駆け抜けたるは猟兵
#サクラミラージュ
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●噂のサアカス
大正の世続く帝都、サクラミラージュには、様々な催しが度々行われている。此度のサアカスもまた同様である。
巨大な猛獣、それを操る猛獣使い。空を華麗に舞うダンサア。奇術使いの魅せる不可思議な光景の数々。
観客席には何人ものメイドガアルが給仕をし、華やかなりしサクラミラージュの芸の全てを詰め込んだかのような夢の舞台。
巨大テントはまさに夢か現か幻か。その権化として帝都の中に一夜にして立ち上がり、また一夜にして更地となって、また別の場所へ。
歓声と拍手は、まるで大人も子供も変わらぬように人々の熱狂を表しているかのようだった。
そう、その少年も、そのうちの一人。ただ、少しばかり他の観客とは違うことがあった。彼の身分である。少年は、帝都のさる要人の一人息子なのである。齢はまだ5つか6つに届こうかという年齢である。
見目は麗しく紅顔の美少年。名を定国。そのまま成長すれば、さぞや帝都の女性たちの目を惹きつけてやまないことだろう。きっと良い男になる。そんな確信が持てる。
だが、そんな彼に魔の手が迫っていた。
「あんな身なりも身分も顔も何もかも揃った者がいては、今後わっちの傾国コンサアトに支障が出るは必至。そうでなくとも、要人たちとの取引材料に使えるとなれば、手に入れぬは、遊蛾の名折れ」
少年である定国を見る目は、どんより淀んでいた。何よりも、きっと良からぬことを考えているに違いない目。
少年である定国をさらえば、美少年が手に入る上に要人との交渉も可能。ならば、傾国ガアルこと遊蛾の企みも容易になろうと言うもの。
「ならば―――手に入れて見せよう。いざ、傾国コンサアトのはじまりよ!」
●紅顔の美少年を追え!
グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えるのは、宝龍印・ヂュイン(バオロン・f26469)だった。やあ、と気さくな微笑みを持って猟兵たちを迎え、ひらひらとその手を振って手招きしている。
「やあ、みんな。集まってくれてありがとうね。早速だけれど、事件の概要を説明させてもらうね。」
事件が起こる世界はサクラミラージュ。そう、大正の世が続き、幻朧桜が一年中咲き乱れる帝都が舞台だ。
今回の事件の舞台は、そんな帝都に設置されている大サーカスから始まるのだという。
「そうそう。今帝都には大サーカス団が来ていてね。とても人気なんだよ。もちろん、子供もそうだけれど、大人も夢中になっているんだ。いいよね、猛獣使いとか一回やってみたいよ」
ヂュインはカラカラ笑って、いいなぁと自分も行きたかったとこぼしているが、今回はサーカスをのんびりと見ている暇はないようだ。
「問題は、そのサーカスの観覧に来ている要人の跡取り息子、定国くん!彼がね、影朧に攫われてしまうんだ。運良く彼が攫われてしまうタイミングでサーカスに向かうことができるから、どんな方法でサーカスに入って定国くんをさらう影朧を追うかは任せるよ」
ただ、問題なのは、どうしたって定国を影朧に攫われてしまうということだ。
タイミングの問題もあるのだろうが、攫われてサーカスを出てしまうのは防ぎようがないのだ。
「影朧を追い始めると、邪魔するように配下の影朧も現れるよ。メイドガアルのような噂好きな影朧たちだね。どうやら、定国くん、とっても可愛い美少年らしく、あとでこう、甘やかしたりなんやかんやさせてあげるという密約をさらった影朧と結んでいるみたい」
なるほど。要人の息子を攫って、要人との交渉にも使える上に、配下を増やす事もできる材料として定国を選んだということだろうか。一石二鳥すぎる。
配下たちを上手く躱すなり、配下である彼女たち影朧を倒すなりしながら、定国を攫った影朧を追いかけ続けなければならない。
「影朧はいろんなカフェーの中に突っ込んでいって、猟兵たちを撒こうとしているんだ。なるたけお店には迷惑を駆けられないけれど、カフェーには影朧のメイドガアルが潜んで邪魔をしてくるから、撃退しつつ追いかけてね!」
逃走と妨害。なるほど、よく考えられた逃走経路ではある。
「影朧メイドガアルたちを退けた後は、ようやく追い詰めた主犯の影朧との対決になるんだけれど……」
ちょっと言いにくそうに言葉を紡ぐヂュイン。どうしたというのだろう。
「えっと、最後に逃げ込むのは空飛ぶ飛行船なんだ。高いところが苦手な子たちはごめんね。私もちょっと苦手でさ。飛行船の中や、飛行船の上とかで戦わないといけないから、高所恐怖症の子たちには苦しい戦いになると思う。でも、定国くんを抱えているから、色々フォローも大切になってくるよ」
そう、影朧である敵は容赦なく叩きのめしてもいいが、小脇に抱える定国少年は一般人だ。落っことしてしまったりしたら、それこそ大惨事である。
定国少年の身の安全を確保しながら、敵と戦うのは至難の業だろう。だが、ヂュインは力強くうなずいた。
「うん、でも心配はしていないよ。みんななら絶対にできるって信じてるからね。それに紅顔の美少年っていい響きだよね。かっこういい男の子になるのもいいけど、小さな男の子もいいよね。可愛くて。だから、みんながんばって!どうかお願いね!」
ヂュインの趣味がわずかに垣間見えた気がしたが、よろしくねー!と明るく送り出されては、突っ込むのも野暮だろう。
―――ここに猟兵と影朧による壮大な追いかけっこが幕を上げるのだった!
海鶴
マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
今回はサクラミラージュの事件になります。冒険浪漫アドベンチャーとでも言いましょうか。全編を通して、常に移動しているシナリオになります。
影朧に攫われた定国少年を追って、帝都の街を疾走しましょう!
●第一章
定国少年が観覧しているサーカスに入り込みましょう。彼が影朧に攫われた場面から始まりますので、それまでの間にどのような方法でサーカスに潜り込むか、そして、そこからどのようにして定国少年を攫った影朧を追いかけるかをプレイングして頂けるとありがたいです。
追い詰める事はできますが、するりと貴方の手の内から影朧と定国少年はすり抜けてしまうことでしょう。
●第二章
集団戦になります。これもまた移動し続けています。影朧が定国少年を抱えたまま逃げ続けますが、街中……それもカフェーの中を突っ切って逃げ回ります。
カフェーの中ですので、突然、影朧メイドガアルが襲いかかってきますが、これを撃破してください。
彼女たちを改心させたり、テーブルをひっくり返して攻撃を躱したり、お客さんを巻き添えにしないように助けたり、そsんなプレイングがあるとプレイングボーナスが付きます。
●第三章
ボス戦です。黒幕である影朧、不退転浅鬼・遊蛾との決戦になります。
この舞台は空を飛ぶ飛行船!突風舞う飛行船上での戦いになりますので、これまた非常に危険です。定国少年を思わず離してしまったりした影朧のミスなんかもあり、定国少年が度々ピンチに陥ったりしますので、これを助けるプレイングや、活劇的にド派手なことが起こるようなプレイングにはボーナスが付きます。
幻朧桜舞い散る帝都の冒険活劇浪漫アドベンチャーのシナリオとなりますので、皆さんのキャラクターが活き活きと活躍できるようにがんばりますので、どうかよろしくお願いいたします!
第1章 冒険
『サアカスの花形』
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POW : 見世物小屋に真っ向から突入だ!
SPD : ファンや関係者を装い潜入する。
WIZ : 団長、経営者を説得する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夢と現の間にあるような大サーカスの帳の中に悲鳴が上がる。
そう、この声は定国少年!
