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【Q】過去に捧げる唄~虚飾を冠するモノ~(作者 カタリツヅル
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●虚飾の白翼
 アルダワ魔法学園の地下迷宮。大魔王の復活による地下迷宮の改変により何処ともしれない場所へと移動した封印の間に声と何かを打ち付ける音が響き。

『暇……ですね。こんな味気ないとこに封印するとは酷いものです』
【で、その名状しがたき彫刻は今度は何だ? 我が契約者殿】

 落ち着いた聞き心地の良い声を響かせる白い翼を背負ったかろうじて四肢を備えたように見える造形の崩れ切った何かの彫刻の前でわかりませんか?と首を傾げる。その様子に溜息のような羽搏きの音を刻んだ魔導具が正解を応え変わらない時間が流れ続ける。

●迷宮造りPart2
 グリモアベースの用意された一室で茲乃摘・七曜(魔術人形の騙り部・f00724)が、姿勢を正して貴方達を出迎える。
「ようこそ、御足労いただきありがとうございます。さて、もうご存知の方も多いと思いますので、手短に説明させていただきます。現在、アルダワ魔法学園の始まりの迷宮で発見されたダンジョンメイカーという魔法装置を用いて強力な災魔を呼び出し、討伐するということがおこなわれております」
 アルダワ魔法学園の地下迷宮を造りあげたダンジョンメイカーが、大魔王の封印という役割から解放されたことで可能となった、迷宮の創造と強大な災魔を1体強制召喚という機能を利用している現状を語った七曜が猟兵達にこれから目的について話を繋げてゆく。
「現在のアルダワ魔法学園に関しましては重篤な危機は起きておりません。しかし、地下迷宮にはまだ強力な災魔が残っており魔法学園の生徒では対処の難しい存在がいるのは変わりありません。なので、ダンジョンメイカーを利用し、その危険を減らしていくのが今回の依頼となります」
「迷宮の創造に関しましては、皆さんがダンジョンメイカーで創りたいと考えた迷宮が様々に混ざった形で顕現するようです。例えば、数多くの美術品や骨董品から最も価値のある物を探す迷宮を望めばそのような要素を含み、敵の哨戒や罠を予測し回避して展示された何かを奪取する迷宮を望めばそのように。知識や経験をもって散らばった物品の歴史考察を重ねて正しい場所に戻すような迷宮を望めばそのような構造が組み込まれることになります」
 それと今回の目的である災魔に関しましては旧校舎にいる蒸気幽霊のエイルマー殿に確認いただければと思いますと話を締めくくり七曜が深く頭を下げる。

●過去の英雄と災魔
 アルダワ魔法学園の旧校舎で猟兵達を出迎えた蒸気幽霊のエイルマーが転移で現れた猟兵達に深く頭を下げる。
「この度は災魔の強制召喚と討伐に協力いただけることに感謝を。もう説明はされていると思うから単刀直入に進めさせてもらうよ。まず呼びだす災魔はアーラ・イリュティム。虚飾の名前を冠する少女と天使の翼にも見える白翼型の魔導具。もしかしたらちょっと聞き覚えのある人もいるかもしれないけれど、魔導実験の被験者が災魔になったそんな相手になる」
 私がこんな状態になる前に縁のあった災魔になるから気になることがあれば聞いてもらえれば出来るだけこたえたいと思うからよろしくお願いするよ、と締めくくり迷宮を想像する区画へと向けて道案内を始める。





第2章 冒険 『『ダンジョンメーカー』ダンジョンの探索』

POW肉体や気合でダンジョンを探索、突破する
SPD速さや技量でダンジョンを探索、突破する
WIZ魔力や賢さでダンジョンを探索、突破する
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●嫉妬あるいは渇望の迷宮
 始まりの魔法装置たるダンジョンメイカーが幾つのも願いを受けてその機能を動作させる。
 地下深くに巨大で荘厳な迷宮主の間が作り出され…その部屋を護るように幾本もの通路が生まれ、迷宮主の間を飾り付けるかのように侵入者が深層に辿り着くのを遮るかのように幾つもの部屋が創り出され、それぞれを繋ぐ通路がさらに形成されてゆく。

