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守護れ!星空のビーチリゾート

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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●プロローグ
 時は未来、所は宇宙!
 人々が全ての全ての居住可能惑星を失ったスペースシップワールドにおいて宇宙船とは人々の暮らす最後の生息域なのである。
 そして今、大宇宙を航行する超巨大ビーチリゾート船ヘブンズピーチ号に復活した帝国軍の魔の手が迫っていた。

●超巨大ビーチリゾート船ヘブンズピーチ号
 人類の生息域がこの広大な宇宙に比べれば矮小な宇宙船内部だけになってしまった未来の宇宙では、人々のストレス発散の場はとても重要である。
 それが今ははるか過去の惑星に人々が住んでいた時代ならば当たり前のように甘受できていた海水浴という娯楽ともなれば通常の宇宙船では到底不可能なことだ。
 だがこのビーチリゾートを専門に楽しむために建造、そして改良されたこの船においては話は別だった。
 人々は普段脱ぐ事を許されない宇宙服や近未来ファッションの衣服を脱ぎ去り、水着姿で一心に水遊びを体験することが出来る。
 巨大な砂浜に波の押し寄せる海、そして見上げれば開放型の天井ごしに広大な星空!このような船ともなるととても盛況でありいつでも観光客で溢れ笑顔で満ちているのだ。
 だがそんな平和の象徴ともいえるリゾート船に危機が迫っていた。

●そして事件は起こる
「はいはーい、猟兵の皆さーん!スペースシップワールドで事件なのでーす!」
 エルフのグリモア猟兵、村雨ベル(f03157)が眼鏡を光らせクイっと直しながら集まった猟兵達に頭を下げにっこりと笑う。
 肩に何故か浮き輪を担いでいるがここは一旦スルーをしておこう。一呼吸置いてから端末を操作し集まった猟兵達の前に映像が投影された。
 標準的な銀河帝国所属の輸送船の外観と内部通路が映し出される。
「これが今回の目的の敵船になります」
 さらに別の映像を並べると人型兵器が映し出された。
「そして内部には帝国のドロイド兵が大量に積載されており、今から数日以内にこの船が巨大ビーチリゾート船でバカンスを楽しむ人々を襲い浚っていく……本当許せませんよね!」
 浚われた人々は帝国の手により改造され新たなドロイド兵へと改造されてしまう。元に戻る事などできず実質の死と同じことだ。
 だからこそグリモアのテレポート能力で敵船内に突入、被害が出ないうちにその全てを倒してしまおうというわけだ。
「テレポート後には即戦闘が始まります。準備は怠らないでくださいね!」
 自分はここから応援しか出来ないが頑張ってくださいねとエルフのグリモア猟兵はちょと寂しそうな顔をするが、そんな事ではいけないと気合を入れてにっこり微笑む。
「任務が終わればですね……5年待ちと言われるプライベートビーチ利用権を!、何と!、丸一日貸切で提供していただけることになりました!」
 今時めずらしい紙製のチケットを広げ猟兵達に見せてみる。
「ですから……絶対に無事に帰ってきてくださいね」
 そう言ってエルフのグリモア猟兵は皆を笑顔で送り出すのだった。


轟天
 初めての方は初めまして。
 以前の依頼に参加してくださった方はこんにちはです。

 今回の依頼は1章で多数の敵兵と交戦した後に、
 2章ではこの船のリーダーと対峙することになります。
 狭い船内での戦い方や拘り等考えていただければいいかもしれません。

 無事倒す事が出来れば3章では水着姿でリゾートを楽しむ事ができます。
 思いっきりハッスルして海水浴楽しんでしまいましょう!
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第1章 集団戦 『バトルドロイド』

POW   :    バトルスイッチオン
【超戦闘モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    精密射撃
【狙撃用プログラム】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【熱線銃(ブラスター)】で攻撃する。
WIZ   :    シュートダウン
対象のユーベルコードに対し【正確にタイミングを合わせた射撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ユズリハ・オーリエト
スペースシップワールドって実は初めていくのよね。
それはそれとして、リゾート貸し切り!頑張ろう、おー!

テレポート前に【翠嵐の加護】で攻撃力を強化してから転送するね。
集団戦なら守りを固めるより一気に攻めて蹴散らすのがいいよね!
「準備完了っ、いざゆかーん♪」

戦闘は【POW】で行動、ドラゴンランスのRaythieと一緒に各個撃破を目指す方針で動くね。
固まっている敵は【串刺し】でまとめて処理したいかな?
あまり他の人と距離離れすぎないよう連携を取りながら動いて効率的に倒せるようにしたほうがいいよね。
「っとと、ちょっと出すぎちゃったかな?」
「レイシー、いくよっ」



●森の少女、宇宙(そら)へ
「スペースシップワールドって実は初めていくのよね」
 事件の説明を聞き終えたばかりのグリモアベース内で「そう言えば」などと、とても軽い調子でエルフの少女が事実を口にした。 
 深い森に囲まれた故郷から出てきたばかりのユズリハ・オーリエト(清翠の意思・f05260)にとっては全てが新鮮な事ばかりだ。
 どんな景色なのかはグリモアベースに来た時点で周囲の景色が変化しているのである程度は理解できるのだが宇宙船の中というものは人生で初めて。
 誰にでも初めてはあると言うもののいきなり実戦ともなると送り出すグリモア猟兵のほうでもちょっと心配になったのか大丈夫?などと聞いてくる。
 それを見てユズリハは気負う事無くピースサインを返し心配はないと話題を変えてみた。
「それはそれとして、リゾート貸し切り!頑張ろう、おー!」
 軽いガッツポーズをとり仕事後の素敵な報酬にやる気が増すのを感じる。
 その様子にようやく安心したのか、グリモア猟兵より「そろそろ転送開始しますよ」と声をかけられユズリハは精霊への祈りを始める。
「揺蕩う自然の御力よ、私に力を貸して…!」
 森や風や水の精が周囲に集まり翠嵐の加護がユズリハに備わったのを感じ気合を入れて掛け声をあげた。
「準備完了っ、いざゆかーん♪」
 次の瞬間視界が一変した。

 上下左右が金属で出来た広い空間に突如現れたユズリハは足元を見て愕然とする。
(おっ 落ちる!?)
 そう思うのも無理はない高さ数メートルぐらいの空中に放り出されたのだから。だが衝撃はいつまでたっても訪れなかった。
 重力の少ない宇宙船内ではゆっくりゆっくりとしか降下しなかったのである。だが問題はそちらではなく周囲にいたバトルドロイド達だった。
 ドラゴンランスのRaythieをまるでレイピアのように構え直すとどこから攻めるべきか周囲を見渡す。
(集団戦なら守りを固めるより一気に攻めて蹴散らすのがいいよね!)
 そう結論付けたユズリハは適度に縦に並んでいる一角を見つけそこに狙いをつけ、愛槍を突き出しながら一気に駆け出した。
「レイシー、いくよっ!」
 翠嵐の加護を受けたドラゴンランスの一撃にバトルドロイドは避ける事も出来ずに頭を突き刺された。
 さらにその勢いのまま次々とドロイド達の頭部を貫通していき壁に槍の穂先が届く頃には5体ものバトルドロイドがその機能を停止していた。
「っとと、ちょっと出すぎちゃったかな?」
 てへっと誰にでもなく笑いながら槍を引き抜くとドロイドが足元に崩れ落ちる。
 それらが再起動しない事を確認するとユズリハは次の標的を探すべくゆっくりと振り返るのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アイレキア・ベルフィオーレ
【POW】
リゾート船襲撃、見逃せないわね。
皆様を守る為にも、ドロイド達には未来永劫御退場願いましょう。

敵の攻撃を受けない為にも、
あまり素早く動かないようにしておかないと。

銀に煌めく焔の桜吹雪、御照覧あれ!
(銀桜聖華爛漫を「全力魔法」で使用)

延焼で設備に悪影響出そうな箇所は適宜消火するわね。

さて、もう一撃御覚悟よろしくて?
(銀桜聖華爛漫を「二回攻撃」「全力魔法」で再度使用)



●舞い降りる銀桜
 無機質な宇宙船内に場違いな銀の桜吹雪が吹き荒れバトルドロイドが数体焼き尽くされその場へと無残に崩れ落ちる。
 雅な雰囲気を纏う少女が桜の紋様が描かれた扇をパチンと音を立て閉じるとそれらと燃え移っていた炎が一瞬でかき消された。
「全く無粋なのよねこやつら」
 和洋折衷の服装に身を包み、まるで天女にも見えるその少女、アイレキア・ベルフィオーレ(銀桜の聖華姫・f00055)が呆れたとばかりに首を横に振る。
 人々の安らぎの場であるリゾート船襲撃など到底見逃せない、だからこそこの戦いに身を投じたのだが帝国軍のバトルドロイドには雅に通じる何者も感じる事は出来なかった。
(皆様を守る為にも、ドロイド達には未来永劫御退場願いましょう)
 こんな無機質な者は徹底排除しよう。自分に出来る事はこの銀の桜にて焼き、残らず葬送してやることしかないだろうから。
 新たに接近してくるドロイド達の方に向き直りアイレキアはこの哀れな人の末路たるバトルドロイド達に内心の祈りを捧げる。
「銀に煌めく焔の桜吹雪、御照覧あれ!」
 扇を開き舞うように高らかに声をあげると、それに応じ髪から舞い散り始めた花弁がバトルドロイドへと飛び散り始めた。
 戦闘モードに切り替わり今まさに襲いかかろうとアイレキアへと歩き始めたバトルドロイドだったが足が焼けその歩みはとても遅いものとなっていた。
 一撃で沈まぬとは無機質の兵にしては何とも練達の者であることか、思わぬ強さを持つ相手につい口元が綻んでしまうがそれを敵に悟られまいと口元を扇で隠す。
 ですが情けは無用……。
 ゆったりとした仕草で開いている手をドロイドへと差し伸べ、意識してゆっくりと挑発ともとれる言葉を紡ぎだす。
「さて、もう一撃……御覚悟は、よろしくて?」
 優雅に可憐に鮮やかに……艶やかな指先の動きにもしもバトルドロイドに意識があればほうっと吐息をついたに違いない。
 アイレキア必殺の技『銀桜聖華爛漫』(フィオーレ・サント・シンティランテ)が今一度発動し、舞い散る桜吹雪が吹き荒れた。
 軽やかに舞うように扇を振るい終わると静かにそれをパチンと音を立てて閉じる。

 この通路にはもはやアイレキアの舞を見れるモノなど誰も残っていないのだから。

成功 🔵​🔵​🔴​

アルトリウス・セレスタイト
数は多いようだな

破天で蹂躙
高速詠唱・全力魔法・2回攻撃・範囲攻撃など駆使し、破裂する魔弾の弾幕を絶え間なく叩き付ける飽和攻撃
シュートダウンで相殺してきても気にせず継続
数の力を更なる物量で圧殺に掛かる

向こうが慣れてきたようなら華嵐に変更し攻勢継続
足元から吹き上がる形で叩き付け狙いを絞りにくく



●原理を以って万象を操る者
「フムン」
 男から発せられた一言には何の感情も込められていない空気を発していた。
 壊れかけた照明機器が力なく明暗を繰り返し、赤い非常灯が点灯して非常事態を知らせ続けるカーゴエリアの中央で精悍な男が首をひねる。
 男の名はアルトリウス・セレスタイト(原理の刻印・f01410)、猟兵だ。
 ここが他の世界と理の異なるスペースシップワールドであろうとも彼にとっては関係ない。なぜなら彼が扱うのは世界が構築される前からある『原理』なのである。
 …故に、
足元に転がっている『ドロイドだった物体』を蹴り飛ばし足場を広くする。
「数は多いようだな」
 淡々と呟き周囲を鋭い眼光で再確認する。
 そこにはすでに数十体の破壊され原型を留めていないバトルドロイド達の残骸とも呼ばない何かが幾重にも転がっている。
 彼の放つ『原理』の力の前にはこの程度造作も無い事だとでもいうのかさほぼ興味を示すでもなく更に奥のエリアへと歩を進める。
 ポーンと軽い音が響きカーゴエリアの搬入用エレベーターの扉が開閉するとアルトリウスの行く手を阻むかの如くわらわらと10体近いバトルドロイドが現れた。
 あまりにも違う戦力差に彼は動じる事なく片手を突き出し、そして首を掻き切るかのような仕草にクイッと横に引いた。
「行き止まりだ」
 アルトリウスの周囲に100近い青く輝く光がボウッっと現れ……そしてそれらは魔弾と化して一気にバトルドロイド達へと襲い掛かる。
 このに至るエリアのドロイド達はこれでなす術も無く破壊されたのである、ただし帝国軍も無能というわけではなかった。
 先ほどのアルトリウスの攻撃をこの短時間で研究そして対応用データをドロイド間で共有していたのだ。
 熱線銃(ブラスター)の一斉射撃が正確に魔弾とぶつかりあいその攻撃を相殺し始めていたのだ。
 だがそれを意に介する事無くアルトリウスはただシンプルに事態の解決を試みた。
 とても簡単な話である、相殺されるというのならば相殺しきれない魔弾を放てばいいのだと。
 もはや青い閃光が飛び交う空間と化したこの場においてバトルドロイドが一体、また一体と打ち砕かれそおの原型を留めないほどに破壊されていく。
 ユーベルコード『破天』それがこの力の名。
 死の原理で存在根源を直に砕かれてしまいもはやこの世に原型を留める事を許されず次々と屍を晒す事となっていた。
 数分後、別の通路からも敵増援が集まりだし反撃に加わり始めるとさすがに敵に射撃がアルトリウスの肩をかすめたりし始めた。
 だがこれさえも彼にとっては何の問題にならないらしい彼はその力を淡青色の幻想の花びらへと変換すると、何の容赦も無くドロイド兵達の足元から花吹雪のように一気に吹き上がらせた。
 不意の足元からの攻撃に対応できず次々と天井に叩きつけられるドロイド達。

 静寂がこの場に戻ってきた。
 重力の薄いこのエリアでは一度浮いてしまえばしばらくはスペースデブリを思わせる姿で宙に浮いたままとなってしまう。
「自業自得というやつだ……」
 淡々とそれらに一瞥をくれると彼の姿はエレベーターの中へと入っていきそして静かに扉が閉じた。

成功 🔵​🔵​🔴​

天花・雪兎
胡蝶(f12549)と一緒

一日貸し切りだって、凄いね!
ご褒美にいっぱい遊べると聞けば、ぼくの尻尾も激しく揺れる
不思議そうに首を傾げる胡蝶に、楽しみだねと声をかけて

胡蝶とは近すぎず離れすぎない距離を保とう
戦闘では敵1体に対してぼく達2人で相手をするのが理想
障害物があれば利用して隠密行動
忍び足で敵の背後を取ることができれば、先制攻撃

胡蝶が捕縛した隙に【フォックスファイア】をぼくの周囲に放っておく
UCは主に牽制目的
バトルスイッチオンの状態になったら、狐火を素早く操作
狐火に注意が逸れてる間、現時点で一番ダメージの大きい部位を力溜めで攻撃

撃破後、お互いの無事を確認
胡蝶の手を引いて、すぐに此処から離れよう


鬼灯・胡蝶
同行者:雪兎(f02304)

…雪兎、楽しそう…
胡蝶達…泳げないの、忘れてる…?
…ん。でも、いっか。敵を倒してから、考える…

胡蝶は雪兎の後ろを付いていく
先手必勝を狙う、から…見つからないように気を付けて…こっそり、こっそり
先制攻撃が成功したら【七星七縛符】で敵を捕縛する

敵、沢山…胡蝶も気を付ける
囲まれたら、大変…連携と声掛けは大切…
視野を広く、周囲の状況をお互いに伝え合う…ね?

