16
パイオハザード?

#アポカリプスヘル


●狂気の生体コア
 崩壊した街と荒野の続くアポカリプスヘル。オブリビオンストームが舞い、略奪者の闊歩する地にて、それでも明日を信じて戦い続けている人々もいる。
「くそっ! また、この連中が襲って来たのかい!?」
「まったく、しつこいったらありゃしない! こっちはもう、戦える人間だって残り少ないってのに!」
 崩壊したショッピングモールを中心とする拠点にて、略奪者(レイダー)の襲撃に対抗する人々。どうやら、この拠点には若い男が殆ど残っていないらしく、戦っているのは女性が半数以上を占めていた。
「あ……ぁぁ……」
 時折、中央の生体コアから掠れるような声を出しながら、人間の2倍はあろうかという背丈の機械兵がビームを乱射する。それらは全て女性のような姿をしており、その中央に据えられた動力炉代わりの人間もまた女性であった。
「ちょっと、何で撃たないのさ! このまま、黙って攫われるつもりかい!?」
「で、でも、あれは……あのマシンの中にいるのは……」
「馬鹿! 撃たなきゃ、こっちがやられるんだ! 例えそれが……自分の身内だったとしてもね!」
 震える手で銃を構える少女を、拠点のリーダーと思しき女性が叱咤した。が、次の瞬間、敵の一団は一斉に凄まじい威力のビームを放ち、周囲の建物を焼き払い。
「くっ……! し、しまった!」
 崩れ落ちる建物の破片から少女を庇おうと覆い被さったリーダーの上から、大量の瓦礫が降って来た。哀れ、生き埋めにされてしまった彼女達を、機械の略奪者は無言のまま掘り起こし。
「くそっ! は、放しやがれ!」
「い、いや……誰か……助けて……」
 満身創痍で抗う術もない彼女達を、他の女性達諸共に、纏めてどこかへ連れ去ってしまった。

●洋館要塞攻略指令
「……アポカリプスヘルで、拠点が略奪者の部隊に襲われる未来が予知されたわ。手の空いている人は、救援に向かってちょうだい」
 その日、グリモアベースに現れた神楽・鈴音(歩く賽銭箱ハンマー・f11259)は、何故か物凄く機嫌が悪かった。
 まあ、彼女の機嫌が悪い理由など、だいたい決まっているので、ここは突っ込まないで話を進めた方が早い。鈴音も、自分から理由を語るつもりはないのか、そのまま猟兵達に事の詳細を説明し始めた。
「拠点を襲うオブリビオンは、女の人を生体コアにした機械兵器よ。『サイバー・メイデン』とかいうやつで、量産型みたいね」
 最初、現れた機械兵の一団は、若い男ばかりを狙って攻撃し、あるいは攫っていた。だが、戦いが激しさを増して来ると、今度は男に変わり若い女を狙って略奪を繰り替えしているという。
 恐らく、生体コアにされているのは、略奪者に攫われた女性達だろう。量産型とはいえ、侮るなかれ。ビーム兵器を主体とした武装は強力で、かなりの戦闘力を持っている。
 生体コアの女性が死ねば動きは止まるものの、それは捕まった者を見捨てるということだ。当然、そんなことをホイホイとできる者など少なく、結果として被害は拡大の一途を辿っているのだとか。
「この機械兵達は、偏執狂の大富豪が作った、おかしな洋館を要塞代わりにしているわ。機械兵に意志なんてないから、きっと要塞に機械兵を操っている親玉がいるわね」
 鈴音の話では、屋敷の構造は迷路のように複雑で、見た目以上に広いらしい。内部には、際どいポーズをした胸の大きい女性の彫刻や絵画といった下品な美術品が随所に飾られており、それらの中には隠し扉を起動させたり罠を発動させたりといったギミックが仕掛けられているので、要注意。
 上手く扉が見つかれば良いが、失敗すれば罠が発動し、粘液地獄や神経ガス、侵入者を捕獲する機械などによって酷い目に遭うだろう。現に、この拠点に仲間を取り返しに向かった者達は誰一人として帰らず、女性は生体コアとされてしまったというのだから、甘く見るのは禁物だ。
 幸い、なぜか傷を癒す薬草まで洋館内のプランター等に生えているため、これらを集めておくと、後で役に立つかもしれない。
「それにしても……こんな崩壊した世界の洋館にまで、女の人の胸ばっかり強調した美術品並べられてるとか……なっ! べ、別に、悔しいとかじゃないんだからね! さあ、早く洋館へ向かって、捕まってる人を助けて来なさいよ!」
 最後に、鈴音が何か言っていたような気もするが、いつものことなので、気にした方が負けである。怪しげな洋館の奥に潜むオブリビオンの親玉を見つけ出し、捕らわれた人々を救出するのだ!


雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 アポカリプスヘルでバイオハザードな依頼……ではなく、どちらかと言えばネタ寄りな依頼です。
 敵の要塞を攻略し、オブリビオンを蹴散らしながら捕まっている人々を救出してください。

●第一章
 偏執狂の大富豪が作らせた洋館を探索します。
 内部には下品な美術品が飾られており、それらを調べたり動かしたりすることで先へ進めますが、失敗すると罠が起動して酷い目に遭います。
 また、道中には何故か傷を癒す薬草が自生しているので、集めておくと良いことがあるかもしれません。

●第二章
 要塞内部にて、『量産型サイバー・メイデン』との集団戦になります。
 周囲には捕まって奴隷にされている人々もいるので、上手く庇いながら戦う必要があります。
 ここで人々を助けておくと、次の章で協力してくれます。

●第三章
 要塞のボスであるオブリビオンとの戦いです。
 現時点では、どのような敵が相手なのかは不明です。
 洋館に飾られている美術品の雰囲気や、最初に男を攫わせまくっていたこと等から、だいたいどんな敵かは想像つくと思いますが……。
 なお、前の章で奴隷にされた人々を助けていると、武器を手に取り支援してくれます。
 それほど強い訳ではありませんが、要塞内の地形や設備を熟知しているので役に立ちます。
192




第1章 冒険 『偏執狂の屋敷』

POW   :    虱潰しに全ての通路を探索し、確実に屋敷の全貌を明らかにする

SPD   :    罠や隠し扉、隠し通路などを発見し、罠の解除や鍵の解錠等を行う

WIZ   :    屋敷の地図を作成したり、収集した有益なアイテムを効果的に使用する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
アルタ・ユーザック
「このお屋敷を一人で見て回るのは…結構厳しい…」
罠に気を付けながら探してたら余計に時間がかかるし…傷を癒す薬草も生えてるみたいだからそっちも確保したいし…
「うん…やっぱり人手がいる…それなら…」
【『一騎当千・千変万化』発動。人海戦術で屋敷内を調べたり薬草を確保したり】
「わたしが下手に調べに行って罠にかかるといけないから…わたし自身はここで地図作成…」

【自分自身とはいえ、能力で生み出しているアルターエゴ(分身)なので、罠を喰らっても構わない覚悟で探索しているため、罠の発動率は割と高め。発動した罠の描写はお任せします。捕獲されたり死亡したりするのでなければ、罠発動後も基本分身は出たままで。】



●決死の地図作成
 荒廃した世界に佇む、巨大な洋館。偏執狂の大富豪が作った屋敷を前に、しかしアルタ・ユーザック(クール系隠密魔刀士・f26092)は足を踏み入れることを躊躇していた。
「このお屋敷を一人で見て回るのは……結構厳しい……」
 正直、屋敷というのは名ばかりで、ちょっとしたホテル程の大きさがある。さすがは豪邸、などと感心している場合ではない。罠に注意しながら探索すれば余計に時間が掛かり、なんといっても効率が悪い。
 できることなら、道中に生えている薬草も回収しておきたかった。それを考えると、やはり人手が圧倒的に足りない。
「うん……やっぱり人手がいる……それなら……」
 こういう時に最良の方法があると、アルタはユーベルコードを起動させた。
「わたしの名前の由来、それがこの能力」
 一騎当千・千変万化。自分の強さに比例して、自分の分身を大量に生み出すユーベルコード。自分が調べに行って罠に掛かるのは拙いので、今回はこの分身を送り込むことにした。
 その間、自分は分身達から送られて来る情報を元に、屋敷の地図を作って行こう。そう考え、分身を屋敷に送り込むアルタだったが、しかし屋敷の警備は彼女の考えていた以上だった。
 反転する壁のギミックから放たれた毒矢に当たって死ぬ者、階段を転がる大岩に潰される者、下に槍の生えた落とし穴に落下して串刺しになる者と、とにかく異様な程に死亡率が高い。
 次は回転鋸か、釣り天井か、それとも金タライでも降って来るのか。なんかもう、別の世界の別のネタが盛り込まれている気もするが、細かいことは気にしたら負けだ。
「美術品の大半に仕掛けあり。発動する罠もランダムか……」
 分身達から遅れてくる情報を整理しつつ、アルタは屋敷の地図の作成に全力を注いでいる。致死量のダメージを食らった分身は、その場で消滅させておくことも忘れない。
 調べて行くと、命に関わる罠もあったが、実際はしょーもない罠が大半だった。謎の粘液を降らせたり、気分を高揚させる神経ガスを噴射したり。中には、ちょっとエッチなトラップもあり、これに捕まってしまったが最後、何をされるか分からない。
 そんな中、彼女は屋敷が妙な構造になっていることに気が付いた。どうやら、この屋敷には地下もあり、何かが地上と行き来しているのだと。
「地下、か……。確かに……略奪者が身を隠すには最適……っ!?」
 そこまで呟いた時、分身から送られて来る情報に変化があった。どうやら、巡回中の警備機械に捕まってしまったらしく、強靭な金属アームで四肢を拘束され、そのままお持ち帰りされるところだった。
 いくら分身とはいえ、こんなところで攫われては意味がない。慌てて分身を引っ込めるアルタだったが、この屋敷は想像していた以上に、危険なトラップでいっぱいのようだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

露木・鬼燈
あー、これはシリアス…なのか?
屋敷の趣味が悪すぎて危機感が、ね。
これはあれだよね。
胸の部分をなんかいい感じに弄れば仕掛けが動く。
うん、そんな感じがするのです。
とゆーことで、目途がついたのでまずは薬草の採取。
なんであるのかわからないけど、役に立つならいいよね。
できるだけ多く集めたら<円環理法>で加工。
成分の抽出と濃縮を行いポーションにするですよ。
飲んでも掛けて効果のある便利アイテム。
まぁ、役に立つことがない方がいいんだけどね。
で、準備もできたことだしギミックにチャレンジするっぽい!
特にヒントとがあるわけじゃないし、この裸婦像でいいかな。
胸の部分をいい感じに。
そう、いい感じにいじるのですよ!


初志・貫鉄
共闘即興歓迎 NGなし
【POW】

「うぉっ、こりゃスゲェな」

屋敷入口から見える範囲の淫猥な各種調度品、うかつに近づきはしないがつい鼻の下を伸ばし見てしまう

近くに男性猟兵がいれば、こそっと猥談をしてみる

「なぁ、俺はあのムチムチな裸婦像なんか好みなんだが、お前さんはどんなのが好みだ?」
だって、男だもんっ!(可愛くない)


初見の衝撃から立ち直れば、真面目に探索

程度は低いが【念動力】を使い罠がありそうな怪しい場所を確認
【オーラ防御】を過信せず常時注意

漢解除は後々を考えて出来ればやりたくない
だが、必要とあればやろう

根気強く丁寧に、時折好みの品を持ち帰れねぇかなぁ?と不届きなことを考えながら、探索し続けます


アルナスル・アミューレンス
あー、うん。
見た目はどうあれ、肉の盾は有効だよねぇ。
身内なら猶更かぁ。

まぁ、助かるかどうかは置いといて、尻尾掴んで引きずり出しましょうかねぇ。
序でに、貰えそうな物ざっくり回収していきましょうか。
忍び足で、静かに行きつつ、暗視や視力で罠とか怪しい所を見切りましょうか。
奪還者なりの第六感も、働いてくれればねぇ。

普通のヒトの侵入者で、生体をコアに転用するなら、
まあ捕獲系の罠が多いだろうねぇ。
檻とか網、神経系や催眠系のガスだろうねぇ。

まぁ、ガスはこのガスマスクで効かないし、
物理的なモノは怪力で壊すか、それごと『悪食(モラウ)』よ。


あー、薬草も探して、アサルトカーゴに積めたらいいなぁ。



●お下劣な館
 怪しげな美術品が置かれた謎の屋敷。オブリビオンの拠点と聞いて馳せ参じた初志・貫鉄(拳食合一のゴッドハンド・f26667)は、その品のないエロエロな絵画や彫刻を前に、思わず興奮を抑え切れなかった。
「うぉっ、こりゃスゲェな」
 普通、どれだけ裸の女性をモデルにしていても、美術品とはその中に高貴な佇まいを感じさせるものだ。が、しかし、この館に飾られているものに限ってそんな雰囲気は欠片もなく、R18アニメに登場するような女性キャラのフィギュアと大差のないような代物が大半であった。
「なぁ、俺はあのムチムチな裸婦像なんか好みなんだが、お前さんはどんなのが好みだ?」
 思わず他の猟兵達に尋ねる貫鉄だったが、彼らの反応はいま一つ。そもそも、この屋敷には攫われた人々を救出しにやって来たわけであり、エロ美術品を鑑賞しに来たわけではない。
「ノーコメントで。屋敷の趣味が悪過ぎて、危機感が薄れるのですよ」
「まったくだねぇ。……まあ、見た目はどうあれ、罠には注意して行きたいところだけど……」
 露木・鬼燈(竜喰・f01316)とアルナスル・アミューレンス(ナイトシーカー・f24596)の二人は、裸婦像になど興味ないといった様子で、屋敷の扉を開けて中へと足を踏み入れる。エントランスだけでも思った以上に広く、ここからでも様々な部屋へと分岐しているようだ。
 これは、思っていた以上に大変な探索になりそうだ。固まって動いても効率が悪そうなので、三人はそれぞれに手分けして、屋敷の中を探すことにした。

●探索の目的
 エントランスホールから三手に分かれ、猟兵達は探索を進める。屋敷の右側に向かったのは貫鉄だ。初見の衝撃から一転して真面目に探索を続けていたが、しかしともすれば手頃な美術品を失敬しようと考えている辺り、他の二人とは違ってどうにも緩い。
 念を張り巡らせ、罠のありそうな場所を慎重に探すも、今のところは何もヒットするものがない。やはり、美術品を弄らねばいけないのかと思ったが、そもそもどうやって動かせば良いのか分からない。
 一番手っ取り早いのは、彫刻を動かすことだろう。だが、闇雲に動かして罠を起動させてしまうことを考えると、あまりやりたくないという気持ちもある。
 それでは、絵画はどうなのかという話になるが、そもそもどうやって絵から探索のヒントを得れば良いのか分からない。額縁の裏に鍵でも隠してあれば別だったが、そんな絵画は、今のところどこにもない。
 このままでは、何も見つからないまま戻ることになるのではあるまいか。ふと、そんなことを考えながら、何気なく扉を開けて小さな部屋に入った時だった。
「……ん? なんだ、こいつは?」
 部屋の中央に、これ見よがしに置かれた白い台座。その上に鎮座するのは、なんとも露出度の高いコスチュームを纏い、エロティックなポーズで宝石を抱き締める美少女フィギュア。
「お、なかなか、いいもんあるじゃんか」
 このサイズなら、持ち運ぶのも簡単だ。ニヤケた笑みを浮かべながら、フィギュアを手に取った貫鉄だったが……次の瞬間、部屋が物凄い勢いで振動を始め、なんと天井が徐々に下がり始めたではないか!
「げっ! しまった、罠か!!」
 このままでは、フィギュアの置かれていた台座と一緒にペチャンコにされる。慌てて扉に駆け寄る貫鉄だったが、鍵がロックされてしまい開けない。
「く、くそっ……こういう時は……」
 仕方なく、フィギュアを元の場所に戻したところで、なんとか天井の降下は収まった。が、このままではフィギュアを手に入れることができないまま、部屋を出ることになってしまう。
(「むぅ……なんとかして、あれを手に入れられないものか……」)
 頭を捻ること数分、貫鉄は部屋の扉を開け放った状態で台座からフィギュアを取り、天井が落下しきるよりも先に、無事に部屋を脱出した。

●剣と盾
 屋敷の右側に比べ、左側は電気の通っていない場所もあり、薄暗かった。
 暗視ゴーグルを持って来て正解だったと、アルナスルは思った。電気が通っていないとはいえ、それはあくまで電灯だけだ。罠の類はしっかり起動できるようになっているはずなので、油断して足元を掬われることだけは避けたかった。
 とりあえず、使えそうなものを拾って集めようと考えたアルナスルだったが、屋敷の中にあるのは下品な美術品ばかり。拾えたのは薬草が数枚と、後は応急手当てに仕えそうなスプレータイプの止血剤のみ。
「なんだかねぇ……もっと、銃の弾とか落ちてると思っていたんだけどねぇ……」
 残念ながら、そう簡単に武器が手に入るほど甘くはないようだ。それでも諦めずに進んで行くと、なにやら剣を構えた二体の彫像が、左右に置かれている場所に出た。
「……怪しいねぇ。実に怪しい……」
 限界ギリギリな露出度を誇るビキニアーマーを纏った女性の像。片方は剣、片方は盾を持っており、盾の中央には宝石が埋め込まれている。
 あれは、いったいなんなのか。調べようと近づいたアルナスルだったが、彼が一歩を踏み出した途端、二体の彫像はまるで生きているかの如く動き出し、アルナスルに攻撃を仕掛けて来たのだ。
「おっと、危ない、危ない……。まさか、彫像そのものが襲い掛かって来るとはねぇ」
 捕獲系のトラップが多いと踏んでいたアルナスルだったが、そもそもこの洋館は、偏執狂の大富豪が作らせたものである。そこをオブリビオン達が勝手に拠点にしているだけで、別に彼らの都合に合わせて造られたものではない。
 結局のところ、侵入を阻むための罠であれば、なんでもござれといったところなのだ。神経ガスなどの罠もあるにはあったが、それよりも多様で危険なトラップが、屋敷中に仕掛けてある。
「こいつは生き物じゃない……そうなると、命を貰うことはできそうにないねぇ」
 万が一、戦闘になった際のことを考えて用意していたユーベルコードは、ロボットのような心も魂も持たない相手には通用しないものだった。なにしろ、生き物ではないのだから、生命力を吸収しようにも肝心の生命力が存在しないのだ。
 だんだんと、彫像が距離を詰めて来た。このまま、盾の彫像が動きを止め、その間に剣の彫像が止めを刺すつもりなのだろう。
「やれやれ、仕方ない。本当は、もっと華麗に処理したかったんだけどねぇ」
 盾を持った彫像の突進を軽々と避け、アルナスルは続く剣の攻撃に合わせ、怪力を込めた拳を繰り出した。
「「……ッ!!」」
 彫像の動きが、一瞬だけ止まる。怪力パンチで剣を折られたことで、武器を失い処理が追い付かなくなったのか。
 どの道、ここで長引かせるつもりはない。続け様に蹴りを繰り出して彫像の頭を破壊すれば、中から得体の知れない機械部品が撒き散らされ、彫像は倒れて動かなくなった。
「まったく、面倒臭い仕掛けを作ってくれ……おや? なんだ、これは?」
 彫像の近くに転がっていた宝石を拾い上げ、しげしげ眺めるアルナスル。盾に嵌っていたものが、先の衝撃で転がり落ちたらしい。
 こんなものでも、何かの役に立つかもしれない。何故かと尋ねられれば理由は上手く答えられそうになかったが、それでもアルナスルは自分の奪還者としての勘を信じ、宝石を拾っておくことにした。

●イイ感じに弄ります?
 一通りの探索が終わったところで、貫鉄とアルナスルは二階の探索へと向かった鬼燈と、再び合流を果たしていた。
「……で、二人とも、隠し通路なんかは見つけられなかったのかな?」
 収穫なしと戻って来た二人に尋ねる鬼燈。この洋館の美術品を調べる目的は、あくまで敵の本拠地へと通じる道を見つけるための手段である。美術品を回収したり、罠を回避することだけ考えていたりしても、先には決して進めない。
「ん~、まあ僕の方も、さしたる収穫があったわけじゃないんだけどね」
 それでも、この部屋にある裸婦像は壮絶に怪しい。なんだか知らないが、とにかく怪しい。そう言って、鬼燈が指差した裸婦像には……何故か、乳首の部分が存在せず、大きな凹みがあるだけだった。
「なんだ、こりゃ? 陥没乳首の像とか、こりゃまたマニアックな……」
 自分の趣味には合わないと、さしもの貫鉄も辟易した様子で裸婦像を見上げた。この裸婦像、とにかく無駄に巨大で、胸の大きさだけでも人間の頭ほどもあるのだ。
「でも、単に悪趣味な像ってわけじゃないよねぇ。こんな場所にあるんだからさ」
 アルナスルも、裸婦像に何らかの仕掛けがあることは見抜いていたが、しかしそれが何なのかまではわからない。
「とりあえず、探索した時に集めたアイテムも共有しておくのですよ」
 今後の戦いに備えてと、鬼燈がいくつかのポーションを取り出した。この館に生えていた薬草を、濃縮して生成したものだ。緑は体力回復、赤は防御力を上げたり他の薬草の回復効果を高めたりすることができる。青のポーションは毒消しだ。勿論、これも他の薬に混ぜて使っても効果は消えない。
「こっちは、こんなものしか見つからなかったねぇ」
 同じく、アルナスルも薬草と、そして止血スプレーに宝石を取り出して見せた。
「……ん? その宝石は?」
 そんな中、アルナスルの宝石を見た貫鉄が、自分も似たようなものを持っていると、入手した美少女フィギュアを取り出した。確かに、そのフィギュアに抱かれている宝石は、アルナスルの発見した宝石と同じようなものだったが。
「宝石……宝石……あ! もしかして、これはこの部屋で使うものっぽい?」
 突然、何かを閃いたのか、鬼燈が手を叩いて他の二人から宝石を失敬した。そのまま、今度は先の裸婦像の前に立つと、陥没していた胸の窪みに宝石を嵌め込んで。
「あ、やっぱりだ。……よし、後はこんな感じで、宝石の部分を弄るですよ」
 そのまま指で押し込めば、なんともいい具合に宝石がフィットして行く。そして、裸婦像の口が静かに開かれ、その口からなんとも艶っぽい音声が響き渡った。
「Ahaaaaa💕」
 喘ぎ声と共に、裸婦像の口から排出されたのは一本の鍵だ。その鍵を、裸婦像の台座にあった穴に差し込むと……なんと、台座がスライドして下から螺旋階段が姿を現したではないか!
「やっぱり、大当たりだったね。さあ、このまま地下へと急ぐのですよ」
 一階を通り過ぎ、そのまま地下へと伸びているであろう螺旋階段。それを発見した鬼燈が先に下り、他の二人も後に続く。
 美少女フィギュアに女性戦士の彫像に、そして裸婦像。なんとも脈絡のない繋がりだったが、それらが一本に繋がった時、拠点への道は開けたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

楊・宵雪
「攫われた人の性別に偏りがあるのね。…ここはそういうところで、男性たちはハニートラップにでも引っかかったのかしら?

コアにされるという危険が目の前にあるため女性救出優先
攫われた若い男の行方が不明なので気にはしておく

とりあえず敵陣の中で怪我をして動けなくなるのは避けたいので薬草は拾い集める
比較的安全そうな場所で服用してみて危険な副作用がないか確認しておく

方角と入ってきた場所を確認
マッピングしながら進んでいく
入り組んだ箇所は糸を目印にして迷ったら辿れば帰れるように

仕掛けはまず触らず目視で情報収集
操作できるものをまず複数探し
見つかりにくい場所にあるものから動かす

見つかったら海棠の眠りで眠らせて逃げる


夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
何とも生活し辛そうな屋敷ですねぇ。
それでは、気を付けて参りましょう。

『効果弱め・効果時間長め』の『秘薬』を摂取し【霊結】を使用、「観察力」を強化して進みますねぇ。
機械兵さん達が出入りしているのであれば、そのルートには「よく使う痕跡」が残っているでしょうし「罠の無い別の出入口」を使っているなら、其方を探せばよいでしょう。
後は「神経ガス」等の「機械には効果の無い罠」を優先的に警戒しますぅ。
逆に機械は恥ずかしがりませんから、到底口に出せない様な箇所にスイッチが有る可能性も有りますが、その場合は[恥ずかしさ耐性]で何とか?
薬草の方は見分けがついたら確保しますぅ。



●アブない、洋館探索!?
 人が生活するには、あまりに余計な物が多過ぎる謎の洋館。下品な美術品と危険な罠の溢れる屋敷を前に、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は思わず溜息を吐いた。
「何とも生活し辛そうな屋敷ですねぇ」
 こんな屋敷、いったい何の目的で建て……あ、建てたのは偏執狂の富豪だから、一般人の感覚なんて持ち合わせていないのか。
「攫われた人の性別に偏りがあるのね。……ここはそういうところで、男性たちはハニートラップにでも引っかかったのかしら?」
 その一方で、楊・宵雪(狐狸精(フーリーチン)・f05725)は随分と気楽な様子だったが、彼女の見立ては正直なところ甘いと言わざるを得ない。
 そもそも、救助に向かった者達は、男も女も関係なく帰還できなかったのである。そして、男は全て行方不明に、女は全て機械兵の生体コアにされてしまった。
 彼らとて、腐ってもアポカリプスヘルに生きる手練れの奪還者。そんな者達が、果たして救出対象そっちのけで、ハニートラップになど引っ掛かるだろうか?
「それでは、気を付けて参りましょう」
 油断は禁物だと告げ、るこるは秘薬を摂取してユーベルコードを発動させた。途端に、体型が普段の彼女と比べても更に発育の良い……否、むしろ良すぎてはち切れんばかりの状態になるが、探索をするだけなら問題ない。今の彼女は秘薬の効果で、推理力が平時よりも向上しているのだから。
「それじゃ、薬草はこっちで集めておくわ。念のため、帰還ように糸を張っておくわね」
 屋敷のトラップ対策はるこるに任せ、宵雪は主にアイテム回収とマッピングを担当することにしたようだ。こちらから美術品に触れることをしなければ、大半の罠は発動しないのも幸いだった。
「ふむ……思ったより集まったわね。どれ、ちょっと毒見を……」
 回収した薬草を、安全な場所で齧ってみる宵雪。正直、味はお世辞にも美味いとはいえなかったが、しかし軽く口に含んだだけで、体力が少しだけ回復したような気がする。
「緑が傷薬で、青が毒消しってところかしら?」
「こっちには、赤と黄色の薬草も生えてますねぇ。念のため、これも持っていきましょうか」
 薬草の効果を確かめた宵雪に、るこるが新しい薬草を見つけて持って来た。それらも軽く齧ってみるが、単体では効果を発揮しないのか、青や緑の草に比べても変化がなかった。
「まあ、とりあえず副作用なんかもなさそうだし、これは役に立ちそうね」
「ですねぇ……。後は、敵の拠点に向かうための隠し通路を見つけられればよいのですけどぉ……」
 十分な道具が集まったところで、改めて探索再開である。屋敷の中は怪しげな美術品で溢れているが、やはり秘密の通路に通じるものとなれば、その辺の廊下に置かれているものよりも、特別な部屋に設置されているものの方が可能性が高い。
 慎重に歩を進めつつ、やがて二人は美術品の倉庫のような場所に辿り着いた。どうやら、中の美術品の大半は出払っているようだったが、それでもいくつかの絵画や彫像は残されており。
「これはまた……なんとも下品な像を残して行ったものね」
 部屋の奥でM字開脚している彫像を見つけ、さすがの宵雪も顔を顰めた。なんとも下品な裸婦像だったが、その股の間には何故か黒い箱状のカードリーダーが備え付けられており、細かく描写しては拙い箇所はしっかり隠されていた。
「なんだか、むしろ隠してある方が卑猥な気がしますぅ」
 どうせ隠すなら、もっとマシな体勢の像を作れと思うるこるだったが、それはそれ。カードリーダーがあるということは、どこかに鍵となるカードキーもあるはずだ。
 とりあえず、この部屋の中から探してみよう。棚の中や絵画の裏などを探して行くろ、宵雪は一枚の赤いカードを発見した。
「あ、これかしら?」
「さあ、どうでしょう? とりあえず、試してみますねぇ」
 磁気面の部分をリーダーに沿えて、るこるは受け取ったカードを軽く流すように通した。すると、裸婦像の瞳が赤く輝き、部屋の奥の壁が反転して新しい道が現れたのだが。
「Aaaaannn💕💕💕」
 悩まし気な声と共に、裸婦像の口からピンク色のガスが噴射される。辛うじて避けたるこるだったが、このままでは部屋にガスが充満し、呼吸ができなくなってしまう。
「ちょ……な、なんなのよ、これ!」
「どうやら、神経ガスのようですねぇ。おかしなことになる前に、早くあそこの扉から外にでましょう」
 間一髪、隠し扉の向こう側へ避難した二人だったが、これでもう戻れなくなってしまった。今から部屋に戻ったところで、充満した神経ガスに身体をやられ、動けなくなってしまうだけだ。
 この先がどこに通じているかは不明だが、恐らくは敵の拠点へと繋がっているはず。今は、ただそれだけを信じ、二人は隠し通路の奥へと進んで行った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ルナ・ステラ
悪趣味な洋館に機会兵...
嫌な感じがしますが、これ以上被害を出さないように救出がんばらないとですね!

