帝竜戦役①~城断淫蕩グランヴェリオ
●アックス&ウィザーズ
魂喰らいの森は『生物の魂』を喰らう動植物が生えた場所。
猟兵ならばまだしも、一般人であれば、魂を啜られ、抜け殻と化してしまう恐ろしい盛りだった。
その場所に『森の番人』と呼ばれるオブリビオンがいた。
オブリビオンの名は、『城断淫蕩グランヴェリオ』。
城断淫蕩グランヴェリオは、顔の皮を剥がされ、喉を裂かれたオブリビオン。
そのオブリビオンが森の番人として、魂を啜る力を得て、魂喰らいの森の一角を支配していた。
『我が名は城断淫蕩グランヴェリオ! この地を統べるモノなり! この場所に足を踏み入れた者は、死あるのみ! その覚悟がある者だけ、我の前に現れよ!』
城断淫蕩グランヴェリオが声なき声で宣言した。
それは魂に響く言葉。
心に直接響く言葉で、侵入者達に訴えた。
●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ!」
ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が真剣な表情を浮かべ、今回の依頼を説明し始めた。
今回の目的は森の番人である『城断淫蕩グランヴェリオ』の撃破。
城断淫蕩グランヴェリオは、通常のユーベルコードに『魂を啜る効果』を加え、猟兵達に攻撃を仕掛けてくるようである。
この攻撃は、楽しい思い出を強く心に念じる事によって対抗する事が出来るものの、何の抵抗もしなかった場合は魂を啜られてしまうので、注意して欲しいという事だった。
また、この戦場で手に入れる事の出来る財宝『魂喰らいの森の核』は、最高級の牛肉の味とサボテンの果肉のような食感を持つ球形の核で、半径25cm程度で金貨500枚(500万円)の価値がある。
魂喰らいの森の核は城断淫蕩グランヴェリオと融合しているため、入手したい場合は注意して倒して欲しいという事だった。
ゆうきつかさ
この依頼は戦争依頼です。
基本的には、キャラクターらしさを重視しますので、世界観や設定に問題が無ければ採用していこうと思います。
第1章 ボス戦
『城断淫蕩グランヴェリオ』
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POW : ヤ・ルーン・セルヴォ
【全力の重片手半剣】が命中した対象を切断する。
SPD : モーレ・ド・ソフランテ
自身の身長の2倍の【愛馬デンテハーレ】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ : ジンジムァ・ユーゴッド
レベル×5体の、小型の戦闘用【に創り変えた赤子】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
イラスト:FMI
👑8
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ハララァ・ヘッタベッサ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
須藤・莉亜
「覚悟も何も僕は貴方の血を吸いに来ただけなんだけどねぇ。」
敵さんを吸い殺した時の渇きが癒える、楽しいひと時の事を思いながら敵さんの血を奪うことにしようか。
不死者の血統のUCを発動し、吸血鬼化して戦う。
敵さんが召喚した赤子の生命力を吸収して自身を回復しながら、強化された戦闘能力で敵さんをバラバラに刻むことにしようか。
もちろん、【吸血】も忘れずに。
「魂より、僕は血を吸いたいんだよ。」
宮落・ライア
魂を啜る効果……とりあえず攻撃に当たらなければ大丈夫ではないか?
ははははは!まぁどの道だ!どの道であろう!
貴様は敵!貴様にとって私は敵!
ギャラリーがいないのが興ざめだけれど…
楽しく殺しあおうじゃないか! そして私の糧になれ!
さて……ぶった切る。
どこに森の核が融合してるのかはわからないけれど…まぁそれは終わってから確認すればいいや。
騎乗は突進力は恐ろしくとも、近接に死角が出来る。
何より利き手の反対側にね。
避けて殴る…………いやそれは面倒くさいな。
突っ込んできたら大剣で馬の足ぶち壊して転ばせよ。
転んだら馬乗りになって裂かれた喉を今度は完全に掻っ切ってやろ。
山鹿市・かさみ
POW
自分から名乗りを上げるとは良い気概ッス!
我が名は大音帝ヤカマシャー!悪を粉砕する正義のヒーロー!
死をはねのける覚悟を持って挑むッス!
