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死に彩られた宝石(作者 平岡祐樹
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 コツ、コツ、とヒールが大理石の床を叩く音が響く。
「ふふふ、ずいぶん美しい色になったじゃない……。あと一日と言ったところかしら」
「い、いや……」
 恐怖で震えていた人間が、動きにくくなった口から声を漏らす様子に全身を赤い珊瑚で構成している女王は妖艶に笑った。
「そうね、出来あがったらあの像の代わりに置いてあげるとしましょう。……あなた、そういえば近々オークションを開くのでしたっけ」
「はい、コーラルクイン様」
 女王の呼びかけに、護衛として後ろについていた貝のような鎧と水着を身につけた女性兵士が跪き、答えた。
「あれを出品物に加えてもよろしいですわ。私が認めた者ですもの、高値で売れるでしょう」
「ありがたき幸せ」
 粛々と頷いた兵士は立ち上がると、階段の横にある台に飾られていた像を両手で軽々と持ち上げて下がっていった。
「さて、あなた早速あそこに登って……ってあら」
 その後ろ姿を見送った女王は振り返って声をかけようとして、微笑みを浮かべる。
「もうなってしまわれたの? あれだけ大言を吐いておきながら、あっさりでしたわね?」
 その視線の先には人間ではなく、人間の「形をした」美しい珊瑚の像が鎮座していた。
「さて、この子にはどんな題名をつけてあげましょう?」
 そう言って女王は、涙まで珊瑚となった元人間の像の頭を愛おしそうに撫でた。

「皆さま、集中的な調査お疲れ様です」
 デフォルメされたグリードオーシャンの地図の埋まり具合に舌を巻くルウ・アイゼルネ(マイペースな仲介役・f11945)が取り出したのは近隣の島や冒険商人に配られたという一枚の紙だった。
「近々この『シージュエル島』にてオークションが開かれる……という告知がありました。元はアリスラビリンスにあった島だと考えられております」
 白いレンガの建造物が立ち並ぶ港町が名高いシージュエル島では定期的に島の女王が主催するオークションが開かれ、掘り出し物を求めて多くの商人が訪れる。
 その一番の目玉であり、そこでしか手に入れることが出来ないのが人間の形に加工された珊瑚や真珠の像である。
 まるで本物の人間から型を取ったような一点物のそれらは富豪らに非常に受けが良く、出るたびに高値で取引されているそうだ。
「今回のオークションの目玉も『それ』だそうです……ですが、少し気になるタレコミがございまして」
 それは「その像によく似た海賊が最近消息を絶っている」というもの。
 アリスラビリンスに限らず様々な世界で様々な敵性生物を見てきたルウは嫌な予感を覚え、調査をした。
 するとシージュエル島の住民に、とあるおふれが出ていたことが分かった。
 それは「年に一人、新しい使用人を城に寄越すこと」。
 そして使用人として登城した者で……帰ってきた者もその後の安否を知らせる手紙を送って来た者も一人もいないという。
「おそらく殺されているのだろうと、住民の方は語ってました。しかし断れば城の私兵によって街を蹂躙されてもっと被害が出る。ならば、一人の犠牲で残りの住民が生きていける方がマシだ……と考えたそうです」
 そしてその諦めを知り、それを打開しようと城に乗り込んだ流れの海賊達も今まで何十人といたという。そして、彼らも帰っては来なかった。
「……ここまでの話で察しがついた方もいらっしゃると思います。例の行方不明になった海賊もこのうちの一人でした」
 そこから逆算出来ること。
 それは城の中で人々が何かをされ、珊瑚や真珠の像を作る原料にされている、というおぞましい予想だった。
 しかしそれはあくまでルウの予想の範疇であり、その証拠は一切無い。
 もちろん実際に買っている商人達は一切疑念を抱いていない。悪事の片棒を担いでいる、と勝手に判断するのは早計であろう。
「ちなみに出品者代理としてこの城の執事的なポジションの方が出席されているそうです。上手くやればその人物からなら詳しいことを聞き出せるかもしれません」
 会場となるシージュエル城の門は普段は固く閉ざされているが、オークションの日と生贄が捧げられる日に限り一般にも開かれる。
 相手が自ら開けてくれているのであれば、それに乗っからない理由はない。これ以上の犠牲者を出す前に突入し、白黒をはっきり付けたい、とルウは語った。
「今回はオークションの参加者として城内に堂々と侵入し、黒だと判別できたら、奥にいる女王……コンキスタドール『コーラルクイン』の首を取ることが目標となります。皆様よろしくお願いいたします」





