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帝竜戦役⑬~帝竜ベルセルクドラゴン

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●終焉の地ベルセルク
「これは非常に興味深い猟兵と言うモノは何らかの予知能力を持っているように見受けられるがそれは未来予測ではなく世界移動において生じた狭間より断片を読み解くモノしかしながらヴァルギリオス様が再孵化した帝竜は誰もそれを持たないと考えた時帝竜の能力不足あるいは再孵化の過程における欠落とは考えがたい何故ならば帝竜はいずれも猟兵単体より強くかつ他の能力には欠落はみられないからだ故に……」
 帝竜ベルセルクドラゴンにとって、猟兵は実に興味深い存在であった。
 出来る事なら、バラバラにして、中身がどうなっているのか調べたい。
 それが普通の人間と比べて、どう違うのか、パーツごとに分けて検証したい。
 そんな考えが脳裏に駆け巡るほど、帝竜ベルセルクドラゴンは、猟兵に興味を持っていた。
 だからと言って、猟兵が素直に自らの肉体を差し出す訳がない。
 おそらく、ちっぽけなプライドが邪魔をして、全力で抵抗してくるはずである。
 ならば、力づくで捻じ伏せるのみ。
 帝竜ベルセルクドラゴンにとって、それはアクビをするほど簡単な事だった。

●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ!」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が真剣な表情を浮かべ、今回の依頼を説明し始めた。
 今回の目的は帝竜ベルセルクドラゴンの撃破。
 帝竜ベルセルクドラゴンは、ヴァルギリオス直属の腹心たる帝竜で、かつて群竜大陸を支配していた『古竜』を単身で死滅させた程の力を持つ存在。
 強靭な肉体と高い戦略眼、熱き意思と異常な学習能力を持っており、猟兵達の命を奪う事など容易であると思い込んでいるようだ。
 そのぶん、猟兵達の実力を過小評価している可能性があるため、相手が油断をしている間に、なるべく短時間で決着をつけるべきだとガジルが言っていた。


ゆうきつかさ
 この依頼は戦争依頼です。
 基本的には、キャラクターらしさを重視しますので、世界観や設定に問題が無ければ採用していこうと思います。
 また敵は必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります。
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第1章 ボス戦 『帝竜ベルセルクドラゴン』

POW   :    ベルセルク・プレデター
【特定の1体に対する『殺意』】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
SPD   :    ベルセルク・グラップラー
【翼を巨大な腕として使う】事で【四腕格闘形態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    ベルセルク・レイジ
全身を【狂える竜のオーラ】で覆い、自身が敵から受けた【負傷】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。

イラスト:爪尾

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

御狐・稲見之守
 ベルセルクドラゴン即ち狂戦士の龍その名の通り凶暴さを全面に出したユーベルコードばかりであるが同時にグリモアについて考察する優れた視野を持つ侮れない相手であろうことは疑いようもない事実でグリモアについて敵側が探ってくれば後の大いなる脅威になることは想像に難くなく此処でなんとしても彼奴を葬る必要があるじゃろう。弱点があるとすれば全てが自己を強化するものであるがゆえそれらを解除さえしてしまえば脅威足り得ぬ組みし易い相手とも云え彼奴がオーラを纏ったならばワシはUC呪詛殺しにて彼奴の竜のオーラを解除し催眠術と呪詛に精神攻撃の技能を以て彼奴に金縛りをかけたらば接近して生命力吸収でその精気を啜ってやろう。


七瀬・麗治
ベルセルクドラゴン…凄まじい殺気だな。たった一匹で古竜を滅ぼしたってのも納得だぜ。
敵はまずベルセルクレイジで強化して殴りかかってくるだろう。サイボーグホースに騎乗し、奴の注意を引くように周りを走る。当然そこをぶん殴ってくるだろうから、黒剣を構え、さらに鎧から混沌の炎を噴出して〈武器受け〉と〈オーラ防御〉の2段ガードの構え。攻撃をさばけたら【地獄への扉】を発動し、馬の背の上から悪魔の翼を生やして空へ飛び立つ。ベルドラの鼻っ面目掛けて、ロケットランチャーをぶっぱなしてやる。さらに、足にUDC寄生体をスパイク状に纏わせて急降下し、〈踏みつけ〉の応用で飛び蹴りを食らわすぞ。