胡蝶は雪兎のフォローする
霊符で雪兎の隙が出来た所を補う行動、攻撃をする…よ
後は…同じ所を攻撃したり、ね

倒しても、まだ敵は沢山…油断しちゃ駄目、だよね…?
雪兎の手を取って、次…行こう…
2人一緒なら、サイキョー…だから、ね



●子狐達の冒険
「一日貸し切りだって、凄いね!」
 天花・雪兎(雪の子供・f02304)が嬉しそうに目の前の少女の手を取りブンブンと上下に振りまくる、ついでに尻尾も激しく揺れる。
「ん……」
(…雪兎、楽しそう…胡蝶達…泳げないの、忘れてる…?)
 同じ背格好の褐色の少女、鬼灯・胡蝶(旅する玄蝶・f12549)は、雪兎のとてもとても嬉しそうな喜びようにちょっと不思議そうに首を傾げる。
 そんな胡蝶の内心に気付いていない雪兎はとてもいい笑顔で「楽しみだね!」とご満悦。
 この会話だけ聞いているとほのぼのとした光景なのだが二人が今いる場所は、敵船内部の戦場の一角なのだ。
 二人は正面切って戦うような事はせず回り込み、障害物を利用しそして一番大事な事は必ず二人一緒に行動し2対1の状況を作り出して戦っている。
 すでに何体かのバトルドロイドを倒し次の敵を求めて船内を移動していたのだ。
「よし大丈夫いこう!」
 通路からひょこりと顔を出した雪兎は敵ドロイドがいない事を確認すると小走りに駆け始める。
 その後ろを可愛い足取りでついていく胡蝶、周囲の警戒は怠らないおかげでここまで上手く少数のドロイドだけを相手にすることができていた。
 いくつかの角を曲がりエレベーターらしき前まで到着した時、後ろからガシャンガシャンと金属の足音が近づいてくるのに気付いた二人はここで迎え撃つべく通路の端に置いてあった箱の影へと身を隠した。
 一体のドロイドが二人に気付く事無く通り過ぎる。
 互いにこくりと頷き合うと雪兎が物陰より飛び出しなぎなたでドロイドの背中へと斬り付けた。
 狙いが少しそれてしまったが足に命中したことでグラリと衝撃でよろけたドロイド兵が片膝を付いてしまう。
 そこに上手くタイミングを合わせ投擲された胡蝶の七星七縛符が張り付きその動きを封じ込める。
「う…後ろは…まかせて」
 護符を持ち印を結びながら少し苦しげに胡蝶が声をかける。この術を持続させている限り徐々に寿命が削られていくだが幼馴染の為ならそんな苦痛も我慢できる、だからあまり表情には出さないようにしていた。
 そんな幼馴染の苦しみを一刻も早く取り除いてあげようと雪兎がその身の周りにいくつもの狐火を呼び出しそれをドロイド兵の周囲へと纏わせるように操作してみせる。
 大量に纏わりつく狐火を手で払おうとドロイドが右に左に手を振り回そうとしたが手が動かなかった。狐火を次々と浴びドロイド兵の視界はレッドアウトし決定的な隙を猟兵の二人に見せていた。
「せーっのっ!」
 思い切り力を溜めそして繰り出すなぎなたの一刀は金属製のドロイド兵の身体を九の字に曲げてしまいその機能を完全に停止させていた。

「大丈夫、胡蝶?」
「うん…胡蝶は大丈夫……でも…倒しても、まだ敵は沢山…油断しちゃ駄目」
 ドロイドを倒すと真っ先に胡蝶の無事を確認した雪兎だったが、胡蝶に警戒を促されそうだねっと頷く。
「じゃあここから早く離れよう」
「うんっ…」
 雪兎の白い手が胡蝶の褐色色の手を取り二人はその場を急いで離れ駆け出した。
 戦場の只中にありながら幼馴染の手のぬくもりを感じつつ胡蝶の顔に不安の色はまるで無い。
(2人一緒なら、サイキョー…だから、ね)
 
 小さな小さな猟兵二人が安全なエリアへと到着したのはそれからすぐの事だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

テラ・ウィンディア
ビーチリゾートをこんな船で作る
どんなところか凄い気になるな!

事前
迫る敵の船の型式と基本的な構造を頭に叩き込む
戦闘知識でより効率的に殲滅するルートや動きを考察

突入時
テレポートで出た空間の周辺を確認して効率的に殲滅できるルートの把握

属性攻撃
炎を剣と槍に付与

狭い通路はグラビティブラストで殲滅
更に空中戦も交えて飛んで多角的に襲い掛かる

基本派手に時に壁を通路を串刺しで貫き破壊して
暴れに暴れ容赦なくバトルドロイドをおびき寄せ目につく度に少数なら槍で襲い掛かり多数ならグラビティブラストで粉砕
派手ながら冷静に敵の陣形を見据え効率的に殲滅に努め
本来は派手にやるのはご法度かもしれんが
これだとおれを放置できんだろ?


スピレイル・ナトゥア
「プライベートビーチ……凄い楽しみです!」
ですが、プライベートとはいえ他の猟兵の方々も利用されるのでしょうし、完全に貸し切りとはいかないのでしょうね
そこは残念ですが、なにはともあれ、いまはビーチリゾート船を守るために全力を尽くすとしましょう
バトルドロイドの超攻撃力と超耐久力に対抗するために、精霊の幻想的な光に包まれて剣と鎧と盾のフル武装形態にパワーアップします
「みなさんの憩いの場は、絶対に壊させません!」
……あれ? 惑星に人々が住んでいた時代ならば当たり前のように甘受できていた海水浴という娯楽って、色んな世界を巡る私たち猟兵ならばいまでも普通に甘受できるものなのでは……?
……気のせいですよね!


ルノーン・プライジエ
送り込まれたら即戦闘ですか。
であれば、とりあえず暴れましょうか。
アウスグスと連携して敵を撃破していきましょう。

【POW選択】

私が敵へ突っ込み格闘戦をしつつ撹乱し、
アウスグスは援護してもらいつつ、タイミングを見て
スナイプで各個撃破を狙ってもらいますか。
(【空中戦4】【スナイパー2】【援護射撃7】【一斉発射3】
【範囲攻撃5】【怪力5】【グラップル5】【カウンター5】
【鎧砕き4】【鎧無視攻撃2】【盾受け5】を使用)

状況によっては、強化合体を行い敵を蹴散らしましょう。

さて、どの様な戦闘データが取れますかね。楽しみです。



●戦場を駆ける者達
 連続して出現した猟兵達の活躍でバトルドロイド兵の数は大半が減らされていた。
後この船内に残っているドロイドは幹部エリアへと向う通路を守る一団だけとなっている。
 目の前にあるのはこのエリアへと続く唯一の大型搬入用エレベーター。
 その前には熱線銃(ブラスター)を構えたドロイド達が銃を構えて猟兵達を待ち構えていた。

 ここを突破されれば後がない為全てのドロイド兵はここで一斉射撃の準備を整えているのだ。
この重厚な警備の前には知らずに上がってきた猟兵達の命は風前の灯かもしれない。
 そのエレベーターが今、上昇中の表示ランプが光り稼動音だけが伝わってくる。
 
 その上昇中のエレベーター内にいる可愛い黒髪のエルフであるテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)と銀髪のキマイラであるスピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)の2人はそれを知る由もなく楽しげに語り合っていた。
 ここに至るまでの道順はテラが事前に艦内マップを把握して適切なルートを選んでいたおかげで上手く敵を回避し損耗する事無く本命へと向う最善のルートの一つであった事が二人に雑談をする僅かな時間を作るのに貢献していた。

「ビーチリゾートをこんな船で作るなんて」
 テラがエレベーターの壁を手でコツコツと叩き金属であることをアピールするとニッっと興味津々の様子を見せすごくいい笑顔で言葉を続ける。

 この宇宙世界がどんなに虚無しかない空間だということは何回か来た事で覚えがあるがこんな世界でわざわざそれだけの物を作り上げるとは本当に興味がつきない。
 だからこそこんな銀河帝国の無粋な事件など事前に解決してしまいたいのだ。
 海とか砂浜とかそれが全部作り物って……すごく気になってしかたがない。
「どんなところか凄い気になるな!」
 槍を肩で抱えたまま満面の笑みでにっひっひっひと肩を揺らすほどに楽しげだ。
 
 それにうんうんと同意しながらスピレイルが振袖のような袖で手を合わせて小躍りするようにくるりと回る。
「プライベートビーチ……凄い楽しみです!」
 白い砂浜、打ち寄せる白波…想像するだけでウキウキが止まらない。
 とはいえ少しだけ残念なこともある。
(プライベートとはいえ他の猟兵の方々も利用されるのでしょうし、完全に貸し切りとはいかないのでしょうね)
 独り占め……とはさすがに行かないが全長が1km以上あるビーチだ、そんな事を気にする必要はないだろう。

「あー! 召喚したドラゴンに乗って海を疾走したら気持ちいいだろなー♪」
 テラが龍言語魔法で呼び出したドラゴンに引かせてバナナボートで遊ぶ想像をしてみたりする。
 シルの奴、びっくりしておれの事もっと褒めてくれるだろたぶん……などと双子の姉の事も思ってみるがたぶん周りの人に迷惑だからやめなさーいって怒られる未来が見える…よしこの案はなしだ。


 その横である考えに至ったスピレイルだったがテラの楽しそうな表情に心の中だけの独白で収めることにした。
(…あれ? 惑星に人々が住んでいた時代ならば当たり前のように甘受できていた海水浴という娯楽って、色んな世界を巡る私たち猟兵ならばいまでも普通に甘受できるものなのでは……?)

「 ……気のせいですよね!」
「ん…なにがだ?」
 首をかしげるテラに何でもないですよっと答える、いけないいけない最後だけ口に出ていました。

 そんなたわいもない会話をしているうちにもうすぐ到着という所までエレベーターが到着しようとしていた。

 そして場面は変わる。
 エレベーター前ホールで整列していたドロイド兵達の目の前でチーンと音がしてエレベーターの到着のベルが鳴る。
 プシュっと音がしながらエレベーターの扉が開くや否やドロイド兵の指揮官機が号令を発し、一斉に熱線銃(ブラスター)や各種マシンガンなどの一斉掃射がエレベーターの中へと針の巣を突くが如く執拗に続けられた。
 中にいるであろうテラとスピレイルははたして無事なのだろうか?
 煙が辺りに充満しほぼ前が何も見えなくなった所でようやく弾幕が止まる事となった。
 残響音が徐々に静まっていき破片などが転がる金属音だけが響き渡る。
 宇宙船制圧用に用意されていた旧式のガトリングを船内で使ってしまったがためにその硝煙だけで視界が限りなく無くなってしまっていたのだ。

「ミテコイ カルロ」
 指揮官機が固体名カルロと呼ばれるドロイドの一体に命令を告げる。
 命令を受領したカルロと呼ばれたドロイドが一歩一歩機械的に歩きエレベーターの入り口まで到着する。
 足元に転がっているであろう死体を捜すが何も発見できない……そして次の瞬間

 ……カルロの頭部に頭上から炎を纏った槍が突き刺さっていた。

 もちろんこれはテラの愛槍『紅龍槍『廣利王』』である。
 さらに天井にぶらさがったスピレイルの炎の加護を受けた剣が一閃し首を刎ねる。

 2人は天井から飛び降りると華麗に着地をきめそして武器を構えた。
 咄嗟の事に統率が乱れながらも射撃体勢を取り直したドロイド兵達が再び統率がとれているとは言えないが個々に持てる射撃武器で一斉に乱射を始める。
 
 このままでは二人が蜂の巣になる…と思ったタイミングで、二人と同じく天井から上下逆の体勢のままルノーン・プライジエ(魔改造好きの骨董マシン・f03967)の相棒であるまるで機械仕掛けの蜘蛛のような外見の『多脚重戦車アウスグス』がエレベーターの天井からワイヤーを緩めて急速に落下、そして前脚に装着された防弾用の装甲板を二つ合わせてテラとスピレイルを上手くその影へと隠した。
 二人共に小柄であり邪魔になるような突起もないフラットボディの持ち主だったので何の問題もなく防御体勢が完成した。

 ドロイド達の射撃は熾烈を極めたがそれはアウスグスがわざと傾斜をつけて構えていたこともあり前部装甲板に命中した実弾系弾丸は傾斜装甲に弾かれ斜め上の天井方面に次々と跳弾していくこととなる。
「耳を塞ぎしゃがんでおきなさい」
 この状況に似つかわしくない落ち着いたルノーンの声が二人の耳にインカムごしに聞こえてくる。

 咄嗟に耳を手で塞ぐテラとスピレイルの二人。
 しゃがんだ二人の頭の上で油圧モーター駆動音と共にアウスグスの両脇に装着されていた砲身が回転を始める。
 その回転がかなりの高速に達した頃、ドロイド兵からの射撃が散発的になったタイミングを見計らって前足を広げ前部装甲板を射線上から撤去した。

 BUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUN!!!

 回転していた砲身から毎分3,900発の対装甲用焼夷徹甲弾と焼夷榴弾が4:1の割合で初速1,067m/sで打ち出されていく。
 次々とドロイド兵を鉄屑を通り越し原型を留めない残骸へと変え無残な屍を晒させていた。

 はるかな昔、遠い星地球ではこんな逸話があった……。


 お前が敵にすべき事は何だ!?

――機首と同軸アヴェンジャー!!!


