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蟲は集い肉を食み、吸血鬼は……

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●カサカサ
 カサカサ……。
 ぶうぅぅん……。
 ぴちゃり。
 カサッ。
 ぐちゅ、ぐちゅ……。
 ぶうぅぅぅん……。
 ザッ。
 ぴちゃん。
 カサ……カサカサカサ……。
 ぐちゃり。

●多くの人は嫌悪感を抱くだろうアレ
「みんな、集まってくれてありがとう、依頼の説明を始めるわね」
 集まった猟兵達に礼を述べる、蛇とのキマイラのグリモア猟兵、バジル・サラザール(猛毒系女史・f01544)。
「今回みんなにはダークセイヴァーの村に向かってもらいたいの。みんなのおかげで吸血鬼の支配から脱した村も多いけど、ダークセイヴァーにはまだ支配された村も多いわ。この村もその一つよ」
 バジルは感情を無理矢理抑えたような声で淡々と話す。
「村民たちは吸血鬼の支配下で細々と、だけど精一杯生きてきたんだけど、吸血鬼は村の支配に飽きたのか、村人たちを皆殺しにしようと配下を村に放ったの」
 人を娯楽の手段か何かくらいにしか思ってないのかしらと呟き、話を続ける。
「その配下達を退けて、吸血鬼を倒して欲しい、っていうのが今回の依頼なんだけど……」
 そう言うとバジルは話を少し区切り、俯いて軽くため息をつく。そして少しためらうように言葉を繋ぐ。
「その配下っていうのが、巨大な虫たちなのよね。3~6mくらいの羽虫や蜘蛛等々、その中でも一番多いのが……」
 またも言葉を詰まらせるバジル。小さく息を吸うと意を決したように告げる。
「ゴキブリね」
 数名の猟兵が顔を曇らせ、嫌悪感を露わにする。
「虫たちは総じて敵意剥き出しで、目についた人に襲い掛かってくるわ」
 もし村に到達しまったらその大きさや数も相まって、ひとたまりもないだろう。
「だから大変かもしれないけど、村に乗り込まれる前にしっかり駆除してほしいの」
 資料をめくり、バジルが続ける。
「虫たちを駆除した後は吸血鬼の館に乗り込んで吸血鬼を倒してもらうわ。だけど館の主に辿り着く前に、主を守る配下を退ける必要があるでしょうね」
 配下と一切戦わず吸血鬼の下に向かうのは不可能と言ってもいいだろう。無論、配下を退けた後に戦うことになる吸血鬼も一筋縄ではいかない相手だ。
「まとめると、虫たちを駆除して館に乗り込んで、配下を倒して、主の吸血鬼を倒す、って流れになるわね」
 そう言ってバジルはあたりを見渡す。
「こんなものかしら……あっそうそう」
 転送を始めようとしていたバジルはふと何かを思い出したかのように自身の救急箱を漁る。
「よかったらこれ使って。まあ、効果があるかは分からないけど……」
 バジルが取り出したのはスプレー缶、洗剤、毒餌等々、害虫駆除に効果があるといわれる各種アイテム。巨大な虫にも効くかは分からないが、試してみる価値はあるかもしれない。
「それじゃあ改めて、お願いするわね。でもきつくなったら無理は禁物よ」
 そう言ってバジルは転送を開始した。


どあのぶ
●虫の描写があります。苦手な方はご注意ください。
 初めましてとお世話になっております、どあのぶと申します。
 第六猟兵TRPG発売ということでダークセイヴァー世界のシナリオをやってみようとしたらこんなんなっちゃいました。
 プレイングで明確に指定されない限り、露骨に嫌悪感を煽るような描写は控えますが、それでも苦手な方はご注意ください。

 以下各章の概要です。

●第一章(冒険)
 大量の巨大な虫たちを駆除してもらいます。
 虫たちが村に辿り着く前に食い止める形になるので避難誘導等は特に必要ありません。
 渡されたスプレー缶等は使っても使わなくても構いません。

●第二章(集団戦)
 吸血鬼の館で吸血鬼の配下達との戦闘です。
 虫たちの中でも強い奴らのようです。

●第三章(ボス戦)
 事件の首謀者の吸血鬼との戦闘です。
 虫ではないです。

 それではよろしくお願いします。
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第1章 冒険 『カサカサ音の恐ろしい奴ら』

POW   :    みぎゃー!?叩くもの叩くもの!?…ってデカいよ!?

SPD   :    こんなこともあろうかと!別世界の殺虫剤で駆除する!!…耐性持たないでくれよ?

WIZ   :    洗剤や石鹸水で奴らの呼吸器を塞ぎ、窒息させる!!…足りるかなぁ?

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達が転送されたのは村からほど近い平原。
 彼らの目線の先には時折波打つように動く黒光りする地面。それが大量の虫の蠢きと分かるのに時間はかからないだろう。
 猟兵達は様々な思いを抱え、虫たちの駆除に向かう。
シャルロット・クリスティア
虫自体は平気なんですよ。いちいち怖がってちゃ農作業なんてできやしないですしね。
……ですがこの大きさは流石に、少々嫌悪感がありますね……。

殺虫剤や石鹸では即死とは行かないですし、その間に何かされると厄介です。
ここはオブリビオンと戦うくらいのつもりで正攻法で仕留めましょう。
幸か不幸かこのサイズです。外すも見落とすも心配はない。
所詮はただの虫、チャージの時間は十分とれるでしょう。
サジタリウス・レイン……光弾の雨でまとめて焼き砕く!