ロイ・ベイロード
シグマ、今回の相手は、お前以上の長生きだった古竜を絶滅させるほどの力を持った強力な竜だ。
ただ、情報を聞く限り、奴は接近戦オンリーだ。
ならば、こっちは素直に接近戦する必要はねぇ。
今回の作戦は、こうだ。
「シグマ、まず、全力で空を飛んで、ヤツから距離を取るんだ。そしたら、俺がおまえの口の中に入って構える。そして、おまえは、高エネルギーに圧縮して、奴の顔を狙って打て」
なに、奴が巨大化するなら、いい的だ。そして、俺は、お前がエナジーブレスを履く瞬間に無敵城塞で弾丸となる。これは賭けだ。
エネルギーの【属性攻撃】【勇気】【切り込み】
うまくいけば、一気にダメージを与えることが出来る。

アドリブ連携歓迎


シエナ・リーレイ
■アドリブ可
■POW
今まで感じた事のない程の好意(殺意)をむけてくるドラゴンと対峙したシエナ
ドラゴンさんの呟きを聞き思わず質問します

わたしの事が知りたいの?

もしもドラゴンが肯定すればシエナは喜んで身を差し出すでしょう
ただ、シエナの仮初の体はお人形、ドラゴンの求める物が得られるか極めて怪しく、調べれば程にシエナの体から滲み出した呪詛がドラゴンの心を侵してゆきます

これを飲めば楽になれるよ!

シエナは重度の鬱となったドラゴンを純粋に心配し慰めます
そして、ドラゴンの求める物が”シエナと同じ様になる事”であると知ったシエナは[オブリビオンを何処にでも行ける状態にしてくれる魔法のお薬]を飲ませようとします。


烏丸・都留
SPD アドリブ共闘OK

UCで機動力が69倍、攻撃回数9倍、自身味方攻撃時治癒効果が発動。

「相手は10倍以上に強化されるのかしら?
寿命も削られてるようね……」

基本はクラスタードデコイでの陽動迎撃
リレイで任意装備の効果範囲延長
併用で隠蔽状態CIC内で超遠隔から全装備を管理運用


アサルトユニット:
αで超遠距離からの狙撃からの防御能力弱体化

βで他装備強化及び援護や防御、相手の感情を落ち着かせるために沈静化及び負傷をある程度間違って治した感じで治癒魔法をかけ相手UCの効果軽減

γで隙があれば攻撃、同時にアンチ・アストラルマインを運搬し敵の周囲や進行ルートに埋設、相手の行動を阻害

ガードユニットは適宜攻性防御


ミレア・ソリティス
敵側に情報を渡すわけにはいきません
此処で仕留めましょう

ランス・シールドの突撃戦装備で挑み【盾受け・オーラ防御・時間稼ぎ・激痛耐性】と防御を優先、可能ならばランスでの反撃を行います

焦れた敵が必殺を狙ってくるのなら好都合です
標的へ致命打を与えれば向ける殺意も緩み、次の獲物へと意識を移すはず
防御を捨てランスで相打ちを狙いつつも攻撃を受け
【コード・レギオン:Ω】……!

損傷した「私」は敵至近距離で自爆し熱や光の【目潰し】で視界を奪い
待機中の同装備の「私」を転送後ブースター起動、突撃し
鎧無視のランスチャージ、そしてランス基部からの零距離射撃を狙います

これが私の、「ミレア」の戦い方です
※アドリブ共闘歓迎


緋翠・華乃音
随分とよく回る舌だな。
……いや、舌だけじゃなくて頭も回るようだ。

だがお前みたいな優れた個体一つで何もかも打開出来るほど戦場は甘くない。
忠告しておくが、このままだと今までの強者と同じ末路を辿る事になるぞ。



スピードや反応速度が増した言えど、振るわれるのは腕に過ぎない。
超常現象を繰り出す訳でもなく、巨大化する訳でもなく、もちろん速度が光速に至る訳でもない。

物理法則に縛られた行動を見切れない道理はないんだよ。
視線や体幹、呼吸やリズム、筋肉や骨格の動き、一挙手一投足に至るまで全てを“見切り”一手目を躱す。

最初を読み切ればユーベルコードが使用出来る。
呪縛程度で強者に一矢報いられるのなら何も問題無い。


フィロメーラ・アステール
「猟兵にひどいことをするのは許さーん!」
なんとしても阻止してやっつけよう!
敵がどんなに強大でも、負けられないぜ!

