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勇敢で残酷な勇者たちの末路

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 もう耐えられない、どのみち殺られるのならば先に殺るまでだと。
 高らかに声を上げたのは、村で一番屈強な或る男。
 それに同調した或る者は、殺された婚約者とお揃いのロザリオを握り締め。
 家族を全て奪われた或る者は、怒りの感情のまま、農具を改良した武器を掲げて。
 もうこれ以上失う物はないと、入手したマスケット銃を手に同行に名乗りをあげる者。
 育った村や家族、恋人、正義感……それぞれの大切なもののために。
 圧政を敷くヴァンパイアへと反旗を翻す『勇者』たちが、時々、現れるけれども。

 一人目は、鋭い爪の一撃で首をあっさりと刎ね飛ばされた。
 二人目は、無残にも四肢を千切られ、喰い裂かれた。
 三人目は、思い切り地に叩きつけ潰され、圧死した。
 四人目は、無慈悲にも身体のど真ん中に、風穴をあけられた。

 ヴァンパイアの館に、一歩も足を踏み入れることすら叶わず。
 決まってそんな『勇者』たちの末路は――そう、『犬死に』。


「勇者たちの末路は本当に、犬死ににしかならないのか。俺は、必ずしも、そうとは思わない」
 筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)は、そう険しい表情で言った後。
 集まってくれた猟兵の皆を見回し、予知の内容を伝える。
「ダークセイヴァーで、圧政を行うヴァンパイアへと反旗を翻した者たちが、ヴァンパイアの配下に無残に殺される予知が見えた」
 だが、今から駆けつけても……恐らくこの者たちを助けることは困難だろう、と。
 そう告げてから、清史郎は続ける。
「だがこの騒ぎで、普段は警備が厳しく攻め滅ぼすのは困難なヴァンパイアの館への護りが手薄になる。猟兵の皆の力をもってすれば、館の裏側の獣を殲滅し、館裏口から館内へと乗り込み、人びとを苦しめるヴァンパイアを討ち取ることが可能となりそうだ」
 俺が現場まで送ろう、だから頼まれてくれるか? と。
 清史郎は皆へと頭を下げて。そして、続ける。
「ヴァンパイアの圧政に苦しむこの村には、美しい音色を響かせる鐘があるのだが。人々がその鐘の音を合図に、美しい花を手に行列を成す姿が見えた。ヴァンパイアを成敗した後、その鐘の音や行列が何を意味するのか……村の者に、聞いてみようかと思っている」
 もし時間が許すのならば、帰還する前に付き合ってくれたら幸いだと言った後。
「大切なもののために勇敢に立ち向かった者達の死を、せめて無駄にはしたくないと――俺は、そう思う」
 清史郎はその掌に、満開のグリモアの桜を咲かせたのだった。


志稲愛海
 志稲愛海です、よろしくお願いいたします。

 今回は、ヴァンパイアの館の裏側にいる獣の群れを倒していただき、その後館に乗り込んでヴァンパイアを倒していただく内容です。
 各章は、以下のようになっております。

 第一章:暗闇の獣との集団戦。
 第二章:ヴァンパイアとのボス戦。
 第三章:村に響く鐘の音と花を手にした行列の詳細を聞き、参加する。

 第一章は獣の群れとの集団戦です。館の正面で村人たちが騒ぎを起こしている最中のため、館の裏は警備が手薄になっています。
 ですが、それでも複数のオブリビオンがいるので、まずは館に潜入するため館裏にいる獣の殲滅をお願いいたします。
 この時点で攻め入った村人はまだ生きていますが。館の表側に向かっても助けることはかなり困難かと思います。失敗判定がでた場合はプレイングの採用はできません。

 第二章は館へ潜入してのヴァンパイア戦となりますが。
 第一章の結果をもとに、第二章の情報を追記いたします。
 そちらをご確認いただければです。

 第三章は、村に鐘の音が響く時、美しい花を抱えた村人たちが行列を成します。
 その鐘の音や行列が何を意味するのか聞き、それに参加させてもらう日常パートです。
 こちらの詳細も、第二章終了後に、詳細を追記いたします。
 第三章のみ、もしお声かけいただいた場合、グリモア猟兵の筧・清史郎もご一緒もさせていただきます。

 第一章からでも、ボス戦から参戦でも、日常のみのご参加でも、お好きな章にご参加いただければ嬉しいです。

●お願い
 ご一緒に行動したい方がいらっしゃいましたら、【お相手のお名前と、fからはじまるID】もしくは【グループ名】のご記入をお願いいたします。
 ご記入ない場合、お相手と離れてしまうかもしれませんのでお忘れなく。
 ソロ描写ご希望の場合も【ソロ】とご記入いただければと。

 グループ参加の場合は、プレイング送信のタイミングが各人離れていると、失効日の都合上、プレイングを採用できず流さざるをえなくなる場合があります。
 同時や同日でなくて全く構いませんので、一日前後程度の誤差だと助かります。

 それでは、ご参加お待ちしております。
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第1章 集団戦 『暗闇の獣』

POW   :    魔獣の一撃
単純で重い【血塗られた爪】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    暗闇の咆哮
【血に餓えた叫び】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    見えざる狩猟者
自身と自身の装備、【自身と接触している】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アルノルト・ブルーメ
犬死になんて言わせないさ……
本当は彼らも助けたいのだけれど、ね……

けれど、彼らが命を賭して作ってくれる機会であるならば
それを活かして、圧政を終わらせる糧にする、確実に

咎力封じを使用しての先制攻撃
先制攻撃からの範囲攻撃で対応
可能なら、2回攻撃で立て続けにダメージを入れたい処だね

一撃は単純であるなら回避を
可能であるなら奴の角にViperのフックを引っ掛けて跳躍での回避

咆哮も一撃同様に跳躍で回避を試みよう
無理なら、仕方ないね……
拷問具にこの攻撃での出血を喰らわせる事で起動させて攻撃

無駄にはしないさ
彼らの血も、僕自身の血も、ね……

敵をすべて排除したら裏口へ

補足
相手が『人間』ではないので、冷徹に対応する


シン・ドレッドノート
せめて、勇敢な方々の願いを叶えるために。

「いますね、闇から生まれた邪悪な獣…」
少しでも早く敵を殲滅すべく、急いで館に向かいます。
物陰から館裏の様子を確認。暗視及びスコープモードをONにした『怪盗の単眼鏡』で目標をとらえると、両手に持った『スカーレット・ブラスター』で【異次元の狙撃手】による狙撃を行います。

「ターゲットロック…目標を狙い撃つ!」
一度撃ったら、位置を特定されないうちに素早く静かに移動、別の位置から再び狙撃します。
姿を消した場合は、足元の草や砂利の様子に注意して居場所を特定。
接近されたらビームシールドで受け流しつつ、カウンターの零距離射撃を撃ち込みます。
「…永劫の闇へと還るがいい!」


リーヴァルディ・カーライル
…ん。困難なだけなら、何人か助けに行く?
気持ちはわかるけど…私は裏口から吸血鬼を狩る事を優先する
…だけど、囮は派手に暴れた方が良い、ね?

事前に【常夜の鍵】を装備類に。時間が無ければ弾丸一発に刻む
表に行く猟兵がいれば呼び止めて館の屋根を銃撃後、
地面に描いた魔法陣と弾丸の【常夜の鍵】を呪詛で繋げ
異空間を通して転移できるようにする

…ん。ショートカットはあそこまで
それでも良ければ、助けに行って?

透明な敵がいないか第六感で見切りつつ
大鎌の刃を突き刺し、生命力を吸収して力を溜め、
怪力任せに大鎌をなぎ払い、傷口を抉る2回攻撃で仕留める

…全く。我ながら半端にも程がある
せめて一人だけでも、無事なら良いんだけど…


月隠・望月
このままだと犬死に、かも、ね
でも、この期に乗じてわたしたちがオブリビオンを倒せば、犬死に、ではない
助けには行かない、よ。オブリビオンを倒すのが皆の望み、だから

屋敷の裏には獣が複数いる。ので、不意打ちされるのを防ぐために、敵全体の位置や動きを把握した方がよい、と考える
《陰陽呪符》から【式鬼・鴉】を召喚して、飛ばす。召喚した鴉とは五感を共有できる。鴉を上に飛ばせば敵を俯瞰できる、はず
敵の動きを観察しながら、隙を見て《無銘刀》で目か鼻面を斬りつける、よ。敵は普通の獣ではない、けど、弱点は同じ、かもしれない
敵は頑丈そう、だから<衝撃波>で斬撃の威力を上げよう

可能なら、味方に敵の位置を教えたりして、協力


月守・ユエ
守る為に死を覚悟する…
どれ程の勇気を持って彼らは刃を取ったのだろうか?

「命を賭けて戦う人達の為に
僕もやれるだけの事しよう」
己の胸に飾る十字架を握り敵を見据える

まずは…この獣達を片付けよう
微力だけど
皆と協力してヴァンパイアの場所まで行くよ!

戦闘
リザレクト・オブリビオン【死霊蛇竜】召喚
敵を仕留めると願う己の【殺気】と【呪詛】の力を蛇竜に織り込み戦意を高める
蛇竜は主人に忠実なる僕
凶暴で好戦的な戦狂い
蛇竜を一撫でし

さぁ
纏めて喰らってやろう?

ただし回復が必要なら
シンフォニックデバイスのLunaryを構え
仲間を鼓舞する様な歌声で
シンフォニック・キュアを歌う
「回復は任せて♪皆は目の前に集中していてっ」



●Battle of the back side1
 世界の闇に紛れるように、密やかに。
 鈍色の天へとバサリ放たれるのは――鴉。
「行って」
 月隠・望月(天賦の環・f04188)の掲げた陰陽呪符から解き放たれ、飛び立った【式鬼・鴉】は、誰よりも早く屋敷の裏へと進路を取る。
 屋敷の裏には、獣が複数いるという。不意打ちされるのを防ぐために、敵全体の位置や動きを把握した方がよい。
 そう、望月は鴉と五感を共有し天上から地を見下ろしながらも、呟く。
「このままだと犬死に、かも、ね」
 圧政を敷くヴァンパイアに抗おうと武器を取り、戦うことを選択した『勇者』たち。
 だが、今のままでは、ただ村人が4人死に急いだというだけ――まさにそれは『犬死に』という結果しか生まない。
 ……でも。
(「この期に乗じてわたしたちがオブリビオンを倒せば、犬死に、ではない」)
 ――助けには行かない、よ。オブリビオンを倒すのが皆の望み、だから。
 望月は無銘刀を携え、そしてふっと地を蹴る。
 表情こそ変わらぬが……望月の漆黒の瞳の奥底に、密かに灯る感情。それは、その両の目で捉えた敵とこれから交える『戦い』への関心。
 天を旋回する鴉と同じ獣を見据え、類稀なる戦闘の才を見せつけるかのように、握る無銘刀で一閃。
『ガッ! グアアアアッ!!!』
 暗闇ごと真っ二つに斬るかの如き望月の開戦を告げる斬撃が、獣の鼻面を斬り裂く。
 敵は普通の獣ではない。血を与えられ凶暴化した暗闇の獣。
(「けど、弱点は普通の獣と同じ、かもしれない」)
 望月は、己の初手に悶え苦しんでいた獣の姿が闇に紛れたのにも構わずに。
 その位置を感覚で見切り、躊躇せず、今度は獣の目を狙った迷いなき閃きを放った。
「いますね、闇から生まれた邪悪な獣……」
 少しでも早く敵を殲滅せんと、急ぎ館へと駆けつけたシン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)も。
 暗視及びスコープモードをONにしたモノクル――『怪盗の単眼鏡』で敵の姿を捉えれば。
「ターゲットロック……目標を狙い撃つ!」
 刹那、両手で構えた純白の粒子砲から放たれるのは、はしるラインと同じ紅き光弾――『異次元の狙撃手』。
『ガアアアァッ!!』
 そして、ひらり、闇の世界に金色の髪や尾を躍らせて。
 シンは位置を特定されないうちにと、素早く静かに移動する。
 せめて、勇敢な方々の願いを叶えるために――そう、心に思いながらも。
 闇に溶け込み、再び『スカーレット・ブラスター』を構えた後。
 赤きその瞳で捉えた敵へと、確りと照準を定める。
 狙った獲物は、逃がさない主義だから。
 グリモア猟兵は、皆にこう告げた。ヴァンパイアに反旗を翻した村人達の救出は、『困難』だと。
「……ん。困難なだけなら、何人か助けに行く?」
 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は明らかに自分たちと違う方へと向かわんとする猟兵達へと紫色の瞳を向けて。
 気持ちはわかるけど……私は裏口から吸血鬼を狩る事を優先する。そうはっきりと告げるけれども。
「……だけど、囮は派手に暴れた方が良い、ね?」
 波打つ長い銀の髪を天に遊ばせながら、館の屋根目掛け、一発の銃弾を撃ち込んで。
 ――開け、常夜の門。
 躊躇なく切った指先の傷から滴る赤で魔方陣を描き、表へと向かう者達の為に『鍵』を開ける。
「……ん。ショートカットはあそこまで。それでも良ければ、助けに行って?」
 あくまでも、自分は裏から吸血鬼を狩る事を優先するけれど。
 でもリーヴァルディは、表へと征くと決めた者達の気持ちを否定はしない。
 1秒でも早く辿り着けるように、成した魔方陣と屋根に打ち込んだ弾丸とを【常夜の鍵】の呪詛で繋げたのだ。
 だが、表へと征く仲間達の後姿は見送らずに。
「……そこ、ね」
 目には見えぬがはっきりと感じる殺気に、振り返りざま、死神の如き大鎌の刃をふるうリーヴァルディ。
 そして、突き刺した刃から吸収した獣の生命力を己の糧にして。
『ガ、アアアアッ!!』
 その見た目からは想像もつかない怪力任せの一薙ぎで獣の肉体を引き裂き、ヒュッと風を鳴らした大鎌の刃が、脈打ち血飛沫くその傷をさらに容赦なく抉った。
 そして自らが作った血溜まりの海に溺れる獣には見向きもせずに。
「……全く。我ながら半端にも程がある」
 せめて一人だけでも、無事なら良いんだけど……と。リーヴァルディは鈍色の空をそっと仰いだ。
「犬死になんて言わせないさ……」
 本当は彼らも助けたいのだけれど、ね……と。
 アルノルト・ブルーメ(暁闇の華・f05229)も、今この戦場で戦っている皆と、同じ感情を抱いていた。
 だが、それでも。アルノルトが選んだのは、裏の獣の殲滅。
 表側で無残にも殺される村人は、本当は助けたい。
(「けれど、彼らが命を賭して作ってくれる機会であるならば。それを活かして、圧政を終わらせる糧にする、確実に」)
 勇者たちの勇気が、彼らが命を賭してでも成したかったことへと続く道となるように。
 アルノルトは、愚鈍な眼前の獣の力を削ぐべく、動く。
『オオオ、……ッ!!』
 猿轡こそ鋭利な爪ではじかれたものの。
 二度に渡り放たれた手枷と拘束ロープが確りと嵌まり、確実に獣を捕らえる。
 だが……敵も、ただの獣ではない。
『グオオオオ!!!』
「!」
 刹那戦場に轟くのは、血に飢えた獣の叫び。
 しかし、衝撃と化した咆哮は――アルノルトには、届かない。
『……!?』
 獣の角に絡みつくように引っ掛けられたのは、毒蛇……アルノルトの放った『Viper』。
 引っ掛けたワイヤーの勢いを利用し、天高く跳躍したアルノルトの纏う闇色の外套が、鈍色の空にバサリと靡き翻って。
 衝撃で負った掠り傷に滲む血も……解き放つ拷問具の、目覚めを促す糧。
 そして普段は穏やかなアルノルトの緑色の瞳が一瞬、その印象を変えた瞬間。
『! ガ……ッ!!』
「無駄にはしないさ。彼らの血も、僕自身の血も、ね……」
 闇夜より放たれし血を喰らった三種の拷問具が、今度こそ確りと獣へと嵌められて。完全に敵の攻撃手段を捥いだのだった。
 そんな機会を見逃さず。
「……後ろ、獣がきている、よ」
 大鎌の斬撃に威力を増した衝撃波を乗せながら、素早く地を蹴った望月が迫り来る獣の群れをすかさず薙いで。
 振り返り様放たれたアルノルトの拷問具が、さらにその傷を深く抉る。
 瞬間、戦場に再び轟く、獣の血に餓えた叫び。だがそれは高い威力を誇るものの――無差別で粗雑な攻撃。
 そんな見え透いた攻撃に、シンは十字の星を重ねし腕輪をすかさず構えて。刹那、流れ星の如く八方に煌めく光が盾となり、咆哮の衝撃を受け流せば。
「……永劫の闇へと還るがいい!」
『ガア、アアアアアッ!!』
 隙だらけの獣の懐にふっと潜り込んだ、紅の影が放つカウンターの一撃。
 純白の粒子砲が、はしる紅きラインと同じ彩りの衝撃を零距離で、獣へとお見舞いしたのだった。
 知能は極端に低い獣の群れ。だが知能を犠牲にして得た暗闇の力による攻撃は、少し躱しただけでは、深くはなくとも傷を負ってしまう。
 猟兵達の力をもってしても簡単には倒せるものではないのに。そんな獣たちへと立ち向かったという、勇者たち。
 守る為に死を覚悟する……どれ程の勇気を持って彼らは刃を取ったのだろうか?
 月守・ユエ(月ノ歌葬曲・f05601)は夜の如き髪をそっと靡かせ、月の様な金の瞳を一瞬だけ閉じて。
「命を賭けて戦う人達の為に僕もやれるだけの事しよう」
 刹那見開いた瞳に、敵の姿を確りと映しながら。
 ユエは胸元で揺れ煌めく十字架を、ぎゅっと握りしめる。それは、いつか誰かとかわした……永遠の、月夜の契り。
 ヴァンパイアのもとに行くためにはまず、この獣たちの群れを片づけなければならないから。
 ユエは願う――敵を仕留める、と。
(「微力だけど、皆と協力してヴァンパイアの場所まで行くよ!」)
 そしてその殺気と呪詛と呼応し、戦場へと喚んだ死霊蛇竜が、己の戦意の高まりを主に示すかの如く高らかに吼える。
 ――蛇竜は主人に忠実なる僕、凶暴で好戦的な戦狂い。
 そんな死霊蛇竜を一撫でして。ユエは月影揺蕩うその瞳をふっと細めると、敵へと牙を剥かんと吼える蛇竜を戦場へと解き放った。
「さぁ、纏めて喰らってやろう?」
 主人のその言葉通り、戦場を翔け、獣の群れを喰らいつくすべく荒ぶる死霊蛇竜。
 そして戦況を把握するように周囲を見回した後、ユエが構えるのは『Lunary』。
「回復は任せて♪ 皆は目の前に集中していてっ」
 刹那、戦場に響く――月の魔力と生と死を織り成す音色。
 ユエは大好きな歌で、共感する戦場の猟兵達を癒して。同時にその歌声は、聞く猟兵の皆の気持ちを高め、鼓舞させるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

彩花・涼
メリー(f00748)と一緒に参加

勇者たちの意思は引き継ごう、必ずヴァンパイアを討伐するぞ。
メリーももう立派な猟兵になったな…一緒に戦えるのが楽しみだ。

遠距離攻撃はメリーに任せ、私は接近戦に持ち込もう。
メリーの元へは行かせないぞ。
敵の攻撃は【残像】でターゲットを誤認させて【見切り】で回避し空振りを誘う。
そこへ黒爪・改で【カウンター】と【2回攻撃】して撃ち込む。
攻撃を避けそこねた場合は黒爪・改で【武器受け】し【怪力】で敵の攻撃を耐えきる。
メリーの攻撃に合わせて黒華・改で【生命力吸収】で敵の体力を削っていくぞ。

しかしメリーの羊は本当に万能だな……(いつかモフりたい)


メリー・ユメノコウジ
涼さん(f01922)と一緒に参加
「皆が苦しいなんて見過ごせないですめぇ。一緒にがんばりますです。」
【勇気】を出して臨みます。
涼さんが近接担当してくれるので後衛からの【援護射撃】
攻撃は【高速詠唱】でめぇめぇさんを召喚、涼さんの攻撃に合わせ【2回攻撃】。連携を重視。
「もっふもふのめぇめぇさんですよーっ♪」
めぇめぇさんにお任せしながら怪我人の有無など注意。
敵が透明時は【聞き耳】し、【第六感】や【野生の勘】でどうにかわからないか探る。
回避の場合も同等に【第六感】【野生の勘】使用だが、最悪の場合は神に【祈り】

「なんとか倒せたです?」
戦闘終了後は辺りを確認して皆の無事を確認。
アドリブ歓迎。



 獣の咆哮、血の匂い……そして、猟兵達を支える慈愛に満ちた歌声が響く戦場。
 ヴァンパイアの館の裏側は警備が通常よりも手薄になっていると、そう予知では言われていたが。
 それでも――決して、少ない数ではない。
 館裏側に回った猟兵達の数が今回多かったこともあり、現在のところ、苦戦こそしていないけれども。
 まだまだ、倒すべき敵は多数残っている。

「勇者たちの意思は引き継ごう、必ずヴァンパイアを討伐するぞ」
 そう戦場を駆けるのは、一見すると、防具や得物その殆どが黒で統一された小柄な少年。
 だが、その戦場慣れした様子は、青臭い少年のものなどでは決してない。
 彩花・涼(黒蝶・f01922)は夜の如き漆黒に唯一灯る赤き瞳で、敵を確りととらえつつ。
「皆が苦しいなんて見過ごせないですめぇ。一緒にがんばりますです」
 共に戦場へと赴いたメリー・ユメノコウジ(夢渡る羊・f00748)の勇気に、一瞬だけ、微かに表情を緩めて。
(「メリーももう立派な猟兵になったな……一緒に戦えるのが楽しみだ」)
 メリーの元へは行かせないぞ、と。耳元の蝶の片翅を微かに揺らしながら、いざ敵前へと斬り込んでいく。
『ガウウゥゥッ!!』
 涼の存在に気付いた一体の獣が振り上げるは、血塗られた鋭利な爪。
 そして鋭く重い一撃が振り下ろされ、彼女の身を裂いた……かのように、見えたが。
 引き裂いたかと思った涼は、残像。
 逆に涼は、大振りの一撃を見切り、素早く身を翻し躱して。
 獣へと接近をはかり黒き銃身を構えると、隙ができた獣の腹部へとまず1発、カウンターの衝撃を撃ち出して。さらに間髪入れずもう一発、狙い定めた一撃を冷静にお見舞いする。
 そんな涼が思い切り前線で戦えるのは……メリーが後ろにいることを、分かっているから。
 涼が戦場でうまく立ち回れるようにと、メリーは後方から援護射撃を行いつつも。
 涼が攻撃を繰り出すタイミングに合わせ、杖の先と円らな青き瞳を、獣へと向ければ。
「もっふもふのめぇめぇさんですよーっ♪」
 メリーが喚んだもふもふの羊が、もふんっと戦場を跳び、めぇっと一鳴きして、果敢に敵へと襲い掛かる。
 そしてメリーの召喚した羊がもふっと突撃する間、涼はすかさずショートソードの如き細身の黒剣を握って。その生命力を吸収するべく、敵へと漆黒の斬撃で一閃、体力を削っていく。
 戦場を駆けるそんな心強いめぇめぇさんに、涼はふっと赤の瞳を細めて。
「しかしメリーの羊は本当に万能だな……」
「めぇめぇさん、こっちもお願いしますよーっ」
 獣の放つ爪の一撃を華麗に避け、再びカウンターを見舞いながらも、そっと思うのだった。いつかモフりたい、と。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

月尾・白雪
美しき鐘の音も花も気にはなるのですけれど
何より犬死にの言葉が哀しい

館表への救援は間に合わぬとはいえ
彼らの奮戦があればこそ我らが来たのだと
せめてと祈り込め
狼煙の如く空へ一度天火を放ちます

UC天火翔来は炎を全て一つに纏め火力を上げ
一体の敵に叩きつける
それを繰り返すことで出来うる限り素早い殲滅を
勿論一人では難しいでしょうけれど
幸いなことに一人ではない模様
仲間と息を合わせることに注力し
火線の集中には声掛けなどで抜かりなきよう

後方からUCを放つ事が主となるならば
敵の動向、特に見えざる狩猟者の発動に留意し
発動を目にしたならば声掛けで警戒を促します
乱戦ならば突出せぬよう心がけ

村の平和を
勇者達へ手向けましょう


逢坂・宵
負けぬ、このままでは終わらせぬ、なんとか糸口を掴む―――……
そう強く願って立ち向かうヒトは、いつだって美しいものです
そして、僕らはその強い想いを映して輝く刃です
彼らのために振るわれる一振りの刃です
さあ、参りましょう
我々の想いの強さを、見せつける時です

『高速詠唱』で『属性攻撃』『全力魔法』を併用し、
【天撃アストロフィジックス】で敵の数を減らしていきましょう
また、『2回攻撃』で攻撃の機会をできる限り増やしていきたいですね

『見えざる狩猟者』は『第六感』で対応できればと
また、同じように『暗闇の咆哮』の攻略法も探したく
仲間の猟兵とともに、情報共有もしっかりとして
お互いの戦い方に貢献していきましょう



 夜と闇に覆われたダークセイヴァーの天に。
 まるで狼煙の如く高く昇るのは、一筋の蒼白き炎。
 館表への救援は間に合わぬとはいえ、彼らのたちの奮戦があればこそ我らが来たのだと――せめてと祈りを込め、月尾・白雪(風花・f06080)が放ったものであった。
 予知で聞いた、村の美しき鐘の音と花。でもそれも気になるけれど……何よりも、犬死にの言葉が哀しい。
 白雪は、仄かな青を讃える神秘的な銀の瞳に、そう微かに哀しみの色を宿すけれど。
 勇気ある彼らは犬死になどではないと――自分達猟兵の存在をもって証明せんと。
「天翔る神火 我が瞳に宿る星辰を標に招き喚ばう」
 白雪は鈍色の戦場に、蒼白い炎を灯していく。
 そして逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)も、抱く気持ちは皆と同じ。
(「負けぬ、このままでは終わらせぬ、なんとか糸口を掴む――……そう強く願って立ち向かうヒトは、いつだって美しいものです」)
 虐げられている強者に抗おうと行動する勇気、願い立ち向かうその姿は、美しいと。
 そして今この場に赴いている自分たち猟兵は、その強い想いを写して輝く刃。
 彼らのために振るわれる一振りの刃だと――宵も、迫り来る獣の群れへと、星瞬く濃宵の瞳を向けて。
「さあ、参りましょう」
 我々の想いの強さを、見せつける時です、と。星々の魔力を高めんと高速詠唱を。
 刹那、生み出した幾つもの蒼白の炎が、ひとつになった瞬間。
『ガアア、アアアッ!!』
 漆黒の髪を靡かせ、ひとつとなり威力を増した星辰の炎を、一体の獣へと思い切り叩きつける白雪。
 さらに、追撃するように。
「太陽は地を照らし、月は宙に輝き、星は天を廻る。そして時には、彼らは我々に牙を剥くのです。さあ、宵の口とまいりましょう」
 天へと掲げられた杖から放たれるのは、杖の意匠と同じ、星。その煌めきが流れる矢と成って。
『ガガ、ガァァッ!!』
 蒼白き炎と星々の矢の雨が、獣の身体へと容赦なく放たれる。
 白雪はそんな周囲にいる仲間達を一瞬だけ見回して後。
「次は、あちらに参ります」
 再び炎を生み、突出しすぎぬよう注意しながらも地を蹴った。
 一人では、到底素早い敵の殲滅は難しいだろう。
 でも――幸い、多くの猟兵がこの戦場にはいるから。
 息を合わせ、声を掛け合い……さらに強い刃とならんと。猟兵達は共に戦場を駆ける。
 そして、眼前の獣がふっとその姿を消したことを、白雪も宵も見逃さずに。
「気を付けてください、『見えざる狩猟者』が発動したようです」
 情報を共有するべく言った宵に頷き、その身を翻して。村の平和を勇者達へ手向けましょう――そう、白雪が蒼白き炎を再び放てば。
『グア、アアッ!!』
 眩い炎に身を焦がし、悶え上がる獣の声。
 そして、その蒼白く燃え上がる炎目掛けて。宵の繰り出した流星群の如き矢の天撃が、獣の身体を射貫いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マキナ・アストロロギア
躾のなってない獣共だな。これでは飼い主の器も知れるというもの。
…正面の村人達は…未熟な身で助けに向かっても共倒れであろうな。
彼等の勇気が、私達猟兵に村を救う機会を与えてくれた。…犬死になどではないさ。

「エレメンタル・ファンタジア」…少々暴走しやすいが、数の多い獣共を蹴散らすには、それぐらいで丁度いいだろう。
…味方を巻き込まんようには注意するがな。
危ないと思ったら少し離れた位置で戦うとしよう。

敵の攻撃や、見えない敵には「第六感」や「見切り」で対処を。

…厄介な攻撃が多い敵だ。氷属性の風などで凍てつかせ、動きを鈍らせることができれば、少しはやりやすくなったりしないだろうか。


シャルル・エルンスト
強大な、理不尽な存在から逃げて、嘆くことは容易なことだよ。
でも、彼らは嘆きを強い意思に変えた、勇敢にも立ち向かった。どうか彼らに、称賛と敬意を。

僕は彼らを助けにいけない。行かない。やるべき事を、オブリビオンを、人々を苦しめるヴァンパイアを倒しに行く。さあ、道を開くよ!

銀の人狼人形『ラシェーラ』を操り、1体ずつ確実に仕留めていく。
素早く、フェイントを交ぜて、なるべく急所を狙って切り裂いていく。
闇の力を得ていても、生き物である以上、不死身ではない!

『ラシェーラ』には、敵に集中してもらうためにも、僕自身に来る攻撃はなるべく回避しなければ。
避ける事が困難なら、操り糸に魔力を通し、強度を高めて盾にする!