犠牲者に嫌悪感を与えると言う意味では、確かに納得の選出ではあります。
今回の標的は、なかなかに良い趣味をお持ちのようですね……。



「虫自体は平気なんですよ。いちいち怖がってちゃ農作業なんてできやしないですしね」
 虫たちを前に呟くのはシャルロット・クリスティア(彷徨える弾の行方・f00330)。どうやら虫には慣れているようだ。
「……ですがこの大きさは流石に、少々嫌悪感がありますね……」
 もっとも、慣れているといっても普通サイズの虫の話。このサイズが平気という人はそうそういないだろう。
「殺虫剤や石鹸では即死とは行かないですし、その間に何かされると厄介です。ここは……」
 サイズも違えば対処も通常通りとはいかない。シャルロットはしばし思案した後、オブリビオンと戦うくらいのつもりで仕留めるべきと判断し、銃を構える。

「……」
 シャルロットは静かに神経を研ぎ澄ませ、魔力を銃に集める。先ほどまでの嫌悪感をも削ぎ落とし、ただ銃口の先の敵を仕留めることに集中していた。
「……全てを射抜く雨よ、ここに」
 巨大と言えど、所詮はただの虫。虫たちに気づかれることなく、十分なチャージ時間をとることができた。シャルロットは息を止め、虫たちに向かって引き金を引いた。
 彼女が放ったのはユーベルコード『サジタリウス・レイン』。銃口に集まった魔力は、光弾となって放たれるや否や、分裂し、雨あられと虫たちに降り注ぐ。
「このまままとめて焼き砕く!」
 光弾は自動追尾により、虫たちを追いかける。自慢のスピードも弾丸には敵わない。嫌悪感を与えた巨体も仇となり、外すことも見逃すこともなく、光弾は次々と虫たちを貫いていく。

 ぶうぅぅぅん。ぶうぅぅぅん。
「……なるほど、犠牲者に嫌悪感を与えると言う意味では、確かに納得の選出ではあります」
 光弾が命中したことで上がった炎を見てパニックになったかのように飛び回る虫たち。それを見てシャルロットは再び顔をしかめる。
「今回の標的は、なかなかに良い趣味をお持ちのようですね……」
 シャルロットは事件の元凶である吸血鬼の事に少し思いを巡らせると、再び銃口と鋭い眼光を虫たちに向け、次の弾丸を込め始めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

塩崎・曲人
ククク、よく聞くんだなゴッキー諸君
むさくるしい野郎が8割を占めるアルダワの学生―
その中でも特に貧乏で住処の無い連中が住むのが、オレも居た格安学生寮だ
「何が言いたいかっつうとだ。あそこじゃテメェらの同類も同居人だったのさ!」
(仲が良かったとは言っていない)

当然、対策の手札も持ってる
最初は焼き払おうとして大変な目にあったが、あの経験を乗り越えてオレも学習したのさ
「テメェらの弱点は冷気!凍りついちまいなオラァ!」

【最後の手札】で冷気魔法を使い(切り札こんなところで使って良いのか)
ゴッキー君達を氷漬けにしていくぞ
無論他の虫もだ
基本、奴ら共通して冷気に弱い
後の事は全て氷漬けにしてから考えよう

【即興歓迎】



 猟兵達の先制攻撃により、虫たちの数を大きく削ることに成功した。しかしながら、勢いこそ落ちたものの、その進軍はまだ止まっていなかった。
「ククク、よく聞くんだなゴッキー諸君」
 そんな中不敵に笑い、虫たちの進路の前に立ちふさがるのは塩崎・曲人(正義の在り処・f00257)。
「むさくるしい野郎が8割を占めるアルダワの学生――その中でも特に貧乏で住処の無い連中が住むのが、オレも居た格安学生寮だ」
 まるで演説のように虫たちに向かって話す曲人。虫たちが話を理解できているのかは不明だが、警戒しているのか呆気にとられているのか、一瞬動きが止まったような気がした。
「何が言いたいかっつうとだ。あそこじゃテメェらの同類も同居人だったのさ!」
 所詮自分の目の前にいるのはかつての同居人の同類、少々サイズが大きかろうが、数が多かろうが、恐るるに足らないと啖呵を切った。
「これでも、アルダワの魔法科コースは履修済みでね」
 無論、同居していたからと言って、仲がいいとは言っていない。むしろ悪いだろう。曲人は、若干の間をおいて襲ってきた虫たちに向かってユーベルコード『最後の手札』を惜しみなく発動。
「テメェらの弱点は冷気!凍りついちまいなオラァ!」
 曲人も何の対策もなしに啖呵を切ったわけではない。虫たちを焼き払おうとして大変な目にあった、かつての経験を乗り越えて学習した結果、曲人が編み出した対処法は冷気。実際化学薬剤より耐性が付きにくいらしい。ユーベルコードにより強化された全力の冷気魔法が虫たちに襲い掛かると、スプレー缶など比較にならない程の冷気は虫たちを向かって来たそばから連鎖的に凍結させ、瞬く間に氷の山に変えていった。
「だいぶでかい氷山ができちまったな。まあ、後の事は全て氷漬けにしてから考えるか」
 不敵に笑い、曲人は虫たちを氷の中に閉じ込めていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イリーツァ・ウーツェ
目には目を
歯には歯を
蟲には蟲を

目標を視認
征け、蟲等

敵の影から、私の蟲を喚ぶ
影で出来た蟲の形を取る偽神兵器だ
肉も腑も魂も喰尽くす
目標が多い程、影も多くなる
溢れ出す蟲も増えるという物

私と違い、存在維持に餌が要るのだ
喰われ、腹の足しになってくれ

私は、蟲が怖いという感覚が無い
蟲も人も獣も魚も、皆生き物でしかない
見た目が、人間の好みでは無いのだろうか
そら、貴様も行くがいい
(掌の大きな影蜈蚣に向かって)



