じゃあなボウス、ついてたな
「じゃあな、ボウズ……ついてたな……」
そう言い残して、あの人は逝ってしまった。深紅に染められた一台の戦車を残して。
僕は戦車乗り。少し前の襲撃でこの拠点は大きなダメージを受けた。中でもリーダーだったあの人が流れ弾同然の一発が致命傷となり、この世を去ってしまったのが大きい。この拠点は彼のカリスマで持っていたような物だ。元からここに戦車を扱えるのは二人しかいなかった。彼と、彼の弟子……って言うと、彼は必ず否定したけど……僕だけだ。
幸いにも彼の戦車は大したダメージじゃなかった。修理も完了している。いつでも動かせる……僕になら。だけど、周りの人はそうは思っていないみたいだ……僕がまだ15の子供だから。
この拠点はもうすぐ放棄される。彼が必死に守ってきた場所が、捨て去られ、忘れ去られようとしている。
僕は、どうしたらいいんだ。彼の遺志を継ぐには、どうしたら……。
「では、ブリーフィングを開始する。とある拠点がレイダーの襲撃を受けた。まあ、よくある話だ」
集まった猟兵にホログラムで現地の映像を見せながら解説する(自称)レイリス・ミィ・リヴァーレ・輝・スカーレット。
「この拠点は真紅の戦車を駆る戦車乗りが中心になってレイダーの襲撃から守れていたのだがな……戦場に立つ以上、死は免れない。誰でもそうだ」
次の映像に、その真紅の戦車が映し出される。多くの傷跡が刻まれながらも、数多の激戦を乗り越えて来たであろうその戦車を。
「そして次はオブリビオンが来る。残された人々は拠点の放棄を考えているようだが……間に合わん。何もしなければこの拠点は壊滅する」
さらに一枚、人型を模した歩行戦車の画像を表示する。
「単独での脅威度は低い。だが、数が多い。しかもこの歩行戦車は操縦者を排除するだけでは無人化して襲ってくる……操縦者はゾンビ的なアレだ。遠慮なく排除してくれて構わん。その上で何かしらの手段で手動操縦すればこれは防衛戦力として使える。拠点の設備を使えば無人化時の暴走機能も取り除けるだろう」
指をパチンと鳴らし一回転。特に意味は無い。
「つまりこれはチャンスでもある。歩行戦車を乗っ取れればこの拠点はまだまだ使える。そして、これが最も重要な事だが」
手をスライドして指でスワイプし、次の画像を拡大。戦車帽を被った少年が映し出される。
「この少年の名はマサト。齢15のまだ少年と言っていい年頃だが前リーダーのウルフからの手解きを受けていた才能ある少年だ。少々、引っ込み思案ではあるがな。出来れば彼を手助けしてやって欲しい。彼が真紅の戦車を駆る姿を見せ付ける事が出来れば、或いは拠点の人々も彼を新たなるリーダーとして受け入れるかもしれん。それと」
前に表示した真紅の戦車の画像を再度持って来る。
「元の車両からかなりカスタムはされているが……この戦車自体もまだまだ改良する余地はある。面影を壊さない程度には改造してしまってもいいだろう」
すっと、横に手を振り全ての映像を消すと椅子に座って偉そうに腕を組むレイリス。
「結局の所は諸君の好きにするが良い。オブリビオンだけを始末して、後は拠点の連中にさせるがままにしてくれても構わんよ? どの道、オブリビオンの襲撃までは多少の準備時間があるがな」
そして、眼前に転送用のゲートを開く。
「この結末をどうしたいかは君達次第だ。私は見えた事件を解説しただけだからな」
Chirs
ドーモ、新人マスターのChirs(クリス)です。
戦争直前だろうがアポヘル事件、やります! 初めてのシナリオと言う事で好きな物を詰め込みました。皆さんも好きな物を詰め込んでくれればいいと思います。
2章以降は開始前に状況説明を入れるので説明が出るまで少々お待ちください。何処まで出来るかは分かりませんが、参加する皆さんが好きな事を出来るのをお手伝いできればいいと思います。
なお、アドリブ・連携は増し増しでお届けする予定です。ある程度人数溜まってから書きたいと思ってます。
第1章 冒険
『保護せよ未来への芽吹きを』
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POW : 訓練だ。剣を取れ、組み付け、家族を守るため。
SPD : 耕作だ。花を植え、語り継げ、世界を守るため。
WIZ : 告白だ。愛を告げ、子を育め、未来を守るため。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
佐田・忌猿
「耕すべ。耕すべ。農は村づくりの根幹だべ」
作業着に着替え、鬼面を被った朴訥な兄ちゃん姿で畑を耕す
昔取った杵柄、と言うか村の耕作風景を見ていたので慣れた物だ
“種籾”の爺様から貰った種を撒くべな
「六妖合一……化身大鬼・牛鬼」
石の多い場所は、化身の【大鬼の剛力】【牛鬼の強靭さ】を使って、膨れ上がった両腕と強靭な下半身で耕作する。農耕フォームだべな
一段落付いたら、集落の子供らに付き合って長閑に過ごすべな
この風景を壊しに来るオブリビオンの奴等はまぁ……
「滅すのみ……だべなぁ」
叢雲・凪
マサト少年…。彼の境遇は…ボクに似ている…。
まだ傍に居てほしかったのに… まだ色んな事を教えてほしかったのに…
ボクが彼に教えて上げれる事はほとんどないかもしれない。
でも 彼に『手を差し伸べる』ことはできる。
ボクがそうされなかったから… 彼には…。
彼や拠点の人達・猟兵仲間には挨拶をしておこう。
『どうも ジンライ・フォックスです』(お辞儀しつつ)
ボクは歩行戦車の迎撃に向かおう。歩行戦車は鹵獲できれば戦力にもなるみたいだ。【リミッター解除】+【ダッシュ】で奇襲を仕掛けてコクピットに張り付き【怪力】でハッチをこじ開け パイロットに【黒雷槌】を叩き込もう。
『天誅…』
ベム・クラーク
アドリブ連携歓迎です!
「戦列に加わるための訓練ですか、インストールできないのは不便ですね。」
ウォーマシンなら完成直後から兵器として万全でした。銀河帝国は強大で危機は常に迫っていたのです。
「しかし、個体として脆弱なスペースノイドも勇敢でした。意気盛んな彼らの訓練に混ぜてもらいましょう。」
仮想敵として、訓練に混ざります。当たっても大けがに至らない訓練弾を使いますがとても痛いうえにペイント弾です。
煌めく彼らの奮闘に見とれながら、自分の役回りがちょっと楽しくなっています。
油断しているなら決して当たらないように、でも危機感を演出するために「フルバースト・マキシマム」を訓練弾で打ち込みます。
●今日より明日、明日より明後日
「耕すべ。耕すべ。農は村づくりの根幹だべ」
鬼面を被った朴訥な兄ちゃんが畑を耕している。その両腕は大鬼の如く膨れ上がり、下半身もまた牛鬼の如く逞しい。この不毛の世界ではろくな農作は行われていない。畑と呼べる物は無く、僅かな水耕栽培設備をかろうじて維持しているだけである。荒れ果てた土地に、完全に一から畑を作ろうともなれば相応の筋力は必要となる。
「あの……何をしているんですか?」
マサトはそれを訝し気に見ている。
「何って畑耕しとるだよ」
「いや、この拠点は今放棄の最中で。畑なんか耕しても意味無いですよ! それに種籾なんて手に入らない!」
マサトが強く責める口調で言うと、その男はマサトをじっと見つめる。何故だろう、男が見ていると言うより、仮面に見られているような、マサトはそう感じた。
実際それは正しい。佐田・忌猿(鬼面忍者・f10152)はヒーローマスク、仮面の方が本体だ。
「オメぇは逃げるつもりだべか?」
男にそう問い返され、マサトは反射的に答えた。
「逃げない! 戦う!」
「なら、これは無駄ではなか」
「あっ……」
そうだ。逃げるつもりであれば畑を耕す意味など無い。だが、守るつもりならば。
「でも種籾は」
「あるど、こん袋ば入っとる」
男が麻袋を指差す。決して大きくは無い麻袋だが、この不毛の地においてこれだけの量の種籾はかなりの貴重品だ。マサトは信じられないという様子で麻袋の口を開けて中身を検める。
果たしてそこには強い生命力を感じさせる種籾が詰まっていた。
マサトは、無言で鍬を手に取り、男の真似をし始めた。暫くは、そうして二人で畑を耕していた。
●君と僕は似ている
「マサト少年」
その帰り道、マサトは少女に声を掛けられた。
「君は……ボクに似ている。まだ傍に居てほしかったのに……まだ色んな事を教えてほしかったのに……」
「……ッ!」
お前なんかに何が分かる! マサトは反射的にそう叫びたかった。そうしなかったのは、慣れない農作業で疲れていたのと、なんとなく……この少女の言う事には真実の匂いがすると思ったからだ。
「ボクが彼に教えて上げれる事はほとんどないかもしれない。でも、ボクは君に『手を差し伸べる』事は出来る」
言葉と共に差し出された手。そこには無念と決意が込められているように感じた。
だからマサトはその手を取った。
●挨拶は大事
「どうも、ジンライ・フォックスです」
「ドーモ、ジンライ・フォックスさん。キメンニンジャです」