ヒビキ・イーンヴァル
生きるも死ぬも、てめぇのやりたいように決める
……そういう世界だったら、良かったんだろうけどな
この世界はあまりにも残酷過ぎる
まあ、俺は俺で、できることをやるだけだ

館裏から潜入して、まず獣から片付ける
『高速詠唱』からのウィザード・ミサイル、『2回攻撃』も狙っていく
警護が手薄な内に全滅させておきたい
透明になろうが何だろうが、『範囲攻撃』でいそうな所を目掛けてぶっとばす

敵からの攻撃は、剣を使って『武器受け』で防ぐ
そのまま叩っ斬るのも悪かないか
敵を引き付けつつ、迅速に撃破を目指そう


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「届かない命を助けるよりは、出来る事を着実にこなすべきなのよ」
出来ない自分を皮肉りながら、目立たない1、忍び足2、迷彩1で敵の群れに気づかれない位置に配置。
ユーベルコード【千里眼射ち】でレベル19の二乗=361M届くから200mほど離れたところから敵を狙い打つわ。
誘導弾8、鎧無視攻撃3、援護射撃1、2回攻撃2、スナイパー2、鎧砕き3も取り混ぜて攻撃ね。
「爪の一撃も叫びも、私には届かない」

まずは見えている敵を狙うけど、透明で隠れているのなら第六感1、暗視1、聞き耳2で位置を調べてみるわね。



 恐ろしい咆哮を上げ、鋭い爪をふるう暗闇の獣の群れ。
 さらにそんな獣の群れを率いているのは、圧政を敷く強力なヴァンパイア。
 そんな勝ち目など一切なさそうな戦いに、敢えて挑んだという村人たち。
(「強大な、理不尽な存在から逃げて、嘆くことは容易なことだよ。でも、彼らは嘆きを強い意思に変えた、勇敢にも立ち向かった」)
 ――どうか彼らに、称賛と敬意を。
 シャルル・エルンスト(人探しの人形師・f10223)は藍色を帯びる瞳を一瞬だけそっと伏せてから。
 開いた瞳を、今度は確りと戦場へと向ける。
 勇者たちの勇気は称賛と敬意に値する。けれども……自分達が今この場にいる、その意味。
(「僕は彼らを助けにいけない。行かない。やるべき事を、オブリビオンを、人々を苦しめるヴァンパイアを倒しに行く」)
 シャルルは闇夜に密かに閃く糸を巧みに操りながら、いつの日か見た美しき狼を模した『ラシェーラ』と共に、獣の群れへと距離を詰める。
「さあ、道を開くよ!」
 勇者たちが作ってくれた道を、この手で確実に拓くために。
(「生きるも死ぬも、てめぇのやりたいように決める……そういう世界だったら、良かったんだろうけどな」)
 この世界はあまりにも残酷過ぎる、ヒビキ・イーンヴァル(蒼焔の紡ぎ手・f02482)はそう思わず首を振りたくなるけれど。
「まあ、俺は俺で、できることをやるだけだ」
 警護が手薄な内に全滅させておきたい、と。眼前の現実を、ヒビキはその金と青の瞳で確りと見据える。
 刹那――鈍色の天を灯す魔法の炎が、幾本もの矢と化して。獣を狩らんと、一斉に射放たれたのだった。
 そんな、炎の矢が飛び交う戦場に踊るのは、銀色の人狼とシャルル。
 『ラシェーラ』を敵へと放ち巧みに操りながらも、シャルルは自身に向けられる攻撃を避けるべく、藍色に一房だけ色の違う髪を揺らして。
 背後から唸りを上げ襲い掛かる血塗られた爪を、振り返りざま、魔力を通し強度を増した細くしなやかな操り糸の盾で咄嗟に防ぐ。
 そして……ふっとシャルルが、微かに指を動かした瞬間。
「闇の力を得ていても、生き物である以上、不死身ではない!」
『グオオオ、オッ!!』
 戦場を駆ける『ラシェーラ』が眼前の暗闇の獣へと、強烈な牙を剥いたのだった。
 ……同じ時。
「!」
 自分へと迫る獣がその姿を消したことに、気付いたヒビキ。
 でも――そんなこと、些細な問題。
「透明になろうが何だろうが、いそうな所を目掛けてぶっとばす」
 見えないならば、いそうなところを広範囲で攻撃すればいいと。炎の魔力を纏う矢を、雨霰と降らせて。
 まるで星ひとつない、ただ鈍色のこの戦場の空かのように。星々の輝きをも喰らい尽くす蒼剣で、ヒビキは襲い来る獣の爪の斬撃を確りと受け止めた後。
「そのまま叩っ斬るのも悪かないか」
『! ガッ、アアアアアッ!!』
 獣を真っ二つにせんと、一閃。蒼き斬撃が、容赦なく獣を斬り裂いたのだった。
 そんな戦況を後方で見守り、タイミングをはかりながらも。
「届かない命を助けるよりは、出来る事を着実にこなすべきなのよ」
 そう、皮肉な響きを宿し言ったヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)。
 でもその皮肉は……誰でもない、出来ない自分に対してのもの。
 なるべく目立たず忍び足で、周囲の景色に同化するよう努めながらも。
 ヴィオレッタは、獣たちに気付かれないよう、息を潜め位置取りをして。
 紫と藍の煌めきを纏う瞳で遥か遠くにいる獣を確認し、10秒間集中して照準を定めた後。
「爪の一撃も叫びも、私には届かない」
 ぐっと引いたコンポジットボウから、大気を割くように唸りを上げて。真っ直ぐに駆るべき獣目掛け、様々な技能を駆使し射た矢が放たれれば。
『グオオオ、オッ……!!』
 敵の急所を、容赦なく射貫いたのだった。
「躾のなってない獣共だな。これでは飼い主の器も知れるというもの」
 マキナ・アストロロギア(機械仕掛けの救世主・f12318)は、知性の低い獣の群れを神秘的な銀の両の目に映し、そう言いながらも。
 ふと星の煌めきを秘めるその瞳を、一瞬だけ伏せる。
(「……正面の村人達は……未熟な身で助けに向かっても共倒れであろうな」)
 救出は困難だという予知。そう言われている中で正面に向かうほど、マキナは自身の力を過信していないけれども。
 でも村人の勇気は、決して無駄ではないはずだ。彼等の勇気が、自分達猟兵に村を救う機会を与えてくれたから。
 ……犬死になどではないさ、と。
 マキナは鈍色の天に、それだけ、そっと呟きを解き放つ。
 そして勇者たちの勇気で生まれたこの機会を、生かすも殺すも……今ここに赴いている猟兵達次第。
 しかし、館の周辺にいる獣は、ただの獣ではない。ヴァンパイアによって血を与えられたオブリビオンである。
「……厄介な攻撃が多い敵だ」
 マキナは味方を巻き込まぬよう注意すると同時に、第六感や見切りを駆使して敵の攻撃に備えながらも。
 ……氷属性の風などで凍てつかせ、動きを鈍らせることができれば、少しはやりやすくなったりしないだろうか、と。
 戦場へと展開するのは――エレメンタル・ファンタジアにより生まれた、凍えるような冷気を帯びた風。
「……少々暴走しやすいが、数の多い獣共を蹴散らすには、それぐらいで丁度いいだろう」
『……ガッ、グオオオ!』
 制御も時にままならぬほど荒ぶる自然の驚異が、獣たちの群れを一瞬にして巻き込んで。
 敵の身を凍てつかせ、動きを鈍らせんと猛威をふるうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

榎木・葵桜
表側が騒がしいからその分裏側が手薄になるんなら
私、表側に助太刀して、一緒に戦ってくる

駄目で元々
困難でも、表側の人達をそのままにしておくのは私が納得行かない
たとえ助けられなかったとしても、仲間として一緒に戦いたい
彼らが戦う姿は犬死になんかじゃないって、ちゃんとこの目に焼き付けておきたいんだ

WIZ
【巫覡載霊の舞】使用
【神霊体】に変身して、【衝撃波を放つなぎなた】で
敵を【なぎ払い】ながら攻撃していく

敵が集団になってるなら、
今回がかなり騒ぎ立てている分、統率の指揮をとる役が直々に出てきてるかもしれない
そういう役割持つ者かを戦場の状況から【情報収集】し
【第六感】も働かせて当たりを付けて攻撃仕掛けていくよ


クロウ・タツガミ
表への猟兵と連携

【POW】

ここは任せて、蛮勇な方々を救いに行くか

翼を出し空を飛び表へ向う。全てを救えるほど傲慢ではない、命の1つでも拾えれば上出来だ

敵を射程内に捉えたら上空から【先制攻撃】として【黒帝九相】で無数の串刺しの杭を【投擲】だ。【串刺し】にして動きを阻害出来れば上出来だろう

後は地上に降りてサカホコ(ハルバート)で戦う。【戦闘知識】はある【地形を利用】し【怪力】を用いた【2回攻撃】で戦えば数がいても多少は戦えるはずだ

無駄死にしたくなければ、自分から離れるな

村人への攻撃はガンドレットで【盾受け】する事で【かばう】つもりだ。負傷者に気付け代わりに霊酒をかけ【救助活動】もどきになればと思う


フィリオ・グラースラム
清史郎のおにーさまの言う事、ちゃんとフィオは分かっていますのよ
でも、でも……フィオが目指す騎士様は
人を護れる騎士様なんですの
だから…

(不採用覚悟の上です。正面に行きます。)

皆様の覚悟の邪魔はしませんの

猟兵の皆様がヴァンパイアにたどり着くまで
少しでも…少しでも犠牲が減るように時間を稼ぎますのよ

これだけ居れば、目をつぶっていたって【串刺し】にできますわ
ドラゴニックエンド
雪ちゃん、敵を蹴散らしなさい
少しでも長く、少しでも多く、あいつらの目を引き付けますのよ…!

それから…
敵に聞こえないように
倒れていく人に、皆さんの【勇気】が無駄ではない事を伝えますのよ
この人たちの誇りだけでも、フィオが護ってみせますの


花盛・乙女
困難。困難と言ったな。不可能ではないのだな。
ならば村人…いや、勇者たちの命を見捨てるわけにはいかない。

表門へ一目散に駆けつける。
戦闘は恐らく始まっていることだろう。
獣が視界に入り、20mの距離ならば私の【鬼吹雪】を持ってすれば間尺は縮む。
今正に襲われんとしているのであれば『ジャンプ』力に足の『怪力』を加えより速度を生む。
間に合えば獣から村人を『武器受け』で『かばう』。

間に合いさえすれば良い。
村人には羅刹紋を見せつけ『恐怖を与える』、特攻のようなことを控えさせる為だ。
村人を一箇所に集め獣との間に立ち、村人をかばいつつ獣共を【鬼吹雪】で蹴散らしてやろう。

貴殿らの報復の義、この花盛乙女が預かろう。


呉羽・伊織
菊里(f02716)と行動
(アドリブ・絡み等も歓迎)

俺の行動原理は正義感どころかただの気紛れ
だケド、困難でも不可能じゃねーってんなら、賭けに出るのも悪かねーか
しゃーない、付き合ってやるよ
分が悪ィのにゃ慣れた身だ

妖剣解放で高速移動し表へ急行
敵が射程に入れば即座に暗殺技能と衝撃波で牽制仕掛けつつ、菊里と左右から撹乱
そのまま村人を庇いに敵前へ飛び入る
併せて村人より強い殺気を敵に向け、此方に気を引けねーか図る

暗闇の咆哮による無差別反撃も警戒
可能なら手早く村人達に離脱促し、無理ならせめて手の届く範囲だけでも――身を呈して庇い切る心算

剣の代償?
この一時を切売りして誰かが丸っと永らえたなら、そりゃ大儲けだろ


千家・菊里
伊織(f03578)と行動
アドリブや絡みも歓迎

そうそう、可能性が0では無いのなら賭けてみたくなるのが我等の性でしょう
君の場合は分が悪い云々より貧乏クジ担当と言った方が良い気がしますけど――なんて話はさておき、さぁ引繰り返しに行きましょうか

先駆の伊織に続き表へ急行
左右から敵の撹乱と牽制を狙い、俺は村人に迫る敵に七星七縛符で捕縛を仕掛けるように
併せて技能の殺気と破魔も使い敵の危機感を煽り、村人よりも此方に引き付けられないか試行

見えざる狩猟者での強襲や反撃も警戒
物音や気配探り、緊急時は身を呈し村人を庇う等して安全と退路確保に尽力

――もし勇敢な彼らの一人でも道を繋げられたなら、この身の時間など安いもの



●Battle of the front side1
 グリモア猟兵は言った。
 今から駆けつけても……恐らくこの者たちを助けることは困難だろう、と。
「困難。困難と言ったな。不可能ではないのだな」
 そう敢えて復唱する花盛・乙女(誇り咲き舞う乙女花・f00399)に、一切の迷いはない。
 曲がった事を嫌い、誇り高く、そして考えるのが苦手な彼女にとって、正面と裏側、選択肢は最初からひとつしかない。
「ならば村人……いや、勇者たちの命を見捨てるわけにはいかない」
 そして、フィリオ・グラースラム(煌氷の刃・f10324)もまた、他の猟兵たちとは別の方向へと足を向ける。
「清史郎のおにーさまの言う事、ちゃんとフィオは分かっていますのよ」
 グリモア猟兵の思いは、フィリオにもよく分かる。
 分かっているのだけど。
「でも、でも……フィオが目指す騎士様は、人を護れる騎士様なんですの。だから……」
 人を護れる騎士。それが、フィリオの中で何よりも譲れない矜持だから。
 殺されるのが分かっている人を、ただ見殺しになんて、騎士として決してできない。
(「皆様の覚悟の邪魔はしませんの。猟兵の皆様がヴァンパイアにたどり着くまで、少しでも……少しでも犠牲が減るように時間を稼ぎますのよ」)
 だから……正面へ行く。そう決めたのだ。
 そしてまた、館の正面へと向かう猟兵がひとり。
「表側が騒がしいからその分裏側が手薄になるんなら、私、表側に助太刀して、一緒に戦ってくる」
 館の裏へと向かう猟兵は、十分人数がいた。
 ならば、駄目で元々だと、榎木・葵桜(桜舞・f06218)も正面へと向かう選択をしたのだ。
「困難でも、表側の人達をそのままにしておくのは私が納得行かない。たとえ助けられなかったとしても、仲間として一緒に戦いたい」
 彼らが戦う姿は犬死になんかじゃないって、ちゃんとこの目に焼き付けておきたいんだ、と。
 思いついたら即行動、細かいことは気にしない楽観的な性格の葵桜。だからこそ、納得いかないことに対する妥協もしたくない。
 正面に行って、村人たちと戦う。葵桜も、そう決めたから。
 そして闇に覆われた鈍色の天に、ばさり翼を羽ばたかせて。
「ここは任せて、蛮勇な方々を救いに行くか」
 同じように、天から館の正面に向かうのは、クロウ・タツガミ(昼行灯・f06194)。
 風を受け靡く外套の内側には勿論、サカホコとマガホコの姿も。
 予知された惨殺される村人は4人だというが。
(「全てを救えるほど傲慢ではない、命の1つでも拾えれば上出来だ」)
 どれだけ困難であっても、まだその命の灯が消えていないのならば、向かわない選択はない。
 ……その時だった。
「!」
 クロウはふとその場で立ち止まり、漆黒の瞳を、見え始めた館正面へと向ける。

 空から見る館正面のその風景は――絶望。

 普段なら猟兵でさえもなかなか突破できぬ警備を誇ると言われている、ヴァンパイアの館。
 村人の行動で裏側の警備が手薄になるとしたら……では、残りの獣たちはどこにいるのか。
 それが、見下ろす風景で、いやというほどわかる。
 館正面に見えるのは、かなりの数のオブリビオン。
 グリモア猟兵が、正面への助太刀を困難だと釘をさすのも、今ならわかるような光景であった。
「こりゃ、分が悪ィってよりか、洒落になんねーって方が合ってるんじゃねーか」
 遠くから見ても分かる館正面の状況に、呉羽・伊織(黒羽・f03578)は、そうは言うけれど。
「だケド、困難でも不可能じゃねーってんなら、賭けに出るのも悪かねーか」
 彼の行動原理は、正義感どころかただの気紛れ。風の吹くまま、気の向くまま。
 敢えて清史郎が選んだ『困難』という言葉。それにのってみるのも……悪くはない。
「そうそう、可能性が0では無いのなら賭けてみたくなるのが我等の性でしょう」
 君の場合は分が悪い云々より貧乏クジ担当と言った方が良い気がしますけど――と。
 千家・菊里(隠逸花・f02716)は、そう赤が揺蕩う瞳をくすりと細めてから。
「なんて話はさておき、さぁ引繰り返しに行きましょうか」
 引き返すどころか、分が悪いどころではない戦場へと、動じることなく引き続き足を向ける。
 むしろ勝ち目の見えないほぼ負け戦だからこそ、賭け甲斐があると言わんばかりに。
 そんな菊里の様子にも、もう慣れっこだと言わんばかりに。
「しゃーない、付き合ってやるよ。分が悪ィのにゃ慣れた身だ」 
 伊織は整ったその顔に笑みを宿して。妖剣解放を展開し、戦場へと向かう速度をあげた。
 
 最初に館正面へと辿り着いたのは、迷いなく一目散に全力で戦場へと向かった乙女であった。
 戦闘は恐らく始まっていることだろう――その予想通り、獣の咆哮があちらこちらから聞こえる。
 だがその数にも怯むことなく、視覚に入った敵との距離が或る程度になったことを確信して。
 乙女が繰り出すのは――花盛流剣技【鬼吹雪】。
 敵に一閃を浴びせるためではない。敵との間尺をいち早く縮めるため。
 ――間に合いさえすれば良い。
 敵の群れの只中へと恐れることなく降り立ち、纏めた髪を戦場に躍らせながら。
「さぁ、どこからでもかかって来るがいい」
 駆け足からの一閃。今度は、獣の群れへとその刃を放つ。
 だが……館正面にいる獣の数は、想像を絶するもの。
 村人の声は複数聞こえるため、全滅はしていないようであるが。獣の数が多く邪魔で、村人の位置が把握できないでいた。
 斬っても斬っても、襲い掛かってくる獣。だが乙女も、握る無双の名刀をふるうのを決してやめない。
 隙あらば、怪力を駆使し速度をつけた跳躍で、村人の元へと一刻も早く向かわんと。鈍色の天に、誇り高きその姿を舞わせる。

 その点、空から館正面へと向かっていたクロウには、村人の位置が明確に把握できていた。
 館正面にある門の前に、3人の村人の姿が確認できる。
 だが、今は持っている武器を振り回して何とか抵抗しているようであるが……殺されるのも、時間の問題。
 見えてはいるが、まだ少し距離がある状況を歯痒く思うクロウ。
 ――次の瞬間。
「!!」
 一人目の首が、鋭利な爪で刎ね飛ばされた。
 さらに、腕を捥がれ悶え苦しむ二人目の四肢を、複数の獣が寄ってたかって喰い千切る。
 そしてついに3人目の村人が獣に捕まり、振り上げられて。死の色が濃厚になった、その時。
「滅べば皆、九相に至る」
 刹那、天高く上空から投擲されたのは――クロウが放った、無数の串刺しの杭であった。

 そしてフィリオの前にも、獣の群れが立ちはだかるが。
「これだけ居れば、目をつぶっていたって串刺しにできますわ」
 怯むことなく、騎士としての誇りを胸に。
 ――雪ちゃん、敵を蹴散らしなさい。
 白き竜槍を敵の只中でふるい、白竜の牙が獣を喰らいつくさんと、戦場を翔ける。
「少しでも長く、少しでも多く、あいつらの目を引き付けますのよ……!」
 そしてフィリオも、声や音を頼りに、村人の元へと急ぐ。
 倒れ逝く者の……勇者たちの誇りだけでも、せめて護りたいから。

 そしてまた葵桜も、ぐるりと自分を囲む獣たちを舞う様に薙ぎ、胡蝶楽刀から放たれる衝撃波を見舞う。
 葵桜が舞い、その朱色地に金装飾の薙刀をふるうたびに、鈴の音色がリンと鳴る。
 葵桜は敵を薙ぎ払っていきながらも、第六感を働かせ情報収集をするように周囲を窺う。
 この獣の群れはヴァンパイアの配下であるが、特に指揮系統などはないようだ。
 獣たちに与えられている指示は恐らく、たったひとつだけ。
 眼前の敵をすべて殺せ――恐らく、これだけである。
 だがその時、葵桜はハッと顔をあげる。
 ……何かの音が今、した気がしたからだ。
 それに、見つけたのは、自分と同じように獣の群れの只中得物をふるう猟兵たちの姿。

 正面の獣が射程圏内にはいるやいなや、伊織は菊里を先導するように地を蹴って。
 二人、左右に分かれ愚鈍な獣たちに対し、撹乱と牽制を。
 普段はへらり、緩く軟派な印象を受ける伊織であるが。
 その鋭き赤の眼光に満ちる彩は――殺気。そしてどこか剣呑さを孕むその瞳で敵を見据え、暗殺技能を駆使し飛び込んだ敵の只中で衝撃波を放てば。
 鈍色の天へと流れるように漆黒の髪を靡かせて。鷹揚でいて妖しく、あくまで泰然とした構えで。七星の加護宿す術符を放ち、敵の動きを封じる菊里。
 そして二人も、自分たちへと獣の気が向くよう立ち回りながらも。
 村人がいるらしき門前までの道を作らんと、急ぎ獣たちを薙いでいく。
 その身を蝕む剣や捕縛の技の代償も、二人は全く厭わない。
 それで誰かの時間が守れれば――それだけで、大儲けだから。

 正面へと向かった猟兵は、全部で11名。
 予想に反し、多くの猟兵が正面へと向かったものの。
 だがそれでも、獣の数が多すぎる。
 状況も把握できぬまま、ひたすら村人や仲間の無事を信じ、得物をふるい続ける猟兵達。
 だが、天から現状を知ることができる者――クロウは、手首から肘までを覆うシールドガントレットで獣が振り下ろす爪を防ぎ、ハルバードへと形状を変えたサカホコをふるいながらも、仲間を探し把握している現状を伝える。
 ――村人4人のうち、3人は死んだ、と。
 フィリオはその言葉に、ぎゅっと雪ちゃんを握りしめ、呟く。
「倒れていく人に、皆さんの勇気が無駄ではない事を伝えたかったですの……」
 クロウと合流できた乙女、葵桜、伊織、菊里は各人それぞれの表情を宿すも。
「貴殿らの報復の義、この花盛乙女が預かろう」
 乙女は、倒した獣の爪に引っかかっていたというロザリオを、ぐっとその手に握りしめる。
 ……そして。
「でも、あと一人はどこにいるのかな? 逃げてくれてたらいいんだけど。あ、そういえばさっき、音が……」
 そう、葵桜が言った瞬間。
「!」
 全員が、ハッと顔を上げる。

 ――……パンッ……パン、パンッ……。

 少し距離があるのか、微かにではあるが。
 猟兵達の耳には、はっきり聞こえたのだった。
 マスケット銃の、銃声が。

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ノエマ・アーベント
黙っていても殺されるだけ
なら反旗を翻そうとする気概だけでも、大したものね
でも力がなければ犬死にするのみ……だったらその『勇者』の声を、今度は私たちが聞き入れないと

館の裏から潜入して獣と戦闘
【オーラ防御】で身を固め、【殺気】を放って怯ませて
複数敵への対処に備えて【錬成カミヤドリ】を発動
複製した本体の振り子ギロチンで、傷口抉って四肢を斬り裂き、最後は首を刎ね飛ばす
【暗闇の咆哮】には【第六感】で相手の動きを読んで身を躱す

村人たちの苦しみを、代わりに味わう気分はどうかしら
といってももう、死んでしまったら口も利けなくなってしまうけど

『犬死に』は決して無駄ではないわ。『勇者』の結末は、村を助けることだから


アオイ・フジミヤ
わかってる、人は死ぬんだよね

どんなに強い激情を抱えていても
どんなに優れた人でも
死ぬときは死ぬ

力が無ければ、運がなければ
時には、”そこにいた”というだけで

でもさ、不条理には、真っ直ぐに足掻きたいと思っても良いでしょう?
彼らを”救えない”のなら、せめて、彼らの”心”を掬いたい。

情報収集で館の周りの状況を認識する。
どこに敵が多くて何処をサポートすべきかを見極めなきゃ。

優先は回復、私にできることを。Lanikaiを使って癒すことが中心。
ただ自分の身くらいは自分で護らなきゃ。
Nalu(ナル)を使って1匹でも減らせればいい。(気絶攻撃1、先制攻撃1)

鐘と花は葬送なのかな、それとも……希望だったらいいな。


氷條・雪那
オブビリオン共は、一族の仇
故に、彼らの気持ちはよく理解出来ます
力が無くとも、大切なものを奪われたのならば怒りを感じる
それが生きる者として、当然の感情でしょう

敵を討てなければ、ただの蛮勇で終わってしまう
だからこそ、彼らの勇気を無意味にはしません

亡き兄の口調や振る舞いを真似て
戦いへと意識を切り替え

「我が名は氷條・雪那。貴様らの命、貰い受ける」

孤立し、敵に囲まれぬよう集まった者同士で連携し
確実に敵の数を減らしていく

私も【2回攻撃】を始めとした手数で攻め
【剣刃一閃】で敵を仕留めていく

姿が見える敵の攻撃は【残像】や【見切り】で躱すが
姿を消した敵は目に頼らず
敵の呼吸音や殺気で敵の存在を感じ取ってみせよう


メノン・メルヴォルド
誰もいない
ひとりぼっち
今のワタシがそうだから…
それは誰のせいでもないけれど

大切な人を
大切な場所を
誰かに奪われてしまったら…

ゆらりとワタシの中で『何か』が揺れた気がした

でもそれは一瞬の事


…本当は館の正面へ急ぎたい
抵抗を決めた勇敢な人達を思うと胸が痛くて苦しい
けれど、今はやれる事をやるね

仲間の援護をするように
《だまし討ち》でフェイントしてから
《全力魔法》と《属性攻撃》で
エレメンタル・ファンタジア
炎の竜巻で敵を巻き込むの

姿を消して近付く敵もいるかもしれないから
息づかいや異変には注意して
気付いたら氷の樹氷で対応するか
仲間に報せるのよ

未熟なのは判ってる
それでも、できる事はあるはずだから
ワタシも守りたいの



 戦うことを選択した村人たちにも、きっと分かっていただろう。
 自分たちがやろうとしていることがいかに無謀で、きっと、死ぬだろうということを。
 でもそれでも。彼らは、戦う選択をした。
(「オブビリオン共は、一族の仇。故に、彼らの気持ちはよく理解出来ます」)
 氷條・雪那(凍刃・f04292)には、村人たちが何故殺されると分かっていても尚、戦わんとしたのか。
 それが痛いほど、よく分かっていた。
(「力が無くとも、大切なものを奪われたのならば怒りを感じる。それが生きる者として、当然の感情でしょう」)
 一瞬だけ伏せた雪那の青き瞳に微かに滲むのは、過去の記憶。
 だが雪那もまた……村人を助けるという選択は、取らない。
「敵を討てなければ、ただの蛮勇で終わってしまう。だからこそ、彼らの勇気を無意味にはしません」
 彼らが勇気を持ってくれたからこそ生まれた機会。それを、無意味にはしたくはないから。
 雪那は確りと青きその瞳に、討ち取るべき敵の姿を映して。
「我が名は氷條・雪那。貴様らの命、貰い受ける」
 口調や振る舞いに亡き兄の色を宿すと、冷気纏いし美しい『雪夜』を構えた。
「わかってる、人は死ぬんだよね」
 そう、肩のマリモに零すように呟くのは、アオイ・フジミヤ(青碧海の欠片・f04633)。
 どんなに強い激情を抱えていても、どんなに優れた人でも――死ぬときは死ぬ。
 力が無ければ、運がなければ……時には、”そこにいた”というだけで。
 死は、ある日突然、人を襲う。
 けれども……いや、だからこそ。
「でもさ、不条理には、真っ直ぐに足掻きたいと思っても良いでしょう?」
 足掻いて、もがいて、思い悩んで苦しみながらも――人は、不条理に抗う。
「彼らを”救えない”のなら、せめて、彼らの”心”を掬いたい」
 アオイはそう、真っ直ぐに戦場へと、その海色の瞳を向けた。
「どこに敵が多くて何処をサポートすべきかを見極めなきゃ」
 少し前までは、戦いが怖かったけれど。
 でも、アオイは知ったから。自分にはマリモがいて、仲間の猟兵達がたくさんいるっていうことを。

 誰もいない、ひとりぼっち。それは今の自分であり、誰のせいでもないのだけれど。
 大切な人を、大切な場所を、誰かに奪われてしまったら……。
 そう思った、ほんの一瞬だけ。メノン・メルヴォルド(wander and wander・f12134)の中で、何かが、不安定に揺れた気がしたけれど。
 メノンも、心の奥底ではこう思っている――本当は館の正面へ急ぎたい、と。
 抵抗を決めた勇敢な人達を思うと、胸が痛くて苦しくなる。
「けれど、今はやれる事をやるね」
 敢えて正面には行かない。今、自分たちがやること……裏側の獣の殲滅へと動く。
 その緑を帯びた瞳に、オブリビオンの群れを捉えて。獣たちの只中、メノンが巻き起こすのは――炎の竜巻。
 制御の難しい炎の竜巻が戦場に荒れ狂い、敵を巻き込んで焼き焦がす。
 そして炎に焦がされながらも、敵の姿がふっと消えたことに気付いて。
「敵がみえなくなったよ、気をつけて!」
 そんなメノンの声に、雪那はスッと一瞬、瞳を閉じる。
 姿は消せても……呼吸音や殺気までは、愚鈍な獣に消すなんてできないから。
「……そこだ」
 刹那放たれるのは、冷気を帯びた鋭き一閃。さらにもう一撃、獣の巨体が勢いよく斬り上げられる。
『ガッ! ガァァアアッ!!』
 炎の竜巻に焼かれた次は、凍えるような氷の冴えた斬撃。
 その衝撃に、獣はたまらず声をあげながらも。血塗られた爪を、雪那へと叩きつけてくる。
「!」
 瞬時に反応し躱したものの。雪那の腕に、はしる赤。
 だが、そんな傷も。
「私の“海”、命を護って」
 アオイの声に呼応し、“海の鬼”が降らせる雨の雫が即座に癒して。
 そして再び戦場に巻き起こる、炎の竜巻。
「もう一度、炎よ……ワタシに力を貸して!」
 未熟なのは判ってる……それでも、できる事はあるはずだから、と。
「ワタシも守りたいの」
 メノンは仲間を援護するように、魔力を開放する。
 そんなメノンの生み出した炎の竜巻に巻き込まれ、堪らず上体を揺らした敵の隙を見逃さずに。
『! ガ、アァァッ!!』
 踏み込んだ雪那から放たれた『雪夜』の閃きが、獣の身体を一刀両断。
 容赦なく切断したのだった。
 力が無くとも怒りは感じる。でも、敵を討てる力がなければ、無意味に終わってしまうこともあるから――。
 雪那は獣の血に濡れた刃を払い、そして磨いてきた剣の腕をふるうべく。新たな敵へと、視線を移した。

 猟兵の力で、その数を随分と減らした館裏の獣たち。
 だが、まだ殲滅にまでは至ってはいない。
 皆を癒す雨を降らしながら、身体のだるさを感じるけれど。
 自分の身くらいは自分で護らなきゃ……そうぐっと、光の加減で色々なあお色へと変わる七節棍を握りしめて。
『ガアッ!』
 えいっと勢いよく、敵が攻撃してくるその前に。迫る獣へと『Nalu』の一撃をお見舞いするアオイ。
 けれども、仲間を高速回復し続けてきたアオイの身体に溜まる疲労の色は隠せず。
 その一撃では、獣を仕留めるまでには至らない。
 だが刹那、そんなアオイと獣の間に割って入ったのは――灰色の髪を棚引かせる娘。
 その黄昏色の瞳を殺気で彩り、淡く闇色の天に立ち昇るオーラを纏いながら。
 ノエマ・アーベント(黄昏刻のカーネリア・f00927)は、眼前の敵を処刑し断罪せんと。戦場に振り子ギロチンを複製しながらも思う。
(「黙っていても殺されるだけ。なら反旗を翻そうとする気概だけでも、大したものね」)
 でも、力がなければ犬死にするのみ。
「……だったらその『勇者』の声を、今度は私たちが聞き入れないと」
 ノエマはそう、手に握る鎖をジャラリと揺らして。
 ゆらり鈍色の戦場に揺れる『断罪ギロチーヌ』の刃を、獣へと向ける。
『ガッ、アアアアァァッ!!』
 瞬間、数多の咎人達の血で染められてきた刃に、獣の血が勢いよく飛沫いて。
 それだけでは飽き足らず、さらに血を求めるかのように。
 再び大きく揺れた刃が、どす黒い赤溢れる傷をさらに容赦なく抉る。
「村人たちの苦しみを、代わりに味わう気分はどうかしら」
 そして四肢を斬り裂き、己から噴き出す赤の色に染まりゆく獣を、ノエマは黄昏纏う瞳で一瞥して。
「といってももう、死んでしまったら口も利けなくなってしまうけど」
 死刑執行――その首を刎ね飛ばしたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

日隠・オク
【KORで参加】
ナイフで攻撃をしていきます。
同旅団のみんなとも助けあいながら。
自分が傷ついているときはユーベルコードのガチキマイラを使って攻撃し、自分も癒せるようにして継続した戦闘を頑張りたいです。
ナイフをもった片腕ごとライオン化し攻撃をしかけます。

私でも出来ることがあるのなら。
意思のない獣なんて、敵じゃない


涼風・穹
【内心】
……勇気と無謀は違うけど、それでも戦う以外の選択肢を選べない状況というものはある、か…
……獲物は活きが良い方が面白い、とかいう理由でヴァンパイアが意図的にそういう方々が出るように圧政を敷いているんじゃないだろうな…?