薬草を集めながら、扉を探していきましょうか。

それにしても、あまり目にしたくない美術品が多いですね...
―きゃあっ!?何か降ってきました!?
(もしかして、目を逸らしながら美術品を動かしたときに、罠を!?)

ネバネバしてて気持ち悪いです...
粘液をどうにかしないと動けないです...

―ひゃあっ!?ネバネバが動き始めました!?
纏わりついてこないでよぅ...
(早くどうにかしないと、気持ち悪さで参ってしまいそうです...)
―星霊さん助けて!!

<召喚できたら>
水瓶の星霊さん、綺麗さっぱり洗い流してください!



●地獄のネバネバ罠
 悪趣味な洋館に機械の兵士。しかも、女性をコアにして動くという曰くつき。
 なんとも嫌な組み合わせであるが、しかしこれ以上の被害を出すわけにもいかない。攫われた人々の救出を成功させるべく、ルナ・ステラ(星と月の魔女っ子・f05304)は改めて気合を入れた。
「嫌な感じがしますが……これ以上被害を出さないように、救出がんばらないとですね!」
 幸い、回復のために必要な薬草は、洋館の中で揃えられる。この洋館の環境に適応しているのか、オブリビオンストームが発生し始めてから数年の歳月が経っているにも関わらず、薬草は植木鉢やプランターで元気に生い茂っていた。
 さすがは、崩壊世界に自生する薬草だ。生命力も、アルダワやアックス&ウィザーズの世界で採取できる薬草とは比べ物にならない。その分、少量で確かな薬効が期待でき、様々な用途に使えそうなのは嬉しい限りだが。
「それにしても、あまり目にしたくない美術品が多いですね……」
 直視するのも憚られる美術品を横目に、ルナは目の前の扉をそっと開けた。だが、次の瞬間、部屋に足を踏み入れると同時に、上から何かが降って来た。
「きゃあっ!? 何か降ってきました!?」
 どうやら、目を逸らしながら扉を開けた際、扉の傍に置かれていた美術品を触ってしまったらしい。そんなつもりはなかったのだが、しかし罠は非情にも起動して、ルナの頭上に謎の粘液を降らせたというわけだ。
「うぅ……ネバネバしてて気持ち悪いです……」
 絡みつく粘液をどうにかしないと、このままでは満足に動けない。しかも、どうやら単なる粘液ではないようで、それはスライム生物の如く動き始め、ルナの身体に絡みつき始めた。
「ひゃあっ!? ネバネバが動き始めました!? 纏わりついてこないでよぅ……」
 早くどうにかしないと、このままでは気持ち悪さで頭がおかしくなってしまう。そうこうしている間にも、粘液はルナの服の中にまで入り込み、彼女の柔肌に直接付着し始めたから、堪らない。
「……星霊さん助けて!!」
 こうなったら、もう後は星霊に頼る以外に方法はなかった。苦し紛れにユーベルコードを発動させれば、召喚されたのは古代ギリシア風の白装束を身に纏い、右肩に大きな水瓶を携えた女性だった。
「あ、あなたは……もしかして、水瓶座の星霊さん?」
 数ある星辰の霊の中でも、最強クラスの力を誇る黄道十二星座の星霊を呼び出せたのは幸いだ。これなら、粘液スライムだろうと怖くはない。早く、この粘液を洗い流してくれとルナが頼めば、星霊は水瓶の中から大量の水を噴射して、ルナの身体に纏わり付いていた粘液を洗い流した。
「あ、ありがとうござい……へっくし!!」
 もっとも、そんなことをすればルナ自身も水浸しになってしまうのは当然だった。スライムは追い払えた代わりに濡れた身体が冷えてしまい、暖かいお茶が恋しくなってくる。
「うぅ……あ、あれは?」
 だが、震えながら部屋の中を見回していると、星霊の放った水が一点に向かって垂れているのに気が付いた。
 どうやら、この部屋は普通では気が付かない程度の緩やかな斜面になっているらしい。そして、流れる水の先が辿り着いたのは、抱き枕のような絵柄のイラストが記されたカーペットの方であり。
(「……もしかして!」)
 慌ててカーペットをめくってみると、大当たりだ。そこにあったのは、地下への入り口。カーペットで隠していたものが、水の流れによって発見されたのである。
 ついでとはいえ、これはルナにとって大きな収穫だった。恐らくは、敵の拠点へと通じているであろう地下通路。先に何があるのか分からない不安はあるものの、虎穴に入らずんば虎子を得ずという諺もあるわけで。
「い、行きますよ……」
 慎重に、地下へと続く階段へと足をかけ、ルナは巨悪の待つ施設の奥へと進んで行った。

成功 🔵​🔵​🔴​

枸橘・水織
何故かな?…何となく悪寒を感じるのは…
洋館を探索中…何故か消えない『嫌な予感』…下品な美術品のせいなのか?
…それとも…『この先に待ち受けている展開』を予感しての事なのか?
(現状…どこかシリアスなノリです)

行動

指定UCを使用して洋館内の探索をしつつ進行
【情報収集・視力・学習能力】

基本的に指定UCで創生召喚した妖精に美術品などを調べてもらい、洋館内の仕掛けを確認してから進む
【追跡】は何らかの痕跡(ここの住人(仮称)の移動、美術品の仕掛けの起動…など)を調べる(痕跡を追う)のに活用できるなら活用する

また傷を癒す薬草が役に立つかもしれないと言われていたので、それも妖精にも協力してもらって探す



●重なる視線の謎
 品の悪い美術品が、ズラリと並んだ屋敷の中。探索を進める枸橘・水織(オラトリオのウィザード・f11304)は、嫌な予感でいっぱいだった。
「何故かな? ……何となく悪寒を感じるのは……」
 進めど、進めど、常に誰かから見られているのではないかと思われる不安。アルダワ魔法学園の地下迷宮にも、ガーゴイルのような彫像型災魔がいるが、先程からあれに見られているような感じがして仕方がないのだ。
 もしかすると、あの美術品の中には監視カメラが仕込まれており、こちらの行動は敵に筒抜けなのでは? ふと、そんな疑念が頭を過ったが、何もしなければ当然のことながら先へは進めない。
 とりあえず、個々は自分の力ではなく、他に助っ人を呼ぶべきだ。そう考え、水織はユーベルコードを発動させると、自身の肉体を元に生成した多数の妖精を呼び出した。
「生まれて……小さな私の分身達……」
 光に包まれ生誕した妖精達は戦闘能力こそ持たないが、彼女達の得意とするのは戦いよりも探索の場。下品な美術品に触れさせるのは気が引けるが、贅沢は言っていられない。
 まずは、万が一のことに備え、水織は薬草を集めることにした。幸い、屋敷のどこにでも生えているようで、集めるだけなら苦労はしなかった。
「これだけあれば、十分ね。次は……」
 今度は美術品を調べ、そこに隠された仕掛けを解く。今、彼女の目の前に置かれているのは、背中合わせの姿勢で佇む裸婦像だ。
「何か、動かした跡でもあれば良いのだけど……」
 他にも、何かの痕跡があれば見逃さずに見つけ出してやろうと目を凝らす水織。見たところ、目の前の像は容易に動かせそうで、しかも引き摺ったような跡がある。
「もしかして……これを、こうやって動かせる?」
 軽く身体を使って押し出してみると、なるほど思ったよりも彫像は軽く、簡単に動かすことができた。これなら、痕跡を辿ってそれ通りに動かせば、何か起きるかもしれない。
 慎重に彫像を動かして、水織はそれを壁の際まで移動させた。背中合わせの彫像は、水織に動かされたことで互いに視線を合わせたような状態になっており。
「どうやら、大当たりだったみたいね」
 鍵の外れるような音がしたのを逃さず、水織は目の前の壁を見た。すると、壁の前に置かれていた本棚が横へスライドし、奥からエレベーターの入り口が現れた。
「これ、絶対にどこかへ繋がってるわよね?」
 開閉ボタンを押して中へ入ると、エレベーターは下へと降下し始める。果たして、この先に何が待っているのか。いよいよ強まる悪寒に耐えながら、水織は次なる戦いのために身構えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミツキ・ヨモツ
攫った女性を部品にして動くなんて非道な兵器だよ!
アタシが助けてあげるだから!

屋敷をしらみつぶしに探し回るよ
廊下で切断レーザーが出たり天井が落ちてきたりしたって【不死人】のアタシには怖くないない。

とか言ってたら鍵のかかった扉だ。
周囲には……壁に穴が空いてたりお尻の形の銅像が並んでる?

ピコーン!

つまり穴に頭を突っ込んで鍵を探せってことだね!
よーし!ハーブ、救急箱、銃の弾……あ、あった!

他より穴が小さいからか引っかかって出られなくなったところを巡回中の捕獲機械に捕まり後ろから攻められてお持ち帰りされるのであった。

アドリブ、連携歓迎


リアン・ブリズヴェール
【POW判定】

「なんだか変なお屋敷です」
屋敷の雰囲気や美術品に戸惑いながらも手当たり次第に美術品を触ったり動かしたりして虱潰しに探索していきます

でもいろいろな罠を発動させて機械に捕まってしまいそうです、そうなったらどこに連れて行かれるのかを覚えて連れて行かれた場所で抜け出してほかの人も捕まっていたら助けようとします



●地獄のレーザートラップ
 怪し気な美術品が並ぶ奇妙な屋敷。ともすれば、目を背けたくなるようなデザインの内装を調べつつ、リアン・ブリズヴェール(微風の双姫・f24485)は首を傾げた。「なんだか変なお屋敷です」
 とてもではないが、まともな人間の住んでいる場所ではなさそうだ。仮に人が住んでいたとしても、相当に趣味の悪い者に違いない。
「攫った女性を部品にして動くなんて非道な兵器だよ! アタシが助けてあげるから!」
 同じく、ミツキ・ヨモツ(ネバーモア・f24646)もまた気合を入れて美術品を調べているが、闇雲に触ったところで仕掛けの謎は解けない。むしろ、下手に弄ることで罠を発動させてしまう可能性の方が高く、現に様々な罠が二人へ襲い掛かっていた。
「あら? この音は……」
「……やばっ! 天井が!」
 ある時は、部屋にあった絵画に触れた瞬間、天井が凄まじい勢いで落ちて来たり。
「この銅像が怪しそうですね」
「ちょっと! あんまり迂闊に触ると……って、危ない!」
 また別の時は、彫像に触れたことで罠が作動し、飛んで来る回転鋸に首を刎ねられそうになってしまったり。
 とにかく、主にリアンが仕掛けを起動させ、それをミツキが身を以て庇うことで、辛うじて進むことができていた。
「すみません……。あの、大丈夫ですか?」
 先程から罠に嵌りまくっているミツキを、リアンが不安そうに見つめて尋ねた。そんなに罠の攻撃を食らったら死ぬのではないかと思っているようだが、しかし一度死んでいるミツキにとっては、そこまで深刻な問題ではなかった。
(「まあ、痛いものは痛いから、あまり食らいたくはないんだけどね」)
 とりあえず、身体の一部が吹っ飛んでも再生できるデッドマンであるため、即死の心配だけはない。そう言って、リアンを安心させるミツキだったが……安堵して油断したのか、リアンはついうっかり近くにあったセンサーに引っ掛かってしまった。
「あら? も、もしかして、また!?」
「……ちょっと下がってて。コイツは少し、ヤバそうな罠ね」
 ミツキの表情が急激に曇る。見れば、廊下の奥から壁と壁の間に張られた一筋のレーザーが迫っており、このままでは身体を両断されてしまい兼ねなかった。
「伏せて!」
 言いながら、ミツキは強引にリアンの身体を押し倒した。その上を、緑色のレーザーが不気味な音を立てて通過して行く。あんなものを食らったら、自分はともかくリアンは身体を真っ二つにされて死んでしまう。
『戦闘レベル2と判断。迎撃システムを更新します』
 電子音と共に警報が鳴り、続けて新たなレーザーが放たれる。今度は真上ではなく、真下に一本。それを跳んで避ける二人だったが、次のレーザーはそう簡単に避けられそうになかった。
『戦闘レベル、最大と判断。迎撃を開始します』
 なんと、放たれたレーザーが途中で幾重にも分かれ、格子のような形状になって襲い掛かって来たのだ。
 こんなもの、避けようにも避けられない。なんとかして罠を止めようと模索するミツキの視線に、廊下の奥に置かれた小さな像の姿が飛び込んで来た。
「えーい、当たって砕けろよ! もうどうにでもなーれ!」
 もしや、あの像がレーザーの停止スイッチなのではあるまいか。直感的に察し、ミツキは駆けた。当然、レーザーに真正面からぶつかってしまい、その全身は瞬く間にミンチにされてしまうが。
「ぎゃぁぁぁぁっ……って、まだよ、まだ! い、痛くない……痛くない……」
 さすがは、バラバラにされても再生する不死者だけある。切断された傍から再生して強引に乗り切り、痛みを堪えて彫像に触れると、辛うじてレーザーを停止させることには成功した。
「うぐぐ……な、なんとかなったけど……」
 できることなら、目玉や脳みそを切り刻まれる体験など、これっきりにしたいものだ。肉体的には何ら問題なかったが、あまりに痛みが酷かったので、ミツキは仕方なく道中で手に入れた薬草を使って、痛みを和らげることにした。

●そのお尻、お持ち帰りします
 レーザートラップの廊下をなんとか切り抜け進むと、その先にあったのは奇妙なド銅像の並ぶ部屋だった。
「これはまた……なんとも、おかしな場所ですね」
 銅像は、何故か女性の腹から下……即ち、下半身の部分しか存在しない。その、どれもが尻を強調したポーズをしており、まるで尻のバーゲンセール状態だ。
 その一方で、壁にはなぜか穴がたくさん開いており、奥がどうなっているのかは、外からは容易に分からないようになっていた。
「穴の開いた壁……お尻の銅像……そうか!」
 それらを見て、ミツキが何やら閃いたようだ。きっと、この穴の奥にこそ、先へ進むための鍵があると。
「つまり、穴に頭を突っ込んで鍵を探せってことだね!」
 いや、なんでそんな結論に辿り着く。というか、穴の奥に鍵があると分かったのであれば、別に頭なんぞ突っ込まずとも、何か棒切れでも使って引っ張り出せば良いのでは?
「よーし! ハーブ、救急箱、銃の弾……あ、あった!」
 穴の中へ次々と頭を突っ込んでは、ミツキは目ぼしいアイテムを回収して行く。幸い、どれも今後の戦いの役に立ちそうなものばかりだったが、問題なのは最後の鍵が置かれた穴だった。
「ん……ちょっと、他の穴に比べてキツイわね」
 鍵の置かれていた穴は、他の穴に比べても随分と小さく、胸の大きなミツキにとっては窮屈だった。それでも、強引に身体をねじ込ませて鍵を回収するが、いざ戻ろうとしたところで、唐突に部屋の中へ悲鳴が響き渡った。
「きゃぁぁぁぁっ!」
「な、なに!? もしかして、あの子がまた何か!?」
 自分の見ていないところで、リアンが何かを起動させたのではあるまいか。ふと、そんなことを考えたが、事態はそれ以上に深刻だった。
「は、放してください! あ、いや、そんな……んぐぅっ!!」
 なんと、巡回中の警備機械に発見され、リアンはそれに捕まってしまったのだ。抵抗空しく、手足や口を拘束バンドで縛られて、そのまま部屋の外へと回収されてしまい。
「は、早く助けなきゃ……って、なにこれ!? ちょっと、抜けないんだけど!!」
 慌てて穴から出ようとするミツキだったが、胸と尻がつかえて抜けそうにない。そして、そんな無防備な状態でもがく彼女のことを、警備機械が放っておくはずもなく。
「ひゃぁっ! ちょっと、どこ触って……んひぃっ! やめてぇっ!!」
 穴から引っ張り出そうとする警備機械に、徹底的に尻を攻められてしまう始末。武骨な金属アームで揉まれ、突かれ、挙句の果てには脚まで好き放題に弄られて、散々な目に遭わされた上で引っ張り出され。
「はぁ……はぁ……よ、ようやく抜け……って、なによこれ! は、放して……んぐっ!?」
 リアンと同じく拘束された上で、そのまま屋敷の奥深く、地下に設けられた施設へと回収されてしまったのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

笹乃葉・きなこ
POW/アドリブとかお任せ

うわぁ。他人の趣味をとやかく言うのはアレなんだけどさぁ。
なんだべ、この下品な内装は。

隙があればユーベルコードで使うべ

野生の勘は常に利用、ジャンプは落とし穴など必要な場面で使って

壊せて通路が出来そうなオブジェクトは周りを確認して大丈夫と判断できた時点で怪力でぶっ壊せるか試してみるべ。ショートカット開拓はロマンだべ。

天井から落ちてきそうな罠は、センサーがあるかどうか安全圏を確保した状態でナギナタを振るう

薬草は持ち運べる分必ず確保しておくべ、種類があるか組み合わせで効果がますか試すべ。誰で試す?むろんオラで試すべ。

両手で持ちきれないから谷間に隠すか…?


久遠・翔
アドリブ絡みエロ歓迎
純潔死守


うわぁー…めっちゃ下品な
さっさとこんな所抜けて目的地に向かわなきゃ
選択UCを使い洋館内部をくまなく探します
その間俺自身も動いて調査…って、何で通路の鉢植えに薬草が…?
トイレの中調査すると更に違う色の薬草が…何故ここに置いたし?

影の追跡者も同じく何故そこにある?って感じで薬草を発見したのでそれも回収…緑と赤混ぜた方が回復率よさそうな気がする
本棚の裏に隠し扉が!?(胸像から何かの液体が飛ばされ全身ずぶぬれに)

…幼稚な罠っすね…こん、なん、で…
くっ…こ、これ媚薬っすか…しかも媚薬ガスまで!?
急いで扉に向かいパスワード解析して抜けますが体は発情
隅で自分を慰め重い足取りで進む


クロエ・アスティン
女性を兵器の生体コアにするなんて許せないであります!
戦女神様の名に誓って絶対に助け出してみせるであります!

屋敷の中をマッピングしつつ、飾られている美術品の特徴なんかも記録しておきます
それにしても……本当に品位のない美術品ばかりです
ついでに薬草も採取しておきましょう……何かちょっと形が違うのも生えてますが個体差でありますか?

それにしても行き止まりばかり、これは隠し通路でしょうか?
構造的に一番怪しい部屋に踏み込んで飾ってある彫像を調べてみると……一瞬赤い光が走って何か調べられたであります!?
その後、ブッブーとダメ出し音が鳴って……なんかむかつくであります!

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



●油断大敵
 女性を攫い、兵器の生体コアとして利用する謎のオブリビオン。そんな存在を耳にしたクロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)は、必ずや元凶を倒さんと力を込めた。
「女性を兵器の生体コアにするなんて許せないであります! 戦女神様の名に誓って、絶対に助け出してみせるであります!」
 この屋敷の主がどんな敵なのかは知らないが、どうせ碌でもないやつに違いない。慎重に屋敷の地図を作りながら進むクロエだったが、それ以外の猟兵達は、飾られている美術品の下品さに、思わず目を逸らしたくなっていた。
「うわぁ。他人の趣味をとやかく言うのはアレなんだけどさぁ。……なんだべ、この下品な内装は」
「うわぁー……めっちゃ下品な。さっさとこんな所抜けて、目的地に向かわなきゃ」
 笹乃葉・きなこ(キマイラの戦巫女・f03265)の呟きに、久遠・翔(性別迷子・f00042)が頷いた。今、彼女達の目の前に置かれているのは、金色をした裸婦の像。だが、そこに芸術性など欠片もなく、ともすれば際どいポーズでこちらを誘ったり、あるいはイケない行為の真っ最中にしか見えなかったりするものばかりで、直視するのも憚られた。
「それにしても……本当に品位のない美術品ばかりです」
 さすがのクロエも、これには思わず溜息を吐いた。先程から、どのような美術品があるのかを地図に書き込んでいるのだが、あまりに酷い造形のものが多く、特徴を記載しているだけで恥ずかしくなってくる。
「とりあえず、人手を増やした方が良さそうっすね。その間に、使えそうなものを自分達で集めるっすよ」
 影の追跡者を放ちつつ、翔が言った。実際、屋敷の広さを考えると三人で探索を進めても足りないくらいだったので、この提案は丁度良かった。
「それでは、後は手分けして必要な道具や隠し通路を探すであります」
「賛成だべ。まあ、くれぐれも罠に引っ掛からないよう、注意するだべよ」
 クロエときなこも互いに頷き、それぞれ使えそうなアイテムの収集に向かう。目下の目的は、隠し通路を探しながらの薬草集め。何故、こんな場所に生えているのかは分からないが、回復に必要な道具が現地調達できるのは心強い。
「う~ん……しかし、何で通路の鉢植えに薬草が……?」
 もっとも、遺棄されて何年も経っているにも関わらず植木鉢に生えている薬草を片手に、翔は思わず首を傾げざるを得なかった。
 恐るべしは、アポカリプスヘルに自生する薬草の生命力。荒廃世界で生き抜くタフさを兼ね備えた草は、それこそどんなところでもお構いなしに生えており。
「……今度は、別の薬草がトイレに生えてたっすね……」
 化粧室に置かれたプランターには、青い薬草がてんこ盛り。集められるだけ集めて戻ると、他の二人も手頃な薬草を収集して帰ってきたところだった。
「……何かちょっと形が違うのも生えてますが、個体差でありますか?」
「種類も色々あるし、組み合わせて効果が増すか試してみるべ」
 赤、青、緑に黄色まで。様々な草を集め、それらを煎じてきなこが舐めた。幸い、どの組み合わせでもハズレはなさそうだったが、特に緑の薬草を使った場合、傷の治りが早くなりそうな感じがした。
「なんとなく、赤と緑を混ぜると一番効果がありそうっすね」
 ピンチの時に使えそうだと、翔は赤い薬草と緑の薬草を優先して組み合わせ、煎じながら言った。赤だけでは大した効果もないが、どうやらこれは、他の薬草の効果を高める性質があるらしい。
「それでは、薬草も手に入ったことだし、先に進むであります!」
 当面の回復薬を入手し、猟兵達はクロエを先頭に改めて進む。途中、罠のありそうな場所はきなこが先に前へと出て、薙刀で様子を窺いながら調査を進め。
「……後、こっちの棟で調べていない場所は、この部屋だけだべ」
「それにしても、行き止まりばかりでありますね」
 そろそろ、調べる場所もなくなってきたところで、最後に辿り着いた場所は書斎のような部屋だ。本の大半は既に朽ち果てて久しく、なんとも黴臭い匂いが漂っている。
「なんとなく、この彫像が怪しいでありますね」
 書斎には不釣り合いなデザインの裸婦像を見つけ、クロエが試しに近づいてみた。すると、なにやら像から赤いレーザーのようなものが放たれ、三人の猟兵達の身体をなぞるように移動した。
「な……いったい、なんでありますか!?」
 突然、仕掛けが発動したことで、クロエは驚いて飛び退いた。どうやら攻撃に使われるレーザーではなく、何かをスキャンしていたようなのだが。
『……ピンポーン! 条件に適合しました!』
 翔と、きなこの胸元を赤い光が走った途端、裸婦像の目が輝いて機械音声が告げた。続けて、光はクロエの胸元もスキャニングしたが……しかし、先の二人とは違い、今度はブザーのような音が鳴り響いた。
『ブッブー! 条件に適合しません! 個体の調整が必要です!』
「……なんか、ムカつくであります……」
 自分だけ拒絶されたことで、クロエは怒りに拳を震わせる。機械の求める条件が何かは言われていないが、だいたいの予想は付いているだけに、余計に惨めな気持ちにさせられる。
「まあまあ、そう頭に血を昇らせると、良くないっすよ」
 怒りに任せて裸婦像を破壊し兼ねないクロエに代わり、翔が像の前に出た。この像には、他にも何か仕掛けがあるのではあるまいか。そんなことを考えながら近くの本棚に触れると……棚が横にスライドした瞬間、裸婦像の胸から謎の液体が噴射された。
「本棚の裏に隠し扉が……って、冷たっ!!」
 哀れ、避けることができず、翔は全身がびしょ濡れに。もっとも、濡れた以外は特に代わりもなく、衣服が溶かされたり皮膚が焼かれたりすることもなかったようだ。
「だ、大丈夫でありますか!?」
「平気っすよ。それにしても、幼稚な罠っすね……こん、なん、で……」
 慌てて駆け寄るクロエに余裕の表情を見せる翔だったが、しかしどこか様子がおかしい。心なしか全身が紅潮し、身体も震えているような。
「本当に平気だべ? 必要なら、薬草を使った方がいいだべよ」
 解毒に使うならこれが最適だと、きなこは胸の谷間から青い薬草を取り出して翔に渡した。それを乾いた笑顔で受け取りつつ、翔は問題ない風を装った。
「それじゃ、先に進むとするべ。その前に……この悪趣味な像は、念のためブッ壊しておくべ」
 先に進む際、後ろから変な液体をかけられては堪らない。拳を構え、きなこの怪力パンチが下品な裸婦像をブチ壊す。ついでに、隠し扉のカードリーダーも殴り飛ばして破壊すると、強固なはずの電子ロックを、半ば強引に突破した。
「ふははは! やっぱり、ショートカット開拓はロマンだべ!」
 通路さえみつかれば、先に進むのに鍵など必要ない。豪快に笑いながら進むきなこだったが、そんな彼女に、翔はクロエと一緒に先に進んで欲しいとだけ伝え。
(「はぁ……はぁ……。こ、これ……もしかして、媚薬っすか……」)
 自分の身体がおかしくなっていることに気付き、翔は他の二人を先行させつつ、そのまま床に崩れ落ちてしまった。
 正確には、像から放たれたのは媚薬ではない。全身の感覚を鋭敏にするための薬品だったのだが、しかし呪いにより腹部に刻まれた淫紋が、よりにもよって薬品のせいで活性化してしまったのだ。
(「うぅ……こ、こんなこと、している場合じゃないっすけど……」)
 身体の疼きが止まらず、翔は本棚の影に身を隠すと、自分で自分を慰める他になかった。それでも、このまま続けていればエンドレスで絶頂するだけと知っていたので、きなこから受け取った青い薬草を磨り潰し、自分の恥ずかしい部分に塗りたくって、強引に自らを奮い立てた。
「……な、なんとか……治まったっすね……。は、早く、二人を追い掛けないと……」
 辛うじて薬品の効果から脱せたものの、体力の消耗が思ったより激しい。こんなことなら、緑の薬草も貰えばよかったと後悔しつつ、ふらつく足取りで仲間の後を追いかけた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

玉依・紅
【ジュエル】
お姉ちゃん達に従ってブレザー制服のままついていくね
「でも、変身しないで大丈夫かな…?」
少しだけ不安

「こういうの嫌だなぁ…?」
えっちな格好の胸の大きな像を見ると、あたしや蒼お姉ちゃんがされているみたいで…(震え

「って、お姉ちゃん達?!」
翠お姉ちゃんと藍お姉ちゃんが罠にやられてて、蒼お姉ちゃんに言われて触らず見ていたけど、蒼お姉ちゃんまでが…!
「お姉ちゃん達を助けなきゃ!」
下手に触ると巻き込まれそうだし、こうなったら変身して…
…と思った矢先に、媚薬ガスを吸い込んでしまって
変身キャンセルで、気付いたら背後から忍び寄った機械の触手に後ろから貫かれて意識を失って
そのまま姉妹4人捕まっちゃう…


玉依・蒼
【ジュエル】
「そうね…まだ変身の必要もないと思うし…」
変身後の姿は恥ずかしいので翠の提案に乗って、ブレザー制服姿のまま探索を

「気持ちはわかるけど、翠、落ち着いて…ってほらぁ?!」
捕まった女性陣を助けたい気持ちは一緒だけど、私としては妹たちも守らないと…って思ってたのだけど、翠も藍も罠にかかってしまって
「紅は余計なところ触っちゃだめよ?!」
罠にかかった2人を助けにいくわ

…でも、2人に絡みつく機械の触手みたいなのを外そうともがいていたら、私のスカートの中にまで入ってきて…しかも何か注射されて急に力が抜けて
「やめ、ダメ……そんな、ところ……触ったら…」
全身弄られて刺激に悶えたまま意識を失ってしまい…


玉依・藍
【ジュエル】

「変身できれば、もう少し安全なのだけどしかたないわね」
と、ブレザー姿のまま潜入。

「生体コアなんて、させるわけにはいかないわ」
と、静かな気合い。

それにしてもほんとに胸にしか興味がないのね。

でも、ということは、隠し部屋へのギミックは、
胸に関わるところにあるって考えていいわよね。

とりあえず薬草っぽいのは集めておくとして……。
なんだかこの彫刻の胸のところ、妙にリアルね。これかしら?

