帝竜戦役⑧〜皆様おしず蟹
●グリモアベースにて
「皆様お疲れ様です。また新たな戦場が発見されました」
猟兵たちをグリモアベースで出迎えたのはアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)だった。群竜大陸においてまたも新たな戦場が発見されたらしい。
「今回見つかったのは不死蟹海岸。無敵の硬度・重量・再生力を誇る、体高数百メートルの『不死蟹』の群れが生息する海岸です。不死蟹は温厚なうえ普段はじっと動きませんが、騒音・振動・匂いを嫌い、その発生源を踏み潰そうとする習性がございます。いかに猟兵と言えども戦えば勝ち目はないでしょう」
つまりここで戦う時は音を立てず、静かに戦う必要がある。わざわざ大きな音を立て勝ち目のない戦いをする必要もないだろう。
「敵のオブリビオンを同じ条件のはずですが、ここにいるオブリビオンは音を立てない様に特殊な改造が施されているようなのです。つまり相手はいつもと変わらずにこちらを襲ってくるでしょう」
不利なのはこちら側だけ。とはいえ猟兵であればこれほどのハンデは意に介さないだろう。
「そして今回もまたこの場所で獲れる財宝がございます。『生命の書片』と呼ばれる不死蟹の子蟹の抜け殻で、重く硬く、煮ると芳醇な出汁がいつまでも出続けます。なぜ生命の書片と呼ぶのか分かりませんが、ひとつ金貨750枚、日本円にして750万円の価値があります。見かけたら拾ってみるといいでしょう」
最後にアマータから猟兵たちへ向けて一言。
「今回も特殊な戦場での戦いとなります。ですが皆様でしたら問題なく突破できると当機は信じております。どうかご武運を」
こうしてカーテシーと共に猟兵たちの転移が開始された。
灰色幽霊
どうも、灰色幽霊です。
静かにしているのは苦手です。
といわけで今回は静かに戦っていただきます。大きな音や振動、匂いを発さずに戦うことでプレイングボーナスが発生します。
今回も倒すとドロップアイテムもあるようです。結構その辺に落ちているみたいなので拾いたい人はどんどん拾ってください。
注意事項などはMSページをご覧ください。
それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『シュヴァルト』
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POW : プラント・イクリプス
肉体の一部もしくは全部を【植物】に変異させ、植物の持つ特性と、狭い隙間に入り込む能力を得る。
SPD : ダルウィテッド・バース
自身の【切断されると増殖する体質】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ : フォール・リユニオン
【花】から【花粉】を放ち、【死者と再会する幻覚】により対象の動きを一時的に封じる。
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
セシリア・サヴェージ
並のオブリビオンよりも強そうな蟹ですね……これを利用しない手はないかと。
騒音・振動に関しては可能な限り静止することで抑えましょう。
匂いに関しては全身を包むように【オーラ防御】を展開すれば大丈夫かと。敵の花粉も防げて一石二鳥ですね。
まあ……そこまで匂わないと思いますが。一応気にかけていますし……。
さて、敵も不死蟹に対する対策を施しているようですが外部からの干渉までは考えてはいないでしょう。
UC【死翔の黒剣】を敵に向かって放ち……敵の眼前で黒剣同士を衝突させます。
すると大きな金属音が鳴り、その場所を不死蟹が踏みつけ……不運なオブリビオンはそれに巻き込まれる。という作戦です。
●使えるモノは蟹でも使う
(並のオブリビオンよりも強そうな蟹ですね……これを利用しない手はないかと)
不死蟹海岸に赴いたセシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)は岩陰に姿を隠し周囲の様子を伺う。シュヴァルトたちは我が物顔で海岸を練り歩いているがセシリアはそうもいかない。音を立てれば不死蟹たちが目覚め何が起こるかわからない。ここは慎重に動かなければ。
このまま動かなければ音や振動は起こらないはず。匂いに関しては乙女の嗜みとして気にしてはいるがそれでも念には念を入れ、自身の鎧に宿る暗黒を全身を包み込むように展開する。これでセシリアの匂いは周囲に漏れることなく、同時にシュヴァルトたちが振りまく花粉も防ぐことができる。