カサミが狙うのはカウンター!
オーラ防御や残像を駆使して敵の攻撃をギリギリのタイミングで受け流し、
それが出来れば勇気とダッシュを持って敵の懐へ飛び込んでカウンターにUCを叩きこむッス!
楽しい思い出は友人に初めて海に連れてってもらった時のことッスね。
人工で本物の海ではなかったッスけどあの輝きは忘れられないッス。
自然やそれを楽しむ人々を守るためにもカサミは戦うッスよ!
拳を叩きこんだ勢いと怪力で森の核を引きずり出せれば御の字ッスね。
傷つきそうならやめるッスけど。
荒谷・つかさ
出たわね!森の核!
その伝説級食材を寄こしなさい!
抵抗するなら無理やり奪い取るわよ!
前はほんの一欠けらしか食べられなかったけれど……今度こそは!丸ごと!いただきます!
(完全に食欲に指向が支配されている件)
目の前にぶら下げられた美味しいもの(=森の核)を喰う事しか考えてない(=めっちゃポジティブ)ので魂啜りもなんのその
兎に角間合いを一気に詰め【鬼神鉄爪牙・握凄破】発動
まず狙うは振り下ろされる剣を持つ腕、軌道を見切って怪力で掴み、握り潰して武器を封じる
あとは四肢と頭を順番に握り潰し動きを封じ、怪力でガワを引っぺがして核を回収よ
もう、すぐにでも食べたいけど……私だけの戦果でも無し、今は我慢、我慢。
栗花落・澪
ずっと苦しい事しか知らなかった僕にとっては
仲間達と連携して敵を倒す事ですら楽しい思い出になり得る
戦法が噛み合った時のワクワク感
考えた作戦が上手くいった時の達成感
全部終わった後に皆で過ごす息抜きの時間も
かけがえのない大切なもの
それになにより、大好きな歌で皆の役に立てること!
これほど嬉しくて幸せな事ってないよね!
だから、守るよ
【指定UC】による【誘惑】を乗せた【歌唱】で
万一足止めに至らなくても敵の召喚した赤子達を惹き付け
足元に広げた【破魔】の★花園を
風魔法の【高速詠唱、属性攻撃】で舞い上げての花弁の斬撃による【範囲攻撃】で赤子達を一層しながら
他の仲間の戦力強化を狙うよ
後はお願いね!
フェルト・ユメノアール
魂喰らいには笑顔で対抗してみせる!
『パフォーマンス』でお客さんを楽しませていた記憶を思い出し、魂喰らいに対抗
どんな状況でも笑顔の心は忘れないよ!
キミが馬なら、こっちは虎で行くよ!
ボクは手札からスペシャルゲストをご招待!
カモン!【SPタンブルタイガー】!
『動物使い』を使ってタンブルタイガーを操りながら『トリックスターを投擲』して牽制を行いつつ相手に近づく
勝負は一瞬、ボクと相手が交差するその瞬間……
攻撃を躱しながら相手の騎馬にジャンプで乗り移る
それと同時に白鳩の姿に戻した『ハートロッド』を敵の眼前に羽ばたかせ、視界を妨害
その隙を突いて『カウンター』の一撃を喰らわせるよ!
ミニス・クラインシュテルン
POW
アドリブ・絡み歓迎
この世界に生まれて15年近く、人生が楽しくなかったことなんて一度もないよ
家族も町の皆も優しくて、平民なのに騎士になりたいだなんて言い出す私の事も暖かく見守ってくれて
幸せだったと思うしこれからも幸せだと思う
そんな楽しい思い出一杯の世界をオブリビオンの手には渡さない!
あの剣、あんな大きかったら防御は無理でも隙は大きそう
避けてできた隙にこの【星明かりの剣】で骨剥き出しの脚を狙うよ
動けなくすれば皆戦いやすいよね
剣を長めに作って脚に届きやすくしようかな
あの剣に当たったら真っ二つなのが怖いけど勇気出して行くよ!
死ぬ覚悟? そんなの必要ないよ
だってここで死ぬのはそっちの方だからね!
