帝竜戦役①〜番人は、残虐なるエルフ騎士
グリモアベースで。
「帝竜ヴァルギリオスが動いた……!」
ベッキー・ウッドは額にじわりと汗を浮かべた。
そしてベッキーは猟兵達に顔を向ける。
「はろー、皆。アックス&ウィザーズのオブリビオン・フォーミュラ『帝竜ヴァルギリオス』が配下の帝竜と共に、世界を滅ぼすために動き出したんだ」
説明を続ける顔はいつにもまして真剣。
「だけど、ヴァルギリオスは本来の計画よりもはやく行動を起こした。群竜大陸にたどり着いた皆を、脅威に思ったからだね。
だから、敵の準備はまだ整っていない。今のうちに帝竜たちを倒そう。
そのためにも、皆には群竜大陸の各地を迅速に攻略してほしい!」
ベッキーは群竜大陸の地図を取り出し、南側の一点を指さした。
「皆に攻略してほしいのは、魂喰らいの森のこの地点。
森のこの辺りは、森の核と一体化し、森の番人となった一体のオブリビオンに守られている」
そのオブリビオンは『堕落したエルフのエリート女騎士』。
整った容姿を持ったこの女騎士は、人を痛めつけることを大いに好む。
優れた剣技と、足技を主とした体術は、猟兵達にとって脅威となりうる。
「さらに厄介なことに、このオブリビオンは、ユーベルコードに『敵の魂を啜る力』を加えてくる」
この力に対抗するには、戦闘中に『楽しい思い出』を心に念じて。強く強く、力いっぱいに。
楽しい思い出をしっかり思い描けば、敵の魂を啜る力を無効化できるから!」
なお、この敵に勝てれば、森の核を手に入れることができる。この核は上質の牛肉のような味わいとサボテンの果肉のような食感を併せ持つ珍味。金貨五百枚に相当する宝だ。
ベッキーはぐっと拳を握り、力強い声で言う。
「この戦争、帝竜戦役に勝ち抜くためには、まずここの攻略が必要だ。皆、よろしくお願いね。皆の『楽しい』で、虐めるのが好きなエルフ騎士なんて、やっつけちゃって!」
支倉みかん
支倉みかんです。閲覧ありがとうございます。
このシナリオは戦争『帝竜戦役』のシナリオの一つです。
●特殊ルール
このシナリオのオブリビオンは、通常のユーベルコードに『魂を啜る力』を込めてきます。
この力に対抗するためには『楽しい思い出を強く心に念じる』必要があります。
『楽しい思い出を強く念じる』プレイングをかければ、戦闘を有利できるでしょう。
皆さんの力で! 想いで! このシナリオを勝ち抜いて下さい。
よろしくお願いします!!
第1章 ボス戦
『堕落したエルフのエリート女騎士』
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POW : エリート騎士のレイピア剣術
【鋭く素早い刺突】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【動きのクセ】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
SPD : 嗜虐の足
【足での踏みにじり】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
WIZ : ほら、コレがイイんだろ?
【至近距離】から【足払い】を放ち、【倒れた相手を踏みつける】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:善治郎
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ミリリア・ミレニアム」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
箒星・仄々
心情
命を未来を護る為
攻略しましょう!
女騎士さんは
きっと嘗ては立派な方だったのでしょう
それが今は
オブリビオンとして世界を滅ぼそうだなんて
元のご本人がお辛い筈です
骸の海へと戻して差し上げましょう
手段
UCで水鏡の分身を纏い防御力強化
迷彩&残像&早業&見切りで回避
残念!それは水鏡でした
当たらなければどうということはない!ですよ~笑
足元を濡らし滑りやすくして剣技&足技の威力を抑えつつ
水流纏うKナーゲルを一閃
:残像&早業&先制攻撃&フェイント&見切り&属性攻撃&串刺し
魂啜り
A&W始め
これまで出会った大勢の方々の笑顔を思い浮かべます
沢山の笑顔をこれからも増やし続けますよ~♪
;優しさ&勇気&恩返し
蛇塚・レモン
楽しいことを思い浮かべるのは得意だよっ!
ドSエルフなんかに負けないっ!
黄金霊波動でオーラ防御
衝撃波で敵を寄せ付けないっ!
接近して足払いを仕掛けるらしいけど、こういうのはどうかなっ?
念動力で敵の頭上高く空中浮遊
そのまま空中戦を仕掛けるよっ!
これであたいを踏みつけるなんて出来ないよねっ?
こっからはあたいの番だよっ!
上空でユーベルコードを発動
いつもより元気に楽しく神楽を舞うねっ?
この世界の平和を願うことは、きっと楽しいと思うよっ!
それに蛇塚家一子伝来の神楽舞は、見るものの心に響くはず
(※魅了)
仲間の支援になればいいなっ!
敵の上空から衝撃波の乱れ撃ち&爆撃
ライムの魂魄を宿した蛇腹剣で圧倒しちゃうよっ!