 ある部屋では広く幾つもの区画に区切られた部屋に様々な美術品、芸術品が置かれ…
 ある部屋では様々なギミックと複雑な回廊が組み合わされた空間が創り出され…
 ある部屋では幾体かの巨大な蒸気魔導機械の人型が造られ出番も待つように控える…

 始まりの魔法装置に伝わった想像が様々な形で混ざり合い迷宮が創り出されてゆき……出来上がった迷宮の通路に部屋に天井に……豪奢な装飾をされた縁に納まった魔境が顕れる。鈍く曇ったように鏡面を濁らせる幾多もの魔鏡が、朧に美術品や芸術品を映し、鈍く動作音を響かせる蒸気魔導機械を照らし出す。

●状況確認
 迷宮の入口へと集まった猟兵達に蒸気幽霊のエイルマーが感謝と共に状況の説明を始める。
『迷宮の創造から協力してくれた皆さんも攻略に名乗り出てくれた皆さんもありがとう。アーラとイリュティムを迷宮に呼び寄せるのは成功している。出来上がった迷宮は幾つかの特徴的な区画が連なった形で出来がっていてそれぞれの区画を攻略して迷宮主の間へと繋がる場所を探していくこととなるよ』
 迷宮の構造を概要図で簡略に説明した後、猟兵達へとエイルマーが確認した内容を伝えていく。

【一つ目は、様々な美術品、本…武具まで置かれている区画】
『美術館と図書館が合わさった区画…と言うべきかな? 整然と並んだ書架に豪勢な展示棚…そんな感じで本や美術品に古い蒸気魔導機械や武具まで置かれている。ここ一帯にはトラップの類はなく、一応警護用のゴーレムが要所に立っているけど内部の物を故意に壊さない限り動かないよ。本題になるけど、ここで先に進むには人それぞれになるようだけど、例えばこの場所に入った時点で書物に興味を持っていたら書架の前に数冊の本が出されている状態になっているからその中で最も価値のあると思うものを元の場所へ戻すと先に進める。戻す場所は本を手に取れば感覚的にわかるらしいから心配はいらない。あと、武具だと試し斬りするような場所も用意されるみたいだね。総じて最も価値があると思うものを選ぶ場所と思ってもらえれば構わない。もちろん、残りの物ももとの場所に戻してもらって大丈夫だし情報を入手したければ書架や展示棚を巡ってもらえればと思う』

【二つ目は、ギミックや罠の満ちた迷宮のような区画】
『こちらは幾つかのギミックや罠が仕掛けられているちょっとした迷宮のような感じだ。特徴としてはギミックや罠を含めて破壊が不可能ということかな。罠はオーソドックスに矢が撃ちだされたりする射出系からトラバサミなどの足止め系に…落とし穴など罠らしい罠になるかな。ギミックに関しては、正しい順序で押さないといけないボタンや一つずつしか開けられない扉をくぐり抜けて先に進む扉の間だったりする。罠やギミックが解けなくなって進めない状況になれば強制的に元の場所に戻ることになる。あと、一番の特徴は前回攻略した自身の姿が投影されるということかな。攻略のヒントや自身の能力向上に使えるかなと感じるよ』

【三つ目は、守護者がいるタイプの部屋】
『これに関しては、正面突破の区画になるね。一人一体…部屋に入った人数と同じだけの巨大な蒸気魔導機械が動き出してそれを撃破してもらうことになる。武装は遠距離用の実弾兵器に近距離は蒸気魔導機械自体が武器だね。特殊なものとしては腹部についた鏡面。皆さんが使ったユーベルコードを映し込むようにそれを相殺する何かを行ってくる。わかりやすく戦う区画になるね』

『それと、共通して注意…と言うほどでもないのだけど通路や部屋には魔鏡が飾られていて、皆さんの望む未来の姿や後悔する過去の姿……心の奥に秘めた姿が映り込む。迷宮の攻略の邪魔にはならないけど、どんなものが映るか心を定めておいた方がいいかもしれないね。あと、魔境はアーラとイリュティムがに繋がりがあるから識られてしまうのは、留意しておいてほしいかな。最後になるけど、アーラとイリュティムの特性は転写。形のあるものからないものまで、映し出し結実させる……そんな、能力になるから覚えておいてほしい』

●虚飾の白翼
 荘厳に煌びやかな迷宮主の中心で降り注ぐ光に照らされ神秘的に輝く金髪の少女がその背にある白翼を羽ばたかせながら、………実に俗な言葉が零れる。

『うっわー、高そう。戦いで壊すのもったいなくない? にまにましちゃうわぁ』
【化けの皮剥がれてるぞ? 相棒。しかし、どこのだれかは知らないが悪くないセンスだな】

『ごめんあそばせ。これまでが味気ない場所でしたのでつい本音が漏れてしまいましたわ』
【失礼ながら、我が契約者殿。メッキを盛りすぎではないでしょうか?】

 クルクルと姿勢を変える金髪の少女に合わせて純白の翼が揺れ、一枚の絵画に相応しい雰囲気を醸し出しながら楽しげな会話が紡がれ……その眼前に巨大な魔鏡が揺らぐように顕れる。
天翳・緋雨
【SPD】
【真の姿】
身体の各所に施された呪印による身体強化がより顕在化し
雷光を纏った幻影を常時纏う様に

あー。そっかあ。鍛錬面を重視しすぎると今回クリアするのが難しくなってしまうのか…。でもクリア後には鍛錬用のツールとなって欲しいなあ。
まずはボクがクリアしないとね!


第六感をフル稼働
ギミックを読み解いて最適解を探しつつ道程を走破していこう

UCは【浮雲】を
我が身と秘めた異能を以って全力で挑む
自身のイメージを超えていけ
スピードの向こう側へと……!

培った様々な経験がきっと答えを教えてくれる
解法に迷ったなら心行く迄試せばよい
息が上がったら一休み
なんだかルーキーの頃を思い出すね
さあ、今の自分を再確認しよう


●虚飾あるいは羨望の迷宮
 説明を聞き終えた猟兵達が迷宮へと消えてゆくなか、迷宮の傍で佇む蒸気幽霊の元へと一人の猟兵が移動してゆく。

●鍛錬の迷宮
 用意された椅子に腰かけ足元を鎧う幾つもの動輪を覗かせた機動靴の調整を終えた天翳・緋雨(時の迷い人・f12072)が、新たに出来上がった迷宮の入口を瞳に映し込みながら隣に佇むエイルマーへと声を掛ける。
「信じていなかったわけじゃないけど、本当に出来上がるんだね。まさに魔法装置ってことなのかもしれないけど、どういうことなんだろう?」
『かの装置の由来に関しては、長い話になってしまうから気が向いたら旧校舎の図書館にもで行ってもらうといいかもしれないね』
 緋雨の言葉に懐かし気に目を細めたエイルマーが生きていた時代を思い出すかのように言葉を零す。
「あー、そっか。昔の資料も始まりの迷宮の中や旧校舎に残っているんだね。っと、それと鍛錬面を重視しすぎると今回クリアするのが難しくなってしまうのは盲点だったよ」
 エイルマーの様子に複雑なものを感じた緋雨がダンジョンメーカーの生い立ちは後にして…と、気合を入れるように立ち上がり感謝の言葉を残しつつ迷宮の暗がりへと消えてゆく。

●仕掛けと魔鏡
 微かな駆動音を響かせながら駆ける緋瞳を象嵌した異能者の身体の周囲に雷光が奔り出し、並ぶ魔鏡に輝きが映りこんでゆく。

●歩んできた道
 奔る白雷の輝きが高く弾ける反響と共に迷宮の中へと拡散してゆく。身体の各所に施された呪印――ナノマシンの制御チップ――を淡く輝がやかせ、柔光を幻影のように纏った緋雨が目の前に迫った大扉に僅かに速度を緩めながら、押し開けるように部屋の中へと飛び込む。
「無事、ギミック部屋についた……のかな? さて、どうしよう? あぁ、でもクリア後には鍛錬用のツールとなって欲しいなぁ。そのためにもまずはボクがクリアしないとね!」
 見渡すほどに広々とした部屋の見上げるほどに高い場所に設置された次の場所へと繋がる扉。背後の壁に全てを映し込むような巨大な魔鏡が飾られているのを確認した緋雨が、肌に感じる緩やかな圧迫感にも似た独特の雰囲気に額に巻いたバンダナを解き第三の瞳を露する。
 そうして、一度大きく息を吸った緋雨の足元から響く駆動音を徐々に高まってゆく。

―――キィッッッッ!!
 ―――ガゴンッ! ガガガッ!

 甲高い音と共に弾かれるように飛び出した緋雨の目の前で、床に壁そして天井から幾重にもブロック状の構造物が飛び出し即席の迷宮を創り上げ、合わせて現れた射出機がガキリと音を立てる。
(なるほど、毎回同じトラップだと鍛錬にならないよね。事前に攻略方法を確認するズルは出来ないってことだね)
「でも、きっと培った様々な経験がきっと道を示してくれる!」
 連続した射出音と共に進路を妨害するように飛来する幾本もの矢を沈み込むように姿勢を低くした緋雨が潜り抜け……そのまま地面を滑るように進む緋雨へと新たに発射された矢が弾幕のように迫る。

―――トッッ! キュッッ!
  ―――ガガッ……ガンッ!

 地面を蹴り中空へと身を躍らせた緋雨が、さらに虚空を蹴りつけ…クルリと捻られた身体が天井に届き天地を逆に瞬刻、疾走する。
「空というには狭いけどこの瞬間から、ここはボクの領域さ…」
 肌で、予感で、経験で感じるままに造られた試練を超えるイメージを緋雨が描きだす。その理想の動きのさらに先を目指す緋雨が、目標を外し壁や床に弾かれた矢が立てる硬い音を置き去りに、重力に引かれた再び虚空を蹴り、複雑な軌跡を迷宮を刻んでゆく。
「さぁ、スピードの向こう側へ……! どこまでもっ!」

 それから、しばし後。部屋の入口へと戻された緋雨が頭上の魔鏡に映されている先ほどの自身が挑戦している姿を見上げながら攻略の手順を脳裏へと描いてゆく。
「流石に一発じゃ突破は無理だったみたいだね……罠のある所に追い詰められたのが敗因かな…? まぁ、解法に迷ったなら心行く迄試せばいいよね」

●仕掛けと魔鏡
 積み上げるように繰り返す緋瞳を象嵌した異能者が弾かれるように駆け出し迷宮を創り出した試練を鮮やかな動きで乗り越えてゆく。

●積み上げてゆくモノ
 幾度もの挑戦の後……迷宮に背中を預け熱を持った身体が冷やされる心地よさに頭上を仰いでいた緋雨が、落ち着いてきた呼吸に次の挑戦の準備を整えながら言葉を零す。
「ふぅ、こういうのも楽しくていいね。なんだかルーキーの頃を思い出すよ。さぁ、休憩はここまでにして今の自分を再確認に……目指す自分を見つけに行こうか」
成功 🔵🔵🔴

●虚飾の白翼
 新たに生まれた地下迷宮の最奥。絢爛な迷宮主の間にて金髪の少女が目の前に創り出した魔鏡を虚空に散らしながら口元を緩める。

『一人突破ですね。まっすぐに突破してくるところは好感がもてますね』
【願ったままによい攻略だったな。次も期待しておこう】

 白翼を模した魔導具の声に頷いた金髪の少女の頭上でステンドクラスが銀煌を湛え新たな魔鏡に変わり…、大きく翼を羽ばたかせた金髪の少女の視線がそれを捉える。
霧崎・蛇駆(サポート)
『あーあーヤダヤダ、めんどくさいったらありゃしねぇ』
『やるからにはやるさ、給料分はな』
『いいじゃんいいじゃん!楽しくなってきた』
口では面倒くさいと言いつつも仕事はこなす猟兵で、戦闘だとやる気を最初から見せる戦闘バカです。
捜索系ではハッキングを駆使して情報を集めたり、演技で騙したり脅したりします。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使います。正面きって無数のテンタクルによる物量戦も好きですが、触手による立体的な移動からの相手の死角から攻撃も別格です。弱い相手だといたぶる傾向があります。
メインの武器は『テンタクル』です。
基本的な口調は『オレ』です。
あとはおまかせします。よろしくお願いいたします。


●虚飾あるいは羨望の迷宮
 幾人かの猟兵達が迷宮に消えた後。遅れて転送されてきた猟兵が蒸気幽霊の元へと近づいてゆく。

●欲望の迷宮
 それ自身が知性を持つ呪われた緑色のフード付きコートを羽織った霧崎・蛇駆(ヴィリジアンモンスター・f20261)が、めんどくさそうな雰囲気を纏いながらも油断ない足取りで迷宮の入口へと歩みを進め。

「あーあー…ヤダヤダ、めんどくさいったらありゃしねぇ。なんか面倒なことになってんだろう?」
『わざわざ来てもらって申し訳ないね。あぁ、出来上がった迷宮は少しばかり特殊な状況だよ』

 来訪者を迎えるように佇むエイルマーへと蛇駆の雰囲気に違わないやる気の薄い声が掛かり、その様子を気にすることなく軽く頭を下げ感謝を示したエイルマーが迷宮の状況を語りだす。
 そうして僅か後。雰囲気を一変させた蛇駆がやる気に満ちた声を残し、ひらひらと手を振りながら迷宮の入口へと消えてゆく。

「なんだよ。そうならそうと先に言えよなぁ。面白そうじゃねぇか。骨董品をパクれんならもっと面白かったんだがまぁ、そこはしかたねぇ」

●蒸気魔導機械と魔鏡
 周囲の魔鏡に自身の姿が映り込むことを気にすることなく進む緑色の怪物が通路の先に見える扉に笑みを深め足を速める。

●テンタクル・マキシマム
 軋る音と共に解放された扉の奥から蒸気機関の唸る音が響いてくる。蛇駆を迎え撃つように各所に仕込まれた遠距離武器を稼働を始めた蒸気魔導機械の様子に、ずるりと羽織ったローブに仕込まれた隙間からナノマシン内蔵型脳波制御式液体金属――テンタクルス――を触手状に操り揺らめかせ駆け出す。

「準備が整ってねぇーんなら、そのまま潰してやるぜっ!」

 踏み込みを補うように叩きつけられたテンタクルスの一つが迷宮を震わせながら蛇駆を打ち上げるように中空へと飛ばし……、グルリと生物的に蠢いた幾本もの触手が叩きつけるように突き刺すように蒸気魔導機械へと襲い掛かる。

 ガガガガガガッ!

