帝竜戦役⑯〜プラチナ・ザ・ドラゴン・オブ・アロイ
「皆さんお疲れ様でーす! 帝竜もどんどん出てきましたねー!」
ぽふぽふと拍手をしながら、シーカー・ワンダーは猟兵たちの健闘を讃えた。
彼が持ち出した議題は、姿を現した次なる帝竜『プラチナ』についである。
「場所は群竜大陸東の端っこ! 見た目通り金属だらけの場所にプラチナちゃんがいます! もしかしてここの金属食べてるのかもですねー!」
帝竜プラチナは見た目通り、多数の金属で織りなした竜の姿を取っている。しかし、これはあくまで外皮に過ぎず、この内側に本体である少女が隠れ潜む。この少女を倒さない限り、ガワをどれほど破壊しても意味が無い。
「とっても可愛い子ですけど、ドラゴン姿はでかくて強いし本体の方も強いです! 油断するとボコボコのボコにされちゃいますよー!」
単純な攻撃もさることながら、プラチナは本体の複製で大軍隊を編成し、既に猟兵を迎え撃つ気満々の状態。この軍勢をなんとかせねば、プラチナの本体どころかドラゴンの外殻と渡り合うことも出来ない。
「なので攻略の鍵は二つ! 分身軍団を突破して、ドラゴンのガワを壊すこと! 最後に本体を倒せばプラチナの討伐完了です!」
口調や言動からポンコツめいた相手ではあるが、たとえ腐っても帝竜の一体。しっかりと攻略の策を練り、確実な撃破を狙ってほしい。
「帝竜戦役もそろそろ終盤戦突入です! 相手を舐めて返り討ちー! なんてことにならないように、気を引き締めて頑張ってください!」
鹿崎シーカー
●あらすじ
「自由最高! ヴァルギリオス様ありがとう!」
レアメタルに覆われた大地にて、新たな帝竜が目を覚ます。その名はプラチナ。少女の本体を鋼の竜型鎧で覆った強大なる敵である!
様々な策謀の末自分を守る外殻を生成するのが限界であったという彼女だが、その力は実際強大であり無視はできない。
レアメタルの戦場へ行き、『合金竜プラチナ』を撃破せよ!
●ボス戦『帝竜プラチナ』
本体である『少女』を6種のレアメタルで覆い竜化した帝竜。金属由来の硬い防御に加え、毒をも操る手練れの強者。『プラチナ、プラス、バナジウム『命令電波プラチナ』』で先制攻撃を仕掛けてきます。
プレイングボーナス……『『プラチナ、プラス、バナジウム『命令電波プラチナ』』への対処法を編みだす』。
アドリブ・連携を私の裁量に任せるという方は、『一人称・二人称・三人称・名前の呼び方(例:苗字にさん付けする)』等を明記しておいてもらえると助かります。ただし、これは強制ではなく、これの有る無しで判定に補正かけるとかそういうことはありません。
(ユーベルコードの高まりを感じる……!)
第1章 ボス戦
『帝竜プラチナ』
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POW : ジルコニア、プラス、バナジウム『絶対超硬剣』
自身の【本体(少女)を守る超硬装甲】を代償に、【剥離した装甲を飛翔剣化し、膨大なエナジー】を籠めた一撃を放つ。自分にとって本体(少女)を守る超硬装甲を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD : テルル、プラス、ニオブ『悪臭毒ガス粘液塊』
自身に【本体(少女)を守る粘液状の毒煙】をまとい、高速移動と【悪臭の毒ガスを放つ粘液弾丸】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : プラチナ、プラス、バナジウム『命令電波プラチナ』
自身が装備する【本体(少女)】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
イラスト:小日向 マキナ
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
国栖ヶ谷・鈴鹿
【SPD】
希少金属!ぼくも技術者だから、とっても気になるね!
それに、ちょっと面白いことも出来そう!
【先制対策】
耐毒決戦仕様[メカニック]改造!
悪臭や毒に対応できるように紅路夢や銃に、[属性攻撃][衝撃波]迎撃用で粘液や煙を吹き飛ばし、装備品に[毒耐性][オーラ防御]加工でぼく自身の防御も高めておこう。
【戦闘】
分身軍団かぁ、疲れた社畜感のある感じだったし、疲れに効く甘ーいお菓子[調理]で気を惹きつつ、フロヲトバイ紅路夢で、ぼくのUCの範囲まで接近して、粘液をクリーム、毒ガスを紅茶フレーバー、装甲をビスケットに改変して、本体にも甘いお菓子の香りと味で誘惑しつつ、UCで改変してやっつけちゃおう。
ナハト・ダァト
随分ト、緊迫感ノ無イ竜ダ
だガ、油断なドしないとモ
対処法
生成された分身体へ
「へその緒」を与える
それらへテレパシーを介した
催眠術と精神攻撃を合わせ
操作権限の奪取を目論む
支配権を得た分身体へ
トラップツールⅡを仕込み
残像、迷彩、目潰しが使えるように性能を向上
分身を操作しながらプラチナの撹乱を行う間
医術と情報収集、世界知識で
本体の位置を特定
分身の内一体を、七ノ叡智で作った空間に潜ませ
その他の分身が数を減らした直後
自爆特攻に見せかけた分身を
スタングレネードよろしく
発光、金属が軋むほどの衝撃波とマヒ攻撃を含めた威嚇を行う
五感を封じた隙に
潜ませた分身で本体へ攻撃
同ジ金属ダ
硬度ガ同じなラ、互いニ砕けル他あるまイ
ジョン・フラワー
ここにもアリスがいっぱい!
全部ひとりで動かしてるの? すごいなあ!
つまり動かす余裕がなくなれば止まってくれるかもしれない?
そうだお喋りをしにいこう!
この存在感と誘惑ぢから、大きな声を出す準備もばっちり
必ずやお嬢さんが無視できない楽しいトークをしてみせよう!
ある程度近くまでは仲間に紛れて接近しなきゃ
やあお嬢さん。僕オオカミ!
キミとお喋りをしにきたんだ
よかったらキミのことを教えてほしい。まず好きなお花が気になるな
毒も剣も平気だよ。僕かっこいいオオカミだから!
嘘だと思うなら試してくれたって構わないよ!
これで装甲をたくさん使ってくれたらお喋りの甲斐もあるってものさ!
