帝竜戦役①~戦竜、狂乱す
●戦争屋
竜呪受けし、強大な竜を討ちし者。
それは勇者と呼び称されるに相応しい異形であったことだろう。だが、呪い受けし体は、呪いに残留した竜の意識を宿し、過去より蘇る。
帝竜戦役―――帝竜ヴァルギリオスは、想定以上の猟兵に依る群龍大陸への進行の速さに計画を前倒しにしたことによって勃発した戦争である。
戦争であるのならば、己の出番である。
己がやらなくては誰が戦争をするというのだ。
かつての竜を打倒した勇者の意識は、すでにその体の中には残っていない。あるのは、討ち果たした勇者の体を変異させ、竜に近しい肉体となった『戦竜』ベルセルクの姿である。
「ようやく我の出番であるか!ああ!強き魂を感じる!」
高揚し、語気の強まるベルセルクは咆哮する。
強きものとの戦いを!魂を削り、互いの信念と正義とがぶつかりあう戦争を!
彼の心はすでに竜そのもの。あるのは闘争を求め、誉れ高き実力を備える猟兵たちを魂喰らいの森にて待ち受ける。
策も何も必要ない。ただ己の身に宿りし能力全てを使い果たして戦うことのみが、ベルセルクの心を支配し、求めていた。
「猟兵……!かつて我を討ち果たした勇者以上の強者……!早く!疾く!我と死合うのだ……!」
魂喰らいの森の全ての生命が、その咆哮に震撼するのだった―――。
●帝竜戦役
グリモアベースに集まってきた猟兵たちを出迎えたのは、ナイアルテ・ブーゾヴァ(フラスコチャイルドのゴッドハンド・f25860)である。
すでに連戦を重ねているであろう猟兵たちも多いことであろう。それを労いたいのだが、そんな余裕はまだない。
かわりにナイアルテは精一杯の笑顔で頭を下げるのだ。
「お集まり頂きありがとうございます。帝竜戦役、すでに多くの方々がご尽力頂いていることと存じ上げますが、未だ初戦です。どうか、皆様のお力をお貸しください」
帝竜戦役勃発の報せは多くの猟兵の知るところであろう。
オブリビオン・フォーミュラである帝竜ヴァルギリオスの計画の前倒しによって、勃発した戦いはアックス&ウィザーズの滅亡を掛けた戦いである。
未だ猟兵迎撃の準備に遅れを生じさせている帝竜たちに、その隙を与えずに大打撃を与えるべく多くの猟兵たちが戦いに馳せ参じているのだ。
「敵は、魂喰らいの森の一角に座す守り人、『戦竜』ベルセルクと呼ばれる竜です。人と竜の間にあるような姿形をしていますが、元となった嘗て竜を討ち果たした人間の肉体が変異したものです」
元は人であるのだが、呪いを受け、過去の化身として蘇生した際にすでに討ち果たした人間の意識はなくなっていたようだ。
つまり、『戦竜』ベルセルクは嘗ての討ち果たされた竜の意識に引きずられる形でオブリビオンとして舞い戻ってきたのだ。
「はい、勿論、強敵であることは違いありません。剣技、戦闘能力強化、ブレス……攻守共に優れた戦士であります。さらに魂喰らいの森の効果で、全てのユーベルコードに付随する能力……魂を啜る効果も持ち合わせています」
それにより、さらなる難敵となっているのだが、これに対抗する術もまた存在しているのだ。
「皆さんの持つ、楽しい思い出。それが今回の戦いにおいて重要な要因となります。皆さんの持つ楽しい思い出。それを心に強く念じながらユーベルコードに乗せることによって、魂を啜る効果に対抗出来るのです」
ナイアルテは微笑む。きっと楽しいこと、心があたたまる出来事、そんな日常の些細なことが猟兵達の助けとなる。
だからこそ、こんな時であるからこそ、ナイアルテは猟兵たちを笑顔で送り出すのだ。未だぎこちない笑顔ではあるけれど、猟兵達の心には暖かなものを宿していると信じているから。
「皆さんの無事を祈らせてください……どうかご武運を―――」
ナイアルテは集まってくれた猟兵たちを送り出す。
信じ、笑顔で送る。それが今彼女に出来る最大のことであると信じて。
海鶴
マスターの海鶴です。
※これは1章構成の『帝竜戦役』の戦争シナリオとなります。
魂喰らいの森へと進撃し、森を守るヴァルギリオスの尖兵たる『戦竜』ベルセルクを打倒しましょう。