とはいえこのまま動かなければ不死蟹に襲われることもないが敵を倒すこともできない。だからこそセシリアは不死蟹を利用する。シュヴァルトたち自身には不死蟹に対する対策を施されているようだが外部からの干渉までは考えられてはいないはず。そう読んだセシリアは【死翔の黒剣】により呼び出した闇を纏う魔法剣をシュヴァルトたち目掛けて発射する。
しかし狙うのはシュヴァルト自身ではない。剣はシュヴァルトたちの目の前で衝突し、大きな音を立てて消滅する。
―――もちろん、そんな音を立てれば不死蟹が黙ってはいない。
不死蟹は不快な音に反応し、のそりと起き上がる。音のした方向を見てみれば何やら自分たち以外のナニカがいる。シュヴァルトたちを音の発生源だと認識した不死蟹はその脚を振り上げシュヴァルトたちを踏みつぶす。それで満足したのか不死蟹はまた脚を折りたたみ、その場でじっと日光浴を始めた。
(作戦成功です)
こうしてセシリアの作戦は成功し、不運にもシュヴァルトたちは不死蟹の脚で粉砕された。
成功
🔵🔵🔴
亞東・霧亥
『本来、サイレントキルは俺の十八番だ。最近の依頼では、やや喧しいけどな。(ぼそぼそ)』
・武器改造、残像、【分身の術】
クリエイトフォースを光を屈折するプリズムの細かい破片に変化させ、周囲に散布。
やや離れた位置に虚像を作り出し、実体を隠す。
・目立たない、忍び足
特殊な足運びで音を立てずに狙撃場所に移動する。
【UC】+毒使い、早業、暗殺
即効性の劇毒と枯葉剤を混合し、風受けの針に仕込む。
分身に意識が向いている間に、急所を狙って射つ。
※ネタ、メタ、ギャグ、絡みも山盛り大歓迎
●黙っていればなんとやら
(本来、サイレントキルは俺の十八番だ。最近の依頼では、やや喧しいけどな)
訓練された特殊な足運びで亞東・霧亥(峻刻・f05789)は海岸を進んでいく。不死蟹を刺激し、起こさぬよう細心の注意を払いながら。本来の霧亥はこういった隠密が向いているのだ。最近は相手や戦いの規模の関係で派手な行動も多かったが。
海岸を進み、シュヴァルトを発見した霧亥は自らのファースセイバーを細かい破片に変化させ、周囲に散布する。プリズムの様に光を屈折させるそれは霧亥自身とやや離れた場所に全く同じ姿の分身を作り上げ、同時に本体である霧亥の姿を隠す。分身はあくまで光でできた虚像。音も立てなければ大気を振動させることもなく、匂いもない絶好の囮。
分身を囮に霧亥自身は狙撃ポイントへと移動する。シュヴァルトたちが分身に気づけば中尉はそちらへ向く。そこを狙える絶好の位置へ。
ポイントへと到達した霧亥は吹屋に仕込む毒を調合する。見た目からシュヴァルトは草に関係するオブリビオンのはず。即効性の毒に枯葉剤を混合し、風受けの針へ。これで準備は整った。あとは狙撃の機会を忍んで待つばかり。
シュヴァルトが霧亥の分身に気づいたのはその直後だった。音を立てぬ様に警戒しながら進んでいるように見せかける分身を絶好の的だと認識したシュヴァルトは改造を施されたその四肢で音も立てず分身の背後へと忍び寄る。その咢が分身の頭に食らいつくが肉を砕く感触がない。
(残念、それは外れだぜ)
その瞬間、シュヴァルトの喉元へ突き刺さる霧亥の【黙殺】により吹き矢から放たれた一本の矢。チクリと痛みを感じた時にはすでにシュヴァルトの身体は動かなくなっていた。毒が体の自由を奪い、枯葉剤がその身を朽ちさせる。シュヴァルトはそのまま音を発することなく塵となり消え去った。
大成功
🔵🔵🔵
古上・薺
さて、自ら音や臭い、振動を出さずに敵を屠れということじゃが…
あの西洋トカゲが身体に草木を生やすというならば話が早い
我が火術炎極大蛇で炙り、燃やすことで件の蟹の餌食としてやれば済むというもの
まぁ、術を放つのはわし様じゃが… 草木や身の焦げる匂いや焼け爆ぜる音を出すのはトカゲ自身、蟹共の狙いは必然的に奴に向くはず…
奴が放つ花粉も火勢に煽られれば焼け散るか、燃焼の際に巻き起こる風で指向性は保てぬはず、さらに術式の類は近づく必要性もあまりない 蟹の怒りの巻き添えになることもないじゃろ
自身の足音は「空中浮遊」にて浮くことにより消し、詠唱自体は「高速詠唱」をもって早々と済ませてしまえば問題ないはずじゃ
●雑草は燃やすに限る
(さて……)