一人称:僕
二人称:キミ
三人称:アリス
木常野・都月
一人称:俺
二人称:貴方
三人称:先輩や尊敬してるヒトはさん付け、それ以外は呼び捨て
名前:苗字さん
え、この女の子、金属バリバリ食べちゃうのか。凄いな。
見た目に騙されちゃダメなやつだ。
地の精霊様にお願いして、足元に電磁場を作って浮きたい。
通常なら数メートルだけど、ここなら高く飛べるかも。
あとは後ろに杖を向けて、杖から風の精霊様を発射すれば、少しの力で高速移動できるはず。
敵の分身攻撃は、[野生の勘、第六感]と、高速移動で躱しつつ、必要に応じて[高速詠唱、範囲攻撃、カウンター]で対処したい。
敵本体は、UC【精霊の矢】を炎と風の精霊様にお願いしたい。
加えて[属性攻撃、全力魔法]で追撃したい。
シエナ・リーレイ
■わたし、あなた、~さん
あの子達とは初対面だよね?とシエナは困惑します。
何処か懐かしい気配を感じ金属の大地を訪れたシエナ
沢山の『お友達』候補にはしゃぎ、遊び始めます
皆も歌いましょ!とシエナは誘います。
暗殺者の様な身のこなしで少女達の攻撃を躱しながらシエナは楽しく歌い始めます
少女達も敵意を微塵も見せないシエナに困惑しそのポンコツさ故にシエナにつられて歌い始める者もいるかもしれません
だけどシエナの歌う歌は異世界の邪神の眷属を呼ぶ為の歌、もし少女達も歌っていればいつも以上に強大な赤薔薇を咲かせた眷族が現れるかもしれません
そして、眷族は自身を成長させる為にバナジウムを奪い取ろうと帝竜達に襲い掛かります
エルザ・メレディウス
ア◎(〇〇様と呼びます)連携◎
...策謀の末
悲しい過去をお持ちのあなたを前に、手は震えます。
それでもあなたが帝の名を冠するのなら全力でお相手仕ります
■POW
【集団戦術】で仲間の連携の質を向上させながら、たとえ不利な状況でも、自分や仲間を【鼓舞】して戦います
・・・一人でも多く敵のもとへ
【地形の利用】を活かして、地形の起伏や山陰を進み、絶対超硬剣を上手く防ぎながら敵へ近づける様に工夫
【残像】なども作り、相手の攻撃が少しでもそちらへ向かうように【誘惑】。少しでも回避率を上げられるように
敵の本体を見つけたら白王煉獄を繰り出します
相手を斬る痛みを和らげるために自分の身を捨てる覚悟で【捨て身の一撃】を
カイム・クローバー
一人称:俺 二人称:あんた 三人称:あいつ 名前:名前で呼び捨て
随分と神々しい姿だ。俺も流石に金属を食った事はねぇんだが、どーだ?一つ、味の感想でも聞かせてくれよ。
念力で全てバラバラに操作する複製体には、二丁銃にて【二回攻撃】、紫雷の【属性攻撃】を加えて、【範囲攻撃】。【クイックドロウ】をオマケして、リロードは【早業】。
数の暴力を越えられなければ、本体には届かねぇ。必要最低限を撃ち落とし、【残像】を残す速度で駆けるぜ。
近距離では魔剣を携えて。UCを発動して一点を集中狙いだ。黒銀の炎の【属性攻撃】を刀身に宿し、溶解させながら外殻を破壊する。
少女が作った工夫創作にしちゃ、悪くねぇクオリティだったぜ
エメラ・アーヴェスピア
帝…竜…?いまいち、帝竜の定義が分からないわね
…戦争も帝竜の数もそろそろ半分を超える…気を引き締めないといけない頃かしら
コンタクトを通じてエメラルドユニットや他の機器を用いて相手に対して【情報収集】よ
レアメタルと生物なら例外を除けば違う所ばかり、探知するのは簡単でしょう…そもそも探知は私の得意分野よ
UCによって増えても構わないわ、少しでも違う点があるならそこから探知できるから
別に全て同じでも構わないわよ?私の砲台なら十分にカバーできる
探知した場所に対して『この場は既に我が陣地』を【砲撃】して反応を確認
本物が判明したら電子的に補足、同僚さん達と共有して支援砲撃に回るわ
※アドリブ・絡み歓迎
曾場八野・熊五郎
ほほー、あれが帝竜でごわすか
……なんか蚊柱みたいにプンプン飛んでるでごわすな
(pow)
飛んでる娘共がめんどいからモグラ作戦でごわす
攻撃を避けながら戦闘でできた砂煙に乗じて地面に潜るでごわ『トンネル掘り』
潜ったら音や勘で敵の真下まで急いで進むでごわす『野生の勘・追跡・ダッシュ』
真下ががら空きでごわす!地表に掘り出た勢いそのままに【犬ドリる】を抉りこむでごわす!『ジャンプ・騙し討ち・怪力・部位破壊』
まだ息があるなら勘で敵の攻撃を避けて、装甲が薄くなったところから中身を噛み砕くでごわ『傷口をえぐる・捕食』
やっぱり肉が少ない相手は狩り甲斐がないでごわす
『我輩・お主・メガネなどその人の特徴』
アドリブ歓迎
夕闇霧・空音
【アドリブOK・私、あなた、~さん】
自由かー、自由は確かに嬉しいわね。
だからって迷惑かけるのはまた別だけどね
【戦闘】
まずはじめに仕掛けてくるのは自分を複製する技とは…
流石に私の普通の攻撃じゃまとめて倒せるかわからないわね。
ただ、一人で操作してるならそこまで複雑な動きはできなそうだし
敵の攻撃を交わしつつもユーベルコードで透明な氷の壁を
展開して置こうかしら。これでは自分の攻撃も反射して
数的優位にはならないはずだものね。
成功したなら、本体に接近するしかなさそうね。
念の為に体を保護するように氷壁を展開して仕掛けるわ。
アネット・レインフォール
▼静
…見た目はアレだが中身が少女とはな。
本当の姿は気になるが、他の竜も今とは違う姿形を
していた時期があったのだろうか。
いや…今はこの難敵をどう攻めるか、だな。
そう言えば別世界の兵法で似た逸話を聞いた事がある。
あれは確か――トロイの木馬と言ったか。
▼動
先ずは眼前に複数の刀剣を念動力で束ねて展開。
先制攻撃にはこれを高速回転させ盾代わりに。
装甲が戻る際に、葬剣を敵の剣の形に偽装し
本体付近に紛れ込ませておく。
反撃時は緋槍を手に【天帝ノ貫穿槍】で急所を狙う。
槍が当たる間際、仕込んだ葬剣を大槌などに変えて
隙や隙間を作り成功率を上げよう。
他と連携時は鎖で繋ぎ、足止めか爆発でフォローも。
連携、アドリブ歓迎
ティオレンシア・シーディア
『あたし・あなた・あいつ・○○クンorちゃんorさん』
なぁんか、ドラゴンっぽくないっていうか…随分ノリ軽いわねぇ?
まあ、出てきた以上ブッ潰さなきゃいけないんだけど。
対多数は苦手じゃないけれど…「質を伴った数の暴力」とか、端から潰しても追っつかないわねぇ。
ミッドナイトレースに○騎乗してテイクオフ、〇目立たないように索敵範囲外からVTOLで上昇。敵頭上高高度から急降下で○切り込みかけて〇爆撃と●虐殺で纏めて吹っ飛ばすわぁ。
一か所に留まってたら袋叩き確定だし、〇逃げ足全開でブッ飛ばしつつ機動戦かけるわねぇ。
…一応、味方巻き込まないようには気をつけるけど。…正直本気で余裕ないし、頑張って避けてねぇ?