調べていたら、翠さんがトラップに!?
慌てて胸の先端を触ってしまったら、こちらからもトラップが!

媚薬ガスに巻き込まれ、胸の先端に針を打たれ、
後ろの穴は抉られて、失禁絶頂してしまい、
気を失って連れ去られてしまいます。


玉依・翠
【ジュエル】

「まずはエネルギー消費を抑えるために、変身せずに屋敷の探索をしましょう、蒼ちゃん、藍ちゃん、紅ちゃん」

変身前のブレザー制服姿で洋館に侵入し、先へ進む道を探します。

「魔法戦士として、女性たちをさらう悪漢を許すわけにはいきません!
一刻も早く助け出さないと!
……って、きゃあっ」

気が急いたのがいけなかったのか、うっかり触った美術品から伸びてきた機械アームに捕まってしまい……

「あっ、いやぁっ」

媚薬ガスを浴びせられながらワイシャツやスカートの中を機械のハンドアームにまさぐられてしまい……

「あっ、ひゃああんっ!」

頭の中が真っ白になって意識を失い、そのまま屋敷の奥へと運ばれてしまうのでした。


剣ヶ峰・黒耀
【ジュエル】

仲間を追いかけてきたけど、変身しないと病弱気味だから息が荒くすぐへばるから追いつけない
ぜぇーはー、ぜぇーはー……ごほっ、ごほっ!
……消耗気にせず変身した方が、実は逆に消耗少なくて楽だった?

4姉妹の声が聞こえて漸く追いついた……と、思ったら一気に騒がしくなって、そして静かになった
……これは、拙い予感。今までの経験上、黒の救援が間に合わないパターンかもしれない
罠探しに使ってた棒を杖代わりに急いで、その場に行くけど……誰もいない
でも、何かがあった痕跡は、ある
なら変身して捜索しようとした瞬間……
4人姉妹を襲った罠が黒一人に対して襲い掛かるオーバーキル
黒は、一番酷い状態で連れ去れることに……



●そんな装備で大丈夫?
 謎の機械兵に攫われ、生体コアにされた女性達を助けるべく、アポカリプスヘルに舞い降りた少女達。
 魔法戦士ジュエルフラワーズ。彼女達は、荒廃した世界に咲く希望の花……に、成り得るのだろうか。とにかく人数だけは多いため、調査の効率だけは期待できそうだが。
「まずはエネルギー消費を抑えるために、変身せずに屋敷の探索をしましょう、蒼ちゃん、藍ちゃん、紅ちゃん」
 三女である玉依・翠(魔法戦士ジュエル・エメラルド・f26913)が、二人の姉と、そして年子の妹に告げた。彼女達4人は姉妹であり、それぞれが宝石の力を持った魔法戦士に変身できる。
 だが、当然のことながら、何の代償もなしに変身できるわけではなかった。変身して行動すれば、それだけ魔力を消耗する。その結果、ボスと戦っている間にガス欠になって、変身が解けてしまっては堪らない。
「そうね……。まだ変身の必要もないと思うし……」
 長女の玉依・蒼(魔法戦士ジュエル・サファイア・f26990)は、変身後の姿が恥ずかしいことも相俟って、特に意見もせず翠の案に賛同した。
「変身できれば、もう少し安全なのだけど……しかたないわね」
 同じく、次女の玉依・藍(ジュエル・アクアマリン・f26912)も、渋々と翠の提案に頷いた。慎重派の藍からすれば、変身することで突発的なトラブルを防ぐ方が良かったのかもしれないが、しかし長期戦も想定される今回の任務では、やはり途中の魔力切れが一番恐ろしい。
「でも、変身しないで大丈夫かな……?」
 そんな中、四女の玉依・紅(魔法戦士ジュエル・ルビー・f26914)だけは、どこか不安そうな表情のまま、3人の姉の後をついて行く。戦闘中の魔力切れが拙いことは頭で理解しているものの、魔法戦士に変身しないばかりか、普段の学校に着て行くブレザーの制服姿では、やはり心許ないものがあるようだ。
 ここはアポカリプスヘル。モヒカンヒャッハーや、恐ろしいゾンビや、他にも意思を持った戦車だの謎のクリーチャーだのが跋扈する世界。
 せめて、迷彩服とか防弾チョッキとか、もっとマシな戦闘服は用意できなかったのか。慌てて洋館に足を踏み入れてしまったことを後悔したが、ここまで来てしまった以上、もはや引き返すのも危険である。
 結局、他に良いアイデアも浮かばないまま、4人は洋館の中を色々と探索して回るしかなかった。途中、やたら下品なポーズの美術品が目に入る度に、紅はなんとも嫌な気持ちにさせられた。
「うわぁ……こういうの嫌だなぁ……?」
 セクシーポーズを決めている裸婦像ならまだしも、中には明らかに暴漢に襲われていたり、強引にエロいことをさせられていたりする絵画や像もあり、見ているだけで自分や姉が同じことをさせられているような錯覚に陥ってしまう。
「とりあえず、薬草は集めておきましたよ」
「ありがとうございます、藍ちゃん。後は……あそこの階段が、怪しいですね」
 廊下の端に設けられた地下への階段。なんとも不気味な雰囲気が漂う入り口を見つけ、翠が指差した。
「えっ……あ、あそこを降りるの……?」
 薄暗く、先の見えない階段の雰囲気に、怖気づく紅。しかし、ここで臆しては始まらないと、蒼は長女として紅の背中を押しながら鼓舞した。
「大丈夫、大丈夫。先に私たちが降りるし、皆で行けば怖くないから」
「うん……そうだといいんだけど……」
 姉に手を引かれる形で、仕方なく階段を下って行く紅。打ちっ放しのコンクリート壁から冷たい空気が伝わって、紅は鳥肌を立てながら軽い悲鳴を上げた。

●戦う前から大ピンチ!?
 階段を下り、薄暗い道を抜けると、ジュエルフラワーズの面々は、いつしか下水道のような場所に辿り着いていた。
 溝を流れる茶色い液体からは、なんともいえぬ不快な匂いが漂って来る。汚物というよりも、何かの薬品が溶け込んでいるようであり、別の意味で触れてはいけない雰囲気でいっぱいだ。
 天井を仰げば、そこには無数のパイプが縦横無尽に張り巡らされており、時折、結露によって生じた水滴が落ちてきてヒヤリとさせられる。
 どう考えても、洋館の設備とは思えない場所。もしかすると、ここは敵の本拠地に最も近いのかもしれないが……しかし、こんな場所にも下品な美術品は置かれており、胸の先端や股間から廃液を垂れ流す巨乳の裸婦像が、否応なしに目に留まった。
「それにしても、ほんとに胸にしか興味がないのね」
 半ば呆れながら、藍は何気なく正面を見た。そこは開けた場所になっており、冷たい金属製の板で作られた床と、謎のアームやパイプが絡み合った壁や天井によって覆われていた。
「……あら? あんなところにも、彫刻……いえ、レリーフと言った方がいいのかしら?」
 その壁に新たな美術品を見つけ、藍は慎重に近づいて行った。胸に関する美術品が多いということは、隠し通路の入り口も、胸に関する何かがヒントになっているはず。そして、この場所が明らかに洋館とは異なる雰囲気であることから、あのレリーフが何らかの鍵になっている可能性は極めて高い。
「なんだか、この彫刻の胸のところ、妙にリアルね。これかしら?」
 今までになくリアリティのある胸を怪訝そうに眺めつつ、藍は何気なくそれを指で突いてみた。瞬間、彼女の指に柔らかな感触が伝わり、同時にレリーフと思われた物体がくぐもった声を上げた。
「ん……ぶふぅ……」
「ひゃっ! な、なんなの、これ!?」
 思わず飛び退いた藍が見上げれば、レリーフだとばかり思っていた美術品が微かに動いている。目隠しと猿轡をされた巨乳女性の彫刻。そう思っていたものは、しかし彫刻などではなく。
「下がって、藍ちゃん! それ、本物です!」
 レリーフの正体に気付いた翠が叫び、藍を押し退けた。そう、レリーフだと思われていたのは、本物の女性。全身に銀粉を塗られ、目隠しと猿轡をされた状態で、胸だけ曝け出されて拘束されていたのだ。
「魔法戦士として、女性たちをさらう悪漢を許すわけにはいきません! 一刻も早く助け出さないと……って、きゃあっ!?」
 慌てて助け出そうとする翠だったが、しかし気が急いたのがいけなかった。うっかり、捕縛されている女性に触れたことでブービートラップが発動してしまい、壁から伸びて来たアームに捕獲されてしまったのだ。
「あっ、いやぁっ」
 四肢を拘束されたまま謎のガスを浴びせられ、おまけにワイシャツやスカートの中を機械のハンドアームでまさぐられてしまう。冷たい機械の先端が胸の先や、果てはもっとイケない部分へと伸びて行き、そこを乱暴に刺激して行く。
「あ……い、痛……! や、やめてくださ……ひゃんっ!!」
 せめて、変身していれば脱出できたかもしれないが、今の翠にはアームの拘束から逃れる術がなかった。これは拙いと救出に向かう藍だったが、彼女もまたうっかり拘束されている女性の胸を触れてしまったのが拙かった。
「このシステム……もしや、これも女性を動力に……って、きゃっ!」
 罠の仕組みに気付いたまでは良かったが、その動力である女性を助け出そうとすれば、新たなるブービートラップが発動するのだ。哀れ、翠と同様に手足をアームで拘束された藍の胸に、謎の液体を湛えた注射器の針が迫り。
「……ひっ! な、なによこれ!? や、やめて……あぅっ!!」
 謎のガスを吹き付けられると同時に、胸の先端に注射針を突き刺され、謎の液体を注入されてしまった。途端に、頭の中を凄まじい快感が駆け巡り、藍はもう何も考えられず。
「ああ、お姉ちゃん達が!」
「私が助けるわ! 紅は余計なところ触っちゃだめよ!?」
 このままでは、ミイラ取りがミイラになってしまう。その場を動かぬよう紅に指示し、残る二人の救出に向かう蒼だったが。
「くっ……この機械触手、なかなか手強……ひゃぁっ!!」
 二人の拘束を外そうと奮闘していた矢先、スカートの中に入り込んで来た触手によって、彼女もまた足を封じられてしまった。
「こ、この! いい加減に、離れ……あぅっ!!」
 おまけに、藍と同じく謎の液体も注射され、その瞬間に蒼の身体から力が抜けた。こうなってしまっては、もう抵抗することは敵わない。謎のガスを吹き付けられながら、機械のアームと触手によって蹂躙されるだけだ。
「そ、そんな……蒼お姉ちゃんまで……」
 最後に残されたのは、紅一人。とてもではないが、素手であの機械に敵うとは思えない。
「こ、怖い……。でも、お姉ちゃん達を助けなきゃ!」
 こうなったら、変身して一気に片づけるしかない。覚悟を決め、魔法戦士としての力を解放しようとする紅だったが、しかし部屋そのものが敵となっている空間で、無防備に変身しようとするのはあまりに悪手だ。
「行くよ! ルビー・ジュエル・リリー……ゲホッ!? ちょ……な、なに、これぇ……」
 案の定、変身する瞬間を狙って謎のガスを噴射され、変身前に倒されてしまった。そこを逃さず、機械の触手が伸びてきて、紅の身体を後ろから貫いた。
「あぁ……く、紅……」
 薄れ行く意識の中で紅へと手を伸ばす蒼だったが、しかし捕まった状態ではどうにもならない。そうこうしている間にも、先に捕縛された翠や藍への攻めは更に激しさを増し、とうとう彼女達もまた限界を迎えた。
「あっ、ひゃああんっ!」
「ちょ……そ、そこはお尻……あひぃぃぃっ!!」
 ハンドアームの攻めに屈した翠が白目を剥いて意識を失い、後ろから巨大な棒で貫かれた藍もまた、我慢の限界を迎えて失禁したまま気絶した。
 かくして、洋館を訪れた四姉妹は、魔法戦士に変身することもできないまま、機械アームによって施設の奥まで回収されてしまったのである。

●遅れた真打?
 玉依の四姉妹が、揃って機械アームに虐められているのと同時刻。誰もいない洋館を、一人疾走する影があった。
「ぜぇーはー、ぜぇーはー……ごほっ、ごほっ!」
 剣ヶ峰・黒耀(魔法戦士ジュエル・オブシディアン・f26917)。彼女もまたジュエルフラワーズのメンバーだったが、玉衣四姉妹に置いて行かれてしまったのだ。
 理由は単純。黒耀はメンバーの中でも病弱な方であり、変身しなければ足手纏いになるのは明白だった。短期決戦であればまだしも、今回の様に長時間の探索を経て連戦になるであろう任務には、決定的に向いていないのだ。
 だが、それでも黒耀が敢えて自ら洋館を訪れた理由は何か。それは、今までのパターンからして玉衣四姉妹が、何らかのピンチに陥っていることが予測できたからである。
 そもそも、考えてみて欲しい。ヒーロー戦隊だって、5人揃わねば必殺武器も使えないし、巨大ロボも呼べないのだ。ジュエルフラワーズには合体攻撃も巨大ロボもないが、それでも戦力を小出しにして全滅しては意味がない。
「はぁ……はぁ……。こんなことなら、消耗気にしないで変身した方が楽だった……かも……」
 病弱な身体で、しかし変身せずに洋館内を駆け回るのは、黒耀にとっても苦痛だった。それでも、仲間の身を案じる一心で地下への通路を発見し、そのまま下って行ったのだが。
「あの声は……どうやら、追い付けた……!?」
 聞き覚えのある声がしたと思ったら、急に騒がしくなり、そして静かになったことで、黒耀の背中を冷たいものが走った。
 これは拙い。今までの経験上、自分の救援が間に合わないパターンだ。それでも、ここで仲間を見捨てるわけにはいかないと、無理を押して下水道の奥へと足を進めると……果たして、そこには金属アームの設置された壁があるだけで、他には誰もおらず、また何もなかった。
「誰もいない……。でも、何かがあった痕跡は、ある。だったら……」
 ここは、変身して調べるべきだろう。意を決し、魔法戦士としての姿になろうとする黒耀だったが、少しばかり見立てが甘かったようだ。
「……なっ! し、しまった!?」
 突然、天井から伸びて来た金属触手によって後ろ手に縛り上げられ、そのまま宙吊りにされてしまった。それだけでなく、今度は謎のガスを情け容赦なく吹きつけられ、果ては胸に謎の液体を注入され。
「ひぐっ! や、やめろ……な、なにを……注射した……」
 頭の中が真っ白になりかける中、今度は注入した薬液を馴染ませるためだろうか。壁から伸びて来た金属アームが黒耀の胸を鷲掴みにし、盛大にもみほぐし始めたのだ。
「くっ……は、放せ! この……あぅっ!」
 必死に暴れて抵抗するが、元より病弱な黒耀の力ではどうにもならない。そのまま、金属アームによって足を強引に開かれ、敏感な部分を乱暴に刺激され。
「ひぁっ!? そ、そこは……あ、待て! なにをす……んぐぅっ!?」
 続けて、今度は後ろから尻を棒で貫かれ、果ては口の中にまで金属触手を突っ込まれて、油のような苦い液体をたっぷりと注がれてしまった。
「ぶふっ! ぐぅ……んんぅ……がはっ!!」
 全身を余すところなく攻め立てられ、悶絶する黒耀。それは、この場所で捕まった玉衣四姉妹が受けた責め苦を、全て一人で受けるに等しいもの。
 身体の弱い黒耀にとっては、もはや完全なオーバーキルだった。救出に向かうどころか、今までで一番酷い状態で捕縛され、黒耀もまた施設の奥に連れ去られてしまった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

彩波・いちご
【恋華荘】
「さすがにこういうのはどうかと思います…」
美術品…なんて呼びたくもないモノにうんざりとしつつ、慎重に探索を
「2人とも気を付けて…って言ってる傍からアイさーん?!」
「ていうかアシュリンさんまで?!」
アイさんのドジは予想してましたが、まさか2人揃って(遠い目

2人が発動させた罠で服をはぎ取られるのを見て、助けに行きますが…もちろん私も巻き込まれて、私は2人に挟み込まれる形で纏めて縛られ…
「うぅ…動けな…い」
私の顔がアイさんの(薄い)胸に押し付けられる格好になり、頭の後ろにはアシュリンさんの(柔らかい)胸の感触が…
なんとか逃れようともがきますが…もがけばもがくほど状況悪化していくような…


アイ・リスパー
【恋華荘】
「むー、なんですか、この品位の感じられない美術品はっ!」

べ、別に羨ましい訳じゃないですからねっ!(つるぺたーんな自分の胸を見下ろしつつ

「とにかく、いちごさんもアシュリンさんも気をつけてくださいね。
どこに罠があるか分かりませんから。
……あ」(かちっ

アシュリンさんと一緒に罠を起動させてしまい、現れたメカ触手に絡めとられてしまい……

「あっ、いやぁっ」

上半身の服と下着を奪われて……

そのまま、アシュリンさんと、いちごさんを挟み込むように密着させられてしまい……

「やっ、だめっ、いちごさん、そんなところ舐めないでっ」

アシュリンさんの胸(ある)と私の胸(ない)でいちごさんの頭を挟み込むのでした。


織笠・アシュリン
【恋華荘】
いちごには異性として好意

うぇ、この趣味はちょっと引く……
でも、いちごもこういうの好きだよね?
ともあれ、罠になんて引っかからないよ!(フラグ)

【影の追跡者の召喚】!
先に行かせて、行く手の罠を見つけさせるよ
これで先の安全は確保かな(カチッ)
しまっ、足元は考えてっ……!?

突如現れたメカ触手に、胸を強調するように全身絡まれる……!
実は割とある胸の形を思い切りいちごに見られることに……
更に服も剥がれて姿勢も変えられ、あたしとアイの胸でいちごの頭を挟み込まされちゃうよ
「こ、こらぁっ、動いたら……んぁっ!」
触手やいちごが動く度に色々こすれて、触られて、変な声出しちゃう……



●ドジっ子と触手
 謎の洋館の全貌は、猟兵達の調査によって、着々と明らかにされていた。
 この屋敷の地下には、どうやら敵の本拠地があるらしい。見た目こそ古びた屋敷だが、しかし地下の施設は生きており、なかなかハイテクなシステムが使われているようだ。
 無事に罠をやり過ごして突入できた者もいるが、中には罠に捕まって、そのままお持ち帰りされてしまった者達も多い。そんな目に遭っては堪らないと、慎重に歩を進める恋華荘の面々であったが……あまりに下品な美術品の数々に、アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)は我慢の限界だった。
「むー、なんですか、この品位の感じられない美術品はっ!」
 卑猥なポーズに卑猥な造形。その、どれもが気に入らないが、特に胸が気に入らない。どれもこれも、やたら胸元を強調した巨乳ばかりで……あ、いや、別に羨ましいとか、そういうわけではありませんよ?
「うぇ、この趣味はちょっと引く……」
 全身金色の、どう見てもイケない行為の真っ最中な像を見て、織笠・アシュリン(魔女系ネットラジオパーソナリティ・f14609)も顔を顰めた。セクシー系のフィギュア等は見たことがある者の、さすがにここまで露骨に酷い代物ではなかった気がする。
「あ、でも、いちごもこういうの好きだよね?」
「いえ……さすがに、こういうのはどうかと思います……」
 アシュリンに尋ねられた彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)が、辟易した様子で返した。普段であれば、ちょっと戸惑って恥ずかしがるところだが、こうも下劣な代物ばかりが並んでいると、恥ずかしいを通り越して、むしろ不快なだけである。
 とりあえず、美術品の造形に関してはノーコメントで進んで行く。すると、いつしか3人は、無機質な金属板や金属パイプに覆われた、地下の部屋へと辿り着いていた。
「えっと……ここは、本当にお屋敷の中なんでしょうか?」
 随分と場違いな場所に出てしまったことで、いちごが思わず首を傾げた。
 彼らは知らないのだ。以前、この場所を先に訪れた魔法戦士の少女達が、何の抵抗もできないまま、金属触手によって攫われたのを。
「なんだか変な場所だね。影を先に行かせて、行く手の罠を見つけさせるよ」
 部屋の壁や天井を調べさせるべく、アシュリンが影の追跡者を放つ。同じく、アイも他の二人に注意を促しつつ、自らも部屋の調査を開始した。
「とにかく、いちごさんもアシュリンさんも気をつけてくださいね。どこに罠があるか分かりませんから……あ」
 そして、一歩を踏み出した瞬間、なにやら不穏な音が。それに気付いたアシュリンが、慌ててアイに駆け寄るが、もう遅い!
「ちょっと、なにやって……しまっ……足元は考えてっ……!?」
 よりにもよって、二人揃って床のスイッチを踏んでしまい、盛大に罠を起動させてしまった。身構える暇もなく、二人に襲い掛かる金属触手。まあ、ドジっ子とラッキースケベが同席している時点で、どう考えてもこういった展開になる。巻き込まれたアシュリンは、哀れとしか言いようがないのだが。
「2人とも気を付けて…って言ってる傍からアイさーん?! ていうか、アシュリンさんまで?!」
 残されたいちごが叫ぶも、二人は既に金属触手に捕まった後だ。アイのドジは予想していたが、まさかアシュリンまで巻き込まれるとは。
「ちょっと、やめ……きゃぁっ!」
「あっ、いやぁっ」
 哀れ、金属触手によって服も下着も剥ぎ取られ、そのまま身体を締め付けられてしまうアイとアシュリン。こうしてはいられないと、救助に向かういちごだったが、身一つで機械の罠に立ち向かうというのは、あまりに無謀。
「二人とも、今助け……ひぁっ! そ、そんな、私まで……」
 当然、金属触手はいちごのことも絡め取り、そのまま三人を纏めて締め上げて来た。
「うぅ……動けな……い」
 アイとアシュリンに挟まれてしまったことで、もはやいちごは身体を動かすこともできない。その一方で、アイの胸にはいちごの顔が押し付けられており、息をする度に敏感な部分に唇が当たってしまい。
「やっ、だめっ、いちごさん、そんなところ舐めないでっ」
「す、すみませ……で、でも、このままだと窒息して……」
 こうなったら、多少苦しさは増すが、鼻だけで呼吸する他にないか。そう、いちごが考えた矢先、今度は後ろからアシュリンの胸が押し付けられた。
「こ、こらぁっ、動いたら……んぁっ!」
 アイに比べて胸の大きなアシュリンは、触手によって胸を強引に搾られている。そんな状態で、いちごの頭に胸を押し付けられてしまっては、思わず変な声が漏れてしまい。
「……んぐっ!? も、もが……むぐ……!!!」
 いちごに至っては、前後からの大小おっぱいサンドイッチで、完全に呼吸困難状態だ。このままでは、おっぱいに挟まれて確実に死ぬ! 嬉しいけど嬉しくない、正に今までにない大ピンチ!
「きゃっ! こ、今度は何が……ひぃっ! ひ、引っ張らないでください!」
「こいつら、あたし達をどうするつもりで……ひゃんっ!!」
 なんやかんやで、結局最後はいつもの恋華荘である。その後も触手によって散々に嬲られながら、三人は部屋の奥へと連れ去られてしまった。 

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『量産型サイバー・メイデン』

POW   :    デスリップレーザー
【口内から放たれる極太レーザー】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    生命エネルギー弾連射
【両腕と両胸のエネルギー砲】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    生体ユニット活性化
【生体ユニットに刺激を与え、エネルギー吸収】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。

イラスト:V-7

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

●おぞましき研究施設
 下品な美術品に仕込まれた仕掛けを攻略し、猟兵達は洋館の地下にある研究施設へと辿り着いた。
 世界は崩壊し、洋館の主も既に没したであろうにも関わらず、施設は未だ稼働している。管理を行っているのは全て機械兵であり、その中央には捕らえられた女性達が、生体コアとして組み込まれていた。
「くっ……こいつ! 放しやがれってんだよ!」
 見れば、勝気な性格の女性奪還者が、両手に枷を嵌められたまま天井からクレーンで吊るされていた。他にも、同じような姿にされた女性達が吊るされており、それらは天井に張り巡らされたレールによって、奇妙な機械の前に運ばれて行き。
『……生体データ確認……。コアの素材として最適と判断。処理を実行します』
 胸元を赤い光でスキャンされ、他にも怪しげな装置で全身を調べられたところで、そのレイダーは衣服を剥ぎ取られて稼働していない機械兵の中へと押し込まれた。
「なっ……や、やめろ! 嫌だ! アタシはこんなやつの燃料になんか……んぐぅ!?」
 懸命に抵抗する女性奪還者だったが、そんな彼女の身体に機械兵から伸びて来た金属バンドが纏わり付き、更には全身のあちこちに注射針のようなものを差し込まれたことで、彼女は意識を失い動かなくなった。
 もはや、抵抗する意志さえ奪われた女性奪還者は微動だにせず、彼女を燃料として、やがて新たな機械兵が起動する。そうしている間にも、今度は別の女性がクレーンに吊るされて運ばれて来たのだが。
「うぅ……ひくっ……も、もう嫌ぁ……。お家に帰りたいよぉ……」
 運ばれて来たのは、目に涙を浮かべた少女だった。そんな彼女に対しても、機械は非情にスキャンを始め……しかし、先の女性とは異なる結論を下して宣告した。
『……生体データ確認……。コアの素材として、発育面で不適と判断。生体コアの負荷に耐えられるよう、成長促進処理を実行します』
 機械の音声に合わせてクレーンが少女を運んだ先は、なにやら巨大な培養カプセル。その中に放り込まれた少女の胸に、まずは多数の注射針が打ち込まれ。
「ひぁっ! い、痛……や、やめて……がぼ……げぼ……」
 痛みに泣き叫ぶ暇もなく、今度はカプセルの中を不気味な液体が満たして行く。その上で、口の中にチューブを突っ込まれ、少女はフォアグラのガチョウの如く、強引に成長を促進されるだけの存在と化してしまった。
 見れば、既に処理が終わったのか、端のカプセルからは胸が大きくなった別の少女が引っ張り出され、先の奪還者と同じく機械兵の生体コアにされてしまっていた。どうやら、ここは機械兵の生産プラントのような場所らしく、攫われた女性達は悉く、その発育段階によって機械兵のコアとして処理されているようだ。
 このまま放っておけば、敵はますます戦力を増強させ、更なる悲劇の連鎖が繰り返されるに違いない。攫われた男性の姿が見えないのは気になるが、猟兵達の中にも捕まってしまった者がいる以上、ここで放置しておくわけにもいかない。
「……侵入者、確認。生体データ、戦闘レベル、測定……」
「生体コアの素体として最適な存在を複数確認……。捕縛と排除を開始する……」
 猟兵達の接近に気が付いた機械兵が、一斉に迎撃態勢に移行し始めた。こうなったら、もう戦うしかない。人間を動力にする忌まわしき兵器を破壊して、捕らわれた仲間や攫われた女性達を救出するのだ!
リアン・ブリズヴェール
【アドリブ歓迎】

「うぅ……どうにかしないと」
連れて来られた生産プラントで発育面不足と判断されて、胸に注射を打たれ苦痛に悶えながら培養カプセルに入れられ口の中にチューブを入れられ処理されそうです……そしてそのまま生体コアにされて……

でも、生体コアにされたら【オルタナティブダブル】でファムを召還し、さらにファムに【魅了変化】で4歳の魔法少女姿となって注意を引き付けてもらいます、その上で自分は【ソウルマリオネット】を使って魂となって浚われた女性達を次々と解放していきます

でも数の不利でファムが捕まり、自分も特殊タイプのサイバーメイデンに捕獲されてしまえば2人揃って処理されて1つの生体コアにされそうです


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
成程、こういう状況ですかぁ。
間違ってもあの注射を打たれるわけには(ぷるぷる)

「救助」「対処」の両面から、彼女達を機械から切り離すのが良さそうですかねぇ?
【紘器】を使用、『F●S』3種の複製を大量に形成しますぅ。
『FBS』は「接続用のバンド」狙って切り離すことを重視、場合により「機械の手足」を狙いましょう。
『FRS』の[砲撃]は「頭」と「足元」の二カ所に集中、この位置なら被害者を巻込まず狙えますぅ。
『FSS』はバリケード状に展開、レーザーへの対処と「接続前の方」や「救助した方」のカバーに。
少々細かい形ですが『FCS』を複製&合成した『強化制御器』できっちり制御しますねぇ。


初志・貫鉄
即興共闘歓迎
POW

気合と共に練り上げた覇気が肉体を限界突破させ活性化、筋肉をパンプアップ
真の姿は、仁王像を思わせる二回り近く大きくなった覇気纏う褌姿の男

敵撃破後に助けるのでは、彼女たちが絞りつくされると予想
周辺の囚われた人の解放は、他の猟兵に頼み自分は接敵

流れ弾を防ぐために、敵攻撃は強化された肉体とオーラ防御で受ける
此方の無手を確認し、機械兵が攻撃優先になることを祈り、暗殺で隙を計り、素手の射程ではない位置からUCで拘束する金属バンドの鎧破壊での破壊を試みる

成功時、すぐにUCで女性を優しく掴んで引き出し、即接続解除

失敗なら、UCで敵頭部の攻撃優先、速やかな無力化を目指します

助けた人はすぐ後方へ


クロエ・アスティン
まずはカプセルに囚われている少女達を助け出そうとそちらに向かいますね

コアにされている女性を傷つけるわけにはいかないので大技は封印です!
女神様に祈りを捧げ、【戦乙女の鎧】を纏ってスピードで攪乱、戦槌で手足を叩き潰し、胸もぺちゃんこにしてやるであります!