 あまりにも強力な航空機に取り付けられた大型ガトリング砲の伝説。
 ただしそれにも実は欠点があり、今の状況の多脚重戦車アウスグスにも言えることだった。
 あまりに強い威力に「反動が強すぎて」航空速度が落ちてしまうというものだ。
 今のアウスグスは上下逆の体勢で脚による接地面が想定よりも少なく踏ん張りが利かない。
 その重厚なボディが左右にブレ出した所で射撃を止める。
 冷却用に止める事の出来ない油圧モーターの回転音だけが響いている。


 「ようやくおれ達の出番のようだぜ!」
 「今か今かと待ちかねました!」
 立ち上がったテラとスピレイルが武器を手に残ったドロイド兵達へと吶喊をかける。
 お互い炎属性の槍と剣の二人がまるで鏡写しのように、突き、払い、そして捻り、次々とドロイド達を切り伏せては壁へと叩きつけそして串刺しにする。
 
「グラビティ・ブラスト…往けぇ!!」
 テラの発した重力波が残ったドロイドを纏めて吹き飛ばし、それで動きが止まった所をスピレイルが次々とトドメをさしていすのだった。

 そんな二人に死角から超戦闘モードで襲いかかろうとした指揮官機は思わぬ伏兵に意表をつかれ反応が出来なかった。
 天井の通気ダクトの一つが突如として超重量杭打機「ドルベンス」に打ち抜かれ、周りの天井材と共に2m60近い金属の巨体を持つルノーンが降下してきたのだ。
 その瓦礫の下敷きになり身動きの取れなくなった指揮官機の額にルノーンが重装甲盾の先端を押し付ける。
「これで終わりです」
 盾からズンッという重い音が響き、打ち出された杭が指揮官の頭を貫通し床へと刺さる。

 こうして大量にいたドロイド兵達は全て殲滅に成功することができた。
 敵の親玉がいる幹部エリアまではあとはこの通路を一直線。
 ただし途中警備システムが大量にありこのままでは時間がとてもかかってしまう。

「ここは任せてくれるかね?」
 ルノーンはそう語るとようやく上下が正しい向きになって傍まで来ている多脚重戦車に専用のコマンドを送った。
 『自機強化プロトコルを開始します。』
 無機質な電子音声と共にアウスグスが複雑なギミックで変形していきルノーンに覆いかぶさるように合体すると、さらに180度周ったりひねったりを繰り返し2倍の大きさの巨大ロボへと合体が完了した。
 
「すすすすす…すげー すげーぜお前 なあおい、おれにもやらせろよー♪」
「おおおお、あなたは機械の神様の精霊だったのですねー」

 小さな女の子二人の目にはどうやら好評のようだ。
 ほとんど遊園地にいる少年少女ぽい反応なのだがルノールには心地いい。

「さあ、掴まるがいい」
 二人を両手に抱きかかえた強化合体ルノールはサブアームになった多脚戦車の前足の重装甲シールドで前面を完全にガードする。

 そしてジャスト1分後、通路の抵抗を潜り抜け最後の気密扉を破壊して幹部ルームへと辿り着いた。


 こうして戦いは新たなステージへと進んだのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ドクター・ジェミニィブレイン』

POW   :    喰らえ!ブレインコントロール!
見えない【超強力な脳波】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
SPD   :    出でよ!ビッグブレインロボ!!
自身の身長の2倍の【戦闘用殺戮巨大ロボ】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    喰らいつけ!メカニカルバグズ!
レベル×1体の、【体】に1と刻印された戦闘用【昆虫型ロボ(昆虫の種類は毎回変わる)】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は暴星・メテオです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ドクター・ジェミニィブレインのSF講義

 えー オホン 初見の者はペンではなく心に刻むがいい。

 それは遠い昔のスペースオペラ
『ジェイムスン教授』という名を君達猟兵はお知りだろうか?
 サイエンスフィクション、つまりSFがまだ黎明期の頃の名作の主人公だ。
 なんせ発行は西暦1931年のパルプ誌に掲載されたぐらい古いのだ。

 この作者ニール・ロナルド・ジョーンズの出世作であるコメディスペースオペラである「ジェイムスン教授シリーズ」の主人公を務める作中最後の地球人類
 それがジェイムスン教授じゃ。

 ゾル人の科学力により立方体の身体に円錐状の頭と言う外観の
 不死の身体を手に入れた機械人「21MM-392」の事なんじゃぞ。

 後の世に、「脳みそ」だけ入った箱にマジックハンドのような手足のサイボーグという定番中の定番…つまりワシのような外見じゃな。
 そんな洗練されたデザインを生み出したわけじゃ。

 予断じゃが「宇宙飛行士(アストロノーツ)」という用語を世界で始めて使ったのもこの作者のデビュー作(1930年発表)じゃし

「人工冷凍保存(コールドスリープ)」という定番中の定番の技術も
この作者の「低温学」というネタから後の作家がヒントを得たというのも豆知識じゃな。
 ロボット界の名作「我はロボット」のアイザック・アシモフにも強い影響を与えた偉大なる先駆者というわけじゃ。

 たぶん一生役に立たんと思う豆知識じゃが覚えておくがいいのじゃあああ!

(ドクター・ジェミニィブレインの立体映像と大音量の拍手音が響く)



コホン……まあ長々と語り何が言いたいと言うとじゃな。

我が「巨大ビーチをカチコチ氷漬けのコールドスリープ実験場にしちゃおう計画」の邪魔をお前達がするので、もうちっと、わしのようなタイプのサイボーグへ敬意と言う物をじゃな養ってもらおうと……。


ZAPZAPZAP……。


……誰かが長話に痺れを切らして熱線銃(ブラスター)を撃ったようだ。


「だから、お前ら! 前口上も聞かんとか…そーいうところじゃぞ!」

プスプスと命中した頭から煙が出てビクンビクン転げている。

ZAPZAPZAP……。

「ギャー」


……護衛を全て失って、話もまともに聞いてもらえない
悲しいドクターの孤独な戦いが今…始まった……はず。

気のせいか始まる前からHPが半減している気がするがきっと気のせいだ。
テラ・ウィンディア
SFって少し不思議って意味じゃなかったんだな!!(!?

所でええとジェミニィだったっけ?
コールドスリープ実験とか言ってたけど
再び起こしたら起きるんだよな
でも…お魚凍らせて溶かしても動かないぞ?(純真な瞳の十歳

なんて問答しながらも容赦なく襲い掛かってる十歳児

空中戦で縦横無尽に飛び回り炎の槍で容赦なく串刺し

所で質問がある!高級料理で子牛の脳みそを食べるって聞いたんだが…お前は食べれるのか?

あ、虫ロボット見たら
(目からハイライトが消えて
あ、虫……やだ…(全身に炎の属性攻撃付与
そのまま消し炭になるまで槍と剣で猛攻を仕掛けて襲い掛かる
最早その姿は狂戦士に等しい…怖い?
アドリブ大歓迎


ルノーン・プライジエ
[アドリブ・連携大歓迎]
たしかに、実験は大変素晴らしいです。結果は伴わなくともライアンドエラーの精神で何度も挑戦し~/中略/…しかし、実験場は周囲の被害を想定し、選ぶべきです。私はそれを実体験で学びました。ですので~(以下略

(冷たい視線を送るアウスグスに気が付き)
コホン。…全力でお相手致します!
火力を総動員し、『全門発射』もしましょう。
そして、羨ましい実け…ではなかった陰謀を阻止します!

では、いきますよ!



●それはまさかの○○○時空

「よし、無事に通過できたな」
 5m近い体躯を誇る強化合体グレート・ルノール(仮)が被弾で穴だらけになった重装甲盾をパージした身軽になった。
 ここまでの戦いの疲労が出たのかコンディションイエローが増えてきているだがここからが本番だ。

 言うまでも無くこれは多脚重戦車と合体しているルノーン・プライジエ(魔改造好きの骨董マシン・f03967)のメカニックな巨体だ。
 だがここでトラブルが起きた。
 プシューと装甲の隙間のあちこちから白い煙が吹き上がると全身がギシギシと音を立て始めあっという間に合体が解除されると生身のルノーンが放り出される。
 
 さらにビービービーっと警告音が鳴り響き何か異常が起こったことを知らせてくる。
 多脚重戦車アウスグスからのシステムメッセージを要約すると……

『合体シーケンス用デバイス・オーバーヒート、バッテリー放電率許容範囲突破、電池残量5%これよりシステム緊急スリープモードに移行します』

 ルノーンは慌ててリモコン操作するとアウスグスの全身の装甲が開放されメンテナンスモードになる。
 内部メカのあちこちが過熱して冷却しないことには使い物にならない。
「やはり純正品高いので諦めて購入したオテゴロドットコムの
電子レンジ用のブレーカーじゃダメだったのかもしれませんね」

  微妙にアウスグスからの視線が痛い気がする。
だってしょうがいではないか古いパーツを使いすぎて最新モデルではコネクター形状すら合わないので付ける事すら不可能だ。。
 バッテリーも先日猟兵ドットコムでポチって通販したばかりだというのにこっちは納得がいかない…返品だ。

 
 その様子を見ていた小柄なエルフ少女が槍を肩に担いだままポニーテールを揺らして振り返る。
「おれ、先にいくからなー?」
 敵と会うのが待ちきれないのかテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)はそう言いつつもすでに足は目的の幹部エリアに向いていた。

 
その後姿を見送りながらルノーンは熟練の勘が囁く違和感を心で呟いていた。

(「嬢ちゃん……その先はおそらく、ギャグ時空だ。気をつけろ…奴のペースに乗せられるなよ」)
 そう思いつつ壁にあるコンセントで充電を始めて座り込むルノーン。

 たぶんあなたもすでにギャグ時空に飲まれていますよ?



●教授と不肖の生徒
「SFって少し不思議って意味じゃなかったんだな!!」
 ドクター・ジェミニィブレインを直接見るなりテラが純粋な目で質問を投げかけた。そこには一切の余計な感情はない。
 でもそれたぶんF先生じゃないかなぁ……?

「いい質問じゃなテラ君!」
 ガラスケースに脳みそが詰まったサイボーグ、ドクタージェミニィが閃光の如き突きを華麗な空中回転回避を決めながら教鞭を振るう。
 先ほどの無駄知識を披露していたのを見たテラが聞きなれない言葉の数々に興味を引いてそれなんだー?なんて事を言ったもので教師魂に火がついたのである。 

 ただしなかなかにハードな講義なのであるなぜなら……。
 ブンッ!
「そん なの わっかんないぞ!」
 シュッ! シュッ!
 テラの槍が薙ぐように払われ、続いて連続して突きを打ち付ける。
 
 どう見ても人に話を聞く態度ではないのだが……一応は話の内容を聞こうとするあたり根底にあるのは素直な娘らしい。
 まあ…一撃でも当たればドクター即死しそうなんですけどね!

「所でええと、ぢぇ…ジェレミィだったっけ?」
「ドクターでよいぞテラ君、なんだか舌噛みそうみたいじゃし」
 動きながらでちょっと舌噛みそうだったテラにすかさずフォローを入れる。
 年寄りは孫みたいな年齢の子に甘いのはどこでもある光景のようだ。
 なおこのやり取りの最中でさえ天井まで跳んだテラが天井、壁と飛び回り見事な三角飛びを華麗な空中戦を仕掛けているのだ。
 ドクタージェレミィ必死で転がったりなんというか今にも即死しそうなので知らない者がこの状況を見ると苛めにしか見えないかもしれない。

「コールドスリープ実験とか言ってたけど、ちゃんと起こしたら起きるんだよな?」
 当然の質問だ。
「もちろん最終的にそれを成功させるための実験じゃからな」
 炎を纏った槍をゴロゴロと転がりながら避ける脳みそ。
 うーんと少し考えた様子を見せると黒髪のエルフ少女はとてもとてもいい笑顔でこう答えたのだ。
「でも…お魚凍らせて溶かしても動かないぞ?」
 
 たぶん…いやこの子は先ほどから嘘でも挑発でも何も無いこれは本当にこんな娘なのだとドクタージェレミィは内心溜息をつく。
「ちと、不肖の生徒にはお仕置きタイムじゃ!」
 玩具のような手が小さなリモコンを取り出しそしておもむろに丸いボタンをポチっとなーと押してしまった。
 とたんに天井からテラへと大量に降ってくる虫、虫、虫ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ。

 …それを見たテラの表情が一瞬で曇る.
そしてその瞳からハイライトが消えわなわなと震えだしてしまうのだった。
 軽い金属音を響かせ足元に愛用の槍が転がってしまうと全身に冷や汗が浮き始めこれはただ事でないということが素人目にもわかるありさまだ。

「あ…虫……やだ……」
とたんに全身から噴き出る真紅の炎。
 
 URYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!
  
 古の世にとある戦士の名があった。それはあらゆる痛みを気に解さずただ目の前にある物を叩き潰すためにだけある。
 まるで伝承にあるそれが叫び声をあげているようにも聞こえる。
 古の人はそれをこう読んだ『狂戦士』と!

 「いや、待て待て待てテラ君。それ…メカじゃから、本物の虫じゃないから!?」
 目の前で焼き尽くされ踏み潰され引きちぎられそして突き刺されて破壊されていく虫型メカ達、そしてその目がこちらを見た時ドクターは走馬灯を見た。
 だがそこで彼は勇気を振り絞る…今死ねぬ、具体的にいうとHPがまだ11ぐらいある。
 ここで死ぬわけにはいかない……この状態では普通の呼びかけは無意味だろう。
 ならば奥の手を使わねばならない。
「あまり使いたくは無かったのじゃが……」
 そう言うと彼は迫り来る暴走テラが急速に間合いを詰めてくるのに合わせカウンターパンチを放った。

 その手の先には何か白い物体が光りそしてそれは、吼えながら飛び込んできたテラの口の中へと飛び込んだ。


 ……一瞬の間、テラを口はもぐもぐと動きそして瞳にハイライトが戻ってくる。

「甘いぞこれー♪」

 もぐもぐと食べそして飲み込むともっと出せとばかり詰め寄る。
「ほれ…アイスクリームじゃ。これもコールドスリープ研究の一環なのじゃぞー」
「おー すごいなーコールドスリープー バニラ味かよ♪」

 カップで取り出したドクターはようやく一息ついた、危ない死ぬところだった。
 ここはもう少しご機嫌をとっておかねば命がいくつあっても足りない。
 そこで彼はとっておきのソースを用意する。
「ほれ…これもかけると美味しいのじゃぞ」
 黄色いとろみのある液体をアイスにかけてあげるとさっそくテラがそれをパクリと食べる。

「ん~~~~っ♪」
 足をバタバタさせて悦んでいる、どうやら口にあったらしい。


 鼻歌まで歌って機嫌が直ってきたのかテラが気になっていた質問をする。
 なぜかドクタージェレミィの頭部をじーっと見つめながら…だ。

「所で質問がある!(えへん)  高級料理で子牛の脳みそを食べるって聞いたんだが…お前は食べれるのか?」
 なんだかちょっと嫌そうな表情をしているのが気になるが
 おそらく他に含みなどないだると判断しドクターは指(?)を立て巷説を垂れる。
「テット・ド・ヴォーという品のある料理があるのじゃが、白子のようでなかなか美味じゃったぞ?」

「うぇぇ…やっぱ食べるのかそーいうの共食いって言うんだぞ?おれ知ってる」

 なんだか高級そんな料理の名前を言われても想像するのは目の前に見える脳みそを使った料理だからしょうがないね。
「いやいやいやテラ君、ワインにもよく合うゼラチン質たっぷり、おふらんすの高級料理じゃぞ!?」