 虫たちは猟兵たちの攻撃により気勢を削がれ、散り散りになりながらその数を減らしていた。そんな猟兵たちと虫たちの様をイリーツァ・ウーツェ(虚儀の竜・f14324)は静かに見据えていた。
「征け、蟲等」
 目には目を、歯には歯を、蟲には蟲を。イリーツァは虫たちの姿をしっかりと見据えたまま、ユーベルコード『百禍繚乱・蝗蜈蚣』を発動し、虫たちの影から、影で出来た蟲の形を取る偽神兵器である魂喰蟲の群れを呼び出す。無数の虫は無数の影を生み、無数の影がまた無数の虫を生む。
「私と違い、存在維持に餌が要るのだ。喰われ、腹の足しになってくれ」
 表情を変えず、淡々と言い放つイリーツァ。魂喰蟲はやがて敵の虫たちを上回るほどに溢れ出すと、体格差をものともせず、巨大な虫たちの甲殻を破り、肉を喰らい、腑を喰らい、そしてその魂を悉く喰らい尽くしていく。

 虫が虫を喰う、人によってはかなりの嫌悪感を覚えるような光景を目の前にしても、イリーツァは淡々とその光景を見据え続け、魂喰蟲たちを使役し続けていた。
 イリーツァには虫が怖いという感覚が無い。虫も人も獣も魚も皆同じ生き物でしかない。イリーツァにとっては目の前の敵は人や猟兵に敵対する他の者たちと変わらない、滅すべき対象であるだけだった。
(見た目が、人間の好みでは無いのだろうか)
 攻撃を続けながらイリーツァは彼なりに虫を恐れる人間の気持ちを推察していた。しばしの思案の後、何らかの結論が出たのかは分からないが、イリーツァは虫たちからほんの少し目線を切り、掌を見る。彼の掌には大きな影蜈蚣が指示を待つかのように鎮座していた。
「そら、貴様も行くがいい」
 イリーツァがそう呼びかけると、影蜈蚣が虫たちの群れに放たれる。その光景をイリーツァはまたじっと静かに見据えていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィゼア・パズル
駆除には確か熱も有効…だったか
タンパク質の凝固する温度で一撃必殺との事だが…
(のんびり見上げて)……足りますかねェ

生理的嫌悪よりロボットを見ている気分になるといいますか…ここまで大きいと壮観ですねぇ

【空中戦・空中浮遊】併用
通常外殻の部分は【鎧砕き・串刺し】を併用してダメージを与えましょう
【全力魔法・属性攻撃】の【範囲攻撃】で燃やして動きを制限してから
腹部分や呼吸器を狙い【スナイパー・2回攻撃・マヒ攻撃】
こんがりと焼いてしまいましょう
多少なり肉部分が残りましたか…良いタンパク源になりますね
如何ですか?鼠の皆さん

※アドリブ連携歓迎



 次々と攻撃を受け、まさに虫の息と言った様子の虫たちであったが、元来の生存本能なのか、気力を振り絞るように必死の抵抗を試みていた。
「駆除には確か熱も有効……だったか」
 そんな中、ヴィゼア・パズル(風詠う猟犬・f00024)はあくまでマイペースに案を練る。
「タンパク質の凝固する温度で一撃必殺との事だが……足りますかねェ」
 いかに巨大であっても生物としての弱点は克服できない。ヴィゼアはケットシーである自身の何倍もの大きさの虫たちを見上げながらのんびりと思案すると、自身の周りに黒焔を漂わせる。
「大気に舞う焔の種よ」
 ヴィゼアはユーベルコード『黒陽』を発動。周囲を漂っていた黒焔は大きく燃え上がりヴィゼアを纏い、ヴィゼアの爪は鋭く強大なものへと変化した。そのままヴィゼアは虫たちの攻撃を躱しながら、虫たちの上をひらりひらりと渡り、群れの中へ突っ込んでいく。
「しかし、生理的嫌悪よりロボットを見ている気分になるといいますか……ここまで大きいと壮観ですねぇ」
 大きすぎてかえって嫌悪感がわかないのか、もともと虫が苦手ではないのか、ヴィゼアは空中で舞うように敵の攻撃を躱しながらも、飄々とした態度は崩さない。攻撃の隙間を縫って、鋭い爪で虫たちの外殻を貫き、砕いていく。
「こんがりと焼いてしまいましょう」
 一通り外殻を砕き、周囲の虫たちにダメージを与えたところで、ヴィゼアは虚空から黒焔を産み出す。一気に燃え広がった黒焔は虫たちの表皮をちりちりと焼き、その動きを制限する。
「仕上げといきますか」
 そして焔に囲まれた虫たちが動き出す前にすぐさま2度目の黒焔を放つ。今度は一体一体の腹部分や呼吸器といった弱点を的確につき、虫たちを内部からしっかりと焼き尽くさんとする。
「多少なり肉部分が残りましたか……良いタンパク源になりますね。如何ですか?鼠の皆さん」
 ヴィゼアは焼け焦げた巨大な虫を見ながら、冗談とも本気ともつかない様子で笑うのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リーヴァルディ・カーライル
…っ。なるほど、なるほど。巨大な虫の群れね。
無論、それが世の為、人の為ならば駆逐する事に是非も無いけど…。

事前に自我の存在感を増幅する“調律の呪詛”を付与して、
精神攻撃耐性を強化するオーラで自身を防御する

…ん。たかが羽虫風情に怯む私じゃない。
一匹残らず駆逐してやるわ。

向かってくる虫の群れを暗視して気合いを込め、魔力を溜めUCを発動
“暗号作成”で超高効率化した“高速詠唱”術式を銃に付与して武器改造
限界突破した銃撃の反動を怪力と常以上の殺気で抑えつつ、
“早業”で殺虫属性攻撃の魔弾を装填して、
“乱れ撃ち”で虫をなぎ払う先制攻撃を放つ