「ドーモ、ジンライ・フォックスさん……マサトです」
両手を合わせ挨拶したジンライ・フォックス、叢雲・凪(断罪の黒き雷【ジンライ・フォックス】・f27072)に対し、キメンニンジャこと忌猿も挨拶を返す。これは古事記に記された由緒正しき作法だ……が、アポカリプスヘルには伝わっていないのか、単にマサトが知らないだけなのか。見様見真似で挨拶を返して見た。
そして、そこにもう一人。
「ドーモ、ジンライ・フォックスさん、キメンニンジャさん。ベム・クラークです」
明かに人型ではない、戦う為に作られた存在。ウォーマシンのベム・クラーク(ウォーマシンの鎧装騎兵・f27033)が加わった。
「ふざけてる場合か!」
どんっ、と。壮年の男性が机を叩く。彼はこの集落のリーダー。放浪癖のあったウルフは拠点を守る戦闘にかけては油断ならぬ男だったが、それ以外は徹底的にズボラだった。華々しく戦場で活躍し、危険な残骸漁りを何度も成功させて戦利品を山のように持ち帰ってきたウルフを実質的リーダーと見做していたが、本当は集落を取りまとめるこの男こそがリーダーと呼ばれるべきではあった。
「あの野郎が無様にもくたばって、この拠点の守りはがら空きだ……全部捧げてデカい拠点に合流するしかない!」
男の主張はこの一点張りだった。そして、少なくはない人数がその意見に賛同していた。
「全部ってレッドウルフもか!?」
「当り前だろうが! あんなポンコツでも最後に少しでも金になれば十分だ」
「ふざけるなッ!」
マサトの鋭い視線が男を貫いた。それに気圧されて一瞬狼狽えた男だったが、
「駄目だ、奴はもう居ない。あんなピーキーマシン動かせる奴なんざもう何処にも居ない! いないんだ」
「俺は動かせる! あの人ほどじゃない、でも俺なら」
「まあまあ、感情的にならずに少し落ち着いてください」
それを制したのはこの場において最も感情という言葉から遠い存在、ベムだった。
よくよく見るとレイダーのオートマトンの類としか思えない見た目だが、不思議と敵ではないという確信があった。猟兵はどんな世界に居ても違和感を与えない。
「動かせる事を証明すればよろしいのではないですか?」
「動くだけじゃ駄目だぞ」
「当然です。動かして、戦闘をさせてみれば宜しい。それで皆さんも納得するでしょう?」
正直な所、全てを投げ打って亡命するという男の意見に賛同できない者もまた少なくは無かった。ウルフさえ居れば、誰もが皆目でそう言っていた。それもリーダーの男にとって気に食わない所だったが。
「どうするってんだ。レイダーが来るまで指を咥えていろとでも?」
「私が証明して見せましょう。マサト、私と戦って下さい」
「えっ?」
突然の予想しなかった提案に戸惑うマサト。その肩を、ジンライ・フォックスが叩く。
「分かった、やろう」
忌猿もまた、その答えに満足げに頷くのだった。
●勝敗とは始まる前に決まる物
「戦列に加わるための訓練ですか、インストールできないのは不便ですね」
真紅の戦車、レッドウルフにはCユニット、本来複数人でなければ運用できない戦車を一人で操縦できる制御装置が積まれている。そこにはまだ、ウルフのデータが生きている。だが、引き出せるかどうかはマサト次第だ。
「ウォーマシンなら完成直後から兵器として万全でした。銀河帝国は強大で危機は常に迫っていたのです」
レッドウルフに出撃前の最終点検を施しながら思いの外饒舌なウォーマシンの言葉に、マサトは黙って耳を傾けていた。
「しかし、個体として脆弱なスペースノイドも勇敢でした。意気盛んな彼らの訓練に混ぜてもらいましょう」
「つまり、我等も付き合えと言う事か」
「ええ、いいでしょう。実戦前の肩慣らしと言う事で」
「大丈夫なんだろうなぁ? 修理用のパーツはそんなに残ってないんだぞ」
「ご心配なく。当たっても大けがに至らない訓練弾を使います」
「なんだ、それなら安心……」
「とても痛いうえにペイント弾です」
「冗談じゃない!」
この真紅の車体はウルフの誇りだ。それを文字通り汚そうなどと!
「直撃しなければ良いのです。この戦車の装甲は頑強、直撃でなければ弾けます」
「当り前だ……!」
「あの、ボク達は?」
「とても痛いので注意してください」
「委細承知」
「分かった、分ったよ!」
●訓練は実戦と思え
2対2の模擬戦闘。マサトとジンライ・フォックス。ベムと忌猿。組み合わせは必然的に決まった。
「ボクが前衛、君が後衛。撃つ時はボクを気にしないで」
「分かった」
レッドウルフの砲塔の上で最後の打ち合わせをする二人。相対するは忍者と戦闘機兵。
「分かっているよね、ベム」
「ええ、私にあなたが取り付いたら私の負け、降参です。また、マサトの主砲の直撃もまた負けと見做します」
「そちらも条件は同じだ」
猟兵達はこれから来る相手を知っている。無用な混乱を避ける為に拠点の住人には伏せてあるが、この後戦う相手は操縦者の無力化にかかっている。
だがマサトは猟兵が現れた事で薄々勘付いてはいたようだ。三人の提案を素直に受け入れた。
そして、戦い始まった。電撃的な速度で戦場の中心で衝突する二人!
「どうも、ジンライ・フォックスです」
「ドーモ、ジンライ・フォックスさん。キメンニンジャです」
両手を合わせて挨拶する。
「だからアレはなんなんだよ……」
「古代のデータベースに残る作法だそうです」
そして後衛の二両も円を描く様に動き出す。お互い、必殺の距離はほぼ同じ。それ故にいかに隙を見つけて一撃を叩き込むかが勝敗を分ける。
「イヤー!」
「イヤー!」
そして前衛の二人。此方も均衡が崩れれば自ずと勝敗は決する。
猟兵としての実力は忌猿の方が上だ。経験が違う。だからと言って、
「お前、加減する気は無いんだな」
「当然の礼儀であろう」
「そりゃぁ、そうだ!」
1インチの攻防からジンライ・フォックスが右手を大きく引き、必殺の構え! 身体能力を強化している相手に長期戦は不利と見て勝負を決めにかかる。
対して忌猿はそれを受け流し、カウンターで黙らせてから車両に取り付いて決着を狙った。
「そうだ加減は出来ない、消し飛ばす…! 黒雷槌!」
一点に収束させた黒雷を纏った拳が忌猿の頭を掠める。その瞬間、ジンライ・フォックスに強烈なカウンターボディブローが叩き込まれ勝負は決したかに見えた。
だが、そうはならなかった。
「気にするなって言ったよな!」
レッドウルフの対人機銃が火を噴いた! 前線で衝突する二人に! それは半ば偶然にジンライ・フォックスを避けて通り、忌猿の腕と足に着弾する!
「なんと!」
「隙あり!」
その一瞬の隙を尽き、ベムに肉薄するジンライ・フォックス!
「ただで負けてあげるとは言ってませんよ?」
ベムから放たれる容赦の無い全武装の一斉発射を掻い潜り、リミッターを外したジンライ・フォックスはその名の如くベムに張り付いた!
「ここまでだ!」
「そのようですね、私の負けです」
●少年の見せた覚悟
「少年、大丈夫? どこも怪我はない?」
「あ、ああ……俺は大丈夫だけど……その、ごめん」
「一緒に撃った事かな? それこそ謝る事は無い。君は引くべき時に引鉄を引けた。それは皆分かってるんじゃないかな」
遠くで観戦していた拠点の住人達はその激闘を見てこう、呟かずにはいられなかった。
「ウルフだ」
「ああ、レッドウルフだ……」
「ウルフが、帰って来た」
堂々たるエンジン音を響かせ、正確な照準、油断なき運転。確かに、かつてのあの男には程遠い。だが、男の残した物がここにはたしかにある。
「作戦成功と言った所でしょうか。怪我は?」
「大した事はない。小僧、躊躇なく叩き込んできたがそれが良い」
「ええ、その通りで」
「おっちゃん! 大丈夫だったか?」
真紅の戦車から顔を出したマサトが二人の下に来る。
「心配ない、いい一撃だった」
「ええ、しかも主砲は油断なくこちらを向いていました。合格点です」
「何だよそれわざと負けたってのか?」
「さて、どうかな?」
「どうでしょうね?」
この光景にベムは、宝石のような煌きを感じた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
マガラ・オーエン
難儀だな。
じゃあ、死んだ師匠に報いるためにも頑張ろうな。
訓練に混ざるのが一番楽しそうだし。
最初は中距離から、身を隠しつつアサルトライフルで攻撃。
ゴム弾だからかなり痛いぞ。
ライフルでの攻撃に対応してきたら、一気に相手に迫る。手裏剣での接近戦に変えて不意をつこう。
偉そうにこうしろ、なんて言えないけどね。生き残る上で必要な[戦闘知識]を活かして教えてやれたら良いな。
それに…おたくのその戦車、まだ改良できるんだろ?
今の訓練で思うとこがあるなら改良したら良いんじゃないかい。
あ、アタシは機械はてんで分からないから助けてやれないよ。
木霊・ウタ
WIZ
心情
放棄が間に合わず
このままだと壊滅で
けど戦力増強の目があるってんなら
皆に覚悟を決めてもらうしかないよな
手段
学校(寺子屋?