●
茂る草木をかき分け森を進む猟兵達は、前方に、開けた空間とその中央に立つエルフ特有の耳の女を発見。彼女が森の番人たる女騎士。
猟兵を見るや、女騎士は邪笑を浮かべレイピアを抜いた。
「来たね、猟兵。じっくりいたぶったげるよ!」
箒星・仄々は、
「いいえ、女騎士さん。命を未来を護るため、ここは攻略します!」
穏やかな声で答えると、カッツェンバルで地を蹴り疾走。
走りつつ、仄々は【トリニティ・エンハンス】を発動。周囲に細やかな水滴を撒き、残像を生成する。
女騎士は仄々を追い、レイピアで突くが、水の力が彼女を惑わす。剣先は水鏡の残像を突いたのみ。
「残念! それは水鏡でした。『当たらなければどうということはない』ですよ~」
ウィンクし挑発する仄々。
が、女騎士は剣撃を次々繰り出す。反撃する隙がない。
蛇塚・レモンは敵の注意を惹きつけるべく、腕を振る。蛇腹剣クサナギで敵の足元を打ち、告げた。
「あたい達はドSエルフなんかに負けないっ!」
「なら、負かして泣かせてやるよっ」
女騎士がレモンを見た。
たんっ。女騎士は地を蹴る。レモンとの距離を一気に詰めてくる。
「接近戦が得意らしいけど、こういうのはどうかなっ?」
レモンは瞬間的に黄金霊波動を滾らせ、衝撃波を飛ばした。
接近する女騎士を衝撃波に激突させ、動きを止める。
レモンは敵の隙を突きさらに念動力を行使、宙に高く浮き上がる。
攻撃を回避した二人は、しかし、体に悪寒と急速な脱力感を覚えていた。
仄々ははっと目を開いた。
「これが魂を啜る力……触らなくても力を奪うとは……」
レモンは悪寒の中、あえて声を張る。
「それでもっ。こっからはあたいの番だよっ!」
レモンは【憑装・蛇塚シロオロチ神楽】にて白蛇神降ろしの巫女に変身
「憑装(ソウルユニゾン)、蛇塚シロオロチ神楽。お願い蛇神様、あたいと一緒に踊って……!」
背後に現れた蛇神の存在を感じつつ、レモンは空中で舞う。
ワードロープの裾を翻し、明るく力強い所作で舞いつつ、楽しく平和な世界を想い、魂啜りの力を弾き飛ばす!
剣に宿るライムの魂魄を意識し、ライムは蛇腹剣を振る。衝撃波が次々に発生、一発が女騎士に直撃し、体を大きく揺らす!
仄々はレモンの舞いを見、頷く。
平和を願うレモンに触発され思い出すのは、出会ってきた人々の笑顔。
「皆で世界の平和を護って、沢山の笑顔をこれからも増やし続けますよ~♪」
強く念じ、魂啜りの力に抗いきる!
仄々はレモンを睨む女騎士に視線を移す。女騎士がレモンの攻撃の回避に集中しているのを確認し、こっそり魔力を発動。地を水で濡らす。
数秒後。ずる、女騎士は濡れた土に足をとられた。ふらついている。
「チャンスです、合わせて下さい!」「任せてっ」
仄々は呼びかけつつ、カッツェンナーゲルを一閃。流水を纏った刃で肌を裂く!
レモンは仄々に呼応、今まで以上に巨大な衝撃波を上から叩きつけた!
「がぁ……やってくれる!」
殺気を滾らせる女騎士。が、体から、ポタポタと血。二人の攻撃は効いている。
レモンと仄々は声を響かせた。
「皆っ、このまま圧倒するよっ!」
「そして骸の海に戻して差し上げましょう。元のご本人の為にも」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
大宝寺・風蘭
「楽しい思い出ったら、やっぱコレだよねぃ」
ずんだ餅を取り出し、モチズキを召喚。
かつてオーガを手懐けることに成功し、以降は心強い相棒となった。奇跡的な生還を果たしてからの生活は、命があることの喜び、楽しさをかみしめる人生である。
「今日は大盤振る舞いだよ、モチズキ」
一気に五個ほど食わせた上で、二人がかりで一気に【切り込】んでいく。
モチズキには好きに戦わせ、自身は【怪力】任せに木刀で乱打。
動きの癖を読まれたとて、二人それぞれに対応しなければならないとなれば少しは鈍るだろう。
ただ、長引けば長引いただけ相手の対応力が上がってこちらに不利になるはずだから、狙うは短期決着。だからこその大盤振る舞い。
●
大宝寺・風蘭は傷ついた女騎士へ、木刀れぼりゅーしょんの切っ先を向けた。
女騎士は怪我をものともせず、風蘭へ飛び込んでくる。繰り出される剣閃。
風蘭は咄嗟に木刀を敵の刃に叩きつけ防御。
攻撃を防いだにも関わらず、風蘭は背に寒気を覚えていた。
「これが魂啜りってわけ? 厄介だよねぃ。対抗するには楽しい思い出……楽しい思い出ったらやっぱコレだよねぃ」
風蘭は、緑色の餡をたっぷり使ったずんだ餅五つを出し、呼びかけた。
「今日は大盤振る舞いだよ、モチズキ」
己に憑依するオウガ・モチズキを召喚。モチズキは現れるなり、がつがつっ、餅を一息に平らげる。
その姿に風蘭は思い出す。モチズキを手懐け、共に不思議の国を突破したことを。
生還してから実感した生の喜びを強く想う風蘭。魂啜りの力は効力をいつしか失っていた。
「そんじゃ頼んだかんね、モチズキ」
風蘭の声に応じ、モチズキはオウガの腕を振る。女騎士へ殴り掛かる!