※このシナリオには特別なプレイングボーナスがあります。これに基づく行動をすると有利になります。
プレイングボーナス……楽しい思い出を強く心に念じ、魂すすりに対抗する。
※この戦場で手に入れられる財宝について。
財宝「魂喰らいの森の核」……最高級の牛肉の味とサボテンの果肉のような食感を持つ球形の核。半径25cm程度で金貨500枚(500万円)の価値。
アイテムとして発行するものではありません。ロールプレイのエッセンスとして扱ってください。
それでは、帝竜戦役を戦い抜く皆さんのキャラクターの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
第1章 ボス戦
『『戦竜』ベルセルク』
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POW : 戦火飛翔
対象の攻撃を軽減する【全てを壊し蝕み糧とする竜炎を纏い操る姿】に変身しつつ、【戦う程に際限なく鋭さを増す剣術や肉弾戦】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD : 竜圧選別
全身を【輝きに触れた全てを圧し砕く鮮血紋】で覆い、自身が敵から受けた【戦意や殺意、或いは畏怖や恐怖の総量】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
WIZ : ドラゴンブレス
【掃討用の超広範囲型から収束まで自在な吐息】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【や空間が竜呪の炎に包まれ、燃え広がりゆく】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:ハギワラ キョウヘイ
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「月宮・ユイ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
魂喰らいの森に響き渡る咆哮。
それは歓喜の咆哮。咆哮の主である『戦竜』ベルセルクは鮮血紋を禍々しく輝かせる。
その瞳は爛々と輝き、異様なる高揚を示しているかのようだった。
迸る鮮血紋は、圧倒的な力によって奔流となり、ベルセルクの体に渦巻いていた。
「我が求めるは強者との戦い」
一歩を踏み出すだけで震える魂喰らいの森。魂を啜る動植物たちでさえ怯え、逃げ惑う。
その中心にて、ベルセルクは剣を大地に突刺し、猟兵の到来を待つ。
彼の望む強者が訪れると確信を持って―――。
須藤・莉亜
「良いね、僕好みの敵さんだ。」
なら存分に殺り合うとしようか。敵さんとの心躍る戦いほど楽しい事もないしね。
僕が心に念じるには強敵との心躍る死闘、血を奪うために全力を尽くした楽しい楽しい戦いの思い出。この敵さんと戦うなら良い思い出じゃない?
UCで吸血鬼化、強化された戦闘能力と生命力吸収能力を駆使して戦う。
敵さんの殺気を【第六感】で感じ取り、動きを【見切り】攻撃をくわえていこうかな。
敵さん、生命力いっぱいありそうだし、吸い尽くす勢いで奪って自分の回復に充てる事にしよう。
「炎の中で楽しく踊ろうよ、ねぇ?」
帝竜戦役。
それはアックス&ウィザーズ世界の存亡を掛けた戦いである。其の戦いの初戦である魂喰らいの森。
そこは生きとし生けるものの魂を啜る動植物が跋扈する魔性の森である。そこの森の一角の守護を任されているのが『戦竜』ベルセルクである。
人のような姿と鎧に身を包んでいるが、その人と竜とか混じり合った姿は異形そのものであった。
その体は嘗て竜を打倒した戦士のもの。竜呪によって変貌を遂げた戦士の肉体は過去の化身として蘇ったが、人格や意識は竜に取って変わられている。
故にその身に宿る闘争を求める心は、竜のものであった。