【戦闘】
接近してくるなら『風牙』で斬りかかる
近付いてこないようなら【贋作者】で『風牙』か適当な武器を作り出して投げつける
姿を消していそうなら、撒菱じゃないけど【贋作者】で自分の周囲に大量の刃物を設置して相手の動きを待って迎撃する

……出来れば静かに片付けたかったけど、咆哮を上げたりしていたしどう考えてもヴァンパイアにもばれているだろうな
後はスピード勝負、一気に館まで突っ込むか


鏡彌・サクラコ
【KORで参加】
サクラコは感情で行動した方々には共感できません
でも、ヴァンパイアを除去することがこの地にとって有益なことは理解します
犠牲になった方々の行動を無にしないために
できる限りのことをいたしましょう

「声が、ここまで聞こえますねい」
共感はできない。でも彼らの願いは心に届いた

正面の騒ぎに乗じてと裏口へ
マシンヘルムを使って周囲の状況を確認します
敵の姿が見えなくなった場合は探査して仲間に知らせます

UC使用
銅鏡を16個召喚
敵からの範囲攻撃を予想して遠距離から攻撃
仲間達には近づきすぎない様注意

戦闘終了後
「では、こっそり中に入るでいす」

一人称サクラコ
二人称オクちゃん ニコさま
語尾 〜でいす 〜ですねい


ニコ・ベルクシュタイン
【KORで参加】
既に犠牲者が出ているとは痛ましい事だ
せめて此れ以上被害が広がらぬように疾く元凶を断つ事こそ最善と心得る
其の為の一歩だ、抜かりはすまい

共に行動する仲間と息を合わせ、連携を乱さぬよう心掛ける
正面の村人が気掛かりではあるが、此方が速やかに事を為せば
其れが間接的に彼等を救う事にも繋がると信じて行動する

攻撃は【花冠の幻】で、可能な限り多くの獣を巻き込めるよう
ある程度は突出する事も辞さず、しかし味方の援護が届く範囲を
保ちつつ、攻撃有効範囲を意識した立ち位置で発動させる

敵は姿を隠す可能性があるのか、そうか、そうか。
――我が花弁は、其れさえも纏めて斬り裂くと知るが良い。


フラウロス・ハウレス
【KORで参加】
ふん、勇敢で無謀な者共か。
妾は嫌いではないがな。
だが、やはり人間は「生きてこそ」なのだ。
死して残せるものなぞ悲しみしかない。
故に、か。その「遺志」は汲んでやらねばな。

故に。
「邪魔をするな、獣風情が!!」
勢いよく敵陣へ飛び込み、思いっきり拳を叩きつけよう。【アースシェイカー】だ!
ふん、ご自慢のお屋敷ごと破壊してくれよう!!
貴様も遠慮なく爪を振るうが良い!
その分屋敷が崩れるだけだからな!!

味方への攻撃はなるべく受け止め、流れ出る血は全て【ブラッド・ガイスト】で黒爪に喰らわせながら、吸血と生命力吸収で持ち堪えよう。
「ふん……その程度かッ!ならば遠慮はいらぬ!全て貪り喰らえ、黒爪!!」



 今は、獣の咆哮や戦闘音でかき消されているけれども。
 ――声が、ここまで聞こえていた。
(「サクラコは感情で行動した方々には共感できません」)
 鏡彌・サクラコ(鏡界に咲く花・f09974)は、そうはっきりと否定する。感情で動いた村人たちの行動を。
 でも、ヴァンパイアを除去することがこの地にとって有益なことは、理解したから。
 旅団の仲間と共に、この場に赴いたのだ。
 犠牲になった方々の行動を無にしないために、できる限りのことをいたしましょう――と。
 かっこいいナビゲーションシステム搭載のマシンヘルムで、周囲の状況を確認する。
「既に犠牲者が出ているとは痛ましい事だ」
 だが、せめてこれ以上被害が広がらないよう、できるだけ早く元凶を断つこと。
 これが最善だと、ニコ・ベルクシュタイン(虹の未来視・f00324)は、眼鏡の奥の赤き瞳で仲間達と視線を合わせた後。
 其の為の一歩だ、抜かりはすまい――まずは、館裏側の警備にあたる獣の殲滅に動き出す。
 警備が手薄になっていると予知された館裏側。手薄になっているとはいえ、それなりの数の獣がいることが予想される。
 そして……サクラコのマシンヘルムが、数体の獣の群れを確認すれば。
「ふん、勇敢で無謀な者共か。妾は嫌いではないがな。だが、やはり人間は『生きてこそ』なのだ。死して残せるものなぞ悲しみしかない」
 フラウロス・ハウレス(リベリオンブラッド・f08151)はそう、赤の瞳を細めてから。
 刹那、金色の髪と服を飾る潤沢なフリルを揺らしながら、フラウロスは大きく地を蹴る。
「故に、か。その『遺志』は汲んでやらねばな」
 ――故に。
「邪魔をするな、獣風情が!!」
 敵陣へと勢いよく飛び込み、その只中で、地を震わせるほど強烈な拳をふるった。
 轟音が鳴り、直撃した地面に生じる大きな衝撃痕。
 その地鳴りを聞きつけ、合流するのは、涼風・穹(人間の探索者・f02404)。
 フラウロスの拳の一撃で揺らいだ敵の隙を見逃さず、握る『風牙』で一閃、獣へと斬撃を見舞いながらも。
(「……勇気と無謀は違うけど、それでも戦う以外の選択肢を選べない状況というものはある、か……」)
 そう、村人たちの行動に心思いながらも。
 眼前の大きな屋敷に、ふと視線を移す。
 この館にいるというヴァンパイアこそが、元凶だというが。 
(「……獲物は活きが良い方が面白い、とかいう理由でヴァンパイアが意図的にそういう方々が出るように圧政を敷いているんじゃないだろうな……?」)
 だがまずは、この獣たちを蹴散らさないことには、ヴァンパイアの意図することにも辿り着かない。
 それに獣は獣でも、眼前の獣の群れは、オブリビオン。
『グオオオオオッ!! アァァッ!!』
 激しい咆哮とともに、鋭利で高威力な爪の衝撃を猟兵たちへと繰り出してくる。
 だが、無差別に放たれるそれは大振りで、粗雑な攻撃。
 ニコはできる限り多くの敵を巻き込むように、敵の只中へと飛び込んで。
 闇に覆われた戦場に咲かせるのは――虹色の薔薇。
 敵陣に舞う花弁の彩りは、鈍色の現を染め変える虹色の夢。
 だがその美しき色は、敵には容赦はしない。
 七彩の花弁が獣の群れを斬り裂いていき、その時を永遠に止めんと、儚く舞い吹雪く。
 そしてニコの降らせる虹の花弁が舞う中、すかさず獣の懐に潜り込んで。
 日隠・オク(カラカラと音が鳴る・f10977)の鋭利なナイフが、獣の身をさらに斬り裂いた。
「オクちゃん、いくでいす!」 
 サクラコのその声に、オクが頷き、一歩引けば。
 刹那、敵の群れに襲い掛かるのは、16もの銅鏡。
 戦場を飛ぶ鏡たちが舞う七色の花弁を映し、その彩りを、さらに倍に増やした。
 サクラコは村人たちの行動に共感はできない。けれども――彼らの願いは、心に届いたから。
 それに、ニコも正面の村人のことは気がかりではあるが。
 速やかに事を成せば、それが間接的に彼等を救う事にも繋がると……そう信じて。
 皆と連携をはかり、館裏側の獣の殲滅を急ぐ。
 ――その時。
「!」
 ふと闇にとけるようにその姿を消す、オブリビオン。
 だが、猟兵達は動じない。
 穹が戦場へと巻き散らすのは、撒菱ならぬ、『贋作者』で生み出した大量の刃物。
「敵は姿を隠す可能性があるのか、そうか、そうか」
 獣の殺気を感じながらも、ニコはその眼鏡の奥の瞳を一瞬、ふっと閉じて。
 再び開くと同時に、再び戦場に七彩の花弁を吹雪かせる。
 ――我が花弁は、其れさえも纏めて斬り裂くと知るが良い、と。
 そして仲間に襲いくる強烈な爪と殺気を察し、フラウロスは確りとかわりにその衝撃を受け止めて。
「ふん……その程度かッ! ならば遠慮はいらぬ! 全て貪り喰らえ、黒爪!!」
 爪状の異端の血を啜る呪われた剣で、獣の身を引き裂けば。
「そこでいす!」
 マシンヘルムで敵の居場所を調査したサクラコが、再び16の銅鏡を生み出し、追撃を。
 そして仲間達の放つ衝撃を受け、姿を現した獣目掛けて。
 私でも出来ることがあるのなら……と。
「意思のない獣なんて、敵じゃない」
『ガッ、アアアアアッ!!』
 ナイフ握るその手を百獣の王の頭部へと変化させた、オクの放つ衝撃が。
 館裏側にいる最後の獣を、噛み殺したのだった。

 館裏側の暗闇の獣を見事、全滅させた猟兵たち。
「では、こっそり中に入るでいす」
 サクラコはそう、館に侵入するべく、裏口へと足を向けて。
 穹はサクラコに続きながらも、ふとこう呟くのだった。
「……出来れば静かに片付けたかったけど、咆哮を上げたりしていたしどう考えてもヴァンパイアにもばれているだろうな」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神楽威・紅葉
今回の目的がヴァンパイアを倒す事であるのは重々承知しています。
それでもなお、私は表門の人たちを助けに行きたい…。
英雄願望とかそういうのではなく、この世界の人たちの過酷さを身をもって知ってしまったから、放ってはおけないんです。

こんな私でも、助けられる可能性があるなら…全員とは言いません。
一人でもいいから助けたい。

到着と同時にUCを使って全力で表門に向かいます。
敵が視認できる距離に近づいたら、【殺気】を放って注意をこちらに向けさせようかと、うまくすればこれだけでも数秒は稼げそうですし。


ヴァンパイアを倒す事より、『勇者』と呼ばれる人たちが一人でも生還する事が、村に一番の希望になると信じて。


香神乃・饗
困難なんっすね?
助けられるなら行ってくるっす!諦めるのは絶対嫌っすから!

表門に向かうっす
周囲に呼びかけ共闘

妖剣解放で加速し
気配を消して近づき勇者の確保を最優先
多少食らおうと厭わない覚悟で突っ込み
たどり着き割り込んででも護れるなら身を挺す
その間にでも逃がすっす

近づくことすら厳しいなら
最後の望みをかけて剛糸を投げ
勇者4人を手繰り寄せるっす

勇者がまだ動けるなら
敵を仲間に押し付ける様に逃げて
猟兵が勇者を護り安い配置に駆け込むっす

敵陣ど真ん中
遮蔽物や森等にも敵が居るかもしれないっす
自陣内が一番安全っす人垣という地形の利用も出来るっす
あらゆる力を使って戦うっす

村も皆さんも助けにきたっす!生きてほしいっす!


出水宮・カガリ
【迎櫻館】櫻宵と、ふれずと
アドリブ絡み歓迎

表の村人救出を勧めなかったのは、少しわかる
だが、カガリは脅威を退ける城門だ
たとえ一人しか守れずとも
できれば、一人でも多く
共に立ち上がったものの勇気を覚えているものを、守りたい

【鉄門扉の盾】を掲げ、【異装城壁】を詠唱
ヴァンパイアの館を素材に変形、館を派手に崩す
村人の鼓舞にもなれば
更に【追想城壁】を展開、姿を隠すものを炙り出す
櫻宵や、ふれず、村人を守るように盾で受ける
必要なら魔獣を踏みつけたり、間に入ったり、怪力と炎を乗せた拳で薙ぎ払ったり
カガリを足場に使ってもいい

魔獣の攻撃で破損する度、館から素材を補充
さあ、来い
人を害するものに、カガリの扉は開かれない!


誘名・櫻宵
🌸【迎櫻館】
*アドリブ等歓迎

裏手からの方がいいのわかってる…けれど
うふふ、カガリ
あたしはあなたのその美しい想いを買いたいわ
ええ、可能性は零じゃない
勇気の一雫、守りましょう
犬死なんかで終わらせないわ

頼んだわよ、城門(カガリ)さん
あなたが盾ならばあたしは矛に
姿を隠したフレズが1人でも誰かを救えるように
ダッシュや先制攻撃で即座に駆けつけ
破魔の属性を纏わせた刀で範囲攻撃、『散華』を駆使し1匹でも多く目前の敵を斬り伏せて道を作るわ
敵に近づいたなら絶華を!
行きなさいフレズ!

フレズの術は体力を消費する
早めに決着をつけなきゃ

第六感を働かせ囲まれないよう気を配り
1人でも多くを救う

全てを決して
無駄には散らせない


フレズローゼ・クォレクロニカ
🌹【迎櫻館】
※アドリブ等歓迎

死ぬとわかってて立ち上がる
その勇気をボクは愚かとは思わない

櫻宵にカガリくんの思いもけして無駄じゃない
だから
1つでも多く、生命を救う
だって
一般人の皆を囮みたいのになんて
できないじゃないか!

頬を叩いて気合をいれて
カガリくんが守りを
櫻宵が敵を斬り伏せ道をつくってくれるから
ならボクは『ボクはチェシャ猫』を使って
極力戦闘回避しながら、空中戦や第六感を使って1人でも多くの生存者を透明にし、一緒につれてその場から離脱させてく
何度も何度もね

敵がきたらマヒ攻撃や衝撃波で追い払う
逃げる事は負けじゃない
生きる事が勝利なの
ボクは諦めない

描くんだ
闇の中の勇気の一雫を
絶望を希望に塗り替える!



●Battle of the front side2
 見渡す限りの、獣。
 村人が起こした騒ぎを聞きつけ、正面に夥しい数の獣が集まっている。
 それはグリモア猟兵も予知し、皆に伝えていたこと。
 ――だけど。
「困難なんっすね? 助けられるなら行ってくるっす! 諦めるのは絶対嫌っすから!」
 村人を助けることは困難だと。
 香神乃・饗(東風・f00169)は予知の際に敢えて清史郎が選んだ言葉をそう、復唱しながら。
 その足が向かうのは、館の裏側ではなく、表側。
 そして周囲に、同じように村人を救出するべく動いている猟兵がいないか探りながらも。
 獣が犇めく戦場で、助けるべき村人たちの姿を探す。
(「今回の目的がヴァンパイアを倒す事であるのは重々承知しています」)
 それでもなお、私は表門の人たちを助けに行きたい……。
 神楽威・紅葉(妖刀夢幻の伝承者・f01131)も、その思いを、どうしても捨てることができなかった。
 英雄願望とか、そういうものではなく――この世界の人たちの過酷さを、紅葉は身をもって知ってしまったから。
 だから……放ってはおけない。
 オルタナティブ・ダブルを展開し、館正面へと急行した紅葉。
 そして敵を視認するとすぐに、その身に殺気を纏って。
「こんな私でも、助けられる可能性があるなら……全員とは言いません」
 一人でもいいから助けたい。
 身の丈程もある、クリスタルの如き半透明の妖刀・『夢幻』を構え、獣の群れを迎え討つ。
 そしてまた、館の表へと向かう者達が。
「表の村人救出を勧めなかったのは、少しわかる。だが、カガリは脅威を退ける城門だ」
 城門として百年、都の人々を護ってきた出水宮・カガリ(荒城の城門・f04556)。
 護ることこそ、彼の譲れぬ矜持であり、彼の誇り。
 だから、カガリの決意は揺るがない。
「たとえ一人しか守れずとも。できれば、一人でも多く。共に立ち上がったものの勇気を覚えているものを、守りたい」
 館表側へと向かい、勇気を出し立ち向かった村人を、ひとりでも多く護りたい。
 たとえ、それが難しいことだとしても。
 そんな彼らしいカガリの言葉に、誘名・櫻宵(誘七屠桜・f02768)は、柔い桜の瞳を細める。
 裏手からの方がいいのは、櫻宵もわかってはいるけれども。
「うふふ、カガリ。あたしはあなたのその美しい想いを買いたいわ」
 揺るがない彼の矜持は、とても美しいから。
 櫻宵は淡墨の髪を揺らし、頷く。
「ええ、可能性は零じゃない。勇気の一雫、守りましょう。犬死なんかで終わらせないわ」
 頼んだわよ、城門さん、と、パチンとカガリにウインクして。
 紅き屠桜を手にする――あなたが盾ならばあたしは矛に、と。
 そんなふたりの言葉に、フレズローゼ・クォレクロニカ(夜明けの国のクォレジーナ・f01174)は続ける。
「死ぬとわかってて立ち上がる。その勇気をボクは愚かとは思わない。櫻宵にカガリくんの思いもけして無駄じゃない」
 だから―ー1つでも多く、生命を救う、と。
 フレズローゼの決意も、二人と同じ。
「だって、一般人の皆を囮みたいのになんてできないじゃないか!」
 そう、ぱちぱちと頬を叩いて気合をいれて。
 櫻宵はそんなフレズローゼに微笑みながら、決まりね! と。
 敢えて館正面へと、二人とともに進路を取る。

 ――猟兵達の誤算。
 それは、助けるのは困難だと予知されたのも納得の敵の多さ故に、村人の居場所をすぐには掴めず。
 掴めたとしても、獣の群れが立ちはだかり、そこまで辿り着くのにまたひと苦労だということ。
 饗は見かけた紅葉に共闘を呼びかけ、勇者たちの居場所を探す。
 一刻も早く村人たちを見つけ守らなければ、彼らは殺されてしまう。
 紅葉は襲い来る獣を『夢幻』で薙ぎながらも、第六感を働かせて。
「! 今、向こうから銃声のような音が」
 耳に聞こえた音に、そう呟くと。
 二人顔を見合わせ、音のした方向へと急ぎ向かう。
 同じく、第六感に優れているフレズローゼも、銃声に気が付いて。
 そして野生の勘を研ぎ澄ませ――見つけたのだった。
 草木が生い茂る中、恐怖のあまりか、むやみやたらにマスケット銃を撃ちまくる、村人のひとりを。
 だが、その周辺には、獣たちの群れが。銃声を聞きつけ、集まってきているのだ。
 しかも、猟兵達から村人まで、まだ距離がある。
 銃声を聞きつけやって来た饗と紅葉も、フレズローゼたちと合流して。
 5人は、獣犇めく戦場を、一気に駆け出す。
 その身を挺してでも、村人を護るために。
 紅葉は、もうひとりの自分の手を借り、いちはやく敵の只中へと移動して。
 敵の意識を惹きつけるようにその身に再び殺気を宿し、黒髪を戦場へと躍らせながら、握る『夢幻』をふるい続ける。
 だが――敵の数が、多すぎる。
「! くっ」
 迫る爪を躱した瞬間、また別の、姿を消した獣の放つ爪を受ける。
 だが、戦えないほどではまだない。
 ヴァンパイアを倒す事より、『勇者』と呼ばれる人たちが一人でも生還する事が、村に一番の希望になると信じて――。
 そう紅葉が妖刀を構えなおした、その時。
 ――されど亡都の扉は此処に在り。
 駆けつけたカガリが生み出した城壁の幻影が、姿を消した獣たちを炙り出す。
 そしてカガリは敵前へと立ちはだかり、獣たちをひきつけるように、鉄門扉の盾を掲げて。
「カガリはここだ、そんな爪ではカガリは打ち砕けない。通れるものなら通ってみろ!」
 傍にあった吸血鬼の館の柵を派手に壊し変形させ、異装城壁を展開すれば。
 仲間や村人を護るべく。合体し、二倍もの背丈となる。
「さあ、来い。人を害するものに、カガリの扉は開かれない!」
 そして獣達へと閃くのは、破魔の力を宿した屠桜から放たれる『散華』。
「舞い散る桜の如く美しく。さぁ、お退きなさい!」
 美しさの欠片もない獣たちに纏めて斬撃を放った後、櫻宵はすぐさま眼前に迫る敵に『絶華』をお見舞いする。
 そして紅葉とともに、容赦なく敵を斬り捨てていきながら。
「行きなさいフレズ!」
 先へと――そう声を。
 1人でも多くを救う、全てを決して無駄には散らせない。その想いを託して。
 そんな仲間たちが敵をひきつけているうちに。饗とフレズローゼは、村人を救わんと戦場を駆ける。
 饗は村人までの距離を一気に縮めんと、その身に妖刀の怨念を纏って。
 カガリが守りを、櫻宵が敵を斬り伏せつくってくれた道を、フレズローゼも全力でに駆ける。
 ――その時。
「!」
「うわああっ!」
 村人に迫る、1体の暗闇の獣。
 その獣の爪が、今にも村人へと振り下ろされんとしている。
 間に割り込むには、まだもう少し距離がある。
 だが……このままでは、村人が殺されてしまう。
「村も皆さんも助けにきたっす! 生きてほしいっす!」
 そう声を上げ、最後の望みをかけて饗が投じたのは――剛糸。
 それと同時に、ボクは諦めない、と。フレズローゼが発動させたのは、『ボクはチェシャ猫』。
「描くんだ、闇の中の勇気の一雫を。絶望を希望に塗り替える!」
 フレズローゼが魔法石の岩絵具で村人を描けば、その姿が透明と化して。
 同時に、饗の剛糸が村人の身体に巻き付く。
『……ガッ!?』
 突然姿を消した攻撃対象に、獣がその動きを僅かに止めた瞬間。
 饗は糸をぐっと力いっぱい引き、村人の身体を引き寄せ……その身を、確保したのだった。
 それからすぐに。
「村人、保護したっす! 撤退っす!」
 そう、仲間達に声を。
 村人を護る様に皆で囲み支え合い、地形を利用し身を挺し……猟兵たちは、意地でも『命』を護りながら撤退を。
 そしてフレズローゼは、迫る獣に衝撃波を放ちつつ、そっと金色の瞳を細める。
 逃げる事は負けじゃない、生きる事が勝利なの――と。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『ヴァンパイア』

POW   :    クルーエルオーダー
【血で書いた誓約書】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    マサクゥルブレイド
自身が装備する【豪奢な刀剣】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    サモンシャドウバット
【影の蝙蝠】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【第2章の情報をオープニングに追記いたします、掲載までお待ちください。オープニング追加後から、第2章のプレイングの受け付けを開始いたします】
●赤翼のパドゥレ
「弱者の犬死にか、相変わらず愚かな奴等だ」
 もうそれもいい加減飽きた、と呟くのは――館の主・ヴァンパイア。
 何か面白いことでもないだろうか、また村の者たちを今回の報復と謳って嬲り殺し、新しい娘でも攫おうか……そう彼が思っていた、その時であった。
 召喚し放っておいた影の蝙蝠の或る報告に、ヴァンパイアの血の色の瞳が妖しく光る。
「……何? 裏から……正面にばかり気を取られていたが、確かに裏から戦闘音が聞こえるな」
 そして暫しの間、思案した後――ヴァンパイアは、ニイッと邪悪な笑みを宿す。
「客人は、それなりにもてなさないとだな。折角だ、楽しませて貰うとしよう」

 館裏側の獣の群れを殲滅し、村に圧政を敷くヴァンパイアが居るという館内に侵入した猟兵達。
 細々と日々怯えながら生活している人々とはうってかわり、ヴァンパイアの館はかなりの広さを誇り、豪華で華美である。
 そして正面で村人の救助にあたっていた仲間達も合流を果たし、いつ敵が現れても対処できるよう慎重に進んで。
 吹き抜けの広い玄関ホールへと出た――その時だった。
「やぁ、諸君。我が名は、赤翼のパドゥレ。この地の統治者だ」
「!!」
 ふいに吹き抜けの二階から降ってきた声に、猟兵達の間に緊張感がはしる。
 何が統治者だ……そう得物を構える猟兵達に、パドゥレと名乗った吸血鬼は笑う。
「そうそう、折角の客人だ、面白いもてなしを用意した」
 そして、不敵に笑み、こう続ける。
「私は今、複数の娘を飼っていてな。踊ることが好きな美しい娘たちだ。だが、少々飽きてきたところでな。新しい娘でも調達しようかと思っていてな」
 パドゥレはそれから、エントランスに置かれたアンティーク調の柱時計に目をやって。
 邪悪な彩を宿す瞳を細め、口を開いた。
「この柱時計が次に鐘を鳴らしたその時……使い魔を放ち、配下の獣どもに、娘を処分するべく指示を出そうかと思っている」
「!」
 その言葉に、大きく瞳を見開く猟兵達。
 柱時計が次にその鐘を鳴らすまで――残り、約10分弱。
 ならば早急に目の前のヴァンパイアを倒し、囚われているという娘たちを救うべきだと。
 そう構える猟兵達であったが。
「おっと、私を倒してからでもいいが、それでは遅いかもしれないな。娘は踊りが好きだ、だから特別な仕掛けを用意しておいた」
 そして告げられる『仕掛け』に、猟兵達は愕然とする。
 娘たちが踊る舞台は、小さく不安定な椅子の上。
 そして娘の首には、天井から吊られたロープが巻いてあるという。
 バランスを崩し、足を踏み外せば――娘は、死ぬ。
 そんな娘の傍には、配下の暗闇の獣が数体配置されており、足を踏み外さず娘が頑張ったところで、柱時計が鳴れば娘はヴァンパイアから指示を受けた獣に殺されるだろう。 
 柱時計が鳴る前にヴァンパイアを倒せば、娘を殺す指示は出されない。
 だがその前に、いつ娘が足を踏み外し、死ぬかもわからない。獣がその前に娘に襲いかかってしまう可能性もある。
 何を優先すべきか――猟兵達が各人、思案している中。
 パドゥレは邪悪な笑みで、こう続ける。
「ああ、最近どうも忘れっぽくてな。一体何人の娘を飼っていたか……どの娘を何人躍らせているか、忘れてしまったな。はて……そもそも、実際に躍らせていたかどうか」
 猟兵達を攪乱させるようにそう言って、愉快そうに、アハハ! と高笑いした後。
「私は二階の奥にある遊戯室にいる。お待ちしているよ」
 そうひらりとマントを翻し、パドゥレは一旦、猟兵達の前から姿を消したのだった。
 
 館の1階には、今いる吹き抜けの玄関ホール、大広間、晩餐室、応接室など、客人をもてなす部屋が。
 2階には、書斎、図書室、寝室、風呂などのほかに、多数の用途不明の部屋があるという。
 地下には、厨房や作業場。屋根裏にも部屋があるようだ。
 ひとつひとつの部屋は豪勢で広く、戦闘に支障はないだろう。

 一番の目的は、ヴァンパイアを倒すことだろう。
 それを失敗してしまっては、元も子もない。
 ヴァンパイアは自信に満ち溢れているその様子からもわかるように、強敵だ。
 生半可な戦力では、返り討ちに合ってしまうかもしれない。
 だが、嘘か真かすら、定かではないが……命の危機にさらされている者が、この館のいるかもしれない。
 それはもしかして猟兵達を欺く狂言かもしれないし、どこで何人の娘が囚われ、何人踊らされているかもわからない。
 ――タイムリミットは、もう10分もない。
 猟兵達は、それぞれ己がどう動くべきか、考えを巡らせる。
リズ・ルシーズ
他猟兵と連携、アドリブ歓迎

【SPD】

行くよルシーズ、人海戦術ならボクだって

【ルシーズ】を使いRシリーズを呼び出すよ。ボク自身を含めた20人のRシリーズ5人1組の4組で他猟兵と協力して、1階の部屋を調査していくつもり。探してる間は見つかりにくいように【迷彩】して移動だね

見つけた!今助けるから待っててね

【重力制御装置】の重力制御で落ちそうになってる娘を支え、【空中戦】で空を飛んで確保するよ。救出中のRシリーズ以外は、擬似刻印のレーザの光【属性攻撃】で獣を攻撃、救出の【援護射撃】だね
助けた娘から【情報収集】し、他に娘のいる場所がわかれば連携、優先して調べていくよ!助けた娘の護衛に何人か残してくね



 ヴァンパイアが用意した、悪趣味な『もてなし』。
 それが本当のものか狂言かは分からないし、何より、時間がない。
 これからどう動くか、一刻も早い決断に迫られる猟兵たち。

 そんな中、誰よりもいち早く動きをみせたのは、リズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)。
 アーカイブ接続、ブループリント読込、圧縮展開――リズが発動させた『R-Series』が喚んだのは、19人のRシリーズ。
「行くよルシーズ」
 人海戦術ならボクだって、と。
 リズ本人を合わせた20人で4組に分かれ、他の猟兵と声を掛け合い、1階の部屋の探索を担う。
 敵に気取られぬよう、広い廊下を慎重に移動しながらも。
 まずは一番奥の部屋の扉を開けようとした――その瞬間。
「!」
 中から微かに聞こえたのは、悲鳴。
 リズはその声を聞き逃さず、4人のRシリーズとともに、部屋の中へとすかさず乗り込む。
 ――そこには。
「見つけた! 今助けるから待っててね」
 部屋の奥で怯える一人の娘と、いまにも娘に襲い掛からんとする獣の姿。
 娘には、ヴァンパイアが言っていたような首にロープこそ掛けられてはいなかったが。
 空を飛び、獣と娘の間に素早く割って入る、1人のRシリーズ。
『ガア、アアアッ!!』
 そして鋭い爪を振り上げた獣へと打ち出されるのは、他のRシリーズが放つ擬似刻印のレーザの光。
 その眩き光の衝撃に、背後からの意表をつかれた獣は堪らず声を上げて。
 さらに追い打ちをかけたRシリーズたちの援護射撃が、暗闇の獣の身体をモロに撃ち抜いたのだった。
「大丈夫だった? 君の他にも囚われている子たちが、どこに何人くらいいるか、分かる?」
 助けた娘を保護しつつも、そう尋ねてみるリズ。
「あ……囚われている女の子は、館の中にたくさんいるわ。村から攫われてきた子たちよ。でも急に、あの獣が部屋に入ってきて……怖かった……!」
 具体的な場所や数は分からないが。村から攫われてきた囚われの娘は、この館に『たくさん』いるという。
 リズは安心させるよう娘を撫でてあげ、もう大丈夫だよ、と安心させた後。
 Rシリーズの1人を娘の護衛につけ、次の部屋の探索に向かう。
 ひとりでも、多くの娘を助けるために。

成功 🔵​🔵​🔴​

クロウ・タツガミ
シン・ドレッドノート(f05130)と連携

【POW】

全く趣味が悪い、ヴァンパイアの始末は任せて自分達は救出に

シンのバイクにタンデムし、【救助活動】のため屋敷内を探索。娘を発見後、シンの射撃に合わせ飛び降り娘を【怪力】で受け止めるつもりだ

ここは自分が、シンは他の娘を

サカホコ(ハルバート)を手に【戦闘知識】を用いて娘を護りながら敵と戦う。敵の攻撃はガンドレッドによる【盾受け】で防ぎ、娘への攻撃は【かばう】つもりだ。攻撃手段は【怪力】に任せた【2回攻撃】だな

さて、娘一人どうにか守らねばな

隙きを見て【逆鱗】を敵に放つ

(娘の顎を持ち上げ、首筋を見て)首に痕が残らなければ良いが


シン・ドレッドノート
【天翔ける紅彗星】で速度を上げたノーブル・スカーレットにクロウ(f06194)を乗せ、屋敷内を一気に駆け抜けます。
扉を片端から開け、中に捕らわれの娘がいたら、ターンしつつロープをスカーレット・ブラスターで撃ちぬいて切断。
クロウが娘を受け止めたら、二人を残して私は速度を落とさず次の部屋へ移動します。
次に娘を見つけたら、部屋にいる獣はフック付きワイヤーガンを発射、ロープワークで拘束。
同様に駆け抜けざまにロープを切断して娘を受け止め、部屋の片隅に移動。
バイクとビームシールドで娘をかばいながら、スカーレット・ブラスターで獣を迎撃します。