注射器の中身とかちょっと気になるでありますが、今は女の子達を助けるのが先決であります
カプセルまで辿り着いたらさっそく叩き割ってやります!
けど、そのせいで中の培養液を全身で被ってしまい……
ひゃあ……も、もしかしてこれ薄い媚薬になっているでありますか!?
むき出しになった肌への刺激が気になって身動き取れなくなってしまいます


久遠・翔
アドリブ絡みエロ歓迎
純潔死守


くっ…前回ので体力消費が激しい…ここは早く片づけて他の人に頼むのが吉っすね
目立たない・地形の利用・迷彩・忍び歩きを併用して動きカプセルの中に囚われた女の子達をUCスティールやUC万能の指をカプセルに放ち一気に回収。その後はUC小さな庭園世界に匿います

当然気付かれると思うっすけど選択UCを使い攻撃しつつ一気に駆け抜け同時に素体になってた子も回収しておきます
ただ、自分自身はUCの乱発の為更に体力が削れカプセル内部の怪しい液体も媚薬で苦痛を感じなくなる代物だった為発情

薬草を使えば何とかなると思い、俺自身が庭園世界に入ると発情した子達が…
あっ、ちょっ、まっ!?(襲われる)



●地獄の処理施設
 下劣な美術品と、度重なる罠。それらを潜り抜け、猟兵達は洋館の地下深くに設けられた、敵の拠点へと辿り着いた。
 だが、中には結果として辿り着けたものの、敵に捕まってしまった者達もいる。リアン・ブリズヴェール(微風の双姫・f24485)も、その内の一人だ。
「うぅ……どうにかしないと」
 他の女性達と同様、クレーンで吊るされたまま機械による診断を受け、その結果として下されたのはコアとして不適格という烙印。どうやら、サイバー・メイデンの生体コアとして相応しいのは、肉体的にも十分な栄養を与えられて育った、豊満な女性ということらしい。
『……生体データ確認……。コアの素材として、発育面で不適と判断。生体コアの負荷に耐えられるよう、成長促進処理を実行します』
「え……? あぁ、いやぁっ!!」
 成す術もなく、胸に発育促進用の注射を打たれ、リアンはカプセルに放り込まれた。なんとか逃げ出そうと抵抗するも、すぐに内部を謎の液体で満たされ、口の中にも栄養補給用のチューブを突っ込まれてしまった。
「んぐっ!? あが……ごぼ……」
 どうやら、チューブの中から空気も送られているようで、窒息する心配はなさそうだ。が、注がれた液体の効果なのか、全身から力が抜けてしまい、もはや抵抗する気力さえも奪われてしまった。
「おいおい、なんだこりゃ!? 人間を生体部品に使ってると聞いていたが、マジなのか!?」
「成程、こういう状況ですかぁ。間違っても、あの注射を打たれるわけには……」
 そんな中、罠を突破して生産プラントへ辿り着いた初志・貫鉄(拳食合一のゴッドハンド・f26667)が驚愕の表情を浮かべ、その隣では夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が小さく震えていた。
 この施設は、女性をサイバー・メイデンの生体コア……即ち、単なる燃料としか考えていない。肉体的に負荷へ耐えらない者は改造してまでコアにしようとする辺り、真に悪魔的な発想ともいえるだろう。
「まずは、カプセルに囚われている方々を助けるであります!」
「そ、そうっすね……。ちょっと、状況的には、早く片付けたいところっすけど……」
 クロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)の言葉に頷く久遠・翔(性別迷子・f00042)だったが、クロエに比べて翔の方は随分と疲弊していた。どうやら、ここに来る前の罠にやられた消耗から、まだ完全に回復しきれていないようだ。
「このまま戦ったんじゃ、コアにされた女が持たねぇかもしれねぇな……。お嬢さん達、俺が敵を引き付けるから、その間にカプセルに捕まってるやつらは頼んだぞ」
 全身の覇気を練り上げて解放し、貫鉄が自らの肉体を可能な限りまで肥大化させながら言った。
 その肉体は、まさに不動明王か仁王像。肥大化した筋肉によって衣服は破れ、今の彼は褌一丁しか纏っていないが。
「行くぜ! ビームでもなんでも、来やがれってんだ!」
 こちらに気付いたサイバー・メイデンが一斉に攻撃を仕掛けて来るのも関係なく、貫鉄は自らの肉体だけを武器に、光線の飛び交う施設の中枢目掛けて突き進んで行った。

●生体コアを回収せよ!
『非常事態発生、非常事態発生! 各機は侵入者の迎撃に備えよ!』
 アラートが鳴り響き、警報が告げられる中、猟兵達はビームの飛び交う戦場を駆ける。一発でも命中すれば、それだけで戦車をも吹っ飛ばし兼ねない威力を誇るビーム攻撃だが、しかし貫鉄は敢えて回避行動を取らず、真正面から受け止めた。
「ぬぉぉぉぉっ! 負けるものかぁぁぁっ!!」
 全身から放つ覇気をバリアのように用い、貫鉄は両手と胸板で光線を受け止めつつ、徐々にサイバー・メイデンへと迫って行く。少しでも気を抜いたら、その瞬間に胸板を貫かれてお陀仏だが、コアにされている者達を助けるためには、背に腹は代えられない。
「我が意、我が覇気、未熟なれど遠方へ差し出す掌と成らん……捉えたぞ!」
 まだ、手の届く距離ではなかったが、それでも貫鉄は覇気の力だけで、コアにされた女性を繋ぎ止めている金属ベルト引き千切った。しかし、ベルトだけでなく内部から何かで繋がれているのか、それだけではコアにされた女性を解放できなかった。
『敵、エネルギーレベル、低下を確認』
『防御幕を突破可能と判断。攻撃します』
 覇気を攻撃に使って防御が手薄になった隙を突き、サイバー・メイデン達が一斉に貫鉄へと狙いを定めた。さすがに、この数で四方八方から攻撃されては堪らない。再び覇気を練り直そうにも時間が足りないが、しかし彼が攻撃されるよりも前に、
どこからともなく飛来した無数の浮遊砲台や浮遊戦輪が、敵の脚部を攻撃して破壊した。
「大いなる豊饒の女神、その『祭器』の真実の姿を此処に……」
 攻撃の正体は、るこるのユーベルコードによるものだった。彼女は自分の装備している遠隔操作武器を限界まで複製し、それらによる援護を開始したのだ。
「助かったぜ、お嬢さん。さぁて、まずは手の届くところから引っ張り出してやるか」
 脚部の破壊された機体から、貫鉄がコアにされていた女性を優しく引き抜いた。どうやら、主に下半身から色々と体内に注入されていたらしく、貫鉄は思わず顔を背けると、引き千切った金属バンドの残骸を拾って、全裸の女性の身体に被せて覆いにした。
(「……ったく、なんて目に毒な兵器だ。……いや、今は戦いに集中だな。覇気が抜けたら、そこで終わりだ」)
 鼻の下を伸ばしそうになる自分を叱咤し、貫鉄は再び拳を構えて身構える。見れば、るこるの操作する砲台が敵を牽制し、戦輪が次々と敵の金属バンドを切り裂いていた。
「あのぅ……すみませんが、中の人を取り出すのを、手伝っていただけないでしょうかぁ?」
「ああ、任せな。ただ、あんまりヤバいところが見えないよう、その輪っかで隠してくれると助かるんだがな」
 では、可能な限り努力しようと、るこるは苦笑しながら貫鉄に言った。戦いながら、コアにされた女性達を助け出す。なかなかに困難な任務であるが、この調子で行けば、そう苦労なく全ての女性達を助け出せそうだ。

●カプセルの中身は?
 るこると貫鉄がサイバー・メイデンの軍団と奮闘する最中、クロエと翔はカプセルに捕らわれている女性達の救出に向かっていた。
「皆様を囮にするようで、申し訳ないでありますが……」
「今は、非常時っす。その分、俺達で少しでも多くの女の人を助けるっすよ」
 ユーベルコードの効果によって速度を増した二人は、サイバー・メイデンに補足されることもなく、培養カプセルへと一直線。ここまで辿り着けば、後は容易い。注射器の中身や培養液の正体が気になるが、今は女の人達を助ける方が先だ。
「叩き割ってやるであります! てやぁぁぁ!!」
 まずは、クロエが豪快にハンマーでカプセルを叩き割り、中から捕らわれた女性達を救出して行く。その一方で、翔は捕らわれていた女性達を、小物入れの中に広がる庭園世界へと回収して行く。
「この調子なら、早く終わりそうであり……あり……あ、あれ?」
 だが、カプセルを割り続けていたところで、まずはクロエの身体に変化が訪れた。
 下腹部が熱くなり、身体が上気し、腕や足腰に力が入らない。それが、カプセル内に満たされていた培養液の効果だと気づいた時には、遅かった。
「ひゃあ……も、もしかして、これ薄い媚薬になっているでありますか!?」
 ビキニアーマー姿だったことが災いし、カプセルを砕く際に浴びた培養液の成分が、クロエの肌から直に浸透してしまったのだ。正確には、媚薬というよりも精神高揚剤と鎮痛剤のブレンドなのだが、全身の神経を過敏にされてしまった結果、当然のことながらイケない感覚も強化されてしまうわけで。
「うぅ……こ、こっちも、なんだか力が……ハッ!? こ、こうしちゃいられないっす! このままじゃ、助け出した人達が!」
 同じく、飛散した培養液を浴びてしまった翔だったが、それでも何かに気付いたようで、気力を振り絞り立ち上がる。
 この培養液が媚薬的な効果を持っているのであれば、日本庭園を模した不思議空間に回収した女性達は、きっと自制を欠いて酷いことになっているはずだ。
 幸い、手元には毒消しの効果を持っている青い薬草が残っているので、これを使えば正気に戻せるのではないかと考え、翔は自ら不思議空間へとダイブした。いったい、何事かと思いクロエが制止するものの、一足先に翔は小物入れの中へと消えてしまい。
「はぁ……はぁ……だ、大丈夫で……ありますかね?」
 身体の疼きに抗いながらも翔の身を案じるクロエ。果たして、日本庭園へと降り立った翔は……お約束の如く、全然大丈夫などではなかった。
「「「はぁぁぁぁん💕 もう、我慢できないのぉぉぉぉ💕💕💕」」」
「なっ……! ま、待つっす! 俺は解毒剤を持っているっすから、慌てずに……ひゃぁぁぁっ!!」
 完全に我を忘れた女性達に捕まり、翔はもみくちゃにされながら襲われてしまった。
 ここはアポカリプスヘル。強い者がモテる世界。自分達を危機から救ってくれた英雄ともなれば、奪い合いが起きるのも当然だ。
「や、やめるっす! 俺は、身体は女で……あぁっ! そ、そんなとこ触っちゃ……んぅぅぅっ!」
「関係ないわよ、そんなのぉ💕 男でも女でも、あなたは私たちの救世主様よぉ!」
 完全に見境を失った女性達によって、女同士のイケない戯れに付き合わされる翔。結局、完全に解放されて脱出できた頃には身も心も搾りつくされて、とてもではないが、しばらく立てそうにもない状態にされてしまった。

●最高の燃料
 サイバー・メイデン部隊を次々に突破され、果ては培養カプセルも割られてしまったことで、施設の防衛システムは、猟兵達を完全に脅威であると認識していた。
『警告します! 警告します! 侵入者の戦闘力は、第一防衛プランの防衛力を、遥かに上回っていると判断。緊急事態と見做し、第二防衛プランを発動します』
 再び鳴り響くアラートと共に、動き出す生産プラント。カプセルから培養液が抜かれて、生体コアとしての調整を受けていた少女達が、一斉にカプセルから引っ張り出され。
「あぁ……こ、今度は……なに……?」
「いやぁ……誰か……助けてぇ……」
 抵抗する力もないままに、空いていたサイバー・メイデンのコアとして放り込まれて行く。中には、明らかに調整が終わっておらず、そのままコアにされたが最後、負荷に耐え切れそうにない者も混ざっていた。
 どうやら、次々とサイバー・メイデンを倒され、コアを抜かれてしまったことで、防衛システムはコアの寿命を度外視して、全てのサイバー・メイデンを出撃させる方針に転換したようだ。
 そして、そんなシステムの被害者の中には、捕まってしまったリアンの姿も混ざっていた。先程、培養液に突っ込まれたばかりなので、当然のことながら殆ど体型に変化はないが、しかしシステムは彼女の事情などお構いなしだ。
「あぅ……こ、このままじゃ、リアンもコアにされて……はぐぅっ!?」
 瞬間、背後に走る鋭い痛みと、全身に巻き付く金属バンドの締め付けに、リアンは声にならない悲鳴を上げた。
 だんだんと、意識が薄れてくる。このままでは拙いと、慌てて自分のもうひとつの人格を4歳程度の幼女として具現化するも、起動したサイバー・メイデン達は、そんな幼女にでさえ情け容赦ない攻撃を浴びせ始めた。
「なっ……ぁぁぁぁっ!!」
 哀れ、第二人格のファムは、極太ビームの連射によって敢え無く消滅させられ、リアンの肉体に戻されてしまった。これでは、囮作戦は失敗だ。敵との戦力差を考えた場合、武器なしの幼女ではどうにもならない。仕方なく、今度は幽体離脱して危機を脱しようとするリアンだったが、しかしそれは、サイバー・メイデンに捕らわれている自分の肉体を見捨てるということでもあり。
「これなら、捕まった人達を助け出せ……あぁ……ひぃっ!!」
 中破しているサイバー・メイデンや、半壊状態のカプセルから女性達を助け出すも、いきなり奇妙な感覚が全身を貫き、リアンはその場に崩れ落ちた。
「あぅ……そ、そんな……。リアンの……身体がぁ……」
 サイバー・メイデンの中に残して来た自分の肉体。それが『刺激』されることで、リアンの精神もまた少なからず影響を受けてしまっているのだ。
 石化や、あるいは非物質化した状態であればまだしも、捕獲されているとはいえ、肉体的には無事であることが災いしてしまった。完全に死亡したわけではなく、それが故に僅かばかり残っていた肉体とのリンクが、彼女の魂にまで響いて来てしまったのだ。
 敵がエネルギーを吸収するために与えてくる刺激は、快楽と痛みの両方を伴うもの。痛いのだか、それとも気持ちいいのだか、もう頭が混乱して分からない。
『敵、エネルギー生命体を確認。……排除します』
 リアンの身体を捕縛しているサイバー・メイデンが、リアン自身に砲を向ける。ユーベルコードの乱発は、それだけ敵に攻撃のチャンスを与えてしまい、自らの危険も増す諸刃の剣。それを考えずに用いてしまった今、リアンの魂は消滅の危機だ。
(「この姿なら、物理攻撃は効かないですけど……」)
 残念ながら、敵のユーベルコードはエネルギー攻撃が大半だ。故に、そんなものを幽体にブチ込まれたが最後、魂の方が先に霧散させられてしまうかもしれない。
「ひぃっ! も、もうダメですぅ!!」
 万事休す。万策尽きて、リアンはついに頭を抱えて蹲ってしまった。が、彼女の身体を敵のビームが射抜こうとした瞬間、突如として飛来した戦輪や砲弾が、敵の手足を容赦なく吹き飛ばし。
「大丈夫ですか? 今、助けてあげますねぇ」
 操れる限り、全ての浮遊兵器を用い、るこるが援護攻撃を仕掛けてくれたのだ。崩れ落ちるサイバー・メイデン。その頭部を狙い、貫鉄の放った覇気の一撃が炸裂し。
「てめぇのような冷たい機械に、いつまでも女を抱かせてなるものかよ!」
 完膚なきまでに叩き潰されたところで、煙を上げて制止するサイバー・メイデン。その中から肉体を引っ張り出されたことで、ようやくリアンは自分の身体に戻ることができた。
「はぁ……はぁ……本当に死ぬかと思いまし……ひゃんっ! な、なんか、まだ変な感じですよぉ……」
 もっとも、生体コアにされた際に弄られまくった身体は容易には回復しておらず、リアンは差し出された布で身体を隠しながら、しばらくその場で震えていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

玉依・翠
【ジュエル】
「くっ、いやっ、放してくださいっ!」

捕まった私は、蒼ちゃんと同じようにクレーンに吊るされ、検査装置の方に運ばれていきます。

蒼ちゃんはあの機械兵の中に入れられてしまいましたが、私の胸では、おそらく培養槽行き……

それでは蒼ちゃんを助けることができません。

「こうなったら……翠玉・解放!」

変身をおこない、炎の魔法でクレーンを燃やして脱出します!

「蒼ちゃん、今助けますからねっ!」

蒼ちゃんが捕らえられた機械兵に【ウィザード・ミサイル】を放ちますが……

生体ユニット活性化で、蒼ちゃんを苦しめることに!?

そのまま、6倍に強化された機械兵になぶられて……
培養槽に放り込まれてしまうのでした。


玉依・紅
【ジュエル】
「う…ここ、は…?」
目が覚めた時は、冷たい床の上
周りを見ると、蒼お姉ちゃんはもう捕まってて、翠お姉ちゃんと藍お姉ちゃんは何とかしようと変身してる最中
あたしも、お姉ちゃん達を助けなきゃ…!

「藍お姉ちゃん?!」
立ち上がって【紅玉・解放】しようとしたら、藍お姉ちゃんが捕まって拷問されているのが見えて
慌てて助けるためにジュエル・ソードを振るっていくけれど、気合が空回りして背後から不意を討たれてしまい
「きゃっ?!」
そのまま取り押さえられて、お姉ちゃんと同じで、再検査と称する性的な拷問を受けることに
中に電極を突っ込まれてかき回されて電撃を浴びて
失禁したまま意識を失っちゃう…
「誰か、助け、て…」


玉依・蒼
【ジュエル】

捕まって完全に意識を失った私は…十分に育っていると判断されたのか、気絶したまま機械兵の生態部品として組み込まれていたわ
気が付いたのは、完全に拘束されて機械兵の中に押し込められた後
「う…、これ、は……?」

状況がつかめないまま、目の前で翠が変身して
…そして翠の攻撃が私…じゃなくて私を捕らえている機械兵に
でもその攻撃の衝撃は私にも来て
「くぁあぁぁぁっぁっ?!」
衝撃のダメージと、機械兵に私の力が吸われていく感覚
そして、力が吸われ意識が遠くなりそうな中で見えたのは、私の…いえ、私と融合している機械兵の拳が翠の身体に叩き付けられる感触
「やめて……っ?!」
私は何もできず、ただ涙を流すだけでした…


玉依・藍
【ジュエル】

「ううっ、ここは……?」

目覚めた時には、四肢を拘束されていて、
生長促進のカプセルの中に入れられそうになり、

「藍玉・解放」
アクアマリンに変身して脱出を計ります。

けれど、変身直後に胸にさらに針を打たれ、
その刺激に絶頂したところをさらにがっちりと拘束され、
再検査に回されます。

再検査とは名ばかりの、性拷問に近いデータ収集で、
穴という穴に電極を押し込まれ、電流を流され、
白目を剥き、泡を吹きながら、痙攣して、
失禁絶頂して気絶してしまうのでした。

気絶をさらなる快感で目覚めさせられ、また気を失う。
助けが来るまで、もしくは施設がこわされるまで、
それは終わることなく続けられたのでした。


剣ヶ峰・黒耀
【ジュエル】
う、トラップでオーバーキルされてから意識取り戻したらクレーンで吊るされてた
「……魔法戦士ジュエル・オブシディアン、推参」
【黒曜石・解放】で変身して脱出して、背中のアームドフォートから剣を飛ばしてクレーンやカプセル壊して囚われの女性達を解放する
「……仲間は、どこ?」
そのまま仲間を探しに駆け出す

そして見つけたのは、機械兵やカプセルに囚われた仲間の姿……
「……仲間を、返せ」
ジュエル・ブレード片手に仲間を助けようとするけど、囚われの仲間を庇って極太レーザー直撃で倒される
そのまま仲間達と同じく性拷問な検査をされる、かと思いきや
スキャンで一発不適格とされて培養カプセルに放り込まれて……



●ジュエルフラワーズ、絶体絶命!?
 地下水道に通じる一室に仕掛けられていた罠によって、捕縛されてしまった少女達。魔法戦士ジュエルフラワーズの面々は、その全員が冷たい機械によって拘束されてしまっていた。
「う……、これ、は……?」
 最初に意識を取り戻したのは、長女の玉依・蒼(魔法戦士ジュエル・サファイア・f26990)だ。しかし、いざ身体を動かそうして、蒼は自分の身体がサイバー・メイデンのコアにされていることに気が付いた。
(「くっ……! は、早く抜け出さないと……っ!? んぁぁぁっ!!」)
 変身して脱出しようとするも、金属バンドがしっかりと身体に食い込んで動けない。おまけに、冷たい機械から身体の中に何かを注入され、その瞬間に意識がぼんやりと遠のいてしまった。
(「な、なに、これ……。私、どうなって……」)
 状況が飲み込めないまま、蒼は辛うじて残っている意識を総動員して周囲を見回した。どうやら、ここはサイバー・メイデンの生産プラントのようで、他にも捕まった女性達が、検査をされたり肉体を改造されたりしている。
 そんな中、クレーンに吊るされている女性達の中に、玉依・藍(ジュエル・アクアマリン・f26912)と玉依・翠(魔法戦士ジュエル・エメラルド・f26913)の姿もあった。ここに来る前に着ていた制服のブレザーは既になく、蒼の妹達は生まれたままの姿にされて、次々に怪しい装置により身体を調べられて行く。
「くっ、いやっ、放してくださいっ!」
 既に意識を取り戻していた翠が懸命に抵抗するも、変身前の少女の姿では、どうにもならない。同じく、藍も意識を取り戻したものの、自分の置かれた状況が理解できていない様子であり。
「ううっ、ここは……?」
 ようやく、藍の視界がクリアになって来たところで、機械から告げられたのは非情なる宣告。姉の蒼に比べて細身な二人は、サイバー・メイデンの生体コアとしては不適格の烙印を押されてしまった。
『……生体データ確認……。コアの素材として、発育面で不適と判断。生体コアの負荷に耐えられるよう、成長促進処理を実行します』
「え……? きゃぁっ! な、なんなの!?」
 いきなりクレーンが動き出したことで、慌てる藍。一方、拘束されたまま女性達が機械に処理される一部始終を見ていた翠は、次に自分が何をされるのかを悟り、意を決して魔法戦士の力を解放した。
「こうなったら……翠玉・解放!」
 瞬間、翠の身体が美しい緑色の光に包まれて、戦うための姿へと変化した。玉依・翠改め、魔法戦士ジュエル・エメラルドの登場だ。
「蒼ちゃん、今助けますからねっ!」
 炎の魔法でクレーンの拘束を焼き払い、翠は蒼をコアとして取り込んだサイバー・メイデンへと向かって行く。本当は、藍も助けておきたかったのだが、残念ながら翠の身体は1つしかない。
 まずは、敵に利用されている蒼を助け出すことが先決だ。そんな翠の苦渋の決断を察したのか、藍もまた自らの置かれた状況を懸命に把握し、同じく変身して窮地を脱出しようと試みる。
「こうなったら、私も……藍玉・解放!」
 清流、あるいは南海の大洋を思わせる青い光の奔流に包まれ、藍の身体もまた戦うための姿、魔法戦士ジュエル・アクアマリンへと変化する。そのまま、翠と同様に魔法を使って脱出を試みるが……しかし、変身のタイミングが翠に比べて少しばかり遅れてしまったのが拙かった。
『……サンプルより、未知のエネルギーを感知。詳細を把握すべく、再検査に回します』
 無機質な機械音から無情の宣告が告げられると同時に、藍の胸に注射針が打ち込まれる。培養槽の中で、胸を肥大化させるための薬液を注入する針ではない。感覚を鋭敏化させることで、そのショックで対象を気絶させるという、なんとも危険な麻酔薬だ。
「ひぁっ!? あぁぁぁぁっ!!」
 服と肌が擦れるだけで絶頂するほどの刺激を感じ、藍はそのまま意識を失ってしまった。そのまま、彼女は培養カプセルとは異なる場所へ運ばれて行き……その傍らでは、ジュエル・エメラルドに変身した翠が、懸命に蒼をコアとしたサイバー・メイデンと戦っていた。