「闘争!故に我あり!我あるが故に闘争在りき!さあ、強者……!」
重い足を踏み出す。其の一歩だけで対峙する者を震撼させる重圧が放たれていた。
「良いね、僕好みの敵さんだ」
だが、その重圧を物ともせずと対峙する者がいる。それは、猟兵である須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)である。
今、彼の心に去来するのは、心躍る感情そのもの。
恐怖はない。戦いに際してそのような感情など不要であり、抱くこともない。
「―――その意気や良し……!」
なら、存分に殺り合おうと、莉亜の心は踊る。それはまるで、戦いそのものを楽しんでいるようであり、対するベルセルクと似通った価値観を持っていたのかも知れない。
彼の心に念じるのは、踊る感情。強敵との死闘。地を奪うために全力を尽くした楽しい楽しい戦いの思い出。
それはいくつもが彼の心のなかにある。どれもこれも、目の前のベルセルクと戦うには良い思い出であるように思えた。
魂啜りの効果は、感じられない。
この心躍り思い出を思い出す度に、莉亜は闘争心に薪をくべる。燃え盛る炎は、彼の姿をユーベルコード、不死者の血統(イモータル・ブラッド)によって吸血鬼化させる。
皮肉にも、この魂喰らいの森に置いて守り人であるベルセルクが与えられた能力と同じ、生命力を奪うオーラが彼の体にまとわれる。
「さあ、遊ぼうか。どっちが先に死ぬのかな?」
「応!ならば、受けるが良い!我が竜の息吹を―――!」
ベルセルクより放たれるはドラゴンブレス。黒色の炎は、広範囲に放射され、莉亜の体目掛けて殺到する。
それを強化された身体能力で危なげなく躱すのだが、黒い炎がなめるようにして広がった大地は燃え盛り続ける。消えない……?そう訝しんだ瞬間、彼の眼前に迫るは剣の切っ先。
既の所で顔を傾け、頬を掠める刃。にやり、と違いの笑みが浮かぶ。
肌が、魂がひりつくようなギリギリの攻防。これが互いに求めた闘争である。剣の一撃を躱し、莉亜の蹴りがベルセルクの顎を掠める。
互いの攻撃は一瞬、一瞬において緊迫したやり取りである。そのどれもが致命打に至らない。
だが、徐々にベルセルクの攻撃が強まってくる。何故だ、と理解したのは消えぬ黒色炎が燃え広がる戦場に莉亜が追い込まれてからであった。
「なるほど……この炎の戦場の中は敵さんのホームグラウンドってわけだ」
「然り。故に、我は汝を打倒せしめる……!」
剣の斬撃が再び、莉亜を襲う。
しかし、不敵にも笑う莉亜。其の表情は心底楽しそうであった。今、この瞬間を最大限に楽しんでいる。ぞわりとベルセルクの肌が粟立つ。
莉亜の金色の瞳が爛々と輝き、その身に纏うオーラが増していく。それは魂啜りの効果など児戯に等しきものであると言わんばかりの生命吸収能力。
こうして対峙しているだけで、まるでグラインダーに掛けられように削られていく生命力をベルセルクは感じていた。
「貴様―――、まさか!」
そう、見る見る間に莉亜の傷がふさがっていく。それに比例するように彼の戦闘力が跳ね上がっていく。
まさかである。彼の吸血能力は群を抜いている。その吸血能力がユーベルコードによってさらなる凶暴さを発揮しただけの話。
対峙するだけでも奪われていくは、げに恐ろしき魔性の力。
恍惚に微笑む姿すら、美しさ以上のおぞましさを秘めて―――。
「炎の中で楽しく踊ろうよ、ねぇ?」
彼の底しれぬ笑みが、黒色炎の中で揺らめいたのだった―――。
大成功
🔵🔵🔵
御狐・稲見之守
ああ、闘争とは楽しいものよ。なにぶん精気を喰らい過ぎてとんと死というもんから遠ざかってしまってナ。彼奴のような腕自慢とやり合うのはたまらんさ。さあ、お前もかつての者達のように楽しい思い出をおくれよ。
[UC化生顕現]子供姿で霊符を、黒き女狐姿で薙刀を、白き神仙姿で霊刀を、黒き大狐姿で牙を、不定の獣姿で爪を、炎の大狐姿で炎を繰り、文字通り変幻自在に攻めて行く。