「おれ飲めねーもん!」
 それもそうだねまだ10歳だもんね。

 ……あ。

 ドクタージェレミィ痛恨の失敗!
 アイスクリームにかけた黄色い液体…それは梅酒である。
 未成年に飲ませてしまうとは何たる失態……このままではまずい。
 大人らしいアイスの愉しみとして割とポピュラーな食べ方なのだが……。
 おそるおそるテラの様子を見てみると、味付けに少しかけただけですでに顔が真っ赤に染まりふらふらと頭が揺れている。
 そしてものの数分もしないうちにコックリコックリと居眠りまで始めてしまった。

「あーもう、仕方が無い生徒じゃの」
 すっかり眠ってしまったテラを抱っこしたドクタージェレミィが部屋の隅に置いてあったソファーへと運び静かに下ろす。
 ついでに毛布までかけてあげ寝顔を確認すると数歩そこから離れて思わず天井を呷り見た。
「はぁ……何をやっとるんじゃのうワシ」

 そう呟いた脳みそサイボーグ
 ボディの蓋を一つ開けて立体ホログラフィを取り出しスイッチを入れる。
 電源が入りそこに映し出されたテラとそう年恰好の変わらない少女が笑顔でこちらに話しかけてくる。
「お父さん……お仕事ご苦労様。母さん寂しがってるから早く研究旅行から帰ってきてね…わたしも今度10歳になるよ」
 まだ脳みそサイボーグになる前の物なのだろう、それはこんな身体になって生き延びているサイボーグにもとても懐かしい物を思い出させてくれる。
 自分の終ぞ会えずに終わった娘と目の前で寝息を立てている少女を重ねてみてしまったのかもしれない。

 だがそんなのどかな光景は一発の銃声で終わりを告げた。



●機械傭兵とサイボーグ大いに語り合う 
 轟く銃声、それは同時にどくたージェレミィの持っていた立体ホログラフィを一撃で破壊する。
 振り返れば部屋の入り口に立つ2つの影。
 それはもちろんルノーンと多脚重戦車アウスグスだ。

 アウスグスに装備された大口径対物狙撃銃・ガウスデルの銃口から硝煙の煙が漏れている。

「感動のシーン……といった所ですが一言よろしいか?」

「ふむ、無粋な乱入者に何か言われる筋合いはないが一応聞いてやろう、なんだ?」
 脳みそを包んだケースに光を反射させカッコイイ(?)ポーズのドクタージェレミィ。
 そんな彼にルノーンが語った言葉は想像を絶するものだった。

「いや…あなたが今見ていたそれ…」

「娘からの超空間メールじゃが何か……?」

 ルノーンは人であれば何ともいえない表情をしていたかもしれない(まあ機械の身体なのだが)

「それ……お父さんと一緒exステージ全年齢版の初回特典の立体ホログラフィkitじゃないですか?」

 「ん?」と脳みそサイボーグが首を傾げ「ん?」とルノールも首をかしげる。

 …手元の残骸をもう一度見直したドクタージェレミィはポイっとそれを投げ捨てやれやれというポーズを取ってみせた。

「ジョ ジョォォォォォク じゃから……」
 
 プルプル震えているがまあしょうがないだろう

「そそそそ…そんな精神攻撃でコールドスリープ実験の邪魔はさせんぞ!」
 なんかもう可哀想になってくるありさまである。

「実験はたしかに素晴らしいものです」
「おっ、君も話がわかる口かね?」 
 あえてドクターの話に乗ってみるルノーンである。

「結果は伴わなくともライアンドエラーの精神で何度も挑戦し…」

「…しかし、実験場は周囲の被害を想定し…そのためには…」

「べきです。私はそれを実体験で学びました。ですので~」

 ……ドクタージェレミィはどんどん早口になっていくルノーンに対してしまったという想いにかられていた。
 この手のタイプは……好きなこと話し出したら止まらない奴じゃ!」
 (注:自分も含む)

(トントン)
 話に熱中するルノーンの背中を叩くものがある。
 何かなと振り返るとアウスグスがガトリング砲でゴリゴリと背中を突っつきそのモニターセンサー類からは冷たい視線が飛んできている気さえする。

「コホン…ぜ、全力でお相手致します! 羨ましい実験…じゃなった陰謀、ここで阻止しますよ」
 
 ごまかすかのように全武装をリロードし、ソファーの前に立つ脳みそサイボーグへとロックオンをした。
 何か警告音が鳴ったがこの際それを無視をする、まあ大したことはないだろうから。
「まっまてまてまて、お前忘れとらんかー!」
 脳みそサイボーグの言葉を無視し全ての武器が一斉に発射された!

 けたたましい音が鳴り響き全てを破壊殺戮する全門発射がその終わりをつけ硝煙や熱による煙が換気されていく。
 その中から剥がれた周囲の壁や天井を念力で固めて作った盾のような物で身を守りきったドクタージェレミィの姿を発見すると再装填するべく武器を構えなおす。

 だが想定外のドクタージェレミィの行動にしばし思考が停止することとなる。
「こーの ばっかもーん!」
 ずんずんと無造作に近付いてくる脳みそサイボーグにあっけにとられ砲撃を忘れていた。
 そして目の前まできたドクタージェレミィが後ろの穴だらけの壁とソファーを指差して怒鳴り始めた。

「うちの不肖の生徒が寝ておる所に武器を撃ち込んで当たったらどうするつもりじゃー!」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

 驚愕の事実に驚くルノーン。
(あっ そういえばさっきの警告音、フレンドリファイアー防止の音だったような…)
「今のは不可抗力というやつでしてね」
 

 そのときだ。
 言い争いを続ける二人の背後で熱い、そう熱い揺らめきガ近付いてくる。

 言い争いをしていた2人は首をギギギギとゆっくり回しそちらのほうを見、そして……悲鳴をあげることとなる。


 そこには頭に大きなタンコブが出来て涙目のテラが炎を全身に纏い一歩一歩近づいてくるのだ。

 怖い 怖い いっそ逃げ出したい。
 そう思うルノールとドクタージェレミィは抱き合ってガタガタと震える。




「お前ら二人共、メテオ・ブラスト…受けろぉ!!!」

「「いやいやいや待って待って ギャー!?」」


 大爆音が響き渡るとテラはのっしのっしと通路のほうへと歩き去っていく。

「おれ……帰る!!」


 残された部屋にはルノールの形をした壁の大穴と、地面でプスプスと燻っているドクタージェレミィの無残な惨殺……あっ…まだ生きてたわ、訂正 瀕死の脳みそサイボーグが転がっていた。


 ドクタージェレミィ 残りHP9

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

天花・雪兎
胡蝶(f12549)と一緒に

悪い奴なんだけど…お年寄り虐めみたいで、ちょっとだけ複雑だ…
思わず複雑そうな視線をおじいちゃんサイボーグに向けてしまう
用語とか技術とか、ぼくは聞いたことないんだけど…胡蝶、知ってる?

胡蝶の援護を受けながら、一気に距離を詰めて先制攻撃!
足の関節部分を狙って、敵の態勢を崩しに行こう

以降はフェイントを交ぜながら、2回攻撃やだまし討ちで攻撃するぞ!
敵の攻撃は見切りで避けて、避けるのが難しい場合は武器受けで受け流すんだ

WIZの技には【フォックスファイア】で応戦
合体させないように速攻で倒しに行こう

胡蝶と協力して、悪い奴を倒すんだ!
超巨大ビーチリゾート船の平和はぼくたちが守るぞ!


鬼灯・胡蝶
同行者:雪兎(f02304)

雪兎の質問にこてんと首を傾げて
「知らない…あんな…変なの…」

雪兎の後ろから【フォックスファイア】で牽制
狐火を纏わりつかせて…行動の…邪魔、する…
POWの攻撃…きたら…狐火をぶつけて、相殺…狙う…
雪兎の邪魔…させない…から

SPDの技には雪兎と一緒に攻撃…する、よ
攻撃する、時は…雪兎と同じとこ…狙う、ね…?
巨大ロボ…とか…的が大きいと、狙い
やすい…よね

敵の攻撃の事前行動には注意して、何か行動を起こしたら…注意を促す、ね
臨機応変…声掛けとか…連携とか…大切だから、ね…

悪い奴なら…手加減、いらないもん…ね?
変なの…早く倒して…遊ぼう?
胡蝶も…いっぱい…頑張るから、ね…?



●白と黒の境界線
 焼け焦げた幹部ルームに仲良く手を繋ぎながら入ってくる二人の人影がある。
 天花・雪兎(雪の子供・f02304)と鬼灯・胡蝶(旅する玄蝶・f12549)の可愛いお子様幼馴染二人組だ。
 つい先ほど幼い二人にとってはわけのわからない艦内放送を聞いてみたのだが、はっきり言って何を言ってるのか意味がわからない。
 だってそんな難しい漢字も意味も覚えていないのだから当たり前である。

「わぁ……すっごいボロボロだね胡蝶」
「うん……なんだろこれ わかる雪兎?」
 純白と褐色の対照的な色の二人が互いに首を傾げあってうーんと悩む。
 ここに悪い奴がいるはずなのにどこにもいない。
 壁には人の形をした大きな穴が開いてるがそこに誰かがいる気配もない。

 見渡してせいぜい見つかるのは黒焦げの箱がピクピクと動いてるぐらいだ。
「ん……変なの…これ」
 とことこと近づいた胡蝶がしゃがみながらツンツンと指でそれを突いてみる。
「なんだろそれ……ちょっと瓦礫から出してみたら何かわかりそうだね」
 雪兎が胡蝶に変わりそれを引っ張ろうとする。
 さすが男の子、女の子を守ってあげるという自然な優しさがすでに身についているようだ。

 はたしてそれはすぐに掘り出す事ができた。
 脳みそが入ったガラスケースに機械の手がいくつも生えた……それはもちろんドクタージェレミィその人だった。

「し……死ぬかと思った…けほっ」
 煤だらけになったせいか咳き込むが、呼吸器などすでに無いだろうになぜか咳き込む仕草をする。
 さすがに不憫に思ったのか幼い二人が布で煤をふき取りそれなりの見栄えへとようやく回復した。
 
「あ……この人、さっきの変な放送…してたおじいちゃん」
 胡蝶がようやく目の前にいるのが倒すべき相手だと気付いてドクタージェレミィを持ち上げていた手を離す。
 
 ガシャン と嫌な音がして地面に落ちると痛そうにその場で転がりまくっている。

(悪い奴なんだけど…お年寄り虐めみたいで、ちょっとだけ複雑だ…)
 雪兎の哀れみというか何というか複雑な表情を浮かべた。
 
「痛たたたたたたたっ お前さんがた掘り出してくれた事は感謝するがいきなり落とすのは勘弁じゃぞ!?」 
 ようやく立ち上がった脳みそサイボーグが苦情を幼い二人にぶつけてみる。

「おじいちゃん…敵」
「うん…敵はやっつける」
 脳みその入ったガラスケースを二人に掴まれてゆさゆさゆさと激しく揺さぶられる。
 
「わしはただ、巨大ビーチをカチコチ氷漬けのコールドスリープ実験場にしちゃおう計画を

実行しようとしてるだけじゃのに~っ」
 脳がシェイクされグロッキー状態のままツッコミどころしかない名称を出されるが目の前にいる二人にはまだちょと早すぎる単語が混じりすぎていたようだ。

「用語とか技術とか、ぼくは聞いたことないんだけど…胡蝶、知ってる?」
 雪兎が困った表情で胡蝶を見ると
「知らない…あんな…変なの…」
 子供ゆえの残酷なまでのドストレートさで全否定されさすがにがっくり落ち込む脳みそサイボーグ。

「変なの……うう ワシの長年の研究が……」
 しくしくしくと泣き真似をする脳みそサイボーグに二人の手が止まる。

「んー これ…どうしよう」
「あのね…雪兎、思ったんだけど…悪い奴なら…手加減、いらないもん…ね?」
 胡蝶がどうやら唯一の真実に気付いてしまったようだ。
 これは必ず倒さねばならない敵なのだから。
「変なの…早く倒して…遊ぼう? 胡蝶も…いっぱい…頑張るから、ね…?」
 
 胡蝶ちゃんこんな宇宙船の中より早く泳ぎにいきたいととうとうそわそわし始めた。
 これには雪兎も全面同意! だって早く遊びたいもの。

「よーし、ビーチリゾートの平和はぼくたちが守るぞ!」

「ひ ひいいいっ!?」
 二人の手元から抜け出したドクタージェレミィが慌ててガレキの向こう側に逃げようとする。
「あ…逃げた」
「まかせて…雪兎」
 狐火が大量に現れ逃げ出した脳みそサイボーグへと纏わりつく。
 それは動きを封じるのには十分な効果だった。
「あーちゃちゃちゃちゃ なっ、なんてお子様達じゃ 無茶苦茶じゃああ」
 このままではやられると判断したのか懐(?)から取り出したスイッチを慌てて押した。

 ゴゴゴゴっと足元のガレキが盛り上がり幼い二人との間に壁を作る。
 そしてそのガレキの中からは巨大なロボットが出現していたのだ。
「はっはっはっはは! お子様諸君……これよりはワシも本気じゃ このガードロボでこてんぱんにお仕置きしてやるのじゃあ!」
 そして助走をつける。
「とー 合体じゃー!」
 脳みそガラスケース高く舞い上がり華麗な回転の後にロボット頭部に合体しようと降下を始める。
 今まさに合体し終わる瞬間……雪兎のフォックスファイアが何発も命中し、あっさりと地面にガラスケースが叩きつけられた。
「合体なんかさせないぞ」
 雪兎からがびしっとポーズを決めて宣言した。
 
「合体を邪魔するとはお約束を知らないちびっこ達じゃなー!!」
 怒り心頭のドクタージェレミィに胡蝶が悲しい返事をぶつける。

「お約束…なんて知らない…なにそれ?」
 彼女が淡々と放つ狐火は雪兎が狙った場所と同じ所ばかりに命中、あっという間に巨大ロボットの内部メカに火がついて爆発四散してしまう。
切り札はあっさりトドメを刺されてしまった。

「た…助けてくれぇぇぇぇっ」
 
 今ドクタージェレミィに出来た事はゴロゴロと転がりながらその場を逃げ出す事だけだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

カシム・ディーン
ビーチとかリゾート…!普段お目に掛かれないものが見れるチャンスですか!
何より綺麗なお姉さんの水着とかも見れるという事…くっ…この僕がそんな物に…
うん、行きましょう

というか此処なんなんですか!?星々の海の中ってこんな事に…恐ろしい世界の秘密を見た気がしますね…更に恐ろしいのはこの世界ではそれが当たり前って事ですか…

対ジェミニィ
取りあえずなんでそんな事をしたんですか?(一応聞きつつ

成程…サイボーグの為にも

あ、喋らないでください(デュエリスト・ロウ

しかし…その…ジェイムスン教授ってどんな話なんですか?何より…いきなり来たゾル人って何者なんですか?(やっぱり興味があって気になるルーンシーフであった


久遠寺・遥翔
出遅れたっ!
リゾートの一日利用権ってのも魅力的だがなにより人々を襲う非道な計画、放ってはおけないぜ!

