UDCアース。
人類が足を踏み入れることのない山奥……いわば神域とも呼べるチベット高山に存在する洞窟。その最奥は、邪悪な炎が燃え盛り、邪神は封じられてもなお怒り狂っていた。
「鎮まりたまえ、我が主! ……駄目だ、供物が足りねぇ!!」
燃え盛る禍々しい剣を握る男――邪神が完全復活するまで封印を護る守護者が苛立つ。
「おい、狼ども。ちょっと人里へ降りて人間共を腹の中に飲み込んで此処までさらってこい。そいつらを俺の剣で燃やして、我が主への供物にしてやる。さあ、行け!」
炎から発せられた煙は、たちまち狼の群れへと変化し、洞窟の外へと飛び出していった。
グリモアベース。
蛇塚・レモン(白き蛇神オロチヒメの黄金に輝く愛娘・f05152)は、集まってくれた猟兵達へ、今回の予知から発生した任務の内容を伝達してゆく。
「今回の任務なんだけど、以前、南極大陸で調査してもらった遺跡のことを覚えてるかなっ? そこで得られた情報から、超古代に封印された強力なUDCの所在が判ったんだよっ! 場所はチベット高原周辺の人跡未踏の高山の一角だよっ!」
レモンが指し示した場所は、ヒマラヤ山脈やカラコルム山脈、崑崙山脈を擁するチベット高原のど真ん中であった。
「放っておくと、封じられた邪神は完全復活を果たして人類の脅威となっちゃうから、その前にみんなが封印を解いて、不完全な復活の状態で邪神を撃破してほしいんだよっ!」
レモンの言っていることは割と無茶なことだが、誰かがやらねば世界を脅かす存在をみすみす見逃すことになる。猟兵達は意を決して、この任務に臨むとレモンに伝えた。
「ありがとうっ! それじゃあ、今回の任務の概要なんだけど……」
猟兵達へ資料を手渡すレモン。
そこには、予知で知り得たオブリビオンの情報と、登山の心得が書かれていた。
「人跡未踏の秘境の山を登っていると、オブリビオンの集団が襲いかかってくるよっ! 人里へ降りて暴れるつもりだから、道中で食い止めてねっ! あと、襲撃地点の周囲に邪神が封印された洞窟があるはずだから、くまなく探索することも忘れずにっ!」
更に、洞窟の最奥部には邪神の封印を守る守護者が存在しており、この守護者を撃破することで封印が解かれるのだという。
「一番気を付けなくちゃいけないことは、封印された邪神は、体の大きさが通常の数倍もあって、攻撃力と耐久力が上昇しているっぽい! つまり超強いから、負けないでねっ!」
こうして、レモンの激励を受けた猟兵達は、UDCアースのチベット高原の秘境、邪神の眠る高山へと転送されてゆくのであった。
七転 十五起
なぎてんはねおきです。
UCDアースに新たな動きがありました。
要は、眠れる人類の脅威を無理矢理に叩き起こしてぶっ潰そうというシナリオ内容です。
景気良く殴りに行きましょう。
第一章ですが、戦闘を重ねると封印の洞窟へのヒントが入手できますので、プレイングには洞窟探索の行動は明記しなくてもオッケーです。登山中の戦闘に集中して下さい。
第二章は封印を護る守護者との戦闘、第三章は不完全な復活を遂げた巨大邪神との決戦です。オープニングから能力は推測できますので、それに見合った技能やアイテム並びにユーベルコードがあれば有利になるでしょう。
それでは、皆様の挑戦をお待ちしております!
第1章 集団戦
『六零八『デビルズナンバーのろし』』
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POW : 悪魔の爪牙(デビルネイルファング)
【鋭い牙や爪】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 悪魔の煙化(デビルヒューム)
自身の身体部位ひとつを【物理攻撃を無効化する煙】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : 悪魔の煙幕(デビルスモーク)
【悪魔の爪牙】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に何も見えなくなるほどに濃い煙幕を張り】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:なかみね
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
九重・灯
体力仕事なら「オレ」の出番なんだが……。
南極の調査に参加したことはあるが、次はチベット高原かよ。
(『低い所でも富士山と同じくらいの標高らしいですね』)
頭の中でもう一人の自分の声が響く。
クソ、猟兵でもキツイっての。
寒くて空気が薄い中をブツブツ悪態付きながら歩を進める。
戦闘時は、なるべく足下が安定した場所を探して戦いたい。
下手して転げ落ちるのだけは勘弁だ。
『地形の利用5』
UC【剣劇】。攻撃回数重視。
複数相手でも手数で押したいところだ。
剣、アザレアを振るう。
『なぎ払い6』『怪力5』
次いで、黒刃カゲツムギ。地面から影の刃を乱立させて刺し貫いてやる。
『串刺し6』『範囲攻撃3』
鈴城・有斗(サポート)
倫理観や常識は基本的には現代日本に準拠
上記に反しない、他者に迷惑をかけない範囲で悪ノリや調子に乗る事もある
命がけの戦闘を経てきたせいか、暴力で解決できるなら倫理や常識に納まる範囲内で行使する事へのタガが緩くなっている
同様に、救助や避難の必要な対象が居る場合、UCを利用して効率をあげようとする事もある(冷静な状態ならある程度対象に配慮している)
戦闘よりも避難、救助を優先する事が多い
武器もUCも用途に応じて持っているものを使う
敵の姿が女子供でも、敵意を持って向かってくる相手に遠慮はしない
ゲスな奴なら尚更容赦しない
「地識の黒鎖」で過去の情景を調べられる
波狼・拓哉
チベットか……邪神関係以外で来たいものだった…
まあぼやいでも始まらんので…登るか!いやー人跡未踏とかテンション上がるわ。いいよね見たことないものとか…
地形・環境耐性で急や不安定な足場でも問題なく進みつつ…煙?…敵か。やりますかミミック。
つってもあんまり動き回るのは面倒なんで…化け明かしなミミック。全て夢幻と。さてこれで変な特性は消せるはず…そのまま維持頼むな。
衝撃波込めた弾で一体一体確実に撃ち貫いていこう。地形も利用しつつ戦闘知識、視力、第六感で相手の動きを見切って近い奴から対処して回りましょう。近づかれ過ぎたら蹴り落したりしてやりましょうかねぇ。
(アドリブ絡み歓迎)
チベット高原の属する、秘境と呼ぶに相応しい高山を猟兵達が登ってゆく。
多重人格者の九重・灯(多重人格者の探索者・f17073)は、額に伝う汗を拭い取りながら装備を背負いつつ歩を進めてゆく。
「確かに、体力仕事なら『オレ』の出番なんだが……。南極の調査に参加したことはあるが、次はチベット高原かよ」
『低い所でも富士山と同じくらいの標高らしいですね』
頭の中で、もう一人の自分が語るウンチクに、『オレ』は思わずゲンナリ。
「マジかよ……。クソ、猟兵でもキツイっての。寒いし酸素薄いし疲れるし……」
「あーはいはい、もっとテンション上げてゆこうか? ほら、チョコバー食べるかい? お腹が空いているとイライラしてしまうからね」
笑顔でチョコバーを差し出す波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)。
九重は無言でそれを受け取ると、無言でかぶりつく。
「ほら、やっぱりお腹が空いてたんじゃないか」
そう告げた波狼は、九重とは対象的にワクワクドキドキで、進む足取りも登山用の重装備を感じさせない程の軽やかだ。
「いやー人跡未踏とかテンション上がるわ。いいよね、見たことないものとか……」
「任務じゃなかったら、俺も楽しんで登れてたかもな」
そう呟くのは鈴城・有斗(未来を導く意志は今ここに・f18440)だ。
「地識の黒鎖(メモリアウィデーレ)で周辺の地形を調べてみたが、この辺りに邪神の眷属が出没するのは間違いないようだね。煙のような狼の群れが徘徊する記憶が見て取れた」
「……煙? 狼?」
波狼はいまいち釈然としない様子。
ゆえに一旦紫光を留保させ、周囲の自然を目で愛でた。
「チベット……いやさ、本当、邪神関係以外で来たいものだった……って、ぼやいでも始まらんので、登るか!」
「で、どっちへ進むんだ?」
九重の疑問に鈴城が指を差す。
「どうやら、過去の情景から推測するに、あの方向から煙の狼達がやってくるようだ。洞窟はその先だね」
「なるほどな。一応、後続の猟兵どものために目印を付けておくか」
九重はナイフで木の幹に印を付けた。
「それじゃ、出発だ!」
波狼の音頭で3人は高山を更に奥深くへ突き進んでゆく。次第に足場が悪くなり、道なき道を身長に進んでゆく。
……不意に、狼の遠吠えが聞こえた。
「敵か。やりますかミミック」
波狼は相棒の箱型生命体を召喚する。
「おい、2人とも、足場が悪いから気をつけろよ? 下手して転げ落ちるのだけは勘弁だからな?」
九重は比較的平らな岩場の上に位置取り、敵襲を迎え討たんとする。
そして鈴城はガンブレードの柄を掴んで正眼に構えた。
「迎撃準備だ! まずは僕からだ、断ち切れ!」
第一波の煙の狼の群れが歯牙を向いて鈴城に迫る。
だが、鈴城はガンブレードの引き金を絞りつつ真横に剣を薙ぎ払う!