鋼に覆われた大地。各所から突き出す超巨大タケノコめいた金属鍾乳石。全てがレアメタルで構築されたバトルフィールドの空に、降臨した天使の軍勢じみて浮遊する者たちあり!
それは白金色の金属で構築された少女人形! アキレス腱まで伸びた豊かな髪も、薄手のワンピースも全てがプラチナ。左右には等間隔で浮遊する菱形の金属パーツを並べて作った機械腕と、鋼鉄の肩当てに腕甲を合わせた鎧。
無数に浮かぶ帝竜プラチナ、その本体を複製した人形たちは、機械腕に繋がる鋼の両手を握り込ませて一斉に急降下する! それを見上げるのは朱色のビークルにまたがり、フロントバーに結んだリボンを手綱めいて握る国栖ヶ谷・鈴鹿(未来派芸術家&天才パテシエイル・f23254)!
「うわーお! あれも全部希少金属! しかもマニピュレータ付き! ぼくも技術者だからとっても気になる! それに、ちょっと面白いことも出来そう!」
「鈴鹿様。分析とアイデア出しは後回しに致しましょう」
鈴鹿のやや後方を走りながら、エルザ・メレディウス(復讐者・f19492)は険しい表情で複製人形たちをじっと見つめる。腰に帯びた刀を握り、鯉口を切る!
「全力で……お相手仕ります」
エルザが静かに告げた瞬間、銀色の流星群じみて降り注いでくる人形たちが一斉に鈴鹿とエルザを指差した。同時に無数の金属腕がロケットパンチめいて拳を降らせる! 泡を食った鈴鹿が慌ててビークルを蛇行運転!
「うわわわわわわわっ!?」
鋼の拳がすんでのところでビークルを掠め地面を穿つ! CRASH! CRASH! CHRASH! 飛び散る金属片が鈴鹿の目蓋を斬り裂き、ビークルの真ん前に降り立った一体が拳を振りかぶった! 機械腕のストレート!
SMAAAAASH! 鈴鹿の顔面に拳がめり込み、彼女の上体が後ろに下がる!
「ふむぐ!?」
SMAAAAAAAASH! 殴り飛ばされた鈴鹿はビークルごと後方へ飛翔! エルザはそちらに気を引かれつつも切り替え、真横に高速スライドして鉄拳を回避! 彼女が居た場所に降り立った個体が、逃れたエルザを指差した!
「!」
エルザは右足だけでレアメタルの地面を踏みしめ、前方にダッシュ! 繰り出された鉄拳を鍾乳石の影に隠れてかわし、前に回り込んで来た一体の拳を鞘ごと掲げた刀でブロック! 人形の拳がもう片方の手を打ち出した!
「くうっ……!?」
刀を振って防いだ拳を流したエルザの腹に追撃の拳がヒットする! 体をくの字に折って苦悶の息を漏らすエルザに、軽やかに跳躍した人形が両手を頭上で組み合わせた。機械腕は人形の動きに同調し、エルザの頭にハンマーパンチ!
「エルザさん……!」
エルザの後方から走って来た夕闇霧・空音(凶風・f00424)が跳躍し、ハンマーパンチの軌道にインターラプト! 掲げた彼女の左腕に冷たい冷気が渦巻いた刹那、SYUKEEEEEEEEM! 甲高い氷結音と共に鉄拳停止!
「氷壁発動……コキュートスウォール、リフレクト!」
空音の銀の瞳が青みを帯びて光輝き、不可視の氷壁がハンマーパンチを弾き飛ばす!
一方、横転したビークルの下敷きになって目を回す鈴鹿に六体の人形がボクサーめいたスタイルで殺到! 彼女たちの上を取ったカイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)は先端に番犬をかたどった二丁拳銃を突き出した!
「悪いな。そいつをレッカーしなきゃいけないんで、どいてもらうぜ」
GRRRRRRRRRRRRR! カイムの二丁拳銃が紫電を吹き出し、人形たちを粉砕していく! 大きな欠片が地面に落下し、レアメタルの粉塵がパラパラと舞う中に着地したカイムは、肩越しに鈴鹿を見返って言う。
「起きろ鈴鹿。しばらく守ってやるからそのバイク……バイクでいいのか? 早く直せ」
「きゅう……」
ビークルの下でうつ伏せに伸びる鈴鹿に、カイムは呆れ気味な嘆息を零す。だがその表情をすぐに引き締め、ガンスピンしながら急降下してくる金属人形たちを真っ直ぐ見据えた!
「取り込み中だ!」
ガンスピンを止め、腕甲を交叉して防御体勢を取る少女人形たちにマシンガンじみた銃撃を連打! GRRRRRRRRRRRRR! ケルベロスのうなり声めいた銃声と共に紫電をまとった銀弾が人形たちを迎え撃つ!
遠雷、そして破壊の音をバトルフィールドの奥で聞きながら、帝竜プラチナは苛立たしげに尻尾を地面に打ちつける。不満げにグルグルと喉を鳴らし彼女は、突如竜頭を掻きむしりながら喚き始めた!
「だぁーもぉーっ! せっかく自由になったのに、なんで攻めてくるのよぅ! 地道にコツコツ頑張ってこっちは疲れてるのに! 私悪くないもん! あんたたちと戦う理由なんてないもん!」
両腕を交互に大地に振り下ろすたび、地が揺れ彼女の周囲に新たな金属の木々。それらは内から砕けて少女人形の姿を現す! プラチナは咆哮に乗せて遠くで戦う猟兵たちを罵倒する!
「あんたたちなんて死んじゃえばいいんだ! 意地悪する猟兵なんてグチャグチャのボコボコになっちゃえ! こっちには配下もいっぱいいるんだからね! バーカ! バーカ! バァァァァァ―――カ!」
鋼の大地を揺らす罵声は、木霊のように猟兵たちの下まで響く。猟兵たちは押し寄せる人形たちの打撃を素早くかわしながら半眼を作った。カイムはガンスピンリロードしながら後ろに滑り、エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)の方を見ずに問う。
「……聞いた?」
「ええ、しっかりとね……」
目頭を揉みながらエメラが呻く。溜め息を吐いて目を開いた彼女は、エメラルドグリーンの瞳で大挙する人形たちを眺めた。
「いまいち帝竜の定義がわからないわね。あんな性格のドラゴンも混ざってるなんて……」
「随分ト、緊迫感ノ無イ竜ダ。マルデ駄々ヲこねる子供……」
エメラの真後ろに現れたナハト・ダァト(聖泥・f01760)が彼女を抱え上げ、素早く横っ飛びしてアームハンマーを回避! CRAAAAASH! レアメタルの大地を容易く打ち砕く一撃を尻目に、ナハトの光点のような目が鋭く瞬く!
「だガ、油断なドしないとモ。言動幼くトモ、プラチナは恐るべき帝竜なノだかラ」
「そうね。それじゃ、ちょっと匿ってくれるかしら?」
「わかっタ。作業は任せル」
「ええ。オーダー通りに仕上げてあげる」
ナハトを見上げるエメラの背中、ローブから覗くナハトの胴に十字の光が輝き、黄金色の光に包まれたエメラを吸い込んだ! 手すきになったナハトは、前方数メートル先に降り立った人形めがけて低姿勢ダッシュを開始する!