大剣を突き立てよ、此方は薙刀を突き立てよう。爪でこの身を切り裂くならば、刀でその身を貫いてやる。彼奴が魂を啜れば我は精気を啜り、竜呪を繰れば霊符を返し、竜炎の吐息は狐火で相殺し……。
さァお次はなんだ、どうするか。我をどうしてくれるか。
闘争を楽しむ心というのは、停滞を打破するための力の一つであるかもしれない。
それに凶暴性があるように思えるのは、その闘争に巻き込まれた弱き者の弁である。常に強者と弱者があるのだとしたら、強者が強者足らしめられるのは、その闘争を楽しむ心である以上に、力得たことによる凶悪なる粗暴故なのかもしれない。
『戦竜』ベルセルクは、間違いな無く闘争を楽しんでいた。
かつて己を打倒した戦士にすら、彼は敬意を持っていた。
呪いをかけたのは、一生をかけてまた己との闘争に興じてほしいからだ。
それが一方的な願望であったからこそ、過去の化身として蘇った時、己の意識は嘗て竜呪いをかけし戦士の意識を駆逐し、この体を己がものとしていた。
「くっ―――ははははっ!楽しい!楽しいなぁ!猟兵!これこそが我の求めたる闘争!此度はこれほどまでに強者が我の前に立ち塞がる!これを楽しいと言わずしてなんとする!」
ベルセルクの咆哮は、聞くものに恐怖を齎すやもしれない。だが、その咆哮に一歩も怯まぬどころか、一歩踏み出す者―――御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)の姿が魂喰らいの森の一角にてあった。
「ああ、闘争とは楽しいものよ。なにぶん精気を喰らい過ぎて、とんと死というもんから遠ざかってしまってナ」
踏み出す。
その一歩は喜びに満ち溢れていたのかも知れない。その不死のごとき生命力溢れる体。目の前のベルセルクのような腕自慢と戦うことに対する喜びは、彼女にとって御馳走と同じであった。
甘美なる時間の始まりと言ってもよかったのかもしれない。だからこそ、彼女は告げる。それは礼儀であるとか、そういう話ではない。
ただの宣告であった。
「さあ、お前もかつての者たちのように楽しい思い出をおくれよ」
彼女のユーベルコード、化生顕現(ケショウケンゲン)が発動する。子供のような姿をしていた彼女が放つ霊符より放たれるは、黒き女狐と白き神仙の女人。薙刀と霊刀を携え、構える。
さらに黒き大狐は鋭き牙を。不定形の炎がかたどる狐は爪を。炎操る大狐は、渦巻く炎で持って。
「姿形不定なるこそ真なり、夢と現つの狭間に巣食う神にしてモノノ怪来たれり」
彼女が呼び出したのは、彼女の真なる姿へと変じた霊符。
それらは彼女の力の一端である。
ベルセルクが歓喜の咆哮を上げる。強者!溢れるほどに暴力的なまでの生命力を感じる。それがどれだけ時間、どれだけの闘争を重ねてきたのかを物語っているようなものだった。
ドラゴンブレスが放たれる。複数の真なる姿の写し身である霊符たちに対応するには、それが最善。
しかし、広範囲に伸びる炎を躱し、彼女の霊符は一斉にベルセルクへと襲いかかる。
黒き炎が周囲を囲い込む。例え攻撃を交わしたとしても、この炎は消えない。それどころか、ベルセルクの能力を一気に引き上げていく。
だからこそ、多数の霊符たちと立ち回ることができるのだろう。ベルセルクの剣が不定形の大狐に突き立てられる。しかし、黒き女狐が薙刀を振るい、傷を刻む。
剣を離し、爪でもって応酬し、引き抜いた剣でもって霊刀を受け止める。
大狐のはなった炎が龍鱗に覆われた体躯を焼き、それでも止まらぬベルセルクのドラゴンブレスが、霊符たちを呪わんと放たれるも、神仙が霊刀で呪いを打ち払う。
ありとあらゆる攻防が繰り広げられる。それを楽しいと笑う者が二人。
「―――!正しく変幻自在!かくも多様な技を持つ女人……否、女傑がまだいようとは!」
「さァ、お次はなんだ、どうするか。我をどうしてくれるか」
稲見之守は笑う。こんなにも楽しき闘争もいさ久しく。互いの出す剣撃は炎の中に揺らめく。
放たれる炎を狐火で相殺し、それでもなお、戦いは続く。
この魂喰らいの森において、魂を啜る効果も、この闘争においては無粋極まりない。だが、彼女とベルセルクは笑う。