陰白・幽
ここの森で手に入るらしいざいほーは美味しいお肉のような野菜のような……よくわかんないけど美味しそうなものらしいし頑張っていくかー。
敵は馬?に乗った騎士さんかな〜、強そうだけどガンガン倒していくよ〜
戦闘中は森の木々に隠れるように素早く動き回って敵の攻撃を避けるようにしていくよー
攻撃は鎖を使って相手の足なんかを縛るように攻撃をして動きを封じてから接近してユーベルコードで思いっきり顔面をぶっ叩いていくよー
楽しい思い出といえばー、旅団のみんなで騒いでいるのは楽しいねー、みんなで花火?みたいなのを眺めたのも楽しかったね……今年も見れるように今頑張らないとね〜
御狐・稲見之守
この地を統べる、か……ふふっ。土地を治めるのもラクじゃァないんじゃがなァ。ま、村衆を産湯から墓場まで見守るのは中々楽しいもんじゃ。その地に生まれた一人一人がワシの思い出よ。
さあ、グランヴェリオと云ったか。魂喰らいの森を統べると云うのなら、守り徹してみせるがいい。
[UC荒魂顕現]我為す一切神事也、天裂き地割る神業畏み畏み奉願祈るべし。唸れ雷雲、疾走れ雷轟、いざ来たれ稲妻の嵐……一切合切を消し炭にしてしまえ。制御なし、暴走するがままに猛り狂うがいい。
UCの発動とともに自身に[電撃耐性]の霊符で防陣を張ることとす。ふふっ伊達に神様の看板背負っちゃないんじゃよ。
コレット・ジョッフル
アドリブ・連携OK
WIZで攻撃
覚悟、か……そうは言っても、まだまだ死んでやる気はないのよ。私。(杖を一振りし、一陣の風とともに戦場に立つ)
北国だった私の故郷にこんな森はなかったけれど、ここの景色は昔に見た絵本を思い出すわね。あの本に描かれていた常春の国って、こういう場所のことをいうのかしら?(足元に生える、若干怪しげな見た目の花を眺めながら首をかしげる)
基本的には【オーラ防御】で攻撃をいなしつつ、【全力魔法】の突風でダメージを与えていくわ。余裕があるなら、【生まれながらの光】を使って他の猟兵を回復しようかしら。
ところでこの森の財宝って、美味しいらしいじゃない?ちょっと食べたらダメかしら……。
●魂喰らいの森
「出たわね、森の核! その伝説級食材を寄こしなさい!」
荒谷・つかさ(『風剣』と『炎拳』の羅刹巫女・f02032)は仲間達と共に、魂喰らいの森に足を踏み入れ、城断淫蕩グランヴェリオをジロリと睨みつけた。
『わざわざ死に場所を求めてやってくるとは……実に愚かな奴等め』
その視線に気づいた城断淫蕩グランヴェリオが、猟兵達の心に直接語り掛けた。
「……これは思ったよりも、凄そうだね」
その気迫に圧倒され、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)がグッと唇を噛み締めた。
『だが、此処に来た以上、覚悟が出来ているという事。……さあ、愚かな選択をした過去の自分を恨みつつ、あの世に逝くがいい』
その途端、城断淫蕩グランヴェリオの殺気が、猟兵達を飲み込む勢いで爆発的に膨らんだ。
それに反応するようにして、大地が小刻みに震え始めた。
「……覚悟か。そうは言っても、まだまだ死んでやる気はないのよ、私」
コレット・ジョッフル(嵐の九番・f25769)が杖を一振りすると、一陣の風と共に城断淫蕩グランヴェリオの前に現れた。
故郷である北国に森はなかったものの、目の前に広がる景色は、昔に見た絵本の景色と酷似していた。
「僕も貴方の血を吸いに来ただけだからねぇ」
須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)が城断淫蕩グランヴェリオを見つめ、含みのある笑みを浮かべた。
『ほお……、この状況で我を恐れぬとは肝が据わっているな。それでこそ、我の相手に相応しい。我が名は城断淫蕩グランヴェリオ! 貴様らに終わりを告げるモノなり!』