それはユーベルコード『迅牙一閃』の一撃。
オーラを凝縮した刃で撃ち出した斬撃が、群れを纏めて一閃してみせた!
狼達はたちまり煙となって空へ立ち上ってゆく。
「これは狼煙……?」
「俺達の位置情報、敵に筒抜けっってことね。そういうことなら、あんまり動き回るのは面倒なんで……化け明かしなミミック。全て夢幻と、虚空と散る!」
ユーベルコード『偽正・門超最極(ラスト・ボイド)』!
ミミックが無数の太陽に化けると、周囲を眩く照らしつつ光熱を放った。
その熱と光は狼達の精神を蝕み、その物理攻撃への耐性を無効化させた。
「よしよし、そのまま維持頼むな、ミミック?」
波狼自身はモデルガンの愛銃である『MODELtypeβ・γ バレッフ&ノット』で、一頭一頭を確実に射殺してゆく。
焼き焦がされる煙の狼の群れは簡単に足を止めてくれるので、波狼も狙いを定めやすく容易く駆除することが出来た。
「ほら邪魔だね、滑落しな?」
ときには蹴っ飛ばして、敵を崖から落として排除してゆく。
そして九重は、群れで襲ってくる狼達へ斬鎧剣『アザレア』を振るって応戦していた。
「ここからは“オレ”のターンだ!」
類稀な身体能力の高さを発揮する九重は、次々と狼達を蹴り飛ばし、斬り伏せ、そして頸を掴んで投げ付ける。
「ああ、数が多い! 面倒くせぇ!」
今度は寄生型の呪具である黒刃形態『カゲツムギ』を足元に突き刺した。
「纏めて貫くぜ!」
すると、狼達の足元から黒い影の刃が一斉に乱立!
剣山めいた刃が立ち並び、あっという間に周囲の群れは狼煙へと変わって風に掻き消されてしまった。
「どうやら狼の巣はあっちのようだぜ?」
襲撃の方向から、九重は封印の同区の方角を割り出すことに成功したのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
龍ヶ崎・紅音
アドリブ・絡み歓迎
【POW】
「"デビルズナンバーのろし"…文字通り"煙の狼"の群れが相手だね。調査の邪魔をさせないように、全部たおしておかなくっちゃね!」
敵の"爪や牙"を【気合い】で回避しつつ、「黒焔竜剣 参式」での【なぎ払い】よる【範囲攻撃】と『煉獄猛焔波動』で殲滅するよ
それが終わったら、ホムラとともに入口を探しに行こうと思うけど
そういえば、封印の洞窟の入口は雪にカモフラージュしている可能性があるよね。
ならば、怪しいところを「黒焔竜剣 壱式」で【鎧砕き】のような感じに叩き込めば開けるんじゃないかな?
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
南極の次はヒマラヤねぇ……
人里離れた場所に邪神が封印されてる、か。
人間が被害を抑えようとしたか、
あるいは邪神が自ら逃げ込んだ……?
ま、逃げ込んだってのはあり得ないか。
なんせここまで敵意むき出しにして来るんだからね!
煙状に変異するならこっちもやり様があってね。
【弱点特攻作成】で超細密フィルター付きの
掃除機を作ってやろうじゃないのさ。
奴らが変異した煙を吸い込んで、フィルターに通す。
そこで集めるだけじゃないよ、ここからが本番!
そのフィルター部分にサイキックの電撃で『属性攻撃』を加え、
悪魔の要素を電気分解するかの如く苛んでやろうじゃないかい!
さあ、どう逃げていく!?
煙の狼の群れの出処を追って山道を歩く猟兵たち。
その道中、再び群れの襲撃に遭遇する。
「あれがデビルズナンバーのろし……! 文字通り“煙の狼”の群れが相手だね。調査の邪魔をさせないように、全部たおしておかなくっちゃね!」
龍ヶ崎・紅音(天真爛漫竜娘・f08944)は胸元の黒龍焔の呪印から噴出させた黒焔を掴むと、それを黒焔竜剣 参式『魔焔双爪』へと具現化させた。
「多喜さん! ちゃちゃっと片付けちゃおう!」
「ああ、事前にブリーフィングで貰い受けた情報を元に対策はバッチリ、サクッと蹴散らそうか!」
数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は体内のサイキックエナジーを最大限まで高め、その拳と足先へ武器のように覆ってゆく。
数宮は飛び掛かってくる狼をカウンターで殴り飛ばすと、身を反転させて後方から襲い掛かる個体へ回し蹴りを放った!
「しっかし、南極の次はヒマラヤねぇ……? 人里離れた場所に邪神が封印されてる、か」
「多喜さん、何か思うところでもあるの?」
龍ヶ崎は敵の爪と牙を黒焔お総研で弾きながら、反撃で狼達の喉笛を的確に焼き裂いてゆく。
問われた数宮は、突っ込んできた狼の鼻っ柱を拳で叩き潰した後、E-terminalライダーブーツからサイキックの電撃を纏ったキックで群れを鎧袖一触!
「いやさ、今から向かう洞窟ってのは、人間が被害を抑えようとしたか、あるいは邪神が自ら逃げ込んだ……? ま、逃げ込んだってのはあり得ないか。なんせここまで敵意むき出しにして来るんだからね!」
突っ込んでくる個体の頭上に電撃踵落としを見舞った数宮は、ある事に気が付いた。
「サイキック込みで殴ってて気付くのが遅くなったが、やっぱり、こいつら全員、物理攻撃は煙の身体で無効化しやがるな!」
「私も黒焔で焼いてる感覚が強いね。斬り裂く際のダメージは感じられないから」
2人の攻撃が純粋な物理攻撃ではないのが救いであった。
とはいえ、数宮の格闘技は物理攻撃寄りのため、十全なダメージを狼達へ与えることが叶わない。
「煙状に変異するなら、こっちもやり様があってね。そういうときのためのユーベルコードがあたしにはあるのさ! 名付けて、『弱点特攻作成(カニングクラフト)』!」
数宮は意識を集中させてテレパスで敵の弱点を探り当てると、すぐさまその弱点に有効な武装が手元に形成されてゆく!
その手元に現れたのは……なんと、掃除機だった。
「最新型のサイクロン式超吸引掃除機さね! これでどんな微細な粒子も、付属の超細密フィルターがキャッチして、排気は吸い込む前の空気よりもクリーンになっちまうスグレモノさ!」
「えっと、そこは武器じゃないの……?」
双剣を振るいながらも、まさかの掃除機で戦おうとする数宮を心配する龍ヶ崎。
だが、数宮は真剣と書いてマジだった。
「今はどんな武器よりも、掃除機が一番心強いのさ! 見ててご覧よ、紅音さん! スイッチ・オン!! さあ、どう逃げていく!?」
ギュオオォォォーンッと唸りを上げる掃除機が、向かってくる煙の狼の群れをたちまち吸い込んでいってしまうではないか!
いくら煙化してかわそうとしても、吸引力に優れた唯一のユーベルコード製掃除機は、僅かな『汚れ』も捕らえて吸い込むのだ。
「しかもこの掃除機! 集めるだけじゃないよ、ここからが本番!」
その口調は深夜の通販番組めいたそれになってゆく数宮。
「付属の超細密フィルター部分にサイキックの電撃を流すことで、汚れを電気分解! 悪魔の要素だろうがなんだろうが、ことごとく電気分解で苛んでやろうじゃないか!」
「掃除機すごい……! 私も負けてられないね!」
龍ヶ崎は背中の黒焔の翼を展開させると、周囲に向けて地獄の炎を放った!
「みんな纏めて燃えちゃえ!! 煉獄猛焔波動!!」
黒き業炎のユーベルコードがチベットの高山の山肌を一気に焼き尽くせば、残る群れは爆風と火炎でたちまち消滅してしまうのだった。
その後、2人は不自然に立ち並ぶ岩石が存在する岸壁に辿り着く。
僅かに残った群れの個体を泳がせ、この場所まで追跡した結果だ。
「もしかして……ホムラ、何処かに隙間がないかな?」
龍ヶ崎は、相棒の白銀槍竜のホムラの小柄な身体を使って岩石の隙間を確認させると、案の定、そのひとつに出入りしたような形跡が残っていた。
「ビンゴだね! つまり、この岩石が、封印の洞窟の『扉』なんだ!」
「けど、こんな小さな隙間、猟兵は入れないんじゃ……?」
どうするべきか考え込む数宮をよそに、龍ヶ崎は手元の武器を再形成する。
「いでよ、黒焔竜剣 壱式『禍焔の大剣』! こんな邪魔な岩石なんて、叩き切ってみせる!!」
怪力任せに真上から剣先を岩石へ振り下ろす龍ヶ崎!
その剣閃は、巨大な岩石を左右真っ二つに断ち切り、その奥の道を文字通り切り開いてみせたのだ。
「ひゃ~豪快だねえ! んで、この奥が敵さんのねぐらってことかい? 準備が整ったら、突入しようかね?」
数宮は荷物を下ろし、ひとまず此処までの疲労を癒すために軽食を猟兵たちに勧め始めた。
これが決戦前の最後の食事となるだろう。
腹が減っては戦ができぬ、ということで、洞窟へ突入する前に、猟兵達は腹ごしらえをすることにしたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『『炎上灰塵』の魔剣』
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POW : 魔剣解放『炎上灰塵』
【赤いオーラを纏った魔剣の斬撃】が命中した対象を燃やす。放たれた【纏わりつく呪いの】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : 領域展開『炎上灰塵』
戦場全体に、【呪いの炎】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ : 覚醒儀式『炎上灰塵』
【これまで燃やしてきたモノの質と量に応じて】【邪神の力が増大し、身を焼く苦痛と共に】【呪いの炎】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
イラスト:童夢
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「リステル・クローズエデン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
休息をとった猟兵達は、洞窟内へ突入を開始した。
洞窟内はこころなしか蒸し暑く、奥へ進むたびに熱気が増してゆくのを感じる。
幸い、洞窟内は入り組んでいたものの、大した分岐道は存在しなかったため、難なく最奥の邪神封印の地へ到達することが出来た。
「な……!? どうして猟兵共がここに!?」
燃え盛る大剣を片手で軽々と扱う、アジア人が唖然として猟兵達を睨み付ける。
その後ろには、巨大な爬虫類のようなものが、ガラスの壁めいた結界の中で暴れまわっていた。
「通りで我が主が鎮まらないはずだぜ。なるほどな、猟兵共の邪魔を感知していたのか。だが、ここから先は守護者である俺が通さん!」
守護者は大剣の刃をさらなる赤い炎と熱で覆うと、猟兵たちへ告げた。
「俺が相手になってやる! 話が主の肉体の一部から鍛造した、この『炎上灰塵』の魔剣の威力、その身をもって味わえ!」
伝わってくる覇気は、まさに魔人のそれである。
猟兵達は互いに戦闘準備を整えると、目の前の魔剣の守護者との決戦に臨む。
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
おお、こわいこわい。
その熱量と禍々しさ、まともに相手はしたくないんだけど……
素手でやり合うしかないのが辛い所だよ、まったく!
挑むなら剣の間合いから外れるしかないね。
『衝撃波』と電撃の『マヒ攻撃』で、
炎を吹き飛ばしながら動きを封じようとする。
そうして距離を取ると迷路を形成してくるだろうけども。
魔剣使いを見失う前に、
【縁手繰る掌】で味方の傍に諸共転移する!
そう、間合いを外す手はもう一つ。
剣を振るのが間に合わない超接近戦さ!
ダメージを往なし切れない至近距離で、
全力電撃の『属性攻撃』を受けときな!
ちょっとやそっとの火傷や呪詛なら、
『激痛耐性』と『呪詛耐性』でこらえるよ!
九重・灯
炎の魔剣、ね。
UC【朱の王】。皮膚が裂ける。流れる血を代償に、朱の契約印から魔の炎を喚んで四肢と剣に纏わせる。
「おそろいだなぁ、オッサン」
(『邪神が控えています。消耗はなるべく抑えて』)
頭の中に響くもう一人の自分の声に、わかってると応えて敵に打ち掛かる。
炎の魔力による身体能力強化。
『ドーピング3』
魔炎を纏う剣、アザレアによる斬撃を叩き付ける。
『属性攻撃10』『呪詛4』『怪力5』『部位破壊5』
敵の攻撃は剣で受け、同時に相手の体勢を崩すように黒刃カゲツムギの刃を地面から突き上げる。
『見切り5』『武器受け5』『カウンター5』
「こんな辺鄙な所でご苦労さんだったな、オッサン。そろそろ仕舞いにしようぜ?」
炎の魔剣と対峙する猟兵たち。
その殺意と熱量は、此方の肌を焼きそうなほどヒリヒリさせてくる。
数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は、敵のあまりの圧に肩を竦めていた。
「おお、こわいこわい。その熱量と禍々しさ、まともに相手はしたくないんだけど……」
サイキックエナジーを両拳に局所集中させると、ファイティングポーズを取る数宮。
「素手でやり合うしかないのが辛い所だよ、まったく!」
その隣では、九重・灯(多重人格者の探索者・f17073)が左腕に刻まれた朱の契約印に己の血を捧げるべく、その皮膚が裂け始めていた。
「骸の海に沈み眠る朱の王よ、その力の一端を顕現せよ。――“我ら”、狂気を以って狂気を討つ!」
ユーベルコードで呼び出された魔炎は、たちまち九重の四肢と斬鎧剣『アザレア』を覆ってゆく。
『汝、生贄ニ問ウ。今、此処デ我ニ喰ワレルカ? ソレトモ、契約ニ従イ、我ガ朱ヲ以テ敵ヲ屠ルカ?』
魂の深い部分へ問い掛けてくる『朱の王』に、九重はニタリと笑みを浮かべた。
「決まってんだろうが! この魔炎、使いこなしてやる!」
そう告げた途端、魔炎の勢いは更に増し、目の前の魔人にも負けないほどの熱量を放つ。
「おそろいだなぁ、オッサン?」
「ナルホドな……。猟兵の中にも俺と同類がいるってことか、ハハッ! 俺が言うのも何だが、相当イカレてやがるぜ!」
魔人の煽り言葉に対して、無意識に沈んでいた九重の主人格が、顕在する裏人格へ警告を発する。
『安い挑発に乗らないでくださいね? あと、邪神が控えています。消耗はなるべく抑えて』
「判ってるさ。でも、こっちから斬りかからねぇと始まらねぇぜ!」
九重は炎を纏う斬鎧剣『アザレア』を上段に振るうと、そのまま弾かれたように魔人へ突っ込んでいった!
「喰らえッ!」
振り下ろされる灼熱の刃!
それを魔人の燃え盛る剣身が真正面からぶつかっていった!
洞窟内に金属の衝突音と爆炎が広がる!
「チッ、見た目だけじゃなく、ユーベルコードの中身まで一緒かよ」
「そういうこった! オラオラ! 付いてこい! 耐えてみせろよ!?」
九重は更に速度を上げて魔炎の剣を振るえば、負けじと魔人も炎の魔剣を振るってゆく。
両者互角の剣戟がしばし続く中、数宮は出方を窺い続けていた。
「挑むなら剣の間合いから外れるしかないね」
数宮はサイキックによる電撃を拳から槍めいて放った!
まさに迅雷の一撃、虚を突かれた魔人の腹を直撃して穿ったのだ。
「ぐゥッ!?」
「何処見てんだ!?」
電撃で身体の自由を一瞬でも阻害された魔人へ、九重の袈裟斬りがきれいに決まった!
裂かれる魔人の身体から血が噴き出すが、右手の魔剣の熱量で瞬時に蒸発してしまった。
「チクショウが! そこの女はおとなしくしていろ!」
魔人は呪力を一点に集中し始めると、数宮の周囲に呪いの炎で出来た巨大な迷路が形成されてゆく。
高笑いして勝ち誇る魔人。
「これぞ領域展開『炎上灰塵』! そのまま中で焼け死ね!」
「な、なんだい、こいつは!?」
ものの数秒で数宮は呪われた炎の迷路に閉じ込められてしまった。
「ハーハッハッハ! その迷路は頑丈だぜ? 壁をぶち抜いて脱出なんて出来ねぇからな。ま、そんな事をする間もなく、中で骨すら残らず消し炭になっちまうがな? ハハハハ!」
目の前の攻防では手負いとなった魔人だが、猟兵1名の焼死を確信して笑いが止まらない様子。
これに九重は、憐れむかのような目線を送り続ける。
「……気が済んだか?」
「は? どういう意味だ?」
九重の質問と態度を不審がる魔人。
そのまま魔人は九重を亡き者にしようとすべく、魔剣の力を更に覚醒させて斬りかかってきた。
「いいか? お前の仲間はたった今、焼け死んで我が主の糧となった! お前も、俺に斬られて我が主の糧になれ!」
「それ、本気で言ってるのか?」
剣戟を自らの剣で受け止め、鍔迫り合いへ持ってゆく九重。
その表情は、決して悲嘆に暮れてはおらず、むしろ事が上手く運んで喜んでいた。
「オッサンは馬鹿か? いや、本体は右手の魔剣だったか? まぁ、どうだっていい! この状況に俺が誘導した事を分からねぇのか?」
「なに……!?」
「遅えよ! こんな辺鄙な所でご苦労さんだったな、オッサン。そろそろ仕舞いにしようぜ?」
魔人の足元から突然、黒い刃が突き上げてきたのだ!
黒刃形態『カゲツムギ』の影の刃の直撃を喰らった魔人は、そのまま一瞬だけ宙に打ち上げられた。
「ぐはッ!?」
「今だ! やっちまえ!!」
九重の掛け声に応じて、瞬時にテレポーテーションしてくる数宮!
ユーベルコード『縁手繰る掌(アポート・アンド・テレポート)』!
九重と阿吽の呼吸で掴み取った連携の賜である!
「ご自慢の呪われた炎、大した事はなかったね! あの程度、あたしには充分耐えられるのさ!」
そして、落下してくる魔人の真下へ素早く潜り込むと、数宮は右手をバチバチと猛烈に帯電させはじめたではないか。
「そう、間合いを外す手はもうひとつ。剣を振るのが間に合わない超接近戦さ!」
空中では回避しようがない魔人へ、全力のサイキック電撃を纏った掌底が放たれる!
「ダメージを往なし切れない至近距離で! あたしの全力電撃の一撃に痺れちまいな!」
「グワァーッ!?」
魔人の腰に数宮の放った一撃が突き刺さると、感電と打撃で大ダメージを負った魔人は洞窟の壁まで吹っ飛んで激突したのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
高宮・朝燈(サポート)
『私とおかーさんが居れば、どんなオブリも大丈夫!』
妖狐のガジェッティア×電脳魔術士、7歳の女です。
普段の口調は「ちょっとだけメスガキ(私、あなた、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」、機嫌が悪いと「朝燈スーパードライ(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは、レギオンガジェット>お料理の時間>その他と言った感じです。レギオンガジェットで出てくるガジェットはお任せします。大抵補助的な役割を好みますが、多少の怪我は厭いません。口調はませたメスガキですが、性格的には良い子で、基本的に犯罪的な行為はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
筒石・トオル(サポート)
「邪魔をしないでくれるかな」
「油断大敵ってね」
「ここは任せて」
正面切って戦うよりも、敵の動きを封じたり、属性防御を固めて盾や囮となったり、味方が倒し切れなかった敵にトドメを刺して確実に倒すなど、味方の安全性を高めるように動く。
ユーベルコードの使用はお任せ。
使用しない場合は、熱線銃での援護射撃を主に行う。
人見知りではあるが人嫌いではないし、味方が傷付くのは凄く嫌。
戦うのも本当は好きではないが、誰かを守る為には戦う。
もふもふに弱い。敵がもふもふだと気が緩みがちになるが、仕事はきちんと行う……ホントだよ?
波狼・拓哉
…んーそこそこの高さある所だから火の勢いは弱くなるもんですけど…あんまり信用しない方が良さそうですかね。あ、あんた自身に興味はないのでそのまま死ね。
んじゃまあ、化け喰らいなミミック。本体は人型なら狙いは足ですかね。その辺狙っておいてください…いくら呪いの火だろうと影ならいくら払い落とされてもダメージないですしね。
自分は衝撃波込めた弾で撃ってサポートに周りましょう。器落とし狙いたいとこですが…なんかあの剣、引っ付いてそうなんですよね。なんで肩を狙って部位破壊といきましょう。邪神の力あろうと動かす方は人型ですから。外れりゃ力は入りませんよ。
(アドリブ絡み歓迎)
龍ヶ崎・紅音
アドリブ・絡み歓迎
【POW】
「あれが封印されている邪神…いまここで倒したいけど、まずは守護者であるあなたが相手のようだね。だったらわたしもこの大剣で押し通す!!」
相手の大剣を「黒焔竜剣 壱式」で【武器受け】、その際に放たれる"纏わりつく炎"は【火炎耐性】ですこし耐える!
そして、抑えてた相手の大剣を【怪力】で弾くことにより、相手の態勢を崩れたところを【グラップル】攻撃と【なぎ払い】のコンビネーションでダメージを与えるよ
…さて、さっき「魔剣の威力をその身に味わえ」と言ってたよね
だったらそのセリフそっくりそのまま返してあげる!!
【力溜め】した焔【属性攻撃】として、『煉獄黒焔斬』で焼き払うよ!
「チッ、ぬかったぜ……猟兵の実力を見誤っていたな」
立ち上がる魔人の前に、別の猟兵たちが詰め寄ってきた。
波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)は、その燃える魔剣を眺めて訝しんでいた。
「……んーそこそこの高さある所だから、普通は火の勢いは弱くなるもんですけど……。魔剣の類は物理法則なんて無視しそうですし、あんまり信用しない方が良さそうですかね。あ、あんた自身に興味はないのでそのまま死ね」
「ンだとてめぇ……?」
不快感を露わにする魔人に波狼はキッパリ答えた。
「いや、依代風情がイキんなよって話だから」
「……は? 何故、それを知ってやがる?」
意外そうな表情で波狼を見詰める魔人。
本体が魔剣であることを見抜かれていた魔人は、咄嗟に猟兵たちと距離をとって警戒態勢に入った。
龍ヶ崎・紅音(天真爛漫竜娘・f08944)は、魔人の背後に控える巨大な邪神へ目を向けていた。
「あれが封印されている邪神……! いまここで倒したいけど、まずは守護者であるあなたが相手のようだね」
「ああ、そうだ。我が主の封印は、力を取り戻すための堅牢な防壁でもあるからな。俺が必ず封印を守ってみせるぜ」
「だったら、わたしもこの大剣で押し通す!!」
胸元の黒龍焔の呪印から吹き出す黒焔を龍ヶ崎が握り込めば、それは黒焔竜剣 壱式『禍焔の大剣』へと具現化する。
一触即発の状況の中、口火を切ったのは、別の猟兵たちであった。
「バール先生のお料理の時間だよ!」
マグカップ型の紳士めいたガジェットことバール先生に乗り込んで現れたのは、救援に駆けつけた高宮・朝燈(蒸気塗れの子狐・f03207)だ!