楽しい。楽しいと。彼らの瞳が交わる。それは互いの力を認め、力をぶつけ合うことに至上の喜びを感じている証であった。
もっと、もっと、と黒炎揺らめく戦場に剣撃の音が響き渡る。
それはいつの日にか思い返すこともあるかもしれない。それが、稲見之守の長きにわたる人生において、どれだけの価値となるかわからない。
だが、確実にこの闘争は、愉しかったと。そう言えることだろう―――。
大成功
🔵🔵🔵
トリテレイア・ゼロナイン
(私に『魂』があるかはさておき不可解な出力、演算速度低下の形で『魂喰らい』が表出しますね)
A&Wの人々の平穏の為、この森を踏破させていただく
接近戦を挑む相手に格納銃器での●だまし討ちUC
この装備
SSWの研究所が「UC使えぬ一般人もオブリビオンに対抗する術を!」という目的で開発され私も戦闘データ提出や意見交換などを行いお力添えをしましたね
試射で想定通りの効果が発揮された瞬間の研究員の歓声で参加してよかったと実感したのは善き思い出です
…まあ、問題(秘密設定)もあったのですが
ですが今、その竜炎を吹き飛ばすことは可能です
纏い直す前に防御からの●怪力の剣と大盾殴打で速攻で体勢崩し
眼球に再度UC発射、炸裂
魂喰らいの森。
それは魂啜る動植物跋扈する魔性の森である。その森の一角の守護を任されたるは『戦竜』ベルセルク。
かつて己を打倒せしめた戦士の肉体に呪いをかけ、其の呪いでもって過去の化身として蘇ったものである。
この魂喰らいの森の守り人を任された者は、魂を啜るという効果を持つ。それは対峙するものの魂を削り、貶めていく。
だが、人ならざるものであれば、その魂を啜るということは意味をなさないのかもしれない。そう考えるのは誰しも同じことであろう。
無機物に魂は宿るのか。其の問いには、ヤドリガミという例も在るゆえに。だからこあそ、ウォーマシンであるトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)もまた、その例にもれず。
彼自身もまた己に魂があるのか、その定義を位置づけるものに理解を示すには難しいと考えていた。
だが、現に彼の生み出す出力の数値に不可解な歪があるのもまた事実。
さらに演算速度の低下も見られる。
「これが、魂喰らいの森……その効果が、このような形で表出とは」
目の前には、ベルセルクが黒炎の中トリテレイアを見つめる。ああ、とその瞳が歓喜にふるえているのを、トリテレイアのアイセンサーが捉える。
あれは純粋な闘争を求めるだけの竜であるのかもしれない。だが、純粋であるが故に、その闘争は弱者にも及ぶことであろう。
それは彼の持つ騎士道にとっては、害悪そのものである。故に―――。
「アックス&ウィザーズの人々の平穏の為、この森を踏破させて頂く」
トリテレイアは盾を構える。対峙すればわかるベルセルクの凶悪性と脅威の高さを。
「他人のために戦うといったか猟兵―――!己のために戦わぬ者にはァ―――!」
全てを壊し蝕み糧とする竜炎を纏い操る姿へと変ずるベルセルク。その瞳が煌々と輝く。其の瞳は、トリテレイアの言葉に対する憤りがあった。
闘争とは己のためのものである。他者のためではない。何故それがわからぬのだと、憤り、変じた姿は戦闘力を跳ね上げさせる。
ごう、と音が響いて一瞬でトリテレイアへと肉薄するベルセルク。
トリテレイアは瞬時に判断し、肩部格納銃器と頭部から放たれた銃撃でベルセルクを迎撃する。しかし、その銃撃は尽くが龍炎の前に弾丸が蒸発して消え失せる。
だが、それすらもフェイク。
蒸発した弾丸の内側から現れるは、真なる弾丸の姿。それは偽装された弾丸。
トリテレイアのユーベルコードによる、制御妨害粒子散布用試製炸裂徹甲榴弾(アンチユーベルコード・アーマーグレネード)である。
接近戦を仕掛けてくることはわかっていた。
だからこそその、二重の偽装攻撃。
「ぐっ、ぬ―――!?」
偽装された真なる弾丸が、ベルセルクの目の前で炸裂し、敵性ユーベルコードの制御を妨害する粒子が降り注ぐ。
