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農を蹂躙する脳

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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「さぁ語ろうか。舞台はスペースシップワールド、かけがえのない農の実りを蹂躙しようとした、憎き狂った天才科学者と戦う英雄の話を――」

●悲劇などもう結構(ノーサンキュー)
「農、というものは……この世で一番難しい学問だと言われているね」
 長身の女が椅子で脚を組みながら、テーブルの上にあるニンジンスティックを齧りながら語り出した。
「その土地の地質、気候、人々の嗜好や他の動物たちの生態、歴史……あらゆる理に通じる総合的な学問だそうだよ。だからこそ、人は農の実りを愛するのだろうねぇ……」
 齧ったニンジンを強い蒸留酒で流し込むと、女は漆黒の髪をかき上げて椅子から立ち上がり周りの猟兵達を見回した。
「科学の発達した大宇宙でも、勿論に愛情はあるものだろう――さ、仕事だよ諸君」
 グリモア猟兵、スフィーエ・シエルフィートは腰に手を当て、手帳の周りにグリモアを輝かせると、いつものようにお決まりの台詞を吐いた。

「さぁ語ろうか。今回の舞台はスペースシップワールド、大宇宙にある無数の艦が一つ、農業プラント搭載艦『ノミッシュ・アオミィ』……通称ノミィ。そのノミィに現れる、悪の天才科学者を倒して貰いたい」

 ノミィは最新技術によって、区画分けされた中にあらゆる土壌と気候などの環境を再現し、非常に様々な種類の野菜や果物を安定供給することに成功した大規模艦である。
 しかし、その「あらゆる土壌と気候などの環境を再現できる」「大規模な船」に目をつけたのが、ドクター・ジェミニィブレイン。
 帝国軍の二人の科学者が機械化によって融合し、更なる超頭脳を得た悪のサイボーグである。
 彼はノミィを乗っ取り、食料を奪うと同時に生物兵器の大規模な実験施設に改造することが目的だとスフィーエは説明する。

「とんだ一石何鳥だかね……実にクレイジーだろう」
 皮肉めいた笑いを浮かべてから、机のグラスからまた蒸留酒を一口し。
「襲撃を受けている真っ最中だが、幸いまだプラントには到達していない。この渡り廊下のところにいる。私が転送するから、急いで迎撃に向かって貰いたい」
 そう言ってグリモアを輝かせると、ノミィのマップと、襲撃を受けている渡り廊下の図を指し示す。
 それなりの広さがあるそうで、戦闘にはまず支障はなく、丈夫で強引に破られる心配もまず無いからそこで撃破すれば全て丸く収まると語り。
「尤も、それなりの配下は引き連れているそうだがね……彼の生物兵器の実験作かな? 言葉では説明しづらいから……まぁ、行って貰えれば分かるよ。とにかく、まずその配下を倒してくれたまえ」
 毒々しいほどに色鮮やかな、いくつもの線が束ねられたような、複数の眼球を持った名状しがたき形状の怪物の図を示し。
 まずはこいつを倒してから、ジェミニィブレインを倒してくれたまえ、と語る。

 そうしてグラスに残った蒸留酒を飲み干し、ニンジンスティックを齧って一息入れて。
 彼女は頭を下げた。
「……どこの世界でも、形は違えど農の実りと、農を愛する心を踏み躙る輩を許して良い訳がない」
 しばらくの後、頭を下げて微笑むと。
「大変な戦いにはなると思うけど……君達なら、その実りを守り抜くスペース・オペラを紡いでくれると、私は信じてるよ」
 手のグリモアを輝かせつつ、それから、と補足もする。
「戦いが終われば、後で実りを分けて貰えるはずさ。さっきも語ったけど大抵のものなら手に入る筈だよ」
 収穫体験をするも良し、その場で食べるも良し調理するも良し。
 収穫体験もハサミやスコップなど必要な道具は貸して貰えるし、調理も器具や基本的な調味料も言えば同様なので心配はいらないとも告げて。
 スフィーエは猟兵達を送り出すのであった。


裏山薬草
 はいどうも、OPに目を通してくださり有難うございます。
 初めての方は初めまして、既知の方はお久しぶり、裏山薬草と申します。
 今回も皆様のプレイングと合わせ、楽しい物語を紡いでいけたら良いと思います。

 さて、今回の目的は大規模農業プラントを搭載した船を襲撃しようとするオブリビオンを迎撃して貰います。
 OPで説明した通り、食料を奪ってついでに生物兵器の実験場にしようとするえげつない相手ですので、容赦なくやってやってください。

 第一章ではジェミニィブレインを守る謎のスパゲッティモンスターとの戦い、二章ではジェミニィブレインとの決戦を描いていきます。

 第三章では農業プラントの実りを味わう日常を描写していきたいと思います。
 OPで語った通り、大抵の野菜や果物ならあります(と言っても検索すれば出てくるぐらいのものでないと描写いたしかねます)
 収穫体験や調理などに必要な道具は持参しても良いですし、船の人が貸してくれるので準備の必要はありません。
 お誘いいただければ出しゃばり過ぎない程度にスフィーエも絡みます。
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第1章 集団戦 『空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター』

POW   :    いちご味
【鼻腔をつく爽やかないちごの香り】が命中した対象を爆破し、更に互いを【味の固定概念への疑問】で繋ぐ。
SPD   :    できたてパスタぁ!
【汁気を出すことで】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
WIZ   :    空を飛ぶ
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●襲撃は常に容赦なし(ノーマーシー)
 大規模農業プラント搭載艦「ノミッシュ・アオミィ」
 いくつもに存在する区画は、あらゆる質の土壌を備え、温湿度、風量などの気候の条件すらも自在にコントロールされている。
 それが齎すものは、一年の季節を問わないありとあらゆる実りに他ならない。
 尤も、それだけの恵まれた環境は同時にとある邪悪な実験にとっても、限りない好条件を用意できる。
「何とも見事な施設。貴様らの食糧生産だけに使わせるのは勿体ない。我々の頭脳によって、帝国のバイオ兵器を量産する工場に使わせて貰おう」
 突如として現れた、二つの脳が連なったサイボーグが高らかに農業プラントの邪悪な転用を宣言する。
 逃げ惑う人々を庇うようにその前に転送され、サイボーグに立ちはだかる猟兵達。
「む? なんだ貴様らは。我々の邪魔をするというならば……特別に披露してあげよう。我々のバイオ兵器の性能とやらを!!」
 現れたのは、毒々しいまでに赤い線が束ねられたような怪物だった。
 赤い線に交じって黒い線も存在し、その身体には悍ましい数の眼球が誂られている。
 何より特徴的なのは――思わず鼻を覆いたくなる、苺じみた甘ったるい匂い。
 まずはこの怪物たちを倒さなければ、話にならないだろう――!!
ネフラ・ノーヴァ
■POW 
まずは化けパスタか。甘いのは好きだがこうも品のないのはNOというものだ、食欲が失せる。 
束状の胴には刺剣が効きにくそうだ。牽制して近づきフェイタルグラップルで眼球を掴み潰そう。 
戦法上、返り血を浴びるが、これまたニオイが甘そうだな。