古上・薺(傲岸不遜な箱入り狐娘・f03595)は海岸の上空から不死蟹とシュヴァルトたちを観察していた。あの蟹は音や振動、匂いに反応するということだがこうして空にいれば反応させることもない。問題はこのままどうやってシュヴァルトたちを倒すかだが、それも薺には妙案がある。
(あの西洋トカゲが身体に草木を生やすというならば話は早い)
相手が草や木ならば燃やしてしまえばいいだけのことだった。術で攻撃をすればわざわざ近づく必要もない。攻撃で発生する音に怒った不死蟹の攻撃の巻き添えになることもないだろう。
「出で現れよ、焔の大蛇!」
とはいえ詠唱の声で気づかれてしまっては元も子もない。上空にいるとはいえ警戒は怠らず声は小さく、高速詠唱で早口に。
詠唱と共に一列に並べた霊符を炎の大蛇へと変化し、空からシュヴァルトたちへと迫る。
突如として空より現れた炎の大蛇にシュヴァルトたちは虚を突かれ、そのまま拘束される。同時に大蛇の炎がシュヴァルトたちの身体を炙り、その身体に生える草木に火をつける。それによりシュヴァルトたちの身体からはその身の焼ける臭い、そして草木の焼ける音が絶え間なく放たれる。その音は不死蟹を怒らせ、蟹は覚醒する。元をただせば音の原因は薺の放った術なのだが今燃えて音を立てているのはシュヴァルト自身。ならば不死蟹の怒りの矛先はシュヴァルトへ向く。
シュヴァルトたちも逃げようにも身体が拘束されていては逃げることもできない。最後の足掻きに花粉を放ってもその身を焦がす炎で焼け散ってしまう。そんなシュヴァルトたちに怒り狂った不死蟹の振り上げた脚が叩きつけられる。
(ま、わし様に掛かればこんなものよ)
成功
🔵🔵🔴
仇死原・アンナ
アドリブOK
カニカニどこもカニ…
喰えそうにないし潰されたくもない…
素早く敵を倒そう…
【凄惨解体人間】を使い液状に溶けて
[目立たず忍び足で闇に紛れつつ]敵群に近づこう
液状のまま敵群目掛けて飛び散りわざと音を立てて
不死蟹を[挑発しおびき寄せ]て襲わせよう
敵が蟹に襲われている隙に半身だけ人型に静かに戻りつつ
妖刀の柄に鎖を巻き付けて、それを振り回し
[ロープワーク、鎧無視攻撃]で敵の胸に[串刺し、暗殺]しよう…
…?
これが不死子蟹の抜け殻か…重い…
この抜け殻が生命の書片らしいけど…
いカニしてそんな名前で呼ばれるようになったのかな…
不死議…じゃない不思議だ…
生命の書片をまじまじ見たり嗅いだりしよう…
●なんとも不死議
(カニカニどこもカニ……)
不死蟹海岸は何処を見渡しても蟹だらけ。たまにちょこっとシュヴァルトがいるくらい。あの蟹は食べられそうにないし、怒らせてあの大きな脚に踏みつぶされたら痛そうなので潰されたくもない。仇死原・アンナ(炎獄の執行人・f09978)はさっさと敵を倒してこの海岸を去ることを決意した。
アンナは【凄惨解体人間】を発動し、自身の肉体を赤黒色の血液と細かい肉片、そして髪の毛の束に変異させる。知らぬ人が見ればバラバラ死体でしかないのだがアンナ本人はこう見えても痛くはないらしい。液状になったアンナはそのまま音を立てぬ様に注意してシュヴァルトたちに近づいていく。
まさか敵が血だまりになって近づいてくるなどとシュヴァルトたちが想像しているはずもなく、アンナが接近するのは容易だった。シュヴァルトの集団に近づいたアンナはわざと音を立てるように飛び散りシュヴァルトたちに襲い掛かる。もちろんダメージなどは与えられないが目的は別。アンナが飛び散る音に気づいた不死蟹がゆっくりと覚醒する。
そのままアンナは少々離れた位置で半身だけ人型に戻りながら不死蟹に踏みつぶされるシュヴァルトたちを眺めていた。まだ息のありそうな個体には妖刀に鎖を括りつけ、投擲することで命を奪う。
こうして周囲のシュヴァルトを一掃し、仕事を終えたアンナは来た道を静かに戻り帰還する。
「……?」
その道中アンナは不思議なものを拾った。
「これが不死子蟹の抜け殻か…重い……」
生命の書片と呼ばれる不死蟹の抜け殻。いカニしてそんな名前で呼ばれるようになったのかそれがアンナの興味を惹く。アンナはまじまじと抜け殻を見つめ、匂いを嗅いでみる。流石に味を確かめようとはしなかったが。
「不死議…じゃない不思議だ……」
一仕事を終えたアンナは抜け殻を抱え、首を傾げながら海岸を後にする。
大成功
🔵🔵🔵
御形・菘
(以下すべて心の声、字幕でナレーション挿入)
なるほど、BGMやSEは編集で入れろと
頭を使う面白いバトルコンセプト、実に良いぞ!