「わっちは、不退転浅鬼・遊蛾!故あって、この少年の身柄をいただく者なり!これより帝都に現れたるは、傾国コンサアト!わっちの名は不退転浅鬼・遊蛾!帝都を傾け、崩落へと導く傾国ガアルなれば!」
芝居がかった口調の影朧。小脇に抱えているのは定国少年だろう。彼一人でサーカスに来ているわけがなく、付き人もいたのだろうが影朧相手では歯が立つわけもない。
サーカスの中は大混乱!
逃げ惑う人々でごった返している。それを見下ろし、満足げに笑うのは傾国ガアルこと不退転浅鬼・遊蛾である。愉快愉快。満足である。逃げ惑い、恐れ、わっちの名を胸に刻んでいくが良い。
それが何よりも心地よい!
「さあて、わっちらも参ろうか。なあに、怖がることはない少年。見目麗しいお前であれば、さぞや可愛がってもらえるであろうよ!」
涙目の定国少年を見て、ゾクゾクと何かこみ上げてくるものがあるのか、嗜虐心をくすぐられたのか定かではないが、これ以上、不退転浅鬼・遊蛾の好きにはさせてはおけない!
さあ、猟兵たちよ。帝都の街を駆け抜け、拐かされし紅顔の美少年を救うのだ―――!
アメリア・イアハッター
【空響】
サーカスかぁ
大舞台で自分の演技を披露できるっていうのは、憧れちゃうなぁ
おっと今はそんなことよりも
どんな理由があれ、未来を担う子供をいいようにしようっていうのは許せないよね
絶対に助け出すからね!
サーカスへは、時間もなさそうだしちょっと強引に入っちゃおうかな
UC発動
サーカス会場の構造次第となるが、上からの侵入口があればそこから入り、なければ警備員や関係者の頭の上を飛び越えながら侵入
敵がサーカス会場から出るようであれば、空を蹴って追いかけ、外でワンワンと合流
勢いよく彼の宇宙バイクの後部に着地する
ワンワン、敵の跡はちゃんと追えてる?
よーし、それじゃあかっとばせー!
何かあったら運転変わるからね!
フェーズ・ワン
【空響】
サーカスなぁ
俺のメカ達も芸を仕込めば…
いや、柄じゃねぇな
そんなことよりも、子供を攫うたぁふてぇ奴だ
新しいモノを知り、新しいモノを作る権利のある子供の未来、閉ざす訳にはいかねぇな
アメリアに潜入を任せ、自身はUCを使いサーチドローン「Look」を複製
Lookをサーカス会場の外に広く散布させ、敵が外に出てくるのを待つ
きっと派手に出てくるだろうから、どれか一機くらいは影を掴めるだろう
敵の逃走を確認できたら、そいつをLookと隼型メカ「ウィンズ」に追わせる
アメリア合流次第、メカからの情報を基に宇宙バイク「F.O.B.」にて敵を追跡
バッチリ敵の音を拾えてんよ
はっ、言ってろ
振り落とされんじゃねぇぞ!
天幕に覆われたそこは、きっと夢と現が交わる場所。外から見れば大きな円形劇場のようなものだろう。だが、その中で行われている芸は、見る者たちを魅了して止まない
。
身もすくむような咆哮を轟かせる猛獣をいとも簡単に操る猛獣使いの鞭が鳴る。火の輪をくぐる巨獣は従順で、だがいつしか牙を向くのではないかという緊張感が無い混ぜになって興奮を唆る。
今もまた巨大な象が玉乗り芸を披露する。歓声が広がる。わあ、と無邪気に喜ぶ定国少年の顔は、このあと怯えた表情に変わってしまうのだが、それは知る由もないのだ。
その歓声を外と中で聞く者たちがいた。サーカス会場の天幕の周囲に飛ぶ小さな機会。ドローンと言うのだが、それを操る者フェーズ・ワン(快音響・f06673)は、独り言のようにつぶやく。
「サーカスなぁ。俺のメカ達も芸を仕込めば……いや、柄じゃねぇな。そんなことよりも子供を攫うたぁ、ふてぇ奴だ」
これより未来ある者。新しいモノを知り、新しいモノを作る権利のある子どもの未来、閉ざす訳にはいかなねぇな、と。彼のユーベルコード、D-Team(ディーチーム)によって飛ぶサーチドローンがサーカス会場の天幕の傍を飛び交う。
少しの異変も見逃さず、逐一フェーズの元へと情報が入ってくる。そろそろのはずだ……そう、彼一人ではない。もうひとり、彼と同じ気持ちでいる者が、あのサーカス会場の中にいるのだ。
彼女もまた、どんな理由があれ、未来を担う子供をいいようにしようっていうのは許せないよね!と彼に語っていたのを思い出した。フェーズは、クッ、と笑いをこらえる。だよな、と。同じ気持ちだと。
場面は変わって、サーカス会場内。猛獣使いの演目が終わり、さあ、次なる演目はと照明が落ちた瞬間だった。
定国少年の付き人たちがうめき声を上げて、彼の傍の客席から崩れ落ちる。
少年が気がついたときにはもう遅い。彼を小脇に抱えるは、影朧、不退転浅鬼・遊蛾!
「わっちは、不退転浅鬼・遊蛾!故あって、この少年の身柄をいただく者なり!これより帝都に現れたるは、傾国コンサアト!わっちの名は不退転浅鬼・遊蛾!帝都を傾け、崩落へと導く傾国ガアルなれば!」
名乗り向上が聞こえる。
そう、フェーズと共に彼の者の凶行を阻止せんとサーカス会場に入り込んでいたのはアメリア・イアハッター(想空流・f01896)だった。
あらかじ、フェーズのドローンが確認していた侵入経路。つまりは、影朧が定国少年を連れて出てくるであろうと予測できる場所を調べておいてよかった。
アメリアは警備の隙を衝いて天幕の隙間、上から入り込んでいたのだ。
「ああ!もう!反対側だなんて!もっと下調べする時間があれば、あの子の傍に入り込めたのに!こら、待ちなさい!」
だが、アメリアの入り込んだ場所と、影朧が定国少年を抱えて天幕の外に飛び出そうとしていたのは反対側。
運が悪かったと言えば、それまでだが今はあちらにアドバンテージがある。
「絶対に助け出すからね!」
アメリアの声が定国少年に届いたかはわからない。何せ混乱満ち溢れるサーカス会場の反対側から叫んだのだから。
だが、その決意は固い。絶対に、と彼女が思ったのならば、それは決意となって強固な意志となる。
彼女のユーベルコード、スカイステッパーが発動する。彼女の足は、空を駆け上がる空色の足。赤い髪が宙に翻り、尾を引く姿を定国少年は見た。
自分を助けようと、空を舞うアメリアの姿は天女のように思えたかも知れない。
「アメリア!出てきたぜ!バッチリ、ウィンズが追ってるぜ!」
フェーズの声が響く。よぉし!とアメリアが天幕の外に出れば、赤い宇宙バイク、F.O.B.に跨ったフェーズの姿がある。
打ち合わせ通りばっちりだと、お互いアイコンタクトで分かり合う。
フェーズの自慢の赤いバイクは、ドローンや隼型自立兵器ウィンズと並走できるほどの速度を持ったバイクだ。追いつけないわけがない!
「ワンワン、敵の跡はちゃんと追えてる?」
アメリアが遅れて天幕から飛び出して、フェーズの後ろ……後部座席に着地する。
これで合流は完璧。後は影朧を追いかけるだけだ。唸りを上げるエギゾースト!帝都の空に宇宙バイクのエンジン音が、アメリアの言葉に応えるように唸りを上げる。
「バッチリ敵の音を拾えてんよ!任せておけって!俺のメカ達だぜ?」
「よーし、それじゃあかっとばせー!何かあったら運転変わるからね!」
号令のようにアメリアの声が響く。それに負けじとフェーズの声が、宇宙バイクの快音に負けじと空に響く。
「はっ、言ってろ!振り落とされんじゃねぇぞ!」
F.O.B.の快音が帝都中に鳴り響かんばかりに轟き、影朧・不退転浅鬼・遊蛾を追う!