「まてッ!」
と異形の黒騎士姿で戦場に乱入して颯爽と降り立ち
「焔黒転身フレアライザー、遅ればせながら助太刀すんぜ!」
と名乗り上げる

戦闘ではダッシュとジャンプ、空中戦、残像を駆使した高速機動で撹乱しながら黒剣と光熱剣による2回攻撃で攻め立て隙あらば獄焔砲を撃ち込むぜ

「天才科学者ジェミニィブレイン。あんたがいくら天才だろうと悪事を働くなら見過ごせねぇ。あんたがいくら天才だろうと!」
と所々おだてて調子に乗らせて、隙が出来たらその隙をつく
「さぁ、巨大ビーチ以下省略計画終焉の時だ!」



●脳みそサイボーグ逃げも隠れもする

「出遅れたっ!」 
 その日うっかり出遅れてしまった久遠寺・遥翔(焔黒転身フレアライザー・f01190)は急いでグリモアベースから転送をされていった。
 最低限の情報だけ貰った情報によれば今は他の猟兵が戦っている最中のはずなのだ。
 だがまあ猟兵達の実力ならばそれほど遅れを取る事もあるまいと心を落ち着けた。

 それにちょうど同じく遅れて出発することになったカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)と二人まずは任務達成後のビーチの話に花を咲かせる。

「ビーチとかリゾート…!普段お目に掛かれないものが見れるチャンスですか!」
 興奮したカシムが期待を胸にテンションを上げる。

 「リゾートの一日利用権ってのも魅力的だがなにより人々を襲う非道な計画、放ってはおけないぜ!」
 遥翔はそれに同意しつつも、隠せぬ正義感がその言葉の節々からにじみ出ていた。

「何より綺麗なお姉さんの水着とかも見れるという事…くっ…この僕がそんな物に…」
 カシム君のほうはどうやらそこまでというわけでなく探究心の赴くまま心に正直に言葉を続けるのだった。
「うん、行きましょう!」
「ああ……どうせやる事は一つだ、せいぜい踊るとしようぜ?」

 微妙に二人の会話が相手に伝わってない気がするけどここはそっとしておいてあげよう。
 あまりにも正反対の二人なのだから。

 なんにせよ二人が上手く行動すれば早く退治して平和な未来を守れば結果的にリゾートでの楽しみも早まる。
 いい事尽くめじゃないか。
 
「焔黒転身!(フレアライズ)」

 遥翔が変身ポーズ共にその姿が異形へと変質していく……。
 戦いの準備は今整ったのだ。


「まてっ!」
 巨大ロボが炎上する幹部エリアに鋭い掛け声と共に異形の黒騎士が颯爽と現れる。
 そして視界の定まらないこの部屋でもっとも高い場所に陣取ると手を上げ足を曲げそして颯爽と決めポーズをとってみる。
「焔黒転身フレアライザー、遅ればせながら助太刀すんぜ!」
 後ろでちょうど床から爆発が起きた。

「こ……今度はなんじゃ黒い変な奴が!?」
 驚きのドクタージェミニィ。
 まさか今度はこんな怪しげな黒い奴が来るなど夢にも思っていなかったのだ。
 これは一旦体勢を立て直せねばと逃げようとするドクターに遥翔が声をかける。
「天才科学者ジェミニィブレインいうのはあんたか?」

「いかにもワシじゃ!」
”天才”という響きに反応してしまうドクタージェミニティ。
 どうにもさっきまで威厳のいの字の無くなる相手とばかり出会ってしまっていたので素直に嬉しかったのもある。

「あんたがいくら天才だろうと悪事を働くなら見過ごせねぇ。あんたがいくら天才だろうと!」
 異形の黒騎士が発するバレバレな煽てに気付く事無くドクターのテンションは急回復。

「そうじゃろ、そうじゃろ! やっとワシを理解してくれる奴が現れた」
 なんだか泣き真似まで始めた、よっぽどここ最近会った猟兵に色々言われたのだろう。

(うわぁ……僕にはあそこまでワザとらしくおだてるのって無理ですねぇ)
 カシムがそれを横で聞き正直な感想を心のうちで漏らしていた。
 
「我が『巨大ビーチをカチコチ氷漬けのコールドスリープ実験場にしちゃおう計画』の天才的境地に至らねばわからぬ真理というものをここで思い切り語っておきたいぐらいじゃ!」
 すっかり機嫌が直っているけっこう単純なものだ。
 
「取りあえずなんでそんな事をしようとしたんですか?」
 カシムがあえて遥翔に話を合わせようとする。この手のタイプは語りだせばどこかで隙が出来るはずだからだ。
 
「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれたものじゃ! これワシがまだ生身の身体じゃったあたりから語らえばならぬようじゃ!」
 あっ、それ思い切り長そうですねちょっと遠慮しておきたいかも?
「あれはそう暖かい春の日のことじゃったワシはそのひぃぃ!?……フガフガ」
 突然ドクタージェミニィのガラスケース(顔)にカシムの投げた手袋が叩きつけられる。

「あ、喋らないでください」
UCデュエリスト・ロウ……手袋が命中した対象にルールを宣告し、もしもそれを破ったら……。
「フガガガガ……!」
 ものすごく怒っている気がするが今はそれでいいのだ。

「よくやったぜカシム! お姉さんの水着だけが好きってわけじゃないんだな」
 遥翔がカシムの奇襲を褒めた(?)のだが微妙に褒められた気がしない。

「こんなものこうじゃー  人をおちょくりおってー!」
 怒り心頭、手袋をはがして投げ捨てたドクタージェレミィが周囲のガレキを操り次々とこちらに投げつけてくる。
「うわあああ!?」
 極まったと思っていたユーベルコードがレジストされていたのか今回は通用しなかったせいで不意をつかれガレキと土埃のようなものの中へと姿を消す。
 無事なのかここからではわからない。

 しかもまだガレキが投擲されてくるのは続いている。
 異形の黒騎士はその跳躍力を生かしジャンプし残像で回避と繰り返すが段々と被弾も多くなってくる。
 どうやら怒らせすぎて実力以上のものを発揮しているのか……それともこれが本当の実力だったのかそれはわからないが、回避しきれな分は黒剣と光熱剣の二刀で次々と切り刻み耐えていたのである。
 
(「くっ…さすがに手数であちらが勝っているようだが……」)
 まだこちらには奥の手がある。
 迷っている場合ではない、遥翔は焔黒剣が内包する異界の焔を飛んでくる大量のガレキへと解き放った。
「悪逆を喰らえ、煉獄の焔ッ! 獄焔砲(ケイオスフレア)ッ!!」

 漆黒の魔炎が目の前に広がり大爆発を起こした。
 その光景に思わず心が昂ぶる。
「さぁ、巨大ビーチ以下省略計画終焉の時だ!」

 ……炎が晴れた時、目の前には床に大きく穴が開いた通路があった。

「い…痛たたた」
 ガレキの横からカシムの声が聞こえるどうやら無事のようだ。

「どうやら、逃がしたようだな……」
 遥翔は足元に脳みそサイボーグの手足が何本か千切れているのを発見する。
 あと一歩あと一歩で倒せるだろう、そう思いその場を後にした。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

スピレイル・ナトゥア
「本物の脳味噌ははじめて見ますが、こんなにグロテスクなものだったんですね」
内臓をいきなり見せつけてくる変態が相手だとか、正直ドン引きです
この前の蟲といい、今回の脳味噌といい、なんだか最近グロ系の敵が増えてきているような気がします
「老人口調で偉ぶってますが、私みたいな女子供に内臓見せつけて喜んでる露出狂の時点で威厳もへったくれもないですよ」
ビーチは確かに露出をする場所ではありますが、そういう露出をする場所ではありません
私の力量では複数の精霊を同時に扱うことは本来できないのですが、時間をかけて精霊の力を暴走させることでそれを可能にします
巨大ロボごとき、私の高速連続射撃でドカンと貫いてさしあげます!


ユズリハ・オーリエト
うぇー…なんか見た目がちょっと受け付けないんだけど…。
でも、やるしかないよね(はぁ、とため息

戦闘は前回に続き【POW】で行動するね。
今回はボス相手だから、前衛の少し後ろからChain of Thornで拘束をして
動きにくくして他の人にその間に攻撃してもらおうかな。

終盤はドラゴニック・エンドで一気にHPを削りにいく戦法に切り替え!
「レイシー、やっちゃって!」

これが終わればビーチで遊べるぞ~♪


アイレキア・ベルフィオーレ
【Wiz】
はいはい、おじいちゃん病室に戻りましょうねー(わざとらしい棒読み)
あら?剣を抜きながら迫るなですって?じゃあ、こう致しましょう。
(剣を鈴蘭の花弁に変える。サイボーグとの距離は17m以内に)

鈴蘭の嵐を「属性攻撃」で水属性にして「全力魔法」で発動
うまい具合にサイボーグを水浸しにできた場合は

あら?おじいちゃんがコールドスリープの実験体に?
体を張って研究するなんて、科学者の鑑!
かっこいいわ!きゃー素敵!(わざとらしい棒読み二回目)

「二回攻撃」で鈴蘭の嵐を再度発動
「属性攻撃」にて今度は氷属性を「全力魔法」で



●博士 立てちゃいけない旗を立てる
 意識を取り戻したガラスケースに入った脳みそサイボーグことドクタージェレミィは瓦礫の中から身を起こした。
 先ほどから黄色い声が周りで囀っている、そんな気分に陥っている。
(「どんどん話を聞かない連中ばかりがやってきとる気がするんじゃが」)
 そんな想いに駆られてもしょうがないかもしれない。

 とりあえずは脱出艇…そうじゃそれがあった!
「巨大ビーチをカチコチ氷漬けのコールドスリープ実験場にしちゃおう計画」を決行するには部下は全滅、船内も荒らされ放題ここは一度逃げ出してまた時間を空けてから攻め込むのが無難に思えてくる。
 急ぎ最下層の脱出艇へ向かおう、そしてこんな殺しのプロばかりが徘徊する船とはおさらばじゃ。
 
「こんな猟兵ばかりの船内にいていられるものか。ワシは自分の居場所に帰るぞ……」

 そう口走ってしまった時点でもう彼の運命は決まってしまっていたのかもしれない。
 何故ならそれは殺人事件で部屋に立て篭もった人物が殺される前に言う定番の死亡フラグなのだから。 
  
 

●そして…
(「歩みが遅い」)
 彼は今更ながらにそれに気付いた。先ほど喰らった攻撃で機械の手足が何本か欠けてしまっているのだ。
 これではどうにも速度を上げれるどころか戦闘ももはやまともに出来ないだろう。
 出会ったら終わり……そんな極限の状況で彼の脳は驚異的な演算を成し遂げる。
 ドロイド兵が倒されてもうそれなりに時間がたっている。
 奴等の大半がワシを倒しに幹部エリアへと向かったはず、今更こんな下のエリアでうろついているのはよほどの戦況を読まずに動いているかただの迷子、もしくは究極のマイペースタイプだろう。

 まさかそんな奴等はここにはいないと思ったが 角を2回曲がったたったそれだけだ、たったそれだけの事であっさりと出会ってしまうことになる。
 …それも3人もだ。

「本物の脳味噌ははじめて見ますが、こんなにグロテスクなものだったんですね」
 嫌悪感を隠そうともせずキマイラの10歳児、スピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)が素直な感想を述べる。

「うぇー…なんか見た目がちょっと受け付けないんだけど…」
 いつも笑顔のユズリハ・オーリエト(清翠の意思・f05260)にここまで言わせるとは罪深い脳みそである。

「んー おじいちゃん発見ね」
 アイレキア・ベルフィオーレ(銀桜の聖華姫・f00055)がおっとりとした口調でばったりと出くわした相手を一目で目標ノドクタージェレミィだと見破り逃げれないよう挟むような位置へとゆったり歩いている。

「なななな、なぜこんな場所に3人も残っておるー!?」
 思わずツッコミが口に出てしまったのだが3人は顔を見合わせ、何を言ってるのだろうこの脳みそはという顔をしている。
 「わわわ…ワシは脅威の実験を成し遂げようとしている偉大なる科学者なのじゃぞ、お……お前らのような者が本来話できる相手ではないとじゃな!」
 
 それを聞いたスピレイルが一歩前へ歩み出る。
「老人口調で偉ぶってますが……」
 そこでいったん深呼吸、すうと息を吸うと思いの丈を一気に吐き出した。

「私みたいな女子供に内臓見せつけて喜んでる露出狂の時点で威厳もへったくれもないですよ!」
「ろ……露出狂じゃと!?」
 驚きのドクタージェレミィ、さすがに露出狂と反論されるのは想定外だったらしい。
 さらにビーチは確かに露出をする場所ではありますが、そういう露出をする場所ではありませんなどと言われてもワシにどうしろというんじゃなどという行き場のないあれな心境へと追い詰められていく。
 
 一方言葉を発したスピレイルにしてみれば内臓をいきなり見せつけてくる変態が相手だとか正直ドン引き、最近出会った敵といえば蟲そして今回の脳味噌。
 なんだか最近グロ系の敵と縁があるようなスピレイルである。

 そんなスピレイルに替わって槍というよりレイピアに近い形状の片手持ちランスを容赦なく構えてじりじりと間合いを詰めるユズリハ。
 普段と違いかなり覚悟が決まっている感じがする。
「やっぱり……自分たちでやるしかないよね」
 などとため息まで吐いている始末…そして意を決すると精霊への呼びかけをはじめるのだった。

 そろそろドクタージェレミィのハートにも悲しい風がびゅうびゅうと吹いているのを自覚する時がきたらしい。
 だめださっきまで以上に話の通じない相手かもしれない。
 そう思って後ずさるがそこにはすでにアイレキアが抜刀して逃げ場を封じていたのだ。

「はいはい、おじいちゃん病室に戻りましょうねー」
「なんで病室じゃ!? しかも剣なぞさっそく抜きおってこっちに来るのではなーい!」

 それを聞いたアイレキア、にこりと笑って立ち止まると何か考える仕草をする。
「あら?剣を抜きながら迫るなと言われても……うーんそれではこう致しましょう」
 その手に握っていた剣が鈴蘭の花弁へと変化していきバラバラになって空中を漂う。 

 これはまずいと逃げようにも手足は足らずしかも茨で出来た鎖が突如現れその動きを封じてきたのだ。
 それはユズリハのChain of Thorn(イバラノモリ)によるものだった。
 こうなってしまうと囚われの哀れな脳みそサイボーグに出来る事などほぼ何も残されたわけではなく”水の属性”に変化された鈴蘭の花弁を浴び全身ボトボトに濡れてしまうはめになる。
 何のつもりかとアイレキアのほうを見て恐怖に脳みそが縮む事となる。

「あら?おじいちゃんがコールドスリープの実験体に?体を張って研究するなんて、科学者の鑑!かっこいいわ!きゃー素敵!」
「なななな!?」

「かっこいいわ!きゃー素敵!」
 …まだ言うか!?
 だがそんなツッコミも追いつかぬままそのサイボーグボディは凍り付いていってしまう。

 茨に縛られ氷漬けにされもう絶望しかないドクターの視界にさらなる絶望が入り始めていた。
 先ほどから詠唱をしているスピレイルが呼び出した炎と土と雷の精霊の力が専門外の者でもわかるぐらいに不安定な状態で渦巻いているのだ。
 大変な集中を要していたキマイラの少女はその銀の髪を振り高らかにその魔力の全てを身動きの取れない倒すべき”脳みそ”へと解き放った。

「荒れ狂う力を野に放てぇぇぇぇぇぇぇっ!」

「やっ やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」


 豪っ!!