海岸の中でも、できるだけ目立つ良い場所に位置取りをしよう
堂々と立ちはだかり、音が出るはずもない存在感や殺気に覇気、カリスマ、邪神オーラ諸々をありったけ解放!
右手を上げ、(モーションだけ)指を鳴らし、さあ高く浮かべ魔法陣よ!
お主ら、妾と同じく、花を愛でるのが好きなのであろう?
ならば、最っ高にエモいショータイムにしようではないか!
花々に埋もれて沈め、どこまでもな!
…お主らの幻覚は効かんよ
どうせ自称両親を騙ってくる気であろう?
見させられる度に違うのが出てくるので飽きておるよ
●ここから先は映像だけでお楽しみいただきます
(なるほど、BGMやSEは編集で入れろと。頭を使う面白いバトルコンセプト、実に良いぞ!)
不死蟹海岸へとやって来た御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)は若干今回の依頼を勘違いしていた。動画配信者たる菘からすれば面白い動画が撮れるのでいいのだろう。とりあえず菘はできるだけ目立つ場所を探すことにした。移動は音を立てぬ様にするすると。
(ここだな!)
海岸に聳え立つ崖の上。周囲を一瞥できるそこに菘はいた。そこで堂々と立ちはだかり、周囲に自身の存在をアピールする。もちろん無音で。
音も匂いもなければ不死蟹たちは気にしない。しかしシュヴァルトたちは別。敵の存在に気がつくとわらわらと崖目掛けて殺到する。
(お主ら、妾と同じく、花を愛でるのが好きなのであろう? ならば、最っ高にエモいショータイムにしようではないか!)
シュヴァルトたちが集まったことを確認すると菘は右手を天に掲げ、音を立て不死蟹を怒らせぬ様にモーションだけのフィンガースナップを合図に【花驟雨】を発動。菘へ敵意を抱くシュヴァルトたちへ空に現れた巨大な魔法陣から無数の花びらが降り注ぐ。
(花々に埋もれて沈め、どこまでもな!)
花びらにその身体を蹂躙される。しかしシュヴァルトたちとて斬り刻まれながらも抵抗はする。その身から放つ花粉が菘を幻覚へと誘う。
だが死者と再会するというその花粉では菘は止まらなかった。
(……お主らの幻覚は効かんよ。どうせ自称両親を騙ってくる気であろう? 見させられる度に違うのが出てくるので飽きておるよ)
何故両親を語るモノの姿が違うのか。その理由は菘自身にもわかっていない。もしかしたら意味があるのかもしれないが今ここでは関係のない話。少なくともシュヴァルトたちの花粉で菘は止まらなかった。
最後に一陣の風が花びらを吹き飛ばすとそこにはもう草木を生やす竜の姿は何処にもなかった。
(妾の大勝利~!)