●猟兵達ならばお安い御用(ノースウィート)
 幾多の眼球を絶え間なく動かし、いくつもの赤い筋を束ねたような名状しがたき形状が、身体をくねらせ数多く存在する。
 それが甘ったるい嫌な臭いを放っている光景は、バイオの悍ましさを雄弁に物語る。
 乗っ取られたらそんな兵器が量産される――それを阻止すべく、赤い怪物の前にまず一陣で躍り出たのは一人のクリスタリアンだった。
 羊脂玉の如き乳白の出で立ちと、細剣を持った貴族然とした容貌の女性、ネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)は闘争心を剥き出しにしながら笑った。
「まずは化けパスタか。甘いのは好きだがこうも品のないのはNOというものだ、食欲が失せる」
 悪臭の領域になっている甘い臭いの怪物の一体に対し、優雅にかつ獰猛に細剣を突き出しながら躍り出る。
 予想通り、麺状の身体が自在に歪むことで点の一撃である細剣の刺突を躱す。
 だがそれは承知の上と、牽制に何度も、何度も剣を突き出し続けることで体の歪みが歪みきれなくなるところまで追い込み――その手を、悍ましさを最も演出する眼球に伸ばす。
 剥き出しの眼球が引き剥がされ、苦悶の雄叫びを挙げながら、妙にこれまた甘酸っぱい悪臭の血をまき散らして絶命する怪物を見て彼女は恍惚とした顔を向け。
「美しい中身じゃないか、フフッ」
 掌の眼球を握りつぶすと、その返り血を浴びることも厭わずに、他の怪物たちにも優雅な細剣の牽制から、眼球を掴み抉り引き出す光景を繰り出ていく。
 乳白色の容貌に返り血を浴びて、愉悦の表情を浮かべ彼女は笑う。
「ああ、最高の光景だ。私の白に見事な赤が映えて……ニオイの甘さは別の意味でなんとも言えないが」
 優雅さと闘争心の入り混じった、美しくも凄惨な手による引き裂きが、文字通り何体もの怪物を千切っては投げという光景を作り出していくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マハティ・キースリング
住民を弄らないだけまだマシな部類か…?

だが解釈違いだ
私は認めない、こんな奇怪な異形を操るなんて
戦場は煙と鉄だけが支配する、そこに化け物は必要ない

滑って跳ねて…やたら避けるなこの面白生物

焼きます

ウェポン機能選択
弾薬増し増しで

追い立て猟のように回避先をサイバーアイとドローンで予測・操作し
予想結集地点に誘導弾クラスターマインで小型焼夷弾を撒き散らす

防御も考えな…いや大砲でガード、出来るものならば
大砲に赤線や目玉やイチゴ味をつけて奥のヤツにぶつけてやる
自分達が何を生み出したか思い知らせる

この禍々しき砲に思い入れはない
壊れたら自由の身、壊れなくても嬉しい
良い事尽くめじゃあないか…
なんて理想的な兵器なんだ



●戦場に化け物はいらない(ノーモアモンスター)
(住民を弄らないだけまだマシな部類か……?)
 マハティ・キースリング(はぐれ砲兵・f00682)は緑の瞳を軽く伏せながら、毒々しい赤に彩られた麺類の怪物と、それを操る二つの脳を見た。
「だが解釈違いだ。私は認めない、こんな奇怪な異形を操るなんて」
 戦場は煙と鉄だけが支配する、そこに化け物は必要ない。
 呪いによってつけられた忌まわしい砲台の引き金を引き、轟音響かせ大質量の砲撃を叩き込む。
 しかし……
「やたら避けるなこの面白生物……」
 自在に飛び跳ね、麺類の身体を弾ませる怪物たちに、内蔵する兵器の弾薬を大量に増していき――纏めて焼却することにした。
 超科学の目と、偵察機から怪物の飛び跳ねる軌道を正確に見切り、その先に置いておくように、小型の焼夷弾をこれでもかと言わんばかりにまき散らす。
 結集した怪物たちの周りは一瞬で火の海に満たされ、苺の焼けるただでさえきつい悪臭が更に立ち込めていく。
 容赦も何もなく、弾薬を増産した砲から追い打ちをかけるように遠慮なく打ち尽くすことで、焼けていく怪物を完全に消し飛ばす。
 しかし難を逃れた怪物の放つ苺の悪臭が直撃しようとしたが、何を思いついたか、彼女は大砲を盾代わりにし、悪臭が着弾したそれを後ろに控える脳に投げつけた。
 ――自分達が何を生み出したか、思い知らせてやる。
 敢え無く、怪物の一体を犠牲に脳に届くことは無かったが、苺の体液の中、潰れた怪物と壊れる様子を見せない兵器に喜んだ。
 壊れれば良し、壊れなければ嬉しい。良いことしかない。
「なんて理想的な兵器なんだ」

成功 🔵​🔵​🔴​

レイチェル・ケイトリン
おでかけのまえにフィエさんにまたおねがいします。
わたし、がんばるから、お医者さまをさがしていてくださいって。


念動力と吹き飛ばしの技能とサイコキネシスで
敵を攻撃してふっとばすね。

敵からの汁気や匂いも風でふっとばしてふせぐよ。
ほかの猟兵さんへの敵の攻撃も
かばう技能もつかってふっとばしてふせぐね。

汁気でこまっちゃってる猟兵さんがいたら
遠隔で精密に操作できるサイコキネシスでとってあげるの。


フィエさんにはおねがいばかりでごめんなさい。
でも、生物兵器って、こわい病気をばらまくんだよね。

そのサンプルさがすよ。
帝国の生物兵器の病気をなおせるようにしてほしいから。

それもひとびとをまもるたいせつなおしごとだもの。



●外道に付ける薬無し(ノーメディスン)
 少女はグリモア猟兵に語った。
 わたし、がんばるから、お医者さまをさがしていてくださいと。
 頑丈に仕立てられた宇宙艦の壁に、強く叩きつけられた怪物が潰れた苺のように甘ったるい体液をまき散らした。
 飛散る汁気も、決まった形を持たない筈の香気(むしろ悪臭か)をも、実に優れた念動力で掴み、風を起こし吹き飛ばし続けるのは、レイチェル・ケイトリン(心の力・f09500)だ。
 年の頃にしてみれば背の高く、乳白色の肌に銀髪をもった人形のヤドリガミ。
 混戦極まる戦場で、彼女は勇敢に――そう、自分が攻撃を行うだけでなく、他の猟兵達に向かう攻撃も優れた念動力で受け止め弾いていく。
 接近を許さない念動の乱舞の中、彼女の目は敵だけでないモノも追っていた。
(サンプルあるかな)
 生物兵器――尤も、かの科学者が言うそれには彼女の危惧するウイルスよりも、目の前の怪物のような生体兵器の割合も多いのだろうが――の脅威を危惧してだ。
 内心に、願いばかりで申し訳なく思いながらも――かの狂った科学者の野望が果たされてしまえば、開発された兵器で苦しむ者は沢山増える。
 万一、サンプルがあればウイルスの方がばら撒かれても苦しみを取り除きやすくなるだろうから。
 だから、医者を頼んだ。
(それも、ひとびとをまもるたいせつなおしごとだもの)
 でもまずは敵をたおす。
 時に他の猟兵に付着した体液を念動力で綺麗に取り除いたりもしつつ、レイチェルはその優れた念動力で麺類の怪物を掴み、叩き潰すように吹き飛ばしていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

櫟・陽里
この世界で暮らす…故郷を大地を失った人々にとって
土が、植物が、自然を感じられる環境が
どんだけ憧れで心の支えか…なんて
説いても無駄なんだろうな
さっさとやるか!

