまさに楽園と言った所だ。
「そうね、確かに温泉ね。水着を持ってきて良かったわ」
と、姉のフィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)が弟の言葉に笑顔で返事を返した。
そう、今回の依頼でフィオリナとフォルセティの姉弟は水着装備で参加していた。温泉に入る気満々の完全装備である。
姉の方は白い水着に赤いリボンがアクセントになっている可愛らしい水着、弟の方はお気に入りの水夫スタイル水着だ。
ソルレスティア姉弟は、互いに顔を見合わせると、恐る恐ると言った様子で白い湯気を立ち昇らせている温泉に入る。
「うわー、なんだかやる気がなくなったよ」
「ふう、確かに。仕事なんかどうでもよくなるわね」
温泉は極楽だった。少し温度が高めな温泉が少し冷えた肌に心地いい。体が芯から暖まる。群竜大陸は、浮遊大陸で高高度にあるため、全体的に少し肌寒い。この冷静と情熱の珊瑚礁は、サウナ珊瑚の群生地で、そこら中に湯気を立ち昇らせる温泉があるせいで気温は高めではあるのだが、それでも肌寒さは多少感じる。水着で来たならば尚更であろう。
そしてこの心地よさが、働きたくないという気持ちを増幅させる。
(いや、でも待った。フォルセティの目があるから。姉としての威厳は保たないと)
(でも、ここは我慢しないといけないんだ。フィオ姉ちゃんが隣で見ているんだ。恥ずかしい姿を見せる訳にはいかないよ)
と、互いにの目を意識して何とか仕事をしたくないと言う気持ちに抗うソルレスティア姉弟。どちらも姉として弟として格好悪い所は見せられないというプライドで自分の怠けたくなる心を奮起させる。
「とは言え仕事したくないよね」
「ああ、でも動きたくない」
互いに聞こえないように本音をポツリと漏らす。
その時だった。遠方から悪魔の怒声が響いて来たのだ。
「漸く見つけたぞ、糞共があああああああああ!!!」
「混浴かぁ?ザッケンナコラー!」
「温泉に入っているんじゃえええええ!!」
「ああああ(汚い高音)羨ましいいいい!!」
ばさり、ばさりと黒翼を羽搏かせて、三叉槍を手にした下級悪魔たちが現れた。
●仕事したくない温泉での激闘
「「「死ねええやあああああ!!!」」」」
仕事したくない気持ちを、仕事を強要される怒りに変換した悪魔たちは、怒声を響かせながら、呪いの槍を投擲する。
悪魔たちが投擲する呪いの槍は、対象に当たると爆発し、呪いの鎖で繋ぐ。当たってしまえばかなりのダメージを負うだろう。
「そうはさせないわ。防げ、アイギスの盾よ!」
と、姉のフィオリナが前に出る。アイギスの盾を発動し、空気を裂きながら飛来する呪いの槍を光り輝く盾で弾く。だが…その動きもひどく緩慢だ。
(温泉でのんびりしたい。でも弟の手前…)
温泉が齎す仕事をしたくないと思わせる効果。それがフィオリナのモチベーションの低下を齎し、パフォーマンスを低下させる。戦わないといけない。だけど、仕事をしたくないという葛藤が彼女を苦しめる。
ちらりと後ろを振り向き、弟の顔を見る。フォルセティの方も温泉の効果で、かなり調子が悪そうだった。ならば姉としてやることは…。
(きっとフィオ姉ちゃんだって耐えているんだから。ボクだって負けないよ!)
と、強く姉を思うことで楽な方へと流されそうになる心を奮い立たせる。
敵投擲する呪いの槍を、光り輝く盾で防ぐ姉と視線が合う。仕事をしたくないという気持ちと、戦わないといけないという気持ちで葛藤している様子が、弟のフォルセティには、すぐわかった。ならば、弟としてやるべきことは…。
「ちっ!思ったよりも防御が固いぞ!」
「面倒くさいな…!」
「仕方ねえ……動きを止めるぞ!」
下級悪魔の中の一体が、複雑な印を結べく三叉槍を投げ捨て、両手を素早く動かしていく。UC【金縛り】の術を放ち、アイギスで攻撃を防ぐ、フィオリナを動けなくする心算だ。
「させないよ!放て!」
勇気を振り絞ったフォルセティがUC【クラロ・デ・ルーナ】を放つ。76分の1秒という速度で放たれた閃光と衝撃を伴う高エネルギー波が、印を結んでいた悪魔を貫く。
「ぐああああああああああ!!」
「ちっ!おい!金縛りの術を止めるんじゃねえ!!」
金縛りの術を放とうとしていた下級悪魔が倒されて、下級悪魔たちに動揺が走る。絶好のチャンスだ。
「フィオ姉ちゃん!」
「もう、さっきから何なのよ」
可愛い弟に頼られてフィオリナが奮起する。仕事をしたくないという気持ちと戦わないといけないという思いの葛藤、好き勝手攻撃してくる悪魔への怒り、弟の前では格好悪い所を見せたくないという思い。色々と抑制していた感情が限界突破して、フィオリナに力を与える。
「貫け、バベルの光よ!」
VF-1オートフォーカスを上空にいる悪魔に向ける。即座に情報が人工衛星に送られて、宙から高出力レーザーが降って来る。
「そ…空から光…ぎゃあああああああああ!!!」
「おわああああああああ!!!」
人工衛星から降って来たレーザー光に焼かれた下級悪魔たちは、断末魔の悲鳴をあげると、その身を光の粒子へと変えて骸の海へと消えていった。
●エピローグ
下級悪魔たちを無事に撃退したソルレスティア姉弟は、ゆっくりと温泉を楽しむことにした。折角、水着まで用意してきたのだ。冷静と情熱の珊瑚礁の美しい景色と温泉を楽しまないのは損だろう。
また、先ほどの戦闘の影響だろうか。彼らの周囲には、折れたサウナ珊瑚の枝がプカプカと浮いていた。水を温泉に変えるという特殊な効果を持った珊瑚だ。拾っておいても損はないだろう。
フィオリナとフォルセティの姉弟は、シャチぐるみのグリモア猟兵が、早よ帰って来いやぁとキレて強制送還をかけるまで、ゆっくりと姉弟水入らずで過ごしたそうな。
●リザルト
・下級悪魔たちは全滅しました。
・サウナ珊瑚を20個拾いました。
・ソルレスティア姉弟はゆっくりと温泉を楽しみました。
・これにて働きたくない温泉完結です。お疲れ様でした。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