成功
🔵🔵🔴
トリテレイア・ゼロナイン
人質が囚われている施設に潜入、敵を密かに倒しながら救出を行う依頼に参加したこともありましたが、この戦場でその経験が役立ちそうですね
関節に駆動音を軽減する処置、足裏にクッション素材を装着し足音軽減、さらに地形に溶け込む外套を羽織り侵入(●防具改造●地形の利用)
UCで持ち込んだ●怪力で射るウォーマシン用の剛弓での遠距離●スナイパー●だまし討ち射撃で攻撃
この状況では火薬式の銃やブラスターよりも適しています
センサーでの●情報収集で風向き、敵の位置を把握
一射も失敗は許されません
敵が態勢を整える前に数を仕留めたい所…
自己●ハッキングで演算処理速度●限界突破
植物変異の強度や形状変化も●見切り、攻撃
●静謐なる機械騎士
(人質が囚われている施設に潜入、敵を密かに倒しながら救出を行う依頼に参加したこともありましたが……この戦場でその経験が役立ちそうですね)
歴戦の騎士であるトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は過去にも似たようなシチュエーションを経験していた。とはいえ今回は人質もいないだけマシかもしれない。そのままでは移動するたびに駆動音が鳴る関節に潤滑剤を塗り込み少しでも音を減らし、足裏にもクッション材を仕込むことで足音を軽減する。機械の身体は便利なときも多いがこうした隠密には少々向いていなかった。
最後にその身に纏う機械鎧を隠すための外套を羽織りトリテレイアは海岸へと侵入する。
(ここなら……)
トリテレイアが位置どったのはセンサーがギリギリシュヴァルトの動きを感知できる岩陰。今回トリテレイアが【電子と鋼の武芸百般】で持ち込んだのはウォーマシン用の剛弓。威力や連射性は火薬式の銃やブラスターに劣るが音を立てることができない今回の様な状況では最も優れた武装である。
センサーで風向きを把握、周囲の温度や気圧も演算へと代入しシュヴァルトたちを狙う。もしも外せばシュヴァルトたちは逃げ、不死蟹は活性化し手に負えなくなるだろう。故に一射も失敗は許されない。自身のプログラムを改竄し、いつもは近接戦闘に割いていたリソースも全て射撃へと回す。
(敵が態勢を整える前に数を仕留めたい所……)
限界まで引き絞られた弦が解き放たれ、音速を超えた矢が飛翔する。
シュヴァルトは何が起こったのかわからない。気がつけば自身の頭に矢が突き刺さっていた。そう認識したのが最期の記憶であり身体は既に塵となり始めていた。
シュヴァルトの群れが一つ消え、残ったのは金属製の矢が数本。不死蟹は何も気づかない。
任務を終えた機械騎士は音も立てずに帰投する。
大成功
🔵🔵🔵
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ・連携OK
(うらやましい生活と体質してるなあこの蟹さん。)
(まあ、起こすのも悪いし、面倒なことになるなら静かにやるのが一番だね。)
移動は可能な限り忍び足で音を立てないように、
目立たないよう慎重に進んで行こうか。
敵を見つけたら、【超軟体化】を発動。
沢山の蛸足を巻き付けて、静かに全身をへし折って倒そうか。
これなら切断してないから、増殖したりもしないよね。
余裕があれば、生命の書片は持って帰りたいなあ。
何度でも使える出汁は便利そうだし、鍋料理とかが美味しくなりそう。
さて、気合いを入れすぎてうっかり音を立てない程度に頑張ろうか。
●蟹に憧れ
(うらやましい生活と体質してるなあこの蟹さん)
不死蟹を発見してペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)はその在り方に憧れた。天敵と呼べるモノもなく、日がな一日日向ぼっこをしているだけ。たまにくるうるさい輩はその脚で叩き潰す。まさにペトニアロトゥシカ憧れの生活だった。
(まあ、起こすのも悪いし、面倒なことになるなら静かにやるのが一番だね)
もちろん起こしたらどんなことになるかわからない以上起こさないに越したことはない。ペトニアロトゥシカはできるだけ足音を殺し、気づかれないように海岸を進む。
(あれが敵かな)
シュヴァルトを見つけるのはそう難しい事ではなかった。シュヴァルトたちも自身に施された改造で音立てず、匂いもないため悠々と海岸を練り歩く。油断しきっている相手ならば隠れて仕留めるのも難しいことではない。ペトニアロトゥシカは【超軟体化】で下半身をタコの様に変容させ、伸びる蛸足をシュヴァルトたちへ忍ばせる。
静かにシュヴァルトに巻き付いた蛸足たちは万力の様にゆっくりとその身体を締め上げる。切断すると増殖するシュヴァルトだが、身体中を粉々にされては増殖もできない。そのままシュヴァルトの身体は音も立てずにくしゃりと潰れ、塵になる。
なんて言うことはない静かに事を運べば簡単なお仕事。どうせなら、とペトニアロトゥシカは生命の書片を拾いに行く。ここでしか採れないが何度でも使える出汁は魅力的。時期ではないが鍋料理に使えるだろう。
(あったあった。意外と重いねぇ)
蛸足のままにゅるにゅると移動し、転がる抜け殻を見つけたペトニアロトゥシカは今度こそ海岸を後にする。
お昼寝を続ける不死蟹たちに声に出さないお別れのあいさつをして。
大成功
🔵🔵🔵
フランチェスカ・ヴァレンタイン
音と振動… 戦場との相性が悪いってレベルじゃないですねえ、わたし
とはいえ鎧装を持つ以前の戦い方に戻すだけなんですが、と
自前の翼のみを使った空中戦機動で舞い、遠心力やら位置エネルギーを最大限に活用した斧槍の連撃で切り込んでいきましょう
戦槌部分はともかく、斧刃と穂先を中心に使うのでしたら発する音響も僅かかと
…金剋木、植物を断つ金属の性質を属性攻撃で強化などするのも良さそうですかね?