人形が両手を広げると同時、機械腕が拳を握り、鉄拳を発射! 正面からの右ロケットパンチをサイドステップで回避したナハトは、追撃の左ジャブラッシュを地を舐めるほどの低姿勢で掻い潜り人形のワン・インチ距離へ!
「叡智ヲ、授けよウ」
ナハトは交叉した触腕の片方を人形の腹に突き入れる! 軽く背を曲げた人形が右腕を振り上げると同時、引き戻された右機械腕がナハトを叩き潰さんと拳を掲げた。ナハトの両目が白色に燃え上がる!
「AHIH。王冠ヨリ出で、無明ヲ拓く」
振り下ろされた人形の機械腕が、ナハトのローブに命中する直前でピタリと止まった。硬直した人形を、ナハトは胸の十字光に引きずり込んで収納! 顔を上げた彼の正面から追加の二体が拳を振りかぶって殴りかかって来た!
「いくらでモ来るガ良い。叡智ノ光ハ等しく開かれていル」
ナハトは冷静に触腕を交叉し、その先端を白く光り輝かせる! 他方、青白い光をまとって空中を高速飛翔する木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)は、横合いから飛んでくる鉄拳を掻い潜りながら人形の軍勢に小首を傾げる。
「多いな……。これは、うん。どう攻めたものかな」
呟く都月に鋼の拳を握って突撃してくる五体の人形! 都月は錐揉み回転して方向転換し、居合い斬めいて腰に据えた杖を握りしめる。彼の脇下を抜けて後方に伸びた杖の先端が翡翠色の風を放って都月を発射! 人形たちが拳を掲げる!
「……!」
都月が瞳を鋭く光らせ、前傾姿勢でさらに加速! 撃ち出された人形たちの拳、その隙間を縫って直線で突っ切り人形たちの背後へ抜ける! 抜刀じみて振り返りながら杖をスイング!
「精霊様!」
杖を振り切った都月の周囲に爆炎の矢が複数現れ、熱風を吹き出しながら放たれた! 都月の方に振り向いた人形たちに矢が次々と命中して連鎖爆発! BOOOMBOOOMCABOOOOOOM! 爆散して金属粉がパラパラと散る!
「よし、通じるな」
跡形も無く粉砕された人形たちの粉塵を見下ろして呟く都月。直後、彼の真後ろに突撃した一体が金属の両手で彼をつかむ! ハッと肩越しで振り向く都月の頭上、別の個体が機械の両腕を引き絞って落下してきた!
「っ!」
都月が両腕に力を込めて拘束を弾かんとするが間に合わぬ! 繰り出された機械のダブルパンチが都月の脳天を打ち砕く寸前、前方回転しながら飛来したシエナ・リーレイ(取り扱い注意の年代物呪殺人形・f04107)が鉄拳を放った人形の頭に巨大ピコハンを振り下ろす! SMAAASH!
「ふふふふふ! お友達がたっくさん! と、シエナは大喜びします! そーれッ!」
ハンマーを振り切り殴り人形を叩き落とす! 都月はその隙に全身に力を込めて体を包む青白い光を強め、拘束を弾き飛ばした! 前後反転しながら炎の槍と化した杖を突き出し、後ろに割り込んだ人形を貫通破壊!
「危なかった。シエナ、助かった」
引いた杖をひと振りする都月。しかしシエナは彼には目もくれず墜落する人形を追う! 人形が落下しながらも放ってくる連続パンチを両手を広げた錐揉み回転で掻い潜る! そのまま両手を伸ばして人形の素手をつかんだ!
「つかまえた! とシエナは喜びますが、少し怪訝に思います。あなたたちとは初対面だよね? とシエナは困惑しています」
笑顔を引っ込めて首を傾げるシエナに、人形は無言。引き戻した鉄拳でシエナを左右から挟み潰す構えを取った瞬間、シエナは無邪気な笑顔を浮かべ、空中で人形を振り回す!
「でもお友達候補だから気にしない! とシエナは考え直します! 一緒にお歌を歌いましょ! とシエナはお誘いをかけます!」
シエナは空中でワルツめいてクルクル回る。その全方位を取り囲む人形の群れ! 回転しながらそれらを目に留めたシエナは構わず鈴の音じみた声で歌い始めた!
「ら、らら、るらら―――ら、らら、るらら―――くるうるく、りむがんと! さあ皆も歌いましょ! とシエナは沢山のお友達候補を誘います。ら、らら、るらら―――ら、らら、るらら―――くるうるく、りむがんと!」
頭上で広がるシエナの歌を聞きながら、鋼の大地を踏みしめたアネット・レインフォール(剣の異邦人・f01254)は黒コートと灰のマフラーをはためかせながら右腕を大きくぶん回す! 前からはドリルめいて回転しながら飛来する鉄拳!
「廻れ! 弐式・流水衝ッ!」
正面に右腕を突き出すアネット! 手の平から吹き出す流水めいたオーラが先端か枝分かれと分離を繰り返し、無数の刀剣に姿を変える! 刀剣は空中でひとりでに束ねられ、プロペラの如く高速回転して鉄拳をガードする!
「やれやれ。バカを連呼する竜が少女の姿をしていて、空ではその分身が歌いながら敵と踊るか……。呑気な戦場だ」
アネットは口元に浮かびかけた微苦笑を強いて抑え込み、回転しながら火花と金属音を撒き散らす回転刃に意識を移す! 突き出したままの右手を握り、左肩の上まで振りかぶった!
「だが、油断するなと釘を刺された手前だ。確実に……斬るッ!」
右腕を勢いよく振るアネット! 直後回転刃はちゃぶ台返しめいて鉄拳を真上に跳ね上げ、地面と水平に飛翔する! その先にはアネットを殴り殺さんとしていた人形! 回転する刀の束はホイールソーじみて人形の腹部を切断!
「ふっ!」
アネットは右腕を下段に引き絞り、その場で回転アッパーを繰り出した! 回る刀の束は地面に刃を突き立て、車輪じみてレアメタルの大地を斬り裂きながら円弧を描く! 四方八方からアネットに襲いかかる人形たちを片っ端から粉砕!
両足を広げて着地したアネットは腰に帯びた刀をつかみ、振り向き居合い! 後方上空から急降下パンチを繰り出す鉄拳を斬り捨てる! 金属の片腕を菱形のパーツと装甲ごと裂かれた人形が逆の手を打ち出すより早く二の太刀!
「はッ!」
SLASH! 縦一直線の斬撃が人形を正中線から真っ二つに割断! 刹那、彼の頭上を飛び越えた空音がアネットの後ろをとる個体の喉を氷爪で貫き、抉り上げて頭部破壊! 背中合わせになった二人を取り囲む複数の人形たち!
