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【Q】船出

#サムライエンパイア #【Q】 #鉄甲船

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#サムライエンパイア
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#【Q】
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#鉄甲船


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「先のエンパイア・ウォーで回収された、鉄甲船のことは覚えておるだろうか?
 ……初めて聞く者もおるかもしれないゆえ、念のために説明しておくとしよう」
 グリモア猟兵、ムルヘルベル・アーキロギアは改めてこれまでの経緯を語った。
 昨年の夏頃に勃発した、第六天魔王・織田信長との大戦。
 すなわち『エンパイア・ウォー』として知られるサムライエンパイアの大戦争と、
 そこで撃沈・引き上げされた『鉄甲船』について、である。
 彼によると、その鉄甲船のすべてが異様な"紫の光"を放ち始めたのだという。
「この光は、すべて同じ方角に伸びている。つまり……エンパイアを取り巻く海の先に。
 そしてエンパイアでは、あの『レディ・オーシャン』の暗躍もあったばかりだ」
 レディ・オーシャン。
 別世界ヒーローズアースの大戦争に姿を現した『ジェネシス・エイト』の一柱だ。
 戦争を生き延びたかの女神は、なぜかサムライエンパイアに姿を現した。
 そして"故郷へ帰るため"とうそぶき、奇怪な儀式を執り行なおうとしていた。
 加えて、先の戦争で織田信長が口にした『グリードオーシャン』なる言葉……。
「間違いなく、これらは同じエリア、ないし我らの知らぬ異世界を指しているだろう。
 そこでオヌシらには、この船に乗り込みエンパイアの外洋航海に繰り出してほしい」

 が、グリモア猟兵として依頼することである以上、ただの船旅とはいかない。
 ムルヘルベルの背後、グリモアが映し出したのは……暗雲の荒海であった。
 海面は渦を巻いて荒れ狂っており、空を包むのは分厚い黒雲。
 しかも黒雲からは絶え間なく雹や雷といった危険な落下物が降り注いでいる。
「なによりもまず、この海域を包む『海洋災害』をどうにかして突破せねばならん。
 ワガハイの予知によると、こういった天災に加え、いわゆる"幽霊船"も出るようだ。
 かこに航海に乗り出した船の成れの果てなのか、オブリビオンの差し金かはわからん」
 上には雷の黒雲、
 下は渦巻く荒波、
 前からは朽ちた船の群れ。
 並の船では突破不可能。いくら鉄甲船でも素通りは出来ない。
 猟兵達の知恵と勇気、そして場合によってはユーベルコードも必要となるだろう。
「間違いなくオブリビオンの襲撃もある。危険な任務となるゆえ、無理強いはせぬ。
 それでもこの船……"スリッド号"に乗ってくれる者がいれば、仕事を頼みたい」
 そう言って、ムルヘルベルは本を閉じた。
「"井の中の蛙大海を知らず"とは言うが……さて、この先に何があるのやら。
 それが見つかるかどうかもオヌシら次第だ。健闘を祈っている』
 その言葉が、転移の合図となった。


唐揚げ
 コロンブスです。儀式魔術【Q】成功おめでとうございます!
 そんなわけで、船に乗って海に繰り出そうじゃないかと。

●1章の補足
 OPでは色々な海洋災害の危険要因が示されていますが、
 プレイング上で対処するのはどれかひとつであれば問題ありません。
 空から落ちてくる稲妻をどうにかしてもよし、
 船を飲み込もうとする大渦をどうにかしてもよし、
 進路を阻む幽霊船の群れをどうにかしてもよし、です。

●プレイング受付期間
『2020年03月04日13:59前後』までとします。
 戴いたプレイングは問題がない限りなるべくご案内出来るよう頑張りますが、
 戴いた数によっては再送のお願いをする場合があるかもしれません。
 その時は、改めて断章なりお手紙などでお知らせさせていただきます。
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第1章 冒険 『脅威の海洋災害』

POW   :    肉体の力で体力任せに海洋災害に立ち向かいます

SPD   :    素早い行動力や、操船技術で海洋災害に立ち向かいます

WIZ   :    広範な知識や、素晴らしいアイデアなどで海洋災害に立ち向かいます

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 スリッド号と名付けられた鉄甲船は、徐々に問題の海域に近づきつつあった。
 穏やかだったエンパイアの海原は不自然なほどに荒れ狂い、いくつもの渦が巻く。
 空には分厚い黒雲が広がり、どろどろと不穏な稲光を覗かせていた。
 そして見よ……水平線の彼方、ぼんやりと浮かぶいくつもの明かりを。
 まるで深海魚の生体光めいた輝きが、腐り朽ちた幽霊船の骨組みを浮かび上がらせる。
 かつてこの海原に挑んで沈んだ船乗り達の怨念か、
 はたまたオブリビオンの差し金か。
 いずれにせよ、あれらが黙って鉄甲船を通してくれるはずもない。
 ……ざぱんと音を立てて白波が爆ぜる。
 黒雲が陽の光を遮り、青い海をタールめいた漆黒の闇へと変える。
 そして落ちる稲妻。降り注ぐ雹! 幽霊船の甲板に現れるいくつもの砲塔!
 この先へ進むには、一筋縄ではいかないようだ……!
イリーツァ・ウーツェ
姫(f17016)と
杖中の姫を呼び出す
海ならば専門だろう
手伝え

稲妻と雹は防ぐか
だが、他にも方法はあった筈
敢えて、迷惑な技を選ぶとは
後で一度、殺さねばならんな
(外に出ている姫の実体は、水を媒介にした分身)
(殺しても杖に戻るだけだが、痛みは感じる)

天地同用――
重力を操り、半円状に防壁を張る
暴風と大波から鉄甲船を守る
砲を打たれれば、打ちて返す

幽霊船の重力を操り
空中高くへ持ち上げ、落とす
防壁を張りながらでは、一度に一隻が限度か
ならば何度でも繰り返そう
沈め、オブリビオン


綿津見・豊玉
仇と(/f14324 "ご主人サマ"と呼ぶが敬意ゼロ、小ばかにした感じ)

久方ぶりに外に出られたわえ。其はそれとして……なんじゃ、この海は
おお、おお、醜いのう……妾の海域とは大違いじゃ
なるほど? あの朴念仁が妾を杖から出すわけよなぁ
滅ぼされたとはいえ、妾は海都の姫。海に関しては、これ以上の専門家もおるまいて

海に飛び込み、ユーベルコードを使うぞ
妾は動かん。動く必要が無いゆえな。敵の起こす悪天候を、妾の起こす悪天候にて塗り替えてやろうぞ
稲妻も雹も無粋! 海の嵐は予測不可能かつ生きている様に動く波こそが主役ぞ!
幽霊船など木っ端も同然、せっかくじゃ再び難破させてやろうではないか! げぎゃぎゃぎゃぎゃ!



 いまや、稲妻も雹も降り注ぐことはなく、暗雲は静まり返っていた。
 然り、"暗雲は"……である。空の脅威がなくなったわけではない。
 稲光の代わりに渦巻くのは恐ろしげな嵐であり、
 雷鳴の代わりに響き渡るのは、耳障りで人外めいた醜悪な笑い声だ。

 げぎゃぎゃ……げぎゃぎゃぎゃぎゃ!

 癇癪を起こした子供のような、
 痴れ狂った老人のうわ言のような、
 ひどく人の精神を不安にさせる、怪物の鳴き声である。
 嗤っていた。その声の主――すなわち大いなる海の姫にして美しく醜きもの、
 綿津見・豊玉のあげる哄笑。波を起こし風で船を脅かす魔性の笑い声である。
「……他にも方法はあったはずだ」
 イリーツァ・ウーツェの声は、いつものように憮然としていた。
 しかしどうやら龍にも、人間で云う不快感のようなものは存在しているらしい。
 彼は苛立っていた。人間のそれになぞらえるなら呆れているというべきか。
『ほお、"ご主人サマ"は手厳しいのう? 妾は仕事を果たしておろうに』
「あえて迷惑な技を選んでいるな」
 言葉は返ってこず、代わりにげぎゃぎゃぎゃ、と妖は笑った。
 まあいい。それならそれで、"もう一度"殺してやればいいだけのこと。
 イリーツァが殺人を躊躇することはない。普段しないのは約定があらばこそ。
 ましてや相手は妖。しかも、すでに一度殺したことのある相手である。
 恐ろしい話ではあるが、それこそが龍の在り方だった。

 ……逆巻く荒波に囚われて、鉄甲船の甲板はひどいありさまだった。
 傾ぎ、揺らぎ、ともすれば船体がバラバラになるのではないかと思わされる。
 それは、水平線の彼方からぼんやりと近づく幽霊船の群れも同じらしい。
 すでに先遣の船はいくつか海の藻屑に変わり、屍めいて竜骨を晒していた。
 しかし。いくら障害を取り除けようと、このままでは鉄甲船が保たぬ。
『海の嵐は波こそが主役ぞ! 無粋無粋無粋、木っ端も雲も消えうせい!』
 げぎゃぎゃ、げぎゃぎゃぎゃぎゃ! と、狂乱の姫は哄笑する。
 水そのものと化したあれを今すぐ殺す必要はあるまい。
 今考えるべきは、この船――スリッド号をいかにして守るか。

 と、その時。
 一切の予備動作も何もなく、鉄甲船は急激に元の体勢を取り戻した。
 嵐が鎮まった? 否。姫は相変わらず荒れ狂い続けている。
 では、なぜ。鉄甲船とその周囲の海域だけが、穏やかになっているのか。
『なんじゃつまらん。"ご主人サマ"は戯れが好かんと見える』
 豊玉の揶揄を無視し、イリーツァは重力制御術式をさらに集中した。
 ドウ、ドドウ――直後、幽霊船の群れからいくつかの砲弾が飛来。
 しかしそれらは、まるで見えない膜があるかのように空中で破砕し爆発した。
 "ように"? 違う。事実、いまの鉄甲船は見えない膜で包まれている。
 イリーツァが操る重力が生み出した防壁によって、守られているのだ。
「沈め、オブリビオン」
 イリーツァは片手を差し出し、挙げ、そして下ろした。
 まるで紐で結ばれているかのように、先頭の幽霊船が持ち上がり、落ちる。
 ざばん――!! と荒波が出迎え、かきむしり、引き裂き、藻屑に変える。
『げぎゃぎゃぎゃ! 愉快愉快!』
「…………」
 けらけらと嗤う豊玉に対し、イリーツァはいささか不満げにも見えた。
 防壁を張りながらでは、どうやら幽霊船は一隻二隻を落とすのが関の山らしい。
 だがまあ、いい。それならば、視界から消えてなくなるまで繰り返すのみ。
 何度でも。
 何度でも。
 懐旧も哀憫も憐嘆もなく、朽ちた船を海に還す。
 そのたびにぐるぐると渦巻き破片に変えて海と嵐が藻屑を呑み込むさまは、
 まさに神話に描かれる海の魔物めいていた――事実、そうなのだが。
『ほうれほれ。怖いか? 恐ろしいか! 朽ちてしまえ、呑まれてしまえ!』
 悪夢じみた豊玉の嗤笑も意に介さず、淡々と船を掃除していく。
 もはや、海域に訪れた災いが敵と味方のどちらなのか――傍目には誰にもわからない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

化野・風音
恥ずかしながら船旅は初めてです
波を切り、潮風を感じながら広い海原を進む。
なかなか心躍るものですね?

人が、見果てぬ海の向こうにみる浪漫と欲望が在るのですから

……さて。せっかくの船出に好事魔多しとはよくいったもので
手早く、迅速に。露払いもメイドのお仕事です

船乗りは験を担ぐもの
怪異を信じ、遭遇することを懼れ、遭遇する怪異を畏れます
なるほど幽霊船というものは、船乗りの士気を挫くに充分で……

敵意、悪意を持って現れる皆さま方の選択として大変正しい
ですが……そういう昏い感情が私の好物でして

召喚した狐の群れが放つ炎で幽霊船を砲ごと燃やしていきます
(【破魔】【範囲攻撃】】

未練を抱いたまま朽ち果てるも人生です



 一度はユーベルコードによって晴らされた暗雲が、
 ふたたびごろごろと不穏な稲光をあげながら寄り集まってくる。
 明らかに自然の現象ではない。この海域が持つ、魔力的な災害なのだろうか?
 はたまた猟兵を……もっと言えば外洋に出ようとする者すべてを邪魔する、
 何者かの差し金か……今それを類推したところで、答えは出ないだろう。
「まったく。潮風を感じ旅情に浸る暇もありませんね」
 空を見上げ、化野・風音はやれやれといったふうにため息を付いた。
 しかし彼女が一番問題視したのは、空や海の荒れ模様ではない。
「好事魔多しとはよくいったもので。致し方ありませんね」
 手首のスナップを利かせれば、次の瞬間には無数の霊符がその手の中に現れる。
 風音が見据える先……水平線の彼方に揺らめくいくつもの蜃気楼。
 いや、蜃気楼ではない。それらは現実のもの、船乗りなくして浮かぶ屍の船。
 すなわち幽霊船の群れだ。明らかな瘴気と死霊の気配に顔を顰める。
「死霊が蔓延るのは地のみに非ず。水場とはむしろ霊魂を引きつけるもの。
 とはいえ……いささか数が多すぎではないでしょうか? よろしくありません」
 言いながら、風音は扇のように拡げたいくつもの霊符を投擲した。
 それはスリッド号の進む先で壁のように浮かび上がり、霊力の障壁を張る。
 直後――ドウドウドウ! と、大気を砲声が揺らした。
 砲撃である。我々現代人の目から見ればまったく前時代的なものだが、
 どうやらオブリビオンめいた連中の砲撃は見た目以上に強力らしい。
 霊符の障壁をもってしても、符はぶすぶすと焼け焦げて少しずつ剥がれていく。
 もしもこれが尋常の船ならば、船乗り達はとっくに怯えすくんだことだろう。
 行く手を阻む亡者の群れ、そして轟く砲声の雨あられ。
 一方で――風音が浮かべていたのは、くすりと小悪魔めいた笑みだった。
「験担ぎを好む船乗りならばいざしらず、あいにく私はメイドでございます。
 そしてなにより、私、恐怖や畏怖といった昏い感情こそが好物なものでして」
 焼け焦げて散っていく符の数々が、空中でいくつもの小狐に変わる。
 それはたちまち燃え上がる炎に変わり、砲撃を呑み込みながら飛来した。
「海原と言えど、私がここにおります。ならばここは"化野"でございますよ?」
 一山いくらの亡者など、悪食妖狐にかかれば雑魚もいいところだ。
 小狐達の放った炎はたちまち竜骨に燃え移り、船の残骸を燃やしていった。
 オオ、オオオオ……と、おぞましい死霊どもの嘆きの怨嗟が潮風に満ちる。
「未練を抱いたまま朽ち果てるも、人生の一つの形です」
 爽やかな潮風よりも、そのほうがよほど心地よさそうに女狐は笑う。
 燃え上がる炎が、艶やかなその微笑を妖しげに照らし出した。

成功 🔵​🔵​🔴​

エミリィ・ジゼル
乗るしかない、このビッグウェーブに。
大渦だろうがなんぼのもんじゃい。
絶対にグリシャンに到達しましょう。

とは言え、相手は大海原
いくらわたくしがなんでもありのサメイドとはいえ、ノープランでは海の藻屑です。

というわけで今回はUCの力を使いましょう
具体的には海と言えばサメ!
つまりリヴァイアサンであるサメダディの出番です

海とサメを司るサメダディを呼び出して説得し、大渦を沈めてもらってどんぶらこ
ついでに幽霊船もサメダディにえいやーしてもらいましょう


サメダディ!グリシャンですよ!グリシャン!
海が舞台の新世界なら、わたくしたちの出番です
これをスルーしてはサメの名折れ
というわけでいっちょ力を貸してくだち!


天道・あや
グリードオーシャン…!前々から色々と噂になってたけど…ついに行くための手掛かりが…!…よし!新しい世界への…未来への道は…あたしが切り開く!右よし!左よし!…新世界よしっ!それじゃ、出発!!

…っと!?な、何か早速辺りが霧につつまれて…そ、そして何か正面にぼろぼろの船が…!……あ、あれってもしかして……ゆ、幽霊船………!?……ご、ゴースト…ゆ、幽霊……そ、それは…ちょっと…、……で、でも新世界の為にはあれをどうにかしなきゃだし………か、覚悟決めた!?いざ!突入!?うおおお!!?

幽霊船へ【ジャンプ】して移動!そして…悪いけど幽霊さん達!これを聴いて成仏してください!!【楽器演奏、歌唱】


シノギ・リンダリンダリンダ
新たな海域。それを探すための船旅
海賊としてこれほど心躍るものはありません
人様の船に乗るのは少し落ち着きませんが、まぁ楽しんで船旅をしましょう

とか言ってたら幽霊船ですか
あぁなるほど。つまりお前達はこう言いたいのですね?
私の海賊幽霊船と、どちらがより優れているか。と

スリッド号のふちへ立ち、すぐ近くに【幽玄な溟海の蝗害】で自分の船、海賊幽霊船シャニムニーを召喚
飛び移って【飽和埋葬】で死霊従者達を召喚し各ポジションに配置、自分は慣れた船の「運転」をします
梅雨払いは、私にお任せを!
とにかく突撃し、幽霊船が多い場所に向かったら死霊に命令し大砲で「制圧射撃」、「援護射撃」
スリッド号の道の邪魔はさせませんよ?


銀山・昭平
荒れ狂う海、荒れ狂う空……ここまで来て船が沈んだら大変だべ。
最悪幽霊船を借りる可能性も考えた方が良いかもしれないべな。

◆行動
というわけでおらは船が壊された部分から修復していくべ。
【銀山流即席絡繰術・弐式】で造船に使う大工道具を用意、へこんだり割れたりした鉄板を修復するのにも【防具改造】の知識が役立ちそうだべ。
何なら【メカニック】で絡繰りを組み込んで幽霊船からなにかが来たら迎撃するような機構を仕込むのも楽しそうだべな。

外で行動するなら雹や雷なんかも怖いが、直撃しても海に落ちなきゃ多分問題ないと思うべ。多分。

※アドリブ・共闘等歓迎です



 空にはごろごろと稲妻と暗雲が蠢き、海は逆巻く。
 そして水平線の彼方、霧めいて霞む空間から現れる無数の幽霊船。
 すでに猟兵達の健闘でその第一波は払われたあとだが、
 船が進むにつれ海洋災害は激しさを増していた……つまり、真っ只中だ。
「ひ、ひえ……!! あ、あれやっぱり、ゆ、幽霊船、だよね!? ね!?」
 そんなてんやわんやの甲板で、ひとり幽霊船に怯えているのは天道・あや。
 どうやら快活な彼女でも、幽霊だとかゴーストの類は大の苦手らしい。
 どうしよう。出港直後はいつも通りハイテンションで舞い上がってたけど、
 いざ出くわしてみるとものすごい気が引ける。というか怖い。言わないけど。
 割と帰りたい。新世界とか色々気になるけど幽霊は無理。無理なのだ!!
「ってそれより気にすることがたくさんあるべ! 空も海も大災害だべよ!」
「そ、そうだけどさぁ……」
 レンチとトンカチを持った銀山・昭平は、あやの様子に腕組して嘆息した。
 ガジェッティアとしての経験と知識を活かし、彼は船の端から端を東奔西走。
 いくら強固な鉄甲船といえど、これほどの嵐を乗り越えることは出来ない。
 荒波は絶えず船体にダメージを与えているし、雹なんてものはもってのほかだ。
 つまり、彼は修理で大忙しだった。造船技術の持ち主などそうそういない。
 本当は猫の手も借りたい状況だったが、肝心の若者がこれである。
「最悪、あの幽霊船を借りる可能性も考えたほうがいいかもしれないべ」
「ええええっ!? そ、そそそそれって、ああああれに乗るってこと!?」
「そうだべなあ。直接乗り換えることは無理だとしてもパーツを拝借だとか」
「無理無理無理。絶対無理!!」
「ものすごく食うような勢いで拒否してきたべな……もしもの話だべよ、もしも」
 その言葉にあやはほっと胸をなでおろす。が、DOOOOOOM!!
 船のすぐそばの海面に、幽霊船の放った砲弾が着水。水しぶきをあげた。
「……といっても、どっちみち蹴散らさないと駄目だべなあ」
「そ、そうだけど、でも、うううう……」

「案ずることはありません!!!」
 突然の颯爽たる声に、思わずふたりはそちらを見やった。
 スリッド号の先端付近、なぜかガンでバスターな感じに腕組み仁王立ちする女!
 あれは誰だ? 海賊か? はたまた海の女神か?
 いや違う! 海賊ではあるのだが猟兵だ! それもかなりイッてる系の!
 その名はシノギ・リンダリンダリンダ。名前からしてもう圧が強い。
 何? 依頼のときは割とまとも? でもほらここ海じゃないですか。
 略奪系海賊美少女のシノギ的には、大変にテンションが上がっているのだった。
「たとえどれほど幽霊船が現れようと、ここに私がいます。
 そして私がいるということは! すなわち!! 私の船もここにあるッ!!」
 くわわっ。シノギは勢いよく両目を見開いて宣言した。
 すると……見よ! ざざざざ……と荒波かき分け来たる巨大なフォルム!
「ひいいっ!? な、何、また幽霊船増えたの!? えっ!?」
「いや、違うべ……あれは幽霊船は幽霊船でも、海賊幽霊船だべ!!」
「その違いは何ーーーーっ!?」
 あやのツッコミは完全に置き去りにされる。なぜならここは海。
 そして海賊船しゃにむにーがここへ来た! であれば起こるのはただひとつ!
「人様の船に乗るのは少し落ち着きませんでしたが、幽霊船勝負なら話は別」
「「幽霊船勝負……?」」
「お前達の幽霊船と、私の海賊幽霊船! どちらがより優れているか!!
 それを証明してやりましょう! さあ、海賊の時間で(ざっばー!!)」
 いい感じにかっこよくキメていたシノギが、大波に呑まれた。

「「えええええーっ!?」」
「あ、もしかしてわたくしまた何かやっちゃいました~?」
 どこのほんにゃら系小説主人公だよみたいな文句とともに現れたのは、
 なぜか照れ照れと頭をかいているエミリィ・ジゼル(サメぐるみのすがた)。
 ……と、ばしゃーんと海から顔を覗かせた、バカでけえリヴァイアサン。
「「リヴァイアサン!?」」
「は? サメダディですが??? もしやサメダディをご存知ない???」
 なんで若干喧嘩腰なんだろうと顔を見合わせる昭平とあやである。
「サメダディは海とサメを司るダディ! なのでサメダディなんです!!」
「説明になってねえべさ……」
「それで大渦沈めてついでに幽霊船も呑み込んでもらおうと思ったんですよー。
 そしたらほら、見慣れた船が出てきてつい。いやー若干申し訳ない」
「謝る時にそんな言い回ししないんじゃないかな!?」
「まあおシノギちゃん様なら心配ないですよ大丈夫大丈夫~」
 呑み込んどいてそのノリはむしろそっちが大丈夫なのか?
 ……とか思っていたら、ざばぁ! とシノギが浮かんできた。
「おかしいですね。ここは私が『露払いはおまかせを!』と啖呵を切って、
 颯爽と突撃して幽霊船をちぎっては投げちぎっては投げるところでは?
 せっかくのグリシャンですし、略奪の時間なので許しますが……」
「ゆ、許された」
(ひっかけたほうに反省の色が欠片もねえべ……!!)
 おほん、とシノギは咳払いし、気を取り直した。
「とにかく! 改めてここからは海賊の時間です! とうっ!!」
 そしてシャニムニーに飛び移り、出待ちしていた死霊従者の皆さんを指揮!
「露払いは、私にお任せを!」
「何事もなかったかのようにTAKE2!?」
「乗るしかない、このビッグウェーブに……! サメダディ!!」
 ガオオオオオオン、とどことなく人工知能の機械獣風に吠えるサメダディ。
 サメダディとシャニムニーが勇敢に幽霊船へと挑む。
 勢いがいいのでさらに波が高くなる。
 船、揺れる!
 船体、軋む!
 竜骨、嫌な音を立てる!
「ああもうまた修理しなきゃなんねえべ! 忙しい忙しい!」
「え、えーっと、えーっと! あ、あたしも覚悟を決めた! いざ! 突入!?」
 なんだかてんやわんやのテンションに呑まれ、あやも跳んでいった。
 こんな状況で幽霊怖いとか15歳の乙女みたいなこと言ってられっか!
 逆巻く波! 飛び交う砲弾! サメダディ!
「悪いけど幽霊さん達! これを聴いて成仏! してください!!」
 戦場と化した海原を飛び回りながら、あやは必死に歌った。
 なんとか少しでもシリアスになるように。どうか冒険活劇っぽくなるように。
 奏でられる旋律。水しぶき。ダンス。大砲。そしてサメダディ。
 あのリヴァイアサンいる限りまともな冒険活劇風のシーンは無理では?
「ここで退いてはサメの名折れ! サメダディ、もっと力を貸してくだち!!」
「負けていられません、全船員サーベル構え! 接舷し乗り込みます!」
「戦うのはいいけどせめて船のことは考えてほしいべさーーー!!」
 もう何もかもしっちゃかめっちゃかであったという。ちゃんちゃん。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

片瀬・栞
POW
アレンジ、共闘歓迎
遠洋を船でってなかなか無い機会かも
思いつくお手伝いは頑張ろう
UC【エアリアルステップ】で高所に登って帆の上げ下げ手伝ったり
【怪力】で力仕事や舵とりをしたり
暗視ゴーグルつけて見張り、幽霊船の方向指示したり
船から落ちそうな人は鎖付き棘鉄球投げて巻き付け引き戻したり
臨機応変に人が不足気味な所を埋めて行く

幽霊船は迎撃
「ぐれぽん!」『stand by(あいよ)』「撃ち返せ―!」
グレネードランチャーで敵の砲を潰し
「はんまー!」『kidding me(おい馬鹿やめろ)』
悪球打ちの岩なんとかさん(目線入れ)みたいにぐわらがきーん!と
なんか飛んでくる砲の鉄球撃ち返す
「よし、ホームラン!」


リア・ファル
WIZ
アドリブ共闘歓迎

見知らぬ地平への航海とあれば、
この戦艦(のAI)の本業と言っても過言じゃないね
行こうか!

「航海案内ならこのボクの出番だ、ナビゲートするよ!」

『イルダーナ』と艦首に陣取り、
各種探査とマッピングを演算実施
(情報収集、視力、暗視、聞き耳)

「海流、天候、etc、最適経路策定、つぎは取り舵!」
ボクのナビゲートで航路をアドバイス

個々の対処は他の猟兵に任せつつ、
大筋の航路確保はこなしてみせる!

いざとなれば、UC【元素律動・ダグザの竪琴】で、
潮の流れや風向き、その他の悪天候を制して進む

「さあ進もう! 乗り越えよう! ボクたちならできるさ!」
(鼓舞)


神元・眞白
【SPD/割と自由に】
気ままな船旅。良い物ですね。知らない場所に向かって知らない事を知る事ができる。
ちょっと天気は悪いですがきっと船の旅はこんなものなのでしょう。
天気が良くなるまでは傘が必要そう。飛威、傘は持ってきてる?

