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お魚、キノコ、そしてワニ

#グリードオーシャン



「がうー。みんなー、たすけてー」
 グリモアベースをとてとて歩きながら、アルファ・オメガ(もふもふペット・f03963)が猟兵たちに助けを求めている。何でも新しく見つかった世界、グリードオーシャンで新たな情報が得られたのだとか。
「あのね、コンキスタドールが支配している、要塞と化した島が見つかったんだ」
 その島の名は『ギフ島』。アックス&ウィザーズの面影を残すこの島には島民はおらず、コンキスタドールが闊歩する島である。

「グリードオーシャンはグリモアの予知が出来なかったりするんだ」
 そのため、明かな敵が占拠しているこの島を放置して通り過ぎるには後へのリスクが高すぎる。
「だから、この島にいるコンキスタドールを倒して島を解放して欲しいんだ!」


 ギフ島は断崖絶壁に囲まれた自然の要塞ともいえる様相をしている。
「これに手を加えて、コンキスタドールの拠点にしているってわけ」
 そのため、守りも硬い。侵入経路が限られているのだ。すなわち、断崖絶壁を登っていくか、正規の入り口である、島にひとつしかない入り江から突入するか、だ。
「どっちから行っても大丈夫なんだけど、入り江からの突入をオススメするよ」
 とアルファが言うにはワケがある。
 まず、コンキスタドールの要塞、その侵入口は入り江の近くにある。その上で、だ。
「どっちから行っても、侵入には妨害が入るからなんだ」
 ギフ島の門番、あるいはこの島をナワバリとするもの。それは島の周りに棲息する『巨大魚』である。

「島に上陸するには、どうやってもこの巨大魚の妨害を切り抜ける必要があるよ」
 巨大魚は島とその周辺をナワバリとして、大多数が棲息している。彼らは『波の上を移動するもの』『魚が泳ぐ速度より速く動くもの』『手足がある生き物』のいずれかがナワバリに入ると、敵、または獲物とみなし、襲いかかってくる。その襲撃は仲間に伝わるようで、結果的に集団で襲い掛かってくる。
「それから、一回捕捉されちゃうと、どこまででも追いかけて来るんだ……どこまででも」
 アルファが2回繰り返したのは重要なポイントだからである。具体的に言うと、巨大な魚にもかかわらず、移動できる場所は海、陸、空と、短時間ならどこでも生きていける。猟兵たちとの戦闘の間くらいなら平気で活動できるだろう。
 つまり、振り切るという選択肢は無い。どこかで巨大魚を倒す時間を作る必要がある。
「がうー、海流に逆らわず泳ぐとか、波に漂ってるだけとかならサーチされずに島にいける可能性もあるけど」
 しかし今度は島に辿り着けるかどうかが問題になってくる。素直に巨大魚を倒して行った方が早いだろう。

「でも巨大魚にも、ひとつだけ弱点があるんだ」
 アルファが真面目な顔をして猟兵たちを見渡し、ひと呼吸いれてから話し出す。
「それは、入り江の砂浜だよ」
 砂浜が何故弱点なのか。
 それはこの入り江の砂浜が無駄にさらさらなことに起因する。砂の粒がとても小さく、しかも軽い。とっても摩擦係数が低いのだ。そして、巨大魚は尾ビレで海面や地面、あるいは空中を叩きつけてその反動で飛ぶ。
「だからね。一回砂浜に落ちると、飛び上がるための反動が得られないんだ……」
 べしっと尾ビレで砂浜を叩くと、その風圧と勢いで砂が散る。そして叩いた砂地も反動どころか、衝撃を吸収してさらさらと流れる。ほんのちょっとは浮き上がるかもだけど、すぐ落ちる高度だ。
 結果。
「巨大魚は、砂浜でぴちぴち跳ねることしかできなくなるよ……」
 そっと悲しげに視線をそらすアルファ。なお、水流弾を撃って来るんじゃないか疑惑に対しては、周りに海水が無いので撃てない。砂浜に落ちたら詰むのだ……巨大魚たちは。


 そんなわけで、ギフ島の近くまで鉄甲船で移動。しかる後に空、入り江、断崖絶壁等々、いずれかから島に侵入する。
「突入の際に、巨大魚の妨害を切り抜けて行ってほしい」
 周辺の巨大魚をすべて駆逐するのは後回しでもいいだろう。とりあえず行く手を遮る巨大魚たちを倒しながら、島に上陸して、要塞を目指す。
「要塞の中には島のボスになっているコンキスタドールがいるよ」
 それを倒して、要塞を無力化したら、島の解放に繋がる。

 入り江の砂浜を目指す場合は少し注意が必要だ。
「島の入り江はちょっと狭くなってて、鉄甲船でそのまま突入は難しいんだ」
 鉄甲船から小舟に乗り換える必要があるだろう。もちろん空を飛んでいってもいいし、海を泳いで行ってもいい。サーフボードで波乗りとかボトルシップ使うとか。どんな手段でもいいので、鉄甲船よりも小さいモノで乗り込む必要がある。

「ところで……巨大魚って食べることできるのかな?」
 じゅるり。と思わず食いしん坊の顔が覗くアルファ。ケットシーの彼からすると巨大魚はどんなごちそうになるのか……そもそも食えるのか?

「がう。それはさておき。皆よろしくお願いします」
 そう言ってアルファはぺこりと頭を下げて。猟兵たちを見送るのであった。


るちる
 はじめまして、あるいはこんにちは、るちるです。
 グリードオーシャンは様子見……と思ってたんですが、アルファ君がお魚食べたいというので……!
 巨大魚を食べに行こう、いや違うコンキスタドールの要塞を落としてください!

 シナリオの補足をします。
 シナリオTOPに立っている水着姿のアルファ君と巨大魚が砂浜でぴちぴち跳ねてることからもお分かりかと思いますが、シリアスの皮を被ったネタ依頼です。あなたは思う存分、欲望の海ではっちゃけてもいい。ただし、島は壊さないでお願い。

 1章は集団戦です。海上、海中、砂浜、断崖前壁、どこで戦ってもいただいてもOKです。砂浜の戦闘に持ち込んだ場合、プレイングボーナスがさらにつきます。
 砂浜に乗り込む場合は、移動手段をプレイングにお願いします。そうすると、適当にしていても砂浜まで辿り着けます。そこへ巨大魚がトビウオしてきます。そこからが勝負です。
 こう、いかに巨大魚を砂浜に叩き落とすかのゲームだと思っていただければ。ビーチバレーとかオーバーヘッドキックとか! してもいいですよ!

 あ、倒したお魚は食べてもいいです。お腹の調子は保証しませんけども!

 2章はボス戦、3章はちょっとしたトラブルが起こる予感です。
 2章と3章については、始まったら状況説明の序文を追記します。

 あとは公序良俗をお守りいただければ、特に注意点は無いかとー。

 それでは皆さんのプレイングをお待ちしていまーす。
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第1章 集団戦 『巨大魚』

POW   :    船喰らい
【頭部からの体当たり】が命中した対象に対し、高威力高命中の【鋭い牙によるかみ砕き攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    テイルフィンインパクト
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    ウォータービーム
レベル×5本の【海水】属性の【水流弾】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
ネフラ・ノーヴァ
ラトゥ殿(f12112)と共に。
砂浜におびき寄せる戦法を取ろう。囮役はラトゥ殿に任せる。くれぐれも餌にならない様にな。
私は小舟で先行して砂浜で待ち受ける。波打ち際で受ける風は気持ち良さそうだ。
さて、首尾良くラトゥ殿が砂浜へピラニアを連れて来れば、待ちかねたよとUC染血散花で次々と血祭りに上げていこう。打ち上がった魚を仕留めるのは簡単なお仕事だな。
返り血を浴びるのを好むが、魚臭いのは控えておこう。
白い砂浜が赤く染まるのは愉しめそうだ、フフ。


トゥトゥラトゥーレ・ルカフカル
ネフラちゃん(f04313)といっしょ!

まずはおさかなさんを砂浜まで引き付けるよ。
ラトゥの愛バイクペペロンチーノ号で水上を爆音と悲鳴をあげながら高速で走り、
出来るだけ多くのお魚を砂浜へ連れて行きたいね。
勿論途中で食べられないように必死で逃げるよ。妖精じゃ丸のみされかねないし。
囮役こえー!!


砂浜までたどり着けば打ちあがったお魚はネフラちゃんに任せつつ、
ラトゥはUCでサイズはそのまま弾力のついた体で砂浜まで来なかったり空中にいる敵に突っ込み、
持ってる針で貫いたら反動を生かして次の敵を繰り返して敵を海や砂浜に叩き落していくよ。
ようせいなめとったらあかんぞおらー!

しかし赤い砂浜かー、味方もこえー!!



●爆走フェアリー、見参!
 鉄甲船の上からでもわかる、『巨大魚』の群れ。その群れを攻略すべく、海原を見つめる者たち。
「ネフラちゃんといっしょ!」
「フ……」
 ぱぁん。
 美少女フェアリーの小さな手と、希少な羊脂玉種クリタリアンの手がハイタッチをかわす。ラトゥことトゥトゥラトゥーレ・ルカフカル(小さな体にでかい声・f12112)とネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)である。二人が取ったのは、巨大魚を砂浜におびき寄せる戦法であった。
「囮役はラトゥ殿に任せる。くれぐれも餌にならない様にな」
「まかせろー!」
 そう言いながらラトゥが鉄甲船の倉から出してきたのは、彼女の愛バイク『ペペロンチーノ号(税抜き2980円単三電池2本付属)』である! 見た目に騙されるなかれ、ラトゥの手によって、各種改造済なこのバイクに走れぬ場所など無い。地上や宇宙は勿論、水中、水上もお手の物なのだ。
 そんなわけでおさかなさんを砂浜まで引き付けるべく、甲板で助走をつけて大海原に飛び出すペペロンチーノ号。スロットルが爆音をあげて。
「にぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
 ラトゥが悲鳴を上げているが、さておき。ペペロンチーノ号が水上を高速で駆け抜ける。