や役場、酒場等々で手伝い・交流
休憩時にはリクエストがあればその曲を
なければ適当に爪弾いたりする
1日の終わりには星空の下
カントリーロードを歌うぜ
故郷を想うウタを
実質リーダー>
沢山の人に会って確信したぜ
ここはあんたらのホームだってことにさ
ウルフが
そして今マサトが守ろうとしているものが
何となく判った気がするぜ
これからもここを守っていけるだけの戦力を
得られる可能性があるとしたらどうする?
俺達を
いやマサトを信じてバックアップしてくれ
ウルフの想いをしっかり受け継いでいるあいつをさ
月凪・ハルマ
じゃ、俺は【メカニック】として力になろう
マサト君の腕は既に証明されているけど、それでも見た感じ
ウルフ程に戦車のポテンシャルを引き出せていない様に思う
ただそれは才能とかじゃなく戦車自体との相性というか……
ウルフが乗る事を前提に調整されてる分、どうしても君の運転と
噛み合わない部分があるんだと思う
だから改めて、マサト君仕様にセッティングし直す事を提案する
基本的には【ハッキング】でCユニットの情報の書き換え
使いづらいと感じる装備はいっそ外して、移動速度や燃費等の
【継戦能力】を高めるとかね。整備・改造に関してはお任せだ
ついでといったらなんだけど、セッティングが完了したら
戦車を綺麗に磨いとこう(【掃除】)
●足りない物はなんですか
翌日。新たに合流した三人の猟兵を加え、組み合わせを変えながら戦闘訓練を続ける猟兵達。
「痛ぁッ!」
周囲を確認しようと砲塔から顔を出したマサトの額にマガラ・オーエン(狭間者・f25093)が放ったゴム弾が命中した。
「フラッグの戦死、こちらの勝ちだな。マサト、君が頭を出すタイミングは簡単に読める。もっと気を付けるんだ」
「やるじゃんマガラ」
「お見事です」
同陣営だった木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)とベム・クラーク(ウォーマシンの鎧装騎兵・f27033)が賛辞を贈る。
「戦車長の狙撃か。こればかりは我等でも止められん」
「レッドウルフの最大の弱点は君自身、分かってるとは思うけど」
「ああ、分かってるよ……くそっ」
ウルフも同じ様にして死んだ。Cユニットがあっても車外の状況が分かる訳ではない。どうしても直接目で見て確認しなければいけない事はある。
「なあ、そろそろ休憩しないか。疲れただろ?」
「俺はまだまだ!」
「いいや、マサト少年。さっきのミスは疲れから来る焦りもある。一旦休んだ方がいい……実戦に疲れた体で出させる訳にはいかない」
「……分かったよ」
ジンライ・フォックスに諭されると素直に従うマサト。
「懐かれたものだな」
「……そうでしょうか」
●タンクとウォッカ
「よぉーし、今日の酒はお前らの好きにしていいぞ!」
「さっすがぁ! ガルシア様は話が分かる!」
「いよっ、お大尽様!」
リーダーの男……ガルシアは酒場に入るなりそう宣言し、歓声が上がる!
「何してるんだ? あれ」
「お大尽、一番高い酒を客全員に奢るって事だよ。もちろん、アタシ達にも」
「酒をか! あの男小物と侮っておったが中々にやる」
佐田・忌猿(鬼面忍者・f10152)が意外そうに、しかし上機嫌に言った。
「ビンテージウイスキーはありますか?」
「レムも飲めるのか!?」
「ええ、嗜みです」
「未成年者も居るんだけど?」
「だったら大人になったら奢ってやるよ」
猟兵とマサトが囲んでいたテーブルにガルシアがやって来てマサトの頭をわしゃわしゃと乱暴に撫でた。
「おうガキ、今は調子に乗っとけ。今だけだからな」
それだけ言い残すとガルシアは酒盛りを始めた拠点の大人達のテーブルに戻っていく。
「何? 昨日とはずいぶん態度が違うね」
「いいじゃないか、マサトの力を認めてくれたんだよ」
ジンライ・フォックス、いや、今は叢雲・凪(断罪の黒き雷【ジンライ・フォックス】・f27072)がその態度を訝しむと、ウタがその疑念を断つように言った。
「それはさておき、マサト。おたくのその戦車、まだ改良できるんだろ? 今の訓練で思うとこがあるなら改良したら良いんじゃないかい」
マガラがマサトに向けてそう切り出す。
「そうかもしれない。でも、点検と修理は出来ても改造までは……もしかしてアンタが?」
「あ、アタシは機械はてんで分からないから助けてやれないよ」
「だったら言うなよ!」
「じゃ、俺はメカニックとして力になろう」
そこに助け船を出したのは月凪・ハルマ(天津甕星・f05346)
「マサト君の腕は既に証明されているけど、それでも見た感じウルフ程に戦車のポテンシャルを引き出せていない様に思う」
「そりゃそうだろうよ。あのCユニットはウルフ様にチューニングされてる。ウルフはどうにも直感でどうにかしていた事が多過ぎて」
「ただそれは才能とかじゃなく戦車自体との相性というか……ウルフが乗る事を前提に調整されてる分、どうしても君の運転と噛み合わない部分があるんだと思う」
「相性……?」
「だから改めて、マサト君仕様にセッティングし直す事を提案する。基本的にはCユニットの情報を書き換え、使いづらいと感じる装備はいっそ外して、移動速度や燃費等の継戦能力を高めるとかね。整備・改造に関してはお任せだ」
「本当か! Cユニットの調整も専門技師じゃないと難しい筈だけど」
「任せてくれ」
その手段が所謂ハッキングである事は本人には黙っておいた方がいいだろう。正規の資格などハルマには無かったが経験上何とかなりそうな感じはしている。
「はーい、お待ちどうさま。焼きアメーバとくらげスティック、ぬめぬめすのものに一口ひえひえお待ちどうさま」
そこに酒場の給仕が食事らしきモノを運んできた。度し難い形状だ……
「ああ、ぴりぴりナマコ四つくれ」
アポカリプスヘルに慣れていない猟兵が視線を凍り付かせる中、デッドマンのマガラが手を上げて平然と追加オーダーを入れた。
「二つで十分ですよ!」
「いいや、四つだ。二と二で4つだ」
二つで十分ですよ、分かって下さいよ……このグロテスクな食べ物らしき物を目にするとそう言いたくなる猟兵達だった。
ちなみに、食べてみると案外美味しかった。成程四つだ。
●強えヤツは正しい
時は遡り、三人の猟兵とマサトの模擬戦闘の後。
模擬戦闘の前からドラム缶を半分に切った上に板を乗せて机にしている青空教室の手伝い、荒くれ男達がしょっちゅう喧嘩ばかりしててさっぱり仕事が進まない役場の喧嘩の仲裁、すぐに酔っ払い共が暴れ始める酒場でもやはり喧嘩の仲裁と忙しく拠点の手伝いをしていたウタ。
拠点の住民たちがマサトをウルフの後継と認め始めるとそれも気に食わないとしかめっ面のガルシアを人気の無い所に呼び出した。
「おうなんだガキ。このガルシアを殺ろうってのか」
「全然違うよ! どうしてこの世界の連中はすぐに暴力で解決しようとするんだ!」
「暴力は全てを解決するからだ。何事も暴力で解決するのが一番」
「そういう時もあるけど今は違うだろ!」
昼間散々振り回されたウタもつい、強めの口調で言ってしまった。いかんいかん、暴力しに来たんじゃない。ウタは一度深呼吸をしてから話を切り出す。
「沢山の人に会って確信したぜ。ここはあんたらのホームだってことにさ。なのにどうして放棄なんだ」
「決まってる。死んだらおしまいだ。何もかもがパーだ。感傷なんざ下らねぇ……俺達は生きるだけで精一杯なんだ」
その言葉には何の嘘も含まれていなかった。ここはアポカリプスヘル、黙示録の地獄……そういう世界だ。でも、だからこそ。
「ウルフが、そして今マサトが守ろうとしているものが、何となく判った気がするぜ」
ただの寝る場所じゃない、食べ物を貯める為の場所でもない。自分が帰れる場所、ホーム。
荒くれ共に散々振り回されたけど、皆ここを捨てたいとは思ってない。当然、目の前の男も。だが、彼にはその選択が出来なかった。同様に、皆の命を守るという責任があるからだ。
「これからもここを守っていけるだけの戦力を得られる可能性があるとしたらどうする?」
「可能性だぁ? 無ぇよそんなモン!」
「いいや、ある」
ウタは強い確信を込めてそう言った。ハッタリではない。猟兵であるウタにはそれが分かっている。真実を込めた言葉の弾丸だ。
「俺達を、いやマサトを信じてバックアップしてくれ。ウルフの想いをしっかり受け継いでいるあいつをさ」
その可能性が何なのかはまだ言えない。それは無用な混乱を招きかねないからだ。ガルシアは短くない沈黙の後に答えた。
「お前らが何者かは知らねぇ、どうでもいい。だがただの奪還者じゃない事は分かる……来るんだろ、嵐がよ」
「ああ、そうだ」
「その嵐の中に可能性があるってか? ……はっ、信用できねぇなぁ……なあ、今から逃げても間に合わねぇんだろ?」
「……そうだ」
それは予知された事実。知られたくは無かった。でも、気付かれてしまった以上否定する意味は無い。
「はぁー……じゃあ取れる選択肢はお前達の賭けに乗る事だけじゃねぇか」
ガルシアは、大きな溜息を吐きながら振り返って歩き始めた。
「好きにしろ。言っとくが、俺に出来る事なんざ殆ど無いぞ」
「ありがとう」
翌日、拠点の廃棄は正式に却下された。
●狼の遺産
「あーあー、成程。ここがこうなっててアレがこうなって……」
ハルマは自分の超多目的スマートフォンを慣れた手付きでタップとフリックを繰り返していた。Cユニットの構造はそこまで複雑ではない。技術的にはここより未来の技術であるキマイラフューチャー製の端末はその構造を丸裸にしてくれた。
「どう? マサト君」
「ああ、丁度いい感じだ。反応が鋭すぎたんだよな……でもどうして俺の癖を知ってるんだ?」
「知ってる人に教えてもらったんだよ」
と、言うか向こうから開いてくれたというべきか。そこには果してマサト向けのチューニングと思われる数値が書き残されていたのだ。
「……そっか」
「確かに、マサト君が言った通りだ。この中にはウルフさんが生きてる」
「ああ、そうだ!」
こうなる事も想定していたのだろう。抜け目のない男だ。
「兵装はどうする?」
「このままがいい。むしろ足りない位だ。出来ればレムさんみたいな派手なのが欲しかったな」