幽霊船。とても面白そうな場所。ここは調査の為に乗り移ってみないと。
中で何が待っているか。単に霊が集まっている場所なら聞き込みを。
外洋の事を知っている霊がいるかもしれませんし、時間がある限りじっくりと。

そうそう、助けが必要な霊がいるならできるなら対応を。
魅医、準備を。もしかしたら救いが必要な方がいるかも。その時はお願いね


ネピア・ドットヤード(サポート)
活発で元気いっぱいなスーパーヒーロー。
一人称は僕、口調はです、ます調に「!」が大体ついてます。

両親を4年前に亡くし、兄と二人で生きてきた経験から、家庭や命を奪う敵には容赦しません
正義を重んじ、悪い事は許せない性分です。楽しいとはしゃぐ年相応の一面も。

サイキックゴリラパワーで粉砕すれば全て片がつくと考えてる脳筋思考です。
よく使うUCは【勇気の証明】【勇気の奔流】。
勇気の奔流を使うと身長165cmの爆乳女子になります。
徒手格闘のほか、学ランを変形させてマントや盾にしたり、ネピアセンサーで周囲の状況を読み取ることもできます。

戦闘でも日常系でもどんなシナリオでも参加OKです。
よろしくお願いいたします。



「まさか幽霊船だなんて……すごく面白そう。乗り移らないと」
「「えっ」」
 唐突な神元・眞白の発言に、片瀬・栞とリア・ファルは思わず声を揃えた。
 今なんてったこのお嬢様みたいな面したミレナリィドール。
 乗り移りたいっつったかあの幽霊船に? しかもなんて? 面白いから?
 直接破壊するとかじゃなくて物見遊山? 砲撃バンバン来てんのに!?
「AIであるボクとして言わせてもらうなら、そのツアープラン絶対ダメだね!」
「っていうか"面白そう"で乗り込むって何!? ありえなくない!?」
 リアも栞も、悲しいかなサポートタイプでありツッコミ気質であった。
 彼女達は頑張っていた。そりゃもう八面六臂に活躍していた。
 波が逆巻けば頑張って舵を取って折れそうな帆の上げ下げを行い、
 そんな栞をリアは最適航路のナビゲートでアドバイスしたり、
 艦首から船尾まで、あとは船室から船底までを行ったり来たりして、
 兎にも角にも人の足りないこの航海の裏方仕事を頑張っていたのである。
 で、ちょっと余裕が出てきたから別の仕事しようとしたらこれだよ!
「だって、気ままな船旅だし、旅を楽しまないと……」
「いや雷ゴロゴロ鳴ってるし雹バラバラ落ちてきてるじゃん!?」
「ちょっと天気は悪いですが、きっと船旅はこんなものなのかなって」
「同じ船でもボクは宇宙戦艦のAIだからお門違いだけど、それはないよ!?」
 そういうものなのか~、みたいな困ったような顔で首を傾げる眞白。
 駄目だ、このお嬢様(みたいな格好をしたトンチキ人形)、徹底的にアレだ。
 ふたりは放っておくことも考えたが、それで怪我をされては大変である。
 しかし、一体どうやってあの幽霊船に取り付いたものか……?
「お困りのようですね! そういうことならボクにお任せを!!」
 と、そこへ明るく割り込んできたのは、オレンジ色の髪をした少女。
 ネピア・ドットヤードはにこっと快活に笑い、ぐっと力こぶを作ってみせた。
「このぐらいの距離なら、一瞬で飛ばせますよ!」
「っていうことは、もしかしてテレポートとか出来」
「いえ、投げます! このサイキックゴリラパワーで!!」
「うんわかった、まともな移動方法を想像したボクがバカだったね……」
 駄目だ、この子もこの子でアレな子だ。リアはこめかみを抑えて頭を振った。
 おかしい。今回はもっとこう、宇宙戦艦のAIらしく船旅をサポートして、
 なんかこういい感じに快適な航路を策定したりするんじゃなかったか?
 なんでこんなアレげな猟兵に振り回されてる感じなんだ? 業か?
「リアちゃん、わかるよその気持ち……」
「し、栞さん……!」
「だからあたし、大砲の迎撃担当に移るね!」
「逃げた? ねえもしかしなくてもツッコミ役から逃げたよね!?」
「よーし! ホームランやっちゃるぞー!!」
「しかも自分までボケに回るつもりだよね!? ねえ!?」
 栞はもう聞いちゃいなかった。何もかもをシャットアウトしていた。
 そこへおあつらえ向きに飛んでくる砲弾。ひゅーん。
「JB! はんまー!!」
《kidding me(おい馬鹿やめろ)》
 戦闘補助AIの言葉もついでにスルーして、取り出したハンマーでかきーん!
 そこはかとなく、悪球打ちのどこぞの野球選手めいた堂の入りようである。
 跳ね返された砲弾は、近づいてきていた幽霊船に着弾。KA-BOOOOM!!
「よし、ホームラン!!」
「ナイスショット(ぱちぱち拍手する眞白)」
「たーまやー! というやつですね!!」
(どうしよう、三者三様何もかも間違ってるんだけど……!!)
 これもしかして、まともに相手してたら演算能力パンクするのでは?
 リアは気を取り直すことにした。でないとこの漫才は永遠に終わらない。
「……わかった。わかったよ。じゃあ、乗り込むのは任せよう」
「投げるんですね!?」
「せめて飛んでくとか出来ないかな!? ヒーローなんだよね!?」
「飛べばいいんですか!? わかりました!!」
 ネピアは笑顔で頷き、わっしと眞白を担いだ。
「ではいきます! いち、にの、さーーーーん!!」
「「わああああああ!?」」
 そう、飛んだ。ゴリラパワーでおもいきり甲板を蹴ってジャンプした。
 そのシンプルな知性に比例したパワフルな脚力でジャンプしたらどうなるか?
 そう、揺れる。船はめちゃんこ揺れる。そらもうおもいきり揺れる。
「と、取舵一杯!! 栞さん、迎撃は中止して!」
「結局こうなるの!? あたしもぴょんぴょん飛びたいんだけど!」
「あ、まあボクはイルダーナ(宇宙戦闘機)があるんだけど」
「リアちゃんーーー!?」

 ……という悲鳴が木霊するスリッド号はさておき。
「到着! です!!」
「すごい。まるでまっすぐ飛んできたみたい」
 ばっしゃーーーーん!! と幽霊船の一隻に着地したネピアと眞白。
 降ろされた眞白はありがとうと礼を言いつつ、きょろきょろ周りを見渡した。
「幽霊さんがいたら、この先に何があるか聞きこまなきゃ」
「あ、見つけましたよ幽霊!」
「さっそく聞き込」
「真のヒーローは目で殺す! ネピアブラスターッ!!」
 カッ!! と、ネピアの両目からオーラビームが放たれた。
 そして第一村人……もとい、第一幽霊は塩の柱に変わってしまう。
「消えちゃった」
「はっ!? ……しまった、貴重な調査対象を!?」
「ううん、大丈夫。多分まだまだいるだろうから」
 その言葉通り、船室から船の底から、次々と骸骨めいた幽霊達が現れる。
 ネピアは眞白をかばうように立ち、ファイティングポーズを取った。
「……これは、聞き込みというテンションではなさそうですね!」
「そういうことなら仕方ない。魅医、準備を」
 いつの間にやら眞白のそばには、少女めいた人形が立っていた。
 人形でありながら人形遣い。それが眞白という猟兵の技能なのである。
「もし怪我をしたら治療するから、存分にお願い」
「了解です! 幽霊だろうが粉砕すればおっけーですからね!!」
 ネピアに悩みはない。なので、幽霊相手に気圧されたりもしないのだ。
 同時に死霊の群れが襲いかかる。ヒーローは勇ましく迎え撃った!

 ……そして、スリッド号甲板。
「あ、幽霊船沈んでく」
「なんだかんだ航路は空いた、のかな……まあいいや、このまま前進だ!」
 気を取り直したリアはイルダーナに乗り、高く飛翔する。
 暗雲はいまだ渦巻き、波は高鳴るばかり。幽霊船もまだ数多い。
 しかしふたりが乗り込んだあれが沈んだところから見て、
 なんやかやうまいこと活路を拓いてくれているらしい。
 となればここからが自分の本領発揮。潮の流れも変えてみせようとも。
「さあ進もう! 乗り越えよう! ボク達ならできるさ!」
「遠洋航海なんてなかなかない機会だもんね、よーし行ってみよー!」
 栞もノリノリで拳を突き上げる。航海はまだ、始まったばかりだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

アルトリウス・セレスタイト
船旅に危難はつきものというな
ならば超える術もまた求められて然るべき

界離で否定の原理の端末召喚。淡青色の光の、鎖の針金細工
戦う相手は船を襲う脅威
天災級の怪異ならば戦闘と言うべき規模の能力行使になろう

『天光』により周辺の情報を随時把握し対処に当たる者たちへ情報共有
脅威度が高いものへの対処が速やかに行えるように
視界が悪いと思われ、海中や雲中の状況は更に知る手段が限られる筈
そちらの状態は優先して処理・対処できるよう注力する

万一他の手段で間に合わない事態が想定されたら界離の機能で船と乗員その他への被害を否定し回避
魔力は『超克』で“外”から汲み上げ、必要に応じて『励起』で出力を上昇させておく

※アドリブ歓迎


露木・鬼燈
未知を既知に変えるための外洋航海…
こーゆー冒険は浪漫だよねぇ。
海洋災害は大変で危険!
だけど危険は冒険の醍醐味だよね。
持てる力を尽くして乗り越えるのはきっと楽しい。
がんばるっぽーい!
僕は雷対策をがんばろうかな。
雷を避雷針で受けて海に流すことで船を守る。
強風に耐えること必要もあるからチタン製の避雷針がいいよね。
これを魔法で船の周囲に浮かべるですよ。
更に船を覆うように展開した海水のベールと接続。
ベールを通して電流を海に流すのです。
魔法陣を併用することで負担を軽減するといいかも?
とゆーことで避雷針を6本用意。
これを宙に投影した魔法陣に組み込むですよ。
制御も維持も大変だけど<骸晶>ならイケルイケル!


ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

そういえばあたし、まともな海戦って初めてねぇ。
戦争依頼の時は味方が足場作ってくれてたし。
…っとと、結構揺れるものなのねぇ…

あたしが使える結界はかなり簡易的なものだし、雹とか雷とか防ぎ続けるにはちょっと力不足よねぇ。
なら、幽霊船のほうに対処しましょ。
ミッドナイトレースなら海が荒れてても問題ないし。
雹対策にエオローで〇オーラ防御を展開。むこうの攻撃は軌道〇見切って回避して飛んでくわぁ。
幽霊船って、いうなれば呪詛のカタマリよねぇ?
ラグ(浄化)にソーン(退魔)にユル(訣別)にイング(完結)、聖水充填したグレネード。●鴆殺でバラ撒いてまとめて祓っちゃいましょ。


アテナ・アイリス
グリードオーシャンがあるかもしれないのね。なら、進むしかないじゃないの。じゃあ、わたしは幽霊船を何とかしましょうか。

海に飛び込む最中に、UC【マーメイド・メイデン】を使って、人魚に変身して海の底から泳いで幽霊船に近づく。「クラウ・ソラス」を両手で持って、【怪力】【2回攻撃】【乱れうち】を使って、船の底に穴をあけて沈没させる。
もし、沈まないようであれば、底の隙間から中に入り込み、中から破壊を行う。

アドリブ・連携大好物です。


ヌル・リリファ
アドリブ連携歓迎です

ひかりはなにをさししめしているんだろう。うみのむこうはどんな場所につながっているんだろう。そうやってかんがえるとちょっとわくわくする。マスターもしらないなにかがあるかもしれないものね。
それになにより、もしかしたらそこにはマスターがいるかもしれないから。(可能性は低いけれど、神隠しにあってそこにたどり着いている可能性もゼロではない。1)がんばるよ。

だから、邪魔するならこわすよ。(輝く右眼の【視力】で幽霊船を探して。)

いくよ。
UCで光の武器を生成、乗組員をそこにのせた【破魔】のちからででけしさるのは勿論、船自体にも攻撃して破壊する。

どこにたどりつくんだろうね。たのしみ。



 ユーベルコードによって払われても、暗雲はすぐに再び空を覆う。
 おそらくこの海域そのものが、何か超常的な特性を有しているのだろう。
 はたして自然にそういう風になってしまったのか?
 あるいは猟兵達の行く手を阻むため、何者かが仕掛けたのか?
 それを論議する暇はない。何せトラブルは今なお船を襲っている!
「……このひかりは、なにをさししめしているんだろう」
 嵐渦巻く混迷の甲板で、まっすぐと続く紫光を見て、ヌル・リリファは言った。
 彼女の声を遮るように、砲声と砲弾の炸裂によって巻き上がる水飛沫が舞う。
「さあな。今回の航海だけで、そのすべてが明らかになるとも思えん。 
 ……それでも先へ進むほかあるまい。ゆえに、立ちはだかる障害は払う」
 隣に立つアルトリウス・セレスタイトは、青い燐光を通し周囲を索敵。
 得られた様々な情報を、霊的・電子的なデータとして猟兵達に伝達する。
 幽霊船。
 空からの攻撃。
 そして逆巻く海。
 鉄甲船『スリッド号』を包む世界そのものが、航海を阻んでいる。
 船そのものへの直接攻撃は彼の原理術式によって防がれているものの、
 それも永遠には続かないだろう。無事でも進めなければ意味はないのだ。
「まずは目の前の幽霊船を処理しないと駄目そうねぇ」
 言いつつも、ティオレンシア・シーディアは頬に手を当ててため息をつく。
「……って言ってもあたし、そこまで大規模な砲撃とか出来ないしぃ?
 グレネードを当てるにしても、もう少し距離を詰めないと難しいわねぇ」
「つまり、砲撃を仕掛けてくる船を沈めればいいわけね。なら手があるわ」
 アテナ・アイリスはそう言うと、なんとデッキの縁に立った。
 危険だ! いくら猟兵とはいえ、この荒れ模様の海に飛び込んでは……!
「……なるほど、人魚か」
 アルトリウスはその術式によってアテナのユーベルコードを理解し、呟いた。
 見よ。跳躍したアテナの下半身は光に包まれ、おとぎ話の人魚めいた尾びれに!
「マーメイド・メイデン――これで水中でも無敵よ!」
 ばしゃん! と勢いよく水飛沫をあげ、アテナは着水した。
 渦巻く海の中を力強く尾びれで叩き、不敗剣を手に幽霊船の真下へ。
 すると幽霊船の砲撃はさらに激しさを増し、空からの落雷も烈しくなった!
「もしかして、船を沈められたくないから悪足掻きを始めたっぽい?」
「……これらの天災は一種のリンクをしている。それは間違いないな」
 アルトリウスの言葉を受け、露木・鬼燈はそれなら、と指を鳴らした。
「なら僕はこの雷をなんとかするから、砲弾のほうはよろしくです!」
「わかった。――もう、わたしには"みえてる"。だから、いけるよ」
 言葉とともに、ヌルの右目が魔力の輝きを宿す。
 高性能の戦闘用ミレナリィドールである彼女のガラスめいた"天眼"は、
 霊的・熱的・電子的に様々な世界を見通し、存在を見破ることができる。
 霧めいた死霊のヴェールに守られた幽霊船の本質を直視し、
 それをめがけてサイキックエナジーで構成された武器の群れを放つ。
 その数、実に300オーバー! 砲撃によって撃墜されるが数の差が圧倒的!
 剣や槍といった鋭利な武器の形をした光の武器の雨は、いわば尽きぬ弾幕なのだ。

 それと並行して、鬼燈は自らの魔剣を長銃型の増幅器魔杖に変形させ、
 呪力を物質変換させることでチタン製の避雷針を空中に作り出した。
 同時に、どろどろと不穏な稲光をあげていた黒雲から稲妻が……KRAAAACK!!
 荒波をモノクロに切り取る雷鳴、船をめがけた稲妻が避雷針に命中。
 直撃した電流はアルトリウスの張り巡らせた術式のヴェールをアースとし、
 海水へと逃がされて散っていくのである。
「うーん、これはけっこう維持が大変かも……!」
「致命的な影響は俺のユーベルコードで防ぐ。電撃を逃してくれればいい」
「りょーかい! んじゃ、あとは攻撃班にお任せっぽい!」
 ティオレンシアはその言葉に頷き、リボルバーとグレネードの準備を始める。
 ヌルの"死斬光雨"が砲弾を防ぎ、出すぎた幽霊船を沈没させているが、
 実体を持たぬ船どもは次から次へと出現する。艦隊の"中核"とでも呼ぶべきものがあるのだろう。
 それを叩くため……アテナはついに、大きな幽霊船の直下に到達していた!
(この潮流……まるで、海そのものが悪意を持っているみたい)
 ユーベルコードの力がなければ、アテナはとっくに溺死しているだろう。
 いやその前に、強すぎる汐の力で四肢を引き裂かれていたかもしれない。
 無理に流れに逆らえば、待っているのは同じような未来である。
 アテナはぞっとする悪寒をこらえつつ、一気に角度をつけて上昇を始めた。
(けれど――真下から串刺しにされることなんて想定してないでしょっ!!)
 当然、海中に面した船底を防御する術など普通の船には存在しない。
 それは、超常の存在たる幽霊船でも同じことだ。
 数が多いぶん、幽霊船の一隻一隻の装甲は非常に脆く劣化している。
 これならば――! アテナは決意とともに、銛めいて刃を突き出した!

 ――その時、あれほど降ってきていた砲撃がぴたりと止んだ。
「頃合いねぇ。船を一気に加速させてくれるかしらぁ!」
 ティオレンシアの声に応じ、アルトリウスが魔力で舵輪を操作した。
 雷撃を避雷針で受け流しながら、スリッド号が一気に加速する!
 ぐんぐんと近づく艦隊のフォルム――ティオレンシアは先端に立つ。
「"浄化(ラグ)"、"退魔(ソーン)"、"訣別(ユル)"、"完結(イング)"。
 聖水充填したありったけのグレネード。気前よくあげるわぁ!」
 投擲された大量の手榴弾を、ティオレンシアは空中で撃ち抜く。
 BLAMBLAMBLAMBLAM!! ……KRA-TOOOOOOOOOM!!
 艦隊の直上で炸裂したグレネードから、ルーンの魔力を帯びた聖水がばらまかれる。
 幽霊船とはつまり死霊の集合体。いわば呪詛の塊だ。
 聖なる魔力を宿した破魔のルーンと、追い打ちの光雨がボロボロの船体を貫き、
 実体を持たない艦隊は亡者じみた悲鳴をあげながら消えていく……!
「ぷはぁっ! ……これで路が拓けたわね」
 海面に顔を出したアテナは、微笑んで空を見上げた。
 暗雲はいまだ渦巻いている。しかし心なしか瘴気が和らいだ気がする。
「なら、ぜんそくぜんしん、だね」
「こーゆー冒険は浪漫なのです。よーそろー!」
 そして鉄甲船は帆を張り全速力で海を征く。光の導く先を目指して!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

アコニィ・リード
あの神に追いつけるなら――行くよ

空中に浮かび気流を利用して継戦……状況の把握に努める
荒れ狂う嵐や雨はクロークで防いで
耐性はそこそこあるからきっと大丈夫

大自然の力をどうにかなんてわたしにはまだ出来ない
だから分かり易く、幽霊船をやっつける
この世界の大砲は対空戦闘は難しいでしょ
わたしが生まれた世界の知識、弾道計算で相手との距離を測る
ちょっと遠くても全力高速詠唱の氷属性の弾丸で
幽霊船団に空中から攻撃を当てていくよ

反撃は空中戦の要領で回避
味方に距離、方位、風速とかを伝えて
わたしは旗艦を狙うわ

疲れるけど能力で、45秒でケリをつける
限界以上の連続氷弾を放ち続けて
ラスト五秒で帰投するわ
きっとお腹空いちゃうから


青葉・まどか
『グリードオーシャン』

様々なオブリビオンが口にした謎の存在
色々と予想されている『グリードオーシャン』の真実を知るためにも、この航海を成功させるよ

人間、出来ることは限られている。
渦巻く海原や悪天候への対処なんて私には出来ない
大人しく邪魔にならないよう、出来る事だけ手伝うね

航海を邪魔する幽霊船!
ええ、任せて。それなら何とかしてみせる

『空戦の魔女』発動
空中から幽霊船に接近するよ
攻撃前に甲板を観察
甲板の砲塔や存在するなら幽霊船の乗組員や衣装からどの程度の文化レベルか確認したいね

ある程度、観察したら攻撃開始
相手は幽霊船。ビームキャノンを【破魔・属性攻撃】に【武器改造】して甲板の砲塔を狙って砲撃!


フェルト・フィルファーデン
楽しい船旅……とはいかなそうね?ええ、安全な航海のためにも、新たな世界を見つけるためにも、頑張らないとね!

空を飛べるわたしは空からの脅威に対応しましょうか。
船の上空に陣取り、UCで作り出した炎の壁を傘のように展開して船を守るわ。
小さな飛来物ならこれで大丈夫だと思うけれど……もし防ぎきれないほどの大きな物が飛んで来たら炎を重ねて一点集中!飛来物と相殺させるわ!

新たな世界がどんなところなのかはわからないけれど、たとえどんな世界であろうと、敵がいるのは確かだもの。ならば、その世界も救ってみせるわ!


マリー・ハロット
お船に乗って冒険の旅?
楽しそう! ……マリー、あんまり長くは『普通』のところに居られないけど、お薬(一般的には毒)を使ってれば大丈夫、かな。

お空からたくさん氷の粒が降ってきた! 雹って言うんだね!! これも自然にそうなるの? すごいすごーい!!
えへへっ、遊んでばかりじゃダメだったね……UCを使って【念動力】の見えない『手』をたくさん伸ばして船を守るよ!
わっ!? とってもおっきいのが降ってきた!! でもマリーの『手』なら受け止められるよ!!
受け止めたこの雹、どうしようかな……あっ、そうだ!あっちの幽霊船に投げつけちゃおう!!
狙いはこんな感じで……よーっし! いっけぇーーーっ!!!!



 幽霊船がかき消えた隙を突き、スリッド号は全速前進で海原を駆ける。
 この海洋災害の密度から考えて、海域の突破はもうほど近いはずだ。
 ゆえに猟兵達は先を目指す……だがそれを阻むように、鋭い標が大量落下!
 氷柱のような円錐形の雹は、鉄甲船の甲板をも貫いてしまうだろう。
「っ……雹なんて、すべて溶かしてしまえばいいのよ!」
 上空で待機していたフェルト・フィルファーデンは、
 "Firewall-protection"を発動。文字通りの"炎の壁"を空中に生み出した。
 鉄甲船を包む燃える傘めいた炎の壁が、雹を溶解し船を護る。
 しかしフェルトの表情は浮かばない。雹のサイズが徐々に肥大化している!
「まずいわ……これ以上巨大化したら、この炎の壁じゃ……!」
「おー! なになに、すごーい! 雨じゃなくて氷の粒が降ってるー!」
 そんなシリアスなフェルトをよそに、甲板上でなにやら騒ぐ少女の声。
 見下ろせばそこでは、マリー・ハロットがひどい空模様を見上げ笑っている。
 むしろ楽しげだ。この緊急事態に、なんとも緊張感がない。
「ちょ、ちょっと! そんな場合ではないでしょうっ?」
「えー? だってマリー、こんなの初めて見たんだもん!」
 唇を尖らせる少女の言葉に、フェルトは眉根を顰めて訝しんだ。
 ……猟兵は様々な背景を持つ。フェルト自身がそうであるように。
 当たり前の自然現象すら知らない子供がいても、それは珍しくないだろう。
 ならばここは口うるさく咎めるよりも、協力を仰ぐべきではないか?
「でも、このままでは船が穴だらけになってしまうわ。手伝ってほしいの!」
「ん、楽しそうだけど遊んでばっかりじゃダメだもんね! わかった!」
 マリーは巨大な蛇腹剣をバトンのようにくるくると軽やかに回転させ、
「じゃあ、マリーの『手』でみーんな受け止めちゃえばいいんだ!」
 と言い、剣を掲げた。……すると彼女を中心に、靄めいた"何か"が広がる。
 まるで咲き誇る花びらのような、目を凝らしても判然としない"何か"。
 それが不可視の魔力か何かを(実際はサイキックエナジーなのだが)を凝らせたものであることは、電脳魔術を使うフェルトの目にも明らかだ。
 実際、マリーを中心に生み出された念動力の手は、およそ300以上。
 大小さまざまな不可視かつ自由自在の『手』は、剣にも盾ともなり得る。
 ついにフェルトの焔を貫いて落下した巨大な雹をも、掴んで止めてしまえるほどに!
「ほらほら、取れたよ! ねえねえ、これどーしよっか!」
「ど、どうしようと言っても……ううん……」
 フェルトは困った。そんなカブトムシみたいに掲げられても困る。
 海にでも放り捨てておけばいいのか? いや不法投棄(?)はどうなのか……。

 ……などと迷っていると、フェルトは新たな幽霊船艦隊のシルエットに気づいた。
 払ったばかりだというのにもう新手! なんともしつこい"天災"だ。
「そ、そう! あれよ、あそこに投げてしまえばいいと思うわ!」
「おお! よーっし! いっけぇーーーっ!!!!」
 マリーは目をキラキラさせ、大仰に振りかぶって雹を……投擲!
 ぐんっ、と見た目にそぐわぬ筋力で擲たれた氷柱はミサイルのような速度で飛び、
 鏃めいた陣形の先頭を務める幽霊船の竜骨を、一撃で貫通した!
「わーい! 当たった当たったー! ねえねえ、マリーすごい!?」
「す、すごいわ……やっぱり不法投棄しなくてよかったわね」
 自分の判断が間違っていなかったことに、ほっと胸をなでおろすフェルト。
 しかし、安堵している暇はない。幽霊船艦隊から飛んでくる砲弾の雨!
「って、今度は砲弾まで! これじゃわたしの騎士達を差し向ける暇も……」
「――大丈夫! あいつらはこっちで片付けるから、船を護って!」
 フェルトの言葉を遮り空中に飛び出したのは、青葉・まどかであった。
 闇色のドレスを潮風になびかせ、重力を感じさせない軽やかさで翔ぶその姿。
 フェアリーであるフェルトにも負けぬであろう、華麗な飛行ぶりだ。
 まどかはすれ違いざまにウィンクして飛翔速度を増し、艦隊に戦いを挑む!
「あ、でもだいじょーぶかな? 砲弾どんどん飛んできてるよ!」
「……こっちで撃ち落として道を開ける。そのぐらいしか出来ないから」
 はたして、いつのまにそこに居たのか。
 海色の外套をはためかす少女、アコニィ・リードが静かな声でマリーに言った。
 そしてアコニィは、まるで軍勢の指揮を執るように片手を伸ばす。
 すると少女の周囲にぽつぽつといくつもの水の粒――拳大ほどの魔力弾――が生まれた。
「わたしは、大自然の力をどうにかすることなんて"まだ"出来ない。
 けれど砲撃戦なら、戦術と火砲の量で勝負を決められる……っ!」
 キュパパパパパ――! と、水の弾丸が脅威的速度で"発射"された。
 鉄甲船そのものを狙った砲弾は、フェルトの炎の壁によって防御出来る。
 問題は、艦隊に近づこうとするまどかを護るすべだ。
 アコニィの放った水弾はまどかめがけた砲弾を倍近い速度で貫き、相殺。
 空中で炸裂する爆炎の花々。その隙間をまどかは軽やかに駆け抜ける!
(――不思議。この船、造りの年代も文化レベルもバラバラじゃない)
 飛翔のさなか、まどかは冷静に幽霊船の甲板に観察の目を向けていた。
 そうした手がかりから、何か有用な情報を得られないかと考えたのだろう。
 しかし艦隊の船舶は極めて劣化しており、特徴を見抜くことが難しい。
 西洋風の帆船もあればサムライエンパイアの文化水準と思しきものもあり、
 甲板に蠢く死霊の群れも同様だった。年代も国風もなんら共通点がない。
 この幽霊船は、本当にかつて存在した船の成れの果てなのか?
 この海域そのものが骸の海から組み上げた、残骸のようなものではないのか?
 推察の暇はない。紫光の先に到達する以外に真実を識るすべはないのだ!
「仕方ない――征きますっ!!」
 そして急ブレーキをかけたまどかは、片手にビームキャノンを召喚した。
 宇宙船すら撃墜可能な大口径火力を、幽霊船艦隊を薙ぎ払うように放つ!
 ……KRA-TOOOOOM!!
「追い打ち、かけるね。一隻も逃さない」
 同時にアコニィも甲板を跳び立ち、一瞬の隙に間合いを詰めた。
 新たに収束させた特大の水弾を放ち、ビームとともに艦隊を殲滅。
 フラスコチャイルドとして拡張された脳の演算速度を、限界以上に引き出して!
「……っ、残り、5秒……そろそろ限界」
「大丈夫? 辛いなら手を貸すから、一緒に戻ろう!」
 踵を返したまどかの差し伸べた手を、アコニィは素直に取った。
 限界を越え昏睡寸前のアコニィ。視界が徐々に霞んでいく。
 しかし彼女はたしかに見ていた。過剰飽和攻撃で消し去られた艦隊の最期を。
 そしてわーわーと歓声をあげ出迎えるマリーと、ほっとした様子のフェルトの微笑を。
(……あの神に追いつけるなら、と思っていたけれど)
 闇に落ちる少女の意識に浮かんだのは、海の女神に対する敵意ではなく。
 この旅を同じ猟兵達とともに突破することが出来た、達成感と喜びだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

矢来・夕立
いや困る。何が困るって前門の虎に後門の狼どころか上からもあれこれ来るってところが。

蝙蝠と棒手裏剣の式紙で避雷針を作ります。
まあまあ尖っていて、高く飛ばせて…残念ながら金属ではないんですけど。
この雷が一般的な法則に従って落ちるのなら、コレで引きつけられないでしょうか。
引きつけられなくてもまあまあの機動力と防護力はあります。
きっと一回に何羽かを使い捨てですが、壁にはできるかと思います。

雷の対処が十分ならその他のサポートに回ります。
『砲弾に向かって蝙蝠を飛ばせて、着弾する前に海上で爆発させる』とか。

…ずっと、この国の外には何もないと思ってました。
何があるんでしょうね。


数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】
千夜子さん(f17474)と。

新しい船出にゃ嵐が付き物ってか?
そしたら露払いをしなくちゃね!
カブを【ゴッドスピードライド】で
水上バイク形態に変形させて洋上に出る。
後ろの千夜子さんを振り落とさないよう気をつけ、
『操縦』テクを駆使して荒波に『騎乗』るよ!
とにかくアタシがやるのは機動力の確保。
千夜子さんからの『情報収集』の結果を受けて安全なルートを進み、
軽い呪詛やらは『呪詛耐性』を込めた『オーラ防御』の障壁をカブの周囲に展開して凌ぐよ!
さあ、幽霊船の間近で花吹雪を舞わせておくれ!