 ペペロンチーノ号の爆走に巨大魚たちが反応する。ナワバリに侵入した敵を噛み砕くべく、ラトゥに向かって一斉に泳ぎ出す巨大魚たち。
 単純に直線を走る速度ならペペロンチーノ号の方が上だ。しかし、今はラトゥが巨大魚のナワバリに乗り込んだ状況だ。巨大魚にしてみれば、待ち構えていたところに獲物が来たわけで、位置によっては口開けているだけで飛び込んでくるわけで。
「うわーっとぉぉ!!」
 妖精サイズだと丸のみされかねない大きさ。ペペロンチーノ号を巧みに傾け、前方の大きく開いた巨大魚の口を必死で回避するラトゥ。さらに四方八方から巨大魚が飛びかかってくる。ペペロンチーノ号のアクセルをフルスロットル、速度を上げて飛び上がった巨大魚の真下を潜り抜けるラトゥ。
「こえー! 囮役こえー!!」
 叫びながら、それでも『注意を引き付けること』はしっかりと。

 ――出来るだけ多くのお魚を砂浜へ連れて行きたいね。

 鉄甲船を飛び出す前に、相方であるネフラに伝えていた通り、ラトゥは巨大魚の引き付け役を十全に実行していたのであった。

 そのネフラは、水飛沫をあげて爆走するペペロンチーノ号を小舟の上から見ていた。派手な爆走と猛烈な速度の刺激に、巨大魚たちの意識は完全にラトゥに引き付けられている。この隙に、ネフラは密かに砂浜まで回り込むのが作戦の第一段階。
「波打ち際で受ける風は気持ち良さそうだ」
 そこへラトゥが巨大魚を引き連れてきてくれれば。

 かくして、ラトゥとネフラの作戦は事前準備の段階を終え。

 瞳を閉じて、入り江の波打ち際で『血棘の刺剣』を手にしながら、ネフラは浜風を感じていた。その風の中に混じる、水上を走る爆音。
「来たか、ラトゥ殿」
 目を開いたネフラの視界に、こちらへ真っ直ぐ突っ走ってくるラトゥwithペペロンチーノ号とそれに引き寄せられた巨大魚たちが入ってきたのであった。

●赤い花咲く入り江
 猛烈なスピードで入り江の突入するラトゥ。焦る様子も無く、波打ち際に立つネフラの姿を見て、安堵とももラトゥが大声で叫ぶ。
「あとはまかせたー!」
「了解した」
 すれ違いざま、高速ハイタッチをかわして。
 今度はネフラが巨大魚と相対する番であった。
「待ちかねたよ」
 すっ、と刺剣を構えて。直後、発動するのはネフラのユーベルコード【染血散花】。それは突撃してくる巨大魚の群れの前に作り出された刺突による壁。刺剣による超高速連続攻撃が『ここから先へは通さない』と、海から空へと飛び跳ねてきた巨大魚たちに叩き込まれていく。細身の刺剣は巨大魚の重量に耐えきれず、突き刺さると同時に折れるが、それもまたネフラの思惑通り。
「花が咲くには種も必要だからな」
 折れるそばから再生する切先。巨大魚の体に残った先端は、そのまま文字通り血の棘と化して巨大魚を蝕み続ける。
 ネフラの刺突の壁にぶつかり、血の棘によって血塗れになりながら砂浜に墜落していく巨大魚たち。

 ――吹き上がる血はまるで赤い花のよう。

「死の際は美しくあれ」
 赤い血の花が咲く中、白の剣士はただただ剣を舞わせていた。

 巨大魚の大半がネフラの【染血散花】に叩き落とされる中、わずかな数ながら彼女の攻撃を回避した個体がいる。ユーベルコードの特性上、それらの個体はネフラの真横を通りすぎ、最初の獲物であった目掛けてさらに空中を跳ねる。
 しかし、数が少ないのならば。ペペロンチーノ号から降りたラトゥが叫ぶ。
「ちいさくたって心はおおきく! 妖精の底意地みせたらぁー!!!」
 体躯の大きさなど問題ではない、と【妖精流体内外破壊術「イッスンボウシ」】発動。今回はサイズそのままに、自身の肉体を消化液や噛み砕きに強いものに変え。高速で反転したラトゥはまだ空を跳んでいる巨大魚たちへ向かって突っ込む。
「ようせいなめとったらあかんぞおらー!」
 手に構えた『ようせいじるしのきんのはり』で巨大魚を貫く。飛んでいった勢いと巨大魚とぶつかった反動を利用して、突き刺した巨大魚は砂浜に蹴り落としつつ、次の巨大魚へ高速移動するラトゥ。それを繰り返している内にラトゥの周りを跳ぶ巨大魚はいなくなり。
「打ち上がった魚を仕留めるのは簡単なお仕事だな」
 聞こえてきた声はネフラのもの。彼女もまた、自分たちに向かってくる巨大魚たちを全て砂浜に叩き落としていたのである。

●そして染まる
 こうして砂浜に叩き落とされ、無力化した巨大魚たちはぴちぴちと砂浜を跳ねている。
 そこを容赦なく仕留めていくネフラ。
「返り血……魚臭いのは控えておこう」
 彼女の嗜好として返り血は大好物だし、ユーベルコードの効果的に浴びると回復するのだが、たぶん精神的ダメージの方が大きいのでその選択は正解である。
 それに、だ。
「白い砂浜が赤く染まるのは愉しめそうだ、フフ……」
 上陸するまでは白く輝いていた入り江の砂浜の一角が、今は赤く赤く染まっている。その様子を見て愉悦に口端をあげるネフラ。
 その様子を見ていたラトゥさん。
(……赤い砂浜かー、味方もこえー!!)
 とか思っていたのは秘密である。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ガラティア・ローレライ
島は壊さないでお願い。…ね。つまりフリよねこれは。よし!それじゃピュグマリオーン号で島に向けて全弾斉射を…、え?やめろ?…しょうがないわね。それじゃあピュグマリオーン号で島に向けて全速前進よ!

ボトルシップ【ピュグマリオーン号】で入り江に乗り込むわ。
入り江までに乗り込む足の無い猟兵がいたら乗せてやっても良いわ

ガンガン魚に向けて【砲撃】をぶっぱなしつつ華麗な【航海術】で入り江に【切り込】んでいくわよ!

入り江に着いたらピュグマリオーンはボトルに回収。飛んできた魚共を【大声】で【歌唱】した『ブラストボイス』で叩き落していくわよ!


響・夜姫
●プレイング
連携、アドリブ可

「お魚食べ放題と聞いて」
……違う?要塞化した島を落とす?ふむー。
「つまり。島ごと焼けば、おーるおっけーなやつ」

嵐の砲火でサバーニャを複製、道にして砲撃しながら徒歩上陸。
砂浜到着後はそのまま網の様に自分の周囲に展開。
自分とぺんぎんさんとドラゴンのめんちを囮にし、飛び込んできた魚をビームで蹴ったり砲弾で迎撃したり叩いて落としたりする。
「ふぃっしゅー」
あとはそのまま、砂浜に落ちたところを動かなくなるまで攻撃。

一通り片づけたらお魚パーティー。
刺身、焼き魚、カマボコ、つみれ。【生命力吸収】で美味しくもぐもぐ。
食べたらダメそうなのは、ちゃんとめんちが判別した。
……まんぷく。


クーデリア・カトラリエ
ひゃっはぁあああ巨大魚食べ放題ツアーだぁああ!!!!


え?コン‥‥コンパスタソース?美味しいの?
クーちゃんは巨大魚が食べられるって聞いて来たんだけど?

とりあえず海にダーイブ!!
海底の貝とかカニさんタコさんetc食べながら這って砂浜を目指すわ
これなら波の上じゃないしお魚より遅いし手足使ってないし
襲われる心配は皆無ね!頭脳派クーちゃん!
クーちゃんにとって息継ぎなし食べ放題なんて造作も無いのだ!

確か言ってたわ!砂浜がお魚食べ放題会場って!
着いたら蹂躙の時間だぁああ!!
巨大魚‥‥‥獲ったどー!!!!(フォークに突き刺しつつ)




 いまだ『巨大魚』が回遊するギフ島付近。島の攻略のため、鉄甲船より猟兵の第二陣が入り江に向かおうとしていた……気がした。
「お魚食べ放題と聞いて」
「ひゃっはぁあああ巨大魚食べ放題ツアーだぁああ!!!!」
 響・夜姫(真冬の月の夢・f11389)とクーデリア・カトラリエ(三度の飯より飯が好き・f20874)が飛び跳ねまくる巨大魚たちを見てハイタッチ。全身でこの喜びを表現していた。その様子にたじろぐ鉄甲船の船員さんが思わず問いかける。
「姐さんたち……コンキスタドールはどうするんで?」
「え? コン……コンパスタソース? ……美味しいの?」
 ずるっ、と船員さんがずっこける。ちがうちがう、コンキスタドール。今回の敵!
「クーちゃんは巨大魚が食べられるって聞いて来たんだけど?」
「……違う? 要塞化した島を落とす?」
 しかし、クーデリアと夜姫は首を傾げるばかりである。顔を見合わせる二人。導き出した答えは。
「ふむー。つまり。島ごと焼けば、おーるおっけーなやつ」
 お魚も要塞も纏めて焼けるし、一石三鳥なやつ。感情の起伏が少ないと評判の夜姫をしてドヤ顔の提案である。
「ダメですって!?」
 しかし、船員さん大慌て。
 そこへ助け舟を出した者がいた。船員さんの肩をぽむっと叩いた、もうひとりの猟兵。ガラティア・ローレライ(呪歌のローレライ・f26298)である。その自信満々な笑顔に船員さんの顔が期待に輝く。
「島は壊さないでお願い、……ね。つまりフリよねこれは」
「はいーっ?!」
 残念、ガラティアも全力で夜姫側だった。
「よし! それじゃピュグマリオーン号で島に向けて全弾斉射を……」
「やめてくださーい?!」
 意気揚々とボトルシップを取り出すガラティアを必死で制する船員さん。いやまぁ、確かに島ごと焼き払った方が早いんだけども。今後の拠点が無くなるのも困りものでして。
「しょうがないわね」
「ん……」
「クーちゃんは食べられるなら何でもいいよ!」
 船員さんの懇願により、何とか島の破壊はしないという方向でご納得いただいたのである。