敵は特定の一人に対する感情を爆発!
つまり……感情を収束させないようにしたら強化を抑えられる?

【空中浮遊】から戦場の動きをよく見て【情報収集】だ!
んで他の猟兵に追随したり、間隙を埋めるように、機会を見て光【属性攻撃】の光線を放つ!
【目潰し】で嫌がらせをしたり、【ダッシュ】で離脱したり、光学【迷彩】で隠れたり!
そうして【存在感】に強弱をつけることで、敵が特定の誰かに集中しないよう【精神攻撃】を行う!

反撃チャンスには【薄暮に踊る払暁の恒星】で出力増大!
【全力魔法】のレーザーで一気に決める!


ルード・シリウス
腹心と言うには随分と早い登場だな。そんなに腹が減ってたのか?
まぁ、目の前に御馳走ぶら下げられて黙っている奴なんて、聖人君子でもなきゃ無理な話だ

相手の攻撃のタイミングや軌道を見切り、残像を囮にして煽る様に動きながら回避と同時に、神喰と無愧の二刀で受け流す様に防御しつつ凌いでいく
主に凌ぐのは致命傷に至る攻撃。それ以外は被弾しても構わない。
上手く攻撃を凌ぎきったら再び残像を囮に置き、同時に外套と靴の能力で音と気配を殺し死角へ回り込む形で接近からの【魂装】発動。武装の真名及び自身の真の姿を開放。更に嘗て喰らった敵達を憑依させて強化。二刀による連撃と捕食能力で喰らいつく様に斬りかかる


黒髪・名捨
強敵だねー。旨そうだねーその力…。

●先制攻撃
『闇に紛れる』と闇に『迷彩』して姿を見えにくいだろ。
その状態でベルセルクの攻撃を『見切り』紙一重で回避する。
さて、今度はオレ達のターン(反撃)だぞ。
ブラック・ガイストで『封印を解く』
(魔殺の帯をといで口裂け人間の姿を見せつつ)本領発揮したスティンガーで『捕食』して『生命力吸収』して『恐怖を与える』
さて、ここからが本番だ。

●戦闘
互いに距離をとって覇気に『覇気』を籠めた『グラップル』で殴る。
うん、硬い。良い硬さだ。殴りがいがある。
『激痛耐性』で殴られてもいい感じだ。愛用の合法阿片をキメて『ドーピング』済みだしな。どちらかが倒れるまで殴れるぞ。