「スカウター分析! アームの変形完了! 先生、やっちゃって!」
「邪魔だ、ガキ!」
「うわっ!?」
高宮は魔人の作った呪いの炎の迷路に閉じ込められてしまった。
しかし、ものの数秒後には、迷路の壁があっという間に粉砕されてしまった!
驚愕する魔人!
「馬鹿なッ!? そう簡単に破られるわけがないはずだぜ!?」
「バール先生のドリルは世界一ィィィッ!!」
ガジェットの両腕は巨大な掘削機へと変形していた!
「私とおかーさん、それに先生が居れば、どんなオブリも大丈夫! 先生、やっちゃえ!」
高宮はガジェットを操作して魔人を掘削機で殴り付けた!
それを魔剣でガードするも、凄まじい衝撃に魔人は後ろへ突っ飛ばされてしまう。
「油断大敵ってね。今度は僕が相手をするよ」
同じく救援に駆け付けた筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)は、ルーンソードを極楽鳥花の花びらに変えて解き放った!
「遥かな眠りの旅へ誘え。極楽鳥花嵐(ストレリチアストーム)……!」
吹き荒れる花弁の刃が、魔人の全身をことごとく刻んでゆく!
「クソが! こんな花弁なんぞ燃やしてやる! 覚醒儀式『炎上灰塵』!」
魔人がこれまで燃やしてきたモノの質と量に応じて邪神の力を増大させ、身を焼く苦痛と共に呪いの炎を宿し超強化を果たした。だが、反動で魔人が血反吐を漏らした。
「ガフッ……! ガキにナメられて堪るかよ!!」
そのまま筒石へ向かって斬り掛かる!
しかし、魔人はその足を筒石の熱線銃で撃ち抜かれてしまった。
魔人がその場で崩れ落ちる。
「銃は剣より強い。その足、潰させてもらうよ」
「っざけやがってェッ!!」
魔剣を支えに、よろめきながら立ち上がる魔人。
そこへ波狼の放ったミミックの強襲が待っていた。
「んじゃまあ、化け喰らいなミミック。本体は人型なら、狙いはやっぱり足ですかね。その辺を狙っておいてください」
ユーベルコード『偽正・神滅迫撃(スコル・プレデター)』で召喚したミミックは、その姿を影の狼へと変貌させた。
そして幾つもの巨大化した黒く染まった影の顎で容赦なく魔人の左足に噛み付いた!
「ぅぐッ!? この駄犬がァッ!!」
魔剣でミミックを斬り付ける魔人。
左足が潰れてもなお戦えるのは、欠損部分を呪いの炎で強化しているからなのだろう。
しかし、幾ら影狼化したミミックを斬り付けたり燃やしても、一向に倒れる気配がなかった。
「なんなんだコイツぁ!? 全然死なねぇぞ!?」
「当たり前ですよ、ミミックにいくらダメージを与えたところでダメージないんですよね」
波狼は『MODELtypeβ・γ バレッフ&ノット』の二丁拳銃で、魔人の体の関節を狙撃!
放たれた銃弾は衝撃波を纏って、魔人の骨を粉砕してゆく!
「本体である魔剣を破壊したいところですが……その剣、引っ付いてそうなんですよね。あと硬そうですし。なんで肩や肘を狙って部位破壊といきましょう。邪神の力あろうと動かす方は人型ですから。外れりゃ力は入りませんよ」
「チクショウが! 凡庸な下等な存在のくせに、邪神の守護者の俺をコケにしやがってッ!」
ガクガクと身体をぎこちなく無理矢理に呪いの炎で稼働させる魔人。
依代の肉体を使い潰してでも、猟兵たちに一矢報いるつもりなのだ。
「俺だってなァ、意地ってもんがあるんだぜェ!!」
魔人は最後の力を振り絞り、龍ヶ崎へ斬り掛かる!
灼熱の赤き斬撃が頭上から振り下ろされ、龍ヶ崎の黒焔の大剣の剣身と激突した!
衝突の瞬間、爆炎が周囲に吹き荒れた!
「そんな炎……ほんの少しなら耐えられるよ!」
鍔迫り合いとなれば、龍ヶ崎の怪力で押し返すことが可能だ。
超強化した魔人すら跳ね除ける膂力を持って押し返すと、空いた片手で魔人の顔面を殴り付けた!
「ぷげェッ!?」
「まだまだーッ!!」
すかさず龍ヶ崎は身を翻してなぎ払い!
魔人は結界の壁に叩き付けられた!
そして龍ヶ崎は必殺の一撃を放つべく、大剣に自身の黒焔をチャージ開始!
「ねえ、さっき『魔剣の威力をその身に味わえ』と言ってたよね? だったらそのセリフそっくりそのまま返してあげる!! この黒焔竜剣の威力、その身に味わえ!!」
禍々しく焼き尽くす漆黒の炎が吹き荒ぶ大剣を携え、龍ヶ崎は魔人へ一気に肉薄。
その剣先を怪力任せに振り回すと、魔人ではなく、魔剣の柄を斬り落とす!
「この呪われた焔の斬撃を受けられるかな!? 必殺! 煉獄黒焔斬!!」
パキンッと乾いた破砕音が洞窟の中に響いたかと思えば、炎の魔剣が龍ヶ崎によって叩き割られていた。
次の瞬間、依代の肉体は炎に呑まれて焼き尽くされてゆく!
「ぐがぁぁっ!? クソが!! 俺が、負けるのかよ……チクショウがああッ!!」
骨も残らず消滅した肉体をよそに、割れた魔剣を龍ヶ崎は拾い上げる。
「へえ、結構な業物なんだね。鍛え直せばなにかに使えそう……って、今はこっちだね!」
龍ヶ崎は大剣を結界へ向けて振り下ろした。
これに波狼もミミックをけしかける。
「さあミミック、そんな結界なんて『噛み/咬み/神/守/皇/神』殺しな?」
高宮も筒石もこれに続けば、結界に大きく亀裂が走った。
――いよいよ、封印が解かれる時が来た。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
第3章 ボス戦
『怨恨ノ煌炎』
|
POW : 怨恨の炎
【自身の身体から常に噴出している怨恨の炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【怨恨の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : 炎の竜巻
自身からレベルm半径内の無機物を【炎の竜巻】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
WIZ : 地炎
【自身の身体から放つ炎】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【が燃え盛る炎となり】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:烏鷺山
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「榎本・彗樹」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
結界はガラスめいて、破片となって砕かれた。
中から這い出てくるのは、不完全な復活を遂げた個体名『怨恨ノ煌炎』――生者・死者問わずそれらの怨念の炎が火蜥蜴となって具現化した邪神である。
だが、UDC組織の情報よりも、猟兵達の目の前の存在はあまりにも強大すぎた。
通常の2倍、いや3倍はくだらない巨躯は、洞窟内の酸素を貪り食い、全てを燃やし尽くしてゆく。
これで不完全だというのだから恐ろしい事態だ。
洞窟の外へ出してしまえば、それこそ世界は滅びかねない。
猟兵達は再び武器を取ると、目の前の邪神を抹殺すべく立ち向かってゆくのだった。
松苗・知子(サポート)
『メリハリつけていかないとね!』
妖狐の陰陽師 × スターライダー
年齢 20歳 女
外見 153.8cm 灰色の瞳 黒髪 色黒の肌
特徴 ポニーテール お調子者 アクティブ カフェ好き 実はロマン主義者
口調 はすっぱ(あたし、あなた、呼び捨て、なの、よ、なのね、なのよね?)
死を覚悟した時は 無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)
口も足癖も悪いが義理人情には弱い。伸縮自在の特殊警棒と宇宙ビックスクーターで暴れまわり、時々クレバーに妖術も使ってみるスペースヤンキーもとい陰陽師
実は常識的
※セリフイメージ
「けったくそわるいわね」
「ぶちのめすわよ!」
「あ、あたしよりよほどやばい奴なのよ……」
シホ・エーデルワイス(サポート)
助太刀します!