 ガラティアがボトルシップを取り出し、海の上に投げる。その中から出現するのは多数の砲門を備えたガラティアが駆る魔法のガレオン船『ピュグマリオーン号』。
「『乗り込む足の無い』人はいる?」
「「……」」
 返ってくるのは無言の首振り。ガラティアの言葉に、夜姫は『機動浮遊砲盾【サバーニャ】』を掲げ、クーデリアはストレッチをしている。二人とも算段があるようだ。
 それを確認したガラティアは接舷したピュグマリオーン号に飛び移る。
「それじゃあ島に向けて全速前進よ!」
 ガラティアの号令を受けて、ピュグマリオーン号が速度を上げた。

「いくよー……虚数物質解放。選択虚数軸・複製。―――現世を満たせ、虚構の器」
 夜姫の詠唱。ユーベルコード【虚構兵装・嵐の砲火】で以て、複製するのはもちろん手にしたサバーニャである。69本ものサバーニャを複製し、念力で操作しながら、夜姫の狙いは海上に1本の道を作り出すこと。まさかの徒歩上陸作戦である。

 そして。
「とりあえず海にダーイブ!!」
 ストレッチは準備体操だった。クーデリアが海に飛び込む。

 そんなわけで、3人は3者3様の方法でギフ島への上陸を目指したのである。


 海の上を疾走するピュグマリオーン号。その大きさ、その速度に巨大魚が反応しないわけがなく。海から空へ巨大魚が飛び跳ねる。迫りくる巨大魚に、しかしガラティアは怯まない。
 船体に巨大魚の牙が届くよりも早く、ピュグマリオーン号の砲門が火を噴く。空を跳ぶ巨大魚に直撃すれば、その衝撃で叩き落とすことは造作もない。
「ガンガンぶっぱなしていくわよ!」
 ガラティアの意志に従って、次々と発射される砲弾に叩き落とされていく巨大魚たち。しかしそれだけでルートが切り開けるほどこの海は容易ではない。
「だったら!」
 ガラティアの舵輪を握る手に力が入る。ここからは彼女の腕の見せ所。華麗な航海術で以て、巨大魚の集団を回避しつつ、最短のルートへ切り込んでいくガラティア。

 先を突き進むピュグマリオーン号に巨大魚の多くが引きつけられているのも事実だが、全部がそっちに行っているわけでもない。
 海上に渡されていくサバーニャ(複製)の橋。夜姫の進行に合わせて次々とサバーニャが継ぎ足されて先に進む道となる。波に合わせたり、あるいは巨大魚の群れを避けたりと、サバーニャの角度を変えながら進むも、やはり巨大魚の標的からは逃れられない。
 ざばっ、と海から飛び出して夜姫に襲い掛かる巨大魚。
「とう」
 サーフィンのように、足でサバーニャに角度をつけて。無慈悲に発射されるビーム。撃ち落とされる巨大魚。それを契機にいっぱい跳んでくる巨大魚たち。
「ふぁいあ」
 足元でいかだみたいに編隊を組んで、一斉射撃する夜姫。実弾・非実弾問わず発射されるサバーニャの砲撃に巨大魚たちは次々と撃ち落とされていく。

 海上で派手な海戦が繰り広げら得ている中。
 なんと。クーデリアは海底を歩いていた! いや、正確には這っていた。
「フフ、これなら襲われる心配は皆無ね! 頭脳派クーちゃん!」
 どういうことか説明しよう!
 まず【クーちゃんは止まらない】を使います。『非戦闘行為=食べること』に没頭します。
「海底の貝とかカニさんタコさんとか……最高ね!」
 もぐもぐあぐあぐ食べながら、突き進みます。そうすることで襲い掛かってくる巨大魚をおっきいフォークがびしばし叩いて追い返していきます。ついでにユーベルコードの効果で生命維持活動も不要です。
「クーちゃんにとって息継ぎなし食べ放題なんて造作も無いのだ!」
 なお、食べるのは生命維持じゃない、使命。命を使うと書いて使命である。ちょっと何言ってるかわからなくなってきた感があるが、これこそクーデリアなのでは?
 実際、波の上じゃないし、お魚より遅いし、手足……はあるんだけどたぶん陸上生物には見られてないので、目立つことはなさそうだ。すなわち、襲撃の可能性も低いということだ。

 こうして3人は砂浜に上陸したのである。


 ザシャァァァァァァァッッッ!!

 湾に沿うようにピュグマリオーン号がドリフト航行して入り江に突入。砂浜に着岸して停船する。
「よし!」
 すぐさま甲板から飛び降りるガラティア。巨大魚たちが後ろまで迫ってきているのを視認してから、ピュグマリオーン号をボトルに回収しつつ、砂浜を陸の方へ駆けるガラティア。
 巨大魚たちが大きく空へ跳ね、今度は空を蹴るようにしてガラティアに迫る。そこでくるりと振り向いたガラティアが深呼吸ひとつ。
「耳を塞ぐ程度じゃ私の声は防げないわよ!」
 大声で歌うように。ユーベルコード【ブラストボイス】が響き渡る。単純で重い歌声による衝撃波がガラティアの周囲にいる巨大魚たちへ問答無用に叩き付けられる。
 その衝撃に耐えきれず、次々と落下していく巨大魚たち。

「とうちゃく」
 次いで、サバーニャによる浮遊橋を渡し終えた夜姫が到着。砂浜への着地は10点満点である。しかし足を止めることは食われることと同じ意味だ。
 砂浜を駆ける夜姫。いつの間にか、夜姫の足元をペンギンさん(妙に人間くさい宇宙ペンギン)とめんちさん(妙に人間くさい野生のどらごん)が走っていた。次いで【虚構兵装・嵐の砲火】で複製したサバーニャたちを自身の周辺へ呼び寄せて周囲に展開。
「ごー」
 夜姫の言葉に、ぺんぎんさんとめんちさんが別々の方向へ走り出す。夜姫自身も巨大魚を見据えながら、とんとんとん、と軽く後退。3方向へ散った標的を見て、巨大魚たちもあっちこっちへ広がっていく。まとまっていた集団から散開した巨大魚たち……『これで狙いやすくなった』。
「ふぃっしゅー」
 自分へ向かってきた巨大魚はビームで弾き飛ばし、めんちさんを狙った巨大魚は砲弾で撃ち落とし、ぺんぎんさんを食べようとした巨大魚は砲身で叩き落とす。サバーニャの砲身が空を縦横無尽に動き、様々な角度と手段で巨大魚たちを砂浜へ叩き落としていく。
 そして出来上がる、砂浜に落ちてぴちぴち跳ねている巨大魚の大惨事な光景。

 どどどどどどどっ。

 夜姫は真上からサバーニャで動かなくなるまで攻撃を叩き込んでいくのであった。
 
 そして真打(?)は最後に現れる。
「確か言ってたわ! 砂浜がお魚食べ放題会場って!」
 カニをくわえながら砂浜にあがってきたクーデリアである。手にしたフォークが陽光に煌めき、その切先(?)が巨大魚に狙いをつける。
「蹂躙の時間だぁああ!!」
 砂浜に落ちている巨大魚たちを片っ端から仕留めていく猟師……じゃない猟兵たちなのであった。


 砂浜に平穏が訪れ……てなかった。具体的には、巨大魚たちを仕留め終わった後、戦闘を繰り広げていた場所から、少し離れた場所で夜姫とクーデリアはお魚パーティーを開いていた。
「巨大魚……獲ったどー!!!!」
 フォークに巨大魚(血抜き済)を突き刺しつつ、掲げるクーデリア。それを宙にふわふわ浮いたままの夜姫のサバーニャがビームで、じぃぃぃぃぃと焼いていく。とってもエコ。
 その間にも、夜姫はお食事に余念がなかった。刺身、焼き魚、カマボコ、つみれ、と巨大魚フルコース。食べるついでに生命力吸収で美味しくもぐもぐ。
「食べたらダメそうなのは、ちゃんとめんちが判別した」
 そうのたまう夜姫。めんちにそんな能力があるの……? いやまぁ、食べても平気そうにしてるから大丈夫か、たぶん。
「あんたたち……ふぅ。私、先にいくよ?」
 一応、追手の巨大魚がいないことを確認したガラティアは、お魚パーティーをしている二人をみて、嘆息ひとつ。二人に先行して要塞へと向かう。

 ともあれ、3人は上陸に成功したのである!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

アルタ・ユーザック
「氷桜丸解放・・・スカイ」
氷桜丸の力を解放して、空戦に対応出来る『氷桜解放・空戦装衣』で、空を飛びながら島に接近する。
途中で襲ってくるだろうけど、一度かわしたら方向転換までタイムラグがあるだろうから、その間に距離を離して砂浜に移動する。

アルファが、砂浜なら無力化できるって教えてくれたし、食べられるらしいから下手に流されたりする恐れの無い砂浜は好都合。
後は動けなくなった巨大魚を締めたら氷桜丸で冷凍させて鮮度を保ちながら
刺身・煮魚・焼き魚とか色々な食べ方を試してみる・・・

「うん、意外とイケる・・・」




 ギフ島へ送り込む戦力としてはあと一人は欲しい。そうして甲板に立ったのが、アルタ・ユーザック(クール系隠密魔刀士・f26092)であった。
「氷桜丸解放……スカイ」
 ルーン文字を刻んだ魔法刀『氷桜丸』を両手で水平に構え、詠唱するのはユーベルコード【氷桜解放・空戦装衣】。氷桜丸の力を解放し、アルタが透明な凄く硬い氷でできた鎧姿に変身する。その背に顕現したのは氷の翼。
「いこう」
 小さく呟き、アルタが甲板を蹴る。氷の翼がアルタに空を舞う力を与え、彼女はその力で以て、ギフ島へと飛ぶ。
(……きた)
 空であっても『巨大魚』のナワバリには違いないらしい。海から空を飛び跳ねて、アルタに迫る巨大魚たち。
 しかし、それはアルタの想定内だ。
 巨大魚たちが巧みにアルタの針路上に跳び上がってくる。速度に緩急をつけてタイミングをずらし、巨大魚を回避するアルタ。方向転換するにもさらに跳び上がるにも巨大魚たちは空を蹴る必要がある。そのタイムラグの間に……距離を突き離す!