薄荷・千夜子
多喜さん(f03004)と

多喜さんのバイクの後ろに乗せてもらい出立前にはイカリソウの花を舞わせ無事の航海を【祈り】ながら
天災だけでも厄介ですが幽霊船もとなると手が足りませんね
攻撃は私が受け持ちますので多喜さんは運転に集中してくださいね
幽霊船を捉えればUC発動
【破魔】の力を込めた鈴蘭の花嵐とともに攻撃と幽霊船からの攻撃から姿を隠すように【迷彩】も兼ねて花弁を【吹き飛ばし】
彗も雨風が強い中大変ですが視界のカバーをお願いします【動物使い】【情報収集】
多喜さんが動きやすいよう彗にフォローをお願いしながら『藤巡華簪』を鞭のように使い花嵐と合わせて攻撃に専念します


狭筵・桜人
レディ・オーシャンでしたっけ?二度も会ったので覚えてますよ。
一度目はヒーローズアース。二度目はここエンパイアです。ま、三度目がないように祈ってますけどね。

それに船旅は男のロマンって言いますもんねえ。
私はそろそろ船酔いしてきましたよ。

うーん、それにしても視界不良。
エレクトロレギオンを飛ばして斥候させます。
わざわざ幽霊船に接舷してご機嫌いかがと
尋ねてまわるワケにも行かないでしょうし。

敵船の動きや進路、攻撃の兆候など
情報は伝達しますから猟兵の皆さん頑張ってくださいね!
私?頑張って働いてますぅ~。

猟兵の対応や舵取りが間に合いそうになければ
敵船の砲口にレギオン詰めときますって。ギュッてなってボン!です。


ヴィクティム・ウィンターミュート
チッ、あのクソ女…これもアイツの仕込みの一つか?
だがまぁ、今回は目に見える脅威ではないだけ、マシか
グリード・オーシャンのことは気になってはいたしよ
新しい世界の情報は何よりも貴重だ…利用させてもらうぜ

しっかし何だこの劣悪な航海は…
大荒れにも程があるぜ。天候ばかりはしょうがねーとしてもだ
幽霊船だ?バカバカしい…さっさと沈めるぞ

『ANNIHILATOR』──非常識には非常識を
いくら大砲を生やしてこようが、世界を越えるレーザー兵器はどうしようもない
薙ぎ払って数隻潰してやる
いくつも湧いてくるなら埒が明かねえし、一塊沈めたら一気に突破したいところだな
俺達を鎮めたいなら、上等な空母でも持ってくるんだな


エル・クーゴー
●POW



躯体番号L-95
当機は海戦に於ける船体武装の運用に高い適性を発揮します
(海賊ルックで船に乗り込んでる)


●対:幽霊船
・船体の操舵付近で電脳世界を展開
・「航行状況」に「天候・波」や「敵性の出現予測と動向」等の周辺観測に電脳リソースを割き、戦闘状況下では一時的にスリッド号へアース世界の軍艦並の電子統御と観測能力を後付けで盛っちゃう

・サーチドローン『マネギ』を敵船側へ射出(吹き飛ばし)
・敵船の搭載武装/予想射程/攻撃スパン等の情報を取って来させる(撮影+情報収集)

・【ワイルドドライブ】発動
・船体の脇腹にズラリ並べる側砲群等、海戦用の武装をコードの力で適宜生やし、運用(範囲攻撃+一斉発射+蹂躙)



『…………』
 嵐渦巻くスリッド号甲板、操舵部付近!
 腕組みして勇ましく屹立する海賊……ルックをした、無表情な戦闘人形。
 躯体番号L-95(エル・クーゴー)、今回は実に気合の入ったコスであった。
 目元をサイバーなバイザーで覆った少女の感情は、傍目からは解らない。
 しかもミレナリィドールだけあって、雨風を浴びようがびくともないのである。
 それが腕組みして仁王立ちしている様は、なんとも珍妙であった。
「……なんだあれ、コスプレして気分に浸ってんのか?」
「それより酔い止め持ってないですか私そろそろ限界なんですよね」
「吐くならあっちでお願いします。そのまま海に落ちてくれていいですよ」
 エルの姿を見て首を傾げるヴィクティム・ウィンターミュート、
 完全に揺れにやられて青い顔をしている狭筵・桜人、セメントの矢来・夕立。
 三バカ……もとい馴染みある男達は、相変わらずいつものペースだった。
「狭筵さんのことはどうでもいいんで、あの幽霊船をどうにかしないとですね。
 ……正直困るんですよねこの状況。上から下からあれこれ来るのは面倒です」
「さりげなく私ゴミみたいな扱いされてます? いやまあいいですけど。
 矢来さんが手をこまねくものは私にも無理なんで、ここは後方支援に徹し」
「その必要ねえぞ。っつーか無理だな。席がねえ」
「えっ」
 いつものようにサボろうとした桜人に、ヴィクティムは言った。
 そしてハッカーが顎でしゃくるほう……つまり先述の人形少女のほうを見る。
『電脳世界展開>スリッド号の外装強化と電子制御機能を追加します』
 周囲にいくつものARウィンドウを展開したエルが、ほのかな輝きを放つ。
 すると少女を中心として甲板の表面上に、幾何学的な光のラインが走った。
 電脳魔術士でもあるエルは、強大なその演算リソースを割くことで、
 あくまでただの鉄甲船であるスリッド号に一時的な電子機能を与えたのだ。
 つまり、桜人がやろうとしていた裏方仕事(ルビ:サボり)は賄われてしまった!
「なるほど! これだから頼りになって困りますね猟兵って!」
「お前も猟兵だろうが。……あの様子なら、俺のサポートもいらねえさ」
 卓越したハッカーであるヴィクティムは、一目でその演算規模を把握した。
 ウィザード級電脳魔術士である彼をして、そこまで言わせるほどの電子戦能力。
 いまさらサボり魔ひとりが加わった程度で、大したことは出来まい。
 桜人はため息をついて正面を見た。……無数の幽霊船が迫る前方を。
 そして空を仰ぐ。ごろごろと稲光を垣間見せる分厚い黒雲まみれの空を。
「……これ、どうにか出来るんですか?」
「"する"んだよ。あのクソ女……レディ・オーシャンを追うためにもな」
「ずっと、この国の外には何もないと思っていたんですがね……」
 桜人はぼやきつつ、ヴィクティムはかの女神への苛立ちを露わにしつつ、
 そして夕立はどこか感慨深そうに――あるいは何の感情もなさそうに。
 天災の嵐を睨んでそれぞれに呟くと、男達もまた作戦行動に移った。

 ……一方、幽霊船艦隊の直上!
 砲撃渦巻く弾丸の嵐の中を、キリキリ舞いで飛び回る宇宙カブが一台。
「ああもう、数が多すぎないかいこいつら! どんだけ出てくるのさ!?」
「落ち着いて運転に集中していてください多喜さん、こちらでどうにかします!」
 舌打ちする運転手の数宮・多喜に、タンデム中の薄荷・千夜子が言った。
 そして自らの武器を鈴蘭の花嵐に変え、飛んできた砲撃を花弁で吹き飛ばす。
 だがいかんせん、幽霊船の数が多すぎる。攻撃が一切止まない。
 艦隊にこうして接近できたのはいいが、直接船を叩くことが出来ないのだ。
 空からは断続的に雷やらなにやら落ちてくるのもよろしくない。
 多喜ほどのドライバーでなければ、とっくに黒焦げになっているだろう。
 あるいは、砲弾が直撃して爆発四散するのが先か? 想像するだに恐ろしい。
「こりゃ上にいるよりは同じ水上で勝負したほうがマシだね……降りるよ!」
「了解ですっ! 咲き乱れて、破魔の鈴……!」
 再展開した鈴蘭の花嵐を煙幕めいて隠れ蓑とし、弾幕を防ぐ。
 その隙に多喜はマシンの高度を一気に下げ、あえて海面に着水した。
 地・海・空すべての状況に対応可能な彼女の相棒なら、水上走行もお手の物。
 相手は船だ。砲撃の角度が制限されるぶん、こちらのほうが避けやすい!
「まったく、露払いのために船出したってのに雨露まみれたぁね!」
「せめてスリッド号から、支援攻撃のひとつでもあればいいんですが……」
 千夜子は言いつつ後方のスリッド号を振り返る、だがそれはわがままというもの。
 彼女らがこうして突出して敵の目を惹いているからこそ、
 幽霊艦隊の砲撃の大部分は彼女らに釘付けになり、船を守っているのだ。
 加えて絶え間なく降り注ぐ雷撃とこの荒波。不用意に近づくことも出来まい。
 ……そう歯噛みしていると、そこへ何体かの機甲兵器の編隊が到着した。
 甲板で待機している猟兵の誰かが放った、エレクトロレギオンのようだ。
『おや? 驚きましたね。まさかこの状況で前に出てる人達がいるとは』
 ドローン兵器から聞こえた声……それは桜人のものである……に対し、
 千夜子は驚きつつも、半ばすがるような調子で言った。
「な、なんとか直接攻撃出来ないかと! あ、あの、申し訳ないんですが」
『あ、援護とか要ります? 要りますよね。待ってましたよこういう情報伝達。
 大丈夫、その点はご安心ください。こちらには頼れるスタッフがおりまして』
「は、はあ」
『つまり私仕事中なわけです。わかりました矢来さん、そっちもお願いしますよ!
 は? 黙ってろ? 黙りませ~ん見てのとおり連絡役なのでぇ~』
 なんだこいつ。必死で回避中だというのに、多喜と千夜子は顔を見合わせた。
 するとザザッと電子音声にノイズが走り、別の声が割り込んでくる。
『"派手な砲撃"で中央をぶち開ける。露払いはそっちで頼むぜ、お友達』
 ヴィクティムの声だ。して、"派手な砲撃"とは一体……?
 訝しむふたりはスリッド号を見、そして揃って驚きの声を上げた。
「なんだありゃ!?」
「なんですかあれ!?」
 鉄甲船からぐおんとせり出した――無数の砲塔!

 スリッド号甲板上。
 電子戦装備によって敵船の武装といった情報を索敵し終えたエルは、
 顔を挙げると同時に無機質な声で言った。
『敵弾幕攻撃スパン、計算完了_残り14秒で突撃タイミングが到来と予測』
「奇遇だな、そいつはこっちの計算結果とも同じだ! つまり――」
 ヴィクティムはにやりと笑い、自身も無数のARウィンドウを展開。
「強襲(アサルト)の時間ってワケだ!」
『――ワイルドハントを開始します』
 かたやいくつもの強敵を破ってきた名うての猟兵班、チーム・アサルトのブレイン。
 かたや海千山千の強豪が集う"猟団"のシンボルにして強大な戦闘人形。
 フレーズは異なるが、ふたりの電脳魔術士が起こす事態は一致していた。
 すなわち、"嵐"である。圧倒的砲火による敵勢力の燼滅突破!
「ああいう派手な人達がいると、こっちは動きやすくて助かりますね」
 そしてエルとヴィクティムの電脳魔術が無数の砲台を創造した瞬間、
 ひそかに準備を終えていた夕立が動いた。
 彼の操る式紙、それらは畢竟手裏剣のような投擲武器や小動物ばかりである。
 しかし塵も積もれば山となる、小物だろうが組み合わせれば応用は無限大。
 夕立が神速で擲ったのは――蝙蝠型の式紙と棒手裏剣を組み合わせたもの。
 直後、KRAAAAAAAK!! 船体めがけて落ちる稲妻、だが!
「コストパフォーマンスは最強ですよ。――ウソですけど」
 式紙が避雷針の役目を果たし、稲妻を"請け負って"焼け散ったのだ!
 しかし、それらは元はと言えばただの折り紙。数はいくらでも存在する。
 夕立は無数の蝙蝠を放つ。稲妻は船体どころか海面にすら届かない!
「おいピンク。あなたも働いてくださいよ」
「せめて名字で呼んでくれませんかねぇ!? 働いてますよ!」
 桜人はいつも通りの漫才めいたやり取りをしつつ、ドローンを飛ばした。
 飛来する砲撃の囮、そして稲妻と同時に落下する雹を迎撃するためだ。
 操舵手はいない――否、必要ない。エルの電脳魔術が船を掌握している。
 砲台を無数に生やしたスリッド号は、神話の幽霊船めいて果敢に海原を征く。
 見よ! 船の先端から突き出した、馬鹿げた口径の恐るべき衛星レーザー砲!
 SS級秘匿破壊兵器『凍空の殲滅者(アナイアレイター)』!
 そしてエルが召喚した無数の銃砲火器。まさにウィザード達のあわせ技だ。
『砲撃>開始』
「さあ薙ぎ払うぜ、せいぜい避けろよッ!」
 ドウドウドウドウ――DDDDDDDOOOOOOOOOOOOM!!
 世界の壁をも貫くレーザー砲と、ふざけた量の側砲群が火を噴いた。
 ヴィクティムの"とっておき"は艦隊のど真ん中に大きな風穴を開け、
 エルの吹きすさばせる破壊の嵐は、餌食となった船の残骸すら消滅させる。
 まさに嵐。まさに恐怖の強襲。敵にとっては悪夢この上ないコラボレーション!
「さっきの通信相手の方々、生きてますかねぇ」
『生きてますっ!』
 呑気な桜人の呟きに、ご立腹な様子の千夜子の声が返ってきた。
 一転してがらんとした海域に、咲き誇るのは絢爛可憐な花の嵐!
「あっはっは! 祝砲に花吹雪たぁ、まるで一足早い花見みたいだねぇ!
 ――よぉし、この勢いで一気に飛ばすよ! 航路を確保するッ!」
「はい! もう邪魔はさせません、この先へ辿り着くためにも……!」
 多喜はマシンをフルスロットルで走らせ、艦隊の中央を悠々と突破。
 スリッド号が安全に通れるよう、千夜子の花吹雪で残存船舶を呑み込む。
 視界を覆う花吹雪に加え、さりげなく紛れた夕立の式紙が砲撃を許さない。
 そこへダメ押しの弾幕が到来し、残骸どもは消し炭というわけだ。
『……敵戦力の殲滅を確認。予測タイムを300秒上回りました』
「当然だろ。こんなところで足止めを喰ってる暇なんてねえのさ」
 エルの呟きに、ヴィクティムがぶっきらぼうに言った。
 海賊ルックの少女人形は、紫の光の彼方を見やる。
 砲撃であがった水飛沫がバイザーの光をきらきらと照らすさまは、
 まるで未知なる航海に胸を踊らせる、若き船乗りの面持ちめいていた。
『当機は引き続きスリッド号のオペレートを行います。ヨーソロー』
「……やっぱりあれ、割と気分に浸ってるんですかね」
「同じ無表情でも矢来さんより可愛げがあいってぇ!? 今蹴りました!?」
 ぎゃあぎゃあ騒ぐ桜人を完全スルーし、夕立もまた紫光の先を見た。
 殺しをも仕事とする忍びらしからぬ、どこか浮ついたような眼差しで。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

三咲・織愛
シオンくん(f09324)と

大航海ってロマンですよねー!
私、海賊王になりたいです!
……なんて言っていられる状況でもないみたいですね
危険があればこそのロマンとも思いますが、
船が沈んでしまっては元も子もありません
張り切っていきましょうね、シオンくん!

とはいえ、自然災害的なものは、
私には対処が難しいのですよね……
応援しましょう!
ふれっふれっ、シオンくん!
全力出してー、がんばれー!
怪我をした時は治療しますし、
疲労回復のスイーツも用意してますよ!

はっ。幽霊船くらいは私にもなんとか出来るかしら
幽霊って殴れます?
気合を入れれば大丈夫ですよね?
行く手を阻む幽霊船に乗り込んで、
ひたすら怪力で船を破壊して回ります


シオン・ミウル
織愛(f01585)と

潮風って案外悪くないね。
海賊って野蛮な奴らじゃなかったっけ? 織愛がなりたいんだったら止めないけどさ
ま、船が沈んでも困るんだよね。ずっと飛んでる訳にもいかないし
はーい、張り切ってこー

風を操っても出来ることは限られてるからなー
暴風の方向を逸らしたり、極力船に向かう危害を抑えるようにしようかな
適度に手ぇ抜いてやりたかったんだけど……、応援されたら頑張るしかないよね
全力魔法で気合い入れてこう

そもそも幽霊船って乗れるの?
心配だから一応着いてって、落ちないようにフォローしようかな……必要なさそうな気しかしないけど
落ち着いたらお茶でもしたいなぁ



「ふれっふれっ、シオンくん! 全力出してー、がんばれー!」
「……いやあの、応援してくれるのはいいんだけどさ。もう少しこう」
「えっ? 気合が足りませんでしたか!? わかりました!!
 ふれー! ふれー!! シーオンくんっ!! がんばれがんばれ!!」
「…………そっちがそれでいいなら、俺もいいけどさ……」
 明らかに間違った方向に気合を入れる三咲・織愛のノリに、
 さすがのシオン・ミウルも苦笑いを浮かべるしかなかった。
 とはいえ、ここまで力を入れて応援されたなら手を抜いては男が廃る。
 何事もほどほどに、面倒なことは出来るだけ楽に、が信条のシオンでも、
 可憐な少女の声援を無碍にするほど、人情がないわけではないのだ。
「しかたない。気合い入れていきますか、っと」
 シオンは潮風を感じ、船を揺らす暴風に心の指先で"触れる"。
 感覚としては、それこそ糸を紡ぐような……あるいは鍵盤を弾くような。
 いまいち言語化しづらい。彼は天性の才能で風を読み操るからだ。
 風使いといっても、あらゆる風を意のままに操れるわけではない。
 特にこうした……明らかにユーベルコードに近い奇想天外な現象となると、
 風を収まらせる、というのは非常に難しくなる。
 しかしこれまでの猟兵達の健闘ぶりのおかげか、
 あるいは強引に踏破しようとする鉄甲船に、自然のほうが根負けしたか。
 シオンが意識を集中させると、暴風は徐々に弱まり向きを変えた。
 叩きつけるようではなく、スリッド号を前へ前へと押す追い風となって。
「おおー! 船の速度が上がってますよ! さっすがシオンくん!」
「ん、それはなにより……なんだけど」
 ではこのまま海域を無事に突破できるのか。
 ……そうは問屋がおろさない。新たに出現する幽霊船艦隊が行く手を塞ぐ。
「ま、そうなるよね。あれはさすがに吹き飛ばせないよ?」
「むむう。……でもでも、なんだか浪漫ですよね! 大航海に幽霊船!」
「そんなこと言ってられる状況?」
 シオンのツッコミを肯定するかのように、幽霊船艦隊の砲撃が始まった。
 ざぱーん! と砲弾で水飛沫があがり、甲板を濡らす。
 潮風は悪くない。だが海の水を頭から引っ被らされるのは勘弁だ。
 シオンは口の中に入ってしまった海水をぺっぺと吐きつつ、髪を整えた。
「そうですね……危険があらばこその浪漫、けれども船が沈んでは無意味です。
 よし! となれば、ここからは選手交代で私の手番、ってことですよね!」
「それはありがたいけど、どうするの?」
「決まってるじゃないですか!」
 織愛は満面の笑みを浮かべ、ぐっと握り拳を作った。
「今から幽霊船に行って!」
「うん」
「幽霊も全部殴り飛ばして!」
「うん?」
「全部沈めちゃえばいいんです! 解決です!」
「????」
 いまさらだが、このエルフ脂肪率0%かなんかではなかろうか?
 などと失礼なことをシオンが考えたかはさておき、きょとんとはした。
 そらまあ、あれだけの数の船を素手で沈めるとか言われたら誰だって驚く。
 しかもシオンは飛べるが織愛は飛べない。どうやって行くというんだ。
「……まさかだけど、織愛って水の上歩けたりする……?」
「はっ、その手がありましたね! 沈む前に片足を上げれば!」
「いや提案したわけじゃなくて」
 この女ならマジでやりかねない。シオンはやれやれとため息をついた。
「……途中で溺れられても困るし、俺が運ぼうか?」
「!! シオンくん、優しいですね!!」
(どちらかっていうと呆れてるのが近いんだけど、まあいっか)
 訂正が面倒そうなので口には出さないシオンであった。
 かといって、ジャンプでそのまま跳んでかれても船が沈みそうだ。
「さっさと片付けてお茶でもしたいし。さー、張り切ってこー」
「おー! 行く手を阻む者は叩いて砕いちゃいますよー!」
「それ悪役のセリフだと思うんだよね……」
 このあと、竜骨を砕かれた幽霊船が何隻も沈んだという。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

花剣・耀子
新天地を目指すことは易くない、と、相場が決まっているというものだけれど。
ともあれ、先に進むのは大前提だもの。
阻むものをすべて除いてゆきましょう。

あたしが力になれることは、決まっているわ。
斬れるものは全部斬る。

幽霊船は、ほんとうに幽霊ではないのでしょう?
物理的に存在しているなら、物理的に切り崩せるのよ。
鋼糸を張って船と船の間を渡りながら、鉄甲船の進路を阻む残骸を斬りましょう。
金属に雷が落ちないよう気を付け、……気を付けられるといいわね……。がんばる。

ある程度空けられれば押し通れるかしら。
先は長いし、数だって多いもの。
鉄甲船の力を加味して、効率よくいきましょう。

幽霊が出たらそれはそれで斬るわね。


鳴宮・匡
海路の先が本当にそのグリードオーシャンとやらだとしたら
この船は骸の海を越えていくことになるんだろうか

……まあいいや、考えるのは後だ
まずは目の前の問題を片付けるさ

さすがに天災をどうにかするような手立てはないが
物理的な障害なら退けられる
ひとまず攻撃手段を奪うところからかな
砲塔を順に狙って機能不全にさせていくよ
撃たれると面倒だ、できれば発砲前に対処したいな
うまくやればそのまま沈んでくれるだろうし
そうでなければ船底に穴を空けるなど次策を講じる
……幽霊船に正攻法が通じるかはわからないけどな

探求心、なんてものは持ち合わせていなくとも
その道行きを切り開く力になれば、と思う
その理由も、いつかはわかるだろうか



「天災をどうにかするような手立てはないけど」
「――"物理的な障害"なら、どうとでもなるわね」
 スリッド号の行く手を塞ぐ幽霊艦隊も、大きくその数を減らしていた。
 鳴宮・匡、そして花剣・耀子のふたりは確信する。
 あれが、この海域最後の"災害"。ここが正念場であると。
 剣士と銃士、使う得物はまったく正反対のふたりだが、
 彼女らは二つの点で一致していた。
 ひとつ――天候を操るような超常的なユーベルコードを持たないこと。
 ふたつ――幽霊なぞに怯えるほど、ナイーヴなタチではないということ。
 そしてそこに、物質として存在し海路を塞ぐ"障害物"がある。
 ではどうする。

 決まっている。
 耀子は禍々しい巨大なチェーンソー、機械剣"クサナギ"を振るった。
 目に見えないほど微細な鋼糸が放たれ、二つの船の間にピンと張り詰める。
「行きましょう」
 こともなげに糸の上に着地した耀子を追い、匡も後に続いた。
 当然、あちらはのこのこと接舷してくるよそ者を見過ごしたりはしない。
 ドウ、ドウドウドウ――と、巨大な大砲が殺人的な砲弾を……BRATATATATA!!
「悪いけど狙い放題なんだよな。そういうの」
 匡である。火薬に着火された瞬間を見計らっての銃弾によるインターラプト。
 たかが銃弾では、天にあまねく蔓延る黒雲を払うことは出来ない。
 たかが銃弾では、渦巻く大海の荒々しさを沈めることは出来ない。
 だが、匡はただの銃士ではない――悪魔的な眼と影の力を持つ死神だ。
 タイミングを捉えさえすれば、銃一つで大砲を破壊するなど朝飯前。
 砲身内部で爆裂した砲弾は大砲を破壊し、連鎖爆発で竜骨を破砕せしめた。
 ひとつ、ふたつ、みっつ。トリガを引くたびに船が沈んでいく。
「いちいち撃つのを待ってたんじゃ日が暮れる。奥の船は任せるぜ」
「――言われるまでもないわ。ありがとう」
 弾幕の途切れた海上に糸を張り、耀子は跳ぶ。走る。駆け抜ける。
 どろどろと頭上でわだかまる黒雲の中で、不穏な稲光が輝いていた。
 まるで耀子ひとりを狙い撃つかのように降り注ぐ雷。雷。雷。
 見てから避けるのでは間に合わない。なにせ雷とは光なのである。
 ゆえに耀子はかすかな潮の匂いの違いや、ほんの少しの風向きの変化、
 雲の中の稲光、あるいは黒雲の蠢きを五感で察知し、落雷を予測して跳ぶ。
 一度でもしくじれば黒焦げだ。だがそうはならない。
「これ、オブリビオンなのかしら」
 甲板に着地した耀子は周囲を見渡す。骸骨と化した船乗りが取り囲んでいた。
 しかし一体一体の力はひどく脆い。そして、相手している暇もない。
「こちらは急いでいるの。退いてもらうわよ」
 ドルルン――と唸るチェーンソーを、やおら敵に……ではなく、足元に。
 ギャギャギャギャギャ!! と悲鳴じみた高音をあげ、鋼の牙が甲板を割る。
 チェーンソーで船を叩き割る? いくらボロいとはいえ無茶な話だ。
 普通であれば。耀子もまた、ただの剣士ではない。
「沈みなさい」
 両手でしっかと持ち手を握りしめ、腰を落として剣気を張った。
 バキ――ベキバキバキガガガガガガガッ!!
 甲板が竜骨が船底が一気に食いちぎられ、破片が臓物めいて飛び散る。
 真っ二つだ。ゆっくり割れていく船の甲板から飛び立ち、次の幽霊船へ。
 立ちはだかる残骸は同じように引き裂き斬り殺し、淡々と障害を突破する。
 船が減るにつれ、稲妻も雹も、大渦もやがて衰えていった。

「……グリードオーシャン、か」
 晴れ始めた空を見上げ、匡はひとり呟いた。
 もしこの光の先が、まだ見ぬ件の新世界だとしたら。
 よもやこの海は――それこそ文字通りに、骸の海を横断するのか?
 だとすれば、世界は物理的にひとつの海で繋がっているのだろうか……。
「……まあ、いいや」
 考えても詮無いことだ。匡は思考を止めて、次に来るであろう妨害を警戒する。
 新天地を目指す航海、そのロマンに思いを馳せるような人間らしい心はない。
 探究心など他人事である。ただ仕事だから――いや。
「……目的地に辿り着いたら、それもわかったりすればいいのにな」
 そうひとりごちて、匡はこちらへ戻ってくる耀子の姿を見やった。
 船をまるごと叩き斬るような女だ。並大抵の剣士ではない。
 当の少女は――これもまたなんでもないように、潮風を浴びて彼方を見ていた。
 なにせまだ、船旅は幕を開けたばかりなのだから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『からくり忍者軍団』

POW   :    からくり・自己犠牲術
【死角から超高速で接近し、忍刀】による素早い一撃を放つ。また、【壊れたパーツを破棄する】等で身軽になれば、更に加速する。
SPD   :    からくり・自己複製術
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【からくり忍者】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ   :    からくり・麻痺拘束術
【麻痺毒の煙幕爆弾】が命中した対象を爆破し、更に互いを【鎖】で繋ぐ。

イラスト:なかみね

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 かくして海洋災害は無事突破された……の、だが。
 見ろ、と誰かが叫んだ。海の先を? 否。紫の光を指差して。
 海の中からではなく、
 水平線の彼方からでもなく、
 突如として紫の光からオブリビオンの群れが現れたのだ。
 見た目は何やらコミカルで可愛らしい、からくりの忍者達である。
 だがそいつらが逆手に忍刀を構え、手裏剣だの煙玉だの、
 あきらかに武器とわかる道具を手にしていると話は別だ。
 次から次に出現するからくり忍者ども。甲板はあっという間に戦場と変わる。
 しかも光から生まれるのは忍者だけではない。
 同じようにからくりを満載した巨大な帆船まで現れる始末!
 甲板の上で暴れる連中を相手するか?
 はたまた、幽霊船とはまた別のからくり艦隊を叩くか。
 どうあれ――蹴散らさないことには、先には進めないようだ。
●プレイング受付期間
『2020年 03/09(月)13:59前後まで』とします。
イリーツァ・ウーツェ
姫(f17016)と
得手勝手な振舞 変らないな
働くならば良い 好きにしろ

光から湧いた が、光の元は此の船
破壊は許されない
敵を減らす事に専念する
船は他に任せる

姫を杖に戻し、自身を強化
量が多い、狙い定める要も無い
足尾で蹴散らし、杖で薙ぎ払う
片手が空くならば、蛇腹剣を振る
六尺超の大太刀と言えど
素材が骨だ、鋼杖より軽い
片手で充分

敵の手投げ玉は姫に一任
一掃するぞ


綿津見・豊玉
仇と(/f14324)
ほほほ、楽しかったわえ
さて、さて……妾は飽いた。ゆえ戻る。杖のうちより協力してやるから良かろう?
おやおや、これは困ったのう。妾を殺せば、その杖。しばらくは使い物にならぬぞえ?
残念じゃったのう、ほーっほほほ!

……チッ、そういうぬしは変わらずつまらん男じゃ 少しは噛み付いてこんか頓馬!独活の大木!
もう良い、妾は敗者、粛々と勝者に従おうぞ
杖へと戻り、やつの魔力を吸い上げ、杖を強化。触れた敵の生命力を吸い上げ、水術でサポートしてやろう
煙幕爆弾を水で受け止め、敵に投げ返してやるがよいかのう

しっかし味方に引っ掛けんのが奇跡じゃな
変な所で器用なやつじゃ 詐欺にはすぐ引っかかるくせにのう



「ほほほ、楽しかったわえ。久方ぶりに暴れたのう?」
 光の中からオブリビオンどもが現れた瞬間、綿津見・豊玉は言った。
 これみよがしにちらりとイリーツァ・ウーツェを見やり、このように続ける。
「さて、さて……とはいえ、妾は飽いた。ゆえ戻る」
「……」
「杖の裡より協力してやるからよかろう? あれはおぬしで片付けよ」
「得手勝手な振る舞い、変わらないな」
「なんじゃ、文句でもあるのかえ? ……ああ! そういえばさっき、
 おぬし言うとったのう。妾を一度殺すとかなんとか……これはこれは、ほほ」
 豊玉を"殺せ"ば、当然彼女が宿っている杖は一時的に効力を失う。
 それを交換条件に出して、豊玉はイリーツァを脅すつもりでいるらしい。
「どうする"ご主人サマ"よ、殺すのか妾を。んん? 殺せんわいなあ。
 なにせ敵襲、妾の力は必要じゃろう? 残念じゃったのう、ほーっほほほ!」
「働くのならば、それでいい。勝手にしろ」
「…………」
 今度は豊玉が黙る方であった。なにせイリーツァは一度も彼女を見ていない。
 せっかくいいからかいの口実が手に入ったと思っていた姫は、ご立腹だ。
「チッ、そういうぬしは変わらずつまらん男じゃ。少しは噛み付いてこんか!」
 イリーツァはもはや姫を無視。現れたからくり忍者を尾で薙ぎ払う。
 しかし敵は雨後の筍めいて次から次に現れ、素撃では勢いが足りなかった。
「おい、聞いておるのか頓馬! 阿呆! 独活の大木!!」
「さっさと杖に戻れ」
「…………ええい!」
 豊玉は憤慨しながらも杖の中に吸い込まれ、イリーツァの力となった。
 そして姫自身もまたイリーツァの魔力を吸い上げ、魔杖の威力を増大させる。
 そうなれば、仕事は一気に効率的なものになる。
 龍は甲板上に溢れ出る忍者どもにのみ狙いを定め、殲滅を開始した。
 片手に杖、もう一方に蛇腹剣。尾でダメならば杖と刃で薙ぎ払うのである。
 敵は忍びのカタチをしているだけあって、すばしっこさはなかなかのものだった。
 しかし、それだけの話。イリーツァの暴威は風よりもなお疾い。
 逃れようとするからくりをバラバラにして海の藻屑に変え、甲板を"掃除"する。
 もしもそれが船体に向けられれば、鉄甲船とて無事ではすまないだろう。
 床すれすれを這い回る龍の舌……そう形容すべき、荒々しく繊細な技だった。

 するとからくり忍者どもは、とりあえずの最大級の敵をイリーツァに定めた。
 並んだ忍びどもはなにやら剣呑な煙幕爆弾を手に、投擲姿勢を取る。
 破壊するか――否。からくり共々誘爆したら意味はない。実に面倒だ。
「姫よ。あれを任せる。片付けろ」
『ほほほ……ようやっとご主人サマの命令を聞けるとは、嬉しいわいなあ』
 からかうような声音が響き、杖から竜巻と見紛うほどの水流が溢れ出した。
 破壊したオブリビオンの精髄を吸い上げ練り上げた、わだつみの渦である。
 それは荒ぶる大蛇めいてねじくれ、擲たれた爆弾を身のうちに取り込む。
 海の魔物に囚われた犠牲者めいて――事実これは魔の仕業だが――回転する爆弾。
 それが向かう先は、まるきり逆……つまり、投げ飛ばしたはずの敵のほう。
 KBAM!! KRA-TOOOOM!!
 麻痺爆弾が頭上で炸裂し、からくり忍者どもは一斉に痙攣した。
 現代風の言い方をするならば、EMP兵器が頭上で炸裂したようなものだ。
 もはや猪口才なすばしっこさも発揮できまい。杖はこれでよかろうと震えた。
「十分だ。一掃する」
 がらりと蛇腹剣が展開し、処刑人の振り上げた刃のように軋んだ。
 長さ六尺超、セグメント分割部分を展開すれば、甲板の端から端へ届く。
 数はざっと三、四十といったところか――むしろ少ないぐらいだ。
「逃げられると、思うな」
 嵐が吹いた。
 乱戦状態の甲板を洗い流す、強靭なる龍の吐息である。
 重力をも味方につけた刃は、身動きの取れないガラクタどもを一撃で破壊。
 それらは風に煽られて空に舞い上がり、海原へ四散していった。
『塵芥の不法投棄とは感心せんのう? ま、よいよい。実にさっぱりじゃ』
 しかしまあ、と杖は言った。
『よくも味方に引っ掛けんものじゃ、妾が言うのもなんじゃが奇跡よのう』
「約定がある。必要のない行為だ」
『まぁたそれじゃ、つまらん男よ。詐欺にはすぐ引っかかるくせに……』
 ぶつくさと文句を言う豊玉をスルーし、イリーツァは第二波の対応へ。
 甲板の混乱は、たった一体の龍と一振りの杖がひととき洗い流してしまった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アルトリウス・セレスタイト
さて
まずはそこをどいて貰う

天楼で捕獲
対象は戦域のオブリビオン及びその全行動
原理を編み「迷宮に囚われた」概念で縛る論理の牢獄に閉じ込める
対象外へは影響皆無故、遠慮もせず最大規模で

高速詠唱を『刻真』で無限加速し即座に起動
更に行使の瞬間を『再帰』で無限循環させ同時に多重展開
総合的な強度と自壊速度を最大化する

出口は自身に設定
忍びを名乗るなら一つくらいは踏破するかもしれん
自身への攻撃は『刻真』で異なる時間に自身を置いて回避
必要魔力は『超克』で“外”から汲み上げる

※アドリブ歓迎


青葉・まどか
船上が突然、戦場に(ドヤァ)

『鉄甲船』が放つ紫の光からオブリビオンが出てくるなんて想像出来なかったよ。
面白い。
やっぱり冒険は面白い!
こんなに面白い冒険を続ける為にも生き残らないとね。
さあ、オブリビオンを倒すよ!