「そりゃぁ、手持ちがないね」
「無い物は仕方ない。ある物で何とかする」
ある物で、と言われてハルマは転送前にたまたま持って来ていた物を取り出す。ここは、伝説のメカニックにあやかりこういうべきだろう。
「こんな事もあろうかと」
VRゴーグル。キマイラフューチャーで出回っているタイプで付けたまま動画配信を行う為に頑丈さもある。車体に外部カメラを取り付けて連動させれば、車内に居ながらにして外の様子が見えるという訳だ。
それを見てマガラからの助言をマサトは思い出す。
「そうか、VRゴーグル……でもいいのか、こんな貴重品」
「大丈夫だ、俺にとってはそんなに貴重品でも無いから」
キマイラフューチャーではコンコンすると出てくるからね。
●賽はこの手で掴む
全ての準備が整った。拠点の住人は後方で銃座に付いている。もし、猟兵達前線部隊が突破されてもある程度は持ちこたえるだろう。
履帯が地を踏み、堂々たるデュアルエンジンの爆音を響かせて真紅の戦車は遠くに見える敵影を睨む。
「どう、見える?」
「ああ、ばっちりだ」
車内にはVRゴーグルを装着したマサト。
「成程ねぇ、VRゴーグルで全天周囲モニターの再現か。考えたね」
「付けてると逆に車内が見えないけどな。でも、レッドウルフの中なら目を瞑ってでも操縦できらぁ!」
「良い覚悟です。さあ、行きますよ」
真紅の狼、再起の戦いが始まる。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『思索実験機ヘの228理81走デス四』
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POW : 天才式赤熱飛翔拳・有線型
【赤熱した腕部装甲を展開し飛ばす攻撃 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【拘束と、腕のコードを巻き戻しながらの追撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 搭乗者を省みない突進
【両腕装甲を展開、点火し加速した 】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【陣を組んだ仲間】の協力があれば威力が倍増する。
WIZ : 蘇る脳細胞
自身が操縦する【ゾンビ 】の【無意味だが知力】と【反応速度】を増強する。
イラスト:草間たかと
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
それはどこかのイカれた科学者が残した実験兵器のなれの果て。
破損した部位を奪ったパーツで継ぎ接ぎし、壊れた操縦者も継ぎ接ぎして直し、新たな補給先を求めてさ迷い歩く嵐。オブリビオン・ストーム。
破壊と簒奪を繰り返しながらどこへ向かうでもなくさまよい続けるお尋ね者集団。この拠点が襲われる理由はただ一つ、最も近かったから。ただ、それだけ。
オブリビオンは進む。生き残る為でも、明日の糧を得る為でもない。ただ進み、破壊し、奪う。ただそれだけの現象。
叢雲・凪
まずは挨拶だ。(敵に対しても)
『どうも ジンライ・フォックスです』(お辞儀しつつ)
(以前会った人には『ご無沙汰しています』が付く)
ボクはSPDで戦おう。
基本的な戦い方は【リミッター解除】を使ってからの【ダッシュ】+【残像】+【疾雷】を使った電光石火の接近だ。敵の攻撃はかなり強力なハンマーパンチ…しかし疾雷を使った超高速の動きと残像なら捉えるのは難しいはずだ。
歩行戦車は鹵獲すれば有利になる…で あれば敵に張り付いて【マヒ攻撃】でショートさせるのが得策だろう。
『天誅…』
それと マサト少年には無茶だけはしないように念を押さないと…
命は1つしかない…
一区切りついたら少年に『素顔で』褒めるのも…アリか…
ベム・クラーク
アドリブ連携大歓迎です!
「要求を満たさなかった失敗作、ジャンクパーツでつぎ足しながらただ破壊を繰り返すジャンク。見るに堪えません。」
半端にガラクタをつけ足した機体も輝きを失った操縦者もウォーマシンであるベムには認めがたいものでした。せめて原型を留めず殲滅し、二度とこのような利用をされませんように。
【赤熱した腕部装甲を展開し飛ばす攻撃 】に対し、迎撃を試みます。敵の攻撃が命中してしまった場合は、重装甲に任せて敵の腕を拘束したまま、フルバースト・マキシマムなどで敵本体を攻撃します。
戦闘後、敵の機体は再利用されないように徹底的に踏みつぶします。
木霊・ウタ
心情
マサトのカッコイイ姿
見てもらおうぜ
皆のホームを守る為やってやるぜ
手段
地獄の炎纏う焔摩天を振るって炎の衝撃波を放ち
ゾンビを消し炭へ変える
:視力&属性攻撃&破魔&薙ぎ払い&鎧砕き
飛翔拳を武器受け&火炎耐性
そのまま拘束されて敵さんのトコに連れて行ってもらうぜ
んで追撃が来る前に
コードを燃やし拘束を振り解き飛び乗る
操縦席の回線の一部を
適当に炎で焼き切って停止させる
止まらなかったら別の回線な
そのうち当たるだろ
後で繋ぎなおしてくれよな
どうしても止まらなかったら
焔摩天をぶっ刺すけど
こんなカンジで繰り返していくぜ
事後
ゾンビらに鎮魂曲を捧げる
あんたらも犠牲者だ
安らかにな
:楽器演奏&手をつなぐ&優しさ
ハララァ・ヘッタベッサ
不採用含め全て歓迎じゃ!
砦の戦力確保か。主様(ハララァ)では加減が利かん、カカカ、ここはレイヤの腕の見せ所じゃな!召喚は主様頼りじゃが!
他の猟兵にはアイサツ。よく分からんがジッサイダイジらしいからのぅ。印象が良くなれば何も言わんでも主様を守ってくれるじゃろ。
UCを使用して主様と後方から情報収集、ヒンメンベルクの魔法で出来る限り戦況を味方に伝えて敵の攻め易い点を共有するのじゃ。
戦闘にはグランヴェリオを前に近接する他猟兵の援護と敵戦車の直接攻撃。
マサトが狙われるようならそちらの護衛じゃ。
操縦席がら空きじゃし、ゾンビ落っことして計器類を攻撃すれば止まらんかの? 止まらんなら止まるまで破壊するのじゃ。
佐田・忌猿
「マサトのあの戦車。格好良いべなぁ」
目を細め、遠くから少年の勇気を湛える
なら、自身仕事はその勇気を結果に繋げるのみだ
「外道、滅ぶべし」
荒野に突き立った電柱の残骸の上でマフラーをたなびかせ、目を赤く光らせる
奴らが近づけば、挨拶代わりに蹴りによる真空波で【属性攻撃】
怯んだ所に手刀や蹴りで【グラップル】を行ってラッシュをかけたい
数が多いが、出来るだけ誘き寄せ新しき英雄の糧となってもらおう
「鬼面甲」で鎌鼬の速度を引き出し、縦横に駆け巡りつつ、気化燃料の入った筒を周到に撒いていく
奴等の自爆を避けるため、手早くやるのが肝要だ
「マサト……やれ!!」
高い【ジャンプ】で飛び下がりながら、その砲撃で起爆を狙いたい
マガラ・オーエン
賑やかな兵器だな。
美味いナマコと酒の恩もあるからね。
誠心誠意、お礼をさせてもらおう。
武器はアサルトライフル。
今度は実弾さね。
なるべく目立たないように行動。
少年や仲間の補佐として、味方を狙う敵を[暗殺]するように仕留めていこう。
敵からの攻撃は避けたいが…食らったものは[激痛耐性]で耐えるさ。
アタシは動力装置さえ残ってれば、腕が吹っ飛ぼうが問題ないからね。
便利な身体に変わって何より。
戦場にこそ活かせる身体さ。
月凪・ハルマ
やれるだけの事はやった筈。後は君次第だ、マサト君
◆SPD
そういやあの歩行戦車、再利用しようと思えばできるんだっけ
だったらそれを狙わない手はないな。機械は俺の得意分野だし
まず【武器改造】で手裏剣に爆破機能を付与
更に【魔導機兵連隊】発動。ゴーレム達に歩行戦車の足を止めさせ
その隙に操縦席のゾンビを蒸気の改造手裏剣で狙い撃つ
(【投擲】)
敵からの攻撃は【見切り】【残像】【第六感】で回避
ゾンビを排除したら歩行戦車に飛び乗り、【ハッキング】で
一旦全機能を停止させる
自分達で使う分は後で改めて機能を回復・調整すればいい
まぁ今後の事を考えると、できるだけ数は揃えておきたいかな
修理用に予備のパーツとかも欲しいし
●挨拶は大事(正しい例)
「ドーモ、レイヤです。こっちは我が主様、ハララァじゃ。主様は喋るのが苦手なのでレイヤが代わりに挨拶をするのじゃ」
「どうも、レイヤさん。ハララァ・ヘッタベッサさん。ジンライ・フォックスです」
戦闘が始まる前に一人、いや二人か。猟兵が転送されてきた。レイヤとハララァ・ヘッタベッサ(亡霊の纏う黒き剣布・f18614)。
「砦の戦力確保か。主様では加減が利かん、カカカ、ここはレイヤの腕の見せ所じゃな! 召喚は主様頼りじゃが!」
「俺より子供じゃないか。こんなんでも猟兵ってのはなれるのか?」
「カーッカッカ! 見た目で判別しているようではまだまだガキじゃのう」
●挨拶は大事(悪い例)
「どうも、ジンライ・フォックスです」
前衛として先行した叢雲・凪(断罪の黒き雷【ジンライ・フォックス】・f27072)が先頭に立ち、代表者挨拶を行った。挨拶は大事だ、多くの世界の資料古代の資料にもそれは記されている。しかし、ジンライ・フォックスの挨拶に帰って来たのは赤熱した腕部装甲を展開し飛んできた赤熱飛翔拳! 挨拶中の不意打ち攻撃! ジンライ・フォックスは失礼極まる攻撃を素早いサイドフリップで回避。
「礼を解さぬスクラップに挨拶は不要だったようだね」
●認めざるジャンク
「天誅……!」
ジンライ・フォックスが最初の一体を爆発四散させた後に気付く。
「鹵獲しなければいけないんだった」
「今のは仕方ない。あまりに失礼過ぎるぜ」
ついやってしまったジンライ・フォックスをフォローする木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)。
一方、文字通りのタンクとして前衛に出たベム・クラーク(ウォーマシンの鎧装騎兵・f27033)は次いで飛んでくる赤熱飛翔拳を両腕のマシンガンで勢いを殺してから自身の重装甲で弾く。傷一つ付かない!