(まずは……砂浜へ移動する)
 空中でやり合うのも手だが、全方位に気を配るのは労力がいる。幸いにして、グリモア猟兵からの情報で、砂浜なら無力化できるとわかっているのだ。
(色んな意味で好都合だ)

 そして戦場は砂浜へと移動する。

 とん、と爪先から砂浜へ降り立つアルタ。聞いていたように砂がさらさらだ、ここならば、巨大魚を無力化できるし、『波にさらわれて下手に流されたりする恐れは無さそう』だ。
(食べられるらしいしな)
 くるりと振り返ると、彼女を追って空を飛び跳ねてきた巨大魚たちが上空からアルタに迫る。
 手を添えた氷桜丸の刀身、刻まれたルーンが光を灯す。氷属性攻撃を強化する力をユーベルコードでさらに解放した今の氷桜丸ならば。
「ハッ!」
 短い呼気とともに氷桜丸を一閃するアルタ。大きく薙いだ一撃がアルタに襲い掛かろうとしていた巨大魚の集団に氷塊を叩き付け、まとめて砂浜へ叩き落としていく。巨大魚の集団を切り開いていくかのごとく、歩を進めながらアルタが氷桜丸を振るう。その一撃ごとに、巨大魚たちが砂浜へと落下していく。
「……っ!」
 咄嗟に身を翻して攻撃を回避するアルタ。いまだ入り江の海水に浸かっていた一部の巨大魚たちが一斉に海水を水流弾として放ってきたのだ。恐ろしいまでの数の水流弾がアルタ目掛けて降り注ぐのを、どうにか回避しながら。
「……くっ」
 氷の翼で以てアルタが再度空に飛びあがる。空を切る水流弾。しかし、アルタを追いかけるようにして巨大魚たちは新たな水流弾を放ち続ける。
「ならば!」
 上昇して空中で反転、今度は急降下。直線的な水流弾の射線は降下しながら巧みに回避して、巨大魚たちに肉薄するアルタ。
「これでどうだ?」
 氷桜丸を群れの1体へ突き刺すアルタ。そこを起点に氷が海を覆っていく。強化された氷属性攻撃が海水ごと巨大魚たちを凍らせているのだ。
「……ふぅ」
 アルタがひと息ついて。どうやら彼女を標的とする巨大魚の攻撃は凌げたらしい。

 ――ところで……巨大魚って食べることできるのかな?

 アルタはグリモア猟兵の言葉を思い出していた。
 海ごと凍った個体はわざわざ解凍するのも面倒だし。何より今、砂浜でぴちぴち跳ねてる巨大魚がいるし。
「よし、食べよう」
 キリッとした発言をした後、とりあえず動けなくなった巨大魚を〆ていくアルタ。その後、氷桜丸の力で冷凍して鮮度を保つ。なかなかの才能の無駄遣いである。
 ここまで来れば、後は安全圏で食べるだけだ。刺身・煮魚・焼き魚……せっかく凍らせているのならルイベとか。色々な食べ方を試してみるアルタ。
「うん、意外とイケる……」
 とりあえずお腹に収めて問題ないレベルの味だったそうな。

 こうして、巨大魚の妨害を退け、猟兵たちはギフ島へと上陸した。襲い掛かったがゆえに食われてしまった事実。それは残念ながらこの世の理としか言いようがない、運命だったのだ……たぶん。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『不浄なるキノコの波動に飲まれた少女』

POW   :    どうせみんなきのこになる
【視認困難な胞子】を降らせる事で、戦場全体が【キノコが次々と生えてくるきのこ農園】と同じ環境に変化する。[キノコが次々と生えてくるきのこ農園]に適応した者の行動成功率が上昇する。
SPD   :    今はきのこが食べる時代です
命中した【視認困難なきのこ】の【胞子】が【対象から養分を吸いとり成長するキノコ】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
WIZ   :    胞子を落とした責任、とってくださいね?
【突如現れた謎の宇宙船】から、【きのこ】の術を操る悪魔「【完全武装したユゴスより来るもの】」を召喚する。ただし命令に従わせるには、強さに応じた交渉が必要。
👑11
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●洞窟を抜けるとそこは……
 巨大魚の妨害を退け、ギフ島に上陸した猟兵たち。入り江から続いている森の中へ駆けこんでいく。この森の中に要塞への侵入口――昔は秘密の避難通路だった洞窟がある。これを逆に辿れば要塞に侵入できるというわけだ。

 洞窟へと足を踏み入れ、突き当たりまで進む猟兵たち。この突き当たりこそが要塞への侵入口。通路の入口であった場所を今は土壁で塞いでいるのだ。この向こうは、要塞の地下――元々は食料などの保管庫になっているはずだ。
 ユーベルコードで土壁を破壊する猟兵たち。

「……!!」

 要塞のだだっ広い地下室の中央に、いきなりラスボスがいた。その名を『不浄なるキノコの波動に飲まれた少女』という。
 そして……地下室はめちゃくちゃキノコ塗れになっていた。ぶわーっとキノコが繁殖していた。普通の食用キノコからカラフル過ぎてどう見ても危険なキノコまで色とりどり、選り取りみどり。キノコの絨毯である。
 洞窟を抜けるとそこはキノコだったのだ……。

「……っ、そんな、湿気が、逃げていく……!」
 すっごく絶望した顔で叫ぶ少女。どうやら猟兵たちが壁に穴をあけたことでキノコの育成環境に影響が出ているらしい。
「ここから始まる、キノコパラダイスの野望が……! キノコによる、島支配が……!」
 ここがコンキスタドールの野望の第一歩だったらしい。しかし、偶然にもそれは猟兵たちによって阻まれようとしている。少女が、キッと猟兵たちを睨む。
「おのれ……! かくなる上は、痛む前に、全部お前たちに喰わせる、しかないわ!!」

 ――え、これ全部?

 いや、というか喰えるのかこれ? しかし少女はキノコを猟兵の口に押し込む気満々である。
 少女は倒さねばならない。そしてどうやらキノコも避けられないらしい。
 キノコを避けるか食べるかは……キミ次第だ。

※シナリオ捕捉
 少女はユーベルコード以外に『キノコを無理矢理喰わせる行為』を行ってきます。
 キノコを『食べる(ランダムでバフ/デバフがかかります)』か『少女に喰わせる工夫(一時的に動きが止まります)』をするとプレイングボーナスが入ります。

 なお、キノコデバフには戦闘の結果が変化するほどの影響はありません。

 バフ/デバフについては、どっちがかかるかはダイス次第ですが、『バフなら◯◯』『デバフなら◯◯』という指定はOKです。
 以下、例示(これ以外でもOKです)
・バフの例→ハイテンションになる、ずっと笑い続ける、感覚が鋭くなる、足が速くなる、辛すぎて炎を吐く
・デバフの例→少女が別のものに見える、幻覚が見える、お腹が痛くなる、感度が◯倍になる

 また、戦闘後にキノコパーティーは有り。
クーデリア・カトラリエ
これ、全部クーちゃんが食べていいの!?
魚食べ放題祭りの後はキノコ食べ放題祭りだなんて‥‥

なんて‥‥なんていい子なの!
こんないい子と戦わなきゃいけないなんて‥
これが悲しき猟兵の宿命‥!(シリアス)

こんなパーティを用意してくれたあなたには!
せざるを得ない!感謝‥!圧倒的感謝‥!!
更にがんっがん盛り上げていきましょー!!

キノコは!(モグモグ)クーちゃんが!(モグモグ)
なんとかするわ!(モグモグ)
みんな、いまのうちに攻撃を!(モグモグ)

さようなら‥‥次会う時は‥‥(モグモグ)お友達に‥‥(モグモグ》


アルタ・ユーザック
「え?食べていいの?」
さっきのお魚も美味しかったけど、次のきのこもおいしそう
でもさすがに一人で食べるには多すぎるから
「『一騎当千・千変万化』」
最大で自分のレベル×10人の自分を出せるので、その数は600人以上
それだけいれば、全部食べられるんじゃないかな・・・?全員で食べるから飽きることもないだろうし

焼きキノコ・・・うん、傘のところに汁が浮いてきたから、そろそろ食べごろかな?半分に割いたら汁が溢れてきてすごくおいしそう

食べてから倒せばいいや

バフ・・・感覚の鋭敏化による動体視力や反射速度の向上・五感強化による簡易的な先読み

デバフ・・・感覚の鋭敏化による感度激増・発汗・動悸・一部分泌液の激増


ネフラ・ノーヴァ
引き続きラトゥ殿(f12112)と共に。
真の姿は「血の瞳」で両目が赤く輝く。

これはまた随分と胞子が籠もっているな。茸は嫌いではないが、火を通していないのはごめんだ。UC葬送黒血で燃やしてしまおう。おっと、黒焦げは燃やし過ぎかな?フフ。
ラトゥ殿は食べるのか?上手くいけば良いが…。デバフで遅くなったりしたなら掴んで動きを助けたり投げつけたりしよう。


ガラティア・ローレライ
なんでこんなキノコばっか生えてるのよ…、明らかにヤバイ色合いしたのばっかじゃない…。それにジメジメジメジメ鬱陶しい!このガラティア様が風穴空けて風通しを良くしてやろうじゃない!

はあ?なんでそんな謎キノコを私が食べないといけないのよ。増やしたあんたが責任もって食いなさいよ。
とキノコを【略奪】して口にぶち込んでやるわよ。

ついでに『深き水底のディーヴァ』でキノコが自生出来ないような環境にしてやったうえで『デミカルヴァリンメガリス』の【砲撃】の【一斉発射】で残ってるキノコごと消し飛ばしてやるわ。


トゥトゥラトゥーレ・ルカフカル
つづいてネフラちゃん(f04313)といっしょ!

キノコが特産のようせいの森出身のラトゥにキノコを出すとはいい度胸だ、
よかろう!たべてやる!ただし君もくえ。
たけのこ派なら話は別だけどそれはそれで戦争になるぞ。いいのか。

バフ:スピードアップ
ふはははは!見よこの素早い動き!空中反復横跳び世界チャンピオン!
このまま早さを生かして敵に針で攻撃、そしてUCでキノコごと焼き払うよ。あ、爆発してもギャグ補正で生きてるよ。


デバフ:スピードダウン
ば、ばかな、きのこ狩りの女の異名を誇るラトゥが、うごけん。
こうなればネフラちゃん、ラトゥを投げ・・・本当に投げる奴があるかー!
しなばもろとも、UCで大爆発おこしちゃる!



