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命がチップに変わる時(作者 逢坂灰斗
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●他人の命は賭けるべきものなのか
 『島』は、奇妙なルールにて崩壊の危機を迎えていた。
「……宜しい。貴方達の自由は認めましょう。ですが、失った『チップ』は頂きます」
 宇宙服のような名残さえ見えるデザインの服を纏った島民が、怯えている。
 代表者のようにテーブルに立っていた青年でさえも。
 また、まただ。俺が勝つまで何度も『勝たせて』くれなかった。
 チップはぎりぎり『全滅』を免れた。だが……

 後ろに集団で囚われていた島民が、『失った』チップの数だけ絶命していく。
 青年は降りようと何度も考えた。だが、自分が降りれば他の誰かがこの責を負うのだ。
「――さぁ、賭け続けましょう。貴方達の『チップ』が無くなるまで」
 それは、命を賭した賭事。ただし――全てはコンキスタドールの掌の上。

●自由の代価は他人の命か
「……名前に違わぬレベルだな、グリードオーシャンってのは」
 霧島・クロト(機巧魔術の凍滅機人・f02330)は眉間を揉みながら、
 集まってきた猟兵達に声を掛け、説明を始めた。
「グリードオーシャンのとある『島』で、正気を疑う『賭け事』が行われてやがる」

 クロト曰く、その『島』。宇宙船が海上に不時着したような『イグニスター島』は、
 現在、『賭け事』を得手とするコンキスタドールによって支配されているという。
「敷かれたルールは簡単だ。勝てばプレイヤーと『チップ』の自由が保障される」
 が、ディーラーは島民達をぎりぎり勝利させ、『チップ』を奪っているらしい。
「……無論この場合のチップってのは島民の『命』だ。このままだと島が全滅する」

 そこで、クロトは提案する。
『賭け事に大勝ちしてルールを真正面から破壊してほしい』と。
「ま、自信なきゃイカサマしてもいいぜ。今回ばっかりは人命優先だし」
 そうすれば、強さを認めたコンキスタドールが猟兵達と直接『賭け』を始めるだろう、
 と、彼は『たぶん』と言いたげな顔で伝えた。

「……で、申し訳ないんだが。俺が分かったのはそんな情報だけだ。
 どうも、グリードオーシャンでは正確に予知が『働かない』みてーだ」
 クロトも何度も記憶を思い返したらしいが、光景はノイズまみれ。
 現地の『風の噂』と照合しても半信半疑を拭えぬ状況らしい。
「こんな情報で送り出すのも申し訳ねぇが、それでも『無いよりはマシ』だ。
 最悪な賭け事の目論見を絶対に叩き潰して来てくれよ」

 クロトがグリモアの転送術式を試すも、そちらも巧く働かず。
 観念した彼が集まった猟兵達に、叫ぶように告げた。
「どうも転送も制限されてるらしい! 悪いが現地へは鉄甲船で乗り付ける!!
 船酔いの対策はしたな? それじゃあ、『船から落とされんなよ!!』」





第3章 ボス戦 『狡猾なるベルガン』

POW ●ブラインドベット
【カードシャッフル】を披露した指定の全対象に【賭けで決着をつけるべきという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
SPD ●ノットフォールド
【博徒としての歴戦の勝負勘で】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ ●ゲームスタート
【メガリス『ドットダイス』】を降らせる事で、戦場全体が【賭博場】と同じ環境に変化する。[賭博場]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エルディー・ポラリスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【MSより】
・【賭け事】で挑む人はルールが変わりますので
 【賭け事】をプレイングに付けて下さい。内容的には1章みたいな感じです。
 ゲームを完全におまかせするよりは指定が合った方が楽しめるかも知れません。
・そうでなければ通常通り戦って下さい。

●支配者の拓く『盤上』
「いやはや申し訳ありません――饗しに不十分な者ばかりで」
 討ち果たされた部下達を切り捨てるように、男は恭しく詫びを告げる。
「名乗らせて頂きます、私は『狡猾なるベルガン』――賭けを取り仕切る者でございます」

 その男の周囲を揺蕩うダイスは、まるで男を『取り込んだ』かのような輝きを放つ。
 きっと、そのダイスこそがメガリスで、男を試練で『殺した』存在なのだろう。
 故にココから始まるのは一方的な試練(かけ)とも言えるし、
 コンキスタドールの盤上とも言えるだろう。