UCはお相手の反撃行動を見切り、後の先を制するクロスカウンターで回し蹴りを合わせることで叩き込んで差し上げましょうか
「重鳴り奏でる神音の響きをどうぞ、召し、あが――れ…ッ!」
抜け殻拾いは… 戦闘後にでもゆっくりと、ですね
●戦淑女は静かに舞う
(音と振動……戦場との相性が悪いってレベルじゃないですねえ、わたし)
バーニアによる加速や、ユニットによる砲撃と爆撃を得意とするフランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)にとってこの戦場は相性最悪だった。どれかを使えば音が鳴り、不死蟹は動き出してしまうだろう。
(とはいえ鎧装を持つ以前の戦い方に戻すだけなんですが)
しかしやり様はいくらでもある。鎧装とて常にあったわけではない。それ以前の戦い方ももちろん存在するのだ。
フランチェスカは予め鎧装をパージして海岸へと降り立った。
自前の翼のみで静かに空を舞い、フランチェスカはシュヴァルトを探す。武器も愛用の斧槍しか今はないがそれでも十分だろう。
(いましたね)
悠々と海岸を歩くシュヴァルトを発見するとそのまま自然落下で高所からの奇襲を仕掛ける。ただの自然現象である落下は音を立てずにフランチェスカをシュヴァルトの元へと誘う。
落下の位置エネルギーをそのままに、フランチェスカの振るう斧槍の刃がシュヴァルトの首を切り落とす。襲撃に気づいた別の個体がフランチェスカに噛みつこうとするが身体ごとひねり、勢いのついた斧槍がその頭を薙ぎ払う。金剋木、植物を断つには金属が最も有効だった。
しかしこの一連の行動でフランチェスカは別のシュヴァルトたちに囲まれていた。それぞれが尾を茨へと変異させ、フランチェスカを捉えるべくそれを伸ばす。
だがそれはフランチェスカに届くことはなかった。
「重鳴り奏でる神音の響きをどうぞ、召し、あが――れ…ッ!」
カウンターで放たれるフランチェスカの回し蹴りがシュヴァルトたちに命中。【天穹濤撃ち 蹴り砕くもの】による叩き込まれた超振動破砕がそのままシュヴァルトたちの頭部を粉砕する。
流石にここまでやってしまっては無音とまではいかず、不死蟹たちも覚醒してしまう。
周囲のシュヴァルトの殲滅を確認したフランチェスカは最大戦速でこの空域を離脱した。
大成功
🔵🔵🔵
赤星・緋色
ここは音を立てちゃいけないのかー
私は技能で忍び足とかもあるから、きっとそういうの得意だよ
たぶん
それに空中にいれば音ほとんど出ないし、カニも攻撃してこないでしょ(てきとう)
切断されると増殖する体質、ね
なら打撃で攻撃する感じかな
ドラゴンて基本的に背中側、特に翼の付け根あたりが死角になるからそこを狙っていく感じ
スカイステッパーに技能の空中戦と踏みつけに鎧砕きを組み合わせた攻撃で
音を立てないように移動もできるだけ空中で、かな
踏みつけでスカイステッパーのジャンプ回数をリセットできるから、気にしなくていいのかもだけど
生命の書片?