既に甲板は乱戦状態。
乱戦状態だと組織的な行動は難しいけど、猟兵なら臨機応変に対応するよね。
それでも、死角も増えるだろうし、状況に応じて仲間のフォローが出来る遊撃役を目指すよ。

『神速軽妙』発動
狭い船上を飛んで跳ねて動き回りながらダガーで斬りつける。
ひと時も立ち止まらずに敵や仲間の猟兵の動きを観察して状況確認。

敵の攻撃に対して、フック付きワイヤーを駆使して【敵を盾にする】同士討ちを狙うね。


片瀬・栞
【POW】共闘アレンジ歓迎。
ぬーん。対集団なのに船上だから爆発物が使えない。
仕方ない。爆発なし。なるべく物を壊さない方向で迎撃。頑張ろう!

薬莢を派手にばら撒きつつ軽機関銃で【範囲攻撃】【制圧射撃】で弾幕を形成し、相手の移動を阻害

弾幕を掻い潜ってきたのは近接対応
【咄嗟の一撃】で拳銃を2丁取り出して撃ちまくる
懐に入ってきたのは
「よっ」銃把で横殴りに殴りつけ、そのままくるんと横回転しつつ
「こい」UC【踊るタランテラ】で後ろ回し蹴りで蹴倒して
「しょっと」ショットガンを素早く取り出してとどめを刺す

状況がLMGが使えない乱戦になったら鎖付き棘鉄球で応戦
鎖で敵1体絡め取って【怪力】まかせに別個体にぶつけよう



「なんてこと……船上が戦場になるなんて!」
「「…………」」
「船上が、戦場に。船の上だけに、船の上だけに!」
「「…………」」
 ドヤァ。ドドヤァ。わざわざ二回言う青葉・まどかのドヤ顔は実に自信満々。
 そんな彼女の唐突な超面白ギャグに、片瀬・栞は思わず言葉を失った。
 いきなりなんだってんだ。あまりの寒……唐突さにツッコミも出来ない。
 ちらりと隣りにいた青年アルトリウス・セレスタイトを見やる。
 彼も呆れているのだろうか。どうせならツッコミしてほしいのだが……。
「さて。敵襲だ、まずはあれらを退かす」
「って完全無視かーい!?」
「えっ、私はスルーでそっちにはツッコミ入れてくれるのー!?」
 そもそもボケを認識してすらいなかったアルトリウスであった。
 女子ふたりは思わずずっこけ調子になりつつ、溢れかえる敵を睨んだ。
「ぬーん、数は多い、けど船の上だから爆発物が使えない……面倒だなー」
「まさか光の中からオブリビオンが出てくるなんて、想像出来なかったもん。
 でも、面白いよね! やっぱり冒険ってこうじゃなきゃダメだよ、うんうん!」
「キミなんだかテンション高いね……? こういうの、スキなタイプ?」
「嫌いなヒト、いるかな? さ、頑張ろ!」
 まどかのハイテンションに引っ張られる形で、栞も発奮した。
 爆発物が使えないなら使えないで、彼女には別の武器がある……銃器だ。
 さっそく忍刀を構えて接近する敵に、サブマシンガンの弾幕で牽制射撃!
「ああもう、こいつらすばしっこい! 動き止めらんないかなあ!」
「"動きを止めれば"いいのだな。心得た」
 アルトリウスは即座に魔力を練り上げ、戦場に迷宮という蓋をした。
 存在消却の原理を編み上げられた透明な迷宮は、敵の移動を大きく阻害する。
 概念魔術であるために味方の攻撃は阻害しない。実に乱戦向きの能力と言えよう。
「相手の足並みが乱れたよ。私が注意を惹くね!」
 まどかの体が淡く光に包まれ、彼女を中心に鋭い風が吹いた。
 まるで離陸寸前のジェットエンジンめいた、キィイイイ……という高音。
 引き絞られた弓矢のように、神速の領域に突入したまどかが甲板を蹴立てる。
 疾い。目視するのがやっとの速度に、弾幕を張る栞は瞠目した。
 まどかは活劇漫画の忍者さながらに跳梁跋扈するからくりどもの背後を取り、
 その手足を逆手に握ったダガーで切断。機動力を奪い、すぐに次へ向かう。
 この迷宮が実に嫌らしい……とからくりどもは考えたのか、
 遊撃役として撹乱するまどかを無視し、アルトリウスめがけ殺到した。
「そっちから狙いやすくしてくれるなんて、ありがたいじゃん――よっ」
 そこに割って入ったのは、二丁拳銃に持ち替えた栞である。
 まずゼロ距離のヘッドショットでからくり忍者を破壊。
「こいっ」
 死角から飛びかかった二体を左右の銃把で殴りつけ、さらに回し蹴り。
 舞うような連撃、とは、まさしくこのようなアクションを指すのだろう。
 くるくるとステップを踏み、栞は端末から新たな武器――ショットガンを召喚。
「しょっ、と!」
 BBLAMN!! 至近で放たれた散弾をまともに喰らい、忍者二体は爆発四散!
「すごいすごい! ガンアクション映画みたいだね!」
「ありがとー! ……ってそんな場合じゃなくない? そっちよろしく!」
「おっとと、そうだった。楽しいのはいいけど生き残らないと」
 まどかは気を取り直し、背後に迫った敵の攻撃をムーンサルトで跳躍回避。
 逆に背後を取り返してワイヤーを投擲、敵をぐるぐる巻きにしてしまう。
 そして着地と同時に両足を踏みしめ、重心を落としてワイヤーを両手で握った!
「おりゃおりゃおりゃーっ!」
 ぶんぶんと棘付き鉄球めいて振り回される、ワイヤー拘束忍者のボディ!
 味方を巻き込みながら爆発した残骸は、粗雑な手榴弾のように二次被害を起こす。
 そして傷つき弱った敵は、アルトリウスの魔力によって滅び去ってしまう。
 概念そのものを攻撃し呑み込む魔迷宮は、取り込んだ獲物を逃さない。
「……敵の動きは止めたが、代わりに味方が大立ち回りをしているな。
 会話から推測するに、ふたりしてわざとやっているのか? 俺は構わんが」
「ええー? そういうわけじゃないけどなあ、性分っていうか。ねー?」
「そうそう、無意識に動いちゃうだけだよ! さ、次々っ」
 元気よく新手の処理に向かう少女達の姿を見て、アルトリウスはふむ、と言った。
「まあいい。俺の"天楼"は味方に影響せん。好きなだけ暴れてもらおう」
 光の中から現れるオブリビオンは、おそらくまだ首魁が控えていよう。
 これは前哨戦の続きに過ぎない――彼は、たしかにそう感じていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

銀山・昭平
これだけの数を相手にするのは骨が折れるが、一人10体は倒せばなんとかなると思うべな。

というわけで【即席絡繰強化術】で鉄梃を強化、いい感じに解体に特化した形にしてからくり忍者の背後から急所を叩いて壊してやるべ。
【暗殺】で相手が反応する前に攻撃するのが理想だが、警戒されるようなら【マヒ攻撃】も交えて動きを封じつつ戦うべ。或いは敵さんの鎖を借りてからくり忍者たちをまとめて縛り上げた上で海に放り出してお帰り願うのも良いかもしれないべな。

※共闘・アドリブ歓迎です!


天道・あや
ま、また幽霊船!?…いや、あれは…オブリビオン!よし!なら大丈夫!船員さん達は船の中に!それじゃ!右よし!左よし!…あたしよし!それじゃどっかーん!

乗り込んできた敵もどうにかしないとだけど…船もどうにかしないとキリがないよね?…よしっそれじゃあたしは船に…乗り込む!【レガリアス】を稼働させて【ダッシュ、ジャンプ】で突撃!

到着したら【挑発、存在感】して敵を【おびき寄せ】る!そして敵の攻撃を避けたり凌いだりしながら甲板の中心辺りまで移動する!ダンスで鍛えたあたしなら沢山の敵の中を抜けられる【激痛耐性、見切り、ダンス、パフォーマンス】
そして中心についたらUC発動!纏めて一気に!【歌唱、楽器演奏】


白斑・物九郎
●POW



ワイルドハントの船にズカズカ乗り込んで来やがるたァ
嵐に呑まれる覚悟は出来てるんですよな?

ワイルドハント・白斑物九郎
俺めのコトは船長と呼べ

(海賊ルックで船に乗り込んでた)
(すごいふんぞり返ってる)


●甲板上迎撃
・【野生の勘】を自身の周囲に張り巡らせ、敵ユーベルコードの立脚条件、己の「死角」を単純に潰す

・迫る忍者らを、フォースオーラ『モザイク状の空間』を伴う魔鍵を【怪力】でブン回し【なぎ払い】【蹂躙】する
・魔鍵先端部の形状を用いて、忍刀を絡めて捌く(武器受け&武器落とし)

・己の攻撃動作の命中を以って【砂嵐の王と狩猟の魔眼】発動
・特にパーツ破棄からの加速敵は、高命中を誇る航空支援火力で落とす


シノギ・リンダリンダリンダ
前章から続いて【幽玄な溟海の蝗害】で自分の船に乗り並走

ほうほう。あちらの船になにかやってきましたね
そして!なんとまぁからくり戦艦!
いいですねいいですね!
あちらの船の敵はみなさんに任せましょう
私は海賊らしく、海戦と行きましょうか!

【飽和埋葬】で召喚している死霊海賊たちを配置につかせて自分は「操縦」。大海賊の腕の見せ所
大砲の弾に魔力を乗せて「属性攻撃」
こちとら最新鋭の電脳蒸気海賊船。大砲だって連発可能なのでじゃんじゃん「乱れ撃ち」、「制圧射撃」

さぁさぁ、さぁさぁオブリビオン!
大海賊です。お前達を「蹂躙」する大海賊ですよ!
邪魔をするなら容赦はしません!
全員、まとめて、徹底的に、ボコボコにします!!!



「ほうほう。いいですねいいですね!」
 海賊戦艦シャニムニーの長、シノギ・リンダリンダリンダは、
 双眼鏡を手にからくり戦艦の影を認め、かなりの絶好調であった。
 海戦。実にいい響きだ。こういう機会は割と様々な世界でもめったにない。
 海賊としての血がたぎる。実に……実に燃えてくる!!
「とはいえ、あちらの船にも敵が出てきているようですが……おや?」
 そしてぐるりとスリッド号を見返したシノギは、何かに気付いた。
 いや、"何か"というよりも……"誰か"、というべきだろうか。
「ははあ、なるほど。"猟団長様"も駆けつけられたと。ならばいいでしょう。
 あちらの船の敵はお任せして、私は海賊らしく、獲物を頂いていきますよぉ!」
 ざざあ、と白波を割り、シャニムニーがからくり戦艦に挑む!
 はて、そんな彼女が、あえて甲板の敵を捨て置いた理由とは一体?
 それは、新たに転移してきたひとりの猟兵にあった……。

「……ふんぞり返ってるね」
「ふんぞり返ってるべな……」
 天道・あやと銀山・昭平は、"そいつ"を見てひそひそと囁きあう。
 そいつ……つまり、シノギが見た、新たにやってきた猟兵のことだ。
 "そいつ"は黒猫めいた……実際に耳が生えているキマイラだ……黒髪で、
 金色の眼はいかにも生意気につり上がっている。鼻っ柱の強そうな青年だ。
 そしてその格好はと言えば、先ほど散々に暴れたあのシノギと同じもの。
 つまり、海賊ルックである。そして何より、偉そうにふんぞり返っていた。
 どことなく下町のいたずら小僧めいた面持ちのそいつの名は……。
「"ワイルドハント"の船にズカズカ乗り込んで来やがるたァ、
 揃いも揃って、嵐に呑まれる覚悟はできてるんですよな?」
 ぎらり。黒猫のキマイラは、立ち並ぶからくり忍者どもを睨めつける。
「なんか自分の船みたいなこと言い出したよ……?」
「シージャックだ、シージャックだべ」
 ひそひそぼそぼそ。やあね誰かしらあの野良猫、みたいなノリのふたり。
 そしてキマイラはふたりの方をじろりと睨み、鼻高々にこう言った。
「なに隅っこでぼそぼそ言ってんですかよ? 俺めに文句あんなら言えばいいんスわ」
「い、いや、そういうわけじゃないけど……」
「おもいっきり自分の領土みたいな扱いしてるからビビっただけだべ」
 ふたりの言葉にキマイラはふん、と鼻を鳴らし、続ける。
「なら改めて名乗ってやりまさァ――"ワイルドハント"、白斑・物九郎」
 でんっ! と、仁義を切る任侠よろしく、片足を前に出して腰を落とす。
「俺めのコトは猟団長と――いや、今日は船長と呼べ」
「「やっぱり自分の船扱いしてるー(べさ)!?」」
 そのあたりは認識に相違なかったらしい。物九郎はこういう男なのだ!

 そしてそれまで様子を伺っていたからくり忍者どもは、一斉に攻撃を開始した。
 さながら悪代官の命を受けた忍びめいて、ものすごい速度で飛びかかってくる!
「ああもう、邪魔っ! こっちはあのからくり船に乗り移りたいのにっ!」
 あやはたたんっ、と勢いよく飛び出すと、そのしなやかな脚で敵を蹴り飛ばす。
 しかし数が多い。続けざま、魔鍵を得物に物九郎が切り込んだ!
「この俺めの死角を取ろうなんざ、百億光年速ェんですよ!」
「光年は時間の単位じゃねえべよ!!」
「細けェコトはいいんスわ、オラッ!」
 昭平のツッコミをパワフルにスルーしつつ、忍者刀を魔鍵の凹凸部分で防御。
 さらに十手よろしくテコの原理で"ひしぎ"、刀をへし折ってしまった!
「それに、とりあえずあの船ンことは捨て置いていいっすわ」
「え? それってどういう――」
 物九郎の言葉に振り返るあや、その後ろで、ドウドドウ! という砲声!
 なるほど、シャニムニーが海戦の火蓋を切り、からくり戦艦に対処しているのか。
「うわっ、すごい音!? そっか、海賊船出してたもんね!」
「そういうコトっすわ。どのみちコイツら片付けねェとですがよ」
「いかんせん数が多いべさ。けど、こいつらのことはよく知ってるべよ!」
 どうやら、昭平はこのからくり忍者の群れになんらかの因縁があるらしい。
 彼は乱舞する忍者刀、あるいは手裏剣といった剣呑な飛び道具をするする躱し、
 ずんぐりとしたドワーフの見た目に相応しからぬ速度で背後を取る。
 そしてどこぞのFPSに出てくる万能工兵よろしく、キコキコとスパナを鳴らすと、
 からくり忍者の群れはバラバラに分解され、甲板に転がった!
「とまあこんな感じだっぺ。パーツは船の修理に再利用するべな」
「エコ精神は大事っすな。それじゃ迎撃継続すれ」
「ってもしかしてあたしに命令してる!? いやいいんだけど!」
 なんて偉そうな男だ。あやはむしろ逆に従いそうになった。
 まあ彼女は素直な性格だし、そもそもどのみち船には向かうつもりである。
 はよ。みたいな顔をしてる物九郎のことはさておいて、一気に甲板を駆けた。
「ええい、邪魔邪魔! 右も左もどいてどいて、あたしがどっかーん! といくよーっ!」
 立ち並ぶ忍者どもの頭上を取って飛び石めいて蹴り渡り、そのまま船首へ。
 空白地帯を滑走路めいて一気にダッシュし――砲声とともに、力強く跳躍した!

 さて、その頃のシノギはというと。
「さぁさぁ、さぁさぁオブリビオン! 大海賊のご登場ですよ!!」
 砲撃だけでは物足りないのか、海賊船の衝角でからくり戦艦を真横からぶち抜き、
 死霊海賊の群れをなだれ込ませ、ご満悦といった様子であった。
 しかし敵もさすが、摩訶不思議なからくり兵器で迎撃を仕返してくる。
 炸裂弾! 麻痺爆弾! あるいは煙幕や、大量の手裏剣弾幕!
 配置についた死霊海賊達はカタカタとされこうべを鳴らしながら右往左往し、
 こちらの甲板もまた地獄めいた有様となっていた。
「いいですね、歯ごたえがなければ蹂躙の甲斐がありませんとも!!
 しかし邪魔をするなら容赦はしません。海の藻屑となりなさい!!」
 シノギの双眸は炯々と輝き、薄暗い海原で鬼火めいていた。
 敵が精強無比であればあるほど、海賊として奪うに値する獲物となる。
 それが財宝であれ命であれ、根こそぎ貪るのが海賊の流儀!
「――ほほう? どうやら支援戦力も到着したようですねぇ」
 そんなシノギがちらりと言った直後、あやがスリッド号から飛び渡ってきた。
「ごめんなさい、お邪魔するね! どいつを叩けばいい!?」
「ならばあちらの船をお願いしましょう。なかなか粘っていますからね」
「りょーかい! 幽霊じゃなきゃ怖くな……って幽霊、いるーっ!?」
 元気よく飛び出そうとしたあや、シャニムニーの死霊海賊達にビビった!
 まさかこんなところで味方の存在がデバフになるとは!
「あ、大丈夫ですよ。ウチの船員はあれ、メイクですから」
「メイクなんだ!? そっか、それならおっけー!」
 しかもあっさり騙された。それでいいのか天道・あや。
 ともあれ気を取り直したあやは空気を噴射し、からくり戦艦へと跳躍。
 甲板に飛び降りると、ダンスで鍛えた脚力を活かし大立ち回りを始めた!
「いいですねぇ。砲撃戦もいいですが、乗り込んでの白兵戦も海戦の華。
 まったく楽しくて仕方ありませんよ! さあ、次はどう出ますオブリビオン!」
 ドウ、ドドウ……! さらなる砲火が無数の戦艦に降り注ぐ。
 すると新たに光の中から出現したのは……おお、見よ、空母である!
 もちろん現代における機動空母のそれとは(サイズ的に)見劣りするが、
 飛行からくりを装備した忍者の群れを満載した、いわばからくり空母が出現!
「なるほど! 砲撃で勝てなければ航空戦で来ますか。そそりますねぇ!
 しかし残念です。私はシャニムニーの海賊でもありますが――」
 ぎしり、と大海賊が笑みを深めた。
「ワイルドハントの猟団員でもあるのですよ!」
 それゆえに彼女は知っている。かの猟団長が持つ"軍勢"の戦力を。
 そして見よ。スリッド号から一条の光が飛び立ち、飛行からくりを迎撃!
「へええ、ありゃ大した戦力だべ。あれもおめぇの"猟団員"だべか?」
「今回は"船員"ですわ。俺めの魔鍵は届かなくても、"エル"の魔眼は届きますや」
 然り。空中でからくりを迎撃するのは、物九郎の副官・機動人形L-95。
 アームズフォートから繰り出される無限じみた砲火は、シャニムニーに匹敵。
 いわば敵に対する航空支援戦力の到来で、戦況は再び覆された!
「なんか船体にぼこぼこ砲台が生えてると思ったらそういうことだったべか……。
 っとと、落ちてくるスクラップももったいねえべ。回収しねえとだべな!」
 それに海を汚すのはよくない。せっせと残骸を回収する昭平。
 甲板にはさらにからくり忍者が溢れるが、物九郎と昭平の敵ではない。
「いやあ、これだけの数の敵、一人10体は倒さねえときついと思ってたべよ。
 かと思ったら、10体どころか100体は相手出来る猟兵ばっかで恐ろしいべ!」
「ンなコト言いながらからくりバラすなんざ、大した手さばきしてますわな」
 ふん、とふてぶてしいが、物九郎の言葉は彼なりの称賛でもあった。
 多くの猟兵の長として君臨する"王"は、力ある者への敬意を忘れないのだ。

 ……そして!
「ふふふ。ふふふふふ! 砲撃! 白兵戦力! そして航空支援……!!
 いいですね、いいですね! 圧倒的物量には圧倒的火力で報いる!
 これぞ! 海賊の流儀! 海賊の矜持!! 俄然燃えてきましたよ!!」
 爆音と砲声の地獄のなか、シノギは腕組して呵々大笑した。
 なんと心躍る戦場か。グリードオーシャンを目指しただけでこれである。
 もしもその世界が、彼女の思う通りの海の楽園であったとしたなら。
 ああ、実に胸躍る。何もかもを踏み潰して到達しなければ気がすまない!
「全員、まとめて、徹底的に、ボコボコにします!! 次弾装填、発射ぁ!!」
 ドウドウドウドウ――KA-BOOOOOOOOOM!!
「おわわっ!? あはは、こりゃ負けてらんないや! どっかーん!!」
 あやは揺れ動く船の中で敵よりも早くバランスを取り、歌い踊った。
 その響きは砲声よりもなお高らかに戦場に轟き、敵は放射状に吹き飛ぶ。
 砲撃を受けたからくり戦艦は竜骨が折れ、真っ二つに割れて沈下を始めた。
「次はどこへ行こうか! あたし達の邪魔は、させないんだから!」
 次なる獲物を狙い少女は跳ぶ。嵐など何するものぞ。
 猟兵どもの快進撃、からくりの軍勢を蚕食し高らかに帆を張る!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鳴宮・匡
◆耀子(f12822)と


一人よりは二人の方が楽だからな
オーケー、ここは協力するとしようぜ

切り込むのは任せるよ
その代わり、後ろは気にしなくていい

こまめに位置を移動し、居場所を悟らせないように動きつつ
後方から射撃で援護するよ
そうそう位置を悟らせるつもりもないが
万が一こちらを向いた敵は早めに排除する

主には撃ち漏らし、刃の範囲を逃れた敵の排除を
最優先は耀子の死角にいる敵や、既に攻撃行動に入っている個体
後ろを任されたからには、傷一つ負わせないつもりで援護するよ
絡繰り仕掛けってことはどこかに中枢があるんだろう
そこを狙って撃ち抜くよ
出来るだけ少ない手数で数を減らすに越したことはない


花剣・耀子
匡くん(f01612)と

ここで居合わせたのも何かのご縁というものなのよ。
目的は同じなのだし、効率よくゆきましょう。

先鋒は任せて頂戴。
斬れるだけ斬ってくるわね。

光の元へと踏み込んで【《花剣》】
見える限り、剣の届く限りのからくり忍者を相手取りましょう。
言ったからには斬れるだけ斬るのがお仕事よ。
討ち零しを深追いするのは避けて、広範囲をなぎ払う事に注力。
そちらは匡くんにお任せしましょう。

派手に暴れて、此方に敵を引き寄せられれば上々。
匡くんへ意識を向けさせないように。

いつもなら斬られる前に斬り返すところだけれど
今日のところは守りに振る意識を攻撃に割くわ。
破棄するパーツすら無くなるまで斬り果たしましょう。



「協力しましょう」
 ……花剣・耀子の言葉に、鳴宮・匡はちらりと視線を向けた。
「どうして?」
「ここで居合わせたのもなにかのご縁。と、いうものなのよ。
 目的は同じなのだし、お互い手の内はおおよそ把握してる。それに……」
「一人より二人のほうが楽、か」
 匡は、先のアルダワ魔王戦争における彼女との共同戦線を思い返した。
 無論ついさっきの立ち回りもあるが、耀子の剣士としての腕前は一流だ。
 切れ味に関しては、相棒であるネグルのそれに匹敵するかもしれない。
 あるいは上……もっとも、剣士ではない匡に優劣はつけがたいし、無意味だが。
「オーケー、んじゃ片付けようぜ。どうせこいつらは前座だろうしさ」
「でしょうね」
 耀子もまた、あの紫の光からもっと強大なオブリビオンの力を感じている。
 からくり忍者どもは、その首魁の前に現れた雑魚の群れと言っていい。

 そして話が一段落した瞬間、耀子はだんっ、と甲板を蹴ってまっすぐ走った。
 からくり忍者の狙いが耀子に集中する。その隙に、匡は遮蔽物に隠れた。
(相手はこっちの死角を狙って攻撃してくる。なら、位置を悟らせなきゃいい)
 つまり耀子の仕事は、囮だ。彼女はチェーンソー剣を唸らせ振り回した。
 一見すると大振りで隙だらけに見える、武器に振り回されているような動き。
 しかし実際に踏み込んでみると、刃は途端に精彩を取り戻して敵を斬る。
 静と動、緩急をつけることで獲物を誘い込む、極めて巧みな挙措であった。
 それを見抜いて深入りしない個体は、匡が不意打ちの射撃で仕留める。
 一切作戦会議も何もしていないとは思えないほどの、連携ぶりだった。
(――……あのときも思ったけれど、"慣れている"わね、彼)
 耀子もまた、さきほどの匡のようにアルダワでのことを思い返していた。
 絶対先制を約束された、宝石災魔群との戦いのことである。
 今しがたの海洋災害でも思ったが、匡は連携行動に非常に手慣れている。
 ……なのに、本人はまるで人との協調性を感じられないのだ。
 厭世的な態度であるとか、棘があるとか、そういう話ではない。
 何かもっと言い表しがたい……そう、己と他者にしかと一線を引いているような。
 剣を振るい命を賭ける剣士だからこその、漠然とした直感であった。
(まあ、いいでしょう。ここで世間話をするような暇もないのだし)
 ――なにより、自分がそこに立ち入る権利も、不作法をするつもりもない。
 人には誰しも背負うものや事情があり、猟兵の場合それは顕著だ。
 彼にも何かがあるのだろう。それが戦闘を煩わせない限りは慮外の話である。
 雑念を払うように、耀子はさらに刃を振り回し敵兵を蹂躙した。

 ぐるりと回り込んできたからくり忍者をハンドガンで射殺した匡は、
 すぐさま別のポイントに転がり込み、一瞬でリロードを終える。
 耀子は実によく立ち回ってくれている。おかげでやりたい放題だ。
 意識を向けていない敵など、射撃練習場のターゲットよりも楽な的である。
 からくりだろうがなんだろうが、どこを壊せば動けなくなるかは人型なら同じ。
 ただそこを貫けばいい。いつも通りの、他愛もない楽な仕事。
(……何かのご縁、ね)
 そんな匡の脳裏に去来していたのは、ついさきほどのやりとりだった。
 別に猟兵同士連携することに異議はないし、彼女のような腕利きならなおさら。
 こちらとしても願ったり叶ったりで、実際いまも助かっている。
 が、耀子の言葉は、快不快とはまた違った形で匡の胸にざわめきを与えていた。
(そういう台詞が普通に出るのって、どういう気分なんだろうな)
 己を人でなしと定義する男にとって、ヒトの機微は未だ未知のものだ。
 耀子は羅刹なのだが、まあそこは細かい話。ようはメンタルの問題である。
 そういう他人の何気ない仕草一つ一つが、彼には珍しくて仕方ない。
 猟兵として活動を始めて最初の頃は、身の回りの人間のそういう動作を観察し、
 注意深く模倣することで"人当たりのいい青年"という像を演じていた。
 今はどうだろうか――いや、それこそ今考えるようなことではないだろう。
 耀子の背後に回り込んだからくり忍者を撃ち殺す。ひとまず敵は片付いた。
「狙い、正確なのね。まるで何個も目がついてるみたい」
「あいにく二つだけだよ。でも、目がいい自信はあるぜ」
 耳もな、と自分の耳を指差す匡の顔を、耀子はじっと見つめていた。
「……まさか俺の台詞、疑ってるのか?」
「いえ。ただなんでしょうね」
 特に他意があったわけではないらしい耀子は、何気なく言った。
「あたしの背中を守ってくれてるあなた、さっきよりも生き生きしてたから」
「……そうか。そういうもん、なのかな」
 自分ではわからない、と匡は頭をかいて、答える。
「――似たような戦い方で無茶してばかりの奴が、身近にいるからかもな」
「親近感湧くわね、その人」
「やめてくれよ。さっきみたいに効率重視で頼むぜ」
 うんざりした様子の匡の言葉に、耀子はレンズの奥で目を細める。
 冷徹で無表情な彼女にしては、それは笑みめいた仕草だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

マレーク・グランシャール
【壁槍】カガリ(f04556)と

ちょこまかと小賢しいのを一体一体潰して回るより、大元を叩いて回った方が早い
撤退して立て直すことも許さん
死への片道切符をくれてやる

カガリが作る盾の複製を足場に、小賢しいカラクリ共の船を壊して回る
出来れば完膚なきまでに粉砕、最低限航行不能にする
【錬成カミヤドリ】の複製盾を階段状に並べて貰い、帆までダッシュして駆け上る
【雷槍鉄槌】を発動してジャンプしたら碧血竜槍でメインマストをへし折るぞ
船体も真っ二つにするなり土手っ腹に大穴開けるなり、スクラップになるまで叩きのめしてやる

邪魔なカラクリ共はカガリが何とかしてくれよう
そっちは任せたぞ、我が友(※まるだけに丸投げ)