彼女の小脇に抱えられて、不安と恐怖に苛まれているであろう定国少年を救うために空を駆け抜けるのであった―――!
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
月守・咲凛
戦えない子供を狙うなんて許せないのです!
私はみんなのお姉ちゃんなので、襲われたしょうねんを助けなければならないのです。
(少年の見た目には全く興味がありません)
さあかすテントの上でレーダーで対象を確認して、追跡開始です。
空中戦は得意なので、武装ユニットのスラスターで追いかけます。
ある程度追いかけた所で、頑張れば追い付けるけど、敵が少年の身を害する危険が無さそうなのと、逃げて行く先を特定しなければならない事に気付いて、死角になりそうな場所を探して、撒いたと思わせて隠れながら追跡する方針に切り替えます。
逃がさないのですよー。
大サアカスの天幕は、まさに夢の国の帳であったことだろう。
その中では大人も子供もなく、ただサーカス団員たちの魅せる妙技に心を奪われ、歓声を上げるもの。
演目が終われば、夢心地といった雰囲気で家路につく。そんな穏やかな一日を台無しにするのが影朧だというのならば、その野望を打ち砕かんとするのが猟兵である。
ましてや、戦えない子供を狙うなんて許せない!と憤るのは、月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)である。
「私はみんなのお姉ちゃんなので、襲われたしょうねんを助けなければならないのです!」
本当に人騒がせすぎる影朧なのです、と彼女は、ぷんぷんしていたが……攫われる定国少年と大体年の頃はそう変わらないはずである。
確かに彼女のほうがちょっぷりお姉さんであることは事実ではあるが。
サーカスの天幕の中から歓声とは違う悲鳴と騒然とした慌ただしさを感じ、彼女は影朧……不退転浅鬼・遊蛾が現れたのだと気がつく。
彼女のユーベルコード、ロングレンジレーダーアクティベートを即座に発動させ、対象を遊蛾に絞る。こうすれば追跡も容易になるはずだ。
帝都のビルディングを跳ねるようにして駆け抜ける遊蛾。その小脇には定国少年の姿が確かにある。
「もう、そんなにいたいけな子供を泣かすなんて悪い人です!」
咲凛自身の武装ユニットのスラスターを吹かして、空を舞う!
この速度でならば、追いつけるはず……!だが、そこで気がつく。遊蛾は定国少年を小脇に抱えているだけで、傷つける様子はないようだと。
ならば、逃げていく先を特定しておいたほうが、後々に有利にことを運べるのではないか。
「……それなら、資格になりそうな場所を探して、撒いたと思わせて隠れながら追跡した方がいいですよね……?」
彼女のユーベルコードであれば、索敵用のレーダーを使って追跡することは可能だ。
遊蛾の油断を誘うためにも、ここはひとまず速度を落として隠れたほうが良いと判断して建物の影に隠れる咲凛。
影朧である遊蛾は今こそ油断しているだろう。漸く撒いたと。だが、それは間違いであると後々思い知らされることになるだろう。
なぜなら。
「絶対に逃さないのですよー!」
咲凛の透過ディスプレイには、煌々と明滅する影朧である遊蛾の存在が捕らえられ続けていたからだ!
大成功
🔵🔵🔵
曽我部・律(サポート)
『この力を得たことは後悔していない……』
『私以外の人間が不幸になるところを見過ごすことはできないんでね』
『こういうのには疎いんだが……ふむ、こんな感じか?』
とある事件で妻子を失い、その復讐の為にUDC研究を続けているUDCエージェントです。ですが、UDCを強引に肉体に融合させた副作用として徐々に生来の人格は失われつつあり、妻子の記憶も彼らの写真によって辛うじて繋ぎ止めています。
多重人格者としての別人格『絶』は凶悪なオブリビオンの存在を察知すると、律に代わって表に出てきて戦います。その際、口調は『おい律……うまそうな匂いがするじゃねぇか。代われよ』みたいな凶悪な感じになります。
何か、とてもたいせつな思い出だったような気がする。
ただの気の所為だったのかもしれない。いや、確かにたいせつな思い出……それがなんであったのかは判別できないが、それを見た時、彼は確かにそう思ったのだ。
あの楽しげな雰囲気。道化が外で風船を配る姿。原色を使った色とりどりのポスター。大きな猛獣の気配。きらびやかな衣装に身を包んだダンサーたち。
そのどれもこれもが彼の記憶を刺激した。
あぁ、確かにあったはずなのに―――。
大サーカスのテントを見上げる一人の影。グリモア猟兵の求めに応じて集まった猟兵の一人である曽我部・律(UDC喰いの多重人格者・f11298)は、その大きなテントを外から見上げていた。
サクラミラージュ、幻朧桜が一年中咲き乱れる世界。大正の世を統治した帝都。その帝都の要人の息子がオブリビオン……影朧、不退転浅鬼・遊蛾に拐かされるのだという。
まずはこれを追い、配下のオブリビオンを躱し、追い詰めた影朧を倒して少年を救わねばらない。
「私以外の人間が不幸になるところを見過ごすことはできないんでね」
律は静かにサーカスの天幕を見つめている。目が離せない。肌身離さずに持っているロケットを思わず握りしめていた。
彼の心中を察することは、彼以外出来るものはいないだろう。いや、もしかしたのならば、彼の身に定着してるUDCならば解することもできたのかもしれない。
『おい、律……うまそうな匂いがするじゃねぇか。代われよ』
律の中で凶悪な雰囲気ただよう人格が蠢き出す。別人格である『絶』が強大なオブリビオンである不退転浅鬼・遊蛾に反応したのだ。
「……待て。まずは攫われる少年の確保が先だ。その後はどうしたって構わないが……今はダメだ」
んだよ。今はまだ影朧との距離が離れているから良いものの、この調子ではいつどうなるかわからない。
ジリジリと焦りが募る。
そうおもっていると、天幕の中から悲鳴が聞こえる。来た!と思った瞬間にサーカスの天幕から躍り出る一つの影!