なんか重くて邪魔そう
持って帰るのも大変だったり?
小さいのがあったらいいな!
●たぶんいけるはず
(ここは音を立てちゃいけないのかー)
赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)は今回の趣旨をふわっと理解していた。とりあえず音を立てなければ不死蟹も反応はしないだろう。という考えの元【スカイステッパー】で宙を蹴り、緋色は空にいた。確かにこれだけ離れていれば空を蹴る音も聞かれずに浮き続けられるだろう。
空から観察を続け、緋色は一匹のシュヴァルトに狙いを定める。そのまま高高度からの自然落下で勢いをつけ、上空からの飛び蹴りで奇襲を仕掛ける。狙うのは背中。それも翼の付け根に位置する場所。そこは多くのドラゴンの死角であり、最も防御が手薄になる場所。
飛び蹴りがクリーンヒットし、よろめくシュヴァルトだが声を上げれば不死蟹の機嫌を損ねてしまう。反射的に尾を振るうがもうすでに緋色は空中へと戻っている。【スカイステッパー】の使用制限もシュヴァルトを踏みつけることでリセットされ、緋色はまた空を駆ける。そのスピードについてこれないシュヴァルトは翻弄され、反撃すらままならない。その隙をつき再び緋色の蹴りがシュヴァルトへ。
そんなことが繰り返されいつしかシュヴァルトの鱗にも罅が入る。
切断により増殖するシュヴァルトの性質も打撃ならば意味がない。しかし緋色の蹴りでは決定打となるには威力が足りない。
ならば威力の足る攻撃を持って来ればいいだけのこと。
幾度目かの蹴りがシュヴァルトへ命中し、緋色の身体は再び空へ。
(そろそろかな?)
これまでと違ったのはそのままシュヴァルトの周囲を駆けるのではなく、さらに上空へと駆け上がっていったこと。勢いをつけてさらに威力を増した攻撃をするのだろうと踏んだシュヴァルトは待ち構えるべく自身の身体に蔦を巻きつけ地面へと固定する。
だが緋色の目的は違った。蹴りによる些細な振動とはいえ蓄積すれば大きな揺れに等しくなる。
つまり振動で覚醒した不死蟹怒りの一撃から逃れるために緋色は空高く逃げたのだ。
「じゃあねー」
自身の身体を固定してしまったシュヴァルトは逃げられず、不死蟹に叩き潰され塵となった。
大成功
🔵🔵🔵
エルザ・メレディウス
*他の方との連携・アドリブ大歓迎です
なんだか少しだけどきどきしてしまいます...命がけのかくれんぼですね
★集団で行動する場合は【集団戦術】を心がけて行動します
・【地形の活用】を活かして、岩陰などを上手く使って不死蟹・シュヴァルトに気付かれないように注意いたします。移動の際は【忍び足】で移動しながら、足音が目立たないように。 UC:影の追跡者を使用して、不死蟹の監視も怠らずに静かにシュヴァルトへ近づきます
・戦闘開始まで、なるべく騒音を立てたくないので、相手に発見されるか、敵が攻撃の距離に入るまでは【忍び足】は崩さずに。上手く近づけたら、剣刃一閃であまり目立たないように攻撃を
●命がけのかくれんぼ
(なんだかどきどきしてしまいます)
エルザ・メレディウス(復讐者・f19492)は岩陰にその身を隠し、この命がけのに鼓動を高鳴らせる。その間に【影の追跡者の召喚】で呼び出した影の追跡者を放ち、シュヴァルトを捜索する。エルザ自身は不死蟹を刺激しない様ゆっくり静かに海岸の奥へ。足音が目立たぬように忍び足で。
影の追跡者がシュヴァルトたちを発見したがまだエルザの攻撃できる距離ではない。動いて音を立て、不死蟹を起こしてしまうのも不味い。だからまだ攻撃には移らずにゆっくり静かに距離を詰めていく。
未だエルザに気づいてはいないシュヴァルトだがその身体から伸びる根が周囲に張り巡らされている。それは襲撃を感知する罠であり、自らが音を立てず移動するための足場。しかし影である追跡者には意味を為さなかった。影の追跡者はシュヴァルトの影へと潜みエルザが仕掛ける時を待つ。
(この距離でしたら……)