獣を倒したら他の仲間と合流、娘を館の外へ逃がしますね。



 速度を最大限まで上げ、広い屋敷内を駆け巡るのは、純白のスペースバイク。
 白き機体に、真紅のラインと黄金の縁取りの『ノーブル・スカーレット』。
 シンが展開する『天翔ける紅彗星』で、さらに加速するノーブル・スカーレットに同乗しながらも。
 全く趣味が悪い、と零さずにはいられないクロウ。
 二人が選択した行動も、ヴァンパイアの始末は他の猟兵に託し――娘たちの救出に回ること。
 沢山並ぶ部屋のドアを片っ端から開け、娘がいないかを確認していく。
 そして――いくつめの扉だろうか。
「!」
 扉を開け放った瞬間、目の前に飛び込んできたその光景に、一瞬シンは赤の瞳を見開くも。
 ノーブル・スカーレットを瞬時にターンさせると同時に、素早く抜いた『スカーレット・ブラスター』の引き金をひく。
「……きゃっ!」
 刹那、寸分違わず撃ち抜かれ切断されたロープから解放された娘の身体が、重力に抗えず不安定に大きく揺れた。
 部屋の中にいたのは、ヴァンパイアの言った通り、不安定な椅子の舞台で踊らされていたひとりの娘。
 そして……その傍には、暗黒の獣。
 射撃と同時にノーブル・スカーレットから降り立ち地を蹴って、崩れ落ちる娘をすんでの所で受け止めたクロウに。
「その子のこと、お願いしますね」
 金色の髪を風に躍らせながら、シンは次の部屋へと白きスペースバイクのアクセルを踏む。
 ひとりでも多くの命を、救うために。
 そんなシンの声に応えるかのように。
「さて、娘一人どうにか守らねばな」
 そう紡ぎ、クロウは振り下ろされた獣の鋭利な爪をガントレットで確りと受け止めて。
 白蛇の如き小龍が翼を羽ばたかせ、ハルバートへとその姿を変えた瞬間。
『……ッ、グオオオオッ!!』
 眼前の獣へと鋭い突きが見舞われ、さらに怪力を駆使し繰り出された刃が唸りを上げ、振るわれる。
 そして生じた敵の隙を、決して見逃さずに。
 其れは、只人の怒りなり――クロウから放たれるのは『逆鱗』。
『ガアッ!!  オオオオオ……ッ!』
 耳を劈く地鳴りを轟かせ、直撃した床が吹き飛ぶほどの……単純だがそれ故に重い、サカホコの必殺の一撃。
 そしてその威力に耐えられなかった獣の巨体が、地に崩れ落ちるのも構わずに。
「……首に痕が残らなければ良いが」
 クロウはそっと娘の顎を持ち上げ、首筋にできた痛々しい痕に、そう漆黒の瞳を向けたのだった。
 ヴァンパイアの言った通り、椅子の上で踊らされていた娘。
 だがヴァンパイア側も、そう十分には『おもてなし』をするほどの準備時間はなかったようで。
 次にシンが見つけた娘は、首にロープは巻かれてはいなかったものの。
『ガアアッ!! グウウウウウッ』
 やはりその傍には、暗黒の獣の姿が。
 シンは狙いを定めフック付きワイヤーガンを撃ち出し、獣の動きを封じてから。
 娘をかばうように、ノーブル・スカーレットをすかさず間に割り込ませた刹那。
 素早く抜いたスカーレット・ブラスターで、ターゲット・ロック――その額を、容赦なく撃ち抜いたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

月尾・白雪
卑劣な企みに怒りで目眩がしそうだけれど
我を忘れては敵の思う壺
深呼吸を一つ
目的はパドゥレを倒す事
命散らした勇者を犬死になどに堕とさせぬ事
天に放った蒼炎に誓ったのだから

私はパドゥレがいる遊戯室へ向かいましょう

救えなかった勇者と此処で救えぬ彼女らに
村の安寧を約する為に

戦闘では突出せぬよう
共闘する猟兵には声掛けなどで連携を心がけ

後方よりクルーエルオーダーへ警戒を
誓約書はUC天火翔来で出来うる限り相殺を
どのような邪悪なルールを課すものか
幾ら警戒しても足りることはないでしょう
命中した場合
村人の尊厳を踏み躙るようなルールなら
ダメージ無視して破ります

命救えぬ不甲斐ない己に歯噛みするのは
敵を倒したその後で


月隠・望月
わたしは、ヴァンパイアを倒しに行く
娘さんがいるのかいないのかもわからない、けど、時間制限は無い方がいい。鐘が鳴る前に奴を、斃す

奴は二階の奥にある遊戯室にいる、と言っていた。急いで向かおう
ヴァンパイアを見つけ次第、《無銘刀》で【剣刃一閃】を放つ
時間が無い。ので、早く決着を付けられるよう立ち回る、よ
攻撃するときに首などの急所を狙ったり、<破魔>の力を上乗せしたりするのも有効かも、ね
奴は強い。まともに攻撃を受けたら、一撃でやられる可能性も、ある
《陰陽呪符》で<オーラ防御>を張って、備えよう

『仕掛け』をしたのは、わたしたちの戦力を分散させるため? それともただの、遊び?
遊びなら、趣味が悪い。とても



 相談する間など到底ない、制限された時間の中で。
 自分の決断と仲間を信じ、各々が決めた行動に素早く移る猟兵たち。
 卑劣な企みに怒りで目眩がしそうだけれど……でも、我を忘れては敵の思う壺、と。
 深く吸った息をひとつ、静かに吐いてから。
 ――目的はパドゥレを倒す事。
 救えなかった勇者と此処で救えぬ彼女らに、村の安寧を約する為に。
 そして、命散らした勇者を犬死になどに堕とさせぬ事を……天に放った蒼炎に、誓ったから。
 白雪が迷いなく目指すのは、赤翼のパドゥレがいるという、2階の遊戯室。
(「わたしは、ヴァンパイアを倒しに行く」)
 望月の急ぎ向かうその足の行先も、白雪と同じ2階の遊戯室。ヴァンパイア・パドゥレの元へ。
(「娘さんがいるのかいないのかもわからない、けど、時間制限は無い方がいい」)
 ――鐘が鳴る前に奴を、斃す。
 望月はそう、無銘刀を握りしめて。
 遊戯室の扉を開け放った瞬間。
 宣言通り室内で猟兵達を待っていたヴァンパイアへと剣刃一閃、その刃を向けた。
「!」
 破魔の力を乗せ、急所である首を容赦なく狙った冴えた一閃に、パドゥレは血の如く紅い瞳を見開くも。
 その名の通り赤き翼とマントをバサリとはためたかせ、望月の繰り出した鋭利な斬撃をひらりと躱す。
「これはこれは、随分なご挨拶だな」
 そんなパドゥレの言葉にも耳を貸さず、再び地を蹴る望月。
 時間が無い。だから、早く決着を付けられるよう立ち回る。
 そしてその思いは、白雪も同じ。
 仄かな青みを帯びた星辰宿りし銀の瞳で、その邪悪な姿を確りと捉えて。
 天火翔来――幾つもの蒼白に灯る炎を戦場へと生み出せば。
「! 誓約書が放たれます」
 視界のきく後方より、パドゥレの動きを仲間へと伝えた後。想像に易い邪悪なルールを課してくるだろう誓約書を燃やし尽くさんと、蒼白き炎を放った。
 仮にもし誓約書を突き付けられたとしても……それが村人の尊厳を踏み躙るようなルールならば。ダメージを負ってでも、無視して破る。
 命救えぬ不甲斐ない己に歯噛みするのは、敵を倒したその後で――と。
 白雪はそう強い覚悟と信念を胸に、星辰の彩揺らめく炎を戦場へと解き放っていく。
 望月も陰陽術を籠めた御札を手にし、護りを固める淡きオーラをその身に纏ってから。
 無銘刀を閃かせ、卓越した戦闘センスを駆使し、ばら撒くように放たれた理不尽な誓約書を斬り捨てていく。
 それからパドゥレ目掛け、再び急所を狙った刃の一閃を繰り出した後。 
「『仕掛け』をしたのは、わたしたちの戦力を分散させるため? それともただの、遊び?」
 放った無銘刀を豪奢な刀剣で受け止めたヴァンパイアへと、望月はそう問う。
 それを聞き、パドゥレは愉快そうに笑って。
 その笑みに不敵な色を宿してから……こう、答えたのだった。
「君たちは何故、私がこの部屋を選んだと思う?」
 パドゥレが戦場として選んだこの場所は――そう、『遊戯室』。
「……趣味が悪い。とても」
 パドゥレが口にしたそんな『アンサー』に、表情こそ変えないが、望月は思わず言葉を零して。
 怒りの色を宿す白雪や他の猟兵達の視線にも構わず、ぐるりと遊戯室内を赤の瞳で見遣ったヴァンパイアは。
 己に酔うかのようにオーバーに両手を広げ、ニイッと邪悪な笑みを宿し、言ったのだった。
「さあ! 思う存分、遊ぼうではないか」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

彩花・涼
メリー(f00748)と参加
人質か…悩んでいる時間はなさそうだ、メリーと晩餐室に向かうぞ。
他の猟兵と被るようなら同じ階の別の部屋に行く。

娘を見つけたら獣を倒して助けよう。
【ダッシュ】で獣に接近し斬り込むと【残像】で見せかけ、その隙をメリーに攻撃して気を引いてもらい、【地形の利用】で壁を蹴って回り込んで娘の首のロープを切断する。
これで、心置きなく貴様らを倒せるな。

娘に獣が攻撃しそうなら【かばう】で守りつつ、メリーと連携しながら黒爪・改で敵の攻撃を【武器受け】で受け流しながら黒華・改で【2回攻撃】で切り返す。
攻撃がコチラに集中した場合は黒蝶の鎮魂歌を使用して黒蝶を盾に使う。


メリー・ユメノコウジ
涼さん(f01922)と一緒に参加
娘さんを探しに晩餐室へ、他の猟兵と被るようなら同じ階の別の部屋に行く娘さんを見つければロープを涼さんに任せて自分は獣相手に。
【高速詠唱】で召喚しためぇめぇさんに気を引かせる。
「もっふもふのめぇめぇさん!お願いするのですよ~♪こっちなのですめぇ。」
【おびき寄せ】【時間稼ぎ】を第一に。
ロープ切断されれば涼さんの援護に切り替え、【援護射撃】
回避は【第六感】【野生の勘】、最終的に【祈り】(神頼み)

「わ、娘さん…大丈夫ですか?もう安心なのですよ…!」
助けられたら軽くで【救助活動】、少しでも恐怖を和らげようと安心させるように微笑みかける。

【羊の呼び方:めぇめぇさん】


逢坂・宵
悪辣で老獪なオブリビオンのたわごとなど聞く義理はありません
―――ですが、人の命がかかっている可能性のある場合は話は別です
思い通りに動かされるのは癪ですが
娘たちを探しに行きましょう

可能な限り早く、可能な限り音もなく
屋敷内を探しましょう
あのような者の思考をトレースするに
暗闇の獣たちが柱時計が鳴ったのがわかる、そして醜悪な画面映えのために
それなりの場所にするはずです
となると応接室か、書斎か、晩餐室か、寝室か……
狭い場所は獣が動きづらいため、とにかく避けるでしょう
仲間と手分けして探しましょう


桜雨・カイ
嘘か真か考えている暇はありません、すぐに助けに行きます。
誰かいますか!?
返事(無い時は近くにいるはずの獣の声や物音)を頼りに場所を探す

【錬成カミヤドリ】発動
天井に向けて【なぎ払い】を放ちロープを断ちます
錬成物で落下する娘さんを受取り安全な位置へ
怖がらせないよう、少しの間目をつむっていて下さいねと優しく声かけます

錬成物を動かし彼女を部屋の安全な場所へ連れて行く。
自分の多少の怪我は覚悟の上です
今は娘さんに近づく獣を優先に攻撃します

もう大丈夫ですよ、間に合って良かった。
今度は間に合ってよかった…
※過去に、主の妻と子供が亡くなっています



 屋敷に囚われているという娘たち。
 そして、その娘たちを使ったヴァンパイアの『仕掛け』。
 悪辣で老獪なオブリビオンの戯言など、聞く義理はないのだけれど。
(「――ですが、人の命がかかっている可能性のある場合は話は別です」)
 ヴァンパイアの言うことが、嘘か真かも分からない。
 でも、命の危険に晒されている者がいるかもしれないとなれば……宵の選択は決まっている。
「思い通りに動かされるのは癪ですが、娘たちを探しに行きましょう」
 同じような行動を取る猟兵たちと手分けして。
 できるだけ早くそして音を立てぬよう留意しながらも、広い屋敷内の探索へ。
 宵は、夜の色を纏う髪を靡かせ駆けながらも。ふと、星の煌めき湛える藍の瞳を細め、思案する。
(「あのような者の思考をトレースするに……暗闇の獣たちが柱時計が鳴ったのがわかる、そして醜悪な画面映えのために、それなりの場所にするはずです」)
 あの悪趣味なヴァンパイアのことだ。
 娘たちを躍らせている『場所』にも、少なからず拘っていそうである。
「となると応接室か、書斎か、晩餐室か、寝室か……狭い場所は獣が動きづらいため、とにかく避けるでしょう」
 かなり広いヴァンパイアの屋敷。闇雲に探しても悪戯に時間を費やし、徒労に終わる危険を孕むから。
 宵はいくつかの部屋にあたりをつけ、できるだけ早い娘の発見と救出を試みんと駆け出した。
(「嘘か真か考えている暇はありません、すぐに助けに行きます」)
 刻一刻と迫るタイムリミット。
 桜雨・カイ(人形を操る人形・f05712)の選択も、迷いはない。
「誰かいますか!?」
 返事の声は勿論、獣の声や物音も聞き逃さないようにと。
 カイも、館に囚われている可能性がある娘たちを探し、駆ける。
「人質か……悩んでいる時間はなさそうだ、晩餐室に向かうぞ」
「晩餐室があるのは、1階ですめぇ」
 涼とメリーも娘を探すべく、玄関エントランスから既に駆け出していて。
 向かうのは――1階にある晩餐室。
 晩餐室は普通の部屋に比べても広いだろうし。
 それに――。
「……!」
 晩餐室の扉を開いた瞬間、飛び込んできた光景に、涼とメリーは一瞬だけ言葉を失う。
 かなりの広さを誇る晩餐室には……3人もの娘が、椅子の舞台の上で踊らされたのだった。
 おもてなしを準備する十分な時間も、それほどパドゥレにはなかったのだろう。
 それに……ヴァンパイアがいかにも考えそうな、悪趣味な演出である。
『ガアアアアッ!!』
 そしてやはり広い室内を闊歩しているのは、複数の暗闇の獣。
 ……その時だった。
「やはり、晩餐室でしたか」
「娘さんは無事ですか!?」
 獣の咆哮を聞きつけ、晩餐室へと駆けつけたのは、宵とカイ。
 ふたりも、3人の娘が踊る姿に思わず瞳を見開くも。
 すぐさま連携し合うように、娘を救うべく、各々が動きをみせる。
『ガアアッ!』
 一気に地を蹴り、涼は握る漆黒の黒剣で一閃、獣へと斬り込んで。
「もっふもふのめぇめぇさん! お願いするのですよ~♪ こっちなのですめぇ」
 残像で獣を翻弄する涼の援護をするべく、戦場にめぇめぇさんを喚ぶメリー。
 そして獣が、メリーのめぇめぇさんに気を取られた隙に。
「……!」
 勢いよく壁を蹴り、回り込む涼。
 そして握る細身の刃から黒き閃きが再び放たれた刹那、ひとりの娘の首に巻かれたロープが切断される。
 さらに、戦場に生み出されたのは――複数のからくり人形。
 カイはからくり人形を錬成すると同時に、天井へ向け、手にした薙刀を大きく振るって。
 薙ぎ払われ生じた衝撃が、二人目の娘の首のロープを断てば。
 三人目の娘のロープ目掛け流れ煌めくのは、宵の射た星の魔力を宿した矢。
 3人の娘は死へと誘う首のロープから急に解放され、突然戻ってきた身体の自由に、大きくバランスを崩すも。
「わっ」
「きゃっ」
「……!」
 すかさずカイのからくり人形とメリーのもふもふなめぇめぇさんが、ナイスキャッチ。
 カイは、少しの間目をつむっていて下さいね、と。救った娘に、そう優しく安心させるように声を掛けてから。
『グガアアアァァッ!!』
 安全なところへと避難させるまで巧みに人形を操り、身を挺し襲い来る獣の爪から娘を護るよう位置取る。
 そして、娘の姿を映した青の瞳を細めて。
「もう大丈夫ですよ、間に合って良かった」
 ふと、過去の記憶と眼前の娘をどこか重ねながら。カイは、心底ホッとしたように呟くのだった。
 今度は間に合ってよかった……と。
「わ、娘さん……大丈夫ですか? もう安心なのですよ……!」
 メリーもめぇめぇさんがぽふんとキャッチした娘たちへと、そう微笑みかけながらも。
「これで、心置きなく貴様らを倒せるな」
 黒き黒爪の銃身で獣の鋭撃を受け止め、細身の黒剣で敵を斬りつけ切り返す涼の援護射撃を。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アルノルト・ブルーメ
やれやれ……こういうのがヴァンパイア流のもてなしか
どいつもこいつも……下衆としか言いようがないな

二階奥の遊戯室、ヴァンパイアの元へ急ぐ
強敵相手に数分で事を終わらせられるとも思えないからね
最低でも、10分の声を奴に出させる事だけは阻止
戦闘中も惑わされない

僕の、僕らの覚悟を舐めて貰っては困る

血統覚醒で先制攻撃からの2回攻撃
オーダーもブレイドもViperで引き裂き、叩き落としてあげるよ

攻撃により出血した場合は自身の血でも奴の血でも
拷問具の起動に使用

お前を倒す強力な牙を僕は持たない
けれどね……僕らは一人ではない
強大な力に溺れるお前に、驕るお前に
『僕ら』が負ける道理はない

骸の海に還ると良い、オブリビオン


ノエマ・アーベント
更なる罪を重ねるつもりなら、その命を断つまでね
私は咎人の生を終わらせる為に造られた刑具(モノ)だから
――さあ、処刑の時間を始めましょう

敵の撃破を最優先
パドゥレを追って二階の遊戯室を目指して駆け上がる

時間がなければ一刻も早くヴァンパイアを倒すだけ
代償覚悟で【赤と黒のカデンツァ】で戦闘力を底上げし、全力で敵を迎え撃つ
相手の【マサクゥルブレイド】には【錬成カミヤドリ】で対抗
敵の剣の軌道を【見切り】つつ、複製したギロチンで【武器受け】しながら
【フェイント】と【カウンター】で隙を狙って攻撃を入れる
その後も手を緩めず仲間と連携しながら攻め続け、その身に罪の記憶を刻み込む

最期はせいぜい苦しみ悶えて逝きなさい


リーヴァルディ・カーライル
…時間が無い。一直線に2階の遊戯室へ
一刻も早く吸血鬼を狩る事が、結果的に女性達を救うことに繋がる
今は、そう信じて…赤翼のパドゥレ。お前を狩る…!

吸血鬼の存在感や殺気を第六感を頼りに感知し【吸血鬼狩りの業】で回避
誓約書は呪詛耐性で耐え、自身を鼓舞して【限定解放・血の聖槍】を発動

この程度で、止められると思うな…!


一瞬だけ吸血鬼化した怪力を瞬発力にして敵の見切りを外し
掌打と同時に生命力を吸収する呪詛を宿す血杭を放つ
力を溜めた血杭から無数の棘が飛び出し傷口を抉る2回攻撃で追撃

…聖槍は反転する。喰らい抉れ、血の魔槍…!


後、吸血鬼の犠牲者は礼儀作法に則って丁重に扱い
【常夜の鍵】に収め、村人達の元へ還す


榎木・葵桜
正直凄く悔しい
助けられるなら全員助けたい
…でも、娘さん達の居場所が定まっていない以上、
一人でも多く助けられる可能性を考えて
ヴァンパイアを倒す事に集中するね

目指すは二階の奥にある遊戯室
辿り着く前に獣が居るなら
真の姿を開放の上で【巫覡載霊の舞】使用
【衝撃波を放つなぎなた】で舞を舞いながら【なぎ払い】する
遊戯室到着後も真の姿で戦いに挑むよ

私の真の姿は元の姿と変わらないけど
舞に籠める力は常より増してくれているはず

敵の挑発には一切耳を傾けない
冷静さを忘れずに行動するよ

攻撃しなければ隙も弱点も見いだせないなら
こちらから積極的に攻撃仕掛けて立ち回り方から【情報収集】
攻撃傾向と弱点を分析して情報連携していくね


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「状況が複雑な時は大もとの目的を思い出すべきね」
ヴァンパイアの元へ直行よ。
下衆な企みごと撃ち抜いてあげるわ。
同じ行動をとる皆と協力して攻撃。
鎧無視攻撃、破魔あたりのスキルをとり混ぜましょう。
タイミングを見計らってユーベルコード「ジャッジメント・クルセイド」を使用。

「貴方に裁きを」


花盛・乙女
そんな言葉で猟兵が、この花盛乙女が止まると思ったのか。
貴様を疾く殺せば全てに対応が出来る。居場所まで分かる。
猟兵が迷う姿で愉悦を満たせるとでも思ったか?愚かな。
嘗めてくれるな、莫迦者めが。

ロザリオを握り締め、一目散に遊戯室へ向かう。
一刻の猶予もない。乾かぬ刃の血と怒気を黒風に乗せて纏い、斬る。問答無用だ。
怒りはあるが剣筋は乱さん。確実に斬る。確実に彼奴を仕留めるのだ。
傷を受けることは厭わん。村人は命を賭けたのだ。
報復を預かった私が命を惜しんでなんとするか。

己を強者と信じる者は近付けもしない数の配下など使わん。
だから分かる。貴様は外道で、惰弱で脆弱で愚かだ。
もう喋るな、不愉快だ。ただ、疾く死ね。



 カチコチと時を刻む柱時計。
 その針は絶えず進み、1秒も待ってはくれない。
「やれやれ……こういうのがヴァンパイア流のもてなしか」
 どいつもこいつも……下衆としか言いようがないな、と。
 自らにも吸血鬼の血が混じるアルノルトは、柔い印象の声に複雑な溜息を乗せ、そう零しながらも。
 その足を向けるのは――赤翼のパドゥレの待つ、二階奥の遊戯室。
 自信に満ち溢れているだけあり、ヴァンパイアはかなりの強敵だろう。
 そんな強敵を相手に、数分で片をつけられるとは思わない。
 だから最低でも、タイムリミットがきたその時……ヴァンパイアに指示を出させる事だけは阻止したい。
 アルノルトはそんな判断から、パドゥレの元へと向かう選択をしたのである。
 そして乙女の足もまた、迷うことなく一目散に、遊戯室へと進路を取っていた。
 ヴァンパイアが愉快気に語った、娘を使った『仕掛け』。
 それは限られた時間でどう動くかの選択を猟兵達に迫り、口にする言葉は嘘か真かすら定かでなく、猟兵達を攪乱するようなものであるが。
「そんな言葉で猟兵が、この花盛乙女が止まると思ったのか」
 ぐっと乙女が手に握るのは……小さな煌めきを纏う、ロザリオ。
 ヴァンパイアがいくら色々小細工をしようとも、やるべきことは明確。
「貴様を疾く殺せば全てに対応が出来る。居場所まで分かる。猟兵が迷う姿で愉悦を満たせるとでも思ったか? 愚かな」
 一刻も早く、パドゥレを討てばいいだけのこと。
 嘗めてくれるな、莫迦者めが――乙女はそう、得物とロザリオを握る手に、一層の力をこめる。
 同じく、赤翼のパドゥレを追って。曲線を描く階段を駆け上がるのは、ノエマ。
 時間がない現状を考えれば、一体何を成すべきか。
 それは一刻も早くヴァンパイアを倒すだけだと。ノエマの足取りにも、迷いはない。
 そしてノエマの器物はそう、ギロチン。咎人の生を終わらせる為に造られた刑具だから。
「更なる罪を重ねるつもりなら、その命を断つまでね」
 ――さあ、処刑の時間を始めましょう。
 辿り着いた遊戯室へと、躊躇することなく足を踏み入れる。罪を重ねる傲慢な咎人の首を、刎ねるために。
 正直凄く悔しい、助けられるなら全員助けたい……そう赤地に金装飾の薙刀をぐっと握りしめ、鈴を鳴らしつつ。
 葵桜が向かう場所も、赤翼のパドゥレが待つ遊戯室。
 敢えて正面にいる村人を助けに走ったことでもわかるように。
 葵桜にとって、誰かが命を落とそうとしているのにそれを見過ごすことなんて、できない。
 でも、だからこそ……娘の居場所が定まっていない以上、一人でも多く助けられる可能性を考えて。
 葵桜は、ヴァンパイアを倒すべく遊戯室に向かうことにしたのだ。
 ……時間が無い、と。
 リーヴァルディも一直線に二階へ。
 そしてリーヴァルディもまた、葵桜と同じ考えを持っていた。
 一刻も早く吸血鬼を狩る事が、結果的に女性達を救うことに繋がる――今は、そう信じながら。
「……赤翼のパドゥレ。お前を狩る……!」
 まだ余裕な笑みを浮かべているヴァンパイアに、そう言い放つ。
 ただのヴァンパイア討伐だけでなく、パドゥレの言うことは嘘か本当か、囚われの娘や踊らされている娘はいるのか。
 現段階では分からない、複雑な様相となっているように見えるけれど。
「状況が複雑な時は大もとの目的を思い出すべきね」
 ヴィオレッタも、迷わず二階の遊戯室へ直行。
 元凶のヴァンパイアに照準を確りと定める――下衆な企みごと撃ち抜くために。
「これはまた、追加でお出ましか」
 先に到着している仲間達の攻撃を捌き、ひらりと跳躍して。
 まだまだ余裕そうな顔をしているパドゥレは、邪悪な笑みを宿すと。
 遊戯室内にいる猟兵達へと、言ったのだった。
「そうか。おまえたちは囚われの娘たちを見捨てて、私を倒しにきたのだな」
 遊戯室にある置き時計がまたカチリと音をたて、タイムアップの時間に近づいていることを示した。
 一刻の猶予もない、と――そう飛び出したのは、乙女。
「もう喋るな、不愉快だ。ただ、疾く死ね」
 鎧の如く纏う黒き風に乗せるのは、いまだ刃を濡らす赤の色と心底湧き出る怒気。
 戦場に巻き起こった漆黒の旋風を供に、乙女が開放するは、真の姿。
「!」
 パドゥレは、一瞬にして間合いを詰め寸分狂わず放たれたその剣筋に、血の色の瞳を見開いて。
 咄嗟に回避を試みるも……問答無用、確実に仕留めんと繰り出される斬撃が腕を掠る。
 怒りはあるが剣筋は乱さん。確実に斬る。確実に彼奴を仕留めるのだ――乙女は自らが傷を受けることも厭わず、パドゥレをさらに追従して。
「命令する、動くな」
 ばら撒かれ直撃した誓約書の命令など聞く耳持たず、血が飛沫き傷を負おうとも、刃を振るう手を決して止めぬ乙女。
 村人は命を賭けた。そしてその報復を預かった私が命を惜しんでなんとするか、と。
 乙女は形見のロザリオと共に、ヴァンパイアを討つべく前へ出続けて。眼前の悪趣味な下衆に言い捨てる。
「己を強者と信じる者は近付けもしない数の配下など使わん。だから分かる」
 貴様は外道で、惰弱で脆弱で愚かだ――と。
 そんな乙女の言葉をパドゥレは鼻で笑いつつも。大袈裟に首を傾け、こう口を開く。
「ああ今頃、何人の娘が脱落しているだろうか」
 でもそんな挑発には、一切乗る気はない。
 あくまで冷静さは忘れず、でも想いは熱く。乙女と同じように真の姿を開放し戦場を舞うのは、葵桜。
 見た目は先程までと変わらぬ少女であるが……ひらり戦場という舞台に舞うその姿は、普段と印象を変え凛として。
 舞いに籠もる力も、格段に上がっている。
 くるり黒髪を靡かせ葵桜が舞い廻るたび、薙刀の斬撃が周囲を薙げば。
「ちっ」
 赤翼を広げ避ける敵の動きを、確りとその青い瞳で追って。
 葵桜は再び、リンと鈴を鳴らしながら、朱に金が施された胡蝶楽刀をパドゥレへと振るう。
 積極的に攻めれば、隙や弱点の情報が見いだせるかもしれないから。
 そんな真の力を発動しているふたりを相手取るパドゥレに、ほんの微かな隙ができたことを見逃さずに。
「……!」
「僕の、僕らの覚悟を舐めて貰っては困る」
 ヴァンパイアを捉えるアルノルトのその瞳の彩は――真紅。
 柔く穏やかだった緑が、ヴァンパイアのものと同じ。血の如き赤と微かに見え隠れする冷酷さを孕む色に塗り替えられて。
 パドゥレが衝撃を放つその前に、アルノルトは攻撃を仕掛け、さらに重ねる。
 そして戦場へとアルノルトが解き放った毒蛇――Viperが次々と捉え引き裂くのは、戦場を飛び交う誓約書。
 斬り裂かれた誓約書が、散った後の花弁の如く戦場を舞った。
 だが、その間隙を縫って。
「!」
 豪奢な刀剣がアルノルトの腕を掠め、染みる赤がじわりと広がっていく。
 けれど、その流れ落ちる己の赤き血も……Victoriaの目覚めを促す、原動力。
「くっ」
 一見ナイフのような形状の拷問具が起動し、ヴァンパイアを処刑せんと唸りを上げた。
「お前を倒す強力な牙を僕は持たない。けれどね……僕らは一人ではない。強大な力に溺れるお前に、驕るお前に『僕ら』が負ける道理はない」
 彼自身の柔い口調や印象とは違った、冷徹非情で容赦のない攻撃。
 それはパドゥレに囚われ踊らされているのが、娘だということもあるかもしれない。
 そしてアルノルトは闇色に染まった外套を靡かせ、仲間達とともに再び地を蹴りながら言い放つ――骸の海に還ると良い、オブリビオン、と。
「簡単には死なせない。貴方の罪の苦痛、魂にも刻んであげるから」
 刹那ノエマが宿すのは、血染めの記憶、咎人の闇、ココロの獣――展開した『赤と黒のカデンツァ』は超強化を得るかわり、その身に代償を受ける。
 身体を駆け巡る毒の感覚を覚えながらも、ノエマは戦場を舞う誓約書を、錬成した振りこギロチンで次々と裂いていって。
 宙を舞う鋭利な刀剣も確りと、成したギロチンで受け止める。
 そして。
「……!」
 刹那、飛び交う誓約書と刀剣の間隙を縫い、ヴァンパイアへと閃くギロチンの刃。
 フェイントを入れたノエマのカウンターの斬撃が、ヴァンパイアを無残な姿にせんと唸りをあげるが。パドゥレは豪奢な剣でそれを弾き返す。
 だが、すかさずヴァンパイアへと向けられるのは、鈍色の戦場を照らす天からの光。
 タイミングを窺っていたヴィオレッタの指先が、パドゥレへと向けられた刹那。
「貴方に裁きを」
 破魔の加護宿る光の衝撃が、悪しきヴァンパイアへと繰り出されて。
 ヴィオレッタの揺れる金髪と宝珠の如き瞳が、一段とその輝きを成した。
 猟兵達の連携に、初めて面白くなさそうな表情を浮かべるパドゥレ。
「ちっ、弱者は大人しく犬死にしていればいいものを」
 そして戦場に成されるのは、血で書かれた幾枚もの誓約書。
 傲慢にも、猟兵達を理不尽な命令で再び支配せんと一斉に放たれるが。
「この程度で、止められると思うな……!」
 吸血鬼の存在感や殺気を第六感で感じ取り、『吸血鬼狩りの業』を展開していたリーヴァルディには、お見通し。
 予想通りの衝撃を、身体を翻し躱した後。
「……限定解放。……刺し貫け、血の聖槍……!」
 ヴァンパイアを狩るという、リーヴァルディにとっての最大の目的を果たすべく。
 吸血鬼化し得た怪力を瞬発力に変え、敵の見切りを外し一気に距離を詰めた瞬間。
 突き出した掌打が炸裂し、生命力を吸収する呪詛を宿す血杭がパドゥレへと襲い掛かって。
「……聖槍は反転する。喰らい抉れ、血の魔槍……!」
「ぐ、っ!」
 血杭から飛び出した無数の棘が、容赦なくオブリビオンの傷口を抉った。
 ひとりだけの力では及ばないけれど。戦場に今いるのは、ひとりではない。
 そしてそれが――猟兵たちの最大の強みであり、最強の武器。
 悪趣味なヴァンパイアを討つべく、猟兵達は再び顔を見合わせ頷き合い、それぞれの得物を構える。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

香神乃・饗
討つのが民のためっすけど
目の前の人も見捨てたくないっす!
嘘だったとしても後悔したくないっす!