「要求を満たさなかった失敗作、ジャンクパーツでつぎ足しながらただ破壊を繰り返すジャンク。見るに堪えません」
マシンガンが操縦者をいともたやすく粉砕すると、アームドフォートに装填した徹甲榴弾が突き刺さり、爆破解体する。ベムは残った腕を踏み付け、跡形もなく破壊しようとする! これを見てウタが慌てる。
「待て待て、待ってくれって! 壊しちゃ駄目だ! 戦力として使うんだから! 約束もしちゃったし!」
「認められません。せめて原型を留めず殲滅し、二度とこのような利用をされませんようにしなければ」
ウォーマシンとしてある種の生理的嫌悪感があるようだ。
「ジャンクじゃなければいいんだろ?」
そこに助け船を出したのが月凪・ハルマ(天津甕星・f05346)。
「その腕と、あそこにいる奴の腕、それとあっちに居る胴体。同じ規格だ。繋げれば本来の姿を取り戻せるかもしれない」
「本来の姿を?」
「そうだ、連中はそんな事も考えずに無茶苦茶に繋げちまってるから分かりにくいが……アイツの腕と胴体。んであっちに居る奴の足とあっちの頭らしきパーツ」
次々と指を指す個体をベムはスキャンする。成程、確かに同一規格だ。ベムは踏み付けるのを止めた。
「そう言う事であれば破棄しない事を了承できます」
「なるべく壊さないでくれよ?」
「善処します。パーツ毎に解体すれば問題ないでしょう」
「それで頼む」
ベムは再び飛んできた赤熱飛翔拳をマシンガン迎撃。装甲で弾くと腕のコードに銃弾を撃ち込み切断。ついでに操縦者も穴あきチーズに変える。
「しかし、私の兵装では非破壊解体は難しいですね」
「そこの所は任せてくれ」
操縦者を排除してから無人化暴走に入るまではそれなりのタイムラグがある。ウタは素早く機体に取り付き操縦系の回路を焼き切った。機体完全停止!
「これで良し!」
「お見事です。成程、操縦系を」
ベムは別の一体の操縦席にミサイルを撃ち込んで黙らせると、宇宙通信用有線ケーブルを発射。強制停止コードを送り込むと機体は完全に沈黙した。
「俺よりスマートに出来るじゃん……」
「ハッキングは本分ではありませんがジャンク相手ならば」
「じゃあ、アシストは要らないな。よし、何機取れるか競争だ」
●お尋ね者との戦い
ジンライ・フォックスがリミッターを解除してスパークの残像だけを残し、歩行戦車に迫る。歩行戦車は腕部装甲を展開、だが遅すぎる。操縦席のゾンビを黒雷で消し炭にすると手早くコンソールを掴み、黒雷を流し込む。あっという間に無力化される歩行戦車。
だが、そうしている間に二体の歩行戦車が既に腕部展開を終えている。
「成程、こちらが鹵獲を試みる事は理解したと言う事か」
金属同士がぶつかり合う轟音! ジンライ・フォックスはその片方のワイヤーを駆け抜けもう一機を奪わんとする。 もう一体にはハララァが呼び出した甲冑騎士グランヴェリオが操縦席にその剣を突き立てる!
「よし、3体鹵獲。順調じゃな」
遥か後方の銃座の後ろ、拠点の中でもう片割れの大魔導士ヒンメンベルクと共に戦場をナビゲートしているのはレイヤ。
「次は?」
「3時方向4機。ウタ、ジンライを援護するのじゃ」
「任せろ!」
別な一機を仕留めたウタはジンライ・フォックスの向かう先に居る二機に地獄の炎纏う焔摩天を振るい炎の衝撃波を放つ。標的がウタへと狙いを変え、赤熱飛翔拳が来る!
受けた焔摩天ごと掴まれ、コードの巻き戻しで引き寄せられるウタ。歩行戦車は左手を構えて追撃。コードの巻き戻しの威力に左手の剛腕の威力を足して殴られれば猟兵と言えどもただでは済まない。だが、当然そうはならない。
「拘束して連れてってくれるって言うならよぉ」
雑に掴んだ飛翔拳は、隙間を作る様に受けた焔摩天との隙間を詰めるだけで簡単に抜けられる。
「敵さんのトコに連れて行ってもらうぜ!」
腕の上に乗り油断なくコードを切断! 巻き戻す勢いを借りて跳躍、焔摩天を操縦席に突き刺す!
「消し炭になりやがれ!」
地獄の炎で焼かれた操縦席の回路は途絶! 操縦者炭化!
「まあ、後で繋ぎなおしてくれよな」
「皆景気良く壊すなぁ……あとで直す事も考えてくれないかな」
「否、弱敵ではあるがオブリビオンに違いなし。侮って勝てる相手ではない」
ハルマのボヤきに否を入れたのは荒野に突き立った電柱の残骸の上でマフラーをたなびかせ、目を赤く光らせる佐田・忌猿(鬼面忍者・f10152)。
「外道、滅ぶべし」
「なんであの人わざわざあんな所に登ったんだ?」
「高い所はが好きなんじゃろう」
「否、こちらに注意を引く為なり。見よ」
確かに、歩行戦車が六体ほど忌猿に向っている。
「グランヴェリオは別所に居て呼び戻せぬ。マサト、二体行けるな?」
「任せろ!」
既にこの戦場で何体かの歩行戦車をスクラップに変えているマサト。だが、二体同時は簡単ではない。
「否、ここは我とマサトで四だ」
「残り二つは俺だな」
ハルマは武器改造により爆破機能を持たせた手裏剣を二体の歩行戦車に投擲! 歩行戦車はターゲットをハルマに変える。
「皆、出番だ!」
胴体に18と刻印された魔導機械式ゴーレム四体が歩行戦車にローラーダッシュ接近! 二体の脚部を掴み、転倒させる。
「でかした!」
ハルマは手早く操縦席のゾンビを蒸気の改造手裏剣殺! 投げ捨てて排除し、操縦席に飛び乗る。
「良かった、刺さるコネクタがあれば一瞬だ」
見覚えのある規格のコネクタを見付け接続! 自身の端末と繋ぎメンテナンス用非常停止コードを送り込む。歩行戦車一体全機能停止!
「この位スマートに出来るといいよね」
続けて再起動し掛けている一体にも乗り込み操縦権を強奪。手早く強制停止させる。
忌猿もまた電柱の残骸の上から、歩行戦車に向けて跳躍! 挨拶代わりに蹴りによる真空波で先制攻撃を仕掛ける。そこに飛んでくる三つの赤熱飛翔拳! 操縦者圧死!
「味方を撃つのに躊躇が無い。正しく外道なり」
ワイヤーの上を駆け抜け、操縦者にサッカーボールキック! 『鬼面甲』鎌鼬の速度を引き出し、空を駆けるように跳躍! 断頭チョップで操縦者排除! さらに跳躍! 真空波殺!
だが一度に四体は多過ぎた。最初の一体が既に再起動シークエンスを終え無人暴走モードに移行しかかっている!
「マサト……やれ!!」
「おう!」
真紅の戦車から放たれた榴弾が、狙いを過たず操縦席を直撃! 大爆発! 忌猿は操縦者を排除した操縦席に油断なく気化燃料の入った筒を撒いておいたのだ。真紅の戦車は次々と操縦席を狙撃! 続けて起きる大爆発!