出水宮・カガリ
【壁槍】まる(f09171)と

ん、大きいのの相手だな、心得た
船の相手をしにいくぞ
カガリもちょこまかしたのは苦手だからな

【錬成カミヤドリ】で『鉄門扉の盾』を複製
まるが海に落ちてしまわぬよう、立ち回りやすいよう、足場として必要な場所へ飛ばすぞ
やたらに物を破壊して回るのは…ヤドリガミ的に、思う所が無いではないが……
やらねば、こちらがやられるだけだからな…相手はオブリビオン船だからな…(手は抜かないが残念そう)
うう、あんなにばきばきと柱を折って、(船が)痛そうな

まる、からくりの方はどうす…丸投げされてしまった
ええと、余計な破壊はしたくない、ので
こちらに来る分だけ、複製した盾で弾いて、海に落としておこう



「カガリ。あの戦艦どもを叩きに行く。足場を出してくれるか」
「ん、大きいのの相手だな。心得た」
 出水宮・カガリはマレーク・グランシャールの言葉に頷き、術式を起動。
 自らの持つ『鉄門扉の盾』を複製召喚し、それらを足場の代わりとして展開する。
 マレークは即座に跳躍し、迫りくるからくり船の群れへと肉薄した。
 当然、からくり忍者どももそれを座して見ているわけではない。
 KA-DOOOM!! KA-DOOOOM!!
 戦艦から生えたいくつもの火を吹き、足場やマレーク本人を撃墜しようとする。
 しかし、ここでカガリが持つ本来の特性……つまり盾の堅牢さが役立つ。
 マレークの踏み終えた足場がふわりと浮かび上がって弾幕を遮り、接近を支援!
「ふふん。そんな砲台で、このカガリを貫けると思ったのか!」
 甲板にひとり残ったカガリは、ご満悦と言った様子でマレークを見送る。
 そこへ背後から襲いかかるからくり忍者――を、本体の盾で迎撃!
「まったく。だからといって後ろからやられるつもりもないのだぞ?」
 まさに鉄壁の守備を誇るカガリ……だが、振り返った彼は眉根を顰めた。
 甲板上にわらわら現れたからくり忍者どもが、徐々に包囲網を狭めている。
 カガリはやれやれと頭を振り、雑魚どもの相手をするために身構えた。

 KA-DOOM! KA-DOOOM!!
「こちらの意図を察して弾幕を張ったか。だがもはや遅い」
 マレークは最後の足場を飛び立ち、もっとも近くの戦艦甲板上に着地した。
 本来であれば螺旋状に並べた足場でそのまま帆をへし折るつもりだったが、
 どうやらカガリのほうも手一杯らしい。それならそれでやりようはある。
「我らの旅路を邪魔するお前たちに、死への片道切符をくれてやる」
 飛びかかってきたからくり忍者を剛槍で迎撃、破壊、滅殺!
 ぐるんぐるんと巨大な槍を振るうさまは、さながら絵巻物の武芸者。
 穂先が甲板をがりがりと切り裂くたびに、龍の唸りめいた稲妻が迸る。
 当然、一山いくらのからくり忍者どもでは、マレークを止められない!
「せいぜい足場となって役に立て」
 群がるからくり忍者の頭を踏み潰し、マレークは二段、三段と連続跳躍した。
 そして魔力を籠めた龍槍の鋒を甲板に向け――KRAAAAAAAAASH!!
 大地をも砕く剛槍の直撃を受け、甲板が割れて竜骨がへし折れる!
 沈みゆく戦艦。しかし、からくりの忍者に脱出などという文字はない。
 次の船へ向かおうとするマレークに追いすがり、忍者刀を振るう!
「チッ、鬱陶しい……!」
 マレークが迎撃しようとした瞬間、再び足場が盾となって刃を遮った。
 スリッド号を見やれば、カガリがぶんぶんと手を振っているのが見える。
「こちらのオブリビオンはおとなしくさせた! まる、大丈夫か!」
「ああ、おかげで大事ない。カガリ、引き続きからくりどもは頼んだぞ」
「えっ」
「お前の腕を見込んでのことだ。任せた。我が友」
 まさに投げ槍……というか丸投げして、マレークは次の船へ。
 そんな彼の様子をぽかんと見送り、カガリはどうしたものかと頭をかいた。
「ううん、困った。相手がオブリビオンとはいえからくりは壊したくない。
 しかしあの船も可哀想に……あんな一撃で根本を砕かれるとは、うう……」
 ヤドリガミとしては、器物から生じたからくり達に思うところもある。
 ちなみにカガリに襲いかかったからくりどもはどうなっているかというと、
 みんな盾の一撃で動けないようにされて足元に転がっていた。
 こいつらもそのうち再起するだろう。カガリはしばし考え……。
「おお、そうだ。海に落としておこう!」
 なんと不法投棄。シーライフのことを考えない暴挙に出た。
 まああんな嵐が起きるような海だ、沈めばそれきりだろう。
 カガリのひとまずの仕事は、甲板に出てくる忍者どもを海に落とす仕事となった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アテナ・アイリス
なによ、世界観に合わせて原始的な戦い方をしていたのに、みんな最新鋭の武器を使ってるじゃない。
なら、ここは次世代エルフの力を見せるときね!

UC『機動兵器シグルドリーヴァ』を戦闘機モードで呼び出して、スリッド号から垂直離陸で発進する。
まずは、レーザー砲を使って、相手のからくりを破壊していく。相手の攻撃はアクティブステルスシステムとバリアシステムを使って回避する。

とどめは、ミサイル240発全弾発射で、からくり艦隊を一斉攻撃する。

わるいわね、わたしを本気にさせちゃったのが不幸だったわね。うふふっ。


露木・鬼燈
敵船を沈めるのは大事だね。
でも足元を疎かにしてはいけない。
甲板のからくり忍者は速やかに排除しないとね。
同じ忍だから分かる厄介さ。
残したら暗殺や破壊工作なんてこともあり得るからね。
一体も残さずに破壊させてもらうですよ。
この僕がからくりの忍なんかに負けるわけないっぽい!
敵は忍で武器もよく知ったもの。
手の内はお見通しなのです。
油断しなければイケルイケル!
とゆーことで、情け容赦なくスレイするっぽい。
そのために<戦乙女の叡知>を起動。
知っているとゆーことは対処できるとゆーこと。
予測をデータに変えて効率よく戦うですよ。
魔剣で斬り倒してデータを収集して対忍戦術を更新。
そしてからくり忍者用に調整を加えて実行。


神元・眞白
【SPD/割と自由に】
幽霊船の次はからくり戦艦。やっぱりこの世界の海は面白い所。
先ほどの船は沈んでしまいましたし、船には戻らずに先んじてあちらの船に行ってみましょう。

移動は死霊蛇竜の上に乗って目立たない様に。裏手から回り込んでなんやかんや。
騎士は小さくして、いない風体にしておけばもしもの時に安心。掌サイズ。
必要な時には逆に大きくして暴れてもらいましょう。頑張って。

とはいえ船自体も調べてみないことには変わらないはず。
あの光も気になりますがこの船がどこから来たかも調べたいですし。
船内に入って手がかりはないでしょうか。中に入れるかも分からないのですが……


ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

ちょっとちょっと、どこから出て来てんのよもー…
やっと鬱陶しいのが片付いたと思ったのに。

あたしは甲板の上の連中を相手しようかしらねぇ。雑魚散らしはそれなりに得意な部類だし、●鏖殺で片っ端からブチ抜いてくわよぉ。
鏖殺の射程は半径72m。この船のスペックは知らないけど、甲板の真ん中あたりにいれば大体射程圏でしょ。
向こうの攻撃は○視力・聞き耳・第六感フル活用で〇見切ってカウンター合わせるわぁ。
グレネードの〇投擲やグラップルも併用して一気に殲滅しちゃいたいわねぇ。
…だいぶ混戦だし、誤射には気をつけないと。



 ごぼごぼと音を立てて沈みゆく幽霊船から、ひとりの少女が飛び出した。
「面白そうだから」という、あまりにも緊張感のない理由で乗り込んでいた、
 神元・眞白である。どうやら、次の興味はからくり戦艦に移ったようだ。
「幽霊船の次はからくり戦艦……やっぱりこの世界の海は面白いところ」
 まるで観光みたいなテンションだが、バリバリ戦闘中である。
 死霊の蛇竜にまたがって翔ぶ彼女を出迎えたのは……当然、敵の群れ!
「あら」
 呑気な声を出す麿白に、冗談の通じないからくりが飛びかかる!
 しかしその時である。キィイイイイイイン……というジェットエンジンの音!
 ……ん? ジェットエンジンの音!?
「次世代エルフの力、見せてあげるわーっ!!」
 キュバババババ! 頭上を通過するアテナ・アイリスの機銃掃射が、
 からくり忍者を蹴散らした! さらに機首からレーザー砲がせり出す!
「せっかくこっちが世界観(?)に合わせて原始的な戦い方をしてたってのに!
 みんなして最新鋭の武器を使って、おまけに敵もからくり戦艦だなんて!!」
 ZAAAAAAAAAAAP!! レーザー砲がからくり戦艦の船底を貫通!
 どうやら、人魚モードで泳いでいたのは趣味と実益を兼ねていたらしい。
 それを敵も味方も容赦なくテクノロジーの力で互いに殴り合ってるもんだから、
 こだわり派のアテナとしては怒髪天を衝くご様子だ。ブチギレていた。
「なるほど。あれがいわゆる航空支援……とにかく、感謝しないと」
 危急を脱した眞白は、呑気に手などを振って感謝の意を示す。
『案ずることはないわ、グッドラック!』
 アテナの乗る巨大な人型ロボットシグルドリーヴァが、グッとサムズアップ。
 そして次の戦艦を目指し、アテナは再び飛んでいく。
「……あ。この調子で沈められたら大変、手がかりが調べられなくなっちゃう」
 急がなきゃ、といってそのあとを追う眞白であった。避難とかしないんだろうか。
 いやまあ戦闘中なんだから前に進むのは実にいいことなのだが、
 そのメンタル的な心構えに大変問題のあるお嬢様(見た目は)であった!

 ……一方、スリッド号甲板!
「なんだったのよぉいまの垂直離陸してったロボはぁ……」
 遠く飛んでいくシグルドリーヴァの機影を見届けて、
 ティオレンシア・シーディアはやれやれといった様子で頭を振る。
 いきなりロボットが出てきてしかもスクランブル発進したもんだから、
 せっかく整えた髪がめちゃくちゃだ。まあ、戦闘中にはそうも言ってられない。
 そう、スリッド号とて無事ではないのである。甲板にはびこる大量のからくり!
「向こうもやる気取り戻したっぽい? からくりとはいえ忍者は忍者!
 油断は禁物、同じ忍だからこそこてんぱんにやっつけないとなのです!」
「じゃあそこらへんはご同業にお任せ……とは、いかないわよねぇ」
 露木・鬼燈がひとりで片付けられそうであれば引っ込んでいるつもりだったが、
 数と敵の動きから見てそれは難しい、とティオレンシアは判断した。
 一時の混乱から立ち直ったからくり忍者の群れが、ふたりに飛びかかる!
「ふふーん、そっちの動きなんてお見通しっぽい! イヤーッ!」
 鬼燈は魔剣オルトリンデを振るい、飛びかかってきたからくりを一刀両断。
 爆発四散した味方を隠れ蓑に、死角を取ろうとする敵を振り返りざま斬り捨てる!
「そうやって意識の裏をかこうとする、忍の定石なんてわかりやすーい!」
「……それを"わかりやすい"と言えるのは、同業者だけな気がするわぁ」
 などと間延びした声で言いつつ、ティオレンシアも見事な手さばきであった。
 半径72メートル圏内をカヴァーする"鏖殺"の術式は、獲物を逃さない。
 死角など存在しなければ、敵は無鉄砲に挑むしかないのだ。
 そして見えている獲物を撃ち貫くことなど、ティオレンシアには朝飯前。
 BLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAM!! マズルフラッシュのたびに転がるスクラップ!
 弾丸飛び交う戦場は、素人ならば二秒でお陀仏だろう。
 しかしそんな弾幕のなかを、鬼燈は涼しい顔で左へ右へ大立ち回り。
 味方が腕利きの忍びだからこそ、ティオレンシアも誤射を恐れずに済む。
 銃と刃、ふたつの武器がひとつに合わさり、向かってくる敵を殲滅し始めた1
「っと、あっちも派手にやってるっぽい!」
 鬼燈が示した先、三隻目のからくり戦艦がミサイルの爆炎に消える。
 機動兵器シグルドリーヴァの、超絶火力がオブリビオンをふっ飛ばしているのだ。
「悪いわね、わたしを本気にさせちゃったのが不幸だったわね、うふふっ!」
 我慢していた破壊欲求をこれてもかとばかりに解き放ち、アテナはご満悦だ。
「ああ、また貴重な遊び場……いえ、手がかりが……」
 沈んでいくからくり戦艦を見下ろす眞白の声は、ちょっぴり悲しそうだったという。
 そもそも目的が間違っている? まあ、そういう話もある。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

薄荷・千夜子
多喜さん(f03004)と

引き続き多喜さんの宇宙カブに同乗させてもらいながら
うまく気を引きながらからくりを倒して行きましょう!
【空中戦】に備えて『藤巡華簪』の【ロープワーク】で自身も固定しつつ
『花奏絵巻』を開き大量の赤き炎のような花弁を巻き起こして花嵐の【迷彩】で攪乱しつつ多喜さんが動きやすいよううまく陽動していきましょう

多喜さんの足止めと花嵐に紛れるようにUC発動
【早業】で【属性攻撃】【破魔】で炎の力を纏った短刀を放ち無効化されぬうちに一撃を入れられるように立ち回りましょう
花嵐だけでなく刃の嵐も降らせて差し上げましょう!


数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】
続けて千夜子さん(f17474)と。

よーしそのまま海上を『操縦』テクを駆使して駆け抜ける!
甲板じゃあカブが駆け回るにゃ狭すぎるだろ!
場合によっちゃ『ジャンプ』して『空中戦』を仕掛けるからね、
振り落とされるんじゃないよ!

花嵐のおかげでこっちに攻撃をある程度『おびき寄せ』られるのは有難いね。
それだけ甲板の被害が減るだろうからさ!
そのまま矢継ぎ早に忍者どもへ【時縛る糸】を『範囲攻撃』のように放ってやるよ!
棒立ち状態でそもそもユベコも発動できないだろ、
ついでに『マヒ攻撃』の電撃の『属性攻撃』『衝撃波』も放って、
どんどん短刀の的を増やしてやろうじゃないのさ!



 ザザザザザ……と穏やかになった白波を割り、宇宙カブが水上を走る。
 先ほどまでの災害海域と打って変わって、実に爽やかで心地いい潮風だ。
 ……もちろんそれは、あんなオブリビオンどもが居なければの話だが!
「幽霊船のお次はからくり戦艦かい、まるでB級映画みたいでワクワクするねぇ!」
「本当ですね! もう海流のことは考えなくていいのが僥倖です。
 さあ多喜さん、他の方々に続いて、私達も派手にやっちゃいましょう!」
「ははっ、千夜子さんもわかってるじゃあないか! そうこなきゃね!」
 荒々しい潮風を浴びながら、薄荷・千夜子と数宮・多喜は笑い合う。
 大いなる海原の爽やかさが、ふたりのテンションを普段より気持ち高めていた。
 そんなふたりの高ぶりに呼応するかのように、宇宙カブが海面を跳ね上がる!
「アタシらの仕事はスリッド号の応援だ。とはいえ甲板じゃあ狭すぎる。
 空中からあのからくりどもを蹴散らそう、出来るね千夜子さん!?」
「お任せください! 味方を巻き込まないよう注意は必要ですが――」
 海域をUターンし、スリッド号のすぐ傍まで戻ってきたふたり。
 甲板上では、変わらずからくり忍者軍団との死闘が繰り広げられている。
 海面を跳ね上がった宇宙カブは斜めに飛翔し、スリッド号の上空に位置取ると、
 それと同時に千夜子がユーベルコードを発動した!
「……花嵐を迷彩にして、敵の注意を惹けば!!」
 ばさあ、と戦場を包み込む花弁の嵐。からくり忍者の視界が花びらで覆われる。
 その隙に千夜子が生み出したのは、炎を刃に孕んだ無数の短刀である。
 その数、実に70個以上! しかもすべてが制御可能な複製物だ!
 千夜子は高速移動する宇宙カブのタンデムシートから、甲板上を睨み、
 猟兵達の死角を取ろうとしているからくり忍者どもに狙いを定めた。
 そして雨のように降り注ぐ短刀――かなりの数のからくり忍者を貫く!
「どうだい! さすがに全滅とはいかないだろうけどさ!」
「はい……動きが素早くて、何体か取り逃がしましたっ」
「オーケー、つまり足止めしてやりゃいいってこった。ならアタシ向きだよ」
 多喜は宇宙カブを空中ドリフトさせながら不敵に笑い、甲板を睨んだ。
 道具はいらない。サイキッカーである彼女なら、ただ念ずればそれで事足りる。
 幸いなことに、先ほどのナイフ弾幕が敵の足並みを乱していた。
 花嵐の向こうに隠れ潜む、からくり忍者の姿もよく視える……!
「よう旦那、今なんどきだい? ――なあんて、ねッ!」
 多喜の双眸がサイキックエナジーの輝きを放ち、思念波が放射された。
 巨大なスリッド号の甲板をまるごと覆うほどの、彼女の全力の思念攻撃!
 ユーベルコードを反射する暇すらなく、からくり忍者どもは凍結してしまう!
「こいつもおまけだ、喰らいなァッ!」
 さらに宇宙カブのタイヤ部から電撃が放たれ、網の目状に甲板を覆った。
 見方によれば、巨大な投網によって敵が縛り上げられたようにも見えるだろう。
「今度こそ仕留めます……守り刀に、焔の加護を! "護火剣乱"ッ!!」
 再び七十以上の燃える短刀が空中に出現し、ふわりと甲板を取り囲んだ。
 ドーム状に展開した短刀の雨が――カカカカカカカッ! と敵に突き刺さる!
 動力部を貫通されたからくり忍者は、炎に包まれながら悶え苦しみ爆散!
「ヒュー、ジャックポット! いい狙いしてるじゃないか、千夜子さん!」
「えへへ、多喜さんのおかげですよ。っと、また新手ですね、来ましたよ」
 鉄甲船から彼方へと伸びた紫の光から、さらなるからくり忍者の群れが現れる。
 多喜は宇宙カブを停止させ、威圧的にエンジンをイグゾーストさせた。
「第二ラウンドといこうかい。海の藻屑と消えちまいな!」
 戦場にして船上の激闘は、まだまだ続くようだ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

狭筵・桜人
忍者なら間に合ってますけど。
しかしなるほど甲板に乗り込まれたら
派手な人たちが派手なレーザー砲を
ぶち込んだりも出来なくなりますね。

つまり白兵戦。
ここでなんと私は予め船内に見つけて置いた安全っぽい隠れ場所に身を潜めて遠隔操作でエレクトロレギンを動かし戦おうと思うのですがいや落ち着いて聞いてください前に出てないだけでちゃんと戦ってるし

とにもかくにも厄介な爆弾はレギオンに誘爆させるので
猟兵方の視界と身体の自由は保証しますよ。
危うげなら盾にして【かばう】ことも出来ます。
こういう仕事は戦場全体を見渡せる後方配置がマストですよね。
さっき誰かに蹴られた足が痛むし
私は安全なところで安静に仕事しますね!!


矢来・夕立
甲板で迎撃に当たります。
からくり船も面白そうなんですけど、入り込むとレーザー砲で消し炭になる気がして。
【紙技・冬幸守】。式紙の群れを一息に解放して目くらましに利用。
こちらを警戒してくれれば「完全な脱力状態」ではなくなる。
新手もどんどん視界内に入れて巻き込んどきます。

…式紙に突っつかせるだけ、というのもちょっとつまんないですね。
式紙に紛れた《だまし討ち》で、煙幕なり他の忍具なりを盗めないか試してみます。
自分で使ってもイイんですけど、自衛手段を持たない人に持っててもらうのもアリです。

忍者としての格の違いを…妖怪木造忍者と競うのはどうかと思うんですけど、負ける方がどうかと思うのできちんとやりますね。


ヴィクティム・ウィンターミュート
ったく、気が休まる時間がありゃしねえな
しゃーねぇ、さっさと殲滅して終わりにするとしよう
派手に前線で暴れるのは得意じゃな…かったんだけどな
妙な力のせいで、案外やれるようになったのさ

Void Link スタート
人間性と生命を食い潰して、果て無き力を寄越しやがれ!
厄介なマヒ爆弾を持っているようだが…関係ないね
当たったという過去を消し飛ばしちまうんだよ、こいつはな
だから何を向けられても最後には消えたという結果しか残らない
で、もうネタは無いか?そう、じゃあ死んでくれ

【ダッシュ】で近づいて、関節部分にナイフを突き立てる
動くきが鈍ったところに仕込みショットガンを撃ち込んで、一匹ずつ処理
前座は不要だ、消えな



 じわじわと、漆黒の虚無がヴィクティム・ウィンターミュートを覆う。
 そこには何も存在しない。光も、闇すらも。
 だがそれでいい。自分のような者には、実際似合いの力じゃないか。
 ヴィクティムはそう心のなかで自嘲しながら、鈍化した世界を駆ける。
 からくり仕掛けの忍者など、ハッカーにかかれば止まっているようなものだ。
 死角を取ろうとする敵のさらに背後を取り、ナイフで動力部を貫く。
 ちょこまかと邪魔する者がいれば、サイバネに仕込んだ散弾銃でBLAMN!
 実に――実に楽な仕事。こういう些事はさっさと済ましてしまうに限る。
 また一体。また一体。
「前座は不要だ――消えな」
 涼やかに言うハッカーの頬を、寂寂とした潮風が撫ぜた。

「ヤバいですねあれ。ああいうの矢来さんも出来ないんですか?」
「なんでことあるごとにオレに振るんですかあなた。喧嘩売ってます?」
「売ってるかそうでないかでいうとだいぶ安売りしてますね!」
「なるほど死にたいと。まあこれだけ乱戦だと誤射もありえますからね」
「フレンドリーファイアのふりしてMIAにするのやめてくれませんかねぇ!?」
「…………お前らうるせえな!? いま戦闘中だぞ!?」
 そんなわけでキリッとキメていたヴィクティムは、思わず素に返った。
 いやこの場合そういうノリになった、というべきか、まあ仕方ない。
 すぐ近くであのアホ野郎ども、こと狭筵・桜人と矢来・夕立が騒いでいるのである。
「いやいやヴィクティムさん聞いてくださいよぉ」
「井戸端会議するオバちゃんみたいなノリで話しかけんな」
「いやね、私がね? ものすごーくいいアイデアをひねり出したわけですよ。
 そしたらこの汚い忍者なんて言ったと思います? ねえなんて言ったと思います?」
「クイズ要素入れんな話進めろ」
「"サボるなら邪魔なんて海にでも飛び込んでてください"ですよ!?
 しかもウソって言わないんですよこの人! 口癖のくせに!!」
「そこは触れてやんねえほうがいい気がするぜ……」
 ぶーぶーと文句を垂れる桜人。ヴィクティムはうんざりしていた。
 シリアスな気分ノリノリで出てきた虚無さんも、出待ちの姿勢である。
「……で? こいつが何言ったって?」
「"エレクトロレギオン操作するだけなんで船室に入ってますね"って言いました」
「クソだな」
「クソでしょう」
「おやおや? おかしいですね私の味方いないんですかこれ」
 サボるつもり満々の桜人をスルーし、仕事人顔で声を潜める夕立とハッカー。
「まあそういうわけなんで、そこのピンク頭は放っておきましょう」
「仕方ねえな……で? 少しは俺をサポートしてくれるんだろ?」
 背景化した桜人のぎゃーぎゃーという文句は完全スルーである。
「オレの式紙で、奴らを警戒させます。これでユーベルコードは防げない」
「ハ、なるほどな? コウモリに紛れて夜襲か、スーパーヒーロー気分だな」
「ヒーローズアースで散々味わった気がしますがね」
 冗談とも本気ともつかぬ顔で言い、夕立はコウモリ型の式紙を解き放った。
「船に乗り込んでレーザー砲でジュッとか御免ですしねぇ!
 いや本当、かなり苦労して見つけたんですけどねセーフゾーン! あーあ!」
 ぶーぶー文句をたれていた桜人も、おとなしく甲板で戦うことに決めたようだ。
 コウモリ達の中に機甲兵器が紛れ、新たに出現した忍者どもを煩わせる!
「それもこれも、ゴミどもが次から次へと出てくるのがいけねえのさ。
 ――んじゃ、第二ラウンドといこうや。2秒で黙らせてやるよ、スクラップども」
 Void Link=START.
 ヴィクティムは人間性を糧に漆黒の虚無を纏い、色なき風となった。
 あとに続くのは夕立。からくり仕掛けの贋物と本物の忍では次元が違う。
 宣言通りに、出現するからくり忍者どもはすさまじい速度で駆逐されていく……!
「……あーあ。しかしまあ、誰も彼もおっかないユーベルコード使いますねえ」
 そんな様子を遠くから眺めながら、桜人はやれやれと頭を振った。
「寿命を燃やしたり魂を燃やしたり、仕事熱心な私でもドン引きしますよ。
 ……ま、別にどうこう言うつもりはありませんが。投資された身としては、ね」
 ヴィクティムの姿は、もはや桜人の動体視力では捉えきれない。
 しかし。"先行投資"された身として、彼には相応のリターンを返さねばなるまい。
 ピンク色の少年は大げさにため息をついて、ふたりの支援を開始した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

化野・風音
メイドがあまり目立ったことをするのもどうかと思いますが
ええ。ええ、ええ
お掃除と参りましょう

風を起こして船から離れ、敵艦隊へ飛びます
最前線の艦上へ降り立てば、そこを起点に後続の船へ向けて初音の扇をひと仰ぎ
狐は農耕神の眷属と申します。この程度は造作もなし
今度は皆様方が荒天を攻略する番ですね?
乱破の類いも動かさねば児戯にすぎません

とはいえ、さすがに自身がいる艦上では近すぎて扇も使えませんが
包囲されても慌てず騒がず。
忍びの得手の毒煙ですね?
それも、権現の風には通りません

灰は灰へ、塵は塵へ
使い終えた玩具は玩具箱へ

……絡繰の相手など詰まりません
もっと、貴方の欲望をお見せくださいな



 メイドとしては、あまり大げさに目立つのは少々気持ちがはばかられる。
 しかし、この混沌とした戦況では、こだわっているわけにもいかないようだ。
「目下の障害はあれ、でございますね――ええ、ええ、ええ。ならば」
 化野・風音のスカートがふわりと風に揺れ、次にその体が浮かび上がった。
 妖しの風は潮風と混じり合って、軽やかに彼女を戦場へといざなう。
 ドウ、ドウドウドウ! と迎え撃つ弾幕は、狐火が焼き尽くす。安泰だ。
「はたしてあなたがたはどこから来たのでございましょうか?
 このサムライエンパイアのものなのか、あるいは――詮無きことでしょうか」
 最前列の船の甲板上に降り立ち、風音は演技めかして言った。
 そして日舞でも舞うかのように、ひらりと扇をひと仰ぎする。
 ……すると。彼女だけに作用していた風が、途端にごうごうと嵐に変わる!
「狐は農耕神の眷属とも申します。この程度は造作もなし、ですよ?」
 甲板上にわんさかと現れたからくり忍者どもは、揺れる船の制御に必死だ。
 もはや順番は入れ替わった。
 さっきまで猟兵達が苦しめられていたように、今度は敵が嵐に悪戦苦闘する番。
 近づく敵を狐火で燃やしながら、風音は口元を扇で隠しくすりと笑う。
「あらあら、まあまあ。所詮からくりなどでは、この程度でございましょうか?
 まったく残念、つまらないことこの上なし。あなた達には欲望もないのでしょう」
 背後から、忍者刀を逆手に構えたからくり忍者が飛びかかる。
 振り返らぬまま、ぱたりと閉じた扇を十手めいて振るい刃を受け止めた。
 そして、くるり。手首を返せば、つむじ風がからくりを吹き飛ばす。
「後ろを取った程度で仕留められると勘違い。私、少々心外でございますよ?
 ――この化野の目が、顔についているのだけかと思ったら大間違いですから」
 もしもからくり忍者どもに、人間めいた意識があったとしたら。
 にたり、と弧を描いたその眼光に、怯え竦みあるいは魅入られたことだろう。
 狐狸とはそういうものである。妖しの技をもって人を拐かし、
 からかう程度ならばまだよいもの。時には魂をも奪ってしまうのだから。
 ましてやこの女は化野。海であろうが山であろうが、そこが風音の領域である。
「灰は灰に」
 風ががらくたを吹き飛ばす。
「塵は塵に」
 狐火が木偶を焼き尽くす。
「――使い終えた玩具(おもちゃ)は、玩具箱へ片付けませんと、ね」
 近づく敵を薙ぎ払い、風音は講談師めいて扇でとん、と甲板を叩いた。
 そこから不可思議な力で戦艦は亀裂を刻み、そして割れて沈没していく……!
「ああ、ああ。グリードオーシャンなどというから期待していましたのに。
 もっと滾るような欲望をお持ちの方は、現れてくださいませんのかしら――」
 風に乗って飛びゆく女の姿は、天の国から落ちてきた仙女のよう。
 あるいは男を誑かして最期には精髄を奪い去る、恐るべき羅刹のようだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シオン・ミウル
織愛(f01585)と

さっきよりはやり易くなったかなぁ。目に見えてる奴らを蹴散らせばいいんでしょ?
織愛の本領発揮だね。サポートは任せて、存分に暴れ回ってきてよ

前に出たくはないからちょうどいいんだよね。女の子を盾にするみたいなのも好きじゃないんだけど……、本人はそうは思ってないみたいだし、いっかな
さて、任せろって言ったからには頑張っておかないと
怪我はさせないよ

全力魔法で風を繰り、風の防壁を作って敵からの攻撃は弾けるようにする
彼女の攻撃の妨げにはならないように注意かな。背を押して行けるよう、動き易い風の流れや足場を作ろう
守りの風は自分の周りにも。サポート役が倒れたら笑い話にしかならないでしょ?


三咲・織愛
シオンくん(f09324)と

ええ、天候や幽霊よりよっぽどやりやすいですね!
腕が鳴ります。存分にノクティスを振るってあげましょう
後ろはお任せしますね、シオンくん!

船上は足場の確保に気を付けないといけませんね
落ちても波に乗ればなんとかなるとは思うんですけれども……
槍を構え、甲板を蹴って飛びましょう

【覚悟】を胸に、進みましょうか!
爆弾などは着弾する前にすべて見切って叩き落しましょう
風に背を押されれば、いつもより疾く駆けられるから

支援を意識しながら無駄のない動きを心掛けましょう
急所を狙い串刺しながら、より多くを倒せるように
彼に向かう攻撃も出来る限り払っていきましょう

さあ、まだまだ行きますよ!