●地獄の姉妹対決
 姉を捕らえたサイバー・メイデンを破壊するべく、魔法戦士の力を行使する翠。ジュエル・エメラルドに変身した以上、今の翠の力を以てすれば、サイバー・メイデンなど敵ではない。
「このっ! 蒼ちゃんを、放しなさい!」
 敵のビーム攻撃を華麗に避けながら、翠はお返しとばかりに炎の矢を生成して撃ち出した。その数、およそ250本。重装甲で高火力な半面、機械の性か比較的鈍重なサイバー・メイデンに、この全てが避けられるはずもない。
 案の定、蒼を捕らえていた個体だけでなく、その周囲にいたサイバー・メイデンまで巻き込んで、翠の放った炎の矢は次々と敵に突き刺さり、その装甲を溶かしながら貫通していった。
 これなら、行ける。後は、あの機械兵の動きを止め、なんとかして蒼を引っ張り出せばよい。そう考えて次の攻撃に移ろうとした翠だったが、しかし次の瞬間、生体コアにされている蒼が苦悶の表情を浮かべ、悲鳴を上げたことで思わず足が止まってしまった。 
「くぁあぁぁぁっぁっ!!」
「あ、蒼ちゃん!?」
 翠の放った攻撃の衝撃は、敵の神経接続回路を通じて蒼にも伝わってしまっていたのだ。しかも、謎の薬品で感覚を鋭敏に強化されている状態で。
 全身を火矢に貫かれ、中から焼かれる痛みはいかほどか。想像しただけでも鳥肌ものだが、それに加え、サイバー・メイデン達が起死回生の行動に出て来たのだから、堪らない。
「んぐっ!? ……うぁぁぁぁぁっ!!」
 身体の中に何かを注がれながら、しかし力を吸い出されて行くような奇妙な感覚。痛みと快感が同時に蒼の身体に襲い掛かり、それに伴ってサイバー・メイデン達の動きが活性化して行く。
「な、なにが起きているんですか!? このロボット達、急に動きが……!」
 生体ユニットを活性化させて自らを強化したサイバー・メイデン達に、今度は翠が翻弄される番だった。多様すれば生体コアの寿命を削る諸刃の剣なのだろうが、当然のことながら、非情なる機械に遠慮などありはしない。
(「こ、このままじゃ、やられて……で、でも、迂闊に攻撃したら、蒼ちゃんが……」)
 先程、自分の攻撃で苦しむ蒼の姿を見てしまった翠は、どうしてもサイバー・メイデンを攻撃することができなかった。なんとかして、あの金属バンドを断ち切って蒼を助けられないか。そう考えて隙を狙うも、オーバーブースト状態のサイバー・メイデン達に囲まれてしまっては、多勢に無勢でどうにもならない。
「なんとか隙を見つけて、あのバンドだけを……きゃぁっ!」
 狙いを定めようと足を止めた瞬間、翠の身体は横殴りに薙ぎ払われたサイバー・メイデンの砲身を叩きつけられ、豪快に生産プラントの壁に激突した。
「うぅ……。ま、まだまだ……んぐっ!?」
 それでも果敢に立ち上がろうとする翠だったが、そんな彼女の腹へ、無情にもサイバー・メイデンの砲身が突き立てられる。それだけでなく、崩れ落ちた翠に対し、残るサイバー・メイデン達も加わって、一斉に殴る蹴るの暴行を始めた。
「あっ……がっ……ごはっ……!!」
 まるで、ボールの如く殴られ、蹴られ、ボロ雑巾の様になって行く翠。その光景を、生体コアにされた蒼は眺めつつも、しかし自分ではどうにもできない。
(「や、やめて……っ!? これ以上は……これ以上やったら、翠が……翠が死んじゃう!!」)
 自分をコアにしているサイバー・メイデンが翠に攻撃を加える度に、妹を殴る感触や、踏みつける感触もまた自分の身体に伝わって来た。それでも、生体コアにされてしまった以上は何もできず、蒼は声にならない叫びを上げながら、ただ涙を流すしかない。
「あ……ぅぅ……」
 やがて、全身を余すところなく痛めつけられ、変身も解除されてしまった翠を、再び現れたクレーンが持ち上げた。そのまま、抵抗できない彼女を培養カプセルへと運んで行き、他の犠牲者と同じように、胸に注射を打ち込んで。
「ひぃっ……! あが……んぐぅ!? ごぼ……」
 最後は、口の中にチューブを入れられ、翠は培養カプセルの中に閉じ込められてしまった。そして、望まぬ身体に改造されて行く妹の姿を、蒼は嗚咽を堪えながら、ただ見守ることしかできなかった。

●検査という名の拷問
 姉達が次々と蹂躙されて行く中、玉依・紅(魔法戦士ジュエル・ルビー・f26914)
は自分の肌に伝わる冷たい感触に気が付き、少しばかり遅れて目を覚ました。
「う……ここ、は……?」
 周りを見ると、長女の蒼は既に捕まり、生体コアにされている。残る二人の姉、翠と藍は変身して状況を打破しようとするも、無事に変身できたのは翠だけだ。
「た、大変! あたしも、お姉ちゃん達を助けなきゃ……!」
 そう思って身体を動かそうとしたところで、紅は自分の両腕が金属の手錠で拘束され、クレーンに吊るされているのに気が付いた。今はまだ、床に投げ出された状態ではあるが、このままではいずれ自分も運ばれて、酷い目に遭わされるのは明白だ。
「ど、どうしよう! なんとかして、これを外さないと……!!」
 慌てて両腕を動かそうとする紅だったが、手錠はガッチリと彼女の腕に食い込んで離れない。そうこうしている間に、変身を妨げられた藍は別の場所に運ばれてしまい、非情なる拷問を受けていた。
『未知のエネルギーサンプルを回収。肉体強度とエネルギー解放の関係を調査します』
「は、放してよ! ちょっと、なにす……そこはダメ……あぁぁぁっ!!」
 四つん這いにされ、その身体を金属製のベルトでガッチリと固定される藍。同じく、太腿も拘束されてしまい、これでは手足を動かせたところで脱出できない。
 おまけに、後ろから電極を二つの穴に差し込まれ、果ては胸まで針のような電極を打ち込まれ、一斉に電流を流されてしまったのだから、堪らない。
「んぐっ!? ひぎぃっ! あくぅぅぅっ!」
 それは、まさしく身体の中を内蔵から焼かれる痛みだった。粘膜を通して、直接電撃を流し込まれる苦痛。これならば、指の骨を一本ずつ折られた方が、まだマシと思えるかもしれない。
『エネルギーの検出に失敗しました。ショックレベルを最大にまで強化します』
 だが、そこまでされたにも関わらず、機械の声が告げたのは非情な選択。今度は藍の口にも電極を突っ込むと、鼻を洗濯バサミのような電極で挟み、耳の中にまで触手状の電極を差し込んで来た。
「はぁ……はぁ……ちょっ……も、もう止め……んぐぅっ!?」
 穴という穴に全て電極を差し込まれたことで、藍の背中を冷たいものが走り抜けた。こんな状態で電流を流されたら、果たして自分はどうなってしまうのか。
『通電、開始……』
「ふぐっ!? んむぅぅぅぅっ!!」
 内蔵だけでなく、脳髄まで痺れて焼かれそうな感覚に、今度こそ藍の意識は完全に吹っ飛んだ。手足をバタつかせるも、それは虚しく宙を切るだけだ。あまりの苦痛に全身の筋肉が弛緩し、盛大に粗相をしてしまったところで、彼女の意識もまた暗黒の闇に堕ちて行き。
「あ……あぁ……お、お姉ちゃん達が……」
 ようやく変身を終えて立ち上がった紅だったが、目の前に光景に、思わず言葉を失ってしまった。
 長女の蒼を捕らえたサイバー・メイデンが、三女の翠に情け容赦ない暴行を振るっている。その一方で、次女の藍は拷問機械にかけられて、完全に意識を失ってしまっている。
 このままでは、今に姉達は機械の生体コアにされるか、あるいは過剰な暴力によって殺されてしまう。そんなことは、絶対にさせない。意を決し、剣を構えて飛び込んで行く紅だったが、彼女だけで相手にするには、あまりに敵が多過ぎた。
「きゃっ!?」
 正面ばかり気にしていたことで不意を討たれ、後ろから攻撃を食らってしまう紅。反撃しようと振り向くも、そのまま強引に取り押さえられてしまい、全身をあちこち検査され。
『新たな未知のエネルギーを感知。先のサンプル同様に、再検査を実施します』
 最後は、藍の隣に拘束されて、同様に全身の穴という穴に電極をねじ込まれてしまった。
(「い、いや……怖いよぉ! 助けて、お姉ちゃん……!!」)
 瞳に涙を浮かべてもがく紅だったが、当然のことながら、姉達には彼女を助け出す余裕などない。そして、未だ意識を失ったままの藍に対して、機械は更に恐ろしい宣告を。
『サンプルの生体反応低下。薬液注入により、一時的な活性化を試みます』
「……ひぐっ!? むふぅぅぅっ☆#💕◆▽!?」
 なんと、気絶した藍を強引に目覚めさせるべく、胸に気付け薬を注入して来たのだ。
『電力レベル、出力最大。通電、開始……』
 常人であれば黒焦げになってもおかしくない程の高圧電流を流し込まれ、藍と紅は失禁しながら意識を失った。薄れ行く意識の中、誰ともなしに助けを求めるが、しかしその声さえも届かない。
(「あ……あぁ……も、もう……だ、だめ……」)
(「……誰か、助け、て……」)
 目の前が真っ暗になる度に、強引に覚醒させられては電流を流し込まれることの繰り返し。抵抗する術を失ったジュエルフラワーズ。彼女達の地獄は、まだ終わらない。

●断たれた希望
 奮闘虚しく、次々と捕らえられてしまった仲間達。そんな彼女達を助けるべく馳せ参じた剣ヶ峰・黒耀(魔法戦士ジュエル・オブシディアン・f26917)だったが、しかし彼女もまた卑劣な罠の前に屈してしまい、気が付けば捕らわれの身となっていた。
「う……。どうやら、不覚を取ってしまったようだな……」
 4姉妹の受けた辱めを全て同時に与えられたオーバーキル。その苦痛から辛くも意識をとし戻した黒耀だったが、気が付けば玉依4姉妹や他の女性奪還者達と同様に、クレーンに吊るされている始末。
(「このままでは、仲間達が……」)
 自分の置かれた状況を素早く察し、黒耀は躊躇うことなく力を解放する。先の4姉妹が、それぞれ宝石の力を得た魔法戦士に変身できるのと同様に、彼女もまた魔法戦士に変身できるのだ。
「……魔法戦士ジュエル・オブシディアン、推参」
 漆黒の闇がうねるようにして纏わり付き、それを破るようにして現れたのは、魔法戦士ジュエル・オブシディアン。黒曜石の力を行使する、ジュエル・フラワーズの中でも近接戦闘を得意とする戦士だ。
「……仲間は、どこ?」
 背中の剣を巧みに操って拘束を解くと、黒耀は脇目も振らずに培養カプセルへと向かって行く。途中、襲い掛かって来るサイバー・メイデンは、背中のアームを駆使して剣を振るい、瞬く間に手足と首を斬り落として無力化させた。
 そんな彼女の目に飛び込んで来たのは、サイバー・メイデンのコアにされた蒼に、全身を痛めつけられて培養カプセルへと放り込まれている翠。そして、幾度となく検査という名の拷問を繰り返され、魔法戦士の宝石エネルギーの分析が終わるまで、延々と甚振られ続けている藍と紅の姿だった。
「……仲間を、返せ」
 想像していた以上に苛烈な目に遭わされている仲間達の姿を前にして、黒耀のスイッチに火が着いた。こうなると、もう彼女を止められる者など、誰もいない。サイバー・メイデンを次々と叩き潰し、カプセルをブチ割って中に捕らわれた女性達を救出して行く。
『敵、戦闘レベル確認。こちらの想定の、数倍の戦闘力を持っている模様』
『敵は近接戦闘型と判断。総員、レーザー攻撃を開始せよ』
 だが、そんな黒耀の戦闘パターンを分析し、サイバー・メイデン達は一斉に反撃に転じて来た。口から吐き出される極太の破壊光線が、黒耀の頬を掠める。平時であれば、こんな攻撃など容易く回避できたが、しかし先の罠で体力を消耗させられていた上に、流れ弾のことまで考えると、足を止めて敵の攻撃を受けざるを得なかった。
「……仲間は、やらせな……っ!?」
 自分が裂ければ、カプセルの中に閉じ込められている翠に当たる。慌てて4本の剣を交差させて防ぐも、それだけで全ての勢いを殺せるはずもなく。
「……がはっ!」
 そのまま空の培養カプセルに叩きつけられ、ガラスが砕け散って黒耀はカプセルの中に叩き込まれた。破片を振り払い身構えるも、続けて放たれたレーザーは避けられず、今度こそ直撃をもらってしまった。
「……う……ぁぁ……」
 黒衣が焼け焦げ、装甲が爆ぜ、剣を操っていたアームが圧し折れる。魔法戦士に変身していたことで即死こそ免れたが、大ダメージを負ってしまったことに変わりはなく、変身も解除されてしまった。
『……生体スキャン開始。……新たに未知のエネルギーの残滓を検出。しかし、サンプルの体力低下により、検査に耐えられない肉体と判断』
 生まれたままの姿に戻されてしまった黒耀を、再びクレーンのアームが回収して行く。そのまま、今度は生体コアの的確条件を調べられるが、失敗作のフラスコチャイルド故に虚弱な肉体を持つ黒耀は、サイバー・メイデンの生体コアとしても不適だった。
『生体コアとしても発育面で不適。よって、成長促進処理を実行します』
 無情にもカプセルの中に放り込まれ、胸に多数の注射針を打ち込まれてしまう黒耀。そのまま、口に栄養と酸素を注ぎ込むチューブを捻じ込まれ、彼女もまた捕らわれの身となってしまった。
 かくして、魔法戦士ジュエルフラワーズ達は、謎の施設に潜入するも、全員が施設の虜囚と化してしまった。主に、黒耀の活躍で多数の敵を撃破し、また捕縛されていた女性達の救出には成功したが、その代償は大きかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

織笠・アシュリン
【恋華荘】

んぁ……ここどこ?
……あ、あたし達、アレの後に捕まったんだ!
やっぱり裸だしぃ……ううっ

ともあれ、ヤバげな雰囲気だし、脱出しなきゃ!
丸腰でも使える武器……いちごの触手……いやいや!
魔女なんだから、自分の魔法で何とかしないとね
「あ、ふたりともちょっと動かないでね……ナナカマドの破邪よっ!」
【ウィザード・ミサイル】でアイといちごの枷を破壊!
機械兵が見つけたら、そっちにも射撃してふたりを守るよ!

で、ひとつ気がついたんだけどね?
自分の枷は、近すぎて狙えないみたい……
「ごめん、あたしも助けてー!?」
アイの操る機械兵に助けてもらって、ミサイルで援護射撃しつつ脱出!
……服とか漁っとこうかな?


彩波・いちご
【恋華荘】
「ん、ここは…?」
気が付いたら拘束された状態で冷たい床に転がされていました
まだ検査とかはされてなく、男だとはバレてないようですが…
「ありがとうございます、アシュリンさん」
枷を壊してもらい、今度は私が【異界の邪剣】を召喚してアシュリンさんの枷を壊します
「あとは脱出するだけですね?アイさん、できますか?」
アイさんが機械兵のハッキングで突破口を開いてくれたので
「お疲れ様です、あとは任せてください」
あとは昏倒したアイさんを背負ったまま、邪剣を振るってそのまま駆け抜けていきます
「アシュリンさん、援護お願いします。あと少し、脱出しますよ!」

背中のアイさんの温もりのことは、今は意識しないようにっ


アイ・リスパー
【恋華荘】
「はっ、ここは……!?」

トラップにかかって連れ去られて枷に繋がれていたところを、アシュリンさんに助けてもらいます。

「いちごさん、アシュリンさん、
こんなところ、一刻も早く脱出しましょう!」

手近にあった白衣を羽織りつつ【チューリングの神託機械】を発動。
無人の機械兵に乗り込み制御装置をハッキングします。

「これなら、一気に脱出可能なはずっ!」

……って、エネルギー不足ってなんですかっ!?
そんなに私の胸がないとー!?

「こうなったらっ!」

生体ユニット活性化と書かれたボタンを押して……

「ひゃんっ、なんですか、この刺激はっ!?」

無理やりエネルギー充填し出口に向かうものの77秒後に昏倒するのでした。



●イケない施設から大脱出!?
 大量のサイバー・メイデンを撃破しつつも、魔法戦士達は全滅した。
 だが、捕まってしまったのは彼女達だけではない。彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)を始めとした恋華荘の面々も、同じく捕まってしまったのだ。
「ん、ここは……?」
「んぁ……ここどこ?」
 最初に目を覚ましたのは、いちごと織笠・アシュリン(魔女系ネットラジオパーソナリティ・f14609)だった。アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)はショックが大き過ぎたのか、未だ気を失ったままだ。
「……あ、あたし達、アレの後に捕まったんだ! やっぱり裸だしぃ……ううっ」
 慌てて両手で胸元を隠そうとするアシュリンだったが、しかし両腕を上にされた状態で手錠を嵌められているため、隠そうにも隠せない。途端に恥ずかしさが込み上げてくるが、いくら枷を外そうと暴れても、冷たい金属の手錠が音を立てて鳴るだけだ。
(「ま、まだ、男だとはバレていないようですね。でも……」)
 その一方で、いちごもまた冷たい床の感触を感じつつ、自分の正体がバレないかと冷や汗ものだった。
 この場所が敵の拠点であり、女性を生体コアにしていることから考えると、捕らわれた女性達が酷い目に遭わされることは想像に難くない。が、それでは、男の場合はどうなるのだろうか? 確か、この施設に仲間を取り返しに向かった者達の中には男の奪還者もいたはずだが……彼らは消息不明になったままであり、しかも洋館の中にさえ男の気配や痕跡が欠片もなかった。
 もしかすると、男はある意味で女より酷い目に遭わされ、殺されてしまったのではあるまいか。そう考えると、途端にいちごの背中を冷たいものが駆け抜けた。
「これは拙い状況ですね。……一刻も早く、脱出しましょう」
「そうね。何か、使えそうな武器……って、自分の魔法でなんとかすればいいじゃない!」
 顔面蒼白になっているいちごに言われ、アシュリンが何かに気が付いたようにして叫んだ。一瞬、いちごの触手生物に助けてもらう案が浮かんだが、しかし例の如く、どうせ碌でもない結果になった挙句、事態を悪化させそうなので止めておいた。
「あ、ふたりともちょっと動かないでね……ナナカマドの破邪よっ!」
 両手を縛られた状態でも、魔法は使える。火矢を呼び出し、それで枷を破壊することで、いちごとアイは解放され。
「はっ、ここは……!?」
 床に身体が落ちたことで、ようやくアイも目を覚ました。が、肝心のアシュリンが脱出できていない。どうやら、目視できない個所を火矢で狙うのは難しいようで、自分の拘束を外すのには、彼女の魔法も使えないようだった。
「ごめん、あたしも助けてー!?」
「えぇっ!? で、ですが、こんなに固い手錠では……」
 力で引き千切るわけにも行かず、困惑するいちご。すると、目を覚ましたばかりのアイが、近くにあった無人のサイバー・メイデンに気が付いた。
「いちごさん、アシュリンさん、こんなところ、一刻も早く脱出しましょう!」
 その辺にあった白衣を羽織り、アイはサイバー・メイデンに乗り込んだ。そのまま、制御装置をハッキングすることで、自らの肉体を生体コアにしつつ、しかし主導権は自分の方が握ろうというのだ。
「これなら、一気に脱出可能なはずっ!」
 意気揚々とシステムを起動させるアイ。だが、彼女の考えとは裏腹に、サイバー・メイデンは警報を鳴らし、アイに残酷な現実を告げた。
『生体コアのエネルギーが不足しています。起動できません』
「……って、エネルギー不足ってなんですかっ!? そんなに私の胸がないとー!?」
 気絶していたアイは知らないが、サイバー・メイデンには一種のリミッターが掛かっている。ある程度の発育をした女性でなければ、生体コアにしても直ぐに干からびてしまうため、誰でも彼でもコアにできるようにはしていないのだ。
 だが、それでもアイは諦めなかった。ここで負けを認めてしまったら、なんかもう色々と自分の尊厳が破壊され、裸にされて辱められるよりも悔しい思いをしそうだったので。
「こうなったらっ!」
 もう、最後の手段だとばかりに、アイは生体ユニット活性化のプログラムを起動した。要するに、リミッターを強引に解除させて、無理やりオーバーブーストさせようというつもりなのだろうが。
「ひゃんっ、なんですか、この刺激はっ!?」
 瞬間、後ろから何か棒のようなもので貫かれ、果ては電極を身体に打ち込まれ、望まぬ苦痛と快楽が、同時にアイの身体に流れ込んで来た。
「ア、アイさん、大丈夫ですか!?」
「ん……くぅ……へ、平気……です……」
 全身に走る刺激と、身体の中から何かを搾り取られて行くような感覚に耐えながら、アイは迫り来るサイバー・メイデン達を次々と迎撃して行く。同じく、アイによって助け出されたアシュリンもまた、炎の矢で援護しつつ敵を蹴散らして行く。
「ふぅ……とりあえず、何か着るものが欲しいわよね」
 もっとも、裸のままではさすがに恥ずかしかったのか、そこそこに敵を倒したところで、アシュリンは自分が着られそうな衣服を物色し始めた。だが、白衣はアイが着たのが最後だったようで、他には何やら微妙な服しか見当たらず。
「あ、これなら着れ……って、げぇっ! なによ、この服!?」
「なんだか、とってもエッチな服ですね……。というか、私も着るものが欲しいです……」
 見つかったのは、どう見ても痴女の服としか思えない、やたらと露出度の高い際どいデザインの服ばかり。しかも、胸の部分がやたら大きく、アイは元よりアシュリンでさえも、前がぶかぶかになってしまいそうだった。
「こんなポロリしそうな服、着たら余計にエロいじゃない! あー、もう、本当になんなのよ、この施設は!」
 あまりに散々な目に遭い過ぎたせいで、とうとうアシュリンがキレ始めた。それでも諦めずに服を探していると、辛うじて古びた白衣を見つけ出すことができた。
「なんか、ちょっと汚いけど……あんな丸出しコスチューム着るよりはマシね」
 そう、アシュリンが呟いたところで、今度はアイの乗っていたサイバー・メイデンが活動を停止した。どうやら、オーバーブーストの時間が終わってしまったようで、再びリミッターが発動し、機能を停止してしまったようだ。
「お疲れ様です、あとは任せてください」
 力を吸われ過ぎて昏倒したアイを助け出し、いちごは彼女を背負ったまま、邪剣を振るって駆け出した。背中に当たるアイの温もりが気になるが、今はそれどころではない。
「アシュリンさん、援護お願いします。あと少し、脱出しますよ!」
 迫り来るサイバー・メイデンの頭を斬り跳ばし、いちごは巨大な扉を開くと、悪魔の施設から脱出するべくエレベーターへと乗り込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

枸橘・水織
ちょっと(猟兵が)捕まった人数多くないかな?
『お約束な方々』がいるとは知らず、自分の『生体データ』を感知してる?あたり敵はかなりの手練れだと…気を引き締める子


行動
相手が相手なだけに無傷で制圧が絶対条件

指定UC(属性は『捕縛・拘束』…命中時に高粘着力の粘着液と化す魔力弾)で機械兵の動きを封じる(口や胸や腕の銃口も粘着液で塞いで使用不可能にする)
【全力魔法・範囲攻撃・視力・見切り・スナイパー】

機械兵制圧後に捕まっていた女性たちの救助
【救助活動】


前章でエレベーターに乗って地下の研究施設に向かっているので、移動中に【魔力溜め】して、扉が開いた瞬間に襲ってくるだろう機械兵を『巨大拘束魔力弾』で迎え撃つ


露木・鬼燈
あー、ホントに趣味悪いなここ。
これって助けられるのかな?
どーにもならないってのなら効率重視で、ね。
まぁ、気が進まなくてもやれるけど…
必要ならば非情になるのが忍。
でも試すだけ試してみようか。
機械兵との接続を<斬祓>ってみようか。
気配を消し、隠密行動からのアンブッシュ。
女性を透過して機械部分だけを斬る。
後は女性を引っこ抜いて撤退。
コアがなくなればそのうち止まるはず。
破壊に拘らずに女性を救助することを優先。
安全なところで診断するです。
んー、薬かなんかで曖昧にされてるっぽい?
消耗もしているみたいだし…
先ほどゲットしたポーション3種を配合。
これを飲ませれば…うん、飲ませれば。
これは医療行為です。いいね?


ルナ・ステラ
うぅ...嫌な罠でした...
ですが、施設に辿り着きました!

―何なんですか、この施設は!?
酷い...酷すぎます...
早く女性の方たちを助けないと!

機会兵たちは、【属性攻撃】の水魔法と電気魔法の【多重詠唱】で故障させていきましょうか。
(もし、捕縛されてしまったら、コメットブースターの【吹き飛ばし】で捕縛から逃れます)

エネルギー砲やレーザーをわたしやとらわれている人たちに撃ってきそうになったら【高速詠唱】のUCで跳ね返します!
活性化してきたとしても、活性化して上がった威力に比例してこっちの跳ね返す力も上がります!

(余裕があれば)
負傷している方がいれば、先程手に入れた薬草で治療していきます。


アルナスル・アミューレンス
うわぁ、趣味悪いなぁ。
でもまぁ、その技術だけは目を見張るねぇ。
人体の強制成長、兵士を作るにはもってこいだねぇ。

まぁ、全部『轢殺(ツブス)』けどね。
施設も機械兵もね。

――拘束制御術式、限定解除
――偽神兵器、同調開始

さぁ、蹂躙を始めるよー。
身体能力を超強化し、敵陣へダッシュ。
第六感を発揮して動きの先を見切り、砲撃を回避しながら肉薄。
怪力で、機械兵の致命的になる場所の部位破壊を優先し、破壊していきますよー。
移動先に施設があったら、序でに滅茶苦茶に壊しておくよ。

でも、取り込まれてる人達の救助活動も忘れずにやるよ。
助かるモノは助けたいからねぇ。
あー、アサルトカーゴの中に衣服とかあった様な……。


笹乃葉・きなこ
POW/アドリブお任せエロ不要

うーしっ、ささっとスクラップにして中の雌を助けてやらねーと。
怪力、鎧無視攻撃、鎧砕き、部位破壊のユーベルコードでサイバーメイデンのコアになっちまった雌を引きずり出してやるべぇ。

必要ならサイバーメイデンの顔やら両手をもぎ取ってやるべ。

強い奴がモテるらしいから、何体引きずり出せるかカウントしようかなぁ
少なくても目の前の奴は必ず引きずり出してやるべ

わわっ!口からビーム吐いてくるんだけど!急いで横へジャンプ!ジャンプだべっ!