既に歩行戦車から飛び降りた忌猿はその様子を見て思わず呟いた。
「マサトのあの戦車。格好良いべなぁ」
「……しまった、ステルス機能じゃと!?」
レイヤが拠点で叫ぶ。
「マサト9時方向二体じゃ! スクラップの分際で何という高尚な物を……たまたま付いていた機体を乗っ取ったか!」
「何だって!?」
真紅の戦車に向け既に展開が完了した赤熱飛翔拳! 側面からまともに殴られればいかに重戦車とは言え無事では済まない。マサトの脳裏にぐちゃぐちゃに潰れて死んだ自分の姿がよぎる。
だが、そうはならなかった。
「アンタの相手する位、一発で十分だよ」
味方にすらその位置を伏せていたマガラ・オーエン(狭間者・f25093)の正確無比なヘッドショット殺! 二体の歩行戦車停止!
「そこに居たのかマガラ……」
「敵を騙すには味方からって言うだろ? 引き続き狙撃支援に回るよ」
パルスグレネードを操縦席に投げ込むと電気系統沈黙! だが、それで気付いた一体の赤熱飛翔拳がマガラを襲う。
「ハン、舐めてんのかい?」
赤熱飛翔拳がマガラを掴み、引き寄せるが追撃の前にヘッドショット殺! 同じようにパルスグレネードを投げ込む。
「だ、大丈夫なのか? 思いっきり当たっていたようだが」
「アタシはニンジャじゃないからねぇ。でも、動力装置さえ残ってれば、腕が吹っ飛ぼうが問題ないからね。便利な身体に変わって何より、戦場にこそ活かせる身体さ」
「そういう物なのか……」
●ながれ者の唄
「よし、領域内動体反応消滅。戦闘終了じゃ!」
部隊の目を担っていたレイヤが敵の全滅を告げる。
「お、終わった……疲れたぁ……」
マサトは車内でVRゴーグルを外してへたり込む。
「小僧、よくやった」
こん、と軽く車体を叩くと忌猿の声。
「最早誰もお主を未熟者とは思うまい」
「いや、まだまだだよ。皆が助けてくれたから何とかなった。ありがとう」
「それを分かってれば大丈夫だべ」
忌猿はそう言い残すと拠点に引き上げていく。他の猟兵達も拠点に引き上げていくようだ。
マサトは砲塔から顔を出す。爽やかな、外の風が頬を撫でる。周囲にはいくつもの機能停止した歩行戦車。そのうちのいくつかは自分で仕留めた相手。
その数の多さに今更ながら身震いした。もし、皆が居なかったら……
「マサト少年」
不意に、声を掛けられて振りむくとそこに居たのはジンライ・フォックス……いや、叢雲・凪だ。
「よく頑張った……かっこよかったよ」
今までマサトに見せた事のない表情でそんな事をいう物だから、マサトは引っ込んで顔を赤くするしかなかった。
「本当に……よくやってくれた」
「ガルシアのおっちゃん」
戦闘後に、戦場だった場所でギターを爪弾くウタにガルシアが声をかけた。
「スクラップの回収はこっちでやっとくからよぉ……お前も休んどけよ、疲れてるだろ」
「ああ、もう少しで終わる所なんだ」
「何をしてるんだ?」
「鎮魂曲。あんたらも犠牲者だ、安らかになってね」
「お優しい事で……そんな余裕があるならまた酒場でカントリーロードを弾いてくれよ」
「いいとも、一日の終わりには星空の下で、故郷を想うウタを、だな」
「まあ、結局全員で酒盛りしてるしな」
「だろうと思ったよ。またお大尽か?」
「おうよ、だから遠慮せず飲め」
「俺は未成年だっての」
大成功
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第3章 日常
『この世界の果てに祝福を…。』
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POW : 未踏領域を調査、生存圏を広げる!
SPD : 拠点の防衛力や居住性を向上させる!
WIZ : 人々の心を癒やし、明日への夢を描く!
👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
激戦を終えて宴会が終わり、その翌日。荒野には無数のスクラップ。機能停止させた歩行戦車が大量に残されている。
オブリビオンの襲撃はひとまず凌げたが、この拠点の住人達は今後もここで生活をする。最早、真紅の戦車の乗り手を疑う者は居ない。だが、戦車一台でどうにか出来る物でもない。
歩行戦車は奪ったパーツで無理矢理パッチワークされている。かなり適当に組み合わせ手られているので全てバラバラだ。辛うじて動いていたのはオブリビオンとしての性質故か。一応、修理をすればそのままでも使えない事は無い。
しかし、スクラップパズルを組み立てて元の形を取り戻してやる事も出来るだろう。全てがそう行く訳でも無いが、元オブリビオンの兵器をそのまま使うよりはマシかもしれない。もしかしたら、とんでもないお宝が眠っている可能性すらある。
拠点の防備はウルフを失った戦いで傷付き、修繕が必要だ。ほっといても住人が勝手に直すが、手伝ってあげてもいいかもしれない。食料生産はこの世界において最も難題だ。幸い、使える湧き水はあるので作物を育てる事自体は可能な筈だ。ただ、その知識は住人には無い。
この拠点を今後どう守るか、猟兵達に向けられた最後の選択だ。
叢雲・凪
【WIZ】
マサト少年は本当に強く成長した…。彼は謙遜して『ボクたち猟兵のおかげ』と言っていたが本質的には彼の前リーダー:ウルフへの尊敬と信頼が大きく作用していたと思う。
マサト少年にエールを送る為に二人で話し合いをしよう。
『本当のところ ボクは君が思っているほど強い人間じゃないんだ…。失ったものを取り戻せるはずがないのに八つ当たりをするように悪党を断じてきた…』(私服姿でポツポツと語りつつ 脳裏に死んだ家族を思い浮かべる)
『でも 君と出会って【強くなる理由】ってのが少し…見えた気がする。誰かを想う気持ちは人を成長させ強くする… 君と出会えて本当に良かったと思ってるよ』(心からの笑顔を見せ)
ベム・クラーク
アドリブ連携歓迎です!
「とても楽しい光景でした。もう少し手を貸してみましょう。」
昨夜は飲食も睡眠も不要なベムは浮かれる住人達の代わりに拠点の見張りをしながらその光景を眺め続けていました。
「未踏領域こんなに、周囲を調査しましょう。」
念のため、住人達にこの土地の人間に必要な生存条件などを調査したあと、未踏領域に向かいます。
ベムは元々辺境の探索、制圧目的のウォーマシンです。
地形や汚染区域、湧き水の場所を調べながら危険な生物を排除していきます。
そんな晴れ渡る空の下、
「そういえば、辺境の探索をしていませんね。…まあ、銀河帝国はもういませんし、ゆっくり行きましょう。」
ベムはそっとカメラをそらした。
ハララァ・ヘッタベッサ
不採用含め全て歓迎じゃ!
POW対応
レイヤの国では農業もそう盛んではなかったから知識がないのじゃ。
故国に倣い、狩猟技術の向上といくかのう。
拠点周囲を散策。地形利用、世界知識と情報収集で地図を作るのじゃ。食べられそうな虫、植物、動物の棲みかをマーキングしておくぞ。
それらにあった罠(虫集め、動物捕獲用の道具)製作方法も検討じゃ。歩行戦車の残骸や、主様がスクラップパーツを召喚すればなんとかなるじゃろ。…たぶん。
まだ幼い時分に導き手、希望となるのは辛いこともあるじゃろう。
強かに生きよ。他人も、自分さえも骨肉にまで利用できるのが人間というものぞ。
主様はマサトに握手で勇気つけたいようじゃ。励むがよいぞ!
月凪・ハルマ
やっぱ【メカニック】としては、例の
歩行戦車が気になるなぁ
……よし(何かを決意した顔)
例の歩行戦車(パーツのみの状態も含む)の中から
同一規格のパーツのみを厳選して、それを改めて組み上げてみよう
個人的に本来の姿っていうのも気になるし、
そもそもあんな滅茶苦茶なパーツの繋ぎ方じゃ、
いつどんなトラブルが起きてもおかしくない
まぁ物資が足りなければパッチワークも止むを得ないだろうけど、
幸い今回は充分に余裕があるし。誰かが乗るんだったら、少しでも
安心できる方がいいだろう
余ったパーツも必要なら可能な範囲で組み立てる
あとはできれば誰かに整備の仕方を伝授しておきたいかな
いざって時のために、人数は多ければ多い程有難い
木霊・ウタ
心情
マサトは無事にデビューできたし、よかったぜ
そして肝心なのはこれからだよな
俺達がいっつも一緒にいるって訳にもいかないし
手段
防備の修繕の手伝い
詳しくはないけど人手にはなんだろ
溶接が必要な部分があれば、
そこは地獄の炎でちょいちょいっと直せるぜ
修繕の一つ一つが、
この拠点の、皆の未来につながっているんだよな
休憩時には音楽を奏でるぜ
皆がこの拠点を、此処での生活を、共に生きる仲間たちを、
好きでいる限り、必ず未来へと進み続けることが出来るって、
俺は信じてる
マサト、ガルシアのおっちゃん、そして皆
未来はあんたらのモンだ
どんな未来になんのか楽しみにしているぜ(ぐっ
マガラ・オーエン
お疲れ様だったな。
宴会もごちそうさん。
さて、一休みしたらまた仕事か。
この世界だと、中々ゆっくりはできないねえ。
せっかくだから、パーツを拾いつつ歩行戦車が来た先の方まで見に行ってみようか。
拠点を広げるのも良いと思うね。
やっぱり何処まで行っても荒地には変わりないか。
少しでも、作物を育てる土地になれば良いが……この辺りなんかどうだろうな。
岩石は少ないし、雑草がある程度生えてるなら植物は育つんじゃないか?
さて。
少年たちを見ててらアタシも自分の拠点のことを思い出しちまった。
折を見てこのまま帰ろうか。
佐田・忌猿
安心したべな
マサトも集落の皆もこれならばっちりやっていけるべ
と言う訳で、最後の一仕事
皆を集めて、事前に作った畑とその使い方をレクチャーしつつ
湧き水の灌漑について教えておこう
鬼の膂力で荒野を耕しておけば、後からこここを畑として使うのも楽だべな
残された時間は出来るだけ、多くの荒地に鍬を入れておくべ
「マサト。お前の守った集落、大事に守るんだぞ:
遠い昔、自分は守れなかったからとは言うまい
忍者はただ去るのみだ
●タンクとウォッカリターンズ
ウタが爪弾くギターを聞きながら酒を飲み交わす大人達。
「お疲れ様だったな。宴会もごちそうさん」
「おー、姉さんもー終わりかァ? 俺の酒が飲めねえってかぁ?」
「いや、これ以上飲んだら普通の人間は死ぬよ?」
「ギャハハハ! 違いねぇ……」
その言葉を最後にガルシアは机に突っ伏した……大きないびきをかきながら。付き合って飲んだマガラ・オーエン(狭間者・f25093)は顔色一つ変えていない。
「便利な体だが、酒に酔えないってのはちと欠点だねぇ」
あるいは酔える酒もあるのかもしれないが。酔いはしないのに妙に飲みたくなる物ではある。
「さて、一休みしたから仕事するか。この世界だと、中々ゆっくりはできないねえ」
マガラは夜の闇にある物を探しに出た。日が昇ってからでもいい事ではあったが、早めに見付けておいた方が良い予感がした。果たしてそれは的中した訳だが。
●我が足は大地を踏む
「とても楽しい光景でした。もう少し手を貸してみましょう」
本来、飲食も睡眠も不要なベム・クラーク(ウォーマシンの鎧装騎兵・f27033)は宴会の参加も辞退し、周辺の哨戒へ出ようとしたが、ガルシアのお大尽で出された『ロボットが飲むと踊りだす2001年産のビンテージウイスキー』に妙に煌きを感じてつい樽ごと頂いて、結局宴会に参加しまったりして……妙に饒舌だったと冷やかされたが、断固として酔った等と言う事実は無い……その後、酔っ払い達が揃って熟睡し始めたので、改めて周辺の探索を始めたベム。
「未踏領域がこんなに、周囲を調査しましょう」
「付き合うぞ」
そんなベムに同行したのはハララァ・ヘッタベッサ(亡霊の纏う黒き剣布・f18614)と享年六歳のレイヤ。
「睡眠は不要なのですか?」
「カーッカッカ! むしろ、夜こそレイヤの世界よ」
ベムはナビの能力は先の戦闘で十分理解していた事もあり、同じく睡眠が不要であるならばとその協力を受ける事にした。
ベムが広域スキャンして作成した周辺地図データに、
「む、そこの茂みは怪しい。調べるぞ」
レイヤの知識が見つけた食べられそうな虫、植物、動物の痕跡がある所をマーキングしていく。
「この周辺の地下に興味深い空洞が確認されているのです」
「地下に空洞、水脈か」
「或いは油脈の可能性もあります」
「カーッカッカ! そうであれば石油王になれるかもしれぬな! ベム・クラーク財団か」
「死後も延々と誰かを支え続けそうな話ですね」
流石にそんなに都合よく油脈が見つかったり、埋まった戦車が見つかったりもしなったが。
「ここが一番浅い場所です。このポイントを掘り続ければ何かしらは出るでしょう」
「お宝という訳じゃな」
「ええ、この世界なら水源一つでも財宝ですから」
何もない荒野とは言えど、良く調べれば何かが見つかる物である。
「こんな所に居たのか。何してるんだ?」
夜が白み始める頃、こちらに向かってくる真紅の戦車が見えたの迎えに行く。
「未踏領域の調査を。残骸漁りの廃墟ポイントは記されていましたが、それ以外の情報はあまりなかったようですので」
「あー、基本奪う方が早いからな」
アポカリプスヘルとはそういう世界である。
「奪うばかりでは遠くない内に枯渇する事は明白であろう?」
「その前に死ぬよりはマシだってな。いや、そんな話をしに来たんじゃない」
マサトは真剣な目でベムを見つめる。
「俺に戦い方をもっと教えてくれ。昨日の感覚を忘れたくない」
「戦い方を」
最初の実戦を乗り切った新兵の辿る道は凡そが二つに一つ。戦いその物から逃げ出すか、調子に乗って出過ぎて死ぬか。少なくとも、彼に前者の選択は無い。
「良かろう、レイヤの知恵も貸してやる」
「戦車戦の事も知ってるのか!?」
「小僧よりはのう? カーッカッカ!」
ハララァと共に真紅の戦車に飛び移ると、レイヤは車内に入り込む。
「分かりました。歩兵との連携はある程度教えましたので、単独での戦い方を教示しましょう」
明日をも知れぬ荒野の世界。諸行は等しく無常と言えど、それを今日にしない為に。
この後、滅茶苦茶扱かれた。何回も死ぬかと思った。
●おしてもいいんだぜ
「何してるべか?」
「ドラム缶を押してる」
「ドラム缶、押す、押す……」
拠点の一角に設けられたスペース。そこには押す為のドラム缶と、ドラム缶を押す為の溝がある。そこに来る人々はだだ黙々と、右端から左端へドラム缶を押し、左端から右端へとドラム缶を押す。
佐田・忌猿(鬼面忍者・f10152)も試しにドラム缶を押してみた。
「……これは」
中々重い。大鬼の剛力を使う程ではないが、これはこれで程よい鍛錬にはなりそう……だろうか。よく見ればドラム缶を押しに来る者たちは中々に引き締まった筋肉を付けているように見えるが、それはこのドラム缶押しで鍛えた物だと思うと中々複雑な心境になる。
「おめぇら、仕事は別にあるんだべ?」
普通に考えてこの何の生産性もない行為で食べていける筈は無い。何せ、ドラム缶を右から左に、左から右へ、ただ押しているだけなのだ。
仕事、と言われると罰が悪そうに顔を見合わせ、ドラム缶を押す……成程、非常時の力仕事で駆り出される事はあっても定職に就けない。そう言った者も多々あるようだ。正しい農耕技術も、道具も無い環境で定職を見つけると言う事自体難しいのだろう。
「えー、ガムー、チューインガムは要らんかね! 噛みかけだよ! 噛めばまだ甘いよ!」
……あんな物が商品として成立しているらしいし。
●ドラム缶の有効活用
「この辺りが一番だと思うんだ。岩石は少ないし、雑草がある程度生えてるなら植物は育つんじゃないか?」
一晩かけて拠点に程近く、防戦時に邪魔にならない土地を見つけたマガラ。
「んだな、ここもいい畑になるべさ」
マガラが見つけた土地に、忌猿が引き連れて来たのはそれなりに鍛えられた男達。先日忌猿が拠点内に作った畑は一先ず出来上がっているが、面積を広げるには土地が足りない。それならばと、拠点の外に規模の大きい畑を作ろうと言うのだ。
「どこで見つけて来たんだい?」
「腐りかけを拾ってきたべ」
「ははっ、腐りかけをか! そりゃいい、有効活用しないとな」
デッドマンの様に直接的な意味では無いが、何となく目が死んでいるような気がする。
「ドラム缶……」
「ドラム缶、どこだ」
「ほれ、これを使うだよ」
ドラム缶ドラム缶と呟く男達に忌猿が鍬を渡す。目の前で使い方を実践して見せると、男達もそれを真似て鍬を振る。中々様になっている。
「へぇ、悪くはなさそうじゃないか」
「んだ、上手く行って良かったべ。次は湧き水の灌漑だな」
湧き水を引くとなれば見様見真似では出来ない。水耕栽培をしていた技術者に灌漑のやり方を教え、自らも鬼の膂力で水路を作り始める。すぐにとは行かないが、近いうちに立派な畑になる事だろう。そうなれば略奪対策も必要だ。
「こっちは防衛の準備さね」
マガラは獣除けの簡易な柵を廃材で作る手順を教えていく。あえて硬い防備を施さないのは略奪者に便利なバリケードを提供しない為だ。その外側には簡易的なスパイクトラップ。これも獣除けにもなる。
そうして出来上がったのがキルゾーンを兼ねた畑と言う何ともこの世界らしい畑であった。
「そろそろ休憩入れるべか」
「休憩……ドラム缶」
「ドラム缶、押さなきゃ」
遠くない内に畑の近くにドラム缶溝が出来てしまいそうだ。
●ハント&クッキング
「獣用の罠? 対人用じゃダメなのか?」
「対人用の罠を戦車が踏むとどうなる?」
「あんまり効かない。良くて履帯が切れる位」
「では対戦車用を人が踏んだら?」
「発動しないか、粉みじんになって吹っ飛ぶ……そうか、対人用の罠じゃ殺傷力が高すぎるんだ」
「そうじゃ。狩猟には狩猟用の罠が要る。死んでしまえば鮮度は落ちる一方じゃから生かさず殺さすじゃ」
レイヤの故郷では狩猟技術が発展していた。昨晩作成したマップを元に、拠点の住人に獣を捕える方法を教えるレイヤ。マサトはそれを真剣に聞いている。狩猟となれば足が要る。戦車乗りの出番だ。
「スナザメ用の罠はどうすればいいんだ?」