女騎士は体を捻り攻撃を回避。
風蘭はその女騎士の側面をとった。輝く木刀を渾身の力でフルスイング、敵の脇腹を撃ち抜いた!
「ぐあっ」たまらず首をそらした女騎士。その顎を、モチズキが蹴り飛ばす。
敵の動きを読むのが得意な敵でも、二人がかりなら読み切るのに時間がかかる筈。短期決戦ならなお有利な筈……喧嘩殺法を使う風蘭ならではの作戦が、功を奏した。
二人の打撃を受けた女騎士は、地に膝を着く。
「決めるよ、モチズキ」
とどめを刺せるまで後少し。モチズキの横で、風欄は木刀を大きく上段に構えた。
大成功
🔵🔵🔵
御狐・稲見之守
ほぉうエルフの騎士とは面白い。ちょうど体が鈍っていたところ、相手になってやる。
[UC巫覡載霊の舞]、神霊体……大人姿となって彼奴に対峙しよう。彼奴のレイピアを大人姿、子供姿、子狐姿への変身を交えて躱して、足払いも”子狐”姿で嘲笑うように避けてみせよう。
そして適宜、霊符を薙刀や刀へと変じさせながら変幻自在に攻撃を繰り出す。これぞ稲見流、なんてな。
ふふ、甘い甘い。かつて我が頸を打ち落とさんと来た鈍刀のヤドリガミはもちっと『ぶっ殺す』って気で来てくれたがァ? ああ、思い出せば笑ってしまう。我はそういうのをからかうのが楽しいのさ。
●
満身創痍の女騎士は立ち上がる。血走った目を猟兵に向けた。
御狐・稲見之守は【巫覡載霊の舞】で神霊体――大人の姿になっていた。敵の視線を受け、
「ほぉう、エルフの騎士とは面白い。ちょうど体が鈍っていたところ、相手になってやる」
ほっそりとした手を上げ、くいっ、と手招き。
挑発に女騎士は乗った。「鈍るどころか、動けなくしてやる!」叫び、稲見之守の顔面めがけ剣を繰り出した!
稲見之守はふわっと微笑、身を子ども姿へ変化させた。結果、敵の剣は外れ、ただ空中を突く。
「小器用なっ。なら――」
女騎士はすかさず足払いを仕掛けてくる。が、足が届く寸前、稲見之守は再び変化。子狐になって、敵の足を潜り抜ける。相手を見上げ、こく、と首を傾げてからかう稲見之守。
軽やかに戦いながら、稲見之守は肌から生気が抜けるのを感じていた。稲見之守はこれが魂啜りの力かと推測、また神霊体になり、
「ふふ、剣技も体術も魂啜りとやらもそんなものかァ……甘い甘い」
唇を先程よりも強く吊り上げた。
「かつて我が頸を打ち落とさんと来た鈍刀のヤドリガミはもちっと『ぶっ殺す』って気で来てくれたがァ? ああ、思い出せば笑ってしまう」
口元を羽衣の裾で隠して、嘲笑。心中を満たす愉悦で、魂啜りの力を遠ざける。
痛みと苛立ちを顔に浮かべる女騎士の前で、
「手が尽きたかァ? ならば我の手番といこう」
稲見之守は霊符を剣に変じさせ、女騎士に斬りかかる。女騎士は上体をそらし一撃をかわすが、
「やはり甘い」
稲見之守は剣を薙刀に変えた。回避したばかりの敵を切っ先で抉る。
「変幻自在、これぞ稲見流、なんてな」
不意を突かれた女騎士は更に出血。たまらず尻餅をついた。
稲見之守は、衝撃波を飛ばし、敵の全身を強打!
女騎士は仰向けに倒れ――二度と起き上がらなかった。
女騎士の体は徐々に消滅していく。後に残ったのは、珍味と名高い森の核。
魂喰らいの森の攻略に成功した猟兵達は移動を開始する。
ある者は体を休めるため、ある者は帝竜戦役の次の戦場に赴くために。
稲見之守は薙刀を符に戻し、普段の姿に。
「さて……と。次は如何にするかの」
独り言ち、仲間に続いて歩き出すのだった。
大成功
🔵🔵🔵