「多いわね」
「ああ。正直、キリがない。一人でこれだけの物量を生み出せる辺り、さすが帝竜と言うだけはあるか」
身構える空音とアネット。二人を包囲する人形の一体が身を沈めて飛び出した瞬間、その上空から伸びた光る触手が人形の首を捕縛し引き寄せる! 両の触手に一体ずつ人形を持ったナハトは目の前の翡翠ホロウィンドウを見下ろした。
「エメラ、絞り込みガ終わったゾ。改造ノ首尾はどうダ?」
「終わってるわ。予定通り、つつくわよ」
ナハトの胸に輝く十字の光からエメラの声! ナハトが胸元に視線を移して頷いた瞬間、彼に機械腕のチョップを振り上げる人形が首を跳ね飛ばされた! 人形の背後を横切ったエルザは日本刀を逆手に持ち替えながらナハトを見る!
「ナハト様、ご無事ですか?」
「うム。ちょうドいイ所ニ来てくれタ」
ナハトは応え、両腕を勢いよく広げてボロボロのローブを跳ね上げた。胸の十字が閃光を放つ! 十字の中央から光の球体が膨れ上がり、爆ぜると同時にエメラが出現! とんと降り立ったエメラを前にナハトが告げる。
「キミにハ、エメラの援護ヲ頼みたイ」
「任されました」
エルザは返答後すぐに踵を返し、エメラとナハトに押し寄せる人形たちへと突貫していく! 地に足を着けたエメラは撃ち方を指示する指揮官めいて片手を掲げた! 彼女の足元で四角い黄金色の光が拡大!
「砲撃陣地展開! 射線には入らないように!」
地面を覆う光からせり上がって来たのは、無数の移動黄金砲台! 歯車じみた四輪を着けた小型砲台の群れは一斉に砲塔を斜め上に向け、各部から蒸気を吹き出した! エメラは空を指差して叫ぶ!
「シェリングテリトリー、ファイア!」
CABOOOOOOOOOM! 全砲門同時砲撃が空に黄金光の筋を伸ばす! 離れた場所で地団太を踏みながら人形を生成していたプラチナが、ふと空を見上げた。
「……うん? なにあれ」
緩やかに高度を稼ぐ光の軌跡。プラチナがポカンと見つめる中、エメラの魔導レーザーは放物線を描いてプラチナへ落下を開始する!
「え? え、え、え? ……え、ちょっと待って!? ええええええええええええええ!?」
驚愕に絶叫するプラチナに金色の流星群が降り注いだ! BBBBBBBBBBBBBBOOOOOOOOOOOOOM! 連鎖爆発! そして素っ頓狂な悲鳴! エメラは手元に出したホロウィンドウを横目に呟いた。
「ビンゴ。当たりを引いたわね。あなたの叡智を疑ったわけではないけれど」
「何、仮説ガ証明されただケのこト」
頷くナハトへ肩越しの微笑を向けたエメラはホロウィンドウを素早く操作。直後、方々で戦う仲間たちの目前に翡翠色のホロウィンドウが同時に出現! 表示されているのは戦場のマップとプラチナの位置! エメラは声を張り上げる!
「プラチナの位置を特定したわ! 進みましょう!」
「待ちわびたぜ」
二丁拳銃を交叉したカイムが不敵に微笑み、低姿勢で走り出す! その前に立ちはだかる人形たちに銃口を向け、乱射! GRRRRRRRRRRRRR! 横殴りの雨じみた紫電の銀弾が一部の人形たちを破壊し抜け道を作った!
「前座でいつまでも時間食ってられねえからな。一気に突破させてもらうか!」
カイムは両目と両足に紫電を滾らせ、生き残りの人形たちが繰り出す大量の鉄拳ラッシュを高速ダッシュで掻い潜る! 紫の残像を残す程の速度! 彼の背を振り向く人形たちの頭上から炎の矢ぶすまが降り注いだ! 空中の都月!
「殿はやる。みんな、行ってくれ」
都月は天に向かって突き出した杖の先で大きく円を描き出す。その軌跡をなぞるように下向きの炎矢が順に出現! 都月は下方、ビークルに乗った鈴鹿と黄金戦車群を引き連れて走るエメラ、ナハトに追いすがる人形たちを見下ろした。
「通行止めだ、止まってもらうぞ……!」
都月が杖を振り下ろし、天空に巨大シャンデリアじみた陣を組む炎矢を発射した! ジェット風で加速しながら垂直落下した炎の雨がレアメタルの大地に次々と命中、連続で爆発! BOOOOOOOOM! 炎を背後にエルザが叫ぶ!
「進みましょう! 帝竜の下へ! この大地の先へ!」
「おーっ!」
ビークルに乗って拳を突き上げる鈴鹿! 一方その頃、光の爆撃を尻尾と翼を振るって振り払ったプラチナは水気を飛ばす犬めいて全身を揺さぶった。
「あーびっくりした……いきなりなによもう……! 滅茶苦茶やってくれちゃって!」
プラチナは周囲、増産するも打ち砕かれて散らばる人形たちのパーツを見回す。竜の手が強く握られ、ギシギシと金属の軋む音が鳴った。
「許さない……もう許さないんだから! 全員ボコボコにしてやるんだから―――っ!」
身を反らして咆哮するプラチナ! 直後、彼女の足元が破裂し朱色の槍が竜頭を粉砕! 錐揉み回転しながら地面から飛び出したのは曾場八野・熊五郎(ロードオブ首輪・f24420)! 頭部を破壊されたプラチナが驚愕の悲鳴を上げる!
「ふぎゃ―――っ!?」
「真下ががら空きでごわす! ピンク狼!」
「オッケーアリス!」
熊五郎が空けた穴から飛び出したジョン・フラワー(まごころ・f19496)が右手を振り上げる! SLAAAAASH! 彼の握る錆色のハサミが竜体の腹から胸までを斬り裂き切れ込みを入れた。ジョンは切れ込みに両手を突っ込む!
「んんんんんんッ……それっ!」
CRASH! 力尽くで竜の身体を左右に分断! 引き裂かれた竜の体内には、丸くした目に涙をにじませ、ぷるぷる震えながら硬直する少女の姿が! ジョンは朗らかな笑顔で手を振った。
「やあお嬢さん! 僕オオカミ! キミとお喋りしに来たんだ!」
「ぴぎゃあああああああああああああああっ!」
プラチナの本体は条件反射パンチをジョンの顔面に叩き込む!
「ふむぐ!」
鼻面に拳を突っ込まれたジョンは軽やかなバックジャンプから宙返りをして着地! 赤くなった鼻をさする彼の前で、少女は竜体の裂け目を勢いよく閉じた!
「イテテテテ……いきなり殴るなんてひどいなぁ」
「いきなり攻めて来た奴に言われたくないっ! 私悪くないもん! 悪いのはあんたたちなんだも―――んっ!」
プラチナの竜体が両腕を広げると同時、胸に生えた青い結晶体が全て鋭いブレードに変化して撃ち出された! ジョンは素早く這いつくばってそれらを回避! 鋼鉄竜の背後からは熊五郎がダッシュで突貫! 錐揉みジャンプ!
「今度は後ろがお留守でごわ―――す!」
小型ドリルじみて回転しながら攻めかかる熊五郎を、プラチナの尻尾が横から弾き飛ばす! プラチナは大きく羽ばたいて小ジャンプし、落下と共に左腕を足元に振り下ろした! SMAAAAASH!