 グリードオーシャンへの道筋を示していると思しき、紫の光。
 はたしてどんな原理かはわからないが、そこからオブリビオンは現れ続ける。
 鉄甲船から光が出ているということは、つまり敵も船に近いということ。
 これではさすがに、からくり戦艦の迎撃には行けようはずもなかった。
「でもさ、さっきよりはやりやすくなったよね。なにせただの敵なんだし」
「そうですね! からくり何するものぞ、腕が鳴りますよっ!」
 シオン・ミウルの言葉に、三咲・織愛は気合十分といった様子だ。
 嵐だ雷だ、形のない災害に比べればオブリビオンは実に"わかりやすい"。
 特に力こそパワーな織愛にとっては、まさしくうってつけの相手である。
 織愛は槍に変じた相棒ノクティスを威圧的に振り回し、周囲の忍者を牽制。
 甲板上に展開したからくりどもの狙いは、ふたりにのみ注がれた!
「さて、今回はさすがに俺は後衛に回らせてもらうよ。前に出たくないしね」
「はいっ! シオン君、背中は預けました!」
(女の子を盾にするのも好きじゃないけど、あの感じだとまあ、いっか)
 意気込み信頼の眼差しを向ける織愛に、シオンは思わず苦笑した。
 あんなふうにキラキラした目で見られると、男としては発奮せざるを得ない。
 はて、先ほどもこんなふうに、普段ならやらない労働をこなしたような?
 ……まあ、気にする必要はないだろう。どのみち戦わねばならないのだ!

 ふたりのやりとりが戦いの火蓋を切り、まずからくり忍者どもが仕掛けた。
 障害物を背にするふたりを半円状に取り囲んだ状態で、前衛が飛びかかる。
 一瞬でも視線をそらせば、織愛の護りを抜けて忍刀がシオンを襲うだろう。
 当然、そうはさせない。織愛は裂帛の気合とともに槍を振るった!
「たあああっ!!」
 甲板を傷つけないすれすれを薙ぎ払い、衝撃波を起こして敵を怯ませる。
 からくり忍者はスピードを優先しているせいか、自重は非常に軽い。
 それが敵に災いし、忍者どもは毬のように衝撃波でふっ飛ばされた!
「おお、野球のフライボールみたい。オーライオーライ、ってね!」
 シオンは冗談めかしながら風を両手の中に圧縮し、上空に解き放った。
 蓋のように展開された風は非常に荒く鋭く渦巻いた、いわば上昇気流である。
 吹き飛んだからくりはそのまま気圧差で吸い込まれ、風のミキサーで破砕!
 もちろん、飛び散る残骸は甲板に散らからないよう、海に向ける精密ぶり。
「ま、相手が機械ならこういうことも出来たりするのさ」
 そして散った空気を、そのまま護りの障壁として再収束する。
 シオンの風は、敵の死角を取ろうとするからくり忍者よりも速いのだ!
「さすがです、シオンくんっ! 私も負けていられませんね……!」
 織愛は逆に自ら踏み込むことで、敵の前線を下がらせ制空権を手に入れた。
 敵が飛び退りながら麻痺爆弾を投げてきても――。
「見え透いた飛び道具なんて、私には効きませんっ!」
 この通り、ノクティスで打ち返して敵の方に炸裂させる。
 護りの障壁は、前に出る織愛の背中を押す追い風でもあった。
 こうして誰かとともに戦う時、相手が誰であれ、織愛は強く感じることがある。
 それは――誰かに背中を預けた時、自分は普段以上に強くなれるということ!
「さあ、今度はこちらの番ですよ! 避けられますかっ!?」
 たたらを踏むからくり忍者の動力部を一撃で貫き、薙ぎ払う。
 神速の刺突が煌めくたびに小規模な爆発が起きて、甲板上を照らし出した。
 爆風を吹き払い、髪をなびかせて突き進むさまはまさに歴戦の槍使い!
「うーん、ノッてるね。このぶんなら、俺の仕事はなさそうかな」
「もちろんです……ってダメですよシオンくん! サボったりするのはっ」
「うへ。そういうとこがなければ、織愛は最高なんだけどなー」
 軽口を叩き合いながら、ふたりは乱戦模様の甲板を風のように駆け抜ける。
 そのたびにオブリビオンは倒れ、いくつもの爆炎が咲き誇るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リア・ファル
SPD
アドリブ共闘歓迎
真の姿

今度はカラクリ忍者と艦隊だって?
まったく忙しないね!

航路サポートはひとまずオッケー
それじゃ艦隊戦といこうか!

「資金リソース投入……完了
機動戦艦ティル・ナ・ノーグ……、現実空間へマテリアライズ!」

「索敵および解析完了。敵は受けの成立で増えるようだね、なら!」

UC【神出鬼没の緊急配送】で戦域全体に上空から転移攻撃を繰り返す

「足下の敵艦隊補足と同時にパルスレーザー射撃!」

オマケでリソースデータに、武器弾薬、
電撃弾に機雷、ハッキング弾etc...

敵が脱力状態を維持できないように
攻める手立てを皆に供給

この航海も、ボクにはかけがえのない経験さ
星の海でも、いつか活きるモノだ


フェルト・フィルファーデン
今の、光は……?もしかして、この物達は別の世界から来たということ?
いえ、考察は後回しね。手早く片付けましょうか。

敵が数で攻めてくるなら、こちらも数を増やしましょう、敵を使ってね。
UCで敵を傀儡にして操り、残った敵と同士討ちを狙うわね。
人形の扱いには慣れているもの。正直騎士人形ほど使い勝手は良くないけれど……数で押し切るには充分よね?
数が余ったらそのまま艦隊に特攻させるわ。悪いけれど、こんなところで足止めされるわけにはいかないのよ。

……よっぽどあちらの世界に行かせたく無いのかしらね……それでも絶対に、通してもらうわよ。


アコニィ・リード
こんなに沢山……やっぱり、大元をやっつけないと駄目かな?
引き続き艦隊攻撃を継続するよ

先の戦いで戦場の状態は大分分かっているし
幽霊船を攻撃した要領で、今度の狙いはからくり艦隊
帆船ならマストを破壊すれば自由を奪えるはず
外套から繰り出す漆黒の粘液で全身を保護して
空中から敵艦隊直上に肉薄するわ
多少のダメージはこれで受け止めて、変えた力を全力高速詠唱
帆船のマストに雷属性の特大攻撃をぶつけてあげる!

煙幕を張られても臆せず進むわ
耐性はあるんだから、多少はきっと大丈夫よ
鎖で動きを封じられたら、雷属性の攻撃を
鎖を伝わせてからくり忍者に当ててやるんだから
わたしはこんな所でやられる訳にはいかないの……そこをどいて!


ヌル・リリファ
◆アドリブ連携歓迎

きゅうに、でてきたの?

……あやしいけど。すすまないと結局謎はとけないから。なにをさしてるのか、このひかりはなんなのかをしるためにもすすむ。
邪魔する相手なら殺すだけだよ。

ふねをしずめる。
なにがつんであってもおかしくないし。不安な要素はつぶしたい。
UCの幻影をふねのちかにいかせて、爆破。そこにおおあなをあけるよ。
幻影だけにいかせると途中で交戦したらそこで爆発しちゃってうまくいかないかもしれないから、ルーンソードで忍者をたおしながらすすんで、できるかぎりしたのほうで幻影はつくって爆破させるよ。

わたしのみぎめの【視力】はいいし、死角だから警戒しないほどわたしはまぬけな人形じゃないよ。



 からくり忍者軍団との戦いの間も、スリッド号は航海を続ける。
 目指すは紫の光が示す先……そして、もう一つ奇妙なことが起きていた。
 それは、紫の光に伝って進めば進むほど、
 光の中から出現するオブリビオンの数が増している、ということだ。
「次から次へと……けれど、これはもしかして……目的地が近いのかしら?」
 妖精騎士人形を操り、敵を殲滅していたフェルト・フィルファーデンは、
 水平線の彼方に強い紫の光があることに気付いた。
 まさか、あそこがグリードオーシャン……? いや、そんなはずはない。
 異なる世界を渡るには骸の海という虚空を踏破せねばならず、
 尋常の手段でそれを突破することは、現状知る限りでは絶対に不可能。
 だからこそ、グリモアという転移手段がアドバンテージを与えているのだ。
 ……いずれにしても、どうやら旅の終わりは近いらしい。
 そしてそれを証明するかのように、最後のからくり艦隊が現れた!
「いよいよ最終ウェーブって感じ? あの艦隊を叩いたほうがよさそうだね!」
「ふね、しずめるの? なら、わたしもてつだうよ」
 アコニィ・リードの言葉に、戦っていたヌル・リリファが同調した。
 しかし甲板上の敵もいよいよ数を増しており、離脱するのは難しそうだ。
「そういうことなら、このDag's@Cauldronにお任せしてもらおうか!
 資金リソース投入! ボクの母艦であるティル・ナ・ノーグを現実化させるよ!」
 リア・ファルがそう言った瞬間、スリッド号の上空に巨大な電影が生まれた。
 次元を越えて、異空間に安置された機動戦艦がマテリアライズしつつあるのだ!
 徐々に物質化した砲台から、無数のレーザー砲が甲板に照射される。
 爆発するからくり忍者軍団! しかし敵も、それをおとなしく見過ごしはしない。
 麻痺爆弾を構え、ティル・ナ・ノーグの砲台を破壊しようとしている!
「わたしの騎士達――いえ、ここは同時討ちを狙ったほうがよさそうね。
 これだけの数なら、掌握した傀儡をぶつければ一石二鳥でしょうから!」
 フェルトは人形達を電脳空間に収納し、代わりに糸型のウィルスを放った。
 蜘蛛の糸めいて放たれたウィルスがからくり忍者に命中すると、
 敵は二、三度痙攣して動きを止め……フェルトの指示に従い、同時討ちを始める!
 麻痺爆弾相殺! さらにフェルトは、ジャックした敵個体を自爆特攻させた!
 KRA-TOOOOM!! 爆炎が海原を照らす。盛大な水上花火のようだ!
「ありがとう! これでマテリアライズの時間が稼げた……それじゃあ、いくよ!」
 船体の下半分ほどを現実化させたティル・ナ・ノーグは、
 レーザー砲、および電子機雷、さらに電撃属性の機銃を戦場全体にばらまく。
 からくり艦隊の弾幕とぶつかり合い、いくつもの砲炎が海の藻屑と消えた。
「ヌルさん達が戦艦に取り付けるように、ボクのほうで弾幕を抑え込む!」
「りょうかい」
「アイアイサー! んじゃ、一気に肉薄と行きますか」
 ヌル、そしてアコニィはそれぞれのユーベルコードで甲板から飛び立つ。
 さらにヌルはサイキックエナジーを凝縮させ、自分自身の幻影を生み出し、
 これをデコイにすることで敵の砲撃を妨害した。
 しかもこの幻影は、フェルトが操る傀儡のように爆破特攻も可能なのだ。
 KBAM! KBAM!! KRA-TOOOOOOM!!
「さすがに幽霊船と違って装甲が厚いなあ、やっぱり直接攻撃しないとか」
「甲板のうえはわたしがそうじするから、船体のこうげきをおねがい」
 アコニィはヌルの言葉に頷き、敵艦に白兵戦を挑む彼女と二手に分かれた。
 目指す先は敵艦隊の直上……当然、砲撃が乱舞する危険なキルゾーンだ。
 現状はリアのティル・ナ・ノーグによって敵の弾幕が相殺されているが、
 もしも増援があれば押し返され、アコニィは即座に爆炎に呑まれるだろう。
「だからって、こんなところでビビってじっとしてられるかっての!」
 アコニィは、全身をダーク・ヴェンジェンスの漆黒粘液で覆い、防御する。
 からくり忍者軍団の攻撃が粘液を削ぎ、本体に届き始めた……!
「いい加減、邪魔なんだからどきなさい! ドでかいの、行くよっ!」
 アコニィは敵の攻撃の隙を突き、粘液を魔力に変えて両掌の間に凝縮した。
 ZZZZZTTTTTT……先の黒雲のそれに匹敵するような、極大の雷撃が――KRAAAACK!!

「わお! あっちも派手だなあ。また一隻沈めたみたいだ!」
「はあ、はあ……でも、ようやく数が減ってきたわね……」
 スリッド号甲板上。リア、そしてフェルトは大量のからくりを相手取っていた。
 しかし一時ピークを迎えた敵も、もうほとんど出現していない。
 フェルトは息を整えつつ、額の汗を拭ってぽつりと呟いた。
「……よっぽどあちらの世界に行かせたくないのかしら……」
「かもしれないね。見たところ、こいつらはサムライエンパイアのオブリビオンだ。
 レディオーシャンが予め用意していた伏兵なのか、はたまた……」
 リアは言うが、すべては推測に過ぎない。今すぐ答えは出ないだろう。
 もしも答えが出るとしたら……それは、グリードオーシャンに到達したときだ!
「けどさ、ワクワクするよね航海って。宇宙もいいけど海も楽しいや!」
「リア様は元気なのね……ええ、けれど胸が高鳴るのはわたしも同じよ?」
 少女達はくすりと笑い合い、甲板上に現れた最後の敵軍団を前に身構える。
「このあとも戦闘があるからね、使えそうな弾薬はここで使い切るよ。
 タイミングを合わせて、攻撃よろしく! ……全砲塔、一斉発射あっ!」
「最後まで利用させてもらうわよ……わたしの意のままに動きなさい!」
 ティル・ナ・ノーグの砲撃に合わせ、フェルトは奪取したからくりを放出。
 盛大な爆炎と砲撃が甲板上を染め上げ……ついに、最後のからくり艦に届いた!
「……わたしたちは、この先に用があるの。だから、とおらせてもらうね」
 その艦の甲板上では、ヌルが最後のからくり忍者どもを剣で薙ぎ払っていた。
 魔力を籠めたルーンソードを逆手に構え、おもいきり船体に突き刺す。
「わたしたちの邪魔は、させないから……!」
 竜骨に達した魔力の刃は、船体を内部から爆発させた。
 沈みゆく船から離脱し、ヌルは――少女達は光の輝く先を見つめる。
「さあ、いよいよ目的地だ……鬼が出るか蛇が出るか」
「なにが出たって、押し通らせてもらうだけ! 全力でね!」
 アコニィは力強く言う。その視線の先には、巨大な紫の光球。
 ただならぬ気配を放つ球体からは、強大なオブリビオンの気配……!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『魔神兵鬼『ヨウコ』』

POW   :    呪法・契約怨嗟
【口から語られる呪詛の言葉】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    呪法・剥奪電霊
対象の攻撃を軽減する【電脳体】に変身しつつ、【技能を奪い、自身を成長させる捕食行動】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    呪法・偽狐灯
レベル×5本の【電気】属性の【それぞれ個別に操れる、狐火の幻影】を放つ。

イラスト:荒雲ニンザ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠蒐集院・閉です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 激闘の末、猟兵達はついに紫の光の終端へと到達した。
 それは巨大な光球である。これが、グリードオーシャンの入り口なのか……?

 ……しかし残念ながら、旅の終わりを祝うにはまだ早いようだ。
 紫の光球からは極めて強大なオブリビオンの威圧感が放たれている!
 そして……見よ、そこから姿を現した、巨大な残骸の姿を!
『オオ、オオオオ……』
 姿を現したのは、ザリザリとノイズに塗れた狐面の電脳体であった。
 サムライエンパイアで悪事を働くオブリビオン、"魔神兵鬼『ヨウコ』"だ。
 どうやらこの海域にいるのは、あくまで"こちら側"の敵ばかりらしい。
 しかし……何らかの理由で、ヨウコは明らかに正気を失っている。
 古びたしめ縄は、溢れ出る呪力に耐えきれずばつんとちぎれてしまった……!
『猟兵……猟兵、猟兵、猟兵……!!』
 骸の海より再来した過去の残骸は、生きとしいけるものへの呪詛を撒き散らす。
 はたしてこいつは、偶然この場に顕現しただけの存在なのか?
 あるいは何者かが、グリードオーシャンへの道を阻むために配置したのか?
 すべては解らぬ。確かなのは、けして油断ならぬ相手だということ。

 そしてヨウコの力が荒ぶるのにつれて、再び海域の空が黒く染まり始めた。
 黒雲と大渦、水平線の彼方に揺らめく幽霊船の影……!
 このままでは戦うどころか、再び海洋災害が船を襲うだろう。
 激変する環境に対処しながら、この首魁を討たねばならない!

●特殊ルール:海洋災害を利用せよ
 第一章で発生したものと同じ災害が、この戦場に適用されます。
 雷や雹といった飛来物、
 荒れ狂い大渦を起こす海原、
 船および猟兵に攻撃を仕掛けてくる幽霊船、
 といったものです。
 これらをうまく利用して『ヨウコ』との戦いに役立てられれば、
 その内容に応じてプレイングボーナスを適用して判定します。
 ぜひとも、海の戦いを楽しんでください!

●プレイング受付期間
『2020年 03/14(土)13:59前後』までとします。
数宮・多喜
最後ももちろん千夜子さん(f17474)と。

しかしあの様子、どう見るよ千夜子さん?
別世界の影響を受けちまってるのかねぇ……
まぁ、深く考えるのは後か。
どうせ奴さん、そんな油断を許しちゃくれないからね!

とにかくアタシはカブを『操縦』し、
後ろに『騎乗』ってる千夜子さんを振り落とさないように逃げ回る。
牽制で『衝撃波』を放ちながら、短刀が当たりやすくなるようにね。
って衝撃波は食われちまうかっ!?

ま、「わざと」食わせたんだけどな。
そいつは撒き餌、本命を悟らせないための囮。
この降り注ぐ数多の雷を活かさない手はないからね。
二重の囮で油断しているところに聖句を唱え、
【黄泉送る檻】で逃がさぬようにキメに行くよ!


薄荷・千夜子
多喜さん(f03004)と

いよいよかと思っていたらそう簡単には進ませてくれないようですね
あの光の影響か否か…しかし、電脳体とはいえ、呪いを帯びた相手であれば巫女の力も届くでしょう
多喜さんと耳打ちし、それではお任せ下さいと頷いて

引き続き宇宙カブに同乗させてもらいながら『花奏絵巻』を開き花嵐の【迷彩】で攪乱しながらUC発動
【属性攻撃】【破魔】で炎の力を纏った短刀で行動を阻害するように手足を主に狙って放ち【部位破壊】を試みながら
四方八方から多数の短刀を放ってこちらの狙いを悟られぬよう気を引きます
多喜さんの聖句の詠唱が完了するまでの時間稼ぎが私の仕事
多喜さん、よろしくお願いしますね!



 ノイズまじりの電脳体が、巨大な怪物の顎のように変形し開かれた。
 それは血肉ではなく技能――すなわち経験を食らう不可逆の簒奪だ。
『アアアアアアッ!!』
 悲鳴じみた叫びとともに巨顎は閉じられ、近づく猟兵を牽制していた。
 もしも捕食されれば最後、彼奴は得た情報を糧に大きく成長する。
 今でさえ厄介な敵が強化されれば、この先へ進むどころではなくなるだろう。

「……あの様子、どう見るよ千夜子さん?」
 数宮・多喜の問いかけに、薄荷・千夜子はこくりと頷いた。
「あの光の影響か否かはわかりませんが、かなり正気を失っているようですね」
「だろうね。問題は、あの電脳体にアタシ達の攻撃が通じるかどうかってとこだ」
 千夜子は口元に手を当て、しばし考え込んだ。もちろんタンデムしたままだ。
 最初はそのスピードと急旋回にあわあわと混乱することもあったが、
 この旅を経て、どうやら千夜子も多喜のスピードに慣れてきたらしい。
「……電脳体とはいえ、呪いを帯びた相手であれば巫女の力も届くと思います」
「なるほど。つまり攻撃は千夜子さんにお任せとしようか。
 アタシはいつも通り囮を請け負おうじゃないか。いけるかい? 千夜子さん」
「もちろんです。お任せください」
 その言葉を聞き、多喜は頼もしげに頷くと一気にスロットルを開いた。
 カブが加速する。目指す先は――無論、ヨウコ本体!

『アアアアア……!!』
 やってくる獲物を前に、ヨウコは電脳の大顎を裂けんばかりに開いた。
 餌をよこせ。もっと強大になるための餌を。よこせ! 餌となれ猟兵よ!
 理性を失ったヨウコは、餓えた狼かと思うほどの狂気をあらわにし、
 電脳の牙をがちん、がちんと閉じて多喜達を飲み込もうとする。
「さすがにサイズ差が圧倒的ですね……行きます、多喜さん!」
 千夜子は破魔の力を焔に変えて短刀に纏わせ、さらにそれを無数に複製した。
 干渉術式:護火剣乱――からくり忍者どもを倒した必殺のユーベルコードだ。
 それをもって結界を形成し、大量の短刀で同時に攻撃すれば、
 いかに電脳の体を持つヨウコとて、滅びは避けられないはず。
「守刀に焔の加護を――いざ!」
 そしてばらまかれた短刀が鋒を向け、ヒュカカカカッ! とヨウコに突き刺さった。
 燃え上がる炎……しかし見よ、ヨウコは意に介していない!
「っ!? まさか、効いちゃいないのかい……!?」
『オオオオオ……猟兵……!』
 ごろごろと鳴り響く稲光。そして、ヨウコの牙がふたりを捉え――!

「――かかりましたね!」
「ああ、まんまと喰ってくれたねぇ!」
 その牙が閉じられる寸前、ふたりは表情を一変させて不敵に笑った。
 そう、ばらまかれた短刀は、すべてヨウコの意識をそらすための撒き餌。
 本当の攻撃手は、千夜子ではなく多喜だったのだ!
「さあ、稲妻よりも痺れるサイキックブラストを味わわせてやるよッ!」
 ユーベルコードの気配を察知し、ヨウコは身を退かせようとした。
「いいえ、させません。油断して私の守刀を食らったのが運の尽きです!」
 だが、突き刺さった短刀がさらにあかあかと燃え上がり、自由を許さぬ!
 ごろごろと鳴り響く稲妻が、ふたりと一体の周囲に渦を描く……!
「収束せよ、サイキネティック・プリズン――!」
 稲妻とサイキックエナジーが混ざり合い、電光の檻と化した。
 楔のように突き刺さったままの守り刀を支点に稲妻が結節し――KRAAACK!!
『AAARRRGH!?』
 ヨウコそのものの体を縛る、極小かつ極大威力の電撃檻が炸裂したのだ!
 恐るべき魔物をも上回る才知……それこそまさに、人の力である!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マレーク・グランシャール
【壁槍】カガリ(f04556)と
カガリは昔から妖弧が嫌いと言っていたが、電脳妖弧とは新機軸
グリード・オーシャンと聞けば普通巨大海洋生物か大海賊の亡霊が出てくると思うもの
何故妖弧なのだ?
このやりきれないガッカリ感、一暴れして張らさせて貰う

カガリの鉄柵に相乗り
なんかゴダコダ言ってくる呪詛はカガリに何とかして貰う(丸投げ)
大渦の方へと誘導したら魔槍雷帝を槍投げし、敵を串刺しにして大渦へどつき落とす

魔槍雷帝の雷属性の範囲攻撃
召喚したを双頭竜の纏う蒼い稻妻
上空漂う黒雲から海へと槍めがけて落ちる雷
全部まとめて喰らえ

すっきりしたところでカガリと地平を見る
あの海の向こうにどんな(奇妙な)敵がいるのだろうと


出水宮・カガリ
【壁槍】まる(f09171)と

サムライエンパイアで、電脳体とは、不思議な
しかし、あの紫の光から現れた、とは…何か知っていたら、聞いてみたいものだが
……?まるは、何がそんなに不満なのだ
確かにカガリは、妖狐は嫌いだったが
それも解決した話だ

まる、この鉄柵を使うといい(『籠絡の鉄柵』で相乗り)
言葉の呪詛など、雷鳴と渦の音で大半は聞き取れないぞ?
音の呪詛は、聞こえなければ届かない
静かな間に発せられるならば、『鉄門扉の盾』で【駕砲城壁】を発し弾き返そう
籠絡のには、そのまま大渦へとヨウコの誘導を頼む
その後は、まるにまるっとお任せだ

何だか機嫌が悪いなぁ
敵を倒せば、きっと綺麗な海だから
一緒に見ようではないか



「……まる、何がそんなに不満なのだ?」
 荒れ狂う海に揺られるスリッド号の上で、出水宮・カガリは問うた。
 相棒であるマレーク・グランシャールが妙に不機嫌そうだからだ。
「……わからんのだ」
「何がだ?」
「グリードオーシャンと聞けば、普通は巨大海洋生物か大海賊の亡霊が出てくると思うもの。
 なぜ妖狐なのだ……? わからない、考えれば考えるほどわからない……」
「…………」
 カガリは首をかしげた。
 てっきり自分が妖狐嫌いだったことを気にしているのかと思ったが、
 それも済んだ話。しかも、マレークの苛立ちはそこにはない気がする。
 時々、マレークは妙なことを気にする……と、他人事の様子のヤドリガミである。
「まあいい。まる、戦いに行こう。奴を倒せばグリードオーシャンのはずだ」
「……そうだな。このやりきれないガッカリ感をぶつけてくれる……!」
(なんだかわからないが、燃えているまるは頼もしいなあ)
 妙なところでカンの働かないカガリである。

 ……それはさておき、逆巻く海に浮かぶヨウコは呪言を呻いていた。
 どろどろと落ちる稲妻、そしてこの渦もあの幽霊船の群れも、
 おそらくはヨウコの呪法が生み出した災害なのだろう。
 あるいはあの光から、ヨウコはなんらかの呪力を受け取っているのだろうか?
 考えてもわからない話であり……そして、カガリの盾の前には無意味なことだ!
「お前がどれだけ呪詛を放とうと、カガリには通用しないぞ!」
 鉄柵で浮かび上がったカガリは、城壁を展開し反射術式を己に施した。
 いくら相手の呪詛がルールを強いろうと、そもそも届かなければ意味はない。
 そしてカガリの"駕砲城壁"は、あらゆる害意を阻み、そして跳ね返す。
 呪いのエネルギーはバチィ! と電撃のように爆ぜ、さらに逆回しに収束。
 光の弾丸と化し、それこそ砲撃のようにヨウコに降り注いだ!
『オオオオ……アアアアアッ!!』
「完全に正気を失っているな。だが、あれで呪詛は紡げまい」
「さすがはカガリだ。任せたかいがあるな」
「まる、それは丸投げというのではないか……??」
 信頼できる友みたいな顔をしてる妙なテンションの相棒はさておき、
 苦痛に悶えて敵意を増したヨウコは、まんまと大渦の上に引き寄せられる。
 そこでマレークの出番がやってくる。手に持つ魔槍を掲げれば、黒雲が渦巻いた!
「これなるは星をも穿つ蒼き稲妻の矛。そして来たるは神の雷霆。
 貴様が呼ばいし稲妻の威力、その身で味わってみせろ、妖狐よ……!!」
 ガガァッ!! と轟音を立て、避雷針めいた魔槍の鋒に稲妻が堕ちた。
 魔槍にまとわりつく青い稲妻は黄色のそれと混じり合い、双色の雷光と化す。
 人の身では近づくことさえ能わぬその槍を、マレークは勢いよく投擲!
 電脳体に変じて逃れようとするヨウコを、渦のど真ん中に串刺しにした!
『AAAARRRRGH!!!』
「クリーンヒット、だな! どうだまる、少しはすっきりしたか?」
「ああ――やはり敵は、一思いに串刺しにするに限るな」
 何やらすっきりした様子で頷くマレーク、そこへさらなる稲妻!
 KRAAAAAACK!! と雷鳴が轟いた先は、槍に串刺しとなったヨウコ本体。
 悶えるヨウコが弱まるのに応じて、紫色の光は不可思議に脈動していた。
 まるで、新たな世界を求めるふたりを誘うかのように……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

天道・あや
で、デカい…!さ、流石にあんなのに大きいと少しキツいかも…。他の人みたく船とかロボットとか持ってれば…っと!?あのさっきみた感じのシルエットは…幽霊船!?まだいたんだ!?ってうわっ撃ってきた!あれもどうにかしな…あれも船だよね。つまり…大砲とかあるよね…つまり力を貸して貰えば…あのデカいの何とかなるんじゃ…?…よし!距離よし!真の姿よし!そして!あたしのハートよし!

【ジャンプ】で幽霊船に移動!幽霊さん達!力を貸して下さい!皆だって生前は夢とか希望とか未来の為に海に来たんでしょ!…だから、だから!その想いとか私達が受け継いで持ってくから…お願い!UC発動!【歌唱、楽器演奏、手をつなぐ、コミュ力】


イリーツァ・ウーツェ
(姫は杖の中へ。描写不要です)
目標を確認
排除する

服の影より竜穿ちの大弓を取り出し
甲板に突き立てて固定
敵を追跡する巨矢を放つ
矢の突き立つ勢いで、船から離す
弓は即時仕舞う

間を開けず、杖に自身の血を与え号令
水は周囲に有余る程有る
水の獣を足場として海へ移動
足場以外の群れを合わせ、大鯨を造り
敵を飲み込ませて、共に雷に打たせる
海水の塊、錫の杭矢だ
避けられはしまい

電脳体で有れば、雷に弱かろう
敵の発言など聞くものか
貴様の定めた規律なぞ聞く価値も無い
肉が弾けたとしても止まる物か


アルトリウス・セレスタイト
暫く黙ってもらうぞ
この船は大事なのでな

魔眼・封絶で拘束
行動と能力発露を封じる魔眼故、捕らえればユーベルコードも霧散する

『刻真』で高速詠唱を無限加速し即座に起動
行使の瞬間を『再帰』で無限循環し、常に新たな拘束を掛け続ける多重拘束で封殺

ヨウコの力と災害が呼応するのなら、或いはそちらも抑え込めるかもしれん
そうならずとも抑えておけば船を護りやすかろう

封じた後は打撃で対処
『励起』で個体能力を上昇、更に『討滅』を乗せて叩き込む
海に落とせば「漏電」でもしてくれたりしないものだろうか

攻撃は『刻真』で異なる時間へ自身を置いて対処
全行程で必要魔力は『超克』で“外”から汲み上げる

※アドリブ歓迎


露木・鬼燈
最後に守護者がいるは冒険っぽいかな。
<骸晶>を展開して狙撃を決めるですよ。
飛翔して雷雲の中に突入。
姿を隠すと同時に攻撃の準備をするですよ。
周囲の雷雲から術式を通して魔杖長銃に雷を誘導。
ルーンを刻んだ棒手裏剣に封じるのです。
誘導しきれなかった電気エネルギー。
これが肉体を傷つけるけど各種耐性でダメージを抑えて耐える。
攻撃の機会は一度だけと決めてギリギリまで雷を封入。
魔杖の外殻が崩壊しようが撃てればいい。
ボロボロの肉体に崩壊寸前の魔杖長銃。
限界を感じながら一瞬の機会を待ち…発射。
その直後に外装を崩壊させながら墜落。
着弾した棒手裏剣がエネルギーを一気に開放する。
それを感じながら意識を失うっぽい。


青葉・まどか
遂に到着した紫の光の終端。
だけど、お約束の最終関門。
ここまで来たら引き下がれない!
新世界の手がかりを得るためにオブリビオンを倒すよ。

『ヨウコ』との戦闘が始まり周囲が騒がしくなる中、目立たない私は『光学迷彩・透明』を発動。
その姿を透明にする。
先ずは下準備、ダガーの柄にフック付きワイヤーのワイヤーを結んだおく。
後は『ヨウコ』の動きと『天候』をみながら、待つ。
何せ、一発ネタ。失敗は許されない。

……今だ!
タイミングを見計らい『ヨウコ』の背後から奇襲!
これで終わりじゃない、『ヨウコ』の身体にダガーを串刺しにした状態で降り注ぐ落雷目掛けてフックを投げつける。

上手くいけば中々のダメージが与えられるね。


シノギ・リンダリンダリンダ
狐。大海賊を前に新しい海域の冒険の邪魔をするのですか?
邪魔をするのならブッ潰す。ご安心を。今以上の呪詛をブチ込んであげますから

前章に続いて自前の海賊船に乗ったまま「操縦」を死霊海賊たちに任せます
お前達ならこの程度の波。平気でしょう?ついでに大砲で幽霊船をボコボコに「乱れ撃ち」しておきなさい

【強欲の右腕】を起動
アルダワの大魔王の特大の「呪詛」をぶつけてやります
呪詛パワーで「空中戦」。特大の呪詛は飛来物をもみ消し、嵐をかき消します
呪いの黄金の弾丸をバラ撒き他の猟兵の「援護射撃」をしつつ、飛行し接近して「怪力」まかせに強欲の右腕でブン殴ります

強欲の海が待っているのです。さっさと死んでくれませんか?