バイクにつぎ込んでて武器にかける金が無い分
いつもは弱点狙ったり工夫して戦うスタイルなんだけど…

うん、わけがわからねぇ!

弱点どころか生き物としての理屈が謎
とりあえず相棒の「ライ」で駆け回り攻撃を避け様子見
目玉とか黒い線の根元を狙って拳銃で撃ってみる
あんま効果なさそうなら…しかたねぇ
真っ正面からぶつかるしかないか
相棒には悪いが円形ターンで一気に薙ぎ払いだ
あーあー…後で洗車だなこりゃ

ここの施設でこんなモン量産するって?
無駄遣い以外の何物でもねぇ…



●無駄無駄無駄無駄(ノーウェイスティング)
(この世界で暮らす……故郷を、大地を失った人々にとって、土が、植物が、自然を感じられる環境が、どんだけ憧れで心の支えか……なんて説いても無駄なんだろうな)
 一人のスペースノイドは後ろに控える双脳の目的を思い返し、怒りを覚えていた。
「さっさとやるか!!」
 櫟・陽里(スターライダー ヒカリ・f05640)は、愛着のある相棒、ライと名付けたバイクのスロットルを回した。
 まずは様子を見る為に、変幻自在に動き回って甘ったるい悪臭を放つ怪物の攻撃を、雷速で躱していき、敵の質を見極めんとする。
 時に拳銃でいくつかの部位を撃ち、目玉を撃てば多少のダメージはある……が、流石に直接引きずり出し潰すぐらいでないと効果は薄そうだった。
 資金の殆どをライに費やし、他の武器にかける金が無い――悪く言えば、手段に乏しく、だからこそライの優れた性能を生かし工夫する立ち回りの陽里だが。
「うん、わけがわからねぇ!!」
 良い笑顔でこの生物への結論を下した。
 これから起こることに背に腹は代えられないと決意すると、
「華麗なターン、魅せてやるぜ!!」
 相棒のスロットルを廻し、エンジンの轟音を響かせながら、雲を裂く雷のように、大変に見事な旋回(ターン)を披露する。
 彼の資金と愛情に応えるようにハイテク化の為された相棒は見事にスパゲティの怪物を引き裂き散らすが。
(あーあー……後で洗車だなこりゃ。スマン、相棒)
 付着した体液と甘ったるい悪臭に相棒への申し訳なさを顔に出しつつ。
(にしても、ここの施設でこんなモン量産するって?)
 流石にこのような不気味な生き物ばかりではない……と思いたいが。
「無駄遣い以外の何物でもねぇ……」
 怒りと呆れを吐き捨てるように、頼れる相棒のスロットルを廻し再び敵陣に躍り込むのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベルベナ・ラウンドディー
…帝国あれやる気あんのか…あるんでしょうか?
あんなのを前線に送れば士気が下がろうものでしょうが…
…ともあれ、此方にとって脅威には違いありませんね!



バイクによる騎兵戦
前例に倣い、私も刺突の撃剣を主体に展開します
においがまとわりつく前に引き剥がすのが上策と見ました
【ダッシュ・串刺し・吹き飛ばし】による一撃離脱戦法
【見切り・残像】による回避と【聞き耳・情報収集】による周囲警戒…を行います
突出はし過ぎぬよう警戒、被包囲を許したらそれこそバイクで吹き飛ばすまで


【竜紋即居付け】…宣告する。貴方は今から【敵と味方の区別が逆になる】

製造コンセプトはよく解りませんが 
私の盾役ぐらいにはせめて務めてください



●麺は纏まらぬが美徳(ノーオーダー)
「……帝国あれやる気あんのか……あるんでしょうか?」
 確かにあれを前線に送り込めば戦う相手の士気は下がろう。
 だがあまりにも……と、漏れかけた過去の口調を丁寧に戻しながら、ベルベナ・ラウンドディー(ドラゴニアンのバイク乗り・f07708)は呟いた。
「ともあれ、此方にとって脅威には違いありませんね!!」
 メーカーが楽器を扱っていそうな青いバイクのスロットルを回すと、彼は銘は総州、号は臥鶴とする直刀を構えた。
 前例に倣い、バイクによる高速の突撃からの刺突を鋭く深く眼球に叩き込む。
 すぐさまスロットルを噴かし、苺の鮮血が返ってくる前に離脱する。
 他の怪物が飛び掛かってきても、ドリフトの音を立てておかれた残像に飛び込む形となった。
 その隙にまたベルべナの刺突が深く突き刺さり、返り血を浴びる前に離れる一撃離脱を繰り返し続け、着実に数を減らしていく。
 元々数を減らし、警戒も怠らなかった彼が包囲されることも無く、残った二体の内の一体が彼に飛び掛かる。
 変わらずにすれ違いざまに刺突を繰り出すが、繰り出された怪物の命は絶えていなかった。
 彼のバイクと直刀に、衰えがあったというのか、否。
「……宣告する。貴方は今から……」
 ――竜紋即居付け。
 決まっていた刺突は、ただの刺突ではなかった。
 一瞬の刺突の間に、竜言語の精緻な紋を刻む妙技。
 その紋が刻み込まれた敵の末路は……
「【敵と味方の区別が逆になる】」
 決して逆らうこと敵わない、強力な念動力の強制。
 宣言された強制力、敵味方の区別を反転させる呪いにかかれば、怪物はその意に従って。
 残った一体と向き合い互いを芳香で縛り付けて、共倒れに爆破四散させた。
「製造コンセプトはよく解りませんが、私の盾役ぐらいにはせめて」
 直刀を鞘に納めて移した視線の先には、もう盾にする相手もいなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『ドクター・ジェミニィブレイン』