●邂逅
 コンキスタドールの要塞、その地下のエリアへ侵入した猟兵たち。
「イイ感じでぶっ飛ばせたわ」
 通路を塞いでいた土壁を盛大に破壊して、意気揚々と突入するガラティア・ローレライ(呪歌のローレライ・f26298)を先頭に、ネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)とラトゥことトゥトゥラトゥーレ・ルカフカル(小さな体にでかい声・f12112)のペア、クーデリア・カトラリエ(三度の飯より飯が好き・f20874)、アルタ・ユーザック(クール系隠密魔刀士・f26092)が続く。
 しかし目の前の光景は異様であった。視界いっぱい、というより、天井から壁までキノコまみれ。
「なんでこんなキノコばっか生えてるのよ……」
「これはまた随分と胞子が籠もっているな……」
 その光景に思わず顔をしかめるガラティアとネフラ。

 想定外だったのは、ここがラスボスが寝室でもあったことである。ちょっとじめじめした感じがお気に入りだった地下室だったことである。そこに風穴があいてしまった。
「おのれ……! かくなる上は、痛む前に、全部お前たちに喰わせる、しかないわ!!」
 せっかく育てたキノコが。『不浄なるキノコの波動に飲まれた少女』が怨嗟の声で叫ぶ……!

 『刹那』。
「え? 食べていいの?」
「これ、全部クーちゃんが食べていいの!?」
「キノコが特産のようせいの森出身のラトゥにキノコを出すとはいい度胸だ」
 3名ほど、怯むどころか前のめりになった。というか、ネフラとガラティア通り越して、少女の前まで行った。アルタ、クーデリア、ラトゥがほぼ同時に声をあげる。
 彼女らの勢いに『止められそうにないなー』と思ったネフラとガラティアは、一度背を壁(キノコは払いました)に預ける。
「茸は嫌いではないが、火を通していないのはごめんだ」
「明らかにヤバイ色合いしたのばっかじゃない……それにジメジメジメジメ鬱陶しい!」
 本当は一気呵成に畳み掛けたかったし、その準備もあるのだが。
 今やるとどうやっても味方を巻き込みそうなのでやめておいた。なんか、アルタが600人以上になってるし。

●閑話休題・キノコ少女に辿り着くまでの『刹那』
 これは『刹那』にあったお話である。

 少女に駆け寄りながらアルタは周辺をチェック。
(さっきのお魚も美味しかったけど、次のきのこもおいしそう)
 次って。まだ余力あるの。ただ目の前に広がるのはあまりにも圧倒的なキノコであった。これはさすがに一人で食べるには多すぎる(全キノコを目算で人数割り)ので。
「わたしの名前の由来、それがこの能力」
 ユーベルコード【一騎当千・千変万化】でさくっと増えるアルタ。その数は600人以上。自分の由来をこんなに理由に……美味しいものはいっぱい食べたいよね、うん。
(これだけいれば……全員で食べるから飽きることもないだろうし)
 とアルタは少女に向かって雪崩れていく。

 クーデリアは駆けながら涙を浮かべていた。
(魚食べ放題祭りの後はキノコ食べ放題祭りだなんて……なんて……なんていい子なの!)
 落ち着いてほしい。目の前の少女はコンパスタソース……じゃない、コンキスタドールであって、食べ放題ツアーの主催者とか食材提供者ではない。
(こんないい子と戦わなきゃいけないなんて……これが悲しき猟兵の宿命……!)
 よかった、猟兵の本能がシリアスを連れて来てくれた。涙を風に零しながらクーデリアは少女の元へ走る。

「よかろう! たべてやる!」
 シンプルにそう告げながら飛翔するラトゥ。もはや弾丸である。

「ひぃ、ぃぃぃ」
 3人同時に突撃というプレッシャーをかけられて、思わずびくっと引いていた少女でした。

●れっつぱーてぃーたいむ
 というわけで、クーデリア、ラトゥ、アルタが少女を取り囲んでいた。
「こんなパーティを用意してくれたあなたには! せざるを得ない!」
 それは『感謝』だ。『圧倒的感謝』だ……!! その想いがクーデリアのユーベルコード【圧倒的感謝肉祭】を発動させる。周辺がお祭り騒ぎのパーティ会場のごときに変化して、空からご馳走が降ってくる。
「更にがんっがん盛り上げていきましょー!!」
 まさかの環境改変で、本当にキノコ感謝祭の始まりである。

 食ってやる、と宣言したラトゥは、しかし食べるより先に少女に肉薄していた。
「ただし君もくえ」
 キノコを手に少女の口に押し付け……不意に止まった。念のため、否、最悪の想定をして。
「たけのこ派なら話は別だけどそれはそれで戦争になるぞ。いいのか」
「え……な、なんの、こと?」
「いや、忘れてほしい。遠い世界での、終わらない戦いのことさ」
 最悪は回避された。ふっ、と悲しい表情をしながら、しかし少女の口にキノコをねじ込むのを忘れないラトゥ。
「むぐぅ?!」
 その味(?)に一瞬動きが止まった少女。この隙に……!
「キノコだー!」
「あ、あれ?」
 攻撃されるのかなーって身構えていた少女を放り出して、ラトゥはキノコを食べに行った。

 そんな様子を見ながら、アルタたちはキノコを焼いていた。肉厚の美味しそうなやつをいっぱい集めてきたのだ!
「……うん」
 焼き加減にご満悦のアルタさん。傘のところに汁が浮いてきたので、そろそろ食べ頃と思われる。網から皿に移して、半分に割いて。
 じゅわーっと汁が溢れてくる様に。
「すごくおいしそう」
 と思わず呟くアルタ。このご馳走の前に少女との戦闘はスパイスにもならなさそうで。
(食べてから倒せばいいや)
 とキノコを頬張る。
「こっち、むいて!!」
 少女のキノコ攻撃はどうやら別の自分が食べているらしい。もぐもぐ。

 キノコの絨毯にダイブしたラトゥは、自分が持ちうる限りの知識(食べ方)でキノコを狩っていった。しかし。
「……おや?」
 なんか羽の動きが鈍くなってきた気がする……した。
「ば、ばかな、きのこ狩りの女の異名を誇るラトゥが、うごけん」
 不意にぽてっと落ちるラトゥ。どうやら、毒キノコだったらしい。
 これは危険だどうにかしなければネフラちゃんにはやく……。
「ええーい!! たべる、の、やめー!!!!!」
「「「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!」」」
 キノコパーティーの様相にキレた(理不尽)少女の3種まとめてユーベルコードに吹っ飛ばされるラトゥ。余波でアルタ、クーデリアも吹っ飛んだのでした。

●パーティーエンド
 目の前で起こった少女のキレ芸。
「どうやら、パーティーは終わりのようだ」
 不本意ながら壁の花と化していたネフラとガラティアがそれもようやく終わりらしい。やっとか、という面持ちでネフラが呟く。
 あまりにも少女と味方の距離が近すぎるので、様子見をしていたガラティアであるが、パーティーが終わったのなら、その遠慮ももう必要なかろう。
「このガラティア様が風穴空けて風通しを良くしてやろうじゃない!」
 『デミカルヴァリンメガリス』を構えながら、ガラティアが宣言する。
「させ、ない」
 ガラティアの声に少女が召喚した悪魔をけしかける。そちらに注意を向けさせながら、少女もまたガラティアへキノコを突きつける!
「くえ……!」
「はあ? なんでそんな謎キノコを私が食べないといけないのよ」
 しかしガラティアの動きの方が速い。少女の腕を掴んで、そのままキノコを略奪する。
「増やしたあんたが責任もって食いなさいよ」
 流れるような動きで少女の口にキノコをぶち込む。動きが止まる少女。

 今が絶好の好機である!

「キノコは!(モグモグ) クーちゃんが!(モグモグ) なんとかするわ!(モグモグ) 
みんな、いまのうちに攻撃を!(モグモグ)」
「まだ食べてるの!?」
 吹っ飛ばされてもまだ食べていたクーデリアにツッコミを入れながら、ガラティアが【深き水底のディーヴァ】を発動する。
「さあ! 雷雨の調べで猛嵐の空を舞い飛び、暗き水底で私の歌声に酔うと良いわ!」
 呪歌により呼び出した雨雲から豪雨が降り注ぎ、キノコパーティー会場を光の届かない深海へと化す。そして。
「消し飛ばしてあげるわ!」
 デミカルヴァリンメガリスの砲撃が少女に向けて発射される。突然の浸水にぷかーっと浮いていた少女を砲撃が捉え、余波で壁のキノコが消し飛ぶ。

 一方、ネフラは少女の攻撃で吹っ飛んできたラトゥをキャッチしていた。『ラトゥ殿は食べるのか? 上手くいけば良いが……』とか思っていたのだが、案の定、痺れていた。
「大丈夫か?」
 と問いかけはしたものの、全然身動きが取れないラトゥ。
「こ、こうなればネフラちゃん、ラトゥを投」
「こうだな?」
「本当に投げる奴があるかー!」
 しかも言い切る前に。以心伝心してるのか、凸凹コンビなのか、しかし華麗な連携でラトゥが飛ぶ(他力)。
(ええい、こうなったら……)
 やるしかあるまい。周囲が全開で水浸しだが、作戦には支障がないはずだ!
「しなばもろとも、大爆発おこしちゃる!」
「……!」
 ガラティアの砲撃で態勢を崩していた少女へ【ダイナマイトラトゥ】が飛来する。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」
 大・爆・発☆ 海と化している環境もなんのその、完全、全力、大爆破である。
「無茶させやがって……」
 そう呟いてラトゥがサムズアップしながら沈んでいく……。

 ラトゥの勇姿(?)を見届けたネフラ。
「では、残りは私が担当しよう」
 ネフラの両目が赤く輝く。瞳に宿る刻印『血の瞳』開眼。
「弔いをくれてやろう」
 ユーベルコード【葬送黒血】。いまだ形を保っている少女へ、ネフラが己が体の傷口から流れる『黒い血』を飛ばす。血の炎が少女を包み込み、さらに天井のキノコをも燃やしていく。
「おっと、黒焦げは燃やし過ぎかな? フフ」
 消し炭になったキノコを見ながら、挑発のような笑みを浮かべるネフラ。