とりあえず、助けた雌はどこか安全な所に纏めておかないとぉ
また取り込まれちまったら大変だもんなぁ



●悪趣味の極み
 捕らわれた仲間を助けるべく、自らのことも省みずに奮闘した猟兵達。だが、彼らの一部は敢え無く捕まり、多くの敵を撃破したことと引き換えに、捕らわれの身となってしまった。
 そんな中、ついに残る猟兵達が、生産プラントへと辿り着いた。だが、彼らは目の前に広がるあまりに悲惨な光景に、しばし言葉を失ってしまった。
「うぅ……嫌な罠でした……って、何なんですか、この施設は!?」
 ある者は肉体を生体コアに適した姿に改造され、また別の者は検査とは名ばかりの拷問を受けている。そんな光景に、ルナ・ステラ(星と月の魔女っ子・f05304)は驚きと共に、怒りの感情が湧いて来た。
「酷い……酷すぎます……」
 人間を物としか考えず、生体コアを得るためには手段を選ばない。そういう施設だと言われれば、そうなのだろう。だが、こんな人を人とも思わぬ施設を作り上げるなど、もはや正気の沙汰ではない。
「あー、ホントに趣味悪いなここ。これって助けられるのかな?」
「でもまぁ、その技術だけは目を見張るねぇ。人体の強制成長、兵士を作るにはもってこいだねぇ」
 露木・鬼燈(竜喰・f01316)とアルナスル・アミューレンス(ナイトシーカー・f24596)も、珍しくドン引きしていた。どちらかというと、粛々と任務をこなして行く雰囲気のある二人なのだが、さすがに女性が家畜以下の扱いしか受けていないという惨状には、目を背けることができなかったようだ。
「それにしても……ちょっと捕まった人数多くないかな?」
 そんな中、枸橘・水織(オラトリオのウィザード・f11304)が捕まった猟兵の数を数えて首を傾げていたが、それはそれ。現に、部屋のどこからでもセンサーで生体データを取得できる辺り、この施設のシステムは油断のならない相手だ。
「うーしっ、ささっとスクラップにして中の雌を助けてやらねーと!」
 こちらに向かって来るサイバー・メイデンを確認し、笹乃葉・きなこ(キマイラの戦巫女・f03265)が気合を入れた。
 敵はもう、残すところ、後僅か。現状で稼働している全てのサイバー・メイデンを破壊すれば、とりあえず捕らわれた人々や仲間達を救出する余裕も生まれるはず。
 この戦い、絶対に負けられない。人々の尊厳を守るため、そして仲間達を救い出すために、5人の猟兵は一斉に攻撃を開始した。

●救出、激バトル!
 先にこの場所を訪れた猟兵達が奮戦してくれたこともあって、残るサイバー・メイデンは後僅か。対して、こちらは非情な罠にも負けることなく、洋館の探索の果てに施設の奥へと辿り着いた猟兵達。
 いかに強大な武器を持つサイバー・メイデン達であっても、彼らの連携プレーの前にかかれば鉄の人形に過ぎない。集団戦を想定して生産された量産型は、しかし一騎当千の戦力が複数固まった状態では、数の差と質の差の両方を同時に崩されてしまうのだから。
「――拘束制御術式、限定解除。――偽神兵器、同調開始。……さぁ、蹂躙を始めるよー」
 まずはアルナスルが先行して敵陣に突っ込み、次々と手足を破壊して行く。この程度の敵を倒すのに、武器など不要。偽神兵器と同調しあ今の彼は、肉体そのものが強靭な武器だ。
『敵、戦闘データ修正。こちらの想定を上回……ッ!?』
「どこ見てるべ! 余所見は厳禁だべ!」
 分析結果を口にしようとした瞬間、そのサイバー・メイデンの首をきなこが掴んで圧し折った。ロボットとはいえ、人型をしているだけあって、関節は脆い。装甲に対して真っ向から対抗すれば勝ち目はないが、戦い方次第では素手でも十分に破壊できる。
『敵、戦闘レベル確認。排除開始』
『接近戦を避け、砲撃行動に移行します』
 近づかれては不利と判断し、サイバー・メイデン達は距離を取りながらの砲撃戦へと移行して来た。高速で移動しているアルナスルにとっては容易く避けられる攻撃だが、そうでないきなこにとっては、少しでも油断すれば直撃だ。
「わわっ! 口からビーム吐いてくるんだけど!」
 慌てて横に避けると、今しがた自分のいた場所が、大きくビームで抉られていた。
 冗談じゃない。こんなもの食らったら、無事では済まない。だが、あまり調子に乗って避けていると、流れ弾が培養カプセルに命中し兼ねないので、やってられない。
「落ち着いて! みおが援護するよ!」
 敵のビーム攻撃に合わせ、水織が杖を構えた。彼女の魔法は、その時々によって姿を変える。敵は高火力の火器を搭載した機械兵。そんな相手に有効な、今回の彼女の魔術とは。
「みおの錬金魔法……相手に合わせて変幻自在だよ」
 繰り出されたのは、粘性の高いトリモチ弾。それも、ここに来るまでに魔力を溜められるだけ溜めて放った代物だ。それらは複数のサイバー・メイデンを同時に飲み込み、顔も砲身も、そして胸も手も足も、全てすっぽり覆い尽くしてしまった。
『砲撃システム、異常発生!』
『行動不能! 緊急事態発生!』
 これには、サイバー・メイデン達も、狼狽えながらトリモチを排除しようとするしかない。だが、当然のことながら、戦場のド真ん中でそんなことをすれば、丸腰の隙だらけになってしまう。中には動くことさえ不可能な機体もあり、トリモチ弾に埋まって完全に行動不能状態だ。
「させません! これで故障させてあげます!」
 すかさず、ルナが水魔法で敵をずぶ濡れにし、電撃魔法を浴びせて感電させる。精密機械だけに、高圧電流には弱かったのか、煙を上げて倒れて行くサイバー・メイデン達。
「んっ……ぁぁ……ひぐぅっ!」
「い……ぁぁぁ……」
 しかし、それらの攻撃はサイバー・メイデンの神経回路を通して、生体コアにされた女性達にも伝わってしまっていた。否、ルナの攻撃だけではない。猟兵達による攻撃で受けた衝撃は、それら全てが生体コアの女性達に、直接痛みとして伝わっていた。
 戦闘で受けたダメージを痛みとして受容させることで、生体コアに更なる刺激を与え、機体の出力を向上させる。正に、それらは悪魔の所業。人を人と思わない、外道にも劣るシステムだ。
「おいおい、これじゃ俺達の方が悪者っぽくないか?」
「むぅ……でも、このまま何もしなければ、こっちが先にやられてしまうべ」
 生体コアの女性が苦痛を感じていることを知って、アルナスルやきなこも少しばかり攻めあぐねているようだった。そんな中、気配を消して敵の背後を取りながら、鬼燈は生体コアにされた女性達を救出するための術を考えていた。
(「どーにもならないっていうなら、非情に徹して倒すしかないけど……」)
 その判断を下すのは、些か時期尚早だ。必要ならば非情になるのが忍だが、しかし無暗な殺生をしたり、他者に苦役を強いたりするのは好きではない。
 とりあえず、試すだけ試してみる価値はある。覚悟を決め、鬼燈は見えない斬撃で、サイバー・メイデンが女性達を拘束している金属バンドだけを狙って攻撃した。
「この刃を以て斬り祓えば穢れは在らじ。残らじ」
 鬼燈の刃が斬り裂くのは穢れのみ。穢れとは、即ち人々に苦痛を与える存在であったり、あるいは世界を歪ませる存在であったりするものだ。
 女性達を拘束する金属バンドも、広義の意味では穢れと呼んで差し支えなかった。それらを斬り捨て、拘束が緩んだところで、今度はきなこが生体エネルギーをを放って女性達をサイバー・メイデンの中から引っ張り出した。
「奇術を見せてやるべ」
 不可視の力により拘束から解き放たれ、救出されて行く女性達。生体コアを失ったサイバー・メイデンは急激に弱体化し、その大半が鈍い音を立てながら機能を停止させて行く。
「とりあえず、助けた雌はどこか安全な所に纏めておかないとぉ。また、取り込まれちまったら大変だもんなぁ」
 救出された女性達は、そのままきなこが安全な後方へと運んで行った。残されたのは、空っぽになったサイバー・メイデンの抜け殻のみ。色々と大変な目に遭った者もいるようだが、とりあえず戦いは終わったと……そう、誰しもが思った時だった。
『ガ……ガ……。目標……捕……捉……』
 なんと、ここに来て最後の最後で、大破したはずのサイバー・メイデンが1体だけ稼働していた。それは、攻撃に使える方の砲塔を構えると、猟兵達と後方にいる女性達に向け、最後の攻撃を仕掛けて来た。
「やらせません!」
 このままでは、助けたはずの女性達の中に死者が出る。それだけは、絶対に起こしてはならない悲劇だと、ルナが身を呈して女性達を庇う。
「月の女神さんによる守護を! あらゆる攻撃から守りたまえ! ガーディングバイアルテミス!!」
 もっとも、さすがに自分の身体を盾にすれば、どうなってしまうのかはルナとて容易に想像がついていた。だからこそ、彼女は自ら月光を纏い、その力によって敵の攻撃を跳ね返したのだ。
「ふぅ……危ないところでしたね」
 救出した女性達を守り抜き、ルナが大きく溜息一つ。気が付けば、周囲に敵の姿はなく、サイバー・メイデン達も完全に起動を停止していた。

●元凶の影
 全てのサイバー・メイデンを無力化したことで、猟兵達は改めて、捕まっている人々や、あるいは仲間の猟兵達を救出した。
 培養カプセルと拷問機械は破壊され、そこに捕まっていた猟兵達も救出された。が、あまりに消耗が激し過ぎたのか、中にはしばらく動けそうにない者もいた。
「とりあえず、これで全部だべか?」
「どうやら、そうらしいねぇ。あ、衣服はアサルトカーゴの中のもの、どれも好きに使っていいから」
 きなこが捕まっていた人々を集め、アルナスルが衣服を着せて行く。それでも目が覚めない者には、ルナや鬼燈が洋館で手に入れた薬草を使って手当をしていた。
「こういう時、貼るだけでも効果があるのは助かりますね」
 緑色の薬草を、ルナは人々の身体に貼ることで、消耗を回復させている。だが、外傷よりも体内や精神に与えられた苦痛の方が大きいため、できれば薬草を食べさせるか、あるいは煎じて飲ませたいところだが。
「これを飲ませれば……うん、飲ませれば。これは医療行為です。いいね?」
 仕方なく、鬼燈が薬草由来のポーションを配合して口に含み、それを女性達の口に直接移して飲ませて行く。本当は許可が欲しいところだけど、非常事態だし、仕方がないよね?
「うぅ……こ、ここは……」
「あ……もしかして、あんた達が助けてくれたのかい?」
 薬草の効果があったのか、次々と目を覚まして行く女性達。その一方で、猟兵仲間の方は、主に水織が救出し、回復魔法を施していた。やはり、捕まった者の数が多過ぎるのではないかと首を傾げる水織だったが、この場合は一部のお約束も含まれているので仕方がないといったところか。
「それじゃ、後は不要なものを轢殺(ツブ)しておくかねぇ」
 最後に、培養カプセルや拷問機械といった設備は、アルナスルがしっかり破壊しておくことも忘れない。これでもう、同様の事件は二度と起きないはずだが……何か、忘れているような?
「そういえば、この施設に略奪者(レイダー)のボスがいるんだよね? 誰か、それっぽいのを見た人、いる?」
 誰に尋ねるともなく、問い掛ける水織。そう、戦いはまだ完全に終わってなどいない。女性を生体コアにする非情な兵器を操って、多くの拠点を襲撃させた、事件の元凶が残っている。
 果たして、それはどんな存在なのか。迫り来る最後の戦いに向け、猟兵達の間には、再び緊迫した空気が漂い始めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『乳魔マリエン』

POW   :    マリエン式・エナドレチャーミング
【精気を奪う為の淫力】を籠めた【淫魔としては非常に発育した胸部】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【性感と、快楽への抵抗心】のみを攻撃する。
SPD   :    『乳魔』の超絶乳技
自身の【淫魔としての飛行能力】を代償に、【発育した胸部を使用した、吸精の為の快楽】を籠めた一撃を放つ。自分にとって淫魔としての飛行能力を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
WIZ   :    サキュパスペディア(淫魔の情報網)
【対象の弱点や好みを探る様な精気吸収】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【性感帯・好みの体位・性癖 等】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。

イラスト:黒江モノ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

●真相と元凶
 サイバー・メイデンの生産プラントから攫われた人々や捕らわれた仲間達を救い出し、猟兵達は改めて、意識を取り戻した女性奪還者達に真相を尋ねた。
 ここは、いったいどのような目的で作られた施設なのか。そして、サイバー・メイデンを操って、人間狩りをしていた者は誰なのか。
「ああ、ここかい? そうだねぇ……あたし達が口で説明するより、こいつを読んだ方が早いんじゃないかい?」
 そう言って、女性奪還者が取り出したのは、古ぼけた一冊の手記だった。どうやら、彼女が洋館を探索している間に発見したものらしく、しかし捕まった際に部屋の片隅に転がされていたものだ。

――6月20日。
 我々は多発するオブリビオン・ストームに対抗すべく、ついに搭乗型のパワードスーツの開発に成功した。
 だが、それを起動させるためには、強い生命力と精神力、そして慈愛の精神を持った者が必要だ。
 人間の生体エネルギーで起動させる以上、その負荷に耐えられる者でなければならない。

――6月26日。
 研究の中止が言い渡された。
 なんでも、生体コアに女性を採用するという点について、上層部が難色を示したからだ。
 確かに、戦いは古来より男の仕事だが、しかし今は非常時である。
 むしろ、非力な女性でも強い母性があれば戦えるのだから、採用を見送る理由はないはずだが?

――7月3日。
 中止になった研究を引き継ぎたいと、とある偏執狂の大富豪がスポンサーになってくれた。
 彼は女性に対して随分と悪趣味な男らしいが、大丈夫だろうか?

――7月16日。
 大富豪の下で研究を続ける中、我々はついに禁断の技術に手を出した。
 それは他でもない、召喚魔術というものだ。
 なんとも非科学的な話だが、しかし最後に頼れるのは、もうこれしかなかった。
 果たして、そんな我々の願いが通じたのか、我々はマリエンと名乗る淫魔を召喚し、それを捕獲することに成功した。

――7月22日。
 度重なる研究の果てに、マリエンの胸を強化することに成功した。
 胸が重くなり飛べなくなったことに不満な様子だが、母性の象徴たる胸をあそこまで大きくすれば、パワードスーツ部隊の隊長としては申し分ない。

――8月3日。
 ダメだ、淫魔マリエンは強過ぎる。
 あの淫魔は、我々の想定していた以上の力を持っていた。
 もはや、彼女を止められる者は誰もいない。
 おまけに、出撃したパワードスーツ部隊も、オブリビオンストームによって全てオブリビオンと化してしまった。
 全てはマリエンの企みだったと、気が付いた時には遅かった。
 我々の研究は失敗だったのか?
 女性に戦いを強いたのは、間違いだったのか?
 その答えを知る暇もなく、遠からず私もマリエンの餌食となるのだろう。
 そうなる前に、せめてこの施設を発見した者が、二度と再び施設を利用されないよう、破壊してくれることを願うまでである。

 手記の内容は、そこで終わっていた。要するに、この施設は本来であれば人々をオブリビオンから守るための砦として設けられ、サイバー・メイデンも女性の搭乗するパワードスーツとして開発されたということだ。
 だが、より強いパワードスーツの搭乗者を求め、淫魔まで召喚してしまったのが運の尽き。マッドサイエンティスト達の手によって豊胸された淫魔は、そのパワーを何倍にも増してしまい、研究者たちは全て篭絡された挙句、精気を搾り取られて死んでしまった。パワードスーツ部隊もオブリビオンストームにやられてオブリビオンと化し、その慣れの果てがサイバー・メイデンなのだろう。
「ま、そういうわけで、この施設の最深部にはマリエンとかいう淫魔がいるってことさ」
「だけど、もう淫魔なんかの好き勝手にさせないよ。コアにされて死んだ人のためにも、淫魔に精気を奪われて殺された男の人達のためにも、負けられないんだから!」
 解放されて間もないというのに、奪還者の女性達はやる気満々だ。その中でも、眼鏡をかけた一人の少女が、なにやら施設のコンピュータを稼働させ。
「……よし、これでオッケーだね。あの機械兵達の制御プログラムを書き換えたよ。これで、あたし達が乗り込んでも、こっちの意思で制御できるはずだよ」
 なんと、残っていたサイバー・メイデンのプログラムを変更し、本来のパワードスーツへと戻したというのだ。恐らく、彼女はソーシャルディーヴァ。それも、かなりマニアックなコンピュータオタクのようである。
「そういうことなら、あたし達も協力するよ。さあ、この地下にいる淫魔をブッ飛ばしてやろうじゃないか!」
 そう言うが早いか、奪還者のリーダーがサイバー・メイデンに乗り込んだ。リミッターを解除できないため、戦力としては猟兵達に劣るものの、彼女達の援護射撃がもらえるのはありがたい。かくして、猟兵達はサイバー・メイデンに乗り込んだ奪還者達と共に、施設の最深部にある淫魔の巣窟を目指すのだった。

●淫魔の憂鬱
「あ~、退屈ぅ……。最近、男も食べてないし、女の子を虐めるのにも飽きて来ちゃったし……」
 薄暗がりの中、持て余す程に大きな胸を揉みながら、溜め息を吐く紫色の髪をした女。その頭に生えた二本の角と、背中の翼に尻から生えた尻尾が、彼女が普通の人間ではないことを物語っている。
「なんかこう、もっと刺激が欲しいのよねぇ。どこかに、打たれ強くて搾り取り甲斐のある男とか、虐め甲斐のある女の子はいないかしら?」
 精気を絞りつくされてミイラ化した男の死体を足蹴に、彼女は再び溜息を吐いた。
 自分の趣味を満喫するためだけに、人々を玩具にしようとする悪魔的発想。彼女の名は、淫魔ならぬ乳魔マリエン。かつて、科学者達によってこの地に召喚され、巨乳に改造されたオブリビオン。
 彼女を倒せば、この悪夢もようやく終わりを迎える。パワードスーツの生産プラントを悪趣味な人体改造施設にした彼女を倒し、全ての悪夢に終止符を打つのだ!
アイ・リスパー
【恋華荘】
「このような邪悪な研究を推進させた淫魔は許すことはできませんね!
特に胸のあたりは私に喧嘩売ってますよね!?」

【ビルドロボット】で再度サイバーメイデンをパワードスーツ化して装着します。
わざわざ電脳魔術を使う理由?
エネルギー(胸)が足りないからですよ!(ヤケ

「って、いちごさん、アシュリンさんっ!?」

仲間がピンチになったのを見て、とっさにリミッターを解放!

「ひゃぁんっ」

電極に貫かれつつも淫魔を攻撃しますが……
淫力の一撃を受けて快楽への抵抗心を失ってしまいます。

「こんな刺激では足りません……」

メイデンから降りて、アシュリンさんと一緒にいちごさんに迫り……
熱いものを中に受け止めるのでした。


彩波・いちご
【恋華荘】
「これが元凶ですか…無念の中で散った人たちのためにも淫魔はここで倒します!」
先手を打って【異界の浸食】でスライム召喚して拘束にかかりますが…
逆にそのスライムを乗っ取られた挙句、淫魔の胸に襲われて、抵抗できなくなってしまいます
乗っ取られたスライムで服を溶かされ裸にされて、そのまま淫魔に跨られて…

「アイさん、アシュリンさん……やめ、今そこ触られ、たら…んっっ」
アイさんとアシュリンさんがそれに対抗して私を奪いかえそうと迫ってて、2人の誘惑に負けてそのまま愛し合い…

いつしか快楽への抵抗のなくなった私は、そのまま2人と、更に淫魔に襲われて最後まで搾り取られてしまうのでした


織笠・アシュリン
【恋華荘】

こいつが元凶の淫魔……
って、何いちごに色目使ってるのー!?
いや、「男の子と女の子両方イケるわ」とか、いちごは男の子だから!!

「こら、いちごを離せー……きゃぅぅっ!?」
いちごに迫る淫魔に【月光翔ける魔女の装】で突っ込んで……
押しのけようとして反撃を受けちゃうっ

「い、いちごは渡さないもんっ……あたし(たち)のものなんだからねっ!」
淫魔に対抗しようと、いちごに迫るっ
微妙にはだけた魔女服でアイと一緒に誘惑しつつ、いちごにあれやこれや
……そ、そりゃ恥ずかしいよ!
でも、こないだ一線は越えたから、もう、ね?

そして、淫魔の攻撃やいちごのエナジーでひどいことになるけど、もう聞く余裕もない、よ……



●勝負にならない戦い?
 度重なる非道な罠や、機械兵器の攻撃を掻い潜り、ついに施設の最深部まで辿り着いた猟兵達。そんな彼らの前に現れたのは、持て余す程に豊満な胸元を誇る、なんとも目のやり場に困る淫魔だった。
「こいつが元凶の淫魔……」
 まさか、こんな崩壊世界にまで来て淫魔に出合うとは思わなかったと、織笠・アシュリン(魔女系ネットラジオパーソナリティ・f14609)は言葉を飲み込んだ。てっきり、マッドサイエンティストや触手怪物、謎のエロマシンなどが現れるかと思っていたが、これはこれで、なんとも厄介な相手である。
「このような邪悪な研究を推進させた淫魔は許すことはできませんね! 特に胸のあたりは私に喧嘩売ってますよね!?」
 主に、個人的な怒りを淫魔の胸に向けつつ、アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)が盛大に叫んだ。だが、淫魔……もとい、乳魔マリエンはアイの胸を見るなり、自分の豊満な胸を軽く寄せて持ち上げつつ、上下に揺らしながら鼻で笑い飛ばした。
「喧嘩ぁ? 最初から勝負がついている相手に、なんで喧嘩なんか売らなくちゃいけないのかしらぁ?」
 この戦い、最初から勝負にさえなっていないと告げるマリエン。その、なんとも尊大かつ不適な態度に、アイは完全にブチ切れた。
「な……な……な……!! い、いちごさん、やっちゃいましょう! こんな淫魔……いえ、おっぱいお化け、生かしておいちゃいけません!」
「ええ、そうですね……。無念の中で散った人たちのためにも、淫魔はここで倒します!」
 アイの言葉に、彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)も静かに頷く。色々と思うところはあるが、とにかく今は、あの爆乳淫魔を退治しなければ。
「行くよ、二人とも! 最初から、全力全開でね!」
 もう、情けもかけなければ油断もしない。月の魔力を宿す魔女っ子モードに変身したアシュリンを先頭に、いちごとアイも乳魔マリエンを倒すべく、一斉に攻撃を開始した。

●全てを奪う乳魔の遊戯
 研究員や攫った男を絞り付くし、果ては女を虐めることで暇潰しにしていた恐るべき乳魔。
 こういう相手に、中途半端な遠慮は不要。下手に手加減などすれば、そこに漬け込まれて絶対に酷い目に遭う。
「ふんぐるいふんぐるい……、全てを喰らう形なき我が眷属よ!」
 先手必勝とばかりに、いちごは異界よりスライム状の生物を召喚した。スライムなど、雑魚だと侮るなかれ。このスライムは衣服だけでなく、金属であろうと魔物の肉体であろうと、侵食して溶解する効果を持つのだ。
「あら、これは面白い生き物ね。遊び相手に、丁度いいわ」
 そんなスライムを前にして、マリエンは臆することなく自らの胸の谷間に引き寄せた。なんとも大胆な行為だが、これはチャンスだ。あのまま、敵を胸から溶解して、その隙に一斉攻撃を仕掛ければ勝てるはず。
「今です、アイさん! アシュリンさん!」
 あのスライムが淫魔を止めている内に、攻撃しろ。そう、残る二人に命じるいちごだったが……果たして、マリエンは本当にスライムで動きを止められていたのだろうか。
「うんうん、なかなか良い子達ね。そ~れ、お返しよ💕」
「……え? う、うひゃぁぁぁっ!!」
 なんと、マリエンの谷間に挟まれていたスライムが、一斉にいちご目掛けて襲い掛かって来たのだ。
「な、なんでこうなるんですか!? ちゃんと制御したはずなのに!」
「あははは、残念ね。私の胸は、スライムだって気持ち良くさせて、篭絡することができるのよ♪」
 状況が飲み込めず慌てるいちごに、マリエンがドヤ顔で言い放った。なんと、彼女はいちごのスライムを篭絡し、逆に操ることで、そのまま全てお返ししたのだ。
「そういうわけで、あなたは私がいただいちゃうわね。久しぶりの男の子……さぞかし、食べ応えがありそうね💕」
 獲物を狙う肉食獣のような瞳のまま、マリエンが動けないいちごに迫る! そのまま、強引に押し倒して上に圧し掛かり、自分の胸でいちごの顔面を板挟み!
「ほ~ら、どうかしら? お姉さんのおっぱい、気持ちいいわよね?」
「んぐっ! く、苦し……あぁ……でも、柔らかくて……って、ダメです! そ、そんなことされたら……ぁぁぁぁ……」
 哀れ、抵抗空しく、乳魔の乳に堕ちて行くいちご。このままでは、今にいちごは精気を搾り取られ、その辺に転がっている研究員や奪還者のミイラと同じ状態にさせられてしまう。
「こ、こいつ……あたし達の前で、いちごに何てことぉぉぉっ!」
 あまりに目のやり場に困る光景に、まずはアシュリンがブチ切れた。このまま、いちごを奪われてなるものか。その一心だけで、乳魔マリエンに向かって行くが、しかしいちごの精気を吸収しているマリエンの力は、もはやアシュリンだけでは止められない程に強大になっていた。
「こら、いちごを離せー……きゃぅぅっ!?」
 箒に乗って真正面から攻撃するも、容易に弾かれて叩き落される。それでも、諦めずに地を這って、アシュリンはいちごに縋りつく。
「い、いちごは渡さないもんっ……あたしのものなんだからねっ!」
「……うるさいわねぇ。人のお楽しみ中に、邪魔するなんて可愛くないわよ」
 いちごを奪還戦と迫るアシュリンの頭を、マリエンが面倒臭そうに足で踏みつけた。もう、こうしてはいられない。多少、危険な賭けではあるが、こうなったら最後の手段を使う他にない。
「……って、いちごさん、アシュリンさんっ!?」
 仲間のピンチを救うべく、アイは自らの搭乗していたサイバー・メイデンと融合した。そのまま、巨大なロボへと姿を変えると、咄嗟にリミッターを解除して。
「ひゃぁんっ」
 後ろから電極に貫かれつつも、ビームでマリエンを攻撃するが、しかし直撃には至らない。
「あらあら、どこ狙ってるのかしら? もっと良く狙わないと、私に当たらないわよ」
「くっ……で、でも、このまま下手に攻撃したら、いちごさん達が……」
 いちごの上に跨ったままのマリエンを撃ち損じれば、極太ビームがいちごに当たる。さすがに、それはできないと、どうしても控え目攻撃しかできないアイの隙を、マリエンが見逃すはずもなく。
「ほ~ら、あなたも自分に素直にならないと」
 マリエンがいちごから離れ、アイの転じたロボットに、両胸を突き出して体当たり!
 強烈なおっぱいアタックの直撃を受け、転倒してしまったアイは……果たして、自らユーベルコードを解除してしまい、サイバー・メイデンからも降りてしまった。
「こんな刺激では足りません……」
 その瞳は既に白く濁っており、快楽への抵抗を全て失った状態だ。こうなっては、もはやアイはマリエンの手駒に過ぎず。完全に無力化された彼女を横目に、マリエンは続けてアシュリンにも迫り。
「そっちのあなたは、この子とイケないことしたいのよね? だったら、最初は譲ってあげるわ」
 そう言うや否や、アシュリンを持ち上げていちごの上に跨らせる。おまけに、服も這いでしまい、なんとも恥ずかしい恰好に!
「あ、あの……アシュリン、さん……? は、恥ずかしくないのですか!?」
「……そ、そりゃ恥ずかしいよ! でも、こないだ一線は越えたから、もう、ね?」
 気が付けば、アシュリンもマリエンの術中に嵌ってしまい、本能のままにいちごを求めるだけとなっていた。そのまま、いちごの上に腰を下ろすと、もう何も考えられず、また止められない。
「ひゃぁっ! ま、待ってください、アシュリンさん! なにも、こんなところで……!」
「あぁ、もうダメだよぉ! 我慢できないからぁ!!」
 我を忘れたアシュリンに、いちごの言葉は届かない。そのまま、イケない行為に走る彼女の後ろから、マリエンは優しく手を伸ばして胸に触れ。
「ひぐぅっ! ちょっ……今、そんなとこ弄られたら……」
「うふふ……悪いけど、精気まで譲ってあげるつもりはないの。気持ちよくなれる代わりに……あなたの精気もいただくわね」
「え……? あぁ……だ、だめぇぇぇぇっ!!」
 いちごのエナジーとマリエンの超絶技術。その二つを同時に受けてしまい、アシュリンの精神はそこで途切れた。

●恐るべき搾取
「さ~て、後はあなただけよね。折角だし、あなたも楽しんだら?」
 気絶したアシュリンを引っぺがし、続けてマリエンが手招きしたのはアイだ。今や、彼女も完全に快楽の虜となっており、もはやいちごと何をするにも抵抗はなかった。
「ちょっ……アイさんまで!?」
 慌てて起き上がろうとするいちごだったが、その両腕をマリエンが押さえ付けた。その上で、改めてアイに手招きし、いちごの上に跨らせ。
「ほら、この子が欲しかったんでしょ? だったら、たっぷり楽しむといいわ」
 そのまま本能の赴くままに、いちごのことを搾取させる。
「あ……や、やめてください、アイさん! さっき、果てたばっかりで……んぐぅっ!!」
 それでも、なんとかアイを正気に戻させようと説得するいちごだったが、その口をマリエンの大きな胸が塞いだ。
「気にせず、楽しめばいいのに♪ 煩い口は、しばらく黙らせちゃおうかしら?」
 哀れ、完全に淫魔の傀儡と化したアイに跨られ、マリエンにも組み伏せられてしまい、いちごは何もできなかった。そのまま、気持ちの高ぶりが最高潮となったアイに向け、とうとう自らのエナジーを吐き出してしまい。
「あ……? あぁぁぁっ! す、すみません、アイさん!」
「別に……いいですよぉ……。いちごさんのだったら……私……」
 呆然とした表情で呟くアイもまた、意識が朦朧としており限界だ。それを見たマリエンは意地悪い笑みを浮かべると、動けないアシュリンとアイを近くに落ちていたワイヤーで縛り上げ、そのまま壁に拘束してしまった。
「さて、サービスタイムはおしまいよ。それじゃ、残りは私が全部もらうわね」
 お前達は、そこからその様を眺めていろ。そう言って、もはや限界状態のいちごに、マリエンは再び跨った。
「うぅ……も、もう無理ですよぉ……。お願いだから、解放して……ひゃぅっ!!」
「思った以上に敏感な子ね。……うふ☆ 久しぶりに、たっぷり楽しめそう💕」
 そこから先は、正にマリエンの独壇場だった。彼女は自分の豊満な胸を使って、いちごのあらゆる部位を刺激し、その度にいちごのことを果てさせては精気を搾りった。
(「あぁ……そんな……いちごぉ……」)
(「あんな下品な女と……あんな楽しそうに……」)
 壁際に拘束されたまま涙を流すアシュリンとアイだったが、そんな二人の姿を見て、マリエンは勝ち誇ったような笑みを浮かべるだけだ。やがて、これ以上は本当にいちごが死んでしまうという手前で遊びを止め、マリエンはいちごのことも縛り上げると、そのまま天井から吊るしてしまった。
「なかなか美味しかったわ、ありがとね💕 直ぐには殺さないから、安心していいわよ♪」
 なぜなら、君とは何度でも楽しみたいし、あそこにいる二人の女を虐めるのも楽しそうだから。先制で攻撃を命中させこそしたが、結果としていちご達は、マリエンの玩具として捕らわれてしまったのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

玉依・紅
【ジュエル】
「うぅ…あれを倒せば終わるんだよね…?」
さっきまでの責めに心折れそうだけど、でも、お姉ちゃん達もまだ戦うなら、私も…!
「頑張るからっ」
紅玉・解放でジュエル・ルビーに変身

接近戦を蒼お姉ちゃんに託して、私は援護を
「行って!【紅玉・縛炎鎖】!」
ジュエル・ソードから放つ炎の鎖で、敵を縛っちゃうんだから!