小脇に何かを抱えているのがわかる。
「あれか!少年を抱えて、あのまま逃げるつもりか……!だが、そうはさせない……餌の時間だ」
律のユーベルコード、ストーキングシャドウが発動する。自身から伸びる影法師と黒い獣が地上と空中から、逃走を図る影朧を追う。
だが、ビルディングを跳ねるようにして飛んで逃げる影朧にはなかなか追いつけない。
「くっ……速いな……!」
『とろくせーんだよ!俺に代れば、秒でやってやんよ!』
律の中で二つの人格がひしめきあう。だが、絶にまかせていては凶悪な本能のままに影朧ごと少年を傷つけるやもしれない。
それだけは避けなければならないという強い思いが、律の人格を強く保たせる。
握りしめたロケットが、仄かに暖かい……そう思えるほどに、今の彼は少年を拐かした影朧を追う瞳は力強く輝いていたのであった。
成功
🔵🔵🔴
イネス・オルティス(サポート)
『この鎧は一族伝統のもの、恥ずかしくなんて……』
アックス&ウィザーズ辺境のどこかにある隠れ里に住む一族の女戦士
〔一族伝統の鎧〕のビキニアーマーを愛用し主に〔巨獣槍〕という槍を使う
”ダッシュ”で近づき”なぎ払い”、”串刺し”等をよく行う
ボン・キュ・ボンのナイススタイルで、ビキニアーマーを普段使いしているため
無意識に周りを”誘惑”している事があるが本人は気づいていない
また”恥ずかしさ耐性”があるためか自分の格好より任務の達成を優先する傾向がある
アドリブ・絡み・可 ””内技能
描写はセクシーレベルまで
大サーカスの天幕の周りには人がごった返している。入場整理をする道化もあれば、これからショーに向かうであろう巨獣を連れた猛獣使い。
それに加えて、華麗な衣装に身をまとったダンサーたちだっていて視線を集める的となっている。
それは夢と現が交わる場所でこそ見られる光景であるがゆえに、人々の思い出に深く残るものであったであろう。
彼女……イネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)もまたその一人である。人々の目には彼女の姿は違和感なく映っている。
それは猟兵たる所以であるのだが、それ以上にサーカスの天幕の近くであるということが大きい。なぜなら、彼女のような肌を露出した衣装のサーカス団員が多いのだ。
木を隠すなら森の中ではないが、とても違和感描く潜り込んでるように見えた。
「この鎧は一族伝統のもの、恥ずかしくなんて……」
そう恥じるものなど一つもない。世界が違えば文化も違う。彼女の出身世界であれば、このくらい、と思えるのだが……やはり、男性の視線というものは少し困ってしまう。
それよりも今は今回の事件……グリモア猟兵から聞き及んでいる帝都の要人の子息誘拐事件を解決しなければならない。
影朧である不退転浅鬼・遊蛾の追跡もまた彼女にとっては恥じらいよりも優先させられるべきことなのだ。
「……それにしても、幼い子供誘拐するなど、あってはならないこと。私の槍で仕留めてみせましょう」
彼女の愛用の槍である巨獣槍。それもまたサーカスの近くであれば、そこまで人目を引かない。どちらかというと無意識で周りを誘惑してしまう魅惑のボディラインのほうがよほど人目を引くのだが……
サーカスの演目がおこなれているテントの中から悲鳴が上がる。
オブリビオン……つまりは影朧、不退転浅鬼・遊蛾が現れたのだろう。視線を向けると、天幕の上から小脇に少年を抱えて飛び去る遊蛾の姿を見つける。
「―――!見つけた!逃がすわけにはいかない……必ずこの槍で報いを受けてもらうわ!」
彼女のユーベルコード、風車縛陣(ウィンドバインド)によって放たれた竜巻が影朧、遊蛾を追うのだが、飛び去るスピードが速い上に、ビルディングを跳ねるようにして飛んで逃げるため狙いが付かない。
もどかしさに歯噛みしながら、イネスは駆け出す。
彼女の瞳はしっかりと見ていた。
影朧によって小脇に抱えられていた少年の涙を。
きっと不安と恐怖でいっぱいであろう彼を早く助け出してあげなければならない。そう決意を新たにして、帝都の街を駆け出すのであった―――!
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『噂話桜前線・メイドガアル』
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POW : そうですね…こんな話がありますが…
自身の【話のネタや噂話や秘密事項】を代償に、【その内容に準じた又は捻じ曲げた怪異を召喚】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【その怪異に合わせた攻撃手段】で戦う。
SPD : ご注文は…はい!おすすめですね!
【カフェーで提供してるメニュー(美味しい)】を給仕している間、戦場にいるカフェーで提供してるメニュー(美味しい)を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ : えっ皆さん…来てくれたんですね!
【レベル×1のカフェーの常連客やファン】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
イラスト:仲村くさた
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
サーカスのテントから颯爽と逃げ出した不退転浅鬼・遊蛾はごきげんであった。
こんなにも簡単にわっちの思い通りに行くのかと。やはりわっちは運命に導かれているのであるなぁ、とか。そんな楽観的な事ばかり考えていたのだが……
「ぬぅ!やはり猟兵が嗅ぎつけてきおったか!ならば、プランびい、じゃ!」
ビルディングを跳ねるようにして走っていた遊蛾は、プランを変更し、ビルディング連なる歩道に降り立つ。
ふむ、配下であるメイドガアルたちの居る喫茶店や食堂からルートを割り出す。
ぬふ、やはりわっちに歩がある。
「さあ、来るがいい!猟兵どもよ!わっちを捕まえられるというのであれば、やってみるがいい!」
軽やかな足取りで駆け出した遊蛾。
猟兵たちはその背中を遂に捉えるのだが……
喫茶店のドアをぶち破って盛大に中へと駆け込んでいく遊蛾の姿を見てしまう!建物の中に入り込まれては、猟兵と言えど見失ってしまう可能性が高い。
ここは遊蛾の策に乗るようで尺であるが、こちらもまた喫茶店の中を追いかけなければならないようだ。
だが、突入した先に陣取るは噂話桜前線・メイドガアル!
「あらあらあ、いらっしゃいませえ~♪ご注文お決まりですか~?」
いや、今はそれどころでは……違う。彼女たちもオブリビオン!遊蛾の配下である。
こちらの足止めをするつもりなのだ。
ただただ、紅顔の美少年を愛でたい欲求だけで、遊蛾に従っているのだろう。
彼女たちを退け、躱して進まねば定国少年は易易と連れ去られてしまう!
遊蛾の走るルートはどれもこれも喫茶店やカフェー、食堂など人々が密集し、テーブルや椅子、様々なハプニングが予想される!
加えて噂話桜前線・メイドガアルの妨害もある!
だが、それでも進め!猟兵たち―――!
月守・咲凛
オブリビオンの人なのですね、雰囲気でわかるのですよ。
でも、攻撃して来ない人だったらあんまり手荒な事はしたくないのです。
あなたたちはあの子と遊びたくて遊蛾さんに従ってるのですよね?でもここでやられちゃった人は定国くんと遊べませんし、あなたたちがみんなやられちゃったら遊蛾さんが定国くんを独り占めですね。
敵の動揺を誘って、その隙に高速飛翔モードで一気に店内を飛び抜けます。
対空もないただの狭い場所をくぐり抜けるなんて簡単な事なのですよ。
ウイングユニットを折り畳んで、脚と腰のブースターと飛行制御ユニットで店内を高速飛行で抜けていくのです。
風圧で食べ物とかを散らしちゃったらごめんなさい、急いでいるのです。
幻朧桜が咲き誇る帝都のカフェーには、それぞれの名物メニューというものがある。
当然それは店独自のものであったり、流行の最先端を行くものであったりと様々である。だからこそ、それを給仕するメイドガアルという職種にはある種の憧れが集まるものであろう。
といっても、影朧、不退転浅鬼・遊蛾が逃げ込み、巻き込んだカフェーには彼女の配下であるオブリビオン、噂話桜前線・メイドガアルが予め配置されているのだから、マッチポンプといえばマッチポンプである。
猟兵達の進路を妨害すべく、颯爽と動く。その身のこなしは正しく影朧!油断していては足元をすくわれてしまう。
「オブリビオンの人なのですね、雰囲気で分かるのですよ」
月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)が突入した先に待っていたのは、オブリビオン……影朧のメイドガアル。
お互いがお互いのことを正しく認識している。そう、猟兵がオブリビオンであると分かるのと同時に、オブリビオンもまた猟兵に対しては、直感的に敵であるとわかるのだ。
だが、咲凛にとっては、攻撃してこない者であれば、手荒なことをしたくないという思いもあった。
それになんとなくだがわかる。グリモア猟兵の話を聞いていた時からそう思っていたのだ。
「ご注文は…はい!おすすめですね!」
いつの間にか勝手に注文を取られている!いや、これは彼女たちのユーベルコード!体がゆっくりと動きを鈍くするような気配を感じ、咲凛は言葉を紡ぐ。
「まだ何の注文もしていないのですが!でも、あなたたちはあの子と遊びたくて遊蛾さんに従っているのですよね?」
「はい~かわいい男の子は大好物です。なでたりあやしたり、色々いっぱい甘やかしてダメな大人に育てあげたいです~」
おっ、なんかすんごいダメなこといってるぞ、このメイドガアル。
一瞬、スンッてなりそうになったが、諦めずに言葉を紡ぐ。説得できるのであれば、説得できたほうが良い!
「でもでも、ここでやられちゃった人は定国くんとあそべませんし、あなたたちがみんなやられちゃったら、遊蛾さんが定国くんを独り占めですよね?」
咲凛の言葉は核心をついていた。確かに!下手に猟兵とやりあって、骸の海に返されてしまえば、ご褒美もあったもんじゃない!
というか、猟兵たちに確実に倒されてしまう!同様がメイドガアルに走る―――!
「え、っ、でもぉ~……ここで猟兵さんたちを足止めしないと、どちらにしたってショタっ子甘々なでなでぐっすりおやすみなさいプランできないですよ~」
なんて?
何そのプラン。とこちらが一瞬動揺しそうになるが、メイドガアルの動揺はさらに上をいっていた。
一瞬の隙。ユーベルコード、雨の中のサーカス(アメノナカノサーカス)によって導き出される飛行経路!
ウィングユニットを折りたたみ、足と腰のブースターと飛行制御ユニットによって店内を一気に駆け抜ける咲凛!
「ああ~!ずるいです!待って、待ってください~!」
そんなメイドガアルの言葉を背に受けながら咲凛は、カフェーの中を駆け抜けていく。高速で移動するものだから、風圧で店内を荒らしてしまうのだが……
「ごめんなさい、急いでいるのです!」
その一言でご愛嬌である!しょうがない、緊急事態だから!
大成功
🔵🔵🔵
アメリア・イアハッター
【空響】
OK降りるね
なるべく一般人を傷つけない方法で、突破していくよ!
さぁさ、ごめんねちょっと通るよ!
店に入った瞬間からUC発動
遊蛾の通った道をなぞるように氷を張っていき、滑走していく
途中にある敵やモノは少し小突いて、ツルツル滑らせて氷の道の外へどいててもらおう
滑走や、どかせるのは足で可能
なので手は空いてるから、給仕されたメニューも楽しんでおこうかな
ほらほらワンワン、こっちのやつも美味しいよ?
余裕ない?
じゃあ甘いもの食べてがんばろ!
タップが色々やってくれてるけど、他の猟兵もいるしまだまだお店荒れちゃうかな
後でお片づけの手伝いに来るから、ごめんね!
その時は、事件解決パーティーも一緒に開きましょ!
フェーズ・ワン
【空響】
ちっ、店ん中じゃバイクは無理だな
仕方ねぇ置いてくか
アメリア、タッチだ
先導頼むぜ
店に入る前に、ウィンズとLookは店の上空へ
スピナーは店の外を走らせ、タップは自分の後ろを付いてきてもらう
一般人はいるし足元は滑るしメイドは給仕してくるしそもそも敵だし……
大変すぎねぇかおい
へっ、上等だ
俺には無理だが、メカにやらせりゃなんとかなる!
UC発動
武器や殴り蹴りでの攻撃、そして滑る床の対処は召喚したドローンに操らせて任せ、自分の意識は給仕されたメニューを楽しむことに向け、カフェの片付けや一般人の保護をタップにやらせる
俺は頭脳労働担当だぞちくしょう!
猟兵だからならねぇだろうけど、気分は明日筋肉痛だ!
影朧である不退転浅鬼・遊蛾が駆け込んだのは、一軒の喫茶店。最近帝都で流行りのカフェーの一つである。
ドアについているベルの音がけたたましく響き渡り、来客を告げる。だが、その来客こそ影朧である遊蛾であったのは不運というほか無い。
予め配下である噂話桜前線・メイドガアルを配置していた喫茶店や食堂に突っ込んでいるのだから、その場にいる給仕は全てオブリビオン……影朧なのである!
可愛らしい大正レトロな制服は、帝都ガアルたちの憧れなのである。モダンでハイカラ!それだけ女子は憧れてしまうものなのだ。
その喫茶店の前でフェーズ・ワン(快音響・f06673)の放った半自立兵器である隼型のウィンズとサーチドローンであるLookが此処だと宇宙バイクにまたがるフェーズへとシグナルを送っている。
思わず舌打ちしてしまいそうになったが、しようがない
「ちっ、店ん中じゃバイクは無理だな。仕方ねぇ置いていくか」
「OK、降りるね」
フェーズは宇宙バイクであるF.O.B.から降りる。後部座席のアメリア・イアハッター(想空流・f01896)も倣うようにして飛び降りた。
上空でウィンズとLookが影朧である遊蛾の追跡を実行してくれている。あまり悠長なことは出来ないが、最短ルートで突っ走るしかない!
「アメリア、タッチだ。先導頼むぜ」
フェーズの言葉にアメリアがうなずきを返す。二人のコンビネーションは息がぴったりだ。空と地、彼らの追跡を撒こうなどという浅知恵、尽く踏破してみせようと息巻いている。
「まかせて!なるべく一般人を傷つけない方法でね!さぁさ、ごめんね!ちょっと通るよ!」
カランカラン、と喫茶店のドアが開け放たれる。遊蛾が通り抜けていったのであろう、喫茶店の中はテーブルが傾いたり、コーヒーを頭からかぶってしまった紳士がいたり、パフェーを大事に抱えて驚いた顔をしている女学生がいたりと多種多様だ。
ほんとごめんね!
そう思った瞬間、店内のどこからかワラワラと現れるのは、噂話桜前線・メイドガアル!
「はい~♪いらっしゃいませ~♪お二人様ですね~♪」
のんきな言葉を最後まで聞く必要はないと、扉を開け放った瞬間にアメリアのユーベルコード、氷上妖精(フィギュアスケート)が発動する。
一瞬で喫茶店の床は氷上と化す!殺傷能力がなくとも、流石に突然床が氷上とも成れば、混乱は隠せない。
えぇ!?とお客さんもメイドガアルも目を白黒させている。だが、その一瞬の驚きがアメリアにとっては十分すぎる時間なのだ。
まるで氷上で踊る妖精のようにアメリアが華麗に床を滑って、遊蛾の後を追う。片足で滑走し、邪魔な椅子やテーブルはもう片方の足でどけるものだから、障害という障害にもなっていない。
「ああ~!お客様困ります~!そんな足グセの悪いことをされては、ぁ、きゃあ!」
メイドガアルが慌ててアメリアの進路を妨害しようとして飛び出す。新作のメニュウでもどうぞどうぞと給仕しようとして、横からアメリアにかっ攫われたのだ!
「一般人はいるし、足元は滑れ牛、メイドは給仕してくるし、そもそも敵だっつーの!やること多すぎて大変すぎねぇかおい!」
フェーズが心底げんなりしたようにアメリアの後を追いながら悪態をつく。俺はメカニックなんだが!と心からの叫び声だろう。肉体労働は向いてない!と。
だが、彼のユーベルコード、バトル・インテリジェンス!彼の呼び出したドローンに彼の体を操らせれば、この程度の障害など無いに等しい!
「へっ、上等だ!俺には無理だが、メカにやらせりゃなんとかなる!」
メイドガアルを華麗に躱し、怪我をさせない程度にメイドガアルたちをのしていくフェーズ。うん、これは楽でいいぞ。いや、待てよ……?
「ほらほらワンワン、こっちのやつも美味しいよ?」
アメリアは喫茶店を縦横無尽に駆けながら、メイドガアルたちから給仕される名物メニューを目一杯楽しんでいる。余裕ありすぎだろう!とフェーズが突っ込むのだが、これはこれで大事なのである。
メイドガアルのユーベルコードは、メニューを楽しんでいないと行動が5分の1にされてしまうのだ。
楽しみつつ、彼女たちを躱さなければならない!だから、至極!当然の!行為なのである!
「あー……ん、っておい!勝手に口に運ぶな!タップも俺の口を開けさせむぐぐぐ!」
アメリアから手ずから食べさせてもらいながらも、しっかりメニューを楽しむフェーズ。故に、ユーベルコードの影響を受けずに動けるのだが。
「タップが色々やってくれてるけど、他の猟兵たちもいるし……まだお店あれちゃうかもなぁ……あ、そうだ。後でお片付けの手伝いに来るから、ごめんね!その時は事件解決パーティーも一緒に開きましょ!」
「まだ食ったり飲んだりするつもりなのか!?」
俺は頭脳労働担当なんぞちくしょう!とフェーズがアメリアの言葉に反応するも、ドローンに操られて強制体力勝負をさせられているのだから、傍から見たらすごい光景である。
まるで嵐のようにフェーズとアメリアは喫茶店の中を駆けていった!
だが、駆け抜けていった先から聞こえてくるのは、フェーズの沈痛な叫びだった。
「猟兵だから、ならねぇだろうけど!気分は明日筋肉痛だ!」
きっと事件解決パーティーをするときも、フェーズはアメリアに色々手伝わされることなのだろう。仲睦まじくていいなぁって思ったのは、頭からコーヒーをかぶった紳士だけなのであった……!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
イネス・オルティス
やれやれ、なるべく周囲に被害は出したくないけれど……やれるかしら
【薄衣甲冑覚醒 弐】を使用し、ダッシュで高速移動
野生の勘と戦闘知識から一般人に当たらない角度を感知して衝撃波で攻撃
一般人の人たちには謝っておきましょう
影朧は放っておくわけにはいかないから、ごめんなさいね
露出度の高いビキニアーマーでの戦闘行動等で周りを誘惑する事になっても
恥ずかしさ耐性のあるイネスにとってはどうでもいい事です
アドリブ・絡み・可
大正の世が続くサクラミラージュの帝都。そこは常に流行に飢えた者たちでいっぱいである。
この影朧である不退転浅鬼・遊蛾が駆け込んだカフェーもまたその一つである。モダンな雰囲気の内装に音楽、それに給仕するメイドガアルのハイカラのことと言ったら今や帝都中の女の子たちの憧れの的なのである。
あのハイカラな衣装に身を包んでお小遣いを稼ぎたいと思う女子たちはこぞってカフェーで働くことを熱望しているのだ。
だが、そんなカフェーのメイドガアルに紛れ込む影朧……噂話桜前線・メイドガアル!彼女たちは遊蛾との密約……紅顔の美少年とキャッキャウフフするという名目の元、遊蛾を追ってくる猟兵達の邪魔をするのだ!
カフェーの入り口に立つのは、イネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)。彼女もまた最先端をゆく者成れば。
いや、彼女にとって彼女の出で立ちは、伝統的なものであって流行とは真逆の位置にあるもの。
だが、彼女の見目麗しい姿は、帝都にあっては逆に新鮮で斬新なものとして瞳に映ったに違いない。ビキニアーマー!これが戦う女性の最前線だ!
「やれやれ、なるべく周囲に被害は出したくないけれど……やれるかしら」
彼女の出で立ち。そう、肌色眩しいビキニアーマー!
美しくも鍛えられた体は、彼女の誇るべきものであり、人目を無意識に集中させてしまう。それになんら恥じるべきものはない!
「いらっしゃいませ~♪って、すごい人が!?」
オブリビオンである影朧、メイドガアルたちにとってはイネスの姿はあまりにも驚愕するものだったのだ。
一瞬固まる店内。いや、影朧のメイドガアルだけ固まってる。他の店員やお客人たちは、イネスの姿に見惚れている。
「残念ですが、あなた方にかまっている暇はないの……今、伝統の鎧を依り代に伝説再誕!」
彼女のユーベルコード、薄衣甲冑覚醒 弐(ビキニーアップツー)が発動する。ビキニアーマーの神のオーラを身にまとい、正に戦女神となったイネスが店内の状況を瞬時に把握し、一般人に当たらない角度を、野生の勘とも言うべき勝負勘によって見つけ出す。
「ごめんなさいね。少々店内が荒れてしまうけれど……影朧は放っておくわけにはいかないから」
旋風のような勢いで店内にいた影朧……噂話桜前線・メイドガアルを武器を振るった衝撃波で一瞬の内に打ち倒すイネス。
その姿は、店内にいた紳士を持ってこう言わしめた。
「ぶらぼぉ!おお!なんたる……なんたる、ぶらぼぉ!」
語彙。
それほどまでに店内を華麗に舞うようにして戦ったイネスの姿は美しかったのだ。いや、露出度とかそういうんじゃないから。ほんとだから。肌色眩しすぎて鼻血出そうになったとかそういうんじゃないから。ほんとほんと。
と、華麗なる活躍でイネスは店内を制圧したのだが……
「な、なに?私、急いでるのだけれど……早く影朧を……」
「感動した!君のその素晴らしいスタイル……いや、戦う姿!まさに現代の戦乙女!是非我社からデビュウを!」
「いや、我社のモデルとしてスタアになって……!」
やんややんや。イネスはすっかりカフェーにいた紳士たちに囲まれてスカウトされまくってしまう。
分かる気がする。だって鍛えられているのに柔らかそうな綺麗な体だからね!
その後、イネスはスカウトマン達の制止を振り切って、てんやわんやの体でカフェーを駆け抜け、影朧・遊蛾を追いかけるのであった!
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『不退転浅鬼・遊蛾』
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POW : 黄泉路をも照らすこの魅力!
【自身の影からレベル×1体の傾国の鬼】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD : フアンの皆様お助けを!
自身が【身の危険】を感じると、レベル×1体の【支配された一般的な成人男性】が召喚される。支配された一般的な成人男性は身の危険を与えた対象を追跡し、攻撃する。
WIZ : 強制改心舞・悪
【世を魅了する美しさ】を籠めた【心への演舞】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【判断力】のみを攻撃する。
イラスト:FMI
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ブライアン・ボーンハート」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「あーはっはっはっ!わっちを此処まで追い詰めるとは、猟兵と言えどあっぱれである!だが、わっちは捕まらぬよ!このまま逃げ続けて紅顔の美少年とキャッキャウフフするんじゃ!」
不退転浅鬼・遊蛾を追い詰めた猟兵達。
だが、最後の最後で彼女はそらとぶ飛行船へと飛び乗ってしまう。定国少年の悲鳴が聞こえる。
涙目ポロポロしながら、助けを求める少年の姿。ちょっと胸がキュンキュンするのは一部の方のみだろうが。
「この飛行船ごと奪って、世界の果てまでランデブー!わっちの傾国ライヴはこれからよ!」
空を駆ける飛行船の上で高らかと笑う遊蛾!
このまま逃しては猟兵の名折れ。
さあ、定国少年を救い、傾国ライヴを阻止し、かの傲岸不遜な傾国ガアルを打ち倒すのだ!
アメリア・イアハッター
【空響】
言ってることはよくわからないけど、空に逃げたのはいい選択だと思うわ
私にとってね!
さぁ今度は私が運転ね、ワンワン
思いっきり行くよ!
UC発動
エアハートに乗り空を駆け、飛行船へ
飛行船ごと落とせば楽だけど、流石に被害出ちゃうかなぁ
出なさそうならやっちゃうけど、まずそうなら中に突撃だ!
飛行船内でもバイクのまま突破し、遊蛾の元へ
今度は船内荒れても気にしなくていいもんね!
ワンワンが降りたら敵の舞を見ないように高速でバイクを走らせながら敵を撹乱
隙があれば敵に突撃し、さらに可能であれば少年を攫い返そうと動く
ふん、あなたの舞より、私のダンスの方が断然楽しいわよ!
キミ!
本当に楽しい、空の旅へ招待してあげる!
フェーズ・ワン
【空響】
キャッキャウフフて
言う奴初めて見たぜ
ああ遠慮はいらねぇ、ぶっ飛ばしてくれていいぜアメリア
エアハートの後ろに乗り空へ
飛行船を落としていいならウィンズにやらせるが、そうもいかない場合は素直に突入
敵の元に辿り着けば、バイクから降りて対峙
後でちゃんと拾ってくれよ
付いて来させたLookに少年の場所を調査させ、見つかればアメリアに報告
その間、UCを発動し敵の聴覚を破壊する
一時的にでも耳が聞こえなくなれば、バイクが来る方向も分からないだろうし、そちらに気を向けば今度はこちらの攻撃も当たりやすくなるだろう
ということで、自身も射撃を加える
もし少年を浚えたらさっさと逃げよう
3人乗りは狭いが我慢しろよ男の子
大正の世にして空に舞い上がる飛行船は、憧れである。空の旅というものは優雅でありかつ気品あふれる特権階級の者たちでなければ味わうことのできない贅沢というもの。
だが、空を行くということは何者にも縛られない自由なものであるがゆえに、誰しもが空へ舞い上がれば立場も地位も何も関係がなくなるのだ。
不退転浅鬼・遊蛾もまたその一人である。というより、彼女にとって空とは自由の象徴ではなく、舞い上がる煙のように扇がれれば扇がられるほどに舞い上がるものであるので、猟兵たちが感じているものとはまた別種のものであった。
「良い眺めじゃ!そうじゃ、今度は空からのゲリラ傾国ライヴというのも一興じゃのう……そうは思わぬか坊や」
遊蛾が小脇に抱えた少年に語りかける。紅顔の美少年でる定国少年を攫ったときは、地位も品格も容姿も全て揃った小憎らしい坊主と想っていたのであるが、こうやって長いこと逃走劇を繰り広げてきたところ、なんとなし彼の美少年っぷりにあらぬ性癖が目覚めたのかも知れない。
なんかねっとりしとる!視線が!
「いってることはよくわからないけど、空に逃げたのはいい選択だと思うわ!」
「キャッキャウフフて。言うやつ初めて見たぜ」
二人の声が重なる。アメリア・イアハッター(想空流・f01896)とフェーズ・ワン(快音響・f06673)の声だ。
二人がアメリアの宇宙バイク……エアハートにタンデムを決めて飛び立つ飛行船に突っ込んできたのだ。
飛行船ごとオブリビオンである影朧・遊蛾を落としてしまえれば楽ではあるのだが、流石にそれは街への被害もある。今回は見送らねばならないがゆえに、客室に突っ込んできたのだ!
「もちろん、私にとってね!」
アメリアがエアハートごと突っ込んできた客室は騒然とする。こんな強硬手段に打って出てくるとは遊蛾も思っていなかったのだ。
驚愕する遊蛾。なぜなら、外から見ただけでは自分たちの居る客室がどこであるかわからないはずだ。
「な、何故ピンポイントでわっちらの愛の巣がわかったのじゃ!?」
愛の巣て。フェーズが思わずツッコミそうになるが我慢する。簡単なことさ、とフェーズがニヤリと笑うのだ。
「最初っからさ。お前がサーカスから逃げる時からずぅっと、俺の作ったメカたちにお前を追跡させてたんだからな。簡単だったぜ、オブリビオン。坊主、耳塞いどきな?」
フェーズの作ったメカたち。
彼らの功績のよって、過たずに遊蛾を追跡出来ていたのだ。フェーズはサーチドローンであるLookを抱えて、さらに隼型半自律兵器ウィンズが客室内に突っ込んでくる。
「ぬぅ!妙なからくり使い!わっちの舞を見やれや!見惚れ、聞き惚れ―――!?」
だが、遊蛾の舞は舞われることなく、怪音波によって強制的に中断される!
ウィンズから放たれた怪音波は、フェーズのユーベルコード、D-Song(ディーソング)!
「いつもは歌うまいんだけどな。お前にゃもったいなくて聞かせらんねぇ!坊主にはまた今度な!アメリア!」
怪音波によって耳の機能を一時的にでも混乱させられた遊蛾。彼女に宇宙バイクの音は届かない。客室を縦横無尽に駆け回り、遊蛾を撹乱する。
「ワンワン!ナイスだよ!さあ、思いっきり行くよ!」
アメリアのユーベルコード、Sky Up My Heart(スカイアップマイハート)によってさらなる突撃能力と飛翔能力を得たエアハートが遊蛾に突撃する。
小脇に抱えていた定国少年を横からかっ攫うようにしてアメリアが奪い返す。
「ふん、あなたの舞より、私のダンスの方が断然楽しいわよ!」
アメリアのフライトジャケット姿は定国少年の瞳にどう映っただろうか。赤いきれいな人、と後に彼は語ることだろう。
それに数々のメカを手繰り、自由自在に……それこそ、自身の手足以上に信頼するフェーズの姿に憧れたことだろう。
定国少年をエアハートの後部座席に跨がらせて、アメリアは言う。
「キミ!本当に楽しい、空の旅へ招待してあげる!」
にっこり笑うアメリアの姿に少年は頬を染めるだろう。あまりにも魅力的な誘い。あの大空を自由に駆けることができたら、どんなに楽しいだろう。
アメリアの宇宙バイクは飛行船の外に出て飛び立とうする。
「おっと!さっさとずらかるなら、俺も忘れるんじゃない」
エアハートに3人乗りはちょっとキツいかもしれないが、我慢しろよ男の子、とフェーズが笑う。
窮屈だけれど、安心する窮屈さだと定国少年は思った。だが―――
「ぬぅ―――!猟兵どもめ!坊やはわっちのものじゃー!」
遊蛾の帯が伸び、定国少年を再び取り返す!
一進一退のオブリビオンと猟兵の攻防!紅顔の美少年を巡る戦いは、まだまだ火蓋を切られただけに過ぎなかったのだった―――!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リカルド・マスケラス(サポート)
『正義のヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
得意なのはサポートで、NPCに憑依(ダメージはリカルドが請け負う)して戦わせたりも可能
接近戦で戦う場合は鎖鎌の【薙ぎ払い】と鎖分銅の【ロープワーク】による【2回攻撃】がメイン。
遠距離戦では宇宙バイク内臓のビーム砲で【薙ぎ払い】
その他状況によって【属性攻撃】や【破魔】等使用。
猟兵や戦闘力のあるNPCには【跳梁白狐】で無敵状態を付与できる。
大正の世、続くサクラミラージュの帝都。
そこでは日々様々な催しが行われている。サーカス団もそのうちの一つであり、公演される芸事は大盛況を見せていた。そこより拐かされたるは、帝都の要人の息子である定国少年。
彼の家柄は言うまでもないのだが、彼自身が見目麗しい紅顔の美少年。
彼を誘拐したのは、影朧、不退転浅鬼・遊蛾!要人の息子である定国少年を攫うだけに飽き足らず、彼自身の魅力に独占欲が湧き上がった遊蛾!
飛行船で逃亡を図る遊蛾。それを追う猟兵。
一度は猟兵によって救出されたが、再び奪われてしまったのだ。
伸ばした帯が定国少年を引き戻す。
「ああ、わっちの坊や!今度こそしっかりと……」
だが、その帯が最後まで引き戻されることはなかった。途中で帯が寸断され、定国少年を引き剥がす影があった。
その影は狐面をした人影。額の面に数字が刻まれたそのものは、定国少年を抱えて飛行船の外に飛び出す。
「正義のヒーローの登場っすよ~」
ゆるっとした声が飛行船に響き渡る。その声の主は、狐面を斜めにかぶった青年だった。
そして、定国少年を救ったのは、彼のユーベルコード、忍法・霧影分身術(ムエイブンシンジュツ)によって生み出された分身!その分身の一体が彼をガードしている。
「さあ、悪党はさっさと骸の海へと帰ってもらうっすよ~!」
「な、なんと!ファンの皆様助けてたもれ~!」
遊蛾も負けてはおらず、彼女の悲鳴を聞きつけた彼女のファンの一般男性がワラワラと飛行船内から湧き出してくる!
だが、リカルドも負けては居ない!
彼のユーベルコードによって生み出された分身は72体……!1体は定国少年のガードについているとは言え、リカルド本人も含めれば、どちらにしても72体……!
圧倒的な数によって、次々と一般男性たちは取り押さえられていく!
「相性が悪かったっすね~!」
リカルドの放った分身たちが、一斉に遊蛾を定国少年から引き離すべく、殺到する!
分身たちにもみくちゃにされるようにして遊蛾がたまらず飛行船の外にへと逃げ出す。
「あ~……このファンの男の人達の処理って、もしかして自分がやらないといけないっすかね……?」
ちょっとげんなりしたリカルドであったが、定国少年の確保は無事にできた。面倒くさいが、こればかりはそんな役回りだと思ってやるしかないのだった。
成功
🔵🔵🔴
カズマサ・サイトウ(サポート)
普段の口調は「あっし、お前さん、でさぁ、ですぜ、だよ、ですぜ?」、お偉いさん「わたくし、~様、です、ます、でしょう、ですか?」
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、連携の際はライオットシールドで味方をかばう優先。
基本的に己の能力を武器として使用し手に負えない状況にUC使用。
防衛系の戦闘の場合は守備を優先。ただの殲滅の場合、単独または味方が援護系なら突撃する。
近接攻撃を主とする味方が多い場合はライオットシールドで防御しつつ囮になるように行動する。
ガスマスクを装備し耐毒能力を底上げ。
帝都を騒がす影朧の姿は数あれど、傾国ライヴによって混乱に落とす影朧といえば、不退転浅鬼・遊蛾もその一人である。
彼女が此度引き起こした騒ぎは、サクラミラージュの帝都の要人、その息子である定国少年をサーカス会場から拐かすという大胆不敵なるもの。
猟兵達の追跡を振り切らんと、カフェーを突き抜け走り、最後には飛行船にまで逃げ込んだのだ。
飛行船内では、定国少年を巡って猟兵たちが戦いを繰り広げ、奪ったり奪い返したりを繰り返した末、猟兵によって定国少年は無事に保護されたのだ。
さあ、後は不退転浅鬼・遊蛾を倒すだけだ!
「ぬぅ~!わっちの華麗なる傾国ライヴたる計画が水の泡じゃ~!」
遊蛾は飛行船の外殻まで逃げ出したは良いものの、さらに追撃を緩めないのが猟兵である。
骸の海へとオブリビオンを返さないことには、また新たな事件を引き起こされてしまうからだ。
ゆらりと飛行船の上に現れたのは、カズマサ・サイトウ(長きに巻かれる、おにぎり大好き風来坊・f26501)だ。
「さあ、あっしと殴り合いといきやすか……」
権力者には媚びへつらう風来坊であり、長いものに巻き付けろが人生の指針ではあるが、今回の誘拐された定国少年は要人の息子。
ある意味、カズマサにとっては一番のごますり相手なのかもしれない。故に、この事件は見逃せないのだ!
「黄泉路をも照らすこの魅力!わっちはまだ美少年とキャッキャウフフするのじゃ!」
遊蛾の影から呼び出された傾国の鬼たちが一斉にカズマサへと襲いかかる!
数は多いが、いわば苦し紛れの囮と同様程度の鬼たち。猟兵たるカズマサの的ではない。
彼のユーベルコード、風之拳(フージーン)が発動する。
彼の手の内にて生成圧縮される風がうねりを上げる。それは正しく風の拳である!
「先に血を見せるのは、お前さんだよ」
襲いかかる傾国の鬼たちへと打ち込まれる風の拳。それが鬼たちへとあたった瞬間、風が解放される事で強大な竜巻と真空の刃が生み出され、鬼たちを次々と巻き込んで切り刻んで霧散させる!
遊蛾が焦って、鬼たちを次々と召喚してけしかけるも、召喚される傍からマサカズの拳が見敵必殺と言わんばかりに粉砕していく!
「言ったじゃないかい。先に血を見せるのはお前さんだよ、と!」
彼の拳が遊蛾を捉え、風の刃がオブリビオンの体を切り刻んで飛行船の上へと叩き落とすのであった!
成功
🔵🔵🔴
月守・咲凛
SPDで戦闘、アドリブ他諸々OK。
追いかける側と追いかけられる側の立場が入れ替わっちゃいましたね。
遊蛾の前にガトリングの弾幕を撃ち込みながら割り込んで追撃を防ぎます。
うしろはおまかせです、ここは通しませんよー。
空中からガトリングとミサイルで牽制して逃げ切る時間を稼ぎます。徒歩と宇宙バイクなのでそんなに時間は要らなそうですよね。
あとは遊蛾です。
飛行船を撃ち抜く訳にも行きませんから、そのまま接近戦に移ります。
ムラサメユニットを引き抜いて二刀流チェーンソーで剣の舞です、遊蛾さんの流儀に合わせてこちらもクルクルと舞うような殺陣を繰り広げましょう。
支配された一般的な成人男性は傷付けないようにします。
ついに定国少年は無事に猟兵達の手によって取り戻された。
だが、未だ不退転浅鬼・遊蛾は健在である。これまで数々の妨害や逃走を繰り広げてきた彼女と猟兵たちであるが、ついに此処―――飛行船上において決着が付こうとしていた!
これで終わる遊蛾ではない。彼女のファンの一般男性たちが、どこからやってきたのか、ワラワラと彼女を守ろうとするかのように飛行船上に集まってくる。
そのガッツは一体どこから!?
「わっちの魅力はまだまだお付きぬよ!さあ、傾国ライヴはまだ終わらぬのじゃ~!」
不退転浅鬼・遊蛾。その名に恥じぬ不退転の覚悟。
「まだまだ坊やには追いつける!わっちの坊や!」
だが、その追撃は果たせない。遊蛾と定国少年の間に走るガトリングの弾幕!
フライトユニットを身に着けた月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)である!
「うしろはおまかせです、ここは通しませんよー」
彼女の構えたガトリングの銃口が遊蛾を狙うのだが、その彼女を守るようにして肉壁のように展開するファンの一般男性!
これでは彼らを傷つけてしまう。う、と咲凛が怯む。罪のない一般男性を傷つけるわけにはいかないのだ。
「わっちのほうが一枚上手よな!がとりんぐの銃撃もできまいて!」
「なら、接近戦で行くまでですよ!」
フライトユニットの出力があがる。光の翼のようなスラスターの噴射が帝都の空へと舞う。
肉壁となった一般男性たちの間を縫うように小さな体の咲凛が飛ぶ。
「だが、そんな大物のガトリングを振り回しては―――!」
そう、ガトリングでは一般男性に流れ弾が当たる可能性もある。それ以上に飛行船に穴を開けて落としてしまっては、帝都の街に大被害がでる恐れがある。
そんな彼女の躊躇いから生まれる隙を突こうとする遊蛾。だが、その目論見は見当違いだった。
一瞬の交錯。
咲凛のムラサメユニットから引き放たれた二刀流チェーンソーが、唸りを上げる!
「武装ユニット全開放!あなたの流儀に合わせて、こちらも舞い踊ります!」
彼女のユーベルコード、コード・アクセラレーターが発動する!
武装にプログラムされていた連続攻撃のパターンが走る!それはまるで、円を描くように舞い踊る妖精のような殺陣。
ファンの一般男性の間を縫うようにして、遊蛾だけを捉え続けるチェーンソー剣。その一撃一撃が確実に切り込まれていく!
「さあ、これでおしまいです!骸の海へとおかえりなさい!」
華麗なる舞のような連続攻撃は、チェーンソーのエンジン音と共に、帝都を騒がせた影朧、不退転浅鬼・遊蛾を骸の海へと返すのであった!
そして、遊蛾に乗っ取られていた飛行船と定国少年は無事に日常へと帰っていく。
猟兵達の駆け抜けた冒険活劇は、これにて終幕。
いずれまた影朧の跋扈が始まろうとも、何度でも猟兵たちは彼らを追い返すことだろう。
また冒険活劇は繰り返される。だが、それでも帝都の街は変わらずに咲く幻朧桜のように、猟兵達の活躍を待っているのだ―――!
大成功
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