城断淫蕩グランヴェリオが猟兵達の心に刃物を突き立てる勢いで、激しく大地を震わせながら直接心に語り掛けた。
「……とは言え、自分から名乗りを上げるとは良い気概ッス! 我が名は大音帝ヤカマシャー! 悪を粉砕する正義のヒーローッス!」
その気持ちに応えるようにして、山鹿市・かさみ(大音帝ヤカマシャー・f01162)も名乗りを上げた。
此処に来た以上、それは死を跳ね除ける覚悟があるという事。
誰一人として、死ぬに来ている者などいない。
「何だか強そうだけど、これも美味しいお肉のような野菜を食べるためだからね。気合を入れてガンガン行くよー!」
その間に陰白・幽(無限の可能性を持つ永眠龍・f00662)が、攻撃を仕掛けるタイミングを窺った。
だが、城断淫蕩グランヴェリオの殺気は凄まじく、近づいただけでも背筋にゾッと寒気が走り、魂を引き剥がされそうになった。
「みんな楽しかった時の事を思い出して! そうしないと、魂を啜られちゃうから!」
フェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)が仲間達に対して警告しながら、パフォーマンスで御客達を楽しませていた時の記憶を思い出した。
「それなら大丈夫。この世界に生まれて15年近く、人生が楽しくなかったことなんて一度もないから。家族も町の皆も優しくて、平民なのに騎士になりたいだなんて言い出す私の事も暖かく見守ってくれて幸せだったと思うし、これからも幸せだと思うしね。そんな楽しい思い出一杯の世界をオブリビオンの手には渡さない!」
ミニス・クラインシュテルン(コスプレぽんこつ平民ナイト・f04953)が今までの事を思い出しながら、城断淫蕩グランヴェリオの殺気を払い除けた。
「ふふ……、ワシの魂を喰らえるものなら喰らうがいい。土地を治めるのもラクじゃァないんじゃが、村衆を産湯から墓場まで見守るのは中々楽しいもんじゃ。その思いを食らう事が出来る程の力があれば……じゃが」
御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)が、含みのある笑みを浮かべた。
『揃いも揃って愚か者ばかりだったようだな。一瞬でも期待した我が間違っていたようだ』
城断淫蕩グランヴェリオが猟兵達を見下し、小馬鹿にした様子で鼻を鳴らした。
「ははははは、結構、結構! まぁ、どの道……攻撃が当たらなければいいのだろう? ギャラリーがいないのが興ざめだけれど……楽しく殺しあおうじゃないか! そして私の糧になれ!」
そう言って宮落・ライア(ノゾム者・f05053)が、城断淫蕩グランヴェリオに攻撃を仕掛けていった。
『出でよ、愛馬デンテハーレ!』
城断淫蕩グランヴェリオが愛馬デンテハーレを召喚し、勢いよく飛び乗ると、猟兵達を挑発するようにして戦場を駆け回った。
「キミが馬なら、こっちは虎で行くよ! ボクは手札からスペシャルゲストをご招待! カモン! SPタンブルタイガー!」
即座にフェルトが【<ユニットカード>SPタンブルタイガー(スマイルパペット・タンブルタイガー)】を発動させ、赤いマフラーを巻いた白虎を召喚すると、トリックスターを投擲し、城断淫蕩グランヴェリオを牽制した。
「!!」
その途端、愛馬デンテハーレが身の危険を感じ、城断淫蕩グランヴェリオを乗せたまま、半ばパニックに陥った様子で前脚を上げた。
『ひ、怯むな!』
これには城断淫蕩グランヴェリオも動揺し、愛馬デンテハーレを叱りつけた。
「いまさら落ち着かせたところで手遅れだよ!」
その隙をつくようにして、フェルトが愛馬デンテハーレに飛び乗り、白鳩の姿に戻したハートロッドで、城断淫蕩グランヴェリオの視界を奪った。
それに合わせて、フェルトがカウンターの一撃を浴びせ、赤いマフラーを巻いた白虎が愛馬デンテハーレの首元に齧りついて息の根を止めた。