「スナザメ……?」
「砂地を潜る鮫だ。アレを捕まえれば結構な肉になると思うんだ」
「ふむ……」
砂地を潜る鮫。レイヤの故郷には居ない動物だ……動物なのだろうか。
「そうじゃな、モグラの様な物か。ならば音に反応するじゃろう」
昨日調べた地図と、マサトが知ってる動物の情報を照らし合わせて次々と罠を考案していく。実際に使えるかどうかは分からないし、滞在している間に試す機会が来るかどうかも分からない。だが、やっておいて損は無い。
地図上の生物の痕跡を示す地点に、次々と仕掛ける罠を考案していく。
●炎と電気が使えれば大体何とかなる
「スクラップパズルも順調だよ」
拠点のメカニックを率いて大量のスクラップを次々と捌いていく月凪・ハルマ(天津甕星・f05346)。
「やっぱメカニックとしては歩行戦車は気になるよねぇ。ん、こっちかな」
「こっちのパーツだな」
それを手伝う木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)と叢雲・凪(断罪の黒き雷【ジンライ・フォックス】・f27072)。メカニックの知識は無いが、何となく似ているパーツを組み合わせてみる。
「一つ出来た。凪、通電チェックよろしく」
「分かった」
凪の指先が黒雷に変じて回路を駆け抜ける。
「うん、問題無し」
「サンキュー、電気に強い人が居ると助かるね」
実際の電源に繋ぐ前にこうして動作確認をしているのだ。
「こっちの基盤はどうですか?」
「やってみるね」
メカニックから受け取った基盤に触れて、軽く黒雷を流す。
「ん、少し流れが悪い。ここと、ここの溶接かな」
「溶接だな、任せろ」
そして、炎を操る事に長けたウタが溶接を手伝う。ハルマはチーフメカニックとして全体の指揮を取り、自分の知識と技術を住人に伝えていく。
●出来てしまった者たち
「借り組みだけど……これってさ」
休憩中に猟兵達が集うと、とりあえず形になって来た元歩行戦車を皆で見て見ようとと言う話になり、ガレージに全員が集った。マサトとガルシアも居る。
「鉄の城、マジン」
「それ以上いけない」
「ハニワ幻人」
「多分全滅してるから」
「ファイナルフュージョン」
「承認しない」
「グランナイツの諸君」
「合神するな」
「あなたと」
「合体したくない」
「足なんて飾りです」
「それはパンチじゃないな」
「レッツゲキガ」
「それ言ってるの二人だけだからね」
何かどこかで見た事ある感じに仕上がってしまった。色々な意味で危険だ。
「どうしようか……」
「カーッカッカ! 動くのであれば問題あるまい」
「まあ、見た目だけだしね」
スーパーな大戦が始まったりはしません、たぶん。
●再起動
「そっちは置いといてさ」
マサトが気になったのはその辺の黒歴史とは別に鎮座していた物。
「これは戦車だよな?」
「ああ、エイブラムス。主力戦車だね。信用のならないパーツがざっと数えて30はあるけどとりあえず動く事は保証する」
「ああ、ありがとう! 新しい戦車乗りの育成にも使えそうだな」
「こっちのクルマは使えるのか?」
「そうだね、このバギーも元が分からない位カスタムされてるけど戦闘に使えそうだ」
「じゃあ、今日からコイツはガルシア号だ!」
「へえ、いい趣味してるねぇ。それなら車内から銃撃も出来る。使えるな」
「ありがとよ姉さん、アンタに習った銃の腕も試せそうだ」
「ガルシアのおっさん、そんな事してたのかよ」
「ガキばっかりに任せておけるかってんだ。コイツだってミサイルでもくっ付ければちょっとしたもんだぜ」
「この、機体は……」
最後の一機。それは誰もが見た事のない機体だった。ただ一人を除いては。
「その機体、組んだはいいが有人制御が出来ない。完全自動起動……危険だ」
人間を見たら見境なく破壊する殺戮機械。そんな物はこの世界にごまんとある。これもその一つかもしれない。だが、それでも組み上げたのには理由がある。
「殆ど勘に近いんだけどさ、ベム。この機体を知らないか?」
「知っています。私の兄弟と言えばいいでしょうか」
ベムだけが知っている、起動コードを送信する。果たしてその機械は動き、喋り出した。
「自己診断開始……攻撃性最悪、防御性最悪、機動性最悪、継戦能力最悪」
「最悪最悪って酷いな、動く程度には治したのに」
「正規のパーツ及び、類似パーツへの換装を要求します。さて……ハロー、ベム・クラーク。13億2352万9237年7か月23日ぶりですね」
「途方もない年月を旅したのですね」
「ほぼ休眠状態でしたが。ですが、こうして再開できた事は喜ばしく感じます」
「ええ、私もです」
一体どれほどの奇跡を重ねればこの再開が起きると言うのか。あの時、あの腕を壊さなくて良かった。
●ジンライ・フォックス
二人で話がしたい、と夜更けに凪に呼び出され、ドキドキしながら待ち合わせ場所に行くマサト。
「マサト少年」
凪はマサトの目を真っ直ぐ見て話を切り出した。
「本当に強く成長した……」
「皆の……凪さんのお陰だよ」
君は謙遜して『ボクたち猟兵のおかげ』と言っていたが本質的には彼の前リーダー、ウルフへの尊敬と信頼が大きく作用していたと思う。本当に、いい師だったのだろう。
「本当のところ、ボクは君が思っているほど強い人間じゃないんだ……失ったものを取り戻せるはずがないのに八つ当たりをするように悪党を断じてきた……」
マサトはそんな事は無い。ジンライ・フォックスはすごく強くてカッコよかった……そう言いたかったマサトだが、目の前の少女があまりに儚げで、ただ黙って話を聞き続けた。
今の凪は私服姿だ。今は、ジンライ・フォックスではない。死んだ家族を思いながらぽつぽつと語り続ける。
「でも、君と出会って強くなる理由ってのが少し……見えた気がする。誰かを想う気持ちは人を成長させ強くする……君と出会えて本当に良かったと思ってるよ。ありがとう」
過去を振り切って見せた凪の笑顔をマサトは生涯忘れる事は無いだろう。
「いや、こちらこそ……」
この笑顔を瞼に焼き付けるべきか、この沸騰しそうな頭を冷ますべく目を逸らすべきか。15の少年には難しい決断だった。
●炎継ぐ者
「すっかり長居してしまいましたね」
猟兵達はずっとここに居る訳にも行かない。まだまだ彼らの助けを必要とする者達は居るし、倒すべきオブリビオンも数知れず。
「また来てくれよな」
レッドウルフに乗ったマサトと早速ガルシア号を動かしたガルシア、酒場で酒を飲み交わした者達、隙あらばドラム缶を押しに行こうとする奴ら、メカニックの教えを受けた者達……拠点総出で見送りだ。
……早速動いているアレな歩行戦車は気にしないでおこう。アレはただの歩行戦車、いいね?
「とりあえず動いてはいるね。有線型赤熱飛翔拳は使えるけど、装甲はあんまり当てにしないように。元のスクラップと違って暴走する危険も無いしね」
「少年たちを見ててらアタシも自分の拠点のことを思い出しちまったな、このまま帰るか」
「マガラの拠点はこの世界にあるんだ……いつか行きたいな」
「ああ、真っ赤な戦車が来たらよろしくって言っておくよ」
「皆がこの拠点を、此処での生活を、共に生きる仲間たちを好きでいる限り。必ず未来へと進み続けることが出来るって、俺は信じてる」
「アンタの歌詞には何か感じる物があるなぁ……けっ、ガラでもない事を言っちまったぜ」
「マサト、ガルシアのおっちゃん、そして皆。未来はあんたらのモンだ。どんな未来になんのか楽しみにしているぜ」 差し出されたウタの手をガルシアが力強く握り返す。
「マサト。お前の守った集落、大事に守るんだぞ」
忌猿が満足げに頷く。
「ああ、後は俺達に任せてくれ」
「まだ幼い時分に導き手、希望となるのは辛いこともあるじゃろう。強かに生きよ。他人も、自分さえも骨肉にまで利用できるのが人間というものぞ」
レイヤが言葉を、その姿を模したハララァが手を差し出し、マサトは力強く握り返し、その言葉に頷いた。
「マサト少年」
そして、ジンライ・フォックス。
「後は君に任せる。がんばって」
「凪さん……また、会えるかな?」
「オブリビオンが現れたら駆け付けるよ」
「いや、そうじゃなくて……ああ、そうだな! その時はまたお願いする」
こうして、アポカリプスヘルにありふれた拠点で起きた事件の顛末は幕を閉じる。だが、猟兵達にはこの先もまだまだ戦いは続き、拠点の住人達も生き残る為の戦いを続けるだろう。
戦いは終わらない。砲火が止む事は無い、生きている限りは。
赤々と燃える炎のような戦車は今日も荒野を燃やし照らす。開けない闇へと、立ち止まらずに。
大成功
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