銀河帝国残党艦隊拠点攻略戦
●スペースシップワールドの辺境宙域
そこには多数の旧銀河帝国の航宙艦が集まっていた。
元より敗残兵の艦隊。
旧式の小型艦で構成された哨戒艦隊にすぎず、今となっては士気もないのだろうということは想像できる。搭乗者の会話等も聞こえてこないくらいだ。
が、それにしてはあまりにも整然とした艦隊行動だった。
まるで何か強力な指揮者がいるかのように。
そして艦隊の背後には、拠点と思わしき惑星のように見える何かの影が……。
●グリモアベースにて
「アルダワでの戦争も無事終わり、心機一転ですね。通常の猟兵活動も頑張っていきましょう」
グリモアベースに集まった猟兵たちを前に、黒岩・りんご(禁断の果実・f00537)は語り始めた。
「さて、今回皆さんに行ってもらいたいのは、スペースシップワールドです。
銀河帝国皇帝との決戦が行われてから1年ほどが経っていますが、未だに銀河帝国残党軍のようなものは存在してるわけですね」
そう言ってりんごはグリモアを通してとある光景を見せる。
そこには、惑星の近海に集結している艦隊……らしき映像が映っていた。
「まず前提としてお伝えしておきますが、銀河帝国残党が居住可能な惑星を見つけたわけではありません。この背後に見えるのは、惑星のように見える何か……詳細は不明ですが、これ自体が敵性存在だと思ってください。
つまり、今回のお仕事は、帝国残党の艦隊をまず壊滅させて、そのあとで惑星のようなこれを倒してもらうということになります」
りんごの言葉にさすがにざわめく猟兵たち。
そんな猟兵たちに笑顔を向けて、有無を言わさぬとばかりにりんごはさらに話を続ける。
「現場の近くまでは、ワープアウト可能な民間船に乗せてもらって行くことになります。
任務が困難ですからね、現地にいくまでは鋭気を養ってもらおうと、とびきりのリゾート船をチャーターしましたよ!
むしろわたくしがこの仕事受けたいくらいな、温泉リゾート船ですわ♪」
残念ながらりんごはグリモアベースにて転送の面倒を見なければいけないので、温泉にはいることはできない。本当に悔しそうだ。
「こちらリゾート船『ミルキーウェイ号』は、この季節は船内のビーチが温泉ビーチに様変わりするそうです。温泉として楽しむことも、ビーチのように海水浴的に楽しむこともできるそうですよ?」
解説するりんごさんは、本当に自分がいけないのが悔しそうです。
「というわけで、ワープアウトするまでは温泉リゾートを楽しんで、そして現地についたら艦隊戦。よろしくお願いしますね?」
最後に、リゾートは男女別れていないので、水着を忘れずにと言い残して、りんごは転送の準備を始めるのだった。
雅瑠璃
こんにちは、またはこんばんは。
雅です。
戦争後の通常営業の一発目は、スペースシップワールドからお届けします。
何気に戦争とリゾートを除けば、初めてのスペースシップワールドのシナリオになりますね。
……1章の関係で背景が宇宙にならないのがちょっと残念(笑)
1章は日常です。
オープニングでも本人が悔しそうに語ってますが、りんごは登場しません(笑)
選択肢にはこだわらず、温泉でもビーチでも好きなように遊んでくれればと思います。
水着着用。公序良俗に反することは厳禁ですよ?
2章は集団戦。
銀河帝国残党艦隊との艦隊戦になります。
宇宙船同士の戦いを想定してますが、そこはプレイング次第。自身のできることでどうぞ!
極薄宇宙服はあるので、生身での戦いを挑むもありですよ。
3章はボス戦。
詳細は3章突入時にまた説明しますが、惑星のように見える何かとの戦いになります。どう戦うか演出とか期待してますね。
2章3章とも、某スーパーロボット大戦のような戦闘をイメージして描かれると思います。
あまり細かなSF考証とかはしませんので、カッコいい演出優先でどうぞ!
なお、クリアまで必要な🔵が少ないので、参加人数によっては再送をお願いすることもあるかもしれません。その点はご了承ください。
それではプレイングお待ちしてます。
第1章 日常
『冬でも営業中『温泉ビーチ』』
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POW : 新たなビーチスポーツ『ビーチ卓球』で汗を流す
SPD : 温泉ビーチなら泳いだってマナー違反じゃない
WIZ : 遊んで楽しく薬用効果もある温泉ビーチ
👑5
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●リゾート船『ミルキーウェイ号』
猟兵たちを収容したリゾート船『ミルキーウェイ号』は航行を開始した。
「目標宙域に到達するまで、およそ24時間の航海となります。
到着までの間、本艦の温泉ビーチでどうぞおくつろぎください」
艦内アナウンスが告げる通り、戦闘宙域にいくまでおよそ1日。その間は、リゾートで鋭気を養ってもらいたい。
どう楽しむかは、猟兵次第です。
ビーチで海水浴的に遊ぶもよし。
温泉としてのんびりくつろぐもよし。
公序良俗に気をつけて、はめだけは外さないように。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・服装:「水着JC」参照
・アド/絡◎
■行動
此方の船には、以前お邪魔させていただいたことが有りますねぇ。
宜しくお願い致しますぅ(礼)。
それでは、楽しませていただきますねぇ。
温泉ビーチとのことですし、温泉らしく浜辺に近い場所でゆっくりつかりつつ、軽く泳いでみる感じでしょうかぁ。
……別に、水着を着てみたら、また胸元やお尻がきつくなっていたから、運動すると少々怖いわけでは無いのですよぉ?(ぷるぷる)
折角ですし、【豊饒現界】で[料理]を強化して、お料理やお食事なども楽しみたいところですが。
半分は「温泉施設」となりますと、「BBQ」よりも「浜焼き」+「焼き饅頭」の方が良いですかねぇ?
鈴木・志乃
◎
露出少な目の水着を適当に来てのんびり温泉浸かる
もっと言うとぷかぷか浮いている
放心状態で流されて行く
意識が×あやふや○ふやふやなようだ
仕方ないよねーアルダワは落ち着いても、どこもかしこもオブリビオン湧いてくるんだものーよー
ヒーローズアースはウルカヌスまだ生きてんのかな……
アリスラビリンスは迷いこんで来る人止まんないし……
サムエンもグリードオーシャンの件が……
アポカリプスは……(すやぁ)
(ぶくぶくぶくぶくっぷはー)
……あっぶない、寝るとこだった
うん、仕事し過ぎいくないね、もうちょっと普段から休まないと
有り金はたいてもいいから遊ぼう
なんか食べ物売ってないかな
あとマッサージ、スパとか……
ヘスティア・イクテュス
◎
アルダワ戦争も終わったし
温泉でゆったり疲れを癒やしにってのもいいわね
最近見なかった銀河帝国の動きも気になるしね
惑星のようななにか…まさかあれじゃないわよね……?
とりあえず今は楽しむことを一番にしましょうか
水着は競泳水着を
泳がずにのんびりゆったり漂う感じで温泉を楽しませてもらうわ
あー凝り固まった筋肉が癒やされる…魂が抜ける~
やっぱり戦争で忙しかった後はこれがいいわね…
うちの艦にも温泉プール作ろうかしら?
ドロレス・コスタクルタ
「スペースシップワールドの宇宙を、こんなにのんびり心穏やかに航行できるとは……」
未だ居住可能惑星の発見には至っていませんが、かつての放浪と違い、逃げる以外の選択肢があることは間違いなくいいことです。
真っ赤なサマードレス姿になり、波打ち際のビーチを散歩します。
風と砂の感触を楽しみ、寄せては返す波のリズムを楽しみます。
こうやってのんびり歩いていると、日焼けしない自分の体が少し残念に思えます。見た目は人間のようですが、実際には有機部分は存在しないので。
「遠くない未来に、こんなふうにこの世界の大地と海を歩きたいものです。そのためにはこれからの戦いに勝利しなくてはいけませんね」
●のんびりビーチ
普段は大勢のリゾート客で賑わっているであろうリゾート船『ミルキーウェイ号』だったが、今回は危険な任務地に向かう猟兵達のためのチャーター便。わかりやすく言えば、貸し切り状態ってことですよ。
この季節、ビーチを再現したリゾート船の内部は、そこで循環する水を全て温泉へと入れ替え温泉ビーチとなっている。とはいえ、海水が温水に変わったというくらいで、見た目はそのままビーチのままだ。
なので、昨年夏にこのリゾート船での休日を楽しんだこともある夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)にとっては、懐かしい光景でもある。
「此方の船には、以前お邪魔させていただいたことが有りますねぇ」
「ああ、その節はどうも! 素敵な写真をありがとうございました!」
更衣室から出てきたるこるは、さっそく見かけたスタッフの男性に声をかけてみた。その時と同じ牛柄のセパレートの水着なので記憶に残っていたか、それともるこるの豊か過ぎるバストが印象に残っていたのか、ビーチのスタッフはるこるに声をかけられて、笑顔で返事をする。
「いえいえー。今回も宜しくお願い致しますぅ」
ぺこりと頭を下げるるこるに、ご丁寧にありがとうございますとスタッフも頭を下げた。今回は猟兵の貸し切りでなので、こういったリゾートのスタッフ以外の人気はない。本当に猟兵だけでのんびりと楽しむことができるのだ。
「んー。スペースシップワールドの宇宙を、こんなにのんびり心穏やかに航行できるとは……」
るこるに続けて出てきたのは、真っ赤なサマードレス姿も美しいドロレス・コスタクルタ(ルビーレッド・f12180)だった。早速ビーチの波打ち際まで歩を進め、穏やかな風と、熱い砂浜の感触を楽しんでいる。
「そうね。アルダワ戦争も終わったし、温泉でゆったり疲れを癒やしにってのもいいわね……最近見なかった銀河帝国の動きも気になるけど」
さらに続けて出てきたのは、競泳水着に身を包むヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)だ。
惑星のようななにか……まさか……?と何やら心当たりでもあるのか、少しだけ気にするそぶりをしながらも、ひとまず今はのんびりと温泉を楽しみたいところだ。
このあたりはまだビーチの色が濃いが、少し進めばゆったり湯船のように浸かれるほどの水深のある露天風呂を模したような岩場もある。そこならばのんびりゆったりとできるだろう。
「仕方ないよねーアルダワは落ち着いても、どこもかしこもオブリビオン湧いてくるんだものーよー」
銀河帝国の話が出たところで、うんざりしたような口調でやってきたのは、露出少なめな大人しい水着を着ている鈴木・志乃(ブラック・f12101)だ。
アルダワでの戦争で頑張りすぎたのか、志乃はかなり頭の中がぽやーっとしている様子。あやふやというかふやふやというか。ヒーローズアースは……アリスラビリンスは……サムライエンパイアは……と次々と今起きていることを考え出して……でもだんだん考えるのも面倒になってくる。
とりあえずゆっくり休みたいと、岩場の露天風呂へと向かうヘスティアのあとをついていくのだった。
ともあれこんな4人の女性たちが、まずはのんびりと温泉ビーチを楽しみにやってきたのである。
さすがはリゾート船という所か。温泉ビーチの名に違わず、砂浜は真夏のビーチを思わせる。
もちろん打ち寄せる波は温泉ゆえに、冷たくはなく、飛沫さえも気持ちがいい。
浜辺には燦燦と気持ちのいい日光を模した光も降り注いでいる。
「こうやってのんびり歩いていると、日焼けしない自分の体が少し残念に思えますね」
少しだけ苦笑しながら、のんびりとドロレスは浜辺を散歩していた。
サイボーグであるドロレスの身体は、見た目こそ人肌のようにはなっているが実際は有機的な肌ではなく……それゆえメラニン色素なども存在しない。ありていに言えば日焼けなどしないのだ。
ここのビーチも、普段のリゾートとして開放されているときならば、肌を焼く人も溢れているのだろうが、今はドロレスが1人焼けた砂の上を歩いているだけ。
「遠くない未来に、こんなふうにこの世界の大地と海を歩きたいものですね」
いまだに居住可能惑星は見つかっていないものの、このまま戦っていけばいつかはきっと……そんな風に考えていると、波打ち際でのんびりと浮かんでいたるこると目が合った。
「ドロレスさんは泳がないんですかぁ?」
浜辺からそう遠くないあたりでぷかぷかと浮かびつつ、軽く泳いでいたるこるである。実のところ、昨年の水着は、着てみるとまた胸元やお尻がきつくなっていたので、あまり激しい運動をしたら弾けそうで怖いため、あくまでも軽く、なのであるが。
「私はサマードレスですからね。泳ぎには向きませんし。
でも、せっかくの波打ち際ですから、少しくらい水遊びならお付き合いしますよ?」
入り江の岩場になっている部分は、ちょっとした露天風呂のような格好になっている。一般的な温泉に浸かるというなら、このあたりがちょうどいいだろうか。
ヘスティアと志乃は、共にこのあたりで湯につかっていた。
「あー凝り固まった筋肉が癒やされる……魂が抜ける~。
やっぱり戦争で忙しかった後はこれがいいわね……」
ヘスティアは湯に浸かりながら全身をのばし、身体をほぐしていた。
そんな彼女の言葉を聞き留めた志乃は、ポーっとしたままうんうんと頷いている。
ヘスティアも志乃もダンジョンロードになるほどにはアルダワの戦争で戦っていたので、そりゃあ疲労もたまっているはずだ。
……ちなみにダンジョンロードといえばるこるもなのだが、そう考えると軽く泳ぐ程度だったのは、疲労回復的な意味もあったのかもしれない。
ともあれ志乃は、ヘスティアの言葉には頷きながらも、湯にぷかぷかと浮いたまま、半ば放心状態で流されていた。しかもだんだんと沈んで、顔まで湯に浸かりそうになり……。
「ぶくぶくぶくぶく……」
「……あら、ねぇ、志乃さん? 大丈夫?」
さすがにその状態に気付いたヘスティアは、このままだと眠ったまま溺れかねないと慌てて志乃を引き上げた。
「……っぷはー……あっぶない、寝るとこだった」
「いえ、寝てたと思うわ」
冷静に突っ込むヘスティアの言葉にバツが悪そうに眼を逸らす志乃である。
「……うん、仕事し過ぎいくないね、もうちょっと普段から休まないと」
「そうねぇ。お互いせっかくだし、のんびりしていきましょう。温泉で身体ほぐして……」
そうしてのんびりを再開しようとしたヘスティアだったが、志乃は何かを決意したようにざばぁっと立ち上がる。
「有り金はたいてもいいから遊ぼう! とりあえずなんか食べ物売ってないかな?」
「有り金はどうかと思うけど……そうね、何か食べ物あるといいかも。リゾートのスタッフはいるのだから、食事くらい」
一人食べ物を求めて歩き出した志乃の後を追うように、ヘスティアも湯から上がって浜辺へと戻っていくのだった。
「半分は温泉施設なのでぇ、バーベキューよりは浜焼きかなぁと」
浜辺では、スタッフに用意してもらったコンロの上で、ホタテやサザエ、イカなどを焼いているるこるの姿があった。
浜辺での水遊びを堪能した後、るこるは【豊乳女神の加護・豊饒現界】によって強化された料理スキルをつかって浜焼きを始めたのだ。
辺りには実に美味しそうな匂いが漂っている。
「いいですねぇ。これからの戦いのための景気づけにも、美味しい料理はありがたいです」
るこるの焼いた浜焼きは、共に水遊びを堪能していたドロレスがすでに味わっていた。
焼きたてのホタテに、少しだけしょうゆをかけて、熱々のまま口に頬張る。ぷりぷりとした食感がとてもよく、ドロレスの口の中いっぱいに幸せが広がっていくのだった。
「お、なになに。いい匂いがしてるんだけど」
「あら、浜焼き始めたのね。私達もご相伴にあずかっていいかしら?」
そして食べ物を探して浜辺に戻ってきた志乃とヘスティアも、この美味しそうな匂いにつられたのか、るこるの浜焼きへとやってくる。
「もちろん、遠慮なくどうぞですよぉ」
「それでは、食材をスタッフの肩にもっと持ってきてもらいましょうか?」
当然るこるやドロレスも嫌とは言わない。
こうしてしばらく浜焼きパーティーが繰り広げられるのだった。
「これであとマッサージとかあればねー」
「ああ、いいですねぇ。肩とかこっちゃいますしぃ」
「中の建物にはそういうのもあるんじゃないかしら?」
「では、食べ終わったら、行ってみましょうか?」
……4人のリゾートはまだまだ続きそうです。
大成功
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アイ・リスパー
【恋華荘】
水着は全身カットのデザイン
「銀河帝国の残党との戦いですか……
平和になったスペースシップワールドですが、まだ争いの火種は残っているのですね……
そして、それはここにも……」
水着姿でビーチに佇み、仲間たちがビーチバレーに熱くなってるのを呆然と眺めます。
「って、ええっ、わ、私も参加するんですかっ!?」
理緒さんに強引にビーチバレーに誘われ、一緒に遊びますが、私、運動は苦手ですからーっ!?
「あっ、ボールがっ!」
海の方に飛んでいってしまったボールを追いかけて、波打ち際まで駆けていき……
「はうっ!」
なにもない所で転んで、顔から海にダイブ。
そのままゴボゴボと息ができず、溺れてしまうのでした。
織笠・アシュリン
【恋華荘】
あたしは戦争の後に猟兵になったから、リアルタイムでは知らないんだよね
だから、残党が何を思ってるかは分からないな……
迷惑かけるなら、ぶっ飛ばすだけだけど!
というわけで、リゾートいっくぞー!
水着は空色のシンプルなワンピース!
ぼ、ボディライン見せられるのを、意識、してみた……(かぁぁ)
温泉ビーチバレー?
やるやる!
あ、理緒本気だね?あたしも負けないぞー!
「全力スパイク、いっけー!」
身体を思い切り反らした、必殺の一撃っ!
ってアイー!? 水は浅いよー!?
とりあえず回収に行かなきゃ!
一通り遊んだら、皆で温泉を堪能かなっ
「あー、気持ちいい……アルダワは大変だったから、骨休めいいよね」
フランチェスカ・ヴァレンタイン
こういう時にお約束な、道中での襲撃などはなさそうですかねー…?
まあ、せっかくですからのんびりさせていただくとしましょうか
パラソルの下の丸テーブルに(胸やら)肘をついて背もたれのないチェアに腰掛け、ウェルカムドリンクなど飲みながらビーチの様子を眺めているかと
例の水着姿なため、従業員がしきりにドリンクのおかわりの要否を訊ねてきたり
ナンパ男ホイホイな様相を呈しているなど、本人は何気なく過ごしていてもそこに居るだけでかなりの風紀攪乱要因かと思われます?
他の客あたりからビーチバレーにでも誘われて、押しの強さに何となく断り切れず参加でもしようものなら、視覚的な危険度は更に跳ね上がるのではないでしょうか、と
菫宮・理緒
【恋華荘】
妙に統制の取れた残党。背後に見えた拠点。
そして、先にもらえるご褒美。
どうやっても素直に終わるとは思えない感じ。
これは、なにがあるかわからないから、
想い出を作っておけってことだよね!
でもまぁ、そういうことなら、
しっかり楽しませてもらうことにしよう♪
水着は、新調した琥珀色のチューブトップのビキニ。
みんなで温泉ビーチバレーを楽しみたいな。
もちろん、本気で。
「お前のいちばんのスピードでとべ! ボールはわたしが持っていく!」
って、アイさーん!? そこ足つくからー!
と、言いつつ助けにいきます。
ひととおり楽しんだら、温泉で艦隊戦への英気を養おう。
爆巨普貧壁、すべて尊い。みんなのを堪能しないとね!
セナ・レッドスピア
【恋華荘】
艦隊の後ろの星…みたいなのとも戦わないとなのですね…
激戦間違いなしですし、それに備えるためにも
今はみんなでパワー充填、ですねっ
と、赤いビキニ姿で温泉ビーチでのんびり…
しようとしたら、理緒さんの声が!
しかもその手にはビーチボールが…
ちょっと驚いちゃいましたけど、ここは一緒にふぁいとしていきますっ!
色んなペアで試合をしていくけど
理緒さんがペアの時は張り切り度が上がってたり…?
逆に理緒さんが相手の時は
アタックしてくる姿にほわほわしてしまうかも…?
ふぁいとの後は、改めてのんびり
おっきなひとがいたら、私もも少し近づけたら…と思い
視線を感じちゃったら、そちらを見てドキッとしちゃうかも!?
●わくわくビーチバレー
このリゾート船『ミルキーウェイ号』のビーチエリアはかなり広い。
なので、浜焼きに興じている女性たちとは少し離れた場所にも別の猟兵達の集団が遊びに来ている。
恋華荘からやってきた姦しい4人の娘さんたちだ。
「銀河帝国の残党との戦いですか……平和になったスペースシップワールドですが、まだ争いの火種は残っているのですね……」
薄い胸を白いフリル付きのビキニに包んだ白い髪白い肌の少女、アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)は、少しだけ遠い目をしながら呟いていた。
「あたしは戦争の後に猟兵になったから、リアルタイムでは知らないんだよね。だから、残党が何を思ってるかは分からないな……」
意外と着痩せしているかもしれない身体を空色のシンプルなワンピースに包んでいる金髪の少女、織笠・アシュリン(魔女系ネットラジオパーソナリティ・f14609)は、頭に疑問符を浮かべつつ小首を傾げている。
ちなみにアシュリンの水着は、ボディラインを見せられるのを意識してみたそうだけど、ぶっちゃけ現在のイラストとスタイルが良いという特徴はまるでかみ合っていないので、ボディラインのわかるイラストを、ハリーハリー!
「妙に統制の取れた残党。背後に見えた拠点。どうやっても素直に終わるとは思えない感じ、だねー」
アイともどっこいな感じの薄い身体を琥珀色のチューブトップのビキニに包んでいる黒髪カタメカクレの少女、菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は、そういって何やら妙に気合を入れていた。何故ならば……いや、それを語るのはもう1人紹介してからにしよう。
「艦隊の後ろの星……みたいなのとも戦わないとなのですね……激戦間違いなしですし、それに備えるためにも今はみんなでパワー充填、ですねっ!」
このメンバーの中では一番背が低いにもかかわらず均整の取れているプロポーションを、昨年着ていた蝙蝠を象った黒ビキニではなく、新調した赤いビキニに包んでいるセナ・レッドスピア(blood to blood・f03195)は、そういって笑顔を見せる。
「そうそう! 先にもらえるご褒美は、つまりなにがあるかわからないから、想い出を作っておけってことだよね! そういうことなら、しっかり楽しませてもらうことにしよう♪」
そしてセナの声に、大きく同意する理緒である。つまり先程気合を入れていたのはそういうわけだ。
「そうですね。戦いまでまだ1日あるんですし、今はのんびりしましょう」
「「「さんせーい!」」」
なんて感じの恋華荘姦し4人娘さんである。
「温泉ビーチといっても、これは海水浴と同じはず。ならば、海水浴を楽しむための最適な行動を導き出しましょう!
【チューリングの神託機械】を発動!万能コンピュータに接続して最優の海水浴を検索しつつ、【ラプラスの悪魔】で気象変動と波の動きをシミュレート!」
突っ込んでくれる管理人さんがいないからか、それとも今回のメンバーの中ではチームリーダー的な自負でもあるのか、浜辺についてビーチマットを広げてビーチパラソルを広げるなり、やたらと張り切っているアイさんです。決して今回表示されているアイコンがシリアスに叫んでいるアイコンだから、なんとなくアドリブ文章まで釣られたわけではないですよ?
「計算結果が出ました! やはりビーチでの遊びといえば……!」
「みんなで温泉ビーチバレーを楽しみたい、ねー!」
そしてアイの台詞に被せるように、無慈悲にも理緒がビーチボールを取り出して笑顔で言うのだった。
口をパクパクさせるアイ。台詞を取られたらしい。
「さ、さすが理緒さん、万能コンピュータと同じ結論を出すなんて……!」
「ん?」
わなわなと恐れおののいているアイに、きょとんとした笑みで小首を傾げる理緒である。何のことかわかってませんね、これ。
それにしてもアイさん、自慢の万能コンピュータも処理速度遅くなっている疑いがあるので、デフラグは必要かもしれません。あるいはメモリを圧迫しているマル秘写真を別所に保存して軽くするとかしないとかもですよ?
「温泉ビーチバレー? やるやる!」
そしてそんな2人の水面下の争い(?)をまるで気付いていなかったアシュリンは、ぴょこんっと跳ねてビーチバレーに賛成する。
「ええっ、のんびりじゃないんですかっ?」
一方のセナは、のんびりしようとシートに腰掛けるところだったのだが、理緒が元気よくビーチボールを取り出したので驚いていた。驚いてはいたが……理緒がそういったのならセナとしても否はない。
「では、ここは一緒にふぁいとしていきますっ!」
何故かちょっと頬が赤くなっているセナさんです。何故かは知らないけれども、理緒相手だとどことなく百合の花が咲きそうなセナさんなのでありますよ。
「よしよし。あとはもちろんアイさんもだよっ」
「って、ええっ、わ、私も参加するんですかっ!?」
さっき自分でこの状況に最適な遊びと計算していたにもかかわらず、絶望的なまでに運動音痴なアイは、3人で遊んでもらって自分はそれを眺めながらのんびりしようなどと甘い事を考えていたようです。甘いね。
「あっ、ちょっ、自分で歩きますから引っ張らないでくださいー?!」
そのまま理緒にずるずると引きずられていくアイさんでありました。
「こういう時にお約束な、道中での襲撃などはなさそうですかねー……?
まあ、せっかくですからのんびりさせていただくとしましょうか」
フランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)は、そんなことを呟きつつ、波打ち際にあるビーチバレーコートを眺められるような位置で、ビーチパラソルで日差しを遮りつつ、ビーチチェアでのんびりとリラックスしながらウェルカムドリンクを飲んでいた。
なぜかドリンクを持ってきた船内スタッフのボーイさんは、フランチェスカの方をちらちらと横目で見ながら、他に用事はないのかなとソワソワしながら見ていたりする。
「……?」
どうしたのかしら?とでも言いたそうな目で小首を傾げるフランチェスカさんですが……貴方自覚あるでしょう??
その水着!というかただの黒い紐!
どたぷーんと大きく主張している巨大バストと抜群のプロポーションを持ちながら、着ている水着が!ほぼ!紐!
これでボーイさんにちらちら見るなっつっても実に無体な話なので、早く追加注文を頼んで、ボーイさんを追い払ってあげてくださいな。
「ああ、ドリンクのお代わりいただけるかしら?」
「よろこんで!」
彼はモブながら、この日ドリンクサービスの担当になれたことを天に感謝しているそうな。
……まぁ、たとえ紐でも一応水着なのだし、これ以上風紀を乱すような事にはならないと思うのですけれども……フランチェスカさんの視線の先にいる姦し4人娘たちが何か騒ぎを起こさなければ……。
……とはいえ、なにも騒ぎを起こさない、なんてことは無理でしょうね。何せ彼女たちは恋華荘。たとえ管理人がいなくても、何かやらかすのはお約束なのですから。
フランチェスカの視線の先、波打ち際のビーチバレーコートでは、恋華荘の4人が2人ずつに分かれてビーチバレー勝負をしていた。
対戦組み合わせは。
運動神経絶望的!この場で一体貴方は何ができるのですか?のアイと!
活発元気系魔女!プロポーションは早く絵にしてください!のアシュリンのペア!
VS!
ほんわか片目隠!そうは見えないけど色んな意味で高火力!の理緒と!
ドキドキ吸血鬼!百合が見えるのはどこまで本気か赤面娘!のセナのペア!
と、ひとまずはこうなっている様子。
「よーし、セナさん! お前のいちばんのスピードでとべ! ボールはわたしが持っていく!」
「わ、わかりましたっ!」
やたらと張り切って、なんだか言葉遣いがバグっている気のする理緒が大きくトスをあげた。
「あ、理緒本気だね? あたしも負けないぞー! アイも気合入れて!」
「むむむ、むりですーっ?!」
対面のコートでは、アシュリンも理緒の本気に対抗してめらめらと闘志を燃やし……アイはおろおろしていた。
ネットを挟んで赤いビキニのセナと空色ワンピースのアシュリンが同時に宙に舞う。パートナーが理緒だからか、セナはやたらと張り切り度アップで気合十分で、理緒からのパスを逃しはしないぞとタイミングもバッチリと大きく振りかぶった。
「いきます、ですっ!」
スパーンと放ったセナの強力なスパイクが、ブロックに飛んだアシュリンの手の上から叩きつけられ、アイに向かって一直線にすっ飛んでいく。
「あわ、わわわ、ぼ、ボールがっ……へぶっ?!」
「アイっ?!」
強力なスパイクを思いっきり顔面にぶち当てたアイはそのままふらふらとよろめいていたが、怪我の功名か顔面レシーブは実にいい高さのチャンスボールをアシュリンに提供していた。
「お返しっ! 全力スパイク、いっけー!」
身体を思いっきり反らしながらの大ジャンプ!そこから放たれるアシュリンの全力スパイクがスパーンと理緒とセナの間の浜辺へと突き刺さった。
「やったよ、アイ! ナイスレシー……ぶっ?!」
ポイントを決めてガッツポーズと共にアイの元を振り返ったアシュリンは、そこで初めて異常事態に気が付いた。
先程顔面レシーブをしたまま、目を回してふらふらとよろけていたアイは、そのまま波打ち際まで後ろ歩きで後退してしまい……足を滑らせてどぼーん。
「がばごぼげぼがぼぼぼっ?!」
そのまま海の中に沈んで息も出来ずに溺れているのだった。
「ってアイー!? 水は浅いよー!?」
「アイさーん!? そこ足つくからー!」
アシュリンや理緒の言う通り、そもそもが波打ち際なので、膝丈すらもないくらいの水深なのだが……アイはしっかりと溺れてジタバタと手足を動かしてもがいているのだった……。寝転がってないで立ち上がれば助かるのに……などと突っ込む暇も惜しいと、アシュリンも理緒もセナも慌ててアイの元へと駆けだしていく。
「大丈夫かしら、アイさん?」
「ふぇ……あ、フランチェスカ、さん……」
駆けよってきた3人より先にアイを救出していたのは……というか単にアイを起こして落ち着かせようとしているだけだが……ともかく、アイを助けたのは、これまでいくつもの依頼で顔を合わせたこともあるフランチェスカだった。
「あ、りがとうございま……がくり」
何とか自分の置かれた状況を認識できたアイは、目の前のフランチェスカの方を見て……お礼を言おうとしたところで何かにショックを受けてそのまま崩れ落ちた。
溺れかけて目を覚ましたら、目の前にどたぷーんが揺れていたのだから、無理もないよね……。でもつるぺたーんだって悪くはないぞ!
「あっ、ちょっと、アイさん。もう溺れていないのに何で崩れ落ちるんですかっ?」
「……す、すみません、なんだか眩暈が……」
眩暈の原因が胸囲の格差だというのはさておき、まぁ、一応溺れかけたわけだし……?
という事でとりあえず納得することにしたフランチェスカである。
「アイさん大丈夫?」
「一休みした方がよさそうかな?」
「えっと、それではビーチバレーはどうしましょう?」
顔を見合わせる3人だったが、すぐにフランチェスカの方に向き直る。何せ同じ依頼で見かけたこともある顔なのだからして。
「え? 私ですか……? ええ、まぁ、構いませんけれど……」
というわけで、今度は、フランチェスカ&セナVSアシュリン&理緒という組み合わせで仕切り直しの試合が始まっていた。
最終的には、目の前でアタックしてくる理緒にほわほわして反応が遅れてしまうセナと、激しく動くと黒い紐がずれてたゆんが大暴れしてしまうゆえに思い切って動けないフランチェスカのコンビの負けで決着はついたようだけれども。
フランチェスカの公序良俗が守られたかどうかは、ノーコメントとさせていただこう。まぁ、紐だしね?
ちなみに、3人のビーチバレーで遊ばせて、それを見ながらのんびりという念願の形が叶ったはずのアイの目は、暴れるたゆんに吸い寄せられていて、光を失っていたとか何とか……。
「んー、いい汗かいた。それじゃ、今度は温泉にいこっか……って、アイ、何してるの?」
「い、いえ、なんでもありません……」
終わったあと温泉でのんびりしようとアシュリンが声をかけた時、アイは真剣な顔で自分の胸をペタペタ触っていたらしいが、それは見なかったことにしてあげてほしい。切実に。
大成功
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涼風・穹
温泉リゾートなら家族風呂みたいに一人で入れるものか、他に誰も来ないような場所を探す
一人きりでいられるような場所なら水着無しで温泉を楽しんでも問題は無いだろう
個人的嗜好ではあるけど、温泉に水着ってのはどうも好きになれないんだよな…
それに一人なら温泉に潜ったり泳いだりしても誰かに迷惑を掛ける事もないし、疲れたらおぼんをお湯に浮かべてジュースと適当なつまみでも乗せて適当に飲み食いしたりとのんびり楽しむとするさ
その後は美味しいご飯を腹一杯食べて、たっぷりと寝るとするさ
そして充分休んだなら俺専用の宇宙バイク『スカーレット・タイフーン・エクセレントガンマ』の調子を確かめておく
宇宙戦での主役はこいつだからな
●ひとりならば?
さて、女性陣が賑やかに温泉リゾートを楽しんでいる頃、今回参加した中では黒一点の涼風・穹(人間の探索者・f02404)は、1人人気のない入り江の岩風呂へとやってきていた。
ちなみに海パン姿ではある。
あるのだが……。
「うーん。温泉に水着ってのはどうも好きになれないんだよな……」
個人的嗜好として、水着を着ての温泉というのはあまり好きではないらしい。
まぁ、気持ちはわかる。お風呂と考えると、やっぱり何か着ているというのは何か違和感があるものだ。
とはいえここはリゾートなので、水着着用は必須なのでありますが……。
「今回は猟兵の貸し切りなんだし、他に誰もいないような場所なら構わないだろ」
……いや、構いますって。
ここの入江の岩風呂だって、ついさっきまでは別の女性猟兵が使っていた場所ですからね?
いま彼女たちは浜焼きに夢中なのでしばらくは戻ってこないでしょうけれど……もし鉢合わせたらどうするんですか。
って、あっ、あーっ。
「1人きりでいられるような場所なら、水着無しで温泉を楽しんでも問題ないよな!」
すぱーんと海パンを脱ぎ捨てて、フルフロンタルになってしまった穹であった。
あーあ、やっちゃった。
1人なら誰にも迷惑かけることはないしと、穹はフルフロンタルなまま入り江の温泉の中で平泳ぎをしていた。カエル足で水をかくと、股にあるウツボもゆらゆら揺れているのだが……まぁ、確かにそれを見ている人はいない。こうして描写している筆者以外には誰にも迷惑はかかっていないのだった。……え、なら書くなって?
「もう少し沖にいけば潜れるかな……?」
そのまま水深の深いところまで泳いでいき、そして素潜りして、水の中へ。
この季節、海水が温泉水に変わっているとはいえ、基本は海を模したリゾート施設だ。水の中に潜ってみれば海藻が揺らめき珊瑚が鎮座する。どちらも人工物ではあるが、水中散歩の気分は十分に味わえよう。
「ぷはぁっ……温泉で泳げるっていいよなぁ」
水中遊泳を楽しんだ後、足のつく辺りまで戻ってきた穹は、一息ついていた。
スタッフに持ってこさせたジュースとおつまみをお盆に浮かべ、それをちびちびやりながらのんびりと体を休めている。なおスタッフに注文している間だけはちゃんと海パン履いていました。
「このまま1人でのんびりもいいもんだな……もう少し休んだら、また泳いでくるか」
幸いにして女性陣はこの場所には戻ってこなかったので、存分にフルフロンタル水泳を愉しめた穹であったとさ。よかったよかった。
その後、彼はホテルへと戻り、ホテルが用意した美味しいご飯をお腹一杯食べて、ゆっくりと1人部屋で寝て、現地到着の時間を待つことにした。
もちろん、専用の宇宙バイク『スカーレット・タイフーン・エクセレントガンマ』のメンテナンスも忘れずに。
この後はじまる宇宙船の主役は、それなのだから。
大成功
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第2章 集団戦
『銀河帝国哨戒艦隊』
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POW : 一斉発射(対艦ミサイル)
【火器管制レーダー照射】が命中した対象に対し、高威力高命中の【対艦用の反物質ミサイル(一斉発射)】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 一斉発射(対艦ビーム砲)
【対艦用の加粒子ビーム砲(一斉発射)】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ : 一斉発射(電磁投射砲)
【複数の艦船に搭載された、電磁投射砲の砲身】を向けた対象に、【砲身から超高速で発射された高速徹甲弾】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:Moi
👑7
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●ワープアウト
リゾートでの一時を十分楽しんだ猟兵達。
やがて、その旅も終わりの時が来た。
「本艦は間もなくワープアウトします。これより先は銀河帝国残党軍との戦闘宙域へと差し掛かるため、本艦の航行はそこで停止します。
猟兵の皆さまは、本艦より出撃し、迎撃をよろしくお願いします」
通常空間に出ると同時に管内アナウンスが鳴り響く。
まだ視認できるような距離には帝国残党軍の艦隊は見えないが、既にレーダーには捕らえていた。
前方にある小惑星……のようなもの。
大きさは確かに全長数キロ程度の小惑星なのであるが……見た目の形状はどう見ても地球型の惑星で、球を描く形に大気らしいガス層が見える。
そしてその近海に銀河帝国哨戒艦隊が浮かんでいた。
全長200メートル級の比較的小型な旧式艦ではあるが、数だけはそれなりに揃っている。
こちらのレーダー網にかかったという事は、向こうからも見えているはずなのだが、特に何かの通信がくるわけではない。
整然と艦隊を組んでいるが、不気味なほどに静まり返っている。
……まるで、無人の艦だけが、惑星近海に集まっているかのように。
いずれにせよ、『ミルキーウェイ号』はリゾート船だ。
これ以上近付いて戦闘に巻き込ませるわけにはいかない。
猟兵達は、おのおのの足を使い、敵艦隊の待つ宙域へと飛び出していくのだった。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
さて、お仕事の時間ですねぇ。
参りましょうかぁ。
数が多い上大きいですねぇ。
生身でお相手する方法も有りますが、「後ろの方」に情報を与えたくないですし、【遍界招】で『戦艦型の祭器』を召喚しましょう。
『祭器』ですから『F●S』同様の操作感覚で扱えますし、『F●S』と連動出来る『浮遊武装』も搭載されておりますから、同様の戦い方が可能ですぅ。
『FRS』の射撃、『FBS』の斬撃を集中させ一体ずつ確実に。
『FSS』は防御主体、ジャミングを発生させ『レーダー照射の反応』を返させなければ『対艦ミサイル』は対処出来るでしょうかぁ。
その内、この状態で【他UC】が使える様訓練したいところですが。
鈴木・志乃
◎
実はこの世界での戦闘は得意じゃないんだよね
宇宙空間自体慣れてないし、知識も少ない
……それが依頼参加しない理由にはならないんだけどね
さあ、お休みは終わりだ派手に行こうか?
あ、終わったらもっかい温泉入らして下さいミルキーウェイ号さん
敵UCに合わせてUC発動するよ
ちゃんと高速徹甲弾が無機物判定になるかどうか分かんないけど、後持ってるUCって私非効率的過ぎるものばっかりだからなぁ……
オーラ防御展開しながら見せる幻想で、私の位置を少しずらして認識させたいね
上手いこと騙せたら敵陣ど真ん中まで行って
高速詠唱全力魔法による衝撃波攻撃でなぎ払いするよ
それでまだ残った個体は鎧砕き出来る魔改造ピコハンでぶっ叩く
●艦隊戦その1
前方の宙域に展開している帝国残党の哨戒艦隊に対峙するため、猟兵達はそれぞれに『ミルキーウェイ号』の艦載機デッキへと向かっていた。
ここには猟兵達の持つ様々なマシンが格納されている。
……だが、仲には自前のマシンを持たず、生身のままここにやってくる猟兵もいる。もちろん生身とはいえ、特製の極薄宇宙服はあるので、船外活動に支障はないのだが。
「さて、お仕事の時間ですねぇ。参りましょうかぁ」
夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)もそんな、マシンを持たない猟兵の一人だ。だが、彼女はもっていないだけで、マシンがないわけではない。
彼女は【豊乳女神の加護・遍界招】にて祭器を召喚する。
この祭器、特に形状が決まっているわけでもなく、彼女が赴く戦場に合わせたものを生み出すことができるのだ。故に今回は小型の宇宙戦艦のようなものが現れた。
さて、それに乗り込んで出撃しようかと思った時、るこるは自分と同じように宇宙船を持たない猟兵が首をひねっているのを見かけた。
「実はこの世界での戦闘は得意じゃないんだよね。宇宙空間自体慣れてないし、知識も少ないし……」
それが依頼に参加しない理由にはならないのだけど……とはいいつつ、さてどうしようかと思案顔の鈴木・志乃(ブラック・f12101)である。
「あのぉ、もしよかったら、私の船に一緒に乗っていきますかぁ?」
「ん、いいの?」
なので、るこるは志乃に声をかけてみた。共に浜焼きを食べた仲でもあるし、どうせ自分の『祭器』は、装備品であるフローティングシステム同様に脳波制御になるのだから、中や上に人がいようとも、操作感覚的にはたいして違いはない。
「ええ。飛んでいくにも、船がないと大変でしょうからぁ」
「ありがと。それじゃお邪魔させてもらうわー」
というわけで、志乃も『祭器』のコクピットに同乗させて2人乗りとなった小型宇宙戦艦が、『ミルキーウェイ号』のカタパルトデッキにセットされる。
「それじゃぁ、いきますよぉ!」
「ああ、お休みは終わりだし、派手に行こうか?」
るこるの思念を受けて、『祭器』はロケットエンジンを噴射させ、カタパルトの勢いに乗って『ミルキーウェイ号』から射出されていった。
「あ、終わったらもっかい温泉入らして下さいミルキーウェイ号さぁぁぁぁぁぁぁぁん
……………!」
志乃の叫びをドップラー効果で船内に残しつつ。
帝国残党哨戒艦隊のうち、最初に2人の乗る『祭器』の接近に気付いた数艦が、航路を変更して正面から迎え撃とうと近付いてきた。
「きたね?」
「こちらに来たのは全部ではないでしょうけれど……それでも数が多い上、大きいですねぇ」
「ま、とりあえず私は外に出るから。あっちのミサイルとかの処理は任せてよ」
そう言い残して、志乃は船外へと飛び出していく。
まさに志乃のその言葉が呼び水になったわけではないだろうが、哨戒艦隊は先制攻撃とばかりに対艦ミサイルを撃ちだし、高速徹甲弾を乱射しながら接近してきた。
「警告も何もなしですかぁ。これは、中にまともな人が乗っているのかも怪しいですねぇ……?」
るこるも迎撃用に、普段使用しているフローティングシステム同様に使える『祭器』の浮遊武装を展開させる。防御用の盾シールドシステム(FSS)。攻撃用の浮遊砲台レイシステム(FRS)。突撃用の剣ブレイドシステム(FBS)。すべて宇宙船サイズになっていても、扱い方は生身で使うものと同じだ。
「いきなり撃ってきたか……さてちゃんと無機物判定になるかなー?
これ以外だと非効率すぎるから、仕方ないよねぇ……」
志乃は、るこるの『祭器』の上に仁王立ちすると、ユーベルコードの詠唱を始めた。接近するミサイル群や徹甲弾に向けてその力を解き放つ。
星を降らせる浄化の風、【流星群】により、飛んできた徹甲弾やミサイルが次々と分解され、風となって虚空へと消えていく。
「お、できた」
「これはすごいですねぇ……。では、今度はこちらから攻撃と行きましょうかぁ」
消しきれないいくらかの弾も、るこるのFSSによって致命的なダメージには程遠く、次はこちらの番とばかりにるこるは『祭器』をさらに敵艦隊へと接近させながら、FRSとFBSを展開していく。
「1体ずつ確実にぃ……いきますぅ!」
FRSの集中砲火の中、FBSの群れが1点集中して突き刺さっていく。高速で接近する剣による斬撃が、まるで粘土を切り裂くように哨戒艦を斬り捨てていった。
「こちらもいこうか。そーれっ」
志乃もまた、FRSの砲撃の中、敵艦に向けて飛び込んでいく。全力の衝撃波で敵の対空砲撃を薙ぎ払うと、そのまま接近して思いっきり槓をぶっ叩くのだった。……魔改造されたピコピコハンマーで。ピコハンによる鎧砕きの一撃で真っ二つに折れていく哨戒艦……シュールな光景ではある。
「よし、次行ってみよー」
「はいですぅ。まだまだ敵もいますし、やりますよぉ!」
ともあれ、このまま2人は次々と、自分達に向かってきた艦隊を片付けていくのだった。
大成功
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セナ・レッドスピア
【恋華荘】
艦隊と白兵戦…
数の多さだけじゃなくて、サイズ差もかなりのものだから
切り込み方も考えないとですよね…
艦隊との交戦距離に入ったら
理緒さんの艦「リオ・セレステ」から出撃!
理緒さんやアイさんから受け取った情報を参照しつつ行動
狩罰の血槍を推盾形態に変えて、防御しつつ移動して
攻撃のチャンスが来たら
狩罰の血槍を猟銃形態に変え
トリニティ・エンハンスの炎の魔力で攻撃力を上げてから
【乱れ撃ち】で銃を連射して攻撃!
また、みんなを狙う攻撃の兆候が見られたら
【援護射撃】で阻止したり
防げそうなら推盾形態でガードします
倒せそうなチャンスが来たら
【力溜め】からの渾身の【ランスチャージ】で撃破を狙っていきます!
織笠・アシュリン
【恋華荘】
何だろう、この違和感……
対人戦というよりはCPU戦みたいな……
ううん、考えるのやめやめっ!
「織笠アシュリン!【月光翔ける魔女の装】……出るよ!」
理緒のリオ・セレステから発艦後、ライフルに【騎乗】しつつ、機動力と小ささを生かして全速で敵艦隊に突っ込む!
「流石に、人間大の飛行物体なんて想定外だよね!」
魔力で慣性制御しつつバレルロールに急旋回!
敵を【おびき寄せ】て、みんなの行動の自由度を確保しよう!
「今、かすった!?いやいや、まだ行けるよ!」
隙を見つけたり、敵情報を手に入れたら、天頂方向に急旋回、反転加速して機関とかを打ち抜く!
「伊達にライフルを箒にしてないよ!」
【スナイパー】で一撃必中!
菫宮・理緒
【恋華荘】
「リオ・セレステ、スタンバイおっけー。発艦シークエンス、入る、よー♪」
静まり返ってるってことだけど、通信も移動も攻撃もしてこないなら、
無視するんだけど、そうはいかないんだろうな。
ゴースト艦隊とでも言えばいいのかな?
よくわからない相手だし、わずかな動きも見逃さない気合いでいこう。
レーダーはもちろん、目視でもしっかり注意していきたいな。
敵艦隊が動き出したら、それに対応する形で反撃。
得意なのは電子戦だけど、今回は効きそうな感じがしないなぁ。
機動力をいかして相手の懐に入り込んで、
【E.C.O.M.S】で【Octagonal Pyramid】を艦載機っぽく使って、
近接戦闘で敵艦を沈めていこう。
アイ・リスパー
【恋華荘】
「銀河帝国の残存艦隊ですか。
後々の脅威にならないように、今ここで沈めます!」
『小型宇宙戦艦ティターニア』に乗ってミルキーウェイ号から発進です。
【チューリングの神託機械】で電脳空間の万能コンピュータを介してティターニアのAIにダイレクトリンク。
思考制御で敵艦隊へ突っ込みます!
「ティターニア、レーザーガトリング斉射。マルチミサイルランチャーロックオン!」
【ラプラスの悪魔】で敵の攻撃をシミュレートし、対艦ビーム砲を回避しながら敵艦隊に攻撃して味方機の援護をおこないましょう。
「神託機械による分析結果出ました。
敵艦の機関部の位置、送ります!」
敵戦艦の弱点の分析結果は仲間と共有します。
ミスタリア・ミスタニア
◎
おっと、漸くオレの出番だな
ハハッ、やっぱこうして宇宙(そら)で帝国軍相手にしてるのが一番シックリするぜ
っても、なんだ。この腑抜け具合は?
そりゃ残党だから士気が低いのはあるだろうが、今の今まで生き残ってる奴らでこの練度は腑に落ちねぇな
まぁそんなことは後で考えりゃいいか
ビット飛ばして援護させて、オレ自身は突っ込む!
艦隊っても、戦艦や空母に比べりゃ弾幕が薄いぜ。下方と後方の砲配置も微妙だしなぁ!
んな旧式の哨戒艦でそう簡単にオレをロックオンできると思うなぁ!
懐に潜り込んだらパイルバンカーで装甲ぶち抜いて対艦ビーム砲をゼロ距離でぶっ放すぜ!
そのまま戦果確認せずに艦を蹴って加速して次の獲物に突っ込むぞ!
●艦隊戦その2
『ミルキーウェイ号』のカタパルトデッキに、2隻の小型宇宙船がスタンバイしていた。『ティターニア』と『リオ・セレステ』の2隻だ。
その2隻の可愛らしくも勇ましい姿を見かけ、ミスタリア・ミスタニア(宇宙を駆ける翠の疾風・f06878)は脚を止める。
「ん? こいつらは確か……?」
共に見たことのあるデザインは、同じ寮で暮らしている顔見知りのもの。
そう思って振り返ったミスタリアは、駆け寄ってくる顔見知り達を見かけ、やれやれと肩をすくめた。
「あれっ? ミスタリアさんも来てたんだ?」
最初にミスタリアに気が付いたのは、『リオ・セレステ』のパイロットでもある菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)だ。彼女は前髪から片方だけ覗いている人懐っこそうな目を大きく見開いて、ここで遭遇した知り合いの姿に驚いている。
「リゾートにはきていませんでしたよね……へぶっ?!」
理緒に続けて言葉を紡いだのが、もう1隻の『ティターニア』のパイロットでもあるアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)だ。ちなみに最後のへぶっは、ミスタリアの出現に驚いて足を滑らせ転んで床とキスした音。相変わらずのドジと運動音痴ぶりを発揮しつつアイは、赤くなった鼻をさすりながら涙目で、ミスタリアに何故いるのかと訴えかけていた。
「あん? オレは帝国残党と戦いに来たんだ。あんな水着着てチャラチャラなんて、やってられっかよ?」
「確かに私達も、銀河帝国の残存艦隊を倒すために来たわけで、泳ぎに来たわけではないんですけれど……」
ちなみに銀河帝国の決戦前にはほとんどリゾートに接する機会のなかったアイなので、リゾート自体は楽しかったものの、己の運動神経の無さ&泳げなさを発揮して、あの後も何度も水難にあっていた様子。なんとなくばつが悪そうに最後は口を濁している。楽しんでいないわけではないのだろうが、パラソルの下でのんびりしているべきだった……などとは思っていそうだ。
「でもさ、ワープアウトまで時間も長かったんだし、少しくらいは休んでもよかったんじゃない? 楽しかったのに……勿体ないなぁ」
なのでアイに変わってそれに続くように、織笠・アシュリン(魔女系ネットラジオパーソナリティ・f14609)が言葉を続ける。ミスタリアのそっけない言葉に対し残念そうに返答を返した。その口調から察するに、アシュリンは、ビーチバレーのあともたっぷりとリゾートを満喫していたらしい。
「ほとんど1日くらいずっと、こっちの方にいたんですか?」
「むしろお前たちの方が、戦いの前にマシンの整備とかしてなかったのかって聞きたいところだがな?」
セナ・レッドスピア(blood to blood・f03195)の問いには、逆に不思議そうにミスタリアは返した。自身の整備点検だけで1日くらいは十分にかけているミスタリアにしてみれば、己の舟である『ティターニア』と『リオ・セレステ』をずっと他人である艦内スタッフに任せっきりだった方が驚きらしい。
「そこはそれ。メカのリフレッシュと、私達のリフレッシュは、別々だから、ねー?」
「そんなもんか……?」
朗らかに笑顔で言う理緒に対し、やはり首を傾げるミスタリアだった。同じ恋華荘で暮らしている面々とはいえ、やはり少しノリが違うのは否めない。
とはいえ別に仲たがいしているわけでもなく、これは単に互いの価値観の優先事項が異なっているだけ。スペースシップワールドにて最前線で戦い続けてきたミスタリアと、他の世界出身の面々とは相違もあって当然だ。同じ世界の生まれのアイとだって、育った環境が違うのだから、やはり考え方は異なるのだし。とはいえ、ミスタリアの方とて、疑問は口にしても、それで己の主張を押し通そうというわけでもない。
「ま、いいさ。お前らならちょうどいい。奴らに接近するまでの足を頼めるか?」
「もちろんです。といっても私のティターニアは1人乗りですから……」
「うん、もう1人くらいは大丈夫、だよー」
なので、同行して共闘したいというミスタリアの申し出も、あっさりとアイたちは受け入れる。理緒の『リオ・セレステ』への同乗で構わないかと、理緒は他2人の方を振り返って問う。
「セナさんとアシュリンさんも、それでいいかなー? ちょっと狭くなるけどっ」
「はいっ。大丈夫ですので、よろしくお願いしますっ」
何故かちょっと頬を朱に染めつつセナが返事をし、アシュリンも頷いて、それで方針は決まったと5人は2隻の宇宙船へと乗り込んでいった。
「リオ・セレステ、スタンバイおっけー。発艦シークエンス、入る、よー♪」
理緒とセナとアシュリンが乗り込んだ『リオ・セレステ』がまず先にカタパルトへと移動した。
「問題ない」
「いつでも大丈夫、ですっ」
「それじゃ、理緒、よろしくっ!」
ちょっと狭くなった操縦デッキ内で、同乗者のミスタリアとセナとアシュリンの返事を受けて、理緒は『リオ・セレステ』のエンジンに火を入れる。
「リオ・セレステ、菫宮・理緒! いっきまーっす!」
カタパルトの加速に乗って、空色の宇宙船が漆黒の宇宙空間へ飛び出していった。
そしてそのすぐ後に、『ティターニア』がカタパルトにセットされる。こちらはアイのひとり乗りだ。『リオ・セレステ』が4人で賑やかに行ったのに比べると、1人ぽつんと置いていかれたような感覚にもなるが、決して寂しくはない。
「ティターニアのAIにダイレクトリンク開始……制御系問題なし」
なぜならアイは、【チューリングの神託機械】で電脳空間の万能コンピュータを介して『ティターニア』と直接語りあっているからだ。確かに乗っているのはアイだけだが、いわばアイとティターニアの2人でいるようなもの。寂しいわけはない。
「ティターニア、出ます!」
そして小型の宇宙戦艦が、空色の宇宙船を追いかけるように、漆黒の宇宙を駆けていった。
「敵艦隊が見えてきましたね……脅威となる前にここで沈めましょう」
先行していた『リオ・セレステ』にアイの『ティターニア』が追い付いたころ、小惑星近海に配備されていた敵哨戒艦隊の姿も見えてきた。
「ああ……にしてもなんだ。この腑抜け具合は?」
「うん。静まり返ってるっていうか……あっちからももう私達が見えているはずなのに、通信もしてこない。移動も攻撃もしてこないなら、このまま素通りしちゃえるんだけど、ねー?」
不気味なほどに静かな敵艦隊の様子を前に、ミスタリアと理緒が疑問を口にした。
「そりゃ残党だから士気が低いってのはあるだろうが、今の今まで生き残ってる奴らでこの練度は腑に落ちねぇな……」
その違和感はセナやアシュリンも同様らしい。ミスタリアの疑問に続くように次々と口にしていく。
「動かしてる人がいるなら、そろそろ警告とかしてきてもよさそうな距離……ですよね?」
「何だろう、この違和感……対人戦というよりはCPU戦みたいな……?」
アシュリンの言葉が呼び水になったわけでもないだろうが、まさにCPU制御のゲームの敵のように、一定の索敵範囲内に入ったからパターン通りに動かしたようにも感じる行動を艦隊の一部が取り、こちらへと向かってきた。
「まぁ、細かいことは後で考えりゃいいか。それじゃ、俺たちは外に出るぞ!」
「うん、考えるのやめやめっ!
織笠・アシュリン!【月光翔ける魔女の装】……出るよ!」
「はいっ。理緒さん、行ってきますっ」
敵の反応があったことで、ミスタリアとアシュリンとセナの3人は、艦載機よろしく『リオ・セレステ』から飛び出していく。
そしてそれと時を同じくするように、哨戒艦隊からも迎撃のミサイルが放たれて来るのだった。
「みんな、気を付けて、ねー!」
「理緒さん、私達は接近する皆さんの援護を」
アイからの通信に理緒も頷く。飛び出した3人に白兵戦は任せ、自分たちは自分たちで役割分担。
「うん。相手はゴースト艦隊とでも言えばいいのかな?
よくわからない相手だし、わずかな動きも見逃さないよう、気合いいれていこう。
『Octagonal Pyramid』、作戦行動、開始っ!」
「ええ。いきましょう!
ティターニア、レーザーガトリング斉射。マルチミサイルランチャーロックオン!」
『ティターニア』から放たれる弾幕とミサイルが、『リオ・セレステ』から【E.C.O.M.S】によって飛び出していった正八角形の戦闘ユニットが、飛び出していった3人を援護するように、敵艦隊から放たれたミサイルや弾幕を相殺し合っていく。
そして互いの攻撃がぶつかり、光と爆発が漆黒の空間に色を付けていく中、飛び出していった3人はそれぞれに敵艦へと近づいていき、白兵戦へと持ち込んでいく。
「んな旧式の哨戒艦でそう簡単にオレをロックオンできると思うなぁ!」
2隻の味方艦からの援護や、自身の装備であるビットによる支援攻撃を受けながら、ミスタリアは己の鎧装の機動性をフルに活かして宇宙空間を駆けていた。敵艦からのビームや徹甲弾の雨を掻い潜り、砲火の薄い部分へと取りついていく。
「戦艦や空母に比べりゃ弾幕が薄いぜ。下方と後方の砲配置も微妙だしなぁ!」
「ミスタリアさん! 神託機械による分析結果出ました。
敵艦の機関部の位置、送ります!」
そしてそんな折、アイからの通信が届く。
アイはアイで敵艦隊の攻撃予測をシミュレートしながら『ティターニア』を機動させて、敵艦隊の砲火を潜り抜けつつ艦の分析を続けていて、そん構造を解析した結果をミスタリアに、そしてもちろん他の仲間全員にも共有できるように伝えてきたのだ。
「あんがとよ! つまり、ここだな?」
そしてその情報に基づき哨戒艦の1隻の懐に入り込んだミスタリアは、手にした大型のパイルバンカーを、アイからの情報で示された機関部付近の装甲へと押し当てる。
「捉えた! 行くぜっ!」
【グリュンシュトゥルム】……パイルバンカーが貫いた装甲に、零距離からそのまま放たれる対艦ビームの一撃。
「よし、次だ!」
そのビームは正確に機関部を貫き、艦を崩壊させていく。
だがミスタリアは己の戦果を確認することもなく、艦の装甲を足で蹴って、その勢いを加味して通常の3倍の相対速度で次の目標へと飛び去っていく。
「流石に、人間大の飛行物体なんて想定外だよね!」
「といっても、サイズ差もかなりのものだから、切り込み方も考えないとですよね……?」
アシュリンは、彼女の『箒』……試作狙撃銃改「ウィロー・ブルーム」という名のスナイパーライフルに跨り、魔力で慣性制御しつつバレルロールばりの急旋回で徹甲弾の弾幕を回避しながら敵艦へと近づいていく。
セナは、愛用の朱槍『狩罰の血槍』を変形させた推盾形態の持つロケットエンジンで、懸命にアシュリンのあとをついていくように飛行していた。宇宙での戦闘経験の乏しいセナにとっては、対艦戦については考えることが多すぎる。
「大丈夫。わたしも援護するから、何とかなるよー!」
そんなセナを鼓舞するように、理緒からの通信が届く。
理緒は理緒で、本来得意なのは電子戦なのだが、今回それは飛んでくるミサイルのジャミングをするくらいしか出番がない。
「ミサイルは、私に任せて、ねー!」
「ありがとうございますっ、理緒さん。あとは私がっ」
理緒のジャミングで動きの乱れたミサイルは、咄嗟に大盾となっていた朱槍を猟銃形態へと変化させたセナの【トリニティ・エンハンス】の炎の魔力を込めた乱れ撃ちに次々と撃ち落とされていった。
ならばと、ミサイルを無効化された艦隊は、徹甲弾の弾幕を主力に切り替えて、2人に……とりわけアシュリンに対しての対空砲火を開始する。アシュリンの不規則かつ無軌道な動きは、彼女をレーダーに捕らえている多くの艦を惑わせているようで、その代償なのか弾幕は不自然なほどに彼女におびき寄せられたように集中していた。
「うげっ、今、かすった!?」
中には回避しきれずに、『箒』へと弾がかすめていったりもするが……。
「アシュリンさん、危ないですっ」
それはセナの大盾が庇いに入って事なきを得た。
そしてさらにそこに理緒の『Octagonal Pyramid』が支援にはいることで、アシュリンもなんとか体勢を取り戻していく。
「2人ともありがとっ。まだ行けるよ!」
なにせ魔力で動く『箒』だ。これくらいのトラブルもさしたる影響もないまま弾幕を引き付けつつ、アシュリンは艦隊の上方へと『箒』を奔らせていった。
「セナ、ついてこれる?」
「なんとか、頑張りますっ」
そしてセナも再び朱槍を推盾形態とし、アシュリンのあとをついていくようにロケットを噴射させる。
「アシュリンさん!セナさん! 機関部の位置を……!」
「オッケー! アイ、ありがとっ!」
そしてミスタリア同様、アイの分析結果を受け取った2人は、それぞれに機関部を目指して反撃に出た。
「狙う場所は……そこですねっ」
セナは、アシュリンと別れると同時にロケットを加速させて、敵艦の後方へと一気に回り込んでいく。そのまま加速して特攻するように一直線に突っ込んでいって、そして衝突の寸前に朱槍を本来の槍へと戻し、そのまま機関部めがけてランスチャージをぶちかましてから離脱していく。
そしてアシュリンはこの間に高速機動を駆使して艦隊の天頂方向へと駆け抜けると、『箒』を本来のライフルへと戻している。
「伊達にライフルを箒にしてないよ!」
月の魔女の魔力を込めて放たれたスナイパーライフルの一撃は、狙い違わず、セナのランスチャージによって開けられた装甲の穴を抜けて、艦の機関部へと吸い込まれていった。
「よし、だいぶん敵艦も減ってきたし、私もそろそろ突っ込む、よー!」
「分かりました、理緒さん、気を付けて。援護します!」
ミスタリアの攻撃、あるいはセナとアシュリンのコンビネーション攻撃によって、次々と敵艦隊が数を減らしていくと、これをチャンスと見た理緒は『リオ・セレステ』を前進させ、艦同士の近接戦闘を挑みに行った。
アイの軌道予測データをもとに、対艦ビームを回避しつつ、接近していった『リオ・セレステ』は、『Octagonal Pyramid』を艦載機のように使い、艦同士がすれ違う瞬間に艦載機で機関部への集中攻撃を仕掛けていく。
「撃ちーかたー、はじめっ!」
理緒の指令と共に正八角形のユニットから放たれた攻撃が、敵艦の機関部を撃ち抜いていった。
「これで、私達の方に向かってきた艦は最後ですね?
なら、最後は私とティターニアがっ!」
最後に残った敵艦へは、アイもまたティターニアを突っ込ませていった。
「もっと深く、接近します! 両舷増速!」
さらに速度を上げて対艦攻撃を回避していくと、そのまま至近距離から敵艦へ照準を合わせ……。
「火力を前方に集中! 対ショック、対閃光防御! レーザーガトリング、一斉射!」
そして放たれたレーザーが敵艦を喰い破っていき、そして撃破された艦が吹き上げる爆炎の中から『ティターニア』は飛び去っていくのだった。
自分たちに向かってきた艦隊を壊滅させた5人は、再び集まり、次の戦場へと向かっていく。
戦いそのものはまだ終わったわけではないのだから。
大成功
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涼風・穹
◎
涼風穹、スカーレット・タイフーン・エクセレントガンマ、出る!
やっぱり出撃時のお約束は外せないだろう
宇宙と書いて「そら」と読む世代なら当然だな
まあそれはそれとして、最速で銀河帝国哨戒艦隊へ突っ込む
撃ち合いになれば火力や耐久力では勝ち目はない
敵陣へ切り込んで機動力を活かして戦うしか勝機はないからな
艦隊の懐に入ってしまえば後は此方を撃てば射線上に他の敵艦も入るような個所を飛んで同士討ちを誘ったり、敵艦を盾にしたりとやりようは幾らでもある
常に艦隊内を高速で飛び回り攪乱しつつ、《贋作者》で哨戒艦のビーム砲を小型化したものを複製して、敵艦の艦橋やエンジン部のような急所を狙って攻撃をして一撃離脱を繰り返す
トリテレイア・ゼロナイン
リゾート…?
装備等の最終チェックをしていました(仕事にん…ウォーマシン)
故郷SSWで謎の敵性存在の出現の報が気になり作戦に参加しましたが…
確かに惑星状の物体ですね
調査する為には…反応の奇妙な哨戒艦隊を調べつつ排除しましょう
機械馬に●騎乗し機動戦を仕掛けます
ミサイル対策として●防具改造で装備したチャフディスペンサーでチャフをばら撒き、狙いを逸らしましょう
飛来する数が減れば小回り効かぬ対艦ミサイル
回避コースを●見切ることは難しくありません
艦の直上を取りUCで突撃
●怪力任せに艦橋ごと動力炉まで一隻一隻●串刺しにしてゆきます
搭乗員が存在しているのか…この突撃で判明するでしょう
ドロレス・コスタクルタ
UCで召喚したドローンのうち160体で別動隊を設定。自分を含めた本隊が敵艦隊との会敵後に戦場に到着するよう計算し、大きく迂回させて送り出す。
「艦隊線の基本は、敵艦隊の攻撃機会を最小にすることです」
真正面から可能な限りの最大速度で敵艦隊に接近。敵の射程に入るあたりで転進し、敵艦隊の横方向に旋回しながら攻撃。小回りと加速度はこちらのほうが上なので、足を止めず攻撃範囲から逃げ続け、存分に敵艦隊の注意を引き付ける。
別動隊のドローンは本隊が戦いに入った後に垂直方向から不意打ちさせる。攻撃を行いながら更に加速を続け、最後は砲弾として敵艦隊に撃ち込む。
「この速度なら、どれほど重厚な装甲でも耐えられません」
フランチェスカ・ヴァレンタイン
妙と言えば妙ですが… どちらにせよ、帝国艦なら墜とすだけですね
星海仕様のフルスペック鎧装で『ミルキーウェイ号』からテイクオフです
迷彩で自身の位置をジャミングしつつ、飛翔ビットを展開して火器管制レーダーへのデコイとしましょう
標的を誤認したまま放たれた隙間だらけの弾幕を縫うように、フルバーニアの空中戦機動で掻い潜り
弾幕を抜けるや否や、針路上の艦隊へ返礼の光子マイクロミサイルの乱れ撃ちなどを
「さあ、艦隊戦の次は白兵戦と参りましょうか…!」
UCを発動し、旋条の光跡を曳きながらのランスチャージで艦隊に突貫
慣性無視の異常機動で次から次へと艦体の中心部を穿ち、轟沈の多重奏を響かせて差し上げましょう、と
ルドルフ・エルランゲン
※絡み、アドリブ、大歓迎ばっちこい!
帝国の残党ですか。見たところ旧式艦がほとんどのようですし、昨年の戦役の事も知らないのかな?、辺境だと情報の伝播も遅いですしね。
艦載機は使わず母艦のブリッジから戦局を確認、味方にフォローや助言で援護する。
■心攻の計(wiz)
忠勇なる銀河帝国艦隊に告ぐ、降伏せよ。
諸君らが仕えるべき皇帝は既に亡く、銀河帝国は一年も前に瓦解した。これ以上の抵抗は無益である。
当方の解放軍は猟兵を中心とした精鋭部隊である。諸君らには万に一つの勝ち目も無い事は、交戦してわかった通りである。
速やかに武装解除せよ!
…って演説と同時に敵艦隊のコンピュータにハックして心とメカの双方から戦意を奪う
●艦隊戦その3
先に出撃した猟兵達の攻撃によって、帝国艦隊もだいぶん数を減らしてきている。
そして哨戒艦隊との決着を目指し、第3陣が出撃準備に追われていた。
「ふむ……この艦ならば十分母船としての人も耐えられましょう」
『ミルキーウェイ号』から貸し出された1隻の小型船の整備を終え、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は満足そうにしていた。
リゾート船である『ミルキーウェイ号』は、非戦闘艦ゆえに戦場へ直接向かうことはできない。だが、先に出撃した猟兵達と違い、今残っているメンバーは専用の宇宙船を持っていなかったので、『ミルキーウェイ号』に搭載されていた小型船を借りていくこととなったのだ。
「お疲れ様です。……しかしあなた。リゾートには向かわなかったようですが、良かったのですか?」
自分の装備とともに、小型船の整備もずっと行っていたトリテレイアに向かって、ルドルフ・エルランゲン(黄昏に抗う白梟・f03898)はそう声をかけた。
「リゾート……? 装備の最終チェックをしていましたので、そのような余裕はありませんでしたね。もっともあったとしても、この機械の身体でどこまで楽しめたか……」
身長3メートル近いウォーマシンのトリテレイアにとって、温泉も海水浴もあまり縁はないのだろう。決して水中活動に支障があるわけではないのだが。
「そういうあなたは楽しんできたのですか」
「いえ、私は到着が遅かったもので残念ながら」
逆に問うトリテレイアに、ルドルフは苦笑気味に返した。こちらはグリモア猟兵から転移してもらうタイミングが遅れて、リゾートを楽しめる時間帯でもなかったらしい。残念そうに肩をすくめていた。
「なんだ、勿体なかったな、2人とも。男は俺1人だったから、ちょっと肩身が狭かったんだぜ?」
そこにやってきて声をかけたのは、涼風・穹(人間の探索者・f02404)だ。
愛用の宇宙バイク『スカーレット・タイフーン・エクセレントガンマ』を小型船に積みこむためにやってきたらしい。
ちなみにリゾートの間、男性猟兵が彼1人だったのは本当だ。だからこそ彼はフルフロンタルで一人楽しめていたわけではあるのだが……まぁ、女性陣に混ざらなかったのもまた事実。
「それは申し訳ない事をしました。無事に終わったら、帰りはご一緒しましょうか」
「ええ、その時はぜひ。遠慮せずに遊びに来るといいですよ」
ルドルフに続けるように、フランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)も言葉を交わす。ちなみに当たり前だが、フランチェスカの格好は、紐同然の水着ではもちろんなく、それでもその大ボリュームがはっきりとわかるフィルムスーツ姿だった。なので声をかけられたルドルフも穹もなんとなく視線はそらしていたりする。
「もっとも、その前に今回の仕事をきちんと終わらせないといけませんわね」
そして、そう言いながら最後にやってきたのはドロレス・コスタクルタ(ルビーレッド・f12180)だ。この5名が、第3陣として小型船に乗って出撃するメンバーだ。
「では、行きましょうか」
ドロレスの言葉を合図に、全員小型船に乗り込み、『ミルキーウェイ号』から発進していくだのった。
「見えましたね。あれが帝国残党の艦隊ですか」
小型船が発進して間もなく、目視でも敵艦隊が確認できるようになった。もちろんまだ見え始めという事で遠目ではあるが……それだけでもわかることはある。
「見たところ旧式艦がほとんどのようですし、昨年の戦役の事も知らないのかな?
辺境だと情報の伝播も遅いですしね」
ルドルフの口から出たのは、率直すぎる感想だった。
先行して戦っている猟兵達のおかげで、艦隊の数そのものは減ってはいるのだが、その際に新鋭艦ばかりが迎撃に向かっていたという事もないだろう。全体的な艦の傾向は変わらないはずだ。つまり、旧式艦。確かに辺境に配備されるとしたら妥当ではあるが。
「それにしてもこの距離まで来ても何のリアクションもないんですね。
妙と言えば妙ですが……どちらにせよ、帝国艦なら墜とすだけですし」
フランチェスカの言うとおり、こちらから見えるという事は向こうからも見えているという事だ。にもかかわらず、何の通信なども入れてこない。これは先行した猟兵達も抱いた疑問ではある。
「ふむ……ならばまずは、こちらから接触してみましょうか」
ルドルフはそういうと、オープン回線で敵艦隊へと呼びかけを開始した。
『あー。テステス。
忠勇なる銀河帝国艦隊に告ぐ、降伏せよ』
第一声から、何の前置きもない降伏勧告であった。
「ストレートだな」
「まぁ、それくらいの方がかえっていいのかもしれませんわね」
穹もドロレスも、とりあえずはこの成り行きを見守っている。
「諸君らが仕えるべき皇帝は既に亡く、銀河帝国は1年も前に瓦解した。これ以上の抵抗は無益である」
ルドルフはさらに、残党軍へと言い聞かせるように語り掛けていく。
「当方の解放軍は猟兵を中心とした精鋭部隊である。諸君らには万に一つの勝ち目も無い事は、交戦してわかった通りである」
実際、先行していった猟兵達によって、迎撃に向けた艦隊は壊滅し、残された艦は少ないのだ。これ以上戦ったところで、全滅するのは目に見えている。相手も真っ当な戦術眼を持っているのならば、そう考えるはずだが。
「反応ありませんね? そんなにもあの背後の拠点が大事なのかしら?」
「拠点……確かに惑星状の物体ですね」
フランチェスカとトリテレイアは、ルドルフの呼びかけにも反応しない艦隊よりも、その背後に見える『惑星』に視線を向ける。
「故郷で謎の敵性存在の出現の報が気になり作戦に参加しましたが……あの惑星状の物体は、いったい何なのでしょうね」
「少なくとも、本当の惑星でない事だけは確かなようですわね」
このあたりの宙域に恒星は存在しない。ならば惑星があるとしたら銀河を直接公転する自由浮遊惑星という事になるが……球形を保っている割にはその大きさは小さい。小惑星程度の大きさに、分厚い大気層らしきもの。近くで見ても、自然の天体とは思えなかった。
だが、艦隊は確かにそれを守るように配置されている。
「繰り返す。速やかに降伏し、武装解除せよ!」
ルドルフは降伏勧告の言葉を最後まで言ったが、それでもやはり敵艦隊からの返答はなかった。
「……やれやれ、どうやらまともに意思のある船員は乗っていないのかもしれませんね?」
「かもなぁ……何のリアクションもないってのは、リアクションできる奴がいないってことはあり得るぜ」
やれやれと肩をすくめるルドルフの言葉に、穹も同意する。
「ならばあとは武力で制圧するだけですね。それでは出撃しましょうか」
「そうですね。どうやら向こうも動き出したようです。勧告に対する返答というより、我々が近付いたから自動的にという感じですが」
ドロレスとトリテレイアはそういうと、迎撃のために小型船の外に向かう。
「わたしたちは出撃しますが、貴方はどうします?」
ある意味一番の見せ場の終わったルドルフに、フランチェスカはそう尋ねたが、ルドルフはにやりと笑って返すのだった。
「私はここであなた方の支援をしていますよ。なに、私の言葉を聞く相手は、人間とは限りませんからね」
「涼風穹、スカーレット・タイフーン・エクセレントガンマ、出る!」
やはり出撃の時にはこれは外せないという言葉とともに、穹を乗せた宇宙バイクが小型船のデッキから漆黒の宇宙空間へと出撃していく。
そしてその後に続くように、自前の星海仕様のフルスペック鎧装を纏い高速で飛び出していくフランチェスカと、機械馬に騎乗して宙を駆けるトリテレイアと、ユーベルコード【Danse Macabre】で生み出した数多のドローンと共に飛行するドロレスが次々と飛び出していった。
謎の『惑星』の近海にいる最後の帝国残党艦隊との戦いの火ぶたが切って落とされたのだ。
「さて、勧告を続けますかね?」
一人小型船の中に残ったルドルフは、今度は本当に降伏を促すためではなく、ただ聞かせるために、先程と同じ言葉を繰り返していく。
この言葉はユーベルコード【心攻の計】によるものだ。
相手が返答はしてこないからとはいえ、何らかの形で艦を動かす人間は中にいる事だけは間違いない。そんな人たちの心に、自分たち猟兵には勝てないという気持ちを植え付けていく。
更に同時にルドルフは、小型船の設備を利用して敵艦隊へのハッキングも仕掛けていた。
心へのダメージと制御システムへのダメージ。
その2つを同時に与えるように、ルドルフは1人船内から攻撃を続けていく。
「はっ。狙いが甘いぜ。それともルドルフの旦那が何かやらかしたか?」
穹の乗る宇宙バイクは、先陣を切って敵艦隊へと突っ込んでいった。
哨戒艦とはいえ宇宙戦艦だ。まともに正面から撃ち合いになったらはなから勝ち目はない。だからこそ穹はその機動力を活かし、先陣を切って敵艦隊の懐へと飛び込んでいく。
飛んでくる対艦ミサイルや迎撃用の徹甲弾の弾幕を小回りの利くバイクの機動でかわし続けながら艦隊の懐を目指していく。
なお、穹の推測はあたり、ルドルフのハッキングでそもそも敵艦の照準が狂い始めているのも、穹を懐に潜り込ませる要因になっていた。
「艦隊線の基本は、敵艦隊の攻撃機会を最小にすることです」
ドロレスは、己は正面から突っ込んでいくが、汁は対象に召喚したドローンの約半数は既に進路を変えていた。別動隊として大きく迂回する指令を与えていたからだ。
本人は穹のあとをついていくような高速機動で正面から向かっていく。
もちろん迎撃の攻撃はくるのだが、それはルドルフのハッキングにより照準に狂いが生じている攻撃で、小さな目標であるドロレスはおろか、その周りのドローンにも攻撃を当てることはできていない。そしてドロレスは、小回りの利く身体を最大限に活かして、敵の正面からの攻撃を寸前でかわすと、そのまま足を止めずに艦隊の側面へとまわっていく。
艦隊もそれにつられてドロレスを追うように主砲や機銃の類を旋回させるが、それでもドロレスの速度をとらえきれない。
更にそうして艦隊行動が乱れた所を今度は穹の宇宙バイクが駆け抜けていく。艦同士の隙間を縫うように駆けまわる穹のバイクに、艦隊からの攻撃ははいるのだが……相手が小さな目標で、しかもハッキングにより照準がくるっているとなるとどうなるか。
答えは、自分たちで放った攻撃が仲間に誤爆するという事だ。
そして同じように敵艦隊の中を飛び回って注意を引いていたドロレスは、迂回させていたドローン群が戦場に……艦隊の垂直方向に出現したのを確認し、行動に移る。
「この速度なら、どれほど重厚な装甲でも耐えられません」
そして号令とともに、ドローン群はそのまま質量弾と化して艦隊の機関部を狙い撃ちするように特攻していった。
「ついでにこいつももっていけ!」
さらにドローンが開けた装甲のひび割れめがけて、穹が【癌作者】で作り出した敵艦の主砲……の携帯サイズの小型ビーム砲が放たれる。ビームは狙い違わず艦の機関部を撃ち抜いていくのだった。
漆黒の空間を、鋼の馬に乗った騎士……トリテレイアが駆けていく。
艦隊から放たれたミサイルが、トリテレイアを狙って放たれるが、それは彼自身がばらまいたチャフと、そしてルドルフのハッキング等による妨害もあって、まるで方向違いに飛んでいく。
「小回り効かぬミサイルなど、見切ることは難しくありませんね」
たまに正確にトリテレイアを練るミサイルがあったとしても、そんな散発な攻撃は、余裕で避けられていく。
それは鎧装で飛んでいるフランチェスカの方でも同じこと。
自身は迷彩のジャミングにて姿を隠し、デコイとしてビットを周りに浮遊させながら高速飛行で宙を駆けていくフランチェスカにも、ミサイルや弾幕は降り注いでいる……が、狙いも定まっていない散発的で隙間だらけの弾幕など、速度を落とさず高速のままの飛行でも、すりぬけるのは容易い。
時折反撃のマイクロミサイルを放って、敵艦から来るミサイルを相殺などしていくうちに、艦隊との白兵戦距離まで近づくことができていた。
「さあ、艦隊戦の次は白兵戦と参りましょうか……!」
「ええ。……この艦隊に搭乗員が存在しているのか……この突撃で判明するでしょう」
フランチェスカとトリテレイアは、互いに頷くと、それぞれが狙いを定めた敵艦へと急降下攻撃を開始した。
フランチェスカは、【天つ煌めき 翔け穿つもの】を発動し、さらに加速していく。それは慣性を無視して直線的に折れ曲がるジグザグの機動を描きながら、敵艦のブリッジへと飛び込んでいく。
トリテレイアは、艦の直上に位置すると、そこから【艦船強襲用超大型突撃機械槍】の力でロケット噴射、加速して一気に艦橋へのランスチャージを敢行していく。
フランチェスカの光の槍とトリテレイアの機会の槍。物は違えで、奇しくも同じような考えから放たれたランスチャージが艦橋を貫いて、そしてそのままの勢いと速度で艦の中枢にまで槍で貫いていく。
崩壊したブリッジからは、宇宙服を着た人影らしきものが飛び出していった。
「無人ではなかったのですね?」
「……でも、まともじゃないのも確かみたいですわね」
ブリッジを破壊されて宙にこぼれていく人たち……だが、それを見ているはずの他の面々からもなにも反応はないのだ。
「どうやら……艦を動かすための最低限のパーツ扱いとかのようですね」
「だとすると、それを仕掛けたのは……あの『惑星』らしきものでしょうか」
現状はあくまでも推測でしかない。
だが2人はそう確信すると、そのまま自ら破壊したブリッジを蹴って、次々と艦隊にランスチャージを仕掛けていくのだった。
「そうですか……降伏勧告に応えられるものがいればよかったのですけどね」
通信で報告を聞いて、小型船の中のルドルフはため息をつく。
渾身の降伏勧告にそもそも言葉として反応してくれる相手がいなかったのは少々がっくりくる。
が、そもそもがその降伏勧告は、言葉を受け入れることは必要ではない。あくまでも言い聞かせてこちらに対する恐れの感情を植え付けるのが目的なので、相手が反応のない人形のような存在でも目的ははたしていたのだが。
「まぁ、いいでしょう。さて、そろそろ艦隊は壊滅しますが……あの『惑星』モドキはどうなりますかね?」
ルドルフの言うとおり、ほどなくして帝国残党艦隊は壊滅し、猟兵達は謎の『惑星』へと近づいていくのだった。
大成功
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第3章 ボス戦
『惑星ペトラー』
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POW : 星の晩餐
自身の身体部位ひとつを【超重力で対象を吸い寄せる、惑星規模】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
SPD : 星の衣《デブリ》
戦場全体に、【秒速Lv×1kmで乱れ飛ぶ人工物の残骸片】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ : マテリアルスウォーム
【自身に埋蔵されている膨大な量の鉱物】から【創造した、人間と猟兵を狙う浮遊兵器の群れ】を放ち、【Lv×100体の光線・突進・自爆の大攻勢】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:V-7
👑7
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●惑星の正体
帝国残党軍と思われた艦隊を壊滅させた猟兵達。
その最中に分かったことは、その艦隊に乗っていた人達は、どうやら意識を失い人形のようにされていたらしいというのが判明した。
となると、そんなことをした犯人はただ1つ。
目の前に浮かぶ『惑星』だ。
直径数キロ程度の大きさの小惑星サイズながら、地球型惑星のように見える『惑星』には、しっかりと大気の層らしきものがあり……そして、その大気の層がまるで人の顔のように表情を作っていた。
《お前たち……人間か?》
『惑星』表面の『顔』が口を開くと、男とも女ともつかないエコーのかかった声が、猟兵達の脳裏に直接響いてくる。
《我が駒を、よくも》
どうやら、この『惑星』は、自分自身をただの惑星のように思わせて宇宙船をおびき寄せ、それを捕えていたというところか。
帝国残党軍は、自分たちの拠点にしようと惑星に集い、そしてその惑星に襲われてああなったのだろう。
そんな手駒を失った『惑星』が、猟兵を敵と見定めて自ら動き始めた。
《我が名は、ペトラー。人を喰らう惑星なり》
その『声』からは、人間への強烈な憎しみが伝わってくるようだった。
鈴木・志乃
大方、人間にボロボロにされた星ってところか。
……確かSSWは銀河帝国のせいで居住可能惑星を全て滅ぼされたんだったか。猟兵になって初めてグリモアベースに来た時、そんな説明を聞いたと思ったんだけど。
ごめんと言って許されるなら復讐って言葉は存在しないね。
……種の保存の為に全力で自己防衛させてもらうよ。
オーラ防御展開。
早業高速詠唱全力魔法でUCを発動。
敵の浮遊兵器どころかその鉱物すら剥がし、壊し、私のものとする。
愚かな人類らしい行動でしょう?私ヒトじゃないけど。(精神攻撃)
さあ、一切合切を星に叩きつけよう。何度も、何度でも。
無機物なら私の思うがまま。衝撃波ごとなぎ払い攻撃する。
むなしいね、世界って。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
帝国の方々も或る種の犠牲者、ということですかねぇ?
お相手させていただきますぅ。
これ程大きな相手ですと、まずは懐に入りたいですねぇ。
【翳華】を使用、体の一部をブラックホールに変換して『超重力』を或る程度相殺しつつ利用し、飛び込ませていただきましょう。
その上で、相手が「噛みつき」の為に口を開きましたら【翳華】の変換部位を「全身」に変更しますねぇ。
土星サイズの質量を圧縮した場合の大きさが、丁度「人間大程度」とされますから、全身をブラックホール化した状態であれば、仮に相手が地球程度の質量が有ったとしても此方が遥かに上回りますぅ。
後はそのまま、出来るだけ「食べて」しまいますねぇ。
織笠・アシュリン
【恋華荘】
惑星の、オブリビオン!?
SF小説であったような……ううん、もっと直接的な、アレは怪物だね!
それでも、みんなが一緒だから、負けないよ!
まずはアイや理緒の艦の直掩に回るよ!
「さっきの艦隊より更にサイズ比がおかしいっ!?」
今回は宇宙服で駆け回り、少しでも艦から敵を引き離すように【おびき寄せ】る!
「こっちでも分かることがあるかもしれない……スー、気を配って!」
スーと二人でできる限り前線から【情報収集】して、それも後方に送る!
少しでも足しになるかな?
って、制御が効かない!?
「なんてねっ!」
敵の超重力を奇貨に、逆に突撃! 理緒やセナの攻撃に合わせて【呪弾装填】を叩き込む!
「神樹形態、行けぇっ!」
セナ・レッドスピア
【恋華荘】
艦隊の向こうの惑星が、オブリビオン…!?
クエーサービーストに匹敵、あるいはそれ以上のスケールの相手…
でもそれを考えたら、そんな大きさの敵だって倒せたんですし
みんなで力を合わせれば…!
向かってくる浮遊兵器から
みんなや理緒さんとアイさんの艦を守るために
自爆には注意しつつ迎撃に向かい
そこから刻印での攻撃で撃破した敵を血に換え【吸血】
刻印覚醒「血力励起」を発動させます!
そうやって戦闘力を出来るだけ増強していったら
猟銃形態に変えた血槍を
理緒さんの艦に【武器改造】を利用して接続
戦闘力強化をリンクさせ
私の猟銃と理緒さんの艦砲からの同時射撃で
理緒さんが解析してくれた
敵本体の弱点を攻撃します!
菫宮・理緒
【恋華荘】
要塞だと思ってたら、意志をもった惑星だったか。
ガイア理論のとはちょっと違う感じだけどね。
まずは少しずつ削っていくことになると思うけど、
闇雲に撃っても効きそうにないし、弱点を解析して、
そこにみんなで攻撃を集中していきたいな。
セナさんやみんなが体勢を整えるまでは【援護射撃】でフォロー。
「鬼さんこちら、火の吹くほうへっ!」
引き続き【E.C.O.M.S】も使って、
自爆するならこちらへ到着する前にさせてしまおう。
攻撃の準備が整ったら、セナさん、アシュリンさんといっしょに同時射撃。
相手の弱点を狙って、しっかり撃ち込んでいきたいと思うよ。
「トリガータイミング、シンクロ。セナさんに合わせるよ-!」
ミスタリア・ミスタニア
おいおい、マジかよ
これは流石に予想外だぞ?
こりゃもう殆どクエーサービーストだろ
クエーサービーストもそうだが、オレは対艦は想定しててもこんなデカブツ相手を想定した火力なんざ持ってねぇぞ
あぁもう、やるしかねぇか!
ハッ!惑星相手だろうとオレのやることは変わらねぇな
捨て身の突撃で噛みついてくるのにカウンターかましてやる!
メガビームランチャー、出力リミッターカット、ジェネレーター最大稼働っ!エネルギー充填開始ぃ!
口の中に飛び込んで、対艦用パイルバンカー連続作動っ!限界までバンカーつい尽くしたら、メガビームランチャー・オーバードライブだぁ!ゼロ距離でぶっ放すっ!
おらぁ!これがオレの、切り札だぁぁぁ!
アイ・リスパー
【恋華荘】
「惑星型生命体!?
……いえ、惑星型オブリビオンですか!」
あの巨体相手では普通の攻撃は効果が薄いでしょう……
「ここは敵の攻撃を利用させてもらいます!」
ティターニアに乗ったまま【チューリングの神託機械】で情報処理能力を向上。
【ラプラスの悪魔】によるシミュレーションで敵が発生させたデブリの軌道をシミュレーションします。
「全デブリの軌道シミュレーションを完了。運動ベクトルコントロール開始」
【バタフライ効果】でデブリにわずかな運動ベクトルの変化を与え、最終的には全てのデブリが超高速で惑星生命体に向かうようにデブリの軌道をコントロールします。
「自らが生み出したデブリの雨に晒されるのですね!」
トリテレイア・ゼロナイン
敵性存在だとは聞いていましたが、確かにあれは共存不可能に思えますね
幾ら知能が高かろうと知的生命体の捕食を公言されては…
それにしてもここ一年は他世界の驚異に驚くばかりでしたが、なかなかどうして私の故郷も捨てたものでもありませんね
マルチセンサーで●情報収集、超重力の離脱限界範囲を●見切りながら惑星周囲を●騎乗した機械馬で旋回
しかし私単騎では如何せん火力不足…
なので、手近な物を使わせて頂きましょう
旋回時にばら撒いたUC発振器を一斉起動し一旦離脱
あの不自然なUCの重力を自らの身体が自壊・崩壊する域にまで更に強化されれば使用どころでは無いでしょう
ダメージを負った相手へ突撃し●怪力で振るう槍で解体粉砕
涼風・穹
……惑星相手にどう戦えと…?
どこかの謎エネルギーを使う赤いロボットみたいに惑星を真っ二つに、なんてのは俺には無理だぞ…
まあ惑星そのものを破壊するのとペトラーを無力化するのとが同義とも限らないし、取り合えず地表(?)でも削ってみるとしますか…
《贋作者》で信管を抜いたミサイルを多数作成
近辺に漂っている戦艦の残骸にブースター代わり取り付けてから点火させる
そして戦艦の残骸を加速させてペトラーへ突っ込ませる
戦艦の残骸がなくなればその辺りの隕石を同じように惑星へ落とす
ま、アクシズ落としかコロニー落としの真似だけどな
戦艦や隕石の質量に宇宙空間で得た推力や重力加速度まで加われば地表衝突時には結構な威力だろうぜ
ドロレス・コスタクルタ
アドリブ&絡み歓迎
「これほどの巨体なら狙いをつけるのに苦労することはありませんね!」
惑星サイズの敵に超重力で吸い寄せられ、且つ食らいつかれるの攻撃は、圧倒的な彼我のサイズ差もあり避けるのは無理でしょう。逆に、標的が勝手に近づいてくると考えればいいのです。こちらは標的に向かって己の放てる最大の攻撃を撃ち込むのみ。
文字通り大口を開け迫り来る敵に向かってUC発動。
「地上では威力がありすぎて使いづらいですが、星を貫くにはもってこいです」
超高温熱線により噛みつこうとした頭部はもちろん、惑星本体の大気を消し飛ばし、海を蒸発させ、地殻を溶かし、星の核まで砕けとばかりに最大出力で放つ。
フランチェスカ・ヴァレンタイン
擬態どころか、生きた惑星ですかー…
……クェーサービーストとやり合ったあとですと、ええ。正直申し上げてインパクトは弱いですね?
衛星軌道上を超重力を振り切るフルバーニアの空中戦機動で周り、反物質弾頭のマイクロミサイルを乱れ撃って広範囲にばら撒いていきましょう
機動の切り返しの際に地表へ向けての大出力砲撃なども
頃合いを見て超重力の圏外へ離脱し、ペトラーへ向けた4門の砲口すべてにUCの仮想砲身を最大展開
更に、増幅器に変形させた飛翔ビットをその延長上に環状に連ねて配置
対艦砲撃を対星に拡張しての超過出力の超重力砲――どうぞ存分に、召しあがれ?
「グラビトン――エクス、ブラスタァァァッッ!!」
●惑星攻略戦
それぞれに旧帝国の哨戒艦隊を壊滅させてきた猟兵達が、惑星ペトラーの近海へと終結してきていた。
帝国艦隊との激しい艦隊戦を制し、そしてさらに敵拠点を攻略せんとやってきたのだが……拠点と思われたそこは、要塞でも惑星でもない。さすがにこれは、事前にグリモア猟兵から敵性存在だとは聞いていたが、あまりにも予想外過ぎる存在だった。
この場に最初に集ってきたのは、恋華荘から来た5人の少女たち。
「おいおい、マジかよ……これは流石に予想外だぞ?」
先頭にいて、驚いた声を上げているのはミスタリア・ミスタニア(宇宙を駆ける翠の疾風・f06878)だ。
「要塞だと思ってたら、意志をもった惑星だった……?」
「惑星型生命体!? ……いえ、惑星型オブリビオンですか!」
続けて飛んできたのは2隻の小型の宇宙船。小型宇宙船『リオ・セレステ』を駆る菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)と、同じく小型宇宙船『ティターニア』を駆るアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)の2人だ。
「惑星の、オブリビオン? SF小説であったような……ううん、もっと直接的な、アレは怪物だね……」
2隻と並走するように『箒』に跨って飛んでいるのは織笠・アシュリン(魔女系ネットラジオパーソナリティ・f14609)だ。その箒にはもう1人、セナ・レッドスピア(blood to blood・f03195)も跨っている。
「艦隊の向こうに見えた惑星が、オブリビオン……クエーサービーストに匹敵するスケールの相手……」
「てか、こりゃもう殆どクエーサービーストだろ。クエーサービーストもそうだが、オレは対艦は想定しててもこんなデカブツ相手を想定した火力なんざ持ってねぇぞ?」
大きさ的にはどうしてもクエーサービーストを連想してしまうのだろう。セナの呟きに、ミスタリアも頭を抱えてしまう。
「あの巨体相手では普通の攻撃は効果が薄いでしょうね……」
いったいどう攻撃すればいいのか、アイも思案気味で、必死に万能コンピュータにアクセスして打開策を検索していた。
そうして恋華荘組の5人が惑星近海で休止していると、他の戦場からも次々と猟兵が集まってくる。もちろんいずれも、惑星そのものが敵という状況には戸惑いを隠せないわけだが。
「擬態どころか、生きた惑星ですかー……」
「……惑星相手にどう戦えと……?」
呆然と呟くのは、自らの鎧装で飛んできたフランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)と愛用の宇宙バイク『スカーレット・タイフーン・エクセレントガンマ』に跨ってやってきた涼風・穹(人間の探索者・f02404)の2人だ。
「これほどの巨体なら狙いをつけるのに苦労することはありませんね!」
そのすぐ傍らでドロレス・コスタクルタ(ルビーレッド・f12180)は、割と楽しそうな口調でそんなことを言う。
確かにそれはその通りではあるのだが……穹は即座にツッコミを入れるのだった。
「それはそうだけど、だからって当たるだけじゃねぇ? どこかの謎エネルギーを使う赤いロボットみたいに惑星を真っ二つに、なんてのは俺には無理だぞ……!」
穹が思い出していたのは、アニメか何かで見た伝説の巨神の事か。確かにそれならば、こんな小惑星サイズどころか、本当の惑星サイズでもぶった切っていたが……もちろんこの場にそんな伝説級のロボがあるわけでもない。この場にいるロボといえば、3メートル級のウォーマシンのトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)くらいだ。
「残念ながら私は赤くもなければ、星を斬ることもできませんが。
それにしてもここ一年は他世界の驚異に驚くばかりでしたが、なかなかどうして私の故郷も捨てたものでもありませんね」
確かにトリテレイアも惑星のようなオブリビオンなど見るのは初めてだろう。
「個人的には、クェーサービーストとやり合ったあとですと、正直申し上げてインパクトは弱いような?」
それでも、フランチェスカにとっては、クェーサービーストの方が印象に残っているのか。どちらにしても大きさ的にはほぼ同じくらいの敵だ。
「しかしまぁ、敵性存在だとは聞いていましたが、確かにあれは共存不可能に思えますね。幾ら知能があろうと知的生命体の捕食を公言されては……」
「ということは、帝国の方々も或る種の犠牲者、ということですかねぇ?」
トリテレイアの呟きに答えたのは、己のユーベルコードで生み出した『祭器』の宇宙船に乗ってやってきた夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)だ。
先ほどまで戦っていた帝国艦隊は、この惑星ペトラーに囚われ操られていた様子だった。推測ではあるが、恐らく間違いはないだろう。
「いやー、どうだろ? ……確かスペースシップワールドは銀河帝国のせいで居住可能惑星を全て滅ぼされたんだったか」
るこるの『祭器』の上に同乗している鈴木・志乃(ブラック・f12101)は首を傾げた。ペトラーから伝わってくるのは人間への憎しみ。だとするとそれを与えた人間というのはもしかしたら、帝国のせいなのかもしれない。
「大方、人間にボロボロにされた星が元ってところかな?
だけど、まぁ、ごめんと言って許されるなら復讐って言葉は存在しないね」
星が人間を憎むようになるなんて、いったい何があったのか。詳しい事情など想像もつかないが、だからといってその恨みを自分たちが受けるいわれもない。
「そうですねぇ。お相手させていただきますぅ」
どう戦えばいいかはさておき、まずは戦いの意思を。るこるがやんわりと宣戦布告をすると、それに答えるかのようにペトラーも猟兵達に強力な思念の声を飛ばしてくるのだった。
《来るか……人間ども……滅ぼしてくれる》
「ごめんだね。……種の保存の為に全力で自己防衛させてもらうよ」
そして志乃がさらに言葉を返し、それを機に戦いが開始されるのだった。
《滅びるがいい……人間ども》
強烈な憎悪の思念と共に、惑星ペトラーから続々と機動兵器が打ち上げられてくる。
いや、正確には、自らの鉱物資源を使い、帝国艦隊を模した無人兵器を想像して送り出しているのだが、絵面だけ見ればまるで地上の基地から兵器を打ち上げているような様にも見えるのだ。
直径数キロ程度の星の、ほんの数十メートルの大気圏から打ち上げられる、数百メートル級の宇宙船。ペトラーのマテリアルスウォームによって生み出された駒たち。
「さっきの艦隊より更にサイズ比がおかしいっ!?」
常識ではありえない光景に、仲間の宇宙船の直衛についていたアシュリンの悲鳴が上がる。
「あぁもう、やるしかねぇか!」
「ええ、みんなで力を合わせれば……!」
ミスタリアとセナも、覚悟を決めてマテリアルの宇宙船群を迎え撃つ。
「鬼さんこちら、火の吹くほうへっ!」
もちろん、3人が直衛についていた『リオ・セレステ』の理緒だって、黙って守られているばかりではない。【E.C.O.M.S】で呼び出した八角形のユニット群を使い、向かってくるマテリアルの駒たちにを迎撃し、前衛の3人の援護攻撃をしていく。
3人は3人で先程の艦隊にしたのと同じように、小回りを利かせてそれを迎え撃っていた。いや、3人だけのわけはない。トリテレイアやドロレスやフランチェスカに、宇宙バイクに跨る穹などもそれぞれに迎撃を開始しているし、アイの『ティターニア』やるこるの『祭器』だって支援砲撃は欠かさない。
そして志乃も。
「今一時銀貨の星を……!」
志乃もまた、帝国艦隊相手にやったように、無機物を浄化する風を吹かせていく。帝国艦隊戦と違うのは、それが発したミサイルや弾に対してするのではなく、ペトラーの駒として動いているマテリアルの宇宙船そのものを消し去っていっているという事だ。
「無機物なら私の思うがまま。剥がし、壊し、私のものとするよ」
愚かな人類らしい行動でしょう?と志乃は嘯くのだった。
「……スー、どうしたの?!」
そんな乱戦の最中、黒猫の使い魔のスーからの情報を受けたアシュリンの疑問が飛ぶ。彼女は自ら『箒』で動き回ってマテリアルを引き付けるとともに、使い魔スーを通じて情報を後方の理緒やアイへと送っていたのだが……そのスーが敵艦の自爆に巻き込まれてしまったようだ。
「自爆?! みんな気を付けて!」
「理緒さんたちの所に行って自爆される前に……何とかしないとですねっ」
セナはマテリアルの自爆を警戒しつつも、自らの槍で撃ち倒した敵艦を【刻印覚醒「血力励起」】にてちと変え、己の力へと取り込んで更に迎撃に向かっていった。
しかし、いくら前衛組が迎撃しても、敵の数は減ろうとしない。
それどころか、破壊した敵マテリアルの残骸以上に、あたりに漂う残骸……スペースデブリが多すぎる。
「……そうか。先の戦いの残骸もこの宙域に集まってきているのか」
機械馬に跨り高速で旋回しつつマテリアルを屠っていたトリテレイアが、まず最初にそれに気づいた。
「こうなると残骸も増える一方ですわね。消し飛ばすにもきりがない……!」
フルバーニアの空中戦機動で動き回り、反物質弾頭のマイクロミサイルを乱れ撃ちながら、フランチェスカも呟く。広範囲にばら撒かれたミサイルは、命中する端にデブリを消し飛ばしているのだが、明らかにデブリの増える量の方が上回っている。
そう。戦場となったこの宙域には、先程までの艦隊戦によって破壊された帝国艦隊の残骸がスペースデブリとなって大量に漂ってきているのだ。
それはただ、漆黒の闇の中を漂っているだけ……だったのだが。
《駒たちの残骸の中で……惑うがいい》
いつの間にか惑星ペトラーの重力に操られているのか、辺りを漂うデブリがまるで意思を持つかのように動き出し、11人の猟兵達が集っている空間を覆い隠すように集まってくる。
星の衣。デブリ。ペトラーがその超重力で帝国艦隊の残骸を高速で操り、無軌道に動くデブリの檻の中、迷路の中へと猟兵達を閉じ込めていく。
「おい、さっきの艦隊よりよっぽど早くねぇか?」
バイクに乗ったままの穹が悲鳴を上げる。
ひとつひとつが秒速数㎞どころかそれをはるかに超える高速で動き回り、僅かでも触れたら宇宙船も宇宙服も瞬く間に破壊されてしまう破片たち。猟兵達もその場に釘付けにされて下手に動くことはできない。
「これは、ちょっと、うごけそうにないですねぇ……」
隙あらば懐に飛び込みペトラーに接近しようと『祭器』を動かしていたるこるも、その破片の造りだす迷宮で動きを止めるしかなかった。
……だが、その攻撃は予測していたものがいた。
「来ると思っていました! その攻撃を利用させてもらいます!」
アイだ。
たとえそれがどんなに高速で動いていようが、物理法則に従う動きならば、初期位置とい移動のベクトルさえわかっていればいくらでも計算で軌道は導くことができる。
ましてやアイの万能コンピュータならば、膨大な軌道予測さえ、デブリの動きを越えるナノセカンドでのシミュレーション演算さえこなせるのだから。
アイは、ティターニアに乗ったまま【チューリングの神託機械】で情報処理能力を向上し、更に【ラプラスの悪魔】によるシミュレーションでデブリの機動を完全に把握していた。
「全デブリの軌道シミュレーションを完了……あとは運動ベクトルを変化させれば……!」
シミュレーションを終えたアイは、そのデブリのどこに力を加えれば、起動が変化し、アイの望む方向へと動き出すのかがわかっている。だが、アイの力だけでは、その計算結果を実行するにはまだ時間がかかる。
だが、その時間を稼ぐのは、同じ恋華荘の仲間たちだ。
「セナさん、アシュリンさん、こっちはOKだよー!」
「私の方もいつでもいけますっ」
セナは、血として十分に力を取り込んだ槍を猟銃形態に変形させ、『リオ・セレステ』へと接続し、その飢えで狙撃体制になっている。そしてそんな2人に同期するように『箒』を狙撃銃の形態にして【呪弾装填】しつつ並走するアシュリン。
「トリガータイミング、シンクロ。セナさんに合わせるよ-!」
「はいっ、行きますっ!」
「こっちも合わせて……神樹形態、行けぇっ!」
デブリの迷宮の入り口……惑星からマテリアルが打ち上げられる部分、そこを狙っての3者の一斉砲撃。
それは狙い違わず、デブリの迷宮の入り口の中心点を撃ち抜き、惑星ペトラーの影響を打ち消していった。高速で動いていたデブリが、急に力を失ったかのように漂い始める。操りやすくなっていく。
《なんだと……駒を、操れぬ
……?!》
「よしっ。これでもう、デブリはジャマにはならないはずだよー!」
己の力を一部かき消されたペトラーの驚愕の思念が響く。
逆に仕事をやり遂げた理緒の声は明るく弾んでいた。
「ありがとうございます、理緒さん。ならばここからは私の出番です!」
アイは己の持てる電脳魔術の力を駆使し、ペトラーの影響から離れたデブリに次々と指向性を与えていった。
さらにそこに穹が声をかけた。
「なら、ついでにこれももってってくれ! できるよな?」
穹が用意したのは【贋作者】の力で生み出したミサイル群。より重要なのはそのミサイルの持つロケットエンジン。
「使わせてもらいます。運動ベクトルコントロール開始……!」
そのロケットエンジンの噴射を加えることで、漂うデブリの運動ベクトルを望むように変化させ、やがてアイの計算通りに、帝国艦隊の残骸のデブリ群は、次々と惑星ペトラーへの突入軌道をとって落ちていく。
「つまりは、アニメで言う所の何とか落としの真似事ってわけだ!」
「自らが生み出したデブリの雨に晒されるのですね!」
地球型惑星と言いつつも大きさはせいぜい小惑星規模のペトラーだ。
その大気圏だって、通常の地球型惑星と違い何十キロメートルもある訳はない。せいぜい数十メートルの厚さしかない。ならば、そこに大量のデブリが落ちていけば、大気圏で燃え尽きるなどという事もなく、落下速度そのままに星の表面へと突き刺さっていく。
「よーし。なら私も。一切合切を星に叩きつけよう。何度も、何度でも」
それに便乗して志乃も、自ら分解し操る無機物たちを、アイの贈りだした艦隊落としに便乗させ、ペトラーの地上へと叩きつけていった。
《なんだと
……?!》
そしてこの艦隊落としは、最終的にデブリでできた迷路の唯一の出口……すなわち惑星ペトラーへと向かう突入コースを示唆していた。ペトラーの足掻きか、大気圏に突入するデブリを迎え撃とうとマテリアルを打ち上げてくるが……それはアイたちが落としていくデブリと相殺され、出口の当たりにただ漂う事になる。
「ならば、あとはこの邪魔なものを消し飛ばせばいいのですね」
その残りに対して、フランチェスカがその鎧装にある4門の砲口を、さらには【虚空を拉ぎ 圧し砕くもの】によって生み出された仮想の砲身を最大に展開した。更に、増幅器に変形させた飛翔ビットをその射線上に連ねて展開し、対星の域にまで拡張した超過出力の超重力砲を解き放つ。
「どうぞ存分に、召しあがれ?
グラビトン――エクス、ブラスタァァァッッ!!」
この一撃でデブリの迷宮は完全に消し飛び、猟兵達は惑星ペトラーへ向けてさらに近づいていく。
《人間ども……ならば……我が重力に押しつぶされるがよい……》
ペトラーへと近づいていく猟兵達を迎え撃つべく、ペトラーは惑星表面に浮かび上がった己の顔を中心に、超重力場を発生させた。星の晩餐。惑星規模に浮かび上がるペトラーの顔。そしてそこから発する超重力。
「くっ……吸い寄せられます……っ」
「あわわ……これは思った以上にっ?!」
アイの『ティターニア』や理緒の『リオ・セレステ』がその重力に翻弄され、航行に支障をきたす中、ただ1隻、るこるの『祭器』だけが、惑星の超重力に影響されないまま近づいていっていた。
《どういうことだ……人間、なのか、その重力は……?》
惑星ペトラーの超重力さえも相殺する、るこるから発せられる超重力。その正体は、【豊乳女神の加護・翳華】によって己の身体をマイクロブラックホールへと変えたことによるものだ。
小惑星サイズの惑星ペトラーをも上回るかもしれない、るこるの発する重力に、ペトラーの思念にも焦りがにじむ。
「それではぁ、飛びこませていただきますねぇ」
るこるは『祭器』の外に出て、その重力をもって惑星ペトラーへと飛び込んでいった。
《おのれ……おのれ……》
ペトラーは、そんなるこるを押しつぶそうと、さらに己の重力を高めていく。
だが、それは、攻撃の機会をうかがっていた他の猟兵にとっては絶好の機になっていた。
「なるほど……ならばこうですね」
自分単騎では力不足故どうしたものかと思案していたトリテレイアだったが、先程機械馬での旋回時にバラまいておいた【対ユーベルコード制御妨害力場発振器射出ユニット】を一斉に起動し、次々と惑星ペトラーへ落としていく。ペトラーが超重力場を形成しているゆえに、それは何の問題もなく吸い込まれて生き……そしてペトラーの重力をさらに暴走させる。
「自らの身体が自壊・崩壊する域にまで更に強化されればどうなります?」
トリテレイアの放ったユニットの効果で、ペトラーの超重力が過剰に強化されていく。周りにいる猟兵達も一時的にはその重力に囚われてはしまうわけだが、だが内部に飛び込み自らをブラックホールと化したるこるがある程度相殺してくれているため、猟兵たちの負担よりも、過剰に重力を発することで星そのものにダメージを受けているペトラー自身の方が負担は大きい。
それになにより、小惑星サイズの敵が重量を発し自らを捕らえにくるという事は、逆に言えば攻撃目標が自ら近づいてくるという事でもある。
「こちらは標的に向かって己の放てる最大の攻撃を撃ち込むのみ」
ドロレスは近づいてくる惑星に対し自らのユーベルコードが形成する仮想砲身を向け、照準などつけなくても外しようのない大きな目標をその目で捕らえた。
「地上では威力がありすぎて使いづらいですが、星を貫くにはもってこいです」
真白き閃光のごとき超高温熱線を解き放つ【ブレーザービーム】の必殺の一撃。
最大出力で放たれた超高温熱線は、迫りくる惑星ペトラーの大気を貫き、そのまま地殻へと到達する。それでも熱線の威力は止まらず地殻を溶かし、星の核までも貫いて惑星を貫く風穴を開けた。
高まりすぎた超重力により、その穴に向けて内側に崩壊していく惑星ペトラー。
《ばかな……ばかな……》
そして最後の人推しとばかりに、翠の流星が崩壊しつつある惑星ペトラーへと吸い込まれていった。
「ハッ! 惑星相手だろうとオレのやることは変わらねぇな」
超重力に自らの運命を委ね、惑星ペトラーへと自由落下していく翠の流星……ミスタリア。
その重力に押しつぶされる前に逆に放つ捨て身の一撃。
対艦用パイルバンカーを構え、地表に落下すると同時に地殻に向けて連続で打ち込んでいく。
そして、地面に穿った孔へとメガビームランチャーの砲身を差し込み、出力リミッターを解除した最大稼働で解き放った。
「おらぁ! これがオレの、切り札だぁぁぁ!」
それは、核を貫かれて崩壊しつつあった惑星への最後のとどめとなり、惑星全土に連鎖的にヒビが入っていく。
《おのれ……おのれ……人間ども……こんな……こと、が……》
ペトラーの思念が薄れていくと同時に、それまで感じていた超重力が消え失せ、ミスタリアはブラックホール化を解いたるこるを回収して惑星の重力圏から飛び出していく。既にただの小惑星となったペトラーは、その本来の重力では大気も支えきれない。大気の層も霧散していき、唯の岩塊となった姿をさらしているペトラーに向けて、傭兵たちはいっせいに最後の攻撃を繰り出していった。
猟兵達の最後の一斉攻撃が終わった時、最早惑星ペトラーだったものはそこにはなく、唯砕けた岩塊がスペースデブリとなって漂っているだけとなる。
「むなしいね、世界って」
静寂の空間に、志乃の呟きだけが残されるのだった……。
大成功
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