「それでは、どなた様もお楽しみ下さいませ」
「その命が潰える最後まで」
「『無限』に 賭けを」
ニィエン・バハムート
メガリスの試練という賭けに負けて命を落とした被害者が他者にも同じ理不尽を強いている……笑えない笑い話ですわね。
とはいえ私はゲームは得意ではありませんし…そちらは他の方々に任せましょうか。

まずは島の人々を苦しめた絶望の象徴であるこの悪趣味な賭博場を壊させてもらいますの!
UCを発動し大地震の波動による【衝撃波】の【範囲攻撃】で賭博場をぶっ壊して建物ごとぶっ潰してさしあげます。
歴戦の勝負感とやらで災害による無差別な広範囲の大破壊をどうにかできるものか試してみるといいですわ!
私自身は崩れる建物の瓦礫を【怪力】で【なぎ払い】防ぎますの。

大地震に巻き込まれて無事でいられるか、賭けてみるといいですの。


●忌まわしき物への鉄槌
 ――笑えない話だ。
 この世界におけるメガリスは、一様に『試練』を齎す。
(メガリスの試練という賭けに負けて命を落とした被害者が、
 他者にも同じ理不尽を強いている……笑えない笑い話ですわね)

 ニィエン・バハムート(竜王のドラゴニアン(自称)・f26511)は真っ直ぐに、
 その賭けに負けたであろう『支配者』に向けて、視線を向ける。
「どうやら、貴方自身は『お得意』ではない様子」
 その内心を見抜くかのように、ベルガンは柔和な表情のままに告げるが、
 彼女の意志は揺るがない。この悪辣を砕かんと。竜王の名において――
「ええ、私は得意ではありませんが――
 壇上に上がってきて頂けたなら、私の『やりかた』で饗して差し上げますわ!!」

 その瞬間、島が今までにない強い揺れの下に晒される。
 狼狽する島民達にも聞こえるように、強く、高らかに告げる。
「皆様、お下がり下さいませ、この場所を『砕き』ますわ!!」
「――宜しい! やってみるとよいでしょう!!」
 島民達が退避を完全に終えた瞬間、賭博場に亀裂が入る。
 この島に根付いた悪意を砕くように、彼女の司る力が、差し込まれた。
「……ふふふ、成程、これはとてもスリリングな賭けですね」
 そんな最中でも余裕を見せるベルガンに、ニィエンは表情を崩さない。
 こんなもの、賭けの歴だけでいなせると思われたくはない。
 この裁きは――『お遊び』ではない。
「ですが、天災とはゲームではありませんわ。貴方の思っている以上に――」
 ……理不尽、ですの。

 彼女は酷薄に、事実のみを告げる。
 倒壊パターンなど、全てが『読み通り』に行ったのならば、
 半壊した部屋の中で無傷に済んだであろうか。
 だが、シュミレーション通りなど、天災の前では存在し得ない。
 一つ歯車が狂えば、連座のように、全ては崩壊する。
 死角より、このタイミングで崩れる筈のなかった外壁が、直撃した時。
 男は知ることになる――

 この島から、自らの敷いたルールが、剥がれ始めている事に。
成功 🔵🔵🔴

月凪・ハルマ
この期に及んで尚、ギャンブルがしたいって?

……なら、最期まで付き合ってやるよ

◆SPD

ゲームは1章と同じくポーカーを選択

今回は1ゲーム毎に敵→自分→敵、という形で
交互にカードを配る役を変える形で

まず早々に【瞬身】を発動

敵がカードを配るターンでは、敵に気付かれない様に
カードの角を僅かに曲げたり汚したりして目印を付けて
同時にカードの内容を記憶しておく

自分がカードを配るターンでは、敵ターンで記憶したカードを
【早業】で自分の方に出来るだけ高い役ができるように振り分け


おたく、実はそんなに賭け事に強くないだろ

そうじゃなかったら、そもそもメガリスの試練(賭け)に負けて
コンキスタドールになんてなってないもんな?


●『賭け』に負けたもの
「この期に及んで尚、ギャンブルがしたいって?」
 最早、この島に根付かされていた賭場の崩壊は決定的な物であった。
 だが、月凪・ハルマ(天津甕星・f05346)は見抜いていた。
 この男は、最後まで『賭け事』に興じるつもりであるのだと。

 瓦礫の中から立ち上がったベルガンは、笑みを崩さない。
 むしろ今までにない悦をその笑みから零さぬように隠し通しているかのようで。
 相手がその気でいるのならば、壇上に立ってやるのも悪くないだろう。
 ディーラー達と比べ、止めるつもりのないその表情を見据え、彼は相対する。
「……なら、最期まで付き合ってやるよ」

 ゲームは最初と同じ。ただ一つ違うのは、配り手を『入れ替えながら』進めること。
(イカサマをしないという可能性は無くはないが――)
 素早い目視と、目印の仕込みをしながらも、彼はやりとりを続ける。
 向こうも『その気になれば』最上級の札を掻き集めることなど造作ないのだろう。
 現に、声を荒らげることもなく、全てに気付きながら笑んでいたとしたら。

 だが、その技術と勝負感の最中で、女神が微笑んだのは、ハルマの方だった。
「……ふむ、揃いませんか。やはり同じ壇上に立つだけの『技術』はあるようですね」
「気づいただけじゃ、何もならねぇけどな?」
 答えの代わりに、突きつけられた札はハルマ自身が作為的に割り振った、最上級の役。
 ――ロイヤル・ストレート・フラッシュ。
 ここまでのゲームのやり取りで仕込み続けた、直接目視出来ぬ『傷』が、
 この瞬間に、ハルマの手元へと収束したのだ。

「……おたく、実はそんなに賭け事に強くないだろ」
 ハルマの問いかけに、コンキスタドールの態度は崩れない。
 だが、彼がそういう存在である以上、通過してきた真実は確かに存在している。
 『メガリスの試練』という賭けに敗れた存在である、ということ。
 彼がばら撒く災禍は、その一瞬の理不尽の断片なのかもしれない……が。

「さぁ、どうでしょうね。賭けに強くとも、『偶然』程引き寄せ難い物もないですよ」
 薄く笑った彼の表情の向こうの『真実』は――
 ……今となっては、過去に埋もれて見えぬものだが。
大成功 🔵🔵🔵

七星・桜華(サポート)
『天魔御剣流免許皆伝、だからこそ更なる高みへと。』
『一か八かの勝負?そんな事しなくても私達の勝ちだね!!』
『勝った後は派手に騒ぐんだ!誰一人として倒れないようにね!!』
とある隠れ里に伝わる戦闘術の免許皆伝。
残像を攻撃と防御の両方に使い腰に挿している5振りの刀を使い戦闘する。闘う姿は舞っているかの動きで空中戦もできる。第六感や野生の勘と言われる直感も鋭い、また見切りの速さも早い。
怒ると殺気が残像にまで残る程の濃密加減。戦闘において常に最善策を最短で気づき勝ってきた。
鎧等を無視した内部破壊系攻撃が当たり前のようにする。
敵の消耗と自身の回復に生命力を吸収する。


●賭けるに値せず
「一か八かの勝負? 勝負感に本当に優れてるってなら『退くべき』だったよね、最初から」
 七星・桜華(深紅の天魔流免許皆伝・f00653)は闘気をゆらりと纏わせて、支配者の眼前へと歩み出る。
「ですが『決まりきった』事ならば勝負にはなりません。ならば立ち続けるのも道理でしょう?」
 男は新たな存在を歓迎するかのようににこやかに笑う。
 互いの笑みは表面上こそは同種であろうが、うちに抱えた感情は非なるもの。

「そう思うのかもしれないね、アンタは。でも私はそうは思わない」
 ベルガンの言葉を一蹴するかのように彼女は告げる。
 彼女は自分の強さにも自負があるが、それ以上に結末が『見えて』いたから――
「そう、この勝負は『決まりきってる』から勝負にならない」

「そんな事しなくても――」
 その斬撃は一瞬。抜けば刹那の速さで『結果』だけを示す。
 賭博場の主は勘に頼ることも出来ずに、身体の反応すら追いつかず。ただ分かりきっていた事実に討ち果たされる。
「……『私達』の勝ちだね!!」
成功 🔵🔵🔴