…この世界の何処にもお前達の居場所は無い。
消えなさい。永遠に…。



 猟兵達の猛攻により、虫たちはその数を大きく減らし、生き残った者たちもほとんどが瀕死と言っていい状態であった。
「……っ。なるほど、なるほど。巨大な虫の群れね」
 攻撃を受け瀕死となり、かすかに蠢く虫たちを見て、ほんの一瞬顔をしかめるリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)。
「無論、それが世の為、人の為ならば駆逐する事に是非も無いけど……」
 眼前の光景も普段のリーヴァルディならもう少し嫌悪感を抱いていたかもしれない。しかし、事前に虫たちをしてどることは分かっていたため、あらかじめ自我の存在感を増幅する調律の呪詛を自身に付与し、精神攻撃耐性を強化するオーラで防御することで嫌悪感を抑えていた。
 ぶ、ぶ……ぶうぅぅぅん。
 猟兵達の攻撃を受け続け満身創痍と言っていい状態の虫たちであったが、最後の抵抗とばかりに、のこりわずかとなった群れが寄り集まり、一斉に攻撃を仕掛けてくる。
「……ん。たかが羽虫風情に怯む私じゃない。一匹残らず駆逐してやるわ」
 リーヴァルディはあらためて気合いを入れると、銃口を向かってくる虫の群れに向けた。
「……限定解放。精霊言語修正、魔力錬成、術式圧縮……」
 魔力を溜め、発動するのは、ユーベルコード『限定解放・血の銃士』。暗号作成技術により超高効率化した高速詠唱術式を銃に付与し、瞬時に武器改造をすると、目にもとまらぬ早業で殺虫属性攻撃の魔弾を装填する。
「……殲滅せよ、血の銃士」
 銃を構えてから弾を打つまでは刹那の出来事であった。限界突破した銃撃の反動は怪力と常以上の殺気で抑えつつ、放たれた銃弾は虫たちの攻撃の機先を制する。リーヴァルディは次々と銃弾を乱れ撃ち、虫たちをなぎ払う。
「……この世界の何処にもお前達の居場所は無い。消えなさい。永遠に……」
 銃弾を浴び次々と倒れゆく虫たちを見据え、リーヴァルディは呟くのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『死肉喰らい』

POW   :    捕食行動
【集団での飛び掛り攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【噛み付き】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    多足歩行
【大口を開けての体当たり】による素早い一撃を放つ。また、【数本程度の足の欠損】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    死肉を喰らう
戦闘中に食べた【落ちた仲間の足や死肉】の量と質に応じて【傷を癒し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。

イラスト:猫背

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 かくして猟兵達は巨大な虫たちを駆除することに成功した。
 虫たちの出所を辿り見つけた洋館で待ち受けていたのは、異様な姿の虫が他の虫の死骸や仲間の足を喰らう光景。
 大きさこそ1m程と先程までの虫たちと比べると若干小柄だが、そのおぞましい姿には嫌悪感を覚える猟兵も多いだろう。
 そんな様子を観察していたとき、ふと虫たちが一斉に食事をやめた。
 ああ、ようやく餌が来たのか。
 無いはずの目に見つめられ、発することのできないはずの言葉が聞こえた気がした。
リーヴァルディ・カーライル
調律の呪詛を維持(存在感、精神攻撃)

…ん。この館の主は随分と虫が好きなようね。
共食いをしている辺り、管理がなっていないようだけど…。

…まぁ、どうでも良い事ね。私の為すべき事に変わりはない。
…この虫を突破して吸血鬼を討ち果たす。ただそれだけよ。

今までの戦闘知識と第六感から敵の機先を制して突撃して先制攻撃を試み、
吸血鬼化した自身の生命力を吸収して血の力を溜めUCを発動

限界突破して暴走する怪力の右腕を気合いで制御して、
残像が生じる早業で大鎌を無数に振るい、
周囲をなぎ払う斬撃のオーラで防御ごと傷口を抉る斬撃属性攻撃を放つ

…多少、動きが素早くなろうが関係無い。
魔力全開、手加減抜きで一気に片付ける…!


塩崎・曲人
虫虫虫の虫づくし
下手なホラーショウより気色悪ぃぜクソが
「色もまるでクソ見てぇだしよ。節足動物が脊椎動物様に逆らってんじゃねぇぞオイ。鳥にでも食われてろ」

まぁ、何言っても理解する知能はないだろうけどよ
こっちもボコって全滅させる以外選択肢はないしな!
【喧嘩殺法】で虫の腹にきついのぶちかましてやるぜ
なんならKISSを染み込ませたグラサンとかを、無防備に開けた口の中放り込んでやっても良い
後はチェーンで虫共を近寄らせないようにしつつ、1匹1匹仕留めていこう
「足がちぎれると早くなるんだったか?じゃあ片側の足が全部取れたらどうなるか試してみようぜオイ」

【即興歓迎】



「虫虫虫の虫づくし、下手なホラーショウより気色悪ぃぜクソが」
 大量の虫たちを退けたと思ったらまた大量の虫。そんな状況に対し毒づく曲人。
「……ん。この館の主は随分と虫が好きなようね。共食いをしている辺り、管理がなっていないようだけど……」
 そんな曲人に同意しつつ、領主の嗜好を察するリーヴァルディ。こちらは引き続き調律の呪詛を維持し精神を整えることで、ある程度冷静に状況を見ていた。
「色もまるでクソ見てぇだしよ。節足動物が脊椎動物様に逆らってんじゃねぇぞオイ。鳥にでも食われてろ」
 醜悪な見た目とうんざりするような状況に少々苛立ちを隠せない。死肉喰らいたちに対し、悪態をつく。
「……まぁ、館の主の嗜好とかどうでも良い事ね。私の為すべき事に変わりはない。……この虫を突破して吸血鬼を討ち果たす。ただそれだけよ」
「まぁ、何言っても理解する知能はないだろうからな。言う通り、こっちもボコって全滅させる以外選択肢はないしな!」
 しかしいろいろと考えたり文句を言ったりしてもしょうがない。虫たちが気持ち悪かろうが、領主がいかに悪趣味だろうが、やることに変わりはない。ただ死肉喰らいたちを倒し、領主を討つのみ。改めて二人は決意すると、死肉喰らいの群れに相対した。

「……遅い」
 先制したのは猟兵達。死肉喰らいが口を開けて体当たりしようとしてきたところの機先を制し、リーヴァルディが素早く突撃。虚を突いてすれ違いざまに大鎌で切り捨てる。
「……限定解放。微塵と化せ、血の閃刃……!」
 そこから間髪を入れず、吸血鬼化した自身の生命力を吸収して血の力を溜め、ユーベルコード『限定解放・血の閃刃』を発動。さらに群れの中心へと突っ込みながら素早く死肉喰らいたちを切り刻んでいく。
「ヒャッハー!ブッ込み行くぜオラァ!」
 一方の曲人もユーベルコード『喧嘩殺法』で群れの中に素早く飛び込み、死肉喰らいの腹部と思しき部分に、落ちていた瓦礫を握り込んだ拳を叩き込む。
「オラオラァ!ボーっと口開けてんじゃねえぞ!」
 そう言って取り出したのは、お手製の薬品『KISS』を染み込ませた瓦礫と手持ちのサングラス。これらを死肉喰らいの口に放り込み、吹っ飛ばす。
「汚ねえ花火だ」
時限爆弾を飲み込んだ死肉喰らいは、他の死肉喰らいたちを巻き込んで派手に爆発四散した。

 先制攻撃により前線を崩され、咄嗟に動けなかった死肉喰らいたちも、ようやく反撃に移ろうとする。しかしながら、足を欠損し、身軽になった個体を中心に攻めようとするも、猟兵たちのスピードについていけず、有効打を打てないでいた。
「……多少、動きが素早くなろうが関係無い」
 限界突破して完全に吸血鬼化し暴走する怪力の右腕を気合いで制御して、残像が生じる程の早業で大鎌を無数に振るい、休みなく死肉喰らいたちを切り続けるリーヴァルディ。加速し続ける斬撃はやがてオーラ状になり、傷口を抉りながら周囲をなぎ払う。
「足がちぎれると早くなるんだったか?じゃあ片側の足が全部取れたらどうなるか試してみようぜオイ」
 曲人は近くの虫たちを殴り倒し、少し離れた虫たちにはチェーンを振り回し、片側の足を集中的に攻撃しつつ、虫共を近づかせない。
「……それ、いいかも」
 曲人の言葉を聞いたリーヴァルディも、腕を器用に制御し、片側の足を切り払う。数本の欠損なら加速に利用できる死肉喰らいも、片側の足を完全に奪われてしまったら当然胴体を地につけてもがくくらいしかできない。機動力を完全に失った虫はろくに抵抗もできず、一匹一匹倒されていった。

「どきやがれ!脊椎動物様のお通りだ!」
「魔力全開、手加減抜きで一気に片付ける……!」
 死肉喰らいたちを次々薙ぎ払いながら、二人は立ち止まることなく館を突き進んでいった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

イリーツァ・ウーツェ
大きな蟲の群れか
足が細いな 小枝の様相だ

『魂食の蟲影』を群として放つ
餌の時間だ たらふく喰らえ
噛付きに来るのは丁度良い
殴って殺そう
杖で打って殺そう
口中に銃を突き入れ、撃って殺そう
私の血は、空気に触れると燃える
噛み付くならば、血で焼いて殺そう

足を掴んで捥いでやろう
胴を踏み潰してやろう
頭を掴んで縦に裂こう

害虫駆除の時間だ



「大きな蟲の群れか。足が細いな、小枝の様相だ」
 死肉を主食とし、猟兵達をも今にも死体にしようとしている死肉喰らい。そんな死肉喰らいの群れをイリーツァはじっと冷静に見つめていた。
「餌の時間だ。たらふく喰らえ」
 イリーツァは先程と同じように、虫の形を取る偽神兵器『魂食の蟲影』の群を死肉喰らいたちの中に放つ。先程大量の虫たちを喰らったにもかかわらず、魂食の蟲影たちは先程と変わらない勢いで死肉喰らいたちを喰らっていく。
 魂食の蟲影たちの襲撃に、散り散りになって逃げ回っていた死肉喰らいたちであったが、その一部がイリーツァに気付いたように体を向ける。魂食の蟲影の主人だと気づいたのか、虫より食べがいがあると思ったのか、理由は分からないが、死肉喰らいたちはイリーツァに狙いを定め、次々と飛び掛かっていく。
「近付いたな、私に」
 イリーツァは不敵に、しかし淡々と呟くと、ユーベルコード『鎧袖一触・人纏竜』を発動。丁度いいとばかりに瞬間的に力を開放し、死肉喰らいを迎え撃つ。巨岩も粉塵と化す一撃を乗せた拳は、死肉喰らいを一切の原型をとどめさせることなく粉砕した。
 しかし、死肉喰らいたちはひるむことなく次から次へとイリーツァに飛び込んでくる。イリーツァはそれを冷静に処理するように打ち倒していく。
 次に飛び込んできた死肉喰らいは、飛んできたところを杖で打ち落とされた。
 その次に飛び込んできた死肉喰らいは、素早く銃を抜き、口内に突き入れ、撃たれた。
 その次は、イリーツァに噛みつくことに成功したが、イリーツァの燃える血によって焼かれた。
 その次は、足を掴まれ、まとめて捥がれた。
 その次は、胴を踏み潰された。
 その次は、頭を掴まれ縦に裂かれた。
 離れたところにいる死肉喰らいは魂食の蟲影に任せ、自らはほとんど動くことなく、次々飛び込んでくる死肉喰らいたちを一匹一匹様々な方法を試すようにしながら、しかし確実に仕留めていった。イリーツァが淡々と死肉喰らいを処理するように倒していく中、一瞬、口元をわずかに綻ばせた。
――害虫駆除の時間だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロニ・グィー(サポート)
アドリブ・連携歓迎
「サプラーイズッ!驚いた?」
基本的に極々自分勝手で悪戯好きな神様
怖いもの知らずで迷うこと無く(考えも無く)、直感に従って行動する
うまくいけばふんぞり返り、失敗しても悪びれない(が強く詰られると涙目になって逃げだす。三分後には忘れてる)
自分を信頼する人はダダ甘やかし(お菓子とかあげる)、自分の我が儘を許容してくれる人にはダダ甘える

・戦闘
たくさんの空飛ぶ球体を操って攻撃・防御する
球体のサイズや機能は様々、銃弾の様に蜂の巣にする、巨大な球で圧し潰す、ビームや雷を飛ばす等何でも適当に
影の中から全弾撃ち出しての不意打ちだまし討ちや、最後には力押し(拳・暴力)で解決するのが好き


音駆螺・鬱詐偽(サポート)
世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん
ただいま参上。
・・・って、どうしてこんな恥ずかしいセリフを言わないといけないのよ。
うう、これも番組の為なのね。



自身の命綱である番組の為、多少の苦難や困難は仕方なく行います。
むしろ持ち前の不運によりおいしい場面を呼び込んでくれるかと思います。
ただし、ネガティブとはいえアイドルですのでマイナスイメージとなる仕事はすべて却下でお願いします。
ユーベルコードや技能はご自由に使わせてください。
どうぞ、当番組のネガティブアイドルをお役立てください。
                      プロデューサーより



「世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん、ただいま参上……ということで吸血鬼の館に辿りついたわけですが……」
 ローテンションでぼそぼそと話すのは、音駆螺・鬱詐偽(帰ってきたネガティブアイドル・f25431)。どうやら番組の撮影を行っている様子。
「無理!無理無理!自分の為、番組の為にこれまでいろいろ頑張ってきたけど、今回ばかりは本当に無理!」
 眼前に広がるのは大量のおぞましい見た目の虫たち、元々ネガティブな鬱詐偽でなくとも、恐怖を抱くのは無理もないだろう。
「えー……というわけで今回は……」
「サプラーイズッ!」
 鬱詐偽が何か言いかけたその時、突如ハイテンションな声と共に大量の大小様々な球体が出現、直接ぶつかったり、ビームを放ったりしながら死肉喰らいたちに一斉に襲い掛かる。
「あはは、驚いた?」
 無邪気でハイテンションな声の主はロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)。彼が影の中に収容していた球体を不意打ち気味に一斉に撃ち出したのだ。
「って、虫に聞いてもしょうがないか、っと、あれ?なになに?撮影やってるの?」
「え、いや、その……」
「いぇーい!みんな見た?すごかったでしょ。崇めてもいいよ!ボクは神様だからね!」
 鬱詐偽のカメラにノリノリで映り込むロニ。
「えっ、あ、あの……後ろ!来てる!」
 しかしその後ろには、球体の攻撃を何とか潜り抜けた死肉喰らいたちが牙を光らせながら迫っていた。
「あはは、知ってるよ、……えい!」
 ロニは死肉喰らいたちに背を向けたままユーベルコード『クライシスゾーン』を発動。球体を超次元の竜巻に変換する2段構えのサプライズにより、死肉喰らいたちを次々薙ぎ払っていく。
「す、すごいね……」
「でしょー?なんたってボクは神様だからね!」
 思わず漏れた鬱詐偽の賞賛にドヤ顔のロニ。
「でも、お姉さんもきっとスゴいんでしょ?」
 興味津々といった様子で無邪気に鬱詐偽に尋ねるロニ。
「え?あ……うう、やっぱ無理……触ったりとかしたくないし……」
 そう震えながら言うと、鬱詐偽からオーラのようなものが現れ、何かを形作っていく。
「……無理、だから今回はこの子たちに任せる……」
 ユーベルコード『リアライズ・バロック』により、鬱詐偽の死肉喰らいたちに対する恐怖心がバロックレギオンとして具現化しているのだ。放たれたバロックレギオンたちは逃げ惑う死肉喰らいたちをも執拗に追い回し、攻めたてながら、次々に撃破していく。
「へえー、やっぱりスゴいや!ボクが見込んだ通りだよ!」
「あ、ありがとう?」
 そんな会話を交わしながら、二人は残った死肉喰らいたちを次々と屠っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『エウティミオ・バロウズ』

POW   :    骨も残さず喰らってあげよう、私は優しいから。
肉体の一部もしくは全部を【血肉を貪り喰らう黒い鼠の群れ】に変異させ、血肉を貪り喰らう黒い鼠の群れの持つ特性と、狭い隙間に入り込む能力を得る。
SPD   :    お前たちの感情が、私にはたまらなく愛おしいよ。
【期待、歓喜あるいは恐怖、嫌悪など】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【身の丈ほどもある巨大な毒蜘蛛】から、高命中力の【皮膚を裂き、肉を焦がす体液を纏う毒糸】を飛ばす。
WIZ   :    迷宮は素晴らしい。出口が必ず存在するのだからね。
戦場全体に、【迷宮内の者全てを攻撃する白い人骨】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。

イラスト:せんば

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ユーディ・リッジウェイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 館を進みながら死肉喰らいの群れを殲滅した猟兵たちは、最深部である館の主の部屋の前に辿り着く。
 扉を開けた猟兵たちを待ち受けていたのはたくさんの虫の死骸や人骨、そして鼠の群れであった。鼠たちは猟兵たちを確認したかのように一瞬動きを止めると、そのまま一箇所により集まり、人間大の大きさの黒い山を形成していく。
「反抗もしない、ただ死んだように耐えるだけの村人たちにも飽き飽きして蟲たちを送ったんだが……ここまで来てくれるとはね、嬉しいよ」
 鼠の山はやがて吸血鬼の姿へと変わると、猟兵たちに向かって不敵に笑いかける。
「歓迎しよう、さあ、お前たちの力を見せてくれ、お前たちの思いを聞かせてくれ」
塩崎・曲人
生憎感情を抑えるような訓練はしてねぇなぁ
でもお前を喜ばしてやるのは癪に障るから、死ぬほどボコるぜ
「悲鳴とかあげてもいいぞ、容赦はしてやらねぇがな」

で、あっちの手札は……ゴッキーと謎虫の次は蜘蛛か
糸を避けるのはちょいと難しいが、そんなら食らうの前提で戦術組めばいいわな
「相変わらずクソ不味いが、その分効果はお墨付きってな」

回復効果と解毒効果でクモ糸のダメージを抑えつつ、
吸血鬼を動かなくなるまで殴りまくろう
我慢比べはどっちが得意だろうなオイ!

「生憎オメーと違って獲物をなぶって喜ぶ変態趣味はねぇし、クソ虫相手にお話する我慢強さも持ち合わせはねぇ。何言ってもお前がぶち殺される未来だけは変わらねぇよ」


イリーツァ・ウーツェ
敵と話す気は無い
殺す

私は何も抱かない
期待も歓喜も、恐怖も嫌悪も
其等は等しく無縁だ
貴様を楽しませる事は出来ない
必要も無い事だ

蜘蛛は出せまい
黒山の群れへ杖から水撃を叩付け
更に怪力で地を蹴り、突破る
貴様を良く見て、観て
核と為る場所を杖で穿つ
繋げて、大太刀で袈裟懸けに切る

貴様に聞かせる思い等無い
笑って死ね


ロニ・グィー
【spd】
アドリブ・連携歓迎

んもー
悪趣味だなあ
ねえ、そんなに見たいの?
肌が裂けて、肉が焦げて、痛みに悶えるところをさ
―――いいよ、じゃあ新鮮な痛みを味あわせてよ

彼?彼女?の趣味は分からないけど、そう言って白い肌を示して誘惑すれば少しは油断してくれるかなあ?
もちろんそんなつもりはないけど!
第六感と勘でタイミングを計ってUCを発動。残像を使って分身と入れ替わって相手のUCをコピーするよ

さて、ここまでうまくいけばコピーしたUCの発動条件は満たしてるよね?
制限時間は1分間ってとこだけど、生きてられるかな?
分身をずらっと増やしてたっくさん毒蜘蛛を呼び出すよ
―――楽しんでよ。君はこれが好きなんでしょう?


リーヴァルディ・カーライル
…ん。そんな事の為に村を滅ぼそうと…?
…なるほど、よく分かった。お前に慈悲は必要無い事が…ね。

今までの戦闘知識から敵の攻撃を暗視して見切り、
第六感が好機を捉えるまで大鎌を乱れ撃つカウンターで迎撃

吸血鬼化した自身の生命力を吸収して両掌に“闇の重力”を溜め、
怪力任せに両手を繋ぎ限界突破した超重力を圧縮

…決戦呪法展開。世界を廻る大いなる力よ。
我が手に宿り敵を打ち砕く力となれ…!

UCを発動して両腕を超重力の黒装に変化し、
重力属性攻撃の左腕をなぎ払い鼠を一掃後、
右腕の拳打を放ち超重力のオーラで防御ごと本体を貫く2回攻撃を行う

…全魔解放。この一撃で骸の海まで吹き飛ばしてあげる…!

消え去りなさい、永遠に…。



「……ん。そんな事の為に村を滅ぼそうと……?」
 思わず少し呆れたような声で問いかけるリーヴァルディ。
「ああ、その中で人々の反骨心でも見ることができればと思っていたが……まさか私のところまでたどり着いてくれるとはね」
 自らの行為をあたかも当然のことのように話すエウティミオ。
「……なるほど、よく分かった。お前に慈悲は必要無い事が……ね」
 そんなエウティミオの前で呆れはすぐに怒りへと変わる。普段のクールな口調の中に静かな、しかし大きな怒りの炎を燃やすと、リーヴァルディは大鎌を構え、対峙する。

「ああ、その目だ。もっとお前たちの感情を……」
「これ以上敵と話す気は無い。殺す」
 エウティミオの言葉を遮り、ダッ、と鋭い踏み込みと共にイリーツァが杖による一撃を放つ。エウティミオはとっさに体の一部を鼠に変えながら回避するも、素早い一撃を完全に対処することはできず、手傷を負ってしまう。
「ぐっ……お前は……なにも見せてくれないのか?」
「私は何も抱かない。期待も歓喜も、恐怖も嫌悪も。其等は等しく無縁だ」
 若干の困惑を見せるエウティミオに変わらず淡々と答えるイリーツァ。
「そうか、誓いか約定の類か。それもまた一つの形だが……私の見たいものではないようだな」
「ああ、貴様を楽しませる事は出来ない。必要も無い事だ」
 オブリビオンは殺す。イリーツァがそれを行う際、そこには感情もなければ理由もない。イリーツァは淡々とエウティミオを攻め立てる。
「ならばお前はもういい。他の者たちの感情を見せてもらおう」
「お前を喜ばしてやるのは癪に障るが、生憎感情を抑えるような訓練はしてねぇなぁ」
 そう答えるのは曲人。彼は自身の感情を隠したりすることなく、エウティミオに向かうと、拳を顔面に振り下ろす。
「だから……お前を死ぬほどボコるぜ。悲鳴とかあげてもいいぞ、容赦はしてやらねぇがな」
「くっ、悪くない、もう少しゆっくりと語らえたらなお良かったがな」
 次々と攻撃を繰り出す曲人に対し、攻撃を受けながらも余裕ぶって答えるエウティミオ。
「ああ、そんなお前たちの感情が、私にはたまらなく愛おしいよ」
 エウティミオはそう言って笑い、大きく飛びのくと、自らの側に身の丈ほどの毒蜘蛛を召喚する。期待、歓喜、恐怖、嫌悪などの感情を抱いた対象を攻撃する毒蜘蛛は曲人に向かって毒糸を放つ。
「くっ……!」
 放たれた毒糸は曲人の腕にまとわりつき、曲人に苦悶の表情を浮かばせる。
「苦しいだろう?だが、それでもお前たちは抗うのだろう?さあ、もっと見せてくれ!」
 苦しむ曲人を見ながら恍惚の表情を浮かべるエウティミオ。しかし、その顔も毒糸を引きちぎりながら飛んでくる曲人の拳によってすぐさま歪められた。
「な……!?」
「ああ、相変わらずクソ不味くて苦しいが、その分効果はお墨付きってな」
 曲人は事前に『ドーピングマジカルポーション』を飲むことで、回復効果と解毒効果を強化し、毒糸の対策を立てていた。
「さあて、我慢比べはどっちが得意だろうなオイ!」
 毒糸のダメージをものともせず、エウティミオを殴り続ける曲人。苛烈さを増す猟兵達の攻撃に、たまらずエウティミオは逃げるように距離をとった。

「んもー、悪趣味だなあ」
 そんなエウティミオと猟兵達のやり取りを見て、どこか無邪気に話すロニ。
「ねえ、そんなに見たいの?肌が裂けて、肉が焦げて、痛みに悶えるところをさ」
 ロニはいたずらっ子のようにそう言うと、胸をはだけ、自らの白い肌を露わにする。
「―――いいよ、じゃあ新鮮な痛みを味あわせてよ」
そして甘く、煽情的な声で、エウティミオを誘惑する。
「私に挑発とはな!面白い!」
 色仕掛けにかかったわけではないが、自身に誘惑を仕掛けてくるという行為に反骨心を見出したエウティミオはやや興奮したような声を上げると、傍らの蜘蛛に命じて、ロニに向かって毒糸を放たせる。
「うっ……」
 毒糸が直撃し、一瞬苦悶の表情を浮かべるロニであったが、その表情もすぐに不敵な笑みへと変わる。
「……なんてね、ふふっ、残念でしたー!」
 笑みを浮かべたまま、体に張り付いた毒糸をがっしりと掴むと、ロニの体がぐにゃりと歪むように変化し、エウティミオの毒蜘蛛の姿に変化する。攻撃を受けたのは第六感と勘でタイミングを計って入れ替わっていたユーベルコード『神の鏡像』により生み出された分身の一つであった。エウティミオが困惑するのも束の間、敵のユーベルコードをコピーする条件を満たした、毒蜘蛛に変化したロニの分身によって毒糸が放たれ、瞬く間にエウティミオの毒蜘蛛を縛り上げる。
「制限時間は1分間ってとこだけど、生きてられるかな?」
 そう言うとロニはさらにたくさんの分身を呼び出し、毒蜘蛛だけでなく、エウティミオをも毒糸で縛り上げる。
「―――楽しんでよ。君はこれが好きなんでしょう?」
 ロニはどこか煽情的な声でそうエウティミオに言い放った。

「どうやら1分とかからないようだぜ」
 縛り上げられた隙を見逃すことなく、スパートをかけ、ラッシュを繰り出す曲人。
「ははっ、結末は変わらないというのに足掻いてみせるか。実に面白い。だが、そう死に急ぐこともあるまい」
 縛り上げながらもなおも余裕を見せるかのように話すエウティミオ。だが、大勢は既に決していると言えた。
「いや、生憎オメーと違って獲物をなぶって喜ぶ変態趣味はねぇし、クソ虫相手にお話する我慢強さも持ち合わせはねぇ。何言ってもお前がぶち殺される未来だけは変わらねぇよ」
 エウティミオの態度など意にも解せず、なおペースを上げラッシュを仕掛ける曲人。
「……」
 そんな中でイリーツァはほんの一瞬攻撃の手を止め、エウティミオを見つめる。一瞬ながら、鋭敏な五感と独自の感官を駆使し発動したユーベルコード『玉穿ち』により、敵の核となる場所を素早く探り当てると、相変わらず無表情に、しかしながら力強くその弱点を杖で穿つ。
「が、は……」
 イリーツァが感情を露わにしなかった故か、彼の攻撃はエウティミオにほとんど察せられることなく、的確にエウティミオの体を貫いた。
「貴様に聞かせる思い等無い。笑って死ね」
 イリーツァはエウティミオに杖を突きさしたまま、その体を大太刀で袈裟懸けに切った。

 ロニの拘束から、曲人のラッシュ、そしてイリーツァの的確な一撃により、エウティミオは致命傷となりえるダメージを負った。しかしながら、エウティミオは最後のあがきとばかりに全身を鼠に変えると、闇雲に猟兵達に突っ込んでいく。
「……限定解放。テンカウント……ッ。魔力錬成…。10秒以内に、決着をつける……ッ」
 無論それを見逃す猟兵たちではない。大鎌で応戦していたリーヴァルディが第六感により敵の最後のあがきの予感を捉えると、すかさず吸血鬼化した自身の生命力を吸収して両掌に闇の重力を溜め、持ち前の怪力で両手を合わせ限界突破した超重力を圧縮。ユーベルコード『限定解放・血の魔装』を発動。両腕を超重力の黒装に変化させる。
「……決戦呪法展開。世界を廻る大いなる力よ。我が手に宿り敵を打ち砕く力となれ……!」
 重力属性の左腕をなぎ払うと、勢いよく鼠が一掃される。
「……全魔解放。この一撃で骸の海まで吹き飛ばしてあげる……!消え去りなさい、永遠に……」
 そして超重力のオーラを纏った右腕の拳打は、核となる鼠を勢いよく貫く。

「くっ……まだ、まだだというのに……」
 どこからともなくエウティミオの声が響き渡る。
「……終わった、ね」
しかしすぐにその命が消え去ったことはリーヴァルディだけでなく、この場にいる皆が察するところであった。
「だな、こんな気色悪い館とっととおさらばしようぜ」
「だねー、帰ろ帰ろ」
「……」
 曲人とロニが答える。エウティミオのいた場所をじっと見つめていたイリーツァも目線を切ると、部屋を後にした。
 かくして色々ありながらも吸血鬼討伐の任を終えた猟兵達は領主の館を後にするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年03月14日
宿敵 『エウティミオ・バロウズ』 を撃破!


挿絵イラスト