●終焉の地ベルセルク
「……凄まじい殺気だな。たった一匹で古竜を滅ぼしたってのも納得だぜ」
 七瀬・麗治(悪魔騎士・f12192)は仲間達と共に、終焉の地ベルセルクにやってきた。
 その場所の支配者として君臨していたのは、帝竜ベルセルクドラゴンであった。
 帝竜ベルセルクドラゴンは猟兵達の存在に気付くと、まるで品定めするようにして、頭から爪先まで舐め回すようにして殺気を放っていた。
 それは例えるなら、目には見えない力によって、身体を解体されているような感覚……。
 おそらく常人であれば、それだけで気絶してしまい、心臓の鼓動を止めてしまう事だろう。
 そのためか、猟兵が本能的に危機感を覚え、警戒した様子で間合いを取り始めた。
「……シグマ、今回の相手は、お前以上の長生きだった古竜を絶滅させるほどの力を持った強力な竜だ」
 そんな中、ロイ・ベイロード(剣聖・f18208)が、雷竜シグマリア=ベイロードに語り掛けた。
 雷竜シグマリア=ベイロードは、ベイロード一族と契約する齢3000を超える全長8mの雷属性のドラゴン。
 帝竜ベルセルクドラゴンと比べて小さく、体格差があるものの、それでもまったく怯んでいなかった。
「一見すると人間と何ら違いがないようだが同じなのは見た目だけで内包しているモノは全く異なるという訳かならば余計に解剖せねば……すべてを知るため……猟兵と言う存在を理解するため……」
 一方、帝竜ベルセルクドラゴンは猟兵達を見下ろし、想像を膨らませているようだった。
「ひょっとして、わたしの事が知りたいの?」
 そんな空気を察したシエナ・リーレイ(取り扱い注意の年代物呪殺人形・f04107)が、帝竜ベルセルクドラゴンに対して問いかけた。
「吾が求めるのは個でないそれでは比べる事が出来ぬ故なるべく多くの猟兵を求めているそういった意味で正解であり不正解でもある」
 帝竜ベルセルクドラゴンがショーウインドを眺めるような感じで、猟兵達に視線を送った。
「猟兵にひどいことをするのは許さーん!」
 その視線に気づいたフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)が、帝竜ベルセルクドラゴンのまわりを飛び回った。
 先程から全身に鳥肌が立って、ゾワゾワしているせいか、帝竜ベルセルクドラゴンに視線を向けられただけでも、イライラが止まらない。
「ベルセルクドラゴン即ち狂戦士の龍その名の通り凶暴さを全面に出したユーベルコードばかりであるが同時にグリモアについて考察する優れた視野を持つ侮れない相手であろうことは疑いようもない事実でグリモアについて敵側が探ってくれば後の大いなる脅威になることは想像に難くなく此処でなんとしても彼奴を葬る必要があるじゃろう」
 御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)が覚悟を決めた様子で、帝竜ベルセルクドラゴンを見上げた。
「わざわざ自分達から体を差し出すとは……これはまた面白いだがそれは無駄に命を捨てる事いや無駄ではないか運命を受け入れ従ったまでの事なのだから……これは愉快愉快敗者としての本能がそうさせているのかそれとも本能的なものなのか余計に解剖する必要性が出てきたという訳だなこれは……」
 帝竜ベルセルクドラゴンが猟兵達を観察しながら、不気味に口元を歪ませた。
「随分とよく回る舌だな。……いや、舌だけじゃなくて頭も回るようだ。だが、お前みたいな優れた個体一つで何もかも打開出来るほど戦場は甘くない」
 緋翠・華乃音(終ノ蝶・f03169)が帝竜ベルセルクドラゴンに対して、皮肉混じりに呟いた。
 だが、帝竜ベルセルクドラゴンは全く臆しておらず、絶対的な勝利を確信しているようだった。
「……とは言え、旨そうだねー、その力……」
 黒髪・名捨(記憶を探して三千里・f27254)が獲物を見るような目で、帝竜ベルセルクドラゴンを睨みつけ、闇に紛れるようにして迷彩を施した。
「まぁ、目の前に御馳走ぶら下げられて黙っている奴なんて、聖人君子でもなきゃ無理な話だ。腹心と言うには随分と早い登場だが、気に必要ようもないか」
 ルード・シリウス(暴食せし黒の凶戦士・f12362)がサクッと気持ちを切り替え、帝竜ベルセルクドラゴンと間合いを取った。
 しかし、帝竜ベルセルクドラゴンは、不動のまま。
 ありとあらゆる可能性を想定しながら、その流れを愉しんでいるようだった。
「ここで敵側に情報を渡すわけにはいきません。……此処で仕留めましょう」
 そう言ってミレア・ソリティス(軍団たる「私」・f26027)が、仲間達に声を掛けるのであった。

●帝竜ベルセルクドラゴン
「愉快愉快実に愉快己の実力も分からず吾に挑むとは……だがその身を素直に差し出すのであれば苦しむ事なく殺してやろうまあそれを拒むというのであれば迷わず吾に向かってくるがいい」
 次の瞬間、帝竜ベルセルクドラゴンがケモノのような咆哮を響かせ、狂える竜のオーラを身に纏った。
「狂える竜のオーラか。……これはまた厄介だな」
 すぐさま、麗治がサイボークホースに騎乗し、帝竜ベルセルクドラゴンの注意を引くようにしてまわりを走った。
「一方、弱点があるとすれば全てが自己を強化するものであるがゆえそれらを解除さえしてしまえば脅威足り得ぬ組みし易い相手とも云える」
 稲見之守が帝竜ベルセルクドラゴンの喋り方を真似ながら、【呪詛殺し(ディスペル・マジック)】で解呪の霊符を放ち、狂える竜のオーラを相殺した。
「ほおこれは面白いどうやら吾すらも想像がつかぬほど猟兵とは可能性を秘めた存在のようだな」
 帝竜ベルセルクドラゴンが感心した様子で猟兵達を見下ろし、自分の力を確かめるようにして、鬱陶しくまわりを駆け回る麗治に殴りかかった。
 だが、麗治はすべて予測済み。
 即座に黒剣を構えると、鎧から混沌の炎を噴出させ、オーラ防御を展開しながら、帝竜ベルセルクドラゴンの攻撃を受け止めた。
 それと同時に【地獄への扉(ノッキン・オン・ヘルズドア)】で結晶化した寄生体が、体を覆った魔人形態に変身すると、馬の背の上から悪魔の翼を生やして空に飛び立った。
「随分と余裕のようじゃが、いつまで続くか見物じゃな」
 稲見之守が催眠術と呪詛と精神攻撃を駆使して、帝竜ベルセルクドラゴンの動きを封じ、一気に間合いを詰めて精気を啜った。
「まあ、この状況で危機感がないのであれば、ただ滅びるだけだがな」
 それに合わせて、麗治が帝竜ベルセルクドラゴンの鼻っ面めがけて、ロケットランチャーをぶっ放すと、足にスパイク状のUDC寄生体を纏って、急降下しながら飛び蹴りを食らわせた。
「ぐぬぐぬぬどうやら甘く見過ぎだようだならば少し数を減らしておくか」
 帝竜ベルセルクドラゴンが怒りで体を震わせながら、翼を巨大な腕として使う事で四腕格闘形態に変身した。
 その影響でスピードと反応速度が爆発的に増大したものの、肉体が悲鳴を上げて身体のあちこちから血が噴き出した。
「随分と強化されているようね。でも、その身体でいつまで持つかしら……?」
 烏丸・都留(ヤドリガミの傭兵メディック・f12904)が軽く皮肉を言いながら、帝竜ベルセルクドラゴンの様子を窺った。
 帝竜ベルセルクドラゴンの肉体は、既に限界。
 肉体が不可に耐え切れず、自滅するのが目に見えていた。
 それでも、帝竜ベルセルクドラゴンが戦いを続けているのは、必ず猟兵達を倒し、自らの肉体を治療するだけの余裕があると考えているためだろう。
「……忠告しておくが、このままだと今までの強者と同じ末路を辿る事になるぞ」
 その事に気づいた華乃音が、帝竜ベルセルクドラゴンに対して警告した。
「これはまた愉快愉快この状況で己の心配もせず吾の心配をするとは……」
 だが、帝竜ベルセルクドラゴンはまったく気にしておらず、猟兵達に向かって殴りかかってきた。
「だったら見せてあげるわ。本当の強化が、どのようなモノなのか」
 それを迎え撃つようにして、都留が【雷冥威武(ライメイイブ)】を発動させ、機動力を69倍、攻撃回数を9倍にした上で、治癒効果が発生する雷光を輝かせると、対UDC/NBC対応自立戦略生体型クラスタード・デコイで陽動迎撃すると、対UDC/NBC対応自立戦略生体型クラスタード・リレイで任意装備の効果範囲を延長した。
「これは吾を上回るほどのパワーとスピード……なぜだそんな力が一体どこに……吾を超えるほどの力などあるはずが……」
 それを目の当たりにした帝竜ベルセルクドラゴンが、信じられない様子で声を震わせた。
「そもそもスピードや反応速度が増した言えど、振るわれるのは腕に過ぎない。超常現象を繰り出す訳でもなく、巨大化する訳でもなく、もちろん速度が光速に至る訳でもない。物理法則に縛られた行動を見切れない道理はないんだよ。それなのに、最初から勝ったつもりで戦っていたのだから、理解できる訳がない。いい加減に諦めて、もう眠れ」
 華乃音が【光輝の咎(フォビドゥン・リバース)】を発動させ、帝竜ベルセルクドラゴンの視線や体幹、呼吸やリズム、筋肉や骨格の動き、一挙手一投足に至るまで全てを見切り、相手に絶望の種を植え付ける勢いで攻撃を繰り出した。
 その状況を理解するため、帝竜ベルセルクドラゴンが脳味噌をフル回転させたものの、導き出された答えは、どれも望まぬ未来を示していた。
「どうやら理解してしまったようね。どんなに頑張っても、避ける事が出来ない現実を……」
 その間に都留が対UDC/NBC対応自立戦略生体型アサルトユニットαで超遠距離から帝竜ベルセルクドラゴンを狙撃した後、対UDC/NBC対応自立戦略魔杖機型アサルトユニットβを操り、隙をつくようにして攻撃を仕掛けていった。
「ええいっ鬱陶しい奴め今すぐ殺してやる原型を留めるほどバラバラにしてやる!」
 その事に腹を立てた帝竜ベルセルクドラゴンが殺意の感情を爆発させ、自らの身体と戦闘力を増大させた。
「だからと言って、怒りに身を任せたところで、何も変わりはないと思いますが……」
 すぐさま、ミレアがオーラ防御を展開しながら、AR-02 突撃戦用シールドブースターを構えた。
「そんな事をしても無駄無駄無駄だァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
 帝竜ベルセルクドラゴンが鼻息を荒くさせ、狂ったように攻撃を仕掛けてきた。
「……確かに無駄だな。そんなに殺意を剥き出しにしているのでは、攻撃を避けてくれと言っているようなモノだ」
 ルードが帝竜ベルセルクドラゴンの攻撃を見切り、残像を囮にして煽りつつ、呆れた様子で反撃を仕掛けていった。
 その間も帝竜ベルセルクドラゴンが攻撃を仕掛けてきたものの、ルードの挑発に乗って我を忘れているせいか、残像ばかり狙っているような感じになっていた。
(なんだか、さっきよりも力が弱まっている気が……。ひょっとして、特定の一人に感情を爆発させておかないと、強化を抑えられるって事かな……?)
 そんな事を考えながら、フィロメーラが空中浮遊をしながら、情報収集をしつつ、光属性の攻撃で帝竜ベルセルクドラゴンに目潰しを食らわせた。
「ぐおっ何も見えん何処だ何処にいる」
 その途端、帝竜ベルセルクドラゴンがパニックに陥った様子で、手当たり次第に攻撃を仕掛けてきた。
 しかし、その攻撃は誰にも当たらず、空を切るばかり。
 それが帝竜ベルセルクドラゴンの苛立ちを増幅させ、猟兵達全体に敵意を向ける結果を生み出した。
「さて、今度はオレ達のターンだ」
 次の瞬間、名捨が【ブラッド・ガイスト】を発動させ、自らの血液を代償に魔殺の帯を解いて、口裂け人間の姿を見せつつ、本領発揮したスティンガーで、帝竜ベルセルクドラゴンを捕食した。
「ぐぎゃああああああああああああああ何故だありえない吾が恐怖する事など有り得ない」
 その途端、帝竜ベルセルクドラゴンが現実を受け入れる事が出来ず、半ばパニックに陥った様子で悲鳴を上げた。
「……シグマ。まず全力で空を飛んで、ヤツから距離を取るんだ。そしたら、俺がおまえの口の中に入って構える。後は、おまえが高エネルギーに圧縮して、奴の顔を狙って打て」
 その隙をつくようにして、ロイが雷竜シグマリア=ベイロードに指示を出し、攻撃を仕掛けるタイミングを窺った。