「プラチナプラスバナジウム! 出て来て私の分身たちっ!」
「うおっと!」
素早く身を起こして後退ジャンプするジョン! 彼の居た場所から巨大タケノコめいた鉱石が突き上げ、内側から破裂して分身人形を作り出す! プラチナの周囲で同様に分身人形が次々と出現! プラチナ竜体は翼をバタバタさせ号令!
「やっちゃえええええええっ!」
複数の人形たちがジョンと熊五郎へそれぞれ殺到していく! 伸びるパンチの連打を真横に走って逃げる熊五郎は低くうめいた。
「ぬうーッ! この娘共が面倒だからモグラ作戦で来たのでごわすが!」
「あはははははっ! ここにもアリスがいっぱい! これ全部キミが操作してるの? すごいなあ!」
軽やかなステップを踏んで人形たちの隙間を飛び渡りながらジョンが笑う。人形たちの機械手刀や拳が時折掠め、頬や太ももに裂傷を作り出す! だが直撃は避けつつプラチナに肉迫していく! プラチナは顎を引き、軽く羽ばたいた!
「よかったらキミのことを教えてほしい! まず好きなお花が気になるな!」
「なっ、なんなのよあんた! あっち行ってッ!」
突如、プラチナが黒紫色の霧を身にまとった! 霧に隠された竜頭の目が光輝き、開いたアギトから黒い砲弾を射出する! 煙の尾を引きながらジョンに向かうそれは、毒粘液の塊だ! ジョンは跳躍回転キックで蹴り飛ばす!
「毒も剣も平気だよ。僕かっこいいオオカミだから! 嘘だと思うならいくら試してくれたって構わないよ!」
「うぅ―――っ……! それなら食らえっ!」
プラチナが四つん這いになり、毒霧の中からマシンガンめいて無数の長剣を放つ! SLALALALALALALALALA! 着地したジョンは勢いをつけて地を蹴り、真正面から駆けこんでいく! 人差し指でハサミを回して!
「それッ!」
ジョンがハサミを素早く振るう! 甲高い金属音が連続し、プラチナの剣が次々と弾かれていく! しかし防ぎきれなかった刃がジョンの肩口や脇腹を斬る! プラチナが頭を地面スレスレまで下げ、さらに投射速度を上げたその時!
「ふぬらばーっ!」
プラチナの竜体腹部に地面から飛び出した熊五郎が突き刺さった! 高速回転が毒霧を巻き取り、その奥に隠された金属竜の肌をガリガリと削る! 人形たちの追撃を穴掘りでかわし、プラチナの真下に潜り込んでいたのだ!
「相変わらず真下が隙だらけでごわ、ゴツゴツドラゴン! このままガワを剥がして食ってやるでごわす!」
「アリス、それは困るよ! 僕とのお喋りだってまだなのに!」
ハサミ斬撃で剣を打ち返しながらジョンが抗議! しかし熊五郎は構わずドリルじみた回転を速め、黒紫色の霧にオレンジ色の火花を散らす! 装甲に隠れたプラチナの本体はギリギリと歯軋りをした。毒を被りながらも回転が止まらぬ!
「こ、こんなっ……! こんな犬と、ふわふわぽわぽわした奴にっ……!」
悔しげに呻いたプラチナの本体はキッと眦を吊り上げる! 次の瞬間、プラチナの竜装甲は霧を吹き飛ばして眩い輝きを放った。ジョンが思わず手を止め、目を腕で庇った刹那!
「吹き飛べ―――っ!」
SMACK―――CABOOOOOOOOOOOM! プラチナから閃光の大爆発が吹き荒れた! 眩い白光から少女の本体がくるくると宙返りしながら飛び出し、着地! 左右に浮かぶ金属腕には鋼のエネルギー!
「はぁ、ふぅ……どう!? 思い知ったかしら、ワンちゃん!」
姿をさらしたプラチナの本体は右の剣を爆心地に突きつける。光が過ぎ去ったそこにはクレーター状に抉れた地面と、ブスブスと黒い煙を上げて倒れる熊五郎! 焦げ臭い咳をし、目を回しながら彼は呻いた。
「ごほっ……。中々の歯ごたえ……!」
「アリス! なんてこった! 焼き過ぎたパンケーキみたいに黒焦げだ!」
熊五郎へ駆け出しかけたジョンの進行方向に複製人形たちが立ちはだかった。彼と熊五郎をそれぞれぐるりと包囲する人形の群れ! 先ほど飛ばした剣を背後に曼荼羅めいて並べたプラチナは両腕を組んで挑発的な笑顔を浮かべる!
「毒も剣も効かないんだったわね? じゃあ袋叩きならどうかしら!」
「あー……囲んで叩かれるのは、勘弁してほしいかな……?」
頬を引きつらせるジョン。プラチナが右手の平を突き出すと同時、右の機械腕が剣を掲げる! その時、三人の上空には後部ハッチを開くVTOL機が! そこに収まるバイクがエンジンを吹かせる。その真下でプラチナが指示!
「さあみんな! そいつらをボッコボコにしちゃってーッ!」
プラチナ人形たちが一斉に機械拳を握り、一気に包囲網を狭めながら殴りかかる! 撃ち出された拳が熊五郎とジョンに迫った瞬間、VTOLから飛び出したエアロバイクが戦場へ斜めに急降下していく! 声を張り上げるライダー!
「二人とも! 一応巻き込まないようには気をつけるけど……正直本気で余裕ないし、頑張って避けてねぇ!?」
バイク乗り―――フルフェイスヘルムを被ったティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)がバイクハンドルに備わったボタンを押し込む! バイクの両側面がミサイルポッドとグレネードランチャーを複数展開! 一斉にマイクロミサイルとグレネードを射出する! BOMBOMBOMB!
「ふえっ?」
目を丸くしたプラチナが空を見上げる間に、爆弾たちは複製人形の群れに次々と命中し爆発! 爆発! 爆発! BBBBBBBOOOOOOOM! 一瞬で粉々にされた人形の群れが四肢を撒き散らして四散する! プラチナは唖然!
「は……え?」
目を丸くするプラチナからやや離れた場所にティオレンシアのエアロバイクがクレーターにダイブして疾走し、熊五郎を拾い上げて駆け上がる! 跳躍から前後反転してプラチナと遠くに向き合う形で着陸すると、彼女は嘆息した。
「ふぅ。なぁんか、ドラゴンっぽくないっていうか……随分ノリ軽いわねぇ? まあ、出てきた以上ブッ潰さなきゃいけないんだけど……」
ティオレンシアがバイクハンドルをひねるたび、エンジンがいななく。我に返ったプラチナが両機械腕と背後に浮遊する幾多の剣にエネルギーをみなぎらせた!
「何よ、また新手!? こっちは頑張り疲れてるんだけどー!」
「あら、それはごめんねぇ。けど、こっちもあなたが元気になるまで待ってるってわけには行かないのよー……」
「で、ごわすな。正直、本体も骨と皮ばっかりで狩り甲斐無いでごわすが」
ティオレンシアに抱えられた熊五郎がダメ押しの一言! プラチナはプチリとこめかみに青筋を浮かべると突き出した両腕を交叉した!
「最悪! 折角自由になれたのに……やられてたまるもんですかっ!」
プラチナの剣の刃が白い稲妻じみたエネルギーを放出! 白い後光が少女を照らし、エネルギーの波が豊かな銀髪を振り乱す! 全力の戦闘態勢を取ったその時、プラチナと三人の猟兵の間で地面が吹き飛んだ! CRAAASH!
「ら、らら、るらら―――ら、らら、るらら―――くるうるく、りむがんと!」
歌声が響き、レアメタル混じりの粉塵が四方に吹き散らされた! 土埃を弾き飛ばして咆哮したのは、無数の白い花弁で体を構築した大型獣! 牙は小粒のブルーベリーめいた花弁の集合体、尻尾は黒薔薇が咲くイバラのツル!
『GAAAAAAAAAAAARGH!』
「あははははは! 見て見て! 不思議なお花の獣さんが出たよ! とシエナはお友達候補と一緒に喜びます!」
獣の上空、プラチナの分身たちと手を繋いで輪を作ったシエナが笑う! 獣は白い花弁の隙間から蕾を無数に突き出し、赤い薔薇を咲かせてプラチナを威嚇! 肩をびくっと震わせたプラチナは、しかし両足にムチ打って飛び出した!
「てやあああああああああああああっ!」
彼女の動きと連動して両の機械腕が二本のエネルギー大剣を振り上げる! 植物の獣は低空ジャンプからの爪撃! だが斜めに落下したプラチナの長剣がその前足を縫い留め、そこへエネルギー大剣がV字斬撃を叩き込んだ!
『GRRRRRRRRR!』
苦悶の叫びを上げる獣を、ティオレンシアのエアロバイクが飛び越えランチャー群を下方に向ける! 弾頭の掃射に合わせてプラチナは毒霧をまとう! BBBBBBBOOOOOOM! 連鎖爆発を飛び越えバイクは着地から走行!
「熊五郎クン、大丈夫?」
「平気でごわ! 糸目、隙を見て吾輩をあのモヤシ冠に投げるごわ。今度こそ食い破って……!」
「誰を食い破るってぇっ!?」
声はティオレンシアの真横! 毒霧に包まれたプラチナが彼女のバイクに高速並走していたのだ! ティオレンシアは素早くハンドルを切るが、プラチナのエネルギー大剣が早い! 命中する寸前、二人の目と鼻の先でSPAAARK!
「やっとたどり着いたと思ったら……先に始まっていたのね」
「っ!」
プラチナが目を見開く! エネルギー大剣を不可視の氷壁でしのぐのは空音! 彼女は両足を踏みしめ、氷壁を押し返す!
「ふっ……!」
透明な氷壁がプラチナの大剣を炸裂装甲めいて弾き返した! 押し飛ばされたプラチナは着地し、両足を後ろに滑らせながら制動をかける。そのまま右手を空音へ突き出し浮遊剣の群れに指令!
「やっちゃってーっ!」
彼女の周囲に、浮遊剣が切っ先を空音に向けて白いレーザービームを放つ! ZQYUUUUUUUUUM! 幾条もの閃光を、空音は真っ向から迎え撃った! ZGAAAAAAAAAM! 激しい雷鳴と共に氷壁が軋む!
「くっ……!」
壁越しの衝撃に空音の両足が数センチ後ろに滑った刹那、彼女の真後ろに瞬間移動じみてプラチナが出現! 肩越しに振り向く空音の首めがけて前に伸ばした両手をクロス!
「もらったぁーっ!」
機械腕が白熱する大剣二刀流で空音の首をハサミのように断ち切りに行く! だが二本の刃は空音の肌を裂く寸前で不可視の壁に激突してSPAAAAARK! バチバチとエネルギーが火花を散らし、プラチナが顔を歪める!
「き、斬れない! 体の周りにも……!?」
「ええ。念のために張っておいて正解だったわね」
空音が氷壁を支える両手十指に力を込め、その場で壁ごと前後反転! プラチナが一瞬早く姿を消すと同時、彼女が居た場所を氷壁が押し留めていた浮遊剣のレーザーが薙ぐ! 離れた場所に再出現したプラチナをエルザの声が打つ!
「都月様!」
「!」
プラチナはとっさに右を向いて大剣でクロスガード! そこへ炎の矢が大量に突っ込み、BOOOOOOOOM! 紅蓮の爆轟がプラチナを後方へ吹っ飛ばす! 歯噛みするプラチナの前で爆炎を貫きエルザとカイムが距離を詰めた!
「やっちゃえっ!」
プラチナが片手を薙ぐのに従い、機械腕は白いエネルギーを噴射する大剣を振り上げエルザとカイムめがけて振り下ろした! ZGGGGGOOOOOOOOM! 莫大なエネルギーを叩きつけられ広範囲の大地が爆ぜ飛ぶ! だが!
「悪いなお嬢ちゃん。こっちだ!」
「上っ!?」
ハッとして顔上げるプラチナに、黒銀の流れ星めいて大剣を振り上げたカイムが飛びかかってくる! プラチナをその場で回転し、大剣二本に足元を円状に斬り裂かせた。地面からプラチナを守るように現れた鋼の断崖を砕き鋼竜が復活!
「ほう」
目を細めたカイムは構わず身をひねり、黒銀に燃える大剣を鋼竜プラチナの脳天に叩きつける! CRAAAAASH! 衝撃音と炎が放射状に拡散する中、カイムは不敵な笑みを浮かべた。
「随分と神々しい姿だ。俺も流石に金属を食った事はねぇんだが、どーだ? 一つ、味の感想でも聞かせてくれよ」
「うる……さいっ!」
左右に広がるプラチナの翼表面が逆立ち白熱する剣山を形成! エネルギー光と共に伸長する刃がカイムを引き裂きにいく! カイムは大剣の柄を両手でつかみ、全力で振り下ろした!
「らァッ!」
SLASH! プラチナの頭部から胸までが溶断され、カイムの身体をいくつものエネルギー剣が刺し貫く! 吐血するカイムの下で、溶断された外殻の隙間からわずかに覗いたプラチナが両手で狐のサインを掲げて威嚇!
「どうよっ! 私だってやれば出来る子!」
「ああ……少女が作った工夫創作にしちゃ、悪くねぇクオリティだったぜ」
血に濡れた口の端を歪めるカイムの身体が真後ろに引き戻される! 触手を彼の胴に巻きつけて引っ張ったナハト! 彼の周りには操作権を乗っ取られたプラチナの分身が複数浮遊している!
「出動ダ、人形たちヨ!」
ナハトが空いた触手でプラチナを指差し、人形たちをプラチナへ突貫させた! プラチナは瞳に憤激を燃やし、両手を裂けた外殻の内側に突っ込んで竜体を操る! ドラゴンの身体が爆ぜて無数の浮遊剣に変貌!