ヴィクティム・ウィンターミュート
ほう、テメェがガーディアンってわけかい
その先にはよほど知られたくねえ何かがあるのか?
──なんだよ、正気じゃねえのか。どのみち碌な答えは出てこなさそうだがな
さてさて、幽霊船は相も変わらず出て来るか…使わせてもらおう

Voidはセーブする──使い過ぎてダウンしても面白くない
それに、『強奪』に関しちゃ…純粋な手の方がいい
『Robbery』──素材はそこらにいくらでもある
無数のガラス片を幽霊船に殺到させて、丸ごと『奪う』
そうして次々に幽霊船を奪えば、戦力を増強できる

狐火の幻影だって『強奪』してやるし、本体に命中すれば何だって『強奪』できる
経験も知識も生命も自尊心も、全て奪い取られて枯れ果てちまいな



 ばちばちと耳障りな火花音を立てて、電脳の妖狐から分かたれる分身。
 ノイズ混じりの火の粉を散らすのは、いわば電脳の狐火と言ったところか。
 それをスリッド号にぶち当てて、ここで沈めてしまうつもりらしい!
「怪物の分際で小賢しいことを考える。この船は大事なものだ、沈めさせはせん」
 アルトリウス・セレスタイトの双眸が青く燃え上がるように輝けば、
 否定の原理を籠めた術式が狐火を拒絶し、雲散霧消させてしまった。
 輝きは敵と味方を分かつヴェールのように横たわると、球状に変形し、
 そのままスリッド号を護る巨大なバリアとなって敵の攻撃を否定し続けた。
『オオオオオオ……小賢しい真似を……!!』
「それはこちらの台詞だ。もはやお前の攻撃は船には通させん」
 アルトリウスの言葉は誇張ではない。
 彼が世界の外から汲み上げる膨大な魔力をもってすれば、
 紫の光からなんらかの影響を受けているヨウコの呪法をも封殺可能なのだ。
 アルトリウスは防御術式を維持したまま甲板を跳び立ち、ヨウコに肉薄。
 魔力を籠めた打撃によって電脳体を削り取ろうとするが――KRAAAACK!!
 行く手を阻むように立て続けの落雷! 頭上にわだかまる黒雲のせいだ!
 さらに水平線の彼方からは、無数の幽霊船の砲口が船を狙っている……!

 その時、スリッド号を護るように割り込んだのは、一隻の巨大な蒸気海賊船。
 甲板上で目をキラキラさせたシノギ・リンダリンダリンダは、
 腕組したまま死霊の海賊船員達に命令を下す。
「お前達! この程度の波ならば平気でしょう? このまま盾となりなさい。
 私はあの、冒険を邪魔する不逞な狐をぶっ飛ばしてきますので!」
 死霊海賊達は鬨の声……あるいはカタカタとされこうべを鳴らし、応答。
 そして蒸気海賊船シャニムニーが、飛来する砲弾を大砲弾幕で相殺する!
 なんたる活劇映画めいた派手な光景か。まさに海賊と海難の戦いである。
「くうっ、あたしもあんなでっかい船とか持ってればよかったかも……!
 ……んっ? 待てよ? あの幽霊船に乗り込めば力を貸してくれるかも!?」
 天道・あやは何やらひらめいた様子で、そのまま海へと跳び出した。
 幽霊嫌いの彼女ではあるが、こうも幾度も幽霊船に苦しめられたならば、
 どうやら多少は慣れてくるらしい。あるいは単にテンションの効果だろうか。
 砲弾から砲弾へときりきり舞いで跳んでいく少女の後ろ姿を、
 ヴィクティム・ウィンターミュートは皮肉めいた笑みを浮かべて見送っていた。
「へえ、俺以外にも大それたコトを考えるヤツがいたもんだ。悪くねえ!
 "強奪"すんならお手のもんさ――あの狐は任せていいかい、イリーツァ?」
「了解しました。そのように」
 ヴィクティムの言葉に、イリーツァ・ウーツェは仏頂面のままで頷いた。
 この男の力量は、先のアルダワ魔王戦争で嫌というほど体感したばかりである。
 そのイリーツァが任されたというのならば、もはや護りに憂いはなし。
 さらにイリーツァは巨大な大弓を甲板にバリスタめいて突き立てながら、
 己の魔杖をもう片手で振るい、足場とすべき水の大鯨を獣の群れで創造する。
「あの獣の動きを怯ませます。あとはヴィクティム殿のご自由に」
「了解! それじゃあバンクラッシュの始まりと行くかッ!」
 イリーツァは即座に弓弦を引き、ヨウコめがけて激烈な矢を放った。
 常人であれば肩が吹き飛ぶような衝撃を利用して大弓を甲板から解き放つと、
 ヴィクティムとともに跳躍、風のような素速さで大鯨の背に飛び乗る。
 そしてヴィクティムは幽霊船の群れへ、イリーツァはヨウコに対峙。
 並のバズーカよりも強烈な屠龍の矢に射抜かれたヨウコは、呪いの言葉を呻く!
「貴様の定めた規律など聴く価値もない」
 心身を縛り付ける呪言に抗い、イリーツァは大鯨とともに敵を抑える……!

 その頃、渦巻く雷雲の内部では、露木・鬼燈が飛翔していた。
 KRAAACK!! ZZZZTTTT!! 稲妻は飛翔する彼を拒むように乱舞する!
「おっとと! うーん、あきらかに意志があるっぽい。
 グリードオーシャン由来の現象なのかなあ? 冒険っぽくていいのです!」
 のたうつ大蛇の如き雷撃を躱しながら、鬼燈は雲の中を翔び続ける。
 彼の狙いは雷雲のど真ん中に向かい、生み出された雷を一点に集めること。
 そして収束したエネルギーを、ヨウコめがけて解き放つことである。
 当然危険だ。雷の中は、たとえるならば前後左右上下に罠の仕掛けられた迷宮。
 視界も判然としない雷雲の中で、一瞬でも動きを止めてしまえば、
 たちまち雷撃は彼を打ち据え、雲から追い出して海に叩き込むだろう。
 優れた忍である彼の鎧装をして、稲妻の軌道はランダムであり読みづらい。
 しかし、雲の端では効果が薄い――中心点を目指さなければ!
「オブリビオンが動きを止めてるうちに準備しないとね……っと!」
 KRAAAACK!! 右すれすれをぶち抜いた雷撃を辛うじてバレルロール回避!
 鬼燈は、巨大な黒雲の中央をめがけてなおも飛翔を続ける――!

 図らずしも彼の飛行が稲妻を引き寄せ、結果として海上を穏やかにしていた。
 いまやヨウコは呪言による攻撃を諦めて、巨大な顎めいた捕食形態に変形し、
 イリーツァとシノギ、さらにアルトリウスを相手取りながら暴走している。
『オオオオオ!! 猟兵、猟兵、猟兵……ッ!!』
「この大海賊を前に大きく出たものですね狐! さっさと消えればいいものを!」
「……徹底的にこちらの足を止めるつもりか。鬱陶しい」
 アルトリウスは舌打ちしさらなる打撃を加えるが、効果が薄い。
 雷は収まっても艦隊戦の流れ弾が断続的に飛来するため、連撃を与えづらいのだ。
 シノギはさらに呪いの黄金弾をばらまいて、足元の大渦を相殺し、
 ヨウコの動きを縛り付けて叩きのめそうとするが、敵の悪足掻きも相当のもの。
 あと一手――いや、幽霊船を無力化した上で攻撃を加えるなら二手か。
 ヨウコの体力を削るための、決定的な何かがまだ足りない……!
「さあて――悪さはそこまでだぜアンデッドども!」
 同時刻、イリーツァの援護を受けたヴィクティムは幽霊船の甲板上に到着。
 骸骨めいた船員達が錆びた刃を向けるが、もはや遅い。
 ヴィクティムが敵の前に姿を表すのは、"もうすでに仕事が終わった"ことを意味するからだ!
「悪足掻きはやめときな。ここで海の藻屑になりたくはねえだろ?」
「――そうだよ、幽霊さん達! どうせならあなた達の力をあたし達に貸して!
 私達はただ、この先の世界へ行きたいだけなの! だから……っ!」
 その時、やや遅れて到着したあやは、歌声とともに幽霊達に呼びかけた。
 彼らもおそらくは、未踏の領域を夢見て旅立ったモノ達の成れの果て。
 ならばその心に呼びかけることで、力を借りられるのではないかと考えたのだ。
 未来と夢を謳う希望の言葉。ヴィクティムはそれすらも利用してみせる。
「――だ、そうだ。まったく主役どもの言葉は感動的でたまらねえよな?
 応じるなら結構、だが反抗するなら――ランナーらしく奪わせてもらうぜ」
 すべての船が、あやのユーベルコードに呼応したわけではない。
 そういう興の削がれる三流の敵をだまくらかし、舞台を整えるのは端役の仕事。
 あやの歌声が響くのとともに、船の群れを包み込んだのは無数のガラス片!
 すなわち、心変わりしなかった船を強制的に"強奪"するICEブレーカーだ!
 ……そして幽霊艦隊は、砲口の向きを変えた。
 スリッド号ではなく、巨大な獣じみたヨウコめがけて……!
「や、やった!? やっぱり話せば通じるんだね、幽霊でも!」
「……あー、その結論に関しちゃ保留しておくぜ」
 能天気とも天真爛漫とも言いがたいあやの言葉に苦笑するヴィクティム。
 しかし彼女のようにまっすぐな"主役"がいるからこそ、
 端役を自称する悪童ハッカーは、いくらでも裏方仕事が出来るのだ。
「せっかく奪えた戦力だ、派手な花火をあげてやろうじゃねえか!」
 ヴィクティムの号令のもと――幽霊艦隊の砲撃がヨウコ向けて爆ぜた!

 ――ドウドウドウドウッ!!
『AAAARRRGH!!』
 予期していない幽霊艦隊の砲撃を受け、ヨウコの膨れ上がった巨体が揺らぐ。
 まず一手。それでもなお怪物は体勢を立て直し反撃をしようとした――が。
 その時ヨウコは気付いた。頭上の黒雲が妙な動きをしていることに。
 平たく空に横たわっていたはずの黒雲は、ごろごろと"渦を巻き"、
 ヨウコの頭上に錐めいて集まりつつあったのだ……これは一体!?
「――今だ!」
 その瞬間、敵の混乱の隙を突いて青葉・まどかが動いていた。
 敵味方のすべてから気配を隠し、虎視眈々と狙っていた起死回生。
 フック付きワイヤーがダガーとともに獣の背中に突き刺さる。
 まるで、避雷針めいて!
「自分の支配下だから、どうにか出来ると思って油断してたでしょ?
 悪いけど、私達もここまで来たら引き下がれない――だから、覚悟して」
 まどかの言葉を裏付けるかのように、頭上の黒雲の胎動はさらに強まる。
 見よ。錐めいて地上に伸びる黒雲の中、ボロボロの状態で魔杖を構える鬼燈の姿を。
 彼は黒雲の中にわだかまる雷のエネルギーの大半を棒手裏剣に封じ込め、
 ただ一発の弾丸として放とうとしているのだ!
『オオオオオッ!!』
 当然、ヨウコは逃れようとする。しかしそこに来たのは――巨大な、口。
 ともすれば船より巨大な大鯨の顎が、捕食形態の獣を包み込んだ。
 ヨウコは気づく。突き刺さったままの矢が"何で出来ているのか"を!
「貴様はここで死ね。障害は排除する」
 大鯨の背に乗るイリーツァは、ほとんど断定的に言った。
 無慈悲。自らの身を厭わず、ヨウコの逃走を妨害したのである。
 そして――KRA-TOOOOOOOOOM!!
 天より突き立つ柱のように、鬼燈の放った雷撃が避雷針めがけ炸裂!
 捕らえた大鯨もろとも、ヨウコの巨体を焼き尽くした!
「あー、僕らしくない無理したっぽい……ま、いっか」
 大役を終えた鬼燈は意識を手放し、薄れゆく視界の光景を見てそれでも笑った。
 黒焦げとなり情報体を大きく減じられたヨウコめがけ振るわれる、黄金の拳を見たのだ。
「強欲の海が待っているのです。さっさと死んでくださいッ!」
 大海賊・シノギの欲求はこんなところで終わらない。
 目的はこの先。まだ見ぬ新天地・グリードオーシャンにこそあるのだから。
 アルダワの大魔王より強奪した破滅の呪詛が、拳とともに叩き込まれ――。
 誰もが目を開けていられぬほどの黄金の輝きとともに、炸裂した。
 呼応するように紫の光は強まり、彼方にまだ見ぬ謎めいた世界の光景を映す。
 迸る呪詛のエネルギーに髪をなびかせながら、大海賊は不敵に微笑んだ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

三咲・織愛
シオンくん(f09324)と

シオンくん、さっきはさっき、今は今ですよ!
船が沈んでは大変ですし、急いで倒しましょう!
泳いで帰るのは疲れちゃいますもん
帰ったらおいしいお茶を淹れますね

海での戦いの要領も得ました
幽霊船をうまく使えば足場にも困りませんよね
風のサポートを頼りに、
雷は見切って避けるか食らう覚悟で行きましょう!

怪力を籠めたストレートパンチを顔面に叩き込んでみせます!
正気に戻すにはやはりパンチですよ!
古いテレビも叩いたら直るって言ってました!

幽霊船の船体をばりばり解体しヨウコに向けて投擲します
主に口を狙います。呪詛など語らせません
残骸を足場に利用し、接近したら【打ち砕く拳】を叩き込みましょう


シオン・ミウル
織愛(f01585)と

いよいよ首魁のお出ましかぁ。せっかく祓った黒雲も戻ってきてるし、こんなことなら何もしなきゃよかったー……とは、言わないけど……
荒れる波も雹も、翼が濡れるしいいこと無しだよ。横になってたくても船揺れるしさ。あーあ
さっさと終わらせてお茶でもしよーよ、織愛

さてと、やり方はさっきと同じで。俺はサポートに回るよ

雹や暴風は全力魔法で風をぶつけよう。力の方向を逸らして敵に向けられればいいな
……怪我をさせるつもりはないからさ、何かあった時に助けられるよう注意はしとく。杞憂だと思うけどね
船の残骸や使える物があったら防御や移動に活用していこう
風を使って織愛を身軽にさせるよ

一発叩き込んでおいで



「うわ、また雲出てる。さっきせっかく払ったのになあ」
 暗雲渦巻く空を見上げ、シオン・ミウルはうんざりした様子で言った。
「こんなことなら何もしなきゃよかったなー……とはまあ、言わないけどさあ」
「まあまあシオンくん、さっきはさっき! 今は今ですよ!」
 そんなシオンを、三咲・織愛は苦笑いしながらなだめる。
「船が沈んでは大変ですし、早くあの敵を急いで倒しちゃいましょう!」
「うんまあ、大変っていうか俺達死んじゃうし? それはわかってるよ」
「え? 別に死んじゃうっていうことはないんじゃないですか?」
「え?」
「だってほら、船が沈んだら泳いで帰ればいいんですよ! ね!」
「……え???」
「えっ???」
 なにそれ怖い。情報の大洪水が起きていた。ふたりして首をかしげている。
「……うーんまあ、いっか! 俺なんか頭痛くなってきたし気にしないことにしよ!」
「?????」
 なおも不思議そうな織愛。不思議なのはお前じゃい!
 自分も自分で飛べるから大丈夫……とはさすがに言えない。だってここ海だし。
 それを素面で泳いで帰れるつもりの織愛はさておいて、シオンは敵を見る。
「とりあえず、やり方はさっきと同じで。俺はサポートに回るよ、織愛」
「はいっ! 幽霊船を頂いてきちゃいますね!」
 ぴょんぴょんと器用に跳んで幽霊船へと向かう織愛。
 え、何を足場にしてるのかって? それは飛んでくる砲弾とかである。
「まったく、翼が濡れちゃうし困るんだよね……っと!」
 びっくりエルフ大劇場はさておき、シオンは風を障壁とし雹を防いだ。
 それがヨウコの注意を引く――両者の視線が交わり、呪言がそれを伝った!
『我が前に命を差し出せ……その精髄を差し出せェ……!』
「……っ、悪いけどそんなルールには従うつもりはない、よ!」
 シオンは呪力に抗いながら、風の刃を生み出しヨウコを怯ませる。
 そこへ飛来したのは……船の残骸。そう、織愛が投擲した幽霊船の残骸だ!
「ってもう幽霊船ジャックしたの織愛!? 早くない!?」
「二度目ですからね、このぐらいなんてことないですよ! えいっ!!」
『なんだあの女は……!?」
「助かったよ織愛、そして……スキあり!」
 ヨウコの注意が逸れた瞬間、シオンはさらに風の刃を複数放つ。
 そして同時にかわされた残骸を風の力で浮かび上がらせ、嵐を起こした。
 障害物が荒れ狂う竜巻の中では、ヨウコも攻撃どころの話ではない!
「よし、動きが乱れた! 織愛、一発ガツンと叩き込んでおいてよ!」
「了解ですシオンくん! よーし、いきますよー!」
 力強く拳を握る織愛を、シオンの優しい風がふわりと包み込んだ。
 そして追い風を助けとして織愛は跳躍し、ヨウコめがけ一直線に飛ぶ!
『猟兵め、我が言葉に抗うか……!?』
「私達の邪魔をするあなたのルールなんかに、従うつもりはありません!」
「そういうこと。さっさとどいてくれると嬉しいんだよね、そこからさ!」
 風の刃が身を切り裂き、さらに顔面に叩き込まれる金剛石めいた必殺の拳骨。
 ヨウコは苦悶の絶叫をあげ、悶え苦しんだ!
「ナイスヒット! いえーい」
「いえーい! です!」
 そして甲板に戻ってきた織愛とハイタッチするシオン。
 なんだかんだ、戦いとなるとテンションの上がる少年であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

わ、っと、たっ…ちょっとちょっと、さっきより荒れてきたんじゃないのこれぇ?邪魔な幽霊船もまた出てきたし。
さっさと倒さないとどんどん不利になりそうねぇ、コレ。

ミッドナイトレースに○騎乗してテイクオフ。
荒れ狂う風の流れ、吹き荒ぶ気流の乱れ、その悉くを〇見切り、掌握。〇空中戦の応用で姿勢を制御して、〇先制攻撃で●的殺を撃ち込むわぁ。
災害とはいえ自然現象。誰かが操ってるわけじゃないんだし、キマフュー世界のあいつよりはマシでしょ。
刻むルーンはハガル・ソーン・ペオース。
ハガルは雹、ソーンは障害。
「予想外のトラブル」で「停滞」するなんて。随分と「不運」なのねぇ、あなた。


リア・ファル
SPD
アドリブ共闘歓迎
真の姿:戦艦→フルスペックAI
(成長した体躯、銀混じりの金髪、左蒼瞳、右翠瞳のオッドアイ)

戦艦は活動限界なので虚数空間に戻した

魔神兵鬼…! 此処が正念場か
ならば一撃に託すのみ
UC【この刹那に神域へと至らん】!

周辺環境および敵の行動や生態を演算解析
(情報収集)

「ヌァザよ、雷鳴を集めて一刀と成す!
……スリープモード解除(ウェイクアップ)!」真の姿(AI)へ移行

掲げたヌァザに雷を落し、集める
(地形の利用、全力魔法、属性攻撃)

敵の捕食行動は、ヌァザによる電脳干渉と
『イルダーナ』の機動性能で回避
(ハッキング、空中戦、逃げ足、時間稼ぎ)

「電子の海へ案内しよう! 雷の剣よ、斬り裂け!」


アコニィ・リード
凄いね……でも、行かせてもらうよ!

まだ艦隊が邪魔をするなら、あの狐面の力を使わせてもらうわ
実体化してる顔面に岩属性の弾丸を高速連射!
意識をこっちに向けさせておびき寄せ
わたしは空を飛んだり海を泳いだりして地形を利用
狐面の進路を艦隊に向けさせて
その攻撃で全部巻き込んでやるわ!

危なくなったら能力解放――50秒だけ限界を超える!
電脳体なら水中で身体を維持するのが難しい筈
わたしは外套から酸素を供給し環境に耐え継戦するわ
水中に来るなら寿命も一気に奪える
水上にいるなら水中から氷属性の全力魔法高速詠唱
狙いは狐面、砕けなくても氷が張り付き視界と体力を奪う筈

絶対に、絶対に諦めない――グリードオーシャンへ行くのよ!


ヌル・リリファ
アドリブ連携歓迎です

ソピアー。いかづちがどこにおちるか、計算して。
時間はかせぐ。できたら、誘導する。

幽霊船があるのなら足場にする。
たしかに幽霊はすこし厄介だけど、いちいち相手にするまえにべつのふねにとびのる。
もしなくなったらサイキックエナジーの【衝撃波】かアイギスを展開してそれで跳ぶ。

ひかりのぶきで攻撃と誘導をおこないつつ、すきをみてルーンソードをつきさす。
わたしのけんは特別性だけど、金属でできてはいる。いかづちがおちるとき、ある程度たかいばしょにあればひきよせるから。
つきささせたら、できるだけダメージをあたえるようにはしつつのこった武器でうえのほうにいくよう誘導するよ。



『オオオオオオ……ここは通さぬ、なんとしてでも……!!』
 正気を失ったヨウコが叫び、呼応するように空が、海が荒れ狂う。
 稲妻は光の柱めいてくろぐろとした海に突き立ち、巨大な渦が顎を開く。
 鉄甲船スリッド号もまた、大きく右に左にと傾いで不安定になっていた。
「わ、っと、たっ……ちょっとちょっと、さっきより荒れてきたんじゃないのこれぇ?」
「しかもすごい数の幽霊船……まだ増えているみたい」
 ティオレンシア・シーディアの言葉に、アコニィ・リードが頷いた。
「けどあの稲妻、敵に落としたら使いようがあるんじゃないかな……?」
「うん、わたしもそうおもう。リアさん、演算能力をかしてくれる?」
「了解! ならボクとヌルさんで、あいつに雷を落としてみせるよ!」
 リア・ファルは愛機イルダーナにヌル・リリファを乗せ、空へと飛翔。
 猟兵達のサポートに回りながら、戦況をリアルタイム演算で分析することで、
 この自然現象をどう利用出来るかを導き出すつもりのようだ。
 飛翔するふたりを襲う稲妻、だが逆に海面の危険はある程度減ったと言える。
「んじゃまあ、あたしもミッドナイトレースで出ようかしらぁ?」
「あっ、みんなずるい……! け、けどわたしも空は飛べるし!」
 バイク型UFOにまたがるティオレンシアを追い、アコニィも海へ出る。
 目指す先はヨウコ――そして、その背後で輝く紫の光球だ!

 ティオレンシアとアコニィがヨウコと交戦に入った同時刻。
 ARウィンドウを投影するリアと、その後ろにタンデムしたヌルは、
 混迷を極める戦場を空から見下ろし、稲妻を回避し続けていた。
「なるほど、幽霊艦隊の戦力はだいたい見えてきたね。ヌルさん、そっちは?」
「うん。わたしの"ソピアー"も、データはだいたい計算しおわったよ。
 あとは、あのいかづちをあいつのところへおとすだけ」
「OK! 雷を集めればいいんだね! それならボクのヌァザの出番さ!」
 リアは頼もしげに笑うと、次元を切り裂く魔剣ヌァザを取り出した。
「スリープモード解除(ウェイクアップ)――ヌァザよ、その力を示せ!」
 リアの黒髪が金色に染まり、荒っぽい潮風にざあっとなびく。
 彼女のフルスペックを発揮可能な真の姿である。
「めじるしはわたしがつきさすから、そこへいかづちをおとして」
「了解! グッドラック、ヌルさん!」
 ヌルはリアの言葉に頷き、イルダーナを降りて幽霊船の甲板へ。
 そこを足場に対ヨウコ戦に参加し、雷撃の目印となる剣を突き刺すつもりだ。
 その"避雷針"を目印に、リアの集めた雷撃を叩き込む……という手はずである。
「く、うう……っ!」
 カッ、ゴロゴロゴロ……! と黒雲が渦巻き、稲妻が轟いた。
 高圧電流のエネルギーがほとばしり、ヌァザを手にしたリアをも蝕む。
 だがリアは余剰電圧を周囲空間にアースめいて放電、これに耐える。
 致命的一撃のためには、まだ雷のエネルギーが足りない……!

 そして、その眼下!
『退け! この先には通さぬ、何があろうともな!!』
「門番のつもり? とっくに正気を失っているくせに……!
 わたし達は絶対に諦めないよ、だからグリードオーシャンへ行くの!」
 アコニィはヨウコの捕食攻撃を躱し、さらに狐火をわざと誘発させた。
 不用意に近づいた幽霊船艦隊は、流れ弾ならぬ流れ火を浴びて沈没する!
「この災害、やっぱりあいつが操ってるのかしらぁ? それとも自然現象かしらねぇ」
「たぶん、りょうほうだとおもう。自然現象にかんしょうしてるみたい」
「なら利用は出来るわねぇ――弾丸、叩き込むわよぉ!」
 ティオレンシアはヌルの解析結果を聴くと、即座に銃弾をリロード、射撃。
 ヨウコの電脳体に楔めいて叩き込まれたのは、"障害"を意味するルーン弾頭だ。
 すると黒雲から無数の雹が、ヨウコだけをめがけて降り注いだ!
『何っ!?』
「"予想外のトラブル"で"停滞"するなんて、随分"不運"なのねぇ、あなた」
 それもすべて、ティオレンシアの弾丸が呼び出した意図的な不運!
 その隙を狙い、さらにヌルの生み出した光の剣雨がヨウコを縫い止める!
「チャンス! 限界、超えさせてもらうわよ……ッ!」
 アコニィは一時的に脳の演算速度をブースト、高速戦闘で勝負をかけにいく。
 一瞬で間合いを詰めて乱撃を叩き込み、さらに電脳体を水中に引きずりこんだ!
『自ら死ぬつもりか……!?』
「――と、思うでしょう? これでもう、あなたは動けない」
『!!』
 アコニィは水中で不敵に笑う。外套による酸素供給、彼女は水中に適応している!
 そして渦巻く海流の中では、ヨウコは電脳体を保つことが……出来ない!
 物質化した体は、いわばダメージが激烈に通りやすい弱点も同義……!
「リアさん、おねがい」
「了解――さあ、短時間で終わらせるよ! オーバークロック・スタート!」
 そして雷のエネルギーを集めきったリアが、ヌァザを振り下ろす!
「雷の剣よ、敵を切り裂け――!!」
 迸るエネルギーは、ヌルが突き刺したルーンソードめがけて飛来する。
 光の剣雨と雹の妨害、そしてアコニィが海に引きずりこんだことで敵は移動不能!
 避雷針めいて突き立つ剣に、稲妻が殺到し――すさまじい轟音が響いた!
『ガアアアア……ッ!!』
 全身を黒焦げにされたヨウコは、絶叫をあげて悶え苦しむ。
 呼応するように、紫の光球が脈打ち、彼方の風景がさらに揺らいだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

花剣・耀子
匡くん(f01612)と

向こうには何があるのかしらね。
……匡くんも、見てみたくてきたの?