苦無に剛糸をつけておきいつでも引き戻せる様にしておくっす
救援に向かう人に声をかけ分配するっす
人手が足りない所を担当するっす

館という地形を利用して人を隠してる部屋を探すっす
不自然な場所がある筈っす
フェイントに引っ掛からない様に注意する

降魔化身法で強化し壁など障害物の排除や敵の討伐に使うっす

もし躍る子を発見できたらすぐ苦無を投げ首の糸を切るっす
助けにきたっす!もうちょっとだけ待っていて欲しいっす!

獣を剛糸で絡めとり動けなくしたら次に向かうっす
同じことを繰返し時間ギリギリまでやるっす!
一人でも多く助けるっす!


キア・レイス
所詮は敵の言うこと、はったりの可能性もあるが…

【俊鋭感知】これを使い周囲の確認をし人が確認できれば向かうよう他の猟兵に伝え、いなければ他をあたるように促す。
これだけなら十数秒で終わる。

残りの時間は目の前で踊らされようとしている娘達の救助に充てる。
フックショットで急ぎ娘の前へ、ロープは銃弾やナイフで切る。
出来るのなら【防御陣地作成】か【特殊機巧機動隊】を使いたい。
娘達をトーチカに入れて守ったり、警護ロボットで時間稼ぎができるかもしれないからな。
無理ならフックショットで1人ずつ屋根にでも上げるしかないか。
救助しきれないなら身を挺して守る、変装等はないが服装のお陰で獣だけなら娘の一人に間違えるかも。


メノン・メルヴォルド
…なんて、ひどい!
眉を顰める
人を玩具のように弄んでいるのね

今も、そして今までも!

ロッドを握りしめ
踵を返す

アイツに一矢報いたいけれど
それどころじゃないわ
早く!
囚われた人を助けに行かなくちゃ

どっち?
どこにいるの?
走りながら呼ぶ

今、助けるのよ
だから、もう少しだけ頑張って

WIZ
配下を睨み
怒りと焦る気持ちをなんとか落ち着けようと
深く息を吐く
「全力魔法」と「属性攻撃」で威力を高め

氷の槍よ、ワタシに力を貸して
その身を貫き、目の前の敵を排除するために!
エレメンタル・ファンタジア

全て撃破できたら急いで側へ

もう、大丈夫
抱きしめるように身体を支えて首のロープを外し
皆で助けに来たの
きっと、今頃あのヴァンパイアだって…



 ……なんて、ひどい!
 そう思わず眉を顰めるのは、メノン。
(「人を玩具のように弄んでいるのね。今も、そして今までも!」)
 そんな悪趣味で許し難いヴァンパイアに、一矢報いたいけれど。
 ぎゅっと、精霊が姿を変えたロッドを握りしめ……そしてメノンは、踵を返す。
 今はそれどころではない、と。
「早く! 囚われた人を助けに行かなくちゃ」
 命の危機が迫っているかもしれない娘を探すべく館の中を駆け、声をあげる。
「どっち? どこにいるの?」
 大小合わせれば、かなりの部屋数を誇るヴァンパイアの館。
 探索にあたる猟兵の数も多いが、それでも、ひとつひとつの部屋を確認していては、いくら時間があっても足りない。
 時間制限もある中、いかに手際良く館を探索し、娘をどれだけ見つけられるか。
 それが非常に重要になっている。
 そんな条件下での人探しに、まさにうってつけな能力。
「この先の部屋には人の気配はないな、他をあたろう」
 キア・レイス(所有者から逃げだしたお人形・f02604)の『俊鋭感知』。
 範囲内の地形や人の気配を探れるというその能力を使えば、ドアをひとつずつ開ける手間が省け、大幅に探索時間が短縮できる。
 他の猟兵達にも、人の気配の有無を伝えながらも。
「……?」
 ふと、キアは俊鋭感知に引っかかった場所に視線を移す。
 だがそこは、何の変哲もない絵画が飾ってある壁しかない。
 しかしその奥に、複数の人の気配が感じられる。
「なんかそこ、気になるっすよね」
 そんなキアにそう声を掛けた饗も、何か不自然な箇所などないかと探索していたところだ。
 そして通りかかったメノンも合流し、三人は壁の絵画を外してみれば、そこには妖しいレバーが。
 それを慎重に引いた、瞬間。
「あっ、隠し部屋っす!」
 現れたのは、隠し部屋の扉。
 トラップなどないか慎重に、その扉を開いた刹那。
「!」
 部屋の中には、怯えた様子の複数の娘と……暗黒の獣たち。
 首にロープこそこの娘たちにはかけられていなかったが。
 獣たちがいつ衝動的に娘たちを襲うかわからない。
「助けにきたっす! もうちょっとだけ待っていて欲しいっす!」
「二重三重に隊列を組んで防御と弾幕を厚くしろ!」
 饗が放った煌めく糸が、獣の身体の自由を奪わんと張り巡らされて。
 同時にキアが召喚した『特殊機巧機動隊』の人型警護ロボットが隊列を成し、獣の前に立ちはだかる。
「今、助けるのよ。だから、もう少しだけ頑張って」
 暗黒の獣たちを睨み、怒りの気持ちを落ち着かせるようにメノンは深く息を吐いてから。
 全力魔法と属性攻撃を、紡ぐ魔力に乗せて。
「氷の槍よ、ワタシに力を貸して。その身を貫き、目の前の敵を排除するために!」
『ガアァァッ!!』
 刹那、メノンの願いを聞き入れた精霊が成した鋭利な氷の槍が、凍え巻き起こる風とともに獣たちへと突き刺さる。
 そしてメノンのエレメンタル・ファンタジアが生み出した凍てついた風が、敵を飲み込んでいる間に。
 糸で絡めとった獣が身体の自由を取り戻さんともがいている隙をつき、饗はすかさず娘たちを保護して。
「もう、大丈夫。皆で助けに来たの」
 きっと、今頃あのヴァンパイアだって……と。
 抱きしめるように娘たちの身体を支えキアへと託した後、再び氷の槍を戦場に成すメノン。
 そんな娘たちを護るべく、キアは『防御陣地作成』で成したトーチカへと彼女たちを誘導する。
「中に入れ、多少の攻撃じゃびくともしない」
 ヴァンパイアを討つことが、人びとのためなのだけど。
 仲間を信じ敵を討つのは任せて。
「目の前の人も見捨てたくないっす! 嘘だったとしても後悔したくないっす!」
 饗は、また別の部屋へと娘を探しに駆け出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユエ・イブリス
人命救助などと柄ではないが、花は咲いてこそ美しい
散るというものをみすみす見逃すわけにもゆくまい

柱時計が鐘を鳴らすまであと数分
ならば『柱時計の鐘を鳴らないように』したのなら、少しは時も稼げよう
闇の貴族たるヴァンパイアが
腕時計などという無粋なものを持っていなければいいのだけれどね

「我が友、我が愛、私の呼ぶ声が聞こえるか」
【雪姫顕現】目映く白い我が同胞
私の願いを聞いてくれるね
ゆっくり、だが急いで、壊さぬように
柱時計を君の吐息で凍らせて、氷の柱にしておあげ
封じ込められては時計も時を刻めまい
壊すことはしなくていいさ、時間稼ぎと嫌がらせが目的だ

力仕事は不向きでね
あとは猟兵諸君、頑張ってくれたまえ



 ――柱時計が鐘を鳴らすまで、あと数分。
 ある猟兵は赤翼のパドゥレの元へと急ぎ、またある猟兵は娘を探すべく館内を駆け巡る。
 だが、そんな思い思いの考えを元に方々へと散った猟兵達を見送りながら。
 ユエ・イブリス(氷晶・f02441)はいまだ、玄関ホールへと留まっていた。
 そしてその柘榴石の如き彩を放つ瞳が映しているのは――カチコチと、時を刻み続ける柱時計。
 人命救助などという柄ではないけれど。
「花は咲いてこそ美しい。散るというものをみすみす見逃すわけにもゆくまい」
 優美で麗しい、その涼しげな笑みは絶やさずに。
 ユエは銀の髪を鈍色の天へと靡かせながら、最果ての白き姫を喚ぶ。
「我が友、我が愛、私の呼ぶ声が聞こえるか」
 そして目映く白い伝承の氷姫に、私の願いを聞いてくれるね、と。
 ガーネットの瞳を細め、そして紡ぐ。
 ――ゆっくり、だが急いで、壊さぬように。柱時計を君の吐息で凍らせて、氷の柱にしておあげ。
 柱時計が時を告げる鐘を鳴らしたその時、娘の命が儚く散ることになるのならば。
 その針の動きを、止めればいい。
 凍てついた白き姫君の絶対零度の吐息が、柱時計自身の時を止めんと煌めいて。
「封じ込められては時計も時を刻めまい。闇の貴族たるヴァンパイアが腕時計などという無粋なものを持っていなければいいのだけれどね」
 絶望へと針を進めていた柱時計は最早、単なる時計を象った氷像と化したのだった。
 そしてユエは、願いを聞いてくれた雪姫の掌をそっと取って。
 壊すことはしなくていいさ、時間稼ぎと嫌がらせが目的だ――そう、くすりと笑んだ後。
「力仕事は不向きでね。あとは猟兵諸君、頑張ってくれたまえ」
 紡ぐ言の葉はあくまで滔々と。
 氷の如き澄んだその翅で闇色の天を優雅に舞いながら、猟兵達の健闘を祈るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヒビキ・イーンヴァル
良いご趣味をお持ちだな、おい
あんなに高らかに宣言しといて何もない訳があるか
仕方ねぇ、ヴァンパイアは他の猟兵に任せて、俺は館内の捜索をしよう
人命第一だ

他に娘さんたちを助ける猟兵がいれば、協力行動を
効率的に探せるよう、部屋が被らないように
俺は二階か一階の奥からいく
全力疾走なんて、柄じゃないが!

娘さんを見つけたら、まず獣に攻撃
『高速詠唱』と『2回攻撃』で畳みかけて、こちらに注意を向かせつつ
ついでに炎でロープを焼き切っとく
後は俺がどれだけ耐えられるか勝負ってとこかね
獣からの攻撃は、剣を使った『武器受け』で何とかする

獣を引き付けている間に、娘さんに逃げるよう促す
せめてこっちまで来られればいいんだが


フィリオ・グラースラム
嘘かどうかは確かめればいいだけですの
屋上から下に向かって部屋を確認しに行きますわ
遊技場に向かわれる方々をフィオは信じておりますの

走りなさい雪ちゃん
我らが女王の願いのために
私たちの身長なら、屋内でも全力で走れますの

同じ方向に向かわれる方が居れば
分担して部屋を見て回りますの

救出時は【援護射撃】で炎の【属性攻撃】を飛ばして
ロープの根本を狙いますのよ
これなら外しても焼き切れますし
直接ロープを狙ってはおねーさまがバランスを崩してしまうかもしれませんもの

救出を担当してくれる方がいる時は
獣の注意を引き付けるように動きますわ

フィオ達だけの場合でも、
獣の引き付け役は雪ちゃんにやってもらって
絶対助けてみせますのよ



 赤翼のパドゥレが口にしたことは真実か、それとも戯言か。
 明らかに猟兵たちの反応をみて楽しんでいる悪趣味なヴァンパイア。
 でも、フィリオの抱く騎士道は、そんなことでは揺るがない。
「嘘かどうかは確かめればいいだけですの」
 人を助け護る存在、それがフィリオのあこがれる騎士様。
 ヴァンパイアの言う事が嘘か本当かは、この金の瞳で直接確かめればいいだけ。
 真実ならば助ける、嘘ならばそれに越したことはない……だからフィリオも、己の決断に迷いなどない。
 ――私たちの身長なら、屋内でも全力で走れますの。
 屋上から下に向かい、順に娘がいないか探索していくフィリオ。
 その傍らには勿論、竜槍の白きドラゴンの姿も。
「走りなさい雪ちゃん。我らが女王の願いのために」
 女王にたてる騎士の誓い。その矜持を胸に、フィリオはその足を決して止めない。
「良いご趣味をお持ちだな、おい」
 ヒビキ・イーンヴァル(蒼焔の紡ぎ手・f02482)も二階へと駆け上がりながら、思わず溜息を吐く。
 あんなに高らかに宣言しといて何もない訳があるか、と。
 ヒビキの選択も人命第一、ヴァンパイアは他の猟兵に任せ、館内の捜索をすることに。
 そして途中出会ったフィリオを手分けし、二階奥から扉を開けにかかろうと動こうとした――その時だった。
「!」
 確かに聞こえたのは、悲鳴。
 ……全力疾走なんて、柄じゃないが!
 そう思いながらも、ヒビキはフィリオと同時に、同じ方向へと一気に走り出す。
 そして開け放った扉の向こうにいたのは――ヴァンパイアの言っていたように、小さな椅子の上の舞台で踊る娘。
 刹那、ヒビキが編み出した魔力が、恒星の如き蒼の炎を瞬時に生み出して。眼前の獣の気を引くよう、連続で放たれれば。
 今度はフィリオが成した炎の射撃が、娘の首に巻き付いているロープの根元を焼き切る。
 そして身体の自由が戻ってきた娘と獣の間に割り込まんと、ヒビキは思い切り地を蹴って。
『グガアアアッ!!』
 素早く抜いた蒼き輝きを放つ星喰の剣で、何とか娘へと振るわれんとしていた獣の鋭利な爪を受け止めた。
 フィリオも躊躇なく獣の前へと躍り出て、高らかにこう声を上げる。
「あなたの相手はこのフィオですの、こっちですの!」
 そして獣が、フィリオや雪ちゃんの方へと視線を向けた瞬間。
「……走れるか? 今のうちにここから逃げろ」
 ヒビキは娘へと、そう声を。
 その言葉に、恐怖に顔は引きつらせてはいるものの、こくりと頷く娘。
 廊下には敵の姿はなかった。だから探索にあたっている猟兵の誰かが、きっと彼女を保護してくれるだろうと。
「後は俺がどれだけ耐えられるか勝負ってとこかね」
 ヒビキはそう口にしながらも、再び戦場に蒼き炎を灯して道を作り、娘の盾とならんと動いて。
 絶対助けてみせますのよ――フィリオも、その身を挺してでも娘を護ると、改めてその胸に誓いを立てる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アルバ・ファルチェ
セラ(f03368)ユエちゃん(f05601)と行動。
色んな人との絡み、アドリブ歓迎。

悪趣味なヴァンパイアねぇ…身近に覚えがあるようなないような…いや、師匠はダンピールだけども。

ともかく女の子の危機に駆けつけないなんて騎士の名が廃るから協力させて貰うよ。

狼姿になって、嗅覚での【追跡】や【聞き耳】を試みたり、【救助活動】【失せ物探し】なんかも活用出来るかな?

人質を見つけたら【コミュ力】で、安心するよう声をかけるよ。

獣に対応する時、僕は防衛担当で。
Molti Scudiで範囲を防御、必要とあらばAmour Gratuitで回復も行うよ。

時間が許す限り探索、獣退治を続けて助けられるだけ助けたいよね。


月守・ユエ
ファルチェ兄弟(f03368/f03401)と一緒
他の人と絡み
アドリブ歓迎

悪趣味だねぇ、ヴァンパイア
「万が一っていう事があるし
ヴァンパイアは他の人に任せて
僕らは囚われてる人達の救出に向かお」

階層は人手少ない方に
探索は兄弟に頼る
自分は探索に邪魔が入ったら対応
娘を発見した際の救出行動に集中

戦闘
・オルタナティブ・ダブル使用
月影と呼ぶ人格に任せ
呪詛の力を込めて【死刻曲】を使用
支援が必要なら【狩猟女神ノ戦歌】
「どけ★
獣に構ってる暇ないんだよ!」

人質救出
優しさとコミュ力を活かし娘に声をかけ
「もう大丈夫♪ロープもいま切るからね!」
ロープが切られれば
娘を椅子から降ろす
娘を背中に庇いながら遠距離から戦闘フォロー


セラータ・ファルチェ
アル(f03368)とユエ(f05601)と一緒に行動
アドリブと絡みは歓迎

や、あの悪趣味加減は師匠といい勝負だろう。

とりあえず、親玉は他の猟兵に任せて俺達は人質捜索を優先しよう
アルと共に狼姿で嗅覚での【追跡】や【聞き耳】【野生の勘】の技能を活用して捜索をする

人質見つけたら人型に戻る
アルとユエが声掛けして気が逸れている内に【スナイパー】でロープを打ち抜いて外す

ロープを外したら【コミュ力】で声掛け
もう大丈夫だ、ゆっくりそこから降りるといい。

獣への対応は人質を後ろに庇いながら
【マヒ攻撃】【気絶攻撃】【2回攻撃】等を駆使して排除
邪魔だ、失せろ

捜索と獣の排除は素早く行い、人質を助けていく


出水宮・カガリ
【迎櫻館】櫻宵と、ふれずと
アドリブ絡みOK

館にいる娘達を探す
他に娘を探す猟兵と分担できるよう、連携する
音を頼りに探すものとは違う場所を探すぞ

急いで配置に付いたら【希烽城壁】を展開
できるだけ大きな声で呼びかけながら、部屋を回っていくぞ
「踊る娘はいるか、首に縄を巻かれていないか」
「強く願え。助けてくれと、願うだけでいい。諦めるな」
城壁のダーツが飛べば、その方向へ急ぐ
声が大きければ、耳の良い暗闇の獣もこちらへ誘われよう
【鉄門扉の盾】で攻撃を受け流しながら、なるべく早く娘を背に庇う
【錬成カミヤドリ】で複製した盾を、娘の足場として早めにひとつ用意
残りの盾は獣と娘を隔てる壁にする
櫻宵、ふれず、後は頼むな


誘名・櫻宵
🌸【迎櫻館】
アドリブ、他PCとの絡み歓迎

全く本当に醜いのね吸血鬼って!
乙女を飼うだなんて!
嘘かホントかは分からないけれど見過ごせないわよね
下衆ならば娘を解放する気なんてないと思うわ
フレズ、カガリ
皆で協力して助け出しましょ!

閉じ込めるならバラバラに散らしてかしら?時間が無い
急ぎましょ
第六感を働かせ、カガリの技も合わせて
娘や獣の気配を探る
『妖猫招来』で喚んだミコトにも手伝ってもらうわ
獣の方も上手くおびき寄せたいわ
扉?ええ切り倒すわ
娘を見つけたら『操華』で紐を切りつつ獣の牽制するわね
フレズが娘をしまい込んだら獣はすっぱりなぎ払い、斬り裂いて次へ行くわ
長居は禁物

あんな奴の思う壷になんてさせないわよ!


フレズローゼ・クォレクロニカ
🍓【迎櫻館】
アドリブ歓迎!他の人とも協力する!

そだね!櫻宵、カガリくん!
皆で協力してこ!
場所は他の人とはわけてくよ

人手は多い方がいいかな
第六感に野生の勘もフルに働かせるよ!
カガリくんとも協力して呼びかけて
ボクは【似た者同士のボクとぼく】でより多くの部屋を探せるようにする!
ねぇぼく、娘のいる部屋は知らない?
扉は破壊工作や衝撃波で
櫻宵、扉斬れる?
娘を見つけたならば
櫻宵が紐を切ったと同時に【薔薇の国への招待状】で娘をしまい、救出
次へいくよ!
櫻宵とカガリくんが抑えてくれてるんだ
ボクは、ボクに出来ることを確実に!
使い魔だって見逃さない
【黄金色の昼下がり】が使えたら動きを止めちゃう

絶望を塗り替えに行こう



「万が一っていう事があるし、ヴァンパイアは他の人に任せて、僕らは囚われてる人達の救出に向かお」
 悪趣味だねぇ、ヴァンパイア……そう言ったユエの言葉に。
 アルバ・ファルチェ(紫蒼の盾・f03401)とセラータ・ファルチェ(蒼蒼の盾・f03368)が思い浮かべたのは、同じ人物。
「悪趣味なヴァンパイアねぇ……身近に覚えがあるようなないような……」
 いや、師匠はダンピールだけども、と紫の瞳を細めたアルバに、セラータは小さく首を振る。
「や、あの悪趣味加減は師匠といい勝負だろう」
 そんな師匠といい勝負なくらい悪趣味なヴァンパイアは、他の猟兵に任せて。
「ともかく女の子の危機に駆けつけないなんて騎士の名が廃るからね」
「とりあえず、親玉は他の猟兵に任せて俺達は人質捜索を優先しよう」
 瞬間、双子はその姿を、狼へと変化させる。
 そして同じように、1階を探索していたカガリや櫻宵、フレズローゼたちと手分けし合い、東側の廊下へと向かう双子の狼とユエ。
 ユエが探索に邪魔が入らぬよう、周囲に注意を払う中。
 双子の狼たちは、人型である時よりも研ぎ澄まされた嗅覚で、聞き耳を立て野生の勘を働かせ、人の気配を探す。
 ――その時。
「!」
「……!」
 アルバとセラータが同時にその顔を上げて。
 同じ部屋の前で、ぱたりとその尻尾を揺らす。
 その部屋は……微かに血の香りがした、応接室。
 そして扉を開けば、そこにいたのは――ひとりの娘と、暗闇の獣。
 娘は首にロープは掛けられてはいなかったが、腕に傷を負っていた。
 ただそれは幸い獣に襲われたものではなく、慌ててどこかに引っ掛けてできた、ひっかき傷程度であった。
『グオオオオオッ!』
 獣は新たな侵入者に気付き咆哮を上げ、その鋭い爪を振り上げんとするも。
「どけ★ 獣に構ってる暇ないんだよ!」
 ユエが委ねたのは、月影と呼ぶ戦狂いの人格。
 月影の歌う死を創造する唄が黒き音の刃となり、獣の死を刻まんと響き渡る中。
「腕、怪我してるみたいだけど大丈夫? 怖かったよね、でももう安心していいからね」
 アルバはそう、怯えた様子の娘に、人懐っこい笑顔を向けて声を掛ける。
 そしてユエが歌を響かせ、兄が娘に話しかけている中。
「邪魔だ、失せろ」
『ガア、アアアアアッ!!』
 セラータが構えた翼と狼の黒銀の銃から、獣の急所へと狙い澄まされた一撃が放たれる。
 そして悶え唸る獣の攻撃から皆を護るべく、Molti Scudiを掲げたアルバが範囲防御を展開する間。
 もう大丈夫――そうすかさず娘を保護し、ユエとセラータは娘を後ろに庇いながら。
 獣の排除へと、素早く取り掛かる。

 ――その、同じ頃。
 1階の西側の廊下を探索しながら、櫻宵はその柔い桜の瞳に嫌悪感を滲ませる。
「全く本当に醜いのね吸血鬼って! 乙女を飼うだなんて!」
 娘を飼い、しかも処分しようとしている……それが嘘か本当かは分からないが、乙女の心を持つ者として、そんなこと決して見過ごせないし。
「下衆ならば娘を解放する気なんてないと思うわ」
 もしも本当ならば、乙女たちの命が危険にさらわれているということ。
 だから櫻宵も、皆で協力して助け出しましょ! と。
 カガリやフレズローゼとともに、娘の探索へと乗り出して。
「そだね! 櫻宵、カガリくん! 皆で協力してこ!」
 フレズローゼも頷き、広いヴァンパイアの屋敷を二人とともに駆け廻る。
 そして、出会ったユエや双子に一階東側は任せ、三人は一階西側の廊下へと足を踏み入れた。
「閉じ込めるならバラバラに散らしてかしら? 時間が無い、急ぎましょ」
 そう言った刹那――櫻宵が喚んだのは、巨大な有翼の虎猫『ミコト』。
 フレズローゼも、『似た者同士のボクとぼく』で現れた、色違いの自分に尋ねる。
「ねぇぼく、娘のいる部屋は知らない?」
 そして、カガリも。
 危うきを報せ。烽火をあげよ。我が守るべき城を報せよ――そう、『希烽城壁』を展開しながらも。
 部屋の中にいる娘にも聞こえるよう、大きな声を張り上げる。
「踊る娘はいるか、首に縄を巻かれていないか。強く願え。助けてくれと、願うだけでいい。諦めるな」
 娘に届くようにというのは勿論、廊下に響き渡る声を獣が聞けば、その姿をのこのこと現すかもしれないから。
 ――その時だった。
「!」
 突然、鉄のダーツが鈍色の天を飛び、ある部屋の扉へと突き刺さる。
 そして急ぎ向かい、その部屋のドアノブを回してみるけれど……鍵がかかっている。
 でも、何も問題はない。
「櫻宵、扉斬れる?」
「扉? ええ切り倒すわ」
 刹那、目にも止まらぬ屠桜の斬撃が閃き、綺麗に切断される扉。
 その中にいたのは……鉄のダーツが反応を示すのがわかるほど、恐怖の表情を宿した娘。
 娘の首には、幸いロープは巻かれてはいなかったが。
 娘のすぐ目前に迫る、暗黒の獣。
『ガアアアッ!!』
「……!」
 カガリは咄嗟に娘と獣の間に割って入って。
 鉄門扉の盾で鋭利な爪を受け流し、娘をその背に庇う。
 刹那、幾枚もの盾が戦場に錬成され、獣の血生臭い爪が二度と娘に届かぬようにと、鉄門扉の盾で壁を作り上げられる。
「櫻宵、ふれず、後は頼むな」
 娘を護ることに徹しつつ掛けた、カガリのそんな言葉に応えるように。
「さぁさ、おいでおいで! ボクの彩る、ボクの国へ!」
 フレズローゼが喚んだのは、トランプの翅を持った蝶。
 その蝶がひらり、優しく癒される薔薇の花園へと娘を誘えば。
「長居は禁物、あんな奴の思う壷になんてさせないわよ!」
『グアァッ、アアアッ!!』
 獣を容赦なく斬り裂いたのは、千年桜の精霊の式神。
 悪趣味で醜いヴァンパイアや獣は、こちらから願い下げ。
 櫻宵の繰り出した『操華』の衝撃にすっぱりと叩き斬られ、崩れ落ちた獣。
 そんな倒れ伏した醜い獣には見向きもせず。
 フレズローゼは、自分に出来ることを確実にと、急ぎ次の部屋へと向かう。
 再び絶望を、塗り替えに行くために。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

一駒・丈一
助太刀しよう。
敵の親玉は2階に居る。
ならば俺は逆方面の地下をあたる。

本丸より遠いところに人質役を置くことで此方の攪乱と足止めと、時間稼ぎができる……と、敵は考えてるかもしれん。


厨房の方を確認し、何もなければ作業場に行く。

もし娘を見つけたら、
先ずは繋ぎとめているロープに、遠距離から装備の杭『贖罪の道標』を『投擲』し断ち切る。
その後、周囲の敵をUC「罪業罰下」による一閃で纏めてけん制し、
『早業』にて娘の傍に駆け寄り、守れるような立ち位置を確保する。
残敵が居る場合は護衛しながらの戦闘だ。


味方とうまく連携して立ち回ろう。
俺が此処にいるのは、あくまで娘を救助する為だ。
何よりもこれを優先する。


アオイ・フジミヤ
【真の姿】
大きな6枚の瑠璃色の翼を背負い
黒髪に翡翠色の眼の色に変わる

目的はあの腹立つヴァンパイアを10分以内に叩くこと
わかってる みんなはわかっているんだろう
それを信じている

無駄足かもしれない、でも僅かな可能性が在ってしまうなら
私の一番は”護ること”なの

我儘でごめんなさい

【WIZ】
情報収集・失せもの探しを使用しつつ、耳を澄まして館内を走る
マリモくん、何か聞こえない?
踊っているなら音が必ず聞こえるはず

お願い、声を出して 生きたいと伝えて

こちらに来る人が居るなら、協力して動く
もし女性達を見つけられたら、解放を優先
獣を近寄らせない様にNaluを使って避け
怪我をしている人が居たらLanikaiで回復


呉羽・伊織
菊里(f02716)と連携継続
アドリブ等も歓迎

担うは娘捜索
手薄な階へ(特になけりゃ地下から)回り、二手に分散し各部屋確認
妖剣解放の高速移動で時間短縮し急ぐ

捜索は目視に加え物音(椅子の軋みや足音、獣の唸りや息)や気配等も探り、何か察すりゃ近い猟兵にも伝達

娘と敵発見時は初手で衝撃波と暗殺技能での奇襲試行
以降娘を庇うように敵前に張付きつつ攻撃
無差別攻撃警戒、身を呈し盾になる心構えも常に


どこまでもイイ性格した領主サマだな

嘘か真か、また賭けか
まぁいーさ
折角花を用意してくれたってんだ
そーいうコトなら見に行きたくなるのが俺の性

例え外れでも、他の猟兵の懸念が一つ潰せるならソレでいい

当たったなら、今度こそ――


千家・菊里
伊織(f03578)と連携継続
アドリブ等も歓迎

迷わず娘捜索へ
妖剣解放の高速移動で急ぎつつ手薄階へ(無ければ地下から)回り、手分けし部屋確認

五感研ぎ澄まし周囲の気配探りつつ、軋み・唸り・悲鳴・殺気等々察したら急行

飛込むと同時に殺気と破魔の力乗せ衝撃波飛ばし敵牽制
無差別攻撃に注意し、常に娘を庇いながら交戦

君も大概良い性格してると思いますけどねぇ
ともあれ折角のもてなしを受けない訳にはいきません
嘘でも真でも、俺達も一踊りしてやりましょうか

無辜の踊子はお役御免
――代わって獣相手の舞踏は猟兵が担いましょう

散った命も駆け回る時間も、何一つ無駄等でない

巡り巡って合わさって、奴を仕留める一矢となると信じましょう



 一階、二階へと向かう猟兵たちが娘を救い出すべく動いている同じ時。
(「敵の親玉は2階に居る。ならば俺は逆方面の地下をあたる」)
 本丸より遠いところに人質役を置くことで此方の攪乱と足止めと、時間稼ぎができる……。
 そう、敵は考えてるかもしれん、と。
 地下へと足を向けるのは、一駒・丈一(金眼の・f01005)。
 そして丈一と同じく、地下の階段を下りるのは、アオイ。
「マリモくん、何か聞こえない?」
 踊っているなら音が必ず聞こえるはず、と。
 マリモくんが気になっている様子の地下へと向かいながらも、アオイは祈る。
 ――お願い、声を出して 生きたいと伝えて、と。
 目的はあの腹立つヴァンパイアを10分以内に叩くこと。それは分かっているのだけれど。
「無駄足かもしれない、でも僅かな可能性が在ってしまうなら。私の一番は”護ること”なの」
 我儘でごめんなさい、そう心の中で思いながら。
 アオイは、他の猟兵の皆を信じて。耳を澄まし館内を駆け、”護る”という自分の信念を貫くことを決める。
 地下にある部屋は、厨房と作業室。あとは使用人の部屋なのか、いくつかの扉が見える。
 そんないくつもある部屋をただ手あたり次第探すのも、効率的によくない。
 なので、奥にある厨房を、丈一とアオイに任せて。
 伊織と菊里が足を向けるのは、作業場。
「どこまでもイイ性格した領主サマだな」
 嘘か真か、また賭けか――と。
 どこまでも自分たちらしい状況に、伊織は赤を帯びるその瞳をふっと細めながらも。
「まぁいーさ、折角花を用意してくれたってんだ」
 そーいうコトなら見に行きたくなるのが俺の性、と。
 イイ性格した領主サマの『もてなし』に、敢えて乗ってみる。
「君も大概良い性格してると思いますけどねぇ」
 菊里はそんな貧乏クジ担当の連れに、くすりと笑むも。
「ともあれ折角のもてなしを受けない訳にはいきません」
 やはり同類相求むというものか。
 嘘でも真でも、俺達も一踊りしてやりましょうか――そうヴァンパイアのもてなしを受けるべく、菊里も迷わず、娘の捜索を選択したのだった。
 ヴァンパイアのもてなしがたとえ嘘であっても。それで他の猟兵の懸念が一つ潰せるなら、上々。
 そして当たったなら、今度こそ――。
 伊織は妖剣解放を展開し、急ぎ、菊里と共に作業場へと進路を取って。
「……!」
 中から聞こえる獣の唸り声に気付き、すぐさま扉を開いて中へと飛び込む。
 その身に殺気を纏い、菊里が破魔の力宿りし牽制の衝撃波を繰り出す中。
 伊織は素早く地を蹴り、暗殺技能を駆使した衝撃波で奇襲を仕掛ける。
 そして息の合った連携に、獣が隙をみせた刹那。
 投じた刃で、首を縛らんとするロープから踊らされていた娘を開放して。
 身を挺し盾となる心構えで、唸る獣の眼前に立つ。
 そして菊里も、漆黒の髪をゆるり天に躍らせながら。
 無辜の踊子はお役御免――代わって獣相手の舞踏は猟兵が担いましょう、と。
 娘を庇い動き、神秘的な彩を落とす赤き瞳をそっと細める。
 ……散った命も駆け回る時間も、何一つ無駄等でない。
 巡り巡って合わさって、奴を仕留める一矢となると信じましょう――と。
 一方、厨房へと向かった丈一とアオイの目の前にも……悪趣味なヴァンパイアに踊らされている、娘の姿が。
『ガアアアアアッ!!』
 丈一は唸る獣にも構わずに。遠距離から狙い打ち、『贖罪の道標』を投擲して。
 偉人や罪人の贖罪に用いられたとされる磔用の杭が、娘の首に巻かれたロ―プを鋭利に断ち切る。
 そして、光に照り様々な表情の彩をみせる『Nalu』で獣を牽制しつつ、娘を解放するべく動くアオイ。
 そんな彼女の姿は――大きな6枚の瑠璃色の翼を背負った、真の姿。
 深海の如き藍色を帯びていた髪も、深い黒へとその色を変えて。青から翡翠へと変化した瞳で、アオイは娘の無事を確認する。
 丈一は、己に課せらた因果を一時的に逆転させて。
 ――これにて終いだ。余罪は地獄にて禊がれよ。
 展開した『罪業罰下』の刀剣で一閃、敵を牽制。
 早業を駆使し、娘を護るべく位置を取る。
 そしてアオイの、“海の鬼”が降らせる癒しの雨の恩恵を受けながらも。
 丈一は、介錯刀から繰り出す斬剣で敵を斬り伏せんと、刃を振るうのだった。
 何よりも優先するという、娘の救出の為に。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アルトリウス・セレスタイト
どこで何やってるか、アンタなら知っていそうだな

隠密して密やかに行動
忍び足で気取られぬようパドゥレに触れて真影起動
知っていることを残らず吐かせる

囚われた者がいるなら界識で探り当て回廊で適宜味方を送り込み対処
情報を得た後の真影の二重身は自身の周囲で警戒
邪魔してくるならパドゥレの相手をさせておく

手が空いた、若しくは最初に仕損じたなら戦闘に移行
破天で面制圧飽和攻撃
各種技能も駆使しパドゥレの行動諸共全て物量で叩き潰す


マキナ・アストロロギア
やはり畜生の主は畜生であったか…。

捕らわれている娘たちのことは気にかかるが、私はヴァンパイアの方へ向かわせてもらおう。
私が今、持ち得る力では、効率的な人探しはできそうにない故な。

求められるは早期決着。
無茶をする猟兵もいるやもしれん。
「生まれながらの光」を使い、仲間達の回復にあたろう。
なぁに、多少の疲労は気にすまい。「気合い」で持たせる。
未熟といえど救世主を名乗る身、この程度で倒れるものか。

敵の攻撃は「第六感」や「見切り」「オーラ防御」で対処を。
疲労のこともある、最小限の動きで回避しよう。

【アドリブ、絡み歓迎です】


アネット・レインフォール
◆心情
成る程、感心するぐらいの悪逆非道ぶりだ。
ヤツを叩くべく遊戯室へと動くが…相手はあの狡猾さだ。
強さから来る自信だろうが――妙に気になるな。
近づけない仕掛けや保身を想定し、こちらも保険を用意して動くか

◆行動
【POW】葬剣・霽刀を主軸。
敵が単体なら【零斬】、複数なら【流水戟】

葬剣を鋼糸状に変え、張り巡らせて足場としながら攻撃しよう。
常時移動&フェイントも交えて敵の能力対策とする。
逃亡対策の布石として壁や天井も狙い障害物を増やしておくが
万一の時は柱の陰から一撃を狙うか単車で追跡を。

何らかの障害(人質や獣)で近づけない時は即座に救出や排除に切換え
戦力が十分なら対策寄りに専念。

◆他
連携・アドリブ歓迎


氷條・雪那
……外道が(吐き捨てるように)
あのような輩、最早生かしてはおけぬ

娘達の事は気になるが、その真偽がどうであろうと
指示を出す前に斬り捨てれば良いだけの話だ
それに万が一に備え、娘達の救出に尽力する者達も居るだろう
彼らを信じて、私も力を尽くすのみだ

二階の奥にある遊戯室に迅速に向かう
【忍び足】でなるべく戦闘を避けるが
邪魔をする敵が居れば即座に斬り捨てる
数が多いようなら突破するのに邪魔な敵を撃破

赤翼のパドゥレの元に辿り着いたら

「我が名は氷條・雪那。貴様は此処で、斬り捨てる(真の姿を一部解放し、銀髪に)」

氷の【属性攻撃】を付与した【2回攻撃】での手数で攻め
隙を見て【剣刃一閃】で一気にダメージを与える



「……外道が」
 あのような輩、最早生かしてはおけぬ、と。
 二階の遊戯室に迅速に向かいながら、雪那はそう吐き捨てるように口にする。
 悪趣味極まりないヴァンパイアの所業は、まさに彼女の言う様に、外道。
 そんなヴァンパイアに囚われ踊らされているかもしれない娘たちのことは、やはり気にはなるが。
(「その真偽がどうであろうと、指示を出す前に斬り捨てれば良いだけの話だ」)
 それに、娘たちの救出に尽力する者達も居るだろう。
 だから彼らを信じて……自分も力を尽くすのみだ、と。
 雪那の選択は、赤翼のパドゥレを討つこと。
「やはり畜生の主は畜生であったか……」
 マキナも雪那と同じように、囚われの娘たちのことは気にかかるが。
(「私はヴァンパイアの方へ向かわせてもらおう。私が今、持ち得る力では、効率的な人探しはできそうにない故な」)
 感情だけでなく、自分には何ができて、どう動くことが適正なのか。
 それを考えた結果、マキナも遊戯室へと向かうことを決める。
「成る程、感心するぐらいの悪逆非道ぶりだ」
 アネット・レインフォール(剣の家庭教師・f01254)はヴァンパイアの悪趣味なもてなしに、そう呆れたように口にするも。
 あの妙に自信溢れた様子が妙に気になる、と。
 何が起こっても対応できるように、保険を用意して動く。
 特に遊戯室やそれまでの道のりには、罠のような仕掛けなどは施されてはいないようであったが。
 だが、保険はあっても損ではない。
 あのヴァンパイアの自信は単に、彼の歪んだ少々自信過剰な性格からくるものかもしれないが。
 アネットは警戒を決して解かず慎重に、でも素早く迅速に、遊戯室へと向かって。
「力のない存在が、雁首揃えたところでどうなる?」
 辿り着いた遊戯室で、そう鼻で笑うヴァンパイア――赤翼のパドゥレを見据える。
 沢山の猟兵たちが、眼前のヴァンパイアを狩らんと駆けつけている。
 そんな激しい乱戦の様相をみせている戦場で。
(「どこで何やってるか、アンタなら知っていそうだな」)
 忍び足で気取られぬよう隠密行動を心がけ、パドゥレに近づくのは、アルトリウス・セレスタイト(原理の刻印・f01410)。
 その目的は――知っていることを残らず吐かせるべく。
 『真影』を発動させるため、パドゥレに触れること。
 だがやはり、強敵であるヴァンパイアに悟られず触れることは、なかなか叶わない。
「……私が気付かないとでも思ったか?」
「! くっ」
 極力消したはずの気配を勘付かれ、アルトリウスに襲い掛かるのは、鋭く豪奢な刀剣の刃。
 直撃こそ咄嗟に躱し免れたが、その刃に斬り裂かれ、浅くはない傷を負う。
 そんなアルトリウスや他の傷ついた猟兵達を癒すべく。
 マキナが仲間へと放つのは、癒しの力を秘めた聖なる光。
 その光は、触れたもの全てを高速治療する力を持っているが。
「なぁに、多少の疲労は気にすまい。「気合い」で持たせる」
 かわりに、発動した者の疲労を蓄積させる。
 時間制限がある以上、求められるは早期決着。
 そんな中、無茶をする猟兵もいるかもしれないと。
 マキナは癒し手を担うべく、光を解き放つ。
 身体にのしかかる疲労も、気合いで何とか持ちこたえさせながら。
 未熟といえど救世主を名乗る身、この程度で倒れるものか――と。
 そんな仲間からの支援を受け、攻撃に転じるアルトリウス。
 行き止まりだ――そう紡がれた言葉通り、敵へと満遍なく降り注ぐのは、青く輝く魔弾の弾幕。
 死の原理で存在根源を直に砕くその弾幕が、逃げ道などないといわんばかりに撃ち出されれば。
 その身に闘気を宿し、神速の動きで間合いを詰めて。
「! ぐうっ!」
 敵の懐へと入ったアネットが放つのは、強烈な威力を誇る【肆式】零斬。
 さらに銀翼刻まれし葬剣を鋭く煌めく鋼糸状に変化させ、糸を張り巡らせ足場として。
 常に動き相手を翻弄しフェイントを交え、正確無比な剣戟で攻め込んでいく。
 そして、冷気を纏った美しい刀――『雪夜』を構えて。
「我が名は氷條・雪那。貴様は此処で、斬り捨てる」
 そう名乗りを上げた雪那の黒髪が、まるで氷を纏ったかのような銀髪へと変化する。
 それは……真の姿の、一部解放。
「ちいっ、小賢しい!」
 ヴァンパイアが放つ誓約書を、雪那は氷属性宿したその刃でバサリと次々斬り捨てていって。
 積極的に手数を重ね攻め込み、敵に生じた僅かの隙を見逃さず。
「く、うっ!」
 悪趣味極まりない外道を、容赦なく切断せんと。
 凍えるような冴えた一閃を見舞ったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

日隠・オク
【KORで参加】
人を虐げて楽しむなんて、私には理解ができない

私たちは吸血鬼打倒を目指します
2階遊戯室へ

力を合わせられる仲間とは出来るだけ協力態勢

ユーベルコード
シーブズ・ギャンビットを使用

パーカーを脱いで身軽に

素早い動きで敵に追いつきたい
そして敵に攻撃を与えることを目標として

もし2F遊戯室にヴァンパイアがいなかった場合と
ヴァンパイアを倒しているかつ鐘が鳴る寸前には柱時計を壊す


鏡彌・サクラコ
【KOR参加】
サクラコが思うに
最優先はヴァンパイアの討伐でいす
ヴァンパイアの言葉は虚言の可能性があります
サクラコは不確定を切り捨てて確定を選択するでいす
まずヴァンパイアを倒しましょう
タイムリミットまでに
その後に屋敷を探索しましょう

遊戯室にまっすぐ向かいます
赤翼さん勝負でいす
なるほど余裕のある発言も納得の強さですねい
サクラコ一人では勝てないでしょう
でも
「タイミング合わせて!行くでいす!」
力を束ねれば超えられる!
錬成カミヤドリを使用
敵は似たような技を使いますね
数で負けても速度で勝つでいす!

柱時計を止めるならお手伝いするでいす
短針が動かないようにすれば止まるはず


ニコ・ベルクシュタイン
【KOR参加】
同行の仲間と共にヴァンパイア討伐を最優先に行動する
鏡彌の言の通り、敵の虚言の可能性も有り得る以上
元凶を叩いてしまうのが一番手っ取り早いと言えよう

「二階の奥にある遊戯室にいる」という言を信じて直行する
此れさえも虚言であったならば…他を手当たり次第にあたるしかないが

赤翼のパドゥレが居たならば味方と共に戦闘を開始
柱時計の扱いは日隠の行動に従う
攻撃は【時計の針は無慈悲に刻む】にて
双剣の切っ先を確りとパドゥレに向けて狙いを良く定め
確実に連撃を叩き込みたい

まるで此の世に恐るるものなど存在しないかの如き振る舞いよな、
…俺はそういった輩の鼻っ柱をへし折るのが大好きなのだ。
覚悟をして貰おうか。


涼風・穹
【KOR参加】

【行動】
即座に遊戯室へ飛び込んでパドゥレを討つ!

娘云々は多分本当だと思うよ
パドゥレを追えば娘達の状態を実況するつもりだろうさ
娘達を探すならゆっくりと覗き見をして、どちらに転んでも楽しめるって魂胆だろうな

【戦闘】
【破魔1】の力を込めて『風牙』でパドゥレに斬りつけます

クルーエルオーダーはダメージがあろうと全てのルールを無視する
不当なルールに従わなければいけない道理は無い

マサクゥルブレイドでくるなら『贋作者』で豪奢な刀剣の複製を作って直接自分で振るったり投擲したりして片っ端から撃ち落とす
『贋作者』では複製した武器を念力で操作したりは出来ないけど、同時に作り出せる得物の数なら俺の方が上だ


フラウロス・ハウレス
【KOR参加】

くくっ……良い趣向だぞ、吸血鬼
それでこそ妾が狩るに相応しい獲物よ!
さぁ、全力で仕留めさせてもらおう、パドゥレとやら
我が名は運命を翻し傲慢を狩る者、フラウロスであるぞ!

仲間と連携しながら、黒爪の一撃で命を少しずつ刈り取ってくれよう
自らへの攻撃は防ぎつつ、味方への攻撃を間に入り受け止めて、流れた血を【ブラッド・ガイスト】で内なる血ごと喰らわせる
「どうした……貴様の相手は妾ぞ!」
減った血は敵から『吸血』させてもらおう

仕掛ける時は一気に行くぞ
【アースシェイカー】を放ち、防がれたとしても逆の手で【ブラッディ・インパクト】を叩き込む

終わって柱時計を壊す際は力を貸すぞ
「ふん……どけ、危ないぞ」



 サクラコが旅団の皆と向かった先も――ヴァンパイアがそこで待つと言っていた、二階の遊戯室。
「ヴァンパイアの言葉は虚言の可能性があります。サクラコは不確定を切り捨てて確定を選択するでいす」
 故に、最優先はヴァンパイアの討伐だと、そう判断したサクラコに。
「鏡彌の言の通り、敵の虚言の可能性も有り得る以上、元凶を叩いてしまうのが一番手っ取り早いと言えよう」
 ニコも、そう同意を示す。
 ヴァンパイアが言う囚われの娘たちも、実際に館のどこかにいるのかもしれない。
 だが、タイムリミットが設けられている状況を考えても、まずは赤翼のパドゥレを討ってから。
 その後、屋敷を探索し娘を探す。そう行動を選択したのだ。
 穹はその方針に異論はないながらも、ヴァンパイアのその思考を想像してみる。
「娘云々は多分本当だと思うよ。パドゥレを追えば娘達の状態を実況するつもりだろうさ。娘達を探すならゆっくりと覗き見をして、どちらに転んでも楽しめるって魂胆だろうな」
 それはまさに、悪趣味。
 他の者の命など、パドゥレにとっては玩具程度のようなものなのだろう。
「人を虐げて楽しむなんて、私には理解ができない」
 オクもそう小さくふるふると首を振ってから。
 目指すは、吸血鬼打倒。
 皆と協力し、必ずやパドゥレを討ち取らんと。遊戯室へと、急ぎ向かう。
 もしかしたら、遊戯室にいるということも、戯言かもしれないとも思ったが。
 過剰なほどの自信に満ちているヴァンパイアが、己の居場所を偽ることはなく。
 猟兵たちと遊戯ぶべく、遊戯室にて悠然と待ち構えていた。
「この間にも、何人もの娘が死んでいるかもしれないな」
 パドゥレは邪悪な色を湛える血の色の瞳を細め、わざとそう猟兵たちを煽ってくる。
 だがそんなヴァンパイアの言葉に、赤の彩を宿すその瞳を細めて。
「くくっ……良い趣向だぞ、吸血鬼」
 それでこそ妾が狩るに相応しい獲物よ! と。
「さぁ、全力で仕留めさせてもらおう、パドゥレとやら。我が名は運命を翻し傲慢を狩る者、フラウロスであるぞ!」
 フラウロスは狩り甲斐のある下衆な獲物に、高らかに名乗りをあげた。
 そしてそれと同時に、地を大きく蹴って。異端の血を啜る呪われた爪状の刃をパドゥレへと容赦なく振るう。
 だがパドゥレはすかさず豪奢な刀剣でその鋭利な一撃を受け止めて。
 お返しにと言わんばかりに、戦場に理不尽な誓約書をばら撒いた。
「なるほど余裕のある発言も納得の強さですねい」
 サクラコは敵の動きを見遣り、その強さを認めるも。
 でも、一人では勝てなくても。
「タイミング合わせて! 行くでいす!」
 ――力を束ねれば超えられる!
 赤翼さん勝負でいす、と。
 サクラコは仲間たちとともに、強敵へと果敢に立ち向かう。
 勿論それは、普段から気の知れている旅団の仲間だけではない。
 圧政を行い人びとを苦しめるヴァンパイア・赤翼のパドゥレを討ち取らんと集まった、共に戦場に立つ猟兵たち皆に言える事。
 現に、仲間たちの攻撃を受け、上体を揺らすことが多くなってきたパドゥレ。
 今が討ち取る絶好の機会だと、猟兵たちは一斉に動きをみせる。
 大気ごと真っ二つに裂くかのように、パドゥレ目掛け放たれるのは、破魔の力を宿す斬撃。
 穹の振るう風牙の刃が、ヴァンパイアを斬らんと閃けば。
「まるで此の世に恐るるものなど存在しないかの如き振る舞いよな」
 そう、眼鏡をくいっと指で持ち上げながらも。
「……俺はそういった輩の鼻っ柱をへし折るのが大好きなのだ」
 覚悟をして貰おうか――ニコがパドゥレへと向けたのは、炎と氷のルーンを宿す、時刻みの双剣。
 まるで時計の長針と短針のような、その二つの切っ先を、ヴァンパイアへと狙いを定め向けた刹那。
「ぐ……!」
 時を刻むはずの時計の針が、まさに無慈悲に敵の身体を刻まんと、鋭き風切の音を鳴らして。
 自信に満ちたその鼻を挫くべく、ニコは繰り出した連撃を確実にパドゥレへと叩きこんでいく。
 そして明らかに、これまで受けてきた衝撃の傷に顔を歪めながらも。
「……!」
 パドゥレは再びその鋭き豪奢な刀剣を戦場中に解き放つ。
 だがその刃の嵐にも、穹は動じることなく。
「同時に作り出せる得物の数なら俺の方が上だ」
 発動させた『贋作者』で作り出したのは、パドゥレが放つ豪奢な刀剣を複製した剣。
 念動力でそれを動かすことこそできないけれども。
 数で物を言わせたその刃を振るい、弾き、投擲し――ヴァンパイアのマサクゥルブレイドを相殺する穹。
 フラウロスは豪奢な刀剣の鋭撃から仲間の身を庇いつつも。
「どうした……貴様の相手は妾ぞ!」
 流れ落ちる己の血を黒爪に吸わせ、殺戮捕食態へと変化させて。
 そしてサクラコは17の銅鏡を戦場に錬成しながら。
「敵は似たような技を使いますね。数で負けても速度で勝つでいす!」
 今度は、スピード勝負!
 勢いをつけた銅鏡を一斉にヴァンパイアへと放てば。
 敵の動きに追いつきたい、そして敵に攻撃を与えることを目標に、と。
 パーカーを脱ぎ身軽になったオクの、加速が加わったダガーの斬撃が、人を虐げ楽しむ悪趣味なヴァンパイアに赤を飛沫かせて。
「ガ……ッ!」
 間髪入れず放たれる猟兵たちの衝撃に、思わず膝をつくパドゥレ。
 だがその時――ふと視線を逸らしたヴァンパイアの瞳が、再び邪悪な色を宿す。
 それから、猟兵を見回したパドゥレは、こう言い放つのだった。
「諸君……どうやら、時間のようだ」
「!」
 タイムリミットの約10分。
 それが残り数秒で、終わろうとしていた。
 オクは玄関ホールの柱時計を破壊することを考えてはいたものの、まだ眼前の敵は健在。
 遊戯室の置時計を破壊したところで、柱時計の鐘が鳴ってしまえば、獣たちが娘を襲ってしまうかもしれない。
 ――だが。
「!? 何っ」
 遊戯室の置時計が指定の時間を告げても、玄関ホールの柱時計は鳴らなかった。
 そう――玄関ホールの柱時計は氷漬けにされて、その針の動きを止めているから。
「くっ、ならば使い魔を使って、娘を殺す指示を出すだけ……」
 パドゥレがそう言葉を紡ぎ終わる、その前に。
 唸りを上げたのは、フラウロスの重い拳の一撃。
「ぐっ!」
 叩きつけられた床が吹き飛ぶほどの威力を誇るその衝撃を、パドゥレは何とか赤翼を羽ばたかせ、直撃こそ免れたが。
「ククク……この一撃、耐えてみせよ!!」
 フラウロスの逆手から間髪入れず放たれたのは――血風を纏った、真紅の拳。
 その超高速かつ大威力を宿す一撃が、モロにヴァンパイアの身体を打ち抜いて。
「なっ!? ……ガハ、ァッ!!」
 圧政を敷き人びとを苦しめてきた元凶を、打ち砕いたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『誰が為に鐘は鳴る』

POW   :    周囲のひとたちを励ます

SPD   :    何の為の鐘か村人に尋ねる

WIZ   :    静かに祈りを捧げる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【第3章の情報をオープニングに追記いたします、掲載までもう暫くお待ちください。オープニング追加後から、第3章のプレイングの受け付けを開始いたします】
●はじまりの鐘、七彩の想い
「人びとを苦しめていたヴァンパイアを倒し……そして、多くの命を救ってくれて、本当に感謝する」
 清史郎はそう依頼を完遂し戻ってきた猟兵たちに改めて礼を言った後。
 帰還するその前に、ヴァンパイアの圧政から解き放たれた村へと足を向ける。

 それほど大きな規模の村ではない。
 だが村に足を踏み入れた刹那、まず瞳に飛び込んでくるのは、大きな教会。
 そして教会に備え付けられている鐘。
 この鐘が鳴らされた時、花を手に持った村人たちが列を成すという。
 それは一体、何を意味するのだろうか。

「うーん、何て言ったらいいかな……一言で言えば、『解放』とか『自由』かな」
「解放、か。死者の魂を解放し葬送するような意味合いか?」
 通りかかった村の娘は、それもあるけれど、と答えて。
 こう、付け加える。
「それもありだけど、『解放』したり『願う』ものは、もっと何でも『自由』なものでいいの」
 鐘の音が鳴ると、村人たちは列を成し、近くにある小高い丘へと向かう。
 そして見晴らしの良い丘の上から、手にした花を夜空へと舞わせるのだという。
 それぞれ、色々な気持ちを乗せて。

「私ね、ちょっと落ち込むことがあって……昨日の自分を『解放』して、新しく気持ちを切り替えようかなって」
「僕の家にね、昨日、弟が生まれたんだよ! だからうれしくて。神様にありがとうって、はなびら飛ばしてあいさつするんだ!」
「数日後、息子が旅に出るので。その旅の無事を祈ろうかと」
「明日も何も起こらない平和な日でありますように、とかかなぁ?」
「大金持ちになりますように! なーんてな」
「特に、願いや思いとかはないんだけど……丘から放たれる花弁がすごく綺麗だから、観に行こうかと。この花、一見何の変哲もない白だろ? でも月の光を浴びると、うっすら七色を帯びるんだ。花の名前? そのへんの森に咲いてて珍しいものじゃないし、名前なんて知らないけど……村の皆はまんま『虹の花』って呼んでるな」
「みんなできゃっきゃ花弁を飛ばすだけでも綺麗だし、楽しいのよ」
 ――そして、勿論。
「散って逝った皆の魂が、どうか解放されますようにと……そう、祈ろうかなと」

 ざっと話を聞いただけでも、参列する予定の者の目的や想いは様々。
 特に馳せる思いなどがなくてもいいというくらい、気楽に参加できるもののようだ。
 勿論、村の者だけでなく、誰でも問わず飛び入り参加でも構わないらしい。
 圧政を敷いていたヴァンパイアを倒した猟兵達を村人が拒否することはまずなく、むしろ歓迎されるであろう。

「小高い丘まで行く途中、みんなでお喋りしながら歩いていくのもね、お散歩みたいで楽しいの。そして、丘の上から虹の花を舞わせるとね……月の光に煌めいて、とても神秘的で綺麗なのよ」
「この世界は『自由』に飢えているから……だから余計に、天を自由に舞う花弁に、羨望と想いを馳せ舞わせたいのかもしれないね」
 そして村の者は『虹の花』の花束を差し出しつつ、猟兵たちへとこう告げる。
「ちょうど今日、教会の鐘が鳴るの。そしたら皆教会の前に集まって、丘へ向かうから。よかったらあなたたちも、一緒にどう?」

 月を浴び、七彩をそっと纏って天を舞う花弁。
 そしてその色に乗せた、それぞれの自由な想い。
 そのはじまりを告げるのは――教会の鐘の音。

 小高い丘へ向かう途中、誰かと楽しく雑談するのも良し。
 想いを馳せ、花弁を天へと解き放つのも良し。
 特に願いや思いなどなくても、ちょっと参加して見物してみようか、くらいの気軽さで参列するも一向に構わないのだという。
「俺は帰還する前に、村の者達とともに、この列に参加してみようかと思う」
 もし時間が許すのならば、よかったら参列していかないか――清史郎もそう、猟兵達に微笑んだ。

【プレイングの受付を開始いたします。プレイング送信締切は、日時がはっきり決まり次第、MSページ及びtwitterに掲載いたします】
アルノルト・ブルーメ
『解放』と『願い』……
願い、というよりも『祷り』の方が近いのかな?
何となく、だけれど……

あぁ、本当に綺麗な鐘の音だね
これは確かに鎮魂の為だけに鳴らすのは些か勿体ない気もする
花を手にして丘へと向かいながらそんな他愛無い話をしよう

そう言えば助けた娘さん達は大丈夫そうなのかな?
僕は癒す術を持ち得ないけど、大丈夫なら良いんだ

あぁ、そうだ……
娘さん達にこれから先の幸がありますように
そう願うとしよう

あの娘(こ)の幸を願おうかと思ったけれど
それはいつだって胸の内にあるものだから……

今回くらいは許されるだろう、きっと
怖ろしい体験をした彼女達が、この村の人達に幸せが訪れますよう

虹の花舞う景色は本当に綺麗だね……



 ――……リーン、ゴーン……。
 教会の鐘が鳴るのが、聞こえる。
 村に響き渡るその音色は、人びとにとって、どのような意味を成すのだろうか。

 それは、『解放』と『願い』……?
(「願い、というよりも『祷り』の方が近いのかな?」)
 何となく、だけれど……と。
 アルノルトは、村人や猟兵たちと共に丘へと向かいながら、ふとそう心に思う。
 夜の闇に覆われ、オブリビオンに支配されたこの世界。
 そんな世界に生きる人たちの『祷り』。
 その祷りを聞き届けてくれる神様が、いるのかどうかは分からないけれども。
 でも……これだけは確か。
「あぁ、本当に綺麗な鐘の音だね」
 天高く響き渡る鐘の音が、美しいということは。
 これは確かに鎮魂の為だけに鳴らすのは些か勿体ない気もする、と。
 そう、アルノルトは同行する皆と、他愛のない話を楽しみながら。
 ふと、手もとの花に、柔い印象の緑の瞳を落とす。
 何の変哲もない、白い花。
 虹の花……などと呼ばれるような彩りは、今のところ見られない。
 それからアルノルトは、花から視線を映して。
 気になっていたことを、村人に尋ねる。
「そう言えば助けた娘さん達は大丈夫そうなのかな?」
 やはり、多少怪我をしていたり、精神的にまだショックが癒せない者もいるようだが。
 助けられた娘たちに関しては、命に別状はないのだという。
 そして雑談を交わしているうちに――辿り着いたのは、見晴らしの良い丘の上。
 闇を照らす月の光が密やかに、そして優しく降っている。
 刹那……一斉に天を彩るのは、星の様に煌めく七彩。
 先程までは、ただの白でしかなかったのに。
 人びとが解き放つその花弁は、確かに、月光のいろを纏っていた。
 そしてそのいろに乗せられる、様々な想い。
 アルノルトは何を願おうか、そう一瞬考えたけれど。
 あぁ、そうだ……と。
 『虹の花』を天へと解き放ちながら、こう願うのだった。
 助けた娘さん達にこれから先の幸がありますように。
 怖ろしい体験をした彼女達が、この村の人達に幸せが訪れますよう――と。
 ……本当は一瞬、あの娘の幸を願おうかと思ったのだけれども。
(「それはいつだって胸の内にあるものだから……今回くらいは許されるだろう、きっと」)
 想い乗せた七色の花弁を天へと舞わせる風が、アルノルトの漆黒の髪をそっと揺らして。
「虹の花舞う景色は本当に綺麗だね……」
 穏やかな印象の緑色の瞳を、さらに優しい、月のいろに染める。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シン・ドレッドノート
とある知り合いに想いを寄せつつ。

思うところあり、一人で参加させていただきます。
クロウ(f06194)さんが参加されていれば、教会まではご一緒しましょう。

「ありがとう」
にっこりと微笑んで村のお嬢さんから虹の花の花束を受け取ったら、丘に向かう途中でふらり姿を消します。

丘の見える木の上に腰かけ、風になびく髪をおさえつつ、月下の淡い光の中に虹の花の花弁が舞うのを一人眺めて。
「どうか、貴女がしがらみから解き放たれて、再びお会いできる日が来ることを…」
心の奥に響くような鐘の音を聞きながら、少し前に突然姿を隠した彼女に想いを馳せます。
「この花と共に、私の願いが貴女に届きますように」
心を込めて、花弁に願いを。



 ――よかったら、これどうぞ、と。
 ちょっと恥ずかしそうに、花束を差し出してくれた村の少女。
 虹の花と呼ばれているらしいその花の色は、何の変哲もない白だったけれど。
「ありがとう」
 にっこりと微笑み返し、その花束を受け取ったシン。
 そして鐘の音が響く中……教会までは、皆と一緒に居たはずなのだけれど。
 途中でふらり、いつの間にか人びとの列から、その姿は消えていた。

 夜の闇に覆われた世界。
 その闇に流れるように靡く、金色の髪をおさえながら。
 人びとの列からそっと外れたシンはひとり、丘の見える木の上に腰かけて。
 手にした花を、闇色の天へと解き放つ。
 刹那、聞こえてくるのは……教会の鐘の音。
「どうか、貴女がしがらみから解き放たれて、再びお会いできる日が来ることを……」
 耳だけでなく、心の奥にまで響くような鐘の音。
 そんな美しい音を遠くに聞きながら。
 シンが花弁に馳せるのは――少し前に突然姿を隠した、彼女への想い。
 心を込めて、願いを託した花弁。そんな、風にくるり舞い遊ぶその彩は……虹色。
 まるで、込めたその想いを彩るかのように。
 優しく、そして儚い……月の七彩を纏っていた。
 月下の淡い光が降る中、そんな虹の花弁が舞うのをひとり眺めながら。
 シンは、月のいろを放つ花弁とともに……天へと、想いを舞わせた。
「この花と共に、私の願いが貴女に届きますように」
 七色の花弁とともに、この風に乗っていつか。彼女の元に、届きますように――と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紬雁・紅葉
誰に語りかけるるでもなく、皆と一緒に丘へと登る
話しかけられたら相槌を打ち、聞き手に回る

何をしに?と聞かれたら
「言の葉を、解き放ちに」


余り人に聞かれない場所を選ぶ(つもり)