POW   :    喰らえ!ブレインコントロール!
見えない【超強力な脳波】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
SPD   :    出でよ!ビッグブレインロボ!!
自身の身長の2倍の【戦闘用殺戮巨大ロボ】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    喰らいつけ!メカニカルバグズ!
レベル×1体の、【体】に1と刻印された戦闘用【昆虫型ロボ(昆虫の種類は毎回変わる)】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は暴星・メテオです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●価値無きモノに払う敬意なし(ノーリスペクト)
「ふぅむ。凡才には我々のバイオの美学は分からないということか」
 熟れ切った苺のような、きつい悪臭の赤い液体が広がる床に、全長2メートルはあろうかという機械があった。
 その機械は二つの脳が連なったような物体をカプセルを搭載し、それが機械の体に於いて異彩を放っていた。
 ドクター・ジェミニィブレイン。
 帝国軍の超・天才科学者二名がお互いの脳を摘出し、連結し更なる超頭脳と戦闘力を得たサイボーグである。
「しかし君達の戦闘力は見事なものだ。これはまた良い実験データが得られたよ。これでまた我々の研究もはかどるというもの」
 先ほどの激闘で引き連れていた謎のスパゲッティモンスターが全滅したことに、そのサイボーグは寧ろ感動を覚えていた。
 良く出来た実験生物の成果が確認できた、程度の感情しかないうすら寒い称賛を続けながら、更に言葉を発した。
「ところで我々の作品に無駄と言ったが……」
 どこにあるか分からない目の先は、散々に彼の「作品」を無駄と断じた猟兵達があった。
「我々からすれば、素晴らしき技術の粋を農業などに使うことが無駄だ」
 ……グリモア猟兵が語った、農の尊さと難しさを侮辱する言動であった。
 一部の猟兵達の反論、丹精込めて育てた作物の豊富な栄養と味わいについて力説する声を彼は淡々と受け流す。
「栄養剤で十分ではないかね。味など食に堪えればそれで十分だ。……本当に無駄ばかり」
 それよりも我々の技術の為に使うことの方が余程有意義と言わんばかりであった。
 その言葉に怒りを露わにする猟兵に、機械腕で肩を竦めるような動きをし。
「ふむ。我々は何か諸君らを怒らせてしまったかね……? 申し訳ないが、君達凡才の怒りの理由は私には分からんのだ」
 羽虫の感情は人間には分からない。
 その程度の心にもない謝罪。
 一斉に戦闘態勢を取る猟兵達に、サイボーグは続けた。
「それでも我々の崇高なるバイオの実験を邪魔するというのならば……丁度良い」
 響き渡る駆動音。
 戦闘機械として出力を挙げた故の熱気と、動力炉の音が広がる。
「我々のバイオとマシンのハイブリッド、この身体の戦闘力の実験台となり給えモルモット諸君」
レイチェル・ケイトリン
ブレインコントロール……わたしのサイコキネシスとにてる……
ならにがてなこともわかるよ。

念動力と吹き飛ばしの技能で刹那の想いをつかって
敵を攻撃してふっとばすよ。

遠隔操作での攻撃は目標をさだめなきゃいけないから
ふっとばされてたらつかえないもの。

敵がロボットにのったら、さっきの敵の汁気をあつめてあびせて
摩擦なくしてふっとばすよ。

遠隔操作のはやさ、刹那の想いならまけないよ。

わたしがふっとばされたってわたしの心のなかでは
ゆっくりうごいてるからねらえるしね。


むかしはちがったのかもね、でも今は

「羽虫の行動原理がわかんないってふつうに言えちゃう生物学者」

うん、敵が科学者であるかぎり、わたしたちにはかてないよ。



●理屈に非ず(ノーロジック)
 二つに連なった脳は、そこから発する念動力もまた二倍以上の力を持つ。
 ジェミニィブレインは手始めに双脳からの念動力で猟兵を吹き飛ばそうとしたが。
 それを許さなかったのはレイチェルだった。
(ブレインコントロール……わたしのサイコキネシスとにてる……)
 だったら、弱点もまた良く分かっている。
 理屈が同じであるならば……心のなかで時間よ、とまれ。
 体感時間を急速に落ち着けることで、レイチェルの目にはこの世界が停まって見える。
 それは思念が脳から発せられるよりも早く――レイチェルの莫大な念動力がサイボーグ科学者をひっつかみ、艦の壁へと叩きつけるように吹き飛ばす。
「目標をさだめなきゃいけないから、ふっとばされてたらつかえないもの」
「……それは君も同じだろう」
 損傷をまだ大丈夫だと判断したサイボーグは、元々大柄な己よりも更に大きな殺戮用の機体を転送し飛び乗ろうとする。
「わたし、わかってるから」
 念動力の戦いで分が悪いならば、物理をぶつけて吹き飛ばす。
 だが己の弱点を心得ているなら、それをカバーする方法も心得るは道理。
 騎乗する先に、先の戦いで散ったスパゲティモンスターの体液を抽出しかき集め設置する。
 かけた足が戦闘機械から滑り落ち、床に叩きつけられる。
 カプセルに保護された二つの脳が揺れ、エラー音を立てる姿をレイチェルの冷たい青の瞳が見下した。
「わたしは、分かってる」
 でも、と唇を僅かに釣り上げて。
「生き物の行動原理が理屈でしかわかんないって、ふつうに言えちゃう科学者」
 ――元々人間であったであろうサイボーグに向けられる皮肉。
 それが、元々は人間でなかったヤドリガミのモノとあらば――これ以上、無いのかもしれない。
「うん、わたしたちには勝てないよ」
 にこやかに笑う彼女の顔は、勝利を微塵も疑わないようだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

櫟・陽里
いや?怒ってねぇよ、呆れただけさ天才博士
脳すら無駄遣いしてんのか
せっかく2つも繋げてんのに1つの視点しか持ってないなんて視野の狭さにびっくりだ
なんで天才ってのは偏った奴が多いのかね?バランス感覚悪そうだよな
コアマシンの量産法でも発明してみろ称賛してやるから

機械や乗り物相手なら得意分野!
さっきの謎生物よりずっと戦いやすいぜ
頭でっかちでいかにも転びそうだ
ライに騎乗、敵の足元に鋼糸をひっかけるよう走り回り転倒させたい
転倒しなくても綱引きの馬力勝負に持ち込めれば動きを止められる
じっくり狙い放題だな!
バイク整備の経験からロボの構造を予想
関節パーツ、モーター、回路…弱点になりそうな部分を拳銃で打つ



●視界不良(ノーヴィジビリティ)
 立ち上がるサイボーグに陽里は肩を竦めて戦前の台詞に応えた。
「いや? 怒ってねぇよ、呆れただけさ天才博士」
 せっかく二つの脳を繋げて優れた知性を得たにも関わらず、悲しい無駄遣いだ。
 一つの視点にしか拘れない、色んな意味でバランス感覚の悪い二つの脳が詰まった機械に皮肉半分に言い放つ。
「どうせならコアマシンの量産法でも発明してみろ。称賛してやるから」
「ふむ。ではここを乗っ取った後に研究してみよう」
 通じているか通じていないかは分からないが、サイボーグは軽く流す。
 しばらく互いににらみ合った後に。
「さっきの謎生物よりずっと戦いやすいぜ!!」
 先ほどの生物と言っていいのかも分からない怪物より、ずっと気は楽だ。
 数値上のスペックならば確かに高そうだが、戦闘を心得ていない機械相手ならば――正に、陽里の専門分野だ。
 相棒のバイクを駈け出し、鋼糸を足元にすれ違いざまに引っ掛ける。
 陽気にエンジンを吹かし、サイボーグの周囲を掛けてバランスの悪そうな頼りない足元から転ばそうとするが。
「中々の馬力のようだが……我々の設計した馬力を舐めて貰っては困る」
 なんだかんだで馬力自体は確かなサイボーグはその糸を掴み、引っ張り合いの均衡を演じることになる。しかし。
「そうかい?」
 留まっても、それはそれで狙い放題。
 整備工の経験からくる確かな目で、関節や動力炉の隙間を縫って拳銃を叩き込む。
 機械の弱点を突かれ関節から火花を散らすサイボーグに銃口に息を吹きつけながら告げた。
「機械は機械。突ける弱点なんざいっぱいあるんだぜ」
「くっ……」
「人間相手の戦いって奴にも、目ぇ向けた方がいいぜ。天才博士」
 追い打ちを掛けるように、また彼は何度も拳銃で関節を打ち抜いていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベルベナ・ラウンドディー
歩兵戦術にて展開