人柄
普段は物静かで儚げな雰囲気ですが
戦闘時は仲間が活躍しやすい様
積極的に支援します
心情
仲間と力を合わせる事で
どんな困難にも乗り越えられると信じています
基本行動
味方や救助対象が危険に晒されたら身の危険を顧みず庇い
疲労を気にせず治療します
一見自殺行為に見える事もあるかもしれませんが
誰も悲しませたくないと思っており
UCや技能を駆使して生き残ろうとします
またUC【贖罪】により楽には死ねません
ですが
心配させない様
苦しくても明るく振る舞います
戦闘
味方がいれば回復と支援に専念します
攻撃は主に聖銃二丁を使用
戦後
オブリビオンに憎悪等は感じず
悪逆非道な敵でも倒したら
命を頂いた事に弔いの祈りを捧げます
杉崎・まなみ(サポート)
まなみは正当派後衛職のヒロインタイプです
聖職者教育を受講中の学生ですが、特に依頼に縛りは無く、どのような依頼でも受けられます
但し人並みに気持ち悪いモノ、怖いものとかは苦手で遭遇した際は多少なりとも嫌がる仕草が欲しいです
甘いモノ、可愛いモノが好きで少し天然な所があります
初対面の人でもあまり物怖じせず、状況を理解して連携を取る動きが出来ます
シリアス2~3:ギャグ7~8割くらいのノリが好みです
ただシリアスもやれますよー
UCは攻撃魔法と回復魔法どちらも使えます
特に『大地の奇跡』は、戦闘区域の状況や地形を踏まえた自然現象を利用する攻撃になります
その他、細かい部分はMS様にお任せします
コーデリア・リンネル(サポート)
アリス適合者の国民的スタア×アームドヒーロー、13歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、機嫌が悪いと「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
内気な性格のため、三点リーダーや読点多めの口調になります。
ですが人と話すのが嫌いでは無いため、
様々な登場人物とのアドリブ会話も歓迎です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
巨大な火蜥蜴の前に、救援に駆け付けた4人の猟兵が姿を見せた。
「さあて、ぶちかますわよ!」
松苗・知子(天翔けるお狐・f07978)は気合充分、伸縮自在の呪力式特殊警棒を片手に身構える。
その前に立ちはだかるのは、オラトリオ少女のシホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)だ。
「助太刀します! みなさん、力を合わせましょう! そうすれば、いかなる邪神にも打ち勝てます……!」
シホは敵前で跪くと、火蜥蜴を慈しむように祈りを捧げ始めた。
「私の祈りを拠り所に、この身を盾とし、一時の安息をもたらし給え! ここは私が抑えます! 守護翼、展開!」
シホの翼が大きく広がってゆけば、それは洞窟内全域を覆い尽くす翼の結界へと変化してゆく。
これに対して、火蜥蜴は洞窟内部の壁を炎の竜巻へと変えてシホにぶつけた。
「きゃあっ!?」
その威力に、翼の結界が軋み、亀裂は走る!
「なんて、凄まじい威力なのでしょうか……。ですが、その憎しみ、怨念、全て……私が受け止めます……!」
目の前の邪神がこの世界の生者達の怨念の集合体だと、出発前に事前情報を入手しているシホ。
彼女はオブリビオンでさえも憐れみ、共に苦しみを受け止めようと努める性分なのだ。
その思いの強さが、本来のユーベルコードの相性の悪さを覆し、邪神の炎を前にして踏み止まらせていたのだ。
「悪いわね、結界はひとりだけじゃないのよ?」
松苗は常に、その身体に防護結界を纏っている。
だが、その防護結界を瞬間だけ開放することにより、呪力の爆発を起こすことが出来るのだ!
「でも、これ無差別攻撃なのよね? だから、こうするのよ!」
シホの結界から飛び出した松苗は、自ら炎の竜巻の中へ身を投じた!
そして、自身の呪力を開放する!
「あさると! あーまー!」
恒常防護結界、開放!
半径63m内に呪力の爆風が吹き荒れる!
シホは翼の結界でそれを受け止め、松苗はその反発力を利用して火蜥蜴へ急接近!
「けったくそわるいわね! 喰らいなさい!」
邪神の巨躯が呪力の爆風で煽られて洞窟内で転がってゆくところへ、飛び掛かってきた松苗の特殊警棒の一撃がその無防備な腹へ叩き付けられた!
「■■■■■――!」
おおよそ言語化出来ない苦悶の鳴き声を喚きながら、ジタバタと暴れる火蜥蜴。
「あとは任せたわ!」
すぐさま松苗と入れ替わるように、今度は杉崎・まなみ(貴方を癒やす・f00136)とコーデリア・リンネル(月光の騎士・f22496)が進み出る。
「ううぅ……巨大なトカゲって気持ち悪くないですか……? 邪神とか敵とかの前に、ビジュアルがおどろおどろしいというか……」
可愛いもの大好きな杉崎にとって、目の前の怨念まみれの巨大火蜥蜴は相容れぬ存在であった。
それにコーデリアもコクコクと頷いた。
「アリス世界のオウガでも……あそこまでは、ひどくなかった、かも……?」
人付き合いが苦手なコーデリアと、他人でも割とグイグイいける杉崎の即席コンビは、互いの美的価値観が一致したところで攻撃に移った。
「危ないから……閉じ込めちゃうよ」
コーデリアはアリス適合者らしく、ユーベルコード『ガラスのラビリンス』を発動。
火蜥蜴を透明のガラスの迷宮に閉じ込めてみせた。
これに火蜥蜴は迷路の中で暴れまわり、炎を吐きまくって壁を破壊しようと試みる。
しかし、壁の強度はかなりのものであり、邪神の炎を持ってしてもガラスが溶解することはなかった。
とはいえ、その炎の上で徐々に力を増してゆく火蜥蜴の様子を、ガラスの壁越しに杉崎が警戒する。
「地の神よ……私たちをお救いください……! ひとつしかない出入り口に間欠泉を発生させて、迷路内へ大量の水を注ぎ込みますよ!」
ユーベルコード『大地の奇跡』を発動させた杉崎は、ガラスの迷宮内部へ勢いよく水を流し込んでゆく。
運良く地下水脈があったのだろう、それは凄まじい水圧で迷宮の入り口から注がれる。
すると、当然、迷宮内は水没してゆき、火蜥蜴の放った怨念の炎は勢いが弱まっていった。
火蜥蜴は水の中で無理矢理に炎の体を維持しようと、体内に溜め込んだ怨念を炎に変えた次の瞬間であった。
凄まじい爆発とともに白い霧が洞窟内に充満、ガラスの迷宮はあっけなく粉砕され、シホ達を含めた猟兵達は後方へ吹き飛ばされてしまう。
「これは……水蒸気爆発ですか!?」
「……洞窟が崩壊しなかったのが、ラッキーだったね?」
シホの結界のおかげで、猟兵たちは吹き飛ばされるだけに留まり、大した怪我を負わずに済んだ。
一方、火蜥蜴は、その大きな図体に爆発のダメージをもろに受け、力なくのたうち回っていた。
ガラス破片が火蜥蜴の全身を斬り刻み、炎の身体とて無事ではない。
結果として代打イメージを与えることが出来た救援班は、後ろに控える本隊とバトンタッチを果たすのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
龍ヶ崎・紅音
アドリブ・絡み歓迎
【POW】
「へぇー改めてみるとでっかいね…たしか本来のサイズから2,3倍あるんだよね?こんなのが暴れたら確かにまずいし、ここで撃破しないとね!」
"怨恨の炎"を【気合い】で回避しながら素早く接近、命中しそうになっても「黒焔竜剣 壱式」の【武器受け】で防御しながら、延焼分は【火炎耐性】と併せて【勇気】で対抗するよ
至近距離になったら『黒焔縛鎖斬』で放ち、そこから距離を取っりつつホムラで【怪力】全開で【槍投げ】するよ
みんなの協力で大きくダメージを与えたあとに『黒焔縛鎖斬』の効果を解除しつつ再接近、【力溜め】した【鎧砕き】の焔【属性攻撃】を叩き込む!!