『ならば、これで……どうだ!』
城断淫蕩グランヴェリオが殺気立った様子で、戦闘用に創り変えた小型の赤子達を召喚した。
召喚された赤子達はニッコリと笑いながら、高速ハイハイで猟兵達に迫ってきた。
「見た目は赤子だけど、容赦はしないよ!」
すぐさま、澪が【戦場の歌姫(センジョウノディーヴァ)】を発動させ、誘惑と歌唱で赤子を足止めして、歌に共感した仲間達の戦闘力を増強した。
その間も赤子達が穢れのない笑みを浮かべ、高速ハイハイで迫ってきたものの、猟兵達に迷いはなかった。
「見た目は赤子そのものって感じだけど、まるでダメね。動きが不自然だし、どんな時でも笑顔を浮かべていたら、仮面と変わらないわよ」
コレットがオーラ防御を展開しながら、全力魔法の突風で襲い掛かってきた赤子を吹き飛ばした。
「さあ、遊ぼうか。どっちが先に死ぬのかな?」
莉亜が【不死者の血統(イモータル・ブラッド)】で全身を吸血鬼化させ、生命力を奪うオーラで覆い、赤子達の血を奪っていった。
そのたび、赤子達がカラカラに干からび、河童のミイラのようになって転がった。
『な、何故だ! 何故、躊躇わない! 相手は円らな瞳の赤子だぞ!』
城断淫蕩グランヴェリオが信じられない様子で、猟兵達を非難しまくった。
おそらく、城断淫蕩グランヴェリオとしては、猟兵達に攻撃する事を躊躇って欲しかったのだろう。
成す術もなく肉の塊と化した赤子達を目の当たりにして、現実を受け入れる事が出来ないようだった。
「さあ、グランヴェリオと云ったか。魂喰らいの森を統べると云うのなら、守り徹してみせるがいい」
稲見之守が大量の返り血を浴び、全身真っ赤になりながら、城断淫蕩グランヴェリオを挑発した。
『まだだっ! まだ終わっちゃいない! 本当に恐ろしさは、これからだ!』
城断淫蕩グランヴェリオが危機感を覚えつつ、残っていた赤子達を猟兵達に嗾けた。
それはレミングスの如き、死の行進ッ!
自らが傷つき、死ぬ事が分かっていても、赤子達の侵攻は止まらない!
「我為す一切神事也、天裂き地割る神業畏み畏み奉願祈るべし。唸れ雷雲、疾走れ雷轟、いざ来たれ稲妻の嵐……一切合切を消し炭にしてしまえ」
即座に、稲見之守が【荒魂顕現(アラミタマケンゲン)】を発動させ、稲妻の嵐を発生させた。
それに合わせて、稲見之守が自らの身を守るようにして、電撃耐性の霊符で防陣を張った。
その間も稲妻の嵐が荒れ狂い、辺りの木々を薙ぎ倒しながら、城断淫蕩グランヴェリオをズタボロにした。
「さあ、どんな味がするかな? 美味しいと良いんだけど……」
その隙をつくようにして、莉亜が赤子の生命力を吸収しながら、城断淫蕩グランヴェリオに迫っていった。
『……クッ! とにかく、傷を……』
その途端、城断淫蕩グランヴェリオが、自らの身を守るようにして、森の中に姿を消そうとした。
「……絶対に逃がさないよ!」
その行く手を阻むようにして、澪がeverywhere garden (どこにでもある花園)で破魔の力を宿した花園を生み出し、高速詠唱で風魔法の属性攻撃を発動させ、大量の花弁を舞い上がらせて、城断淫蕩グランヴェリオを攻撃した。
そのため、城断淫蕩グランヴェリオは逃げる事が出来ず、傷だらけの身体で猟兵達と戦わねばならなくなった。
「ところで、この森の財宝って、あれよね。……美味しいって聞いていたけど、結構グロテスクなのね」
そんな中、コレットが城断淫蕩グランヴェリオの胸元のある『魂喰らいの森の核』を凝視した。
それはまるで心臓のようであったが、紛れもなく魂喰らいの森の核。
見た目はグロテスクとあるものの、味は絶品。
噂では、病みつきになる味のようである。
それでも、食べてみたいという気持ちがあるものの、見た目がグロテスクな事もあり、多少なりとも躊躇いがあった。