世間話をしていたら怒られてしまうかしら。
油断はしないわ。大丈夫。

――機械剣《クサナギ》、全機能制限解除。

ウェポンエンジンのトリガーを引いて接敵、一閃。
手応えの浅さは想定のうちよ。此方を見てくれれば其れで良い。
おまえ、呪詛のかたまりなのでしょう。
あたしを喰えるだけ喰って御覧なさいな。

自分を餌にヨウコを誘い、鋼糸を張っては船を渡って奥へ。
雷は敵に撃ち込んだ釘を避雷針にて避けるわ。
斃れてくれるなら儲けものだけれど。儲けなくても瑣末事。

頃合いを見て敵を幽霊船へ向け叩き墜としたら離脱するわ。
本命は、この後に来るのよ。


鳴宮・匡
◆耀子(f12822)と


……実を言うとさ
どうしてここに来たのか、自分でもよくわからないんだ
少なくとも、ただ仕事だから、だけではないと思うんだけど

……長話してる暇はないか
まずはこいつを片付けないとな

ひとまずは彼女の邪魔にならないよう
幽霊船からの砲撃を逐次撃ち落としていく
敵の動きからも目を切らず
食いつこうとする瞬間や、動きを切り返す隙など
要所で動きを妨害するように狙撃を行い
彼女の受けるダメージを減らすよう計らい誘導を支援

奥まで押し込んだタイミングで
敵が足場にしている幽霊船の火砲を狙撃
誘爆に巻き込んで大ダメージを狙うよ

動きはしっかり観察してる
併せて追撃も行うさ
前を任せたんだ、これくらいの仕事はする



「あの光の向こうには何があるのかしらね……」
「さあ、行ってみないとわからないだろ」
「そうね。……ねえ、匡くんは、あの光の先を見てみたくてここへ来たの?」
 花剣・耀子の言葉に、鳴宮・匡は一拍の沈黙を置いてから答えた。
「実を言うとさ、どうしてここに来たのか、自分でもよくわからないんだ。
 少なくとも、"ただ仕事だから"だけではないと思う……ん、だけど」
「ふうん。自分でどうしてかわからないだなんて、不思議ね。あなた」
 耀子は率直な言葉を述べ、匡も「だろうな」と気を悪くするでもなく頷いた。
 自分でも不思議なことに体が動くことは、今も昔も何度もあった。
 もしかするとそれは、自分が知らない何かしらの情動の結果なのかもしれない。
「……昔はそういうの、全部"どうでもいい"って切り捨ててたんだけどさ。
 今は、考えるようにしてるよ。まあ、戦いの邪魔にならない範囲でだけど」
「戦いの邪魔、ね。だったら、いまはあまり考えないほうがいいかしら?」
 雷を浴びたヨウコの絶叫。それを聞いて、耀子は肩をすくめた。
「そろそろあたし達も行きましょう。この先へ行かないと始まらないもの。
 ――たとえ理由がわからなくたって、行かないって選択肢はない。でしょう?」
「ああ。敵は殺すし、仕事はこなす。それが最低限の役割だもんな」
 ドウドウドウ――そこへ狙いすましたような幽霊艦隊の砲撃。
 匡はアサルトライフルを構え、三点バーストで砲弾を撃ち落とした。
 KA-BOOOM!! 暗雲渦巻く海原に、炸裂した砲弾の爆炎が燃え上がる!
『猟兵ァ……!! ここは、通さぬぞ!!』
「そう。なら、あたし達はおまえを斬るわ」
 機械剣《クサナギ》が不穏に唸り、そして獲物を求めて荒れ狂った。
 全機能制限解除。ウェポンエンジンのトリガが引かれ、耀子は甲板を蹴る。
 それを狙った砲弾は、匡の支援銃撃が着実に撃墜し道を開く!
 耀子は一瞬にして敵本体に接敵、同時に躊躇なく真一文字の剣閃。
 少女の眉がぴくりと不快げに顰められた。手応えが、浅い。
『愚かなり! 電影たる我が体を鋼で切り裂くなど不可能なり!』
「そう。けれど"その程度は想定のうちよ"」
『……小癪な! 呑み尽くしてくれるわ……!』
 ヨウコは電脳体を捕食形態に変形させ、少女を飲み込もうとした。
 耀子は予め張らしていた鋼糸を引き、別の幽霊船の甲板へと降り立つ。
 BRATATATATA。匡は彼女の着地を狙おうとした幽霊どもの頭を粉砕。
 そして鋼糸の足場を追って飛び渡る。戦場は奥へ奥へと移行していく!
『ええい、邪魔をするな! 我に貴様らを食らわせろ……!』
「そう言われて黙って食われる獲物がいると思うか? もう少し考えろよ」
 がちん、と閉じられた牙を躱し、匡は的確にヨウコから距離を取る。
 あくまでヨウコがあちらを――耀子を狙うように位置取りをするのだ。
 敵はヒットアンドアウェイを繰り返す匡に苛立ち、彼を狙い通り放置した。
 そして待ち構える耀子を飲み込もうと、今度こそ大口を開く――!
「おまえ、偉ぶっていても所詮は獣ね。それとも正気と一緒に智慧もなくした?」
 耀子はぴくりとも笑わず、皮肉めいて行った。
 同時に擲たれたのは……釘だ! そこに落ちる雷!
 バチィッ! という雷撃に敵が怯んだ瞬間、耀子は匡にアイコンタクト。
 匡は頷き、ヨウコの背を銃で撃つ。さらに前に出ろと言わんばかりに。
『ええい、ちょこまかとォッ!!』
「――冷静さを捨てたわね。出し惜しみは、しないわよ」
 耀子は敵が食らいつく瞬間を狙い、先程よりも早く深く斬り込んだ。
 電脳の体には、電脳の体を斬るための作法というものがある。
 機械剣の獰猛なる牙が、呪われた獣の電影体を切り裂く! 凄絶な絶叫!
「痛いかしら? まだ本命はあるの。たっぷり味わいなさい……」
 耀子はさらに深く刃を突き立て抉ると、物質化した敵を足蹴に叩き落とす。
 すなわち幽霊船の甲板に。そして匡がトリガを引いた!
 狙いは敵――否、ヨウコが叩き落された幽霊船の火砲!
「派手に吹っ飛んじまえよ。お前を相手にしてる時間は、こっちにはないんだ」
 どこぞの悪童ハッカーめいたことを匡が言った瞬間……KRA-TOOOOM!!
 幽霊船は連鎖爆発を起こし、ヨウコを飲み込んで盛大に燃え上がった!

「……まるでアクション映画ね。こういうの、匡くんの趣味?」
「いや。けど、こういう演出をしそうなやつが知り合いにいるよ」
 戻ってきた耀子に、匡は言った。
「頼もしい仲間が多いのね、あなたには」
「まあ、な。前を任せるのは、慣れてるからさ」
「なら、あたしはどうだったかしら? その人達よりやりやすかった?」
「……いや、比べるもんでもないかな」
 匡の生真面目めいた言葉に、耀子は肩をすくめてみせる。
 ぴくりとも笑わない彼女の、どうやら冗談のつもりだったらしい――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フェルト・フィルファーデン
……何だか様子がおかしいわね?あの光球が原因かしら……ともあれ襲ってきた以上は倒さないとね。

また雹が……せっかくだから、これを利用しましょうか。
UCの力で雹の軌道を高速演算で割り出し、騎士人形の武器で的確に軌道を変え、敵やその辺りにいる幽霊船にぶつけるわ。
小さな雹は大剣や盾で【シールドバッシュの要領で弾き、大きな雹は鉄槌の騎士人形の一撃で叩いて飛ばす!ふふっ、ちょっとやってみたかったのよね!……あっ、いえ、冗談よ、冗談……
流石に船と違って精々目眩し程度にしかならないでしょうけど、その僅かな隙を突いて一気に斬り込み、打ち倒すわ!

ついにここまで来たわね……さあ、行きましょう!新たな世界へ!


マリー・ハロット
……うゅ? マリー、寝ちゃってた? わわっ!? なんか
でっかくてバリバリしてるのがいる!!
アイツをぶっ倒せばいーの?
よーっし! マリー頑張っちゃうよ!!
もう一回、お薬飲んで(【ドーピング】)、『心臓』の力を引き出すよ!
それでー、えっと、まずは空の雲の中まで飛び上がるよ!
それで、【念動力】で雷とか雹とかを『ヴォーちゃん』(偽神兵器“Vortex)に沢山集める! (“渦”の名の通り、海洋災害のパワーを飲み込み、【捕食】)
それで、一気に空から降下して、狐火のゲンエイ?を突っ切って(【第六感】【オーラ防御】)、マリーの全力と『カイヨーサイガイ』のパワーを乗せた一撃を全力で叩き込むよ!(【限界突破】)


狭筵・桜人
ウッまた大荒れ……。
そろそろ陸に下ろしてくれないと
美少年の沽券に関わりますよ。船酔いで。

さぁてアブナイ奴には近寄らないに限ります。
私はエレクトロレギオンで周囲の狐火を誘ってみましょうか。

狐火が釣れたら追いかけっこ。
速度を出したまま狐火ごと幽霊船に突っ込ませましょう。
狐火の電圧からして横から雷に打たれる感じでしょうか。
船体にぶつかれば焼き切れそうですね。
燃えたらライトアップされてきっと綺麗。

地道にコツコツと幽霊船を狐火に巻き込むことで
砲撃がヨウコに向くかもしれない作戦です。
まあこっちで狐火惹きつけておけばあちらの仕事もスムーズに行くでしょうし?
アテが外れても幽霊船を鎮めて廻りますよ。邪魔なので。


神元・眞白
【SPD/割と自由に】
真の姿適用:戦術器「妖-ヨウ-」其れは、妖-アヤカシ-の夜 / 周囲のオブリビオンや同系統の力を鹵獲し、自身に上乗せする殲滅型戦術器。倒した敵の力も取り込む事で加速的に力を増大する、が、比例して制御は効かなくなる。

天気が良くなったと思ったらまた悪く。
ここまで酷いと傘もいらないぐらい。
飛威、替えの服の準備をお願いね。

こちらの力を奪ってくるなら好都合。
私も丁度良く似たような力を使えるし。
魅医、サポートはお願いね。
これだけ天気が悪いなら真の力を使ってない様に装えそう。
奥の手は目立たない様に添えるだけ。
魅医と挟み込む様に相手の機動力を狭めてタイミングを見て〆。
じゃあ、いただきます


アテナ・アイリス
巨大な光球が目的地なのかしら?なら、邪魔しないでよね。

仲間と連携しながら、「ヨウコ」に近づいている。
ブーツの力で、悪い足場をものともせずに走り回って攻撃する。

アーパスブレードに冷気を纏わせ、実体の無い敵も切れるようにして「ヨウコ」を攻撃する。
狐火の幻影は、【見切り、第六感、残像】を使って、躱していく。
「呪詛耐性、狂気耐性、オーラ防御」を使って、呪詛にかからないようにする。

状況判断で、一度後ろに探し隙を待つ。
タイミングを見て遠くから走りこんで、必殺の一撃『アクア・ペネトレーター』を繰り出す。

電脳体だかなんだか知らないけど、わたしには小細工は通用しないわよ!

アドリブ・連携大大大好物です。



 揺れる船。
 落ちる雷。
 荒れる海。
 幽霊船、砲弾、雹、そしてあの恐ろしげなクリーチャー……。
「ウッ胃が痛くなってきた。ていうかもういい加減陸に降りたい……。
 ほんと美少年の沽券にかかわりますよこのままだと、船酔いで……」
 狭筵・桜人はどこが美少年だみたいなげっそり蒼白の顔でぶつぶつ言っていた。
 こんな荒れ模様で戦闘とか冗談ではない。勘弁してもらいたい。
 そもそもあんな危険な敵に真正面から挑むのは彼のスタイルではない。
 美少年だし。……うんまあ顔はいいけど性根は……? 閑話休題。
「あのアブナイヤツ(敵でもありどこぞの忍びでもある)には近寄らないように、っと。
 どうしましょうかねえ、こうエレクトロレギオンで狐火を誘導したりとかs」
「あーーーーーーーーーーーーっ!!」
「ぎゃあああああ!!」
 突然耳元で叫ばれ、桜人の鼓膜はノックダウン!
 船酔いと大声の残響のダブルパンチで苦しむ自称美少年、ところで声の主は?」
「いつのまにかマリー寝ちゃってた! なんかでっかくてバリバリのがいるー!」 と、どうやらうたた寝から目覚めたらしいマリー・ハロットであった。
 特に桜人になんかあってデカい声を出したわけではないらしい。人身事故かな?
「うーんと、アイツをぶっ倒せばいーの? かな??」
「ええ、そうよ! なんだか様子がおかしいけれど、気にせず倒しましょう!
 せっかくここまで来たんだもの……新たな世界へ行くためにも、ね!」
「そうね。あの光の先に何があるのか、わたしも気になるわ」
 フェルト・フィルファーデンとアテナ・アイリスがマリーの言葉に頷き、
 アテナはブーツの力で空へ、フェルトは人形騎士達を使い船の防衛に入る。
 そこへ降り注ぐ雹と稲妻! 天候は戦況と反比例して荒れ続けている!
「せっかく天気が良くなったと思ったらまた昏く……これなら傘もいらなさそう。
 飛威、符雨、それに魅医。私達も続きましょう。ここが旅行のクライマックス」
「おおー! みんな楽しそー! よーし、マリーもがんばっちゃうよ!」
 神元・眞白とその従者たる戦術人形に続き、マリーも甲板を蹴って空へ。
 あとに残されたのは、グロッキー状態の自称美少年ひとりであった。
「……どうして猟兵の女性の方って、みんなアクが強いんですかねぇ……!!」
 揃いも揃って顔がいい。だが個性はギトギトの家系ラーメンより濃ゆい。
 私は耽美系で売ってるんですよとかなんとか言いながら立ち上がる桜人であった。

 そして、ヨウコ周辺海域――すなわち戦場の最前線!
『退け猟兵!! 貴様らはここを通れぬ、通さぬ! 絶対にな!!』
 正気を失いこの光に縛り付けられたヨウコは、牙を剥き出して叫ぶ。
 さらに狐火を無数に生み出し自らの周囲を嵐めいて旋回させることで、
 猟兵の接近と白兵戦を防いでいた。どうやら、それだけ消耗しているらしい。
 勢いを盛り返した幽霊艦隊の砲撃が、少女達の行く手を阻む!
「まったくひどい弾幕ね! まずはあの船をどうにかしないとダメそうだわ!」
「それならわたしの騎士達が請け負うわ! さあ、お願いね!」
 フェルトが号令を出すと、糸によって繋がれた騎士人形達が一列に並ぶ。
 そして空から降り注ぐ雹を狙い、シールドバッシュで弾き飛ばしたのだ。
 道を拓くだけではない……シールドバッシュの反射先は、他ならぬ幽霊船!
 大型の雹がマストに激突すると、竜骨にまでダメージが届き船は沈んでいく!
「ふふっ、いくら落ちてきたってお見通しよ、動きも遅いから狙い放題だわ!
 なんだかちょっとしたお遊戯みたいで楽しいわね……もっと落ちてきなさい!」
「えーそれ楽しそー! マリーもあっち(上)で遊ぶー!」
 なにやら楽しげな様子のフェルトに触発され、マリーはさらに空へ。
 目指す先は雹の出元、つまり分厚い黒雲そのものである。
 飛翔するマリーを狙い乱舞する稲妻! だがマリーは高速機動でこれを回避!
「さすがみんな、派手ね! ヨウコはわたしに任せて!」
「あの狐火、おいしそう。……ちょっと、もらっちゃおうかな」
 切り込むアテナに続き、戦術人形のサポートを受けた眞白が飛ぶ。
 一見深窓の令嬢めいた風貌のミレナリィドールの真の姿……それは、
 オブリビオンやそれに類する敵のエネルギーを食らう恐るべき性能を持つ兵器だ。
 敵味方の区別なくエネルギーを奪取してしまうため、
 眞白は滅多なことではこの形態を見せようとはしない。
 しかしヨウコが生み出す狐火はあまりにも数が多く、
 それゆえに眞白……あるいは戦術器〈妖〉の吸収能力が味方に向くことはなさそうだった。
 眞白が両手を掲げると、掌がほのかに光り輝き狐火を食らっていく……!
『我が力を食らうだと? ならば貴様を我が食らってやろう!』
「――ってなりますよねえ。まあ、そこを邪魔するのが美少年の私なんですよ」
 電脳体に変身し捕食形態を取ろうとしたヨウコに、機甲兵器が突撃!
 機銃がヨウコを煩わせ、敵は狐火の狙いを妖から桜人のレギオンに変更した。
 しかし、それは桜人の狙い通り。ようはレギオンは囮なのである。
 狐火が命中して燃え盛るエレクトロレギオンが、フェルトの反射した雹に混ざり幽霊船に着弾!
 KRA-TOOOOM!! なんらかの化学反応を起こし、幽霊船は大爆発を起こした!
「うわ、派手にいきましたねえ。なんかこう、氷と炎がアレした的な……?」
「むう……大当たりを取られてしまったわ! 次はちゃんと狙わないと……!」
「あの、すいませんが目的変わってません? そういうゲームじゃないですよ?」
「はっ! い、いえ、いまのは冗談よ。そう、冗談なの! ふふっ」
 ごまかすようにお上品に笑うフェルト、だがあの目はマジだったと桜人は確信した。
 まあ、それはそれでいい。自分の仕事が軽くなるならこれ以上のことはない。
 エレクトロレギオンの群れはヨウコを取り巻き、行動を阻害し続ける……。

「わーくらーい! けどこんなの、ヴォーちゃんで取り込んじゃえばいいもんねー!」
 一方、上空。
 黒雲の只中に飛び込んだマリーが蛇腹剣を掲げると渦が巻き起こり、
 あろうことか空にわだかまる黒雲をズルズルと飲み込んでいくではないか。
 まさしく渦(Voltex)! 海洋災害をも食らう偽神兵器の力!
 たちまち雲の大部分はマリーの剣に宿り、凄まじいパワーが刃を輝かせる!
 そしてマリーはにんまり満足げに笑うと、ぐるりと体勢を変えた。
 そう、ちょうど海に飛び込もうとするダイバーめいて――狙いは、眼下。
 つまり、アテナや眞白の攻撃を回避しているヨウコ本体だ!
「マリーの力、見せてあげる――さあ、いっくよぉ!!」
 ドウンッ!! とソニックブームが雲の残滓を吹き飛ばす。
 空中を蹴ることで加速したマリーは、流星めいた速度でヨウコめがけ急降下!
 音をも超える超高速の一撃を避けきれるはずもなく……KRAAAAAAAASH!!
『ガハァッ!?』
「隙だらけね! 行くわよ――アクア・ペネトレーターッ!!」
「……もらった力、返してあげる」
 大ダメージを受けて怯んだヨウコの体に、アテナの必殺の刺突が、
 そしてエネルギーを乗せた眞白の一撃が、まったく同時に叩き込まれた!
 破滅的エネルギーは、電脳体になって逃れようとしたところで意味はない。
 呪いをも超える威力の炸裂に、ヨウコは断末魔めいて叫び悶え苦しむ……!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

銀山・昭平
暴風雨や幽霊船の砲撃の中で戦うなら……おらの『暴食の巨龍』で戦うべきか……!

『……貴様らはオブリビオンか、ならば我の腹を満たす糧となれ』
(ここからは真の姿で戦います。尊大な口調となり、【貪食なる暴風】で巻き起こる砂嵐を荒れ狂う空模様で更に激しく、敵にぶつけるように戦います。あとは幽霊船にも喰らいついて腹を満たそうともします。【属性攻撃】で地属性をまとった攻撃で、ヨウコの電気系の攻撃に対抗しようと、ヨウコにも噛み付くような感じで戦います。)

※共闘、アドリブ大歓迎です。


矢来・夕立
アレ邪魔なんですけど。轢き殺せません?

自然災害には勝てないのはあちら側も同じだと思うんですよ。
そもそも、どう見ても普通の嵐ではありませんでしたし。
利用する、となると、空中で止まる避雷針ではダメですね。
当てないとですから。

蝙蝠の避雷針…っぽい仕掛けを、もう一度作ります。
今度は防護力を抜いて、焼き切れるようにしました。
こうすると雷が貫通します。
コイツを空の彼方此方に配置しておく。
で、落ちてほしいポイントにあるヤツを雷に合わせて浮かせます。
先に罠として展開しておけば、飛ばすよりずっと早いハズですよ。

外洋に先があるのなら、それはこの船が行くべき場所です。
そろそろ終わってくださいね。陸地が恋しいんで。


エル・クーゴー
【物九郎(f04631)と】
●WIZ


最終撃破目標を目視で捕捉しました
これより、敵性の完全沈黙まで――ワイルドハントを開始します


●海洋災害利用「幽霊船奪取」
・甲板上から手頃な敵船に相対
・アームドフォートからモリモリ生やしたアンカー射出用途の砲身を【一斉発射】、敵船をフック
・巻き上げ機構フル稼働、敵船をキリキリ引き寄せる

・【ウイングキャット『マネギ』】発動
・海賊ルックのデブ猫MAX345体を敵船へ嗾け、敵戦力を【蹂躙】する

・敵船制圧次第、マネギ達に操船を指示し、ヨウコ目掛け船首を回頭
・偽狐灯を相手に艦載武装から弾幕を展開する
・弾幕が薄ければ己のアームドフォートも船体に連結させ運用する(メカニック)


白斑・物九郎
【エル(f04770)と】
●SPD


●海洋災害利用「幽霊船奪取」
やっぱ自分の船は自分の船でちゃんと持ちてえトコですわな……

ン、丁度イイですわ
あの船貰っとくとしましょっかや

兵を出せ、エル
ワイルドハントの始まりっスよ!


・【開門】発動
・エルが召喚するマネギ達に先んじて、テレポートで敵船へ乗り込む

・いきなりマストに取り付いて敵の御旗をブチ折る所からスタート
・敵船上戦力を魔鍵で【なぎ払い】【蹂躙】
・マネギ達と共に船を乗っ取らん

・操船はマネギ達でも、ヨウコ目掛けて主砲発射とかみたいな楽しそうなやつは自分でやる


●対・剥奪電霊
・【野生の勘666】を敢えて食わせる
・尖った感知能力を貸し付け、認識をパンクさせる企図


片瀬・栞
うわ殺意たかっ
というか、猟兵に対して正体失うほど敵意が高い敵が
こうもタイミングよく現れるのって
明らかに誰かが人為的に配した感がするよね。
ま、いいや。考えるのは後。今はこいつをとっちめなきゃ。いくよー!

UC【エアリアルステップ】を駆使し空中から銃撃
幽霊船の砲撃の火線にヨウコを入れるよう位置取りを取る
呪詛の言葉は無視。痛みやダメージは【気合】で耐える。
「人を呪わば…!」
ぎっと歯を食いしばって耐えてハンドガン二丁で狙い撃つ
「穴ふたつってね!おまけで…」
サブマシンガン2丁に素早く持ち替え
「秒間15発×2倍の速度で穴を開けてあげるっ!」
ほぼ至近距離からフルオートで撃ちまくる。



 BLAMBLAM!! BLAMBLAMBLAMBLAMBLAM!!
「ほらほら、こっちに来なよ! それともあたしには追いつけない!?」
 片瀬・栞は空中をユーベルコードによって華麗に飛翔しながら、
 二挺拳銃の弾雨をヨウコに浴びせかけ、挑発しては距離を取る。
 ヒットアンドアウェイで、敵を幽霊船の射線上に誘き出そうとしているのだ。
『小娘が……!!』
 これまでの猛攻撃で弱りつつあるヨウコは苛立ちを剥き出しにし、
 巨大な怪物の顎めいた電脳体に変形、周囲の空間ごと栞を噛み砕こうとする。
「おわっと!」
 栞はかろうじて噛みつき攻撃を回避、だがそのせいで体勢が崩れてしまった。
 ヨウコは物理的におよそ不可能な可塑性で高速変形し、さらに襲いかかる!
『オブリビオンごときが……食らうのは貴様ではなく我のほうだ……!!』
 その時! 横合いから、突如として銀色の砂嵐を纏う龍が襲いかかった。
 東洋のステレオタイプな龍を、さらに凶暴にしたようなフォルムのそいつは、
 ヨウコの喉元に当たる部分に食らいつき、もんどり打ちながら格闘を挑む。
 真の姿を解放した銀山・昭平である。普段の彼を知るものならば、
 田舎っぺドワーフとは似ても似つかぬ凶暴な荒れ狂いぶりに驚嘆したことだろう。
「さて、参りましたね。あの速度……雷を落としても避けられそうで」
 そんな戦況を見守る矢来・夕立は、口元に手を当てて呟いた。
 彼はすでに、式"紙"のコウモリを空の彼方へと飛ばし、展開済みだ。
 それによって雷を誘導し、式紙もろとも敵を雷で撃とうという作戦である。
 しかし、栞の銃撃を受けながらも問答無用で襲いかかったあの速度、
 さらに体躯が同等な昭平と互角に食らいあっているところからみて、
 電脳体となったヨウコの耐久力と反射神経は、雷さえ凌駕しかねない。
 つまり、あれに攻撃を当てるには、一瞬でもいいから動きを止める必要がある。
「せめて幽霊船を掌握できればいいんですが……そういうの無理ですよね?」
「さすがにね……! 射線上に誘導するのが精一杯だよ!」
 体勢を立て直す栞の言葉に、夕立は無表情のまま沈思黙考する。
「まあ、誰かしらうまくやってるでしょう。それを信じて動くとしましょうか」
「えっなにそれ? 勝算あるのその作戦!?」
「100%ありますよ。まあウソですけど」
「なにそれーっ!?」
 などと言い合う栞と夕立だが、ふたりはすぐさまヨウコのほうを見て警戒した。
 やつはついに昭平を振り払い、狐火を生み出しスリッド号に狙いを定めたのだ!

 ……一方その頃、幽霊艦隊の中核船、その甲板上。
「ン、ちょうどイイですわ。この船ならハクもつくでしょっかや」
「「「……!?」」」
 幽霊船を駆る死霊達は、突然甲板上に現れた少年の姿に驚愕した。
 その当人……白斑・物九郎は、なんでもないように視線を返し、首を傾げる。
「見世物じゃねーっスわ。それともタダで船くれんスかな?」
「「「……!!」」」
 シージャック! たったひとりで甲板に乗り込むとはなんと不逞な輩か。
 死霊どもは殺気立ち、各々刃や銃を抜いて物九郎に襲いかかろうとする――が。
「――俺めにかかずらってていいんスかや? "嵐(ワイルドハント)"は」
 物九郎は不敵に笑い、海の彼方――スリッド号のほうを指差した。
「東から来るんスわな」
 直後――ZANKZANKZANKZANK!!
 "何か"が船体に突き刺さり、強固な幽霊船は大きく傾ぐ!
 死霊どもは突然のことに体勢を崩し、そして物九郎にはその一瞬さえあればいい。
 彼の姿がモノクロの風となった瞬間、敵は放射状に吹っ飛び霧消した!
 そして船体に突き刺さったのは……銛? いや、アンカーだ!
 頑丈な鉄鎖で繋がれたアンカーは、がらがらと音を立てて巻き上げられる。
 射出者は、スリッド号甲板に屹立するエル・クーゴーであった!
『最終撃破目標の完全沈黙のため、ワイルドハントを開始します。
 全射出>『マネギ』345体_幽霊艦隊の蹂躙と掌握、予測終了時間10秒』
 ヒュゴウッ! と空を駆けるのは、羽を生やした太った猫という奇妙な兵器。
 それらは次々に飛来するアンカーとともに甲板上の死霊どもに襲いかかり、
 迎撃砲火をもものともせず、次々に幽霊船をジャックしていく。
 それでも抵抗しようとする船には、物九郎自ら飛び移り大立ち回りだ!
 ボロボロの船はマストに取り付いてへし折り転覆、
 ついでに骸骨旗をむしりとると、今日のために用意していた猟団旗に付け替える始末。
 あっという間に、幽霊艦隊は嵐の王の従属艦隊へと早変わりしてしまった!
「エル、全武装展開。あの狐ヤロウに全弾叩き込んでやるっスわ!」
『了解_アームドフォート、全武装展開。弾頭セット、船首回頭』
 デブ猫達は起用にも舵輪を操作し帆を張り、船を巧みに操る。
 そしてすべての砲台が、荒れ狂うヨウコ電脳体に向けられた……!
「せっかくの船出は派手に行きますからよ――主砲、てェーッ!!」
 DDDDDDOOOOOOM――VOWVOWOVOWOVOWOVOWOVOWOVOWVOW!!
 鼓膜ごと頭が破裂しそうな馬鹿げた砲声が、混迷の海原を突き抜ける。
 放たれた砲弾、もはや観測不能――まさしく幽霊艦隊ワイルドハントの最大火力!

「――で、まあこうなるんですよね」
 戦場の夕立が言った瞬間……KRA-TOOOOOOM!!
『AAARRRRRGH!?』
 奇襲的一斉砲撃をまともに喰らい、ヨウコは大ダメージを受けた!
「へへーん、ざまーみろっての! 人を呪わば穴二つ、ってね!」
 栞は快哉めいて笑みを浮かべ、砲撃の合間を縫ってサブマシンガンによる全力ゼロ距離射撃。
 ヨウコそのものの巨体を盾としているため、栞は無傷! なんたる狡猾さ!
『愚か者めが……たかが獣風情が、王を驕り振る舞うからこうなるのだ……!!
 さあ、貴様の精髄を我に喰わせよ。もはや貴様に敵としての価値はなし!!』
『わ、我を……ガアアアアアッ!!』
 可塑変形して逃れようとするヨウコの喉元に、昭平が再び食らいつく。
 その身を覆う銀色の砂嵐はヴェールの役割も果たし、砲撃を防いでいた。
 さらに海の大渦をも調伏せしめる龍の嵐は敵の体を物理的に縫い止め、
 一切の回避も防御も許さない。ヨウコはもはや、虫の息!
「こっちもそろそろ陸地が恋しいんで、いい加減に終わってくださいね。
 ――オレ達の行くべき場所は、こんな辺鄙な外洋なんかじゃないはずですから」
 冷静にタイミングを図っていた夕立がそう言って、指を鳴らした。
 空の彼方、渦巻く黒雲の真下に展開したコウモリの式紙部隊。
 それがヨウコの直上に集まり……ZZZZZTTTTT……膨大な稲妻が、落下!
 KRAAAAAAAAACK!! 最大火力ともいうべき雷撃を浴び、ヨウコは断末魔をあげた!
『AAAARRRRGH……この、先へは、行かせ……! ……!!』
 もはや、狂った獣の戯言が響くことはない。
 立て続けに降り注ぐ砲火に呑まれ、その残滓をも塵すら遺さず消えていく。
 砲撃の嵐が止んだ時――そこには、紫色の球体のみが残っていた。

「よっしゃ! エル、このままワイルドハント号で突入――」
『不可能です』
「は?」
『敵性体の沈黙とともに、全幽霊船の現実存在強度の著しい低下を確認。
 おそらく光球内に突入できるのは、鉄甲船『スリッド号』のみと思われます』
「……まあ、船がなくても俺めは猟団長っスからな」
『残念ですか』
「全然口惜しくなんかないっスわ! とにかく戻るっスよ、エル!」
『残念ですか』
「戻るっスよ!!!!!!」
 などとぎゃあぎゃあ騒ぎながら、ワイルドハントの二名も鉄甲船甲板に帰着。
 それを見越したかのように、紫色の光球はさらに膨れ上がり光を増す。
 猟兵達は見た。その先に、これまでとは全く異なる世界の風景が広がることを。
 あれが、グリードオーシャンなのか?
 ――誰もがその問いを持ち、しかし答えを口にすることは出来なかった。
 光はあまりにも強まり、船を包み込んで視界をも灼いたため。
 そしてなにより――そんな問いかけは、口にするまでもなかったからである!

 こうして、鉄甲船スリッド号の船出は終わった。
 行き先は強欲なる海、はたしてそこに待つ敵と脅威は、一体……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年03月20日


挿絵イラスト