もう既にシュヴァルトはエルザの間合いへと入っている。しかしまだ攻撃を仕掛けないのは騒音を起こさないため。シュヴァルトが先に動くまでエルザはその手を振るわない。だが既にその手に刀は握られ、あとは振り抜くだけだった。
シュヴァルトも一足遅れてエルザの存在に気がつく。音こそ殺しているが相手が既に戦闘態勢に入っていることも把握した。だがこの時のために張り巡らされた根がここにはある。突如そこから伸びる棘がエルザを狙う。
眼前に鋭い棘が迫ろうとエルザの心は乱れない。戦闘が始まった以上もう刀を振るわない理由もない。
躊躇いもなく振り抜かれた【剣刃一閃】は迫る棘も、その奥にいるシュヴァルトの首も諸共一気に両断する。
シュヴァルトの首は地に落ちる前にその身体と共に塵となる。
命がけのかくれんぼに勝利して役目を終えたエルザは静かにそそくさ海岸を後にする。
成功
🔵🔵🔴
アリエル・ポラリス
ふふふ、音も振動も駄目、ねえ。(小声)
任せなさい、人狼たるこの私、足の肉球はこういう時の為よ!(小声)
狼モードで進んで……(小声)
一番おっきな蟹さんの甲羅に!(小声)へばりつきます!!!(小声)
勿論リスクは承知だけど、一度くっついちゃえば後は静かにしてるだけでいいのよ!
なにより、こんなおっきな蟹さんがいるのよ! 乗るでしょ!!
さあ、蟹さんにくっついた後はユーベルコード!
蟹さんには当てないように操る葬送火で、敵を燃やしてやるわ!
ふふ、私に手を出せるものなら出してみなさい……改造されても、蟹さんごと攻撃はできるものですか!
みんな倒せたら最後の戦いに移るわ!
……私が降りるまで、じっとしててね蟹さん。
●最 終 決 戦
「ふふふ、音も振動も駄目、ねえ」
自慢の尻尾をふりふりしながらアリエル・ポラリス(紅蓮の夜空が笑うから・f20265)は狼モードで海岸を進む。
「任せなさい、人狼たるこの私、足の肉球はこういう時の為よ!」
多分違うと思うが肉球はしっかりと足音を消し、ここまで見事に隠密していた。そしてアリエルの目指す先にいたのは。
「一番おっきな蟹さんの甲羅に! へばりつきます!!!」
この海岸で最も大きな不死蟹。全速力でダッシュすると勢いそのままにぴたっと蟹の頭部にへばりついた。そんなことをすれば振動で不死蟹も気づきそうなものだがそこはこれまで兄や姉で培った飛びつきスキルが役に立つ。
ちなみにここまで普通にしゃべっている様に見えるが常人では聴き取れないレベルの小声でしゃべっている。
不死蟹にへばりつくという行為はリスクしかないように見えるがもちろんメリットも存在する。アリエルが不死蟹にへばりついていればシュヴァルトは例えアリエルの存在に気づいたとしても不用意に攻撃はできない。つまりアリエルは一方的に攻撃できるのだ。
というのは建前ではちゃめちゃに大きい蟹にテンションが上がったが故の奇行というのが真実だったりする。大きい蟹がいれば乗りたいお年頃。
不死蟹にくっつくことに成功すればあとはもうアリエルのもの。蟹に当てぬ様に操る【愛亡き者への葬送火】が周囲に降り注ぎ、地上にいるシュヴァルトたちを静かに燃やす。草木の生えたシュヴァルトの身体はよく燃える。しかしアリエルの炎は苦痛を与えず安らかにシュヴァルトたちを骸の海へと送り還す。
こうして気がつけばこの周囲に存在したシュヴァルトたちは一体残らず葬送の炎で骸の海へと送られた。
「さぁ、最後の戦いね」
しかしアリエルの戦いはまだ終わらない。成さねばならぬことがまだ一つ残っている。
「……私が降りるまで、じっとしててね蟹さん」
そう、登った以上は降りなければならない。それはごく当然のこと。ここで物音でも立てればたちまち不死蟹は怒り暴れることだろう。
故にアリエルは全力で静かに降りる。眠る弟を起こさぬ様に気をつけるときの様に。
―――少女が蟹から無事に降りれたかどうかは神のみぞ知る。
大成功
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