 轟く魔力の本流が次々と襲い掛かり激しく荒れ狂っていた。
 それはいつまで続いたのだろうか?

 …再び静寂が訪れ、脳みそサイボーグがいた場所には砕かれたガラスや金属の破片が残っているだけで後は全てこの世から消滅していたのである。

 長い…長い戦いは今ここに終わりを告げたのだ。

 超巨大ビーチリゾート船ヘブンズピーチ号に襲い来るはずであった脅威は今ここに…
「やりましたー!」
「おじいちゃん成仏してくださいね♪」
「やったーこれでビーチで遊べるぞ~♪」


 …あのすいません、今まだ締めのナレーション中なんで少し静かにって言うかもう帰っちゃった。
 あのもうちょっと余韻とか雰囲気とかドクターへの弔いの言葉とか言い捨てるとか何かないですかー!?

 ……あぁもういいや。 こうしてスペースシップワールドに訪れるはずの危機は無事解決されたのだありがとう猟兵、お疲れ様猟兵達!


 こうして物語の舞台は巨大な宇宙船内にあるビーチへと移るのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『スペースビーチバケーション』

POW   :    バーベキューとかスイカ割りとか、食べて遊んで楽しもう!

SPD   :    ビーチフラッグとかビーチバレーとか、スポーツで汗を流そう!

WIZ   :    ゆったり水面や砂浜でまったりタイム、のんびり過ごして癒されよう!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●魅惑のビーチへようこそ!

 ザパーン ザパーン
 波打ち際に打ち付ける静かな波の音がどこまでも続く。
 これが宇宙船の中だとはとても思えないそんな素敵な光景。
 
 しかもこれらは全て人工物、作られた自然なのだ。
 
 人々は普段脱ぐ事を許されない宇宙服や近未来ファッションの衣服を脱ぎ去り、水着姿で一心に水遊びを体験することが出来る。
 
巨大な砂浜に波の押し寄せる海、そして見上げれば開放型の天井ごしに広大な星空!このような船ともなると普段はとても盛況でありいつでも観光客で溢れ笑顔で満ちているのだ。

 だがそんなこのビーチも今日は猟兵達に貸切状態。
 しかも複数の細かなビーチに分かれているらしくそれぞれどこを利用するつもりか好きに選んでもらっていいらしい。

●マリンスポーツも楽しめる最大規模の砂浜の「ビーチ」
 水上バイクも貸し出ししてくれるのでバナナボートなどを引く事も可能だ。
 バーベキューもできるし海の家まで用意されているぞ

●完全なVIP用「プライベートビーチ」
 完全に貸切の小さなビーチ。
 ここでなら他人に邪魔されることもなく静かに休暇を楽しめるだろう。
 周りからも何が起こっているのかは全く見えない造りになっているのだ。

●水上にある「コテージ」
 少し沖合いの海の上に建っている一室だけの素敵なコテージ
 見渡す限り海、海、海なのでここで泊まっていってもいいしダイビングも楽しめるだろう。

 
 グリモア猟兵も万が一に備えて宇宙バイクに跨り、監視員として非常時に備えている。
 帰る時間になれば迎えにきてくれるだろうから、時間のたつのも忘れて存分に楽しんでほしい。
 そこまでの説明を聞き終わると猟兵達は各々好きな場所へと移動を始めたのだった。


 それでは皆様 よき休暇を!!
●星空のビーチリゾート

 暗い宇宙に浮かぶ白い砂浜、そして青い海。
 漆黒の空間にその巨体を晒す超巨大ビーチリゾート船の全景がその目に見えてくると、小型連絡艇に乗り窓からその姿を見ている猟兵達にはまさに絶景といえる物だった。
 
 全長は如何程の物なのだろうかあまりにも巨大すぎてスケール感が狂ってしまうのだ。
 入港している艦船のタイプを軽く端末で調べていると豆粒のように見えている船でさえ100m超の全長なのだという。
 これほどの物を造り上げたのが人類の手によるものだと同乗していた添乗員が説明をすると他世界から来て始めてそれらを目にする猟兵達から驚きと歓喜の声があがる。
 せっかくスペースシップワールドに来たというのにテレポートだけで移動していては、楽しみきれませんからねーとの意見が出て、あえて本船から連絡艇でこの超巨大ビーチリゾート船ヘブンズピーチ号まで来たというわけだ。

 今回の猟兵達の仕事に対して最大限の感謝の意を示してくれたのか今日一日、これが全て猟兵達の貸切になるというのだから楽しまなくてはもったいない。
 そうして戦いに身を投じた者、共に休暇を楽しむべく追いついてきた者などがこの連絡艇に集まったというわけだ。
 
 目に収まるサイズだった船体だったのだが、連絡艇が入港ドックに近づくにつれもはや視界に収まらないほどになってきた。
 スケール感があまりにも違いすぎてため息しか出ないというのが正直なところかもしれないが、純粋に大騒ぎして喜んでいるお子様達にとってはそんなことはどうでもいいのかもしれない。
 だって念願のビーチがこの中にあるって教えてもらったのだから!

 連絡艇を降りた後、幾たびかの光るゲートを通り抜け免疫などやメディカルチェックを受けようやく最後の扉の前にたどり着く。
 どこまでも金属の壁や床に覆われた宇宙船の中という造りだったのだが、チェックランプが赤から緑に色が変化しプシュという空気の流れ込む音と共に流れ込んできたのは潮の香り。
 そう……そこに流れる空気はもはや海の潮の香りだったのだ。

 猟兵達の休暇が……今、明るい人口の日差しの下、始まりを告げるのだった。
スピレイル・ナトゥア
【獣人同盟】で参加します

露出狂さんも倒したことですし、あとはみんなでビーチです
白と黒のツートンカラーのビキニを着て、ビーチを楽しみます
「お姉様! ウォータースライダーしましょう、ウォータースライダー!」
近未来のビーチにせっかく来たんですから、ウォータースライダーみたいな普通の浜辺にはないアトラクションで、ぜひみんなで一緒に滑りましょう!

そのあとは、みんなでバーベキューを楽しみます
お姉様とお姉様の精霊獣マニトゥのための楽しい食事を、かき氷片手にちゃんと考える、スピレイルは出来た妹なのです
お兄様は参加できるかどうかわからなかったのでプレイングに含めなかったのですが、果たして参加できるのでしょうか?


エウトティア・ナトゥア
【獣人同盟】で参加します。

妹のスピレイル・ナトゥア(f06014)に連れてこられました。

赤系のスカート付き水着で遊ぶのじゃ。
(スピレイルに引っ張られ)
これスピレイル、そう引っ張るでない。
さすが異界のビーチじゃ、見慣れぬものが色々あるのじゃ。
スピレイルも楽しそうじゃし、付き合うとするかの。
ウォータースライダーのう。あれ、しっぽが擦れないのかのう?

そして10分後…そこには率先して楽しむ姉の姿が。
おおー!早いのおおおぉぉぉぉぉ(ドップラー効果)

ほう、スピレイルや、バーベキューをしたいのかの?
残念じゃが、この周りには動物の気配がないから狩れないのじゃ。


ライヴァルト・ナトゥア
【獣人同盟】で参加

(青いトランクス型の水着を着て、遊ぶのもそこそこにBBQの準備をしている)
うん、妹たちが楽しく遊んでいるにはいいことだね。俺も少しばかりそれに花を添えさせてもらうかな
(慣れた手つきで肉や野菜を焼いていく。興味を惹かれた猟兵や通行人がいればそちらにもお裾分けを)
皆が楽しめるようにするのも俺の役目かな。さぁ、どうぞ。熱いうちに召し上がれ
(妹たちが寄ってくれば当然渡すけれど?)
ほら、肉ばかり食っていてはダメだぞ。肉と野菜をバランスよく食べるのが良い体を作るための秘訣なのだから
(ちょっと説教風なのに苦笑しつつ)
仕方ない。今日だけは大目に見ようか
(と、やはり妹には甘いのだった)



●獣人同盟ご一行様

「お姉さま!お兄様!海ですよ海!」
 スピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)が双子の姉であるエウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)の手を引き砂浜を行く。
 手を引かれあまりにわかりやすい妹の様子に先ほどから自然に笑顔がこぼれていた。

「これスピテイル、そう引っ張るでない」
 金属だらけの通路から開放的なビーチに出た事ですっかりテンションがMAX。早く遊びたいとさっきからこの様子なのだ。

「ははは。ほらほら二人共、早く着替えておいで」
 双子猫耳巫女姫の護衛、通称“護人”を拝命しているライヴァルト・ナトゥア(巫女の護人・f00051)が楽しそうにはしゃぐ二人の後ろ姿を見ながら苦笑していた。

はーいという素直な返事と共に更衣室へと消えていく二人。
 ライヴァルトも手早く更衣室で着替え砂浜のちょうどいい場所をさっそく見繕うと後ろを着いてきている荷物運び用のロボットにいくつかの指示を出す。
 
 このビーチ専属の荷物運び用ロボットが大量の荷物をその場に降ろすと、改めてこの人口の砂浜を見渡し感慨深く想いを馳せる。
「規模の大小はあるといえ……俺達の故郷と同じようなものだな」
 彼ら獣人同盟の3人の故郷も自然信仰を生業とし平原の中央に座する大岩をシンボルに自然と祖霊を信仰する部族なのだが、それさえも惑星内の自然公園(平原)の中で文明によって守られ生活基盤を支えられているのだ。
 この世界もまた何もない宇宙の中で人の手で造られた金属の船の中という環境の中で人は生きていくしかない。
 自然信仰というものもこれからの時代そういった矛盾と向き合って共生していくことになるのだと思う。
 自分に出来ることは次世代の指導者たる巫女である妹達を陰ながら支えていく事であると再認識せずにいられない。

 ……まあそんな難しく考える話でもないなっと考えた所で可愛い妹達の声が聞こえてくるのだった。
「「兄様ー♪」」
  
 声がした方向に振り返ると白と黒のツートンカラーのビキニを着たスピテイルが、赤系のスカート付き水着を着たエウトティアの手を引き仲良くと帰ってくる。
 その後ろをエウトティアが巫女姫である証ともいえる精霊獣マニトゥがゆっくりと付き従い歩いていた。
 
「二人ともお帰り、ふむ……ティアは巫女姫らしさを感じさせるし、スピの水着もとてもよく似合っているな」
 ライヴァルトは顎に手を当てふむふむわかりやすく可愛い妹二人を順番に見て優しく微笑む。
「兄様こそその青い水着、とても似合っているのじゃ~♪」
「お兄様すっごくかっこいいです!」
 普段ほぼ露出の無い衣装を着ているせいか、引き締まった肉体を惜しげもなく見せ付ける青いトランクス形水着を着たライヴァルトはとても新鮮に見える。
 もしもこの場に他の女子がいたならば今頃は黄色い悲鳴があちらこちらから聞こえてきていたことだろう。
(余談だが遠くからこちらを双眼鏡で見ていた監視員のエルフが鼻血を出しているが全くもって関係ない話だ)
 「二人共、俺の事は気にしなくていいから早く泳いでおいで」
 そう笑いながら二人の頭を撫でここは任せておくといいというアピールをした。

 二人はバーベキューの準備を始める兄を残して小走りに駆け出す。
「お姉様! ウォータースライダーしましょう、ウォータースライダー!」
 スピレイルがエウトティアの手を引っ張り遠くに見える高い建造物を指差した。
 普通の浜辺には無いであろう設備もこの全てを楽しめると銘打っているビーチリゾートには当然の如く設置されていたのだ。
 しかもそれは他の世界とは違う未来技術がふんだんに使われたとても画期的な物なのだと看板にも書かれている。
「ウォータースライダーのぅ……あれ、尻尾が擦れないかのぅ~~~~???」
 ノリノリの妹に姉はイマイチ乗り気ではないようで少し渋い顔を見せやれやれと肩をすくめて着いていくのだった。


 そして10分後。


「おおー!早いのおおおぉぉぉぉぉ          ぉぉぉぉぉっ」

 エウトティアの声があっという間に通り過ぎドップラー効果だけが残る。
 最初に滑り始めるまでは嫌々も嫌々、上まで登らせるだけでも一苦労、精霊獣にまで背中を押されようやくスタートラインまで立たせたのはいいのだが……。

 そこには率先して楽しむ姉の姿が!

 妹さんね、さっきから滑りすぎで真っ赤になっていくお尻をちょっと気にし始めてますよ?
 そして何回もリトライを繰り返しこれが最後の一回とスーパー濁流モード設定で滑り始めればこれがもうスピード感も桁違い。
 最後に水面に飛び出すと二人揃ってとても長い滑空時間の後に大きな大きな水柱をあげた。
 
 ぷはっと二人が揃って水面から立ち上がり互いに笑い合う……ここまでは良かったのだがエウトティアはふと妹を見て何やら違和感を感じてもう一度観察しなおした。
 自分の金髪とは違う銀髪に自分と同じ赤茶色の肌、そして目を引くなだらかな丘の上に目立つ桜色……ん、桜色???