 ガラティア、ラトゥ、ネフラの攻撃をなんとか凌ぎ切った少女。
「……!!」
 水が引き、炎が消え。その場に残ったキノコはもはや無かった。
「そん、な……」
 崩れ落ちる少女。
 その前にアルタが立つ。少女に『氷桜丸』を突きつけながら。
「終わり」
 意訳:食べ終わりというよりは、食べるキノコが無くなったので倒します。
 アルタの一撃に『不浄なるキノコの波動に飲まれた少女』が斬り伏せられる。
「さようなら……次会う時は……(モグモグ)お友達に……(モグモグ)」
 手に握りしめていた最後(?)のキノコを頬張りながら、クーデリアはそう告げるのであった。

「まだ、しんで、ない……!」
 あ、まだ生きてた。
「ラトゥもだよ!」
 ラトゥも元気です。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

響・夜姫
・POW
アドリブ連携おーるおっけー

「次はキノコ食べ放題と聞いて」
違わない。大丈夫。
「……皆。網とさっき捕った魚とバターとアルミホイルと塩胡椒は持ったなー。いくぞー」(棒読み風)
網焼き、魚のホイル焼きの付け合わせ、鍋、他色々。

無理矢理食べさに来たらガッと腕をつかんで止めて、焼いて味付けして「……食べる?」シェアする。
バフ…美味しかった。もっと食べる為に採集速度UP
デバフ…美味しく食べる為にお腹が減る
あとは。適当にふぁいやー。
キノコと一緒に敵も焼くくらい雑な感じで。

ぺんぎんさんとめんちは…きのこ採集して毒の有無を判別したり魚ときのこのホイル焼き作ったりつまみ食いしたり。
戦闘後はキノコパーティー。




 猟兵たちの大攻勢により、『不浄なるキノコの波動に飲まれた少女』が地下室で時間をかけてたっぷりと育てていたキノコたちはほぼ全滅した。
 少女も命からがら地下室から脱出する。命が惜しい……わけではない。
(まだ、あそこの、キノコ、さえ……!)
 今回のような地下のキノコが全滅する可能性を考えていなかったわけではない。だからこそ、キノコの飼育室を2つに分けていたのだ。
 そこのキノコたちを確保して……せめて菌床だけでも守り切れれば、また再起が可能だ。

 要塞を駆けあがる。秘密のキノコ部屋の扉を勢いよく開ける少女。
「次はキノコ食べ放題と聞いて」
「ち、がーう!」
 部屋の中で振り向いた少女に、思わずツッコミを入れる少女。
 そう、秘密のキノコ部屋は……既に響・夜姫(真冬の月の夢・f11389)のキノコ料理の狩場となっていたのだ。


 少女のツッコミに夜姫は力強い視線で応じる。
「違わない。大丈夫」
 何が大丈夫なのか。それは夜姫のみが知ることだ。そんな夜姫はこくりと頷いて、視線を戻す。
「……皆。網とさっき捕った魚とバターとアルミホイルと塩胡椒は持ったなー」
 何故か棒読み風。夜姫の言葉に応えるのは、お供(?)のぺんぎんさん(妙に人間くさい宇宙ペンギン)とめんちさん(妙に人間くさい野生のどらごん)である。一緒に食べているだけのお供と侮るなかれ。キノコの採集はもちろんのこと、毒の有無を判別したり(担当:めんち)、魚ときのこのホイル焼きを作ったり(担当:めんち)、つまみ食いしたり(担当:ぺんぎんさん)、と大活躍なのだ!
 むしろ夜姫が食べる担当とも言う。

 そんな夜姫の前には、キノコの網焼き、魚とキノコのホイル焼き、鍋と多種多様なキノコ料理が!
「美味しかった」
 どうやら既に一通りは味わった後のようだ。しかしまだキノコパーティーは終わらない!
 その時であった。
 しゅばっと夜姫の手にしたフォークがさっきの何倍ものスピードで動く。
「……おや」
 キノコを摘む作業も焼く作業も格段にスピードアップしている夜姫。どうやらキノコの効果らしい。それはつまり、ものすごい速度でキノコを食べるということだ。

 少女にとってこれまで大切に育ててきた侵略兵器が、ただただ食われていく様は絶望でしかないだろう。なんで今回こんなに食いしん坊が揃ったのか。
「そう、いう、のじゃ、ないって……!」
 手にした毒キノコを無理矢理食べさせようと地を蹴る少女。
 しかし、その手は夜姫にガッと掴まれる。
「くっ」
 呻いてその拘束を解こうとする少女。
 しかし、夜姫の次の行動は素早かった。ぽとっと落ちた毒キノコを拾い上げ、網に置いて焼く(めんちさんの強火)。そして毒を抜いた後、しゅばっと味付けをして。
「……食べる?」
 少女とシェアする方向で差し出した。
「え、あ、うん」
 もぐもぐ。シンプルだがキノコの素材を活かした味付け。
「おいしい……」
 夜姫から渡されるキノコを口に運んで、素直な感想を述べる少女。その様子に夜姫もこくりと頷き……。
「だから、ちがーう!」
 少女がちゃぶ台返し(?)する。
「このばを、もういちど、キノコにする!」
 少女の言葉に応えて、部屋の中がキノコ農園へと変化する。足元からキノコが次々と、留まることなく生えてくる……!
 こんな大量のキノコをどうするのか、夜姫が取った行動は!
「ふぁいやー」
「きゃあああ!!」
 生えてくるなり片っ端から【華焔】の炎でキノコを焼いていく夜姫。舞い散る華の様な炎が部屋中に舞い散り、残ってたキノコも新たに生えてきたキノコも全部焼いていく。少女も一緒に。
「あ、あ、キノコが、キノコパラダイスが、燃え……」
 キノコがウェルダンに焼かれていく。その最中、これまでのダメージの蓄積で不浄なるキノコの波動に飲まれた少女は限界だった。少女の姿が炎に包まれ、その形が崩れていく。
 【華焔】の炎が収まった後に残されていたのは。
「……しまった、焼きすぎた……」
 ちょっと火力が強くて消し炭になってしまったキノコと少女の名残。


 こうしてギフ島の要塞にはびこっていたキノコ……じゃない、コンキスタドールは倒された。島については後日、人手をかけて調査や整備を行えば、人類の拠点へと変化するだろう。
 後は鉄甲船まで帰還するのみ。

 他の猟兵たちがいるであろう地下へ、夜姫はぺんぎんさんとめんちさんを連れて向かうのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 冒険 『ワニの大量発生』

POW   :    ワニを倒して進む

SPD   :    ワニの背中を渡っていく

WIZ   :    ワニを誘導して道を空ける

👑11
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●もう賢明な猟兵はお気づきかも知れない?
 ギフ島の要塞。その仮初めの主であったコンキスタドールは猟兵たちの活躍で撃破された。要塞内の調査や整備などは必要かもしれないが、それは人手も道具も要る話だ。
 今の段階ではこの島が『在る』ことを持ち帰って共有したほうがいい。

 侵入時とは違い、正規の出入り口から外へ。そのまま乗り込んできた入り江に向かって走る猟兵。
 もはや帰路を妨害するものはいない……誰かがそう呟こうとした瞬間であった。

 入り江が見えた。見えたのだが……同時に緑色の何かが入り江を占拠していた。
 これは……ワニだ。野生のワニが入り江に大量発生しているのだ。この島に元々住んでいたと思われるワニの大群。どうやら入り江まで水浴び、水飲みにきたらしい。

 しかし、これは困った。これでは鉄甲船に戻ることができない。
 ワニたちがいなくなるまで待っていてもいいのだが、遅くなればなるほど鉄甲船の航行スケジュールに問題が出てくるかもしれない。
 それに相手はオブリビオンでもない野生のワニ。猟兵にとっては大きな脅威となりえない存在だ。出来れば何らかの手段を用いて、このワニ群を突破していく方が効率がいいだろう。

 それに……お気づきかも知れないが、ワニの肉は食える。魚(オブリビオン)やキノコ(オブリビオン)よりはよっぽど安全な食料だ。その食感は一説では鶏肉に似ているという。

 最後はワニ。猟兵たちよ、何らかの手段で以て、この天然素材ワニトラップを突破せよ!


※POW、SPD、WIZの選択肢と実際の判定値は直接リンクしません。3つの選択肢は『この章で出来ることの一例』とお考えください。
 この章の目的は『鉄甲船への帰路を確保する』ことです。そのため、ワニは倒しても倒さなくても問題ありません。食べても食べなくても問題ありません。
 心の赴くままに行動してください!
アルタ・ユーザック
「次はワニ・・・一度食べてみたかった」
うん、さっきの魚とキノコの消化は終わったし、またいっぱい食べられる・・・
それに、ワニは確かおじさんが捕まえ方とか知ってたはず・・・
『戦闘憑依』(以下意識のみのアルタに話すおじさん)
「ワニか・・・久々だな。俺も味わえたら、一緒に食いたかったんだが」
「ワニは喰いつく力は強いが、口を開く力は弱い。だから、捕まえるときはこうやって口を押えるんだ。そして頭を刺せば一撃で死ぬ。ナイフなら何回か刺さないといけないがな。ちなみにグレネードはやめておけ」
「味はなかなかウマかったぞ」
「とりあえず何匹か倒しといてやる」

【解除後】
「うん・・・まあまあイケる・・・」




 森を抜け、入り江に戻ってきたアルタ・ユーザック(クール系隠密魔刀士・f26092)。その容姿はダンピールの種族的な特徴をよく顕した『絶世の美女』『理想的なスタイル』である。そんな彼女の目が捉えたのは、ワニの大群であった。
「次はワニ……」
 『次』。それはつまり、魚、キノコの次という意味ならば。
「……一度食べてみたかった」
 やっぱり食べるつもりだった。しかも食べてみたかった……だと……?
 お腹に手を当てて、具合をさすりさすり。
「うん、さっきの魚とキノコの消化は終わったし、またいっぱい食べられる……」
 消化早くない?! しかし、彼女がいけると判断したならいける。花より団子とはよく言ったものですね。