九重・灯
前回に引き続きUC【朱の王】。
自らの血を代償に、四肢と武器に纏う魔炎をさらに燃え上がらせる。
「全力だ。思いっきりやるぞ!」
(『長くは持ちません。限界が来るまでに決着を付けて』)
もう一人の自分が内側から魔力を制御する。
オレはそれを存分に振るえば良い。
「我ら狂気を以て狂気を討つ!!」
炎の魔力により身体能力上昇。
『ドーピング3』
黒刃カゲツムギで剣を形成。アザレアと共に、魔炎を纏う二刀を両翼のように振るう。
『属性攻撃10』『呪詛4』『怪力5』『なぎ払い6』『2回攻撃3』
邪神の炎をそぎ落とし、朱の王の炎に取り込んでいく。
『部位破壊5』『生命力吸収3』
寝起きのとこ悪いが、骸の海に消えてもらうぜ!
龍ヶ崎・紅音(天真爛漫竜娘・f08944)と九重・灯(多重人格者の探索者・f17073)は、互いに炎の魔剣遣いである。
そんな2人が巨大な呪炎の巨大蜥蜴を相手取るのは、何かの奇縁といえよう。
「へぇー改めてみるとでっかいね……。たしか本来のサイズから2~3倍あるんだよね?」
「いや、よく分からねーけど……確かにデカイな? その分、刻み甲斐がありそうだぜ」
九重は先程から、自身の血を代償にして、四肢と武器に纏う魔炎をさらに燃え上がらせる。
(長くは持ちません。限界が来るまでに決着を付けて!)
精神の内部に潜っている本来の人格が、今の九重に警鐘を鳴らす。
(私が内部で『朱の王』の魔力を、可能か限り制御してみます。だから……)
「ああ、判ってるぜ!」
九重は斬鎧剣『アザレア』の燃える真紅の刃を掲げると、眼前の邪神を睨んだ。
「我ら狂気を以て狂気を討つ!!」
火蜥蜴は新たな脅威の存在を認識すると、自身の身体から常に噴出している怨恨の炎を滾らせる。
その禍々しい様子に、龍ヶ崎は思わず息を呑んだ。
「……こんなのが暴れたら確かにまずいし、ここで撃破しないとね……!」
「そういうこった! 全力だ。思いっきりやるぞ!」
2人が飛び出した瞬間、火蜥蜴の怨念の炎が洞窟内の酸素を舐め取り、空間を燃焼させた。
互いに膨張する禍々しい火炎の中へ突撃してゆく!
「はあああああっ!!」
気合一発、龍ヶ崎は黒焔竜剣 壱式『禍焔の大剣』を具現化させると、剣身で受け止めながら回避を試みる。
「延焼しようが、このくらい、黒龍焔の呪いに比べたら全然熱くないよ!」
吹き荒れる炎を刃で受け止め、ときに払い除け、身体に燃え移ることを意に介さず、そのまま最短距離を直進してゆく龍ヶ崎。
対して、九重は右手に斬鎧剣『アザレア』、左手に影から生み出した『カゲツムギ』を長剣形態で握り締め、鶴翼めいて振るう二刀流で炎を斬り裂いていた。
「温いぜ? 全ッ然、温すぎるぜ!? 世界中の怨念の炎は大し事はねえんだな?」
四肢に狂気の魔炎を纏わせた九重にとって、有象無象の怨嗟の炎などダメージすら与えられない。
それどころか、怨念の炎を自らの身体に取り込み、なんと自身に宿るUDC『朱の王』への供物としていたのだ。
「骸の海に沈み眠る朱の王、たんと喰えよ? なにせ、この世界に存在する70億人分の怨念の炎だぜ?」
邪神の炎を取り込んだ九重は、その身の炎を徐々に紫色へと変色させてゆく。
「行くぜ、蜥蜴野郎! 寝起きのとこ悪いが、骸の海に消えてもらうぜ!」
九重は火蜥蜴の体の上に飛び乗ると、二振りの刃を交互に突き立て、しっちゃかめっちゃかに斬り刻みまくる!
身悶える火蜥蜴だが、その暴れる身体を黒焔纏う大斬撃が地に伏せさせた。
「コンボユーベルコード! 黒焔縛鎖斬! この斬撃で動きを封じる!!」
斬撃を見舞った火蜥蜴の部位から、黒焔の鎖が一斉に湧き出すように生成されると、たちまちその身に絡み付いて動きを封じてしまう。
「ナイスだぜ! このまま一気に刺し殺す!」
影の剣を収納させた九重は、すぐさま魔力を足裏へ集中させた。
すると、邪神の腹の下から、影の刃がその背を貫きながら具現化!
ダメージに全身を痙攣させる火蜥蜴へ、さらなる追撃が迫る。
「ホムラ! 行くよ!!」
龍ヶ崎が相棒の白銀槍竜のホムラを槍へ変じさせると、距離をとっておおきく振りかぶって投げた!
槍は洞窟内の空気を裂き、見事、火蜥蜴の額に突き刺さった!
「ダメ出しだよっ!」
敵の拘束を解除した龍ヶ崎は、上段から振り下ろした大剣の一撃を、火蜥蜴の顔面へ直撃させる。
影の刃で串刺しにされた火蜥蜴は、顔面に強烈な黒焔の一撃を受けて、しばし目が回るのか、その場でよろけていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
筒石・トオル
【WIZ】
攻撃力も耐久力も高い相手か…長期戦になるとこちらが不利になりそうだ。
早めに決着をつけよう。
その為に自分がなすべき事は敵の動きを封じる事。そうして仲間に集中攻撃して貰い、一気に生命力を削ぐ作戦で。
熱量が大きい相手だから熱線銃の効きは悪いだろうけど、牽制や意識逸らしにはなるかな?【先制攻撃、早業、2回攻撃、範囲攻撃、誘導弾】
敵の攻撃は【フェイント、第六感、見切り】で回避。痛い攻撃を受ける趣味はないんで。
タイミングを見計らいUC『ヒプノシスリストラクション』で動きを止める。
「今だよ!」
ここで危険な邪神はきちんと片付けておこう。
※アドリブOK
波狼・拓哉
んー…まあ予想通りと言えば予想通りですかねぇ。まあ、これで弱体化してるんでしたっけ。じゃあ不審火みたいなもんです。消火して終わりにしましょう
化け潰しな、ミミック。火を消すなら水をかけるか地面に押し付けるって相場が決まってますので…まあ、地形事いきますが。周りに味方いないことだけ確認して崩落に巻き込んでやりましょう
自分は衝撃波込めた弾で適当に…デカすぎて俺じゃどうしようもないなぁ。まあ、意識釣り上げて誘導くらいは出来るか。戦闘知識、第六感、視力、逃げ足、地形の利用で崩落できそうなとこに誘導しつつ逃げ回りますか
ミミックはよく燃えそうだから適宜再召喚。制限とかないから酷使します。
アドリブ絡み歓迎)
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
まずいね……
この巨体、生半可な攻撃じゃ通らないか。
特にアタシは生身なんだ、熱いし呼吸も苦しいとなっちゃ
『覚悟』を決めて一点に賭けるしかないだろ。
そう、その怨念の炎の「核」を突く……!
どれだけ巨大になったとしても、それが統率を持って動いてる以上は
全体を束ねる頭脳や魂みたいな存在がある筈さ。
手刀にサイキックの力を集め、テレパスで本体を『見切り』……
乾坤一擲の【魂削ぐ刃】を振るうよ!
……あっちいぃぃぃぃ!?
やっぱ熱い!
誰か水!水おくれよ!火傷しそうだー!