(気合い・殺気・恐怖を与える・ダッシュ・串刺し・吹き飛ばし)での攻撃
(気合い・見切り・武器受け・残像・カウンター・串刺し)での回避~反撃行程
何事も気合いです
ザコの召喚も行うようですが攻撃の踏み込み1つ1つに衝撃波を伴わせて振り払います
気合いです。攻め立てて思考の猶予を与えません


アレは遠距離用ですし接近戦に持ち込めば脳波攻撃は出来ませんね?
ユーベルコードで連結し、鎖を手繰って強引に間合いに持ち込みます。
有事の際はバイクに突撃支持を出してSPD・WIZのロボの妨害を行います

白兵戦用の念動力の使い方なら知っていますが
コレに奥義を見せるのも技術の無駄遣いですね
控えましょう



●()
 弾丸を打ち込まれ、火花を散らしていたサイボーグは引っかかった指が千切れ飛ぶのも厭わずに強引に離脱する。
 その離脱した姿に切り込む、颯爽としたドラゴニアンの直刀が閃いた。
「猶予は与えませんよ」
 言葉に込めた殺気が具現したかのような、衝撃を伴うほどの鋭く、凄まじい斬撃。
 盾代わりに呼び出した小型の昆虫型機体も容易く薙ぎ払われ。
 脳を包んでいたカプセルの一部が傷つき、機械足の出力を強引に上げて離脱を試みるが。
「残念ですが、僕の間合いに来て貰いますよ」
 ベルベナの竜のオーラが腕に喰らい付くやいなや、爆発を起こし装甲を剥ぎ。
 竜のオーラが輝く鎖のように両者をつなぐ。
 万全な状態であれば、振りほどけても回路や関節を痛めつけられた今は敵わずに間合いに引き寄せられる。
「アレは遠距離用ですし接近戦に持ち込めば脳波攻撃は出来ませんね?」
「っ……確かに」
 白い牙を覗かせて笑うベルベナに、焦りを伴いながら二つの脳で必死に思考し脳波を漂わせ。
「では遠くのものを操らせて貰うとしよう」
「なっ……!!」
 緑の髪を束ねていた留め具が弾け、白い鱗が一枚剥がされる。
 それは先ほどサイボーグが鋼糸を振りほどく際に切り捨てた彼等自身の指。
 一瞬怯んだベルベナから衰えたとはいえ、持ち前の馬力で強引に距離を取り、竜のオーラから離脱する。
「どうかね。我々の視野も中々のものだろう」
「……V-RAXX!!」
 嘲笑するサイボーグに対しベルベナは指を弾く。
 音声認識も可能とする青いカウルのバイクがエンジンを響かせて体当たりをかまし、追撃を防いだが内心悔しさがぬぐえない。
(くっ……白兵戦用の念動力の使い方なら知っていましたが)
 コレに技術を見せるのも、また無駄遣いと断じて温存したが不幸か。
 ――尤も、無駄遣いと下した評価はそう間違いでない相手なのかもしれないが。

苦戦 🔵​🔴​🔴​


※●優れたる術使う価値無し(ノーワース)
レイチェル・ケイトリン
刹那の想いで敵をおさえこみながらおしえてあげるね。

「オブリビオンには未来がない。軍人ならこわい兵器をつかって『むかしとおなじように』たたかえる。技術者なら、うばったものからいやなものを『むかしとおなじように』つくれる。でも、科学者だと、むかし、しってたことしかわかんないし、むかし、やってたことしかできない、そうなるの」
「わたしはあなたをみつめ、あなたを理解して、あなたをたおす」
「あなたが科学者であるかぎり、わたしたちにはかてないよ」と。

そのあとにつづけていいます。

「そして、わたしはあなたにもまなんで未来をつかみます」

「それがあなたとたたかうということだとわたしは思うから」



●過去に迎える未来は無い(ノーフューチャー)
 バイクの突撃で壁に打ち付けられた身を重たげに起こそうとする動きを、膨大な念動力の波動が押さえつけた。
 震える機械の体に、青い瞳が冷たい視線を向けた。
「オブリビオンには未来がない。
 軍人ならこわい兵器をつかって『むかしとおなじように』たたかえる。
 技術者なら、うばったものからいやなものを『むかしとおなじように』つくれる。 でも、科学者だと、むかし、しってたことしかわかんない。
 むかし、やってたことしかできない、そうなるの」
「我々が過去の再現でしかないと?」
 ――実際そうでしょう?
「我々は未来を紡げる!! 我らが帝国の未来の為、その一歩の為に……」
「でもあなたは過去。過去は未来にいけないの」
 彼等の反論を断じる強い言葉と意志。
 巨体に収められた二つの脳から発せられる念動力の波が、機械とヤドリガミの間で均衡を続ける。
「わたしはあなたをみつめ、あなたを理解して、あなたをたおす」
「面白い冗談だ。我々の叡智が理解できるとでも?」
 ――あれだけ言ったのに、まだわかっていない。
 やっぱり、視野の狭いこと。
「あなたが過去の科学者であるかぎり、わたしたちにはかてないよ」
 農の実りは未来につなげる為のもの。
 それを守る猟兵に、所詮は過去の有り得たかもしれない再現でしかない存在が、勝てる訳はないのだから。
「そして、わたしはあなたにもまなんで未来をつかみます」
 ――めしゃり。
 高度な念動力と思考の応酬に耐えきれなくなってきた、ジェミニィブレインを構成する二つの脳の内の一つから、淀んだ液体が漏れ出した。
 過負荷に耐えきれなくなってきた脳の一部が壊れ始めてきたのだろう。
 額に浮かぶ汗を拭い少女は強く出た。
「それがあなたとたたかうということだとわたしは思うから」

成功 🔵​🔵​🔴​

ネフラ・ノーヴァ
そもそもひとつのボディに脳がふたつなど余計なものだ、美しくないじゃないか。どれ、ひとつ減らしてやろう。奴の攻撃を刺剣でかいくぐり、最接近したらフェイタルグラップルで抉り出す。余計な脳でも弾け飛ぶ瞬間は美しいのではないかな。



●彼女にとって問うまでもなく(ノークエスチョン)
「美しくないじゃないか」
 サイボーグの中枢を構成する脳を見比べて、羊脂玉のクリスタリアンは溜息交じりに失望したような目線を向けた。
 ――そもそも一つの体に二つも脳が存在するなんて。
「どれ、一つ減らしてやろう」
 好戦的な微笑みを向け、刺剣を突き出す姿に、火花を散らす身体と脳の一部を損傷して弱った身体で強力な思念波を放つ。
「ぐっ……」
 実体のない波動は、刺剣でかいくぐれる類の攻撃では無かったのが不幸か。
 これが実体のある機械の配下を嗾ける類の攻撃であったならば、彼女はその見事な剣捌きで思惑通りになったのかもしれないが。
 強力無比な思念波に、ネフラの鉱物の身にヒビが入ってくる嫌な音が響いてくる。
 だが。
「余計な脳でも……」
 クリスタリアンは迫った。
 いくばくか衰えたとはいえ、二つの脳からなる強力な精神波に身を揺さぶられながらも距離を詰めていき。
 一つの脳から零れる液体に快楽に狂った目を向けて。
 金属鎧も貫き通す刺剣捌きで、足を貫き移動をさせぬよう場に縫い付けた。
「弾け飛ぶ瞬間は」
 思念波によって内部から少しだけ表皮の割れ始めた、しなやかな腕を――かのサイボーグの脳を納めるカプセルに、突っ込んで。
 強化ガラスの装甲を物ともせずに、破片がひび割れ始めた腕を軽く削ろうと。
「美しいのではないかな」
 そして、中枢の一つを、外界へと――握りつぶさん勢いで引っ掴み、引きずり出した!!
「……やはりそうだ」
 掌に収まらない肥大した脳を豆腐のように握り潰し。
 脳漿で艶めかしい白を濁った赤黒に汚しながら。
 彼女は頬を上気させ、掌の中から花火のように散っていった脳の残骸を愛おしく見回した。
 ――羊脂玉の肌に入ったヒビも、気にならぬ程に快楽と狂気に満ちていた姿だった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