『なかなか、やるようだが、我には勝てん……!』
城断淫蕩グランヴェリオが殺気立った様子で、重片手半剣を振り上げた。
先程受けたダメージが全く回復していないものの、猟兵達の負けない自信があるのか強気であった。
「さすがに、あんな大きな剣の攻撃を受けたら、防御するのは無理そうだけど、そのぶん隙も大きそう。だったら、これで……!」
即座にミニスが【シュテルネンリヒトシュヴェールト】を発動させ、星明かりのように輝く無敵の聖剣を想像から創造した。
『ほお……、そんなモノで、我に対抗しようとしているとは……実に愚か!』
次の瞬間、城断淫蕩グランヴェリオが重片手半剣を振り下ろし、地面をガリガリと削り取るほどの衝撃波を飛ばした。
「本当に愚かなのは、どっちかなー?」
すぐさま、幽が森の木々に隠れるように素早く動き回り、城断淫蕩グランヴェリオの視界から姿を消した。
その間も、頭の中で楽しい思い出を浮かべながら、魂を啜る攻撃から逃れた。
「……と言うか、この程度の攻撃じゃ、止まらないっすよ!」
それに合わせて、かさみがオーラ防御と残像を駆使して、城断淫蕩グランヴェリオが放った衝撃波をギリギリのタイミングで受け流し、一気に距離を縮めていった。
それは城断淫蕩グランヴェリオにとって、予想外の出来事。
即座に反撃を仕掛けようとしたものの、重片手半剣を振り上げた時には、猟兵達が目前まで迫っていた。
「振り下ろす前に……ぶった斬る!」
次の瞬間、ライアが城断淫蕩グランヴェリオの攻撃から逃れるようにして死角に回り込み、【剣刃一閃】で城断淫蕩グランヴェリオに斬り掛かった。
「……邪魔よ、それ!」
それに合わせて、つかさが【鬼神鉄爪牙・握凄破(オウガクロー・アークセイバー)】を仕掛け、城断淫蕩グランヴェリオの腕を怪力で掴むと、そのまま躊躇う事なく握り潰した。
『ぎゃあああああああああああああ! う、腕がああああああ』
その拍子に城断淫蕩グランヴェリオが魂の叫びを上げ、重片手半剣が血溜まりの中に転がった。
「ちょっと、うるさいよー!」
それと同時に、幽が【猫眠拳(ニャンミンケン)】を仕掛け、何処からともなく取り出したニャンマクラ~による超高速かつ大威力の一撃を、城断淫蕩グランヴェリオの顔面にぶち込んだ。
「やっぱり、死ぬのは、そっちだったようだね」
続いて、ミニスが星明かりの剣を握り締め、城断淫蕩グランヴェリオの左脚を斬り落とした。
『そ、そんな馬鹿な……。あ、あり得……ない……』
そのため、城断淫蕩グランヴェリオは現実を受け入れる事が出来ず、恐怖で体を震わせた。
「唸れ拳! 轟け魂! 我が鳴らすは命の鼓動!! ひぃぃぃぃっさつ!! ハートビートォ、ナアアアアアアアックルゥ!!!』
その隙をつくようにして、かさみが【超振動心速破砕拳(ハートビートナックル)】を仕掛け、機械心臓の鼓動の音と情熱を籠めた拳による超高速かつ大威力の一撃で、魂喰らいの森の核を掴むようにして、城断淫蕩グランヴェリオの身体を貫いた。
『か、返せ……それは、貴様らには……不要なモノだ……』
城断淫蕩グランヴェリオが朦朧とする意識の中、大量の血を泡の如く吐き捨て、猟兵達の心に直接語り掛けた。
だが、その言葉に力はなく、猟兵達の心には、ほとんど響かなかった。
「……もう諦めなよ」
その思いを断ち切るようにして、ライアが城断淫蕩グランヴェリオに馬乗りすると、裂かれた喉を完全に掻っ切った。
次の瞬間、大量の血が噴水の如く噴き出し、ライアの顔を真っ赤に染めた。
「さて……、後は核をどうするかね。みんなも興味があるのなら、これを分けないと駄目出し……」
そう言って、つかさが複雑な気持ちになりながら、ドクドクと脈打つ魂喰らいの森の核を、マジマジと見つめるのであった。
大成功
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