度重なる猟兵からの攻撃を受けた火蜥蜴は、ところどころ自身の体の輪郭を保てなくなっていた。
ダメージが蓄積されている証拠だ。
だが、それでも気を抜かずに事を構える筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)は、熱線銃で牽制射撃を行っていた。
「手負いとはいえ攻撃力も耐久力も高い相手か……。長期戦になるとこちらが不利になりそうだ。早めに決着をつけよう。そのためにも、僕が奴の動きを封じよう」
浴びせられる熱線自体は、火蜥蜴の熱量に比べれば比べ物にならないほどの温度差だ。
だが裏を返せば、火蜥蜴にとっては自身の体に氷を押し付けられたような温度差の違和感を与え続ける事を差す。
そのまま焼き尽くそうと身構えていた火蜥蜴にとって、筒石の攻撃はダメージこそ軽微だが鬱陶しことこの上なかった。
故に、まずは筒石を焼き消さんと自身の体を更に燃え上がらせた。
筒石はそれを既に予期しており、素早くその場から退避して炎の着弾を回避する。
「生憎、痛い攻撃を受ける趣味はないんで」
だが、火蜥蜴の炎は着弾点を炎で包み込み、その上に自身が立つことで自己強化を果たす。
燃え盛る場所へ目掛けて火蜥蜴が身体をくねらせながら移動を開始。
しかし、そうはさせるかと波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)が相棒の箱型生命体ことミミックを解き放つ。
「んー……まあ予想通りと言えば予想通りですかねぇ。まあ、これで弱体化してるんでしたっけ。じゃああれは不審火みたいなもんです。消火して終わりにしましょう」
召喚したミミックの姿が、みるみるうちに冒涜的に蠢く頭足類めいた植物体へと変貌を遂げる。
「化け潰しな、ミミック。火を消すなら水をかけるか地面に押し付けるって相場が決まってますので……まあ、地形事いきますがね?」
触腕の塊となった冒涜的な姿のミミックは、燃え盛る炎へ無数の触腕を叩き付け、その風圧で炎を掻き消してしまった。
そして、迫りくる火蜥蜴と対峙すると、天井の岩肌へ強烈な一撃を触腕で見舞ったではないか。
「洞窟を一部崩落させますので、みなさん、退避してくださいね?」
「無茶苦茶だねぇ!? まぁ、あの図体相手には無茶を通さなきゃならないだろうけどもさ!?」
崩落に巻き込まれないように必死に後退する数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)が全力でツッコミを入れる。
火蜥蜴は降り注ぐ岩石の下敷きとなり、身体のいたる所を潰され、身動きが制限されてしまう。
だが、それでもなお、身体を燃やし尽くして岩石を払い除ける……否、おお、見よ!
「とんでもないな……岩石を自分の炎で『溶かす』つもりだ」
筒石の指摘通り、火蜥蜴は最後の力を振り絞って一層全身を燃え上がらせていた。
それは怒りや怨みなどの負の感情の昇華であり、自身の感情から生まれた激情の炎でもあった。
「押し潰している岩石がマグマになりかけてる。酸素を持ってかれて、息苦しいな……」
「いや冗談きついですねこれ……。というか俺の銃の弾じゃ、届く前に蒸発しそうなんですけど? まあ、牽制程度にはなるでしょうし、やりますけど」
「諦めたら、そこで僕らの負けだ。今は出来ることを精一杯やるんだ」
敵の行動阻害を目的とした波狼と筒石の銃撃が火蜥蜴へ浴びせられる!
ダメージは軽微だが、火蜥蜴の脱出までの時間を遅らせることは出来ていた。
その間、ミミックは焼き焦がされては再召喚され、触腕を振るい続けて岩石を火蜥蜴へ降らせ続けていた。
一方、数宮はこの状況に二の足を踏んでいた。
「銃はいいさね、離れたところから攻撃ができて。対してアタシは拳で殴らなきゃいけないのがツラいとこだねぇ……」
近接格闘を得意とする数宮にとって、マグマを生成するほどの熱量に自ら突っ込むのは無謀である。
「本当まずいね……。弾幕を張り続けてもこの巨体、生半可な攻撃じゃ通らないか。特にアタシは生身なんだ、熱いし呼吸も苦しいとなっちゃ……」
数宮は口元をニヤリと歪ませ笑みを浮かべる。
「覚悟を決めて、『オール・イン(一点に賭ける)』しかないだろ。こうなったら、無茶でも無謀でも押し通ってやろうじゃないか!」
故に数宮は、己の感応能力を最大限までサイキックエナジーで高める。
「どれだけ巨大になったとしても、それが統率を持って動いてる以上は、全体を束ねる頭脳や魂みたいな存在がある筈さ。ゆえに、その怨念の炎の『核』を突く……!」
数宮は足止めをしている波狼と筒石に呼び掛けた。
「2人とも、時間を稼いじゃくれないかい? アタシが奴の急所を見付けるまでの間、抑えておくれ!」
「簡単に言ってくれますね……でも、了解ですよ。ミミック、くたばってないで早く復活しろ」
波狼は溶解されて拘束が解かれるたびに、火蜥蜴の身体を押し潰すべくミミックに命じてその触腕で岩石をぶつけてゆく。
筒石もまた時間を稼ぐべく、奥の手を出す決心がついた。
「自分がなすべき事は敵の動きを封じる事。そうして仲間に集中攻撃して貰い、一気に生命力を削ぐ作戦……なんとしてもここで食い止める」
初対面の相手との連携は緊張して身体が固くなる。
だが、今はそれすら乗り越え、筒石は仲間を守るべく、自身の眼鏡に手を掛けた。
「光よ我が願いを叶えたまえ。聖なる力、邪なる者を封じる力をここに――」
すると、筒石の眼鏡のレンズがランダムに明滅を繰り返し始めたではないか。
「さあ、僕を視るんだ。ヒプノシスリストラクション!」
ダンダム明滅する眼鏡の輝きを視界に収めた火蜥蜴の様子に変化が現れる。
どこか酩酊状態で、動きがとたんに鈍くなり、明後日の方向に火炎弾を放ったりし始めたのだ。
これは……催眠術だ!
「今だよ! ここで危険な邪神はきちんと片付けておこう!」
「ナイスだ、坊主! アタシも気合い入れるとするかね!?」
数宮はテレパスで火蜥蜴の核を探している。
すると、一際、熱源の高い箇所があることに気が付いたのだ。
今の数宮の視界は、まるでサーモグラフィーだ。
「見付けたよ、土手っ腹の更に真ん中……つまり、奴の弱点は『へそ』だ! って、蜥蜴にへそはないけども、ともかくそこだ!」
「了解っと。それじゃあミミック、焼却されるのを覚悟で、あれを触腕でひっくり返しな? 催眠状態の今なら容易いだろうね、って痛ぁっ!?」
酷使され続けるミミックは、主の背中を一度ペチンッと叩いて抗議の意を表したあと、それでも素直に自らを焼き焦がしつつ火蜥蜴の体をごろんっとひっくり返してみせた。
「ほら、おとなしくするんだ」
筒石の眼鏡の明滅が一層激しくなる!
腹を出して脱力する火蜥蜴へ、大きく深呼吸をした数宮が駆け寄ってゆく!
「……見えたよ、本当の『アンタ』って奴が……。引き裂け! 魂削ぐ刃(アストラル・グラインド)!」
燃え盛る火蜥蜴のへそに当たる部分へ、数宮は手刀を深々と突き刺した!
おぼろげに光るサイキックエナジーを籠めた数宮の手刀は、怨念の核だけを精確に叩き割り、火蜥蜴の身体を真っ二つに斬り裂いてみせたのだ!
火蜥蜴は核を失ったことによって自らの姿を保てなくなり、あっという間に雲散霧消してしまったのだ。
「……勝ちました、か?」
「ふぅ、強敵でしたね。って、こらミミック!? 痛い痛い痛い! 使い潰して悪かったって!」
腰が抜ける筒石、相棒の箱型生命体に右足を齧られる波狼。
それぞれがぞれぞれの形で、任務遂行の達成感を味わっていた。
そんな中、達成感に浸る前に大変な事になっている者がいた。
「あっちいぃぃぃぃ!? やっぱ熱い! なんでアタシだけ燃えてるのさね!? 誰か水! 水おくれよ! 火傷しそうだー!」
腕に引火した火炎を振りほどこうと必死になる数宮の慌てぶりに、仲間の猟兵達が右往左往したというのは、また別の話である。
大成功
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