 となれば、どうやってワニを食べるかである。
 思い当る術は……あった。
(ワニは確かおじさんが捕まえ方とか知ってたはず……)
 ワニの群れ、そこから少し離れた場所でひなたぼっこしている1匹のワニに向かって駆け出すアルタ。
「おじさん、お願い」
 同時に【戦闘憑依】を発動する。それはアルタの意識を切り離し、召喚した各種達人の霊へ体を一時的に預ける能力。今回はその道の達人のおじさんにお越しいただいた模様。
 アルタの体で、アルタの声で、おじさんが動く。
「ワニか……久々だな。俺も味わえたら、一緒に食いたかったんだが」
 声が語りかける先は、体の中で意識のみとなっているアルタ。ワニを食べる時、主導権がアルタにあるならば……『一緒』は難しい、と残念がるおじさん。
 しかし、その動きが精彩に欠くことはなく。

 アルタ(憑)の接近に気付いたワニが振り向く。しかし、『先手は取らせない』。素早く接近したアルタ(憑)。
「ワニは喰いつく力は強いが、口を開く力は弱い。だから捕まえるときはこうやって口を押えるんだ」
 ワニが口を開く前に、アルタ(憑)の手が上から口を押え込む! そしてもう片方の手が素早く、漆黒の短刀『闇崩』を引き抜いた。流れるように、躊躇うこと無く、刺突の一撃。
「そして頭を刺せば一撃で死ぬ」
 有言実行、さっくり仕留めるアルタ(憑)。しばらくぴくぴく動いていたワニがぱたっと地に伏せる。
「ナイフなら何回か刺さないといけないがな。ちなみにグレネードはやめておけ」
 おじさん、何か嫌な思い出でもあるのだろうか。グレネードに禁止令を出しながら、改めて闇崩を構える。
 ワニたちがアルタ(憑)の存在に気付いたようでこちらに向かってくる。
「とりあえず何匹か倒しといてやる」
 そう言って、アルタ(憑)が駆け出す。
「味はなかなかウマかったぞ」
 おじさんの言葉に、アルタの意識は期待十分。その時を待つのであった。

 そんなわけで。
 今、アルタ(元に戻りました)の周りには、仕留められたワニが寄せ集められていた。入り江から少し離れた場所に火を起こし、ちゃっちゃと捌いていくアルタ。

 焼く……そして食べる。もぐもぐ。
「うん……まあまあイケる……」
 鍋でもあればもっといろんな食べ方ができたのに。
 そう思いながらも、ワニ肉の串焼きとステーキを存分に食べ尽くすアルタなのでした。

成功 🔵​🔵​🔴​

響・夜姫
お魚、野菜と来てお肉。
んん。ヘルシーな島。
「流石に。ワニのレシピは無いけど。なんとかなる」
たぶん。
のんびり歩きながら、ワニが口を開けた所に【オーラ防御】付のサバーニャを1匹に一基、物理的にぶちこむ。
あとはそのまま零距離ずどん、これで無力化完了。
周囲のワニが静かになるまで繰り返してから降伏勧告。
「きっとなんにもできないお前たちに告げる」
整列ー。船までの足場になれー。

ぺんぎんさんとめんちは倒したワニの解体と調理。
まずは串焼き……焼きワニと定番のテールステーキ?
ジャーキーもいける?
なるほど、良いセンス。任せた。
※この後美味しくごちそうさま。

なおおとなしくなったワニは解放。
軍門に下る賢い奴もいるかも?




 響・夜姫(真冬の月の夢・f11389)はお供のぺんぎん(宇宙ペンギン)さんとめんち(野生のどらごん)を左右に連れながら、入り江を望む。
「お魚、野菜と来てお肉。んん。ヘルシーな島」
 もはや夜姫にとって、この島はビュッフェな島の認識である。今回は探索してないけど、森の中を歩き回ればまた新たな食べ物(注:生き物です)に巡り合える可能性すらある。

 しかし、とりあえず鉄甲船に帰らねばならない。そのためには。
「流石に。ワニのレシピは無いけど。なんとかなる…………たぶん」
 たぶん。
 そう、食わねば生き残れないのだ……!(注:夜姫視点です)

 そんなわけで、3人(?)で、とてとてとて、とのんびり入り江に向かう夜姫。付き添うぺんぎんさんとめんち。めんちの表情が若干曇り気味だ。何か起きる予感。……そして。

 ワニたちが夜姫の接近に気付く。威嚇を示すべく、口を開けるワニ!
「とう」
 そこへ躊躇いもなく、【虚構兵装・嵐の砲火】で複製した『機動浮遊砲盾【サバーニャ】』にオーラ防御を纏わせたものを、1匹につき一基、物理的にぶちこんでいく夜姫。

 どんっ!

 ――わにぃぃぃぃぃぃ!?

 めんちがそんな顔してたが、とりあえず夜姫はかまわずサバーニャで斉射しまくる。なす術も無く、次々と無力化されていくワニたち。次々とワニを引き下げていくぺんぎんさん。その様子に逃げ出そうとするワニもいたが、サバーニャが空から回り込む。以下略。

 そして夜姫の周辺に静寂が訪れる……というか、ワニがガクブル震えてその場で固まっていた。
「きっとなんにもできないお前たちに告げる」
 夜姫の言葉にびくっとするワニたち。そう、これは夜姫の動物使いスキルであるとともに、捕食者(正しい)からの降伏勧告であった。
「整列ー。船までの足場になれー」
 周辺の、まだ五体満足なワニたちを整列させる夜姫。どうやらワニたちを橋にして鉄甲船まで帰るらしい。
「ばんごー」
 ワニ、しゃべれませんけど。必死に番号を伝えようとするワニたちでした。

 夜姫がワニを訓練(?)している間。
 ぺんぎんさんとめんち(諦めた顔)は倒したワニの解体と調理を行っていた。この2匹のポテンシャルすごくない?
 それはさておき、サバーニャの一撃で上手く血抜きが出来ているようなので。ちゃっちゃと捌いて(斬り裂いて?)、火を起こし、焼いていくぺんぎんさんとめんちさん。
 まずは串焼き。そして焼きワニ……あとは定番のテールステーキである。
「ジャーキーもいける?」
 様子を見に来た夜姫さんも納得の『良いセンス』である。
「なるほど、任せた」
 帰還前に空腹を満たさねば。

 この後、美味しくごちそうさましました。

 さて、帰還の時間である。
 夜姫の号令に従い、ワニたちが海上を渡る橋となる。巨大魚の妨害は数匹のワニが周辺を泳ぐことによってシャットアウトするようである。
 そんな感じで、お腹も満たし、無事帰還した夜姫 with P&M。
「よし、いいぞー。かいさーん」
 夜姫の言葉にワニたちが一斉に島へと戻っていく。その時、気付く。
「……おや?」
 1匹のワニが なかまに なりたそうに こちらをみている!(船の縁から)
「……ふむ」
 ワニを鉄甲船に招き入れる夜姫。この後どうするかは後で考えよう。ほら、いざという時は非常食(?)にもなるしね。

成功 🔵​🔵​🔴​

ネフラ・ノーヴァ
引き続きラトゥ殿(f12112)と共に。
普通のワニが食料でしかないというのも猟兵ならではだな。ただ屠るのでは面白くない、「狩り」といこうか。
今回は私が囮となろう。イナバの白ウサギと言ったか、真似てワニの鼻先をハイヒールで次々と跳び乗って行こう。こちらに向かって来ている所をラトゥ殿にお任せだ。
仕留め終わったら、そうだな、血抜きついでに「血浴み」をしても良いかな。フフ。
後は焼いてワニ肉を楽しませてもらおう。丸々とした尻尾が美味しそうだよ、ラトゥ殿。


トゥトゥラトゥーレ・ルカフカル
続いてネフラちゃん(f04313)と!
ワニはようせいなんて丸のみにしてくるのでこわい。
猟兵にとっては楽勝でもこわい。故にネフラちゃん前衛はまかせた。


そんなわけで囮になったネフラちゃんがある程度ワニを集めたら、
UCでラトゥ型の巨大ロボット、ラトゥリオンを召喚!
今回のびっくりどっきり武器はワニを爆散させないように銛銃や爆発の小さな武器。
出来れば空中浮遊技能で空中から銛や銃弾の雨を降らせたいね。
いけいけぼくらのラトゥリオン!すごいぞー!かっこいいぞー!


終わったらネフラちゃんがワニ食べるんだって。おいしいのかな、少しもらお。
何にしても血浴みとか恐ろしいな、良い子のラトゥも見てるんですよおねえさん。




 大きな犠牲(?)を払った対キノコ戦。その戦いを終えたネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)とラトゥことトゥトゥラトゥーレ・ルカフカル(小さな体にでかい声・f12112)は帰還すべく入り江に向かっていた。戦友たるラトゥを背中に背負い、入り江に辿り着いたネフラの視界に飛び込んできたのは、ワニの群れであった。ついでに遠目で確認できる『ワニを食べている仲間』であった。
「……ふむ」
 最初から最後まで食べている光景にはもはや動じないネフラ。むしろ。
「普通のワニが食料でしかないというのも猟兵ならではだな」
 感想そこ?
「ワニはようせいなんて丸のみにしてくるのでこわい。猟兵にとっては楽勝でもこわい」
 ネフラの背中からふわりと飛び、しかしがくぶるするラトゥ。ユーベルコードで耐えられるのと、丸のみ怖いのは、全然別のお話である。
 なので。
「故にネフラちゃん前衛はまかせた」
「任されよう」
 ラトゥの言葉を背に受けて、ネフラがワニたちに向かって駆け出す。しかし、だ。猟兵にとって楽勝ということはネフラにとっても楽勝ということに相違ない。
(ただ屠るのでは面白くない……)
 ならば、どうするか。ネフラの口元に残忍な笑みが浮かぶ。
「『狩り』といこうか」
 砂浜を駆ける速度が、くんっとあがった。


 ネフラが前衛――囮となり、ワニの一群に接近する。その勢い、音にワニたちも反応し、口を開けて威嚇する。
 だが!
(確か……『イナバの白ウサギ』と言ったか?)
 軸足に力を入れてネフラが跳躍。高く跳んだ着地先は『ワニの鼻先』だ。ラトゥのハイヒールがワニの口に突き刺さる。直後、そこを起点に再び跳ぶネフラ。次のワニを踏み、飛び。ワニの鼻先をハイヒールで次々と跳び乗って行く様は、まるで童話の白い兎のよう。
 その振る舞いに、ワニたちもまた童話のように全ての意識をネフラに向ける。自分に向けて敵意と体を寄せてくるワニたち。
 後は。
(こちらに向かって来ている所をラトゥ殿にお任せだ)
 ネフラの視線がラトゥへと向けられた。