でも、前のダメージは大きくて、すぐに魔力切れ
お返しにって淫魔に全身弄られちゃう
「やだ、やだぁ……たすけてぇっ?!」
そして内股を撫でられると、びくぅんと脳に電撃が奔ったような
お股を指でなぞられるだけで意識が飛びそうになって…これが私の弱点…?
そのままビクビクと痙攣して、失禁したまま果てちゃう…


玉依・蒼
【ジュエル】
「こいつが全ての元凶ね。ここで決着をつけてあげるわ!」
何とか解放された後、自分たちの受けた分もお返しするために
蒼玉・解放でジュエル・サファイアに変身
ジュエル・サーベルを手に斬りかかっていくわ
「これでも喰らいなさい!【蒼玉・斬空閃】!」

だけれども、先程までのダメージと疲労で、思ったほどの力が出ず
逆に敵の精気吸収を受けてしまって腰砕けに
「んぁっ……ダメ…っ……」
淫魔の手で胸をもみくちゃにされたと思ったら、さらに自分でも自覚のなかった弱点…お尻の穴に指を突っ込まれてかき回され、その刺激に悶えてしまって…
「もぅ、やめて…お尻でなんて…いやぁ…」
涙目になったままへたり込んで、絶頂させられ…


玉依・翠
【ジュエル】
「あなたがすべての元凶の淫魔ですね!
このジュエル・エメラルドが成敗してあげますっ!
翠玉・解放!」

淫魔の前で魔法戦士に変身します。
先程、酷い目にあわされたお礼はきっちりしてあげますからねっ!

エメラルド・スタッフを構えて【ウィザード・ミサイル】を放ちます。ですが……

「って、いやっ、そこはだめぇっ……」

淫魔の手によって身体中を撫で回されて弱点である敏感な胸の先端を責められて……
さらに下半身の中も指で掻き回せれてしまって……

「あっ、やっ、今はだめぇっ!」

培養槽で飲まされた液体のせいで……我慢の限界が……

「やぁっ、魔法戦士の格好でしちゃうなんてっ!」

足元に水たまりを作りつつ絶頂するのでした。


玉依・藍
【ジュエル】

「いままでの報いを受けるときです。乳魔!」

アクアマリンに変身し、
みんなと連携して攻撃していきますが……。

前回注がれた薬液がいまになって効果を発揮。

胸が腫れるように膨大きくなって、
上下のお豆もお先端がぷっくりと膨れてしまい、
「そんな、こんな時に!?」

敏感なところがコスチュームに擦れると、
そこから痺れるような快感が全身を貫いて、動きが止まってしまいます。

そこを再び捕まり、乳魔の名の通り、
腫れ上がって感度の上がった胸をこね回され、
潮を噴き絶頂して、そのまま失禁もしてしまいます。

太股を伝う温かい飛沫にもびくびくと身体を震わせてしまって、
つま先を痙攣させながら絶頂し続けますね。


剣ヶ峰・黒耀
【ジュエル】
なんとか生体コアになる前に助かった、けど、もう身体がボロボロ
変身解除される大ダメージ受けて、そのまま生体コアにする処理受けた……虚弱な身にはキツイ

それでも、仲間の為に……仲間を護るために、黒が戦わないと
再度【黒曜石・解放】で変身、これでまだ残ってるダメージはなんとか誤魔化して戦える
でも、乳魔マリエンをぶつけられて精気を奪われて変身が解ける
更には快楽への抵抗心も削られ、先に生体コアにする為に胸に打たれた薬物が今更効いてきて、しかも、この失敗作の身体には劇物だったのかどうか正しい効果にならなかった
胸が大きくならず、母乳噴き出て、しかも胸だけで達してしまうように……貧乳なのに胸が弱点に



●対決! 魔法戦士VSアブない乳魔!?
 施設の地下に潜む全ての元凶。召喚魔術とバイオテクノロジーによって巨乳と化した、恐るべき淫魔……否、乳魔マリエン。
 それは、ある意味では科学と魔術の究極の融合だったかもしれない。もっとも、そんな奇跡を淫魔の豊胸なんぞに使ってしまったことが、全ての誤りだったのかもしれないが。
「うぅ……あれを倒せば終わるんだよね……?」
 最深部に辿り着いた玉依・紅(魔法戦士ジュエル・ルビー・f26914)が、少しばかり怯えた様子で言った。既に、先行してここへ到達した猟兵は奮闘虚しく倒されてしまい壁や天井に捕縛されていたからだ。
「もう、これまでですよ。今までの報いを受けるときです。乳魔!」
 玉依・藍(ジュエル・アクアマリン・f26912)がマリエンを鋭く指差して告げ、玉依・翠(魔法戦士ジュエル・エメラルド・f26913)
もそれに続く。
「あなたがすべての元凶の淫魔ですね! このジュエル・エメラルドが成敗してあげますっ!」
 こんな悪魔、魔法戦士の敵としては絶対に許せない。魔術を淫猥なる行為に用い、果ては遊びで人の運命を弄ぶ、世界を乱す存在そのものだからだ。
「こいつが全ての元凶ね。ここで決着をつけてあげるわ! 行くわよ、みんな!」
 玉依・蒼(魔法戦士ジュエル・サファイア・f26990)が叫べば、他の姉妹達も頷いた。それに合わせ、少しばかり遅れて現れた、剣ヶ峰・黒耀(魔法戦士ジュエル・オブシディアン・f26917)も呟いて。
「仲間のために……それが、黒の戦う理由……」
 全員、一斉に片手を掲げ、宝玉の力を解放する。一列に並んだ少女達の手に宿るのは、5色の光。
「蒼玉……」
「藍玉……」
「翠玉……」
「紅玉……」
「黒曜石……」
 それぞれ、自らに与えられし石の力。『姫』と結んだ契により授けられし力が、少女達の魔力に反応して力強く輝き。
「「「「「……解放!」」」」」
 赤、青、緑、藍、そして黒の5色の光が奔流となって少女達を包み、戦うための姿と力を授けて行く。宝玉の力を以て魔を払い、邪悪を討ち、世界の平和を守る者。それこそが、魔法戦士ジュエルフラワーズ。
「あらあら、随分と強そうな子達が現れたわね。でも……まさか、見掛け倒しじゃないわよね?」
 この様子なら、少しばかりは楽しめそうだ。ニヤリと笑う乳魔マリエンだったが、しかしジュエルフラワーズ達も負けてはいない。
「これ以上、この世界の人々を苦しめさせはしないわ! さあ、覚悟しなさい!」
 長女である蒼の言葉を皮切りに、一斉に攻撃を開始するジュエルフラワーズ。かくして、破棄された地下の研究施設にて、魔法戦士達と乳魔による、壮絶な戦いの幕が開いた。

●狡猾なる乳魔の罠
 禁断のバイオテクノロジーによって、豊胸されたことで力を増した乳魔マリエン。その代償として飛行能力を失ったが、しかし彼女の持つ淫魔のパワーは本物だ。
 現に、彼女はその身体能力だけでも、複数の猟兵を纏めて相手にできるだけのものを持っていた。だが、ジュエルフラワーズ達とて負けてはいない。確かに、個々の力ではマリエンに劣るかもしれないが、彼女達にはチームワークという武器がある。
「先程、酷い目にあわされたお礼はきっちりしてあげますからねっ!」
「これ以上……仲間を好きにはさせない……」
 翠の放った炎の矢がマリエンを追い込む中、黒耀が一気に距離を詰め、4本の剣で斬りまくる。それらの攻撃を、魔力を纏った手刀で捌くマリエンだが、さすがに手数が違い過ぎるのか防戦一方である。
「行って! 紅玉・縛炎鎖!」
 その隙を突いて、紅が真横から仕掛けた。彼女の放った炎の鎖はマリエンを縛り上げ、完全に自由を奪ってしまい。
「もらったわよ! 切り裂け! サファイア・スラッシュ!」
 黒耀と入れ替わるようにして斬り込んだ蒼が、そのまま正面から蒼色の衝撃波をマリエンに放つ。この間合いでは、マリエンが避けることは不可能。そのまま、真っ二つになってしまうだろうと……そう、思われたのだが。
「……っ! 危ないところだったわ♪」
「な、なんですって!?」
 なんと、放たれた衝撃波を、マリエンは胸の谷間で挟んで受け止め、そのまま相殺してみせたのだ。
「今のが必殺技かしら? それにしちゃ、随分と力が入ってなかったみたいだけど?」
「う……そ、それは……」
 図星を突かれ、蒼が思わず押し黙った。
 そう、彼女達はここに来るまで、様々なトラップに虐められた挙句、検査という名の拷問や、身体強化の調整によって疲弊していた。そのことが、最後の最後で気力を奪い、攻撃の軽さに繋がってしまったのだ。
「ああ、暑苦しい。こんな鎖、もう必要ないわよね?」
 自分の手足を拘束する炎の鎖を、マリエンは難なく引き千切った。拷問により、ある意味では蒼以上に消耗していた紅の魔力では、拘束を継続させるだけの余裕がなかた。
「どこを見ているの? 隙だらけよ!」
 それでも、相手の死角に回り込んで、藍が槍による一撃でマリエンの翼を貫いた。さすがに、これは効いたようで、マリエンも苦痛に顔を歪めながら、しばし藍との距離を取ったが。
「……やってくれるじゃない。だったら、私も本気を出さないとね。さあ、戯れはここまでよ!!」
 その豊満な胸を突き出して、まずは藍へと猛突進! 槍を抜いたばかりで体勢の整っていない藍は、その攻撃に容易く弾き飛ばされてしまい。
「藍! このっ!!」
 今度こそ逃さないと蒼が再び斬り掛かるが、その斬撃を胸の谷間で軽々と白刃取りし、マリエンは自らの胸を蒼の顔面に押し付けて来た。
「ほ~ら、あなたも自分に正直になって、全てを曝け出すといいわ♪」
「ちょっ……な、なにを!?」
 突然のことに困惑する蒼だったが、途端に身体の力が抜けて、そのまま動けなくなってしまった。ここに来るまでの受けた仕打ちのダメージだけではない。胸を通してマリエンに精気を吸収され、完全に力を奪われてしまったのだ。
「さあ! あなたも、あなたも、そっちのあなたも……みんな、自分の心に素直になるといいわ♪」
 蒼の精気を奪って力を増したマリエンは、今や完全に絶好調。その胸の重さを感じさせない軽快な動きでジュエルフラワーズ達の攻撃を避けながら、お返しとばかりに胸の一撃や精気吸収を見舞って行く。
「あ……ぅぅ……」
「やっ……な、なにこれ、力が……」
 形成は完全に逆転し、魔法戦士達はマリエンの力の前に、完全に動きを封じられてしまった。それを見て、満足そうに微笑んだマリエンは、まずは蒼と翠、そして紅の方へと狙いを定め。
「うふふ……。まずは、あなたね。上も感度がいいけれど……こっちの方は、どうかしら?」
「んぁっ……ダメ…っ……」
 胸を揉まれながら尻にまで手を伸ばされたことで、蒼は思わず身体をよじらせて悶えた。
 いったい、この感じはなんだろう。恐ろしく背徳的で、しかし甘美な感覚が、尻から背中を抜けるようにして彼女の身体の中を流れて行き。
「そして、あなたも胸が弱いのね? ……いえ、先端は全部弱いのかしら?」
「って、いやっ、そこはだめぇっ……」
 胸の先を弄られながら、その指先が更にイケない場所にまで伸びて来たことで、翠もまた目に涙を浮かべて悶えるが、マリエンの攻めは終わらない。
「やだ、やだぁ……たすけてぇっ!?」
 姉の二人が無力化されたことで、次じゃ自分の番だと紅は悟った。
「うふふ……怖がらなくていいのよ? ほ~ら、こんなところ、自分でも触ったことないでしょう?」
「ひぁっ!? はぁぁぁぁ💕」
 マリエンの指先が敏感な部分を刺激する度に、紅の口から普段の彼女なら決して発しないような艶っぽい声が響く。もはや、抵抗する力を完全に奪われてしまった三人を、マリエンは敢えて焦らしながら、代わる代わる攻めまくる。
 こうなったら、後は自分達がなんとかするしかない。互いに頷き、身体の疼きに耐えながらも立ち上がる藍と黒耀。が、そんな彼女達を嘲笑うかのようにして、変調は唐突に訪れる。
「きゃぁっ! そんな、こんな時に!?」
 先の生産プラントで打たれたり、飲まされたりした薬が今更になって効いて来たのだろう。藍の胸は衣服が張り裂けんばかりに膨張し、おまけに先端まで膨れ上がって来てしまい、服と擦れるだけで雷に打たれたような感覚が全身を襲うようになり。
「くぅ……胸が……身体が……熱い……」
 その一方で、黒耀は薬の副作用なのか、妊娠もしていないのに母乳が噴き出すようになってしまった。フラスコチャイルドである彼女にとって、人間用の成長促進剤は、ホルモンバランスを大幅に乱す効果があったらしい。
「あははは、これは傑作ね! ほ~ら、あなた達が助けてあげないと、こっちの3人も酷い目に遭っちゃうわよ~?」
 藍と黒耀が動けないのを知って、挑発するマリエン。せめて、後一発は殴ってやろと拳に力を入れる二人だったが、全身を襲う快感に抗うことなどできはせず。
「お……お願い……もう、やめて……」
「これ以上……仲間に手を出す……な……」
 その場に蹲り、抗議の声を上げるのが精一杯。そんな彼女達を横目に、マリエンはついに最後の仕上げに入り。
「さて、それじゃ、そろそろ終わらせてあげるわ。全身で気持ちよくなって、私に精気をちょうだいね♪」
 マリエンの細く長い指先が、蒼と翠と、そして紅の弱点を次々に攻め立てる。一度でも弱点を知られてしまえば、その次からは、マリエンの攻めは最初の何倍もの威力となって、被害者の心と身体を瞬時に堕としてしまうのだ。
「やぁっ、魔法戦士の格好でしちゃうなんてっ!」
「もぅ、やめて……お尻でなんて……いやぁ……」
 盛大に失禁して気絶する翠と、羞恥に耐えながらも快感に抗えず崩れ落ちる蒼。そして、残る紅の弱点にマリエンの指先が伸びたところで、紅もまた全身を痙攣させて失神した。
「さあ、後はあなた達の番よ。あなたの弱点は、丸見えで分かりやすいわね」
「ひっ! そ、そんな……今、そんなとこ触っちゃ……あ……ぁぁぁぁ……」
 残る二人も堕とすべく、まずは藍の方へとマリエンが近づき、大きく膨らんだ胸の先端を強めに摘まんだ。それだけで、藍の身体は痙攣を起こし、妹達と同じく粗相をしたまま気を失って。
「そっちのあなたは、しっかり搾り出してあげるわね」
「や、やめろ……うぁぁ……っ!!」
 最後の黒耀は、弱点と化した胸を弄られながら、しっかり搾乳されてしまった。
 薄れ行く意識の中、ジュエルフラワーズ達はグリモア猟兵の言葉を思い出した。洋館の中には薬草が生えているから、後の戦いで役に立つかもしれないという話を。
 ああ、せめて道中で薬草を使って体力を回復させるか、あるいは解毒していれば、こんなことにはならなかったかもしれない。
 だが、今となっては後悔しても後の祭り。かくして、ジュエルフラワーズ達はマリエンにかなりのダメージを与えたものの、後一歩のところで力及ばず、そのままマリエンの玩具として捕らわれてしまった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘NG
グロNG
POW

……自業自得だわ。
人間って、ちっぽけなくせに何でも支配したがるわよね。
ちっぽけだからこそ、かしら?

オブリビオンの血と魂を宿す私なら
貴女の欲求を満たしてあげられる。
さあ、愛し合いましょう?

彼女の淫力に最初は太刀打ち出来ず
吸われる精気に媚薬効果の【呪詛】を込め
敏感にするのが精一杯だけど
吸い尽くされる度に『永劫火生』で蘇り
無限に戦闘力が高まる

不変不朽の美、永遠の愛、無限の快楽。
私の楽園では退屈なんて永遠にさせないわ

守護霊の憑依【ドーピング】で更に戦闘力増強。
【怪力】で抱きしめ【誘惑・催眠術】で愛を囁き
彼女の尻尾を肉棒のように【慰め】ながら
胸の先端に吸い付き【生命力吸収・大食い】



●禁断の千日戦争
 薄暗く、冷たい研究所の廊下を、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は他の猟兵達とは異なるルートで歩いていた。
「……自業自得だわ」
 誰に言うともなく、ドゥルールは呟いた。この施設を作り上げ、果ては淫魔まで召喚し、彼女を改造して生体兵器にしようと企んだマッドサイエンティスト達。
 確かに、彼らは人類のためを思って研究を始めたのかもしれない。だが、その果てに行き着いたのは悪魔の所業。未知なる存在であるはずの淫魔でさえも、科学の力で服せると思い、その奢りから淫魔の餌として食われてしまった哀れな存在。
 人間とは、かくも業が深いものだ。ちっぽけな癖に……否、ちっぽけだからこそ、その矮小さを埋め合わせるために、あらゆる存在を自らの支配下に置こうとするのかもしれない。
 そんなことを考えていると、やがてドゥルールは開けた場所に出た。その中央に座する巨乳の美女こそ、乳魔マリエンであると、彼女は本当的に理解した。
「あら? 次の相手はあなたかしら? あなたは、どんな声で鳴いてくれるのかしらね?」
 ドゥルールの姿を見つけるなり、マリエンは虐めたくて仕方がないといった様子で、不敵な笑みを浮かべて尋ねた。もっとも、ドゥルールにとってもマリエンの攻撃は、望むところではあったのだが。
「オブリビオンの血と魂を宿す私なら、貴女の欲求を満たしてあげられる。さあ、愛し合いましょう?」
 そちらが望む快楽を、自分は余すところなく与えてやれる。そう言って手を差し伸べるドゥルールだったが、マリエンの反応はいま一つ。
「愛? ……おかしなことを言うわね。愛なんて、あってもなくても、私には別に関係ないし~♪」
 なぜなら、自分にとっての快楽とは、あくまで食事に過ぎないとマリエンは言い放った。というか、食事のためには自分が気持ち良くなっても仕方がない。望む、望まないに関係なく、相手を絶頂させることで、その魂を食事としていただくのが淫魔なのだと言い放ち。
「そういうわけで、あなたの魂もいただくわね♪」
 巨乳を突き出し、突っ込んで来るマリエン。その、あまりの勢いと強烈な精気吸収能力を前に、ドゥルールはあっけなく吹き飛ばされてしまった。
「あ~らら、口ほどにもない。それじゃ、残りもおいしくいただきま~す♪」
 そのまま倒れたドゥルールの頭を胸で挟み、押し潰すようにして揉みしだくマリエン。その度に、ドゥルールの身体から精気が搾り取られ、不死身にも近い肉体でさえも、徐々に力を失って行く。
「ふぅ……なかなか濃い精気だったわね。この娘、人間じゃないのかしら?」
 やがて、ドゥルールの精気を絞り尽くしたところで、マリエンは満足そうに立ち上がった。精気を吸い尽くされた反動か、ドゥルールの肉体はミイラ化するどことか、完全な灰となって消滅してしまっていたが。
「……なっ!? あなた、いつの間に!?」
 気が付くと、灰の中からドゥルールが蘇っていた。これにはマリエンも驚いた様子だったが、ドゥルールにとっては極自然なことだ。
「残念ね。私は過去も未来も超越した、永遠の女神なの」
 その名の通り、自分は瀕死になったら何度でも蘇る力を持つ。故に、不変不朽の美、永遠の愛、無限の快楽を与えることができるのだと。
「私の楽園では退屈なんて永遠にさせないわ。さあ、これが最後のチャンスよ」
 こんな荒れ果てた場所など捨てて、快楽の園に行かないか。そう言って再び手を差し伸べるドゥルールだったが、しかしマリエンは実に面倒臭そうに、差し出された手を払い除けた。
「だからぁ~、そういうの面倒臭いのよね~。私は別に、美味しい精気が吸えれば、それで満足ってだけなんだし~」
 そもそも、自分は恋だの愛だのといったもののために、淫魔をやっているわけではない。
 少女を甚振って快楽攻めにするのは、楽しみながら食事をする余興。男を篭絡して精気を絞り尽くすのは、大量の肉を好きなだけ食べまくる行為に等しいのだとマリエンは告げ。
「あなた、自分が今まで割って食べて来た、卵の数を覚えてる? 私にとって人間って、そういう存在でしかないのよね~」
 人間はあくまで食事であり、精気の吸収は捕食行為。そして、相手に快楽を与えるのは、あくまで捕食を効率よく行う手段でしかないと、マリエンはドゥルールに言ってのけた。
「そう……あなたも、愛を理解できない人なのね。……いえ、私が馬鹿だったわ。あなた達のような淫魔は、愛情なんてなくたって、他人の快楽からエネルギーが得られれば、それで構わないんですものね」
 そのために、恋人同士の中を引き裂こうと、望まぬ快楽を人々の身体に刻んで殺そうと構わない。それこそが淫魔の本質であり、彼女達が危険な悪魔と認識される所以。
 久々に、胸糞悪い相手に出会った。思えば、こいつは攫った男を食い物にするだけしてポイ捨てし、攫った女には愛情の欠片もない拷問や調教を行って、生体兵器に改造していた悪魔ではないか。
 そこに愛などないのは明白。少しでも哀れみの感情を抱いてしまった自分が憎く、そして馬鹿馬鹿しい。
「だったら、戯れはおしまいね。愛のない快楽を刻まれながら、命を吸われて行く恐ろしさを、最後に私が教えてあげるわ」
 一度、瀕死になって蘇ったことで、今のドゥルールは先程に比べても遥かに戦闘力が増していた。そこへ守護霊の力を憑依させれば、マリエンとでさえも互角に渡り合えるはず。
「さあ、もう逃がさないわよ。……うふふ、あなたの弱点は、ここかしら?」
「そ、それは……ひぎぃっ! だ、だめ……尻尾は……はぁぁぁん💕」
 形勢逆転。怪力で締め上げつつ尻尾をしごき、胸に吸い付くドゥルールの攻撃によって、今度はマリエンの方が望まぬ快楽を与えられ、精気を搾り取られる番だった。
「くぅ……この娘、意外とやるわね! で、でも……私だって、淫魔の端くれ! はんっ💕 こ、こんなことで、負けないわ……ぁぁん💕」
 全身で悶えつつも、負けじと生命力を吸収し返すマリエン。こうなってしまっては、もはや完全なる千日戦争。
 互いに精気を吸収し合いながら、やがて二人は離脱した。エネルギーを循環させ合っていたので消耗はほぼないが、吸われては吸い返しの繰り返しにより、精神的に疲弊していた。
「はぁ……はぁ……な、なかなか、やるじゃない……」
「そっちもね……。もう少し時間があれば、あなたに本当の愛を教えてあげられたのだけれど……」
 状況はドゥルールの方が若干優勢だったのか、マリエンの方が少しばかり息を荒げていた。だが、それでも、これ以上は互いに精神の限界だ。これ以上、お互いの肉体を強化しながらも感覚を鋭敏にして精気を奪い合えば、延々と蛇の生殺し状態が続いてしまう。
 もし、次に骸の海よりこの地に現れることがあれば、その時こそ自分が愛を教えてやる。他の猟兵達が向かって来る足音を聞きつけ、ドゥルールはそれだけ言って、施設の最深部から離脱した。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
大きくなり過ぎて大変、というのは良く解りますし同情しますぅ。
とは言え、許される事では有りませんが。

まず、奪還者の方々に「危険の無い範囲での援護」をお願いしますぅ。
そして『FBS』で飛行しつつ【慾禱理】を使いますねぇ。
これで「奪還者の方々が受けてきたダメージ」と「薬品で巨大化した胸」の両方を「攻撃回数」に変換出来ますぅ。
私自身が「全員の合計級」まで大きくなってしまいますが、それを支えられる「身体強化」ですので。
元々手数の多い『F●S』に【慾禱理】の増加倍率が加われば、攻撃回数は凄まじい事になりますぅ。
『精気吸収』の為近づくなら、極度に肥大化した胸の下敷きにしましょうかぁ。


初志・貫鉄
即興共闘歓迎
真の姿=褌仁王状態維持

ある意味で予想通りだな
手記を見て感想を呟き、褌の中に手を入れてアイテムの超躍バナナを取り出す
それをモシャってリミッター解除、覇気の限界突破練り上げ開始

敵に相対した時は、ハッと鼻で笑い
お前さんよりもなぁ、後ろのおねーさま方のほうがよっぽど魅力的で輝いてるぜぇっ!
この地で子供を産み、命を繋ぎ、一生懸命に生きる尊さを吼え称え、UC発動
不意の一撃の後は、敵の攻撃を邪魔する防御的運用でオーラの拳を操作
オーラの塊なのだから、オーラ防御の効果も高まっているはず

ダメージを与え削り、トドメはメイデンの搭乗者達に譲る
彼女達の手で幕引きはされるべきだろう
トドメを刺すまで警戒は怠らず


露木・鬼燈
最初の目的は良かったんだけどね。
召喚魔術に手を出したことも…悪くはないですよ。
ただ制御できなかったのが悪い。
やっぱり頭でっかちの科学者はダメだね。
まぁ、過ぎたことに思考を割いていても仕方がない。
淫魔を倒してお仕事を完了させよう。
悪魔には悪魔を、ね。
秘伝忍法<眠羊>
まずは術が効果を発揮するまでは回避に徹する。
メリーさんを抱きかかえて忍体術で移動しながら時を待つ
完全に眠らなくても睡魔に襲われれば判断力は落ちる。
そこに手痛い一撃を加えるですよ。
メリーさんで両手が塞がってるので蹴りを叩き込む。
破魔の気を衝撃とともに徹せば悪魔には効果的だよね。
誘惑とかはメリーさんがなんやかんやで防いでくれてます。



●失敗の代償
 女奪還者から渡された、施設の管理者のものと思しき手記。それを一通り読み終えた初志・貫鉄(拳食合一のゴッドハンド・f26667)は、溜息交じりに至極当たり前の感想を呟いた。
「……ある意味で予想通りだな」
 女性の肉体を生体コアにしようと企んだ上、淫魔なんぞを呼び出せば、まあ破滅するのは自明の理。その一方で、露木・鬼燈(竜喰・f01316)は科学者達の目的や、召喚魔術そのものは否定していなかったが。
「……ただ、制御できなかったのが悪い。やっぱり、頭でっかちの科学者はダメだね」
 科学の力で全てを支配できる程、この世はそこまで単純ではない。UDCアースの邪神に惹かれて破滅する者といい、どうも科学者という人種は、行きつくところまで行きつくと、己が万能だと思い込んでしまうから困りものだ。
「大きくなり過ぎて大変、というのは良く解りますし同情しますぅ。とは言え、許される事では有りませんが……」
 改造の果てに飛行能力を失ったマリエンに少しばかりの哀れみを覚えつつ、しかし倒さねばならぬ敵であると、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は気合いを入れ直す。
 かくして、エレベーターの扉が開き、猟兵達は乳魔マリエンの待ち構える、施設の最下層へと辿り着いた。

●対決! 淫魔VS睡魔!?
「あら、今日はお客さんが多いわね。それに、なんだか男の人もいるし……これはラッキーだわ♪」
 突入して来た猟兵達の姿を見るなり、マリエンは妖艶な笑みを浮かべ、獲物を品定めするようにして舐めるような視線を向けて来た。
「あ~、でも、なんか知らないけど奪還者までいるの~? それに、サイバー・メイデンのコントロールも乗っ取られてるし~」
 しかし、機械兵が本来の用途を取り戻したと知るや、一転してやる気のない表情に変わってしまった。どうやら、自分の手駒がなくなったことが、極めて面白くないようで。
「やれやれ、なんだこいつは? こんなやつに人類を守る研究をパーにされたとか、やってられねぇな」
 褌の中に手を入れて、貫鉄は超躍バナナを取り出すと、景気づけに皮を剥いて齧りついた。別に、腹が減っていたわけではない。このバナナを食べることでリミッターを解除し、限界まで覇気を練り上げるのが目的だ。
「あら、美味しそうなバナナね。私にも、一本くれないかしら? ……そこに、もっと立派なバナナ、あるんでしょ?」
 マリエンが、ニヤリと笑う。その指先は露骨に貫鉄の股間を指していたが、しかし貫鉄は全く動じなかった。
「……ハッ! お前さんよりもなぁ、後ろのおねーさま方のほうがよっぽど魅力的で輝いてるぜぇっ!」
 快楽だけを求めれば、確かに淫魔の誘惑は魅力的だ。しかし、それは後に何も残さない。精気を絞り尽くされた、男のミイラが残るだけ。
 それに比べ、この地で子供を産み、命を繋ぎ、一生懸命に生きる者達のなんと尊いことか。女との交わりは、単なる快楽遊戯に非ず。次世代へ子を繋ぐための、神聖なる営みなのだと言ってのけた。
「そういうわけで、お前さんは、ここまでだ! 行くぜ……我が意、我が覇気、未熟なれど遠方へ差し出す掌と成らん!!」
 肉体の限界を突破し、貫鉄は不可視のオーラを拳形の明王尊への憧憬へと変え、マリエンに向けて叩きつけた。当然、それはマリエンに見えないため、彼女はいきなり壁に向けて吹っ飛ばされる形になった。
「きゃぁっ! もう、なんて乱暴な男なの! そういう人には……うふふ、この私の胸で、お仕置きしてあげるわ💕」
 だが、マリエンは直ぐに立ち上がると、豊満な胸を揺らしながら、それを貫鉄に押し付けんと迫って来た。こんな時でなければ魅力的なお誘いだが、しかし少しでもあれに触れてしまったが最後、快楽への抵抗を完全に喪失させられ、一気に腑抜けにされてしまう。
「ちっ……だが、そうはいかん!」
 練り上げた覇気を巨大な拳の形に変えて、貫鉄はマリエンの胸を受け止める。本物の手で触れて揉んでしまったら、その時点で男としての人生終了というのは、なんとも恐ろしい攻撃なわけでして。
「おい、いつまでも猟兵に任せておいていいのかい?」
「アタシ達だって、我慢の限界なんだ! 人間様の維持を見せてやれ!」
 貫鉄のピンチに、先の戦いで救出された女奪還者達が立ち上がったのだ。
 今の彼女達は、制御可能になったサイバー・メイデンに搭乗している。リミッターを解除できないため、火力こそオブリビオンの状態よりも劣るものの、それでも数を合わせれば十分な戦力となる。
「それ! アタシ達、奪還者の力を思い知らせてやるんだよ!」
 リーダーと思しき女性が叫ぶと同時に、他の者達も一斉攻撃。今まで、散々な目に遭わされてきただけあって、マリエンへの恨みも十分だ。
「このっ! よくも、あんな酷いことしてくれたわね!」
「私のお父さんを……お兄ちゃんを返せぇぇぇっ!」
 怒涛の如き勢いで、次々に叩き込まれるビームの数々。しかも、女奪還者達は今も続々とエレベーターで部屋に降りて来ており、一斉射撃が止む気配はない。
「くっ……こ、こいつら!!」
 さすがのマリエンも、これには防戦一方だった。そんな中、乱戦の混乱に乗じて、鬼燈はこっそりとマリエンの死角から近づいた。
「……ハッ! あ、あなた、いつの間に!?」
「あ~、バレちゃったか。でも、ここまで近づければ、もう関係ないかも」
 そちらがこの地に召喚された存在というのなら、こちらも異界より魔を召喚しよう。ただし、お仲間の淫魔ではなく、むしろ睡魔といった方が正しいのだが。
「盟約に従い汝が力を示せ、なんてね」
「……メェェェェッ!!」
 鬼燈の詠唱と共に現れたのは、なんとも可愛らしい羊だった。微睡の悪魔メリーさん。こいつは鬼燈を中心とした半径80m程の圏内にいる指定の対象を、問答無用で眠らせることができるのだ。
「なにそれ、羊? そんなので、この私に勝てると思って……おもっひぇ……ふぁぁぁ……や、やばっ!?」
 いきなり睡魔に襲われて、マリエンは思わず我に返ると、一目散に逃げ出した。
 このまま、ここで眠らされるのは拙い。そう思って、鬼燈から距離を取ろうとした判断は正しい。
 だが、問題なのは逃げた先。彼女が逃走を試みた方向には、予め移動砲台や浮遊戦輪と共に回り込んでいた、るこるの姿があったのである。

●ぱいまっくす?
「ちょっ……どきなぁぁぁい!」
 その豊満な胸を盛大に揺らし、るこるに突っ込んで来る乳魔マリエン。そのまま、胸の勢いで彼女を吹っ飛ばし、あまつさえ快楽地獄へ堕としてやろうというのだろう。
 だが、そんなマリエンに対し、るこるは情け容赦なく、移動砲台による一斉砲撃をお見舞いした。何の飛び道具も持っていないマリエンにとって、これは痛すぎる攻撃だ。
「きゃぁっ! もう、なにするのよ! こうなったら、私も本気で……本気で……って、でぇぇぇぇっ!?」
 思わず、胸元を庇って叫ぶマリエンだったが、直ぐに目の前の光景に気付き、両目を見開いて盛大に叫んだ。
「で、でかぁぁぁい!!」
 そう、目の前にあったのは、限界ギリギリまで強化された、るこるの豊満ボディだったのである。
「大いなる豊饒の女神、その理を顕さんが為、使徒に更なる恵みをお与え下さい」
 祝詞を紡げば、るこるの胸は更に巨大に成長して行く。それもそのはず。これは彼女のユーベルコード。共に戦う仲間全員が敵から受けたダメージと、仲間全員の様々な豊満さの合計に比例し、自身の肉体を強化して攻撃回数を増加する技なのだから。
 今、この場所には、先にマリエンに挑んで捕まってしまった猟兵達がいる。彼女達の受けた辱めは、そのままるこるの力となって彼女の肉体を強化し、この場に馳せ参じてくれた女奪還者達の豊満さも、そのままるこるに上乗せされている。
 結果、るこるの胸は恐ろしく肥大化し、肉体もまたそれを支えられるだけのサイズに巨大化していた。
 えっと……これ、なんていうキョダイマックス? いや、この場合は、キョパイマックスと言った方が正しいのか?
「さあ、お仕置きの時間ですよぉ」
 片方だけでも余裕で人間の身の丈を超えるサイズの胸を持ち上げ、るこるがマリエンに向かって倒れ込んで来た。
 名付けて、ダイおっぱい……とか呼べばいいのだろうか。今のるこるの豊満ボディは、マリエンからすれば純粋な質量弾。こんなものに圧し掛かられたが最後、煎餅のようにペチャンコになってしまうわけでして。
「ぎょぇぇぇぇっ!!」
 哀れ、攻撃の効果範囲から逃れることはできず、マリエンはるこるの胸の下敷きになった。
「……やったか?」
「さあ、どうかな? なんとなく、まだ生きてる気がするんだよね」
 これは完全に死んだだろうと踏む貫鉄に対し、鬼燈が警戒の色を解かずに告げる。果たして、るこるがユーベルコードを解除して起き上がると、そこには床に巨大な穴が開いていた。
「あらぁ……どうやら、押し潰すよりも先に、床の方が抜けてしまったようですねぇ」
「ってことは、あの淫魔は床下の空間に逃げやがったってことか!?」
 るこると共に貫鉄が穴を除けば、果たして穴の底はダクトのような空間になっており、マリエンはそこを伝って逃げたようだった。
「くそっ! みすみす、逃がしちまうとはな!」
「う~ん……でも、たぶん大丈夫っぽい? だって、この施設には、僕達以外にもたくさんの猟兵が来ているからね」
 今のマリエンは、先のるこるの一撃によって、かなりの深手を負っているはず。それに、ダクトを抜けて行ったところで、彼女は飛べない。この地下から逃げ出すにはエレベーターを利用するしかなく、そこは既に猟兵と奪還者達が全て押さえているのだから。
 とりあえず、今は捕まってしまった仲間達を助け、後続の仲間達にマリエンの情報を伝えるべきだろう。拘束されていた少女達を助け出し、猟兵達は施設の中に詳しい奪還者に、サイバー・メイデンの無線機能を使って乳魔包囲網を完成させるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

久遠・翔
アドリブ絡みエロ歓迎
純潔死守
UC常時発動


半裸の状態で半泣き状態で部屋に入る
助けた子に襲われ自身も媚薬に犯され、それでも何とか意識をもって進みますがあっさりマリエンに捕まります

Hカップの胸を弄ばれ淫力を叩き込まれ胸が更に淫らに変化
相手が吸いやすいように母乳体質に
味も相手好みにされ貪られ、乳合わせと胸同士で弄られ快感を叩き込まれ抵抗力下げられますが絶対屈しませんと抵抗

実際UCの影響で相手も体力削れている
UC無自覚の使役術も発動しているので相手も快感堕ちすれば使役獣になるというなんともイケナイ戦いに
ただ、圧倒的に不利かと思ったがUC快楽の一撃により形勢が一気に逆転(事故)
抵抗力奪って使役獣にします



●恐怖の無限強化
 猟兵達の猛攻から辛くも逃れ、マリエンはボロボロになりながらもダクトを伝って連絡通路へと脱出していた。
「はぁ、最悪。埃っぽい穴は通らなくちゃいけないし、私よりデカい胸に潰されるし……」
 折角、色々と楽しめそうだったのに、これでは全てが水の泡だ。せめて、傷を癒すために誰かの精気を吸わなければと……そう思っていた矢先、マリエンの口元が笑みの形に歪んだ。
「うぅ……ここはどこっすかね?」
 半裸の状態でうろうろしている、久遠・翔(性別迷子・f00042)を見つけたのだ。先の戦いで助けた女性達に襲われ、媚薬の効果も未だ残っていることなど、マリエンは知らない。ただ、今の翔がマリエンにとって、この上なく格好の獲物であるというだけだ。
「あら、お嬢ちゃん。こんなところで、迷子かしら?」
「えぇっ!? し、しまった! こんな場所で!?」
 いきなり声を掛けられて、慌てたのは翔の方だった。近くに他の猟兵はおらず、奪還者達もいない。完全に孤立した状態で、精気に飢えた淫魔に目をつけられてしまったのだ。
「あなた、なかなかいい身体してるわね。その力……ちょっと、私に吸わせなさいよ」
「ひゃぁっ! な、なにするっすか!」
 媚薬の効果で満足に動けない翔の衣服を、マリエンは情け容赦なく剥ぎ取った。そのまま、翔の敏感な部分を探るようにして指を伸ばし、拘束の解かれた豊満な胸を、余すところなく揉んで行く。
「ひぃっ! や、やめるっす!」
「だ~め♪ あなたの、ここに溜めてるもの、ぜ~んぶ食べちゃうって決めたから💕」
 そういうが早いか、マリエンは自らの手に宿した魔力を翔の胸へと注ぎ込んだ。そのまま互いの胸を押し当て、更に左右から押すように揉んで行くと、ついに我慢の限界を迎え、翔の胸が決壊した。
「ひぁぁぁぁっ!? な、なんっすか、これ!? なんで、赤ちゃんもいないのにミルクが出るっすか!?」
「あははは! 随分と面白い身体になったじゃない。それじゃ、遠慮なくいただきま~す♪」
 ホルモンバランスが崩壊し、母乳体質にされてしまった翔の胸を、マリエンは美味しくいただいて行く。在り得ない程に豊満な胸から垂れるそれと共に、翔の精気を余すところなく搾り取るつもりなのだ。
「……はむ……ふぅ……んむ……。うん、なかなか美味しいわね」
「あぁっ! ひっ……も、もう、いい加減にやめるっすよ~!!」
 今や、翔はマリエンにとって、単なる雌の乳牛と大差のない存在にされてしまっていた。それでも、無自覚にユーベルコードを発動させ、懸命に相手を誘惑して動きを封じようとするが。
「ま、負けないっす……絶対に、屈したりしないっすよ……」
「へぇ、なかなか頑張るじゃない。なら、これはどうかしらね?」
 いつまで経っても倒れず、ともすれば自分の行動を封じようとする翔に苛立ちを覚えたのか、マリエンは肥大化した翔の胸を乱暴に握り、そして搾った。
「ひぎぃっ!? はぁぁぁぁぁっ!!」
 中身に溜まっていたものを盛大に搾り出され、その勢いと共に、翔は果てた。弄られる度に、マリエンの指先は翔の弱い箇所を的確に攻め、おまけに快楽攻めの威力も無尽蔵に上がっていた。
「ふぅ……なかなか手間取らせてくれたじゃない。お陰で、こんなに食べたはずなのに、大して回復できなかったわ」
 ぐったりと倒れた翔の身体を放り捨て、マリエンは憎々し気に呟いた。
 自覚のあるなしに関係なく、複数のユーベルコードの使用は、それだけで相手にも同等の回数分だけ攻撃チャンスを与えてしまう。いかに翔の誘惑術が優れていたところで、マリエンは攻撃された分だけ、翔からしっかり精気を回収してくるのだから、性質が悪い。
 しかも、マリエンの攻撃は、回数を増せば増す程に威力も増すという代物だ。そんな技を何度も食らって、おかしくならない方が異常だろう。持久戦にしろ手数勝負にしろ、積み技を使って来る相手に無策で長期戦を挑んで敵うはずもない。
 天性の才能(?)によってマリエンの回復を幾許か阻害した翔だったが、それが限界だった。哀れ、マリエンを取り込むことは敵わず、翔はマリエンの非常食として、その辺にあった椅子に半裸のまま縛り付けられ。
「それじゃ、また気が向いたら食べさせてもらうわね。それまで、しっかり搾ってあげるから、安心するといいわ♪」
 他の猟兵達の助けが来るまで、謎の機械で延々と胸を搾られる羽目になってしまったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルナ・ステラ
マリエンさんもある意味被害者だったのでしょうか?
でも、悪夢を終わらせるためにも倒さないと!

厄介そうな攻撃をされる前に、変身して一気に倒しましょうか。

ティンクルティンク...きゃあっ!?
(変身中に!?)
離れてください!(コメットブースターで【吹き飛ばし】ます!)

今度こそ、攻撃に気をつけ...ひゃうっ!?
(避けづらくなってます!?)
はぅぅ...耳とかだめです...
そんなところも触らないで...!
(さっきよりも威力が上がってます!?これ以上だめです...)

<奪還者の援護射撃があれば>
ありがとうございます!
(相手は私の弱点を知って油断しているはず...作戦変更です!)
変身をやめてこのUCで勝負します!


シャルロット・アルバート
パワードスーツ、ね……僕もその使い手だよ。
甦ったイチカが一度死ぬ前に託したこのパワードスーツで意地返しと行かせて貰うよ。
飛べない淫魔はただのぶ……ただイヤらしいだけの存在。
空からじっくりと料理させてもらうつもりだよ。
(アドリブ・連携歓迎)(エロは少年誌にある過激な描写まで)


クロエ・アスティン
これ以上淫魔の被害を増やすわけにはいかないであります!

ビキニアーマー姿のまま戦槌を構えて突撃をしかけるであります!
けど、すれ違いざまにビキニアーマーの露出した部分を撫でられて腰砕けに……ひゃぁ……、ま、まだ媚薬の効果が!?
そのまま押し倒されそこら中キスされて……ビキニアーマーまでずらされて小さいけど敏感なのねって……

変な声を上げそうになるのを我慢しながら女神様に祈りを捧げて戦乙女に変身!(【戦女神に捧げる聖なる祈り】使用)
変身時の衝撃で吹き飛ばしつつ、今度は天使の羽でホバリングしたまま「ランスチャージ」であります!

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です


枸橘・水織
三章OPの情報から
『胸が重くなり飛べなくなったことに不満~』
相手は機動力は低そうかな

淫魔に対する感情
こんなことするなんて許せないっ!!
(絶対に倒さないといけない)


戦闘
指定UCで『風や光』など…速度がありそうな【属性攻撃】を【範囲攻撃(攻撃範囲の拡大)】を使用して攻撃
また機会があれば『粘着弾』を使用して捕縛をしてからの攻撃も考える
【全力魔法・視力・スナイパー】

回避・【オーラ防御】での回避主体の戦闘


性格
基本的に普通に真面目な子
ダークセイバー出身なせいか、この年齢でダークな世界なんかも知ってたりする
性癖?は…何気にサドっ気があるかも?(UC…『処刑道具創生』参照)



●追い詰められた乳魔
 ダクトを通じて連絡通路へ脱出したマリエンだったが、その後も彼女は徐々に追い詰められて行った。
「いたぞ! 逃がすな!」
「あの女が全ての元凶なのね! もう、許さないんだから!」
 サイバー・メイデンの制御を奪った女性奪還者達による包囲網。そして、それを突破したところで猟兵達が待ち構えているという二重の策を前にして、完全に退路を失ってしまったのだ。
「はぁ……はぁ……。まったく、しつこい連中ね……」
 気が付くと、マリエンはかつての研究ルームと思しき、開けた場所に追い込まれていた。周囲には割れた培養カプセルや埃を被った機械が散乱し、どれも完全に稼動を停止していた。
「追い詰めたわよ! こんなことするなんて許せないっ!!」
「これ以上、淫魔の被害を増やすわけにはいかないであります!」
 枸橘・水織(オラトリオのウィザード・f11304)とクロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)の二人が、それぞれ左右からマリエンを追い詰める。それだけでなく、前方からはルナ・ステラ(星と月の魔女っ子・f05304)と、シャルロット・アルバート(閃光の戦乙女(ライトニング・ヴァルキュリア)・f16836)までが姿を現していた。
「マリエンさんもある意味被害者だったのでしょうか? でも、悪夢を終わらせるためにも倒さないと!」
「飛べない淫魔はただのぶ……ただイヤらしいだけの存在。空から、じっくり料理させてもらうよ」
 もはや、乳魔に逃げ場なし。ここで禍根を残してはならないと、猟兵達は一斉に、満身創痍のマリエン目掛けて攻撃を開始した。


●最後の抵抗
 バイオテクノロジーによって胸を強化され、その力を何倍にも増してしまった乳魔マリエン。確かに、真正面から戦えば強敵だったが、そんな彼女も度重なる連戦で随分と消耗している。
 それでも、敵は精神に作用する攻撃を仕掛けてくるため、厄介な相手であることに違いはない。妙なことをされる前に倒してしまった方が良いと、まずはルナが変身して一気に畳み掛けようとするが。
「ティンクルティンク……きゃあっ!?」
「甘いわね! そう簡単に、変身なんてさせないわよ!」
 本気モードのマリエンが、いきなり距離を詰めてルナの身体に手を伸ばして来たのだ。
「は、離れてください!」
 慌てて箒で振り払うも、既に先の一撃で、マリエンはルナの弱点を学んでしまった。ならば、今度は自分が仕掛ける番だとクロエが戦槌を振り下ろすも、マリエンはそれを軽々と避け、擦れ違い様にクロエの身体に優しく触れ。
「……ひゃぁっ! な、なんでありますか!?」
 同じく、これでクロエもマリエンに弱点を知られてしまった。こうなってしまうと、もう迂闊に攻撃を仕掛けることも難しく。
「さあ、これであなた達の弱点は分かったわよ。……もう、遠慮はしないからね。覚悟しなさい💕」
 そう言うが早いか、マリエンはクロエのことを強引に押し倒し、彼女の敏感な部分だけを狙って口付けをして来た。
「ひぃっ! な、なにをするでありま……ひゃぅぅっ!」
「うふふ……もう、あなたは私の獲物なの。あなた、小さいのに敏感なのね💕」
 ビキニアーマーを容易に外され、胸の先端にマリエンの唇が触れた。それだけで、クロエは全身に稲妻が走ったような感覚に支配され、手足の力が抜けてしまった。
「そうはさせませんよ! 今度こそ、攻撃に気をつけ……きゃうっ!?」
 見兼ねたルナがクロエを助けに向かうも、反対にマリエンの反撃を食らって腰砕けにされてしまう始末。弱点を知られてしまった以上、今の彼女達は指先の一本だけで、マリエンに屈服させられてしまうのだ。
「はぅぅ……耳とかだめです……そんなところも触らないで……」
 全身を振るわせて耐えるだけで、ルナは精一杯だった。そうこうしている間にも、マリエンは二人の身体からどんどん精気を奪って行き、失われた体力を回復させて行く。
「このままじゃ、二人が危ない。もう、手段を選んではいられないね」
 パワードスーツの出力を最大にし、シャルロットがマリエンを仕留めんと迫る。が、マリエンは呆けた表情のクロエとルナの身体を前に突き出し、躊躇うことなく自分に対する攻撃の盾にした。
「……くっ!!」
「うふふ、残念ね。私を攻撃したかったら、してもいいのよ? でも、その時は、この二人も痛い思いをしちゃうけどね♪」
 勝ち誇ったようにして告げるマリエンに、シャルロットと水織の二人は攻撃を仕掛けることができない。今、攻撃を仕掛ければ、クロエとルナを巻き込んでしまうからだ。
「なんて卑怯なやつなの!」
「でも、このまま攻撃するわけには……」
 なにもできないまま、時間だけが過ぎて行く。その間にも、二人の精気はどんどん吸われ、マリエンの糧とされて行く。
 光にしと風にしろ、あまり広範囲に広げてしまえば人質の二人を巻き込んでしまう。シャルロットのパワードスーツも、狭い建物内では機動力を殺されてしまい、完全に本領を発揮することができない。
 このまま、クロエとルナは精気を吸い付くされ、干からびた梅干しのようになってしまうのか。そう、誰もが諦めかけた時だった。
「あ! あそこに淫魔がいたわよ!」
「ここから先は、アタシ達も援護するぜ!」
 なんと、サイバー・メイデンに乗った女奪還者達が、援護にやって来てくれたのだ。彼女達はありったけのビームをマリエンの足元に撃ち込んで、爆風で彼女の視界を奪う。クロエ達がいるため、迂闊にマリエンそのものを狙うことはできなかったが、それでも牽制としては十分だ。
「チャンス! 隙だらけだね!」
 すかさず、シャルロットがクロエとルナを回収したところで、二人も怒涛の反撃開始!
「――いと気高き戦女神、戦いの地に立つ我らに加護を……我の生命を光に……」
 戦乙女の姿に変身し、クロエが全身から放つ光でマリエンを吹き飛ばした。しかも、間の悪いことに、そこには水織が待ち構えていたのだ。
「みおの錬金魔法……相手に合わせて変幻自在だよ」
「なっ……! ちょ、ちょっと、なによこれ!? 放しなさいってばぁ!!」
 水織の魔法は相手の動きを封じる粘着弾に姿を変え、マリエンのことをしっかり捕縛した。両手、両足を壁に固定されてしまえば、もうマリエンは動けない。
「今だ! 一斉射撃、開始!」
 女奪還者達のリーダーが叫ぶと、同時に支援に馳せ参じた奪還者もまた、サイバー・メイデンの砲を使って攻撃を開始する。自由に動けないマリエンにとって、これは手痛い直撃だ。
「ひゃぁっ! ちょっと、止めなさいってば! 本当に当たったら、どうするつも……痛ぁぁぁぁいっ!!」
 哀れ、動けないマリエンは、もはや良い的でしかない。ビーム砲の一斉射撃を食らい、ボロボロになったところへ、クロエの聖槍が叩き込まれ。
「さあ、覚悟するであります!」
「ひっ……! や、やめ……きゃぁぁぁぁっ!!」
 槍の一撃に吹き飛ばされて、マリエンは無様に床を転がった。それでも諦めず、再び精気を吸収することで回復を試みるが、もはや彼女の好きにさせる者は誰もいなかった。
「うぅ……。こうなったら、またあの二人の精気を吸収して……」
「そう、何度も同じ手にはやられません! 油断していると痛い目を見ますよ!」
 伸ばされた手を払い除け、ルナが叫ぶ。彼女のことを、単なる餌だと思って油断したのがマリエンの誤算。なぜなら……ルナのことを下手に軽視すれば、彼女はその感情を利用して、最大にして最強の存在を召喚することができるのだから。
『……どうやら、我々の出番のようですね』
『……ええ、随分と待たされました』
 現れたのは、夜空に輝く88の星辰を統べる星の神。そして、夜の世界を支配し、人々を惑わす月の神。
『さあ、もう逃げられないわよ。月の光の下、永遠に彷徨い続けなさい』
 まずは、月の神が、その指先から怪し気な光を放つ。すると、マリエンはルナだけでなく、他の猟兵や奪還者達の姿も見えなくなり、完全に視界を奪われてしまった。
「ちょっ……なにこれ、霧で何も見えないじゃないの!」
 月の光は人々を惑わす。それは、相手が淫魔であっても変わりはない。そして、夜空の星々の輝きは、時として宇宙の新たなる死と新生さえも司る。
『そして、これを食らいなさい! 夜空の星々が砕け散り、新生する力の片鱗を!』
「きゃぁぁぁっ!!」
 続けて、星の神が腕を一振りすれば、それだけマリエンの身体は激しく宙を舞い、盛大に床へ叩きつけられる。首が音を立てておかしな方向に曲がり、背中の翼もひしゃげて折れた。あれでは、もはや二度と立ち上がれないどころか、確実に命の保障はあるまい。
「終わったわね。これでもう、男の人が攫われたり、女の人が兵器の材料にされることもなくなったのね」
 完全に息の根を止められたマリエンの姿を見て、水織が呟いた。そう、彼女の言う通り、これから先はもう、サイバー・メイデンの強襲を恐れる必要はない。女性を生体コアにして動く禁忌の兵器は、奪還者達の手によって、今度こそ人々のために使われることだろう。
 かくして、悪魔の研究により呼び出された淫魔による、卑劣な遊戯は幕を下ろした。色々と酷い目に遭わされた者達もいたが、それでも人々は苦難の果てに、明日への希望を手に入れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月13日


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アポカリプスヘル


30




種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ロベリア・アナスタシアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト