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逢魔時に彼女は

#UDCアース #感染型UDC

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#感染型UDC


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●逢魔時
 逢魔時(おうまがとき)。夕方の薄暗い時間のことを言う。昼と夜が移り変わる時間であり、古来から魔物と遭遇する、あるいは災禍が起こるとされているためこのような字で書くそうだ。昼と夜、光と闇のその境目で今回の事件は起こる。

●昼と夜の境目で
「うーんそろそろのはずだけど本当なのかなぁ?」
 普通の女子高生、夕子は遠くの空を見つめた。時刻は夕方、黄昏時や逢魔時と呼ばれる頃である。ちょうど太陽が山の向こうに消えかかっていて、空が青とオレンジの入り混じった綺麗な様相をしている。
「わー、チョー綺麗じゃん。スマホスマホっと。」
 スマホを取り出しパシャパシャと写真を撮る様子はどこにでもいる普通の女子だった。
「ってやば、そろそろじゃんえーと影影っと。」
 夕子は写真を撮るのをやめたいように背を向き後ろを見た。地面には自分の影。長く伸びたそれはしかし、太陽が落ちることで夜の闇に紛れようとしていた。
「えーと、時間はオーマガトキでしょ?影はもうすぐ消えそうでしょ?そしたら現れるはずなんだけど…。」
 夕子はスマホの電話帳を開いた。いつもの連絡先が乗っているそれを下に下にとスクロールさせていくと…。
「うっそ、マジじゃん!」
 あかさたな…ABCDE…と並んでいる連絡先の下には「?????」と表示されている連絡先が登録されていた。もちろん自分が入れたものではない。どこか震える指でその連絡先を押すと内容が表示される。文字化けして読めないが唯一正しく乗っている電話番号には電話できそうだ。
「お願い、通じて…!」
 電話番号に電話をかけ、耳にスマホを当てる。1コール…出ない。2コール…太陽が沈んだのか周囲が暗くなる。3コール…違う、夜にしても暗すぎる。4コール…唐突に目の前に光が現れ、同時に電話がつながった。
「おー成功じゃん。まじパナい。あなたは成功しましたー、おめでとうってね!」
 真っ暗闇の中に突如現れた光。目が慣れてくるとその中にシルエットが見えてくる。長い髪の先がロールしたスカート姿、どうやら女性のだ。スマホから聞こえるのと似た声が正面からも聞こえてくる、目の前の女性が通話相手のようだ。
「やった、成功した!噂は本当だったんだ!マジで…じゃない、えーとあなたが『神様の遣い』ですか?」
 夕子は女性にそう問いかけた。
「んー敬語はいいよ。で、マジのマジ、私が神様の遣いだよ。さ、願いを言ってよ。神様が何でも叶えてくれるよ。」
 どうやら夕子は神様に願いを叶えてもらうという噂を実行したようだ。
「え、いいの?フレンドりなー神様の遣いだなぁ。じゃあ言うけど私の願いは『私をハブったあいつらに仕返しする力が欲しい』だよ!」
 夕子は一瞬沈み込んだ後、自分の願い…復讐を願った。
「あー、そーゆー系?なになに約束でも破った?」
「うん、一回だけ…。そしたら皆してハブってきてさ…。」
「あーわかるわかる。オッケー、願いは聞き届けた!…じゃあお代を払おっか。」
「え?お代とかあるの?」
「そりゃあるよ。ま、簡単なもんだよ。あたしでも払えたしさ。」
 いつのまにか女性の傍らには白い天使と黒い爬虫類のようなものが現れている。
「お代は『命』。でも安心しなよ、すぐに蘇れるからさ…オブリビオンとしてね!」
 夕子に向かって光が伸びてきて―――。

●月灯とルナからの依頼
「…あ、集まってくれて…ありがとう…ございます…。」
 グリモア猟兵である時葉・月灯(時の魔法少女・f25989)が猟兵たちに向かってあいさつした。挨拶に反応して猟兵たちが目を向けるとどんどんとその顔が赤くなっていく。どうやら人見知りなようだ。
「…ひぅ…ルナお願い…。」
 赤くなった月灯の姿が移り変わり、月灯を成長させたような女性になる。
「もう、月灯ちゃん!しかたないなぁ、ルナが代わりに説明するね!」
 月灯と交代した別人格のルナが冒頭のような事件の説明をする。
「って感じで夕子ちゃんはUDCに出会ったけど何とか逃げ出したの。まぁ逃げ出せたのはUDCの策略なんだけど。その後夕子ちゃんはSNSに今回の話を載せて、それが『噂』として広まっちゃったんだ。」
 まあ仕方ないよねーとルナは頷いた。
「それでここからが大変なの!今回のUDCは『感染型UDC』って言って、それを見た人、それをうわさ話やSNSで広げた人、その広まった噂を知った人すべての『精神エネルギー』を燃料にして、配下をいーっぱい生み出すんだって!」
 このままじゃパンデミックってやつだよ!とルナは言う。
「だから皆には噂が広まり切る前に夕子ちゃんの所に行って『感染型UDC』の目撃場所を聞いて欲しいんだ!夕子ちゃんがいる場所は病院だよ!ただし、もう夕子ちゃんの周りにはUDCの配下がいるみたい。まずはこれを撃破してね!」
 それともう一つ、とルナが続ける。
「そうそう、別の意味で厄介なことがあるの。夕子ちゃんなんだけど実は全寮制の女学校に通ってるの。それもちょー決まりが厳しくてね…絶対に男子禁制なんだ。」
 ルナは微妙な顔をした。
「それで夕子ちゃんが目撃した場所も女学校のどこかみたい。つまり、ユーベルコードで何とか出来るならいいけど、そうじゃない時は…変装とかで女装して潜入してね!絶対にバレちゃだめだからね!」
 そう言うとルナはグリモアで猟兵たちをテレポートし始める。
「うん、みんななら何とかなるって信じてるよ!がんばろー!」


灯影くーこ
 初めましての方は初めまして、灯影くーこと言います。シナリオ第2弾は初めての「UDCアース」です。精一杯盛り上げたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

(合同プレイングの場合はチーム名や同伴者名を記載してくださると助かります。)
(アドリブ〇・×、連携〇・×と書いていただければ対応いたします。)
(能力値よりもプレイングを重視したいと考えています。)

●第1章【集団戦】
 病院にいるUDCの目撃者、夕子に会う章です。しかし夕子の周りにはUDCの配下が溢れているため、まずこれを撃破してください。撃破に成功すればUDCの目撃場所を聞くことができます。

●第2章【冒険】
 夕子に聞いた目撃場所に向かいます。しかし女学校の中はすでに怪奇現象に溢れています。何とかこれを突破する方法を探してください。また場所は男子禁制の女学校のため男性猟兵は潜入する方法を考える必要があります。

●第3章【ボス戦】
 夕子がUDCを目撃した場所での決戦です。

●備考
 オープニングでルナはユーベルコードか変装で女装して潜入、と言っていますがこれが必要なのは2章だけです。1章は学校外の病院のため、3章は周りに人がいないため姿を偽る必要はありません。
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第1章 集団戦 『群狼型潜影艦』

POW   :    イェーガーウォッチング
予め【影の中から潜望鏡を上げて索敵行動を行う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    シャドウ・ゼーフント
【影の中を移動・潜航しつつ、同様の機能を持】【つ、小型潜影艇をレベル×5体を放出する。】【小型潜影艇はホーミング魚雷(小型)】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    影面下に潜む恐怖の魚影
【影の中を移動・潜航しつつ、艦首】を向けた対象に、【発射した、高威力高命中のホーミング魚雷】でダメージを与える。命中率が高い。

イラスト:柴一子

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●病院にて
 UDCから逃げ出せた(実際には見逃されたのだが)夕子だったが、途中で階段を踏み外して病院に入院していた。期せずして女学校を抜け出せたのは幸運だったか。SNSに噂が本当だったことを書いた後に眠っている夕子の元には影が迫っていた。そう「影」だ、晴天下の病院の敷地内を影だけが動いている。その名は「群狼型潜影艦」。UDCの配下であるそれらは夕子のことを口封じするためにやって来ていた。噂を広めさせるために夕子を逃がしたUDCだったが、一度SNS上に広まれば話は別だ。後は放っておけば噂が広がるのだし、自分に会った目撃者は不要と判断したのだろう。このままでは夕子は消され、目撃情報は闇に消えてしまう。そうなる前に配下を一掃し、夕子を救わなければ。
紗咲・亜闇
アドリブ○連携○

ようやく見つけた…ありがとうグリモア猟兵。

…それで隠れてるつもりか?
【第六感】で影に潜む敵の存在を感じ取って【クイックドロウ】でヨーヨーを潜望鏡に放ち、ストリングを潜望鏡に巻きつけて【ロープワーク】と【念動力】で本体を引っ張り上げる。そして出てきた本体にもう片方の手に持ってた2つ目のヨーヨーで【2回攻撃】だ。【鎧砕き】もできるヨーヨーで【部位破壊】されてぶっ壊れろ。
仲間が破壊されて他の連中が姿を隠すようならヨーヨーに【誘導弾】の特性を持たせて敵を【追跡】させる。見つけたら同じように引っ張り上げて攻撃する。

夕子、そのUDCの居場所を教えてくれ。そいつはきっと…私の先輩だった人だ。


数宮・多喜
【アドリブ・連携とも○】

なーんか、その噂。
知らない話に聞こえないんだよねぇ。
ま、真相を探るのは後でもできるか。
まずはこの妙な影どもを蹴散らしますかね!

潜望鏡がアタシらを探るとしても、
空の機動戦力までは見切れるかねぇ?
【人機一体・天】でカブを纏い、
さっさと空中へ飛び立つよ。
そうして潜望鏡の死角から『踏みつけ』て、衝撃に怯んだところを掴んで引きずり出す!
そうして日向に曝け出させたら、
そのまま電撃の『属性攻撃』で機能停止させてやる!
事は一刻を争うんだろ?
電光の『目潰し』も組み合わせて、
とにかく夕子ちゃんを狙わせない!


御狐・稲見之守
ほむ、ネット上の口伝を媒介にするとは古風なのか新しいのか。にしても、女子の怨恨というものはいつの時代も何処の世界も怖いのぅ。

さてそれでは潜影艦とやらの相手をしようか。

UC荒魂顕現、我為す一切是神事也。光の霧を降らそう、やっこさんが影に潜むなら影を消してしまえばよいのじゃ。そして潜む影を絞り追い込んで行って"座礁"させたら上から霊符をぺたり、[破魔]していっちょあがり。

しかしいいのぅ、ワシもネット伝いで精気集めとか出来たらラクなんじゃがなァ。


才堂・紅葉
「全く、抜け目も無駄も無い事ですね」
目的を考慮すると実に合理的なやり口である
これで奇特な人間が彼女を遡った結果、変死と言う情報に行きつけばさぞや盛り上がる事だろう
まぁ、当然そうはさせないのだが

防衛手順は【罠作り】だ。ホームセンターで買い込んだ携帯型の照明を、【メカニック】で一斉に通路全体を照らすようにする。【拠点防御】の知識を応用して、影を全て光で潰す配置にするのがポイントだ
準備時間は限られるので、【戦闘知識】と【情報収集】で奴等の侵入ルートを絞り込んでおく

後は油断した風で光の中を動く影を気付かぬ振りで誘い込み、リボルバーで光の【属性攻撃】弾の直撃を狙う

「レディへのアポ無し訪問は死刑ですよ?」



●駐車場での戦い
 夕子が運び込まれた病院の駐車場。そこには一台のバイクに乗った女性がいた。
「なーんか、あのグリモア猟兵に聞いた噂、知らない話に聞こえないんだよねぇ。」
 いや、ただのバイクではない、宇宙バイクだ。その「宇宙カブJD-1725」に乗ったスターライダーの女性、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)はどうやら件のうわさ話に心当たりがあるようだ。そんな多喜のことを周りの影から伸びた潜望鏡が覗いていた。UDCの配下「群狼型潜影艦」は予め潜望鏡による索敵行動を行う事で、その時間に応じて戦闘力を増強することができる。
「ま、真相を探るのは後でもできるか。まずはこの妙な影どもを蹴散らしますかね!」
 ブオンと宇宙カブがエンジン音を上げる。
「潜望鏡(それ)でアタシを探るとしても、空の機動戦力までは見切れるかねぇ…?行くぜ相棒……天翔ける、翼となれ!」
 群狼型潜影艦が攻撃を放ち辺りに爆発が起きる。命中したかと思ったUDC達だったが、空に浮かぶ新たな姿に気づいた。
「【人機一体・天(チャージアップバディ・ジェットドライブ)】!!」
 空に浮かぶ多喜の全身をJD-1725が変形したパワードアーマーが覆っている。この姿の多喜はエンジンの回転数に比例したパワーアップと、最大で7500km/hにも達する飛翔能力を得るのだ。
「さあ、今のアタシの姿を捉えられるか!?」
 多喜の体を電光が走り、UDC達にとっての一瞬の目くらましとなる。多喜にはそれで十分だった。刹那に降下した多喜は潜望鏡の死角から踏みつけを放った。その衝撃でUDCがひるんだ瞬間、地上に出ている潜望鏡を掴んで上空へと投げ飛ばす!
「丸見えだよ、痺れな!」
 太陽のもとに曝け出されたUDCを電撃が襲い、UDCは霧散していった。
「事は一刻を争うんだろ?とにかく夕子ちゃんを狙わせない!」
 電光を纏う多喜にUDC達がひるんでいる。まだまだ駐車場にいるUDCは膨大だが、それらが病院内に入ることはできないだろう。

●中庭の戦い
 駐車場とは別ルートから中庭に到達したUDC達がいた。病院内に入ろうとしているそれらのもとに声が響く。
「ほむ、ネット上の口伝を媒介にするとは古風なのか新しいのか。にしても、女子の怨恨というものはいつの時代も何処の世界も怖いのぅ。」
 小さな影、しかしてその黒髪には耳が、腰からは尻尾が生えている。妖狐である御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)だ。
「さてそれでは潜影艦とやらの相手をしようか。」
 異なる眼を持つ彼女は自身に満ち溢れた表情でそう告げた。そんな彼女に向かってUDC達は影の中を移動しながら艦首を向ける。主武装である高威力・高命中のホーミング魚雷を放とうとしているのだ。全方位をUDCに囲まれて絶体絶命に思えるが…
「我為す一切是神事也、天裂き地割る神業畏み畏み奉願祈るべし…」
稲見之守が詠唱をした瞬間、中庭を光る霧としか言えないものが満たした!
「【荒魂顕現】。やっこさんらが影に潜むなら影を消してしまえばよいのじゃ。」
 その言葉の通り強すぎる光の霧に満たされた中庭からは影が段々と消えていった。次第に追い込まれていったUDC達はついに、まるで座礁した船のように陸に打ち上げられている。
「そーれ、贈り物じゃ。」
 取り出した強い呪力の籠った霊符を空中に投げると、無数に増えたそれらがUDC達に張り付いていく。そして…
「霊符をぺたり、あとは破魔していっちょあがり。」
 呪力による破魔の力によりUDC達が消滅する。
「しかしいいのぅ、ワシもネット伝いで精気集めとか出来たらラクなんじゃがなァ。」
 どこか物騒なことを呟きながら稲見之守は中庭を後にした。

●通路での戦い
 少数ながら病院内に入り込めたUDC達は通路を潜行していた。その通路の先のベンチに1人の女性が腰かけている。歴戦工作員の才堂・紅葉(お嬢・f08859)である。どうやら彼女は物思いにふけっているらしい。
「全く、今回のUDCの手口は抜け目も無駄も無い事ですね。」
実際、目的を考慮すると実に合理的なやり口である。第一発見者をわざと見逃し、噂を流させる。噂が十分に広まったら目撃者を消す。これで奇特な人間が噂の元を遡った結果、夕子の変死と言う情報に行きつけばさぞやSNS上は盛り上がる事だろう。
UDC達は攻撃するために自身と同様の機能を持つ、小型潜影艇を無数に放出する。
―――UDC達は気づかない。紅葉の知識と情報収集により侵入ルートを絞り込まれていることを。
 小型潜影艇は小型ホーミング魚雷の発射準備をする。
―――UDC達は気づかない。通路には拠点防御の知識を応用した照明の罠が仕掛けられていることを。
 発射準備完了、発射…そうUDC達が思った瞬間、
「まぁ、当然そうはさせないのですが。」
 紅葉が照明のスイッチを入れる。通路の影が一瞬で消え去り、UDCと小型潜影艇が影から放り出される。
「コード申請。来なさい【六星詠唱弾(ムツボシ)】!!」
 紅葉が古ぼけたリボルバーを構え詠唱する。召喚されたスピードローダーにはUDC達に有効な属性…光の詠唱弾が入っている。瞬間的なリロードの後、6つの光弾がUDC達に突き刺さった!
「レディへのアポ無し訪問は死刑ですよ?」
 リボルバーを降ろした紅葉はにっこりと物騒な言葉を放ったのであった。

●病室での戦い
 夕子は戦闘音を聞いて目を覚ました。
「なに、何が起こってるの…?」
 広い病室を見まわす夕子。その目に不自然なものが目に入る。影だ、影が扉からゆっくりと伸びてきている。そしてその影からは潜望鏡が出てきて、夕子のことを確認するように見ている。
「ウソ、何あれ…もしかしてあいつがまた私のことを…!?」
 逃げようと思うが足を怪我していて動けない。万事休すと思われた瞬間…
「ようやく見つけた…ありがとうグリモア猟兵。」
 病室の扉が開く。そこにはセーラー服に身を包んだ少女、紗咲・亜闇(相克のスケバン・f21822)が立っていた。
「…それで隠れてるつもりか?」
 第六感で影に潜むUDCの位置を感じ取った亜闇は【光のヨーヨー召喚(ヒカリノヨーヨーショウカン)】を発動。抜き打ちでヨーヨーを放ち、ストリングを潜望鏡に巻きつけて引っ張り上げた。およそその糸では重さに耐えられないと思われたが、巧みなロープワークと念動力の補助でカバーしている。
「…ぶっ壊れろ。」
 もう片方の手に召喚した2つ目のヨーヨーが閃く。「ループ・ザ・ループ」と呼ばれるトリックだ。1ループ目が引っ張り出されたUDCの装甲を砕き、2ループ目以降がむき出しの本体を破壊していく。
 慌てたように他のUDCが現れてくるが、誘導弾のように追跡してくるヨーヨーによりその居場所を発見される。発見されたUDCがどうなったかは…言うまでもないだろう。

●病室にて
 戦闘終了後、病室にはUDCを片付けた3人も集合していた。
「助けてくれてありがとう。でも、あなた達は一体…?」
 夕子が4人に尋ねる。
「あたし達は…そうさねぇ正義の味方ってところかな。」
多喜がちょっと恥ずかしそうにそう言った。
「わしは昔はやんちゃしていたが、まあ今は人の味方ってことでいいかのぅ。」
 過去に何かあったらしい稲見之守。
「私達は夕子さん、あなたが出会った噂の神様の遣い、UDCについて探しているのです。」
 紅葉がUDCについての説明をする。
「夕子、そのUDCの居場所を教えてくれ。そいつはきっと…私の先輩だった人だ。」
 そう言って亜闇が頼み込んだ。
「そうなんだ、うんいいよ。あたしがあの人と出会ったのは…。」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『制服に隠した百合の造花』

POW   :    校内をひたすら走り回って噂を集める

SPD   :    ノートや情報端末などをこっそり調べる

WIZ   :    情報を持ってそうな人を推測して聞き出す

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●学園の屋上を目指せ
 夕子から聞いた「神様の遣い」との出会い方は以下の通りである。
・学園の一番高い場所(屋上)に行く
・時刻は昼と夜が交差する逢魔時
・自分の影を見つめて影が夜の闇に溶ける瞬間にスマホを取り出す
・電話帳の一番下を見て「?????」があれば成功、電話をかける
 というものである。出会い方を聞いた猟兵たちは学園へと向かう。急がなければ噂はどんどんと広がっていき、次のUDC配下の大量発生は世界的規模になってしまうかもしれない。
 しかし、学園にたどり着いた時、校舎は迷宮と化していた。階段を昇れば下の階に着き、教室の扉を開けば外に出る。どうにかこの迷宮校舎を突破して学園の屋上を目指さなければ。
御狐・稲見之守
おんや、迷い路か。しかし狐が化かされてはお話にならんナ。

UC方違え、迷宮の順路なぞ己で決めてしまえば良い。進む方角に霊符を貼り付け、学園内の障りを鎮めながら行こう。通りゃんせ通りゃんせ、ここはワシの行く道じゃ。
子、未申、卯、辰巳、八方塞がりに至るを避け戌亥、酉……む、壁じゃナ。ぶっ壊して進もう。狐火どかーん。

しっかし、ふふ逢魔時ナ。移ろい行くあやふやな境界にこそ暗闇からの者が巣食うものよ、どれカミさまの遣いとやらの顔を拝んでやろうじゃァないか。


才堂・紅葉
【アドリブ連携歓迎】
「時間制限が厳しいですね」
調達した学園の制服姿に【変装】します
3年の先輩の風情で学園内を歩きましょう

一見して学園ですが、内部ではアルダワで馴染んだ迷宮の雰囲気
普通に動いても屋上には行きつきません
まずは迷宮の設計思想と方向性、つまりは“法則”の解明です

この迷宮は人を阻む物ではなく選ぶための物
噂を集めれば自然と行きつけるはずです
【コミュ力】と【礼儀作法】で生徒達と仲良くなり、彼女のSNSコミュを【ハッキング】して噂の情報を抜いて回りましょう
後は【メカニック】で学園各所に錬金学生作のクソダサいキーホルダー型盗聴器を配置し、噂を語る生徒を効率良く特定し、接触を図ります


黒影・兵庫
アドリブ○連携○
(スパッツの上にミニスカートを履き、首にマフラーをかけてマスクをつけた女子高生が手鏡で自分の姿を確認しながら)
せんせーのいった通りに女装してみましたが...これで大丈夫ですかね?
(頭の中の教導虫に話しかけると「大丈夫!これで問題ないわ!喋りかけられても風邪気味だから声がつぶれてる、でごまかしてね!」と返された)
やるっきゃないか...よし!いきましょう!

なんですか、この学校...まるで迷宮です。
こういう時は...
(黒影の周りに白い靄が現れると羽虫の幽霊が大量に出現する)
強襲兵の皆さん!壁をすり抜ける皆さんなら
迷宮の突破もたやすいはず!
屋上までの最短ルートを調べてください!


紗咲・亜闇
単純に手数を増やそうか。UCでヨーヨーUFOを召喚して手数を増やして片っ端から探す。さっきの病院の時のように【誘導弾】の性質を持ったヨーヨーが屋上に行けるルートを導いてくれればいいんだけど…。
……最悪の場合は、【祈り】を込めて二度と通じないはずの私のスマホの電話帳に登録された「パナ巻先輩」の番号に電話をかけるよ。
先輩、あなたは今私を覚えていないかもしれませんが、会いに行きたいので屋上まで案内してもらえませんか?
あなたに色々なことを教わって、よくしてもらった役立たずの後輩からのお願いです。
先輩譲りの【コミュ力】でなんとか案内してもらえるように掛け合う。
……まあ、繋がればだけどな。


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

さて、どうしたもんかねぇ。
見知った顔ばかりなんだ、ちょいと相談してみるかい?
誰かが「順路」を見つけてくれれば、他の皆がそれを辿ればいいんだろ。
それなら情報は足で稼げ、ってね。
【超感覚網】で皆をテレパスで繋ぎ、『情報収集』の効率を上げるよ!
……あー、黒影クン。
流石に虫たちとの連携は任せるよ。
御狐様はもしかしたら大丈夫だけど、
紅葉やアヤミ、アタシは何言ってるか分かんないだろうからさ。
そして皆と連絡を取りながら、
スマホのアプリでルート開拓さ。
もしもルートが改ざんされたりして妨害されても、
それだって対抗できるだろ。

さあ、逢魔が時までに駆け上るよ!



●屋上を目指せ
 病院で夕子から噂のことを聞いた猟兵たちは夕子が通う学院へとやってきた。それぞれ学園生のフリをして門をくぐると…なぜか学園の中庭に出た。
「おんや、迷い路か。しかし狐が化かされてはお話にならんナ。」
 御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)は一瞬で事態を見抜いたようだ。人を化かす妖狐の面目躍如といったところだろう。ちなみに制服姿とはいえ130cmほどの身長で目立っている。
「ふむ、これでは噂の条件である逢魔時まで時間制限が厳しいですね。」
皆の分も学園の制服を調達し、いかにも3年の先輩ですよという顔をした才堂・紅葉(お嬢・f08859)が時間を確認する。ちなみに19歳の彼女なら制服姿も違和感はないだろう。実際にアルダワ学園に所属していることだし。
「せんせーのいった通りに女装してみましたが...これで大丈夫ですかね?」
スパッツの上にミニスカートを履き、首にマフラーをかけてマスクをつけた女子高生が手鏡で自分の姿を確認している…いや違う一行で一番背の高い彼は女性ではない。途中で合流した黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)だ。彼は頭の中に寄生している教導虫「せんせー」に話しかける。
「大丈夫!これで問題ないわ!喋りかけられても風邪気味だから声がつぶれてる、でごまかしてね!」
 兵庫の中にいるせんせーはそう太鼓判を押した…本当に大丈夫だろうか?
「あー、まあ大丈夫じゃないか?一見してならわからないだろ…(こっちは)。」
 一行で唯一の正式な女子高生である紗咲・亜闇(相克のスケバン・f21822)が言った。彼女はなぜか兵庫の方を向いていて自分の隣を見ようとはしていない。
「ねえ待って、何でアタシも女子高生姿なんだい!?」
 亜闇の隣の数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)はそう皆に聞いた。なぜかというと紅葉が潜入用に用意できたのは制服と学生の身分だけだったからだ。ちなみに学園の制服は結構なミニスカートだ。更に言うと多喜は22歳だった。
「ふふ、100歳のわしに比べれば多喜殿の方がよっぽど似合ってるんじゃないかえ?」
「ここの警備が厳しくて学生としての潜入ルートしか用意できなかったので…。」
「俺よりはよっぽど似合ってますよ!いえ似合ってますわよ?」
「…そんなことより早く屋上を目指しましょう。」
「うう、わかったよ…。」

 さて、どうしたもんかねぇ、と切り替えた多喜が皆をまとめ始める。
「見知った顔ばかりなんだ、ちょいと相談してみるかい?誰かが「順路」を見つけてくれれば、他の皆がそれを辿ればいいんだろ。それなら情報は足で稼げ、ってね。アタシが【超感覚網(テレパシー・ブロードリンク)】で皆をテレパスで繋いで、『情報収集』の効率を上げるよ!」
 そう言ってUCを発動、全身を媒介にして味方をテレパスのネットワークで覆い司令塔として活動し始める。

「単純に手数を増やそうか。GO!ヨーヨーUFO!……いってらっしゃい。」
 亜闇はUC【ヨーヨーUFOの召喚(ヨーヨーユーフォーノショウカン)】を連続発動する。自身と五感を共有したヨーヨーUFOに誘導弾の性質を付与。中庭から校舎内に続くドアを片っ端から開けて行く。校門の外に出されたり、中庭に戻されたりしながら人海戦術を続けていくと…
「ありました、ここだけ入った時と風景が変わりません。多分1階へのルートです。」
「OKアヤミ、アプリに追加しとくよ。……あー、黒影クン。流石に虫たちとの連携は任せるよ。」

「わかりました!やるっきゃないか...よし!いきましょう!」
 1階に入った兵庫は予想通り生徒たちに少し警戒されている。その度に「ごきげんよう。」「今日は風邪です…わ。」とごまかしている。一通り1階からのルートを探索した後に空き教室へと入った。
「なんですか、この学校...まるで迷宮です。こういう時は...。」
黒影の周りに白い靄が現れると羽虫の幽霊であるUC【蠢く霊(ウゴメクレイ)】が大量に出現する。
「強襲兵の皆さん!壁をすり抜ける皆さんなら迷宮の突破もたやすいはず!屋上までの最短ルートを調べてください!」
 この羽虫…強襲兵の霊は目視不可の霊体状態で活動できる。学園がパニックになることはないだろう。
「強襲兵さん達が見つけました!2階に続くルートみたいです!」
「あいよ、了解だ。紅葉そっちはどうだい?」

「はいはい、こういった迷宮ならおまかせです。」
「(一見して学園ですが、内部ではアルダワで馴染んだ迷宮の雰囲気です。普通に動いても屋上には行きつきませんし、まずは迷宮の設計思想と方向性、つまりは“法則”の解明です。)」
 まずはとメカニック技能で学園各所に通っているアルダワ学園の錬金学生作の(クソダサい)キーホルダー型盗聴器を配置し、噂を語る生徒を効率良く特定していく。
「この迷宮は人を阻む物ではなく選ぶための物、噂を集めれば自然と行きつけるはずです。」
 そして礼儀正しい姿勢と持ち前のコミュニケーション能力ですぐさま紅葉は噂を語る生徒たちと仲良くなっていく。その裏で彼女たちのSNSコミュニティにハッキングして噂の情報を抜いて回っていく。そしてある程度の法則を解明して次なる道を発見する。
「ありましたよ、3階につながるルートです。」
「OKOK。御狐様、そちらは大丈夫ですか?」

「問題ないのぅ、まかせておけ。掛巻も畏き御吉神 方忌を祓い浄め此方より御座しませ。」
 詠唱を開始した稲見之守はUC【方違え(カタタガエ)】を発動する。本来は霊符が命中した相手にダメージを与えるものだが、地形に吉方位を(無理矢理)定めて、その上に立つ自身の戦闘力を高めることができる。
「迷宮の順路なぞ己で決めてしまえば良い。進む方角に霊符を貼り付け、学園内の障りを鎮めながら行こうゾ!。通りゃんせ通りゃんせ、ここはワシの行く道じゃ。」
 そんなことを言いながら子、未申、卯、辰巳、八方塞がりに至るを避け戌亥、酉…と霊符を張り付けていく。
「……む、壁じゃナ。ぶっ壊して進もう。狐火どかー…。」
「わー!御狐様ストップストップ!壁は壊しちゃだめですって!」
「冗談じゃよ、ほほほ。見つけたぞ、これが屋上へのルートじゃないかえ?」

●いざ屋上へ
 多喜のテレパスでルートを教えられて猟兵たちが集合する。時間は…何とか逢魔時前に間に合ったようだ。
「しっかし、ふふ逢魔時ナ。移ろい行くあやふやな境界にこそ暗闇からの者が巣食うものよ、どれカミさまの遣いとやらの顔を拝んでやろうじゃァないか。」
 稲見之守が興味深そうに告げる。
「相手は噂のことを考えるとかなり合理的ですからね、気を付けていきましょう。」
 紅葉が注意を促す。
「いよいよですね、行きましょうですわ!」
 女装が癖になりかけている兵庫が気合を入れた。
「…つながらないか。まあ、そうだよな…。」
 誰かに電話をかけようとした亜闇は悲しみを押し込んだ。
「さあもうすぐ逢魔時だ。行くとするかねぇ。」
 多喜がそう言って扉を開くと…。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『光と闇のカリスマ女子高生・パナ巻』

POW   :    この天使様と爬虫類パナくね?
戦闘用の、自身と同じ強さの【攻撃を2度まで絶対に防ぐ身代わり人形】と【敵を一撃で倒す力を持った光と闇の化身2体】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD   :    女子高生は約束守んなきゃハブられんだよね、マジで
【光の化身が放つ周囲一体を一瞬で照らす光】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
WIZ   :    よくも私にID消させたな陰キャぁ!許さないよ!
自身の【友達の連絡先】を代償に、【物理攻撃を無効化する闇の爬虫類】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【消した連絡先の数の回数放てる反物質ビーム】で戦う。

イラスト:鴇田ケイ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は紗咲・亜闇です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●逢魔時に彼女は
 学園の屋上。時刻は逢魔時。猟兵の1人が自身の影を見つめ、それが夜の闇に溶ける瞬間にスマホを取り出す。連絡先の一番下には…「?????」の表記が。そこに書かれている電話番号にかけると…。
「成功だよー、まじパナい……ってなんか今日は多いね。」
 辺りが闇に沈み、光の中から長いツインテールの先を巻き毛にした女子高生が現れる。
「あー、あんたたちが神様の言ってた猟兵ってやつ?」
 女子高生は両脇に白い天使と黒い爬虫類を召喚する。
「猟兵は消せって神様に言われてるんだよね。じゃ、まじパナい力見せてあげるよ!」
 そう言って女子高生は猟兵たちに戦いを挑んできた。さあ噂の元である感染型UDCとの決戦だ。世界中へのパンデミックの前に彼女を撃破できるのは君たち猟兵しかいない。
御狐・稲見之守
ふむ、JKというものは色々大変そうじゃナ。あさてそれでは、あの蜥蜴みたいなやつはワシがいただいてもよろしいか?

UC化生顕現、人喰い魂呑みの外道たる大狐姿となり召喚された闇の爬虫類に喰らい付く。物理攻撃無効? 結構、それならば我が顎から滴る炎で焼いてやる。そして[生命力吸収]――この身、ヒトを喰らい魂を呑み、カミすらもいただく悪食なり。

反物質ビームで撃たれれば、それは水面の波紋の如くゆらゆらと――何事もなかったかのように撃たれた箇所は元通り。

ふふ、ワシだってまじパナいゾ。なんてナ。 


黒影・兵庫
アドリブ○連携○
あのオブリビオンが紗咲さんのお知り合いの方...?
(「黒影、わかっているとは思うけど、情けは不要よ。粛々とやりなさい。蟲のように」と頭の中の教導虫に念を押される)
も、もちろん!
わかってます、せんせー!
とりあえず俺はサポートに回りましょう!
(黒影の影の中から儚く舞う蝶が大量に飛び立つ)
支援兵の皆さん!皆さんの可憐な舞で敵を見惚れさせてください!
俺は『オーラ防御』壁を展開しつつ『第六感』で攻撃を避けながら『念動力』で{皇糸虫}を操作して敵を縛り上げて身動きが取れないようにします!
その後は他の猟兵さんに合わせて『衝撃波』を叩きこみます!


紗咲・亜闇
……今更何をしたところで全てが手遅れなんだって分かってる。でも…これ以上、誰よりも青春を楽しんで輝いていた先輩を、こんな形で汚させたりはしない…!

本当なら真の姿でしか使えないUCを【限界突破】して使用し、反物質ビームに【カウンター】の形で光速のヨーヨーを当ててビームを光に還す。

やっぱりあなたは私が知ってるパナ巻先輩じゃない…!私の知る先輩だったら、例え自分が死ぬことになろうと友達と呼ぶ相手の連絡先を消すことは決してしなかった…!

そう言って今度こそ【覚悟】を決めてヨーヨーに【破魔】の力を込めて先輩を光に還す。

…助けてあげられなくて、間に合わなくてごめんなさい。仇だけは、絶対に取ってみせるから…!


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

なるほどな。
アンタ、アヤミのセンパイかい。
で、あのクソ神のパシリに堕ちたってか?
胸糞悪いね。
可愛い後輩に、目を覚まさせてもらいなっ!

可愛い妹分の為なんだ、
『気合い』入れてサイキックのボルテージを最高潮に。
【嵐裂く稲妻】で雷光となり、
蜥蜴が放ってくるビームから
皆を『かばう』ように前で受け止めるよ!
『オーラ防御』も込めたバリアさ、
ちょっとやそっとじゃ抜かせねぇよ!

そのまま『ダッシュ』で本人に肉薄し、
電撃バリアの『マヒ攻撃』で動きを止める。

そうやって繋がりを自分から切り捨てていって、
テメェ自身が陰キャになってるんじゃねぇよ!
……後はアヤミ、やっちまいなァ!


才堂・紅葉
「分かります。学生同士の約束って重いですからね」
にこりと笑む
「私の学園もその辺り大変でしたよ」
【コミュ力】でイケてる会話で応じ【時間稼ぎ】
その間に【戦闘知識】で【情報収集】し、【野生の勘】で光学【迷彩】のスイッチを押す
光は回避不可能なので、呼吸を盗んで機先を制そう
光を歪曲し姿を隠すアルダワ【メカニック】で、奴の光を防ぎたい

「あんた、うちの舎弟の対話の邪魔よ」
光か闇の手近な化身に【忍び足】で接近し、独特のクラッチから【怪力】と【グラップル】で“黒虎”による【暗殺】で、綺麗な海老反りブリッジを披露したいですね

後輩が何かしたいようなので、邪魔をさせないようにしましょう
悔いが残らないのが一番大事です



●光と闇の境目で
 屋上が夜より深い闇に染まり、しかし真逆の白い光が満ち溢れる。傍らに白い天使と黒い蜥蜴を従えたUDCが猟兵たちの前に立っている。

「ふむ、JKというものは色々大変そうじゃナ。さて、姿形不定なるこそ真なり、夢と現つの狭間に巣食う神にしてモノノ怪来たれり…。」
 女子高生に興味がありそうな御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)が詠唱を始める。

「あのオブリビオンが紗咲さんのお知り合いの方...?」
 相手のオブリビオンの素性に含みがありそうな黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)。
『黒影、わかっているとは思うけど、情けは不要よ。粛々とやりなさい。蟲のように。』
その姿に頭の中の教導虫「せんせー」が念を押す。
「も、もちろん!わかってます、せんせー!」

「……今更何をしたところで全てが手遅れなんだって分かってる。でも…これ以上、誰よりも青春を楽しんで輝いていた先輩を、こんな形で汚させたりはしない…!」
 決意の表情の紗咲・亜闇(相克のスケバン・f21822)がヨーヨーを構える。

「なるほどな。アンタが、アヤミのセンパイかい。で、あのクソ神のパシリに堕ちたってか?胸糞悪いね。可愛い後輩に、目を覚まさせてもらいなっ!」
 数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)が気合を入れてボルテージを高めていく。

「後輩が何かしたいようなので、邪魔をさせないようにしましょう。悔いが残らないのが一番大事です。」
 才堂・紅葉(お嬢・f08859)は今回、支援に回るようだ。

「パナい力見せてあげるよ、天使様!」
 UDCが傍らに立つ天使に声をかける。すると天使が一瞬で周囲を光で覆いつくした。
「女子高生は約束守んなきゃハブられんだよね、マジで。というわけで私との約束だよ『光に当たっている間は動くな』!」
 天使の力によるルールの宣告だ。これを破るとダメージを受ける。それも今回のように簡単なルール程破った時ほど威力が高い。
「分かります、学生同士の約束って重いですからね。私の学園もその辺り大変でしたよ。」
紅葉がにこりと微笑み、持ち前のコミュ力でUDCとの会話(時間稼ぎ)を仕掛ける。
「へー、あんたの学園もそうなの…って騙されないよ、天使様そいつに光を当てて!」
 一瞬気を取られたUDCが紅葉に改めて光を当てようとする。
「やだなー、私は動きませんよ?……光が当たれば、の話ですが。」
 刹那、タイミングを合わせて野生の勘で紅葉がアルダワ学園生の光学迷彩を起動する。今回のルールは「光が当たる間動いてはいけない」というもの。光学迷彩により光を歪曲して当たらないことでルールには適用されずダメージは受けないのだ。
「あんた、うちの舎弟の対話の邪魔よ。」
がらりと語気を変えた紅葉は、光学迷彩を展開しつつ光の化身の背後に回り天使をクラッチする。
「さて、覚悟なさい【才堂式柔術居反り投げ・黒虎(ブラックタイガースープレックス)】!」
 海の生物「ブラックタイガー」の能力を強化して放つUCにより、紅葉は綺麗な海老反りブリッジを光の化身に決めて無力化した。
「天使様!?」UDCの悲鳴が響く。

「とりあえず俺はサポートに回りましょう!支援兵の皆さん!」
すかさず動けるようになった兵庫がUC【誘煌の蝶々(ユウコウノチョウチョ)】を発動。影の中から可憐で儚げに舞う蝶が出現する。
「マジでキレーじゃん…。」
 UDCは一瞬見惚れて動きが止まる。
「【化生顕現】。あさてそれでは、あの蜥蜴みたいなやつはワシがいただいてもよろしいか?」
 稲見之守が人喰い魂呑みの外道たる大狐姿になり黒蜥蜴に食らいつく。黒蜥蜴は物理攻撃が通用しないが…。
「物理攻撃無効? 結構、それならば我が顎から滴る炎で焼いてやる。」
 そのまま口から炎を出してダメージを与えることに成功する。
「…はっ!?やらせないんだから!これだけはやりたくなかったけど、連絡先全削除!」
 蝶に見惚れていたUDCが意識を取り戻しスマホの連絡先を消す。この代償により黒蜥蜴は真の力である反物質ビームを乱射し始める。
「よくも私にID消させたな陰キャぁ!許さないよ!」
 黒蜥蜴はまずはと噛みついている稲見之守に反物質ビームを放つ。しかし口から放しこそすれ、稲見之守の体は水面の波紋の如くゆらゆらと――何事もなかったかのように撃たれた箇所が元通りになる。
「ふふ、ワシだってまじパナいゾ。なんてナ。」
 稲見之守は余裕綽々だ。
「やっぱりあなたは私が知ってるパナ巻先輩じゃない…!私の知る先輩だったら、例え自分が死ぬことになろうと友達と呼ぶ相手の連絡先を消すことは決してしなかった…!」
 亜闇はUC【天秤崩壊・羅異説裏陰禍亞錬位処ン(エレメントシフト・ライトリインカーネーション)】を発動、反物質ビームにカウンターの形で光速のヨーヨーを当ててビームを防ぐ。
「稲妻のごとく、駆け抜ける……!【嵐裂く稲妻(ストレガ・オーバードライブ)】!」
 多喜は自身の周囲に電撃を伴う球状サイキックバリアを展開し、見方をかばいつつ反物質ビームを防ぐ。
「防ぎつつ避けます!」
 兵庫はオーラ防御壁で一部を防ぎつつ第6感でビームを避け、念動力で皇糸虫、生きた糸を黒蜥蜴に巻きつけ動きを止める。
「今です、御狐さん!」
「おうよ。この身、ヒトを喰らい魂を呑み、カミすらもいただく悪食なり。」
 稲見之守が黒蜥蜴の生命力を吸収して動きを止める。
「黒影クン、御狐様ナイス!」
 すかさず多喜がダッシュでUDCに肉薄し電撃のバリアでその動きを止める。
「そうやって繋がりを自分から切り捨てていって、テメェ自身が陰キャになってるんじゃねぇよ!……後はアヤミ、やっちまいなァ!」

「みんな、ありがとう。先輩、光に還れ……このヨーヨーで!」
覚悟を決めた亜闇は破魔の力を込めた光速のヨーヨーを放つ。
「…まじ…パ…ナイ…じゃ…ん…。」
UDCは胸に大穴を開けて倒れこんだ。同時に天使様と黒蜥蜴の姿が霧散していく。猟兵たちの勝利だ。

●逢魔時に彼女は眠る
「あ…れ…?」
 そして彼女は目覚めた。
「そっか…思い出した…私騙されてたんだ…まじダサい…。」
 彼女の体は手足の端の方から消えていっている。しかしその目には理性の光が宿っていた。
「みんなごめんね…いや…ちがうか…止めてくれて…ありがと…。」
 猟兵たちに向かってお礼を言う彼女の顔は穏やかだった。
「それと…あんまり背負い込んじゃだめだよ…あんた不器用なんだからさ…。」
 最後に彼女は亜闇に微笑みかけて完全に消えていった。彼女の体のあった場所にはただ一つ、彼女が大事にしていたスマホだけが残っていた。
「…助けてあげられなくて、間に合わなくてごめんなさい。仇だけは、絶対に取ってみせるから…!」
 残されたスマホを拾い、亜闇は敵討ちを誓うのだった。

―――こうして感染型UDCの脅威は取り除かれた。元凶であるUDCがいなくなった今、噂は自然に消えていくだろう。未曽有のパンデミックは防がれ、UDCアースに一時の平穏が訪れたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年04月13日
宿敵 『光と闇のカリスマ女子高生・パナ巻』 を撃破!


挿絵イラスト