メルフローレ・カノン
遅れての推参となります……
スペースシップワールドの圃場はこのようになっているのですね……
そして、機械中心の世界でも、
ナマモノの怪物は普通に存在すると言うことも理解しました。

というわけで、目前の脳味噌オブリビオンに相対します。

私の得物は主にメイスですが
状況により予備武器で剣も使います。

敵は昆虫ロボや脳波で操ったもので攻撃するようなので、
[見切り]でかわしたり、[武器受け][なぎ払い]で叩き落とします。
耐える状況なら【無敵城塞】を使いましょう。
「ここは堪えてみせます!」

攻撃の際は、[力溜め]の上、[二回攻撃][鎧砕き][気絶攻撃]で
機械の可動部や脳を覆う装甲を攻撃しましょう。
「全力で行きますよ!」



●堪え切れない訳がない(ノーダメージ)
 中枢を構成する、脳の一つを文字通り完全に潰されてエラー音を絶え間なく出しているサイボーグ科学者の前に一人の少女が現れた。
 緊迫した戦場の雰囲気にも関わらず、降り立つ世界の分析と、目の前に相対する生体と機械の織り交ざった相手を見て。
(スペースシップワールドの圃場はこのようになっているのですね……そして、機械中心の世界でも、ナマモノの怪物は普通に存在すると言うことも理解しました)
 修道女のような出で立ちの少女、メルフローレ・カノン(世界とみんなを守る……かもしれないお助けシスター・f03056)へ、言葉もままならぬ状態でサイボーグ科学者は強烈な脳波を放ち攻撃を仕掛けた。
「ここは堪えてみせます!!」
 だがそれを修道女の武器たるメイスを構え、祈りを捧げるように堅牢に立ち。
 衰えた――否、仮に万全の状態であったとしても、彼女の堅牢なる構えを崩すことは敵わないだろう。
 そして負傷した脳で精神波を放った反動で残った脳すらも、濁った汁を零し始めていき。
 破れかぶれに負傷した腕を振るい攻撃を仕掛けんとするが、メルフローレは修道女にはやや似つかわしくないグラディウスを素早く抜き放ち、刃を挟むように、関節に突き刺して動きを止めた。
「終わりですか? では全力で行きますよ!!」
 そして間髪を入れず、サイボーグの中枢を保護する強化ガラスのカプセル目掛け――両手で思い切り、メイスを振り抜いた。
 細腕のどこにあるのやら、極限まで力を溜めて繰り出された殴打は、盛大にサイボーグ科学者を吹き飛ばし壁に叩きつけて。
 強化ガラスを派手に割り、破片が生き残っていた脳へ突き刺さり、衝撃でカプセルの中を上下する脳に深く突き刺さっていく。
 遅れての参戦を気にはしているようだったが、それを払拭して余りある見事な活躍と言っていいだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヒメル・ヴィーゼ
あなたの作品が凄いのか凄くないのか、私には分からないわ。
でも、皆が苦労して作り上げた此処を、否定して横取りするのは許せない。

ユーベルコード『レオンハート・ライド』で素早く動いて敵の攻撃を避けつつ接近。
武器『ヒメルの尾:フォース』の“援護射撃”や“なぎ払い”で妨害もするわ。

接近できたら関節へ攻撃してスキを作って、武器『ヒメルの尾:電脳』を接続。
脳そのものは対策してそうだけど、機械部分なら“ハッキング”で干渉できるかもしれない。
干渉できたら「四肢への接続」を切断、もしくは阻害して、すぐ離脱するわ。
いくら脳や体が無事でも、繋がってなければ意味が無い、でしょ。

(アドリブや他の方との絡みOKです)



●過去は過去(ノーコネクト)
「あなたの作品が凄いのか凄くないのか、私には分からないわ」
 脳の一つを潰され残った方も大きな損傷を負い、機械の体からもいくつもの火花を散らし追い込まれているサイボーグ科学者の前に、しなやかに現れた黒猫がいた。
 いや、見た目はそれに近いが、分かれた尾と滴る液状の形がそうでないことを伺わせる。
 彼女――ヒメル・ヴィーゼ(ブラックタールは草原と空の夢を見る・f04279)は首元の鈴をしゃん、と鳴らして言い放った。
「でも、皆が苦労して作り上げた此処を、否定して横取りするのは許せない」
 ――その怒りは、昔話のように地を駆けることを夢見る彼女だからこそか。
「力を貸して、ライオンさん!!」
 ガラクタ寸前の身体を奮い立たせ、凶悪な戦闘機械を呼ぶサイボーグに対し、機械を内蔵した巨大な獅子型のぬいぐるみを呼び飛び乗る。
 ヒメルの騎乗する獅子はいとも容易く戦闘機械の攻撃を潜り抜け、獅子の爪と騎乗主の尾から放たれるオーラによる援護射撃が戦闘機械を簡単に打ち壊す。
 そして落ちた本体に今こそとヒメルは獅子の背を蹴り、ほぼ虫の息のサイボーグに取り付く。
 そして別の尾を剥き出しとなった機械回路に接続すると。
「これならハッキングできそうね。……終わりよ」
 高度な電脳演算処理を可能とする機械からの干渉で脳と手足の接続を断ち切り、強制的に自壊させていく。
 バラバラになった手足と胴体に巻き込まれる前に手早く離脱すると、猫のように宙を一回転し物音を立てずに着地して。
「繋がってなければ意味が無い、でしょ」
 ハッキングの負荷に耐えきれなかった残った脳が機能を停止し。
 本体の指令が途絶えた手足もまた、動きを止めて――ここに、科学者サイボーグの息の根は完全に止まるのだった。


●死すれば花は咲かぬ(ノーワン)
 かくして、農業の実りを――猟兵の意見は様々ではあるが、悪用せんとした科学者の野望は露と消えた。
 いつの間にか、隔離された手足と本体の脳は最初から存在していなかったかのように消え失せていた。
 散々に荒らしまわろうとしての最後がそれは勝手なものなのかもしれないが――農の実りを好き勝手に弄ぼうとした脳に、残る価値は無いだろう。
 いつの間にか彼が引き連れていた甘ったるい臭いの名状しがたき怪物の痕跡も綺麗さっぱりと消え失せて。
 ……流石に、これだけを作る訳ではなかったと思うが、あの怪物が豊かな実りの代わりに量産される光景など真っ平ごめんだろう。
 戦いを終え、軽く一息をついていた猟兵達に、一人の中年男性が声を掛けた。
「私、この艦の艦長を務めさせて頂いておりますミズキと申します。お時間宜しければ、一度私の部屋に来て頂けますか?」

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 日常 『農耕プラントで作物収穫!』

POW   :    とにかく大物狙い! デカそうなのを収穫する。

SPD   :    素早く収穫して量を確保する。

WIZ   :    品質を見極めおいしそうな作物を収穫する。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●遠慮なんてしないで(ノーリザーヴ)
 悪の科学者サイボーグを見事に撃破した猟兵達は、農業プラント搭載艦「ノミッシュ・アオミィ」、通称ノミィの艦長室に招かれていた。
 人の良さそうな五十代半ばに見える艦長は場に集まった英雄たちに、丁寧に一人一人頭を下げていく。
「どこのどなたかは存じませんが、まずはこのノミィを守ってくださり真に有難うございます」
 ややくたびれたような作業着を纏い麦わら帽子を脱いで何度も頭を下げる姿は、大規模艦の艦長というよりも、世界が世界ならば農業従事者の中年男性のようで。
 そんな彼は一頻りの猟兵に頭を下げ終えると、興味深そうに人懐こそうな目を輝かせ。
「不躾かもしれませんが、もしかするとあなた方はあの伝説の……」
 すぐに浮かんだ考えを振り払う。
 この方たちがあの伝説の「解放軍」だったとしても、そうでなかったとしても、自分達にとって英雄であり恩人であることに変わりは無いのだから。
「いえ、無用な詮索ですな。折角です。どうか私共の農の実りを楽しんでいってください。ただ、許可できるのは一般開放されている区画のみで、あまり種類は用意できませんが……」
 艦長はああは言ったが、実際は謙遜だろう。
 一般開放されているもののみ、とは言っても、探せばあらゆる時候・土地、種類の野菜・果実を収穫できる環境なのは間違いない。
「必要なものがあれば係員にお申しつけください。あまり専門的なものは用意できませんが、大抵のモノならば用意いたしますよ」
 ハサミやシャベルなどを借りて収穫体験をするも良し。
 調理器具や調味料などを借りて農の実りを自由に味わうも良し。
 猟兵は思い思いに、守り抜いた豊かな実りを楽しみにいくのだった。
レイチェル・ケイトリン
オブリビオンって、やっつけたあと、
なにかをのこすのと、ぜんぶきえちゃうのがあるんだよね。

フィエさんごめんなさい、サンプルなさそうなの。

せめて、フィエさんにはおみやげもらってかえるね。

係員さんにいろいろおしえてもらって念動力技能で刹那の想いつかって
あちこちの野菜とか木の実とかをてきぱきあつめるよ。

とったものが傷つかないように、そして樹とかもいためないように、
おしえてもらって工夫するね。

アックス&ウィザーズの世界で薬草をあつめることもあって
でも、その木とかはそこのひとたちのだいじなものだから、
たいせつにしてあげたい、そうおもってたから。

わたしは今。過去にまなんで、未来をつかもうとする今なんだもの。



●傷つかないようにと(ノースクラッチ)
(オブリビオンって、やっつけたあと、なにかをのこすのと、ぜんぶきえちゃうのがあるんだよね)
 無責任に死体も全て残さず消え去った怪物たちを見て、残念そうにレイチェルは思った。
 せっかくのサンプルも、持ち帰れない。
(フィエさんごめんなさい。せめて、おみやげもらってかえるね)
 尤も、そう言われたところで気にすることは無いよ、とグリモア猟兵は笑って言うかもしれないが。
 お土産はせめて持って帰ろうと、少女は係員に採らんとしている実りの正しい採り方――この場合は、傷つけないやり方だが。
 それを真剣に聞いていく。 
 かつて、剣と魔法と竜の支配する世界で薬草を取ったこともあったけれど。
(その木とかはそこのひとたちのだいじなものだから、たいせつにしてあげたい)
 そう思うからこその真剣さに、心を打たれたのか係員も侮ることなく収穫物や、木々を痛めないやり方を丁寧に教え。
 ――それを実行に移すのが、途轍もないほどに精密極まる念動力で、手で触れることないのが、良い意味でレイチェルという少女らしいやり方ではあるが。
 尤も、それが彼女の生に意味を与えた力なのだから、それを大いに活用するのは何らおかしいことではないだろう。
 それでも、新鮮で見るからに味わいの良さを物語る実りを、丁寧に素早く、そして何者をも傷つけること無い絶妙な加減で収穫していくのだ。
 きっとこれだけあれば、じゅうぶん。
 大量に収穫したモノを両手いっぱいに抱き、そしてそれには収まらない数々の野菜と果物を周囲に浮かべ。
 色とりどりの実りに囲まれた乳白色と、少女の笑顔は太陽のように眩しく。
「わたしは今。過去にまなんで、未来をつかもうとする今なんだもの」

成功 🔵​🔵​🔴​

ヒメル・ヴィーゼ
はわあぁ…凄い、凄いわ…!
こんな大規模な農業プラント初めて見るわ!(この世界出身)
これだけの広さ、これだけの種類…作るのはもちろん、維持するのだってとても苦労するでしょうに。
ふふ、本当に、守ることができて良かったわ。

【WIZ】
そのままでも食べられそうなのは、トマトとかかしら。
どういうのが品質良いのかわからないから、作ってる人に聞いて参考にするわね。
良さそうなのが収穫できたら食べたいわ、絶対美味しい。

より良い品質のものを作ったり、収穫量を増やす為に、此処の人たちも頑張ってるのでしょうね。
こういう場所を守る為に、私も負けないくらい頑張らなきゃね。
御馳走様でした!

(アドリブや他の方との絡みOKです)



●然るべき味わい(ノーワンダー)
 眼前に広がる様々な種類の畑と、広大な区画を見てヒメルは声を挙げた。
「はわあぁ……凄い、凄いわ……!!」
 滴るような形状の分かたれた尾を立たせて身を震わせて。
 液状が故の波紋も体に浮かんでいても、その仕草は猫そのものだった。
 その様子に微笑まし気に、係員の一人がこういう場所は初めてですかと問いかけた。
「ええ、こんな大規模な農業プラント初めて見るわ!!」
 この世界の出身である彼女から見ても、ノミィほどの大規模な農業プラント搭載艦は珍しく映るらしく、真っ黒な身体の中でも分かる愛らしい黒の眼を輝かせていた。
(これだけの広さ、これだけの種類……作るのはもちろん、維持するのだってとても苦労するでしょうに)
 こうした現実的な面にも目を向けられるのは、シビアな思考も備えているからか。
 だからこそ、このノミィの凄さと、
(ふふ、本当に、守ることができて良かったわ)
 それを守ることの喜びがひしひしと感じられたのだ。
 そんな彼女は、係員に案内されてトマトのエリアに来ていたのだ。
 本物の太陽は無くとも、発達した超科学の環境は自然界にも劣らず、トマト特有の人によっては青臭いとも称されるが香しい匂いが彼女の鼻腔を擽った。
 大小、色も様々な果実の見分け方を係員に教わると、教わった通りの重みがあって赤いモノを一つ取り齧る。
 またもや尾をピン、と立たせ勢いよくむしゃぶりつきながら、冷静にヒメルは分析する。
(より良い品質のものを作ったり、収穫量を増やす為に、此処の人たちも頑張ってるのでしょうね)
 ――こういう場所を守る為に、私も負けないくらい頑張らなきゃね。
 その決意と、係員の労をねぎらうように。
 黒い液状の口の周りを甘い旨味のたっぷりと乗った汁で汚し、黒猫は笑顔で告げた。
「ご馳走様でした!!」

成功 🔵​🔵​🔴​

メルフローレ・カノン
オブリビオンを撃破して、お暇するつもりでしたが……
スペースシップワールドの農業というのも興味ありますし、
見学がてらお手伝いしましょう。

宇宙の、船の中で、農業ができるというのは
科学の力ってすごいですね……

感心してばかりでもなんですので、
せっかくならサラダが出来るような野菜……
レタス、キュウリ、トマト、タマネギなど、
あとはシチューが作れるような根菜……
上記に加えジャガイモ、ニンジンなど、
多くの種類の野菜を探して収穫しましょう。

せっかく調理道具もあるなら料理ですね。
サラダは野菜本来の味を楽しむためドレッシングは少しで、
シチューは野菜をいろいろ煮込んでみましょう。
採りたて野菜はなんでもおいしいですよ。



●新鮮一番畑から食卓へ(ノータイム)
(オブリビオンを撃破して、お暇するつもりでしたが……)
 メルフローレは係員に案内されながら、黒い瞳を忙しなく動かし、見慣れない超未来の科学の設備――といっても、彼女の今、目の前に広がっているのは様々な野菜の並ぶ、他の世界でも見られるような畑と大差ない区画ではあったが。
「スペースシップワールドの農業というのも興味ありますし、見学がてらお手伝いしましょう」
 目的を果たした以上はと思っていたが最新の設備と大規模な畑の区画の様々なことに興味を持ったのか、その計画を白紙に戻したようであった。
 手伝いを選ぶあたりに、修道女らしい心配りも見えるが、ほぼ自動化されているノミィの中に於いては人力の出番は必要なく。
 とはいえ、せっかくなのだからと軽い水遣りや雑草取りなどを体験させて貰いつつ、滋養豊富な土壌で育てられた新鮮な野菜を籠いっぱいに抱えつつ。
「科学の力ってすごいですね……」
 宇宙の、船の中で、農業ができるというのは文明の差を強く感じる。
 額に浮かんだ汗をタオルで拭いながら、メルフローレは年相応の少女のように黒目を輝かせて感心する様子を見せた。
 それはそれとして、感心してばかりもいられないと、彼女は近くの簡易キッチンを借りて収穫した実りを調理しだす。
「せっかく調理道具もあるなら料理ですね」
 レタスやキュウリ、トマトなどの生野菜はサラダに。
 野菜本来の良い味わいを生かすために、ドレッシングなどは少なめに。
 ジャガイモやニンジン、玉ねぎなど、その他色々と野菜の味を上手く生かしたシチューを作り、係員達に振舞う。
 英雄であり、可愛らしい少女の手料理――それも、畑から食卓に並ぶ野菜の甘味に夢中にならない者は居らず。
 貪るように彼女の手料理を食する係員達に、その労をねぎらうように。
「採りたて野菜はなんでもおいしいですよ」

成功 🔵​🔵​🔴​

櫟・陽里
農は全くの初心者
料理もできねぇし…
果物か、いいね!
そのまま食えるもんな

クルーと談笑しながらアドバイスをもらい熟したものを選ぶ
形の面白いやつがいいな
個性的なやつ!
少量ずつ色んな種類をバイクに乗せられるだけ

出身宇宙船の食料がイマイチでさ
銀のパウチ入りの合成食材ばっか
バーガーに挟まってるピクルスは新鮮な野菜の部類だと思ってたんだ
笑っちゃうだろ?

まさか宇宙でこんなに作物が作れるなんて!
他所の世界にもひけをとらないよ
本当に尊敬する

(NPC)フィエは?故郷に自然はあったか…とか聞いて良い人?
あ、さっき採ったイチゴ食うか?
今から採ってきた果物切ってもらってテーブル囲んで
他所の世界の自然の話をクルーに話すんだ



●収穫物は個性的(ノースタンダード)
「俺なんか出身宇宙船の食料がイマイチでさ。銀のパウチ入りの合成食材ばっか」
 香しい甘い臭いの漂う桃が大量になった木の下、小さな白いテーブルを囲って陽里は周囲に集まったクルーと陽気に語らっていた。
 彼の頼れる相棒には、小さな山を為していた色とりどりの果実――その形は、どこか歪で個性的ではあったが、大変に良く熟しており食べごろの物ばかり。
 今現在語らっているクルーと談笑しつつ教えて貰った果物を、少しずつ収穫して相棒に乗せていたのだ。
「バーガーに挟まってるピクルスは新鮮な野菜の部類だと思ってたんだ。笑っちゃうだろ?」
「まぁ知らなければ思ってもおかしくないさ」
 とは言いつつも苦笑を隠せないのは、スフィーエだった。
 周囲からやや浮いた服装の彼女は、歪な形の苺を頬張りながら陽里の言葉をフォローしたりもして。
 そんな彼女にふと思いついたように質問をする、とはいっても気遣いのあるのは人として良く出来ているというべきか。
「ところでフィエは? 故郷に自然はあったか……とか聞いて良い人?」
 さっき採ったイチゴ食うか?と差し出された、どこか形がスパゲティモンスターにも似ているそれをは丁重に手で制してミルクを一口し。
「いやいや、もう十分貰ってるよ。……私はダークセイヴァー出身だからね。あるにはあるけど……こんな豊かな畑は無かったよ」
 どこか遠い目で語る彼女に、これ以上の詮索は野暮と考え再び周りのクルーに話を戻し。
 今度は奇遇にもジェミニィブレインの姿に似た苺を齧り、陽気に彼が見て来た他の世界の自然を話し始めるのであった。
「へええ……あ、そうだ。他の世界じゃな……」
 それから様々に猟兵として渡り歩いた世界を語り終えたのち、改めて、同郷の技術の結晶に心からの敬意を示した。
「まさか宇宙でこんなに作物が作れるなんて!! 他所の世界にもひけをとらないよ。本当に尊敬する」

●野菜は素晴らしく、厄災は御免(イエス・ベジタブル、ノー・オブリビオン)
 天災はいつだって、農に避けられない物かもしれない。
 しかし、歪んだ天才に蹂躙されて良い物の筈がない。
 閉じられた世界であっても、本物の太陽と土がなかったとしても。
 諦めず知恵と技術を注いで作られた農業の実りを、過去の亡霊から猟兵達は見事に守り抜いたのだ。
 ――緩やかな談笑と今は無き、しかし船の情熱と技術の結晶が生んだ実りによる饗宴は続く。
 この平和なひと時がいつまでも。
 この船で得た実りが、未来にも続いていくようにと。
 今は小さな種でも、いつか百万の実りを生んでくれるように――
 大規模農業プラント搭載艦「ノミッシュ・アオミィ」のスペース・オペラは、ここに美しく終えられたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月31日


挿絵イラスト