「って、スピレイル あんた水着が脱げてるわよー!?」
 
「えぇぇぇぇぇっ!?」

 思わず素が出てしまった姉と真っ赤になり胸を隠している妹。
 慌てて周囲を探す二人が浮いているビキニ水着のトップを発見したのはそれから15分後のことだった。


 一方BBQの準備に余念のないライヴァルトの周囲にはお昼時ともなると他の猟兵達の姿もけっこう集まってきていた。
 夏のビーチに漂う肉の焼けた匂いに耐えれる者など早々にはいないだろう。
 妹達二人の友達でもあるエルフのシルがフリル付ワンピースにエプロンという姿で手伝ってくれている事もあり中々の盛況ぶりだ。
(「ん、妹たちが楽しく遊んでいるにはいいことだね」)
 豆粒ほどの大きさだが遠目に遊び続けている二人が何やらあちこち動き回っているのを楽しげに見つめていた。

「兄様兄様ただいまーお腹へったのじゃ~っ」
「むぅむぅむぅむぅ……ただいまお兄様」

 普段元気な妹が大人しくモジモジしていて、普段圧される側の姉が今にも吹き出しそうな表情で楽しげにそれを見ている。
 ははぁ……これは何かあったな?と思いつつ口に出して茶化さない出来たお兄ちゃんである。
 
「さぁ、どうぞ。熱いうちに召し上がれ」
 落ち着かせるような優しい声色で焼きたての肉を渡された二人。
 さっそくパクっと齧ってみればそれはちょうどよい火加減で肉汁あふれるまさに絶品。
 こんな浜辺のビーチで戴いて本当にいいのだろうかと思えるほどの味わいだった。

「ふっふっふ、このカキ氷はお姉様と精霊獣マニトゥのために事前にお兄様に頼んでおいたスピレイルは出来た妹なのです」
 えへんと小さな胸……すいません言い直します、とてもスレンダーな胸を反らすスピレイルは鼻高々なのだった。
 なおリクエストしたのはスピレイルだが、氷やシロップなど用意して全部作ってくれてるのはライヴァルトなのは言ってはいけない秘密である。

「残念じゃ~、狩りが出来ればわし自ら馳走するのじゃが周囲に気配がないのじゃよ」
 エウトティアが残念がって見せる横で精霊獣マニトゥが大きな欠伸をして見せた。

 ちなみに姉妹が食べているバーベキューの串を見ると肉だけが齧られピーマンや人参などが残り気味だったのだが、それに気付いたライヴァルトが優しく二人を諭すのだった。

「ほら、肉ばかり食っていてはダメだぞ。肉と野菜をバランスよく食べるのが良い体を作るための秘訣なのだから」
 えぇ~っと声を揃えて抗議する姉妹、チラチラと手元とそろそろ焼きあがる串とを見比べそわそわし始める。

「仕方ない。今日だけは大目に見るとしよう」
 などとウィンクして見せながら新しい焼きたての串を渡してあげる。
 
 やはり妹達には甘い兄なのだった。

 


 こうして楽しい時間はゆっくりと過ぎていき3人は満点の星空を時間の許す限りいつまでも楽しんでいるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユズリハ・オーリエト
待ちに待ったご褒美のリゾートだー♪遊ぶぞー♪

【WIZ】

水着は白のビキニ、シンプル気味だけどピンクの小さなリボンもついていて可愛さも意識!
でもやっぱり少し恥ずかしいからプライベートビーチにいこっかな…。

せっかく海に来たから、海に入ってぷかぷかと大きめの浮き輪でぷかぷかと浮かんでのんびりしよう!
この癒しの時間のために頑張ったのだ~♪
後でビーチの方も色々散策してみようかな?ほかの皆がどうやって過ごしてるのかもチョット気になる!

いっぱい遊んで休んで、心も体もリフレッシュしたらまた次のお仕事も頑張れそう!

※体型はスラっとしたバランスの良い体型。



●ユズリハリゾート

「待ちに待ったご褒美のリゾートだー♪ いっぱい遊ぶぞー♪」
 ユズリハ・オーリエト(清翠の意思・f05260)がまるで妖精のように軽やかに両手を高く上げビーチへと飛び出した。
 敵戦の中での戦いの数々、そしてここに到着してからも金属製の通路ばかりで少々退屈気味だったのだが
いざ開放され見渡す限りの海や砂浜に到着してしまえばそんなモヤモヤも彼方に消えてすっかり気分が舞い上がる。
 レンタルでも良かったのだがせっかくなのでアパレルショップまで送ってもらい,今日この日の為にチョイスした"ベストな水着"が持参した紙袋に入っているのだ。

「今日のために奮発しちゃったから思い切り楽しみきらないともったいないね♪」
 ちょっと紙袋の中を覗いては鼻歌交じりにくるくると時折回転しながら軽やかに歩いていく姿はまさに幸福の絶頂といったところだろう。

 どこで泳ごうかと悩んでいたユズリハだったがちょっぴり考えを纏めると、他の参加者にあれこれ案内をしているグリモア猟兵と何やら相談を始めるのだった。
 まっかせて!とばかりに宇宙バイクの後ろに乗るよう促されると、ユズリハは荷物を持って後部座席へと座るのだった……。

 しばらくの間高速で海上を疾走する海風を楽しんでいるとやがて海上に浮かぶ三日月型の小さな島が視界に入り始めた。
 そんなには大き島ではないが木々と砂浜そしてゲストハウスのような建物が見える。
 その三日月の内側にあたる部分の砂浜にゆっくりと降下していきあと少し着陸するという高度でユズリハは軽やかに砂浜へと飛び降りた。

 キュっと鳴くような音をたてる砂浜に心躍るのを感じ思わずその場で両手を広げてくるりと一回転。
 その姿をニコニコと見ていたグリモア猟兵は、後で迎えにきますね~と宇宙バイクのアクセルを吹かしあっという間に遠ざかっていく……。
 やがて訪れる静寂、静かに波が打ちつける音だけが響き渡りこの小島そのものが貸切で独り占めだと思うとつい嬉しくて小躍りをまたしてしまいそうになるのだった。
 
 さっそくゲストハウスへと入り荷物を置くと3人で寝てもまだ余裕のあるベッドなど、普段はどんなお客が泊まっているのだろうという贅沢ぶりに、お仕事頑張ってよかったななーなどと自然笑みが零れてしまう。
 
 今日は誰にも見られないプライベートビーチ、となると自然気が緩みピョンとふかふかのベッドに飛び込むとその感触を味わい童心に帰ったように何度も跳ねてこれが夢ではないと再確認。
(「大丈夫!夢じゃない、私は確かにここにいる♪」)
 
 さあ早く泳ぎに行かなくては海が私を待っている!
 他に誰もいないということもあり普段よりも手早く服を脱ぎ始め手袋から順にベッドへと脱ぎ捨てていきボタンを外し上も脱いでしまうと可愛い下着が共に胸が軽く揺れる。
 普段、二の腕と太ももそしてお臍ぐらいしか露出していない事もあり見ることのない白い素肌が晒され風を感じると、鼻歌交じりに下着を脱ぎ捨てそして買い物袋からガサガサと音をたて買いたての白い水着を取り出し始める。
 無駄な肉などついていないスラっとした手足はまるで妖精のよう、そして小振りとはいえ成長途中の胸もすごく自然にユズリハの美しさを魅せつけていた。
 
 さっそく布地の少ない水着を着け始め感触を確かめる。
 このスペースシップワールドの素材で出来たとても肌触りのいい生地で出来ているので着心地もまた格別のものだった。
 今日は特別に大胆な白いビキニに初挑戦、ピンクの小さなリボンのワンポイントで可愛さに気を使うことも忘れない。
 当初は皆がいるビーチに行こうと更衣室へと行こうと思ったのだが……でもやっぱり恥ずかしい!
 
 そんなわけ彼女は今、このプライベートビーチを島ごと独り占めしているというわけだ。

 燦燦と照りつける優しい人口太陽の明かりが海と砂浜を照らし波打ち際に白い泡が立つ。
これらが全て人口の作り物だというのだからこの世界の科学技術というものはやはりとてもすごいのだろう。
 なんて事を最初は思っていたのだが大き目の浮き輪でぷかぷかと揺られているうちにそんな事もどうでもいいと思えるようになってくる。
 いやもうすでに時間の感覚すら無くなるほどにリラックスできていた。
 
「この癒しの時間のために頑張ったのだ~♪」

 思わず普段出さないような大きな声を出してみた。
 どこまでも続く波の音がそれを静かに飲み込んでいきまるで揺りかごに揺られているようだ。
(「後でビーチの方も色々散策してみようかな?ほかの皆がどうやって過ごしてるのかもチョット気になる!」)
「もっといっぱい遊んじゃうぞー♪」
 
  ユズリハの休暇はまだ始まったばかりお楽しみはこれからなのだ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

天花・雪兎
胡蝶(f12549)と一緒に遊ぶぞ!

魚の絵が描かれたサーフパンツに、パーカーを羽織って
準備運動もバッチリだ!さぁ、泳ぐぞ!
…ってところで大事な事に気づくんだ
「胡蝶、大変だ!ぼくたち泳げないよ!」

このままじゃプールを楽しめない…
でも、がっかりしたのも一瞬、胡蝶が浮き輪を借りてきてくれたんだ!
何て頼れる幼馴染だろう!

慣れてきたらバナナボートに乗りに行こう
ぼく達だけじゃ怖いから、大人の猟兵と一緒に乗せてもらえないかな?
胡蝶と一緒に可愛くおねだりしてみよう

上目使い?可愛いポーズをするとか?
何をしたら、お願い聞いてくれるかな?
駄目なら仕方ない、2人でも遊べる別の方法を考えるね


鬼灯・胡蝶
同行者:雪兎(f02304)

花柄のワンピースタイプの水着に着替えた後、雪兎と一緒に準備運動
でも、急に深刻な表情をするから…びっくり…
…やっぱり…泳げないの…忘れてたんだね…
安心、して…こんなことも…あろうかと…浮き輪…借りてきた、から…

マリンスポーツも…楽しそう、ね…?
胡蝶も…雪兎と一緒に…大人の猟兵にお願い…するの
良い子にする…ちゃんと言う事も聞く…だから、お願い…ね?
可愛いポーズでのお願い…狐の姿、までなら…おっけー…

全ては…バナナボートと水上バイクの為…
泳げない…けど、それ以外は…平気だもん
きっと…楽しいはず、だから…
雪兎と一緒に…遊べたら…いいな…



●二人は仲良し

 輝く(人工)太陽、打ち付ける波、輝く砂浜そして可愛い水着姿の子供達。
 日焼けとは縁の無い白い肌に魚の絵が描かれたサーフパンツに、パーカーを羽織った天花・雪兎(雪の子供・f02304)と色黒の肌に花柄のワンピースの水着がよく似合う鬼灯・胡蝶(旅する玄蝶・f12549)の幼馴染二人組が砂浜へ元気良く着くなり準備体操を始めていた。
「「いっち にー さんつ しー!  ごー ろっく しっち はっち!」」 
 辺りに響く大きな掛け声と共に今日ここに来ている猟兵達の誰よりも真面目に真面目に柔軟体操を終える。
 
(「みんな、この子達ちゃんと見習いなさいよ!」)
 っと監視員としてこの幼い肢体をガン見……もとい怪我や事故など無いようにちゃんと監視活動を行っていたエルフのグリモア猟兵は心の中で叫んでいた。
 
 そして満を持したとばかりに波打ち際へと手を繋ぎあって駆け出す二人だったのだが、海へと入る寸前ピタリとその足が止まり前を走っていた雪兎が深刻そうな表情で胡蝶のほうへ振り返る。

「胡蝶、大変だ!ぼくたち泳げないよ!」
「…やっぱり…泳げないの…忘れてたんだね…」

 とてもとても残念そうにしている雪兎と対象的に、とっくにその事実に気付いていた胡蝶は慌てる事無く横においてある荷物のほうを指差した。
「安心、して…こんなことも…あろうかと…浮き輪…借りてきた、から……」

 そこには子供用の可愛い浮き輪が2人分ちゃんと置かれていたのだ。
 みるみる明るくなる雪兎の表情、幼馴染の気の利かせ方にとっても感動したのか思わずハイタッチ!
 さっそく二人は浮き輪を持って海の中へと入っていくのだった。

 
 それから2時間、ぷかぷか浮き輪で浮かんだり水を掛け合ったりして楽しい時を過ごしていた二人だったのだが沖の方から聞こえるエンジン音や歓声に興味津々。

 特に気になったのがボートや水上バイクに引かれて楽しむ事が出来るバナナボート、水上スキーと違って一緒に乗れるし何より黄色いバナナに乗るなんてとっても面白そうなのだ。
「マリンスポーツも…楽しそう…ね…?」
「だよね!胡蝶も乗りたいよね!」

 自分達もあれで遊びたい!
 …でも誰に頼めば乗せてくれるんだろう? 
「んー 沖にいる人達なかなか帰ってこないね……他には……あっ」
「……他に誰か…水上バイク……乗れそうな人……あっ いた」

 二人の頭の上に電球がピカッと光るような天啓があった気がした。
 そして二人揃って振り返った先にいたのは双眼鏡でずっと監視(だと思う)を続けているグリモア猟兵の姿であった。


「えっとね、ちょっといいかな?」
「…いいかな…?」
 二人の可愛い6歳児に声をかけられ”どうしたのー?”と監視台から降りて二人の目の前で屈み視線を合わせてくれた。

「ぼく達だけじゃ怖いからバナナボートに乗せてもらえないかな?」
「他に…頼める人…いないの…」
 二人揃って可愛くおねだりをしてみたのだ。
 ”でもお仕事あるから色々目を離すわけにいかないしね~”などとつれない返事が返ってくるが二人は諦めない。

 だって遊びたいんだもん! 

「”お姉ちゃん”しか頼れる人いないんだよ!」
 あえて”お姉ちゃん”の部分を強調して上目使いでチラチラ見る雪兎。
「良い子にする…ちゃんと言う事も聞く…だから、お願い…ね?」
 うるうると赤面までしても見せさらに尻尾をパタパタと振って甘えん坊のようにしがみつく胡蝶。

 その二人の様子を慈しむように優しい目で見ていた表情が一変する。
「まかせて! 今すぐ! バナナボート! 用意しますからね!!」
 即落ち2コマの如き速さで”墜ちていた”。

(「「チョロい!」」)
 喜びのあまり抱き合うこの6歳児達……強すぎぃ……。


 その後二人はバナナボートに乗り歓声をあげたり、砂浜でお城を作ったりカッコいい獣人のお兄さんが作る串を戴いたりと二人の楽しい思い出の1ページが心に刻まれていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

彩波・いちご
【恋華荘】のアイレキアさんに誘われて
※水着は当然女物、スカート付きのワンピースで、女子にしか見えません

「ビーチバレーですか?いいですよ、ふたりで組みましょう」
アリアさんとふたりだけというのは何気に初めてですね
楽しみです

※ビーチバレー対戦相手はMSにお任せします!

アイドルやってるので体力にも運動神経にも自信はありますが
背は低いので、主にセッターでトス役です
「アリアさん、決めちゃってください!」
決まったら笑顔でハイタッチ
「やりましたー!」

プレーが白熱してきたら、周りも見えなくなって、ボール追いかけてふたりして水面にどぼーんなんてことも?
顔見合わせて笑います
「楽しいです♪アリアさんも楽しんでます?」


アイレキア・ベルフィオーレ
【恋華荘】のいちごさんと一緒に
※桜色のスカート付きビキニで

いちごさんと二人だけで共に参るのも初めてね。
楽しき時を過ごせれば僥倖というもの。
ビーチバレーでも一緒にいかがかしら

※ビーチバレー対戦相手はMSにお任せします!

体力もそこそこではあるけれど。
身丈は私の方が上。ならば私がスパイクを決めましょう。

「お任せあれ!」
決まったら笑顔でハイタッチ

プレーが白熱してきたら、周りも見えなくなって、ボール追いかけてどぼーんなんてこともあるかも
こうなったら笑うしかないわね。
ふふっ、こうして楽しむのも良いわね。



●ドキドキ☆ビーチバレー

 白い砂浜にボールが天高く舞い上がりそして砂浜に叩きつけられる。
ここ超巨大ビーチリゾート船ヘブンズピーチ号の貸し切りビーチでは今まさに世紀の対決が行われているのだ。
 などと書くと大袈裟かもしれないがちょっとした景品を出してくれるということでちょっぴり過熱気味な戦いは佳境を迎える。

「いちごさん、いきます!」
 スレンダーなボディを桜色のスカート付きビキニに身を包んだアイレキア・ベルフィオーレ(銀桜の聖華姫・f00055)が腰を落とし慎重にボールの威力を殺して小柄な黒髪おれっこエルフの放ったボールをレシーブして次へと繋ぐと、スカート付ワンピースに身を包んだ彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)がすかさずトスを高くあげチャンスへと繋げる。
 ちなみにどう見ても狐耳のスレンダーな体型の美少女なのだが”いちご”は男の娘である。

「アイレキアさん決めちゃってくださいーっ!」
「お任せあれっ、てあーっ!」
 高くジャンプしたアイレキアの利き腕が唸り相手側はブロックすらする暇を与えずに見事アタックがコートである砂浜へと突き刺さった。
 審判の笛がなり見事このセットは二人の勝利に終わった。

 ”パチーン”と二人はハイタッチ。
「やりましたー♪」
 いちごが嬉しそうに笑うとアイレキアもにっこり微笑み喜びを隠せない。

 別に公式試合というわけでもないのでセットの間は割りとのんびり。
 試合相手の青髪のエルフ少女が水着にエプロンをつけ獣人のお兄さんが焼いてくれたバーベキューの串を二人に手渡してくれたのでさっそく二人はパクリとかぶりつく。
 ほどよく火が通った肉と野菜は二人の空腹をほどよく満たしてくれたようだ。

 ちなみになぜ二人がビーチバレーをしているかというと、恋華荘の管理人である”いちご”と初めて二人きりで遊びに出るなどアイレキアにとってとてもとても嬉しい事。
 せっかくなのだから楽しく遊ぼうと張り切って泳いだり日焼け止めクリームを互いに塗りあったりとごくごく普通に楽しんでいたのだが、同じ猟兵の獣人お兄さんがBBQの用意しているすぐ傍にビーチバレー用のコートがあったものだからこれはもうやるしかない!と大騒ぎ。
 ちょうど水上バイクでの遊びから帰ってきたエルフ姉妹達と楽しく勝負してみようという事になったのだ。
 今のところ勝負は一進一退、さすがは運動能力に優れた猟兵達だけあって勝負はどっちに転ぶかわからないものとなっていたのだ。

 美味しくバーベキューを戴いた二人は集まってきたギャラリーの前で最終セットへと挑んでいく。
 それぞれが素晴らしい動きで飛び、転げ、立ち上がる。
 ビーチボールの熱い試合に周りの声援もヒートアップ!
 相手のアタックをレシーブしたもののコート外へと高く舞い上がる。
「わわ……アリアさん変な方向にいっちゃいましたぁ~!」
「とっ…取ってみせますね」」 
 
 あまりにテンションが上がっていた二人高く舞い上がったボールが風に流され離れた場所まで飛んでいくのに猛然とダッシュ。
 あとちょっとで手が届く……というところで二人は見事にぶつかって波打ち際にドボーンと水柱を立てていた。

 波打ち際で抱き合うように倒れている二人。
 倒れた際にアイレキアの胸の谷間に顔を埋めている”いちご”、しかもどうやればそんな器用な事が出来るかわからないがビキニ水着の紐の内側に頭がすっぽりと納まっているのだ。
「う……うぅぅぅん?」
「すすすっ……すいませーん」
 下敷きになりようやく気がついたアイレキアと慌てて頭を引き抜くいちご。
 座り込んで真っ赤になりながら互いを見ていると何だかおかしくて笑いがこみ上げてきてしまう。

「楽しいです♪アリアさんも楽しんでます?」
 屈託無く笑ういちご。
「ふふっ、こうして楽しむのも良いわね」
 水着をきちんと直して微笑み返すアイレキア。

 ”おーい 大丈夫かー?”とコートのほうから声が聞こえてくる。
「さあ…ここから一気に逆転です♪」
「えぇ 恋華荘の底力見せてあげましょう!」

 手を取り合った二人は仲良く砂浜へと駆け出していくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シル・ウィンディア
同行
テラ(f04499)

テラ、よく頑張ったね。
えらいえらい。
さ、それじゃ、たのしんでいきましょっー

フリル付のワンピースタイプの水着に
エプロンをして調理開始っ!

BBQは、お肉もだけど、折角のリゾート地だから
海産物も捨てがたいよねっ!
ほらほら、今日はおねーちゃんに任せて
テラは、ゆっくりしてね?

材料は、お肉に、ホタテ、えび、いか、白身魚…
あ、お野菜もいるよね~
あの子、お肉好きだから、お野菜も食べさせないと…

選んだら、トングで具材を鉄板に置いていくね
~♪
いい匂い~
さぁさぁ、目一杯食べて、疲れをとってねっ!

ん、アイスクリーム?
わぁ、おいしそうー♪
それじゃ、遠慮なくいただきますっ!


テラ・ウィンディア
さて、まずはドクターの冥福を祈るぞ
今度はオブビリオンじゃない普通に子供をかわいがる博士であってくれよ
同行
シル(f03964

では…
(スクールタイプの水着を晒してざっぱーん
うん!自然に迫る凄い砂浜だな!人の力で此処まで作れるのってすげー!

水上バイク(紅龍王と命名)に乗って突き進むぞー!あ、ベルやシルとも競争するぜー!

そして泳いで…あ、魚捕っちゃだめ?

BBQ
此処名物のお肉とかお野菜とか焼き加減見て焼くぞー

シルにも取り分けて

シルからも貰って好き嫌いしないで
あちちっ…(ふーふーしながらも美味しすぎてほわっ

なぁシルーこれも食べてみてくれよ?凄いぞっ!(バニラのアイスクリーム進呈
一緒に食べて

アドリブ大歓迎



●エルフ姉妹のドタバタリゾート

 巨大ビーチリゾート施設の中でも目玉の一つがこの水上ボート。
 現代社会ではこれに乗るには小型船舶免許が必要とされるのだが、そこはこのスペースシップワールド!
 未来の技術はそんなものではなかった。
 操作がとてもシンプル、子供でも簡単に小型宇宙船を操縦可能だというのにこんな水上ボート程度は心配することもなかったのである。

 さてそんな水上ボートレンタルの受付前に可愛いエルフの双子姉妹の姿があったのである。
「テラ、よく頑張ったね。えらいえらい。」
 そう言って双子の妹の頭を撫でてあげているのはシル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)、青髪が優しい印象を与えるエルフの少女だ。
「ややや…やめろよシル、なんか恥ずいぞ」
 そう言いつつも大好きな姉に頭を撫でられ嬉しそうなのがにじみ出ているのが黒髪ポニー
テルが印象的なの双子の妹テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)なのである。

 今回の事件解決に大きく寄与したテラが事件解決後にさっそく姉に連絡して一緒にリゾートを楽しむ事にしたのだ。
 水着は急遽どうするか悩んだのだが先ほどからあちこちで出没しているエルフのグリモア猟兵こと村雨ベルが”なぜか”二人にサイズぴったりの水着を大量に持参してくれていたのでその中からチョイスすることになったのである。
 なぜ今になってをようやく名前が出てきたのかって?
 テラチャンガ呼ンデクレタカラデス。

 さて気を取り直そう。
 シルの水着はフリルのついたワンピースをチョイス、とても純粋な妖精そのものの雰囲気で可愛いという言葉が真っ先に出てくるまさに正統派。
 可愛いは正義!

 一方のテラのチョイスは姉と色違いのワンピースはあえて避けて他を探してみる。冗談でマイクロビキニなる全く運動するのに向いてない物を着て見せていたらベルが鼻血を噴出して血の池に沈みあっさりと封印されることとなる。
 最終的に旧型スクール水着(名札付平仮名で てら と書いてある)を選択したのだった。


 エンジン音が響き渡り水上を駆ける三艘の水上ボートが競争するかのように併走していた。
 唯一違うのはここに来るまでに頼み込まれたらしくベルのボートの後ろにはバナナボートが繋がっており妖狐の幼馴染二人組が乗ってキャッキャ楽しんでいるようだった。
 
「うん!沖から見ても自然に迫る凄い砂浜だな!人の力で此処まで作れるのってすげー!」
「テーラー、余所見してたら危ないんだからねー」
 アクセル全開で駆けるテラにシルが声をかけてはいるのだが先行しているテラには声は届かない。
 
「行っけえええええ紅龍王ぅぅぅぅぅぅっ!」
 勝手に命名したレンタルバイクのスロットルを限界まで全開にする。
(初心者にありがちな典型的『直線番長』とか言ってはいけない)
 限界まで速度が上がっていき水面への喫水面が最低ラインを割った瞬間、あっさりとボートがウィリーしてテラは水中へと投げ出されたのだった。

 薄れ行く意識の中、泳いで近づいてくるシルの姿が目に入るとテラの意識はそこで途絶えた……。


 ちなみにすぐシルによって救助され砂浜に寝かされた後、膨らんだお腹をぐいぐい押されると口から噴水のように水を何回も噴出して復活をしたのだった。
 よかったね、2章序盤で『ここからはギャグ時空だ』と明言されていて!。



「…って人の話はちゃんと聞いてる テーラー?」
「うー ちゃんと聞いてるんだぜ ほら…この肉も美味しいぜ?」
 人が大勢集まった砂浜のBBQの場で肉をふーふーしながら食べるテラに、水着の上からエプロンをしたシルが前屈みに顔を近づけてぷくーと頬を膨らませて見せていた。
「全くもう~」
 などといいつつも皿にホタテ、えび、いか、白身魚、お野菜などを入れてくれるあたりお姉ちゃんは妹に甘いのだ。
(「この子、お肉好きだから、お野菜も食べさせないと…」)

 説教しようにもこの様子なのでもうしょうがないな~という空気にすっかりなっていた。
 ちなみにこのBBQは二人の友達である獣人同盟のお兄さんが準備していたのをシルが手伝いを申し出てご相伴に預かっているのである。


「なぁシル~これも食べてみてくれよ?凄いぞっ!」
「ん、アイスクリーム?わぁ、おいしそうー♪それじゃ、遠慮なくいただきますっ!」
 グラスに盛られたバニラアイスクリームを分けてあげるとシルも美味しそうに破顔する。
 もう一口パクリと口に入れるとテラは空を見上げて想いをよせる。

 聞けば敵である脳みそサイボーグである博士が何故か寝ている自分を誤射から助けてくれていたらしい。
 どうやら孫可愛がりの年寄りの一面を自分に向けていてくれたらしいのだ。
(「今度はオブビリオンじゃない普通に子供をかわいがる博士であってくれよ」)
 敵であったドクターの冥福を祈るともう一口パクリと食べるのだった。


(「そういえばあの黄色いシロップ美味しかったけど何だったんだろう?」)  

「いつかまたアレ食べたいな…」
「んっ どうしたのテラ?」

「な…なんでもないよ!」
 思わず口に出ていた言葉に照れてしまうテラ。

 ドクタージェレミィがバニラアイスにかけた梅酒の味に気付けるのはおそらく十年後。
 二人がちゃんと成人してお酒を口にする日が来た後になるだろう。

 星々はそんな二人を見守るように輝いているのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

久遠寺・遥翔
滅多にない経験だ。せっかくだからVIP用のビーチを貸し切ってゆっくりするぜ。
あの博士にはギリギリのところで逃げられちまったからな。誰かが仕留めてくれて助かった。まぁおだてりゃ隙を見せるかもって打算はあったが、一応頭脳に敬意を持ったのは本当だ。一杯分くらいは偲んでやるかね。
「未成年だからノンアルコールなのは許せよ? 今度はまともな天才として生まれてきな」
ゆっくり休んだら心機一転、次の戦いに向かうとするか。



●ヒーローの休息

 静かな…そう静かな砂浜にただ波打ち音だけが聞こえている。

 
 滅多に無い経験に心が躍っていた。
 軽く伸びをすると久遠寺・遥翔(焔黒転身フレアライザー・f01190)はビーチチェアより上半身を起こし指を鳴らす。
 背後に目立たないように控えていた大型掃除機のような形状のロボットが横に近づくと胴体のシャッターが開き一杯のよく冷えたドリンクが遥翔へと手渡される。
 それを受け取るとまずは一吸い。
 冷たい液体が喉を通り抜け身体に染み渡っていくのが感じられとても……とても心が安らいだ。

 思えばUDCアースの日本のごく普通の家庭で生まれ育った高校生が、封印された異界の黒剣と融合して異形の騎士となり今では焔黒騎士フレアライザーと名乗って戦うなど普通ではありえない。
 それからというもの、戦いに次ぐ戦いの日々。
 今回このスペースシップワールドに来て戦ったのも思えばこの安らげる一瞬を守りたいという想いだったかもしれない。


(リゾートの一日利用権ってのも魅力的だがなにより人々を襲う非道な計画、放ってはおけないぜ!)
 って参戦した時に言ってたからきっと間違いない。

 さて今回の戦いだったがいくつか詰めが甘い所があり苦戦をした、それはたまたま運命のダイスが調子悪かっただけだったのだろう。

 そんな戦いを思い出しながら執事ロボにもう一杯飲み物を出すように指示をする。
 すぐに用意された自分と同じドリンクを自分の分とで両手に持ち波打ち際へと歩いていく。

(「あの博士にはギリギリのところで逃げられちまったからな。誰かが仕留めてくれて助かった。まぁおだてりゃ隙を見せるかもって打算はあったが、一応頭脳に敬意を持ったのは本当だ」)
 
 ほんの少し戦っただけの間柄ではあるが敵であれ敬意を払う、それが彼の戦士としての矜持なのかもしれない。
 そんな博士への慶弔の意を込め、新たに告がれたドリンクを腕を一振り海へと撒いたのだ。


「未成年だからノンアルコールなのは許せよ? 今度はまともな天才として生まれてきな」

 残った自分のグラスを天に掲げて見せると遥翔はそれを一気に飲み干した。



●エピローグ

 時は未来、所は宇宙!
 人々が全ての全ての居住可能惑星を失ったスペースシップワールドにおいて宇宙船とは人々の暮らす最後の生息域なのである。
 そして今、大宇宙を航行する超巨大ビーチリゾート船ヘブンズピーチ号に復活した帝国軍の魔の手が……

 ……もう迫る事はなかったのである。



 猟兵達はまた一つの幸せを守ることに成功したのである。


 猟兵(イェーガー)達に星々の加護があらんことを!

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月01日


挿絵イラスト