それはベルセルクの纏う竜炎を即座に霧散せしめる。一瞬の攻防であった。
だが、その効果は絶大である。
トリテレイアはその光景を見て、メモリーデータが勝手に再生される不具合を感じていた。
スペースシップワールドの研究所が生み出した試製弾丸。何故それが生み出されたのか、その経緯を思い出していたのだ。
オブリビオンの脅威に対抗できるのは猟兵だけである。それ故に一般人は無力であり、ユーベルコードを使うことが出来ない。
ならば、と科学の力はそれを乗り越えるのだと、一般人でもユーベルコードなしにユーベルコードを打ち消せる装備を、と研究開発を開始した。
その力添えをしたトリテレイア。かくて其の研究は実を結んだのだが……あの時の研究所員の歓声をきいいて、よかったと実感したのも善き思い出であったと、しみじみとメモリーデータを閲覧したものであった。
だが、問題もまたあったのだ。
一般人が使用しても効果再現不能なのだ。猟兵であるトリテレイアにしか扱えぬ弾丸でしかなかったというのは、落胆と共に笑い話になっていた。
彼らはまだ諦めていないだろう。
だからこそ、猟兵である己が諦めるわけにはいかない。
「その竜炎は、私自身だけの力ではありません―――。あなたは私ではなく、スペースシップワールドの科学の、研究所員たちの力に敗北するのです―――!」
これが、これこそが、他人のために戦う者のちからであると、竜炎剥がされしベルセルクへと叩きつけられる大剣と盾のシールドバッシュ。
その鈍器の如き打撃は、容易にベルセルクの体制を崩し、再び放たれた徹甲弾がベルセルクの眼球へと炸裂する。
かつて戦士が負いし瞳に、さらなる一撃を加える。
絶叫のようなベルセルクの苦悶の叫びが、魂喰らいの森に響き渡った―――。
大成功
🔵🔵🔵
クレア・フォースフェンサー
討ち滅ぼされた者が討ち滅ぼした者の身体を用いて甦るとはの
おぬしを打ち倒したとしても、次はわしらがおぬしの呪いに掛かる虞があるということか
さらには、その魂を啜る力に対するには、楽しい思い出を念じる必要があるという
色々と考えねばならぬことが多いのう
――そのような不純物、おぬしが求める戦いには不要よな?
おぬしにはそのような力がある
それが分かっていれば十分じゃ
後始末は後から考えればよい
ではまいるぞ、戦竜殿
光弓や光剣の射程を生かし、巨躯に立ち向かう
太刀筋と能力を見切った後に、光剣以外を代償にUCを使用
敵のUCを破壊した一瞬の隙を付き、光剣で敵の右手を切り落とし、心臓を狙う
おぬしとの戦い、楽しかったぞ
アックス&ウィザーズ世界において、かつて竜を打倒せしめた勇者がいた。
打倒されし竜の名はベルセルク。そして、それを討ち果たした者へと竜呪をかけし者の名である。
竜呪は勇者が死す後も残り、過去の化身として蘇って尚、その呪いは健在であった。それ故に、オブリビオンとして蘇った戦士の意識はなく、あったのは竜呪に残りしベルセルクの意識のみ。
ベルセルクは哭いた。己を打倒せし者との再び見える為の呪いであったが、それも最早叶わぬ。
この乾いた心を満たすのは、もはや闘争しかない。戦って、戦って、その果てに己の求めたる物があるのだと信じて闘争するしかないのだ。
かくて、ここに『戦竜』ベルセルクは立つ―――。
魂喰らいの森の一角を守護する守り人、ベルセルクは幾多もの猟兵との戦いに心満たされていた。
「猟兵とは強者ばかり!弱気ものなど一人もおらず、かつて我を打倒せし勇者と同格!それ以上!」
その喜悦に満ちた咆哮は森を震撼させる。
「討滅された者が討滅した者の体を用いて蘇るとはの」
クレア・フォースフェンサー(UDC執行者・f09175)は、その人と竜とが混ざりあった姿を見て、足を進める。
金の瞳と髪が黒炎に照らされて輝く。
「お主を打倒したとしても、次はわしらがお主の呪いにかかる虞があるということか」
しかも、この魂喰らいの森の守護を任された守り人には、魂を啜る力もまた付随しているのだ。
だが、この効果に関しては対抗策が見いだされている。それは楽しい思い出を念じてユーベルコードを放つ必要があるということだ。
クレアにとっては考えなければならないことが多く、困ったものだと嘆息するものである。
闘争とは純粋なものであるべきだ。そうでなければ、混ざり合うのは不純物である。
「――そのような不純物、おぬしが求める戦いには不要よな?」
「応!我はもう呪いなど意味を成さぬと知った身である!故に、この我は闘争のみを求めるのである―――!」
ベルセルクはもう知っている。猟兵とは見た目の姿形さえ千差万別であり、そのどれもが姿形と同じではないことを。
見た目で実力を推し量ることの無意味さを知っている。
「ほう、中々の気概。ならば、後始末のことは後から考えればよい。では、参るぞ―――戦竜殿」
ベルセルクが剣を構える。その身に纏うは竜炎。対峙するクレアの肌を焼くほどの重圧は、炎のほとばしりとなって大気を焼く。
先に動いたのはクレアであった。
光弓から放たれる光矢は雨のように降り注ぎ、ベルセルクの巨躯へ。しかし、竜炎によって、それらは全て霧散していく。
遠距離での攻撃は牽制以外の何者にもならぬと判断したクレアは、即座に光剣へと切り替える。
互いの剣がぶつかり、火花を散らせる。かの竜の膂力はクレアのそれを遥かに上回っている。ぶつかる刃が実態剣であればへし折られ、両断されていたのはクレアの方であった。
受けきれぬと光剣によって受け流す剣が大地を割る。
「―――その剣撃の冴え、戦竜の名に恥じぬな!」
「もはや、我は女人と侮ることはせぬ。汝は女傑故!」
互いに距離が離れる。
クレアは覚悟を決める。代償を払わずに勝てる相手ではない。手にした光剣以外の装備が反転、粒子へと分解されていく。
それはクレアのユーベルコード、対抗能力Ⅲ(カウンターコード)。彼女の武装を光剣以外全てを代償として得られる、クレアの分身。
それは武装から再構成された分身体である。
一瞬で、分身体のクレアがベルセルクへと踏み込む。
神速の踏み込みのままに、分身体のクレアが放つ掌打によってベルセルクのユーベルコードによる炎が反射され、その龍鱗に覆われし体を焼く。さらに反転させられた力が逆流する。それを押し出すは彼女のはなった掌打である。
放たれた掌打がベルセルクの鎧を叩き割る轟音が響いた瞬間、クレアの金の瞳が輝く。
たなびく金色の髪は黒炎上がる魂喰らいの森の中に淡く輝く。
振るった光剣が、黒炎操るベルセルクの腕を切り落とし、返す刃で心臓を貫く。
「おぬしとの戦い、楽しかったぞ」
クレアの声が魂喰らいの森に吸い込まれて消えていく……
一瞬の攻防にて、クレアとベルセルクの闘争に決着が付く。それは刹那の邂逅であり、過去の化身たるオブリビオンにとっては、得難き邂逅のであったのかもしれない―――。
大成功
🔵🔵🔵
鞍馬・景正
荒ぶる武魂の持ち主とお見受けする。
釣られたか、我が羅刹の血も沸くというもの。
鞍馬景正、貴公との太刀打ちを所望致す。
◆戦闘
小細工は不要。
【無明剣】にて思考を切り捨て、今まで磨いた技倆と【第六感】の導きのままに斬り結ぶと致しましょう。
無我の中とて魂啜りが及ぼうが、気にする暇は無し。
過去から現在に至るまで渡り合った猛者たちとの死闘を思い返し、その全てを我が力と誇りとしましょう。
相手が強大である程、歓喜に胸は震え、繰り出される武技に戦意は却って鼓舞されたもの。
無論、今目前にいる相手からも。
潮合が極まれば、全霊の【怪力】を篭めた【鎧砕き】の一刀を叩き込んで決着を。
もし運良く勝利すれば、相手に一礼と合掌。
咆哮が魂喰らいの森に響き渡る。
それは帝竜戦役が勃発した初戦における戦場において、長らく得られなかった闘争への欲求を満たす『戦竜』ベルセルクの歓喜の咆哮であった。
弱き者には興味がない。強き者だけが己の前に立てばいい。その願いを、望みを、猟兵たちは奇しくも叶え続けていた。
戦い、傷つき、片目は破壊され、竜炎迸る右腕は落とされていた。鎧はすでにひび割れ、満身創痍という体であった。
だが、それでもなお喪われぬ闘争心の滾りが、ベルセルクの体を未だ骸の海ではなく、アックス&ウィザーズ世界の魂喰らいの森の守り人として健在せしめていた。
その姿を見、足を一歩踏み出す猟兵の名は、鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)。
瞑色の髪、瑠璃色の瞳がベルセルクを見据える。
その満身創痍でありながらも、未だ消え衰えぬ闘志に敬意すら覚えたかもしれない。
「荒ぶる武魂の持ち主とお見受けする」
景正は、対峙するのがオブリビオンであろうとも、その有り様に敬意を払った。闘争とは、ただ殺し合うだけにあらず。他者が己の鏡であるというのならば、ベルセルクの持つ魂に礼を欠くのは、己の魂に対してもまた侮辱であるからだ。
「若き猟兵を前に、かような姿を晒すのは本意ではないが、これもまた闘争である」
ベルセルクの隻眼、隻腕の姿が景正に立ち向かう。
すでに傷ついているとは言え、その闘志に翳りは見えない。その姿に景正の血が騒ぐ。立ち合いたい。この武人に。
「釣られたか、我が羅刹の血が湧くというもの……」
景正の言葉にベルセルクもまた同じものを感じていたのだろう。若武者を前にして、剣を持つ手に力が籠もるのが分かった。
「若武者よ、名乗られよ。我が名は戦竜ベルセルク」
「鞍馬景正……貴公との太刀打ちを所望致す」
抜き払うは、濤景一文字―――絢爛たる濤乱刃を焼きし、冷艶なる拵。抜刀されし刀身に映るは荒波の如き威。
対するベルセルクの身をまとう竜炎は黒炎そのもの。恐らく最期の力であろうことは承知である。
だがそれでも、ベルセルクから放たれる重圧は景正の足を重くさせる。
何も。何も考える必要はない。
己の中に在るは、たった一つの事柄のみ。連綿と紡がれ、己が練達し、磨いた剣術。それだけが彼の体を動かす、たったひとつ。
魂喰らいの森の守り人が持つ魂を啜る効果。何するものぞ。
今こうして相対するは、武人の極地。何ものも景正の集中を切るに能わず。我は無く、彼の胸中に去来するは、我ではなく他である。
過去、現在、今に至るまで景正が切り結んできた猛者たちとの死闘。
その紡がれてきたものが、景正の力であり、誇りであった。
相手が強大であれば在る程に、己の心は歓喜に振るえ、繰り出される武技に戦意は鼓舞されよう。
それは言うまでもなく、目の前の重圧放つ黒炎纏いし戦竜にもまた同様である。
もはや互いにわかっている。
かわされる剣撃は、一合である。
その一撃に全てを掛けている。己の技を。己の誇りを。そして、己の―――
互いの開かれた瞳が交錯する。一瞬の閃き。
先に神速の踏み込みで持って、間合いを詰めたのはベルセルクであった。疾い。景正は、そんな意識すら全て捨て去っていた。
剣の切っ先が描く弧。黒炎が迸る様ですら、今は遅く見える。無我の境地へといたりし景正にとって、それは数瞬後の出来事である。
踏み込む足は流麗そのもの。音もなく、流れる川のせせらぎよりも鋭く流れる景正の刃。
「我空、人空、剣空――右三空一心観。無明にて断つ」
景正の濤景一文字が鞘に収められる音が響いた。
―――無明剣(ムミョウケン)。絶技ここに極めり。全霊の力を込めて振るわれた景正の剣閃一撃は、ベルセルクの鎧を切り裂き、龍鱗すらも尽く無いが如くに両断っせしめた。
ベルセルクの振るった剣が空を切り、大地へと叩きつけられる。
すでに勝負は着いていた。
「―――見事……若武者よ。征け……」
それが戦に行きた『戦竜』ベルセルクの最期であった。
骸の海へと還っていくベルセルクに、景正は最期の礼を尽くす。一礼の後に合掌し、その魂を見送る。
去らば。
景正の心に在るは、強者との一合のみ。ただそれだけで良い。彼の中に連綿と紡がれていくものが、きっと彼の足をこれからも止めること無く歩み進めて征くことだろう―――。
大成功
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