 響き渡る轟音は蒸気の力により撃ちだされた無数の弾丸と幾本もの液体金属の触手が互いを弾き合う音。
 テンタクルスの重量ごと自身を吹き飛ばすような衝撃に蛇駆が笑みを深め、その身体が宙を舞う。
 迷宮の壁に天井にいつの間にか突き刺さっていた液体金属の細触手が蛇駆を重力の軛から解き放ち、蒸気魔導機械の放った弾丸の衝撃を飲み込むようにベクトルを変え、緑の尾を引く変則軌道の終端は蒸気魔導機械の正面。

「アハハハハハ! アーハハハハハハハハハ!!!」
『……………』

 狂ったように楽しそうに笑う蛇駆の身体から100を優に超える液体金属の触手が爆発するように飛び出し、それに無言で応じた蒸気魔導機械に備えられた魔境から歯車と発条を軋ませる金属触手が顕れ迎え撃つ。

 ドッッ………ッッ!!!

 重なりあい連続する衝突音が一つの衝撃として迷宮を震わせ周囲へと放射線状の深い亀裂を刻みつけながら、交錯した影が二つに分かれる。

「悪くはねぇが……まぁ、オレをとめるにゃ足りねぇなぁ」

 そう言って立ち上がったのは蛇駆。速度と質量を持って蒸気魔導機械を潰した蛇駆が、幾つもの鉤裂きの出来た愛用のコートが修復されていくのを確認しながら奥に見える扉へと向かって歩き出す。

●蒸気魔導機械と魔鏡
 扉の先に拡がる回廊を戦闘の余韻に上機嫌そうに進んでゆく緑の怪物が幾つもの通路が繋がった部屋へと辿り着き足を止める。

●迷宮攻略
 更なる下層へと続く階段を備えた迷宮の中継地点……迷宮主の間へと続くと思しき部屋へと辿り着いた蛇駆が一度周囲を見渡し言葉を零す。

「さて、そろそろ帰るとするか。なぁに、ここまで進めば給料分は十分に働いただろうしよ」
成功 🔵🔵🔴

●虚飾の白翼
 カツリカツリと絢爛な迷宮主の間に足音が響く。足音を響かせる金髪の少女の頭上では色とりどりのステンドグラスの一部が迷宮の様子を映しこみ煌めいてゆく。

『お金もいいものですよね。使うのも貯めるのもとても良いものですし』
【稼ぐが意図的に抜けていないか? 我が契約者殿】

 さらりと髪を揺らしながら視線を上げ、その様子を楽しんでいた金髪の少女が溢した言葉に白翼を模した魔導具のあきれた声が繋げられ……、一人と一つの会話が穏やかに続けられてゆく。
ハルピュイア・フォスター(サポート)
絶望を与えるのがわたしの仕事…。
無表情で口調は事実を淡々と告げます

【暗殺】が得意
また【迷彩】【目立たない】【闇に紛れる】【地形の利用】など使用して隠密にまた撹乱しながらサポート行動

Lost memory…ユーベルコードの弱点を指摘し封じ込む

回避は【残像】で、怪我は厭わず積極的に行動

武器;首にマフラーの様に巻いてある武器『零刀(未完)』は基本は両手ナイフだが鞭や大鎌など状況に合わせて形を変貌させ使用

他猟兵に迷惑をかける行為はしないが、デザートは別問題…奪います

後はおまかせでよろしくおねがいします


●虚飾あるいは羨望の迷宮
 猟兵達による迷宮攻略が進んでゆく最中。新たに転送されてきた猟兵がぽっかりと口を開ける迷宮へと進める足を止める。

●迷宮攻略
 どこか翼のような雰囲気をさせる黒と白のツートンカラーの衣装を纏ったハルピュイア・フォスター(天獄の凶鳥・f01741)が、ふと何かに気が付いたように迷宮の入り口を監視するように佇む蒸気幽霊の元へと行く先を変更する。

「わたしは、ハルピュイア・フォスター……あなたがここの管理をしている人?」
『あぁ、それで間違いない。苗字はなくてね、エイルマーと名乗っているよ』

 長い金色の髪を揺らし無表情にエイルマーを見上げたハルピュイアが、無表情のままに淡々と事実を確認しエイルマーが感謝の言葉と共に肯定を示す。
 そのエイルマーの反応に赤と青の双眸……炎と氷を思わせるオッドアイをゆっくりと瞬かせ、ハルピュイアが呼び出された迷宮主に関して言葉を重ねる。

「絶望を与えるのがわたしの仕事…。その為に来た。……どうすれば効果的?」
『……ふむ、なるほど。何を嫌うかと何を嫌がるか…か。時間をもらっても構わないかな?』

 ハルピュイアの端的な言葉をかみ砕き、求められていることを整理したエイルマーの言葉に……構わない、とハルピュイアが答え……、周囲に歯車と発条が噛合い起こす微細な振動が奔り始める。
 その変化に警戒するように雰囲気を変えたハルピュイアに驚かせたことを謝罪するエイルマーの声がかかり…僅か後。歯車と発条で形づくられた大きめの円卓と椅子が姿を見せる。

『立ち話もなんだからね。腰を落ち着けてくれると嬉しいよ。あと、少しなら甘味もあるけどどうかな?』
「ありがとう。あと、甘いものは……もちろん、もらう。……何がある?」

●羨望の迷宮と災魔
 蒸気機関の奏でる重たい音と共に小型の蒸気魔導機械が現れ、天獄の凶鳥と蒸気幽霊の座る円卓にお茶会の準備が整う

●虚飾と羨望
 遠ざかる蒸気と歯車が奏でる音へと陶器のなる音が重なる。さりげなくクッキーが盛られた皿を自身の近くへと移動させたハルピュイアが、エイルマーの口元と手元を微かに警戒するように眺め……、薄く微笑んだエイルマーが安心させるように言葉を紡ぐ。

『私は名前の通り幽霊だからね。用意したお菓子はフォスターさんが食べるといい』
「…………ッ…………ッ……」

 エイルマーの言葉にはサクサクと軽い咀嚼音が重なり、言われなくとも遠慮なく頂くつもりだったハルピュイアが口の中に広がる甘味を楽しみながら話の本題を促すようにエイルマーへと視線を合わせる。

『ふむ…、ならこのまましゃべらせてもらおうかな? 気になった部分は改めて聞いてくれば答えるよ』
「……っ……………っっ……」

 口の中に広がる小麦の上質な香りや砂糖の溶ける甘み……それを彩る乾燥させた果物の酸味や柔らかさ等、地下迷宮の先に存在する旧校舎らしからぬ丁寧な仕事のお菓子に意識を大きく裂きながらも、ハルピュイアがエイルマーの語る迷宮主の嫌がりそうな内容を聞き取ってゆく。

●羨望の迷宮と災魔
 出された焼き菓子をすべて食べ終えた天獄の凶鳥がお代わりの紅茶を飲み終え席を立ち……蒸気幽霊に見送られて迷宮へと向かってゆく。

●迷宮挑戦?
 迷宮の暗がりに足音が消え……瞬刻の後。再び足音が響き始めほどなくしてハルピュイアが戻ってくる。無表情ながらもどこか釈然としないようなそんな雰囲気を纏ったハルピュイアが言葉を零す。

「……もどった。 あとは任せていい? でも、これで本当に効果があるの?」
『おそらくは。何度もやって効果のあることではないだろうけどね』

 その言葉に首を僅かにかしげながらもハルピュイアが、エイルマーへと軽く手を振り昏い光に包まれて迷宮の外へと転送される。
成功 🔵🔵🔴

●虚飾の白翼
 バサリと翼が震える音に重なり…壁に掛けられた魔境を素手で叩く音が響き渡る。プルプルと身を震わせる金髪の少女が魔境に身を預けるように屈めていた身体をガバリと起こして声を上げる。

『帰る…帰るって……なしでしょ!? 呼んでおいてひどくない!?』
【確かにひどいが…。まぁ、効率的ではあるな。我が契約者殿】

 口調を乱して悔しがる金髪の少女に、その熱を冷ますように白翼を模した魔道具が羽搏き落ち着かせるように声を掛け続ける。