「……うん、硬い。良い硬さだ。殴りがいがある」
 名捨も覇気に覇気を籠めたグラップルで、帝竜ベルセルクドラゴンを殴って、殴って、殴りまくった。
 その事に苛立ちを覚えた帝竜ベルセルクドラゴンも、半ばヤケになりながら反撃を仕掛けてきたものの、愛用の合法阿片をキメてドーピング済みの名捨には、頭を撫でられているようなモノだった。
「オプションΩ……適用……継戦用データ送信……後は、任せます、私!」
 それと同時に、ミレアが【コード・レギオン:Ω(コードレギオンオプションオメガ)】を発動させ、インパクトランスを構えて、帝竜ベルセルクドラゴンに突撃すると、その場で自爆して熱や光の根潰しで視界を奪った。
 その間に、インパクトランスを構えたミレアが召喚され、ブースターを起動しつつ、帝竜ベルセルクドラゴンに突撃すると、ランス基部からの零距離射撃を仕掛けた。
「なんとしても阻止してやっつけよう! 敵がどんなに強大でも、負けられないぜ!」
 それに合わせて、フィロメーラが【薄暮に踊る払暁の恒星(フィクストスターピークス)】を発動させ、魔法重視モードに変形すると、自らの移動速度や格闘能力を代償にして、反応速度や魔法能力を強化し、全力魔法のレーザーで帝竜ベルセルクドラゴンを狙い撃った。
「……巨大化したのが仇になったな」
 続いて、ロイが雷竜シグマリア=ベイロードの口内で【無敵城塞】を発動させ、全身を超防御モードに変えると、エナジーブレスと共に吐き出されて、帝竜ベルセルクドラゴンの顔面にめり込んだ。
「ぐぬ馬鹿な馬鹿な馬鹿な!」
 そのため、帝竜ベルセルクドラゴンは身を守る事さえ出来ず、大量の血を垂れ流しながら、恨めしそうに猟兵達を睨みつけた。
「……随分と余裕が無くなっているようだな。だが、安心しろ。お前の血肉は無駄にしない」
 それと同時にルードが【魂装・神魔喰ライシ暴食ノ暴君(リンケージ・タイラント)】を発動させ、暴食剣「神喰」と呪詛剣「無愧」を真名開放形態に変形させ、真の姿を解放すると、捕食衝動の理性侵食を代償にして、自ら嘗て捕食した敵を憑依させ、喰らいつようにして斬り掛かった。
「や、やめ、やめろおおおおおおおおおおおこんな運命受け入れる訳には……。こんな場所で死ぬほど吾は……ぐぬ……おおお……」
 帝竜ベルセルクドラゴンがブクブクと血の泡を吐きながら、必死に体を仰け反らせた。
 だが、ルードからは逃れる事が出来ず、身体のあちこちから大量の血が噴水の如く噴き出し、頭から崩れ落ちるようにして倒れ込んだ。
「何だか、とっても苦しそう。でも、大丈夫。これを飲めば楽になれるから……。だから安心して。何も心配する事はないから……」
 そんな中、シナエが心配した様子で帝竜ベルセルクドラゴンに駆け寄り、【『お友達』を元気にするおまじない(ユウウツノジュソ)】を発動させ、生物の心を瞬く間に重度の鬱状態にする呪詛を放った。
「なんで吾がこんな目に遭わなければいけないんだ。吾はただ猟兵を解体したかっただけなのに……。ただ純粋に解体をしたいと思っただけなのに……それに何の罪があるというのだ何も悪い事ではないヒトが家畜を食らうように……実験動物を解剖するように……吾も……」
 その途端、帝竜ベルセルクドラゴンが虚ろな表情を浮かべ、何やらブツブツと呟き始めた。
「大丈夫、大丈夫だから……。もう何も怖くないから……。ゆっくりと眠って……」
 そう言ってシエナがオブリビオンを何処にでも行ける状態にしてくれる魔法のお薬を、帝竜ベルセルクドラゴンを飲ませた。
 そして、帝竜ベルセルクドラゴンは眠るように目を閉じ、静かに息を引き取るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月13日


挿絵イラスト