我が神よ 布都主よ
剣の神に 言申し給う

切り離すが我らが使命
解き放つが我らが宿業
今 ここに数多の想いが
今 ここに数多の御霊が
軛から放たれ解き放たれ
自ら赴くまま立ち去ります

布都主よ 我が神よ
過去を断ち切り
未来を切り開く
どうか彼らに
解放の剣がありますように…

舞い踊る花弁と遠い鐘の音に乗せて、朗々と吟じる
飽くまでも聞かれない(つもりの)所で


※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※



 教会の鐘の音が鳴り響く中。
 村人や他の猟兵たちとともに、丘へと向かう紅葉。
 特に自分から語りかけることはないが、村の人の話には相槌を打って。
「今日は、何をしに?」
 そう、問われれば。
 赤みを帯びた茶色の瞳をそっと細め、こう答える。
「言の葉を、解き放ちに」

 暫く歩いて到着した、丘の上。
 余り人に聞かれない、皆が花弁を飛ばしているところから離れた場所を選んで。
 紅葉は、村人に答えた通り……言の葉を、解き放ちはじめる。

 我が神よ 布都主よ
 剣の神に 言申し給う

 切り離すが我らが使命
 解き放つが我らが宿業
 今 ここに数多の想いが
 今 ここに数多の御霊が
 軛から放たれ解き放たれ
 自ら赴くまま立ち去ります

 布都主よ 我が神よ
 過去を断ち切り
 未来を切り開く
 どうか彼らに
 解放の剣がありますように……

 遠くに聞こえる、美しい教会の鐘の音に乗せて。
 朗々と吟じられる言の葉。
 そして、天へと舞う花弁が、まるでその言の葉と呼応するかのように。
 月の光を纏い、七彩に煌めいて……風に乗って天高く、昇っていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

榎木・葵桜
虹の花…素敵な名前だね
私も、村の人と一緒に、花を持って参列するよ

…私、ついこの間、親友に言ったんだ
「どうしようもなく覆せない終わりとか、あまりに救いのない結末とか───そういう壁にぶつかったとき、どうするのかな。」って
そんな偉そうな事、言えるほどに強くなんてないのにね

でも、思った
覆せない終わりでも、救いのない結末でも
自分の納得できる精一杯を、立ち止まる事無くやりきる事が、やっぱり大事だって

今回の戦いで、改めて思ったよ
助けられなかった命もあったけど、助けられた命もあった
悔しい思いもしたけど…でも、私、この場所で、皆と一緒に戦えてよかったって思う

だから、この花に誓うよ
私は、これからも走り続けるって



 教会の鐘が厳かに、そして美しく鳴り響く中で。
「虹の花……素敵な名前だね」
 葵桜も村の人たちと一緒に、渡された花を持って参列を。
 手にしたその花は、虹の色というよりも、普通の白い花にみえるけれども。
 虹の花という名前が、素敵だと。
 花を分けてくれた少女に、ありがとう、と葵桜は笑み返した。

 暫く歩いて、辿り着いた丘の上。
 周辺の景色が一面見渡せるその場所は確かに、花弁を飛ばすにはうってつけの場所。
 村の人たちが次々と花弁を解き放っていく様子を眺めつつも。
 葵桜が思い出しているのは――ついこの間、親友に言った言葉。
『どうしようもなく覆せない終わりとか、あまりに救いのない結末とか――そういう壁にぶつかったとき、どうするのかな』
 そんな偉そうな事、言えるほどに強くなんてないのにね、と。
 そう小さく、ふるりと首を振るけれど。
 それでもやはり、葵桜は思う。
(「覆せない終わりでも、救いのない結末でも。自分の納得できる精一杯を、立ち止まる事無くやりきる事が、やっぱり大事だって」)
 グリモア猟兵の予知に半ば逆らうカタチで。
 助けるのは困難だと言われた村人の救出に向かった葵桜。
 そして、それは葵桜だけではなかった。
 同じように、村人を助けに行った人も。
 また、敵を倒すという目的を完遂するべく裏口へと向かった人も、みんな。
 沢山の仲間が、自分と同じように、自分の行動するべき事を懸命に考えて選んで。
 やれることを、精一杯やった。
 その結果、助けられなかった命もあったけど……助けられた命も、あった。
「悔しい思いもしたけど……でも、私、この場所で、皆と一緒に戦えてよかったって思う」
 そう葵桜は、花弁が舞う天へと、その顔をぐっと上げる。
 刹那、その瞳いっぱいに映るのは――虹の色。
 先程までは、ただの白い花にしか見えなかったけれど。
 月光を纏い七彩に輝く花弁は今、キラキラと優しい輝きを放って、天を舞い遊ぶ。
 自由に、思うまま……心、赴くままに。
 そして葵桜も、闇色を照らす七彩の花弁を、天へと解き放つ。
 これからも、悩んだり、迷ったり。
 時には、立ち止まりたくなることもあるかもしれない。
 でも――自分の納得できることを、精一杯やっていきたい。
 その思いはやっぱり、変えようと思っても、きっと変わらないから。
「だから、この花に誓うよ。私は、これからも走り続けるって」
 遠くに聞こえる教会の鐘の音が、再び鳴り響く中。
 天を舞う虹色の花弁のように。
 葵桜の藍色の瞳にも……月のように優しく、でも揺るぎない。
 そんな決意の彩が煌めいていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キア・レイス
鐘の音か、教会から響いているのだろうか。
もしあるのならパイプオルガンを貸してほしい、無いなら自分の持っている電子キーボードの設定をパイプオルガン風にしておく。

…犠牲は多いが、その上に安息が生まれた。きっとこれで良かったんだろう。
賑やかしにでもなれば良い。私はせめて彼らの魂が安らかに逝けるように、弾いてあげるだけだ。



 ――……リーン、ゴーン……。

 おもむろに村中に響き渡る鐘の音。
 荘厳でいて、心安らぐような綺麗な音色。
「鐘の音か、教会から響いているのだろうか」
 キアはそう呟き、そして教会へと足を向けた。
 それほど規模は大きくない村だが、村にある教会は立派で。
 そんな教会にある鐘も……言わずもがな。
 村人たちを集め、丘へと出向く合図として、再び鳴る鐘の音を聞きながら。
 それにさらに華を添えるべく、キアは教会の神父へと頼むのだった。
「パイプオルガンを貸してほしい」
 村に平和を取り戻してくれた猟兵の申し出に、神父が断ることなどなく。
 キアは、重厚な音色を奏で始める。
 丘へと出向き始めたのだろうか、教会の外の人々の賑やかな声が聞こえる。
「……犠牲は多いが、その上に安息が生まれた。きっとこれで良かったんだろう」
 賑やかしにでもなれば良い、と。
 キアは丘へ向かう村人たちや猟兵たちを、荘厳な音色で見送る。
 村人たちや他の猟兵達が、丘から花弁を舞わせて彼ら勇者たちを送るのならば。
(「私はせめて彼らの魂が安らかに逝けるように、弾いてあげるだけだ」)
 命を落とした勇者たちへ。
 決して、その死は犬死になどではないと――思いを乗せたパイプオルガンの旋律が、教会に響き渡る。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノエマ・アーベント
折角だから参列させてもらうわね
罪を裁いて命を断つ者として、最期まで見届けたいと思ったの

月の光を浴びて煌めく虹の花、何だか不思議
村人たちに倣って丘の上に行き、花を天に放って祈りを捧げるわ
これでもう、村人たちも死の恐怖に怯えることはないからと
瞑目し、鐘の音に合わせるように鎮魂歌を口遊み、魂の解放を願って冥福を
元が拷問具といっても、死を悼む心くらいは持ってるわ

そういえば、清史郎も同じヤドリガミだったわね
私も物から生まれた存在だけど、貴方の心はとっても人間らしくて
私には、貴方のことが羨ましくすら思えるわ
それはともかく、今回は清史郎の予知のおかげで多くの命が救われた
だから、心からお礼を言わせてもらうわね


フィリオ・グラースラム
フィオは……あまりお役に立てませんでしたにょ……
だから、とってもとっても迷いますけれど
お花の列を見に行ってみますの

にゃあ…!キラキラですにょ
この世界の『自由』は、こんなに綺麗な色をしてますのね

フィオは……フィオは飛ばしませんのよ
見学ですの
だってだって騎士様は自由を守る側なんですのよ

ですけれど……
一本だけ、とかなら……騎士失格にはならないですかしら(もじもじ)

あの方々の自由が、いつまでもキラキラしていますように

※絡みはどなたとでも


月尾・白雪
花片に託す想いは想像よりも自在のようで
だから、思わず
清史郎さんは、どんな想いを託すのかしら?
と、聞いてしまう
他意はなく、むろん無理に暴こうという気もなく
だから応えがなくとも気にはしないのだけれど

ただ、私達をこの村に送ってくれた
戦い終わるまで見守ってくれた
その人が、この空に何を返すのか、気になってしまっただけ

私にもっと力があれば、智慧があれば
助けられた人も居たかもしれないと
そう考えてしまえば
花片に思いを託すのも烏滸がましいと思えてしまって

それでも、許されるなら
助ける決断を出来なかった私でも許されるならば
助けられなかった人々の彼岸への道のりが安らぎのなかにあるよう
祈りを花片に託そう



 教会の鐘が鳴った、その時。
 フィリオも、村人たちや猟兵たちと一緒に、丘へと向かう列の中にいた。
 正直……参列するかは、とてもとても、迷った。
(「フィオは……あまりお役に立てませんでしたにょ……」)
 でも、お花の列を見に行ってみますの、とフィリオも参加を決めたのだった。
 そして辿り着いた、丘の上。
「にゃあ……! キラキラですにょ」
 闇色の天を見上げれば、月のいろを纏う花弁が風に乗り、自由に舞い遊んでいる。
「この世界の『自由』は、こんなに綺麗な色をしてますのね」
 金色のその瞳に、舞う花弁の七彩を映し宿すフィリオ。
 そんなフィリオにふと声を掛けたのは、清史郎だった。
「フィリオは、花弁を飛ばさないのか?」
「フィオは……フィオは飛ばしませんのよ。見学ですの」
 だってだって騎士様は自由を守る側なんですのよ、と。
 そう返ってきた言葉に清史郎は、そうか、と。ただそれだけ言って、柔く瞳を細めて。
 それから、こう続けたのだった。
「俺の視た予知は……もっと、ずっと悲惨なものだった。確かに、救えなかった命もある。だが、本来ならば散っていたはずの命が、駆けつけてくれた皆のおかげで幾つも助かった。護ってくれて、有難う」
 そして――フィリオへと、1本の虹の花を手渡す。
 真白のふわふわの手で、フィリオはそれを受け取って。 
「一本だけ、とかなら……騎士失格にはならないですかしら」
 そう、もじもじするけれど。
 月の光が照る下で、フィリオも『自由』の色を帯びる花弁を、天へと解き放った。 
 あの方々の自由が、いつまでもキラキラしていますように、と――七彩煌めく輝きに、願いを込めて。

 そんな二人のやり取りを聞いていたのは、ノエマ。
 罪を裁いて命を断つ者として、最期まで見届けたい……そう思い、参列した丘の上で。
「月の光を浴びて煌めく虹の花、何だか不思議」
 元が拷問具といっても、死を悼む心くらいは持ってるわ、と。
 瞑目し、鐘の音に合わせるように鎮魂歌を口遊み、魂の解放を願って冥福を祈りながらも。
 これでもう、村人たちも死の恐怖に怯えることはないから――そう、七彩を宿す花を、天へと解き放つ。
 そしてノエマは、清史郎に声を掛ける。
「そういえば、清史郎も同じヤドリガミだったわね」
 ああ、ノエマもだったな、と。
 七色の花弁舞う中でそう返す彼に、ノエマはこう続けた。
「私も物から生まれた存在だけど、貴方の心はとっても人間らしくて」
 私には、貴方のことが羨ましくすら思えるわ――と。
 ノエマ自身もグリモアを持つ者。だからそう、余計に感じたのかもしれない。
 清史郎が予知を伝えた時に選んだ言葉や猟兵たちに掛ける言葉の、その人間臭さを。
 だが清史郎本人は、ノエマの言葉に少し意外そうな表情を宿した後。
 仄かに青を宿す赤の瞳を向け、言ったのだった。
「ノエマも、俺と似たようなものではないのか? この場所に赴き、解き放った花弁に祈るその心は、人間らしいのではないかと。俺はそう思うのだが」
 刹那、虹色の花弁舞わせる風が、ノエマの灰色の髪を天へと棚引かせて。
 ふと闇色の空を見上げた黄昏色の瞳には、映した花弁と同じ、仄かな月のいろが宿る。
「それはともかく、今回は清史郎の予知のおかげで多くの命が救われた。だから、心からお礼を言わせてもらうわね」
 そんな言葉に、礼を言うのは此方の方だ、と微笑む清史郎。
 そしてノエマはもう一度、人びとの想いが乗せられた花弁を見上げた。
 遠くで再び鳴り始めた、教会の鐘の音を聞きながら。

 教会の鐘の音が響く時。
 村人が丘の上で花弁を舞わせる、その意味。
 花片に託す想いは、想像していたよりも自在のようだから。
「清史郎さんは、どんな想いを託すのかしら?」
 ふいに、白雪は清史郎へと問う。
 他意はなく、むろん無理に暴こうという気もない。
 ただ……自分達をこの村に送ってくれた、戦い終わるまで見守ってくれたその人が、この空に何を返すのか。
 それが、気になってしまっただけ。
 清史郎はそんな白雪に視線を向け、そして答える。
「託す想い、か。そういえば、考えていなかったな」
 意外な返答に、白雪は漆黒の髪を小さく揺らし首を傾けるも。
 あくまでマイペースに、清史郎は続ける。
「俺は道具で在った百年、殆ど外の世界のことを知らなかった。だが肉体を得て、外の世界の色、人びとの声、美味しい食……その多様性に驚き、非常に興味を持った。だから、この世界の人びとが思い馳せる色を見てみたいと。そう思ったんだ」
 それから、しかし折角だから思いを託そうか、と。
 清史郎も虹の花を天へと舞わせる――集い、戦ってくれた同士たちに感謝を、と。
 ……私にもっと力があれば、智慧があれば。助けられた人も居たかもしれない。
 そう考えてしまえば、花片に思いを託すのも烏滸がましいと。
 そう、思ってしまうけれど。
(「それでも、許されるなら。助ける決断を出来なかった私でも許されるならば」)
 白雪は、手の中にあった七彩を、闇色の天へと解き放った。
 助けられなかった人々の彼岸への道のりが、安らぎのなかにあるよう――祈りを花片に託して。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月隠・望月
丘の上から舞う花弁に『自由』への想いを馳せる……わたしには、よくわからない。けど、オブリビオンに支配されたこの世界の人たちにとっては、とても意味のあることなのだ、と思う。

わたしも、『虹の花』の花弁を丘から放ってみよう。死んでしまった人たちに、想いを馳せて。
わたしは、ヴァンパイアに正面から立ち向かった村の人たちのことを、直接は知らない。けど、死後の安寧を願うことは、できる。
あの人達のおかげで、ヴァンパイアを倒せた。村を解放できた。だから、無駄死に、ではない。

ヴァンパイアは倒せた、けど、村がまた別のオブリビオンに支配されるかもしれない。
そうしたらまた、わたしたちがオブリビオンを倒そう。何度でも。



 教会の鐘の音と、思いを乗せ放たれる花弁。
(「丘の上から舞う花弁に『自由』への想いを馳せる……わたしには、よくわからない」)
 感情の動きがあまりない望月にとって、その行動や心境などはよくわからないものであったが。
(「けど、オブリビオンに支配されたこの世界の人たちにとっては、とても意味のあることなのだ、と思う」)
 だから望月は、丘へと向かう列に、参加してみたのだった。
 月光降る下で、思い思いの願いや自由を馳せ、投じられる花弁。
 白き色の花弁に月の彩りが宿って。
 闇に覆われたダークセイヴァーの天に、無数の煌めきを作り出していた。
 望月も持っていた花を、丘の上から放ってみる。
 その七色の煌めきに――死んでしまった人たちへの、想いを馳せて。
(「わたしは、ヴァンパイアに正面から立ち向かった村の人たちのことを、直接は知らない。けど、死後の安寧を願うことは、できる」)
 彼らがヴァンパイアと戦おうと、そう勇気を出して行動を起こしてくれたからこそ。
 ヴァンパイアを倒し、村を解放できた……『今』がある。
 それは誰でもない。散っていた勇者たちが作り出してくれた道。
 そしてその道を拓いたのは、望月たち猟兵である。
 ――だから、無駄死に、ではない。
 そう、天高く昇る七彩の煌めきを、漆黒の瞳で見送って。
 そしてもし、また別のオブリビオンに村が支配されることがあったならば。
(「そうしたらまた、わたしたちがオブリビオンを倒そう。何度でも」)
 望月は、空に解き放たれたたくさんの『自由』への想いを見上げながら。
 心の中で、そう誓ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルバ・ファルチェ
折角だから参列させて貰おうかな。

こう見えてもクレリックだからね、祈る事もたまにはあるんだよ?

丘までは【コミュ力】で周りの人達と他愛のない話をしたり、小さく歌を歌ったりと楽しみながら行こっか。

丘に着いたらRosario a Lacrimaを握って、静かに祈る。

全てを救えるわけじゃない、全てを守れるわけじゃない。
だけど、僕は少しでも悲しみを減らしたいんだ。
だから、散っていった魂に誓うよ。
僕は今まで以上に頑張って、未来を閉ざすことのないようにする…だからどうか安らかに。

…なんて真面目にやってるとちょっと照れちゃうな。
花を飛ばし終わったら、暖かいものでも飲みに行こうかな。



 耳に聞こえる、教会の鐘の音を背に。
 丘までの道のりを、周囲の人と楽しみながら歩くのはアルバ。
 他愛のない話をしたり、時には小さく歌を歌ったり。
 そんな彼の周囲には、自然と人が集まっていた。
 そして丘に着き、人びとが一斉に、虹色の花弁を天へと舞わせる中。
 アルバはひとり、静かに祈る。
 透き通る蒼硝子のロザリオ――『Rosario a Lacrima』を手に。
 丘に降る月の下、涙の雫はその煌めきを静かに増して。舞う花弁と同じ、仄かな七彩を纏う。
 ――全てを救えるわけじゃない、全てを守れるわけじゃない。
 今回も、護れたものもあったけれど……護れなかったものも、ある。
(「だけど、僕は少しでも悲しみを減らしたいんだ。だから、散っていった魂に誓うよ」)
 『盾の騎士』であることを誇り、守ることがアルバの矜持。
 だから、アルバは舞う七色の花弁に。そして散っていった人の魂に、祈りを捧げる。
(「僕は今まで以上に頑張って、未来を閉ざすことのないようにする……だからどうか安らかに」)
 遠くに聞こえる、鐘の音を聞きながら。
 それからアルバは、温かい飲み物を貰いに歩き出す。
 こう見えてもクレリックだから、こうやって祈る事も、たまにはあるのだけれど。
 ……真面目にやってるとちょっと照れちゃうな、と。
 天に舞う虹の彩を映す紫色の瞳を、そっと細めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
丘の上まではそっと他の皆についていきましょう。

「願い、望み、そして鎮魂・・・ね」
空舞う虹色の花弁を見ながら、私もそっと花びらを空へ流すわ。

ヤドリガミになる前は希望の名を与えられて色々な願いや望みを見てきたわ。
託された望みは全て叶わなかったけれど、掛けられた願いは全て無に帰したけれど、それを思い出して小さく首を横に振って。
皆に気づかれないようにユーベルコード【ジャッジメントクルセイド】の光を他の人たちの花弁にそっと投げかける。

「せめてここの人たちの純粋な願いぐらいは叶ってほしいものね」



 ヴィオレッタも、教会から丘へと向かう列に同行して。
 辿り着いた丘の上で、闇色に覆われた天を仰ぐ。
「願い、望み、そして鎮魂……ね」
 そして月の光が降る中、天に舞う花弁を見つめながら。
 そっと、虹色の花弁を空へと流した。
 そんな、宝珠の如き藍と紫の煌めきに、舞う花弁と同じ、月のいろを纏わせながら。
 ヴィオレッタが思い出すのは……ヤドリガミとなる前のこと。
 その頃は、希望の名を与えられて。
 色々な願いや望みを、たくさん見て聞いてきた。
(「……託された望みは全て叶わなかったけれど、掛けられた願いは全て無に帰したけれど」)
 そうひとつふるりと、小さく首を横に振るヴィオレッタ。
 過去に自分に掛けられた願いは、水泡に帰したけれども。
「せめてここの人たちの純粋な願いぐらいは叶ってほしいものね」
 そう言った後、ヴィオレッタは指先を空へと掲げる。
 刹那――天から注ぐ光が、より花弁の七色を鮮やかに彩って。
 希望という無数の煌めきを、闇色の天へと散りばめた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

逢坂・宵
なるほど、とても素晴らしい行いですね
願うこと、見送ること―――
それらは、すべて人々が自分の心のために行うものです
自分の心に整理をつけるために、行うものと
ヒトはかくも、意味のあり素晴らしい行いをなす生き物ですね

僕は、せっかくですからこれまで犠牲になった人々のために祈りを捧げましょう
その人がどんな方であったか、そういう哀惜は村人の方々にお任せするとして
僕は、彼らの旅路が良きものであるように願うとしましょう
ヒトは死ぬと星になると言います
そしてヒトは、時には星を目印に歩むのです

僕は星に親しむ術師
であればこそ、彼らのために祈りましょう



 教会の鐘の音が鳴る時、人びとは丘の上から、想いを乗せた花弁を舞わせる。
 その行為に対して、感じることも、人それぞれ。
 ある人にとっては、この行為が何を意味するのかよく理解できなかったり。
 またある人にとっては、ただ綺麗で見ごたえのある行事だから参加してみよう、と軽い気持ちであったり。
 真剣に必死に祈る人も、勿論いる。
 そんな中、興味深そうに丘へと向かう列に参加しているのは、宵。
「なるほど、とても素晴らしい行いですね」
 願うこと、見送ること――それらは、すべて人々が自分の心のために行うもの。
 そして、自分の心に整理をつけるために、行うものと。
 星の瞬くその瞳を細め、宵は紡ぐ。
「ヒトはかくも、意味のあり素晴らしい行いをなす生き物ですね」
 そんな宵も、折角だからと。
 村の人たちに倣い、祈りを捧げる。これまで犠牲になった人々のために。
 その人たちがどんな人たちなのかは、勿論知らないけれど。
 宵が彼らのために願うのは――彼らの旅路が良きものであるように、と。
 ヒトは死ぬと星になり、そして時には星はヒトの歩む目印になるという。
 闇色の天で、魂となった彼らが迷子にならぬように。
(「僕は星に親しむ術師。であればこそ、彼らのために祈りましょう」)
 祈りを乗せた花弁の七彩の煌めきが、彼らを導く星となる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月守・ユエ
知り合いや他の人との絡み歓迎

丘に向かう途中
少しでも誰かを助けられてよかったと零す
あのヴァンパイアを倒したから、皆これからは幸せに暮らせるだろうか?

折角だから
僕も皆と一緒にお祈りするの
月明かりの下で、色んな気持ちを乗せて花を舞わせるだなんて
とっても素敵だよね

月とは自分にとっては代えがたい存在
生まれつきこの身に宿る月の力と共に
十字架に指を絡めて祈る

小さく鎮魂歌の様な優しい歌を謳い
花弁を舞わせて

――戦場では色んな人が悲しんで傷ついた…
皆の痛みが少しでも和らぎますように
今日までが悲しかった分
明日は沢山の幸せが訪れますように

…僕の大切な人にも…
どうか幸いあれ…
思い出せない大切な人の姿を想って祈りを捧ぐ



 鐘の音が鳴り響く教会から、丘へと歩きながら。
 ――少しでも誰かを助けられてよかった。
 そう零すのは、ユエ。
 全てを助けられたわけではない。
 でも、駆けつけなければ失われていた命を、幾つも救うことができた。
 圧政を敷いていたヴァンパイアも、猟兵達の手で討ち、もういない。
(「あのヴァンパイアを倒したから、皆これからは幸せに暮らせるだろうか?」)
 ユエは村人や周囲の皆と雑談を交わしながらも、ふとそう思うけれど。
「月明かりの下で、色んな気持ちを乗せて花を舞わせるだなんて、とっても素敵だよね」
 折角だから、皆と一緒にお祈りしようと、丘の上までやってくる。
 丘の上に降り注ぐ月の光。
 ユエにとって月とは何にも代えがたい存在で。
 その身に生まれつき宿る月の力が、降る月光と共鳴するかのように煌めく。
 そして祈り、指を絡めるのは、月のいろに照る十字架。
 小さく口遊む優しい鎮魂歌を響かせてから、ユエも天へと花弁を舞わせる。
 ――戦場では色んな人が悲しんで傷ついた……皆の痛みが少しでも和らぎますように。
「今日までが悲しかった分、明日は沢山の幸せが訪れますように」
 それぞれの想いを花弁へと込める村人たちを見ながら、ユエはそう瞳を細めた後。
(「……僕の大切な人にも……どうか幸いあれ……」)
 美しい月と狂おしく愛おしい歌の記憶と、戦狂いの人格。
 それ以外は思い出せない、大切な人の姿を想って……。
 ユエは花弁を七彩に染める月を仰ぎ、祈りを捧げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

桜雨・カイ
亡くなった人達の為に「虹の花」を持って丘へ向かいます
道中何を願うのか聞かせてもらいながら行きましょう
楽しそうに願い事を話すのを見るのはとても楽しいです

私、ですか?私が願う事……望み…
人形の頃は主のそばにいるだけで充分でした
ヤドリガミとなった今の自分は解放したい何かどころか、まだ何も無いのかもしれません……

丘に着いたら花を飛ばします
遠くに飛ばした方が綺麗そうです
子供達とどこまで遠くに飛ばせるか競争してみます

花が舞うこの景色、きれいでした。子供達とはしゃいだ事も楽しかった。
今の私にはまだ何もないですが、こんな風に自分が感じた事が積み重なって
いつか「何か」になるんでしょうか、ね。



 虹の花、と聞いていたけれど。
 虹色というよりもただ真白なように見える花を受け取り、手にして、丘へと向かう途中。
 意中のあの子と結ばれますように、だとか。
 ただ今日一日を平和に過ごせますように、とか。
 聞いた村人が花弁に願うことはそれぞれ違って、聞いているだけで楽しい。
 そう思っていたカイは、ふと、何を願うのかと。逆に聞かれ、首を傾ける。
「私、ですか? 私が願う事……望み……」
 人形で在った時は、主のそばにいるだけで充分であった。
 ではヤドリガミとなった今は、自分は何を願うだろうか……?
(「今の自分は解放したい何かどころか、まだ何も無いのかもしれません……」)
 そう、考えているうちに。カイは、丘へと辿り着く。
 そして丘の上から、月の光を浴びて白から虹色へと彩りを変えている花を解き放たんと、空へと掲げながら。
 折角だったら、遠くまで飛ばした方が綺麗そうだと。
 子供たちと、どこまで遠くに飛ばせるか、花弁の飛ばし合いっこを。
 風に乗って、天高く、より遠くまで――七彩の煌めきを、楽しくはしゃいでは、子供たちと共に解き放つカイ。
 そんな楽しい時間や美しい景色に、青を帯びる瞳を柔く細めてから。
(「今の私にはまだ何もないですが、こんな風に自分が感じた事が積み重なって、いつか「何か」になるんでしょうか、ね」)
 ふと、そう思ったのだった。
 真白だった花が、月の光を浴びて……美しい七色に、変化したように。

大成功 🔵​🔵​🔵​

花盛・乙女
…解決、と口には出来ん。
清史郎殿の苦渋の決断に背いてまで表門に向かい、そして…救えなかった。
このロザリオは…遺族がいれば渡そう。
渡せなければ…私の、背負うものとしよう。

祭事に暗い顔を貼り付けてる訳にもいかんな。頬を張り気持ちを変えよう。
出来ればキア殿や丈一殿、メルティア殿と参列したかったが…生憎とはぐれてしまった。
どこかで会えるだろうか。

此度の事で意気消沈している者がいれば励まそう。
己の身を賭して戦った勇者がいたことを話そう。
その勇者の姿に立ち上がった、数多の猟兵…いや、戦士がいたことも。

…信心のない私が祈ったところで届くかは分からんが
願わくばこの地に安寧と、出会えた仲間達の生涯の無事を祈ろう



 鳴らされる鐘の音は、誰が為のものなのだろうか。
 聞く者によって、それは心癒される音色であったり。逆に荘厳ゆえに、時には重いものとなったりもするかもしれない。
(「……解決、と口には出来ん。清史郎殿の苦渋の決断に背いてまで表門に向かい、そして……救えなかった」)
 鐘の音を聞き、祭事に参列するべく教会までやって来た乙女がぐっと握りしめるのは――形見のロザリオ。
 持ち主はおろか、もうこれを託せる遺族もいないのだという。
 それに見知った猟兵たちとはぐれてしまったが、どこかで会えるだろうかと。
 乙女は進み始めた列に逆らうことなく、丘へと向かって歩き始めた。
 ヴァンパイアの圧政から解放されたからか、それとも毎回このような感じかは定かではないが。
 重い雰囲気はなく、楽しく雑談を交わす者たちもいるような、和やかな雰囲気。
 だがそんな中……ずっと俯いている、ひとりの少年の姿が目に入る。
 話を聞けば、今回の戦いで命を落とした男を慕っていたのだと。
 乙女は、その少年に語る。
 己の身を賭して戦った勇者がいたことを。
 そしてその勇者の姿に立ち上がった、数多の猟兵……いや、戦士がいたことも。
 乙女はそう、村を救うきっかけを作った、勇者たちの勇敢さを語った後。
 勇者の証――握りしめていたロザリオを、その少年へと託したのだった。
 それから辿り着いた丘で、皆が飛ばす七色の花弁を見上げながら。
 乙女も月の降る下、虹色に輝く花を天へと解き放った。
(「……信心のない私が祈ったところで届くかは分からんが」)
 願わくばこの地に安寧と、出会えた仲間達の生涯の無事を祈ろう――と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フレズローゼ・クォレクロニカ
🍓【迎櫻館】
アドリブ等歓迎

櫻宵ー!カガリくんー!お花、虹のお花!
1人でも助けられてよかった…そんな思いを胸に丘を駆ける
清史郎くんもお疲れ様!送ってくれてありがとね!

花を抱え翼はためかせ空へ
櫻宵と一緒に、空から虹のお花を舞わせるよ!自由を願った弔いの歌を歌う
皆の所へ
天国の勇者達の元へ
風のように自由に、飛んでいけー
櫻宵に撫でられれば嬉しくて
カガリくんの言葉にはカガリくんらしいと微笑む
ボクは自由でありたいな
いつも笑顔を愛を世界を描くんだ
…好きなものは閉じ込めたくなるけれどね?

例え絶望に濡れた籠の中だったとしても
自由を求める魂は止められない
虹のような色彩に満ちた幸せが、皆に降り注ぐように
願いをこめて


誘名・櫻宵
🌸【迎櫻館】
アドリブ等歓迎です

フレズ、転ばないようにね!
澄んだ鐘の音に
薄闇の中に舞い散る虹の花、だなんて美しいわね
救えた人達の心に希望が灯ればと思うわ!

あら、フレズ。お空から花を?
いいわ、あたしも手伝ったげる!
枝垂れ桜の翼をはためかせれば虹の花弁に淡桜がまじり
嬉しげに笑い歌うフレズの顔を見て、微笑む
――あたしはこんな笑顔が守りたいの
この子の、この世界の小さくても確かな光

フレズ、それにカガリ
あなたの想い、きっと届くわよ

自由は、例えどんな世界でも
誰しもが持つ権利だもの
……命をかけてでも求め飛び立たずにはいられないのよ、きっと

カガリは優しい子ね
そんなあなたも砕けないようにあたしもしっかり守らなきゃ


出水宮・カガリ
【迎櫻館】櫻宵と、ふれずと、せいしろうと
花を撒くかはお任せ

せいしろう、せいしろう
今回もご苦労様だ
全員無事、とはいかなかったが…二人が、手を貸してくれた
お陰で娘は無事で、村の勇者も一人だけは、助けられた

せいしろうなら…今回、どう動いた?
皆にも話そう
カガリは自由も、解放も
その意志ごと、城壁の内に閉じ込めたいと、思うことがある
勇者など必要ない
命の危険を冒してまで、脅威に満ちた壁の外に、何故出ていくのか
壁の内にも、死が待っていたとしてもだ

それでも、それを選ばずにいられないのなら
カガリの壁は、ひとの心を閉じ込める為でなく
心というそれぞれの城が、砕けぬように
自由と解放を願う花弁に、カガリはそう思うのだろう



 夜の闇に覆われた、漆黒の空。
 だが一斉に天に放たれた虹の彩りが月の光を浴びて、闇色の天で煌めきを放つ。
「櫻宵ー! カガリくんー! お花、虹のお花!」
 そんな星の様に輝く花弁が舞う中、1人でも助けられてよかった……そんな思いを胸に。
 はしゃいだように丘を駆けるフレズローゼ。
「フレズ、転ばないようにね!」
 櫻宵はそう、月に照らされキラキラ輝く苺月の瞳に微笑みつつも声を掛けながら。
 遠くに聞こえる鐘の音に耳を澄ませ、七彩舞う薄闇の天を見上げる――美しいわね、と。
 そしてこの美しさが、救えた人達の心に希望が灯ればと思うわ! と柔い桜の瞳を細めた。
 それからフレズローゼは、紅鶴と星蝙蝠の腰翼を開いて。
「清史郎くんもお疲れ様! 送ってくれてありがとね!」
 此方こそ駆けつけてくれて感謝する、と柔く返した清史郎に微笑んでから。
 花を抱え、天へと飛び立つ……空から、虹の花弁を舞わせるために。
「あら、フレズ。お空から花を? いいわ、あたしも手伝ったげる!」
 そう枝垂れ桜の翼をはためかせ、櫻宵もフレズローゼに続けば。
 月のいろを纏った虹の花弁と枝垂れ桜の花弁がくるり、くるりと……闇色に光を灯しながら入り混じって。
 まるで、そんな花弁たちのように。
 櫻宵とフレズローゼも、虹の花弁を舞わせながらふたり、ひらりくるりと、天に遊ぶ。
 そんな空から虹色を降らせ、自由を願った弔いの歌を響かせるフレズローゼと、一緒に花弁を舞わせる櫻宵を見上げながら。
「せいしろう、せいしろう。今回もご苦労様だ」
 カガリは、清史郎へと声を掛けて。
「全員無事、とはいかなかったが……二人が、手を貸してくれた。お陰で娘は無事で、村の勇者も一人だけは、助けられた」
 今回成せたことを、予知した清史郎へと報告した後。
 ――せいしろうなら……今回、どう動いた?
 紫の瞳に映した彼へと、そう問いかけてみる。
 清史郎は青を帯びた赤の視線をカガリへと返しながら、直ぐに答える。
「俺は恐らく、館の裏へ向かっていただろう。そうすることが最善だと、予知した者が告げたのならな」
「そうか。せいしろうも、グリモア猟兵だからな」
 そう言ったカガリに、清史郎は瞳を細めてから。
 ふっと笑み、そしてこう続けたのだった。
「だが、カガリと一緒に赴いていたのであれば……きっと共に、正面に行っていただろうな」
 そして改めて、清史郎は礼を言う。
 村の勇者や娘たちの尊い命を救ってくれて有難う――と。
 救えた命もあれば、救えなかった命もある。
 でも、救えなかった命も、決して犬死になどにはならなかった。
「皆の所へ、天国の勇者達の元へ。風のように自由に、飛んでいけー」
 そう虹色の花弁とじゃれ合うように空を舞い、嬉しそうに歌うフレズローゼの姿に。
 ――あたしはこんな笑顔が守りたいの。
 櫻宵はそう、改めて思う。
 この子の、この世界の小さくても確かな光。そんな煌めきを、守りたいのだと。
 空から舞わせるこの花弁のように。月の光を浴びて七色に煌めく、その笑顔を。
 それから花弁を舞わせ終わり、地上へと戻ってきた二人と、話をするカガリ。
「カガリは自由も、解放も、その意志ごと、城壁の内に閉じ込めたいと、思うことがある」
 勇者など必要ない――そうきっぱりと言って、続ける。
「命の危険を冒してまで、脅威に満ちた壁の外に、何故出ていくのか。壁の内にも、死が待っていたとしてもだ」
 都の人々を護り続け、そして最後まで残っていた鉄門扉。
 内にいるものを守る――百年、そう在り続け護り続けたカガリの想いは、肉体を得た今でも、変わらない。
 でも……それでも、それを選ばずにいられないのならば。
「カガリの壁は、ひとの心を閉じ込める為でなく、心というそれぞれの城が、砕けぬように」
 自由と解放を願う花弁を見上げ、そうカガリは続ける。
 そんな言葉に、カガリくんらしい、とフレズローゼは微笑んで。
「カガリは優しい子ね」
 櫻宵も徒桜の如く美しく、桜の瞳を細める。
「そんなあなたも砕けないようにあたしもしっかり守らなきゃ」
 全ては守る為――その思いは、櫻宵も同じだから。
「ボクは自由でありたいな。いつも笑顔を愛を世界を描くんだ」
 ……好きなものは閉じ込めたくなるけれどね?
 フレズローゼはそう言った後。改めて天を見上げ、そして改めて祈る。
 虹のような色彩に満ちた幸せが、皆に降り注ぐように――と。
 例え絶望に濡れた籠の中だったとしても。自由を求める魂は、止められないから。
 そんなふたりらしい言葉に、櫻宵は優しく頷く。
「フレズ、それにカガリ。あなたの想い、きっと届くわよ。自由は、例えどんな世界でも誰しもが持つ権利だもの」
 ……命をかけてでも求め飛び立たずにはいられないのよ、きっと――と。
 そう、自由に天を舞う虹色の花弁を、見つめながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

都槻・綾
※清史郎さんや皆との絡みアドリブ歓迎

常闇に響く鐘
いつか数多の楔から解放される兆しとなれば良い

参列者に自由への希みを聞き
微笑んで頷き乍ら
丘へ向かう

清浄な花の舞へ
恭しく慈しむように
指を伸ばせど
花弁は掴まず見送るのみ

其れは誰かの大切な心
掌の籠に収めるべきではないから


言葉には魂が宿ると言います
口にすることで叶える為の誓いとなる
言霊は時に
自身を縛り制約する、新たな楔となるかもしれません
ですが
己を知り
今を識り
夢物語で終わらせぬ
何が出来るのかを見定める
確かな足場となるでしょう

清史郎さんはどんな自由を望みますか?
私は――
明けぬ夜は無いという…其の「夜」すら縛られている此の世界の宵に
黎明を見て欲しいと、願います



 常闇に響く鐘を聞きながら、綾は思う。
 ――いつか数多の楔から解放される兆しとなれば良い、と。
 そして丘の上へと向かい始めた人々に、尋ねてみる。
 自由への希みを。
 恋の悩みから、本当に些細な日常の事、新しい自分を迎えるための一歩など。
 返ってきたそれらは、本当に様々で。
 綾は楽しそうに願いや夢を語る人々に頷き、微笑み返して。
 丘の上へと辿り着く。
 月下で静かに照る花弁は、確かに虹色。
 七彩を帯びる花弁に願いを乗せ、村人たちが一斉に解き放てば。
 それは、闇に覆われた天に煌めく、清浄な花の舞。
 綾はふと恭しく慈しむように――その煌めきに、指を伸ばすけれど。
 掴むことなく見送った花弁は、風に攫われ、天高く舞い上がる。
(「其れは誰かの大切な心。掌の籠に収めるべきではないから」)
 七色の花弁へと乗せる願い。
 言葉には魂が宿ると言われ、口にすることで叶える為の誓いとなるけれども。
 逆に、時にはそれが、自身を縛り制約する新たな楔となるかもしれない。
 でも、やはり。
(「己を知り、今を識り、夢物語で終わらせぬ、何が出来るのかを見定める、確かな足場となるでしょう」)
 そして綾は、隣で天を仰ぐ彼へと尋ねてみる。
「清史郎さんはどんな自由を望みますか?」
 その問いに、清史郎は、青を帯びた赤い瞳を綾へと向けて答える。
「今の俺は、硯箱で在った時に比べて十分に自由ではあるが。百年道具として在った時には知り得なかった、外の世界の色、人びとの声、美味しい食……そういう様々なものや色に触れ、知っていきたいと思っている」
 そして清史郎も問い返す。綾の望む、自由や願いを。
「私は――明けぬ夜は無いという……其の「夜」すら縛られている此の世界の宵に黎明を見て欲しいと、願います」
 夜の闇に覆われ縛られたこの世界の天に今煌めくのは、虹色の願い。
 皆の願いが漆黒の闇に、幾つもの星を作り出したのだから。
 きっといつか……この夜の闇が明ける日がくることを、今は信じて。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マキナ・アストロロギア
どれだけ辛いことがあっても、明日への希望を持ち続けることができる。
それが人の強さなのであろうな。

そうだな、その希望が、願いが報われるよう、ささやかながら「祈り」を。
聖者の祈りだ。多少は加護があるやもしれんぞ?

それにしても…美しいものだな。
月の光も、舞う花弁も。
実のところ、疲労のせいでかなり眠いのだが、それを押してでも参列する価値はあったというものよ。


【アドリブ、絡み大歓迎です】



 夜の闇に支配された、この世界。
 だがそこに生きる人たちは、過酷な条件下に置かれているけれども。
 でも、確りと生きている。
 それどころか、時には勇者たちのように、理不尽な支配に抗わんともがいて。
 教会の鐘の音を鳴らし、希望や解放への願いを、虹の花へと託すのだ。
「どれだけ辛いことがあっても、明日への希望を持ち続けることができる。それが人の強さなのであろうな」
 マキナは村人とともに、丘の上へと向かいながらも。
 生きる希望を失わず、花弁に願いを託そうと歩く人々を見遣った。
 それから辿り着いた丘の上で、虹の花弁舞う闇色の天を仰ぐ。
 月の輝きを浴び七色に染まる花に、様々な願いを馳せる人々。
 マキナはそんな周囲の人々の様子を見つめながら。
「そうだな、その希望が、願いが報われるよう、ささやかながら「祈り」を」
 ――聖者の祈りだ。多少は加護があるやもしれんぞ?
 そう、星の様な銀の瞳を細めて。
「それにしても……美しいものだな」
 風に乗り、天高く舞い上がり踊る、七色の煌めきを再び見上げる。
 実のところ……疲労が溜まってかなり眠かったのだが。
 それを押してでも参列する価値はあったというものよ、と。
 満足気に、星とそして虹の輝きを映した銀色の両の目を、もう一度細めたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

香神乃・饗
筧ししょー案内お疲れ様っす!
無事終わったっす!ふー、やれやれっす!

なんで全員助けてこいって言わなかったっすか

……言われなくともやるんっすけどね?
明るく笑う

師匠の物言いから腕一本でも持ち帰れれば上等と覚悟はしてたっすけど
もっと委ねてくれても大丈夫じゃないっすかね?
全部は無理だったっすけど……案外、やれるっす。

虹の花、俺も貰ってきたっす!師匠もどーっすか?
虹を見ると幸せになるって知ってるっすか?
苦難を乗り越えたあとの希望や未来へのかけ橋の象徴って考えもあるらしいっす

この地の血の雨、涙の雨はひとまずやんだっす
生けるものも、旅立ったものも、少しでも幸せに解き放たれて欲しいっすね

虹の花を撒く
良い虹っす!



 鐘の音が鳴るのを合図に、村人たちと共に列を成して。
 辿り着いた丘の上で。
「筧ししょー案内お疲れ様っす!」
 饗は清史郎の姿を見つけ、声を掛けてから。
 こう、彼へと続ける。
「なんで全員助けてこいって言わなかったっすか。師匠の物言いから腕一本でも持ち帰れれば上等と覚悟はしてたっすけど、もっと委ねてくれても大丈夫じゃないっすかね?」
 ……言われなくともやるんっすけどね?
 そう明るく笑う饗に、清史郎はいつも通り笑み返して。
「饗や皆のおかげで、散っていたはずの命が救われた。目的のヴァンパイアの討伐も成し遂げてくれて、本当に感謝している」
 それから改めて饗へと視線を向けると、こう続けたのだった。
「確かに、本当に皆はよくやってくれたと思う。俺が視た予知は……悲惨なものだったからな。だが俺は、俺の予知を聞き現場へと赴いてくれる猟兵の皆を、危険な目にできるだけ遭わせたくはない。今回は事なきを得たが……『困難』ではなく、はっきりと『不可能』だと告げた方がよかっただろうかと、正直、何度も思った」
 そんな少し意外な言葉に、饗は小さく首を振る。
「全部は無理だったっすけど……案外、やれるっす」
 だが清史郎はそれ以上は何も言わず、ふと天を仰いで。
「饗は、虹の花に何を願うんだ?」
 手にした虹の花をひとつ、差し出した。
 月の光を浴び、七色に煌めく花を受け取る饗。
「虹を見ると幸せになるって知ってるっすか? 苦難を乗り越えたあとの希望や未来へのかけ橋の象徴って考えもあるらしいっす」
「希望や未来への懸け橋、か」
 清史郎は饗の言葉に、青を帯びる赤い瞳を細めてから。天へと、七彩を宿す花弁を解き放つ。
 そして饗も、虹色の花を撒きながら。
「生けるものも、旅立ったものも、少しでも幸せに解き放たれて欲しいっすね」
 ――良い虹っす!
 夜の闇に覆われた空に架かった橋を見上げ、明るく笑みを宿したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

泉宮・瑠碧
虹の花、か
参加したいとは聞いていたが、清史郎は何を込めるというのはあるのか?
言い難かったりがあれば、内容には特に踏み込まない
僕は…丘に向かいながら考えよう

まず思い浮かんだのは葬送だったのだが…
手の白い花を見ていて、ふと
僕は、花を摘んでしまうのはあまり…なのだが
その花びらが、人の心を癒してもいるのだな

それならば、虹の花へ
皆の心を癒してくれて、ありがとう
と祈り

そして、願わくば
君達が咲いたままでも人々が自由を喜べる、
そんな日が解放されますように…

こっそり
風の精霊へ
花弁が緩やかに、長く、舞い踊りますように
とも願おう

彼方の魂達にも、この光景が見えると良いな
君達の命はきちんと悼まれ、後続の力にもなった…と



「参加したいとは聞いていたが、清史郎は何を込めるというのはあるのか?」
 丘へと向かう道中。ふと瑠碧はそう、清史郎に聞いてみると。
「込める思いか。特に考えていないな」
 返ってきたのは、意外な言葉。
 特に言い難く黙っているという様子でもなく、彼の本心のようだ。
 そして清史郎は続ける。
「想いを馳せるというよりも、俺はこの世界の人々が解き放つ色を見たいと。そう思ったんだ」
 だが、折角だから願いも馳せるとしようか、と笑んだ後。
 瑠碧は何かを願うのか? と清史郎に逆に問われて。
「僕は……丘に向かいながら考えようと思っている」
 瑠碧はそう答えると、淡い青の髪をそっと風に揺らした。
 まず思い浮かんだのは、葬送。
 花を摘んでしまうのはあまり気がすすまない瑠碧であるが。
「……その花びらが、人の心を癒してもいるのだな」
 手元の花へと深い青の瞳を落として、そう呟いてから。
 それならば、と。虹の花に祈る。
 ――皆の心を癒してくれて、ありがとう。
 そして願わくば、君達が咲いたままでも人々が自由を喜べる、そんな日が解放されますように……と。
 それからこっそり、風の精霊へと、こんなお願いを。
 花弁が緩やかに、長く、舞い踊りますように――と。
 助けられた命もあれば、助けられなかった命もあった。
 でも、彼方の魂達にも、この光景が見えると良いなと、瑠碧はそう思いながら。
 風の精霊にもう一度、風を呼んでもらって。
 君達の命はきちんと悼まれ、後続の力にもなった……と。
 そう虹色の花弁へと想いを託し、天高く昇っていく七彩の煌めきを見送ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アオイ・フジミヤ
この村にはこんなに素敵な”祈り”があったんだね
葬送だけじゃない、自由のための鐘
この先もどうか途切れることがないように

丘へ向かうとき、少し清史郎さんと話せればいいな
私、ヴァンパイアには何もできなかったんです
でも女の子を救えた
……嬉しかった!

私は、こういうのがいいみたい
”救う”ことができる今が好きだ
戦うのはまだ苦手だけどね

清史郎さんは何か祈るの?
それが、叶うといいね

村の子供達にも何を祈るか聞いてみたい
どんな元気がもらえるかな

”虹の花”……初めて見た、本当に美しいね(目がキラキラ)
こんな素敵な花があるんだ
マリモくん、世界は広いね まだまだ知らない事ばかり

喪った人の悲しみが癒えます様に
ひとかけらでも



 村に鳴り響く鐘は、葬送だけではない――自由のための鐘。
「この村にはこんなに素敵な”祈り”があったんだね」
 澄んだ鐘の音を聞きながら、アオイはその『祈り』に参列するべく教会の前へと赴いて。
 村人や皆と歩きながら、丘へと向かう。
 その途中、見かけた清史郎へと声を掛ける。
「私、ヴァンパイアには何もできなかったんです。でも女の子を救えた……嬉しかった!」
 私は、こういうのがいいみたい、と。
 海のような色を湛える瞳を、キラキラと輝かせて。
「”救う”ことができる今が好きだ。戦うのはまだ苦手だけどね」
「前へ出て斬り込むことだけが、戦いではないからな。アオイの癒しの力は、皆の支えにとてもなったと思う」
 そして清史郎は、アオイへと礼を言う。
 予知の知らせに駆けつけ、戦場へと赴いてくれて……戦ってくれて有難う、と。
 それから二人は、丘の上に辿り着いて。
「清史郎さんは何か祈るの?」
 アオイはそう尋ねてみるけれど。
「俺はこの世界の人々が解き放つ色を見たいと、そう思って参列した。だから何を祈るか、考えていなかった」
 だが折角だしな、と、清史郎はふわりと虹の花弁を舞わせる。
 勇気を出して戦いに赴いてくれたアオイや皆への、感謝の気持ちを込めて。
 そんな闇色の天に煌めく七彩を見上げた後。
「”虹の花”……初めて見た、本当に美しいね」
 アオイも、月の光に彩られた虹の色を瞳の海に映しながら。
「マリモくん、世界は広いね。まだまだ知らない事ばかり」
 肩のマリモへと、視線を向けてから。
 空へと、花弁を解き放つ。
 ひとかけらでも――喪った人の悲しみが癒えます様に、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メノン・メルヴォルド
…やっと終わったのね
始まりを告げる鐘の音が響く
まるで心にも響くような解放の歌
目を閉じ暫く聞き入ってから

ワタシも花が舞う景色を見たいな
虹の花のブーケを手に列へ混ざる

アナタは何を願うの?
ここまで連れてきてくれたグリモア猟兵に
訪ねてみるね
ワタシはね…
──会いたくて探している人がいるの

子供の頃にずっと側に居てくれた
でも、今は居なくなってしまった
会えるといいな
ぽそり呟いて

丘の上からの賑わいに
意識を引き戻され

わあ、素敵!

月の光に煌めく花弁は
あの輝きのひとつひとつが、誰かの願いだったり想いだったりするのね
とても尊い
なんだかね、涙が出そうなのよ…
どうしてかしら

WIZ
ワタシも
花を空へ
願いと、想いと、祈りを込めて



 おもむろに響き渡るのは、始まりを告げる鐘の音。
 ……やっと終わったのね、と。
 メノンはそっと、その瞳を閉じて。
 それはまるで、解放の歌――心の奥にまで響き渡るような響きに、暫し聞き入る。
 そして、花が舞う景色を見たい、と。
 虹の花のブーケを手に、丘へと向かう村人たちの列に参加する。
 その道中で。
「アナタは何を願うの?」
 メノンがそう投げかけたのは、ここまで連れてきてくれたグリモア猟兵の彼。
 清史郎はメノンの問いに、何を願うかはまだ考えていないんだ、とマイペースに言ってから。
「俺は、この世界の人々が天へと放つ色を見てみたいと思った」
 そう、続けた後。何を祈るんだ? と逆に聞き返す。
 そんな問いに、ワタシはね……と、迷う事なく口を開くメノン。
「──会いたくて探している人がいるの」
 子供の頃にずっと側に居てくれた、でも、今は居なくなってしまった人。
 ――会えるといいな。
 そうぽそりと呟かれた言葉に、清史郎は見守るように柔く微笑んだ。
 そして辿り着いた丘の上で。
「わあ、素敵!」
 思わず声をあげるメノン。
 闇に覆われた空に煌めく、幾つもの虹の煌めき。
 月の光を浴び、七色に変化するその花弁は美しくて。
「あの輝きのひとつひとつが、誰かの願いだったり想いだったりするのね」
 そして――とても尊い。
 そんな祈りを乗せた輝きを見上げながら、メノンは虹の彩りがぼやけるのを感じて。
「なんだかね、涙が出そうなのよ……どうしてかしら」
 そっと零れ落ちそうになる雫をひと拭いしてから。
 月の光が降る中、手にした虹色の花を空へと掲げ、解き放ったのだった。
 会いたくて探している人を思い浮かべながら――願いと、想いと、祈りを込めて。

大成功 🔵​🔵​🔵​

氷條・雪那
葬送の為の鐘と花かと思っていたのですが
そのような意味を持つものでしたか
それならば、参加してみましょう

丘に向かいながら、ふと気になって村の女に
この花に花言葉はあるのかと訊いてみる
花言葉が解放や自由だったからこそ
この花が選ばれた可能性もあるかもしれませんね

丘に到着後、天に向かって花を放ちながら
願うのは散った者達の解放と安息
それと、私の一族達にも届くようにと
……特に母上は綺麗なものや花が好きでしたから
これを見れば、きっと喜ぶでしょう

筧殿(f00502)の姿を見掛ければ
情報の感謝と、何を願ったのかと問い掛けて
訊くだけで私は答えないのは公平ではないので
死者の解放と安息を、と回答



 村に響き渡る鐘の音を聞きながら。
(「葬送の為の鐘と花かと思っていたのですが、そのような意味を持つものでしたか」)
 それならば、参加してみましょう、と。
 雪那も丘へと向かう村人たちの列へと、並んで。
「この花に花言葉はあるのか?」
 そう、すぐ隣にいた少女に尋ねてみると。
「本当の花言葉は知らないけれど……私たちは『自由』の花って、呼ぶこともあるわ」
 返ってきた言葉に、少なからず納得する。
 自由の花。それは、月の光を浴びた時だけ、七色に光る。
 人びとの願いや祈りを、その彩に宿したかのように。
 そして雪那が願うのは――散った者達の解放と安息。
 それから、一族達にも届くように、と。
(「……特に母上は綺麗なものや花が好きでしたから。これを見れば、きっと喜ぶでしょう」)
 闇に覆われた空を舞う煌めきを仰いで。
 手にした花弁を天高く、解放する。
 そして見かけた清史郎へと、情報の感謝を告げた後。
「筧殿は何を願ったのか?」
 そう問えば。
「俺はこの世界の人々が解き放つ色を見たいと、そう思って参列した。だから何を祈るかは、考えていなかった」
 だが、折角だから想いを馳せようか、と。
 清史郎も天へと七彩の花弁を放つ――この地に赴いてくれた同士に感謝を込めて、と。
 そして逆に、何を願ったのかと聞かれた雪那は。
 天に舞う七色の花弁を見上げ、こう答えを返す。
 死者の解放と安息を――と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

日隠・オク
KOR参加】
七色に見える花、珍しいですね。
これが虹の花。
不思議な色合いです。

解放と祈りと聞くと少しむずかしく感じますが、変わらない明日を祈ってもいいでしょうか。

ひょっとしてサクラコさんにお祈りして願い事がかなえてもらえる……?

虹の花の舞う様子を目に焼き付けていきたいです。


ニコ・ベルクシュタイン
【KOR参加】
虹の花に祈りを、か。
俺が使う虹色の花は「奇跡」の体現だが、通じるものもあるやも知れないな。
奇跡は祈って待つものではなく己が手で起こすものだと思ってはいるが、
心静かに祈って願う気持ちも理解は出来る。

なればこそ俺も此処の習わしに従って虹色の花に祈ろう、
己の武運と、そして送り出す者としての仲間達の武運を。

同行の皆と丘に向かい、誰も傷付けぬように宙空に向けて
【花冠の幻】を発動させ、虹色の花弁を舞わせる
何時かは此の力を振るわずに済むような、恒久の平和が訪れると良いな
…おや、願い事が増えてしまった
此れは欲張りが過ぎるだろうか?

…鐘の音よ、安らかに。
此の過酷なる世界に、一時の安らぎあれかし。


鏡彌・サクラコ
【KOR参加】
サクラコは願いを叶えるのが役目なので、自身の願いはないでいす
でも、誰かの願いを叶える助けを少しでもできたならうれしいですねい
サクラコにお祈り?願いはなんでも、叶えてあげたいでいす

幸せそうな村人が見えれば
ふふりと微笑みつつ
「虹の花を解き放ちに参りましょうか」
虹の花の花束を受け取り丘に向かいます
様々な思いを乗せて舞う花弁
こんな美しい時間をともに過ごせる仲間たちに感謝しつつ
知らず祈りを捧げます


涼風・穹
【KOR参加】

【願い事】
過去からの解放を
いつか、オブリビオンと、過去と戦い続けなくても未来へ進める…グリモア猟兵も猟兵も必要ないような世界になりますように…

……うん、自分で願ってみておいてなんだけど、初詣とかで世界平和を願うのと同程度には人には言いたくない感じだな
しかもどうすれば願いを現実に出来るのかその手段が全く思いつかないし丸投げな神頼みみたいじゃないか
何を願ったのか誰かに聞かれたりすれば適当に誤魔化しておくとするか…

【行動】
自分の願い事が終わったなら、丘の上の地面に寝転んでのんびりと夜空を眺めています
星々や月が煌めく夜空を背景に、七色を帯びた虹の花の花弁が天を舞うさまは幻想的で綺麗だしな


フラウロス・ハウレス
【KOR参加】
『自由』、『解放』への祈り……か。
ふん。この世界の人間らしいと言うべきか。
良かろう、妾も祈ってやろうではないか。

共に虹の花を受け取り、仲間と共に丘へ向かう。
やれやれ。寡黙な者共だ、妾達が引導を渡してやったのだぞ、はしゃいでも良かろうに。
ま、良い。静かに想いを馳せるのも、それこそ『自由』だからな。

丘に着いたら、共に花弁を放とう。
立ち昇る虹の花はさぞかし綺麗であろうよ。

人間は弱い。自由も解放も祈らねば手に入らぬのだからな。
だが……祈り続けることで手に入ることを教えてやらねば。
絶望に沈んでは生きているとは言えぬのだからな。
その為に妾は戦い続けよう。
全ての吸血鬼どもを根絶やしにするまで!



 ――……リーン、ゴーン……リーン、ゴーン―――。
 丘へと向かう時間を告げる、鐘の音を聞きながら。
 教会の前に集まった人びとを眺め、サクラコはふふりと微笑む。
 小さな子どもはもちろん、少年少女、大人も子供も。
 村の者皆が集まる、教会の前。
 花を手にした村人たちみんなが、とても幸せそうな顔をしていたから。
 サクラコはそれから、自分たちも虹の花の花束を受け取ってから。
「虹の花を解き放ちに参りましょうか」
 同じ旅団の皆と、村人たちに続いて丘の上へと向かった。
 その道中、村の人たちとも雑談を交わしながら。
「『自由』、『解放』への祈り……か。ふん。この世界の人間らしいと言うべきか」
 良かろう、妾も祈ってやろうではないか、と。
 フラウロスも虹の花を受け取って、仲間と共に丘へと歩き出した。
 受け取った時は、何の変哲もないただの白い花だったけれど。
「七色に見える花、珍しいですね」
 これが虹の花、不思議な色合いです……と。
 天から降る月の輝きを纏い、仄かな七色へとその彩りを変えた花を、オクはその緑色の瞳に映して。
 ――虹の花に祈りを、か。
 ニコも仄かな虹の色を宿しはじめた手元の花へと、視線を落としながらも。
(「俺が使う虹色の花は「奇跡」の体現だが、通じるものもあるやも知れないな」)
 己が生み出す虹色の薔薇と月下に照る花束に、どこか似たものを感じつつ。
「奇跡は祈って待つものではなく己が手で起こすものだと思ってはいるが、心静かに祈って願う気持ちも理解は出来る」
 なればこそ俺も此処の習わしに従って虹色の花に祈ろう、と。
 ニコは村人たちに倣い、花弁を舞わせるべく虹の花を、月下に掲げた。
 己の武運と――そして送り出す者としての、仲間達の武運を祈って。
 解放と祈りと聞くと、少し難しく感じてしまうけれど。
 オクは七彩煌めく天を眺め、そして、望む思いを口にする。
「変わらない明日を祈ってもいいでしょうか」
(「いつか、オブリビオンと、過去と戦い続けなくても未来へ進める……グリモア猟兵も猟兵も必要ないような世界になりますように……」)
 そう花弁に思いを馳せるのは、穹。
「……うん、自分で願ってみておいてなんだけど、初詣とかで世界平和を願うのと同程度には人には言いたくない感じだな」
 かといって、どうすれば願いを現実に出来るのか、その手段が全く思いつかないし。まるで丸投げな神頼みみたいじゃないか、と。
 穹は苦笑しつつも、何を願ったかと聞かれれば、適当に誤魔化すのだった。
 そんな、皆がそれぞれ、花弁に祈りと願いを捧げる中。
「サクラコは願いを叶えるのが役目なので、自身の願いはないでいす」
 人の願いを叶える事が使命である銅鏡が、サクラコの宿る器物。
 だがら、自身の願いはないのだけれど。
「でも、誰かの願いを叶える助けを少しでもできたならうれしいですねい」
「ひょっとしてサクラコさんにお祈りして願い事がかなえてもらえる……? 」
 そうオクに視線を向けられ、サクラコは頷く。
 願いはなんでも、叶えてあげたいでいす、と。
 そして様々な想いを乗せた花弁が、宿す虹の色をより鮮やかにする。
 人びとの手から離れ解き放たれる花弁と共に、風に乗るのは……ニコが生み出した、虹色の薔薇の花弁。
 夢に咲く虹の彩りが、現実の闇に照る花弁に寄り添って。
 想いを託し風に乗って、天高く昇っていく。
「何時かは此の力を振るわずに済むような、恒久の平和が訪れると良いな」
 それを見送りながら出た己の言葉に、ニコはふと思う。
 ……おや、願い事が増えてしまった。此れは欲張りが過ぎるだろうか? と。
 そしてサクラコは、月のいろと虹の彩が混ざり照る光景を眺めて。
 こんな美しい時間をともに過ごせる仲間たちに感謝しつつ――知らず祈りを捧げていた。
 そんな静かに祈る仲間たちに。
「やれやれ。寡黙な者共だ、妾達が引導を渡してやったのだぞ、はしゃいでも良かろうに」
 ま、良い。静かに想いを馳せるのも、それこそ『自由』だからな、と。
 フラウロスは、天を舞う花弁の美しさを眺めながら続ける。
「だが……祈り続けることで手に入ることを教えてやらねば。絶望に沈んでは生きているとは言えぬのだからな」
 そして、改めて誓うのだった。
 その為に妾は戦い続けよう――全ての吸血鬼どもを根絶やしにするまで! と。
 オクも花弁を投じ終え、虹の花の舞う様子をその目に焼き付けるように天を見上げて。
 願いを馳せ終わった穹は、丘の上の地面に寝転んで。眼前の虹が煌めく空をのんびりと眺める。
 広がる風景は、星々や月、そして虹の花弁が舞い煌めく夜空。それは幻想的で、とても綺麗で。
 遠くで鳴り始めた鐘の音を聞きつつも、ニコはそっと祈るのだった。
(「……鐘の音よ、安らかに。此の過酷なる世界に、一時の安らぎあれかし」)
 誰にも咎められず自由に天高く舞う七彩の煌めきを、仲間と共に見送りながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月05日


挿絵イラスト