 ネフラに少し遅れて……はもちろん作戦の上での話。ラトゥの思惑通り、ネフラがワニたちの注意を引き付けている。
「そんなわけで」
 その間にラトゥがするのはユーベルコード【超硬偉大の巨大妖精兵器】……すなわち!
「スーパーロボット、ラトゥリオン見参!」
 ラトゥ型の巨大ロボット(妖精比)の召喚である! このスーパーロボットラトゥリオンは状況に応じた武器で斉射する能力を持つ!
「今回のびっくりどっきり武器はーー!!!」
 ワニを爆散させないように銛銃や爆発の小さな散弾銃の類。ワニに向けて武器を構え、一斉射するラトゥリオン! 発射された軌道は一度空へと舞い上がり……ラトゥのテクニックによって、ワニたちの頭上高くから散開、銛と銃弾の雨となって降り注ぐ!
「いけいけぼくらのラトゥリオン! すごいぞー! かっこいいぞー!」
 ラトゥの声援に、ラトゥリオンの攻撃はますます精度をあげていくのであった。

 対象のみを攻撃するラトゥリオンの弾幕。ネフラはその対象外ではあるが、動けばその限りではない。しかし、彼女は舞い、跳び続ける。ワニたちを貫く鉄の雨を華麗にかわしながら。
「なるほど、これは刺激的だ」
 ネフラの踏みつけとラトゥ(ラトゥリオン)の鉄の雨。そのふたつに晒され続けたワニたちは程無く一掃されるのであった。


 鉄の雨が降った一帯。そこに立っているのはネフラのみであった。周辺の光景を見て、ネフラは口端に笑みを浮かべる。どうやら内なる高揚がなかなか鎮まってくれそうにないようだ。
「そうだな……血抜きついでに『血浴み』をしても良いかな。フフ」
 趣味と実益を兼ねて。『血棘の刺剣』を手に、ネフラはワニたちの血を浴びていくのであった。

 ラトゥリオンを見送ったラトゥがネフラの元へ跳んでくる。
「おっと」
 思わず空中で静止するラトゥ。
 何故かというと、ネフラの白い肌も服も、真っ赤に染まっていたからである。なお、ネフラにとっては回復行為であるので戦闘後としては間違ってはいない……いないのだが、その中で愉悦を浮かべられますと、ね?
「おや、ラトゥ殿」
 ラトゥが追いついてきたことに気付いたネフラが足元のワニを拾い上げる。
「丸々とした尻尾が美味しそうだよ、ラトゥ殿」
「お、おう……」
 言っていることは普通なのだが、とっても血塗れである。とりあえずワニ肉を楽しむ心積もりネフラにラトゥも頷きを返す。
(おいしいのかな、少しもらお)
 と思いながら、ワニ肉を焼いていくネフラの側(血のついていない場所がありました)に着席するラトゥ。ちらっと隣を見てみるとネフラさんの整った顔がある。
 しかしですね。
(何にしても血浴みとか恐ろしいな)
 良い子のラトゥも見てるんですよおねえさん?

 この後、美味しくワニ肉をいただきました。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ガラティア・ローレライ
あーあ、結局メガリスもおたからも無かったし無駄足だったかあ
ま、ぐだぐだ言っててもしょうがないわ。とっとと帰って次の獲物でも探しましょ

…って、何よこれ魚の次はワニ?まあコンキスタドールで無いならどうにでもなるけど一々邪魔ばっかり起こるわねえ

それじゃあ入り江に『デミカルヴァリンメガリス』を一発ぶち込んでワニ共を吹き飛ばした後にボトルシップ【ピュグマリオーン号】を召喚
あとは召喚したピュグマリオーンを【歌姫の操舵術】操縦してワニ共を蹴散らしながら鉄甲船まで撤収するわよ

そういえばワニ皮を交易品として取引してる島があったっけ、せっかくだしガタイの良さそうなワニでも土産に持って行ってやろうかしら




 要塞の主であるコンキスタドールを倒した後。
「あーあ、結局メガリスもおたからも無かったし無駄足だったかあ」
 ため息をつきながら、帰路を歩くのはガラティア・ローレライ(呪歌のローレライ・f26298)であった。『呪歌のローレライ』の名を持つ女海賊としては実入りが全然無かったことになるのだから、ため息のひとつもつきたくなるというものだ。
「ま、ぐだぐだ言っててもしょうがないわ。とっとと帰って次の獲物でも探しましょ」
 と気分を切り替えて帰路を急ぐガラティア。次のお宝を目指して……と歩を進めていた彼女が入り江で見たのは。
「……って、何よこれ魚の次はワニ?」
 ワニでした。天然素材のワニの群れ。
 はぁ、ともうひとつため息をついて、ガラティアは『デミカルヴァリンメガリス』を取り出す。
「まあコンキスタドールで無いならどうにでもなるけど一々邪魔ばっかり起こるわねえ」
 デミカルヴァリンメガリスを構えて、容赦なく一発ぶち込むガラティア。突然の出来事にワニたちは吹っ飛ぶしかできない。
「いいわね」
 思惑通り、砲撃によって開いた道を全力疾走するガラティア。デミカルヴァリンメガリスの代わりに手にしたのはボトルシップの『ピュグマリオーン号』である。
 ワニが再集結する前に、入り江に到着。ボトルシップからピュグマリオーン号を召喚して。
「よっ、と」
 素早くピュグマリオーン号に飛び乗って舵輪を手にする。ついでに【歌姫の操舵術】を発動。速力を強化して水面を突っ走り始める。進路上に集まり始めてきたワニはそのままピュグマリオーン号で蹴散らして、目指すは鉄甲船!

 ……と思ったのが、入り江の出口辺りが何やらワニたちで交通渋滞である。先に行った猟兵の影響であろうか?
「……ったく」
 舌打ちしながら、ピュグマリオーン号の砲撃を撃ち込むガラティア。その爆発と衝撃にワニたちが再度吹っ飛ぶ。そして、砲撃の勢いが良すぎたのか、爆発の余波でワニが数匹、ピュグマリオーン号の甲板に打ち上げられる。
「うわ……」
 思わず零すガラティア。ピュグマリオーン号を入り江から少し離れた場所に止め、ワニたちを海に捨てようと駆け寄る。どうやら気絶しているようでワニたちが動く気配はない……その時。ふと思い出した。
(そういえばワニ皮を交易品として取引してる島があったっけ)
 見下ろしたワニたちは、幸か不幸か。ガタイの良く、傷も無く、健康そうなワニである。
「せっかくだし、土産に持って行ってやろうかしら」
 何の収穫もなかったのも癪だし。
 甲板で素早くワニたちを処理してから、鉄甲船まで帰還するガラティアであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヘンペル・トリックボックス(サポート)
「ヘンペルと申します、しがない紳士です。お茶のついでにちょっとしたマジックでも……如何ですかな?」
【設定】
 UC偽身符で作られた、本物そっくりの式神です。
【イメージ】
 のらりくらりと現れる、紳士姿の胡散臭い奇術師です。胡散臭いの延長線上で、符術も使います。
【性格】
 常に礼儀正しい姿勢ではいますが、要所要所でしれっとボケを入れる剽軽モノ。放っておくと延々戯言を垂れ流します。
【行動理念】
 『誰かの笑顔のために』行動します。水面下で老体に鞭打って頑張るタイプです。
【好き/嫌い】
 笑顔、のんびり、甘いもの/作り笑い、不実、紳士的でない行動
【その他】
 ノリは良い方です。感覚で動かしていただいて結構です。




 猟兵たちを運んできた鉄甲船の甲板。
「遅い……ですな」
 そこに佇みながら、ヘンペル・トリックボックス(仰天紳士・f00441)がギフ島に視線を遣る。
 決して責めているわけではなく。そもそも出航の時間など決まってはいない。しかし、そろそろ日が沈む時間であり、島に向かっていた猟兵の一部は既に帰還済。
 これで続いて帰ってくると思っていたメンバーが帰還してこない、というだから、異常を考えるのはごく自然な流れだ。
 心配になって甲板から望遠鏡を覗き込むヘンペル。視界に入ってきた入り江では、何やらワニが騒いでいる。これはもしや、入り江からの脱出に何かトラブルや危機が生じたのだろうか?
「様子を見てきましょう」
 そう言ってヘンペルが懐から取り出したのは五色の霊符。五行の力を組み合わせ行使して、ヘンペルは海を渡るのであった。

 そして。入り江に辿り着いたヘンペルは周囲を見渡す。
「なるほど……これは……」
 思わず言葉を零すヘンペル。どんな危機があろうとも、五行の符と式神で以てそれらを克する。そのつもりで来たのだが、眼前に広がる光景はかなり想定外だ。そう、それは……。
「平和ですな」
 とっても平和だった。騒いでいるのはワニたちだけだった。
「ふむ……お茶でも飲めそうなほど平和ですが……」
 改めて視線を入り江に巡らせる。どうやらワニたちは森に帰りたいようだ。しかし、何故か真っ赤に染まった入り江。いまだ煙をあげてワニ肉を焼き続けていると思しき、気絶したワニがひっくり返っている場所。ワニたちも異変を感じて、近付けないようだ、というか、ぶっちゃけ警戒してがくぶるしている。

 ここはワニたちの平和のためにも、紳士的に終演をもたらすしかあるまい。
 とりあえず、ステッキを回しながら入り江を歩くヘンペル。ワニたちを刺激しないように、目立たず、まったり忍び足で。ワニ群を突っ切ると、ヘンペルは声を張り上げた。
「皆さーん! そろそろ帰還の時間ですぞー!」
 ヘンペルの声に反応する猟兵たち。空を見ると、なるほどそろそろ日が沈みそうだ。急がねば。
 そんなわけで、ヘンペルの先導の元、猟兵たちは鉄甲船へと帰還したのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​



 かくして、ギフ島を巡る冒険……冒険? は、ひとまず成功を収めた。決して食べ放題ツアーでは無かったはずだ、たぶん。
 今後この島がどうなるか、あるいはどうしていくかは別の話である。
 今回の情報共有と報告では、『魚とキノコとワニが美味しかった』と添える猟兵がいたとかいなかったとか。

最終結果:成功

完成日:2020年04月29日


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 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#グリードオーシャン


30




種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ウルフシャ・オーゲツです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト