腹が減っては戦はできぬ!
●調理上手は冒険上手
「みなさん、調理実習のお時間です」
ナイアルテ・ブーゾヴァ(フラスコチャイルドのゴッドハンド・f25860)が笑顔で猟兵たちを出迎える。いつもよりニコニコしているのは、どうしてだろうか?
「はい、今回はアルダワ魔法学園での臨時教師となっていただくお仕事です。大魔王は倒れ、アルダワ魔法学園の本来の目的は達成されましたが、この世界での優秀な人材を育成する学園としての役割は失われていません」
そう、大魔王は倒され、当初の目的は達せられた。だが、学園として残っている以上、その育成機関としての働きは今後も、この世界のためには必要なものだろう。
優秀な人材を育てれば、それだけ世界も良いものへと変わっていくはずだからだ。
それ以上に、大魔王を打倒した英雄「猟兵」に教えを乞いたいと願う者たちは多い。一般の学生たちはもちろんだが、世界各国の有力者や、その子弟たちはこぞって猟兵の経験と教えを受けたいと殺到しているのだ。
「皆さんは、この世界にとって英雄である以上に、非常に優秀な冒険者でもあるのです。そのノウハウを吸収したいと思うのは、当然の成り行きなのかもしれません。そうでなくてもですね……その、生徒さんが多くなりすぎて、教師陣の方々が悲鳴を上げているのです。おーばーわーくなのです」
そう、想像を超える生徒たちが押し寄せたせいで、アルダワ魔法学園の教師たちは、一コマの講義を終えるだけでも疲労困憊してしまうのだ。
更に言うと、明日の講義内容の立案に細々した雑事に追われてしまって、ブラック企業もかくやという言うほどに仕事が山積みになってしまっている。このままでは先生たちの健康面でもよろしくな。
「ですので、皆さんには臨時の教師となって、増えすぎた生徒たちに講義を。そして、実際に迷宮へと引率し、災魔の残党の撃破をして経験を積ませてほしいのです」
頭を下げて微笑むナイアルテ。わずかに楽しそうなのは、学校というものに憧れがあるからだろう。
もう一つ注意点が、と指を立てる。
「その、皆さんが受け持つ生徒さんの中に、何人か、問題児さんがいらっしゃるようなのです。元から親里を離れてやってきた生徒さんたちなのですが、ホームシックを妙な方向に拗らせてしまって、やんきー?になってるそうなんです」
ヤンキー。え、不良?魔法学園なのに……?
「寂しさから来るものだと思うのですが、元は素直な心根を持つ方々です。どうにか、更生させていただきたいのです。そうすれば、彼らも率先して迷宮探索にも協力的になると思うのです」
それにはまずは胃袋です!とナイアルテが意気込む。なんて?
「ですから、胃袋を掴んでしまうのです。そう、同じ釜の飯を食う、という言葉もありますから。共に寝食をともにすれば、自ずと心を開いてくださると思うのです。それに、迷宮内では保存食ばかりになってしまいますし、冒険の最中でも美味しく調理ができるようになるというのは、きっとプラスになります」
それに丁度いいことに、調理実習の臨時教師が足りていないということもあって、タイミングがいいのだ。
ナイアルテは再び頭を下げる。微笑みながら頭を上げて、これから始まるであろう少しの間ではあるが、教師生活をエンジョイして欲しいと猟兵たちに頼むだった。
海鶴
マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
アルダワ魔法学園でのティーチャーワークです!教育実習っていい響きですよね……今回は臨時教師としてのお仕事ですが。
戦後のアルダワ魔法学園において、皆さん猟兵が教師としての熱弁を振るっていただくシナリオになります。
●第一章
自己紹介から入り、調理実習の内容を決めてプレイングをお願いいたします。
オープニングにある通り、問題児が数人存在しています。見た目、昭和の不良のような「!?」な感じの生徒さんたちです。
調理実習には参加していますが、邪魔をしたりすることもあります。無視してもいいですが、彼らを上手に更生させつつ調理実習を行えれば、第二章以降、彼らが協力的になるボーナスもあります。
●第二章
生徒を引率して、迷宮探索になります。
比較的安全な迷宮探索で生徒たちに実際に迷宮を経験させて、場数を踏ませるのが目的です。
ですので、トラップは生命を脅かすものではりません。
具体的には、水鉄砲トラップです。当たるとびちゃびちゃになって、スケスケ濡れ濡れの生徒たちにはラッキーなイベントになるやもしれません。いいぞ、もっとやれ!
風邪引かないように気をつけましょう!
●第三章
ダンジョン内に残っている災魔、オブリビオン退治になります。
集団戦になりますので、サッドニオンという玉ねぎ型のオブリビオンが襲いかかってきます。第一章の調理実習を踏まえた上で戦うことのできるありがたい敵ですね。
生徒たちも戦闘に参加しますが、あまり無理はさせられません。戦闘経験を積ませる目的ですので、なるべく危ないことをしそうになったら、守ってあげてください。
戦後のアルダワ魔法学園ですが、少しゆるふわっとした雰囲気のアットホームなシナリオになります。ギャグよりに走るプレイングのほうが楽しいかもしれません。
普段よりもハジケてもいいですし、生徒たちとの楽しいふれあいをしていただけたら、よろしいかと思います。
今回もいっぱいがんばります!
第1章 日常
『アルダワ的調理実習』
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POW : レシピなんて見なくても気合いと間隔で料理できるさ!
SPD : 料理もスピードがいのちだよね!
WIZ : 料理は科学だ。正確に計量して料理する、
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
鈴木・志乃
(鼻歌歌ってる)
鈴木です、よろしくお願いします
無難だけどカレーにしますか!
食材煮込んでカレールー突っ込むだけ
ルーは香辛料で日持ちするし、大体何入れても美味しい
どんだけ料理下手でもなんとか美味しく作れる素晴らしいレシピです
せっかくなんで一部魔法を使いましょーか
迷宮にも調理器具全部持ちこめないしね
邪魔してくる子と話せるかな
……私実はカレーとシチュー苦手なんだよね
義母がよく作って私にも教えてくれたんだけど
義母がある日戦いに出ることになって
カレー作って待ってるねって、私家でお留守番したの
帰って来なかった
カレー腐らしたよね、何日も待って
あ、泣きそ
ご飯食べれるって幸せなことだよ
一緒に食べてくれないかなぁ
アルダワ魔法学園に予鈴の音が響き渡る。なんだか懐かしさを感じさせるような、そんな不思議な音色。
調理実習の教室は複数に分けて行われている。それだけアルダワ魔法学園に今生徒が殺到しているのだ。あちこちの教室はすし詰め状態。学校経営をしているのなら、万々歳だろうが、流石に度を越すと忙しさの方にばかり目立ってしまう。
そんなアルダワ魔法学園も臨時の教師を雇うことになった。それも猟兵をだ。大魔王を打倒した英雄たる猟兵から直々に授業が受けられるとあって、大好評なのだ。
鈴木・志乃(ブラック・f12101)が受け持ったのは、ある一つのクラス。迷宮内でも美味しく調理できるようにと設けられた一コマだ。
「鈴木です、よろしくおねがいします。早速ですが、無難にカレーにしますか!食材に混んでカレールー突っ込むだけだし、簡単で味覚もはっきりしますからね」
それにどんだけ料理下手でもなんとか美味しく作れる素晴らしいレシピです、とウインクする鈴木先生。
こんなキレイな先生がいたらどんなに学校生活楽しいことか……!
じゃあ、早速!と意気込んだのはいいものの、件の問題児からやじが飛ぶ。
「せんせー!彼氏いるんですかー?つーか、カレーって。臭いきつくてダンジョン内カレー臭でいっぱいになっちまうよー!」
頭にフランスパン乗っかってるのかと思うほどに見事なリーゼントの男子生徒だ。事前に聞いていた何人かの問題児の一人というのは彼なのだろう。
周りの生徒も、異様な風貌もあってか、注意しづらいのだろう。それも相まって余計に孤独を強めている。
「あはは、どうですかね?でもカレーの臭いに警戒する災魔もいるかもしれないし、何より密閉空間に何日もいると感覚が鈍くなりますからね。香辛料のスパイシーな香りって、結構脳を刺激して、感覚を鈍らせないためにも有効なんですよ」
そう説明されては、言い返せない問題児。そのまま黙ってしまうも、気を取り直して実習はじめます、と志乃が仕切り直すと、生徒たちは一様に楽しそうに調理を始める。
ますます孤立してしまった問題児は、仏頂面になってしまったが……
そんな彼のそばに志乃が近づく。一緒にやろうと手をとって教えていると、彼女がとつとつと語りだす。
義母のこと。戦いに出て帰ってこなかった義母のことだ。
カレーを作って待ってるねって。約束したのに帰ってこなかった。きちんとお留守番していたのに。言うこともちゃんと聞いていたのに。
これからもずっといい子でいるからと、何度も願ったけれど、結局帰ってこなかった。
あのときのカレーは、腐ってしまった。鍋の中で腐るあの臭いが、未だに思い出されて苦手なのだと志乃は語る。
「だからね、ご飯を食べれるって幸せなことだよ。一緒に食べる誰かがいるっていうのもね」
ぐす、と鼻が鳴るのは志乃か、問題児か。もしかしたら、二人共だったかもしれない。
「さ、一緒に食べよう?」
彼女の言葉が、問題児の心の澱を溶かすのに十分な暖かさだったのは、言うに及ばず、だろう……
成功
🔵🔵🔴
テト・ポー
ごはん食べ放題と聞いて!
え? 作る方なの? なあんだ。
……凝ったものは作れないけど、やってみようか。
えー、じゃあ、自己紹介から?
テト・ポーだよ。
今日はお肉焼いたの作るよ。
適当な獲物を狩ってきて、さくさく捌いていこう。
いい感じに塩コショウまぶしてじゅわっと焼いて出来上がり。
敵の死体を放置すればヤバいときもあるし、毒がなさそうなら食料の温存もできて一石二鳥ってね。
なに、邪魔する気?
別にいいけど、ごはんというのは万物の根元なんだよ?
全ての道はごはんに通じ、またごはんの道は全てに通じる。
すなわちごはんを制するものは全てを制す。
あなたも制してみない?
ごはんを制すためには他の学習も大事になってくるけどね。
ご飯とはなにか。それは哲学。
食料なしには生物は存在できず、他の生命をいただくことによって、人間は生命を持続していくことができる。
そんな当たり前のことを今更、とテト・ポー(腹ペコ野郎・f21150)は思ったが、まあ、頼まれた臨時の教師の仕事というのも悪くない。だって、ご飯食べ放題でしょ?え、いや……違いますけど?学園の生徒に調理実習をお願いしたんです!
なあんだ。明らかにやる気が無くなってますけどぉ!?
「えー、じゃあ、自己紹介から?テト・ポーだよ。今日はお肉焼いたの作るよ」
すんごいざっくりしてるー!?え、マジで?マジでそんなざっくりした感じなの!?とアルダワ魔法学園の生徒たちはざわつく。
世界を救った英雄である猟兵といえども、彼らの想像以上の人間性を備えた者たちばかりなのだ。これくらい序の口である。もっとすんごいのもいるって言っても、今目の前にいる青年の姿を見ても信じられなかったかもしれない。
「じゃあ、適当な獲物を狩ってきて、サクサクさばいてこう。はい、ここに用意したのがあるから、みんなはそれをさばいてね。やり方はー……うん、僕のを見ておいて。よく見ていないと大変だからね。ほんとは血抜きから教えたかったけど、なんかみんなすでに……あ、うん引いてるね。わかる」
災魔などを倒した経験はあっても、こういった生き物を捌くという経験は皆無なのだろう。どの生徒も若干、及び腰になってしまっているが、テトの物怖じしない物言いや、態度、教える方法というのは、案外腹を決めてしまえば、身についてくるものなのだ。
「いい感じに塩故障をまぶしてじゅわーってやれば、出来上がり。てきとーに見えるけど、胡椒は肉の匂いを消す役割があるから……まあ、塩は味付けだけど、胡椒の後でいいよ。此処らへん好みだよね」
案外しっかりとした理屈で教えられて、生徒たちもようやくテトの実習に慣れてきた……だが、一人。問題児がいると事前に教えられていたような、そうでないような……いや、おる!一人だけすんごくやる気がないどころか、他の生徒の邪魔をしている女生徒が。
彼女にツカツカ歩み寄るテト。がし、と両肩を掴んで今までのぼんやりしていた表情が消える。
「邪魔するのはいいけど、ごはんというのは万物の根源なんだよ?すべての道はご飯に通じまたご飯の未知は全てに通じる。すなわちご飯を制するものは全てを制す。わかるよね?あなたの体も他の人の体も、ごはんで出来ているんだよ?」
はやい!早口すごい!圧倒的なまでのごはん道へのリスペクト!テトのごはん道は、女生徒の改心を引き出すには十分すぎるものだった。
「ま、ごはんを制すためには、他の学習も大事になってくるけどね。それは次の授業で」
うん、でも次の授業は水鉄砲トラップなんだ。
果たして、ごはん道は水鉄砲トラップも制することができるのか―――!
成功
🔵🔵🔴
触叢・アン(サポート)
『なんなぁ、どしたんなぁ』
スペースノイドのスターライダー×スピリットヒーロー、20歳の女です。
普段の口調は「方言(わし、おめー、じゃ、なぁ、じゃなぁ、じゃろか?)」、仲間には「やっぱり方言(わしゃ、おめー、じゃ、なぁ、じゃなぁ、じゃろか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。基本的に効率重視で、他人の目や評価を一切気にしません。羞恥心もありません。身も心も自由ならそれで良いのです。あと、宇宙原付ですぐ轢き逃げします。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
アルダワ魔法学園では、今日も授業は大盛況である。
大魔王が倒されたとはいえ、未だ迷宮へ潜る学生たちの需要はあり、優秀な人材を求める声は多い。彼らを育てて行くことこそが、この世界のより良い方向へ向かうために必要なことなのだ。
特にアルダワ魔法学園では今、猟兵による臨時実習が盛んに行われている。
猟兵といえば、この世界を救った英雄だ。その英雄の一人に教えを乞うことができるとうのは、値千金、一コマの講義であっても、さらに充実した経験になるであろうことは容易に想像できる。
その調理実習の講義もまた、その一つであった。
まあ、なんていうか、触叢・アン(銀河疾風・f01011)の格好を除けば。
高身長な女性であり、スタイルも素晴らしい彼女。けれど、そのフルフェイスなヘルメットがどうにも、そのぉ……えっと、ちょっとびっくりしてしまう。
ただ、猟兵はどんな姿でも違和感なく受け入れられるのだから、あまり意味はないのだが、よく考えるとすごいことだ。
「なんなぁ、んでなぁ、こうやって、じゃーってやって、どばーってやるじゃろ?そんでもって、こうやって、あーやって、ほうじゃー!」
どゆこと!?あまりにもざっくりしたアンの講義。
最初は、みんな真面目に聞いていたのだが、マイペースな調理実習は、難解を極めた。
独特な方言は、それだけでもう難しい。更にマイペースにざっくりとした説明なので、メモを取ろうとしても、自分が何を書いていたのかわからなくなってしまう生徒が続出したのだ。
「んー、しゃないのぉ。ほれ、せんせぃの言う通りにするんじゃぁ、ほれ、こうやってのー」
アンの講義は続くのだが、生徒たちに手取り足取り教える講義は、案外身についていくものだ。逆にこちらのほうがいいのかもしれないという程にアンの講義を受けた生徒たちは、その後、非常に優秀な調理をする冒険者として有名になっていくのだが、それはまた別のお話。
「ほーじゃ!そんな感じ、そんな感じじゃぁ!」
話は変わるのだが、方言をしゃべる女子ってかわいいよね。わかる。すごくいい。
生徒のみんなもそう思っているようで、スタイルの良い高身長の女性(ただし、フルフェイスヘルメット)は女生徒たちにも人気だ。
問題児もなんていうか、快活なアンの性格にすっかり心を解きほぐされて、いつのまにか授業の邪魔もしていない。すごいな、方言女子……!
で、調理実習では、なんの料理を作っていたのだろう?
「おん?料理の名前?闇鍋じゃ!」
それ料理っていうか、ただの仲良しイベント―――!
成功
🔵🔵🔴
第2章 冒険
『トラップを避けて進め』
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POW : 風邪なんて気にしない、濡れるのも気にせず最短ルートを直進、寒さは気合で吹き飛ばせ
SPD : 反射神経を駆使して回避しながら進む
WIZ : 発射される水鉄砲の間隔を覚え華麗に通り抜ける
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
無事にアルダワ魔法学園の調理実習は終わりを告げる。
しかし、調理実習が終わったからと言って、猟兵たちの臨時教師の仕事が終わったわけではない。
次なる試練は、キャッキャウフフ水鉄砲トラップ、だ!
迷宮の中でもさらに簡易なトラップに囲まれた場所は、迷宮内のトラップになれるという意味では最適なのかもしれない。
実際に罠がどのような配置で、どのような仕掛けになって、どのような条件で発動するのか、身を持って体験できるからだ。
それに通常であれば、生命の危険に晒されてしまうものも、ここではただの水鉄砲だ。生命の危険はない。
だからこそ、ここが選ばれたわけだが……ただまあ、そのぉ……ね。水鉄砲がびゅーって来るってことはぁ……当たるとぉ、その、でへへ!って感じになっちゃうわけですよ。
具体的にはぬれぬれすけすけなラッキーなやつ!言わせんな恥ずかしい!きゃ!
さぁ、猟兵たちよ、立ちふさがるトラップを生徒たちと乗り越え、いざゆかん迷宮の深部へ!
テト・ポー
なるほどね、水鉄砲……
逆に言えば今回は濡れるだけで済むなんてらっきーだよね。
さあ、ごはんを制すために必要な「空腹」を作り出す時間だよ。
僕はUC「食欲の主張」を使わせてもらうけど、みんなは気合いで頑張ってよね。
こうして集中してばびゅっと避けて、お腹を空かせていくんだよ。
お腹すいたね!
……え? 普通に濡れてるじゃんって?
まあ、僕は防御型……すなわちタンクだからね。
先陣をきって敵の攻撃を受けてなんぼのところがあるんだよ。
最短ルートを攻めすぎて避けきれなかったんじゃないからね……ほんとだよ……(目をそらしながら)
実戦では武器や防具にうまく当てて弾いたりしようね。
腹ペコ野郎との約束だよ。
アルダワ魔法学園の地下迷宮は、想像以上に広大だ。広大すぎて、時折、なんでこんなトラップの迷宮が……?と首を傾げたくなるものだってある。
こんかい臨時教師として参加する迷宮も、その一つだ。
題して、キャッキャウフフ水鉄砲トラップ、だ!
……言うまでもなく致死性はないトラップばかり。こう多少濡れて風邪引いちゃうかもしれないっていう可能性がある程度なので、今回は気楽と学生たちも思っていたのだが……そこは、テト・ポー(腹ペコ野郎・f21150)先生の授業だ。一筋縄で行くと思わぬことだ!(ばーん!)
「さあ、ごはんを制すためには必要な「空腹」を作り出す時間だよ。空腹は全てのごはん道において、史上最高の調味料だよ。言うまでもないけれど、空腹になるためには、どうすればいいかな?わかるよね?」
え。
学生のみんなはマジで、え。って顔をした。嘘でしょ。まさか、ここから飯抜きってこと?どんなに疲れても?濡れ濡れになっても?
うん、そう。そうだよ。みんなごはん道のこと、よくわかってきたようだね。先生嬉しいって顔をするテト。う、ぉーい!?
「まあ、僕はね、ユーベルコードがあるから、そっち使うけど、みんなは気合で頑張ってよね。こうして集中してれば、水鉄砲ぐら―――(ばびゅ!)」
説明しよう!テトのユーベルコード、食欲の主張(ハラヘッタ・モード)によって……あ。
説明しようとした瞬間、テトの顔面に炸裂する水鉄砲の水。ぴちゃぴちゃとぐっしょり頭から濡れているテトと、それをスン……ってした顔で見ている学生たち。
なんとも言えない空気が流れる。
「まあ、僕は防御型。すなわちタンク、だからね。先陣を切って敵の攻撃を受けてなんぼの役割なんだよ。最短ルートを攻めすぎると、よくこういうことあるから、みんなはちゃんと覚えておこうね。ほんとだよ。事実だからね」
なんかすんごい早口で言ったけど、概ね間違った事は言っていない。い、いいのか、それで……!
「わかりましたテト先生!」
え―――!?いいんだ!?って思った視線の先には、調理実習で邪魔をしてきていた女生徒。すっかりテトのごはん道へのリスペクトで改心した彼女は、テトの教えに忠実なのだ。
彼女を皮切りに、当たって砕けろの姿勢でトラップダンジョンに突っ込んでいく生徒たち。
言わずもがな、みんなぐっちょり濡れ濡れで、女生徒はこう、ね。でへへ!って感じなってるけど、食欲優先のテトにとってはどうでもいいことだった。
「あー……みんなは武器や防具にうまく当てて弾いたりしようねって、言いそびれた……」
でもまあ、いっか。みんな楽しそうだし。
あとで腹ペコ野郎との約束だよってすればいいでしょ。いや、むしろ、それが良い締め方じゃない?名案すぎ。
と、順調(?)に迷宮を踏破していくテト先生のごはん道は、次回に続く!
大成功
🔵🔵🔵
鈴木・志乃
(黒パーカーのファスナーをしっかり上げる)
あー女子生徒さん、服装を選ぶ所から勝負は始まってます
透ける素材を着ている方々は即刻上着を着るように。
男子生徒は一瞬でも『そういう』目線を向けた場合
今後女子生徒から侮蔑の対象になります。
最悪パーティーを組んでもらえない可能性もあるので気を引き締めるように(にこにこ)
タンク役が皆を庇う
精霊に水の流れを変えてもらう
バリアを張る
水鉄砲を一つずつ破壊する
ぐらいはまぁパッと思いつくでしょうね
私は最悪真の姿になればキャッキャウフフ回避出来ますけど……
第六感でタイミングを見切り
UCで召喚した天馬精霊ユミトに乗って一瞬で駆け抜けます
恋人いるので、肌さらしたくないんですよ
地下迷宮トラップ、名付けたは誰か知らないが、キャッキャウフフ水鉄砲トラップとはこれ如何に。名前の通り本当にキャッキャウフフな感じになるかどうかは、一緒に迷宮へと潜った者たちとの関係性に寄るだろうが……
男性はラッキー!女性はアンラッキー。まあ、そういうことだよね、実際のとこ。
しっかりと対策してきているのは、鈴木・志乃(ブラック・f12101)だった。黒パーカーのファスナーをしっかりと上まで上げる。これなら多少濡れた所で、でへへ!って感じにはならない。つよい。
「あー……女性との皆さん。服装を選ぶところから勝負は始まっていますよ。透ける素材を来ている方々は即刻上着をどうぞ。抜かりなく用意してありますから」
手際まで良い……だと……?
流石、志乃先生だぜ!抜かりない!男子生徒たちはあからさまにがっかりしたけれど、続き先生の言葉に青筋が立つ。
「男子生徒は一瞬でも『そういう』視線を向けた場合、今後女生徒からの侮蔑の視線は受け入れるように。君たちのために言っておきますが、今後下手をすれば、パーティを組んでもらえないばかりか、不名誉な渾名までいただくことになるでしょう」
にこにこ。笑顔が……!怖い……!
有無を言わせぬ説得力。すでに始まる前から男子生徒たちの敗北は決定していたのだ!これが志乃のユーベルコード……!違います。
「気を取り直して、役割分担の把握も重要です。みんなわかってると思いますけど、改めて。わかってない人は、この機会にしっかり覚えましょう。壁……タンク役が皆を庇う、精霊に水の流れを変えてもらう、バリアを張る……まあ、後は地道に水鉄砲、トラップを破壊する、思いつくだけでも、ざっとこれくらいはありますよね」
実践に行きましょう、と志乃と手本を見せる。わざとトラップを踏んで、水鉄砲を危なげなく回避していく様子はスマートそのもの。女子生徒たちからは、先程の手際も相まって黄色い声援が飛ぶ。
後は参考にならないかもしれないけど、と付け加えてユーベルコード、Ray of Hope(レイオブホープ)で召喚した天馬精霊ミコトの背に乗って、一気にトラップを駆け抜けたりと、見るものが見れば、発想の手助けになりそうなこともしっかりと教授する。
きっと志乃自身が思う以上にしっかりと教師をしているのだ。
しかし、そんなに黒パーカーなど隙がないのはなんで?と女生徒から尋ねられると、当然のように
「恋人いるので」
肌をさらしたくないのです、と乙女なセリフに益々持って女生徒は、きゃいきゃいしだす。ある意味、キャッキャウフフな展開になっている。
だが、調理実習で志乃に諭された男子生徒が短い横恋慕の終わりにガックリしていたということがわかったのは、ずっと後担ってからだった。
大成功
🔵🔵🔵
唐草・魅華音(サポート)
『任務、オブリビオンの討伐。任務了解だよ。』
『これより魅せるは、殺伐した戦場に咲き響く華の唄。』
武器商社プラヴェータに突如現れた、社長自慢の一人娘。 しかしその裏側は……幼少から故郷を知らず猟兵として数多の戦場を駆け抜け冷徹に任務をこなしてきた歴戦の傭兵。 表向きはどこかぼんやりした物静かなお嬢様だが、猟兵として戦場に出ると冷徹に銃と刀を振るい戦場を舞い踊り、敵を次々と滅する咲き響く華と化す。 (読み:からくさ・みかね)
普段の口調:お嬢様風 (わたし、~君、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)
敵には (わたし、お前、呼び捨て、ね、よ、なの、なの?)
アルダワ魔法学園の臨時教師としての仕事とはいえ、こんな子供だましのようなトラップに引っかかる者なんているのでしょうか。
そんなふうに唐草・魅華音(戦場の咲き響く華・f03360)は独白する。身なりは、儚げな社長令嬢を思わせるも、彼女とて大魔王を打倒し、世界を救った英雄である猟兵に代わりはない。
ただ、年齢が……学生たちと同じか、さらに下なのだ。先生というよりは、友達……下手をすれば、庇護欲唆る妹のようにも見えたかもしれない。
ぼんやりと物静かな様子なのだが……
「本当にどんくさいです。この程度のトラップ、避けられないで何が冒険者ですか」
あ、結構辛辣。でもいい!むしろ、そういうのいいよね!年下の女の子に怒られるのいいよね。と、一部の生徒には大好評な様子。大丈夫か、アルダワ魔法学園。
魅華音自身は、ユーベルコード、バトル・インテリジェンスによって召喚されたAI搭載型戦術ドローンによる体を操作させるという手段で水鉄砲トラップを易易と踏破してみせたのだ。
その着衣に一滴の水のシミもない。くそぅ!
「早く貴方達も、ここまでおいでなさい。早くしないと晩ごはんまでに食堂に帰れませんよ。飯抜きってやつです」
キャッキャウフフ水鉄砲トラップ、ほんと初心者向けだ……!ちょっと期待したのに!魅華音先生の濡れ濡れきゃあきゃあな姿を!一部生徒は慟哭した。血涙流しながら、濡れに濡れながら、トラップを踏破し、風邪を引きそうになりながらも、なんとかたどり着いたのだ。
「はい、次行きましょう。水鉄砲トラップはまだまだあります。まさかこの程度で、音を上げたりしないですよね?」
あ、もしかして、結構スパルタ教育的なぁ……?そのぉ、ご褒美とかぁ……?
「あるわけないでしょう。私が臨時教師でなければ、貴方達は落第点差し上げているところですよ。みんな落第です。そうならないだけ温情というもの。噛み締めてください」
あぁぁー!と魅華音の受け持ったクラスは彼女の歴戦の傭兵としての教育を叩き込まれ、次第に学園でも頭角を表していくのだが、それはまた別のお話。
成功
🔵🔵🔴
第3章 集団戦
『サッドニオン』
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POW : どれだけ皮を剥けば素早くなれるんだろう。
【体当たり】による素早い一撃を放つ。また、【皮を何層か剥く】等で身軽になれば、更に加速する。
SPD : 君が泣くまで、僕らは泣き止まない!
【触れた者をネガティブ思考にする涙】【催涙ガス】【強烈なネギ臭】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ : 皆もこんなに悲しんでくれてるんだ!
戦闘力のない【小さな分身】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【周囲から集めた悲しみの力】によって武器や防具がパワーアップする。
イラスト:くずもちルー
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
サッドオニオンは泣いた。災魔だけど。オブリビオンだけど。
いや、別に水鉄砲トラップで、キャッキャウフフな展開が、そんなに起こらなかったことに対して泣いてるわけではない。勘違いしないで欲しい。アレは別な慟哭なので。
そう、サッドオニオンたちは自分たちが美味しく食べられることなく、災魔として退治され、迷宮内に玉ねぎ臭い匂いを充満させて倒れていく自分たちの運命に泣いているのだ。
叶うならば、美味しく食べて欲しい。
もっと欲を言うなら、美少女に食べて欲しい。そんでもって体の一分になって、美少女のための栄養源になりたい。うわ、きっつ。
そんな願いを持った災魔サッドオニオンたちが、猟兵、そして魔法学園の生徒たちに襲いかからんと迷宮内に潜む。どこから飛び出して着て、玉ねぎくさくしてやろうと待ち構えているのだ!
今こそ、調理実習とキャッキャウフフ水鉄砲トラップで培った経験を活かす時!行け、学生諸君!!
テト・ポー
は~い、復習の時間だね。
今日の材料はあの辺にいるたまねぎだよ。
濡れた体は適当に焚き火でもやって暖めてね。
あ、油も暖めておいてね、大きめの鍋で。食用油だからね。
さて。
飛び出してきたたまねぎは適当に捕まえて皮を剥いでいい感じの大きさに切るよ。
捕まえるのはUC「空腹の充足」などで自らを強化しておくとやり易いね。
生たまねぎが苦手なら無理強いはしないけど、つまみ食いも大事だよ。(もぐもぐ)
そしてこの用意しておいた衣をつけて……
カラッと揚げるッ!
さくさくかりかり~! おいし~!
……迷宮でのごはんの重要性、わかっていただけたかな?
そう、敵の排除と食事、一石二鳥なんだ。
全ての道はごはんに通ず。
覚えておいてね。
ガチガチと歯の根が会わない音がする。
迷宮の中はとても冷えていて、水鉄砲トラップによってびちょ濡れになった生徒たちは、テト・ポー(腹ペコ野郎・f21150)も含めて寒くてガタガタ震えていた。
しかし、これくらいは迷宮探索においてはピンチのうちにも入らないだろう。真のピンチとは……そう災魔のことである。
冷え切った体というバッドコンディションで迎え撃つのは危険だ。それも含めて授業にしてしまえるのだから、実体験とは大切なことだ。
「は~い、復習の時間だね。今日の材料はあのへんにいるたまねぎだよ」
テトが注目~というように生徒たちに呼びかける。あのへん……?生徒たちが、どこ?と視線を巡らせた先には……
「どれだけ皮を剥けば素早くなれるんだろう……」
なんかすんごくポエミーなことを言っている災魔、サッドオニオンの姿が!
涙目な表情が浮かぶ玉ねぎ型災魔……う、実際に目にすると奇妙な迫力がある……!
「濡れた体は適当に焚き火でもやって温めてね。あ、油も温めておいてね、大きめの鍋で。食用油だからね」
学生たちに指示を出すテト。食用油?なんで?と察しの悪い生徒たちもいるが、もうこの後の流れといえばおわかりだろう。
そう、倒して食べるんだよ!
「授業だからね。みんなもしっかり戦うんだよ。飛び出してきた玉ねぎは適当に掴まれて皮を剥いて、いい感じの大きさに切るよ」
がしぃ!とテトの手が体当たりをかまそうと突撃してきたサッドオニオンを捕まえる。自ら皮を剝いでいたので、丁度いい塩梅の大きさになっているのが嬉しい。
ユーベルコード、空腹の充足(イタダキマス・モード)で自身の強化を図っていたので、それはもう簡単に捕まえてしまうのだ。じたじたとサッドオニオンが暴れている様子があまりにも、コミカルすぎる。
「生玉ねぎが苦手なら、無理強いはシないっけど、つまみ食いも大事だよ」
サッドオニオンの皮を剝いで、もぐもぐしているテト。いいの!?生だけど!?新鮮だとは思うけど、生!
そして、この用意しておいた衣をつけて……と、どこかの三分クッキングばりに手際よく用意されていた衣にサッドオニオンを頭からドボン!その後、すみやかに煮えたぎる鍋にシュート!
「カラッと上げるッ!さくさくかりかり~!おいし~!」
流れるような討伐、調理、食事のジェットコースターに生徒たちは、参考になるなやらならないやらでびっくりしつつも。テトの言葉にはうなずくしかない。
だって、フライドオニオンすんごく美味しそうなんだもん……!
「迷宮でのごはんの重要性、わかっていただけたかな?そう、敵の排除と食事、一石二鳥なんだ」
確かに!と生徒たちも各々が災魔たちに立ち向かっていく。時々テトも危なそうな生徒には手助けという名のつまみ食いもしつつ、無事に迷宮での授業は終わりに向かう。
最後にテトはこう締めくくった。
「全ての道はごはんに通ず。覚えておいてね」
成功
🔵🔵🔴
唐草・魅華音
…ふむ、丁度良い標的ですね。
それでは、実戦授業といきましょうか。
戦いは、敵を知り己を知る。これが重要です。
まずは敵を知る。
事前に【戦闘知識】を深め敵の特性を知っておいたり、直に戦って【情報収集】し、攻撃前の癖や弱点を見極めます。
そして己を知る。
己に出来る戦い方でどう戦うのが最善か判断する事。あの標的なら遠距離から【乱れ撃ち】したり魔法使ったりして近づかせない攻撃が最善でしょう。近接戦闘するなら【ダッシュ】して近づき【なぎ払い】、即離れるヒット&アウェイがいいでしょう。
それでは皆さん、実戦特訓です。
…ちょっと近づきすぎましたか、目が染みますね…(ほろり)
…ん?よそ見禁物ですよ。
アドリブ共闘OK
迷宮に規則正しい足音が響き渡る。まるで素晴らしく訓練された軍隊か何かが迷宮に進軍してきているような……
そう、唐草・魅華音(戦場の咲き響く華・f03360)が臨時教師を務めたクラスの生徒たちの行軍だった!
それはもう見事なまでのスパルタ教育……もとい、魅華音先生の素晴らしい講義のおかげで、高水準の能力に達しようとしていた……!すごい。
そこに鴨ネギとばかりに災魔サッドオニオンの群れがやってくる。生徒たちは取り乱しもせずに、先生である魅華音の指示を待つ。もうこれ、実践とかしなくてもぉ……大丈夫なんじゃ……?
「……ふむ、丁度良い標的ですね。それでは、実戦授業といきましょうか」
魅華音がまずは、とサッドオニオンの解説から始める。
戦いとは、敵を知り己を知る。これが重要なのだと。まずは敵から、と彼女の頭脳に収められた知識を深めるのだ。
サッドオニオンは群体。基本的に群れてくる。一体で現れることはなく、一体一体対処していけば恐れるに足らない災魔。
ゆえに、群として行動させずに、丁寧に処理していけばいいのだ。
「君が泣くまで、僕らは泣き止まない!!」
うぃぃぃりー!って感じでサッドオニオンから放たれる、触れた者をネガティブ思考にする涙やら、催涙ガスに強烈なネギ臭!うわきつ。
人面玉ねぎがそんな形相で迫ってくるものは、なんというか、わかっていても、こうキツイものがある。
だが、魅華音は落ち着いた様子で語る。
「そして、己を知る。己に出来る戦い方でどう戦うのが最善か判断すること」
迫るサッドオニオンを近づかせないというように、銃火器の弾幕が張られる。ひ、ひどい!近づくことさえできないなんて!せ、せめて美少女を汁まみれにしなければ!と災魔サッドオニオンは奮起する!がんばれ!がんばれ!
「近づいてくるのなら、逆にこちらから距離を詰め、なぎ払っては、即座にポイントを捨て、離れる……つまりはヒット&アウェイがいいでしょう」
見事にサッドオニオンを薙ぎ払い、近づかせない!あともうちょっとだったのに!
その戦う様子をしっかりと学習した生徒たちは、見事に統率された動きでサッドオニオンたちを掃討していく……!す、隙がない……!
「……ちょっと近づきすぎましたか、目が染みますね……」
催涙ガスが少しばかり目に染みたのか、魅華音の瞳が潤む。
美少女の瞳に涙……いいよね。美少女度が更に上る気がするし。その姿に生徒たちは一瞬見惚れてしまうのも、やむなしというもの!
「……ん?よそ見禁物ですよ」
ね、と涙目の彼女が言うものだから、謎の雄叫びが迷宮に響いたとか―――!
大成功
🔵🔵🔵
ミロ・バンドール(サポート)
口調はステシの基本通り
強がって一匹狼を気取った態度ですが、連携にはきちんと応え
最善の結果のために努力します
いわゆるツンデレ。
基本的な戦闘スタイルは敵の力を削ぎ、次の味方の行動へ繋げるサポート役で
次いで重視する行動が敵の押さえです
技能の各種耐性や改造を活かし、戦場の状況に合わせたスタイルを模索します
冒険パートでは恐怖を与える等で
深く考えずに行動しがちです
*備考
・精神攻撃にはとても弱い(ヘタレると寝言時の口調)
・ギャグ展開にはよく巻き込まれる(弄られOKです)
といった弱点がいっぱいあります
アルダワ魔法学園の授業は実戦形式も必ず用意されている。それは、大魔王を打倒し、世界を救った英雄である猟兵が務める臨時教師の仕事の中にも含まれていた。
調理実習、トラップ踏破、そして、実際に迷宮の深部にて発生した災魔……サッドニオンの群体を持っての実戦訓練。
それが今、ミロ・バンドール(ダンピールの咎人殺し・f10015)に頼まれた臨時教師としての仕事だ。
実戦形式であれば、しっかりと教えなければ今後の学生諸君の生命にも関わることだからと、見た目はつっけんどんな雰囲気であったミロだが、結局しっかりと学生たちの面倒を見ている。
知ってる。そういうのってツンデレっていうんでしょ。いいよね、男の子のツンデレ。
「はぁ……実戦訓練ていうから、もっと大変なことになるかもしれないと、準備万端にしてきたんだけど……これ、俺がいなくてもいいじゃない?」
そう思わせるほどに緊張感のない災魔サッドニオン。見た目が玉ねぎに人面瘡が浮いたような姿形である。
まあ、がんばって目を細めて、遠くから見れば、ゆるきゃらに見えなくもない……ないのか?いや、無理だな。
「敵の数が多いから、少しは減らしてやらないとな。怪我なんかされたら目覚めも悪いし……」
群体であるサッドニオンたちの数を減らせば、自ずと学生たちに被害が出ることは抑えられ、危なげなく訓練を終えることができるだろう。そう判断して、ミロは学生たちに少し下がっていろ、と手で制する。
「我が血に流れる魔のちから、焼べて焼かれて尚有り余る……学生たちはうごくなよ。動くと俺の標的になるから」
彼のユーベルコード、浄炎形態(ウーンデッド・ヴァンピール)によって、ミロの姿が燃え盛るヴァンパイアの姿に変ずる。ただ、理性がなくなり、素早く動く者に反応するために学生たちに動くな、と命じたのだ。
そして、サッドニオンたちは、スピードが信条!
「どれだけ皮を剥けば素早くなれるんだろう」
などとポエミーなことを言いつつ、超スピードで飛来するのだから、ミロのユーベルコードとの相性は抜群だ。あっという間に玉ねぎの千切りどころか、みじん切りが出来上がってしまう!
おお!とどよめく学生たち。マネできないんですけど、というツッコミはない。だって、ミロ先生かっこいいからね!女生徒からは黄色い声援が飛ぶ。男子生徒はいいとこなしだから、ぐぐってなってるけどね!
「ふぅ……こんなものか。数を減らしたから危険は少ないが、油断するなよ」
ユーベルコードを解除して、もとの姿に戻ると女生徒たちがミロを囲む。きゃいきゃい言いながらもミロはもみくちゃだ!
「おい!敵!災魔!あっちだから!おい!聞いてるのか!いや、彼女とかそういうのはって、何言わせるんだ!怪我するぞって……つんでれ?いや、そういうのじゃないから!」
とかなんとか。
災魔のことよりミロ先生のことを知りたいという生徒たちにもみくちゃにされながら、ミロの1日教師は、ある意味成功に終わったのだ。
だって、男子生徒がものすごい奮起して、災魔をバッタバタ倒していったからね。彼らの練度が上がったとよろこぶべきだろう。
「だーかーらー!訓練しろよー!!」
ミロのやけっぱちな叫び声が迷宮の奥で響くのだった……!
成功
🔵🔵🔴
リディア・スカーレット(サポート)
ダンピールのビーストマスター×パラディン、女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
恋人には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
静かな場所や花などの自然が大好きです。
人との会話は淡々とこなし、あまり私情を入れない様にしてます。
仲間は大切に思っており、仲間とは協力し合い、
依頼の成功を目指します。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
アルダワ魔法学園は、元々、迷宮を踏破し大魔王を打倒するための教育機関だった。しかし、大魔王は猟兵たちに打倒され、その最大の目的は達せられたのだが、未だ各国の優秀な人材を求める声に応じて徒弟の教育し、優秀な者たちを教育する場として残っている。
学生たちは学園に殺到し、圧倒的な教師陣の不足が起こったのは必然の成り行きだったのかもしれない。
そこで、世界を救った英雄である猟兵たちに白羽の矢が立つ。
彼らの経験はどこでも得られるものではない。彼らの有する貴重な経験を教えてもらいたいという生徒たちは数多くいるのだ。故に猟兵たちは臨時教師としてアルダワ魔法学園へと赴いたのだった。
リディア・スカーレット(孤高の獣使い・f24325)もまたその一人だ。
アッシュブロンドの髪は美しく、色白の肌と相まって魅力的な女性と映ったことだろう。だが、孤高の人でもあり、彼女のクールな、しかして私情を入れない仕事ぶりは好評だった。
リディアの受け持ったクラスを迷宮へと引率し、災魔を討つ実戦授業なのだが……
「……初心者向けの迷宮とは聞いていたけれど……ターゲットがアレとはどういうことなのかしら……」
彼女の視線の先には玉ねぎに人面瘡が浮いたような災魔サッドニオン!まあ、ゆるきゃらっぽく見えなくもないよね。きもかわ的な?いや、きもいだけかもしれないが、そこは当人の感覚に任せるほかない。
「本当は静かな方が好きなのだけれど……そうも言ってはいられないわね。授業を開始するわ。みんな、油断なきように」
そう釘を刺す。だって、そうでないと、彼女の受け持ったクラスの生徒たちは、事あるごとに彼女のことを知りたいのか、なんやかんやと絡んでくるのだ。
生徒と教師、間違っても友達ではないのだ。そういうところはしっかりしていないと、と何度も言うのだが、なかなかこれが難しい。
「ああ、もう……だから言ったのに」
彼女に気を取られて、あちこちサッドニオンにボコボコにされていたりする生徒が続出。もう、仕方ないわね、と嘆息する姿さえも絵になるものだから、仕方ないね?
彼女のユーベルコード、血統覚醒が発動し、緑の瞳は真紅に染まる。
圧倒的なスピードで玉ねぎ……じゃない、サッドニオンを切り刻んでいく。あっという間にサッドニオンたちは、細切れになってしまう。
「仕方ないわね。みんな、肩を貸してあげて」
クールなリディア先生はそう言いながらも負傷した生徒たちに肩を貸す。うう、すごいいい匂いする……!先生に肩を貸してもらった生徒は、後に生徒間で一時の間、口を聞いてもらえなかったりしたのは、また別のお話。
ともあれ、リディアはしっかりとアルダワ魔法学園の臨時教師を務め、彼女の的確な仕事ぶりは、大好評となるのだった。
成功
🔵🔵🔴
鈴木・志乃
はい全員ゴーグル装着。OK?
迷宮の災魔は現実に存在する物質と似ているものがよくあります。弱点とか対処法も大体同じです。相対する敵が分かっているのなら、よく準備して臨みましょう。
今回は精神攻撃を仕掛けてくる玉ねぎですね。
空中に催涙ガスを撒かれるのでゴーグル必須。
玉ねぎは水にさらしておくと硫化アリルが溶けるので、水属性の魔法で抵抗するのもアリだと思います。
植物だし単純に燃やしても良いかと。
精神攻撃対策にあれだな、シンフォニア勢何か何か楽しい音楽流せますか? あの玉ねぎの慟哭を消し去ってやりましょう。
私は近づかれた瞬間UCで燃やし切ろうと思います。
かわいい顔してますが情け容赦は無用! 気に食わないし
志乃先生の授業のはじまり~!てんててーん!とかなんかそんな感じの音楽が聞こえてきそうなほど、順調な滑り出しで鈴木・志乃(ブラック・f12101)のアルダワ魔法学園最後の授業が始まる。
彼女の調理実習から、トラップ攻略、そして今回の災魔討伐の授業は素晴らしくロジカルに展開され、彼女の教えを受けた学生たちは多分にもれず大成していくことになるのだが、それはまた別の機会に。
災魔サッドニオン。玉ねぎ型で人面瘡のように人の顔が浮かんだ、まあ、ちょっとその、キモい感じの災魔だ!大体、見ればわかる。
だが、彼らは群体。一体でいることはほぼない。故に群として戦う敵との対応が問われる。
さらに言えば、彼らの玉ねぎとしての特性も備えているので、それに正確に対処する必要もあるのだ。
「はい、全員ゴーグル装着。OK?」
志乃の対策は万全だった!それこそサッドニオンたちが涙目になるほどに完璧な対策故、警戒すべきは突進攻撃のみ!こんなに簡単に狩れていいの?となるくらいに生徒たちは順調にサッドニオンを討伐していく。
もちろん、彼らも自分たちだけの実力でこれを成しているとは思っていない。志乃の的確なアドバイスあってのことだ。
「災魔は現実に存在する物質と似ているものがよくあります。弱点とか対処法もだいたい同じです。覚えておくといいですよ。敵がわかっているなら、よく準備をして挑みましょうね」
彼女のアドバイス通りだった。催涙ガスはゴーグルで遮断できるので、斬撃での攻撃でも大丈夫だ。
さらに水属性の魔法で対処すれば、玉ねぎを水に晒しながら切ると涙がでない、そういう豆知識すら災魔への対策につながるということまでしっかりとケア!
まあ、単純に燃やしても良いですけどね、と志乃に突撃してきたサッドニオンをユーベルコードで燃やし尽くして見せたときには、いやそれ先生だからできるやつだから!と軽くツッコミが入るくらいには生徒たちも胸襟を開いている。
「さあ、残りも僅かですよ!可愛い顔をしていますが、情け容赦は無用!気に食わないし」
ぼそっと最後に本音が漏れたが、彼女の言葉に生徒たちはしっかりと災魔への対処を覚えたようだった。
これならば、今後生徒たちが迷宮に潜っても、災魔に対して油断をすることはないだろう。
そう思えば、長い一日の臨時教師としての仕事も、確かな充足感となって志乃の心を満たすのだった……!
大成功
🔵🔵🔵
アメリア・イアハッター
はーい、皆さんこんにちは!
臨時せんせーのアメリアよ!
今日は実践訓練ということで、よろしくね!
私からの授業では、皆に今の自分の全力でもって、災魔を攻撃してもらおうと思います!
やっぱりこれから戦うにしても、自分の力がどこまで災魔に通用するか限界を見極めておかないとね
それがわかれば、攻めたり引いたりが判断できるようになると思うわ
自分の一番得意なやつで攻撃してみてね
こんな風に!
UC使わず跳躍
床壁天井を蹴って空中へと舞い上がり、速度をつけ玉ねぎの頭へ踵落とし
じゃ、やってみよー!
あ、安心してね
今回ケガは一切気にしないでいいから!
UCを発動し踊り始める
生徒達を風で守りつつ、踊りながらアドバイスしたり褒めたり
猟兵による臨時教師としての仕事は、多種多様を極めるが、やはりいちばん要望が多いのが災魔に対する対処の仕方であろう。
迷宮に潜るとなれば、トラップの回避や解除も必要不可欠なのだが、何よりも生命を守るためには災魔との戦いを制することの方に重きを置く生徒たちがほとんどだった。
だからこそ、猟兵の講義というのは絶対に外せないマストなものなのだ!
いや、猟兵の人が可愛いからとかかっこいいからとか、あわよくばお近づきになりたいだとか、そういう!そういうね!不順な動機は一切ない!ないったら!
とかそんな思惑の生徒たちとは裏腹に、とても爽やかにアメリア・イアハッター(想空流・f01896)は臨時教師としての仕事を満喫していた。
「はーい、皆さんこんにちは!臨時せんせーのアメリアよ!」
今日は実践訓練ということで、少しばかり緊張している生徒たちのために、気がほぐれるようにと、親しみやすさを全開にしたアメリア。う、かわい!
ほとんどの男子生徒はみんな同じ気持ちだった。おい、抜け駆けすんなよ!とかそんな休戦協定が結ばれていたりいなかったり。いや、確実に結ばれてる。
「私からの授業は、皆に今の自分の全力を持って災魔に攻撃してもらおうと思います!」
これから戦うにしても自分の力の程度、それを知っておいてもらったほうがいいと思ったのだ。自分の実力の限界を知れば、自ずと見えてくるものがある。
それに戦闘での駆け引きにも関わってくる。迷宮から生きて戻ってくるということが、最大の戦果なのだから。
「それじゃ、お手本ね!自分の一番得意なやつで攻撃してみね!こんなふうに!」
アメリアが跳躍する。鮮やかな赤い髪が風になびいて、お手本のはずなのに、ぼーっとしてしまう男子諸君!あとで怪我しても知らないぞ!
跳躍して壁や床、天上を蹴って空中に舞うアメリア。速度の付いた彼女の踵は、災魔サッドニオンの脳天を一撃で粉砕する!
ぶしゃ!と催涙ガスの元であろう汁が飛び散るも、アメリアのスピードの前では無意味だった。一滴もその身にかからず回避せしめ、男子生徒諸君はちょっと惜しいと思った。ぬれぬれアメリア先生見てみたかった。
「じゃ、やってみよー!あ、安心してね!今回怪我は一切気にしないでいいから!」
そう言って彼女のユーベルコード、Winds Dance On Stage(ウインズダンスオンステージ)が発動する。彼女が踊りに没頭している間、学生達への攻撃は風によって防がれるからだ!
しかし、これはある意味欠点やもしれない。だって、そのぉ……ね?美人先生が踊ってるわけですよ。そりゃ、見ちゃうよね!わかる!
だが、踊っている間は守られているから、存分に横目でチラチラ見てしまう。
「……?みんな、早く攻撃してー?」
いつも以上に授業が長引いてしまったりしたのだが、アメリアの褒め上手さやアドバイスは的確で、彼女の受け持ったクラスはしっかりと実力の底上げをなされたのだった。
ただ、彼女も臨時教師。ずっといるわけではない。惜しむ声を背に、アメリアはまた猟兵としての道に戻るのだった。
数多の男子生徒のかむばっくあめりあせんせー!の声を背に……!
大成功
🔵🔵🔵