第2章 集団戦 『阿古屋貝の戦闘員『パールウォリアー』』

POW ●アコヤガイシールド
【肩の巨大貝殻を前面へかざしての防御モード】に変形し、自身の【移動速度】を代償に、自身の【高い防御力】を強化する。
SPD ●トライデントスロウ
【手に持つトライデントを投擲】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ ●スタチューパールズ
【肩の巨大貝殻の内側】から【真珠色の粘液】を放ち、【真珠化】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


ティファーナ・テイル
SPDで判定を
*アドリブ歓迎

「硬さにパワーで勝ってこそ、プロレスラーだ!いくぞ!」とガッツポーズ!
『スカイステッパー』で縦横無尽に動き回り隙を見付けて『セクシィアップ・ガディスプリンセス』で♥ビーム攻撃を仕掛けながら折を見て『ガディスプリンセス・グラップルストライカー』で髪の毛と蛇脚尾で白兵攻撃を仕掛けます!
敵の攻撃で避けれない攻撃を『神代世界の天空神』で空間飛翔して敵のUCを『天空神ノ威光・黄昏』で封印/弱体化をします!
『ジェットストリーム・ラヴハート』でSPDを強化して『ヴァイストン・ヴァビロン』で豪華絢爛な攻撃を仕掛けて『ガディスプリンセス・レディース』で群生攻撃を仕掛けます!
「勝つ!」


 後に続いていたティファーナは周りを確認し、他の者の視線が無いことを認識する。そして案内役が前だけを見ていることを良いことに、蛇の下半身を軽々と浮かせ、振り切った。
 明らかに重そうな風切り音を上げた尾は貝めいた肩の装甲に激突し、案内役の体を壁に叩きつけた。
「かっ、た……!」
「ぐっ……お客様、いったい何のつもり」
 思わず目を見張ったティファーナの行動が理解出来ないのか、壁にめり込んだ案内役が絞り出すように声を出す。
 その衝撃音に気づいた他の警備兵達がわらわらと集まってきた。
「知ってるよ、ここの商品って人なんだって?」
 これだけいれば知っている人もいるだろうとカマをかけてみれば、全員の表情が真顔になる。そして明確な殺気を発した。
「ここで始末すれば誰にもバレない、そう思ったでしょ? それに最初の人がやられなかったから、数で押し込めるって」
 疑惑が確信に変わったところで、ティファーナは衣装を一瞬で切り替える。
「でも硬さにパワーで勝ってこそ、プロレスラーだ! いくぞ!『神々の絢爛豪華な全てを見せてあげる!』」
 ハート型に構えた手から光線を放って目眩しに使ったティファーナは何もないところで何段もジャンプを重ね、群れの中心にいた兵士にボディプレスを仕掛ける。
 それを偶然にも避けた兵士がトライデントを構えるが、ティファーナの髪がそれを巻き取ったかと思えばラリアットが顔面に入り、鼻血を吹き出しながらひっくり返る。
 続けて貝の鎧から謎の粘液を発しながらティファーナを挟み込もうと跳んできた兵士がいたが、ティファーナは一瞬でその場から消え失せると金貨の雨と一緒に真後ろを取った。
「はや……!?」
 光る金の拳が振り返り様の兵士の頬に直撃し、その顔面を揺らしながら吹っ飛ばされた。
 そしてそれを合図にどこに隠れていたのか、様々な動物を混ぜこぜにした見た目の者達が武器を持って突撃してきた。
「な、何なのだ一体、これだけの軍勢がどこに隠れていた! す、すぐに応援を呼べ!」
「ぜったい、勝つ!」
 そんなティファーナ達を鼓舞するかのように、城が爆音と共に揺れた。
大成功 🔵🔵🔵

政木・朱鞠
なるほど…先兵さんのお出ましね。
人間を宝石にして悦に入るなんて、酷い生命冒涜だし…そんなことをしたら『甘やかし』で美味しい物を喰らう事が出来なくなって勿体ないじゃない?
君達には自己満足で大切な命を粗末にした咎を清算して骸の海に消えて貰わないとね。

戦闘【WIZ】
避けきれなければ【真珠化】で動きが封じられちゃうリスクは有るし、分身達がどれだけ攻撃を受けきれるか不安は有るけど『忍法・火煙写身の術』を使用して迎え撃つよ。
武器は忍者手裏剣『鳳仙花』をチョイスして、残りのチビ分身と共に【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使いつつ【傷口をえぐる】で露出した関節部分を狙ってダメージを与えたいね。

アドリブ連帯歓迎


 城内がにわかに騒がしくなる中、いつもの忍装束に着替えていた朱鞠は欄干にぶら下がりつつその様子を見ていた。
「なるほど……先兵さんのお出ましね」
 多くの兵士が集まり、ドタドタと地下に降りようとしたところで朱鞠は飛び降りる。突然現れた朱鞠の姿に、兵士達はすぐに武器を構えて威嚇した。
「人間を宝石にして悦に入るなんて、酷い生命冒涜だし……そんなことをしたら『甘やかし』で美味しい物を喰らう事が出来なくなって勿体ないじゃない?」
 朱鞠の言葉を聞いてしまった客からざわめきが起き、互いの顔を見合わせる者もいる。兵士達はそれを鎮静化しようと声を荒げた。
「騙されないでください、これは賊による虚言です! 我々の商品にケチをつけてくるとは……誰の差し金かしっかり後で吐かせてもらう!」
 よくもまあこうペラペラと嘘が言える、と鼻で笑った朱鞠は冷めた目で睨みつけた。
「君達には自己満足で大切な命を粗末にした咎を清算して骸の海に消えて貰わないとね。『言霊にて煙火に暫しの魂魄を与えん…疾く攻めよ!』」
 炎と共に現れた何百体もの小さな朱鞠が一斉に兵士達へと襲いかかる。
「くそっ、手裏剣でチマチマと……!」
 致命傷は与えないが、傷をしっかりとつけてくる投擲武具で攻撃してくる朱鞠達に業を煮やした兵士のうちの1人が肩の装甲を外し、思いっきり振る。
 すると中に溜まっていた水が朱鞠達にかかり、分身の正体である炎によって蒸発しながらもその数を減らした。
「分身は真珠化しない、か。良いことなのか悪いことなのか……」
 辛うじて分身に当たらなかった水が付着した石畳の一部が虹色に輝くが、それを削って客に証明する暇はない。出来れば分身が固まって実証とするのが楽だったのだが……そう上手くはいかないらしい。
「でも、そのためにわざわざ硬い殻を自分から脱いでくれて助かったわ」
 朱鞠の分身が投じた苦無が露出した関節部分を的確に突く。刃に特殊な返しがついたそれは中々抜けずに行動を阻害し、無理矢理抜いても周囲の肉を巻き込んでより重い激痛を与えていた。
「そろそろ本番といきましょうか」
 そう言って本物が投じた手裏剣は装甲を軽々と切断するとその奥にあった肩を深々と切り裂き、血を噴き上がらせた。
成功 🔵🔵🔴