「わ―――た―――し―――の―――や―――つ――――ッ!」
プラチナは両手を突き出して浮遊剣全てからビームを発射! ZGYAAAAAAAAAAM! 白い光線に頭部や胴体、四肢を貫かれた人形たちが次々と砕かれ、一本がナハトの足元に命中して爆発! 彼のローブをはためかせる!
「ぬゥッ……!」
腕で爆風に耐えるナハト! だが彼のワン・インチ距離に毒霧をまとったプラチナが踏み込み、本体の両手に握ったレイピアでナハトの眉間と胸を照準! 鋭い針めいた刃が凄まじく白熱! だがナハトは怯まぬ! 両目が瞬く!
「光ヨ、在れ!」
繰り出されるプラチナの刺突! 直後、二人の周囲に集まって来たプラチナの分身たちが閃光手榴弾じみて、FLAAAAAASH! 純白の光がレアメタルの大地に反射し、光の柱が天を突く! 視界を焼かれたプラチナがのけ反った!
「うぎゃあああああああああ! 目がぁぁぁぁ―――っ!」
「もウ一手! 隠し玉ダ!」
光の中、両腕を左右に伸ばしたナハトの十字光が発光し、機械鉄拳を放った! SMAAAAASH! 自分の機械腕と同形の拳に殴り飛ばされたプラチナが光の柱より飛び出し、地面を数回バウンドしてゴロゴロ転がる!
「ふぎゃあっ!」
「同ジ金属ダ。硬度ガ同じなラ、互いニ砕けル他あるまイ……」
呟くナハトの胸から伸びた機械拳に亀裂が走り、砕け散る。一方のプラチナはぺたんと尻餅をついた体勢で仕切りに光に焼かれた目を擦った。彼女に急接近するエルザは居合い抜きの姿勢! 鞘から僅かに抜かれた刃が白い炎を噴いた!
「その刃は罪を断ち切り、その炎は魂を浄化する……」
(め、目が見えない! 防御、防御しなきゃ!)
視界を潰されたプラチナは身を丸め、全身から毒の霧を放射! さらに暗い濃紫色の煙の中、自身を守るように粘液塊を複数生成したその時。闇の中に光が差し込んだ! 空中からビークルにまたがった鈴鹿が突撃!
「紅路夢! 対毒防御起動だっ!」
鈴鹿がフロートビークルに手綱めいて結んだリボンを打ち振ると、車体がオレンジ色のオーラをまとい鈴鹿を包む! 霧の中を急降下した鈴鹿は目を凝らし、うずくまるプラチナの輪郭を薄っすら捉えた! そして右拳を突き上げる!
「カモン、ぼくの理想郷! 夢見た世界! シャンバラー・ゲヱト、オ―――プ―――ン!」
鈴鹿の背中から橙色の曼荼羅が展開し、放出された光が毒の霧を紅茶色に染め上げる! 光を浴びた粘液塊は全てクリームの塊に、プラチナを守る機械装甲の両腕は茶色く変色してビスケット細工に置き換わった!
「な、何!? なんかいい匂いするけど……何!?」
見えない目を閉じたプラチナが尻餅を突いたまま周囲を見回す。鈴鹿はその真横に着地し、ビークルごとバウンドして通過! エルザに振り向き、大きくを手を振る。
「これでおっけー! さ、やっつけちゃおう!」
残像を引くほどの速度でプラチナのワン・インチ距離に踏み込むエルザ! 鈍化する時間の中、プラチナは刀が引き抜かれる音を聞く。彼女の手中で刃が白く燃え盛った!
「白王、煉獄ッ!」
抜刀から首を刎ねる軌道! だが直後、エルザとプラチナに無数のエネルギー光が雨の如く降り注ぎ、CABOOOOOOOOM! 白い大爆発がエルザをボロ布じみて吹き飛ばし、プラチナを空へ舞い上げる! その周囲には浮遊剣!
「集まって! 絶対超硬剣ッ!」
プラチナは目をつぶったまま左手を掲げ、周囲に大量の長剣をより集める! 光輝き始める刀身! 鋼竜の身体をバラして作った剣の群れは、切っ先を下方の猟兵たちに突きつけた!
「もう怒った! せっかく作った縄張りだけど……みんなまとめて吹き飛ばしてやるんだから―――っ!」
「悪いが、そうはさせない」
瞬間、浮遊剣の一本が光り輝いて僅かに膨張、鉄槌に変形してプラチナの背中を打ち据える! 背中を逸らすプラチナを見上げたアネットは、逆手に握った緋色の槍を振りかぶった!
「樹を隠すなら森の中……あるいはトロイの木馬、というのだったか? いずれにせよ、剣をばらまいてくれたのは僥倖だった。裏弐式……!」
アネットの槍が紅蓮のオーラをまとって激しく燃える! 大きく一歩踏み込んだ彼は全身のバネを駆使して緋槍を―――投擲!
「天帝ノ貫穿槍!」
紅蓮の光線じみてアネットの槍が飛び、プラチナの胸を撃ち抜いた! 血を吐くプラチナ! アネットは槍を投げ放ち伸びきった腕を強く握る。槍が引いた光の尾が弾けて鎖を現出! アネットは腕に絡みついた鎖をつかみ、振り下ろす!
「ふんッ!」
「うあっ!?」
プラチナが地面に垂直落下して跳ねる! その背後で緋色の槍が楔のように地面に突き立ち、アネットと繋がる鎖をピンと張った。プラチナの足元から黄金色の四角い陣が拡大! 地面に両手をついたエメラは翡翠の瞳に剣呑な光を宿す!
「手間を取らせてくれたわね。これでチェックメイトよ。そこは既に、我が陣地!」
ゴゴゴゴゴゴ! 重い金属音と共に黄金の陣から無数の砲台が浮上する! プラチナは胸を貫く鎖をつかみ、宙づりになった足をばたつかせた。頭上には今だエネルギーを励起させた剣が浮く!
「は、発射! 全部発射―――っ!」
SMACK! 剣の全てが鋼の大地を吹き飛ばさんと光を放つ! だがそれらを青白い光をまとった風の球がまとめてくるむと、剣たちは磁石めいて互いに引き寄せられ合体! 青白い光に包まれ電磁浮遊した都月が杖を打ち振る!
「撃たせはしない。鈴鹿!」
「サンドイッチになーあれっ!」
ビークルを駆ってハイジャンプした鈴鹿が、都月の磁気風球にダイブし跳ね上げたビークルの前部を叩きつける! 彼女の後光が剣束を照らし、BOMF! 白煙と共に巨大なフルーツサンドに変えた! プラチナが絶句!
「なっ……! なんで!? エネルギーが……出ない!」
「勝負あったのよ! 撃てッ!」
立ち上がったエメラが腕を振り抜く! プラチナを完全包囲する黄金砲台たちが彼女に照準を合わせ、一斉に黄金色の魔導レーザーを放った! SMAAAAACK! 眩い光が猟兵たちの目をくらませ、鋼の大地に大爆轟を引き起こす!
KRA-TOOOOOOOOOM! プラチナは爆発四散した。
大成功
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